ぼっちライダーディケイド (9)

ライトノベルやプリキュアなど、様々な世界と各ライダー世界がつながり、そんな世界を比企谷八幡が
ディケイドとなって旅する話です。
以前他のサイトで連載していた「仮面ライダーぼっち」の続編となりますが、この作品から読み始めてもさほど支障はありません。
不定期更新、文章力はまだまだ未熟です……。
それでも精一杯頑張りますので、是非読んでみてください!



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由比ケ浜「ねぇねぇゆきのん、この書類こんな感じでいいかなぁ?」
雪ノ下「由比ケ浜さん……やはりあなたには会計の仕事は向いていないわ。この一枚だけで訂正すべき箇所が五つもある……」
由比ケ浜「う、ううう~、ごめんねゆきのん……」
雪ノ下「で、でも頑張ってくれたことは嬉しいわ。ありがとう」
由比ケ浜「ゆきの~ん!」
雪ノ下が由比ケ浜に抱きつく。
この生徒会室ではよくみられる光景だ。
雪ノ下「じゃぁ比企谷君、この修正をお願い」
そしてその仕事は僕がやることになるんですよね、わかります。
由比ケ浜「よろしくね、ヒッキー!」
まぁ、生徒会長と副会長に言われては庶務の俺には拒否権は無い。
由比ケ浜「この調子なら、次の行事も上手く行きそうだね!」
比企谷「お前はほとんど役にたってねぇけどな……」
由比ケ浜「う……」
雪ノ下「まぁ、由比ケ浜さんは他の所で頑張ってもらっているわ」
雪ノ下……お前由比ケ浜に対して甘すぎるだろ……。
俺がため息をつくと、ドアがノックされた。
雪ノ下「はい」
緩んだ表情を引き締めて雪ノ下が応答する。
映司「やぁ、今日も頑張ってくれてるね。ありがとう」
そう言ってはいってきたのは生徒会担当教諭の火野映司先生だ。
雪ノ下「いえ、仕事ですから」
映司「比企谷君達の代になってから随分スムーズに進行するようになったし、内容も凝ってるし、本当に感謝だよ」
雪ノ下「それは先生も同じでしょう」
火野先生が生徒会担当になったのは今年からだが、影で随分頑張ってくれている。
だから、例年より少ない三人という生徒会役員でやっていけているのだ。
由比ケ浜「先生、またどこか遊びに行こうよ!」
映司「そうだね、次の行事が終わったら行こうか」
雪ノ下「楽しみです」
比企谷「ああ、そうだな」
その時、大地が大きく揺れた。
比企谷「うぉ!なんだ、地震か!?」
雪ノ下「大きいわね……」
俺達が安全を確保しようと動き出したその時、
「ギィヤァァァァッッッ!」
耳をつんざくような叫び声が響いた。
少なくとも普通に生活していて出るような声ではない。
いや、これは、とても人の物とは思えない。
映司「そんな……この世界でも崩壊が始まったのか……?」
火野先生がそう呟き、窓から身を乗り出した。
比企谷「あ、危ないですよ!」
映司「あぁ……やっぱり……終わって無かったのか」
俺達も先生に続いて外を眺める。そして、驚愕する。
怪物、としか言いようのない生物たちが空に地上にとあふれかえっていたのだ。
由比ケ浜「な、何あれ……」
雪ノ下「私達は、夢でも見ているの……?」
映司「……君達は、少しの間ここで待っててくれ」
由比ケ浜「ど、どこに行くの!?」
映司「この状況を何とかできる物を、取ってくる。できれば、もう二度と使いたくなかったんだけどね……」
そう言うと、火野先生は勢いよく駆けだした。
由比ケ浜「な、なんなんだろう……」
雪ノ下「とにかく私たちは、ここで待ってましょう」

そして約二分後。

勢い良くドアが開けられる。

映司「はぁ、はぁ……」

先生の手には、一つのベルトと二つのカードデッキが握られている。

デッキには、龍と蝙蝠のエンブレムがあしらわれている。

映司「君達をまた戦わせることになって、本当に申し訳ない……」

比企谷「先生……?」

映司「三人とも、これを」

言うと先生は、俺にベルトを、雪ノ下に蝙蝠の、由比ケ浜に龍のカードデッキを手渡した。

ベルトに触れた、その瞬間

比企谷「っっっっーーーーーーーー!!!?」

俺の頭の中を、電流が駆け巡る。

比企谷「あ、ああ、ああ……」


陽乃「私は、仮面ライダーオーディン」

三浦「近くにいた、お前が悪い」

材木座「がぁぁぁぁあああっっ!」

戸塚「う、うわぁぁぁぁっっ!」

由比ケ浜「あたしの占いが、やっと、外れる……」

比企谷「お前はなるべく、生きろ……」

それは、記憶。

忘れていたことが不思議な、鮮烈すぎる戦いの記憶。

比企谷「そうだ、俺達は、戦っていた……ライダーバトルを……」

雪ノ下「どうして、忘れていたのかしら……」

由比ケ浜「う?なんであたしのデッキはヒッキーのなの?」

映司「説明は後でする、とりあえず、今はこのモンスター達を何とかしないと」

比企谷「先生、俺のこのベルトはどうやって?」

映司「ベルトの中心にカードを入れるんだ……ディケイドの力は、全てを超越する」

比企谷「まぁ、やってみるか。多分そう簡単には、やられない」

雪ノ下「というか私たちは、ミラーワールドでしか戦えないのでは……?」

映司「それは大丈夫、もうどこでも戦えるはずだよ」

雪ノ下「そうですか……わかりました。変身!」

由比ケ浜「えへへ……ヒッキーのを使うなんて、なんか照れるな……変身!」

そう叫ぶと、雪ノ下は漆黒の剣士仮面ライダーナイトに、由比ケ浜は赤い剣士、龍騎へと

変身した。

俺は数枚の中から、一枚のカードを選ぶ。

―DECADE―

比企谷「変身!」

「Kamen Ride Decade!」

ベルトからその音声が鳴ると、俺の体にバーコードのようなものがはまっていく。

ピンクと黒のボディーに緑の目。

それが俺の変身した新たなライダー、仮面ライダーディケイドだ。

映司「ごめん、また戦わせることになっちゃって」

雪ノ下「気にしないでください、私達は大丈夫です」

由比ケ浜「そうそう、ちゃちゃっとあんなの倒しちゃうよ!」

映司「ごめん、ここは任せた!俺もやるべきことをやったら、すぐに行くから!」

比企谷「っし、行くか」



雪ノ下「ミラーワールドのモンスターとは、少し違う感じね……」

比企谷「アンデッドにワームにドーパント……なんでもありだな」

由比ケ浜「ヒッキー、知ってるの?」

比企谷「なんとなく、わかる。このベルトのせいか……?」

雪ノ下「なにはともあれ、私達がするべきことは一つよ」

由比ケ浜「そうだね!よし、頑張ろう!」

「「Swword Vent」」

「Attack Ride Srash!」

三人それぞれに剣を手にする。

比企谷「お前ら、なるべくならサバイブは使うなよ」

サバイブ、それは使用者の生命エネルギーと引き換えに莫大な力を与える諸刃の剣である。

雪ノ下「その心配は無いわ」

比企谷「え?」

由比ケ浜「なんかよくわかんないけど、サバイブのカードは無くなってるよ?」

「シャァァァッッ!」

会話をしている俺達にモンスターが襲いかかってくる。

比企谷「とにかく、やるかっ!」

剣でモンスターをさばく。

だが、いかんせん数が多すぎる。

比企谷「ちっ……」

「Attack Ride Blast!」

銃を乱射し、敵を一旦遠ざける。

しかしそれは時間稼ぎにしかならない。

雪ノ下「耳をふさいで!」

「Nasty Vent」

雪ノ下がそのカードをスキャンした瞬間、彼女の契約モンスター「ダークウイング」が現

れ、不快なことこの上ない超音波を発する。

比企谷「久しぶりに聞いたなこれ……」

そういえば、このディケイドにはやたら多くのカードが入ってたな。

比企谷「色々試してみるか」

「Kamen Ride 鎧武!」

カードをスキャンすると、俺の姿はどこかオレンジを連想させる姿へと変わった。

「Attack Ride 鎧武! 大橙丸! 無双セイバー!」

二本の剣で敵に切りかかる。すごい威力だ。

「Attack Ride 鎧武! 大橙一刀!」

俺を中心として、円状に斬撃を放つ。

その攻撃に触れたもの全てが爆発する。

巨大な力に驚く俺の背後から何者かが攻撃を仕掛けた。

幸いダメージはさほど大きい物では無かったので急いで振り返るも、すぐ近くにそのよう

な影はない。

と、次は正面から攻撃を受けた。

しかし、全くその姿が見えない。

透明になっているのか、あるいは……

「Kamen Ride Brade!」

次に俺は、鋼鉄の剣士へと姿を変える。

「Attack Ride Brade! タイム!」

ブレイドが使うカードの一つ。スペードの10、タイム・スカラベ。

その効果は、自分以外の時間の流れを減速させること。

しかしその中で、俺と同じ速さで動く物たちがいた。

ワーム、カブトの世界の、高速で動くことができるモンスター達だ。

「Final Attack Ride ブ・ブ・ブ ブレイド!Ritning So

nic!」

キック、サンダー、マッハからなる、電撃を宿した超高速キック。

それを受けたモンスターは、跡形もなく消滅した。

「「Final Vent」」

雪ノ下と由比ケ浜も必殺のカードで敵を蹴散らす。

しかし、モンスター達は次から次へと湧いてくる。

雪ノ下「こんな数……キリがない!」

俺達が体力的にも精神的にも参ってきたその時、空から炎が降ってきて俺達の周りのモン

スターを焼き払った。

地上に降りてきたのは、タカ、クジャク、コンドルの鳥獣系モンスターの力を使って変身

した火野先生、仮面ライダーオーズだ。

映司「大丈夫!?」

比企谷「ええ、なんとか」

映司「今、この世界は消滅しかかっている」

雪ノ下「消滅……?」

映司「前に言ったよね、俺は別の世界から来たライダーだって。この世界には、ここ以外

に14のライダーの世界がある」

雪ノ下「パラレルワールド、のようなものですか?」

映司「うん。そしてその世界が融合しかかっている。そんなことになれば、全ての世界は

消滅してしまう」

比企谷「こんなふうに、ですか……」

高層ビルなどはモンスターによって崩壊し、まさにこの世の終わりといった感じだ。

映司「うん、これよりもっと、ひどいけどね……」

由比ケ浜「そんな……」

映司「でも、全ての世界を救う方法もある」

雪ノ下「方法、というのは?」

映司「比企谷君、いや、ディケイド。君が世界を旅し、ゆがみを正すんだ」

比企谷「え……?」

映司「それぞれのライダーの世界では、滅びの前兆が起き始めている。それを君が、君達

が解決する。全ての世界でゆがみを正すことができれば、世界の崩壊を止めることができ

る」

由比ケ浜「でも、どうしてあたし達が……」

映司「それはわからない。でも、君達が体験したライダーバトルに関係あるってことは確

かだと思う。俺が変われればいいんだけど……」

雪ノ下「行きましょう、比企谷君。どの道このままでは、私たちも、みんな終わりよ」

比企谷「ああ、そうだな。……先生、俺達が何とかして見せます」

と、言った瞬間。

俺が所持していたカードから灰のようなものが放出される。

そして、ほとんどがモノクロの状態になってしまった。

比企谷「なんだ……?」

映司「その状態になってしまったカードは、使うことができない」

比企谷「え?」

映司「各ライダーの力を使うには、そのライダーと絆を結ぶ必要がある。だから、今の比

企谷君には、自分と、由比ケ浜さんが変身する龍騎、雪ノ下さんが変身するナイトの力し

か使うことができなくなったんだ」

比企谷「なるほど……所で先生、旅するって言っても、どうやって?」

映司「そこにある建物、それが鍵だ」

そう言って先生が指差した建物は、『光写真館』。

雪ノ下「写真館……?」

由比ケ浜「こんな所にあったっけ……」

映司「そこから、いろんな世界に行くことができる。……もう時間がない、さぁ、行って」

由比ケ浜「先生は?どうするの?」

映司「俺は、こいつらを食い止める」

由比ケ浜「そ、そんなの無茶だよ!」

映司「それでも俺に出来るのはこれくらいだからね。それに、君達が世界を変えてくれれ

ばこっちの世界でも影響が出る。……頼んだよ」

雪ノ下「御武運を」

俺達は頭を下げ、謎の写真館へと入った。

俺達が入るのを待ち構えていたかのように、部屋の絵が突如切り替わる。

たくさんのトランプのカードが散らばり、そこに鉄のライダー達と少女達が立っている絵

だ。

比企谷「ブレイドの世界、か……」

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