日向「恋愛ゲーム?」七海「難易度えくすとり~むだね」【安価】 (863)


・アイランドモード中のお話です。

・モノクマはウサミに退治されておとなしくしてます。

・アイランドモード全員の希望のカケラがMAX前提です。

・キャラ崩壊、その他諸々の描写有り

・安価

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410342190

 
 
日向「おーい七海、どうしたんだ?」


七海「さっきお散歩してたらこんなもの拾ったんだ」

日向「……ゲームソフト?」

七海「うん、パッケージには『だんがん☆あいらんど ~病んで病まれてコロシアイ~』って書いてあるよ」

日向「ものすごく嫌な予感しかしないんだが…」

七海「制作は……モノクマみたいだね」

日向「モノクマって確かウサミに退治されたよく分からない奴だよな」

七海「うん、こんなものまで作ってたんだね」

日向「捨てた方が良いんじゃないか?」

七海「……うーん、ゲーマーとしてやっぱりゲームと言われると興味が湧いちゃうよね」

日向「いや、名前や制作者からして不穏な気配しか感じないぞ…」

七海「えっと……でも中身は普通の恋愛ゲームみたい…かな?あ、私がヒロインになってる」

日向「へえ、そうなのか?」

七海「うん。あ、主人公は日向くんなんだね」

日向「へ?お、俺?」

七海「うん、プレイヤーは主人公の日向くんになってヒロインの私たちを攻略していくゲームみたいだよ」

日向「そ、そうか……いや、でも危なそうだし」

七海「うーん……それもそうだよね、うん。少しプレイしてみたいけど、やめておくね」

日向「そうだな」

七海「それじゃあこれは日向くんに預けておくね。私が持ってるとプレイしそうだから」

日向「ああ、分かった。俺が預かっておくよ」

 
 
日向「……ふぅ、今日も素材集め疲れたな」


日向「まだ日は高いから誰かと一緒に過ごすか…あ、そういえば」

日向「恋愛ゲーム…俺が主人公で…七海達を攻略するゲームか……」

日向「パッケージは普通のゲームみたいだけど…あ、説明書があるな」

日向「何々……ふーん、好きなキャラとの好感度を上げてハッピーエンドを目指しましょう…か、案外普通のゲームなんだな」

日向「あ、ここにシーン抜粋が……」



七海『日向くんにはたくさんのことを教わったね…恋人同士でやる事、教えてほしいな』



日向「……」



ソニア『日向さん……私の初めてを、貰ってはいただけませんか?』



日向「………」



罪木『私…もう、日向さん無しじゃ生きられないんです……だから、ずっとそばに居てくださぁい……』



日向「…………ちょ、ちょっとだけ、うん、ちょっとだけな」

日向「これはあくまで確認の為に、ほんのちょっとだけ、ほらせっかく作ってもらったのに誰もやらないなんてもったいないしな。ああ、それだけだ」

日向「あれ、隠しルートもあるのか?」



狛枝『はあ…はあ…これが、これが希望なんだね…日向クン!ボクにもっと!もっと君の希望を見せてよ!んあっあっ…』



花村『アッーーーーーーーーーーーーーーーーバンッ!』



2十神(以降豚神表記)『俺が…導かれるだとっ!?んっほおおおおおおお!』



日向「なんでだよ!?」

日向「よく見たらこれ女性陣だけじゃなくて男も攻略できるのか!?」

日向「しかもなんで狛枝のだけ無駄に気合入ってるんだよ…おかしいだろ…」

日向「クッ…だけどしっかりと女の子に絞ってプレイをすれば男のマロンがロマンでマロン…やるしかない!」

日向「ゲームスタートだ!」ピッ

 
 
──────



日向(俺の名前は日向創。ひょんなことからこのジャバウォック島という場所で、ドッキドキ修学旅行なんてものをやっている)

日向(最初こそこの意味の分からない状況に戸惑っていたけど、どうも本当に普通の修学旅行らしい)

日向(今ではすっかりこの無人島生活にも慣れてきて、クラスメイトの皆とも上手く馴染めているようにも感じる)

日向(そして今日も、いつもと同じように一日が始まる──)


──────

日向「導入は割と普通だな」

日向「というか…俺の心境まんまで若干怖いくらいなんだが」

日向「えっと…ここからどうすればいいんだ?」


だんがん☆あいらんどの説明書!

1 好きな人と遊んで好感度を上げよう!最初は女の子しか攻略できないよ!
2 時折選択肢が出てくるので、そのキャラが求めている答えを返してあげよう!
3 そして仲が深まれば…うぷぷ、ドッキドキのエンディングがキミを待ってるよ!
4 攻略可能キャラクターはエンディングを迎えるごとに追加されていくよ!
5 ────は──で──ま────で───
6 くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」


日向「……ん?なんだ?後半の方が字が掠れて見えないな…」

日向「ま、とりあえず最低限の説明は分かったし、後は普通に進めていけばいいか」


 
 
──────



日向「おはよう皆」

罪木「あ、お、おはようございますぅ…え、えへへ…挨拶されちゃいましたぁ」

西園寺「うわ、挨拶位で何笑ってんのゲロブタ…ドン引きなんですけど」

罪木「はうぅ…ごめんなさいい」

小泉「朝っぱらから賑やかね、おはよう」

澪田「みんなー!おはようございまむ!」

ソニア「皆さん、おはようございます」

七海「……おはよー……ねみぃ」

日向(朝、いつものようにジャバウォック公園に集合すると、いつもよりもメンバーが少ないことに気付いた)

日向「あれ、他の奴らはどうしたんだ?」

小泉「……はぁ、アンタ昨日のあたしの話聞いてなかったの?」

日向「す、すまん…」

小泉「まあいいけどね。他の皆は今日は島のあちこちを分担して掃除してるの」

澪田「いつもやってる簡単な掃除じゃなくて、超本気の大掃除っすね!んでもいつもの仕事もこなさなくちゃ?って感じだから唯吹達はこっちで通常営業ってわけですなー!」

西園寺「でもいつもの資材集めとかの方も力仕事があるわけだし、だったら普段何の役にも立たない日向おにぃに存分に働いて貰うって訳だよー?わかったかなー?」

日向「あ、ああ分かったよ…」

ソニア「それではきっと田中さん達も頑張っているでしょうし、私たちも頑張りましょうか」

日向(周りに女子しかいないのはちょっとやり辛いかもな…)



日向「っとと、はぁ…これで一段落かな」

罪木「あ、日向さん…お疲れ様です」

日向「よう罪木、そっちこそお疲れ様」

罪木「わ、私は全然平気ですからぁ…むしろ私が日向さんの分まで頑張るくらいですよね!」

日向「いやいや、この場にいる男は俺だけだしな。力仕事くらい俺がするよ」

罪木「……えへへ」

日向「?どうかしたか?」

罪木「いえ…日向さんは優しいですねぇ……わ、私の事…嫌わないでくれますし…」

日向(なぜか罪木が意味有りげな眼差しで見つめてくる…)

罪木「あ、せっかく休憩なんですからゆっくり休んでくださいねぇ」

日向(罪木は去って行った)

日向(ずっと働き通しで疲れたけれど、ここでボーっとしてるのも勿体無いな)

日向(誰かと一緒に過ごすか)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1

 
 
日向(七海と過ごすか…七海は……あ、砂浜のところに居るな)


日向「七海ー」

七海「…………zzz」

日向「七海?」

七海「……あ、おはよう。日向くん」

日向「寝てたか?起こしちゃって悪いな」

七海「ううん、いいよ」

日向「休憩時間になったし、七海と過ごそうと思ってさ…ところで、何してたんだ?」

七海「今日はちょっとハードだったから…眠くて」

日向「ああ、確かに皆がいる時に比べると負担が大きくて疲れたな」

七海「日向くん、皆の倍くらい働いてたもんね」

日向「ま、気にしてないさ。それなら俺もこのあたりでのんびりするか」

七海「こうやって日向ぼっこするの、すごく気持ちいいね」ボー

日向「そうだなぁ……」ボー


 
 
日向「……」


日向(こうやってボーっとしてると少し眠くなってきたな……)

七海「……すぅ」

日向「……」

七海「……んー……すぅ」コテン

日向「…んっ!?」

日向(な、七海が寄りかかってきた!?)

日向「お、おい七海……?」

七海「…………すぅすぅ」

日向「ね、寝ちゃってるのか…?」

日向(まあ、今日はいつもより疲れたしな)

日向(それに俺も眠くなってきたし…寝るのも仕方がないか)

日向(だ、だけどこの体制は色々とまずくないか…!?ちょ、ちょっと心臓に悪いぞ)


1 七海を起こす
2 そのまま寝かせてやる
3 いっそ膝枕をする


↓1

 
 
日向(……まあ、そのまま寝かせておこう)


七海「……すー」

日向「まあ、七海の寝顔が見れたと思えばラッキーか」

日向(七海を起こさないようにぼんやりとしながら過ごした…)


七海「ごめんね、日向くん」

日向「俺は気にしてないぞ、七海はゆっくり眠れたか?」

七海「うん、日向くんのおかげだね」

日向「俺は大したことはしてないと思うぞ…」

七海「ううん、ありがとう。またこうやってのんびりしようね」

日向(心なしか、七海の声が弾んで聞こえたような気がした)


七海の好感度が少し上がった。


日向(七海と別れた)

日向(よし、明日に備えて俺も寝よう)

 
 
澪田「おっはよーございまーーーーす!創ちゃん生きてますかーーーー!」


日向「何だ!?」

澪田「あ、創ちゃん!おはようこっす~」

日向「ああ、おはよう……じゃなくて、なんで俺の部屋にいるんだよ!?」

澪田「そりゃあ創ちゃんにモーニングコール略してモニコをしに来たんだよ」

日向「いや、別にそんなことしなくても起きられるぞ?」

澪田「またまた~美少女にモニコされてフガフガしない男子なんているわけないじゃないっすか!」

日向「いや、自分で美少女っていうなよ…」

澪田「んじゃ、そういうことで☆」スタスタ

日向「澪田…何しに来たんだ本当に……」




小泉「まだ大掃除は終わらないみたいだし、昨日と同じ要領でやっていくつもり」

罪木「怪我をしたらすぐに言ってくださいねぇ」

ソニア「今日も元気メガ盛りで頑張って行きましょう」

澪田「ロックに攻めるっすよーっ!」

七海「日向くん、おはよう」

日向「ああ、おはよう七海。それに皆も」

七海「昨日はありがとう」

日向「気にしなくていいぞ」

西園寺「あ、日向おにぃ」トコトコ

日向「ん?どうしかしたか?」

西園寺「今日の仕事が終わったらちょっと付き合ってほしいんだけど」

日向「なにかあるのか?」

西園寺「べ、別に何でもいいじゃん…とにかくそういう事だからどうせ暇なんだろうから来てよね」

日向(なんだかよく分からないが…一応覚えておくか)

日向「よし、今日も頑張って行くぞ」

 
 
日向「今日も無事に終わったな…だけどこのままだと俺の身体が持つか分からないな…」


日向「まあ、あいつらが戻って来るまでの辛抱だよな」

日向「さてと、弱音を吐いてる暇があったら気分転換でもしに行くか」

日向(あ、そういえば西園寺から何か誘われてたな…でもまあ、用件もよく分からなかったし無理に行く必要もないか)

日向(今日は誰と一緒に過ごすかな…)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1

 
 
日向(まあ、どうせ暇だし西園寺に付き合ってやるか)


日向(っていうかあいつどこにいるんだ…?)

西園寺「あーーーっ!おにぃやっと見つけた!!」

日向「お、西園寺。ちょうどよかった」

西園寺「なーにがちょうどよかった、だよ!探し回っちゃったじゃん!朝言ったよね?付き合ってほしいって。ただでさえ無個性の塊なのに言ったことも守れないなんて蟻タン以下の存在価値だよ?わかってる?」

日向「わ、悪かったよ…っていうかお前も待ち合わせ場所も何も言わないからどうしようもないだろ」

西園寺「そんなの仕事中に日向おにぃが聞けばよかったじゃん!」

日向「な、納得がいかない……」

西園寺「そんな事よりさー、早く付き合ってよ」

日向「そういえば何に付き合えばいいんだ?詳しく教えてもらわないと付き合うも何も…」

西園寺「そ、それは……その……うぅー……」

日向「……?」

西園寺「…それは…だから……その………ぅ、ぐす…ふぇ…」

日向「え、ええええっ!?ちょ、ちょっと待ってくれよ!?何でいきなり泣き出すんだよ!?」


 
 
西園寺「どうせ……どうせ日向おにぃもバカにするんでしょ……着物の帯も結べないって…」グスッ


日向「へ…?着物の帯?」

西園寺「小泉おねぇに帯の結び方教えてもらったけど…全然うまくできないし…でもこれ以上小泉おねぇに迷惑かけたくないし…だから…だから…」

日向「あ、ああ…そういうことか」

日向(いつまでも小泉に迷惑をかけるわけにもいかないし、自分で結べるようになりたいって事だよな)

日向(……意外とかわいいところもあるんだな、失礼だけど)

西園寺「でも…他の奴らにそんなこと頼みたくないし……でも日向おにぃは……」

日向「俺は……?」

日向(もしかして、こいつなりに俺の事を信用してくれて…!)

西園寺「私の下僕だし」

日向「それは違うぞ!」

西園寺「下僕なの!だから黙っていうこと聞いてよ!」

日向「下僕扱いには納得いかないけど…まあ、帯の件は協力するよ」

西園寺「……ほんと?」

日向「ああ、ただ俺もそんなに詳しく知ってるわけじゃないからな。小泉がみたいにうまく教える自信は無いぞ?」

西園寺「…………ありがと」プイッ

日向(……さて、幸いにもここは俺の部屋だ)

日向(洗面所に鏡もあるし、ここなら誰にも知られずに教えてやれるだろうな)

日向(しかし…どう教えようか)


1 西園寺に結ばせて間違っている箇所を指摘する
2 西園寺に寄り添って教える
3 自分で実演してみる


↓1

 
 
日向「それじゃあ教えるけど…多分口頭で言っても無駄だよな」


西園寺「うん…小泉おねぇに丁寧に教えてもらったけど、どうしてもうまくできない…」

日向「んーだとしたら同じように教えても無駄かもしれないな」スッ

西園寺「じゃあどうするの?」

日向「俺が西園寺と寄り添って一緒に結ぶ、それを何度か繰り返せば感覚はつかめるんじゃないか?」

西園寺「は、はあ!?おにぃの変態ロリぺド性犯罪者!」

日向「お、おい!どうしてそうなるんだよ!?」

西園寺「だ、だって寄り添うっていうかそれって密着じゃん!どう考えても邪な意思しか感じられないよ!」

日向「い、いやそういう意図は一切ないぞ!?純粋にわかりやすいかなって思っただけだよ」

西園寺「う、うー……背に腹は代えられないし…変なところ触ったら大声で叫ぶから!」

日向「触らないって…」スッ

西園寺「そ、それじゃ……優しくしてよね」ドキドキ

日向「ああ、出来るだけそうするよ」

日向(頬を染めた西園寺に密着しながら、帯の結い方を教えた)

