もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part5 (1000)



もし小泉さんが主人公だったら


ダンガンロンパ2




※注意



・これを読む前に、前スレ達を読んでおくことをお勧めします。



part1→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404917911/)



part2→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406974060/)



part3→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408702032/)



part4→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410084963/)




・これは、ス―パ―ダンガンロンパ2の二次創作です。


・小泉が主人公のIFの世界なので、島の構造や、キャラの性格が微妙に違ったりするかもしれません。



・本編で明かされなかった部分などに、個人のねつ造が含まれています。注意して下さい。


・最初からネタバレのオンパレ―ドです。本編をクリアしてからご覧ください。


・基本的に、(非)日常編はギャグ&ほのぼの、非日常編はシリアス展開となってますが、
6章はハナっからシリアスです。


・なるべくキャラの待遇を、(本編も考慮したうえで)平等にしようとしてますが、
全然平等じゃねぇよ!!って思うかもしれません。まあ、ご了承ください。


・(主人公含め)キャラ崩壊があります。キャラのイメ―ジを壊したくない人はご注意ください。


・場合によっては、こんなの○○(キャラ名)じゃない!!ってなるかもしれません。ご注意ください。


・エログロは(基本的には)ないですが、女の子がリンチされたり、
なんか病んだりするのは…もう慣れてください。


・カップリング要素が存在するキャラが数組あります(半数程度)。そういうのが嫌いな人は要注意。
特に小泉さんが…。


・事実無根な話があったり、トリックに矛盾があったりするかもしれません。


・他にも、『これ、おかしくね?』みたいなところがあるかもしれませんが、希望があれば大丈夫だよね!!


それでもダンガンロンパ2が好きだぜ!!という人は見てやってください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411466402



CHAPTER6 絶望に微笑む理由 (非)日常編



「…」


「貴方、何してるの?」


「…」




「貴方、希望ヶ峰学園の生徒?」

「…違うわ。以前はそうだったけど、もう退学しちゃった。」


「退学?貴方、怪我でもしたの?そのせいで、才能を発揮できなくなったとか?」

「…それも違う。もともとアタシは、大した才能を持ってなかった。要は、希望ヶ峰学園に見限られちゃったのよ。」

「見限られた?希望ヶ峰学園は、よっぽどのことがないと本科の生徒を切り捨てないわよ?」




「…アタシ、希望ヶ峰学園に居られなくなったの。」

「居られなくなった…?」



「だって希望ヶ峰学園には、アイツがいるもの。」



「退学したいって学園に言ったら、アッサリと許可が下りた。」




「ふ~ん?それで、いま貴方は何をしてるの?」


「何もしてない。何かするとしたら…このまま緩やかに、自分の朽ちる日を待つことかな。」





「絶望してるの?」



「絶望…?」



「この世界に生まれ堕ちたことを、絶望してるの…?」

「…」




「貴方には教えておこうかな。貴方も知っているでしょ?予備学科の生徒のパレ―ドを。」

「あれを発端として、世界はもうじき滅びるの。」


「…それがどうかした?そんなの、アタシの知ったことじゃない。」





「憎くないの?貴方を追い込んだ、九頭龍組のことが。」


「…」




「アタシについて来ない?九頭龍組なんて、アリンコのように踏みつぶさせてあげるから。」


「…」





「くだらない。」




三十一日目



―小泉のコテ―ジ前―



澪田「真昼ちゃ~ん!!出てきてよ~!!唯吹たちと一緒に、ご飯食べようよ!!」







田中「…返事も寄こさんな。やはりまだ、1人にさせた方がいいのか…?」


澪田「でも唯吹は、真昼ちゃんが出てきたところを1回も見てないっすよ!?」

澪田「もしかして真昼ちゃん、学級裁判の後から何も食べてないのかも…」

田中「何だと?学級裁判があったのは2日前だぞ?」


澪田「このままじゃ、餓死するかもしれないじゃないっすか!!」

澪田「だから、唯吹たちと一緒にご飯を食べてもらいたいなって!!」


田中「実はすでに、餓死しているのではないだろうな…?」

澪田「ちょ、なに縁起でもないことを言ってんすか!!」


澪田「そうならないために、真昼ちゃんに栄養を採ってもらおうと…」





小泉「持ってきて。」




澪田「え?」

田中「コテ―ジの中から、小泉の声が…。まだ生きていたな。」




小泉「ご飯…。持ってきて。」

小泉「扉の前に、置いといて。」


小泉「そしたら、食べるから。」



澪田「え…?そ、そこまでして、唯吹たちとご飯食べたくないんすか!?」

田中「いくらなんでも、ワガママが過ぎるぞ!!」





小泉「…わかった。」

小泉「じゃあアタシ、ここで腐ってるから…。」



澪田「…」

澪田「どうするっすか…?」




田中「こんなことを許可したくはないが…本当に腐ってもらっても困る。」

田中「仕方ない。望むとおりにしよう。」


澪田「うう…。真昼ちゃん…。いつもの真昼ちゃんは、どこに行ったんすか…?」

澪田「変わりゆく自分は受け入れられても、突然変わってしまった真昼ちゃんは受け入れられないっす…。」




―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」




多分、今のアタシは最低なんだろう。


田中と唯吹ちゃんの厚意に付け込んで食事を持ってこさせるなんて、あまりにも身勝手すぎる。





それでも、外に出る気は起らなかった。


どれだけお腹がすいても、唯吹ちゃんや田中に会いたいとは思わなかった。



なんでだろう?


2人に会うと、なにかとてつもない嫌悪感に駆られそうだった。



それがどういう理由で湧き出してくるものなのかは…


わからないし、わかる気もなかった。




しばらくするとコテ―ジの外で、コトンと音が鳴った。



アタシは、しばらくジッとしている。


ジ―ッと待つこと、数分間。



外に誰もいなくなるであろう頃合を見計らってそっとコテ―ジの扉を開け、置いてあった食事をコテ―ジの中に引きこむ。




2日ぶりの食事。


お腹ペコペコのアタシは、それを勢いよく全部食べ切った…



というわけにはいかない。



あれだけ食べていなかったのに…


実際にアタシが口にしたのは、ほんの2、3口だけだった。


それだけで、十分お腹が膨れたような気がした。



肉体的にどうかはわからないが…


少なくとも精神的には、それでお腹いっぱいいっぱいだったんだ。




つまりアタシはそれほどにまで、この2日間で何も行動をしていなかったということだ。



人間は思考を張り巡らせるのにもエネルギ―を使うらしいから、


体を動かすどころか、考えることすらアタシはしていなかったというのがわかる。





こんなアタシが、生き残る必要があったのか?


アタシなんかよりも、ずっと生き残る価値があった人間はいるのではないか?




もし生き残っていたのが日向なら、この状況でもみんなを先導していただろう。


もし生き残っていたのが狛枝なら、黒幕を既に突き止めて、追い詰めているところだろう。


もし生き残っていたのが豚神なら、皆のリ―ダ―として殺し合いに終止符を打っただろう。


もし生き残っていたのがソニアちゃんなら、皆や田中の心をいやしてあげられたのだろう。





じゃあ、アタシはどうだ?


生き残っていても、唯吹ちゃんや田中のお荷物になっている。



田中や唯吹ちゃんだって状況は同じはずなのに。


失いたくなかった人間を失っているのに。



豚神がいなくなっても唯吹ちゃんは場の空気をよくしようと努力してきたし、


ソニアちゃんがいなくなっても田中は、左右田のことを許してくれた。



そして2人は、毅然として黒幕に立ち向かおうとしている。

失った仲間のために。





でも、アタシはそれができない。



もし2人と会うと、アタシもそれをしないといけない。


アタシは、アイツの死も乗り越えないといけない。




アタシに、そんなことができるのか?



そもそも乗り越えるなんて、本当に正しいのか?


アタシの重荷を一緒に背負うと言ってくれた仲間を忘れて、自分だけがのうのうと生きることは正しいのか?





わからない。


わからない。



怖い。


怖い。



乗り越えるなんて、嫌だ。




失った仲間のことを忘れて黒幕と立ち向かうなんて、アタシにはできない。





結局アタシはそこで完全に思考を停止して…




無意識の世界に、


どっぷりと、身を浸した。




三十二日目



アタシは、着替えることをしなくなった。


それだけじゃない。


顔を洗わなくなったし、歯も磨かなくなった。


お風呂にも入っていない。



起きた後にすることは、ただぼうっとコテ―ジの中を見渡すだけ。


人としての活動のほとんどを停止していた。




―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」




酷い臭いがする。


卵が腐ったようなにおいだ。


その発生源は、とっくにわかっている。



当然、自分自身だ。




頭がかゆくて、かいてみると白いものがボリボリと落ちてきた。


口で息をしてみると、様々な食べ物を無造作に混ぜ合わせたようなにおいを感じ取れる。


ふと手を見てみると、爪の中に垢がぎっしりと溜まっていた。




自分がこんな状態であることに…


抵抗は感じても、それを正そうとする気にはならない。




おかしいな。



普段のアタシなら、こんな状態の人間を世話する立場だったはずなのに。


世話好きで、いつも清潔にしていたのが、アタシのアイデンティティだったのに。





こんな状況のアタシをお父さんに見られたら、お父さんはどう応えてくるのだろう?


日寄子ちゃんが今のアタシの姿を見たら、幻滅しちゃうかもしれないな…。


日寄子ちゃんが最初に見たアタシがこれなら、『小泉おねぇ』なんて絶対に呼んでくれなかっただろうな。





鏡を見てみると、そこには誰かがいた。



髪はボサボサで、目の下にはくまができている。


服はボロボロに汚れていて、赤黒くなった何かが染みついている。





酷い顔だ。



この世の終わりを見せつけられたような人間の顔をしている。



無気力で、なんの可能性も感じない。



正の感情も負の感情も、どちらも見せそうにない。



死んだ人間と同じで、その表情からは一貫して絶望に染まる姿しか読み取れない。



この先この人間が再び生気を取り戻し、積極的に活動するようになるなんて思えない。






こんな人間、この世に存在するなんて知らなかった。



だからしばらくの間、気付くことすらできなかった。





鏡の人間が自分自身だってことに。




三十三日目



アタシは今日、カメラを失った。


その理由は簡単だ。



今日の朝にアタシが食事のお皿を取るところを、唯吹ちゃんが待ち伏せしていたんだ。


扉を開けた少し後に気づいたアタシはとっさに、肩に下げていたカメラを投げつけた。




なぜその行為を取ったかはわからない。


アタシの前に現れた唯吹ちゃんの姿に、ぐちゃぐちゃになった感情を押し付けたんだ。



それは怒りなのか、哀しみなのか…


嫉妬の可能性さえあるかもしれない。




アタシは2人をその行為で威嚇して、アタシに会う気をなくさせるつもりだっただけで、


唯吹ちゃんにケガをさせるつもりは毛頭なかった。



しかし、どうやらアタシの手元は狂ったようで。


アタシが投げつけたカメラは、唯吹ちゃんの額にぶつかってしまったようだ。




それにひるんだ唯吹ちゃんは、うっ…とうめき声をあげながら膝をついた。


唯吹ちゃんのそばに田中が駆け寄る。


どうやら唯吹ちゃんは、出血をしているようだ。



2人に責められるのが怖くなって、アタシは急いでコテ―ジのドアを閉めて、鍵をかけた。




―小泉のコテ―ジ―



小泉「はぁ…はぁ…」




何をしているんだ、アタシは。


唯吹ちゃんと田中のお情けで、アタシは命をつないでいるというのに。



2人が食べ物を持って来てくれなくなったらどうしよう。


ここで、本当に腐って死ぬのか?





あれ?


アタシ、死ぬのが怖いの?


こんな一筋の希望も見えない状況の中で、まだ生にしがみつくのか?




わからない。


わからない。


アタシには、アタシのことさえ分からない。



生きたいのか、死にたいのか。


そんな2択にさえ、アタシは答えを出しあぐねていた。


いっそのこと即死とかで、死んだかもわからないまま死んだなら楽なのかもしれない。





ただアタシは、肉体的な生命活動という点ではまだ生き永らえているが…



『小泉真昼』としてのアタシは、もう死んでいるのかもしれない。




アタシがアタシであるための要因の1つとして…


しっかり者で、家事や他人の世話などをソツなくこなせるマメな存在というのがあった。



そしてそれは今、アタシの機能としては完全に停止しているということは言うまでもない。





もう1つの要因として、写真家としてのアタシが存在した。



人の笑顔の写真を撮って、それをみんなに見せて、またみんなを笑顔にする…


それが、“超高校級の写真家”とも称されていたアタシの自己表現だったはずだ。





だけど、今のアタシはどうだ?



今まで写真家として常に身に着けていたカメラを、


人を笑顔にするために今まで使ってきたカメラを、


一時の感情の高揚だけでアッサリと手放したどころか、それで人を傷つけてしまった。





アタシには、もはや人を笑顔にする力なんかない。


むしろ、人を傷つけてばかりだ。



つまるところアタシは…





アタシとしての取り柄を、


価値を失った、



生ける屍と化したんだ。




三十四日目



朝、コテ―ジの外で音がした。


扉の方を見てみると、扉の下の隙間から手紙のようなものが入れられていた。




―小泉のコテ―ジ―





小泉「なに、これ…?」



そう思って、それを見てみると…




『真昼ちゃん、昨日はごめん!!不意打ちかますようなことをしちゃって!!』


『唯吹は真昼ちゃんに謝りたいっす!!カメラも、ちゃんときれいにしておいたから!!』


『もし唯吹にカメラを投げたことに負い目を感じているなら、気にしなくていいっすよ!!』

『いわゆるお互いさまってヤツっすよ!!』


『だから、気長に待っている。真昼ちゃんが会いたい時でいいから。』

『唯吹と、仲直りしよう? 唯吹』





小泉「…」




コテ―ジの外を見てみると、食事とともにアタシのカメラが置いてあった。


唯吹ちゃんの血が付いていたはずだが、手紙の通りその跡は残っていない。


ちゃんとカメラは機能するようで、正しいカメラの洗い方をされている。



アタシが投げた時に壊れていたかもしれないことを考慮すると、ひょっとして唯吹ちゃんは…


カメラの構造を図書館なんかで調べて、素人なりに直してくれたのかもしれない。




この手紙はしわくちゃになっていて、鉛筆の墨の跡がいくつも残っている。



きっと唯吹ちゃんは、アタシを説得するためにこの手紙を必死に書いたのだろう。



アタシを説得できる言葉を考えて、考え直して、何度も手紙を書きかえて…


そんな試行錯誤の後に、この手紙が完成したのだという過程が見て取れる。





唯吹ちゃんはアタシに理不尽な暴力を振るわれても、アタシのことを考えてくれていた。


どうすればアタシと仲直りできるかを、唯吹ちゃんなりに悩んでくれていたんだ。



なのにアタシは、自分の食事のこととか自分のカメラのことしか考えていなかった。


唯吹ちゃんの手紙を見るまでは、2人との和解なんてものは頭の片隅にもよぎらなかった。



いつの間にか自己中心的にしか物事を考えられなくなっている自分に嫌気がさす。





それでも、外に出る気にはなれなかった。



2人との関係がいくらこじれようと、2人と会う勇気はアタシにはなかった。


そんな勇気を、奮い立たせる気もなかった。





だからこそ、このカメラを肩に下げることをアタシはやめた。



人を笑顔にできなくなったアタシに、カメラを身に着ける資格なんてない。




それが2人への、せめてもの罪滅ぼしだった。




三十五日目



ついにこの日がやって来た。


朝、ベッドに大の字で寝ていたアタシは確かに感じた。



枕元に、アイツが化けて出るようになった。


アタシを、殺しに来たんだ。




―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」


小泉「何よ…」



小泉「重荷を一緒に背負ってくれた人が…心の支えだった人が殺されて……」


小泉「人間としての機能を失い、自分の存在意義だったカメラすら放棄して………」



小泉「ただ息をするだけの廃人と化したアタシから、これ以上何を奪おうっていうのよ…。」




小泉「…」



小泉「やめてよ…。」


小泉「アタシ、アンタに殺されたくないよ…。」



小泉「殺すなら…優しく殺してよ…。」




小泉「ほら…首を、さらしてあげる。」


小泉「そこにある縄で、ギュッと絞めてよ。」



小泉「…」





アイツは、アタシの言うことに従う様子はない。



むしろアタシの意思や願望とは裏腹に、アイツはアタシをあえて生き永らえさせ、散々アタシを苦しめて…


森羅万象、ありとあらゆる苦痛をアタシに与えた後で…



アタシを、殺すつもりなんだ。





小泉「…そっか。そんなにアタシが憎いの…。」



小泉「いくら謝っても赦してくれない…。」


小泉「何をしようが、赦してくれない…。」


小泉「殺される方法すら、選ばせてくれない…。」




小泉「もう、嫌だよ…。」





小泉「もう、赦してよ…。」



小泉「いつまで、アタシを苦しめれば気が済むの…?」





気付けば、手が震えている。


足が、ガクガクいっている。


心臓が、バクバク鳴っている。



不思議なものだ。



こんな状況でも、


こんなアタシでも、



まだ恐怖は感じるものらしい。





アイツは死んでも、死んだからこそアタシを赦すことはなく、永遠にアタシを苦しめる。


これは、もはや呪いと言ってもいいのかもしれない。



永遠に解呪することのない、呪縛。



その重荷は、1人では背負いきれない。


でも、共に背負ってくれる人はもういない。





アタシの咎が、1点に集中してアタシに降りかかる。


脆いアタシは刻一刻とひしゃげていく。



あたかも、洗面器でスコ―ルをすべて受け止めようとしているようなものだ。



この調子では、午前中も持たずにアタシは気が狂ってしまう。


それが、アタシをここまで憎んでいたアイツが望むことなのだろうか。





小泉「そうは、させない…。」




そう宣言するとアタシは…



タッパ―から開封して手の内に潜ませた『カメラ』を、ギュッと持ちかえる。



狛枝が最期にアタシに遺してくれた、狛枝の『カメラ』。


写真家として健在だったアタシの姿を切り取り続けてきた、アタシの『正常な世界の象徴』。





そっと額にかざしてみる。


アイツが見ていただろうアタシの姿が思い起こされる。



それだけで、言いようもない温かい気持ちになれた。





気付けば、手の震えもなくなっていた。


足も正常に動くし、心臓の音も聞こえなくなった。






アタシの周りを、球状の薄いベ―ルが包んでいるような感覚。


絶え間なく降り注ぐアイツの憎悪をすべていなして、中にいるアタシを守ってくれる。



アタシの手中にあるこれは、どんなものよりも力弱く、どんなものよりも頼もしい。





これがあるうちは、大丈夫。



これがあるうちは、大丈夫。



これが、あるうちは…






安寧たるこの領域でアタシは、一点の憂いもなく…




何度も、何度も、呼吸を繰り返していた。




今日はこれまで。




三十六日目



アタシは、臭いを感じなくなった。


アタシが着替えるようになったとか、お風呂入りだしたとか、そういうのではない。



ただ、慣れたんだ。



コテ―ジになま物が腐ったような臭いが充満していることに、何の抵抗も感じなくなったんだ。


それは、自然と乱雑になっていくコテ―ジにもだ。


いつものアタシだったなら、少しほこりがたまっただけでマメに掃除していたのにな。




そうして徐々に歪んだ世界に飲み込まれていくのを、まるで他人事のように傍観していた。




―小泉のコテ―ジ―



田中「聞こえているか、小泉…。」


小泉「え…?」





突然、コテ―ジの外から田中の声が聞こえてきた。


そういえば、他の人の声をまともに聞くのって結構久しぶりだな…。




小泉「…なによ。」


田中「あの裁判が終わってから、数日が経った。」

田中「それでもまだ、心は落ち着かんか…?」

小泉「…」


田中「澪田は、今も貴様が訪ねてくることを期待している。」

田中「せめて顔だけでも、見せてはくれんか?」

小泉「…」





小泉「2人は、強いよね。」



小泉「アタシがどれだけ迷惑をかけても、アタシを見捨てない。」

小泉「仲間が何人犠牲になっても、希望を捨てずに黒幕に立ち向かっている。」


小泉「その仲間が、絶対に失いたくなかった人間だったとしても。」

田中「…」





小泉「そんな絶望を乗り越えて、前を向いて進み続けている。」



田中「…なにが、言いたいんだ。」






小泉「誰もが田中や唯吹ちゃんのように、絶望から乗り越えられるわけじゃないんだ。」


小泉「2人のように、前ばっかり見て進めるとは限らないんだ。」


小泉「中には、後ろから迫りくる束縛から抜け出せない人だっているんだよ。」



田中「…」





小泉「仲間の死を乗り越えるって、本当に正しいの?」


小泉「皆のことを忘れて生きるなんて、そんなの本当に死んでいった皆が望むことなの?」


小泉「皆が本当に望むことって、皆のことをずっと忘れないようにここで永遠に立ち止まっていることなんじゃないの?」



田中「…どうだろうな。確かに、中にはそう望む奴もいるかもしれんな。」





田中「だが少なくとも、狛枝はそうは思っていなかったはずだ。」


小泉「…なんでそんなことが言えるのよ。」




田中「奴の最期の言葉だ。」

田中「俺は、奴に頼まれた。」

田中「貴様を、1人にしてくれるなと。」


田中「奴は自分や仲間の死に小泉がいつまでも囚われることを危惧したからこそ、そう言い遺したのではないか?」

田中「貴様は誰よりも奴と交流していたから、奴の心中くらいは察せていたのではないか?」






小泉「…アンタに、何がわかるのよ。」






田中「何…?」



小泉「アンタに、アイツの何がわかるっていうのよ。」


田中「…」




小泉「アイツは、ずっと1人だったんだってさ。」

小泉「肉親も親戚も立て続けに亡くなって、生涯孤独に生きてきたんだって。」


小泉「絶望や不運にさいなまれながらも、おぼろげな希望にすがってここまでやって来たんだ。」




小泉「そんなアイツは、この島で何を遺した?」


小泉「最初からずっと皆に距離を置いてたし、この島の異常な空間に耐えかねて人殺しなんてしてしまったんだ。」

小泉「だからといって、狛枝の行為を肯定するわけじゃないけど…」


小泉「それで皆からは敬遠されて、最終的には誰にも哀しまれることなく惨殺されて…」




小泉「そんなアイツが、忘れられることを本当に望むの?」


小泉「だってアタシが狛枝を忘れたら、もう誰も狛枝のことを覚えてあげられないんだよ?」

小泉「どこにも生きた証を遺せないんだよ?」





小泉「そんなの、狛枝が望むわけがない。絶対に。」


小泉「ずっとアタシに覚えていて欲しいはず。」





小泉「アタシは、ソニアちゃんの死を忘れてしまった田中とは違う。」


小泉「薄情にも狛枝の死を忘れたりしない。乗り越えたりなんかしない。」



田中「…」




小泉「田中が強くあることは別にかまわない。」

小泉「それで、ソニアちゃんの死を乗り越えることに文句は言わない。」


小泉「でも、それをアタシに押し付けないでよ。」




小泉「だから…もう、放っといてよ。」


田中「…」





田中「わかった。小泉がそれでいいと言うのなら、それでいい。」

小泉「…」


田中「仲間の死を忘れなくていい。乗り越える必要などない。」





田中「だから、何もしなくてもいいから…」

田中「ただ、俺達のそばにいてくれ。」


田中「もう、俺達は、誰も失いたくないんだ。」

田中「これ以上、仲間が欠けるのは嫌なんだ。」

小泉「…」



田中「…また来る。」

小泉「…」





最初は16人もいた、仲間…。



誰も殺させないと言っていたのに、気付けばたった3人しかいなくなった。



そして、残った3人ですらすれ違っている。





この島に来た時に育んでいた“絆”はなんだったんだ?


すべて、無駄だったのか?



むしろ逆効果だ。


アタシ達の“絆”が強ければ強いほど、それを失った時の代償は大きい。





皮肉なものだ。


仲間同士の“絆”が深ければ深いほど、仲間の片方が欠けた時、それは執拗にまとわりつく“絆し”に変わるんだ。



そしてアタシはそれに取り憑かれて、身動きが取れなくなっている。





これを『絶望』と呼ばずして、何と呼べばいい?




三十七日目



不意に、日向のことを思い出した。





日向『小泉―!!パンツくれよ―!!』

小泉「相変わらず、何のためらいもなく変態発言するのやめなさいよね。」


日向『何言ってんだ。パンツを集めるってのは、紳士がやる事なんだぞ?』

日向『今から世界中の紳士を呼んで、聞いてみるか?全員が全員、イエスと返事するぜ?』

小泉「息を吐くように嘘をつかないでよ。全世界の紳士に土下座しなよ。」


日向『パンツは皆との絆の証だ。これさえあれば、世界中が平和になるんだぜ!!』


小泉「はは。なんか日向って、いつも楽しそうだよね。」



小泉「悩みなんて何もなさそうなほど。」






日向『…本当にそう見えるか?』



小泉「…」





日向『お前にわかるか?憧れていた希望ヶ峰学園に入学したはいいものの、
才能がない予備学科としての自分を再確認させられるだけの俺の苦痛が。』



小泉「…」





日向『お前にわかるのか?才能あふれる皆に気後れして、
“超高校級の相談窓口”なんてでまかせを言ってしまった俺の心境が。』



小泉「…」





日向『お前に何がわかるんだ?』


日向『みんなと笑顔で交流していたその裏で、才能の象徴とでも言わんばかりに小泉が肩から下げていたカメラを…!!』




日向『小泉を殺して奪い取った後に、粉々に砕いてやりたいって思っていた俺の葛藤が!!』




小泉「…ごめん。アタシ、日向のことなにもわかっていなかった。」


小泉「気付けなくて、ごめん。」




三十八日目



今日はなぜか、赤音ちゃんのことを思い出した。





終里『おらぁ!!おらぁ!!』



小泉「あれ、赤音ちゃん。珍しく、トレ―ニング、してる。」

終里『ああ。メンドクセ―けど、強くならねぇと弐大のおっさんにも勝てねぇだろ。』

小泉「相変わらず、戦うことしか、考えて、ないのね…。」


小泉「赤音ちゃんも、もっと、女の子らしく、すれば、いいのに。」

小泉「きっと、可愛い、はず、なんだ、けどな。」

終里『そういうのはよくわかんねぇな。』

終里『とりあえず、バトって飯が食えりゃいいや。』


小泉「はは、なんか、根っからの、戦闘民族って、感じね。」

終里『ああ。これからもトレ―ニングを続けるぜ。』





終里『だから小泉、そこを動くんじゃね―ぞ。』



小泉「うん。赤音ちゃんの、サンドバックとして、何度も殴られて、血反吐が、いっぱい、出たけど、まだ耐えられる。」

小泉「だから…」



小泉「アタシのこと、許して、くれる…?」



終里『許すわけねぇだろ。オメェは自分の命の惜しさに、オレを生贄にしやがったんだ。』


終里『お前が死ぬまで、殴るのをやめねぇ。』

終里『その後は、死体をサメにでも漁らせてやるよ。』




小泉「はは、赤音ちゃんは、まだ、優しい方だね。」

小泉「死んだら、許して、くれるん、でしょ?」



小泉「でもね…アタシが、死んでも、赦して、くれない、奴も、いるんだよ。」


小泉「意地悪、だよね…」




小泉「…ごめんね、赤音ちゃん。許してくれるとは思えないけど…」

小泉「せめてもの償いとして、赤音ちゃんのことをずっと忘れないから。」




三十九日目



今回は、九頭龍のことが頭をよぎった。





九頭龍『…』


小泉「何よ…。アタシを殺しに来たの?」




九頭龍『…』





九頭龍『そんなことをする必要はねぇんだよ。』


九頭龍『テメ―は、ただ生きているだけで地獄にいるようなものだ。』

九頭龍『おそらく、死んだ方がはるかにマシだと思えるくらいのな。』


九頭龍『テメ―を生かしておくことこそが、オレがお前に下せる最大の裁きなんだよ。』



小泉「…やっぱり意地が悪いわ。アタシを苦しめて、そんなに楽しいの?」





九頭龍『へっ、ひどい言われようだな。まがりなりとも、オレはテメ―の命の恩人だろ?』

九頭龍『少しくらいはオレに感謝したっていいんじゃないか?』



小泉「…それはただの結果論でしょ。アンタはただペコちゃんを守りたかっただけでしょ?」

小泉「それのオマケで、アタシが助かっただけじゃん。」





九頭龍『わかってんじゃねぇか。ペコに、テメ―と同じ道を歩ませるわけにはいかねぇ。』


九頭龍『テメ―を殺すと、恨む奴だっているだろう。妹を殺されたオレがそうだったようにな。』

九頭龍『恨まれるという汚れ役を演じるのは、オレだけで十分だ。』


小泉「それで自分自身が殺されちゃあ、世話ないわ。」





九頭龍『それよりも聞いておきたい。あの後、ペコはどうなったんだ?』

九頭龍『ちゃんとオレの思い通り、助かったのか?』


小泉「…」




九頭龍『…まあ、そうだろうな。』

九頭龍『テメ―が生きている時点で、ペコは死んじまったってのがわかる。』





九頭龍『じゃあ…なんでオレは、ペコに逢えねぇんだ?』


小泉「…え?」




九頭龍『オレもペコも死んじまったのに、なんでオレはペコに逢えねぇんだよ…?』


小泉「…」





九頭龍『…なんてな。本当はわかってる。言っただろう?』


九頭龍『人間を裁くときは、自分自身も悪に染まるってな。』


九頭龍『テメ―を裁いたせいで、オレは地獄に堕ちてしまったんだ。』


九頭龍『だから天国にいるペコには、逢えないんだ。』



九頭龍『あの時ペコにお前を殺させていたら、地獄の底で再会できたのかもしれないけどな…。』



小泉「…」





九頭龍『ちくしょう。ペコに、逢いてぇよ。』


九頭龍『ちくしょう…』





小泉「…アタシは、アンタに同情する気なんてさらさらない。」



小泉「でも…。」


小泉「アタシがいなかったら、アンタが狂うこともなかったのよね。」

小泉「アンタはずっと、平凡な日常に浸ることができていたのよね。」



小泉「じゃあ…九頭龍とペコちゃんが逢えないのは、アタシのせい…?」


小泉「…」




四十日目



突然、ペコちゃんのことを思い出した。




小泉「ほら、笑ってよペコちゃん。幸せが逃げちゃうよ?」

辺古山『…どうにも、笑うことができんな。笑い方を忘れてしまった。』

小泉「困ったな…。ペコちゃんの笑顔だけ、撮ることができないなんて。」


辺古山『やはり…所詮私は道具だ。感情を表に出し、微笑むことなど不可能なんだろう。』

小泉「そんなことはないよ。皆との絆の温かさを知れば、きっと笑顔はやってくる。」





辺古山『しかしその“皆”というものには、私は入ってはいないだろう。』

辺古山『所詮、私は道具なのだから。』




辺古山『それも…なにも守れない、ただ人を傷つけるだけの欠陥品だ。』

辺古山『お前を殺そうとする最期の一瞬まで、私は感情を持たないただの殺戮兵器だったのだ。』


小泉「…」




辺古山『私が生きた理由は、人を殺す兵器としてしかなかったんだ。』

辺古山『何かを守るためなんかじゃなかったんだ。』


辺古山『守ろうとしていたはずのぼっちゃんを自らの手にかけ…』

辺古山『それのやつあたりで、小泉まで手にかけようとしてしまった。』



辺古山『何が“守る剣”だ。何が“ぼっちゃんの盾になる”だ。』



辺古山『何も、守れないじゃないか。ただ、何もかもを破壊してしまっただけじゃないか。』





辺古山『じゃあ結局…私が生まれ今まで生きてきたことに、何か価値はあったのか?』




小泉「…ペコちゃん。あの時、アタシが模擬刀で殴り掛からなかったら…」

小泉「アタシを殺そうっていうのは、思いとどまってくれたかもしれないよね。」



小泉「ペコちゃんは、殺人兵器なんかじゃないよ。」

小泉「ただこの島が、異常なだけだったんだよ…。」




四十一目



今度は、花村のことを思い出した。




小泉「うん。花村の作る料理、やっぱりおいしい。」


花村『でしょ?たとえ満腹になっても食べ続けざるを得ないような、素晴らしい料理でしょう?』

小泉「なんかそれ、妙に怖いわね…。」




小泉「でも、なんでだろう。これ、何か物足りなくない…?」



花村『わかる?ぼく、もうまともに料理を作ることができなくなったんだ。』

小泉「そうなの?料理としては、一級品だと思うけど…」


花村『ただ料理を作るだけなら、訓練すれば誰にでもできるよ。』



花村『ただ…ぼくが目指したのは、誰もが安心できるような家庭の味だったんだ。』




小泉「…どうして、家庭の味を出せなくなったの?」




花村『人を殺した人間が、人を安心させられるような料理を作れると思う?』


小泉「…」




花村『あの時は、お母ちゃんに逢いたかっただけなんだ。』

花村『安心させたかっただけなんだ。』


花村『でもその行為によって、かえってお母ちゃんに逢うことはできなくなっちゃった。』


花村『安心できる料理をお母ちゃんに食べてほしくて料理人になったのに。』

花村『その料理を振る舞えないぼくは、お母ちゃんに逢うことなんて出来やしないんだ。』





花村『もう…料理人としてのぼくは、どこにもいなくなっちゃったんだよ。』




小泉「花村…。アンタは心の優しい奴だった…。」

小泉「お母さんを大事に思っていたからこそ、あんな行為に走ってしまったんだ。」

小泉「その行為を認めるわけにはいかないけど…」



小泉「せめてお母さんに逢うことくらいは、認めてもらってもいいんじゃないのかな…。」





四十二日目



ふと、蜜柑ちゃんのことを思い出した。





罪木『うふ、うふふふふふふふふ…』


小泉「蜜柑ちゃん?どうしたの…?」




罪木『うふふ、うふふふふふふふふふふふふ………』





小泉「蜜柑ちゃん…。グッズ倉庫の死体は、蜜柑ちゃんじゃなかったの?」


罪木『…』




小泉「そもそも、なんで蜜柑ちゃんは自殺なんてしたの…?」




罪木『あれ?』


罪木『あれあれあれあれ?』



罪木『わからないんですか?小泉さん。』




小泉「え?」




罪木『すべては、“愛”のためですよ。』


小泉「愛…?」




罪木『あの人は、私を許してくれました。』

罪木『だから、私はあの人の望むとおりにしたんです。』


小泉「あの人?あの人って、誰…?」



罪木『あの人はきっと、私が死ぬことによって絶望して、そっと微笑んでくれるはずです。』

罪木『きっと彼女は、それを望んでいます。』



罪木『だから私は、自殺したんです!!』





小泉「彼女…。蜜柑ちゃんの言う人は、女性なんだね?」



小泉「でも…人が死ぬことを喜ぶ人なんて、いるはずがないよ…。」


小泉「蜜柑ちゃん、どうしてアタシ達に相談してくれなかったのよ…。」

小泉「きっと、止めてあげたのに…。」




四十三日目



次は、日寄子ちゃんのことを思い出した。




西園寺『小泉おねぇ!!今日は何して遊ぶ―?』

小泉「そうね…。日寄子ちゃんが望むことなら、何でもいいよ。」


西園寺『じゃあ、ありタンを潰して遊ぼ―!!』

小泉「えぇ!?それは、ちょっと…」


西園寺『え―?なんでもいいって言ったのは、小泉おねぇじゃ―ん!!』

小泉「だってアリを潰すなんて残酷なこと、アタシにはできないよ…。」





西園寺『…ふ―ん。アリを潰すことは残酷なんだ。』


西園寺『わたしが踏み潰されることは何とも思っていないくせに。』



小泉「…え?」





西園寺『小泉おねぇ…。あの時どうして、助けてくれなかったの?』


西園寺『わたしの傍から離れることはあっても、最後には必ずわたしを助けてくれるって信じてたのに…』



小泉「…」




西園寺『わかってるよ、小泉おねぇがわたしを助けなかった理由。』


西園寺『小泉おねぇにとってわたしが、道端のアリと同じくらいどうでもいいものだからだよ。』


西園寺『だから、わたしが人知れず歩行者に踏み潰されようが何とも思わないんだ。』



小泉「…そんなこと、ないよ。」

小泉「アタシ…日寄子ちゃんが殺されて、すごく哀しかった…。」





西園寺『小泉おねぇはアリを潰さないかもしれないけど、誰かがアリを潰すことには何も感じていないんだよ。』



西園寺『そんなの、アリを潰している人間と何も変わらない。』


西園寺『小泉おねぇは、残虐な人間なんだよ。』



西園寺『だから、わたしが死んでも哀しんでくれないんだ。』



小泉「…」





西園寺『小泉おねぇ…わたし、アイツが憎いよ。』


小泉「アイツ…?」



西園寺『わかるでしょ?アイツだよ。今も生きている、アイツ。』





西園寺『なんでアイツ、今ものうのうと生きてんの?わたしにあんな酷いことをしておいて。』


西園寺『なんでアイツ、わたしにしたことをすっかり忘れて、バカみたいに笑ってるの?』



小泉「…それは、違うよ。あの子も、自分の所業による罪悪感で苦しんでいるはず。」

小泉「だからできれば、あの子を許してあげ…」





西園寺『おねぇ。わたし、悔しいよ。恨めしいよ。』



西園寺『アイツを、殺してよ。』


西園寺『わたしの、仇を討ってよ…。』




小泉「…」




小泉「…………」





四十四日目



そして、豚神のことを思い出した。





小泉「アンタ、誰…?」


詐欺師『…キミはボクのことを知らないだろうね。だが、ボクはキミのことを知っている。』





小泉「…もしかして、豚神なの…?」


詐欺師『“十神白夜”は、ボクが変装していた人間の1人に過ぎない。』

詐欺師『十神白夜以外にも、ボクは様々な人間の姿を借りて生きてきた。』


小泉「…それで、自分の存在を確かにできたの?」





詐欺師『できるわけがないんだよ。自分が偽物だっていうのはわかっているんだから。』


詐欺師『他の人間の素性を借りれば借りるほど、詐欺師としての才能を発揮するほど…』

詐欺師『ボクはどんどん自分というものから遠のいていくんだよ。』


詐欺師『そんなボクでも、誰かに認められれば存在できる。』

詐欺師『たとえ偽物だとしても“十神白夜”としての居場所を確立できれば、ボクが存在した証は残せるんだ。』





詐欺師『でも、ボクにはそれができなかった。』



詐欺師『殺し合いを止めることはできなかったし、最期の悪あがきで西園寺さんを手にかけてしまった。』

詐欺師『しかも、その行為すらボクの存在の確立には何も役に立たなかった。』





詐欺師『つまり…ボクは、どこにも存在しなかったんだ。』




小泉「…そんなことはない。豚神は確かに、ここに存在していたよ…。」




四十五日目



なんとなく、ソニアちゃんのことを思い出した。




ソニア『キラキラちゃんという殺人鬼がすごいんです!!』


小泉「…」



ソニア『ジェノサイダ―翔という殺人鬼もすごいんです!!』


小泉「…」



ソニア『お黙りなさい、左右田和一!!田中さんが喋っています!!』


小泉「…」



ソニア『さすがは田中さん!!』


小泉「…」



ソニア『田中さんの破壊神暗黒四天王は、とてもかわいらしいのですね。』


小泉「…」





小泉「ソニアちゃん。アタシには、話しかけてくれないの…?」



ソニア『…』





小泉「…そうだよね。」

小泉「アタシとソニアちゃん…喧嘩したまんま、仲直りもできなかったんだよね。」


小泉「それで、ソニアちゃんを救えなかったアタシを恨んでいるよね。」

ソニア『…』





小泉「でも…。左右田のことは恨まないであげて。」

小泉「恨むなら、アタシだけに…」



ソニア『…』





ソニア『わたくしはノヴォセリック王国の王女。』

ソニア『わたくしが死ぬ時は、必ずノヴォセリック王国のために死ぬのです。』



小泉「じゃあ…理不尽に殺してきた左右田を、恨んでいるの…?」





ソニア『…』



ソニアちゃんは、少し頭をかしげながらニッコリと笑っていた…。





小泉「ソニアちゃん…。やっぱりソニアちゃんは、優しいね。」



小泉「…ありがとう。」




四十六日目



どうやら、左右田のことを思い出した。





左右田『なあ、小泉…。』

小泉「どうしたの?」



左右田『ソニアさんは、自分を殺した人間を恨んでいるのかな…?』


小泉「…」





小泉「わからない。」


小泉「でも、左右田が思っているよりは怒っていないと思うよ。」

小泉「ソニアちゃんは、笑顔だったから。」


小泉「きっと、左右田のことも許してくれる。」



左右田『…相変わらず、お人よしだな。まあ、それが小泉らしいとも言えるか…。』





左右田『じゃあ、オレから小泉に1つ教えておいてやる。』

小泉「教える…?何を?」



左右田『オレの勘なんだけどよ…』






左右田『弐大の奴は、まだ生きている。』



小泉「え…?」





左右田『今残されている仲間はこの先、お前にとって大切な存在になるはずだ。』


左右田『1人では切り開けない道を切り開いてくれるはずだ。』



左右田『だから仲間を、大切にしてやれ。』





左右田『オレは、仲間を信じることができなかった…。』


左右田『“絆”なんて、オレには似合わないって思っていた。』



左右田『だから、他人の絆に嫉妬しちまった。』




小泉「…」




左右田『お前は、オレの二の舞を踏まないでくれ。』

左右田『仲間は減っちまったんだろうけどよ…。』


左右田『残された数少ない仲間との絆を、忘れないでくれ。』

左右田『仲間との絆を自ら壊すようなマネは、しないでくれ。』



小泉「…わかってる。」

小泉「アンタの言いたいことはわかってるよ、左右田…。」



小泉「でも、アタシ…」




小泉「…」




四十七日目



やはり、千秋ちゃんのことを思い出した。




七海『ス―ス―。むにゃむにゃ…。』

小泉「千秋ちゃん。また寝てるの?」


七海『…寝てないよ。ちゃんとゲ―ムしてたよ…。』

小泉「あはは…。しっかりと寝てたし、ゲ―ムしていればいいってわけでもないよ…。」




七海『…そうだよね。ゲ―ムなんかしてないで、殺し合いを止めることにもっと尽力するべきだったよね。』


小泉「…」




七海『私がもっと早く裏切り者であることを白状して。』

七海『殺し合いを止めるための行動を起こしていれば、犠牲はもっと減らせたのかもしれないね。』


七海『もっと早く、決心を固めていれば…』



小泉「…仕方ないよ。裏切り者だなんて名乗っていたら、千秋ちゃんがどうなっていたかわからないんだから。」




七海『本来私は、自分の命を投げ打ってでも皆を救うことに決めていたんだ。』

七海『狛枝くんほどではないけど、私も希望の象徴と呼ばれる皆を尊敬していたから。』


七海『狛枝くんが正義の味方に目を光らせる無邪気な子供だとしたら…』

七海『私はイチロ―の年俸の膨大さに苦笑いをするサラリ―マンってところかな。』





七海『でも…。いざ殺し合いが起きてみると、私は自分のことしか考えなかった。』


七海『やっと皆のために行動しようと決意したときは、既に遅かったんだ。』

七海『遅すぎたんだ。』



七海『私は結局…。誰も救えなかった。』

七海『負けないでと言って、背中を押すこともできなかった。』




小泉「…そんなことない。」


小泉「千秋ちゃんの遺してくれた意思はまだ、アタシの手の中に…」




四十八日目



最後に、狛枝のことを思い出した。




狛枝『…』


小泉「狛枝…。むずかしい顔してどうしたの?」



狛枝『…』


小泉「もしかして、アタシがコテ―ジに引きこもっていることを憂えているの?」



狛枝『…』





小泉「これはね、狛枝のことをずっと忘れないようにしているの。」


小泉「外に出たらどうせ、田中や唯吹ちゃんとの交流のうちに狛枝のことを忘れてしまう。」



小泉「2人もひどいよね…。何度も何度も、アタシに忘れろって詰め寄ってくるんだよ?」


小泉「狛枝だって嫌でしょ?忘れられるのは。」


小泉「ずっと、アタシに覚えていてほしいでしょ?」



小泉「安心して。この世の誰もが狛枝のことを忘れても、アタシは狛枝のことを忘れない。」



小泉「狛枝のことを忘れないようにアタシにできることなんか、これくらいしかないし…」


小泉「ね?アタシがここでずっと立ち止まっていたら、狛枝も喜んでくれるでしょ?」





狛枝『…あのさ。前に進むっていうのは、忘れることを意味するわけじゃないと思うよ。』


小泉「…」





狛枝『ボクが、最期にキミに遺した言葉を覚えている?』


小泉「…強くいて。負けないで。…だったかな?」




狛枝『うん。ボクを忘れないようにコテ―ジにこもってくれるのはうれしいんだけどさ。』


狛枝『それじゃあ、ボクの意思は死んでしまうことになっちゃうんだ。』



小泉「え…?」





狛枝『ボクがキミに託した遺志。』


狛枝『それがキミの行動理念に反映されないんじゃあ、ボクの最期の言葉が無意味になる。』



狛枝『ボクの生きた理由が、本当になくなってしまう。』



小泉「…」




狛枝『キミには前を向いて進んでほしい。』


狛枝『だってキミが強くたくましく生きてくれたら、それだけでボクの意思はキミの中で生き続けるんだから。』


狛枝『それなら、ボクのことを忘れたとは言えないでしょ?』



小泉「…」





小泉「わからない。」



小泉「わからないよ、アタシ。」




小泉「前に進んだとして、その行動が狛枝の言葉に由来することを本当に思い出せる?」


小泉「この先アタシは、何年も生きていくんでしょ?」


小泉「時の流れの中でそれを忘れない保証なんて、どこにもないよ?」





小泉「わからない。」



小泉「わからないよ…。」




小泉「アタシは、どうするのが正解なの…?」


小泉「どうすれば、いつまでも狛枝のことを忘れないでいてあげられるの…?」





狛枝『忘れたの?ボクにとっての救いを。』



小泉「え?」




狛枝『ボクにとっての救いは…』



狛枝『どんな絶望も打ち砕く、“絶対的な希望”だよ?』



小泉「あ…」




狛枝『今のキミの状況を見て、誰が“希望”って呼ぶの?』


狛枝『少なくともキミは、自分の状況を“絶望”だって思っているでしょ?』



小泉「…」





狛枝『もっと自信を持って。ここで立ち止まっていちゃダメだよ。』


狛枝『だって、希望は前に進むんだからね。』



狛枝『真昼さん。』



小泉「…」



小泉「そっか…。ダメだよね…。このままじゃ…。」


小泉「行動に…移さなきゃね…。」




今日はここまで。


やっと希望が…?




四十九日目



―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」



狛枝の遺言により、アタシは前に進まなくちゃいけなくなった。




でも、なんの準備もなく前に進むことはできない。


それは、無謀というんだ。




アタシは、狛枝のことを忘れたくない。


でも、外には出なくちゃいけない。



この2つの事象は、果たして両立させることは可能なのか?




それが可能だとしたら、それは手の内に握られている『狛枝の一部』によってのみだろう。



これには、狛枝を忘れないでいられる力がある。


それとともに、写真家のアタシが平常心を保つためのお守りみたいな役割もある。



外に出るとしたら、この『カメラ』は必須だろう。




でも…



小泉「…」




アタシにはわかる。


コレの鮮度は、日に日に落ちていっている。


冷蔵庫に保存しているとはいえ、やはり腐敗の進行を完全に止めることはできない。




この調子じゃあ、コレはそう遠くない未来に腐りきってしまう。


そうしたらもう、これを愛でることはできなくなってしまう。




小泉「でも…これがないと……」


小泉「本当に、アイツのことを忘れてしまうかもしれない…。」



どうする?


これを永遠になくさない方法はないのか?


これをなくさないでいて、さらに外に出ても大丈夫なようにする方法はないのか?





小泉「いっそのこと、食べちゃおうかな…。」




これを食べて、アタシの胃袋で消化して、アイツをアタシの一部にしたとしたら…


忘れないでいてあげられるのかな…?





小泉「はは…そんなわけないでしょ……」



分かっている。


そんなことをしても、永遠に覚えているのは不可能だ。



どうせ喉を通るときの苦しさがあっても、それを過ぎてしまえば1日もたたずに風化してしまう。


その程度の苦痛じゃあ、アタシの体にアイツの存在を刻み付けられない。





小泉「どうしよう…どうしよう……」



考える。


考える。



学級裁判の後に引きこもってからこの時まで、ここまで考えたことはあっただろうかと思うくらい熟考する。





小泉「そっか…」



そこでアタシは、やっと思いついた。


これをずっと腐らせないで、なおかつアタシが外に出られる方法。




―レストラン―



田中「…」


田中「……」




田中「わかっていると思うが、俺は特別な人間でもなんでもないんだぜ!!」

田中「だが俺は…メビウスの輪の上を走っていたにすぎないんだ!!」ナ、ナンダッテ-!?


田中「朝日奈さ~ん。泣いてばかりいないで、一緒になんとかしてくださ~い!!」

田中「小泉、都合が悪くなるとタマになるのやめろ!!」




小泉「呼んだ?」


田中「うぇあっ!?」



小泉「田中…なにさっきから独り言を言っていたの?」

田中「…ふん。澪田が昨日から病気で寝込んでいるから、話し相手がおらんの…」





田中「…ん?」


田中「貴様…小泉、なのか…?」

小泉「え?どこからどう見てもそうでしょ?」


田中「…まあ、なんにせよ良かった。」

田中「見てくれがどうであれ、外に出て来る気になったのだな。」


小泉「…?」





小泉(あっ…。)


小泉(そっか。ひきこもってから身だしなみを整えたことがなかったから…)

小泉(身じたくなんて1つもしないで外に出ちゃったから…)

小泉(今のアタシは髪はボサボサで、体中が臭うし、服に血が染み付いていて、目が据わっているような状況なんだ。)


小泉(今までの清潔だったアタシしか見たことのない田中が今のアタシを見たら、そりゃあビックリするよ。)





小泉「…まあいいか。今日は、田中に用があったわけじゃないし。」


田中「…もしや、澪田に用か?奴は、自分のコテ―ジに…」




田中の言うことは放っておいて、アタシは厨房に入った。


そして…



田中「…小泉?いったい何を…」




田中「なっ!?」


田中「き、貴様、何をしている…!?」



小泉「何って…。ナイフを手に持っているだけじゃない。」


田中「そのナイフで、何をする気なのだと聞いている!!」




小泉「ああ、安心してよ。殺し合いをしようっていうんじゃないんだから。」

小泉「だから、そこをどいてくれない?」

田中「そういうわけにもいかん…。今、澪田は病気で抵抗できないのだからな!!」



小泉「…はあ。面倒くさいな。」

小泉「じゃ、どかなくてもいいよ。そこでジッとしていて。」




田中「…まさか、貴様!!やめ…」




小泉「遅いよ、田中。」





田中に詰め寄られるよりも先にアタシは、手に持っているナイフで…






自分の右目を、突き刺した。







田中「…!!」



小泉「うぐっ…うぁああああああああぁああああああああああ!!!!!!」




全身の痛覚が悲鳴を上げている。


今すぐ右目のナイフを抜けと命令を下す。


アタシは、その信号に屈してナイフを抜いてしまいそうになる。



でも、アタシは負けない。



全身にほとばしる激痛に耐え、


アタシは右目に突き刺したナイフを目の中でグリグリッと動かして…





やがて…


ボトッ、とアタシの右目がえぐり落とされた。



空洞になったアタシの右目からは、血なのか体液なのかよくわからない液体がボタボタ落ちている。


それがいずれ致死量になるのかそうでないのかは、アタシにはよくわからない。





痛い。


痛い。


今までに受けたどんな痛みよりも痛い。



九頭龍の拷問ですら、これほどの苦痛ではなかった。


アタシの一生の中でこの苦痛こそが最も大きいもので、最も自分の記憶に刻まれるものになると、アタシは確信した。





小泉「はは…痛い、痛いよ狛枝!!」


小泉「でもアンタならこう言うだろうね!!」


小泉「この絶望を乗り越えてこそ、希望の象徴であるアタシは輝くって!!」



田中「ば、馬鹿な…!!な、何をしているんだ、小泉!?」


田中「そんなことをしたら、死ぬぞ!?」


田中「し、死ぬのかはよくわからんが…!!」





小泉「死ぬくらいじゃないと困るわ…。」


小泉「死と隣り合わせになるくらいに、痛みを味わって…」


小泉「恐怖して…苦しんで…」


小泉「そうやって、この痛みを永遠に忘れないくらいにこの身に刻み付けてやるの!!」



田中「なんてことを…!!罪木は既にいないのだから、治療もできないのだぞ!?」


小泉「はは…そこは、たぶん大丈夫…」





モノクマ「…」


田中「モノクマ…?」



モノクマ「なんか、利用された感じで腹が立つな~…」

小泉「ふふ。自殺はさせないって言ったのは、アンタよ?」


モノクマ「はいはい、わかりましたよ。救急車に乗ってください。治療をしますから。」





小泉「あ。あと、モノクマ。なくなったアタシの右目だけどさ。」


小泉「代わりに、この目を移植してくれないかな?」




そう言ってアタシは、狛枝の目をポケットから取り出した。




モノクマ「…何がしたいのかはわからないけどさ。」

モノクマ「それで右目が見えるようになるわけじゃないよ?」


小泉「わかってるよ。お願い。」

モノクマ「…」




小泉「田中。この件は、唯吹ちゃんにはやんわりと伝えておいて。」

小泉「唯吹ちゃんがこのことを知ったら、卒倒しちゃいそうだから。」


田中「…」



そうしてアタシは救急車に乗って、モノクマに身をゆだねた。




五十日目



―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」





今アタシは鏡で自分を見ている。



歯を磨き、お風呂に入り、着替えを済ませ、髪を整えた。


部屋はきちんと整って、腐臭はまだ残っているけど、前日ほどではない。




鏡のなかにいる自分の目をジッと見つめる。


その目は5回目の学級裁判でモノクマを追いつめていた時のように凛としていて、


精力的に生きる人間と同じ光がともっている。




アタシは、引きこもる前のアタシに戻った。


再び、生きるための活力を取り戻したんだ。





ただ1つ違うことは、右目についている眼帯。



龍のマ―クが付いているけど、これはモノクマの趣味かな?


どうせなら花とかがよかったな。


龍は九頭龍とかの方が似合うんじゃないかな?





小泉「うん、バッチリ!!」



身だしなみを整え終えたら、最後に自分のカメラを肩に下げて、アタシはコテ―ジから飛び出した。




―レストラン―



小泉「おはよう。唯吹ちゃんは、まだいないんだね。」


田中「小泉か。その右目…。」

小泉「ああ、これ?田中もそう思う?」


小泉「もっと女の子に受ける柄にして欲しいよね…。」





田中「…念のために聞いておくが、貴様の右目は…」


小泉「うん。今、アタシの右目には狛枝の目が埋まっているの。」



そうしてアタシは、眼帯を外してみた。




田中「…!!目の色が違う…」



小泉「すごいでしょ?狛枝の目、アタシの体にすっかり馴染んでいるの。」

小泉「物体の輪郭さえ分からないんだけど…。右目だけでも、ぼんやりと見えるんだ。」


小泉「最近の医療技術ってアタシの全然知らないところまで行ってるんだね。狛枝とアタシは血液型も違うのに…。」

小泉「それとも右目が見えているのって、奇跡なのかな?」




小泉「まあ、なんでもいいよ。」

小泉「これでアタシが生きている限り、狛枝の目が腐ることはない。」



小泉「アタシは写真家としてまた生きていける。」



小泉「狛枝の生きた証を、いつまでも遺せる。」

小泉「狛枝だけじゃない。犠牲になった仲間を全員、覚えていてあげられる。」






小泉「これでアタシも、前を向いて進むことができる。」





田中「…」



田中「そうか。」



田中「本当は狛枝の目を所持していたことや、右目をえぐり取ったこと…」

田中「理由を聞きだしたい事柄は山ほどあったが…」





田中「前を向いて進めるというのなら…」



田中「最早、何も聞くまい。」




小泉「ふふ、ありがとう。」



そう言ってアタシは、そっと眼帯を着け直した。




小泉「そういえば、唯吹ちゃんはまだ病気なんだったね。」

小泉「看病なら、アタシが行ってあげよっか?」


田中「やめておけ…。澪田がその眼帯を見てしまえば、病体に響くぞ。」

小泉「あっ、そっか。まあ唯吹ちゃんが健康体になってから、どうにか説明をつけよう。」





小泉「そして、唯吹ちゃんに謝らないとね…。」


田中「…ふふ、そうだな。」




小泉「カメラを投げつけて、怪我させちゃったし…」

小泉「いままでいろいろ迷惑をかけちゃったもんね。」


小泉「あと、田中にも…」





小泉「ごめんね、田中。」


小泉「これからもアタシと一緒に、黒幕と立ち向かってくれる…?」




田中「無論だ。3人寄れば文殊の知恵という言葉もある。」

田中「澪田の奴が病原体を払いのけたときこそが、我らが黒幕に反撃の烽火を上げる時だ!!」

小泉「あはは。ありがとう、田中。」



小泉「じゃ、今日は2人で一緒にご飯でも食べよっか。」

田中「…ずいぶん久しぶりだな。貴様と食事を共にするのは…」




―小泉のコテ―ジ―



小泉「…」





狛枝の存在をアタシの右目に感じる。



この温もりがあれば、アタシは自分の罪で気が狂うこともない。


そして、いつまでも狛枝のことを忘れないでいてあげられる。



だからこそ、アタシは希望を持って前を向いて進めるんだ。




これでいいんだよね、狛枝…?




五十一日目



―小泉のコテ―ジ―




ピンポンパンポン

映像の中のモノクマ『え―、オマエラ。お疲れ様です。ついにこの日がやって参りました!!』




小泉「モノクマ…!!今さら、何だっていうの!?」




映像の中のモノクマ『楽しかった修学旅行もこれで終わり…。』


映像の中のモノクマ『後は、“卒業試験”だけだよ!!』


映像の中のモノクマ『というわけで、砂浜にお集まりください!!』




小泉「修学旅行が終わり…?」

小泉「そういえば、今日は修学旅行の51日目なのか…。」

小泉「千秋ちゃんが言っていたな。修学旅行は50日で終わりの予定だって。」


小泉「でも、“卒業試験”ってなんだろう…?」

小泉「まあ、とにかく砂浜に行ってみよう。」




―皆のコテ―ジ前―



小泉「あ、田中。」


田中「小泉か…。貴様もあのアナウンスは聞いたのか?」

小泉「うん。砂浜に集まるんだよね…。」





小泉「ところで、唯吹ちゃんは?」


田中「コテ―ジを覗いてみたが、いないようだ。」

田中「おそらく病気から快方に向かい、一足先に砂浜へ駆けて行ったのだろう。」


小泉「そっか…。じゃあ、アタシ達も砂浜に向かおう。」



そしてアタシ達は、砂浜へと足を運んだ…




―砂浜―




小泉「…」


田中「…」





小泉「そんな…」



小泉「もう、起こらないって、思っていたのに…」






黒かった。


ただ、一面が黒かった。




アタシと田中が砂浜で見た物は…


これ以上焼くことのできないくらい燃やし尽くされ、無造作に放置されている…












人間の残骸だった。





これでやっと、最も非日常的な日常編が終了。


明日からは、最も非日常的な日常よりはいくばくか日常的な非日常編が始まります。




CHAPTER6 絶望に微笑む理由 非日常編



小泉「…」

田中「…」



小泉「流れないね、死体発見アナウンス…」

田中「2人しかいないからな。」




小泉「この死体、異常に小さいね。」

小泉「…子供かな?」


田中「子供?そんな者、修学旅行の参加者にいたか?」

小泉「わからない…。この人の性別もわからないのかな?」

田中「捜査をするうちにわかればいいが…」


田中「それよりこの死体、妙に既視感があるな…。」

小泉「うん…。真っ黒焦げでバラバラなんて、前回の被害者と死因が同じだ…」





モノクマ「はいはい、そこまで。」


小泉「え?」



モノクマ「そんなどうでもいい物に、いつまでも囚われないの。」

田中「どういう意味だ…?」




モノクマ「だってキミ達がこれからやらないといけない事は、その人を殺したクロを見つけることじゃないんだもん!!」

小泉「え…?じゃあ、何をすればいいのよ?」


モノクマ「言ったでしょ?“卒業試験”だって!!」

田中「その、“卒業試験”とやらがどういう物なのかを聞いているんだ。」




モノクマ「当然ここまで生き残った3人と、ボクとの真っ向勝負だよ!!」



小泉「3人…。アタシと、田中と、唯吹ちゃんのことね…。」





田中「つまり…」


田中「黒幕の正体を暴け、ということか。」



モノクマ「その通り!!」

モノクマ「遺跡以外のすべての場所に行けるようになったから、せいぜい頭を使って最後の裁判に臨んでください!!」




小泉「で、アタシ達がアンタの正体をつかんだとしたらどうなるのよ?」

モノクマ「簡単だよ。『コロシアイ修学旅行』を終了して、3人を元の世界に返してあげるんだよ。」


田中「もし正体をつかみ損ねたとしたら、どうなるのだ?」

モノクマ「残念ながら、キミたちは永遠にこの島で暮らしていくことになります。」


モノクマ「ま、それはそれでいい選択かもしれないけどね!!」




小泉「でも…それじゃあ、アタシの処刑はどうなるの?老衰させるんじゃなかったの?」


モノクマ「小泉さん。そんなことを気にしていていいの?」

モノクマ「ボクの正体を暴けなかったら、キミはここで老衰しないといけないんだよ?」


小泉「…それもそうね。」

小泉「せっかくもらったチャンスなんだから、やるだけやってやるわ。」





捜査開始



小泉「まずは…この死体のモノクマファイルをもらわないと。」

モノクマ「え?いるの?」

小泉「当然でしょ…。アンタを追いつめる手掛かりの1つかもしれないんだから!!」


モノクマ「仕方ないですね…。じゃあ、あげますよ!!」

モノクマ「はい、どうぞ!!」




モノクマファイル[5]

『被害者:???。全身が燃やされているが、これは死後に焼かれたもの。
全身をバラバラにされた後に燃やされ、グッズ倉庫に隠されていた模様。』




小泉「は…?何よ、これ!!これは前回の事件のモノクマファイルじゃない!!」

モノクマ「え?いらないの?」


小泉「そういう問題じゃなくて…!!今回のモノクマファイルが欲しいって…!!」




田中「そこまでにしておけ、小泉。」

小泉「え?」


田中「モノクマの行動も、あながち的外れとは言い難いぞ…?」

小泉「ど、どういうこと…?」


田中「とにかく、モノクマはこれ以外に情報を提供するつもりはないらしい。」

田中「ならば、あとはこちらで調べることにしよう。」




小泉「…そっか。じゃあ、この死体の調査はこれくらいでいいかな…?」


田中「いや、あと1つモノクマに問い正さねばならんことがある。」

モノクマ「え?何かな?」


田中「修学旅行の参加者についてだ。」


モノクマ「えぇ?それは、前回の事件で言わなかったっけ?」

モノクマ「生きてこの修学旅行に参加した人間は、小泉さんに渡した資料に載ってるって!!」




田中「その言葉を聞く限り…」



田中「“死んだ状態”で参加した人間もいるということか?」


小泉「えっ…!?」


モノクマ「うぷぷぷぷ…さすがだね。ここまで生き残ってきただけはあるよ。」



モノクマ「その通り!!」

モノクマ「この修学旅行に、“死体の状態”で参加した人間が1人います!!」


小泉「嘘…?だれよ、それ…?」

田中「それはわからん。だが、学級裁判で明かされるだろう。」




小泉「でも…。なんで田中は、死んだ人間が参加してるなんて思ったの?」

田中「当然、子供の死体を発見したからだ。16人の中に、子供などいなかったからな。」


田中「西園寺は幼児体型だが、この死体はどうやら雄のようだからな。」

小泉「男の子…?なんでそんなのがわかるの?」

田中「雌雄の判別など、数多の魔獣を手なずけてきた俺様には息をするように簡単なことだ。」

小泉「そ、そう…。」


小泉「それで資料に乗っていた16人以外に参加者がいることを予測して、死んでいた参加者がいるかを質問したわけね。」




言弾:子供の死体の状況を獲得!!

言弾:死者の参加を獲得!!

言弾:モノクマファイル[5]を獲得!!




小泉「じゃあ、そろそろ違う場所を探索してみよっか…。」


田中「その前に、前回の事件における手がかりをまとめる必要があるかもしれんぞ。」

小泉「え?どうして?」


田中「前回の被害者と今回の被害者…。無関係とは考えにくい。」

田中「必要な情報だけを抽出しておくべきだろう。」


小泉「…わかった。思い出してみよう。」




言弾:修学旅行の参加者を獲得!!

言弾:謎の死体の状況を獲得!!

言弾:アナウンスに必要な3人を獲得!!

言弾:モノクマのテコ入れを獲得!!

言弾:2つの事件のル―ルを獲得!!

言弾:校則の厳守を獲得!!

言弾:爆弾騒動を獲得!!

言弾:希望病を獲得!!

言弾:カムクライズルの独白を獲得!!

言弾:消えた弐大を獲得!!

言弾:左右田の情報を獲得!!




小泉「よし。じゃあ今度こそ…」


田中「あと、澪田はどこに行ったのだ?」

小泉「あ、そういえば…。どこに行ったんだろう?」

小泉「も、もしかして…」


田中「あの死体は雄だった。万一にもあれが澪田の死体であることはない。」

小泉「もしかしたら希望病で小さくなっているのかもって思っていたけど、良かった…。」


田中「まあ、モノクマは我らを“3人”と言っていた。死んではおらんだろう。」

田中「とりあえず、証拠集めに専念するとしよう。」




小泉「でも…一体どこを調べればいいのかな?まだ調べていないところなんてあったかな?」


田中「お化け屋敷にあったモノミハウスはまだ調べていないぞ。」

小泉「あっ…。そうか。」

小泉「4の島だったよね、確か。行ってみよう。」




―4の島 お化け屋敷―



小泉「ここ…。モノミがいなくなったから、通せんぼもいなくなったってことだよね。」

田中「それより…。そこに、資料のようなものが置いてあるぞ。」


小泉「…よし、読んでみよう。」




『“希望更生プログラム”により、絶望の残党であるかれら15人を、希望へと還元する。これが、以前の計画である。』


『もともとこれは、いまや未来機関の中枢を担っている“コロシアイ学園生活”の生き残り6名の提案であった。』


『彼らに対する反対意見は山ほどあったが、彼らの説得を聞き入れる者も多く、
最終的には彼らの権威により、希望更生プログラムを起用する案が可決されたのだ。』




小泉「希望更生プログラムっていうのが、本来の修学旅行のことだよね。」

田中「そこに何者かが介入し、現在の殺し合いに発展したのだったな。」


小泉「それにしてもアタシ達を助けようとしてくれたのは、前回のコロシアイの生き残りである6人なんだね。」

小泉「でも確かこの人達は殺し合いの後、未来機関に保護されたんだよね?」

小泉「そこからたった1年ほどで、中枢を担うようになるって…」

田中「さすがは江ノ島盾子を打ち破っただけはある。」




『しかし、未来機関は急きょ計画を変更することにした。』


『本来は15人全員を未来機関に招き入れる予定だったが、それでは人数が多すぎる。
謀反を企てる人間も出て来るかもしれない。』




『よって未来機関は、絶望の残党であるかれらを“選別”することにしたのだ。』




小泉「えっ…!?」

田中「何だと…!?殺し合いを命じたのは、他でもない未来機関だったというのか!?」


小泉「そんな…!?」

小泉「だって未来機関の一員である千秋ちゃんは、アタシ達を死なせないようにあんなに頑張ってくれていたんだよ!?」


小泉「それなのに…!?」




田中「これによると、予定を変更したと記述されているな?」

田中「いつ変更したのか、なぜ変更したのかが重要になりそうだが…」


小泉「うん。予定の変更を千秋ちゃんが知らないまま、修学旅行が始まったという可能性もあるね…。」

小泉「じゃあ、続きを読んでみよう。」




『なぜ、突然予定を変更することになったのか。それは、ほかならぬ彼らの提案があったからだ。』




『具体的に言うと彼ら6人のうちの2人、“超高校級の探偵”【霧切響子】と“超高校級の文学少女”【腐川冬子】が、
自らの命を犠牲にして狂気的な演説を試みたのだ。』


『【絶望の残党は完全に駆除しなければならない。さもなくば、自分たちのような犠牲者は永遠にいなくならない。】』


『彼女らは未来機関の人間全員の前でそう公言し、顔には薄ら笑いを浮かべながら、自らの命を絶ったのだ。』




『もともと元絶望のカリスマを打ち破った6人が反対勢力の制止力となっていた状況で、
そのうちの2人も反対勢力に寝返ってしまった。』


『残る4人の説得も虚しく、未来機関は絶望の残党を淘汰することに決定したのだ。』



『せめてもの彼らへの配慮として、彼らと同等数の“4人”まで未来機関に招き入れる許可を下すことが決定された。』




小泉「…よくはわからないけど、2人の演説によっておかしなことになっちゃったのね…。」

田中「そして未来機関の淘汰の方法とは、“コロシアイ修学旅行”のことか…。」


小泉「つまりそれは、アタシ達が4人以下になるまで殺し合いをさせようとしていたってこと…?」

田中「となると、七海が前回の学級裁判の直前に言っていたことにもうなずけるな。」


小泉「モノクマはこれ以上動機を提示しない…。」

小泉「あの時アタシ達は、千秋ちゃんを抜いてアタシ、唯吹ちゃん、狛枝、田中の4人しかいなかったから…」

小泉「あれ以上人数が減ることはないと踏んでいたんだね…。」


田中「しかし…。それでは、七海とモノクマが争っていたゲ―ムとはなんだったのだ?」

小泉「あ。それは、ここに書いてあるみたいよ。」




『しかしそれだけでは、既に現地へと向かった監視者から抗議が来るかもしれない。』


『よって監視者とその補佐であるウサミに、絶望の残党を保護する機会を与えることにした。』


『一種のゲ―ムのようなものだ。』



『かつて“超高校級の絶望”が希望達に仕向けたゲ―ムと同じ物を、
今度はかれら自身が受けることになるとは、何とも皮肉な話だ。』





『しかし…』


『荒れ果てたこの世界で唯一の希望であったはずの未来機関が、“超高校級の絶望”と同じような真似をするなど…』



『この淘汰は…未来機関ではなく、何か他の存在の意思が働いている気がしてならない。』


『特に、霧切と腐川2名の演説…。彼女らはあのようなことをする人間とは思えなかった。』


『もしや彼女らは、何者かに洗脳されていたのではないかと疑っている者もいる。』





『例えば…』



『“元絶望のカリスマ”と呼ばれた江ノ島盾子の遺志を引き継いだと言われている…』



『【カムクライズル】などに。』





小泉「…ここでまたカムクライズルが出てくんのね…。」


田中「未来機関を操り、希望更生プログラムをコロシアイ修学旅行へと発展させた真の黒幕…。」

田中「それが、カムクライズルということか?」

小泉「じゃあアタシ達は、そのカムクライズルが何者かを突き止める必要があるのかな…?」

田中「…そうかもな。」



田中「しかし…この資料、少しひっかかるな…。」

小泉「え?」


田中「…いや。些細なことだ。気にするほどのことではないかもしれん。」

小泉「そういうのが1番気になるんだけど…」




言弾:2人の演説を獲得!!

