戦士「フ……ここがダンジョンか」(704)

~酒場~

ガヤガヤ、ワイワイ……

ギィ……

主人「……いらっしゃい」

戦士「……酒臭いところだ。マスター、レモン水を」

主人「……ここは酒場だが」

戦士「フン、俺は今からダンジョンに挑戦するんだ。酒なんて飲めるか」

主人「……冗談だ、ここは酒以外も置いてある。……あんたも冒険者か?見ない顔だが」

戦士「まあな、さっきここの街についたばかりだ」

主人「……そうか、ならせいぜい長生きしてうちを繁盛させてくれ」

戦士「当然だ、俺は伝説になる男だから」

主人「そうか、そうなることを楽しみにしておく。……ところで仲間はどこだ?」

戦士「仲間?俺は群れたりはしない」

主人「……やめておけ、パーティーを組んでても死ぬ奴らはいるんだ。死んでも仲間がいれば教会でなんとかなるが一人じゃそれもない」

戦士「俺はそんなへまはしない」

主人「……そうか」

客「一人で行くって言ってるんだ!好きにさせろよ!」

客「死んでもしらねえけどな!」

ワハハハハハ

主人「悪いことは言わない、ここで仲間を募集したらどうだ」

戦士「心遣い感謝する、だが必要ない」

主人「……忠告したからな」

とりあえず出だしだけ。休憩する

戦士「心配症だなあんた」

主人「……遅くなったな、レモン水だ」コト

男「……ゴッゴッゴッ、プハァ。……ありがとう」チャリン

主人「……せめて、傷薬なんかは準備していけ」

戦士「……そこまで心配するのなら仕方ない。準備はしていこう」

主人「……売っているところは斜向かいの店だ。ダンジョン前でも売ってるがおすすめはしねぇ」

戦士「ありがとうマスター。じゃあな」

コツコツ、ギィ……

主人「…………」

客「あいつ間違いなく死ぬな」

冒険者「ダンジョンはそんな甘いところじゃねぇってのに。俺が言うんだから間違いないね」

客「またダンジョンに飲み込まれて死んだあわれな冒険者が一人、か」

客「あいつは自業自得だろ、人の忠告も聞かないで」

冒険者「そりゃあちげぇねぇ!」

ワハハハハハハ……

主人「…………はあ」



戦士「ここが言っていた店か」

店主「いらっしゃいませ、何をお求めで?」

戦士「傷薬を頼む」

店主「はい、わかりました。このようになっております」

戦士「どれどれ……!?」

店主「どうかなさいましたか?」

戦士「………高くないか?」

店主「いえ、これくらいが相場でございますとも。もちろん効き目はバッチリですよ?」

戦士「……その一番安い傷薬を2つくれ」

店主「かしこまりました。武器なんかもご覧になってはいかがでしょう?」

戦士「……いや、結構だ……」

店主「わかりました、こちらが商品でございます」

戦士「……」チャリン

店主「……確かに。またのお越しをお待ちしております」

戦士「あ、ああ」



店主「……あの様子だと駆け出しかな?」

~ダンジョン前~

戦士「……痛い出費だったがよしとしよう。ダンジョンに入れば宿代も稼げるだろうし」

戦士「それにしても……」

ワイワイガヤガヤ……

売り子「薬ー、傷薬あるよー!」

売り子「おいしい携帯食糧だよ!さあ見てみな!」

戦士「ダンジョンのすぐ近くなのに人が多いな」

戦士「……まあいい。俺はこれから伝説になるんだからな」

戦士「……行くぞ!」

~ダンジョン地下一階~

戦士「……薄暗いな。それに空気も悪い」

戦士「こんなところさっさと攻略してしまおう」

……ザッザッ

戦士「……敵か?近いな……」

ゴブリンa「ごぶー!」

ゴブリンc「ごぶぶ!?」

ゴブリンabcd「「「「ごぶぶー!」」」」

戦士「フン。数は多いが……」

チャキッ!

戦士「俺の剣の錆にしてやる!はぁぁぁぁぁぁ!」

ドスッ、ボコッ!バキッ!

戦士「無理無理無理無理。こいつら強すぎだって!?」

ゴブリンd「ごぶー!」

戦士「ひ、ひいぃぃぃぃぃ!」

ダダダダダダッ!

ゴブリン's「ごぶー!」

戦士「来るなぁぁぁぁぁぁぁ!」

ゴブリン's「ごぶっぶー!」

戦士「追ってくんな馬鹿!」

戦士「死んでたまるかぁぁぁぁぁ!」

ダダダダダダッ……

~酒場~

ギィ……

主人「……いらっしゃ……」

戦士「フ、苦戦したぜ」ボロッ

主人「…………」

客「死んでなかったのかよこいつ!」

冒険者「運がいいなぁ、おい!」

客「だな!絶対死ぬとばかり思ってたぜ」

戦士「そ、そんな目で俺を見るなぁぁぁぁ」

主人「……だから言っただろう」

戦士「……うん。無理無理。敵強すぎだよ。一人とか無理だって」

主人「……はぁ」

戦士「……宿に泊まるお金すらないんだ」

主人「……そうか」

戦士「だから何かいい方法を教えてくれないか?」

主人「…………」

戦士「すみませんお願いします」

主人「……ここに来る途中、この店の近くに宿屋がある」

戦士「……お金がなくて」

主人「……店の手伝いをしたら馬小屋か物置に泊めてもらえるだろう」

戦士「本当ですか!?」

主人「ああ」

戦士「フ、ありがとうマスター。金ができたら必ずここに通おう」

主人「ああ、そうしてくれ」

戦士「では」

ギィ……

主人「……はぁ」

客「あいつ結局口だけだったか」

客「まあ、そんなもんだろ。一人でダンジョンに入って死ななかっただけましさ」

冒険者「だな、今の俺なら一階なら余裕だが新人にゃ厳しいだろ」

客「ははは!あ、マスター酒のおかわり頼むぜ」

主人「……わかった」

~宿屋~

戦士「すまない」

宿の女将「あら、お客さんかい。部屋は空いてるよ」

戦士「いや、手伝いをすれば馬小屋に泊まれると聞いたんだが……」

宿の女将「……はぁっ!また金にならない客かい!」

戦士「ごめんなさい!」

宿の女将「ったく、まあいいけどね。いるんだよ、新人には金なんかないしね」

戦士「申し訳ない、ところで何をすればいいんだ?」

宿の女将「あー、薪割りでも頼むかねぇ。さぼるんじゃないよ!」

戦士「承知した」

宿の女将「それにしてもあんた」

戦士「?」

宿の女将「なんかキザったらしいねぇ。似合ってないよ」

戦士「」

宿の女将「ほら、とっとと仕事をしておくれ!」

戦士「……わかった」

宿の女将「裏手に作業場があるからね」

戦士「……はい」

宿の女将「返事はもっと元気よく!」

戦士「はいっ!」

宿の女将「よし、任せたよ!私は仕事があるからね」

スタスタスタ……

戦士「……はぁ」

今日はこんなもんでおしまい



ヒヒーン

戦士「薪割り疲れたなぁ。でも賄いを食べさせてくれたし優しいな女将さん」

戦士「………………」

戦士「……こんなはずじゃなかったんだが」

戦士「やはり一人というのは無理があったかな」

戦士「……明日は仲間を探そう」

戦士「……それにしても今日は本当に死ぬかと思ったな」

戦士「……寝よう」



ヒヒーン

宿の女将「いつでも寝てるんだい!起きな!」

戦士「………朝か」

宿の女将「ようやく起きたかい」

戦士「フ、おはよう女将」

宿の女将「おはようさん。ほら、賄いがあるからそれを食べてとっとと行きな」

戦士「感謝する」

宿の女将「全く、今度は部屋に泊まりに来るんだよ!」

戦士「出来うる限りそうしよう」

宿の女将「……こりゃ期待できそうにないねぇ」

戦士「……失礼する」

~酒場~

ギィ……

戦士「おはよう、マスター」

主人「……うむ、注文は?」

戦士「……金欠なんだ」

主人「………はぁ」

戦士「すまないな」

主人「……なら仲間探しか?」

戦士「ああ、俺一人では少し厳しいものがあったからな」

主人「……そうか」

戦士「それにしてもまだ朝だからか客が少ないな」

主人「……だいたいが酒飲みだからな。とりあえず適当に声をかけてみるといい」

戦士「ああ、そうしてみることにしよう」



戦士「そこのあんた、ちょっといいか?」

侍「ワタシですかボーイ?」

戦士「………」

侍「どうしたんデース?」

戦士「……いや、パーティーを組む仲間を探しているんだが」

侍「オーウ、そうなんデースカ」

戦士「職業を聞いてもいいか?俺は見た通り戦士をやっている」

侍「ワタシはサムラーイ↑をやっていマス」

戦士「サ、サムラーイ?」

侍「イエス!サムライロードに従い、独自の剣術と、東方のkotodamaにより魔法を使えマース」

戦士「それはすごいな」

侍「バット!しかし剣術と魔法の二足のわらじなので、魔法は本職に比べると劣りマース」

戦士「……なるほど」

侍「そんなことも知らないなんてユーは初心者デスカ?」

戦士「そうだな、最近こっちに来たばかりだから知らないことのほうが多い」

侍「チッ、素人か」

戦士「え?」

侍「なんでもありまセーン!ところでパーティーを組みたいのデシタネ?」

戦士「ああ」

侍「ワタシも情報は集めましたガ、ダンジョンに入るには仲間が必要不可欠デス!」

戦士「と、いうことは……」

侍「よろしこお願いシマース!」

戦士「よろしく」

侍「それで他の仲間はどこデスカ?」

戦士「いや、君が最初だよ」

侍「ホワーイ?」

戦士「今日仲間を探し始めたばかりなんだ」

侍「…………」

戦士「どうかしたか?」

侍「な、なんでもありまセーン……。おっと、自己紹介がまだデシタネ。ワタシは侍といいマース」

戦士「俺は戦士だ」

侍「改めてよろしこデース!」

戦士「ああよろしく。ところで他にどんな仲間がいるかわかるかな?」

侍「……本当に素人だな」

戦士「えっ?」

侍「他には回復役である僧侶やー、後衛の火力である魔法使い。そして宝箱や罠などの仕掛けに詳しい盗賊なんかが必要デース!」

戦士「……そんなに必要なのか」

侍「ダンジョンを攻略するためには仕方ないデース」

戦士「えっと、僧侶と魔法使いと盗賊か?」

侍「特に、僧侶と盗賊は必ずパーティーに欲しいデスネ」

戦士「……そうなのか」

侍「ま、気長にいきまショー!」

疲れた。おやすみ

ウィザードリィっぽいですね

>>27
ぶっちゃけるとそう
dq風はあってもwiz風はないんだよね
>>1が知らないだけかもしれんが

戦士「……ああ。それにしても侍は詳しいな」

侍「当然デース。命は一つしかありませんから、情報を集めて慎重すぎるぐらいでいいのデース」

戦士「……そうなのか」

侍「イエス!ダンジョンでは腕っ節よりも情報が命デス!情報を集めた感じそんな風でしたネー」

戦士「……情報のほうが大事……」

侍「ま、ですから酒をおごったぐらいじゃ聞ける情報は知れてますケド」

戦士「……頭脳派なんだな侍」

侍「hahaha、ただ死にたくないだけデース」

戦士「……それに情報も大事だろうけど強さも必要だぞダンジョンは。全く歯がたたなかった」

侍「ホワーイ?パーティーはまだワタシが最初デハ?」

戦士「昨日一人でダンジョンに行ってきたんだ」

侍「オーウ……」

戦士「俺でも流石に厳しいものがあったがな」

侍「よく生きてましたネー……」

戦士「実力だ」

侍「だけどパーティーを組んだら一人で行くのは止めてくださいネー」

戦士「それくらいはわかっている」

侍「(この人不安デース……)」

戦士「それじゃあ仲間探しの続きをしようか」

侍「そうしまショー」

戦士「あの人なんてどうだ?とっても強そうだ」

忍者「ニンニンでござるだってばよ!」

侍「止めといたほうがいいデース」

戦士「どうしてだ?」

侍「明らかにあの人は素人じゃないデス。そういう人はとっくにどこかのパーティーに入ってマス」

戦士「そりゃあそうか」

侍「それニー……」

戦士「それに?」

侍「一人だけレベルが違いすぎるとトラブルの元になりマース。お金の分配なんかがそうデース」

戦士「確かに……」

侍「それに高レベルの冒険者でフリーなのはそれなりに理由があるのデス。些細なことからそれこそいろいろネ」

戦士「……詳しすぎやしないか?」

侍「ワタシいろんな酒場で情報収集してましたカラ!」

戦士「本当に慎重だな」

侍「hahaha、とりあえずワタシ達はワタシ達と同じような駆け出しを探しまショー」

戦士「そうしよう」



僧侶「……」オドオド

戦士「あいつなんてどうだ?」

侍「駆け出しっぽい感じがビンビンにしますネー!」

戦士「よしなら行こう。そこの君」

僧侶「え、えっとボクですか?」

侍「そうですよボーイ!」

戦士「俺達は今、パーティーの仲間探しをしているんだ」

僧侶「は、はい……」

戦士「見たところ君の職業は僧侶みたいだけどよかったらウチのパーティーに入らないか?」

僧侶「あの、えっと……」

侍「焦らなくてもいいですよボーイ。大事なことだからしっかり考えて下サイ」

戦士「そうだ、焦らなくともいい」

僧侶「えっと、ボクの名前は僧侶といいます」

戦士「俺は戦士だ。それでこっちが」

侍「侍といいマース」

僧侶「は、はい。えっとそれでボクも仲間を探しに酒場に来たんですけど、なかなか声がかけづらくて……」

侍「ボーイのような少年にはちょっと難しいかもしれませんネー」

僧侶「その、よかったらボクを仲間に入れて下さい」

戦士「もちろん歓迎だ。駆け出し同士仲良くしよう」

侍「よろしこデース」

僧侶「よ、よろしくお願いします」

戦士「よろしく頼む」

侍「ところデー」

僧侶「なんですか?」

侍「何故ユーのような少年がダンジョンへ?」

僧侶「……それは」

侍「別に無理に言わずともいいデース。ちょっと気になっただけデス」

僧侶「……ダンジョンがここの街にできてから沢山の人がここに来るでしょう?」

戦士「そうだな」

僧侶「なのでその沢山の人達に宗教を広めるのと、ボクたちの神様も関わっていますとアピールするためにダンジョンへ……」

侍「そうなのですカー」

僧侶「でもダンジョンって危険だからボクがいた教会だと誰も来たがらなくて……」

戦士「あー……」

僧侶「最終的にはボクに押し付けられてここへ……」

侍「き、きっといいことありマース!」

戦士「そ、そうだ。侍の言うとおりだから落ち込むな!」

侍「ファイトです、ボーイ!」

僧侶「ははは……、ありがとうございます……」

戦士「まあ、うん。長い人生そんなこともあるだろう」

侍「気にし過ぎちゃいけまセーン」

僧侶「……はい」

戦士「と、ところで侍!あと必須なのは盗賊で良かったか!?」

侍「イエス!僧侶クンが仲間になったのでそうなりマース!」

戦士「なら頑張って探そう!」

侍「イエス!ほら、僧侶クンも一緒に頑張りまショー?」

僧侶「……はい。気をつかわせてしまってすみません」

戦士「大丈夫だ。気にするな」

侍「そうですヨー」

僧侶「……ありがとうございます」

戦士「それじゃあ仲間探しを始めようか。盗賊以外にはどんなのを仲間にすればいいんだ?」

侍「あとはさっき言った盗賊。あとは後衛が欲しいデース」

僧侶「魔法使いさんなんかですね」

戦士「そうか、前衛は俺と侍……」

侍「実は攻撃力は微妙ですが僧侶も前衛ができマース」

戦士「そうなのか?」

僧侶「は、はい。直接戦うのは苦手ですけど…」

戦士「ならあとは後衛か」

侍「あと3人ですネー」

僧侶「そういえばダンジョンは1パーティー6人まででしたっけ」

戦士「そうなのか侍?」

侍「……戦士サンはなんでもワタシに聞けばいいと思ってませんカー?」

戦士「いや、だって侍は詳しいしな」

侍「……フゥ。信憑性は知りませんが酒場で聞いた話だと6人より多くなるとモンスターが有り得ないほど沢山くるらしいデス」

僧侶「なんでなんでしょう?」

戦士「人数が多くなると目立ちやすくなるから……か?」

侍「どうなんでしょうネー。そこら辺はダンジョンに聞いてくだサーイ」

僧侶「よくわからないけどパーティーは6人までなんですね」

侍「そういうことデース」

戦士「フ、気にならないわけでもないが仲間探しを続けようか」

休憩

魔法使い「なあ、あんたら」

戦士「なんだ?」

魔法使い「パーティーの募集してるんだろ?」

侍「イエス!そうでーす」

魔法使い「魔法使いはまだ募集してるか?」

僧侶「はい、募集してますよ」

魔法使い「なら俺も入っていいかい?」

戦士「その口振りからするとアンタは魔法使いか」

魔法使い「そうだ。で、仲間にしてくれるのかよ?」

戦士「ああ、まだ仲間も集まりきってないパーティーにでよければだがな」

魔法使い「別に構わねえ。あんたらもいいかい?」

侍「問題はありまセーン」

僧侶「ボクもです。よろしくお願いしますね」

魔法使い「あいよ、よろしく」

戦士「よろしく頼む」

侍「よろしこデース」

魔法使い「……ところでさっそくだが一つ頼んでもいいか?」

戦士「別にいいがたいしたことはできないぞ」

魔法使い「ちょっとしたお願いだよ。……女をパーティーに入れないでほしい」

僧侶「……えっと」

侍「もしかしてユーはホモですか?ノーサンキュー!」

魔法使い「ちげえよボケ!」

戦士「……そういうのは遠慮してくれ」

僧侶「ボクもそういうのは……」

魔法使い「ちげえって言ってるだろ!俺はただ女が苦手なだけのノーマルだ!」

侍「油断しちゃいけまセーン。ホモは皆そう言うのデース」

魔法使い「しつこいぞてめえ!俺が女が苦手な理由を話すから黙って聞いてろ!」

僧侶「ま、まずは話を聞きましょうよ」

戦士「そうしようか。ほら、侍も」

侍「……近づいたら、斬るぞ」

魔法使い「たくっ。……俺の魔法の師匠はこれでもかと若作りをした女でな、ことあるごとに自分は女だからと言ってわがままいいやがってな」

戦士「……ほう」

僧侶「そうなんですか」

魔法使い「魔法を習うためとはいえもうウンザリでな!逃げ出してきてやったのさ!」

侍「それは少し短慮ではありまセーンか?」

魔法使い「ハン!あんな奴のところになんかもう二度と戻るか!でもよ……」

戦士「でも?」

魔法使い「あっちにほとんど荷物を置いてあったし金もほとんど使いきっちまってよ」

侍「アララー」

魔法使い「で、金のためにダンジョンに入ろうとしてたわけよ」

戦士「フ……ダンジョンに入ろうとする奴なんてほとんど金を持ってないからな」

侍「世知辛い世の中デース」

僧侶「えっと、それが理由で女の人が苦手になったんですか?」

魔法使い「そうだよ。ま、それとなくでいいからよ。絶対嫌だとかわがままは言わねえ」

戦士「わかった。でも俺にもそんなことはわからないがな」

侍「それにダンジョンに潜るのは男性のほうが多いですから安心してくだサーイ」

魔法使い「確かにな。それにお前らは全員男だったから俺も安心して入ろうとしたわけさ」

僧侶「本当に苦手なんですね」

魔法使い「苦手というか師匠を思いだしちまうからな……」

侍「本当にホモじゃなくて良かったデース」

魔法使い「お前が最初に言い出したんだろうが!」

戦士「もう4人も集まったか」

僧侶「順調なペースですね」

侍「そういえばもうそろそろお昼デース」

魔法使い「昼飯にするか?」

戦士「言っておくが俺は金がないぞ」

侍「ワタシも情報集めに酒場に入り浸っていたから手持ちは少ないデース」

僧侶「その、ボクも旅に出る時にあんまり持たせもらえなくて……」

魔法使い「俺もそんなにないぞ?」

戦士「………」

僧侶「……あはは」

侍「本当に世知辛い世の中デース……」

魔法使い「……パンと水にするか」

戦士「……早く仲間を集めてダンジョンに行こう」

侍「このままだと危ないデース」

魔法使い「入るパーティー間違ったか?」

僧侶「が、頑張りましょうよ!」

侍「とりあえずは腹ごしらえデース」

戦士「誰かおごってくれ……」

魔法使い「大丈夫かこのパーティー?」

僧侶「さ、さあ?多分どこのパーティーも最初はこんなものなんじゃ……」

また休憩。のんびりやっていきます



僧侶「ごちそうさまでしたマスター」

主人「……うむ」

戦士「さて、仲間探しの続きといくか」

魔法使い「お前あとで金返せよ」

戦士「……ダンジョンで稼いだらな」

僧侶「え、えっとあとは盗賊さんが必要なんですよね」

戦士「そうだったよな?侍」

侍「イエス!あとは盗賊がいればとりあえずパーティーの形にはなりマース!」

魔法使い「ならとっとと盗賊を探しますかね」

主人「……ちょっと待て」

戦士「どうしたマスター?」

主人「……盗賊なら、あそこにいる奴がそうだ」

僧侶「えーっと……」

魔法使い「……女か」

侍「女性にしては背が高いデースネ」

戦士「ほう?」

主人「……彼女はお前たちと同じで駆け出しだ。ちょうどいいだろう」

戦士「ありがとうマスター」

魔法使い「あー、気が乗らねえ」

僧侶「ま、まあまあ」

侍「ヘイ!そこのガール!」

盗賊「?」

戦士「ちょっといいか?」

盗賊「……なに?」

僧侶「えっとボク達今盗賊を仲間にしようと探しているんです」

魔法使い「…………」

僧侶「ほら、魔法使いさんも」

魔法使い「……あー、で、そこのマスターからあんたを紹介されてよ」

戦士「どうだ?」

盗賊「…………」

侍「嫌なら断ってくだサーイ、無理しても後々不幸になるだけネー」

盗賊「……分配は?」

侍「ホワッツ?」

盗賊「ダンジョンで稼いだものの分配は?」

戦士「…………」

僧侶「……そういうのあるんですか?」

侍「オーウ、忘れてマシタ」

魔法使い「そういや何も決めてなかったな」

戦士「どうしようか……」

盗賊「……今から決めるの?」

侍「アー……」

戦士「そうなる、な」

盗賊「……分配の相談に私も口を出してもいいならいい。仲間になる」

侍「いいのですカー?こちらは男所帯ですヨー?」

盗賊「……構わない。それに……」

僧侶「それに?」

盗賊「……短剣の扱いには、慣れてるから」

戦士「フ……頼もしいな」

魔法使い「あー、女が入っちまったか。魔法使いだ、一応よろしく」

僧侶「そ、そんなこと言ったらダメですよ!僧侶です、よろしくお願いします」

侍「ワタシは侍、よろしこデース」

戦士「戦士だ。よろしく頼む」

盗賊「……盗賊、よろしく。……さっそく分配の話だけれど」

戦士「ああ」

盗賊「やっぱりとりあえずは平等にわける」

魔法使い「おう」

侍「当然ですネー」

盗賊「……だけど分配する前にパーティー用の資金を別にわけるべき」

僧侶「それはどうしてですか?」

盗賊「……打ち上げ費、薬代、復活費用などのパーティーとしての資金」

戦士「そういったものはパーティー全体で使うから、ということか」

盗賊「……そう」

侍「ならとりあえずはそれでいいですネー」

戦士「ならパーティーも5人は集まったしダンジョンに行くか?」

侍「皆さん武器、防具は大丈夫ですカ?」

僧侶「は、はい」

魔法使い「いけるぜ」

盗賊「……問題ない」

戦士「なら、行こうか…!」

「お待ちなさい!」

魔法使い「ああん?」

司教「ちょっとお待ちになって?」

侍「ガール、ユーは誰ですか?」

司教「私は司教をやっていますの」

戦士「……司教ってなんだ?」ボソッ

司教「あら貴方、そんなこともわかりませんの?」

魔法使い「司教ってのは僧侶の回復魔法、魔法使いの攻撃魔法、更にはアイテムの鑑定までできるエリート様だよ」

盗賊「……限られた人か、鍛えあげた人しか、なれない」

司教「オーッホッホッ!司教のすごさを知っているようね」

侍「だけど二足どころか三足のわらじなのでそれぞれの職業に比べたら強くなるのは遅いのデース」

魔法使い「上級職の宿命だな」

司教「ふん!」

侍「ちなみに私も上級職なのデース」

戦士「……すごいんだな、侍」

僧侶「で、えっと、なんのご用ですか?」

司教「それですわ!貴方達、ダンジョンへ行かれるのでしょう?」

盗賊「……ええ」

司教「私も連れていきなさい!貴方達は5人のようだし、ちょうどいいでしょ?」

戦士「どうする?」

僧侶「いいんじゃないですか?」

魔法使い「また女か……」

侍「ワタシは別に構いまセーン」

盗賊「……取り分が減る」

戦士「うぐっ」

魔法使い「……金ないんだよな、俺達」

侍「ですが司教がいると鑑定ができマース」

戦士「鑑定できるとなんかいいことあるのか?」

侍「ダンジョン内のアイテムはダンジョンの魔力によりその正体がわからなくなっていマース」

魔法使い「で、そんな得体の知れねえもんは店も買い取ってくれねえんだ。だから鑑定してもらうんだが……」

盗賊「……お店の鑑定料、高い」

侍「イエス!かなりボッタクられマース。鑑定してから売ったんじゃほとんど儲けはでまセーン」

僧侶「と、なるとそこで司教に鑑定してもらうんですね」

魔法使い「そういうこった」

戦士「なるほど、な」

侍「だから入れたほうがいいと思いマース」

盗賊「……賛成」

魔法使い「それでいいか」

司教「ちょっと!まだですの!?」

戦士「今決まったところだ」

司教「で、どうですの?もちろん……」

戦士「ああ、よろしく頼む」

司教「当然ですわね!私は司教、よろしくですわ!」

侍「侍デース、よろしこお願いしマース」

魔法使い「……魔法使いだ」

僧侶「魔法使いさん!別に悪い人じゃないんです!あ、ボクは僧侶って言います」

盗賊「……盗賊」

戦士「俺は戦士だ。改めて頼む」

司教「オーッホッホッ!いきなりパーティーに入れるなんてさすが私!」

戦士「さっそくで悪いがこれからダンジョンに行くぞ」

司教「急ですが別に構いませんわ」

侍「全て貧乏が悪いのデース」

司教「どういうことですの?」

僧侶「えっと、手持ちのお金が……」

盗賊「……早くなんとかしないと」

魔法使い「そういうことだ」

司教「そういうことですの、なら付き合いましょう」

戦士「頼むぞ」

休憩
ようやくパーティーメンバーが揃ったよ、疲れた……

~ダンジョン前~

戦士「着いたか」

司教「今から私の伝説が始まりますことよ!」

魔法使い「すげぇ自信だな、おい」

戦士「司教、ダンジョンを甘くみるな。少しの気の緩みが生死をわける」

司教「わ、わかってますわよ!」

侍「……それを戦士サンが言うと説得力がないデース」

僧侶「えっとそれは?」

侍「戦士サンはろくにダンジョンのことも調べずダンジョンに突っ込んだんデス」

盗賊「……無謀」

魔法使い「馬鹿だろ」

戦士「フン……、少しダンジョンの厳しさとやらを確かめに行っただけだ」

司教「貴方そんなんでよく私に言えましたわね……」

侍「本当にお馬鹿さんデース」

戦士「……生きていたから問題ない」

僧侶「……戦士さん、一人で突っ込んだりしないでくださいね?」

戦士「しないさ、この話はもういいだろう!?」

魔法使い「しっかりしろよ」

盗賊「……迷惑はかけないで」

戦士「わかってるさ」

侍「まーまーまー、それぐらいにして話たいことがありマース」

司教「何かしら?」

僧侶「なんですか、侍さん?」

侍「……実は死亡率が一番高いのは地下一階なのデース」

魔法使い「マジかよ!?」

盗賊「……本当?」

侍「イエス!と、言っても自分で確かめたわけじゃなく、酒場の冒険者から聞いたのですガ」

司教「話を盛られたのではなくて?」

侍「いや、それがどうやら本当らしいのデース」

戦士「……詳しく聞かせてくれ」

侍「オーケー!……地下一階は初心者パーティーが一番最初に来るところ、まだ不慣れなところも多くそこを突かれて全滅するパーティーも珍しくないとか……」

僧侶「怖いですね……」

侍「特に危ないのが盗賊デース!」

盗賊「……私?」

侍「いえ、どうやら地下一階には冒険者崩れの盗賊なんかが待ち伏せしていることもあるようデース!」

魔法使い「なるほど、ダンジョンを攻略していくよりも冒険者を襲って楽しようとしやがる屑野郎共か」

侍「そういった奴等はダンジョンを攻略するのを諦めた奴だからたいして強くありまセーン。……普通の冒険者になら」

司教「……つまり新人を狙っているのですね」

侍「ザッツライッ!私たちのような新人パーティーにとっては大きな脅威デース!」

戦士「ならどうするんだ?」

盗賊「……召喚陣」

侍「イエス!盗賊サンの言うとおりダンジョンの中の部屋は開けると召喚陣が発動し、敵が現れマース」

盗賊「……それは一時的に召喚されているにすぎない。戦闘が起こらないと敵はまた同じ場所に戻ってしまう……」

侍「戦っている最中なら戻りませんが、逃げると戻ってしまう。そしてまた召喚されても同じ敵はでまセーン」

魔法使い「つまりダンジョン近くの部屋で戦いやすい相手とだけ戦えばいいのか」

司教「そういう抜け道があるのですね……」

僧侶「侍さんすごいですね!」

侍「hahaha!これを聞くために何回も酒をおごらされましたヨー……」

戦士「とりあえずは移動中にそいつらと会わないようにしなきゃいけないな」

魔法使い「そればかりは運任せだな、おい」

侍「だからそういった連中が出たらすぐに逃げまショー!」

僧侶「はい!」

盗賊「……了解したわ」

司教「ま、私も死にたくないですしね」

魔法使い「あいよ」

戦士「よし、それじゃあ行くぞ!」

~ダンジョン地下一階~

魔法使い「……とりあえずは近くの部屋に来れたな」

僧侶「……緊張しますね」

盗賊「……こればかりは運」

侍「皆さん、行きますヨ?」

司教「ええ、覚悟はできてますの」

戦士「……」

侍「……戦士サン?」

戦士「……大丈夫だ」プルプル

僧侶「戦士さん、体が震えてます……」

戦士「……これは武者震いだ」

魔法使い「頼むぜ?前衛がいなきゃ俺等あっと言う間にやられちまうんだからよ?」

盗賊「……無理ならば引き返す?」

戦士「……スー………ハー………大丈夫だ。俺はやれる」

司教「へましないでちょうだいね?」

戦士「任せろ」

侍「……それじゃあ、行きますヨー?」

戦士「ああ」

僧侶「はい!」

魔法使い「さて、やりますか」

盗賊「……わかった」

司教「やらせていただきますわ」

侍「では!」

コンコン

侍「ハロー!」

冒険者崩れ「ああん!?」

侍「ノオオォォォォォオ!!」

魔法使い「げぇっ!?」

盗賊「……!?」

冒険者崩れ「おっとお前ら新人か?たっぷり可愛がってやるぜぇ!」

司教「逃げますわよ、速く!」

戦士「……ああ!」

侍「速くするんだ!」

冒険者崩れ「おせぇよ!」

ザンッ!

戦士「うぐぁぁ!!」

僧侶「戦士さん!」

侍「チェストォォ!!」

キィィィン!!

冒険者崩れ「……っ!?おっと!」

侍「速く撤退するんだ!」

魔法使い「今やってるよ!」ズリズリ

戦士「ぐ……う」

僧侶「戦士さん!しっかりして下さい!」

冒険者崩れ「逃がすかよ!」

司教「これでもくらいなさい!」

ボオォォッ!!

冒険者崩れ「ちっ!」

盗賊「……今!」

魔法使い「あばよ、くそ野郎!」

バタン!

司教「ハーッ!ハーッ!いきなりですの!?」

僧侶「今回復しますね……!」ポォウ

戦士「……すまない」

侍「いえ、これは仕方ないデース……」

魔法使い「ちと舐めてたかもな、ダンジョンを……」

盗賊「……運が悪かった」

侍「その通りデス、他の敵なら気をつければちゃんと倒せるはずデース」

戦士「……まずは力をつけるしかない、か」

僧侶「……すみません、もう魔力が……」

侍「そうですか、なら撤退デース」

司教「そうね、私もまだ回復魔法は使えるけど保険はそれだけじゃ足りないかも」

魔法使い「仕方ねえ、まだ全快してねえんだろ?」

僧侶「はい、傷が結構深くて……」

戦士「正直言うと今もきついな……」

侍「仕方ないデース!命あるだけましと思いまショー」

司教「それじゃあ撤退ね」

盗賊「……また運任せね、敵とあわないで帰れるかしら」

僧侶「怖いこと言わないで下さいよ……」

戦士「……とりあえずは立てる、ありがとう僧侶」

僧侶「いえ、それがボクの仕事ですし」

魔法使い「んじゃ、帰りますかね」



侍「ウェイト!」

ザッザッザツ……

戦士「っ!」

魔法使い「くそっ!こんなダンジョンの近くまで徘徊してやがったか!」

盗賊「……来る!」

ゴブリンa「ごぶ?」

ゴブリンb「ごぶぶ?」

ゴブリンa&b「ごぶー!」

司教「……二匹、ですのね?」

盗賊「……ええ、近くにはこいつらだけ」

僧侶「なら……」

侍「やらせていただきマース!」

ゴブリンa「ごぶー!」

ガッ

僧侶「戦士さん!」

戦士「大丈夫だ!」

魔法使い「ちぃっ!燃えろや!」

ボオォォォウ!

ゴブリンb「ごぶー!?」

侍「キェェェェイ!!」

ズバッ!

ゴブリンa「……ごぶー」

ドササッ……

盗賊「……あっけない」

司教「ですわね」

戦士「……あいつが強いのか」

ゴソゴソ

僧侶「何をしてるんですか?」

盗賊「……お金」チャリン

戦士「……少ないな」

侍「こんなものデース」

魔法使い「そんなことよりとっとと帰ろうぜ。また敵が寄ってきたらどうすんだよ?」

僧侶「そうでした!早く行きましょう」

司教「そうですわね」

戦士「……死ぬような思いしてこれだけか」

盗賊「……死ななかっただけ、マシ」

戦士「……そうだな」

侍「ほら、なにしてるんですか?行きますヨー!」

戦士「わかった、今行く」

とりあえずここまで
やる気が出たらまたやる。読んでくれてる人たちありがとう

おお、結構乙があるな。嬉しい
ぼちぼち始める。のんびりやっていく

~酒場~

戦士「マスター、安い酒を一杯ずつ頼む」

魔法使い「お前、金持ってねえだろうが」

盗賊「……さっきので一応、一杯分ずつには、なる」

侍「まあまあ!ダンジョン後の一杯くらいいいじゃないですカー!」

戦士「だろ?」

魔法使い「ったく」

僧侶「ボクは飲めないのでレモン水でよろしくお願いします」

司教「私はそれと温かいスープがほしいですわ」

主人「……あいよ」

侍「それじゃ、反省会でもしまショー」

魔法使い「反省会って言ってもなあ」

盗賊「……今回は運が悪かった」

僧侶「ですね。皆さんしっかりと動けていましたし」

戦士「足りないのは実力ばかり……か」

司教「そういうことでしょうね」

侍「確かにあそこで相手を倒そうとしてたら一人くらいは確実にやられていたでしょうネ」

魔法使い「蘇生費用も馬鹿にならねえんだろ?」

僧侶「今の経済状態じゃまず払えません……」

盗賊「……しかも蘇生は確実じゃ、ない」

司教「確か一定の確率で失敗するんでしたわね。それも後衛、駆け出しのほうが失敗しやすいとか」

魔法使い「教会側は死体を三種類にわけてんだよな」

僧侶「欠損が比較的少ない死体、死んでからやや時間が経ったり欠損が少しある、灰と呼ばれる状態ですね」

戦士「……そして最後はボロボロになった蘇生できない死体……か」

侍「前者の2つは蘇生できますが、後者はどうやっても蘇生できまセーン……」

盗賊「……墓の下」

司教「しかも教会は蘇生に失敗してもお金は返してくれませんのよね」

戦士「教会でも確実じゃないんだな。それで恨む奴とかでないのか?」

僧侶「……ある程度はいるでしょうね」

魔法使い「ま、仕方ねえさ。こんな危険なことやってんだからな」

侍「死んだのはダンジョンに挑んだ自分の責任デス。それで教会を恨むのはお門違いデース」

主人「……持ってきたぞ」

僧侶「あ……ありがとうございます」

侍「とりあえず飲みまショー!乾杯!」

魔法使い「乾杯」

司教「ええ、乾杯」

戦士「……乾杯」ゴク

戦士「がはっ!げっほ、ごほごほ!」

盗賊「……何してるの?」

戦士「……むせただけだ」

僧侶「あの、戦士さんも飲めないんですか?」

魔法使い「なんだよおめえ、自分から酒頼んどいてよお」

戦士「もう飲めると思ったんだが……」

僧侶「仕方ないですよ、大人でも飲めない人はいます」

侍「戦士サンだらしないデース」

司教「とりあえずテーブルを拭きなさい」

戦士「フン……わかった」

盗賊「……それで、明日はどうする?」

魔法使い「潜らねえとまだやばいんだろ?」

侍「イエス!金銭的な余裕は一切ありまセン!」

僧侶「それじゃあ明日も頑張らないとですね」

戦士「明日には俺の体も大丈夫だろう。回復魔法が効いている」

司教「それじゃあ明日もダンジョンに挑戦するということでよろしくて?」

盗賊「……問題ない」

魔法使い「りょーかい」

僧侶「……あの、ちょっといいですか?」

侍「なんですか僧侶クン?」

僧侶「その、お金がなくて、今晩泊まる場所が……」

侍「オーウ……」

魔法使い「あー……」

盗賊「…………」

戦士「……そうだな」

司教「あなたたち、そこまでお金がないんですの……?」

戦士「侍が言っていただろう?」

侍「イエス!もう一度言いますが、金銭的な余裕は一切ありまセン!」

司教「……そこまで切羽詰まってましたのね」

魔法使い「真面目に泊まる場所どうするんだよ?」

盗賊「……いざとなれば、野宿。……私は慣れてる」

司教「私は普通に宿に泊まりますけど」

僧侶「どうしましょう……」

戦士「……マスター」

主人「……なんだ?」

戦士「この人数でも大丈夫だろうか?」

主人「……自分で聞いてみろ」

~宿屋~

戦士「女将」

女将「いらっしゃい!おやあんたパーティー組んだんだねえ!泊まりにきたのかい?」

司教「それは私だけですわ」

女将「……どういう意味だい?」

僧侶「よ、よろしくお願いします」

侍「よろしこデース!」

盗賊「……よろしく」

魔法使い「世話になるぜ」

戦士「その、申し訳ない。またなんだ……」

女将「……客は連れてきたのはいいけど。あんたら揃いも揃って……」

戦士「本当にすまない」

女将「……はあ。お嬢ちゃん、野菜を切るのはできるかい?」

盗賊「……ナイフの扱いは、得意」

女将「んじゃ、お嬢ちゃんは厨房で手伝ってきな!次はそこのキザったらしいあんたと胡散臭いそこの!薪割りを頼むよ!」

戦士「わかった」

侍「胡散臭いとはひどいデース!?」

女将「そこの坊やとひょろい不良みたいなのは受付や宿の入り口周りの掃除!」

僧侶「はい!」

魔法使い「誰がひょろい不良だこるぁあ!」

女将「ごたごた言ってないでさっさと始めな!」

休憩

~馬小屋~

ヒヒーン

戦士「疲れた……」

侍「薪割りは重労働デース……」

魔法使い「つーか飯が本当に賄いだな。野菜くずのスープと堅くなったパンだけだぜ?」

僧侶「まあまあ、食事がでるだけありがたいですよ」

侍「そうデース。女将さんの優しさに感謝しなくてはいけませんヨ?」

戦士「こき使われたからボヤくのもわかるけどな」

僧侶「お金がないって大変ですね……」

魔法使い「ちっ。明日は絶対稼いでやる!」

侍「お金はとっても大事ですよネ!それにしてもここ臭いですネー」

戦士「馬小屋だからしかたない」

魔法使い「俺も物置のほうがよかったけどあっちは狭いからな」

僧侶「男のほうが多いから広いこっちになるのは仕方ないですよ」

戦士「それにしても司教はちゃんと金持ってたんだなぁ」

侍「少なくとも個室に泊まるくらいはあるようデース」

魔法使い「自分だけ泊まりやがったからな」

僧侶「それは仕方ないですよ。お金を持っているならわざわざ物置に泊まるのも変ですし」

侍「イエス!どちらかというとしっかり休んで明日に備えてほしいデース!」

戦士「……明日も、か」

魔法使い「金がないから仕方ねえだろ。俺だって命がけの綱渡りなんてしたくねえさ」

僧侶「それでもお師匠さんのところに戻るつもりはないんですよね?」

魔法使い「当たり前だろ」

侍「戦士サンは今回危ない目に合いましたし、そうなるのも無理はありまセーン……」

魔法使い「怖いのか?」

戦士「……当たり前さ。命がけなんだ、怖くないはずがない」

僧侶「そうですよね……」

戦士「だが諦めるつもりはない。ダンジョンに挑戦し続ける」

魔法使い「ならいいけどよ」

侍「そういえば戦士サンはなんでダンジョンに挑戦しているんデス?」

僧侶「ボクも聞いてませんね」

魔法使い「話の種に言ってみろよ」

戦士「フ……俺の目的?それはな……」

魔法使い「もったいつけてんじゃねーよ」

戦士「……俺の目的はダンジョンの攻略だ!」

魔法使い「でかくいったな、おい!」

侍「オーウ!大きな目標ですネー!」

戦士「だろう?」

僧侶「やっぱり理由はロマンだとか強くなるためとかなんですか?」

戦士「違う」

侍「ならどういう理由デー?」

戦士「俺の目的はな……」

魔法使い「だからもったいつけんじゃねーよ」

僧侶「まあまあ魔法使いさん、とりあえず聞いてからにしましょうよ」

戦士「……彼女がほしいんだ」

魔法使い「………」

侍「オーウ……」

僧侶「え、えっと……」

戦士「ダンジョンを攻略する俺!その俺のかっこよさにときめく女達!完璧だ!」

魔法使い「……なんか言ってやれよ」

侍「こ、これハ……」

僧侶「えっと、ボクそういうのでもいいと思いますよ!」

魔法使い「……別にダンジョンを攻略しなくても彼女ぐらいできるだろ」

戦士「……」ズーン

侍「……地雷だったようデース」

僧侶「魔法使いさん…!」

魔法使い「お、俺のせいかよ!?」

戦士「……ダンジョンで活躍さえすればなあ!俺だって!俺だって!」

侍「戦士サンそんなに落ち込まないでくだサーイ!」

僧侶「そうですよ。いつかきっといい人が現れますって」

戦士「それっていつだよ……!?」

僧侶「え!?えーと……」

魔法使い「はいはい、俺が悪かったから機嫌なおせや、な?」

侍「そうデース。落ち込んでいても彼女はできまセーン!前向きにいきまショー!ネ?」

戦士「……わかった」

僧侶「それに恋人というのは好きな人同士がなるものですよ?彼女がほしいのなら好きな相手にアプローチしないと」

魔法使い「そうだぜ?気になっている奴とかいねえのか?」

戦士「いや、特には」

僧侶「なのに彼女がほしいというのはおかしくありませんか?」

戦士「いや、その」

僧侶「おかしくありませんか?」

戦士「…………」

僧侶「おかしくありませんか?」

戦士「……はい、おかしいです」

侍「本当に気になっている人はいないのですカー?パーティーにも女性が二人いますが」

戦士「いや、二人のことまだよく知らないからな。好きとか決めれないだろう?」

侍「それもそうですネー」

魔法使い「盗賊はありゃ、無口だな。物静かで楽だ」

僧侶「確かに盗賊さんはクールな感じですよね」

侍「ワタシもそれくらいしか知りまセーン」

戦士「よくわからないけどお金のことはキッチリしてるよな」

魔法使い「そうだな」

僧侶「ボクはいい人だと思います」

魔法使い「確かにな」

侍「まあ結成されたばかりのパーティーですし、こんなものでショー」

戦士「司教は……」

魔法使い「なんつーか高飛車な感じだな。師匠を思いだすから苦手だぜ」

侍「まあ、プライドが高そうではありマース」

僧侶「司教さんも悪い人じゃないと思いますよ?」

戦士「ああ、元々ああいう性格なんだろう」

魔法使い「それに魔法もしっかり使えたしな。負けてるつもりはねえが」

侍「ワタシは前衛ですから魔法を使う機会が限られますからネー」

魔法使い「そりゃ、前衛だと唱えるのは難しいだろ。それに前衛に魔法で負けてちゃ俺の立つ瀬がねえだろ」

戦士「司教についてもあんまり知らないな」

僧侶「ダンジョンに行く前の飛び入り参加でしたもんね」

侍「とりあえず今のところは上手くやれていると思いマース!」

僧侶「そうですよ」

魔法使い「ならこのパーティーが長続きするように祈らねえとな」

戦士「いつ死ぬか、わからないしな」

侍「モー!戦士サンそんなこと言って雰囲気を重くするのはやめてくだサーイ」

戦士「すまないな」

魔法使い「ある程度は緊張感は必要だが、肩の力を抜いていかねえとな」

僧侶「そうですね。頑張ってリラックスしていきます!」

魔法使い「頑張ってちゃ意味がねえだろうよ…」

僧侶「そ、そうですね」

侍「それじゃあ明日のためにももう寝ましょうカー」

戦士「そうするか、おやすみ」

僧侶「そうですね」

魔法使い「それもそうだな」

侍「それではおやすみなサーイ」

僧侶「おやすみなさい」

魔法使い「おやすみ」

戦士「……また明日」

疲れた。やる気でたら暗くなってからもやる

ご飯の前に少しやる

~宿屋~

司教「皆さんおはようございますわ!」

侍「グッモーニン!」

盗賊「……おはよう」

戦士「ああ、おはよう」

僧侶「おはようございます」

魔法使い「くあーっ、ねみぃ」

女将「おはようさん!あんたらこれからダンジョンに行くのかい?」

侍「イエス!」

司教「そのつもりですわよ?」

女将「死ぬんじゃないよ」

戦士「当然だ」

僧侶「女将さん……」

女将「死んだら稼げないからね。恩を返すためにも死なないように程ほどに稼いでこの宿に泊まるんだよ?」

僧侶「女将さん……」

魔法使い「ま、せいぜいそうさせてもらうさ」

侍「いつまでも馬小屋生活はまっぴらデース!」

盗賊「……死ぬ気はない」

戦士「というわけで行ってくる」

女将「あいよ。改めていうけど死ぬんじゃないよ」

魔法使い「当たり前だ。死ぬ気なんか微塵もねえ」

侍「そういうことデース」

僧侶「ええ、そうです」

司教「それじゃあ行ってきますわ!」

バタン

女将「やれやれ行ったかい……」

女将「それにしてもあの子達はいつまで持つのかねえ」

女将「……命あっての物だねってのに命を軽く見すぎだよ」

女将「……さて、今日も働くとするかねえ」

~ダンジョン前~

ワイワイガヤガヤ……

司教「相変わらずここは騒がしいですわね」

戦士「人が沢山行き来するからな」

侍「そうなると商売をし始める者もいるわけデース」

魔法使い「ま、何か買う余裕なんてねーけどな!」

盗賊「……まずはお金」

僧侶「今日も昨日と同じように部屋の召喚陣を利用して頑張るんですよね?」

盗賊「……それしか、ない」

戦士「それでもリスクはある程度あるけどな」

侍「ここは危険すぎるので少しでもリスクを減らすのが大事デース」

魔法使い「そういうこったな」

司教「今度は戦士さんがやられないように祈りましょうか」

戦士「……今度はあんな簡単にやられたりはしない」

司教「期待してますわよ?」

侍「一番いいのは会わないことですがネー」

魔法使い「そうも言ってらんねえだろ。警戒しとかなきゃやられんのはこっちだ」

僧侶「警戒して行きましょう」

盗賊「……了解、した」

侍「そうですネー」

司教「それでは行きましょうか」

戦士「ああ」

~ダンジョン地下一階~

侍「さて、今日もやってきましたネー」

魔法使い「いつでもいいぞ?」

僧侶「戦士さんは大丈夫ですか?」

戦士「心配せずとも大丈夫だ。やってやる」

司教「いつでもいいですわ!」

盗賊「……」コク

侍「皆さん準備バッチリですネ!それじゃいきまショー!」

コンコン、ガチャ

侍「ハァーイ!」

???「ぶきー!」

戦士「なんだ!?敵の姿が確認できない!?」

侍「ダンジョンの魔力により初対面の敵はこうなることもあるらしいデース!」

魔法使い「そんなことよりどうするよ!?」

盗賊「……少なくとも、人ではない」

司教「つまりあいつらではないということですわね!ならいきますわよ!…………眠りなさい!」

ぽわーん

???「zzz...」

???「zzz...」

???「ぶきー!」

???「ぶききー!」

司教「半分は眠らせましたわ!」

魔法使い「睡眠の魔法か、やるな!」

司教「私にかかれば当然ですわ!」

侍「それじゃあ、いきマース!チェストォッ!」

シュピーン!

???「……ぶきー」

侍「よし、こいつらはそんなに強くないデース!」

僧侶「え、えーい」

スカ!

???「ぶきー!」

僧侶「う、うわぁ!」

ザシュッ!

戦士「大丈夫か?」

僧侶「戦士さん、ありがとうございます!」

戦士「気にするな」

魔法使い「さーて、後は寝てる奴らを片付けるとするかぁ!」

侍「魔法使いサンは魔力を温存しててくだサイ。ワタシ達がやりマース」

魔法使い「……しょうがねえな」

盗賊「……仕事、なかった」

戦士「仕方ない、盗賊は後衛から攻撃する術もないからな」

僧侶「そうですよ」

盗賊「………わかった」

侍「それじゃ、片付けちゃいまショー」

戦士「ああ」

司教「よろしくね。それにしても私ってば大手柄ですこと!オーッホッホッホッ」



盗賊「……宝箱」

侍「そうですネ!」

戦士「それにしてもなんで敵を倒したら宝箱がでるんだ?」

僧侶「さ、さあ?」

司教「召喚陣が敵と一緒に宝箱も召喚するのだけれどなぜなのかしらね?」

盗賊「……それに何故アイテムが宝箱に入っているのかも、不明」

魔法使い「ダンジョンにて持ち主が放棄したアイテムは宝箱の中に入っちまうんだろ?」

侍「それにしては明らかに外からの物ではない貴重なアイテムもでるようです。不思議ですネー」

魔法使い「まあ、俺達はそのおかげで稼げるんだから文句はねえんだけどよ」

戦士「宝箱には罠がしかけられているんだろう?」

侍「イエス!だから宝箱ハー…」

盗賊「……私の仕事」

司教「それじゃあ頼みますわ」

盗賊「……」コク

カチャカチャ……

僧侶「どうですか?」

盗賊「……この感じだと、石弓」

戦士「もうわかったのか、流石だな」

盗賊「……そんなことはない」テレテレ

戦士「それじゃあその調子で頼む」

盗賊「……わかった」

カチャカチャ…

盗賊「……あ!?」

ヒュン!

魔法使い「ん?ってうぉぉぉぉぉ!?」

ドスッ!

僧侶「………」

戦士「………大丈夫か?」

魔法使い「あ、あぶっ危なかったなおい!」

盗賊「……解除に失敗した」

侍「そ、そういうこともありマース!」

司教「ぶ、無事で良かったですわね…」

盗賊「……ごめんなさい」

魔法使い「……今度は気をつけてくれ」

盗賊「……わかった」

ご飯。深夜にやる

魔法は名前や説明を書いたほうがいいのかな?
擬音とちょっとの会話のやり取りじゃイメージしにくい?

さすがに呪文そのものをwizからもってきちゃうと1も苦しくなっちゃわない?

説明だけで労力使うより「回復呪文」とか置き換えでよくない?

>>126
それもそうかもね。
持ってきても説明しなきゃいけないなら二度手間だし。wizとかを知らない人に不親切か
1もうろ覚えだし、それっぽく書いていくよ

それとあと30分したら始めよう

戦士「ところで何が入ってたんだ?」

司教「そうですわね。私も気になりますわ」

盗賊「……お金が入ってる」

僧侶「しかもあんまりないですね」

魔法使い「少ねえな、こりゃ」

侍「一階ならこんなものでショー」

戦士「短時間で稼いだと考えればなかなかの量だけどな」

魔法使い「ま、これからに期待ってやつだな」

僧侶「そうですね」

司教「それじゃあ部屋から一旦でるとしましょう」



魔法使い「おいおい、今日は昨日と打って変わって順調だな」

盗賊「……冒険者崩れのやつらも出てこない」

魔法使い「だからもう少し罠の解除を頑張ってくれると嬉しいんだが……」

盗賊「……努力する」

侍「まあまあ、あれから失敗してないですしいいじゃないですカー」

僧侶「とりあえずは女将さんにこき使われなくてすみそうです」

司教「私がいれば当然ですわね」

戦士「だけど油断するなよ。いつ何が起こるかわからないからな」

侍「戦士サンの言う通りですネー。帰るまでがダンジョン攻略デース」

僧侶「そうですね。気を引き締めていきましょうか」

司教「魔力の残量から考えて次でおしまいにしましょうか」

魔法使い「俺もそんな感じだな」

侍「なら最後のバトル!頑張りまショー!」

戦士「ああ」

盗賊「……」コク

司教「しくじらないようにね?」

魔法使い「ったり前だろ。最後まで気は抜かねー」

僧侶「頑張りましょう」

戦士「侍、頼む」

侍「イエス!それじゃあ行きマース!」

コンコン、ガチャ

侍「ハロー?」

冒険者崩れa「ちっ、召喚陣に呼ばれちまったか」

冒険者崩れc「あん?なんだテメエ等!」

戦士「逃げるぞ!」

侍「皆さんダッシュ!」

僧侶「うわぁ!」

バタン!

魔法使い「……肝が冷えたぜ」

司教「相手の反応が遅かったから無事に逃げれましたわね」

盗賊「……ふぅ」

侍「順調にいっていたんですがネー」

戦士「前回と違って無傷だ。喜ぶべきだろう」

僧侶「そうですよ。誰も怪我をしませんでしたし、良しとしましょう」

盗賊「……そうね」

魔法使い「で、どうする?もう一回挑戦するか?」

戦士「……帰ろう。今は万全の状態じゃない、またいつあいつらに会うかわからない」

司教「私はどちらでもよろしくてよ?」

侍「なら、安全に戦士サンの案でいきまショー。いいですカー?」

魔法使い「別に構わねえ」

僧侶「そうしましょうか」

盗賊「……それでいい」

司教「なら、帰るとしましょうか」

~酒場~

ギイィ…

主人「……いらっしゃい」

侍「マスター、酒4つとレモン水を2つお願いしマース」

僧侶「戦士さんもボクと同じでいいですよね?」

戦士「ああ」

魔法使い「あー、疲れちまったぜ」

司教「とりあえず私もそれでいいですわ」

主人「……あいよ」

戦士「とりあえず数日分の宿代はたまったな」

魔法使い「雑魚寝の大部屋だがな」

僧侶「それでも馬小屋よりはいいですよ」

侍「武器や防具も傷んでしまいましたネー」

戦士「ああ、店で点検に出さないとな」

僧侶「ボクの盾なんかもボロボロです……」

魔法使い「俺達はそんなに消耗してねえな」

司教「一応、お店で見てもらいますけれどね」

盗賊「……私は戦闘だと、することが、ないから」

魔法使い「でもパーティーに一人は盗賊がいねえと困るだろ?」

侍「イエス!敵を倒すことはできても、宝を手に入れることができなくなってしまいマース」

僧侶「今でさえ金銭的に厳しいのにいなかったらますます困っちゃいます……」

戦士「でも他のパーティーだと盗賊はどう戦ってるんだ?」

主人「……魔法のアイテムだ」

戦士「マスター?」

主人「……すまねえな。つい、口がでちまった」

盗賊「……それは別にいい。……それとさっきのをできたら教えてほしい」

主人「……盗賊は魔法のアイテムでパーティーを援護するんだ」

司教「でもそれってそんな簡単には手に入らないでしょう?」

主人「……ああ。新人から卒業してある程度経ったパーティーの話だ」

僧侶「それじゃあ今は無理なんですね」

主人「……ああ。ある程度ダンジョンの深くまで入ると振るうだけで炎がでる杖、祈るだけで味方を癒やす指輪なんかもあるらしい」

司教「だいぶ先の夢物語ですわね」

盗賊「……そう。だいぶ先の話」

主人「……とりあえずはそういうこともできるってことだ」

侍「それぐらい手に入れることができる冒険者になりたいですネー」

戦士「その通りだな」

魔法使い「宿代にひいひい言ってる俺達には当分縁のない話だけどな」

僧侶「でも、もし手には入ったらすごいですよね」

司教「そこまで行ければ一流ですわね」

盗賊「……マスター、他に盗賊の仕事はない?」

主人「……マッピングなんかはお前がやってるだろう?」

戦士「マッピング?」

主人「……マッピングというのはダンジョン内の地図を書くことだ」

盗賊「……やって、ない」

主人「……ダンジョン内は迷いやすい。地図が命綱になる」

侍「今のところ必要ない浅いところしか入ってませんでしたからネー」

司教「そういうのって売ってないのかしら?」

主人「……地図は冒険者が命を削って歩んだ道しるべだ。そんな簡単に内容は知れない」

魔法使い「へえ、そりゃそうだろうな」

主人「……それにもし見せてもらったとして、地図のせいで何かの不利益を被ったら容易く諍いになる」

盗賊「……だいたいわかった。つまり戦闘以外の仕事が、盗賊にはある」

主人「……そういうことだ」

戦士「ありがとうマスター」

侍「ユーはとても親切ですネー!」

僧侶「ありがとうございますマスター」

主人「……礼を言うより注文をしてくれたほうが助かる」

魔法使い「すまねえな。聞いてたと思うけど金欠でよ」

司教「なら私は鳥の串焼きと昨日のスープ、それにお酒のおかわりをいただけるかしら?」

主人「……あいよ」

魔法使い「こいつ、一人だけ頼みやがった」

司教「あら、ちゃんと私がお金を出してますもの」

戦士「……とりあえずは金だな」

侍「そうですネー……」

魔法使い「先に帰ってるか、宿屋で一応食べ物はでるだろ」

僧侶「そうしましょうか」

司教「あら、私だけ置いていくの?」

戦士「……正直俺も腹が減ってるからな」

侍「そういうことデース」

司教「それなら仕方ありませんわね。次はいつダンジョンに潜りますの?」

魔法使い「まだ金欠には変わりねえんだよなぁ……」

戦士「装備の点検が終わったらまた行くことになるだろう」

侍「貧乏暇なしデース」

司教「わかりましたわ」

一旦休憩。やる気が続いたらこの後もやる
キャラが多くて疲れる。いつも少人数で書いてたからきつい
あと、こういったダンジョン物(wizとかの)が読みたかったらやる夫系にはちらほらとあるよ

~宿屋~

戦士「女将、また来たぞ」

女将「あんたらかい。ちゃんと今回は部屋に泊まりにきたんだろうね?」

僧侶「はい、今度はちゃんと泊まりにきましたよ」

魔法使い「一番安い部屋にだけどな」

女将「そうかい、そりゃあよかった」

侍「ところで女将サン、食事はまだ食べれますカー?」

女将「まだ食堂はやってるよ。だけど一番安い部屋じゃあんた達が食べてた賄いと大差ないけどね」

戦士「そうか。食事ができるならありがたいな」

盗賊「……はやく行こう」

女将「待った、ここは先払いだよ。払うもの払ってからにしてくれないかねえ」

魔法使い「へいへい」

女将「……あいよ確かに。よし、食べてきなよ」

~食堂~

戦士「本当に大差ないな」

魔法使い「腹が減ってるから気にならねえけどな!」

僧侶「そうですね。温かい食べ物というのはそれだけで癒されます」

盗賊「……そうね」モグモグ

侍「お野菜は体にいいんですヨー」

戦士「それでもがっつり肉を食べたいと思うけどな」

魔法使い「うるせえよ。想像しちまうだろうが」

盗賊「……食べれるだけ、マシ」

僧侶「そうですよ。今日も生きるための糧を得れたことに感謝しないと」

魔法使い「へいへい、そうだな」

戦士「フ……それもそうだな」

侍「贅沢というかもっと上の生活を狙うのならもっと強くならないといけまセーン」

盗賊「……もっと強くなって、もっとダンジョンの深くに行かないと、いけない」

魔法使い「そのためには何回もダンジョンに潜らきゃ、……いけねえからな」プハー

僧侶「魔法使いさん、食べながらしゃべったらいけません」

魔法使い「おっと、わりい」

戦士「……先はまだまだ長い、ということだな」

僧侶「そうですね」

魔法使い「ま、そんな先のこと考えても仕方ねえけどな」

侍「今はそんなことより目先のお金デース」

戦士「それもそうか」

魔法使い「それで明日どうするよ?ダンジョンには行かねえんだろ?」

侍「装備の修理なんかをお店に頼んだら暇になってしまいますネー」

戦士「金もないから暇つぶしにも苦労するな」

盗賊「……訓練所」

僧侶「そういえば訓練所がありましたよね。冒険者が集まっている」

侍「そこで訓練するのも手ですかネー」

魔法使い「ちっ、新しい魔法を覚えるには一人で居られる個室とかありゃいいんだが」

僧侶「個室にはまだ手が届きませんよね」

戦士「侍、明日一緒に稽古するっていうのはどうだ?」

侍「いいですネー。ダンジョンで最後にものをいうのは個人の武ですからネー」

戦士「よし、決まりだな」

盗賊「……私は、どうしよう」

侍「盗賊用の訓練器具もありましたっケー?」

戦士「どうだろうな?明日とりあえず一緒に行くか?」

盗賊「……そうする」

侍「まあ最悪木刀を振っていればいいでショー」

戦士「盾はあったか?」

侍「行ってみないことにはわかりまセーン」

魔法使い「ちっ、明日どうするかな」

僧侶「ボクも明日は暇ですね」

魔法使い「街でも巡るか?まだ俺もここら辺は詳しくねえんだ」

僧侶「それもいいですね。司教さんも誘っていきませんか?」

魔法使い「……あいつも誘うのか?」

僧侶「魔法使いさん、同じパーティーの仲間なんですからそういった態度はいけません」

魔法使い「あいつ見てるとどーしても師匠を思い出してなあ」

僧侶「そんなに司教さんとお師匠さんが似てるんですか?」

魔法使い「なんつーか、雰囲気がよ……」

僧侶「でもとりあえず誘ってみますね。司教さんだけ仲間はずれなんてだめですし」

魔法使い「……わかったよ」

僧侶「はい、それでいいんです」

魔法使い「……断ってくんねえかなー」

僧侶「そんなこと言っちゃだめですよ!」

戦士「それじゃあ、もうそろそろ寝るかな」

僧侶「そうですね、食べ終わりましたし」

侍「今日もへとへとデース」

盗賊「……疲れた」

戦士「まあ宿の手伝いをした疲れじゃないから昨日よりはマシだろう」

魔法使い「まあな。あの女将、人を遠慮なくこき使うからよ」

僧侶「まあまあ」

盗賊「……寝てくる。おやすみ」

戦士「おやすみ」

侍「おやすみなサーイ」

魔法使い「あいよ、またな」

僧侶「おやすみなさい、盗賊さん」

魔法使い「それじゃあ俺達も寝ますかね」

戦士「ようやく馬小屋以外で寝れる……」

侍「ダンジョンぜ疲れた体をのんびり癒やしますかネー」

僧侶「確かにダンジョンでは気が抜けませんでしたしね」

戦士「そうだな。明日は羽を伸ばそうか」

魔法使い「思いっきり昼まで寝てえ」

僧侶「いきなりそれもどうかと思います……」

魔法使い「いいだろ?それぐらいよ」

戦士「フ……せいぜい息抜きをするか」

侍「そうしたいデース」

今夜はここまで
キャラ多くて読んでて混乱しないかな?書き分けできてるか不安

あと読んでくれてる人達ありがとう。その乙や支援でやる気がでるよ

16時までには始める。人いるかな?

反応早いなおい。人がいるなら始めよう
いつも通りの即興のんびり投下です



戦士「……朝か」

侍「戦士サンおはようございマース」

戦士「……おはよう」

僧侶「おはようございます」

戦士「……ん」

侍「寝ぼけているのなら顔を洗ってきたらどうデース?」

戦士「……そうしよう」

僧侶「ほら、魔法使いさんも起きて下さい」

魔法使い「……ああ?」

僧侶「朝ですよ?」

魔法使い「……もう少し」

僧侶「起きないと朝ご飯食べ損なっちゃいますよ?」

魔法使い「……」

僧侶「魔法使いさんってば」

魔法使い「わあったよ。起きりゃいいんだろ起きりゃ……」

僧侶「はい。おはようございます」

侍「おはようデース」

戦士「…………」

僧侶「ほら、戦士さん!」

戦士「……うお?」

僧侶「魔法使いさんと一緒に顔洗ってきて下さい!」

戦士「……わかった。そうしよう」

魔法使い「ふあーあ。へいへい」

~食堂~

僧侶「主よ。今日は生きるためのささやか糧を与えくださったことを感謝します」

魔法使い「本当にささやかだけどな」

戦士「まあな」

僧侶「もう、二人して……」

侍「朝ならこれくらいがちょうどいいデース」

魔法使い「それにしてもこのパンかてぇな、おい」

戦士「スープにつけて食べろってことだろ」

魔法使い「そりゃここならスープがあるけどよ。問題はダンジョンでのことだろ」

侍「持っていける食糧は限られますからネー」

僧侶「今はその日で探索は終わってますけど、いずれ日を跨ぐようになるんですかね?」

戦士「そういう時のために食糧も持っていかなきゃいけなくなるんだろうが……」

魔法使い「……乾パン、干し肉くらいか?」

僧侶「そうなるんでしょうね。水も必要ですから荷物が増えそうです……」

侍「ですが持って行き過ぎると今度は戦闘の邪魔になりますからネー」

戦士「こういった腹持ちのいい黒パンなんかになるんだろうな」

魔法使い「俺は今でもダンジョン内で腹がヘるんだよなあ」

僧侶「そういったものに詳しい人がいればいいんですけどね」

侍「僧侶クンは料理できないのですカー?」

僧侶「普通の料理ならともかく、保存食になるとちょっと……」

魔法使い「ま、これも先のことだけどな」

戦士「とりあえず一階を突破してからか」

僧侶「冒険者崩れの人達に勝てるようにならないといけないんですよね」

侍「やっぱり強さが足りないのだと痛感させられますネー」

戦士「強くなるためにも早く食べて訓練所に行くか」

侍「そうしまショー」

僧侶「ボク達は食べ終わったらまず司教さんを誘いましょうね」

魔法使い「へいへい。女と出歩くくらいなら寝ててえけどな」

僧侶「魔法使いさん!」

魔法使い「冗談だよ冗談。本気にするな」

盗賊「……おはよう」

侍「おはようデース」

僧侶「盗賊さん、おはようございます」

戦士「おはよう。今起きたのか?」

盗賊「……ええ」

僧侶「そう言えば盗賊さん。司教さん見ませんでした?」

盗賊「……見てないけど」

僧侶「そうですか……。女将に聞いてみますね」

盗賊「……うん」

魔法使い「まだ寝てるんじゃねえのか?」

戦士「どうだろうな?」

盗賊「……さあ」

侍「このパーティーはまだできて日が浅いですからネー。お互いのことはまだよくわかりまセーン」

僧侶「そうですね。でも、少しずつ分かり合っていけばいいと思います」

魔法使い「いい子ちゃんだな、お前は」

僧侶「いけませんか?」

魔法使い「いや、そういう奴だってわかってきたさ」

戦士「盗賊どうする?訓練所に一緒に行くなら待っててもいいが」

盗賊「……別に先に行ってて、いい」

侍「了解デース」

~訓練所~

戦士「はぁっ!」

カン!

侍「ちぇえい!」

カン!

戦士「やっぱり強いな、侍」

侍「戦士サンもなかなかのものデース」

ジリッ……ジリッ……

戦士「………」

侍「………」

戦士「せいっ!」

カァン!

戦士「……っち」

侍「まだ詰めが甘いですネー」

戦士「やっぱり負けたか」

侍「ホワイ?やっぱりとハ?」

戦士「ダンジョンでも活躍してたのは侍のほうだったからな。実力に差があるんじゃないかと思っていた」

侍「………」

戦士「どうしたんだ?」

侍「戦士サン、ちゃんと冷静に分析ができたんですネー」

戦士「……俺はどんな風に思われてたんだ?」

侍「だってダンジョンに一人で突っ込みような人じゃないですカー」

戦士「………」

侍「本当になんでそんなことしたんデース?」

戦士「なんというか……。テンションが上がって?」

侍「……戦士サンは場のノリに流されやすいようですネー」

戦士「いや、一人で攻略できたらすごいだろう?」

侍「できなかったじゃないですカー」

戦士「………。そういえば侍はどうなんだ?」

侍「なにがですカー?」

戦士「いや、それぞれダンジョンに挑戦する理由を聞いたけど侍には聞いてなかったなと」

侍「………」

戦士「侍?」

侍「……それは勿論musha修行のためデース!サムラーイとしてどこまで高みに行けるか試したかったのデース!」

戦士「なんか意外といえば意外だし、そうじゃないといえばそうじゃないな」

侍「……どういう意味ですカー?」

戦士「いや、侍のことだからもっと突飛な目的なんじゃないかと思ってさ」

侍「戦士サンはワタシそういう風にみてたのですカー……」

戦士「いや、だってなぁ」

侍「なにが言いたいんデース?」

戦士「最初話しかけた時胡散臭すぎて少しその、大丈夫かな?とか思った」

侍「そ、そこまで胡散臭いデースカー!?」

戦士「いや、今はそんなことないぞ?思ったより物知りで思慮深くて強くてびっくりしただけで」

侍「……他人からの評価は時に自分を傷つけマース」

スタスタスタ…

盗賊「……どうしたの?」

戦士「いや、ちょっとな」

侍「戦士サンに胡散臭いとか言われマーシター……」

盗賊「……」

侍「なぜそこで黙るのデース!?」

盗賊「……ごめん、なさい」

侍「しかも謝っター!?」

戦士「まあ、落ち着けよ侍。な?」

侍「まさかパーティーメンバーからも胡散臭いと思われていたトハ……」

盗賊「……頑張って?」

侍「……何を頑張ればいいのですカー」

戦士「あー……。その、俺は休憩に入ろう。盗賊、そっちの訓練を見ててもいいか?」

盗賊「……別に、構わない」

戦士「……侍はそっとしておいてやろう」

侍「……置いていくほうがひどくありまセーン?」

盗賊「……来る?」

侍「休憩がてら見学させてもらいマース」

盗賊「……わかった」

侍「確か向こうに盗賊用の訓練器具があったはずデース」

戦士「行こうか」



盗賊「…………」

カチャカチャ……

戦士「……複雑だなぁ」

侍「こればかりは盗賊の専売特許ですからネー。宝箱の解除では盗賊に勝る職はありまセーン」

盗賊「…………」

カチャカチャ……

戦士「……暇だな」

侍「……そうですネー」

戦士「戻って刃を潰してある剣でも振ってるか?」

侍「模擬戦をするには危ない代物ですよネー」

戦士「木刀も安全というわけでもないけどな」

盗賊「……ふぅ」

戦士「一息ついたみたいだな」

教官「やあ君たち、ちょっといいかな?」

侍「ユーはどなたですカー?」

教官「一応ここの教官をしている元冒険者だよ。冒険者未満の子達をしごいたり、冒険者同士の諍いが起きないようにしてるのさ」

戦士「へえ……」

教官「君達もさっき見てたけどまだまだ荒いね、新人かい?」

盗賊「……ええ」

教官「なら元先輩として君達にアドバイスをあげよう」

戦士「随分と親切だな」

教官「なに、ただのおせっかいさ」

侍「まあ、とりあえずは聞いておきまショー」

教官「素直でいいねえ。新人は素直に限るよ。他の冒険者達と友好的な関係を築くのも大事なことだしね」

戦士「それでアドバイスというのは?」

教官「君はちょっとせっかちだね、別にいいけど。そこの君は盗賊だね?」

盗賊「……そうだけど?」

教官「よかった、まあ忍者には見えなかったしね。君は一生懸命宝箱の罠の解除を頑張ってたね」

盗賊「……それが?」

教官「知ってたかい?宝箱は開けないほうがいいんだよ?」

盗賊「……え?」

戦士「……どういうことだ一体?」

侍「……本当だったのですカー」

教官「おや、そこの侍くんは知ってたみたいだねえ」

戦士「侍、本当なのか?」

教官「んー、詳しく説明すると一階の宝箱開けないほうがいい、だね」

侍「私も半信半疑でしたが一階の時点では宝箱は開けないほうがいいみたいなのデース。理由は知りませんガ」

教官「そう。一階ではね、宝箱の中身と罠にかかった時を考えたらリスクが釣り合わないんだよ」

戦士「……だから宝箱を開けないほうがいい、か」

教官「冒険者崩れも一階で死ぬ原因だけど宝箱が原因で死ぬことも多いね。蘇生費用のことを考えたら諦めたほうが無難なのさ」

盗賊「……どうして、そんなことを私たちに?」

教官「んーそれはね、君、頑張ってただろう?」

休憩

盗賊「……ええ」

教官「だから一階だと必要ないと教えてみたらどう反応するか確かめてみたくてね」

戦士「……あんた、性格悪いな」

教官「ふふ、よく言われるよ」

侍「……」

戦士「どうしたんだ侍?」

侍「あなた、おせっかいですネー。それとあまのじゃくデース」

教官「……どういう意味だい?」

侍「本当は死ぬ冒険者を減らしたいのでショー?」

盗賊「……本当?」

教官「…………」

侍「そこで無言になるのは答えを言っているようなものですネー」

戦士「よくわかったな」

侍「本当のことを言わない人には鼻がきくのデース」

教官「そういった人がわかる君も言わずもがなだよね?」

侍「……hahaha!」

教官「……ふふふ」

盗賊「……それなら、最初から、そう言えばいいのに」

教官「そんなのまっぴらごめんだね。そうしたらまるで僕がいい人みたいじゃないか」

侍「中年のおっさんのツンデレなんていりまセーン」

戦士「おい、侍」

教官「ふん、せいぜい気をつけるんだね」

スタスタスタ…

盗賊「……行っちゃった」

ご飯が近いので休憩。22時以降にまたやる
また登場人物が増えてしまった。他の冒険者パーティーとも絡ませてみたいしうごごごご
これからも登場人物増やしても大丈夫だろうか
それなのに司教とかまだキャラ薄いし、と愚痴ってみる。またね

教官=俺で脳内再生いいですか?

* おつ *

大丈夫だ戦士
レベルアップの早さは戦士>侍だ
hpの伸びも戦士の方が大きかったはず
侍とは違う方向性でがんばれ戦士

ところで
鑑定中うっかり鑑定物に触れて恐怖状態に陥る司教ちゃんはまだですか

>>175
好きにしてくれ。今度もまた登場するかわからないけど

>>176
果たしてそこまで書けるのか……
司教のイベントは考え中

~宿屋~

僧侶「司教さんどこにいると思います?」

魔法使い「さあな。まだ寝てるんじゃねえのか?」

僧侶「そうでしょうか?」

魔法使い「とりあえず女将に聞いてみろよ」

僧侶「女将さん、ちょっといいですか?」

女将「あたしに何か用かい?」

僧侶「はい、司教さんなんですけど」

女将「ああ、あのねぼすけのことかい」

魔法使い「マジで寝てやがるのか」

僧侶「司教さんまだ寝てるんですか?」

女将「さっき見た感じじゃ寝てたねえ。なにかその子に用事があるのかい?」

僧侶「はい、一緒に街を出歩こうと思って」

女将「それじゃあ起こしてこようかい?」

魔法使い「ああ、頼むぜ」

司教「おはようございますわ」

魔法使い「なんだ、起きたのか」

僧侶「おはようございます、司教さん」

女将「おはようねぼすけ。それじゃあ私は仕事に戻るからね」

僧侶「はい、ありがとうございました」

司教「ところで話を聞くと私に用事があるようですわね」

僧侶「はい、一緒に街を出歩くのなんてどうかと思って」

魔法使い「……そういうこった」

司教「あら、他の方々は?」

魔法使い「あいつらは訓練所で訓練をするってよ」

僧侶「ボク達は集中できる場所がないので街の地理を知っておこうと」

司教「ふうん、そうですの」

魔法使い「来たくなきゃついてこなくていいぞ」

僧侶「魔法使いさん!」

司教「……私、なにか貴方の気に障るようなことしたかしら?」

魔法使い「……別にしてねえよ」

司教「ならその態度はなんですの?」

僧侶「あの、魔法使いさんは女性が苦手なだけで悪気はないんです」

司教「へえ?」

魔法使い「……なんだよ?」

司教「理由はわかりますの?」

僧侶「魔法使いさんのお師匠さんがどうやら破天荒な女性だったらしくて」

司教「……そんなことで不愉快にさせられてはたまったものじゃないのですけど」

魔法使い「……悪かったな。でも苦手なもんは苦手なんだ」

司教「……本当に悪気はなさそうですわね」

僧侶「はい、魔法使いさんは悪い人じゃないです。ちょっと適当なところもありますけど」

魔法使い「結構言うなお前」

僧侶「いや、その」

魔法使い「別に怒っちゃいねえよ」

司教「なら、決めましたわ!」

魔法使い「なにをだよ」

司教「今日、私は貴方達についていきます。そしてパーティーメンバーの交流を行いましょう!」

僧侶「ですって魔法使いさん」

魔法使い「交流?」

司教「パーティーとは互いに命を預けあう仲間、一心同体ですわ」

僧侶「そうですね」

司教「つまり険悪であってはダンジョン攻略に支障がでます。そうさせないためにも私は貴方達と交流しますわ」

僧侶「つまり、仲良くしましょうってことですね!」

司教「そのとおりですわ!」

魔法使い「お前そういうやつだったのか……」

司教「最後に仲間に加わったのにそういうことまで気遣えるとは流石の私ですわね!」

僧侶「司教さんいい人でしたね、魔法使いさん」

魔法使い「……そうか?」

司教「では、皆さん行きましょうか」

僧侶「ほら、魔法使いさん。行きましょう?」

魔法使い「……ああ」

僧侶「元気がないですけど、どうかしました?」

魔法使い「……なんでもねえよ」

この後の展開を考えるから休憩
どうしようかな

思いつかないので今日はもうおしまい。またね

ククク…。確かに今日はおしまいだと言った…!
言ったが日付が変わったのでノーカン…!今からやっても嘘はついていない…!

というわけで人がいたらやるよ。1は構ってちゃんなんだ。誰も見てないのには耐えれません

か、悲しくなんてないんだからね!
午後からまたやると思う。上のは正直忘れてほしい。不快な人もいるだろうし。おやすみ

>>1が出しゃばるのは好き嫌い別れるから気をつけた方がいいよ。俺は気にしないが。
wiz知らんが楽しく読んでる

>>188
感想ありがてえ…!
こんな>>1でごめんね。これからは気をつける

~大通り~

ワイワイガヤガヤ…

僧侶「うわぁ…!」

魔法使い「人で溢れてるな、おい」

司教「確かに賑やかですわね」

魔法使い「それにしても……」

商人「はいいらっしゃい、いらっしゃい!今しか手に入らない!聖銀を聖水を使い鍛え上げた代物だよ!」

客「親父、それいくらだ?」

商人「なんとお安くして…………となっております!」

客「たけえ!?」

司教「やはりダンジョンの影響で賑わっているみたいですわね」

僧侶「ですね。ダンジョン攻略のためには様々なものが必要ですから」

魔法使い「そういうのを扱う商人が増えるってわけだな」

僧侶「冒険者自体も多いですしね」

司教「ですがそれにしても……」チラッ

スラム街の住人「……………」

スラム街「………」ボソボソ

司教「少し離れれば、スラム街がありますのね」

僧侶「……どこにでもあるんですよね。そういった貧民層が」

魔法使い「そんなのしょうがねえだろ。あそこには元からいた住人や失敗した商人、他にもいろんな奴がいるんだろうよ」

僧侶「こういった街ですから、貧富の差は大きいでしょうね……」

少しだけやった。あとは午後に

司教「あそこにいるのはダンジョンに挑もうとしない人達、そして挑もうにも最初の装備を揃えることすらできない人達ですのね」

魔法使い「……そのままダンジョンに挑んだら野垂れ死んじまうような連中だな」

僧侶「……ああいった人達には救いの手なんてほとんど届きません。悲しいことです……」

魔法使い「……俺達が気にしてもしょうがねえだろうよ。街をまわろうぜ」

司教「……そうしましょう」

僧侶「……そうですね。ボク達は自分の生活にも困ってるんですから、何もできることなどありません」

魔法使い「そっ、俺達が悩んだってなにもできやしねえよ」

僧侶「……はい」

司教「まったく暗いですわよ?気分を変えてこの喧騒を楽しみましょう」

僧侶「そうですね」

ドンッ

魔法使い「ってーなぁおい!」

少年「ご、ごめんなさい……」

司教「こんな子供に怒鳴るなんておよしなさいな」

魔法使い「いや、すまねえな」

少年「あの……僕……ごめんなさい」

僧侶「…………」

魔法使い「あー……」

司教「ほら、相手が謝ってますのよ?」

魔法使い「別に怒ったわけじゃねえんだ、……気ぃつけな」

少年「はい、すみませんでした…!」

ガシッ

少年「……え?」

魔法使い「僧侶?」

僧侶「今なら怒りません、やったことを素直に謝ってください」

司教「僧侶さん!その少年はもう素直に謝りましたでしょう?」

魔法使い「そうだ。ちゃんと許したぜ?」

少年「僕、謝りました……」

僧侶「もう一度言わないとわかりませんか?」

少年「……くそっ!こんなもんいらねえよ!離せ!」

ベシッ、ジャラ……

魔法使い「は?…………」ポスポス

魔法使い「俺の金か!?」

少年「死ね!バーカ!」

タタタタタッ……

僧侶「………」

司教「……騙されましたわね」

魔法使い「……ああ」

司教「それにしても僧侶さん、よくわかりましたわね?」

魔法使い「俺は全然わかんなかったぜ。なんでわかったんだ?」

僧侶「……ボクはスラム街出身ですから」

司教「そうだったんですの……」

僧侶「あまり上手じゃありませんからボクでもわかりました」

魔法使い「……あー、悪いこと聞いたか?」

僧侶「いえ、大丈夫です。気にしないでください」

司教「………」

僧侶「ちょっとしたことです。ある孤児がスラム街でやんちゃをしてて、ひょんなきっかけで教会に拾われて、そこで改心をした。それだけです、よくある話ですね」

魔法使い「……そうか」

僧侶「ここに来たのも教会へ恩を返せるというのもあったんですけど、見るとやっぱり思い出しちゃいますね」

司教「それで私はどうすればよろしいのです?」

魔法使い「……おい」

司教「今まで通りに接してよろしいですわよね?」

僧侶「……はいっ、もちろんです!」

司教「わかりましたわ!」

魔法使い「……普通そこまで直接聞くか?」

司教「貴方は聞かないでわかりますの?」

魔法使い「いや、そりゃあ……」

司教「なら聞くのが正しいでしょう?」

僧侶「ボクとしてもそうされるほうが気楽で嬉しかったですよ」

司教「ほらみなさい!流石私ですわね!オーッホッホッホッ」

魔法使い「こんな道のど真ん中で高笑いするんじゃねえっ!」

司教「あら、私としたことが」

僧侶「それじゃあ探索の続きといきましょうよ」

司教「わかりましたわ!」

魔法使い「……これでいいのか?」

司教「いいのですわ」

僧侶「いいんですよ、魔法使いさん」

魔法使い「……おう」



司教「だいぶ歩きましたわね」

僧侶「そろそろ戻りますか?」

魔法使い「軽く酒場でひっかけてえな」

司教「あら、付き合いますわよ?」

僧侶「ボクも、お酒飲めないですけど」

魔法使い「本当に軽くだからな。こっちはお前と違って金がねえんだから」

司教「少しくらいはおごってあげてもいいですわよ?親交の証に」

魔法使い「はっ!女におごってもらうなんてダサい真似したくねえ」

司教「あら、そうですの」

僧侶「だいぶ仲良しになりましたね、二人とも」

魔法使い「そうか?」

司教「仲間と絆を築く。私も一人前の冒険者ですわね!」

魔法使い「……お前の中の冒険者像ってのはどうなってんだ?」

司教「あら、物語では仲間との絆を大事にするべきとあったのだけれど」

僧侶「司教さんの憧れの冒険者像は物語なんですね」

司教「ええ!小さい頃から憧れてましたの!」

魔法使い「そういう奴もいるんだろうな。うちのパーティーだと戦士に近いか?」

司教「あんな突撃お馬鹿さんと一緒にしないでくださいまし!」

僧侶「あはは……」

魔法使い「そこまでいわなくてもいいだろうがよ」

司教「少なくとも私は一人でダンジョンに突っ込むようなことはしませんの!」

魔法使い「……まあ、聞いたときは俺も馬鹿だとは思った」

僧侶「……本当によく生きてましたよね」

司教「少なくとも冒険者崩れと会ったら死んでたと思いますわ」

魔法使い「だよなあ。あいつらのやばさを知っているから尚更一人で突っ込むのは自殺と変わらねーと思うぜ」

僧侶「で、でも今はそんなことしませんし!」

司教「当たり前ですわ!」

魔法使い「今もそんなことするんだったら見捨ててやるさ」

僧侶「……あははは」

司教「ですがそんなこともありませんし、私はなかなかいいパーティーだと思いますわ」

魔法使い「死んじゃいねえってだけでマシだとは思うな」

僧侶「ですよね。まだまだ新人パーティーですけど」

司教「早く強くなって物語のような冒険をしてみたいですわね」

魔法使い「俺はある程度生活が安定すりゃ何もいわねえ」

僧侶「ボクはある程度教会へ寄付ができるようになりたいですね。子供達とも会いたいです」

魔法使い「……いい奴だな、お前」

司教「そういうところは美徳ですわね」

僧侶「自分もそうだったからってだけですよ。皆さんのいうことも、もっともだと思います」

魔法使い「とりあえずは金か。最近そればかりだな、おい」

司教「お金を沢山得るには強者とも戦わないといけませんわよ?早くドラゴンとも戦ってみたいですわ」

僧侶「……そこまでいけるんですかね?」

司教「いけるのかな?ではなくいくのですわ!」

魔法使い「ドラゴンなんて俺はまっぴらだぞ?」

司教「男なのにだらしないですわね!」

魔法使い「そういう次元の相手じゃねえだろ」

司教「貴方にはロマンというものがありませんの!?」

魔法使い「俺は死にたくねえんだよ!」

僧侶「まあまあ、落ち着きましょうよ二人とも」

司教「……わかりましたわ」

魔法使い「おう、わりぃ」

僧侶「こんな道端でじゃなくて酒場でしましょうよ」

司教「それもそうですわね!酒場でたっぷり冒険者たるものの志を語りあいましょう!」

魔法使い「……へいへい、僧侶も付き合えよ?」

僧侶「はい、わかりました」

休憩

乙ありがとう
この作品は>>1の独自解釈や設定なんかもはいってるので注意を
物語の都合上いじるところはいじる

あと20時には再開する

~酒場~

ギイィ……

司教「マスター、とりあえず一杯くださいな」

侍「オーウ!ユー達も来たのですネー!」

魔法使い「まあな。軽く酒をひっかけようと思ってよ」

戦士「いくら金がないとはいえ息抜きは必要だからな」

僧侶「そうですよね。ところで訓練のほうはどうでしたか?」

盗賊「……疲れた」

戦士「真偽は知らないが元冒険者から情報を手に入れたぞ」

侍「多分本当のことだと思いマース」

司教「あら、聞かせていただけるかしら?」

盗賊「……実は……」



魔法使い「はあん。なるほどな」

僧侶「一理ありますね」

司教「わざわざ教えるなんてその人はお人好しですわね」

戦士「確かにな」

侍「お人好しじゃなければ教官なんてやってないデース」

盗賊「……それも、そう」

戦士「そっちはどうだったんだ?」

司教「なかなか有意義でしたわ。パーティーの仲間と絆を深めることができましたもの」

侍「へー!そうなんですカー」ニヤニヤ

魔法使い「……なんだよてめえ」

戦士「だって、なあ?」

侍「女性は苦手と言っていたのに、仲良くなるとは喜ばしいことデース!」

魔法使い「まずはそのにやけっつら止めやがれ!」

侍「オーウ、ソーリー!」

魔法使い「……ふん!」

戦士「ま、いいことには違いないさ。チームワークが生死をわけることもある」

僧侶「そうです。だから照れなくていいんですよ?」

魔法使い「照れてねえ!」

司教「あら私の美しさに惑わされたのですの?私ったら罪深いですわね!」

魔法使い「そんなんじゃねえ!」

戦士「ほどほどにしておいてやれよ」

司教「うふふ、だって面白いんですもの」

魔法使い「てめえ!」

客「女にいいようにされてんじゃねーぞ、にいちゃん!」

客「お熱いねー!ひゅー!」

魔法使い「うるせえぞてめえら!」

侍「まーまー、もうそろそろ落ち着いてくだサーイ」

盗賊「……血が頭に上りやすい」

魔法使い「……っち。へいへい」

司教「少しからかいすぎたかしら?」

魔法使い「酒の場でのことだから本気にしちゃいねーよ」

侍「そういえば装備は明日の昼くらいには取りに来てほしいとのことデース」

僧侶「思ったより早いですね」

戦士「ああ、どうやら当たりの店だったらしい」

魔法使い「それに数打ちの量産品ってのもあるだろうな」

司教「今の私たちの装備なんて沢山出回ってますからね」

盗賊「……それに、後衛はほとんど攻撃をうけてないから」

戦士「それもあるな」

侍「まだ敵は魔法なんかで後衛を攻撃してきませんからネー」

司教「そうですわね。助かるといえば助かりますが」

魔法使い「俺達は本当にもろいからなあ。職業上仕方ねえんだが」

戦士「とりあえずは明日も頑張るしかない、か」

司教「そうですわね」

僧侶「でも全然探索進んでないんですよね」

盗賊「……地図、全然埋まらない」

魔法使い「そりゃ、同じ場所で戦ってるだけだからな」

侍「でも何かあった場合出口から遠ければ一気にピンチですからネー」

司教「せめて一階での敵を死者無しで普通に倒せるようにならなければいけませんわね」

魔法使い「そういうこったな」

僧侶「とりあえず明日も頑張りましょうね」

盗賊「……うん」



~宿屋~

司教「全員集まりましたわね?」

魔法使い「……ふわーぁ」

僧侶「魔法使いさん寝過ぎですよ」

魔法使い「別にいいだろ。ダンジョンに潜るから英気を養ってたんだよ」

盗賊「……ねぼすけ」

戦士「ダンジョンに潜るときに目を覚ましてたならいいさ」

侍「そうですヨー!ダンジョン寝ぼけてたら怒りますがネー」

魔法使い「んなことしねえよ」

戦士「それじゃ、店に装備を取りに行こうか」

~店~

店主「いらっしゃいませ」

戦士「修理に出していた装備を取りに来た」

店主「はい、かしこまりました。少々お待ちください」



店主「こちらでよろしいですね?」

侍「オー、本当に直ってマース」

司教「仕事がはやいですわね」

店主「喜んでいただけてなによりです。これからもごひいきに」

盗賊「……わかった」

魔法使い「んじゃ、準備も整ったしダンジョンに行くか」

~ダンジョン前~

ワイワイガヤガヤ…

侍「準備は大丈夫ですネー?」

盗賊「……ええ」

僧侶「大丈夫ですよ」

戦士「今回も前回と同じでいいんだよな?」

侍「イエス!ひたすらダンジョン入り口の近くで戦いマース!」

魔法使い「ま、それしかねえわな」

司教「前回上手くいったからといって、油断はいけませんわよ?」

魔法使い「誰にいってやがる」

侍「それじゃ、頑張っていきまショー!」

戦士「ああ、頑張ろう」

~ダンジョン地下一階~

魔法使い「そんじゃてめえら、まとめて眠りやがれ!」

ポワワーン

オーク's「zzz…………」

魔法使い「おっしゃ!全部眠りやがったぜ!」

僧侶「やりましたね!」

侍「それじゃ、片付けマース!」

戦士「せいやぁ!」

僧侶「てい!」

侍「キェェェイ!」

盗賊「……頑張っ、て」

オーク「……ぶきー」

オーク「ぶきっ……!」

ドササッ

司教「……慣れてきましたわね」

戦士「ああ、普通に勝てるようになった」

僧侶「順調なペースです!」

盗賊「……宝、箱」

魔法使い「いや、それは諦めような」

侍「死ぬ確率が下がるとはいえ手に入るお金が減るというのは少し厳しいですネー」

戦士「多めに戦わなくちゃいけないな」

僧侶「でも、今誰かが死んでしまうとすごく厳しいですしね」

魔法使い「安全と金。両方得るのは難しいな、おい」

司教「……本当にそうですわね」



盗賊「……ふぅ」

侍「さすがに疲れてきましたネー」

戦士「もう結構戦ってるからな」

司教「魔力もあと1、2戦したら終わりですわ」

魔法使い「俺はあと1回…くらいか」

僧侶「もうちょっとなら……」

戦士「ならもう切り上げるか」

侍「そうですね。次で終わりまショー」

司教「わかりましたわ」

魔法使い「んじゃ、最後のもう一頑張りといきますかあっ!」

侍「それじゃいきますヨー」

コンコン、ガチャ

侍「ハロー!」

冒険者崩れ「ひ、ひいっ!」

戦士「!」チャキ

司教「……くっ!」

冒険者崩れ「ま、待ってくれ!怪我をしているんだ!見逃してくれ!」

僧侶「……怪我、してますね」

侍「大方モンスターや他のパーティーにやられたのでしょうネー」

戦士「どうするんだ?」

盗賊「……殺すべき」

冒険者崩れ「そ、そんなこと言わないでくれ!」

僧侶「でも、助けを求めていますし……」

司教「命乞いをしているのにトドメを刺すのはちょっと気がひけますわ……」

魔法使い「別に見逃してもいいだろ。あんな怪我じゃ何もできねえ」

侍「イエス。ワタシ達が手を下さずともあの怪我なら、モンスター達がやってくれるでショー」

戦士「……おい」

冒険者崩れ「な、なんだ……?」

戦士「見逃してやる。とっとと失せろ」

冒険者崩れ「あ、ありがてえ!感謝す……」

ドスッ!

冒険者崩れ「るくぶぉふぁ……」

ドサ……

盗賊「……なんで殺さないの?」

戦士「……え?」

盗賊「……生きてても私達の障害にしかならない。逃がしても得はない。なら、殺すべき」

僧侶「……でも、助けを求めてて」

侍「僧侶クン、ここは盗賊サンが正しいデース」

僧侶「でも!」

侍「盗賊サンはお金のないワタシ達に気遣ってくれたのデース」

盗賊「……相手も生きるために私達を襲う。なんで、躊躇するの?」

魔法使い「ま、そういうのも有りだろ。自身で手を汚すか汚さないかの問題だな」

司教「僧侶くんと盗賊さん、どちらの意見も正しいですわ。僧侶くんは人として。盗賊さんは冒険者としてね」

僧侶「…………」

盗賊「……僧侶くんのいうこともわかる。価値観が違った。それだけ」

戦士「……戻ろうか」

侍「イエス!疲れを酒でいやしまショー!」

魔法使い「だな、疲れたぜ」

司教「……あんまり気にし過ぎてはいけませんわよ?盗賊さんもパーティーのためを思って行動したのには違いないのですから」

僧侶「……はい。わかってます」

司教「なら行きましょう」

僧侶「…はい、そうですね」

司教「はいはい、最後まで気を抜かないでくださいね!」

侍「わかってマース!」

魔法使い「あいよ」

休憩、疲れた。のんびりちまちまやってく

~酒場~

ギイィ……

ワイワイガヤガヤ…

侍「マスター!お酒くだサーイ!」

主人「……あいよ」

魔法使い「あー、疲れたぜ」

戦士「マスター、酒4にレモン水2だ」

侍「オーウ!そうでしター!」

僧侶「……」

司教「まださっきのことを気にしてますの?」

僧侶「……はい」

侍「僧侶クンは気にしすぎデース!」

僧侶「……そうでしょうか」

戦士「俺もそう思うな」

僧侶「でも……」

侍「仕方ありませんネー。盗賊サン!」

盗賊「……なに?」

侍「さっきの対応正しかったデース」

盗賊「……それほどでも」

侍「しかし、パーティーとしては見逃がそうとしていましたよネー?」

盗賊「………」

侍「合理的な判断もいいですが、パーティーにあわせることも考えてくだサーイ!」

盗賊「……わかった」

侍「とりあえずはこれでいいですカー?」

僧侶「……ありがとうございます」

戦士「リーダーシップがあるな、侍は」

侍「いやいや、それほどデモー!」

魔法使い「うさんくさいけどな」

侍「ワッツ!?うさんくさいは関係ないデース!」

司教「私も少しそう思いますわね」

戦士「ははは」

侍「ひ、ひどいデース!僧侶クンはそんなことないですよネー?」

僧侶「え、えっと侍さんはいい人ですよ!」

盗賊「……にげた」

侍「……そんなにワタシうさんくさいですカー?」

主人「……お待ち」ゴトッ

僧侶「あ、どうも」

司教「よいお方なのはわりますわよ?うさんくさいのは置いといて」

侍「オーウ……」

僧侶「ところでなんで侍さんはそんなしゃべり方をしているんですか?」

魔法使い「俺もそれは気になるな」

盗賊「……気になる」

戦士「なにか理由があるのか?」

侍「……これはワタシの師匠の真似をしているのデース」

戦士「師匠って侍としてのか?」

侍「イエス!サムラーイとしてのいろはを叩き込んでくれた人デース!」

魔法使い「へえ、その口調は侍の師匠のだったのか」

司教「今その方はどうしてますの?」

侍「もう死んでいマース」

司教「……すみませんわ」

侍「いえ、気にしないでくだサーイ」

僧侶「たまにでるのは侍さんの素の口調なんですね」

戦士「最初のほうは素人とか言ってくれたよな」

侍「ha、hahahahaha……」

戦士「笑ってごまかしたか」

これまで。また明日やろう

司教「へえ、そんなことがありましたの」

侍「と、とりあえず飲みまショー!」

魔法使い「誤魔化すの下手だな、おい」

戦士「……ところで話があるんだが」

僧侶「なんですか戦士さん?」

侍「どうしたんデース?」

戦士「もうそろそろ探索を始めたいんだ」

盗賊「……」

魔法使い「……今の俺達でいけるか?」

盗賊「……少なくとも、最初の頃よりは、成長した」

戦士「そう。今の俺達はダンジョンにも少し慣れてきた。だから次の段階へ進むべきなんじゃないか?」

僧侶「ボクは、もうちょっとあとでもいいんじゃないかと思います」

侍「……ワタシは今まで通り油断しなければ頃合いだと思いマース」

魔法使い「俺は一度冒険者崩れの奴らと戦ってから決めるべきだと思うぜ」

司教「私も魔法使いさんの意見に賛成ですわ。己の力量を見定めるのは大事なことです」

盗賊「……私は、探索を始めたい」

戦士「……司教達が言ったことももっともだと思う。だから次の探索では冒険者崩れの盗賊と戦ってみたい」

侍「いいんじゃないですカー?ダンジョン探索には一歩踏み出す勇気も必要デース」

魔法使い「ああ、それで文句はねえ」

僧侶「皆さんがそういうのでしたら、微力ながら頑張ります」

盗賊「……わかった」

司教「それでいいですわ」

戦士「よし、次回のダンジョン探索はそういう方針で行こう」

主人「……盛り上がっているな」

戦士「マスター」

主人「……最初にお前が一人でダンジョンに突っ込んだ時はどうなるかと思ったが、順調なようだ」

戦士「……それは言わないでくれ」

侍「戦士サン。こういうのはあとになってもいじられるものデース」

魔法使い「そういうこった。諦めな」

戦士「……なんであんな馬鹿なことをしたんだろう」

主人「……パーティーを組めと言ったら。俺は群れないと言っていたが……」

戦士「おおおお!?」

司教「うふふふ、あはは!」

侍「そんなこと言ってたんですネー!」

主人「……忠告しても仲間など必要ないと突っぱねてな」

魔法使い「ぎゃははははは!」

戦士「やめてくれえ……」

盗賊「……ぷっ、くく」

僧侶「み、皆さん!わ、笑っちゃ悪いですよ」

主人「ちゃんとしたパーティーを組んでいるようで何よりだ」

戦士「…………」

主人「……おっと、調子に乗りすぎたな。とりあえず言いたいことは頑張ってくれということだ」

戦士「……それなら、それだけを言ってくれればいいのに」

主人「すまんな」

魔法使い「ひーひー。いやあ、笑わせてもらったぜ」

司教「ええ、いい酒の肴になりましたわよ?」

戦士「いいよもう。好きなだけ笑ってくれよ」

侍「まあまあ、笑い話で済んでよかったじゃないですカー!」

僧侶「そうですよ。死ななくてよかったです」

盗賊「……そういうこと……くくっ」

戦士「それはそうだけどさ」

侍「おっと、お酒がきれてしまいましター」

魔法使い「そうだな。さんざん笑ったし切り上げるか」

盗賊「……マスター、勘定」

主人「……あいよ」

司教「飲み過ぎもいけませんし、私もお勘定を」

主人「……わかった」

僧侶「それじゃあマスター、ありがとうございました」

主人「……また来てくれ」

戦士「ああ」

魔法使い「おうよ」

筆が乗らない+ご飯なので休憩
今更だけどスレタイ見て戦士がかっこよく活躍すると思ってた人、ごめんなさい

ご飯食べてうとうとしてたら寝てた。ごめんなさい
今から始めます

~ダンジョン前~

魔法使い「さて、今日もおっ始めますか!」

僧侶「頑張りましょう!」

戦士「今日は腕試しだな」

侍「そうですネー。ですが注意を怠らなければいけると思いマース」

司教「だから油断しないでくださいね?」

戦士「当然だ」

盗賊「……頑張る」

侍「それじゃ、出発しまショー!」

魔法使い「おう」

僧侶「はい!」

~地下一階~

侍「毎度おなじみこの部屋ですネー」

盗賊「……周りの警戒はしているから、頑張って」

魔法使い「今日も敵を眠らせる仕事が始まるぜ」

司教「今はそれが一番の手ですからね」

戦士「よし、準備は大丈夫だ」

侍「それじゃ、行きますヨー?」

僧侶「はい……!」

戦士「ああ……!」

侍「行きマース!」

コンコン、ガチャ

侍「ハロー?」

冒険者崩れb「ちっ、おでましか!」

魔法使い「いきなり本命かよ!」

冒険者崩れd「生きて帰れると思うんじゃねえぞ!」

僧侶「相手は4人です!」

冒険者崩れa「先手必勝だ!」

司教「甘いですわ!お眠りなさい!」

ポワワーン……

冒険者崩れa「zzz……」

冒険者崩れc「そう簡単に寝てたまるか!」

魔法使い「誰が一回だけなんて言ったよ?」

冒険者崩れc「!?」

魔法使い「眠れよ!」

ポワワーン…

冒険者崩れc「う!zzz……」

冒険者崩れb「……zzz」

ドサッ……

冒険者崩れd「クソがぁっ!ちっ、やってられ……」

戦士「逃がすかよ!」

ザシュッ!

