仔猫「…にゃあ…にゃあ」ラーテル「なんだこいつ?」 (10)

たまには哺乳類で




仔猫「…にゃあ…ここはどこにゃ…」

仔猫「確か…ご主人様と飛行機にのって…」

仔猫「…気づいたら…こんな平地に…」

仔猫「…とりあえず、ご主人様のところに行かないと…イタタ!…」

仔猫「…んにゃ!?」足プランプラーン

仔猫「…うわぁ…これはもう、だめにゃあ…」

仔猫「…お腹もすいたにゃー…」グルグルキュー

仔猫「…お腹もペコペコ…足もプラプラ…これはもうだめだにゃ…」

仔猫「ご主人様…さよならにゃ…」バタン



ラーテル「…ふぃー…そろそろメシにでもありつくかー…」

ラーテル「…今日はハイエナ辺りからガメちまうかね…っと?」

仔猫「…ハァ…ハァ…」

ラーテル「…なんだこいつ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411651734

ラーテル「…みたところ弱ってんなこいつ」

ラーテル「…」キョロキョロ

ラーテル「…まぁ腹の足しにはなるよな」クンクン

ラーテル「っこいつ人間くせぇ!」

仔猫「…ハァ…ハァ…」

ラーテル「前人間の所の羊襲ったらスゲェしつこかったからなぁ」

ラーテル「あれ以来人間のは面倒で手を出さないって決めたんだ」

ラーテル「…けどまぁ、こいつも運がないな」

ラーテル「このままじゃ長くねぇだろうしよ」

仔猫「…ハァ…ハァ…」

ラーテル「…まぁ恨むならここに連れてきた人間を恨みな」

ラーテル「…ここはアフリカ…一度しくじれば後は死だけさ…あーばよ」タタタッ

仔猫「ハァ…ハァ…死にたく…ないにゃ…」

ラーテル「…!?」ピタッ

仔猫「…誰か、助けて…くれにゃあ」

ラーテル「…ッチ!」パクッ

ラーテル(何やってんだ俺…)サササ

女の子『ほーら○○!ボールだよー!』コロコロー

仔猫『にゃあ!…にゃあ!』ガシッゲシゲシ!

仔猫『…にゃーあ…楽しいにゃあ…あれ?ご主人様?』キョロキョロ

仔猫『どこにいったにゃ!?…ご主人様!…ご主人様ー!!』





仔猫「…にゃ」パチクリ

仔猫「…」

仔猫「…ここは…どこにゃ…」ムクリ

仔猫「…いつっ!?」足プランプラーン

仔猫「…そうだったにゃ…」

仔猫「…気がついたら…空から落ちて…」

仔猫「こんなところに落ちて…ケガしたんだにゃ…」

仔猫「私どうなっちゃうんだにゃ…」ッグス

仔猫「うぅ…ご主人様ぁ…」グスグス


ラーテル「おぉ目ぇ覚めたか」

仔猫「にゃ!?」ビクッ

仔猫「あ…あなたは何者にゃ!?」ビクビク

仔猫「私なんか食べたって…ひとっつも美味しくなんかないにゃ!」ブルブル

ラーテル「おいおいご挨拶だなばかやろう」

ラーテル「お前を拾って安全なところまで運んでやった俺にお礼のひとつでも
     あっていいんじゃねぇか?」

仔猫「…にゃ?」

仔猫「…それはごめんなさいにゃ」

仔猫「…そしてありがとうございますにゃ」ペコリ

ラーテル「…ふん!まぁいい…俺もちょっとした気まぐれで助けてやっただけさ」

ラーテル「お前の足も少したてば良くなるだろうからな…それまでの間だ」

ラーテル「良くなったら出ていけよ…人間臭いお前は…

仔猫《グルグルキュー》

仔猫「…///」

ラーテル「はぁ」

ラーテル「…ちょっとまってろ」

仔猫「…」

ラーテル「…ほらよ、食え。さっきハイエナからガメてきた水牛の肉片だ」パサ

仔猫「…ありがとうにゃ!おなかペコペコだったんだにゃ!」バクッ

仔猫「…」カミカミ

仔猫「…」アグアグ

ラーテル「…いつまで噛んでんだ?はやく食えよ」

仔猫「…ごめんなさい…噛みきれないんだにゃ…」

ラーテル「…は?お前のその歯はなんのためにあるんだ!?」

仔猫「そっそういわれても…普段はもっとグチャグチャしたやつを食べてたから…」

ラーテル「…はぁ…手間かけさせやがる」ハムッ

仔猫「…うぅ…度々ありがとうにゃ…」

ラーテル「…」クッチャクッチャ

ラーテル「…ほらよ」デロー

仔猫「…」アムッ

仔猫「…これならたべられるにゃあ」ムチャムチャ

ラーテル「まったく…今までどんな生き方してきたんだよ…」

仔猫「…あろがとうにゃ…おいしい…おいしいにゃ…グスッ…ヒッグ…」ムチャムチャ

ラーテル「おっおい!何で泣いてるんだよ!?」オロオロ

仔猫「…ごめんな…グッス!…さい…にゃ…ヒグッ…なんだか…安心しちゃって…」

ラーテル「…ふん」




仔猫「ご馳走さまでしたにゃ…おかげで死なずにすみましたにゃ」ペコリ

ラーテル「…そうか。そいつはよかった」

ラーテル「…おなか一杯になったならもう寝ちまえよ」

ラーテル「明日になったらお前に狩りの仕方を教えてやる」

仔猫「…にゃ?私が狩りをするにゃ!?」

ラーテル「当たり前だろ…お前このアフリカでいつでも程よく咀嚼された肉なんか
     転がってると思うか?」

仔猫「…け…けど…今まで狩りなんてしたこと…」

ラーテル「おい」ギロッ

仔猫「…にゃ!?」ビクッ

ラーテル「甘えるな…お前は確かに人間に可愛がれてたときはそれで
     よかったかも知れないがな…」

ラーテル「…ここは人間の領域じゃねぇ…アフリカだ…てめぇの食い扶持は
     てめぇで見つけるしかねぇんだ!」

仔猫「…っにゃ!?」ビクビク

ラーテル「…それともなにか?やっぱり拾った時に俺が食っちまった方が良かった…
     そう言いたいのか?」

仔猫「そそそそんなことないですにゃ!ごめんなさいにゃ!?」ペコペコ

ラーテル「…いいな?もう弱音も泣き言も無しだ…今までの充実した『過去』を
     見るのは、今日限りにしろ」

ラーテル「…これからはな、あるかもわからない『未来』と、それを掴むための
     『今』をあがくしかねぇんだ」

ラーテル「覚えておけ…それがこのアフリカなんだ!」

仔猫「…はいにゃ…もう泣かないにゃ…」

仔猫「明日から…よろしくお願いしますにゃ!」

ラーテル「…わかったようだな」

ラーテル「…もう寝ておけ。明日からもう平和はねぇんだ」

ラーテル「この寝る時間ですら、安全は保証されないんだからな」

仔猫「あ…あの」

ラーテル「あ?なんだ?」

仔猫「…なんで私を…拾ってくれたんですにゃ?」


ラーテル「…ただの気まぐれだ…いいからはやく寝ろ」

仔猫「はっはいにゃ!」



仔猫「…スー…スー…」

ラーテル「…やっと寝たか…」

ラーテル「…」

ーーーー3年前

ラーテル「おい!弟!しっかりしろ!」

弟「…兄さん…俺もうだめだ…」ゼェゼェ

弟「兄さんみたいに…上手く出来なかったよ…」ゼェゼェ

ラーテル「ばかやろう!あきらめるんじゃねぇ!」

弟「…兄さん…俺…兄さんみたいに…」ガクッ

ラーテル「…弟?」

弟「…」

ラーテル「…弟…弟ーーーーー!」

ーーーー

ラーテル「…ふん」

ーーーーそれから少したった朝

仔猫「…足も良くなったにゃ…」

ラーテル「起きたか、足は大丈夫か?」

仔猫「あなたのおかげですっかり大丈夫ですにゃ」

ラーテル「そうか…ついてこい」タッタッタ

仔猫「はいにゃ!」タッタッタ



ラーテル「…あれが見えるか?」

ネズミ(…チッチチチチ)キョロキョロ

仔猫「…ねすみですにゃ」

ラーテル「そうだ…そしてお前のメシでもある」

仔猫「あれを食べるんですにゃ!?」

ラーテル「何がおかしいんだ?お前の弱いアゴでも噛みきれるのは
     あいつくらいだぞ」

仔猫「…で…でも…」

ラーテル「…この間俺が言ったことは忘れてないよな?」

ラーテル「ここで生きていくには食べられるものを自分の力で
     得るしかねぇんだ」

仔猫「…」

ラーテル「わかったなら、俺が今からあいつを捕らえる。それをここで見てろ」

ラーテル「そして俺の動きから、自分で狩りの動きを掴め」

仔猫「…わかったにゃ」コクッ




仔猫「…ねすみですにゃ」

ラーテル「じゃあいくぞ…見てろ」

仔猫「…」ゴクッ…

ラーテル「…」ススッ…

ネズミ「…!」ピクッ

ラーテル「…ッッ!」ササッ

ネズミ「…」フンフン…

ネズミ「…」ス…

ラーテル「ッフゥッッ!」ダダダッ!

ネズミ「…ッチ!?」ビクンッ

ラーテル「ッッッシャ!」ガブッ

ネズミ「ヂヂヂッ!…ヂィッ!…」ビクビク

ネズミ「…ヂィ…ッチ…」ヒクッヒクッ

ネズミ「…チィ…」…ヒクン

仔猫(見た感じ…そんな難しそうでもないにゃ)

ラーテル「…どうだ?見てたか?」

仔猫「バッチリ見せていただきましたにゃ!」

仔猫「私でもできそうだにゃ!」

ラーテル「…ほぉ…そうか」

ラーテル「…ちなみに…俺のハントからなにか感じ取れたか?」

仔猫「…えーっと…アニキがさささっと行ってスッと引いてバグっと行ったにゃ!」

ラーテル「…」

ラーテル「…まぁ…やってみろ」

仔猫「わかりましたにゃ!」

ラーテル(…アニキ…か)

ラーテル「じゃあまずはポイントへの移動だ」

ラーテル「すでにここからハントは始まってると言っても過言じゃないぞ」

仔猫「了解にゃ!」ザッ

ラーテル「…!?まてこのバカ!」シッポガブー

仔猫「ふにゃぁっっ!?」ピーン!

ラーテル「…行っただろ!もうこの移動から狩りは始まってるって!」

仔猫「ごめんなさいにゃ…しっぽはかんべんしてにゃ…」

ラーテル「…ったく!…」

ラーテル「まず動く前に風の向き…そして今のポイントから得られる情報を
     掴むんだ」

仔猫「…情報?」

ラーテル「そうだ…臭い、草木の形、太陽の場所…これらの情報を
     ひとつも余すことなく体に感じとれ」

仔猫「はいにゃ…」フンフン…

仔猫「…ちょいと難しいにゃ」

ラーテル「最初はそうだろうな」

ラーテル「まぁまずは俺の真似から始めろ」

ラーテル「…例えばここにトカゲのフンが転がってる…まだ新しい」

ラーテル「…そして臭いをたどるんだが、その時も一気に一直線で行くことは
     ダメだ」

仔猫「…なんでにゃ?そっちのが早いにゃ」

ラーテル「…そう思うだろ?じゃあ試しにやってみればいい
     逆にやらなきゃわからないだろうしな」

仔猫「…わかったにゃ!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom