はーい、今から携帯に残ってた厨二小説さらすよー!(15)





 対異物用広範囲自立起動結界展開装置。

-スターダスト・レイン-

 星屑ノ雨。




 使用者の半径5~1500メートルに存在する異物に対して無条件に、上空に展開された魔法陣からの高圧縮魔力弾を撃ち込む対異物用試作兵器。

 遙か上空から回避不能の速度で降り注ぐ光の弾丸。

 さながらそれは、星屑の雨。


 使用者の条件は一つ。


 あらゆる怪異において、一切の感受性の無いこと。


 現在の使用者。

 性別 女。

 年齢 十五。

 備考。

 星屑ノ雨運用の為に、生後三ヶ月の時より、その後の十五年間を異物排斥結界により隔離された施設、通称‘キンダー・ガルデン’で過ごす。

 世間から隔別された場所で過ごしてきた影響か、一般的な常識が欠落している。

 また、異物に対する一切の素養が無く、星屑ノ雨を除くとごく一般的な人間と比べても異物に対する能力は落ちる。



 組織の位は第七番。

 組織の見解としては、史上最強の第七番。
 だが現場での声は、史上最弱の第七番。


名前は――。


stardust-report
第四項 使用者に対する見解より抜粋。


--------------

「優雨です」

 曇り空の比良坂市。
 十二月も半ばをすぎた頃。

 ビル群によって作られた無機質なコンクリートの壁。
 その壁に血管の様に這う配管。

 好き好んで訪れる人間は居ないであろうこの場所。 そこに少女は現れた。

 路地の奥、行き止まりとなった小さな広場には、派手なロングコートを着た金髪の若者と、浮浪者が数人。

 状況は、正に浮浪者狩りの真っ最中。

 そんな中、現れた少女がいきなり自己紹介をしたのだから若者もホームレスも驚きの色を隠せない。
 しかし、直ぐに自らの獲物が一人増えただけだと認識したのか、若者は少女、優雨に詰め寄り語気を荒げる様に言った。


「お嬢ちゃんヨォ? 視てわかんねぇかなぁ。 取り込み中なんだよ、それともお兄さんと遊びたいのかなぁ?」

 優雨は若者の言葉の内、遊ぶという言葉にだけ反応して、「う~ん」と唸る。

 若者は、優雨が考えこんでいる間に、目の前まで来てその華奢な肩を掴んだ。

 若者は恫喝の意味も込めたのだろう。 かなりの力が込められている。

「あの……痛いですよ。肩を掴む時は、私はもう少し優しくして欲しいんですけど、ダメですか?」


 優雨は、若者は普通に掴んだだけだと思い、申し訳なさそうに言った。

「あ、悪い、悪い。 お嬢ちゃんが可愛くてつい力が入っちまったよ」

 若者は更に肩に力を込める。

「まさか遊ばないなんてツレない事言わないよなぁ?」

 眉間に皺を寄せる若者。

「ごめんなさい。 私はこの街に存在する異物の除去に来たんで遊んだりすると怒られちゃうんですよ」

「はぁ?」

「この前もつい遊んでたら‘グリ’さんに怒られたばっかりで。」

 言葉の意味を理解できずに間抜けな声を出す若者。

 それに気づかずに話し続ける優雨。

 その、様子を眺めていた浮浪者数人が目を見合わせ、舌舐めずりをした。

 浮浪者と二人の距離はおよそ十五メートル。


 浮浪者達は立ち上がり徐々に距離を詰める。

 素足に砂っぽいアスファルトが触れる乾いた音。
 それに混じり肉が裂ける濁った水音。

 二人が気がついたのは残り10メートルを切った辺りだった。

「なんだテメェ等? 今忙しいんっ!?」


 若者は振り返った瞬間言葉を失った。



 浮浪者達は豹変していた。

 口が首の付け根の辺りまで裂け、上顎にあたる部分はフードの様に背中にぶら下がっている。


 胸元辺りまでだらしなく伸びた舌が涎に濡れ怪しく光っている。

「あ、あぁあ…… 何なんだよこいつ等は」

 恐怖に顔面が蒼白になる若者。

 浮浪者達は、嗤っているのか泡を立てたような、水が詰まった様な音をたて――。

 一斉に飛びかかった。


「あと、秘匿性の高い案件なので他言無用に願います」


 浮浪者達は後一秒もしない内にその歪んだ顎を喰らいつかせるだろう。


 そんな状況で、優雨は何でもないように言った。


「近づいてくださいね。あんまり広がってないみたいなんで」



 優雨が若者の胸元に身を寄せる。 若者は覚悟を決めたように優雨を抱きしめた。


 既に浮浪者との距離は五メートルもない。
 風を切る音と共に浮浪者の顎が迫る。

 次の瞬間。


 光の束が降り注ぎ、浮浪者は飛散した。

 状況が掴めない内に地に伏して動かなくなる浮浪者。

 浮浪者を飛散させたモノ。

 それは――。

 対異物用広範囲自立起動結界展開装置。

 スターダスト・レイン
 -星屑ノ雨-

 使用者の半径3~1500メートルに存在する異物に対して無条件に、上空に展開された魔法陣からの高圧縮魔力弾を撃ち込む対異物用試作兵器。

 遙か上空から回避不能の速度で降り注ぐ光の弾丸はさながら星屑の雨だ。


 天空より撃ち出された光の弾丸は範囲内に入った浮浪者を次々と物言わぬ肉塊と変えていく。


 最後の一人を肉塊に変えるまでに要した時間は一秒もなかった。

 星屑の残光が消えると、そこはまた静かな路地裏となった。
「スイマセン急に抱きついちゃって、あの、嫌でした?」

 優雨は、若者の顔を見上げて胸元で呟く。

「それじゃ、遊びに誘って戴きありがとうございました」

 言葉を失っている若者を後目に胸元から離れる優雨。

 元来た道を戻ろうとすると若者に呼び止められた。

「なんですか?」

 若者は頭を掻くと、深々と頭を下げた。

「ありがとう。ダチの敵が討てた」


 ここ、比良坂市では最近若者の行方不明者が多発していた。
 その行方不明者の中に若者の友人がいたのだ。
 若者はガラは悪いがそこまで悪い人間ではなかったのかも知れない。

 もとから優雨はそんな事は考えては居なかったのだが。

「それは良かったです。では私はこれで」

「待ってくれ。 あの、もう一回名前聞いても良いか?」

「優雨。 優しい雨って書いて‘ゆうう’です。
周りには星屑ノ雨(スターダスト・レイン)って呼ばれているのでそちらでも結構ですよ?」
 そう言って優雨は走り去っていった。

 若者だけが残った路地裏。

星屑ノ雨によって肉塊に変えられた浮浪者は、光の粒子になって消えていく。

 しかし若者の眼にはそんな物は映らなかった。

 既に去った優雨の方向を見て溜め息。

「惚れたぜ……」

 この若者が数年後、中学生に手を出すロリコンになるのはまた別のお話。

くぅ~疲れましたwこれにて完結です!
実は、携帯がぶっ壊れて行き詰まったのが始まりでした
本当のssのネタだけが無くなったのですが←
sdに眠らせている訳にはいかないのでで挑んでみた所存ですw
以下、みんなへのメッセジをどぞ

優雨「みんな、見てくれてありがとう ssじゃなかったけど気にしないでね」
浮浪者「いやーありがと!
我々の導入の為の散り具合、十ニ分に伝わったか?」

若者「見てくれたのは嬉しいけどロリコンだからね・・・」
配管「正直、作中で言った僕の気持ちは本当だよ!」

路地裏「・・・ありがじゅっぴき」

では、

、優雨、浮浪者、若者、配管、路地裏「皆さんありがとうございました!」


作者「って、なんで、携帯ぶっ壊れるなんて……書き貯めてたシリーズ物のssをsdに移さなかったんだろう……」

本当の本当に終わり

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