神谷奈緒「2人の側で」 (67)

奈緒「雨、降ってきたかー。移動面倒だなぁ…」

加蓮「のんきなこと言ってる暇あるの?」

奈緒「音楽番組の収録何時からだっけ?」

凛「二時からだけど、雨なら移動タクシーかな。電車だと変装しなきゃいけないから移動が楽でいいね」

加蓮「隠れて移動って、ちょっとアイドルっぽいよね♪」

奈緒「しっかし、あたしも遂に音楽番組デビューかー。緊張しちゃうな…」

加蓮「タ○リさんに生で会えるんだよねー」


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奈緒「胸の音聞こえるぐらいドキドキしてるよ…」

加蓮「のんきな事言ってる暇ないでしょ?」

凛「鼓舞してあげようか?先輩の余裕を見せる為に」フフッ

加蓮「動機が不純だからいらなーい」

奈緒「はぁ…ほんと緊張する」

凛「聞いてるとこっちまで緊張してくるよ」

奈緒「この緊張…凛に移れ!!」ペタペタ

加蓮「えー、私も移そー!」ペタペタ

凛「ルーティンワークの一つでもあれば二人も少しは落ち着くんだろうけど…」

奈緒(トリコみたい…)

加蓮「恥ずかしい気持ちはルーティンワークじゃどうにもならないんじゃない?緊張ならまだしもさぁ…」

凛「ずっとやってるから効くおまじないみたいなものだしね」

奈緒「加蓮は緊張したときはどうしてるんだ?」

加蓮「しりたい?」ニヤァ

奈緒「いや…なんか企んでる目してるからいい!」

加蓮「だいじょうぶ・だいじょうぶ♪」

凛「加蓮はこの前のライブの時にやってもらって落ち着いてたね」

加蓮「ラクになるよー。落ち着くって言うのかな、流石って感じ」

奈緒「目が私をからかう時と同じなんだよ!!」

加蓮「ヲタクの奈緒ちゃんには、ちょーっと刺激が強いかもねー♪」

奈緒「そら見たことか!」

凛「ライブ前よりも収録は時間があるんだから、出来ることはやった方がいいよ」

奈緒「しかも凛までからかう気満々だ…」

凛「てつだってあげようと思う気持ちでいっぱいだよ?」

奈緒「もっと性質が悪い!!」

加蓮「二時から収録だけど、早くスタジオ入りした方がいいよね」

凛「つねに時間前行動が基本だね」

奈緒「目下必要なのはタクシーを呼ぶことか…」

加蓮「のんびり準備するのはスタジオついてからだね」

凛「傘のあまりって事務所にあったっけ?タクシー呼んどくね」プルルルル

加蓮「ヲホン!傘と言えば奈緒ちゃ~ん、この前はちゃんとプロデューサーさんに傘渡せたの
かな~?」

奈緒「渡した渡した」

凛「すっごい適当だなぁ」

奈緒「度々言われるからな。特に雨が降った日は」ハァ…

加蓮「にやにやさせてもらってるんだ♪」

奈緒「照れるのが馬鹿らしくて適当に流すようにしてるよ…」

凛「レッスンの時に雨が降ってると加蓮、嬉しそうだったもんね」

加蓮「ルンルンだよ♪奈緒は可愛いからいくらでもいじれちゃう」

奈緒「のるなよ凛…」

凛「がんばれ奈緒、私もこれからもっと加蓮に協力するから」

奈緒「怖いわ!!」

加蓮「くまなく奈緒をいじり倒そうね、凛!」

凛「てつだうよ、加蓮」

奈緒「今ほど二人の仲がいいのを恨んだことはねえよ!ハァ…」

加蓮「まさか…私たちの仲の良さに嫉妬してるの奈緒?」

凛「でも加蓮と私の中は引き裂けないよ?」

奈緒「言ってねえよそんなこと!!」

凛「えっ…?」

奈緒「なっ、何だよ?」

凛「いや…奈緒は嫉妬してくれないんだね」

加蓮「秘密の二人の関係を!」ダキッ!

凛「密接に寄り添う加蓮と私の関係を…」ギュッ

奈緒「をいぃぃ!!」

凛「勇ましい声を奈緒が上げたところで、そろそろ移動しようか」

加蓮「気持ちもだいぶ落ち着いてきたしね♪」

奈緒「をいっ…って、そんなに時間ヤバいか?」

凛「出入り口は混むだろうし、早め早めに行動だよ」

加蓮「しかも雨脚強くなってきてるよー」

凛「テンションあがるよね、湿度が高いとさ。あと10分でタクシー来るって」

奈緒「試に聞くけど、さっきのおまじないってなんだったんだ?」

加蓮「スタジオについたら教えてあげるね♪」

奈緒「ノリノリなのが不安だぁ…」

加蓮「さっ!準備準備」

凛「聞いたら余計に緊張しちゃうかもね」ヒソヒソ

加蓮「いいんじゃない?奈緒はちょーっと緊張してた方が可愛いし♪」ヒソヒソ

凛「テンションあがるね」ヒソヒソ

奈緒「・・聞こえてるぞー」

加蓮「!…テヘ♪」

奈緒「こんでるなー。流石にこの雨だしな」

凛「こういうことも見越して早め早めの行動だよ」

加蓮「だけどこの雨は嫌だなー…」

凛「ケービーエススタジオまでお願いします」

奈緒「のっておいてなんだけど、三人で後ろに座る必要なくないか?」

加蓮「話しやすいじゃん?」

奈緒「それはそうだけど、狭くないか?」

加蓮「うぅ…、奈緒は私の隣が嫌なのね」シクシク

凛「よしよし加蓮、慰めてあげる」ナデナデ

奈緒「夢中になってる所悪いけど、あたしを挟んでいちゃいちゃするのはやめなさい。狭いわ!」

加蓮「ノー!」

凛「よっぽど私たちの仲が羨ましいんだね」

奈緒「うんうん、そうだよー(棒)」

加蓮「なんでよー、一緒にいちゃいちゃしよう♪」

奈緒「気分が悪くなりそうだからパース」

凛「持てる女は辛いね」

加蓮「ちゅーしちゃうぞー!」ダキツキー

奈緒「ををおぉい!!なにすんだよ!暑いから離れろよー!」

凛「あ、私も抱き着こうかな」ダキツキー

奈緒「なにしてんだよ!!っていうか凛!抱き着こうかなって言いながら抱き着いてんじゃねえよ!!」

加蓮「たっぷり奈緒成分を堪能しなきゃ♪」

奈緒「はぁ!?」

凛「知ってる?奈緒ってすっごくいい匂いがするんだよ?」

加蓮「ランキング一位のいい香りだよね」クンクン

奈緒「な、何してんだよ、ばかぁ!!」

加蓮「いいじゃんちょっとぐらい。減るわけじゃないんだしさ」

凛「本当に嫌なら拒んでもいいんだよ」クンクン

奈緒「当然のように凛も嗅ぐな!」

凛「ノリって大事だと思うんだ」

加蓮「あるあるー♪」

奈緒「たしかに、ってこの状況で言うと思うか?!」

凛「しょうがないなあ。奈緒はわがままさんだね」ヨシヨシ

加蓮「見せつけるねー。私もナデナデするー!」ナデナデ

奈緒「せんでいいわ!!」

凛「留美さんが猫を撫でるように」ナデナデ

加蓮「可愛いよー、奈緒ー」ナデナデ

奈緒「ラチが明かない…」

加蓮「おとなしく私の女になりなさい?」

凛「んー、それは無理かな」

加蓮「なんでよー」

凛「のぞみは叶わないものなんだよ。だって奈緒はもう私のものだから。ね、奈緒?」

奈緒「このアニメ面白そー(棒)」

加蓮「この反応が凛のものじゃないという事を物語っている!奈緒は私のもの!」

奈緒「ロックだねー(棒)」

凛「駄目だよ奈緒、現実から目を逸らしちゃ」

加蓮「もっと自分の可愛さを信じて!」

奈緒「ノレるか!!」

凛「この流れはまだまだ続くよ?」

加蓮「ノレないと厳しいよー?」

奈緒「まったく…」

加蓮「まあ、奈緒が素直になってくれれば万事解決だよ」

奈緒「抱き締めたりすればこの流れは終わるのか?」

加蓮「きゅうにどうしたの!?」

凛「しっかりして奈緒、ここはタクシーの中だよ?」

奈緒「めんどくせーな、おい!!」

加蓮「手を握るぐらいにしてあげるね♪」

凛「口ではそう言ってるけど、本当は抱きしめたかったとか?」

加蓮「にげなくてもいいんだよ?ほら♪」ギュッ

奈緒「はなせよー」ブンブン

凛「しっかり握っててあげるね」ギュッ

奈緒「なんでだよ!?」

加蓮「いや、だって奈緒すっごく緊張してるじゃん?」

凛「けっこう顔に出てるんだよ?」

奈緒「ど、どうってことないって…」

加蓮「先生に任せておきなさい、奈緒の緊張、私たちの今までの行動で万事解決だから」

奈緒「においを嗅いだのは…?」

凛「気が落ち着くように他の事に集中させるためだよ」

奈緒「頭痛がしてきたよ…」

加蓮「いたいのいたいのとんでけー」

凛「手を握るのも結構落ち着くんだよ」

加蓮「欲を言えば抱きしめたかったけどね」

凛「しょうがないから、それはスタジオでね」

奈緒「いや、いいから!!その…恥ずかしいって」

加蓮「ノーです。抱きしめちゃうから♪」

凛「いやよいやよもって奴だよね」

加蓮「ツラい時は三人で協力しなきゃ」

凛「もうすぐスタジオ到着だしね」

加蓮「濡れないようにしないと、あとが大変そうな雨になってきたみたい」

奈緒「レインコートでも持って来ればよかったか?」

凛「手が自由になるのは良いけど、この雨じゃレインコートがあっても辛いね」

加蓮「ルンルン気分でスキップ出来る雨じゃないね。雨粒当たったら痛そうなぐらい大きいよ」

奈緒「はれの日が続いてたのに、なんで今日に限ってこんな雨…」

凛「ずっと降るわけじゃないみたいだし、思い出ってことでいいんじゃない?」

加蓮「のんきな事言ってる間にもう着いてしまったよー」

凛「左曲がってもらって、裏に回ってもらってもいいですか」

奈緒「のんきな事言えるのもあとちょっとか…」

凛「肩の力抜いてリラックス、リラックス」

加蓮「はぁぁぁ…」ギュッ

奈緒「近い近い!ってか抱きつくな!」

凛「狡いよ、加蓮」ギュッ

奈緒「くるしいって!」

加蓮「たのしんでるふりしてたけど、やっぱり私も緊張してるみたい…」

奈緒「びっくりするから急に抱きつくなって…」

加蓮「にひひー…もうちょっとだけー」

凛「消火栓越えたあたりで大丈夫です。はい」

奈緒「エントランスから入らないのがなんかそれっぽいな…」

凛「テンションあがるでしょ?」

奈緒「いや、ますます胃がキューってなってきたよ」

加蓮「くるしい気もするけど、ちょっとワクワクもするね」

凛「よっぽどのことが無ければ大丈夫、私がいるしさ」

奈緒「すごい自信…」

加蓮「ぐっ、これが先輩の余裕…」

奈緒「横にいてくれるって言うのは確かにありがたいな」

凛「二階の楽屋集合だってプロデューサーからメール来たよ」

奈緒「いやー、楽屋かー」

凛「テンションあがってきた?」

奈緒「そうじゃないんだけどさ、なんかアイドルって感じがしてさ」

加蓮「この独特の緊張感が怖い…」

凛「でも三人なら大丈夫。大丈夫だよ」

奈緒「あたりまえだけど、三人で出演なんだなー」

凛「たぶんこれからもっと三人でやる仕事が増えると思う。その第一歩目になるんじゃないかな」

加蓮「しっかりしなきゃね!」

凛「のっていこう、このビックウェーブに」

奈緒「名前書いてあった。楽屋はここでいいのか?」

凛「前来た時もここの楽屋だったな。懐かしい」

加蓮「ヲホン!!ところで凛、プロデューサーさんは?」ニヤニヤ

凛「呼んでくる?」

加蓮「んー、今何してるんだろ。打ち合わせかな?」

凛「出る時にスタジオで打ち合わせしてるってちひろさんが言ってたから、そっちじゃないかな」

加蓮「くるまで待った方がよさそうだね」

奈緒「レッスン通り…レッスン通り…」ブツブツ

加蓮「ルーティンワークと言うか、おまじないしてもらった方が本格的に良さそうだね」ヒソヒソ

凛「ノリがいつもより悪いし、無駄に声かけても逆効果かもね」ヒソヒソ

加蓮「がんばれって言葉は余計に緊張させちゃいそう…」

凛「嬉々としてやってくれると思うよ」

奈緒「しっかり、ミスしないように…」ウゥー

凛「いま一時前だから、まだ緊張しててもいいけど、加蓮は大丈夫?」

加蓮「どうってことないよ♪」プルプル

凛「うん、無理しなくていいよ。膝ちょっと震えてる」

加蓮「しかたないじゃん!奈緒もあんなに緊張してるし…」

凛「手、握ってあげようか?」

加蓮「こっちに奈緒もきなよー」

奈緒「んー?」

奈緒「なんかするのか?」ガタガタ

凛「にぎりあいっこしようと思ってさ」

加蓮「なんか私も更に緊張してきちゃってさあ…」

奈緒「ったく、散々人をけしかけといて」プンプン

加蓮「たのしくなっちゃってさあ。でもあれで少しは緊張ほぐれてたんだけどさ…」

奈緒「のしを付けて返したいぐらいのイジリだったけどな!」

凛「まあ、加蓮にとって私たちと一緒に話すのが緊張をほぐすのに一番いいと思ってのことだよ」

奈緒「っても、いじられるこっちの身にもなってほしいよ…別にいいけどさぁ」

加蓮「素直じゃない奈緒も可愛い!」

凛「ぐっとくるよね」

加蓮「向こうみてつぶやく姿も可愛いなぁ」

奈緒「いいから、そういう解説!」

加蓮「テヘ♪」

凛「話すのって大切だよね。いつもの私たちのままでには上がれないけど、私たちはステージにいようが楽屋にいようが変わらないんだよ」

加蓮「素敵にふるまわなくても、いつも通りでいいってこと?」

凛「のんびり事務所で話してる雰囲気をステージに持ち込むことは出来ないけど、いつもの私たちが隣にいるって考えたら、少し楽になるでしょ?」

奈緒「さらっといいこと言うから凛は狡い…」

凛「それは二人より先にデビューしてるし、私の横には卯月や未央がいたから、その時の気持ちを言っただけ」

加蓮「うん…無理しなくても、私たちらしくが一番!」

奈緒「よーし…と思ったけど、ステージ上でいじるのはやめてくれよ…」ハァ

加蓮「・・!どーしよっかなー」フフッ

凛「振り付けもいつも通り」

加蓮「リズムもしっかり頭に入ってる」

奈緒「出だしの音程もしっかり練習してきた!」

凛「しかもここ一週間はみっちり三人で練習してきた」

加蓮「たっくさん練習したよねー。流石にくたくたになっちゃったな」

奈緒「雨の日は沢山いじられたしな…」

加蓮「のぞみ通りの反応してくれるから嬉しくて、つい♪」

凛「道草もいっぱいしたし、奈緒も沢山いじったし」

奈緒「をい!」

凛「手を繋いだら、そんな光景を思い出せる気がしない?」

加蓮「をぉー」

奈緒(繋いだ手が暖かいな…)

凛「いいことばかりじゃないけど、三人だから出来たことばっかりでしょ?」

奈緒「でもやっぱり緊張しちゃうよな…凛は私たちよりずっと先のステージにいるしさ」

凛「歩いてきた距離は違うかもしれないけど、これまでしてきた経験は二人を裏切らないよ。大丈夫」

加蓮「いつになく凛が頼もしい…」

奈緒「手、熱くなってきたよ」

凛「色々あったけど、こうして三人で並んで立てるんだから、何にも緊張することないよ」

加蓮「あー、何か目頭が…」ウルウル

奈緒「せっかちだなあ、加蓮は」グスッ

凛「たのしまなきゃ損だよ。せっかくこうして三人並んで立てるんだからさ?」

加蓮「空気入れ替えよっか!って、雨あがったみたいだよ」ガラッ

奈緒「ニジでも出てると景気がいいんだけどなー」

凛「虹出てるよ?結構凄いのが」

加蓮「色がはっきり見える!」

奈緒「橋の側に虹の根元があるみたいだなー。虹の根元には宝が埋まってるって昔聞いてワクワクしたな」

加蓮「をー、奈緒はロマンティストだね」

凛「掛け値なしに、小さいころは何があるんだろうって虹の根元を探してたよ」

加蓮「けっこう無邪気なところあるよね、凛って」

奈緒「ルンルンしながら虹の根元を探す渋谷凛ちゃんをください」

加蓮「買います!」ハイ!

奈緒「らいげつ入荷予定でーす」

凛「もう…昔の話だって」

加蓮「ウソつけー、最近までやってたんでしょー?」

奈緒「素直になりなってー」

凛「ぐっ、奈緒にいじられるなんて…」

奈緒「晴れやかな気持ちだよ♪」

加蓮「レベルの高い会話で私にはついていけないなー」

奈緒「ルール無視でいじってくる加蓮が言える言葉じゃないぞー」

加蓮「よくわかんなーい♪」

凛「奈緒はいじられてこそなのに…」

加蓮「んー、それは全面的に同意しまーす♪」

奈緒「てめーら、覚えてろよー!」

凛「言葉が汚いよ、奈緒」

奈緒「ええ、誰かさんのせいでね…」

加蓮「なんでもいいけど、私ノド渇いちゃった」

奈緒「いぃーー!!」

凛「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」

加蓮「ノンカフェインのものは何かある?」

凛「マミーならあるよ?」

奈緒「マミーって…なんでそんなものがコーヒーとかの間にしれっと混じってんだろ?」

凛「デミグラスソースも置いてあるよ?」

奈緒「解せぬ」

凛「けどどれも収録前に飲むにしては重いよね」

奈緒「無いな。特にデミグラスソースは無い」

加蓮「いっこ前の収録か何かで使ったのかな」

奈緒「魔術的な何かでこの楽屋に置かれたとか」

凛「法則無視な話を進めない」

奈緒「のり悪いなー」ブーブー

加蓮「呪われたデミグラスソースだったりして!」

凛「文句としてはカッコいいけど、もうひとひねり欲しいかな」

奈緒「をーい、しっかりしろー。凛が一番悪乗りしてるぞー。あとあんまりかっこよくないぞー」

凛「カッコいいと思ったのに…」

加蓮「ケンカしないの―」

モバP(以下P)「留守番ご苦労!!」バタン!!

奈緒「よーっす」

凛「好物がオムライスのプロデューサー、オムライスにはケチャップ?それともデミグラス?」

P「きゅうにどうした!?」

凛「なんでもないよ」

加蓮「ノリが悪いなあ」

P「これは失礼。で、何の話?」

凛「この楽屋になんでマミーとデミグラスソースがあるのかって話」

P「だ、駄目だ、全く話についていけん…」

加蓮「けっこう時間経ったけど、そろそろ収録始まりそう?」

奈緒「ノド渇いたのはいいのか?」

加蓮「話してたら余計にノド渇いちゃった…」

P「そういう話か!」

凛「うん」

奈緒「よくついていけるな…」

P「夢にまで見たトライアドの音楽番組初収録だ、何でも好きな飲み物を買っておいてやろう」

凛「ノド渇いてないけど…一応お茶お願い」

加蓮「ヨーグルト系の飲み物で!」

奈緒「うーん、スポーツドリンクかな」

P「なんだ、割と普通なオーダーだな。もっと高い飲み物でもいいんだぞ?っても飲み物に高いもなにもあんまりないけどさ」

凛「気前がいいね」

P「持ってるものが今日は多いからな」

奈緒「ちょっといいものは収録の後でだな」

加蓮「をー!いいこと言うね奈緒ー」

P「ああ、そのために今日は懐が温かいんだからな」

加蓮「なーんだ、じゃあ今は節約して、収録後にぱーっとやろうね♪」

P「たのしい打ち上げになるように、しっかり目の前の事に集中すること」

凛・奈緒・加蓮「はーい」

P「知り合いにいい店聞いてきたから、たのしみにしとけよ」

凛「ライブ後みたいにヘロヘロでも大丈夫かな?」

P「なに、心配いらん。我が家のような場所だからな」

加蓮「いい所みたいだね」

P「本当にいい所さ。さて、そろそろスタジオ入りだが、準備は大丈夫か?」

凛「当然」

P「のってるな。でも凛はあまり心配してない。加蓮と奈緒はどうだ?」

加蓮「あのおまじないしてほしいなーって感じかな…」

奈緒「た、試にあたしもお願いしようかなーって…ってどんなおまじないか知らないけど」

P「しょうがないな。効かないかもしれないけど、俺のせいにするなよ?」

凛「見るのは初めてかも」

P「せつめいは不要」

P「ルールは一つ。目を瞑ること」

凛「かんたんだね」

P「ラクな姿勢で、肩の力を抜いて」

奈緒「お…おい、こんな感じでいいのか?」

P「んー、まだ力が入ってるな。いつものレッスンスタジオ、事務所、リラックスできるところを思い浮かべるんだ」

加蓮「奈緒、さっきのことを思い出して♪」

P「のんびり、事務所にいる感じで」

奈緒「こ、こんな感じかな」

P「このまま頭をすこーしさげて、ゆっくり息を吸って」スゥー

P「ロウソクの火を消さないように息を吐き出す感じで…」フゥー

P「だいじょうぶ、いつだって二人の側には沢山の仲間がいて、支えてくれる人たちがいる」

P「ものおじすることは無いぞ」

P「ノッてきたら走ればいい。二人はそれだけしっかりとレッスンもトレーニングも積んできた」

P「こうしてこの場に立てるのは、二人がしっかり努力してきた結果だ」

P「のびのびやってこい。失敗したっていい」

P「ま、それもいい経験だ」

P「真面目に真剣にやれば、その熱意はきっと誰かの心を動かす」

P「抱きしめて、よくやったというのはもっともっと先の事だから今はこうやって」

P「きつめに頭をなでてパワーを注入してやろう」

P「しっかり楽しんで来い。それが出来れば十分だ。いいな?」

P「目、開けていいぞ」

凛「テンションあがってきた?」

奈緒「口…口の中がカラカラ…」カァァ

加蓮「にやー。奈緒ちゃんにはちょーっと刺激が強すぎたかなー」フフッ

P「はは、どうだ、おまじないの効果はありそうか?」

奈緒「し、知らない!!」プン

凛「奈緒には効果抜群だったみたい…」

凛「いや、加蓮にも効果抜群みたいだね。いい顔になったよ」

P「けっこうけっこう!さあ、それじゃあスタジオに行くぞ!!」

奈緒「ど、どうしよう…顔赤くなってない?」

加蓮「先生、奈緒ちゃんの顔がまっかっかでーす」フフッ

凛「にやにや」

P「気分が乗ってきた証拠だな!」

加蓮「狡いほど効果があるよね♪」

凛「いいでしょ、プロデューサーのおまじない」

奈緒「てめーら…こうなるのわかって黙ってたな」

凛「ほら、早くしないと怒られちゃうよ?」フフン

加蓮「しっかりしてよね、まっかっかの奈緒ちゃん♪」

奈緒「いまに見てろ…絶対お前らより今日のしゅうりょくかちゅやくしてやりゅからなーーー!!!!」ダッシュ!!!

P「ノリノリだなー。これは今日の収録楽しみだな!」

収録後 事務所で無茶苦茶 奈緒の誕生日を祝った。


おわりん。

奈緒ハピバーァァァァァァァァァ!!!!

アァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

2nd SIDE 好評発売中!!


おやすみなさい。

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