日向(内心ドキドキしっぱなしだったが、西園寺に知られたら罵倒されることは目に見えていたので努めて冷静を装った…つもりだ)

日向(鼻腔をくすぐる西園寺の匂いに耐えながらも、なんとかやりきったぞ……)


西園寺「今日は…ありがと。その、少しは分かった気がする」

日向「そっか、なら教えた甲斐があったな」

西園寺「でもまだ完璧って訳じゃないから…その」

日向「ああ、分かってるよ。また教えるさ」

西園寺「……うんっ」

日向(西園寺は顔を赤くしながら、いつもとは違う、純粋な笑顔を浮かべた)


西園寺の好感度が上がった。

投下終了します。また準備が出来次第再開します。

TIPS
選択肢には良・並・悪があり、一番良い選択肢を選ぶと好感度が上がりやすく、悪い選択肢を選ぶと好感度が下がる。
キャラによって好感度の上昇or下降幅は変わる。
モノクマはハッピーエンドが嫌い。

酉つけたらどうかな?成り済まし防止になるし

>>26
ご親切にどうも!酉つけさせていただきますね

 
 
日向「…ん、朝か。今日は澪田は……来てないみたいだな」


日向「んーーーっと。顔洗ったら公園に行くか」


小泉「おはよう、まだ皆帰ってきてないみたいね」

罪木「というより、姿を見かけてすらいないんですがぁ…」

西園寺「大人の事情って奴じゃん?」

澪田「日寄子ちゃんメッタメタっすね!」

ソニア「他の皆さんの事も心配ですが、私たちに出来ることをやってしまいましょう」

七海「今日が終われば明日は一日お休みだからね、頑張ろう」

西園寺「お、おやすみ…か」

日向「?」

日向(西園寺が少しだけこっちを見たような気がしたけど…まあ、昨日の事か)

日向(気にするな、という意図を込めて見つめ返すと、ぷいっと目を逸らされた…相変わらずよく分からないな)

日向「とにかく、明日は休みだし、もうひと頑張りだな!」


だんがん☆あいらんどの説明書!

1 好きな人と遊んで好感度を上げよう!最初は女の子しか攻略できないよ!
2 時折選択肢が出てくるので、そのキャラが求めている答えを返してあげよう!
3 そして仲が深まれば…うぷぷ、ドッキドキのエンディングがキミを待ってるよ!
4 攻略可能キャラクターはエンディングを迎えるごとに追加されていくよ!
5 ────は──で──ま────で───
6 くぁwwせdrftgyふじこlp;@:「」


日向「……ん?なんだ?後半の方が字が掠れて見えないな…」

日向「ま、とりあえず最低限の説明は分かったし、後は普通に進めていけばいいか」

 

日向「ふぅー…」
 
小泉「お疲れ様」ピトッ

日向「つめたっ!?」

小泉「あはは、今日は日向も頑張ってたし、かるーく労おうと思ってさ」スッ

日向「ああ…飲み物か。驚かせるなよ」

小泉「男子なんだから女の子のイタズラくらい笑顔で受け入れなさいよ」

日向「……とりあえず、飲み物ありがとうな」

小泉「これくらい気にしないでいいよ。力仕事ばっかりやらせてるしね」

日向「しょうがないさ、他に男子もいないし」

小泉「ま、結構助かってるところもあるから……その、ほんのちょっとだけ見直した…かな」

日向「ははっ」

小泉「言っておくけど、ほんのちょっとだけだからね!勘違いはしないように」

日向「分かったよ」

日向(俺の返事に満足したのか、小泉は去って行った)

日向(さて、今日は誰と過ごすか)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1

5

 
 
日向「さっき会ったばかりだけど……小泉と過ごすか」


日向(まだ近くにいるだろうし…探してみるか)


日向「おーい、小泉ー!」

小泉「……日向?」

日向「いや、せっかくの自由時間だし一緒に過ごそうと思って」

小泉「ふーん、ま、いいけどね」

日向「小泉はいつもみたいに被写体を探してるのか?」

小泉「そんなところね。ただもうほとんどこの島の景色は撮りつくしちゃったし…」

日向「うーんそうか…被写体…被写体……難しいな。誰かを撮る、とかは?」

小泉「……っ」

日向「?どうかしたか、小泉」

小泉「な、なんでもない」

日向「いや、顔赤いけど、熱でもあるんじゃないか?」ズイッ

小泉「な、ないっ!ないから寄ってこないでっ!…えっと、誰かを撮るのは気分じゃないっていうか…」

日向「わ、悪かったよ…。でもそうすると…うーん…被写体か…」

日向(とりあえず思いついたものを言ってみるか?)

日向(被写体──思いつくのは)


1 俺を被写体にしてみないか?
2 小泉が被写体になってみたらどうだ?
3 やっぱり、誰かを被写体になってくれそうな人を探してみないか?


↓1

 
 
日向「小泉が被写体になってみたらどうだ?」


小泉「……!」

日向「前にも一度小泉の写真を俺が撮っただろ?たまには撮る側じゃなくて撮られる側になるのもいいと思うぞ」

日向「それで何か新しい発見があるかもしれないしな」

小泉「……」

日向「…あれ?ダメだったか?あれから少しカメラの事調べてさ、前よりもいい写真が撮れると思うんだ」

小泉「そ、そう…」

日向「小泉が嫌ならいいんだけどさ」

小泉「別に…それでもいいけど」

小泉「……こういう時だけ鋭いのってずるいでしょ」ボソッ

日向「ん?何か言ったか?」

小泉「はぁ、なんでもないわよ。とるならちゃちゃっとしてよね!変な写真撮ったら怒るから」

日向「分かった、んじゃカメラ渡してもらえるか?」

小泉「はいはい。……その、良い感じに撮ってよね」

日向「勿論だ!小泉は素材が良いからな、いい写真が撮れると思うぞ」

小泉「そ、素材が良いって…!?」カアア

日向「よーし撮るぞ……ってやっぱり小泉、体調悪いのか?」

小泉「アンタのせいでしょ!」

日向(騒ぎながら小泉の写真を撮った)

日向(フレーム越しで見た小泉はやっぱりとても可愛らしくて、自分でもなかなかいい写真が撮れたと思ってる)

日向(小泉もそう思ってくれてるといいんだけどな)


小泉の好感度が上がった。

 
 
日向「そろそろ夜も更けてきたし…寝るか」


ピンポーン

日向「ん…誰だ?」

ソニア「こんばんは、日向さん」

日向「どうしたソニア、こんな夜遅くに」

ソニア「少々お話がありまして」

日向「話?」

ソニア「ええ、実は明日のお休み。七海さん達とチャンどらビーチで遊ぶ予定なのですが、日向さんも誘おうかと思いまして」

日向「俺も行っていいのか?」

ソニア「ええ、最初は女子だけの予定だったのですが…日向さんなら信用できると皆さんが言ってましたし、ここ数日は日向さんに頼りっきりでしたから」

日向「海か…いい気分転換になりそうだな」

ソニア「ええ、なので是非とも」

日向「そうだな、せっかくのお誘いだし俺も行くよ」

ソニア「合点承知の助です!明日を楽しみにしていますね!」

日向「ああ、おやすみ」

ソニア「はい、おやすみなさい」スタスタ

日向(明日は海か…楽しみだな)

日向(明日リフレッシュするためにもしっかり睡眠はとっておこう)


 
 
日向「ふわぁ…いい天気だな、まあいい天気じゃない日が無いんだけどな」


日向(約束の時間まで少しあるし、しっかり準備してから行くとするか…)


