【安価で】あんか☆マギカ【魔法少女】 (294)

主人公は中学二年という設定で。性別はもちろん女の子です

>>4で名前

>>8で願い事を

>>12で性格

>>15で固有魔法

>>18で武器

とりあえず主人公を最初に決めますので!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411608679

宇佐美 瑠那(ウサミ ルナ)

家族の仇である巨大組織への復讐

内気で心優しい

獣化変身

十文字槍

宇佐美 瑠那

固有魔法:獣化

SGのモチーフと色>>22

魔法少女時の衣装とSGの位置>>24

獣化の際になれる獣>>26
【獣なら何でもOKならばそう書いてください】

形は菱形で

獣なら何でも 手足だけなど部分単位でもできる

宇佐美 瑠那

固有魔法:獣化【獣なら何でも。部分変化も可】

SGのモチーフと色:碧の菱形

魔法少女時の衣装とSGの位置:三國無双的な鎧風 首元


それでは二人目の魔法少女は第一話の後に決めたいと思います
そこでなんですが魔法少女候補をいくつか一話ごとに出していこうと思いますが、そこから選ぶ形がいいですかね?
それとも最初っから決めてもらった方がいいですか?

はたまたその二つを切り替えていく形か…


分かりました!
それでは第一話【私が皆の希望になれたらなって】
17時00分位に投下。そのあとに安価を取っていきます

すいません早く投下できそうです!
時間を早めて40分に投下させていただきます!

第一話【私が希望になれたらなって】

テレビから流れるニュースの音
それは日本のいろんな場所で起こった出来事を伝えている

私はいつもそのニュースを聞いて、ここでみんなと朝ご飯を食べるのが日課

宇佐美「……え?」

何時もみたいに栄養士さんが作ってくれたご飯を食べ終わったとき
耳を疑うニュースが流れてきた

アナウンサー「昨夜未明。県内を拠点にしていた強盗グループのアジトと思われる場所が全焼」

アナウンサー「生存者は絶望的と思われています」

宇佐美「…夢じゃなかった」

―――――――――昨日私は夢の中で妖精さんにお願いをした。
家族を殺したあいつらに罰を与えてって。

それが今…叶っている

濱江「どったの?」

今起きてきたばかりの【濱江 里】ちゃんが私を見て不思議そうな顔をする。
だけど里ちゃんもニュースを見て納得したらしい

濱江「あ…あぁ」

宇佐美「……うん。」

里ちゃんは私に気を使って何も言葉を口にしないが言いたいことは分かる
「良かったね」きっとそういう類の事を言いたいのだ

濱江「瑠那がここに来る原因だもんねあいつ等」

宇佐美「…うん」

濱江「何て言って良いか分かんないけど……」

濱江「えっと…その……」

職員「濱江さんーちょっと来てー」

もごもごした様子で里ちゃんは職員さんに呼ばれて食堂を出た
ちょっと変わってて不思議でおたくな里ちゃんだけど。誰にでも優しい所が私は大好きだ



――――――――――――――

――――――――――――――

妹尾中学

宇佐美「おはよう」

泉「おはようございます」

綾瀬「おっはー!!」


教室に入るといつもみたいに二人が私を明るく出迎えてくれる。
【泉 佳苗】ちゃんと【綾瀬 南】ちゃん。
佳苗ちゃんはお金持ちでおしとやかで勉強ができる。あと眼鏡が可愛い!
南ちゃんは賢くはないけど…元気!それに見かけによらず漫画とか描くのがとってもうまいの


???「あら。あなたはこんな場所にいつも来てるのねー」

私の肩元で聞こえた声に振り返るとそこに居たのは昨日の夜の妖精
ティンカーベルみたいなちっさな女の子

宇佐美・泉・綾瀬「…!?」

???「やだワー。みんなアチシの事見えるのねぇ~」

9子「アチシはインキュベーター。そうねぇ。9子とでも呼んで」

泉「わ…私先生を呼んでまいります!!」

綾瀬「アタシも!!!」


急いで教室を出ていく二人。
だけど9子?はそんなことお構いなしみたい

9子「あんた約束忘れたのー?今日からあんたは魔法少女よ」

9子「ソウルジェム忘れていくんだから冷や冷やしたわよ。大切な物なんだからー気をつけなさい」

9子「バッグの中に入ってるわよ」

ソウルジェム?なんだろうとたじろぐ私に9子はバッグを指さす
指された通りにバッグを探るとそこには緑色の綺麗な宝石が入っていた

―――――――――――

そんな綺麗な卵形の宝石に目を奪われているうちに9子は魔法少女の説明をしてくれた。
まずこれは変身ベルト?みたいなもので肌身離さず持つこと
そして毎晩悪い魔女をやっつけなきゃダメなこと

魔法少女って言う事で魔法も使える
そして何より犯罪に走ったりする人を助けることができる


それってすごい素敵

その説明を聞いてて思った

私が皆の希望になれたらなって


―――――――――――――



泉「た…確かにここに!浮いてしゃべる何かが居たのです!!」

綾瀬「嘘じゃねえって!!今回は佳苗も一緒だろ!疑うなよ!」

二人が指さす先に居るのは9子。
だけど先生には全く見えていないみたいで

教師A「もう。バカなこと言ってないで!先生忙しいんだから!」

教師A「それに泉さんも悪乗りしない!!」

プンプンと怒って教室を出ていく先生。
だけど私達には確かに9子ちゃんが見えている、今もこうして私の肩に座ってる

9子「大人には見えないわよ。お・と・なには」



―――――――――――――――

泉「…そんな事を…そんな事が出来るんですね…」

綾瀬「ふーん。すっげぇな」

9子は二人にも魔法少女の事を説明してあげた
願いが一つ叶う事。魔法が使えるようになること。変身もできる事
そして毎夜魔女と戦う事


泉「でも…命がけですわよね」

綾瀬「魔女っつうのがどんなんかもわっかんねーし…」


二人はちょっとそれは…と魔法少女になる事を断った
それに二人には私みたいにかなえたい願い事何て言うのもないのだろう

泉「瑠那ちゃんは何をお願いしたのです?」

綾瀬「おぉ…それはアタシも気になる」

宇佐美「え…ええとぉ…それはね」

言えない。私のお願いのせいで人が死んじゃったなんて
二人とも私がどうして孤児院に居るのか知ってるけど
それだとしてもこんなこと絶対に言っちゃえない

宇佐美「皆の希望になりたいなって」

私は―――――嘘をつきました




――――――――――――――

――――――――――――――

その日の夜。巴公園

宇佐美「…ほ…本当に魔女が居るの?白雪姫みたいな?」

9子「うーん…とにかくあれが見える?あそこの中が魔女の結界になってるんだけど」

私の目の前には大きなマークみたいなものが浮かんでた
9子曰く。それが結界に通じる扉みたいなものらしくて

9子「とりあえず変身。それか魔法を使うかね」

宇佐美「変身?魔法?どうやって使うの…」

今まで普通の生活をしてきた私に魔法の使い方も変身の仕方も分からない。

9子「簡単よ。変身はジェムを手にして念じてー…魔法は使いたいなって思うだけよ」

9子「うん。今まではそんな子が多かったわね」

宇佐美「魔法…使いたいな?…うーん…」

宇佐美「魔法……」ヴァサッ

宇佐美「えぇぇぇっ!?羽?羽が生えちゃった!」

強く念じると私の背中に羽が生えた。
それもおっきな鳥みたいなかっこいい羽。

9子「理解できたかちら?あなたの魔法はそういう物よ」

宇佐美「こういう物…魔法って色々あるの?」

9子「そうねぇ…願い事とか本人の考えとか…そういうのに影響されるわね」

9子「それに強い意志と後天的なものかちら?ある個体はリボンから銃を作った魔法少女を知ってるみたいだし」



暫く魔法の練習をして理解した
私の魔法はどうやら動物になる魔法らしい
今さっきは黒猫になったし、その前は足だけが象さんになった

コントロール?はまだちょっと難しいけど……何とかなりそう

9子「その調子で変身行ってみましょ」

宇佐美「えっと…こう?」ガッシャン

物凄い重厚音を鳴り響かせると同時に私は鎧に包まれる
これに兜があったら完全に職員さんの見てた韓流ドラマの登場人物になっちゃってた

宇佐美「うぅ…おも…重たくない!?」

9子「そりゃあ…まあ魔法少女だしね?魔翌力がある限り疲れは感じないわ」

9子「でもその代り!ジェムは壊されないようにね!それが壊れたら魔翌力が尽きるわ」

宇佐美「そうなんだ……これそんなに大切なんだ…」


首輪みたいについた私のソウルジェム。
菱形で緑でちっさくて、これにそんな力があるなんて…

結界に入るとそこはほんとに不思議なとこだった
浮く宝石に、私ほどの大きさの指輪
所々におっきなお手紙みたいなものも浮いている

9子「あら…良かったわね、この結界できて間もないみたいよ」

9子「魔女も近いわね」

宇佐美「…え…えぇ…魔女ってホントにいるの?」

宇佐美「…あの気持ち悪いのが魔女?」

私の目の前をぱたぱたと飛ぶ大きな球体。
ミシンで縫われたみたいな縫い目が横一直線についていて、羽は蝙蝠みたい
正直とっても気持ち悪い


9子「あれは使い魔よ」

9子「どうやらこっちが見えてないみたいだし、魔女のところへ行きましょう」

宇佐美「う…うん」


結界を走り続けてもう数分。
ようやく目の前にネオンが眩しい扉が現れた

9子「この奥…ね」

宇佐美「えっと…魔女が居るの?」

9子「ええ…気を引き締めなさい」

宇佐美「倒さなきゃダメ?怖い?」

9子「大丈夫よ。それに皆の事守りたいでしょ?」

私は意を決して、ドアを開いた


――――――――――

宇佐美「………何アレ…」

私の目の前に居るのは『魔女』
アンテナみたいにそびえ立って、頭みたいなところから触手を出している魔女
そこには箒も大釜も存在してない


9子「あれを倒すのよ」

宇佐美「無理だよ……あんなの」


いつの間にか私が握りしめているのはおっきな槍。
里ちゃんがやってたゲームで見た事がある。これは十文字槍と言うらしい

宇佐美「…だって………だって…」


魔女『ウォォォォォォォォン!!!!』

その瞬間魔女の鋭い触手が私の元へゆっくりと伸びてきて――――――――――

それでは候補一覧

濱江 里

瑠那と同じ孤児院の子。孤児院歴は瑠那より二年長い
預けられた理由は家が貧乏で経済的な面で大変だから
両親は共に出稼ぎ様なことをしており、お金がたまったら迎えに来てくれると約束してくれた

