P「syrup16gだ」 春香「甘いんですか?」 (92)

P「うーん……」

春香「プロデューサーさんどうしたんですか?」

P「春香か……実は懇意にしていたレコード会社のプロデューサーから765プロのアイドルで他のアーティストのカバーアルバムを出さないかって言われてな」

春香「カバーアルバムですか?なんか楽しそうじゃないですか!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369242743

鬱になる奴出てくるよ

P「カバーするアーティストを誰にするかは俺に一任されてるんだが……」

春香「まだ決まってないんですか?私、奥華子さんが良いです!」

P「奥華子?ああ……あの眩しい曲ばかり歌う……」

春香「眩しい曲ってなんですか!良いじゃないですか!甘酸っぱいんですよ」

P「いやー俺の中で闇の765プロってコンセプトが出来上がってるからさぁ」

小鳥「お茶どうぞー」コトッ

P「あ、ありがとうございます」ズズズ

小鳥「…………」チラッチラッ

P「何をチラ見してるんですか?」

小鳥「あ、いや……面白そうだから一枚噛ませて欲しいかなーって」

P「さっさと戻って仕事してください……と言いたいところなんですが音無さんに力を貸して欲しいんですよ」

小鳥「任せて下さい!不肖・音無小鳥頑張りますよー」

P「ありがとうございます」

春香「闇の765プロってコンセプトに合うアーティストって難しくないですか?手前味噌ですけどみんなにかかれば否応なしに輝いちゃいますよ」

P「実は765プロのその輝きすらも打ち消してしまうバンドがあるんだ」

小鳥「も、もしかして」ワナワナ

春香「バンドなんですか?ラルクとかバンプとか」

P「いいや……syrup16gってバンドなんだけど春香は知らないか」

小鳥「キタコレッ!」

春香「こ、小鳥さんいきなりどうしたんですか!?」ビクッ

小鳥「生還をツイートで追い鬱々と一人で遅死10.10ライブのDVDを見続けた私に任せてください」

P「俺も黒音のDVDを毎晩見てましたよ!はっきり言ってこの提案が来た時から決めてました!五十嵐生還記念にしてやろうってねぇ!!!!」

春香「ふ、二人ともいきなりテンション上がって怖いですよ!?落ち着いてください」

P「すまん」

春香「あのー私、そのシロップ?ってバンド知らないんですけど……」

小鳥「春香ちゃんみたいな娘とは一生関わる事はない世界で鳴ってる音楽だものね」

P「俺はsyrup16g無しでは生きてすらいなかっただろう」

小鳥「私もずいぶんsyrupに救われました……」

春香「なんか分からないですけど凄い希望に溢れた音楽なんですね!確かにシロップって名前自体可愛いですもん」

P「…………」チラッ

小鳥「…………」コクッ

春香「二人で目配せしてどうしたんですか?」

これは〜これで〜青春〜映画だったよ〜♪俺たちの〜♪

小鳥「春香ちゃん、このイヤホンして」

春香「え?あ、はい」ゴソゴソ

P「春香も人間なら確実に染み入るはずだ。心の奥底に」


♪ now praying ♪

ハピネス/syrup16g


小鳥「春香ちゃんにハピネスはキツイかな……」

P「春香は感受性強いですからね」

春香「…………」ポス

小鳥「あ、ソファに座った」

P「膝を抱えましたよ」

春香「…………」ピッ

小鳥「リピートしましたね」

P「このまま五十嵐の歌詞に引きずり込まれるかそれとも……」

春香「うぅ……」グスン

小鳥「泣きはじめました」

P「やっぱり春香には真っ直ぐ染み込みましたね」

今日はここまで。完全に趣味の世界ですがご容赦くださいな

そして生還にいけなかった俺は負け犬です……

syrup16gって実在するのか

鬱バンドだったのか
Rebornしか聞いたことないから知らなかった

この前まで五十嵐がPやってたよ
作者が鬱こじらせちゃって終わったけど
貴音に月になって歌ってほしい

春香「友好的なのは心の奥に本当の事を隠すから」ボソッ

小鳥「すっかり聴き込んでますね……鼻唄混じりで目も虚ろで……」

P「よっぽど春香の心の隙間に入り込んだですね」

小鳥「私も良くああやって暗い部屋で横になって聴いてました」

P「あれが正しいsyrupの聞き方ですよね……さて、仕事に戻りましょうか」

小鳥「問題は誰にどの曲を歌ってもらうかですね?」

P「ええ、ですがそれが一番難関ですよ……syrupのイメージにどう足掻いても合わないアイドルがいますからね」

小鳥「真ちゃんとか響ちゃんとかはとくに」

P「春香、雪歩、千早、貴音、あずささんはイメージしやすかったですね」

小鳥「千早ちゃんにはいつか歌って欲しいって思ってました!だけど歌唱力高すぎませんか?五十嵐の歌が曲にマッチしてシロップの世界観を増幅させてたから上手すぎるのは曲を壊しかねませんよ」