日向「おはよう」

西園寺「おにぃおそーい!お情けで呼んであげたのに一番遅いってやる気あるの?」

日向「待ち合わせ時間ぴったりの筈だけどな」

ソニア「まあまあいいじゃないですか、今日はブレイコーという奴です」

澪田「ブレイコーってなんかの必殺技みたいっすね!必殺・ブレイコーで御座る!みたいなみたいなー」

小泉「無礼講ね、無礼講。微妙に使い所間違えてるし…」

七海「皆おはよう」

罪木「おはようございますぅ…救急セットは持ってきてあるので怪我をしたらすぐに言ってくださいね」

日向「それじゃ、ビーチの方に行くか」

小泉「じゃあ日向は先に行っててよ。男子はそんなに準備に時間かからないでしょ」

日向「……へ?」

罪木「ひ、日向さん…」

澪田「いーくらなんでもこれは唯吹もフォローできねっす」

西園寺「おにぃの変態異常性欲者!」

七海「??」

ソニア「??」

小泉「私たち、着替えるんだけど?それとも日向はみんな一緒に着替えてほしいのかしら?」

日向「……自分、ビーチ逝ってきます」ダッ

七海「んじゃあ私も行こうかな」スタスタ

小泉「はいはいストーップ。っていうか千秋ちゃんもソニアちゃんも水着のままこっちに来て焦ったんだからね?慌てて着替えさせたからよかった…いや、良くないけど」

七海「どうせ着替えるなら最初から着替えてた方が良いと思うな」

ソニア「そうですよね」

小泉「お願いだからもう少し恥じらいを持って!」

西園寺「大変だなーおねぇ」

罪木「ですねぇ」

澪田「さすが学級委員長」


 
 
日向「海だーーーーーーー!」


日向「まあ、いつも見てるんだけどな」

日向(しかし皆の水着か…前にみんなで遊んだ時はスクール水着だったしな)

日向(なんだかんだでこうやってみんなの水着をしっかり見るのって初めてじゃないか?)

日向(そ、そう思ったら途端に緊張してきたぞ…)ドキドキ

日向(落ちつけ、落ちつけ日向創……クールになれ……)

ソニア「お待たせしました」

日向(ああ、全然待ってないぞ)

日向「マロンッッッッッ!」

ソニア「へ、マロン……ですか?」

日向「あ、いや、なんでもない、なんでもないんだ…忘れてくれ…」

日向(うっかり心の声が…しかしソニアの水着か……いいな)

日向(ソニアの無駄のない肢体を上品な水着が包み込んでいる。ビキニタイプなのに決して下品に見えないのは流石超高校級の王女だな…)

罪木「お待たせしましたぁ」

日向「!」

日向(罪木はいつも通りあちこちに包帯を巻いているものの、淡い青色のビキニと相まってどこか妖艶な雰囲気を漂わせてる…普段は気にしてなかったけど、罪木って意外に胸があるんだな…)

西園寺「海だー!」

小泉「ほら日寄子ちゃん、入る前に準備運動忘れないようにね」

日向(西園寺は俺の想像通り可愛らしい黄色のワンピース型の水着を着ている。お子様体系も相まってすごく可愛らしい…だけど決して色気がないわけじゃなく、僅かに自己主張をしているふくらみが女の子だという事をはっきりと訴えてくる)

日向(小泉は麦わら帽子を被ったセパレートタイプの水着を着ている。純白のフリフリは清楚な小泉によく似合っていて、視線が釘付けになった)

澪田「うっひょーーーー!アヒョーーーーーーー!」

日向「澪田は何か変なものでも食べたのか…?」

日向(澪田は黒のビキニ……というか攻めすぎじゃないか…!?決して胸の発達は良くは無いけど、黒のビキニがそれを補って余りあるほどの健康的なエロさを醸し出しているッ!)

七海「やっほー」

日向「…………」

日向(言葉を失う…美しさ……具体的には本編を参照。七海のミステリアスな雰囲気とうまく噛み合ったその御姿はまさに天使と形容するのが正しい)


 
 
小泉「……どうかしたの?日向」


日向「俺は今、全てを理解した」

日向「世界中の男子諸君の浪漫を…マロンを…ロマンを……理解した」

罪木「な、なんか日向さんが遠くを見てます……」

澪田「っていうかていうか、創ちゃんは唯吹達の水着みてなーんも感想無しっすか?」

日向「皆、良く似合ってる…可愛い!」

西園寺「べ、別におにぃに褒められても嬉しくないけどね……えへ」

七海「あは……少しだけ照れるね」

小泉「そ、そう……」

ソニア「ふふ、ありがとうございます」

罪木「えへへ…ありがとうございますぅ…私なんかの水着を可愛いなんて言ってくれる人は初めてですよ…」

澪田「創ちゃんうまくかわしたっすねー。フフーン、でも唯吹は追撃の手を止めないッ!」

澪田「じゃあじゃあ、この中で一番グッと来たのは誰?」

日向「えっ…いや、皆可愛いと」

澪田「その中でも特にグッと来た人を教えてごらんよ?ホレホレ」

日向「おっさんか!」

女性陣「…………」

日向(……急に女性陣の視線が集まってきた)

日向(これは…答えなくちゃいけないんだろうか…?)

日向(でもここで逃げたら何を言われるか分からないな…クッ……答えるしか…ないのか!)


1 七海を褒める
2 罪木を褒める
3 ソニアを褒める
4 西園寺を褒める
5 小泉を褒める
6 澪田を褒める


↓1

 
 
日向「えっと、一番グッと来たのは……小泉、かな」


小泉「へっ、あ、あたし?」

日向「ああ、その…凄く小泉の雰囲気に合ってて……ドキッとした」

小泉「~~~~~~っ!」カアア

日向「は、はは…な、なんか照れるな、こういうの」

七海「……むぅ」

西園寺「……ぅー、おねぇならしょうがないか……」

澪田「ほほー、創ちゃんは真昼ちゃんみたいな清楚な感じにグッときちゃうんですなー!」

日向「も、もういいだろっ…ほら、せっかく海に来たんだから遊ぼうぜ」

小泉「そ、そうねっ…ほら、ちゃちゃっと準備体操するよ」

日向(クッ…なんだこの微妙な雰囲気…小泉と目が合わせられないぞ……)

小泉「ぅう…ドキッとしたって事は、あ、あたしを可愛いって思ったって事で……あ~はずかしい…」


小泉の好感度が上がった。
小泉から仄かに好意を感じる…。


 
 
澪田「いーーーやっほーーー!これが唯吹の泳ぎっすー!」バシャバシャ


ソニア「ふふ、私のノヴォセリック式水泳術も負けてはいませんよ」バシャバシャ

澪田「あ、分かった!水平線の彼方まで競争だね?」

ソニア「ええ、モチのロンです!」

澪田「うおおおおおおおお!!」

ソニア「せいやっ!」


小泉「あ、ここ少し水が足りないかも」

西園寺「はい、おねぇ水」

小泉「ありがとう……にしても砂のお城作るなんて久しぶり」

西園寺「完成させたら次はおにぃを砂でコーティングしたげるんだー」

小泉「あんまりやり過ぎないようにね」


日向「いや、そこは止めてほしいんだけどな…」

七海「皆凄く楽しそうだね」

日向「俺は少し遊び疲れたから休憩するよ」

罪木「皆さん楽しそうですねぇ」

日向「そうだ、そろそろ皆も休憩しに来るかもしれないだろうし何か持ってきた方が良いか?」

七海「ちょっと外が熱いからアイスが食べたいな」

罪木「私は飲み物がいいと思います…水分補給はしっかりしないといけませんし」

日向「う~ん…そうだな」


1 アイスを持ってくる
2 飲み物を持ってくる


↓1

 
 
