【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」part2 (729)

前スレ:【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」
【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411489771

新スレ乙です

乙です
こっちのがいいかも
【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」 - SSまとめ速報
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前スレのURLこっちのが良いかな
【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1393955435/)

今回>>1で携帯のURLを貼り付けてしまったのは…私の責任です…
勢いに任せて書いたから…アホだから…
このPS2仮面ライダーカブトはお返しします…

ついにラウラの闇を正体を明かし妹にした兄貴!!
つかの間の地獄を味わう兄貴達の影で不穏な動きを見せるは天才化学者篠ノ之 束!その傍に立つは天の道を往き、総てを司る男…
今後にご期待です!!


>>1新スレ乙!!

ふむ

待ってる

ラウラが地獄兄妹入りしてとりあえず箒以外のメンバーは全員揃ったことだし、
誰か地獄スタイルVerのセシ、鈴、シャル、ラウラのイラスト描いてくんねーかな?(チラッ

スレ立て乙です!

>>9バカ野郎、簪ちゃんがまだだろうが

そういえばガチ妹がいたな
ただ天道さん協力者なのにISが微妙スペックなのはなぜだろうか

俺TUEEEEEEモノの宿命だけど
読む側がどうしても主人公マンセーになるよね

カブト見たことない人かな

兄貴が主人公……いいなそれ、そんな仮面ライダー見てみたい

ああ、理不尽な理由でヒロインたちにボコボコにされるガタックの姿が簡単に想像できてしまう…

ウンメイノー

それにしても
緑、紅、ブルー、赤紫?、オレンジ、黒っぽいの、水色
戦隊にしては微妙なカラーリング

仮面ライダーカブトレビュー
今週のカブト
http://yabou-karakuri.sakura.ne.jp/diary/hanpera/ryuuki/kabutotop.htm

>>6
いや、その必要はない。それでいいんだ。自分の弱さを確認した今、君は本物になった。兄貴を讃えるのにふさわしい男にな


─第5話─


~矢車さんの部屋~

矢車「………zzz」

モゾ… モゾ…

矢車(……ん?)

モゾ… モゾ…

矢車「………」

矢車(……布団の中に、何かが居る…)

モゾ…

矢車「………」スッ…

ガバァッ!


ラウラ(キャスト・オフ)「……zzz」


矢車「……ラウラ…?」

ラウラ(キャスト・オフ)「んっ?」ピクッ

矢車「………」

ラウラ(キャスト・オフ)「……おう、おはよう。兄上…」ムニャ

矢車「……何してんだ?お前…」

ラウラ(キャスト・オフ)「何とは何だ……添い寝だ。
        日本の仲睦まじい兄弟は、こうして時折、一緒の布団に入って寝ると聞いてな」

矢車「……そうか…」

ラウラ(キャスト・オフ)「うむ、そうだ」

矢車「………」

矢車(……何で裸なんだ?)


矢車「……はぁー…まぁいい…
   ラウラ、何時までもそんな格好してたら、風邪引くぞ」

ラウラ(キャスト・オフ)「何、心配する事はない。
        この程度の室温で風邪を引く程、ヤワな身体はしてないさ」

ラウラ(キャスト・オフ)「……私は、そういう風に作られたのだからな…」

矢車「………」

ラウラ(キャスト・オフ)「………」

矢車「……ちょっと待ってろ…」ガバッ

スタスタ…

ラウラ(キャスト・オフ)「……兄上…?」

矢車(確かこの辺に…)ガサゴソ ガサゴソ

ガサッ

矢車(……あった…)

矢車「ほれ、ラウラ。これ着ろ」ポイッ

バサッ

ラウラ(キャスト・オフ)「……こ…これは…」

矢車「………」

プットオン

ハイパーキャストオフ

これでラウラも地獄スタイルか

ラウラもついに千冬にシバかれる日が来たか…



───

~ラウラ着替え後~

ラウラ(地獄スタイル)「……こ…これが……闇世界の住人のみが着る事を許されるという、黒の装束…」

矢車「………」

ラウラ(地獄スタイル)「ど…どうだ兄上?私のこの姿は…」

矢車「……フッ…似合ってるぜ、相棒…」

ラウラ(地獄スタイル)「そ…そうか…。似合っているか……」パァー…

矢車「……あぁ…。これでお前も、俺と同じ闇を共に味わう事が出来る…」

ラウラ(地獄スタイル)「う…うむ!」

矢車「……さて、そろそろ行くか…」

ラウラ(地獄スタイル)「あ…兄上?……行くとは、何処へ?」

矢車「……朝飯だ、お前も付いて来い」

ラウラ(地獄スタイル)「は…はぁ…」

最終的に兄貴の相棒は何人になるんだろう

今のところ影山に近い感じなのはラウラだけど…大穴で千冬ちゃんが参戦しそうよね。まぁモップは地獄行きしないと思うww

闇の濃い順だと妾の子>眼帯>(本当の闇の壁)>イギリス>その他なのか?
弟に匹敵する闇持ちが少ないなぁ……

最終的には兄貴より深い闇だもの。兄貴が慰めることも出来ずに楽にしてやったほどの

ところで一夏は

一夏は幼少期に親に捨てられ
ずっと姉と共に過ごし
拉致られて姉の名前に泥を塗ってしまった
そんな男
正直作者のせいであらぬ汚名を被せられているだけでハーレム路線じゃなかったらちゃんと主人公していたはず

一応中華は両親の離婚という一般的な闇(?)を抱えていますがそれは…

鈴が作中で明かした心の闇
・親が離婚した
・幼なじみが別人みたくグレてた
・一人だけクラスが違うから出番に恵まれない

うん、立派な闇だな

3番目はボディブローのようにじわじわ滲み広がる闇だな

メタな発言は止めろ…
中の人もラジオで嘆いていたwwww

確かこのへんにって…まさか影山の上着なのか

兄貴だって寝てる時まで地獄スタイルじゃないだろうし兄貴のじゃないかな

中華とモップは影が薄いね

自分モップ好きやで……なんか若くていい
中華もいい味出してるよ

中華もいい味出してるって料理の話みたいだな
天道も出てきたし料理対決をする可能性が微レ存?

これはセシリアの料理を食べた天道がぶちギレか、加賀美パパンの「豚の餌」待った無し

天道の料理で豚の餌なんだからセシリアの異界料理なんてもう

絶命して何も言えないに2000ガバス

カガーミンが食わされてファーっと魂抜ける画が浮かんだww

加賀美「俺こんな不味い鯖味噌食ったの初めてだよ」

???「辛味噌だと!?」ガタッ

( 0w0)<ウェッ?

ヒノエージ版もきてるな

>>50
詳細を教えなさい…

正直スレチだから出来るだけ自重してくれよ
火野映司「IS学園…ですか?」鴻上光生「その通りッ!」 - SSまとめ速報
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(。・ω・。)(。・ω・。)


~屋上~


鈴「で、コイツも一緒に連れてきたって訳と…」

矢車「……あぁ…」

ラウラ「………」

セシリア「お兄様…いくら何でも彼女を招き入れるのは…」

矢車「……虫が良すぎる…ってか?」

セシリア「そ…そこまでは仰いませんが…」

シャル「………」

鈴「……アンタ、確か前にこう言ったわよね?
  “お前達のような虫けら共と馴れ合うなど、考えただけでも虫酸が走る”って…」

ラウラ「………」

鈴「それが何?今になって地獄兄妹の一員になりたいだなんて…
  いくら想がアンタの事を認めたからって…そんな話、私は納得出来ないわよ」

ラウラ「………」

シャル「……鈴…」



ラウラ「……確か…鈴と、セシリアだったな?」

鈴「……何よ?」

ラウラ「………」スッ

ラウラ「……済まなかった」ペコッ

セシリア「えっ…?」

鈴「………」

ラウラ「……あの頃の私は、ただひたすらに兄上の事を恨み、蔑み……自分の正当性を信じて疑わなかった…」

ラウラ「しかし…それは単なる私の思い上がりだったのだと、私は…織斑教官と兄上に気付かされたのだ」

鈴「………」

ラウラ「今更お前達に謝ったところで、私の犯した横暴の数々が…許されるとは思っていない。
    だが…せめてケジメだけは付けさせてくれ」

ラウラ「迷惑を掛けて、本当に済まなかった」ペコッ

セシリア「………」

シャル「……あの…こうして本人も反省していることだしさ…ねっ?
    二人とも…もうラウラの事は、認めてあげても…」

ラウラ「………」 


清く澄んで深い闇だなぁ

イクサはお返しします……


鈴「……まぁ、どーせ私が反論したところで
  想がラウラの事を仲間に入れるって決め込んでる以上、私達も…その決定に従わなきゃいけないんでしょ?
  今更コイツに何を言っても無駄だって事は、私も重々承知だし…」

矢車「………」

鈴「そもそも、当事者である想が良いって言ってるんだから
  今更…それを横からどうのこうの言うってのも、野暮ったらしい話だしね」

ラウラ「………」

鈴「まぁ…良いんじゃないの?アンタの好きにすれば」

ラウラ「……認めてくれるのか?この私を…」

セシリア「そうですわね…曲がりなりにも、お兄様が認めた闇をお持ちの方ですし。それに…」

ラウラ「………」

セシリア「……今の貴女の気持ちは、わたくしもよく分かりますから…」

ラウラ「何…?」

セシリア(フフッ…今思い返してみれば、わたくしも…かつてはお兄様の存在を芳しくは思っていなかった身…
     お兄様の心に触れて、考えを改めた彼女の気持ちは…痛い程共感出来ますわ)

鈴「……アンタ、私が地獄兄妹に入るって言った時には散々反対してた癖に…
  今回は、割とあっさり認めるのね…」

セシリア「フフッ…わたくしもお兄様の事を見習って、何者をも受け入れる“寛容な心”という物を身に付けたのですッ!」

セシリア「鈴さんの事も特別に、地獄兄妹の補欠から…正規メンバーへと認めて差し上げますわッ!」ビシィッ

鈴「……寛容な心を持ったところで、その高慢ちきで上から目線な性格は治らなかったようね…」

ラウラ「………」



矢車「……時間だ」スッ

ペリッ


カップ麺『兄貴塩』

カップ麺『妹醤油』


ラウラ「……何だこれは…?」

シャル「知らないの?カップラーメンだよ」

ラウラ「……カップ……ラ・メーン?」

シャル「……ラ・メーンじゃなくて、ラーメンだよラウラ…」

矢車「………」ズルズルズル

鈴(……朝っぱらからカップ麺って…流石にどうかと思うわ…)ズルズルズル

セシリア「いただきますわ」ズルズルズル


鈴「……しっかしまぁ…昨日の今日で色々な事が起こりすぎて、ちょっと脳内の整理が追い付かない状況だわ…」

セシリア「全くですわ…。大会中のISの暴走…ラウラさんの地獄兄妹介入…」

鈴「そして何より…」チラッ

シャル「んっ?」ズルズルズル

鈴「……一番ビックリしたのはアンタの事についてよ
  シャルル……じゃなかった。シャルロット…」

シャル「あ…あはは…」ズルズルズル

矢車「………」

あれ!?
モップがいねえ!!

ラウラアカン、そのキャラ付けは死亡フラグや


~昨日 教室にて~


山田「……えっと…今日も皆さんに、嬉しいお知らせがあります…」

ザッ

シャル「シャルロット・デュノアです。
    改めて……皆さん、よろしくお願いします!」

矢車(……シャルロット…お前…)

生徒「えっ?えっ?どういうこと?」

山田「つまり…デュノアさんは、実は女の子で…」

生徒「えッ!?それってつまり……
   デュノアくんは、今まで男のフリをしていたって事ですか!?」

ザワザワザワ…

シャル「………」

生徒「や…矢車くんは知ってたの!?デュノアくんの正体についてッ!」

矢車「……あぁ…知ってたさ。全てな…
   知った上で、俺はコイツを妹として受け入れたんだ…」

シャル(……お兄ちゃん…)ポッ

生徒「そ…そうなんだ…」

生徒「……あれ?そう言えば昨日って…確か大浴場は男子が貸し切りで使ってたわよねッ!」
生徒「えッ!?じゃあもしかして……
   デュノアくんが、矢車くんと一緒のお風呂に入ったりなんて事が!?」


生徒達『えぇーッ!!』


シャル「あぁ!それは違うんだ!
    お兄ちゃん…昨日は結局、大浴場には来なくて…」

ラウラ「……?何を言ってるんだお前達?
    矢車…もとい兄上は昨晩、私と一緒に“地獄ドラム缶風呂”に入っていたのだぞ」


生徒達『えぇぇーッ!?』


生徒「い…一緒にドラム缶風呂ォーッ!?」

シャル(ぼ…僕も初耳なんだけどッ!!)

生徒「矢車くんそれ本当ッ!?」

矢車「……あぁ、まぁな…」


生徒達『えぇぇーッ!!』


矢車(……一緒にって言っても、入ったのは別々の浴槽だがな…)


生徒「……って言うか、矢車くんの事を兄上って…!?」

セシリア「貴女ッ!いつの間に地獄兄妹の一員に!?」

ラウラ「あぁ…つい先日決まった事だ。
    私と兄上は、同じ風呂の中で互いの本音を語り合い…そして、認め合ったのだ」

ラウラ「日本では、こういうのを“裸の付き合い”と言うらしいな」

セシリア「はッ!ははは裸のッ!!?つっつつつきあぁッ!!?」ガタッ!

セシリア(ラ…ラウラさんがッ!
     ドラム缶製の狭っ苦しい浴槽の中で……お兄様と…一緒に…)クラッ…


セシリア「ゴフッ!!」


バターン!


のほほん「わー!せっしーが卒倒したー!!」



セシリアがラウラの地獄兄妹入りに驚いているのは何でだ?

>>64
投稿する順番を間違えたとか?

ってよく見たら昨日ってあるな

さすがはセシリア、公式でも一番エロイと認定されてる事だけはあるなww
というか、ラウラは間違いなくぼっちゃまのセンスを受け継いでるよな…
その内に金の大切さを知るとか言って、駄菓子屋の親父に喧嘩で負けるなんてことがあるかも知れない

>>67
つまりラウラのショ・ミーン(小学生ランドセル装備)姿が見られるということか!

スタイリッシュに蕎麦屋の服を着こなすラウラも見られるかもしれない…

ラウラのぼっちゃん化か…
色々と妄想が捗るな…


ワー!キャー!セシリアー!!


山田「だッ!大丈夫ですかオルコットさん!?
   どどど…どうしましょう織斑先生ッ!?」

千冬「………」

山田「……織斑先生?」

千冬「………」


───

束『──以上が、ZECT対ワームの壮絶なる戦いの歴史と!そーくんの知られざる過去の全貌でしたー!』

束『えっ?“冗談も程々にしろ”だって…?またまた~!
  ちーちゃんだって…そーくんの件については、薄々と気付いてたんじゃないの~?』

束『まぁ…どーしても信じられないって言うのであれば、
  嫌でも信じられるように、証拠の品々とか送ってあげるからさー!』


───


千冬(……矢車…お前が…まさか…)


山田「織斑先生ッ!」

千冬「──ッ!?」ビクッ

山田「どうしたんですか織斑先生?どこか具合でも…?」

千冬「す…すまん…。少し、考え事をしていただけだ…」

山田「……め、珍しいですね…
   織斑先生が、仕事中にぼーっとするだなんて…」

千冬「……あぁ…済まない…」



生徒「セシリア!セシリアってばぁーッ!」ユサユサ

セシリア「あば……あばば……」ブクブクブク…

生徒「ヤバい!口から泡吹いてるよッ!!」
生徒「は…早く保健室に連れてかないと!」


矢車「……はぁー…全く世話の焼ける…」ガタッ

スタスタ…

セシリア「……あ…あば…」ブクブクブク…

矢車「………」ガシッ

ヒョイ


生徒「おー!矢車くん凄ーい!
   まるで重い荷物を背負い込むかのように、軽々とセシリアの事を持ち上げて…」

シャル「……いや、そこはせめてお姫様抱っことかにしてあげてよ…」


矢車「……担任」

千冬「な…何だ?」ピクッ

矢車「ちょっと、コイツの事を送りに保健室まで行ってくる…」

千冬「……あ、あぁ…。よろしく頼む…」

矢車「………」クルッ

スタスタ…


矢車「……おら、しっかりしろセシリア」ユサユサ

セシリア「……あば…ば…」ブクブク…


千冬「………」

千冬(……やはり、ニワカには信じられん話だ…)




───

──




セシリア(……あの時は、急に目の前が真っ暗になって…
     本当に、一時はどうなる事かと思いましたわ…)


シャル「ごめんね…。今まで、皆を騙すような事をしてて…」

鈴「何、別に気にしちゃいないわよ。
  アンタにも、色々と事情ってモンがあったんでしょ?」

シャル「……うん。まぁ…」

鈴「なら、それはそれで仕方のない話じゃない」

シャル「……鈴…」

鈴「腹にイチモツ抱えているのは誰でも一緒。
  特にここの面子は、そういう奴らの集まりなんだからさ…
  アンタの正体が何であれ、私達はアンタの事を拒絶したりなんかしないわよ」

シャル「……うん。ありがとう、鈴…」

腹にイチモツ・・・湊さん・・・うっ!

シャルは影山っぽいし、ラウラはぼっちゃまっぽくて、なんかメンツ揃った気がするなww
そして、ここまでまともに出番のないモップががががwwwwww


シャル(……やっぱり、皆に僕の秘密を打ち明けて良かったな。
    こうして鈴達も受け入れてくれたし…)

シャル「………」

シャル(……ただ…)チラッ


矢車「どうだラウラ?カップ麺の味は…」

ラウラ「うむ。簡易食にしては中々の美味だ」ズルズルズル

ラウラ「最も、兄上の作る地獄の麻婆トゥーフーには、遠く及ばないがな」モグモグモグ

矢車「……そうか…」ズルズルズル


シャル「………」

シャル(ただ…そのせいでお兄ちゃんとは別々の部屋になっちゃったのが、ちょっと残念だったな…)

シャル「………」

シャル(……よし!思い切って誘っちゃおう!)

シャル「……お兄ちゃん、ちょっと…」チョイチョイ

矢車「あっ?」ヌッ

シャル(部屋が別々になった以上、
    もうこれが…お兄ちゃんの事を独占出来る、最後の機会になるかもしれないし…)

シャル「あのさ…」ゴニョゴニョ

矢車「……何?」ピクッ

シャル「………」

矢車「……買い物に付き合え…だと?」

シャル「……うん」

兄貴が買い物だなんて…眩しすぎる

ここの兄貴は本編で惚れた人に吹き飛ばされたとは思えないほど女に恵まれてる

しかし兄貴自身が妹達に恋愛感情を抱いてないっぽいのがまた


鈴(……アイツら何話してんのかしら…?)ズルズルズル

セシリア「……そう言えば…」キョロキョロ

鈴「んっ?」

セシリア「先程から箒さんの姿が見えませんが、彼女はいらしてないのですか?」

鈴「あぁ。アイツ、何だか今日は体調が悪いみたいでさ。
  考え事してたら頭痛くなったんだって」

セシリア「……まぁ…それはお気の毒に…」



~それから暫くして 駅前~


矢車「で、一体何を買いに行くんだ?」

シャル「うん。今日はちょっと、臨海学校で使う水着をね…」

矢車「……水着?」

シャル「僕、男のフリをしてIS学園に転校して来たでしょ?
    だから、流石にプライベートで使うような水着までは、持って来てなかったんだ」

矢車「……そうか…」

シャル「そういうお兄ちゃんは、何か買いたい物とかないの?
    何かあるんなら一緒に見に行こ!僕も付き合うよ!」

矢車「……いや、俺はいい…」

シャル「えっ?」

矢車「……水着だったな?とっとと見に行くぞ…」クルッ

スタスタ…

シャル「あっ、待ってお兄ちゃん!」スタスタ


矢車「………」スタスタ…

シャル「………」スタスタ…

矢車「………」スタスタ…

シャル「……あ…あのさ、お兄ちゃん…」

矢車「あっ?」クルッ

シャル「……ううん、何でもない…」

矢車「……そうか…」クルッ

スタスタ…

シャル(……やっぱり、無理言って買い物に付き合わせた事…迷惑に思ってるのかな?
    お兄ちゃん…人混みの中とか苦手そうだし…)

シャル(僕から誘った事だけど…
    内心嫌だとか思われてたら、どうしよう…)

シャル(……早く帰りたいとか、思ってたりして…)

シャル「……うっ…」ショボーン…

矢車「……シャルロット…?」

シャル「………」

矢車(……はぁー…。何勝手にショボくれてんだか、コイツ…)

矢車「シャルロット、手ェ貸せ」スッ

シャル「……えっ?」

ギュッ

シャル「お…お兄ちゃん…?」

シャル(お兄ちゃんが…僕の手を握って…!)

矢車「……買い物が終わったら、飯屋にでも連れてってやる…」

シャル「えっ?」

矢車「その後は、まぁ……お前の行きたい所へなら、何処へでも付き合ってやるさ…」

シャル「ほ…本当に!?」

矢車「あぁ。他でもない相棒の頼みだしな…
   今日1日くらい、お前の気が済むまで、好きなだけお前に付き合ってやる」

シャル「……あ…ありがとう!お兄ちゃん!」

矢車「……礼なんていいから、とっとと行くぞ」クルッ

シャル「うん!行こ!」タッ

スタスタスタ…


矢車「………」

矢車(……臨海学校、か…)

お前の行きたい所へなら、何処へでも付き合ってやるさ(意味深

兄貴は基本的に、女性には優しいんだよな
ウカ姐さんにはフラれた挙句にブッ飛ばされたけど

海っていうと泳ぐワームはいなかったな。海老とかゲンゴロウがモデルのやつとか出せばよかったのに

一応ドレイクは水中戦できたんだっけ

ヤゴが水棲だからねー
ゴンでるといいなゴン


~駅前の物陰~


鈴「……アイツらのこと尾行しといて、正解だったわね。セシリア…」

セシリア「えぇ。全くですわ…」

セシリア(……シャルル…もといシャルロットさん…
     この地獄兄妹長女、セシリア・オルコットを差し置いて堂々と抜け駆けとは…良い度胸ですわね…)ジェラシットォー…


矢車「………」スタスタ…


鈴「んっ?どうやら奴ら、移動し始めたみたいね…」ヌッ

セシリア「こうしてはいられませんわ!
     わたくし達も、お兄様達の後を追い掛けますわよ!」ダッ

鈴「合点ッ!」ダッ

タッ タッ タッ タッ

セシリア(見失わないように、極力人混みを避けて慎重に走らなければ…)タッ タッ タッ タッ


──「んっ?」ヌッ

セシリア「あッ!」

セシリア(そんな!物陰から人がッ!)


ドーンッ!




──「おっ!?」グラッ

セシリア「きゃっ!!」ペターン

セシリア(…あ…あいたたた~…)ヒリヒリ

──「これは失礼!お怪我はありませんか?」

セシリア「え…えぇ。大丈夫ですわ…」

──「そうですか!それは何より…」スッ

セシリア「……?」

──「お手をどうぞ」

セシリア「……えっ?…あ、ありがとうございますわ…」パシッ

グイッ

セシリア「……こちらの方こそ申し訳ございませんでした…
     今のは、急に走り出してぶつかったわたくしに非がありますわ…」

──「あっ…いえ、どうぞお気になさらずに…」


鈴「もー何やってんのよセシリア!置いてくわよー!」


セシリア「しょ…少々お待ちをー!」

──「………」

セシリア「では…わたくしも先を急ぐ身でありますので、これにて失礼致しますわ」ペコッ

──「……はい…」


セシリア(……さて!)クルッ

セシリア「鈴さーん!只今そちらに参りますわー!」ダッ

鈴「バカッ!もうちょっと小さい声で喋りなさいよー!尾行がバレちゃうでしょーがーッ!」

タッ タッ タッ タッ




──「………」ボー

ゴン「……どうしたの大介?急にぼーっとしちゃって」

──「……美しい…」

ゴン「えっ?」

風間「何て美しいお方なんだ…!」パァー

ゴン「………」

風間「こうしてはいられん!ゴンッ!あの方の後を追うぞッ!
   あんな絶世の美女…そう易々と御目に掛かれるものではないッ!」ダッ

タッ タッ タッ タッ

ゴン(……あーあ、また始まった…。大介のナンパ癖が…)

風間「何ぼーっとしてるんだゴン!置いてくぞッ!」

ゴン「……はいはい…」スタスタ…

鈴達に紛れて矢車さん達を監視する謎の男の図
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5360025.jpg

ナズェミテルンディス!?

(本編で最終的にはぶられた)風間参戦か

ドレイクは劇場版での扱いは散々だったけど、本編では美味しい所ばかり持って行ったよなww
中の人のスケジュールが撮影に合わなかったのもあるけど

>>94
風間回は面白い話ばっかだったな。
V3(Version3)役もやってて「あっ」と思ったわ。
あの映画、アクションとスーツはクソかっこよかったが…

ゴンがいる! ゴンゴンゴーン! ゆりこー!

映画ではひよりとカガーミンの関係の描写がよかったと思う

ゴンかわいいよゴン

だいたいどのくらいレスないと落ちるんだっけ

二ヶ月ちょっと
まだ一週間も経ってないんだから焦んなよ

スレに作者の投稿が無ければ二ヶ月
レスそのものが無ければ一ヶ月

ここ最近は頻繁に投下してたからなぁ…
以前は3週間近く空けた事もあったし、楽しみに待っていよう



~ショッピングモール~


鈴「………」チラッ

セシリア「………」チラッ



シャル「そう言えば…お兄ちゃんって、自分の水着はちゃんと持ってるの?」

矢車「……さぁな、どうだったか…」

シャル「そっか。何なら僕の水着を見に行くついでに、お兄ちゃんの水着も一緒に見に行かない?」

矢車「……水着、か…」



鈴「……成る程…。アイツら、臨海学校用の水着を買いに行く訳ね…」

セシリア「シャルロットさんったら……何てアピールポイントの高い事を…!」


トントン

セシリア「えっ?」クルッ


風間「やあ、また御会いしましたね!」ニコッ


セシリア「えっ?……あ、どうも…」

鈴「……セシリア、誰よコイツ…?」ヒソヒソ

セシリア「あっ、いえ……先程、わたくしの不注意でぶつかってしまった殿方ですわ…
     特にどうという関係では…」ヒソヒソ

鈴「ふーん…」チラッ

風間「んっ?」ニコッ

鈴(……背中にギターケース…)チラッ

ゴン「………」

鈴(……左手に女の子…)

鈴「………」

鈴(……何なのよコイツ…怪し過ぎるんだけど…)



風間「申し遅れました。わたくし、花から花へと渡る風…
   流離いのメイクアップアーティスト、風間大介と申します!」ニコッ

セシリア「は…はぁ…」

鈴(……メイクアップアーティスト?コイツが?……胡散臭…)

風間「貴女達のような美しい方々にめぐり逢う事が出来るだなんて…本当に幸運だ!
   これも一つの……一つの……」

ゴン「……運命のいたずら?」

風間「そうそう!それそれ!」

鈴(……本当に何なのよコイツ…)

セシリア「………」ポカーン

鈴「……セシリア…どうやらアンタ、面倒な男に目ェ付けられたみたいね…」ボソボソ

セシリア「えっ…?」

鈴「……アンタさぁ…悪いんだけど、ナンパなら後にしてくれる?
  こっちは今取り込み中で、アンタに構っている暇なんて微塵も無いんだけど」

風間「……取り込み中とは?」

セシリア「それは…」チラッ

風間「んっ?」チラッ

此れはカオスな予感

乙ー

本編だとイケメンだから爽やかさがあったけど字にすると胡散臭さしか感じねえなコイツwwwwww

確かに文字だけになると胡散臭い…
本編は爽やかさの他に、間の抜けたコミカルさがあったから、胡散臭く感じなかったがww



シャル「あっ!見てお兄ちゃん!猫だよ猫!」

野良猫「ニャ~」

シャル「かわいいな~!よしよ~し…」ナデナデ

野良猫「ンニャ~」スリスリ

矢車「………」

矢車(……薄汚い…今の俺と同じ、薄汚い姿形をした野良猫、か…)


───

風間「……成る程、尾行ですか…」

鈴「………」

風間「察するに…あの黒ずくめの男と、隣にいる金髪の少女の後を追っている…という訳ですね?」

鈴「……まぁ、そんなところね」

風間「………」

鈴「……ってな訳で、アンタ、私らの尾行の邪魔になると悪いから、早いとここの場から立ち去ってくれない?」

風間「……いえ、そういう訳にはいきません…」ザッ

鈴「……はっ?」

風間「鈴さん、セシリアさん!ここは俺に任せて下さいッ!」

鈴「はァ!?」

風間「何、悪いようにはしません!」ダッ

セシリア「えっ!?あっ!ちょ…ちょっと!」


ダッ ダッ ダッ ダッ


セシリア「い…行ってしまわれましたわ…」

鈴「……って言うか、何でアイツ私達の名前知ってんの?」

セシリア「さ…さぁ…」

ゴン「大介は、さっさお姉さん達が駅前でお互いの名前を呼び合っていたのを、しっかりと聞き取っていたんです」

セシリア「は…はぁ…。成る程…」

鈴「……よくもまぁ覚えてたわね。そんな事…」

ゴン「大介は、一度聞いた女の人の名前は、意地でも忘れませんから」

鈴「……へぇ~。そうなの…」

ゴン「はい」

鈴「………」

鈴(……で、この子一体何者なの?)


風間(……あれは何処からどう見ても、悪い男に引っ掛けられたいたいけな少女が、
   嫌々ながらも男に連れ回されている展開だッ!
   恐らく…セシリアさんと鈴さんは、あのいたいけな少女の御友人か何かであり、
   悪い男にナンパされた彼女の事が心配になって、尾行を…!)

風間「何て…何て友達想いなんだ…!」

風間(その容姿だけではなく…心の内側まで美しいとは!
   セシリアさん…やはり貴女は麗しの!……麗しの…えっと…)

風間「………」

風間(……まぁ…いいか。見ていて下さい鈴さん、そしてセシリアさん!
   全ての女性の味方であるこの俺が…貴女達の大切な御友人を、あの毒虫の魔の手から救ってみせますッ!)

ダッ ダッ ダッ ダッ

風間(……しかしあの黒ずくめの男、何処かで見た事があるような…
   ここからじゃ顔がよく見えないな…。もっと間近で見れば…)スタスタ…


ピタッ

風間「おいッ!そこの黒ずくめの男!彼女から離れろッ!!」

シャル「えッ!?」ビクッ!

矢車「……あっ?」クルッ

風間「─ッ!あなたは…!」

矢車「………」

シャル(だ…誰この人…?)

風間「危ないッ!離れてッ!!」ガシッ

シャル「えっ?」

グイッ!

シャル「わッ!?」グイィッ

風間「キミッ!俺の後ろに隠れてて!」

シャル「えッ!?えッ!!?」

矢車「……何のつもりだ?貴様…」

風間「それはこっちの台詞だッ!
   こんなか弱い乙女にまで手を出すなんて…あなたも、落ちる所まで落ちましたねッ!」

矢車「……あっ?」

風間「貴様のような毒虫には!これ以上、この子に指一本触れさせはしないッ!」スッ…

バッ!

矢車「………」

矢車(……ドレイクグリップ、か…)

実に仮面ライダーカブトらしい展開

そういや、兄貴と風間はウカ姐の件で繋がりあったよな
結局兄貴がウカ姐にブッ飛ばされて、伝説となったネタシーン終わったけどwwww

いまの矢車さん地獄スタイルじゃなくて初期の服装なの?

むしろなんでそう思っちゃったの?

はたから見ると、地獄スタイルの兄貴と、ょぅι゛ょと手をつないでいる風間、どっちが怪しいんだろう甲乙つけがたい

風間も高校生なんだよな?

>>114
いや黒ずくめってあったからジャケットよりかなと…

ゴンの方は何歳だよ?

メイクアップアーティスト名乗ってるし年齢改変は兄貴だけなのでは?

おばあちゃんは言っていた…
「細かい事は気にするな」ってな


シャル「えっ?…あの…ちょっと…」

シャル(……この人、お兄ちゃんの事を悪漢か何かと勘違いしてるんじゃ…)

矢車「……はぁー…」パカッ

ピョーン ピョーン ピョーン

パシッ


シャル「えッ!?ちょ…ちょっとお兄ちゃん!?」

矢車「………」

風間「ほぉ…そっちもその気ですか…。話が早い!」スッ

シャル「だ…駄目だよお兄ちゃんッ!こんな街中でISを起動させるなんてッ!
    それに相手は生身の人なんだよッ!」

風間「……お兄ちゃんですって?」チラッ

矢車「………」

風間「……片や金髪の白人美少女…片や黒髪の日本人…
   どう見ても血の繋がりのある間柄には見えませんが…」

シャル「こ…これには色々と深い訳が…!」

風間「無理に言わなくても大丈夫です。分かっていますよ」ニコッ

シャル「えっ?」

風間「……貴女は嫌々ながらもこの男に付き合わされているのでしょう?
   全く…影山瞬に飽きたらず、こんな可憐な乙女にまで手を出すとは…つくづく度し難い男ですねぇッ!!」

矢車「………」

シャル「ち…違いますッ!そういう訳じゃなくて!」

シャル(あーもう何て説明すれば良いかなぁ!?)

矢車「………」スッ…

シャル「ちょ…ちょっと待ってお兄ちゃんッ!」ビクッ!

シャル(こ…このままじゃ…水着を買いに行くどころの話じゃなくなっちゃうよ!止めないとッ!
    あーでも何て説明すればこの人納得してくれるかなぁ…!?)

シャル(そ…そうだッ!)ピコーン!

兄貴がホモ扱いされてるのは気のせい

ドレイクグリップがあるならゼクターも有るのか

兄貴がホモとも取られる発言すんなww
ウカ姐絡みで分かるとは思うが、兄貴はどう見てもノン気じゃねえかwwww


シャル「かかッ!勘違いしないで下さいッ!」ダッ

風間「……えっ?」

シャル「こ…この人は!」ガシッ!

矢車「………」

シャル「ぼ…ぼぼ僕の彼氏ですッ!!」

風間「はぁッ!?」

矢車「……はぁー…」

シャル(うーッ!言っちゃったー!
    でも…地獄兄妹がどうとかなんて話をしても、この人が納得してくれるとはどうしても思えないし…
    こう説明した方が、手っ取り早く話は済む!)ギュッ…

矢車「………」

風間「えっ…いや、無理にこの男の話に合わせなくたって言いんですよ…?」

シャル「無理なんかしてませんッ!この人は正真正銘…僕の彼氏ですッ!」

風間「で…でもさっきまでお兄ちゃんって…」

シャル「そ…それはその……あっ、あだ名ですあだ名ッ!ねーお兄ちゃん!」ウィンクパチパチ

矢車「……あぁ…」

風間「えっ…本当に?……この男が!?」

矢車「………」

風間(ば…バカな…!こんな男に…こんな美しい彼女がいるだなんてッ!そんな話…)クラッ…


シャル(今だッ!)

