Porta di Realitas ~一章~ (182)

初投稿です。

※オリジナルで、かつ色々な作品の影響を受けています。
※駄文、表記揺れ、一部説明不十分でわかりにくいかもしれませんが、その都度説明を入れることができたら、と思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410694708

※章分けをしているのと、リアルの忙しさによって更新頻度は変わると思います。
※某ツブヤイターに書き込みながらこちらにもやっています。あっちの方が更新早いかも…

以上でも見ていただけたら嬉しいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

この世界には、ある『扉』が
各地に点在している。

その扉は、一昔前の人々が住み、
今僕たちが『現実』と呼んでる
世界と、数十年前に見つかった、
大雑把に言えば『非現実』と
僕たちが呼んでる世界とを
結んでいるものだ。

大雑把に、と言ったが、

詳しく説明するなら、
『非現実』は仮想空間とかの、
[意識を飛ばして、あたかも自身が別世界に居る感覚を味わう]みたいな世界じゃなくて、
[物理的に身体ごと飛ばされる]
という、変な話『実在する』
別世界っていうことになっている。

でも、これなら名前が『非現実』
でなくとも、それでこそ、別世界なり、裏世界なりと呼べばいい。

しかし、そうは呼ばずに『非現実』
と呼ぶのが常識となっている。

つまりは『現実』と『非現実』には
明らかな違いがある、ということだ。

特に大きな違いが三つあるのだが…

一つ目は
『非現実』には『現実』にない
御伽噺に出る魔法とか魔物とか
その他諸々が実在している。

これに関して補足すると
『非現実』での魔法や魔物などは
『現実』との互換性がないため、
魔物は『現実』には入れず、
魔法は『現実』では使えない。

こうした仕様が何故か扉にあるため
お互い平和の均衡を保っている。

もし互換性があったら…
考えるのはやめよう。

また、『現実』からすれば『非現実』は一種のファンタジー世界でもある。

つまり、『現実』 (言い忘れていたが、地球のことである) にはあり得ない髪の色をした人(?)や、見たことのない食べ物、動物もある、ということだ。

なお、何故か双方の世界で住人 (ようは俺たちみたいな人) だけは自由に行き来することが出来る。

ちなみに、先の説明の通り

『非現実』には身体ごと飛ばされているので、基本的に身体に関しての作用は『現実』と同じだ。

怪我もするし、病気にもかかる。過去には双方の世界の住人が子を授かったこともあるという。

つまり、『現実』『非現実』共に
住人の体の構造は同じないし似ている、
ということになる。

ついでに魔法が当たると痛い。
たまに痛いレベルでは済まないことも…
これは『現実』では味わえない。

すいません、一旦飯を…

誰も見ていないだろうけどただいま。
…一人暮らしってこんなんでしょうか。


二つ目に
『現実』と『非現実』では
個人差があるものの、多少人格が
変わるということだ。

研究によれば「現実から逃れた解放感が影響しており、人格への作用は現実でのストレスに比例している」
とのことだが、
まだ詳しく解明していない。

あと、人格に関係して、記憶に関しても少しあやふやになるらしい。

これは研究で、別世界での記憶は、元の世界に戻った時記憶として記録される (世界を行き来してた間にポッカリ空いた記憶欄ができて、そこに埋め合わせる) ようで、双方の世界での記憶の共有はおこないにくい、との理論が出されている。

俺も『非現実』に入った影響で、
会話の途中から一人称が『僕』から
『俺』に変わっている…と思う。

実は、人格が変わることは
他人 (知人) はもちろん、本人ですら
感覚がないのだ。これは記憶の件が
影響を与えている。

最も、この人格への影響は、
『非現実』においてまた別方面への
問題にも繋がっているのだが…

それはその時にまた話そう。

@the_real_door: そして三つ目だが…
魔法こそあるものの、『非現実』は
まるで文明が栄えていない。
といっても、一応21世紀初頭の文明
程度だがなので

『現実』では、一昔前に騒がれた
地球温暖化の対策が見つかった。
それを皮切りに、対策による規約
に違反しない限り、近代化を
推し進めるという政府の方針の下、
技術が発展していった。

すいません、誤投稿です。
スマホむつかしい。

そして三つ目だが…
魔法こそあるものの、『非現実』は
まるで文明が栄えていない。
一応21世紀初頭くらいの文明だが。

『現実』では、一昔前に騒がれた
地球温暖化の対策が見つかった。

それを皮切りに、対策による規約
に違反しない限り、近代化を
推し進めるという政府の方針の下、
みるみる技術が発展していった。

が、『非現実』では、
どこぞのナントカ主義よろしく
[絶対的魔法主義]
というものに重きを置いている。

それを推し進めているのは、
現皇帝のミトラという人物だ。

ーー因みに性別は女だ。他意はないーー

恐らくは、『現実』の電気やガスと違い
エネルギー供給源が基本無限にある
魔法によって、半手動的に、あわよくば自動でエネルギーを生み出し、日常生活を豊かにしたいのだろう。

しかし。
この場合の供給源は人そのものである。
そのための[絶対的魔法主義]だろう。
体裁だけでも良くしておけば
自然と人材は増えていくものだ…

…と、説明が長くなったが、
今、俺は先述の通り『非現実』へと
足を運んでいる。

一応俺について言っておくと
年齢は18歳(年齢に関してはどちらの
世界でも共通になっている。)で、
身長は高め、体重は軽め、
がとりあえず俺のスペックである。


18歳ならまだ学生なのだが、
今では近代化のおかげで勉強まで
効率化された。

そのため、学校という概念がなくなった代わりに、自宅での自主学習が
メインとなり、飛び級も採用されているので、無事この歳で大学過程まで
修了済み、となっている。

あ、ありがとうございます!

ーー また一文一文長い説明だ。ーー

そんなメタなことを考えながら
結局今何をしているのかというと、

~~~~~~~~~~~~~~~~

「…これにて、入学式を終わりとする、諸君の健闘を祈る」

その[絶対的魔法主義]の根本、
『非現実』における魔法学校、
その入学式に出席していた。

魔法学校は…詳しく説明はいいか。

魔法を学ぶ所。それが魔法学校だ。

…ああ!なんて簡潔なんだ!


ーー はい、勿論反省しています ーー

魔法学校の目的は、1年間在籍のうちに
知識を蓄えさせることだ。

そうさせることで、即戦力を欲する
[絶対的魔法主義]の実行隊、
『魔法部隊』への配属をスムーズに
することが皇帝の狙いだ。

魔法部隊は少数先鋭を好むらしく、
学校に入れる生徒は毎年3~6人。
学校に入るだけでも正直倍率からして凄いのだが、(少しだけ自画自賛)
また、魔法部隊に入隊することは
『非現実』における憧れでもある。

~~~~~~~~~~~~~~~~

入学式を終え、足早に教室へ戻る。
その途中で「よっ」と声をかけられた。振り向くと、背丈は俺より高めで、筋肉質の男がいた。
「新入生だろ? 俺もだよ、これからよろしくな」

…ああ、がたいがいい所為で
先生に見えてしまった。

「こちらこそよろしく」と返すと
「…おいおい、なんか愛想ねぇな」と返された。
勘違いは良くないので
「よく周りからは冷たいとか落ち着きすぎだとかいわれるな」と弁明を試みる。

相手が返した言葉は
「それたいして変わってねえよ…」

内面は違うということを言い忘れた。

謎の気まずい雰囲気を変えようと

「確か、今年の入学者は全員で
5人だったよな? 他の人は何処にいるんだ? 皆別々の部屋で入学式だったから居場所がわからなくてな」と切り出してみる。

すると、「多分もう教室にいるんじゃねえかな、あと、他の3人は皆女子だったと思う。」
と情報を付け加えて返してくれた。

少し女子のあたりで相手方の顔が
ニヤついたのは一体…

「じゃあ、早く教室に行くか、お嬢様方は時間に厳しいと聞く」

そう答えた俺に、おう。とだけ相手方は言い、二人で教室へと向かった。

…俺自身が話し方が下手なのだろうか、それともただ単に話すのが本能的に苦手なのか、とりあえず、先が不安になった。

一年間お先真っ暗かもしれない…




やばい眠いです。とりあえず今晩は今日の章を終わらせようかと。

ーーーーーーーーーーーーーーー

場所は変わり、教室。

そこで俺たちは三人の女子生徒を
口を開いて (あまりの衝撃) 見ていた。


1人は俺と同い年位で、長い黒髪に
赤茶色の目をしている、佇まいが
大和撫子を連想させる、そんな人。
身長は俺の10センチ下位だ。

1人は金色の髪でセミロングだろうか。
藍色の目をした、活発そうな人。
背はさっきの人よりやや低めだ。

1人は灰色がかった青の髪、色としては藍鉄色が一番近いだろうか。目は綺麗な黒で、凛とした雰囲気が似合う人だ。


…その中で、短髪で紅色の髪、葡萄色の目をした比較的派手で筋肉質な相手方。

それより少し長めの黒髪で、黒い目という、いかにも『現実』にある母国の一般的な外見をしている俺。

どう考えても俺だけがスペック面で
落ちているのだ。間違いない。

唖然としていると、さっきの紹介順に

「こんにちは、これから宜しくお願い致します」←大和撫子。

「これからよろしく!」←活発。

「はじめまして、よろしくお願いします」←クール
と形式的だが、挨拶してくれた。

…この時、俺が見たときの予想に狂いはなかった、と確信した。

あだ名をつけるとして、俺は上から大和撫子さん、金髪碧眼さん、藍鉄色の君、と呼ぼう。心の中で。

…相手方は相方にしよう。

呆気を取られていたが、気を取り直し
「(こ、)こちらこそ(!)」と声を揃えて
ーー 不協和音であったが ーー 言った。

お嬢様方はクスクス笑ってる。
…中々にこそばゆいものだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー

無事HRも終わり、今日は寮のチェックのために下校となった。
(自宅から通うには、交通面において少し億劫にになる場所に魔法学校はあるのが寮が存在している理由の一つだ)
その寮だが、何故かシェアハウスの
形式で五人が住む事になってる。

何故分けないんだ? と思いつつ
五人一緒に共同スペースへと入る。

「意外と広いな…」と藍鉄色の君。

「キッチンもありますね!」と
大和撫子さん。…嬉しそうだ。

「すげぇ、六角形の部屋だ…」
物珍しそうに相方。

「なんか合宿みたい!」
はしゃいでる金髪碧眼さん。

皆思い思いの感想だ。

因みに俺は…まだ女子に見惚れていた

ーーーーーーーーーーーーーーー

自室で荷物をほどき、ようやく
ひと段落ついた。

意外と部屋割りは早く決まった。
六角形で時計の12時を入口とすると
2時に大和撫子さん、4時に俺、
6時に金髪碧眼さん、8時に相方、
10時に藍鉄色の君、という感じだ。

そして、今はリビングにいる。

「そういえば、黒髪さんはどちら側の出身で?」
「俺は『現実』からですね」
「私も彼と同じだな」
「俺と」「私が『非現実』側ですね。」
「あたしは一応ハーフなんだよね…」

ーーーーーーーーーーーーーーー
「みんなって何歳なんだ?」
「私は18歳です」「あたしも~」「私もだ」「俺もですね…」
「へえ…じゃあみんな同い年かぁ」
「珍しいですね、学校に年齢制限はないのに」



大和撫子さんが出してくれた
お茶を啜りながら、皆のことについて、色々と話を聞いたし、言った。


あとは…各々の【能力】についてだ。

すいません、普通に寝落ちしてました…

なるほど…コテハンは災いの元なんですね、学習しました。

説明に関しては途中途中入れると時系列が狂う可能性があったので長いですが入れています、すいません。

じゃあ連投していきます!

『非現実』では、
勉強して覚える魔法とは別に、
『非現実』に移動すると、主に戦闘用として個々に『能力』が授けられる。

その能力は個人によって違い、
また、能力を選ぶ権利もないので
この世界では、魔法についで研究
されている項目だ。
@the_real_door: ただ、大体『能力』は区分けが
されている。

訊いたところ、
相方は【肉体強化】
大和撫子さんは【治癒回復】
金髪碧眼さんは【空間把握】
藍鉄色の君は【精神集中】
という感じだった。

因みに能力の効果は読んで字のごとく。
能力を使ったときにでもまた説明しよう。

あっ、ID変わってますが建て主です。


~~~~~~~~~~~~~~~

「ところで君はどうなの?」
金髪碧眼さんが尋ねる。
「俺は…」言っていいものか…
少し考え、覚悟を決める。


「実は」
「普通の場合と違って、何故か俺には複数個能力があるみたいなんだ。」

「複数個… 自分でも何個あるのかわからないってことか?」

「そういうことになる… 俺が把握してるだけでも、【創造複製】と【未来予測】がある…と思う」

「【創造複製】って、【錬金術師】系統の能力の中でも特に珍しいやつじゃない! 」

「【未来予測】も精度が高いと、冗談抜きで未来がわかるからな、こっちも相当な能力だぞ」


「あのー…」

迫る三人と、押される俺を見て、

「それ以前になんで複数個あるかの方がまず問題なんじゃ…」と大和撫子さん。

納得した三人と、命拾いした俺。
この時は大和撫子さんが聖母に見えた…

「…そうだな、なんでお前は複数個能力があるんだ?」

「わからない… 『非現実』に来てから最初に気づいたのが【未来予測】で、道路横切ろうとしたら、車に轢かれるビジョンが見えてね…」

「何それ恐っ」
「もうあの感じは味わいたくないな…」

「【創造複製】はペンがなかった時に一度触ったペンの形を想像したら出来た。あとで解ったのが、どうもこの能力は、物質を変化させる【錬金術師】の技も扱えるらしい」

「【錬金術師】からしたら【創造複製】は派生技、ってことなのか、すげぇ」

「よく変だと思わなかったわね…」
「普通だと思ってたんだ…」

34に若干誤字というか、消し忘れがあります、すいません。


ーーーーーーーーーーーーーーー

大和撫子さんお手製の夕食を終え、
まだ真新しい自室に戻った。
(大和撫子さんはやはり料理好きだった)



どちらの世界でも時の流れは同じ。
(そのため歳も同じなのだ)
時は金なり、とも言うし、時間を浪費してはいけない。

手短に明日の予習を終えておこう…

予習がてら、二つ目の違い、
人格についての問題に触れる。


『現実』と『非現実』では、
人格の影響を懸念して、自分の故郷でない片方の世界で犯した罪は、故郷の世界での身分に関係なく、罪を犯した方の世界で裁かれることになっている。

ようは、史学に載っている
『領事裁判権』と呼ばれるものに近い。

これは、
双方の世界で[同一人物を同一人物として見てはいけない]という暗黙のルールがあるためだ。

このルールの結果、双方の世界で違う身分を持つことができ、また、その世界の身分社会に従わなければならない、という縛りのようなものが自然に出来た。

まあ、違う世界から来た人が
受け入れられるかどうかはまた一概に
言いにくいのだが…

そして、『非現実』での身分の分け方は、[実績主義]だ。
[絶対的魔法主義]という、どこから見ても軍事的な方針からすればこうなるのは当然である。


これが何を意味するか、
身分による差別化として一番の違いが『名前の違い』である。

この世界は実績に応じて身分が与えられ、それと同時にある一定の身分に達すれば『名前』が付けられる。

だから、この日の会話で誰かを呼ぶ時は、固有名詞ではなく、一般名詞で呼んでいたのだ。

そこで応急策として、俺は心の中であだ名をつけることにしていた。

ーーネーミングセンスについては
ノーコメントでお願いしようかーー


一応例として、『非現実』におけるトップの人物、皇帝にはミトラという名前がちゃんとついてるのだ。



…そういえばミトラっていう名前と声色は知ってるが、姿は見たことないな…

~~~~~~~~~~~~~~~

…おおっと、もう11時か、

教科書は知っている情報が多かったし、
今日はこれ位にしておくか。


願わくば、この一年間平和な日常が
過ごせますことを。


入学式編 END

先程のアドバイス様の通り、

・タイトル詐欺
・スレ使い終わらない

…と思います。

追加説明として

ーーは時の区分け
~~は回想の区分けです。(大体

俺のメンバーからの呼ばれ方は
相方→お前
大和撫子さん→貴方(未登場
金色の髪→君
藍鉄色の君→彼

おそらく訂正や表記揺れはありますが、こんな感じです。

藍鉄色の君だけは彼、と他人称なので、この先訂正をいたします。

あと、察しの良い方は大方予想が
ついていると思いますが
少し時間を置いて、日常編を進めたいとおもっています。

そこでなのですが、ここから先は、見ている方がいたら、アンカーを織り交ぜていきたいと思っています。
ようは選択肢をつけてみようかと。

…はい、所謂ラブコメ編ですね。

ーー ちゃんとシリアスもあります ーー

見ている方がいなければ、独自の世界観で進めていきたいと思っています。

何かアドバイスがありましたら、
どんどんお願いします。

(コテハンにした時点で、というか投稿した時点である程度叩かれるのは解ってますので…)

やはり独自の世界観で進めていきます。


ーーーーーーーーーーーー
「…さて、魔法は大きく八種類に分類されてることは知ってるな?」

ここ魔法学校では、三学期制を採用している。大体の流れとして、一学期で基礎を固め、二学期は本格的な演習、三学期は実地訓練、という感じだ。

ーー 正直二学期が一番楽しそうだ ーー

因みに入試のおかげで大体のことは勉強済みなので、先生もそれを解って教えている。

「まずは『ベーシック』と呼ばれる基礎系統の魔法だ、…金髪碧眼、言ってみろ」

…名前が無いから困るのは解るが、流石にその呼び方ははまずいだろ。

「…火水雷風土」

ほらすねてる。

「…よろしい、効果は読んで字のごとくだが、一応言うと、火、雷、風は攻撃寄り、水、土は防御寄りの性能となっている。
詳しくは演習でその都度説明しよう、よって次の時間は演習だ」

皆様どうかお手柔らかに。

「そして残りの三つだが…


…残りは聖、闇、無の三つだ。
これらの内、聖、闇はベーシックとは
比べ物にならん破壊力を持ってる。
そのため、今は『アグレッシブ』と呼ばれ、ベーシックとは区別されている」

戦略級魔法のアグレッシブは学校でしか習えないため、こういったものは確実に覚えておかないとならない。

学校でしか習えない理由は、恐らく
日常生活をよりよくする、という
[絶対的魔法主義]の体裁を
崩さないように隠したいからだろう。

「無については、未だ区分けすることができない魔法や、他の七つのどれにも当てはまらない特徴を持っているものが該当する。
これに関しては、後天的ではなく先天的に持っている傾向があるという」

生まれつき魔法の才に秀でたものが持っている、ということだろうか。

ということは、誰にでも魔法の素質は
ある、ということか。

…憶測が過ぎたな。

「…とまあ、こんな具合だ。
あと、恐らくもう腕に魔法陣が出ているはずだが…」

「…本当だ、出来てます」
これは大和撫子さん。

「その魔法陣は魔法の行使に必要不可欠なものだ。逆にそれさえあれば、魔法が使えるようになる」

「どうやって魔法を使うんですか?」
これは金髪碧眼さん。

「術式を通して発動する魔法を頭の中でイメージする。これが一番大事だ。ようは術式の暗記だ」

「暗記… もう嫌だ…」
相方は苦労したんだな…

「逆にこれさえ出来れば好きなように発動できる。補助器具なんてのもなければ、詠唱もない」

なるほど、だから魔法の発動に時間は
かからないのか。

「次の演習は三十分後だ。それまでの課題として、演習で使いたい魔法を二個、覚えておくこと。殺傷性のあるものは許可しないので、そこのところ考えろ」

こんな感じで一時限目が終わった。

さて、何を覚えようか…

ーーーーーーーーーーーー
「では、ルールを説明する」

皆そわそわしてるな…

「時間は無制限、フィールドは都市部を模したこの演習場内、二人一組でチームを作り、協力して倒すこと。相手への攻撃は殺傷性のない得物を用いた格闘戦と魔法のみ。能力の行使は禁止だ。
…で、金髪碧眼は審判を頼む。」

「えっ、何でですか!?」
「お前は能力の行使を許す。
【空間把握】のレベルを上げるのにも役立つだろう。大丈夫だ、交代制にする」

「なるほど、解りました」

ーー実に合理的だなーー

ーーーーーーーーーーーー
チーム分けされ、
俺は藍鉄色の君と組むことになった。

「じゃあ、よろしく頼む」
「そう硬くなるな、お主との協力が
勝機になるのだからな」
「…中々のプレッシャーだな」

二人して微笑。
試合前のこういう雰囲気も悪くない。

「ところで魔法は何を選んだ?」
「私は風系統の加速魔法と、水系統の足止めだ。お主はどうなのだ?」
「俺は雷系統の分身魔法と、土系統の障壁魔法だ」

「となると…」
「魔法で補助をして、白兵戦だな。
幸い、俺たちはどちらも防御魔法が扱えるから、各自で身を守りつつ、コンビネーションで攻めて行こう」
「了解した」


「得物はどうするのだ?」

「俺はこいつを使ってみる」
「これは…トンファーか?」
「その通りだ、殺傷性はない…と思うし、白兵戦で無力化が今回の目的ならこいつが使いやすいだろうしな」

なるほど… と藍鉄色の君。

「私はこいつだ、使い慣れているし、リーチが長くて距離が取れる」
「薙刀とは…また古風なものだな」
「お主の武器もそう変わらんだろ…」

ーーーーーーーーーーーー
「防具は装着出来たな? そいつは一定量のダメージを与えると外れるようになっている。今回はそいつが外れた時点で負けだ。いいな? 」

チョッキを装着し、頷く。




「それでは… 開始!」


「さて、どう攻めるか…」
「都市部のせいもあって、一面が見渡せないな」
「隠密行動を取りながら、手始めに索敵といこう。それでいいか?」
「逆らうつもりはないぞ、リーダー」
「やめてくれ、恥ずかしい」

息を潜めつつ、索敵を開始した…

ーーーーーーーーーーーー

…いた。
前に相方、そのすぐ後ろに大和撫子さんか。得物は…

「前の得物… なんだあれ」
「刃が反対の刀だな、御伽噺でしか見たことはないが…
あっ、存在しててもおかしくないのか」

ここにきて世界単位のハンディキャップが出てくるか。

「後ろは… 視認できないな」
「注意は怠らないようにする。さて、ここからどうするのだ?」

そうだな…

「俺は後方から防御魔法で支援する。そのうちに加速魔法で近づいて、後ろを落としてくれ」
「前の奴が通すかどうか…」
「その場合は俺も加勢する。前を叩くから、やはり後ろを頼む」

「頼まれた」

直後、藍鉄色の君が魔法を使う。

途端、彼女の周りに風が纏った。
風と身体との摩擦係数を減らし…


ーー 走り出した。

俺も後方から防御魔法をセットする。仕組みとしては藍鉄色の君が攻撃されそうになり次第、発動するように設置を試みた。

不測の事態の時、彼女に追いつけないと先読みしての設置だ。

そして、俺も加勢するために走り出す。


…それにしても加速しているな。
設置にして正解だった。

「うおっ!? 」

先に視認したのは相方か、これは加勢必須だな…

「いかせ…ねえぜ! 」

切れない仕様の刀と、切れない刃を持った薙刀が衝突する。

そして、

「攻撃は、させません!」

大和撫子さんか放った魔法によって、地面が小刻みに揺らぐ。

足場の安定を失った両者が、互いに一歩引いた。



その一瞬を、俺は見逃さなかった。

全力疾走で、相手に近づく。

「早く前を頼む! 」

そう俺は言うと、藍鉄色の君はすかさず攻撃に入った。

「サシでやるってか… いいじゃねえか! おらぁ!」

相方が刀を振るう。

ジャストミートした… はずだった。


しかし、刀は虚しく空中に軌跡を描いた。目の前の俺が消えていく。

その隙に、『後ろから』腹に三発、トンファーを打ち込み、

「なっ…」

そう言って、相方の装備は解除された。

さて、あちらはどうかな…

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「くっ、中々やるな…」
「私だって、力はあります! 」

以外と接戦に持ち込まれたな…
あっちは…もう終わっているのか。

「なら… これならどうだ!」

水魔法の足止めを、足を狂わせるために使う。

「まだまだ! 」

踏ん張りが強い、意外と武闘派か?
しかし、踏ん張った瞬間に相手の地面から、二本の柱が私をめがけて飛んできた。


しまった…! 設置か!

しかし、その時私の周りに障壁が作られた。
あいつ… この場合を想定していた…
流石に考え過ぎか。

幸運なことに、障壁に対しての驚きと、足元をすくわれた相手は身動きが取れなくなっている。

「これで、どうだ!」

装備を叩こうとした、その時だった。


「後ろに下がれ! 」

驚いた…

相手の周りに火柱が立っている。
恐らくこれも設置だろう。
しかし、これでは三種類魔法を使っているのでは…?

火柱が消えた瞬間、相手が急接近する。

…!?
さっきはグローブを装着した手で攻撃を止めていたが、今度はメイスを持っている!

「まだまだいけます!」

猛攻が始まる。が、

途中で、
「も、もう駄目です…」


相手の体力が、限界だったらしい。

ーーーーーーーーーーーー
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「演習ご苦労だった、今日はもう帰ってもよい、明日も忘れず学校に来るように。以上解散」

ーー 楽しかったが、疲労が… ーー


「なあ、お前、なんで俺の後ろにいたんだ? 間違いなく前にいたはずだぞ?」

「雷系統の分身魔法を使ってみた。
俺からも、三種類魔法を使ってたはずだが、一体どうやったんだ?」

「それは私達からしても同じ意見です。足止めと、障壁と、加速魔法を使っていましたが… あっ」

「「「 …そういうことか 」」」

どうやら考えることは同じだったようだ。まあ、あれが一番奇策のようにできるし、被っても仕方ないだろう。

ーーーーーーーーーーーー

学校から帰り、今は寮。
積もる話はあるが、汗を流してから、という意見がお嬢様方から出たので、夕食しながら、ということになった。


「ねえ、審判やってた私から質問いいかな?」
「どうした?」

「君の動きとか見てて、戦闘スキルとか、どう考えても『現実』どころか『非現実』でも中々いないような動き方してたんだけど、なんか訓練されてるの?」

うんうん、と他の三人。

「身体は鍛えてるけど、特に習ってたことはないな。所謂独学というやつだ」
「独学であの動き… やっぱ君、なんか普通じゃないよね」

「否めないが心外だ」
「どっちなのよ…」


「…続いて次のニュースです。
先日より勃発した反[絶対的魔法主義]団体のデモが、城壁を攻撃するなどの武力行使を始め、状況がエスカレートしています。これに関しミトラ現皇帝は…


「酷いな、これは」
「昔からあったんですよ、デモ隊は。でも最近になって不当性を公に訴えるようになって…」
「こりゃ俺たちが駆り出されても文句言えねえかもな…」

「じゃあ、先寝るね~」


もうこんな時間か、俺も寝るとするか。



しかし、デモ隊か…
この政治に対する批判は『現実』でも『非現実』でも変わらないのかもしれないな。

ーーでも駆り出しは遠慮したいーー

テスト

見ていただき、ありがとうございます。
酉の件、ありがとうございます。
昨日言われてたのにすっかり忘れてました笑

一応つけて見ましたが、今更感が否めません。許してください。


一応これで初日が完了しました。
二日目は今日の夜か、明日の夜になりそうです。

追加説明
ー・ー・ー
…こちら、視点変更となっています。

藍鉄色の君の呼び方
…お主になりました。古風ですねえ


ここから先の流れとして、この後大きな波が来て、そこからは学園生活を基本とした物語になります。
あまりサクサク進みませんが、これからもよろしくお願いします。

なお某ツブヤイターの方は下書き程度だったので、今は違うメモ用アプリで原案を考え、投稿しています。
故に垢は退出しました。

意外と早く投稿


ーーーーーーーーーーーー

「今日は全員に臨時連絡がある」

ああ… 嫌な予感が。

「先日から過激化しているデモ隊を、うちらで対処することになった」

「ですよね…」
金髪碧眼さん、面倒くさそうだ。

「これにあたって、本当ならもう少し先にやる系統適性を今日は行い、その後、早速実務に入ってもらう」

…系統適性?

場所は変わり、実験室。
目の前に、何やら大きいナタデココのような物体があるが…?

「青髪(藍鉄色の君の呼び名)、ナタデココに腕の魔法陣をくっつけてみろ」
「…?」ペタッ


!?
ナ、ナタデココが、切れた!?


「ほお… お前は風が適正だな」

「説明しよう。何故かナタデココは魔法に敏感な物質で、つけた魔法陣の適正系統によって、状況が変化するのだ。」

教官がノリノリになってる。

「じ、じゃあ次は俺が行く」ペタッ
「土だな」
おお、硬くなっている。

「次私!」
「これは火だな」
ナタデココが熱くなっているらしい。金髪碧眼さんが手を離していた。

「では、失礼して」ペタッ
「水以外ありえんな」
…溶けてる。

「俺で最後か」ペタッ「痛っ!」
「…雷だな」
なんで俺だけ刺激なんだよ。


「今確認した系統適正は、自分の力を最大限まで引き出すために必要なものだ。
本来であればベーシックをまんべんなく使用できるようになってからなのだが、昨日の演習で、この判断を下した。」


「では現場に行くぞ、使いたい魔法は行きの車の中で覚えろ。十分後に出発だ」

ーーーーーーーーーーーー
「…今日に限っては、能力の行使を許可する」

その言葉を聞いて、少し心にゆとりができた。 が、

「班長は、黒目(俺の呼び名)、お前に任せた」

早速心のゆとりが埋まった。


「現場については、デモ隊が過激化しすぎて、城内へ侵入している状況だ」

どよめき。

「親衛隊がいるものの、デモ隊の数が多いため、今回はお前らが駆り出された、という根端だ」

「今回の命令は、デモ隊の無力化だ。そこをきちんと解って欲しい」

ーーーーーーーーーーーー
「着いたな…」
「こりゃひでえ有様だ」

裏口を使い、城内へ入りこんだ俺たちは、目の前の光景に圧倒された。

おびただしい量の人。血こそ出てないものの、倒れている人もいる。


「俺はこの車で情報の伝達を行う。最低限助言はする。後はお前らで考えてみろ。」


さて、どう行きましょうか。

酉付け忘れました。



ーーーーーーーーーーーー
「着いたな…」
「こりゃひでえ有様だ」

裏口を使い、城内へ入りこんだ俺たちは、目の前の光景に圧倒された。

おびただしい量の人。血こそ出てないものの、倒れている人もいる。


「俺はこの車で情報の伝達を行う。最低限助言はする。後はお前らで考えてみろ。」


さて、どう行きましょうか。


「で、どうするの?『リーダー』」

やめてくれ… 恥ずかしい

「そうだな… じゃあ役割を決めよう。
早速だが、君は【空間把握】での索敵を頼む。」
「ガッテン承知!」


「私はどうすれば…?」

「基本的には魔法で防御援護してくれ。隙ができたら攻撃してくれても構わない。あと、倒れている人がいたら能力で治癒してくれ。
…注文が多いが、いけるか?」
「大丈夫です!」

「残りの俺たち三人で、白兵戦を担当する。念のため、みんな演習と同じ得物は持っておいてくれ。」


「あっ…!」

「どうした」




「大群が…来てる!」


「そうか、手短に話そう。
白兵戦担当は後衛の二人を護りながら、相手の無力化を図れ。後衛はさっきの説明の通りだ、いいな?


では… 作戦実行!」




「「「「 おう(はい)! 」」」」







ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
凄まじい制圧力だ…
これなら親衛隊に引けを取らない強さになるな…

しかし、あの短時間で役割を決める黒目…
あいつの今後が期待だな。

…今後のカリキュラムは少し先に進むとするか。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「おらあっ!」
「はあっ!」

白兵戦担当の体力には正直驚いた。
このままでは、俺が一番最初に音を上げるかもしれんな。

「これで、ひとまずは!」

最後の一人を相方が無力化した。

「ふう… 次はどこだ?」

「今は索敵範囲外だけど、恐らくまだまだくるから、いつでもいけるようにしといて」

本当にひとまず休憩だ。


ここで、ふと考えてみる。


…これだけの人数だ、リーダーがいてもおかしくはないはず…

…そして進軍の結果がこの有様なら、人数を駆使して何かしらの奇策 ーー主に奇襲ーー を仕掛けてきてもおかしくはないはず…

…なら、正面のみではなく、後方、特に皇帝室に索敵を貼るべきでは…



…後方? 皇帝室? リーダーが未発見…


…まさか…!


~~~~~~~~~~~~

「おい金髪碧眼!」

「ふ、ふぁいい!?」

「今すぐ後方…皇帝室周辺に索敵を頼む!」

「り、了解!」

ーー頼む予感よ、外れてくれーー


「…あっ!
皇帝室の入り口に二人いる!」



ーーこれは不味くなったーー


「皆、急いで皇帝室に行くぞ!
恐らく入り口からの敵は時間稼ぎのデコイだ、奴ら…恐らく敵のリーダーは裏から本丸を狙う気だ!」


「「「「 了解! 」」」」



ーー間に合ってくれ…!ーー

ーーーーーーーーーーーー

皇帝室のドアを荒々しく開ける。

間に合った… 半分は。

「おおっと、動くなよ。皇帝陛下様がどうなってもいいのか?」

皇帝のこめかみに銃を当てる
対応が早い。手練れの可能性…
もう片方も銃を所持しているな…


ったく…いちいち面倒なことを


「先に質問がある。いいか?」
「なんだ」

「お前ら二人、どっちが強い」


「なんだと…?」
「おいやめろよ!マズイって!」


相手の銃の標的は、俺に変わる



「おちょくりやがって…魔法使いの餓鬼の分際で!」



俺に銃を向け、
放たれた弾丸は、
俺を、
文字通り『貫通』して通り抜けていく…


その直後、がら空きの、まずは皇帝を捕まえている方の相手の横腹に、一発トンファーを入れる。


慌てた二人目が俺に銃口を向けるが…


その時には、加速した藍鉄色の君が
薙刀で一振りを決めていた。


ーーよし。ーー
と、俺は思ったのだが

俺にできた僅かな隙も見逃さずに

「この、野郎!」

捕まえていた方の相手が俺に向かって
殴りを入れようとして、

「周りを、見てみろォ!」

相方の強化された肉体で、黙らされた。


ーーーーーーーーーーーー
「お前、よく皇帝室なんて思いついたな。俺だったら見落としてた」

「【未来予知】こそ出てなかったがな。リーダーがいないのに違和感を覚えた」

「唐突でびっくりしたわよ。意外と君って無茶するよね…」

「すまない… あと呼び名もすまない」

「大丈夫よ、平気平気」


prprpr…
連絡だ。

「入り口は制圧完了だ、一時車へ帰投しろ。」
「了解」

「制圧完了だ。一時帰投する」
「「「「 了解 」」」」





「あのー…」


あっ、これはやばい、完全に忘れていた。お願いです、命だけは…

「この度は助けていただきありがとうございます。私が皇帝のミトラと申します」

綺麗なシルバーグレイの髪、目までシルバーグレイ、まるで人形のよう…

…はっ、いかんいかん。


「いえ、恐縮です。皇帝陛下がご無事で何よりです」

「かしこまらなくてもいいのですよ?」

「…勿体無きお言葉。
陛下、一時的ですが安全な所へお連れいたします。
…一応索敵を頼む」

用心はしたが、その後は特に何もなく、
無事、任務を完遂した。



…後で考えてみると、俺たちの任務は皇帝陛下を守ることではなく、デモ隊の無力化だったはずなのだが…

教官がお咎め無し、ということにしてくれた。


飯に入ります。
再開予定は21:30頃です。

ーーーーーーーーーーーー

次の日…


「皆様、どうぞおかけになってください」

俺たちがどこにいるのかというと、
昨日事件があった皇帝室、ではなく
客人を迎え入れる応接室だ。


「この度は本当にありがとうございました。あの時、親衛隊を別働させたばかりに…
迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした。
この件につきまして、ささやかながらのお礼をさせていただきたいのですが…」


「いえ、私たちの方こそ申しわけなくなってしまいます。それに私たちはすべきことをしただけなので…」


「ほんのささやかなお礼なのです。
それに、今抱えている問題を解決できるかもしれないのですが…」


「と、いうと?」



「はい、特例となるのですが、
皆様方一人一人に、身分の縛りに関係なく名前を授けたいかと…」


嘘、だろ…
「それは…何より嬉しいです。
ですが、私達学生が頂いてよろしいものなのでしょうか…」

「この件は今後の政治の方針に大きく関わるものでしたし…
何より命を救ってくださった恩返しをさせてください。お願いします」

「あ、頭を上げてください陛下!
…承知致しました。謹んでお受けしたいと思います」


「では早速…」

そう言うと、陛下の周りの空中に、複数の文字が現れた。
何やら文字を並べているようだが…

「…黒目の方」
「はい」
「貴方の名は、べクス。由来は、可能性、才能に長ける…」

べクス、これば『非現実』での俺の名前。

×これば ??これが でした。


「次に赤髪の方…
貴方の名は、アクロス。由来は行動力、勝利、突進力…」

「黒髪の方…
貴女の名は、ミリア。由来は母性、情熱、包容力…」

「金髪の方…
貴女の名は、ステラ。由来は希望、願い、閃き…
また、物事の極性を暗示する…」

「青髪の方…
貴女の名は、リオ。由来は冷静、勇気、自制…
また、生命の力強さを暗示する…」


「…!!
少し、待ってください…」

…? どうしたのだろうか。


「黒目の方…
先ほどとは違う名を拾い上げたので、そちらに訂正お願いできるでしょうか…」

な、名前の変更なんて初めてだ…

「ええ、問題ありませんが…」


「では…
貴方のもう一つの名は、クルス。
由来は、可能性、才能、創造…です」


ーー陛下の周りにあった文字が、自然に消えた。

「今お伝えしたのが、皆様方一人一人の名です。どうか大事にしてください。」

「ありがとうございます」

「後もう一つだけ、これは提案なのですが…

私を、学校に置いてはくれないでしょうか?」


今日はなんだか目まぐるしいな…

困ったので、今日の会談については任せる、と言った教官に目を配らせる。

「…そもそも陛下は多忙故、学校にとどまることが出来ないのでは?」

「お仕事であれば秘書官が臨時で対応してくれます。
今回の件で私自身にも何か対抗手段を必要とされていることに気づきましたし、何より政策を進めている側が魔法を使えないようでは、皇帝失格なのではないかと思い…
ダメ…でしょうか?」

ああ!そんな目で見られたら!


「仕方ありません、いいでしょう。
ただし、何かしら皇帝のお仕事で不具合があれば、直ぐそちらへ向かっていただくことを前提に致しましょう」

「あ、ありがとうございます!」


…何という箱入り娘だ。


というか教官、校長だったんだな…

ーーーーーーーーーーーー

結局、ミトラ(こう呼べと指示された。もちろん逆らえない)が寮に入ることで、部屋の構造が若干変わった。

というより部屋が変わった。

前の部屋では入り口を12時としていたが、それでは足りないので、その前の部屋の上に、新しく六角形の部屋を作って対応した。

前の部屋と今の部屋は階段で移動するので、12時の枠が余る。そこにミトラが入った感じだ。他は変わってない。

もともとの部屋は空き部屋だ。
今後の進展に期待。

投下再開いたします。


アクロスの放った波は、分身の身体の自由を奪った。
が、これでは決定打にはならない。

「そしたら…こんなのはどうだ!」

アクロスが放ったのは障壁魔法。
障壁は、『分身の足下』から現れた。

分身は不意を突かれ、現れた障壁の威力で消えていく。

ーーーーーーーーーーーー

「今日はありがとな」

「いや、俺こそ勉強になった。
まさか障壁魔法にあんな使い道があるとは…
それに、拳から魔法を放つ、というイメージは斬新だった。あれは違うものにも応用出来そうだな」

「一か八かだったけどな、意外と上手くいってよかったぜ。
この後はどうするんだ?」

時計を見る。後一時間で夕食か…

「俺はここで少し練習して行く」

「了解、じゃあな」

アクロスが寮の方へ帰るのを見届けて、俺は演習場に戻った。

戻った理由は一つ。

アクロスが使ってたイメージが、もし武器にも応用出来たなら。

そんなことを考えていたからだ。


「さてと…」

俺は何も無い空中から、一本の木刀を創り出した。


原理は魔法の設置と一緒なはずだ。
なら、この木刀に魔法を纏わせるようにイメージしてやれば…

あれから三十分が過ぎた。

寮へ戻る時間も考えて、後十分がいいとこだろうか。

考え方は大体あってるはずだが、なにかがしっくりこないのだ。


位置の固定じゃ駄目なのか?
それとも人の身体のパーツでないと駄目なのか?

思ったより課題は多いな…


今日はこれくらいにして、今後も研究を続けてみよう。

ーーーーーーーーーーーー

夕食を終え、寝るまで暇ができた。明日は演習なので、予習の必要も特にないのだ。


なので、自室で先ほどの問題を解決するため、色々と試行錯誤をしていた。


「クルス、今空いてる?」

おや、この声は…


「サリサか?入っていいぞ」

入って来たのは、碧眼で綺麗な金髪の女の子だった。

「少し…相談に乗ってもらいたいんだけど…いいかな?」

「構わないよ、どうしたんだ?」

「あの…私って前の演習、審判だったじゃない?
だから、どんな武器使えばいいのか、わかんなくて…どうすればいいかな?」

質問が大雑把すぎるだろ。
ただ、言いたいことはわかった。

「サリサの適性は火だったな」

うん、と頷く。



「だったら…魔法を銃のように打ち出してみたらどうだ?」

「ど、どういうこと?」


「ようは、『火の玉を模造銃から打ち出す』ことをイメージして、魔法を発動する、という感じだ。
これなら火薬も要らないだろ?」

「クルス…簡単に言うけど、それって難しくない?」

「アクロスはさっき、イメージ通り拳で地面を殴って波を立てていたぞ。
できるかどうかはイメージ次第だと思う」

うーん、と頭を悩ますサリサ。

「でもせっかくだからやってみようかな。今から演習場って使えるかな?」

「使えるが、この時間に女の子一人は危ない。俺も同伴するが、いいか?」

「もちろん!」

何故か嬉しそうだ。

ーーーーーーーーーーーー

「模造銃は武器庫から借りてきた。
いいか、イメージが大事だ。焦らず、銃と想像のビジョンに集中しろ」

「うん…」

そういい、サリサは目を閉じる。

一応標的として案山子を置いてみた。あいつが倒れれば今回は成功だ。


少し時間が経ち、
「いくよ」と言葉を放った


サリサは銃の引き金をひき…

それと同時に、爆音が鳴り響いた。


「うわっ!?」

