マリオ(78)「ヒアウィゴッ…ゴホッ!」 (104)

キノピオ「マリオさん!マリオさーん!」ドンドン

ガチャ

マリオ(78)「おう…キノピオか…どうしたんじゃ?」

キノピオ「ピーチ姫が、クッパにさらわれました!」

マリオ「うん?」

キノピオ「姫が!クッパに!さらわれました!」

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マリオ「なんじゃと!本当か!?」

キノピオ「ええ!姫がスイーツの食べ放題中、
突然クッパ軍団が現れたそうです!」

マリオ「なんということ…
クッパがまだ活動していたとは!」

キノピオ「それでは」クルッ

マリオ「ちょ、ちょっと待て!」

キノピオ「はい?」

マリオ「それだけか?ワシには何も頼まんのか?」

キノピオ「ええ。マリオさんもお歳ですから、我々で対処します」

マリオ「い、いや!ワシが行く!」

キノピオ「!?いけません!もうそのお身体では、
そんなことは!」

マリオ「うん?」

キノピオ「お身体を!壊し!ますよ!」

マリオ「いんや!ワシはまだまだいける!いけるぞ!」

キノピオ「しかし…」

マリオ「ビヤッブー!!」ピョン

キノピオ「うわ!」

マリオ「どうじゃ!オーッホッホッホ!」

キノピオ「…もう、困った人ですね…」

キノピオ「マリオさん、ピーチ姫を救い出してください!!」

マリオ「いよっ!任しときっ!」パチーン!

キノピオ「ひゃ!」

マリオ「オーッホッホッホ!」

バタン!

マリオ「ルイージ!!」

ルイージ(78)「…なんじゃい?兄さん。今のは…キノピオか?」

マリオ「そうじゃ!ピーチ姫がさらわれた!
ワシは助けにいく!」

ルイージ「ふえ?随分唐突じゃのう…」

マリオ「マリオブラザーズ復活じゃ!ホッホッホ!」

ルイージ「兄さんや、無理はしない方が…」

マリオ「さあ!行くぞルイージ!
久々の仕事で腕が鳴るわい!」

ルイージ「兄さ…」

マリオ「キノコよし!マントよし!」

ルイージ「兄ひゃん!フゴッ!」

マリオ「なんじゃい!入れ歯なんぞ飛ばしおって!」

ルイージ「キノピオは、わひらにほうひゅうを
用意ひへくれるんかえ?」もがもが

マリオ「そういえば、何にも言っとらんかったのお…」

ルイージ「兄ひゃん…ほろほろうひをなおはにゃいほ
くふれひゃうほ」

マリオ「ええい!入れ歯をつけんさい!」

ルイージ「ひう…」カポ

ルイージ「兄さんや…そろそろ家を建て替えんと、
崩れちゃうよ」

マリオ「知っとる!床と壁には穴が空き、庭への扉は開かない。
そしてトイレはボットン式」

マリオ「暖房ねえ。コンロもねえ。
テレビは壊れて音出でえ」

マリオ「チェケラッチョ!」

ルイージ「ふざけとる場合じゃないよ、兄さん…」

マリオ「ぜーんぶ分かっとる!だがしかし金がないんじゃ!」

ルイージ「金になることを探せばいいんじゃよ…兄さんは元有名人だし、
講演とか、何かしらあるでじゃろうに」

マリオ「今となっては、やる気が起きん!ピーチ城からの報酬で、
ずっと食いつないできたからのう」

マリオ「心配せんでええ!今回もクッパの野郎を退治して、
ちゃんと稼いだる!行くぞ!」

ルイージ「悪いけど、遠慮しておくよ…病み上がりなんじゃ…」

マリオ「まあいい、待っとれ。すぐに帰る!」

マリオ「ようし!やったるぞお!」

マリオ「ヒアウィゴッ…ゴホッ!ゴホッ!」

ルイージ「に、兄ひゃん!」ガポッ

マリオ「だ…だいじぶ…じゃ…その机の…上の…飲み薬と…水を!」

ルイージ「ふえい!」

マリオ「」ゴクン

マリオ「スコー…スコー…」

ルイージ「兄ひゃん…」

1時間後

マリオ「薬を持って行かんとな。次は死んじまうかもしれん」

ルイージ「やっぱりやめた方が…」

マリオ「だーいじょうぶじゃ!えっと、高血圧の薬…喘息の薬…
胃穿孔の薬…神経痛の痛み止め…水虫の塗り薬…コルセット…
こんなもんかな」

ルイージ「兄さん…気をつけて…」

マリオ「分かっとる!」

ガチャ!

マリオ「さて、クッパ城へ行くとしよう。しかしあの野郎…
いつ復活したのか…」

マリオ「ぐ!」ゴキ

マリオ「腰が…!ぐぬ…ゆっくり歩かなくては…」

ちょうどその頃

クッパ(81)「フーッ!フーッ!」

ピーチ(89kg)「あらあ!もうバテちまったのかい!情けないねエ!!」

クッパ「ぐぬ…もう少し…体力が残っていると…思ったのだが…」

ピーチ「ほら!まだあたいの城が見えてるじゃないか!」

クッパ「フーッ!それは…困った…!」

ピーチ「そもそも、どうしてあたいが歩かなきゃいけないのさ!
昔みたいに、あたいを担ぐこともできないのかい!」

クッパ「それは…ワガハイの体力の…問題では…ない!体重の…」

ピーチ(89kg)「ああ?なんだってエ?」

クッパ「いえ…ごめんなさい…」

ピーチ「はいはい!さっさと行くわよ!」

クッパ「フーッ!待って…ちょい…休ませてくれい…ゼエ…ゼエ…」

ピーチ「もう!追っ手が来たらどうすんだい!こんな
腑抜けた部下に頼るつもりかい?」

ノコノコ「…」スパスパ

クリボー「…」ピコピコ

クッパ「うむう…」

ハンマーブロス「へへ…姉ちゃん、いいカラダしてんじゃねえか…」

ピーチ「は?」

ハンマーブロス「俺…ぽっちゃり好きなんだよ…へへ…」

ピーチ「アホか!!」ガキイッ

ハンマーブロス「ウバッ」

ピーチ「あたいの歳を知ってのことかい!?あきれたねえ!」

ハンマーブロス「」

ピーチ「あんたの部下にゃあ、こんなろくでなししかいないのかい!」

クッパ「フーッ!城には、古参の部下たちを残しておる!」

ピーチ「バカね!そいつらを連れてくるのが普通でしょ!」

クッパ「むー…」

ピーチ「いつまで休んでんのさ!行くわよ!」

クッパ「も、もう少し…」

ピーチ「あんた、それでも一軍団の頭かい!?
ほんっと情けないわね!!」

クッパ「し、しかし、そなたは元気だな…とても70を過ぎ…ムグッ!」

ピーチ「うるさい!あたいはね!若さを保つために、
あらゆる手を打っているのさ!」

ピーチ「あんなことや、こんなことをね!」

クッパ「例えば、顔中のシワを伸ばし…ムグッ!」

ピーチ「黙らんかい!ちゃんと運動もしてるのさ!
体力には自信があるよっ!」

クッパ「その体重で…」
ピーチ「オラ!!」バキイイイイイッ

クッパ「たは……」

その頃、ヨッシーシティ

受付嬢「市長はお忙しいので…」

マリオ「昔、世話してやったマリオだ、と伝えてくれんか。
必ず会ってくれるはずじゃ」

受付嬢「はあ。少々お待ちを」

受付嬢「41階へどうぞ。お会いしたいとのことです」

マリオ「それ見ろ!ホッホッホ!」

受付嬢 (ちっ…変な人間が来やがった…)

