魔王「はぁ・・・。また女勇者がきたのか・・・」 (444)

側近「今月8回目でございますね。」

魔王「いくら和平が済んだからといって仮にも魔王の城に友達感覚で来るか?」

側近「魔王様にも問題があるかと、、、」

魔王「・・・? なんだそれは?」

側近「はて。おや?参られたようですね。」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411715345

女勇者「魔王ーーー!!いるかーーー!!」バッターーン!

魔王「魔王城に魔王がおらんわけなかろう。それにもう少し静かに入ってくれんか。」

女勇者「おお魔王!私はお前に会いたくてわざわざ来たというのにそのテンションの低さは何だ!」

魔王「知らぬ、それに移動呪文で来といて苦労もなかろう。」

女勇者「むぅ、、、まあいつも通りだな!安心したぞ!」

魔王「しかしまあ一応客だ。側近、茶と菓子を。」

側近「かしこまりました。」

女勇者「悪いなー。いつもいつも。」

側近「いえ。それに新しい菓子も仕込んでおりますので」

魔王「で?今回は何用だ。」

側近「生地にチョコレートを練り込みさらに魔界で採れたラックの実を・・・」

女勇者「~~~~~☆」

魔王「聞けコラ」

大広間

女勇者「ふぃ~~。ごちそうさま!」

魔王「満足したか?」

女勇者「うん!やっぱりここの茶とお菓子は最高だ!ありがとう!」

魔王「礼なら側近に言ってくれ。お前が来る度にもてなし方に頭を悩ませている。」

女勇者「そうか。ありがとう側近!」

側近「勿体無きお言葉。それに魔王様、心遣い恐れ入ります。」

魔王「よい。片付けて下がれ。」

側近「はっ」スッ

魔王「それで、女勇者よ。」

女勇者「ん?」

魔王「今回は何用だ?」

女勇者「用が無いと来ちゃいけないか?」

魔王「余も暇ではない。和平が済んだとはいえ問題は山積みだ。」

女勇者「私も似たようなもんだよ。国の英雄とは名ばかりでやってることは雑用と変わらない。」

魔王「その割にはここにはよく来るではないか。」

女勇者「うん、、、まあ、、、」

魔王「勇者よ、約束を忘れたわけではあるまい?役割を全うしろ。」

女勇者「わかってるよ。約束は守る、絶対。」

魔王「ならばよい。信用はしている。」

女勇者「”は”ってなんだよ、”は”って。」

魔王「さあな。」

女勇者「私もただで来てる訳じゃないんだ。さっきの問題の一つだった家畜を襲うドロキア沼のオークだけど。」

魔王「まさか討伐したわけではあるまいな?」

女勇者「しないよ!ただ私のお尻触ってきたやつには雷落としてやったけど。」

魔王「文字通りだな。」

女勇者「殺してはいないから。」

魔王「”は”ってなんだ”は”って。」

女勇者「オホン。それでびびった奴らに家畜襲う理由を聞いたら、あの地区半年前の雨続きで作物が不作なんだってさ。」

魔王「あそこは湿地だ。今に始まった事ではあるまい?」

女勇者「ところが最近重大な事が起こってオークの数が増えた。」

魔王「、、、、和平か。」

女勇者「そう。皮肉なもんだね。」

魔王「しかし、間引くわけにもいかん。どうしたものか。」


女勇者「そこでだ。魔王、北の荒野って空いてるか?」

魔王「北の?別に重要な所ではないが。あそこは本当に何もないぞ?作物を作ろうにも雨も降らん。」

女勇者「しかし荒野の更に北には火山がある。そして南にはこの城だ。」ニヤリ

魔王「お前、何を考えている。」

女勇者「魔王。少し私の願いを聞いてくれないか?」ニヤニヤ

1ヶ月後 荒野

オーク「オラー!きびきび働けー!」

若いオーク「ウーーッス!」

オーク「オラっ!テメエもだ。姉さんに手ぇ出したんだ!怪我なんか言い訳に出来ねえぞ!」

火傷したオーク「ヘーーーイ」

オーク「なんとか工期は、、あっ姉さん!!魔王様も!?」

女勇者「なんだよ姉さんって。」

魔王「捗っているようだな。」

オーク「へぇ。姉さんの提案には最初戸惑ったけど働きだしたら皆やりがい感じ出しまして。」

魔王「まさか本当にやるとはな。」

女勇者「にひひ。」


1ヶ月前 魔王城 大広間

魔王「正気か?」

女勇者「もちろん!」

魔王「しかし温泉を主とする観光施設とは。」

女勇者「前冒険してた時に自然に沸いてるところがあったからね。それに人間は温泉が大好きだ。」

魔王「しかしそれで食糧危機は解決しないであろう?」

女勇者「確かにすぐには無理だと思う。でもやらなきゃいけないのは行動だ。」

魔王「行動、、。」


女勇者「要は希望が見えなくて怖いんだよ。自分たちの数は増える、でも食料は今までのまま、その結果は」

魔王「略奪と争い。これは戦争の火種だ。」

女勇者「うん。それだけは絶対避けなきゃ。その為の行動だよ。」

魔王「どうするのだ?」

女勇者「今まで住んでいた沼地帯は元々作物には向いていない。でもあそこにはあそこにしかない人間界では貴重な薬草がたんまりある。」

女勇者「沼地はその薬草の栽培地にする。その薬草で人間界と貿易をするんだ。もちろん観光資源としても使う。」

女勇者「薬草風呂に薬草料理、医療施設や介護施設も出来るだろうね。」

魔王「夢物語だな。」

女勇者「今はね。だけど、」

魔王「余とお前なら出来ないことはない。だな」

女勇者「、、、魔王。」

魔王「いいだろう。その話に乗ってやる。もちろんその間の食糧支援もしよう。」

女勇者「魔王!」バッ

魔王「おいっ!抱きつくな!」

女勇者「正直不安だったんだ。でもオーク達には任せろって啖呵きっちゃったし、魔王が無理って言ったらどうしようとか。」ウルウル

魔王「ふん。あまり余を見くびらないことだな。」

女勇者「え?」

魔王「言ったはずだ。『信用はしている』」

女勇者「まぉうーーっ!うえぇぇぇん!」

魔王「おいっ!泣くな!」

女勇者「うぇぇ、”は”ってなんだよぅー!ずびーーっ!」

魔王「余のマントで鼻を拭くなぁあああああ!」

1ヶ月後 荒野 施設建設現場


オーク「あの提案が無かったら今頃俺達は山賊でもやるしか無くなって討伐されてたんだわ。だから姉さんは俺達の命の恩人なんでさ。」

女勇者「そんな大げさな、でもそう言ってくれると嬉しいよ。ありがとう!」

オーク「姉さん!顔を上げてくだせぇ!野郎ども!姉さんにお礼を言いなぁ!」

若いオーク達「ウィーーーース!アザスアザスアザス」

魔王「・・・」

側近「いかがなされました?」

魔王「いや、、」

側近「、、、女勇者様とオークの方々、良い笑顔ですね。」

魔王「そうだな。」

側近「この光景が世界中で見られると良いですね。」

魔王「必ず創ってみせる。どれだけ時間が掛かろうと。お前の協力も必要だ。」

側近「この身朽ち果てるまで魔王様にお仕え致します。」

魔王「頼りにしている。」

ドカーーーン!!

魔王「なんだ!何が起こった!!」

オーク「魔王様!大変でさぁ!またどさくさに紛れて姉さんの尻触った奴がいたみたいで。」

側近「、、前言撤回なさいますか?」

魔王「・・・」

1週間後 魔王城 謁見の間


側近「魔王様。」

魔王「側近か。何だ?」

側近「女勇sy」
女勇者「まおーーーーーーー!!」バッターン

魔王「、、、今日は菓子抜きにしてやれ。」

側近「承知致しました。」

女勇者「!」

魔王「今日は何だ?」

女勇者「、、、ぉかし、、、。」

側近(ご安心を。ちゃんと用意してございますよ)ボソッ

女勇者「☆!」パァ

魔王「何なんだお前は。」

魔王城 庭園


女勇者「ん~~☆」

魔王「美味いか?」

女勇者「うん。スッゴク。ありがとう!側近さんもね。」

側近「恐れ入ります。」

魔王「さて、本題は何だ?」

女勇者「うん。今回は人間界の事だけど。」

魔王「人間界は余の力が及ばぬ事も多いが、聞こう。」

女勇者「ありがとう。魔王は人間界が3つの王国から成っているのは知ってるよね?」

魔王「ああ。それぞれが特徴を持つ栄国だと聞いている。」

側近「豊かな四季と作物に恵まれ、武力こそ他国に劣るものの、堅牢な防壁と慈しみの教育で他国と心で繋がるペルノウス。」

側近「海に面し、海洋技術と海洋資源で三国の貿易を管理するシェルキア」

側近「厳しい山脈に位置しながらも、坑道を掘り、良質な鉱石資源で強力な武器と軍隊を持つバルガード。」

側近「いずれも民を思いやり、優秀な政治力を持った王族が統治しております。」

魔王「うむ。だからこそ不可能と思われた和平が実現したのだ。」

女勇者「正直ここまですんなりいくとは思わなかったよね。どの王様と女王も二つ返事でOKだったもの。」

魔王「皆望むものは一つだったということだ。それがどうした?」

女勇者「うん。それがいきなり戦争が終わっちゃったでしょ。そしたら各地の腕利きがそこら中で喧嘩しだしたの」

魔王「目的を失った兵士か。存在意義が無くなったのだ、無理も無かろうな。」

女勇者「小競り合いで済んでる内はいいんだけど、その内死人でも出たら、、、。」

魔王「次は喧嘩じゃ済まなくなる、、か。」

女勇者「私は女だからそういう強さを競いたいってのはよくわかんないんだ。だからどうしたらいいかなっt、なによ?」

魔王「お前、本気で言ってるのか?」

側近「以前、魔界トーナメントで優勝されたときは鬼神の強さで笑いながら相手を薙ぎ払われております。」

側近「その様子から一部では笑顔の殺戮姫と恐れられているとか。」

女勇者「・・・」

魔王「だそうだ。」

女勇者「昔の事よ・・・」遠い目

一旦離れます。

夜にまた再開しますのでしばしお待ちを!!

魔王「それで俺にどうしろというのだ。腕っ節の連中は説いたところで収まらんだろう?」

側近「そのような輩はもっぱら己の強さを認めて欲しい自己顕示欲が強い方々が多いと思われます。」

魔王「あるいは只の戦闘狂か。」

女勇者「私も頭痛いんだよね。私が倒しちゃったら同じ穴の狢だし。」

側近「倒すという前提が素晴らしゅうございます。」

魔王「仮にも人間界最強だからな。負けてもらっても困るが。」

女勇者「私の事はいいの!で?どうするの?」

魔王「いや、だからこれは人間界の問題だから余には・・」

女勇者「そんな事わかってるよ!でも世界の危機なんだからちゃんと考えてよ!」

魔王「何怒ってるんだお前。」

側近「魔王様、恐れながらここは一緒に考えてあげた方が宜しいかと。」

魔王「側近。お前もか!」

側近「せっかく整えた庭園が雷で焼け焦げては庭職人が職務放棄致します。」

魔王「え?ここ魔王城だぞ?そんな頑固職人いるの?」

女勇者「なにごちゃごちゃ言ってんの!早く考えてよ!」

側近「魔王様・・・」

魔王「ああくそ!余も忙しいというに!ならば魔界の闘技場を使うがいい!」

魔王「そこで魔物も含めた試合を開けば輩達も少しは大人しくなろう!」

女勇者「なるほど、戦いでの傷なら魔法で癒えるし試合なら死ぬ前に止めることが出来る。ありがとう魔王!」ダッ

魔王「おいっ!まだ段取りが・・・」

側近「行ってしまいましたね」

魔王「くそっ!本当に勇者なんだろうなあいつは!」

側近「三国から選抜された候補の中でもずば抜けた能力をお持ちの方です。間違いないかと。」

魔王「冷静な解説はいらん!それにそんな事は余が一番知っている!」

側近「い ち ば ん ?」ニヤニヤ

魔王「控えろ。」

側近「失礼致しました。」ニヤニヤ

魔王「まったく・・・。側近、闘技場の手配と魔界の腕利きに伝達を。」

側近「承知致しました。」

魔王「これも試練か。」

1ヶ月後 魔界闘技場 ロビー

側近「なかなか、というかかなりの盛況ですね。」

魔王「そうだな。ところで側近よ。」

側近「如何なされました?」

魔王「その手に持っている物と頭に被っている物は何だ?」

側近「せっかくなのでゴブリン達にグッズを作らせてみました。応援メガホンと大会大本命ドラゴンの角を真似たカチューシャです。」

魔王「・・・」

側近「他にもウェアウルフの手袋、ハーピーの付け羽、ゴーレムの被り物などもございますよ。」

魔王「お前はつくづく優秀な側近だよ。」

側近「恐れ入ります。ちなみに魔王様のグッズもございますよ?」

魔王「なに?」

側近「レプリカのマントです。ちなみに売上は一番です。さすがでございます。」

魔王「・・・ふん。」

側近「満更でもなさそうですね。」

魔王「ところで女勇者はどこだ?」

側近「女勇者様でしたらあそこで人間界のグッズ販売を担当されております。」

女勇者「ラッシャイラッシャイ!ヤスイヨー!」

魔王「奴も立派な勇者だよ。」

魔界闘技場 貴賓観覧席

魔王「これは王族の皆、よく来て頂いた。」

ペルノウス王「これは魔王殿、今回はこのような催しを提案頂きありがとうございます。」

シェルキア女王「私達も一報を伺ってからは今日を楽しみにしておりました。」

バルガード王「いかにも。特に我が国の豪傑共は、夜も眠らずに鍛錬を重ねたようですぞ。」

魔王「これも皆の協力のおかげである。礼をいう。」

シェルキア女王「魔王様ともあろうお方が簡単に頭を下げられないで下さいませ。」

シェルキア女王「長きにわたる戦争が終わり、私共も平和の素晴らしさを噛み締めておりますのよ。」

魔王「しかし余にはこれくらいしかできぬ。させてくれ。」

ペルノウス王「その謙虚な姿勢に我々も心動いたのです。紛れもなく、この平和は魔王殿が創られたのですよ。」

魔王「ペルノウス王・・・」

バルガード王「左様だ。皆願いは一つ。そうであろう?」

魔王「ありがたいお言葉だ。余もこの平和を全力で守ろうと思う。」

シェルキア女王「しかしながら・・」

魔王「?」

シェルキア女王「今回の大会の優勝は私のシェルキア国が頂きますわ。」

バルガード王「なんと!そのような世迷言を申すか!我が軍の戦士長はあの女勇者にも負けず劣らずの豪傑ぞ!優勝は我がバルガードである!」

ペルノウス王「我が国の代表も負けてはおりません。きっと良い勝負ができるでしょう。」

魔王「・・・フフ」

側近「魔王様?」

魔王「余の軍勢のドラゴンは女勇者に負けるまで500年無敗だった者だ。今回は火炎を吐けぬがそれでもその力は圧倒的だ。覚悟されるがよい」

三国王「・・・フフフ」

魔王・三国王「ハーッハッハッハッハッ!!!」

魔王「それでは国王、女王諸君健闘を祈り合おうぞ!」

三国王「ええ!」「はい!」「応!」

側近「魔王様。開会宣言のお時間でございます。」

魔王「わかった。すぐに行く。ところで女勇者は?」

側近「先ほど闘技場の外に出ていかれました。」

魔王「何?なにかあったのか?」

側近「グッズの在庫が無くなったらしく、馬車まで取りに行ったみたいです。」

魔王「もうあいつ勇者じゃなくて商人でいいんじゃないかな?」

魔界闘技場 玉座

ザワザワ  ザワザワ  ザワザワ

魔王「諸君!!」

選手・観客「!」

魔王「和平が成り久しくなる。」

魔王「その間様々な問題があった。」

魔王「お互いの不信。それに伴う小競り合い。死者が出た事もあったと聞く。」

魔王「そして破壊された各所の整地、魔物への虐待。」

魔王「本当に、本当に、様々な問題があった。」

魔王「長く続いた戦争で魔物に家族を殺された者、人間に家族を殺された者。深く、悲しい歴史だ。」

魔王「まだお互いを認めず、憎む者もいるだろう。許してくれとは言わない。」

魔王「しかし、憎しみ、悲しみを相手にぶつけてもそれは虚しさにしかならぬ。」

魔王「変えられない過去を嘆くより、光ある未来を創りたい。余は心からそう思う。」

魔王「傷ついた者には余からも、そして三国の王からも贖罪をしよう。」

魔王「そして少しでも相手を見ることが出来たなら、どうか偏見を捨てて見て欲しい。」

魔王「お互いがそう出来た時に初めてこの平和は永遠となる。」

魔王「皆が平和を創るのだ。余では手助けしかできぬ。」

魔王「この大会がその一部を助長出来るよう、余も全力を尽くす。」

魔王「だから選手諸君!」

選手達「!」

魔王「全力を尽くせ。」

選手・観客「オオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!!!」

魔界闘技場  貴賓観覧席

側近「素晴らしい開会宣言でございました。」

魔王「本心を述べたまでだ。」

側近「そのお心がきっと皆に届きますでしょう。」

魔王「さてな。ところで女勇者はまだ物売りか?」

女勇者「ここにいるよ」スッ

魔王「いたか。始まるぞ。」

女勇者「魔王、やっぱりあんたは凄いよ。人々の顔を見たかい?」

魔王「・・・いや?」

女勇者「謙遜するなよ。泣いてる奴もいたじゃないか。」

魔王「余は代弁しただけだ。ここにいる国王達でもできたさ。」

シェルキア女王「魔王様、その心遣いは嬉しいのですが買いかぶりですわ。」

ペルノウス王「そうですとも、人々はともかく、魔物の方々の心までは私達では動かせません。」

シェルキア女王「皆の心を動かすのは魔王様の器の大きさですわ。その証拠に、ホラ。」

魔王・女勇者「ん?」

バルガード王「・・・・グスッグスッ」

魔王「あれは・・・」

ペルノウス王「演説中からあれです。魔王殿の心は私達にも確実に届いていますよ。」

魔王「フッ。恐れ入る。ありがとう諸君。」

女勇者「あっ始まるよ!」

魔界闘技場 コロシアム


実況「さあ皆様、いよいよ始まります!なお相手は抽選で選ばれます!第一試合はーーーー!」

実況「大本命ドラゴン対シェルキアの海軍隊長グラコーだーーー!」

ドラ「グルル。久々の戦闘だ。せいぜい怪我しないことだな。」

グラコー「相手にとって不足なしだ。健闘を。」スッ

ドラ「ふん。魔王様にああ言われてはな。」

ガキンッ

実況「試合ーーーー開始ッ!!!」

ワァァァァァ

魔王「さて。」スッ

女勇者「見ないのか?」

魔王「長い一日になる。余は少し休む。側近、休憩室に飲み物と軽食を。」

側近「かしこまりました。」

女勇者「私も行っていいか?」

魔王「ん?お前も物売りで疲れたか?」

女勇者「そんなとこかな。」

魔王「・・・いいだろう。ついてこい。」

ペルノウス王「あの、側近さん。」

側近「如何なされました?」

ペルノウス王「あの、失礼ですけど、魔王様って。」

側近「はい。頭にクソが付くほど鈍感でございます。」

ペルノウス王「いや、そこまでは・・・」

シェルキア女王「誰にでも欠点はございますわ。うらぁーーー行けーーーっ!!」

ペルノウス王「じょ、女王陛下。」

側近「誰にでも。でございます。」

バルガード王「・・・・・グスッ」

魔界闘技場 休憩室


女勇者「なあ、魔王。」

魔王「何だ?」

女勇者「私、ちゃんと役割果たせているかな?勇者として世界を平和に導いているのかな?」

魔王「どうしてそんな事を聞く?」

女勇者「だって先の魔王の演説、いや開会宣言か、凄かった。皆が魔王を見て、頷いて、泣く人だっていた。」

女勇者「それだけじゃない、国王達だって魔王に魅入ってた。バルガード王は、まぁ・・・意外だったけど。」

魔王「言ったろう?余は代弁しただけだ。しかし、思っていても口に出すにはまだ重い。だが確かに皆の心にはあるのだ。」

女勇者「平和を望む心。」

魔王「そうだ。そして余とてその例外ではない。」

女勇者「でもここまで見せ付けられるとなぁーー」

魔王「何がだ。」

女勇者「器だよ。う、つ、わ。魔王のそれはまさしく海、いやそれ以上かもね。」

魔王「そのようなものは余には無い。それにお前は余が持っていないものを沢山持っている。」

女勇者「慰め?」

魔王「事実だ。余には人間や魔物の子らと走り回って遊んだり、全ての人間から羨望されることはできぬ。」

女勇者「・・・」

魔王「それに露天商もな。」

女勇者「馬鹿にしたろ。」

魔王「事実だろ。」

女勇者「はぁ。まあいいや。ありがとう。」

魔王「女勇者よ、お前は紛れもなく勇者だ。それは余も含め世界中が認めている。もっと自信を持て。」

女勇者「・・・うん」グスッ

魔王「まあお前も年頃の娘だ。余も若い時は苦悩に沈んだ事もある。」

女勇者「魔王が?へー聞きたい。」

魔王「面白くもない話だ。生まれた時から魔王として絶大な力を持ち、望みは何でも叶う。しかし一番の望みは願う事さえ叶わなかった。」

女勇者「人間界との和平?」

魔王「ああ、先代魔王が始めた戦争のせいで愛する部下は傷つき、死に、飢えた。共に育った幹部達も先の勇者達に屠られていく。」

女勇者「・・・ゴメン。」

魔王「お前が謝ることはない。それに戦争だったのだ。怒りに震えた時もあったが仇討したところでその先にあるのは虚無だけだった。」

女勇者「・・・」

魔王「勇者はどんな時も人間界の為に戦っていた。愛する者の為だ。余が殺した勇者も、旅の途中で力尽きた勇者も。」

魔王「幾人目かの勇者に余は聞いた、”平和をどう作る?”とな。」

女勇者「それって。」

魔王「ああ、お前にも聞いたあの問だ。ある者は余を倒す事で成す。またある者は人間が支配することで成す。」

魔王「自分が魔王になると言った者もいたな。愚かな事だ。」

女勇者「・・・」

魔王「そして幾百年が経ち、お前が現れた。」

女勇者「・・・」

魔王「幾人もの勇者を退け、喰らってきたドラゴンに打ち勝ち、単身で乗り込んできたと聞いた時には流石に肝を冷やしたぞ。」

女勇者「あれは、たまたま。」

魔王「それでも余は覚悟したのだ。遂に時が来たとな。しかし現れたのは年端もいかない少女だった。」

女勇者「あの時の魔王の顔は今でも笑えるよ。完全に口が空いていたからね。」

魔王「当然だ。このような娘になぜドラゴンがやられたのか。そもそもなぜ一人なのか。思考がまったく追いつかなかった。」

女勇者「まあ、そうだよね。」

魔王「しかし余は聞かねばならない。”平和をどう作る?”と。」

魔王「すると突然それまでの旅の経緯を話したお前は、この魔王をもってしても予想できない回答をした。」

女勇者『一緒に創らないか?』

魔王「震えたよ。信じられなかった。余を倒しに、それも仲間を殺したドラゴンの親玉に、なぜその回答が出来るのか。」

魔王「しかしすぐに答えは出た。この者は余と同じなのだと。愛する者を失い、怒りに震え、その虚しさを知っている者だと。」

女勇者「私はただ、もう誰かが傷つくのは見たくなかっただけさ。」

魔王「とにかく、余はお前に救われたのだ。平和を望んで良いのだと、もう部下や仲間が傷つかなくて良いのだと。」

女勇者「魔王・・・。」

魔王「そして余は魔界を、お前は人間界をその身朽ちるまで平和のためにと約束した。」

女勇者「もう朽ちそうだけどね。」

魔王「弱気を言うな。何度も言う、余はお前に、勇者であるお前に救われたのだ。」

女勇者「・・・ありがとう。」

魔王「世界を救ったのは紛れもなくお前のあの言葉だ。この恩は必ず返す。この魔王に嘘は無い。」

魔王「だから女勇者よ。誇りを持て。お前がそんな顔では人間は不安がる。」

女勇者「うん。わかった!私頑張る!」

魔王「その意気だ。」

女勇者「だから魔王、その・・・///」

魔王「なんだ?まだ何か助けがいるのか?」

女勇者「助けっていうか、その、まあ助けなんだけど・・・///」

魔王「だからなんだ?それに顔が赤いぞ?」

女勇者「あの・・・キs・・・・///」

魔王「聞こえん。」

女勇者「だから・・・kス・・・・///」

魔王「全く聞こえん。」

女勇者「あーーもう!!だから私とk」
側近「お食事をお持ち致しました。」

魔王「側近か。入れ。」

側近「失礼いたします。」

女勇者「・・・・///」チラ

側近「?・・・☆!」

側近「魔王様。」

魔王「なんだ?」

側近「大変申し上げにくいのですが、この料理まだ仕上げが出来ておりませんでした。」

魔王「え?いや、全然そうは見えないのだが。充分美味s」
側近「未 完 成 で ご ざ い ま す !!」

魔王「う、うむ。」

側近「再度仕上げて参りますので、そうですね、1時間ほど掛かりそうです。」

魔王「は?今までの時間より長いではないか!それn」
側近「い ち じ か ん で す !!」

魔王「う、うむ。」

側近「それでは失礼致します。」ウインク☆

女勇者「//////////」

魔王「なんなのだ。一体。で女勇者よ、助けとは、ッッッ!!」

女勇者「魔王・・・」シュル

魔王「な、なななななん、何をしている。」

女勇者「魔王、はっきり言ってあなたが悪い!」

魔王「はぁ!?」

女勇者「はぁ、じゃないよ!普通気付くでしょ。年頃の娘が大した用もないのに異性の家に遊びに行くって事は・・・そういう事だよ・・///」

魔王「異性って、いや待て!俺は魔王だぞ!お前の仲間の仇だ!世界の敵だぞ!?」

女勇者「今更何言ってるんだよ。そうじゃないことは私も知ってる。それに戦争だったんだもん。しょうがないよ。」

魔王「しょうがないってお前。」

女勇者「いや、仲間の事は悲しいよ?時々涙も出る。でも、なんだろう、仲間も許してくれると思うんだ。」

魔王「いや、しかし、俺は、その、まだ心の準備が・・・」

女勇者「はぁ。肝心な時はチキンだよね。迫る女も抱けない魔王ってどうなんだろうね。余も俺になってるし。」

魔王「仕方ないだろ!俺だって経験ないんだ!それに・・・」

女勇者「まあいいよ。今度で、今回はこれで許してあげる。」

魔王「え?」

チュッ

女勇者「えへへ///」

魔王「あ、は、な、は、あ?」

女勇者「唾つけたからね!」///

魔王「お前・・・」

女勇者「なによぅー。もう少し嬉しそうにしたら?みんなが憧れる勇者様のちゅーだよ?」

魔王「自分で言うな。それに。」スッ ガッ

女勇者「あ?えっ?」

魔王「俺は魔王だぞ。」

女勇者「知ってる。誰よりも優しくて、強くて、賢くて、かっこいい魔王様、だよね。」

魔王「ふん。」

女勇者「ふっ、、ん、むぅ、はぁ、ちゅ・・ん」

女勇者「ふぅ、ん、、ちゅ、、らぅ、るぁ・・・」

魔王「・・・お前、泣いているのか?」

女勇者「ぷはぁ、えへへ。///」

魔王「美しい。」

女勇者「え?」

魔王「綺麗だと言ったんだ。」

女勇者「・・・嬉しい。」

魔王「女勇者。俺の所に来い。俺はお前より先には死なん。傍に居てやる。」

女勇者「・・・うん。」


側近「・・・・・」グッ!