後ろに倒れこむサリサを支える。


「すごい反動…でも感覚は掴んだ」

顔が真剣そのものだ。
因みにサリサの弾丸は案山子の手前に打ち込まれていた。威力は申し分ない。

「もう一度、いくね」

了解とだけ俺は返した。


もう一度引き金に指をかけ、

再び銃声が鳴った。


「や、やった!」

見事、火の弾丸は案山子の腹に命中していた。

「やった!やったよクルス!」

「よ、よかったn「でしょ!すごいでしょ!もっと褒めてよ!も・っ・とぉ!」

テンション上がりすぎだ。
わからなくもないが。


ーーーーーーーーーーーー

「…ゴメン、見境なくはしゃいじゃって」

気分が落ち着いたサリサは、幸か不幸か、俺にしたことを落ち着いて考えてしまった。

結果、顔を赤くして俯いている。

「いや、本当に成功してよかったな。俺もサリサの明るくて可愛い顔が見れてよかったさ」

前半は真面目に、後半はふざけてみた。




「もう…クルスのバカぁ!」


…あれ?もしかしてふざけたことがあまり伝わっていない…?

きりがいいので、少しお休みタイム。

寝落ちしていなければ、22:30ごろに
触りだけやって、残りを明日にやろうと思います。

再開します。
もう誰が見ているのかわからないこの独特な雰囲気にも慣れてきました。


ーーーーーーーーーーーー

「じゃあよろしく、ミリア、サリサ」

今回は教官が審判の下、ミリア、サリサ、俺のチームと、アクロス、ミトラ、リオのチームで演習を行うことになった。

ルールは基本前回と変わらないが、魔法の数に関しては制限なし、となった。

因みに今回の演習場は森林だ。


「そういえば、得物はどうするんだ?」

「あたしは模造銃でいくよ!」

「私は…これを」

ミリアが取り出したのは、メイスより少し短めの杖だった。先には鉄輪のようなものが付いている。

確かこれは…

「これは錫杖か?」

「はい。その中でもこれは手錫杖と言います。儀式用のものなのですが、戦闘用にカスタムしました」

面白いものを使うんだな。


「クレスさんは何を選んだのですか?」

「かなり迷ったけど…
今回は木刀でいこうと思う。」

「また面白いものを使うね」

「ちょっと試したいことがあってね」

「ふうん…?」

「まあ、迷惑はかけないさ…
で、今回の作戦はだな…
正直アクロス、リオ、ミトラが相手だと、真っ向勝負では歯が立たない。
だから、俺たち三人で一人一人を倒していこう」

「堅実に、ですね。了解です」

「役割とかはないの?」

「俺が正面からタイマンを張るから、ミリアは魔法で支援、サリサは少し離れた所から狙撃を頼む」

「「了解」」

更新遅れて申し訳ありません。

一応一区切りついたので、また投下を再開したいと思います。



その前に、ここまでのまとめを。

更新遅れて申し訳ありません。

一応一区切りついたので、また投下を再開したいと思います。



その前に、ここまでのまとめを。

更新遅れて申し訳ありません。


一応一区切りついたので、また投下を再開したいと思います。



と、その前にここまでのまとめを。

test

うおっ!?なんか連投してました、すみません。




クルス 「現実」 適性 雷
能力 【創造複製】【未来予測】
…基本落ち着いた性格だが、心の中でツッコミ役を全うしている。
黒髪黒目。


アクロス「非現実」 適性 土
能力【肉体強化】
…がたいのいいクルスの相方。女が苦手なのに許嫁がいる。
短髪紅髪で葡萄色の目。


ミリア 「非現実」 適性 水
能力【治癒回復】
…大和撫子そのもののような人。戦闘になると気分が高翌揚してしまう。
黒髪ロングで赤茶色の目。


サリサ 「非現実」 適性 火
能力【空間把握】
…明るい性格で、任されたこともきちんとやる偉い子。ツンデレの素質がある模様。
碧眼で金髪セミロング。


リオ「現実」 適性 風
能力【精神集中】
…クールな性格。女の身でありながら白兵戦を担当するほどの実力。
藍鉄色の髪と黒い目。


ミトラ「非現実」 適性 聖
能力【姓名判断】
…現皇帝。実戦経験がなかったものの魔法の扱いはトップ。クルスのことが気になっているようだが…?
髪と目はシルバーグレイ。

ーーーーーーーーーーーー

今日は休日だ。
ちゃんとこの学校にも、週二日間、休みがある。

といっても、大抵は魔法の練習に費やされるのだが…
そこは気にしないでおこう。


丁度朝食を摂っている時だった。


「そういやクルス、俺と演習で戦った時、どう見ても木刀が光ったんだが、あれはどういうことだ?」

「ああ、あれか。
あれは思いつきでやってみた、武器への魔法付与、いわゆる『エンチャント』みたいなやつだ」

「そんなこと出来んのか…
じゃあ、あの時は雷魔法を?」

「ああ、その通りだ。
雷のせいで木刀が焼け焦げたがな」

「お前の手は大丈夫だったのか…?」

「まあ…な」
何故か無傷だった。僥倖。


「そうだ。
皆にも『エンチャント』を使ってもらいたいんだけど、今日は大丈夫か?」

「ええ、大丈夫ですよ」
「もっちろん!」
「当たり前だ!」
「大丈夫だ」
「今日はお仕事ないので、大丈夫です」


「よし、じゃあこの後演習場に来てくれ。そこでやろう」


ーーーーーーーーーーーー

「さてと…
皆、得物は持って来てるな?」

「バッチリです!」



ふむ、

アクロスはパンチグローブ。

ミリアは錫杖、演習の時のやつか。

サリサは拳銃…タイプの銃剣か。

リオのあれはツインスワローだろうか。

ミトラはレイピアだな。


「エンチャントのコツだが、武器を身体の一部だと思ってくれればいい。
両手で掴んで、自分と武器とで回路を作るようにイメージするんだ。
そして、身体から武器へ魔法を流し込んで、武器の部分で魔法を固定。
そうすればいけるはずだ」


「まあ、やって見るのが一番だと思う。
わかんなかったら俺に聞いてくれ」

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