両津「スクールアイドルフェスティバルだと?」 (45)

・こち亀のSS

・スクフェスネタだけどμ'sは別に出てこない

・寿司屋も別に出てこない


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──葛飾署 昼休み──

両津「おい本田、さっきからスマホばかり弄りやがって何やってるんだ?」

本田「先輩、今大事なところなんだから邪魔しないでくださいよ」シャンシャン

両津「なんだおまえ、ゲームやってんのかよ。音ゲーか?」

本田「スクフェスですよ、スクフェス!今流行ってんですよ、知らないんですか?って、ああっ!」ボンッ

本田「またフルコンできなかった……」ガックリ

両津「よく分からんが貸してみろ」グイッ

本田「ちょ、ちょっと!取らないで!」

両津「ふむふむ、落ちてきたアイコンが重なった時に押しゃあいいんだな、簡単じゃねぇか」

本田「それが言うほど易しくないんだよ……いいから返し」

両津「やかましい!」バン

本田「ひいっ」ビクッ!

両津「メンコとベーゴマの時代から遊びと名の付くものは全て制覇してきたこのわしがこの程度のゲームで後れをとるとでも思っとるのか!」

両津「見てろ、すぐにクリアしてみせてやるからな!」

ガッハッハ……

──3日後、派出所──

シャンシャンシャンボンッ!

両津「くそっ!またミスった!」ドガッ

両津「何が”たのしかったね♪”だちくしょう!こっちは負けて悔しいに決まってんだろうが!バカにしとるのかおまえは!」グギギギギ

中川「落ち着いてください先輩!定型文チャットにいちいち腹を立てて八つ当たりしてたらスマホが保ちませんよ!」

麗子「おはよう……って両ちゃんは何に騒いでるの?」

中川「それが、スコアマッチにどうしても勝てないらしくて」

麗子「どんなゲームでも器用にこなすのに、めずらしいわね?」

麗子「判定がGOOD以下になるってことは、要はタップするタイミングがずれてるってことじゃないの?」

両津「わしの動体視力と反射神経を舐めるなよ、タイミングは間違いなく完璧だ」

両津「端末の方の当たり判定がズレてるんじゃないのかこれ」

中川「昔のシューティングゲームじゃないんですから」

麗子(ふむ……)

麗子「ねえ両ちゃん、もう1回ライブやるところ見せてくれない?」

両津「ん?」

シャンシャン……カチッ ボンッ!

両津「ああちくしょう!見たか今の!?わしちゃんと押してたよな!?」

麗子「やっぱりね」

中川「僕の目にもちゃんと押せてたように見えたけど……何か分かったのかい麗子さん?」

麗子「この指よ、指!」ギュー

両津「いてて!」

麗子「指が太すぎるのよ。明らかに指先が部員アイコンより大きくてはみ出してるじゃない」

中川「……なるほど!先輩の骨格は人類よりむしろサルに近いと言われているし、全ての体の作りが大雑把で無駄に骨太だから……太すぎる指先が部員アイコンに重なる前のリズムアイコンに触れてしまうのか!」

麗子「もう指というより毛虫って感じよね」

両津「やっかましい!」クワッ

両津(くそ、ゲーセン大王とまで言われたこのわしがなんという屈辱だ……かならず極めてやるぞ、スクフェス!)

ピロリロリン♪

両津「みろ中川、麗子!ついにフルコンボしたぞ!」ウワハハハ

中川「iP●Dminiの置きプレイにタッチペン2本持ちですか……考えましたね。これなら指の太さはハンデにならない」

両津「ネットの攻略サイトにヒントを貰ってな。昨日早速買ってきた」

麗子「相変わらず遊びに関することだけはすごい行動力ね」

中川「超難関曲でも初見でフルコンしちゃうんだからさすが先輩だよ」

両津「この調子で全曲Sランクいくぞ~おらおらぁ!何ぃ、ストーリーモード?んなもんスキップだスキップ!」

ドドドドド

麗子「殺伐としてるわね……」

中川「何だか別のゲームみたいだ……」

──スコアマッチ終了──

両津「ちくしょう、何でコンボ数少ない奴に負けるんだよ!」ガンガン

中川「高難易度になるほどユニット自体の強さが大きく影響しますからね」

麗子「確実に勝ちたいなら少なくとも全部員覚醒SR以上で揃えたいわよね」

両津(覚醒SRだとぉ……?SR自体ほとんど無いというのに……)

両津「ちょっとおまえらのを見せてみろ」バッ!

中川「あっちょっと!」

麗子「人のスマホ取らないでよ!」

両津「な、な、何ぃぃ~!?SRどころか、全属性全部員が覚醒URだとぉ!?」

両津「どんだけ金つぎ込んでるんだよおまえらは!」ガガーン

麗子「あはは……集めてるうちにはまっちゃって……両ちゃんのコレクター趣味の楽しさが少し分かったかも」

中川「覚醒させるのはともかく、スキルレベルを上げるのが大変だったよね」

両津「ほ、本当だ……スキルレベルまで全部MAXになっとる……」ワナワナ

両津「結局ゲームの世界でも金がモノをいうってことかよ、ちっ」イスグルグル

麗子「お金と物欲だけが全ての行動原理になってる両ちゃんにだけは言われたくないんだけど」

中川「ついにユーザー数が400万人を超えてしまいましたからね。マイペースでプレイするならともかく、イベントやスコアマッチで上位を目指すならそれなりに投資しないと……」

麗子「考えてみると、日本国民の30人に1人がユーザーってことよね。すごい数だわ」

中川「ゲーム人口のすそ野が広がってるってことかな」

両津「いいやちょっと違うな」

麗子・中川「?」

両津「コンピューターゲームといえば一昔前はファミコンに始まる据え置きゲームが主体だっただろ」

両津「それがゲームボーイ、DS、PSP……ポータブルゲームが登場したと思ったら、今はスマホのゲームアプリが勢力図を塗り替えつつあるだろうが」

両津「要はライフスタイルというか、ゲームスタイルの変化だよ」

両津「ガキの頃テレビの前で座り込んでファミコンやってた連中が社会人になって、通勤の合間にスマホでゲームをやるようになったってわけだ」

両津「幅広い年齢層にヒットするには、携帯性と手軽さ、短時間でもサクサクプレイできるシステムが必須ってことだな」

中川「なるほど……そういう意味では、膨大な時間を注ぎ込む代わりに課金することでユニットを強く出来るっていうシステムはお金はあるけど時間がない社会人向きなのかもしれませんね」

麗子「最近では子供もスマホ持ってるのが当たり前だし、集まって一緒に遊んでる姿もみるけど……オンラインだけじゃなくリアルな意味でもコミュニケーションツールになりつつあるような気がするわ」

両津「わしが子供の時分は集まったら駄菓子屋で買い食いしてメンコにベーゴマに缶ケリが定番だったがな……近頃のガキが寄り集まって無言でスマホに向かってる姿はひたすら不気味の一言だぞ」ムー

両津「そういう意味じゃスクフェスはよくできたゲームだと思うが、わしとしてはまだ不満がある」

中川「不満?」

両津「ユーザー間で部員をやり取りできんだろ。いくらガチャ回してUR引いても金に換えられんからな。勝って現ナマが手に入るパチンコや競馬のワクワク感には負ける」

麗子「そういう悪いことをする人がいるからやり取りできないようになってるんでしょ」

中川「要はギャンブル性を求めてるわけですね」

両津「そうだ、アカウント自体を売れば……」ピコーン!

麗子「だからそれも禁止されてるんだってば」フゥ

両津「バッカモン!わしゃゲームの未来を真面目に考えてアイデアをだな……!」

「ご高説痛み入りますなぁ、両津巡査長」ズイッ…

両津「」

大原「勤務時間中に部下を巻き込んでゲーム談義か?この給料泥棒が!」クワッ!

両津「ひいっ!ち、違いますよ!私はただこのネット時代における子供の情操教育についてですね……!」

大原「おまえのような年ばかり取って全く精神的に成長しとらん馬鹿者が人の教育を云々できる立場か!幼稚園から教育を受け直せこのバカが!」グリグリグリ

両津「い、いでぇぇぇ!そ、そうだパトロールの時間になりましたんでちょっくら行ってきます!」

ズダダダダ ヒョイッ シャァァァァ…(自転車で走り去る音)

大原「こら両津!待たんかブワッカモーン!」

麗子「相変わらず見事なまでの逃げ足の早さね……」

大原「どうせ競馬かパチンコにでも行く気だろう。今日の勤務評定は無断欠勤にしておこう」サラサラ…

中川(か、完全に見抜かれている……)タラリ


──公園──

両津「くそっ、部長だって以前は将棋ゲームにハマってたくせに、あの石頭が……」ブツブツ

両津「気晴らしにスクフェスでもやるか、イベント期間中はちょっとの時間も無駄にできんからな。スコアマッチスコアマッチ、と……」

シャンシャン

両津「しかしコンボ数の割にスコアの高い連中ばかりだな……引きこもりのゲーム廃人がこの程度の難易度でミスるとは思えんし……時間帯を考えると勤務の合間にサボって参加してる社会人が多いのか?」

両津(400万人のユーザー……時間は無いが金はある……ふむ……)

両津(これは金儲けのネタになりそうだぞ……)ギラリ!

──数日後──

麗子「両ちゃんがまた新事業を始めたですって?」

中川「そうなんだよ、また親戚ということで押し切られて資金を出させられて……」ポリポリ

麗子「今更ながら大変な人と親戚関係になってしまったわね……」

カッポカッポ

両津「なぁーに、今に10倍にして返してやるから心配すんなって」ポン

中川「あ、先輩!」

麗子「事業って何を始めたの?」

両津「まあこのサイトを見てみろ」

麗子「──スクフェス代行業?」

両津「パスワードを発行すれば別の端末で引き継ぎプレイができるからな、そこに目をつけた」

両津「パスワードを引き継ぐことで一定時間アカウントを預かり、その間に経験値やGなどの報酬を代わりに稼いでやるわけだ」

両津「外に遊びに行ってる間に弟にひたすらスライムを倒させてレベルを上げさせたりしただろ、イベントを進めるのは厳禁っていう条件で。それと同じことだ」

中川「そんな経験全くありませんが……」

麗子「ライブパートだけ代わりにやるってこと?一人でやるんじゃ無理がないかしら」

中川「人手を集めるにしても限界がありそうですけどね」

両津「そこで中川の出資金で研究開発した、この秘密兵器の出番だ!」

ジャーン

麗子「きゃっ!何、このクモのロボットみたいなの?」

両津「コイツをこうやってタブレットに取り付けて……」

ガシャガシャ

両津「曲と難易度を入力」

ポチポチ

両津「ミュージックスタート!」

トトトトト シャンシャンシャンシャンシャン!

中川「うお!アームの先に付いたタッチペンがすごい勢いで画面をタップしだした!」

麗子「ちゃんと正確なリズムを刻んでいるわ!」

ピロリロリン!

両津「みたか!この通りフルコンだ!」

両津「名付けて”全自動フルコンボくん”!こいつがあればどんなヘタクソでも楽々全曲Sランク!」

両津「ちなみに絵崎教授に全利益の5%の条件で開発させた」

両津「サウンドセンサー内蔵でスタートのタイミングもオートで合わせるから、ミスの心配は全く無い」

中川「無駄にハイスペックだ……」


両津「さらに高額のGREATコース、PERFECTコースでは石の購入や特待生勧誘の代行も行う」

中川「そこまで!?」

両津「ほら、調子に乗って石を買いまくってると急にアップ●ストアが購入できないとか言い出すだろ。クレカを切り替えたりアップ●側に連絡すればなんとかなるが時間がかかるし面倒くさい。そこの作業も代わってやるわけだ」

麗子「そんなのあったかしら?」

中川「僕らのカードではそんな現象起こりませんが」

両津「……おまえらにあるあるネタを求めたワシがバカだったよ」イラッ

中川「しかしガチャを回す楽しさまで奪われてしまったらゲームの面白味がどこにも残ってないような……」

両津「そこはちゃんと考えてあるぞ」

両津「特待生勧誘の代行は成功報酬で行う」

両津「消費した石の数じゃなく、引いたSRやURの数毎に報酬を設定するわけだ」

両津「数の少ないイベント先行URや、2枚以上引いて覚醒させればさらに高額報酬を請求する」

両津「野生の勘でURを引き当てればその分わしが儲かるってわけだ!」ニヤリ

麗子「オンラインのガチャに野生の勘とか関係あるのかしら」

中川「無理矢理自分側にギャンブル要素を引き込むとはさすが先輩だ……」ゴクリ

訂正

イベント先行UR→イベント先行SR

両津「全自動フルコンボくんの量産体制も整ったし、一挙に事業を拡大して大儲けしてやるぞぉ!」ドワッハッハ!

トトトトトト シャシャシャシャシャシャン♪

麗子「可愛いスクールアイドルが出てくるゲームだけに、クモみたいなロボットが取りついて無機質なリズムを刻んでる光景がシュールね……」

中川「エイリアンの捕食光景みたいだ……子供が見たらトラウマものだよ」

両津「あ、キャッチフレーズも考えてある」

両津「スクフェス代行~あなたのかわりにラブライブ!~だ!」

中川「そこまで代わってもらってしまってもうゲームをやる意味があるのかな」

麗子「需要があるとはとても思えないわね」

中川、麗子の予想に反し、スクフェス代行業は大当たりした

”金はあるが時間がない”社会人を中心としたライトユーザー層がこぞって飛びついたのだ

最初はバカにしていたコアなヘビーユーザーも、ランクやイベントボーダーに明らかな変動が見られはじめると焦りが生まれ、渋々睡眠時間の間のアカウントを差し出すようになる

両さんの事業はあっという間に急成長を遂げた!

──ニコニコ寮──

麗子「で、結局寮を事業所にしちゃったの?」

管理人のバアちゃん「おかげで朝から晩までシャンシャンシャンシャンうるさいったらありゃしないよ」

ガララ

シャンシャンシャンシャン…

「メンテナンス明け、カウントダウン入ります!3・2・1……!」

「新規受注35件追加!パスワード読み上げます……!」

ピロリーン♪

左近寺「URことりキタぁぁー!特別報酬ゲットだぜ!」イエー!

ボルボ「ううっ、水着姿ののんたんは刺激が強すぎる……」ブホッ

本田「うわあ!またドブライブだ……Gも無いしもう転部させるしか……」ガクッ

カッポカッポ

両津「おら本田!気合だ!気合でURを引かんか!給料減らすぞ!」

本田「せ、先輩……気合とか言われても無理ですってばぁ……」

「こっちもURきた!きてるきてるぞ、もっと石を回してくれ!」

「ランクアップ完了、依頼達成!アカウント返還処理に入ります!」

両津「解析班!またイベント報酬のボーダーが上がっとるぞ!3分以内に再計算しろ!」

「は、はいっ!」カタカタカタ

両津「フルコンボくんの動きが悪くなってるぞ!メンテナンス班!」

「はっ、ただちに!」ガッシャガッシャ

マリア「両様、お夜食の焼肉ですわ」ジュウジュウ

両津「うむ、やはり牛肉は米沢牛に限るな」バクバク

本田「い、いいなぁ美味しそう……」ジュルリ

両津「おまえはドブライブばっかりだからランチパックだけだぞ」

本田「そ、そんなぁ……それならせめて睡眠だけでも取らせてくださいよぉ……」

中川「何だかかわいそうになってきた……」アセ

両津「おっ中川、来たのか。米沢牛食っていくか?」

両津「ちなみにスタッフの賄は働きに応じてもやし、トマトからランチパック、おにぎり、ラーメン、ペリメニ、焼肉などにランクアップしていく方式になっとる。食欲でモチベーションを保つ仕組みだ」

麗子「思い出したようにラブライブネタを盛り込んできたわね」

中川「もやしパーティーをやってたのは矢澤家じゃなかった気がしますが」

「なにぃ?料金が払えないだとぉ!?こちとら遊びでやってんじゃねぇんだよ!覚醒UR穂乃果と凛の代金、耳揃えてさっさと振込みやがれ!」バン!

両津「うむ、取り立て班もしっかり仕事しとるようだな」ウンウン

そこは闇金屋と工場とタコ部屋と為替市場を合わせたような、まさにカオスフィールドとしか呼びようのない異空間であった

中川「これ以上巻き込まれる前に帰ろうか、麗子さん」アセ

麗子「そ、そうね……」

シャンシャンシャンシャン…

エラーが続くのでテスト

アクセスポイント変更したのでID変わってるけど両さんの呪いだから気にしないで

事業の拡大はさらに続いた

上がった利益をつぎ込み、量産した全自動フルコンボくんの通販を開始したのだ

強気の価格設定にも関わらず、フルコンボくんは売れに売れた

大幅な収益アップに狂気する両さんであったが、この判断が裏目に出ることになる

──ブ●ロード本社──

スクフェス運営スタッフA「お、おかしい……いくらなんでも最近の一部のユーザーのランクの急上昇ぶりは異常だ……」

スタッフB「ユーザーの75%がEXPERT含めて全曲フルコンボ達成だと!?ば、ばかな……」

スタッフC「不審な動きをみせているユーザーのIPアドレスをチェックしたところ、特定の地域に集中していることが判明しました」

スタッフA「葛飾区亀有……?」

スタッフD「た、大変です!ヤホーオークションにこんな出品記録が……!」


フルコンボくんを表に出したのはやはりやり過ぎであった

スクフェス代行業の存在はまたたく間に運営側の知るところとなり、対策が打ち出される

非人間的なペースの経験値上昇を感知した場合、個別メンテナンスの名目で一時的にアカウントをフリーズ

不審なIPアドレスからのアクセスをブロック

フルコンボマシンに対しては、ランダムフェアと銘打ちクリア報酬を引き上げる代わりに全楽曲をランダム化(一部のリズムアイコンの譜面配置を変更すること)

慌てた両さんたちはアクセスポイントの変更や譜面の再プログラミングで巻き返しを図るが、焼け石に水であった……

──ニコニコ寮──

ドォォォォン

本田「どうするの先輩、フルコンボくんの返品の山でもう場所が……」ギュウギュウ

両津「くそっ!フルコンボできないフルコンボくんに商品価値は無いからな……」グギギ

左近寺「受注も前月比の10%に激減してるぞ」

両津「これじゃ端末のレンタル費用も払えん……」ウググ

ボルボ「もう限界だぞ、この辺で撤退した方がいいんじゃないか?」

両津「やっかましい!」ドゴ

ボルボ「ぐわっ!」

両津「おまえらラブライバー根性が足りんぞ」

両津「忘れちまったのか……ラブライブを象徴する、あのセリフを!」

本田・左近寺・ボルボ「あのセリフ?」

両津「ファイトだよっ!やるったらやるー!」

本田「うげぇ……」

ボルボ「おえっぷ!」

左近寺「この男の口から出るとあの名セリフが一気に気色悪くなるから不思議だ……」ゾゾゾ

両津「みていろよ運営め……このわしを敵に回したことを、必ず後悔させてやるからなぁぁー!」

両津「”両津がかなえる物語”!マネードリームを現実にしてやる、MONEY MAKERだ!」

ボルボ「なんてどす黒い夢なんだ……」ゴクリ

──数日後──

麗子「今度は会社を興したですって?」

両津「中川コンツェルン出資でな。有限会社カメロードが擁するスマホアプリゲームプラットホーム、カメモ始動だ」

中川「どっかで聞いたようなネーミングだ……」アタマカカエ

麗子「本当に懲りるってことを知らない人ね!」アセ

両津「おまえらもダウンロードしてみろ。今なら入会金50%オフサービス中だぞ」

中川「入会時点でいきなり課金とは……」

麗子「リズムアクションゲーム、パチライブ!?」

中川「そのタイトルはマズイですよ、先輩!」ガガーン

麗子「レスやコメント欄に荒らしが群がってきちゃうわよ!?」

両津「ええい、スレを投下した後のことなど知ったことか!後は野となれ山となれだ!」

両津「このゲームシステムはスゴイぞ。まず、エ●ァやセーラー●ーンからプリ●ュアまで、古今東西のアニメソングが全てプレイできる。これで子供から中年まで老若男女のファン層が一気に食いついてくるぞ」

中川「著作権という概念自体を否定するようなシステムだ」

両津「ええい●ASRACなど知らん知らん!おまえらだってμ'sの楽曲だけじゃなくハレハレ●カイとかもシャンシャンしてみたいと思ったことぐらいあるだろう!」

麗子「某国で既に横行してそうだけど」

両津「さらにゲットしたSRやURカードは提携した景品交換所で買い取ってもらえる。勝てば勝つほどリアルマネーがゲットできる、ゲーマーの夢を体現!ちなみにゲームタイトルとは何の関係も無いからあしからず」

麗子「もう完全にギャンブルじゃない!」

両津「友達とは石やGのやり取りのみならず、完全セキュリティで安心のリアルマネー支払いも相互に可能!お目当てのURが楽々ゲットできる!」

中川「もうそれ友達じゃなくて取引相手ですよね」

両津「対戦では端末のフロントカメラと音声チャットを利用して相手と直接会話が交わせる、驚異のリアル感!」

中川「罵倒とケンカの嵐になるのが目に見えてる!」ガガーン

両津「あ、麗子!このICレコーダーに向かって”カメモ”って喋ってもらえるか?できれば9種類ぐらいの声音で」

麗子「システムボイスを身内でまかなってギャラを浮かせる気なの!?」

斬新すぎるシステムは当初こそ物珍しさでスマホゲーマーたちの興味を引き、短期間で驚くべき利益を計上した

しかし、著作権や風営法に真正面からケンカを売るような商法が日本で通用し続けるわけもなく、●ASRACはもちろん被害にあった各出版社やアニメ製作会社が法的手段を模索

遅まきながら慌てた当局も動き出したが、時すでに遅し

ネットは大炎上し両さん一党の身元も特定され、さらにはマスコミにすっぱ抜かれた

葛飾署はもちろん、派出所までマスコミが押し寄せ、苦情電話の嵐で阿鼻叫喚の事態となる

両さんは仲間を見捨てて荒稼ぎした資金を手に中国へと高飛びを図ったが、あわや出国のタイミングであえなく御用となったのだった

──葛飾署前──

マリア「大変ですわ!両様が……!」

中川「パンツ一丁で署の正面に磔にされてる……」

麗子「しかも、身体に取り付けられてるあのマシンは……」


絵崎「どうだね、ワシの開発した対両津専用全自動フルコンボくんの出来は?人体の9つの急所をリズムに乗って乱打するスグレモノだぞ」

ドドドドドドド!

両津「ぎぇぇぇぇ、い、いでぇ!く、くすぐった……ぐわ!そこはやめでぇぇ!」ドゴドゴドゴ

署長「やはりスノハレは名曲だねぇ」

大原「私の世代にとってはリリホワのナンバーの方がぐっとくるものがありますが」

署長「しかしリズム音が聞き苦しいのが難点だね」

大原「全くですな。おい両津!気張ってシャンシャン音を響かせんか!」

両津「ム、ムチャ言わんでくださいよ部長ぉ!ってぐわ!ぐは!ごはぁ!」

麗子「両ちゃーん!両ちゃんの炎上商法のおかげでラブライブの認知度がさらに上がって、ついにユーザー数が1億人を超えたそうよ!良かったわね!」

両津「全然良くねぇわちくしょう!」

中川「お、おそろしい……これじゃフルコンボくんじゃなくて、”フルボッコくん”だ……」ゾゾォ

絵崎「よし、次は24時間エンドレスメドレー行くぞい」

ドドドドドドド

両津「びぇぇぇぇぇぇ!」

両津「だ、だ……ダレ゛カ゛タ゛ス゛ケ゛テ゛ェェー!!

・おしおきパターンEND

・レスくれた人、読んでくれた人さんくす

・フルコンボくんが切実に欲しい

両さんの呪いの恐ろしさを実感したスレ投下だった

あ、でも纏とか早矢とか檸檬とかも別に嫌いじゃないんだからね

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