キャシー・グラハム「撮影用のミカンが余った」 (18)

蓮美「食べないんですか?」

キャシー「あたし撮影中にさんざんつまみ食いした!」

蓮美「あ、道理で途中から手に持っているのが一つだけに……」

キャシー「てへ」

蓮美「そもそも撮影用なら返した方が」

キャシー「いや、あたしもそう思ったんだけど『一つだけ返して貰っても』って言われて」

蓮美「それもそうですね」




・・

・・・

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411060967

――カン カン カン ガチャ

キャシー「ハァイ! キャシー事務所に帰還! どれどれ誰が居る?」

紗理奈「アタシが居るよー」

美里「あれぇ? 何事~?」

キャシー「ここにフレッシュなマンダリンオレンジがある!」

蓮美「ミカンですね」

美里「ちょっと小腹空いてるかも~、食べちゃっていい?」

キャシー「勿論! だけどその前に、何かと交換しよう!」



美里「交換?」

キャシー「そうそう、どこかでみた企画を身内でやってみようって思って!」

紗理奈「あー、わらしべ長者って感じ?」

キャシー「確かそんなの! さてさてこのミカンがどこまで発展するかな!?」

美里「ん~……じゃあ別にいいですぅ」

キャシー「てーいっ! なんで止めた! あたし企画倒れする!」

美里「そこまでして欲しくは無いかなぁって」

キャシー「いいじゃん! その見てる旅行パンフレットでもいいんだよ!?」

美里「これは今読んでますぅ」

キャシー「むむむ、じゃあ紗理奈は何か!」

紗理奈「別に……無いかな」

キャシー「なんだなんだ面白くないー、アタシとプリーズプリーズ交換しましょ」

蓮美「実際のわらしべ長者より開始位置はずいぶん先のはずなんですけど」

美里「もう食べちゃお?」

キャシー「いやいやいや、ストップストップ、アタシ挫けない、まだ奥に誰か人は?」

紗理奈「何人か居るはずだよ、子供も大人も」

キャシー「いい情報! それじゃあ奥の部屋へ突撃!」

――バタン!

キャシー「ハァイ! キャシーと一緒にウィンウィンの関係になろう!」

菲菲「呼んだカナー?」

キャシー「ううん、語感だけしか合ってない、違う違う」

頼子「おはようございます……今からお仕事ですか?」

キャシー「帰ってきたところ! ここは何の集まり?」

菲菲「お昼ご飯ダヨー!」

頼子「もうすぐお昼なので、お弁当を」



蓮美「そろそろ……確かにお昼ですね」

キャシー「チャンス!」

頼子「チャンス?」

キャシー「こっちの話ー! それでそれで、お弁当は?」

菲菲「デザートが残ってるネ、上げないヨー?」

頼子「私も最後にデザートが、お弁当についているみたいです」

キャシー「なるほどなるほど! で? で? そのデザートなスイーツは?」

蓮美「交渉する気満々ですね」

頼子「……?」

菲菲「ふぇいふぇいもまだ見てないヨー、さーて何が入ってるカナー」

――カパッ

頼子「わぁ、果物ですね」

菲菲「オレンジ!」

キャシー「撤収ぅ!!」

菲菲「キャシー、オレンジ嫌い?」

キャシー「今だけほんのちょっぴり嫌いになりそう」

蓮美「キャシーさん、撮影直後にそれは……」

頼子「いただきます」

キャシー「はぁ……交換って難しいね」

蓮美「こ、今回は運が悪かったと……」

キャシー「あんな大金の交換を易々と成功させるプロデューサーさんは只者じゃなかったよ……」

蓮美「それは参考にしちゃいけないような」



菲菲「ん? キャシーもオレンジ持ってる?」

キャシー「食べるものじゃないよ、これをわらしべするのが今日の目標!」

頼子「わらしべする……?」

キャシー「とにかく、この奥の部屋に誰か居る?」

頼子「そうですね……何人か居たはずですよ」

キャシー「ならチャンスは続く! 目指せパーフェクトコミュニケーション!」

――バタン!

キャシー「ハァイ! キャシーと物々交換してトップアイドルになろうよ!」

由里子「ふふふ、今日はアタシの秘蔵のブツを」

比奈「事務所に持ってくるもんじゃないっスよ」

キャシー「失礼しました!」

――バタンッ

頼子「あれ、そっちにもお二人ほど居たはずですが……誰も居ませんでした?」

キャシー「入っちゃいけない花園だった気がしたから帰ってきた!」

蓮美「他の部屋……行きます?」

キャシー「もちろん!」

菲菲「オレンジ美味しいネー」

キャシー「待ってろよー! このマンダリンオレンジを壮大なモノにチェンジしてやる!」

――バタン!

キャシー「ハァイ! キャシーでぇす! 交換してくださーい!」

紗南「あっ! いいところに!」

奈緒「よっ……難しいな……」

美羽「ほらそこ! 飛んで飛んで!」

奈緒「分かってるって! 難しいんだよコレっ!」

紗南「全員で頑張ってるけどクリアできないんだよ!」

キャシー「任せろっ!」

――……バタン

キャシー「いい汗流しました……!」

蓮美「ミカンは」

キャシー「100%コンプリート!」

蓮美「ゲームの方ではなくて……」

キャシー「いや、そんな空気じゃなかったの、熱かったの、燃えた」

蓮美「もう、食べますか?」

キャシー「うーん…………いや、チャレンジ続行!」

蓮美(悩みましたね一瞬)

――バタン!

キャシー「ハァイ! キャシーのキャシーによるキャシーの為の交換貿易!」

晴「よしサッカーしようぜ!」

舞「公園に行こう!」

メアリー「人数が足りないワ」

光「任せろ!」

キャシー「よしキャシーも行こう」

――カン カン カン バタン

キャシー「いい汗流しました……!」

蓮美「はぁ……」

キャシー「ちょっと思ったんだけどね、ただのミカンじゃ難しいかなぁって」

蓮美「今ですか?」

キャシー「これがいちごなら簡単だったかもしれない」

蓮美「でもミカンですから……」

キャシー「うーん……時にアタシは思うわけ、プロデューサーに渡すお菓子にも手作りとかだと喜ばれるじゃん」

蓮美「ですね」

キャシー「キャシー手作りのマンダリンオレンジ」

蓮美「撮影用です、それ」

――パクッ

キャシー「……すっぱい」

蓮美「結局食べちゃうんですか」

キャシー「半分だけ、半分だけ……」

蓮美「逆に半分残してその後どうするんですか」

キャシー「キャシーとはんぶんこしたマンダリンオレンジ」

蓮美「うーん……」

キャシー「いまいち?」

――ガチャッ



唯「ただいまー!」

千夏「帰ったわよ」

蓮美「あ、おかえりなさい」

キャシー「おかえりー、ちょっと遅かったー」

唯「何が? あ、もしかしてこの食べてる途中のみかん? 残ってるじゃん、いただきっ!」

キャシー「あーっ」

唯「ひとつだけひとつだけ! じゃーねー、ゆいは奥の部屋に行く!」

キャシー「……ふぅ、じゃあ残りのは――」

千夏「頂いてもいい?」

キャシー「あ、食べる? じゃあひとつ」

千夏「全部」

キャシー「……はい?」

千夏「唯が食べたもの、全部よ」

キャシー「あの」

千夏「オール、オッケー?」

キャシー「いや、日本語わからなかった訳じゃなくて」

千夏「代わりにこれを食べてて、それじゃあ」

キャシー「あのあの……」

――スタスタ

蓮美「よかったじゃないですか、一回目の交換成功して」

キャシー「アタシの思ってたのと違う」

蓮美「それで、何貰ったんですか?」

キャシー「えーっと……開けよう」

――カパッ

蓮美「わぁ……」

キャシー「すごい高級そうなチョコレートが」

蓮美「説明の紙まで入ってる……えっと……これ、駅前のすごい高級品の!」

キャシー「……わらしべ成功!」

蓮美「ゴールにダイレクトじゃないですか!」

キャシー「キャシー細かいこと気にしない! 食べる!」

蓮美「ああ、そんな一度に食べなくても」

キャシー「うーん、美味しっ♪」



おわり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom