P「765プロ 未解決事件特捜班 」(59)


 『look again』 1998年 夜見山中学校の生徒、榊原恒一が撲殺されて発見される

  1998  12月20日

 勅使河原『あ~、もうすぐクリスマスか』

 望月『さっきからそればっかだね』

 勅使河原『当たり前だろ。クリスマスには我が学校では3年生ダンスパーティーがあるんだぞ』

 恒一『らしいね。体育館で夜通し踊ったり食べたりするんだっけ』

 勅使河原『そう!そのためにはダンスパートナーを見つけなければならない』

 望月『つまり、勅使河原は相方が見つからなくて焦ってるわけだね』

 恒一『なるほど。てっしーらしい』

 勅使河原『てっしーいうな。そういうお前たちはどうなんだよ、まあサカキは心配ないだろうけど』

 望月『そうだね。僕は・・・三神先生と・・・・いきたいなーって思ってる』

 恒一『僕から何か言っておこうか?』

 望月『いや、いい。こういうときは自分で言わないと』

 勅使河原『そうか・・・』 

 望月『榊原君は見崎さんとだよね?』

 見崎『!』

 女子『!?』


 勅使河原『だろうな。あんだけ普段から一緒にいるんだからな。』

 恒一『ちょっとまってよ、別に僕と見崎はそんな関係じゃ・・・・』

 赤沢『じゃあ、私と行きましょう』

 恒一『赤沢さんいつの間に』

 赤沢『べつに恒一君に気があるとかじゃないから・・・あなたが一人ぼっちでいる姿がかわいそうだと思ったからよ』

 恒一『あははは、ありがとう赤沢さん・・・でも』

 赤沢『じゃあ、決まりね』

 見崎『・・・・・・』

 そして、本番の25日。3年生クリスマスダンスパーティーは何事もなく始まった。

 だが、無事には終わらなかった・・・・・

 体育館裏の焼却炉の前で『榊原恒一』の死体が発見される。

 殺人事件として捜査がなされるが、有力な情報や証拠が見つからず早々に未解決事件となる。

 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :


 2013  

 警視庁 765分署 未解決事件特捜班(殺人課)

 p「暇だなぁ・・・」ズズズ

 春香「ですねぇ・・・」ズズズ

 ここは未解決事件特捜班(殺人課)。文字通り未解決の事件(コールドケース)を捜査する場所であるのだが、

 実質は各部署の問題児などが飛ばされる課である。ここ最近は機能を果たしていない。

 もっと上の未解決事件課がうまくやってるからこっちにはほとんど仕事が回ってこないのだ。

 千早「ちょっとあなたたち!」

 p「なんだよ千早そんなにかっかして、生理か?」

 千早「ふんっ」ゲシッ

 p「いてっ」

 千早「呑気にお茶なんてすすってる場合ですか!」

 小鳥「まあまあ、千早ちゃん。はいお茶」

 千早「あ、ありがとうございます・・・ズズズ・・・ぷはぁ・・・・おいしい」

 春香「おかしもあるよ」 つドーナッツ

 千早「モグモグ・・・もうちょっと甘くても良いわ・・・って、違うでしょ!」

 p「ノリ突込みとはさすが元エリート刑事」

 千早「うっさい!」

 千早も1カ月前にここに配属されたばかりだった。そこそこ優秀だったのらしいが、胸が小さいのを理由にこっちに飛ばされたらしい。

 千早「もう1カ月もまともな仕事をしてないんですよ!ここは何のための課ですか!」

 p「zzzzzz」

 千早「寝るな!」ドンッ

 p「わりぃわりぃ。でもな、ほとんどの事件が上にとられちゃうからこっちには何も回ってこないんだよ」

 春香「リリーさんたちの方が優秀だもんね」

 小鳥「一応、こちらでも捜査の依頼は受けられるのよ」

 千早「今までに依頼は?」

 p「・・・・・・」

 春香「・・・・・・」

 千早「は?」

 小鳥「えーっと、一応1998年の殺人事件のファイルがここに・・・」

 p「小鳥さん、そんなものどこから・・・・」

 小鳥「あら、この課だけでもだいぶファイルはあるわよ。依頼がないなら、自分たちからよ」

 千早「音無さん・・・・」

 小鳥「いい加減結果をださないといつまでも、ぬるま湯につかってたらだめよ」

 p「ったくしょうがないなぁ、いっちょやるか」

 春香「あ~、なんか久しぶりだな」

 千早「p・・・春香・・・」

 春香「もともと、人を助けたくて警官になったんだから、多少はね?」

 p「となると、あの2人も呼ばないとな」

 春香「美希と雪歩ですね!」

 千早「まだいたんですかこの課って」

 p「まあな。美希と雪歩はヘルプだな。基本的には性犯罪特捜班にいるんだけど、そっちもつわものぞろいでな。」

 春香「未解決事件課といい勝負だよ。」

 p「まあ、優秀ってことだ。」

 千早「やっとまともな仕事ができる・・・・」

 参考op:http://www.youtube.com/watch?v=f0nvaswnsn4



 ****

 p「1998年、夜見山中学校の体育館裏で『榊原恒一』が遺体で発見。死因は撲殺。」

 美希「サカキバラってなんかすごい名前なの」

 雪歩「色々あったからね」

 春香「目撃者ゼロですか・・・みんな中で踊ってたってことかぁ」

 p「カーテンなどは閉め切られてるから中からも外からも見えない。」

 千早「3年生だけでも相当いるから、誰が出入りしてたっていう把握は難しそうね」

 美希「被害者に関しては、何か問題点はあったの?」

 p「ふむ、転校生で持病持ちくらいだな。15年前はろくに捜査もしなかったらしいな。」

 雪歩「改めて、関係者に聴きにいくしかないですね。」

 p「そうだな。じゃあ、俺と千早で遺族に、美希と春香で学校関係を、雪歩はお茶くみ、これで行くぞ」

 「はいっ!」

 ***

 榊原家 ※両親の設定は変えます

 父「殺人課の刑事さんたちが一体・・・」

 p「15年前に息子さんが殺害された事件についてです」

 母「今更、なにが分かるっていうんです!15年前だってろくに取り合ってくれなかったじゃないですか!」

 千早「それは・・・申し訳ありませんでした。」

 父「まあまあお母さん、それこそ今さらだよ。時代は変わったんだ、この人たちならきっと力になってくれるよ」

 p「そうです、全力で解決してみせます。」

 千早(p・・・)

 母「うふふ、ごめんなさいね・・・・15年遅かったけど、私たちが生きているうちに解決するなら・・・・」

 p「ありがとうございます。」

 千早「早速ですが、当時の息子さんの人間関係で何かトラブルなどはありましたか」

 父「あいつは病気のせいで転校がおくれてしまってね、学期の途中から入って来たんだ」

 父「だから、友達ができるかどうか不安だったんだがね、でも話を聞く限りいい友達に恵まれてたようだった」

 母「そうそう、一度彼女を連れてきたこともあってねぇ・・・」

 父「あの赤い子か」

 母「いいや、眼帯を付けていた子よ」

 千早「2人いたんですか・・・??」

 父「はて・・・・てっきりあの赤毛の子かと。2股をかけていたとは・・・・・」

 母「いいえ、絶対に眼帯の子でしたよ」

 p「ふむ、ではその子たちの名前は覚えてますか?」

 父「う~ん・・・そうだ、確か写真が・・・」

 母「ありましたね、取ってきます」

 ***

 母「この2人です」 つ集合写真

 父「赤い子はたしか・・・赤沢(あかざわ)・・・あかさわ・・・だったような気がするな」

 母「この子は見崎鳴ちゃんよ。とっても静かでいい子だったわ」

 p「なるほど・・・・わかりました、この写真を借りても?」

 父「どうぞ」

 千早「では、今回はこれで。何かありましたらこちらの方に連絡を」 つ名刺

 ***

 p「2人の彼女・・・・くさいな」

 千早「もし2股であるなら動機はありそうですね。」

 p「そうだな、とりあえずは他の報告を待とう。」

 p「学校関係で何か掴めるかもしれないからな」

 夜見山中

 美希「あなたが三神先生ですか?」

 怜子「ええ、そうですが・・・あなた方は?」

 春香「私たち、殺人課の者です。15年前あなたの親類である榊原恒一くんが殺害された事件について聞きに来ました」

 怜子「恒一君ね・・・・もうそんなに経つのね」

 美希「怜子・・・さんは恒一君の叔母だったんだよね?」

 怜子「そうよ。もっとも学校では三神先生として接していたわ。」

 春香「恒一君のクラスにもかかわっていたんですよね?」

 怜子「ええ、久保先生に代わって。」

 美希「なら、恒一君の交友関係も分かると思うな」

 春香「恒一君は人間関係で何かトラブルなどはありましたか」

 怜子「そうねぇ・・・」

 怜子「そういえば、恒一君って妙に異性に好かれてたのよね」

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・ 
 :
 :
 :
 :

 昼休み 廊下

 怜子『校内巡回も楽じゃないわね・・・・ちょっと疲れたわ』

 怜子『恒一君のクラスでも見てみようかしら』

 ***

 3年3組

 綾野『こういっちゃん、今週末空いてる?』

 恒一『うん、空いてるよ』

 綾野『だったらわたしと・・・』

 見崎『榊原君、はやく屋上いこ』

 綾野『ちょっと~、私まだ話してるんだけど』

 見崎『そんなのどうでもいいわ。私は榊原君とご飯を食べるの』

 綾野『そんなのいっつもやってんじゃん。だからちょっとくらい・・・』

 見崎『だめよ。さ、行きましょ』

 恒一『え・・・あー・・・ごめん』

 綾野『な・・・』

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :

 怜子『顔は良いんだけどいかんせん優柔不断なのよね、女性に関しては』

 怜子「見崎さんにはだいぶ好かれてたみたいね」
 
 春香「なるほどなるほど・・・・女性関係のもつれ」

 美希「ありがとうなの、怜子・・・さん。」

 怜子「いいのよ、15年前も前だけど私にとってはまだ最近のことのように覚えてるわ。」

 春香「では、改めて何か思い出したら一報を」

 ***

 p「なるほど、やはり女性関係が来たか・・・・」

 春香「そっちも何かあったんですか」

 千早「ええ、『彼女』らしき人物を家に招いてたらしいわ。でも、父親と母親で見解がちがうの」

 p「一人は眼帯の子-見崎鳴-、もう一人は赤毛の子-赤沢泉-」

 春香「見崎鳴がかぶってますね。」

 美希「独占欲がとっても強いみたいなの」

 p「ここまでで3人・・・・どうなることやら」

 春香「綾野彩のほうは5年前に交通事故で亡くなってました。なんでも落石に遭ったそうで」

 p「となると、この2人か」

 p「とりあえず、話してみっか」

 ***

 取調室

 見崎(30)『私が榊原君を殺したって言いたいの?』

 美希「可能性は無きにしも非ず、なの」

 見崎「たしかに、榊原君のことは好きだったわ。でも、殺したいだなんて・・・ばかばかしい」

 美希「でも、世の中にはその人のことが好きすぎて何でもしちゃうって人がいるって聞いたよ」

 見崎「刑事さん、アニメの見すぎよ」

 見崎「榊原君は確かに人気があったわ。私以外にも狙ってる子は大勢。」

 美希「赤沢さんとか?」

 見崎「あ~、あの子も相当だったみたいね。でも、私はもっとすごい子を知ってるの」

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・ 
 :
 :
 :
 :

 教室

 見崎『予備の眼帯を忘れてしまったわ』ガラッ

 ?『んっ・・・はぁ・・・・んちゅ・・・』

 ?『いいよぉ・・・・もっと・・・ぁん・・・ちゅう・・・んぁ』

 見崎『何をしているの有田さん』

 有田『え・・・ちょっと、これは・・・・ちがっ・・・んんっ』ビクビクン

 見崎(え・・・・有田さんが誰もいない教室で榊原君の机で・・・・オ●ニーしてた・・・)

 有田『はぁ・・・・はぁ・・・・』

 見崎『まあ・・・はいハンカチ』

 有田『ありがとう・・・』

 見崎『いいの。あの・・・このことは誰にも言わないわ。』

 有田『ありがとう・・・私こうやってたまに榊原君の物で一人遊びしてるの・・・』

 有田『でも、あなただって分かるでしょ?』

 見崎『わからないわ』

 有田『そう・・・きっとあなたはそばに居すぎるのね。だから、私みたいな接点の少ないモブの気持ちなんて』

 有田『まあいいわ。あなたもそのうち我慢できなくなるわ。そうなったらいつでも声かけてよ。色々提供してあげるから』

 見崎『うん・・・・考えておく』

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :


 見崎『正直、この子は危ないって思ったわ。常軌を逸してる』

 美希「うう・・・さすがの美希でもそこまでしないと思うな」

 見崎「でも、あの有田さんならどんなことでもしかねないってことよ。そう、殺人でさえもね」

 ***

 p「まあ、中学生らしいっちゃ中学生らしいな」

 千早「いや、全然らしくないですよ!」

 p「いやでも、だれしも好きなこのリコーダー舐めたいとか体操着クンカクンカしたいとか思ったことはあるだろ?」

 千早「そ、そんなのあるわけないでしょうが!」

 小鳥「そうよ、性欲に飢えた男子中学生なら使用済みナプキンでご飯3杯っていうレベルですよ」

 千早「いや・・・それもないです」

 p「っていうか、小鳥さん・・・汚すぎるんでやめてください」

 小鳥「そ、そんなぁ」

 春香「とりあえあず、有田松子(しょうこ)について調べてみたんですが、なんとここ何年間で数回、ストーカーで警察にお世話になってるみたいです」

 p「じゃあ、千早行ってこい」

 千早「わかりました・・・でも、何で私が・・・?」

 p「いや・・・なんかさこう言うのはお前が得意そうだからな、な春香」

 春香「えぇっ・・・そうですね、別に千早ちゃんにもストーカー気質がありだなんて微塵も・・・あ」

 千早「よ~く、分かりました。どうせ私の愛は重いですよ」プンプン

 p「そんなこというなよ。俺だったらいくらでも貰ってやるから」

 千早「な、何言ってるんですか・・・ばか」

 ***

 取調室

 赤沢『今更何ができるっていうのかしら?』

 赤沢『恒一君はもういないのよ・・・』

 春香「確かに15年前、ろくに捜査もされなかったのは残念だし、私たちの汚点でもあるわ」

 春香「でも、だからといって放ってはおけないよ。私たちはそのためにここにいるから。」

 赤沢「15年前とは違う・・・・か。」

 春香「そうよ、だから話して当時のことを」

 赤沢「いいわ」

 春香「事件当夜、あなたは恒一君と?」

 赤沢「そうね、そのはずだったわ」

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :

 12月20日
 

 赤沢『じゃあ、決まりね』

 恒一『いや、だからあの・・・』

 ?『榊原君?』

 恒一『や、やあ小椋さん』

 小椋『いまなんか、赤沢さんとダンスするって聞こえたんだけど・・・聞き違いかな』

 恒一『そ、それは・・・ちゃんと』

 赤沢『間違ってないわよ、小倉さん』

 小椋『漢字間違ってるわよ、無能さん』

 赤沢『な・・・まあいいわ。とにかく、私と恒一君は今度のパーティーで一緒に踊ることになったの』

 小椋『ちょっと、どういうことなの榊原君!』

 恒一『あの、赤沢さん、ほんとはもう小椋さんと約束してたんだ・・・ごめん』

 赤沢『なんで・・・すって・・・』

 勅使河原『おい、サカキそれってどういうk』

 小椋『そうことなの。榊原君、いいえ恒一君は私のものだから。さ、いきましょう』

 赤沢『・・・・・・』

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :

 赤沢『てっきり見崎さんかと思ってたけど、あんがい違ったみたいね』

 赤沢『どっちにしろ、小さい子が好みらしいわ』

 赤沢「ちなみに、勅使河原は小椋さんのことが好きだったみたいね」

 赤沢「相手にはされてなかったみたいだけど」

 春香「勅使河原って人は恒一君を恨んでた?」

 赤沢「どうだろ。表向きは仲よさそうだったけど。」

 赤沢「正直なところ、恒一君のフラグ構築能力には驚いたわ。あれだけ乱立していれば誰に刺されたっておかしくないわよ」

 ***

 p「これもうわかんねぇな」

 春香「ラノベの主人公並のモテ具合ですよ」

 美希「でも、この3組って本当に美人さんおおいよね」

 p「確かにな。でもこれだけいてほとんどが恒一君に落とされてるわけか」

 春香「他の男子も嫉妬しますよきっと」

 美希「その勅使河原って人の情報はあったの?」

 p「いま雪歩にやらせてる」

 雪歩「ただいま終わりました~」

 春香「で、どうだった?」

 雪歩「なんと、その勅使河原って人と小椋さん、どうやら同棲しているみたいです」

 美希「まったく相手にされてなかったのに・・・15年もあれば変わるものなのかな」

 p「女心はわからん。さ、俺と美希で2人の所へいってみっか」

  ***

 有田松子 自宅

 有田(30)『榊原君・・・・いまでもあの人の机でオ●ニーしたのを覚えているわ』

 千早「そ、それはよかったわ。そのあなたの素晴らしい記憶力(トータルリコール)で榊原君が救われるかもしれないわね・・・」

 千早「もっとも、あなたが彼を殺していない保証はないけど。」

 有田「私が榊原君を殺すだなんて・・・・あはははははは」

 千早「ひっ・・・・なにがおかしいのよ」

 有田「殺しだなんてしないわ・・・・むしろ、守ってたのよ」

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :
 :


 12月21日

 
放課後 校門の陰

 有田『榊原君、なかなか来ないな~』

 有田『いつもより2分26秒も遅れてる・・・』

 有田『きっと何かあったんだわ・・・・行かなきゃ!』ダッ


 ***

 廊下

 有田『まっててね今行くから』タッタッタッタ

 有田『あれは・・・・勅使河原君?』

 有田『まさか・・・ホ・・・なわけないか』

 教室

 勅使河原『なぁ、サカキ……俺達友達だよな』

 榊原『少なくとも僕はそう思ってるけど・・・どうしたんだよ急に』

 勅使河原『なら、俺の言いたいことも分かるよな』

 榊原『?』

 勅使河原『っ・・・なんで、お前はいつもそうやって変に鈍感なんだよ!』

 勅使河原『お前知ってただろ、俺が小椋のこと好きだって』

 榊原『あ・・・』

 勅使河原『ようやく、気付いたか。』

 榊原『で、でも言うこと聞かないと小椋さんに殴られるし・・・』

 勅使河原『そんなのどうでもいいんだよ!むしろ、大歓迎だよ・・・・くそっ』

 勅使河原『なんで、お前なんだよ!』

 勅使河原『あいつとはお前なんかよりも付き合い長かったのに・・・・なんで・・・・お前が・・・』

 榊原『ごめん・・・・』

 勅使河原『なに謝ってんだよ・・・・何も分かってない癖に』

 榊原『ごめん・・・・』

 勅使河原『なに謝ってんだよ・・・・何も分かってない癖に』

 榊原『…………』

 勅使河原『はぁ・・・しばらく話しかけないでくれ。これ以上お前と関わってると殺しちまう』

 有田『あ~、教室に忘れ物しちゃった~(棒)』ガラガラガラ

 勅使河原『人が来たか・・・・じゃあな、サカキ。さっきのこと忘れんなよ』

 榊原『・・・・・・・・』

 有田(なんとか、危機は脱したみたいね・・・・・)

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :


 有田『でも、その夜のうちにインフルに罹ったから、年内はそれっきり・・・・・』

 有田『私が付いていれば・・・・』

 千早「あなたのせいではないわ・・・・」

 有田「ありがとうございます・・・・解決したら教えてください。」

 ***

 アパート

 勅使河原『あんたら・・・・なんの用ですか?』

 p「勅使河原直哉ですね?」

 美希「美希たち、殺人課の刑事なの」

 勅使河原「そうですか」

 p「15年前に同級生の榊原恒一が殺害された事件について再捜査しています」

 勅使河原「なんで今更。残念だけどよ、そんな昔のことなんかわすれちまったよ」

 美希「他の人は結構覚えてるみたいだから関係ないな」

 p「友達に嫁さん取られててムカついてたんだろ」

 勅使河原「小椋のことを言ってるのなら、大間違いだ。」

 勅使河原「たしかに、あのときはムカついてたさ。でも後で馬鹿だって気づいて仲直りしたよ」

 ***

 勅使河原『サカキ!』

 榊原『て、勅使河原・・・・どうしたんだ』

 勅使河原『昨日はすまなかった・・・・嫉妬だなんてかっこ悪いよな・・・』

 榊原『てっしー・・・・』

 勅使河原『その言い方はよせよ・・・・ほんとお前って・・・』

 ***

 勅使河原『いや~、馬鹿だった』

 美希「ほんと馬鹿なの。」

 p「じゃ、パーティーは誰と行ったんだ?」

 勅使河原「同じクラスの中尾って男子だよ」

 勅使河原「フラれた者同士でな。案外楽しかったけどな」

 ***

 p「でもなんか気持ちわかるな~」

 美希「pも振られたことがあるの?」

 p「まあな。あ・・・・・忘れてた」

 美希「小椋さんにお話し聞くの忘れてたの・・・・」

 p「ま、いっか。」

 ***

 千早「で、ノコノコと帰ってきたわけですか」

 p「ごめんなしゃい」

 美希「・・・なの」

 千早「はぁ・・・先が思いやられるわ」

 春香「ぷ、プロデューサーさん!」ドタドタドタ

 p「どうしたんだ春香。転びもしないだなんて」

 春香「そんなことしてる場合じゃないんですよ!」

 千早「ちょっと落ち着きなさい。どうしたの?」

 春香「今さっき、赤沢さんが車にはねられて病院に!」


 ***

 765総合病院

 765号室

 赤沢「私としたことが、車にはねられるだなんてね」

 p「大事には至らなくてよかったですね」

 赤沢「そうね」

 春香「でも、ひき逃げですよ、ひき逃げ!」

 千早「そうね……ただの偶然って言いたいところだけど、これはねぇ・・・」

 p「美希が目撃者と話しているみたいだから、そっちを待とう」

 ***

 美希「目撃者の証言によれば、車は大型のワゴン車で色は黒、幸運なことにナンバーまで覚えてる人がいたの!」

 p「それで、持ち主は?」

 美希「勅使河原直哉・・・」

 千早「どうやら、偶然じゃないみたいね」

 春香「口封じかな」

 赤沢「あ~、わかったわ・・・・なるほどね・・・・」

 p「なにか身に覚えが?」

 赤沢『ええ。15年前のパーティーの日のことよ・・・・』

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :
 :


 赤沢『はぁ・・・恒一君・・・・ん?』

 赤沢『あれって中尾よね。あいつも一人で来てるのかしら』

 中尾『ああ、赤沢さん!』

 赤沢『哀れね・・・といっても私も人のこと言えないけど』

 中尾『いや、そんなことは・・・・じゃなくて、赤沢さん、勅使河原のやつ見てないか?』

 赤沢『勅使河原?いいえ、今日はまだ一度も』

 中尾『今夜はあいつと一緒に来てたんだけどよ、あいつ急に小椋から呼び出されたとか言ってどっか行っちゃたんだよ』

 赤沢『小椋さん・・・・そういえば彼女も見当たらないわね』

 赤沢『案外、2人でよろしくやってるんじゃないかしら』

中尾『でも、あいつには榊原がいるはずなんだ・・・・しかも結構、ベッタリだったからこんなタイミングで勅使河原とよろしくやるだなんて・・・』

 赤沢『それもそうね……でも、最終的に決めるのは本人たちだから私たちが踏み込む余地はないわ』

 中尾『そ、そうだけど……』

 赤沢『さて、このまま一人でいてもしょうがないから、しかたな~~くあんたと一緒にいてあげるわ』

 中尾『まじ!?』

 赤沢『嘘ついてもしょうがないでしょ・・・・さ、踊りましょ』

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 :
 :
 :
 :

赤沢『正直なところ、恒一君には未練がなかったから詮索はいなかったの』

 赤沢『結果的に、もっといい人が見つかったから・・・・』

 ***

 p「パーティー当日、小椋さんに呼び出された勅使河原・・・・」

 春香「そして、殺された恒一君・・・・」

 千早「その2人が今現在同棲しているってのも何かあるわね」

 美希「今度こそ、小椋さんにお話を聞くの!」

 p「いよいよ、見えてきたぞ。なんとしてでも、2人を呼ぶんだ」

***

 取調室1

 p「意外と早く来てくれたんだな」

 勅使河原「……」

 p「お前の車が赤沢さんをはねたって証言があるんだが、覚えてるか?」

 勅使河原「ああ・・・」

 p「確かお前は15年前のあの日、中尾と一緒にいたんだよな」

 勅使河原「そうだよ」

 p「だが、当日お前が小椋さんに呼び出されてどこかに行ったっていう証言があるんだよなぁ」

 勅使河原「…………」

書き溜めていた奴が消えてしまったんでしばらく更新できません

***

  取調室2

 小椋『…………』

 千早「いつまでそうやって押し黙っておくつもりなのかしら」

 小椋「別に・・・」

 千早「でも、そうやってたらいつまでもここから出られないわよ」

 小椋「……別に」

 千早「モノマネをしろって言っているわけじゃないのよ、エリカ様」

 小椋「意味分かんないし・・・・」

***

 取調室1

 p「15年前のあの日、お前は何をしてたんだ」

 勅使河原「ダンパに決まってんだろ・・・」

 p「そう言うことじゃない、なぜ恋人がいる小椋さんがダンパ中にお前を呼びだしたんだ?」

 勅使河原「そ、そんなこともう忘れちまったよ」

 p「じゃあ、質問を変えるぞ。なぜ、赤沢さんを轢いたんだ?」

 p「ただの偶然と言いたいが、赤沢さんは事前に我々に小椋さんのことを話していたんだ。」

 p[ダンパ当日は赤沢さんでも見崎さんでも有田さんでもなく小椋さんと一緒にいたと]

 p「そして、お前たちの所へ話を聞きに行った。その矢先にあの事故だ。」

 勅使河原「…………」

 p「何か隠してるんだろ……小椋さんについて」

 勅使河原「わかったよ。正直に言う、やったのは俺だ。小椋は関係ない。」

 p「本当にそれでいいのか。」

 勅使河原「あぁ……いいんだ。」

 ***
 
 こうして、勅使河原直哉の証言により榊原恒一殺人事件は解決した。

 千早はこのことに強く抗議をしていたが、彼の証言通りの場所に凶器が隠してあったことなどを理由に容疑は確定、

 逮捕に至った。


end

すみません。書き溜めが消えてしまったのが非常に痛く、これ以上書けないと判断したのでこんな終わり方をしてしまいました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月14日 (月) 15:44:52   ID: yhMMU_Zm

おつ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom