花山理香「男に触られるとイってしまう体質にしてやる!」ボン 両津勘吉「ぎゃあ!」 (53)

理香「天罰じゃ!一週間そのままでおれ!」

両津「ふざけるなクソじじい!わしの体をもとに戻せ!」

理香「ほれっ」チョンッ

両津「☆~~~~っっ!!」ゾワゾワァ

理香「さてわしは天国へ戻るかの」

両津「うぐぐ……お、おいこら待て!」

理香「せいぜい反省するんじゃな、さらばじゃ」スッ

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両津「はあ……ちくしょう!」

両津「とんでもないことになっちまったぞ!」

両津「これから一週間も男に触られないようにせねば……」

ガラリ!

中川「ただいま戻りました先輩!」

戸塚「うひょ~~!クーラーが効いてて涼しいねえ!」

両津「おう、帰ったか……」

戸塚「ふう!炎天下のパトロールは地獄だったぜ!」

中川「はい先輩!頼まれてたタバコとお釣り!」チャリン

両津「わるいな中川……うおっ!」

両津「あぶないあぶない……うっかり手を触れるところだった……」

両津「机の上に……このあたりに置いといてくれ!」

中川「えっ、なぜです?」

両津「いいからいいから!」

中川「はあ……ではここに置いておきますね」

戸塚「いっぺん手で受け取ろうとしてたくせに、何がしたいんだおまえは?」

両津「ははは……ちょっとわけありでね……」

戸塚「いったいどんなわけだよ両津?」

両津「いやあ……聞かないほうがいいと思うなあ……」

中川「気になるじゃないですか!教えてくださいよ先輩!」

戸塚「そうだぞ両津!オレらに隠し事しようってのか?」

両津「……いいか、誰にも言うなよ……」

中川「ええっ!?男に触れられると感じてしまうんですか!?」

両津「バカ!声がでかい!通行人に勘違いされるだろうが!」

戸塚「おまえ……いつからそういう趣味になったんだ?」

両津「ちがうっ!魔法使いのじじいのせいだっ!」

中川「ああ、あの天国の……」

中川「今度はいったい何をやったんです先輩?」

両津「弱みにつけこんで金を貸してもらおうとしたんだが失敗した……」

両津「とほほ……給料日までの20日をあと55円で生活せねばならん……!」

中川「あり金をぜんぶギャンブルにつぎ込んじゃうからですよ」

戸塚「自業自得だな」

両津「と、とにかくだな!」

両津「これから一週間わしに触るんじゃないぞ!」

戸塚「今の話を聞いておまえを触ろうなんて思うわけねえだろ」

戸塚「両津のイキ顔なんて考えただけでもおぞましいぜ」

中川「ええ、もはや怖いもの見たさすら生じない程ですよ」

両津「ぐぎぎ……きさまら……」

両津「そこまで言うならわしのほうから触って見せてやろうか……?」

戸塚「わっ!よせ両津!オレが悪かった!触るんじゃない!触ったら撃ち殺すぞ!」スチャッ

両津「ぎゃあ!分かったから拳銃をしまえ!」

戸塚「分かったな両津!絶対にオレらに触るなよ!」

中川「いいか犬、おまえもオスなんだから気を付けろよ!」

犬「ワン!」

両津「くく……なんたる屈辱……ここまで拒絶されるとは……」

ガラリ!

大原「ただいま帰ったぞ」

両津「ありゃ?もう署の班長会議は済んだんですか?」

大原「なあに、大した件じゃなかったからな」

大原「それよりもわしの留守中ちゃんと勤務してただろうな両津?」

両津「そ、そりゃあもう!当然ですよ!」

大原「中川、こいつは本当にまじめに勤務しとったのか?」

中川「さあ……僕と戸塚先輩はさっきパトロールから帰ってきたばかりで……」

中川「それよりもさっき天国の……うぷっ!」

両津「余計なことしゃべるなよ中川」ボソッ

大原「おい両津、この机のタバコ一本もらうぞ……」

両津「あっ!ダメですよ!そのセブンスターは(懐事情により)高かったんですから!」

大原「一本くらい別にいいだろう」

両津「そもそも部長はマイルドセブン派でしょう!返してくださいよ部長!」ヒュッ

大原「わしは今タバコを切らしてるんだ!今度ちゃんと返すから!」ヒョイ

両津「うわっとっと!うわわわ!」グラッ

ドサッ!

大原「いたた……重い!早くわしの体からおりんか両津!」

両津「ぎゃんびらだっちょ~~~~★っっ!!!!」ビクンビクン

大原「ぬおっ!なにごとだ一体!?」

両津「あへぇ……」アヘアヘ

中川「大丈夫ですか先輩っ……」チラッ

中川「げえっ!こりゃひどい!この世のものとは思えないな……」

戸塚「よせ!そんなもの見るな中川!目が腐ってもしらんぞ!」

大原「おっ、おいっ両津!どうしたんだっ!?しっかりしろ!」

大原「おいおまえたち!両津を奥の部屋へ運ぶんだっ!」

~~奥の部屋~~

大原「なに?魔法のせいで男に触られると悶絶ビクンビクンしてしまうだと?」

中川「ええ……そうらしいです」

大原「ちょっとまて中川……話がさっぱり分からん……」

中川「じつは……」

大原「なんと!天国のじいさんの弱みを突いて金をゆすろうとしただと!?」

大原「こ、こいつめ……目を覚ましたらたっぷりお説教してやる……」

両津「う……う~む……」パチッ

両津「ありゃ?わしはいったい……?」

戸塚「なんとわざとらしいタイミングだろう……まるで漫画みたいだ……」

大原「おはよう……話はすべて聞いたよ両津君……」プルプル

両津「は は は……なんのことでしょう……」

大原「とぼけるな!!この大バカモノめ!!」

大原「金をギャンブルで使い果たしたあげく人から金をせびろうとは!!」

大原「きさまのようなやつは警察官として失格だ!!本日かぎりでクビにしてやろうか!?」

両津「そんなぁ!!それだけは勘弁してください部長!!」

両津「なんでもしますから!ギャンブルなんて二度と手を出しませんから!」

大原「本当だな!?」

両津「えっ……!?あ、いえ……今のは言葉のアヤでして……はは……」

大原「まったく……!何考えてるんだこのバカは……」

~~

両津「ちぇ!また始末書を書かされることになっちまった……」

両津「はい部長!書けましたよ!」

大原「どれ……おい、日付が違っとるぞ」

両津「ありゃ?」

大原「だから気持ちがたるんどると言っとるんだ!書き直せ!」

両津「はいはい!分かりましたよ!まったく!」

大原「むっ!おいこら両津なんだその態度は!」チョン

両津「あひんっ☆!」

中川「それにしても部長……よく先輩のアヘ顔を見て平気でいられるなあ……」

戸塚「長年付き合ってるから両津に対する免疫ができてんじゃねえのか?」

大原「いいな両津!まじめに働かなかったら触るぞ!」

両津「くそ……!あのタバコ一本のせいでこんなことになるとは……」

両津「ふところが厳しいのにタバコなんか買うんじゃなかった!」

両津「いや……そもそも天国のジジイが金を出してくれてたらこんなことには……」

大原「おい!ぶつぶつ言ってないで仕事をせんか!」

両津「は、はいっ!ただいま……!」

戸塚「両津のやつ、きょうは厄日みたいだな」ボソボソ

中川「いやあ……でも内心では喜んでるんじゃないですかね?」

戸塚「かもしれんな……なにしろあいつは筋金入りの変態だからな」

両津「へ~~っくしょい!」

ガラリ!

道たずねおじさん「あ……あんのう……」

道たずねおじさん「ちっくらおたずねすっけど……」

両津「ん……?どっかで見たような顔だな」

道たずねおじさん「はあ……ずいぶん昔に何度か……」

道たずねおじさん「そりゃさておき……道さ聞きたいんだけんど……」

両津「本官はいま忙しいんだ!あとにしてくれ」

大原「このバカモノ!」

両津「ぐへっ★」ガン!

両津「あいててて……殺す気ですか!?体重計なんか投げつけて!」

大原「おまえならそんなもので死にはせん!心配は無用だ!」

大原「始末書の書き直しなんか後回しにしろ!」

大原「ちゃんと応対せんか!今度やったら本当に触るぞ!」

両津「くそう!やればいいんでしょやれば!」

両津「どこに行きたいんだ?言ってみろ!」

道たずねおじさん「え~~と……食い倒れ健康食品株式会社っつうとこなんすけんど」

両津「知らん!そんなの聞いたことないぞ!」

道たずねおじさん「だども地図にはちゃんと……」

中川「どれどれ……ああ!鍋島定食の近所ですよ先輩!」

両津「これで解決!じゃあな!」

大原「せっかくだから送ってやったらどうだ両津?手をつないで」

両津「じょっ、冗談じゃありませんよ!」

道たずねおじさん「そりゃありがてえ!おねげえしますだ」

大原「これで決まりだな……」ガチャ!

両津「げっ!?手錠するなんてひどいよ!部長のオニッ!」

両津「いやですったら!勘弁してくださいよ~~!」

道たずねおじさん「そんじゃ行くべ」ギュッ

両津「あへっ……☆」

両津「お、おいこらっ……!手を離しやがれっ……あひょおうっ……!」ニタニタァ

大原「わはは!車に気を付けていけよ両津!」

中川「戸塚先輩……市民は先輩のアヘ顔をなんて思うでしょうね……」

戸塚「派出所に通報が殺到するかもしれん……今のうちに受話器のコードを抜いとこう」

~~

戸塚「だいぶお疲れのようだな両津」

両津「並のお疲れなんてもんじゃない……体力を使い果たしたよ……」

大原「ご苦労だったね両津くん……おい中川、肩をもんでやれ」

両津「なぬ!?」

両津「いえそんな!けっこうです!」

大原「遠慮するな両津!なんならわしがもんでやるぞ!?」

両津「ほ、ほら!この通り!本官の体力はもう完全に回復しましたからっ!」

大原「だまれ両津!上司の好意はありがたく受けるものだ!」モミモミ

両津「ぎょわわ~~~~っっ☆!!!!」

戸塚「ううむ……ここぞとばかりに普段の仕返しをしてるようだ……」

ガラリ!

フータロー「へへへ……こんちは」

フータロー「ひょ~~!派出所のなかは涼しいですねえ!」

中川「おや!フータローじゃないか!」

中川「いったいどうしたんだ?」

フータロー「ちょっと食い物のほうをめぐんでいただけませんかね?」

フータロー「この暑さで捨てられたのもすぐ腐っちゃって……」チラッ

両津「はあっ……!やめてくらはい……ぶちょお……!」

大原「そうかあ!そんなにここがいいのかね!?もっともんでやるぞぉ両津!」モミモミ

フータロー「ところで両津のダンナはなにを……?」

中川「気にするなよフータロー!あれはセミの鳴き声だと思って!」

フータロー「はあ……???」

中川「おい犬!ちょっとドッグフードもらってもいいか?」

犬「ワン!」

中川「そういうなよ!あとで散歩に連れてってやるから!」ボロボロ

中川「ほら!これくらいでいいかフータロー!?」

フータロー「いやあ……あっしはできれば人間の食い物がいいなあ……」

中川「う~ん……夜勤のときに先輩が残らず食べちゃうからなあ」

戸塚「このドッグフードはオレたちもよく食ってるぞ!なかなかいける!」

フータロー「はあ……じゃあこれで……」

中川「またなフータロー!」

フータロー「へへへ……どうもありがとうございました中川のダンナ」

ピシャッ!

フータロー「ふう……ダンナがたも食い物に苦労してるんだなあ……」

両津「はひっ……はひっ……」

大原「どうだ?肩がかる~くなっただろう両津?」

両津「ぜえ……ぜえ……」ヘナヘナ

大原「ふう……待ってろ!ちょっとトイレに行ってくる」

大原「すぐに戻ってくるからな!おとなしく待ってろよ両津!」

両津「ちくしょう……なんの因果でこんな目に……」

中川「先輩!警らをかねてちょっと犬の散歩に行ってきます!」

両津「あっ!ちょ、ちょっと待て中川!わしが代わりに行ってやろう!」

中川「えっ?べつに大丈夫ですよ先輩」

両津「そんなこと言わずに頼む!わしに代わってくれ!」

中川「はあ……そこまでいうのなら……」

中川「なあ犬!おまえは先輩でいいかい?」

犬「ワン!」

中川「よかったですね先輩!気は乗らないけどいいって言ってますよ!」

両津「こ、こいつ……いそうろうのくせに生意気な……」

両津「とにかく行くぞ!ついてこい!」

犬「ワン!」

ガラリ!

両津「へへへ!これでやっと部長から解放されたぞ!」

両津「ひゃっほーい!気晴らしに公園で昼寝でもするか!」

戸塚「この炎天下の下でか?そのまま日射病で死んでもしらんぞ両津」

両津「うるさいっ!わしの勝手だ!」

第一部

                                         〈 ̄ヽ
                                   ,、____|  |____,、
                                  〈  _________ ヽ,
                                   | |             | |
                                   ヽ'  〈^ー―――^ 〉   |/
                                      ,、二二二二二_、
                                     〈__  _  __〉

                                        |  |  |  |
                                       / /  |  |    |\
                                   ___/ /  |  |___| ヽ
                                   \__/   ヽ_____)


続きは10日~15日後の投下を目標に書いております。

~~公園~~

両津「ぐごごごご……」

犬「ワンワン!」

両津「ん……なんだあ?ひとがせっかく気持ちよく寝ているというのに……」

犬「ワン!」

両津「なに?ハラがへってきたからメシが食いたいだと?」

両津「そんなこと言ったってわしは金などもっとらんぞ!我慢しろ!」

犬「ワン!」

両津「じゃあ水でもいいから飲みたいだと……?」

両津「ううむ……そういえばわしもノドが渇いてきたな……」

両津「このあたりに水飲み場はなかったっけ……よし!ついて来い!」

犬「ワン!」

両津「ううむ……気づけば4時間も寝ていたとは……」

両津「あのままだったら戸塚のいうとおり日射病になってたな……」

犬「ワン!」

両津「ん?どうした……?」

犬「(身振り手振り)」

両津「なになに……」

両津「あそこにいるのはチャーリー小林じゃないか、だと……?」

~~

チャーリー小林「うっうっ……」

マネージャー「泣くなチャーリー!あきらめるんじゃない!」

チャーリー小林「朝からずっと路上サイン会やってて誰一人こないなんて……」

チャーリー小林「浮き沈みのはげしい芸能界だから……もうぼくのことなんてだれも覚えていないんだ……!」

マネージャー「そんなことはない!気をしっかりもつんだ!」

両津「おい、チャーリー……」

チャーリー小林「わああああん!!」

マネージャー「おっ、おちつけチャーリー!通行人がへんな目で見てるぞっ!」

チャーリー小林「ん……?」チラッ

チャーリー小林「あっ!?あんたはいつかの警官!?」
 

両津「こんなところでなにしてんだ、おまえ……」

チャーリー小林「見りゃわかるでしょう……サイン会ですよ……!」

チャーリー小林「半日もいるのに一枚もサインを求められてないけどね……ははは……」

チャーリー小林「朝に通った女学生なんか、こっちを指さして笑っていきましたよ……!」

両津「あわれなやつだ……」

チャーリー小林「このまま一枚もサインを求められなかったら……んっ?」

チャーリー小林「そうだっ!ぼくのサインもらってください!」

両津「いらん!そんなのもらってもゴミになるだけだ!」

チャーリー小林「ご、ゴミ……」
 

チャーリー小林「あんまりだ……うっうっ」

両津「おまえなんかにゃ構ってられん!本官は忙しいんだ!」

チャーリー小林「やっぱりぼくは芸能界の落ちこぼれなんだ……」

チャーリー小林「このまま事務所を追い出されてのたれ死ぬ運命なんだ……」

両津「……」

両津「ああもう!分かったよ!もらってやるよ!」

チャーリー小林「わおっ!うれしいなあ!」

チャーリー小林「ううっ……このサインペンを走らせる感覚……懐かしいなあ……」カキカキ

チャーリー小林「これで渡す相手が熱烈なファンの女の子だったらもっと……」

両津「おい!ぶつぶつ言ってないで早くしろ!」

チャーリー小林「はっ、はい!」
 

両津「まったく、余計な荷物を増やしやがって……」

チャーリー小林「あっ!ちょっと待って!」

両津「ん?まだなにか用か?」

チャーリー小林「どうせなら握手も……ねっ?」

両津「な……に……?」ピクッ

両津「……いいことを思いついたよチャーリーくん」

両津「あの世でなら大スターになれるかもしれんぞぉ」ジャキッ

両津「どうだ?ズドンと鉛玉をくらっていっそ楽になってみるか?」

チャーリー小林「い……いやあ……それは……」

両津「わしはパトロールの途中なんだ……!二度と引き止めるなよ……」
 

~~

両津「やれやれ、とんだ時間のムダになっちまったよ!」

両津「急いで派出所に戻らねば部長にしかられ……ん?」

ヴォォォォッ

本田「おいこら!オレから逃げようったってそうはいかねえぜ!」

ガシャーン!

男性「ぎょえええっっ!!」

本田「おう!免許証を出せってんだよこの野郎!」グイッ

男性「ひゃあーーっ!助けてくれお巡りさーんーー!」

本田「お巡りはオレだ!バカヤロウ!」

両津「よう本田!パトロール中か?」

本田「おっ!両津のダンナじゃねえか!」
 

本田「これでよし……と!帰っていいぜ」

男性「帰っていいったって……どうやって帰れってんだよ!?」

男性「オレの愛車をこんなにしやがって!あんまりだ!」

本田「オレのやり方になにか文句があるってえのか……?」ギロッ

男性「い、いえ……べつに……は は は……」

本田「待たせたな両津のダンナ!」

両津「なあ本田!わしを派出所まで連れてってくれ!」

本田「別にいいけどよ……その犬はどうすんだ?」

本田「3人乗りはちょっとキツいぜ」

犬「ワン」

両津「そうか……こいつがいたんだ……」
 

両津「いいか!?ご主人さまの命令だ!」

両津「おまえは自分で歩いて戻ってこい!」

犬「ワン!」

両津「なに?暑いからこれ以上歩かずに帰りたいだと?」

両津「犬のくせに甘ったれたことをぬかしやがって……」

両津「しかたない……無線で冬本を呼べ!本田!」

本田「なに?冬本をか?」

両津「そうだ!できる限り早く来させろ!」

本田「よし……ちょっと待ってろよ……」
 

~~

ヴォォォォッ

本田「おっ!来たようだぜ!」

冬本「おい本田!ダイナマイトを積んだ暴走トラックってのはどこだ?」

本田「悪いな冬本!ありゃウソだ!」

冬本「なんだって!?ウソ!?」

冬本「……あれ?両津先輩じゃないですか!」

両津「じつはな冬本……」

冬本「ええっ!?犬をうしろに乗せて派出所へ連れていくんですか!?」

両津「頼むよ冬本!こいつを乗せてってやってくれ!」

両津「ほら!おまえからも頼むんだ!」グイッ

犬「キャン!(頭を下げさせられる)」

冬本「まいったなあ……」
 

ヴォォォォッ

両津「おっ、おい!もっとゆっくり走れよ本田!」

本田「いつもみたいにオレにつかまりゃいいだろうが」

両津「それがムリなんだよ!いいからもっと遅くしろ!」

本田「こうか……?」

本田「こんなスピードじゃかえって危ねえぜ」

両津「つべこべ文句を言わずにこのまま行けっていったら行け!」

本田「しょうがねえなあ……」

本田「しかし……運転しづらくてたまったもんじゃねえぜ……」
 

冬本「どうした本田?バイクの調子でも悪いのか?」

冬本「もっとスピードを出せよ!先に行くぞ!」

本田「しかし両津のダンナがなぁ……」

両津「こら冬本!余計なことを言うんじゃない!」

両津「あまりスピードを出されるとわしが困るんだ!」

冬本「はあ……」

本田「ん?前をみろ冬本!」

本田「信号無視しやがったぞあの車!」

冬本「なにっ!?」
 

~~

御所河原「むふふ……また一句できた」

御所河原「赤信号 守るヤクザが どこにいる ごめんよ母ちゃん もう二度と守らないよう えーんえーん」

政「すっ、すばらしい!さすが組長!」

御所河原「わはは、カンラカラカラ」

御所河原「……ところで政、事務所へはまだ着かんのか?」

御所河原「早くせんとDr.スランプのアニメが始まってしまうぞ」

政「へっ、へい!もっと急がねえかバカ!」

運転手「ひいっ!すっ、すいません!」

~~

冬本「いくぞ本田!」

本田「おう!」

両津「まてこら!わしが乗っていることを忘れるな本田……ひゃああーーっ!」

本田「ふふふ……オレから逃れようだなんて百年はやいぜ……」ヴィィィィン

両津「クソっ……このまま落ちるよりはマシだ……」ガシッ

両津「んくぅっ……★」ゾワゾワァ

両津「えへっ、えへへっ……」アハアハ

ズルッ

両津「ぎゃあああーーーーっっ!!!!」ガリガリガリ

後続車「キキーーッ!!」

~~
 

~~

両津「ん……ここは……?」パチッ

麗子「あら!気が付いたのね両ちゃん!」

両津「ここは……どこだぁ?」

麗子「病院よ……」

麗子「本田さんのバイクから落ちて後続車にはねられたのよ両ちゃん」

両津「本田のやつめ!ぶっとばしてやる……」スクッ

両津「ぐわっ!いたたたた!」

麗子「あっ!ダメよ両ちゃん!」

麗子「しばらく入院して安静にしてなきゃいけないってお医者さんが言ってたわよ!」

両津「ちくしょう!なんの因果でこんな目に……」
 

麗子「さてと!」

麗子「それじゃ両ちゃん、私はもう行くわね……」

両津「今度わしの机からマンガもってきてくれ麗子!」

両津「ここじゃ退屈でかなわんからな……ん?」チラッ

両津「なんでチャーリーのサインが飾ってあるんだ……?」

麗子「だって両ちゃんが大事そうに持ってたんじゃないの!」

両津「いらん!捨てちまえそんなもの!」

麗子「じゃあね両ちゃん!また来るわね!」

両津「おっ、おい麗子!」

バタン!
 

両津「ちぇっ!行っちまいやがった!」

両津「こんなもの飾っといたら運気が下がっちまうよ……ぶつぶつ」

コンコン

両津「ん……今度はだれだ?」

洋子「わたしよ両さん!」ガチャ

両津「おっ!洋子ちゃんか!」

両津「ちょうどよかった!そこのチャーリー小林のサインをあげるよ!」

洋子「えっ!?」

両津「どうだい?高校の友達に自慢できるぞ!」

洋子「う、うん……ありがとう……」
 

両津「ところで高校はどうだい?」

洋子「3年生だから受験勉強でもう大変よ!」

要津「今日も夏期講習の帰りなの!」

両津「そうか……がんばってな!」

洋子「うん……あっ!もうこんな時間だわ!」

洋子「おばあちゃんが心配するといけないからもう帰るわね!」

両津「そうか……気をつけて帰れよ!」

両津「分からないことがあったら遠慮せず派出所に来るんだぞ!」

両津「わしから中川たちに言っておくからな!」

洋子「はーい!」

バタン!
 

両津「ありゃ?」

両津「洋子ちゃん、結局チャーリーのサインを持っていかなかったのか……」

両津「まあ、こんなものをあげて運気が下がって受験に落ちてもいかんしなあ」

両津「あとで自分で捨てておくか……」

両津「……それにしてもわしって案外もてるのかもしれんなあ!」

両津「まさか女がふたりも訪ねてきてくれるなんて思わなかった……」

ボン!

両津「うわあっ!?」

小梅「両さんっ!さがしたわ!」

両津「あっ!じいさんの孫の小梅ちゃんか!?」

両津「う~む……二度あることは三度あるって本当だな……!」
 

小梅「車にひかれたんですってね!だいじょうぶ両さん!?」

両津「ああ……まあな」

小梅「あ~よかった!」

小梅「おじいちゃまのかけた魔法のせいでこんなことになってごめんね!」

小梅「今からあたしが元に戻してあげるわっ!」

両津「おおっ!そりゃありがたい!」

ボン!

両津「げほっげほっ……」

両津「小梅ちゃん!これで元に戻ったのかっ!?」

小梅「ごほごほっ……あたしはまだ何もしてないけど……」

理香「わしじゃよ」

両津「げげっ!?天国のじじい!?」
 

理香「こら小梅!余計なことをしちゃいかん!」

小梅「だってこのままじゃ両さんがかわいそうよ!」

両津「そうだそうだ!」

理香「うるさいっ!おまえさんは黙っとれ!」

理香「元はといえば原因は全てこの男なんじゃぞ!」

小梅「でもこんなに大きなケガをしたのよ両さん!もう充分だと思うわ!」

理香「問答無用じゃ!天国に帰るぞ小梅!」

小梅「ま、待っておじいちゃま!せめてケガを治してあげるくらい……きゃあっ!」

理香「きっちり一週間たったら戻してやる!さらばじゃ!」

両津「そんなぁ!待ってくれ!」

ボン!
 

両津「ちくしょうあのジジイめ!あと一歩のところだったのに!」

大原「残念だったな両津!」ガチャ!

両津「げっ!?ぶっ、部長!?」

両津「ノックもせずに入ってこないでくださいよ!?」

大原「だまれバカモノ!来てやっただけありがたいと思え!」

中川「みんなで見舞いにきましたよ先輩!」

ダメ太郎「大丈夫ですか神様!?」

大原「さあ!みんなで順番に両津を触ってやるんだ!」

両津「なっ、なんですって!?」

大原「まずわしから」ハグ

両津「んほおおお~~~~★っ!」ビクンビクン
 

大原「派出所を抜け出した罰だ!おまえらも触ってやれ!」

寺井「うらまないでね両さん!」

戸塚「気をつけろよ寺井!アヘ顔の両津と目をあわせたら夢でうなされるぞ!」

寺井「いくよ両さん!」ムギュッ

両津「ぎゃああ~~~~っ!!離せ寺井~~~~っ!!」

大原「わはは!次はだれだ!?」

星「くそ!こんな時にしか出番がないとは……!」

星「相手が女性ファンじゃなくて両津だというのが残念だ……」サワサワ

両津「ぎょええええええ☆!!!!」

中川「よくあんないやらしい手つきで先輩の尻をさわれるなあ……」

戸塚「まったくだ、ここの連中は変態ばっかりか……?」
 

両津「んふぅ……からだにチカラが入らん……」ガクガク

大原「まだまだいるぞ!覚悟しろよ両津!」

チャーリー小林「ふたたび人に握手できるなんて夢のようだ……!うっうっ……!」ガシッ

両津「ま、またおまえか……くぅっ……!」

チャーリー小林「ううっ……この人肌の温かい感触……なつかしいなあ……」ギューッ

両津「い、いいかげんに手を離せっ……ん!?」チラッ

花太郎「ンモーッ!」

両津「げえっ!おまえは山奥村の花太郎!?」

両津「も、もうからだが持ちましぇん部長!勘弁してくらはい!」

部長「ダメだ!まだまだ股崎や野口たちが残っとる!」

両津「そんなぁ!きりがありませんよ部長!」

両津「てっ、天国で見てるんだろじいさん!頼むから助けてくれ~~~~!!」

~~おしまい~~
 

あとがき

最後まで見てくださった方、深く感謝いたします。

このSSのテーマは「健全なホモ」です。
当初はもっと掘ったり掘られたりの展開が続いていく予定でしたが、
なんだかんだで比較的健全なところに収まりました。

また、時系列には滅茶苦茶なSSですが、なにとぞ目をお瞑りいただきとうございます。
花山理香やダメ太郎が出てくるずっと前に、両津や大原は禁煙しています。
さらにいうと、その時期になると洋子ちゃんや冬本は消えています。
でも、できるだけ初期のキャラを多く出したかったので、こうなりました。

ありがとう!!
さようなら!!

本当の本当にTHE-END
―おしまい―
 

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月02日 (木) 20:19:43   ID: tY2QMX0H

これ今の読者に分かるのかよ……

2 :  SS好きの774さん   2014年10月04日 (土) 13:35:26   ID: lVDFUHO1

懐かしすぎクソワロタ

3 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 21:50:47   ID: _FGvSoxI

健全なホモってなんだろう

4 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 02:49:17   ID: 4mptH4gD

犬とか懐かしい

5 :  SS好きの774さん   2014年10月23日 (木) 23:13:17   ID: mJSMahEO

おい秋本優ちゃんと本口リカがいないぞ

6 :  SS好きの774さん   2014年11月16日 (日) 11:28:47   ID: XEMH8AGx

懐かしの男キャラはだいたい揃ってる
懐かしの女キャラがちょっと少ない

7 :  SS好きの774さん   2014年12月05日 (金) 08:46:56   ID: BLQmBBws

飛飛丸がいない…
炎の介がいない…
ポール中川もいない…

8 :  SS好きの774さん   2014年12月21日 (日) 17:10:18   ID: NpxU37eQ

ハーレムのタグでワロタ

9 :  SS好きの774さん   2015年06月17日 (水) 10:10:55   ID: YjwqN2T1

わろた

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