P「そこはディレクションでどうにかなるでしょう」

小鳥「それもそうか……問題は残りの」

P「亜美真美に伊織、美希、響、真、やよいですよ……」

小鳥「とくに亜美ちゃん真美ちゃんやよいちゃんは難しいですねぇ」

ムカデのコスプレしてパープルムカデ歌わせとけ

P「伊織も声のイメージを考えると難しいところではあります」

小鳥「確かに……」

P「この四人には締めにパレードを歌わせようかとも考えたんですが」

小鳥「なんか合唱みたいですね……」

P「そうなんですよねぇーそういうもんだと割りきって考えると悪くはない気がするんですが」

小鳥「難しいですね……」

P「この際だから企画の内容を説明してアイドル達に音源を渡してアイドル達の意見と反応を参考にして考えますか」

小鳥「時間がかかりますが良い物を作ろうと思うと仕方ないか……」

ζ*'ヮ')ζ<きみはしんだほうがいい

———
——


P「と言うわけでみんなにはsyrup16gの音源を聴いてきて欲しい音源は俺の布教用CDを貸し出す。後で個人面談するから何となく好きな曲と感想を用意しといてくれ」

やよい「あ、あの……プロデューサー……」

P「やよいには俺のiPodを貸すよ」

やよい「なんかごめんなさい……」

P「気にするな」

律子「あの、スケジュール調整はした方が?」

P「いや、空いた時間を適当に見繕って聞くから大丈夫だよ」

律子「わかりました」

P「じゃあ、今回の全体報告は以上だ」

春香「どうしよう……迷うなぁ……」

千早「春香は聴いたことあるの?」

春香「うん、昨日プロデューサーさんから聴かせてもらってすっかりファンになってCD買って帰っちゃった」

千早「どんな感じ?私、ロックバンドと言うのに馴染みがないから不安なのだけれど……」

春香「きっと千早ちゃんは気に入るよ!間違いない」

千早「そ、そう?」

春香「そうだよ!もしかしたらうちの事務所で千早が一番しっくり来るかも」

千早「そこまで?とりあえず聴かないとなんとも言えないわね……」

伊織「あーあ、一々面談よねぇ……プロデューサーなんだからそっちで選びなさいよ」

真美「なんか兄ちゃんの趣味らしいよー」

亜美「ピヨちゃんも一枚噛んでるんだってさ」

伊織「どうせ、あいつの事だから下品な事ばっかり歌ってるバンドなんでしょ……あーあ、ヤダヤダ」

やよい「…〜♪…〜♪」

真美「お、やよいっちはさっそく聴いてるようですなぁ」

亜美「なんか楽しそうだよ?」

伊織「やよいがそんな下品な音楽を聴いちゃダメよ!!」

やよい「…〜♪…〜♪」

伊織「やよい!」

やよい「君は死んだ方が良い〜♪」

伊織「や……よい……?」ジワッ

真美「やよいっちが死んだ方が良いって……」

亜美「もしかして今までの鬱憤がバーニング!?」

やよい「外の世界はどんな風〜♪」

真「雪歩はこのバンド知ってた?」

雪歩「前にプロデューサーの車でプロデューサーが聴いてる音楽を聴いたことあるけどあの時は英語の歌だったから」

真「ボクもプロデューサーがよく洋楽を聴いてるのは知ってたけどなぁ」

雪歩「ちょっと歌詞カード見てみる?」

真「そうだね」

雪歩「えっと……」

真「つらいことばかりで心もかれて諦めるのにもなれて……って凄い暗いよ……」

雪歩「…………」

真「雪歩?雪歩ー?」

雪歩「真ちゃん、この詩すごいよ!この歌詞書いた人天才かも……」ジー

真「そ、そうなのかな……だとしても暗いなぁ……」

貴音「しろっぷなのだから甘いのでしょうか?」

響「自分シロップ知ってるぞ!兄貴が良く聴いてた」

あずさ「そういえば私が高校生の時に友達がファンで聴いてたわ〜」

美希「……あふぅ」スースー

貴音「ろっくとは反骨精神を歌うものだとあの方から講じていただきましたが」

響「なんかそんな感じじゃなかったなぁ……ムカデがどうとか言ってたような」

貴音「ムカデ……ですか?」

あずさ「私が聴かせてもらった曲はうお座がどうとか言ってた気がするんだけど〜」

貴音「……面妖な」

美希「……あふぅ」ゴロン

小鳥「どうぞ」コトッ

P「あ、ありがとうございます」

小鳥「みんながどんな反応してどういう曲が気に入るか楽しみですね」

P「そうですねー……とりあえず明日を落としてもをだけは選ばないで欲しいかな……」

小鳥「そうですね……名曲中の名曲ではあるんですが彼女たちがもし選んだらと考えると不安になりますね」

P「救いが無さすぎですからね……どこまでも落ちていくイメージ……あ、ちなみに音無さんがもし選ぶとしたら何にします?」

小鳥「私は……She was beautifulかな」

P「あー……」

小鳥「な、なんですか!?」

P「いえ、音無さんの心情がなんとなく垣間見えてちょっと……ね」

小鳥「そんな可哀想な人を見るみたいに見ないでくださいよ!」

P「すいません」

小鳥「否定しないんですか!?いいんですよ……どうせ、私にはなにもないから」

P「吐く血ですか?あんな女の子と付き合いたいと思った時期もありましたね」

小鳥「今は?今は!?」

P「くだらないこと言ってないで早く働けよ」

小鳥「……ピヨ」

P「無駄にいいもんばかり食わされて腹出てるぜ」

小鳥「手にタコつくって吐きます……」

P「冗談ですよ!?」

小鳥「わかってますよ」

P「はぁ……さて、まずは誰から面談していきましょうかね」

小鳥「まずは軸を作った方が良いんじゃないですか?」

P「コンセプトの闇の765プロから考えるに一番闇がなさそうなアイドルがどういう曲を選ぶかで軸が決まりそうですね」

小鳥「というと……美希ちゃんかな?」

P「ですかね……まぁ、アイツが選びそうな曲はなんとなく察しがつくんですが」

小鳥「まぁ、あれかあれですかね」

P「でもそれもらしくて良いかな?ある種の清涼剤ですね!じゃあ最初の面談は美希からだな」

今日はここまで。貴音と千早とあずささんと雪歩はなんとなく何を選ばせるか浮かんでますが他のメンバーが難しいですわ……

リクエストかなんかあったりしたら是非