趣味はゲームにネット
因みに彼女のブログは大人気


泉 佳苗

結構裕福な子。二世帯住宅に住んでいる
両親の中は険悪なのでいつも祖父母と共にいることが多い
先日おばあちゃんが入院、そのせいでおじいちゃんも心なしか元気ない
因みに兄弟はいない

休み時間は読書か瑠那たちとおしゃべりしている
運動は基本苦手

綾瀬 南

父子家庭だけど父の稼ぎが良いため貧乏ではない
お母さんは数年前に交通事故で亡くなっている
陸上部に所属しており足は速い方。
年の離れた物凄く仲のいい兄が居るが今は就職して都会に居る

実は絵が物凄くうまいが、本人はそこを取り柄と思っていない
寧ろもっと運動面で頑張りたいと日々鍛錬に励んでいる


それではこの三人の中から一人
↓5で
一番名前が多かった子を魔法少女にします

濱江把握


>>53で願い事を

>>56で固有魔法

>>59で武器

SGのモチーフと色>>62

魔法少女時の衣装とSGの位置>>65

安価下

電磁波を操る

Ksk

攻殻機動隊の素子みたいなボディースーツ風 カチューシャに付いてる
 

安価把握!

次の投下はちょっと待ってください

因みにワルプルボジションはもう決まってます
はい
お名前だけ「テセウスの船」

それではまた投下日を投下しますのでしばしまたれい

因みに魔女の軽い設定?
図に起こしたものがあるんですけど…それとかも載せた方がいいですかね?
物凄い下手で見れたものではないですが…

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5330727.jpg

今回の魔女です
魔女図鑑は次の投下後に投下します

はい。いつでもだれでもこれを綺麗に清書して下さって構わないのよ(´・ω・`)

因みに
中央が魔女。その近くに居るのが使い魔
グリーフシードと口づけもあります

黒歴史ですね…はい

それでは次の投下も早くできそうなので22時ころを目安に
そのあとに3人目の魔法少女を決めていきます

???「ボルテックス・レーザー!!」バチィンッ

魔女「キュウウウウウウウウウウ」

キュッと目をつぶった
何時もなら真っ暗になるはずなのに、今日は真っ白になった
まるで目の前に太陽があるみたいな――――そんな白さ

宇佐美「…え?」

濱江「あっぶないなぁ。ほんと瑠那は私が居ないとダメな子なんだから!」

宇佐美「さ…さ…里ちゃん!?どうしたのその恰好!?」

何て言えばいいんだろうこういう服
ボディスーツ?ライダースーツ?とにかく真っ黒な何かに身を包んでいるのは紛れもない里ちゃん
所々青白く発行するラインがあしらわれたコスチューム。
まるで里ちゃんが好きな動画サイトのキャラクターみたいだ

濱江「ほらほら!魔女倒さないと!」バチィン

里ちゃんは手にしている稲妻を自由自在に振って魔女を威嚇する
よくよく見ると鞭みたい

濱江「9子!魔女を片付ければいいの?」

9子「そうよ。ちゃっちゃと片付けちゃって」

濱江「ふぅん。でもこっちにも準備と言う物がありましてだね」

濱江「私の記念すべき初陣。どの必殺技を使うか迷ってるわけで…

濱江「うーん……」

宇佐美「さ…里ちゃん?は…早くしないとぉっ!」

濱江「瑠那…ちょっと時間稼げる?」

宇佐美「怖いよぉ…」

濱江「はぁ。もう…仕方ないなぁ」

濱江「じゃあ…うーん…必殺技その1!」

濱江「エレクトリック・スマッシュ!!!!」スパァン!!!!!

手に持っている光る何かを勢いよくふるう里ちゃん
それと同時に光ってる何かだけが何かから飛び出し勢いよく魔女に向かってく

宇佐美「…何それ?」

濱江「鞭に纏わせた電気を飛ばすだけの簡単な魔法」

宇佐美「ふぇぇ…」

濱江「こんなアニメみたいなことあんましないんだから!」

濱江「もっと喜んで!そして私に付いて来て!」

宇佐美「で…でも里ちゃん?魔女…まだ生きてるけど」

濱江「嘘んっ!?」

魔女は里ちゃんの攻撃を食らって確かに怯んだけど。すぐに元通り
それに心なしか怒ってる気がする

濱江「必殺技その2!ボルテ――――――」シュパァン

濱江「ヤバっ!!」

里ちゃんが何かしようとした瞬間、魔女の触手が里ちゃんを拘束する
思うように身動きの取れなくなった里ちゃん
そして触手の力を強めていく魔女


宇佐美「え…えっととりあえず」ダッ!!!

魔女に向かって走り出した私。
心なしかいつもより物凄く体が軽い
それに運動が苦手なはずなのに体が物凄く簡単に動く

宇佐美「えっと…必殺――――うわぁっ!!」

魔女の頭上めがけて飛びあがる私。
里ちゃんみたいにかっこよく決めたかったけど…予想以上に体が高く飛び過ぎて

宇佐美「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」ズドォン!!!!!

―――――――――――――

濱江「ってててて…魔女が本気になるなんて…」

気づくと拘束は解けてた。けどその直後物凄い振動が
それに横に瑠那が居ない


濱江「瑠那…おーい!瑠那ぁ!?」

呼びかけても瑠那は何も答えない
もしかしてまさかの事があった?悪い考えが私の頭を巡る

濱江「…魔女もいないし」

濱江「その代わりに象が居るけど…」

濱江「もしかして第二形態!?」

濱江「だったら――――――」

象「ち…ちょっと待って!」

にゅっと象がこっちを向いた
私はそれを見てびっくり、正直魔女より気持ち悪いものを見た

象の鼻の先。そこに瑠那の顔が浮き上がってる

宇佐美「わ…私!魔法で象になったの!」

濱江「……瑠那気持ち悪い」

宇佐美「完全に象になっちゃうと話せないし…」

濱江「だからって一部だけ?」

宇佐美「…戻るね」スゥゥッ

―――――――――――

9子「はいはい。早くグリーフシード回収して」

宇佐美「???」

濱江「聞いてないのー?これってエリクサー的な物なんだって」

宇佐美「えりくさあ?」

濱江「あー…えっと。魔法使った時のパワーを回復させてくれるの」

濱江「もちろん回数限定だけど…限界超えたら9子が回収するし」

9子「そうよそうそう」

足元を見ると確かに小さい黒い玉みたいなものが落ちてる
これがグリーフシード?

宇佐美「で…これをどうすれば?」

9子「それをソウルジェムにくっつけるの」

9子「よく見て?ちょっとソウルジェム濁ってる気がしない?」

宇佐美「ほんとだ…」

9子「それが魔力を消費してますって証拠なのよ」

宇佐美「じゃあ回復…しないとだね」シュウウウ

言われた通りにグリーフシードをソウルジェムに当てる。するとみるみる内に色がきれいになった
漂白剤みたいだ

―――――――――――
その日の夜中 孤児院

濱江「うん…え?こんなにもらっていいんですか?」

濱江「ブログ書いてるだけなのに?」

濱江「え…はい。じゃあ…はい」

ガチャンと私は電話を切った
凄い…本当に願いがかなった、お金がこんなにもらえるなんて

それもブログに書くだけで

濱江「お母さん。お父さん。もうすぐだね」

枕元に置いてある写真に話しかける
これは毎晩の日課

だけどもうすぐでこれが写真じゃなくなる
本当のお母さんとお父さんに言える日が来る


濱江「おやすみなさい。また明日」

それでは三人目の子を。


>>84で名前

>>87で願い事を

>>90で性格

>>93で固有魔法

>>96で武器

井川彩華(いがわ・あやか)

翼をください

寡黙だが真摯で誠実

風を操る

羽(銃弾のように操る)

SGのモチーフと色>>103

魔法少女時の衣装とSGの位置>>106

>>101

ニンジャ 口元は面頬で覆われている

口の中

名前:井川彩華

願い:翼をください

性格:寡黙だが真摯で誠実

能力:風を操る

武器:羽(銃弾のように操る)

SG:白い六花晶(雪の結晶)

衣装:ニンジャ 口元は面頬で覆われている

SG位置:口の中

オマケ 魔女図鑑



恋文の魔女 性質は愛欲

自分の事が大好きな使い魔に囲まれて、結界の中で誰かを待つ
想いを伝えれなかったあの人に、もう会えないあの人に
だけどこの結界内に入ってきた男達は皆魔女に釘付けになる
魔女が心を記した手紙を侵入者に受取ってもらえれば魔女は満足して消えていく

恋文の魔女の手下 その役割は盲目

魔女の事が大好きで盲目になっている
もうその眼には魔女すらも映らない

次の投下こそ遅くなるかもです
はい…

いい感じに絶望に導こうと思ってるんですが…
こんな感じでいいですかね


それでは第二話【知ってる。私はすべての事を】

はい。12時に投下します
予想以上に暇でした

――――――――――――

井川「……魔法少女は…魔女になるって本当?」

9子「ええ。本当」

井川「じゃあお姉ちゃんは」

9子「あら?この前倒した魔女…忘れたの?」

井川「そう…やっぱりね」

9子「???あら。普通ならジェムが濁るはずなのに」

9子「訳が分からないわよ」

井川「約束したから。お姉ちゃんと」

井川「私は一人で大丈夫って」

――――――――――――


宇佐美「もうすぐ文化祭…」

泉「うちのクラスは演劇をするんでしたわよね?」

綾瀬「しかも三年と合同」

宇佐美「やだなぁ……人前出たくない」

泉「私は伴奏担当なので…人前に出る事は」

綾瀬「アタシは大道具」

宇佐美「…私は……侍女」

ふぅっとため息が漏れるけど、決まってしまったものは仕方ない
こういう時里が居てくれれば助かるけど…
生憎通ってる学校が違う

泉「でもそのポジションでしたら…あまり出る事は少ないのでは?」

綾瀬「そーそー。それにさ瑠那と、もひとり居んでしょ?」

泉「確か三年の……井川先輩でしたっけ?」

【井川 彩華】確かこの前お姉さんを病気で亡くしたばかりだっけ?
朝礼で黙祷した気がする

それ以外にどんな人かは分からない

泉「練習はいつからでしたっけ?」

綾瀬「私は無し」

宇佐美「…今日からだよ」


先生から伝えられた私とおんなじ役をやる先輩
それは三年の井川先輩。
校内でちょっと見かけた事あるけど…ちょっと怖い人だった


宇佐美「すっごい怖い人だったらどうしよう…」

泉「所詮は中学生ですわよ?知れてますわ」

綾瀬「うわ…意外と肝座ってる……」

――――――――――――――――――――

柚木「あやぽ。今日練習っしょ?」

井川「そうだけど…何?」

柚木「あんま後輩泣かせちゃだめだぞー?」

井川「別に…泣かしに行くわけじゃないし。そんなつもりない」

柚木「ほら。あやぽ顔クッソ怖いし」

井川「余計なお世話」

私に話しかけるのは【柚木 ミサキ】
如何にも今風のギャル。見た目によらずフレンドリー

柚木「ま。頑張ってねー」

井川「ミサキも出なよ」

柚木「きちょーな青春をこんなことに使いたくないのだよー」

そう言って教室を出ていくミサキ
相変わらず自由な人…


井川「はい。じゃあ私がリードするね」

休み時間に私が呼び出されたのは体育館。
基本授業や朝礼以外で使うことは無いけど…文化祭まではほとんど毎日通うことになる

麻那「そうだねぇ~。一応先輩だしぃ…」

麻那「それにぃ…あの後輩の子…プレッシャーに弱そうだしぃ…」

今にも眠りにつきそうなペースで言葉を述べているのは【麻那 一香】
一応文化祭でやる劇の演技指導者。

ま…演劇部員だし、そう言う所はしっかりしてるのかもね

麻那「ま…そんな調子で!」


井川「ええ…まあ、やるわ」

麻那「そうそう~その調子よ!」

多分麻那は私の言葉に対して適当に返してきている
別にだからと言って気を悪くするような事も無いんだけれど

―――――――――――
『放課後』

宇佐美「……あ。こんにちは」

井川「どうも」

宇佐美「えっと…その…はじめ―――――」

井川「はい、初めまして」

井川「で…劇の練習だけどどうする?」

井川「予定とか聞いてるの?」

私が挨拶しようと思ったら、井川先輩はそれよりも早く話を変える
やっぱりちょっと怖い人かも……

宇佐美「えっと…ごめんなさい」

宇佐美「何も聞いてなくて」

井川「そ…じゃあ、どうする?」

9子「魔法少女同士の語らいって言うのはどうかちら?」

宇佐美「9……9子っ!?!?」

急に現れた9子に私は声を荒げてしまう
どうしよう…私完全に変な子だと思われちゃう……

って?魔法少女同士!?

井川「一週間ぶり。9子」

9子「もうそんな経つかしら?」

井川「お姉ちゃんのお葬式の後以来だからね」

私の疑問何てまったく気にせずに井川先輩は9子と話をしている
どうやら井川先輩も魔法少女らしい

宇佐美「えっと…井川先輩って…」

井川「魔法少女、それだけ」

宇佐美「あ…ああ…そうなんですか」

やっぱり怖い。視線が痛い…
9子はどうしてあんな小さな体で対等に渡り合えるの?

井川「で?何の用?」

9子「それがねぇ…魔女が出たのよ」

宇佐美「え!?」

井川「…どこで?」

9子「案内したげるから付いて来て」

―――――――――――
『あすなろ保育園』

9子が空を飛んで魔女の居る場所まで案内してくれた
私は体を小鳥にして、井川先輩は天使みたいな羽をはやして9子の後を追った

どうやら魔女が結界を作ったのは保育園らしく
まだ中に子供もいっぱいいる
絶対に何とかして助けてあげないと


井川「怖いんだったら下がってて」シュルルルルル

井川先輩は白いソウルジェムを掲げると、忍者みたいな恰好になる
不釣り合いなほどに大きい背中の翼はキラキラしていてとっても綺麗


宇佐美「あ…えっと。私も!」ガッシャン

二回目となったらもうある程度容量はつかめてる
ジェムを掴んで念じるだけ。
それだけで私は魔法少女に変身できる

9子「瑠那。今回のは前回と違って手ごわいわよ?」

9子「使い魔から魔女に進化したタイプの魔女だから…物凄く結界が完成されてる」


宇佐美「…う…うん」

何となくだけど私も分かる
この結界が前とは全然違うって
体がピリピリしびれるのが分かる、きっとこれは危険信号を受けてるんだ

宇佐美「…え。これが結界?」

結界内は雪景色だった
真っ白で花も木も何もない真っ白な雪原。

空にはいろんな写真が張り巡らされていて―――――
そのすべての写真に二人の女の子が写っていた

井川「…――――」


この前みたいに気持ち悪くない、だけど不気味
写真の女の子たちの顔はすべて削られていてどんな顔をしてるのかは分からない

だからかな?なんだか不気味

宇佐美「井川先輩っ!?」

井川先輩の背後に現れた真っ白な鳥みたいな使い魔
それは井川先輩めがけて白い何かを射出した

井川「―――っ」

宇佐美「危ないっ!」カキィンッ

咄嗟に井川先輩の前に出て私は盾になった
井川先輩の衣装は布っぽいけど私のは鎧
これなら多少の攻撃は防げる

井川「…あ、ごめん…ありがと」

宇佐美「ぼーっとしてちゃ危ないよ!」

先輩魔法少女の井川先輩
なんだがちょっと上の空な感じでぼーっとしている
もしかしてこれも魔女のせい?

宇佐美「薙ぎ払っていくよっ」

次々と湧いて出てくる使い魔
鶴と天使を掛け合わせたみたいな見た目の使い魔を私は次々と倒していく

宇佐美「えっと…腕だけ――――――」シュルルルルルンッ

肩から手のひらまでを象の鼻に変化させる
こういうのでリーチを伸ばすのが大切ってこの前里ちゃんがゲームをしながら言ってた

使い魔1「グェェ」

使い魔2「キュェェェ」

使い魔3「グェ」

腕が鞭みたいにしなって十文字槍を操る。
どうやら魔法の扱いにも大分慣れたみたいで…私自身も少しびっくり

宇佐美「ふうっ…ふうっ…」

使い魔たちを蹴散らしながら前に進んでいく私達
井川先輩はあれからもどこか上の空で、攻撃は主に私がしていた

井川「…もうすぐ魔女が来るよ」

宇佐美「え?」

井川「……魔力を感じる」

私はまだ魔力とかそんなの分からないけど、確かに言われてみれば今までと何だか空気が違う気がする
ただの思い過ごし…ではなさそうだし


宇佐美「それにしてもこの結界…寒くないね」

井川「…そうだね」

宇佐美「雪が降ってるのに不思議だね」

暫くすると大きく開けた場所に出た。
そこは今まで通り雪原で宙には写真が張り巡らされている

だけど……

宇佐美「…一人になってる」

一つ変わってるのは写真に写っている女の子が一人になっていること

宇佐美「…なんか怖い」

今までは横にもう一人居たであろう写真も千切られていた
二人して笑顔で写っているであろう写真なのに強引に千切られて写真の中の子は一人
それに顔は渦が巻いていてどんな顔なのかは判別できない


ズジュッ

そんな時に一際大きな吹雪が吹いて、私は視界を奪われました
そして視界が晴れたその先に居たのは



魔女「ンエモゲンネモグ」

意味の分からない音を発しながら出てきた魔女。

アルバムと鳥が合体したみたいな魔女

肌がピリピリと逆立つ。
ああ…これが魔女の魔力なのか

魔女「イアサンネモゲテサシニロチフ」

井川「フェザー…カノン」ズドドドドドドドドドド


魔女が何かをしようとした時。
私の背後で轟音が響く

宇佐美「え?…何?」

井川先輩が私の後ろで翼を大きく広げて飛翔。
そして両方の翼の羽を勢いよく魔女めがけて射出

まるで真っ白な激流が魔女を飲み込んでるみたい


宇佐美「凄い………」

魔女は何もなす術はなく井川先輩の羽に飲み込まれていく

井川「魔女は早く片付けないと…駄目」

宇佐美「…はい」

物凄い勢いの一斉射撃を繰り広げていた翼をしまって井川先輩はそういう。
雪と同じくらい積もった白い羽の中心には魔女はもう居ない。

井川「グリーフシードあなたが持ってて」

井川「道中いろいろお世話になったしね」

羽毛のクッションに包まれたグリーフシード
井川先輩はそれに見向きもせず崩れ行く結界を後にした


―――――――――

井川「……はぁ」

9子「あら?今日はあなたらしくなかったじゃない」

9子「いつもなら先陣切ってるのに」

井川「…別に疲れてただけ」

9子「前も倒したことある魔女にあそこまで手こずるなんてねぇ」

9子「ほんとおかしいわよぉ?」

井川「前は結界が完成してなかったからね…それに使い魔も」

9子「言われてみたらそうね」

井川「9子。魔法少女のシステム…あの子に知らせてるの?」

9子「ええもちろん」

井川「じゃあ魔女になるってことも?」

9子「それは聞かれてないから…答えてないわぁ」

9子「それにあの子にはまだまだやれることはあるだろうし」

井川「そう…」

9子「そ・れ・に・わざわざ言うような事でもないでしょ」

井川「私は知ってる。すべての事を」

9子「ええ…魔法少女の中でもそれは珍しい方だと思うわよ?」

9子「だからと言って強くなるとかは無いんだけれど」

井川「知らない方が良かったかもね」

9子「それはあなた次第」

9子「私には感情が理解できないから」

9子「もしかすると知った方が意識的に強くなる…とかあるんじゃなぁい?」

井川「……私は強くないといけない」

井川「お姉ちゃんが守ろうとしてたこの町を守りたい」

9子「そう。それじゃあせいぜい頑張りなさい」

はい第二話終了です
因みにですね今回も懲りずに魔女の落書きを用意しております
一応魔女図鑑にでも貼っておこうかと

安価少なくて申し訳ないです…

アルバムの魔女 性質は懐古

昔はよかったと写真を見て幸せを感じる魔女
使い魔にも幸せを分けてあげようと結界内にも写真を張って回っている
だけど魔女のアルバムに乗っているのは過去ばかり
いつか来るはずだった未来のページは遠い昔に無くしてしまった

アルバムの魔女の手下 その役割は黒塗り

魔女が結界内に貼っていった写真を壊していく使い魔
こうすることで魔女が未来を見てくれる、先に進んでくれると思っているが
魔女は懲りずに写真を張り続ける


因みに魔女のイメージ
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5331747.jpg

使い魔は力尽きた…

それでは次回予告
『約束したのにね…』

安価は次回投下の前にぶっこむ予定です

11時に投下します。はい
安価も取りますんで良かったら参加して下さい

第三話『約束したのにね…』




ここ最近里ちゃんはとっても嬉しそう。
魔法少女になってすぐに里ちゃんのお父さんとお母さんが面会に来てくれてる。
きっとこれは里ちゃんのお願いのおかげでお金がいっぱい手に入ったから
お父さんとお母さんが働かないでも良くなったんだ――――


濱江「ねー。今日さーお母さんがねこれ買ってくれたんだ」

里ちゃんは嬉しそうに私にカチューシャを見せてくれた
キラキラしてて、いつもの里ちゃんっぽくないけどすっごくかわいい

濱江「そのあとにお父さんも来てくれてね、もうすぐこの町に帰ってこれそうって!」

宇佐美「良かったね。里ちゃんすっごく嬉しそう」

濱江「…って、あー…ごめんね」

宇佐美「え?」

里ちゃんはハッと気づいたように申し訳ない顔になって俯いちゃう
あ…そっか、申し訳なく思ってるんだ

宇佐美「いいよいいよ!気にしないで!」


宇佐美「でも…そうなったら里ちゃんはこの施設からいなくなっちゃうんだよね」

それを考えちゃうとちょっと寂しい
この施設は同年代の子が居ないし、それに仲が良いのは里ちゃん位だし
だけどこれって喜ぶべきことだよね!


濱江「大丈夫!私の財力で瑠那も養ってあげる!」

濱江「この際養子に来ちゃえばいいんだよ!」

宇佐美「よ…よ…養子!?」

濱江「と言うことは瑠那は『宇佐美瑠那』じゃなくて『濱江瑠那』に」

濱江「仲良し姉妹の誕生だよ!」

濱江「しかも血の通わない姉妹…これはなにか間違いが…」

宇佐美「起きないよ!そんなの!」

冗談っぽく言うけど今の里ちゃんならやりかねない
だって里ちゃんはそれほどお金を持っているのだから

宇佐美「それで…いつ行っちゃうの?」

濱江「もう近々って感じじゃないかなー?」

濱江「二人とももうこの町に帰ってるみたいだし」

―――――――――――――――
『次の日』



母「あら!あなたが瑠那ちゃん。まぁ可愛い」

施設に来た派手な女の人が私を見てゆらゆらと駆け寄ってくる
こういう事言っちゃ駄目なんだろうけど……
物凄く香水のにおいがきつい

宇佐美「えっと……」

母「どうも。いつも里ちゃんがお世話になってます」

宇佐美「里ちゃん……」

宇佐美「え…え!?」

母「里ちゃんのママです」

赤い唇をにっこり歪めた女の人
どうやらこれが里ちゃんのお母さんらしく

宇佐美「えっと…今日は里ちゃんパパは一緒じゃ」

母「あー……」

母「そんな事よりケーキ持ってきたのよ!里ちゃんと一緒に食べない?」

宇佐美「は…はあ」

こういう勢いのいいところはほんとに里ちゃんそっくり
私は成すがままに里ちゃんママに連れていかれた

――――――――――――

濱江「でねでね――」

母「ほんとに?そんなことがあったのー」

濱江「あの職員さんほんっとに面白くて」

濱江「ね?瑠那もそう思うでしょ?」

宇佐美「うん。そうだね」

談話室の中で三人でケーキを食べながらおしゃべりする
このケーキは並ばないと買えない高いケーキだし
飲み物も里ちゃんママが持ってきてくれたどこかの国の紅茶

でも…なんかちょっと違和感


濱江「今日もお父さん一緒じゃないの?」

母「ほら。お父さんはお仕事の方が大切だから」

濱江「そっかー…今日もお仕事か」


ちょっと残念そうにため息をつく里ちゃん
てっきり私はいっつもお母さんとお父さん同時に来てると思ってたけど…
違うみたい


母「ねぇ里ちゃん。お母さんと二人で暮らすって言うのは嫌?」

突如里ちゃんママが言った言葉に場の空気が固まる
里ちゃんも何気ない顔をしているけど、こういう時は大抵何かを感じているとき
何となくだけど不穏な空気って言うのが場に流れる

濱江「え?どうしてそう言う事言うの?」

母「も…もしもの時の事よ?」

母「ほ…ほら。どう考えてるのかなーって」

濱江「…ふぅん、それだったら安心」

濱江「だって私達は皆で暮らすんでしょ?」

母「そ…そうね」

なんか場が重たい
鈍感な私にでもわかるんだから、きっとすっごい空気が重たいのだろう





父「聡美…ちょっといいか?」


そんな時。扉を開けてスーツを着込んだ男の人が中に入ってきた

濱江「あ…パパ」

父「やあ里。お父さんちょっとお母さんと話があるから…良いかな?」

濱江「う…うん」

父「あ。君が噂の瑠那ちゃんだね?」

父「いつも話は聞いてるよ」

宇佐美「あ…はい」

里ちゃんパパとママは外に出て行ってしまう
何だかちょっと嫌な雰囲気……

宇佐美「ケーキ美味しいね」

二人きりになったから私は里ちゃんにいつもの様子で話しかけた

濱江「…そだね」

どこか元気が無いように見える里ちゃん……
気のせいだといいんだけど

――――――――――――――――
『またまた次の日』

井川「……どうして」

宇佐美「ほら…先輩と劇の練習」

井川「…ここが静かな場所」

宇佐美「でも確かに静かですよ?」

今日は劇の練習もあって井川先輩と孤児院の遊戯スペースを借りることにした
静かだし誰にも見られないし。
結構な好条件がそろってるとは思う

井川「…貴方が言ってた子もここの子なの?」

宇佐美「えっと…里ちゃん?」

井川「名前は知らないけど、もう一人の魔法少女って子」

宇佐美「は…はい、ここの子です」

井川「…だったら挨拶しておきたいわ」

井川「いつか共闘するかもしれないんだし」

私より口数の少ない井川先輩、見た目も雰囲気も怖い井川先輩
だけどここ数日付き合って悪い人ではないというのは分かった
それに物凄く礼儀正しいってことも

私は井川先輩を連れて里ちゃんの部屋の前までやってきた
この施設は人が少ないから一人一人個室が割り振られているのだ

濱江「う…うん。え…でもそれってさ」

母「違うの、違うのよ?」


何時もなら里ちゃんの部屋に入るんだけど…
今日は中にお客さんがいるみたい

濱江「お父さんとは離れ離れってこと?」

母「一時的にはね?ほら。お父さん忙しいから」

母「それまでママと一緒に暮らして…お父さんの事待とう?」

濱江「で…でも最近おかしいよね?なんか仲悪いし」

母「悪くないわ、ほら…時間が合わないだけで」

濱江「この前もケンカしてたよね?」

母「ケンカって言うほどじゃないわよ」


中では何だか深刻な話し合いをしてるみたい
里ちゃんの声もいつもより真剣だし

濱江「…お母さんが、私のお金で遊んでるって本当?」

母「!?!?」

母「だっ…誰がそんな事!!!!」

濱江「…お父さん」

何だか聞いちゃいけないことを聞いている気がするけど…
どうしよう…離れられない


母「そ…そんなの嘘よ!!!」

母「それにお父さんだって…お父さんだって不倫してるのよ!」

母「里ちゃんのお金で他の女の人と会ってるの!!!」

母「だけどお母さんはね!一人なの!分かる!?」

母「お父さんとは違って!里ちゃんのためにお金を使ってるの!!!」

濱江「…やめてよ」

母「さ…里ちゃんだって!!!お母さんがきれいな方がいいでしょ!?!?」

濱江「やめてって言ってるでしょ!!!」ガシャンッ

中で何かが割れる音が聞こえた
そしてその音を境に部屋の中の音は聞こえなくなった

井川「…………」

宇佐美「あ…先輩ごめんなさい。お取込み中みたいだから」

井川「うん」

私たちが練習を終えたそれくらいに里ちゃんが遊戯スペースに入ってきた

宇佐美「あ…里ちゃん」

濱江「瑠那ー…って横の人は?」

濱江「も…もしかして彼女っ!?」

宇佐美「も…もうっ!この人は井川先輩!」

宇佐美「ほら、この前話した魔法少女で学校の先輩!」

濱江「あー………」

濱江「初めまして、えっと…濱江里です」

井川「…井川彩華…よろしく」

お互い初対面同士でぎこちないけど険悪な感じではない。
この二人が仲良くなってくれたらうれしいな

宇佐美「ねえ…明日だよね?」

濱江「何が?」

宇佐美「引き取り予備日」

濱江「…ああ、うん。そだよ」

『引き取り予備日』これはこの施設の制度
引き取り手が見つかった子供の心のケアを名目に引き取り手と施設を一時的に往復させるっていうシステム
最初は施設から引き取り手の元に通うだけだけど、徐々にそれが逆転してきて
最終的には引き取り手さんに正式に引き取られるってシステム

宇佐美「……えっと…」

濱江「とりあえず私今日視察しようと思うの」

宇佐美「え!?」

濱江「ほら。二人が仲良く暮らせてるのかってさ」

濱江「ありのままの姿ってやつ?」

二人が仲良く暮らしている。
里ちゃんは嘘をついている、私はあの話を聞いてたからそれは分かる

だけど…私達にはそれは否定できない

濱江「だから行こうと思うんだ」

濱江「>>153のところへ」

嬉しそうに笑う里ちゃんだけど
何だか…私は喜べない

宇佐美「そっか…そうだね!」

引き留めることもできない私は同じく笑って里ちゃんを送り出すことにした


※安価は父か母でお願いします※

安価把握です。
はいそれでは次の投下しばしお待ちください

展開…読めてますよねー


――――――――――

『母の住むアパート』

濱江「ね…ねえ…9子」

9子「何よ」

濱江「お母さん何してると思う?」

9子「知らないわよ」

濱江「でも私が急に来たって言ったら驚くかな?」

9子「さあ」

濱江「どうしよう…」

9子に問うてみても帰ってくるのは答えにもならない答え
正直こんな事だったら瑠那を連れてくればよかったかな

濱江「そうだ!こういう時は…」シュィィィン

お母さんが何してるのか知りたい。
けどきっと私がお母さんの前に姿を現したらいつもみたいに取り繕うに決まってる

だったら魔法を使えばいい

私の体が一瞬だけ青白く発光する
それと一緒に私の頭の中に膨大な量の情報が流れ込んできた

9子「里あんたもしかして…」

濱江「うん。このアパート全域の電磁波と同調した」

濱江「だから今ここのメールに電話…全部流れ込んでくる」

今私の頭の中に流れ込んでくるのはいろんな言葉とか文字
愛を紡ぐ言葉に世界を呪う言葉
それらの中からお母さんを探し当てればいい

濱江「……」シュイイイイン


来た…これはお母さんの部屋の電波だ……
後はここに全部を絞り込んで

9子「ちょっとちょっと無理しすぎないでよ」

濱江「分かってるって…」ガチッ

お母さんの携帯にパソコンに固定電話。
それらがマイク代わりとなってお母さんの行動がすべて私の頭の中に流れ込んでくる

なんだか…束縛の激しい彼女みたい

――――――

母『もうっ!私が好きなのはヒロ君だけ!」

母『娘?そりゃ引き取るわよ』

ヒロ『ははは…俺子供嫌いだぜ?』

母『お金目当てよ。ヒロ君もちょっとは我慢して?』

ヒロ『母親の言う言葉じゃねえな』

母『だってあの人は冷たいし…それに浮気したのはあの人が最初よ?』

母『だからね。私は真実の愛をヒロ君から貰ったの』

濱江「……!?」

頭に流れ込んでくる言葉
きっとお母さんが部屋で誰かと電話してるんだ
だけど何これ?え?どうして?


どうして―――――――――?


母『明日は引き取り日だし……』

母『そうだ。この際ヒロ君も一緒に暮らしましょうよ!』

その直後会話が途切れた。
私が切ったわけではない…勝手に切れたのだ

9子「もぅっ!バカ、魔力の使い過ぎよ!」

濱江「……あ。え…ごめんなさい」

ソウルジェムを見たらびっくりするほどくすんでいた
ああ…バカみたいなことに魔力使っちゃったな


はぁ…でもこんなものなのかな

家族って離れてても家族…なんて嘘なのかな
所詮血のつながり何て脆い物なのかな?

じゃあ今まで私が信じてきた物って何だろう

9子「…里?どうしたの?」

濱江「…え。ああ…何でもない」

濱江「ちょっと…先帰っててくれる?」

9子「分かったわ…けど無理はしないようにね?」


お父さんとお母さんで迎えに来てくれるって約束したのにね
それなのに…いつからこんなことになっちゃったんだろうね


―――――――――――

『孤児院』

私は今里ちゃんの部屋に居る
何となく気になったから…ただそれだけの理由で

宇佐美「…あ。写真…割れてる」

大分前に里ちゃんの部屋に入ったときに見せてもらった写真

そこには質素だけど楽しそうに笑ってるお母さん
それに作業着に身を包んだお父さん
そしてランドセルを背負った里ちゃんが楽しそうに笑ってた


宇佐美「…はぁ、危ないから片付けとこう」

割れた写真立てのガラス片を集めて机の上に置く

宇佐美「それにしても里ちゃん遅いな…」


出て行ってからもう三時間
いくらなんでも遅すぎる

もう夜中になっちゃうよ

宇佐美「はあ…明日で里ちゃん出て行っちゃうのか」

宇佐美「…ちゃんとさよならって言えるかな」


里ちゃんのお部屋から見える月を眺めながら小さなため息が漏れた。
里ちゃんありきだったここでの生活。

明日からは一人なのだ―――――――――

第三話終わりです

それではちょっと安価を
四人目の魔法少女を決めたいと思います

まずは
1:既存キャラから選ぶ
2:全部安価で作る

これを下5で決めていきます

多い方で進めていきますので

お…これはもう過半数確定した2で確定ですな
それでは

>>169で名前

>>172で願い事を

>>176で性格

>>179で固有魔法

>>181で武器

後藤寺 世界
ごとうじ せかい

穏やかに暮らしたい

心を閉ざしがち、不良と大人を異常に怖がる。体に触れられるのが嫌い

感覚を操る

SGのモチーフと色>>187

魔法少女時の衣装とSGの位置>>190

球状の宝石風
色は灰褐色

ガンダムデスサイズ風のコス、露出はあまりない
ソウルジェムはコクピット部(胸部)

名前:後藤寺 世界

願い:穏やかに暮らしたい

性格:心を閉ざしがち、不良と大人を異常に怖がる。体に触れられるのが嫌い

能力:感覚を操る(相手や自分の感覚や精神を操作する)

武器:鎌

SG:球状の宝石風(灰褐色)

衣装:ガンダムデスサイズ風のコス(露出度低)

SG位置:コクピット部(胸部)

きっとまたM市のM・Tさんからおしかりを受けそうな魔法少女ですね
はい…許してMさん……

と言うことで次回

『戦うよ、私も一緒に』

えっと五時頃に投下します!

安価も取るつもりなのでまた参加して下さると幸いです

――――――――――
『魔女結界』

無数の花々が咲き乱れる綺麗な結界
私は9子と二人でその中を走り抜けている

後藤寺「…居た」

中心にいたのは大きな花の形をした魔女
花弁の中央からは何かを求めるようにうねうねと無数の腕が伸びている

後藤寺「……散れ」

2mはある巨大な鎌。それが私の武器
魔女は鎌が振り下ろされるまで私に気付くことは無い
私は知覚されてないんだから

魔女「ウギュウッ!?」ズシャア

綺麗に散る魔女。
結界の終焉を告げるのは笑い声によく似た音

後藤寺「……何これいらない」

グリーフシードの横に落ちていたかわいらしいカチューシャ
きっとこの結界に迷い込んだ犠牲者の物だろう…
だけど興味ない。私にとってはゴミ

9子「お見事ね!」

後藤寺「そ?別にこれくらい普通じゃ?」

9子「相変わらず貴方は契約したころから変わらないわねぇ」

後藤寺「別に。貴方に心を開くつもりはない」

9子「一人ぼっちは寂しいわよぉ?」

後藤寺「私は穏やかに暮らしたいだけよ」

いちいちうるさい奴
いい加減黙ってくれないか…

それに四六時中私に付きまとわれるのも面倒

後藤寺「じゃ。帰る」

9子「あぁん。私も行くわよ」

後藤寺「付いて来ないで。魔女が出た時だけにしてくれない?」

後藤寺「声を聴くだけでイライラする」

感情が無いくせにいちいちそういうことを言う9子はムカつく
本当に。一人にしてくれればいいのに


―――――――――――
『妹尾中学校』

里ちゃんが帰ってこなくなってから数日
職員さんに聞いてみても何も答えてくれない
噂によるともう両親のところへ帰ったみたいだけど…

里ちゃんが私に何も言わずに行っちゃうなんてなんか変

もしかしたら…忘れちゃいたかったのかな?
孤児院に居た事


泉「瑠那さん、井川先輩が…」

ぼーっとしている私に話しかけてきた佳苗ちゃん
指をさす先には井川先輩がいる

井川「…ちょっと来てくれない?」

言われるがままに私は教室を出て屋上に行く。

宇佐美「なん…ですか?」

井川「ちょっとね…」

深刻そうな顔の井川先輩。
何時もより言葉が重い気がするのは気のせいではない筈

井川「濱江さんだっけ?……元気?」

宇佐美「え?」

宇佐美「あの日の夜から帰って来てないですけど…」

宇佐美「先輩何か知ってるんですか!?」

井川「…聞いてみただけ」

宇佐美「そう…ですか」

そうだよね…私が何も知らないのに井川先輩が何も知ってるはずないよね…


――――――――――

井川「…まあそのうち帰ってくるんじゃない」

少しがっかりそうに表情を曇らせる宇佐美さん
ええ…もうきっと濱江さんが帰ってくることは無い


宇佐美「そうだよね!もしかしたら家族と楽しい生活送ってるかもしれないし」

宇佐美「喜ばないとね!」

パァッと笑みを浮かべる宇佐美さん
でも現実はきっとそんなに甘くない

あの状況でそして濱江さんは帰ってこない
となればきっとどこかで魔女になっている

もしかしたら宇佐美さんはもうその魔女を倒しているかもしれない

何も知らずに
そう、あの時の私と違って

井川「じゃあ…行くわね」

これ以上この子に嘘をついてたら苦しくなる
私は宇佐美さんの言葉を遮って屋上を後にした


『教室』

退屈な午後の授業
クラスメイトはみんな真面目なフリをして隠れてゲームやら携帯にいそしんでいる

カタン

何かが私の横で落ちる
気を取られて音の方向を見ると、そこから転がってくる一本のペン

井川「…」ヒョイ


私は無言でそのペンを拾う
そしてペンを落としたであろう人物に渡す


井川「落としたわよ」

後藤寺「……そ」

井川「はい」

ペンを前に出すけど、不愛想なこの子はそれを受け取らない
と言うよりこんな子クラスに居た?