魔界闘技場 貴賓観覧席


シェルキア女王「くるぁーーー!審判カウント遅いわよ!銭もらってんじゃないでしょうね!」

ペルノウス王「女王、落ち着いて、国民が見ておりますよ。」

シェルキア女王「あら!私ったら、オホホ。くるぁーーーーーー!ヘボ審判がぁーー!!」

バルガード王「ペルノウス王よ、ありゃ無理だ。完全に試合に見入っちまってる。」

ペルノウス王「魔王殿がいなかっただけマシか。」

シェルキア女王「ぬわぁぁぁーーーーーーーー!!!」

魔界闘技場 休憩室


コンコン

魔王「側近か?入れ」

側近「失礼いたします。軽食をお持ちしました。」

魔王「特に変わってないのだが、2皿?」

側近「はい。お二人共お疲れでしょうから性のつく、もとい、精の付くものをお持ちしました。」

魔王「確信犯だろ。お前。」

側近「はて?」

魔王「もういい、下がれ。」

側近「はっ」

魔王「・・・側近。」

側近「何でしょう?」

魔王「俺はこいつを、幸せに出来るだろうか?」

側近「それはお二人で創り上げるものと存じます。」

魔王「・・・そうだな。」

側近「しかしながら。」

魔王「ん?」

側近「私からは今のお二人はとても幸せそうに拝見できます。」

魔王「そうか。」

側近「それでは失礼致します。」

魔王「ああ。ありがとう。側近。」

側近「勿体無きお言葉でございます。」カチャ バタン

魔王「俺はこいつと、平和な世界で生きるのだ。必ず、魔王の名に賭けて。」

女勇者「むにゃ。まぉー。でへへ。ぐぅ」

1時間後


魔王「おい。」

女勇者「んん?ふぁぁ。ん?まおー?」

魔王「まおー?じゃない。そろそろ起きろ。」

女勇者「おきろって・・・・ーーーーッッッッ////」ガバッ

魔王「全く、膝が涎まみれだ。」

女勇者「あのっ!!魔王!!えとっえとっ!あのっ!違うの!」アセアセ

魔王「何がだ。」

女勇者「私は!違うの!こんなんじゃ!もっと!いや、ちがうのぉぉーー!」

魔王「意味がわからん。」

女勇者「私は!もっとこう、おしとやかな!そう!いや、もう、ばかぁーー!」

魔王「なぜ泣く!本当に意味がわからん!」

女勇者「びえぇぇぇぇ!!だって、だって、、うぇぇぇぇ!!」

魔王「愛している。」

女勇者「うぇぇぇ!え!?」

魔王「女勇者。愛している。」

女勇者「くぁwwせdrftgyふじこlp;@:「」

魔王「ふん。///」

女勇者「・・・・ホントに?」ウワメ

魔王「魔王に二言はない。で、どうなんだお前は。」

女勇者「え?・・・いや、あの・・・///」

魔王「愛していないのか?」

女勇者「いや!違う!ただ、あの・・ちょっぴりハズカシイというか・・・」

魔王「人に散々好き放題言っておいてそれか。勇者も口だけだな」

女勇者「カッチーン。なんだよー!意気地無しのくせに!」

魔王「俺は言ったぞ。」

女勇者「むぅ・・・・アイシテル・・・デス。/////」

魔王「はぁ?」

女勇者「愛してるよ!!全開全力全身全霊で愛してるよ!!!もういいだろ。顔から火が出そうだ。//////」

魔王「最初から言えばよいものを。こっちに来い。」グイッ

女勇者「きゃあっ!」

魔王「き、きゃあ?」

女勇者「うるさい!!」

魔王「お前は俺が支える。だから自分が思うように生きろ。何も心配はいらない。俺は魔王だ。」

女勇者「・・・うん。ありがとう。魔王。」チュ

魔王「ふん。///」

女勇者「あー照れてるーかわいいー」

魔王「控えろ。///もうじき試合も一段落するだろう。支度をしろ。」

女勇者「はいはい。」スッ

コンコン

側近「魔王様、そろそろ。」

魔王「うむ。すぐ行く。」

側近「もう1時間延長なさいますか?」

魔王・女勇者「いらん!」「いらない!」

魔界闘技場 貴賓観覧席


魔王「王族の皆、待たせたな。」

ペルノウス王「魔王殿。お待ちしておりました。」

魔王「すまなかった。しかしあれはなんだ?」

ペルノウス王「見てのとおりです。自国の戦士が敗退して少々ショックだったようです。」

シェルキア女王・バルガード王「ブツブツブツブツ」

魔王「何もあそこまで落ち込まずともな。」

シェルキア王「まあお二人共かなり自信があったようですし、今はそっとしておきましょう。」

女勇者「せっかくだから楽しめばいいのに。」

シェルキア女王・バルガード王「ブツブツブツブツ」

魔王「側近、現状は?」

側近「はい、申し上げます。まず最初の試合ですが、ドラゴンとシェルキアの海軍隊長の試合はドラゴンが僅差で勝利しました。」

魔王「僅差で?」

側近「はい。シェルキアの戦士は目にも止まらぬ速さでドラゴンを翻弄しかすり傷一つ負わずドラゴンを追い詰めました。」

魔王「凄いな。」

側近「しかし、ドラゴンが夢中で放った尾の一撃がカウンターで当たり、戦士は腕を骨折。そのまま棄権致しました。」

魔王「油断したか。その他は?」

側近「はい、ウェアウルフとバルガードの一番隊長の試合は壮絶な殴り合いの末、バルガードの勝利。」

側近「ハーピーとペルノウスの狩猟隊長はハーピーが相手に惚れて棄権。」

魔王「なんだそれは。」

側近「どうやら試合中に口説かれたみたいで。」

魔王「ペルノウス王・・・。」

ペルノウス王「いや、どんな時であれ女性には手を出すなという教育でして、ははは。違った方に教育されたみたいですな。ははは。」

側近「続けます。次のシェルキアの海洋魔道士とゴーレムは魔道士様が水の全く無いこの地で良く健闘されましたが魔翌力が尽きて棄権。

側近「バルガードの二番隊長対ペルノウスの近衛隊長もかなりの好試合でしたがバルガードに軍配が挙がりました。」

魔王「さすがバルガードといったところか。しかしなぜバルガード王は落ち込んでいるのだ?」

側近「それが、一番隊長は試合をしたウェアウルフと仲良くなってしまい大会をほっぽって飲みに行かれました。よって失格」

魔王「は?」

側近「二番隊長は試合で受けた傷が予想よりも重く、ドクターストップとなりました。

魔王「勝者は回復できないルールだったな。しかしそれでは試合が成り立たんだろう?」

訂正

魔翌翌翌力×→魔翌力

あれ?

まりょくです。すいません。

側近「敗者を出すわけにもいきませんのでこのままドラゴン対ペルノウスの狩猟隊長で決勝を行いたいと思います。如何でしょう。」

魔王「まて、ゴーレムはどうした。」

側近「子供たちを肩に乗せて記念撮影をしているみたいです。グッズもバカ売れです。」

魔王「あいつそんなキャラだったか?」

側近「どんな魔法を受けても何度も立ち上がり仁王立ちで打ってこいと。」

魔王「何?」

側近「相手は魔道士ですので一撃でもゴーレムの攻撃を受けると最悪死に繋がる恐れがあり、それで・・・」

魔王「・・・」

側近「その粋な姿を見た観客達は大いに盛り上がり会場はゴーレムコールで一杯になりました。そして勝ちを収めたゴーレムは」

魔王「皆の人気者という訳か。」

側近「左様でございます。」

魔王「側近、後でゴーレムに褒美を。そうだな・・宝物庫にデロアスター鉱石があったはずだ。あれを渡せ。」

側近「あのような貴重な鉱石をですか?」

魔王「別に余が持っていても無用の長物だ。彼らの街を照らすエネルギー100年分にはなろう。それにそのような心を持つ者は悪用もせんよ。」

側近「承知致しました。大会終了時に特別賞として用意致します。彼もこのまま撮影を続けたいと申しております。その考えを尊重したほうが宜しいかと。」

「魔力」とかを普通に出すにはメール欄にsagaと入れる
sageじゃなくてsaga

魔王「わかった。では決勝に移れ。」

側近「承知致しました。」

>>71
ありがとうございます。実践します。
見ていただいてありがとうございます。

魔界闘技場 コロシアム


実況「会場の皆様、只今本部よりの通達で決勝はドラゴン対ペルノウスの狩猟隊長で行われるとの事です!」

ワァァァァァ

実況「優勝賞品の天空の鎧と副賞の女勇者様のキスはどちらのものになるのか!乞うご期待!なお試合は10分後です。」

魔王・女勇者「なっ!!!!!!」

側近「あれ?言ってませんでしたっけ?」

魔王「うらぁ!側近お前!何してくれとんじゃ!おぉ!?」

側近「しかしながら魔王様は最も魅力的な商品を選べとのお達しでございました故。」

魔王「だからってこれはあるまい!お前俺と女勇者をくっつけたいんじゃなかったのか!?」

女勇者「魔王!魔王!余が俺になってる!」

魔王「だまらっしゃい!」

女勇者「こんな魔王初めて見た。」

側近「まあまあ、減るもんじゃないですし。私としても予想外だったのですよ。こんなに早くくっつくなんて。」

側近(本当はもっと魔王様に嫉妬して頂いて自分の気持ちに気づいてもらう為だったのですけど、ちっ、しくじった!)

女勇者「まあ魔王?私はいいよ。口にする訳じゃないし、ほっぺたに少しだけだよ。」

魔王「しかしだな。俺にも男のプライドというものが・・・」

女勇者「それに・・私の初めては、ちゃんとあげれたから。////」

魔王「女勇者・・・」

女勇者「えへへ。////」モジモジ

側近「おーおーあついっすねーもうお腹いっぱいですわー」

魔王「側近。今月お前給料半分な。」

側近「NO!!」

魔界闘技場 コロシアム


ドラ「人間も大した者がいるものだな。まさかこんなに苦戦するとは思わなんだぞ。」

狩猟隊長「そのお眼鏡に適うか不安ですが宜しくお願い致します。」

実況「さてさていよいよ決勝です!!実力は双方とも折り紙付き!果たして栄冠はどちらの手に!」

実況「試合ッッッ開始ィィィィ!!!」


ワァァァァァ

ドラ「さて、とりあえずは様子見だ。」ブウォゥ!

狩猟隊長「くっ!」

ドラ「なんだ?只の風だぞ?」ボウォゥ!バウォゥ!

狩猟隊長「”只の”とは謙遜なさる!竜巻も真っ青ですね!」シュパッ

ドラ「む?」

実況「おおっと狩猟隊長選手!風に飛ばされ、いや、風に乗っているー!」

ドラ「ほう?」

狩猟隊長「小さい頃から風とは友達でねっっとぉ」シュパァン

実況「狩猟隊長選手!負けじと弓矢で応戦だぁー!」

ドラ「甘いわぁ!」バサーッ

実況「ドラゴン選手も宙に舞うー!」

狩猟「これは、、どうですっ!!!」シュシュシュシュシュパーァーン

実況「狩猟隊長選手の連続弓だぁ!これは避けるのは難しいー!」

ドラ「なんの!」ブォン バキバキバキバキィ

実況「ドラゴン選手、尾で薙ぎ払ったぁー!」

狩猟隊長「一本くらいはと思いましたが・・・」

ドラ「ふん、俺は魔界の重鎮の一角、ドラゴンだ。これしきでは傷も負わん。」

ドラ「次はこちらから行くぞ!」ブゥン

狩猟隊長「くっ!」ヒラリ

ドラ「まだまだまだぁ!!」

狩猟隊長「ふっ、はっ、やっ!」シュパッ タンッ ヒラッ

実況「ドラゴン選手怒涛の攻撃ー!手も足も出ないかー!?」

魔界闘技場  貴賓観覧席

魔王「どうやら決まりそうだな。」

女勇者「うん。狩猟隊長さんには悪いけど、攻撃力がなさすぎる。時間の問題だね。」

魔王「側近、大事にならぬよう審判には細心の注意を払わせろ。」

側近「かしこまりました。」

魔王「これで大丈夫か。」

女勇者「見て!もうすぐ決まりそう!」

魔界闘技場  コロシアム


ドラ「ふん、なかなかやる。だがっ!」グワッ

狩猟隊長「牙!?」

ドラ(これで終わりだ!だが急所は狙わん。腕を動かなくするだけだ。すまないが我慢しろよ!)

狩猟隊長「・・・」シュピィン

ドラ「何!?消えた!?どこに!?」

――――――――シ―ネ―――――――――

ドラ「上!?」ゾクッ

狩猟隊長「・・・」ギラッ

ドラ「うぉぉっ!!!?」ゴワァァァァァアアアア!!!!

魔王「なっ!?」

女勇者「えっ!?」

側近「!!」

実況「ああっとぉ!!なんとドラゴン選手何を思ったか火炎を吐いてしまったぁ!これはルール違反により失格となります!」

ブーブーブー

ドラ「貴様・・・」

狩猟隊長「いやぁ。死ぬかと思いましたよ。でもこれで私の勝ちですね。少々不本意ですが、これも価値ある勝ちです。なんちゃって。」

ドラ「ちっ」

ドラ(気のせいか?しかし奴の一瞬発した殺気。あれは紛れもなく・・・)

魔界闘技場  貴賓観覧席


ペルノウス王「いやぁー!まさかこんな事になるとは!全く勝負事は最後までわからんものですなぁ!」ニッコニッコ

魔王「見たか?」

女勇者「うん。今のは真の殺気だよ。ドラゴンさんも火炎を吐かなきゃ間違いなく、うん、間違いなく殺されてた。」

魔王(逆にドラゴンの反則を信用したのか?いや、そんな分の悪い賭けなど最初からせずともあの者は・・・)

女勇者「魔王・・・。あの・・・。」

魔王「言いたいことはわかる。だがそれでも余は行かねばならぬ。」

女勇者「でも!」

魔王「あの様子ではペルノウス王でも事情は知らぬようだ。それに皆の手前もある。余が行かずして誰が行く?」

女勇者「・・・でも。」

魔王「心配するな。余は魔王だ。一国の兵士などに遅れは取らぬ。お前も仕事があるだろう?」

女勇者「・・・うん。」

魔王「女勇者よ。責任とは、覚悟とはこういう事だ。例え余を憎む者を前にしても同じ信念を持ち続ける。何度裏切られようともそれを変えてはならぬ。」

女勇者「・・・うん。」

魔王「余は大丈夫だ。それに約束もあるしな。」

女勇者「世界の平和?」

魔王「それもあるが。」

女勇者「?」

魔王「また今度って言ったろう?」

女勇者「・・・・・・・・・・・」

女勇者「~~~~~~ッッッ///////」

闘技場  コロシアム


実況「それでは只今より表彰式を行います。」

パチパチパチパチ  ワァァァァァ  パチパチパチパチ

実況「優勝表彰の前に、特別賞の発表です!」

実況「特別賞はゴーレム選手ーー!!」

ワァァァァァ パチパチパチパチ

ゴーレム「マオウサマ、オデ・・・」

魔王「貴様は良くやった。余が開会で宣言したことを体現したのだ。胸を張るがよい。」

ゴーレム「アリガタキ、シアワセダス。」

魔王「うむ。今後も子供達の人気者として良い背中を見せてやってくれ。」

ゴーレム「コドモ、スキ、ニンゲンモ、マゾクモ、カワラナカッタ。」

魔王「そうだ。皆思いは一つなのだ。頼むぞ、貴様にしか出来ぬ仕事だ。」

ゴーレム「アイ!!」

魔王(フフ。素直な奴だ。)

実況「続いては準優勝のドラゴン選手ーー!」

ワァァァァァ パチパチパチパチ

ドラ「魔王様、あの・・・」

魔王「わかっている。心配するな。ただし、何が起きても何もするなよ。」

ドラ「しかし!」

魔王「余を信じろ。」

ドラ「魔王様・・・。何かありましたら我がその意思を受け継ぎます。」

魔王「それは頼もしいな。せいぜいそうならないように努めるよ。」

ドラ「縁起でもないことを。それと魔王様。」

魔王「なんだ?」

ドラ「グッズの売上ですが、魔王様は結局3番だったみたいです。2番が我、1番はぶっちぎりでゴーレムです。」

魔王「・・・・そうか」シュン

ドラ「どうかお気を悪くされませぬ様」

魔王(次は余も出るかな)

実況「それではいよいよ優勝者の発表です!!優勝者はーーー」

実況「まさかの大穴!ペルノウスの狩猟隊長だぁーー!!!」

ワァァァァァ ワァァァァァ ワァァァァァ ワァァァァァ ワァァァァァ
 パチパチパチパチ    パチパチパチパチ

実況「それではまず副賞の女勇者様のキスですー!!」

女勇者「は、はい!!」

女勇者(はぁ。ほんとにやるのか。やだなぁ。しかも魔王の目の前で。)

女勇者(ええい!これも責任だ!ちゃちゃっと済ませちゃおう!魔王・・・出来れば見ないでね。)

実況「それでは、どうぞーーー!!!」

狩猟隊長「恐れ多くもありがたき幸せでございます。誉れに思いながら受けさせて頂きます。」

女勇者「え、ええ、それでは、ほっぺに。」スッ

狩猟隊長「」クルッ

女勇者「えっ?んっ!」チュゥ

魔王「!!!!」

女勇者「あっ。えっ。」

狩猟隊長「ありがたくその口付け、頂きましたよ。」

実況「なんと大胆にも口付けだーーー!!これは羨ましい!!」ワァァァァァ

女勇者「・・・・・」

側近(女勇者様!この者!生かしてはおかぬ!)シャキン! ギラッ!

魔王(側近!!!!!!!)ギロッ!!!

側近(魔王様!?なぜ!)

魔王(・・・・・・・)ゴゴゴゴゴ

側近(魔王様・・・そうでした。申し訳ございません)スッ

実況「それでは、魔王様より優勝のトロフィーと天空の鎧の贈呈でーす!!

魔王「狩猟隊長よ。そなたは豪傑達の中でもその才覚をいかんなく発揮し、ひいてはこの大会にふさわしい最高の戦いを見せてもらった!」

魔王「その功績と努力を称え、これを授ける。」

狩猟隊長「魔王様・・・ありがとうございますっ!」バッ

女勇者・側近・ドラゴン「!!!!!」

魔王「・・・・・・」

実況「おっと感激のあまり狩猟隊長が魔王の胸に飛び込んだー!感動的な光景であります!!」ワァァァァァ

狩猟隊長「ありがとうございます魔王様。こんな近くまで来て頂いて、おかげで近づく手間が省けました。」

魔王「・・・・・・」

狩猟隊長「このナイフには私が調合した毒薬が塗られています。多分ドラゴンくらいなら即死なんですがね。さすがのタフさです。」

魔王「・・・・・・」

狩猟隊長「痛みで声も出ませんか?しかし、もっと苦しんで頂かないと困りますね。私はあなたのおかげで地獄を見たんだ。」グリグリ

魔王「・・・・・ッ」

側近(くそっ!くそっ!くそっ!何たる!何たる!私の無能さが憎い!!!)ギリギリ

ドラ(魔王様には悪いが、もう限界だ!我が主がこのような人間に!八つ裂きにしても事足りぬ!)ゴゴゴ

女勇者(・・・・・・魔王)

魔王「・・・・・」ギュッ

実況「これは以外だ!魔王様も抱擁で応えた!私、もう涙で前が見えません!」

狩猟隊長「!・・・なんの真似です?」

魔王「すまなかった。」

狩猟隊長「何ですか!?私を改心させたいなら無駄ですよ。私も覚悟を持って今あなたにナイフを突き立てている。たとえ殺されてもその気持ちは変わらない!」

魔王「わかっている。貴様も死ぬ気で今こうしておるのだろう。そうまでして余にどんな恨みがあった?聞かせてはくれぬか?」

狩猟隊長「・・・・・・」

魔王「頼む。」

狩猟隊長「いいでしょう。私は貴方が殺した勇者の孫です。」

魔王「そうか。」

狩猟隊長「貴方が私の祖父を殺したことで我が家はズタズタになりました。」

狩猟隊長「期待を裏切られた民衆から追われ、蔑まれ、職を失い、友を失い、心労と過労で祖母、母は倒れた。」

狩猟隊長「医者に見せようにも金はなく、そもそもそんな所に来る医者も居るはずもなく。最後はパンひとかけら、スープの一滴も飲めずに死にましたよ。」

狩猟隊長「父は荒れ、世界を憎みながら酒に溺れました。私の仕事は森で獲物を取り、街で酒を盗む。そんな毎日でしたよ。」

狩猟隊長「ある日同じように家に帰ると父は死んでいました。母のネックレスを握り締めて毒薬を飲んだんです。正直ほっとしましたよ。」

狩猟隊長「もう父の悲しむ姿を見なくて済むとね。それから幼い私は必死に腕を磨いたのです。毒薬の製法を覚え、更に改良を重ねた。」

狩猟隊長「そしていざ準備が出来たと思ったら和平ですって?そんな事許されるわけ無いじゃないですか。私はあなたを殺すことが目標だったのに。」

狩猟隊長「この大会を知ったときはそりゃあもう喜びましたよ。だって標的の方からチャンスをくれたわけですから。感謝しますよ。笑顔で案内を配っていたそこの勇者様に。」

魔王「女勇者は関係ないだろう?先はなぜあのような?」

狩猟隊長「まあ人生最後になるでしょうしね。少しはいい思いをして死にたかったんですよ。それに、あなたの想い人でもあるのでしょう?」

魔王「・・・・・・」

狩猟隊長「まあ私の話はこんなとこです。さて、どうやらこの毒ではあなたは死にそうにありませんし、あとは煮るなり焼くなり好きにしてください。」

魔王「そうだな、余はこのような毒では死なぬ。いや、まだ死ねぬのだ。余にはまだやることが山ほどある。」

狩猟隊長「存じておりますよ。世界を平和にするんでしょう?それがどうか叶いませんことを地獄でお祈りしていますよ。さあ殺して下さい。」

魔王「言ったはずだ。余は贖罪すると。」ガバッ

狩猟隊長「なっ!!!!」

女勇者・側近・実況・選手・観客・三国王「!!!!!!!!!!!!!!!」

側近「魔王様が・・・・」

ドラ「土 下 座?」

狩猟隊長「何をしているんです!!魔王でしょう?あなたは!」

魔王「余にはこれしかできぬ。すまなかった!」

側近「やめてください!!魔王様!そんな魔王様はみとうございません!」

側近「やめて・・・やめてくだ・・さ・・い。おねが・・い」

ドラ「・・・・・」バサッ

魔王「・・・・・?」

ドラ「我が主よ。貴方が頭に土を付けるならば我が身もそれに続きましょう。」

魔王「・・・・すまない」

側近「ドラゴン様まで!」

狩猟隊長「やめろ!そんな事したって僕は変わらない!いいから殺せ!