言弾:コロシアイ修学旅行を獲得!!

言弾:黒幕を獲得!!




田中「さて…。まだ何か調べておくことはないか?」


小泉「あ。そういえば、狛枝が言ってたんだけどね。」

小泉「ファイナルデッドル―ムで、特典をもらっていたんだって。」


田中「ファイナルデッドル―ムだと…?奴もすでにクリアしていたのか。」

田中「しかしそれは、小泉も既にもらっていたのではないか?」


小泉「アタシのよりも多く情報をもらっている可能性もあるし…」

小泉「行く価値はあると思うよ。」




―狛枝のコテ―ジ―



小泉「この本棚かな?」



小泉(ん?よく見たら、何やら封筒のようなものが本の間に挟まってる。)




小泉「何だろう…」




そこで偶然日の光がさして、封筒の中身がチラッと透けて見えた。





mahi…




小泉「…」



アタシは田中に気付かれないように、封筒をクシャッとポケットに突っ込んだ。





田中「ん。この本、どこかで見たことがないか?」




『日向創 予備学科  終里赤音 体操部

狛枝凪斗 幸運  七海千秋 ゲ―マ―

??? 詐欺師  ソニア ネヴァ―マインド 王女

田中眼蛇夢 飼育委員  西園寺日寄子 日本舞踊家

左右田和一 メカニック  ×小泉真昼 写真家

花村輝々 料理人  罪木蜜柑 保健委員

弐大猫丸 マネ―ジャ―  澪田唯吹 軽音楽部

九頭龍冬彦 極道  辺古山ペコ 剣道家』





『未来機関は、15人の、希望ヶ峰学園の生き残りを保護することに成功した。』


『しかし取り調べを進めていくうちに、かれらが“超高校級の絶望”の残党だということが発覚した。』


『“人類史上最大最悪の絶望的事件”を扇動した連中だ。未来機関の中では全員を抹殺する事を提言する人間が多数いた。
彼らの中にも、奴らに家族を殺された者が山ほどいる。』


『しかし腐っても元は“希望”。かれらをうまく扱えば、未来機関にとって大きな力となるかもしれない。
そこで未来機関が起用したのが、“希望更生プログラム”…。15人の絶望の、絶望の成分を取り除くことが目的である。』


『通常なら、絶望の残党は速やかに処分すべきだが…』



『かれらも“絶望のカリスマ”である彼女の被害者である、という意見も少数ながら存在する。
彼らの意見も尊重し、絶望の残党の処置はこのようなものとなった。』


『超高校級の絶望の時代のかれら15人の記憶を奪い、監視者2人の元でかれらの希望を取り戻し、
再びこの世界の希望を…』




小泉「この辺は、アタシのと同じだね…。」


田中「む。前回のコロシアイについて書かれている物もあるぞ。」

小泉「これは、ジェットコ―スタ―でもらった奴だよね。」


小泉「でも…生き残りの6人と江ノ島盾子が敗れたことなんて知っても、仕方ないよね…。」

田中「そんなことは、既に分かりきっているからな。」



言弾:希望更生プログラムを獲得!!

言弾:コロシアイ学園生活を獲得!!




小泉「あれ…?これ、アタシが見たことのない資料だ…。」


田中「何だと?狛枝は、ロシアンル―レットを最大難易度でプレイしたということか?」

小泉「いや…。アタシも最大難易度でクリアしたはずなんだけど…」

田中「つまり小泉は弾5発でプレイしたということか!?なんという命知らずな!!」

小泉「あ、その…。」

小泉「リボルバ―に1発しか入っていないって思ってたから、最初から5発入っていることに気付かなくってね…。」




田中「しかし、5発でプレイした小泉よりも狛枝が多く情報をもらっているとなると…」

田中「もしや狛枝は、6発詰めてプレイしたのかもしれんな。」

小泉「6発!?それって、100%死ぬじゃない!!」


田中「狛枝の幸運なら6発入っていても、何かしらの理由で生き残りそうだが…」

小泉「…そう言われてみれば、そうかもしれないね。」

田中「まあいい。とにかく、見てみるぞ。」




『今の世界はひどく荒廃している。世界中が絶望に染まっている。』

『人々は不気味な笑みを浮かべ、殺すことや殺されることにも悦びを感じているかのようだ。』

『そうして道に転がっている死体は、日に日に数を増している。』


『その光景はまるで、人類が自ら破滅へと進んでいるかのようで…。』

『まるで人類そのものが滅び行くことを望んでいるかのようで…。』


『“元絶望のカリスマ”である江ノ島盾子が死んでなお、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わりを迎えない。』





『その原因は、江ノ島盾子の遺志を受け継ぐ存在。新たな“絶望のカリスマ”であろう。』



『彼女は、江ノ島盾子とはまた別の手段で人々を絶望へといざなっているようだ。』


『その方法とは…彼女自らが経験した絶望を、他者に見せつけることだ。』

『現に彼女が公共の電波をジャックしたことにより、全国ネットには常に絶望的な映像が垂れ流しになっている。』


『その映像に感化された人間の脳内は、人生で培われた道徳や主義主張の一切を奪われ、
彼女の独善的で画一的な思想へと強制的に塗り替えられる。』



『そうして彼女によって絶望に染められた人間は、彼女を敬い称賛して、“超高校級の母”などと呼ぶようになる。』



『彼女を抹消しない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は収束しない。』


『しかし…肝心の彼女の正体は、未だにつかめていない。』


『ただ、女性ということだけしか…』




小泉「人類史上最大最悪の絶望的事件っていうのは、予想以上に恐ろしい物のようね…。」

田中「新たな“絶望のカリスマ”か…。そいつが、カムクライズルなのか?」

小泉「電波ジャックとかもしているみたいだし…相当の大物みたいよ。“超高校級の母”なんて呼ばれているし。」


小泉「…どっかで聞いたことがあるようなフレ―ズね。」




小泉「カムクラってやっぱり女性だったのかな?」

田中「断言はできんが…」



田中「1つわかったことは、『黒幕は雌』ということか。」



小泉「それって…“絶望のカリスマ”っていうのと、コロシアイ修学旅行の首謀者が同一人物ってこと?」

小泉「根拠はあるの?」




田中「“絶望的な映像”と聞いて思いつくものといえば、この島にいたるところにある監視カメラだ…。」


小泉「そうか…!!アタシ達の殺し合いを監視カメラで撮って、それを絶望的な映像として全国に見せることで…」

小泉「黒幕は外の人々を絶望に落としているとも考えられるわね。」


田中「そして、“自らが経験した絶望”という記述から…」

田中「コロシアイ修学旅行の参加者に“絶望のカリスマ”自身が混じっているということだ。」




小泉「黒幕の目的がだんだんわかってきたね…。」


小泉「彼女は“絶望のカリスマ”だからこそ、霧切さんや腐川さんを操って狂気的な演説をさせて。」

小泉「アタシ達に殺し合いをさせて、それを全国の人に見せて絶望を蔓延させている…。」


田中「黒幕は、頭のいかれた腐れ野郎ということだ…!!」

小泉「そうね。でも、女性らしいから野郎ではないみたいよ。」



言弾:人類史上最大最悪の絶望的事件を獲得!!

言弾:絶望のカリスマを獲得!!

言弾:監視カメラとモニタ―を獲得!!





キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン



映像の中のモノクマ『え―。残念ですが、タイムアップです!!』

映像の中のモノクマ『重要な情報はちゃんと集められました?まあ、どうであろうと関係ありません!!』


映像の中のモノクマ『オマエラはとっとと遺跡に集合してください!!』




小泉「遺跡…?モノクマロックじゃないの?」

田中「いよいよ、物語はクライマックスへ向かっているのだな。」




―2の島 遺跡―



小泉「…」

田中「…」



モノクマ「あれ?1人足りないね?」

小泉「唯吹ちゃん…。何してるんだろう?」


田中「まさか、本当にどこかで…」






「みんな~!!遅れてすまねぇっす~!!」





小泉「あ、唯吹ちゃんの声だ。」

田中「ふう。どいつもこいつも、なぜ心配をかける奴ばかりなのだ…。」


澪田「すまねぇっす!!薬局に薬を取りに行ってたら、そのまま寝ちゃったみたいで…」

田中「ならば、今がどういう状況かもわかってないのか?」

澪田「とりあえず、遺跡に集合っていうことしかわかってねぇっす!!」




小泉「大丈夫なのかな?これから、黒幕に勝負を挑むっていうのに…」

田中「まあ、もともと澪田はロンパ要員だ。本格的な推理は俺様と小泉だけがすればいい。」

澪田「なんか言ってることがかなりひどくないっすか!?」

小泉「はは。あまり気をおとさないで、唯吹ちゃん。」





澪田「真昼ちゃん…。やっと、外に出て来る気になったんすね…。」


澪田「右目を犠牲にしたけど…前に進めるようになったんだよね?」



小泉「うん、唯吹ちゃん。いままで、いろいろ迷惑をかけてごめんね。」




澪田「固いこと言いっこナシっすよ!!これで、3人そろったんすから!!」


田中「…そうだな。」



小泉「…」





小泉(3人…。3人か…。)


小泉(最初の5分の1以下の数なんだよね…。)




小泉(こんなの、異常だ…。)


小泉(異常すぎる…。)




田中「では、最後の学級裁判に臨むとするか。」


澪田「学級裁判?も、もしかしてまた、被害者が出たんすか?」

小泉「よくわからない…。見たこともない子供の死体が砂浜にあったんだよ…。」


澪田「え…?そ、それってもしかして…」





澪田「猫丸ちゃんなんじゃないっすか…?」



小泉「え?」




田中「その可能性は否定できんな…。雄であることは弐大に当てはまる。」

田中「もしや…希望病で幼児に戻った状態になり、そのまま殺された弐大なのかもしれんな。」


澪田「そ、そんな…!!猫丸ちゃんは、やっぱり…!?」





小泉「ちょ、ちょっと!!そんなの、結局憶測に過ぎないよ!!」

小泉「弐大は絶対に生きてるって!!」


小泉「だから、それをこの学級裁判で証明しようよ!!」

澪田「そ、そうだよね。こんなに弱気になってちゃ、ダメだよね…。」



モノクマ「えっと…。もういいですか?」

モノクマ「じゃあ、遺跡の扉を開けるよ!!」






「11037」





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




小泉「…遺跡のパスワ―ド、11037だったのね。」

澪田「何っていうか…。意味がイマイチわからないパスワ―ドっすね。」



澪田「そう言えば、凪斗ちゃんの爆弾のパスワ―ドはなんだったんすか?」


小泉「…忘れちゃった。」


澪田「あ…。ごめん…。」



田中「とにかく、入るぞ。」




―遺跡―



小泉「うっ…!?」


澪田「あ…あ……」


田中「これは、ひどい…!!」




遺跡の中に入ってみると、そこには長い通路のようなところだった。



だが、それはたいした問題じゃない。


問題なのは、通路に乱雑に転がされている物体だ。






今までに犠牲になったみんなの死体だ。





日寄子ちゃんの死体。


ソニアちゃんの死体。



花村の死体。


左右田の死体。


日向の死体。



豚神の死体。


ペコちゃんの死体。



九頭龍の死体。



赤音ちゃんの死体。


千秋ちゃんの死体。



そして…狛枝の死体。





小泉「う…うぷ……」


澪田「あ…ああああああああああああ……」



田中「…一気に駆け抜けるぞ!!」




アタシと唯吹ちゃんは背中を田中に押され、なんとかその通路を抜けることができた。




―裁判場―



小泉「はぁ…はぁ……」

小泉「黒幕の奴…。なんて悪趣味な…!!」

澪田「唯吹のガラスハ―トが破れそうっすよ…。」

田中「クッ…。ここでまさか、精神攻撃を仕掛けて来るとはな…。」

小泉「あ、ありがとう、田中。」

小泉「田中がいなかったら、今頃…」




モノクマ「ああ、やっと来たの?やけに遅かったね。」

澪田「モ、モノクマちゃんのせいっすよ!!遺跡の中に、あんなものを用意しておくなんて…!!」


モノクマ「ああ、あの死体?」

モノクマ「やだなあ。あれは、ボクがキミたちにおくるヒントだよ!!」

小泉「え…?」


田中「そういえば…。あの中に、罪木と弐大の死体は存在しなかったな。」

澪田「ええ!?よく見てたっすね、眼蛇夢ちゃん!!」

小泉「それが、なにかのヒントになるってこと…?」



言弾:遅れて来た澪田を獲得!!

言弾:今までの犠牲者を獲得!!




モノクマ「さてと。時間もおしてるんだから、さっさと自分の席についてください!!」


澪田「遺跡の中って、裁判場になってたんっすね…。」





そしてアタシ達3人は、自分の席に向かった…。


それに対する遺影の数は、12つ…。





そして、前回空席だった弐大の席には…



モノクマ「…」




澪田「ちょ、モノクマちゃん!!そこを占拠したらダメっすよ!!」

澪田「そこには、帰ってくる男がいるんすよ!!」


モノクマ「はいはい。何と言おうが、この卒業試験の参加者は3名だけなんだよね。」

モノクマ「死者のことにいつまでも囚われていたら、留年しちゃうよ?」


小泉「くっ…!!弐大は、死んでなんか…!!」




田中「落ち着け。我らの正常な思考を削ごうとする黒幕の罠に、やすやすとかかるわけにはいかん。」

田中「だからこの学級裁判で有無を言わせぬ圧倒的なロジックを組み立て、モノクマにぶつけてやるのだ。」


田中「そう、弐大の奴が生きているという証明をな!!」


小泉「…」



小泉「うん、わかった!!」



モノクマ「はいはい。いつまでも仲良しごっこをしてないで。卒業試験を始めるよ。」





小泉(卒業試験…。)



小泉(遂に、始まる…。)


小泉(黒幕との、最後の戦い…。)




小泉(参加者は…)


小泉(たった3人…。)




小泉(“超高校級のマネ―ジャ―”、『弐大猫丸』…。)



小泉(最初は大きくて男臭くてデリカシ―のカケラもない人間だと思っていたけど…)


小泉(その力強さを他人への暴力に使うことはなく、つねにみんなをサポ―トするために使っていた。)


小泉(赤音ちゃんを犠牲にしてしまったアタシを、許してくれた。)


小泉(アイツは肉体的にも精神的にも屈強で、それでいてみんなに配慮できる優しい奴なんだ。)





小泉(アンタ…今、どこにいるの?)


小泉(…本当に、死んだの?)




小泉(そんなわけ、ないよね…。)


小泉(きっとまだ、どこかで生きてるよね…。)



小泉(この学級裁判を、アンタの存在証明にしてやるんだから…!!)





小泉「これが、6回目…」




小泉「最後の、学級裁判!!」




今日はこれで終了。明日からは学級裁判です。


絶対絶望少女が発売されて、色々と矛盾が出てるって?

もともと原作とまったく設定が違うんだからどうでもいいよね!!




CLASSROOM TRIALS 6


モノロ―グ




ついに始まる、黒幕との最後の戦い…。



弐大は今、どこにいるのか?

今もモノクマを操る黒幕とは、何者なのか?




戦え、小泉達!!

黒幕の正体を暴き出せ!!




コトダマ一覧




1.子供の死体の状況

『小泉と田中が、砂浜で発見した子供の死体。黒焦げでバラバラの状態だった。
男であること以外には、素性が一切わからない。ただ、前回の被害者と死体の状況が似ているような…』



2.死者の参加

『モノクマいわくコロシアイ修学旅行の参加者は、資料に載っている16名だけではない。
その他に、死んだ状態で参加した人間が1人いるらしい。』



3.モノクマファイル[5]

『【被害者:???。全身が燃やされているが、これは死後に焼かれたもの。
全身をバラバラにされた後に燃やされ、グッズ倉庫に隠されていた模様。】
今回の事件で、なぜ前回の事件のファイルが渡されたのか?田中には、その心当たりがあるみたいだが…』



4.修学旅行の参加者

『【日向創 予備学科  終里赤音 体操部

狛枝凪斗 幸運  七海千秋 ゲ―マ―

??? 詐欺師  ソニア ネヴァ―マインド 王女

田中眼蛇夢 飼育委員  西園寺日寄子 日本舞踊家

左右田和一 メカニック  ×小泉真昼 写真家

花村輝々 料理人  罪木蜜柑 保健委員

弐大猫丸 マネ―ジャ―  澪田唯吹 軽音楽部

九頭龍冬彦 極道  辺古山ペコ 剣道家】

生きた状態の参加者はここにすべて載っている。
しかし死者の参加もあったとなると、他の抜け道もある可能性が高い。』



5.謎の死体の状況

『首から上はなく、下半身は調べることが不可能なほど凄惨な状況だ。
全身が燃やされているが、上半身は割ときれいな状態で残っている。
前回の学級裁判で、この死体は罪木の死体だと思っていたが…?』



6.アナウンスに必要な3人

『3人以上の人間が死体を発見すると死体発見アナウンスが流れるが、その“3人”とはクロを含まないことが多い。
しかし、たとえ発見者が発見後に死人になろうと、例外なく“3人”に含まれるらしい。』




7.モノクマのテコ入れ

『モノクマの思うクロと生徒達が思うクロが違う場合、
必ず違和感が発生するようにモノクマが配慮を見せているらしいが…。
1回目の裁判で、この配慮をモノクマは見せた。』



8.2つの事件のル―ル

『2つの事件が同時に起きていて、2つの死体のうちの1つを発見すると、
もう1つの事件は放っておいて、発見された方だけの学級裁判が開かれる。
3回目の裁判が、これに当てはまる。

なお、このような裁判でクロが勝った場合は、他のクロもこの島から脱出できるらしい。
ただし、2つの事件が無関係だということが前提。
前回の事件で田中と澪田の両方がクロになったのは、恐らくこのル―ルが適用されたから。』



9.校則の厳守

『モノクマは、修学旅行の校則や裁判のル―ルを絶対に破らない。
もし破れば、コロシアイ修学旅行を強制終了するとまで言い切った。
その理由は、七海と【コロシアイ修学旅行】というゲ―ムの中で争っていたから。
モノクマは七海と取り決めた契約に則って、殺し合いを進めていったのだ。』



10.爆弾騒動

『狛枝はモノクマ工場に大量の爆弾を仕掛けることで、裏切り者をあぶり出そうとした。
裏切り者をあぶり出そうとした理由は、狛枝亡き今、知る術はない…。』



11.希望病

『この病気のおかげで、小泉たちは絶望時代を忘れることができている。
これに感染していると、肉体までその時の記憶での状態に戻るらしい。
ミニ小泉はおそらくこれが原因だろうが、これに似た名前の物がどこかで…』



12.カムクライズルの独白
『“超高校級の希望”と呼ばれており、黒幕だと思われたカムクライズルが、自分の思いを克明に述べたもの。
それは、カムクラの家族に向けられたものだった。
“彼女”が誰なのかは不明。狛枝は、これが黒幕を追いつめる重要な武器だと言うが…』




13.消えた弐大

『爆弾さがしの時から弐大の消息はつかめていない。弐大は、1の島を探索していたが…
弐大の言う“調べたいこと”とは、何だったのだろうか?』



14.左右田の情報

『左右田のコテ―ジに、なぜか弐大の足跡が残っていた。
“超高校級のメカニック”である【左右田和一】のコテ―ジで弐大が見つけた情報とは?』



15.2人の演説

『霧切響子と腐川冬子による狂気的な演説が、未来機関全員の前で行われた。
これにより希望更生プログラムは、小泉達15人を全員救出するという当初の計画から大きく変更されることになった。』



16.コロシアイ修学旅行

『希望更生プログラムが変更された後の案。
小泉達のコロシアイという名の選別は、他ならぬ未来機関が仕組んだものだったのだ。
絶望の残党を殺し合わせ、生き残った人間を4人までを未来機関に招き入れることとした。
15人全員を救出する機会として七海とウサミには、殺し合いを未然に防ぐことができるル―ルを提示されていたのだ。
それでも、殺し合いは止められなかったが…』



17.黒幕

『本来は小泉達を守る立場だった霧切と腐川が、小泉達を陥れるような演説をするとは思えない。
しかも自らの命を投げ打ってまでそのようなマネをするなど、想像もつかない。
恐らく彼女ら2人を唆し、希望更生プログラムをコロシアイ修学旅行に発展させた真の黒幕が存在するはずだ。
その人物が…今もモノクマを操っていて、殺し合いを今まで扇動してきた人間なのか?
そしてその人物は、カムクライズルとは関係しているのか…?』



18.希望更生プログラム

『希望更生プログラムとは、絶望の残党である小泉達15人を希望へと還元する計画を指す。
というのもこれは、【かれら15人は所詮被害者に過ぎず、本当の敵は“絶望のカリスマ”たった1人だ】
という意見を苗木達6人が提案したからこそ現実化した計画だった。
希望更生プログラムの本来の目的は、監視者2人のもと、暴力の存在しない世界で仲間同士の絆を深め合い、
希望のカケラを集めることで、絶望の残党たちがもう2度と絶望に堕ちないようにすることだった。』




19.コロシアイ学園生活

『小泉達が巻き込まれた殺し合いとはまた別の殺し合い。
これに巻き込まれた苗木達は、6人でこのコロシアイから生還している。
なおコロシアイ学園生活の首謀者である江ノ島盾子はこの時に苗木達に敗北し、自ら命を絶っている。』



20.人類史上最大最悪の絶望的事件

『2、3年前に江ノ島盾子が予備学科の人間を蜂起させたことによって引き起こした事件。
絶望に染まった人々は不気味に笑いながら殺し合い、“死”にすら悦びを感じているようだ。
その状況は、あたかも人間という種が自ら死にゆくことを望んでいるかのようで…』



21.絶望のカリスマ

『江ノ島盾子が死んだにも関わらず、未だに人類史上最大最悪の絶望的事件は終わらない。
彼女と同等の狂った思想をもつ人間、新たな“絶望のカリスマ”が今も生きているからだ。
“彼女”の思想に感化された人間は、“彼女”を“超高校級の母”と称したりするようだ。
未来機関は彼女を抹殺する事に躍起になっている様だが肝心の彼女に関する情報は、彼女が女性であることだけらしい。』



22.監視カメラとモニタ―

『小泉達の殺し合いを今も撮り続けている監視カメラ。
殺し合いという絶望的な映像をまき散らすことで、黒幕は外の人間を絶望に叩き落とそうとしているのか…。』



23.遅れて来た澪田

『黒幕との最後の対決なのに、何の情報もないままに学級裁判に挑むことになった澪田。
黒幕の正体をつかまないといけないのに、そんなんで大丈夫なの?』



24.今までの犠牲者

『今までの犠牲者の死体を確認した。その中には、罪木と弐大の死体はなかった。
となると今ジャバウォック島に生きている人間は、小泉と、澪田と、田中と…?』




モノクマ「今回は最後の学級裁判ということで、特別ル―ルが適用されます!!」


モノクマ「黒幕であるボクの正体を突き止めた場合は、オマエラの勝ちです!!」

モノクマ「その場合オマエラ3人には、この島から脱出する権利が与えられます!!」


モノクマ「だけどもしそれができなかった場合は、ボクの勝ちです!!」

モノクマ「その場合は残念ながら、オマエラ3人は死ぬまでジャバウォック島で過ごしてもらいます!!」




モノクマ「そして今回の裁判には、ボクも参加します!!」

モノクマ「オマエラのつたない推理を逐一ロンパしてやるから、覚悟するクマよ~!!」


澪田「負けられない戦いっすね…!!唯吹、いつになく本気っすよ!!」




モノクマ「おろろ?ロンパ要員で推理にはほとんど役に立たない上に何の証拠集めもしなかった澪田さんが本気を出して、
なんか意味があるの?」


澪田「たっは―!!正論のナイフで滅多刺しっすね―!!」

小泉「認めちゃうの!?」




田中「じゃれあいはそれくらいにしておけ…。議論を始めるぞ。」

澪田「えっと…。議論を始めると言っても、何から始めたらいいんすかね…。」

モノクマ「何の情報も持ってない澪田さんについて行ける話なんてあるわけないじゃ―ん!!」


小泉「じゃあ、唯吹ちゃんでもわかる議論から始めよう。今回の被害者の議論からだよ。」

澪田「えっと…。唯吹は、今回の被害者を見てすらないんすが…。」

田中「その被害者が、前回の被害者と密接に関係しているということだ。」




モノクマ「ちょっと待ってよ!!なんでそんなことが言えるのさ!!」

モノクマ「ボクは、今回の事件が前回の事件と関係しているとは思わないよ!!」


小泉「しらじらしいわね。自分からそのヒントを与えておいて…」




1.死体があった場所

2.死体を発見した時間帯

3.モノクマファイル[5]



安価↓1




正解



小泉「これで証明できる!!」解



小泉「モノクマファイル…。それも、前回の事件のモノクマファイルよ。」



モノクマファイル[5]

『被害者:???。全身が燃やされているが、これは死後に焼かれたもの。
全身をバラバラにされた後に燃やされ、グッズ倉庫に隠されていた模様。』




澪田「これって、前回の被害者のモノクマファイルっすよね。」

澪田「これと今回の被害者が、何か関係あるんすか?」


田中「そもそもこのモノクマファイルは、前回の被害者のファイルなのか?」

澪田「え?どういうことっすか?」



小泉(まずは、モノクマファイル[5]に隠された謎から解き明かしていこう。)




PHASE1 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


1.子供の死体の状況

2.死者の参加

11.希望病



田中「モノクマファイル[5]と前回の被害者…。この2つの間に不自然な点はないか?」


澪田「えっと。モノクマファイルによると前回の被害者は、【全身をバラバラにされて】…」

小泉「その後に【全身を燃やされて】…」

田中「最後に【グッズ倉庫に隠されていた】のだったな。」

澪田「う~ん…。特に不自然な点はないような気がするんすけど…」


モノクマ「そりゃあそうだよ!!だって、[小泉さん達の推理が間違っているだけ]だもん!!」

モノクマ「モノクマファイルとグッズ倉庫の死体の間に、【矛盾なんてどこにもない】よ!!」


澪田「唯吹にはさっぱりっす!!2人とも、何とかして!!」

小泉「唯吹ちゃんも少しは考えてよ…。」



小泉(矛盾なんてどこにもない…?本当にそうなのかな?)



安価↓1




不正解


モノクマ「え?それがどうして矛盾と関係するの?」

小泉(しまった。間違えたみたいだ。)



小泉(この議論に潜む矛盾…。それって、あの子の言葉を使えば、撃ち抜けるのかも…)



安価↓1




正解



【矛盾なんてどこにもない】←全身をバラバラにされて



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破


BREAK!!




小泉「いや…。この2つは、明らかに矛盾しているのよ。」

モノクマ「へぇ。面白いクマ!!その矛盾が何か、言ってみろ~!!」


小泉「もう1回、モノクマファイル[5]を見てみるよ。」




モノクマファイル[5]

『被害者:???。全身が燃やされているが、これは死後に焼かれたもの。
全身をバラバラにされた後に燃やされ、グッズ倉庫に隠されていた模様。』




澪田「これの、どこが矛盾しているんすか?」


小泉「思い出してみてよ、前回の被害者の死体の状況を。」

小泉「確かに下半身は判別不可能なほどバラバラにされていたけど、上半身は結構きれいな状態で残されていたんだよ?」




田中「つまり、モノクマファイル[5]が前回の被害者を指す場合…」

田中「『全身をバラバラ』ではなく、『下半身をバラバラ』と記述されるべきなのだ。」

澪田「それはつまり、モノクマちゃんが嘘の情報を渡していたってことっすか?」


モノクマ「ボクは嘘なんかつきません!!」

モノクマ「モノクマファイルにおいて嘘をつくことはル―ル違反ですから!!」


小泉「それでも、重要な情報を隠したり、曖昧な表現を使ったりはしてもいいわけね…。」

モノクマ「うぷぷ…。ル―ルのギリギリをついてこそ、真の世渡り上手になれるんですよ!!」

田中「ふん、何とも胸糞悪い話だ。」




澪田「でも、モノクマちゃんが嘘をついていないのなら…」

澪田「どうしてモノクマファイル[5]と前回の被害者の状況との間には矛盾があるんすか?」


小泉(その謎を…一気に解決してしまおう。)




PHASE2 ロジカルダイブ開始!!



Q.1 グッズ倉庫にあった女の死体は誰?

赤:罪木 青:辺古山 黄:死体の参加者


Q.2 モノクマファイル[5]が指している人物は誰?

赤:罪木 青:弐大 黄:死体の参加者


Q.3 子供の死体は、5回目の事件の時にはどこにあった?

赤:罪木のそば 青:死体の保管場所 黄:砂浜



安価↓1




赤‐黄‐赤



小泉「推理はつながったわ!!」


COMPLETE!!



