依田芳乃「合縁奇縁のー」柊志乃「しのしの」工藤忍「相談箱?」 (50)

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芳乃「おはようでございますー、しのしの衆が一人、依田は芳乃でしてー」

忍「え?え?いきなりなに?」

志乃「同じく...しのしの衆の一人、柊志乃よ」

芳乃「ほらー、忍どのもー、自己紹介のほど、お願いしたくありましてー」

忍「え?...えっと、はい!アタシが工藤忍だよ!」

志乃「彼女もまたその名に『しの』を宿す一人よ」

芳乃「ということでしてー、忍どの、しのしのも含めてー、もう一度」

忍「『しのしの』って何かと思えば名前の一部のこと!?」

芳乃「ほかに何かありましてー?」

忍「それを聞く限り、むしろほかに何もないんだね......」

志乃「これは余談だけど...礼は苗字の方が篠原(しのはら)だったから、加入の候補だったのよ?」

忍「そうなんですか...いやそもそも!しのしのってなんですか?」

芳乃「それについてはー、これから説明させていただきましてー、志乃どのーあれをこちらにー」

忍「?」


志乃「はいはい、これね。中身が中々重くなっているわね...」


ポスッ


忍「これは...箱だけど、ポストみたいな穴が空いてるね...」



芳乃「こちらー、しのしの相談箱でしてー、つまりこの中にはー、人の抱える『悩み事』が封されているのですー」



志乃「人、といっても主に事務所のアイドルたちから寄せられた悩み事が中心だけどね...」


忍「いつの間に...って、アタシそんなの知らなかったんだけど!」


志乃「それはそうよ、だって私たちはそのお悩み相談に乗ってあげる側なんだから...」


芳乃「でしてー」


忍「何それ初耳!?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

志乃「こちら、しのしの相談箱では主にアイドルたちの悩み事を年中無休で受付中よ...」



芳乃「そしてこの相談所の骨子というものはー、わたくしたちが行うのは『縁結び』であるということでしてー」

芳乃「つまりー、悩めるものがいるならばー、その方の悩みの解決にうってつけの人物をー、わたくしたちが引き合わせるということなのですー」



忍「多分だけど...その、うってつけの人物っていうのもアイドルから選ばれるんだよね」


志乃「そうなるでしょうね。自分一人の力で解決できない問題も二人ならもしかしたら......ということ。私たちはその二人目に最も適した子を紹介するの」


芳乃「でしてー」




芳乃「それではー記念すべき一人目を紹介していくのでしてー、」


忍「始まってしまった...」

志乃「それと...相談者については最初のうちは匿名かPNで紹介させてもらうわ」

忍「あーうん、その方が相談しやすいかもしれないからね」



志乃「まぁ最後にはこの人気のない会議室に呼び出すんだけど」

忍「何のための匿名性なの!?」

芳乃「偽名程度でー、わたくしの目をかいくぐるのはー、至難というものでありましてー」

忍「なにそれ怖い」



芳乃「さてさてー、箱の中より取り出したるは一枚の手紙でしてー、志乃どのー」

志乃「はいはい、それじゃあ読んでいくわね」

忍「(誰からなんだろう......おっと、詮索はダメなんだよね、わざわざ匿名で素性を隠して相談するくらいなんだし)」






志乃「PN【こんちきちん】さんから」

忍「相談者も隠す気ないんじゃないかなぁ!!?」


期待



志乃「PN【こんちきちん】さんより」



【芳乃はん、忍はん、志乃はん、おはようさんどす

 早速やけど本題にはいらせてもらいます。

うちにはゆにっとを組んでいる仲間がおるんやけど、どうもその仲間(いにしゃるはS・Sいいます)から子供扱いされてるような気がしてならんのです

あいどるとしては確かに対等以上には見てくれてはります。やけども、だぁつばぁいうとこに誘うてくれへんかったりと、どこか距離を感じるんどす

確かにS・Sはんはうちより三つほど歳が離れてはるのいうもあるのですけど、でもうちは友人としてももっと近い位置におりたいんです

何かよい案がありましたらよろしゅうお願いします。】



芳乃「こんちきちんどのにはー、あとで会議室までお越しいただきますゆえー」


忍「あの、もしかしたら別人かもと思ったんだけど、この相談内容は...」

志乃「栄えある一人目の相談者は紗枝ちゃんね、ユニットというのは確か、羽衣小町...だったかしら」

芳乃「ということはS・Sというのは塩見周子どのでありましてー」



忍「言いおった...言いおった...匿名もなにもあったもんじゃない...」


志乃「大丈夫よ、第三者にはここでのやりとりは漏れない......といいわね」


忍「......えっと紗枝ちゃんと周子さんといえば、15歳と18歳だから...まぁ年の差はある方なのかな?」


志乃「3つなんて大した差ではないと思うけどねぇ...私だって早苗や瑞樹とは3つ差だけれど、そんなものお互い気にしたことはないわよ?」


芳乃「加えてー、どうやら紗枝どのはー、周子どのがよく利用するというー、ダーツバーなる娯楽の場に誘われないことにもー、不満があるようでしてー」


忍「あー、そうなんだ。ダーツバーねぇ.........まぁ、あそこは独特な空気があるしねぇ...」


芳乃「これもまたー、十代の若さと青春でしてー」


志乃「あらぁ?二十の大台を超えちゃうとダメなのかしら...?ねぇどう思う忍ちゃん?」


忍「えっと、別にダメってわけじゃないんだけど...その」

志乃「...............」

忍「ぁぅ」



芳乃「青春とは若者の特権でしてー、つまり二十代の半ばでその幕を閉じてしまうのですー」

忍「言いおった...」




芳乃「こちらの悩み事に対してもー、おなじく匿名でー、解決策が寄せられておりましてー、わたくしもまだ見ておりませぬー」


志乃「さ、次は忍ちゃんが読んでちょうだい」


忍「あ、うん...この別の箱に入ってるやつだね、...いつの間に持ってきたんだろ...」


芳乃「こちらの箱にはー、事前にわたくしが他の方のもとへ出向きー、集めておいた解決案が入っておりましてー」


忍「色々手が込んでるというか...結構前から準備してたんだね。じゃあ読むよ」






忍「えっとまずは【彼奴】さんから」


【そーいうときは早朝の河川敷に繰り出してキャッチボールすればいいんだよ!!

そんでもってボールに気持ちをこめれば、仲良くなれること間違いなしだねー!!!

あとその時はあたしも混ぜて!】





志乃「なるほどねぇ、スポーツを通して本心をぶつけ合う、青春ねぇ、青春だわ...」


忍「(ひ、引きずってる...)」


芳乃「遊戯を通した心の交流とはー、実に良き考えでしてー」


忍「でもこれ、さりげなく自分も混ぜてもらおうとしてるフシがあるんだけど...」


志乃「それで忍ちゃん、他にどんなのがあるのかしら、読んで聞かせて頂戴」


忍「ああうん...ああっと、紗枝ちゃんのお悩みに宛てた手紙は結構多いみたいだけど全部読むの?」


芳乃「悩みを抱える方はまだまだおりますのでー、つまりその中よりいくつか掻い摘んで開封のほどをー」


忍「うん、わかった」





二人目【おさるの歌】さんから



【愛があれば年齢差など関係ありません、そう!そこにラブがあればいいのです!】



志乃「...なんというか、主語や目的語が抜けているせいで文面だけだとどことなく犯罪臭がするわね...」

忍「......」

芳乃「まるでロ○コンの言い訳のようでしてー」

忍「言いおった...」




三人目【ONE SHOW】さんから


【未成年が深夜まで外出しているのは見逃せません!それとそういう関係についてとやかく言いませんが節度を持つように!】


志乃「そういう関係?」

芳乃「そういう関係でしてー?」

忍「.........」



四人目【揉みの左手、握摩の右手】さんから

【こんちきちんさんにはこの言葉を送らせてもらうね



...言葉が心に届かなくても、その手は胸に届くんだよ...



