穂乃果「夢の舞台へ」 (46)

**********

穂乃果「ふっふふふーん!」

ガチャッ

穂乃果「よーし、今日も練習頑張るぞー!」

凛「穂乃果ちゃんはいつも元気だにゃ~」

希「凛ちゃんも同じようなもんやで?」

真姫「全く、騒々しい人ね」

絵里「いいじゃない、元気が良くて悪いことはないわ」

海未「穂乃果の場合は元気がありすぎますがね」

ことり「あははは……」

ガチャッ

にこ「あら、みんなもう来てたの?」

穂乃果「もう! にこちゃん遅いよ!」

花陽「穂乃果ちゃんも今来たばっかりだよね……」

にこ「……」

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穂乃果「ねえ聞いてよ、海未ちゃんったら酷いんだよ! 穂乃果に生徒会の仕事押し付けて自分は弓道部の方に行っちゃうんだから」

海未「それは穂乃果の分の仕事が片付いていなかったからです……それに、今日は弓道部に大事なようが合って顔を出すと昨日から言っていました」

穂乃果「ぶー、穂乃果そんなの覚えてないもん」

希「相変わらずやね」

穂乃果「ねえにこちゃんも酷いと思うでしょ!?」

にこ「……」

穂乃果「にこちゃん?」

にこ「……」

穂乃果「おーい、にこちゃーん!」

にこ「……」

穂乃果「あれ? 穂乃果何かにこちゃんが怒るようなことしたっけ? うーん、うーん……」

にこ「……」

穂乃果「ごめんってにこちゃん、ちゃんと謝るから無視しないでよぉ」

にこ「……」

穂乃果「……ね、ねえ、にこちゃん……」

にこ「……」

にこ「…………」

にこ「………………」

****************

穂乃果「うわあああああああああああああああ」

穂乃果「な、なんだ夢か……」

――
―――

穂乃果「うわあああああん、にこちゃあああん!!!」ぎゅぅぅううう

にこ「うわっ!? 一体何よ!?」

穂乃果「ううう……」

海未「どうやら、昨晩、穂乃果がにこが自分のことを無視する夢を見たらしくて」

ことり「それで寂しくなっちゃったんだよね? 穂乃果ちゃん」

穂乃果「うんうん……」

にこ「知らないわよ! いいからは、な、れ、な、さ、い!」

穂乃果「ああー、にこちゃあん……」

にこ「大体ね、このにこがあんたを無視するなんてそんな幼稚なことするわけないでしょ?」

凛「にこちゃんは見た目が幼稚だにゃ」

希「言動も子供っぽいし」

にこ「何ですって!!!」

凛「うわー、にこちゃんが起こったにゃ~」

希「にっげろ~」

ダダダダダダダ……

海未「……あの様子じゃ、本当ににこは無視なんてしないでしょうね」

ことり「にこちゃんは優しいからね」

穂乃果「うん……そうだよね! よーし、今日も練習頑張るぞー!」

海未「その前に生徒会室に行きましょう、仕事が残っています」

穂乃果「えー……こっちは夢と一緒なのー……?」

**********

穂乃果「……はっ! ここは……」

凛「うっ……うっ……」

花陽「こんなこと……どうして……」

穂乃果「ね、ねえみんな? どうしたの?」

絵里「穂乃果、あなたこんな時に……!」

希「待って、えりち……穂乃果ちゃんはまだ、現実を受け入れられないんや……」

穂乃果「現実……? そういえばにこちゃんは……?」

絵里「穂乃果、よく聞いて……にこはもうこの世にはいないの」

穂乃果「えっ!?」

真姫「にこちゃん……あなた、宇宙一No.1アイドルになるんじゃなかったの……? それが、トラックにはねられて死んじゃうなんて……うぅっ……ほんと……馬鹿ぁ……」

ことり「一緒にお洋服見に行こうって言った約束も忘れちゃったの? どうして、どうして……」

海未「もうあの笑顔を私たちに見せてくれることはないんですね……うっ……うっ……にこ……」

穂乃果「そ、そんな…・…嫌だ、嫌だよ!!」

絵里「穂乃果……私たちがいくら思っても……にこは……にこは……もう戻ってこないのよ……」

凛「うわぁああああにこぢゃぁあああんん!!!!」

穂乃果「嘘……でしょ? そ、そんなわけないよ……だって穂乃果たちはいつも一緒で……みんなで練習したり、ふざけあったり……そうだよね……?」

穂乃果「うぅっふぅっ……に゛ごぢゃんんん……」

**********

穂乃果「うわあああああああああ!!! ……はぁ……はぁ……また、夢……」

――
―――

真姫「穂乃果、いつまでそうしてるつもり?」

にこ「もう! 鬱陶しいわね!」

穂乃果「にこちゃああん……」

にこ「昨日も今日もべたべたくっついてきて! 離れなさいよっ!」

穂乃果「嫌だぁ! 一生離れない!!」

凛「穂乃果ちゃんは甘えん坊なんだにゃ」

花陽「凛ちゃん、しー!」

絵里「穂乃果があの様子じゃ練習はできないわね」

穂乃果「にこちゃーん、死なないでぇ……」

にこ「死なないわよ失礼ね!!」

希「ほな明日からまた頑張ろうか」

海未「あ、明日は校内の点検のためほとんどの施設が使えないので練習はないですよ?」

希「あー、そういえばそうやったね」

にこ「全くもう、付き合ってられないわ……凛、花陽、真姫、帰るわよ」

穂乃果「あぁっ! 穂乃果も一緒に帰る!」

海未「もう、にこが困っているでしょう? ほら、穂乃果は私たちと帰りますよ」

ことり「ばいばい、みんな」

絵里「じゃあ私たちも帰りましょうか」

穂乃果「にこちゃん、帰り道は気を付けてね! 知らない人について行っちゃだめだよ! それから人通りの多いところを通って、車がいっぱいの道は気を付けて……」

にこ「私は子供か!」

今日はここまで
FCのTS見てくる

**********

海未「すみません、職員室に用があったので少し遅れてしまいました」

穂乃果「海未ちゃん遅いよー!」

希「まあまあ……全員揃ったことやし、早速練習始めよ」

穂乃果「え? まだ全員揃ってないよ?」

絵里「あら、もう8人全員来ているわよね?」

穂乃果「何言ってるの? μ'sは全部で9人だよ?」

ことり「? 穂乃果ちゃん、何言ってるの?」

真姫「μ'sは全員で8人よ? そんなことも忘れたの?」

穂乃果「待って待ってよ、にこちゃんがいないじゃん! いくらネタでもそれは酷いよ!」

花陽「にこ……ちゃん?」

凛「誰のことかにゃ?」

穂乃果「にこちゃんだよっ! 小っちゃくてツインテールの!」

海未「穂乃果……」

穂乃果「意地っ張りで、料理が上手くて、子供っぽくて……でも、時々頼りになる先輩で……みんな忘れちゃったの!?」

ことり「穂乃果ちゃん……」

希「穂乃果ちゃんはきっと連日の練習で疲れてるんや」

穂乃果「え……?」

真姫「そうね……少し休んだ方がいいかもね」

花陽「早く元気になってね、穂乃果ちゃん」

絵里「もう、9人目のメンバーなんて……脅かさないでよ、穂乃果」

希「あれー? えりち怖いん?」

絵里「な、何言ってるのよ!? そんなことないわ!」

穂乃果「嘘だ……」

海未「穂乃果……」

穂乃果「嘘だ! 嘘だよ! 冗談だよね!? みんなして穂乃果をからかってるだけだよね!? またまた~みんな演技がうまいんだから!」

凛「うーん、穂乃果ちゃんが本気でおかしいにゃ~」

海未「取りあえず今日は家に帰らせましょう……穂乃果、行きますよ?」

穂乃果「……そんな……違う、違うよ……きっとみんなは穂乃果をからかっているだけなんだ……すぐにひょっこりにこちゃんが顔出して言うんだ……『私がいないと本当にだめね』って……いつもの調子で……」

海未「何をぶつぶつ言ってるんですか? ほら、早く行きますよ……じゃあ後のことは絵里に任せます」

絵里「気を付けて帰るのよ、穂乃果」

穂乃果「違う……絶対嘘だ……」

穂乃果「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ」

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穂乃果「あっ……また……」

穂乃果「ううっ……今回の夢は沁みたよぉ……」

雪穂「うわっ、お姉ちゃんなんで泣いてるの!? それに今日は学校休みでその上練習も休みだってのにもう起きてるし……」

穂乃果「うわぁああああん雪穂ぉおおおー!!」

雪穂「え!? な、何!?」

穂乃果「皆がね、にこちゃんのこと忘れてるの!!」

雪穂「ど、どういうこと? にこさんがどうしたの?」

穂乃果「あのね、さっきね、にこちゃんがいなくてね、みんなが誰もにこちゃんのこと覚えてないの……」

雪穂「ええっ!?」

穂乃果「っていう夢を見てね……」

雪穂「うんうん……って、夢かい!!」ドーン

穂乃果「うわわわわ、突き飛ばさなくてもいいじゃん!」

雪穂「たかが夢ごときで騒ぎすぎでしょ!」

穂乃果「いやいやいや! 今回ばかりは!」

雪穂「今回? どうでもいいけど私今日は亜里沙のところに行くから留守番よろしくね」

穂乃果「ええーっ!! うちにいてよぉ!」

雪穂「はいはい、お姉ちゃんも遊んで来ればいいじゃん……あ、あと今日は音尾さんとお母さんも家にいないからね」

穂乃果「そんなぁ……薄情者ー……」

――
―――

雪穂「じゃ、行ってくるねー」

穂乃果「雪穂ぉ……」

穂乃果「……寂しいからにこちゃんと遊ぼう」

prrrrr

穂乃果「あ、もしもしにこちゃん? 今日一緒に遊ばない?」

にこ『あーごめん、今日お婆ちゃんちに妹たち連れて行かなきゃなんないのよね』

穂乃果「そ、そんな……」

にこ『そんなこの世の終わりみたいな声出さないでよ……また明日会えるからいいでしょ?』

穂乃果「今すぐ会いたいのに……」

にこ『そんな面倒くさい恋人みたいなこと言わないでよ……じゃあね』

ツーツーツー

穂乃果「終わった……」

穂乃果「……海未ちゃんち行こう」

*********

穂乃果「今日は本当にいい天気だね!」

にこ「そうね……ねえ、穂乃果」

穂乃果「何? にこちゃん」

にこ「にこね、お弁当作ってきたの……一緒に食べよ?」

穂乃果「本当!? わーい、やったあ!」

にこ「くすくす……子供みたいにはしゃいじゃって」

穂乃果「わー! 美味しそう!」

にこ「いーっぱい食べてね! はい、あーん!」

穂乃果「あーん……んー! 美味しい! やっぱりにこちゃんの料理は美味しいね!」

にこ「ふふっ、ありがと」

穂乃果「あー、幸せだなあ……」

**********

雪穂「お姉ちゃん、お姉ちゃん……」

穂乃果「んー……あ、あれ? にこちゃんは? お弁当は?」

雪穂「何寝ぼけてるの? 今日は練習あるんでしょ? 遅れちゃうよ」

穂乃果「もう! 雪穂のバカ! せっかくいい夢見てたのに!」

雪穂「折角起こして上げたのに! もう、勝手にすれば!?」スタスタスタ

穂乃果「あー幸せな夢だったのになあ……ん? 待てよ?」

穂乃果「確か最初の悪夢のあとにこちゃんにくっついて回ったらどんどん悪夢が酷くなっていったなぁ……逆に昨日はにこちゃんと一回も会ってないのに幸せな夢を見た……」

穂乃果「つまり、現実世界でにこちゃんに近付かなければ悪夢を見ないんじゃ……!」

穂乃果「うん、そうだ!」

――
―――

海未「穂乃果、時間ぎりぎりですよ?」

穂乃果「ごめんごめん……ちょっと考え事してたら遅れちゃって」

凛「穂乃果ちゃんでも考えることってあるんだ」

花陽「り、凛ちゃん!」

にこ「全く、アイドルとしての自覚が足りてないわよ」

穂乃果「……」

にこ「ちょっと、あんた聞いてるの!?」

穂乃果「……」プイッ

にこ「むかー! あんたねえ!」

穂乃果「……」ツーン

真姫「ちょっと、穂乃果……」

にこ「あんた、いい加減にしなさいよぉ……!」グニグニ

穂乃果「ぅわ~い゛だい゛よ゛~」

凛「にこちゃんが穂乃果ちゃんを怒らせるようなことしたんじゃないかにゃ?」

にこ「そ、そんなことしてるわけないでしょ!?」

希「心当たりはいっぱいありそうやね……」

穂乃果「わー! もう、無理だーーーーー!!!」

ダダダダダダダダダダダダダッ

絵里「あっ……どこか行っちゃったわね」

ことり「最近の穂乃果ちゃんなんか変だね……」

――
―――

穂乃果「にこちゃんと距離を置く作戦……途中でちょっと失敗しちゃったけど、いつもよりは近付いてないはず!」

穂乃果「昨日の夢の続きが見たいなあ……」

**********

穂乃果「あ、にこちゃん!」

にこ「穂乃果」

穂乃果「一緒に遊ぼ!」

にこ「穂乃果」

穂乃果「ん? 穂乃果だよ?」

にこ「穂乃果」

穂乃果「何? にこちゃん?」

にこ「穂乃果」

穂乃果「……」

にこ「穂乃果」

穂乃果「……」

にこ「穂乃果」

**********

穂乃果「うわああああああああああ」

ドンドンッ!

雪穂「もう、お姉ちゃん最近うるさい!」

穂乃果「はっ! 夢か……何か微妙な夢だったなあ」

――
―――

穂乃果(今日もにこちゃんとあんまり触れないように頑張るぞ!)

にこ「ちょっと穂乃果、昨日のはいったい何だったのよ」

穂乃果「……」ツーン

にこ「私が何かしたんだったら謝るわ、ごめん……でも、全然理由が分からないの」

穂乃果「……」ツーン

にこ「……うがあ!」

穂乃果「わっ!」

にこ「もういいわよ! あんたがその気ならこっちもそうさせてもらうわ!」

真姫「ちょっと止めときなさいよ……雰囲気が悪くなるでしょ?」

にこ「だってこんなの話し合いにならないわよ!」

絵里「穂乃果……にこもこうして謝ってることだし、許してあげたら?」

穂乃果「え、絵里ちゃんには関係ないもん……」

絵里「ガーン」

凛「口でガーンっていう人初めて見たにゃ」

海未「とにかく、これでは練習になりませんから穂乃果はにこと仲直りするようにしてください」

穂乃果「……」

にこ「ふんっ!」

――
―――

穂乃果「なんかすっごい良心が痛むなあ……あんなこと言わなきゃよかったかなあ」

**********

にこ「ふわぁ……何だか眠くなってきたわ」

穂乃果「じゃあ穂乃果が膝枕してあげる!」ポンポン

にこ「ふふっ……気持ちいい」

穂乃果「にこちゃんあったかい……」

にこ「にこね……穂乃果のこと好き……」

穂乃果「うん……穂乃果もにこちゃん大好き……」

ああ、幸せだなあ――

**********

穂乃果「ふが……あ、終わっちゃった……」

穂乃果「やっぱり穂乃果の予想は間違ってなかった……今日も頑張るぞ!」

――
―――

穂乃果(ああ……数学の授業退屈だなあ……何だか数式を見てると眠くなってくるんだよね……)

**********

穂乃果「お待たせっ!」

にこ「遅いわよ! 遅刻した罰にお昼は穂乃果のおごりね!」

穂乃果「ええー! にこちゃんの方が先輩なのに……」

にこ「先輩禁止でしょ?」

穂乃果「あー! それずるいよ!」

にこ「ふふんっ、大体このにこにーとデートさせてもらえるだけ感謝しなさいよね」

穂乃果「もー」

にこ「じゃあ、ほら……手」

穂乃果「え?」

にこ「手……繋ぎましょ?」

穂乃果「ふふっ……うんっ!」ギュッ

**********

海未「穂乃果……! 穂乃果……!」

穂乃果「……へ?」

海未「へじゃありません! 授業中ずっと寝ていたでしょう!? たるみ過ぎですよ」

穂乃果「あれ? 授業もう終わったの?」

海未「終、わ、り、ま、し、た!」

穂乃果「そ、そんなに怒らなくても……」

ことり「まあまあ、最近練習も厳しくなってるし……」

海未「ことりは甘やかしすぎです!」

ことり「あはははは……」

――
―――

花陽「まだにこちゃんと穂乃果ちゃんは喧嘩してるの?」

真姫「喧嘩っていうか……」

凛「にこちゃんはそっぽ向いてるけど」

ことり「穂乃果ちゃんはずっとにこちゃんの方チラチラしてるよね……」

希「ねえねえ、穂乃果ちゃん……そない気になるんならにこっちに話しかければええやん」

穂乃果「そ、それだと駄目なんだよね……」

絵里「? どういうこと?」

穂乃果「……教えない!」

絵里「ガーン」

凛「また言ったにゃ」

――
―――

穂乃果「もう辛くなってきたなあ……でも、今日もいい夢見られそう!」

**********
**********

穂乃果「はぁ……幸せだった!」

――
―――

海未「最近、穂乃果の様子がおかしいんです」

凛「それは見てて分かるにゃー、みんなといるときはいつも何かに警戒してるし」

真姫「にこちゃんと妙に距離を置こうとしてるわよね」

ことり「授業中も隙あらば寝てるみたいなの……」

真姫「そういえばさっき穂乃果に睡眠薬が欲しいって頼まれたわ」

にこ「睡眠薬? あの子また誰にも相談なしに無理してるんじゃないでしょうね?」

凛「にこちゃんいたの?」

にこ「ずっといたわよ!」

希「そういう病気なんとちゃう? 寝ても寝ても寝た気がしない……とか?」

ことり「でも、穂乃果ちゃん起きた後は妙にすっきりした様子なんだよね……」

真姫「ナルコレプシーとかでもなさそうね」

海未「はい……それに、穂乃果はその時特に悪夢を見たということもなさそうですし」

絵里「その病気って悪夢を見るものなの?」

真姫「人にもよるけど殆どがそうね……私たちくらいの歳が一番発症が多いらしいけど……海未たちから様子を聞いた限りじゃ違うようね」

花陽「何で悪夢を見てないって分かるの?」

海未「穂乃果がいつも言うんです……今日はにこと何をしたとかどんな事を話しただとか」

にこ「何? 夢ににこが出てくるの?」

ことり「最近は殆どそうみたい……だから、にこちゃんを避けてはいるけど嫌ってはないと思うの……穂乃果ちゃん、夢の話をするときすごく楽しそうだもん」

希「分からんなあ……」

――
―――

穂乃果「何かみんなが部室で深刻な顔してる……入りずらいなあ……夢の中のみんなはあんなに楽しそうなのに……」

穂乃果「帰ろう……」

―――
――

海未「穂乃果はまた遅刻ですか?」

ことり「もうちょっと待ってみよっか」

prrrr prrrr

ことり「あ、メール……穂乃果ちゃん風邪で今日お休みするって」

海未「そうですか……昨日も無断で練習をサボったのでもしかしたらと思いましたが……」

ことり「風邪ならしょうがないね……放課後お見舞いに行こっか」

海未「そうですね」

――
―――

穂乃果「あー……さっき見た夢もう一回見たいなあ……まだ10時だから全然時間ある……」

穂乃果「うわー! 眠れないよー! 学校サボっちゃったけど一回くらいいいよね……?」

――
―――

穂乃果「いやーアイスがうまい!」

海未「お邪魔します」

ことり「お邪魔しまぁす……ってあれ? 穂乃果ちゃん、寝てなくていいの?」

穂乃果「うぇ!? あ、あー! なんかお昼すぎたくらいから体の調子良くて!」

海未「穂乃果……?」

穂乃果「は、はい!」

海未「本当のことを話しなさい」

穂乃果「すびばぜん゛……仮病です……」

海未「穂乃果っ! あなたという人はみんなが散々心配してるのに仮病を使ってアイスですか!?」

ことり「う、海未ちゃん……」

海未「この際言っておきますがスクールアイドルも遊びじゃないんですよ!? あなたがスクールアイドル始めた頃何と言いましたか!? 真剣にやるんじゃなかったんですか!?」

穂乃果「うう……うるさい……」

海未「今、何と……?」

穂乃果「うるさい…・・・うるさい……本当の海未ちゃんはもっと優しいんだ……これは悪い方の夢なんだ……早く覚めて、覚めて……」

海未「何をぶつぶつ言ってるんですか!」

穂乃果「うるさい、うるさい! わあああああああああああ!!!」ダダダダダダッ

ガチャンッ

海未「ちょっと穂乃果! 部屋に閉じこもってないで開けなさい!」

穂乃果「夢だ……これは夢だ……あれ、でも夢から覚めるにはどうしたらいいんだろう……もう一回寝たらいいのかな……?」

海未「穂乃果? 何を言ってるんですか? 穂乃果! 穂乃果!」

雪穂「な、何の騒ぎですか?」

にこ「外まで聞こえてたわよ?」

希「穂乃果ちゃんのお見舞いに来たんやけど……何があったん?」

ことり「みんな……」

――
―――

穂乃果「そうと決まったら早く寝よう……」

穂乃果「……」

穂乃果「うーん、やっぱり眠れない……真姫ちゃんに薬もらっておけばよかったかなあ」


まあ、いいや……いつかは眠くなるし……そしたらこの悪夢も覚めて、また楽しく過ごすんだ

海未ちゃん、ことりちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃん、花陽ちゃん、にこちゃん、希ちゃん、絵里ちゃん

大好きなみんなと一緒に過ごすんだ……だから

早く、みんな仲良しのμ'sに会いに行こう……

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