日向「そうだな、水分補給は大事だし、飲み物を持ってくるか」


七海「それもそうだね」

罪木「あ、私が持ってきますねぇ」

日向「いいよ、罪木は休んでてくれ。俺が持ってくるよ」

罪木「でも……」

日向「気にするなよ。友達だからな」

罪木「とも…だち……えへへ、友達……うふふ…」

日向「それじゃ飲み物取ってくる」

七海「行ってらっしゃい」

罪木「ふふ…友達……えへへっ」

日向(なんかすごい喜んでるな…まあ、いいんだけどさ)


罪木の好感度が上がった。


澪田「たはー流石に疲れたっす」

ソニア「今日は遊びまくりの茂太郎でしたね!」

小泉「茂太郎って誰?」

西園寺「もー私お腹ペコペコだよー」

日向「ホテルに戻って夕飯にするか」

七海「またみんなで遊びにこようね」

罪木「今度はクラス全員で遊べるといいですね」

日向(こうして俺たちの休日は過ぎていった……)

日向(皆の水着も見れたし、素晴らしい一日だったな)


一旦投下終了です。また23時頃から来るかもしれませんし明日になるかもしれません。

TIPS
周回ごとに一名、最初から好感度が高いキャラクターがいる。
本番は中盤から。
これはゲームであっても、遊びではない。

七海「うん、パッケージには『だんがん☆あいらんど ~病んで病まれてコロシアイ~』って書いてあるよ」

日向「ものすごく嫌な予感しかしないんだが…」

 
 
日向「……朝か」


日向「今日も頑張って行くか」


日向「おはよう、小泉」

小泉「お、おはよう…日向」

日向「…………」

小泉「……~~っ」

日向(や、やっぱり昨日の事引きずってるよな)

日向(俺もちょっと、顔赤いだろうし…)

七海「おはよう~」

罪木「おはようございます」

西園寺「おはよ」

澪田「おはようございまむ!」

ソニア「おっはー!です!」

日向「今日も他の奴らは帰ってこないな…大丈夫なのか?」

七海「ウサミがいるから大丈夫だと思うよ?」

日向「それもそうだな」

ソニア「あ、日向さん!今日のお仕事が終わった後はお暇でしょうか?」

日向「何か用事でもあるのか?」

ソニア「いえ、大した用事ではないのですが…もし日向さんさえ宜しければ付き合ってほしいと思いまして」

日向「ああ、分かった。気が向いたらいくよ」

ソニア「ええ、よろしくお願いします」

日向(ソニアの用事か…覚えておこう)
 

 
 
日向「ふぅ、流石連日やってると慣れてくるな」


日向「心なしか鍛えられてきたような気がするぞ」

日向(そういえばソニアから誘われていたな)

日向(……まあ、本人も無理強いはしてないみたいだし、無理に行く必要もないか?)

日向(今日はどうするか?)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1

 
 
日向(せっかく誘われたし、ソニアに付き合うか)


ピンポーン

日向「ん?誰だ?」

ソニア「たのもう!日向さん!」

日向「ソニアか、ちょうど良かったな」

ソニア「もしかしてその様子ですと、私にお付き合いいただけるのでしょうか?」

日向「ああ、用事もないしな」

ソニア「本当ですか!?ベリーグッドです!それでは時間も勿体無いですし、行きましょう!」


ソニア「着きました!」

日向「ん?ここって……スーパーマーケット?」

ソニア「はい、少々やってみたいことがありまして」

日向「やってみたいこと、なあ…」

日向(ソニアはスーパーマーケットのあちこちを物色しながら、あれでもないこれでもないと言っている)

日向「俺も手伝おうか?何を探してるんだ」

ソニア「いえ、お手間は取らせま……あ、ありましたよ」

日向「ん…線香花火?」

ソニア「はい、実は島の図書館で花火について知ったのですが、とても面白そうで」

日向「なるほどな、それにここは常夏の島だし、季節感もあっていいだろうな」

ソニア「ええ、本当は皆さんと一緒にやりたいのですが、その前に日向さんと一緒にやってみたかったのです」

日向「へ?」

日向(そ、それって……)

ソニア「さ、それでは1の島の砂浜に行きましょうか。のんびり歩いていけばいい頃合いになるでしょうし」

日向「あ、ああ。そうだな」

日向(まさかな……)


ソニア「……」パチパチ

日向「……」パチパチ

ソニア「綺麗ですね」

日向「線香花火ってなんていうか独特の趣があるよな」

ソニア「はい。灯のともっている時間は短いですけど…火が落ちるまでのわずかな間に、精いっぱいの光を振りまく…」

日向「……」ポトッ

ソニア「……」ポトッ

日向「終わっちゃったな」

ソニア「ええ……」

日向(……)


1 もう一度線香花火をやるか
2 今度はロケット花火にチャレンジしてみよう
3 このまま感傷に浸る

 
 
↓1


 
 
日向(……このまま感傷に浸っていよう)


ソニア「……」

日向「……」

ソニア「波の音が心地良いですね」

日向「ああ、そうだな」

ソニア「見てください、日向さん!星が綺麗です」

日向「お、本当だ……こんなにきれいな夜空、島に来るまでは見れなかっただろうな」

ソニア「……このまま、ずっと皆と修学旅行、していたいですね」

日向「またいつか……今度は皆で花火をして、天体観測でもしよう」

ソニア「……はい」

日向(俺たちは暫く、夜空を眺めていた)

日向(言葉は無かったけれども、心の休まるいい時間だったと思う……)


ソニアの好感度が上がった。


 
 
日向「昨日はゆっくり過ごせたし、体の調子が良いな」


日向「少し早めに出るか」ガチャ

澪田「あ、創ちゃんじゃないっすか」

日向「おはよう澪田、早いな」

澪田「やることないっすからねー、っていうか最近創ちゃんが構ってくれないからやることないんだよー!」

日向「お、俺のせいなのか!?」

澪田「たまには唯吹と遊んでよーつまんないよー」

日向「俺と遊んでも面白いかどうか分からないだろ…」

澪田「創ちゃんとセッションするの唯吹大好きだからモーマンタイって感じっす」

日向「バンドか?」

澪田「唯吹の目と耳は誤魔化せないよッ!創ちゃんは音楽の才能あるっす」

日向「澪田に誘われるまでやったことすらないんだけどな…」

澪田「それだけ才能あるのにやらないなんてもったいないお化けが出てもしょうがないから!」

日向「そこまで言い切るのか」

澪田「とにかくー、たまには唯吹と遊んでほしいっすー!」

日向「ああ、分かったよ。今度な」

日向(澪田と一緒に公園まで向かった)

日向(今日も頑張って行くか)
 

 
 
日向「今日も乗り切ったぞ」


日向「身体の調子がいいからかまだまだ元気が有り余ってるな」

日向(よし、今日は誰と過ごすか)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1
 

 
 