つまり揉めば伝わる!!無理だと思うならあたしに任せて!】



芳乃「ボディータッチによるー、コミニュケーションでしてー?」


忍「どうして前半は良いこと言った風なの...じゃあ、次々行くよ!」




五人目【コャミィ・ザンア】さんから



【ダーツバーにはコッソリついて行くのはどうでしょう!私は尾行のスキルには一家言あるので教えてあげられます!】



六人目【繋がれた小指】さんから



【相手を知るために尾行するなら、素人の尾行なんかはあっさりバレてしまうものですし、ただでさえアイドルは目立ちやすいんですから、変装して姿を変えるといいでしょうね♪】



七人目【刹那】さんから



【女の子はメイク一つでとっても素敵に変わっちゃうんですよ?素敵に大変身した姿で迫るのもよし、変装に使うのもよしです♪】



八人目【私、まぁメーど!】さんから



【そんな時にこそメガネです!!まぁまぁメガネどうぞ!】




忍「手紙同士で会話が成立してるっ!!?」

芳乃「でしてー?」

志乃「最後の子はそんなつもりはなさそうに見えるけれどねぇ...」





__終了__



芳乃「お疲れ様でしてー、紗枝どのには後ほどこの結果をお伝えする次第でしてー」

忍「一人目でどっと疲れた...」

志乃「あらあら、まだ若いのにダメよそんなんじゃ...」




芳乃「それでは二人目でしてー、志乃どのーよろしくお願いしますー」



志乃「ええ...さて、二人目は【HEADFON GIRL】さんから」



芳乃「へっど、ふぉん、がーる...でして?どういう意味でしょうー?」


志乃「これだけじゃあ、誰からの相談かはわからないわね」


忍「(ヘッドフォンの英語の綴りHeadphoneを間違えたんじゃ......ヘッドフォンってことは...もしかして)」

忍「(いやいや!...いくらなんでも流石にそんな残念過ぎるスペルミスをやらかすはずは......最近も夏樹さんのレクチャーの成果が出てきたって言ってたし)」



志乃「あら?手紙の裏に律儀に本名も書いてあるわね、二人目は多田李衣菜ちゃんからよ」

忍「言いおった!!」




志乃「PN【HEADFON GIRL】さんより」





【ワルだから相談なんてしてやらねーぜ!!】


忍「だったらなんで手紙送ってきてんの!?」




芳乃「これが俗に言う矛盾というものでしてー、それよりー、ワルとはなんでしょー?」


志乃「あら?封筒をよく見ると相談内容の書かれた二枚目が入ってるわよ」


忍「ちょっと...李衣菜さんいろいろ残念すぎない...?」


志乃「じゃあ引き続き読んでいくわね」




【みなさんこんにちは!

いきなり本題に入りますが、私は日々、ロックなアイドルを目指して頑張っています!

そのためにギターの上手な弾き方を親友から教わったりカッコいい衣装でアイドルの仕事をしたりと、努力を欠かしたことはないつもりです。

だがしかし、ある日、なつきちや涼さんを見ていて思ったのですが、

なつきちは溢れんばかりのエネルギッシュさ、涼さんはその立ち姿からにじみ出るクールさ、という風に、

私の自慢の親友たちはただロックなだけじゃない、特徴というか、特色というか、そういった何かを持っているのです

そして私は気づきました

”今の私の状態にもう一味足したらもっとイイ感じになるんじゃないかな?”と

なので今日の私はロックでありワルです!至道・毘沙門天です!!】



芳乃「なにゆえにー、辿り着いた結論がワルでしてー?」


忍「相談じゃないじゃん...ワルだかなんだか知らないけど結論出てるじゃん...」


芳乃「それとー、最後のシドウ・ビシャモンテンとはなんでしょー?」


志乃「おそらく...シド・ヴィシャスというパンクロッカーのことじゃないかしら...確か薬物中毒とか怪我人の出る過激なパフォーマンスで知られていたと思うけれど、感心しないわね...」


忍「色々言いたいことはあるけど......まずそこで名前間違えないでよ...あと多分それプロデューサーに怒られるよ」




志乃「......あら?」

忍「どうしたんですか?」


志乃「まだ三枚目が入ってるわ......しかもやっと本題に入るみたい」


芳乃「手紙が多い分だけ悩みも大きいようでしてー」


忍「......もう一枚目は見なかった事にしてあげたほうが良いんじゃないかなぁ...?」







志乃「さて、三枚目...の、最初の方は一枚目と二枚目の内容の乱暴さを詫びる旨が書かれてるから飛ばすわね」

忍「(李衣菜さん、根が良い子すぎる...!!)」




【___それで本題ですが、ワルになろうにも、私はワルになる理由がありません。

それに親友や事務所の仲間、家族に迷惑をかけたいわけでもないので、仕事や学校をサボったりするつもりもありません

つけ加えておくと学校での私の数学の成績はかなり良いんですよ!

というわけで芳乃さん、忍さん、志乃さん

誰も困らせずにワルになる方法を教えてください!】




芳乃「なるほどー、人に仇なすはずの悪でありながらー、悪では無い何かになりたいとー」


忍「李衣菜さん、実際はかなりの頑張り屋だからねー...」


志乃「何かとアレな面が目立つけど、今回のお悩みは意外と難しいんじゃないかしら...?」


忍「うん。李衣菜さんのワルの定義はよくわからないけど...やっぱりワルって言うと不良ってイメージだしね。不良じゃないままワルっていうのはねぇ...」


芳乃「二律背反にして撞着矛盾をお望みとはー、これまた難儀な相談でしてー」


志乃「...じゃ、忍ちゃんよろしくね」



忍「はーい...まずは【ジョルノ】さんから」



【つまりダークヒーローってことだな!!アタシはそういうのもかっこいいと思うぞ!!】



忍「どんどんいくよー、二人目【波紋疾走】さんから」



【ダークヒーローって言うとコウモリコスチュームのあの人とか、金色のドクロの人とかッスかねぇ】



忍「......三人目【D4C】さんから」



【なにがヒーローよ!ワルになりたいならアタシのイタズラを手伝うといいわ!!】



忍「.........四人目【ソリッド・ナーゾ】さん」



【ワルはワルでもちっとも悪くないワルってなーんだ?】



忍「...............五人目【フーゴのネクタイの柄】さん」



【...ちょっと待ってください、タブレットで検索して得た情報から答えをまとめますので】



忍「だからなんで会話してるの!?これ手紙だよね!?」


芳乃「これはー、意見を集めて回ったわたくしの落ち度でしてー?」


志乃「...やっぱり皆からしても扱いにくい悩みだったのかしら......あとこれ礼のも混じってるわね」





__終了__


芳乃「李依菜どののお悩みに関してはー、後ほどー、わたくし自ら相談を受けるとしましてー」


忍「そうだね、さすがにこの手紙だけじゃ役に立たないだろうし」



志乃「じゃあ三人目のお悩みいくわよ......ん?」

忍「どうしました?」


志乃「三人目はどうやら本名で相談してくれているみたいよ」

芳乃「ほほー、名を伏すことなく相談事ですかー、これはなにやら深刻な悩み事のかほりがしましてー」

忍「たしかに...本名ってことは直接助けを求めてるようなものだもんね」


志乃「じゃあ、三人目【難波笑美】さんから」








   【敗北を知りたい】









忍「......なんば言ってらの?」

志乃「忍ちゃん、方言出てるわよ」



芳乃「えー、こちらのお悩みに関してもー、笑美どのには後ほどこちらにお越しいただくということでー」


忍「そんな”このあとスタジオにご本人登場!”みたいなノリでいいの...?何を相談してるのかわからないんだけど」


志乃「二枚目も見当たらないものねぇ...あら?...一枚目の紙の下の方に続きがあるじゃない」






【っちゅーわけで、ウチがツッコミを入れられないくらいトンデモなネタ、よろしゅうたのんます!】



忍「既にアタシがツッコミきれないよぉお......」


芳乃「ここで挫折しないでくださいましー」


忍「というか要求が大雑把すぎて解決案が全然送られてきてないよ、これ...」


志乃「そうなの...じゃあ丁度、相談者の三人は時間があるみたいだし、まとめて呼び出すとしましょうか...」





小早川紗枝「おきばりやす~」


多田李衣菜「おっはようございまーすっ!...いやいやっ今の私はワル、私はワルだから...えっと、挨拶しねえぜ...?」


芳乃「お集まりいただきましてー、感謝ですー」

忍「あれ?笑美さんは?...来てないみたいだけど...」

志乃「笑美ちゃんは予定があって少し時間を遅らせて来てもらうことになったの」

忍「そうなんですか...」



芳乃「えー、それでは改めてお二方のお悩みを拝聴したくー」

忍「えっと、確か紗枝ちゃんが周子さんと対等な関係になりたい。で、李衣菜さんが.......」

志乃「誰にも迷惑をかけずにワルい子ぶりたい...だったわね?」


李衣菜「はいっ!....じゃなくてワ、ワルだから答えてやらないもんねっ!」

紗枝「そうどす。周子はんったら、こないだもうちを置いてフレデリカはんと伊吹はんでだぁつばぁ行っとったらしいんよ~」


忍「その情報はどこから?」

紗枝「普通にフレデリカはんが言うとりました。別にだぁついうんをしたいわけやあらへんのやけど、誘われすらせえへんのはいややわぁ」


志乃「...なるほど、ダーツバーに連れて行ってもらえなかったことではなく、子供扱いされてることが問題なのね」



芳乃「それでー、李衣菜どのはー、悪ならぬ悪を志すということでしてー?」


李衣菜「悪ならぬ悪って...そこまで大袈裟なものになるつもりは.........いやいやいや!そ、そうだぜっ!!」


志乃「まぁ、要はこの頃流行りの...ええと、そう、”チョイ悪”とかいうのになってみたいんでしょう?」

李衣菜「そう!それですっ!...あ、それだぜっ!」




紗枝「ちょいわる...そういう風なんが最近は流行っとるの?...志乃はん物知りやなぁ」


忍「.........いや、最近ってわけじゃあ...なくも、なくもない?」

芳乃「とっくの昔に廃れておりましてー」

忍「言いおった!!」

志乃「.........」



李衣菜「チョイ悪...チョイ悪かぁ...へへっ!ちょ、チョイ悪だよっ!...だぜっ!」


志乃「さて、笑美ちゃんのも入れると、それぞれ個性豊かな悩みごとねぇ」

芳乃「それでも、とりかかるのでしてー」

忍「取り掛かるって...どうするの?かなり曲者な悩みばっかりだけど...」

芳乃「それを成すのがわたくしたち『しのしの相談箱』でしてー」






芳乃「さてさてー、お耳を拝借ー」


「ここに居らぬものも含めー、悩み悩んだお三方ー、よくぞよくぞー、わたくしたちに相談して下さりましたー」


「あなたがたがー、己の中にー、抱えー、秘めー、耐えー、忍びー、そして頭を悩ませてきた諸々はー、今宵その形を変えましてー」


「つまりー、またいつかの日にー、煩悶に打ち負けた過去ではなくー、克己の成功譚としてー、今日という日を偲んでいただければー、幸いでございますー」



「今より幕を切り落とす舞台にてー、そなたらの悩みを覆してみせましょー」




すでに書き溜めで完結しているのですが諸事情で一旦中断します

今日中に解決編投下します

それと、特定のキャラを貶める意図は一切ありません

忍のツッコミで草ww

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



__数時間後__




ガチャッ




塩見周子「ただいまーん、しゅーこちゃん、地方ロケよりもどりましたーん」


周子「んー?」


芳乃「......」

志乃「......」

忍「...(おかしいなぁ、大分涼しくなったのに汗が止まらない、あぁ冷や汗か)」


周子「芳乃ちゃんに、志乃さんに忍ちゃんじゃん、ただいまーん♪」


芳乃「おかえりなさいましー」

志乃「おかえりなさい」

忍「...お、おかえりなさい...」








紗枝(エプロン姿)「あなた、おかえりやす~♪」








周子「紗枝はん、ただいまーん。どしたの、エプロンなんてつけて?」


紗枝「ふふっ、今から晩御飯にするんどす、もちろんあなたのもありますえ?」


周子「やったー、丁度仕事帰りでお腹ペコペコだったし、ありがと」


紗枝「じゃあ、てぇぶるのとこに皆おるからそこで待っといてな~」


周子「はーい」





周子「おじゃましまーす」


芳乃「どうぞでしてー」


志乃「...空いてる所に座ってちょうだい」


忍「......」


周子「あり?忍ちゃん静かだね」

忍「あ、えっと...今日の仕事はどうだった?」

周子「うん?そーだねー...ちょーっと移動距離が長くてお尻が痛くなっちゃったけど、お仕事はばっちしだったよー」


忍「そっか......い、いつもお疲れ様」

周子「ありがとん」

忍「お......お、お」

周子「お?」













忍「...お...お父、さん」

周子「.............うん?」





芳乃「父上は我が家の大黒柱でしてー」

周子「......んんー?」




志乃「そうね...私たちがこうして生活できるのも周子父さんがいるおかげだものね」

周子「うぅん!?」




周子「なーにー?...そーいうママゴトでもしてるの?」

芳乃「ままごとー?どういう意味でしてー?」




志乃「...ねぇ、周子ちゃん?」

周子「ん?」


志乃「...今日、周子ちゃんはちゃんとお仕事に行ったんでしょ?」

周子「あぁうん、もっちのろーん。アイドルのお仕事はやりがいあるし、遅刻だってしたことないよ?」

志乃「でしょ?遊びやゴッコじゃなくてちゃんと働いているのよね?」

周子「そりゃー、ねぇ、そーだけど...」





志乃「なら...周子ちゃんの仕事がゴッコじゃないのだからこれもゴッコじゃないわよね?」

周子「うん............うん?」




忍「あ、あははー。ままごとだってー、変なオトウサーン」


芳乃「あははーでしてー」


志乃「うふふ......」


周子「あっははは.......あれー?」







周子「(......慣れ親しんだ事務所が慣れ親しんだ我が家みたくなってた)」

周子「(何を言ってるか分からないかなーって思うけど、しゅーこにも分っかんなーい)」



芳乃「父上ー、どうしましてー?」


周子「(一つわかってるのは何故かあたしが父親役らしいってこと)」


志乃「ふふっ、父さんも疲れているのよね...ふぅ」


周子「労うつもりなんだったらせめて目の前でワイン飲むのは止めてほしーなぁ...」

周子「(ところでこれ、母親役って)」







紗枝「はーい、今日の晩ごはんどす~♪」



忍「わ、わーい...お母さんのご飯だー...」


周子「(だよねぇー...)」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




芳乃「ごちそうさまでしてー」

志乃「ごちそうさま」

忍「...ごちそうさま...」

周子「ごちそうさま」

紗枝「おそまつさんどす~」




周子「で、ご飯がものごっつ美味しかったからスルーしてたけど、結局これなんなのさ?」


芳乃「はいー?」


紗枝「ものごっつ美味しいやなんて、あなたったら...そない真っ直ぐに言われてもうたら照れてまうわ~」

周子「いや、そーじゃなくて...」



志乃「食後の一杯......あら?そういえば私って何歳の設定だったかしら」

忍「(設定って言いおった...)」



周子「いま志乃さん設定って」

紗枝「もう、あなたったら、娘に構うのもええけど、うちにもかまってぇなぁ~」

周子「...なんやこの状況」





ガチャッ

バターン!!




李衣菜「......はぁーあ......」





周子「あっ李衣菜ちゃん、ちょっと...」


芳乃「おかえりなさいましー、李衣菜おねーさまー」

李衣菜「...ただいま」

周子「あー、そっち側かー」












志乃「おかえりなさい、姉さん」

周子「!?」





紗枝「李衣菜はん、こんな時間までどこにおったんどす?」

忍「そーだよ、お、お姉ちゃん!みんな晩御飯たべちゃったよ?」







李衣菜「うっさいなぁ!!私の勝手でしょ、じゃなくて...勝手だろ!!」

周子「(どーゆーことなん!?)」





芳乃「しかしー、みな心配していたのでしてー」

紗枝「そやで李衣菜はん、いつも言うとるけど、帰りが遅れるときはちゃあんと連絡してな?」

李衣菜「もぉ!ほっといてよ!」


ぽすっ


紗枝「きゃっ!」



ドンッ

ガチャンッ!!



周子「え」


李衣菜「こんな家、もう知るもんかー!!」



バタンッ!

ダダダダダダ!



忍「あぁっ、行っちゃった、机の上がぐちゃぐちゃに...お母さん!アタシ李衣菜姉さん追いかけてくる!」

芳乃「わたくしもー」

志乃「私も追いかけるわ、姉さん、昔から危なっかしいところあったし...」




周子「え...あ、じゃあ、あたしも」

志乃「父さんは母さんをよろしく頼むわ」

芳乃「頼みましてー」

忍「お願いねっ!」





忍「こういうときいつもお母さんを支えてあげられるのはお父さんだけなんだから!」


周子「えっ、そうなん?(いつも?)」




ガチャ!

タタタタタタ...




紗枝「.........」


周子「.........」


紗枝「.........」


周子「.........」





紗枝「...うち、あの子の育て方、まちごうてしもたんやろか......?」


周子「あー、これ続ける流れなのね」




紗枝「芳乃はんも忍はんもええ子に育ったし」


周子「...ところで二人共16歳なんだけどあれはどっちがお姉さんなわけ?」


紗枝「いややわ、わすれはったん?忍はんは3月生まれで7月生まれやねんで?」


周子「そこはリアル準拠なんだね...」





紗枝「志乃はんも今年で17歳になりはるねんで?」

周子「そっちの設定をムリして曲げる必要はなかったんじゃないかなぁ...?」




紗枝「...やっぱり李衣菜はんが長女いうことで知らんうちに負担かけてもうてたんやろか...」


周子「うんうん、そだねー、りーなちゃんはどっちかって言うと次女っぽいもんねー」





紗枝「...うちのこういうとこが、あなたにも苦労かけてるかもしれへんなぁ......ほんまごめんなぁ」

周子「...えーと...そんなことないって、紗枝ちゃんはいいとこのお嬢様だけあってしっかりしてるし...?普段の姿勢とかにも見習うトコあるし...?」



紗枝「周子はん......そやな、うち、もういっかいちゃんと李衣菜はんと向き合ってみるわ...」


周子「.........うん、それがいいとおもうよー(なんやこの空気、なんやこの芝居)」



紗枝「.........」


周子「.........」



紗枝「えっと......あの...ほんでな...?」


周子「どしたのいきなりモジモジしだして」




紗枝「...これは...うちのわがままやねんけど...」


周子「...?...(既にわがままで済まないレベルの何かに付き合わされてるんだけどなー)」

























紗枝「......次の子は男の子がええなぁ、って......」


周子「もうどーにでもなーれ♪」



......ダダダダダタダダダダダダダダダ!!!!

ガチャッ!!!






難波笑美「 な ん で や ね ん っ !!」




周子「はん?」


笑美「家族かっ!!いつから事務所は家族団欒の場所になっとんねん!!

しかも母親が紗枝ちゃんてあんた一番の年下でんがな!!

あと忍ちゃん演技中顔引つりすぎやろ!!ツッコミたかったんか!?ツッコミ入れるの我慢してたんか!?

そして志乃さんが李衣菜より年下てどういう設定やねん!!

もうすぐ17歳てウサミン星人か自分!!永遠の17歳か!!シノノン星人か!!

そして未成年なら飲酒は自重せんかい!!キャラがブレっブレやんか!!

そんでもって李衣菜ぁ!!ワルぶりたかった割に出番短すぎぃ!!あとセリフがテンプレやないかぁ!!

ただし紗枝ちゃんに大怪我追わせないように優しく押したとこは良し!!

えーと、あと最後に芳乃ちゃん!!逆にキャラぶれなさすぎやろ自分!!」




芳乃「そうでしてー?」

笑美「ぜー...はー...ぜー...はー......ど、どや...?...ウチ、ツッコミ、入れきったやろ...?」

芳乃「見事な技でしてー、あとこちらー、酸素缶になりましてー、ぜひとも休息をー」



シュウウウー



笑美「すーはーすーはー......ってこれ整髪スプレーやないかいっ!!」

芳乃「おおー、最後の最後までお見事でしてー」






周子「...もう帰っていいかな」





__終了__


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


芳乃「えー、あのあと机の周りを片付けー、李衣菜どのは紗枝どのに対しー、演技とはいえー、無作法に振舞ったことを丁重に詫びたようでしてー、ワルは一度でもう懲り懲りとのことですー」



志乃「それと...周子ちゃんは紗枝ちゃんに恐れをなし...じゃなくて認識を改めたみたいねぇ...今度の休みに李衣菜ちゃんと三人で遊びに行くようよ......ダーツバーではないらしいけど、紗枝ちゃんはそれでも満足みたい」



忍「笑美さんは、『一度にたくさんのツッコミ入れると、体力の消耗もはよなってまうわ!しかも舌もつれそうなるし!自分の弱点を見直す機会になったわ、おおきに!』って、レッスンの傍ら瑞樹さんに滑舌上達のノウハウを教わるようになったみたいだね」



志乃「【対等な関係】【不良の疑似体験】【ツッコミの難しいネタ】...これでとりあえずコンプリートね...」



芳乃「ふむーん、紗枝どのと周子どのの二人を妻と夫という立場に置き換えー、なおかつ李衣菜どのをその放蕩娘に据えただけでしたがー、うまくいったようでしてー」

忍「まぁ、あの周子さんが紗枝ちゃんに終始ペースを握られっぱなしだったし、珍しいものは見られたのかな?」


芳乃「何はともあれこれにて一件落着でしてー」

志乃「そうね、達成感でお酒がおいしいわ...」

忍「また飲んでる......」






忍「ところで今更だけどさ、この役目って本当にアタシに任せてよかったの?もっと志乃さんと同じくらい大人の方がいいんじゃ...」



芳乃「......ふむーん」

忍「ま、まさか...ホントに名前に『しの』が入ってるからっていう理由で選んだの?」



志乃「うーん、実は...そういうわけでもないのよ」

忍「え?」

志乃「...別にそんな杜撰な理由であなたがしのしの団に加えられたわけじゃないのよ...まぁ、そこらへんは芳乃ちゃんから聞いて頂戴...」

忍「(しのしの衆からしのしの団になってる...)」





芳乃「忍どのはー、アイドルになるというただ一つの目的がためにー、ただ独り遠い地よりこの都会へ来たと聞きましてー」

忍「!!」





芳乃「わたくしたちのような十代の娘にとってその行為はー、勇敢であると共に無謀でもありー、つまりー、ややもすると取り返しのつかない陰惨な目にあっていたという未来もー、決して否定はできないのでしてー」


忍「......まぁ、そうだね。...親の反対も振り切ってのことだったから仕送りもゼロだったし...今思うとかなりヤバかったかも...」



志乃「でも、あなたは見た限り無事に、この事務所でアイドルとして活動できているわね...」

忍「うん、アタシに認めてくれたプロデューサーには...本当の本当に...感謝してもしきれないよ」



芳乃「つまりー、絶えることなく寄せては返す人の波の中でー、あの方にたどり着いた忍どのはー、それだけ『縁』というものに恵まれているのでありましてー」



志乃「そういう意味もあってこの悩み相談という縁結びを任せようと思ったのよ」

忍「.........」



忍「そっか...わかった...なんだかそういう話を聞くと手伝わなくちゃって気がしてきたなぁ...」


志乃「それとアイドル同士で解決できる問題なら解決しておいた方がプロデューサーさんの負担も減るでしょう?」


忍「なるほど...」



芳乃「それではここらで締めるとしましょー、合縁奇縁のー」


志乃「しのしの」


忍「相談箱でした!!」













<では、これは元の場所に戻すのでして-、忍どのー、箱を閉じておいてくだされー、


<うん、わかった、閉めとくねっ


<今度はどんな悩み事が投函されているのかしら...





 パタン




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以上、終了


久々に台本形式で書きたかっただけです、はい

読んでくれた方ありがとうございました

過去作

小日向美穂「お昼寝のお供」

星輝子「ドロヘドロ...?」荒木比奈「そっス」

遊佐こずえ「...きおくとおふとん」

塩見周子「石の上、水の裏側、空の下」

渋谷凛「アイドルサバイバルin仮想現実」

おつ

乙デース。

イイハナシカナー

おおあんただったか!
仮想現実サバイバル毎回楽しみに読んでます!
とりあえず乙!

訂正

>>35

×紗枝「いややわ、わすれはったん?忍はんは3月生まれで7月生まれやねんで?」

○紗枝「いややわ、わすれはったん?忍はんは3月生まれで芳乃はんは7月生まれやねんで?」

忍ちゃんのツッコミも笑ったけど難波ちゃんのツッコミが一番笑ったwwww

箱に入ってた手紙に解決策がきてるのはどういうこと?

よしのーが解決策聞いて回ってたよ
まとめ方うまくて

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