侍「そういうわけデース」

ザン!

冒険者崩れd「うぐおあ……」

ドサッ…

司教「とりあえずは安心ですわね」

魔法使い「上手くいったな、おい」

盗賊「……起きないうちに、倒さないと」

戦士「ああ」

侍「そうですネー」

ジャキッ

魔法使い「そんなことしてるてめえらが悪いんだ。恨むなよ」

戦士「今更悔やんでも遅いがな」

僧侶「………」

司教「同情してなさるのかしら?」

僧侶「……いえ」

盗賊「……こうなったのも。自業自得」

侍「そういうことデース」



魔法使い「思ったより苦戦しなかったな」

僧侶「そうですね」

戦士「これなら探索を始めても大丈夫だろ」

盗賊「……やっと、警戒以外の仕事が出来る」

戦士「宝箱をスルーしてたからな……」

侍「それでどうしまショー?今から探索を始めますカー?」

司教「いいんじゃないかしら。まだ魔力にも余裕がありますわ」

僧侶「引き時を間違いさえしなければ大丈夫だと思います」

魔法使い「ようやくダンジョン攻略っぽくなるわけか」

司教「ようやく初めの一歩を踏み出せますのね」

今日は短いけどここまで。変な時間に寝たせいで頭がぽーっとする

明日は頑張れるといいな。あとできたら好きなキャラを教えてほしい
キャラをちゃんと描写できてるか不安



魔法使い「結構歩いたな」

戦士「そうか?」

侍「ダンジョンは薄暗くて似たような道が続きますからネー。距離感がつかみにくいデース」

僧侶「盗賊さん。マッピングのほうはどうですか?」

盗賊「……難しい」

司教「まだ書き慣れていませんものね」

侍「マップと言えば知っていますカー?」

戦士「なにがだ?」

侍「ダンジョンはマスでいうのなら20×20で表せるそうデース」

僧侶「四角いんですか?」

侍「イエス!その通りデース。しかもダンジョンは端と端がつながっているそうデース」

魔法使い「どういうことだ、そりゃ?」

侍「眉唾ですが西の端を更に西へ進むとなんと東の端に移動してるそうデース」

司教「……本当ですの?」

盗賊「……不思議」

魔法使い「ダンジョンにはわけがわからねえことばかりだな、おい」

戦士「本当になんなんだろうな」

僧侶「ですがそれも考慮してマップを書かないといけないんですね」

盗賊「……本当に難しい」

司教「マップが不安なら魔法で今いる場所を確認なさいます?」

盗賊「……お願い」

司教「わかりましたわ。………我が身の居場所を教えなさい!……地図でいうとここですわね」

盗賊「……あってた」

司教「引き続き頼みますわね」

戦士「とりあえずは安心だな。っとあれは……」

僧侶「下へと進む階段ですね……」

魔法使い「あっさり見つかったなあ、おい」

侍「ですがいいことデース。それにしても全く下へ降りる気になりませんネー」

僧侶「まだ互角に戦えるようになったばかりですしね」

戦士「簡単に死にかけるから、どうしても躊躇するな」

魔法使い「実力もまだ足りねえだろうし、今は地図を埋めてこうぜ」

司教「そうですわ。今下へと進むのは自殺行為です」

侍「それじゃもうそろそろ帰りますカー?」

戦士「結構稼げたしな。余裕があるうちに戻ろうか」

司教「そうですわね」

魔法使い「あー、腹減ったなぁ」

僧侶「今回はいつもより長く潜ってましたからね」

盗賊「……いつもより警戒しながら進んでたから」

戦士「初探索ならこんなものだろう」

魔法使い「いいんじゃねえのか?命は一つしかねえしな」

盗賊「……蘇生はできるけど」

魔法使い「ちゃかすなよ」

侍「それじゃ、帰りまショー!帰るまでがダンジョン探索デース」

~酒場~

ギイィ…

主人「……いらっしゃい」

侍「マスター、とりあえず酒4にレモン水2お願いしマース!」

主人「……あいよ」

魔法使い「今日は懐に少し余裕があるな。なんか頼むか?」

僧侶「そうやってすぐ使っちゃうのってどうなんでしょう…」

魔法使い「別にいいじゃねえかよ。マスターには世話になってるしよ」

主人「……お待ち」ドンッ

戦士「ありがとうマスター」

主人「……今日はステーキがおすすめだ」

魔法使い「ステーキか。最近こう、ガッツリ肉食べてなかったしな」

主人「……今日は安くなっている」

魔法使い「マスター!ステーキ!」

僧侶「……宿でもご飯はでるのに」

侍「まーまー。僧侶クン、息抜きも必要デース」

僧侶「……そうですね」

戦士「マスター、安くて腹にたまるものはあるか?」

主人「……適当にもってくる」

戦士「ああ、頼む」

司教「私はどうしましょうかしら……」

盗賊「……私もステーキ」

侍「正直今の宿のご飯は貧しいですからネー」

僧侶「そうですね。栄養はたっぷりだと思うんですけど」

魔法使い「こっちは命がけなんだ。こういう役得がなきゃ、やってらんねえよ」

司教「それにしてもダンジョン後のお酒って美味しいですわね。いつもと違って一人じゃないのもいいですわ」

僧侶「いいですけど、使いすぎないでくださいよ?」

魔法使い「わかってるよ。んなこたあ」

戦士「ああ、大丈夫さ」

侍「それにしてもワタシ達もようやく冒険者らしくなりましたネー」

盗賊「……本当に」

戦士「これで俺達も冒険者の端くれだな」

主人「……お待ち」ゴト

ジュージュー

魔法使い「うまそうだな、おい」

盗賊「……美味しそう」

侍「盗賊サン。よだれよだれ」

盗賊「……」フキフキ

僧侶「よっぽどお腹空いてたんですね」

盗賊「……」プイッ

戦士「あ、照れた」

盗賊「…………」

侍「ダンジョン後ですしネー」

魔法使い「ハフハフ、うめえ!」

休憩。筆が進まないー
どこがゴールなんだ。全然進んでないし

全員死亡

>>269
( ^ω^)………。(^ω^)ニコッ

眠いので寝てからやる。多分



魔法使い「ふう。久々にまともな食事をしたぜ」

盗賊「……美味しかった」

戦士「後は宿で軽く食べるとするか」

侍「お勘定お願いしマース!」

司教「今日もなかなかでしたわよ」

僧侶「おいしかったです」

主人「……毎度」

司教「あとはもう少し愛想がよければいいのですけど」

主人「……くせだ」

戦士「マスターらしくていいよ」

僧侶「それじゃ、宿に戻りましょうか」

~宿屋~

女将「おや、あんたらかい。お帰り」

侍「ただいまデース」

女将「今のところ上手くいってるみたいだね」

戦士「ああ」

女将「その調子でうちに金を落としていっておくれよ」

盗賊「……ええ」

女将「で、今日も大部屋かい?」

侍「そうデース」

魔法使い「……んー」

僧侶「魔法使いさん?」

魔法使い「僧侶、二人で個室に泊まらねえか?」

僧侶「……えっ?」

侍「やっぱり魔法使いさんはホモだったですカー!?」

魔法使い「……はぁ!?」

戦士「……僧侶を狙っていたのか」

魔法使い「そ、そういう意味で言ったんじゃねえ!」

盗賊「……そういう人がいるのは知っている。安心して。あと近づかないで」

司教「まさかそんな趣味があったなんて…」

侍「前回も疑ってましたがとうとう本性を現しましたネー」

僧侶「ま、魔法使いさん?」

女将「……そういうのは人それぞれだけど。ベッドは汚さないでほしいねえ」

魔法使い「ちげえよ!まずは話を聞け!あと俺はまだ疑われてたのかよ!」

僧侶「ボ、ボクは魔法使いさんを信じてますよ?」

戦士「僧侶、人を疑うことも大事だぞ?」

侍「そうデース。取り返しがつかなくなってからでは遅いのデース」

司教「不潔ですわ……」

魔法使い「黙れ。そして話を聞け」

盗賊「……わかった」

侍「聞かせてもらいまショー」

魔法使い「そんな意味で言ったんじゃねえよ。これからの冒険で必要だから言ったんだ」

侍「それは絆な深める的な意味ですカー?それならやっぱりホモデース!」

僧侶「…そうなんですか?」

魔法使い「ちげえ。魔法を覚えるために決まってんだろうが」

盗賊「……そういえば、個室がほしいって、言ってた」

魔法使い「さっき使っちまって足りねえから僧侶と割り勘しようとしたんだよ。僧侶も魔法を覚えなきゃいけないしな」

侍「ワタシは魔法使いサンを信じてマシタ!」

戦士「俺もそんなことだろうと思ってたさ」

魔法使い「死ね!」

司教「さ、さて。私は部屋に行きますわね」

盗賊「……じゃあね」

魔法使い「なんか言うことはねーかのかよ。お前ら!?」

司教「魔法使いさんが怒りましたわ!」

盗賊「……退避」

戦士「逃げるぞ!」

侍「合点承知デース!」

魔法使い「逃がすかてめえら!」

女将「やかましいよあんたら!あと金は先に支払うんだよ!」

侍「さよならデース!」チャリン

戦士「じゃあな!」チャリン

魔法使い「待てやあ!」

侍「待てと言われて待つやつはいまセーン!」

~個室~

魔法使い「ちくしょうあいつら……」

僧侶「まあまあ、落ち着いてくださいよ」

魔法使い「僧侶、俺はそんなにホモに見えるか?」

僧侶「そんなことないですよ」

魔法使い「……ありがとよ。んじゃ寝るか」

僧侶「そうしましょうか」

魔法使い「狭いけどすまねえな。あと寝相が悪いかもしんねえ」

僧侶「なるべく気をつけてくださいね。仕方ないこととはいえ」

魔法使い「いい加減新しい魔法覚えねえといけねえからな」

僧侶「皆さんも最初より強くなりましたしね」

魔法使い「俺達もそれについていかねえとな」

僧侶「そうですね。それじゃあおやすみなさい」

魔法使い「あいよ。おやすみ」

とりあえずここまで

~食堂~

戦士「お。おはよう」

僧侶「おはようございます」

侍「グッモーニン!」

戦士「魔法使いはどうしたんだ?」

僧侶「まだ眠いらしくて寝てます。久々に一人で寝たいって言ってました」

戦士「そうか」

侍「それよりも昨夜、襲われませんでしたカー?」

僧侶「あはは。そんなことありませんでしたよ」

戦士「冗句もほどほどにしておけよ?また魔法使いを怒らせたくないからな」

侍「hahaha!気をつけマース!」

戦士「それじゃ、飯にしよう」

侍「魔法使いサンたら、朝ご飯は大事なのにネー」

僧侶「そうですよね。あとで軽く食べられるものでも持っていきます」

戦士「少し過保護じゃないか?」

僧侶「そうですか?」

侍「このままじゃ魔法使いサンが僧侶クンに甘えてしまいマース」

戦士「ははは、そうかもな。それで今日はどうする?」

侍「どうしまショー?」

僧侶「ボクは部屋で新しい魔法を覚えられるように頑張ります」

侍「頑張ってくだサーイ!戦闘中に使えるようにしないと意味がないですからネー。そういう意味ではワタシはまだまだデース」

戦士「俺はひたすら剣を振るうだけだから気楽でいいよ」

侍「羨ましいと思いますが戦士は戦士で大変ですからネー」

戦士「そうか?」

侍「戦士は特別な技能を必要としない代わりにひたすら基礎的な力を求められマース。それはそれでしんどいデース」

僧侶「そうですよね。それにボクは前衛としては火力が足りないので必然的にお二人には頑張ってもらわないといけませんし」

戦士「……そうだな」

侍「そうですヨー。ところで戦士サンどうしまショー?また訓練所に行きますカー?」

戦士「どうしような。金も前よりは余裕があるから街をまわってみるのもいいかもしれないし」

侍「そういえば僧侶クン達は街をまわったのでショー?何か面白いのはありましたカー?」

僧侶「……そうですね。大通りはやっぱり盛り上がってましたよ。人も沢山居て」

戦士「一度そういった店をまわるのもしてみたいな」

僧侶「ですけどそうやって人が集まるとよからぬことを考える人もいるので……」

侍「何かあったのですカー?」

僧侶「ちょっとスリに出くわしたんです」

戦士「大丈夫だったのか?」

僧侶「ええ。幸い気づくことができたので。ですが行くのなら気をつけてくださいね?」

戦士「わかった。気をつけよう」

侍「まあ、それぐらい人が集まるのならスリくらいは普通に居るでしょうネー」

盗賊「……スリくらいならまだかわいい」

僧侶「あ、おはようございます」

侍「グッモーニン!」

盗賊「……おはよう」

戦士「おはよう。盗賊はそういうのに詳しいのか?」

盗賊「……表通りならそれくらいで済む。……裏通りに入るのはおすすめしない」

僧侶「そうですね。人気が少なくなるともっと露骨になりますし」

盗賊「……街にまわるの?」

戦士「そうしようか考えてるところかな」

侍「盗賊サンも一緒にどうデース?」

盗賊「……いい。訓練所に行く」

戦士「また訓練しに行くのか?」

盗賊「……それも、ある」

僧侶「どういうことです?」

盗賊「……情報、収集」

侍「盗賊サンは真面目デース」

盗賊「……私、ろくに戦ってないから」

戦士「訓練所は冒険者が集まるしな。でも教えてくれるか?」

盗賊「……教官」

侍「あのツンデレ中年のことですカー。それはいいかもしれませんネー」

僧侶「えっと、誰ですか?」

戦士「前、訓練所で宝箱について教えてくれた人だ」

侍「あの人ならまたポロッと何か教えてくれそうデース」

戦士「そうだな。だけどあくまで教えてくれれば儲けものにしとかないとな。なんでも教えてもらえばいいってもんじゃない」

侍「確かに直接聞いたらあのツンデレなら甘えるなと言いそうデース」

戦士「だろう?」

盗賊「……なら、それとなく聞いてみる」

戦士「……無口な盗賊にできるか?」

僧侶「え、えっと……」

侍「ど、どうでショー?」

盗賊「……任せて」

戦士「あー……、頑張ってくれ」

司教「何を頑張りますの?」

僧侶「あ、司教さん」

侍「こちらに来るなんて珍しいですネー」

戦士「確かにそうだな」

司教「たまには皆さんと食事をするのも悪くないと思いましたの。あら、魔法使いさんは?」

僧侶「まだ寝てますよ。久しぶりの個室なのでゆっくり寝ていたいそうです」

司教「あら、そうですの。間が悪いですわね」

僧侶「そういえば司教さんは今日どうするんですか?ボク達今日の予定を話しあってたんです」

司教「いつもここで相談してましたの?」

盗賊「……基本、そう」

侍「そうですヨー」

司教「予定、ですか。僧侶さん達は魔法の習得をしようとしてるのでしたよね?」

僧侶「はい、そうですよ」

司教「私もそうしたいのですけど何しろ覚えることが多くて……」

侍「大変そうですネー」

戦士「こういうのを見ると剣を振るうだけでよかったと思うな」

司教「ですから今日は一人で司教としての勉学に励むつもりですわ」

侍「そうですカー。頑張ってくだサーイ」

戦士「これを聞くと街を巡るのに躊躇うな」

侍「それなら軽く訓練所で汗を流してからにしますカー?」

戦士「そうしようか。話もまとまったし朝食にしよう」

司教「へえ、こちらの食事はこうなっておりましたのね。あまり宿で食事をとらないものですから」

僧侶「見た目はそんなによくないですけど、味はそこまで悪くないですよ」

戦士「スープなんかは野菜の芯なんかを使ったほうが上手いしな」

侍「戦士サン、料理ができるのですカー?意外デース」

戦士「フ……家事くらいは普通にしてたさ」

盗賊「……そんなことで、カッコつけられても」

司教「……反応に困りますわ」

~訓練所~

侍「もうちらほらと冒険者が集まってますネー」

戦士「明らかに俺達より強い奴もいるな」

盗賊「……強くなっても、欠かさない」

侍「おそらくもう習慣になっているでしょうネー」

戦士「ところで盗賊も一応俺達と練習するか?全く必要ないわけじゃないだろう」

盗賊「……わかった」

侍「そういえば盗賊サンの腕前は知らないデース」

戦士「マッピングやその他のことが仕事だったしな」

盗賊「……お手柔らかに」

戦士「こちらこそ頼む」



戦士「じゃ、まずは俺からだ」

盗賊「……」

戦士「行くぞ!」

盗賊「……!」

カァン!カァン!カァン!

盗賊「……!?」

バシッ!カランカラララン…

盗賊「………」

戦士「……一本、か」

侍「これは腕力の差が大きくでましたネー。盗賊は素早さがウェポンデース。まともに受けにまわったら…」

盗賊「……こう、なるね」

侍「それとワタシの見通しでは戦闘経験の差もでましたネー。戦士サン、強くなってマース」

戦士「……なんだか実感がわかないな」

盗賊「……もう、一回」

戦士「ああ、いいぞ」

盗賊「……今度は、勝つ」

侍(盗賊サン、負けず嫌いなんですネー……)

盗賊「……ふっ!」

カンッ

戦士「一撃が軽い!」

カァン!

盗賊「……くっ!……なら!」

カンッ

戦士「おっと」

侍「二人とも頑張ってくだサーイ!」



盗賊「……はぁ、はぁ、はぁ」

戦士「ぜえぜえ、……疲れたな」

侍「二人とも熱中しすぎデース」

戦士「いや、盗賊がすごいやる気だったしな」

盗賊「……いい訓練に、なった」

侍「これじゃワタシは一人で素振りですネー」

教官「なら、僕が相手しようかい?」

盗賊「……あの時の」

戦士「あんたか。前回は助かった」

侍「いつの間にそこにいたんデース?ツンデレ中年」

教官「その呼び方はやめてくれないかな……?」

侍「hahaha!ソーリー!」

教官「……。君、相手がいなくて暇なんだろう?教官としてお相手してあげるよ」

侍「それは訓練という名の仕返しデースネー?」

教官「当たり前じゃないか」

侍「こいつ、質悪いデース!」

教官「君ほどじゃないよ。で、やるのかい?」

戦士「流石にやめといたほうがいいんじゃないか?」

教官「おや?冒険者を引退したサポート職相手に逃げるのかい?」

盗賊「……もしかして、盗賊だった?」

教官「そうだよ。で、逃げるのかい?」

侍「……そこまで言われたら引けまセーン。やってやりマース!」

教官「ポコポコにしてあげるよ」

戦士「ポコポコにするって言いきったぞ、あいつ」

侍「………」ジリッ

教官「おや?慎重だね」

侍「格上だと言うのはわかってマース」

教官「油断なしか。でも……」スッ

侍「……!」

カァン!

教官「……」

侍「しのぎましたヨー」

教官「……」スッ

カァン!カァン!

侍「……っ!?」

教官「それでも新人には」

バシッ!

教官「負けないよ」

侍「……参りましター」

教官「これに懲りたら態度を改めるんだね」

戦士「……強いな」

盗賊「……」

侍「ユーは元はなかなかの冒険者ですネー」

教官「まあ、ね。昔の話さ。今の僕は教官さ」

侍「……なんとなくわかりましター」

教官「……これだから君は嫌いだよ」

侍「hahaha。……手合わせ、楽しかったデース」

教官「……」

スタスタスタ

戦士「何話してたんだ?」

侍「hahaha!内緒デース!」

盗賊「……今回は、何も聞けなかった」

戦士「そうだな」

侍「多分、前回のは新人に対するサービスだったのですネー」

戦士「そうだったんだろうな」

侍「さて、いい具合に汗もかきましたし街に行きまショー!」

戦士「そうするか」

盗賊「……私、もう少しやっていく」

侍「頑張るのもいいですガー、無理は禁物デース」

盗賊「……わかってる」

戦士「なら侍、二人で行こうか」

侍「イエス!そうしまショー!」

戦士「小腹も空いたし何か食べよう」

侍「いいですネー!」

ここまでで一旦おしまいノシ

ケプ。ただいま。続きやる

~大通り~

戦士「何を食べようか」

侍「昼食も兼ねてますからたくさん食べたいデース」

戦士「それじゃあサンドイッチなんてどうだ?当たり外れも小さい」

侍「それにしまショー」

戦士「そこのお兄さん」

バイト「はい、いらっしゃい!」

戦士「おすすめとかあるか?」

バイト「うちはなんでもおすすめッス!いろんなバリエーションがあるのが自慢ッスよ!」

侍「だ、そうデース」

戦士「なら、コレとコレ……。侍はどうする?」

侍「シンプルなコレ、お願いしマース」

バイト「毎度!」



戦士「結構当たりだったかな?」

侍「そうですカー?少しパサついてマース」

戦士「あの値段ならこれぐらいだ。パサついてしまうのも作り置きだからだろう」

侍「そういうものですカー?」

戦士「そういうもんだよ」

侍「さて、次はどうしましょうネー」

戦士「まわってみないことにはわからないな。何があるのか知らないんだし」

侍「司教サン、僧侶クン、魔法使いサンの誰か一人がついて来てれば違ったのでしょうネー」

戦士「仕方ないさ。あの三人は今魔法を覚えるため頑張ってるんだし」

侍「そうですネー。とりあえず歩きますカー」

アイデアまとめたいから終わる



商人「いらっしゃいアルー!安売りしてるアルよー!」

戦士「……確かに安いな」

侍「でもちょっと安すぎる気もしマース」

商人「安いのにはちゃんと理由があるアルよ」

戦士「どんな理由があるんだ?」

商人「これらは冒険者が長い間使ってたせいで見た目がボロっちいアルよ。でもまだ使えることは保証するアル」

戦士「確かに見た目は悪いな」

侍「……戦士サン。ここ、少しうさんくさいデース」

戦士「そうか?」

侍「ワタシ達はこういった武器の目利きができまセン。それなのにこういうのを買っても損するだけデース」

戦士「確かになあ…。でも探索も本格的になるだろう?武器もこのままじゃいけないし」

侍「それはお金を貯めて信頼できるお店で買うべきデース!」

商人「うちの商品はちゃんとしてるアル!今の機会を逃して後悔しても知らないアルよ!」

戦士「うーん……」

侍「やめときまショー戦士サン。せめて買うならこういったアイテムに詳しい司教サンがいるときにすべきデース」

商人「お客さん!今ならサービスするアル!」

戦士「……くぅっ!」

侍「戦士サン!」

商人「お客さん!」

戦士「……決めた!」

~宿屋~

戦士「……と、いうわけなんだ」

司教「ふぅん、そんなことがありましたの」

戦士「それでさっそく見てもらいたいんだが」

侍「……止めきれませんでしたヨー」

司教「……見た目は悪いですわね」

戦士「だけど俺が握ってみた感じではちゃんと使えると思うんだが」

司教「……これは」

戦士「どうだ?」

侍「どうなんですカー?」

司教「戦士さん」

戦士「ああ」

司教「……騙されましたわね」

侍「あちゃー……」

戦士「……くそっ!あの商人!何が保証するだ!」

侍「だからやめときましょうと言ったんデース」

司教「少し触ったくらいじゃわからないくらいには直してありますが、騙し騙し使われていたのでしょうね。ガタガタですわ」

戦士「……そうか」

司教「大通りだと誰でも商売ができますのよ?こういった詐欺師もわんさかいますの。目利きをできもしないのに高い買い物をするとこうなりますわ」

戦士「……ちょうど手が出せる値段だったんだよ」

司教「ご愁傷様ですわ。高い授業料でしたわね」

戦士「……はあ」

侍「……こういう時どんな言葉をかければいいのかわかりまセーン」

司教「とりあえず私に見せたのは正解でしたわね。ダンジョンで折れたなんてことになったら目もあてれませんもの」

侍「イ、イエス!命に関わらないで済んでよかったデース」

戦士「……そうだな」

司教「あと、今更その商人を探そうと思っても難しいですわ。もうとっくに逃げだしているでしょうね」

戦士「……くそ」

侍「まーまー、戦士サン。お金ならまた稼げマース。また頑張りまショー?」

司教「そうでわよ?あんまりくよくよしないでくださいまし。取り返しのつかない失敗ではないのですから」

戦士「……ありがとう」

待ってる人がいるかわからないけども少し更新。

侍「で、それはどうするのデース?」

司教「売っても二束三文……。とりあえず売れればいいレベルですわね」

侍「こんないつ壊れるかわからないような代物使えませんしネー」

戦士「……どこかで引き取ってもらうよ。置き場にも困るし」

司教「それがよろしいと思いますわ」

侍「付き合いましょうカー?」

戦士「ああ、頼む」

司教「いってらっしゃいな」

ギイィ…



司教「……今度から買い物する時には私がついて行ったほうがいいかしら」

~店~

侍「こんにちハー」

店主「いらっしゃいませ。装備の点検、修理はまだ終わってませんが」

戦士「いや、これを引き取ってもらえるか聞きにきたんだ」

店主「……くたびれた剣ですね」

戦士「ああ。大通りでまだ使えると言われて買ってみたんだが……」

店主「ガタガタですな」

戦士「パーティーの司教職の仲間にも言われたよ」

侍「それでどうですカー?」

店主「ふむう。二束三文になりますが」

戦士「それで構わない。むしろありがたいよ」

侍「よかったですネー」

店主「それにしても大通りで買い物をなさったんですか」

戦士「ああ」

店主「あそこは信頼できる店がわからないとこうなりますからね。気をつけてください」

侍「ご忠告。感謝しマース!」

店主「それならばぜひ、うちで買い物をしていただきたいですね。うちは信頼性が売りですから」

戦士「商売が上手いな」

侍「ま、それがベターでしょうネー」

店主「そう言っていただきありがとうございます」

戦士「じゃ、今後も利用させてもらうとする」

店主「ええ。またのお越しを」

~酒場~

侍「……ということがあったんデース」

魔法使い「そりゃ災難だったな、おい」

戦士「俺にも悪いところはあったがな。もう少し注意すべきだった」

盗賊「……ご愁傷さま」

魔法使い「ま、大通りは人の出入りも多いしな。そういう奴も混じってんだろうよ」

司教「そういうことですわね。そういった悪質な商人もどきは長くは居れませんからそんなに多くはないのでしょうけど」

僧侶「それでもちゃんと信頼できるお店は少ないと思います」

戦士「だろうな。身を持って知ったよ」

魔法使い「今度はこんなマヌケなことに引っかかったりすんなよ」

戦士「わかってる」

侍「それにしても……」

僧侶「結構とられたんですね……」

盗賊「……わびしい」

戦士「……金の余裕が一気になくなったからな。まともな料理なんか頼めないさ」

司教「明日はダンジョンに潜るんですから、そこで挽回してくださいまし」

戦士「そうするさ」

侍「hahaha!戦士サンの懐のためにも頑張りまショー!」

僧侶「無理はいけませんよ」

侍「わかってマース!」

盗賊「……明日も、一階の探索?」

戦士「そのつもりだ」

司教「いつまでも一階で足踏みなんかしていられませんもの」

侍「イエス!また盗賊サンにはマッピングを頼みマース」

盗賊「……わかってる」

魔法使い「なら俺は明日は新しく覚えた魔法の御披露目をしてやるよ」

侍「オー!覚えたんですネー!」

魔法使い「へへっ、まあな」

僧侶「ボクも覚えましたよ!」

戦士「二人とも頼もしいな」

侍「頼りになりマース!」

司教「……その、私はまだですわ」

侍「hahaha!上級職なら仕方ありまセーン!覚えるべきことはたくさんあるですからネー!」

戦士「上級職はいろいろ覚える分成長は劣るんだろ?」

魔法使い「ああ、やることが多くなるからな。自然と経験を自分のものにするのにも時間がかかっちまう」

盗賊「……大変」

司教「そうですがあなたたちより遅れている気がしてなりませんの」

盗賊「……そんなことない」

戦士「そうだ。俺達はまだ駆け出しだからな。気にしすぎだよ」

魔法使い「まあ、司教には司教にしか出来ない仕事もあるんだ。気にすんなよ」

僧侶「そうです。司教さんが頑張ってるのは知ってますから」

司教「……そうですわね。気を取り直して明日は頑張りますわ!」

盗賊「……頑張れ」

戦士「それじゃ、俺は明日に備えてもうそろそろ宿に戻るか」

侍「そうしましょうかネー」

盗賊「……私はこれ、食べてから」

魔法使い「ま、へましねえためにもとっとと寝るか」

僧侶「そうですね。マスター、今日もごちそうさまでした」

侍「ごちそうさまデース」

戦士「また来るよ、マスター」

主人「……あいよ」

一旦休憩。いつもどおりちまちまやっていく

~翌日、ダンジョン地下一階~

戦士「はあぁぁぁっ!とどめだ!」

ガッ!

アンデッドコボルド「………」

ドサ……

戦士「ふぅ」

魔法使い「眠らないから少し驚いたが大したことなかったな」

司教「やはりアンデッド系には効きませんでしたわね」

僧侶「それにしてもだいぶ安定してきましたね」

侍「イエス!気をつけるべきなのは冒険者崩れだけデース!」

盗賊「……順調」

魔法使い「確かに今のところはそうだな」

司教「ですが油断はいけませんわよ?」

戦士「そうだな。警戒はしていこう」

侍「それにしてももう結構進んだんじゃないですカー?」

僧侶「そうですね。ボクも少し疲れてきちゃいました」

盗賊「……地図でいうと、中心のやや北東」

魔法使い「結構進んだな、おい」

侍「そうですネー!順調に埋まっていってマース!」

司教「地図が埋まっていくのを見るとわくわくしますわね」

戦士「そうだな。もう少し進もうか、余裕はある」

魔法使い「過信しねえようにな」

ここまで



戦士「扉が多くなってきたな」

侍「そうですネー。地図がないとすぐに迷いそうデース」

ガチャ…

魔法使い「ちっ、行き止まりかよ」

僧侶「それにしても何もない部屋ですね……」

司教「そうですわね。なんのための部屋なんでしょうか?」

戦士「……行き止まりみたいだし戻ろうか」

盗賊「……待って」

司教「何か見つけましたの?」

盗賊「……ここの壁、不自然」

戦士「そうか?」

魔法使い「なんかあるのかよ?」

僧侶「んーと」ジー

盗賊「……多分、このあたりに」

侍「オーウ、これは……」ジー

司教「よく見ると扉、ですわね」ジー

盗賊「……隠し扉」

魔法使い「よくわかるなあ、おい」

戦士「……確かに言われてみるとわかる」

僧侶「よく見つけましたね!盗賊さん!」

司教「ええ、言われないと気づきませんでしたわ」

盗賊「……それほどでも、ない」

戦士「謙遜しなくてもいいさ。それじゃ、開けてみよう」

侍「なにがあるかわからないので注意してくだサーイ」

魔法使い「おう」

戦士「わかってるさ。侍、頼む」

侍「それじゃ、開けマース」

ガチャ…

戦士「何か置いてあるな」

盗賊「……これは、鍵?」

侍「どうみても鍵ですネー」

司教「落とし物、ではないでしょうしダンジョンで必要なものかしら?」

魔法使い「十中八九そうだろ。このアイテムは宝箱に入ってねえしな」

僧侶「そうみたいですね」

戦士「なんの鍵かはわからないが、多分必要になるんだろうな」

侍「盗賊サン、お手柄デース!」

魔法使い「ああ、盗賊が居なきゃ気づかなかっただろうな」

盗賊「……」

司教「照れてますのね」

戦士「照れてるのか」

侍「照れてるんですネー」

魔法使い「照れてんのか?」

僧侶「盗賊さんは照れ屋さんですね」

盗賊「……照れて、ない!」

侍「hahaha!探索を続けまショー!」

戦士「ああ、そうだな!」

魔法使い「そうすっか!」

僧侶「そうですね。気を引き締めていきましょう!」

司教「油断は大敵ですものね。頑張りましょう!」

盗賊「……照れてないから、みんなニヤニヤ、しないで…!」

侍「hahaha!からかうのもここまでにしてちゃんとしましょうカー」

戦士「ははは、悪かったな」

魔法使い「わりぃわりぃ。反応が面白くてな」

司教「そういうことですわね」

盗賊「……」ムスー

僧侶「盗賊さん、機嫌直してください。ね?」

魔法使い「悪かったって」

盗賊「……」ムスー

戦士「ほら、このあと酒場で何か奢るからさ」

盗賊「……本当?」

侍「それぐらいなら安いもんデース」

盗賊「……なら、ステーキ、いい?」

戦士「それぐらいなら大丈夫さ」

盗賊「……なら、許す」

司教「あらあら、盗賊さんは食いしん坊ですわね」

盗賊「……そんなことない」

司教「あら、この前よだれ垂らしてましたのに?」

盗賊「……そんなこと、ない」

魔法使い「ま、どうでもいいからよ。とっとと帰ろうぜ、疲れちまった」

侍「そうですネー。今回ので一気に地図を埋めたですからそろそろちょうどいい頃合いでショー」

僧侶「ボクも疲れちゃいましたよ」

戦士「それじゃあ、帰るとするか」

司教「ですが最後まで気を抜かないでくださいね?」

魔法使い「わかってるよ。帰るまでがダンジョン探索だろ?」

司教「わかっているのならいいのですわ」

盗賊「……気を抜くのはダメ。特に仲間をいじるのなんて、もってのほか」

戦士「はいはい。わかったよ」

侍「気をつけマース」

僧侶「じゃ、行きましょうか」

~酒場~

ワイワイガヤガヤ…

主人「……いらっしゃい」

盗賊「……マスター、ステーキ」

戦士「……と酒4つとレモン水2つだ」

主人「……あいよ」

侍「盗賊サン、がっついてますネー」

魔法使い「やっぱり食いしん坊だな、こりゃ」

盗賊「……そんなことない」

僧侶「今更取り繕っても遅い気がします……」

司教「でも悪いことじゃないですわよ?」

戦士「ああ、冒険者なんてのをやってるんだ、食えるうちに食べないとな」

魔法使い「体が資本だしな」

盗賊「……そういうこと」

僧侶「食べないと体も成長しませんしね」

戦士「そうだな。僧侶はまだ成長期だしたくさん食べないと」

僧侶「……まだ伸びるかなぁ」

侍「それは人それぞれですから一概には言えまセーン。もしかしたらそのままかも……」

僧侶「そんなぁ……」

魔法使い「ま、とりあえずよく食ってよく寝れば背は伸びる。心配すんなって」

主人「……お待ち」ゴト

ジュージュー…

盗賊「……いただきます」

僧侶「あの、マスター。ボクもステーキをお願いします……!」

主人「……あいよ」

司教「野菜も食べないといけませんわよ?」

侍「お肉だけじゃ体によくないデース」

僧侶「マスター!野菜も!」

主人「……あいよ」

盗賊「……」モグモグ

戦士「それにしても盗賊は上手そうに食べるな」

盗賊「……あげない」

戦士「いや、そういう意味じゃないさ。ちょっと子供っぽいかなって。最初はもっとクールな感じだったからな」

盗賊「……私、16だから。そういった部分はまだ、ある」

戦士「……え?」

魔法使い「……嘘だろ?」

司教「20は超えてるかと……」

侍「ワタシもそう思ってましター……」

僧侶「ボクとあんまり変わらない……」

盗賊「……」

戦士「いや、ほら!背も高いし冷静だったから!」

司教「そうですわ!だから決して……」

魔法使い「見た目が少し老けてるなんて思っちゃいねえ!」

僧侶「魔法使いさん!」

魔法使い「あ?……わりぃ……」

盗賊「……別に、気に、して、ない」

侍(めちゃくちゃ気にしてマース……)

戦士「ほら!その、頼りがいがあるから勘違いしただけなんだよ!な、魔法使い?」

魔法使い「そ、そういうことだ!別に他意はねえからよ!」

盗賊「……20超えて見えるくらいに?」

僧侶「あ、あはははは……」

司教「あー…、何か食べます?」

主人「……白身魚のいいのが入ったからフライがおすすめだ。ソースもちゃんとつく」

戦士(ナイスだマスター!)

魔法使い(流石だぜ!)

主人「……」グッ!

司教「だ、そうですわよ!?」

盗賊「……食べる」

侍「ワタシ達が悪かったデース。これで機嫌直してくれますカー?」

僧侶「その、ごめんなさい」

盗賊「……うん」

司教「それはなによりですわ……」

ここまで。
探索進まないなぁ。あと勢いも落ちたしごめんねノシ



盗賊「……満足」ケプ

戦士「そりゃよかった」

主人「……うまそうに食べてもらえてなによりだ」

魔法使い「やっぱり食い意地はってるじゃねえかよ」

僧侶「魔法使いさん!」

盗賊「……私、食い意地はってる?」

侍「まあワタシはそう思いマース」

司教「ええ、食べる時とても幸せそうでしたもの。何か理由がございますの?」

盗賊「……今まで、お腹いっぱいに食べることなんて出来なかったから」

司教「……聞いちゃまずかったでしょうか」

盗賊「……気にしない」

戦士「あー……、盗賊はその、金に困ってたからダンジョンに挑んでるのか」

盗賊「……そう。あのままスラム街で生きていたくなかったから」

僧侶「……盗賊さんはスラム街の出だったんですね」

盗賊「……同情?」

僧侶「いえ、なんでもないです」

盗賊「……そう。……それで私は体を売るのが嫌だったからダンジョンに来たの」

侍「そういうことでしたカー。ワタシからは大変だったしょうとしか言えまセーン……」

盗賊「……ありがとう。でも、悪くないパーティーに入れたから今の生活に満足している」

司教「……強いですわね」

盗賊「……そんなこと、ない。私は体を売らずに済んだだけ恵まれている」

魔法使い「どうりでしたたかなわけだぜ」

盗賊「……そうじゃないと生きていけないから」

魔法使い「わかってるさ。これからも頼むぜ?」

盗賊「……当然」

戦士「ああ、頼りにしている」

主人「……いいパーティーだな」

侍「でショー?」

僧侶「ですね。最初は不安だったんですけど……」

魔法使い「だよなぁ。このメンツを見て安心は出来ねえよな」

侍「魔法使いサンだって人のことは言えないデース!」

魔法使い「どういう意味だ、おい!」

ここまで
亀の歩みでのんびり更新

~ダンジョン地下一階~

侍「もう毎度おなじみになっているダンジョン地下一階デース!」

司教「そうですわね。早く先へ進みたいのですが急いては事を仕損じると言いますしね」

戦士「まだ探索も終わってないからな」

魔法使い「だけど少しずつだがちゃんと探索は進んでるから大丈夫だろ」

盗賊「……地図はちゃんと埋まっていってる」

僧侶「盗賊さん、今どの辺りですか?」

盗賊「……中心からそのまま真東に進んでいる。もうそろそろ突き当たり」

戦士「……だけどまだ道が続いてるな」

魔法使い「道が続いてるってことはこれが前言ってたあれだろ?」

侍「ダンジョンの端と端はつながっているというあれですネー」

僧侶「本当に不思議ですね」

司教「一応、魔法で合っているか確かめます?」

盗賊「……お願い」

司教「……んー、ていっ!我が身の居場所はどこに?」

戦士「どうだ?」

司教「……盗賊さんの地図はちゃんと正しいですわね」

盗賊「……安心した」

侍「じゃあ進んでみまショー!」

魔法使い「あいよ」

コツコツコツ……

僧侶「一本道になりましたね」

戦士「そうだな。それにしてもあんまりワープした感じがしないな」

司教「やはり空間を捻って繋げてるのかしらね?」

魔法使い「俺に聞くな。そんなのわかんねーよ」

侍「本当にダンジョンは謎だらけデース」

盗賊「……そうね」

戦士「さて、この道の先はどこまで続いてるのやら」

僧侶「また鍵とかですかね?」

司教「物語なんかでは特別な敵が出てきたりしますわね」

魔法使い「やめろよ、縁起でもねえ」

司教「あら、ごめんなさい」

侍「ま、危険だったらすぐに逃げますけどネー」

戦士「そうだな。危険な奴相手とまともにやり合う必要なんてないさ」

盗賊「……当然」

僧侶「それじゃ、慎重に行きま……」

ブワン……

侍「ワッツ!?」

僧侶「なんですか!?」

魔法使い「……ワープ、か?」

司教「……そのようですわね」

盗賊「……風景がさっきと全く違う」

魔法使い「だーっ、くそ!」

戦士「落ち着け、パニックになったらそれこそ死ぬぞ。司教、位置を頼む」

司教「わ、わかりました。……我が身の居場所を教えよ!」

僧侶「どうですか……?」

司教「……全く知らない場所ですわね。地図が埋まってない場所に放りこまれましたわ……」

僧侶「そんな……」

魔法使い「マジでかよ……」

侍「……ピンチですネー」

司教「一応地図で言うのなら南東ですわね」

盗賊「……今まで行けなかったところ」

魔法使い「……それにしても殺しにかかってきてんな。こんな序盤からこういう仕掛けがあるとわよ」

侍「一階が一番死亡者が多いと言われるのも納得デース」

僧侶「……それで、どう動きますか?」

戦士「……扉だらけだなここは」

侍「帰るためにはどこかの扉を開けなくてはなりまセーン」

魔法使い「……外れも混じってそうだな」

盗賊「……どれかはそうだと思う」

魔法使い「どうしたもんかねぇ」

戦士「進むしかないだろう。立ち止まっていてもいいことはない」

僧侶「そうですよね。進まないと……!」

魔法使い「じゃ、どの扉選ぶよ?」

侍「ここはまっすぐ行きまショー!」

司教「自信満々ですわね侍さん。根拠はなんですの?」

侍「サムラーイ↑としての勘デース!」

司教「……つまり当てずっぽうですのね」

魔法使い「ま、何も基準がないんだしそれもいいだろ」

盗賊「……迷ったって、変わらない」

戦士「それじゃ正面の扉に行くか。侍、頼む」

侍「わかりましたヨー……!」

ガチャ……!

侍「……フゥ」

戦士「……ただの部屋か」

魔法使い「……おい、あそこにあるのは……」

僧侶「……鍵、ですね」

司教「……なんだかこの状況で鍵を手に入れても嬉しくありませんわね」

魔法使い「だよなぁ」

盗賊「とりあえずここは出口にはつながっていない」

戦士「なら別の扉なのか」

侍「運がいいのか悪いのか微妙なところですネー」

僧侶「それじゃ、どこ行きましょうか。と言っても変わらないですね」

戦士「判断基準が全くないからな」

魔法使い「とりあえず隣の部屋行ってみるか」

司教「そうですわね」

盗賊「……」メモメモ

戦士「マッピングお疲れ」

盗賊「……次回の探索の為にも、ちゃんとしないと」

魔法使い「次回があるかわからねえけどな」

司教「魔法使いさん!私には縁起でもないとかおっしゃってましたわよね?」

魔法使い「冗句だよ冗句。場の空気を和ませるための」

僧侶「……そんなんじゃちっとも和みませんよ」

魔法使い「……悪い」

侍「まーまーまー!落ち着いてくだサーイ!次の扉に行きまショー!」

盗賊「……うん」

魔法使い「……あいよ」

司教「よろしくお願いしますわ」

侍「それじゃ、いきマース……!」

ガチャ……!

戦士「……これは」

魔法使い「像、だな。なんかの」

侍「なんでしょーネー。これ」

僧侶「あんまり近づかないほうがいいんじゃないですか?」

侍「えっ?」

ズズズズ……!

魔法使い「っ!?」

戦士「敵か!」

死者の霊「…………」

僧侶「初めて見る相手です!」

司教「ワープの次はこれですか。厳しいですわね……!」

盗賊「……逃げ、よう!」

侍「イエス!得体のしれない奴の相手なんかまっぴらデース!」

魔法使い「そうと決まりゃあずらかるぞ!」

戦士「ああ!」

僧侶「……えっ!?」

盗賊「……逃げれ、ない!?」

魔法使い「くっそ!結界か何かか!?」

死者の霊「……」スッ

ガッ!

僧侶「あうっ!」

戦士「僧侶!大丈夫か!?」

僧侶「……はい、そこまでは怪我をしてません!」

侍「ということは幸い余り攻撃力は高くないみたいですネー……!」

戦士「やるしかないか……!」

魔法使い「ちっ!消し炭にしてやる!」

司教「効かないと思いますが一応!……眠りなさい!」

ポワワーン……

死者の霊「…………」

司教「やっぱり効かない!」

魔法使い「どいてろ!なら……」スッ

ボッ、メラメラ……

魔法使い「こいつはどうだ!燃えやがれ!」

ボオオォウ!パキィン……

死者の霊「…………」

魔法使い「これもダメかよ!?」

侍「どうやら魔法に対する抵抗力が高いみたいデース!」

戦士「なら、剣ならどうだ!」

ズバッ!

死者の霊「…………」

戦士「よし、当たる!」

僧侶「ならボクも!てぇい!」

スカッ

僧侶「ええ!?」

侍「こいつ、回避率もなかなかデース!」

魔法使い「くそ!魔法が効かないなら見てるだけしか出来ねえのか……!」

司教「頑張ってください……!」

盗賊「……頑張って」

侍「任せてくだサーイ!」

戦士「任せろ!」

僧侶「ボクは回復に専念します!」

死者の霊「…………」スッ

ガッ!

魔法使い「侍!」

侍「っ!……その程度ですカー?」

死者の霊「…………」

戦士「余所見をしてる暇なんかないぞ!」

ザン!

死者の霊「…………」

僧侶「効いてますよ!戦士さん!」

戦士「なら、一気にたたみかける!行くぞ!侍!」

侍「応!」

ザンザン!

死者の霊「…………」

司教「まだ倒れませんの!?」

戦士「なら、こぉぉれぇぇでぇぇ!」

侍「トドメだぁぁぁ!」

ズババッ……!

死者の霊「…………!」

スウッ……

戦士「……倒した、か」

侍「タフでしたネー……」

僧侶「お疲れ様です!二人共!」

魔法使い「お疲れさん。何も出来なくて悪いな」

盗賊「……お疲れ」

司教「お疲れ様ですわ。……魔法が効きづらい相手もでますのね」

戦士「いや、本当に疲れたよ」

侍「疲れましたけど早くこの部屋から出ないといけまセーン」

戦士「ああ、またあいつが急に出てくるかもしれないしな」

司教「そうですわね。一旦出ましょう」

魔法使い「んじゃ行くか。おい、盗賊?」

僧侶「何してるんですか?」

盗賊「……お金。多く出た」

魔法使い「……そりゃ、多いけどな。本当にたくましいな、お前」

盗賊「……そう?」

侍「もう少し強くなって、地図もしっかりしてからならここも悪くないかもですネー」

僧侶「そうかもしれないですけど早く出ましょうよ」

侍「おっと、そうですネー」



司教「次はどの扉にしましょうか」

侍「南の扉がいいと思いマース!」

戦士「根拠は?」

侍「サムラーイ↑としての……」

司教「勘なんですわね」

侍「……その通りデース」

戦士「まあ侍がさっき言った扉は鍵があったし、案外侍はついてるのかもな。それともサムラーイの勘がすごいのか」

魔法使い「どうだろうな、たまたまじゃねえか?」

盗賊「……いいから先に進もう」

僧侶「焦ってますね盗賊さん……。気持ちは分かりますけど落ち着いたほうが……」

盗賊「……違う」

僧侶「……えっと?」

盗賊「……お腹、空いた」

僧侶「…………」

魔法使い「ま、まあ盗賊の言う通り先に行くか」

司教「そうですわね。いつもと変わらない盗賊さんを見たら少し安心しましたわ」

戦士「そうだな、それじゃ行こう」

盗賊「……どういう、意味?」

侍「盗賊サンは頼りになるってことデース」

盗賊「……わかった」

中途半端だけどここまで
また近いうちに更新できたらいいな

実は1もそこら辺あやふやだぞ☆
べ、別にwiz【風】だから間違ってても問題ないし(震え声

魔法使い「じゃ、行くとすっか」

侍「それじゃ開けますヨー」

戦士「ああ、頼む」

司教「何があるのかわからないのですから気をつけてくださいね」

盗賊「……わかってる」

ガチャ、ギィ……

侍「これハー……」

僧侶「道が続いてますね」

戦士「当たりか?」

侍「どうでしょうネー。何が仕掛けられているのか全く情報がありませんからネー」

魔法使い「行くしかねえだろ。情報がねえのならてめえで探すしかねえ」

戦士「だな、先へ進もう」

侍「了解デース」



僧侶「結構歩きましたよね」

司教「そうですわね」

盗賊「……あ、扉がある」

魔法使い「少しは進んでるみてえだな。それで行き止まりとか言うなよ?」

侍「この性悪なダンジョンならそれくらいやりそうデース」

戦士「だな。本当に意地が悪いよこのダンジョンは」

盗賊「……それより、進もう」

僧侶「そうですね。盗賊さん、地図は大丈夫ですか?」

盗賊「……ばっちり」

侍「それなら行きマース」

魔法使い「ああ、頼むぜ」

ガチャ、ギィ……

*まっくらやみだ!*

戦士「!?」

司教「きゅ、急に暗く……!?」

僧侶「み、皆さん!はぐれていませんか!?」

戦士「俺はここにいるぞ!」

侍「ワタシもちゃんと居マース!」

魔法使い「俺は大丈夫だ!」

司教「ここにいますわよ!」

盗賊「……いる」

侍「とりあえずははぐれていないようでよかったデース!」

魔法使い「そりゃよかったが、どうだ?戻れそうか?」

盗賊「……ダメ、一方通行みたい」

司教「照明の魔法を試してみますわ!……我が道の進む先を照らしなさい!」

キュイ……フゥ……

司教「……ダメですわね。かき消されますわ。発動もしません」

僧侶「そんな……!」

魔法使い「おいおい、たち悪いとは言ったがここまでするか?」

戦士「さすが難攻不落のダンジョンだな」

侍「感心してる場合じゃないデース!」

戦士「わかってるさ。……進むしか、ないんだな」

魔法使い「……こんな暗闇の中か?」

戦士「戻れないんだ。進むしかない」

僧侶「こんな危険なダンジョンをですか……!?」

侍「僧侶クン、戦士サンの言う通りデース……。戻れないのなら進むしかありまセーン」

司教「……覚悟を決めませんとね」

盗賊「……踏ん張り所」

戦士「僧侶、女二人が覚悟を決めてるんだ。頑張ろう?」

僧侶「っ!……はい……!」

魔法使い「……しょうがねえ。気合い入れるとするか」

侍「イエス!皆で頑張りまショー!」

ザッザッ……

僧侶「足音……!」

魔法使い「こんなところまで居やがんのかよ!」

盗賊「……」

侍「落ち着いてくだサイ。敵もこの暗闇の中ではまともに動けないデース」

司教「それに暗闇の中なのにもう気づかれてる時点でお粗末な敵ですわね」

戦士「同士討ちには気をつけて、倒す……!」

ザッザッ……

僧侶「……近いです!」

戦士「……どこだ!?」

魔法使い「ちっと試すぞ!」

メラメラ、ボボボボ……

魔法使い「撃つからお前ら当たるなよ!」

侍「ちょっ!?」

魔法使い「オラァッ!」

ボォォォォウ!

僧侶「うわわわ!」

???a「ぶきー!?」

戦士「危ないだろう!」

魔法使い「ちっ!炎なら照らしてくれるかと思ったが甘かったか!」

侍「やるなら事前に言ってくだサーイ!」

司教「だけどこれで敵は鳴き声からオークだとわかりましたわ!皆さん少し引いてください!」

侍「イエス!」

僧侶「ま、また炎ですか!?」

戦士「わかった!」

司教「いいえ、これです!……彼のもの達を眠りに誘いなさい!」

ポワワーン……

???a「ぶきー……zzz」

???b~f「……zzz」

盗賊「……お見事」

司教「上手く行きましたわね!」

侍「ナイスです、司教サン!」

僧侶「助かりました!」

戦士「……なら、後は掃除か」

侍「放置してまた追われるのも困りましネー」

僧侶「……そういうわけなんです」

盗賊「……お金の回収は任せて」



魔法使い「ふいー。なんとかなったな」

僧侶「ひやひやしましたけど良かったです」

戦士「じゃ、先に進むとするか」

侍「そうしますかネー。……盗賊サン、マッピングはできそうですカー?」

魔法使い「こんな暗闇の中で出来んのかよ?」

盗賊「……やってみる」

司教「お願いしますわね」

魔法使い「それにしてもこんな暗闇の中歩くのか。……げんなりだぜ」

僧侶「みんなそうですよ魔法使いさん」

魔法使い「わかってるさ。言ってみただけだ、言ってみただけ」

僧侶「もう。……ところで魔法使いさん」

魔法使い「あ?どうしたよ」

僧侶「その、手を……」

魔法使い「手?」

僧侶「て、手を繋ぎませんか?迷わないためにも」

魔法使い「……ははーん。なんだ、お前もしっかりしてると思いきやまだまだガキだな。怖いのか」

僧侶「ち、違います!」

侍「僧侶クン、ダンジョンの中ですから大人だって怖いのデース。遠慮しなくていいんですヨー」

戦士「そうだぞ?俺達も怖いんだ。決して恥ずかしいことじゃないさ」

魔法使い「そういうこった。ガキが遠慮すんなよ」

僧侶「……はい」ギュ

司教「……微笑ましいですわね」

盗賊「……そう、だね」

司教「と、言うわけで手を繋ぐのは別に恥ずかしいことではないのですわ。盗賊さ……」

盗賊「……私は大丈夫」

司教「まだ途中でしたのけれど……」

盗賊「……大丈夫」

司教「……」

戦士「俺も大丈夫だ」

侍「ワタシも手を繋がなくても大丈夫デース」

司教「……」

僧侶「あ、あの司教さん。ボクでよかったら手を繋ぎませんか?」

司教「……僧侶くんはいい子ですわね」

魔法使い「……ガキに気をつかわれて恥ずかしくねえのか?」

司教「お黙りなさい!」

魔法使い「はっ!図星だったみてえだな!」

司教「なんですって!」

僧侶「ふ、二人共喧嘩は止めてください!」

侍「……仲がよきことは美しきことかな、デース」

戦士「ああ、その通りだな」

盗賊「……そうね」



魔法使い「……結構進んだんじゃねえか?」

盗賊「……私の感覚が正しいのなら、今は南の端にいる」

僧侶「だいぶ移動しましたね」

戦士「それにしても壁に手をつきながら歩くのは疲れるな……」

侍「何も見えませんから神経を張り詰めてますしネー」

戦士「ああ。……これは」

侍「別れ道ですネー……。北に行くか、南の端を突っ切って北の端に行くか……」

魔法使い「だーっ、くそ!本当にこのダンジョンは意地が悪いな!作った奴の顔が見てえぜ!」

司教「叫んでも状況は何も変わりませんわよ。さて、どうしましょうか」

僧侶「……勘を頼りにするしかないですよね」

戦士「なら、侍任せるよ」

侍「ワタシでいいんですカー?」

盗賊「……いいと思う」

僧侶「侍さんが選んだ道は明確にはずれだったことはありませんから」

司教「そうですわ。だから今回も間違えないでくださいね?」

侍「皆さんの信頼が嬉しいデース……!」

魔法使い「はずれだったら責任重大だな」

司教「そうですわね。もし罠があったら恨みますわよ?」

盗賊「……責任重大」

侍「いじめないでくだサーイ!?」

僧侶「まあまあ皆さん。ほどほどにしてください、ね?」

司教「わかってますわ。冗談ですわよ」

戦士「明らかに楽しんでいたけれどな」

盗賊「……そんな、こと、ない」

魔法使い「嘘つけ」

侍「み、皆サーン……」

戦士「それで侍、どっちだと思う?」

侍「……サムラーイ↑としての勘なら、南の端から北の端に行ったほうがいいと思いマース」

魔法使い「わかった、んじゃ行こうぜ」

戦士「そうだな、当たることを祈っておこうか」

僧侶「戦士さんは神様を信じてるんですか?」

戦士「いや、別に。だけど土壇場になると祈りたくなる」

司教「わかりますわ。私も心の中で祈ってますもの」

盗賊「……信じられるのは自分だけ」

魔法使い「ま、それももっともだな」

僧侶「僧侶の前でそんなこと言われても……」

戦士「ははは、ごめんな」

侍「それじゃ、それぞれが信じるものに祈りながら行きまショー!」

魔法使い「おう」

盗賊「……ん」

魔法使い「お、扉か」

侍「北の端にあったんですネー」

僧侶「すぐ近くでしたね」

戦士「それじゃ、侍いつも通り頼む」

侍「任せてくだサーイ!」

司教「さて、何が出るんでしょうか……」

僧侶「仕掛けはもういいです……」

盗賊「……お腹空いた」

魔法使い「締まらねーな、おい」

侍「hahaha!それじゃ、行きマース」

ガチャ……

~ダンジョン前~

戦士「……え?」

盗賊「……どこ?」

司教「……ダンジョン入り口前ですわね」

魔法使い「……つーことはまたワープさせられたのか?」

僧侶「そうだと思います……」

司教「魔法陣か何かだったのかしら……」

戦士「それにしても、ようやく外に出れたのか!」

侍「もうクタクタデース……」

盗賊「……ふう」

魔法使い「今回はマジでヤバかったぜ……」

僧侶「ボクも休みたいです……」

魔法使い「それじゃ酒場に行くか?腹も減ったしよ」

盗賊「……賛成」

戦士「そうしようか」

司教「私もお腹空いてますわ」

僧侶「ボクもです……」

侍「長時間潜っていたんですネー。もう真夜中デース」

魔法使い「腹も減って当然だな」

盗賊「……早く、行こう」

司教「はいはい、わかりましたわ」

魔法使い「んじゃ、酒場でパーッとやるか!」

僧侶「無駄使いはダメですよ?」

魔法使い「わかってるって!」

ここまで。
本当にのんびり亀更新だなぁ。ノシ

wizやったことないけど、割と楽しみにしてる
オンラインのやつ少しだけやって雰囲気だけ確認してみようかしら

>>404
オンラインのことは知らないからそれについては言えないけど
雰囲気を確認するなら実況動画がニコニコ動画とかにあるよ
プレイすることにこだわらないならそれでもいいんじゃないかな

~酒場~

ワイワイガヤガヤ……、ギィ……

主人「……いらっしゃい」

戦士「マスター、とりあえず酒4つとレモン水2つ頼む」

盗賊「……マスター、ステーキ」

魔法使い「俺も頼むわ。ガッツリ肉が食いてえ」

司教「よくそんな食欲ありますわね……。疲れてますからまずはスープをお願いしますわ」

僧侶「ボクも疲れてますのでそれで……。いきなりお肉はちょっと……」

主人「……あいよ」

魔法使い「僧侶、年寄りみてえなこと言ってんじゃねえよ。まだ育ち盛りなんだからもっと肉食え肉」

僧侶「は、はい……」

司教「それは遠回しに私が年寄りみたいとおっしゃってますのね?」

魔法使い「悪い、別にそんなつもりじゃねえよ」

戦士「ま、体力が資本だから食べられる時に食べないとな。今回ので疲れたのは同感だが」

侍「そうですネー。今回はさすがに死を覚悟しましたヨー」

僧侶「そうですね……。ボクもいつ出口にたどり着けるのかわからなくて疲れ果ててました……。やっぱりダンジョンって怖いですね」

魔法使い「手を繋ぎたくなるくらいにか!」

僧侶「ま、魔法使いさん!」

司教「まったく、魔法使いさんにはデリカシーというものが足りませんわね」

魔法使い「ちょっとからかっただけだろうがよ……」

盗賊「……けど、それくらい怖かったのはわかる。誰も死ななかったのは運が良かった」

戦士「そうだな。情報を集めずに自力が足らないうちに探索してたら全滅だったろう」

司教「そこらへんのことは用心深く調べていた侍さんに感謝ですわね」

侍「hahaha!ワタシも死にたくはないですからネー。生き残るためなら当然デース」

戦士「……そんなこと言われると一人でダンジョンに挑んだ俺は余程の馬鹿だったな。本当、この場で生きているのは奇跡だよ」

魔法使い「よくよく考えると信じられねえほど悪運が強いんだな、おい」

司教「ダンジョンの危険性を存分に知ったからわかりますけれど、単身でダンジョンに挑むなんてぞっとしますわね……」

僧侶「あ、あはは……。それにしても今回の探索でだいぶ地図が埋まりましたよね」

盗賊「……ええ」

魔法使い「ま、あんだけダンジョンをさまよったからな」

侍「二階への道が少しずつ見えてきましたネー」

戦士「ああ。ほんの少しずつだけど着実に進んでいる」

僧侶「盗賊さん、どれくらい埋まったんですか?」

盗賊「……それは」

主人「……飲み物とステーキだ」ドンッ

ジュージュー……

盗賊「………………」

僧侶「ち、地図だけ渡してくれれば大丈夫です」

盗賊「……はい」

僧侶「どうも」

盗賊「……」ザクッ、ギリギリ……パクッ

魔法使い「待ってました!俺も熱いうちに食うとするかねえ」

司教「で、どのようになっておりますの?私にも見せてくださいな」

侍「どれどれー?」

戦士「……半分強、といったところか」

僧侶「そうですね。一階の探索はもう半分終わったみたいです」

司教「ようやく半分と見るか、もう半分だと見るか……ですわね」

侍「ワタシは順調なペースだと思いマース。これまで一回も蘇生にお世話にならなかったのはよくやれている証拠デース」

戦士「死にかけたことは何回もあるけどな」

侍「そこで踏みとどまっているのが大切デース」

司教「仲間の死体を見ずに済んでいることはいいことですわ」

僧侶「そうですよ。怪我ならボクと司教さんが治しますし」

戦士「ああ、ありがとう」

司教「それでこれからも探索を中心に行っていくということでよろしいのかしら」

戦士「いいんじゃないか?探索を進めていく過程で強くもなっているし金稼ぎも出来るしな」

侍「ですが探索中心ですとお金があまり集まらないのですよネー……」

僧侶「戦う回数も減りますし、探索をしていますからそこまで戦う余裕もないですしね……」

司教「あなた達はどう思いますの?」

魔法使い「あ?」モグモグ

盗賊「……」モグモグ

僧侶「えっと、これからのダンジョンをどう探索していくかですよ。探索中心だとお金が厳しいと話してたんです」

魔法使い「ああ、それか。なら別に無理して探索することはねえだろ。それなら金稼ぎ中心に切り替えりゃいいし、臨機応変にやろうぜ臨機応変に」

盗賊「……」パク、モグモグ

司教「……なんだかあなたから正論を聞くと釈然としませんわね」

魔法使い「どういう意味だこの野郎!」

司教「私は野郎ではありません、れっきとした女です。」

魔法使い「わかってんだよそんなこたぁ」

僧侶「……2人とも仲がいいですよね」

侍「ええ。ほっときまショー」

戦士「そうだな、2人はなんだかんだで仲がいいから」

侍「最初はどうなるか不安だったんですけどネー」

戦士「魔法使いは女が苦手だとか言ってたが普通に打ち解けたからな」

僧侶「2人ともいい人ですから」

侍「そうですネー」

ここまで。これからものんびりやっていくよ
こんな亀更新に待ってくれてる読者に感謝

ごめんね。あまりにも続きが思いつかないから他のスレやってたりするんだ……

~翌朝、宿屋~

魔法使い「……頭いてえ。頭ん中がガンガンしやがる……」

戦士「自業自得だろ。周りは止めてるのにお前と司教が飲むのをやめなかったんだから」

侍「全くデース。酒を飲んでも酒に飲まれるなという言葉を知らないのですカー?」

魔法使い「うるっせえ……ッ~!あ、頭が……!」

侍「hahaha!二日酔いになるとは魔法使いサンもまだまだお酒の飲み方がなってませんネー」

戦士「その通りだな」

魔法使い「侍はまだしもてめえは酒飲めねえくせに何いいやがる……」

ガチャ……

僧侶「魔法使いさん、大丈夫ですか?」

侍「自業自得だから心配せずとも大丈夫デース」

魔法使い「うるせえよ……」

僧侶「あはは。魔法使いさん、お水持ってきましたよ」

魔法使い「うぉぉ……。ありがとよ」

僧侶「ですけど昨日ボク達が止めた時にちゃんと飲むのを止めてたらこんなことにはならなかったんですからね?」

魔法使い「わかったからお小言はやめてくれ……」

僧侶「まったくもう」

戦士「昨日の冒険は大変だったから気持ちはわからないでも無いが……、同情する気は起きないな」

侍「何事もほどほどが一番デース」

僧侶「それで今日はどうします?」

侍「今日くらいはワタシも何もせずだらりとしていたいデース」

戦士「だな。昨日は苦難の連続だったから」

僧侶「昨日は何回死んだと思ったか……。魔法使いさんは……」

魔法使い「寝かせてくれえ……」

僧侶「それは多分無理ですよ?」

魔法使い「はあ?なんでだよ」

戦士「何かあったのか?」

僧侶「ええ。なんだか魔法使いさんにお客さんみたいですよ」

侍「客ですカー?」

魔法使い「…………」

僧侶「心当たりがあるんですか?」

魔法使い「……その話、本当なのか?」

僧侶「はい。宿の受付で女の人に魔法使いさんのことを聞かれました」

魔法使い「……名前は聞いたか?」

僧侶「ええと、魔女って名乗ってましたよ」

魔法使い「嘘だろ!?来るのが早すぎ……っつう!」

侍「二日酔いなのに声を荒げるからデース」

戦士「誰だ?」

魔法使い「……俺の師匠だ」

侍「オーウ…………」

戦士「……荷物もほとんど置いて逃げ出したんだっけか?」

魔法使い「そうだよ。なのになんでもう嗅ぎつけられたんだ!?」

僧侶「魔法使いさんのお師匠さんだったんですか……。でもそれにしては若かったですよ?」

魔法使い「あのババア若作りが得意なんだよ。確かもう【ピー】はいってるぞ?」

僧侶「え、【ピー】ですか!?」

侍「それで何しに来たんですかネー。やっぱり……」

魔法使い「……連れ戻しにだろうな」

侍「残念、魔法使いサンの冒険はこれまでデース!次回にご期待くだサーイ!」

魔法使い「勝手に終わらせんな!」

ここまで
ちゃんと区切りのいいところまで練ってくるノシ

侍「冗談に決まってるじゃないですカー。本気にしちゃいました?」

魔法使い「うるせえよ!」

戦士「ま、とりあえず会ってみないことには始まらないだろ」

僧侶「そうですよ。まずはお話しをしてみませんと」

魔法使い「……そうなんだけどなぁ」

僧侶「魔法使いさん。話してみなければ分かり合うことなんて出来ないんですよ?」

魔法使い「……わーったよ」

戦士「宿の受付に居るのだっけか」

僧侶「はい、そうですよ」

侍「ワタシ達もパーティーの一員として付き合いましょうカー?」

魔法使い「……頼む」

戦士「なら、行くか」



魔女「……………………」

侍「なかなか美人ですネー。これで【ピー】歳とはとても思えまセーン」

僧侶「……本人の前で言ってはいけませんよ?」

侍「わかってマース」

魔女「…………!」

魔法使い「……その、お久しぶりです」

戦士(敬語だ……)

侍(敬語ですネー……)

僧侶(なんだかんだで尊敬してるんですね)

魔女「……そちらは?」

戦士「魔法使いとパーティーを組んでいる戦士です」

侍「同じく侍デース」

僧侶「僧侶と言います」

魔法使い「……まあ、そんなところだ……いや、です」

魔女「うちの弟子が世話になっているようだな」

僧侶「いえ、こちらこそ……」

侍「それはもっぱら僧侶クンの仕事デース」

魔女「ん?どういう意味だ?」

戦士「いや、その……」

魔法使い「……その、そいつ几帳面だから。結構に世話になってる」

魔女「そうか。僧侶君……かな?ありがとう」

僧侶「い、いえそんなことないです」

侍(結構話が通じる人ですネー。魔法使いサンからの話だともっとすごいのを想像してましたガ……)

魔法使い「で、なんの用だ……ですか?」

魔女「わからないのか?あんたを連れ帰りに来たんだよ」

魔法使い「っ!……理由を聞いてもいいか?」

魔女「理由も何もないだろう?私の教えをまだちゃんと会得したわけでもないのに一流の冒険者でも命を落としかねないダンジョンへ来て……」

侍(マー、正論ですよネー)

魔女「弟子を見捨てる程、私は薄情ではないからな。感謝しろよ?」

魔法使い「……断る、と言ったら?」

魔女「そんなこと許すとでも思うのか?」

魔法使い「……………………」

魔女「……………………」

侍「マーマーマーマー、一旦落ち着きましょう!話し合いを冷静にしないといけませんヨー!」

魔女「……そうだな。だが譲らないぞ?私はお前を連れ戻しに来たんだからな」

魔法使い「……あんたの言ってることはわかる」

魔女「敬語、まだ身につけてなかったのか」

魔法使い「悪かったな、物覚えが悪くて。……俺はあんたの所へは戻りたくない」

魔女「……なぜ?」

魔法使い「……最初はあんたの所で魔法を学び続けるのが嫌で逃げ出したよ」

魔女「そうだろうな。お前はよく陰で不満をこぼしていた」

魔法使い「だけどいざ飛び出ても俺にはあんたから学んだ魔法しかなかったよ。ダンジョンでもっとちゃんと学んでおけば良かったと思ったのも一度や二度じゃない」

魔女「……なら」

魔法使い「でも俺はここが好きなんだ」

戦士「……魔法使い」

魔法使い「まだまだ俺たちはひよっこで、ダンジョンにも地下一階でひいひい言ってる。それでもあんたんところで学んでいただけの頃よりは充実感があったんだ」

魔女「…………そうか」

魔法使い「だから、俺は、戻らねえ」

魔女「……お前がどう思っているかはわかった。だが、それでも私も引くつもりはない」

魔女「ダンジョンに挑むなんて、死にに行くようなものなのはお前もわかっているんだろう?」

魔法使い「わかってるさ」

魔女「いいや、わかってない。たまたま死なずにここまで来れたのかも知れないがダンジョンではそんなものなんの保証にならないほど命が軽いんだ」

魔法使い「そんなことわかってんだよ!」

魔女「蘇生だって失敗することもある!特にお前みたいなひょろひょろな奴はな!」

魔法使い「うるせえよ!」

魔女「これまで言ってもまだわからないのかこの馬鹿弟子!不良もどき!」

魔法使い「今は不良もどきは関係ねえだろ!?」

魔女「うるさいのはお前だ!つべこべ言わずに帰るぞ!」

魔法使い「だから戻らねえって言っただろうが!」



侍「……これはワタシたちの出番はありそうにないですネー」

戦士「そうだな、気が済むまで語りあった方がいいだろう」

僧侶「二人とも似たもの同士みたいですからね」

戦士「やっぱり魔法使いが魔女さんに似たのかな?」

侍「そんなところでしょうネー」

僧侶「………………」

侍「僧侶クン?」

僧侶「あ、いえ、なんだか二人を見ているとボクも孤児院のみんなに会いたくなって」

侍「……そういうのもありかもしれませんネー」

僧侶「戦士さんと侍さんも故郷の人達に会いたいと思わないですか」

戦士「ない」

侍「お断りデース」

僧侶「…………二人共なにがあったんだろう」

~酒場~

司教「……そういうことでしたのね」

魔女「見苦しいところを見せたな。すまない」

僧侶「いえいえ、そんなことないですよ」

魔法使い「とりあえずは戻らなくていいってよ……んだけど」

魔女「3日に一回は手紙を送れ。2ヶ月に一回は必ず顔を見せるように」

魔法使い「……わかってる」

盗賊「……過保護」

魔女「確かに過保護かも知れんがこいつにはこれくらいは必要だろう」

戦士「まあ良かったじゃないか魔法使い。俺もお前とまだ組むことが出来て嬉しいよ」

魔法使い「恥ずかしいこと言ってんじゃねえよ!」

侍「hahaha!魔法使いサンは照れ屋ですネー」

魔女「だろう?いじりがいがあるんだ」

司教「うふふ、そうですわね」

魔法使い「…………はあ」

僧侶「微笑ましいですね」

魔法使い「微笑ましくなんてねえよ。これだから嫌なんだ」

魔女「そんなことを言っていると無理やり連れ戻すぞ?」

魔法使い「へえへえ、すんませんでした」

魔女「……昔はもっと可愛げがあったんだがな」

戦士「へえ、そうなのか」

司教「あら、気になりますわね」

魔女「聞きたいか?なら酒の肴になるように話すとするか」

魔法使い「やめろよ!そういうの!」

魔女「うるさい。これくらいの憂さ晴らしはさせろ」

主人「……追加の酒だ」ゴト

侍「タイミング良く酒もきましたし、楽しみデース」

司教「そうですわね!どんどん飲みますわよ!」

魔法使い「……お前二日酔いはしてねえのか?」

司教「ええ、ですがそれがなにか?」

魔法使い「……こいつザルだ」

魔女「昔もこいつはわがままでな。よくいたずらをして手を焼かせたものだが夜になると寂しいからと私の布団に潜り込んできてな」

魔法使い「やめろよ、おい。本当に」

魔女「それに今では私を師匠と呼ぶが小さい頃はママと呼んでよく甘えてきたものだ」

魔法使い「そんなのすっげえ小さい頃の話だろ!?」

盗賊「……もぐもぐ」

僧侶「そうだったんですねぇ」

司教「やっぱり子供の頃は誰でも可愛いんですわね」

魔女「いや、今でも可愛いぞ?久しぶりに甘えるか?ほうら、ママだぞー」

魔法使い「こいつ、酔っ払ってやがる!」

魔女「酔っ払ってないから甘えてこい。昔みたいに頭をなでなでしてやろう」

侍「魔法使いサンgo!」

魔法使い「行かねえよ!」

魔女「来ないのならこっちから!」ギュウ

魔法使い「止めろよババア!」

魔女「ほうら、そんなこと言ったらいけまちぇんよー。ママは君がいなくなって寂しかったんだからー」

戦士「よかったな魔法使い。ママに甘えられて」

侍「hahaha!酒が進みマース!」

盗賊「……もぐもぐ」

司教「マスター、お酒のおかわりくださいな」

主人「……わかった」

魔法使い「……こいつら止めようともしねえ……!」

魔女「ほうら、よちよちー」

魔法使い「うがああああ!」

僧侶「……場の収集がつかなくなってきました」

久しぶりに更新。エタるつもりはないから気長に待ってくれると嬉しいです。ノシ



戦士「……もうそろそろお開きにしようか」

僧侶「そうですね。ほら、皆さんそこらへんにしときましょうよ」

魔女「いや、まだまだいける!だろう?」

魔法使い「いや、もう終わりにしとけよ」

魔女「そんなつれないことを言うな。ほら、あとで一緒に寝てやるから付き合え」

魔法使い「もう俺はガキじゃねえんだっつうの!ほら、いい加減にしやがれ!」

魔女「ほう?修行に嫌気が差してろくに計画も練らず飛び出して子供じゃないと?」

魔法使い「うぐっ……」

魔女「いつまで経ってもお前は子供だ。私の大事な子供」

司教「……家族の絆っていいものですわね」

盗賊「…………」

侍「盗賊サン、どうかしましたカー?」

盗賊「……なんでも、ない」

魔女「というわけでまだ飲むぞ!」

魔法使い「何ほざいてんだ!?とっととその酒瓶をこっちに渡しやがれ!」

魔女「嫌だ!」

魔法使い「わがまま言ってんじゃねえぞこの酔っ払い!」

魔女「……どうしてもと言うのなら、私をママと呼べ。そうしたら考えてやる」

魔法使い「はあ!?」

魔女「そう呼んでくれないとてこでも動かないからな!」

魔法使い「いい年したババアのくせしやがって……!」

魔女「ババアじゃない!ママと呼べ!」

魔法使い「この……!」

侍「あ、魔法使いサンのいいとこ見ってみたイ!マーマ!マーマ!」

魔法使い「なっ!?」

戦士「マーマ!マーマ!」

盗賊「……マーマ、マーマ」

司教「マーマ!マーマ!」

僧侶「えっと……マーマ!マーマ!」

魔法使い「僧侶の野郎まで!?」

魔女「そーれ、マーマ!マーマ!」

「マーマ!マーマ!」「マーマ!マーマ!」

魔法使い「ぐっ……くぬぅぅぅぅぅ!」

魔女「さあ来い!」

魔法使い「…………………………ママ」

侍「キター!」

戦士「言ったな!」

魔女「っ!坊やぁぁぁぁ!」ギュウッ

魔法使い「っ!酒臭いんだよ!離せこのババア!」

魔女「坊やぁぁぁぁぁ!」

魔法使い「おい!聞いてんのかよ!?」

司教「……羨ましいんですの?」

盗賊「………………」

~翌日~

魔女「……頭が割れるように痛い」

魔法使い「自業自得だろ」

戦士「どこかで見た光景だな、魔法使い」

魔法使い「うるせえ」

司教「それであなたも一旦魔女さんと戻りますのね?」

魔法使い「ああ、こっちには着のみ着のまま来ちまったからな。師匠もお古の装備とかくれるっつうし」

侍「魔法使いサン。あなたのことは決して忘れまセーン」

魔法使い「すぐに帰ってくるわ阿呆!」

戦士「ま、いい休息にもなる。魔法使いもあちらで疲れを癒やしてきたらどうだ?」

魔法使い「気ぃ使わなくてもいい。すぐ帰ってくる。その間に腕をなまらせんなよ?」

盗賊「……愚問」

司教「そんな心配しなくていいですわよ?自分の心配をしたほうがよろしくてよ?」

魔法使い「はっ!抜かしてろよ」

僧侶「行ってらっしゃい。魔法使いさん」

魔法使い「おう」

魔女「……こっちで上手くやってるようだな」

魔法使い「……まあな。んじゃ、またな!」

戦士「ああ!すぐ帰ってこいよ!」

盗賊「……いってらっしゃい」

侍「待ってマース!」



侍「さて、ちょっとした休暇になりそうですネー」

僧侶「そうですね。ボクも一度教会に帰りたくなってきました」

戦士「僧侶もこの機会に一度帰ってみたらどうだ?」

僧侶「……そうですね」

司教「私は帰ってきた魔法使いさんを驚かせるくらいに魔法の腕を上げたいですわ」

盗賊「……私も訓練」

侍「皆さん真面目ですネー」

戦士「どうだ侍、今から一汗流しに」

侍「イエス!付き合いまショー」

今夜はここまで。ノシ

~訓練所~

カン!カンカン!

侍「……戦士サン成長してますネー」

戦士「当たり前だ。もう侍に遅れを取るつもりは無いからな」

侍「hahaha!……負けませんヨ?」

戦士「いや、勝つ!」ダッ!

侍「そうはいきまセーン!」

カァン!ギシッギギギ……

戦士「剣術なら届かないが力勝負なら!」

侍「つばぜり合いですネー!」

戦士「オオオオォォッ!」

ギギギギギギ…………!

侍「ッ!」

戦士(いけるっ!)

侍「ところがドッコーイ↑」

ゲシッ

戦士「うおっ!?」

侍「キェェェェェイッ!」

戦士「くそっ!」

ビシッ!

侍「……ふぅ。今回もワタシの勝ちですネー」

戦士「もう少しだったんだがな」

侍「本当にそうでしたネー。冷や汗ものでしター」

戦士「あのままなら勝ってたんだけどな。注意が疎かになってた」

侍「イエス!少し勝負を焦りましたネー。その隙に蹴りで体勢を崩させていただきましター」

戦士「今回こそは勝ちだと思ったんだがまだ侍には届かなかったな」

侍「いえ、もう互角と言っていいと思いマース」

戦士「そうか?」

侍「イエス。それにサムラーイ↑は上級職ですからネー。剣の上達の早さならこれからは戦士サンに遅れていくことでしショウ」

戦士「それが上級職の欠点だったか」

侍「そうですネー。上級職は忍者を除いて二足のわらじを履いているものですからどうしても成長という面では遅れをとるのデス」

戦士「侍は戦士と魔法使いを兼ねていて、司教は魔法使いと僧侶、それに鑑定か」

侍「そして君主は戦士と僧侶としての仕事をこなしますネー」

戦士「……普通に戦士だったり魔法使いに特化した方がいいと思うんだが」

侍「戦士サンのいうことも最もデス。だから転職する人もいるんですヨ?」

戦士「……片方の職を極めてから転職すれば少しは楽になるのか」

侍「イエス!また1からやり直すのは大変ですがそうすると楽ですネー。まあ極めるのなんてすごい大変ですけどネー」

戦士「そうすると全ての魔法を覚えて体術もこなす忍者なんてのもいるのだろうか?」

侍「……いるかも知れませんがそれって何年かかるんですカ……」

戦士「……確かに現実的じゃないな」

侍「まあ他にも才能が足らなくてなれなかった職に鍛えてからなる人なんかもいマース」

戦士「例えば?」

侍「例えばー、サムラーイ↑になりたかったのに体がひ弱だった魔法使いやほとんど魔法について知らない戦士とかですかネー」

戦士「上級職になるのも大変だな」

侍「hahaha。まあこんな感じで転職するのには理由があるのデース」

戦士「俺はとりあえず転職は考えてないな。侍も上級職だから考えてないだろう?」

侍「イエス!それに上級職じゃないからと言って弱いわけじゃないですしネー。ワタシは魔法が使えますが、今は普通に斬った方が手っ取り早いデース」

戦士「そうだよな。侍は戦闘中あまり魔法を使わないし」

侍「イエス。その他にも戦士という職はタフですからネー。打たれ強いのが長所デス」

戦士「……それだけ聞くと疑問なんだが上級職の長所って少なくないか?」

侍「……フフフフフ」

戦士「な、なんだ急に」

侍「よくぞ聞いてくれましタ!ならば聞かせてあげましょう!人がなぜ上級職に憧れるかを!」

戦士「あ、ああ頼む」

侍「人が上級職に憧れるのは、その職でしか装備を許されない伝説の装備があるからなのデース!」

戦士「……伝説?」

侍「イエス!今もなお語り継げなられている伝説……。サムラーイ↑の間で有名なムラマサ!」

戦士「ムラマサ?」

侍「イエス!ダンジョンの奥深くで眠っていると言われているムラマサ……。なんとその刀を使えば素人ですら悪魔を葬り去ることが可能だとか……」

戦士「……少し大げさじゃないか?」

侍「真偽は確かめたことがないのでわかりませんがサムラーイ↑として一度は手にしたいのデース」

戦士「……そうか。でもそういう話を聞くとこう……胸が踊るな」

侍「戦士サンもわかってくれますカ!」

戦士「ああ。俺もそういう伝説は好きだよ」

侍「……そういったダンジョンに挑んでいるんですよネー。ワタシ達」

戦士「まだ一階だけどな」

侍「……頑張りまショウ」

戦士「……ああ」

侍「今、ワタシとても充実していマース。この街へ逃げてきたかいがありましタ」

戦士「……逃げてきた?」

侍「シマッ……!?」

戦士「…………」

侍「…………」

戦士「……話を聞いてもいいか?」

侍「……聞きたいんデスカ?」

戦士「嫌なら別に言わなくてもいい」

侍「…………」

戦士「けど、俺達は仲間なんだ。まだたいして経ってないけどダンジョンを共に挑んだ」

侍「……戦士サン」

戦士「だから、話してくれると嬉しい。出来うる限り力になる」

侍「ッ!」

戦士「…………」

侍「…………戦士サン、力に、なって、くれますカ?」

戦士「当然!」

侍「……ありがとうございマス」

休憩

~とある店~

司教「この魔術書も欲しいですわね……」

盗賊「……そんなにいるの?」

司教「今のところは必要ないですが、いずれ使う物ですから悩みものですわね」

盗賊「……そんなに買っても、置き場に困る」

司教「その通りなんですが……魔法使いさんや僧侶さんはどうしてるのかしら。個室じゃないから私よりもこういうのには困ってると思うのですが……」

盗賊「……侍、は?……侍も魔法使える」

司教「……どうしてるのかしら?謎ですわね。それはそうと盗賊さんはいいの見つかりましたか?」

盗賊「……前のよりいい短剣を見つけた」

司教「それは良かったですわ」

盗賊「……あまり使わないけど」

司教「私たちは後衛ですから。直接攻撃する機会は少ないですからね。でも護身用として持ってないといけません。それに……」

盗賊「……それに?」

司教「今のところはありませんが前衛の誰かが倒れた時に前にでるのは盗賊さんですから。私と魔法使いさんは直接の戦闘はほとんどできませんもの」

盗賊「……そう」

司教「そんなこと無い方がいいのですが、いざというときは頼みますわよ?」

盗賊「……わかってる」

司教「……それじゃあ会計を済ませましょう」

盗賊「……結局それだけ?」

司教「ええ、あまり買いすぎてもいけませんから」

盗賊「……ならあの迷った時間は?」

司教「それはここまで減らすのに必要な時間でしたわ」

盗賊「……そう」

少し更新ノシ

司教「帰りにどこかに寄るのかしら?」

盗賊「……訓練所に、行くつもり」

司教「盗賊さんは訓練に熱心ですわね」

盗賊「……そう?」

司教「ええ。自分の仕事が少ないのにふてくされることもなく研鑽を重ねることはなかなかできませんわ」

盗賊「……よく、わからない」

司教「そうかしら?」

盗賊「……成果を出すことが出来なければ困るのは自分。役立たずなんて誰も必要としない」

司教「……考え方がドライですのね」

盗賊「……私たちもダンジョンの探索のために利用しあっている。利用出来なくなったら切り捨てられるのは、当然」

司教「盗賊さんは私が役立たずになったら切り捨てますの?」

盗賊「……そうする」

司教「なら、盗賊さん自身が切り捨てられたらどうしますの?」

盗賊「……自分の実力に見合ったパーティーをまた探す」

司教「……盗賊さん」

盗賊「……なに?」

司教「盗賊さんはこのパーティーは好きかしら?」

盗賊「……悪くは、ない」

司教「そうですか。私はこのパーティーが好きですわよ。最初は何も考えずに入りましたけど、入って良かったと思っています」

盗賊「……そう」

司教「好きだからここに居たい。盗賊さんもこう考えたらいいと思いますわよ?」

盗賊「……なぜ?」

司教「そうした方が楽しいからに決まっていますわ」

盗賊「………………」

司教「とりあえず少しだけ考えてくれると嬉しいですわ」

盗賊「……わかった」

司教「私たちは命を預け合う仲間なんですから。あまり他人行儀にしていると疲れてしまいますわよ?」

盗賊「……そう?」

司教「ええ、そうです。特に魔法使いさんなんかはデリカシーに欠けますからね。侍さんも割とおちゃらけてますから」

盗賊「……確かに」

司教「だからもうちょっと肩の力を抜いてよろしいのですわよ?」

盗賊「…………」

司教「……お会計を頼みますわー!」

店主「はい、どうも毎度ありがとうございます」

~孤児院~

ガチャ……

僧侶「みんな、ただいま!」

孤児「あー!お兄ちゃんだー!」

孤児「僧侶のお兄ちゃんおかえりー!」

僧侶「うん、ただいま」

孤児「お兄ちゃんダンジョンはもういいの?」

僧侶「ううん、パーティーの人の都合で少しの間お休みになっただけだよ」

孤児「えー!じゃあまた行っちゃうの!?」

僧侶「うん、ごめんね」

孤児「みんな僧侶を困らせるなよ。なあ、ダンジョンでの話聞かせてよ!冒険してるんだろ?」

孤児「あー!あたしも聞きたい!」

孤児「ボクもー!」

僧侶「うん、それじゃお話しよっか」



僧侶「……でね、戦士さんは一人でダンジョンに挑戦したんだって」

孤児「すげー!」

孤児「でもむぼーだよむぼー!」

孤児「バカだー!」

僧侶「そんなこと言っちゃいけないよ。めっ!」

孤児「はあい」

孤児「やーい、怒られたー!」

孤児「お前だって言ってたじゃん!」



僧侶「……喋り方は変だけど侍さんは頼れる人だよ」

孤児「でもうさんくさーい」

孤児「だよねー」

孤児「なんでそんな喋り方してるのー?」

僧侶「亡くなったお師匠さんの口調を真似てるんだって」

孤児「へー」

孤児「師匠からうさんくさかったのかー」

孤児「見た目はかっこいいの?」

僧侶「……普通にしてればかっこいいよ」



僧侶「盗賊さんは冷静だけど食べるのが好きだよ」

孤児「食いしん坊なんだー」

孤児「でもマッピングって難しいの?」

孤児「地図あるー?」

僧侶「一応、写したのなら持ってきたよ」

孤児「すげー!」

孤児「ダンジョンってこうなってるんだー!」

僧侶「や、破かないでね?」

孤児「うんー!」



僧侶「司教さんはね。頑張り屋で沢山勉強してるんだよ」

孤児「あたし勉強キライー」

孤児「ボクもー」

孤児「なんでその人はたくさん勉強できるの?」

僧侶「……やりたいことがあるからだと思う。ダンジョンに挑むためには頑張らないといけないからね」

孤児「僧侶お兄ちゃんも頑張ってる?」

僧侶「うん、頑張ってるよ。だからみんなも勉強頑張らなくちゃいけないよ」

孤児「はーい」

孤児「やだー」

ここまで
イブ?家族と過ごしたよ!ノシ

孤児「他には他にはー?」

僧侶「えっとね……」

ギイィ……

神父「どうしたんですか。賑やかですが」

孤児「あ、神父様だー!」

孤児「僧侶のお兄ちゃんが帰ってきたんだよー!」

神父「おお……!」

僧侶「ただいまです神父様」

神父「ええ……元気にしていましたか?」

僧侶「はい、今話していたところなんですけれどパーティーの人に恵まれました」

神父「そうですか……それは良かった」

僧侶「はい、神父様も元気でしたか?」

神父「ええ、いつもと変わらず元気でしたよ。元気な子供達と一緒に過ごしていました」

僧侶「そうですか、それは良かっ……」

孤児「神父様嘘ついてるー」

神父「なっ……!」

孤児「だってこの前難しい顔してため息ついてたもん」

孤児「ねー」

孤児「そうだよー!」

僧侶「……何かあったのですか?」

神父「……あなたのことですよ。様々な条件が重なったとはいえ、あなたをダンジョンという危険な場所へ向かわせてしまった」

僧侶「それは…………」

神父「自分勝手な話ですがずっと心配していたのですよ。……情けない話です」

僧侶「そんなこと……」

神父「いいえ、何を言おうがあなたをダンジョンへと向かわせてしまったのには変わりはありません」

僧侶「……そんなことを言ってますけどボクがダンジョンに行かないともっと困ってたじゃないですか」

神父「…………」

僧侶「ここで一番大きいのはボクでしたから。それ相応の負担になってたし、何より働ける年齢のボクをここに置いておくほどの余裕はここにはないじゃないですか」

神父「そうですが……」

僧侶「だから気にしないでください。ダンジョンへと向かうように指示されたのはいいきっかけだったと思うんです」

神父「…………」

僧侶「…………」

孤児「僧侶の兄ちゃんがいいって言ってるからいいじゃん!」

神父「今は静かに」

孤児「だって……」

僧侶「……神父様。ボクは神父様に拾われました」

神父「……そうでしたね。もうだいぶ経ちます」

僧侶「そしてそのおかげでボクはちゃんと人として育てたんです」

神父「…………」

僧侶「これは恩返しなんです。だから気にしないでください。罪に感じないでください。ボクはあなたに感謝してるんですから」

神父「…………くっ」

孤児「神父様?」

孤児「神父様泣いてるー」

神父「……年をとると涙脆くなって仕方ないですね」

僧侶「そうですね。神父様も年をとりました」

神父「……そしてその分あなた達が成長している。……いつまでここにいれるんですか?」

僧侶「数日ですね。パーティーのうちの一人が一旦抜けたので時間が出来たんです」

神父「そうですか……」

孤児「お兄ちゃん話の続きー!」

僧侶「あ、そういえば話の途中だったね」

神父「そうなのですか。なら私にも聞かせてもらえますか?あなたがどんな出来事に会い、何を感じたのかを」

僧侶「……はいっ!」

孤児「はやくー!」

僧侶「うん、えっとどこまで話したっけ……」

短いけどここまで
こんな亀で申し訳ない。それでも一定の読者がいるから実はwiz物って需要あるんじゃないかと思った
今年もよろしくお願いしますノシ

人がいるかわかんないけど生存報告
エタらせるつもりは無い。ただなんとなく更新する気になれないだけで……

明日頑張る

~魔女の家~

魔女「思ったより上達しているな」

魔法使い「当たり前だろ。命がけだったからな。自然と腕が磨かれたぜ」

魔女「……私が教えている時よりも覚えがいいと釈然としないものがあるな。よほど真剣に鍛えたのだろうな。私といる時よりも」

魔法使い「そ、そりゃあ悪かったよ……」

魔女「別に気にしてない」

魔法使い「……本当か?」

魔女「ああ、全然気にしてないぞ、坊や」

魔法使い「………………」

魔女「……どうして黙るんだ?坊や」

魔法使い「……勝手に飛び出して悪かったって」

魔女「その話はもう終わっただろう?」

魔法使い「一度納得したけど考えが変わってきたんだろ?本当にダンジョンに行かせていいのかってよ」

魔女「…………」

魔法使い「……あんたには悪いがダンジョンに潜ってる時が何よりも充実してんだ」

魔女「…………だろうな。その瞳を見れば嘘をついていないのがわかる」

魔法使い「競い合ったり、助けあう……その……仲間がいて、俺は充実してるんだよ。あんたのところで学んでいた時よりも」

魔女「…………そうか」

魔法使い「……ここまで育ててもらったのに、恩を仇で返すような真似をしちまってすまねえ」

魔女「……この師匠不孝者が」

魔法使い「……本当にそうだよな」

魔女「……本当なら」

魔法使い「あ?」

魔女「本当ならここで自分の実力を、私の教えがどこまで通じるのか試してこいと送りだすのが正しいのだろうか」

魔法使い「さあな、そんなこと俺が知るかよ」

魔女「ふふ、そうだな…………」

魔法使い「……なんだよ。ジロジロこっちを見やがってよ」

魔女「……大きくなったな」

魔法使い「ああ、見ての通りあんたよりも大きくなったさ」

魔女「……昔はあんなに小さかったのに、こんなに大きくなって」

魔法使い「あんたも昔よりもシワが増えたな」

魔女「……憎まれ口まで叩くようになった」

魔法使い「悪いな、口が悪くてよ」

魔女「ふふ……」

魔法使い「……なあ」

魔女「なんだ?」

魔法使い「あんまりしんみりさせんなよ。別に死にに行く訳じゃないんだからよ」

魔女「でも死ぬかもしれないんだろう?」

魔法使い「そりゃそうだけどよ……」

魔女「…………」

魔法使い「あー……その、なんというかよ……」

魔女「……いつでも帰ってこい」

魔法使い「……おう」

魔女「たっぷりわがままを聞いてもらうからな?」

魔法使い「へっ、そりゃ勘弁だぜ」

魔女「わかってるいると思うが……」

魔法使い「…………」

魔女「……頑張ってくること」

魔法使い「当然!」

魔女「それでこそ私が育てた坊やだ」

魔法使い「おう!」

魔女「それと手紙を送るのを絶対に忘れるなよ?帰ってくる日のこともだ。一度でも忘れたらすぐに飛んで行くからな」

魔法使い「……おう」

魔女「もっと返事は元気よくと教えただろう!」

魔法使い「はいはい!わかってるっての!」

魔女「はいは一回だ!」

魔法使い「はい!」

集中力が続かない。ちょくちょく休憩入れながらのんびりやっていく

~酒場~

魔法使い「……っつうわけでよぉ。いろいろと疲れたぜ……」

侍「hahaha!愛されてますネー!」

戦士「仲が良さそうで何よりだな」

魔法使い「そりゃそうかもしれねえけどよ……」

僧侶「いいじゃないですか、最終的には理解してもらえたんでしょう?」

魔法使い「まあな。でもいつでも帰ってこいだとよ」

司教「あなたのお師匠はあなたが可愛くて仕方ないのでしょうね」

盗賊「……見た目は可愛くない、けど」

魔法使い「うるせえよ!」

戦士「フ、とりあえずはひと段落したようで何よりだ」

魔法使い「……たくっ、俺のことばかりじゃなくてよ。お前らはどうだったんだよ?」

戦士「ひたすら剣を振っていた」

侍「ワタシと一緒にネー」

魔法使い「上達したのか?」

戦士「そんな数日で上達するのなら誰も苦労はしないさ」

侍「その通りデース。ですが戦士サンは以前よりも上達しているのをしっかりと感じましたヨー」

戦士「フ、もう少しで侍に勝てそうだったんだぞ?」

司教「あら、やりますわね」

盗賊「……本当に?」

侍「本当デース。やっぱり上級職とは伸びの速さが違いますネー」

魔法使い「へっ、やるじゃねえかよ」

戦士「ここ数日で自分が少しずつだが強くなったのを実感することができた」

侍「まあ、まだまだ戦士サンに負けるつもりは無いですがネー」

戦士「いずれ勝たせてもらうさ」

司教「私は冒険の準備や呪文を学んだりもしましたけれど、しっかりと休息も取りましたわ」

盗賊「……私もだいたいそんな感じ」

司教「たまにはしっかりとした休息をとらないと体に悪いですから」

魔法使い「新しい呪文はどんな感じだ?」

司教「もう少し、というところかしら」

僧侶「ボクは孤児院に里帰りしてきました」

侍「oh!どうでしたカー?」

僧侶「みんな元気でしたよ!」

魔法使い「そりゃあ良かったな、おい」

僧侶「……でも相変わらず財政は厳しいみたくて」

戦士「……金か」

侍「今のワタシたちには縁遠いですネー」

司教「今は装備を整えたりするので精一杯ですからね」

僧侶「だから仕送りができるよう今まで以上に頑張ります!」

侍「……いい子ですネー」

盗賊「……えらい」

僧侶「いえ、そんな……。ただ今まで育ててもらった恩を返したいだけです」

魔法使い「…………うぐっ」

盗賊「……耳が痛い?」

戦士「魔法使いは師匠に反対されてたからな」

僧侶「その、ボクはそういうつもりで言ったんじゃなくてですね……」

魔法使い「……わかってる。……俺も余裕が出来たら仕送りするか?」

侍「それはいったいいつ頃になるんでしょうかネー……」

司教「パーティー結成時からそうですけれど、資金が足りませんわね」

盗賊「……でもお金があったらダンジョンに潜ったりなんて、しない」

魔法使い「そりゃそうだ」

今日はここまで
頑張ると言ったけど久しぶりだったから集中力が続かなくてつらい
あんまり進まなかったな……


だからまた明日もやるノシ

というかageてもないのに二人も反応するとかちゃんと見てる人いるんだなぁ……
嬉しかった(小並感

司教「それでは皆さんのそれぞれの目的のためにもダンジョンへ向かいましょう」

戦士「そうだな」

侍「みなさん準備は大丈夫ですカー?」

僧侶「大丈夫です」

魔法使い「少し鈍ってるかも知れねえけどバックアップ頼むぜ?前衛組」

戦士「任せろ。後ろに攻撃を届けさせたりなんかしないさ」

魔法使い「へっ、頼もしいこと言ってくれるぜ」

侍「戦士サンだけにいい格好はさせませんヨー?」

戦士「フ、負けられないな」

盗賊「……行こう」

~ダンジョン地下一階~

侍「ダンジョンに潜るのも慣れてきましたネー」

司教「そうですわね。勝てない敵もいませんですしね」

魔法使い「きついのはワープした先で出る奴だろ?魔法もほとんど効きやしなかったしよ」

僧侶「攻撃も結構かわされますしね」

盗賊「……でもお金を多く出してくれる」

戦士「そうなんだよな。あいつを安定して倒せれば今の資金難も解決するだろうにな」

侍「そうするためには地力が足りませんネー。魔法があまり効かないのも痛いデース」

魔法使い「そこだよなぁ。魔法が効かねーとなると俺たちは棒立ちしてるしかねえんだよなぁ」

司教「以前はそれではらはらしながら見てるしかありませんでしたものね」

ザ……

魔法使い「また戦うならどうするかねぇ」

司教「まあ、それは後々考えるとしましょう」

盗賊「……」カリカリ…

侍「盗賊サーン!地図のほうはどうですカー?」

盗賊「……」カリカリ…

ザリ……

侍「……集中してますネー」

僧侶「静かにしてあげましょうか」

侍「そうですネー」

戦士「まだ行ったことがないのはこっちだったか?」

僧侶「ええと、はい、そうですね」

魔法使い「いろいろ考えてねえでまずは一階から踏破するとしますか」

司教「誰も攻略したことのないダンジョンを踏破する……まさに冒険ですわね!」

侍「一階なら踏破したパーティーは沢山居ますけどネー」

司教「自分で踏破するというのが大事なのですわ!」

ザリッ……

戦士「わかるなその気持ち。自分で何かを成すということにこだわるのは」

司教「あら、話がわかりますのね」

戦士「フ、まあな。俺も冒険に憧れたたちだからな」

司教「……それで単身、ダンジョンに突撃しましたのね……」

戦士「……それはもういいだろ」

僧侶「そういうの限って人って忘れないんですよね」

侍「そういうものデース」

戦士「……あの時の俺って本当にバカ……」

ザリッ……!

盗賊「……ん?」

魔法使い「あ?地図の書き間違えでもしたか?」

盗賊「……いや」

冒険者崩れa「おりゃあぁぁぁ!」

僧侶「えっ!?」

侍「ちいぃっ!!」

ドンッ!

侍「ぐはぁっ!」

僧侶「侍さん!」

冒険者崩れa「ちっ!味方をかばいやがったか!おいお前ら!弱ってる奴から仕留めちまえ!」

冒険者崩れb「ちぇりゃあ!」

冒険者崩れc「ひゃははははは!」

戦士「やらせるかよぉ!」

冒険者崩れd「おっとぉ!てめえの相手は俺だよ!」

冒険者崩れe「可愛がってやるぜぇ、ガキ!」

僧侶「ううう……!」

魔法使い「くそっ!詠唱が間に合わねえ!」

司教「といいますかこれだけ混戦ですと魔法を使うと味方を巻き込みかねませんわよ!」

侍「はあっ!はあっ!」

冒険者崩れb「へへっ、虫の息じゃねえかよ?」

侍「hahaha……そう見えますカー?」

冒険者崩れb「それ以外にどう見えるってんだよ!」

ギャリィン!

冒険者崩れb「ちっ、死にぞこないはさっさとくたばっちまえよ!」

侍「そうはいきまセーン!」

冒険者崩れc「隙ありだぜぇ!」

ザン!

盗賊「侍!」

ドサッ……

冒険者崩れc「ぐ、ぐはぁ……」

侍「はあっ!はあっ!ごぼぉっ!……た、ただではやられてはあげま、セーン……」

ドサッ……

冒険者崩れb「ちっ、やっとくたばりやがったか」

僧侶「侍さーん!」

戦士「くそぉぉぉ!みんな!一カ所に集まれ!」

冒険者崩れe「やらせると思うか!?」

ボオォォォッ!

冒険者崩れe「うぐああぁぁ!?火が!?火が!?」

魔法使い「そのまま黒こげになっちまいな!」

僧侶「ボ、ボクにも当たりそうでしたよ!?」

魔法使い「当たらなかったからよし!気にしてられる事態じゃねえしな!」

僧侶「うう……」

司教「集まりましたわよ!」

戦士「よし!俺たちがひたすら粘るからガンガン魔法を使って数を減らしてくれ!」

冒険者崩れa「やらせるかぁぁぁぁ!」

司教「詠唱しておいて正解でしたわね……眠りなさいな!」

ポワワーン……

冒険者崩れa「うぐ……zzz」

戦士「よし!その調子でやってくれ!」

盗賊「……切り刻んでやる」

冒険者崩れb「ちっ、立て直されちまったか」

冒険者崩れd「これ以上は割に合わねえか……?」

魔法使い「考えさせる暇なんてやるかよ!」

ボオォォォッ!

冒険者崩れd「ひ、火がああああ!?」

冒険者崩れb「ちっ、あばよ!」

タタタタタ……

戦士「くそ!逃がす……」

盗賊「……別に気にしなくていい!目の前の敵のことだけを考えて!」

戦士「……わかった!」

僧侶「えいっ!」

冒険者崩れa「ぐはっ……こ、ここは……?」

戦士「とどめだ」

ザン!

冒険者崩れa「うごはぁ……」

司教「……はあ、終わりましたわね」

魔法使い「……みてえだな」

僧侶「侍さん!」ダッ

盗賊「……どう?」

僧侶「……し、死んでます。脈が止まってしまって……」

魔法使い「……そうか」

戦士「……早く街に戻ろうか」

司教「……そうですわね」

盗賊「……蘇生しなきゃ、いけない」

今夜はここまで
毎日チェックしてるとか驚いたわ。もう少し頑張ってみようかな……
また明日もやるかもノシ

いまさらだけど蘇生するところを寺院じゃなくて教会と書いていた件
どうしよう

そうするしかないか
最初からちゃんと確認しとくんだったなー……

~寺院~

ギイィィ……

僧「あら、いらっしゃい。何の用かしら?」

魔法使い「……蘇生を頼みに来たんだよ」

僧「そう、ならお布施をいただけるから?具体的な料金はあちらを見ればわかるわ」

司教「……そういうのはお布施というのかしら?」

僧「いいじゃないのそんなことは。で、払えるの?払えないの?」

盗賊「……はい」

僧「んー、確かに。それじゃ仏様をそこの台のところに置いてくれる?」

戦士「ああ」

侍「……………」

僧「んー、それじゃ始めるけど失敗しても恨んだりしないでよ?精一杯やっても失敗することもあるんだから。あ、失敗してもお布施は返さないからね。そこんところよろしく」

魔法使い「わかってるよ、んなこと」

僧「じゃあ、失敗しないようせいぜい祈っといてね」

僧侶「侍さん……!」

僧「それじゃいくわよー…………せーの!」

ささやき-いのり-えいしょう-ねんじろ!

侍「…………う」

戦士「侍!」

侍「……なんだか体がすっごく重いデース」

僧侶「よかったぁ……!」

僧「よし、今回は成功!」

魔法使い「……ふいー、冷や汗もんだぜ」

司教「成功して何よりですわね」

侍「……どうやらワタシは死んでいたみたいデスネー」

戦士「ああ、奇襲を狙った後集中狙いされてな」

侍「ですが蘇生に成功して良かったデース。悪運は強いみたいデスネ」

魔法使い「死んでから発揮する悪運て微妙じゃねえか?」

侍「それもそうですネー。……蘇生していただきありがとうございマシタ」

僧「お礼ならお金がいいなー」

侍「hahaha!あいにくですが金銭的な余裕がないので渡せまセーン」

僧「ま、装備を見れば新人パーティーだってわかるしね。言っただけよ、言うだけならただだしね。また来てねー」

侍「残念ですがあまりここに来たくはないのでお断りしマース。そう何度も死ねまセーン」

僧「それは残念」

僧侶「それじゃあ、ありがとうございました」

僧「はい、さようなら」

~酒場~

ワイワイガヤガヤ……

主人「……いらっしゃい」

侍「マスター!酒四つにレモン水二つ、それに軽く食べられるものをお願いしマース」

主人「……あいよ」

戦士「いきなり酒なんか頼んで大丈夫か?体調悪いんだろ?」

侍「だてに鍛えてまセーン!」

魔法使い「それじゃ、今回の反省と行きますかね」

司教「今回のは奇襲を受けたのが原因ですわね」

僧侶「そうですね。回復も間に合いませんでした」

侍「そうですネー。奇襲を絶対防ぐ方法なんてないですからちゃんと警戒するぐらいしかできまセーン」

戦士「それか、奇襲を受けたとしても対処できるほどの実力をつけるか……だな」

魔法使い「……前もそんなこと言ってたよな?」

司教「必要なのはお金と実力だということは変わりませんわね」

盗賊「……そうね」

僧侶「ボクたち強くなったと思ってましたけどそんなことはなかったんですね……」

魔法使い「強くなった実感を感じる暇もなく殺しにかかってきやがったぜ」

戦士「……本当に今まで誰も一度も死ななかったのは運が良かったようだな」

司教「そういうことですわね。そうじゃなくては誰かがとうに攻略してますわ」

侍「ダンジョンの難易度を再認識させられましたネー……」

僧侶「そうですね……」

戦士「ところで侍」

侍「なんですカー?」

戦士「体の方はどうだ?すぐに蘇生したとはいえ……」

侍「アー……やっぱり本調子とはとても言えませんネー。少し休息が欲しいところデス」

魔法使い「そうか。んじゃ明日はどうするとするかねえ……」

主人「……お待ち」ゴトッ

侍「待ってましター!」

戦士「…………」

司教「あら、どうかしました?」

戦士「……フ、なんでもないさ」

盗賊「……マスター、ステーキも」モグモグ

主人「……あいよ」

この後の展開を練ってないのでここまで
きちんと考えてプレイしても死ぬのがwiz!ノシ

魔法使い「ふう、喰った喰った。腹膨れたぜ」

僧侶「ごちそうさまでした」

盗賊「……けふ」

司教「それじゃあこのあたりでお開きにしましょう」

戦士「ああ、わかった」

魔法使い「明日はどうするよ?」

侍「別に各々が自由に行動していいんじゃないですカー?ワタシは休養するつもりですけどネー」

戦士「そうか……。侍との訓練が出来ないとなると暇になるな」

侍「訓練以外の過ごし方も探したらどうですカー?」

戦士「ああ、明日そうしてみよう」

司教「それじゃあ、おやすみですわ」

盗賊「……おやすみ」

僧侶「それじゃあ、ボクたちも宿に戻りましょうか」

戦士「そうだな」

魔法使い「まーた、大部屋か。懐かしいようなそうでないような」

侍「やっぱり一人部屋の方が落ち着きマース」

魔法使い「だよなあ。魔法の研究とかもしてえしよ」

僧侶「ボクはそうでもないですね。孤児院ではみんないっしょに寝てましたし」

戦士「だから大部屋でも落ち着いてたんだな」

魔法使い「だけどやっぱり一人でいたい時っつうのはあったろ?」

僧侶「えっ!……まあ、一応」

魔法使い「どうしたんだよ?」

侍「……察してあげまショー」

戦士「そうだよな、一人になりたい時があるよな……」

魔法使い「……ああ、あれか。僧侶もまだガキだけど男だしな」

僧侶「……ッ!そんなのじゃないです!」

侍「hahaha!そんなのってなんのことデスカー?」

魔法使い「言ってくれねえとわかんねえなー」

戦士「そうだな。言ってくれないとわからないな」

僧侶「うぐっ……!」

侍「僧侶クン、いったいそんなのってなんのことデスカー?」

僧侶「そ、それは……」

魔法使い「ヘヘヘヘ……」

戦士「フフフフ……」

侍「hahahaha……」

僧侶「しっ、知りません!先に帰ってますよ!」

タタタタタッ……

魔法使い「……からかいすぎたか?」

戦士「……かもしれないな」

侍「イエ、少年はこういうことを繰り返して男になっていくものデース」

戦士「……そうなのか?」

魔法使い「少なくとも俺はよくからかわてるぞ?……師匠が迎えにきた時のこと、忘れちゃいねえからな」

戦士「…………」

侍「…………」

魔法使い「…………」

戦士「……それはさておき俺たちも宿に戻ろうか!」

侍「そうですネー!」

魔法使い「おい」

~宿 大部屋~


僧侶「すう……すう……」

魔法使い「すーすー……」

侍「…………」

戦士「…………」パチッ

戦士「……眠れないな」

戦士「少し、夜風を浴びてくるか」

ムクッ、そろり……そろり……



戦士「…………ふー」

戦士「……真っ暗だな」

ザリッ、ザリッ……

戦士「ッ!……誰だ?」

侍「……ワタシデース、戦士サン」

戦士「……侍か。起こしてしまったか?」

侍「hahaha。サムラーイの気配察知力を見くびってはいけまセーン……というのは冗談でたまたま起きてマシタ」

戦士「……そうか」

侍「……眠れないんデスカ?」

戦士「ああ」

侍「相談に乗りますヨー?」

戦士「…………いいのか?」

侍「水くさいこと言わないでくだサーイ。戦士サンにはこの前相談に乗ってもらいましたからネー。それに、同じパーティーの仲間デース」

戦士「……ありがとう」

侍「イエイエ、気にしないでくだサーイ。で、何を悩んでたんデース?」

戦士「……侍」

侍「ハイ?」

戦士「侍は一度死んだよな?」

侍「そうですネー」

戦士「……大丈夫なのか?」

侍「……少なくとも戦士サンよりは大丈夫デース」

戦士「そうか、俺は大丈夫じゃなかったよ。……侍が死んだ時、現実味が無くてさ。普通にあの後戦えた」

侍「…………」

戦士「……だけどさ。後になって徐々に実感してきたんだ。侍は、一度死んだ」

侍「……怖くなったんデスネ」

戦士「……ああ、怖くなった。ダンジョンに挑むことが、死を目の前に見せつけられて怖じ気づいたんだ」

侍「…………」

戦士「今回はうまくいって侍も蘇生できた。……だけどもし、あのまま全滅していたら?もし、蘇生に失敗したら?」

侍「……戦士サン」

戦士「怖かったんだ、恐ろしかったんだよ……仲間を失うことが」

侍「……あなたは優しい人デスネ」

戦士「……よしてくれ。そんなんじゃないさ」

侍「ワタシはそう思ったんだけど違うんデスカ?」

戦士「……俺は、居場所を失うのが怖いだけなんだ」

侍「……居場所」

戦士「……俺がダンジョンに挑む理由、話したよな?」

侍「エエ、確か彼女が欲しいんでしたネー」

戦士「……あれも、誰かに俺を認めて欲しかっただけなんだよ」

侍「……それはどういう意味デスカ?」

戦士「……俺は、村では結構腕っ節が強くてさ。自分は特別なんだと思ってた。村にいるこいつらとは違う、俺はこいつらなんかとは比べ物にならないくらい優秀なんだって、さ」

侍「ふむふむ」

戦士「だから俺は村では一人だったよ。そういう態度がどこかに出てたんだろうな。……村にいるのが退屈で窮屈で……苦痛だったよ」

戦士「そんな俺は村を飛び出してここに来たんだ。それからは知っての通り、一人でダンジョンに挑んでボロボロにされて……」

侍「そこで会ったのがワタシというわけデスネ」

戦士「そうだ。今だから言うが初めて侍に会った時は胡散臭い奴だけど仕方ないから我慢しようとか考えてたよ」

侍「ワタシはなんてキザったらしくてアホなんだと思ってましたヨー」

戦士「…………」

侍「…………」

戦士「……そんな風に思ってたのか」

侍「……hahaha、お互い様デース」

戦士「……まあ、それはさておきだな」

侍「イエス、この話は水に流しておきまショー」

戦士「……それで俺はボロボロにやられて自信を失った。仲間を集めて、再びダンジョンに挑んだ。……だが」

侍「……確かその時も戦士サンがやられてましたネー」

戦士「ああ、それでまたしても俺の自信は粉々に砕かれた。……正直あの後、俺は責められると思ってたよ。足を引っ張るんじゃないと」

侍「…………」

戦士「でも、そんなことはなかった。……俺は少し戸惑った」

戦士「……そうしているうちに、パーティーが心地よい物に感じてきて、それに慣れてしまったんだ」

侍「…………」

戦士「今のパーティー、特に侍に会わなかったら、俺はとうにくたばっていただろうな。……感謝している」

侍「……ほめても何も出ませんヨ?」

戦士「フ、わかってるさ。……と、そういうわけだ。今いる居場所が気に入っているだけで、俺はそんな奴なんだよ」

侍「……戦士サン」

戦士「…………」

侍「……いろいろ言ってましたが今のパーティーが気に入ってるのでワタシが死んで心配した……ということですよネ?」

戦士「……えらくはしょったな」

侍「考えすぎるから難しく感じるのデース。というか、ワタシよりも弱い戦士サンがワタシの心配をするなんてちゃんちゃらおかしいデース」

戦士「な……!前、模擬戦で俺が勝ちそうだっただろ!?」

侍「それでもワタシは負けてないデース」

戦士「もう少しで負けそうだったとか言っていたぞ」

侍「ワタシそんなこと言いましたカー?」

戦士「ッ!」

侍「……戦士サン」

戦士「……なんだ?」

侍「そんなに頼りないデスカ?」

戦士「え……」

侍「確かに今回は遅れを取り、やられてしまいマシタ。……ですがワタシはそんなに頼りないデスカ?簡単にまたやられてしまうと思いマスカ?」

戦士「……それは」

侍「もっと仲間を信頼してくだサーイ」

戦士「……わかった」

侍「ワタシたちは互いに命を預け、預かりあっているデス。仲間なら一方的な心配は不要デース」

戦士「……肝に銘じる」

侍「信頼してますヨ?」

戦士「……俺もだ」

侍「……フゥ、それにしても喉が乾きましたネ。それにこうして腹を割って話した後は酒を二人で飲み明かしたいデース」

戦士「俺が酒を飲めたらな」

侍「酒が飲めないなんて人生の何割かは損してマース」

戦士「別にいいさ。あんなの飲めなくとも」

侍「hahaha、負け犬の遠吠えデスネー!」

戦士「くっ……!……そういえば侍」

侍「なんですカー?」

戦士「確か前に酒場で情報を集めてたと言ってたよな?」

侍「イエス!身銭を切って酒場にいる酔っ払いの相手をして情報を入手していましタ」

戦士「……明日そういうことをするのもありか?」

侍「一階のことや、もうそろそろ二階に備えて動くのもありデスネー」

戦士「……とりあえずは明日だな。夜も更けてきたし宿に戻ろう」

侍「そうデスネー。正直すごい眠いですし、また明日ということでよろしこデース」

戦士「ああ、おやすみ」

今夜はここまで
次も侍が酷い目に合う予定ノシ

今夜更新する予定

~酒場~

侍「皆さんグッドモーニング!」

戦士「ああ、おはよう」

魔法使い「……せっかくの休みなんだからまだ寝かせろよ」

僧侶「おはようございます」

盗賊「……おはよう」

司教「おはようございますわ。それでいったいなんですの?」

侍「実は昨夜、戦士サンと今日何をするか相談してたのデスガ……」

魔法使い「ふぁーあ……そんなことしてたのか」

戦士「ああ、今日何をするかを相談していたんだ」

魔法使い「へぇ……で?」

侍「ワタシ達がダンジョンに挑み始めてもうそろそろ1ヶ月が経とうとしていマース」

司教「結構休憩を挟んでいますけど、そうですわね」

侍「イエス、そしてダンジョンの地下一階をもう半分以上踏破することが出来マシタ」

僧侶「順調なペースだと思います」

侍「バット!ダンジョンは危険極まりないところデース!そこでもうそろそろ二階のことを視野に入れて……」

戦士「情報収集をしようってことなんだ」

盗賊「……なるほど」

戦士「ダンジョンは情報を集めていても一筋縄ではいかない。だけど少しでもこれからの冒険を楽にするためにも情報収集がしたい」

魔法使い「まぁ、理にかなってんな」

司教「それでどうすればいいんですの?」

侍「hahaha!いったいここはどこデスカー?」

盗賊「……酒場」

魔法使い「ああ、ここで情報を集めろってことか」

侍「イエス!ここはダンジョンに挑む命知らずの冒険者達が集うバー。彼らが情報を握ってマース」

僧侶「えっと、そんな簡単に教えてもらえるものなんですか?」

侍「もちろん簡単じゃありませんヨー」

僧侶「……やっぱりそうですよね」

司教「それに本当のことをしゃべっているかどう判断をしますの?偽の情報を掴まされてしまうかもしれませんわよね?」

侍「それは一人だけに聞くのではなく、複数人に聞いてそれぞれを照らし合わせれば限りなく本物に近くなりマース」

司教「……了解ですわ」

戦士「それじゃあさっそくだが俺が手本を見せよう」

魔法使い「おっ、自信満々だな。なんか理由でもあるのか?」

戦士「フ……見ていればわかるさ」

侍「頼みましたヨー、戦士サン」

司教「お手並み拝見ですわね」

戦士「ああ、行ってくる」

僧侶「……だ、大丈夫でしょうか?」

侍「ワタシは戦士サンを信じていマース」

盗賊「……理由は?」

侍「仲間ですからネ!」

魔法使い「ま、とりあえずは見てみようぜ」

戦士「すまない、隣に失礼してもいいか?」

冒険者「あ?なんだよお前?」

戦士「マスター、こちらの方に酒を一杯頼む」

主人「……あいよ」

冒険者「おっ?」

戦士「俺達のパーティーはもうそろそろ二階に進むところなんだ。単刀直入に言う。二階の情報を教えてくれないか?」

冒険者「……へへ、話がわかるなお前。だがその話をするには酒一杯じゃ……」

戦士「……どうかしたか?」

冒険者「……お前の顔をどっか見たような」

戦士「一応ここの酒場の常連だからな」

冒険者「いや、それはわかってるんだ。確かなー……あ」

戦士「あ?」

冒険者「思い出したぜ!お前はマスターがパーティーを組めと言ったのに一人でダンジョンに突っ込んだバカだ!」

戦士「ぐっ!?」

冒険者「いやー、もやもやしてたけどすっきりしたぜ。そういやそんなのもいたけどパーティーを組んでるからわからなかったぜ」

戦士「…………」

冒険者「それがもう二階に手が届きそうだとは出世したじゃねえか!」

戦士「……仲間に恵まれたんだ」

冒険者「ほー。もう一人で突っ込んだりはしねえのか?」

戦士「するわけないだろう!」

冒険者「はっはっはっ!そりゃそうだよな。で、えーと二階の情報が知りたいんだっけか」

戦士「ああ、そうだ」

冒険者「んー、二階から麻痺やら毒やら敵の攻撃が多彩になってくるんだよ」

戦士「……まだ難易度が上がるのか」

冒険者「おいおい、こんなものまだダンジョンの序の口だぜ?ま、毒は動けば動くほど体を蝕んでいくからな。解毒薬がないとダンジョンからでる前にお陀仏なんてのはよくあるぜ?」

戦士「そうなのか。……解毒薬は確か高かったような」

冒険者「それでも命に比べたら安いもんだ。後、麻痺をもらったら諦めろ」

戦士「対策は無いのか?」

冒険者「ねえな。高位の僧侶か、寺院じゃねえと治せないだよ。麻痺をもらったら素直に帰るのをおすすめするぜ」

戦士「……わかった」

冒険者「あとはウサギか?」

戦士「ウサギってあのウサギか?ぴょんぴょん跳ねる」

冒険者「ダンジョンのウサギを普通のウサギと一緒にしてたら痛い目見るぜ?あいつら首を狙ってきていいのもらったら首をはねられるからな」

戦士「なっ!?」

冒険者「見た目で騙されて首をとばされる奴は後を絶たねえんだ。今知れてよかったな?」

戦士「……ああ」

冒険者「ま、ざっとこんなもんかねえ」

戦士「情報をありがとう。感謝する」

冒険者「別にいい。ギブアンドテイクさ」

戦士「フ……それでは失礼する」

冒険者「おいおいおい、せっかくだから酒飲むのを付き合えよ!別にそれくらいしたって罰はあたらねえぞ?」

戦士「……すまない、酒は嫌いなんだ」

冒険者「いいから一杯付き合えよ!」

戦士「いや……」

冒険者「ほら!」ドン!

戦士「……マスター」

主人「……諦めろ」

戦士「あの……」

冒険者「別に一杯でいいからよ!」

戦士「………………」

冒険者「ほら、一気にいっちまえ!」

戦士「…………………………!ゴク!ゴク!ゴク!ゴク!」

冒険者「おっ!兄ちゃんいい飲みぷ……」

戦士「ブフーーーーーーーッ!」

冒険者「おわぁぁぁぁぁぁ!!?」

戦士「がはっ!げほっ!おえぇぇっ!」

主人「……やれやれ」

休憩



戦士「フ……これでどうだ」

魔法使い「まあ、ちゃんと情報は聞けてたけどよ」

司教「その後がいただけませんでしたわね……」

盗賊「……噴き出した」

戦士「うぐっ……!」

僧侶「で、でも情報はちゃんと聞けてたんですし!」

侍「そうデース!戦士サンは頑張りマシタ!」

戦士「僧侶……!侍……!ありがとう……!」

僧侶「えっ、あ、はい」

侍「戦士サンは良くやりましたヨー」

司教「……で、まあとりあえず情報は手に入りましたわね」

魔法使い「毒かぁ。まだ解毒は出来ないんだろ?」

僧侶「はい、もっと高位の僧侶じゃないと……」

司教「そういうことですわ」

魔法使い「なら解毒薬を買わなきゃいけねえのか」

盗賊「……でも高い」

戦士「そこがネックだな。薬を買いながらだといくら二階は一階と比べて収入が増えるといってもなあ」

侍「また自転車操業の始まりですカー……」

盗賊「……今も結構そうだけど」

僧侶「どうしたものでしょうか……」

魔法使い「まだ情報が集め足りないのかもな」

侍「それならばワタシに任せてくだサーイ!」

司教「あら、頼もしいですわね」

侍「ワタシは今までも情報収集をしてましたからネー!ワタシのテクニックを見せてあげマース!」

魔法使い「まあ、侍なら期待できそうだな」

戦士「……この期待の差は……」

盗賊「……え?」

司教「気にしない方がいいですわよ?」

僧侶「が、頑張ってください!」

戦士「……何を頑張ればいいんだ?」

侍「hahaha!それじゃあ行ってきマース!」

侍「ハロー、ちょっといいデスカー?」

冒険者「……まあ、座りなよ」

侍「では失礼しマース」

冒険者「……何の用だい?」

侍「実は二階の情報を集めているのデース」

冒険者「ふうん?なら一階を抜けたての新入りかな?」

侍「hahaha!そういうことになりマース」

冒険者「……情報、ねえ」

侍「教えていただけませんカー?」

冒険者「……ただで?」

侍「おっと、気がききませんでしたネー。マスター!酒を……」

冒険者「酒は別にいいよ」

侍「なら食事デスカー?お肉や魚どれが好きデスカー?」

冒険者「それも、いいかな」

侍「ホワイ?」

冒険者「……ねえ」

侍(も、猛烈に嫌な予感がしマース……)

冒険者「君、良い体してるね」

侍「ッ!?」

冒険者「おっと、勘違いしないでくれよ?君は前衛なんだろう?」

侍「……そ、そうですがそれが何カ……?」

冒険者「いい前衛の体をしていると言いたかったんだよ」

侍「ha、hahahaha……」

冒険者「ねえ……」

侍「用事が出来たのでこれにてごめんデース!」

ガシッ

侍「ッ!!?」

冒険者「まあ、待ってよ。二人きりにならないかい?ロイヤルスイートで」

侍「ノ、ノォォォォォォ!?」

戦士「待てっ!」

冒険者「うん?」

戦士「侍を離せ!嫌がっているだろうが!」

侍「せ、戦士サン!ヘルプ!ヘルプミー!」

冒険者「……邪魔するつもりなのかい?」

戦士「信頼に応えるために仲間を助けるのは当然だ!」

冒険者「へえ……」

侍「戦士サンが今、とても頼もしいデース……!」

戦士「侍を返してもらおうか」

冒険者「……うーん、そこまで言うのなら仕方ないかな」

戦士(……ほっ)

冒険者「君で我慢しよう」

戦士「侍で勘弁してください!」

侍「せ、戦士サーン!!?」

戦士「すまない!俺では力及ばないみたいだ!」

侍「我が身可愛さでワタシを売るんデスカー!?」

戦士「……すまない侍。だけど大丈夫だ。侍が変わっても俺は今までと変わらず同じように接するから……!」

侍「昨夜の信頼の話はどこに行ったんデスカー!?」

戦士「侍なら何があっても大丈夫だと、俺は信じている!」

侍「そんなことより助けてくだサーイ!」

冒険者「さっ、行こうか。今夜は眠らせないよ?」

侍「近寄よるなこのホモ!斬るぞ!」

冒険者「……その口調のギャップ、いいね」

侍「嫌だ!離せ!なんでここでもこんなことに!」

侍「ノォォォォォォォォォ!!」

今夜はここまでノシ



侍「……ただいま帰りマシタ……」

魔法使い「お、おう」

司教「お、おかえりなさい……」

盗賊「……新しい扉は開けた?」

僧侶「ちょっ……!」

侍「hahaha……。ちゃんと逃げきりマシタ……!」

戦士「そ、そうか!それはよかった、うん」

侍「hahaha……尻を撫でられたりはしましたけどネ……」

戦士「…………」

司教「ま、まあ犬に噛まれたとでも思って……」

侍「忘れられるんデスカ?」

司教「えっ……」

侍「同性が鼻息を荒くして襲いかかってきたことをそんな簡単に忘れられるんデスカ?」

司教「……いえ、異性でも怖いのに同性となるとトラウマ必至ですわね。考えが至らないようですみませんわ」

侍「……わかってくれたなら嬉しいデス」

魔法使い「えーと……具合が悪いのなら今日はこれで解散すっか?」

侍「いえ、大丈夫デス。お気遣いありがとうございマス」

僧侶「え、えっと次はどうします!?まだ情報収集の続きでしたよね!?」

戦士「あ、ああ!そうだったな!」

盗賊「……なら、またやる?」

侍「……正直もうこりごりなのデスガ」

戦士「また俺がいこうか?」

魔法使い「いや、今度は俺が……」

司教「私もやってみたいですわ!」

僧侶「あ、実はボクも……」

盗賊「……私はいい」

「へい、そこの君たちー」

魔法使い「あん?」

酔っ払い「情報収集ならあたしに聞きなよー……ひっく」

戦士「……あんたは?」

酔っ払い「あたしはねー。一応ここの酒場の常連らおー」

盗賊「……お酒くさい」

酔っ払い「ここは酒場じゃーん。お酒くさくて何が悪いのー?」

侍「あー……、それでいったい何の用デース?」

酔っ払い「えー?さっき……ひっく、言ったでしょー?情報収集してるんだよね?」

戦士「ああ、そうだ」

酔っ払い「あたし、そこそこダンジョンについて知ってるからー、情報料次第では教えたげるー」

魔法使い「本当に知ってんのかよ?」

酔っ払い「あー、疑ってるねー。わかるよわかるよあたしにはわかっちゃうよー……あははははは!」

僧侶「えっと……えっと……」

酔っ払い「これでもあたし、司教なのにねー。しかも君たちより強いんだぞー、ひっく」

司教「な、なんですってえ!?こんな酔っ払いがあんなに苦労してなった司教……私と同じ司教……」

戦士「ま、まあ落ち着いてくれ。ところでなんで俺たちに情報を教えようと?」

酔っ払い「そんなのお金を稼ぐために決まってんじゃーん。そんなこともわかんないのー?あはははは!」

侍「少し待ってくだサーイ。あなたはワタシ達より強いと言いましたよネ?それならばこんな小遣い稼ぎなど自分から進んでやる理由なんてあるのデスカ?」

酔っ払い「なに?ぼったくって欲しいの?」

侍「そうは言ってないデース」

酔っ払い「えっとー、一から全部説明しないと納得しない感じかなー?」

司教「できればして欲しいですわね」

僧侶「よかったらお願いします」

酔っ払い「そうねー、どっから説明しよっかなー!あたしねー!ここ最近ずっとダンジョンに潜ってないんだ!」

盗賊「……どうして?」

酔っ払い「だってダンジョンって危ないじゃん!ねー?」

僧侶「そ、そうですよね」

魔法使い「……それでどうやって生活してんだ?」

酔っ払い「あるじゃんあるじゃん、司教にしか出来ないお仕事がー」

司教「……鑑定、ですわね」

酔っ払い「大当たりー!すごいすごーい!でも景品は何も出ません!残念無念また来週ーってね、ひっく」

司教「ちゃかさないでください」

戦士「……ということは鑑定をすることで生活しているのか」

酔っ払い「そうだよーん。どこのパーティーにでも司教がいるわけじゃないからねー。あはははは!」

侍「……店の鑑定よりも値段を抑えれば客は来ると、いうことですネー」

酔っ払い「その通りー!そういう人たちのおかげであたしはダンジョンに潜らないで生活出来てるんだー、ひっく」

魔法使い「……あり、なのか?」

酔っ払い「ありなんだからあたしがいるわけじゃーん。それに一応ダンジョンにも潜ったことはあるしねー。君たちのような新人パーティーになら情報を教えてあげられるよーん」

戦士「そういうことか……」

酔っ払い「そういうことー。まー、小金を稼ごうと思ってねー。当たり前だけどダンジョンに潜るよりは収入減ってるわけだしー」

侍「……なら、二階のダンジョンについて教えていただきたいのデス」

眠いのでここまで
司教作って酒場に待機。鑑定だけさせてた人がいるはず……!ノシ

酔っ払い「二階ねー…………どんなのだったっけ?」

侍「お帰りはあちらデース」

酔っ払い「待って待って、ジョークだってばー、ジョーク。本気にしちゃいやん」

司教「こ、この人は……!」

酔っ払い「場を和まそうとしただけなのにー。……とりあえず君達は今どれくらい踏破してるのか教えてよー」

魔法使い「一階の地図を半分以上埋めた……ってところだな」

酔っ払い「ふむふむー、なーるほーどねー」

戦士「で、それがどうしたんだ?」

酔っ払い「んー……二階に進むのはまだおすすめ出来ないなー」

僧侶「えっと、どうしてですか?」

酔っ払い「……………」

戦士「どうかしたのか?」

酔っ払い「……急にお酒が呑みたくなってきたんだよねー」

司教「マスター、お酒を」

主人「……あいよ」

酔っ払い「ありがとー!催促したみたいでごめんねー」

魔法使い「催促したんだろうがよ……」

司教「でね、ぶっちゃけると地力が足りないねー。いくら慎重に行動していても地力がなきゃあっという間に土の下でおねんねだもん」

戦士「……やはりそうなのか」

侍「ワタシ達も最近それを実感したばかりですしネー」

酔っ払い「で、それを解決するための方法は………………はぁ、お酒だけじゃさみしいな」

司教「マスター、つまみもくださいな」

主人「……あいよ」コト

酔っ払い「もぐもぐ……ごきゅ、ごきゅ……ぷはー!……で、一階にさ敵が出てくる像あったでしょ?」

戦士「ああ、ワープした先にあったな」

魔法使い「あの魔法がほとんど効かねー奴か」

酔っ払い「そーそー。で、そいつは痛い攻撃もしてこないし、金を多く落とすよねー。いい経験も積めるし」

盗賊「……だけどタフで、攻撃がなかなか当たらない」

酔っ払い「そ、新人達にはきつーい相手だけど、そいつの相手をするのが手っ取り早く進むためには必要なんだよー」

魔法使い「だが、あいつ相手に連戦なんか出来たもんじゃねえぞ?」

戦士「……あの時はでかい一撃をあてれたが、もう一度やれと言われるときついな」

侍「同感デース。前回はちょっと出来すぎデシタ」

酔っ払い「ごきゅごきゅごきゅ……ぷはっ!ひっく。そこでー、サポートするのが後衛でーす」

魔法使い「……あいつには魔法が効かねーんだが」

酔っ払い「ふっふーん!それが抜け穴があるんだよねー……ところで」

盗賊「……マスター、お酒の追加」

酔っ払い「ありがとー。……敵に回避させないように妨害する呪文があるでしょ?」

魔法使い「めったに使わねーけどな」

司教「眠らせたり、攻撃したりするのが今の主な仕事ですわね」

酔っ払い「うん。普通はそれでいいんだけど、普通の魔法はほとんど無効化されるからそうして味方のサポートに徹するのが吉なんだよー」

魔法使い「……へえ、なるほどな」

僧侶「それじゃあボクもそうしたほうがいいんですね。プリーストはメイジと違って味方の回避の助けになる呪文ですけど」

酔っ払い「そうなるねー。そうやって味方の攻撃は当てて、敵の攻撃は当たらないようにしていれば普通に勝てるようになるよー」

侍「ふうむ。それならば次回のダンジョン探索はそうして試してみましょうかネー」

酔っ払い「まあ、こんなものかなー?ある程度鍛えてまた情報が必要になったら呼んでよ。奢ってくれれば教えるからさー」

侍「ええ、サンキューデース。これは少ないデスガ……」

酔っ払い「うん、ありがとー。じゃーねー」

スタスタスタ……

戦士「……思ったよりまともだったな」

司教「……そうですわね」

盗賊「……嘘をついてる様子も、無かった」

wizのダメージ計算は防御力ではなくac(アーマークラス)という回避率で計算される
最初の装備無しの状態はacが10で装備をつけてacを低くする
このacが低いと敵の攻撃を回避したり、当たってもカス当たりに出来たりする

集中力が続かないのでこれまで
亀だし量も少なくてすんません。

魔法使い「そんじゃあいつが言ってた通りにするのか?」

戦士「それでいいんじゃないのか?とりあえずやってみて、鍛えるのに最適ならそれでいいだろう」

僧侶「ボクもそれでいいと思います」

侍「そうですネー、次回のダンジョンではそういう方針でいきまショー。それでいいデスカ?」

盗賊「……わかった」

司教「………………」

侍「司教サン?」

司教「え、あ、それでいいですわ」

魔法使い「どうかしたのか?」

司教「……いえ、その、ああいった人もいるのだと」

戦士「やはり同じ司教職。思うところがあるのか?」

司教「……そう、ですわね。……司教になるのは大変でした」

侍「上級職になるためには才能、能力が必要ですからネ」

魔法使い「それは遠回しに自分のことを才能ある奴と言ってるよな」

侍「hahaha!」

盗賊「……それで?」

司教「それなのにダンジョンに行かずに鑑定だけをして暮らしているのはなぜなのかしら……ね」

魔法使い「本人に聞けよ」

僧侶「……えっと司教さんはそれが気になってるんですか?」

司教「ええ。私たちよりも強いはずなのにどうしてダンジョンに挑むことを止めてしまったのかしら」

戦士「それは人それぞれあるんだろう」

侍「いろいろありそうデスガ……司教サン」

司教「なんですの?」

侍「人の過去は気にしない方がいいデス。……そこには何があるのかわからないのですからネ」

戦士「…………そうだな」

司教「……ええ。少し気になっただけですから。無闇に人の過去をほじくり返そうなどと考えてはいませんわ」

盗賊「……そうね」

僧侶「それで、このあとどうしましょうか?」

侍「とりあえず今必要な情報は手には入ったので解散デース」

魔法使い「あいよー、んじゃな」

盗賊「……おつかれ」

~宿屋 大部屋~

がやがや……

魔法使い「今日も今日とて大部屋で雑魚寝か」

侍「まあまあ、住めば都デース」

戦士「そうだな、だいぶ慣れてきた。個室が恋しいけど」

僧侶「そうですか?」

侍「まあ、個室でないと困ることもありますしネー」

戦士「今の状況はプライバシーもへったくれも無いからな」

魔法使い「そうだよなぁ。知らねえ奴も近くで寝てるからな」

侍「一人でしたいこともありますしネー!」

魔法使い「下ネタはやめろよ」

僧侶「そうですよ!」

侍「hahaha!……ですが実際溜まりますよネ」

戦士「……まあな」

魔法使い「……そりゃな」

僧侶「猥談は止めてくださいよ!」

侍「僧侶クン。これは男として真剣な話をしてるのデス」

魔法使い「つうか、お前はどうなんだよ?」

僧侶「なにがですか!」

魔法使い「お前も一応男なんだからよ、あるだろ?そういうの」

僧侶「無いです。寝ます。知りませんから」バサ

侍「……ワタシにもありましたヨ。猥談が恥ずかしくて仕方なかった頃ガ……」

戦士「僧侶は純粋だなぁ」

魔法使い「でもそういうのに興味津々だったろ?」

侍「hahaha!そうでしター!」

戦士「まあな!」

侍「……それにしても切実ですよネ」

戦士「……そうだよな。禁欲するのにも限度がある」

魔法使い「俺はそうでもないな」

侍「ホワイ?」

魔法使い「……あの師匠の眼をかいくぐれると思うか?」

侍「……女性はそういうのに敏感だといいますしネー」

魔法使い「しかも一度最中にばれてな?」

戦士「うわぁ……」

侍「オーウ……」

魔法使い「それからほとんどしてねえ」

侍「わ、ワタシのところは男所帯でしたからそんなことはありませんデシタ」

戦士「侍は確か、道場に住み込んでたんだっけか」

侍「イエス!」

魔法使い「へえ、初耳だぜ」

侍「野郎だらけのむさ苦しいところデシター!」

魔法使い「へぇ……ところで侍はなんでこっちに来たんだ?」

戦士「そ、それはな……」

侍「……聞きたいんデスカ?」

魔法使い「あ、ああ。話してくれるならな」

戦士「侍、いいのか?」

侍「ええ。仲間なら知ってくれてたほうがいいですしネ」

魔法使い「戦士はもう知ってんのかよ?」

戦士「……ああ」

侍「……魔法使いサン。ワタシは逃げてきたのデス」

魔法使い「……逃げてきた?」

侍「イエス。あのまま道場に居ては危険だと思い逃げてきまシタ」

僧侶「……そうだったんですか?」

戦士「寝てなかったのか?」

僧侶「寝た振りです。……侍さん、ボクも話を聞いてもいいですか?」

侍「ええ、僧侶クンも聞いてください」

魔法使い「……なあ。それは死んだ侍の師匠と関係があるのか?」

侍「イエス。それを今から語りまショー」

侍「……ワタシは、ある道場の門下生の一人デシタ」

侍「筋もなかなか良く、師匠にも褒められたりしてマシタ。デスガ、ワタシはそこの一番ではありませんデシタ」

魔法使い「…………」

侍「ワタシよりも年下の弟弟子はまさしく天才デシタ」

僧侶「天才……ですか」

侍「ええ、剣の腕前も上でそれどころかそこらの女じゃ比べ物にならないほどの容姿を持ち、頭脳も上で、それはそれは悔しい思いヲ……黄色い声援は全て……」

魔法使い「そこはいいから次に進めよ」

侍「ごほん!……その全てに置いて恵まれていた弟弟子でしたがある欠点があったのデス」

疲れたので少し休憩

僧侶「欠点……ですか」

侍「イエス。弟弟子は無口というかなんというか……人との関わり合いを避ける傾向にありマシタ」

魔法使い「っつうことはやっかみを買ったんだろ?」

侍「……魔法使いサンの言う通り、弟弟子は徐々に道場で孤立していきました」

僧侶「……それで、どうなったんですか?」

侍「……このままではいけないと思ったワタシの師匠は当時信頼の厚かったワタシに弟弟子と他の弟子達と仲を取り持つように頼んだのデス。最初は難航しましたが、ワタシに心を開いてくれるようになり、最終的には道場の皆と和解しまシタ」

魔法使い「……これでおしまいならいい話だけどよ。……逃げてきなってことはそれだけじゃなかったんだろ?」

侍「……その通りデス」

僧侶「そ、それでその後一体何が……!?」

侍「……最初は些細なことデシタ」

侍「弟弟子がよく熱い視線をこちらに向けるようになったのデス」

戦士「……くっ!」

侍「最初は才能に嫉妬しましたが、その頃は本当の弟のように扱っていたので気になりませんデシタ。……そして徐々にボディタッチが増えてきたのデス……!」

僧侶「…………えっと?」

侍「そして師匠が寿命で亡くなった時!奴はついに本性を表したのデス!ワタシの寝床に忍び……」

魔法使い「……もういいわ。解散だ解散」

侍「いったい何故!?」

魔法使い「深刻そうに話してたけどよ!結局ホモに襲われただけじゃねえか!」

侍「ホモに襲われたことが無いからそんな風に言えるんデス!」

僧侶「……えっと、戦士さん」

戦士「なんだ?」

僧侶「結局、弟弟子さんに襲われたから逃げてきたってこと……なんですか?」

戦士「そうだ」

僧侶「……ええー」

戦士「……本人は心に深い傷を負ったみたいだから優しくしてやってくれ」

僧侶「…………はい」

侍「弟弟子はワタシより強かったんデス!逃げる以外にどうしろというんデスカ!?」

魔法使い「知るかよそんなこと!つうかホモに過剰反応したり、俺を前にそういう風に決めつけたのもそのせいか!?」

侍「その通りデス!」

冒険者達「うるせえぞお前ら!」「静かにしろよ!」

僧侶「ああ!すみません!」

今日はここまで
侍が酷い目(ホモ関係)にあってたのはこの伏線だった。エタらせないように頑張るノシ

~ダンジョン 入り口前~

侍「今回は前回行ったワープ先で稼ぐという方針デース」

司教「ええ、わかっていますわよ」

魔法使い「俺らは魔法で補助してりゃいいんだろ?」

侍「ええ、頼みマース」

戦士「……骨が折れそうだな」

僧侶「相手はこっちの攻撃を回避してこつこつ当ててきますからね……」

盗賊「……疲れたら前衛変わって、あげる」

侍「ま、とにかく無理せず頑張っていきまショー」

戦士「ああ、それじゃあ行こう」

魔法使い「ひと稼ぎといくか」

~ダンジョン 地下一階 ワープ先~

戦士「着いたか」

僧侶「一度来てるからスムーズに来れましたね」

侍「地図のありがたみが良くわかりマース」

司教「そうですわね。さて、準備はよろしくて?」

戦士「ああ、問題ない」

魔法使い「いつでもやれるぜ」

盗賊「……同じく」

僧侶「頑張ります!」

侍「hahaha!皆さん気合いバッチリですネー」

ガチャリ……

忍者「むっ、何者でござるか?」

侍「…………」

司教「いっ、いやぁぁぁぁぁぁ!変態!」

忍者「むむっ!?変態はどこでござるか!?」

戦士「……お前だろう」

忍者「会って間もなく人を変態呼ばわりとは……!なんという時代でござろう……!」

魔法使い「ふんどし一丁で何言ってやがる!どっからどう見ても変態だろうが!」

忍者「あいや待たれよ、これには深い事情があるのだ!」

魔法使い「……ふんどし一丁にならなきゃいけねえ事情ってなんだよ」

僧侶「まっ、まさか追い剥ぎにあったんですか!?」

忍者「いや、そんなことはないでござるよ」

僧侶「あれっ?」

盗賊「……一体どんな理由が?」

忍者「拙者が他人に見られると興奮するからでござるよ」

盗賊「…………死ね」

忍者「ああっ!冷たい視線が気持ちいいでござるぅ!」

戦士「…………そんな変態がなんでここにいるんだ?」

忍者「拙者も冒険者でござるからな。ここには金稼ぎに来たのでござるよ」

盗賊「……冒険者?」

侍「アー……、一人でデスカ?」

忍者「一人でござるよ」

司教「……ふんどし一丁でですの?」

忍者「そうでござる」

僧侶「………………」

忍者「ああっ!そこの少年の「頭がかわいそうな人だ」的な視線がたまらんでござるよぉ!」

僧侶「……気持ち悪い」ススス…

忍者「それはご褒美でござるよ」

僧侶「…………魔法使いさん」

魔法使い「おう、隠れてろ」

戦士「……まあ、なんだ。すまないが俺たちはここで……」

ズズズッ……!

死者の霊「……」

 死者の霊があらわれた!

盗賊「……っ!」

忍者「お、やっと出たでござるか」

侍「皆サン!構えてくだサーイ!」

忍者「その必要は無いでござるよ……!」

死者の霊「……!」

忍者の攻撃!

死者の霊「……ァ」

クリティカル!死者の霊は首をはねられた!

戦士「……一撃だと?」

忍者「ふふん、見直したでござるか?伊達に一人でここまできてないでござるよ」

魔法使い「……変態なのに、つえぇ」

侍「ええ。変態なのに、ここまで……」

盗賊「……変態なのに」

司教「変態のくせに、やりますわね」

僧侶「……変態」

忍者「言ったでござろう。そんなこと言ってもご褒美にしかならないと。特に純粋な少年に変態と呼ばれるのはドキドキするでござるな」

僧侶「……この筋肉だるま……!」

魔法使い「……僧侶が荒んだ眼をしてやがる」

戦士「……えっと、あんたは何者なんだ?変態ってことはわかるが」

忍者「拙者は忍者。忍をやっているでごさるよ」

侍「しの……び?」

盗賊「……ふんどしで?」

司教「侍さん並に胡散臭いですわね」

侍「!?」

忍者「シュシュッと参上!ニンニンでござるだってばよ!どこから見ても忍でござろう」

魔法使い「……忍者ってこういう上級職なのか?」

戦士「ま、まさかそんなはずは……」

忍者「そうでごさるよ?忍は身につける物を極限まで少なくすることで鎧を着込んだ戦士並にしぶとくなれるのでござる」

魔法使い「……マジか?」

忍者「本当でござる」

司教「……忍者って……」

忍者「ちなみにこれでもなかなかに器用なので宝箱の罠の解除もやるでござるな。盗賊が一番転職に選ぶ上級職でもあるでござるよ」

盗賊「……えっ」

忍者「ぬ?もしかして盗賊でござるか?」

盗賊「……そう、だけど」

忍者「ならどうでござるか、忍」

盗賊「……遠慮、する」

忍者「そうでごさるか……。まあ今日はほどほどに稼いだしもう帰るでござる」

僧侶「……はやく行けはやく行けはやく行けはやく行けはやく行け」

忍者「はっはっはっ!また会おうでござる!」

ガチャ……バタン

少し更新。放置しててごめんなさいノシ

~酒場~

ワイワイガヤガヤ……

戦士「…………はぁ」

魔法使い「…………ちっ」

侍「…………ふぅ」

酔っ払い「やっほー!……で、どうしたの?」

盗賊「……何か用?」

酔っ払い「いや、助言してあげたパーティーが沈んでたら気になーるじゃん、ひっく」

盗賊「……そう」

酔っ払い「それでー、何があったの?思ったより稼げなかった?まだ早かったかなー」

僧侶「いえ、実入りはいつもより多かったです」

戦士「連戦はきつかったけどな」

酔っ払い「うんうん、それは良かった。お金もらった分の情報はきちんと渡さないとねー。……ならなんで暗いの?」

僧侶「……変態が……」

酔っ払い「変態?」

司教「例の部屋に行ったら忍者を名乗るふんどし一丁の男性がいましたの」

酔っ払い「あー……」

侍「知ってるんですカー?」

酔っ払い「忍者さんでしょ?知ってるも何もここの常連さんだよ」

僧侶「っ!?あの変態がここに!?」

忍者「呼んだでござるか?」

酔っ払い「あ、忍者さんやっほー!」

忍者「やっほーでござる」

僧侶「…………ちっ」

魔法使い「……服着てるんだな」

忍者「はっはっはっ。拙者としては脱ぎたいのでござるがマスターに出禁になりたくなければ服を着ろと」

侍「ユーも打ち上げですカー?」

忍者「そうでござる。一人寂しく酒を呑んでいたところでござるよ」

酔っ払い「それにしても忍者さんまだ裸でダンジョン探索やってたんだねー」

忍者「拙者の生きがいでござるからな」

戦士「……嫌な生きがいだな」

酔っ払い「ところで忍者さんこの子達に何かしたの?」

忍者「いや、別に特別なことはしてないでござるよ?」

酔っ払い「じゃあ、普段通り?」

忍者「そうでござる」

司教「あれが普段通り……」

忍者「どうかしたのでござるか?」

酔っ払い「いや、この子達が落ち込んでてねー」

盗賊「……いきなり裸のふざけた男があらわれて、しかもそれが自分たちより遥かに強い実力者なら、落ち込みもする」

酔っ払い「あー、なーるほど」

司教「……あの後私たちも死者の霊と戦って、格の違いを思い知らされましたもの」

侍「ええ、ワタシ達じゃ一撃なんてひっくり返っても無理ですからネ」

酔っ払い「まあ忍者さん強いしねー」

忍者「はっはっはっ、伊達にソロでやってないでござる」

魔法使い「つうか、なんであんたほどの奴がソロでやってんだ?最初っからソロだったわけじゃねえだろ?」

忍者「はっはっはっ、切り込むでござるなぁ」

魔法使い「気に障ったか?」

忍者「いやいや、まあ気になるでござろう。察しの通り拙者も以前はパーティーを組んでいたでござるよ」

魔法使い「やっぱりか」

戦士「まあ、よっぽど強さに自信があるのでなければ一人でダンジョンに潜るなんて自殺行為だしな」

侍「戦士サンが言うと重みがありマース」

戦士「……まあな」

忍者「……拙者も昔は仲間達とダンジョンの挑んでいたのでござるが……」

盗賊「……何かあったの?」

忍者「いいや、何も無かったのでござるよ」

僧侶「……何も無かったんですか?」

忍者「そうでござる。……貴殿達は何故ダンジョンに挑むのでござるか?」

戦士「……いろいろあるが、俺は……名声だったな。今はそれ以外にもあるが」

侍「まー、お金に困ったからですネー」

魔法使い「俺も金に困って……まあ今もそんなにあるわけじゃねえけどよ」

司教「ロマンの為ですわね」

盗賊「……お金の為」

僧侶「主の教えを広めるのと、孤児院の仕送りの為です」

魔法使い「……お前、教えを広めてたりしてたか?」

僧侶「……建て前ですよ。そうじゃないと神父様にダンジョンへ向かうのを許してもらえませんでしたから」

戦士「そうだったのか」

僧侶「ええ、あくまでダンジョン探索はついでという形ですから」

忍者「……まあ、いろいろ出たでござるが、ほとんどの者がダンジョンに挑む理由は金でござる」

酔っ払い「そうだよねー。私もそうだったもーん」

戦士「まあ、そうだな」

侍「……何もなかったということは順調にダンジョン探索が進んだんですネ」

忍者「そうでござる。ダンジョンはハイリスクハイリターン。失敗しなければ莫大な富を誰もが得ることが出来る。拙者達は成功してしまったのでござるよ」

司教「……ダンジョンに挑む理由が無くなった、ということですわね」

忍者「……故郷へ錦を飾った者。ダンジョンで得た財を元手に商売を始めた者。愛する者を見つけ残りの人生を恋人と共に家庭を築く者……。拙者のパーティーはそうやって解散したでござる」

魔法使い「そりゃあ、命を張り続けることを望む物好きなんてそういねえよな」

司教「……なぜこちらを見るのかしら」

魔法使い「別に」

忍者「拙者のパーティーは運が良かったでござるよ。ダンジョンで成功した者などほんの一握りでござるからな」

酔っ払い「そうだよねー。ダンジョンへ潜ったら最後、酒場に現れなくなるパーティーがいったいいくつあることやらー、ひっく。マスター!お酒お酒ー」

主人「……あいよ」

忍者「……それで拙者はパーティーを組んでいたことが忘れられず、冒険者の真似事をしているのでござるよ」

盗賊「……ふんどし一丁で?」

忍者「ふんどし一丁で」

魔法使い「……それがなきゃまともなのによ」

忍者「拙者の生きがいでござるからな。こればかりは止められぬでござるよ」

酔っ払い「普通に防具つけてたら忍者さんじゃないよねー、ひっく」

戦士「……ん?なあ、ちょっと聞きたいんだが」

酔っ払い「んー?内容によってお金もらうけど。あたしのスリーサイズとか」

戦士「……金を払えば教えてくれるのか……!?」

酔っ払い「うん。知りたいの?」ユッサユッサ

戦士(……揺れてる)

侍「戦士サン、周り周り」

盗賊「……マスター、ステーキ、大至急、大至急」ドンッ!ドンッ!

主人「……あ、あいよ」

司教「…………」ジトー

僧侶「……女性がいるのにそういうことしたらにらまれるに決まってるじゃないですか……」

戦士「……いや、それはいい……です」

酔っ払い「そう?」

戦士「聞きたいのは別のことだ。忍者って職は脱げば防具なんていらないんだよな?」

酔っ払い「そんなわけないじゃーん、あははは!」

僧侶「……」

忍者「ああっ!冷たい視線が気持ちいい!」

酔っ払い「ぷっ、くくっ。普通に考えればそんなわけないにわかるよねー!」

忍者「ねー!でござる」

酔っ払い「まあ、忍者は身軽だから他の職に比べたら防具無しでも少しは大丈夫だけどね。それでも普通に防具つけた方が安全に決まってるよ」

戦士「……ふんどし一丁である意味は?」

酔っ払い「ぶっちゃけ無いよー。まあ、よっっっっっっぽど鍛えた人ならそれでもいいかも知れないけど、それもう人間じゃないよねー」

魔法使い「つまり、あんたは変態ってことか」

忍者「照れるでござるよ」

盗賊「……ということは、忍者になっても下着姿にならなくてもいいの?」

酔っ払い「そうなるねー」

盗賊「……嘘つき」

忍者「……ただ、下着姿でダンジョンに挑むことの素晴らしさを伝えたかった。……それだけでござるよ」

司教「控えめに言っても最低ですわね」

僧侶「控えめに言う必要なんて無いですよ。変態です」

忍者「罵ってもご褒美にしかならないでござるよ」

僧侶「チッ」

魔法使い「……僧侶がここまで嫌うなんて珍しいな」

侍「僧侶クンはそういうことに対して潔癖ですしネー。仕方ないデース」

ここまで
盗賊のふんどし姿?あるわけ無い(ゲス顔)ノシ

忍者「まあまあ少年。そんなに睨まず酒の席を楽しもうではござらんか?」

僧侶「……」

忍者「つれないでござるなあ」

酔っ払い「嫌われちゃったねー。まあ珍しくないでしょー?」

忍者「それはそうでござるが……。よし、盛り下げてしまった酒の場を盛り上げるために何か話すでござるよ」

戦士「面白い話でもあるのか?」

忍者「んー、面白いと思うかはわからんでござる。まずはだいたいの冒険者が知っている話から……そうでござるなあ」

司教「面白い話を期待してますわよ?」

酔っ払い「あたしも期待してるよーん」

忍者「はっはっはっ。……ここのダンジョンの成り立ちなどはいかがでござろう」

侍「あ、それワタシ知ってマース」

忍者「まあ、有名な話でござるからな」

魔法使い「俺も耳に挟んだことがあるぜ」

忍者「かつてこの国に、ある御守りがあったでござる。それがある日突然とある魔術師に盗まれた」

盗賊「……御守り?」

侍「イエス、確か強大な力を秘めていたとか」

酔っ払い「まー、なんか力があったらしいんだけどどれも噂の域をでないんだよねー」

忍者「話を続けるでござるよ。その魔術師はダンジョンを造り上げ、奥底に今も尚潜んでいるらしい……でござるよ」

魔法使い「ダンジョンを造り上げちまうなんてとんでもねえ魔術師だよな」

司教「そうですわね。少なくとも魔導の心髄を究めた者なのでしょう」

戦士「それが、ダンジョンの成り立ちか」

侍「確かその話には続きがあったはずデース」

酔っ払い「そ。御守りを盗られた王様が黙ったままでいるわけないよねー」

忍者「その王は魔術師の討伐を命じたのでござるが……」

盗賊「……芳しくなかったのね」

忍者「ダンジョンに挑んだ軍はダンジョン探索のノウハウなどまったく知らなかったでござるからな。モンスターや罠にやられてしまったのでござるよ」

侍「パーティーが六人までがいいというのは、その死を持ってダンジョンに挑んだ方々から学んだことらしいデース」

酔っ払い「で、そこであなた達冒険者の出番なわけだ。ダンジョンに挑み、最奥にいる魔術師を討伐し御守りを取り返すのだー!ってねー」

司教「ふむ。改めて聞くと興味深いですわね」

忍者「……まあこの話はあまりにもダンジョン探索が進まないのと無理に奥に行かなくても稼げるという噂が先行してそこまで有名というわけではござらんからな。たまに知らない冒険者もいるのでござるよ」

戦士「……」

僧侶「そうなんですか」

魔法使い「でもよ、ダンジョンの最奥まで行けたとして勝てるか怪しいよな」

司教「……ダンジョンを造り上げてしまう魔術師ですものね」

酔っ払い「本当にそうだよねー。いくら王様の命令でも無理無理ー。……というか倒す必要あるのかなー?」

戦士「どういうことだ?」

酔っ払い「んー、あくまでもこれはあたし自身の考えの一つなんだけどー、ひっく。話半分で聞いてねー」

僧侶「はあ……」

酔っ払い「今さー、この街ってスッゴい成長してるよねー」

戦士「そうらしいな。以前はどうだったかは知らないが大きな街だと思う」

酔っ払い「それはなーぜーかー?」

忍者「ダンジョンがあるからでござるな。ダンジョンが人を呼び、それを中心に経済が回っているでござる」

僧侶(……変態のくせに頭がいいのか)

司教「ダンジョンは言わば鉱山のようなものですわね。冒険者という名の採掘者が働く鉱山」

酔っ払い「そういうことー。それで今この街にダンジョン関連の仕事をしてる人は沢山いるよねー」

盗賊「……宿屋、寺院、訓練所……数えあげるときりが、ない」

酔っ払い「そこで誰かが魔術師を倒しちゃいましたー。……ダンジョンはどうなるのかな?」

戦士「……」

侍「消えるかもしれませんシ……」

酔っ払い「そのままかもしれない。でもそんなこと誰にも……いやそのダンジョンを造り上げた魔術師にしかわかんないよねー」

魔法使い「……で?何が言いてえんだおめえはよ」

酔っ払い「カッカッしちゃいやーん。冷静に冷静に!ほーらひっひっふー、ひっひっふー」

魔法使い「おちょくってんのかてめえ!」

僧侶「魔法使いさん!」

酔っ払い「きゃー、こわーい!」

司教「……改めて聞きますけれどそれで、何が言いたいのかしら?」

酔っ払い「ただそうかも知れないって言っただけだよー」

僧侶「……つまり魔術師を倒すなってことですか?」

酔っ払い「そんなこと言ってないよー。今のところは何もしてないけど放置してたらどんな悪さをしでかすかわからないしー」

戦士「……つまり?」

酔っ払い「しゃべりたかっただぁけ!悩んだでしょ?新人のくせにー」

戦士「うぐっ……」

酔っ払い「いちいち酔っ払いの言うこと真に受けてたらダメだよー。このこのー」

魔法使い「触んな!」

酔っ払い「えーん、ヤンキー君に嫌われちゃったよー、ひっく」

忍者「よしよし」

魔法使い「こいつら……!」

酔っ払い「まあ、興味深かったでしょ?」

侍「ええ、それはモウ」

酔っ払い「ふっふーん。……マスターお酒ー」

主人「……あいよ」

忍者「場を暖めてくれて助かったでござる」

酔っ払い「照れるー」

忍者「さて、夜はまだ長い。盛り上がろうでござる。次はどんな話がいいでござるか?」

司教「そうですわね……。陽気な話が聞きたいですわ」

忍者「合点承知!……あれは拙者が初めて脱衣の……」

侍「それは別にいいデース」

戦士「ああ、俺もだ」

忍者「そうでござるか……。脱衣の素晴らしさを分かち合えないとは残念でござるよ」

僧侶「……変態」

忍者「はっはっはっ。ないすな蔑みでござる少年!」

今日はここまで。
今更ダンジョンの成り立ちとか……
これからもこんな感じでやっていきます。それじゃノシ

このままのペース配分で書いて完結させられる自信が微塵もないのでこれから一気にやる

~ダンジョン地下一階~

僧侶「彼の者に主の加護を与えたまえ!」

魔法使い「妨害させてもらうぜ!」

司教「頼みましたわよお二方!」

戦士「はぁぁっ!」

侍「チェストォォ!」

死者の霊「……!?」

すうっ……

盗賊「……お疲れ様」

魔法使い「二人共ご苦労さん」

戦士「ふう、これで六体目か?」

司教「そうなりますわね。魔力ももうそろそろ切れそうですし帰りましょう」

魔法使い「そうすっかね」

~酒場~

侍「かんぱーい!」

戦士「乾杯!」

魔法使い「いやー、初めはきつかったが大分ましになってきたな」

僧侶「そうですね。経験も積みましたし、順調に稼げてます」

盗賊「……頃合い?」

司教「ええ、装備も整えたら二階へ進んでいいと思います」

侍「ふう、それにしてもようやくですネー」

戦士「ああ。最初の一階を突破するのにこんなに苦労するとはな」

司教「なんだか初めてダンジョンに挑んだのが昔のように感じますわね」

盗賊「……そうね」

僧侶「初めてのダンジョンはすごく怖かったですよ。いきなり戦士さんが斬られて」

戦士「そうだったな。今でもほんのり傷跡があるよ。見るか?」

司教「およしなさい。セクハラですわよ?」

魔法使い「そういやお前はダンジョンに出発する直前に飛び入りで入ってきたんだよな」

司教「そうですわね。あの時はとりあえず飛び込んでみたのですが正解だったようですわ」

魔法使い「そういってくれると嬉しいじゃねえか」

侍「あー、ところで皆さん。次回は二階へ挑むということでok?」

戦士「問題ないぞ」

魔法使い「こっちもだ」

司教「私も大丈夫です。どんな冒険が待っているのか今から胸が踊りますわ」

魔法使い「今さっき帰ってきたばかりなのに元気だな、おい」

司教「冒険がしたくて冒険者になったものですから」

盗賊「……問題ない」

僧侶「仕送りも増やしたいですしどんと来いです!」

侍「皆さんたくましいネー!それじゃ次回は二階へ挑みまショー!」

魔法使い「あいよ」

戦士「ああ、そうしよう」

司教「わかりましたわ」

盗賊「……了解」

僧侶「頑張りますよ!」

侍「それじゃ今夜は無礼講デース!飲んで食べまショー!」

戦士「よし!ならここはレモン水の一気を!」

魔法使い「誰だってできるわ!」

侍「hahaha!それならばワタシが!」

やんややんや!

 冒険者達の夜は更けていく。
 彼らの冒険の結末はどうなるのか。それはまだ誰にもわからない。


おわり

これで一旦おしまい。モチベーションがあがらなくて亀更新ですみませんでした。
エターさせるよりはマシだと思ったんです、すみません。二階からの続きは期待しないでください。
この作品を見てwizやそれを雛型にした作品に興味を持ってくれたら嬉しいです。ノシ

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