天才、生活、センチメンタル辺り入れてくれると嬉しい
てかもう予定にありそうだけどw

なにげに春香が千早に言ってることがひでぇ

あと俺は鬱になった訳じゃないよ。俺には鬱展開は書けないんだって気づいたから終わりにしました

CD聞かせるより先にみんなでDVD鑑賞会したほうがって思う
あの人間になりきろうとする何かが叫ぶ姿が素晴らしくて心に響く

千早にはあえてRebornか翌日を歌ってほしいな
あと、INMなんかもピッタリだと思う

P「さっそく面談と行きたいんだが……」

美希「どうしたの?」

P「なんで隣に座ってるんだ?」

美希「ハニーの隣はミキの指定席なの」

P「普通面談って言ったら対面だろう……」

美希「ハニーの顔を正面から見るのも良いけどそれじゃあ遠いの」

P「まぁ良いか……まず、一つ聴きたいんだが……お前ちゃんと聴いたか?」

美希「うーん、なんとなく」

P「はぁ……それでどういう印象を持った?」

美希「なんか暗くてミキはあんまり好きじゃないの!もっとキラキラした曲が良いな」

P「そういうと思ったよ」

美希「さすがハニーはミキの事わかってるの!これはもう永遠を誓った方が良いと思うな」

P「ハイハイ……まぁ、美希の好みじゃないとしてもなんか気になった曲とかあっただろ?」

美希「うーん……綺麗な曲はあったけどミキの趣味じゃないかな……」

P「そうか……じゃあ俺が決めるか……」

美希「あ、でも一曲だけミキの気持ちを表してる曲があったの!」

P「お、なんていう曲だ?」

美希「えっと……この曲!」

あなたと出会って
ただそれだけで

素晴らしくなって
後悔なんてしないで

You closed eyes/syrup16g

P「Your eyes closedか……てっきりMy songかと思ったが」

美希「マイソング?」

P「同じアルバムに入ってただろ?」

美希「あー……あっちの方はなんか悲しかったの……ミキ的にはこっちの方がハニーに近い感じがしたしハニーに対する思いそのままって感じがしたな」

P「My songの方が悲しいか……あれは遠く離れても通じ合ってるって解釈をしてたが……なるほど、美希には悲しく感じたか」

美希「うん、ミキはハニーの傍に居たいしハニーの傍にいれるなら何があっても後悔しないの」

P「そこまで思ってくれるのは有り難いな……よし、Your eyes closedに決定」

美希「もう終わり?」

P「ああ、戻っても良いぞ」

美希「んーん、まだハニーと二人っきりで居るの」

P「おいおい、俺にはまだ仕事が」

美希「せっかく久しぶりに二人っきりになったんだから一緒にいたいの!」

P「おいおい……」

美希「ハニー分たっぷり充電するの」ギュッ

P「仕方ないか……」

P(ストレートに愛を表現出来てほんのちょっとの皮肉すら愛情のスパイスに出来る美希らしい選曲だな)

P「ふぅ……やっと一曲か」

小鳥「美希ちゃんらしい選曲ではありますね……My songは少し大人すぎな感じもありますし」

P「ええ、あとは美希が曲をちゃんと理解して心から歌えるかですが……心配ないでしょう!あ、原曲を壊しすぎない様に注意はしないと」

小鳥「そこは手腕の見せどころですよ?」

P「頑張りますよ!さて、さっそく二人目だけど……誰が良いかな……」

小鳥「読めないのはやよいちゃん亜美ちゃん真美ちゃん真ちゃん響ちゃん……あと伊織ちゃん」

P「つくづくうちの事務所とsyrupはかけ離れてる事を感じましたわ……」

P「難しいですね……」

小鳥「響ちゃんはどうですか?うちの元気印の一人ではありますが遠く沖縄から来て不安や葛藤に思い悩んだ事もあると思うんです」

P「なるほど……響の心の影部分を知る機会でもあるし良いかも知れませんね」

小鳥「聞くところによれば響ちゃんはなんとなく耳にした事もあるみたいですし」

P「よし、次は響に決定!」

小鳥「まったく読めない分すごく楽しみですよ」

P「そうですねー爽やかな響だと翌日かな?でも真にも合いそうだな」

小鳥「真ちゃんはロックテイストの強い曲も似合いそうですねー」

今日はここまで。曲名間違えて書いちゃってますね……恥ずかしい限りです……

Your eyes closedが正解です。すいません。


美希にピッタリだな
響は動物繋がりで負け犬とか

P「さて、さっそく面談と行くか」

響「なんかこういうの緊張するな」

P「まぁ、気楽にしてくれ。面談って言っても普通に談笑するのと変わらないから」

響「わかった!」

P「さてと、まず聴いてみてどう思った?」

響「うーん、なんていうんだろ……とにかく暗いんだけど……それだけじゃないって言うか……」

P「なるほど」

響「上手く言えないけど……とにかく正直なんだなってのは伝わったかな」

P「確かに、シロップの曲には上澄みを救っただけの様な曲はない。音楽に対して馬鹿らしいくらいに真面目だな」

P「それが分かるとはさすが響だな」

響「自分は完璧だからな!」

P「って事はけっこう聴き込んだんだと思うんだが……気に入った曲とか好きな曲はあるか?」

響「うーん……綺麗だなって思う曲は何曲かあったんだけど……一番聴いた曲は"無効の日"かな」

P「無効の日!?意外だな……なんでだ?」

響「……笑わない?」

P「笑わないぞ」

響「実は……泣いちゃったんだ」

P「無効の日を聴いてか?」

響「……うん」

P「なんでか訊いていいか?」

響「こっちに来たばっかりの自分と重なったんだ……沖縄を離れてこっちに来て毎日レッスンとか頑張ってもアイドルらしい事は出来ないし疲れて帰って来たら誰も居ない部屋で」

P「動物達が居てもか?」

響「うん……どうしても誤魔化しきれないところがあって……そしたら何もかも無駄な事なのかなって」

P「将来の不安や寂しさが積もってたんだな……」

響「でもさ……どんな風に思っても自分であることは変わりなくてせめてそこから逃げないようにって……"それをどうして悲しいって言うの"ってフレーズって"それ"も自分なんだから悲しいなんて思わなくて良いって事なんだなって」

P「曲をそこまで深く解釈してくれてなんか嬉しいな……」

響「あの時の自分と重なった事もあったんだけどそれを改めて救ってくれた様な気がして……なんか照れるな」

P「うん、初めは意外に思ったが何より曲を深く理解して自分に重ね合わせて歌えるのは素晴らしいな!無効の日、歌ってくれるか?」

響「でも、大丈夫かな?けっこう暗い歌だから自分が歌って変にならないかな?」

P「響なら大丈夫だ!もう、本気出してないまま終わる事はないんだろ?」

響「もちろん!自分は完璧だからな!!」


本気出してないままで
終了です
後は箒で掃いて捨てる
それをどうして
悲しいと言う

無効の日/syrup16g

響なら家に帰って猿が交尾しててもなんくるないな

P「ふぅ……泣くのを堪えるのが大変だったな」

小鳥「どうしてですか?」

P「まぁ、いろいろとね……アイドルの裏話と言うか」

小鳥「ずいぶん遠い目してますね……」

P「ちなみに響は何を選んだと思います?」

小鳥「なんですか?動物繋がりで負け犬ですか?」

P「安直ですね……」

小鳥「うっ……その目は止めてください……そのある種の軽蔑みたいな目は止めて」

P「無効の日ですよ」

小鳥「無効の日ですか!?COPYって初期のアルバムなのにかなりダークなテイストですよね?そこから選ぶなんて」

P「俺もかなりビックリしました……だけど響の思いを訊いたらなるほどなって」

小鳥「気になるな〜教えてくれないんですか?」

P「ダメです」

小鳥「ケチ」

P「さてと……次ですが……次は真かな」

小鳥「なんでですか?」

P「真の願望や憧れが特殊だからですよ」

小鳥「女の子らしくなりたいって事が?」

P「ボーイッシュな女の子ってそれを個性だと思ってやってる節がある事が多いじゃないですか……だけど真はあくまでもボーイッシュな事を理想としてないから」

小鳥「確かにそういう女の子は居るには居るんだろうけど多くはないですもんね」

P「だから気になるなって……シロップってありのまま自分を見せてくれる音楽だと思うし」

小鳥「嘘がない分そうかもしれないですね……じゃあ次は真ちゃんかな」

P「お前、汗だくだぞ?」

真「レッスン終わりちょっと走って来ましたからね」

P「元気だな……じゃあ、さっそくはじめるが聴いたか?」

真「ランニング中も聴いてましたよ!」

P「不健康な音楽を聴きながら健康的な事をするんだな……まぁ、いいや」

真「ボク歌いたい曲があるんです!」

P「ほう!なんだ?」

真「えっと……これだ!」


退屈な毎日に殺されていく
やられる前にやれ
実弾にぎりしめて

実弾(Nothing's gonna syrup us now)/syrup16g

P「実弾か……なんでなんだ?」

真「とにかく真っ直ぐじゃないですか?譲らないし譲れないから行っちゃえって感じがして」

P「でも、ある種の諦めの境地とも自暴自棄とも言える内容だぞ?」

真「それでも嘘をついて薄っぺらいよりは良くないですか?」

P「確かに、人間なんだから醜くなったり無様になる事もあるがそれを美化するんじゃ嘘だもんな」

真「それを認めた上でやってみようって発破をかけてる気がするんです」

P「なるほど……男らしいと言うか真らしいと言うか」

真「もうちょっとしっとりした曲の方が良かったかな……」

P「いや、真が歌いたいって思ったんならそれが良いだろうし良い選曲だぞ」

真「そうですかね?」

P「真にも合ってると思うし良い選曲だな」

真「やーりぃ♪」

P「しかし、実弾とはな……真の心情をあらわしてんだな」

真「この企画をやるってプロデューサーから訊いた時に変に曲げて考えずに直球で勝負しようと思ってましたからね」

P「企画に対する姿勢と歌詞がリンクしたわけか……よし、もう良いぞ」

真「レコーディング楽しみにしてますよ!」

P「真は実弾でした」

小鳥「けっこう尖った選曲ですね?」

P「アイツらしい真っ直ぐな理由でしたよ」

小鳥「なんかあれこれ詮索してた私たちは恥ずかしいですね……」

P「そうですね……これも大人のエゴなのかな……」

小鳥「あの頃は……若い頃は真っ直ぐだったのになぁ」

P「やめましょうよ……暗くなっちゃうから」

小鳥「すいません」

P「さて、次は誰に聞こうかな」

小鳥「次は貴音ちゃんとかあずささんが良いんじゃないですか?」

P「お、良いですね!えっとスケジュール的には……貴音が空いてるな」

小鳥「じゃあ、次は貴音ちゃんですね」

P「おし、さっそく始めるぞ」

貴音「よろしくお願いいたします」

P「さっそくだが聴いたよな?どんな印象を受けた?」

貴音「脆く弱く……ですが偽りなどなくありのまま言葉がぶつかってくるからこそ胸に染み入るものがございました」

P「そうだな……ただ暗いだけなら受け入れられないんだよな……嘘や偽りなどなくまさに吐露するように言葉を吐き出してそれに美しいメロディを乗せるからシロップは良いんだよ」

貴音「まことに……あなた様が好まれる理由もわかった気がします」

P「それで気に入った曲とか今回の企画で歌いたい曲とかあるか?」

貴音「私は……この曲が」

P「月になって……か」

君に間違った事はなく
道をあやまった事もなく

ありのまま何もない君を
見失いそうな僕がなく

月になって/syrup16g

P「理由を訊いて良いか?」

貴音「これと言って……ただ、私の心に自然に染み込んだのです」

P「なるほど……フィーリングってヤツか……だけどこれ以上ないくらい貴音に合ってるな」

貴音「私も不思議と以前から知っていた歌の様にたまに口ずさんでいるのです」

P「ほう……」

貴音「痛いほど美しく優しい旋律も私の感性を揺さぶったのでございましょうね」

P「うん、貴音のイメージにも合うし抜群の選曲だと思う」

貴音「私は上手く歌えるように努めるのみでございますね?」

P「そうだな……だけど、貴音の場合は余計にディレクションせずに貴音の感じるままに歌ってもらう事になりそうだよ」

貴音「それほどまでに私に重なるのでございますか?」

P「実は月になってを聴く度にいつもなんとなく貴音が思い浮かんでたんだ」

貴音「……そうでございますか」

P「これは楽しみだな!ありがとう、戻って良いぞ」

貴音「はい……」

P「けっこう全体像が見えて来たな」

ガチャ バタンッ

貴音「……届かないね永遠にね」

今日はここまで。貴音はサイケデリック後遺症か月になってかで悩みました

響と真はもっともらしい理由を長々と書いたけど難しくて決めれなかったので好きな曲を

亜美と真美とやよいは難し過ぎて後回しですねwww


貴音はどう考えても月になってだよな
あと、響がコピーからの選曲ってのはジャケット的な意味で良いと思う

コンッコンッ

P「どうぞ」

あずさ「失礼します〜三浦あずさです」

P「面接じゃないんだから別にいいですよ?」

あずさ「ふふふ、だってそういう雰囲気しますよ?」

P「確かに対面で一対一だと堅苦しい感じしますね……まぁ、談笑するんだと思って気楽にね」

あずさ「わかりました〜」

P「じゃあ、さっそくですが……聴いてみての印象なんかを教えてください」

あずさ「そうですね……一言でいうなら大人って感じかしら」

P「大人ですか?」

あずさ「子供のうちじゃわかりっこないリアルな言葉とか表現とか情景とか心情とか……」

あずさ「まざまざと見せつける脆さや弱さも大人特有のものでしょ?」

P「うん……そうですね……学生時代に刺さらなかった曲が大人になった現在、どうしようもなく好きになってますから」

あずさ「例えばなんていう曲ですか?」

P「バナナの皮って曲なんですけど……まぁ、タイトルはすっとんきょうな感じはしますが大人になった今、心にぐさりと刺さるフレーズがありましてね……ラストアルバムの曲だけに余計にってのもありますが」

痛みを知って大人になる
それにも限界があって
痛みを知って臆病になる
それからが本格的

バナナの皮/syrup16g

P「って俺が歌う曲を決めるんじゃないんですよ!あずささんが好きな曲を聴きたいんですけど」

あずさ「私のですか?月並みだけどMy songかしら〜」

P「なるほど、うちの曲にも同タイトルの曲がありますが」

あずさ「そっちのMy songももちろん好きですよ?こっちの方は聴いてみるとまるで誰かに捧げてるみたいじゃないですか……だけど、誰かを失って泣く涙も間違いなく自分の感情から生まれた自分の物でそれを認めた上で誰か一人にでも届けば良いって思いが感じられて」

あずさ「同じタイトルの曲でもここまで違う曲を歌うって言うのも楽しそうだったし」

P「うん……あずささんにぴったりな曲だと思います。美しくもあり儚く硝子細工の様なメロディをあずささんが歌うと思うと今から鳥肌が立ちますね」

あずさ「あらあら〜」

P「正直、このMy songって言う曲はシロップの曲の中でも異質だったりするんです。ただ、数多くある曲の中でも間違いなく名曲で……だからこそ誰かに歌って欲しいとそこはかとなく願ってた曲でもあるんです」

あずさ「思い入れがあるんですね〜」

P「そうですね……だから嬉しいです。よろしくお願いしますね?」

あずさ「ふふふ、頑張っちゃいますよ〜」

ガチャ

P「ふぅ……だいぶ中身が詰まって来たな」

小鳥「どういう感じですか?」

P「貴音が月になってであずささんがMy songです」

小鳥「わぁ!想像しただけで鳥肌立ちますね」

P「俺もですよ!いや〜俄然楽しみになって来ましたね」

小鳥「早く完成したの聴きたいなぁ……次は誰と面談します?」

P「えっと……まず雪歩が空いてて次に伊織、亜美真美って感じかな?」

小鳥「伊織ちゃん亜美ちゃん真美ちゃんは読めない三人ですねぇ」

P「だから楽しみでもありますけどね」

コンッコンッ

P「どうぞ」

雪歩「し、失礼しますぅ!は、萩原雪歩と申しますぅ」ペコッ

P「雪歩……それ、あずささんがやったぞ」

雪歩「え、なんの事ですか!?なんか分からないけど穴掘って埋まってますぅ」

P「ちょ、ちょっと待て!って言うかお前はネタじゃなくてマジでやったのか……」

雪歩「私みたいなひんそーでちんちくりんは穴掘って一生埋まってれば良いんですぅ!さっきも君は死んだ方がいいって歌われましたから」グスン

P「いやいやいや!真に受けるなよ!って言うかさっきまで聴いてたのかって言うか穴掘るなッ!!!」

雪歩「すいませんでした……」

P「はぁ……なんか疲れた……さて、シロップ随分聴き込んでるんだな?」

雪歩「そ、その詞が凄く好きで……」

P「けっこう厳しい事やキツイ事を歌ってるけどそれでもか?」

雪歩「確かにちょっとドキッてしたりチクリと痛くなるようなフレーズもありましたけどとにかく綺麗で優しくて」

P「なるほどな……確かに人間の姿ありのままを描いてるだけにその潔さが美しいとも言えるし精神状態がその曲にリンクしてたりするととてつもなく優しく感じる事もある」

P「詩を書く雪歩だからそれを敏感に感じたと考えると面白いな」

雪歩「へ、変じゃないですか?」

P「別に変じゃないさ!ところで雪歩が一番好きな曲を教えてくれないか?難しかったら歌詞だけでもいいぞ」

雪歩「えっと……(I'm not)by youも良かったしイマジンも好きだし……」

P「カップリングまで聴き込んでるとはなかなかハマってるな……しかもどっちも間違いなく名曲だ」

雪歩「あ、でも……Are you hollow?が一番好きかも」

落ちない飛行機で
君の街まで飛んで
行けたなら 行けたなら

無意識の闇から
君の姿を引きずり
出せたのに 出せたのに

Are you hollow?