小泉「もしかしてアタシ達は、前回の被害者を誤認していたんじゃないのかな?」

澪田「そうなんすよね…。あの死体は蜜柑ちゃんだと思っていたけど、違ったんすよね…。」




小泉「いや、あの死体自体は蜜柑ちゃんで間違いなかったんだよ。」


澪田「え?いやいやいや。それじゃあなんで、前回の裁判は失敗しちゃったんすか?」

澪田「やっぱり、モノクマちゃんがズルをしたんすか!?」


小泉「そうじゃない。」

小泉「確かにあそこには蜜柑ちゃんの死体があったけど、それは5回目の事件には関係していなかったんだよ。」




澪田「えっと…。もう唯吹の頭はオ―バ―ヒ―トしてるっす!!」

田中「澪田にもわかるようにかみ砕いて言ってやれ、小泉。」


小泉「う―んと、つまり…」




1.グッズ倉庫には2つ死体があった

2.モノクマがズルをした

3.グッズ倉庫の死体は人間の死体ではなかった



安価↓1




小泉「これで証明できる!!」解


小泉「グッズ倉庫には、2つ死体があったとは考えられないかな?」

澪田「え…?蜜柑ちゃんの死体はあったけど、もう1つはどこにあったんすか?」


小泉「ぐしゃぐしゃになった蜜柑ちゃんの下半身に、もう1つの死体を紛れ込ませていた。」

小泉「そうは考えられないかな?」

澪田「えぇ!?」




田中「もう1つの死体は、子供の死体だった。」

田中「子供の死体をバラバラにした後に、罪木の体に紛れ込ませておいても…」

田中「気付かれるほどには、容積は大きくなかったのだな。」


小泉「つまりアタシ達はあの時、蜜柑ちゃんの死体と子供の死体を同時に見たから…」

小泉「あの時の死体発見アナウンスを蜜柑ちゃんのアナウンスだと勘違いしちゃったんだよ…!!」

澪田「それが本当は…子供の死体のためのアナウンスだったのに、っすか…!?」


田中「そうとしか考えられん。」

田中「それに…モノクマファイル[5]が子供の死体の記述をしているとなると、途端に違和感がなくなるのだ。」




モノクマファイル[5]

『被害者:???。全身が燃やされているが、これは死後に焼かれたもの。
全身をバラバラにされた後に燃やされ、グッズ倉庫に隠されていた模様。』



田中「子供の死体と罪木の死体を同時に見た時…」

田中「モノクマファイル[5]をどう見ても、子供の死体の記述をしているとしか取れん。」


小泉「蜜柑ちゃんの死体は『全身』がバラバラだったわけじゃないうえに…」

小泉「子供の死体は完全に、全身をバラバラにされていたからね…。」


田中「クッ…。もう少し慎重に、疑り深く証拠品を見ておくべきだったな。」

田中「そうすれば、モノクマファイルと死体の状況との矛盾もはじき出されただろうに…」




澪田「ってことは、蜜柑ちゃんの下半身をバラバラにした本当の理由は…」

小泉「蜜柑ちゃんを千秋ちゃんに似せることじゃなくて、子供の死体を隠すためだった…。」


小泉「それだけじゃない。胸囲を測れるように上半身をきれいな状態で残したのは…」

小泉「あの死体を蜜柑ちゃんと思わせて、アタシ達を間違った答えに導くための罠だったんだ…!!」




小泉(そうか…あの時狛枝がモノクマファイル[5]は信用できないと言っていた理由は、これだったのか…。)


小泉(アタシがあの時に気付いていれば、アイツは死なずに…)



小泉(いや…。こんなことを考えるのはよそう。)


小泉(だって…もしアタシが気づいていたら、今度は田中が死んでいたかもしれないんだから…)




今日はこれまで。




再開



モノクマ「うぷぷぷぷ…木を隠すなら森って言うじゃん。」

モノクマ「皆見事に騙されてくれて、ああ愉快愉快!!」

澪田「うぐぐぐぐぐ…!!」


田中「悔しがっている暇はないぞ。ここでまた1つ、問題が出て来るのだからな。」

澪田「へ?」




小泉「あの子供の死体は誰なのか…。」

小泉「そして、なぜ子供の死体を殺したクロが田中になったか。」

小泉「それが、問題よね?」


澪田「念のために聞いておくけど…」

澪田「子供の死体って、猫丸ちゃんでは…」




小泉「うん。弐大ではないはずだよ。」

澪田「え?妙に断言するっすね?」


小泉「モノクマは前回の学級裁判で言っていたでしょ?」

小泉「5回目の事件には、弐大は関係していないって。」


小泉「事件に関与していない人間のモノクマファイルは渡されないっていうル―ルがあるから…」

小泉「モノクマファイルを渡されている子供の死体が、弐大であるとは考えられないよ。」




澪田「3回目や5回目の裁判で、蜜柑ちゃんのモノクマファイルが渡されなかった理由もそれっすよね…。」

澪田「じゃあ…子供の死体の正体は、なんすか?」


小泉「蜜柑ちゃんでも弐大でもなく、アタシ、唯吹ちゃん、田中でもない。」

小泉「そして、皆の死体は遺跡の中にばらまかれていた。」

小泉「だから、今までの犠牲者でもない。」


澪田「となると…」





田中「死体の状態で参加した人物、ということになるな。」



澪田「え…?そんな人間がいるんすか?」

小泉「うん…。モノクマが言っていたんだけどね。」

小泉「アタシ達のほかに、死体の参加者が1人いたみたいなんだよ。」


澪田「つまり2人が見た子供ってのは、この修学旅行が始まる前から死んでいたんすか!?」

モノクマ「違うよ。死んでいたんじゃなくて、殺されていたの!!」

モノクマ「修学旅行が始まる前から殺されていたの!!」




田中「つまり…。前回の被害者であるあの子供は。」


田中「絶望時代の俺様が手にかけた人間…。ということか。」



小泉「…」



小泉(ということは…)


小泉(アタシ達は外の世界では“超高校級の絶望”で…)


小泉(残虐な所業をし尽してきた人間だっていうのは、本当なんだ…。)




澪田「で、でも…修学旅行が始まる前から死んでいる人の学級裁判を開くなんて、無茶苦茶じゃないっすか!!」

澪田「こんなの詐欺っすよ!!」


モノクマ「死んだからって、仲間外れにするのは可哀そうでしょ?」

モノクマ「友情は、生死を飛び越えるんだよ?」




澪田「だ、だって、修学旅行が始まる前に殺されているなんてわかりっこないっす!!」

澪田「つまり前回の学級裁判では、絶対に答えにたどり着けなかったってことっすよね!?」

澪田「これが詐欺じゃなくてなんなんっすか!?」


モノクマ「なに言ってんの、澪田さん。」

モノクマ「電子生徒手帳の6項目をよく見てごらん?」





6.死体が発見された場合、一定時間後に、学級裁判が開かれます。



モノクマ「このル―ルのどこに『発見される死体が“修学旅行中に死体となった”物でないとダメ』って書いてあるの?」

モノクマ「オマエラが勝手に、論点を修学旅行中に置いていただけでしょ?」

モノクマ「ボクはル―ルを破ってないし、詐欺でもなんでもないよ?」


田中「つまり貴様は…ル―ルを破らない限りは、どんな卑怯な手も使えるということか。」

モノクマ「まあといっても、一応抜け穴は用意していたんだけどね。」

小泉「え?」


澪田「なにをわけのわからないことを言ってんすか!!」

澪田「絶対に許さないっすよ!!凪斗ちゃんや千秋ちゃんを“理不尽”に殺して…!!」






モノクマ「…は?“理不尽”?」



澪田「えっ…」




小泉「…?」



小泉(なに、今の…。)



小泉(今、モノクマは…)


小泉(怒った、の…?)




田中「落着け、澪田。それよりも、抜け穴とはなんだ?」


澪田「そ、そんなのきっと、モノクマちゃんが適当言ってるだけっすよ!!」

澪田「前回の裁判は無理難題だったと断言してくれた方が、まだスッキリするっす!!」



小泉(無理難題…?本当にそうだったのかな…?)




PHASE3 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


7.モノクマのテコ入れ

8.2つの事件のル―ル

14.左右田の情報



澪田「【修学旅行の前に殺されていた人間の学級裁判を開く】なんておかしいっすよ!!」

澪田「だってそんなの、[犯人を突き止めようがない]んすから!!」


モノクマ「うぷぷぷぷ…本当にそうなのかな?」

モノクマ「皆が[大事なヒントに気付かなかった]だけじゃないの?」


小泉「そのヒントって、子供の死体を調べていたら見つけられたものなの?」

モノクマ「さあ、どうでしょう!!」

澪田「そもそも、【死体は見るも無惨な状態だった】んすから…」

澪田「【死体を調べようがなかった】んすよ!?」

田中「【現場の周りにも、犯人を特定できそうな証拠はなかった】な。」


田中「それか、この[ジャバウォック島のどこかに証拠があった]のか?」

田中「それこそ、[千里眼でもないと判別不可能な証拠だった]のだな!!」


澪田「しかし、その【犯人ってのは、眼蛇夢ちゃん】なんすよね。」

澪田「証拠があったらあったで、反応に困ってたっすね!!」

小泉「そんな陽気に発言するようなことじゃないと思うんだけど…」


澪田「それか、[凪斗ちゃんの幸運を頼って投票すればよかった]んすかね?」



小泉(ひょっとして…前回の裁判で勘違いしていた“アレ”が重要になるのかも…)



安価↓1




不正解


田中「ふん…。それの何が、犯人につながるのだ?」

小泉(しまった。間違えたみたいだ。)



小泉(確かモノクマは、アタシ達のロジックを正しい方向に誘導するために、何らかの行動を起こすといっていたな…。)



安価↓1




正解



[大事なヒントに気付かなかった]←モノクマのテコ入れ


小泉「そうかもしれない…。」同意


BREAK!!



小泉「アタシ達はもしかして、モノクマが提示するヒントに気付いてなかったんじゃないかな?」

澪田「モノクマが提示するヒント…?唯吹たちがまだ認知していない話があるんすか?」

小泉「多分…。それは…」



1.モノクマファイル[5]

2.死体発見アナウンス

3.希望病



安価↓1




正解



小泉「これで証明できる!!」解



小泉「死体発見アナウンス…。」


小泉「グッズ倉庫で子供の死体を発見したときに流された、死体発見アナウンスに…」

小泉「犯人を突き止めるヒントがあったんじゃないのかな?」


澪田「前回の裁判では蜜柑ちゃんのアナウンスだと思っていたから、大して考慮に入れてなかったっすね…。」

澪田「それで、それのどの部分に着目するんすか?」




小泉「アナウンスが流れる前に、何人が子供の死体を発見していたかを考えようよ。」



田中「まずは、七海が最初に発見したのだったな。」

澪田「その後に、眼蛇夢ちゃんが発見したんすよね。」

田中「そして最後に俺様、狛枝、小泉、澪田の4人で発見した。」


田中「ここで、死体発見アナウンスが流れたということだ。」




澪田「唯吹たち4人が一斉に見る前には千秋ちゃんと眼蛇夢ちゃんの2人しか見ていないから…」

澪田「特に問題はないんじゃないんすか?」


小泉「いや…。その前に、もう1人死体を発見していた可能性がある…。」

澪田「え?誰っすか?」



怪しい人物を指名しろ



安価↓1




不正解


小泉「モノミってのは、どう?」

澪田「真昼ちゃん。まさかそれ、本気で言ってんの?」

小泉「…ごめん。」


小泉(えっと…。確かグッズ倉庫にずっといた奴が…)



安価↓1




小泉「確か…。グッズ倉庫には、狛枝がいたのよね…。」

田中「そうか…。ならば、狛枝が子供の死体を発見していた可能性があるな。」


モノクマ「その通り!!小泉さんたちが発見する前に、狛枝クンはあの死体を発見していたんですよ~!!」




澪田「つまり千秋ちゃん、凪斗ちゃん、眼蛇夢ちゃんの3人が死体を発見していたけど…」

澪田「死体発見アナウンスは流れてなかったってことっすね?」

小泉「うん…。発見した3人の中にクロがいることをモノクマはほのめかしていたんだよ。」


田中「つまりグッズ倉庫の扉の仕掛けは、小泉達を呼ぶだけではなく…」

田中「俺様だけに、子供の死体を見せるための罠でもあったということか…。」


モノクマ「大変だったんだよ?うまく3人だけに死体を発見させるのは。」

モノクマ「ボクの努力を、少しくらいは労ってほしいですな!!」




澪田「でも…なんで凪斗ちゃんは、目撃していたことを言い出さなかったんすかね?」


小泉「多分それを言い出していたら、前回の裁判で…」

小泉「死体発見アナウンスの矛盾にアタシ達が気づいてしまうかもしれなかったから…。」


小泉「そうしたら、田中に疑いの目が行くということが狛枝には分かっていたんだよ…」




小泉(つまり、狛枝は…)


小泉(最初っから、前回の裁判を間違った結論に導くつもりだったのか…。)





田中「待て。その死体発見アナウンスだけでは…」

田中「俺様、七海、狛枝の3人の中にクロがいることしかわからんぞ?」


小泉「そこから黒幕の意図を読めば、3人の中から割り出せたんじゃないのかな?」

澪田「黒幕の意図っすか…?」


小泉「黒幕が前回の事件で一連の偽装工作を行った理由…。」

小泉「それは、コロシアイ修学旅行を終わらせる以外にも理由があったんじゃないのかな?」

澪田「他の理由?なんすかそれ?」




1.学級裁判を開く

2.クロを殺す

3.邪魔な存在を殺す



安価↓1





小泉「これで証明できる!!」解


小泉「前回の学級裁判。黒幕の思惑通りに行けば、クロだけが卒業していたんだよね。」

小泉「でも…その“卒業するクロ”は、誰でもよかったのかな?」

田中「黒幕にとって脅威となりうる人間は、生き残らせるべきではないな。」


小泉「そう。つまりコロシアイ修学旅行を終わらせるとともに、黒幕は厄介な人物を処分したかったんだよ。」

澪田「それが凪斗ちゃんと千秋ちゃんだった、ってことっすか…。」




田中「裏切り者の七海は、黒幕に接近可能な情報を多く持ち合わせていた。」

田中「狛枝は、我らよりも数段頭がきれる。」

田中「確かに、黒幕にとっては不都合な存在だったわけだ。」


小泉「そして見事に、黒幕の思惑通りに話が進んじゃったってことなんだ…。」


モノクマ「うぷぷぷぷ…出る杭は打たれる。」

モノクマ「逆に言うと、出ない杭は打たれないんだよ!!」


モノクマ「つまりオマエラは、無能だったからこそ生き残れたってこと!!」




澪田「ふふん、そんな挑発にはもう乗らないっすよ!!」

澪田「これで前回の事件の謎も大体解けたし、黒幕に一歩近づいたはずっすよ!!」

モノクマ「ふ~ん。どう近づいたのかな?ぜひ教えてほしいもんだね!!」


澪田「そんなの、ロンパ要員の唯吹にはわからないっすよ!!」

小泉「ついに自分で言っちゃったよ!!」




澪田「真昼ちゃんだってその眼帯をネタにできる位じゃないと、この先やっていけないっすよ!!」


田中「確かに。事情を知らない人間がその眼帯を見た場合…」

田中「妙なコスプレをしている、痛々しい妄想壁がある女だと思われるぞ。」

小泉「アンタにだけはそれを言われたくない!!」




田中「冗談はこれくらいにするか。議論を再開するぞ。」


澪田「あと残っている謎と言えば…」

澪田「前回の事件で、何で唯吹までクロになったんすかね?」


田中「それは相変わらずさっぱりだな…。」

田中「5回目の学級裁判の後から熟考してきたが…」

田中「被害者も特定は不可能で、澪田を生かした黒幕の意図も謎に包まれたままだ。」




澪田「黒幕の意図…。」

澪田「話はそれるけど…黒幕の素性って、漠然とでもわかってないんすか?」

小泉「黒幕の素性が分かれば、その意図もわかるかもしれないからね。考えてみよっか。」


田中「黒幕の素性か。」

田中「恐らくだが…“絶望のカリスマ”と呼ばれており、未来機関を利用して我らに殺し合いをさせている人間だ。」




澪田「絶望のカリスマ…?それって、江ノ島盾子って人じゃないんすか!?」

小泉「確かにいろんな資料に載っていて、千秋ちゃんも彼女について言及していたけど…」


澪田「なら、黒幕が江ノ島盾子っていう可能性もあるんじゃないんすか!?」

モノクマ「しまった!!バレた!?」



小泉(江ノ島盾子が黒幕の可能性か…。一応この点について議論してみよう。)





PHASE4 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


22.監視カメラとモニタ―

4.修学旅行の参加者

19.コロシアイ学園生活

18.希望更生プログラム



澪田「[今もモノクマちゃんを操っている黒幕は江ノ島盾子]なんじゃないんすか!?」

モノクマ「な、なに言ってんのさ!!そ、そんなのあるわけないじゃん!!」

澪田「あ!!今モノクマちゃん噛んだ!!それって嘘をついている証拠なんすよ!!」


小泉「でも…修学旅行の参加者って、資料に載っていた16人だけなんじゃないの?」

田中「あの資料には【江ノ島盾子の名などは記載されていなかった】な。」

澪田「そんなの、【死体の参加者がアリ】だったんだから…」

澪田「[他にも抜け穴がある]に決まってるっすよ!!」


田中「そもそもほとんどの資料が、江ノ島盾子が既に亡きものであることを前提としているようだが…」

澪田「死んだと思っていたけど生きている可能性だってあるんじゃないんすか?」

澪田「だって、江ノ島盾子の死を【世界中の人が確認したわけでもない】だろうし…」

澪田「唯吹自身がこの目で【江ノ島盾子の死を見届けたわけじゃない】からね!!」


モノクマ「違うよ―!![江ノ島盾子は間違いなく死んでる]んだよ―!!」

田中「いっそのこと、[江ノ島のアルタ―エゴが黒幕]でFAだな。」

小泉「なんの話をしてんのよ、アンタ…。」



小泉(アタシの考えが正しければ前回の殺し合いには、今回の殺し合いと同じものが存在したはず…)



安価↓1




論破するときは、言弾と打ち込む場所の2つを書いてください。

あと、19の言弾はミスリ―ドですよ。



安価↓1




正解



【世界中の人が確認したわけでもない】←監視カメラとモニタ―


小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!



小泉「もしかすると江ノ島盾子の死は、世界中の人に確認されたんじゃないのかな?」

澪田「え…?どういうことっすか?」




小泉「島中に大量に存在する監視カメラとモニタ―…。」

小泉「おそらくこれによって、アタシ達の殺し合いは全国に放送されているんだよね?」


田「ええ!?全国に!?やばい、今の唯吹の髪型ちゃんときまってるっすか!?」

田中「常時ドリルの人間が、今さら何の羞恥心に目覚めたというのだ。」




小泉(つまり、アタシの引きこもり生活も…)


小泉(あまり気にしないほうがいいなこれは。)




小泉「今回の殺し合いに監視カメラとモニタ―があるんだから…」

小泉「前回の殺し合いにも監視カメラとモニタ―はあったはずだよ。」


田中「今の“絶望のカリスマ”が、“元絶望のカリスマ”である江ノ島盾子の遺志を受け継いでいるのなら…」

田中「おそらく間違いあるまい。」




小泉「前回の殺し合いは、全国ネットで放映されていたことは確定だよね。」

小泉「その状況で江ノ島盾子が死んだのなら、全国の人々に江ノ島盾子の死は隠しきれないよ。」


田中「つまり、江ノ島盾子は間違いなく死んでいる。」

田中「黒幕では有り得ないということか。」




モノクマ「さっきからそう言ってるじゃん。クマの話はちゃんと聞きなさい!!」

澪田「モノクマちゃんはいちいち信用できないんすよ!!」


モノクマ「はぁ~。最近の人ってこう、信じる心みたいなものをなくしているよね…。」

モノクマ「オマエラ、石橋を叩いて真っ二つにするタイプなの?」

モノクマ「クマとして、遺憾の意を表するよ。」


田中「モノクマは無視して議論を続けるぞ。」

モノクマ「ショボ-ン」




今日はここまで。




再開



澪田「ところで、さっきの眼蛇夢ちゃんの話で気になったんすけど…」

澪田「『未来機関を絶望のカリスマが操っている』って、どういう意味なんすか?」


モノクマ「簡単でしょ?未来機関を扇動してオマエラに殺し合いをさせている黒幕は、“絶望のカリスマ”ってこと!!」




澪田「えっと…。ちょっと待つっす!!」

澪田「それじゃあ唯吹たちを陥れた張本人は、未来機関ってことになるじゃないっすか!!」

澪田「黒幕ってのは、“超高校級の絶望”の1人じゃなかったんすか!?」


モノクマ「わからないかな…。要するにオマエラは未来機関に見捨てられたってことだよ。」

澪田「そ、そんな…。未来機関すら唯吹たちの敵なら、唯吹たちは誰を頼りにすればいいんすか…?」



小泉(未来機関はアタシ達の敵…?本当にそうなのかな?)




PHASE5 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


12.カムクライズルの独白

18.希望更生プログラム

15.2人の演説



モノクマ「未来機関はオマエラを見限ったんだよ!!」

澪田「そんな…!?[未来機関は唯吹たちの味方]じゃなかったんすか!?」

澪田「だって、【唯吹たちを更生する為に】希望更生プログラムを適用してくれたんだよね!?」

小泉「1番最初の段階では、その予定だったみたいよ。」

田中「それが、急きょ路線変更を行ったようなのだ。」


澪田「ど、どうして…!?もしかして、何か[きっかけがあった]んすか!?」

澪田「唯吹が[所構わずヘドバンの練習をしていたのが気にくわなかった]の…!?」

田中「それか、俺様の全身から噴き出す[瘴気に未来機関もあてられて]しまったか…。」

小泉「田中、いちいち便乗しなくていい。」


モノクマ「そもそも“超高校級の絶望”であるオマエラは、[何をされようと文句言えない]んだよ!!」

澪田「じゃあ、[未来機関は唯吹たちの死を望んでいる]ってこと…?」

澪田「ってことは、【黒幕も未来機関の一員】なんすか!?」

田中「さあ、どうだろうな。」




小泉(未来機関が敵か味方か…。見誤らないようにしないと。)



安価↓1




あくまで2次創作なので気にしない。



正解



[きっかけがあった]←2人の演説



小泉「そうかもしれない…。」同意



小泉「多分、未来機関は本当の意味での敵ではないと思うよ。」

小泉「未来機関を他の何者かが操ったと考えられるんじゃないかな?」

澪田「他の何者か…?それが黒幕だよね。」




澪田「でも…未来機関って結構おっきそうな組織なのに、どうやって操ったんすか?」


小泉「前回の殺し合いで生き残った6人のうち2人を抱き込んで、その2人に狂気的な演説をさせた人物がいるんだよ。

小泉「そうすることで、希望更生プログラムをコロシアイ修学旅行に発展させたんだ。」

澪田「それが、“絶望のカリスマ”…。」




澪田「じゃあ…絶望のカリスマと黒幕って、やっぱり同一人物なんすね?」


田中「絶望のカリスマに感化された人間は、自分の意思を失うらしい。」

田中「そして、演説をした2人の突然な変貌…。」

田中「2人を洗脳する手口といい、これは“絶望のカリスマ”の仕業とみて間違いない。」


小泉「未来機関が敵視している“絶望のカリスマ”、よね…。」

小泉「ということは、黒幕が未来機関の一員であるとは考えにくいよ。」

小泉「やっぱり…“超高校級の絶望”の1人、“絶望のカリスマ”が真の黒幕だと思うよ。」




澪田「黒幕は、1つの組織を丸ごと洗脳できるほどの能力の持ち主なんすね…。」


澪田「じゃあ敵は未来機関じゃなくて…」

澪田「それを無理やり操って、唯吹たちに殺し合いをさせている黒幕ただ1人なんすね!!」


小泉「うん。間違いないよ。」




澪田「でも…肝心の黒幕って誰なんすか?」

田中「何度も言っているが、江ノ島盾子の遺志を受け継いだ“絶望のカリスマ”だ。」


澪田「う~む…。そういうレッテル張りみたいなフレ―ズじゃなくて…」

澪田「もっと、直接黒幕につながる手がかりはないんすか?」




小泉「う~んと…。黒幕は、今もこの島のどこかでモノクマを操っているんだよね。」


小泉「で。この島にいる人間は、修学旅行の参加者だけみたいだから…」



小泉「…」



澪田「ん?真昼ちゃん、口ごもってどうしたんすか?」




田中「認めたくはないが。」

田中「我らに殺し合いを強いり、数多の犠牲を払わせた元凶は…」






田中「最初にこの島に共に乗り込んだ16人の中にいるということだ。」



澪田「えっ!?」




モノクマ「うぷぷぷぷぷ…その通り!!」


モノクマ「“絶望のカリスマ”は、修学旅行の参加者に紛れてジャバウォック島にやって来たんだ。」


モノクマ「そして、コロシアイ修学旅行というゲ―ムに参加して…」

モノクマ「今も、生きてるよ。」




澪田「そ、そんな!?」


澪田「だって今も生きている可能性があるのって、ここにいる3人の他にはもう猫丸ちゃんしかいないんすよ!?」

澪田「2人は、猫丸ちゃんが黒幕だって言うんすか!?」




小泉「いや、弐大が黒幕とは考えられないよ。」


澪田「えっ…!?」


澪田「どうしてっすか!?だって…黒幕の可能性があるのって、猫丸ちゃんだけだよね?」

澪田「ここにいる3人には、モノクマちゃんを操作できないんだし…」




小泉「ん~…。むしろ唯吹ちゃんが1番、弐大が黒幕だと疑っているような気がするけど?」


澪田「あっ…。」



澪田「すまねっす!!仲間の猫丸ちゃんを疑うなんて…唯吹、どうかしてるっすね。」


小泉「はは、疑うこと自体は仕方ないよ。」

小泉「でも…弐大はきっと、信用できる人間だよ。」





モノクマ「ふ~ん…。どうしてそう言えるのかな?」


小泉「え?」



モノクマ「ちょうど小泉さんの話を聞いているだけなのも飽きてきた頃だし。」

モノクマ「そろそろボクにも反論させてもらおうかな。」









モノクマ「ホントにいいのかねぇ…。」反論




モノクマ「弐大クンが黒幕じゃないって主張するなら、ボクを打ち破ってからにしろ~!!」



小泉「何のマネだか知らないけど…」


小泉「やってやろうじゃないの!!」




PHASE6 反論ショ―ダウン(VSモノクマ)開始!!



言刃:(>>328>>329>>330>>331


24.今までの犠牲者

4.修学旅行の参加者

21.絶望のカリスマ




モノクマ「ボクは弐大クンが黒幕だと思うね!!むしろ他の可能性を考えられないね!!」


モノクマ「小泉さんも見たでしょ?みんなの死体を。」


モノクマ「あの中には、弐大クンの死体がなかったよ!!」


モノクマ「修学旅行の参加者を載せた資料には、【もう穴はなさそう】だしね。」


モノクマ「ってことはここにいる3人の他に生きている可能性があるのって、もう【弐大クン以外にはいない】じゃん!!」




発展!!



小泉「5回目の事件では黒幕がいろいろと偽装工作をしているんだよ?」


小泉「なら、5回目の事件に関与しない弐大が黒幕だとは思えない。」


小泉「だって弐大が5回目の事件に関与しないって言ったのは、ほかでもないアンタよ!!」





モノクマ「そもそも、前回の裁判での小泉さんの推理が間違ってるんじゃないの?」


モノクマ「だってあんなに自信満々だったくせに、不正解だったしさ!!」


モノクマ「[黒幕が偽装工作をしたっていうこと自体が間違っている]のかもよ!!」



モノクマ「それに、弐大クンが本当に関与しないって言えるの?」


モノクマ「【ソ―スはボクの証言だけ】ですよ?本当に信用できるの?」


モノクマ「クマの言うことを疑うこともなく信用する人間!!こいつは傑作だ!!」




発展!!



小泉「アンタの証言以外にも、ちゃんと根拠がある!!」


小泉「弐大が黒幕じゃないっていう証拠がね!!」



モノクマ「へぇ…。なんだろうね、それ!!ボクにも教えてほしいクマ!!」


モノクマ「あの巨漢である弐大クンが黒幕でないと断定できる根拠なんてあるのかねぇ。」


モノクマ「だって弐大クンって、いかにも黒幕らしいじゃん!!」



モノクマ「ほら、弐大クンって修羅の人ってイメ―ジが強いし…」


モノクマ「アクションゲ―ムでは、【漢の中の漢が黒幕】っていうのは定番だよ!!」



モノクマ「まてよ。そうだとしたら、ラストでキミは弐大クンとバトらないといけないの?」


モノクマ「こりゃあムリゲ―だね!!【アリ対ゴリラくらい無謀な挑戦】だね!!」



安価↓1




不正解


モノクマ「ああもしかして、罪木さんのことを言ってるの?」

モノクマ「でも…あの焼死体を見て、まだ生きてるなんて思ってんの?」


小泉(確かに…。あんな状態で、生きているわけないか。)



小泉(あ。なんか、答えが既に出てるような気がするな…。)



安価↓1




正解



【漢の中の漢が黒幕】←絶望のカリスマ


小泉「その言葉…斬らせてもらうよ!!」論破


BREAK!!



小泉「いや…。黒幕は、男の中の男なんかじゃない。」


モノクマ「コラ―!!漢字が違う!!“男”じゃなくて“漢”!!」

小泉「どうでもいいよそんなこと!!」


モノクマ「はぁ…。夢がないというか…。ノリが悪いというか…。冷めているというか…。」




澪田「でも、真昼ちゃんの言っていることは正しいっすよ!!」


澪田「黒幕なんてル―ルの隙間をぬってくるようなせせこましい人間だし…」

澪田「きっとキンタマもついてないような臆病で小心者の人間のはずっす!!」


小泉「ちょ、ちょっと!!下品なこと言うのやめてよ!!唯吹ちゃんは女の子でしょ!!」




田中「しかし…。奇しくも、澪田の発言は的を得ているな。」

澪田「へ?」


小泉「未来機関が今のところ突き止めている、絶望のカリスマに関する情報なんだけどね。」

小泉「“超高校級の母”なんて二つ名からもわかるとおり、“絶望のカリスマ”は女性なんだよ。」


小泉「弐大は男子だから、黒幕では有り得ないよ。」




澪田「猫丸ちゃんが実は女の子っていう可能性は…」


田中「ない。」

小泉「ないよ。」

モノクマ「ないクマ。」


澪田「モノクマちゃんにまで否定されちゃったよ…。」




田中「澪田の戯言はともかく、黒幕が雌ということが分かれば黒幕もだいぶ絞れそうだな。」

澪田「えっと…。女子で今も生きているのって、唯吹と真昼ちゃんだけっすか…?」




澪田「え…!?」

澪田「ま、まさか黒幕って…」



澪田「真昼ちゃん?」



小泉「え?ちょ、ちょっと。なんでそうなるのよ。」


澪田「だ、だって…唯吹でもなかったら、もう真昼ちゃんだけしか……」




モノクマ「あちゃあ!!もしかしてバレちゃった!?」


小泉「は、はあ!?なにいってんのよアンタ!?」

小泉「ち、違うよ!!アタシは“絶望のカリスマ”なんかじゃない!!」


モノクマ「だって“超高校級の母”なんて、いかにも小泉さんらしいフレ―ズじゃん!!」

小泉「ア、アタシの場合はただ、皆がからかってそう言っていただけでしょ!!」


澪田「い、唯吹は、何を信じればいいんすか…?」




田中「とりあえず、落ち着け。」

田中「小泉は黒幕ではない。」

澪田「え?」



田中「そもそも、モノクマは今も誰かに操作されている。」

田中「そこにいる小泉が操作しているようにはとても見えんぞ。」


澪田「実はモノクマちゃんは、完全な自我を持っているAIなのかも…。」

小泉「そ、そんなオ―バ―テクノロジ―、認めるわけにはいかないよ!!」




田中「決定的な証拠は、5回目の事件だ。」

田中「あの時黒幕は、小泉をベッドに縄で拘束している。」

田中「自分で自分を縛り付けるなど不可能だ。」


澪田「あっ…。そっか。」

澪田「じゃあやっぱり、真昼ちゃんは黒幕じゃないんすね…?」


澪田「でも、それじゃあもう可能性が…」





モノクマ「澪田さん。自分のことを忘れてない?」



澪田「へ?」




モノクマ「黒幕は女子…。今生きている女子は小泉さんと澪田さんだけ。」

モノクマ「小泉さんが黒幕じゃないのなら、澪田さんが黒幕なんじゃないのかな~。」


澪田「そ、そんなわけないっすよ!!」

澪田「だ、だって、唯吹が黒幕だなんて、そんな…!!」




モノクマ「それに、前回の学級裁判。どうして澪田さんは助かったのさ?」

モノクマ「被害者もわかっていない事件のクロである澪田さんは、信用できませんな!!」

澪田「ち、違うっすよ!!これは何かの間違いっすよ!!2人は信用してくれるよね!?」



モノクマ「でも、澪田さんは前科があるからね~。」

澪田「あれ!?そうだっけ!?」

モノクマ「忘れちゃったの澪田さん?3回目の事件でヒャッハ―したじゃない。」


モノクマ「あ~あ…。やっぱり、黒幕は澪田さんですね。」

澪田「そ、そんな…。」




田中「しかし、澪田を黒幕とする明確な根拠も存在しない。」

田中「この話は一旦保留にするぞ。」

モノクマ「おろろ?保留って、どういうことさ?他に何を話すっていうのさ?」


田中「当然、別の根拠だ。」

田中「それも、澪田ではない別の人間が黒幕だという根拠…。」



小泉「そんな根拠があるの?田中は、どうやってその根拠に気付いたの?」


田中「…奴の遺言通りに思考を巡らせた。そうすると、一筋の光が俺様を照らしたのだ。」

田中「ふん。さすがは狛枝、と言っておこう。奴の頭脳は目を見張るものがあった。」




澪田「え、えっと。唯吹が黒幕じゃないって証明してくれるのはうれしいんすけど…」

澪田「唯吹たち2人の中にも黒幕がいないのなら、もう可能性はないっすよ?」



田中「いや…。まだあるはずだ。」

田中「コロシアイ修学旅行に参加した雌は、8人いたのだぞ?」


澪田「でも…唯吹と真昼ちゃん以外の6人の女子は、みんな犠牲になっちゃったし…」





田中「本当にそうなのか?」

澪田「へ…?どういうことすか?眼蛇夢ちゃんは、何が言いたいんすか?」





田中「死んだと思われていた人間の中に、実は生きている人間がいるということだ。」


小泉「!!」




澪田「え…!?」


澪田「いやいや、そんなわけないっすよ!!」

澪田「だって今までの女子の犠牲者6人の中に、死体を偽装できそうな人なんかいなかったし…」





小泉「…田中には、その人物にアテがあるの?」


田中「なんとなく、だが…」

田中「この人間ではないか、と思い浮べている人物ならいる。」

澪田「ええええ!?誰っすか、それ!!」



田中「…これは、小泉が突き止めたほうがいい。」

田中「そうでないと、恐らく小泉は納得しないだろう。」


小泉「…」




モノクマ「へえ。田中クンはもうわかっているのかな?」

モノクマ「さすが、20日も考える時間があっただけはあるね!!澪田さんとは大違いだよ!!」


澪田「唯吹のことはいいんすよ!!とにかく、この2人がきっと何かをつかんでるはずっすよ!!」

澪田「2人とも、頑張れ!!唯吹は応援してるっす!!」


小泉「そんなので大丈夫なのかな、唯吹ちゃんは。」

小泉「この先の議論にちゃんとついて行けるのか不安だよ…。」




今日はここまで。




再開



田中「まあいい。ここまでの議論で判明したことは、黒幕が雌であること。」


田中「そして、いかなる状況でも黒幕は校則を破らないということだな。」

小泉「でも、ル―ルの範囲内なら何でもするような狡猾な人間だってこと…。」


澪田「ええ!?それだけっすか!?黒幕に直接つながるような手がかりはなかったんすか!?」




田中「いや…間違いなく存在するはずだ。」


田中「死体発見アナウンスによって犯人を特定する…。」

田中「いつぞやの裁判で、同様の方法をとらなかったか?」


小泉「それは、確か…。」



1.2回目の裁判

2.3回目の裁判

3.4回目の裁判



安価↓1




正解



小泉「そっか…!!」解


小泉「3回目の学級裁判…。だったよね?」

澪田「え…?3回目の事件を今さら掘り返して、何の意味があるんすか?」


田中「当然、3回目の事件を煮詰めなおすことが、黒幕に直接つながることになるからだ。」

澪田「ええ!?なんでっすか!?」


小泉「多分、話していくうちにわかると思う。」




澪田「そうっすか…。仕方ないから唯吹も頑張るっすよ!!」



小泉(あまり気のりそうじゃないな、唯吹ちゃん…。)


小泉(それもそうだよね。)


小泉(だって唯吹ちゃん、3回目の事件ではあんなことをしちゃったんだから…。)




小泉(でも、そのことを気にしている場合じゃない。)


小泉(だって、黒幕を突き止めなきゃ…)




小泉「じゃあまずは、3回目の事件における被害者から考え直してみよっか。」

小泉「3回目の事件。1番初めに犠牲になったのが、モノクマファイルを渡されなかった…」



1.西園寺

2.罪木

3.豚神



安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「蜜柑ちゃんだったよね。蜜柑ちゃんの自殺が、3回目の事件の発端だったんだ。」

澪田「ライブハウスで、首を吊っていたんすよね…。」


澪田「思い出すと、おぞましいっすよ。」

澪田「唯吹自身が起こしてしまった事件もそうだけど…」




田中「罪木の遺書は黒幕の偽装だったな。罪木の自殺の原因は、今のところはわからんか。」

小泉「じゃあ…蜜柑ちゃんの話は置いて、次の話に行こう。」


小泉「次に、犠牲になったのが…」



1.豚神

2.罪木

3.西園寺



安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「日寄子ちゃん…。」

小泉「たしか、ライブハウスの柱に磔にされていたんだよね…。」


澪田「…」




田中「…2人が殺された順番は罪木、西園寺の順番だな。」

小泉「うん…。被害者はこの2人だよね。」


小泉「それで…蜜柑ちゃんのクロは、蜜柑ちゃん自身。」

小泉「日寄子ちゃんのクロは、豚神だったよね。」




田中「これで被害者と加害者の関係はわかったな。」

田中「では、次は死体発見アナウンスについてもう1度考え直すぞ。」


小泉「確か2人の犠牲者が出たにも関わらず、1回しかアナウンスが流れなかったよね。」

小泉「そしてそれは、誰のためのアナウンスだったかというと…」



1.罪木

2.子供の死体

3.西園寺



安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「蜜柑ちゃんのための死体発見アナウンスだった…。」

田中「ああ。よって、罪木の死体を発見した人間について考えるぞ。」



小泉(この議論で…黒幕に1歩近づくことができるのかな…?)




PHASE7 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


2.死者の参加

4.修学旅行の参加者

7.モノクマのテコ入れ

8.2つの事件のル―ル



澪田「【最初に蜜柑ちゃんが首を吊った】んすよね…。」


田中「その後、【豚神がその死体を発見】した。」


小泉「この時点ではまだ、豚神はシロだったんだよね。」

田中「ああ。つまり【豚神も発見者の中に含まれていた】のだ。」

田中「その後に【ライブハウスに訪れた西園寺】を殺すまでは、な…。」


澪田「【クロになると、発見者から除かれる】ケ―スが多いんすよね。」

澪田「今までの事件でクロが発見者に含まれたケ―スはあるんすか?」

モノクマ「ありませんね。今までのすべての事件で、【クロは発見者から除かれて】います。」


田中「つまり、豚神を除くと【第一発見者は澪田だった】ということか。」

澪田「怖かったっすよ。蜜柑ちゃんと日寄子ちゃんの死体を同時に見ちゃったから…。」


澪田「その後に、白夜ちゃんと一緒に【真昼ちゃんは蜜柑ちゃんを発見した】んすよね。」

小泉「この時点では、まだ死体発見アナウンスは流れていないよね。」

田中「クロを除く発見者が、【澪田と小泉の2人しかいない】からな。」

澪田「【必要な発見者は、3人のシロ】だから、まだ足りてないんすね。」


田中「そして最後に、【弐大が3人目の発見者】となり、アナウンスが流れたのだな…。」

澪田「う~ん…。矛盾点なんか、見つかったっすかね…?」



小泉(どこか…どこかがおかしいような気がする…)



もしかしたら、かなり難しいかもしれない。



安価↓1


【ライブハウスに訪れた西園寺】→【第一発見者は澪田だった】



>>485が正解なので、こっちを取っちゃいます。




【第一発見者は澪田だった】←ライブハウスに訪れた西園寺



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!



小泉「第一発見者が唯吹ちゃん…?本当にそうだったのかな?」


田中「…」




澪田「ど、どういうことっすか?唯吹以外に、誰が目撃していたっていうんすか…?」


澪田「ま、まさか、オバケとか…!?」

澪田「ぎゃぁああああ!!お祓いを受けないとヤベ―っす!!」


田中「誰もそのようなことは言っていない。小泉、話がややこしくなる前に言ってしまえ。」

小泉「うん…。唯吹ちゃんよりも早く蜜柑ちゃんの死体を発見していた人物。」




小泉「日寄子ちゃん…。」


小泉「日寄子ちゃんは、豚神に殺される前に蜜柑ちゃんの死体を発見しているはずだよね?」



澪田「あ。そういえば…」

澪田「ということはつまり、その場合…!!」




澪田「どういうことになるんすかね?」



小泉「豚神、日寄子ちゃん、唯吹ちゃん、アタシの4人が蜜柑ちゃんを発見したにも関わらず、
死体発見アナウンスが流れていないってことだよ。」



小泉「豚神は発見者に含まれていないことはわかっているけど…」

小泉「それでも3人が発見しているから、アタシが発見した時点でアナウンスが鳴らないとおかしいんだよ。」


田中「…」




田中「本当にそうか?」


小泉「え?」



田中「確かに、わずかな違和感を覚える程度ではあるが…」

田中「決定的におかしいと、断言できるほどの事なのか?」




小泉「…田中は、アタシの推理は間違っていると言いたいの?」

田中「ふん。そういう意味ではない。」



田中「ただ、真実が常に希望であるとは限らないということだ。」

小泉「…」



小泉(田中には田中なりの、考えがあるってことね…。)


小泉(でも…!!)




小泉「たとえ真実が絶望に塗れていたとしても…」

小泉「アタシ達は、そこにたどり着くべきよ。」


小泉「だって、前を向いて進むことをアタシに教えたのは…」



小泉「他でもない、アンタなんだから。」




田中「…そうか。」


田中「ならば…最後に1度だけ、俺様が貴様に立ちはだかってやろう。」










田中「インフィニティ・アンリミテッド・フレイム!!」反論




田中「真実にたどり着きたければ、俺様を踏み越えてゆけ!!」


田中「前に進むということは、何かを犠牲にすることに他ならないのだからな!!」




小泉「…言われたとおりにするわよ。」


小泉「たとえ、何かを失うことになっても…!!」




PHASE8 反論ショ―ダウン(VS田中)開始!!



言刃:(>>328>>329>>330>>331


17.黒幕

6.アナウンスに必要な3人

23.遅れて来た澪田

2.死者の参加




田中「確かに西園寺は、罪木の死体を発見していたようだが…」


田中「それが重要になってくるのか?」


田中「奴は死体を発見した【すぐ後に豚神に殺されている】。」


田中「【死んでいる人間は発見者に含まれない】のではないか?」


田中「だとしたら、発見者は小泉と澪田の2人となり、なにも不自然ではないぞ?」




発展!!



小泉「そうかな?日寄子ちゃんが現場にいたことを踏まえて考え直せば…」


小泉「やっぱり不自然な点が浮かび上がってくるはずだよ。」




田中「ふん。西園寺がいることによる矛盾点か…。」


田中「西園寺が殺される前に、誰かが罪木の死体を目撃していたということか?」


田中「【西園寺が生きている間は、豚神もシロだった】のだから…」


田中「そこに誰かもう1人がいれば、3人が発見しているのでアナウンスが流れないとおかしいのだな。」


田中「しかし、そのもう1人というのはいったい誰だ?」


田中「そんな人間、所詮【妄想の産物に過ぎん】。」




発展!!



小泉「アタシは妄想話をしたいわけじゃない…!!」


小泉「殺された後でも、日寄子ちゃんが発見者に含まれた可能性はある!!」




田中「西園寺が発見者に含まれる、だと…?」


田中「まさか貴様、【実は西園寺が生きていた】と言いたいのか?」


田中「貴様も見ただろう。磔にされていた西園寺を。」


田中「アレはとても、【死んだふりなどできるような状態ではなかった】ぞ。」


田中「それでも自身の意見を曲げぬのなら…」


田中「それこそ、【今世紀最大の妄言だ】というんだよ!!」



安価↓1




正解



【死んでいる人間は発見者に含まれない】←アナウンスに必要な3人



小泉「その言葉…斬らせてもらうよ!!」論破



BREAK!!



小泉「いや…。モノクマから聞いたんだけどね。」

小泉「死体を発見した人は発見後に死者になっても、例外なく発見者に含まれるらしいんだよ。」


田中「何だと…!?そんなル―ルがあったのか。」

田中「ではやはり、俺の仮説は…」


小泉「…」




澪田「えっと…。なんか2人だけの世界をつくってるところ悪いんすけど…」

澪田「結局今、議論はどういう流れなんすか?」


小泉「さっきも言ったけど、蜜柑ちゃんを発見しているのが日寄子ちゃん、唯吹ちゃん、アタシの3人いるのに…」

小泉「蜜柑ちゃんの死体発見アナウンスが流れていない謎について議論しているんだよ。」


小泉「3回目の事件の時点では、殺された日寄子ちゃんを発見者に含まないという理由で納得できたけど…」

小泉「モノクマが提示するル―ルによって、それでは説明がつかなくなってしまった。」




澪田「きっと、モノクマちゃんが気づかないうちにミスをしていたんすよ!!」

澪田「モノクマちゃんが修学旅行のル―ルに反したから、この修学旅行は強制終了っすね!!」


モノクマ「ボクはル―ル違反なんかしてませんよ!!」

モノクマ「ちゃんと、今までに提示したル―ルで説明が付くもんね!!」

澪田「本当っすか?モノクマちゃん、嘘ついてんじゃないんすか?」


モノクマ「まったく…。人を疑うより先に、自分の方を疑ったらどう?」

モノクマ「自分たちの推理の方が間違っているっていう考えにどうして行きつかないんですかね!!」

モノクマ「そんなのだから、前回の学級裁判は間違えたんですよ!!」




小泉「モノクマがここまで自信満々に言うってことは、やっぱりモノクマはル―ルを破ってないんだよ。」

小泉「だからそのル―ルの穴を考えてみようよ。」


澪田「う~ん…。蜜柑ちゃんの死体が偽物だったんすかね?」

田中「その場合は、罪木を発見した人物が何人であろうと死体発見アナウンスなど流れるはずもないな。」




小泉「いや…。やっぱりそれはないでしょ。」

小泉「だってアタシが発見した後に、弐大が発見したところで死体発見アナウンスが流れているんだから。」


澪田「子供の死体の時と同じで、違う人のアナウンスだったんじゃないんすか?」

小泉「蜜柑ちゃん以外では、日寄子ちゃんしか可能性はないけど…」

小泉「日寄子ちゃんのアナウンスは流れなかったってのは、3回目の事件の時に証明したよね?」


田中「ついでに、なぜ西園寺のアナウンスが流れなかったのかを再度確認しておくか。」

小泉「えっと。その理由は…」



1.モノクマが殺した

2.自殺だった

3.共犯者がいた



安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「共犯者のシロがいる場合、アナウンスは流れない…。」

小泉「3回目の事件では豚神の共犯者として唯吹ちゃんがいたから、日寄子ちゃんのアナウンスは流れなかったんだよ。」


澪田「じゃあ3回目の事件の時に鳴ったアナウンスは、日寄子ちゃんのためのアナウンスじゃないんすね…。」

澪田「ってことは…やっぱりあのアナウンスは、蜜柑ちゃんのアナウンスなんすね。」




小泉「そもそも、蜜柑ちゃんと日寄子ちゃんの死体を発見したときに…」

小泉「豚神が2人の体をくまなく調べていたから、死体が偽物だったら豚神にバレてるよ。」


田中「では、罪木の死体は本物ということか。」




田中「つまり、虚構なのは発見者の方だ。」



小泉「アタシの後に弐大が蜜柑ちゃんを発見したところで、アナウンスが流れたから…」

小泉「日寄子ちゃん、唯吹ちゃん、アタシの中の2人は発見者に含まれていたはずだよ。」


澪田「その2人と猫丸ちゃんを合わせて3人っすね。」




田中「逆に言うとその3人の中のうち、1人は発見者に含まれていないということだ。」


澪田「えぇ!?誰っすか、それ!!」




田中「それが誰なのかを知るには…」

田中「恐らく、なぜ発見者に含まれなかったのかを考える必要がある。」


澪田「…なんかそろそろ唯吹、話について行けなくなってきたっす…。」

モノクマ「そんなの、最初っからでしょ!!」


小泉「発見者に含まれない理由…。それは…」



1.死んでいた

2.クロだった

3.発見したときは、罪木は生きていた



安価↓1




不正解


田中「罪木が生きていた?」

田中「奴は首を吊っていたのだぞ?」



小泉(そっか…。首を吊ってても生きてるって、逆に怖いよ…。)



安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解



小泉「何かの事件のクロだった…。そうとしか考えられないね。」


澪田「“何かの事件”って…?具体的にどういう事件っすか?どうしてその事件の学級裁判が開かれなかったんすか?」

小泉「え、えっと…。その辺はまだ、良くわかんないな…。」


澪田「じゃあ肝心の、3人の中に混じっていたクロって誰っすか?」




モノクマ「きっと、澪田さんだよ!!」

モノクマ「だって澪田さんは、知らないうちにクロになっているような人だし!!」


澪田「え、ええ!?ち、違うっすよ!!唯吹は、誰も殺してなんかないっす!!」




小泉「うん、唯吹ちゃんは間違いなく除外できるよ。」


小泉「だって3回目の事件の時点では、唯吹ちゃんは豚神の共犯者だったから。」

小泉「共犯者は“シロ”のみがなる事ができるって、3回目の裁判でモノクマは言っていたからね。」


田中「少なくとも3回目の事件の時点では、澪田はまだクロではなかったということか。」

小泉「つまり、3回目の事件の時点でクロだったのは…」



1.小泉か西園寺

2.田中か澪田

3.罪木か豚神



安価↓1




正解



小泉「これで証明できる!!」解


小泉「アタシか日寄子ちゃんのどっちかだってことね…。」

田中「これで、2択までには絞ることに成功したようだな。」





澪田「しかし…被害者も凶器も犯行現場も全く知らない事件のクロを当てるってのも、なんか不思議な気分っすね!!」




モノクマ「へ?被害者も凶器も知らない?」

澪田「え?」





モノクマ「そいつは大きな勘違いだよ!!皆はその被害者を間違いなく見ているはずだよ!!」


モノクマ「ここにいる全員が!!その被害者が殺される瞬間もね!!」


澪田「嘘…?誰っすか、それ?そんなの、知らないっすよ…?」



田中「どうやら今度は、被害者についても考える必要があるようだな。」

田中「小泉と西園寺のどちらかがクロである事件の、被害者をな…。」




田中「3回目の事件が発生した時点での犠牲者は、謎の子供に加え…」


田中「日向、終里、九頭龍、辺古山、花村、罪木、西園寺…。」

田中「この8人だったな。」




小泉「日向は赤音ちゃんの被害者。九頭龍はペコちゃんの被害者。」

小泉「ペコちゃんは花村の被害者。蜜柑ちゃんは蜜柑ちゃん自身の被害者。」

小泉「日寄子ちゃんは豚神の被害者…だったね。」


小泉「前回の裁判で言っていたけど、モノクマファイルを渡されている被害者とクロの関係は絶対に変わらないのよね?」

モノクマ「うんうん、物覚えのいいチンパンジ―だね!!」




澪田「3回目の事件の時点でファイルが渡されていない被害者って、蜜柑ちゃんと謎の子供っすよね。」

澪田「でも唯吹たちは、2人が殺されている瞬間なんて見てないっすよね?」

澪田「やっぱりモノクマちゃんが嘘をついてるんじゃないっすか?」



小泉(…待った。)


小泉(もしかしてアタシは、肝心な被害者を忘れているんじゃないのかな?)




1.豚神と左右田

2.花村と終里

3.罪木と謎の子供

4.九頭龍と辺古山



安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解


小泉「ちょっと待って唯吹ちゃん。」

小泉「もしかすると、無意識のうちにアタシ達が選択肢から外している被害者がいるのかもしれない。」


澪田「え…?誰っすか、それ?」




小泉「花村と赤音ちゃん…。この2人のことを見落としていないかな?」


澪田「え?その2人は、クロとして処刑されたんすよ?」

澪田「被害者とは言えないと思うんすけど…」





小泉「黒幕に殺された、とは言えないかな?」



澪田「え?」


小泉「花村と赤音ちゃんは、『黒幕にオシオキされて殺された被害者』だって、言えないかな?」


澪田「な、なるほど…!!逆転の発想っすね!!」

小泉「使い方あってるの?それ。」




田中「それならつじつまが合うな。我ら全員が2人を殺される瞬間に立ち会っている。」

田中「それに、学級裁判が開かれないことにも納得がいく。」


澪田「つ、つまり、いま議論に上がっているクロは…」

澪田「黒幕と同一人物ってことっすか!?」


小泉「うん、多分。」




小泉「そしてその場合、クロはアタシじゃないって証明できるんだ。」

澪田「え?どうして?」


小泉「ほら、黒幕はアタシじゃないってのは前の議論で言及したじゃない。」

田中「黒幕は小泉を縄で縛っている、という点だな。」




田中「ならば間違いあるまい。」


田中「澪田は共犯者という点でクロからは除外され、小泉は黒幕でないという点でやはりクロからは除外される。」





澪田「…ちょっと待つっすよ。」


小泉「え?」




澪田「その話によると…」


澪田「黒幕の可能性があるのって、もう…」



モノクマ「…」




田中「…どうやら、澪田も気づいたようだな。」



田中「ならば、ここでハッキリさせておこう。」

田中「我らにコロシアイ修学旅行を強要し、数多の犠牲を払わせた張本人。」


田中「その、正体をな…。」



小泉「…」




小泉(そうだ。)




小泉(アタシにはもうわかっている…。)



小泉(わかって、しまっている…。)






小泉(死んだと見せかけて裏で暗躍している、真の黒幕。)




小泉(それは…)




小泉(彼女しかいない。)





怪しい人物を指名しろ




安価↓1




小泉「日寄子ちゃん…。」


小泉「いや…」





小泉「『西園寺日寄子』…。」




小泉「今も生きていて、モノクマを操っている黒幕。」


小泉「それは…」


小泉「彼女以外には、考えられない。」



小泉「彼女は“黒幕”だからこそ…処刑を行う張本人としてのクロとなり、蜜柑ちゃんの発見者に含まれなかったんだ。」




今日はここまで。




再開



モノクマ「…」



モノクマ「本当にそう?」


小泉「え?」



モノクマ「ボクの正体が『西園寺日寄子』だって?」

モノクマ「そんなわけないじゃ~ん!!」


澪田「ごまかしても無駄っすよ!!今までの話の流れからすると、黒幕の可能性があるのは彼女だけっす!!」




田中「いや…。それはまだ断定できん。」



澪田「え?」

田中「そうだと仮定すると、どうにも矛盾が生じてしまうのだ。」

澪田「矛盾…?なんすか、それ?」


小泉「それは多分…」

小泉「今のアタシの推理が正しいなら、黒幕の可能性があるのは日寄子ちゃんだけになるんだけど…」




田中「西園寺は間違いなく死んでいた。実際、モノクマファイルも渡されている。」


モノクマ「それに、裁判の前に見たでしょ?」

モノクマ「皆の死体の中にちゃんと、『西園寺日寄子』の死体があったじゃん!!」


澪田「おかしいっすよね…。」

澪田「そもそも、日寄子ちゃんは1回目の裁判にも2回目の裁判にも出席していたよね。」


澪田「そんな日寄子ちゃんが、モノクマを操ってオシオキなんてできるはずがないっすね…。」




小泉「じゃあやっぱり…」

小泉「アタシの推理は…間違ってたのかな…?」



澪田「そ、そんな!!あとちょっとで、黒幕の正体がつかめそうなのに!!」

澪田「ようやく黒幕が、シッポを見せ始めたところなんすよ!?」


モノクマ「あははははははは!!所詮オマエラはその程度の人間だよ!!」

モノクマ「こんなのじゃあ、ジャバウォック島から出す価値もないね!!一生ここで暮らそっか!!」


澪田「ぐぐぐぐぐぐ…!!」




田中「いや…。まだ、可能性はあるはずだ!!」

小泉「え?」


田中「“黒幕”と“クロ”が同一人物だと考えられないのなら…」

田中「両者を分けて考えてみればどうだ?」

小泉「分けて考える…?」




澪田「そんなことできるんすか!?」


澪田「黒幕は今もモノクマちゃんを操っている人だよね?」

澪田「今議論に上がっているクロはオシオキをした人だよね?」

澪田「どっちも黒幕にしかできないよ!!」


澪田「この2人が同一人物じゃないなんておかしいっす!!」

澪田「それこそ、黒幕が2人いないと…」




澪田「え?黒幕が2人?」


小泉「そっか…。」

小泉「黒幕が2人いたと考えると、矛盾を解消できるかも…!!」


澪田「でも、前回の学級裁判で証明したじゃないっすか!!黒幕は1人だって!!」

小泉「それは…」



1.1人サボってた

2.途中で1人になった

3.途中で1人増えた



安価↓1




正解



小泉「これで証明できる!!」解


小泉「途中で1人になったんじゃないかな?」

澪田「え?どうして黒幕が減るんすか?」


田中「修学旅行の途中で片方が死んだ、と考えるのが妥当だろう。」

澪田「えぇ!?」


小泉「つまり、修学旅行の開始時点では黒幕は2人いたけど…」

小泉「5回目の裁判の時点では、既に黒幕は1人になっていたってこと。」




澪田「で、でも…何で黒幕が死ぬんすか!?」


澪田「っていうか、いつ死んだんすか!?」

小泉「それは当然…」



1.最初の事件が起きる前

2.3回目の事件が起きた時

3.5回目の事件が起きる直前



安価↓1




正解


小泉「これで証明できる!!」解


小泉「3回目の事件…。」


小泉「被害者としてライブハウスにいたあの、『西園寺日寄子』は…」

小泉「“黒幕”の1人だったんだよ。」




澪田「え…!?じゃあ白夜ちゃんは、黒幕を殺していたんすか!?」


田中「どうかな。奴が黒幕の1人となると、むしろ…」

田中「奴が豚神に自分を殺させた、と考えたほうがいいかもしれんぞ?」

田中「リ―ダ―の豚神が欠ければ、コロシアイが起きやすくなるからな…。」


澪田「…」




モノクマ「ちょっとちょっと!!さっきからなに言ってんのさ!!」

モノクマ「黒幕が2人いた?有り得ないって!!」


モノクマ「みんなは忘れたの?」

モノクマ「最初にジャバウォック島にやって来た時、生きた参加者はちゃんと16人全員が顔をつきあわせたでしょ?」


澪田「確か修学旅行の参加者は、この資料に全員載っているんすよね。」




『日向創 予備学科  終里赤音 体操部

狛枝凪斗 幸運  七海千秋 ゲ―マ―

??? 詐欺師  ソニア ネヴァ―マインド 王女

田中眼蛇夢 飼育委員  西園寺日寄子 日本舞踊家

左右田和一 メカニック  ×小泉真昼 写真家

花村輝々 料理人  罪木蜜柑 保健委員

弐大猫丸 マネ―ジャ―  澪田唯吹 軽音楽部

九頭龍冬彦 極道  辺古山ペコ 剣道家』



澪田「これを見る限り、参加者は16人しかいないんすよね。」

澪田「じゃあ黒幕が2人ってのは、間違ってるんすか…?」




小泉「いや…。黒幕2人が最初から手を組んでいたとなると、修学旅行の参加者が16人だけとは言い切れなくなるんだ。」


小泉「だって…」



1.同姓同名の人がいる

2.死体の参加者がいる

3.16人以外の名前が載っている



安価↓1




不正解


澪田「死体の参加者がいたことは分かってるけど…」

澪田「死体がモノクマを操ったりできるわけないじゃないっすか!!」



小泉(もっともな意見だ…。)



安価↓1




不正解


田中「ここには16人の名前しか載ってないぞ。」


小泉「そ、そっか…。」



安価↓1




正解



小泉「これで証明できる!!」解


小泉「同姓同名の人間が2人いたとは考えられないかな?」


モノクマ「な、なに言ってんのさ!!そんな偶然、あるわけないじゃん!!」

澪田「た、確かにそれは、トンデモ話っていうか…」


小泉「確かに、そんな偶然があるはずがない。」




小泉「でも…」



小泉「『西園寺日寄子』だけは、それが可能なんだ…!!」



澪田「え…?」


小泉(だって、彼女は言っていた…。)


小泉(彼女には、“ある存在”がいるって…)




PHASE9 閃きアナグラム(改)開始!!



○げ○し○




安価↓1




かげむしゃ


小泉「よし、わかった!!」



小泉「黒幕のうちの片方は、影武者だったんだよ!!」

小泉「だから2人とも、同じ名前だったんだ!!」


澪田「か、影武者あ~!?」

モノクマ「もう、小泉さんってば!!そんな都合のいい物、存在するわけが…」





小泉「あるのよ。」


田中「…よほど自信があるのだな。その根拠はなんだ?」



小泉「根拠も何も…」


小泉「この島に来てから2日目に、アタシは聞いたんだよ。」

小泉「自分には、影武者がいるって…」





小泉「日寄子ちゃん…アナタ自身がアタシに教えてくれたんだよ!!」



モノクマ「…」


田中「…否定は、しないようだな。」




澪田「あのぉ~。ちょっと気になったんすが…」

田中「どうした?」


澪田「今までの話をまとめると、修学旅行が始まった時点で黒幕は…」

澪田「唯吹たち16人の中に1人、裏方に1人いたんすよね?」

小泉「うん、そうなるね。」


澪田「じゃあ…途中で死んだ方はどっちで、今も生きている方はどっちなんすかね?」

田中「確かに…。それは、確認しておいた方がいいだろうな。」




PHASE10 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


11.希望病

24.今までの犠牲者

6.アナウンスに必要な3人




澪田「2人の黒幕のうち、今も生きているのはどっちなんすか!?」

澪田「やっぱり黒幕っていう位だから、[ずっと奥に隠れている方]っすかね!!」

田中「あまり憶測で語らないほうがいい…。」

田中「明確な根拠をもって断定するべきだ。」


澪田「明確な根拠ねぇ…。」

澪田「殺された方と生きている方とで、[何か条件が違った」っけ?」

澪田「影武者ともなると、【容姿もそっくり】なはずだし…。」

田中「それか、何か【2人を区別できるきっかけ】でもなかったか?」


モノクマ「そんなの、あるわけないじゃん!!」

モノクマ「世の中、なんでもかんでも【解ける謎ばかりで構成されているわけじゃない】んだよ!!」


小泉「いや…。解いてみせる。どんな謎でも…!!」

小泉「たとえその先にある答えが、絶望だったとしても!!」




小泉(黒幕のうちの1人は、蜜柑ちゃんの発見者に含まれなかったんだ。ということは…)



安価↓2




なかなか安価こないし、すでに正解が出てるので、590をとります。



[何か条件が違った]←アナウンスに必要な3人



小泉「その意見にフレ―ムインね!!」同意



BREAK!!




小泉「2人の間には、確かに差があったはずだよ。」

モノクマ「へぇ。面白いクマ!!小泉さんの言う差ってのは、何なのさ!!」




小泉「裏方は、2度の処刑を行っているの。だから裏方は、3回目の事件の時点ですでにクロなのよ。」

澪田「そうなんすよね。クロだったからこそ発見者に含まれなかったんすよね。」


田中「逆に最初から我らに紛れ込んでいた方は、その時点ではまだシロだったということか。」

澪田「じゃあ今も生きている方は、クロだった裏方っすか!?」




小泉「いや、違う…。」

小泉「クロだった方は、豚神に殺されているんだよ。モノクマファイルも渡されているしね。」


田中「つまり、ライブハウスの死体は…」

田中「最初に裏に回っている方だった、ということか。」


澪田「ってことは…!!」





小泉「そう。今も生きているのは、3回目の事件ではまだシロだった方…」



小泉「アタシ達がずっと接してきたあの『西園寺日寄子』こそが、コロシアイ修学旅行の首謀者なのよ!!」


小泉「黒幕はずっと、アタシ達のそばにいたんだ…!!」



モノクマ「…」





澪田「じゃ、じゃあ唯吹たちは、黒幕と会っていたってことっすか!?」


田中「そして3回目の事件で被害者となったと見せかけ、今も生きている…。」

田中「俺達はずっと、『西園寺日寄子』に騙されていたということだ…!!」


小泉「…」





小泉(じゃあ、日寄子ちゃんは…)


小泉(最初からアタシを陥れるために、アタシに接近したの?)




小泉(アタシを小泉おねぇって呼んでくれたのも。)


小泉(アタシの行先に、いつもぴったりくっついてきたのも。)


小泉(アタシと最も長く、行動を共にしてくれたのも。)


小泉(アタシを、1番慕ってくれていたのも…)




小泉(全部、演技だった?)





小泉(親友だって思っていたのは、アタシだけだったの?)



小泉(日寄子ちゃんとの思い出は全部…)


小泉(アタシの妄想が生み出した、虚構だったっていうの…?)




小泉(…)





澪田「真昼ちゃん!!」


小泉「えっ!?」

小泉「ど、どうしたの…?」



澪田「それはこっちのセリフっすよ…。」


澪田「真昼ちゃん…また、絶望に染まったような顔をしてた。」

小泉「あっ…」





澪田「気持ちはわかるっすよ。だって真昼ちゃんは、日寄子ちゃんと…」


澪田「…いや、皆までは言わない。」



澪田「でも…それがどれだけの絶望だったとしても…!!」

澪田「前を向いて進んでいれば、きっと希望だって見えてくるよ!!」

澪田「だから今は、それを信じよう!!」


小泉「…」





澪田「えっと…また、唯吹らしからぬことを言っちゃったっすかね?」


小泉「いや。唯吹ちゃんの言う通りよ。」

小泉「そうよね。こんなところでつまずいてちゃダメよね。」


小泉「アタシは、前を向いて進むんだって決めたんだから…!!」

田中「フッ…。」




モノクマ「ちょっとちょっと!!なに友情パワ―で覚醒!!みたいなことをしてんのさ!!」

モノクマ「まだボクは、オマエラの推理を認めたわけじゃないよ!!」


田中「諦めろ、『西園寺日寄子』…。」

田中「もう、終わりだ…。」


小泉「ええ。だから最後に…」

小泉「アナタのもくろみの全容を、完全に暴いてあげるから!!」




クライマックス推理開始!!



act.1


小泉「アタシ達16人は、ジャバウォック島に連れてこられた。」

小泉「その理由は本来、絶望の残党であるアタシ達を更生させるためだったんだよ。」


小泉「でも、それを良しとしない存在がいた…。」

小泉「江ノ島盾子の遺志を継ぐ存在…。新たな“絶望のカリスマ”だよ。」


小泉「前回のコロシアイで生き残り、今は未来機関の中枢を担う6人のうち、2人を彼女は抱き込んで…」

小泉「未来機関を思うがままに操ることに成功したんだ。」

小泉「そうすることで希望更生プログラムを、コロシアイ修学旅行に発展させたんだ…。」



act.2


小泉「未来機関は、コロシアイ修学旅行の目的をアタシ達絶望の選別としているみたいね。」

小泉「未来機関はどうやら、アタシ達が4人以下になるまでアタシ達をふるいにかけていたようだし…」


小泉「でも実際は、その目的は形骸化しているのよ。」

小泉「その証拠に、未来機関側の味方であるはずの千秋ちゃんが殺されても平然としているような組織なんだし。」


小泉「大体、何の罪もない千秋ちゃんを無理やりコロシアイ修学旅行に参加させている時点で…」

小泉「未来機関がまともに機能してないってのがわかるわ。」

小泉「未来機関は完全に、絶望のカリスマのコントロ―ル下にあるんだ。」


小泉「絶望のカリスマである彼女の目的は恐らく、アタシ達のコロシアイを外の人間に見せつけること…。」

小泉「監視カメラがあちこちにあるのも、恐らくそのためなんだよ。」

小泉「まるで、江ノ島盾子の真似事でもしているかのようね…。」






act.3


小泉「そして、コロシアイ修学旅行を裏で操る黒幕…。」

小泉「それは最初、2人いたんだ。」


小泉「修学旅行の参加者は資料に載っている16人だけのはずだったんだけど…」

小泉「同姓同名の人間が2人存在することによって、アタシ達の認知しない人間が1人紛れることができた。」


小泉「もちろん同姓同名なのは、偶然じゃない。片方は、もう片方の影武者なんだ。」

小泉「影武者なんて物の用意は、彼女の家系…」

小泉「“日本舞踊家”という立場があって、初めて成立するものだったんだ。」


小泉「つまりコロシアイ修学旅行の参加者は、死体の参加者を含めて全部で18人いたんだよ。」



act.4


小泉「修学旅行の開始時点で黒幕は…1人は裏方に、1人はアタシ達の中に潜伏していたんだ。」


小泉「2人のうち…真の黒幕は、表に残っていた方…。」

小泉「つまり3回目の事件の時点では、まだシロだった方よ。」

小泉「アタシは…黒幕がずっとそばにいることに、まったく気付いていなかったんだ…。」



act.5


小泉「そしてアタシ達は…黒幕の罠にかかり続け、何人もの犠牲を払ってしまった…。」

小泉「コロシアイ修学旅行を通して、何度も事件を起こしてしまったんだよ。」

小泉「そのなかで裏方は…赤音ちゃんと花村の2人の処刑を執行して、クロとなったんだ。」






act.6


小泉「そして、3回目の事件…。」

小泉「この時に真の黒幕は、裏方と入れ替わったんだよ。」


小泉「彼女はあの時、絶望病の騒動でモ―テルに1人こもっていたから…」

小泉「誰にも悟られることなく入れ替わることが可能だったんだろうな…。」



act.7


小泉「そして、裏にまわっていた方は…ライブハウスに向かって、豚神に殺されたんだ…。」


小泉「3回目の事件は偶然が重なって起きた事件だったはずだけど…」

小泉「もしかしたら黒幕が、必然になるように仕組んでいたのかもしれないね。」

小泉「蜜柑ちゃんの遺書を偽装して殺し合いを煽ったりしてたし…。」


小泉「つまりライブハウスで磔にされていたあの死体は、本物の彼女じゃなかったんだ。」

小泉「影武者だけあって、容姿もそっくりだったけど…」

小泉「あれだけ長く一緒にいたのに、気付けなかったなんて…」



act.8


小泉「この時に裏方は、蜜柑ちゃんの死体を発見していたんだ。」


小泉「発見後に死者となろうが発見者に含まれるらしいから、
本来は裏方、唯吹ちゃん、アタシが発見した時点で蜜柑ちゃんのアナウンスが流れるはずだったけど…」


小泉「裏方は処刑を執行したクロだったから、発見者に含まれなかったんだ。」


小泉「黒幕は、千秋ちゃんと契約したル―ルを絶対に破れないから…」

小泉「この事実こそが、黒幕を追いつめるための決定的な手がかりになったんだけどね。」






act.9


小泉「そして真の黒幕は…3回目の事件の時に自分が死んだと見せかけて、裏方に回ったんだ。」

小泉「つまり3回目の事件以前と3回目の裁判以降で、モノクマを操っていた人間は変わっていたんだよ。」


小泉「豚神や左右田を処刑したのも彼女だろうから、5回目の事件では彼女も既にクロだった。」

小泉「だから彼女は、子供の死体の発見者には含まれなかったんだろうな。」



act.10


小泉「そして、5回目の事件…。」

小泉「狛枝が起こした爆弾騒動のせいで、彼女は行動をとらざるを得なくなったんだよ。」

小泉「でも彼女はその逆境を利用して、狂気的な計画を思いついたんだ。」


小泉「蜜柑ちゃんの死体に子供の死体を潜ませることで、学級裁判の結論を間違った方向に導き…」

小泉「邪魔な狛枝と千秋ちゃんを処分することに成功した。」


小泉「この時クロは田中となったけど…恐らく彼女にとっては、クロになるのは誰でもよかったんだろうな。」

小泉「1回目の事件もそうだったけど、モノクマファイルや死体発見アナウンスなんかで…」

小泉「アタシ達の推理を正しく誘導するようなテコ入れをしていれば、黒幕はクロを自由に決めることが可能らしいし。」


小泉「仮に5回目の事件の時点で田中以外の人間が生き残っていた場合は…」

小泉「その人がクロに仕立て上げられていたんだと思う。」


小泉「アタシ達は絶望の残党らしいから…」

小泉「子供の死体はアタシたち全員が殺したんだって言われても、文句は言えないかもしれない…。」






小泉「そして今、モノクマを通してアタシ達に立ちはだかっているのは…」

小泉「今までアタシ達に、何人もの犠牲を払わせた張本人。」

小泉「すべてを裏で、操っていた人物。」


小泉「遺跡前にみんなの死体をばらまいていたのは、ヒントだとか言っていたけど…」

小泉「死体のない蜜柑ちゃんや弐大に疑いの目を向かせるためのミスリ―ドのつもりだったんだろうな。」


小泉「でも、それ以前に黒幕は…」

小泉「あんなことをしておいて、まったく心が痛んでないような人間なんだ。」



小泉「つまりアタシ達は…」

小泉「アタシは…」

小泉「ずっと、彼女に…騙されていたんだ……。」


小泉「そして、その彼女というのが…!!」





小泉「西園寺日寄子!!」



小泉「彼女こそが、コロシアイ修学旅行の首謀者!!」

小泉「黒幕の、正体なのよ!!」




COMPLETE!!




モノクマ「…」


澪田「もう、逃げられないっすよ。モノクマちゃん…。」

澪田「いや、日寄子ちゃんって呼んだ方がいいかな。」




モノクマ「…」


田中「何とか言ったらどうだ。」

田中「それとも、人形ごっこは終いにするか?」


小泉「ええ。それがいいと思うわ。」





小泉「出て来なさいよ。」


小泉「『西園寺日寄子』…。」



モノクマ「…」





モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」


田中「なぜ、笑う…?」



モノクマ「ボクの正体が、西園寺日寄子?」

モノクマ「そんなこと、あるわけないじゃん!!明確な根拠もあるわけじゃないのに!!」


モノクマ「冗談は、顔だけにしてよ!!」

モノクマ「例えばそのくっさい眼帯とか、不潔なそばかすとかさ!!」

モノクマ「そんな顔してて、恥ずかしくないの!?」



モノクマ「ねぇ…」











「     こ     い     ず     み     お     ね     ぇ     」









今日はここまで。

今までのクライマックス推理を集めました。





クライマックス1章→ http://i.imgur.com/kxAUDMt.png


クライマックス2章→ http://i.imgur.com/QKoyP6k.png


クライマックス3章→ http://i.imgur.com/AoThAyN.png


クライマックス4章→ http://i.imgur.com/BBdSnoj.png


クライマックス5章→ http://i.imgur.com/tmSPGvo.png


クライマックス6章→ http://i.imgur.com/EG0pi3t.png





再開



突如、弐大の席にいたモノクマがいなくなった。


代わりにアタシの正面の遺影が消え去り、そこに煙幕とともに人影が現れた…。





そこには、見たことのない金髪の女性がいた。



髪を後ろで縛って、長いポニ―テ―ルができている。


着物を羽織っていて、手には扇子を携えて。



身長はアタシと同じくらいだろうけど、体は…


貧相なアタシとは対照的に、嫉妬を覚えるほどにグラマラスで…



だけど、そこはたいした問題じゃない。





アタシは、彼女に見入っていたんだ。



もっと言うならば、彼女の動きにだ。




彼女の手の振りに、体1つ1つの妖艶な動作に、魅了されていたんだ。





しばらくしてやっと気づいた。


彼女は、“日本舞踊家”としての舞いを披露していたんだ。



舞踊の知識はほとんどないアタシでさえ、その非凡な演舞に言葉を失っていた。


彼女の身体から発せられる感情や意思に飲み込まれ、彼女の芸術を純粋に賞賛していた。




だから少しの間だけ、忘れることができていた。


今アタシ達が置かれているのは、コロシアイ修学旅行という異常な環境だってことを。





やがて、彼女は動きを止め…


キッ、と正面にいるアタシをみつめた。





「久しぶりだね、小泉おねぇ…。」


小泉「えっ…」




「何日ぶりか…覚えてる?」




1.24日

2.36日

3.28日

4.31日

5.26日



安価↓1




「ま…覚えてないよね。」


「だって小泉おねぇにとっては、所詮その程度の事なんだからね…。」






澪田「えっと…誰っすか?」

「あれ―?わかんないの?澪田おねぇ。」


澪田「いや、おねぇって…。どう見てもそっちの方がボンキュッボンのおねぇさん…」


澪田「…ん?その呼び方って…」




「じゃあ物覚えの悪いお馬鹿さんのために、もう1度だけ自己紹介をしておくね。」




西園寺「わたしはね、西園寺日寄子っていうんだ―。」



澪田「えっ…!?」

小泉「本当に、日寄子ちゃんなの…?」




田中「俺様の記憶が正しければ、西園寺は小学生程度の幼児体型だったはずだが…」

澪田「眼蛇夢ちゃんの記憶は間違いないっすよ!!目の前の現実がおかしいんっす!!」

澪田「彼女はきっと、『西園寺日寄子』じゃないんっすよ!!」


西園寺「ふ~ん。納得できないのかな?わたしが『西園寺日寄子』だって。」

西園寺「でもね、わかりませんは通用しないんだよ?」


西園寺「だってこれは…」

西園寺「学級裁判なんだから!!」




PHASE11 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331


12.カムクライズルの独白

18.希望更生プログラム

11.希望病



澪田「アレが日寄子ちゃんだなんて認められないっす!!」

澪田「だって【唯吹たちの知ってる日寄子ちゃんは、あんなに大きくなかった】もん!!」


田中「まさか、俺達の推理はすでに瓦解しており…」

田中「奴は[西園寺とは全く関係ない存在]なのか!?」

澪田「ええ!?今までの議論を根本から否定するつもりっすか!?」

田中「もしや奴は、[西園寺の親戚]か…?」


西園寺「さっきから、ピ―チクパ―チクさえずってないでさ…」

西園寺「もっとまともに頭を働かせてくれないかな~?」

西園寺「わたしは、西園寺日寄子なの。」

西園寺「ちょっと[体型が違うくらい、今さらたいした問題じゃない]でしょ?」

澪田「ちょっとどころじゃないっすよ!!まるっきり別人じゃないっすか!!」


澪田「それに、もしあの人が日寄子ちゃんだったら…」

澪田「【胸囲のワ―スト1が唯吹になっちゃう】っすよぉおおおおおおおお!!!!」←76cm

小泉「唯吹ちゃん、逆に考えるのよ!!」

小泉「むしろ[胸囲が小さい方がベスト]なんだって!!」←77cm


西園寺「ぷ―くすくす!!貧乳負け組女共のひがみ程みじめなものはないよね―!!」

澪田「うぐぐ…!!日寄子ちゃんだけはそんなことを言わないって思ってたのに…!!」

小泉「唯吹ちゃん、まだ彼女が日寄子ちゃんだって決まったわけじゃないわよ。」

小泉「でも…日寄子ちゃんならあんな暴言を吐かないってのは、あながち間違いじゃないかもね…!!」


田中「お、お前ら、落着け…」

澪田「胸囲の!!」

小泉「ナンバ―1は!!」

西園寺「黙ってろ!!」

田中「…すまん。」←93cm



小泉(彼女が、『西園寺日寄子』であり得るかどうか…。それは、“アレ”が鍵を握っているのかも…。)



安価↓1




不正解


澪田「唯吹たちの知ってる日寄子ちゃんは、小学生のような幼児体型だったっすよ!!」

小泉「そ、そうだね…。」


小泉(もっと撃ち抜くにふさわしいところがありそうだ…。)



安価↓1




正解



[体型が違うくらい、今さらたいした問題じゃない]←希望病



小泉「そうかもしれない…。」同意



BREAK!!



小泉「彼女の言う通り…」

小泉「体型が違うからと言って、彼女が『西園寺日寄子』でないとは言い切れないのかもしれない。」


澪田「え…?どうしてっすか?」




小泉「アタシ達は今も、希望病っていうものに感染しているんでしょ?」

小泉「だったら…『西園寺日寄子』もまた、希望病に感染していたんじゃないかな?」

田中「そうか…。そういえばそうだったな。希望病により、小泉も体型が変わっていたな。」


田中「つまり『西園寺日寄子』は希望病を利用して、未来の姿へと変貌したのか。」

澪田「未来の姿…?」




小泉「日寄子ちゃんはもともと、子供みたいな体型だったから…」

小泉「数年間で見違えるほどに成長していても、おかしくない。」

小泉「それによく見てみると、彼女には日寄子ちゃんの面影がある…。」




小泉「だからやっぱり、あそこにいるのは…」


小泉「アタシ達と共に時間を過ごしていた、『西園寺日寄子』なんだ…!!」



西園寺「…」





西園寺「ちょっと違うかな。」


小泉「え?」



西園寺「アンタらの話には、間違いがある。」

澪田「ど、どういうことっすか?やっぱり、『西園寺日寄子』じゃないんすか?」




西園寺「そこじゃないよ。」


西園寺「さっきそこの厨二病が、『希望病を利用して』って言ったでしょ?」

西園寺「それ、正確には間違いなんだよね。」

田中「どういう意味だ?」





西園寺「そもそもさ。希望更生プログラムって、何だったのかな?」



小泉「は…?何を言ってんのよ。あからさまに話を逸らさないでよ!!」

西園寺「話を逸らされたくないのなら、バカみたいにわたしの問いに返答すれば?」

小泉「っ…!!」




田中「希望更生プログラム…。」

田中「我ら絶望の残党を更生するための計画ではなかったか?」


西園寺「そうなんだよね。」

西園寺「そのために皆の記憶を奪い、絆を深めることで、2度と絶望に堕ちないようにする…。」





西園寺「って言ってたけどさ。」


澪田「え?」



西園寺「これってさ。まわりくどくない?」

小泉「まわりくどい…?」



西園寺「だってさ。記憶を奪えばアンタらは絶望じゃなくなるんだよ?」

西園寺「実際アンタらだって、自分自身が絶望だって言われても、実感わいてないでしょ?」

田中「確かに…七海に明かされるまでは、自分自身が絶望であることにすら気づかなかったからな。」




西園寺「だったらさ。“希望病”さえあれば、絆なんて深めなくったって絶望の残党を更生できてると思わない?」


澪田「そう言われてみればそうっすね…。」

澪田「わざわざこんな島に連れてこられる必要なんてなかったっす!!」


小泉「でも実際アタシ達は、このジャバウォック島に連れてこられたわけだし…」

小泉「そうする必要があったってことよね。」




澪田「じゃ、じゃあなんで必要だったんすか!?」

西園寺「わからない?“希望病”っていう名前を聞けば、すぐに気付くとおもうけど?」


小泉「えっと、絆を深める必要があったのは…」



1.本編がそうだったから

2.ここはゲ―ムの世界だから

3.希望病は万能じゃない



安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解



小泉「希望病が、万能じゃないから…?」


西園寺「そう。希望病は記憶を奪える素晴らしい技術なんだけどね。」

西園寺「これって案外簡単に破綻するんだ~。」


田中「簡単に破綻するだと?今までこの修学旅行で、希望病の効果が無に帰したことなどあったか?」

澪田「真昼ちゃんが小っちゃくなったりはあったけど、再び絶望に堕ちた人はいなかったような…」




西園寺「さっきも言ったでしょ?“希望病”の名前を思い出せって。」

西園寺「希望病は、忘れる病気なの。」




西園寺「じゃあ…その反対って、何だと思う?」


小泉「…!!」




西園寺「わからないとは言わせないよ。ちゃんと聞いたことがあるはずなんだから。」

西園寺「その病気の名前を。ね?小泉おねぇ。」


小泉「…『小泉おねぇ』って、気安く呼ばないでよ。」

小泉「アタシを散々、騙しておいて…」

西園寺「…」




PHASE12 閃きアナグラム(改)開始!!



○つ○うび○○




安価↓1




ぜつぼうびょう


小泉「よし、わかった!!」


小泉「絶望病…?」

西園寺「そう。希望病が忘れる病気なら、絶望病は思い出す病気なんだ。」




西園寺「しかもね、希望病は本当のジャバウォック島にある大掛かりな施設でしか感染できないんだけど…」

西園寺「それに対して絶望病は、ウイルスをばらまくだけで簡単に空気感染するんだよ。」


西園寺「絶望病のウイルスは、簡単に希望病のウイルスを死滅させてしまう。」

西園寺「皆が絶望時代を思い出さないでいられるのは、ジャバウォック島に隔離されているおかげなんだよ。」

西園寺「外の世界は汚染されていて、希望病の効果なんてすぐにかき消されちゃうからね。」


小泉「だから…希望病の効果が切れても絶望に還らないように、絆を深める必要があったってことね…。」




澪田「ちょっと待つっす!!絶望病って、あの絶望病っすか!?」

澪田「3回目の事件で、真昼ちゃんや眼蛇夢ちゃんがかかっていた…」


西園寺「ああ、あれは無関係だよ。」

澪田「えぇ!?」


西園寺「正確に言うと、ダミ―ってとこかな。」

西園寺「本当に絶望病に感染した人を隠すための、ね…。」

田中「真の感染者だと!?」


西園寺「例えばあの時、モ―テルで1人怯えていた人間とか…。」

小泉「え…?」




小泉「つまりアンタは、希望病を利用して体が成長したわけじゃなくて…」

小泉「絶望病によって希望病を打ち消して、元の姿に戻ったってこと?」


西園寺「うん、そうだよ小泉おねぇ。」

小泉「…」




小泉「じゃあ…日寄子ちゃんは……」


小泉「自分の記憶を消した状態で、コロシアイ修学旅行に挑んだってことなの…?」

西園寺「そうだよ?」




西園寺「自分自身が黒幕だってことも忘れてね…。」


小泉「…!!」





西園寺「楽しかったよね、小泉おねぇ。」

西園寺「嫌なことも忘れられてさ。」

西園寺「一緒にいろんなことをしたよね。」


小泉「…」




西園寺「澪田おねぇと豚足ちゃんの遊戯を見物したり。」

西園寺「花村の料理を2人で食べたり。」


小泉「やめてよ…。」




西園寺「日向おにぃ達と4人でゲ―ムもしたよね。」

西園寺「後は、わたしの大好きなこんぺいとうを作ってくれたりもしたっけ。」


小泉「やめてってば…。」




西園寺「わたし、小泉おねぇにおいしいグミを教えてあげたりしたんだっけ?」

西園寺「狛枝おにぃのくっさい言葉に小泉おねぇがコロリと落ちちゃった時に茶化したりも…」





小泉「やめろって言ってんでしょ!?」


西園寺「…」





小泉「ふざけないでよ…。」


小泉「アタシと日寄子ちゃんの思い出を、汚さないでよ…!!」




小泉「それともアンタは…」


小泉「アタシをこんな虚無感に浸らせるために、記憶を消していたっていうの?」

小泉「アタシと日寄子ちゃんの思い出なんて、最初からどこにも存在しなかったと痛感させるために…!!」




小泉「アタシを、絶望に堕とすために…」


西園寺「…」




澪田「なんてえげつないことをするんっすか…。」

澪田「相手がこんな人間なら、もしかして白夜ちゃんは…」


西園寺「それは違うよ、澪田おねぇ。」

澪田「え…?」




西園寺「アイツは影武者というよりも、完全にわたしだった。」

西園寺「完全に『西園寺日寄子』になりきっていたんだ。」


西園寺「だからアイツは、何の力もない『西園寺日寄子』としてライブハウスに向かって…」

西園寺「小泉おねぇに見放されて疑心暗鬼になった状態で、豚神に殺された…純然たる被害者なんだ。」


西園寺「だから…アンタの罪は、消えるわけじゃないんだよ。」

澪田「…そっか。」




田中「つまり、死んだ方は影武者で…今も生きている貴様はオリジナルの方、ということか。」

西園寺「あれ―?そこから疑ってたの―?」


田中「ふん…。しかし奴に、同情の余地はないな。」

田中「“絶望のカリスマ”だか何だかは知らんが…」

田中「我らに殺し合いをさせ、外の人間を絶望に堕とそうと目論んでいるのだからな。」


田中「それも、江ノ島盾子の遺志を継ぐなどと言う理由で…」






西園寺「…は?」


澪田「え?」




西園寺「今のってまさか、冗談?何の意義もない凡夫にしても、もう少しまともなギャグを言ってほしいよ。」


小泉「どういうこと…?」





西園寺「一緒にしないでよ。江ノ島盾子なんていう雑魚と、“絶望のカリスマ”を。」



小泉「江ノ島盾子が、雑魚…?」



田中「自分は江ノ島盾子とは違うと言いたいのか?」




澪田「い、今更そんなことはどうでもいいんすよ!!」

澪田「結局唯吹たちは、絶望のカリスマの正体を突き止めたんすから!!」


小泉「…それもそうね。確か黒幕の正体を突き止めたら、アタシ達の勝ちなのよね?」

小泉「じゃあもう、コロシアイ修学旅行は終了するんでしょ?」


西園寺「あはは、小泉おねぇはせっかちだね―!!」

小泉「…」




西園寺「そんなに怖い顔しなくてもいいじゃ―ん!!」

西園寺「小泉おねぇのお望み通り、さっさと終わらせてあげようと思ってんだしさ!!」


西園寺「だから最後に、ちょっとだけわたしに付き合ってね!!」

澪田「付き合う…?何に付き合うんすか?」





西園寺「もちろん、投票だよ!!」


田中「投票…?」



西園寺「アンタらはわたしの正体を暴くことに成功したから、卒業の権利が与えられるんだけど…」

西園寺「その前に、アンタらに決めてもらわないといけないことがあるんだよ!!」


澪田「唯吹たちが決めないといけないこと…?なんすか、それ。」





西園寺「わたしを殺すか、そうじゃないかだよ。」



小泉「…!!」




西園寺「わたしが憎くて憎くて仕方ない!!」

西園寺「お願いだから100回死んで来てほしい!!」

西園寺「って人は、わたしに投票してください。」


西園寺「そうじゃない人は…」

西園寺「小泉おねぇに投票してくださいね。」


小泉「え…?なんでアタシなのよ。」

西園寺「どうでもいいじゃん、そんなこと。」


西園寺「大事なのはわたしを殺すか、殺さないか。そうでしょ?」




西園寺「ちなみにここにいるのは偶数人だから、同点の時はボ―トの結果は小泉おねぇってことで。」

澪田「日寄子ちゃんは自分自身には投票しないだろうから…」

澪田「実質、唯吹たち全員が日寄子ちゃんに投票しないと、結果は真昼ちゃんになるわけっすね。」




田中「しかし…どういうつもりだ?」

西園寺「え―?どういうつもりって、どういうこと?」


田中「貴様が絶望のカリスマなら、ここで我らが小泉に投票するはずがなかろう。」

田中「まさか貴様は、自分は投票されないとでも思っているのか?」


小泉「で、でも、殺すのはちょっと…」

澪田「そうはいっても真昼ちゃん、ここで真昼ちゃんに投票なんてしちゃったら…」

澪田「今度は真昼ちゃんが処刑!!なんて展開になるかもしれないんすよ!?」




西園寺「そうだよ、小泉おねぇ。今さら慈悲の心なんて、要らないんだよ。」


西園寺「それに、憎くないの?」

小泉「え…?」





西園寺「コロシアイ修学旅行を無理強いして、何人も犠牲にしたわたしが、憎くないの?」


西園寺「大事な人を失わせた、“絶望のカリスマ”を殺したくはないの?」



小泉「…!!」





小泉(そうか…。“絶望のカリスマ”のせいで、皆は…)


小泉(アイツは、死んだんだ…。)



小泉(なら…その仇討ちをするには、これは絶好の機会じゃないか…。)



小泉(だから、アタシは…)




1.小泉に投票する

2.西園寺に投票する



安価↓1








「それは…違うよ!!」





今日はこれで終了。

ちなみに、最初の選択肢の答えは4です。




再開



小泉「え?」



いつの間にか『西園寺日寄子』の(アタシから見て)左隣の遺影がなくなっていて、


そこから発せられた声が、アタシ達の投票を妨げた。




そこにいたのは、パ―カ―を着こんでいる…


地味で何の特徴もない顔。



言うなれば…王道という言葉さえ裸足で逃げ出すような、あまりにも平凡すぎる人間だった。


多分この中で最も身長が低いであろう彼は、真剣な顔つきでアタシ達に反論してきた。





「ダメだ皆!!彼女に投票しちゃあ!!」


澪田「えっと…?誰っすか?」

「っと…。まずはオ―ソドックスに、自己紹介から始めようか。」




苗木「ボクの名前は苗木誠だ。今は、未来機関に所属している。」




小泉「未来機関の苗木誠…?」


小泉「そっか。アンタは前回のコロシアイの生き残りで、江ノ島盾子を打ち破った…!!」




西園寺「ふ~ん。“超高校級の希望”さんの割には、やけに来るのが遅かったね―。」


苗木「もちろん、もっと早く来たかったさ。」

苗木「でも…この島への渡航を未来機関から許可されたのが、今日でやっとだったんだ。」


苗木「そのせいで、コロシアイ修学旅行をただ傍観することしかできなかった。」

苗木「モノミに、わずかな情報を流すことくらいしか…」




西園寺「そりゃそうよね。未来機関は、50日を期限としてたんだから。」


西園寺「それと、他のお友達はどうしたの―?」

苗木「…残念だけど、ボク以外にはとても来ることができる状況じゃない。」




苗木「十神クンは…砂浜に泊めてある船で、反対勢力を今もおさえてくれている。」

田中「どういうことだ?」


苗木「未来機関は、卒業試験を合格した皆のうち、4人を未来機関に招き入れるつもりなんだ。」

苗木「だからこうして、ジャバウォック島に船を派遣したんだけど…」




西園寺「所詮アンタらは“絶望の残党”だからね。」


西園寺「十神おにぃみたいな優秀なリ―ダ―が常に統括していないと、
アンタらに報復しようとする連中がすぐにわいてくるよ。」


西園寺「たとえそれが、規則違反だったとしてもね。」




小泉(…?)


小泉(あれ…?なんか、おかしくない?)



小泉(『西園寺日寄子』…)


小泉(いや…)





小泉(日寄子ちゃんの喋り方…。)


小泉(まるで自分は関係ないって感じで…)



小泉(そもそも日寄子ちゃん、十神っていう人のことを良く知っているような口ぶりだし…。)


小泉(それになんで…未来機関の一員である苗木さんに、あそこまで気軽に…?)




小泉(彼女は、“絶望のカリスマ”…なんだよね…?)




苗木「それに葉隠クンはいまも本当のジャバウォック島で、朝日奈さんの療養の手伝いをしてるから…」

苗木「ここに来られるのは、ボク1人だけなんだ。」

田中「療養…?」


西園寺「そりゃそうだよね。あんな絶望的なことを直に体験しちゃったんだもん。」

澪田「え?」




西園寺「わかってんのアンタら?他人事じゃないよ。」

西園寺「朝日奈おねぇがあそこまで絶望に侵されたのは、アンタらのせいなんだから。」

小泉「アタシ達のせい…?ど、どういうことよ?」


西園寺「ホンット、アンタらって鈍いよね―。少しは自分で考える力を身に着けたら?」

西園寺「他人にあれこれ言われないと何にもできない社畜に、何の生きる価値があるんだっての。」

小泉「もしかして、朝日奈って人がやっていたことって…」




1.コロシアイ修学旅行の撮影

2.モノミの操作

3.ド―ナツ限定の断食50日



安価↓1




不正解


苗木「確かに彼女にとっては、自殺行為かもね…。」

西園寺「っていうかなんで小泉おねぇ、朝日奈おねぇの好物を知ってんの?」



小泉(とりあえず、間違えたみたいだ…。)



安価↓1




正解



小泉「そっか…!!」解



小泉「モノミの操作…?」

西園寺「そう。希望更生プログラムの段階では、ただの引率の教師としてだったんだけどね。」


西園寺「コロシアイ修学旅行に発展してから朝日奈おねぇは、外からの情報をほとんど遮断した状態で…」

西園寺「モノミの操作を未来機関に強いられていたんだよ。」


西園寺「そのせいで…朝日奈おねぇは、気がふれてしまったんだ。」

小泉「っ…!!」


田中「つまり俺達は…」

田中「それほどまでに、絶望的だったということか…?」

小泉「…」




澪田「で、でも、元を正せば日寄子ちゃんのせいっしょ!?」

西園寺「え―?どうして―?」


澪田「だ、だって日寄子ちゃんが、コロシアイ修学旅行なんて計画しなかったら、朝日奈って人も…!!」

澪田「ぜ、ぜんぶ、“絶望のカリスマ”である日寄子ちゃんがいけないんじゃないっすか!?」

田中「だからこそ、西園寺に投票を行おうとしているのだからな。」


西園寺「…」





苗木「…西園寺さん。キミは、自己紹介すらまともにしていないの?」

西園寺「え?ちゃんとしたよ?わたしの名前は西園寺日寄子だって。」




小泉(…西園寺“さん”?)




苗木「自分の素性くらいは、明かしておこうよ。」

苗木「あと、“投票”をする本当の意図も…」

苗木「じゃないときっと、皆も納得しないだろうし。」

小泉「な、何が言いたいのよ…?」


西園寺「わかったよ…。苗木おにぃがしつこくねだるから、仕方な~くやるんだからね。」



西園寺「わたしの名前は、西園寺日寄子。」







西園寺「今は、未来機関に所属している。」




小泉「…」


小泉「は?」





西園寺「アンタらの言い方だと…『裏切り者』って言うといいのかな?」


小泉「ど、どういうことよ…?」

小泉「なんで“絶望のカリスマ”が、未来機関に所属してんのよ!?」


苗木「…やっぱり、その説明もしていなかったんだね、西園寺さん。」

西園寺「…」




苗木「彼女はそもそもキミ達とは違って、最初から絶望に堕ちてなんかいないんだ。」

澪田「えっ…!?」


苗木「つまり彼女は“絶望のカリスマ”なんかじゃなくて…」

苗木「ボクと同じ、ただの未来機関の一員なんだ。」

小泉「そ、そんな…!?」




澪田「じゃ、じゃあ…日寄子ちゃんも違うっていうなら…」

澪田「“絶望のカリスマ”っていったい誰なんすか!?」


西園寺「さあね?それは、未来機関が血眼になって探してるよ。」

西園寺「まあ、全く見当はずれな捜査をしているようだけど…」




田中「まて。貴様の発言はおかしいぞ。」

田中「ファイナルデッドル―ムの特典には、絶望の残党を“15人”保護したとある。」

田中「我ら16人から七海、西園寺を抜けば、14人となってしまうぞ…?」


西園寺「簡単だよ。わたしの影武者が、絶望堕ちしていたんだ。」

田中「ぐっ…。」




西園寺「とまあそんなこんなで、わたしが未来機関の一員だって理解してもらえたかな?」


澪田「じゃ、じゃあ日寄子ちゃんは、絶望のカリスマだから唯吹たちに殺し合いをさせたわけじゃなくて…」

澪田「未来機関の一員として、唯吹たちに殺し合いをさせていたんすか!?」


西園寺「そう。コロシアイ修学旅行は、正義の名のもとに行われた…」

西園寺「“希望”のための処刑だったんだ。」


小泉「…!!」




西園寺「まぁ…。コレも、“絶望のカリスマ”の計画通りなんだろうけど…」


小泉(え…?)



西園寺「それをアンタらは、“絶望のカリスマ”をかくれみのにして、自分たちの罪から目を背けていただけなんだよ。」

澪田「う、うう…にわかには、信じられないっす…。」


西園寺「ただ、信じたくないだけでしょ?」

西園寺「わたしを絶望のカリスマに仕立て上げて、怒りの矛先をわたしだけに向かせる方が、よっぽど楽なんだもんね。」




西園寺「でも、狛枝おにぃはすでに気付いていたみたいだよ?」

西園寺「黒幕…つまりわたしが、未来機関の一員だって。」

小泉「え?」



西園寺「狛枝おにぃは、爆弾騒動で裏切り者をあぶり出そうとしてたでしょ?」

西園寺「あの“裏切り者”ってのは多分、七海おねぇの事を指してはいなかったんだよ。」


西園寺「きっと…モノクマを操っていたわたしをおびき寄せるために、狛枝おにぃは爆弾騒動を起こしたんだ。」

西園寺「わたしを人質にして、コロシアイ修学旅行を終了させるために…」


小泉「…」




西園寺「まあ実際は、七海おねぇが自白しに行ったんだけど。」

西園寺「その場合は多分、七海おねぇから無理やりわたしの居場所を聞き出すつもりだったのかな?」

西園寺「拷問でもしてさ。」

西園寺「そうされるとわたしもまずいから、先手を打たせてもらったわけ。」



田中「何だと…!?狛枝はすでに、裏切り者が2人いるということに気付いていたのか!?」

西園寺「それに気づくこと自体は、難しいことじゃないって。」


西園寺「ファイナルデッドル―ムの特典にも、ちゃ―んと記載されてあったはずだよ?」

西園寺「“監視者2人の元で”、希望更生プログラムを適用するって…」




小泉「…ちょっと待ちなさいよ。」

西園寺「ん―?」


小泉「じゃあアンタは…」



小泉「自分が未来機関の一員であるにもかかわらず、千秋ちゃんを処刑したの…?」


小泉「彼女だって、未来機関の一員なのに…!!」



西園寺「…」




小泉「アタシがこんなことを言える立場かはわからないけど…」

小泉「千秋ちゃんを殺す必要はなかったんじゃないの!?」




西園寺「…ああするしかなかったんだよ。」

小泉「え?」



西園寺「七海おねぇの度重なるル―ル違反で、未来機関は相当おかんむりだったらしくてさ。」

西園寺「苗木おにぃたちとは違って七海おねぇは権力があるわけでもないし。」


西園寺「もしあのまま七海おねぇが生き永らえて、未来機関に捕まっていたら…どうなっていたと思う?」

小泉「うっ…」




西園寺「きっと、ただ殺されるだけじゃ済まなかった。」


西園寺「それこそ、死んだ方がマシだと思えるような…」

西園寺「殺してくださいと懇願しても殺してもらえないような…」


西園寺「凄惨で無慈悲な最期を迎えていたんだろうね。」


小泉「…!!」



西園寺「だからああすることこそが、七海おねぇに送れる最大の優しさだったんだよ。」




西園寺「絶望の残党をかばうっていうのは、そういうことなんだ。」

西園寺「ただかばうだけで、極刑に処される。」

西園寺「アンタらの罪は、それだけ重いんだ。」


西園寺「つまり、七海おねぇは…」

西園寺「アンタらに殺されたも同然だよ。」


小泉「…」




田中「まて。貴様の言っている事はおかしいぞ。」

澪田「え?」


田中「コロシアイ修学旅行はそもそも、絶望のカリスマが仕組んだものだったはずだ。」

小泉「未来機関の当初の予定は、希望更生プログラムで…」

小泉「絶望のカリスマが2人に狂気的な演説をさせたことによって、コロシアイ修学旅行に発展したんだったよね…。」


澪田「そう考えると…!!」

澪田「どうおかしくなるんすかね?」




西園寺「当初は希望更生プログラムの監視者として来ていたわたしだけど…」

西園寺「“絶望のカリスマ”に乗っ取られた未来機関の指示に従って、コロシアイ修学旅行を進めた。」


西園寺「何もおかしくないと思うけどな―。」


西園寺「この島はそもそも、江ノ島盾子の管轄下にあった島だから…」

西園寺「コロシアイ修学旅行のためのインフラは一式そろってたしね!!」




小泉「…いや。やっぱりおかしいよ!!」

西園寺「あれれ?どうしたの小泉おねぇ。なにか腑に落ちないことでもあるの?」


小泉「確か日寄子ちゃんは、記憶を失った状態でこの島に来たのよね?」

西園寺「うん、間違いないよ。」




小泉「でも記憶を失うのは、本当のジャバウォック島にある施設でしかできない。」

小泉「ってことは、日寄子ちゃんは…」

小泉「監視者としてこの島に来る前に影武者と入れ替わって、被験者であるアタシ達に紛れ込んでいたってことよね?」


小泉「入れ替わることで、影武者にモノクマを操作させて…」

小泉「コロシアイ修学旅行の黒幕としての役目を彼女に果たしてもらったってことよね?」


小泉「なんでわざわざ入れ替わったのか…って聞きたいところだけど、重要なのはそこじゃない。」




小泉「なんでそんなことができたの?」


小泉「だって当初は希望更生プログラムに参加するために、日寄子ちゃんは監視者になったんだよね?」

小泉「ってことはその時点では、未来機関はコロシアイ修学旅行の案なんて出していないはず。」

田中「未来機関がコロシアイ修学旅行の案を出したのは、監視者がジャバウォック島に向かった後だったはずだな。」




小泉「それなのに入れ替わりをしてるなんて、まるで…」



小泉「最初っから、希望更生プログラムがコロシアイ修学旅行に発展するってわかってたみたいじゃない!!」




西園寺「…」



澪田「そ、そういえばそうだよね。コロシアイ修学旅行に発展するってのは、絶望のカリスマしか知らないはず。」

澪田「なんで未来機関の日寄子ちゃんが、それを知ってんすか…?」


西園寺「…」





西園寺「わからないわけ、ないでしょ…。」



小泉「え…?」





西園寺「わたしは、最初っからわかってたんだよ…。」



西園寺「“絶望のカリスマ”がどういう意図を持っていて、どういう計画を立てているのか…。」


西園寺「どういう理念で行動しているのかなんて、わたしには全部わかってたんだよ…!!」





西園寺「だって、“絶望のカリスマ”は…!!」




西園寺「わたしの親友だったんだから!!」




田中「親友、“だった”…?」




西園寺「そうだよ…。学園時代も、わたしにとっての1番の親友だった。」

西園寺「わたしの人生で初めてできた、親友…。」


西園寺「といっても、わたしが一方的にぴったり付いていってただけだから…」

西園寺「実際相手はわたしをどうおもっていたかなんて、わかんないんだけどね。」


西園寺「それでもわたしは、親友同士だって思ってた。」





西園寺「でも…それは多分、わたしの妄想が生み出した虚構だったんだよ。」



西園寺「だってわたしは…彼女に、アッサリ見捨てられたんだから。」


澪田「見捨てられたとは…?」





西園寺「そうだよね?」





西園寺「小泉おねぇ。」



小泉「…」





小泉「え?」


小泉「な、なんでアタシに振るのよ。」




西園寺「わからなかった?じゃあもう1度言ってあげるよ、小泉おねぇ。」






西園寺「アンタが“絶望のカリスマ”なんだよ!!」



小泉「…」




小泉「は?」




澪田「真昼ちゃんが、絶望のカリスマ…?」


澪田「な、何をわけのわからないことを言ってんすか!!そんなわけないっす!!」

田中「西園寺の言っていることは本当なのか…?」


小泉「な、苗木さん…。」

苗木「ボクからは、何とも…」




西園寺「納得できない?なら、証拠を見せてあげるよ。」

西園寺「ほら、狛枝おにぃにだけ渡した資料があったでしょ?」





『今の世界はひどく荒廃している。世界中が絶望に染まっている。』


『人々は不気味な笑みを浮かべ、殺すことや殺されることにも悦びを感じているかのようだ。』


『そうして道に転がっている死体は、日に日に数を増している。』


『その光景はまるで、人類が自ら破滅へと進んでいるかのようで…。』


『まるで人類そのものが滅び行くことを望んでいるかのようで…。』



『“元絶望のカリスマ”である江ノ島盾子が死んでなお、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わりを迎えない。』


『その原因は、江ノ島盾子の遺志を受け継ぐ存在。新たな“絶望のカリスマ”であろう。』


『彼女は、江ノ島盾子とはまた別の手段で人々を絶望へといざなっているようだ。』


『その方法とは…彼女自らが経験した絶望を、他者に見せつけることだ。』



『現に彼女が公共の電波をジャックしたことにより、全国ネットには常に絶望的な映像が垂れ流しになっている。』


『その映像に感化された人間の脳内は、人生で培われた道徳や主義主張の一切を奪われ、
彼女の独善的で画一的な思想へと強制的に塗り替えられる。』


『そうして彼女によって絶望に染められた人間は、彼女を敬い称賛して、“超高校級の母”などと呼ぶようになる。』



『彼女を抹消しない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は収束しない。』


『しかし…肝心の彼女の正体は、未だにつかめていない。ただ、女性ということだけしか…』




小泉「こ、これがなんだっていうのよ!!こんなの、何の証拠にもならないじゃない!!」


西園寺「本当にそう?」

小泉「えっ…?」




西園寺「ホントは、薄々気づいてたんじゃないの?」

小泉「な、何よ…。」



西園寺「この資料こそが、小泉おねぇを“絶望のカリスマ”だと断定できる根拠であり…」

西園寺「この資料を読んだからこそ、狛枝おにぃはあんな行動をとったんだって…」


小泉「し、知らない…。アタシ、何も知らない…!!」




PHASE13 ロジカルダイブ開始!!



Q.1 外の世界の人間の表情は?

赤:絶望 青:虚無 黄:笑顔


Q.2 “絶望的な映像”とは?

赤:監視カメラの映像 青:写真 黄:外の世界


Q.3 “超高校級の母”の才能は?

赤:写真家 青:日本舞踊家 黄:希望



安価↓1




不正解


一応もう1回安価をとります。



安価↓1




黄-青-赤




小泉「うぁああああああああああああああぁああああああああああああああ!!!!!!」





小泉「う、嘘よ…。こんなの嘘だ。」

小泉「信じない。こんな資料、ねつ造よ。」

小泉「これは、誰かの罠…。」

小泉「誰かがアタシを陥れようとしてるんだ!!」


西園寺「…小泉おねぇに説明できないなら、代わりにわたしがしてあげるよ。」




西園寺「今の“絶望のカリスマ”はね。」

西園寺「“元絶望のカリスマ”であり、マンガみたいな超人設定のある江ノ島盾子に比べると…」


西園寺「頭脳は平凡。運動神経は人並み以下。」

西園寺「容姿なんてそばかすがあるうえに眼帯なんてしてるような人間で。」

西園寺「江ノ島盾子とは違って、人心掌握術なんてカケラも持ち合わせていないんだ。」


西園寺「そもそも彼女は…風が吹いたらあっさりと飛ばされてしまう様な、虚弱で平凡で何の可能性もない人間なんだ。」





西園寺「たった1つの才能を除いてね。」



澪田「たった1つの才能…?」

田中「それが、“写真家”という才能だとでも言うのか…!?」


小泉「はぁ…はぁ……」





西園寺「彼女の写真を見るとね。簡単に彼女の意思に侵されてしまうんだ。」



澪田「ど、どういう意味っすか?」

西園寺「どういう意味って…。そのままの意味に決まってんじゃん。」




西園寺「彼女の意思に侵されて…どういうわけか、不気味に微笑みだして…」

西園寺「今までの人生で培った価値観の一切を捨てて、画一的に死にゆくことを望むようになる。」

西園寺「その人がたとえ、どれだけ屈強な精神を持っていたとしてもね。」


澪田「ええ!?そんなのまるっきり、洗脳じゃないっすか!!」

田中「馬鹿な!!写真を見ただけで自分を失うなど、あるはずがない!!」

田中「たかが写真だぞ!?」




西園寺「“たかが”じゃないよ。“超高校級の写真家”が撮った写真なんだから。」


西園寺「それは…どんな批評家の筆よりも雄弁で、どんな演説よりも説得力があるの。」

西園寺「様々な人生の意義を、丸ごと塗り替えるほどにね。」


田中「それが…江ノ島盾子を打ち破った希望ですら飲み込んでしまうほどの、絶望ということか!?」




西園寺「ああ、ちょっと違うかな。」

澪田「え?」



西園寺「未来機関は、彼女を“絶望のカリスマ”なんて呼んでるけど…」

西園寺「正確に言うと、彼女が蔓延させているのは“絶望”じゃないんだ。」

田中「絶望じゃない…?」






西園寺「彼女の行動理念は、“エガオ”なんだ。」




澪田「笑顔…?」

澪田「たしか、真昼ちゃんが得意としている分野も…」


小泉「し、知らない知らない!!アタシは、関係ない!!」




西園寺「世界中の人間を“エガオ”にするために彼女は…」

西園寺「電波ジャックをして、自分の撮った写真を垂れ流しているんだよ。」


澪田「え、笑顔ってなんすか!?」

澪田「だって外の人間は、みんな死んで行ってるんだよね!?」

澪田「笑顔もクソもないじゃないっすか!!」




西園寺「そんなの知らないよ。」


西園寺「ただ彼女は…」

西園寺「皆がエガオになるためには、世界中の人間が死んでも構わないって思っているみたいだね。」


田中「な、何だそれは…!?」

澪田「か、完璧に狂ってるじゃないっすか!!」

小泉「そうね…。そんな変人、アタシの知り合いにはいないわよ。」




西園寺「厄介なのは、彼女の理念が“希望”にも“絶望”にも関係していないことだよね。」


西園寺「たとえ、江ノ島盾子の絶望にすら屈しなかった人間でも…」

西園寺「その人間が、彼女の意思に飲み込まれないとは限らないんだ。」


西園寺「だからこそ、霧切おねぇや腐川おねぇも狂ってしまったんだよね、苗木おにぃ。」

苗木「…」




澪田「…あれ?」

田中「どうした?」


澪田「日寄子ちゃんも、“エガオ”の写真を見せつけられたんすよね?」

西園寺「うん、そうだよ?」


澪田「じゃあどうして、正常でいられるの?」

西園寺「…」


西園寺「世の中には様々な人間がいるんだ。」

西園寺「だから彼女の写真を見ても、正気でいられる人間だっている。」




西園寺「だけど…彼女の写真に侵されない人間は…」

西園寺「そのほとんどが、“正常だったころの彼女の写真”を見ているんだ。」

田中「どういうことだ…?」


西園寺「今の彼女の写真が、狂ったものだとわかっているから。」

西園寺「本来の彼女が取っていた写真で、本当の“笑顔”がどういうものかが分かっているから…」

西園寺「彼女の意思に、飲み込まれなくて済んだんだ。」


西園寺「だからこそわたしたちは、“絶望のカリスマ”と立ち向かえるんだよ。」

西園寺「そうだよね、苗木おにぃ。」

苗木「…うん。だからこそ、ボク達4人は生き残ることができた。」




苗木「でも…2人は、ダメだった…!!」

澪田「な、なんの話をしてるんすか…?」



苗木「…ボクたちが前のコロシアイを強要されていた時。」

苗木「江ノ島盾子の罠の一環として、ボク達78期生の集合写真を配られたことがあったんだ。」


苗木「アレは、ボク達を疑心暗鬼にする為の物だったんだけど…」

苗木「写真自体は…写っている全員が、輝いているような笑顔であふれていて…」


苗木「皆の笑顔を知っていたからこそボクは、“エガオ”の映像に耐えることができたんだ。」




苗木「でも、霧切さんとジェノサイダ―翔は…」


小泉(ジェノサイダ―翔…?)


苗木「皆の集合写真を見てなかったから…」




西園寺「彼女の撮る狂った“エガオ”こそが唯一無二の絶対的正義だと信じて疑わなくなって…」


西園寺「彼女を“超高校級の母”なんて呼んで崇めだして…」


西園寺「最期には…人が変わったように狂気的な演説をして、自ら命を絶ってしまった。」


西園寺「それを発端として、コロシアイ修学旅行が始まったんだ…。」




ちょっと中途半端だけど、今日はここまで。




再開



澪田「んん…?やっぱり日寄子ちゃんの言ってることはおかしいよ!!」

西園寺「どうして?」


澪田「“絶望のカリスマ”は、外の人間を“エガオ”にすることが目的なんだよね?」

西園寺「それがどうかした?」




澪田「じゃあなんで“絶望のカリスマ”は、コロシアイを外の人間に見せつけているんすか!?」

澪田「外の人間を“エガオ”にすることと、唯吹達のコロシアイを見せつけることに、何の関係もないっすよ!!」


小泉「そうよ。結局日寄子ちゃんは…」

小泉「適当なことを言って、アタシを陥れたいだけでしょ…?」




田中「それか、未来機関がコロシアイ修学旅行を始めたことが、“絶望のカリスマ”にとっては想定外だったのか?」


田中「そもそもコロシアイ修学旅行による未来機関の目的は、我らの選別だったはずだ。」

澪田「そうして生き残った唯吹たちを、未来機関に招き入れる予定だったんだよね。」


西園寺「当然、“絶望のカリスマ”は例外だけどね。」

小泉「ひっ…」




田中「ならば…“絶望のカリスマ”の意思とは無関係に、コロシアイ修学旅行が始まったとも考えられる。」


西園寺「それはないよ。」

西園寺「だって霧切おねぇと腐川おねぇの演説は、間違いなく“絶望のカリスマ”が仕組んだことだから。」

西園寺「コロシアイ修学旅行は、間違いなく“絶望のカリスマ”が望んだことなんだよ。」


澪田「じゃ、じゃあやっぱり、日寄子ちゃんの言ってることはおかしいっす!!」

澪田「コロシアイとエガオなんて、一切関係ないんすから!!」





西園寺「…それがどうも、関係ないとは言い切れないんだよね。」


田中「何だと?」




西園寺「どうも彼女の思う“エガオ”ってのにはね、“絶望”が関係してるみたいなんだよ。」

小泉「なによ、それ!!どう関係するってのよ!!」


西園寺「わたしが知るわけないでしょ?アンタの方が100倍知ってるはずじゃん。」

小泉「だ、だからアタシは、そんなの知らないって…!!」




西園寺「だからこそ彼女は、アンタらを“超高校級の絶望”として味方に引き込んで…」

西園寺「コロシアイ修学旅行という絶望的なエンタ―テイメントを作り上げたんだ。」


西園寺「全部、アンタが仕組んだことなんだよ。」

西園寺「小泉おねぇ。」


小泉「ち、違う…アタシじゃない…!!」




澪田「そ、そうっすよ!!真昼ちゃんが“絶望のカリスマ”だなんて、根拠がないっす!!」

田中「ああ。西園寺が、ハッタリをかましているだけかもしれん。」

田中「だいたい、人の価値観を捻じ曲げる写真など、あまりにも現実離れしすぎている…!!」


小泉「そ、そうよ!!ア、アタシを揺さぶろうったって、そうはいかないんだからね!!」





西園寺「はあ…。小泉おねぇ。いつまで被害者を気取ってんの?」



西園寺「いい加減に、思い出せよ!!」


西園寺「アンタが、“絶望のカリスマ”だってことを!!」





小泉「うっ…!?」












「アタシについて来ない?九頭龍組なんて、アリンコのように踏みつぶさせてあげるから。」


「…」





「くだらない。」




「…くだらないって?」



「九頭龍組を潰す?なんでアタシがそんなことしなきゃいけないのよ。」

「そんなことしたって、ただ虚しいだけじゃない。」

「誰も、笑顔にできないじゃない。」

「いくら九頭龍組が憎いからって…復讐なんて間違ってる。」

「そもそもアタシには、アイツを裁く権利なんてないんだから…」




「九頭龍組を潰すなんて、無意味か…。」

「貴方…九頭龍組がそんなに憎いのに、九頭龍組の笑顔を望むの?」


「…それが“超高校級の写真家”とも称されていた、アタシの自己表現だから。」


「そっか…。」




「でも…なにも、九頭龍組を絶望に堕としたからといって、彼らを“エガオ”にできないわけじゃないわよ?」


「…言ってる意味が分からない。」



「そう?貴方には、わかってんじゃないの?」




「だって貴方、自分が絶望的な状況に置かれているってのに…」







「さっきからずっと、“エガオ”なんだもん。」





「…」




「貴方、名前は?」


「…コイズミマヒル。」


「アタシは、江ノ島盾子。」


「もう1度聞くけど…アタシについて来ない?」




「…」




小泉「はっ!?」



小泉「はぁ…はぁ……」






言弾:江ノ島盾子の勧誘を獲得!!




25.江ノ島盾子の勧誘

『学園時代のコイズミマヒルの記憶。江ノ島盾子に勧誘されたからこそ、コイズミは絶望に堕ちてしまった。』





小泉(な、なに…?今の、記憶…。)


小泉(なんで急に、思い出して…)





小泉(いや…。そんなことはどうでもいい。)


小泉(この記憶こそが…アタシが“絶望のカリスマ”じゃないことを証明しているんだ…!!)




PHASE14 議論開始!!



言弾:(>>328>>329>>330>>331>>769


25.江ノ島盾子の勧誘

21.絶望のカリスマ

12.カムクライズルの独白



西園寺「思い出せ、小泉真昼!!」

西園寺「アンタが、“絶望のカリスマ”なんだよ!!」

西園寺「【“超高校級の絶望”達を唆して、自分の味方に引き入れたのも】ね!!」


小泉「そ、そんなわけがないでしょ!!」

小泉「アタシなんてただのしがない1人の写真家で…」

小泉「世界がどうとかなんて、一切関係ない平凡な一般市民なんだよ!?」


澪田「そうっすよ!!きっと日寄子ちゃんが、【真昼ちゃんにイジワルしているだけ】っす!!」

田中「そもそも、西園寺の言う[悪質な写真が外の世界で出回っている]という話も信用できん。」


西園寺「写真があること自体は間違いないけどな―。」

苗木「うん…。そこは、否定できないんだ…。」


田中「仮にそのような写真が出回っていたとしても、それを【小泉が撮ったとは断定できん】だろう…!!」

田中「[別の人間が写真を撮った]とも考えられる!!」

澪田「何より…今まで一緒に過ごしてきた仲間を疑いたくない!!」


西園寺「ふん。人の価値観を変えるほどの写真を小泉おねぇ以外の誰が撮れるんだっての。」

西園寺「それこそ、【超高校級の希望】でもないと…」




小泉(アタシは、“絶望のカリスマ”なんかじゃない!!アタシは、勧誘“される”側だったんだ…!!)



安価↓1




不正解


西園寺「ふん。小泉おねぇ以外の人間が撮った根拠なんてないじゃん。」

小泉「ア、アタシが撮った根拠もないじゃない!!」

西園寺「…」



小泉(もっと簡単に、アタシが“絶望のカリスマ”じゃないことを証明する方法がある…!!)



安価↓1




正解


江ノ島盾子の勧誘→【“超高校級の絶望”達を唆して、自分の味方に引き入れたのも】



小泉「その推理はピンボケだよ!!」論破



BREAK!!




小泉「あ、あははははは…」


小泉「日寄子ちゃんは、どうしてもアタシを絶望のカリスマに仕立て上げたいみたいだけど…!!」


小泉「そうはいかないわよ!!」



西園寺「…」




小泉「だだだだだだって、アタシは思い出したもん!!」



小泉「アタシは、皆の勧誘なんて行ってないんだ!!」


小泉「全部全部、江ノ島盾子がやったことなんだよ!!」


小泉「アタシも皆と同じで、江ノ島盾子によって絶望に堕とされたんだ!!」




小泉「その証拠にアタシ、江ノ島盾子に勧誘された記憶が確かにあるの!!」


小泉「アタシについて来ないかって…!!」


田中「!!」




小泉「ね!?そうでしょ!?ア、アタシも、皆と同じ、江ノ島盾子の被害者なんだよ!!」


小泉「だ、だからアタシにも、同情の余地が…」






田中「貴様!!今、何と言った!?」


小泉「えっ…!?」





田中「貴様は今…」


田中「自分が何を言ったかわかっているのか!?」




小泉「え、ええ…?」


小泉「ど、どうしちゃったのよ、田中…」


小泉「急に、怖い声出して…」




苗木「…残念だけど、小泉さん。」

苗木「今の発言は、未来機関にも伝わっている。」


小泉「え…。」





苗木「だから…未来機関も、すぐに気付いてしまうと思う。」



苗木「小泉さんが、“絶望のカリスマ”だって…」


小泉「え…?え…?」





小泉「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

小泉「な、なんで今ので、アタシが“絶望のカリスマ”になるのよ!!」


小泉「むしろ逆でしょ!?アタシ以外の人間が“絶望のカリスマ”である証拠でしょ!?」

小泉「だ、だってアタシは皆と同様に、江ノ島盾子に勧誘されてるんだよ!?」




田中「…今までの資料。」

小泉「え…?」


田中「そのほとんどが、江ノ島盾子について語っていたが…」

田中「江ノ島盾子を形容するとき、必ず“元絶望のカリスマ”と表記されていたんだ。」


小泉「そ、それが、どうしたのよ…?」

小泉「江ノ島盾子が“絶望のカリスマ”であることは何も関係ないでしょ!?」




田中「“絶望のカリスマ”ではない。“『元』絶望のカリスマ”だ。」

田中「つまり…江ノ島盾子はすでに、過去の人物として記述されているんだ。」



田中「しかし…今までの資料の中で唯一、“絶望のカリスマ”と表記されていた資料があったんだ。」

田中「“元”ではない、“今”の絶望のカリスマとして…」


西園寺「勘が鋭いねぇ!!さすがは厨二病!!」

澪田「え、えっと、その資料ってのは…?」


西園寺「ほら、これだよ。」




『未来機関は、15人の、希望ヶ峰学園の生き残りを保護することに成功した。』


『しかし取り調べを進めていくうちに、かれらが“超高校級の絶望”の残党だということが発覚した。』


『“人類史上最大最悪の絶望的事件”を扇動した連中だ。未来機関の中では全員を抹殺する事を提言する人間が多数いた。
彼らの中にも、奴らに家族を殺された者が山ほどいる。』


『しかし腐っても元は“希望”。かれらをうまく扱えば、未来機関にとって大きな力となるかもしれない。
そこで未来機関が起用したのが、“希望更生プログラム”…。15人の絶望の、絶望の成分を取り除くことが目的である。』


『通常なら、絶望の残党は速やかに処分すべきだが…』



『かれらも“絶望のカリスマ”である彼女の被害者である、という意見も少数ながら存在する。
彼らの意見も尊重し、絶望の残党の処置はこのようなものとなった。』


『超高校級の絶望の時代のかれら15人の記憶を奪い、監視者2人の元でかれらの希望を取り戻し、
再びこの世界の希望を…』




西園寺「これを見たらわかるでしょ?」

西園寺「絶望の残党は、“絶望のカリスマ”の被害者だって。」


西園寺「“元”じゃなくて、“今”の絶望のカリスマの被害者だって。」




澪田「ちょっと待つっすよ!!どうして加害者が、今とか昔だとかわかるんすか!?」

西園寺「言ったでしょ?今と昔で絶望のカリスマの理念が違うって。」


西園寺「昔は、何の行動理念も存在しない、純粋な絶望だったのに対して…」

西園寺「今は、世界中の人間を“エガオ”にするっていう、はっきりをした行動理念に従っているんだ。」


西園寺「だから、被害者の症状を少し見ればわかるんだよ。」

西園寺「今と昔の、どっちの被害者かなんてね。」





苗木「つまり…“超高校級の絶望”と呼ばれるキミたちを勧誘したのは、江ノ島盾子じゃないんだ。」





苗木「1人を…除いて…。」


澪田「あっ…。」





西園寺「そう。“超高校級の絶望”を勧誘したのは、“絶望のカリスマ”なんだ。」





西園寺「だから…江ノ島盾子が勧誘したのは、アンタらの中ではただ1人。」



小泉「あ…ああああああぁああああああ…………」






西園寺「“絶望のカリスマ”だけなんだよ。」





西園寺「そうだよね?」


西園寺「小泉おねぇ。」





小泉「ち、ちがう、違うんだって…。」


小泉「こ、これは何かの間違いよ…。」



小泉「ア、アタシは何もし、しら、知らな…」




西園寺「いつまでシラを切るつもり…?」

西園寺「もう、言い逃れできないんだよ。」



西園寺「これでやっと、未来機関も重い腰を上げるだろうから。」

田中「重い腰を上げるだと…?」




苗木「未来機関は“絶望のカリスマ”がキミたちの中に紛れ込んでいるなんて、本来は思っていなかったんだ。」

苗木「ましてや小泉さんが“絶望のカリスマ”だなんて、微塵も疑っていなかったんじゃないかな。」



苗木「ついさっきまでは…」


小泉「ひぃっ…!?」




澪田「えっと…。じゃあさっきから日寄子ちゃんが真昼ちゃんを揺さぶってたのって…!?」

田中「ただのハッタリだったのか…!!」

西園寺「ハッタリじゃないよ。ただ、未来機関がわたしの意見を聞き入れてなかっただけ。」


苗木「未来機関が、西園寺さんの意見を受け入れなかったのも無理はないかもね。」

苗木「未来機関は、カムクライズルこそが“絶望のカリスマ”だと思い込んでたみたいだからね。」

田中「カムクライズルだと…?」




苗木「江ノ島盾子の真似事が可能なのは彼ぐらいだって、未来機関は目星をつけたんだ。」

苗木「希望ヶ峰学園が生み出した、人工の“超高校級の希望”である彼なら…」

苗木「“写真家”の能力も当然持っているだろうしね。」


澪田「で、でも…写真家と聞いたら、まずは真昼ちゃんを思い浮べるっしょ!?」

澪田「どうして未来機関は、真昼ちゃんという選択肢をすぐに切り捨てたんすか!?」





西園寺「未来機関が、認めたがらなかったからだよ。」



西園寺「希望ヶ峰学園の落ちこぼれに、ここまで踊らされているなんてね。」




田中「希望ヶ峰学園の落ちこぼれ…?」

西園寺「皆のプロフィ―ル、覚えてる?小泉おねぇの名前のところに×印があったでしょ?」

西園寺「あれ…希望ヶ峰学園を退学になった、って意味なんだ。」

小泉「えっ…!?」




西園寺「もともと希望ヶ峰学園は、小泉おねぇの才能を適切に評価できてなかったらしくてね。」

西園寺「そんなところで小泉おねぇ、九頭龍組の件で希望ヶ峰学園を退学しちゃったからさ。」


西園寺「希望ヶ峰学園は小泉おねぇに、落第生の烙印を押していたんだよ。」





西園寺「だから未来機関は、小泉おねぇが“絶望のカリスマ”だとどうしても認められなかったんだ。」



苗木「うん…。“絶望的な映像”が小泉さんの写真だ、っていう西園寺さんの意見を即座に却下してたね。」

西園寺「ほんっと、プライドだけは一人前で、何の才能もない奴らの集まりだよ。」

西園寺「そのせいで小泉おねぇに、ここまで好き放題されたんじゃないの。」




苗木「だからこそ西園寺さんは、未来機関に提案したんだったよね。」

澪田「提案とは…?」


西園寺「小泉おねぇが“絶望のカリスマ”であることを証明してやる…ってね。」

小泉「…!!」




田中「では…貴様が、この学級裁判を開いた本当の意図は…!!」

西園寺「ああ、やっと気づいたの?」



西園寺「そもそも、おかしいと思わなかった?黒幕が、自分の正体を当てろなんて言ってきたことにさ。」

西園寺「自分自身を追いつめる裁判を開いて、何の得があるんだってね。」


小泉「…!!」





西園寺「鈍感な小泉おねぇでも、もうわかったよね?」


西園寺「この学級裁判は、アンタらがわたしの正体を突き止めるための裁判じゃない。」






西園寺「わたしが、アンタらの中から“絶望のカリスマ”をあぶり出すための裁判だったんだよ!!」



小泉「う、うううぅうううぅうう…!!!!」




西園寺「これで、未来機関も認めざるを得ないだろうね。小泉おねぇが“絶望のカリスマ”だって。」


小泉「ちょ、ちょっと待って、日寄子ちゃん…。」




小泉「その場合、アタシ…」


小泉「どうなっちゃうの…?」





西園寺「簡単だよ。未来機関に連行されて、公開処刑だろうね。」


小泉「ひぃいいいい!!!?」




西園寺「ま…カムクライズルが“絶望のカリスマ”だった場合、生かした状態で保護しろっていう命令だったんだけど。」

澪田「え?どういうことっすか?」


西園寺「未来機関は、カムクライズルの能力を相当買っているんだよ。」

西園寺「それも仕方ないことだけどね。」

西園寺「彼は“超高校級の希望”と呼ばれていて、あらゆる才能を持て余しているんだから。」

西園寺「たとえそれが“絶望のカリスマ”だろうと、カムクライズルの能力を捨てたくないんだろうね。」


田中「それほどまでに、カムクライズルは重要な人物ということか…。」




西園寺「だから“絶望のカリスマ”がカムクライズルだった場合…」

西園寺「他の絶望の残党と同様に、未来機関に招き入れる予定だったんだけど。」


西園寺「小泉おねぇみたいなモブが“絶望のカリスマ”だと判明したから、未来機関は問答無用で処刑に取り掛かるよ。」

小泉「ひぃいいいいぃいい……」




西園寺「それも、ただの処刑じゃない。」



西園寺「未来機関が“絶望のカリスマ”を、完全に打ち破ったんだという事実を全世界に誇示するために、
全チャンネルで小泉おねぇの処刑だけを映すようにして…」


西園寺「“絶望のカリスマ”が今までわたしたちに蓄積させてきた、恨みや復讐の念を一点に集中させて。」



小泉「ひゅう…ひゅう……」




西園寺「小泉おねぇの頭のてっぺんから足の指先まで、全身を余す所なく…」


西園寺「切り刻んで、針の山にうずめて、火であぶって、電流で犯して、害虫の餌にして…」


西園寺「そうして苦痛で満たしていって、それはそれは絶望的に小泉おねぇを壊していくんだろうね。」



西園寺「すべては、“希望”のために…。」




小泉「ま、待って…。そんなの、嫌よ…。」

小泉「ア、アタシは“絶望のカリスマ”なんて大それた肩書に値するような胆力なんて持ってない。」


小泉「しょ、処刑なんて物…き、聞いただけで足がすくんじゃって……」

小泉「き、きっと、処刑場に到着しただけで、ショック死しちゃうよ…。」



小泉「お願い日寄子ちゃん、アタシを助けて…。」

小泉「ほ、ほら、助けてくれたら今度、帯の結び方を教えてあげるからさ…」







西園寺「…ふざけないでよ。」






小泉「え…。」





西園寺「引き留めるわたしを置き去りにして、“絶望のカリスマ”なんかに堕ちた小泉おねぇを…」


西園寺「ついさっきまでわたしを“絶望のカリスマ”に仕立て上げて、わたしを蔑んでいた小泉おねぇを…」



西園寺「親友だと思っていたのに、わたしを裏切った小泉おねぇを…!!」







西園寺「なんで、わたしが助けないといけなの?」





今日はここまで。




再開



小泉「ちょ、ちょっと待ってよ日寄子ちゃん…。アタシは、記憶がなくて…」


小泉「そ、そうよ。アタシは、記憶がないんだって。」

小泉「絶望時代のアタシなんて、アタシじゃない。」

小泉「“絶望のカリスマ”なんかアタシじゃない。」

小泉「アタシは、小泉真昼なんだ!!」


小泉「そ、そうでしょ?アタシの言ってること、間違いじゃないよね?」

小泉「だから…記憶がない状態のアタシを責める未来機関の方が、間違ってるんだ!!」

小泉「アタシは、処刑されるべきじゃないんだよ!!」


小泉「ね?ね?日寄子ちゃんも、そう思わない?」




西園寺「はぁ…。どうしよう、見ているだけで恥ずかしいよ。」


西園寺「この期に及んで、聞くに堪えない演説をひけらかすなんてさ。」

西園寺「そんなことをしても、わたしの気を変えることなんてできるはずもないのに。」


西園寺「どこまでわたしを幻滅させれば気が済むの?小泉おねぇ。」


小泉「ひぅ…。」




西園寺「わたしが自分の正体を明かすまでは、わたしに『小泉おねぇ』と呼ぶことすら許さず…」

西園寺「さっきの投票で、ためらうことなくわたしに投票しようとしていたくせに。」

小泉「そ、それは、その…」



西園寺「自分が“絶望のカリスマ”だとわかった途端、まるで手のひら返したように猫なで声を出しちゃってさ。」

西園寺「もう…そういうアンタの言動に、こっちはほとほと愛想尽かしてんだよ。」


西園寺「だから、もうわたしに…」





西園寺「すり寄ってくんな、気持ち悪い。」



小泉「そ、そんな…。」

小泉「ひ、日寄子ちゃんにまで見捨てられたら、アタシ…」





西園寺「と言いたいところなんだけどね。」


小泉「え?」



西園寺「そんな小泉おねぇに、最後のチャンスが与えられているんだよ!!」


田中「最後のチャンスだと!?」

澪田「な、なんすかそれ!?」




西園寺「さっき言ったでしょ?投票だって!!」

小泉「と、投票…?」


西園寺「卒業試験を合格した3人には、未来機関に招き入れられる権利があるってのはわかってるよね。」

田中「3人だと?小泉を抜けば、2人では…」




西園寺「でもね。それはあくまで“権利”であって、“義務”じゃないんだ―。」

澪田「唯吹たちが、未来機関に入ることを拒否できるってこと?」


西園寺「そう。だから…」

西園寺「未来機関へ行く気が澪田おねぇ達にあるかどうかを調べるために用意されてたのが、本来の投票なんだよ。」


西園寺「まあ小泉おねぇが“絶望のカリスマ”だって判明したから、投票の意味が少し変わっちゃったけど。」

小泉「っ…!!」




西園寺「未来機関に入ることを拒否したい場合は、わたしに投票してね。」

西園寺「そうするとアンタらは、未来機関に反旗を翻したことになって、晴れて未来機関のお尋ね者になるってわけ。」

澪田「えぇ!?未来機関に入らないと、唯吹たちは消されちゃうの!?」

西園寺「そうだよ。簡単に言うと、扱いが“絶望のカリスマ”と同じになるってこと。」


西園寺「そうなるのを防ぐために、苗木おにぃはさっきの投票で割って入ったみたいだけど。」

苗木「…」




西園寺「まあ小泉おねぇに仲間ができるわけだから、未来機関から逃亡できる可能性はちょっとは出て来るだろうね。」



西園寺「で。未来機関に処刑されるのが嫌なら、小泉おねぇに投票して。」

西園寺「その場合は、澪田おねぇ達は未来機関への仲間入りを果たすの。」


田中「そうして、俺達の安全が保障されるということか…。」

西園寺「ま、そういうことだね。」




西園寺「本来の投票と決定的に違うのは、“絶望のカリスマ”である小泉おねぇの投票権がなくなる事と…」


西園寺「投票の結果が小泉おねぇだった場合、“絶望のカリスマ”である小泉おねぇは即座に処刑されることだよ。」

小泉「ひぃっ!!」





西園寺「つまりアンタらは小泉おねぇを犠牲にすれば、命だけは助かるんだよ!!」


澪田「な、ななな…!!」

田中「俺達に、どちらかを選べと言うのか…。」


小泉「え、えっと、えっと…。」

小泉「ふ、2人とも…。」


田中「…」

澪田「…」




西園寺「くすくすくす…。どう?小泉おねぇ。」

西園寺「自分の命を、他人が握っている感覚は。」


小泉「う、うう…。」




西園寺「ほら、小泉おねぇ。2人に命乞いをしてなくて大丈夫なの?」


西園寺「今のうちに靴の裏でも舐めておかないと。」

西園寺「それか、色仕掛けでも使ってみる?」

西園寺「その貧相な身体で、どこまで通用するかわからないけどね!!」


西園寺「早く媚びておかないと2人とも、小泉おねぇに投票しちゃうよ?」

西園寺「自分の命を顧みずにわざわざ小泉おねぇの仲間につくなんて、メリットが全くないもんね!!」


小泉「…」



小泉「えっと、田中、唯吹ちゃん…」


小泉「もしよかったら、その…」




田中「おい、澪田よ。」

田中「念のために聞いておくが…どうする?」

小泉「えっ…?」


澪田「…」

澪田「それ、聞いちゃうっすか?聞くだけ野暮って奴っすよ。」


田中「ふん。そうか。」

田中「確かに、聞くまでもなかったようだ。貴様も、俺様と同じ考えか。」


小泉「え、ええっと、もしかして2人とも…ア、アタシに投票…」





澪田「『西園寺』って書いてある、スイッチを押せばいいんだよね。」



小泉「え…?」



田中「ああ、間違いない。」


小泉「ふ、2人とも…?」




澪田「残念!!もう押しちゃったっす!!」

澪田「だからもう誰が何と言おうと、取り消し不可っすよ!!」


田中「これで後戻りはできない、か。」

田中「だが…後腐れもない。」


田中「毒を食らわば皿まで。」

田中「俺達は…小泉の味方をすると、すでに決めているんだ。」


田中「安寧たる選択肢に逃げるくらいなら…あえて茨の道を進む生き方を、俺様は選ぶ。」

田中「ふん…。コレが、田中眼蛇夢が生きる道のりだ。」




澪田「そうっすよ!!」


澪田「大体、希望だか何だか知らないけど、あんなに怯えている真昼ちゃんをよってたかっていじめたり…」

澪田「唯吹達の仲間を何人も犠牲にしたりした未来機関なんて、こっちから願い下げっす!!」


澪田「やってやるっすよ!!いつ殺されるかなんてわからないけど…」

澪田「未来機関に、反旗を翻してやる!!」


小泉「た、田中…!!唯吹ちゃん…!!」




西園寺「…」


西園寺「まあ2人なら、何となくそう言うだろうなって思ってたよ。」

西園寺「それが…アンタらがこの島で築き上げた、“絆”なんだから。」


澪田「ふ~んだ!!なんでもかんでも自分の思い通りになると思ったら、大間違いっすよ!!」





西園寺「でもね。そういう2人のたくらみを壊すために、彼は居るんだよ。」




西園寺「ね?苗木おにぃ。」



澪田「え?」


苗木「…」




西園寺「さっきも言ったけど、苗木おにぃはね。」

西園寺「わたしに投票させないために、わざわざ割って入ってまで皆の投票を阻止したんだ。」


西園寺「そうやって投票のための頭数をそろえた後は…」

西園寺「わたしと苗木おにぃが小泉おねぇに投票すれば2対2の同点だから、投票の結果は小泉おねぇになるってわけ。」


小泉「ど、どういうこと…?」




西園寺「つまり彼にとっての希望とは、アンタらが未来機関に逆らって死ぬことではなく…」

西園寺「未来機関に服従してでも、生き残ってもらうことなんだよ。」


西園寺「たとえ、小泉おねぇを犠牲にしてでも。」

小泉「…は?」




小泉「い、いやいやいやいや…。そんなわけないでしょ…。」


小泉「だ、だって苗木さんは、アタシ達のために希望更生プログラムを発案してくれて…」

小泉「コロシアイ修学旅行に発展した後も、アタシ達全員が生き残ることを願ってくれていたんでしょ?」

小泉「実際コロシアイ修学旅行という案に反対してくれたって、資料にも書いてあったし…」


小泉「そ、そんな苗木さんが、アタシに投票なんてするわけ…」





苗木「…ごめん、小泉さん。」


小泉「え…。」



苗木「ボクは…西園寺さんには、投票できない。」


小泉「は?」




西園寺「あはは、ざんね―ん!!」


西園寺「ついに小泉おねぇ、苗木おにぃにまで見捨てられちゃったね―!!」


西園寺「クラス全員の名前をきっちりと覚える心優しい委員長にも路上の痰のように煙たがれる、
“絶望の残党”にすら温情を見せた“超高校級の希望”である苗木おにぃにさえも見捨てられちゃったね―!!」




小泉「ちょ、ちょっと待ってよ…。」


小泉「じゃ、じゃあ…アンタ、何しに来たのよ…。」

小泉「ま、まさかアタシに、諦めて死ねって言いに来たの…?」


小泉「ははっ…。笑えないわ。」




苗木「ち、違う!!」


苗木「ボクだって頑張ったさ!!」

苗木「ボクだって、小泉さんを含めたキミ達全員を助けたかった!!」


苗木「でも…ダメだった…!!」

苗木「ボクにはもう、こうすることしか…!!」



苗木「“彼”に、わずかな希望を託すことしか…」




西園寺「無理しなくていいんだよ、苗木おにぃ。アンタは悪くない。」

西園寺「“絶望のカリスマ”の肩なんて持ってしまったら、いくら苗木おにぃでも…」




西園寺「それに…憎き仇である“絶望のカリスマ”が判明して、内心穏やかじゃないんでしょ?」


西園寺「今すぐにでも襲い掛かって、殴り殺したいって思っているんでしょ?」



小泉「えっ…?」




西園寺「霧切おねぇと腐川おねぇは、苗木おにぃにとってかけがえのない存在だったんだ。」

西園寺「コロシアイ学園生活を共に生き延びて、そこから未来機関に保護されるまでの間も支え合って。」


西園寺「未来機関に所属した後も、苗木おにぃたち6人は…」

西園寺「周りのわたしたちにも伝わってくるような、言葉では表せないほどの絆で結ばれていたんだ。」


苗木「…」





西園寺「そんな2人を…小泉おねぇの勝手な都合で理不尽に、しかもあんなに惨たらしく殺されたんだ。」


小泉「…!!」




西園寺「これで苗木おにぃが小泉おねぇを恨まないなんて、嘘だよ。」

西園寺「むしろ恨まないほうが、人間として間違ってる。」

西園寺「“超高校級の希望”なんて周りは勝手にもてはやしているけど、苗木おにぃだって普通で平凡な人間なんだよ。」



西園寺「自分の大事な存在を奪われれば、それに憤慨できる、至極まっとうな人間なんだよ…!!」


小泉「ううぅううううううぅううう……」




西園寺「わたしだってそうだよ。」


西園寺「わたしだって最初は苗木おにぃと同じように、小泉おねぇを助けようと思ってたんだ。」

西園寺「たとえ小泉おねぇが、“絶望のカリスマ”だったとしても…。」


小泉「え…。」




西園寺「だからこそわたしは、未来機関に入ったんだ。」


西園寺「小泉おねぇが“絶望のカリスマ”だって未来機関にばれないように…。」

西園寺「ばれたとしても、未来機関を何とか説得するために…。」

西園寺「いざという時は未来機関を裏切って、小泉おねぇを逃がすために…。」


西園寺「いつか必ず、“絶望のカリスマ”に堕ちた小泉おねぇの目を覚ましてあげるために…。」


小泉「ひ、日寄子ちゃん…。」






西園寺「自分の大切な存在を殺されるまではね!!」





小泉「えっ…?」


田中「自分の大切な存在だと…?誰だそれは?」

西園寺「わからない?アンタらは、すでに見ているはずだよ?」

小泉「ア、アタシ達が既に見ている…?」



1.子供の死体

2.罪木

3.影武者



安価↓1




不正解


西園寺「…外れ。」



小泉(そもそも日寄子ちゃんは、コロシアイ修学旅行に積極的だった…。)

小泉(つまり日寄子ちゃんの言う人物は、コロシアイ修学旅行の前に殺された人間だ…。)



安価↓1




正解


小泉「そっか…!!」解


小泉「それってまさか、子供の死体…?」

澪田「そ、そういえば…。子供の死体って誰なんすか?」

西園寺「この際だから教えてあげるよ。」



西園寺「アンタら絶望によって“理不尽”に殺されて、わたしに絶望を淘汰する気にさせたあの焼死体は…!!」







西園寺「わたしのお父さんだよ!!」




小泉「!!」




澪田「お、お父さん…!?日寄子ちゃんのお父さん…!?」

澪田「でもアレは、子供だって…」


田中「いや…。希望病の存在がある限り、体型の矛盾は一切指摘できんのだ。」

澪田「そ、そっか…。」




西園寺「わたしのお父さんはね。お父さんだけはね…。」

西園寺「最期までわたしの味方だったんだよ…。」


西園寺「日本舞踊家なんて聞こえはいいけど、その実態は胸糞悪いほどにドロドロとしたものなんだ。」

西園寺「才能のない連中がわたしをねたんで、わたしを陥れようと幾度となく陰謀を張り巡らせてきた。」

西園寺「そんな中でもお父さんがただそばにいるだけで、わたしは安心することができていたんだ。」


西園寺「わたしの、かけがえのない存在だったんだ。」


小泉「…」




西園寺「そういう存在を…わたしはアンタら絶望に“理不尽”に殺されたんだよ。」

西園寺「だからわたしはアンタら絶望を、躊躇なく淘汰することができたんだ。」

西園寺「たとえそれが、“絶望のカリスマ”の望むことだったとしても…。」


田中「だからこそ貴様は、父親をコロシアイ修学旅行に潜ませたのか…!!」

田中「俺達に、“絶望の残党”としての罪を見せつけるために…。」

田中「貴様の表現しうる最大の形で、精一杯の怨念をこめて!!」




西園寺「わたしは、絶望の残党を淘汰した。」


西園寺「アンタらの仲間を、何人も殺した。」



西園寺「そんなわたしは、責められるべきなの?」


西園寺「わたしは、本当に“理不尽”なの?」


西園寺「大切な人のために怨敵への報復をすることが、そんなに“理不尽”なの?」




西園寺「ねえ。教えてよ、澪田おねぇ。」


澪田「…」





西園寺「でも…でもね…。」


西園寺「わたしは最後まで、信じてたんだよ…。」



小泉「…え?」




西園寺「小泉おねぇは悪くないって。悪いのはあくまで、江ノ島盾子だけだって。」

西園寺「小泉おねぇが“絶望のカリスマ”に堕ちたのも、全部江ノ島盾子のせいなんだって…。」


西園寺「本来の小泉おねぇはきっと、平凡でまっとうで、皆を幸せにできる…」

西園寺「いつもわたしを大切にしてくれていた、わたしの大好きな小泉おねぇだって、信じてたんだよ…。」


西園寺「だからこそわたしはわざわざ記憶を消して、小泉おねぇと時間を過ごしたんだから…。」


小泉「ひ、日寄子ちゃん…。」





西園寺「でも…ダメだった。」


小泉「え…。」



西園寺「小泉おねぇと日々を重ねたけど…やっぱり、小泉おねぇを助けようとは思えなかった。」


西園寺「だって、小泉おねぇ…」







西園寺「あの時わたしを、助けてくれなかったもんね?」






小泉「あっ…!!!!」




西園寺「さてと…。そろそろ投票しよっか。」


西園寺「澪田おねぇ達はもうわたしに投票して、苗木おにぃも小泉おねぇに投票してるから…。」

西園寺「後はわたしが小泉おねぇに投票するだけで、小泉おねぇは処刑確定なんだけど…」

小泉「ひっ…!!」



西園寺「どうする小泉おねぇ?ほら、押しちゃうよ?」

小泉「ひぃっ!!ひぃっ!!やめて!!やめて!!」




西園寺「ふ~ん…。そんなに投票されたくないんだ。」



西園寺「じゃあ別に、投票しなくてもいいよ?」


小泉「や、やめて!!アタシに意地悪しないで!!」

小泉「…」





小泉「え?」


小泉「今…何って?」



西園寺「だから…わたしが、小泉おねぇに投票しなくてもいいよって言ったんだよ。」

小泉「ホ、ホント!?日寄子ちゃん!!」


西園寺「うん!!だって、他でもない小泉おねぇの頼みだもん!!」

西園寺「小泉おねぇが処刑されないように、わたしは自分に投票するよ!!」


小泉「あ、ああ…ありがとう、日寄子ちゃん…!!」

小泉「やっぱり日寄子ちゃんは、アタシのこと…!!」






西園寺「澪田おねぇを殺してくれたらね。」






小泉「…」


小泉「え?」



苗木「ちょ、ちょっと西園寺さん、何を…!?」

西園寺「アンタは黙ってろ!!」


澪田「なるほどなるほど~。」

澪田「その“澪田おねぇ”って奴を仕留めれば、真昼ちゃんは助かるってわけっすね。」

澪田「よくわかる解説、本当にありがとうございました~。」




澪田「…って。」


澪田「ええええぇええええええ!!!!?」




澪田「な、なんで唯吹なんっすか!?」

澪田「し、しかも殺すって…!?」




西園寺「…わからないの?澪田おねぇ。」

西園寺「じゃあ…自分のペッタンコな胸に聞いてみろよ。」


澪田「も、もしかして日寄子ちゃん…。」

澪田「3回目の事件のことを…」





西園寺「恨んでないとでも、思ってた?」


澪田「うっ…!!」




西園寺「そのためにわざわざ、澪田おねぇをここまで生き残らせたんだから。」

西園寺「澪田おねぇを、罪木を殺したクロに仕立て上げることまでしてね。」

西園寺「すべては、にっくき澪田おねぇを小泉おねぇに殺してもらうために…。」




田中「まて!!澪田が、罪木を殺したクロだと…!?」

西園寺「ん―?何かおかしかったかな―?」


澪田「おかしいっすよ!!唯吹は、蜜柑ちゃんなんて殺してないっす!!」

澪田「そもそも蜜柑ちゃんは、自殺だったはずっすよ!?」




西園寺「…なんで罪木は、自殺したと思う?」

澪田「え?」


西園寺「3回目の事件の時…。」

西園寺「モ―テルにいたわたしに絶望病を感染させる際、なぜか罪木まで感染したみたいでさ。」

西園寺「まあ…。これはわたしの影武者が、動機の一環として仕組んだことなんだろうけど。」

西園寺「そのせいで、罪木は思い出してしまったらしいんだよ。」



西園寺「罪木を“絶望の残党”に引き込んだのが、澪田おねぇだって…。」

澪田「は、はぁあああああ!!!?」




西園寺「正確に言うと…小泉おねぇに洗脳された澪田おねぇに、罪木は勧誘されたんだ。」


西園寺「それを思い出した罪木は、どうやら…」

西園寺「澪田おねぇに絶望を与えるために、あんなことを…」


西園寺「つまり罪木は…」

西園寺「アンタに呪い殺されたんだよ、澪田唯吹!!」


澪田「だから唯吹が、蜜柑ちゃんを殺したクロになった…!?」




田中「まて。それはおかしいぞ。」

西園寺「何がおかしいの?っていうかさっきからアンタ、おかしいおかしいばっかり言ってるよ―?」


西園寺「おかしといったらやっぱりこんぺいとうだけど、4色グミも捨てがたくって…」




田中「3回目の事件では、澪田は豚神の共犯者だったはずだ。」

西園寺「それがどうしたの?」


田中「共犯者は“シロ”のみなる事が可能だと言うル―ルがある。」

田中「ならば罪木が死んだ3回目の事件では、澪田は罪木を殺した“クロ”では有り得ないはずだ!!」


澪田「そ、そうっすよ!!日寄子ちゃん、無茶苦茶言っちゃダメっす!!」




西園寺「…モノクマファイルが渡された被害者とクロの関係は変わらないってル―ルがあったでしょ?」

田中「何…?」

西園寺「このル―ル、逆に言うと…」



西園寺「モノクマファイルを渡されない限り、被害者とクロの関係をわたしが自由に変えられるってことなんだよ。」



澪田「ええ!?」

田中「そうか…!!罪木のモノクマファイルだけは、依然として渡されていない…!!」




西園寺「だから…」

西園寺「3回目の事件では罪木は自殺。5回目の事件では罪木は澪田おねぇに殺された。」

西園寺「っていう風に、コロコロと調節できるんだ。」

西園寺「ね?おかしくないでしょ?」


西園寺「ま…。どうしてもおかしいって言うなら、仕方なく澪田おねぇを処刑してもいいけど…。」

澪田「え!?えっと…」


澪田「それはノ―サンキュ―っす!!」




西園寺「まあ、そんなことは問題じゃないんだよ。」


西園寺「重要なのは…」

西園寺「澪田おねぇを殺せば、小泉おねぇは投票されないってこと。」


小泉「…!!」




西園寺「それだけじゃない。未来機関に小泉おねぇが追われた後も、わたしが全力で小泉おねぇをサポ―トしてあげる。」

西園寺「全力で、小泉おねぇが未来機関に処刑されないようにしてあげる。」


西園寺「たとえ、未来機関を裏切ることになっても。」



小泉「えっ…!?」




苗木「ちょっと待ってよ西園寺さん!!」

苗木「澪田さんを殺させるなんて、まさか本気なの!?」

苗木「だってそんなことをしたら、西園寺さんは未来機関に…!!」



西園寺「…わかってるよ。それを承知で、わたしは小泉おねぇに提案してるんだ。」



小泉「な、なんで…?なんで日寄子ちゃんはそこまでして…」

小泉「アタシに、唯吹ちゃんを殺してほしいの…?」




西園寺「…あの時さ。」


西園寺「小泉おねぇがわたしのそばに残らなかったこと自体は仕方ないと思ったんだ。」

西園寺「リ―ダ―である豚足ちゃんの割り振りがあったんだし。」

西園寺「病院に残りたがらないわたしと人の世話をできる小泉おねぇを分断するのは、当然の成り行きだもんね。」


西園寺「だから…小泉おねぇがわたしを助けてくれなかったことにはもう文句言わないよ。」

小泉「…」




西園寺「でもさ。わたしが死んだとき、小泉おねぇにはもっと怒って欲しかったな…。」


西園寺「まあ…。死んだのは影武者の方だけど。」

西園寺「あの時小泉おねぇは、偽物だって気付いてなかったよね?」




西園寺「わたしの死に、本気で憤慨してほしかったな…。」



西園寺「憤慨して憤慨して…」

西園寺「それこそ、正気を失う位に…」


西園寺「お父さんを殺されたわたしがそうだったように…」




西園寺「途中までは、うれしかったよ。」


西園寺「だって小泉おねぇはわたしが死んだ時、命を顧みずにモノクマに突撃してくれたよね。」

西園寺「弐大おにぃが本気で止めに入る必要があるくらいに…。」


小泉「…」




西園寺「でもさ。3回目の裁判の後。」


西園寺「まさか小泉おねぇが、澪田おねぇを許すとは思わなかったな…。」

西園寺「わたしにあれだけのことをした澪田おねぇを。」

澪田「…」




西園寺「仮に小泉おねぇが九頭龍や辺古山おねぇに殺されたなら、わたしは絶対に2人を許さないのに。」

西園寺「小泉おねぇのために、きっと2人に報復してあげたのに。」


小泉「うぅ…!!!!」




西園寺「哀しい…っていうよりも、悔しかったな。」


西園寺「わたしが殺されても小泉おねぇは、1日もたたずにその怒りを忘れてしまう。」

西園寺「小泉おねぇにとってわたしは、所詮その程度の存在なんだって。」

西園寺「親友だと思ってたのはわたしだけだったんだなって、思い知らされちゃった…。」



小泉「ち、違うよ…。アタシだって、日寄子ちゃんのことを…」





西園寺「なら、証明してくれるよね?」


小泉「え…。」




そう言って日寄子ちゃんは、アタシに何かを投げてきた。




小泉「こ、これって、銃…?」


西園寺「そう。それで、澪田おねぇを撃ち殺して。」

澪田「ええっ…!?」


小泉「で、でもアタシ、銃なんて使ったこと…」

西園寺「できないとは言わせないよ?多分小泉おねぇなら、外すことはないから。」




苗木「ちょ、ちょっと、西園寺さん!!」


西園寺「止めようとしても無駄だからね!!」

西園寺「アンタみたいなナヨナヨもやしが止めに入れば、アンタも巻き込まれるよ!!」




西園寺「ほら、小泉おねぇ!!はやくしてよ!!」

西園寺「わたしにあんなに酷いことをした澪田おねぇを殺してよ!!」


西園寺「わたしの仇を取ることで…」

西園寺「小泉おねぇがわたしのことをちゃんと想ってくれているって、証明してよ!!」


小泉「…」




澪田「え、ええっと…。まさか真昼ちゃん、本当に撃ったりしないよね…?」

小泉「…」



小泉(日寄子ちゃんが、望んでいる…。)


小泉(アタシの親友が、望んでいる…。)



小泉(アタシの親友が…)






小泉(『ミオダイブキ』ノ“死”ヲ、ノゾンデイル…。)


小泉(ダカラアタシハ、『ミオダイブキ』ヲ…)




1.殺さない

2.殺さない

3.殺さない

4.殺す

5.殺さない



安価↓1





小泉(…)


小泉(アタシハ、『ミオダイブキ』ヲ…)


1.殺す

2.殺さない

3.殺さない

4.殺す

5.殺さない



安価↓1





小泉(…)


小泉(アタシハ、『ミオダイブキ』ヲ…)




1.殺す

2.殺す

3.殺さない

4.殺す

5.殺さない



安価↓1





小泉(…)


小泉(アタシハ、『ミオダイブキ』ヲ…)




1.殺す

2.殺す

3.殺す

4.殺す

5.殺さない



安価↓1





小泉(…)


小泉(アタシハ、『ミオダイブキ』ヲ…)











1.殺す

2.殺す

3.殺す

4.殺す

5.殺す

6.殺す

7.殺す

8.殺す

9.殺す

10.殺す

11.殺す

12.殺す

13.殺す

14.殺す

15.殺す

16.殺す





安価↓1





小泉「…」



アタシは、銃口を唯吹ちゃんに向ける。


そうするとなぜか、まるでカメラのファインダ―を覗いているかのような気分になった。





澪田「えっ…!?」


澪田「ちょ、ちょっと待って…」






小泉「ごめん、唯吹ちゃん…。」



小泉「日寄子ちゃんが、唯吹ちゃんの罪を清算してほしいっていうから…」


小泉「アタシの大事な親友が、どうしても唯吹ちゃんへ報復してほしいっていうから…」






小泉「恨まないでね。」





澪田「ひぃっ…!!」

田中「や、やめ…!!」




相変わらず、田中は遅い。


その程度のスピ―ドでは、アタシの射撃を止めることはできない。





今までアタシは、カメラのファインダ―で何人もの笑顔を捉えてきた。




その時の感覚と、銃の向こうに見える唯吹ちゃんに対する感覚が…


ぼやけていたピントが徐々に合わさっていくかのように、同調していく。




…だからなんとなくわかる。




アタシの撃つダンガンは…当たる。





パァン





小泉(…)






小泉(あれ?)






気付けばアタシの腕は、何者かからの外力により銃口が上になるように制止されていて、ピクリとも動かせない。



後ろから降ってきた言葉は、慈愛に満ちあふれていた。





「全く、小泉よ。相変わらずお前さんは、世話の焼ける奴じゃのう…」


「ほうれ、見てみぃ。お前さんの手…震えとるじゃあないか。」



「やっぱりお前さんには、こんな弩えれぇエモノは似合わんわい…。」




今日はここまで。


完全に小泉の地獄の始まりの焼き増しだからなぁ・・・小泉がどう思おうが、誰がどう見ても『親友のため』は言い訳で『自分が助かるため』だし
成功してたら地獄の始まりで間違いだった選択肢をまた選んでんだから、西園寺にも完全に愛想尽かされただろうね。「あぁ、小泉おねぇは根っから、ピンチになったら自分の保身しか考えないクズだったんだね」って

にしても皆が『殺さない』を選ぶたび、その選択肢が『殺す』に変わる描写は徐々に天秤が傾くようでゾッとした
16個の『殺す』も、小泉のエゴで16人が全滅するって暗示に見えた



1です。今日は投下できそうにないです。




再開



小泉「あ…あ…!!」

田中「…フンッ。重役出勤とは、良いご身分だな。」

澪田「生きてるって、信じてたよ…!!」




西園寺「…誰よアンタ。」

西園寺「アンタみたいなただ図体がでかいだけの空気モブなんて、わたしは知らないよ。」


「…」



「ガ―ッハッハッハッハ――――!!!!!!」


「ならばワシの名を、その身に永代刻ませてやるわい!!」





弐大「ワシの名前は弐大猫丸!!」


弐大「地獄の淵より蘇って参ったぞぉ!!!!」




澪田「もうっ!!どこをほっつき歩いてたんすか!!」

澪田「唯吹はそんな悪い子に育てた覚えはないっすよ!!」


田中「とりあえず落ち着け、澪田。」

澪田「だ、だって、死んじゃったのかもって思ってたから…」

弐大「噴っ。勝手に殺されちゃあこっちもたまらんわい!!」




苗木「…よかった。どうやら、間に合ったようだね。」

田中「間に合った…?」



弐大「ああ…。何とか、止めることができたようじゃのう。」

弐大「悪いが小泉…この銃、ちょっと借りるぞ。」

小泉「…」





弐大「こんな銃、こうじゃあ!!」



バキッ



弐大「ふぅ…。」




弐大「どうじゃ、小泉。少しは頭が冷えたか?」


小泉「…」





小泉「…あっ。」




小泉「ア、アタシ…なんてことを…!!」


田中「ようやく正気に戻ったか。」




田中「気にするなとは言わんが…」

田中「そもそも西園寺の脅迫が原因なんだ。あまり自分を責めるな。」


小泉「だ、だってアタシ、唯吹ちゃんをこ、殺そうと…!!」




澪田「いや…。いいんすよ、真昼ちゃん。」


澪田「そもそも唯吹は、誰も責められないんすから。」

澪田「だって唯吹、3回目の事件で日寄子ちゃんに…」


澪田「それに唯吹は、今まで真昼ちゃんにいろいろと助けてもらったから!!」

澪田「それでチャラにしようよ!!」




小泉「た、助けたって…。アタシの方こそ、借りを作りっぱなしなのに…。」

小泉「弐大が止めてくれなかったらアタシ、間違いなく唯吹ちゃんを殺してた。」


小泉「こ、こんなアタシが許されていいわけがないんだって!!」

小泉「ア、アアアアア、アタシ、どうやって詫びれば…!!」





弐大「馬鹿か、お前さんは。」



小泉「え…。」





ガシッ、と弐大に両肩をつかまれる。


そして弐大は前かがみになりながら顔を近づけて、アタシの眼をまっすぐ睨みつけて言った。





弐大「お前さんに手を汚させんために…」


弐大「小泉が道を踏み外さんようにするために、ワシらがおるんじゃろうが。」



小泉「に、弐大…」




澪田「うっひょ―!!さすがは猫丸ちゃん!!言うこと為すことカッコよすぎるっすよ!!」


田中「仲間との“絆”を信じるのも、1つの生の在り方ということか。」

田中「下界の人間風情の割には、言ってくれるじゃあないか。」


澪田「唯吹が女の子だったら、惚れてるところっすよ!!」

田中「え?」




小泉「で、でも…ホントにいいの?唯吹ちゃん。」


小泉「ホントにアタシを許してくれるの?」

小泉「自分のエゴで唯吹ちゃんを殺そうとしたアタシを、受け入れてくれるの…?」

澪田「…」


澪田「唯吹は気にしてない…って言っても、今の真昼ちゃんには通じないか。」





澪田「でも…少なくとも、皆は真昼ちゃんを認めるみたいだよ?」

小泉「え…。」


澪田「だから後は自分自身で、今日の自分を振りかって、反省して、踏ん切りをつければいいんじゃないかな?」

小泉「唯吹ちゃん…。」


澪田「…あれ?これって誰の受け売りだっけ?」

西園寺「…」





西園寺「…小泉おねぇの手を汚させない、ねぇ。」



西園寺「ただの死に損ないに、そんなことができるかな?」

弐大「何じゃとお?」




西園寺「アンタらは、感情的で中身がすっかすかのくっさい友情劇でも繰り広げているつもりだろうけどさ。」

西園寺「現状は何か変わったのかな?」


西園寺「結局澪田おねぇを殺さない限り、小泉おねぇはわたしを味方につけることはできない。」

西園寺「結局未来機関に小泉おねぇは処刑されちゃうよ?」

西園寺「なんにも状況は好転してないんじゃない?」


澪田「何が言いたいんすか?」




西園寺「射殺は失敗したみたいだけどさ…。」


西園寺「まだ首を絞めて殺すことだってできるし、肩に下げたカメラで殴り殺すことだってできるでしょ?」

小泉「えっ…!?」




田中「銃を失ってなお、小泉に澪田を殺させようと言うのか!?」

西園寺「当然でしょ。途中でやめるくらいなら、最初からこんな提案してないって。」


西園寺「さあ、どうするの小泉おねぇ。澪田おねぇを殺すの?殺さないの?」

小泉「ひ、日寄子ちゃん…。ア、アタシ、もう…」




弐大「ふん。残念じゃが西園寺、そんな必要はない。」

西園寺「は?」


弐大「そもそも西園寺の提案は、投票の結果が小泉になりそうだから成立するものじゃろうが。」

澪田「え?猫丸ちゃん、今までの議論の流れがわかってんすか?」

弐大「応!!島のあちこちにあるモニタ―から、情報がだだもれだったからのう!!」




弐大「しかし、卒業の権利はワシにもあるはずじゃあ。」

西園寺「まあ、間違いじゃないよ。卒業試験の参加者は、絶望のカリスマを除いた3人の絶望の残党なんだから。」


弐大「ならば投票の権利は、ワシにもあるはずじゃぞお!!」

澪田「そっか!!猫丸ちゃんが日寄子ちゃんに投票すれば…!!」

田中「たとえ西園寺が小泉に投票しようと、2対3で投票の結果は西園寺となるわけか!!」


弐大「応!!つまり小泉は自身の手を汚さずして、未来機関から逃げおおせることが可能ということじゃあ!!」

澪田「すごいっす!!まさに救世主っすよ!!」


小泉「み、みんな…!!こんなアタシのことを、ここまで気遣ってくれて…!!」

小泉「なんて言ったらいいのかな…」




西園寺「…」


西園寺「そういえば、5回目の事件…。」

澪田「え?」



西園寺「皆は正しいクロを指摘できなかったから、シロは全員処刑なんだよね。」

田中「なっ!?なぜ今、それを?」





西園寺「でも…うっかり、弐大おにぃだけは処刑し忘れてたね?」



小泉「は、はぁ!?ちょっと待ちなさいよ!!」

小泉「投票の為の頭数を減らしたいからって、処刑なんて…!!」


西園寺「どうせ弐大おにぃなんてただの死にぞこないだし、死ぬのが少し早くなるだけでしょ?」





西園寺「それでは参りましょう!!オシオキタ―イム!!」


小泉「や、やめっ…!!」






ピコリンッ☆





弐大「…」


西園寺「…」




小泉「あれ?」

小泉「何も、起こらない…?」





弐大「ガ―――――――ハッハッハッハッハッハッハッハッハァアアアアァアア!!!!!!」


澪田「な、なんで大爆笑…?」




弐大「残念じゃが西園寺、お前さんはオシオキを一切使えん!!」

田中「どういうことだ!?」


弐大「これじゃあ!!」



そう言って弐大は、何やら資料のようなものを取り出した。



小泉「何それ…?設計図?」




弐大「爆弾騒動で1の島を探索しておった時の事じゃあ…。」


弐大「1回目の裁判の後に、左右田がワシに言っておったことを思い出してのう。」

弐大「ワシは探索がてら、左右田のコテ―ジを訪問することにしたんじゃあ。」


弐大「そうすると…予想以上の収穫があったというわけだ、これが!!」

田中「左右田が…?いったい左右田は、何を遺していたというのだ?」





弐大「黒幕が使うオシオキを止める方法、と言ったらわかりやすいかのう。」


澪田「えぇ!?なんすかその、まるで裏ワザみたいな必殺テクニックは!?」




弐大「噴っ。さすがは“超高校級のメカニック”じゃのう。」

弐大「この資料には、オシオキのための施設がどのあたりにあるか、どのあたりがメインシステムかが予測されていて…」

弐大「処刑のメインシステムを破壊するための情報が、大雑把にまとめられておったんじゃあ!!」

澪田「すごいっす!!なんかこう、“メカニック”の域を超えているような気がするっす!!」




田中「そうか!!つまり貴様が今まで姿を現さなかったのは…!!」

弐大「そう。すべては、黒幕の処刑を止める為だったんじゃあ!!」


澪田「わぁあああ…!!なんか、猫丸ちゃんが本格的にヒ―ロ―のように見えてきたっす!!」

弐大「はっはっはっ!!羨望のまなざしが痛いわい!!」






弐大「…もう少し早く、処刑を止めることができておれば…犠牲者も減ったんじゃろうがのう。」


小泉「…」




澪田「あれ?でも、いくらそれが難しいことだとしても…」

澪田「まさか20日以上かかるはずもないよね?」


苗木「そこはボクから説明するよ。」

澪田「え?」




苗木「確かに澪田さんの言うとおり、処刑のメインシステムを破壊するのに20日も必要ない。」

苗木「20日も弐大クンが姿を現さなかったのは、彼が監禁されていたからなんだ。」

小泉「監禁…?」


苗木「弐大クンの計画は1回失敗していると言ったら、わかりやすいのかな。」

田中「つまり…5回目の事件の前に、1度弐大は西園寺に捕まっていたということか?」




西園寺「そういうこと。弐大おにぃが何やら不穏な空気をかもし出してたからさ。」

西園寺「処刑のメインシステムを壊される前に、うまいこと弐大おにぃを罠にはめたの。」


田中「西園寺にとっては弐大は、正面からでは到底太刀打ちできる相手などではないからな。」

田中「やはり、何かとてつもなく汚い手を使ったのだろう。」

弐大「むう…。ふがいないわい。」




澪田「しかし…なんで監禁なんてしたんすか?」


西園寺「あっさりと捕まったとはいえ、弐大おにぃの行動力を未来機関はかったみたいでね。」

西園寺「弐大おにぃは生かしておくことが未来機関の方針になったからだよ。」

田中「そうか。そういえば未来機関の目的は、我らの選別だったな…。」




小泉「でも…。どうして急に、弐大は監禁から解放されたの?」


弐大「噴。それは、そこの苗木っちゅう人間に助けられたからじゃあ。」

澪田「え?」


苗木「…」





弐大「皆までは言わんが…。奴からは、何かを感じたのう。」


弐大「何というんじゃろうのう。ワシら全員の“希望”を託された感じがしたわい。」




澪田「希望、か…。」

澪田「つまり唯吹たちは…」


澪田「やっぱり苗木さんのおかげで、ここまで来ることができてるんっすね…。」




小泉「そして弐大は、解放された後に処刑の機能を停止させて来たってわけね。」

小泉「苗木さんよりも到着が相当遅れたのは、そのせいってことか…。」


弐大「さらに…処刑を止めたということは、どういうことかわかるじゃろう?西園寺。」

西園寺「…」




澪田「そっか!!未来機関は、真昼ちゃんを処刑することもできないんだ!!」

田中「ふん…。どうやら風は、こちら側に吹いているようだな。」


西園寺「…」





西園寺「それがどうしたの?」


西園寺「たとえジャバウォック島での処刑ができなかったとしても…」

西園寺「小泉おねぇを未来機関の本部まで連行できれば、処刑なんて難しいことじゃないよ。」


澪田「ふんだ!!そうなる前に、未来機関から逃げてやるっすよ!!」






西園寺「…なに、安心してんの?」



澪田「え?」






西園寺「まだ…終わったわけじゃあないんだよ。」






今日はここまで。


これから6スレ目をたててきます。


その後は、埋めてくれるとうれしい。




たてました。もし小泉さんが主人公だったらパ―ト6です。


part6→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part6 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412775904/)



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん sage   2014年09月24日 (水) 20:08:58   ID: jHRJby5n

弐大はどうなったんだ……

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