穂乃果「μ'sと迷い鳥」 (212)


絵里「...部室に小鳥が突然入ってきた?」


穂乃果「そうだよ!みてみて!肩に乗るんだよ!」

小鳥「チュン!」

ことり「やーんかわいぃ~!」

凛「かよちんがね!蜂が入ってきたー!って言って大変だったんだよ!」

花陽「り、凛ちゃんやめてよ~!」

真姫「小鳥を鷲掴みにしようとした凛も危なっかしかったけどね...」


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希「人間を警戒しないし、飼育用のセキセイインコみたいやからきっとペットやね。逃げ込んできたんかな?」

にこ「はやく先生にでも知らせなさいよ。ただでさえうちは元々いる動物のせいでうるさいんだから」

凛「一体誰のことかにゃ?」

穂乃果「えーっやだやだ!
持ち主が見つかるまでアイドル研究部で飼おうよー!」

真姫「無理よ...飼育方法分かってんの?」

希「一応基本なら?」

にこ「知ってんのかい!!」


凛「じゃあ飼うにゃー!凛動物は可愛いから大歓迎だよ!」

花陽「お米は食べるんでしょうか...!」

希「えーと、飼育関係の本がちょうどここらへんに...」

真姫「ウチに一応鳥籠あるわよ。前にママが飼ってたらしいから」

にこ「グッズには近づけないでよねー匂い移るから」

ことり「えへへ、可愛いお洋服作ってあげようかなぁ」

穂乃果「よーし!君は今日からμ'sの一員だー!」

絵里「ストップストップ!ちょっと待ったー!!」


絵里「出来るわけないでしょ!ただ飼うだけでもどれだけの手続きと許可が必要だと思ってるの!」

穂乃果「えー!?そんな....」

絵里「駄々こねてもダメよ。
これは生徒会で預かって正式に持ち主を探します」

凛「ず、ずるい!これが権力ってやつにゃ!」

絵里「人聞きが悪いわね...」

穂乃果「やだやだー!絵里ちゃんおねがーーい!」

絵里「ちょ...穂乃果...やめなさい!絶対ダメなんだからね!」

希「なんかこのまま押せばいけそうやね」

真姫「振りよねアレ」


海未「穂乃果!!」

穂乃果「ひっ!!」

海未「あんまり絵里に迷惑かけてはいけませんよ?ここはアイドル研究部なんですから...小鳥は必要ないでしょう?」

ことり「えっ...」

にこ「あんたじゃないわよ」


穂乃果「でもでも、小鳥飼いたいでしょ?練習で疲れた穂乃果達の癒しになること間違いなしだよ!」

海未「そんなこと言って...穂乃果は結局お世話をサボるじゃないですか!」

穂乃果「うっ...!毎日散歩行くもん!」

海未「自分が起きれないのに散歩など行けるはずがありません!」


希「小鳥を散歩させたら逃げちゃうからね」

花陽「親子みたい...」


海未「駄目です!小鳥はナシです!」

穂乃果「そんなこと言わずにさー!
ほらほらー、可愛いよー?」

海未「ひっ!?」

穂乃果「見てごらんってー!」

小鳥「チュンチュン!」

海未「やっ、やめて!それ以上近づけないでください!」

穂乃果「えー、なんで?」

海未「か...噛まれたらどうするんです!やめてください小鳥を私に1m以上近づけないでください!」

穂乃果「ぶー...海未ちゃんは本当に動物苦手なんだから...」

ことり「なんか聞いてるだけで傷つくよ...」シクシク



海未「絵里!なんとか言ってください!」

絵里「そ、そうよ!
海未は怖がってるんだし、持ち主を探すのにも生徒会の方が都合がいいわ」

絵里「はやく持ち主を見つけてあげたいでしょ?我慢しなさい穂乃果」

穂乃果「うぅ、わかったよ...」

凛「はー、凛久しぶりに動物と戯れられると思ったのにー」

花陽「ペットショップは凛ちゃん入れないもんね」

ことり「お洋服...」

真姫「まあ、一件落着ってとこね」

にこ「ほら、切り替えるわよー!練習練習ー!」


穂乃果「うぅ...」

絵里「...」


ー3日後ー

穂乃果「あーあ、小鳥...」

海未「まだ言っているのですか?もう3日も前のことじゃないですか」

にこ「そうよ、いつまでもだらけてるんじゃないの。リーダーでしょ?」

穂乃果「分かってるけど~...」

凛「きっと今頃絵里ちゃんと希ちゃんは小鳥と戯れ放題にゃ~...」

穂乃果「ずるい~!」

真姫「何言ってるのよ...もう持ち主見つかったかもしれないじゃない」

穂乃果「!」

凛「!」

海未「!」


花陽「そっか。もう学校にもいないかもしれないんだね」

穂乃果「そんな、お別れ言えてないよ...」

凛「こんなのってないにゃ...」

真姫「もしもの話よ。もしも」

海未「なるほど!見つかっているといいですね」

花陽「(海未ちゃん...すごいいい顔)」


海未「まあ、確かに飼ってもよかったかもしれませんね、動物は人の心を癒すとも言いますし...」

にこ「言ってることがこの前と真逆よ」

海未「ですが人様のペットである以上飼い主といるのが小鳥にとっても幸せ...そうでしょう?」

海未「飼い主が見つかった今、我々が首を突っ込む話ではありません。ねえ穂乃果?」

穂乃果「うぅ~...」

真姫「繰り返すけどもしもの話よ?」



海未「大体3日も経ってるんですよ!見つかっていない方がおかしいでしょう!」

海未「きっと見つかっています!見つかっていないと困りま...」

ガラッ


絵里「みんな、遅れてごめんなさい」

希「みんなおっはー」

ことり「遅くなっちゃったー」

凛「あ、絵里ちゃんに希ちゃんにことりちゃん」

穂乃果「3人で何してたの?」


希「ふふふ、今からわかるよ」

ことり「絵里ちゃんおねがい!」

絵里「...仕方なく、こうなったんだからね」スッ

小鳥「チュン!」


穂乃果「!!」

凛「!!」

海未「」


穂乃果「こ、小鳥ちゃーん!!!」

ことり「なあに?」

穂乃果「あー、ことりちゃんじゃないけど、でもことりちゃんありがとー!!」

ことり「えへへ」

凛「なになに!?飼ってもいいの!?飼ってもいいのー!?」

希「そうよー!」

ほのりん「「やったーー!!」」

花陽「よかったね凛ちゃん!」

にこ「なんでいきなり...」


絵里「生徒会で保護するにしても色々と問題があってね...」

絵里「生徒会室に飼えるようなスペースもないし、私が所属してるアイドル研究部が責任を持って管理することになったのよ」

希「えりちは頑張ったんよー?
みんなに沢山説明して、ね?」

絵里「ちょっと希...」

穂乃果「絵里ちゃんありがとー!」

凛「絵里ちゃん優しいにゃー!」

絵里「ちょっ...あんまりくっつかないの!やめなさい!」

ことり「ことりもお母さんにいっぱい頼んだよ!」

にこ「すごい職権乱用の香りがするんだけど...」

希「生徒会長と理事長の娘の権限を贅沢に使用した芳醇な香りやね」


海未「え、絵里!どういうことですか!」

海未「こんなの聞いていませんよ!他の部でもいいじゃないですか!」

絵里「すでにこれは私たちアイドル研究部が任された仕事なのよ?私の誇りにかけてしっかり遂行します」

穂乃果「それに海未ちゃんさっき飼ってもいいって言ってたよねー」

花陽「心が癒されるって言ってたね...」

海未「いいわけないでしょう!あれは嘘です!見ず知らずの動物がいる空間でリラックスできるはずがありません!」

凛「ここまでくるとむしろ清々しいにゃ」


希「大体なんで海未ちゃんはそんなに動物苦手なん?」

穂乃果「海未ちゃんは生き物全般が苦手だよ。虫とか」

にこ「人間も苦手そうよね...」

海未「犬なら触れますよ...犬なら...」

穂乃果「こんなに可愛いのにねー!」

小鳥「ちゅんちゅん」

海未「ことりは...くちばしは尖っているし爪も鋭いし怖いです...」

ことり「...!」ガーン

真姫「海未、ことりが間接的にダメージ受けてるから」



穂乃果「酷いよ海未ちゃん!目の前でそんなこと言うなんて!」

ことり「そうだよぉ!きっと...きっと小鳥ちゃんは傷付いてるよ!」

希「ことりちゃん迫真やな」

海未「うっ...そ、それは謝りますが、なんで傷付いてると分かるんですか!」

穂乃果「分かるよ...表情が心なしか悲しそうだもん」

小鳥「チュン...」

絵里「確かに...言われてみると...」

凛「鳴き声も元気がないにゃ...」

花陽「目も潤んでるような...」

ことり「かわいそうな小鳥ちゃん...」


海未「いや分かりませんよ!!」





穂乃果「こうして

μ'sと小鳥の生活が始まった!」




とりあえずここまでで続きは明日あたり書きますね



穂乃果「おっはよー!」

ことり「穂乃果ちゃん!おはよう!」

海未「おはようございます穂乃果」

穂乃果「絵里ちゃん希ちゃんにこちゃんもおはよー!」

絵里「おはよう穂乃果」

希「おはようさん」

にこ「朝から元気ねぇ。おはよう」

穂乃果「まきりんぱなにもおはようおはよう!」

真姫「オハヨ」

凛「おはようにゃー!」

花陽「おはようございます!」

穂乃果「ふふふっ!」


穂乃果「そしてー」

穂乃果「小鳥ちゃんもおっはよー!」

小鳥「チュン!」

ことり「うん!おはよう穂乃果ちゃん!」



穂乃果「...」

海未「...」

ことり「...あ」



穂乃果「ごめん...今のはこっちの小鳥ちゃんに言ったんだ」

ことり「そうでした...」

海未「というか、二回目の挨拶なのに違和感は感じなかったのですか」

ことり「穂乃果ちゃんに挨拶されるとなんか反射的に...」

希「あはは、たしかに聞き分けがつかんもんね」

凛「でも面白いにゃー」

アハハハハ

にこ「...」


ーーーーー
ーーー


絵里「さーて、今日は私が餌当番ねー」

絵里「えーっと...あら?」

絵里「鳥籠がないじゃない...さては誰か持って行ったわね」

絵里「ちょっとー!だれか鳥籠持ってった?」

希「知らんよ?」

絵里「もう...小鳥誰か知らなーい?」

ことり「呼んだ?」ヒョコ

絵里「...」

ことり「...あ」


ガラッ

凛「ごめーん!かよちんがお米食べさせたいっていうからちょっと移動させてたにゃー!」

花陽「鳥はご飯食べないみたいです...」

小鳥「チュン!」

絵里「...えーと、ことり。私はこっちの小鳥を探してたのよ」

ことり「えへへ...またやっちゃった」

希「あはは、確かにえりちがことりちゃん探してるようにしか聞こえんかったなー」

穂乃果「もー!ことりちゃんはドジっ子なんだからー!」

アハハハハ

にこ「...」


ーーーーー
ーーー


にこ「ん、この衣装スカートの部分がほつれちゃってるわね」

穂乃果「あ、本当だ」

にこ「ことりに直してもらいましょう。ことり!」

ことり「...」

にこ「...聞いてんの?ことり?」

ことり「...」

にこ「ことり!南ことり!」」

ことり「あっ、ことり!?ごめん何!?」

にこ「...」

穂乃果「...」

ことり「...あぁー」


ことり「ごめん...今度はそっちの小鳥ちゃんのことかと思って...」

穂乃果「もー!ことりちゃんったらー!」

希「あはは、今度はいつもと逆だったわけや」

真姫「なかなか上手くいかないものね」

アハハハハ


にこ「ことりことりって紛らわしいぃぃわぁぁ!!!!」バァン!!


ことり「!?」

小鳥「!?」



にこ「何がアハハハハよ!毎回毎回バカみたいじゃないのこのやりとり!飽きたわよ!」

希「にこっちなんでいきなり怒ってるん?」

穂乃果「そうだよ!穂乃果びっくりしたよ!」

にこ「いや誰もツッコミ入れないからでしょ!何回やるつもりだったのよ!」

にこ「とにかく今のままじゃ紛らわしくてことりが疲れちゃうわ」

絵里「じゃあどうすればいいのよ」

真姫「そうよ、何か案があるの?」

にこ「名前よ名前。小鳥に名前つけてあげれば解決するでしょ!」

ことり「ことりはことりだよ...?」

にこ「あんたじゃないっての!」



穂乃果「名前かー!確かに考えた方がいいかもね!」

凛「凛、ペットに可愛い名前つけるの夢だったんだー!」

ことり「これでもう間違われないで済むね!」

小鳥「チュン?」

海未「はぁ...まったく、いちいちはしゃぎすぎです。預かっているだけなのに名前など...」

海未「ねぇ?絵里」

絵里「では第一回、小鳥の名前決め会議を始めるわよ!」

海未「絵里まで...」

希「ノリノリやね」


ー開始ー

にこ「ここは無難にピーちゃんとかでいいんじゃない?ことりと区別できればいいわけだし」

絵里「なんの捻りもないわね...」

穂乃果「そうだよ!それじゃつまんないよ!」

にこ「つまんないって...じゃあ何がいいってのよ」

穂乃果「それは...真姫ちゃんパス!」

真姫「ヴェ、なんで私に振るのよ!?」

穂乃果「だってどうせなら芸術的な名前がいいじゃん!名付け親は真姫ちゃんがピッタリだよ!」

真姫「ペットの名前に芸術性求めるなんて初めて聞いたわよ...」


真姫「でも...そうね」

真姫「綺麗な白い翼...まるで天使みたい」

凛「真姫ちゃんの芸術エンジンが動き出したにゃ!」

花陽「なんかすごいよ真姫ちゃん!」

真姫「天使...天界の大天使...そうね」

真姫「名前は大天使の名前にちなんでガブリエル!これで決まりよ!」

にこ「却下」

真姫「なんでよ!」

穂乃果「なんか可愛くない!」

海未「私はそれでいいと思います」キラキラ

凛「海未ちゃんの中の中学二年生も動き出したにゃ!」


真姫「何よ!せっかく一生懸命考えたのに!」

花陽「あっ!花陽思いつきました!」

希「なになに?」

花陽「真姫ちゃんが白い翼って言った所でピンと来たんだけど...」

花陽「白で思い浮かぶ物、そう、みんなが大好きなアレにちなんで」

にこ「どうせ米でしょ!」

花陽「お米ちゃん...って何でワカッタノォ!?」

ことり「大体わかるよ...」

絵里「油断も隙も無いわね...」


凛「じゃあはいはい!凛も名前つけたい!」

絵里「もう期待もしないけど...どうぞ凛」

凛「やっぱり可愛い名前がいいにゃー!この子の名前はかよちんで決定!」

花陽「ええっ、私!?」

ことり「!! いや!ホノカって名前にしよう!」

絵里「凛にしてはいい意見ね。でも少しひねってノゾミ...はどうかしら」

真姫「またいい名前思いついたわ。この子の名前はにこにーにしましょう」

にこ「これじゃことりが他の人に変わっただけでしょうが!!」


穂乃果「全然決まらないよー!」

にこ「こうなったら最終手段ね...」

ドンッ

ことり「この箱は何?」

にこ「くじ引きよ!みんなで小鳥の名前を書いた紙をこの箱の中にいれて一つだけ引く」

にこ「出てきた名前に決定、恨みっこなし!これでいいわね!?」

海未「いいと思います」

穂乃果「もう、海未ちゃんたら興味なさそうに...でも穂乃果もそれでいいと思うよ!」

にこ「よし、じゃあみんな書いてここに入れなさい!」

にこ「みんな入れたみたいね」

ことり「これで小鳥ちゃんの名前が決まるんだね...!」ゴクリ

真姫「ところでこれ、誰が引くわけ?」

にこ「そんなのこのにこにーに決まってるでしょ。部長なんだから」

希「なんか文化祭の時のくじ引きを思い出すんやけど...ウチに任せた方がいいんやない?」

にこ「何よまたにこがハズレ引くっての!?決めたもう絶対にこが引くわ!」

穂乃果「不安だ...」

凛「不安にゃ...」

花陽「誰か助けて...」

にこ「いくわよ!!」


ガサガサ...

にこ「これに決めたっ!」

にこ「...へえ。なかなかいいじゃない」

穂乃果「どれどれ!?」

凛「どんな名前!?」

花陽「誰のやつ!?」

絵里「早く見せなさいにこ!」

希「もったいぶるのはよくないよにこっち!」

ことり「気になるよ!」

真姫「はやくしなさいよ!」

にこ「落ち着きなさい!発表するわ、小鳥の名前は...」

全然「...」ゴクリ



にこ「...にこにー」


穂乃果「...ん?」

花陽「え?」

ことり「は?」

にこ「も~誰よ~にこの名前書いたのは!でも仕方ないわね恨みっこナシって約束だしぃ?小鳥の名前はにこにーに決定!」

絵里「...」

希「...」

凛「...」

凛「真姫ちゃん!!」

真姫「わ、私じゃない!!」


凛「嘘つかないでよ!あんな名前入れるのは真姫ちゃんくらいしかいないにゃ!」

真姫「違うわよ!だって私ガブリエルって書いて入れたもの!」

花陽「まだ引きずってたのぉ!?」

ことり「じゃあにこにーは一体誰が...」

穂乃果「まさかにこちゃん自分で...」ジトー

にこ「なっ!?そそそんなわけないでしょ!」

希「これは一回箱の中身を全部出して確認する必要がありそうやね」

絵里「誰がどんな名前つけたのか気になるしね。ねぇにこ?」

にこ「...」ダラダラ



希「えーと、コマチちゃん」

花陽「それは私です!あきたこまちから取りました!」

希「ボルシチ」

絵里「それは私ね。ロシアの料理よ」

希「チーズ」

ことり「ことりだよ!チーズケーキから取ったの!」

真姫「食べ物ばっかりじゃない!」

凛「絵里ちゃん...インコの名前にボルシチは無いと思うにゃ...」

絵里「ええっ!?いいじゃない強そうで!」


希「かよちん...これは凛ちゃんやね」

希「ガブリエルは真姫ちゃんで、スッピー...これはウチ」

希「あとは...ほむほむ?」

穂乃果「それは穂乃果だよ!穂むらから取ったんだ!」

花陽「なんかダメな気がします...」

希「そして大量のにこにー...さーて、あと言ってないのは誰やったっけ?」

にこ「え、えーと、海未がまだじゃない?」

海未「私はにこにーなんて書いてませんが」

絵里「確か箱を用意したのはにこだったわよね」

凛「にこちゃん...」

にこ「...に、にこ~...」


にこ「だって可愛いじゃない!真姫ちゃんが言っててちょっと気に入っちゃったのよ!」

にこ「にこのことにこにーって呼ぶ人誰もいないしぃ?これで決定でいいかなーって!」

絵里「いいわけないでしょ!みんな真剣に考えた名前なのよ!」

穂乃果「そうだよ!ズルはだめだよ!」

にこ「なによ!にこにーがそんなに嫌だっての!」

真姫「そうとは言ってないでしょ!ズルがいけないのよ!」

花陽「コマチちゃんって可愛いと思いませんか?」

希「スッピーだって可愛いやん!」

ことり「もう一回!もう一回やろうよぉ!」

ウラミッコナシッテイッタデショ!

ハナシガベツダヨ!

ケンカハヤメテー


海未「あのー...みなさん」

全員「なに!?」

海未「小鳥が...みなさんが騒ぐので少しグッタリしているようなんですが....」

小鳥「チュン...」


絵里「ボ、ボルシチー!」

穂乃果「ほむほむ大丈夫!?」

真姫「しっかりしなさいガブリエル!」

にこ「ちょっとうるさいわよあんた達にこにーが困ってるでしょ!」

ことり「ふぇ~ん、元気出してチーズちゃ~ん...」

凛「かよちん元気出して!」

花陽「元気だよ!いまはコマチちゃんを応援しないと!」

希「スッピーにスピリチュアルパワー送るよ!」



海未「はぁ...なんでこうなるんでしょう」


ーーーーー
ーーー


穂乃果「結局決まらないねぇ...」

絵里「これ以上言い争っても、小鳥のストレスになるだけだと思うわ」

にこ「もういいじゃないにこにーで」

凛「それだけは嫌だにゃ」

にこ「なんでよ!」

希「うーん...あ、そういえばひとつ見てないのがあったね」

真姫「そういえば海未のやつがまだよね」

花陽「気になります!」

希「読むよ?えーと...ほの吉?」

穂乃果「えっ、穂乃果?」


海未「ええ、穂乃果から取ったんです。一番最初に懐かれていたのは穂乃果でしたから」

海未「まあ私は呼ぶつもりもありませんし、適当に決めたのでボツで構いませんが...」

希「いや、結構いいんやない?」

ことり「うん、可愛い!」

真姫「覚えやすいしね」

にこ「気に食わないけど、まあいいんじゃない?しっくりくるし」

穂乃果「おお...なんか照れますなぁ」

絵里「じゃあ異論もないみたいだし、名前はほの吉でいいわね?」

凛「賛成!」

小鳥「チュンチュン!」

海未「ほ、本気ですか...!?」」




穂乃果「部室に迷い込んできた小鳥の名前は、ほの吉に決定!」




ーーーーー
ーーー


ことり「みてみて花陽ちゃん!これいいと思わない?」

花陽「かわいい!私のも見てことりちゃん!」

ことり「お~いいね~!
えーと、あとは何が必要かなぁ?」

花陽「これでいいんじゃないかな?すごく可愛いよ」

穂乃果「ことりちゃんと花陽ちゃん何描いてるの?」

絵里「これは...チラシかしら?」

ことり「そうだよ!」



ことり「こういうのよくあるでしょ?飼い主を探すための広告!」

花陽「これをコピーして付近に貼り付けておけば、飼い主さんが早く見つかると思って描いてみたんです!」

絵里「なるほどね、生徒会でもそのうち作ろうかと思ってたけど、手間が省けたわ」

穂乃果「うん!それにすっごく可愛いし、絵もほの吉にそっくり!」

ほの吉「チュン?」

ことり「えへへぇ...」

絵里「でも二人とも、これちゃんと学校の電話番号と住所を書いておかないと意味がないわ」

ことぱな「あ」


希「ほぇー、よく出来てるもんやねー」

凛「かよちんは昔から絵が上手にゃー」

海未「ことりの絵もとても可愛いです。本物よりも可愛いくらいですよ」

ことり「そんなに褒められたら困っちゃうよぉ」

ほの吉「ピィーッ!!」バタバタ

海未「な、なんですか!」

穂乃果「海未ちゃんが本物より可愛いとか言うから怒ってるんだよ!」

絵里「人の言葉が分かるのかしら...」

希「スピリチュアルやねぇ」

真姫「穂乃果が鳥の言葉を理解してることには誰もつっこまないのね」


にこ「ことりと花陽ばっかりチヤホヤしてないでにこの描いたチラシも見なさい!自信作よ!」

希「お、にこっちも描いたん?見せて見せてー」

にこ「ふふん、二人ともなかなかやるけど、ちょーっとインパクトが足りないわね。にこのを参考にするといいわ」

穂乃果「...この、真ん中のトカゲみたいな絵はなぁに?」

海未「翼がありますからトカゲではないでしょう、きっと空想上の生物です」

にこ「ほの吉よ!セキセイインコよ!」

希「ちょっとインパクトありすぎやない?」

絵里「夢に出てきそうだわ...」

真姫「気持ち悪い...」


穂乃果「じゃあ早速コピーして貼りにいこうか!一緒に行く人ー!」

凛「はいはーい!凛いくー!」

希「ウチもいくー!」

真姫「でも、それをペラッと貼っておくだけでそんなに上手くいくかしら」

絵里「やらないよりはマシじゃないかしら」

穂乃果「そうだよ!こんなに可愛いんだよー?みんな見てくれるよ!」

にこ「いや、確かにただこれが貼ってあるだけじゃ見てくれる人は少ないと思うわ。道行く人ってのは案外周りに興味がないものよ」

ことり「そっかぁ...」

希「一理あるけど、じゃあどうするん?」

真姫「私たちが配る...とか」


花陽「私たちが...」

凛「配る?」

真姫「私たちμ'sが呼びかけをしながら配れば、貼っておくだけより話題になると思わない?」

にこ「なるほどね。いいと思うわ。実際保護してるのは私達なんだし」

穂乃果「チラシ配りだね!じゃあやろう!1人30枚、配り終えるまで大通りで呼びかけだよ!」

絵里「分かったわ、とりあえずこれコピーしてくるわね」

ことり「なんだか懐かしいね!3人だけだった時を思い出すよ」

穂乃果「あの頃の海未ちゃんはチラシ配りもできなかったもんねぇ」

海未「馬鹿にして...今ならチラシ配りくらいできます!余裕です」


ー大通りー


海未「無理です!人が多すぎます!」

穂乃果「早すぎる!もうちょっと頑張ってよ海未ちゃん!」

ことり「海未ちゃん...」アハハ

海未「大体なんで私がこんなことしないといけないのですか...私はあの小鳥のために何故こんな...」

穂乃果「小鳥じゃなくてほの吉だよ!」

ことり「海未ちゃん今回はいつにもまして動物嫌いが加速してるよねぇ」

海未「この前餌やりの時に指を噛まれて以来、私とあの小鳥は分かり合えないと悟りました」

穂乃果「ほの吉だってばぁー!!」


希「でも海未ちゃん?このチラシ配りは少なからず海未ちゃんの為にもなるんやない?」

海未「私の為?何故ですか」

希「これを少しでも多くの人が見てくれれば、元の飼い主にも届くかもしれない」

希「元の飼い主に届けば、ほの吉は引き取られて平穏な部室に戻る」

希「海未ちゃんも安心してくつろげる...めでたしめでたし」

海未「おお...」

希「で、少しでも多くの人に見てもらう為には少しでも多くの人に配る必要があるやん?」

海未「なるほど!頑張って配ります!」

希「うん、頑張り」


ヨロシクオネガイシマス!

花陽「わぁ、海未ちゃん頑張ってる...」

凛「やっぱり色々言っといて海未ちゃんはほの吉のこと好きなんだにゃー!」

真姫「責任感強いから頑張ってるだけでしょ?凛と違って」

凛「そんなことないよ!ほら!こんなに減ったよ!」

真姫「私には及ばないわね...もっと頑張らないと30枚なんて無理よ」

花陽「真姫ちゃんもまだ10枚くらいしか配ってないよね...急がないと本当に終わらないよ?」

凛「珍しくかよちんが静かに怒ってるにゃー!」

真姫「こ...こわい!!」



絵里「あら、真姫と凛が急に頑張り始めたわ。これならノルマは達成出来そうね」

希「ふふふ、効果が出るといいんやけどね」

絵里「そうね...ずーっと学校で保護ってわけにもいかないから...早めに見つかって欲しいわ」

希「まあ大丈夫やない?カードもそう言ってるし」

絵里「こういう時に希の言うことは当たるからね。今は私もカードにすがるしかないわ」

希「そうやね」

にこ「ちょっとあんたらなにサボってんのよ!!」

希「おや、にこっち」


にこ「本気でやりなさい!これはほの吉の為もあるけど私達の宣伝も兼ねているのよ!?」

にこ「こんな所でゴチャゴチャ言ってないではやくその溜まったチラシを配り終え...無いっ!?」

絵里「今しがた配り終えた所なのよ、にこのも手伝った方がいい?」

希「やっぱりμ'sの知名度は馬鹿に出来んよね、えりちなんか人に囲まれてあっという間に配り終えちゃったもん」

にこ「ぐぬぬ...見てなさい!私だって!私だってねえ...!!」

にこ「こんなのあと1時間もすれば無くなってるんだからー!!」

絵里「ハードル低っ...」

希「まあまあ、前は配りきれなかったらしいから」


ーーーーー
ーーー



穂乃果「終わったー!」

ことり「暗くなって来たしこれくらいで終わりにしようか」

凛「なんとか配り終わったにゃー....」

真姫「そうね...なんだか前よりも疲れたわ」

花陽「お疲れさま、二人とも」

絵里「じゃあ今日はここで解散にしましょう。明日は9時に屋上だからね」

希「はーい。じゃあウチは帰る前ににこっち慰めていこうかな」

にこ「なによ!嫌味でもいいに来たの!残り3枚よ!3枚配り切れば終わりだったんだから!!」グスグス


海未「ことり...見つかるといいのですが」

穂乃果「おおっ!やっと海未ちゃんもほの吉に対する愛情が湧いてきたんだね!」

海未「飼い主が見つかることは私の望みでもありますから」

穂乃果「海未ちゃんがそこまでほの吉のことを考えていたなんて...やっと分かり合えたんだね...!」

海未「ふふ...もう今から分かりあう必要なんて、無いんですよ...(いなくなるので)」

穂乃果「うんうん、そうだね!もう必要無いよね!(もう分かりあってるもんね!)」

ことり「(言葉だけ見るとすごくいい会話にみえるんだけどなぁ...)」アハハ...







穂乃果「チラシ配りは終了!効果に期待!」






ー2年教室ー


穂乃果「疲れたー」

ことり「穂乃果ちゃん、数学嫌いだもんね。頑張ったね」

海未「そのわりにノートが不完全ですが...まあ良しとしましょう」

穂乃果「ああー、疲れた時はほの吉に会いたいなぁー、はやく部活にならないかなぁー」

海未「またほの吉ですか...」

ことり「穂乃果ちゃんは最近そればっかりだねえ」

海未「まあ交代制とはいえお世話もちゃんとしていますしね...」

穂乃果「当然だよ!穂乃果はやればできる!」

海未「では早速そのノートの続きをやってもらいましょうか」

穂乃果「うっ...いや、これはちょっと...休憩で...」


タイヘンデスーー!!!

ことり「ん?廊下から聞き覚えのある声が」

穂乃果「この声は...」

花陽「大変ですっっ!!!」バァン!

海未「わあっ!?」

穂乃果「花陽ちゃん!?ここ2年生の教室だよ!」

花陽「違うんです!大変なんです!ほの吉が...ほの吉がぁっ...!!」

穂乃果「えっ?」

ことり「ほの吉に...なにかあったの...?」

花陽「大変なんですっ!!」


ー部室ー


チュンチュン!!

ホノキチ!!ホノキチ!!

コトリチャン!!ゥエリチャン!!!


絵里「これは...」

真姫「驚いたわ...」

りんほの「「しゃ、喋ってるぅーーーーーーーー!!!!」」キラキラ

花陽「餌やりの時に、突然喋り出したんです...!!」

希「セキセイインコのオスやから、懐いて言葉を覚えたんやね」

ことり「一番話しかけてた穂乃果ちゃんの言葉を覚えたみたい」


穂乃果「すごいっ!すごいよっ!
ほの吉すっごく頭いいー!」

凛「喋る鳥初めて見たにゃー!!ねえほの吉!凛はー?凛はー?」

ほの吉「ゥエリチャン!?」

凛「絵里ちゃんじゃないよー!凛だよ凛ー!」

真姫「穂乃果がたくさん名前を呼んでた人の名前を覚えてるみたいだから、今のところ絵里とことりと自分の名前って所じゃない?」

凛「えー!?穂乃果ちゃんもっと凛のこと呼んでよー!」

穂乃果「凛ちゃん凛ちゃーん!」モッギュー

凛「穂乃果ちゃーん!」モッギュー


にこ「ほの吉!」ズイッ

ほの吉「チュン?」

希「どうしたのにこっち」

にこ「にっこにっこにー!にっこにっこにー!」

ほの吉「ホノキチ!!コトリチャン!!」

にこ「違うって!にっこにっこにーだって!」

絵里「そんなすぐに覚えるはず無いじゃない...」

にこ「いいえ!嫌でも覚えてもらうわ!あなた達、動物の面白動画を舐めてるでしょ!」

花陽「動物の面白動画...ハッ!」


花陽「もしかしてにこちゃん、ほの吉に言葉を覚えさせて宣伝に使うつもり!?」

にこ「さすが花陽、察しがいいわね」

真姫「どういうこと?」

花陽「動画サイトの中でも今特に注目を集めるジャンル...動物関連の面白動画...!そこでにっこにっこにーをやるインコがいれば、確実にμ'sの...いや、にこちゃんの宣伝になる!」

にこ「完璧よ!」

絵里「いやいや...ダメに決まってるでしょ...人様の鳥なのよ...?」

希「あんまり法律にはくわしくないけど、やめておいた方がいいね」

にこ「そんなー!」


海未「皆さん、そろそろ授業が始まります。教室に戻りますよ」

絵里「相変わらずほの吉に対してはドライね海未...」

希「そんなこと言ってー、えりちとことりちゃんは名前呼ばれてたのに自分は呼ばれなくて拗ねてるんと違う?」ニヤニヤ

海未「なっ、そんなわけ!」

穂乃果「一回顔見せてあげれば?呼んでくれるかもよ?」

海未「ないですよ!私はろくに口も聞いてなかったんですから!呼んでくれるわけが!」

凛「ちょっと試すだけにゃー、こっちくるにゃ」

海未「そんな、期待しても無駄ですよ!絶対に呼ばれませんから!」アセアセ


ほの吉「チュン?」

海未「...」

穂乃果「ほら海未ちゃん、海未だよーって!」

ことり「きっと呼んでくれるよ!」

海未「...」

海未「...う」

海未「...海未ですよー?」

ほの吉「...」

海未「...」

海未「...ほら、やっぱり何も」

ほの吉「ラブアローシュート」

穂乃果「ん?」

ことり「おや?」

海未「...!?」


ほの吉「ラブアローシュート!ラブアローシュート!」

海未「ちょっ!やめてください!何を言うんです!」

穂乃果「これって海未ちゃんがいつも隠れてやってる...」

ことり「海未ちゃん...まさかみんながいない間に部室で...?」

海未「違います!いや違....みんながいないから!」

ほの吉「ミンナノハート ウチヌクヨー!!」

海未「あなたは黙っていてください!」

真姫「海未...」

絵里「しかも覚えられる程って...相当やってたわね...」

希「みんな、あんまり海未ちゃんいじめたらあかんよー?」(録音中)


にこ「いいじゃない!私は感動したわよ!」

海未「にこ!?」

にこ「みんながいない間にキャラ作り...海未、あなたは今まで引っ込み思案でイマイチアイドルに向いてないと思ってたけど...そのプロ意識、認めざるを得ない」

にこ「正直、昔のにこを見ているみたいよ...ようこそ、こちら側へ」

海未「い、いやー!!」

にこ「ちょっと!せっかく認めてるのに嫌ってなによ!」

真姫「まあそりゃそうでしょ...」

凛「にっこにっこにーと一緒にされたらちょっとねぇ」

にこ「ひどいっ!?」



海未「これだから...これだから動物は嫌なんですー!!」

ほの吉「バーン!バーン!」






穂乃果「ほの吉が喋った!海未ちゃんとはまた仲が悪くなっちゃったみたい...」






海未「はあ...今日も疲れました」

穂乃果「今日はお疲れだね海未ちゃん」

海未「ええ...実は少し寝不足なのです」

ことり「そうなの?全然気付かなかったよ」

海未「顔に出ないタイプなので...ふあぁ」

穂乃果「でもそんな海未ちゃんをほの吉が癒してくれるよ!素晴らしいね!」

海未「ですから...私は別に癒されませんし、私の方からことりに接することもありません」

ことり「あれ?でも今日のほの吉の餌当番、海未ちゃんじゃなかった?」

海未「えっ」

穂乃果「ファイトだよ!」

海未「...えっ」


ー部室ー


海未「お願いします!誰かことりの餌やりを代わってください!」

ことり「海未ちゃん...」

穂乃果「なりふり構ってられないんだね」


絵里「海未、みんな交代制でやってきたのよ?あなただけやらないわけにはいかないでしょう」

海未「で、ですから!それ以外のことで補いますから!掃除とか、雑用とか...!」

凛「なんだかいつもの海未ちゃんじゃないみたいだよ...」

花陽「本当だね...」

希「じゃあワシワシは?」

海未「ワシワシは無しです!!」キッ

真姫「あ、一瞬戻った」


海未「ええい、こうなったらどんな手でも使いますよ!いくらです?いくら払えばいいのですか?」

にこ「そうね、1000円出すなら考えてあげなくもないわ」

海未「楽勝です!!」

凛「にこちゃん要求しちゃダメにゃ!!」

穂乃果「しかも要求価格がコスい!!」

にこ「う、うっさいわね!冗談よ冗談!」

絵里「海未、いくら出しても代わる人はいないわ」

真姫「ていうか、出せば出すほど受け取れないわよ」

海未「うう...では私はどうすれば...」

ことり「餌やりくらい頑張ろうよ...」

海未「ことりは知らないでしょう!餌やりの際に小鳥に噛まれる恐怖が!ことりは小鳥に噛まれたことはないでしょうからね!」

にこ「もう何言ってるのか分かんないわよ...」

希「ゴチャゴチャやね」


絵里「海未、きっとほの吉は海未の敵意に反応して指を噛んじゃったのよ。ちゃんと接すれば普通に触れ合えるはずよ?」

海未「嘘です...あの小鳥は私の命を狙っています...」

にこ「鷲とか鷹じゃないんだから...」

絵里「そうよ、一回噛まれたくらいでへこたれてどうするの。海未はそれくらい受け入れることができる強い子でしょ?」

海未「絵里...」


絵里「海未のほうから歩み寄って、仲良くならないと」

穂乃果「そうだよ海未ちゃん!次は仲良くできるよ!」

ことり「ことりもそう思う!」

海未「穂乃果...ことり...」

海未「...分かりました。今日一日は私が責任を持って小鳥の面倒を見ます。お騒がせしてすみませんでした」

絵里「さすが海未」

希「一件落着やね」


凛「絵里ちゃんが思ってたよりお姉さんしててそこにビックリしたにゃ」

花陽「凛ちゃん...しーっ...」


ー放課後ー


絵里「じゃあ私達帰るわね」

希「ほなー」

凛「真姫ちゃんもにこちゃんも今日はラーメン行くにゃー!」

真姫「なんで私まで!」

にこ「アイドルがラーメンはダメでしょ!クレープにしなさい!」

花陽「おにぎり...」

海未「...」

海未「...ふぅ」

ことり「海未ちゃーん...」

穂乃果「ほの吉とにらめっこしてても餌はやれないよー?」

海未「わかってます。わかっていますから、時間をください。すぐいきますから」

穂乃果「最終下校時刻になっちゃうよー」

海未「あともう少しです...あと...」

ほの吉「チュン?」



ー20分後ー

穂乃果「うーみーちゃーんー」

ことり「暗くなってきたねえ」

海未「...二人は先に帰っていてください。戸締りはやっておきますから」

穂乃果「もう、無理なら手伝うよ!」

海未「いいえ、これは私の戦いですから、やり遂げて見せます」プルプル

穂乃果「言ってることはかっこいいけど指が震えてるよ!!」

ことり「餌のはいった器を籠に入れるだけなのにねぇ...」

海未「もうちょっと...あとちょっとで...」

ー30分後ー


海未「...」

海未「二人とも帰ってしまいました」

海未「...これであなたと一騎打ち...集中できるというものですよ...ふふ」

ほの吉「チュン...」

海未「...まったく、なぜあなたは私を噛むのです?」

ほの吉「チュン...?」

海未「とぼけるのですね...だからあなたが嫌いなのです」

ほの吉「ピーーッ!!」

海未「ひっ!あっ、餌を落としてしまったじゃないですか!」



海未「まったく...私とあなたはつくづく相性が悪いですね...お願いですから動かないでください....」

ほの吉「...」

海未「...絵里は、あなたが私の敵意に反応したとか言っていましたが、それは間違いで、あなたも私のことが嫌いなのでしょう?」

ほの吉「...」

海未「私の名前を呼ぼうともしませんし、私の恥ずかしい習慣をバラす始末。私にばかり食ってかかりますし...」

ほの吉「...」

海未「わ、私はこれでも、頑張ってるんですよ?チラシもクラスメイトに配ったりしましたし...あなたのために色々頑張っているんです。今だって...」

ほの吉「...」

海未「...まあいいです」



海未「...こうやって話しかけても、答えてくれませんしね。みんなとは元気に話しているのに」

海未「まあ、みんなはあなたを可愛がっていますもんね。私はあなたに色々酷いことを言いましたから...これは当然です」

ほの吉「...」

海未「...私が嫌いなように、あなたも私が嫌いなんでしょう。それでもう構いません。だからって私は飼い主捜しをやめたりしませんから」

海未「それでは、餌を入れるので静かにしていてくださいね...」


ほの吉「...」


ほの吉「...ウミチャン」


海未「え?」


ほの吉「ウミチャン!ウミチャン!」パタパタ

海未「あっ、籠から出てはいけません!」

ほの吉「...チュン!」

海未「あっ...手に...」

海未「...私の手から、直接餌を食べるのですか?」

ほの吉「チュンチュン!!」

ほの吉「...」チョンチョン

海未「...」

海未「...く、くすぐったいです」

ほの吉「ウミチャン!」



海未「...私の敵意に反応していたっていうのは本当だったみたいですね」

ほの吉「チュン?」

海未「私は...敵意など示していたつもりはなかったのですが、すみません怖い思いをさせて」

ほの吉「チュンチュン!!」

海未「...そうですか。許してくれますか」

海未「それにしても、餌食べ過ぎじゃないですか?」

ほの吉「チュン?」チョイチョイ

海未「あまり食べ過ぎると太ってしまいますよ?まったく、あなたは穂乃果みたいですね...」


海未「...まあ今日は多めに見ましょう」


海未「ほの吉」



ーーー
ーーーーー


ー翌朝ー


穂乃果「みんなおっはよーう!」

ことり「おはよ〜」

穂乃果「...ってあれ、みんなどうしたの?入り口にかたまって」

絵里「あ、ああ、穂乃果にことり...ちょっと来て」

希「なにやらおかしなことになってるんよ」

にこ「気味が悪いわ」

穂乃果「へ?どういうこと?」」

花陽「海未ちゃんの様子がおかしいんです!」

真姫「昨日頭でも打ったんじゃないの...?」

凛「ちょっと怖いにゃ...」

ことり「海未ちゃん?海未ちゃんがどうかしたの?」

穂乃果「あ、もう来てるんだね海未ちゃん。海未ちゃ...」


穂乃果「...!?」



海未「ほーらほの吉!こっちへおいで!大丈夫です、爪を切るだけですからね!」

海未「あらあら、伸びっぱなしだったんですね。大丈夫ですよ、痛くしませんから」

海未「すぐですからねー...いい子にしててくださいねー...」

海未「...はい、お終い!では、私はμ'sの練習にいきますから、静かにしてるんですよー?」

ほの吉「チュン!」

海未「はい!よく出来ました!」

海未「...」

海未「さあ皆さん、練習を始めますよ」クルッ


穂乃果「...」

ことり「...」

海未「...なんです二人とも。そんなに驚いた顔をして...だらしないですよ?」


穂乃果「あ、あなた誰!?」

ことり「鳥とにらめっこしすぎておかしくなっちゃったの!?」

海未「何言ってるんです...私は正常ですよ」

海未「それにことり。鳥じゃなくてほの吉ですよ。失礼でしょう」

ほの吉「チュン!」

海未「ねー」

凛「しっかり懐かれてるにゃ!」

絵里「仲良くなれとは言ったけど仲良すぎじゃない!?」

希「どうでもいいけど海未ちゃんが肩に鳥乗せてるのめちゃかっこいい」


ウフフフ
ホノキチ、オナカガスイタンデスネ!

イマスグヨウイシマスカラマッテテクダサイ


穂乃果「うーん...なんか夢でもみてるみたいだよ...」

花陽「なんだろう...あの、最初は飼うの認めてなかったお父さんが、最終的に猫を一番可愛がってるみたいな感じ...」

真姫「うわ、花陽その例えすごい分かる」

ことり「海未ちゃん昔から動物避けてたから、まあ反動だろうねぇ...」

絵里「部室の机に飼育の本が山積みになってたわ....もうあれは希より詳しいわよ」

希「鳥用の爪切り持ってたもんね」



海未「ふふっ、ほの吉は可愛いですね」

ほの吉「チュンチュン!!」






穂乃果「海未ちゃんとほの吉が、異常なほど仲良くなりました...」





ーーーーー
ーーー


真姫「ふんふーん」

真姫「...あれ、誰も来てないのね」

真姫「私一人か...勉強でもして時間潰そうかしら」

ほの吉「チューン!」

真姫「あ、そうか。あなたがいるんだったわね」

ほの吉「チュンチュン...」

真姫「え?ああ。餌が欲しいのね」

真姫「待っててねー、えーと確かここに希の用意した小松菜が...」

ほの吉「...チュン」



真姫「はい、どうぞ。あ、これって手から直接食べるのかしら」

ほの吉「?」

真姫「ちょっと手からたべてみなさいよ、ほらおいで」

ほの吉「...」

真姫「...うーん、駄目ね。海未だと直接食べるのに」

ほの吉「チュン」

真姫「ごめんごめん、普通に餌皿に出すわね」

真姫「うーん、なんだか悔しいわ」


真姫「...」ジー

ほの吉「...?」

真姫「...まきちゃん」

ほの吉「?」

真姫「まーきーちゃーんー」

ほの吉「...?ウミチャン?」

真姫「似てるけど違うわ、まきちゃんよ、ま・き・ちゃ・ん」

ほの吉「ウイチャン」

真姫「おしいけど若干海未を引きずってるわね...」


真姫「そろそろ私の名前も覚えて欲しいんだけど...ダメみたいね」

ほの吉「セヤネ」

真姫「希の口調覚えてるし...まあ、長い目でみるしかないか」

真姫「勉強しましょう」

ほの吉「...」

真姫「ふんふふーん」

真姫「愛してるばんざーい...♪ここで...♪」

ほの吉「...」



ほの吉「バンザーイ!」

真姫「...え?」

ほの吉「アイシテウバンザーイ!バンザーイ!」

真姫「あなた、歌えるの?」

ほの吉「バンザーイ?」

真姫「愛してるばんざいよ。愛してるばんざーい♪」

ほの吉「アイシテルバンザーイ♪」

真姫「うーん、名前は覚えないくせに歌うのは得意なのね...」

ほの吉「アイシテルバンザーイ!」


ほの吉「ワタシーターチーノイマガー ココニアルー♪」

真姫「上手いわ、それにとっても楽しそうに歌うのね」

ほの吉「チュン?」

真姫「私は笑顔で楽しそうに歌うのが苦手だったから、ちょっと尊敬するわ。あなたアイドルに向いてるかも」

ほの吉「バンザーイ!」

真姫「ふふ、じゃあもっと歌を教えてあげるから」

真姫「この真姫ちゃんが直々に歌ってあげるんだから光栄に思いなさいよ!」

ほの吉「チュン!」


ーーー
ーーーーー



ほの吉「ガンバラネーバネーバネバギブアプ!」

ほの吉「ドンウォーリ ドンウォーリ」

ほの吉「ツカマエチャウ!」

穂乃果「わああ!海未ちゃんみてみて!!」

海未「ほの吉...あなたは本当に頭がいいですね...素晴らしい歌です!」

ことり「すごいねえ、音程も完璧にとれてるよ」

にこ「うーむ、ますます広告に使えそうねぇ...」

凛「下手したらにこちゃんよりも歌上手だもんね」

にこ「英語の歌詞だとあんたも人の事言えないでしょ」

凛「あー、言ったにゃー!ちょっと気にしてるのにー!」


絵里「それにしても結構レパートリーが多いわね...いつ覚えたのかしら」

希「きっと誰かさんがずっと歌って教えてあげてたんやろね」

絵里「うーん、そんな熱心な事をするのは海未とか穂乃果あたりかしら」

希「どうやろねえ...ウチには覚えてる曲に偏りがあるように見えるけど、ねえ」チラッ

真姫「本当よね〜、だれがそんな面倒なことするのかしらね」

真姫「...何よ、何見てるのよ希」

希「ううん、きっと歌が上手な子が教えてあげてたんやろなって思って」

真姫「...かもね」ニヤニヤ

絵里「誰かしら...」


海未「ほの吉!次はこれです、アネモネハートを一緒に覚えましょう!」

海未「今歌いますからよく聞いていてくださいね」

穂乃果「いきなりデュエット!?レベル高いよ!」

ことり「穂乃果ちゃんのソロ曲も覚えて欲しいな〜!」


にこ「どうにかして広告に使えないかしら...」

花陽「そうですねぇ...動物系アイドルってなかなか...」

にこ「新しいわよね...」

絵里「こらこら」






穂乃果「ほの吉はみんなのおかげでいっぱい歌を覚えました!歌うのが好きみたい!」





ーーーーー
ーーー


希「ふう...あれ、えりち」

絵里「希!どこ行ってたの?今日は練習休みよ?」

希「...待っててくれてたんやね。ありがとう」

絵里「いいけど...汗だくじゃない。何してたの?」

希「ちょっとねー。あ、これ飲んでいい?」

絵里「いいけど飲みかけ...あー、なんでもないわ。あげるあげる」

希「ぷはー生き返る」



希「で、何の話やったっけ」

絵里「一体何してたのって。最近よく一人で出かけてるわよね」

希「...あちゃ、えりちにはばれてたか」

絵里「そりゃね...で、何してたわけ?」

希「ちょっと調査をね。
もうほの吉を預かってから2週間...
近隣に飼い主がいるんなら出て来てもおかしくない頃やと思わない?」

絵里「まあ確かに。チラシ配りもあれから何回かやったし、全く目に入らないってのは少し考えにくいわね」

希「やろ?だからウチ、近くの動物病院とか回って、今までのインコのカルテ見せてもらってたん」

絵里「なるほど、近隣の人なら動物病院に行ってる可能性高いものね」

希「でもほの吉と一致するセキセイインコのカルテは無かったんよ」


絵里「...行ったこと無かったのかしら」

希「ううん、形を見るに、ほの吉は風切羽を切られてる。ペットショップか動物病院にはかかってるはずなんよ」

絵里「つまり...飼い主は近隣にはいないってこと?」

希「うん...風切羽を切られたインコは本当に短い距離しか飛べんから、ウチも最初は近隣に飼い主がいると思ってたんやけど」

希「ほの吉は一度切ったであろう風切羽が伸びてしまってる。おそらくそれで飼い主さんもほの吉を逃がしてしまったんやね、ウチらの知らんくらい遠い所にある一軒の家から」

絵里「そんな...それじゃあ、飼い主を探すことなんて...」

希「...残念やけど、難しいと思う」



希「飼い主を見つけられないなら、いくら理事長の許可があってもウチらで飼い続けることなんて出来ない。保健所に引き渡す義務がある」

絵里「保健所って...こ、殺されちゃうの...?」

希「ちゃうよ。ちゃんと譲渡会とかあるし、里親募集だって広域に知らせを出してる。ウチらがやるよりよっぽどほの吉のためになる」

絵里「でも最後まで誰にも引き取ってもらえなかったら...」

希「...」

絵里「だ、駄目よそんなの!!認めるわけにはいかない!」

絵里「ほの吉は、もう仲間でしょ!?ほ、穂乃果達だってあんなに可愛がって...!!」

絵里「何がためになる、よ!あんなにいい子、そんな所に引き渡せるはずないじゃない!!」

希「...」

絵里「...あ」


絵里「...ごめんなさい、希はほの吉のことを考えてのことだったのに...」

希「いいんよ。えりちの気持ちはよくわかる」

希「まだ近隣に飼い主がいないと決まったわけやない。ウチはもう一回ペットショップの過去の購入者とか調べてみるつもり」

絵里「...その調査をみんなでやれば」

希「あかんよ。なんでウチが一人でやってるか、分かるやろ?」

絵里「...」

希「余計な心配と時間をかけて、アイドル活動に支障が出たら元も子もない」

絵里「...そう、よね」

希「...えりちには、みんなをいつも通り導いていて欲しいんよ。それがきっと、μ'sにとってもほの吉にとっても一番いい」

絵里「...分かったわ」


ーーーーー
ーーー


「じゃあウチはもう帰るから、一緒に帰る?」

「...いいえ、もうちょっとここにいるわ」

「...そっか。わかった、また明日ね、えりち」

「うん、ありがとうね希。また明日」


絵里「...」

絵里「(...駄目、いくら考えても打開策が思い浮かばないわ)」

絵里「(...もちろん、保健所に行ったって、あんないい子だもの。誰か引き取ってくれる)」

絵里「(μ'sの誰かが飼うことだってできるかも...でも、それでも)」

絵里「(...最悪の展開が頭をよぎる。それはきっと、私以外のみんなも同じ)」


絵里「...」

ほの吉「チュン?」

絵里「...」

ほの吉「チュン、チュン...」

絵里「...ごめんね、力になれなくて」

ほの吉「?」

絵里「...もっと、あなたと一緒にいたいし、飼い主を見つけてあげたいんだけれど...」

絵里「...私って、役立たずね...」ポロポロ

ほの吉「...」

ほの吉「...チュン」

絵里「...ううっ」グスグス


ほの吉「ゥエリチャン、カワイイ!」

ほの吉「ゥエリチャン、ダイスキ!」

絵里「...ほの吉」

絵里「...ふふっ、まるっきり穂乃果の台詞ね」

ほの吉「...チュン」

絵里「励ましてくれてるのよね。ありがとうほの吉」

絵里「...へこたれてなんていられないわね。大丈夫よ、私は諦めない」

ほの吉「ゥエリチャン?」

絵里「...あなたは、助けるから」


ーーー
ーーーーー


ー翌日ー


絵里「...」

絵里「...おはよう、ほの吉」

ほの吉「チュン」

絵里「...今日から、私も頑張ってあなたのために飼い主を探すわ。希はダメだって行ったけど...秘密で」

絵里「無駄足に終わるかもしれないし、手がかりも掴めないかもしれない。でも、それでも穂乃果ならこうすると思う」

絵里「大丈夫、絶対に私が飼い主を見つけてあげるからね。約束よ」

ほの吉「...チュン!」

絵里「...ふふ、じゃあみんなが来ないうちに」ソロー

バーーーン!!!!

希「えりち!!」

絵里「ひゃあああああ!!」


絵里「の、希!!早いわね、朝練なんて熱心だわ」

絵里「私も朝練なの!別に希に隠れてなにかしようなんて...」

希「えりち、何を隠してるのかは知らんけど」

絵里「か、隠してなんか」

希「とにかくそれは今は後回し!えりち、飼い主さん見つかったかもしれん!」

絵里「...えっ」

ほの吉「...チュン?」

絵里「ええええええええ!?」



絵里「さすが希だわ!!やっぱり飼い主さんは近隣にいたのね!」

絵里「ありがとう希!やっぱりあなた頼りになるわ!よかったわね!」

希「ううん、飼い主さんは近隣にはいなかったし、見つけたんはウチやないよ」

絵里「え?じゃあ誰が」

希「ほら、出ておいで」

にこ「...」

花陽「...うぅ」

絵里「にこ、花陽...?」

希「説明せなあかんね。みんなが揃ってから」


『ゥエリチャン!!』
『ゥエリチャン!!』

『アイシテルバンザーイ!!』


にこ「本当に!」

花陽「申し訳ありませんでしたぁ!」


絵里「なるほど...ダメって言ったのに、上げたのね...ほの吉の動画」

希「昨日ペットショップの人と話してたらなぁ、偶然聞いたんよ。今動画サイトで有名なセキセイインコの話」

真姫「信じらんない...」

凛「か、かよちんまで...」

海未「ほの吉をなんだと思っているんです!!おもちゃではないのですよ!」

海未「ねー、ほの吉?」

ことり「海未ちゃん、ほの吉寝てるから」

海未「あ、ごめんなさい」


にこ「ごめん...」

花陽「反省してます...」

穂乃果「でもでも!そのおかげで飼い主さんに届いたんだよね!」

海未「ほの吉はやはり他のインコよりも記憶力や歌唱力が高かったようですね。サイトではかなり有名になっていたので、飼い主さんにも届いたのでしょう」

希「記載してたアドレスに私のインコですっていうメールが住所付きで来てたん。飼ってた頃の写真も添付されてたし本人で間違いないやろね」

穂乃果「結果的にお手柄ってことだよ!」

真姫「ま、運が良かったわね」


ことり「それに、にこちゃん達は自分の宣伝は一切していないし、動画を見る限りほの吉を迷い鳥として紹介してるだけだもん」

ことり「飼い主も見つかったし、結果オーライって感じじゃないかなぁ?」

花陽「ことりちゃん...!!」

にこ「女神...!」

絵里「...」スッ

にこ「あ...絵里」



絵里「にこ、自分が何をしたか、分かってる?」

にこ「それは...」

花陽「違うんです!にこちゃんは本当に自分だけ力になれてないからって、ほの吉のためにやったことなんです!」

にこ「ちょ、花陽」

花陽「チラシ配りも上手くいかなくて、希ちゃんは何かしら頑張ってるみたいだし、絵里ちゃんも生徒会を通じて飼い主捜しをしてくれていて...」

花陽「にこちゃんは3年の自分だけ何も出来なかったことでずっと悩んでて、そのためにやったことなんです!」

花陽「実際に投稿ボタンを押したのは私です!にこちゃんは悪くありません!」



にこ「...」

絵里「...」

にこ「はぁ、世話ないわね。1年に庇われたんじゃ...」

にこ「別にそんなに劣等感抱いてたわけじゃいけどさ、これならいけるって思ったのよ」

にこ「...実際私にはこれくらいしか解決策が

絵里「ありがとう!!」ギュウウ

にこ「んっ!!?」

花陽「わぁっ!?」

絵里「...にこ、花陽....!!」


絵里「ありがとう...にこの言う通りよ。チラシや調査だけじゃほの吉は助けられないと思ってた...」

絵里「あなた達のやったことは、生徒会長の立場からすれば咎めないといけないかもしれない。でも!今は素直にお礼が言いたい!」

絵里「ありがとう...本当に...にこのお陰で助かったわ!」


花陽「...ほ、褒められた...!?」

にこ「...ていうか、なんであんたがお礼言うのよ」

希「そうよ。なんでえりちがお礼言うん?」

絵里「え?」


絵里「いや...だって私、ほの吉のために何もしてあげられなかったから...」

にこ「だからなんであんたはいつの間にかそうやって色々責任背負ってんのかって聞いてんのよ...別にあんたの鳥じゃないでしょ?」

希「個人で無理に頑張る必要はないんよ?μ'sはちゃんとみんなで頑張ってきたやん」

絵里「...みんなで」

穂乃果「そうだよ!結果的に飼い主さんが見つかったのは、みんなが頑張ったからだよ!」

ことり「あの時絵里ちゃんが役員さんを説得して、迷い鳥の管轄をアイドル研究部に移してくれてなかったら、こうやって見つかることもなかったかもしれないもん!」

海未「真姫が歌を覚えさせてあげてなかったら、サイトであそこまでの知名度は獲得出来なかったかもしれません」

真姫「ヴェエッ!?な、なんのことかしら...?」

凛「ばれないと思ってたの?」



希「えりちは興味ないふりして、ウチに怒鳴っちゃうくらいほの吉のこと大好きやもんね〜」

絵里「え、ええっ!?希だって一人で色々調査するくらいほの吉のこと考えてたじゃない!」

希「あっ、それは言わんといてっていったのに...!」

花陽「凛ちゃんもほの吉とよく遊んであげてたよね」

凛「ずっと籠の中じゃ退屈そうだから...それに凛も楽しかったよ」

穂乃果「...うん、やっぱりみんなほの吉が大好きなんだよ」

穂乃果「だからちゃんと飼い主さんも見つかった!穂乃果達の勝利だよ!」

海未「いつから勝負事になっていたのですか...」

穂乃果「μ'sばんざーい!!」






穂乃果「ついに飼い主さん発見!ほの吉もおうちに帰れるよ!良かったね!」






穂乃果「その後、にこちゃん達が飼い主さんとメールでやりとりをして、ちゃんとほの吉を返す旨を伝えた」


穂乃果「飼い主さんはとっても感謝してくれてるようで、文面でも沢山お礼を言ってくれたよ」


穂乃果「それでも直接お礼がしたいから、遠いのに学校まで受け取りに来てくれるんだって」

穂乃果「穂乃果達は、とりあえず任務を全うできたし、ほの吉が望んでいることをやってあげたっていう達成感でとってもうれしかったよ」


穂乃果「...でも、穂乃果達はみんな胸の奥で思っていることが一つあったの」

穂乃果「きっとみんなそれは言っちゃいけないことだって気付いてて、あえて言わなかったんだ」


穂乃果「飼い主さんは、明後日ほの吉を迎えに来る」

ーーーーー
ーーー



ほの吉「ゴハン!ゴハン!」

穂乃果「はいはい、ご飯だねー。ちょっと待っててー」

穂乃果「えーと、確かここに...あれー?」

穂乃果「ごめーん!誰かほの吉の餌どこにあるか知らない?」

海未「...」ウツムキ

ことり「...」ボンヤリ

花陽「...」ドヨーン

凛「...」ツップシ

真姫「...」カミクルクル

にこ「...」ハァ...

絵里「...」ホオヅエ

希「...」ウデクミ


穂乃果「......」

ほの吉「...アリフレタ カナシミノハテ?」


穂乃果「みんなってばーーー!!」

絵里「はっっ!!!え?なにどうしたの穂乃果?」

穂乃果「...ほの吉の餌の場所」

希「あ...ああ、確かそこのタンスの二段目や」

穂乃果「...無いよ?」

希「あ...あれ?」

にこ「2段目じゃなくて3段目よ。希ったら珍しくぼーっとしてるわね...」

真姫「そういうにこちゃんもリボンの柄が左右で違うわよ...」

にこ「嘘っ!?」

凛「あはは...みんな今日はダメダメだにゃー」

花陽「花陽も今日はご飯も喉を通りません...」

ことり「あははー...」


穂乃果「...」ハァ






穂乃果「みんな、ほの吉が今日でいなくなっちゃうからって元気なさすぎだよ!」

穂乃果「こんなのがほの吉と過ごす最後の日だなんて、穂乃果は嫌だよ?」

ことり「穂乃果ちゃん...」

絵里「...そうよね」

絵里「みんな、切り替えるわよ!今日はお別れの日じゃない。ほの吉にとっては再会の日なんだから!」

凛「う...うん...」

花陽「...で、でも」

にこ「...はぁ」

にこ「...無理よ無理!無理に決まってんでしょ!あれだけ可愛がってきたのよ?こんな日に明るくしようって方がおかしいわよ!」

希「...せやね。明るく見送らなきゃいけないんは、分かってるんやけど...」

絵里「...ごめん」

穂乃果「...うう」


海未「...」ガタッ


海未「皆さん、気持ちはわかりますが今は悲しんでいる時ではありません」

海未「飼い主の方は、きっとほの吉がいない間に今の私達より深い悲しみを味わっていたはず。そして今日は絵里の言うとおり再会の日です」

海未「笑顔で、返さなくてはいけません。ほの吉は、私達の物ではありません。飼い主の方の家族なんです」

にこ「...」

穂乃果「...そう、だよね」

絵里「ええ、海未の言う通り。私達はもう子どもじゃないのよ?ほの吉を返すまでが私達の仕事だったはず」

絵里「笑顔は無理でも!飼い主さんに会うまでは辛気臭いのはナシよ!」

希「...そうや、みんな。そろそろ飼い主さんが来る時間や。支度せんと」

凛「...わかったよ!」

花陽「...ほの吉ちゃん...悲しいけど、頑張ります」

真姫「...ふん」


穂乃果「ありがとう、海未ちゃん」

海未「いいえ、大丈夫ですよ。これがほの吉にとって、一番いいことですから」

ことり「さみしくないの?海未ちゃんは...」

海未「もちろん寂しい気持ちもありますが、ほの吉が飼い主の方と会えるんです。これほど嬉しいこともありませんよ」

穂乃果「...海未ちゃん」

海未「...では、飼い主さんがそろそろ来る時間です。みんなで下まで降りましょう」

ことり「うん!」


ーーーーー
ーーー


飼い主「本当に助かりました!
なんてお礼を言えばいいか...」

飼い主「...本当に、心配したんだからね?チュン太郎...!」グスグス

凛「(チュン太郎って名前だったんだね)」コソッ

花陽「(チュンチュン鳴いてたもんね)」


穂乃果「いいえ、私達もほの吉には癒してもらって...とっても楽しかったですから!」

飼い主「あなたが高坂さんですよね?本当にありがとう、これ、つまらない物ですが...」

穂乃果「わわっ、洋菓子...!しかもこれって結構並ばないと買えない所の...!」

海未「...ゴホン」

穂乃果「...わざわざありがとうございます。部員一同で美味しくいただきますね」

飼い主「ふふ、喜んでもらえてよかったです」


飼い主「チュン太郎は...本当は人にあまり懐かない子なんです。歌も歌わない子だったし...動画でみた時はびっくりしました」

飼い主「きっとあなた達、とっても可愛がってくれたのよね。ありがとう、見つけてくれたのが、あなた達でよかった」

穂乃果「...そんな」ウルッ

海未「...」

海未「...(絵里、生徒会長はほの吉のために何をしたのか、そして動画の件の謝罪などをしろと理事長に言われたはずです)」

海未「(何故うつむいているのですか)」コソッ

絵里「(ごめん...ちょっと...涙が...)」

希「(あかん海未ちゃん、ウチもやばい...代わり頼んでいい...?)」

海未「...はぁ」

海未「...飼い主さん」

飼い主「はい?」


海未「ほ...チュン太郎くんを保護していた期間について、お伝えしておくべきことがいくつかあります」

海未「まず、動画を無断でサイトに投稿したこと。これをお詫びしなければいけません。」

飼い主「そんな!動画がきっかけで見つかったんですし、そもそも許可を取るなんて不可能じゃないですか!私は気にしていませんよ」

海未「ありがとうございます。削除がお望みでしたらいつでもご連絡をください」

飼い主「大丈夫です!」


海未「あとは...チラシの件です。こういったチラシを作成して近郊に配らせていただきました。」

海未「また、我が校の敷地内に何枚か掲示もしました。すでに回収はしましたが、一応お知らせしておきます」

飼い主「可愛いチラシ...!ありがとう、こんなことまでしてくれたんですね」

海未「ありがとうございます。学校側からの連絡事項は以上です」


絵里「(...海未に全部言わせちゃったわね」

希「(本当やね...海未ちゃんは立派や)」


海未「...それと」

飼い主「はい?」


海未「これは...その、私から飼い主さんに是非伝えておきたかったことと言うか...」

海未「...勝手ですが、少しだけ聞いてくださいますか?」

飼い主「...?はい」

海未「ありがとうございます。
まずは、お家に帰った後すぐに風切羽を切ってあげてください」

海未「ほの...チュン太郎くんは、切ってから期間が空いているのか、だいぶ羽が伸びてしまっていたので...また逃げ出さないように」

飼い主「はい、分かりました」


海未「そして、ほ...チュン太郎くんは小松菜が大好きでしたから、ビタミンと鉄分摂取も兼ねて与えてあげて下さると嬉しい...といいますか」

飼い主「はぁ」

海未「...それと...ほの吉は...歌うのが...大好きで...とっても上手に歌うんです」

海未「飼い主さんは、知らないかもしれませんが、私達の歌も...すぐ覚えてくれて...」

海未「...だから」グスッ

飼い主「...あの、大丈夫ですか?」


ことり「(う、海未ちゃん!)」コソッ


ことり「(飼い主さんの小鳥なんだから、私達がそこまで言うことじゃないよ!)」

穂乃果「(そ、そうだよ、困らせてるよ!海未ちゃんが飼い主さんの前ではしっかりしようって...)」


海未「...」

海未「...無理です」

ことり「えぇ?」

海未「無理です....ダメです!ここでほの吉とお別れだなんて嫌です!」

海未「私はもっとほの吉と一緒にいたいんです!行かないでくださいほの吉!」

海未「私は嫌です!うっ...うぁぁぁああああん....!!!」ポロポロ

穂乃果「う、海未ちゃん...!?」

飼い主「え...え、あの...」


海未「やっと分かり合えたんです...もうお別れだなんて...早すぎます...!!」ポロポロ

穂乃果「ダメだよ海未ちゃん...飼い主さんに迷惑だよ...」ウルウル

ことり「海未ちゃん...寂しくないって言ったくせに...そんなの、ことりだって」ウルウル


絵里「...」

絵里「...」ゴシゴシ

希「えりち?」

絵里「飼い主さん、生徒会長の絢瀬です」

飼い主「...ああ、あなたが」

絵里「すいません、うちの部員が急に泣き出してしまって...ですが、失礼を承知でひとつだけお願いがあります」

絵里「最後に...少しだけチュン太郎くん...ほの吉と挨拶させていただけますか?」

飼い主「...挨拶?」

絵里「はい、お願いします」


絵里「私達はまだ、未熟です。
ダメとは分かっていても、ほの吉に愛情を抱いてしまっています」

絵里「本当は、最後まで笑顔でチュン太郎くんをお返ししようと彼女が言ってくれたのですが、やはり、気持ちに嘘はつけません」

絵里「飼い主さんの大切なご家族だということは承知しています。ですが私達はほの吉ともっと一緒にいたいというのが本心です!」

にこ「ちょっと絵里、いくらなんでもそれは失礼...

希「ウチからも、お願いします!」

にこ「ええっ!?」

飼い主「...」


希「時間は少しでいいんです!その間、私達は今のように自分の本心をほの吉に伝えたい、それをどうか許して欲しいんです」

希「必ずお返しします、お詫びもします、どうかお願いします!」

にこ「...っ」

にこ「わ、私からも!お願いしまーっす!...にこは生徒会でもなんでもないけど...」

にこ「でも、私達馬鹿だったんで、今までほの吉にまったく本心を伝えてなかったんです!」

にこ「だから最後は思いっきり本心をぶつけたい!失礼かもしれないけど、これが私達なんです!ごめんなさい!」

飼い主「...」



飼い主「...」

飼い主「...ええ、私は構いませんよ」

絵里「...っ、本当ですか!?」

飼い主「当然ですよ、それくらい、当たり前の権利です」

飼い主「本当は...返してもらえないかもしれない、管理の甘さを非難されるかもしれない、もう処分されているかもしれない...そこまで覚悟していたんです。返してくれるだけでも感謝しきれません」

飼い主「愛情をそそいでくれる新しい家族と幸せに暮らしているなら、見つからなくたってそのまま引き渡してもいいと思ってたんですから」

飼い主「...なのにあなた達は、まだ高校生なのに、しっかりしすぎていると思ってたんですよ。お別れなのに涙ひとつ流さないで...ひたすら礼儀正しく素直に返してくれて」

飼い主「そういう思いを抱くのは当然です。どうか、私は気にせずにチュン太郎、...いえ、ほの吉にお別れをしてあげてください。ちゃんとした本心で」

絵里「...ありがとうございます!」

希「あ、ありがとうございます!」

にこ「えっ、マジで...ありがとうございまーっす!」


ーーーーー
ーーー


ほの吉「...チュン?」

絵里「...ほの吉。私達は今日でお別れなの。あなたといた期間はとても短かったけれど、本当に楽しかったわ」

絵里「...あなたをアイドル研究部に迎え入れたこと。本当は穂乃果のワガママに押し負けただけなんだけれど、いまでは本当にやってよかったと思ってる」

絵里「どんな時でも私の話を聞いてくれて、本当に嬉しかった。ありがとう」

ほの吉「ゥエリチャン!」

希「えりちだけやのうてウチも手伝ったんよ?」

絵里「それは、そうだけど...今は私がお別れしてるのよ?」

希「ふふ」


希「なあ、ほの吉。ウチは本の知識だけで君を世話してたけど、どうやった?快適だった?」

ほの吉「チュン!」

希「そっかそっか!うん!ならよかったよ、ウチはちゃんと君に恩返しできてたってことやね」

希「...本当に、家に持って帰っちゃいたいくらい君は可愛い子やったよ。元気でね」

ほの吉「セヤネ!」

希「あはは、口調がうつってもうてるやん...」グスッ


にこ「次は私よ、ほらちゃんとこっち見なさい」

ほの吉「ニコチャン!」


にこ「正直私は嫉妬の炎で燃えてるわ。あんたは私よりよっぽどアイドルに向いてる!」

にこ「サイトであれだけの人気を獲得するなんて、並のインコじゃ出来ないことよ!まったく、羨ましいわ!」

にこ「...私が育ててあげれば、もっとあんたは高みに登れたかもしれないけど、まあ仕方ないわね」

にこ「私だってあんたに負けないくらい有名になってやるんだから、覚えておきなさいよ!この顔をテレビで見るまで!」

にこ「...忘れんじゃないわよ...にこのこと」

ほの吉「...チュン」


凛「ね、ねえ、かよちんは何も言わないの?」

花陽「凛ちゃんが先に言っていいよ...」

凛「む、無理だよ...喋ったら涙が、出ちゃうにゃ...」

真姫「情けないわね...なに我慢してるのよ、思いっきり泣けばいいじゃない」

凛「うう、真姫ちゃん」

花陽「真姫ちゃぁん...」

真姫「やめなさいよ、そうやって泣かれると...私まで」

ほの吉「マキチャン!アイシテル!バンザーイ!」

真姫「やめなさいって言ってるでしょぉぉ....ううーっ...」


真姫「本当はもっと沢山曲を教えてあげたかったのに...いなくなるのが早すぎるのよ馬鹿ぁ...!」

凛「そうだよ!もっと遊びたかったのにほの吉は歌とかお喋りばっかり!」

花陽「世の中にはね、美味しい物がいっぱいあるんだよ?今度会った時はご飯を鳥でも食べられるようにしてあげるからね...!!」

ほの吉「バンザーイ!!バンザーイ!!」

真姫「...私が教えた歌、忘れたら許さないんだから」

凛「ううっー...また会おうね、絶対だよ!」

花陽「さよなら...ってうわああ!!凛ちゃん鼻水ーー!!」

真姫「ヴェェ!?うわっ、なんで私の服に!!」

凛「ほめんにゃ〜...」



ことり「ほの吉ちゃん、あなたはね、とっても可愛いからことりは大好きだったよ!」

ほの吉「コトリチャン!」

ことり「実は...かなり時間がかかっちゃって、昨日ようやく完成したんだけど...じゃーん!」

にこ「小鳥用の服...!?」

花陽「すごいいっぱい...!」

ことり「勝手に着せたら飼い主さんに失礼かもしれないけど...今だけならいいよね!」

ことり「えーと、こうして...やーん!やっぱり可愛いよぉ!!」

ことり「もっと沢山着せてあげたかったけど...もう時間が無いねぇ...沢山オシャレするんだよぉ...!」

ほの吉「アリガトウ!コトリチャン!」


海未「...ほの吉」

ほの吉「ウミチャン!ウミチャン!」

海未「先ほどは、みっともない姿を見せてしまいました。ですがあれも私の本心です」

海未「本当に...あなたともっと一緒にいたい...あなたは本当に沢山のことを私に教えてくれたんです」

海未「動物がいかに愛くるしいかということ、初めは仲が悪くてもきっと分かり合えるということ、そして...別れることがこんなにも辛く悲しいということ」

海未「私は...あなたに教えられたことがあったでしょうか...?」

ほの吉「ミンナノハート ウチヌクゾー!!」

海未「え...?」



海未「な、何を言っているのですか...こんな時に...」

ほの吉「ミンナノハート ウチヌクゾー?」

凛「海未ちゃーん!ここでやらないと女が廃るにゃー!」

希「武士の恥よー?」

にこ「あんたが教えたんだからキチンとやりなさいよー」

海未「ええ...えっと....もうっ!!」

海未「ラブアローシュートぉ☆」

ほの吉「バーン!」


穂乃果「あはは、最後は穂乃果かぁ...正直海未ちゃんの後だとやりにくいなあ...」

ことり「ラブアローシュートの後はちょっとね〜」

海未「何笑ってるんですか!ほの吉との思い出なんですよ!!」

穂乃果「わ、分かってるよ...!」

穂乃果「え、えーと、ほの吉!」

ほの吉「チュン!」

穂乃果「えーっと穂乃果は...あんまり言いたいことがまとまらないんだけど...うーん」

穂乃果「なんだろうな...その...うん、そうだ」








穂乃果「ほの吉、また会おうね」








ーーーーー
ーーー




「んー!このお菓子美味しいー!」


「奥にしまいこんですっかり食べるの忘れてましたねぇ」


「みんなの分まで食べるんじゃないわよー」


「真姫ちゃん〜そろそろ鳥かご持ち帰って欲しいにゃ〜」


「え?いいでしょもう少し置いといても」


「なんか無くなっても落ち着かんしねぇ」


「...あっ!みんな見て!大変です!」


「どうしたのよいきなり...」


「あっ!ほの吉だぁ!ことりの作った服着てる!」


「久しぶりだねえ...元気そうでよかった」


「飼い主さん、動画の投稿を続けてくれてるんだね!」


「相変わらず、とっても歌が上手ですね」


「私が教えたからよ」


「あら、海未だって教えたわよね?ほら、あの一発ギャグとか」


「やめてくださいあの時の話はぁ!」


アハハハ


マータネー


マータネー


キットネ マタアウヒハー♪


チカーイヨ ソノトキマデー♪





穂乃果「うん、約束だよ」


穂乃果「よーし!今日も練習頑張るぞーー!!」







μ'sと迷い鳥 ーおしまいー


おしまいです

軽い気持ちで始めたんです
長さが予想の3倍くらいに増えました
かかった時間は予想の5倍くらいになりました
ボロ泣きする海未ちゃんが書きたかっただけなんです

グダグダでしたがありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月18日 (木) 18:47:55   ID: tva0LDni

はやく飼い主に返せよ、こう言う何も考えてないやつ大嫌いだわ、職権乱用とか
キモいこう言ういじめに発展するよな
ことり死ね、母親が理事とかキモい

2 :  SS好きの774さん   2014年09月19日 (金) 12:29:50   ID: Xu7nYQAk

自己紹介乙

3 :  SS好きの774さん   2014年09月30日 (火) 10:28:15   ID: HMPs_oZ0

※1>>だから何?

4 :  SS好きの774さん   2014年10月10日 (金) 00:06:57   ID: 6_UVGDCK

草生える

5 :  SS好きの774さん   2014年10月16日 (木) 00:44:08   ID: OwdR8RCC

いい話だったしきっとコメントも肯定的なのが多いんだろうな~って思ってみたらキチガイな1がいましたとさ

6 :  SS好きの774さん   2014年10月16日 (木) 17:03:09   ID: ioF6cxuN

話は良かったが相変わらずレスの荒らしとコメの荒らしが酷くて草。最近多過ぎじゃない?

7 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 10:38:27   ID: h86FIm-t

いい話だった

荒らしで草生えそう

8 :  SS好きの774さん   2014年12月07日 (日) 20:14:09   ID: 0UWRc6Q5

※11はなんなの。マジ消えろよ。キモカスニート野郎。

9 :  SS好きの774さん   2014年12月07日 (日) 20:15:15   ID: 0UWRc6Q5

※1はなんなの。マジ消えろよ。キモカスニート野郎。

10 :  SS好きの774さん   2015年01月20日 (火) 14:27:51   ID: wZFvoB_a

非常によく練られている。いい。

11 :  SS好きの774さん   2015年12月24日 (木) 09:19:36   ID: QKTwUEo0

あのさ。怖くもなんともないんだから無駄にホラータグ付けるなカス死ね。

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