Are you hollow?/syrup16g

雪歩にアナルバイユーされたい

P「ほう、Are you hollow?か……綺麗な曲を選んだな?」

雪歩「大した理由はないんですぅ……だけど、なんか胸に染みて」

P「そういう感覚は大事だと思うぞ」

雪歩「とにかく綺麗で歌詞も儚くて好きなんですぅ」

P「よっぽど気に入ってんだな?」

雪歩「はい!だ、だけど私なんかが歌ってファンの方に怒られないかな……」

P「曲調が雪歩に合ってると思うし雪歩なら歌いこなせるよ」

雪歩「は、はい!頑張りますぅ」

P「プロデューサーとしてファンとして期待してるぞ」

———
——


P「悪い悪い!急な電話が入ってな」

伊織「私を待たせるなんていい度胸じゃない?」

P「悪かったって……さて、さっそくだが聴いたか?」

伊織「一応、聴いたわ。でもダメね!あんなに暗い音楽を聴く人の気がしれないわ」

P「じゃあ好きな曲とかは……ない、か?」

伊織「まぁ、何曲かマシな曲はあったけど……」

P「例えば?」

伊織「さくらとか来週のヒーローとかエビセンとかセンチメンタルとか遊体離脱とかパッチワークとかハミングバードとか」

P「めっちゃあるじゃん……」

伊織「なによ……別に良いでしょ!」

P「いや、さすがだよ!そこまで聴き込んでちゃんと勉強してくるなんてな……さすが伊織だ」

伊織「にひひ♪水瀬伊織ちゃんをなめたらダメよ」

P「(ちょろいな)それで好きな曲とか歌いたい曲の検討はつけてるか?」

伊織「そうね……スーパーアイドルの私が歌うんだから出来るだけカワイイ曲が良いから……」

P「カワイイ曲?皿宇宙人?バニラ?……いや、それはないか……第一未発表曲だしな……」

伊織「ex.人間が歌いたいかな」

きてるねぇ やってるねぇ
のってるねぇ いってるねぇ

急いでるしわかってるんだ
三つ数えりゃ消える

ex.人間/syrup16g

P「い、いや確かにPVの雰囲気とかカワイイけども……」

伊織「なによ……ダメなわけ?」

P「いや、お前が歌いたいんならそれが一番だな」

伊織「じゃあ、もういい?」

P「ああ、ありがとう」

ガチャ バタンッ

P「ex.人間か……意外だったな……でも意外と伊織に歌詞がリンクしてるかもな」

P「自分を通すところだったり周りへの些細だけど本当に有り難い気づかいとか」

P「しかし、伊織が歌うとなるとアレンジが必要かなぁ……」

P「まぁ、それはおいおい考えるか」

P「次は亜美か……えっと、亜美と真美が終わったら千早と春香か」

P「竜宮としても一曲足した方が良いのかな……うーん」

コンッコンッ

P「どうぞ」

亜美「どうも、また来ちゃいました。いやぁかみさんがうるさくてねぇ」

P「なんで刑事コロンボ?」

亜美「バレちゃいましたか!さっすが兄ちゃんですなぁ」

P「つかなんでお前が刑事コロンボしってんの?」

亜美「ピヨちゃんとさっき一緒に見てたんだ」

P「あの鳥、仕事してねぇのか……律子にチクリメールっと」

亜美「うわぁ、兄ちゃんチクリ魔かYO」

P「ところでお前聴いたか?」

亜美「まぁ、なんとなく?」

P「なんとなくって……まぁ、いいや……印象は?」

亜美「んー…なんかジメ〜っとしてたかなぁ〜」

P「うっ……なんか俺の事を言われてる気分になるな……」

亜美「それは目星ってヤツですな?」

P「もしかして図星?」

亜美「……や、やだな〜亜美なりの高度なボケだよ〜」

P「ボケだとしても……9点」

亜美「兄ちゃん厳しすぎだよ……」

P「そんな事より歌いたい曲に検討つけたか?」

亜美「うーん」

P「歌詞が気に入ってるとかそんなんでも良いぞ」

亜美「うーん……生活」

P「なんで?」

亜美「うーん……なんでと聞かれましても……」

P「もしかして適当に選んだか?怒らないから言ってみ?」

亜美「そういうわけじゃないけど……なんとなくなんだよねー」

P「なんとなくか……いや、悪い事じゃないぞ」

亜美「まぁ、かっこいいってのもあるし亜美もそろそろそういう年頃じゃないですかー」

P「どういう年頃だよ……まぁ、ファンの間でも人気が高いし良い選曲だな」

亜美「もう終わり?」

P「おう!あ、真美いたら呼んできてくれ」

亜美「了解!」ガチャ バタンッ

コンッコンッ

P「どうぞ」

ガチャ

真美「失礼する!……この状況、場所、時間帯」

P「いきなりなんだよ」

真美「私の灰色の脳細胞が活動を始めた!」

P「なんで名探偵ポワロ?」

真美「さっすが兄ちゃん!なかなか知識が豊肥ですなぁ」

P「豊富、な……もしかしてまた音無さんが見てたのか?」

真美「うん、なんか面白くて真美も見ちゃったよ」

P「あの人、何歳だよ……って言うかコロンボといいポワロといい渋すぎんだろ」

P「まぁ、いいや……聴いたか?」

真美「ちゃんと聴いたZE!」

P「ほうほう、じゃあ……HELL-SEEの6曲目は?」

真美「うっ……えっと……あっと」

P「I'm 劣性な」

真美「あぅぅ……」

P「まぁ、今のちょっと意地悪しただけだ」

真美「あなた様はいけずです」

P「貴音の真似か」

真美「似てたっしょ?」

P「うん、めちゃくちゃ」

真美「んっふっふ〜♪あまり真美を嘗めないで欲しいのだよ」

P「そんなのはどうでも良いんだよ!歌いたい曲とか検討つけたか?」

真美「どうでも良いって……兄ちゃん酷いよ……」

P「悪かった」

真美「真美的には翌日が歌いたいかな」

P「切り替えが早いな……して翌日?その心は」

真美「うーん……爽やかだしなんか良いんだよね」

P「抽象的だな……まぁ、良いと思うぞ?正直、亜美と真美はひねくれた感じでくると思ったが案外正統派な選曲でビックリしたわ」

真美「まぁ、こういうのはフィーリングが一番っしょ」

P「確かにそうだが……なんかむかつくな……この前のパンツ事件のこと律子にチクるか」

真美「兄ちゃんそれは酷いよ!」

P「冗談だよ」

急いで人ごみに染まって
あきらめない方が
奇跡にもっと近づく様に

翌日/syrup16g


真美「だいぶ詰まってきた感じ?」

P「あとはやよいと春香と千早だけだな」

真美「ほうほう、いよいよ形になりそうな感じですな」

P「いやいや、まだまだレコーディングとかあるしな」

真美「ふむふむ、まぁがむばりたまへよ」

P「なんか偉そうだな……まぁ、頑張るけど……それよりもう帰って良いんだぞ?」

真美「え?あ、うん……ちょっと……まぁ、良いじゃないですか」

P「え、あ……そうか」

ガチャ

小鳥「あ、お疲れさまです」

P「仕事しないで刑事コロンボと名探偵ポワロを見ていた音無さんありがとうございます」

小鳥「うっ……誰から聞いたんですか……」

P「双海姉妹が思いっきり影響受けてましたよ」

小鳥「後生ですから律子さんには言わないで……」

P「そのDVD貸してくれたら言いませんよ」

小鳥「も、もちろん貸しますよ!いや、むしろ家に見に来ませんか?お酒を飲みながら」

P「じゃあ、このカバーアルバム完成の打ち上げを兼ねますか!」

小鳥「え!?ほ、本当にうちに来てくれるんですか!!」

P「ダメですか?」

小鳥「よ、喜んで!!」

P「さてと……次はやよいで千早、春香って感じか」

小鳥「こう見てみればみんな本当に十人十色と言いますか……」

P「その上、心の奥深くに潜んでる思いを暴いてると言いますか」

小鳥「メッセージが真っ直ぐですから隠しようがないみたいな感じもありますね」

P「シロップファンにも765プロファンにも喜んでいただけるようにやるしかないですな」

小鳥「がんばってください!そして、私に一番に聴かせてくださいね?」

P「まぁ、協力してもらってるしそれくらいなら良しとしましょう」

コンッコンッ

P「入っていいぞ」

ガチャ

やよい「うっうー♪よろしくお願いします」

P「おう、よろしくな?座ってくれ」

やよい「よいしょ」

P「やよいはけっこう聴いてるみたいだな?たまに鼻唄をうたってるが」

やよい「家でも寝る前とかに聴いてますよ!」

P「なんというか……暗い曲もけっこうあるが」

やよい「うーん……曲が綺麗なのでそんな感じしなかったかなーって……それに難しい事もけっこう言ってて」

P「アハハ、やよいにはちょっと難しかったか」

P「なんか気に入った曲はあったか?」

やよい「うーん……いっぱいありますけど……うるせぇてめぇ メェーとか君は死んだ方がいいとか」

P「う……やよいからそんな言葉を聞くとは……な、なかでも一番気に入った曲は?」

やよい「えっと、タイトルは読めなかったですけど」

P「鼻唄でもいいから歌ってくれればわかるぞ」

やよい「えっと……そのマッチを一本する度に〜ってヤツです」

P「(This is not just)Song for meか」

爪先で蹴飛ばして
石コロ転がして
昨日 覚えたばかりの
歌を口ずさんで
家に帰る

(This is not just)Song for me/syrup16g

P「なんでか理由を訊いていいか?」

やよい「なんか歌ってると楽しいって言うのとは違うけど哀しいわけでもない不思議な気持ちになるんです」

P「なるほど」

やよい「だからちゃんと歌ってみたいかなーって」

P「確かに、シロップの中でも稀な妙な暖かみのある曲だからやよいに似合うと思うよ」

やよい「本当ですか?」

P「ああ」

やよい「うっうー♪嬉しいです」

P「よし、やよいは(This is not just)Song for meで決定っと……次は千早か……楽しみだが妙な不安もあるな」

P「千早、いるか?」

千早「…………」

P「千早?」トントン

千早「あ、すいません」

P「シロップ聴いてたのか?」

千早「はい、あまりこういうロックバンドと言うのは馴染みがなかったのだけれど気に入りました」

P「それは良かった」

千早「痛みや寂しさ、葛藤がリアルに生々しく歌われてて……だけど、いや……だからこそ救われる様な思いがして……メロディもとても美しくてボーカリストの歌声も凄くマッチしてますし」

P「よく聴き込んでくれてるな!なんだか我が事の様に嬉しいよ」

千早「実は歌わせて欲しい曲があるんですけど」

P「おう、なんだ?」

千早「Rebornです」

P「その言葉を待っていた!」

千早「え?どういう事ですか?」

P「実はこの企画をもらってシロップにしようと決めた時にもし千早がRebornを歌いたいと言ってくれたならメインに据えようと思っていたんだ」

千早「そうなんですか?確かに、はじめてRebornを聴いた時に私の中でこの曲を歌いたいと言う欲求が出ましたが」

P「ファンのみならず五十嵐隆と言う人間が作り出す世界観に馴染めなくとも必ず聞き入ってしまうほどの名曲だからな」

千早「確かにこれほど素晴らしい曲はあまり知りませんね……」

P「それだけに他人が歌うのが難しい曲でもある……Mr.Childrenの桜井さんがバンクバンドでカバーしたんだがミスチルに好意的なシロップファンでさえ"やはり五十嵐の曲はシロップじゃないと"と言う意見を出すくらいだ」

千早「……プレッシャーが」

P「だからこそ千早に挑戦して欲しいんだ……正直、シロップの曲をカバーする事自体難しい事ではある……シロップの持つカラーは五十嵐を軸に繊細で絶妙で濁ってて美しい……とても簡単に出せるものじゃない」

P「それでもシロップの良さや存在を別の形で世に知らせる!それだけじゃなくてアイドルの影をシロップと言う媒体を通して晒す事でファンにも新しい一面や親近感を魅せる事ができると思うんだ」

千早「ふふ、プロデューサー必死過ぎですよ」

P「あ、すまん……熱くなりすぎた」

千早「だけどプロデューサーの言うことはわかります……だから、私たちも気合いを入れて歌います」

P「正直、千早のレコーディングが一番難しいと思うがよろしく頼むな」

千早「はい、がんばります」

P「よし、最後は春香だな」

ガチャ

春香「あ、プロデューサーさん」

P「どうした?隈ができてるぞ」

春香「実は探してたブラックサウンドが届いたので見てたら朝になっちゃってて……まったく寝てないんです」

P「買ったのか!?言ってくれれば貸したのに……ってかプレミアついてて高かっただろ」

春香「頑張っちゃいましたよ!おかげで凄く良い思いをしましたね……生でもみたいなぁ」

P「残念ながら解散してるんだよな……一夜限りの復活を果たしたがそのライブも終わったし」

春香「もっと早く知りたかったなぁ……」

P「今度、ラストライブのDVD貸してやるよ!泣けるぜ……」

春香「楽しみにしてますよ!」

P「さてと、春香で最後だしさっそく聴くが何を歌いたい?」

春香「実はブラックサウンド見ながらじっくり考えたんですけど……私、夢を歌いたいです」

P「夢!?マジか?」

春香「はい」

どうしてみんな そんなに
自由なんて欲しがる
悲しいくらいに
満たされたこの世界で

夢/syrup16g

P「救いなんて生やさしい事とは無関係と言っていい曲だぞ」

春香「私、はじめて夢を聴いた時に衝撃を受けました……こんな事を歌ってもいいんだって」

P「確かに、俺も夢を聴いた時は衝撃を受けた」

春香「それだけじゃなくて私が必死に隠してた事を完璧に代弁してくれてるんですよ」

P「どういう事だ?」

春香「私の夢ってアイドルになる事でその夢はプロデューサーさんのおかげで叶いました……もちろん喜びもあったけど同時に喪失感と言うか虚脱感もあったんです」

P「そうなのか」

春香「それだけじゃなくて私がアイドルになったことで変わった周りの目や友達……なんとなく当たり前の日常と言うものが失われていくのがわかって……」

P「そうか……叶えてしまった夢と夢を叶えた事での周りからの好奇の目に悩んでたのか」

春香「今は違いますよ?事務所のみんなのおかげで変わりました……だけど、一時期はどうしようもない空しさが支配して」

P「まんま、夢の歌詞みたいになったわけか」

春香「今は変わってそんな思いはなくなりましたけど……夢を聴いた時にその時の心情を思い出して……泣いちゃいました」

P「共感と言う言葉は好きじゃないが共感した時にどうしようもなく染み渡るのがシロップだからな」

有名アイドルが夢を歌うなんてなんて皮肉

春香「私が抱えた闇みたいなものも知って欲しくて……それは独りよがりなのかもしれないけどその闇も確かに私だから」

P「うん……俺が考えたいた事もそうなんだ……一見明るく見えるアイドルと言う存在も間違いなく人間だから闇を抱えていてそれを吐露する事で誰かが救われるかもしれない……俺な音無さんがシロップに救われたようにさ」

春香「だから、どんなに私のイメージとかけ離れていてもこの曲を歌いたいんです」

P「よし、わかった!歌おう!俺も春香の思いを聞いて尚更気合いが入った!!良いアルバムにするぞ」

春香「はい!!」

—— 1ヶ月後


あの765プロダクションがカルト的人気のある"あの"バンドのカバーアルバムを発売!

765Production presents
syrup16g cover album
 【she was beautiful】

1.実弾(Nothing's gonna syrup us now)/菊地真

2.無効の日/我那覇響

3.生活/双海亜美

4.ex.人間/水瀬伊織

5.Re born/如月千早

6.翌日/双海真美

7.Your eyes closed /星井美希

8.My song/三浦あずさ

9.月になって/四条貴音

10.Are you hollow?/萩原雪歩

11.夢/天海春香

12.(This is not just)Song for me/高槻やよい

13.パレード/765 Allstars

P「やっとか……感慨深いな……」

小鳥「ついに形になりましたね」

P「ええ、俺の勝手ではありますが形に出来て本当に良かったです……あとはファンがどう受け取るかですね」

小鳥「それはわかりません……だけど、彼女たちは自分の思いを込めて素敵に歌ってくれてますから作品として間違いないでしょう」

P「そうですね……この作品、五十嵐にも届くかなぁ」

小鳥「届いてくれたら嬉しいですね……それでまた生還してくれたら……」

P「まぁ、それはファンのエゴとも言えます……それに俺たちはみんなが素晴らしい曲を素敵に歌い上げて良い作品にした事を喜びましょう」


たくさんの歌
たくさんの想い出が
イマジネーション
体を突き抜けてく
あなたの帰る場所はあるから
イマジネーション
名前を呼んでくれ
どんなに遠くても
迎えにいくよ
いつまでも いつまでも
いつまでも

イマジネーション/syrup16g

終わりです。シロップ好きが暴走してしまいました本当にすいませんでした

酩酊Pの人か
シロップ愛を感じて良かった

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月29日 (木) 00:00:59   ID: WMkSX2i8

立場上無理なんだろうが、もしりっちゃんも参加するならぜひリアルをカバーしてほしい

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