日向「小泉と過ごすか」


日向「さて、と……小泉はどこにいるんだ?」


日向「お、小泉」

小泉「日向?」

日向「よう、何してるんだ?」

小泉「暇だったから島の散歩してただけよ。日向こそ何か用?」

日向「いや、俺も暇だったからさ。小泉と過ごそうかなって」

小泉「あ、あたしと?」

日向「ああ」

小泉「ふ、ふーん…まあ、構わないけど……」

日向「それじゃあ二人で散歩でもするか」

小泉「……あ、あのさ」

日向「ん?どうかしたか?」

小泉「その……ひ、日向の部屋に行ってみたいなって…」

日向「お、俺の部屋!?なんでだよ」

小泉「別に深い意味があるわけじゃないから!その…ちょっと男子の部屋に興味があって…」

日向「何の面白味も無いと思うぞ、女子の部屋に比べたら」

小泉「い、いいのそれでも。……っていうか日向、女子の部屋に入ったことあるの?」

日向「へ?まあそりゃ何度かお邪魔したことはあるけど……」

小泉「……ふぅん」

日向「まあ、そんなに云うなら俺の部屋に行くか。でも本当に普通の部屋だからな?」

小泉「う、うん…」


小泉「ここが日向の部屋……」

日向「普通の部屋だろ?」

小泉「うん……でも、日向の匂いがする…」スンスン

日向「そりゃあそれなりに長いこと暮らしてるからな。っていうか恥ずかしいから匂い嗅ぐのやめてくれ」

小泉「あ、ごめん。なんか変態っぽかったね」

日向「いや、いいけどな。澪田とか勝手に入ってきてフガフガとか言ってるし」

日向「なんだ?」

小泉「……日向って、好きな人とか…その、いるわけ?」

日向「へ?いきなりなんだよ」

小泉「ちょっとした興味本位」

日向「い、いきなりそんな事言われてもな…」

日向(濃いメンツばっかりだからなあ…そういう事は考えても無かった……けど、最近は……)


1 いる
2 いない
3 何も言わない


↓1

 
 
日向「いないよ、今までそんなこと考えてもいなかったからな」


小泉「……そっか」

日向「何か意味あったのか?」

小泉「ううん、別に何でもない。ちょっと聞いてみたかっただけ」

日向「?」

小泉「さ、この話はおしまい。別の話をしましょ」

日向「あ、ああ…」

日向(なんか釈然としないが…小泉が嬉しそうだし、良いのか?)

日向(小泉と世間話をして過ごした)


小泉の好感度が上がった。
小泉から確かな好意を感じる…。

 
 
ヒタ、ヒタヒタ。

ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。

日向「……zzz」


日向「…ん、朝か……そろそろ用意しないとな」

日向「……」

日向(違和感が……気のせいか?)

日向(部屋の周りを見まわしても、何もない)

日向「気のせいだな……」

日向「さっさと公園に向かうか」



 
 
日向「おはよう」


澪田「今日も元気におっはー☆」

ソニア「おっはーです!」

西園寺「朝っぱらからうっさいなあ…はよー」

罪木「元気なのは健康の証ですよぉ、おはようございます」

七海「おはよ……ねみ」

小泉「皆おはよう」

小泉「日向もおはよう」

日向「ああ、おはよう」

小泉「うん、元気でよろしい」ニコッ

日向「今日も一日頑張ってこう」

七海「おーっ」


日向「ま、いつも通りに終了だな」

日向(今日は誰と過ごすか)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1

 
 
日向「そういえば澪田に構ってくれって頼まれてたんだったな」


日向「ちょうどいいし一緒に過ごそう」

澪田「しゃきーーーーん!今の言葉、言質取ったっすー!!」

日向「うお!?澪田!?いつの間に」

澪田「フフーン、あまりにも創ちゃんが構ってくれないんで部屋を出た瞬間に確保できるように待ち伏せしてたっす」

日向「待ち伏せっていうか思いっきり中にいるんだけどな」

澪田「そこは見逃して!唯吹はこの日をどれだけ待ったことか!」

日向「たかだかバンドの練習だけど大げさだな」

澪田「軽音楽部的には死活問題っす!」

日向「お、おう…まあいいや、今日は一日中付き合うつもりだよ」

澪田「今の言葉も言質取ったっすよ。嘘ついたらジャーマンスープレックスぶちかます」

日向「真顔でそういう事言うと笑えないからやめてくれ…付き合うから」

澪田「それじゃあレッツゴー♪」

日向「ああ」


澪田「創ちゃんのギター弾く姿中々キマッってるね~」

日向「そうか?演奏はド素人だけどな」ギュイーン

澪田「コードさえ頭に叩き込めば簡単な曲は楽勝っす!」

日向「そんなもんか……っていつっ」

澪田「?」

日向「ちょっと弦で指を……」

澪田「あー完全に切れちゃってますね、これ。蜜柑ちゃーん!っていないよそういえば!!」

日向「一人で漫才やってないで絆創膏かなんかくれるとありがたいんだが」

澪田「その前に消毒しないとダメっすよ!ばい菌はいっちゃったら大変だからね。ってわけで噛ませて!」

日向「なんでだよ!?」

澪田「唯吹、いっきまーっす!かぷっ」

日向「人の話を…うおっ!?」

澪田「んー…あむ…ちゅる…」

日向「お、おお…おおう…」

日向(どうしてこうなった!?っていうかそれ噛むっていうか舐めてるだろ!?)

日向(い、いや…消毒なら噛むんじゃなくて舐めるよな……ってそうじゃない!)

日向(これはまずいだろうなんかすごいやらしい音でてるぞ!?)


1 指を引き抜く
2 澪田を止める
3 もう少しだけ……


↓1

 
 
日向(い、いや…こんな機会もう二度とないだろうし…)


日向(も、もう少しだけ)

澪田「あむ…んっ…れろ……れりゅ…んっ」

日向「……っ」

澪田「んーっ……っはぁ、こんなもんっすかね?」

日向「はあ…ふぅ……あ、ありがとうな」

澪田「気にしないでいいっすよ!ギタリストにとって指は命っすからね」

日向「いや、俺はギタリストじゃないけどな…でも助かったよ」

澪田「……っていうか、ドサクサにまぎれて唯吹凄い大胆なことしちゃってない!?」

日向「今更!?」

澪田「な、なんか思い返したらすごく恥ずかしくなってきた!」

日向「だったらやるなよ!?」

澪田「う、あ、お……その…えーっと、あの……ごめんなさいーーーーーーーー!」ダッ

日向「澪田!?」

日向(顔を真っ赤にした澪田は猛然と駈け出してしまった…)

日向(おもむろに指先を眺めると、澪田が舐めた部分がてらてらと艶めかしい輝きを放っていた)

日向(邪な想像を振り払って、俺はライブハウスを探索して救急箱を見つけだし、絆創膏を巻いた)

日向(……ドキドキしたな)


澪田の好感度が上がった。
























??「…………………」
 

 
 
日向「ふぅ、結局澪田は見つからなかったな」


日向「明日あったら一応謝っておくか…別に謝る必要はないと思うけど、いつまでもぎくしゃくするのもアレだしな」

日向(そう言いながら部屋のドアに手をかけるとはらりと隙間から紙が落ちてきた)

日向「ん、なんだ……これ」

日向(拾い上げて文面を見る)

日向(何か俺に用事があったやつがいるのか?なんて楽観的なことを考えながら──)





『  あ  ナ   た
あ    イシ     て        ル
              ダ     い             す
                 き』




日向「うわあああああああああああああああああああああっ!?」

日向(そこには新聞の切り抜きでそう書かれていた)

日向(いたずらにしては悪趣味すぎるぞ…!?)

日向(なんだよ…なんなんだよこれ…)

日向(俺は神をくしゃくしゃに丸めると、すぐさま部屋のゴミ箱に投げ捨てた)

日向(今の気味の悪い出来事を振り払うように、ベッドに潜り込む)

日向「今日はもう寝よう……」
 





ヒタヒタ。
 

日向「……すぅ」


ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。


日向「…………zzz」



ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。



ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ・



 

投下終了です。次回は夕方頃になります。おそらく。

TIPS
無し。

私用が入りましたので夕方の投下遅れそうです。
夜辺りにでもふらっと来ます。

プレイヤーのほうの日向が気になっている方がいるようですのでそちらもついでに書くつもりです。


 
──────


日向「あ…れ…?」

日向「俺は確かに普通にプレイしてただけなのに…どうしてこんな不穏な展開に……」

狛枝「ファンタスティックな展開だね!」

日向「うおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?」

狛枝「あはは…そんなに驚かれると少し傷つくんだけど」

日向「こ、狛枝!?なんでここにいるんだよ」

狛枝「ほら、ボクって自慢じゃないけど皆から好かれてないでしょ?こんなボクと自然体で接してくれる人なんて日向クンしかいないからね」

日向「だからって脅かすなよ」

狛枝「脅かすつもりは無かったんだけどね……それに声もかけて返事をしていたからボクの存在を無視してるだけだと思ってたよ」

日向「そんなわけないだろ……心臓に悪いな」

狛枝「ごめんって。凄く集中してたし邪魔したくなかったからね」

日向「……冷静に考えるとクラスメイトに恋愛ゲームをしている姿を見られるって相当恥ずかしくないか?」

狛枝「別にボクは何とも思わないけど?」

日向「一般論の……って狛枝に言ってもしょうがないか」

狛枝「それよりこの恋愛ゲーム、面白そうだね」

日向「…………そうか?なんか先を進めたくなくなってきたんだが」

狛枝「恋愛ゲームをやっていたと思っていたらホラーゲームをやっていた…その絶望を乗り越えてキミの希望はより強く輝くんだよ」

日向「んなわけないだろ…っていうか狛枝、恋愛ゲームとかやったことあるのか?」

狛枝「ないよ。知識としては知ってるけど」

日向「そうか……やっぱりこれ普通の恋愛ゲームじゃないよな?」

狛枝「そうだね、製作者がモノクマって辺りから希望の香りはしないよ」

日向「希望の香りってなんだよ…」

狛枝「先に進めないの?」

日向「このまま進めてもバッドエンドの予感しかしないんだけどな」

狛枝「ま、いいんじゃない?そこから得るものもあるだろうし」

日向「……」

狛枝「バッドエンドに挫けずにこのゲームをクリアすればきっと希望に満ち溢れた素晴らしいハッピーエンドがまってるはずだよ」


 
 
日向「とはいえ、製作者がモノクマだろ?パッケージ詐欺とか、いかにもやりそうな奴じゃないか?」


狛枝「絶望を踏み越えて希望が輝くように、希望が強ければ強いほど絶望も深くなる…もしこのゲームを通してモノクマが絶望を与えようとするなら、それに相応しい“希望”を餌にするはずだよ」

日向「お前のその謎理論が信用ならないんだが……」

狛枝「あはっ……まあそれはさておき、ボクはこのゲームの“罠”を理解したからね」

日向「“罠”?」

狛枝「うん、モノクマの事はよく分からないけど、少なくともモノクマの中の人は相当性格が悪いね」

日向「どういうことだよ」

狛枝「あんまりボクを失望させないでよ、日向クン。その答えはキミ自身が考えるものだよ。このゲームのプレイヤーはキミなんだから」

日向「……」

狛枝「そうだね、でもヒントをあげようか。このまま終わられても面白くないしね」

狛枝「普通の攻略法は、このゲームにおいて通用しないよ」

日向「どういうことだ?」

狛枝「だから、それは日向クンが考えることだって。ボクみたいなクズにも分かったんだから超高校級の才能を持ったキミが分からないわけがないよ!」

日向「……はあ」

狛枝「それじゃ、ボクはそろそろお暇するよ。明日は休日だから、思いっきりゲームを楽しんでね」

日向「ま、頑張ってみるさ」

狛枝「きっと日向クンなら希望溢れるハッピーエンドを掴めるはずさ」スタスタ

日向「ったく……何しに来たんだあいつ」

日向「まあいいか。少し休憩を始めたら、もう少し続けてみるか」

日向「狛枝にバカにされたままってのも癪だしな」


 
──────


日向(あまり眠れなかったな……)

日向(少し疲れてたんだよな…きっと。一応、ゴミ箱の中を漁ってみるか)

日向(昨日の不気味な噛みを捨てたゴミ箱を漁るが、あの紙は出てこなかった)

日向「気のせい……だったのか?」

日向「俺の勘違いって事もあるしな。皆には黙っておこう」


澪田「おっはよーーっす創ちゃん!」ダキッ

日向「うお!?なんだよ澪田!?」

澪田「いやぁ創ちゃんの抱き心地は最高っすね~」スリスリ

日向「お、おい!」

澪田「っとと。そろそろ離れないと皆から嫉妬されちゃうねっ」

日向「っていうか澪田いきなりどうしたんだよ?昨日はあんなに恥ずかしがってたのに…」

澪田「いやーその節はお恥ずかしいところを……。でもま、いいじゃないっすか細かいことは!」

日向「全然細かい事じゃないぞ?」

西園寺「おにぃおはよ~☆」グイッ

日向「うおっ」

西園寺「モブC子なんかと話してないで私とお話ししようよー」

日向「は、はあ?」

澪田「……」

西園寺「えー?何か言った?」

日向「いや、西園寺、お前少しおかしくないか?」

西園寺「別におかしくないでしょ?いつもの私だよ?」

日向「いや、いつもはこんな強引に──」

罪木「あ、日向さん、おはようございます」

日向「ああ、おはよう…罪木……」

罪木「?どうかしましたぁ?」

日向「いや、なんでもないんだ…」

日向(罪木はおかしくないみたいだな…)
 

 
 
七海「おはよう、皆」


ソニア「やっはろーです!」

小泉「おはよう…って日寄子ちゃんと唯吹ちゃん、どうかしたの?」

西園寺「べっつにー」

澪田「別に何でもないよー!ちょっとした朝のスキンシップっす」

小泉「そう?ならいいけど。……日向も、おはよう」

日向「ああ、おはよう…」

小泉「ねえ、そのさ…今日──」

ソニア「日向さん!今日は私にお付き合いして頂きたいのですが」

日向「へ?何か用でもあるのか?」

ソニア「え、いろいろとありまして、二人っきりで」

西園寺「……」

澪田「……」

小泉「……」

七海「……うーん、なんか空気が変な気がするなあ」

罪木「なんだかすごくピリピリしてますねぇ…」

日向(……なんだろう、この違和感)

日向(ただそれを口にしてしまった途端、何かが壊れてしまう気がした)

日向(俺はただ空笑いを浮かべて、現状維持に努める事しかできなかった……)

 
 
日向(今日の仕事は実に淡々と進んだ)


日向(皆表面上はいつも通りに振る舞っているように見える)

日向(ただ、ふとした拍子に今朝の光景が頭を過った)

日向(……気にしてもしょうがないか)

日向(今日は誰かと過ごす気分じゃないけど、そんなことも言ってられないな)

日向(こういう時に一人になると余計悪い方向に考えてしまうんだろうし)

日向(気分転換に誰かと過ごそう)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1 (安価対応はすみませんが遅くなります、急用が入ってしまったので。本日中には戻ってきます)

 
 
日向「……西園寺と過ごしてみるか」


西園寺「呼んだ?おにぃ」

日向「うわっ!?」

西園寺「そんなびっくりしなくてもいいじゃん~」

日向「い、いきなり声をかけられたらびっくりするだろ」

西園寺「ま、どうでもいいや。今私と過ごすって言ったよね?」

日向「ああ」

西園寺「じゃあまたさ……その、帯の結び方の手伝い…してくれる?」

日向「ああ、そうだな」


西園寺「~~♪」

日向(西園寺は鼻歌を歌いながら楽しそうに帯を結んでいる)

日向「随分うまくなったな」

西園寺「ううん、だってさ──おにぃに褒めてほしかったから」





西園寺「だからおにぃに褒められるためにずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと一人で練習してたんだ」





西園寺「おにぃがよくやったなって私の頭を撫でてくれるって思ってずっとずっとずっとずっとずっとずっと」





西園寺「おにぃが他の女といちゃついてる時もね?ずぅーーーーーっと私は練習してたんだよ?」





日向「お、い、西園寺……?」

西園寺「ねえ、褒めてよおにぃ。私頑張ったよ?もう一人で結べるよ?」

西園寺「だから──」





西園寺「褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて」






日向(どうしたんだ……どうしたんだよ西園寺っ!)

