愛梨「......」

Ｐ「......」ｶﾀｶﾀ

愛梨「ふわぁ～あ...」

Ｐ「んっ？」

愛梨「あっ、ゴメンなさい！お仕事してる横であくびなんかして...」

Ｐ「別にいいよ、気にするな」

愛梨「すみません...」

Ｐ「ゆうべ夜更かしでもしてたのか？」

愛梨「...もっと早く寝ようと思ったんですけど」

Ｐ「そんなに遅くまでなにしてたんだ？」

愛梨「えっとですねぇ、色々やってたんです！」

Ｐ「ほう、色々...」

愛梨「まず大学の課題と...あとそれから次のライブのダンスの動きの確認...」

Ｐ「ふむふむ」

愛梨「あっ、それとＰさんのことを考えてました♪」

Ｐ「...最後のは別にいらないんじゃないのか？」

愛梨「うーん、でもいつものことだし...」

Ｐ「いつも？」

愛梨「はい！明日はＰさんに会ったらなんて挨拶しようかなとか...」

愛梨「どんなケーキを作ったら喜んでくれるかなとか...色々考えてたんですよ♪」

Ｐ「愛梨...」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

愛梨「Ｐさん...」

Ｐ「でも...」

愛梨「えっ？」

Ｐ「それで睡眠不足になってたら世話ないだろうが、こいつめ」ﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬ...

愛梨「きゃー！ゴメンなさいー！」

十時愛梨(18)
http://imgur.com/WWo0fD4.jpg
http://imgur.com/4Jj6U4K.jpg

Ｐ「夜はしっかり寝なきゃダメだろ、ただでさえ愛梨は忙しくて疲れてるんだからな」

愛梨「うぅぅ...ひどいですよぉ、髪の毛変になっちゃった...」

Ｐ「課題は終わったのか？」

愛梨「えっと、なんとか目処が付きそうです、なんとか」

Ｐ「まったく...今度からはそういうので困ったら俺に言えよ？」

愛梨「えっ、もしかして手伝ってくれるんですか！？」

Ｐ「『がんばれ』って横で応援してやるよ」

愛梨「Ｐさんのイジワル...」

Ｐ「まあ、相談くらいなら乗ってやるさ、アドバイスとかもしてやれるかもしれないし」

愛梨「はい、じゃあ今度からそうしますね！」

Ｐ「ダンスの方はどうだ？」

愛梨「それもなんとかなりそうです、部屋で復習を兼ねて踊ったりしてるんですよ」

Ｐ「部屋でか？なんだか危ないような気がするな、踊りに夢中になって物を倒したりしてるんじゃ...」

愛梨「だ、大丈夫です！そんなこと...」

Ｐ「本当か？」

愛梨「と、時々...ベッドの角に足の指をぶつけたりしちゃいますけど...」

Ｐ「やっぱりな」

愛梨「で、でももう大丈夫です！なんだったら見てください！」ｶﾞﾀｯ

Ｐ「おいおい愛梨...」

愛梨「ほらほら！どうですか？ちゃんとステップ踏めてますよね♪」

Ｐ「わかったわかった、踏めてるからそれくらいで...」

愛梨「これなら部屋の中で踊っても平気...」


ｶﾞｯ!


愛梨「きゃっ...！」

Ｐ「おっと！」ﾀﾞｷｯ

愛梨「す、すみませ...」

Ｐ「大丈夫か？睡眠不足なのに無理するからだ、まったく」

愛梨「...ゴメンなさい」

Ｐ「少し仮眠を取った方がいいぞ、ソファーに横になったらどうだ？」

愛梨「じゃあお言葉に甘えて...」ﾌﾗﾌﾗ...

Ｐ「愛梨、本当に大丈夫か？」

愛梨「は、はい...そんなに心配しなくても...」

Ｐ「......」ｼﾞｰｯ

愛梨「Ｐさん？」

Ｐ「...いや、やっぱダメだ」

愛梨「えっ...きゃっ！」


ﾋｮｲｯ


Ｐ「運んでやるよ、じっとしてろ」

愛梨「あの...重くないですか？」

Ｐ「大丈夫だよ、愛梨は見た目と違って案外軽いからな」

愛梨「えぇっ！？私、重そうに見えるんですか？」

Ｐ「いやそうじゃなくて、確かにボリュームがあるとは思うけど...」

愛梨「ボリューム？うーん...なんだかよくわかりませんけど...」

愛梨「でもまあ...いいや♪」ｷﾞｭｯ

Ｐ「嬉しそうだな？」

愛梨「えへへ、だってＰさんにお姫様抱っこされてますから♪」

Ｐ「よいしょっと、ほら到着だ」

愛梨「ん～♡」ｷﾞｭｳｳｳｳｳｳ

Ｐ「こーら、もう手を放せ」

愛梨「むぅぅ...もうちょっとくらい...」

Ｐ「ダメだ、放しなさい」

愛梨「はーい...」

Ｐ「しばらく休んでていいぞ、後で起こすからな」

愛梨「......」ｼﾞｰｯ

Ｐ「なんだよ？」

愛梨「一緒に寝てくれないんですか？」

Ｐ「ひとりで寝なさい」

愛梨「Ｐさんのケチ...」

Ｐ「仕方ないなぁ、じゃあ...」

愛梨「寝てくれるんですか？」

Ｐ「寝ないよ、でもその代わりと言っちゃなんだけど...」

Ｐ「髪の毛を梳かしてやるよ、さっき俺がいじっちゃったからな」

ｽｯ　ｽｯ...



Ｐ「痛くないか？」

愛梨「大丈夫です、気持ちいいですよ♪」

Ｐ「愛梨は髪を下ろすと印象が変わるな」

愛梨「そうですか？」

Ｐ「ああ、なんか大人っぽく見えるよ」

愛梨「そっかぁ...やっぱり子供っぽいかな、今の髪形...」

Ｐ「そんなことはないだろ、俺は愛梨らしくていいと思うぞ」

愛梨「私らしくって？」

Ｐ「いつも明るくて元気いっぱいな愛梨にはよく似合ってるよ」

愛梨「えへへ、ありがとうございますっ！」

Ｐ「よしできた、終わったぞ愛梨」

愛梨「うーん...」

Ｐ「どうした？」

愛梨「ちょっと考え事です」

Ｐ「考え事？いったい何をだ？」

愛梨「えっと...Ｐさんは元気な私って好きですか？」

Ｐ「もちろんだよ、愛梨の元気な姿を見てると、俺も愛梨に負けないようにがんばらないとって気になるからな」

愛梨「本当ですか？そんな風に思ってもらえて嬉しいですっ♪じゃあ...」

Ｐ「じゃあ？」

愛梨「あの...大人っぽい私ってどう思います？」

Ｐ「大人っぽい愛梨？うーん...大人っぽい愛梨か...」

愛梨「いやですか？」

Ｐ「いやっていうか...想像がつかないっていうか...」

愛梨「どうして？」

Ｐ「だってなぁ、愛梨は普段が普段だし...」

愛梨「あっ、ひどいですよぉ！そんなこと言うなんてっ！」

Ｐ「ゴメンゴメン、でもどうしてそんなこと聞くんだ？」

愛梨「だって、Ｐさんがさっき髪を下ろすと印象が変わるって言ってたじゃないですか」

Ｐ「うん、言ったな」

愛梨「私、気をつけてるつもりですけどまだまだ抜けてるし、今日だってＰさんに心配してもらっちゃったし...」

愛梨「だから、せめて髪型だけでも大人っぽくすればもうちょっとしっかりできるかなって思って...」

Ｐ「なるほど、髪型を...」

愛梨「Ｐさんも私がもっと大人っぽくてしっかりしてる方がいいですよね？」

Ｐ「まあ、しっかりしてるに越したことはないとは思うけどな」

愛梨「やっぱりそうですよね...」

Ｐ「じゃあ、俺からも一つ質問していいか？」

愛梨「質問？いったいなんですか？」

Ｐ「愛梨は今の髪型をどう思ってる？」

愛梨「今の髪型？」

Ｐ「嫌いか？」

愛梨「うーん、別に嫌いじゃないですよ？むしろ好きな方ですけど...」

Ｐ「俺も同じだよ、愛梨のその髪型は可愛くてすごく大好きだ」

愛梨「えへへっ、そっかぁ、Ｐさんも大好きなんですかぁ♪」

Ｐ「ああ、俺も気に入ってるし愛梨も気に入ってるなら無理に変える必要はないと思うぞ？」

愛梨「でも...」

Ｐ「それに、これだけは言っておきたいんだけど...」

愛梨「なんですか？」

Ｐ「愛梨はな、だいぶしっかりしてきてると思うよ」

愛梨「えっ、本当ですか！？」

Ｐ「まあ、ライブの後にスタッフさんとかの前で衣装を脱ごうとしたり、部屋で踊って足の指をぶつけたりはしてるけど...」

愛梨「うぅぅ...き、気を付けてはいるんですよ？」

Ｐ「でもさ、最初の頃はよく出番を忘れたり、目を離すとどこかに行っちゃったりしてただろ？」

愛梨「そういえばそうでしたよね、私ったら本当に危なっかしくて...」

Ｐ「だけど、最近は俺が現場に行けない時でもちゃんと一人で仕事がこなせるようになったし」

Ｐ「どうすればステージでファンの人たちにアピールできるかわかってきたみたいだしな」

Ｐ「自分ではわからないみたいだけど、ちゃんと成長してるし大人になってきてるんだよ」

愛梨「Ｐさん...」

Ｐ「髪型を変えたいんだったら反対はしないけどさ、なにも急いで変える事はないと思うぞ」

愛梨「えへへっ、そうですね！」

Ｐ「さっ、話はこれくらいにして少し寝た方がいい」

愛梨「はい、なんだか安心したせいかすごく眠くなっちゃいました...」

Ｐ「ああ、ゆっくり寝ろよ、なにも心配するな」

愛梨「はーい...あっ、Ｐさん」

Ｐ「なんだ？」

愛梨「えっとですね、寝るまででいいんですけど...」




愛梨「手を握っててもらえませんか？」

Ｐ「手？」

愛梨「そうです、ダメですか？」

Ｐ「まったく、いつまでたっても甘えん坊だな...」

愛梨「えへへ、ゴメンなさい♪」


ｷﾞｭｯ


愛梨「Ｐさんの手...あったかいです」

愛梨「この手に触ってると...安心します...」

Ｐ「そうか？」

愛梨「そうですよー、よくできた時はＰさんの手で撫でてもらって...」

愛梨「道がわからない時はＰさんに手を引いてもらって...」

愛梨「いつも、こんなドジな私といっしょに歩いていってくれるんです♪」

Ｐ「愛梨...」

愛梨「Ｐさん、私もっともっとこの手に引っ張ってほしいです」

Ｐ「わかってるよ」

愛梨「ずっと、ずーっとですよ？」

Ｐ「まだまだ目が離せないからな、俺が手を引いてあげないと」

愛梨「そうですっ、Ｐさんといつまでも手を繋いで歩いていきたいですね♪」

Ｐ「ああ、俺も同じ気持ちだよ」

愛梨「放しちゃ...いやですよぉ？」ｳﾄｳﾄ...

Ｐ「絶対に放さないよ、安心しろ」

愛梨「Ｐさーん...」

愛梨「だいすき...」

Ｐ「俺もだ...」

愛梨「すぅ...すぅ...」

Ｐ「眠ったか...」

Ｐ「もう少しだけここにいてやるとするか...」



Ｐ「おやすみ、愛梨」



おわり

ちょっとだけつづき



Ｐ「......」ｶﾀｶﾀ...


ｿﾛﾘ　ｿﾛﾘ...


Ｐ「......」ｶﾀｶﾀ...

