ゲンドウ「久しぶりだな、シンジ」 シンジ「父さん!」俺「おっさん!」 (48)

ゲンドウ「」フッ

ゲンドウ「出撃……」


ミサト「え!?」
シンジ「え!?」
俺「え!?」


ミサト「そんな! 無茶です! レイでさえエヴァとシンクロするのに六ヶ月もかかったんですよ!」

リツコ「ミサト、他に道はないのよ」

ミサト「でも……」

俺「いや、俺はこんなん乗れねーよ!! 無理だって!!」


リツコ「」クルッ

リツコ「碇シンジ君」

シンジ「…………」

リツコ「あなたが乗るのよ」

シンジ「え!?」

俺「え!?」

シンジ「無理だよ、そんなの……! 見た事も聞いた事もないのに、出来っこないよ!!」

俺「そ、そうだ、そうだ! シンジには無理だぜ!!」


ゲンドウ「乗るなら早くしろ。でなければ、帰れ!」

シンジ「!?」
俺「!?」

シンジ「…………」

俺「そりゃねーよ、おっさん!! 俺、やっとここまで来たんだぜ!?」


ミサト「…………」

リツコ「…………」

ドウンッ!!

グラグラッ……!!


ゲンドウ「やつめ……。ここに気づいたか」

リツコ「もう時間がないわ」

ミサト「乗りなさい」


俺「くそおっ!! ちくしょお!!」

シンジ「…………」

シンジ「嫌だよ……。折角来たのに……。こんなのってないよ!」

俺「わかったよ! 俺が乗るよ! それで文句はねえだろ、クソヤロウ!!」


ミサト「……シンジ君、何のためにここに来たの? ダメよ、逃げちゃ。お父さんから。なにより自分から」

シンジ「わかってるよ! でも、出来るわけないよ!」

俺「わかってる! 代わりに俺が乗る! シンジ、任せておけ!」キリッ

俺「おい、おっさん! 俺がコイツの代わりに乗る! それでいいだろ!!」


ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「冬月」

『何だ?』

ゲンドウ「予備が使えなくなった。レイを起こしてくれ」

俺「レイって誰だよ。人の話、聞けよ、おっさん」


ゲンドウ「レイ。予備が使えなくなった。もう一度だ」

『……はい』

俺「よっしゃ、やってやるぜ!」キリッ



シンジ(やっぱり僕は……いらない人間なんだ……)

カラカラ……


レイ「っ……」ムクッ……

レイ「っ!!」ハァハァ


シンジ「…………」


俺「おい、ひでー傷だな! 大丈夫か、お前!」タタタッ


レイ「っ……!!」ハァハァ

俺「おいっ! しっかりしろ! 起き上がんな、寝てろよ! ムチャすんな、バカヤロウっ!!」


シンジ「…………」

ドウンッ!!

ドガシャッ!!


グラグラッ!!


レイ「きゃああっ!!」ドサッ!!

俺「うおああああっ!!!」グラッ、ゴロゴロ、ドンガラガッシャーン!!


シンジ「!?」

シンジ「大丈夫ですか!?」タタタッ

レイ「っ!」ハァハァ

シンジ「大丈夫!?」ダキッ


レイ「っっ!!」ハァハァ

シンジ「」ハッ!!

シンジ「血が……」



俺「い゛っ゛て゛え゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」ゴロゴロ



シンジ(逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……!!)

シンジ「やります! 僕が乗ります!」


俺「え!?」

【発令所】


マヤ「進路クリア、オールグリーン!」

リツコ「発進準備、完了」

ミサト「了解」

俺「おう!」


ミサト「」クルッ

ミサト「司令、構いませんね?」

俺「大丈夫か、おっさん!?」

ゲンドウ「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り、我々に未来はない」


ミサト「では、エヴァンゲリオン初号機!」

俺「発進!!」


バシュッ!!!

ミサト「最終安全装置解除!」

ミサト「エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!!」


ガチャン


リツコ「シンジ君、今は歩く事だけを考えて!」

『歩く……』


ガション!



\ おおー……! /



俺「歩いた! スゲー!!」キラキラ

グラッ……


俺「と思ったら、いきなり転んだぞ!?」

俺「おい、大丈夫か、シンジ!! 早く起き上がらないとヤベーぞ!!」アセアセ

ミサト「シンジ君、しっかりして!!」


ガシッ


俺「言わんこっちゃねえ! シンジの腕掴まれたあああああっ!! ヤベエェェェェェ!!!! どうすんだよおおおおおおおっ!!!」

『あ、あ、ああ……!』


ミサト「落ち着いて、シンジ君、俺君! 掴まれたのはあなたの腕ではないのよ!!」

バキッ!!

『うわあああっ!!』


マヤ「左腕損傷!!」

日向「回路断線!!」

青葉「頭部の装甲に亀裂が発生!!」


ドシュッ!! ドシュッ!! ドシュッ!!

ズガシャッ!!


俺「頭がああああっ!!!!!」ヒイィィ!!


ブシューッ!!


俺「血だらけえええええええええっっっ!!!!」ウギャァァァァッッ!!


ミサト「うるさい!! 非常事態なのよっ!! 黙ってなさい!!」

日向「頭部破損! 損害不明!」

マヤ「シンクログラフ反転! 回路が次々と遮断されていきます!」

青葉「初号機、完全に沈黙!!」


ミサト「ここまでね……!」

俺「すぐに初号機戻せえよおおおっ!! 早く早く早く!!」アセアセ


マヤ「駄目です! 完全に制御不能です!」


俺「おおういいいい!! 何とかしろよ、バカヤロウ!! ふざけんなあああああああっ!!!! シンジのピンチなんだぞ!!!」ダダダッ

俺「」ガチャガチャ!!

青葉「勝手にコントロールパネル触んな! バカ野郎!!」ドンッ!!

俺「うおっふっ!!」グラッ、ゴロゴロ

キラン……!!


日向「!?」

日向「エヴァ! 再起動!!」

マヤ「まさか! 動けるはずありません!!」


俺「!?」

俺「は、ははっ……! やったぜ!! やったぜ、俺ぇぇ!!!」ウルウル


ミサト「まさか……!」

リツコ「いえ、そんな! 有り得ないわ!?」

『ウオオォォォッッ!!』


ビョイーン、ドガシッ!!


冬月「勝ったな……」

俺「ああ」

ゲンドウ「…………」ニヤリ

【病院】


シンジ「」ハッ!!


俺「おお! 気づいたか、シンジ!! 良かったな!!」


シンジ「」ムクッ……


俺「いや、マジでどうなるかと思ったけど、お前やるよなあ。あの化物は死んだぜ。お前が倒したんだぞ」ニコッ

シンジ「…………」

俺「いや、あん時のシンジはマジでスゴかったぜ。使徒をボッコボッコだもんな。あまりの迫力に、あん時は俺も勝利を確信したぜえ」ハッハッハ


シンジ(知らない人だ……)




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