山村賢「できましたよ冬馬さん、平行世界移動装置です!」冬馬「待ってたぜ」 (65)

賢「これで平行世界へ自由に行けることができますよ」

冬馬「いつもすまないな山村さん」

冬馬「これで別世界では何があるのか知ることができるぜ」

賢「マニーはこれくらいになりますけど」

冬馬「ツケで」

賢「使い方は…これが座標を決めるレバーと転送スイッチ」

賢「これはステルスモードで…あと装置を自動的によぶことができるリモコンです」

冬馬「サンキュ、山村さん」

冬馬「それじゃ」

賢「お気をつけて」

キュイイイイイイイン

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プシュウウウウウ

冬馬「一瞬で着いたな、流石山村さんが作った乗り物だ」

冬馬「ばれないようにステルスモードにしておいてっと」

冬馬「さて、ここはどんな世界か…」

ドン!

冬馬「な"!」バタリ

春香「いったた~…、 だ、大丈夫ですか!?」

冬馬「」チーン

春香「え!? 冬馬君!?」

冬馬「」

春香「ちょっと、しっかりして!?」

冬馬「」

冬馬「う、う~ん?」

春香「よかった、気がついたんだね」

冬馬「天海…? あれ、なんで?」

春香「びっくりしたよ、いきなり出てくるなんて」

冬馬「ああ、そうだった… 思い出した」

春香「あ、そうだ 冬馬君、ごめんなさい」

冬馬「?」

春香「この前のライブ、見に行けなかった」

冬馬「え? ライブ?」

春香「覚えてないの? ほら、この前…」

冬馬(つまり話によると…)

冬馬(この世界の俺たちは961プロを離れて別の事務所に移ったらしいな)

冬馬(しかし初っ端からまずいことになった… )

冬馬(下手に話したら怪しまれたり頭のおかしい奴扱いされてしまう…)

冬馬(ここは話をあわせて)

冬馬「ああ、そうだったな 別にいいさ、ライブなんてまた見ればいい」

冬馬「そんなんで怒る俺じゃないぜ」

春香「ありがとう! あ、そうだ! はいこれ」

冬馬「チラシ?」

春香「私たちのライブが今度あるの、機会があったら見に来てね」

冬馬「おう、わかったぜ」

春香「それじゃあね」

冬馬「なんとかなったな…、あ~頭がまだ痛ぇ…」

冬馬「大体のことがわかったから次行くか」

キイイイイイイイン

プシュウウウウウ

冬馬「次はここか」

冬馬「ステルスモードをしておいてっと」

冬馬「さて行くか」

冬馬「この世界には何があるのかな~」

少女「え~ん、え~ん!」

冬馬「ん? どうしたんだ?」

少女「ふうせん、飛んでっちゃった…」

冬馬「風船?」チラッ

冬馬「ああ、あの木の上に引っ掛ってるやつか」

冬馬「待ってろ、俺が取ってきてやるからな」

少女「ふぇ?」

冬馬「あと少し…あとちょっと、指先が…」

少女「………」

冬馬「こんの~~~~!」

少女「あ! 思い出した!」

少女「あの時のパンツのお兄ちゃん!」

冬馬「は? パン…」

バキッ

冬馬「ツウウウウウウウウウウウウウウ!?」

ドンガラガッシャーン!

少女「だ、大丈夫? パンツのお兄ちゃん?」

冬馬「パンツって何だよ…、あとほら風船だ」

少女「ありがとう!」


少女「また会うなんて思わなかったよ、パンツのお兄ちゃん!」

冬馬「パンツって何のことだよ、俺には冬馬って名前があるんだぞ」イテテ

少女「あ、ごめんなさい… 名前よりパンツが印象に残ってて…」

冬馬(何やってんだよここの俺! 小さい女の子にパンツの印象を与えるなんて…)

冬馬(俺どんなことをしたんだよ! 取り返しのつかないことをしたのか!?)

少女「ごめんね、冬馬お兄ちゃん」

少女「二回も風船とってくれてありがとう! これお礼」チュッ

冬馬「!?」

少女「じゃあね! お兄ちゃん!」

冬馬「/////」

三条馬静「あら~、これは事案発生だね☆」

冬馬「!?」

静「冬馬くんったらかわいいところを見せてくれちゃってもう!」

冬馬(だ、誰だ?)

静「あ、安心して このことは北斗君たちには黙ってあげるから」

冬馬「お、おう 助かるぜ」

静「それじゃあまた事務所に会いましょうか、じゃあね」


冬馬「なんだったんだあの人」

冬馬「事務所ということは俺はあの人のプロデューサーとかなんかか?」

冬馬「まあそれはさておき次の世界に行くか」

冬馬「着いた着いた」

冬馬「ここには何があるかな?」

いぬ美「ワンワン!」

冬馬「うわっ! 犬!?」

響「いぬ美! どこだ! でてきてくれ~!」

響「もうご飯ケチらないから!」

冬馬(あいつは…我那覇か)

冬馬「こいつのことか?」

響「あ! いぬ美! よかった無事で…」

いぬ美「グルルルル…」

響「わかった、ちゃんとしたご飯用意するからもう許してほしいぞ」

いぬ美「くぅ~ん」

響「許してくれるのか! よかったぁ~」

冬馬「もういいか?」

響「あ、いぬ美を探してくれてありがとう」

冬馬「我那覇は相変わらずだな」

響「え!? どうして自分の名前を!? どっかで会ったっけ?」

冬馬「いや、その…ああ! お前有名じゃないか、テレビにも出ていたの見たぞ」

響「え!? そ、そうか~ 自分ももうそんなに有名になったのか~」

響「やっぱ自分完璧だぞ!」

冬馬(何とかなったな…危ない危ない)


響「ところで少年、自分はいぬ美と仲直りをするためにご飯を買わなきゃいけないんだ」

響「よかったら手伝ってくれるか?」

冬馬「…ああ、いいぜ 困った奴をほっとけないからな」

冬馬「もういいか?」

響「あ、いぬ美を探してくれてありがとう」

冬馬「我那覇は相変わらずだな」

響「え!? どうして自分の名前を!? どっかで会ったっけ?」

冬馬「いや、その…ああ! お前有名じゃないか、テレビにも出ていたの見たぞ」

響「え!? そ、そうか~ 自分ももうそんなに有名になったのか~」

響「やっぱ自分完璧だぞ!」

冬馬(何とかなったな…危ない危ない)


響「ところで少年、自分はいぬ美と仲直りをするためにご飯を買わなきゃいけないんだ」

響「よかったら手伝ってくれるか?」

冬馬「…ああ、いいぜ 困った奴をほっとけないからな」

冬馬「重っ…こんなに必要なのかよ…」

響「男の癖にだらしがないぞ」

冬馬(舐めやがってこの…!)

P「あ、響だ」

響「げげっ! 765プロ!?」

P「あっていきなりその反応か…相当嫌われてるんだな」

響「当たり前だぞ! 765プロのプロデューサーは変態だって黒井社長から聞いてるんだぞ!」

P「大体あってるから言い返せないな…」

冬馬(黒井? 変態? なるほど、こいつはこっちでは961プロにいるのか)

冬馬(完全に騙されてるな、まるで俺じゃないか…)

P「ところでそっちの彼は誰だ?」

響「いぬ美を探してくれただけでなくご飯も買ってきてくれる優しい少年だぞ」

響「名前は…えっと、聞いてなかったな」

冬馬「天ヶ瀬冬馬だ、冬馬でいい」

響「冬馬、これだけあれば十分だぞ お疲れさん」

響「もう帰ってもいいぞ、ありがとな!」

冬馬(ひどっ! 俺使い捨てかよ!)

冬馬(あーしんど…、もう大体わかったからいいや)

P「どうやらお取り込み中だったので失礼するよ」

響「な…!? ち、違うぞ! そんな関係じゃ…!」

冬馬「俺もうそろそろ帰る、疲れたから じゃ…」

響「ちょっと…うがーっ! なんか誤解されたぞ!」

冬馬「どの世界もホントに文字通り並行で変わったところないな」

冬馬「なんかこう…ファンタジーやSFとかあったら良いのにな」

冬馬「まあ地道に探してみるか、あるかもしれないし」

キイイイイイイイン

プシュウウウウウ

冬馬「ここは…どこだ?」

冬馬「なんか森の中らしいが…この植物は日本のものじゃないな」

冬馬「おまけにやけに熱い…なんなんだここ」

冬馬「とりあえず歩かないと」




冬馬「ふう…やっと外にで」

はるかさん(大)「かっかーーーーーー」

冬馬「た…」

パクッ

やよい「大丈夫ですか? しっかりしてください!」

冬馬「はっ! 何があった!?」

伊織「あ、気がついた」

やよい「ごめんなさい、はるかさんが迷惑をかけて…」

冬馬「はるかさん?」

はるかさん「かっかー」

冬馬「ひぃ…!?」ビクッ

やよい「大丈夫です、怖くないですよ」

伊織「しかしここには私たちとぷち達と一部のスタッフしかいないというのに」

伊織「ねえあんた、何者よ どうしてこの無人島にいるの?」

冬馬「え?」

冬馬(この世界も俺はこいつらの面識がないのか、まあちょうどいいや)

冬馬「俺は天ヶ瀬冬馬だ、よろしく ここにいるのはちょっとした冒険心って奴だ」

やよい「冬馬さんですね、私は高槻やよいです、よろしくお願いします!」

やよい「この子はやよです」

やよ「うっうー!」

伊織「私は…」

冬馬「…なるほど、ぷちどるねえ」

冬馬「結構かわいいところがあるじゃないか」ナデナデ

いお「もっ!」

いお「キィーーーー!」ビビビビビビ

ギャアアアアアアアアアアアアアア

やよい「本当に大丈夫ですか?」

冬馬「ああ…、もうすぐ仲間の迎えが来るから大丈夫だ…」ボロボロ

冬馬「それじゃあ元気でな」

やよい「また会いましょうね」

伊織「じゃあね」

はるかさん「かっかー」

やよ「うー!」

いお「もっ!」

冬馬(ひぃ…!)

やよい「本当に大丈夫ですか?」

冬馬「ああ…、もうすぐ仲間の迎えが来るから大丈夫だ…」ボロボロ

冬馬「それじゃあ元気でな」

やよい「また会いましょうね」

伊織「じゃあね」

はるかさん「かっかー」

やよ「うー!」

いお「もっ!」

冬馬(ひぃ…!)

冬馬「時間が限られているんだ」

冬馬「さっさと見てさっさとワープしよう」

冬馬「次はどうだ?」


一般人1「ジュピター引っ込めー!」

一般人2「男はお呼びじゃねえんだよ!」

ワーワー

冬馬「………」

翔太「冬馬君…、とりあえず今は引こうよ」

北斗「ここで争っても余計に批評を買うだけだ」

冬馬「チッ…」


冬馬「俺たち嫌われてるようだな…」

冬馬「なんでこんなことになったんだ!」

北斗「出る時期を間違えたとしか言いようがないな…」

翔太「ほとぼりが冷めるまで待つしかないよ」

冬馬「…俺、もう一度舞台に立つぜ」

北斗「また批難の嵐だぞ!」

冬馬「だからっていつまでも馬鹿にされるのはごめんだ」

冬馬「観客も俺の歌やダンスを聴けばきっと認めてくれるはずだ!」

冬馬「だから行って来るぜ!」ダッシュ

翔太「待って!」

北斗「ほっとけ、一度痛い目にあったほうがいい」

一般人1「帰れ帰れ!」

一般人2「引っ込め!」

一般人3「俺の目の前から消えろ!」

冬馬(くっ…)

冬馬「ダメだった…」

北斗「このままやってもうまくいかないな」

翔太「それじゃあどうするの?」

冬馬「…日を改めてもう一度やってみる」

冬馬「いつかきっと俺たちが認められる日が来るはずだ」

北斗「その日が来るまでずっと耐え続けるのか?」

冬馬「ああ、そうだ」

北斗「どうする、翔太?」

翔太「リーダーの言うことを聞かないとね」

北斗「なら俺も付き合おう…、お前のわがままに」

冬馬「すまねえ…二人とも…」


冬馬「いつかきっとその日が来るさ」

冬馬「その気持ちと信念、忘れんじゃねえぞ」

冬馬「さて…次いくか」

キイイイイイイイン

プシュウウウウウ

冬馬「ふぅ…、着いたな」

冬馬「しかし暗いな、今は夜か」

冬馬「しかも公園じゃないか」

冬馬「あ、北斗と俺だ」

冬馬「北斗、話って何だ」

北斗「…俺たち、もう別れよう」

冬馬「お前…、何を!」

北斗「今の俺たちの関係をたくさんの人が知ったら、間違いなく軽蔑される」

北斗「もう今の関係をやめて、また普通のグループメンバーに戻ろう…」

冬馬「お前はそれでいいのか!?」

北斗「俺だって辛いさ! だがな…」

北斗「知られたらアイドルが二度とできなくなっちまう…」

冬馬「お前はアイドルと俺、どっちが大事なんだ?」

北斗「やめろ! 比べさせるな!」

北斗「正直どっちも選べない… だけどどっちも失うくらいなら…」

冬馬「馬鹿野郎! 何ビビッてるんだ!?」

北斗「え!?」

冬馬「軽蔑される? ならわからせればいいだけだろ!」

冬馬「俺たちの思いを、気持ちを理解されるまで伝えればいい」

北斗「だがもしダメだったら…」

冬馬「別に日本以外でもアイドルできるだろ」

冬馬「そのときが来たら外国に行って二人でアイドルやって過ごせばいいさ」

北斗「そこまで俺のことを…」

冬馬「当たり前だろ、愛しているからさ」

北斗「冬馬///」

冬馬「北斗///」

チュッ


冬馬「なぁにこれぇ」

冬馬「つまりこの世界では俺と北斗が付き合ってるということか」

冬馬「/////」

冬馬「はっ! いけねぇ…危うく危ない道に進むところだった」

冬馬「あー気持ち悪い、早く次の世界に行こう まだ世界はたくさんあるんだ」

冬馬「ここはどうだ?」

冬馬「特に変わりないな… そうだ、腹減ったから飯でも食うか」


レストラン

冬馬(やっぱソーダとパフェだよな)

店員「いらっしゃいませー」

冬馬「ん?」


冬馬(♀)「ごめんなさい…、突然相談に乗って欲しいなんていって…」

春香(♂)「別に良いさ、むしろ頼ってくれてありがとう」



冬馬「ブーーーーーッ!!!!!」

冬馬「何で俺が女で天海が男になってんだ!?」

冬馬「つーかなにこの状況!? どういうことだ!?」


春香「それで…、相談ってなんだい?」

冬馬「実は…あたし…」

冬馬「妊し…」


冬馬「お会計をお願いします!」

店員「680円になります」

店員「ありがとうございましたー」

冬馬「聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない」ブツブツ

冬馬「見てない見てない見てない見てない見てない見てない見てない見てない」ブツブツ

冬馬「心臓に悪いはやく次行かねえと」

キイイイイイイイン

プシュウウウウウ

冬馬「ここは…また夜の公園だな」

冬馬「ゲッ!? 黒井のおっさんと俺がいる!?」

冬馬「しかもまた俺女!?」

黒井「それで、話とは何だ?」

冬馬「あの…お腹の中に社長の子が…///」

黒井「何!? 本当か!?」

冬馬「/////」

黒井「ならこれ以上アイドルを続けさせるわけにはいかんな…」

冬馬「そんな!?」

黒井「そんな体で何ができる?」

冬馬「………」

黒井「フン、世話の焼けるヤツだ 受け取れ」つ指輪

冬馬「これは…」

黒井「いくら私でも責任を取らずに女を捨てるなんて最低なことはしない」

黒井「これからも…あー…コホン、私のそばにいてくれないか?」

黒井「私の寂しさを…埋めて欲しいのだ、いいか」

冬馬「よろこんで///」

黒井「冬馬///」

チュッ


冬馬「おえええええぇぇぇぇぇぇぇ!」

冬馬「うぇ…死ぬかと思った…」

冬馬「なんでろくなところが無いんだ早く次行こうそうしよう」

キイイイイイイイン

プシュウウウウウ

冬馬「こっちはどうだ?」

冬馬「はあ…はあ…」

男A「どこだ!? どこにいる!?」

男B「こっちだ! 行け!」ダダダダダ

静「うまく撒いたみたいね」

冬馬「ああ、そうだな」

静「これからどうするの?」

冬馬「追っ手が二度と来ることが無いところまで逃げる」

冬馬「どっかの離島でも海外でもいい」

冬馬「ずっと静の一緒にいれれば…それでいい」ギュッ

静「冬馬…」ギュッ


冬馬「なにこのドラマ」

冬馬「でもこういうところを見るとなぁ…」

冬馬「ん?」


男A「こっちにはいなかったな…」

男B「戻ってもう一度探してみよう」

冬馬・静「!?」

冬馬「見ちゃいられないな」

冬馬「おい! 俺はここだぜ!」

男A「何!?」

冬馬「捕まえてみろよ馬鹿!」ダッ

男A「逃がすな」ダッ

男B「追え!」ダッ

静「な、何が起こってるの?」

冬馬「今は逃げることが先だ、今のうちに!」


男A「くそっ、見失った」

男B「まだ近くにいるはずだ!」

冬馬(幸せになれよ、お二人さん)キュイーン

冬馬「さて、次の世界に着いたな」

冬馬「ここはどこだろう、まともなところがいいな」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

冬馬「え?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

冬馬「あれってまさか」

冬馬「ロボッ…」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

冬馬「はっ!」

春香「大丈夫ですか?」

冬馬「ここはどこだ? 一体何が」

あずさ「あなた、どこから来たの?」

あずさ「あそこは民間人は立ち入り禁止のはずよ」

冬馬「いや…その…」

冬馬「俺は…天ヶ瀬冬馬、旅行者だ」

冬馬「道に迷って…それでうっかり…」

あずさ「…はあ、まあいいわ」

あずさ「手当てをしたらすぐに帰りなさい、いいわね?」

冬馬「はい…」

春香「とりあえず無事でよかったですね」

冬馬「ああ、ところでさっきロボットっぽいものを見たんだが…」

春香「え!?」

春香「き、気のせいじゃないですか?」

冬馬「いや、明らかにロボットだった それに気のせいだったら何で俺ボロボロに?」

春香「さっきあそこでガス爆発があったんですよ! そうガス爆発!」

春香「それで爆風に巻き込まれて今に至るんです!ロボットなんてそんなものあるはずないでしょ!」

春香「アニメの見すぎですよ!」

冬馬「う~ん…、それもそうか」

冬馬「いろんなことがありすぎて疲れたんだなきっと」

春香「はい、そうです だからゆっくり休んでください!」

冬馬「そうしたほうがいいな」

冬馬「ZZz…」

春香「ふぅ… なんとかなったよ」

伊織「あんな言い訳でよく通じたわね」

伊織「騙されるほうも騙されるほうだけど」

春香「で、どうするの? 彼」

あずさ「さっきも言ったように普通に手当てして帰してあげましょ」

春香「はい」

冬馬「あぁ~、なんかかなり時間無駄にした気がするぜ」

冬馬「げっ…、立ち入り禁止になってて入れねえ…」

冬馬「仕方ない、このリモコン使って」ピッ

ヒュウウウウウウウウ

シューン

冬馬「お、来たな」

冬馬「じゃあ次行くか」

キラーン

冬馬「それにしてもまだ昼なのに流れ星が降ってるなんて凄いな…」

冬馬「どうか次はまともな所にいけますように」

冬馬「こっから一気に見ていくぜ!」


響「冬馬、ご飯だぞ~」

冬馬「ワンワン!」


冬馬「犬ううううううううう!?」



冬馬「俺、好きなんだ! お前の作る音楽が…」


冬馬「お前のセリフじゃねーから!」


北斗「冬馬! 中に出すぞ!」パンパン

冬馬「来い!」


冬馬「」


アストラル「翔太、冬馬を止めるにはデュエルしかない」

翔太「こんなのって…こんなのってないよ!」

ナッシュ「翔太、これは運命なんだ」


冬馬「まるで意味がわからんぞ!」

冬馬「エネルギー使いすぎて行けるのはあと二回か」

冬馬「帰りの分を含めるとあと一回になるな」

冬馬「最後の世界はどんな世界かな…」

冬馬「設定は…よし、これだ!」

キイイイイイイイン

プシュウウウウウ

ザザーン ザザーン

冬馬「ここは…どこかの島なのか?」

冬馬「船は一つしかないが誰かいるようだ」

冬馬「しかし妙だな、建物はあれ一つしかないぜ」

冬馬「別荘みたいだな、誰かいるのか?」

冬馬「とりあえず尋ねてみるか」

冬馬「ごめんくださーい、誰かいませんか?」

ガチャ

冬馬『来訪者とは珍しいですね、いつ以来でしょう…か……?』

冬馬「…!?」

冬馬『………』

冬馬『珍しいこともあるものですね』

冬馬『こんな離島まで何をしに?』

冬馬「ん? ああ、俺は天ヶ瀬冬馬 旅行者だ」

冬馬「世界中にある不思議なものとかを見るために旅をしているんだ」

冬馬『旅の方ですか、こんな離島にわざわざ…』

冬馬『見るものなんて無いというのに…しかし久しぶりの客人とは嬉しい』

冬馬『それにしても冬馬ですか、実は私も天ヶ瀬冬馬という名前なのですよ』

冬馬「………」

冬馬『同姓同名容姿もそっくりな人に会えるとは、これも何かの縁です』

冬馬『せっかくなのでどうですか? 私の家に』

冬馬「それじゃあお言葉に甘えて」


冬馬(中はかなり広いな)

冬馬『お飲み物は何にしますか? 一通りそろっていますので』

冬馬「お茶でいいぜ、気遣いはしなくていいから」

冬馬『わかりました』


冬馬『さあどうぞ』

冬馬「いただきます」

冬馬『確かあなたは旅行者とおっしゃいましたね』

冬馬『よろしければ聞かせていただきたい、何を見てきたのかを』

冬馬「ああ、いいぜ」

冬馬「…それでちっこくて恐ろ…可愛い生き物たちが俺の周りをちょろちょろ歩いてたんだ」

冬馬「あと、昼間から流れ星を見ることもできたところがあったな」

冬馬「あれはきれいだったな」

冬馬『私も見たかったですね』

冬馬「それで? 何であんたはこんなところにいるんだ?」

冬馬『………』

冬馬「いや、無理して言わなくていいんだぜ…」

冬馬『…かつて私はアイドルグループに所属しておりました』

冬馬『どんな相手が来ようと全力で倒しトップになること、それが私の目標でした』

冬馬『しかしトップになろうとすればするほど逆風が強くなってきました』

冬馬『バッシング、パパラッチ、事務所の裏工作など』

冬馬『そのせいで私の想像していたアイドルとはかなりかけ離れたものになりました』

冬馬『そして事務所が私たちを金儲けの道具のために使っていると聞いたとき』

冬馬『私の中で何かが壊れたのです』

冬馬『あのときのことは覚えています、あの後自らの手で事務所を倒産まで追い込みました』

冬馬『しかしその後に残ったのは虚しさだけでした』

冬馬『あの時、とてもアイドルを続けようとは思えませんでした』

冬馬『またバッシングや裏切りが起きてしまうのは耐えられません』

冬馬『そんな時、メンバーの一人が旅をしてみないかという提案を貰いました』

冬馬『確かに虚しさを紛らわすのにはちょうどいい』

冬馬『こうして私は世界をまわることにしたのです』

冬馬『そのおかげで面白いものを見ることができました』

冬馬『かつての自分では見る機会がなかったものが…』

冬馬『いかに自分が狭い世界に閉じこもっていたのかよくわかりました』

冬馬『この別荘は成り行きで、ある石油王を助けた時に譲り受けたものです』

冬馬『なので私は今こうして一人で静かに暮らしています』

冬馬『他にも別荘はあったのですが、ここが一番落ち着くので』

冬馬『ときどき島から出て旅をすることもあります』

冬馬『しかしほんと…、世の中何が起こるかわかりませんね』

冬馬『私が話せることはここまでです、何かありますか?』

冬馬「やめたことの後悔はしていないのか?」

冬馬『後悔…ええ、確かに心残りはあります』

冬馬『あのまま続けていたら大舞台に立っていたかもしれません』

冬馬『しかし逆に転落の道を歩んでいたかもしれません』

冬馬『続けることでより大きな後悔をしてしまう可能性がありますからね』

冬馬『ただ、確実に言えることは…』

冬馬『続けていたら今までの旅もこの暮らしをすることも…』

冬馬『あなたとこうして話すこともなかったでしょう』

冬馬「………」

冬馬『長話に付き合ってくださってありがとうございます』

冬馬『同姓同名同じ容姿、これは何かの縁でしょう』

冬馬『このネックレスは私が現役のときに使っていたものです』

冬馬『受け取ってください、せめてもの気持ちです』

冬馬「…ああ、だったらこっちも贈り物をしないとな」

冬馬「これは俺が今愛用しているネックレスだ」

冬馬「お茶と昔話のお礼だ、受け取ってくれ」

冬馬『交換ですか、ならそうしましょう』

冬馬「世話になったな、ありがとな」

冬馬『いえいえ』

冬馬「また来てもいいか?」

冬馬『もちろん歓迎いたしましょう』

冬馬「次会うときはまた面白い話をもってきてやるぜ」

冬馬『楽しみにお待ちしてます』

冬馬「それじゃあまたいつか」

冬馬『お元気で』

キイイイイイイン

プシュウウウウ

賢「あ、おかえりなさい」

賢「どうでしたか? パラレルワールドトラベル」

冬馬「いろいろ疲れたけど…」

冬馬「結構楽しかったぜ」

賢「マニーの件、忘れないでくださいよ」

冬馬「わかってるよ」



冬馬(見てろよ、天ヶ瀬冬馬)

冬馬(たとえ俺がどんな逆境に立たされようと)

冬馬(どんなにつらいことが待ち受けていようと)

冬馬(めげずに前に進んで見せるぜ)

終わり

三条馬さんは漫画版だったっけ。ゴールドプロじゃない方の。
ゼノグラシアのロボット(iDOL)はドロップ対策の重機で教育用の絵本作られるぐらい周知されてるハズだから、
きっとよく似たパラレルワールドなんでしょ(適当)

>>63
詳しく話しすぎたら規則違反になるって伊織ちゃんに言われました

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