「えいっ！」ｷﾞｭｯ

Ｐ「うおっと！愛梨、起きたのか？」

愛梨「はいっ、とってもよく眠れましたよ♪」

Ｐ「もう少し寝ててもよかったんだぞ？」

愛梨「もう大丈夫です、ゆっくりできましたからね、もう元気ですっ！」

Ｐ「それならよかった」

愛梨「眠ってる時に夢を見てましたよ♪」

Ｐ「へぇ、どんな夢だ？」

愛梨「えっとですね、Ｐさんと私が...」

Ｐ「俺と愛梨が？」

愛梨「えへへっ♪これ以上は秘密ですっ！」

Ｐ「教えてくれないのか？」

愛梨「まだダメですっ、でも本当に幸せな夢だったなぁ...」

Ｐ「まあ、愛梨が幸せならそれでいいか、それよりもう帰るだろ？送ってやるよ」

愛梨「ありがとうございますっ♪」

Ｐ「今日は部屋で踊ったりするなよ？」

愛梨「もう、わかってますよぉ」

Ｐ「またどこかにつまづいてケガでもしたら大変だからな、あのぬいぐるみを抱いてゆっくり寝てろ」

愛梨「えへへ、Ｐさんがプレゼントしてくれたぬいぐるみですねっ♪」

Ｐ「その通り、それじゃ行こうか」

愛梨「あっ、ちょっと待ってください！」

Ｐ「なんだよ急に？」

愛梨「Ｐさん、そのまま動かないで...」

Ｐ「？」


ｶｼｬｯ


愛梨「えへへっ、Ｐさんの写真撮っちゃいました♪」

Ｐ「俺なんか撮ってもなんにもならないだろ」

愛梨「そんなことありませんよ、今夜は寝る前にＰさんの顔を見るんですから♪」

Ｐ「へぇ、話し掛けたりするのか？」

愛梨「そうです、『おやすみなさい』とか『明日も大好き』とか言ったり...」

Ｐ「ふーん...」

愛梨「あとは...えっと...」


ｶｼｬｯ


愛梨「えっ？」

Ｐ「じゃあ俺も撮っておこうかな、愛梨の写真」

愛梨「Ｐさん...」

Ｐ「俺も寝る前に話しかけたりしてみようか」

愛梨「えへへ、それなら今夜寝る前に電話してもいいですか？」

Ｐ「ちょっとだけな、あんまり長話して夜更かしするのはダメだぞ？」

愛梨「大丈夫ですよ、ちょっとだけですから！」

Ｐ「わかったわかった、それじゃ行こう」

愛梨「はいっ♪」


ちひろ「.......」ｶﾀｶﾀ

Ｐ「ちひろさん、ちょっと愛梨を寮まで送ってきます」

ちひろ「わかりました」ｶﾀｶﾀ

愛梨「冷蔵庫にカップケーキ入ってますから、食べてくださいね」

ちひろ「ありがとうございます」ｶﾀｶﾀ

愛梨「明日もＰさんにケーキ作ってきますからね♪」

Ｐ「あんまり無理しなくていいぞ、毎回作るのも大変だろ？」

愛梨「Ｐさんに食べてもらえるならちっとも大変なんかじゃないですよっ♪」

Ｐ「でもあんまり食べすぎるとカロリーがな...」

愛梨「じゃあ、明日は私と半分こしませんか？」

Ｐ「うーん、それなら大丈夫かな」

愛梨「決まりですね、それじゃ楽しみにしててくださいっ！」

Ｐ「ああ、楽しみにしてるよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

愛梨「えへへっ♪」

ちひろ「......」ｶﾀｶﾀ

Ｐ「じゃあちょっと行ってきます」

愛梨「ちひろさん、また明日！」

ちひろ「ええ、お疲れさまでした」


ﾊﾞﾀﾝ　ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛ...


ちひろ「......」ｶﾀｶﾀ

ちひろ「はぁ...」





ちひろ「事務所でイチャつくなぁーー！！！」





ほんとにおわり