ヘルマ「妹先生!よろしくお願いします!」 芳佳「ぅぇえ!?」 (57)

 

――タッタッタ


ヘルマ「伝令であります!」ザッ


ヘルマ「えー…、>>1殿?より“気が向いたので再びスペースを拝借いたします”とのことです」

ヘルマ「つきましては、請謁ながら自分があらすじをお話しいたしますっ!」ビッ



~ ヘルマちゃんのあらすじ ~

私ことヘルマ・レンナルツ曹長はカールスラント空軍131先行実験隊第3中隊所属のウィッチであります!

私達の担当するテスト機、カールスラント技術省開発の新型噴流式“ジェットストライカー”はとても高性能で有望な戦術航空機なのですが……他基地への試験配備による凡庸性テストは大失敗だったみたいなんです。
そこで改良を施した実地用試作2号機“ジェット・ツヴァイ”と、そのパイロットとしてなんと自分が再テストのため第501統合戦闘航空団の基地にやってきたのです! 緊張します!

現地での指導を、私の憧れのウィッチであるバルクホルン大尉殿にして頂くはずだったのですが、極秘の任務が入ってしまったようで大尉は会ってすぐ留守にしてしまいました……残念であります…。
しかし、大尉殿の推薦により大尉殿の恩師であります“扶桑のサムライ”こと扶桑海軍少佐、坂本美緒大先生にご鞭撻を振っていただくことになりました!

大先生はとっても厳しい方ですが、1日目はなんとか2度の気絶で済みました!
この調子で2日目も有意義に乗り切ってみせるであります! 見ていてください大尉っ!




美緒「長い、やり直しだ」

ヘルマ「アイマム!!」ビシ


ミーナ「……ごめんなさいね。 一応、正式な記録も置いておくから…興味があれば読んで頂戴」

【ヘルマちゃんの501生活】~初日編~
ヘルマ「大先生!よろしくお願いします!」美緒「うむ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409987503/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410609466

 
―早朝・第501JFW ロマーニャ基地―

エーゲル部屋


ヘルマ「ん……ふぁ…?」モゾ

ヘルマ「……あさ…?」ムク

ヘルマ「…………」ポケー

ヘルマ「……(時間…)」

ヘルマ「…おお、なんて早起き! ……さすがバルクホルン大尉のベッドであります!」

ヘルマ「……」チラ


エーリカ「……zz」


ヘルマ「いくらなんでもこんなに早い時間に起こす必要はありませんね」

ヘルマ「…顔を洗ってきましょう!」バサ

 
廊下


ヘルマ「……どうしよう。 早起きしたはいいけど、やる事がありません」スタスタ

ヘルマ「というより、なにかお仕事をしようにも勝手がわかりませんし…」


『ーー!!』

『~、~!』


ヘルマ「――! なにか聞こえる!?」

ヘルマ「……誰か他にも起きている方が…?」ムムー

ヘルマ「………! あ、まさか!」


~~~~~~~~~~~~~~

※昨日のお風呂にて

リーネ『坂本少佐は毎朝誰よりも早く起きて、自主訓練してるよね?』

芳佳『いっつも私より先にいるんだよー? 本当にすごいよね!』

ヘルマ(リネット曹長のおっぱい、大き過ぎであります…!!)ムフー

~~~~~~~~~~~~~~


ヘルマ「大先生が朝練をなさっているのでは!?」

 
ヘルマ「……むむ…、また気絶してしまいそうで怖いですが…これも貴重な機会! 私もご一緒するであります!!」ダッ

ヘルマ「大尉、見ていてください! 厳しさの先にあるもの、ヘルマ・レンナルツきっと見てみせますっ!」ステテテ




ヘルマ「………ぁ、廊下は走ってはダメでありました //」ピタ

 
基地 野外


芳佳「やぁ! …せいっ!」ブンブン

美緒「そうだ宮藤! へばっても声は殺すな! あと20回!!」

芳佳「は、はいっ!」




ヘルマ「……あれに見えるは宮藤軍曹!」ヒョコ

ヘルマ「…私のほうが上官であるにもかかわらず、ちゃん付で呼んでくる困った方であります!(大尉殿や大先生の事もさん付ですし)」

 
芳佳「はふっ………~っ…やぁ!」ブン

美緒「どうした? 残り10回だぞ、気を抜くな」




ヘルマ「……しかしなぜ宮藤軍曹が大先生と…? しかもこのような時間に――」

ヘルマ「…はっ! まさか!?」


~~~~~~~~~~~~~~

※昨日のお風呂

芳佳「それでね、坂本さんが私をウィッチにって実家まで来たんだよ!?」

リーネ「家にまで上がっちゃうなんてすごいよね…。 よっぽど芳佳ちゃんが欲しかったんじゃないかな?」

ヘルマ(……さ、触ったらどんな感じなのでしょうか…?)ドキドキ

~~~~~~~~~~~~~~


ヘルマ「軍曹も大先生の………弟子っ!?」ガーン

ヘルマ(ということは、バルクホルン大尉の妹弟子にあたる方…!)

ヘルマ「…憧れのバルクホルン大尉の妹で、大先生の弟子ということはつまり――」


ヘルマ「い、妹先生であります!!」

 

お、おう…

 
美緒「ん、誰だ?」

芳佳「――っやぁ~! ……はぁぅ…坂本さん、お…終わりましたぁ」ヘタリ


ヘルマ「せんせーい!!」ステテー


美緒「レンナルツ曹長か、…早起きとは関心だな」

芳佳「……ヘルマちゃん? おはよう…っ、朝早いん……だねっ?」ゼェ

ヘルマ「妹先生! よろしければ私もお供するであります!」ビシ

芳佳「妹!? え、なに? 先生?? 私が…!?」

 
美緒「そうか、お前も朝練希望か」

芳佳「え、坂本さん……私は別に希望した訳じゃなくて坂本さんが――」

ヘルマ「イエスマム!! 自分にも厳しさの先を教えてください!」

美緒「わっはっはっは! 皆目意味はわからんが、いいだろう! 3人で素振りだ!!」バッ

芳佳「ぅえぇ!? 坂本さん! 私、今終わりましたよぉ!?」ガーン

美緒「曹長はこれを使え、私は自分の剣を振ろう」

ヘルマ「アイマム!(こ、これが噂の木製サムライソード!?)」

美緒「よし、宮藤の横に並べ!」

芳佳「あ、あの! 聞いてください!?」

ヘルマ「妹先生! よろしくお願いします!」ペコー

芳佳「えぇぇ!!?」

 
――――
――



ヘルマ「」チーン

芳佳「ヘルマちゃん…大丈夫?」

美緒「張り切りすぎだ。 朝練で出し切ってどうする」

芳佳「しかも素振りで、ですからね…」

ヘルマ「」

美緒「……厳しさの先に夢を見る、か…」フカイ…

芳佳「なんかとっても渋い感じがしますけど、多分間違ってませんか?」

 
美緒「ふむ…」

美緒「…少し早いが行水だな。 ……宮藤!」

芳佳「あ、はい!」ヨイショ


芳佳「ヘルマちゃん、起きて!」バシャシャー

ヘルマ「っ!!? あっぷぁ! ガボッ…!!」

 
食堂


ヘルマ「~♪」ワクテカ

ミーナ「……あら、おはようヘルマさん。 早いのね?」

ヘルマ「ミーナ中佐!」ガタッ

ヘルマ「おはようございますっ!」ビシ

ミーナ「ええ、おはよう。 座っていいわよ」

ヘルマ「はっ!」

 
ミーナ「…調子はどうかしら?」

ヘルマ「はい! 早朝訓練でお腹がペコペコであります!!」

ミーナ「いえ、そういう事じゃないんだけど……まあいいわ」

ヘルマ「?」

ミーナ「朝の訓練、坂本少佐とやったのかしら?」

ヘルマ「はい! 妹先生に倣い、自分も志願しました!」

ミーナ「え、妹? ……なにかしら?」

ヘルマ「妹先生であります!」

ミーナ「…………」

 
ミーナ「………?」

ミーナ「……。 …………!」


ミーナ「…もしかして宮藤さんのこと?」

ヘルマ「肯定であります!」

ミーナ「(……トゥルーデったら、もう)なにを吹き込んでいるのよ、あの子は…」ハァ

ヘルマ「?」

 
ミーナ「でも…うふふっ、可愛いわね? 宮藤さんが先任の妹だから先生なのかしら?」

ヘルマ「え?」

ミーナ「ヘルマさんの方が階級は上なのに、うふふ。 ……あ、でも年は貴女の方が若いのよね?」

ヘルマ(……妹先生が…“先任妹”…? …そうでした。 大尉殿に続いて大先生に教えを乞う者はみんな妹弟子…)

ヘルマ「……!! ということは、私も大尉殿の妹でありますか!!?」ガビーン

ミーナ「ぇっ…!?」

ヘルマ「…っ……ぁ、…ぁぁ…!」ワナワナ

ミーナ「…あのね、ヘルマさん? なにを言われたのか知らないけど、無理して付き合う必要も――」

ヘルマ「………こ、……こ…」

ミーナ「(……“怖い”?)ええ。 本当の妹さんの手術が無事終われば、バルクホルンの奇癖も落ち着くと思うから――」

ヘルマ「光栄至極であります!!!///」ムフー


ミーナ「……」

 
ヘルマ「…よぉーっし! なんだかやる気がてできました~!! ヘルマ・レンナルツ、今日のテストも頑張るであります!」フンフン


――パタパタパタ


芳佳「はーい、お待たせ~ヘルマちゃん」

リーネ「あ、ミーナ中佐もおはようございます。 朝ごはん今並べますから」

ヘルマ「先生! 自分も配膳を手伝います!」ガタッ

リーネ「……先生?」

芳佳「え、いいよぉ! 私が当番なんだし、ヘルマちゃんは座ってて平気だよ?」

 
ヘルマ「しかし、先生は早朝訓練も出席しました! ここは自分が――」グー

ヘルマ「ぁ……//」

芳佳「い、いいよ。 お腹も鳴ってるし、ヘルマちゃんは先に食べてていいから」

ヘルマ「ぅ…! で、ではお先にいただくであります…//」


芳佳「というか、先生って呼ぶのはちょっとやめて欲しいかなぁ」

リーネ「……なんで芳佳ちゃんが先生なの?」

芳佳「う、うん。 それが私もさっぱり……朝いきなり呼ばれて」

ヘルマ「! …それは、私もバルクホルン大尉殿の妹だからであります!!!」エヘン

 
リーネ「ぇ…」

芳佳「……うそっ!! えぇ!? ヘルマちゃんとバルクホルンさんって姉妹だったの!?」

リーネ「ぇ……でも名前が――…ぁっ!」ドキ

芳佳「でもバルクホルンさん、クリスさん以外に妹がいるなんて全然言って――」

リーネ「よ、芳佳ちゃんっ! それ以上聞いちゃダメ! や、やめよ!?」

芳佳「えぇ、なんで?」

リーネ「い、いろいろ事情があるんだよ……うん…」モンモン

芳佳「?」

ヘルマ「…このねばっこいオカズは? ……っ!!? くさいっ! なんですかこれはっ!?」


ギャーギャー




ミーナ「……」

美緒「ん? まだ食べ始めていなかったのかあいつら、結局一緒になってしまったな」スタスタ

 
ミーナ「…………」

美緒「おはようミーナ。 …どうした、お前も朝食だろう? 席につかないのか?」

ミーナ「……美緒、貴女が収集つけて頂戴ね」

美緒「わっはっは、中佐は心配性だな! レンナルツ曹長の事は任せておけ! 今朝も殊勝な事に自ら早朝訓練に参加したんだぞ?」

ミーナ「……そういう事じゃなくて…」ハァ

 
― 朝食後 ―

廊下


ヘルマ「うわわわぁ~! 大尉殿に任されていたのにすっかり忘れていましたー!」ステテー


シャーリー「…おーおー、元気だねぇ」

ヘルマ「おはようございますっ!」

シャーリー「おはよー。 ……あんまり走ると転ぶぞ? この廊下、舗装が不充分だし」

ヘルマ「ああっ!?」キキッ

シャーリー「うぉあっ!? なんだ急に?」

ヘルマ「………私とした事が、また廊下を走ってしまうとは。 これではカールスラント軍人失格であります」ペシペシ

シャーリー「……」

 
エーゲル部屋


ヘルマ「エーリカ・ハルトマン中尉! 起きていますか!?」ガチャ


し~~ん…


ヘルマ「……むぅ~、やはりまだ寝ているのですね…。 時間を遵守するのは軍人の基本です!」スタスタ

ヘルマ「というより、人としての基本であります中尉ー!! おきてくださーいっ!」

エーリカ「…………んー。 ……あと50分…」モゾ

ヘルマ「…なんと、大尉殿の情報通り! 要求する延長時間も度を越しているであります…!」

 
ヘルマ「(すると次はまさか…?)…ダメです中尉、起床時刻はとっくに過ぎているであります! 着替えて朝食を食べてください!」

エーリカ「……~…」

ヘルマ「……」ドキドキ

エーリカ「…………じゃ…ぁと90分だけ…」

ヘルマ「!! 本当に増えましたっ!」ガガーン

ヘルマ「……ま、まさか。 これも…?(布団をはぎ取って…)」グイ

エーリカ「……う~ん…もぉ~……おきるから返しぃ…」

 
ヘルマ「わぁ! バルクホルン大尉の言った通り!! すごい!」

ヘルマ「…えーと、それならこれは――」

エーリカ「~~…zz」


――――
――



リーネ「それで色々試してたら訓練の時間になっちゃったんですか?」

ヘルマ「はい……結局ハルトマン中尉はまだ寝ています…」ショボーン

芳佳「ち、遅刻しないでよかったねヘルマちゃん!?」


美緒「お前達、準備ができたなら黙って整列だ!!」

ヘルマたそ~

 
リーネ「っ!」

芳佳「あぁ、はいっ!」

ヘルマ「イエスマム!!」ビシ

美緒「……切り替えのみきりは抜群だな、曹長?」

ヘルマ「光栄であります!」

美緒「褒めたつもりは無いが、まぁいい」

美緒「…今日の午前は射撃訓練だ。 レンナルツ曹長が加わって2日目という事もあり、お前達の基礎技術を改めて見直しておく」

ヘルマ「素晴らしい采配であります!!」

美緒「……いちいち太鼓を持たんでいい」

ヘルマ「アイマム!!」

芳佳「…ヘルマちゃんって実は坂本さんと仲良しだよね?」ヒソヒソ

リーネ「ぅ、うん…」

 
美緒「航空戦闘で使う事は無いが、射撃における基礎を見るために伏射でやるぞ! 機関銃の後はライフルもやるからな?」

ヘルマ「大先生! 本日もご指導よろしくお願いします!」ペコー

美緒「うむ! ではレンナルツ曹長から見てやろう、…配置につけ!!」

ヘルマ「イエスマム!」


――――
――



美緒「お前達は後で外周ランニングだ、いいな?」

芳佳「うぅ……」

ヘルマ「……申し訳ありません…」

 
美緒「レンナルツ曹長は戦績を見るに、そこまで悪い筈は無いんだが……」ペラ

ヘルマ「…け、経口の小さい銃は久しぶりでありまして…。 前にサン・トロンの任務で使った時もそんなには…」

美緒「……そうか、なるほど。 確かに大型機の撃墜が多いな。 …ジェットの装備を考えればそうなるか」

美緒「だが宮藤、お前は言い訳できんぞ? わかっているな?」

芳佳「は、はぁい…」

美緒「まったく! 一年前にも、ここへ来てからも改めて一から教えたはずだが?」

芳佳「ぅ……すみません」ガク

 
リーネ「芳佳ちゃん…」

ヘルマ(い、妹先生が叱られているであります! ……さては大尉殿に比べ、それほど優秀というわけではないのでは…?)

美緒「…宮藤は覚えは良いが、他を絞ると同じくスポンジのように抜けてゆくからな。 私に似て我流のきらいがあるのも一因だろうが」

ヘルマ「!」ハッ

芳佳「えへへ」

美緒「褒めていないぞ」


ヘルマ(……そうでしたか! 妹先生の凄さは“成長性”! そこを見込まれて弟子入りを果たした、そういうことですね!?)

 
美緒「最後はリーネだな。 準備しろ」

リーネ「は、はい」

美緒「…まぁ、リーネはまだ比較的問題無いだろうが」

美緒「お前達ふたりはリーネの射撃を手本に、自分の反省点を見つけろ」ビッ

芳佳「はい」

ヘルマ「イエスマム!(ならばこのヘルマ・レンナルツ、妹先生に“習い”の極意を習うであります!)」


――――
――

サントロンの雷鳴を観ました
円盤とか拾い物でいいやと思っている人は絶対劇場で見るのをお勧めします

公式で出ちゃったのでジェットネタが相当野暮な二次創作になってしまいますが、一応やるであります

 
美緒「よし、自分で一通りやってみろ」

リーネ「はい」ザ



芳佳「……」

ヘルマ「…妹先生! 私に先生の学びの秘訣を是非――」

芳佳「ちょっと待って! リーネちゃんが今構えるから、後にして!」

ヘルマ「っ!?」ビク

芳佳「……」ジー

ヘルマ(あ、あの宮藤軍曹から厳しい言葉が…! なんて真剣な顔つき!)

 
ヘルマ(むむむ、さすが大尉の妹で大先生の弟子であります! この集中力で、盗める情報を的確に捉えるのですね!?)ムフー

芳佳「…! 来た!」

ヘルマ「ぇ! どこでありますか!?」バッ

芳佳「…………」ジー

ヘルマ「……(食い入るように観察している!)」

芳佳「……よし…」

ヘルマ「っ!(このままでは私だけ置いて行かれてしまいます! 妹先生の視線の先を追えば私も射撃の秘訣が――)」ジー


ヘルマ「!!」
 

 
ヘルマ「……ま、まさか先生…! “アレ”が…!?」

芳佳「…ヘルマちゃんもわかるんだ? すごいよね、さすがリーネちゃん」フッ

ヘルマ(すごい……なんという千里眼! まさかアレが基礎射撃に必要な物だったなんて…!?)



美緒「うむ、やはりリーネは問題なさそうだな。 全員これが普通なんだが」ハァ

美緒「…ではリーネ、打ち方始めろ!」

リーネ「は、はい!」



ヘルマ「ど、どうしてわかったでありますか!?」

芳佳「しっ!! ごめん、大事な所だから黙って!」

ヘルマ「!?」ビク

芳佳「……」ジー

ヘルマ「も、申し訳ありません……」ジー

 
美緒「……」

リーネ「…っ」ダダダダ



芳佳「よしっ!」グ

ヘルマ「ゆ、揺れている!? 揺れているであります!!」

芳佳「ふふふ、驚いた? 私も初めて見た時はビックリしたけど、あれがリーネちゃんの実力なんだよ」

ヘルマ「…!!(つ、つまり……射撃の秘訣はやはり――)」


ヘルマ(“おっぱい”でありますかー!!?)ガーン
 

 
芳佳「ふふ……ほら、撃ち終わっちゃう前にヘルマちゃんもしっかり見ておきなよ」ジー

ヘルマ(あの大きな脂肪で銃身と狙いを安定させて、なおかつ射撃の反動を吸収してブレを防ぐのでありますね!?)

ヘルマ「な……な…――」ワナワナ



美緒「打ち方止めっ!」

リーネ「…ふう」

美緒「やはりリーネは立射でやらせるべきだったか。 基礎の確認はできたが、少し歯ごたえが無かったな」

リーネ「そ、そんなことは…」

美緒「わっはっは、弾の無駄使いをしてしまったか?」


『なるほどー!! わかったでありますっ!!!』


リーネ「ひゃっ…!?」

美緒「……ふっ、そう無駄でもなかったか(一目で何か掴むとは、やるな曹長)」

 
―午後―

基地上空


美緒「よし、今日のテストは上昇高度の測定だ」ブゥゥン

ヘルマ「アイマム!」ゴォォォ

美緒「以前に我々も超高3万メートルに登るためにジェットブースターを使用したことがある……つまり粉瘤式航空機構が成層中圏に届く馬力を持ちうるということだ」

ヘルマ「……」

美緒「だがウィッチひとりの魔法力でそこに到達するのは無理だろう」

美緒「…資料によると、その試作機は魔法力残量や内圧または温度異常によって安全装置が機能を制限するらしい。 これから曹長には垂直上昇を行ってもらい、安全装置が作動した高度と時間及びその時の機体情報を記録する」バサバサ

ヘルマ「了解であります!」

 
美緒「高度測定はうちのサーニャが協力する。 頼むぞ」

サーニャ「…はい」ブゥゥン

ヘルマ「よろしくお願いします!!」

サーニャ「……はぃ…(ねむい…)」

美緒「では始めるか。 …曹長、超高度に達する際は呼吸と体温に十分注意しろ? 魔法力の運用を間違えれば死ぬからな」

ヘルマ「い、イエスマム…!」ゴクリ


美緒「よし! 上昇開始ッ!」

ヘルマ「いきますっ!!」


ゴォォオォオオ――



美緒「……」カチ

サーニャ「……」フィィン

美緒「………」

サーニャ「………」フィィィン

 
美緒「ふむ…」

サーニャ「…………レンナルツ機、高度5千に達しました。 さらに上昇中…」

美緒「……速いな」

サーニャ「…まだ加速しています」

美緒「垂直でこれか、信じられん」

サーニャ「………高度1万、間もなく成層圏に到達。 上昇軌道、速度共に安定しています…」

美緒「ほう…、曹長の奴もやるな? もう少し危な気かと思ったが」

 
サーニャ「…………」フィィイン

美緒「…………」

サーニャ「………レンナルツ機、失速」

美緒「安全装置が作動したか」カチ


ガザッ


ヘルマ『大先生! ジェット・ツヴァイの出力が落ちました!?』ガザザ

美緒「よし、では曹長は直ぐにメーターで圧力と温度の確認! ……サーニャ、高度は?」

サーニャ「1万5千と46メートルです」

美緒「む、思ったより伸びんな。 バルクホルンとシャーリーが競った時は…?」

サーニャ「…もっと上がっていました」

美緒「レシプロより断然スピードも高度性能もあるが、……機体負荷が強いか? どこかで異常値を出した様だな」

サーニャ「……」

 
ザザッ

『こちら管制。 坂本少佐、応答を願います』ガザ

美緒「ん、どうした?」

『ミーナ中佐からお呼び出しの連絡です。 至急執務室へ来るようにと』

美緒「……何かやらかしたか? 覚えはないな」

サーニャ「坂本少佐、まだ怒られると決まったわけでは…」

美緒「ふむ……今日こそは曹長の任務を進めてやりたいのだが、仕方が無い」

 
――ゴォォオォ…


ヘルマ「ただいま戻りました! もう一度録るでありますか?」

美緒「いや、大丈夫なんだが……すまない軍曹。 中佐に呼び出されたので少し外す」

ヘルマ「了解であります! いってらっしゃいませ!」

美緒「……何をしてる、お前も降りるぞ?」

ヘルマ「? 自分はまだまだ飛べますが…?」

美緒「監督者無しにテスト機の使用はするなとウルスラ中尉に言われている。 すまんが試験任務はまたもや中断だ」

ヘルマ「……えーっ!?」ガーン

サーニャ「……」

美緒「サーニャ、ご苦労だった。 お前も降りてもらって構わん」

サーニャ「…はぃ」

 
基地ハンガー


美緒「では連絡があるまで曹長は“自由”待機とする」

ヘルマ「了解であります!」

ヘルマ「――……? あの…大先生、自由とは?」

美緒「言葉の通りだ。 休もうが立っていようが構わん、違反の無い範囲で好きに過ごせ」

ヘルマ「あ、アイマム!」ピシ

サーニャ「……」ウトウト

美緒「サーニャも夜間に備えて足りないようなら、ギリギリまで寝ていていいぞ? 私が許可する」

サーニャ「はい…」

 
美緒「では急ぎらしいのでな、私は行く。 解散」スタスタ

ヘルマ「はい! ご指導ありがとうございましたーっ!」

サーニャ「……(早く戻って寝よう…)」フラフラ

ヘルマ「リトヴャク中尉殿もご協力ありがとうごさいました!!」ペコー

サーニャ「ぇ? …ぁ、はぃ……どういたしまして…」

ヘルマ「気持ちばかりで恐縮でありますが、自分がお部屋までお送りいまします!」

サーニャ「ぇ………ぃ、いいです……別に…」

ヘルマ「そんなに眠そうな足取りでなにを言うでありますか! お独りでは危険です、怪我の元になります」ササッ

サーニャ「……私、いつもこうだから…」ハナシテ…

ヘルマ「そういう油断が事故を起こすんです! 自分が安全に部屋までお連れするであります!」

サーニャ(好意は嬉しいけど、声が響く…)