魔王「狩猟隊長よ。憎しみでは駄目なのだ。余には憎しみの虚しさがよく分かる。」

狩猟隊長「やめろ!それ以上何も言うな!」

魔王「そなたの祖父はゲイザーであろう。良き勇者だった。」

狩猟隊長「なっ!」

魔王「息子達に平和な暮らしをさせてやりたいと言っていたよ。少々年老いてはいたが手ごわい相手だった。」

狩猟隊長「そうだ!お前が殺したんだ!」

魔王「ああ、確かにな。だが最後の一太刀、その刹那の一瞬まで我々は友だった。」

狩猟隊長「・・・何を言っている?」

魔王「あの日、ゲイザーに余は質問した。”どう平和を作る?”と」

魔王「するとゲイザーはわからんと答えた。そして余にこうぬかしよった。」

ゲイザー「わかんねぇから一晩考える!一晩泊めてくれ!飯付きでな!」

魔王「ククク、殺しに来た相手の城に一晩泊めてくれだと。しかも夕餉付きだ。図々しいにも程がある。しかし内心余は嬉しかった。この男となら和平がなるかもしれん。」

魔王「その晩は二人で酒を交わし、奴の故郷の話や、魔界の音楽の話で盛り上がった。その頃はもう確信していたよ。和平が成るとな。」

魔王「しかし、翌日鎧を来たゲイザーは余にこういった。」

ゲイザー「すまない。」

魔王「悲しかった。怒りもした。何故だと、どうしてだと。だが聞けなかった。」

魔王「奴の目は今の貴様と同じ目をしていたからな。固く決意された目。勇者特有だ。」

狩猟隊長「・・・」

魔王「いくら勇者とはいえ、全盛の力は衰え、仲間もいない。余の勝利は見えていた。」

魔王「余は今からこの友を殺すのだ、唯一分かりあえた人間をこの手で殺すのだ。その時ほど自分の強大さを呪ったことはない。」

魔王「しかし奴は熟練の剣さばきと洗練された魔法で余を追い詰めた。余も手加減は出来んからな。全力で戦ったよ。それがせめてもの礼儀だ。」

魔王「反日ほど戦い、奴の動きが止まった。その時が来たのだ。」

魔王「そして止めの一太刀を振りかぶった時、ゲイザーは言った。」

ゲイザー「俺の家族に平和を見せてやってくれ。」

一旦寝ます!また明日!

お待たせいたしました!再開します。

ちなみにSSを書くのは今回が初めてです。至らぬとことがありましたら申し訳ありません。

魔王「余は何も言わなかったが、いや、言わずとも目で語った。任せろ。頼むぞ。またあの世で。酒を飲もう。」

魔王「一瞬、その一瞬は余に新たな決意と覚悟を持たせた。長い、永い刹那だった。」

狩猟隊長「・・・・祖父は、今どこに?」

魔王「魔王城の庭園、勇者の銅像の下に眠っている。酒は毎日変えてある。」

狩猟隊長「・・・・いつか・・・私も見に行きたいものですね。」カラン

魔王「もちろんだ、奴も望んでおるだろう。」

ペルノウス王「狩猟隊長。」

狩猟隊長「国王様。私は・・・」

ペルノウス王「ええ、途方もない、そして大変嘆かわしい事です。信頼していたあなたが・・・。」

狩猟隊長「はい、国王様が作られた平和。私の邪念で傷をつけました。この命にて贖罪を。」

ペルノウス王「そうではありません!」ガバッ

狩猟隊長・魔王「なっ!!!」

ペルノウス王「私は信頼しているあなたの闇を見抜けなかった!それに元は我が国の教育の至らなさです。誠に申し訳ありません!」

狩猟隊長「やめてください国王!私は!」

魔王「ペルノウス王!貴公がこのような事をしてはならぬ!民も見ておるのだぞ!」

ペルノウス王「魔王殿、このような事態の責任は全て私にございます。どうか、この命に免じて!」

魔王「いや、原因は余にあるのだ!頭を上げたまえ!」

シェルキア女王「それならば戦争の武器貿易をして助長をしていたのは私の責任ですわ。」スッ

バルガード王「やれやれ、暗殺者に頭を下げる、それも土下座など我が王族始まっての事だぞ。武器を作っていたのは我が国だ。」ドスッ

魔王「シェルキア女王!バルガード王!そなた達まで!」

側近「これは、一体・・・・」

ペルノウス王「狩猟隊長よ、あなたの悲しみはこの様な事では到底癒えないでしょう。しかし、我々は前を向かねばならない。次のあなたを生み出さない為にも。」

狩猟隊長「国王様・・・」

シェルキア女王「私の国にも、あなたと同じ悲しい目をした民が沢山います。その人々が希望を持てるよう私も尽力すると誓いましょう。」

狩猟隊長「女王陛下・・・」

バルガード王「ふん!男なら逆境を笑え!そして鍛錬するのだ!未来を、明日を作るために。」

狩猟隊長「バルガード王様・・・」

魔王「狩猟隊長よ、余も命を賭けて平和を創ろう。そしてそれを貴様にも分け与えたいのだ。それが我が親友ゲイザーとの約束だからな。」




狩猟隊長「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ガクッ






狩猟隊長「う、うう、うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」



女勇者「狩猟隊長さん・・・。」




狩猟隊長「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!おぉぉぉぉおおおおぉおぉぉぉぉぉ!!!!!」

側近「その後閉会式を終え、大会は終了しました。」

側近「意外にも選手達に大きな動揺は無く、皆何かを決意した目をしておりましたのが印象的です。」

側近「民衆に多少の混乱はあったものの、ゴーレム様とバルガードの兵士が沈め、皆無事に帰路に着きました。」

側近「三国の王達は魔王様のお身体を大変勞って頂きました。」

側近「ペルノウス王様はありったけの薬と食物。」

側近「シェルキア女王様は乾燥した魚介と流水のローブ」

側近「バルガード王様は大量の肉ととても貴重な金属、オリハルコンで出来た装飾品をそれぞれ頂きました。」

側近「魔王様も大変感激され、城の宝物庫にある財宝や貴重な薬をこれまた大量に配られていました。」

側近「そして女勇者様は・・・・」

魔界闘技場 休憩室


女勇者「魔王?いる?」

魔王「女勇者か?入れ。」

女勇者「」ガチャ バタン

女勇者「魔王、あのね、わt きゃっ!」
魔王「」グイッ

女勇者「んんっ、はっ、ちゅ、ふぅっ」

女勇者「ちょっ!んん、はっあっぁ」

女勇者「ふぅ、・・・・まぉぅ・・?」

魔王「猛毒のナイフより、観衆の前での土下座より、今まで生きてきた、どのような苦悩でさえあの瞬間よりも辛いと思ったときは無い。」

女勇者「まおう・・・。」

魔王「すまなかった。間違いなく余を狙っているであろう者に口付けを交わすのは辛かったであろう。」

女勇者「・・・・・・」

魔王「それも余の前で、しかしよく耐えてくれた。お前が少しでも泣いたりしていたら余はあの男を殺していただろう。」

魔王「お前は、また世界を救ったのだ。礼を言う。女勇者、女勇者、よく、よく、よく頑張った!」

女勇者「・・・・・・・う・・・・う・・・うぇぇぇええええええええええ!!!!」

魔王「よく、頑張った・・・・」

女勇者「うぇぇえええええええええ!!!うええええええええええん!!!」

一時間後

コンコン

側近「魔王様」

魔王「入れ。」

側近「失礼致します。女勇者様は・・・」

魔王「泣き疲れて眠っている。暫くは起きんだろう。」

側近「魔王様、誠に、誠に申し訳ありません!」

魔王「静かに。」

側近「はっ!はい。申し訳・・・ありません。」

魔王「なあ側近。」

側近「は、はい!」ビクッ

魔王「我らは今、幸せそうに見えるか?」

側近「え?」

魔王「どうなんだ?」

側近「えと・・あの・・見えます。そのような女勇者様の安心した寝顔は、おそらく魔王様のお隣でしか見れませんでしょう。」

魔王「・・・女勇者は、ずっと余を見ていたのか?」

側近「・・・はい。ずっと見ておられました。信頼、羨望、畏敬、そして愛情。恐らく城の者は皆存じ上げております。」

魔王「知らなかったのは余だけか。」

側近「恐れながら。」

魔王「・・・・・・余は・・・無能な王だ。」

側近「魔王様、そのような!」

魔王「平和を創ると言いながら、一番近いお前の配慮や、女勇者の気持ちさえ解らぬ!」

魔王「余の愚鈍さが、女勇者を、お前を結果苦しめた!」

魔王「すまない、側近。お前は今、よもすれば死で償おうとしているだろう?」

側近「そのような!いえ・・・・・・はい・・・」

魔王「お前に・・・そこまでの心労をかけて・・・本当にすまない。」スッ

側近「魔王様!顔を、頭を上げて下さいませ!私は!私は!   ッッ!!」
                              ギュッ
魔王「・・・・もうよい。何も言うな。」

側近「魔王・・・さまぁ・・・・ひっく・・・ひっく・・・もうしわけ・・・・ありま・・せん・・ひっく・・・」

魔王「・・・もうよいのだ。お前は良くやってくれている。これからも頼むぞ。」

側近「・・ひっく・・ひっく・・はい・・ひっく・・・わが・・みが・・ひっく・・くち・・はてるまで・・・おつかえ・・・いたし・・ます・・ひっく・・・」

更に一時間後

側近「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

女勇者「ぐぅ・・・むにゃ・・・んがぁ・・・」

魔王「」ナデナデ

魔王(余はまだまだだ。女勇者や、愛する部下を守るために、もっと精進せねば。しかし・・・)

女勇者・側近「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

魔王「これは、どうしたものかな。」

更に更に一時間後


魔王「・・・・おい」

更に更に更に一時間後


魔王「・・・・・」

更にそれから三時間後


魔王「もう足の感覚が・・・」

もういい加減に二時間後

側近「んん・・・あれ?」

魔王「起きたか。」

側近「魔王、さま?・・・ッ!!!!」ガバッ

魔王「流石に、くつろぎ過ぎではないか?」

側近「申し訳ありません!私としたことが!この失態は命にて!」

魔王「・・・よい。お前も大会の準備や運営で疲れていたのだろう。」

側近「申し訳ありません」ガックシ

魔王「さて、側近よ」

側近「はっ!はい!」

魔王「大会の片付けはドラゴンの指揮の下すでに終わった。今この闘技場におるのは我々だけ、それにまだ夜明けには掛かる。」

側近「はい。まだ、深夜でございますね。」

魔王「側近よ。余は腹が減った。何か作ってくれるか?」

側近「え?今でございますか?」

魔王「お前の料理は時間がかかるのであろう?」

側近「・・・あっ!はい。そうですね。。。夜明けには出来上がるかと。」

魔王「うむ。では夜明けに城の食堂で、いや庭園が良いな。用意してくれ。」

側近「かしこまりました。」

魔王「それと。」

側近「はい?」

魔王「今回は3人で食べよう。その時間なら城の者もまだ起きまい」

側近「・・・ありがたき、幸せでございます。恐れながらご一緒させて頂きます。」

側近「では、私は先に城に戻ります。」パァァァ

魔王「うむ。後でな。」

側近「失礼致します。」プシュンッ

魔王「さて。」スッ

今から18禁になります。苦手な方は夜明けの城から読まれてください。

魔界闘技場 深夜の廊下

カツゥン     カツゥン       カツゥン

女勇者「う・・・ん・・・まおう?」

魔王「起こしたか?すまないな。」

女勇者「ううん。私、また寝ちゃった。って、えぇ!!?」

魔王「ん?どうした?」

女勇者「・・アノ・・・・コレッテ・・」/////

魔王「・・・?・・・只の横抱きだろ。」

女勇者「もぅ。//// これはお姫様抱っこっていうんだよぅ。///」

魔王「何か違うのか?」

女勇者「これはね、女の子の憧れなの。特に好きな人にされるとね。・・・・・とろけちゃう。////」

魔王「・・・ふん///」

女勇者「えへへへ////まーおう////」

魔界闘技場 王室


女勇者「まおう・・おろして」

魔王「ああ。」スッ

女勇者「・・・・ふぅ」

魔王「座れ。」 キィ コトッ コトッ

女勇者「・・・はい。」スッ

魔王「・・・・・」 キュッ トクットクッ

女勇者「・・・・・すぅーはぁー///」

魔王「・・・・怖いか?」カラン カラン

女勇者「・・・少し。でも大丈夫だよ。」

魔王「飲むといい。落ち着く。」コトッ コトッ


女勇者「お酒?」

魔王「度数は強いが飲みやすく風味が良い。俺のお気に入りだ。」スッ

女勇者「乾杯、いただきます。」カチンッ

魔王「ん。」カラン

女勇者「~~~~~っぷはぁ!」

魔王「・・・・ふぅ」

女勇者「・・・美味しい///」

魔王「フフ。」

魔王「何だ?」ニコッ

女勇者「ッッ////・・・何でもなーい。////」

魔王「おかしな奴だ。」

女勇者「ね~ぇ///まーぉー?」

魔王「どうした?」

女勇者「まおうも初めてなんだよね。」

魔王「ああ。」

女勇者「相手がいなかったの?」

魔王「いや、しようと思えば出来た。だが俺が色夜をしている間も傷ついている部下や幹部がいると思うと、どうしても出来なかった。」

女勇者「真面目だねぇ~。」

魔王「悪かったな。」

女勇者「ううん。嬉しいよ。」

魔王「・・・そうか」

女勇者「えへへ////」

魔王「フフ。」

女勇者「まおう。私ね、あの時、あの人の目を見ちゃったの。」

魔王「・・・・・そうか」

女勇者「その時、この人死ぬつもりなんだってわかった。」

魔王「・・・・・だろうな。俺も気づいていた。」

女勇者「覚悟と、決意、そして深い、深い深い悲しみ。」

女勇者「あの目が無かったら多分。泣いちゃってたかもね。」

魔王「繋がっているのだ。」

女勇者「え?」

魔王「ゲイザーとの事、奴がその孫だった事、お前の事や生まれた国。全てが繋がっているのだ。」

女勇者「?」

魔王「フフ。そうだな、なるべくしてこうなったという事だ。」

女勇者「・・・うん。わかる。全ては思いの力だね。魔王が平和を望み続けたから今日がある。」

魔王「やはりお前は賢いな。その通りだ。しかし俺だけでは今日は作れなかった。あそこにいた全ての者が平和を願わなかったら今日は開戦のきっかけになっていたかも知れぬ。」

魔王「本当に感謝している。ありがとう。」

女勇者「魔王。」

魔王「なんだ?」

女勇者「やっぱり、あなたは凄い人だよ。魔王なのにそんなに謙虚だし、優しいし、大きな心で皆を包んでくれる。」

女勇者「なんていうか。あなたといると何でも大丈夫って思えてくる。」

魔王「お前達のおかげだ。後ろにお前達がいるからどんな困難にも立ち向かえる。俺は背中を見せることしか出来んが、それは恥ずかしくないものでありたい。」

少し抜けます。申し訳ありません。

女勇者「・・・・魔王・・・。」

魔王「ん?」

女勇者「・・・きて。」

魔王「・・・ああ。」スッ

女勇者「まおう・・・」ギュ

魔王「フフ。可愛いやつめ。」スッ

女勇者「きゃぅ!」

魔王「これは憧れなんだろう?」

女勇者「うん。凄くどきどきする。」

魔王「フフ。」

魔王「フフ。」

女勇者「あっ。」フワッ

魔王「・・・まだ怖いか?」

女勇者「ううん。何だろう・・・・・早く・・・・ひとつに、なりたい。/////」

魔王「女勇者・・・・。」

女勇者「まぉぅ・・・・。私を・・・。」

魔王「ああ。」スッ

女勇者「んっ。」

女勇者「んっ、ちゅ、ちゅ、はぁ、ちゅ、んは」

女勇者「うちゅ、るぁ、はぁ、ちゅ、ぅ、ちゅ、はぁ、まぉぅ・・・・すきぃ・・・。」

魔王「ああ。」

女勇者「まぉぅ・・・まぉぅ・・・」ギュウ

魔王「あつい・・・な・・・。」スルッ

女勇者「・・・うん。」スルッ

魔王「先程も言ったが・・・。」

女勇者「え?」

魔王「お前は美しい。眩いほどに。その心も。」

女勇者「嬉しい///・・・・・あの・・・まおう・・・」

魔王「ん?」

女勇者「私ね・・・少し、体に傷が・・・。」シュルン

魔王「・・・来い。」グッ

女勇者「えっ?きゃっ!」

魔王「この首の傷も。」チュ

女勇者「ひゃっ!」ビクッ

魔王「肩の傷も。」チュ

女勇者「はぅぅ///」ピクンッ

魔王「足の傷も。」ナデナデ

女勇者「ふぅぅん///」ゾクゾクッ

魔王「全てお前の誇りだ。」

女勇者「・・・・・・まぉぅ・・・すきぃ・・・。」

魔王「お前は美しい。俺にとってはどんなものより。」チュ チュ チュ

女勇者「あぅっ、うんっ、いやぁ、ふぅん!」

女勇者「まぉぅ・・・わたし・・・どきどきが・・・くるしい・・・。」

魔王「ここも、綺麗だ。」

女勇者「きゃぅぅ!おっぱい・・・だめぇ・・・!」ビクッ ビクンッ

女勇者「はんっ!いやっ!まぉぅ・・・!おかしく・・・なるぅ・・!」ゾクゾクッ

魔王「チュ・・・・痛いか?」

女勇者「ちが・・うのぉ・・・!あっ、いや・・だめっ!あっ!いやっ!待って!まってぇ!ふうっ!んっ!んっ!んっ!」ビクッビクッビクッ

女勇者「ふぅぅぅん!!ッッッ・・・はぁぁぁ・・・・・・・・・・」ビクッ   ビクッ   ビクンッ

女勇者「・・・・あっ!いやっ、あの、ごめん・・・・なさい、あの・・・。////」

魔王「・・・・お前・・・。」

女勇者「////////////」

魔王「フフっ。もう休憩は無しだ。」ニヤッ

女勇者「えっ!?そん・・・なぁ・・・あぁぅう!」ゾクンッ!

女勇者「いやぁ・・・そんなに・・・だめぇ・・・先っぽのとこ・・・やめぇ・・・」ビクッ ゾクッ ビクンッ

魔王「綺麗だ。とても。女勇者。」

女勇者「いやぁ・・・そんなこと・・・・いま・・・・ゆわれたらぁ!」

女勇者「またっ・・・くるっ・・・!きちゃうぅ・・!・・・あっ!だめっ!あっ!あっ!あっ!」ゾクゾクゾクゾクッ

女勇者「あうぅぅぅぅぅぅぅッッッ!!!!!!」ビクゥッ! ビクンビクンビクビクビクビク!

魔王「」ギュウ

女勇者「はっ!はっ!はぁぁ・・・・・あうぅん!・・・・んんっ!・・・・・・」ピクッ    ピクッ

魔王「・・・・・大丈夫か?」

女勇者「だめぇ・・・・。まっしろに・・・・なっちゃったぁ・・・・・」

魔王「しかし・・・・胸だけだぞ・・・・。本当に大丈夫なのか?」

女勇者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こわぃ」

女勇者「・・・・・こわいよぅ・・・・・まぉぅ・・・」

魔王「・・・女勇者。」

女勇者「わたし・・・・・こわいぃ・・・・こわいから・・・・・もっとぎゅってしてぇ・・・・」ギュッ

魔王「安心しろ。ずっと一緒だ。」ギュゥ

女勇者「・・・・ほんと?」

魔王「魔王に二言はない。」

女勇者「ずっとすき?」

魔王「ああ。」

女勇者「・・・・・・しあわせだよぉ・・・」

魔王「俺もだ。」

女勇者「あ・・・・/////////」

魔王「どうした?」

女勇者「まおうのが・・・・あたって・・・・」

魔王「おぉう!?」バッ

女勇者「!!!  だめぇ!はなれないでぇ!」

魔王「お、おお、すまぬ。」スッ

女勇者「もぅ・・・あの、まおう?////////」

魔王「ん?」

女勇者「さわっても・・・いい?//////」

魔王「あ・・・・う、うむ。//////」

女勇者「えへへ・・・・・あ・・・。」

魔王「・・・ッ」ピクッ

女勇者「すごい・・・・」スリスリ

魔王「・・・・ッッ」

女勇者「あつい・・・それに・・・すごく・・・」スリスリ

魔王「・・・・ッッッ」ピクンッ ピクンッ

女勇者 スッ 「・・・・・・・・・・チロッ」

魔王「なっ!?」ビクッ

女勇者「・・・すごく・・・すごく・・・いとおしい・・・・はむっ」

魔王「女勇者っ・・・・そのようなっ・・・・くっ」ビクッ ビクンッ

女勇者「はむっ、ちゅ、はぷっ、はぁ、ちゅう、ちゅ」

ジュプ、ジュ、ピチュ、ジュプゥ、ジュッ、ポォ

魔王「くうっ!ふっ!?むぅ!・・・・」ビクンッ ビクンッ

シュッ、シュッ、ジュプ、ジュポッ、シュッ、ジュポォ

女勇者「んんっ、んっ、ぷあっ、はぁ、んん!、はもっ!んぷぁ!」

女勇者「ふむっ、はぁ、むちゅ、ぷあぁ、はぁぁぁぁ。」

魔王「女・・・勇者・・・」

女勇者「うん、わたしの・・・も・・・・」スッ

魔王「・・・・・・・・・・・これが・・・・」

女勇者「まぉぅぅ・・・あんまり・・・・はずかしい・・・・よぉ・・・。」

魔王「綺麗・・・・だ・・・・」チュ

女勇者「はうぅぅぅぅぅぅぅん!!!!!!!」ビクンッ ビクンッ ビクンッ ビクッ ビクッ

魔王「・・・・女勇者・・・・」

女勇者「はぁっ!はあぁぁん!・・・はぁっ、はぁっ・・・・だめぇ・・・かんじ・・・・すぎちゃうぅぅ・・・・」ピクッ ピクッ

魔王「・・・・・大丈夫だ。快感に身を任せ、俺だけを感じてろ。」チュ

女勇者「ふぅんっ!?」

チュプッ、ペロ、チュ、チュゥウ、キュゥ、チロ、クチュ

女勇者「はぁあああぁぁぁう!んんっ!あぁあああああぁぁん!いやぁ!あぁぁあああぁぁう!!!」ビクウッ ビクウゥッ ビクビクビクッ!!

女勇者「いやぁ!こんなのぉ!むりぃ!あぁあ!うあぁああぁあ!はぁっ!はあっ!・・・はむぅっ」

魔王「!!!」

ジュプ、ジュポォ、ジュプッ、ジュプッ、ジュポォッ

魔王「くぅっ!」

ジュプッ、ジュプッ、ジュポッ、ジュッ、ジュッ、ジュッ、ポォッ

女勇者「んぷっ!ぷはっ!はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・まぉぅ・・・・」スウッ トサッ

魔王「女勇者・・・・」

女勇者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・きてぇ。」

魔王「ああ。辛くなったら・・・言うんだぞ。」

女勇者「・・・・・・・・・・・・・・はい。/////」

魔王「行くぞ。」

女勇者「・・・・・・・・・・はい。」


      クチュッ

女勇者「んっ!」ピクッ

      グ・・・チュゥゥ     
 
―――――――プチッ――――――――  

女勇者「んあぁぁぁあああああああああぁぁぁああああぁああああ!!!!!」ギュゥ ビクウゥ!ビクンッ!ビクンッ!ビクッ!ビクッ!

魔王「くっあぁ!」ビクッ ビクッ


女勇者「はぁっ!はぁっ!はぁっ!はあっ!ふぅぅぅぅぅんっ!!!!」ビクンッ!ビクンッビクンッ!ビクビクビク!      

魔王「はあっ!ふぅっ!・・・・だい・・・じょうぶか・・・?」

女勇者「まおうっ!まぉぅぅ!すきぃ!すきぃ!だいすきぃ!」

魔王「女・・・勇者っ!!」ギュウゥッゥゥ!

女勇者「まぉぅっ!まぉう!はぁ!?すきぃ!?わたしのこと・・・すきぃ!?」ビクッ!ビクッ!

魔王「ああっ!誰よりも!我が命よりも!お前が好きだっ!!」

女勇者「もっと!もっと!もっといってぇぇ!」

魔王「好きだっ!好きだっ!大好きだっ!」

女勇者「うれしぃ!うれしいよぉ!しあわせぇ!だいすきだよぉ!まおぅぅっ!」ビクウッ!ビクゥ!ビクッ!ビクッ!

魔王「はあっ!はあっ!はあっ!・・・・うご・・・くぞ・・・・」

女勇者「ふうぅぅん!はぁぁ!うんっ!うんっ!うんっ!いいよぉ!わたしでっ・・・きもちよくっ・・・・なっ・・・・てぇ!」

ズッ、チュゥ、グチュッ!・・・ズチュッ!・・・パチュッ!・・・ズチュッ!

女勇者「はんっ!ふぅっ!あうっ!んあっ!はぁっ!あぁっ!いやっ!はんっ!」ビクンッ!ビクンッ!ビクンッ!ビクンッ!

ズチュッ!・・・ズチュッ!・・・グチュッ!・・・グチュッ!

女勇者「はうっ!くあぁっ!まっ!ぉうっ!すっ!きぃっ!はぁっ!」

魔王「女っ!勇者っ!」

ズチュッ!・・グチュッ!・・グチュッ!・・グチッ!・・グチュンッ!・・パチュッ!

女勇者「すっ!きぃ!っきぃ!すきぃっ!すきぃ!」

魔王「女勇者っ!愛して!っるっぞ!」

女勇者「うぅっ!うっ!うぁあっ!うわぁぁん!あぁぁぁん!」ポロポロ

魔王「愛してっ!いるっ!愛しているっ!お前の為ならっ!俺はっ!どんな事でもっ!できるっ!」

女勇者「っ!うぁぁ!うあぁぁぁぁぁぁん!うわぁぁあああん!あああんっ!まお”っ!うぅっ!」ボロボロ

魔王「お前はっ!俺がっ!守るっ!どんな時もっ!どこにいてもっ!必ずっ!俺がっ!支えてやるっ!」

女勇者「わたっ!しもぉっ!あいっ!してっ!るぅっ!ずっと!一緒にぃっ!いたぃっ!」

魔王「ずっとっ!一緒だっ!」

ズッ・チュ・ズッ・ズッ・ズッ・チュッ・ズッ・ズッ・ズッ

魔王「女勇者!・・・もっ!うっ!」

女勇者「うんっ!うんっ!きてぇっ!きてぇっ!まぉぅのっ!ほしぃっ!いっぱいっ!ひとつにっ!おねがぃっ!きてぇっ!」ギュゥゥ!

グチュッ!グチュッ!ズチュッ!グチュッ!グチュッ!グチッ!ズチュッ!グチュッ!グチュッ!ズチュッ!グチュッ!グチュッ!グチッ!ズチュッ!

魔王「いくっ!ぞっ!中にっ!お前のっ!」ビクッ ビクッ ゾクゾクゾク

女勇者「わたっ!しもぉ!もうっ!またっ!はぁっ!まっ!おぅっ!」ギュゥゥゥゥ!

魔王「女勇者っ!くっ!うぅぅぅ!おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」ビクッ!ビクッ!ビクビクビクビク!!




ドクンッ!ドピュゥゥッ!ドピュッ!ドピュッ!ビュルルルッ!プシュッ!プシュッ!ビュルルルル!

女勇者「!ッーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」ビクゥッ!ビクゥッ!ビクビクビクビクビクビクビクビクッ!!!

ドプゥッ!ドプッ!トプッ!トプッ、トクンッ!ピクッ!ビュ、ピュゥ、ビュゥ、ピクンッ

魔王「はっあぁ・・・はあっ!はぁっ!はぁっ!はあっ!女・・・勇者・・・・?」

女勇者「ーーーッッ!!ーーッッ!ーッッ!ーッ!ーッ!ぅぁっ!ーーッッ!」ビクンッ! ビクンッ! ビクンッ! ビクンッ!

魔王「はぁっ。はぁっ。だい・・・じょうぶ・・・か?」

女勇者「ふぅっ!ふぅぅ!ーッッ!はぁっ!はぁっ!はぁっ。ふぅうぅ。ううっ!っはぁ・・・」ピクン! ピクン! ピクッ! ピクッ!

女勇者「だいっ!じょうっ・・・ぶぅ・・・ッッ!・・はぁっ。」ピクッ! ピクッ! ピクッ! ピクッ!

魔王「すま・・・ない・・・痛かった・・・か?」

女勇者「ちが・・・うのぉ。ひんっ!からだがぁ・・・かんじ・・・すぎてぇ・・・」ピクッ ピクッ ピクッ


魔王「女・・・勇者・・・」ギュッ

女勇者「えへ。えへへ。まお・・・うぅ・・////」」ギュウ

魔王「・・・・愛してるぞ。」

女勇者「・・・えへへ・・・わた・・・しも・・・あっ////。」

ズルゥ・・・コポッ コプッ コプッ ツゥゥ

女勇者「あっ・・・いやぁ・・・よごし・・・ちゃうぅ・・・/////」

魔王「・・・フフ・・・よい・・・それより・・・」

女勇者「え?」

―――――――チュッ

女勇者「あっ。////」

魔王「俺は今、生まれて初めて生きる喜びを噛み締めている。お前のおかげだ。恩に着る。女勇者よ。」

女勇者「・・・・・ちがう。」

魔王「なに?」

女勇者「そんな堅苦しい言葉使わないで。もう私たち恋人だよ?」

魔王「恋人・・・・。」

女勇者「そう。恋人は恋人らしく、ね?」

魔王「恋人か・・・そうだな・・・。」

女勇者「うん。」ニコッ

魔王「では・・・君のおかげで俺は幸せだ。ありがとう。女勇者。」ニコッ

女勇者「//////」   

女勇者「ん!よろしい!ごほうび!」/////

――――――――チュゥウッ

魔王(恋人・・・か。愛する人。女勇者。)

女勇者「?」ニコッ

魔王(これが、愛か・・・)

魔王(俺は君を守る。この命に変えても。そして君にも平和な世界を・・・)

一旦休みます。

遅くて申し訳ありません。

そして応援のコメント、とても励みになります。

完成までお付き合いしていただけると嬉しいです。

では、おやすみなさい。

夜明け  魔王城   謁見の間


バシュン!

女勇者「わっ!」ギュッ

魔王「大丈夫か?」

女勇者「うん。ありがとう。でも魔王・・チョットコレハ・・・////」

魔王「ん?」

側近「お帰りなさいませ。!」

魔王「うむ。今帰った。」

側近「魔王様。気持ちは分かりますが・・・。」

魔王「どうした?」

側近「・・・・・・。」

女勇者「ほら!////だからお姫様抱っこはおかしいって!/////」

魔王「そうなのか?しかし先程は喜んでいたではないか。」

女勇者「やればいいってもんじゃないの!もう!早く下ろして!//////」

魔王「やはりわからん。」

側近「魔王様。宜しければ毎日のスケジュールに恋愛の座学をお組み致しましょうか?」

魔王「そんなものは!・・・・・・いや、そうだな、入れてくれ。」

側近「かしこまりました。」

女勇者「え~っ!?魔王が恋愛の勉強するの!?」

魔王「もう昨日のような思いはしたくないからな。それに君に恥ずかしくない男でありたいのだ。」

女勇者「ーーーーーーーッッ!////////」

側近(100点です!魔王様!)

魔王「それはそうと、食事の準備は?」

側近「既に整ってございます。」

魔王「良し。行こうか。」

側近「こちらにどうぞ。・・・女勇者様?」

女勇者「えへ、えへ、えへへへへへ・・・///////」

魔王・側近「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

夜明け  魔王城  庭園


女勇者「わあーーーーー☆☆☆!!」

側近「三国王から頂いた食材を存分に使用させて頂きました。朝食には少々豪華ですが、今日は宜しいかと。」

魔王「うむ、その心配り、奨励しよう。」

側近「勿体無きお言葉。」

魔王「では二人共、座れ。」

側近「はい。失礼いたします。」スッ

女勇者「今日は三人一緒だね。えへへ。」スッ

魔王「たまにはいいだろう。さて」スッ

魔王「二人共、礼を言う。」

女勇者・側近「え??」

魔王「側近は日頃より余の世話から政務の秘書まで幅広く活躍してくれている。お前がいなければ今の状況は無い。ありがとう。」

側近「魔王様、そのような言葉は・・・誠に、誠に・・・」

魔王「フフ。そして女勇者。」

女勇者「え?あ!はいっ!」ビクッ

魔王「そう力を入れるな。只の礼だ。」

女勇者「あ、う、うん。」

魔王「君のお陰で俺は愛を知ることが出来た。平和の根幹となるものだ。俺は君に何度も救われてきた。今回もそうだ。」

女勇者「・・・・・・」

魔王「君の存在は俺に今まで以上の力をくれるだろう。どんな強大な問題も乗り越えられる圧倒的な思いを俺は手に入れた。」

女勇者「・・・・・・」

魔王「君にはどれだけ感謝しても足りない。君の為にも俺は真の平和を成し遂げてみせる。」

女勇者「・・・・・・っ。」

魔王「ありがとう。女勇者。」

女勇者「・・・ひぐっ・・・ひぐっ・・・う”ん・・・・・わたしも・・・・がんばるよぉ・・・・」ポロポロ

側近 ニコ(これは・・・恋愛勉強は必要ないかもしれませんね。)

魔王「食事前にすまない。しかし、言っておきたかったのだ。」

側近「魔王様、魔王様の想いは私や女勇者様、そして世界の人々や魔物達を確実に変えました。」

女勇者「だがら、えぐっ。ぎっど、ぐすっ。だいじょうぶ。ぎっど、だいじょうぶだよぅ。わ”だしも、づいでるからぁ。」

魔王「フフ。心強いよ。さて、料理が冷めてしまうな。食べよう。」

側近「はい。」

女勇者「ぐじゅっ。いだだぎまぁず。」

側近「女勇者様、こちらを。」スッ

女勇者「あり”がどぅー。ずびーーーーっ!」

魔王「フフ。側近。」

側近「はい。遅ればせながら簡単に料理の説明を。」

女勇者「え?」

側近「まずこちらはペルノウス野菜のテリーヌでございます。メルーア大根、ウェルアスパラなど質の高い野菜を15種程使いました。」

女勇者「ー!ー!」

側近「そしてスープはシェルキア産の魚介で出汁をとり、マスクース海老のぶつ切りと共に器に入れ、蒸し器で仕上げております。」

女勇者「・・・・・・・・」カタカタカタ

側近「メインはバルガード牛の煮込みでございます。数種の薬草とゴーザス酒で煮込みました。朝ですので見た目よりあっさり目に仕上げております。」

側近「さらに・・・」
魔王「待て、女勇者。」

女勇者「は、はい!」

魔王「気持ちは分かるが落ち着け。説明をちゃんと聞くのも作った者に対する礼儀だ。」

女勇者「ご、ごめんなさい。」シュン

魔王「素直なのは君のいいところだ。側近、続けてくれ。」

側近「はい。申し訳ありません女勇者様、もう終わりますので。」

女勇者「いやっ!ごめんなさい私こそ。ちゃんと聞くね。」

側近「恐れ入ります。パンはペルノウスの特級小麦”TOKIO”を使用しております。これは極上ですよ。」

魔王「なんだそれは?」

側近「とにかく凄いのです。熱き男達の魂を感じました。」

魔王「そ、そうか。」

側近「デザートは魔界のシャロンフルーツです。以上になります。」

魔王「うむ、ご苦労だった。では。」

女勇者「・・・・・タベテイイ?」

魔王「ああ、よく頑張ったな。」

女勇者「えへへ、いただきまーす!」

側近「存分に味わって頂きますよう。」ニコ

女勇者「おいしーーーーい!!!」

魔王(幸せだ。)

魔王(このような安らかな気持ちになったのは幾百年生きて初めてかも知れぬ。)チラッ


”勇者の銅像”


魔王(ゲイザーよ、貴様との約束、少しづつだが確実に進んでいる。)

魔王(きっと余は、皆にこの幸せを・・・)

女勇者「このパン凄い!何だろう!何でも出来そうな気持ちになる!」

側近「そうなのでございます。私もまるで島でも開拓してみたくなるような・・・オホン///」

女勇者「なんとなくわかるよ。ねえ魔王!このパン・・・あ・・・・」

側近「・・・・・そういえば昨日は全く・・・その前の日も大会の打ち合わせや来賓への挨拶でろくに・・・」

女勇者「魔王も疲れるんだねぇ。えへへ、初めて見た。」

側近「はい。きっと幸せな夢なのでしょう。」

女勇者「凄く・・・安心してる寝顔・・・。」

魔王「スゥー・・・・スゥー・・・・」

2ヶ月後  魔王城  謁見の間


側近「・・・以上が今日のスケジュールでございます。」

魔王「うむ。女勇者は?」

側近「はい。本日は温泉施設の視察に行かれております。その後ドロキア沼に向かうと。」

魔王「そうか。また雷が落ちなければ良いがな。」

側近「それは大丈夫かと思われます。既に魔王様とのご関係は世界に広まっておりますので。」

魔王「・・・・・何故だ?」

側近「恐れながら女勇者様のご様子を見れば一目瞭然かと。」

魔王「・・・知らなかったのは本当に余だけだったのか。」ガックリ

側近「御心、お察し致します。」

魔王「よい。側近、予定に少し時間の余裕はあるか?」

側近「はい。どれも確認や承認の政務でございますので。」

魔王「今からドロキア沼に余も少し行こうと思う。」

側近「かしこましました。調整致します。」

魔王「すまないな。」

側近「どうか御心のままに。」

ドロキア沼  薬草研究所  正門


バシュン!

魔王「さて・・・・。」

側近「恐らく研究室かと。こちらです。」

魔王「うむ。」

薬草研究所  研究室


所長「ああ!違う違う!もっと慎重に。そう、少しづつです。」

所長「それとこの薬草は少し量を抑えましょう。人間には少々強すぎる。」

研究員「所長。この前の実験データですが・・・・」

所長「ありがとうございます。・・・やはり温泉とこの薬草は相性が良さそうですね。暫くは栽培を強化しましょう。」

所長「それと・・・!魔王様!いらしていたのですか!?」

魔王「精が出るな。狩猟隊長。いや、今は研究所所長か。」

所長「いえ。私は指示しかしていません。仕事は優秀な研究員の方々が頑張ってくれています。彼らのおかげですよ。」

側近「魔界、人間界の識者を集めましたので毎日一定の成果が出ているようです。栽培も順調です。」

魔王「エルフにゴブリン、セイレーンまでいるとはな。それに人間界の賢者達が知識を交えればいずれ不老不死の薬も作れそうだ。」

所長「しかし魔王様、本当に私で良かったのでしょうか?私は魔王様にあのような・・・」

魔王「よいのだ。過去は教訓すればよい。余も、貴様もな。」

所長「・・・・必ずやご期待に答えさせて頂きます。」

魔王「うむ。あとペルノウス王から手紙を預かっておる。側近。」

側近「はい。こちらにございます。」スッ

所長「国王様から・・・。」カサッ

ドロキア沼の研究所 所長へ

そちらの生活は如何ですか?ペルノウスは深緑の季節になりました。

あなたの率いてた狩猟部隊は新しい隊長をを迎え今日も国民の為に頑張ってくれています。

どうかこちらは気にすること無く、世界の人々の為に尽力して頂きたいと思います。

それと、あなたの起こした行動は同じように魔族を恨む方々も何かを考えるきっかけになったようですね。

まだまだ根は深いですが、必要ならば私自身も直接贖罪に伺う次第です。

10年という年月は長くも短くもあります。

どうか、今心にあるであろう想いを持ち続けて頂きたいと存じます。

そしてあなたの手でも世界に平和をもたらして下さい。信頼していますよ。

魔王様にも、よろしくお伝え下さい。それでは、また。

                     ペルノウス国 国王 クラウド・R・ペルノウス

所長「・・・・・ありがとうございます。」

魔王「ペルノウス王も貴様の身を案じていた。今度こそ信頼に応えるといい。」

所長「・・・はい。必ず、必ず!お答えいたします。」 

魔王「ところで・・・」

所長「どうされました?」

魔王「その、女勇者は来たか?」

所長「女勇者様ですか?いえ、見ていませんが。」

魔王「そうか。」シュン

所長「何か伝言を?」

魔王「いや、よい。研究を続けてくれ。」

所長「そうですか。わかりました。あの・・・魔王様・・・。」

魔王「何も言うな。出来れば思い出したくないのだ。」

所長「・・・申し訳ありません。」

セイレーン「所長。ちょっとよろしいですか?」

所長「今行きます。それでは魔王様、私はここで。時間があるようでしたら研究所内を見て回ってください。」

魔王「ああ。側近?」

側近「はい。予定的にはあと1時間はこちらにいることが可能です。」

魔王「だそうだ。拝見させてもらう。」

所長「それは良かった。研究員たちも励みが出ましょう。」

セイレーン「所長!」

所長「おっと。それでは。」タタッ

魔王「フフ。順調のようだな。」

側近「魔王様、恐れながら、女勇者様がすぐ来られるとも限りません。施設建設現場に向かわれた方が。」

魔王「・・・・よいのだ。奴も遊んでいるわけではない。それに、恋人が一緒にいるのを見ると爆発魔法を唱える者もいるのだろう?」

側近「魔王様、遠からずでございますが少し違います。」

魔王「違うのか?」

側近「解釈の問題ですね。今日の授業に入れましょう。」

魔王「難しいな。頼む。」

側近「かしこまりました。」

一時間後  薬草研究所  資料室


魔王「ふむ・・・あの薬草にそこまでの効果が・・・興味深いな。」

側近「失礼致します。魔王様、そろそろ。」

魔王「早いな。もうそんな時間か。」

側近「申し訳ありません。これ以上は差支えが。」

魔王「よい。無理を言って済まなかったな。それで・・・。」

側近「恐れ入ります。残念ですが、まだ・・・。」

魔王「そうか。・・・では城に戻ろう。」

側近「はい。正門に魔法陣を敷いております。」

魔王「うむ。」スッ

側近(魔王様・・・・)

薬草研究所  正門


魔王「では皆の者見送りご苦労、存分に力を奮ってくれ。必要な物は遠慮なく言うがよい。」

所長「魔王様、本日は誠にありがとうございました。魔王様のおかげで今まで以上に皆研究に力が入る次第です。」

魔王「なによりだ。それでは余は城に戻る。」

所長「はい。ありがとうございました。」

側近「魔王様準備が整ってございます。」

魔王「うむ。ではさらばだ。」

側近「失礼致します。」ブゥン

バシュウ!

魔王・側近「?」

女勇者「ふぅ~、あっ!魔王?」

魔王「女勇者!」

側近「魔王様!」

バシュゥゥン!

魔王城  謁見の間


魔王「女勇者・・・。」

側近「申し訳ありません!もう一度転送を!」

魔王「・・・いや、よいのだ。顔を一瞬見れた。十分だ。」

側近「しかし!」

魔王「気にするな。先に政務だ。」

側近「魔王様・・・・。わかりました。先日ゴーレムに渡したデロアスター鉱石の使用許可申請が・・・」

魔王(女勇者・・・)

薬草研究所  正門


女勇者(魔王・・・。)

所長「女勇者様、ようこそ研究所へ。魔王さまはどうやら女勇者様をお待ちだったようで。」

女勇者「え?」

所長「はい。ずっと落ち着きがなく、そわそわされていたようでした。」

女勇者「・・・そうなんだ。」

所長「あまりお会いになっていないので?」

女勇者「・・・・・・。」

所長「野暮な質問でしたね。失礼致しました。宜しければ薬草を使ったお菓子がございますよ?」

女勇者「☆!おやつ・・・☆☆☆」

魔王城  政務室


側近「・・・で、あるからして『爆発しろ』とは羨望、賞賛、妬み、僻み、など様々な感情をぶつける言葉なのです。」

魔王「ふむ、嫉妬の中にも相手の幸せを願い、その願いの中にも中傷が入るのか。難しいな。」

側近「はい。それに魔王さまはこの世界トップクラスのリア充でございますが故、特に。」

魔王「”りあじゅう”とは?」

側近「リア充とは、魔王様のような公私ともに充実し、かつ女勇者様のような大変お綺麗な恋人がいらっしゃる状態の事をいいます。」

魔王「なるほど、確かに女勇者は大変美しい。余は幸せ者だな。」

側近「爆発しろ!!」

魔王「えっ?」

シェルキア国首都アクア シェルキア城 謁見の間  


女勇者「では女王陛下、施設への貿易手配宜しくお願いしますね。」

シェルキア女王「はい。承りました。ところで女勇者様?」

女勇者「はい?」

シェルキア女王「魔王さまとはご無沙汰ですか?」

女勇者「はいっっ!!??」

シェルキア女王「だって女勇者様、この前いらっしゃった時より元気が全く無いんですもの。原因としたらそこしかないですわ。」

女勇者「えっ・・と。あの・・あははー。」

シェルキア女王「女勇者様、これは一人の女として申し上げるのですが。」

女勇者「は、はい。」

シェルキア女王「時に殿方は女性以上に寂しがりですわ。それを利用する時もありますが、魔王様は今世界の為に尽力しておられます。」

シェルキア女王「あなたの存在はきっと魔王様の力になるはずですわ。例え同じ部屋にいるだけでも。」

女勇者「・・・・・はい。」

シェルキア女王「ふふ、初々しいのは結構ですが、あまり気を使わない事です。時には感情に任せることも必要ですよ。」

女勇者「・・・はい。でもなかなか仕事の合間に会ってもらうのも申し訳なくって。凄く忙しそうだし。」

シェルキア女王「果たして真実はどうでしょうかね?」ニッコー☆

女勇者「シェ、シェルキア女王様?」

シェルキア女王「ウフフフフフフ。」

魔王城 塔内 書斎


コンコン

魔王「側近か?入れ。」

側近「失礼致します。」

魔王「どうした。言われた通り今この本(側近恋愛講座初級 ~彼女の気持ちは表情で見抜け~)で予習中だ。」

側近「それは丁度良うございました。では魔王様・・・・。」

魔王「?」

側近「実践です。どうぞ。」スッ

女勇者「・・・・・・・や。」

魔王「女勇者!?こんな時間にどうしたのだ?」

側近(チッ!-10点です。魔王様。)

女勇者「ご、ごめん!迷惑とは思ったんだけど・・・これ・・・。」スッ

魔王「そんなことはない・・・手紙?」

女勇者「うん。絶対今日渡せって。シェルキア女王が・・・。」

魔王「女王が?」カサッ

親愛なる魔王さまへ


これは貸しでございますわよ♡


       マリーゼ・ルルア・シェルキア

魔王「あの策士め!」

女勇者「・・・魔王?手紙にはなんて?」

魔王「いや・・・何でも・・・見るか?」

女勇者「いいの?」

魔王「やましいものではない。いや、ある意味とんでもない内容だがな。」

側近(女関係の隠し事はNG!+30点でございます!魔王様。)

女勇者「いや・・やっぱりいいや。何となく内容はわかるし。///あと・・・その・・・///」チラッ

魔王「!・・・側近。そこにいるな?」

側近「チイッ・・・はい。ここに。」

魔王「外せ。それとこの塔の近くに誰も来させるな。」

側近「仰せのままに。」シュピン!(ちくしょう!)


