リダクテッド・ファイル(34)

リダクテッド=編集済みの意。

また、都合の悪い情報を削除するという意味もある。

ブロウ=コカインの意。

LSD的な意味で、成金。


LSD=秘密結社。

悪行が結果的に善行になる変わった犯罪組織。

アジャストメント・ストレインズ=秘密結社兼麻薬カルテル。

LSDと敵対している犯罪組織。

時として人は極限状態に追い込まれるときがある。

生き残るのは、大体100人59人ぐらい。

その後、起こる“余波”で24人。

最終的な人数はせいぜい13人。


この13人のことを時として我々は『生存者達』と呼ぶ。

テレビ1『3週間前に起きた火の国生物兵器流出事件は無事に収束しました』

『死者は観光客を含めて300万人以上であり……アメリカ政府代表は会見を行い』

『今回の事態は我々とは一切関係なくLSDにもそのように伝えており、亡くなられた方々の冥福を祈ると述べました』


『それから三時間後にLSD医療班 隊長を務めるマシュー・クルーソーが会見を行い、次のように述べました』

マシュー『今回のバイオハザードは、アメリカ政府によるものではなく』

『僕達と敵対する組織によるテロ行為であり宣戦布告だと受け取っている』

『亡くなられた方々の為にもLSDは首謀者を見つけ出し必ずや相応の報いを受けさせると宣言する』

ピッ
 

少女「相応の報いねぇ~ワケワクするわ」ニコッ

坂上欽一「ゴップ……なぜ……」

ヒストリア「ユミル、レンチ貸して」

ユミル「ほらよ」


ヒストリアはユミルからレンチを渡されると欽一の右足親指に振り下ろした。
 

親指の骨が砕ける音ともに欽一の絶叫が浦安湾に響いた。

小鉄「ワシャシャシャッ!!」
のり子「ごちそうやー!!」

フグオ「北京ダックプー?!」
仁「エビチリ………」

あかね「スゴい豪華な料理ですね……レイン先生」

レイン「うん」タンタン

今夜の大沢木家の台所はいつもと違った。

北京ダックと豚の丸焼きが5つ、レインが30分で作ったエビチリと海老の塩焼きがテーブルに置かれていた。

レイン「エレンー!おにぎり投げてー!」
エレン「ホタテでいいかー!」

レイン「いいよー!」
涙「エレンさん!!それ、僕に投げさせて下さい!」

エレン「ああ……ほら」

涙「梅星球15号いっきますー!!」

レインの相棒を務めるエレン・イェーガーによって渡されたホタテおにぎりを涙はレインに向け絶妙なコントロールで届けた。

レイン「ナイスショット」

ノブ「エビチリ、おいしいな」

レイン「たくさんあるからドンドン食べてねぇ~」

あかね「ところで、先生」 

レイン「なあに?」

あかね「今日は何かの記念日なんですか?」
 
レイン「う~ん」


レインは鳥の丸焼きの頭部方面からホタテおにぎりをねじ込みながら切なそうな顔で言った。


レイン「ある意味でね……」

春巻「きもちぃウー」グツグツ

チャイ「」スッー


鍋に全裸で煮込まれている小鉄達の担任である春巻をしり目にチャイは自分の友人達に振る舞うスープの味を確認した。


チャイ「う~ん、問題なし」


文句無しの春巻のアカで取れたダシ汁に満足しつつユーコン川で釣れたグレーリングを血抜きし少し炙り飯に混ぜていく。


チャイ「おばちゃん!これとこれを……」

おばちゃん「はいよ」


おばちゃんと呼ばれるコルブッチの店主の妻にグレーリング飯と春巻汁を5つ渡した。

チャイは次にヘラジカの肉を春巻汁の残りなどで味付けしながらガスバーナーで焦げ目を付けていく。

春巻「気持ち良かったホー」

チャイ「そりゃよかった」


チャイが野菜を炒めてる隣で春巻は黄色いジャージに着替え厨房を出て行った。


チャイ「よし!」


ヘラジカの野菜炒めをデカい皿に載せるとそのまま厨房を出た。


マリク「グレーリング飯とダシ汁は旨かった」

ピョ・ジョンソン「今まで食べたことない味だ」

のび太「美味しかったよーボス!」

ドラえもん「THAT'S COOL!!」

店主「わはははは、こんな旨い料理始めてだー!」

マリク「じゃあ……チャイに乾杯しよう」

「「「最高の雇い主に乾杯!!!」」」

マリクの掛け声ともに缶ビールを握り上にあげ、盛大に乾杯を行った。

チャイは照れた笑いを顔に浮かべながらヘラジカの野菜炒めをマリクのテーブルに置いた。


マリク「おお……これが……」

チャイ「メインだ」

ドラえもん「食べていいかい?」

チャイ「勿論」

のび太「わーい……所で」

チャイ「何だよ急に」

のび太「今日はなにかの記念日なの?ボス」


チャイはのび太の問いに対し両腰に手を当て天井をみやげてこう言った。 


チャイ「ある意味な」

ガチャガチャガチャガチャ
  

富江「鱈場蟹オイシイ~」ジュルジュル

ミョン社長「」ガツガツ


富江は鱈場蟹の脚を床に落とすと次は巨大な円形のテーブルに置かれた四角い鍋から大きい、肉付き牛骨を取り出しかじりついた。


富江「ひょんしょちゃう」

ミョン社長「?」


富江は牛骨を口に咥えながらミョンをよび、二枚の写真を滑らせて渡した。


ミョン社長「……いいんですか?」

富江「なにが」


ミョンはバツが悪そうな顔で写真を見つめ、富江に聞いた。

ミョン社長「2枚目の写真………」

富江「あんたの仕事なんだけ?」


富江はミョンが言う終わる前に強い口調で喋った。


富江「聞こえなかった?」

ミョン「いえ………」


富江の鋭い目線に見つめられながら、ミョンは冷や汗を額にかきながら恐縮しつつ答えた。

富江は呆れた表情で隣にいたミョンの部下に裏拳を顔に浴びせた。


ミョンの部下「ごふっ?!」

富江「あなたの仕事ってこれよね」

浦安湾

ガラララバシャン!!


シンジ「ルシファー」

ルシファー「なんだ?シンジ」


シンジは腕を組ながら鎖に縛られ海に沈められた坂上欽一を見つめながらルシファーに質問した。


シンジ「なんできんちゃんを“処理”したいんだっけ?」

ルシファー「コイツが……確か」


ルシファーは顎に手をおきながら処理する理由を思いだそうとした。
 

シンジ「もういいよ別に……どうせ良くある依頼でいちいち聞くのが間違いだった」

ルシファー「そうかよ……」


シンジはGパンの右ポケットから煙草を取り出し咥え、左ポケットからライターを出し火をつけた。

シンジ「」フッー

ルシファー「で、欲しい情報はなんだ?」


シンジは煙草を海に投げ捨て首の後ろに手を置きつつ回しながらこう言った。


シンジ「チャイはそっちに居るか……」

ルシファー「はぁ?」


ルシファーは唖然とした顔でシンジを見つめた。 


シンジ「居るか居ないかだけでも良いから答えてくれ」

ルシファー「居ないが……」


シンジは何かを気にするかのような表情でルシファーを見つめこう聞いた。


シンジ「ほんとに居ないのか?」 

ルシファー「本当だって。もしチャイが死んだなら内務調査部に情報がくるだろうが」

シンジ「そうだな……」

シンジは何故か安堵した表情でルシファーの肩を叩き
 
「お疲れ」

とだけ言って部下であるヒストリアとユミルを呼び寄せそのまま浦安湾を後にした。


ルシファー「聞きたい情報ってそれだけかよ……」


ルシファーは愕然とした顔で海に沈められた欽一を蔑んだ目で見つめた。

桜愛(怪しい……)
  

スーパーで万引きGメンを勤める万G歴23年のプロ、桜愛は今

白のビュジュアル系ロングジャケットを着た長いストレートヘアの美少女を監視していた。


桜愛(久しぶりに万Gの血が騒ぐわ……)


桜愛が少女の横に平行して歩き始めた。

少女は横にちらっと目をやりそのまま酒コーナーの方向に足を進めた。


桜愛「~♪」 


口笛を吹きながら怪しまれないように少女の横にぴったりと張り付く桜愛。  

だが……

少女「久しぶりね……愛」
 
桜愛(なにっ?!)   


少女はそう言うと棚から掴み取った日本酒の瓶を桜愛の頭に振り下ろした。 

だが、いきなりの攻撃一歩引いてかわしそのまま彼女があみ出した武術“マンジードウ”の構えをした。


桜愛「富江……」

富江「そんな怖い顔しないでよぉ~久しぶりの“友人”に再会したんだから」


額にシワをよせる桜愛とは対象的に薄ら笑みを浮かべながら富江は割れた日本酒の瓶を床に叩きつけた。

富江「これで………お互い五分五分ね」

桜愛「何が目的?」
 
 
桜愛に問いかけられた富江は、左に首を回しながら口笛を吹き始めた。


桜愛「答える気は……無さそうねッ!!」


桜愛は拳の突きを放った。

富江はそれを片手で掴み、身体を横回転させアイスコーナーに放り投げた。 


桜愛「ぐっ……」

富江「前はあんたの方が上だったでも……今は私の方が強い」

桜愛はゆっくりと立ち上がった。

富江はアイスコーナーにゆっくりと足を進める。


富江「あんたが消えれば………また“ブロウ”に近付く」

桜愛「子供さえ、まともに育てられないあなたにはムリよ」

富江「私に子供なんかいないわよ……ただ使えると思って産んだまでよ」

桜愛「あら……そうっ!!」


お互いの拳の突きが激突した。

拳が砕ける音がきこえ、桜愛は唖然とした表情で富江を見つめた。

富江は勝ち誇った顔でこう言った。


富江「だから言ったでしょ?“今は私の方が強い”って……」

『なんで……こんなことに……なんで……』

なんじゃこの夢は。


つーか、どこだここは。

『チャ……イ……』

『大丈夫だ……大丈夫だから……』


全然大丈夫じゃないだろコレは。

なんか中世ヨーロッパ的なデカい屋敷が燃えているし

それと血塗れで膝立ちしながら首筋から流血してる軍服着た金髪おかっぱの真面目そうなべっぴんさん腕に抱きながら、鼻水垂らしながら号泣するオレ……

いつの“記憶”なんだ……

『私……は……死ぬの……か』

『死なないっ!!キミは……キミだけでも絶対に死なせやしないアリス!!!』


アリス?………誰だ。

あっああ、おかっぱのべっぴんさんの名か。

て……アレ?……意識が……とおっ………

沢木直保「おーい」

チャイ「う……」

沢木「起きろ、そろそろ時間だ」


チャイは時計を見てよだれを腕ふき厨房に向かった。


店主の妻「おはようさん」

チャイ「おはよう……てかもう12時だからコンニチハだな」

店主の妻「ハハハハ」


チャイは笑う店主の妻を後目に
洗い場の下の棚から茶封筒を二つ取り出した。


店主の妻「なんだい?ソレ」

聞かれたチャイは

「“仕事道具”」

とだけ答えて厨房を出た。


チャイ「直保、準備はできたか」


沢木はニヤリとして

「問題ない……もう何時でもやれる」

と言った。


チャイは薄ら笑みを浮かべながら

「よし……では“状況開始”だ」

沢木「その前に頼まれたヤツ……ほら」


沢木はチャイにセーラー服を渡した。


チャイ「………え?」

チャイ「なんで……セーラー服?」


困惑しているチャイに沢木はこう言った。


沢木「心配するな。マリクも似たような格好だ」

チャイ「マリクにもセーラー服を渡したのか?」


更に困惑するチャイに落ち着いた口調でこう言った。


沢木「違う違う。マリクには男子高校生の制服を」

「お前には女子中学生の制服を渡してこれで一ママチャリでにけつすればカップルに見える」


チャイは首を傾げつつ

「まぁ………色々納得できない点はあるが……時間もないし着るわ」

と言ってトイレに入っていた。

セーラー服を着てできたチャイは……


チャイ「着る必要あるのか……これ」

沢木「本来の姿に戻っただと……?!」


いつもの外ハネ黒短髪で薄褐色肌のやや美形の顔から

インテークヘアで透き通るような白い肌、切れ上がった目じりもう女性と言っても過言でもない顔をしていた。


沢木「どことなく……テッカマンブレードⅡに出てくるデッドエンドに似てるな」

チャイ「気のせいだろ」


沢木は驚きながらも、なんだかんだ言いつつセーラー服を着こなしているチャイと共に店を出た。