 
エイラーニャ部屋


ヘルマ「さあ中尉殿、着きました!」

サーニャ「はい……そう…ですね」ウトウト

エイラ「……なんだよ、このヘンチクリンは? 勝手に入ってくんなよー」ジト

ヘルマ「へ、ヘンチクリンではありません!? カールスラント空軍131先行実験隊第3中隊所属、ヘルマ・レンナルツ曹長であります!」

エイラ「実験隊ー? …あー、そういやこの前中佐が言ってたな。 お前テストパイロットか」

ヘルマ「肯定であります」

 
エイラ「…一応、こっちも言っとくか」ポリポリ

エイラ「ワタシはエイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉、まあ世話することはないだろうけどよろしくなー」

ヘルマ「(こ、この方がスオムスのトップ、被弾ゼロ“回避のエイラ”殿…!)よ、よろしくお願いします!!」

エイラ「……いちいち大っきな声出すなよ」

ヘルマ「申し訳ありません!!」

エイラ(めんどくせーなコイツ…)

サーニャ「……~」フラッ

サーニャ「~…」バフ

ヘルマ「!? リトヴャク中尉!」

 
エイラ「心配すんな。 サーニャはナイトウィッチだから、この時間はまだ眠いんだ」

サーニャ「……」

エイラ「サーニャ、夕方に起こせばイイか?」

サーニャ「………ギリギリま…で……良いって…」モゴモゴ

エイラ「ん、わかった。 おやすみサーニャ」

サーニャ「……ぅ…ん…。 ……zz」

ヘルマ「そのまま突っ伏して寝ているであります…!?」

エイラ「ムフフ、かわいいだろ? 哨戒帰りは私のところで寝ちゃうコトもあるんだゾー?」ニタニタ

ヘルマ「な、なんですって!? ///」ガーン

はい…かわいいです!

 
エイラ「フフ~ン、もっと驚け~」

ヘルマ「………起きてくださいリトヴャク中尉!」ユサユサ

サーニャ「~~……ん…」モゾ

エイラ「ワッ!? お前なにやってんだよ!?」

ヘルマ「就寝は正しく自分の床につくべきです! それに制服のまま寝るなどシワになります、衣服の乱れは心の乱れっ!」

エイラ「大尉みたいなコト言ってんじゃねー!?」バッ

ヘルマ「光栄であります!」

エイラ「褒めてねー!! ヤメロー!」グイー

ヘルマ「さぁ中尉、立ってください! 映えあるナイトウィッチのエースがこのだらしのない体たらくでは恥ずかしいですよ?」ユサユサ

サーニャ「……ぅぅ…やめて…」

 
― 夜 ―

通信室


ヘルマ「それで私がリトヴャク中尉の生活態度を修正したであります! この調子で明日こそはハルトマン中尉を――」ペラペラ

『……』

ヘルマ「あと任務の方ですが、大先生が――」ペチャクチャ

『…………』

ヘルマ「――以上、報告であります! 大尉殿の極秘任務も成功をお祈りいたします!」

『………という旨を、バルクホルン様にお伝えすればよろしいのですね?』

ヘルマ「はい! 繰り返しましょうか?」

『い、いえ…もう結構です』

 
ヘルマ「よろしくお願いします!」

『はい……ご伝言、承りました」

ヘルマ「? …フロントさん、お声の調子がグッタリしてますが大丈夫でありますか?」

『……』

ヘルマ「こんなに遅くまで働いて頂いてありがとうございます! みなさんのために自分達が必ずネウロイを倒してみせます!」ムフー

『………ふふ、労いの御言葉痛み入ります。 レンナルツ様』

ヘルマ「はい!」

 
『…それでは、失礼いたします』

ヘルマ「ありがとうございました!」

ヘルマ「……」カチャン

ヘルマ「ハッ! もうこんな時間でありますか!?」

ヘルマ「…むむぅ。 いつの間にか長電話になってしまうとは、あのフロントさんは聞き上手であります」

ヘルマ「さすがプロ…」ボソ


ヘルマ「……」


ヘルマ「私も自分の任務、立派にこなしてみせますっ!」グッ

ミーナ「…ヘルマさん、終わったのなら急いで部屋に戻りなさい。 もうすぐ消灯よ」



【ヘルマちゃんの501生活】~2日目編~

   完であります!
 

おしまいです。

気が向いたら続く

ヘルマちゃんは何日目に漏らすかな?



この空回り感がヘルマちゃんらしいような…

続きを期待して待っているよ

ヘルマちゃん可愛いよ

ヘルマちゃん可愛いよ

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