少し休憩します。申し訳ありません。

もしかしたら夜中に更新しますが、体力次第です。

感想とか頂けたら嬉しいです。

あと、これからまた18禁になりますので苦手な方は魔王城 朝から読まれてください。

お待たせしました。

再開します。

皆さんのコメント励みになります。

女勇者「・・・ありがとう。側近さんには悪いことしちゃったかな。」

魔王「なに、気にするな。奴は奴で楽しんでいる。」

女勇者「えへへ。そっか。」

魔王「ああ。」

女勇者「・・・・・・」

魔王「・・・・・・」

女勇者(やっぱり迷惑だったかな。あんまり嬉しそうじゃないし。ちょっとだけ寂しい・・・かも。)

魔王(もっと話したいことがあったはず。なのに言葉が出てこん。)

魔王(なんとか、なんとか話題を。)

魔王「あのな!」
女勇者「あのね!」

魔王「え?」
女勇者「え?」

魔王「なんだ?」
女勇者「なあに?」

魔王「え?」
女勇者「え?」

魔王「・・・・・」
女勇者「・・・・・」

魔王「フフ。」

女勇者「えへへ。」
 
女勇者「あはははははっ!」

魔王「フフフ。・・・久しぶりだな。」

女勇者「はぁ~。・・・うん。///」

魔王「会いたかった。」

女勇者「私も。」

魔王「君のおかげで日々充実しているよ。側近曰く、”りあじゅう”という状態らしい。」

女勇者「りあじゅう?」

魔王「うむ。だがこれが行き過ぎると周りから爆発させられる。」

女勇者「な、なにそれ・・・。」

魔王「恋愛は奥が深いのだ。今度君にも教えてあげよう。」

女勇者「あ、ありがとう。」

魔王「腹は減ってないか?菓子をたくさん用意していたのだ。」

女勇者「ありがとう。でもごめんなさい、さっきシェルキアでお腹いっぱいご馳走になったから。」

魔王「そうか。ならば何か遊戯をしようか?バルガード王が教えてくれたのだ。」

女勇者「へ~。どんな遊び?」

魔王「まず相手の目を見る。」

女勇者「目を?・・・。」

魔王「そして相手の動きを予想する。」

女勇者「・・・・?」

魔王「それが予想通りだったら勝ちというルールだ。決闘にも活かされる良き遊戯だそうだ。」

女勇者「え~っと・・・今度でいいかな。」

魔王「そ、そうか・・・それならば、なんだ・・・ふむ・・・しばし待ってくれ、むぅ。」

女勇者(・・・魔王。)

魔王「舞踊でもするか?いや、俺は踊れん。となると読書。二人の意味がない!それならば・・・」

女勇者(あぁ、私のこと、ほんとに大事なんだ。)

魔王「あーでもない。こーでもない。」

女勇者(私、幸せ者だなぁ。)

魔王「☆!」

女勇者(なんなら押し倒してくれちゃっても////なんて//////」

魔王「よし、女勇者!」

女勇者「はっ!はいっ!」(ま、まさか!?////)

魔王「出かけるぞ!でぇとだ!」

女勇者「え?デート?」

魔王「うむ。恋人同士がまずやる事らしいぞ!外に二人で出歩いて買い物をしたり、景色を見たりすることだ。」

女勇者「まおう、デートできるの?」

魔王「俺に任せろ!俺は魔王だ。」

女勇者「フフ、あんまり理由になってないけど。」

魔王「だ、だめか?」シュン

女勇者「そんな訳ないよ。凄く嬉しい。」

魔王「そ、そうか!そうかそうか!」

女勇者「でも、もう時間も遅いからお店は閉まっているし、景色も暗くて見えないかもね。」

魔王「フフ。魔王を見くびるなよ。とっておきの場所に連れて行ってやる。」

女勇者「えへへ。期待してる。」

次の場面はこちらを聞きながらお読み下さい。できれば映画のような、ゆっくりめに読んでもらえると宜しいかと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=vruSTZJ2n38




魔王「では、行くぞ!」パァァ




女勇者「えぇ?このまま?」




魔王「フフ。」スッ




魔王「」ガシッ




女勇者「きゃっ!」




パシュゥゥゥ


   夜空 




女勇者「すごい・・・星・・・・。」




魔王「・・・・・。」



女勇者(あ、心臓の音・・・。)



魔王「・・・・・。」

女勇者(まおう、さみしかったのかな・・・。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(私に、あいたかったのかな・・・。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(いつも冷静で、感情を抑えて、どんな時も一生懸命で、ちょっと世間知らずで・・・)



魔王「・・・・・。」



女勇者(自分は後回しに、ずっとみんなの事を一番に考えてる。)



魔王「・・・・・。」

女勇者(もし私だったら、きっとすぐまおうに頼っちゃうだろうな。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(でも、きっとまおうもそうなんだ。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(ほんとは誰かに頼りたくて、助けて欲しくて、話を聞いて欲しくて・・・)



魔王「・・・・・。」

女勇者(寂しくて、寂しくて、いつも張り裂けそうな不安と戦ってる。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(まおうも・・・・私と・・・・なにも・・・・。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(私、なにもまおうのこと、しらなかったんだ・・・。)



魔王「・・・・・。」

女勇者(でもまおうは、私の為にいろんなことを勉強してる。)



魔王「・・・・・。」



女勇者(ごめんね・・・まおう。私、自分のことばっかり。)



魔王「・・・・・。」

女勇者(ごめんね・・・・。)ギュゥ



魔王「・・・寒いか?」ギュッ



女勇者「・・・ううん。でもこうしていたい・・・。」



魔王「・・・そうか。」

女勇者「ねぇ、まぉぅ?」



魔王「どうした?」ニコッ



女勇者「辛かった?会えないとき・・・。」



魔王「・・・そんな事あるものか。いつでも君が傍にいてくれた。」


女勇者「え?」



魔王「確かに会えない日は残念に思う。」



女勇者「まぉぅ・・・。」



魔王「しかし、それは孤独ではない。世界のどこかに自分を想ってくれる愛する人がいる。これほど嬉しいことはない。」



女勇者「・・・・・・。」



魔王「その愛する人の為の苦労や努力が、なぜ辛いだろう。」



女勇者「・・・・・・・。」

魔王「君のおかげだ・・・・。」




女勇者「・・・・・・・・・・・・・・・・まおぅぅ・・・・えぐっ・・・・」ポロポロ



魔王「女勇者・・・・俺は幸せだよ。君とこうやって同じ星を見ることができる。」



女勇者「・・・・ひぐっ・・・・えぐっ・・・・ううっ・・・・まぉぅぅ・・・・」

魔王「また、泣かせてしまったな。」



女勇者「えぐっ・・・ちがうの・・ひくっ・・あのね・・・・まぉぅ、わたしね・・・・」



魔王「・・・・いいんだ。」スッ



女勇者「あ・・・・・・・・・んん・・・・・・。」



女勇者「・・・・んん・・・・ん・・・・・ふっ・・・・。」



女勇者「・・・あ・・・・・・ふぅ・・・・・まぉぅ・・・・。」

魔王「君がここにいる。俺は幸せだよ。」ニコッ



女勇者「まぉぅ・・・・すきぃ・・・・・。」



魔王「・・・・星が綺麗だな・・・・。」



女勇者「・・・・・・うん・・・・。」

すいません。ご心配かけました。

少しだけ進めます。

ちょっと話の流れ上18禁がなくなっちゃいました。

期待された方すみません!

魔界深部  星降りの丘


魔王「着いたぞ。」バシュン

女勇者「わぁ!」

魔王「大丈夫か?」

女勇者「うん。ここは?」

魔王「ここは魔界でも一部の者にしか立ち入りが出来ない星降りの丘だ。」

女勇者「星降り?」

魔王「今に分かる・・・・・ほら、来たぞ。」

女勇者「え?」

キラッ✩

女勇者「あっ!」

キラッ✩ キラッ✩ キラキラキラキラキラキラキラキラ ☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・☆.。.:*・

女勇者「わあぁぁぁぁ・・・!」

魔王「フフ。あれは魔石の粒子だ。魔力の弱い人間や魔物にはちと危険だが君には問題ないだろう。」

女勇者「・・・・・綺麗・・・・。」

魔王「気に入ってくれたか?」

女勇者「・・・・・うん。ありがとう。」

魔王「・・・・・会えない間沢山の事を考えたよ。」

女勇者「え?」

魔王「君と何をしよう。どこへ行こう。何をしてあげたくて、何をしてほしいのか。」

女勇者「えへへ///・・・・・・そうなんだ。」

魔王「しかし、なかなか出てこなくてな。」

女勇者「?」

魔王「俺は君といたいんだ。それだけで良かった。」

女勇者「・・・・・まおう・・・・。」

魔王「同じ場所で、同じものを見て、寝食を共にし、話し、触れ、想う。」

魔王「君がいるだけで、それだけで良いんだ。」

女勇者「・・・・・また泣いちゃぅょ・・・・。」

魔王「・・・・・・女勇者・・・・・。」

女勇者「なぁに?」

魔王「一緒に住もうか。」

女勇者「ーッ!」




魔王「契を交わそう。」



女勇者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

魔王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

女勇者「う・・・うぇ・・・・うぇええええぇぇぇぇぇぇ!えぇぇぇえええええええぇぇぇ!」ポロポロ ギュッ

魔王「愛している。」

女勇者「ひっく・・・・ひっく・・・・わたっ!しもぉ!うえぇぇぇぇ・・・・・!」

魔王「幸せにする。」

女勇者「も”う”っ・・・・うぇっ・・・・じあわ”ぜぇ!」

魔王「フフフ。泣きすぎだ。」

女勇者「えぐっ・・・だっでぇ・・・!」

魔王「綺麗な顔が台無しだ・・・そら。」ゴシゴシ

女勇者「だめぇ・・・マントが・・・。」

魔王「洗えばよいのだ。そら、チーンだ。」

女勇者「ずぴーーーっ!」

魔王「OH・・・・」



    ☆.。.:*・  キラッ

すいません。やっと落ち着きました。

再開します。

魔王城  謁見の間

バシュン


魔王「いま帰った。」

側近「お帰りなさいませ・・・・おや?」

女勇者「スー・・・・スー・・・。」

魔王「少し疲れていたようだ。彼女に寝室の準備を。」

側近「同室でなくてよろしいのですか?」

魔王「よい。今宵は余も楽しんだ。」

側近「かしこまりました。」

魔王「それと・・・。」

側近「はい。」

魔王「女勇者と契を交わす。急ですまないが・・・。」

側近「それは・・・・大変喜ばしい事でございます。すぐに手配致します。」

魔王「うむ。しかし・・・少し時期尚早だっただろうか?」

側近「世間常識からすれば少々。しかし、魔王様と女勇者様はもとより関係は長うございましたので問題ないかと。」

魔王「そうか。・・・・礼を言う、側近。お前のおかげでもある。」

側近「勿体無きお言葉でございます。では女勇者様を・・・。」

魔王「うむ・・・・・いや、余が運ぶ。部屋の準備を。」

側近「かしこまりました。では客室の準備を致します。」ニコッ

魔王「すまないな。」

側近「恐れ入ります。では・・・。」パシュン

魔王「さて・・・。よく寝ている・・・フフ。」

女勇者「スー・・・スー・・・まぉー・・・えへへ・・・スー・・・。」

魔王城 客室 

使い魔達「ヨイショ!ヨイショ!ヨイコラショ!」

側近(しかし・・・・以外に早かったですね・・・ムフフ)

側近(経験が浅いとはいえ、魔王様の包容力ならば問題もないでしょう。)

側近(しかし、あの魔王様が・・・少し、女勇者様が羨ましいですね。)

側近  ポロッ

側近「あっ・・・。」

使い魔達「ゴシュジンサマナイテルー!ナイテルー!」

側近「・・・・・・・・・・・問題ありません。続けなさい。」

使い魔達「アイーーー!」ピュー

側近(なるほど・・・そういう事でしたか。)

側近(私も、まだまだ、青いですね・・・・。)

側近「さて、急ぎましょう!魔王様がそろそろ到着されますよ!」

使い魔達「アイーーーー!」

側近(魔王様、幸せになってくださいませ。それが側近としての、私としての望みでございます。)

しばらくして   魔王城   客室


側近「整ってございます。」

魔王「うむ、ご苦労。今日はもう休め。」

側近「はい。では失礼します。」パシュン

魔王「・・・・・良い香りだ。」

   スッ   ファサッ

女勇者「・・・んん・・・スー・・・。」

魔王「これでよし。」

女勇者「・・・・ん・・・まぉー?」

魔王「起こしたか?もう少し寝るといい。まだ夜中だ。」

女勇者「えへへ・・・・んー。」

魔王「何だ?」

女勇者「んんー!」

魔王「・・・!ああ。」スッ

チュッ

女勇者「えへへへ///しあわせぇ~///」

魔王「フフ。では何かあれば呼べ。」

女勇者「うん。おやすみぃ。」

魔王「いい夢を。」

女勇者「かー・・・。」

魔王「早」
 

朝  魔王城  客室


女勇者「んん・・・ん・・・んーーーーっっっ!」セノビー

女勇者「っっっぷぁ!・・・・はれ?」

女勇者「ここ・・・・ろこ・・・?」ポケー

コンコン

女勇者「はっ!はひっ!」

側近「入ってもよろしいですか?」

女勇者「はっ!ちょっと待っt!」バタバt
側近「おはようございます。」

女勇者「きゃぁ!待ってって言ったのに!」

側近「聞いただけです。」

女勇者「もう・・・・。っふふ。」

側近「フフフ。」

女勇者「ふふふふっ。おはよう!側近さん。」

側近「おはようございます、女勇者様。朝食の準備が整ってございますよ。」

女勇者「やった!すぐに着替える!って・・・ここ私の家じゃなかった。」

側近「問題ありません。」スッ

女勇者「え・・・?これ・・・えぇ!?」

側近「げへへ。」キラン☆

魔王城  大食堂


魔王「・・・やはり無理か。」

コンコン

魔王「! 来たか。入れ。」

ガチャン!  ギィィィィィィ

側近「遅くなり申し訳ありません。予想以上の抵抗を受けまして。」

魔王「それで!」

側近「鼻血注意でございます。」スッ

カツン    カツン    カツン    カツン   スッ

女勇者「//////////////////」カァァ

魔王「・・・・・・・。」

女勇者「・・・やっぱり・・・変かな・・・。///」

魔王「いや・・・なんというか・・・。」

側近(魔王様!女性の褒め方はわかりやすく、簡潔に!でございます!)

魔王「その・・・芸術品のようだ・・・。」

側近(ふむ・・・75点でございます。)

女勇者「あは・・・あはは///初めてこんなドレス着たよ。結構恥ずかしいね。」

魔王「・・・いや、よく似合っている。たまに見せてくれ。」

女勇者「たまにね////」

魔王「フフ。では、食事にしよう。側近、頼む。」

側近「かしこまりました。女勇者様、こちらへ。」スッ

女勇者「は・・・はい!」スッ

側近「では、今朝はペルノウス野菜のサラダにバルガード豚のソーセージ・・・」

側近「サンダーバードのスクランブルエッグ、ポルト貝のスープ・・・」

側近「そして”TOKIO”で作ったパンでございます。バターはお好みで。」

女勇者「このパン!どこで売ってるの!?どこにも無いんだけど!?」

側近「どうやらDASHという土地で作っているらしいのですが・・・。私でも判りかねます。」

女勇者「そうなんだ。一回行ってみたいな。」

魔王「さあ、食べよう。冷めてしまう。」

女勇者「あ、はい!頂きます!」

しばらくして 


魔王「馳走。」

女勇者「ごちそうさまー☆」

側近「お粗末様でした。」

魔王「さて、女勇者、これからどうする?」

女勇者「ああ~えへへ///そうだったね///」

魔王「俺はいつでも婚礼の儀は行えるが・・・君にも段取りがあるだろう?」

女勇者「えへへ///そうだねぇ~とりあえず今の仕事を片付けたいし、準備もあるから・・・」

女勇者「半年くらい待ってくれたら嬉しいかな。」

魔王「半年か・・・。」

女勇者「ダメ・・・かな・・・?」

魔王「いや、構わない。急だしな。俺もいつでも迎えられるように準備をしておくよ。それに、待つのは好きなんだ。」

女勇者「ごめんね~。ありがとう。」

魔王「幸福なひと時になるだろう。では具体的な事はこっちで決めておく。」

女勇者「もう!そういうのは二人で決めるの!」

魔王「そ、そうなのか・・・。」

女勇者「それが一番楽しいんだから!」

魔王「すまん。勉強しておく。」

女勇者「よろしい!」

バタン!

側近「魔王様!!!」

魔王「!  何事だ!」

側近「お食事中申し訳ありません!大変です!」

側近「ゴーレムの街のデロアスター鉱石が何者かによって強奪されました!!」

魔王「なに!?」

女勇者「デロアスター鉱石?」

魔王「魔界にあるとてつもないエネルギーを持った石だ。しかし、必ず護衛をつけているはず。」

側近「それが、護衛をしていたゴーレムを長としていた部隊も壊滅的な被害を・・・。」

魔王「ゴーレムが?奴は魔界でも指折りの戦士だ。それを倒す者など・・・。」

側近「強奪されたのは昨夜。交代の見回りが発見したようです。」

魔王「・・・とにかく現場に行くぞ。今日の予定は全て白紙だ。」

側近「はっ!準備致します!」パシュン

魔王「なに!?」

女勇者「デロアスター鉱石?」

魔王「魔界にあるとてつもないエネルギーを持った石だ。しかし、必ず護衛をつけているはず。」

側近「それが、護衛をしていたゴーレムを長としていた部隊も壊滅的な被害を・・・。」

魔王「ゴーレムが?奴は魔界でも指折りの戦士だ。それを倒す者など・・・。」

側近「強奪されたのは昨夜。交代の見回りが発見したようです。」

魔王「・・・とにかく現場に行くぞ。今日の予定は全て白紙だ。」

側近「はっ!準備致します!」パシュン

魔王「すまない。女勇者、この埋め合わせは必ず。」

女勇者「私のことは大丈夫!早く行って!私も情報を探してみる。」

魔王「すまない。」バシュン

女勇者「・・・頑張って!」

魔界 ゴーレムの街 メルガルド 中央塔

バシュン

警備兵「魔王様!」

魔王「状況は?」

警備兵「負傷者が多数。護衛部隊には死者もおります。」

警備兵「さらに鉱石を安置していた部屋は見る影も無く吹き飛んでいます。相当な手練かと・・・。」

魔王「ふむ。とりあえず負傷者の救護が先だ。側近。」

側近「はっ!」

魔王「魔王の名に賭けてこれ以上一人も死なせるな。」

側近「かしこまりました!」パシュン

魔王(これだけの魔力、上位魔族か?しかし・・・。)

魔王城  客室


ガシャン

女勇者「ドレスもいいけど、やっぱりこれが落ち着くね。」

女勇者「さて、私も動かないと。とりあえず国王達の所に行くか。」バシュン

ペルノウス国  首都グリンソフィア  グリンソフィア城 正門


バシュン

衛兵「? 女勇者様!」

女勇者「国王様に謁見をお願いします。大至急です。」

衛兵「は、はい!」ダッ

グリンソフィア城  謁見の間


ペルノウス王「お待たせ致しました。何事ですか?」

女勇者「急でごめんなさい。実は・・・・。」

ゴーレムの街 メルガルド 

魔王「側近。いるか?」

側近「ここに!」パシュン

魔王「状況を。」

側近「負傷者は全員無事です。そしてゴーレムからの伝言を受け取りました。」

魔王「申せ。」

側近「先日の使用許可を受けて鉱石の魔力抽出作業を行っていたそうです。しかし、突然閃光が迸り次に衝撃が走ったと。」

魔王「爆発呪文か。」

側近「それに近いものかもしれません。爆発にて、ほとんどの護衛は負傷。ゴーレムは何とか無事でしたが・・・」

側近「鉱石を身を呈して守り続け、四肢の一部を欠損、意識こそ戻りましたがもう前のようには。」

魔王「・・・・・・。」

側近「ゴーレムに、お会いになられますか?」

魔王「・・・ああ。」

緊急救護場


側近「こちらです。」

魔王「・・・ゴーレム・・・。」

ゴーレム「マ”オウザマ!」

魔王「そのままでいい。良く戦った。」

ゴーレム「モ”ウジワゲ、ア”リマ”ゼン!」ボロボロ

魔王「泣くな。ヒーローが泣いては子供たちに示しがつかん。」

ゴーレム「オデ、マ”モレナガッダ!セッカク、イダダイタイシヲ、モウジワゲ、アリマゼン!」

魔王「石は必ず取り戻す。今は自分の身の事だけを考えろ。」

ゴーレム「・・・アイ。」

魔王「それでいい。お前は余の大事な部下だ。先の事は心配するな。」

ゴーレム「シカシ、オデ、ウデガモウ。」

魔王「腕が無くとも出来ることは沢山ある。お前は魔界の英雄だ。」

ゴーレム「アリガタキ、シアワセダス。ソレト・・・。」

魔王「何だ?」

ゴーレム「ヤツラ、”カミ”トカ、”フッカツ”トカ、イッデマジダ。」

魔王「神、復活・・・。」

側近「私の知識にも該当がありません。」

魔王「調べてみる必要があるようだな。側近。」

側近「はっ!」

魔王「エルフの救護班を支給呼べ、そして魔界の勇士に招集をかけろ。余は一度城に戻る。」

側近「承知致しました。」パシュン

魔王「ゴーレムよ。何も心配しなくていい。ここで休んでいろ。」

ゴーレム「・・・アイ。」

魔王「では、皆の者、後を頼むぞ。」

救護兵「はっ!」

魔王「さらばだ。」バシュン

バルガード国 首都  ガドン  ガンガルキン城 謁見の間


バルガード王「承知した。我が国もできる限りの支援を約束しよう。」

女勇者「ありがとうございます。」

バルガード王「して、女勇者殿はこれからは如何に?」

女勇者「はい。ゴーゴン火山の仙人を伺おうかと考えています。」

バルガード王「億識の仙人か。あの方ならば何か知っているやも知れぬな。用心して行かれよ。」

女勇者「ありがとうございます。ではここで失礼します。」パシュン

バルガード王「さて、衛兵!」

衛兵「はっ!」

バルガード王「全部隊に通達!緊急招集!五番から十番部隊は鉱石捜索の編隊を組め!一番部隊から四番部隊は余と共に魔王城へ向かう!」

衛兵「はっ!」

バルガード王「今こそ我が部隊の力を見せる時だ。」

文献 

デロアスター鉱石

・・・よって莫大な魔力を持つ貴重なこの鉱石は儀式の道具や、神への祀り物として扱われてきた。

しかし、ここ千年ではまともに扱える者はおらず、特殊な装置によって徐々にエネルギーを得る程度である。

魔王「・・・ヒントは無しか。」

コンコン

側近「魔王様、側近でございます。」

魔王「入れ。」

側近「失礼いたします。」

魔王「報告を。」

側近「申し上げます。現地には救護部隊が到着。治療に能っております。」

側近「そしてドラゴンをはじめとする魔界の精鋭と人間界三国の軍隊が城に向かっています。」

魔王「三国の・・・。」

側近「はい。あと半日程で到着するようです。」

魔王「このような時に、嬉しく思う余は淀んでいるな。」

側近「そのような事は・・・。」

魔王「人間界には女勇者が?」

側近「はい。各地を駆け回って頂きました。流石としか言いようがありません。」

魔王「そうか・・・。しかし今は情報がない。」

側近「それですが、今女勇者様が億識の仙人のもとへ向かわれたようです。」

魔王「ゴーゴン火山の?しかし、あの者は既に俗世を捨て、ただ世界の有り様を眺めているだけだ。協力をしてくれるか。」

側近「恐れながら、今は如何様な情報でも欲しいところです。期待せずに待ちましょう。」

魔王「・・・そうだな。」

ゴーゴン火山  火口  仙人の祠


女勇者「仙人様!いらっしゃいますか?」

仙人「その声は・・・女勇者か。」

女勇者「はい。お久しぶりです。」

仙人「要件はわかっている。デロアスター鉱石のことであろう。」

女勇者「なぜ・・・それを・・・。」

仙人「ふむ。どうだ?魔王とはうまくいっているか?」

女勇者「今は・・・関係ありません。」

仙人「ふふふ。魔王と勇者が契を交わすか。俗世も変わったものだ。」

女勇者「仙人様!質問にお答え下さい!」

仙人「・・・ふむ。」

仙人「女勇者よ・・・世には理というものがある。」

女勇者「何を・・・おっしゃられているのですか?」

仙人「新たな命が生まれ、古き命が滅ぶ。それと同じだ。魔王が生まれ、勇者が倒し、また新たな魔王が生まれ、勇者を倒す。」

仙人「全ては理なのだ。」

女勇者「意味がわかりません。」

仙人「わかるはずもなかろうな。しかし儂はよく知っている。そしてこれは決して狂ってはならぬ。」

女勇者「仙人様・・・まさか・・・。」

仙人「女勇者よ。魔王との契をやめるがよい。そして今すぐ魔王を倒すのだ。」

女勇者「何を!そんな!」

仙人「それがこの世界を救う唯一の手段だ。」

女勇者「嫌だ!やっと平和になったんだ!それに魔王は誰よりもこの世界を愛している!」

仙人「控えろ。小娘が。これは要求ではない。命令だ。」

女勇者「嫌だ!私は!私は!」

仙人「ふん・・・所詮は人間の女か。一度愛を覚えればもう何も見えなくなる。」

女勇者「なんとでも言ったらいい!私は魔王と一緒に生きるんだ!」

仙人「・・・・・狂った理は、修正せねばならない!」

仙人「それが儂の、この億識の仙人の役目である!」ゴゴゴゴゴゴ

女勇者「このとてつもない魔力!これが!」

仙人「神より授かった役割、果たす時だ。」スッ

女勇者「!  それは!!」

仙人「デロアスター鉱石だ。これはただの石ではない。」

女勇者「何?あの石から何かが!」

仙人「これはこの世界を作った神々の血だ。」

女勇者「血?」

仙人「貴様らが知る歴史。その遥か昔、そう、途方もなく昔だ。」

仙人「この世界を作った神々は私にある役割を与え、この世界の各所で眠りについた。」

仙人「ある神は空に、またある神は海に、そしてこの火山だ。」

女勇者「この火山に、神が?」

仙人「この火山に、ではない。この火山自体が神なのだ。」

女勇者「なっ!?」

仙人「そしてこの石は、神復活の鍵となる。たったこれだけでも世界を修正するには十分だ。」

女勇者「やめろ!そんな事はさせない!」ダッ

仙人「控えろと言ったはずだ。」スッ

バゴォン!!