チャイ「おっすマリ……うわぁ」

マリク「うわぁって言うなよ。こっちもやりたくてやってるワケじゃない」
 

いつも生やしている無精髭を剃り落とし髪を整えたマリクは

どうみても田舎のヤンキーのそれだった。


チャイ「つーかさぁ、マリクが着てる制服ってお前の高校の制服じゃね?」

沢木「よくわかったな」

チャイ「よくわかったなって、だいぶ前にお前のじぃちゃんに会いに行ったとき見かけたんだよ」

「それよりもマリク……制服ぴちぴちだけど大丈夫?」

マリク「ギリギリ大丈夫だ……なんとか」

チャイ「で……ちょっと確認したいことがあるんだが沢木」

沢木「なんだ?」


チャイは真剣な顔で

「このぶかふがのセーラー服……まさかとは思うが蛍のおさがりじゃないよな?」

そう言われた沢木は少し間を置いて

「蛍はゴスロリ以外着ないだろうが」

と返した。


チャイは腑に落ちない顔しながら

「まぁ……よくよく考えれば誰のおさがりかは関係ないな」


と言い茶封筒から7.62x39mm弾を仕様出きるように改造したタウルスPT92を二挺を取り出し、マガジンキャッチを操作し弾倉を確認し戻すとスライドを前後に引きスカートの前に差し込んで上着の下に隠した。


チャイ「よし……じゃあ行きますか」

沢木「こっちは任せろ。必ずお前の欲しいモノを手に入れる」

チャイ「ブリーフィングの時に言った……」

沢木「わかってるよ。“人は傷つけない”“紳士的にやる”たろ」

チャイ「忘れるなよ」


チリチリン~


チャイはマリクが乗っているママチャリの後ろにまたがり腰に手を回してコルブッチを経った。 

沢木はその様子を二人が見えなくなるまで眺めてからARMET ARMORED VEHICLESに乗り込みコルブッチを後にした。

大鉄「」フゥー

レイン「まさか~渋滞に巻き込まれるなんてツいてないね」

エレン「まぁ……3時間ほどに余裕あるし問題ないだろ」

レイン「なんでせっかく浦安来たのに銀行に行かなきゃならないだろう……」

エレン「仕方ないだろうが。お前のオヤジさんの頼み事から断れない」

レイン「とっと済まして、早く皆のとこに行きたいなぁ~」

大鉄「オマエら付き合ってのか?」

 
大鉄のおちょくるような発言に真顔でレインはこう言った。


レイン「大鉄~次そんなこと言ったら浦安中の隠しタバコ焼却炉にぶち込むからね」

大鉄「カンベンしてくれよ……」

 
大鉄は恐縮した顔で煙草に火をつけた。

その様子を苦笑いしながらエレン眺めた。

大風賀ミサ「ゴップ……」ガタガタ

富江「ホント……世話がやけるわ」

「とっと死ねば良かったのに……さてと」


富江は血まみれで倒れている大風賀ミサに赤ワインと白ワインを交互に上から浴びせた。


富江「ラリー君!」

ラリー「はい」


富江は路地裏の入口でボディガードを務めるラリーを呼び寄せた。


富江「ライター持ってる?」

ラリー「どうぞ」スッ

 
富江はラリーからライターを貰うとこう言って着火した。


富江「ラリー君……これが豚のの丸焼きよ」

ポイ

大風賀ミサ「ー!!」


声にならない叫び声あげながら身体を痙攣させる大風賀ミサを眺めつつ富江は薄ら笑みを浮かべながら、赤ワインをボトル飲みした。

プルルルル


富江「もしもーし」

『富江様』

富江「あら、ライトくーんどうしたの?」

夜神月「芥川を“処理”致しました」  

富江「へぇ~そう。わざわざ連絡ありがとうねぇ~“ゴミ”は置いて撤収していいわよ」

夜神月「了解」

ピッ


富江「さてさて……次は誰を強襲しようかな~ねぇラリー君」

ラリー「それよりもミョン社長から未だに連絡がありませんが……」

富江「別にいいのよ。ただの当て馬なんだから野垂れ死にした所で誰の懐も痛まないわ」

ラリー「……そうですか」

富江「さぁ~まだまだ狩りは終わらないわよー!!」


富江はスキップしながらラリーと共に路地裏を後にした。

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