ピンポーン 「41階です」

マリオ「ほっほう…立派な所に住みおって」

コンコン

「どうぞ」

ガチャ

マリオ「ヨッシー!」

ヨッシー「マリオさん!お久しぶりです!お元気そうですねえ」

マリオ「そうとも!ホッホッホ!」

ヨッシー「ま、座ってください」

マリオ「あいよ」

マリオ「しかしまあ、市長とは。中々やるじゃないか」

ヨッシー「ええ。約100匹の小さな集落から始めて、
今や23000匹の町となりました」

マリオ「大変だったろ?」

ヨッシー「ええ…苦労は多かったです。特に選挙権獲得運動は、
16年かけてやっと実を結びました」

マリオ「そうかそうか。ところで、今日は頼みがあるんじゃ」

ヨッシー「何です?」

マリオ「ピーチ姫がさらわれてしもうたんじゃ!」

ヨッシー「ピーチ姫…ああ、キノコ城の!そりゃ大変ですねえ」

マリオ「そうなんじゃ!そこで、お前の力を借りたいんじゃ!」

ヨッシー「…どういうことですか?」

マリオ「タッグ復活じゃ!昔のように、協力してクッパに立ち向かう!
行くぞ!」

ヨッシー「…はい?」

マリオ「覚えていないとは言わせんぞ!あの活躍で、
お前は一躍有名になったじゃないか!」

ヨッシー「あー…」

マリオ「それからワシが、何度も活躍させてやったじゃないか!
今回だって…」

ヨッシー「マリオさん」

マリオ「ん?」

ヨッシー「あなたは、なぜ私がここで市長をやっているか…
分からないのですか?」

マリオ「ワシだって市長になりたいわい!
金が無くて仕方がないんじゃ!」

ヨッシー「あなたは…ひどい人だ!」ガタッ!

マリオ「おうどうした?怖い顔して…」

ヨッシー「私たちの種族は、長い間人間に虐げられてきた…!
重い荷物を延々と運ばされ、時には食肉にされ…!」

ヨッシー「私も、卑賤の出でした。ある農家に買い取られ、
そこで毎日、休み無く働いていました」

ヨッシー「ある日、家族が家の中で、私を処分して、
食料にしよう、と話しているのを聞きました」

ヨッシー「そして何とか逃げ出しさまよっていた時、
クッパに捕まってしまい…あなたと出会ったのです」

マリオ「ワシが助けてやったというワケじゃ!」

ヨッシー「…あなたの下で活躍した後、私の同族は、
さらに酷い扱いを受けるようになりました…」

マリオ「なんじゃと…」

ヨッシー「あなたの活躍が脚光を浴び、私たちはテレビなどで
『使い捨て』される立場になりました」

ヨッシー「私たちは崖から落とされ、傷つけられ、死んでいきました…」

ヨッシー「家畜と食肉の加えて、見世物としての役割が
課せられたのです…!」

マリオ「…」

ヨッシー「私は、『裏切り者』と言われ、同族に非難され…
居場所を失いました。一時は自殺を考えたこともあります」

マリオ「そんな…」

ヨッシー「乱獲によって絶滅危惧種に指定されてから、
私は行動を起こしました。同族を集め、集団で人間から
身を守ることにしたのです」

マリオ「そうじゃったか…」

ヨッシー「どれほど多くの仲間がショーで殺されたか…
あなたは知りもしないでしょうね…。ヨッシーに子守をさせる
家庭もありましたから、中には幼い頃のあなたの遊び相手
になったヨッシーがいたのかもしれないのに!」

マリオ「…」

ヨッシー「申し訳ありませんが、あなたに協力することはできません。
我々ヨッシー族は、やっと安全を手に入れたんです」

ちょい中断しますっ
明日の昼ごろには全部投下するつもりです。

見てくださった方、ありがとうございます。

ヨッシー「お帰りください」

マリオ「…」

ヨッシー「あなたに感謝はしています。ですから、必要な物資があれば何なりと。
ですがそれ以上は…すみません」

マリオ「…わかった。…これから、どうするつもりなんじゃ?」

ヨッシー「国を作りたいと思います。ヨッシー族だけではなく、
様々な民族が仲良く暮らせる国を」

マリオ「国…か」

ヨッシー「でもここには土地も無いし、キノコ国から独立してやっていく技術も無い…。
夢のまた夢ですね」

マリオ「そうか…。では、邪魔者は去るとしよう」

ヨッシー「…さっきはあんなことを言ってしまいましたが、私だって、
人間族と和解したいのです…。ただ現在の状況では不可能なのです…」

マリオ「…」

ガチャ…

バタン

その頃、 クッパ城前

記者「クッパさん、クッパさん!」

クッパ「フーッ!おう、もうマスコミが来とるのか。けっこうけっこう!」

記者「『キノスポ』の者です。クッパさん、突然の活動再開ですが、
どのような目的でのことでしょうか」

クッパ「フン、最近はキノコ国も平和になり、実につまらん!
ワガハイは、そんなぬるま湯に浸かって満足している奴らの目を覚まさせるのだ!」

記者「はあはあ、では、ピーチ姫をお引き取りになったのは…」

クッパ「引き取り?誘拐に決まっておろうが!身代金は、ちゃんと
城に請求させていただく!領収書も書くぞ!ガハハ!」

記者「…?」

クッパ「ん?なんだ?」

記者「逆でしょう?あなたがキノコ城から金を受け取って、
姫を連れ出すのが道理だと思うのですが…」

クッパ「どういうことだ?」

ピーチ「ギヤーーッ!!」ドスン!

クッパ「姫!?どうしたのだ!?」

ピーチ「頭がっ!!頭が痛いいいい!!」バタバタ

クッパ「ぬ!お前ら!姫を寝室に運べっ!!」

ノコノコ「はい!…重っ!!」

クッパ「悪いが、取材はここまでにしてくれい!」

記者「は、はあ」

クッパ城内 寝室

ピーチ「まったく、あんたは本物のバカね!!」ガバッ

クッパ「あれ?頭は…?」

ピーチ「嘘に決まってるでしょーが!!新聞記者なんか相手にしちゃダメよ!」

クッパ「そういえばキノスポって何だ?」

ピーチ「3流新聞よ。くだらないゴシップとオカルトを載せているわ。
バカが読むパッパラパーな新聞よ

クッパ「そうなのか…。それより、奴は気になることを言っていたな」

ピーチ「あたいは、あなたが知らなかったことが驚きよ」

クッパ「知らなかったって?」

ピーチ「キノコ城のことよ。随分昔から、城内で勢力争いが繰り広げられてるの。
あたいの父上様が中心のグループと、父上様の弟、つまりあたいの叔父様が中心のグループとで」

クッパ「ほう」

ピーチ「おじい様が亡くなられた後、長男だった父上様が王位を継承なさったわ。
でも叔父様はそれが不満で…父上様より武芸にも、学問にも秀でていらっしゃったから…」

ピーチ「お二人の仲は最悪だったわ。でも叔父様は、
そういった感情を表にはお出しにならなかった」

ピーチ「でもその息子は違ったわ。彼は恐ろしい計画を実行したの」

クッパ「恐ろしい…計画だと?」

ピーチ「ええ。あたいの父上様を毒殺したの」

クッパ「なんと…」

ピーチ「そして、様々な罪を父上様にかぶせ、犯罪者として消し去ってしまったの」

クッパ「そんなことが…」

ピーチ「あたいが住んでいたピーチ城は潰され、キノコ城に軟禁されたの。
でも父上様に忠実だった部下たちが何とか助け出してくれたわ」

ピーチ「結局、城の中で暮らすことが許されたわ。最初は他の貴族に
辱めを受けたりしたけど、ひたすら体を鍛えたら寄ってこなくなったわ」

クッパ「では、今の国王は…」

ピーチ「叔父様の息子よ」

クッパ「…そんなことになっていたとは」

ピーチ「だから、あたいが誘拐されて、キノコ城ではお祝いの宴が開かれるでしょうね」

クッパ「そうか…ワガハイはむしろ、奴らの『英雄』になっちまったのか」

ピーチ「そうよ」

クッパ「では、そなたが言っていた『追っ手』というのは?」

ピーチ「父上様を支持する人々よ。数は多くないけど。父上様を崇める宗教を立ち上げて、
国王を批判しているの。その宗教の拠り所が、娘であるあたいってワケ」

ピーチ「彼らは長い間厳しい弾圧を受けているわ。あたいが消えれば、
宗教も消えるはず。その方が、彼らは幸せになれるのよ」

クッパ「…ワガハイは世間に疎かったようだ…。困ったことになったな…」

その頃、ダイヤモンドシティ

ワリオ(79)「いやあ、俺様もいそがしくてよお。今日はテレビの取材が2件、
トマト国での開港式典が入ってるんだ」

マリオ「そうじゃろうな…。冒険家にゲーム会社社長、そしてタレント…。
次は何かと思ったら、航空会社社長じゃからのう…」

ワリオ「まだまだやれるぜえ。そろそろ飽きてきたよ。飛行機は」

マリオ「その若さが羨ましいわい…」

ワリオ「秘訣は『ニンニク』だ!ワッハッハ!」


ワリオ「…とにかく、力にはなれねえ。他に誰か当たってみたらどうだ?」

マリオ「ほとんどの旧友は訪ねたよ。皆、充実した余生を送っておる…」

ワリオ「うーん…」

マリオ「すまぬ、邪魔したな」

ワリオ「また是非来てくれよ。積もる話もあるしな」

マリオ「そうじゃな」

ガチャン

マリオ「誰も協力してくれんか…ワシ1人で行くしかないようじゃな…」

そして…

マリオ「ようし!ステージ開始じゃ!クッパはどんな罠を仕掛けておるか…
楽しみじゃ!」

1ー1

マリオ「おお!クリボーじゃ!懐かしいのお…ん?」

マリオ「ワシは…奴の頭上を越せるほど、跳べるじゃろうか?」

ピョン

マリオ「いかん!これでは激突してしまう!」

クリボー「…」

マリオ「ほっ!ハシゴがある!」カンカン

マリオ「何とか切り抜けた…お!ハテナブロックじゃ!
ようし、これなら届く!」

ピョン

マリオ「ぐぬ」ゴキッ

マリオ「…」

マリオ「あれ?何も出んぞ…。クッパめ!中身を入れ忘れおったな!」

マリオ「仕方ない…。持ってきたキノコを食べるとしよう」バリッ

マリオ「フッフー!」モリリンモリリン

マリオ「あまり大きくなった気がしないが、力が湧いてくる!」

マリオ「ビャッブー!ヒアウィゴ!」

そして…

マリオ「旗に辿り着いたぞ!飛びつくのは…無理か。手動で降ろそう…」

ガラガラガラガラ

てててててててーんてーん
てててててててーんてーん
てててててててーんててててーん

マリオ「やったぜ」

1ー2

マリオ「あ、あれえ?仕掛けがほとんど無いぞ?ブロックしか見当たらん!」

そして…

マリオ「…もうゴールじゃ。クリボーもノコノコもおらんかった。
どうなっとるんじゃ?」

てててててててーんて…

マリオ「…スピーカーも壊れておる。まったく、雑じゃのお…」

1ー3

マリオ「こ、これは!何も無い!!」

マリオ「掘りかけの穴しか無いじゃと!奴ら、時間が足りんかったのか?
昔は短時間で凄いステージを作っておったのに…」

マリオ「ゴールも無いか…後はクッパ城まで、歩き続けろというのか…」

マリオ「…寂しいのお」テクテク

その頃、クッパ城内

クッパ「…」

クッパ「誰も来ないだとっ!次の新聞社も、テレビカメラも来ない!」

ピーチ「話題にすらなってないのよ。こんなショボくれた誘拐劇なんてねえ」

クッパ「昔は…あんなにワイドショーを賑わせたというのに!」

ピーチ「何年前だと思ってんのよ…」

クッパ「ぐぬう…」

ピーチ「…あんた、今更復活する意味あんの?自慢の息子はどうしたのよ」

クッパ「…どこか他の国で家庭を持っているんだろう。
連絡も寄越してこない…」

ピーチ「じゃあ尚更、何のために?このオンボロ城を立て直すつもりかい?」

クッパ「…城から少し離れたところに、ノコノコとクリボーが
暮らす町があるのだ」

ピーチ「ああ。そういや、何か見えたねえ」

クッパ「ワガハイの軍団が全盛期のころ、人員を補充するために
隣国から移住させたのだ」

クッパ「当時の稼ぎで町は潤っておったが、今では貧しくなる一方だ。
そして軍団の蓄えも尽きかけておる」

ピーチ「皆、飢え死にだねえ」

クッパ「当然だがそうさせるわけにはいかぬ。だから、今回の計画に賭けたのだ」

ピーチ「で、賭けは失敗ね」

クッパ「ぐううう…」

ダダダダ!

カメック「クッパ様!ま、ま、マリオが来ました!」

ピーチ「え?」

クッパ「な…マリオだとっ!確かか!?」

カメック「はい!今、ロビーへ向かっているところです!」

クッパ「すぐ行く!!」

マリオ「はっ…はっ…」ふらふら

ピーチ「あら本当。マリオね」

クッパ「生きておったか…。しかし老けたなあ」

マリオ「」バターン!

ピーチ「あら、倒れちゃった」

クッパ「あら。じゃない!とりあえず運ぶぞ!」

そして…

マリオ「…まんま…みいあ…」ぶつぶつ

マリオ「はっ!」

クッパ「おお、起きたか」

マリオ「クッパ!!」

クッパ「久しぶりじゃないか。急に訪ねて来て…どうしたんだ?」

マリオ「どうしたって…あれ?何で来たんじゃったかの?」

マリオ「…」

マリオ「そうじゃ!ピーチ姫を取り戻しに来たんじゃ!!」ガバッ

ピーチ「あたいかい?」

マリオ「え、誰!?」

ピーチ「失礼ね!ピーチよ!あんたがお探しのね!」

マリオ「な、なんということ…」ゾゾゾーッ

ピーチ「何よ!その顔は!」

クッパ「姫を取り戻しに来たって?だが、姫は帰りたがらないだろうよ」

マリオ「なんじゃと?」

クッパ「実はな…かくかくしかじか」

マリオ「いつの間にそんなことがっ!知らんかった!」

ピーチ「テレビで観なかったかい?」

マリオ「ワシは『なんでも鑑定マン』しか観ないんじゃ!」


クッパ「だから、残念だったな」

マリオ「…いや」

クッパ「ん?」

マリオ「ここに来るまでに色々な友人と会って、分かったんじゃ」

マリオ「ワシは、キノコ国ではもはや必要とされてない、とな」

マリオ「今は皆、平穏を求めておる。誰も冒険などやりたがらないのじゃ」

マリオ「そしてもうひとつ、今気付いたのじゃが、キノコ国はワシらが住んでいる
土地を欲しがっておった。今思えば、キノピオは上手くワシを追い出したわけじゃ」

マリオ「今頃、ルイージも追い出され、家が壊されているのかもしれぬ。ワシらは
ずっと、立ち退きに反対していたからな」

クッパ「では…どうするつもりなのだ?」

マリオ「分からん…今帰っても、ろくなことにはならないじゃろう」

クッパ「世知辛い世の中になったな…。実は、ワガハイもな…」

マリオ「なるほど、そういうことじゃったか。ワシらは皆、
ある意味犠牲者ということじゃ…」

ピーチ「そうね。でも、あたいらで協力してどうにかなる問題じゃないよ」

マリオ「うむ…」

マリオ「…そうじゃ!」

クッパ「なに?」

マリオ「ヨッシーじゃ!奴なら助けてくれるかもしれん!」

クッパ「ヨッシーだと?あのスーパードラゴンが?」

マリオ「そうじゃ!行くぞ!」

ピーチ「ちょ…ええ?」

そして、ヨッシーシティ

ヨッシー「すばらしい案ですが…。彼らを説得するのは
容易ではないと思います」

クッパ「ワガハイもそう思うぞ」

マリオ「いや。現在、それぞれが深刻な問題を抱えておる。きっと
理解して、協力してくれるはずじゃ」

ピーチ「でも…どう演説すればいいのやら」

マリオ「心配はいらん!」ガサゴソ

ヨッシー「それは?」

マリオ「ワシが今まで蓄えてきたスターじゃ。金が尽きたら売ろう
と思っておったが、今こそ使う時!これさえあれば、勢いで何とかなる!」

よっし「…大丈夫ですか?勢いで…」

マリオ「無論、大丈夫じゃ!さあ、やるぞ!」

ピーチ「まあ…どうせこうなっちまったらねえ」

クッパ「やるしかなかろうな…」

ヨッシー「いいですよ。こうなったら、最後までお付き合いしますよ」

マリオ「ようし!作戦開始じゃ!」

翌日…

ヨッシー「そろそろか…」

ヨッシー「よし、準備はいいぞ!予定通り、ヨッシータウンの
全放送局に繋いでくれ」

秘書「はい」

ヨッシー(スターを使うのは初めてだが…大丈夫かな?)

キラーン

ヨッシー「おっほお!なんだこれ!すんげえいい気分!」

てってってってれってってれって

ヨッシー「いけるぜえ!ドンと来いやあ!」

秘書「放送10秒前……5、4、3」

ヨッシー「…」

ヨッシー「皆さんこんにちは。昨日お伝えした通り、私から
どうしてもお話ししたいことがあって、このような形をとって
おります」

ヨッシー「よく聞いてください。今、私たちはついに、国として
独立できる状況になろうとしているのです」

ヨッシー「それは、私たちヨッシー族と、他の民族との共存の道が
見えてきたからです」

ヨッシー「まず…『ノコノコ族』や『クリボー族』など、現在クッパ
軍団が所有する土地の民族たちです」

クッパ「知っての通り、我々は広大な土地を耕すことができず
飢えておる!」

クッパ「我々が生き残るには、彼らに土地を与え、
共に働く他にない!」

クッパ「生活の安定への道は険しいであろうが…そなたたちにはできる!
今まで何度攻撃を受けても、その度立ち直ってきたではないか!」

ヨッシー「おそらく現在、彼がクッパ城で演説をしていることでしょう」

ヨッシー「そして最も重要なことですが…人間です」

ヨッシー「我々はピーチ城へ取材班を派遣しています。
その中継映像をご覧ください」

ピーチ「…今まで私と、亡き父上様に尽くしてくださり、本当に感謝しています」

ピーチ「今度は私が皆さんに尽くす番です。この新しい国家が
皆さんの自由を、必ず実現させるでしょう!」

ピーチ「私たちが誠意を持って彼らと付き合えば、きっと
受け入れてくれると信じています!」

ヨッシー「…彼女は、長年弾圧されてきた反国王派の代表として、
演説を行っています」

ヨッシー「…お分かりいただけたと思いますが、彼らは手詰まり状態です。
そして我々は、キノコ国からの圧力で、食料不足と電力にあえいでいます」

ヨッシー「そしてクッパ城周辺には広大な土地があり、
キノコ城の人々は発達した技術力を持っています」

ヨッシー「どうして共に暮らせないと言えるでしょうか?このまま
キノコ国で煙たがれながら暮らすのか、彼らとともに新たな国を作るのか…」

ヨッシー「確かに、簡単な道ではないでしょう。
しかし、自由が手に入るのです!」

ヨッシー「よくお考えください。5日後に是非を問う住民投票を行います。
それでは」

投票の結果、案件は可決された。
ヨッシーシティの23000人、ピーチ国住人が17000人、そして
クッパ軍団管轄区から3000匹が集まり、国家樹立を宣言した。

当然だがキノコ国はこれを認めなかったが、キノコ国の王政を非難している
各国からは次々と支援がきている。

建国が叶えばヨッシーは大統領になるだろう。
そしてマリオは再び英雄となるだろう。


現在は、国名を募集中である

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