シャル「お兄ちゃんッ!今のうちに行こッ!」ダッ

矢車「……あぁ…」ダッ

タッ タッ タッ タッ


風間「あっ!ちょっと待っ…」

ゴン「ねぇねぇ大介…」グイグイ

風間「あーもうッ!後にしろゴン!今取り込み中で…」

ゴン「セシリアさん達、もうどっか行っちゃったよ」

風間「えッ!?」グルッ


ガラ~ン…


風間「えっ…?何で…?」

ゴン「……愛想尽かされたみたいだね、大介」

風間「……そ…そんなぁ…」

風間も大概残念なイケメンだな・・・wwwwww

シリアスな所はきっちりシリアスやったりするんだけど基本は残念だからな
というかカブトのメインキャラで残念じゃないイケメンなんて…

田所さんとか…料理回のせいで駄目か


ゴン「どうする大介?」

風間「どうするも何も……はぁー…」ガクッ

風間(……せめて…連絡先だけでも聞いておきたかった…)

ゴン「………」


ザッ

──「……相変わらずだな。風間大介…」


風間「えっ?」クルッ


天道「………」


ゴン「天道…さん?」

天道「よう。久しぶりだな…ゴン」

風間「……何だ…誰かと思えばあなたでしたか…
   全く…今日は何とも、懐かしい顔によく会いますねぇ…」

天道「……お前に話がある。ちょっと来い」

風間「話…?思い出話でもするつもりですか?
   言っときますが…俺はお前と話す事なんか何も…」

天道「安心しろ。俺も、お前と昔話に花を咲かせるするつもりなど毛頭無い…」

風間「………」

天道「俺がこれから話すのは、これから起こるであろう未来の出来事の話だ…」

天道「……そう遠くない未来の…人類の危機に関する話を、な…」

風間「……何?」

天道「………」

ここでまさかの天道

三島さんとかイケメンだったろ!カブトメンバーの中では

カブトメンバーは顔面レベル高いし…

その代わりにネタ度合いも上がってるし…
天道→シスコン、コスプレ
加賀美→バカ、ウンメイノー
矢車→やさぐれ
影山→ヘタレ、やさぐれ
風見→メイクアップ、語彙が少ない
神代→世間知らず、コスプレ、ミサキーヌLOVE

仕方ないね…


───

タッ タッ タッ タッ


矢車「………」

シャル「はぁー…はぁー……ここまで来れば…もうあの人も追って来れないよね…?」

矢車「……あぁ…」

シャル「……ごめんね、お兄ちゃん…
    咄嗟だったとはいえ、お兄ちゃんにあんな事言っちゃって…」

矢車「……気にするな。俺は別に気にしちゃいない…」

シャル「えっ?……あぁ…そう…そっか…」

シャル(……それはそれで、ちょっと凹むなぁ…)

矢車「………」

おいおい、兄貴!!
女心が分かってないなぁ~

何だかんだで、シャルって美味しいところもっていくよなw

兄貴の美味しいところ……


~それから暫くして、店に到着~

シャル「……何か…凄い長い道のりだった気がする…」

矢車「………」

シャル(……じゃあ、気を取り直して…)グイッ

矢車「……ん?」

シャル「行こっか!お兄ちゃん!」

矢車「……あぁ…」スタスタ…


~店内の物陰~

鈴「………」チラッ

セシリア「………」チラッ


シャル「えーっと、先ずはこっちの方から見て…」スタスタ…

矢車「………」スタスタ…


鈴「よし。先回り成功!」

鈴(思ってた通り…駅から一番近いここの販売店に来たわね。
  待ち伏せしといて正解だったわ…)

セシリア「……しかし…本当にこれで良かったのでしょうか?」

鈴「……何よ、まだあのナンパ男に黙って行った事気にしてんの?」

セシリア「えぇ…彼自身に悪気は無かったようですし…
     いくら何でも、何も告げずに立ち去るというのは…」

鈴「はぁー……礼儀正しいと言うか外面が良いと言うか…
  アンタ、外に出る度にいちいちあんなのに構ってたら…キリがないわよ」

セシリア「し…しかし…」

鈴「あーもう!過ぎた事をウダウダ言わないッ!
  そんな事よりも、今は本来の目的である尾行の方に集中よ!」ジッ

セシリア「……え…えぇ…。分かりましたわ…」ジィー…


??「俺のザビーゼクタァー!持っていくなよぉっ!」


ザッ

ラウラ「……お前達、こんな所で一体何をしているのだ?」

鈴「なッ!ラウラ!?」クルッ

セシリア「ど…どうして貴女がここに!?」

ラウラ「どうしてとは御挨拶だな…
    私はクラリッサに促されて自分の水着を買いに……んっ?」


矢車「………」スタスタ…


ラウラ「おっ、あそこに居るのは兄上ではないか。おーい兄う…」

鈴「バカッ!尾行がバレちゃうじゃないのッ!」ガバッ!

ラウラ「─ッ!モガッ!?」


シャル「……えっ?」ピクッ

シャル(……この声は…まさか…)クルッ


鈴「あっ」

セシリア「あっ…」


シャル「………」


ラウラ「……?」


シャル「なッ!?」ビクッ!

シャル(なッ!なな何で鈴とセシリアとラウラがここにッ!?
    もしかして…僕とお兄ちゃんの後を付けて来たの!?)


鈴「………」

鈴(……あちゃー…バレちゃったかー…)

セシリア(……見つかってしまった以上、もうコソコソと隠れている必要は…)ガサッ

ラウラ「……?」


シャル(マズいッ!もしもこの場に鈴達が居るって事をお兄ちゃんが知ったら…)

矢車「……どうかしたか?シャルロット…」クルッ

シャル「えッ!?あっ!いやッ!あの…!そのッ!!」アタフタ

矢車「……?」

シャル(妹想いなお兄ちゃんの事だから…
    きっと…鈴達も一緒に誘って、みんなで買い物をしようって話になっちゃう!
    そんな事になったら僕とお兄ちゃんの……二人だけのデートじゃなくなっちゃうよッ!)

シャル(何とかして…何とかしてあの三人の尾行を撒いて、この店から出ないとッ!)

シャル「お…お兄ちゃんッ!ちょっとこっち来てくれる!?」ガシッ

グイッ グイッ

矢車「……どうしたシャルロット?藪から棒に…」

シャル「いいから!早くッ!」ダッ

矢車「……?」ダッ

タッ タッ タッ タッ


鈴「あッ!逃げたッ!」

セシリア「何のッ!追い掛けますわよ!」ダッ

鈴「逃がさないわよシャルロットォーッ!」ダッ


ラウラ「……?」


兄貴なら捕まってもどうにかなりそう



~試着室~

シャー!

シャル(と…取り敢えず鈴達から隠れる為に勢いでこんな所に入っちゃったけど……これからどうしよう…?)

矢車「……何の真似だシャルロット?俺をこんな所に連れ出して…」

シャル「えッ!あっ…いや、その…!」

矢車「………」

シャル「え、えーっと……お…お兄ちゃんに、選んだ水着が僕に似合うか見てもらいたくて!」

矢車「……そうか、なら俺は外で待って…」クルッ

シャル「あッ!いや!ちょ…ちょっとッ!」

シャル(今外に出られたら…鈴達に僕らの居場所がバレちゃうッ!)

シャル「ま…待ってお兄ちゃんッ!」ガシッ

矢車「……?」

シャル「……きょ…今日だけは…僕、お兄ちゃんの側を離れたくないから…
    ずっと側に居て欲しいから…その……」

矢車「………」

シャル「……一緒に、ここに居てくれる?お兄ちゃん…」

矢車「………」

シャル(わぁぁぁーッ!何言ってんだろォ僕ッ!?
    とっさに思い付いた言い訳とはいえ…流石にこれは無いよーッ!!)カァー…

シャル「ご…ごめんお兄ちゃんッ!!やっぱり今のは無…」

矢車「分かった」

シャル「……えっ?」

矢車「お前がそこまで言うのなら、ここに居てやる」

シャル「えっ…?でも…」

矢車「言った筈だ。今日は好きなだけ、お前に付き合ってやるってな…
   多少のわがままくらい、黙って聞いてやる」

シャル「……お兄ちゃん…」

矢車「………」


堕ちたな(確信)


シャル「じゃあ…僕、今から水着に着替えるから…
    その…向こう向いててくれる?」

矢車「……あぁ、分かってる…」クルッ

シャル「あ…ありがとう…」ヌギヌギ

矢車「………」

シャル(……はぁー…その場の流れでこんな事になっちゃったけど…まぁ…いっか。
    取り敢えず、鈴達を撒くための時間稼ぎにはなるし…)ヌギヌギ

矢車「………」

シャル「………」チラッ

矢車「………」

シャル(……お兄ちゃん…後ろで僕が着替えてるっていうのに、全く動じてない…)

シャル「………」

シャル(……何だろう…何かを期待してたって訳じゃないんだけど……ちょっとショック…)ショボーン…

シャル(僕って…そんなに魅力無いのかなぁー…?)ズーン…

矢車「……なぁ、シャルロット…」

シャル「えッ!な…何ッ!?」ビクッ!

矢車「お前、海は…好きか?」

シャル「えっ?……あっ、うん。好きだよ、海。
    僕、今度の臨海学校も楽しみにしてるくらいだし」

矢車「……そうか…お前は好きなのか…」

シャル「……?」

矢車「……シャルロット、俺はな…」

シャル「えっ?」

矢車「……いや、何でもない…。着替え、終わったか?」

シャル「あっ……うん。もう少しで…」スッ

お兄ちゃんは(涙が)枯れてるの

ロシュオさんか


~シャル、着替え完了~


シャル(水着)「どう…かな?この水着…」

矢車「………」

シャル(水着)「………」

矢車「……まぁ、良いんじゃないか?」

シャル(水着)「ほ…本当?」

矢車「……あぁ…水着のセンスの良し悪しについては、俺はよく知らんが…
   少なくともお前には似合ってると思うぞ。その水着」

シャル(水着)「そ…そっか!良かった!」

シャル(水着)(ちょっと期待してたリアクションとは違うけど…良かった!)

矢車「じゃあ、今度こそ外に…」

シャル(水着)「あッ!まま…待ってお兄ちゃんッ!
        お兄ちゃんに見てもらいたい水着、まだ他にもあるんだ!
        悪いんだけど…もう少しだけ付き合ってくれる!?」

矢車「……そうか…分かった」

シャル(水着)「うん!ありがとうお兄ちゃん!」

矢車「………」

シャル(水着)(どど…どうしよう…。見てもらうって言っても…他の水着とかそんなに持って来てる訳じゃないし…
        ……やっぱり、時間稼ぎにも限度があるよね…)

矢車「……?」

シャル(水着)(このままじゃ埒が明かない…。取り敢えず、今の鈴達の動向を探ってみよう!
        カーテンの隙間から、外の様子を確認して…)チラッ…


鈴「やぁ」ヌッ

セシリア「こんにちは、シャルロットさん」ヌッ



シャル(水着)「わああぁぁぁぁぁぁぁッ!!?」ビクゥッ!!

矢車「……?」

鈴「何よ大袈裟な……そんなにビックリしなくても良いじゃない」

シャル(水着)「ど…どどどうして鈴とセシリアが、カーテンの真ん前にッ!?」

鈴「……いや…アンタらの会話が外までダダ漏れだったから」

シャル(水着)「えッ!?」

セシリア「全ー部聞こえてましたわよ…シャルロットさん…
     確か…貴女お兄様に“ずっと側に居て欲しい”とか何とか言ってましたわよねぇ?」

シャル(水着)「そ…そんなぁ…」カァー…

矢車「……お前ら…一体何時からこの店に来てたんだ?」

鈴「そりゃあもう、随分と前から来てたわよ」

ラウラ「私は今さっき来た」ズイッ

矢車「……そうか…」

鈴「……って言うかシャルロット、アンタ何時までそんな格好でいるつもりよ?」

シャル(水着)「えっ?…あッ!」ビクッ

鈴「ぼーっと突っ立ってないで、とっとと着替えて出てきなさい。
  全く見ているこっちが恥ずかしいわ…」

シャル(水着)「……う…うん…そうだね…」カァー…

鈴「ほら想ッ!アンタも何時までそんな所に居るつもり!?」

矢車「……あっ?」

鈴「…って言うかアンタ!そもそも女の子の生着替えに同行するだなんて、一体どういう神経してんのよッ!?」

セシリア「まったくうらやま……けしからん話ですわッ!」

矢車「……分かったよ…今出る…」ヌッ

スタスタ…

鈴「全く…。シャルロットも早いとこ着替えなさい
  アンタには色々と話したい事があるんだから…」

シャル(水着)「う…うん…」ガサッ

シャル(水着)(……もう…今日のデートは、駄目かもしれないな…)ズーン…

シャル(水着)「……はぁー…」シャー!

5日ぶりの更新だー。感激です

乙ー

あれセシリアもしかしてレz(ライダーキックで爆死


~シャル着替え後、店内にて~


矢車「……それで、話って何だ?鈴」

鈴「ん~…まぁ、想にはあまり関係のない話よ。
  用があるのはシャルロットの方だから…」

シャル「………」

セシリア「しっかしシャルロットさん……
     わたくし達に黙って、お兄様と二人っきりで買い物に行くとは…全く抜け駆けも甚だしいですわッ!」ビシィッ

シャル「うっ…」

鈴「……まぁ…抜け駆けってのはちょっと言い過ぎかもしれないけど…
  私らに隠れて想をデートに誘うなんて、ねぇ~?」

シャル「……うぅ…」

シャル(もう…駄目だ…)

セシリア「という訳で……お兄様ッ!
     これからの時間はわたくし達も一緒になって、お兄様と買い物を…」

矢車「悪いなセシリア。それは出来ない相談だ」

セシリア「……えっ?」

矢車「……約束したからな…。今日は1日中、シャルロットの我が儘に付き合ってやるって」

シャル「えっ…?」ピクッ

矢車「だから…今日という日だけは、お前らとは付き合えん」

セシリア「なッ!?」ビクッ

鈴「………」

シャル「ほ…本当に良いのお兄ちゃん?
    その…鈴達も一緒じゃなくて…?」

矢車「良いも悪いも…先に俺と約束したのは、お前の方だからな。
   一度交わした相棒との約束を破る程、俺は薄情じゃない…」

シャル「お…お兄ちゃん…!」パァー

鈴「………」

鈴(……はぁー…全くコイツって奴は…)



セシリア「し…しかしお兄様ッ!こういう場合は多数の意見を尊重た方が!」

鈴「もう諦めなさいよセシリア。
  今回は…大人しく身を引くとしましょう」

セシリア「えッ!?そんな…鈴さんまで一体何を!?」

鈴「……まぁ、私もさっきまでアンタと同じ考えだったけどさ…
  でも、当の本人がここまで言ってる事なんだし…もう仕方ないじゃない。
  これ以上事に首を突っ込むのは、流石に野暮ってもんよ」

シャル「鈴…」

セシリア「むっ……わ…分かりましたわ…
     今回だけは…今回だけは特別にッ!シャルロットさんの動向を、許してあげるとしましょう…」

シャル「……セシリア…」


セシリア「が、しかしッ!わたくし只では引き下がりませんわよッ!」ガシッ!

矢車「……ん?」

セシリア「お兄様ッ!今度の休日は、是非ともわたくしと一緒に過ごしましょうッ!!」

矢車「………」

鈴「なッ!セシリアッ!アンタ散々抜け駆けはナシだとか何とか言ってた癖に!何よその手のひら返しはッ!?」

セシリア「フンッ!こういう事は何事も早い者勝ちですわ!
     それでお兄様、ご返答は…?」

矢車「……あぁ、良いぜセシリア…」

セシリア「ほ…本当に!よろしいですの!?」

矢車「まぁ、暇が出来たらな…」

セシリア「や…やったー!やりましたわーッ!」グッ!

矢車(……そんなに喜ぶことか…?)

兄貴は一夏と同じで唐変木なのか

>>153
逆に兄貴に対して見せたい願望でもあったんだろなセシリア
つまり彼女は露出k(ウンメイノー

>>156
唐変木とか鈍感と言うより、異性として向き合う気がないだけだろ
作中でもウカ姐位しか、まともに異性に関わろうとしなかったし・・・ブッ飛ばされたけどww

恐らく兄貴は交際経験0
つまり純潔

恋愛なんて闇の住人にとって眩しすぎることできるわけないだろ!

>>159
いやいや、闇に落ちる前なら分からんぞ…
闇に落ちる前は、兄貴はイケメンでモテてたし、そもそも女が放っておくわきゃねえだろww

まぁ、闇に落ちてからは全く無かっただろうけどwwwwww

>>161
パーフェクトハーモニーだった時代は多分告白されても生徒会が忙しいとかで振ってたとおもう

生徒会(エイリアンとの命懸けの戦闘)

ウカ姐への迫り方を見ると、兄貴は惚れた異性には積極的に押していくタイプ
でも、このSSの中での兄貴は、あまり女性に見向きしてないよな
闇を持った人間にしか見向きしてないのが一貫してるし

ウカさんとのあれがトラウマになってんじゃね?


鈴「あーもうッ!何なのよこの展開ーッ!」キィーッ!

ラウラ「お前達、話はもう終わったのか?」

鈴「えっ?……あぁ、まぁね」

ラウラ「……何だか私だけが蚊帳の外だったぞ…」

鈴(……そう言えば…話しに夢中でコイツの存在すっかり忘れてたわ…)

鈴「あぁ…悪かったわね、ラウラ」

ラウラ「むぅ…」

セシリア「お詫びと言っては何ですが
     これからわたくし、ラウラさんの水着選びに協力させて頂きますわ」

ラウラ「何?」

セシリア「どうやらラウラさん、自分に似合う水着を探すのに随分と苦労なさっているようですし」

ラウラ「……うむ、実はその通りなのだ。
    どうもこういう俗的な物の流行り廃りには疎くてな…」

セシリア「フフッ…ならば話が早いですわ…!
     わたくし、セシリア・オルコットに任せて頂ければ、全ては安泰ッ!
     この大量の商品の中から、貴女に似合うとびきりの水着を探し出してみせますわッ!」

ラウラ「そうか、それは頼もしいな。ならば是非とも頼む」

セシリア「えぇッ!お任せ下さいな!」ドーン!

鈴(……デートの約束が決まった途端に、急にハイになっちゃってコイツは…)


シャル「そういえば…お兄ちゃんもまだ自分用の水着見てなかったよね?」

矢車「……あぁ…」

シャル「それなら今から一緒に見に行こうよ!
    あっ、僕の事は気にしなくても良いからね。もうどれにするかは決めてあるから」

矢車「……そうか…」

鈴「ほー…そっちはそっちで早速盛り上がっちゃって。憎たらしいったらありゃしないわ…」

シャル「あっ…ごめん…」

鈴「フッ…冗談よ。いちいち気にしなさんなって。
  もう決まった事なんだから、この件に関して今更とやかく言うつもりは無いわよ」

シャル「鈴…」

鈴「まぁこうなった以上…今日1日、想とのデートをしっかりと楽しみなさいよ。シャルロット」

シャル「うん!ありがとう鈴!」

鈴「別に礼を言われるような事は何もしてないんだけど…」

鈴(……元々、コイツらの邪魔をする手立ても考えてた訳だし…
  変に礼なんてされるとこっちが調子狂うわ…)

矢車「………」

鈴「想は想で、シャルロットのこと退屈させるんじゃ無いわよ?
  アンタ直ぐに黙り決め込んで会話を途切れさせるんだから…
  そういうとこ気を付けないと、今にも愛想尽かされちゃうわよ」

矢車「……はぁー…分かったよ」

鈴が結構いい奴になってるな


───

シャル「んー……お兄ちゃんならこの水着なんか似合うんじゃないかな?」カチャ

矢車「………」

シャル「こっちのはちょっと派手かなぁ…?
    でも、お兄ちゃんなら案外着こなせちゃうかもね!」

矢車「……あぁ…」

シャル「………」

シャル(……何だか、僕一人だけで盛り上がっちゃってない?
    ……って言うか…お兄ちゃん、さっきから上の空って感じで…)

矢車「………」

シャル「あの…お兄ちゃん…?」
矢車「………」

シャル「お兄ちゃんッ!」

矢車「んっ?」ピクッ

シャル「あの…大丈夫?さっきからずっと、ぼーっとしてるけど…」

矢車「……あぁ、悪いシャルロット。ちょっと、考え事をしていただけだ…」

シャル「そ…そっか…」

矢車「………」

シャル(……こ…ここは気を取り直して…)

シャル「ね…ねぇお兄ちゃん!お兄ちゃんは、こっちの水着とこっちの水着ならどっちが…」

矢車「なぁ、シャルロット」

シャル「えっ!?」ピクッ

矢車「……お前、そんなに海が好きなのか?」

シャル「えっ…?あっ、いや…
    海が好きかって聞かれたら、そりゃあ嫌いじゃないけど…」

矢車「………」

シャル「……お兄ちゃん…何か、さっきからちょっと様子が変だよ?どうかしたの?」

矢車「……あぁ…悪い、何でもない。今の話は忘れてくれ…」

シャル「わ…忘れてくれって言われても…」

矢車「………」スタスタ

カシャ

シャル「えっ?」

矢車「……水着はこれで良い。これを買う」

シャル「……そ…そっか…。お兄ちゃんが良いならそれで良いけど…水着なら他にも色々とあるよ?
    ほら、これとかお兄ちゃんに似合うんじゃ…?」

矢車「……何だって良いだろ?水着なんて…」クルッ

シャル「あっ!ちょっとお兄ちゃん!?」

スタスタ…


───

ラウラ「ふむ。一口に水着と言っても、色々なものがあるのだなぁ」

セシリア「えぇ!こんな感じに胸元がよく見える大胆な水着から、ちょっと地味目な水着まで…その種類は様々ですわッ!」

ラウラ「ふむ」

セシリア「ラウラさんに似合いそうなのは、そうですねぇ…こちらの水着なんてどうでしょうか?」

ラウラ「ほう」

セシリア「これなら、ラウラさんのその貧そ……小柄な体型にもマッチしてますし
     何より、派手過ぎず地味過ぎずの絶妙なラインのデザインなので、
     ラウラさんの様な普段からあまりお洒落に気を使わない初心者の方でも、着こなすのはそう難しくはないですわよ!」

ラウラ「うむ!成る程!」

鈴(……ラウラ…アンタ遠回しに色々とバカにされてるわよ…)


シャル「……あの、ちょっといいかな?」ズイッ

鈴「うわッ!びっくりしたぁ!」

ラウラ「どうしたのだシャルロット?お前は確か、兄上と一緒に買い物中だった筈…」

シャル「……ちょっと、そのお兄ちゃんの件で相談したい事があってね…」

セシリア「お兄様の件で?」

鈴「まさか…想の奴また何かやらかしたのッ!?」

シャル「いやッ!そういう訳じゃないんだ!……ただ…」

鈴「……ただ、何よ?」

シャル「……お兄ちゃん、水着を選んでいる間ずっと不機嫌そうで…」

セシリア「不機嫌?」

シャル「いや…不機嫌っていうのは、やっぱりちょっと違うかな?」

シャル(あの顔は、どちらかと言うと…)


矢車『………』


シャル(……何だか、悲しそうな感じの顔だったような…)

鈴「じれったいわねぇ…つまり何が言いたいのよ?」

シャル「その…何というか…
    ……お兄ちゃん、イマイチ買い物に乗り気じゃないっていうか…」

鈴「はぁーッ!?呆れたぁ~ッ!アイツ私が言った事まるで理解してないじゃなァいッ!
  さっき“シャルロットを退屈させるな”って教えたばっかなのにーッ!!」

セシリア「り…鈴さん?」

鈴「シャルロット!あの馬鹿、今何処ほっつき歩いてんのよッ!?」

シャル「えっ?あっ、お兄ちゃんなら、今会計済ませてるところだけど…」

鈴「よォーしッ!待ってなさいよシャルロットッ!!
  あのバカに私からもう一度よ~く言い聞かせておくわァーッ!!」ズイッ


セシリア「ちょ…ちょっと!?お待ちなさいな鈴さんッ!」ガシッ

鈴「はァーなァーせェーッ!!」ジタバタ

ラウラ「少しは落ち着け、鈴。
    兄上が上の空になるなどいつもの事ではないか」

鈴「時と場合ってモンがあるでしょーがッ!
  デートの真っ最中にあからさまに態度を悪くするだなんて最低よーッ!!」ムッキー!

シャル「り…鈴ッ!落ち着いて…僕の話を最後まで聞いて!」

鈴「……何?」ピタッ

シャル「僕は別に…お兄ちゃんの態度が気に食わないとか、そういう事を言いたいんじゃないんだ!」

シャル「僕が相談したいのは、その…お兄ちゃんが乗り気かどうかって話じゃなくて…
    お兄ちゃんが乗り気じゃない事の、その理由についての話なんだ…」

セシリア「理由について…?」

シャル「うん。お兄ちゃん…さっき僕と二人っきりで試着室に隠れていた時に、僕に聞いてきたんだ」

シャル「『お前、海は…好きか?』って…」

セシリア(グッ!……密室でお兄様と二人っきりで…
     更には着替えと称して、己の柔肌を晒すなんて……何と羨ましい体験をッ!)ギリッ

シャル「これは僕の憶測なんだけど、その…」

鈴「………」

シャル「……もしかしてお兄ちゃん…海が苦手なんじゃないのかな?」

セシリア「えっ?」

ラウラ「むっ?」

鈴「………」

シャル「……そう…だからお兄ちゃんは、水着選びにも乗り気になれなかったんじゃないのかなって…」


シャル「鈴、お兄ちゃんって泳ぎが苦手だったりとかした?」

鈴「……いや、全然そんな事なかったわよ。むしろ得意な方だったと思うけど…」

ラウラ「泳げない訳ではない、か……ならば、何故…?」

セシリア「……もしかしたら…お兄様は“海が苦手”と言うよりも、その“環境そのもの”が苦手なのではないでしょうか?」

シャル「環境そのもの…?」

鈴「どういう事よ?セシリア」

セシリア「考えてもみて下さいな。
     海と言えば…水面が反射しキラキラと光る青い海に、燦々と照りつける太陽、そして…何処までも続く真っ白な砂浜…
     何処からどう見ても、闇の世界の住人には全く似つかわしくない所ですわッ!」

鈴「あっ」

シャル「言われてみれば、確かに…」

セシリア「お兄様はおそらく、そんな環境下に身を置くのが嫌で…海が苦手になったのですッ!
     だからこそ、水着選びにもイマイチ気が乗らなくなり…それが態度になって表れてしまったのですわッ!」

ラウラ「成る程…理屈としては、十分納得出来る話だな」

鈴「確かにアイツなら、そんな風に思いかねないわね…」

シャル「そ…そんなぁ…」

鈴「このままじゃアイツ…“臨海学校には行かない”って駄々こねるんじゃ…?」


シャル「ど…どうしよう!?お兄ちゃんが臨海学校に来ないだなんて…僕そんなの嫌だよッ!」

鈴「わ…私だってそんなの御免よッ!」

セシリア「むぅ…お兄様が行かないというのならば…わたくしも臨海学校へは行きませんわッ!」

鈴「バカッ!そういう訳にはいかないでしょーがッ!」

ラウラ「しかしどうする?こればかりは本人の意思で決めることだ。
    あの兄上が素直に私達の言う事を聞くとは思えんが…」

鈴「う~ん…」

シャル「………」

鈴「……よし、シャルロット!アンタに任務を与えるわッ!」

シャル「えッ!?」ビクッ

鈴「このデート中に、何としてでも想を海に行かせる気にさせなさいッ!」ビシィッ

シャル「えぇッ!?む…無理だよォー!僕一人の力でお兄ちゃんを説得させるだなんて…!」

鈴「いいシャルロット?今の想はアンタに対して甘々~な状態なのよ?
  アンタがちょっと頼みこめさえすれば、簡単に言うこと聞いてくれるわよ」

シャル「ほ…本当にそうかなぁ…?」

セシリア「貴女ならきっと出来ますわッ!自信を持って!」グッ

シャル「そ…そんな事言われても…」


矢車「……お前ら何話してんだ?」ヌッ

セシリア「おっ!お兄様ッ!」ビクッ

シャル「か…会計終わったの?」

矢車「あぁ…まぁな…」

鈴「………」

シャル「そっか…。じゃあ皆、僕達はこれで…」

ラウラ「うむ。後の事はよろしく頼むぞ」

セシリア「ファイトですわッ!シャルロットさんッ!」グッ

シャル「あ…あんまりプレッシャー掛けないでよぉ…」

矢車「……?」


鈴「……ねぇ、想…これだけは約束して」

矢車「……あっ?」

鈴「今日という日は絶対に…シャルロットの側から離れないこと。
  “今日は1日中シャルロットの我が儘に付き合う”って言ったのはアンタなんだから…ちゃんとその言葉に責任を持ちなさいよ」

矢車「……あぁ、分かった…」

鈴「いい?絶対だからね!破ったらタダじゃおかないわよッ!」

矢車「……あぁ…」



───

~店を出た後 街中をブラブラする二人~


矢車「………」スタスタ

シャル「………」スタスタ

シャル(……ど…どうしよう…。お兄ちゃんを…ちゃんと臨海学校へ行くように説得するだなんて…
    正直言って、僕…全く自信無いんだけど…)トボトボ…

矢車「……なぁ、シャルロット…」

シャル「えッ!な…何!?」ビクッ

矢車「お前、何処か行きたい所とかないのか?
   お前の行きたい所なら、俺は何処へでも付き合ってやるが…」

シャル「えっ?行きたい所…?
    ……う~ん…そうだなぁ…」

矢車「………」

シャル「そうだ。そろそろお昼時でお腹も空いてきたところだし…
    どこかのお店へお昼御飯食べに行かない?」

矢車「昼飯、か…。何か食いたい物とかあるのか?俺はお前に合わせるが…」

シャル「食べたい物かぁ…そうだねぇ……んっ?」

シャル(……あそこに建ってるのって、何かのお店かな?)

シャル「お兄ちゃん、あの建物ってさ…」ツンツン

矢車「あっ?」クルッ


~蕎麦屋 たどころ~


矢車「……蕎麦屋だな」

シャル「お…おソバ屋さん…?」

矢車「あぁ。……そういえばお前、日本蕎麦って食った事あるか?」

シャル「えっ…?ニホンソバ?……それって…ラーメンとは違うの?」

矢車「……食った事ないみたいだな…」

シャル「……日本のおソバかぁ…。僕、どんな料理なのかちょっと気になってきちゃったな…」

矢車「………」

シャル「ねぇお兄ちゃん!お昼御飯はあそこのおソバ屋さんで食べない?」

矢車「蕎麦、か…。地獄の住人である俺にとっては、余りにも眩しすぎる料理だが…まぁいい。お前に付き合ってやる…」

シャル「うん!ありがとうお兄ちゃん!じゃあ、早速行ってみよっか!」ダッ

矢車「あぁ…」スタスタ

矢車(……あの蕎麦屋……いや、まさかな…)

蕎麦屋に誰かいんの?

田所家伝来の包丁まだ現役かな

まだ田所さんのことを覚えているのか

あの回は色々と酷かったわ

>>180
兄貴がやさぐれた後にザビーゼクター届けに来た件で面識あるから、覚えてると思う

バトルがおまけだったあれかww
しかし兄貴、そばの一体何がまぶしいってんですか

そういえば、田所さん最終回で蕎麦屋に戻っていたなww

>>183
闇の住人の主食はカップ麺だからな

インスタントですらない麺類なんて余りにも眩しいからな

トボトボがボドボドに見えた



岬「………」ズルズルズル

田所「おぉー、相変わらず見事なまでの食いっぷりだなぁ~…岬」

岬「フフッ…田所さんの打った蕎麦が美味しいからですよ。
  流石、300年の伝統を誇る田所の味です!」

田所「そう言ってもらえると、こっちも職人冥利に尽きるってモンだ!ハハハッ!」


ガラガラガラ…

田所「あぁ!いらっしゃ…」


矢車「………」


田所「なっ!?お前は…!」

岬「─ッ!?」ゴホッ

矢車(……やっぱり、か…)

田所「矢車…!」

矢車「……田所さん…」

シャル「んっ?どうしたのお兄ちゃん?」ヒョコ

田所「………」

シャル(うっ!……何か、怖そうな感じの人が…)

矢車「………」

シャル「……あ、あの~…二人なんですけど…席空いてます?」

田所「……あぁ…好きな所にかけてくれ」

シャル「あっ…はい…」スタスタ

矢車「………」スタスタ…


スチャ

シャル「ふぅ~…やっと腰を落ち着けられるね、お兄ちゃん」

矢車「……あぁ…」

シャル「わぁー……ここ、いかにも“和風!”って感じのお店だね…
    僕、こういう所に入るの初めてだよ!」

矢車「……そうか…」

スタスタ…

田所「御二人さん、注目は?」

矢車「……ざるそば一丁…」

シャル「あっ、じゃあ僕も同じので」

田所「あいよ…。おいッ!ざるそば二人前だッ!」

田所弟「分かったよお兄ちゃんッ!」

岬「………」ズルズルズル

\ビースト!/

シャル「お兄ちゃん!」
田所弟「お兄ちゃん!」

同じ文体でこの違いである


───

田所「はい、ざるそば御待ち」コトッ

シャル「わぁ!これがお兄ちゃんの言っていた、ニホンソバって料理なんだね!」

矢車「……あぁ…」

シャル「……でも、これって一体どういう風に食べるのかなぁ…?
    ラーメンとはまた違うみたいだし…」

田所「何だお嬢ちゃん、ざるそば食うのは初めてか?」

シャル「えぇ…まぁ…」

田所「成る程な…。まぁ君は見たところ外国の人みたいだし、蕎麦の食べ方が分からないってのも無理のない話か…」

田所「……よし!ここは一丁、俺がこのざるそばの上手な食い方ってヤツを君に教えてやるよ!」

シャル「ほ…本当ですか!?ありがとうございます!」ペコッ

シャル(何だか、気さくで良い人だな…良かった!)

田所「おう!まず蕎麦っていうのは、蕎麦本来の香りを楽しんでから食すのが…」

矢車「………」ズルズルズル

田所「……まぁ、コイツみたいにいきなり食べるってのもアリっちゃアリだが…」

矢車「………」ズルズルズル

シャル「な…成る程…この黒いスープに浸けて麺を食べるんですね?」

田所「えっ?あぁ、まぁ…そういう事だが…」

シャル「では…頂きます…」ズルズルズル

モグモグ ゴクッ

シャル「うん!凄く美味しいですッ!」ニコッ

田所「あ、あぁ…ソイツは良かった…」

田所(……まぁ、いっか…。初めてだし、好きな風に食わせれば…)ポリポリ


矢車「………」ズルズルズル

田所「し…しっかし驚いたぞ矢車。
   お前がIS学園に入学したってのはニュースで聞いてたが…
   まさか…もうこんな可愛い彼女が出来ていたなんてな!」

シャル「──ッ!!ゴホッ!か…かかか彼女だなんてッ!そんな…」カァー…

田所「あっ?違うのか?」

矢車「………」ズルズルズル

田所「……そういえば…今日は影山の奴の姿が見えないが…」

矢車「………」ズルッ…

田所「どうだアイツは?今でも元気にしてるか?」

シャル「あっ…」

シャル(……影山さんは…もう亡くなっていて…)

矢車「………」

田所「……おい、どうした矢車?」

矢車「……田所さん」

田所「何…?」

矢車「……ごちそうさま。旨かったですよ、蕎麦…」コトッ

田所「お…おう…」

矢車「……田所さん、今ちょっと時間ありますか?
   話したい事があるんですが、ここじゃ何なんで…」ガタッ

田所「……矢車…まさか…」

矢車「………」

田所「……あぁ、分かった。店の方は弟に任せておく
   俺も…お前に聞きたい事がある…」

矢車「………」

シャル「お…お兄ちゃん…?」

矢車「心配するなシャルロット…直ぐに戻る。蕎麦でも食って待ってろ」

シャル「う…うん…」

矢車「………」スタスタ…

田所「………」スタスタ…

影山の名前が出るだけで切なくなる

話し方がパーフェクトハーモニーの頃だな

田所さんと話すときはずっとこんな感じだったろ
乃木率いるワームとの全面戦争の時もこんな感じで田所さんと話してたし
ザビーになる前は部下だったぽいし今でも一定の敬意は払ってるんじゃね?

ミサキーヌかわいい


~路地裏~


田所「こんな所で悪いな。店の前じゃ客の迷惑になるからな」

矢車「………」

田所「……矢車、やはり影山は…?」

矢車「……あぁ…死んだ…」

田所「……そうか…それは、残念だ…」

矢車「………」

田所「アイツと俺のチーム…特に加賀美の奴とは、色々と衝突する事もあったが…
   それでも…同じ志の下に、ワームと戦ったZECTの仲間だった事に変わりはない。……本当に、残念だよ…」

矢車「………」

田所「なぁ、矢車。影山は一体どんな最後を遂げたんだ?
   ……あぁ、お前が嫌なら無理に言わなくても良いが…」

矢車「……田所さん、アンタには昔のよしみがある。
   伝えておくべきかもしれないな…アイツの死に様を…」

田所「………」

矢車「……アイツは…影山は…」

───


『サヨナラだ…兄貴』


『相棒ォーッ!!』

──RIDER KICK!──


ドゴアァーッ!


───


矢車「……俺が、殺した…」

田所「─ッ!!何だとッ!?」

アレは影山自身が終わりを望んでいたし、やむを得んとしか言いようがない
岬は最終回の時に、坊ちゃまの愛した爺やの味のコンセプトのレストランを作ろうとしていたな…
思い返せば色々と懐かしい


矢車「………」

田所「どういう事だ矢車ッ!?
   お前と影山は戦友同士…いや、それ以上の関係だった筈だッ!
   それなのに…何故お前がアイツを!?」

矢車「田所さん、アンタと同じですよ…」

田所「何…?」

矢車「アイツも…アンタと同じ、ヒトではない存在になってしまった…
   その事実に耐えきれなくなった影山は…自分が自分でいられるうちに、この俺の手によって殺される事を望んだんだ…」

田所「………」

矢車「……逆に聞くぜ?田所さん…
   何故…アンタはこんな風にのうのうと生きていられる?
   何時この人間社会から爪弾きにあうかも分からない、バケモノじみた存在であるというのに…」

田所「……それは…」

矢車「………」

田所「……俺の事を受け入れてくれた、仲間達がいたからだ!」

矢車「仲間…?」

田所「あぁ…。俺の正体が“ヒトならざる者”だと知った後も、その事実を受け入れ、俺の下に付いてきてくれた…部下達だ」

矢車「………」

田所「そりゃあ…事実を知った当初は、ソイツらとも少なからず衝突はあった…
   だが、それでもアイツらは俺という存在を…田所修一というひとりの人間として、受け入れてくれたんだ」

矢車「………」

田所「全てはアイツらのお陰だ…
   アイツらのお陰で、今の俺という存在がある。
   そしてアイツらが…仲間達が俺の事を信じてくれる限り、俺は生き続ける事が出来るんだ…!
   そう、ひとりの人間としてッ!」

カブトはコメディタッチな空気強いけど重い展開結構多いんだよな

>>201
落差激しいから地獄兄弟のギャグからあの最期になるとは信じられなかったわ


矢車「……そうか…強いんですね、アンタ達は…」

田所「……強い…だと?」

矢車「あぁ…。アンタの部下にも、アンタ自身にも…目の前の現実を受け入れられる、心の強さがあった…」

矢車「だが俺は…俺とアイツは違った…
   ……俺達は…弱かったんだ…」

田所「………」

矢車「アイツは…影山は、“ヒトではなくなった自分”という存在を受け入れられる程、強くはなかった…」

矢車「そして俺は…そんな影山の心の痛みを理解してやる事も出来ずに…
   ……アイツの決心を…止められなかった…」

田所「………」

矢車「……力ずくでも…止めるべきだったのかもしれない…
   だが…俺も知らない暗闇を知ってしまい…藻掻き苦しむアイツを生かしてやれる程…
   俺もまた、強くはなかった…」

田所「……本当に…どうしようもなかったのか?」

矢車「……あぁ、俺達には無理でしたよ…
   そう、初めから分かっていましたからね…
   俺達はアンタらみたいに、どうしようもない現実に立ち向かえる程…強くはなれないって…」

矢車「何せ俺と影山は、光を掴む事の出来ないろくでなしのクズ…
   ……地獄の住人でしたから…」

田所「……矢車…」


矢車「……シャルロットが待ってる。もう行きます…」クルッ

田所「……あ、あぁ…」

矢車「………」スタスタ

田所「………」

矢車「………」スタスタ…

田所「─ッ!矢車ーッ!」

矢車「………」ピタッ

田所「こんな事は俺の言えた義理じゃないが…お前に言っておくッ!」

矢車「………」

田所「未来のある方に目を向けて生きろッ!決して後ろを振り向くなッ!
   過去に縛られずに…今、お前の直ぐ側にあるものを大切にしろッ!
   殺めてしまった影山の分まで…お前がしっかりと生きてやるんだーッ!!」

矢車「………」

田所「分かったなッ!」

矢車「……まぁ、心得ておきます…」スタスタ

田所「………」

田所(……矢車…)


スタスタ…

矢車「………」

スタスタ… ピタッ

矢車(……今、俺の直ぐ側にあるものを大切にしろ、か…)


これ蕎麦屋を出したかっただけなのか、矢車に心境の変化を与えたかったのかどっちだろうな

正直 仕方ないとはいえ地獄成分が抜けてきてるように見えるからな

兄貴の心境は何も変わってないと思うが
ちょっと角の取れた感じするけど兄貴自身の本質は未だに後ろ向きなままだし


───

ガラガラガラ…

矢車「………」

シャル「あっ、お帰りなさいお兄ちゃん」

田所「………」

矢車「……飯、もう食ったか?」

シャル「うん、ご馳走さまでした。えっとお代は…」

田所「……あぁ、金ならいい。今日は俺の奢りだ」

シャル「えっ!?いや、流石にそれは悪いですよ…」

田所「何、遠慮は要らん。
   コイツに喋りたくもない事を喋らせた…俺からの詫びだと思ってくれ」

矢車「………」

シャル「あっ……はい…」

矢車「……帰るぞ、シャルロット…」

シャル「う…うん…」ガタッ

田所「………」

シャル「あの…すいません、ご馳走になっちゃって。えっと…」

田所「……田所、田所修一だ」

シャル「田所さん…ありがとうございました。またおソバ食べに来ます。
    あっ、別にたかりに来ようって訳じゃないですからね!
    今度はちゃんとお代払いますから!」

田所「ハハッ、何時でも来てくれよ!腕に撚りをかけて待ってるからな!」

シャル「はい!」

矢車「………」

田所「……矢車、お前も元気でな」

矢車「………」クルッ

ガラガラガラ… バタンッ

田所「………」


───

矢車「………」スタスタ…

シャル(……お兄ちゃん…店を出てから、ずっと暗い顔をしてる…
    どうしたんだろう…?田所さんと何かあったのかな?)

矢車「………」スタスタ…

シャル「あの…いい人だったね、田所さん。
    最初はちょっと怖い人かな?って印象があったんだけど、話してみると全然そんな事なくて!」

矢車「………」

シャル「……お兄ちゃん、知り合いの人の店だって知っててあのソバ屋に入ったの?」

矢車「……いや、別に…」

シャル「そっか。じゃあ田所さんとは偶然の再会だったんだね!」

矢車「………」

シャル「………」

シャル(……何だか…会話が続かないな…)

シャル「………」

シャル(あっ、そうだ。話題ついでに、この際だからちょっと聞いてみよっか…)

シャル「……あの、お兄ちゃんってさ…
    ……海とか、苦手だったりする?」

矢車「……あっ?何だ急に…?」

シャル「い…いや!何となくなんだけどさ…
    ……お兄ちゃん、前の店で水着を選んでた時も、何かあんまり乗り気じゃなかったみたいだし…
    もしかしてお兄ちゃん…海が嫌いなんじゃないのかなって…」

矢車「………」

シャル「………」

矢車「……あぁ、お前の言う通りだ…
   正直言って、アレは見ているだけでも辛い…」

シャル「や…やっぱり、そうだったんだ…」

矢車「………」


矢車(俺がアイツを手にかけた場所…
   あそこも…海がよく見える港だった…)

矢車(……あの広い水溜まりを見ていると、嫌でも思い出す…
   アイツの…影山の死に際を……)


シャル「で…でも!いくら海が苦手だからって、流石に臨海学校に行かないなんて事はないよね?」

矢車「………」

シャル「……あの…お兄ちゃん?」

矢車「………」

シャル「………」

シャル(……ごめん鈴…。やっぱり説得は無理そう…)

銀の福音事件が蒸発の危機に!?

まず踏み台がない海の上空でどう戦えというんだ


~蕎麦屋 たどころ~


岬「そうですか…彼にそんな事が…」

田所「あぁ…。元々ネガティブな奴ではあったが、
   今のアイツはあの頃の矢車とはまた違う…何か…大切なものが心の中からすっぽりと抜け落ちているような、そんな感じだった…」

岬「……影山くんを失ったショックが、それ程までに大きかったという事でしょうか?」

田所「あぁ、かもな…」

岬「……でも、今の彼にはIS学園で出来た新しい友人もいるみたいですし、
  影山くんの死だって…何時かはきっと乗り越えてみせるって、私は信じています」

田所「……だと、良いんだがな…」


矢車『……まぁ、心得ておきます…』


田所(……アイツはああ言ってたが…俺の言った言葉なんざ、聞き入れちゃいないだろうな…)


ガラガラガラ…

田所「あぁ、悪いが今日はもう店じまい…」


天道「………」


岬「て…天道くん!?」

田所「お前…!」

天道「相変わらず元気そうだな、二人とも」

岬「ど…どうしてあなたが此処へ!?
  確かフランスへ行ったんじゃ…?」

天道「あぁ…。お前達にどうしても、言っておかなければならない事があってな」

田所「何…?」

天道「……力を貸せ。このままでは、人類に未来はない」

カブトのゲームの兄貴は空中を足場にしてキック出来るから大丈夫だろ(適当)

うん、兄貴なら何があっても平気だろ

最悪加賀美からエクステンダーパクッてきてそれに乗ればいい
盗んだバイクで空を飛ぶ兄貴

原因が原因だし海嫌い克服は難しいだろうな・・・

兄貴の海イベントってあったっけ?
海嫌いの理由がわからないんだが

>>218
兄貴が回想でしっかりと理由に言及しているのも読めないのか…

>>218
矢車さんが影山を殺した場所が海の見える港だったから、らしい
港に船が停泊していた事から察するに白夜を見に行くために密航しに来てたんだと思う

海は影山沈んでるからなぁ

>>211
踏み台がないなら踏み台を作ればいい
幸い飛べる奴等はいることだし

本編ではワームの主だった連中は壊滅していたが、生き残りの残党が何かしら企んでいるって設定なのか
加賀美パピーも動いていたし、続きが気になるな


~同時刻 何処かのファストフード店~


ラウラ「はむっ」モグモグモグ

セシリア「はぁー……シャルロットさんは今頃、お兄様とイチャイチャする事に勤しんでおられるんでしょうねぇ…」モグモグ…

鈴「いや、そうとも限らないわよ。
  想って結構マイペースで空気の読めないところがあるから、一緒にいるシャルロットが楽しめているかどうか…
  一応念押ししといたけど…最悪の場合、想がデートをほっぽり出す展開だって有り得なくはないからねぇ…」

鈴(……そんな事したら、本当にタダじゃおかないけど…)

ラウラ「………」モグモグ…

セシリア「まぁ…お兄様が彼女とのデートを楽しめなかったというのであれば、それはそれで仕方のない事ですわ。
     シャルロットさんにとっては気の毒な話ですが、人間には相性というものがありますからねぇ…」

鈴「全く薄情な奴ね…。こんな時くらい素直にシャルロットのこと応援してやれないの?アンタは…」

セシリア「応援、ですか…。そういう鈴さんだって、さっきまで御二人の事を邪魔する気満々だったじゃないですか。
     全く、都合のいい手のひら返しだこと…」

鈴「て…手のひら返しってッ!……まぁ、実際その通りだけどさ…」

ラウラ「………」ドリンク チュー


鈴「……でも、本音を言うとね……アイツがシャルロットと一緒に買い物へ行くって聞いた時…
  嫉妬半分、ちょっとだけ嬉しかったのよ。私…」

セシリア「はい…?」

ラウラ「………」チュー…

鈴「アンタらも詳しい事までは知らないと思うけどさ、
  昔の想って、ものすごい優等生だった訳よ」

ラウラ「優等生…あの兄上がか?」

セシリア「そういえば…以前、箒さんも同じようなことを申しておりましたわね。
     昔のお兄様は学年の成績がいつもトップで、委員長なとの責任のある役職もそつなくこなす優等生だったと…」

鈴「そう。今のやさぐれた想からは想像も付かないだろうけど…それこそ、あの頃のアイツは超が付く程の優等生だったわ。
  スポーツ万能で学校の成績も優秀。誰にだって分け隔たりなく接する事が出来て、どんな奴とでも直ぐに仲良くなれちゃう。
  クラスメイトからの信頼も厚くて、それでいてリーダーシップも人一倍強い…正に完璧超人って奴よ」

ラウラ(……確かに、今の兄上からは想像も付かんな…)ズズズッ…

鈴「中国からの転校生だった私に対しても、アイツは何の偏見もなく接してくれたわ。
  小学生の頃は、アイツもよく私の親のやってるお店にご飯を食べに来たもんよ」

セシリア(クッ!鈴さんとお兄様との間に…そのような過去があっただなんてッ!)ギリッ


鈴「……でも、中学に上がって暫く経った頃から、その関係も様変わりしたわ。
  月日が経つにつれて、アイツは何かと“生徒会の仕事が忙しい”って事に理由を付けて、クラスの奴らと全然遊ばなくなったのよ。
  それは幼なじみである私に対しても同じで…アイツも次第に、ウチのお店にご飯を食べに来なくなって…」

セシリア「………」

鈴「まぁ…それでも流石にアイツと接する時間がゼロになった訳じゃあなかったわ。
  学校の休憩時間とか、暇さえあれば私の方からアイツによく話し掛けたモンよ。特に用もないのに…」

ラウラ「………」ズズッ…

鈴「……けど、いざ話をしてみると、何だか……昔の想とは違う感じがしたのよね…」

鈴「その…漠然とし過ぎて上手くは説明出来ないんだけど…
  二人の間に見えない壁でもあるんじゃないかっていうくらい、距離感を感じたというか…」

ラウラ「………」

セシリア「鈴さん…」

鈴「……何でだろうね?やっぱり優等生と一般人とじゃ、住む世界が違うって事だったのかな…?」

セシリア「そ…そんな事は…!」

鈴(……いや、私だって薄々気付いてたわよ…
  生徒会の仕事なんてのは建前で、想は…本当はもっと別の……とんでもない事に巻き込まれているんじゃないかって…)

鈴(でも…それが一体何なのか、私には皆目見当の付かない事で…
  だからこそ…尚更、不安で不安で仕方なかったのよ…
  今にもアイツが…私の知らない何処か遠い所へ行ってしまうんじゃないかって、そんな気がして…)

やっぱ時期的に中学の時にワームと戦ってたってことなんだ


鈴「はぁー……本当に嫌だったなぁー…あの頃は。
  同じクラスに居るのに、まるでアイツだけが別の世界に居るような…そんな感じがして…」

セシリア「………」

鈴「……そうよ、だからこそ嬉しかったのよ。アイツがああして、落ちぶれてくれた事が…
  ……酷い考え方かもしれないけど…これでまた、アイツと気兼ねなく話す事が出来るんだって、そう思えた…」

鈴「実際、IS学園で久し振りに会ったアイツからは、もう…あの頃感じていた距離感は無くなっていたわ」

鈴(……まぁその代わり、重度の厨二病を拗らせていた訳だけど…)


鈴「今朝、想がシャルロットと一緒に買い物へ行くって聞いた時、私は…
  “アイツはもうあの頃の想とは違うんだ”っていう事を、改めて感じる事が出来たの。
  些細な事かもしれないけど、私にはそれが少しだけ……ううん、堪らなく嬉しかったのよ」

ラウラ「……鈴…」

セシリア「……成る程、そうでしたのね…」

セシリア(鈴さんは鈴さんで、お兄様との関係に色々と思い悩んでいたのですね…)

鈴「……でも、時々ふと思うときがあるのよね…」

セシリア「思うって…何をですか?」

鈴「……今の想が、またあの頃の想に戻る時が来るんじゃないかって…
  昔みたいに…いや、昔以上に遠い存在になっちゃう日が来るんじゃないかって…
  何となくなんだけど…そんな事を漠然と考えちゃう時が、たまにあるのよ…」

セシリア「そ…そんなッ!縁起でもない事をッ!」

ラウラ「全くだ。あの兄上が、私達の事を裏切るような真似などする訳がないだろうが」

鈴「……そうよね。私の考え過ぎよね、やっぱり…」


鈴「……さてと!湿ったれた話はもうこの辺にして、そろそろ行きますか!」ガタッ

ラウラ「むっ?何処へ行くと言うのだ?」

セシリア「決まっているじゃありませんか!買い物ですわ!買い物ッ!」

鈴「貴重な休日の時間を潰してわざわざこんな所まで来たんだから
  折角なんだし楽しまなきゃ損よ!損ッ!」

ラウラ「しかし、私は既に目当ての物は買い終えてあるのだが…」

鈴「つべこべ言わずに黙って付いて来なさいッ!これは地獄兄妹の姉貴分である私からの先輩命令よッ!」ビシィッ

ラウラ「命令、か…。ならば従う他あるまいな」

鈴「素直でよろしい!よしッ!今日はトコトン楽しむわよー!」

セシリア(……フフッ、良かったですわ。また…何時もの鈴さんに戻って…
     あんなどんよりモードの鈴さんなんて、鈴さんらしくありませんからね…)

確かに、別の世界に居るような感じではあるな
なんていうか別の作品というか


~ショッピングモール~


シャル「ふぅ…色々買ったね、お兄ちゃん!
    ねぇ、次は何処に行こっか?」スタスタ

矢車「……そうだな…」スタスタ…


ピー プー


シャル「んっ?」クルッ


豆腐屋「………」ゴトゴト ゴトゴト…


シャル「……お兄ちゃん、何あれ?」ツンツン

矢車「……あれは…豆腐屋だな」

シャル「豆腐屋さん…?」

矢車「あぁ…。移動販売タイプの豆腐屋だ…」

シャル「へぇ~…お豆腐って、あんな風に売ってるもんなんだ…」

矢車「………」

シャル「ねぇお兄ちゃん。折角だし、鈴達のお土産にあの豆腐屋さんでお豆腐買ってかない?」

矢車「……どうせ、買った豆腐を俺に料理させようっていう魂胆なんだろ?」

シャル「あはは…ごめん」

矢車「はぁー……まぁ良い…
   俺の作る地獄の豆腐料理、楽しみにしていろ…」スタスタ…

シャル「うん!ありがとうお兄ちゃん!」

この流れは…まさか!?


───


ひより「別に、買い出しなんて僕一人で十分なのに…」スタスタ

加賀美「まぁそう言うなって。たまには二人で買い物に行くのも悪くないだろ?」スタスタ

ひより「それは……まぁ…」

加賀美「さてと…あと買ってないのは、豆腐だけだったな…」


ピー プー


ひより「加賀美、あれ…」ツンツン

加賀美「おぉ、ラッキー!丁度良いところに豆腐屋が!」タッ タッ タッ タッ



矢車「………」スタスタ…


加賀美「豆腐豆腐っと…」タッ タッ タッ


ザッ

矢車「……絹ごし一丁…」


ダッ

加賀美「絹ごし一丁ッ!」



矢車「……んっ?」チラッ

加賀美「……えっ?」チラッ

矢車「………」

加賀美「………」

今日はよく知り合いに会う日ですね


加賀美「や…ややや矢車さァーンッ!!?」ガターンッ!

矢車「……加賀美…」


シャル「お兄ちゃん、どうかしたの?」スタスタ

ひより「どうしたんだ加賀美?いきなり大声なんか出して…」スタスタ


加賀美「えッ!?あっ、いや…その…
    思いがけない再会に、ちょっとビックリしちゃってな…」

ひより「再会って…」チラッ

矢車「………」

ひより(……この人、前に何処かで…)


シャル「……お兄ちゃん、また知り合いの人?」

矢車「……あぁ、まぁな…」

シャル「そ…そっか…。何だか今日は、お兄ちゃんの知り合いによく会うね」

矢車「………」

加賀美からしたら今の矢車は異常性癖の奴にしか見えないな

この世界の加賀美は何歳なんだろ

兄貴の地獄の豆腐料理とは一体…

かがみん&ひよりキター!!
最後に加賀美が最後に兄貴と会ったのって、どんな時だっけ
というかこの流れはもしかして豆腐が残り一つとかそういう?

>>239
安定の麻婆豆腐じゃね?


加賀美「その…お久し振りです。矢車さん」

矢車「……あぁ…」

ひより「………」

加賀美「そうだ、ニュースで聞きましたよ!矢車さんIS学園に入学したんですってね!
    いや~ビックリしましたよ!まさか矢車さんがISを動かせただなんてッ!」

矢車「………」

加賀美「……そういえば…」キョロキョロ

加賀美「……今日は影山さんと一緒じゃないんですね」

シャル「あっ…!」ビクッ

矢車「………」

シャル「あの!えっと…!影山さんは、その……」

加賀美「んっ?」

豆腐屋「……兄ちゃん達さぁ…立ち話なら余所でやってくんない?商売の邪魔なんだけど…」

加賀美「えっ?あっ、あぁ…すいません…」

豆腐屋「それで、豆腐はどうするの?買わないの?」

加賀美「あぁ!買います買います!」

豆腐屋「あいよ、確かどっちも注文は絹ごし豆腐だったね…
    おぉ、丁度売れ残りがあと2つだけ残ってたよ!」

加賀美「そうですか!じゃあ俺と矢車さんで一つずつ…」


──「ほぉ…それでは一つ足りないな…」


なぜタイミングの悪い時ばかりを狙うんだ、天道


加賀美「……えっ?」クルッ

矢車「………」


天道「豆腐屋、俺も絹ごし豆腐を一丁注文だ」


加賀美「て…ててて天道ォーッ!!?」ガターンッ!

天道「全く…相変わらず騒々しい奴だ…」

ひより「……お前、いつの間に日本に…?」

天道「あぁ、先日帰って来たところだ。少しここでやる事があってな…」

加賀美「全く水臭い奴だなぁ~!
    帰って来るなら来るで、連絡の一つくらい入れろよな!」

天道「………」

加賀美「……天道?」

天道「……加賀美、矢車、お前達に話がある」

天道は束さんと組んでるっぽいが、カブトゼクターは無事なんだろうか。
バラバラにされたりしてないだろうか

天道のことだから一時的な同盟程度だろうしゼクター渡すなんてことはしないと思う
束さんもゼクター作りのノウハウからIS作ったらしいし今更興味なさそう

実は束さんがハイパーゼクター(未来から来た奴)の制作者だったりして

夢見すぎ

束で思い出したけど、モップが2か月も出番がないww


加賀美「話?何の?」

天道「内容は追って伝える。重要な話だ…」

矢車「………」

加賀美「重要な話、ねぇ…」

天道「……3人だけで話をしたい。場所を変えるぞ」

シャル(えっ…?)

加賀美「お、おう…」

矢車「………」

天道「ひより、金は俺が出しておくから、買った豆腐はお前が預かっといてくれ。誰に配分するかは後で決めよう」

ひより「あぁ、分かった」

矢車「………」

シャル「お兄ちゃん、あの…」

矢車「……シャルロット…」


鈴『今日という日は絶対に…シャルロットの側から離れないこと。
  “今日は1日中シャルロットの我が儘に付き合う”って言ったのはアンタなんだから…ちゃんとその言葉に責任を持ちなさいよ』

矢車「………」

シャル「………」


天道「絹ごし2つ」チャリーン

豆腐屋「はい、まいどあり~」チャポン


矢車「……シャルロット、お前はここで待ってろ」

シャル「……えっ?」

矢車「………」

シャル「……分かった…。出来るだけ早く帰って来てね?」

矢車「……あぁ…悪い…」


天道「ほら、豆腐だ。持っててくれ」スッ

ひより「あぁ…」パシッ

天道「よし…。加賀美、矢車、俺に付いて来い。向こうで話をしよう…」クルッ

スタスタ…

加賀美「お…おう…」スタスタ

矢車「………」スタスタ…


シャル「………」


あ、シャルがいらない子になった

>>249のレス見てモップの存在を思い出した…

>>249言われるまで気付かなかった…。

そういえば、いたな

あいつの事は今はいい


~町外れの川原~


加賀美「で、こんな人気のない所に俺達を連れて来て……一体何なんだよ?話したい事って」

天道「悪いな。無関係の人間には、あまり聞かれたくない話なのでな。場所を移させてもらった」

矢車「………」


天道「お前達、先ずはこの写真を見てくれ」パラッ

加賀美「写真…?」ジッ

矢車「………」

加賀美(……軍服を着た男と、変な格好をした女の人が握手をしている写真?
    何だコレ?天道の奴、こんな写真なんか見せて一体何が言いたいんだ…?)

矢車「………」

矢車(……コイツは、まさか…)


天道「加賀美、この写真に写っている女に、何処か見覚えはないか?」

加賀美「えっ?この女の人に?ん~…」ジィー

天道「………」

加賀美「……そういえば、確かに何処かで見た事があるような…」

天道「それもその筈だ。何故ならこの女は…今や世界的な有名人である、あの篠ノ之束なのだからな」


矢車「………」

加賀美「篠ノ之束って……あのISを開発したっていう、篠ノ之博士の事か?」

天道「あぁ…。そして向かって左側に写っている男は、某国の軍事関係者…軍の将校である人物だ。
   つまり…この写真は彼女と某国との間に、軍事的な面での癒着があるという事を明らかにした決定的な証拠写真、という事だ…」

加賀美「おいおいちょっと待ってくれよ!つまり…お前は何が言いたいんだ!?
    篠ノ之博士と某国との癒着…?何でそんな事を俺達に伝える!?話が全然見えてこないぞッ!」

天道「……少しは落ち着いて話を聞け、加賀美。
   この写真の女が“本物の篠ノ之束”であるというのであれば、俺もここまで騒ぎ立てはしない…」

天道「……そう、“本物の篠ノ之束”ならば、な…」

加賀美「……どういう事だよ、それ…」

天道「……この写真の篠ノ之束は、“篠ノ之束であって篠ノ之束ではない”……瓜二つだが、全くもって別の存在…
   限りなく彼女に近い頭脳と人格を有しているが…それはあくまでも、オリジナルの篠ノ之束を模したものに過ぎない…」

矢車「………」

加賀美「オリジナルの篠ノ之束を模した?……それって…まさかッ!?」

天道「……そう、この写真に写っている女の正体…
   それは、篠ノ之束に擬態した“ワーム”だ」


軍服を着た男か…
駄目だ、ガドル閣下くらいしか思いつかねぇ

ゴ・ガトルバだっけ?
強すぎてどうすんだよ?と思ってたな

グロンギまで出てきたら収集付かねえだろwww
実際カブト本編でもワームは絶滅したわけじゃないしな、潜伏してる残党はまだまだいるだろうよ

グロンギは色々と合わない気がするw


加賀美「そんなッ!ワームだってッ!?」

矢車「………」

天道「ちなみに、この写真は俺が某国の軍事施設に潜入して秘密利に撮影したもの…
   つまり、これはまだ世間には公表されていない極秘の情報だ」

加賀美「ちょ…ちょっと待ってくれよッ!何で今になってワームが出て来るんだッ!?
    奴らは俺達が一匹残らず倒した筈じゃなかったのかよッ!?」

天道「……順を追って説明しよう」




天道「確かに…ワームは俺達ライダーの手に掛かり、その大多数が駆逐された筈だった。
   しかし、ワームの中にも少なからず、頭のキレる奴らがいたらしい…
   敗北を悟った極少数のワーム達は、己の身を守る為に、比較的ZECTの手が滞っていない日本国外への逃走を図った」

天道「国外へと逃げ延びたワーム達は擬態能力を駆使し、人間社会に溶け込む事に成功した。
   しかし…奴らは地球侵略の野望を諦めた訳ではなかった。
   自らの存在をひた隠しにし、人間として生きながらも…奴らは虎視眈々とその機会を伺っていたのだ」

矢車「………」



加賀美陸『仮に…運よく生き残ったワーム達が、擬態能力を利用してその身を隠し
     今も尚…人類への逆襲を虎視眈々と企てていたとしても…何ら不思議な話ではない。
     そうは…思わないかね?』



矢車(……あの親父の言っていた事が、現実になったという訳か…)


パパンは分かってて言ってたのかただ意味深に言っただけなのか
でもワームって相手を消して擬態するよな?

束はあんまり人前に出ないし、
消さなくても変わらないと思ったんじゃね?


天道「だが…奴らワームの残党共には、圧倒的に戦力と呼べるものが不足していた。
   逃げ延びてきたワーム達は只でさえ数が少ない上に、人類にはマスクドライダーシステムという切り札が残っている。
   何の策もなしに人類に戦いを挑むなど、無謀以外の何物でもない。
   それを知っているからこそ、奴らは今に至るまで何のアクションも起こさずに、鳴りを潜めている他なかった」

矢車「………」

天道「奴らに必要だったのは“強力な戦力”だった。マスクドライダーシステムにも対抗し得る、強力な戦力…
   そこで奴らが目を付けたのは、最強の現代兵器と謳われている…ISという名の超兵器であった。
   破格の性能を秘めたISは、今やその保有数、機体性能等によってその国の軍事力のパラメーターを示すまでに重要視されている兵器だ。
   人類相手に逆転の一手を与える為には、この超兵器を利用する他ないと…奴らは考えた訳だ」

加賀美「利用するって…でも、何をどうやって?」

天道「……確かに奴らは、ISを開発する為に必要な設備も、資材も持ち合わせてはいない。
   だが、ISの開発に必要な“専門知識”に至っては、その限りではなかった…」

加賀美「……どういう事だよ、それ…?」

矢車「………」

天道「奴らは自身の擬態能力を利用し…ISの専門知識を有する人間に擬態する事で、
   ISの開発、生産に必要な知識を吸収する事に成功した、という訳だ…
   既に何人ものISの技術者、各方面の知識人が奴らに擬態され、そして殺されている…」

加賀美「なッ!何だってッ!?」

矢車「……篠ノ之束もその内の一人、という訳か…」

天道「あぁ…だが安心しろ。本物の篠ノ之束は既に俺の保護下にある。
   今では俺の協力者として、主に俺のサポートを行っている」

矢車「………」

よく考えたら、拷問や交渉をせずとも擬態すれば簡単に情報を得られるってかなりやばいよな

ワームはシリーズ全体で見てもチートすぎる

しかしISでライダーを倒そうって無謀だろ

女性しか使えない(ワームに性別があるかはともかく)
クロックアップできない&対抗手段なし
(ライダーと比較して)防御力低い

どう考えても産廃だろ

それだけ切羽詰まってるってことだろう


天道「……話を戻そう。ISの開発知識を得た奴らが次に欲したもの…それは、先にも上げた“設備と資材”、そして兵器開発に携わる“人員”だった。
   それらは如何に擬態能力を駆使しようが、今の奴らにはどうしても揃える事の出来ない代物であった。
   どれ程の知識を有していても、それを活かす事が出来なければ宝の持ち腐れ…。自分達の必要とする理想の対人類用兵器は完成し得ない…
   そこで奴らは、ある者達を利用する事に決めた」

加賀美「……その、利用した者達っていうのが…」

天道「そう、この写真に写っている某国の軍人達だ。
   この国はISの保有数、技術力が他国と比べ軒並み低い国であった。
   ISの開発に関する先端技術は、それこそ喉から手が出る程に欲しかった筈だ。
   ワーム達はそこに目を付け、彼らにISの開発技術の提供を申し出た。
   自らが必要とする理想の対人類用兵器を、完成させる為に…」

矢車「………」

天道「勿論、ワーム達は技術提供に至ったその真意までは語らなかった筈だがな」

加賀美「そんな…その国の軍の人間は、相手がワームだと知った上で奴らの条件を呑んだのかッ!?」

天道「そこまでは知らん。だが、少なからず疑いはした筈だ。
   何せ技術提供を申し出て来たのは…どれも行方不明になった筈の、名の知れた技術者ばかりなのだからな…」

矢車「………」

加賀美「そ…そんなッ!どうしてその国の軍人はそんな怪しい連中の誘いなんかに乗ったんだッ!?
    どう考えても裏があるだろッ!」

天道「……おばあちゃんが言っていた…。“悪魔の囁きは、時として天使の声に聞こえる” と…
   某国の軍人達は目先の利益に目がくらみ…疑う心を捨ててしまった。
   そして…彼らはまんまと悪魔の誘いに乗ってしまった、という訳だ…
   それが、後に己の首を絞める事になるとも知らずに…」


矢車「………」

加賀美「……でも、いくらワーム達の技術提供で開発を進めているからって…結局、完成したISはそこの軍が所有するんだろ?
    いくら何でも…その国の軍人が、やっとの思いで完成させた虎の子のISを、おいそれとワーム達に扱わせるとは思えないんだが…」

天道「その点についても、既に調べは付いている。
   どうやら開発中のISは全て無人機で、そのコントロールは機体に備え付けられた人工知能によって行われるとの事だ。
   ワーム達はその人工知能に細工を施し、必要とあらば自分達のコントロール下に置くことが出来るようにプログラミングを施したという訳だ。
   そう…かつてネイティブがゼクターに施したのと、同じような手口を使ってな」

加賀美「何だって…!?」

矢車「………」

天道「奴らの計画は最終段階に入った。
   篠ノ之博士に擬態したワームが、ISのコアの複製品…“ダミーコア”を完成させた事により、奴らのISは本格的な量産体制に移った。
   この事は某国の軍内部でも極秘利に進められている事だ。
   保有数に制限のあるISを大量生産しているなど、世に知れ渡れば国際社会からの批判は免れないからな…
   だが、その判断が裏で糸を引いているワーム達の存在を隠す事に一役買っているのもまた事実…
   これで奴らは心置きなく、人類を滅亡させる為の殺戮兵器を大量に生産する事が出来る、という訳だ…」

加賀美「そ…そんな事……許される訳ないだろッ!!」

矢車「………」

天道「奴らの開発した、無人機という名の悪魔達が野に放たれるのも…時間の問題だ。
   もはや一刻の猶予もない…。止められるのは、俺達……ライダーだけだ」

無人機をそう持ってくるか

現状で戦えるライダーがザビー、サソード、パンチホッパーを除いた四人だからな…
ないとは思うが天道がピンチになってハイパーになった場合は三人になるし
戦力では問題ないけどワームが世界規模で事を起こした場合を考えると人数が圧倒的に足りないな

モッピーがパンチホッパーになる可能性が微レ存

高い知能と身体能力、クロックアップに固有の特殊能力、ワームが持つこれ等の強みでごり押しできるから物量戦ではかなり不利だな

(有人機で無人機足止め→ライダー黒幕倒すでいいんじゃないのか…?)

黒幕倒したって無人機が止まる保証ないし
むしろ数少ないからそれだけ念入りだろうし

(もっと言うなら同じ人材確保できてんだから同じものつくれそうなきが…)

ワームが擬態してる中で生きてるの束だけだぞ?

束に擬態したワームが開発に協力しているって事は、少なくとも第四世代機に近い性能のISが量産されてるって事だよな?
人類側戦力も人員も色々と足りてなくてヤバいな

束自身も、原作ではチートだったし、擬態したワームにかかればエグイことになりそう
さすがにライダーも物量にはかなり厳しい状況になる
ハイパーゼクターが各個人に行き渡ればそうでもないけど

>原作ではチート
…うん、そうだね(虚ろな目)

そういやクロックアップシステムってネイティブの協力によってできたんだっけ?
同じようなノウハウをワーム側は持ってないのかな
まぁクロックアップ搭載できなくてもライダー側数の少なさがネックになりそうだけど

まず、矢車さんと風間が天道に協力するだろうか?

風間は何だかんだで協力すると思う。本編の後半あたりでもそうだったし
ただ兄貴は難しいだろうな。最悪鎖で体を雁字搦めにして一歩も動かなくなるかも


矢車「………」

天道「加賀美、矢車、俺に協力しろ。
   ワームの野望を打ち砕く為には…お前達の力が必要だ」

加賀美「当たり前だろッ!こんな話を聞かされた以上…黙って見過ごすなんて出来るかよッ!」

天道「……矢車、お前はどうなんだ?」

矢車「………」

加賀美「矢車さんも一緒に戦いましょうよッ!
    何たって人類の未来がかかってるんですからッ!」

天道「………」

矢車「……はぁー…」

加賀美「……矢車さん?」

矢車「……お前らはいいよなぁ…。未だに正義の心が残っていて…
   俺はそんなもの…もう、とうの昔に消え失せた…」

加賀美「な…何を言ってるんですかッ!?人類のピンチなんですよッ!!」

天道「……放っておけ、加賀美。
   やはりこんな男を当てにしようとした、俺がバカだったようだ…」

矢車「………」

天道「お前はせいぜい学園生活を楽しんでいればいい。“死んだ影山の代わり”である彼女達に依存しながら、な…」

矢車「……あっ?」

まぁコイツなら言うわな

相棒を笑ったものは死ぬしかない

まぁ、天童だし言うよねー……

天道は矢車さんよりも風間や田所さんを頼るべきだった

>>254

そういえば泉さんも出てないな

>>291
その二人にはもう声かけたっぽいから


加賀美「影山さんが死んだって……一体どういう事だよ天道ッ!?」

天道「……ネイティブの手によって己の身体を“異形の者”へと変えられてしまった影山は、その現実に耐えきれずに…人間として死ぬ道を選んだ。
   そして…そんな影山の願いを聞き入れたこの男の手にかかり、奴は命を落とした…」

加賀美「なッ!?そんな…!」

矢車「………」

天道「影山を失った矢車のその後の足取りは、お前も知っての通りだ。
   ……俺も…コイツがIS学園に入学したと聞いた時は、“何を血迷ったのか”と思っていたが…
   コイツがIS学園で、地獄兄妹なる集団を作っていると聞き、俺は全てを悟った…」

矢車「………」

天道「この男は、死んだ影山の“代わりになる人間”を欲していたんだ。
   影山を失った事による喪失感を埋める為…そのためだけに、この男は彼女達を利用した」

矢車「……黙れ…お前に何が分かる…」

天道「矢車。影山の死に関しては、俺も同情する。
   だがな、お前がIS学園で行っている事は…傷付いた己の心を他人に癒してもらおうという、お前自身のエゴにしか過ぎん。
   そんなお前の身勝手に、彼女達は巻き込まれて…」




矢車「黙れェーッ!!」カシャ


──HENSHIN──

キュイキュイキュイーン

──CHANGE! KICK HOPPER!──


矢車「ラァッ!」ブンッ!


天道「……変身…」カシャ


──HENSHIN──

キュイキュイキュイーン


天道「………」グッ


ガキィーンッ!


天道(MF)「………」ググッ…

矢車「天道ォー…!」ギリッ

天道「……来るなら来い。相手になってやる」


図星突かれてマジギレする兄貴
まあ今まで正論ばっかだしたまにはね

>>296
ライジェネでも八つ当たりとかしてたししょうがないね


~ショッピングモール~


鈴「ふぃ~…買った買った~。お陰でもう財布がピンチだわ」

セシリア「はしゃぎ過ぎですわよ鈴さん。
     もう…こんなに沢山、色々な物を買い込んで…」

鈴「何、帰りの電車代はちゃんと残してあるから大丈夫よ」

セシリア「……そういう問題ではないと思うのですが…」


ラウラ「……んっ?」ピクッ

鈴「ラウラ、どうかしたの?」

ラウラ「……あそこに居るのは…もしや、シャルロットではないか?」

鈴「えッ!?」ビクッ

セシリア「あら、本当ですわね。一緒に居る筈のお兄様の姿が見えませんが…
     ……お隣に居る方は、どなたでしょうか…?」

鈴「ちょ…ちょっと行ってみましょうよッ!」ダッ

セシリア「あっ!お待ちになって!」ダッ

ラウラ「………」ダッ


タッ タッ タッ タッ


てか影山のこと何で知ってるんだ?近くに誰も居なかった気がするが

>>299
影山が死んだって事は加賀美パパンから聞いたんじゃね?あの人何か知ってるっぽかったし
それと天道は本編で、予め影山がネイティブになる瞬間を目撃してた訳だし、後の事はだいたい察しがついたとか

天道だからしゃーない

>>301
大体これで片づくのが天道のすごいところだなww



鈴「シャルロットーッ!」タッ タッ タッ タッ


シャル「あっ!鈴!みんな!」

鈴「アンタ一体どうしたのよ!?何でこんな所でぼーっと突っ立ってる訳ッ!?」

シャル「こ…これには色々と事情があって…」

鈴「……想は何処行ったのよ?」

シャル「えっ?……あぁ…お兄ちゃんは、その…」

鈴「ハッキリ言いなさいよッ!」

シャル「……うん…」


>>299
田所さんが教えたんじゃね


─シャル説明中─


鈴「な…な…な……何ですってえーェェェェェエエッ!!!」ドカーンッ!


セシリア「うわッ!」

シャル「り…鈴?」

鈴「あンのバカ想ォーッ!!あれ程シャルロットの側を離れるなって言ったのにッ!!もう約束を破るだなんてェーッ!!」ムッキー!

セシリア「り…鈴さん!ちょっと落ち着いて…」

鈴「これが落ち着いていられるかってのよォーッ!!
  …っていうかシャルロットッ!!アンタ何でそんなに冷静でいられる訳ッ!?
  デートすっぽかされたのよッ!?普通怒るでしょーがッ!!」

シャル「いや、別に長い時間待たされてる訳じゃないし…。まだそんなに時間経ってないし…
    それに…予めお兄ちゃんには、早く帰ってくるように伝えておいたから…大丈夫かな?って…」

鈴「そういう問題じゃないでしょーがァーッ!!もーッ!!」ムッキー!

シャル「あ…あはは…」


鈴「シャルロットッ!!アイツは今何処に居るのよッ!?」

シャル「えっ!?……いや、何処に行くかまでは聞いてなかったな~…」

鈴「─ッ!!じゃあ隣のアンタッ!
  アイツが…矢車想の奴が何処に行ったか知らないッ!?」

ひより「……いや、知らないけど…」

鈴「グッ!あーッ!!もォーッ!!」ワシャワシャ

ラウラ「鈴。兄上の居場所を知りたいのなら、良い物があるぞ」ガサゴソ

鈴「な…何ですってッ!?」グルッ

ラウラ「今朝、兄上の服に発信器を取り付けておいたのだ。
    このレーダーを見れば、兄上の現在地が一目で分かるぞ」スッ

鈴「よォーしッ!!でかしたわよラウラッ!!」

セシリア「あなた!何でまたそのような代物をお兄様に取り付けたのですか!?」

ラウラ「いざという時に、兄上の位置を正確に把握する為だ」

セシリア「い…いざという時とは、一体…?」

鈴「今がその時よッ!!よォーしラウラッ!今すぐ私達を想の下へと案内しなさいッ!!」

ラウラ「うむ。了解した」タッ

鈴「想ッ!首を洗って待ってなさいよォーッ!!」ダッ

タッ タッ タッ タッ


セシリア「ほ…本当にこれでよろしかったのでしょうか…?」

シャル「……何だか…危ない方向へと事態が進んでる気が…」


タッ タッ タッ タッ…

鈴「何してんのよシャルロットッ!?アンタも一緒に来るのよッ!!」ガシッ

シャル「えッ!ちょっと…鈴!?」

鈴「セシリアッ!ほらアンタも急いでッ!!」ガシッ

セシリア「えッ!?いやあの、わたくしは別に…」

鈴「ほらッ!ダッシュで行くわよォーッ!!」ダッ


シャル「うわッ!?」グイッ

セシリア「ひッ!?」グイッ


ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ




ひより「…………」

ひより(……取り残された…)

箒(最近出番ない…)

ほんっっと出番ないな箒は

箒「あー出番もねぇ!専用機もねぇ!想とのフラグもある訳ねぇッ!」


───


加賀美「よせッ!止めるんだ二人ともッ!!」

加賀美(クソッ!こんな時に限って俺は…ベルトを持って来なかっただなんてッ!
    これじゃあ止めに入るどころか…近付く事すら出来ないッ!)



矢車「ゼアッ!ラァッ!」ブンッ ブンッ ブンッ

天道(MF)「くッ…!」グッ

ガキィーンッ! ガキィーンッ! ガキィーンッ!

天道(やはり…マスクドフォームでは奴のキックスピードに付いてこれないか……ならば)スッ

矢車(来る…!)タンッ


天道「キャストオフ…」カシャ


── CAST OFF ──

ピピピ… ドシューンッ!


ビュン! ビュン! ビュン!

矢車「チッ…!」タンッ ピョーン


──CHANGE! BEETLE!──


天道(RF)「………」

天道(これで、スピードは互角だ…)


矢車「天道ォー…!」ダッ

天道「………」ダッ


矢車「ラァッ!」ブンッ

天道「ハァッ!」ブンッ

ガキィーンッ!


加賀美「止めろォーッ!!」


ベルト忘れた加々美ェ・・・

加賀美の安定の叫び芸

ガタックに持ってきてもらえよ

>>311
戦いが終わって警察官になった後だし常備してないのは仕方ない

加賀美ってカブト内だと比較的まともだけど、パパンの子だからネタ要素が遺伝してるんだよなぁ

ウンメイノー

やっぱ兄貴は強いな

あのベルトって絶対かさばるよな

クウガ「やっぱベルトは内蔵式じゃないと」
BLACK「君のは内臓式だろう」

いちいち組み立てなきゃいけない555系よりかはマシ

草加「望み通りにしてやるーッ!」
からのモタモタ変身

律儀に待ってあげるたっくん

モップはカガーミンと同じ臭がするよ…


───


ラウラ「こっちだ。直進方向から兄上の反応が」タッ タッ タッ

鈴「よォーしッ!見付け次第袋にしてやるわよッ!覚悟しなさい想ッ!!」ダッ ダッ ダッ

シャル「そ…そんなに熱くならなくても…
    別に僕は…待ちぼうけを食らった事に関しては、何も気にしちゃいないんだし…」

鈴「アンタが良くても私が良くないのッ!!
  …ったくッ!本当にアイツには幻滅したわよ…!」

セシリア「………」

鈴「……昔のアイツは…人との約束を破るような奴じゃなかったのに…」

セシリア「……鈴さん…」




ラウラ「むっ。どうやら兄上は、この先の川原に居るようだな」

鈴「よしッ!この丘を登って、早速想のところへ乗り込んで…」


…ガキィーンッ! …ガキィーンッ!


鈴「……えっ?」


…ガキィーンッ! …ガキィーンッ!


シャル「……ねぇ…向こうの方から、何か凄い音が聞こえない?」

セシリア「何でしょうか?この音…
     まるで…硬い金属か何かが、激しくぶつかり合っているかのような…」

ラウラ「この音…兄上の居る方向から聞こえて来るぞ…
    ─ッ!まさか!兄上の身に何か危険がッ!?」


鈴「い…急いで行くわよッ!」ダッ

ラウラ「う…うむッ!」ダッ

シャル「あっ!ちょっと!」ダッ

セシリア「お…お待ちになってッ!」ダッ

地獄姉妹では何人集まっても景山の替わりにしかなれない

むしろ逆だろ
影山の代わりなんていない居やしないよ

>>327
だな、いいとこただ似せただけの全くの別物だろ
どこまでいっても代わりにはなれない

そーなるとパンチホッパーが日の目を見る事は無いのか
もしくはWホッパーで兄貴夢想

兄貴もそれを分かってるからキレてるんでしょ
人の繋がりっていう光を求めてる自分を自覚してるから尚更

つーかこの二人どうやって止めるんだよ。
ISじゃ絶対無理だろ

天道と矢車さんは本編でも決着つかなかったしな
かといってワーム相手でもないのにハイパー使うのは大人気ないし

戦闘だと基本互角な二人だからなぁ


ザッ

鈴「なっ…!?」

───


矢車「ラァーッ!」ブォンッ

天道「………」ブォンッ

ガキィーンッ!

矢車「チィッ…!」タンッ

天道(……やるな…)ザザッ



ラウラ「……な…何だこの状況は…?」

シャル「お兄ちゃんが……戦ってる…?何で…?」

セシリア「……あの赤いISは…一体…?」



矢車「ハアッ!」ブンッ

ガキィーンッ!


鈴「………」

鈴(……想…アンタこんな所で何してんのよ…)


矢車「デェヤッ!セェアッ!」ブンッ ブォンッ


鈴(シャルロットとのデートはどうしたのよ…?何でアンタはそうやって、また…
  ……私の知らない所で…訳の分からない事に巻き込まれて……)


矢車「天道ォー…!」ダッ



鈴「……いや…嫌ッ!」

鈴(嫌だッ!もう…そっちには行かないでッ!想ッ!)


ザザッ

天道「……腕は衰えていないようだな。矢車」

矢車「………」

天道「……そろそろ、終わりにするぞ…」スッ


── 1 2 3 ──


天道「………」カシャ

キュイキュイキュイーン…



矢車「……ライダージャンプ…」カシャ


──RIDER JUMP!──

ピコ…ピコ…ピコ



矢車「………」ググッ…

天道「………」ググッ…



加賀美(天道も矢車さんも…次の一撃で、勝負を決めるつもりか!?)



矢車「………」グッ

ドシュンッ!


天道「………」グッ

ビョンッ!



矢車「ライダーキック…!」カシャ

──RIDER KICK!──



天道「ライダー…キック!」カシャ

──RIDER KICK!──



矢車「ハァッ!」ブワンッ

天道「タァッ!」ブワンッ


バシィーッ!


加賀美「うわッ!」


ドゴオァーンッ!!



加賀美(空中で…ライダーキックの激しいぶつかり合いがッ!)



天道「ぐッ!」ドサッ

矢車「がッ!」ドサッ


加賀美「なッ!天道ッ!矢車さんッ!!」


プシュー…


矢車「─ッ!チィ…!」ズキッ

天道「くっ…!」ズキッ

天道(……キック力は、奴の方が若干上か…)


矢車「………」

天道「……この俺をここまで本気にさせるとは、流石だな」

矢車「………」

天道「だが…お前がどれ程の力を秘めていようが…
   俺の強さは、常にその先を行く…」スッ

バリバリバリィ…

天道「………」パシッ


加賀美「なッ!?」

加賀美(あれは…ハイパーゼクター!?)



天道「………」カシャ

天道「ハイパーキャストオフ…」キュイーン


── HYPER CAST OFF ──


ピポポポ… キュイーン!


──CHANGE! HYPER BEETLE!──


天道(HF)「………」



矢車「………」


加賀美(天道の奴!まさか…本気で矢車さんの事をッ!?)


天道「………」スッ…


加賀美「よせッ!天道ォーッ!!」


天道「ハイパークロックア…」


天道でもハイパーなしで兄貴を倒すのは流石にきびしいか

やっぱりハイパー抜きだと互角か

相変わらず加賀美は変身なしだと叫ぶさけ……いや変身してからもうるさかったわあいつ

その頃ボッチのモップは…

ひよりまで出てきて、他の4人のヒロインまで出ているのに未だに登場出来ないモップの悲しさよ・・・



鈴(IS展開)「想ォーッ!!」ブワッ

バシュッ! バシュッ! バシュッ!


天道「何…?」

ドゴォーッ! ドゴォーッ! ドゴォーッ!

天道「くっ…」

天道(衝撃砲…中国の第三世代機か?)


ズザザッ

鈴「アンタの相手は私よッ!」

天道「……ほぅ…」

矢車(……鈴…?)


天道「止めておけ。俺は、お前が敵うような相手ではないぞ?」

鈴「うるさいッ!アンタが何処の誰かは知らないけどねぇ…!
  想にはこれ以上…指一本たりとも触れさせはしないわよッ!」

天道「………」

鈴「……ッ!」ギリッ

天道(……どうやら、彼女は本気らしいな…)

天道「………」カシャ

ブォーン…

(天道、変身解除)


鈴「……えっ?」

天道「………」



ラウラ「お…男だとッ!?そんな…馬鹿なッ!?」

セシリア「一体…何が、どうなって…?」

シャル(……お兄ちゃん…鈴…)


天道「………」

鈴「……ッ!」ギッ

天道「……そう身構えるな。俺は、お前に危害を加えるつもりなど、毛頭ない」

鈴「な…何をッ!?そんなの信じられる訳ないじゃないッ!」

天道「………」

鈴「何なのよアンタッ!?一体何が目的で…想をこんな目に遭わせた訳ッ!?」

天道「……お前に話す義理などない。
   どうしても知りたいと言うのであれば…その男に直接聞くことだな。
   最も、ソイツがそう聞かれた事を素直に吐くとは思えないが…」

矢車「………」

鈴「……想…アンタ…」

鈴(やっぱりコイツ…私達に何か隠して…?)

矢車「………」


天道「矢車。先程俺が伝えた事は、全て口外禁止だ。
   俺達の行動が、奴らに勘付かれる危険性があるからな…」

矢車「………」

天道「それと…最後にお前に、これだけは言っておく」

矢車「……あっ?」

天道「もし…お前が彼女達に抱いている想いが、嘘偽りのないものだと言うのであれば…
   矢車、その証明として……お前はもう、彼女達の側を離れるな。
   そして…いつ何時であろうとも、兄であるお前が、彼女達の事を守ってやるんだ。
   それが…妹を持った兄の、成すべき使命…というものだ」クルッ

矢車「………」

鈴「ちょ…ちょっと待ちなさいよッ!アンタ…一体何者なのッ!?」


天道「……何者、か…知りたいのならば教えてやろう…」

天道「俺は天の道を往き、総てを司る男…」スッ


天道「俺の名は、天道…総司だ」

(やだ…かっこいい…!)

でもシスコン

(かっこいいけど...そんなんだから誤解されるんだよ天道)

(豆腐をどう分けるのかが気になる……)

(残念なイケメンだよ…)


鈴「……天道…総司…?」

天道「……矢車、買った豆腐はお前と加賀美にくれてやる。
   お前の作る豆腐料理を、せいぜい妹達に振る舞ってやることだな…」ザッ

スタスタ…


加賀美「お…おいッ!待てよ天道!」ダッ

タッ タッ タッ タッ



矢車「………」

鈴「………」キュイーン

(鈴、IS解除)

矢車「………」

鈴「……想…アンタもさっさと変身解除しなさい…」

矢車「何…?」

鈴「いいから…早くッ!」

矢車「………」カシャ

ブォーン…

(矢車、変身解除)


鈴「……想…アンタ、シャルロットとのデートをほっぽり出して…こんな所で何してたの?」

矢車「………」

鈴「あの天道とかいう男は、一体何者?
  アンタとはどういう関係で、何でアイツも男なのにISが扱える訳?」

矢車「………」

鈴「答えなさいよッ!全部ッ!!」

矢車「……お前らには、関係のない事だ…」

鈴「──ッ!!」プツンッ

ヤバイ
鈴がヒロインしすぎて箒の入る余地がねぇ
早く地獄に堕ちないと……

そっか、ホッパーをISって言ってるから他のライダーシステムもそう思っちゃうよな

ISだと思ってるのに変身解除って言うのはおかしくね?

>>352
毎度のことのように兄貴が「変身…」って言ってるからそれが定着したんでしょ多分



バチーンッ!


矢車「………」グラッ…


セシリア「り…鈴さん!?」

ラウラ「兄上に…手を…」

シャル「………」


鈴「いい加減に……いい加減にしなさいよアンタッ!!」

矢車「………」

鈴「私との約束を破って…シャルロットのこと放ったらかしにして…
  理由を聞けば“お前らには関係のない事”ですって…?ふざけんじゃないわよッ!!」

矢車「………」

鈴「ねぇ…何で私には何も喋ってくれないの?私ってそんなに信用ない訳!?
  アンタと私との関係って…結局はその程度だったってことッ!?
  全く…地獄兄妹が聞いて呆れるわッ!!」

矢車「………」

鈴「──ッ!!何とか言いなさいよッ!このバカ想ッ!!
  何でアンタはそうやって…いつもいつも大事な事は全部はぐらかしてッ!
  私には…私には何一つとしてッ!本当の事を話してくれないでッ!!」

矢車「………」

鈴(……何でよ……これじゃあ結局…あの頃の関係と同じじゃない…)

鈴「……どうしてよ…どうしてアンタはそうやって…
  また…私との間に壁を作ろうとするのよ……」

矢車「………」

鈴(やっと……やっとコイツに近付けたと思ったのに…
  コイツのそばに居られると…そう思ってたのに……それなのに…)ツー…


矢車「……鈴…お前、泣いてるのか…?」

鈴「えっ…!?」ツー…

鈴(な……何泣いてんのよ私ッ!?
  今…私は想にキレてる立場なのよッ!別にここは泣くような場面じゃ…)

鈴「……な…泣いてなんか……ひっく…ないわよぉ…!」ゴシゴシ

鈴(何でよ…!何で…涙が止まらないの…!?)ゴシゴシ

矢車「……鈴…」スッ…

鈴「──ッ!!触んなぁッ!!」パシッ

矢車「………」

鈴「このバカァッ!!アンタの事なんかもう……もう知らないんだからァーッ!!」ダッ


セシリア「あッ!ちょっと鈴さんッ!?」


ダッ ダッ ダッ ダッ…


セシリア「……い…行ってしまわれましたわ…」


矢車「………」

シャル「……お兄ちゃん…あの…」

矢車「……シャルロットか…悪かったな。買い物を途中で投げ出したりして…」

シャル「ううん、気にしないで。僕は別に気にしてないから。……それよりもさ…」

矢車「………」

シャル「今は…鈴のことを追い掛けてくれる?
    あの子って、ああ見えて結構ナイーブなところがあるからさ…」

矢車「………」

シャル「お兄ちゃんが直接会って、鈴の事を慰めてあげないと!」

矢車「……はぁー……逆効果になる気もするが…」

シャル「お兄ちゃんならきっと大丈夫!
    …って言うか、そういうお兄ちゃんの方こそ、鈴の後を追い掛けたくて仕方ないって思ってるんじゃない?」

矢車「………」

シャル「んっ?」

矢車「……あぁ、かもな…」

シャル「……うん!」

矢車「……済まない、シャルロット…」ダッ


タッ タッ タッ タッ…


セシリア「あぁ!お兄様まで!?」

シャル「………」

シャル(……今日は付き合ってくれてありがとう。楽しかったよ、お兄ちゃん…)

うーんこの正妻

えっと、ヒロインが鈴で正妻がシャルってことでいいのか? な?

兄貴は妹に手を出したりしない
つまり箒の一人勝ちは制定された未来だと
考える事も出来なくは無いかもしれないと思える気がする

箒のことなんかいいよ

>>359
僕は気になります
ISで唯一地獄に落ちてない貴重な存在だし……



~帰りの電車内~


ガタンゴトン… ガタンゴトン…


鈴「……はぁー…私ってば何やってんだか…」

鈴(皆の前で急に泣き出しちゃうなんて……恥ずかしいったらありゃしないわ…)

鈴「………」

鈴(そもそも…私、何で涙が出ちゃったんだろう?こっちは怒ってたつもりだったのに…
  ……ちょっと、自分の感情に整理が付かないわ…)

ウィーン

鈴(……んっ?隣の車両から、誰かが来る…?)

ヌッ

矢車「……よう…」

鈴「……想?何でアンタがここに…?」

矢車「……お前を慰めに来た。…って言えば、納得するか?」

鈴「な…何よそれ…」カァー…

矢車「……隣、座るぞ…」

鈴「……フンッ、勝手にすれば…」

矢車「………」スチャ

鈴「……慰めに来たって、アンタ…
  前に“地獄の住人に、優しさなんか期待するな”…とか何とか言ってなかったっけ?」

矢車「……さぁな…。過去の事など、もう忘れた…」

鈴「はぁー…全くとんだ二枚舌ね…
  そうやって自分に都合の悪い事は、直ぐにうやむやにするんだから…
  ……何でもかんでもはぐらかして…私には何も教えてくれないで…」

矢車「………」

鈴「……まぁ…アンタの秘密主義なんて、今に始まった事でもないし…
  今更こんな話しても…しょうがないけどね」

矢車「………」

鈴「……でもさ、さっきみたいに“関係ない”とか何とか言って、
  私の事を突き放すような…そんな態度を取ることだけは、やめてくれる?
  そういうの、結構頭に来るんだから…」

矢車「……あぁ、分かった…」

何この鈴、すごくカワイイじゃねぇか…

本当にかわいいよ本当に

鈴が好きで良かったと思うのであった。
公式でのハブり具合に泣ける…

加賀美は変身してなかったから、地獄姉妹からは「変なおっさん」としか思われてなさそうだな

兄貴が10代なんだから加賀美だって10代に決まってるだろ!
で、ですよね?

>>365
おっさんではない、お兄さんと呼びなさい!

>>367
おじさーん!

>>367
ライダー!

今回のOVAでは鈴優遇されてたな
箒?知らね

OVAって今回はヒロイン達の妄想話だと聞いたが、実際にはどんな話?

>>371
エロアニメ。ガチで

鈴がB地区解禁したアニメがエロアニメな訳ないだろ!


ガタンゴトン… ガタンゴトン…


鈴「……想、私さ…
  中学の頃、アンタとの間に“壁”を感じてたのよね」

矢車「……壁?」

鈴「うん。……忙しいとか何とか言って、アンタ…あまり私にかまってくれなくなった時期があったでしょ?その頃に感じてたのよ」

鈴「私と想との世界を隔てる、見えない壁みたいなものを…」

矢車「………」

鈴「けど…IS学園で再会した時のアンタからは、そんなもの微塵も感じられなくなってて…
  だから……少なからず安心してたのよ、私。
  もう…今の想は、あの嫌な距離感を感じさせていた頃の想とは違うんだって、そう思えて…」

矢車「………」

鈴「……でもさ…さっき、川原で得体の知れない奴と戦ってたアンタを見て、私…思い知らされたのよね…
  結局…想は、あの頃と同じ……私の知らない世界に、今も居るんだって…
  きっと…私の想像も付かないような出来事に、アンタは今でも…巻き込まれているんだってさ…」

矢車「………」

鈴「そんな事を考えているうちに……私…このままじゃアンタに取り残されるんじゃないかって…
  また…あの頃の関係に戻る日が来るんじゃないかって、そんな気がして………何だか……私……」

矢車「………」


鈴(……そっか、そういう事だったんだ…。だから私、あの時……)


鈴「……そうよ…怖かったのよ、私…
  またあの頃みたいに……想が…遠い存在になっちゃうような気がして……怖かったのよ…」

矢車「……鈴…」

鈴「……今だって……怖いよ…」

矢車「………」

鈴「……私は…今のままが一番良いのに…
  あの頃のアンタじゃなくて……今のアンタとの関係が好きなのに…
  ……その関係も…何時か、呆気なく崩れさるような気がして………怖いのよ……」

これやっぱ鈴が正妻みたいだな


矢車「……鈴…」

鈴「………」

矢車「………」スッ…


ギュッ


鈴「……想?」

矢車「……悪かったな。心配かけて…」

鈴「………」

矢車「安心しろ。俺は何処にも行かない…
   ずっと一緒だ。俺はお前と……お前達と、ずっと一緒に居る…」

鈴「……想…」

矢車「もう…決して離したりはしない…
   暗く、果てのない地獄の中を、永遠に彷徨うんだ……お前達と共に…」

鈴「……どーだか。いまいち信用出来ないわねぇ…
  今日、私との約束を破ったのは何処の誰だったかしら?」

矢車「……約束する。今度は嘘じゃない…」

鈴「ふーん…。じゃあ、100%嘘じゃないっていう証として……一つ、私のお願い聞いてよ」

矢車「何だ…?」

鈴「……もう少し、このままでいて…」

矢車「………」

鈴「……私の事…ちゃんと安心させて…」

矢車「……分かった…」


ギュッ…


鈴「……本当に…何処にも行かないでよね…」

矢車「……あぁ…」

鈴「……臨海学校にも、ちゃんと来なさいよ…」

矢車「……あぁ…」


───

田所『過去に縛られずに…今、お前の直ぐ側にあるものを大切にしろッ!』

天道『矢車、その証明として……お前はもう、彼女達の側を離れるな。
   そして…いつ何時であろうとも、兄であるお前が、彼女達の事を守ってやるんだ』

───


矢車(……言われるまでもない。俺はもう…絶対に…)




──『兄貴!』──



矢車(………影山……)



話の展開上仕方無いが、なんちゃって闇の中に拍車がかかってるな

いつまでも闇おじさんされてても困るし...

まあ本編でも地獄がうんたらかんたら言ってる割に急に光を求め出したりと結構いい加減だったからな兄貴

このSSは影山を失った痛みから立ち直る兄貴の成長の物語かもしれんね
カブト本編じゃ、多くの兄貴ファンが納得いかない救われない結末だったしな
せめて、このSSの妹達みたいに慕ってくれる人間がいたら、結末も変わっていたかも

影山を失ったトラウマが兄貴を丸くさせたのかもしれん
何にせよ鈴のメインヒロイン化待ったなしでますます箒の立場がないな

モップが息していないけど元からか

奴はいずれ敵として出てくる

なんだって、それは本当かい


~隣の車両 ドア前の物陰にて~


セシリア「り…鈴さんったら……
     お兄様に肩を抱かれるなんて…何と羨ましい事をーッ!!」ムッキー!

ラウラ「暴れるな。貰ってきたトゥーフーが崩れるではないか」ポチャ ポチャ

シャル「お…落ち着きなよセシリア…
    今日のところは…鈴に譲ってあげようよ…」

セシリア「キィーッ!お兄様もお兄様ですわッ!
     ちょーっと涙を見せられたくらいで、直ぐ鈴さんに甘くなって!
     全く…女の涙は武器とは言い得て妙ですわねッ!」

ラウラ「……女の涙は武器?どういう意味だそれは?
    涙が戦略兵器にでもなると言うのか?」

セシリア「兵器も兵器ッ!男性という名の要塞を陥落させる必殺兵器ですわッ!!」

ラウラ「そうなのか…。勉強になった」

セシリア「フンッ!まぁ良いですわ!次回はわたくしめにチャンスが回って来る事ですし!
     今回は鈴さんの心情に免じて、特別に身を引いて差し上げますわッ!」

シャル「あ…あはは…」

ホー「俺の涙は硫酸ですが何か?」

>>386
あんたの出自は失恋のショックだから縁起でもないわwww
メビウス版ならまだしも


~蕎麦屋 たどころ~


田所「………」


───

天道『以上が、事の顛末だ…』

天道『ワームの残党は、日増しにその戦力を拡大している』

天道『奴らに対抗する為には、こちらも戦力の増強が必要だ。そこで…』スッ

天道『……お前には、これを預けておく』

───


田所「フッ…巡り巡って俺の下へ、か…」カチャ

田所(……ザビーブレス。これを託されたからには、俺も…覚悟を決めなくてはな)

田所弟「……お兄ちゃん?」

田所「……急用が出来た。暫く店を外す」

田所弟「………」

田所「フッ…そんな顔をするな。俺は必ず帰って来る」

田所「だからそれまで……この店の事を、宜しく頼む…」クルッ


ガラガラガラ… バタンッ


ビッチが田所さんのところに!?

そっか、そういえばネイティブだからライダーシステム使えるんだ


~神代邸~


じいや「そんな……まさかワームの生き残りが、そのような事を…」

岬「えぇ…。この事は、天道くんから口外禁止にされているのですが…
  どうしても…貴方にだけは、ちゃんと真実を伝えておかなければならないと思って…」

じいや「………」

岬「この戦いが何時まで続くかは、私にも分かりません…
  ここにも暫く…顔を出す事は出来なくなります。
  それでも私は…必ずこの神代邸に帰って来る、と……それだけを貴方に伝えたくて…」

じいや「………」

岬「………」

じいや「……少々、お待ちを…」ガタッ

スタスタ…

岬「……?」


───

じいや「……貴方にこれを…お渡し致します」スッ

岬「えっ!?これって…!」

じいや「……サソードヤイバー…。ぼっちゃまの形見でございます」

岬「そんなッ!こんな大切なものを…どうして私に!?」

じいや「何、特別深い意味は御座いません。
    御守り代わり…と思って頂ければ結構です」

岬「御守り…ですか…?」

じいや「えぇ。……それに、もしかしたら…
    貴女が必要と感じたその時に…この剣がお役に立つ事があるやもしれません」

岬「……私が必要と感じた…その時に…?」

じいや「そうです。貴女が求めさえすれば、きっと…
    天国のぼっちゃまが…貴女にお力を与えてくれる筈だ、と…
    ……わたくしめには不思議と、そのような気がしてならないのです」

岬「……剣くんが…私の力に…」

じいや「………」

岬「……ありがとう御座います…」スッ

パシッ

岬「私…守ってみせます!剣くんが愛したこの世界を!」

岬「剣くんと…共に!!」

ぼっちゃまの最後は泣けたなぁ
ミサキーヌがサソードになるのか?

じいやを見て思ったが、一度セシリアをじいやのお兄さんのところで修行させるべき。雑巾をどう調理するのだろうか…


~箒の部屋~


箒「はぁー…頭が痛い…」ズキズキ

箒(……最近、考え事ばかりしているからか…?
  全く…こんな事で休日を潰す羽目になるとは…)


prrr… prrr…

箒「………」ピッ

箒「……もしもし…」


束『やっほー!久しぶりだねー!箒ちゃーん!』


箒「姉さんッ!?」ガバッ

束『おーおー我が妹よー!
  お姉ちゃんとの久しぶりの会話がそんなに嬉しいかー!うんうん!』

箒「茶化さないで下さいッ!
  あなたには…一昨日から何度も連絡を入れてたのに!全く…」

束『ごめんごめーん!人気者の束さんは、この頃ちょーっち忙しくてね~!
  電話に出る事すらままならなかったんだよー!
  こんな哀れなお姉ちゃんを…どうか許して箒ちゃ~ん!』

箒「……いいですよ別に…。私もそこまで怒ってる訳じゃありませんから…
  …って、そんな事よりも!姉さんッ!
  あなたには…どうしても聞かなければならない事があるんですッ!」

束『うんうん分かってるよ!箒ちゃんは自分の専用機が…』

箒「全てッ!洗いざらい話して下さい!
  想の過去に…一体何があったのかをッ!」

束『……え、そっち?』

箒「姉さんなら知ってる筈です!想があんなにまでやさぐれた…その原因をッ!
  ISの原型となったマスクドライダーシステムとは何なのか!?それが想とどのような関係にあるのかッ!
  あなたには全部ッ!包み隠さず喋ってもらいますよッ!」

ホント久しぶり


束『……う~ん。確かに、知ってるっちゃ知ってるんだけどねぇ~…』

箒「なッ!なら今すぐ話を…」

束『でも…箒ちゃんはこの事についてまだ知るべきじゃないって、お姉ちゃん思うんだ。
  ……割とショッキングな話だし…
  そもそも…私の話を箒ちゃんが、ちゃんと信じてくれるかどうか…』

箒「信じるか信じないかは私が判断します!だからッ!」

束『……それでも…やっぱりダメなものはダメ~!』

箒「なッ!?」

束『今はまだその時ではない…。お姉ちゃんは、そう思うな…』プツンッ


ツー… ツー… ツー…


箒「もしもし…!もしもしッ!!」

ツー… ツー… ツー…

箒(……き…切られた…)


ツー… ツー… ツー…


束(う~ん…。やっぱり言うべきだったかな…?)

天道「……話は終わったか?篠ノ之博士」

束「あっ、天くん!
  箒ちゃんへの熱いラブコールなら、たった今終わったとこだよ!
  で、そっちはどうだった?」

天道「あぁ…。矢車以外のメンバーとは、話が付いた。日を置いて合流する手筈になっている」

束「……そっか。やっぱりそーくんはダメだったかー…」

天道「……奴にはハナから、何も期待などしていない。想定の範囲内だ」

束「……う~ん。これじゃあせっかく想くんの為に作った“アレ”も、無駄になっちゃうな~…
  ……まぁ、今度箒ちゃんに専用機を渡しに行くついでに、お土産としてそーくんにプレゼントすればいっか!」

天道「……アレとは何だ?初耳だが…」

束「フフッ…それはだねぇ~…」

天道「………」


束「お姉さんの、ヒ・ミ・ツ!」モエモエズキューーン


天道「………」クルッ

スタスタ…

束「えーッ!まさかのノーリアクショーン!?
  それって一番酷いよ天くん!ちょっとくらい反応してよー!」

天道「………」スタスタ

束「ちょっとー!一体キミは何処まで行くつもりなのー!?」

天道「……お前のその喧しい声が届かない所までだ…」スタスタ

束「そんなぁー!天くーん!カァーム バーック!!」


──つづく


デデーン!

次回、仮面ISキックホッパー!

矢車「……青い海…白い雲…。どれもこれも…今の俺には眩し過ぎる…」

千冬「……もう、全てを話しても良い頃なんじゃないか?」

束「じゃーん!これが天才束さんが開発した、キックホッパー専用マシーン!その名もッ!」

箒「想ッ!……私を…私をッ!」

デレー


続きが楽しみだ

乙です
次回予告があるってことは続きは新スレかな

矢車さんに新マシンだと…!?
トリプターだな(違う

>>400
いつも通りこのスレで継続だと思うが

新マシン……バイクとか?

つ『ゼクトマイザー』

乙です

おつー
次回は色んな意味で眩しそうだ

乙乙!!
今回は学園の集団劇がメインだったけど、これはこれで楽しめたわ
それにしても、鈴のヒロインパワーが凄かった

ライダーシステムを盗用したのはオリジナルと偽者どっちなんだ?

>>408
そりゃ本物でしょ。
ワームが束に擬態したのはISの技術力が欲しかったから
つまりワーム達が行動を起こすよりずっと前に既にISは存在していた訳だから

今日は闇減りの日ですね矢車さん

このSSの兄貴なら・・・と思いたいけど、いくら好意を持たれた異性に囲まれても
後ろ向きなクリスマスイブを過ごしていそうww

後ろ向きなイブってどんなんだろう
暗い部屋で饅頭にろうそくさしてお経でも唱えるとか?

あえて無目的に街を出歩いて楽しそうにしてるカップルとすれ違っては自分の現状と比較してため息つくとか

ハッピーバースデイ…雅人…

ハッピーバースデイ…雅人…

今日はぼっちゃまの命日だったか


─第6話─


~臨海学校当日 砂浜にて~

千冬「これより自由時間に入る。お前達、あまり羽目を外し過ぎるなよ」

山田「皆さん!夕食の時間までには、ちゃんと旅館へ帰って来て下さいねー!」

生徒達『はーい!』


矢車「………」

生徒「ねぇ矢車くん!一緒に泳ぎに行こうよ!」
生徒「矢車くん矢車くん!一緒にビーチバレーしようよー!」
生徒「矢車く~ん!相変わらずいい身体してるじゃな~い!」クネクネ


ザワザワ… ザワザワ…


矢車「……はぁー…」クルッ

スタスタ…

矢車「………」ザクッ バサッ

シャル「どうしたのお兄ちゃん?ビーチパラソルなんか立てて…」

矢車「……青い海…白い雲…。どれもこれも…今の俺には眩し過ぎる…」

シャル「えっ?」

矢車「……俺は、この傘の影から…一歩も動かん」ドサッ

シャル「え…えぇーッ!?」


鈴(……はぁー…絶対言うと思った…)

矢車「………」

鈴「アンタねぇ……今から皆で遊ぼうって時に、何一人だけふてくされてんのよ…」

矢車「……俺は闇の世界の住人だ…
   日差しがさんさんと照り付けるこの海岸は、今の俺にはあまりにも眩し過ぎる…」

シャル「そ…そんなこと言わずにさぁ…
    せっかく海に来たんだから、楽しまなきゃ損だよ?」

矢車「断る。……そもそも、俺のような人間がこんな日の当たる場所に出て来ること自体、間違いなんだよ…」」

鈴「あーもうッ!いちいち面倒くさい奴ねーッ!!」ワシャワシャ


セシリア「フフッ…お兄様がそう仰るのなら…」スッ

矢車「あっ?」

セシリア「わたくしも、お兄様にお供致しますわッ!」スチャ

矢車「……セシリア…」

鈴「セシリアッ!アンタまた想のやる事に便乗しようとしてッ!」

セシリア「フンッ!わたくしは地獄兄妹の一員として、当然の事をしたまでですわッ!」

鈴「なァーにが当然の事よッ!単に想のご機嫌を取りたいだけでしょーがッ!」

ラウラ「ふむ。ならば私も兄上に習って…」スチャ

シャル「ら…ラウラまでそっちに!?」

ラウラ「海辺で体を動かすのも悪くはないが……ここは兄上の考えを尊重する」

シャル「そ…そんなぁ……せっかく皆で海に来たのに…」

鈴「あーもうッ!揃いも揃ってバカばっかりッ!!
  アンタらには協調性ってモンのカケラもない訳ッ!?」

矢車「……闇の底には誰の声も届かない…」

セシリア「………」耳元スッ…

ラウラ「………」耳元スッ…

鈴「─ッ!だぁッ!もういいわよッ!!
  シャルロットッ!こんな奴らの事なんか放っといて、私らだけで泳ぎに行きましょうッ!」

シャル「えっ…でも…」

鈴「つべこべ言わずに付いて来なさいッ!
  アンタまでそっち側に行きたいなんて言ったら、承知しないわよッ!」ガシッ

シャル「あっ!ちょっと鈴!引っ張んないでよ~!」

ズルズルズル…


京水おひさ

てかさ、やっぱオリジナルの田所さんって殺されてるのかね

てかさ、やっぱオリジナルの田所さんって殺されてるのかね

乙ー

>>421
諸説ある。オリジナルの田所さんは既に死んでいて、今の田所さんはそれに擬態したネイティブって話もあるし
擬態天道みたくオリジナルの田所さんがネイティブに改造されたって話もある

素敵なクリスマスプレゼントだぜ!!
鎖がんじがらめでそのセリフは言って欲しかったぜ、兄貴ww


ラウラ「……行ってしまったな、アイツら」

セシリア「フンッ!全く彼女達ときたら!
     地獄兄妹の一員であるという自覚が足りてないのではなくて!?」

矢車「………」

ラウラ「それで兄上、これから私達は何をすれば良いのだ?宿に帰るまでにはまだ時間があるが…」

矢車「……どうもこうもしない。日が暮れるまで、ずっとこのままだ…」

ラウラ「えっ?そうなのか?
    ……それはまた…何と言うか…」

矢車「……不服か?」

ラウラ「いや、そういう訳ではないのだが…」

矢車「……いいかラウラ?俺達は闇の世界の住人だ」

ラウラ「う…うむ」

矢車「俺達のようなろくでなしは、決して日向の道を歩けない…
   そんなどうしようもない存在である俺達が、こうしてこんな光輝く環境下に身を置くなど……本来なら、あってはならない事だ」

ラウラ「……うむ…」

矢車「だからこそ、今…この状況で俺達の居るべき場所は…
   照り付ける太陽の下で唯一の影を生み出す事の出来る……この狭っ苦しい傘の中だけだ。
   ラウラ…その事をしっかりと、肝に銘じておけ…」

ラウラ「成る程…了解した」


セシリア「はぁ~……お兄様の地獄語録…何度聴いても心にしみますわぁ~…!」

矢車「………」

セシリア「しかし…このままボーっとしているだけというのも、
     何だか自由時間を持て余しているようで勿体ない気がしますわよね…」

矢車「………」

セシリア「そこで…この有り余った時間を利用して、お兄様に是非とも協力して頂きたい事があるのですが…」シュル…

矢車「……あっ?」

ドサッ

セシリア「サンオイル…塗って下さらない?」

矢車「………」

ラウラ(コイツ…日に焼かれる気満々ではないか…!)

矢車「……セシリア…お前、俺の話ちゃんと聞いてたか?」

セシリア「えぇ!勿論ですわッ!
     ですからこうして、暇な時間を使って有意義な事をしようと、お兄様にお願いを…」

矢車「はぁー……断る」

セシリア「そ…そんな遠慮なさらずにッ!ささ!
     そのお兄様の勇ましい両手を使って!直にッ!!外界へと露になったこのわたくしめの背中を!塗りたくって下さいなッ!!」

ラウラ(……コイツ…)

矢車「……セシリア…お前なぁ…」


ザッ


箒「お…おい、想」


矢車「あっ?」クルッ

箒「………」

矢車「……箒…」

箒「……少し面を貸せ。お前と話がしたい」

矢車「………」

セシリア「ちょ…ちょっと!それは許されませんわよ箒さんッ!今お兄様はお取り込み中で…」

矢車「わかった」

セシリア「えッ!?」

箒「ほ…本当か?」

矢車「あぁ…。お前の相手をしている方が、ここに居る五月蝿い奴に構っているより…幾分もマシだからな」

セシリア「そ…そんなぁ!いけずですわお兄様ァ~!」

ラウラ「……いい加減諦めろ、セシリア…」

セシリア「う…うぅ…」プルプル…

矢車「……で、話って何だ?箒」

箒「……二人きりで話をしたい。場所を変えたいのだが…」

矢車「……あぁ、分かった」スタッ

セシリア「あぁ…お兄様ぁ~…お兄様ぁ~…
     ほんの…ほんの少しだけで良いですからぁ~…
     わたくしの…わたくしの背中にぃ~…」フリフリ

矢車「……チッ!テメェまだそんなこと言ってんのかァ!?あァッ!?」ゲシゲシゲシゲシッ!

セシリア「あッ!ちょ!ちょっとお兄様ァ!?」

セシリア(お…お兄様の凄まじい蹴りが…わたくしの背中にぃ!)

ゲシゲシゲシゲシッ!

セシリア(………あっ……でも…これはこれで……)ジュルリ…


箒「………」

ラウラ(……セシリア…お前気持ち悪いぞ…)

セシリアがMに見えるのは気のせいか

いや、気のせいではなかろう
目覚めちゃったみたいだぜ

乙ー

ハッピーバースデイ!!
新しいセシリア君の誕生だよーッ!

ここまで久しぶりのモップの登場に誰も触れない件

読んでてふと思い出したけど、OVAで乳首解禁してないのって、シャルとラウラだけだなww

本編の矢車さんは斬鬼さんや尻彦さん並みに裸シーンあっても良かったと思う
せっかくの肉体美が勿体無い


~遊泳場所から少し離れた 人気のない浜辺~


ザザーン… ザザーン…


矢車「………」

箒「……想、いい加減答えてくれ…
  お前の過去に…一体何があったのかを…」

矢車「………」

箒「お前の過去をよく知る人物である、警視総監と私の姉にも…
  以前、“想の過去に何があったのか”と、問い詰めてみた事があったが…
  二人とも…思わせ振りな態度を取るばかりで、肝心な事は何一つ話してはくれなかった…」

矢車「………」

箒「……想、私は…お前の事が心配なんだッ!
  お前の過去に何があったのか、私には皆目見当も付かない…
  だがッ!あの優等生だった矢車想が、こんなにまでやさぐれてしまったんだ!ロクでもない過去であることは確かな筈だッ!」

矢車「………」

箒「お願いだ!答えてくれ、想ッ!
  例えそれがどれ程残酷な事実であったとしても…私はお前の事を突き放したりなどしない!
  お前の全てを受け入れる覚悟が…今の私にはある!だからッ!」


矢車「……前にも言った筈だ、箒…
   俺のつまらない過去など…お前が知る必要はない」

箒「──ッ!!何故だッ!?何故お前はいつもそうやって!私の言う事を頑なに聞こうとしないッ!?」

矢車「………」

箒「私はお前の為を思って言ってるんだぞッ!
  暗く淀んでしまったお前の心を、救ってやりたいと…
  幼なじみとして、少しでもお前の力になる事が出来ればと……そう思って!私はッ!」

矢車「……箒…」

箒「……私が地獄兄妹のメンバーでないからか?
  お前が求める心の闇とやらを、私は持っていないから…
  だからお前は何時になっても、私に心を開いてくれないのかッ!?」

矢車「………」

箒「答えろッ!矢車想ッ!!」

矢車「……関係ない。相手が誰であろうが、俺は口を割るつもりなどない…」

箒「─ッ!!もういいッ!!私は私で…勝手に調べ続けてやるッ!」ダッ

矢車「………」

箒(どれ程の時間が掛かろうが…私は必ず、真実へと辿り着いてみせるッ!)

箒(……でなければ…私は何時になっても整理が付かないんだ!
  私自身の…アイツに対する自分の気持ちにッ!)


タッ タッ タッ タッ タッ…



矢車「………」

矢車(……俺の過去、か…)


この期に及んで上から目線で心配してやってるとか言っちゃうからモップなんだよ

乙ー

モップからモブに格下げで

でも心の闇は人一倍大きいであろうモップさん

人のためと言いつつ結局は自分の事だけだもんな

自分より兄貴を優先出来ない奴に、地獄兄弟になる資格はない

言動がDV男と変わらんような奴に期待するのが…

やっぱり真のヒロインは鈴だな。前回の流れ的に



ザッ ザッ ザッ

矢車「………」


鈴「ほ~れほれほれ!どんどんと砂盛っちゃうわよー!」バサァ バサァ

セシリア「や…止めて下さい鈴さん!これ以上盛られたらわたくし……つ…潰れてしまいますわー!」モコモコ

シャル「り…鈴、もうその辺にしてあげても…」

ラウラ「……zzz」モコモコ


矢車「………」

鈴「あっ、おかえり想」

セシリア「お…お兄様ッ!お帰りなさいまし!」

矢車「……何してんだお前ら…?」

鈴「あぁこれ?見ての通り砂風呂よ。
  コイツら、想がどっか行ってる間ずっと退屈してたみたいだったから…
  友達想いの鈴さんが、今こうして構ってやってんのよ」ヒヒヒ

セシリア「な…何を恩着せがましいッ!
     ビーチパラソルの下で横になっていたわたくしに…鈴さんが勝手に砂を掛けてきたんじゃありませんかッ!」

鈴「何よ、嫌なら這いつくばってでもそこから出て来ればいいじゃな~い」

セシリア「それが出来たら苦労しません!
     格好が格好なだけに…砂の中から出たくても出られないんですッ!うぅ…」

セシリア(は…腹這いの状態で大量の砂を被せられるのは……お…思ってた以上にキツいですわぁ…)モコモコ

鈴「フフッ…知ってるわよ~。アンタ想にサンオイル塗ってもらおうと
  コイツが帰って来るまでずっとスタンバってたんでしょ~?」

セシリア「ギクッ!」ビクッ

矢車(……まだ諦めてなかったのかよ、コイツ…)

セシリア「べ…別に良いじゃありませんかッ!鈴さんには関係のない事ですわッ!」

鈴「フフッ…まぁ何はともあれ、今の格好じゃあ迂闊に動く事すら出来ないわよね~アンタ」ヒヒヒ

セシリア「あ…悪魔ッ!今の鈴さんは…地獄に住まう悪魔ですわッ!」

鈴「フンッ!その言葉…地獄兄妹の一員である私にとっては、最高の誉め言葉よー!」ズイッ

セシリア「わ…わたくしに一体何をするつもりですのッ!?」

鈴「うるさいッ!日頃の恨み…今ここで晴らしてくれるッ!」

セシリア「い…いやーッ!」

鈴「そーれそれ!あえて埋めておかずに砂の外へ出しておいた足の裏をくすぐってやるー!」コショコショコショ

セシリア「あぁッ!あひッ!あひッ!り…鈴さんッ!ちょッ!タイムッ!タイムをッ!!あひひひッ!!」モゾモゾ

鈴「そーれそれそれーッ!」コショコショコショ

セシリア「あーっひゃひゃひゃひゃッ!!」モゾモゾ


矢車「………」

シャル「あはは…何だかんだで、鈴もセシリアも楽しそうにやってるね、お兄ちゃん」

矢車「………」

シャル「……お兄ちゃん?」

矢車(……地獄の砂風呂か…面白い)スタスタ…

スチャッ

矢車「鈴、俺も埋めてもらおうか…」

鈴「えっ!?アンタ何言って…」

矢車「俺は地獄の住人……たまには土に埋もれるってのも、悪くはないと思ってな…」

セシリア「わ…わたくしも同感ですわ!お兄様ッ!」

鈴「フンッ!分かったわ!アンタも一緒に埋めてやるわよッ!
  シャルロット!アンタもコイツを埋めるの手伝いなさいッ!」

シャル「えっ!僕も!?」

鈴「ほらッ!つべこべ言わずにやるッ!」バサァ バサァ

シャル「う…うん!」バサァ バサァ

矢車「………」モコモコ

矢車(……地獄砂風呂、悪くはない…)

矢車「………」



鈴「想、アンタも足だけは出しておくわよ!」

セシリア「ちょっと鈴さんッ!お兄様にちょっかいを出すなど…このわたくしが許しませんわよッ!」

シャル「お兄ちゃん、苦しかったら言ってね?」

ラウラ「むにゃ…zzz」



矢車(……そう…悪い気はしないな…
   コイツらと、こうして戯れているのも…)


───


千冬「………」

生徒「織斑先生ー!みんなで一緒にビーチバレーしましょーよー!」

千冬「……あぁ、良いだろう」スタッ

千冬「………」

千冬(……矢車、お前…)

絵面的に想像すると笑えるwwwwww


~旅館 夕食時~


ワイワイ ガヤガヤ…


鈴「これはまた…随分と豪勢な料理の数々ね」

矢車「海鮮料理か…今の俺には眩し過ぎる…」パクッ

鈴「とか何とか言って、アンタちゃっかり食べちゃってんじゃない!」

矢車「………」モグモグ

セシリア「うーん…お箸というものはどうも慣れませんわねぇ…」ポロポロ

シャル「確かに…日本食にあまり慣れ親しんでない僕達にとっては、難しいよね」

矢車「………」モグモグ

セシリア「お…お兄様!もしよろしければ…その…」

矢車「……あっ?」

セシリア「ど…どうかわたくしめに!お兄様の箸渡しで、料理を食べさせて下さいまし!」

矢車「……はぁー…誰がそんな面倒事するかよ…」

セシリア「あぁん!そんなこと言わずに~!あーん!あーん!」

矢車「……チッ!ワサビでも食ってろ!」スッ

セシリア「ふぇ?」パクッ

セシリア「………」ツーン

セシリア「か…辛ァーいッ!」ジタバタ ジタバタ

シャル「せ…セシリア!大丈夫!?」

セシリア「み…水!水!」ゴクゴク

矢車「………」

セシリア「はぁー…!はぁー…!はぁー…!」

矢車「……馬鹿が…一生やってろ」ギロッ

セシリア「アハァーンッ!」ビクーンッ

シャル「せ…セシリア!?」ビクッ

セシリア(お…お兄様のその蔑むような目…最高ですわぁ…!)ゾクゾクゥ

ラウラ「……重症だな…」

セシリアはもう戻ってこれないんですか?

某豚一夏のSSではドSセシリアだったが、このSSではドMセシリアのようだな


箒「………」モグモグ


鈴「箒…アンタ何一人だけ皆と離れたところで食べてんのよ」

箒「り…鈴か…」

鈴「全く辛気臭いったらありゃしないわねぇ…。アンタもこっちに来て皆と一緒に食べなさいよ」グイッ

箒「あ…あぁ…」スタスタ


矢車「………」

箒(……想…)スチャ

シャル「んっ!この煮魚凄い美味しい!ねぇお兄ちゃん!」

矢車「あっ?」

シャル「はい、あーん!」スッ

矢車「………」パクッ

セシリア(しゃ…シャルロットさんったらッ!何とあざとい事をッ!)

矢車「………」モグモグ

シャル「ね?美味しいでしょ?」

矢車「………」ゴクッ

矢車(……この味付けは…まさか…)



──「どうやら気に入ってもらえたようだな。俺の作った鯖味噌の味を…」


シャル「えっ?」クルッ


天道「……よう、また会ったな」


鈴「あ…アンタはッ!」ガタッ

セシリア「天道……」

ラウラ「総司ッ!」

矢車「………」

箒(えっ?誰だコイツ?)


天道「………」


生徒「だ…男子ッ!イケメンの男子ッ!」
生徒「超とびっきりの美男子が入って来たわよッ!」
生徒「誰このイケメン!?誰このイケメン!?」


ガヤガヤ… ガヤガヤ…


鈴「なッ!何でアンタがここに居るのよ!?」

天道「……この格好を見て分からないのか?板前のバイトだ」

鈴「ば…バイト?」

天道「あぁ…。丁度ここの旅館で、腕利きの料理人を募集していたところだったのでな。
   野暮用ついでに立ち寄ったという訳だ…」

矢車「………」

シャル「板前のバイトって…もしかしてこの煮魚、君が作ったの?」

天道「あぁ、その通りだ」

シャル「そ…そうなんだ!凄い美味しかったよコレ!」

天道「当然だ。俺の作る鯖味噌は、天下一品の味だからな…」スッ

鈴「ちょッ!ちょっとシャルロットッ!なに馴れ馴れしく喋ってんのよアンタッ!?」

セシリア「どれどれ…わたくしも一口…」パクッ

セシリア「……ほ…本当に美味しいですわぁ!!」パァー

鈴「あ…アンタ達ッ!もっと緊張感ってモンを持ちなさいよッ!この間の事もう忘れたのッ!?」

シャル「いいから鈴も食べてみなよ!すっごい美味しいよコレッ!」

鈴「い…要らないわよバカッ!」

セシリア「そう遠慮せずに!さぁさぁ!」グイッ

鈴「もォーッ!要らないって言ってるでしょーがーッ!」


矢車「………」

天道「……どうやら俺の言い付け通り、彼女達の側を離れなかったようだな」

矢車「……勘違いするな。お前の言葉に従った訳じゃない…」

天道「フッ…そうか」

矢車「……お前…一体何しにこんな所へ来た?」

天道「別に深い理由はない。
   しいて言うなら…お前の事を冷やかしに来ただけだ」

矢車「………」

矢車(……ワームとの決戦を控えているコイツが、こんな所で油を売っている暇があるとはどうしても思えん…)

矢車(……何か、裏があるな…)


天道「……時間だ。俺もそろそろ厨房へ戻るとしよう。
   加賀美の奴が俺の助けを待っている頃だろうしな…」



───

~厨房~


加賀美「クソォーッ!!何で俺が皿洗いなんかしなけりゃならないんだァーッ!!」ガチャガチャガチャ

───



矢車「………」

天道「矢車。これから先何が起ころうとも…決して彼女達の手を放すなよ」クルッ

スタスタ…


矢車「……お前に言われるまでもない…」

食べてすぐに作った奴気づくとか矢車はどんな味覚してんだ。
それとも天道の味付けがかなり特殊なのか



鈴「もー分かったわよ!食べればいいんでしょ食べれば!」パクッ

モグモグ…

鈴「………」ゴクッ

鈴(お…美味しい…!)パァー

シャル「ねっ?美味しいでしょ?」

鈴「……べ…別に!普通よこんなの!」

セシリア「もう、素直じゃありませんわね…
     ではこの料理、残りはわたくしが頂きますわ」スッ

鈴「だ…誰もあげるなんて言ってないわよ!何勝手に取ってんのよアンタ!?」

シャル(フフッ…やっぱり美味しかったみたいだね)

セシリア「全く貴女という人は…食い意地だけは一人前ですわねぇ…」

鈴「な…何ですってェーッ!」ムッキー!

箒「おい、行儀が悪いぞお前ら…」

矢車「………」


ザッ


千冬「……矢車、ちょっといいか?」

矢車「あっ?」

千冬「………」スッ

ボソボソ…

矢車「………」

千冬「じゃな、待ってるぞ…」スタスタ

矢車「………」

ミス

×千冬「じゃな、待ってるぞ…」
○千冬「じゃあな、待ってるぞ…」


~夕食後 廊下にて~


矢車「………」スタスタ


千冬『矢車、後で私の部屋に来い。話がある…』


矢車(……あの女、まさか…)スタスタ


~廊下の物陰~


箒「………」チラッ

セシリア「………」チラッ

鈴「………」チラッ

シャル「………」チラッ

ラウラ「………」チラッ


矢車「………」スタスタ…


鈴「……本当なんでしょうね?織斑先生が自分の部屋に来るようにって、想の奴を呼び出したなんて…」

セシリア「えぇ…間違いないですわ。
     先生がそうお兄様に耳打ちしていたのを、先程小耳に挟みましたの…」

ラウラ「織斑教官…兄上に一体何の用が?」

セシリア「……まさか…教師と生徒との間に揺れる禁断の愛ッ!なんて事が!?」

シャル「そ…そんなッ!まさかあの織斑先生がッ!?」

箒「……あの人に限ってそんな事はないと思うが…」

セシリア「分かりませんわよォー……織斑先生もれっきとした女性ですからねぇ…」

鈴「兎に角尾行を続けるわよ!何か間違いでも起こったら…直ぐにでも止められるようにッ!」タッ

セシリア「えぇ!勿論ですわッ!」タッ

箒「………」タッ

コソコソ…



~千冬の部屋~


コンコン


千冬「……入れ」

矢車「………」サーッ

千冬「そこに座れ。楽にして良い」

矢車「………」スチャ

千冬「……ビール、飲ませてもらうぞ」プシュ

矢車「……勝手にしろ…」

千冬「………」ゴクゴク

千冬「ぷはぁ…」

矢車「………」

千冬「……今日は随分と楽しそうにしていたな、矢車…
   正直言って…入学当初のお前からは、考えられない程の変わりぶりだ。
   アイツらとの信頼関係も、もはや相当なものだろう…」

矢車「………」

千冬「……もう、全てを話しても良い頃なんじゃないか?」


千冬「なぁ?ZECT所属特殊部隊シャドウ元隊長」

千冬「……矢車、想…」


矢車「………」

ついにきたか…

段々核心へと近づいてきてるな

ワクワクですー


矢車「……誰から聞いた?」

千冬「……篠ノ之束…お前の過去をよく知る人物の一人からだ」

矢車(……チッ…あの女…)

千冬「まぁ…かくいう私も、アイツの話を直ぐに信じられた訳ではなかったがな。
   何せ話をしてきた相手が相手だ。悪い冗談にしか聞こえなかったというのが、正直な感想だ」

矢車「………」

千冬「しかし…奴の証言を裏付ける証拠の数々が、後日次々と私の下へ送られてきてな…
   否応なしにも…アイツの話を認める他なかった」

矢車(……あのアマ…余計な事を…)

千冬「……だが…いくら信じがたい話だったとはいえ、一度事実だと認めてしまえば
   今まで不明瞭であったお前に関する幾つもの謎も、いくらか納得の出来る話として解消する事が出来た。
   素人とは思えない異常なまでの戦闘スキル…。イレギュラーな事態に直面した際の、何事にも動じない精神力の高さ…
   それら全てが、お前の潜り抜けてきた数多くの実戦経験に裏打ちされたものであるとするならば…これ程までに合点のいく話はない」

矢車「………」

千冬「矢車…お前が闇の住人とやらを自負するまでに至った経緯についても、話を聞いたぞ。
   自らの失態から組織を追われ、ドン底へと叩き落とされたお前が
   ホッパーゼクターという新たな力を手にし、何処の組織にも属さないアウトローな存在として生まれ変わった事」

千冬「そして…そんなお前と同じ境遇を味わった、かつてのお前の相棒……影山瞬という存在についてもな」

矢車「………」

千冬「……お前が影山瞬という一人の相棒を失った苦しみ…それは並大抵のものではなかった筈だ。
   お前の負った心の傷は…そう簡単に癒せるものではないだろう」

千冬「……だが、今のお前は決して一人ではない。お前の事を慕ってくれる友人も、少なからず存在する。
   もう…お前一人で何もかも背負う必要は、無いんじゃないか?」

矢車「……何が言いたい?」


千冬「……お前の妹分達に、全ての真実を打ち明ける。
   お前の過去に何があったのか…。今、世界の裏側で何が起こっているのか…その全てをな」

矢車「………」

千冬「お前がそれを拒むと言うのであれば…今度は私の口から、アイツらに直接真実を伝えるつもりだ」

矢車「……“他人の身の上話を勝手に喋る趣味はない”……前にそう言わなかったか?アンタ…」

千冬「そうだ。だからこそこうして本人の了承を得る為に、お前をここへ呼び出したんだ」

矢車「……目的は何だ?俺の昔話なんかをアイツらに聞かせて…アンタに一体何の得がある?」

千冬「……私に得、か…フッ…
   そんなもの、有る訳がなかろう」

矢車「………」

千冬「………」ゴクッ ゴクッ ゴクッ

千冬「……ふぅ…」コトッ

矢車「………」

千冬「……束からは、裏の世界で暗躍するワーム残党についての話も聞かされている。
   人類は今、奴らが極秘に開発を進めているISの為に、破滅の危機に瀕していると…」

矢車「………」

千冬「矢車。マスクドライダーの一人であるお前は、奴らと戦う運命にある。
   それは決して逃れる事の出来ない…お前自身に課せられた運命だ」

千冬「しかし…お前がマスクドライダーである以上、お前と親しい関係にある彼女達も又
   ワームとの戦いに巻き込まれる可能性が、少なからず存在する。
   ……だからこそ、アイツらにも知る権利があるのだ。全ての真実を…
   お前が今まで関わってきた、その全ての事柄を」

矢車「………」

千冬「お前は伝えなければならない。
   望まなかった結果とはいえ、自らの運命に彼女達を巻き込んでしまった…その責任を取る為にも、な…」

矢車「………」


~その頃 千冬の部屋の前~


セシリア「………」ピタッ

鈴「どう?中から何か聞こえる?
  いやらしい声とか…妙な物音とか!」

セシリア「……いえ…襖越しでは、御二人の会話もボソボソとしか聞き取れませんわ…」

セシリア(ここはもう少し…襖にピッタリと耳を密着させるようにすれば…)グッ

ミシミシミシ…

セシリア「……えっ?」

バキバキィ!

セシリア「わッ!きゃーッ!」グラッ

バターンッ!!


矢車「……あっ?」クルッ

千冬「何…?」


シャル「だ…大丈夫セシリア!?」

セシリア「あ…あいたたた…」

ラウラ「これは…ものの見事に倒れたな…」

箒「………」

鈴「ちょっとセシリアッ!アンタ何てことしてくれたのよッ!」

セシリア「わ…わたくしは何も悪くありませんわ!
     ちょっと体重を掛けただけで倒れた…このたてつけの悪い襖がいけないのですッ!」

鈴「何つまらない言い訳してんのよッ!素直に自分の非を認めなさいよッ!」

セシリア「な…何をッ!」


千冬「んーン゛ンッ!」


鈴「あっ…」

セシリア「せ…先生…」

千冬「……お前達、盗み聞きとは関心せんな」

鈴「えーっと……これは…その…」

千冬「……まぁいい。丁度良いところに来た」

セシリア「えっ?」

シャル「丁度良いところ…?」

千冬「……お前達に、伝えるべき事がある」

鈴「……伝えるべき…事?」

箒「それは…一体?」



矢車「……はぁー…」スッ

スタスタ…

セシリア「お…お兄様?どちらへ行かれるのですか…?」

矢車「………」スタスタ…

千冬「……矢車。」

矢車「………」ピタッ

千冬「……良いな?」

矢車「………」……スタスタ…

千冬「………」

乙ー

真実を聞かされた妹達はこれからどうなっていくのか

兄貴が箒や妹達に身上話しなかったのは、自身の運命に巻き込まない為の一つの優しさだよな

千冬姉……自分は世界に係わる重大な隠し事しまくりなのに
ガン攻めであるww

さすが千冬、卑劣だぜ!!


箒「それで織斑先生、話とは一体…?」

千冬「……箒、お前が知りたがっていた事についてだ」

箒「えっ…?」

千冬「……矢車想の、過去に関する話だ…」

箒「えッ!?」ビクッ

セシリア「お兄様の、過去…?」

鈴「………」

箒「お…教えて下さい織斑先生ッ!私はどうしても知りたいのですッ!
  想の奴がああなってしまった…その理由をッ!」

千冬「……それを語る前に、まず…
   お前達には、予め確認をしておかなければならない」

箒「か…確認…?」

千冬「……いいか?私の口から語られる事が、どれ程受け入れ難い、残酷な話であったとしても…
   それを事実として受け止められる覚悟が、今のお前達にはあるか?」

シャル「残酷な話って…そんな…」

千冬「………」

箒「……も…勿論ありますッ!私はそれを知る為に、今まで努力してきたのですからッ!」

セシリア「わ…わたくしもッ!
     例えどの様な事実であったとしても……お兄様の事なら何だって受け入れられますわッ!」

ラウラ「兄上とは地獄の底まで付き合う所存…
    今更何を知る事になろうとも…その決心が揺らぐ事はあり得ません」

シャル「……その話、僕も聞いてみたいです。織斑先生」

千冬「……デュノア…」

シャル「……お兄ちゃんは、僕が背負っていた過去も、今抱えている問題も…
    全部ひっくるめて、僕という存在を受け入れてくれました!
    だから今度は僕が!お兄ちゃんの抱えている全てを受け入れてみせますッ!」


千冬「……凰、お前はどうなんだ?」

鈴「………」

鈴(……私の知らない、想の…隠された過去…)

鈴(……正直、それを知るのは怖い…
  私の心の中にある…この漠然とした不安が、ハッキリとした形になって表に出てくるような気がして…)

鈴(……でも…)

鈴「……聞かせて下さい。織斑先生」

鈴(私は…決して逃げたりしない!
  例え、どんなに残酷な真実が待ち受けていたとしても…
  私は全体に後悔なんかしない!)




千冬「……お前達の覚悟、よく分かった」


箒「………」ゴクッ…

セシリア「………」ドキッ… ドキッ…

ラウラ「………」

シャル「………」

鈴「………」


千冬「……真実を語ろう。アイツの……矢車想の、全てを」


悲惨なんだけどなぜか笑える兄貴

話してやろう(もちろん姉さんにフラれて吹っ飛ばされた話や自らを拘束するドM衣装を来てた事は省きます)

これは地獄妹達の兄貴たちへの愛が試されるな


~砂浜~


ザザーン… ザザーン…


矢車「………」


千冬「こんな所に居たのか、矢車」ザッ ザッ


矢車「……担任…」

千冬「……彼女達に全てを語ったぞ。
   お前の過去にまつわる、その全てを…」

矢車「……そうか…」


ザザーン… ザザーン…



矢車「………」

千冬「行かないのか?アイツらの所へ」

矢車「………」

千冬「……怖いのか?彼女達に会いに行くのが…」

矢車「……あっ?」


千冬「……お前は怖れているのではないか?
   真実を知ったアイツらに、自分が拒絶されてしまうのではないかと…」

矢車(……怖れているだと?俺が?)

矢車「………」

矢車(……アイツらが、俺の前から居なくなる事を…)


矢車「……フッ…」

千冬「……何が可笑しい?」

矢車「……いや…確かにアンタの言う通りかもな…
   俺は心の何処かで…アイツらとの関係が崩れ去るのを、怖れているのかもしれない…」

千冬「………」

矢車「もう…あんな苦しみを二度も味わうのは、御免だからな…」ペラッ

千冬「……何だ?その写真は…」

矢車「……俺と…かつての俺の相棒が求めた“光”だ…」

矢車(白夜を写した、1枚の写真…
   地獄の底をのたうち回っていた俺と影山にとって、この写真に写る白夜の光景は……眩く、光輝いて見えた…)パラッ…


─『見ろ、俺達にも掴める光がある。一緒に行こう…真夜中の太陽を求めて、白夜の世界へ…』─


矢車(俺と影山が求めた…俺達だけの、光…)

矢車(……だが…)



矢車「だが…俺と共にこの光を求めた相棒は、もうこの世には存在しない…」

千冬「………」

矢車「……影山は死んだ。俺がアイツを…この手に掛けた…」



─『サヨナラだ…兄貴』─



矢車「……俺の手によって殺される事…
   それが…アイツが俺に託した、最後の頼みだった…」

千冬「……そして、影山瞬を手に掛けたお前の心には、相棒を失った喪失感だけが残った…」

矢車「………」

千冬「だからお前は、傷付いた己の心を癒すために…お前と同じような心に闇を持った者達を集め、
   ソイツらを新しい“相棒”として、地獄兄弟の一員に招き入れた…」

千冬「……セシリア・オルコット…凰鈴音…シャルロット・デュノア…そしてラウラ・ボーデヴィッヒ…」

千冬「彼女達を…“影山瞬の代役”に、仕立て上げて…」

矢車「………」

千冬「矢車、今一度お前に問う。
   お前にとって…彼女達とは一体何だ?」

矢車「……何?」

千冬「お前はアイツらの事を…本当に大切な、掛け替えのない妹達だと思っているのか?
   それとも…お前が死なせてしまったかつての相棒の代用品でしかないと……その程度にしか思っていないのか…?」

矢車「………」

千冬「答えろ。矢車」

矢車「……はぁー…」

千冬「………」


矢車「……影山の代わりなんて、他人に務まる訳がない…」

千冬「………」

矢車「アンタ…さっきアイツらが“影山瞬の代役”だとか何とか抜かしていたがな…
   生憎、それはとんだ見込み違いだ」

千冬「……何だと?」

矢車「俺は…影山の代わりが欲しかったからアイツらを妹にしたんじゃない…
   俺とアイツらが兄妹仁義を結んだのは……俺達が、互いを求め合っていたからだ。
   傷付いた痛みを分かち合い、互いの傷口を舐め合う存在としてな…」

千冬「………」

矢車「アイツらが俺の事を求めたように…俺も又、アイツらの事を求めた……それが全てだ…」

千冬「……つまり、お前が彼女達に抱く想いは、偽りでないと思って良いのだな?」

矢車「……あぁ…」


千冬「……そうか。それを聞いて、一先ずは安心したぞ。
   お前は自分に都合の良い存在として、アイツらの事を利用していた訳ではなかったのだな…」

矢車「………」

千冬「彼女達に対するお前の心情は、よく理解出来た。
   ……しかし…私にはまだ、気掛かりな事が一つだけある…」

矢車「……あっ?」

千冬「……影山瞬。お前にとってあの男の存在は…あまりにも大き過ぎる」

矢車「………」

千冬「お前が彼女達の存在を影山瞬の代役としてではなく、唯一無二の存在として受け入れている事は分かった…」

千冬「……しかしだ。新たな相棒達を得た今でも尚、お前がその白夜の写真を捨てきれずに、手元に置いているのは…
   お前が未だに影山瞬の死を乗り越えられていないという…その証なのではないか?」

矢車「………」

千冬「……どうやら図星のようだな…
   お前の中では何時まで経っても、影山瞬の死が尾を引いている…」


矢車「……だったら何だ…?」

千冬「……矢車。私は一教師の立場として、これだけはお前に伝えておかなければならない」

矢車「………」

千冬「亡くなった者の事を想い、尊む気持ち…それ自体は大切なものだ。
   だがな…死んで行った者への未練は、何時までも引きずって良いものではない」

千冬「……いくら過ぎ去った過去を想っても、死んだ人間は何もしてはくれない…
   過去を振り切り、今に目を向けて生きて行く……それも又、長い人生を生きて行く上では大切な事なのだ」

矢車「………」

千冬「何も影山瞬の事を、綺麗さっぱり忘れろとは言わない。
   だがな…何時になっても過去に捕らわれ続けている今のお前の生き方は、いたずらにお前の心を苦しめるだけだ。良い事など何もない…」

千冬「だからこそ矢車。お前は一度、影山瞬への未練を断ち切る必要があるんだ。
   お前が己の過去を割りきる事が出来るようになる、その日までな…」

矢車「………」

千冬「……でなければ、お前の心は一生救われぬままだ…」


矢車「………」



田所『未来のある方に目を向けて生きろッ!決して後ろを振り向くなッ!
   過去に縛られずに…今、お前の直ぐ側にあるものを大切にしろッ!
   殺めてしまった影山の分まで…お前がしっかりと生きてやるんだーッ!!』



矢車「……前にも…知り合いに同じようなことを言われた…」

千冬「………」

矢車「……アンタの言っている事は、正論なのかもしれない…」

矢車「……だがな、やっぱり俺には無理なんだよ。そんな器用な生き方…」

千冬「……矢車…」

矢車「……所詮…俺は後ろ向きな思考でしか生きられない人間だ。
   過去を切り捨てて前を向いて生きるなんて…そんな生き方、ハナから出来る訳がない…」

千冬「………」

矢車「……それに、俺は影山と約束したんだ。
   “俺達は、永遠に一緒だ”ってな…」

千冬「………」

矢車「……だから俺は…影山の事を切り捨てて、ただ自分の為だけに生きて行くなんて…
   そんなこと出来やしないし、するつもりもないんだよ…」


千冬「……はぁー…相変わらずお前の考えは理解に苦しむ…
   アイツらとの出会いが影響して、少しはマシな性格になったのかと思っていたが…
   矢車、お前のそのネガティブな性格…根本的には何も変わってはいないようだな」


矢車「……俺は、何一つ変わってなどいない…
   何時だって俺は、深い暗闇の中で生きてきた…
   それは、アイツらを俺の妹として受け入れた…今になっても変わらない」

千冬「………」

矢車「……そうだ…。あの時から、俺は…ずっと…」


この説教も両親を失った千冬姉だからこそ言える台詞さね
(このSSの世界に一夏が存在するかは知らんが)



~千冬の部屋~



鈴「………」


箒「………」


セシリア「………」


シャル「………」


ラウラ「………」



鈴「……はぁー…全く笑っちゃう話よね…
  想の奴が…私らの知らない所で宇宙人と戦っていただなんて…」

セシリア「……わたくしも…未だに半信半疑ですわ…
     織斑先生から証拠の品々を見せて頂きましたが、それでも…」

シャル「……それでもまだ、信じられない…?」

セシリア「えぇ……何というか、あまりにも突拍子のない話で…」

箒「………」

ラウラ「……だが、これで兄上の持つ異常なまでの戦闘スキルの高さについて、説明が付くな…」

鈴「全く…実戦経験でこなしてきた場数が、私らの比じゃないんだもの。
  ……道理で強い訳だわ、アイツ…」

セシリア「……意外と冷静なのですね、鈴さん…。あんな話を聞かされた後だというのに…」

鈴「そうね…。そりゃあ私も、さっきの話を聞かされた時は、頭の中が真っ白になったけどさ…
  もう過ぎた話だもの。今更私らが動揺しても、しょうがないでしょ?」

セシリア「それは…そうですが…」

鈴「……それにさ…私、何となく察しは付いてたから…
  あのバカが隠してきた事が、私らの想像を遥かに越える事なんだって…」

セシリア「……鈴さん…」


シャル「……確かにセシリアの言う通り、こんな話…いきなり信じろって言う方が、無理あるよね…」

箒「………」

シャル「……でも、確実に言える事が一つ…」

シャル「……お兄ちゃんは昔…大切な人を失った…」

箒「………」

ラウラ「影山瞬……兄上のかつての相棒だったという男か…」

シャル「うん。……きっと影山さんの存在は、お兄ちゃんにとってはあまりにも大きくて…
    だから…今でもお兄ちゃんは引きずってるんだと思う。影山さんの事を…」

箒「……ッ!」ダッ

セシリア「あっ!ちょっと箒さん!?」


ダッ ダッ ダッ ダッ…


鈴(……行ったみたいね。アイツの所へ…)



そういやワームって他の星からの侵略者だから、一応宇宙人ってことになるのか
外見はどう見ても虫だけど




箒「はぁー…!はぁー…!はぁー…!」ダッ ダッ ダッ


箒(何で…何で私は気付いてやれなかったんだッ!アイツの抱えている孤独にッ!)


矢車『もう、パーフェクトもハーモニーも無いんだよ……』



箒(……想が…アイツが心に負っていた傷は、生半可なものではなかったッ!
  アイツは私が想像していた以上に…過酷な過去を背負っていたんだッ!そうとも知らずに…私はッ!)



箒『いい加減迷惑なんだッ!お前の狂言癖に付き合わされるのはッ!!』

箒『周りの人間の身にもなってみろッ!!
  お前の犯す奇行に、皆がどれだけ迷惑していると思っているんだッ!?
  昔のお前はそんな単純な事も分からないほど馬鹿では無かった筈だッ!!
  それなのに…それなのに今のお前はーッ!』



箒(……心ない言葉を…)


箒「…ッ!想…!」ダッ ダッ ダッ

箒(……会いたい…想に会いたい!
  アイツに会って…今すぐ話をしたい!)


箒「私は……私はッ!」ダッ ダッ ダッ


箒(私は…アイツの力になってやりたいんだッ!)

なってやりたいって考え方がすでにモップなんだよなー

どこまでも基本は上から目線なモップェ…

お前ら本当上から目線嫌いなのね

上から目線が好きな奴なんているの?マゾ?

俺は箒好きなんだが
お前らかなり辛辣だなw

俺も箒ならこの対応が妥当だと思うな
まぁ、メインヒロインはどう見ても鈴ちゃんだけどな

これを上から目線に感じる奴は相当捻くれてる奴しかしないだろwww

素直に読んでればこれを上から目線だとは思わないんだよなあ
正直神経疑うレベル

素直に読んでればこれまでの言動からそう思われても仕方ない部分あるとも思うが
ここからの巻き返しでヒロインになれるかが楽しみだ

深夜に息が揃った連携を見た

他のキャラが言うならまだしもモップだからこれだけ言われてるんだろうが
原作でもキチガイ筆頭なんだし

モッピーが弄られるのは様式美だよね 顔真っ赤にしてる奴、空気読めよ

坊主憎けりゃモップも憎い状態になってますな

お前等……心に、闇を抱えているな?

モッピーがウザいのは当たり前だからウザいと言われてるだけなんだが、何か問題あるのか?

下げ

まあISにはまともな人の方が少ないから仕方ない

そういえばこのSSももう少しで1周年だな



───


鈴「……で、アンタらは一体これからどうするつもりな訳?」

シャル「ど…どうって…?」

鈴「決まってるじゃない…今後の身の振り方についてよ。
  これからも今まで通り、地獄兄妹の一人として想に付いて行くのか」

鈴「……それとも、これを機に地獄兄妹を抜けて、想との縁も一緒に切るのか…」

セシリア「な…何を仰っているのですか鈴さんッ!?
     お兄様との縁を切るだなんて…そんな事ッ!」

鈴「うっさいわね~…頭ごなしに否定すんじゃないわよ。
  これは私らの今後に関わる重要な話なんだから…
  今のうちに、白黒はっきりさせておく必要があるのよ」

シャル「重要な話って…?」

鈴「……いい?織斑先生の言っていた話が本当なら…ワームとかいう宇宙人の生き残りは、今でもまだ地球を狙っているって事なのよ?
  それを知った上で尚、マスクドライダーである想と行動を共にするって事が、一体どういう事なのか…」

シャル「えっ…?」

ラウラ「……ワームとの接点を持つ兄上は勿論の事…
    その兄上と親しい関係にある私達も又、ワームとの抗争に巻き込まれる可能性がある…という訳か」

鈴「まぁ…そういう事になるわよね。
  ……下手すれば私らだって、ワームって奴らと戦う事になるかもしれないし…」

シャル「そ…そんな…」

セシリア「………」

鈴「これから先は、生半可な覚悟で想に付いて行こうだなんて思わない事ね。
  ……少なくとも、想に対して自分達の命をかけられるくらいの覚悟がなければ、アイツの側に居る資格はないと思うわ」

セシリア「………」

鈴「それと、地獄兄妹から抜ける事を後ろめたく思っているのなら、何も心配はいらないわよ。
  想の事なんだから“地獄兄妹を抜けたい、アンタとは絶交したい”って言っても…きっと止めはしないだろうからさ」

鈴「……アイツ…あのクソ優しい性格だけは、あの頃のままなんだから…」

シャル「………」

鈴「アンタ達、悔いの残らないようによく考えておきなさいよ。
  何たってこれは…自分達の命に関わる事なんだから…」


セシリア「……はぁー…全く鈴さんったら…
     地獄兄妹のNo.2であるわたくしを差し置いて…偉そうに一体何を喋り出すのかと思っていたら…」

セシリア「……フッ…そんな事でしたか?」

鈴「……えっ?」

セシリア「鈴さん…貴女、わたくしを誰だとお思いですの?」

鈴「だ…誰ってアンタ…」

セシリア「フフッ…忘れてもらっては困りますわ…!
     わたくしは地獄兄妹の長女を務める女!セシリア・オルコットですわよッ!」ビシィ!

セシリア「お兄様とは…地獄の底までお付き合いすると心に決めた身…
     例え命に関わるような事態がこの先待ち受けていようが…
     わたくし、一歩たりとも引く気などございませんッ!」

鈴「……セシリア…」

シャル「……お兄ちゃんは…暗闇の中で悶える事すら忘れて、自分という存在を見失っていた僕に…手を差し伸べてくれた…
    だから今度は、僕がお兄ちゃんに手を差し伸べてあげる番なんだッ!」

鈴「シャルロット…」

シャル「鈴!僕もお兄ちゃんの側を離れないよ!
    お兄ちゃんの居ない世界なんて…僕には考えられないッ!」


ラウラ「……フッ…揃いも揃って何とやら、だな…」

鈴「……ラウラ…」

ラウラ「どうやら聞くだけ無駄だったようだな、鈴。
    命をかける覚悟など…私達には、とうの昔に出来ていたという訳だ。
    兄上と契りを交わした、あの時からな…」

鈴「………」

ラウラ「無論、私もその内の一人だ。
    相手が宇宙人であれ何であれ、それが兄上に仇なす者であるのならば…私は容赦しない!全力でそれを向かい打つッ!」


鈴「……フフッ…揃いも揃って本当に…バカばっかりね。
  自分の命に関わってくる事だってのに…アンタらときたら…」

セシリア「そういう鈴さんの方こそ、これからどうするおつもりで?」

鈴「……そんなの、決まってるじゃない」

鈴(まぁ…何だかんだ言って、私もそのバカ共の一員なんだけどね!)

鈴「私も想に付いていくわッ!
  アイツとは“地獄の底まで付き合ってやる”って…そう約束したんだからッ!」

祝1周年

おめでとう…

もう1年になるのか・・・

1周年おめでとう!
クオリティ高いまま連載してくれてる作者さんに敬意を表します

これほど長く続けてれば飽きて後半gdgdになるパターンも少なくないのに失速する事無く物語を上手に展開させる素晴らしさ。
素晴らしきSSと作者に対し、ハッピィー・バァースデェーイ!!(某会長風に

追いついた

面白いぞ。カブトは映画が1番好き。仮面ライダーヘラクスやケタロスとかコーカサスが好きだからね。

出ねぇかな



~砂浜~


箒(何処だ!?何処に居るんだ想ッ!)ダッ ダッ ダッ


矢車「………」


箒「み…見つけたぞッ!想ーッ!」ダッ ダッ ダッ


千冬(篠ノ之…?)

矢車「……箒…」

箒「はぁー…!はぁー…!はぁー…!」ザッ ザッ

矢車「………」

箒「随分と探したぞ…!お前の事を!」

矢車「……あっ?」

箒「話は全て織斑先生から聞いた!
  お前が過去に何を失ってきたのか…!
  お前が今まで…どれ程の苦しみを味わってきたのかとッ!」

矢車「……だったら、何だ…?」

箒「……ッ!」

箒(……言いたい事は山ほどあるが…
  今、私が一番伝えたい事は…!)

箒「想ッ!お前に頼みがあるッ!」

矢車「……あっ?」

箒「想ッ!……私を…私をッ!」

矢車「………」



箒「地獄兄妹の一員に加えてくれッ!」




…… うんやっぱしこの子……

(アカン)

期待を裏切らないモップさんパねぇ

うーんこ



千冬(……何だと?)

矢車「………」

箒「私は……私は!お前の心の支えになってやりたいんだッ!
  お前が抱いている苦しみを…少しでも肩代わり出来るように!
  もうこれ以上…お前が傷付かないで済むようにッ!」

矢車「……それとお前が地獄兄妹に入る事と、一体何の関係がある?」

箒「そ…それは…」

矢車「………」

箒「……マスクドライダーとして戦っていたお前の過去を、織斑先生から聞かされた時…
  私は…そんなお前の側に居てやれなかった自分を呪った!」

矢車「………」

箒「私が想の側を離れずに、ずっと一緒に居てやれれば…
  戦いの中で傷付き、絶望の淵に落ちていったお前にも……手を差し伸べる事が出来た筈なんだ!」

箒「そうだッ!私が側に付いてさえいれば!お前は今頃……こんな事には…!」

矢車「………」

箒「私は…もうこれ以上お前の苦しむ姿を見たくないんだッ!
  あの頃のような辛い思いは…もう二度とお前に味わわせたくないッ!」

箒「その為にも、私達は今のままの関係を続けていては駄目なんだッ!
  お前という存在を…もっと側に!もっと近くに感じ取るッ!
  そうしてお前と同じ目線に立つ事で初めて…私はお前の心の支えになる事が出来るんだッ!」

箒「だから頼むッ!私を……私を地獄兄妹に入れてくれッ!想ッ!」ペコッ

矢車「………」

箒「私は……今よりもっとお前の近くに居たいんだッ!」

矢車「………」

千冬(……篠ノ之、お前…)




矢車「……箒、今のお前では無理だ。諦めろ」

箒「な……何だとッ!?」バッ

矢車「………」

箒「な…何故なんだッ!?何で私じゃ駄目なんだッ!?」

矢車「………」

箒「セシリアが良くて…シャルロットやラウラも良くて……
  あの明るい性格の鈴でさえ、地獄兄妹に入る事を許されたというのにッ!」

箒「どうして…どうして私じゃ駄目なんだッ!?
  一体私に……私に何が足りないと言うのだッ!?想ッ!」

矢車「……足りないんじゃない、失ってないだけだ…」

箒「……えっ?」

矢車「……もう一度、それを確かめる…」スッ…

箒「……そ…想…?」

矢車「………」クッ

グイッ

箒「なッ!?」

ピタッ

矢車「………」ジィッ

箒「……想…」

箒(……想の顔が…こんなに近くに…)


箒「………」

矢車「……はぁー…やっぱりな…」パッ

箒「えっ…?」

矢車「分かりきっていた事だが……
   箒、やはりお前は……闇の住人に成り得る素質を、持ち合わせてはいない…」

箒「な…何だとッ!?」

矢車「……いいか箒?お前の瞳の奥からは、全く闇を感じない訳ではない…
   お前の心の中にも、少なからず闇は存在する…」

箒「だ…だったら何でッ!?」

矢車「だがな。その一方で…そんなお前のチンケな闇なんかを、簡単に掻き消してしまう程の強い光が、お前の中には存在している」

箒「……私の…光…?」

矢車「あぁ…。どのような逆境にも立ち向かう、不屈の闘志とも言うべきか…
   お前の中には、そんなギラついた魂の火が宿っている。
   ……その魂の輝きこそが、お前の中に存在する光の正体だ…」

箒(わ……私の中に、その様なものが…?)

矢車「その魂を捨てさえすれば、お前は闇の住人たる存在に相応しい女になるが……まぁ、無理だろうな」

箒「な…何故そう言い切れるッ!?」

矢車「……人間は、そう簡単に変わる事など出来やしない。
   特にお前みたいな強い光を心の中に持つ者は、それこそ…
   余程の地獄を経験し、その心が折れない限り…闇の住人と呼べるに値する程の大きな闇に堕ちる事は不可能だ…」

箒「そ…そんなッ!」

矢車「……それにな、箒…お前は一つ、大きな勘違いをしている」

箒「か…勘違いだと!?」

矢車「……闇の住人ってのはな、なろうとしてなるもんじゃないんだ…
   俺もアイツらも…誰も好き好んでこんなに落ちぶれたんじゃない…
   皆、抗う事の出来ない現実に直面し、絶望し…その身を押し潰されそうになった…
   そんなどうしようもないロクデナシ共が、互いの傷を舐め合う為に…
   同じ闇を抱えている者同士で、ただ群れあっているだけなんだ…」


箒「……私には、その群れの中に入る資格がないと…?」

矢車「……あぁ…」

箒「……どうしてだ…どうしてなんだッ!」

矢車「………」

箒「私はこんなにも……こんなにもお前の事を思っているのに…
  私には……お前と同じ所に居る資格がないと言うのか…?」

矢車「………」

箒「……ッ!」ダッ


ダッ ダッ ダッ ダッ…



矢車「………」

千冬「……いいのか矢車?あんな篠ノ之を突き放すような事を言って…」

矢車「………」

千冬「………」

矢車「……アイツには、今のままのアイツで居て欲しい…」

千冬「……何?」

矢車「……アイツの瞳の輝きは、昔のままだった…
   あの頃から何一つ変わる事のない…同じ光を発していた」

矢車「見ているこっちの身が焦がされそうになる程の…眩いばかりの光…」

矢車「アイツには、それを絶やして欲しくない。
   アイツは…今の俺のような薄汚れた存在になど、なってはならない…」

千冬「………」

矢車「……だから…せめて箒だけは、あの頃のままの変わらない箒で居て欲しい…」

矢車「……そう、思っただけだ…」

千冬「……フッ…そういう事か…」

矢車「………」

千冬(……どうやらコイツは、お前が心配する程落ちぶれてなどいないようだぞ、篠ノ之…)

モップがモップで安心した


~翌朝~


チュンチュン… チュンチュン…


矢車(結局…箒以外の連中とは、まだ一度も顔を合わせてはいない…)スタスタ

矢車(まぁ…朝飯の時になったら、嫌でもアイツらの面を拝む事になるが…)スタスタ


矢車「……んっ?」ピタッ



─ひっぱってください─



矢車(……地面にウサギの耳が埋まっている…?それにこの看板は…)

矢車「………」


矢車「……あの女か…!」カシャ


──HENSHIN──

キュイキュイキュイーン

──CHANGE! KICK HOPPER!──


矢車「………」スタスタ


─ひっぱってください─


矢車「………」ブンッ


ドゴォッ!!


矢車「………」

矢車(……取り敢えず、ウサギの耳を踏み潰してはみたが…
    ……手応えがない…ダミーか?)

矢車「……あの女ァ…一体何処に…」


ヒューン…


矢車「……何?」

矢車(何かがこっちに、落下して来る…)

矢車「チッ…本命はそっちか…」ピョーン


ヒューン


ドゴアァーン!!


矢車(……巨大な人参型のポッドが、俺の目の前に…)

矢車「………」


プシュー…


矢車「………」


ガチャン!


矢車(来る…!)グッ


束「やっほー!そーくーん!会いたかったよー!」バッ


矢車「………」スイッ

束「あらっ!」グラッ

ドサー

矢車「………」

束「もー酷いよそーくん!おねーさんの熱い抱擁はちゃんと両手を広げて受け止めてあげなきゃ駄目だよー!」

矢車「……黙れ、このアマ…」ギロッ

束「うわぁー!そーくん怖ーい!不良だー!反抗期真っ盛りだよー!
  あの可愛かった頃のそーくんは何処に行っちゃったの~!?」

矢車「………」

束「……あれ?もしかしてそーくんってば、怒ってる?」

矢車「当たり前だ…!
   貴様…俺の昔話を勝手に喋りやがって!」

束「あははー!その様子じゃあちーちゃんにたっぷり絞られたみたいだねー!」

矢車「……貴様…」ググッ…

束「わー!!ちょっと待ってそーくん!!
  変身した状態のそーくんに殴られたら流石にシャレにならないよー!」

矢車「………」パッ

束「あーびっくりしたー…もう心臓止まるかと思ったよー…」

矢車「………」

束「ところでそーくん、箒ちゃん何処に居るか知らない?」

矢車「……さぁな…」

束「そっか、まぁ私が開発したこの“箒ちゃん探知機”で、居場所なんて直ぐに分かるんだけどね~」ピロピロピロ

矢車「………」

束「じゃあね~そーくーん!また後でねー!」スタスタ

矢車「………」

矢車(あの女…一体何しに来たんだ…?)カシャ

ブォーン…

(矢車、変身解除)


~旅館 朝食時~


矢車「………」サーッ


シャル「あっ!おはよう!お兄ちゃん!」

セシリア「おはよう御座います!お兄様!」

矢車「……お前ら…」

鈴「……想」

矢車「………」

鈴「……隣、空いてるわよ?」

矢車「……あぁ…」スチャ


鈴「えーっと、今日の朝食は…
  白いご飯に味噌汁に、焼き魚に漬物に…」

ラウラ「それとナットゥーか…」

シャル「……何か、いかにも日本の朝ごはん!って感じのメニューだね…」

鈴「フンッ!どうせこの朝食も…あの天道総司って奴が作ったんでしょ!?本当いけ好かないわねぇ!」

セシリア「もういいではありませんか鈴さん…
     料理自体には、何の罪も無いのですし…」パクッ

セシリア「ん~…美味ですわぁ~♪」モグモグ

鈴「ああもう!ちゃんと美味しいってのが余計にムカツクのよ…!」パクッ モグモグ…

矢車「………」


箒「………」モグモグ


鈴「箒ー!アンタまたそんな離れた所で食べてんの!?遠慮なんかせずにこっち来なさいよー!」

箒「……別に、私はここでいい…」

鈴「はぁ!?」

箒「……私には…お前達と一緒の所に居る資格など、ないのだからな…」モグモグ…



セシリア「はて…?箒さんったら、一体何をふて腐れているのでしょうか?」

鈴「さぁね…」

矢車「………」モグモグ

鈴「……まぁ、大方の予想は付くけどさ…」チラッ

矢車「……あっ?」

鈴「想、アンタ昨日…何か気に障るような事でも箒に言ったんでしょ?」

矢車「……さぁな…」モグモグ

鈴「はぁー…全くコイツは…」



ザッ


千冬「………」

セシリア「あっ、おはよう御座います。織斑先生」

千冬「あぁ、おはよう」

矢車「………」

千冬「……よし。専用機持ちは全員集まっているな」

矢車「……あっ?」

千冬「凰、オルコット、ボーデヴィッヒ、デュノア、矢車……そして篠ノ之。
   お前達は、食事が終わり次第至急私の下へ来るように」

箒「えっ?……わ…私もですか?」ピクッ

千冬「そうだ。お前も来るんだ、篠ノ之」

箒「は…はぁ…」


乙です!
束うぜえwwwwww


~人気のない浜辺~


千冬「よし、呼び出した連中は皆揃ったようだな」

箒「あの…織斑先生?何故私までこの場に呼ばれたのでしょうか?私は専用機持ちでは…」

千冬「あぁ、それはだな…」



束「ちーちゃーん!!」ダダダダダダダ


箒「えッ!?」ビクッ!

千冬「………」


ピョーン


束「ハァーグ!プリぃ~ズ!!」ヒューン!


千冬「………」スッ


ガシィーッ


束「うぉっと!」ピタッ

千冬「………」ガシッ…

束「久しぶりー!会いたかったよーちーちゃーん!
  さぁ!久しぶりの再開を祝して私とハグハグしようよー!」グイグイグイ

千冬「……くっつくな、離れろ貴様…」グググ…

束「相変わらず素直じゃないなー!ちーちゃんはー!」メキメキメキ…

矢車「………」

束「おっ!そこに居るのは我が愛妹!箒ちゃんじゃああ~りませんかー!」バッ

箒「姉さん…どうして貴女がここに…?」

束「別にぃ~!深い意味はないよ~!
  ただ、愛すべき箒ちゃんとちーちゃんとそーくんの顔が急に見たくなってねー!」

箒「は…はぁ…」


鈴「……箒のお姉さん…って事はまさか!?」

セシリア「この方が!あの篠ノ之博士なのですかッ!?」ビクッ!

ラウラ「ISの開発者であり、現在行方不明中の…」

千冬「そうだ。コイツがその篠ノ之束だ」

矢車「………」


束「そうそう!今日は箒ちゃんとそーくんに、素敵なプレゼントを持って来たんだー!」

箒「ぷ…プレゼント?私と想に…?」

束「うん!とっておきの贈り物だよ!それポチっとな!」ポチッ


ヒューン…


鈴「そ…空から何かが…」

シャル「落ちてくる…?」

矢車「………」


ヒューン

ドゴアァーン!!


箒「うわッ!?」

セシリア「ふ…2つの巨大な箱が……こちらに落下してきましたわ…」


束「え~…右手に見えますのが、
  我が愛妹箒ちゃんに贈る天才束さんからの至極のプレゼント!」


キュイーン!


箒「なッ!?」


束「第四世代型IS“紅椿”だよーん!」



セシリア「だ……第四世代型!?」

シャル「各国がやっとの想いで…第三世代型の試験機を開発させたばかりなのに…!」

束「まぁ、そこは時代の先を常に行く天才束さんの発明だから!」

矢車「………」


束「さぁーて箒ちゃん!今のうちに紅椿の最適化処理(フィッティング)とパーソナライズの作業を済ませちゃおっか!」クルッ


箒「………」

束「……あれ?箒ちゃん?」

箒「………」

箒(……私の…私の専用機…)


束「もしもーし?聞こえてるー?」


箒(私に与えられた…新たなる、力…)

箒「……ッ!」グッ!

箒(これさえ…これさえあれば!私は…!)

い つ も の

はいはい面倒を起こすフラグフラグ


────

束「ほ~れ、チョチョイのチョイっと!」ピピピピピピ


鈴「は…早ッ!」

シャル「凄い…あっという間に作業が終わった!」


束「フフン!シスコンモードに入った篠ノ之束は、人間を遥かに超えるスピードでタイピングできるのだ!」

矢車「………」


束「それでどうかな箒ちゃん?紅椿の乗り心地は?」

箒「えぇ…非常に良いです。
  始めて触るISですが…違和感などは全く感じません」

束「そっか!それは良かった良かった!」

箒「………」

箒(こうして肌を合わせているだけでも分かる…
  このISの、並々ならぬ力の程を…!)

箒(このISさえあれば……私は想のことをッ!)

矢車「………」

束「よ~し!じゃあ試運転がてら軽く飛んでみよっか!」

箒「はいッ!」ブォォ…


ブワンッ!


鈴「な…何なのよアレ!?無茶苦茶速いんだけどッ!?」


ビューン…


シャル「凄い!もうあんな高い高度に!」

ラウラ「何というスピードだ…
    ひと世代違うというだけで、第三世代機との間にこうも差があるとは…」

セシリア「……これはわたくし達も、うかうかしていては箒さんに追い抜かれ兼ねませんわね…!」

矢車「………」


~上空~


箒「す…凄い!これが紅椿の性能か!」

ピー!ピー!

箒(通信…姉さんからか)ピッ

束『やっほー箒ちゃん!紅椿ってば中々のスピードでしょ!?』

箒「……えぇ…」

束『よーしよし!折角だから武器も出してみようか!
  右の刀が“雨月”で、左の刀が“空裂”だよ!』ピピピッ

箒「……雨月に、空裂…」スッ

カシャン!

箒「これが…紅椿の武器…」

束『じゃあ!ついでに刀の試し斬りでもしてみよっか!
  今からこっちで的用の爆弾ロボットを飛ばすから、それを叩き斬ってみてね!』

箒「ば…爆弾ロボット?」

束『行くよー!箒ちゃーん!』キュイーン

束『マイザーボマー!発射ぁー!』バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュンッ!


~地上~


矢車「……貴様、それは…」

束「あぁ、そーくんはこれが気になるのかな?」カシャ

矢車「………」

束「いいでしょ~?ZECT崩壊のどさくさに紛れてちょろまかしてきた、ザビーのゼクトマイザーだよ!
  生身の人間でも扱えるように、ある程度改良が施してあるんだよ!凄いでしょ!?」

矢車「………」

矢車(……凄いというより…呆れたが…)


~上空~


ヒュンヒュンヒュンヒュン!ヒュンヒュンヒュンヒュン!


箒「来た!爆弾ロボットとはアレのことかッ!

箒(小さい上にちょこまかと動く的だ…
  当てるのは至難の技だが……それでもッ!)

箒「私と紅椿ならやれる!いくぞッ!」ブワッ


ヒュンヒュンヒュンヒュン!ヒュンヒュンヒュンヒュン!


箒「だぁッ!」ザンッ!ザンッ!ザンッ!


ドドドドゴォーンッ! ドドドドォーンッ! ドドドドゴォーンッ!


────

~地上~


束「おー!どうやら一基残らず斬り捨てたみたいだねー!
  さっすが箒ちゃん!流石紅椿!」

矢車「………」

束「あっ!そういえば…!
  そーくんに渡す予定だったプレゼントの存在…すっかり忘れてたー!」ワシャワシャ

矢車「……あっ?」

束「ほらほら!さっき紅椿の入ってた箱と一緒に落としたもう一つの箱だよ!
  あの中にはそーくんの為に用意した、キックホッパーのサポートマシンが入ってるんだよー!」

セシリア「き…キックホッパーのサポートマシン……ですか?」

シャル「あの…それって一体どういう?」

束「うーん…。上にいる箒ちゃんには悪いけど…
  まぁ、時間も無いし仕方ないや。さっさと開けちゃおう!来て!そーくん!」グイグイ

矢車「……はぁー…」スタスタ


セシリア(えっ!まさか今…!)

シャル(僕達…無視されたよね!?)ガーン

技術だけでなく現物も盗むとか束さんマジ悪女


束「じゃーん!これが天才束さんが開発した、キックホッパー専用マシーン!その名もッ!」


キュイーン!


矢車「………」


束「“マシンゼクトロン改ッ!”だよーん!」バーン


矢車「………」

シャル「ば…バイク…?」

セシリア「バイク…ですわね?」

鈴「……何でISのサポートマシンにバイク…?」

ラウラ「さ…さぁ…?」


矢車「……おい、今更こんな物を用意して何になる…?
   必要ないぞ、俺には…」

束「フッフッフッ…!そーくん!
  このマシンゼクトロンを、只のマシンゼクトロンだと思ってもらっちゃー困るなぁ~!」

矢車「あっ?」

束「驚くなかれ!このマシンゼクトロンは、カブトエクステンダーとガタックエクステンダーの能力を解析、
  そのデータを元にこの天才束さんが自らの手で改良を加えた…」ピッ


ガシャン!ウィーン!


束「超高性能マシーンなんだよー!」


ガシャガシャ…ガシャーン!


ラウラ「お…オォー!」

鈴「た…タイヤが横に倒れて…」

セシリア「バイクが…変形を!?」

矢車「………」


束「じゃじゃーん!何とこのバイク、飛行形態に変形することで空も飛べちゃうんでーす!」


ゴォー…


シャル「ば…バイクが…浮いてる…」

ラウラ「……横になったタイヤが、浮力を生み出してるのか…?」

矢車「………」

束「カブテンダーの要領で股がって乗るもよし!ガッテンダーの要領でサーフボードみたく上に乗るもよし!
  脳波を介したある程度の遠隔操作も可能だから、そーくんの意思で何時でも何処でも自由に呼び寄せる事が出来るよ!」

矢車「………」

束「まぁ…元のマシンが元のマシンだから、カブテンダーやガッテンダーと違ってキャストオフ機構までは備わっちゃいないんだけどね。
  あぁっ!それでもキックホッパーのクロックアップにはちゃんと対応してるから安心してね!」

矢車「………」


鈴「へー、良かったじゃない想。
  これでキックホッパーの弱者だった、空戦能力の低さもカバー出来るんだし」

矢車「……はぁー…」


千冬「よし、矢車も早速このマシンの試運転を…」


山田「織斑先生ーッ!織斑先生ーッ!」タッ タッ タッ タッ


千冬「……山田先生…?」

山田「た…大変なんですッ!これをッ!」ピッ

千冬「何…?」チラッ

千冬「………」

千冬「……特命任務レベルAの案件、か…」

千冬「矢車、生憎だがバイクの試し乗りは中止だ」

矢車「あっ?」

千冬「……お前達に、やってもらいたい事がある…」


弱者ではなく弱点では…鈴ちゃんがカイトになっちゃう!

ミス

×鈴「これでキックホッパーの弱者だった」
○鈴「これでキックホッパーの弱点だった」

http://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org144298.jpg

深く傷つき闇に落ちた模様

>>549
でもほとんど空気と化していたんだから改修されだけいいんじゃない?
飛行時の見た目はマシントルネイダーみたいな感じか?

>>556
〉飛行時の見た目はマシントルネイダーみたいな感じか?

http://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org144323.jpg


~暫くして、旅館の一室にて~


千冬「今から凡そ2時間前、試験稼働中にあった某国開発の無人試作ISが突如暴走…
   某国の制御下を離れ、監視空域より離脱した」

矢車「………」

千冬「その後、監視衛星を用いた某国の捜索により、試作ISの足取りは無事掴む事が出来たものの…
   発見した頃には、既に試作ISが某国の領空圏内から離脱した後だった」

箒「……その試作ISは、一体何が原因で暴走を引き起こしたのでしょうか…?」

千冬「詳細は不明だ。このISに関しては、開示された情報があまりにも少なくてな…」

千冬「……ただ、現状において確実に言える事が一つ…
   それは…暴走状態にある試作ISの推定進路上には、現在我々が居るこの旅館周辺のエリアまでもが含まれている、という事だ…」

セシリア「な…何故暴走したISがこちらに!?」

千冬「さぁな…。単に偶然進路上にあるこちらの空域を通過するだけなのかもしれんし、
   逆に何か目的があってこの場所に向かっているのかもしれない…
   何れにせよ、いつ攻撃してくるかも分からない危険な状態にある無人機を、このまま野放しにしておく訳にはいかん」

千冬「既に某国の方からも、暴走中のISの捕獲、ないしは撃墜を求める趣旨の要請を受けている。
   そこで、今回の案件は学園上層部の意向により我々が対処する事になった、という訳だ」

矢車「………」


千冬「よし、今から監視衛星より送られてきた試作ISの映像を出す。
   お前達、これから対峙する相手の姿を、その目にしっかりと焼き付けておけ」ピッ


矢車「………」

矢車(……コイツは…まさか…)


千冬「これが、某国が開発した第三世代型IS…」



千冬「“カッシス・ディミディウス”だ」




カッシスは流石に荷が重すぎだろwwwHCUも破った奴だぞ
兄貴はぶっ飛ばされてトラックに運ばれたんだっけ

ゼックゥゥゥゥトの諸君じゃないか

こいつはやべーよ……

坊っちゃんが居れば一捻りなんだがなぁ…

カッシスは弱い時はとことん弱い
フリーズ使わないし

ボッチャマの時のカッシスさんの三下感はワロタ。

クリペウスなら余裕だったのに

>>564
カブト勢の弱点は予算だからな

一回倒しても今度はエネルギーをキャッチ&リリースする形態になり、そいつを倒しても分裂するからタチが悪い

まあカッシスと同じスペックと決まった訳じゃないし…(震え声)


矢車「………」

箒「カッシス…ディミディウス…」

セシリア「なんと……何と禍々しいISなのでしょうか…」

千冬「……先も述べた通り、このISに関する情報は未だに明かされてない点が多い。故に機体スペックは未知数だ…」

シャル「そんな…!こんな緊急事態なのに…某国は何も教えてはくれないんですか!?」

千冬「……あぁ…。向こうにも、国家機密という名目があるのでな…」

箒「なッ!そんな無茶苦茶な!?」

鈴「暴走させたのは向こうの非だってのにッ!
  任せるだけ任せて…自分達は何もしないなんて何様よッ!」

ラウラ「……しかし、これではあのISに対抗する手立てが…」


サーッ



天道「……どうしてもそれについて知りたいと言うのであれば、この俺が教えてやろう」



鈴「なッ!?」

ラウラ「お前は…天道総司!」


束「束さんも居るよ!」ヒョコ

天道「………」


千冬「……貴様があの天道総司か。話は束から聞いている」

山田「ちょっとキミッ!ここは関係者以外立ち入り禁止です!入室には許可が…」

千冬「いや、良いんだ山田君。彼にも同席してもらおう」

山田「えっ!?」

千冬「……天道総司…貴様、今“この俺が教えてやろう”と言ったな?
   カッシス・ディミディウスの機体性能について、何か知っている事があるのか?」

天道「……機体性能だけではない。
   このIS…カッシス・ディミディウスに関する事実、その全てについて…俺は知っている」

天道「今からそれを、お前達にも教えてやる…」

矢車「………」

ブラコン天道は妹さえ絡まなきゃ、有能なんだよな…。
たまにポカやらかすけどww

そういや天道も一度負けて水落ちしてたな
次の回で何事もなかったかのように歩いてきたのには腹抱えて笑った

正直フリーズは天道でもきついかなって思ってたら、あっさりと攻略したから驚いたわ

必殺技受けてやっぱりダメなのかって思ったら直後に不意打ち当てたもんな
あんまりいない普通どころか最強クラスで強くてさらに時間を止めれる奴をあんな風に攻略するとは思ってなかった

ハイパーカブトを倒せたのはカッシスだけだからな確か

天道さんなんで唐突に睡眠薬入れてんですかね…

>>577
ナニイテンダコイツ.____   __

    /Hヽ    ||\   .\  |◎ |  
  ( 0M0)   ||  | ̄ ̄|  |:[].|
 ┌(  つ/ ̄l| / ̄ ̄/  | =|
  |└ ヽ |二二二」二二二二二二二二」

>ラウラ「……しかし、これではあのISに対抗する手立てが…」
>
>サーッ
>
>天道「……どうしてもそれについて知りたいと言うのであれば、この俺が教えてやろう」

多分このサーッの部分

淫夢ネタとか普通に分からない奴もいるからな
関係ないスレで当たり前の様に使うのは止めとけ

常識的に考えて襖の音だろ

カブト見ようかな

俺映画しか知らんから


天道「カッシス・ディミディウス……そもそもこのISは、某国が独自の技術力を用いて開発したISなどではない…
   ISの開発技術に乏しかった某国が、ある団体からの技術提供を受けて、初めて完成に漕ぎ着ける事の出来た機体だ」

千冬「……その技術提供を行った者達こそが…
   人類の敵、侵略異星人ワームだった…という訳か」

天道「そうだ。あのISは、某国がワームの助力を受けて開発した代物だ。
  その性能は…かつて最凶のワームと吟われた、ある成体ワームの能力を忠実に再現されている」

シャル「最凶の…ワーム…?」

天道「……そのワームとは、俺も幾度となく戦った事のある相手だが…
   確かに、最凶と言われるだけの事はある…強敵だった」

矢車「………」

天道「奴が主に使用した武器は右手の短剣のみと、特別強力なものではなかったが…
   このワームの真価は、奴の持つある特殊能力にあった」

箒「特殊能力…?」

シャル「それって……まさか、クロックアップ…?」

天道「……いや…奴の力は、クロックアップのそれを遥かに凌駕する能力だった。
   時間という概念を超越した奴の能力は…もはや“時を止める”に等しい力を秘めていた…」

鈴「と……時を止めるッ!?」

ラウラ「そんな無茶苦茶な…!」

天道「……勿論、このISカッシス・ディミディウスにも、それと同じ“時を止める”能力が備わっている。
   武装もオリジナルと同様、右手に備え付けられた短剣のみとシンプルなものだが…
   短剣の刀身にはタキオン粒子を纏わせる事が可能であり、そこから繰り出される斬撃は…正に強烈の一言に尽きる。
   又、収縮したタキオン粒子を斬波として飛ばす事も可能であり、距離を問わず高い戦闘能力を発揮する事の出来る武装と言える」


束「それにそれに!カッシス・ディミディウスの開発には、この天才束さんの頭脳をまるっとコピーしたワームが関わっているから、
  第三世代型とは名ばかりに…その基本性能は第四世代型ISに匹敵するよ!」

セシリア「だ…第四世代型に匹敵ッ!?」

千冬「……試験稼働中にあったカッシス・ディミディウスが某国の制御下を離れ、突如暴走を起こしたのも…
   全ては、人類に敵対するワーム達の策謀だったという訳か…?」

天道「その通り…。今回の一件は、全て人類の殲滅を目論むワーム残党の手によって、意図的に引き起こされた事だ。
   最も…某国はワーム達の陰謀など露程も知らずに、良いように利用されていたに過ぎないがな…」

千冬「……成る程な…」


鈴「人類を殲滅って……奴ら、たった1機のISだけで、世界をどうこうするつもりだったの?」

天道「……いや…今回暴走を引き起こしたのは、あくまでも試作機…
   奴らにとってあの機体は…地球進攻の足掛かりにする為の、ただの尖兵にしかすぎん…」

鈴「尖兵…?」

千冬「……“あくまでも試作機”、か…成る程。
   天道、お前の言葉から察するに……ワーム達はカッシス・ディミディウスの量産化を目論んでいるという訳だな…?」

天道「その通りだ。奴らの真の目的は、カッシス・ディミディウスを大量に開発、生産する事にある。
   某国で量産配備したカッシス・ディミディウスの、その全てのコントロールを掌握する事により…
   ワーム達は自らの手駒となる多数の戦力を得る事が出来る…
   それこそが、奴らの計画した地球進攻作戦の本懐だ…」

千冬「………」

天道「事実、某国では試作機の運用テストと平行して、量産タイプのカッシス・ディミディウスの開発も進められていた。
   しかも…量産タイプの開発は既に最終段階に入っており、完成まではもはや秒読みの段階であった…」

ラウラ「だ…第四世代機に匹敵するISが…既に某国で量産されていたと言うのか!?」

箒「しかも…それら全てがワームの手先として、人類に牙を向くだなんて……そんな事が…」


束「ふっふっふっ!でもでも安心して!
  奴らの企みは…この天才束さんの活躍によって、一先ずは退ける事が出来たから!」

箒「えっ…?」

千冬「……どういう事だ?束…」

束「ふふーん!聞いて驚け皆の衆!
  奴らが量産型カッシスの開発を進めている最中に、こっそりと某国のメインコンピューターにハッキングしたこの天才束さんが!
  量産型カッシスのプログラム内に厳重なプロテクトを掛けておいたのだ!
  だから!今某国に置いてある量産型カッシスは、みーんな絶賛機能停止中だよ!」

天道「……実験稼働中だった例の試作機だけは、ハッキングが利かなかったようだがな…」

束「うーん……面目ない」

天道「……篠ノ之博士の尽力によって、量産型の一斉暴走という最悪の事態は、一先ずは退ける事が出来た。
   しかし…それはあくまでも時間稼ぎにしかならない…
   ワームが計画を遂行する時間を、単に先伸ばしにしたに過ぎん…
   奴らの下に篠ノ之博士と同等の頭脳を有したワームが居る以上、博士のかけたプロテクトが解除されるのも…時間の問題だからな」

千冬「……その量産型のカッシス・ディミディウスは、現段階では一体何機生産されている…?」

天道「……開発された量産型カッシスの数は…今現在こちらが把握してる機体数だけでも、およそ500機にのぼる…」

セシリア「ご…500ッ!?そんな!あり得ませんわッ!」

天道「………」

セシリア「今、世界に存在するISの総数は467機…。それら全てが既存のコアを再利用して開発されたもの!
     試作機を一機作るだけでもよほどの困難を強いると言うのに……ましてやそのコアの総数を上回る数のISを開発するなど…不可能な筈ッ!」

天道「……コアの大量生産など、奴らにとっては造作もない事だ。
   篠ノ之博士に擬態したワームが開発に加わっている、奴らにとってはな…」

セシリア「そ…そんなバカな事が…!?」


鈴「だ……第四世代機に匹敵するISが…500機も…」

シャル「そんなの…現存するISを世界中からかき集めたって……勝てる訳が…」

千冬「………」

天道「そう悲観する事もない。
   こちらにはまだ、マスクドライダーシステムとそれを扱う資格者がいる。
   性能面で劣る従来のISでも…使い用によれば立派な戦力になる。
   そう…如何に強大な力を持った相手にだって、戦いようはいくらでもある…」

箒「……だが…しかし…」

天道「それに…人類にはまだ、救世主が居る…」

シャル「えっ…?」

ラウラ「……救世主…?」

天道「そうだ…。天に昇る太陽の如く……暗雲を消し去り、この世に光をもたらす者…
   人間からアメンボまで…生きとし生ける者、全てを守る世界の希望…」



天道「……この俺…天道総司という名の、救世主がな…」スッ…



シャル「………」

セシリア「………」

ラウラ「………」

箒「………」

鈴(コイツ…マジで言ってんの?)

この仮面ライダーなら何とかしてくれる感素晴らしい

特撮で量産型は死亡フラグだからへーきへーき

天道さんマジ天道
黒カブトが出たときの、加賀美の天の道キャンセルは面白かったなぁ

乙です!
矢車兄貴、一言も喋らないとは珍しい…。

天道ならなんとかしてくれそう感がハンパないw

俺の感覚が麻痺してるからだろうけど本来は鈴ちゃんの反応が正しいんだよな…

>>593
うん、君の言う通り鈴の反応が一番正しいと、俺も思う!
5人のヒロインの中で、一番常識的な反応だろ


矢車「………」

天道「……だが…それでも500機にも及ぶISが、地球全土を同時に襲撃するとなると…流石に今の戦力だけでは手が足りん。
   奴らが作り出した量産型カッシスの群れが、一度野に放たれてしまえば…人間社会への多大なる被害は免れないだろう…」

千冬「………」

天道「だからこそ…俺達がまず第一に叩かなければならないのは…今現在暴走中の試作機の方ではなく
   機能不全に陥り、格納庫の中で眠っている…量産型カッシスの方だ」

千冬「………」

天道「篠ノ之博士の施したプロテクトが、奴らに解除される前に…
   早急に奴らの拠点を潰さなければ…事態は最悪の結末を招く事になるだろう」


千冬「……お前の言いたい事は分かった。
   しかし…かと言って暴走状態にある試作機を、このまま野放しにしておく訳にもいかん」

天道「………」

千冬「ワームの目的が地球人類の抹殺である以上…
   暴走中の試作機が、いつ人々に対しその毒牙を向けるとも限らん」

千冬「海上を移動している今の内はまだいい…
   しかし、奴の上陸を一度でも許してしまう事になれば…
   侵略者の放った鉄槌が、何の罪もない人々のもとへと降り下ろされる未来も…容易に想像出来よう」

天道「……一理あるな…」

千冬「そもそもだ…天道総司。
   今、暴走中の試作機がこちらに向かって進路を取っているのも…
   全ては偶然ではなく…奴にとって何かしらの目的があるからではないのか?」

天道「……現段階では憶測の域を出ないが、試作機を影から操るワーム達の狙いは…」

天道「……おそらく…ここに居るIS学園の関係者の、“命”だろう…」

箒「何ッ!?」

鈴「そんな…!何で私達がッ!?」

天道「大方…篠ノ之博士の施したプロテクトによって、機能不全に陥った量産型カッシスの復旧が完了するその時までに…
   計画の障害になるであろう邪魔な存在を、予め潰しておく事が目的だろう。
   ここには専用機持ちを含めた、ISを扱える複数人の教師と生徒…
   それにゼクターの資格者…ライダーまでもが居るのだからな」

矢車「………」


千冬「……確かに…奴らにとって私達は、この上なく邪魔な存在であろうな…」

天道「あぁ…特にワームの宿敵であるライダーとその資格者は、奴らにとっては率先して抹殺すべき対象だ。狙わぬ道理がない…」

矢車「………」

天道「それでも…今現在暴走中の試作機は、あくまでも人類の目を引き付ける為の、囮のようなもの…
   奴らの本来の切り札が、量産型カッシスの方である事に何ら変わりはない…
   例え暴走中の試作機を止める事が出来たとしても…
   量産型カッシスがこの世に存在する限り、根本的な解決には何一つ至らないだろう…」

千冬「………」

天道「……だが、織斑千冬の言う通り…
   試作機の襲撃により、人々に危害が及ぶ危険性がある以上…
   このまま、暴走中の試作機を放っておく訳にもいかない…」

千冬「………」

天道「そこで、俺から一つ提案がある…」

乙です!


千冬「提案…?」

天道「お前達には、引き続き暴走中の試作機の迎撃任務に当たってもらう。
   その一方で…肝心の量産型の撃破は、俺と、もう一人のライダーが行う。
   これなら双方の脅威を同時に排除する事が可能だ」

千冬「………」

天道「勿論、作戦への参加は強制しない。
   戦える力を持っているとはいえ、お前達はあくまでも民間人…
   本来ならば、俺達ライダーに守られる側の人間だ。
   奴らと戦う気力が無いのならば…俺は、お前達に今回の作戦への参加を無理強いするつもりはない…」


千冬「……だそうだ。どうするお前達?
   確かにコイツの言う通り…某国の要請があったとはいえ、一介の学生でしかないお前達には作戦の参加を拒否する権利がある。
   己の命に関わる事だ。無論、私も元より強制するつもりはなかったが…」

天道「………」

鈴「フン!私らのこと、随分と甘く見てくれるじゃない!?天道総司ッ!」

天道「何…?」

鈴「アンタにどうこう言われなくたってもねぇ!目の前にいる敵から逃げ出すほど、私らは腰抜けじゃないのよッ!」

セシリア「その通りですわ!
     人類の存亡に関わる一大事だというのに…
     何もしないで黙って見ているだけだなんて、わたくしには出来ませんわッ!」

ラウラ「私は元より軍人だ。命をかける覚悟など…とっくの昔に出来ている」

シャル「僕だって!学園の皆を守りたいよ!」

箒「……右に同じだ」


千冬「……フッ…だそうだ、天道総司」

矢車「………」

天道「……そうか…お前達の覚悟、十分に伝わった。
   俺はもう、この件に関してはこれ以上お前達に口出しはしない」


天道「話を戻すが…お前達、
   今更聞き返す必要もないだろうが…先程俺が提示した作戦案に、異論はないだろうな?」

鈴「ちょっと待ってよ!それってちょっと不公平じゃないの!?」

天道「……何?」

鈴「某国にある量産機を潰しに行くって言っても…所詮は動きもしないガラクタを片付けに行くだけなんでしょ!?
  暴走中のISの迎撃は全部私らに任せて…アンタ、自分だけ楽な仕事をしようって魂胆なんじゃないの!?」

天道「……量産型カッシスは奴らの切り札だ。
   その周辺には、少なからずワームが警備にあたっている事が想定される。
   故に奴らの本拠地に潜り込むのは、クロックアップに対抗出来るライダーでなければならない…。それが理由だ」

鈴「……あっそ。疑って悪かったわね…」

セシリア「……しかし…それを言ったら、あの時を止めると言われる試作型カッシス・ディミディウスの相手をする場合でも、
     わたくし達の扱うような従来のISでは…そのワームとやらの相手をする以上に、困難を要するのでは…?」

天道「その点は心配していない。
   アレは、お前達のようなクロックアップの使えないIS乗りだけでも十分対応出来る相手の筈だ」

鈴「……へぇー…私らのこと随分と買いかぶってくれるじゃないの…」

天道「根拠はある。あのISにも、少なからず弱点があると言う事だ…」

千冬「……弱点?」


天道「いくら“時を止める”などという強力な力を持っていようが…
   あの機体がISである以上、使用できるエネルギーには必然的に限度がある」

千冬「付け入る隙はそこにある…という訳か?」

天道「あぁ…。更にカッシスの時を止める能力は、強力な力であると同時に膨大なエネルギーを必要とする能力でもある。
   エネルギーに限界がある上に、消費するそれも膨大ともなると……能力を連続して使用する事は、事実的に不可能だと言える。
   よほどの事がない限り、奴の方からおいそれと時を止めてくる事はないだろう」

ラウラ「成る程……時を止める能力はカッシスにとっての切り札であると同時に、己の命を削る諸刃の剣でもあるという事か…」

天道「……分かりやすく言えば、そういう事になるな…」


天道「それともう一つ、お前達に助言をしておくが…」

矢車「………」

天道「この面子の中で今回の任務に最も適任なのは……矢車だ。
   カッシスとの戦闘の折には、コイツを連れて行く事を勧める」

矢車「……あっ?」

天道「先程俺が説明した通り、あのISはとあるワームのデータを元に開発された機体だ。
   そのワームとは…かつて矢車も幾度となく戦った事のある相手だ」

鈴「えっ!? そうだったのッ!?」

矢車「………」

天道「ワームかISかの違いがあるとはいえ…奴との戦闘経験がある以上、
   コイツなら、ここに居る他の誰よりも上手くあの試作機相手に立ち回る事が出来る筈だ」

ラウラ「そうか…。確かに実戦における戦闘経験の有無は、勝敗に大いに起因する要素ではあるが…」

矢車「………」

箒(そんな…。この男は…再び想を戦いの渦の中へと引き込むつもりなのかッ!?)

天道「……問題は…矢車にこの作戦へ参加する意志があるかどうか、という事だが…」

矢車「………」

箒(……だが、想の事だ…。何時もの調子で、この作戦にも乗り気じゃないに決まって…)

矢車「……分かった、やってやる…」

箒「なッ!?」ガタッ

天道「……ほぅ…これは驚いたな。
   正直な話、お前の協力など微塵の期待もしていなかったのだが…」

天道(……妹達の命が狙われていると聞いて、コイツも気が変わったか…?)


矢車「………」

天道「……まぁいい。具体的な試作機対策の作戦立案については、後は織斑千冬に一任するが…
   矢車の妹達。お前達も又、矢車と共にあの試作機と戦うつもりでいるのか?」

セシリア「も…勿論ですわッ!何を今更当たり前な事を!?」

矢車「……いや…今回はお前らの出る幕はない…」

セシリア「……えっ?」

矢車「……奴の相手は、俺一人でやる…」

セシリア「えッ!?」ビクッ

天道「………」

鈴「そ…想ッ!アンタそれ本気で言ってんのッ!?」

矢車「……あぁ…」

天道「ほぅ…大した自信だな。
   ……それとも、単にコイツらが側に居られると戦闘の邪魔になるからか?」

矢車「………」

セシリア「そんな…どうしてなのですかお兄様ッ!?
     訳を……訳を聞かせて下さいッ!」

矢車「………」

シャル「……もしかして……僕達を危険な目に合わせたくないから…なの?」

矢車「………」

天道「……図星、か?」

矢車「……はぁー…」

ラウラ「なッ!今更何を躊躇しているのだ兄上!?
    兄上の為に命をかける覚悟など…私達にはとうの昔に出来ているのだぞッ!」

セシリア「そうですわッ!それを今更…お兄様が気負いする必要など御座いませんわッ!」


矢車「……自分の命をどうとかなんて…簡単に口にするんじゃねぇ…」

セシリア「えっ…?」



──『兄貴!』──



矢車「……俺はもう…失う側の人間になるのは……御免だ…」


シャル「あっ……」

セシリア「……お兄様…」

ラウラ「………」

おつおつー

更新乙ー!

乙ー

影山死んだのが相当トラウマなんだな兄貴

脳内メーカーで見た兄貴の頭の中
影山占有率が凄そう

坊ちゃん引き入れて3馬鹿兄弟になった回では、豆腐界に行く途中でカッシスとやりあってたな
フリーズ使われて同士討ちでブッ飛ばされてたけど

あれがキックホッパー唯一の敗戦だったな

ウカ姐さんに吹っ飛ばされたのは負けに含まれますか?

生身だからセーフ、と思いたい

恋愛は惚れたほうが負けっていうから……

>>611
豆腐界ってなんかかっこいい

>>611
ただの誤字なのに上手く纏まってるな

豆腐界は白夜の世界だった…!?


鈴「でも…いくら何でも想一人に任せるだなんて…」

千冬「……いや、ここは一つ矢車の意見を尊重するとしよう」

鈴「えっ!?」

セシリア「そんな!?織斑先生まで一体何を仰るのですか!?」

千冬「安心しろ。私だって、何も矢車一人に試作機の相手をさせようと言うのではない…
   ここは矢車を筆頭にした、ごく少数の部隊編成で奴に挑む」

矢車「………」

ラウラ「少数部隊……何故ですか教官?
    強力な性能を敵機が有している以上、我々は持てる人員を最大限に活かして事態に挑んだ方が得策の筈…
    少なくとも…この場に居る専用機持ちの機体、その全てを活用した編成を組んで作戦を練るべきでは…?」

千冬「……そうしたいのは私も山々だが…
   事態が流動的に進行している以上…如何なる状況にも対処出来るように、我々は戦力を可能な限り温存しておく必要がある」

千冬「試作機の本来の目的が陽動にあるとはいえ、ワームらがここに居るIS学園の関係者の命を狙っているとなれば…
   暴走中の試作機とは別に、奴らが仕向けた別動隊の襲撃があるとも限らん。
   その可能性が万に一つでもある以上…試作機の方ばかりに戦力を集中させるというのは、あまり得策とは言えん」


天道「確かに…いくら人類の開発した兵器であるISに頼らなければならない程に、ワーム側の戦力が疲弊しているとは言え…
   擬態したワームをこちらに二三送り込んで来るという事も、難しい事ではないからな…。あり得ない話ではない」

シャル「じゃあ……織斑先生。
    お兄ちゃんと一緒に試作機の迎撃に向かうのは、誰になるんです?」

千冬「あぁ、それはだな……」

束「はいはーい!はいはーい!ちーちゃんに意見具申しまーす!」

千冬「……何だ束?言ってみろ」

束「ほい!そーくんのキックホッパーとコンビを組ませるんなら…
  だンッッッ然に!箒ちゃんの“紅椿”がベストパートナーなんだよー!!」

鈴「えっ!?」

箒「わ…私がですかッ!?」

矢車「………」


天道「……妹贔屓で適任者を決めようという魂胆か?篠ノ之博士…」

束「もー!そんなんじゃないよー!ちゃんと根拠はあるんだからー!」

千冬「………」

束「いい?私がそーくんへプレゼントしたマシンゼクトロン改は…カタログスペック上ではクロックアップ無しでも第四世代型のISに匹敵する程のスピードを出せるマシンなの!
  その一方で箒ちゃんの紅椿は最新式の第四世代型IS!御覧に入れた通り第三世代型とは比べ物にならない程の加速を誇るIS!
  だからそーくんのキックホッパーとペアを組ませるんなら、この中では断然に紅椿がベストパートナーな訳!」

鈴「……あの~…私達は何をすれば…?」

束「……そんなの、待機に決まってんじゃん」

鈴「えッ!?」

シャル「ど…どうしてそんな…?」

セシリア「いくら機体のスピードがマシンに追い付かないと言っても…我々にだって援護くらいは出来ますわッ!」

束「あのね~……君達の扱うレベルの専用機じゃあ、そもそもマシンゼクトロン改の巡航速度にすら付いて行けない訳よ。
  事態は一刻を争うってのに……ノロマなカメさんな君達のISに足並みを揃えていたんじゃあ、勝てる戦いも勝てなくなるんだよ…」

セシリア「の…ノロマなカメだなんてッ!」

千冬「……成る程。コイツの言うことにも、一理あるな…」

セシリア「そんな…!」


矢車「……おい、勝手に話を進めんな…
   さっきも言ったが、奴の相手は俺一人でやると…」

天道「いいから黙って言うことを聞け、矢車…」

矢車「……あっ?」

天道「性根のネジ曲がったロクデナシとはいえ…お前はゼクターに二度も選ばれた実力者だ。
   お前程の実力者ならば、あの試作型カッシスを相手にしても負けることはまずないだろう…」

矢車「……だったら…」

天道「だが、それはあくまでも憶測の域を出ていない…単なる俺の予測にしか過ぎない。
   お前一人で奴に勝てるという、確実な保証がある訳ではない」

天道「確証がない以上は、お前一人に全てを任せる訳にはいかん…」

矢車「………」

天道「そこで、勝利をより確実なものとする為にも…
   ここは篠ノ之博士の言う通り…第四世代機である紅椿を支援機に組み込んだ、二人組の編成で勝負を挑むのが得策だ」

矢車「……だから黙って従えってのか?お前とその女の提案に…」

天道「……矢車、お前がこの提案についてどう想おうが、今は関係ない…
   事態は一刻を争う。作戦の決定には、大人しく従ってもらうぞ」

矢車「………」


束「さっすが天くん!話が分かるゥ~♪」

天道「……俺は俺の思う率直な意見を述べただけだ…。お前を擁護した訳ではない」

束「ンも~!そこは素直に『うん』って言うところだよ~天く~ん!」

天道「………」


千冬「……よし。今回の作戦は矢車のキックホッパーと篠ノ之の紅椿、この2機を主軸とした部隊編成で行う」

千冬「お前達、異論はないな?」

箒「は…はい!」

矢車「……はぁー…」


束「うんうん!やっぱりちーちゃんは理解力のある人だよ!」

千冬「……それで、具体的な作戦内容についてだが…」

束「ガーン!まさかのノーリアクショ~ン!
  もー!無視なんてされちゃうと束さん泣いちゃうよー!」

千冬「………」

束うぜえ

これはモップが何かやらかすフラグがたったな…


シャル「……僕達、本当に待機だなんて…」

セシリア「こうなった以上、致し方のない事ですわ…
     わたくし達はわたくし達で、各々の成さねばならない事を見出だしましょう…」

鈴「……でも…本当に大丈夫なのかしら?想と箒の二人だけって…」

ラウラ「何、あの織斑教官が作戦を立案して下さるのだ。何も心配はいらないだろう」

鈴「……そうだけど、さぁ…」

矢車「………」

箒「……鈴、お前の言いたい事はよく分かる…
  想は兎も角、専用機を手に入れたばかりの今の私などが、本当に役に立てるのかどうか…
  他の皆も、鈴と同じように何かと想うところがあると思う…」

鈴「………」

箒「……だが今は…せめて今だけは!お前達にこの私の事を信じて欲しい!」

鈴「……箒…」


箒「……想は…コイツはもう十分に傷付いた…
  本来ならば…もう…これ以上コイツが戦う必要なんてない筈なんだ…」

シャル「……箒…」

箒「……だが…想自身が皆の為を想い、あえて死地に挑むという選択肢を選んだ以上…私も覚悟を決める!
  私が側に付いている以上、絶対に想には無茶な真似なんてさせないし、
  私が想の足手まといになるなんて事も…絶対にないと断言する!」

箒「だから頼む!今回の作戦の事も、お前達の兄貴分の事も…
  後のことは全て!この私に任せておいてくれッ!」ペコッ


セシリア「……そこまで強く言われてしまっては、仕方ないですわね…
     わたくしからは、もう何も言うことは御座いませんわ」

ラウラ「元より教官が御決めになった事だ。今回の編成に反対する気など、ハナから私にはない」

シャル「お兄ちゃんの事、しっかり頼んだよ! 箒!」

箒「……皆…」

鈴「……箒。」

箒「鈴…?」

鈴「……アンタの方こそ、あんまり無茶すんじゃないわよ」

箒「─ッ!あぁ、当然だ…!
  私も想も…必ず勝って帰って来ると、約束しよう!」

鈴「えぇ、後の事は任せたわよ!
  あのカッシスなんたらとかいうISの事も…想のことも!
  こんなクソ下らない戦いなんてちゃっちゃと片付けて、無事に帰って来なさい!」

箒「うむ!承知したッ!」

速度→マシンゼクトロン=赤椿
戦闘力→兄貴>越えられない壁>箒
っていう時点で…

スペック的に最強×最強=無敵!みたいな感じか…
束さんアホなの…?

モップの汚名挽回に期待したい

汚名返上と名誉挽回ってたまに混乱する

続き楽しみ―

モップは名前からしてひどい目に遭う運命フラグが

これでモップのせいで兄貴が重症とかになったら神だけど

箒とかダスキンとか
名前からしてゴミ拾いが仕事っていうか
主人公枠に不適格な名前っていうか
なんというかゴミ自体?みたいな
ポニテはかわいいけど

ここまでヒロインらしき事が全然ないモップだし、きっと原作とは違って間抜けな事はしないと期待したい…。


矢車「………」

天道「成る程。俺がわざわざ心配してやる程…彼女達の心はそう弱くはなかったという事か」

天道「……最も、彼女達のあの想いの強さが、今回の作戦で空回りしなければいいが…」

矢車「………」


天道「……矢車、最後に警告しておくが…クロックアップの使用は極力控えた方がいい」

矢車「……あっ?」

天道「使用できるエネルギーに限界があるとはいえ…カッシスの持つ時を止める能力が、クロックアップを凌駕する力である事に何ら変わりはない。
   お前がもし下手なタイミングでクロックアップを使ってしまえば…
   それはかえってカッシスを刺激する事となり…結果として奴の能力の発動を誘発する事に繋がる」

天道「お前の立ち回り方次第ではあるが…十分に注意することだ」

矢車「………」


鈴「にしても…一番ムカつくのはやっぱり某国の奴らよね…!
  ワームとかいう宇宙人に騙されていたとはいえ…自分達の国の厄介事を、私らみたいな学生に押し付けてくるだなんて!」

セシリア「全く、無責任も良いところですわよね!」

矢車「………」

ラウラ「……私が思うに、奴らにとってはその方が色々と都合が良かったのだろう…」

鈴「……どういう意味よ?それ…」

ラウラ「考えてもみろ?某国の連中は私利私欲の為にワーム達と手を組み、
    ISの保有制限という国家間の規約を破ってまでカッシス・ディミディウスの開発を進めたのだ。
    今回の暴走騒動が原因で、カッシス・ディミディウスの存在…ひいてはその正体までもが諸外国にまで知れ渡り、某国のやってきた事が公になるような事態になれば…」

セシリア「……某国に対する各国からの批難は、免れませんわね…」

ラウラ「そうだ。だからこそ奴らは…何も知らない私達を利用し、事態の揉み消しを謀った。
    他国政府に事態の解決を要請すれば、それが原因でカッシスの秘密を他国に知られる危険性があるからな…」

天道「………」

ラウラ「試作機に関する情報を、私達には頑なに教えようとしないのもその為だろう。
    他国政府が相手の場合ならそうはいかないが……IS学園の関係者に対しては適当な言い訳を見繕えば、試作機に関する秘密を喋らずに済むからな…
    そうだろう天道総司?私の推測も…大方外れてはいない筈だ」


天道「……あぁ、全てお前の予想通りだ。
   最も…俺の口からお前達へと事前に事実が伝わった時点で、奴らのそれも無意味な目論見と化したがな…」

シャル「そ…そんな…!」

鈴「こんな時にまで自分達の保身を最優先にするだなんて……本当にふざけてるわねッ!」

天道「……しかしラウラ・ボーデヴィッヒ。連中の企みについて、よく気が付いたな…」

ラウラ「フン、伊達に今まで軍の飯を食ってきた訳ではない」フンスッ

ラウラ「……奴らの気持ちも分からなくはない…。しかし、所詮は追い詰められた軍人の考える事だ」

ラウラ「軍部が起こした失態の帳消しに一般市民の力を借りるなど、通常ならばあり得ない事…
    奴らはきっと藁をも縋る思いで、私達に縋ってきたのだろう…」

天道「……成る程…」


セシリア「しかし…天道さんの口から改めて事の真相を聞かされて…
     わたくし達も少なからず、憤りを感じますわよね…」

シャル「うん……何ていうか、裏切られたような気分だよね…」

箒「……全くだ…」


束「フフッ…何も箒ちゃん達が落ち込む必要はないと思うな~」


箒「……えっ?」

束「箒ちゃん達に迷惑を掛けた悪~い大人達は……今頃偉~いヒーロー達に懲らしめられている頃だからさー!」チラッ

天道「………」

シャル「あの…それって一体…?」

天道「俺達とは別に、ワームの計画を阻止する為に先行して動いていた別動隊がいるという事だ…」

天道「……自ら敵地へと飛び込んで行った、3人のライダーがな…」


シャル「……3人の…」

箒「ライダー…?」

矢車「………」

風間とかがみんとあともう一人って誰だ?
ビッチゼクターが新たな資格者を見つけたのか?

それとも坊っちゃんの代わりになりうるサソードが誕生したとか?

ネイティブの田所さんが使うのかなって思ったけど弱そう…

乙ー

ミサキーヌがサソードヤイバー継いでるしミサキーヌかな?

田所ザビーはカブトのショーを思い出すな

ダークカブト「僕、僕」

ダークカブトさん最終回で火の中にダイブしてなかったっけ

というかダブトが天道(黒)以外を認めるとは思えない
あの研究所にいたのにゼクター持ってる辺り向こうから与えられたものだろうし

三人のライダー・・・まさか薔薇の金色と印象の薄い銀色と大気圏突入しちゃった銅さんか!

加賀美と風間と後一人は誰だろう
謎の男かな?



~ 某国 ~



軍将校「ええい!暴走中の試作機はまだ止められないのかッ!?」

オペレーター「だ…駄目です!
    カッシス・ディミディウス……依然としてこちらの信号を受け付けませんッ!」

軍将校「─ッ!!何とかしろッ!」


幹部ワーム(擬態)「やれやれ…こうなってしまった以上、もう我々には手の付けようがないですね…」

軍将校「き…貴様ッ!元はと言えば貴様らの寄越した技術が原因でこの様な事態に…!」

幹部ワーム(擬態)「その技術を欲したのは他の誰でもない、貴方達なのですよ? フッ…それを今更…」

軍将校「クッ!何時までも減らず口を…!もういいッ!」

幹部ワーム(擬態)「………」

軍将校「お前達!今すぐコイツをここからつまみ出せッ!」

部下A「………」

部下B「………」

軍将校「な…何をしているお前達ッ!?さっさとコイツを…」

幹部ワーム(擬態)「無駄ですよ。何故なら彼らは…」

部下A「………」ザッ

部下B「………」ザッ

軍将校「……ど…どうしたと言うのだお前達ッ!?」


部下C「………」ガタッ

部下D「………」ガタッ

オペレーター「えっ…?えっ?」キョロキョロ



幹部ワーム(擬態)「……そう、彼らは既に我々の…」


部下A「………」ジリジリ…

部下B「………」ジリジリ…

軍将校「く……来るな…来るなぁーッ!」




パーンッ!



幹部ワーム(擬態)「……何…?」

軍将校「なっ…!?」クルッ



田所「そこまでだ!ワーム共ッ!」

岬「今からこの施設は我々が占拠します!」

風間「やれやれ…」



軍将校「……だ…誰…?」

幹部ワーム(擬態)「……貴様らは…」




田所「岬ッ!今だ!」

岬「はいッ!」ポイッ


カラーンカラーン…


部下A「……?」


プシュー!


部下A「─ッ!?うッ!」

部下B「がハッ!?」

幹部ワーム(擬態)(これは…まさか!?)バッ

部下A(ワーム)「う…うぅッ!」ベキベキ…

部下B(ワーム)「あ…あがァッ!」ベキベキ…

幹部ワーム(成虫ワーム)「チッ!アンチミミック弾か…!?」ベキベキ…


軍将校「ひ…ひィーッ!?」



田所「流石篠ノ之博士お手製のアンチミミック弾だ!
   見る見るうちにワーム共の化けの皮が剥がれていくぞッ!」

田所(おっと…迂闊に近づき過ぎると俺も危ないな…)




部下C(ワーム)「………」ベキベキ…
部下D(ワーム)「………」ベキベキ…
部下E(ワーム)「………」ベキベキ…


オペレーター「─ッ!?キャーッ!!」



岬「やっぱり…既に軍関係者の殆どが、擬態したワームと掏り替わっていたようですね…」

田所「そのようだな……クソッ!
   これ程までの数のワーム…相手にするとなるとかなり厄介だな…!」

風間「なら、ここからは俺の出番ですね…」スッ


幹部ワーム「……ドレイクゼクターの資格者、風間大介…
      フッ…お前一人に何が出来る?」


田所「一人ではないッ!」スッ


幹部ワーム「……ザビーブレス?まさか貴様…」


岬(……剣くん…)

岬「………」スッ


幹部ワーム「サソードヤイバー…? 貴様もか!?」


岬「……お願い…一緒に戦ってッ!」ギュッ


今日も床に穴があく

やっぱ加賀美は天道の方に居るからミサキーヌだったか



── STANDBY! ──


カサカサカサカサ… カサカサカサカサ… ピョーン



岬(来たッ!)パシッ


幹部ワーム「……成る程、新たなる資格者達か…」


田所「ワーム共ッ!貴様らの野望もこれまでだッ!! 行くぞお前らァーッ!!」カシャ

風間「えぇ」カシャ

岬「はい!」カシャ





──『 変身ッ!!』──



──HENSHIN──

キュイキュイキュイーン


田所(MF)「キャストオフッ!」カシャ

風間(MF)「キャストオフ」カシャ

岬(MF)「キャストオフ!」カシャ



── CAST OFF ──

ピピピ… ドシューンッ!



──CHANGE! WASP!──

──CHANGE! DRAGONFLY!──

──CHANGE! SCORPION!──


これは燃える



幹部ワーム「ほぉ…これはまた揃いも揃って…
      しかし残念でしたねぇ…。貴方達の御目当てである量産型カッシスは、もうこの基地の中にはありませんよ?」

田所(RF)「そんな事は既に調査済みだッ!」

幹部ワーム「……何…?」

田所「お前達が大量の量産機を何処に隠したのか…
   それは天道総司と篠ノ之博士の調査によって、既に調べが付いているッ!」

岬(RF)「私達がこの場所に来たのは…某国の裏で暗躍するワーム残党を倒す為よッ!」

風間(RF)「俺は……まぁ、成り行きって奴です」

風間(……作戦に参加する代わりに篠ノ之博士とその妹さんのメイクアップをやらせて貰える…という約束を博士と交わしたからだなんて、この空気で言えるか…)



幹部ワーム「フン…まぁ何だっていいさ…」


サナギワーム「………」ワラワラワラ…
サナギワーム「………」ワラワラワラ…
サナギワーム「………」ワラワラワラ…


幹部ワーム「……むしろ好都合だ…
      貴様らには、今この場で死んでもらうとしようッ! ライダー共ッ!!」グワッ


田所「そう簡単に殺れると思うなよ! お前達、行くぞッ!!」ダッ

風間「全く…勝手に仕切んないで下さいよ…」ダッ

岬「はぁッ!!」ダッ


岬(守ってみせる!必ずッ!
  剣くんが愛した…この世界をッ!!)


乙です!
何と言う熱い展開

乙ー

ゼックゥートの諸君!アンチミミック弾などというつまらn(ry
田所さんは強いだろうなぁ
個人的には兄貴に次いで強いザビーだと思ってる

こういう展開嫌いじゃないわ!!


─────


天道「確か…篠ノ之箒と言ったな?」

箒「な…何だ?」ピクッ

天道「再三警告しておくが…試作機の武器には十分に注意しろ。
   奴は矢車の時のように、手加減などは一切してくれないからな…」

鈴「……“矢車の時のように”って…それって…?」

天道「……コイツは学園内でライダーキックを使用する時に限って、ある程度出力を絞って攻撃力を弱めていた…という事だ」

鈴「えッ!? マジで!?」

矢車「………」

天道「それだけタキオン粒子による攻撃は強大だという事だ…
   油断して掛かれば、それこそ痛い目だけでは済まされないぞ」

箒「……あぁ、心得た」


天道「よし…後の事はお前達に任せるぞ。俺は俺で、やる事があるからな…」クルッ


スタスタスタ…


束「あっ!待ってよ天くーん!」トテトテ




ラウラ「……行ったか…」

セシリア「何と言うか…嵐のような方々でしたわね…」

矢車「………」

千冬「……五月蝿いのが出て行ったところで、今一度作戦概要の確認を行う。矢車と篠ノ之は…」





~ 30分後 ~



矢車「………」パカッ

ピョーン ピョーン ピョーン

パシッ

矢車「変身…」カシャ


──HENSHIN──

キュイキュイキュイーン

──CHANGE! KICK HOPPER!──




箒「来い!紅椿ッ!」キュイーン


(箒、IS展開)




矢車「………」ピッ ピッ


ガシャン!ウィーン!


《マシンゼクトロン改・エクスモード》


矢車「………」ブゥルルーンッ! ブゥルルーンッ!



山田「矢車くん、篠ノ之さん、両名共に出撃準備完了しました」

千冬「よし。作戦開始以降、攻撃対象である試作型カッシス・ディミディウスの名称は“カッシス”と略称する。
   山田先生、出撃時のカウントダウンは任せた」

山田「はい!」

千冬「矢車、そして篠ノ之…
   お前達の健闘を祈る。無事に終わらせて帰って来い」



箒「はいッ!」

矢車「………」



千冬「カウントダウン、開始!」


山田「20…19…18…17…16…」


箒「………」チラッ

矢車「………」

箒(そうだ!想の奴が何と言おうが関係ない…!
  試作機との戦闘は私が主立って受け持ち、想にはなるべく戦わせなければ良いのだ!そうすれば…)

矢車「……箒、」

箒「な…何だ!? 想ッ!」ピクッ

矢車「………」

箒「……よ…用がないのならいちいち呼ぶな!」

矢車「………」

箒「全く作戦開始前だというのに!お前も私語は慎ん…」


矢車「俺は、アイツらと同じように……お前にだって死なれたくはないんだ…」


箒「……えっ?」



山田「5…4…3…2…」



箒「そ…想? 今何て…?」

矢車「………」ブゥルルーンッ! ブゥルルーンッ!


矢車(……だから、俺は…)



山田「い…」






矢車「クロックアップ…」カチャ


── CLOCK UP ──






─────


山田「……1…ゼ…」


千冬「─ッ!? 待てッ!矢車の姿が見えないぞッ!」

山田「えッ!?」ビクッ

千冬(まさかアイツ!? クロックアップを使って…試作機の下へ先回りをッ!?)

山田「や…矢車くんをレーダーで捕捉しました!
   あぁッ!もう試作機と交戦可能な距離まで接近していますッ!」


箒「そ…そんなッ!?」

箒(何で…何でなんだッ!?)


千冬「篠ノ之!出撃を許可するッ! 今直ぐあのバカの後を追えッ!」


箒「は…はいッ!」ブォォ…


ブワンッ!


箒(どうして…どうしてなんだッ!? 想ッ!)

箒「──ッ!!」ギュイーン!

箒(私の……今の私の力が…そんなに信じられないと言うのかッ!?)




~ 沖合い 試作機の通過ポイント ~



── CLOCK OVER ──


矢車「………」ギュイーン!

矢車(……確か、この辺りだったか…)キイィィー… ピタッ


矢車「………」


ピピッ ピピッ


矢車(レーダーの反応が近い…。そろそろ奴と御対面か…)

矢車「………」

矢車(……箒の奴が来る前に、とっととカタを付けるぞ)



……キイィィー…



矢車(……来たか…)



…キイィィィィィィイイイイイッ!!



矢車「………」



キイィィイイ!! ブワンッ!



矢車「………」グッ…




カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ ピピッ






矢車「……お前か? 俺の妹達を笑いに来たのは…」


カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ ピピッ


矢車「………」ブゥルルーンッ! ブゥルルーンッ!


カッシス・ディミディウス『──………──』ピッ… ピピッ


矢車「………」ブゥルルーンッ! ブゥルルーンッ!


カッシス・ディミディウス『──………──』ピッ…


矢車「………」



カッシス・ディミディウス『──…ターゲット確認 迎撃開始…──』キュイーッ!




矢車(来る…!)グッ


バシュンバシュンバシュンバシュンバシュンバシューンッ!!


矢車「………」ブォーンッ!


スイッ スイッ スイッ スイッ スイッ


矢車(タキオン粒子の斬波か…
   軌道さえ読めれば、どうという事はない…)ブォーンッ!


カッシス・ディミディウス『──………──』バシュンバシュンバシュンバシュンッ!


矢車(奴の真上を取るぞ…)ブォーンッ!


カッシス・ディミディウス『──…敵機直上…──』ピピッ


矢車「………」スッ

矢車(バイクを足場代わりにする…)グググッ…

ビョーンッ!

矢車「ラァーッ!」ブオンッ


カッシス・ディミディウス『──…敵機降下 急速接近 回避行動に移る…──』ピピッ… ギュイーン!


スカッ


矢車「………」ヒュー…


カッシス・ディミディウス『──…回避成功 迎撃を…──』クルッ


ドゴアァーッ!!


カッシス・ディミディウス『──……直撃…直撃… 機体に…ダメージ …──』バチッ バチッ



矢車(……俺の跳び蹴りと、後から来たバイクの突撃による二段攻撃…
   初撃の蹴りは兎も角、二撃目のバイクは避けられなかったようだな)

矢車「………」スタッ

矢車(……成る程。あの女の言ってた通り、このバイクは俺の意思で自由に操作する事が出来るらしいな…)ブゥルルーンッ! ブゥルルーンッ!

矢車「……これなら、何度でもバイクを足場にして跳ぶことが出来る…」ブォーンッ!

マシントルネイダー!


カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』バシュンバシュンバシュンバシュンッ!


矢車(所詮は機械だ…。正確な狙いだが、それ故に動きは単調で…読みやすい)ブォーンッ!


スイッ スイッ スイッ スイッ スイッ


矢車「……背後を取る…」ギュイーンッ!


カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ ピピッ


矢車「………」ブォーンッ!


カッシス・ディミディウス『──…敵機後方…──』ピピッ



矢車「……ブッ潰れろ、擬い物…」グググッ…


ビョーンッ!



─────


ビューン…


箒「想…! 想…! 何処だ!? 何処にいるッ!?」キョロキョロ

箒(レーダーによればアイツはこの辺りにいる筈なんだッ!
  試作機との戦闘が激化する前に…一刻も速く想を見つけ出さなくてはッ!)キイィィーン!






ブォーンッ! ブォーンッ!


バシュンバシュンバシュンバシュンバシュンバシューンッ!!


箒「─ッ! アレかッ!?」キイィィーン!



矢車「ゼアッ!」ブンッ


ベキィ!


カッシス・ディミディウス『──…被弾… …被弾…──』バチバチバチィ…


矢車「………」スタッ ブォーンッ!



箒「……す…凄いッ!」

箒(想の奴…あの空飛ぶバイクを上手いこと足場に利用して、巧みな空中戦を敵に仕掛けている!
  初めて扱うマシンだというのに…もうあそこまで使いこなせるとは…)




カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』バシュンバシュンバシュンバシュンッ!


矢車「チッ…!」ブォーンッ!

矢車(はぁー…!タフな野郎だ…! ライダーキックで一気に片付けるか…?)ブォーンッ!


カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』バシュンバシュンバシュンバシュンッ!


矢車(その程度の攻撃……─ッ!?)


バチィーッ!


矢車「─ッ!! チィッ!」ブォーンッ!


矢車(クッ…! 少し腕に掠った…!)バチィ…

矢車(……アイツ…段々と俺のこの動きに付いて行けるようになってきたな…)


カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』バシュンバシュンバシュンバシュンッ!


矢車(……俺の動きを分析して、行動パターンを学習しているのか? 面倒な…)ブォーンッ!




箒「なッ!想ーッ!」ブワンッ!


矢車「……もう来やがったのか、箒…」


キイィィーン!


箒(想ばかりに戦わせてたまるかッ!
  私だって第四世代機を託された身だ!
  かつてのような…無力な私とは違うッ!)

箒「前へ…前へ出るんだッ!」ギュイーン!


矢車「チッ…! あの…バカが…!」



カッシス・ディミディウス『──…敵機、増援を確認…──』ピピッ


箒「ハアァーッ!!」ブンッ


カッシス・ディミディウス『──…格闘戦に移行 迎撃開始…──』ブンッ


ガキィーンッ!!



矢車「下がってろ箒、ソイツは俺が…」


箒「断るッ!」ブンッ ブンッ ブンッ

カッシス・ディミディウス『──………──』スイッ スイッ… ブンッ


ガキィーンッ!


箒(─ッ!!重い…!)グググググ…

カッシス・ディミディウス『──………──』グググググ…


矢車「……バカが…何を言って…」

箒「想ッ!お前はもう十分に戦ったではないかッ!」ググッ… キーンッ!


カッシス・ディミディウス『──………──』グラッ…


矢車「……十分に?この程度でか…?
   はぁー…やっぱりお前も俺の事を見くびって…」

箒「私が言ってるのは今日だけの事ではないッ!
  お前は今までだってコイツらと……ワームとかいう連中と幾度も戦ってきたのだろうッ!?」

箒「それこそ…己の身も心もボロボロになる程にッ!」

矢車「………」

箒「私は…私はもうこれ以上見たくはないんだッ!
  お前が戦いの中で傷付き…壊れていくような様なんてッ!」

矢車「……箒…」

箒(だから……だからッ!)ブワンッ!


カッシス・ディミディウス『──…敵機接近…──』ピピッ


箒(だから今度はこの私がッ! 想の代わりとなって奴らと戦う番なんだッ!
  想をこれ以上…戦いの渦に巻き込ませない為にッ!今の私に出来る最良の選択がそれなんだッ!) ギュイーン!



カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ


箒(もうこれ以上ッ!お前達に想を傷付けさせはしないッ!!)


箒「ダアァァァァーッ!!」ブンッ

カッシス・ディミディウス『──………──』スイッ…


スカッ


箒(なッ!?避けられ…)


カッシス・ディミディウス『──…カウンター…──』ブンッ!


ザシュァァーンッ!!


箒「─ッ!!? わあァーッ!!」バチバチバチィーッ!!


カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ


箒(ば…馬鹿なッ!? たった一撃食らっただけで……これ程までのダメージを受けるだなんて…ッ!!)


天道『再三警告しておくが…試作機の武器には十分に注意しろ。
   奴は矢車の時のように、手加減などは一切してくれないからな…』


箒(……不用意に…近づき過ぎたと言うのか…?)

箒「くッ! ここは一旦距離を取って…」


カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』キイィィ… ブワンッ!


ギュイーン!


箒「なッ!?」ビクッ

箒(マズイ…! 距離が取れないッ!)


カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』ググッ…


ブンッ!


箒(──ッ!! 奴の次の攻撃が来るッ!絶対防御など容易く突き破ってくるばかりの勢いだッ!
  避けるか…それとも刀で防御するかしないと…!)


ブワァー!


箒「……あっ…」

箒(……だ…駄目だ…間に合わな…)





矢車「……はぁー…あのバカが…」スッ


天道『お前がもし下手なタイミングでクロックアップを使ってしまえば…
   それはかえってカッシスを刺激する事となり…結果として奴の能力の発動を誘発する事に繋がる』

矢車「………」

天道『お前の立ち回り方次第ではあるが…十分に注意することだ』


矢車「………」カシャ



── CLOCK UP ──




カッシス・ディミディウス『──…─…──』ピタッ

箒「………」ピタッ


矢車(……これで…奴の優先順位は、箒から俺へと切り替わった筈だ…)

矢車「………」



カッシス・ディミディウス『──…タキオン粒子反応 検出…──』ピピッ ピピッ

カッシス・ディミディウス『──…攻撃対象を変更 システム認証…──』ピピッ…


キュイーン!


カッシス・ディミディウス『──…フリーズ 起動…──』ピッ





── FREEZE ──






矢車「………」ピタッ


カッシス・ディミディウス『──…攻撃目標を選定 目標、マスクドライダー…──』グルッ


ギュイーンッ!


矢車「………」


カッシス・ディミディウス『──…迎撃… 迎撃…──』ググッ…

矢車「………」



─────


箒「はッ!?」ピクッ

箒(……カッシスが…私の前から姿を消している…?)

箒「や…奴は一体何処に…?」



矢車「ガアァァァァーッ!!」バチバチバチバチィ!



箒「なッ!!?」ビクッ!

箒(ま…まさかッ!?)クルッ



カッシス・ディミディウス『──…迎撃…迎撃…迎撃…──』ザシュ! ザシュ! ザシュ! ザシュ! ザシュ!


矢車「グワアァァァァァアアッ!!」バチィ! バチィ! バチィ! バチィ! バチィ!



箒「──ッ!? 想ーッ!!」

箒(な…!何故だッ!? 奴はいつの間に想に攻撃をッ!?)




矢車「ハァ…! ハァ…! ハァ…!」

カッシス・ディミディウス『──…迎撃…──』ググッ…


箒「─ッ!! 止めろォーッ!」


カッシス・ディミディウス『──………──』ブンッ!



ザシュァァーンッ!!



矢車「──ッ!! ガハァ…!」バチバチバチィ… ブゥーン…


(矢車、強制変身解除)


カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ


矢車「……がっ…」グラッ…


ヒュー…


モップェ…



箒「そッ!想ーッ!!」


矢車「………」ヒュー…


箒(変身が解除されているッ!?  このままでは海に落下して…想はッ!)ブワンッ!


箒「想ーッ!!」ギュイーン!


箒(結局……結局私はこのザマなのかッ!?
  アイツの事を守りたいと…そう思っていたのに…! もう傷付けさせはしないと…心に誓っていたのに…! 結局ッ!)


矢車「………」ヒュー…


箒(せめて…せめて想の命だけはッ! 命だけはッ!)

箒「間に合えッ…間に合えぇーッ!!」キュイィィーンッ!



カッシス・ディミディウス『──………──』ピピッ



ザッパァァーンッ!!



カッシス・ディミディウス『──…対象沈黙 作戦の遂行に支障は無し 任務を続行する…──』キュイィィー…


ブワンッ!




─────


コポコポ… コポコポ…


矢車「………」


ボコボコボコボコ…




──つづく


い つ も の


デデーン!

次回、仮面ISキックホッパー! 最終回!



箒「私はもう…戦えない…!」


鈴「ふざけんじゃないわよッ!」


カッシス・グラディウス『IS学ウゥゥゥゥエンの諸君ッ!!』


箒「変身ッ!」


矢車「……ありがとう、影山…」



デレー


最終回か…
おつです

最終回!?
エイプリルフールじゃないのか!?

パンチホッパーがモップにNTRたら俺はもう立ち直れない

乙です

予想通りモップが足引っ張ってて草不可避

これは原作よりはるかにマシだろ
そもそもクロックアップも内蔵してないのに第四世代とか言ってけしかけた束が悪い
結局役に立ってないし

ワンオフアビリティが無限のエネルギー+分け与えた機体含めクロックアップ対応可とかならまぁ
そうじゃなければ妹総出撃したところでだし

相変わらずの空回りっぷりww
でも最後全部美味しいところ持って行っちゃうんでしょう?

まあ束さんは何だかんだて矢車さんも一緒に居るから大丈夫だと思ってたのかもしれないな
結果として箒が先走るような真似したからあんな事になったけど

カッシスにオリジナルの電子頭脳が埋め込まれている可能性が…

戦犯 モップ

天道がわざわざ「油断するな」って忠告してくれたのになぜ自分の力を過信するのか……

両方が相方を戦わせないよう一人だけで戦おうとしたのが問題だな

>>708
お前は一度仲間と戦って惨敗した相手に足手まといをつれて戦おうと思うか?

悪意が見え隠れしてるコメはとげとげしてていやだなぁ
いよいよ最終回か、長かった面白かった……ちょっとさみしい

>>710
流石にモップ批判が多すぎだよな…
気持ちは分からなくもないけど、もう最終回なんだから自重して欲しいな

キャラが立ってるから反響もでかい

モップ批判はISのお約束なとこあるし
まあ今回は束の方が戦犯だが

でも多すぎて怖い
話に一区切りつくたびにまた批判※があるのかと思うとちょっと
あんまりこの話でスレ消費もよくないね、ごめん

コメントが多いのはそのSSが人気である証拠。
キャラそのものに対するコメントが(善であれ悪であれ)多いのは
ストーリーに於いてキャラがしっかり立ってる証拠。
まぁ一部キャラに関しては暴走して物語引っ掻き回しちゃったりするから
どうしてもキャラ批判が多く発生してしまうのが悲しいけど。
次で最終回みたいだし、なるべく批判は少な目で最後まで楽しんで読みたいね。

(正直、ISに関しては原作よりこっちの方が展開的に面白い(ry

ISは原作より二次創作の方が(ry
次で最終回か・・・
1年以上楽しんでいただけに、残念だ・・・
最後まで楽しみたい

まだかな

もうじきクライマックスだな…
首を長くして待ってるぜ

良い二次創作だ 感動的だな
(^U^)

遅ればせながら近状報告

近頃身の回りが忙しいので次の投稿はもう少し掛かる予定
最終回投稿の際にはまた新しくスレ建てる予定です

ここ落とすの?
落とさずにここで誘導はしてほC

報告乙です
こうやって報告もらえるだけでも待ち続ける気になれるので嬉しいです
リアル優先でゆっくりやってください!

報告乙

報告ありがとうございます
タイトルはこれで検索すればいいでしょうか?

新スレ建てる際にはこっちのスレにもURL貼るので宜しくどうぞ
タイトルは基本変わらずpart3表記にする予定なのであしからず

おお!!
楽しみにしております。
体調には気を付けてください。



NEXT LEVEL…


【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」part 3
【続】矢車想「IS学園…今の俺には眩し過ぎる」part 3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433056738/-100)

という訳で、遅くなりましたが新スレにて再開します。

新スレ乙です

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月25日 (火) 02:41:23   ID: 7LiQFrxv

矢車さんは、サイコーです。
おもしろいので最後までお願いします。

2 :  SS好きの774さん   2014年12月06日 (土) 10:52:06   ID: jncxXN_W

天道様キター

3 :  SS好きの774さん   2015年01月24日 (土) 21:11:47   ID: T5Et47pA

完結までお願いします
マジで完結までお願いしますこの通りです

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