あまり見た事無い気がする

後藤寺「置いといて」

窓の外を眺めながらその子はそう言った

井川「…はい」カタン

―――――――――――――

『同じく教室』

宇佐美「……」

泉「……」

綾瀬「……」

どうしよう凄い退屈だ
数学の授業……
言い表せれないほど退屈だ


宇佐美「……はぁ」

泉「…」トントン

そんな時後ろの佳苗ちゃんに声をかけられる

泉「あの…良いですか?」

ヒソッと話しかけてくる佳苗ちゃん
その顔はどこか深刻そうで

宇佐美「何……?どうしたの?」

泉「私も…その…魔法少女になりたいのですが」

宇佐美「え?」

耳を疑った
最初の方は断っていた佳苗ちゃんなのに……

一体何があったの?


宇佐美「いいけど……」

泉「あの…その…放課後妖精さんと二人で会いたくて…」

宇佐美「え…あ。うん…じゃあ9子に言っておくね」

私たち魔法少女はテレパシーみたいなものが使える
だから9子を呼び出すのは容易

だけど…どうしていきなり…
それに魔女と戦うのは、最初佳苗ちゃんが言ってた通りリスクもある

どうしちゃったの?佳苗ちゃん

>>204で願い事を

>>207で固有魔法

>>210で武器

回復特化

8枚の首下から放射状に下へ伸びる、コスモスの花びらのような翼
先端から細かい魔翌力弾やレーザーが出る

SGのモチーフと色>>214

魔法少女時の衣装とSGの位置>>217

ピンクのハート型

安価把握です
次の投下はしばしお待ちください

今回は13時から投下します
安価が少なくて申し訳ないです

因みに今回は泉さんと後藤寺さんメインです。はい


泉「…それでいいです」

放課後私は9子さんにお願いをかなえてもらうことにした
唯一の居場所。そして大好きな人。お婆様を救ってもらうために
そのためなら命すら惜しくない

9子「じゃあ始めるわね」キュイイイイイイン

私の目の前が眩く発光して、私は忽ち光に包まれる
その間何が起こったか分からなかったけれど


手元にある桃色の宝石を見て私は理解した

終わったんだと

そして今から始まったんだと

だけど私の拠り所をこれで取り戻せる
これでまたみんな幸せになれる

そう考えたら何も怖くは無かった


泉「…あと一つお願いがありますの」

9子「…?なにかしら?」

泉「…私が魔法少女になったこと。瑠那ちゃんには秘密にしてくださいませんか?」

9子「どうして?」

泉「もし私が…その。魔女でしたっけ?…それと戦って傷つくとしましょう」

泉「きっとそんなことになれば瑠那ちゃんは酷く傷つきます」

私が戦うことを選んだから、だから何があっても自分の責任
だからこそ瑠那ちゃんには迷惑をかけたくない
それに人一倍やさしい瑠那ちゃん、きっと私が傷つけば自分以上の事に悲しむ

9子「じゃあ一人で行動するの?」

泉「そう言う事になりますわね」

9子「分かったわー」

泉「助かります」

―――――――

『翌日の放課後』

宇佐美「でもよかったね!奇跡ってあるんだね!」

綾瀬「だよな!マジすげぇって!」

お婆様の回復を二人に伝える。
すると二人はまるで自分の事のように喜んでくれた

泉「そうなんです、本当にお医者様も驚いていて」

宇佐美「でも…その……」

泉「ああ…昨日の事ですか?わたしやっぱりやめました」

宇佐美「へ?」

泉「だってお婆様が回復したんですもの」

宇佐美「そっかぁ…」

少しほっとした表情で胸をなで下ろす瑠那ちゃん
私は確信した、瑠那ちゃんに絶対に言ってはいけないと
ここまで心配してくれている瑠那ちゃんをこれ以上心配させてはいけないと

泉「それでは…私。お稽古がありますので」


話を切り上げて私は教室を後にする
魔法少女としての活動を行うために

泉「ねえ9子さん。ここに魔女が本当にいるの?」

9子「ええ。でも今回の魔女は化け物よ?」

泉「一人では勝てないと?」

9子「そこは安心していいわ、先客が一人いるから」

ペットボトルについているリサイクルマークみたいな紋章を潜り、私は結界の内部に進む
中の景色は奇想天外…エコマークやベルマーク。よく目にするマークが所狭しと貼り付けられている

泉「……凄い」

9子「早く変身なさいよ」

泉「…ええ」シュワアアアン

子供のころ気に入っていた青いワンピース。それに首から下に伸びる半透明で桃色の何か
まるで絵本で見た花の妖精みたいな姿に私は変わっていた

使い魔「ェェェェェェエエェエ」

泉「どうすればいいのか…何となくわかりますわ」

花が開くみたいに桃色の何かが八方向に凛と伸びる
そしてそのままそれを回転させながら光線の様な物を射出させる

使い魔「」シュウン

9子「あら…初めてにしては上出来じゃない?」

泉「まぁ。凄い私いま飛んでいるんですね」フワァ

花びらのような物体、それが翼だと気づいたのは使い魔を倒したすぐ後
放射線状に伸びる何かを広げている間は私の体を自由に浮遊させれる

泉「まあ…これなら魔女のところにも一っ飛びですね」バシュン

浮遊しながらもレーザーを射出し続ける
そうしたら使い魔は近寄ってこないし、道は確保できる
魔法少女って存外危ない物でもないのかもしれない


暫くすると異質な空気が私を包む
きっとこれ以上先。そこに魔女と呼ばれるものが居るんだなと

私は何となくの感覚で理解した


泉「……あ。あれが?」

先に進み続ける私が見た物。
それは茶色と緑の二色で表された物凄く簡易的な木のマーク
そしてその背後から後光のように伸びる無数の矢印

帽子も箒も持っていない
一見するとおしゃれなロゴみたいなこれが…魔女?


9子「気をつけなさい!見た目こそあれだけどとんでもない魔女よ」

泉「…へ?」

私が気を取られたのは魔女の姿でも9子の声でもない

後藤寺「…くっ」

私が気を取られた原因
それは近くでボロボロになって倒れている『先客』の姿

泉「大丈夫ですか!?」

後藤寺「…なんで私が……見えてるの」

泉「何を言ってるんですか!?それよりいったいこの傷」

後藤寺「そっか…成程ね…魔法が切れるほど…私やられてる…」

相手は私が相手の事を認識してることを不思議がっているみたいだけど
私は相手がこの傷で話せているのが不思議。

だって体全部が穴だらけではないか


泉「と…とりあえず静かになさって!」

泉「今治して差し上げますから!」

私がお婆様の回復を願って手に入れた能力
それは何も魔法少女に変身するだけではない

泉「……」キュウウウウウウ




泉「………」バサァッ





八枚の翼をすべて頭上に上げグッと力をためる
そしてその翼をそのまま勢いよく下に下ろす

勢いよく風が吹き荒んで魔女も先客も何もかもを飲み込む

後藤寺「…え?」

そしてその風に触れた先客の傷は見る見るうちにふさがっていく
そう…これが私の手に入れた『回復』の力


後藤寺「お礼は…言わないわ」

泉「……あら」

傷が治った先客は手にした鎌を片手に魔女へと向かっていく
お礼を言ってくれないなんて。クールと言って良いのか不愛想と野次るべきなのか…

魔女「グワァァァァァ」シュンシュンシュン

槍のように相手を貫く魔女の矢印
それと同時に私は羽ばたき先客を癒していく

後藤寺「…ふぅん……無敵じゃん」

使い魔は余裕で倒せたとしても、まだきっと魔女は倒せない
だから私は先客のサポートに専念することにした
きっと能力的にもそれの方が向いているだろうから


後藤寺「これで…終わり」バッサァッ

巨大化した鎌が容赦なく魔女を一刀両断した――――――

―――――――――――


後藤寺「……助かった」

結界が消えると同時に変身を解いた先客
ヘルメットで顔を伺えはしなかったけど、素顔は物凄く凛としていた

泉「いえ…同じ魔法少女同士…助け合いですので」

後藤寺「そ…じゃあ。助け合いだと思ってグリーフシード譲ってくれない?」

腰まであるポニーテールを揺らしながら先客は黒い宝石をちらつかせる
これが9子の言っていた魔力を回復させる魔女の卵なのだろうか

泉「え…ええ」

後藤寺「…ありがと」

私のソウルジェムはそこまでくすんでいない
きっとそこまで魔力を消費していないのでしょう…それに9子曰く私は魔力が少し多いらしいので


泉「……あの。その…お名前を聞いても」

後藤寺「……後藤寺世界」

後藤寺「貴方の先輩…よ」

それだけ言って去っていく先客、もとい後藤寺さん
どこかで見た気もするけど……きっとの気のせいでしょう

はい。これにて4話終了
今章はこの四人の魔法少女で進めていきたいと思います

次回は井川先輩と宇佐美メインで進めていきたいと思います


暫く魔法少女の安価が減ると思いますので
次回からは9子の行動を安価で決めていこうと思います
勿論それによって絶望させちゃってくださいませ

『私たちの付いた嘘』

お楽しみにー

今回の魔女図鑑

おままごとの魔女 性質は団欒

家族の使い魔に囲まれてとっても幸せな魔女
自分の幸せを邪魔しようとする者は絶対に許さない
だけど魔女が一番幸せなのは使い魔に囲まれている事ではない
真実に気付かないでいられることだろう

おままごとの魔女の手下 その役割は搾取

蜂のような姿をした赤と青の使い魔達
使い魔は魔女の出す甘い甘い蜜が大好物
もし魔女が枯れてしまったら、使い魔達はそれに目もくれず新しい蜜を探すだろう



エコの魔女 性質は偏愛

結界内はゴミとロゴで溢れている
だけど魔女はそれらを捨てずに使い続けている
結界内に溢れたゴミこそが魔女の居た証。
もしも結界のゴミが綺麗に消え去ったなら、魔女の存在も消えてしまうだろう

エコの魔女の手下 その役割はリサイクル

どこからともなくゴミを拾ってきてはそれを仲間にする健気な使い魔
生きている間は戦い、死んでもゴミに戻って魔女の証となる
魔女にとってこの使い魔は欠かせない存在で、使い魔にとっても魔女は愛すべき存在

それでは次回投下は五時から
安価取りますよっ!

第五話【私たちの付いた嘘】

私には一人姉が居た
人間としても魔法少女としても尊敬できる姉が

あの人が何を願ったかは知らない
だけど強くてカッコよくて。私もそれにあこがれていた


だけどある日突然姉は――になってしまった

親の束縛から解放されて二人で暮らし始めた矢先だった

勿論絶望した。
だけど姉の最期の一言

彩音「…一人で……一人でも大丈夫よ…彩華ちゃんは…強いから。だから…お願い…皆の事…守ってあげてね―――」



今でも思い出す、あの時の瞬間を。あの時の情景を



でも大丈夫

姉の言った通りに。私は皆の事を守る、一人でも大丈夫

―――――――――――――


宇佐美「井川さんは何をお願いして…魔法少女になったの?」

物思いに耽ってると横から話しかけてくる人物が一人
彼女は私の後輩。そして魔法少女の宇佐美瑠那

宇佐美「えっと…聞いちゃ駄目?」

人との距離感のとり方が下手で、内気で、優しくて、脆い
そんな一人の中学生


井川「別に」

宇佐美「じ…じゃあ」

井川「『翼をください』ってお願いしたのよ」

宇佐美「え?…」

井川「窮屈だったの。それまでの生活が」

宇佐美「…ふ……ふぅん」

井川「で?」

宇佐美「え?」

井川「で?あなたは?」

宇佐美「な…何?」

井川「何を願ったの?」

あからさまに嫌な所を突かれた、そんな表情になる宇佐美さん
この子もこんな表情出来るんだ

宇佐美「わ…私は……その。皆の希望になれたらなって」

井川「ふぅん。そうなの」

嘘をついた、宇佐美さんは今嘘をついた。
9子に願いを聞いたわけではないけれど、絶対にそんな事願ってはいない
それに表情に出過ぎている、慣れないことはしない方がいいと教えてあげようかな


宇佐美「じ…じゃあ。動物に変身できるようになってて」

宇佐美「可愛いワンちゃんとか…見ててハッピーになれるから…」

宇佐美「だからかな?」


井川「そうかもね」


嘘にアクセサリーを付けて飾り立てていく宇佐美さん
表情が強張っていてとても見れたものではない

―――――――――


なんだかこの質問をしてから井川さんが冷たい
やっぱり聞かれたくない事だったのかな?

宇佐美「魔力が尽きたらどうなるんですか?」

井川「…え?」

宇佐美「ほら。グリーフシード使わなかったら…どうなるんですか?」

井川「知らないわ。それにそんなバカなことしようとも思わない」

宇佐美「…どうして?」

井川「魔法が使えた方が便利だから。それにきっとそんなことしたら死ぬわ」

宇佐美「そうなんだぁ…」

あ…なんか井川さん隠し事してる……
いつも通りの表情でいつも通りの話し方だけど――――

なんかそんな気がする

宇佐美「魔法少女っていつまでするんですか?」

井川「え?それは…」

宇佐美「もしも、もしもOLさんとかになっても「魔法少女」なんですか?」

井川「…は?」

宇佐美「だってまだ中学生だから少女だけど」

宇佐美「二十歳になったら?三十路は?ずっと少女って言うんですか?」

井川「…ふふっ、そんなこと考えたことなかったわ」

初めて井川さんが笑った所を見たかもしれない。
なんだろ…最近はずっと一緒に居たけど、こんな一面もあるんだな
ちょっとレアな場面見れたかも

宇佐美「いずれは少女から魔女…になるのかなぁ」

ぽろっと出た素朴な言葉、それは一気に屋上の空気を重くしちゃう
私にもよくわからなかったけど。急に温度が下がった気もする

井川「…さぁ?」

井川「私たちはずっと少女のままよ」

そんなちょっと嫌な空気の中。井川さんはいつもと変わらずに喋った。
でもなんだかちょっと言葉に元気がない…気がした

9子「あらぁ?どうしたの?」

そんな時助け舟を出してくれたのは9子
いったいいつからここに居たんだろう?

井川「別に?」

宇佐美「うん…ちょっとしたことだよ」

9子「あらあらあら。私も仲間に入れてよ」

9子「何ハナシてたの?」

宇佐美「えっと……魔法少女の事」

9子「へぇ?それで?」

宇佐美「魔法少女は年をとっても少女なのかなって」

9子「それは>>242よ」

大人になれるほど長く戦えた子は少ないけどいなかった訳ではない 前に話したリボンを銃にして使う子は小さい時魔法少女になってその後立派に成長してるし

>>242
把握!

それでは次回お楽しみに
今日中の投下を目安にしてますがもしかしたら日をまたぐかもです

それでは10時に投下します
えっと。今回はちょっと新しい安価を入れてます

試験的な物なので参加して下さると助かります

9子「それは大人になれるほど長く戦えた子は少ないけどいなかった訳ではないわ。」

9子「前に話したリボンを銃にして使う子は小さい時魔法少女になってその後立派に成長してるわよ」

宇佐美「そうなんだ…」

大人になれるほど長く戦えた子はいなかった
それを聞いてやっぱり魔女は危ない存在なんだなって再認識

なんだが一気に不安になっちゃった

宇佐美「でもやっぱりそのリボンの子って強いの?」

9子「ええ。結構な強さの部類に入るわね」

9子「もちろんこの町にもそんな子はいたんだけど―――――」

井川「…そ」

宇佐美「その子の話…聞きたいな」

9子「私はその子と四六時中居たわけではないから分からないわ」

9子「それより貴方の方が知ってるんじゃない?」

そう言って9子が指さしたのは井川さん

井川「…っ」

宇佐美「え?そんな人と知り合いだったの?」

井川「そうよ」

宇佐美「でも…今はいないよね?どこに――――」

井川「死んだの、魔女との戦いで」

宇佐美「あ…」

聞いちゃいけないことを聞いてしまったんだなと分かったけど
もう口から出た言葉は元には戻らない

井川「確かに強かった。私は尊敬してたわ」

宇佐美「………」

井川「貴方が落ち込む必要はないじゃない、それにあなたが悪いわけでもないわ」

井川「…そうよね?9子」

井川さんの言葉は震えてた
いつも通りなんだけど…震えてた。

きっと悲しみとかそんなんじゃない…もっと別の何かで
だけど私にはそれが分からない

きっと感じた事のない感情だから


―――――――――


とりあえず私は9子を追い払って屋上を後にした。
姉の事を思い出しただけで自分が崩れそうな気がする

だから私はその前に一人になる事を選んだのだ


それに姉は魔女と戦って死んだんじゃない
魔女になって死んだ


9子はあんな体の良い事を言っていたけれど、大人になんてまずなれない。
どんなに強くても自分の絶望には勝てない

私はそれを知っている、私はそれを見ている

そして私もいずれは自分自身の絶望に飲み込まれる


そうなる前にジェムを砕こうか
そうなる前に魔女に負けようか

そんな事を考えたけど私はそこまで強くない


今を生きることでいっぱいいっぱい

それに他の魔法少女と関わってしまった限り私は隠さなければいけない
魔法少女の結末を
守らなければならない、希望の裏にある絶望から


それが私が姉と交わした約束だから

――――――――――――

宇佐美「…ねえ9子」

いったん追い出されてしまった9子だけど、私は9子をまた呼んだ
聞きたいことがあったから

宇佐美「もしもね。もしもグリーフシードを使わなかったらどうなる?」

9子「それは穢れをため続けるってこと?」

宇佐美「うん」

9子「それは簡単よ」

9子「魔法少女じゃなくなって…死ぬ」

宇佐美「死ぬ?死ぬだけ?どう言う風に?」

あふれ出る疑問は止まらない
聞けば聞くたび疑問が湧き出る

9子「それは――――――」


ドゥゥゥゥゥゥゥン

そんな時学校全体が大きく揺れた――――気がした

宇佐美「…ま…魔女!?」

9子「しかもこの魔力…あなたが今まで戦ってきた中では一番強いわ」

宇佐美「…こんなの初めてだよ」

9子「何言ってるの。今までが甘かっただけじゃない」

9子「頑張りなさい」

――――――――――――――


>>255の魔女

>>258性質

>>261能力


病気を撒き散らす魔女

病気を撒き散らす

黒い霧のような体で、幾つもの病原菌を持ってる

安価把握!
とりあえず病気をまき散らすのね

はい。次回投下をお楽しみに

安価は近い方がいい…か。
よし。次からそうしよう

と言うわけで12時ころに投下します

宇佐美「…ま…魔女!?」

9子「しかもこの魔力…あなたが今まで戦ってきた中では一番強いわ」

宇佐美「…こんなの初めてだよ」

9子「何言ってるの。今までが甘かっただけ」

9子「さ…頑張って」

――――――――――――――
『結界内』

宇佐美「え…」

結界内はベルトコンベヤーみたいなものがいっぱい配置されてて
よく見ると周りには変な機械も置いてある


宇佐美「もしかして…一人?」

9子「…さあ?それは自分で探してみれば?」

9子「それくらいできるでしょ?」

宇佐美「え…どうやって?」

9子「何のための魔法よ」

そう言われて私はダメもとでソウルジェムに手をかざしてみた
すると頭の中にポワッと何かが流れ込んできた

宇佐美「あ…井川さんもう居るんだ」


言いようもない感覚だけど井川先輩がいるのは確実
なんだかもうこの不思議な感覚にも慣れてしまった

宇佐美「だったら早く行かないと……」

9子「あら…そうも行かないみたいよー?」

宇佐美「…ま…魔女!?」

9子「しかもこの魔力…あなたが今まで戦ってきた中では一番強いわ」

宇佐美「…こんなの初めてだよ」

9子「何言ってるの。今までが甘かっただけ」

9子「さ…頑張って」

――――――――――――――
『結界内』

宇佐美「え…」

結界内はベルトコンベヤーみたいなものがいっぱい配置されてて
よく見ると周りには変な機械も置いてある


宇佐美「もしかして…一人?」

9子「…さあ?それは自分で探してみれば?」

9子「それくらいできるでしょ?」

宇佐美「え…どうやって?」

9子「何のための魔法よ」

そう言われて私はダメもとでソウルジェムに手をかざしてみた
すると頭の中にポワッと何かが流れ込んできた

宇佐美「あ…井川さんもう居るんだ」


言いようもない感覚だけど井川先輩がいるのは確実
なんだかもうこの不思議な感覚にも慣れてしまった

宇佐美「だったら早く行かないと……」

9子「あら…そうも行かないみたいよー?」

宇佐美「うえっ…なに…気持ち悪い」

先に進もうとする私を阻んだのはこの結界の使い魔
背中に大きな顔が付いたテントウムシみたいな見た目

何をしてくるわけではなかったけど。異常に気持ち悪い

宇佐美「来ないでぇっ!」

横に大きく十文字槍を振る
すると使い魔達はおっきな体に似合わずブワッと飛んでいった

宇佐美「…あ、案外弱い?」

9子「そりゃあ使い魔だしね」

ちょっと強いかな?と身構えたけれど
そんな事は無かったみたい――――――――


使い魔「キュウ」ドバンッ


宇佐美「――――――――っ」

倒した使い魔それは一瞬だけおっきくなって、大きな音で破裂した
しかも物凄い臭いをあたりにまき散らして

宇佐美「…臭い」

9子「あら?そうなの?」

この使い魔は倒しちゃだめだ…と思ったけど
私はもう一杯使い魔を薙ぎ払ってる…

使い魔達「キュウウ」ドバンッ


こういうの後の祭りって言うんだよね…

井川「そう…この使い魔を倒すと爆発したけど」

井川「これって臭いのね」シュババババババババ

そんな風に言いながらも羽で次々使い魔を射止めていく井川さん
マスクをしてない私には正直地獄

なんだか息を止めているのに毛穴から臭いが入ってくるみたいな気もする

井川「…魔女はもうすぐよ」

宇佐美『使い魔…無視していきませんか?』

井川「駄目よ。魔女戦で厄介になるかもしれないでしょ?」

宇佐美『今回の魔女ってとっても強いんですか?』

井川「いいえ、あれが普通くらいよ。今までが弱かっただけで」

井川「むしろこれからが本番だと思った方がいいわ」

井川さんの声で一気に不安になっちゃう…これからが本番だなんて…
正直今までの魔女で苦戦したことが無いわけじゃない

それなのに今からが本番だなんて…
私は本当に勝てるんだろうか

宇佐美「…あれが……魔女?」

煙突の様な棒からどろっとした液がこぼれ出て
地面は薄汚れていてとっても汚い。
そんな結界の一番奥に居る魔女は黒くてもやもやしていて。まるで煙みたいだった

井川「…それにもうすでに二人戦ってるみたいね」


言われた方向を見るとそこに居たのは真っ黒でロボットみたいな人と青いワンピースにお面を付けた人
どうやら両方とも魔法少女みたい


後藤寺「…チッ。二人増えたよ…持つ?」

泉「ええなんとか…ですが短期で片付けてくださらないと…」

前方で二人が何かをこそこそと話す

後藤寺「…勝てないと思ったらすぐにここから出て。邪魔になる」

黒い魔法少女は不機嫌そうにそう言って鎌を片手に魔女に切りかかる。
だけど霧みたいな魔女は鎌の物理攻撃をものともしてないみたいで


泉「あまり口で呼吸をなさらない様に。病に侵されますわ」

もう一人の魔法少女は物凄く穏やかな口調
常時きらきら発光してるけど…。いったい何をしてるの?

井川「…魔女の攻撃があの光ってる子に向かない様に」

宇佐美「え?どうして?」

井川「多分あの子はサポート要員…それに魔女はまだ一度も攻撃を仕掛けてきてない」

井川「おかしいと思わない?」

確かに魔女はまだ攻撃をしていない、されるがままにふわふわしている
だけどそれと光る魔法少女を守るっていう関係が分からない

宇佐美「えっと……」

井川「つまり魔女はもう攻撃をしてきてる可能性が高い」

井川「だけどそれが何の効果も成さないとすれば、あの魔法少女の力が作用している可能性が高い」

宇佐美「えっと…えっと…」

宇佐美「だったらあの子はすごい?」

井川「この場においては多分欠かせない存在」

宇佐美「でもどうやって魔女に攻撃するの?」

宇佐美「黒い子が何とかしてるけど…ダメージは通ってないみたいだし…」

井川「……そうね」

ワンピース姿の魔法少女はなんだかとってもすごいみたいだけど…
魔女を倒さないとダメ。それにこんなこと続けてたらワンピースの子の魔力が心配
一気に魔女を倒したいけど…私も黒い子と同じ物理系……

後藤寺「傍観するだけなら帰って。邪魔よ」

黒い子は私たちにきつい言葉を浴びせてきた
だけどそれも納得できちゃう気がする…きっと黒い子はワンピースの子が大切なんだ

井川「ねぇ。攻撃して手ごたえはあるの?」

どうしようかと考えていた時に井川さんは黒い子にそんな事を聞いた

後藤寺「なかったら攻撃なんてしていない」

井川「そう……だったら――――」ブァサァッ

黒い子の言葉を聞いて井川さんは背中の翼を大きく広げた
そしてその状態で一回大きく羽ばたいた

宇佐美「きゃぁっ」

凄い風………
あまりの強さによろめいてしまう


宇佐美「……え…?」

風が止んで目を開いた私が見た光景

それは―――――――――

後藤寺「…魔女が固まってる?」

黒い子の言葉通りあれだけ大きくてもやもやしていた魔女が固まっている
何て言って良いのか分からないけれど…
まるで四方八方からキュッと圧縮されてるみたいに

井川「…風を操ったのよ。これだけ密集した状態で一撃を食らえば…」

後藤寺「成程ね。ダメージを分散させないってこと」

井川「そうよ」

やっぱり井川さんは私より先輩だ。あの状況を一気に変えるなんて
それにあの黒い子…多分あの人もとっても頭が良い…気がする

後藤寺「それじゃ…お言葉に甘えさせていただいて――――」

黒い子の大鎌が圧縮された魔女の体に振り下ろされる。
今さっきみたいにダメージを受けて雲散していく魔女の体

だけど…それはもう一つの形になる事は無くて
煙みたいにもやもや空の彼方へ消えていった


井川「一件落着ね」

地面に落ちたグリーフシード
変身を解除して私はそれを手に取った

井川「それ…今回はあの二人に渡してあげて」

後藤寺「恩なら売っていらないけど?」

井川「貴方に使えって言ってるんじゃない。貴方の相棒に」

後藤寺「…ふん」

同じく変身を解いた井川さんと黒い子
なんでだろう、お互いピリピリしてる気がする

井川「貴方も早く変身を解いたら?」

グリーフシードを渡した井川先輩はワンピース姿の子に声をかける
だけどワンピースの子は声すら出さない


宇佐美「…?」

後藤寺「……この子はシャイなの。気にしないで」

そう言うと同時に黒い子とワンピースの子の姿が目の前から消えた
まるで最初っから居なかったみたいに


宇佐美「…消え……ちゃった」

井川「どうせ魔法よ」

魔法少女リスト(五話現在)

【登場】

宇佐美 瑠奈 (14)中学二年生
固有魔法:獣化 武器:十文字槍

井川 彩華 (15)中学三年生
固有魔法:風の操作 武器:羽

後藤寺 世界 (15)中学三年生
固有魔法:感覚操作 武器:鎌

泉 佳苗 (14)中学二年生
固有魔法:回復特化 武器:首から放射線状に伸びる花びらのような羽


【不明】

濱江 里 (14)中学二年生
固有魔法:電磁波操作 武器:鞭

【死亡確認】

井川 彩音 (??)

固有魔法:?? 武器:??

それでは五話終了
次回【近づく舟】お楽しみに!




産廃の魔女 性質は醜態

黒い霧のように揺蕩う真っ黒な魔女
熱にも雷にも魔法にも物理にも強い
工場の様な結界で常に使い魔達を育てている

※本編では病気をまき散らすも、回復特化の泉に病気をすぐに治され
井川に圧縮され、後藤寺に切り捨てられた

産廃の魔女の手下 その役割は悪臭

不気味な見た目で見るものを不快にする使い魔
その身にまとう悪臭で迷い込んだものを気絶させて魔女の養分へとする
良い臭いが大っ嫌い

余談になりますが
今回の安価で取った魔女…意外と強力で厄介なイメージです
井川先輩居なかったらほぼ確実に誰か一人死んでました

本編で言うエリーの様な…
とにかく今回は運が良かっただけです


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