女勇者「うあぁ!」

仙人「ふん。勇者といえど役割を受けた只の人間の娘よ。神の使いである私には遠く及ばんわ。」

女勇者「かっ・・・はっ・・・」

仙人「ふはは。さあ神の復活だ!」

女勇者「ま・・・おう・・・・。」

少し前  魔王城  正門


魔王「皆の者。よく集まってくれた。」

ドラゴン「勿体無きお言葉でございます。このドラゴン、そして他の魔族、我が主、魔王様の命をもって参上しました。」

バルガード王「・・・なんとも。圧巻であるな。」」

魔王「バルガード王!」

バルガード王「久方だな。今こそ我兵の勇姿を見せる時と参上した。」

シェルキア女王「私達もいますよ。」

魔王「シェルキア女王!ペルノウス王!」

ペルノウス王「友の危機を黙って見過ごす事など我が国では教育されておりませんが故。」

シェルキア女王「微力ですがお手伝いさせて頂きますわ。」

魔王「すまぬ。恩に着る。」

バルガード王「して、女勇者殿は?」

魔王「今、億識の仙人の所に・・・」

魔王「ッッ!!!!!!!!」

側近「魔王様!?」

魔王「女勇者が・・・危ない!!」

側近「え?」

魔王「側近。ここを頼む!」

側近「・・・承知致しました!」

魔王「火山の祠だな!」バシュン!

ゴーゴン火山 火口 仙人の祠


仙人「ふはは。さあ神の復活だ!」

バシュン!

仙人「ん?」

魔王「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ

仙人「ふん・・・魔王か。愛しの勇者をたすk」ドカァァン!!!「ぎゃぁ!」

魔王「女勇者!女勇者!大丈夫か!?」

女勇者「ま・・・・お・・・う・・・。」

魔王「ひどい火傷だ。すぐに治療してやる。」パァァ

女勇者「・・・つっ。」

魔王「くっ!ここでは!待ってろ!」ブゥゥン

仙人「逃がすかぁ!」

魔王「何っ!?」

ズガァァン!

仙人「はぁ・・・はぁ・・・この小僧が!調子に乗りやがって!」

魔王「貴様は・・・。」

仙人「ほう?障壁で防いだか。」

魔王「女勇者、少しだけ待っていろ。すぐに終わらせる。」

女勇者「ま・・・おう・・・私は、大丈夫だから・・・。」

魔王「当たり前だ。君は勇者だ。これくらいでは死なん。」

女勇者「でも・・・世界が・・・。」

魔王「事情はよくわからんが・・・君を守ると約束した。」

女勇者「えへへ・・・ごめんね。まおう・・・がんばれ・・・。」

仙人「何よそ見している!!!」

ズガァァン!

仙人「いない?吹き飛んだか。」

魔王「貴様は・・・。」

仙人「なに!?」バッ

魔王「貴様は、余を怒らせた。」ゴゴゴゴゴゴゴ

仙人「ふん、たかだか千年ほど生きただけの若造が!言ってくれる!」

魔王「これほどの怒り、これほどの憎しみ、余は感じたことはないぞ。」

仙人「だからどうだと?この神の使いである私に叶うとでも?」

魔王「神の使いかガキの使いか知らんが・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ

仙人「な、なんだこの魔力は・・・奴は所詮魔王、この私に匹敵・・・いや、これは・・・。」

魔王「 細 胞 の 欠 片 の 残 さ ぬ !! 」キィィィン

ドガァァァァン!!!!

仙人「ぐわぁ!!何だこれは!話が違うではないか!」

魔王「何をゴチャゴチャと!!!」キィィィィン

ズガガガガァァァァン!!!!

仙人「ひいっ!!こっ!この力は!おのれぇ!!」キィン

仙人「この億識の仙人!最大呪文を受けるがいい!!」

魔王「・・・・・。」

仙人「滅殺魔法 メルトン!!!」

ブォォン  グォォォン  キィィン   ドカァァァン!!

仙人「はぁ・・・はぁ・・・。調子に乗るなと言ったはずだ・・・。」

魔王「なんだそれは?」

仙人「なっ!?」

魔王「魔法とは!こう使うのだぁ!!」ギィィィィィィン!!

魔王「獄殺魔法 ハデス・メゾラゴン!!!」

ブゥゥゥン  カッ! グゴォォォォォォォォ!!!!! 

仙人「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

魔王「ふん・・・。女勇者!」ダッ

女勇者「う・・・う・・・。」

魔王「大丈夫か?城へ戻るぞ。」

女勇者「まおう・・・?おわったの・・・?」

魔王「ああ。」

女勇者「殺しちゃったの?」

魔王「・・・・・・すまない。」

女勇者「・・・ううん。」

魔王「城に帰るぞ。」ブゥゥン

女勇者(まおう・・・。)

バシュン

仙人「がっ!・・・はっ!・・・お・・・のれぇ!・・・」スッ

仙人「これさえ・・・・あれば・・・ふふふ・・・・」

仙人「ふはははっははっははっは!!!」

デロアスター鉱石「ギィィィィィィン!!!!」

魔王城 正門


バシュン!!

側近「魔王様!?・・・っ!!!!!」

魔王「側近!!すぐに女勇者の治療を!!」

側近「承知致しました!!」

シェルキア女王「魔王様!・・・女勇者様!!!」

魔王「仙人の仕業だ。」

ペルノウス王「なんと・・・!!」

バルガード王「何故、仙人がこのような!」

魔王「わからぬ。しかし、この手で既に始末した。」

ペルノウス王「魔王殿が・・・。」

魔王「済まぬ。もう誰も傷つけないという約束。侵してしまった。」

バルガード王「致し方なかろう。それに愛するものを傷つけられて黙っておるなど、そんなものは男の所業ではない。」

ペルノウス王「その通りです。私共の魔王殿への信頼は揺るぎません。」

魔王「済まない。心遣い、痛み入る。」

シェルキア女王「して、例の鉱石は?」

魔王「仙人が持っていたようだが、一緒に焼き尽くしてしまった。」

シェルキア女王「そうですか。しかし、悪用されるよりはましですね。」

魔王「今回の件は余の軽率な行動によるものだ。どうか許して欲しい。」スッ

バルガード王「頭を上げられよ。魔王殿。貴殿は当たり前の事をしたのだ。憎むべきは彼奴の方である。」

シェルキア女王「はい、それに何時も世には予想外の事が付き物ですわ。」

ペルノウス王「有事の時は助け合えば良いのです。それが平和というものでしょう。」

魔王「・・・・・済まぬ・・・!」

魔王城  王室


女勇者「ん・・・うん・・・?」

側近「気が付かれましたか?」

女勇者「ここは・・・仙人は!?」

側近「魔王さまによって既に・・・。」

女勇者「そう・・・。石!石はどうしたの!?」

側近「それも一緒に焼き尽くしたとか。」

女勇者「ダメ!!あれは、あの石はそんな物じゃないの!」

側近「・・・・魔王様をお呼び致します!」

しばらくして


魔王「女勇者!気がついたか!」

女勇者「魔王!あの石は、あの石は!」

魔王「落ち着け。少しづつでいい。」
       
       :
       :
       :

魔王「神の・・・・血・・・。」

女勇者「そう、だからあの石を早く回収しなくちゃ!」

魔王「すぐに祠に向かう。側近!」

側近「既に整ってございます!」

魔王「良し。待っていろ女勇者。大人しく寝ているんだぞ。」

女勇者「・・・はい。・・・気をつけてね、魔王。」

魔王「心配するな。余は魔王だ。」

側近「では・・・。!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!


魔王「何事だ!!!」

女勇者「・・・ま、まさか・・・。」

魔王城北側 見張りの塔

衛兵1「ひっ!ひぃぃぃ!!」

衛兵2「や、山が!!!」

衛兵3「動いている!?」

火山地帯


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!


仙人「ふふふふ。もう止められん。世界は終わりだ!!!ふははははははははは!!!!」

仙人「さあ行こう!!大地の神タイタンよ!この世界を浄化するのだ!!!ふははははは!!!」

タイタン「オ前ハ・・・・何ダ・・・・。」

仙人「え?・・・へ・・・?」

タイタン「何故、神デアル俺ノ体ニ乗ッテイル。」

仙人「わ、私は神の使いだ!ずっとあなたを守っていた!そ、それに復活させたのは私である!」

タイタン「オ前ナド・・・知ラヌ・・・。」

仙人「そ、そんな・・・!!!」

タイタン「消エロ。無礼者ガ・・・。」グオオ

仙人「ちょっ!ちょっと待っ・・・!」

仙人「ギャァァァァァァァプチッ!」

タイタン「フン・・・。地上・・・。」

タイタン「随分ト、変ワッタモノダ・・・。」

タイタン「・・・・・・壊スカ。」

ドカァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!

魔王城北側 見張りの塔


衛兵1「や、山が一撃で!!!」

衛兵2「こっちに来るぞ!!逃げ・・・いや!!」

衛兵3「我々はこの見張りの塔の衛兵だ!命尽きるその時まで!」

衛兵1・2「応!」

魔王「よくぞ言ってくれた。」

衛兵達「魔王様!!」

魔王「・・・あれが神か・・・。」

側近「山・・・ですね・・・。」

魔王「でかいな。側近、城の者、そして人間界の人々を移動呪文を使える者達と避難させろ。」

側近「魔王様は・・・?」

魔王「余は魔王だ。この魔王城を守る。」

側近「そうでしたらば、その命にはお応えできかねます。」

魔王「何?」

側近「何故なら全員がそこの衛兵達と同じ気持ちであろうからでございます。」

魔王「・・・死ぬぞ。」

側近「ここで魔王様が敗れれば、どの道終わりです。」

魔王「・・・・・。」

女勇者「魔王・・・。」

魔王「女勇者!?寝ていろと言ったろう!」

女勇者「魔王が言ったんじゃない。私は勇者だって。世界の危機に寝ている勇者が何処にいるの。」ニコッ

魔王「女勇者・・・・。」

側近「魔王様・・・・どうか・・・。」

衛兵達「魔王様!!!」

女勇者「魔王・・・!」

魔王「・・・・・・俺はやはり、淀んでいる。」

側近「魔王様!!」

魔王「全員を正門に集めろ!!大至急だ!!」

側近「はっ!!」バシュン!

女勇者「魔王・・・。」

魔王「女勇者、頼みがある。」

女勇者「え?」

魔王城  正門


バシュン!!

ペルノウス王「魔王殿!あの怪物は!?」

魔王「神だ。恐らく仙人が目覚めさせたのだろう。」

ペルノウス王「神・・・あれが・・・。」

シェルキア女王「何と禍々しい。」

タイタン「ォォォォォォォォォォォ」

バルガード王「す、少しは歯ごたえがありそうだ。」

魔王「済まぬ、国王諸君。力を借りたい。」

ペルノウス王「喜んでお貸し致します。して、如何に戦いを?」」

魔王「うむ、これから三組に編隊を組む。」

シェルキア女王「三隊に?」

魔王「まずは貴公らの人間舞台で後衛を頼む、傷ついた者の救護や物資の補給をお願いしたい。」

バルガード王「なんと!戦わせてはくれぬのか!?」

魔王「相手が巨大すぎる。迂闊に近づいては踏み潰されるだけだ。攻撃を仕掛けるのは、ドラゴン!!」

ドラ「ここに・・・。」

魔王「お前は空を飛べる魔物と共に援護を頼む。近づきすぎず、あくまで遠距離で気を逸らしてくれ。」

魔王「その他の魔物は人間の軍隊と共に後衛を担当。いいな。」

ドラ「我が主よ。了解した。」

魔王「最後の部隊は・・・余一人でいい。」

ペルノウス王「なんですって!?」

魔王「今、この世界で奴と渡り合えるのは余だけだ。勝てるかはわからんが全力を尽くす。」

シェルキア女王「そんな・・・!いくら魔王様でも無謀ですわ!あの怪物は山そのものですのよ!」

魔王「もしもの時は、出来るだけ遠くに逃げてくれ。世界は滅ぶやも知れぬが、とにかく逃げるのだ。」

バルガード王「逃げるなど!俺は戦場で死ぬと決めている!兵士も同様だ!それに神と戦って死ぬなど、戦士にとっては光栄である。」

魔王「フフ。しかし、余が倒れた後、バルガードの武器無くては奴と戦えぬ。頼む。明日を、未来を創るためだ。どうか・・・!」

バルガード王「くっ!・・・・・承知したぁ!!」

魔王「ペルノウスの食糧、シェルキアの海洋技術も同様だ。頼む。」

ペルノウス王「・・・・承知しました。」

シェルキア女王「しかし魔王様・・・貴方には女勇者様が・・・。」

魔王「・・・フフ。そうだな。丁度来たようだ・・・。」

ガチャン!!  ゴォォォォォォォン!!  


側近「魔王様・・・。整いました。」

魔王「済まないな。こんな時に。」

側近「いえ、良き頃合と存じます。では。」

魔王「うむ。」





カツーン   カツーン   カツーン   カツーン   スッ




一同「!!!!!!!!!」

ペルノウス王「女勇者・・・・様・・・?」


バルガード王「なんという・・・・・美貌だ・・・・・・。」


シェルキア女王「・・・・・綺麗・・・・。」


ドラ「・・・・・あの娘が・・・・まるであれは・・・・。」



魔王「・・・・・女神・・・・だな・・・。」



女勇者「/////////////////////////」

魔王「国王諸君。余は今から女勇者と婚礼の儀を行う。誓いの証明を協力して頂きたい。」

ペルノウス王「・・・・・・魔王様。あなたは・・・。」

魔王「・・・・・後悔を・・・したくないのだ・・・。頼む。」

シェルキア女王「大変喜ばしい事ですわ!さぁ直ぐに行いましょう!」

バルガード王「シェ、シェルキア女王!?」

シェルキア女王「世界最大最高の夫婦の誕生ですわよ!シャキっとしなさい!」

バルガード王「し、しかし!!」

シェルキア女王「しかしもかかしもありません!」

バルガード王「お、おう。」

魔王「済まない。」

ペルノウス王「では、神父役は私が。」

シェルキア女王「貴方様が?」

ペルノウス王「おや?言ってませんでしたか?私は元々教会育ちですよ。」ニコッ

バルガード王「初耳だ・・・。」

シェルキア女王「では女勇者様のバージンロードは私が担当しますわ!」ニコッ

バルガード王「ま、待て!俺は何をしたらいい!?」

ペルノウス王・シェルキア女王「・・・さぁ?」

バルガード王「ええい!もうよいわ!俺は部隊の突撃ラッパで思い切り盛り上げてやる!それで良かろう!」

魔王「御三方共・・・・恩に着る。」

シェルキア女王「ふふふ。貸しが増えましたわね。さぁ始めましょう!」

ペルノウス王「魔王殿。こちらへ・・・。」

魔王「う、うむ。」

兵士・魔物達   ドヨドヨ  ドヨドヨ  ドヨドヨ

バルガード王「皆の者!!」

兵士・魔物達「!!!」

バルガード王「これよりまっこと急ではあるが!」

バルガード王「魔王殿と女勇者殿の婚礼の儀を行う!!」

兵士・魔物達「・・・・・・・・・・・・・・。」

バルガード王「・・・や、やはりダメか?」

兵士・魔物達 ワァァァァァァァ!!!!!

バルガード王「ふっ!ふははは!ではまず神父と新郎の登場である!!」

ギィィィィ

魔王「・・・・・・・・・。」

ペルノウス王「どうか緊張なされずに。」

魔王「・・・無茶を言う!」

ペルノウス王「ふふふ。そうですね。」

兵士・魔物達 ワァァァァァァァ!!!!!

バルガード王「続いて、新婦の登場である!!ラッパ隊!!」

パーパーパパー  パーパーパパー  パーパーパパーパーパパーパーパパー

ギィィィィィ

兵士・魔物達 ワァァァァァァァ!!!   ・・・・!!!!

女勇者「うぅ~//////////恥ずかしいよぉ~/////////」カァァ

シェルキア女王「しゃんとしなさい!皆あなたを見て息を呑んでますわよ。」ニコッ

兵士・魔物達 ・・・・・・・・・!!!!

魔王(約束したのはつい昨日なのだがな・・・。)

魔王(まさかこんな事になるとは・・・。)

魔王(いや、これも繋がった結果か・・・。)

シェルキア女王「魔王様。女勇者様の手を・・・。」

魔王「う、うむ。」

女勇者「えへ///えへへへ///急だったね///」

魔王「・・・済まない。」

女勇者「ううん。凄く幸せ。」

魔王「そうか・・・・俺もだ。」

ペルノウス王「お二人共、こちらへ。」

魔王・女勇者「はい。」

ペルノウス王「では、只今より、婚礼の儀を行います。まずは新郎、魔王・アレクサンダー・グニール。」

魔王「・・・はい。」

ペルノウス王「あなたは横にいる勇者・レイク・ユーリを自分の妻として、生涯愛し、健やかなる時も、病める時も、共に生きると誓いますか?」

魔王「・・・誓います。」

ペルノウス王「次に勇者・レイク・ユーリ、あなたは横にいる魔王・アレクサンダー・グニールを自分の夫として、生涯愛し、支え、共に生きると誓いますか?」

女勇者「はい、誓います。」

ペルノウス王「指輪の交換を・・・。」

側近「こちらに・・・。」

魔王「うむ。」

女勇者「綺麗・・・。」

魔王「オリハルコンの指輪だ。君を守ってくれる。」スッ

女勇者「じゃあ貴方の指輪には、私の祈りと想いを・・・。」スッ

ペルノウス王「では最後に、誓いの口づけを。」




魔王「女勇者・・・。」



女勇者「魔王・・・。」



魔王「愛している。」
女勇者「愛してるよ。」





魔王「・・・・・・・・・・・・」
女勇者「・・・・・・ん・・・・」ポロッ





ペルノウス王「二人を夫婦とここに認めます。」


ワァァァァァァァ ワァァァァァァァ ワァァァァァァァ ワァァァァァァァ

休みます。

見ていただいている方、本当にありがとうございます。

もうしばらくお付き合いください。

あとこの様な時に火山を題材にして申し訳ありません。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。



まさかあのお気楽な始まりからこんなシリアスになるとは。
でもとっても面白いよ。
熱い展開は大好物です。

あといまさらだけど、登場人物が「魔王」「勇者」「側近」とかなのに人間の国に名前をつけるのはいかがなものか。
「海の国」「山の国」とかにしたほうが世界観に統一感がでると思う。
と思ってたら肝心の魔王達にも名前付いちゃったよ。なぜ最初から名前で呼んでやらなかったw
世界観がブレたように感じるなあ。
雰囲気の問題だからお話が詰まらなくなる訳じゃないんだけど。

偉そうに長文でゴメン。
キャラもお話も好きだよ。



側近たんペロペロ

>>317さん
ご指摘ありがとうございます。

名前は迷ったとこでもありました。
話を作りながら書いたのでキャラに感情移入してしまった所もあります。
若干の中二病もありますがwww

次回作からは気をつけたいと思います。
もうすぐ完結に向かいますので、是非最後までお付き合いください。

魔王「さて、やるか。」

女勇者「・・・うん。」

ペルノウス王「お二人共、おめでとうございます。では魔王殿、出陣の言葉を。」

魔王「・・・・・承知した。」スッ



魔王「諸君!!」

兵士・魔物達「!!・・・・・。」

魔王「まずは我ら夫婦の婚礼に付き合ってもらい感謝する。」

魔王「だが、喜んでばかりはいられぬ。」

魔王「我々がいるこの地に、破滅の化身が向かっている。」

魔王「その絶望的な容姿は、我々の勇気を、希望を砕くほどやも知れぬ。」

魔王「しかし!」

魔王「我々の背中の後ろには守るべき世界がある!!」

魔王「名誉・財産・地位・誇り・友人・恋人・家族・・・・」

魔王「そして平和。」

魔王「ここにいる、一人一人の姿形こそ違えど、護るべきものは皆同じのはず!」

魔王「今こそ!明日を、未来を創るときだ!」

魔王「ペルセウスの弓の閃光が!」

魔王「シェルキアの剣の流水が!」

魔王「バルガードの槌の爆炎が!」

魔王「魔族の勇士の巨牙が!」

魔王「我らの世界を!この世界を護るのだ!!」

魔王「諸君!!!」

兵士・魔物達「!!」





魔王「世界を救え!!!」





兵士・魔物達「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!」

シェルキア女王「流石の演説ですわね・・・。」

女勇者「・・・はい・・・。」

シェルキア女王「少し羨ましいですわ。あのような素敵な殿方と夫婦になる女勇者様が。」クスクス

女勇者「///////////ありがとう///ございます////////////。」

シェルキア女王「女勇者様。良いですか。」

女勇者「は、はい!」

シェルキア女王「結婚は最初のうちは楽しいものですわ。まるで夢の中のような・・・。」

女勇者「はい・・・。」

シェルキア女王「しかし、時が過ぎるにつれ、段々とお互いの嫌な部分が見えてきます。」

女勇者「・・・・・・。」

シェルキア女王「違う人なのです。ましてや、貴方達は種族すら違います。」

女勇者「・・・はい。」

シェルキア女王「相手の事がわからなくなった時はその人の良い部分を見ると良いでしょう。」

女勇者「・・・良い部分・・・。」

シェルキア女王「そう。どうしても人は相手の悪い部分ばかりに目が行きがちです。しかし、そういう時こそ相手をよく見るのです。」

シェルキア女王「お互いがそうなった時、初めて二人は本当の夫婦となります。」

女勇者「・・・・・。」

シェルキア女王「私の夫は、シェルキア国王は、戦地に発つその日まで私の事を愛してくれました。」

女勇者「シェルキア女王・・・。」

シェルキア女王「その愛があったからこそ、和平の申し出を受け入れられたのです。」

女勇者「・・・・・・・・・・はい。」

シェルキア女王「女勇者様、決して、後悔なされませぬよう。いいですね。」

女勇者「・・・はい!!」

シェルキア女王「ふふふ・・・。それともう一つ・・・。」

女勇者「?」

シェルキア女王「初夜の営みは程々に、翌日に腰とあそこが酷いですわよ♡」

女勇者「~~~~~~~ッッッ!!!////////////////」

魔王城北  荒野  温泉街



側近「せっかく、ここまで完成したのですけれど。」

魔王「また作れば良いのだ。命さえあれば、どうにでもなる。」

側近「そうでございますね・・・・・・魔王様。」

魔王「何だ?別れの言葉なら聞かんぞ。」

側近「フフ。違います。私、側近は生まれ落ちて百と十余年・・・」

側近「魔王様を・・・愛しておりました。」

魔王「・・・・・側近・・・。」

側近「フフ。私もつい昨日気付いたのです。」

魔王「・・・・・そうか・・・。」

側近「いつも、魔王様の背中と、心を見ておりました。」

魔王「・・・・・やはり、余は愚鈍だな・・・。」

側近「恐れながら、まったくもってその通りでございます。クソが付くほど・・・。」

魔王「こいつ!言ってくれる!」

側近「フフフ。」

魔王「側近。お前には、お前だけには偽り無い余を、俺を見せてきたつもりだ。」

側近「・・・魔王様・・・。」

魔王「俺は必ず勝つ。そして帰ってくる。だから・・・・」

魔王「だから・・・もう、泣くな・・・・。」

側近「えっ?」ポロポロ

側近「あっ・・・・・・・。」ボロボロ

魔王「大丈夫だ。心配するな。」ギュ

側近「ま・・おう・・・さま・・・・!」ギュゥッ

側近「うっ・・・・うっ・・・・うっ・・・浮気は・・・・・マイナス200点・・・・です。」ギュゥゥ

魔王「フフ・・・。雷なら、甘んじで受けよう。」

側近「良き覚悟です。・・・・では・・・・もう少し・・・・このままで・・・・・。」

魔王城   外周


兵士「国王様!全部隊の配置が完了致しました!」

バルガード王「おう!」

ブオォン

ドラ「グルル。こちらもいつでも行ける・・・。」

ペルノウス王「さて、それでは、女勇者様。」

女勇者様「・・・はい。」

女勇者「皆さん!どうか未来を創るために!!」

女勇者「進軍!開始!!!」

兵士・魔物達「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!!!」

女勇者(魔王!生きて帰らないとご飯抜きだからね!!)

荒野  最北端


タイタン「グゥゥゥ・・・。次ハ、アノ城ダ。生意気ニ俺ノ眼前ニ建テヤガッテ。」ズズズゥン!

バコム!

タイタン「?」

魔王「ふむ・・・やはりこの程度では気付いてすら貰えんか。では・・・」

魔王「光星魔法!  七星剣 グランシャリオ!」キラッ☆ キラッ☆ キラッ☆ キラッ☆ キラッ☆ キラッ☆ キラッ☆

キィン キィン キィン キィン  ガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!

タイタン「!????」ヨロッ

魔王「古代の禁破壊魔法でよろけるだけとは。流石、神だな。」

タイタン「貴様・・・・・・・。コノ時代ノ、魔王カ・・・。」

魔王「いかにも。神よ、どうかまた眠りについてはくれぬか?」

タイタン「世迷言ヲ・・・・。我ハ地神タイタン。神ニ手ヲ付ケタ報イ。受ケテモラウゾ!」ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

魔王「!!!・・・くっ!!!!なんという!!!」

タイタン『   タ   ツ   マ   キ   』

ゴォォォォォォ!!!!バリバリバリバリバリィ!!!!!!!!!!

魔王「竜巻じゃないだろ!この大きさは!!まるで台風だ!!!」

魔王「重力魔法!!  ギガ・グラビティ!!!」ブゥゥゥン

ズズズズズズズズズズズズズズズズ!!!!!!

魔王「ぐおぉぉぉぉぉおおお!!!!!!」

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

タイタン「ホウ・・・?」

魔王「はぁ。はぁ。ふん、余は魔王である!全ての世界、全ての時代の魔法を使える。だから”魔”王なのだ!」

タイタン「成程ナ・・・。次元ヲ操ル者カ。ナラバ俺モ本気デイクゾ!!」ゴゴゴゴゴ

魔王「くそっ!またか!」

タイタン「   ガ   ン   セ   キ   」ブゥン

魔王「なっ!?」

タイタン「潰レロ。」

ドドドドドドドドドドドド!!!!!

魔王「なんの!!!」キィィン

魔王(女勇者!必ず君と!)

魔王城北側  見張りの塔


女勇者「あ・・・あんなの!!!」

側近「・・・あそこで魔王が戦ってらっしゃいます。」

女勇者「側近さん!」

側近「これからは側近とお呼び下さい。女勇者様、いえ奥様。奥様は、私の主人になられたのですから。」

女勇者「そんな事は今はいいの!魔王は大丈夫なの?」

側近「・・・・さぁどうでしょうね。」

女勇者「どうでしょうねって・・・。」

側近「奥様。私共にあそこで出来ることは何もありません。。既に次元が違うのです。」

女勇者「・・・そんな・・・。」

側近「信じましょう。魔王様の勝利を・・・。」

女勇者「・・・・・・・・。」(・・・魔王・・・!!)

荒野 最北端

魔王「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」

タイタン「ドウシタ?終ワリカ?所詮ハ魔王。神デアル俺ニハ決シテ勝テヌ。」

魔王「まだっだ!!」キィィィィン

タイタン「モウ飽キタ。」ゴゴゴゴゴゴゴ

魔王「何っ!?」

タイタン「 キ  ュ  ウ  シ  ュ  ウ 」

ギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

魔王「なっ!俺の魔力が!!!?」

ギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・ゥゥゥ・・・・ゥン

魔王「かっ・・・・はっ・・・・・!」

タイタン「ゲフゥ!!ナカナカ美味デアッタゾ!褒メテ遣ワス。サテ、ヒト思イニ踏ミ潰シテヤロウ。」ズゥン


魔王(済まぬ・・・・。女・・・勇者・・・・。)

ドコォン

タイタン「ン?」

ドラ「魔王様をお助けしろ!!残りの者は我に続け!!」

ドラ「奴の正面には行くなよ!少しずつ岩肌を削るのだ!!」

魔物達「ハッ!」ビュゥゥゥン!

ペルノウス王「我々は魔王殿の回復を!!急げ!」

兵士達「はっ!」ダッ

魔王「こ・・・・れは・・・・。」

女勇者「魔王!!!!」

魔王「女・・・勇者・・・・?・・・なぜ・・・来た・・・!」

女勇者「・・・さっきの誓い、忘れたの?」

魔王「な・・・・に・・・・。」

女勇者「どんな時も、私は妻として貴方を支えます。」

魔王「・・・・女・・・勇・・者・・・。」

女勇者「さっ!後は私たちに任せて!後ろで休んでて!」

魔王「や、や・・・めろ!!逃げ・・・ろ・・・!」

シェルキア王女「さあ、魔王様!回復を!」

魔王「逃げるんだ・・・・!頼む・・・・!」

女勇者(魔王・・・。ごめんね。後悔はしないって、私も決めたの。)

女勇者「さあ、このデカ物!!この勇者が相手よ!」

タイタン「ウルサイ。」ゴゴゴゴゴ

女勇者「え?きゃあ!」

タイタン「俺ハ神デアル!図ガ高イ!虫ケラ共ガ!」

タイタン「   ガ  ン  セ  k  」ズガァァァン!

タイタン「!!???」ズズン

???「おーおー予想以上の破壊力ですね!」

女勇者「あれは?」

ペルノウス王「ようやく来ましたか。」

所長「どうも皆さん。薬草研究所の所長です。こちらは妻のセイレーン。」

女勇者「所長!!っていうか妻!?」

所長「あははー。闘技場の時といい今回といいどうやら私は魔族に好かれる性質のようで。」

女勇者「あなた・・・ちゃんと反省してるんですか?」ゴゴゴゴゴ

所長「し、してます。してますよ!だからここに来たんです。特殊調合した爆薬をしこたま持ってね。」

所長「まあもう使ってしまいましたが、ナイスタイミングだったようですね!」

女勇者「はぁ・・・。それで?これからどうする?」

セイレーン「妾に任せよ。」バサッ!  キィン

女勇者「えっ?」

タイタン「グゥ・・・!!小癪ナ・・・!」

セイレーン「こう見えても魔界での力はドラゴンに次いでおる。魔法を使わせない程度なら・・・。」スゥゥゥ


♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦♦ ♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦ ♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦


タイタン「クソガッ!歌ガ邪魔デ魔力ガ定マラン!」


女勇者「わぁ・・・・・綺麗な声・・・・!」

所長「彼女は歌で戦います。しかしこれだけの相手、長くは持ちません!今のうちに!」

女勇者「今が好機!!皆さん!全ての力を!!」

兵士・魔物達「オォォォォォォォォ!!!!」

後方支援所


側近「魔王様!!」

魔王「側近・・・。皆を・・・逃がすのだ・・・。奴には・・・勝てん・・・。」

側近「・・・やれやれ・・・。」パァァ

魔王「かっ!はぁぁぁぁぁ・・・・。」

側近「私の微量な魔力など、屁の突っ張りにもなりませんが・・・。」

魔王「側近!やめろ!逃げるのだ!」

側近「魔王様はホントに愚かですわ。」

魔王「何!?」

側近「魔王様が私の立場なら、逃げる事ができますか?」

魔王「・・・・・・。」

側近「他の者も同様です。もちろん、奥様も・・・。」

魔王「側近・・・。」

側近「皆、魔王様を見ているのです。弱気な発言はされませぬ様。」

魔王「しかし!」

側近「しかしもかかしも歯科医師もありません!」ズィ!

魔王「おおぅ!?」

側近「喋る元気があるなら、とっとと終わらせて来て下さい!私も夕餉の支度がありますので。」

魔王「側近・・・。済まぬ・・・。」

側近「さぁ!早く!」

魔王「わかった!・・・それと・・・。」

側近「まだ何か?」

魔王「今日はダメだが。明日はお前と寝てやってもいいぞ。」ニヤ

側近「ーーーーーーーッッッ!!!////////」ボッ

魔王「フフフ。冗談だ。」

側近「早よ行け!バカ魔王!!」

魔王「フフフ。では、行ってくる。」バシュン!

側近「はぁ~~/////全く!///// 魔王様、どうかご無事で・・・。」

決戦の荒野


女勇者「行け行けー!!!!!」

ズガァン! ドゴォン! ドカァン!

タイタン「グゥゥゥ!オ、ノレェ!!!」ズズンンンン

女勇者「イケる!もっと攻撃を集中して!!」

タイタン「・・・虫ケラガ・・・」

女勇者「え・・・・?」


タイタン「神ヲ・・・・」


タイタン「ナメルナァ!!!!!!!」ドカァァァァァァァァァァァァン!!!!

ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!

女勇者「噴火!?きゃぁ!!!!」

バルガード王「女勇者殿!うぉ!」

セイレーン「♦♫♦・*:..。♦♫  なっ!? これは! きゃぁぁぁぁ!!!!」

所長「セイレーン!!!!」

ドラ「この攻撃は・・・・・避けきれん!!!ぐぁぁぁぁぁ!!!」

女勇者「ドラゴン!!きゃあ!」

グォォォォ

女勇者(こんなの、避けれない!・・・・・・・ごめん魔王。・・・・・先に行ってるね。)

バキィィィン!!

女勇者「・・・・・え?」

魔王「・・・・・・・。」ゴゴゴゴゴゴゴ

女勇者「・・・・魔王?」

魔王「タイタンとやら・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ

タイタン「マタ来タノカ。フン!無駄ナコトダ!」

魔王「貴様・・・人の愛する部下に、友に、そして妻に・・・・!」キィィィィン




魔王「  一 体 何 を し た ぁ  !!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




宜しければ次の場面からはこちらの音楽を聞きながら見てもらえたらと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=GfRb6GVNC0w

・・・・・・・・・・・・・ドクン・・・・・・・・・・・・・・・・


オリハルコンの指輪「ギィィィィィィィン!!!」


女勇者「指輪が!?」

魔王「グゥゥゥゥゥゥ!!!!」ドクンッ!!ドクンッ!!

タイタン「ソノ緑ノ光ハ!マサカ・・・・!!!」

女勇者「・・・・オリ・・・ハルコン?」

魔王「ガァァァァァァ!!!」バキィ! バキィ! バキバキバキバキ!

女勇者「魔王!!!」

パシュン!

側近「奥様!逃げましょう!」

女勇者「側近さん!?でも・・・魔王が・・・!!」

側近「ここにいては巻き添えを喰らいます!魔王様に踏み潰されますよ!!!」

女勇者「・・・魔王!!」

魔王「ガッ・・・!アアアアアアアアア!!!!!」

女勇者「ぐっ・・・・・・頑張れ!!いつも、一緒だからね!!」

側近「奥様!!!早く!!!!」

女勇者「ごめん、魔王!!」

バシュン!

タイタン「ナゼ!ナゼダ!ナゼオ前ノヨウナ者ガソノ石ヲ使エル!!?」


タイタン「ソノ石ハ!アノ方シカ!!」


タイタン「・・・マ、マサカ!・・・オ前ハ!!!」


ドラ「・・・・愚かな神よ、なぜ我が魔王様の事を主と呼ぶのか・・・・。」


タイタン「ナニィ!?」

ドラ「貴様は・・・・・逆鱗に触れたのだ。それに触れたものは、神といえど滅ぶしかない。」


魔王「グゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」ズズズズズズズズズズズズズズズス


タイタン「コイツノ体ガ!大キクナル!?俺ト、俺ヨリモ!?」



ドラ「フフフ。我も見るのは初めてだが・・・・・」



ドラ「これこそが我らが主・・・。これこそが我らが王・・・・・・・。」





ドラ「龍神王様だ!」





龍神王「ガギャォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオンン!!!!!!!!!!!!!!!」




タイタン「ナ、ナ、ナ・・・」

龍神王「グルルルルル!!!」

タイタン「貴様!龍神王様ノ子孫ダッタノカ!?貴様ハ魔王デハナカッタノカ!?」

龍神王「俺ハ、魔族ノ生マレデハナイ。」

タイタン「ソンナ・・・ナラバ我々ハ同志ノハズ!争ウノハヤメヨ!」

龍神王「何ヲ言ッテイル。」ギィィィィィィィィィン!!!!!!

タイタン「ナッ!?」

カッ!!!   ドカァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!

タイタン「ギャァァァァァァ!!」

龍神王「貴様ハ、俺ノ大切ナモノヲ、傷付ケ、踏ミツブシ、奪ッタ。」

タイタン「グガァ!」

龍神王「万死ニ値スル!!!」ブォン

ドガァァァァァァン!!!!!!

タイタン「グエェ!!オ、ノレェ!!!」ブウン

ドカァァァァァン!!!!!

龍神王「グゥ・・!!」

魔王城北側  見張りの塔

女勇者「あれが・・・魔王・・・?」

側近「左様でございます。」

女勇者「でも・・・どうして・・・?」

側近「・・・・・今は、魔王様の勝利を皆で祈りましょう。」

女勇者「・・・・・魔王・・・。」

決戦の荒野

龍神王「ギャオォォォン!!!!」グオッ!

ドガァァン!!

タイタン「ガァ!」ブウン

ズガァァァン!!!

龍神王「グゥゥゥ!」

タイタン「  タ  ツ  マ  キ  」ゴゴゴゴゴ

ゴォォォォォォ!!!!バリバリバリバリバリィ!!!!!!!!!!

龍神王「グルルルル!!!」ギラッ!

龍神王「  イ   カ   ヅ   チ  」ゴロゴロゴロゴロゴロ!!!

カッ!!    ズガァン!ズガァン!ズガァン!

タイタン「ゴアァァァァ!!!」

龍神王「ギャオォォォン!!!」

バシュゥゥゥゥゥン!!!!

タイタン「!!!!  ナンダトォ!!!??」

龍神王「  リ  ュ  ウ  セ  イ  」ギランッ!

キラン!!!  キイィィィィィィン!!! ズガガガガガガガガガガガガガガガァン!!!!!!!

タイタン「グヲォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」

龍神王「地神タイタン、モウ終ワリニシヨウ。」

タイタン「ゴォォォォォ!!!!!!!コノ!噴火を・・・直接喰ラエバ!イクラ貴様トテ!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ!!」

龍神王「俺ハ、モウ行カネバ。」ギィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!

タイタン「シネェェェェェェェェェェェ!!!!!!!」

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!

龍神王「我ガ愛シキ妻ガ、城デ待ッテイルノダ。」

龍神王「   セ  ン  コ  ウ  !!!」ギランッ!!!!!



カッ!!!  キュゥゥゥゥゥン!!  グオッ!!!



タイタン「!?」




ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



タイタン「グギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」



龍神王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」




龍神王「地神タイタン・・・・再ビ、悠久ノ時ノ中ヘ行クガヨイ・・・・。」

今日の更新は以上です。
あと少しで完結します。
もうしばらくお付き合いください。

ちなみにちゃんと側近ちゃんの○○シーンも用意しますので。

ご安心?ください。

いやーなんというか
意外だったっていうか。。
ちょっとモヤモヤっとしただけだよ

あ、そのまま続けてください

>>361
多分ご期待には沿える形になると思いますよ☆
魔王と女勇者の愛は壊しません。


魔王城北側  見張りの塔

ピカッ!!!! ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

女勇者「きゃぁぁぁぁ!!!!!」

側近「奥様!!しっかり私に捕まって下さい!!!!」

シェルキア女王「くぅっ!!なんという・・・・!!!!!」

バルガード王「和平がなったとはいえ、このようなものと戦争をしておったのか!?我らは!?」

ペルノウス王「ッッッ!!とてつもない強大なエネルギーだ!!!!」

オオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン・・・・・・・・パラパラパラ

女勇者「・・・・終わっ・・・た・・・?」

側近「・・・・・そのようです。」

女勇者「・・・・・っ!」バシュン!!

側近「ふふふ。」

ペルノウス王「女勇者様!?」

側近「さて・・・・私は夕餉の準備がありますのでこれで・・・。」

ペルノウス王「側近殿・・・夕餉って・・・。」

側近「今日は魔王様の結婚パーティーです。時間がありません。」

バルガード王「・・・・・ぱーてぃー?」

側近「はい。なお、申し訳ありませんが好き嫌いはご遠慮下さいませ。何分、食数が多うございますので。それでは・・・。」パシュン

ペルノウス王・バルガード王「・・・・・・・・・・・・・。」

シェルキア女王「さあ!!皆さん!!」

ペルノウス王・バルガード王「は、はいっ!!」ビクッ

シェルキア女王「迎えに行きましょう!」

ペルノウス王・バルガード王「・・・え?」

シェルキア女王「世界を救った我々の友人に、労いをかけねばなりません♡」

決戦の荒野


ヒュゥゥゥゥゥゥ


???「・・・!・・・!・・・ぅ!・・王!」

魔王「・・・う・・・ぐ・・・?」

女勇者「・・・魔王!!!!」

魔王「う・・・女勇者・・・か?」

女勇者「魔王!!!」ギュゥ

魔王「怪我は・・・無いか?」

女勇者「ばか・・・こんな時くらい・・・自分の心配しなよ・・・。」

魔王「フフフ。俺は魔王だ。この位、何でもない。だが・・・」

魔王「ちょっと・・・疲れたな・・・。」

女勇者「・・・うん・・・。」

パシュン

三国王「魔王殿!」「魔王様!」

女勇者「しーっ!」

シェルキア女王「え?・・・・・あ・・・・・ふふ。」ニコッ

魔王「・・・すぅ・・・・すぅ・・・」

女勇者「・・・おつかれさま・・・貴方・・・。」ナデナデ

側近「その後、魔王様は多くの祝福を受けつつ城に凱旋されました。」

側近「魔王様のあの姿について聴く者は誰一人おらず、国王様達もそこには触れませんでした。」

側近「世界が守られ、平和が続く事。それの価値を皆が理解していた。ただそれだけで良いのかもしれません。」

側近「そしてパーティーですが・・・・」

夜  魔王城  大広間


魔王「なあ側近よ。」

側近「はい。なんでございましょう。」

魔王「確かにこのような宴会を開いて祝ってくれるのは嬉しい。」

側近「恐れ入ります。」

魔王「しかし、少々これは・・・・。」

♪゜・*:.。. .。.:*・♪  ソレソレ! ノメノメ! ヌゲー! ドンチャン♫ 
 ギャハハハ!  ヤメロー! キャー!  ガシャーン! パーパーパー♬   
ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫

 ドンチャン♫ ドンチャン♫ パリーン! オエェェ! サケハドコダ! 
キャー! ガハハハハ! ギャァー! バリーン! ドンチャン♫ ドンチャン♫

♪゜・*:.。. .。.:*・♪  ソレソレ! ノメノメ! ヌゲー! ドンチャン♫ 
 ギャハハハ!  ヤメロー! キャー!  ガシャーン! パーパーパー♬   
ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫ ドンチャン♫

 ドンチャン♫ ドンチャン♫ パリーン! オエェェ! サケハドコダ! 
キャー! ガハハハハ! ギャァー! バリーン! ドンチャン♫ ドンチャン♫

側近「まあまあ。今日ぐらいは。げふぅ。」

魔王「なっ!くさっ!お前、飲んだな!」

側近「申し訳ありません。バルガード王様に飲み比べを仕掛られまして。」

魔王「なにっ?」

側近「ちなみにバルガード王様はあちらで延びてらっしゃいます。」

バルガード王「~~~~~~~~~~~~~」

魔王「はぁ。バルガード王をソファーに。それと皆の寝床も用意しろ。」

側近「かしこまりました。」スッ

魔王「ふぅ。少し風に当たるか。」スッ

魔王城 大広間横 バルコニー


魔王「些かではあるが、静かだな。」

キィ

女勇者「魔王?」

魔王「女勇者か?どうした?」

女勇者「えへへ///」スッ ピトッ

魔王「フフ。」ギュッ

女勇者「体・・・大丈夫?」

魔王「ああ・・・。驚いたか?」

女勇者「ちょっとね。でも貴方は貴方。変わらないよ。」

魔王「・・・俺は、ずっと眠っていたんだ。」

女勇者「え?」

魔王「あのタイタンと同じだ。先代の魔王が世界征服のために俺を起こした。」

魔王「しかし、その時俺は既に魔王を凌ぐ力を持っていたからな、コントロール出来ないとわかった先代魔王は俺を殺しにかかった。」

女勇者「・・・・・・・・・・。」

魔王「その戦いに俺は勝ち、行く所もないのでこの城に住むことにしたんだ。」

魔王「城にいた者達は俺に優しくしてくれた。まだ幼子の俺に、世界の学や、仲間・・・いや、友達だな、与えてくれた。楽しかったよ。」

女勇者「・・・そうなんだ。」

魔王「神ということは側近の一族しか知らせず、その一族もそれを頑なに守ってくれていた。」

魔王「後は以前君に話した通りだ。まさかこの指輪が覚醒の鍵とは思わなかったが。」キラン

女勇者「オリハルコンは別名龍眼石っていうの。バルガードの鉱山で何百年に一度しか取れない貴重なものなんだって。」

魔王「龍眼石・・・。」

女勇者「もしかしたら、前に貴方がこの世界を作った時に落としたのかもね。」

魔王「だとしたら、これも繋がっていたのだろう。」

女勇者「貴方がこの時代にいた事、私と出会ったこと、たまたまオリハルコンを貰った事、それがペアリングで戦いの前につけた事。」

魔王「・・・・な?」ニコッ

女勇者「・・・凄いね。運命って。」

魔王「運命ではない、思いの力だ。こういう未来を皆が望んだのだ。」

女勇者「・・・うん・・・。」

ガチャ!!

シェルキア女王「なーーにいつまでくっちゃべってんのよ!!!チューしろ!チュー!」

魔王・女勇者「!!?」

ペルノウス王「女王陛下!!今は二人に!!」

シェルキア女王「うるさいわね!その眼鏡カチ割るわよ!うぃー///」

ペルノウス王「お二人共!失礼しました!ほら!女王!」ズズズ

シェルキア女王「あっ!コラ!どこ触ッテンノヨー!」  バタン!

魔王「・・・・・・・・・・。」
女勇者「・・・・・・・・・。」

魔王「フフ。」

女勇者「あははははっ!!行こっ!魔王!」スッ

魔王「ああ!」ギュッ

魔王(そう、俺は・・・神などではない。)

魔王(俺は・・・)






魔王(魔王だ。)







ご拝読ありがとうございました。

このあと後日談でヌフフな展開にしていこうと思います。

あと、以前なぜ18禁を昼にやらないのか?という質問を受けましたが、

何故か昼より夜の方がそっち系だとより鮮明にイメージ出来るのです。いえば、感覚の問題ですね。

初めてSSを書きましたが反省点が多いです。駄文でご迷惑をおかけしました。

続編とかは未定ですが、皆さんの要望があれば続けたいと思います。

ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました!

深夜   魔王城    中庭


女勇者「・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・結婚したんだなぁ・・・・私・・・。」

女勇者「・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・//////////。」

女勇者「魔王・・・・・もう寝たのかな。」

女勇者「どうしよう/////やっぱり行ったほうがいいのかな/////。」

女勇者「やっぱりあんな戦いの後だし、ゆっくりさせた方がいいのかも・・・。」

女勇者「・・・・・でも、一緒にいたいな・・・・。」

側近「奥様。」

女勇者「きゃぁ!側近さん?びっくりしたよ!」

側近「申し訳ございません。準備が整いましたのでお迎えにあがりました。」

女勇者「・・・準備?」

側近「はい。まずは身を清めるのが宜しいかと。」

女勇者「あ・・・・////////。はい・・・・/////////。」

側近「では、参りましょう。」

女勇者「はい//////。」

魔王城  専用浴場


女勇者「わぁ~!」

側近「気に入っていただけましたか?」

女勇者「気に入るも何も、凄いね・・・。豪華絢爛!って感じ。」

側近「こちらは奥様専用の浴室になります。たとえ魔王様でも入ることは出来ません。」

女勇者「そうなの?魔王なのに?」

側近「魔王様ご自身が決められました。一人になる時間も必要であろうとのお気遣いかと。」

女勇者「・・・そうなんだ。・・・何か変に気が利くね、魔王って。」

側近「奥様の事を、余程想っていらっしゃるのでしょう。」

女勇者「えへへ/////。」

側近「ふふふ。続けますね。入浴中は私が奥様をお守りいたします。外におりますので有事の際はお呼び下さい。」

女勇者「そうなんだ。わかった。」

側近「衣類はこちらで準備しておりますのでお召し物はそのままで結構です。」

側近「大まかな事は以上ですが、何かご質問はございますか?」

女勇者「大丈夫。ありがとう。」

側近「恐れ入ります。では私は部屋の外におりますので。」

女勇者「うん。ありがとう。」

側近「失礼いたします。」スッ

女勇者「・・・・・・・・。」

女勇者「さて・・・と・・・。」

パチンッ ガシャ シュルッ

女勇者「ふぅ・・・。」

女勇者「・・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・やばいかも。すごいドキドキする・・・///////。」

女勇者「・・・・初夜・・・か・・・・/////////。」

女勇者「あの時とはまた違う、なんだろうこれ。」

女勇者「・・・・・ふぅ~/////。」

女勇者「あっ!///////」

ツゥ

女勇者「~~~~~~/////////。」 

女勇者「は、早く入ろう//////。」

ガチャ     ♪゜・*:.。. .。.:*・♪

女勇者「わぁ。音楽が聞こえる。」

女勇者「何これ!世界中の高級洗剤も取り揃えてある!」

女勇者「この彫刻も・・・凄く綺麗・・・。」

女勇者「お湯は魔法がかかって緑色にキラキラしてるし。」

女勇者「・・・・・・・。」

女勇者「これ・・・・魔王が・・・・。」

女勇者「はぁ~~~~//////。」

女勇者「こりゃ愛されてるな//////。」

女勇者「ありがたく頂戴いたしますっ!それっ!」


バッシャーーン!

魔王城  王室


魔王(・・・・・。)ソワソワ

魔王(・・・女勇者、気に入ってくれただろうか・・・。」

魔王(やはり音楽はクラシックよりオルゴール調が良かったかもしれん。)

魔王(湯の温度は?熱すぎてはいないだろうか・・・・。)

魔王(あーだこーだ)

魔王城 専用浴場


カッポーーーン

女勇者「ふう・・・・。」

女勇者(すっごい癒されるなぁ~・・・。)

女勇者(そういえばここのところずっと忙しかったもんね・・・。)

女勇者(今日の戦いとか、温泉施設とか、そこへの色んな手配とか、世界中飛び回ってたもんね・・・。)

女勇者(何かすっごい濃い毎日だなぁ・・・。)

女勇者(そんでもってプロポーズ・・・。)

女勇者(///////)

女勇者(これも魔王が言う・・・繋がり・・・なのかな・・・。)

女勇者(物事はなるべくして成る・・・か・・・。)

女勇者(皆が望んで・・・・魔王が望んで・・・・そして・・・私が望んだ・・・・。)

女勇者(えへへ////。まあいっか・・・いろいろ・・・かんがえるのは・・・・もう・・・やめよう・・・。)

女勇者(・・・・だって・・・・・・こんなに・・・・・・・きもち・・・・・い・・・・・・い・・・・・。)

女勇者(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)

魔王城  王室


魔王「ブツブツ・・・」

コンコン

魔王「おぉう!!」ビクッ

側近「魔王様。側近でございます。」

魔王「ゴホン。入れ。」

側近「失礼いたします。」ガチャ

魔王「・・・・・ん?どうした?女勇者は?」

側近「はい。誠に申し上げにくいのですが・・・・」

魔王城  客室


魔王「・・・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・・魔王・・・・その・・・・」

魔王「・・・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・ご・・・ごめんなさい・・・・凄く気持ち良くて・・・・。」

魔王「・・・・・・・・・。」

女勇者「・・・・・お・・・怒った?」

魔王「・・・・・・・・・・。」スッ

ピトッ

女勇者「ひゃん!」

パァァ

女勇者「あ・・・・冷たくてきもちいい・・・・。」

魔王「浴室は・・・・気に入ってくれたか?」ナデナデ

女勇者「・・・うん・・・・・凄く良かった・・・。」

魔王「そうか・・・嬉しいよ・・・・。ゆっくり休むといい・・・。」

女勇者「え・・・・・でも・・・・今日は・・・・。」

魔王「心配しなくてもここにいる。君が眠っても、ここにいるよ。」

女勇者「・・・まおう・・・・・。」

魔王「安心して、おやすみ。」

女勇者「・・・・・うん・・・。あのね・・・まおう・・・。」

魔王「何だ?」ニコッ

女勇者「・・・・・・だいすきだよ・・・・。」

魔王「フフフ。そうか・・・。俺もだ・・・。」

女勇者「えへへ////。・・・・だーい・・・・・すきぃ・・・・・すぅ。」

女勇者「すぅ・・・・・すぅ・・・・・すぅ・・・・・。」

魔王「・・・・俺もだ・・・・女勇者・・・・・。」

魔王城  側近室


側近「・・・・・・ふぅ・・・・・。」

側近「明日のスケジュール、食事の仕込み、共に準備完了です。」

側近「さて・・・・と・・・・・私も寝ますか・・・・。」ファサッ

側近(今日は・・・流石に疲れましたね。)

側近(今頃魔王様と女勇者様は・・・・。)

側近(・・・・・・・魔王様。)

側近(・・・・女勇者様が羨ましい・・・・。)

側近(・・・・・私も・・・・・。)

側近(ハッ!いけません!何を考えてるのですか私は!)

魔王『今日はダメだが。明日はお前と寝てやってもいいぞ。』

側近(・・・はぅぅ////)

側近(魔王様のばか・・・。)

側近(あんなこといわれたら・・・・期待しちゃいます・・・。)

側近(今頃・・・・二人は・・・・。)スゥ

クチッ

側近「んっ・・・・。」

側近「わ・・・私は何を・・・・。」

クチッ クチッ

側近「いけません・・・・こんな・・・こと・・・・。」

クチュゥ

側近「あうっ!・・・・だめぇ・・・・ですぅ・・・・。」

クチャ クジュ クチッ クチッ    コリッ

側近「あぅん!!・・・・はぁ・・・・ん・・・・。」

クチャ クチャ クチャ クチャ

側近「はんっ!・・・あうっ!・・・んんっ!・・・。」

???「ゴシュジンサマー」

側近「えっ?なっ!?」

使い魔「ニョホホー」ピューン

側近「なぜ?私は呼び出してませんよ!?」

使い魔「ンー?デモヨバレター!」

側近「ま、まさか無意識のうちに?ま、まさか、要望は・・・。」ヒクヒク

使い魔「ヨウボウヲカナエマスルー!」キラキラ

側近「まっ!待ちなさい!」

使い魔「ヘンシーーン!」キララララララ 

ぼんっ

側近「あ・・・・。」

使い魔王「・・・側近か。」

側近「ま・・・魔王様?」

使い魔王「これは・・・・お前の使い魔の仕業か・・・。」

側近「ま・・・誠に申し訳ございません!いくら私の思いの具現化とはいえ、魔王様をこのような形で!」

使い魔王「思いの具現化・・・。そうか、今の俺はお前の・・・・。」

側近「はい・・・。私の記憶や気持ちを使い魔が読み取り、トレースした存在でございます。」

使い魔王「ふむ・・・確かに記憶が霞んでいる。それに、なんだろうな・・・。」

側近「え?」

使い魔王「お前が・・・・・とても愛おしい・・・・。」

側近「なっ!/////// い、いけません!魔王様には女勇者様が!」

使い魔王「女勇者?・・・ああ、そうか・・・。女勇者か・・・・・。」

側近「は、はい・・・。ですので私なんかとは・・・・きゃっ!」
                          グイッ
使い魔王「しかし、女勇者には本物の俺がいるのだろう?」

側近「ま・・・まおう・・・・さま・・・・///////。」

使い魔王「俺も無理矢理は好かん。しかし、お前が呼び出したのだ。本心は分かるぞ?」

側近「・・・・・・・・。」

使い魔王「・・・・・・そうか・・・・では余は帰るか。」スッ

側近「待っ!」

使い魔王「ん?」ニコッ

側近「・・・・・・ぃ。」

使い魔王「何だ?聞こえんぞ。」

側近「・・・・・・もう少し・・・いてください・・・・。」

使い魔王「フフ。来い。」

側近「・・・・・・//////////」スゥ ピトッ

使い魔王「どれ・・・。」グイッ

側近「きゃっ!」

使い魔王「どうした?して欲しかったんだろう?」

側近「いや!・・・・・・・はい・・・・////////」

使い魔王「しかし・・・この抱き方はそんなにいいのか?」

側近「お姫様抱っこです。・・・・悪くないですよ・・・。」

使い魔王「・・・・・そうか・・・。」ギシッ

側近「あっ・・・//////」ファサッ

使い魔王「フフ。可愛い顔をしている。」

側近「いやぁ///////////////」

使い魔王「・・・・・側近。」スッ

側近「ま・・・おう・・・さまぁ・・・・」

側近「ん・・・・ちゅ・・・ちゅ・・・・ん・・・。」

側近「ちゅぅ・・・・んちゅ・・・・・ぷぁ・・・はぁ・・・。」

使い魔王「大丈夫か?」

側近「はぁ・・・だいじょうぶぅ・・・ですぅ。」

使い魔王「そうか・・・・では・・・・脱げ。」

側近「・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・は、い・・・。」

シュルッ  パサッ

使い魔王「全てだ。」

側近「はい・・・・・//////」

スッ

使い魔王「・・・・・ふむ。」

側近「まおう・・・さま・・・・恥ずかしい・・・です・・・。」

使い魔王「・・・やや幼いが・・・綺麗な身体をしている。」

側近「/////////」

使い魔王「では・・・・。」パチンッ

側近「え?」

ブゥン シュルシュルッ

使い魔王「只の布紐だ。心配するな。」

側近「い、いや、そうではなくて・・・。」

使い魔王「ん?・・・・お前の望みでは無いのか?」

側近「そ、そんな!私は・・・そんな・・・・。」

使い魔王「”めちゃくちゃにされたい”という要望のようだが?それに・・・」スッ

クチュン!

側近「ひぃんっ!」ビクンッ

使い魔王「期待していない訳でも無いようだが?」ニヤ

側近(こ、これは・・・私が意地悪な魔王様を想像したから!?)

使い魔王「そうかもな・・・。」

側近「なっ!?」

使い魔王「お前が言ったぞ?”気持ちをトレースする”とな・・・。」

側近「そ、それでは・・・。」

使い魔王「済まないな。全て筒抜けだ。」

側近「~~~ッッッ//////////」

使い魔王「フフ。お前も割と可愛いものだ。そんなに俺が愛おしかったか・・・。」

側近「・・・・・・・・・・・。」

使い魔王「それに、手足を縛られて興奮するなど・・・・何というか・・・。」

側近「・・・・・・・・っっ。」

使い魔王「ん?」

側近「・・・ぐすっ・・・ふぐぅっ・・・・うぇっ・・・・うえぇぇぇぇぇ。」

使い魔王「泣いたか。フフ、泣き顔も可愛いな。」スッ

側近「ふむっ・・・・ん・・・んちゅ・・・・ふむぅ・・・・ちゅ・・・・・。」

側近「んんっ・・・・・・はぁん・・・・・・はぁ・・・・・。」

使い魔王「何だ?とろけた目をして・・・。」

側近「まおう・・・・さまぁ・・・・。」

使い魔王「・・・・ちゃんと言うんだ。」

側近「・・・私を・・・・めちゃくちゃに・・・・・してくださいませ・・・・・。」

使い魔王「無論だ。」スッ

グッチュゥゥゥゥ

側近「ひあぁぁあああああああ!!!!」ビクンッ ビクンッ ビクンッ

使い魔王「どうした?指を一本入れただけだぞ?」

側近「あうっ!うあっ!?ゆ、びぃ?」

使い魔王「これでは先が思いやられるな。そら。」

グチュ グチュ グチュ グチュ!!

側近「うあぁぁ!!ああっ!!ひぃぃん!!」ビクゥッ ビクゥッ

側近「イッ!・・・あぁぁああああああ!!!!!」ビクンッビクンッビクンッビクンッ

使い魔王「・・・・どうした?」

側近「はぁぁ・・・あんん・・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

使い魔王「どうしたんだと聞いている。」

側近「あっ!も、申し訳ございません。その、ィッ・・・し・・た・・・。」

使い魔王「聞こえん。」

側近「まおう・・・さまの・・・指で・・・・イッて・・・・しまいました・・・/////////。」

使い魔王「勝手にか?」

側近「もうしわけ・・・・ありません・・・・。」

使い魔王「許さん。仕置だ。」ブゥン

ブブブブブブブブブブ

側近「えっ?そ、それは、何ですか?」

使い魔王「ふん。しらを切りおって。お前が知らん物を俺が使う訳なかろう。そら。」

ブブブブブブブブブブ!

側近「うあぁぁあああああああ!!!!」ビクゥッ ビクゥッ ビクンッ!!

使い魔王「そのまま一時間だ。但し、達することは許さん。」

側近「む、むりぃ!こんなの!あぁっ!またっ!イッっっ!!」ビクンッ ビクンッ

使い魔王「やれやれ。」スゥ

パッ

側近「はぁっ!・・・あ・・・あ・・・れ・・?」

使い魔王「仕方ないから手伝ってやる。達することがないようにな。」ニヤ

側近「ま・・・まさか・・・。」

ブブブブブブブブブブ!

側近「あひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」ビクンッ ビクンッ ビクビクビクッ!!

パッ

側近「はぁっ!はっ!はっ!こ、こんなのぉ・・・。」

魔王「一時間だ。俺は本でも読むよ。」

側近「ま・・・おうさまぁ・・・・おゆるs!きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ブブブブブブブブブブ!!

ブブブブブブブブブブ!!

使い魔王「やれやれ・・・。本も読めんな・・・。そら。」スゥ

側近「きゃっ!な、何?目隠し!?ふもっ!?」

使い魔王「咥えていろ。うるさくてかなわん。」パラッ

側近「んぅーっ!?んんんんんんんぅ!!!!!」ビクビクビクビク!!

ブブブブブブブブブブ!

魔王「それで良い。一時間だ。」パラッ

側近「んーっ!んぅーっ!んんんんんんぅっっ!!!」ビクッビクッ!

ブブブブブブブブブブ!!

二時間後


側近「んっ・・・・んっ・・・・んっ・・・・んんんんんんんっ!」ガクガクガク!

ブブブブブ・・・・ブブブ・・・ブブ・・・・・・

使い魔王「・・・・・ん?おっと・・・つい読み耽ってしまった。」

側近「んっ・・・・んっ・・・・・んっ・・・・・。」ピクッ ピクッ ピクッ

使い魔王「どれ・・・・。」スゥ

パシュン

側近「はぁ・・・・はぁ・・・あぅぅ。・・・ふぅん・・・まおうさまぁ・・・・!」ガクッガクッ

使い魔王「フフ。どうした?腰が動いているぞ?」

側近「もう・・・我慢できません・・・・お慈悲を・・・・お慈悲をくださいませぇ・・・。」

使い魔王「どうして欲しいのだ?」

側近「私の・・・・・ここをぉ・・・・・」

使い魔王「ここ?」

側近「私の・・・・・お・・・○んこにぃ・・・・まおうさまのをぉ・・・・・。」

使い魔王「・・・・まあ良いだろう。」スッ

側近「あっ♡・・・これぇ・・・・欲しい・・・ほしいですぅ・・・・。」

使い魔王「先にすることがあるだろう?」スッ

シュルルル

側近「あっ。はい。」スッ

側近「はむっ・・・んちゅ・・・・ぷあっ・・・・んっ・・・。」

側近「んちゅ・・・・ふむっ・・・・ぷあぁ・・・・むふぅ・・・・。」

側近「ぷあぁぁ。まおうさまぁ・・・お願いしますぅ。もう・・・私・・・・おかしくなりますぅ・・・。」

使い魔王「ふむ・・・・・尻を向けろ・・・・。」

側近「・・・・はい・・・。」スッ

使い魔王「自分で入れるのだ。俺は動かんぞ。」

側近「かしこまり・・・・ましたぁ・・・・。」

グッ  ピトッ

側近「んっ!」

使い魔王「嘘だ。」グイッ!

プチッ! グチュゥゥゥゥゥ!!!!!!

側近「あっ!ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」ビクンッ!!!!!!!

側近「ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」ガクッガクッガクッガクッ!!!

側近「・・・・・・・・・・・!!!」ピクッ ピクッ ピクッ ピクッ

使い魔王「・・・・・気を失ったか・・・。」パァァ

側近「っっっ!はぁっ!!ああああああぅぅぅぅ!!!!!???」ビクンビクンビクビクビクビク!!!!!

使い魔王「おい。気を失うとは・・・また仕置されたいのか?」

側近「あぁぁぁぁう!もうっっしわけぇ!?」ビクンッ!

グチュッ グチュッ グチュッ グチュッ!

側近「いやぁぁぁ!!!あうぅぅ!!いやっ!!うあぁぁぁっ!!」ビクビクビクビク!

使い魔王「どうした?望みだったのだろう?」

側近「ああっ!だめぇ!つよっ!すぎるぅ!あうっ!」

ズチュン!!

側近「あぁぁぁああああああ!!!」ビクンッ ビクンッ ビクンッ

側近「さっ!きからぁ!ずっと!イっ・・・て!ああああぁぁぁ!!!!」ビクンッ ビクンッ ビクンッ ビクンッ

使い魔王「俺も疲れた。」グイッ

側近「えっ?きゃぁ!」

使い魔王「次はお前が動け。」

側近「・・・・・は・・・い・・・・んっ!」

グヂッ グヂッ グヂッ グヂッ

側近「はぁう!ふぅん!んっ!あうっ!」ビクビクビク!

グシュ グシュ グシュ グシュ

使い魔王「・・・気持ちいいか?」

側近「はっ!いぃ!まおう・・・さまのがぁ!なかで・・・たくさん・・・うごいてますぅ・・・!」

側近「それに・・・んん!まおうさまのお腹で・・・わたしのが・・・あぅ!擦れてぇ!ああん!」

側近「まっ・・・またぁ・・・あっ!ああああああぁぁぁ!!!」ビクンッビクンッビクンッビクンッ!

側近「あっ・・・。」ガクンッ

使い魔王「また気を失ったか?」

側近「い・・え・・・だいじょうぶ・・・です・・・。」ピクッ ピクッ

使い魔王「少し休むか?」

側近「・・・・・えっ?」

使い魔王「”優しくされたい”」

側近「あっ・・・//////////。」

使い魔王「済まないな。少し意地悪しすぎた。」チュ

側近「あぅぅ・・・////////////。」

使い魔王「もうすぐ夜が明ける。どうしてほしい?」

側近「・・・・女勇者様の・・・・ように・・・。」

使い魔王「わかった。」スッ

側近「あっ・・・///////。」パサッ

すいません。ちょっと犬の散歩に行ってきます。

使い魔王「・・・・・怖いか?」

側近「・・・・いえ・・・・どきどきします//////。」

使い魔王「フフ。・・・・お前は可愛いな。」ナデナデ

側近「ふにゅぅぅ////////。」

使い魔王「俺が魔王として過ごせるのはお前のおかげだ。その・・・・なんだ・・・・いつもありがとう。」ニコッ

側近「・・・魔王様・・・。」

使い魔王「今の俺はお前の夢でしかないのかもしれない。だが、本当の俺もきっとそう思っているよ。」

側近「もうすぐ、終わってしまうのですね・・・。」

使い魔王「・・・・・そうだな。」

側近「私は・・・大丈夫です。きっと魔王様と、奥様をお守りいたします。」

使い魔王「ありがとう。とても心強いよ。」

側近「ですので・・・・・今この瞬間だけは、魔王様の愛を下さいませ。」

使い魔王「フフ。」スッ

側近「ふむっ・・・・ちゅ・・・・・ちゅ・・・・・ん・・・・・」

側近「ちゅぅ・・・・・はにゃぁ・・・・・んん・・・・・。」

使い魔王「・・・・・動くぞ・・・。」

側近「・・・・は・・・・い・・・・。」

クチュウゥ

側近「はにゃぁぁ・・・・・・・。」

ズチュッ   ズニュゥ   グチュゥ

側近「にゃぅ・・・・んあっ・・・・・うにゅぅ・・・・・。」

側近「ふぅん・・・・・くぅ・・・・・・あうぅ・・・・・。」

側近「にゃぁ・・・・・まおう・・・・さまぁ・・・・・。」

使い魔王「側近・・・・・・綺麗だ・・・・・。」ギュゥ

側近「ふみゅぅぅ//////・・・・・はぁ・・・・幸せで・・・ございますぅ・・・・。」ギュゥ

使い魔王「少し・・・・強くするぞ・・・・。」

側近「は・・・・い・・・・んにゃっ!。」

グチュッ グチュッ ズチュッ ブチュッ

側近「にゃうっ!うにゃっ!はうぅ!んにゃぁっ!」

側近「んにゅぅ!はぁっ!まっ!おうっ!さみゃぁっ!にゃぅっ!」

使い魔王「フフ。どうっ、したっ?」

側近「ちゅうっ!ちゅうして!くださぁっ!いぃっ!」

使い魔王「フフ。」スッ

側近「んんっ!ちゅぅっ!んちゅぅ!はにゅ!はにゃぁ!」

側近「ちゅ!ちゅ!ぷあっ!はうっ!まっ!おう!さまぁ!」

側近「わっ!たしっ!もうっ!はんっ!うにゅぅぅ!」

使い魔王「いいぞっ。中に出してやるっ!」

側近「だめっ!ですぅ!赤ちゃん!できちゃいますぅ!」

使い魔王「フフ。出来たら魔王が面倒をみるさ。そらっ!」

ズチュッ!ズチュッ!グチュッ!ズチュッ!グチュッ!

側近「うにゃぁ!らめぇっ!っくっ!イっちゃいますぅ!はにゃぁぁぁぁぁ!!!!」

ドクンッ! ドビュウッ! ビュルルルッ! ドクッ! ドクンッ! ビュルルルル!!!
 
側近「うにゃぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」ビクゥゥ!ビクンッビクンッ!

トクン トクン トクン

側近「にゃぅぅ・・・・まおう・・・さみゃぁ・・・・・。」

使い魔王「側近・・・・。」ギュゥ

側近「ふにゅぅ////。しあわせれすぅ・・・・。」

夜明け


使い魔王「側近・・・・・。これからも頼むぞ。俺を・・・助けてやってくれ。」

側近「はい。かしこまりました。」

使い魔王「では・・・・。」キラッ

側近「あっ!魔王・・・様・・・・。」

使い魔王「ん?」 

側近「もう一度・・・・口づけを・・・・。」

使い魔王「・・・・・。」スッ   キラキラキラキラ・・・・

チュッ

キラキラキラキラ・・・・・・・・シュン

側近「・・・・・・・。」

側近「・・・・・・夢・・・・・なんですから・・・・・・。」

側近「・・・・・・泣いちゃ・・・・・だめです・・・・。」

側近「・・・でも・・・少しだけ・・・・。」ポロッ

朝  魔王城  食堂

側近「・・・・・・そして最後に毎度おなじみ”TOKIO”のパンです。今回は”AKIO”もブレンドしてみました。」

女勇者「”AKIO”?」

側近「はい。DASH地方の伝説の勇者からとった小麦の名前だそうです。何でも、全知全能の方らしいです・・・。」

魔王「ほう?そのような者がいるのか。会ってみたかったものだ。」

女勇者「ともかく、いつもありがとう!側近ちゃん!」

魔王「うむ、お前の馳走にはいつも満足している。政務の補助もな。これからも頼む。」

側近「はい。喜んでお二人にこれからも従事致します。」

魔王「フフ。」
女勇者「えへへ。」

側近「では、今日のスケジュールですが・・・」

魔王「うむ。」

側近「お二人には子作りに励んでもらいます。この先一週間です。」

魔王「は?」
女勇者「は?」

側近「ふふふ。」ニコッ

側近(魔王様、奥様、十二分に”助け”させて頂きます。)ニヤァ


これにて完結です。

女勇者と見せかけといて実は側近の後日談になっちゃいました。

期待した方には申し訳ございません。

途中いろんなことがあってなかなか終わることが出来ませんでしたが、なんとか完結できて良かったです。

ご高覧いただいた方、本当にありがとうございました!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月31日 (火) 12:28:12   ID: LZ7fOgeE

ん?なんかどっかの何でもこなすアイドルがいたよーな?そしてこの小麦は春よ恋かな?

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom