俺「時間だ!時間がないんだ!」男「はたしてそうかな?」 (35)

カタカタカタカタカタ

OL達「あははーだよねーw」

カタカタカタカタカタ

OL達「そうそうほんと怖い~」

カタカタカタカタカタ…カタッ

OL達「マジうける~w」

ガタッ

俺「仕事終わったので上がりますね」

OL達「あ、俺さんいつも通り仕事はやーいw」

OL達「それより俺さん【犬のプー太郎】って漫画知ってますよね?」

俺「いえ、知らないです」

OL達「え~知らないはずないじゃないですか~最近社会現象って呼ばれてるくらい人気な漫画ですよ~」

俺「知らないです 失礼します」スタスタ

OL達「…」

OL達「…なにあれ~チョー無愛想~」

OL達「ってか【犬のプー太郎】知らないとかかなりヤバくない?w」

OL達「…まあ仕方ないよ俺さんなら…だってあの人が一番大切にしてるのって…」

ーーーーー

時間だ

時間が足りない

地球が生まれてから人類全てに平等与えられたもの
それが時間だ

時間が何よりも大事なのだ

俺「くそぅ…あのOL共が話しかけてきたせいで8秒時間をロスした」スタスタ

俺は腕時計を見る

俺「時間が足りない 少しいつもより歩行速度を速めよう」

今日はいつもより仕事が2分14秒も遅く終わってしまった まずい

いつもの場所にタクシーが止まっている

俺「タクシー!タクシー!」コンコンッコンコンッ

運転手「…んん…?あーはいはい」

俺「早く開けろ!」

運転手「はいはいすいませんねぇ」ウィーン

俺「スーパーだ!急いでくれ!」

運転手「分かりました」ヴイーン

俺はいつものごとくタクシーでスーパーに向かい帰りのタクシーで食事を済ませる予定だ

運転手「お客さん なんか急ぎの用事でも?」

俺「…」

運転手「…汗かいてますよ 窓開けましょうか?」

俺「いいから急いでくれ」

運転手「…分かりました」

無駄な事はする必要ない
当たり前の事だ

例えばタクシー運転手との会話
そこから何か生まれるのか?
生まれたところで数分後にはそのタクシー運転手とはお別れだ

その会話に需要があったのか?

無駄は消費する

時間の為にも

ーーーー

俺「なんとか9時前に間に合ったようだ」

俺は家につくとまず風呂場へ行きお湯を焚く
そしてリビングに行き電気とクーラーの電源をほぼ同時につけテレビをつける
するとピッタリに番組と番組の間のニュースが始まった
いつものことだ

俺はニュースのオープニングのような音楽が流れニュースキャスターが自己紹介をしているその数秒にすぐさまポットに水を入れスイッチを入れる

キャスター「それでは一つ目のニュースです」

俺は暑苦しいスーツを脱ぎつつソファに座る
この頃には部屋が涼しくなり始めている
そしていつものごとく爪を切りながらニュースを見る

キャスター「今朝警察の調べにより続く連続殺人事件の犯人の映像が映ったとされる防犯カメラの映像が公開されました」


くだらん

全くもって理解できない
何人もの人を殺すことに何の意義がある?
どうせすぐ捕まる
捕まらなくても日々警戒して生きていかなくてはいけない

時間の無駄だろ
バカなのか?


俺はニュースを見つつ予め机に用意してあるコップにココアパウダーを入れる

そしてニュースと自分の地域の天気予報が終わるとテレビの電源を切りポットを手にとり湯をコップに注ぐ

そしてココアを冷ます間に風呂へ向かいシャワーを浴びるのだ

俺「今日も完璧だ」

俺の頭の中にはみっちりと細かいスケジュールが入っている

今の一連の流れは俺が会社に入社して一度も欠かした事のない動きだ

俺「よし 時間は10時30分 寝るか」

こうして俺はいつもと全く変わらぬ1日を終えるのだった

ーーーーー

カタカタカタカタカタ

OL達「あーそうそうそれそれw」

カタカタカタカタカタ

OL達「あのシーンまじウケるよねw」

カタカタカタカタカタ…カタッ

OL達「続き気になるよね~」

ガタッ

俺「仕事終わったので上がりますね」

OL達「さすが俺さんはやーいw」

OL達「俺さん【犬のプー太郎】みた?」

OL達「…ちょっと俺さんはそういうの見ないんだってw(小声)」

俺「失礼します」スタスタ

くだらん

漫画など見て何が面白いのか
所詮は創作
他人が頭で面白がって作ったものだ
そんなものを見るほど時間の無駄はない

俺は漫画は疎かアニメや小説 映画などの創作物は見たことがない
そんなことをするほど時間の無駄な事はないのだ


俺はタクシーを降りいつものスーパーに向かう

俺「今日は仕事がスムーズに終わったし少しは余裕があるな」

買うものは決まっている
おにぎりにパックのサラダそしてエナジードリンクだ

このスーパーのルートからすれば中に入って店頭にある値引きおにぎりを先に2つ手に取りそのまま直進すれば唐揚げや惣菜の売り場に辿り着く
そしてパックのサラダを籠に入れそのまま来た道を引き返しレジ横のエナジードリンクを取るのが一番の近道であることは身を持って経験している

俺「さて入るか」

ウイーン

俺「…な!?」

多い

人が多い

確かに今日は連休の前日ではあるがいつもに比べ多すぎる
恐らくこの時間が偶然人が増加したタイミングだったのだろう

俺「…しかし人が多いところで俺のすることは変わらん」

俺はそそくさといつものルートでおにぎりとパックのサラダを籠に入れる

俺「あとはレジ横のエナジードリンクと…」スタスタ

俺「…!?」

俺「そんな…バカな…!」

レジに見たことのない行列ができている

15…いや20はいるか…?

俺は一瞬呆然としてしまった

しかしここでわざわざ商品をもどして別の店に行くのはそれこそ時間がかかる

ここまできて諦めるわけにはいかなかった

俺「ちっ…並ぶか」

俺が2つあるうちの列の短い方に並ぼうとしたその時

男「…」タッタッタッ…!ス…

俺「!!」

見知らぬジャージ姿に帽子を被った男がギリギリで俺の目の前に走り込んで並びやがった

俺「ぐ…!」

ただでさえ時間がないというのにこんなことをされては怒りが込み上げてくるのも仕方がない

男「…」

俺「いやあの」トントン

男「…ん?」

俺「俺が先に並ぼうとしてたんですけど…」

男「…」

男「…で?」

俺「いやいや…」

男「並ぼうとしてただけでしょ?でも結果俺が先に並んだ 何か問題ありますか?」

なんなんだこの腹立たしい男は

俺「ただの横取りですよ」

男「横取りってw」

俺「何笑ってんだよ」

男「俺はただ列が空いていたからそこに並んだ そしてらあなたが後で後ろに並んできた ただそれだけの話ですよ」

これまとめで見たわ SS宝庫あたりで

俺「いやあなたが意図的に列を奪ったようにしか見えませんでしたが?」

男「そもそもいいじゃないですか たった一列くらい」

俺「たった一列?あのねぇ その一列で何秒の時間が無駄になると思ってるんですか?」

男「さぁ何秒だろうなw」

俺「ふざけてるのか?」

男「何をムキになっているんだあなたは
変わらないでしょそんなことで」

俺「言ったな?なら僕と場所変わってください」

男「やだよ」

俺「は?なんで?」

男「そりゃ嫌でしょぉぉ…俺が先に前に並んだんだから」

俺「別に俺と場所変わったくらいで何もないだろ?」

男「じゃあ変わらないでいいじゃないですか」

俺「…」

久々にここまでイライラした

そもそも行列は俺がベスト10に入る嫌いなものの一つだ
あの待ち時間の無駄さと言ったらない
それに加え前がこの腹立つ男なのだからな

時間が過ぎていく

刻一刻と過ぎていく

こんなにイライラしているのは何年ぶりだろうか

隣のもう一方のレジを見る
こちらが大体9か10人に対してあちらはまだ12、3人いるな…
まだこっちのレジにしたのは正解だったか

>>19
待ってまとめられてたこれ?

そんなことを考えていた時だった

ピイイイイイイイイイイイイ

俺「…なんだ?」

列の前の方がざわざわとし始める

前の方で「すいません、すいません」と声が聞こえる

くそ 前の奴らがチューチュートレインみたくレジの方を覗こうとするから前が見えない

「少々お待ちください!」

何!?
今のは俺の並んでるレジの店員の声に違いない

そして慌てた様子で行列を平行にその店員がこっちに走ってきた

その時俺はハッキリと見た

そのレジ店員の名札の上の部分には「実習生」と書かれていた

ごめん確かにコピーだけど作ったのは俺で間違いないから
どうせ誰も知らないと思って

>>23

http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/archives/1897816.html

>>29
やべぇこれ初めて見た
コメントで若干叩かれてるけどなんかこんなに見てる人がいるって分かると嬉しいわ

うん
ちょっとまとめ巡回してくる

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom