P「家族みたいなものか」 律子「そうなんです」 (24)


 おめでとう――おめでとう――

 本当におめでとう――

 律子、おめでとう――

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春香「あれ、プロデューサーさんは……?」

小鳥「春香ちゃん、まだ残ってたの? 律子さんと居酒屋に行ったわよ」

春香「ああ、結婚の時も二人で飲んでましたね」

小鳥「みんなが居る時だと、落ち着かないんじゃない?
   その辺り、前から変わらないわよね。二人とも」

春香「いいなぁ、二人だけの二次会かぁ。私も行きたいなー……」

小鳥「言っとくけど、邪魔しちゃダメよ?
   あれで結構デリケートなんだから、二人とも」

春香「わかってますよ。それより律子さん、居酒屋なんて大丈夫なんですかね」

小鳥「飲まないって言ってたから」

春香「なら、いいんですけど。それにしても楽しみですね、赤ちゃん……」

――――


P「じゃ……」カチン

律子「はい、乾杯。って、私は烏龍茶ですが」カチン

P「うん、悪いな。俺だけ」

律子「いえいえ、気が済むまでどーぞ」

P「…………」ゴクゴク

律子「……ふぅー」

P「結婚の時もそうだったけどさ」

律子「はい」

P「こう、二人になる割に大した話もしないよな」

律子「そうですねぇ」クスッ

P「アイドルの時もそうだったけど」

律子「アイドルと言えば、覚えてますか?」

P「何を?」

律子「初めてのオーディションで落ちた時」

P「ああ、覚えてる」

律子「私はそんな落ち込んでなかったのに、気分転換とか言ってあちこち連れ回して」

P「今思うと、俺の方が落ち込んでたんだな。うん」

律子「そうでしょう? いや、まあ、嬉しかったですけど」

P「……いやー、しかし、律子はめんどくさい奴だったな」

律子「自覚はありましたよ?」

P「俺さ、もうちょっと褒められても良かったと思うんだな」

律子「どういうところですか? せっかくなんで、今褒めますよ」

P「律子のめんどくさいところに付き合った点を」

律子「ああー、まあ、それは影の努力というか……」

P「恩着せがましいかもしんないけどさ。他の人が知るよしもないことだし」

律子「私は褒めて……なかったですけど、その、今はすっごく感謝してますよ」

P「せっかくなんで、今褒めてくれ」

律子「えらいえらい」

P「……どーも」

律子「不満ですか?」

P「うんにゃ、十分」

律子「……本当にありがとうございました」

P「こちらこそ、ありがとう」

律子「私、感謝されることなんか……」

P「ここ最近よく考えていたんだけど、自分が支えていたつもりで、
  律子にも支えられていたんだなぁ、と。だからありがとう」

律子「うーん、ピンと来ないなぁ」

P「俺自身、諦めそうになったことが何度もある」

律子「……マジですか?」

P「何度もだ。律子が居たから頑張れた……って律子が居るのは当たり前だし、
  そもそも律子がステージやなんかに、まあ、それはいいか」

律子「私、辞めることばかり考えてました」

P「うん。知ってる。何遍もこんな風に二人で話したじゃないか」

律子「分かんなかったんです。逃げることと、分を弁えることの違いが」

P「今は分かるか?」

律子「……どうでしょう。結果として、成功できましたけど」

P「逃げなくてよかった?」

律子「と言うか、もうその時は必死で……」

P「そうだなぁ。俺もお前も必死だった」

律子「プロデューサーも、悩んでた時期でしょう?」

P「律子とはまた違う種類の悩みだったけどな」

律子「そうだったんですか?」

P「俺はいかに律子を逃がすかっていうところでな」

律子「逃がすって……」

P「例えば、ほら、会社が……ってなった時に、他の事務所に移籍するとかさ」

律子「そんなことを」

P「俺は律子のこと好きだったからさ、もしそうなってもアイドル続けてほしかったんだ」

律子「まあ、別な形で裏切っちゃいましたが……」

P「いいじゃんか。もういいだけ稼いでさ、お互い必死こいてやってたわけだし」

律子「恨んでませんか?」

P「活動期間自体は予定よりも長かったし、それに復帰なんて俺は全然頭になかったから」

律子「あれっ、じゃあ復活プロジェクト(仮)は……?」

P「いや、かも~って。復活するかも~って言ったつもりだった」

律子「じゃあ、ほとんどないようなものだったんですね」

P「はははっ。俺も疲れちゃったからさ、少し充電期間が欲しかったんだよ」

律子「なるほど。それなら、まあ、安心かな」

P「まあ、でも、驚いたよ。結婚なんて聞いた時は」

律子「でしょうね。私も色気がないというか、そーゆー話は全然しなかったし」

P「どんな人なんだっけ」

律子「うーん、プロデューサー殿に似てますよ」

P「ガサツで遠慮のない、しかも嫌味な奴だ」

律子「あははっ。そうですねぇ」

P「でも、順調なようでよかった」

律子「はい。まあ、偶に喧嘩の一つもしますけどね」

P「…………」ゴクゴク

律子「プロデューサーは、どう思いました。私の結婚」

P「……どうって、まあ、驚いた。っていうのはさっき言ったか」

律子「そういうことじゃなくて、その、ショックでした?」

P「うーん……そうだな、時期が時期なら、相当ショックだったろうけど」

律子「時期ですか」

P「俺にもなあ、律子が異性として好きな時期があったのだ」

律子「私も、あなたのことが好きな時期がありましたよ」

P「奇遇だな」

律子「ええ、奇遇ですね」

P「冷めたとはまた違うんだけど、なんていうのかな……。
  でも、結婚って聞いた時は驚いたけど、素直に喜べたよ。マジで」

律子「なんか、家族に近い存在になっちゃいましたよねー」フフッ

P「そう、それ。妹だな」

律子「私はどっちかと言うと、あなたのことは弟分として見てるんだけど」

P「はははっ、マジかよ」

律子「マジよ~。大マジよ~」

P「酔ってんのか律子姉さん」

律子「うふふ、いや、嬉しくって」

P「何がだよ」

律子「ふふふっ。プロデューサーも、早いとこお嫁さん見つけてください」

P「そうだなぁ、そのうち」

律子「そのうちじゃダメ~。明日から!」

P「わかったよ」

律子「結婚はいいものですよ?」

P「見れば分かるよ」

律子「でしょう?」

P「家族ももう一人か」

律子「ええ、授かりまして」

P「身体には気をつけろよ」

律子「言われなくても分かってます」

P「ということで、ぼちぼち出よう」

律子「あははっ。そうですね」

――――


P「なあ、律子」

律子「はい」

P「さっきも言ったけど、家族みたいなものだからさ」

律子「はい」

P「……俺たち、こうして別々の道を歩いても、心は繋がってるはずだから」

律子「そうですねぇ……」

P「というか、さ、まあ、なんだ、何というか、分かるだろ」

律子「ええ、わかりますよ」クスッ

P「……今までありがとう」

律子「こちらこそ、ありがとうございました。……プロデューサー殿」

P「俺はいつだってお前を好きでいるからな」

律子「……私も、そうだと思います」

P「律子、おめでとう」


END

律子、おめでとう。中の人、おめでとう。

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