死神「自殺するなら私の仕事を手伝え」男「は!?」(70)

注、死神のまとめをみて書きたくなったので何番煎じだよな内容になると思います。

勿論、書き溜めはないのでのんびりやっていきます。

男「…なので…先に死ぬことをお許し下さい。…っと」カタカタ

男「ふぅ…遺書もパソコンに残したしもう思い残すことはないな」

男「さて、さっさと首つって死ぬか」

死神「ほう…君は首吊り派なんだね」

男「はぁ…一気にいかないと苦しいって聞くしうまく逝ってくれよ俺」

死神「ねえ!!無視は良くないよ!!」

男「なんだ、幻覚じゃ無かったのか」

死神「そうそう実在してるからね私!!」

男「なんでこの部屋に居るか知りませんが、今から自殺するんで出てって貰えます?」

死神「いや、貴方が自殺するからここに来たんですよ!!」

男「はぁ?いったい貴女は何なんですか?すぐ死に気付いて貰えるよう鍵を開けたまんまにしましたが、不法侵入ですよ」

死神「いやいや!まずは私の話を聞いて下さいって!!私の格好を見てくださいよ!!」

男「格好?そのリクルートスーツがどうしました?なかなか似合ってますよ」

死神「あっ着替え忘れた」

死神「着替えて来ましたよ!!」

男「はぁ…なんのコスプレです?」

死神「コスプレじゃないです!!正装です!!」

男「俗に言うコスプレ喫茶の方でしたか。お金に困って来たならそこの封筒から10万取ってって良いよ」

死神「コスプレ喫茶に働いても無いですしお金も要らないので、お願いですから私の話を聞いて下さいって!!」

男「じゃあ手短にお願いしますね」

死神「自殺するなら私の仕事を手伝え」

男「は!?」

男「俺死ぬって言ったよね?コスプレしてる暇無いんだけど」

死神「私は死神なんです!!コスプレイヤーじゃないです!!」

男「はあ!?死神!?精神科行ってこいコスプレイヤー!!」

死神「あっ!?今日死神に就職してまだ衣装おろしたばっかしだからってコスプレイヤーはないでしょ!?」

男「死神って企業だったの!?てか、新人かよ!?」

男「はあ…信じるとして俺を連れていくのが初仕事かな?」

死神「違いますよ」

男「えっ?」

死神「貴方には仕事を手伝って貰いに来たんですよ」

男「俺に人を殺せと!?嫌だよ!!職務放棄するなよ新人の癖に!!」

死神「ちっちっちっ…貴方は死神の事を勘違いしてますね」

男「」イラッ

死神「良いですか?死神はただ殺すだけの職業じゃあないんですよ」

男「死神って死ぬ奴を連れていくのが仕事じゃないのか?」

死神「それも仕事ですが、死神は死を司る神なんですよ」

死神「連れていくだけでなく、生かすのも死神の仕事です!!」

死神「本来ならその日に死ぬべきでない人を助けるのも私達の役目です」

男「なるほど、つまり俺は今死ぬべき人間ではないと?」

死神「別に違いますよ?」

男「違うのかよ!!」

死神「貴方は死んでも死ななくても影響のない人間ですよ」

男「それはそれでなんか寂しいな…」

死神「そんな貴方だからこそ仕事を手伝って欲しいのですよ」

男「なるほど、自殺する位なら生きなきゃいけない人を救って代わりに死ねと」

死神「まぁ~そんな所ですね」

男「分かったよ手伝うからその時になったら言ってくれ」

死神「分かりました!!それじゃあ行きますよ!!」

男「はぁ!?もうかよ!!」

死神「30分後に○○番通りの細い通りで女って方が襲われて殺されてしまうので、急いで下さいね!」

男「マジかよ!?車も自転車もないから走ってギリギリじゃねーか!!」

死神「ファイト!!」

男「うっせーよ!!もし嘘だったらお前連れて神社にお祓いに行ってやる!!」

死神(最初は優しかったのに今はこの扱い…解せぬ)

女「はぁ…今日もサービス残業なんてついてないわー」

女「スーパーは閉まってるし有り合わせですませましょ」



不審者「フヒヒ…あともう少しあともう少しで君は僕のになるんだよ…後少しあの通りに入れば…フヒヒ」


男「遠いわぁぁあ!!」

死神「後3分!!モタモタしてると殺されちゃうよ~」

男「」イラッ



女「ここ暗くて嫌なのよね…」

不審者「入った~」ニヤァ


男「くそ!!間に合え!!」

不審者「すいませ~ん」

女「はい?」

不審者「貴女は今から僕の物です~」

女「はい?…いっ嫌離して!!」

不審者「黙れ!!僕の物が僕に逆らうんじゃない!!」

不審者「腕を縛ったから次は口を塞ごうね~」ニヤニヤ

女「んー!!」




男「ハアハア…ここだ!!」

死神「あそこに居ますよ!!」

男「んなろ!!その女性から手を離しやがれ!!」

不審者「グエッ!?」

死神「ひゅー♪イカすパンチだぜー」

男(死神うぜぇー)

不審者「なっ…なにするんだ!!」

男「なにするんだじゃねーだろ!!今そこの女性を襲ってただろ!!」

不審者「あの女は僕の物だ!!僕の好きにしてなにが悪い!!」

男「あの怯えてる目と縛られた腕と口をみればお前のじゃねーって分かるわ屑が!!」

不審者「ぐぬぬ…また会いに行くからね女ちゃん」

男「待て!!逃げるな!!」

死神「男さん!先に女さんを助けましょう」

男「あぁ…」

男「大丈夫だったか?」

女「ハアハア…ありがとうございました」

男「警察に電話してくれないか?丁度携帯を忘れちゃって持ってないんだ」

女「分かりました…」

男「大丈夫!警察が来るまで俺がついててやる」

女「ありがとうございます助かります」

死神「紳士だね~かっくぅいー!!」

男(死神がさっきからうぜぇ…あんなに騒いでるのにあの人は気付いて無さそうだから見えてないんだろうな…)

女「警察に電話しました!!後5分程で来てくれるそうです」

男「分かった。まだあの不審者が居るかも知れないから気を付けて」

女「はい…」

死神「おはようございまーす!!昨日はお疲れ様でーす」

男「朝っぱらからうるせぇよ…」

死神「昨日はお見事でした!!」

男「てか、俺が死んでないんだが」

死神「当たり前ですよ。死亡率が低い事件でしたから」

男「うぜぇ…あれ以外にも俺に仕事を手伝わせる気かよ」

死神「勿論」

男「俺の死に方決まったわ…死神との同士討ちだわ」

死神「最初の優しい男さんは何処に」ホロリ

死神「取り敢えず女さんはこれで死ぬことはないでしょう。昨日の取り調べで警察があの不審者を追ってくれるらしいですし」

男「そうだな…俺は人を救ったんだよな…」

死神「はい、貴方は女さんを救いました。では次のお仕事です!!」

男「はぁ!?昨日の今日だぞ!!いくらなんでも早すぎるだろ!!」

死神「そんなこと言われても…今日は簡単ですよ!!」

男「それはそれでなにか違う気がするんだが…」

死神「気にしない!!」

少年1「今日はサッカーだからな!」

少年2「分かってるよ!」


男「はぁ…」

死神「今日の後数秒であの少年1は赤信号を無視してトラックに轢かれてしまうので、サクッと助けちゃって下さい!!」

男「ったく…」

少年1「あっ!!ママだ!!」ダッ

男「待ちなさい」ガシッ

少年1「うおっ!?」

トラック「」ブッブー

男「赤信号で渡ったら危ないよ、気を付けないとね」

少年1「ありがとうお兄さん」

男「いえいえ…」

少年母「ありがとうございました!うちの息子がとんだご迷惑を」

男「そんな…たまたま隣に居ただけですよ。咄嗟に腕をつかめて良かったです」

死神「これでクリアだね!!」

男(こいつなにもしてなくね?)




男「なんかあのお母さんから色々と貰っちゃったな…」

死神「桃缶ありますよ!!桃缶!!」

男「桃缶好きなのか?」

死神「大好物です!!」

男「ふぅ…まさか自殺を決意した日に死神に出会い、人助けに駆り出されるとは…」

死神「私は新任と同時に都合のいい人と出会えてラッキーですよ!!」

男「その都合のいい人に殺されることを覚えといてやがれ」

死神「こぇぇえええ!!」ガクブル

男「取り敢えず今日はもうなにもないよな」

死神「はい!明日の仕事に向けて寛いで下さい!!」

男「明日!たあるの?」

男「明日!たあるの?」 ×

男「明日もあるの!?」 ○

男「いやいや!!絶対おかしいだろ!!たった3日で俺の近所で3人も死ぬ事になるんだぞ!!」

死神「そうですね~」

男「そうですねじゃねーだろ!!俺達が助けてるのは死ぬべきじゃない人間だろ!?そんなイレギュラーが毎日起こるのは絶対おかしいだろ!!」

死神「そんなこと言われても~」

男「チッ…使えねー新人だ」

死神「とにかく、男さんは明日も頑張って下さい」

男「分かってるよ」

男「なあ?今死ぬべきじゃない人間ってなんで死ぬべきじゃない人間なんだ?」

死神「それは詳しくは言えませんが、簡単に言うならなにかを変える可能性がある方達がそれに該当しますね」

男「つまりはあの2人もこれから助けるであろう人達も、何かしらの形で世界に影響があるわけだ

死神「そんな感じですね」

男「そんな大役を新人と自殺志願者に任せてると…」

死神「そうなりますね」

男「不安しか無いんだが…」

死神「新しい朝が来たー!!男さん朝ですよー!!」

男「うるせぇよ…ふぁきゅー」

死神「酷い!?」

男「はぁ…っで、今日は誰を助けに行くんだ?」

死神「今日は少女ちゃんとその母親ですねー」

死神「どうやら、買い物帰りに通りかかった建設現場のクレーンから鉄骨が落ちてきて死ぬらしいですね」

男「鉄骨がどの位あるか分かんないから土壇場で助けるんじゃなく、道を通らないようにしてもらいたいな」

死神「その方が安全ですね」

男「その2人以外に死ぬやつは居ないよな?」

死神「その2人を抜かせば死傷者は0ですね」

男「よし…行くか…」

母親「今日はなにが食べたい?」

少女「私ハンバーグが良い~」

母親「そうね~」

男「すいません…ちょっと道を訪ねたいんですが良いですか?」

少女「私に任せなさ~い!!」

母親「こらこら…良ければ案内しますよ」

男「ありがとうございます。○○って店なんですが…」

母親「それならこっちですね」

少女「お兄さんこっちー!!」

男「あはは、ありがとうね」

母親「ふふふ、あんまりはしゃがないの」

少女「はーい」


死神「今、建設現場で鉄骨が落ちる事故が起きました。死傷者は0です」

男(良かった…)

男「今日の人助けも終了だなー」

死神「お疲れ様でーす、まさか道案内させるとはお主もなかなかやりますの~」

男「優しい人達で良かったよ。もし断られたらの事は考えてなかったしな」ヘラヘラ

死神「考えてなかったの!?」

男「まーな…次の仕事はまた明日か?」

死神「いえ、明日はお休みです」

男「さすがに4日連続は無かったか…まぁ、それが普通なんだけどな」

死神「明後日のお仕事はなかなか骨がおれますよ!!」

男「マジかよ…って俺死のうとしてるんだから逆に都合いいのか?」

死神「なに言ってるんですか!!男さんにはまだ死んでもらったら困りますよ!!まだ仕事がたんまりあるんですから!!」

男「そんなの聞いてないです~」

死神「取り敢えず明日はお休みなのでゆっくり休んでください!!」

男「さて、会社も辞め友達も近所に居ないし自殺を止めた馬鹿の仕事もない…実に暇だ!!」

男「それだったらパソコンのデータを消さなきゃ良かった…見られても恥ずかしくないようにゲームまで消したのは間違いだったな…」

死神「馬鹿ってなんですか馬鹿って


男「あっ居たんだ」

死神「ずっと居ましたよ!?はじめて出会った頃から同棲していたじゃないですか!!」

男「そうだっけ?」

死神「一緒に御飯を食べた仲じゃないですか~」

男「死神の癖に飯を食うってなんなの?あと、同棲じゃなくお前がただ住み着いただけだからな」

死神「とにかく!!今日は遊びに行きますよ!!映画行きましょう!!映画!!」

男(お前がいきたいだけなんじゃ…)

死神「映画っ!映画っ!」

男(はぁ…なんでこいつの言うこと聞かねばならんのか…)

「男さんですか…?」

男「んっ?」

女「やっぱりそうだ!!先日はお世話になりました」

男「いえいえ…たまたま通りかかっただけなんで」

女「それでも、その日にお礼しようと思ったんですが…帰りは別々だったんで出来ませんでしたが、今日もし暇でしたらお礼させてください!」

男「暇って言ったら暇かな?丁度今から映画観に行こうとしてた所だし」

女「私も映画についていっても良いですか?その後にでもお礼させてください!」

男「それなら…こちらこそ御願いします」

女「はい!絶対喜ばして見せます!!」

男(この人ガツガツくるな~)

死神「今流行りの肉食系女子かなこの子?」

男(映画はとっても面白かった。ゾンビ物だったがアクションが主で俺はあんまり怖くなかった…俺は)

死神「ゾンビちょーやべーですよ…あいつらマジいかれてますよ」ガクブル

女「ゾンビ走るなんて聞いてないよ!卑怯だよ!」ガクブル

男(死神がゾンビ怖がってどーすんだよ…てか、ゾンビが走りはじめてからもう結構たつんだが…)

男「女さん?そんなに腕に抱き付かれると歩き辛いんですが…」

男(あと死神お前もだ)

女「いえいえお構い無く」

死神「役得ですよ!!役得!!」

男(こいつら…)

男「どっか休める所に行こうか」

女「まさかホテル!!」

死神「バッチコイホテル!!」

男「ちげーよ!!」

男「お前ラが腕をがっしりと掴んでるから」

女「興奮したんだね!!」
死神「もうビンビンなんだね!!」

男「疲れたんだよ!!感触なんざ10分で忘れたわ!!」

女「くっ!!私のは小さいと!?小ぶりだと!?普通より少し控えめだと!?」ペタペタ

死神「私はまぁ…そこそこあるかな」 プヨプヨ

女「くっ!!!!」

男・死神「!?」

男(死神の声聞こえてなかったか今?)

死神「女さんには見えないし聞こえないはずなんだけど…」

男「と…取り敢えず喫茶店にでも行こうか」

女「ええ、そうね」ニコリ

死神「この人こえぇええ!!」

男(あの不審者に一人で勝ててたんじゃ…)

女「男さん!おすすめのカフェがあるのでそこに行きましょう!」

男「あぁ…」ゴリゴリ

男(腕にそんなにきつく抱き付かれても骨が当たって痛いんだが…黙っておこう)

死神「それが賢明ですね」

男「今日は疲れた…人生で一番疲れた日だった…」

死神「女さん男さんにずっと抱き付いてましたもんね」

男「それはお前もだろ」

死神

途中送信してしまった…




死神「私はいいんです!死神ですし!」

男「ゾンビに怯えてたくせに」

死神「それとこれとは別です!!」

死神「それより!!明日は少し大変ですよ」

男「明日は誰を助ければいいんだ?」

死神「名前は青年さんと言う方で、青年事業家で一週間前に××と言うビルの6階に事務所を構えた方です!」

死神「今回の原因は3階からの火事で一酸化炭素中毒により死亡なので、消防士が火を消すまで屋上で待つか非常用階段から降りることをお勧めします!!」

死神「ビルは6階建てなので屋上で待機が安全だと思いますよ!行きは非常用階段で上がれる程度の火事なので気を抜かない限り死なないですよ!!」

男「話は分かったがその程度なら俺は必要無くないか?」

死神「それがそうもいかないんですよ」

男「どうして?」

死神「まず、青年さんは5日前に階段から転倒して片足骨折してますし、事務所を立ち上げたばかしなので火災当時は全員避難したと思われてるようで消防士に伝えても信用してもらえず死んでしまいます」

死神「まぁ、そもそも結果からしてもそんな大規模な火災にはならないので、青年さんさえ屋上に連れ出せばクリアです!!」

男「分かった。時間は?」

死神「時間は丁度お昼頃ですね!」
男「あぁ…火災10分前位にその近くにあるコンビニに着くようにしよう」

死神「分かりました!!ではお休みです!!」

男「あぁお休み」

男「タオルは持ったし、小銭と一応水を500mlのペットボトルで持った」

死神「今回はジャージなんですね!」

男「火事だしなるべく燃えにくい服がこれしか無かったんだよ」

死神「良いじゃないですか!ランニング中に通りかかって助けたことにも出来ますし!」

男「そうだな。そろそろ出ようか20分もあれば現場に着くからもう良い時間だ」

死神「了解です!!」

男「ハアハア…後5分もあれば着くな」

死神「はい!順調なペースです!!これなら10分休憩できて万全で挑めますね!!」

男「ヘトヘトで火災現場には突っ込みたく無いもんな」

その時、俺達が目指す方向から大きな爆発音が聞こえた。

男「!?…なんだ今の音は!!」


死神「そんな…」

男「どうした死神!!」



死神「たった今…現場のビルが爆発…大規模な火災が起こりました」

男「ふざけるな!!火災まであと15分はあったんじゃ無かったのか!!それと大規模の火災ってなんなんだよ!!」

死神「予定では15分後でしたよ!!火災だって3階だけが燃える火事でしたし!!」

男「大規模ってどの位なんだよ!!」

死神「2、3、4、が完全に炎上…5階から煙が大量に上がっています!!」

男「話が違いすぎる!!青年以外の人達の安否は!!」

死神「殆どがお昼時なのでビルから出ていましたが…残っていた何人かはもう…生存者は1階に居た方々と青年さん。5階に居た人達はまだ生きてはいますが意識不明で5分と持ちません」

男「くっ…どうして…」

死神「男さん急いで下さい!!タイムリミットは10分です」

男「分かった!!」

男「着いたが…なんだよこれは…」

死神「あぁ…5階からも火が…」

男「取り敢えず非常用階段はどこだ!!」

死神「裏にありますが無理です!!3階付近の階段が爆発によって壊れて通れません!!」

男「エレベーターは!!中の階段は!!」

死神「どちらとも無理です!!エレベーターは昨日停止、階段は炎上と煙で防護服無しでは30秒も持ちません!!」

男「くそっ…他には…」

死神「上がる術はもうなにも…」

男「上がる………!!」

男「死神!!隣のビルからこのビルの距離と高低差は!!」

死神「距離は6m高さは2m隣のビルが高いです…ですがどうして…」

男「簡単な話だよ。上がれなければ落ちれば良い」

死神「無茶です!!学校の身体力テストじゃ無いんですよ!!」

男「それでもやらなければ青年は死ぬだけだ…それに失敗しても死ねるから丁度良いじゃないか」

死神「分かりました…では行きましょう」

男「ああ!!」

リポーター「こちら火災現場の××ビルの前に来ています。6分前に爆発を起こしビルの殆どが火の海に…今、消防車と給水車が到着しました!!」

リポーター「ここで新しい情報が入りました!!××ビルの6階にまだ男性一人が取り残されている模様!!消防士達が消火活動をしておりますが火の手は依然として強いまま!!」

リポーター「レスキューヘリ到着まで10分ほどかかる見込み…男性が屋上に避難していれば助かりそうです!!」

リポーター「ここで取り残された男性の情報が入りました!!えっ…」

リポーター「取り残された男性は足を骨折しており、一人で階段を上がるに相当な時間を要する模様…」

リポーター「消防士が懸命の救助活動を試みておりますが、依然進まず」

消防士1「クレーンで近付けないのか!!」

消防士2「無理です!!火の手が強すぎます!!防護服あったって焼け死にます!!」

消防士1「非常用階段は!!」

消防士3「3階付近から破損してとても通れる状況じゃありません!!」

消防士1「ヘリは!!」

消防士2「到着までまだかかります!!」

消防士1「どうしてこの規模の火災でヘリがすぐ来ない!!」

消防士2「よくわかりませんが他にも緊急が入っていると」

消防士1「とにかく!!他のビルへの燃え移り、爆発に気を付けて消火にあたるんだ!!」

消防士´s「了解です!!」

リポーター「火の手は依然……上を見てください!!隣のビルの屋上に一人の男性が!!まさか隣のビルに飛び移るのでは!?」

男「下も騒がしくなってきたな…」

死神「後、3分です。ぎりぎりですが頑張って下さい」

男「あぁ…行くぞ!!」



リポーター「男性が今、助走をつけて飛びました!!」

リポーター「……成功です!!男性は見事隣のビルに飛びうつりました!!」



男「おおおお!!すげぇビビった!!」

死神「早く青年さんを!!」

男「分かってるよ!!」

男「くっ…煙がまだ少ないとはいえ息苦しいな…」

死神「防災装置が発動していてももう煙がここまで来てます!!気を付けて!!」

男「あぁ…6階…ここだな!!開けるぞ!!」

扉を開けるとすぐ近くに青年が倒れていた。

男「あんた!!大丈夫か!?」

青年「ゴホゴホ…えぇ…意識はありますが…足が…」

男「大丈夫だ!俺が屋上まで運ぶから背中に乗れるか?」

青年「ありがとうございます…なんとか…」

男「よし乗ったな…急ぐぞ!!煙を吸わないようになるべく顔を上げないように!!」

青年「分かりました」

男「ハアハア……なんとか屋上までこれたな」

青年「ありがとうございます…貴方が居なかったら自分は…本当にありがとうございます」

死神「想定外の事が起こりましたがなんとか救出完了ですね」

男「あぁ…」

死神「下を見てください。皆喜んでますよ」

男「なんか照れ臭いな…」




俺が屋上から下を見下ろして安堵していると、数分前に聞こえた爆発音が少し遠いところから2回聞こえた。

男「今の音は!?」

青年「なんですか!?まだなにが!!」

死神「そんな……こんなの絶対おかしい…」

周りを見渡すと少し離れた住宅街の内の一軒と、その反対側にある工場から赤い炎と黒い煙が上がっていた。

男「何でだよ…今日はこのビルだけじゃなかったのかよ…なあ死神…」

死神「その筈です…その筈ですよ!!こんな筈はない!!こんなの聞いてない!!」

青年「どうしてこんな…」

隅の方で休んでた青年がゆっくりと足を引き摺りながら俺の所まで来た。

男「分からない…ただ、これだけは分かる…」




男「今日の火災は事故なんかじゃない、誰かが人為的に起こしてるだと」

あの後、俺たちは救助に来たヘリに乗り煙を吸いすぎてないか病院で検査、後日俺には人命救助による感謝状を授与された。

そうしている内に4日は過ぎていった。


男「ふぅ…忙しい4日間だった」

死神「お疲れさま」

男「お前はこの4日間居なかったがなんか犯人の手掛かりはつかめたのか?」

死神「それが…ぜんぜん見つからないの…」

男「ビルで10人、住宅で2人、工場で15人死んでるんだぞ…死を司る神が聞いてあきれる」

死神「私だって分からないわよ…こんなこと報告されてない…」

男「本当なら死者0だった筈なのにいったい何故…」

死神「もし、この事件を起こした犯人が居るなら死ぬべき人物のリストに乗る筈です」

死神「ですが、リストには誰も乗っていません」

男「でも、これは人為的な火災の筈だ!!」

男「俺はこんなことした奴を許せねぇ」

死神「男さん…」

男「俺はまだ死なない…こんな…人の命をゴミのように燃やす奴を見つけるまでは!!」

死神「そうですね!私も頑張って探します!!許せないです!!死神の了承も無しで殺すなんて!」

男「お…おぅ…」

男(なんかずれてるんだよなこいつ…)

それから5日間、俺達は手掛かりを見つけるため色々と調べ回った。

男「ぜんぜん駄目だー手掛かり一切無し!」

死神「こっちもですよ~」

男「はぁ…休憩がてらどっか飯でも食いに行くか…」

死神「やったー!外食だー!!」

男「まぁ、お前が食っても怪しまれないとこと言ったらファミレスだな」

この死神は飯を食う癖に人から見えないもんで、食い物が空中に浮き突如消えるように見えるらしい。

見られたのが子供だったから手品と言うことで誤魔化せたが、2回位アンコールされその時食ってたアイスを2つも更に奢ることになったのだから腹ただしい。

死神「お肉サイコー!!」

男(うるせぇ…俺にしか聞こえてないって分かってるからこそ叫んでるのだろうが、聞こえるこっちにしてみれば良い迷惑だつーの)

死神「だってお肉美味しいんだよ!!叫ばないと!!」

男「あんまりフォークとナイフを振り回すなバレるだろ!」

死神「はーい…」

男「ったく…おかわりしたかったら言えよな」

死神「…!!うん!!」

男「はぁ…店員凄い目で見てたな」

死神「店員からして見れば一人で4、5人前食べたことになるもんね!」

男「お前…太るぞ」

死神「へへーん!死神は太んないんです!!残念でしたー!!」

男「あっそ…」

のんびりとファミレスから家へ帰っているそんな時だった…

死神「……!?緊急です!!後、5分後に女さんがあの不審者に襲われて死んでしまいます!!」

男「なん…だと!?何故それを早く言わないんだ!!」

死神「たった今分かったことなんですよ!!」

男「くっ…とにかく今は急ぐぞ!!道案内頼む!!」

死神「了解です!!」

死神「そこの角を曲がったら彼女が居ます!!」

男「分かった!!」

角を曲がると女がこっちに歩いてくるのが見えた。

しかし、その後ろからあの不審者が走ってくるのも見えてしまった。

男「女ぁあ!!すぐにこっちに走ってこい!!」

女「えっ!?男くん!?わっ分かった!!」

少し遅いながらも女はこっちに走ってくる。

男「少し離れて待機しててくれ」

俺はすれ違い様に女に言い、追ってくる不審者に飛び蹴りを食らわせ不審者を少し飛ばした。

不審者「アヒャヒャヒャヒャ!!やっぱりあの人の言う通りだ!!やっぱり現れたな男ぉお!!」

男「なんで俺の名前を知っているんだ!!」

倒れたままの不審者はまだ笑う。

不審者「それはあの人に教えてもらったからさ!!」

不審者「でも、教えて貰ってなくてもさっき男くんって呼ばれてたよね」

俺は後ろで見ている女を少し見ると、彼女は手を合わせごめんとジェスチャーをしていた。

男「まぁ、それは言いとしてあの人ってのは誰だ!」

不審者「そんなの教える筈ないだろ~!」

不審者「ただひとつ言えることは…」

男「言えることは…?」

不審者「君の敵って事だよ…僕も含めてね!!アヒャヒャヒャヒャ!!」

不審者「今日の所は帰るとするよ~!またね…」

男「あの人…」

女「男くん大丈夫だった?ありがとうねまた助けてくれて」

男「ああ…間に合って良かったよ」

死神「でも、あの不審者が言ってたあの人って気になりますね~」

男(もしかしたらあの事件と関係あるかも知れないな)

男「取り敢えず女さんは今日は俺の部屋に泊まってほしい」

女「えっ!?まさかのお誘い!!準備はオーケーよ!!」

死神「まさかのお持ち帰り!?燃える展開ですね!!」

男「違うから…ただ、もしもあの不審者が君の家を知ってる可能性があるから、今日はもう暗いし明日まで俺の家に匿うよって事だよ」

女「大丈夫!!ついでだからついで!!」

男(ついでって…なにがついでだよ…)

死神「今日は眠れそうにないですね!!」

男(眠らせてくれ…)

男「旨い!!いや~久々に美味しい朝ごはんを食べたよ!」

女「喜んでもらえて良かったですよ」

男「なんか悪いね、作ってもらっちゃって」

女「助けてもらったお礼がしたかったので丁度良かったです」

男「どうしても男一人だと外で買うかパン一切れとかだもんな」

女「恥ずかしながら私も一人じゃ簡単に済ませちゃいますよ」

女「仕事の関係で朝早かったり夜遅くまで掛かると、お惣菜とかコンビニのお弁当をついつい買っちゃうんですよね!」

男「そういえば今日は平日だけど会社の方は大丈夫?」

女「大丈夫です!朝に電話して昨日の事を話したら今日は警察に連絡して、家で安静にしてくれとの事です!」

男「そうか、俺もやることあるしで送っていくよ」

死神「」私のご飯を買いにですね!

最後の死神の言葉が飛び出てるじゃん…
括弧内の言葉だと思ってください。



男「女さんも送ったし、死神に餌を与えたし、今から何するかな~」

死神「餌って!私はペット扱いですか!!」

男「似たようなもんだろ」

死神「違いますー!!」

男「お前はそんな事よりも、あの不審者が言ってたあの人ってのを調べたらどうだ?」

死神「そんな事って…まぁ一応あの人については調べてる所です」

男「俺の名前は前回の火災の件で、そこそこ広まってるから近所で知らないやつは居ないかも知れないが、恨まれるような事はしてない筈なんだがな」

死神「そうですね。前、男さんを調べさせてもらったときは恨んでる人は居ませんでしたし、私と仕事しはじめてからもあの不審者さん以外からは恨まれるような事はしてないですもんね」

男「そうなんだよな~…それと気になるのが、あの不審者は今まで何処に隠れてたんだろうな」

死神「男さんの事はあの人と言う方から聞くまでは、知らなかったようなことを言ってましたし、不思議ですよね」

男「また会うような事を言ってたし、今回は女さんを襲うのが目的と言うかは俺に会うのが目的だった気がする」

死神「そうですね…女さんは男さんを釣るための餌だったのかもしれませんね」

男「待てよ!もし、女を餌に俺を誘き寄せたんだったらただの人間が出来ることじゃないだろ!?」

死神「どう言うことです?」

男「考えても見ろよ。あの日俺達は飯を食いに外に出ただけで女とは会うことはなかった」

死神「そうですね」

男「俺は女が襲われると死神から聞き、初めて女の場所を知ったんだ」

死神「確か女さんはあの事件以来、変える道を変えてるんですよね!」

男「あぁ、それなのにあの人とやらは俺が来ることを確信していた…」

男「つまりだ…」

男「お前の同業者の可能性が高い…」

死神「そんな筈はありません!!第一私以外の死神はこの地区には居ない筈です!!」

男「そんなこと言ったってあの不審者の言っていることが本当なら、お前らみたいな存在以外が到底予知出来ることじゃ無いだろ!!」

死神「それじゃあ男さんは死神が女さんを襲わせ、男さんを誘きだしたって言うんですか!!」

男「それしかないだろ!!死神と似た力を持ったまた別の何かが居るならまだしも」

死神「確かに…私達の力は特別な力ですが、男さん…何が言いたいんですか?」

男「これは可能性なんだが…」

男「お前とはまた別の死神が女を不審者に襲わせ、俺達の方に警告が出るようにしたんじゃ無いのか?」

死神「そんな…!?」

死神「男さんはそんな事を信じるんですか!?」

男「さっきお前も言ってたじゃないか」

死神「それは例えであって…私は信じてません!!」

男「なら、何故あのタイミングでギリギリ間に合う事が出来たんだ?」

男「女の命が狙われることを知ったのはたった5分前、俺達は普通なら家にて家から現場までは最低でも15分は掛かってた筈だ」

男「つまり、お前の持っている力が無い限り今回の事は説明がつかないんだよ…」

死神「それじゃあ女さんが危ないじゃないですか!!もし、相手側に信じたくは無いですが死神が居たとするなら、一人じゃすぐ殺されてしまいますよ!!」

男「それは無いだろ…」

男「もし、女を殺すことが目的ならあの時既に殺してるだろ」

男「お前と同じ力を持っているなら、俺達が防ぎようの無い場所で殺すに決まってる」

死神「確かに…」

男「あの日に女を殺せなかったら警察の警備も厳重になると分かっていながらも、すぐに引き下がったしな」

男「それに不審者は俺の事を敵と言い、またねと言った」

死神「つまりは男さんが狙われているって事ですね…」

男「あぁ…お前の事も確実にバレてるだろうしな…」

死神「ごめんなさい…私が男さんを巻き込んじゃたばかりに…」

男「いや、別に俺の事は良いんだ…ただ」

死神「ただ?」

男「実質的に死んではいけない人が、何時殺されるか分からない状況に成ってしまったことになる」

死神「確かに…どうしましょう男さん!!」

男「俺にも分からない…ただ、今度からは、一人助けるにも一筋縄じゃいかないし、助けられるかどうかも怪しいって事だ」

死神「どうしてこんなことに…」

男「取り敢えず俺達は待つしか無いんだ、事件が起きるまでは」

あれから何日たったんだろう…
まだ事件は起こっていない。

男「取り敢えずこんなもんかな」

死神「色々と買いましたね。特に自転車なんて凄く目立ちます」

家の中には新品のスポーツタイプの自転車、防犯用のチェーンが3種類、整備用の工具一式、懐中電灯が2種類、懐中電灯用の予備電池、壊れにくい事で定評のある腕時計、靴紐、それらを入れるためのリュックサックがあった。

男「自転車があれば移動が楽になるし、その分緊急にも対応できるしな」

死神(買った理由じゃ無くて何故部屋の中にあるのかが疑問なんですけど…)

死神「ところで、何故チェーンやライトは何種類も買ったんですか?」

男「チェーンは相手を拘束するために買ったんだ。もし、職質された時にただの縄を持ってたら怪しまれるだろ?」

男「靴紐も拘束用で鞄に入っててもギリギリ許せるだろうし」

死神「成る程…それでその懐中電灯は?一つは凄く大きくてもう一つはペンみたいに小さいですが」

男「大きい方の懐中電灯はな武器だ」

死神「武器?」

男「お前も観たと思うが、博物館の警備員が夜に展示物とどたばたするあれを観てピンと来たんだ」

死神「あぁ…確かにレンタルDVDが新作旧作どれでも5本1,000円セールしてた時に借りて観ましたね」

男「あれは盲点だった…まさかこのライトが武器になるなんて」

死神「それでもう一つのペンライトの方は何に?」

男「えっ?ライトとして普通に使うけど?」

死神「えっ?」

男「えっ?」

死神「いやいや、その大きいライトがあれば充分でしょ!?」

男「いや、これは武器だし戦ってる最中に落とすかも知れないじゃん」

死神(戦う前提なんですね…まぁ、確かに戦う率が高いと思いますけど…)

男「戦いに備えてサイクリングで体力付け、ハロワで冷やかし、肌とかがとにかく白いここ最近戦ったりもしているトレーナーさんと、運動をして万全な体に仕上げたんだ」

死神(なんかここ最近、男さんがやけにはっちゃけてるような…

男「多分、今が生まれたなかで一番体力があるかもな!」

死神「はぁ…」

男「自転車も久々に乗ると楽しいもんだな!」

死神(なんか男さん空元気に見えます…)

男「ハロワってパソコンで職業を見てるだけでも楽しいしさ!」

死神(あぁ…そうか、男さんは…)

男「映画はやっぱり楽しいよね!また借りて来ようかな!」

死神「怖いですね…」

男「っ!?」

死神「男さんは戦うのが怖いんですね」

男「それはっ…!?」

死神「別に責めている訳じゃ無いんです。ただ…」

男「……」

死神「怖かったら…辛かったら逃げ出しても良いんですよ?」

男「…っ!?」

死神「貴方が辛くて戦うのが嫌で逃げ出しても誰も責めたりはしません」

男「で…でも…」

死神「もう男さんは重荷を背負わなくて良いんです」

男「確かに…辛かった。怖かった…ただ、助けてただけなのに敵が出来るなんて思いもしなかった」

死神「なら止めちゃいましょ」

男「それじゃあ…」

死神「男さん?」

男「それじゃあ自分を許せないんだよ…」

死神「!?」

男「俺はスーパーヒーローでもなければ、軍隊や警察みたく特殊訓練を受けてるわけでもない」

男「銃で撃たれれば死ぬし、ナイフを突き付けられたら動けなくなるかも知れない」

男「今までは、口八丁と死んでも良いかなって気持ちと、若さだけで乗り越えてこれたけど…」

男「次はそんなんじゃ乗り越えられない…一瞬でも気を抜けば殺されるかもしれない。拷問されるかもしれない」

男「俺は死ぬのが怖いんじゃない、殺されるのが怖いんだ」

死神「男さん…」

男「でも、自分が殺されるより今まで助けた人達が殺される方がもっと怖いんだよ!!」

死神「っ!?」

男「他人が今の俺を見たら、偽善者とか自分の台詞に酔ってるとか思うかも知れない…」

男「俺だってこんな場面を見せられたら少し引くかも知れない…」

男「ただ、心が痛いんだ」

男「頭の中はぐちゃぐちゃで考えはまとまらないし、何かしていないと落ち着かない」

男「それでも…それでもそれでもそれでもそれでもそれでもそれでもそれでもそれでもそれでも!!」


男「負けたくは無いんだよ…」

死神「男さんっ!!」

男「だから頼むよ…お前が逃げても良いなんて言って、俺の決心を迷わせないでくれよ」

死神「………男さんの気持ちは分かりました。それを踏まえて言わせてください」

男「あぁ…」

死神「どうか私に力を貸してください!どんな困難が待ち受けてるか分かりませんが絶対に勝ってください!!」

男「あぁ!絶対に負けはしない!!」

死神「私も全力でサポートしますからまた明日から頑張りましょう!!」


ピンポーン

家のベルが鳴った。
俺達は何故か分かってしまった。
人の命が掛かった戦いが始まりを告げたことに…

男「玄関までゆっくり近付くから、死神はお前と似た存在が居ないか注意しててくれ!」

死神「分かりました!あの不審者かもしれませんし気を付けてくださいね!!」

男「分かってる」

俺は歩く音が出ないようにゆっくりと扉まで近付き覗き窓から外を見た。

男(女っ!?どうして彼女がここに!?)

死神「男さん!こっちは大丈夫でしたけどそちらはどうですか?」

男「女が来たようだ」

死神「そうですか、もう夜ですけどどうします?」

男「開けるしか無いよな…なにしに来たか気になるし…」

俺は鍵を開け扉を開いた。

女「こ…こんばんは!急に来ちゃってごめんね」

男「いや、丁度暇だったしぜんぜん問題ないよ!」

男(奴の罠ってことは無さそうだな…)

死神「まだ油断は出来ませんよ」

女「お夕飯はもう食べちゃったかな?」

男「まだだよ」

女「なら、私が作っても…良いかな?」

男「良いのか?女さんの料理凄く美味しいから助かるよ」

女「凄くだなんて言い過ぎですよ~」

女「あっ!そう言えばはい、これ!」

男「手紙?」

女「うん。男さんの家の近くにいた人が男さんのファンだから渡してくれって」

男「家の近くに居たのか!?」

女「うん。あと、渡すときにあの人と男さんに伝えれば分かるって…」

男・死神「!?」

男(まさか…近くに居たのか!?)

死神「でも、特殊な気配は感じませんでしたよ!!」

男(もしかしたら気配を消せるのかも知れないだろ?)

死神「確かに…」

男(取り敢えず女を送ったあとで手紙を確認しよう)

死神「分かりました!」

男(送ってる間は厳重に警戒しててくれ)

死神「了解です!!」

女「男さーん!ご飯出来ましたよー!」

男「ありがとう!今日も美味しそうだね」

女「ふふふ、自信作ですもん!」

男「そりゃ楽しみだ」

死神(美味しそうなご飯を食べれないこの時間は、今まで味わった中で一番辛いと思う私であった)

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