 
 
1 逃げ出す

2 褒める
3 名前を呼ぶ


↓1

 
 
日向「西園寺…っ!」ギュッ


西園寺「っ」

日向「ごめんな…西園寺。お前が寂しい思いをしていたのに気付けなくて…本当にごめんな」

西園寺「おにぃ……」

日向「西園寺、寂しいときは素直に寂しいって伝えていいんだ…褒めてほしいなら素直にそう言ってくれればいいんだ…」

西園寺「……」

日向「俺はお前の下僕なんだろ?だったら気なんて使わなくていいんだ…いつもみたいに素直に、お前の気持ちを伝えてくれ」

西園寺「……ごめんなさい」

日向「いいさ」

西園寺「…………ごめんなさい」

日向「気にするなって…それだけ切羽詰ってたんだろ?俺が気付けなかったのも悪いんだ」

西園寺「……うん、おにぃ……優しいね…………」

日向「……」ナデナデ

西園寺「今日はもう帰るね」

日向「ああ」


西園寺の好感度が上がった。
西園寺から歪んだ好意を感じる……。


















??「………………………………………………………………」

 
 
日向「……ふぅ、今日は疲れたな」ポリポリ


日向「なんか腕が痒いな」ポリポリ

日向「……蚊にでも刺されたのか?」

ピンポーン

日向「ん?誰だ?」スタスタ

日向(扉の向こうにいたのは──)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田


↓1
 

 
 
日向「七海……?」


七海「や、日向くん」

日向「どうかしたのか?」

七海「うーんと…用があるって訳じゃないんだけど」

日向「?どういうことだ?」

七海「ちょっと日向くんの様子がおかしかったから」

日向「俺の?」

七海「うん。朝、なんだか気分が悪そうだったよ」

日向(朝か…澪田や西園寺とのやり取り……の事か?)

日向「いや、俺は何ともないぞ。澪田や西園寺も…多分、ちょっと不安定になってるだけだと思うぞ」

七海「……そっか。でも、本当に何ともないのかな?」

日向(心配そうに俺の顔を覗き込んでいる)

日向(本気で心配してくれてるんだろうな……)

日向(昨日の夜の事、話してみるか?)


1 話す
2 話さない


↓1
 

 
 
日向「実は──」


日向(俺は昨日の夜に起こった出来事を七海に話した)

日向(一瞬、七海を巻き込んでしまうのではないか、という懸念が頭を過ったけれど…それでも七海には話しておきたかった)

七海「そんなことがあったんだ……」

日向「ああ、でも多分、俺の気のせいだとは思うんだ……その証拠もないしな」

七海「私は、信じるよ」

日向「七海……」

七海「私は日向くんの味方だから」

日向「ありがとう、七海」

七海「気にしないでいいよ。何か困ったことがあったらいつでも言ってね」フンス

日向(いつものドヤ顔で七海はそう言った)

日向(いつもと全く変わらない七海の顔を見て、ほんの少しだけ心が軽くなった)

七海「それじゃあもう寝るね」

日向「ああ、話を聞いてくれてありがとうな」

七海「また同じようなことがあったら相談してほしいな」

日向「勿論だ、七海には必ず相談するよ」

七海「……うん」

日向(七海は帰って行った…)

日向(夜も更けてきた。俺も眠ろう……)
 

 
 
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。






??「…………」





ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。




??「どうして」





ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ。





??「どうしてどうしてどうしてどうしてあいつがどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」





??「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして





 

 
 
 
 
 
日向「──」






日向(翌朝、七海が失踪した。)

 
 
 
 
 
──to be contnue.


投下終了です。まもなく一週目が終わる予定です。

TIPS
どれだけ好感度を上げてもあるタイミングを超えなければキャラクターと恋愛関係になることは出来ない。

 
 
日向「……どこにもいないな」


西園寺「こっちも探してみたけどいなかったよ」

小泉「私も空振り……」

罪木「役立たずでごめんなさい……」

澪田「一体どこ行っちゃったんすかね千秋ちゃん」

ソニア「この島も広いですから、どこかにいるとは思いますが……少し心配ですね」

日向(今朝、いつもの集合場所に来なかった七海を探してコテージまで戻ってきたのが数時間前)

日向(コテージに七海の姿は無く、心当たりの場所は全て探した)

日向(しかし七海の姿を見つけることは出来なかった……)

罪木「もしかしたら…他の皆さんのところに行ったんじゃないですかぁ?」

西園寺「は?何意味わかんない事言ってんのゲロブタ」

罪木「ふゆぅ…ごめんなさい…!で、でもでも、これだけ探していないなら皆さんと一緒にいるって考えた方が自然じゃないですかぁ」

小泉「うーん……でも、そう考えた方が自然だよね。この島に危険は無いってウサミが言ってたし」

澪田「もしかしたら急に人手が足りなくなって呼ばれちゃったのかもしれないっすねー」

日向「お、おい、ちょっと待ってくれよ!本当にそうだったとしても何の連絡もないなんておかしくないか?」

西園寺「……もしかしたら急な出来事で連絡できなかったんじゃない?」

ソニア「急に呼び出されたのなら連絡がないことも納得できますね」

日向「それにしたって…書置き位おいていけるだろ」

罪木「日向さん、昨日から少しおかしいですよ?」

日向「おかしいのはお前らだろ!?なんでそんなにあっさり諦めるんだよ」

日向(昨日俺は七海と会ってるんだ…!)

日向(それに七海は俺の味方でいてくれるって言ったんだ……そのあいつが何も言わずに消えるなんておかしい…)

澪田「どーどー、少し冷静になった方が良いっすよ」

日向「……っ」

小泉「私たちもなるべく探してみるから、とりあえず仕事を始めよう」

ソニア「そうですね…七海さんのことは心配ですが、この島に危険は無いでしょうし、とりあえずは通常業務に戻った方が良いのでは?」
 

 
 
日向(……結局、七海は見つからなかった)


日向(そしてみんなも、いつも通り過ごしていた)

日向(俺が……俺がおかしいのか……?)

罪木「あ、日向さん…。その、少しだけ時間をくれませんか?」

日向「何か用なのか…」

罪木「日向さんが落ち着けるようにその……色々と考えてることがあるんですぅ…」

日向「そうか、気が向いたらな……」

罪木「はい…」スタスタ


西園寺「あ、おにぃ」

日向「西園寺か、どうかしたか?」

西園寺「うん、ちょっと話があって」

日向「お前もか…」

西園寺「気が向いたら来てよね……」スタスタ


ソニア「日向さん!」

日向「なんだ」

ソニア「日向さんを元気にしようと思いまして。今日は思いっきり遊びましょう」

日向「悪い、そんな気分じゃ…」

ソニア「いえ、日向さんは遊ぶべきです。ずっとマイナスな思考をしていては前向きになんてなれませんから」

日向「……そうかもな」

ソニア「もし日向さんさえよろければ、お待ちしていますね」スタスタ


小泉「あ、日向」

日向「……よう、小泉」

小泉「ねえ、こんな時に言うのもアレだけどさ」

日向「なんだ?」

小泉「うん、その……伝えたいことがあるから、来てほしいんだ」

日向「伝えたいこと?」

小泉「うん。だから……もし日向が良かったら、私のところに来て」

日向「……ああ、分かった」

小泉「ありがとう」スタスタ


澪田「創ちゃんー!」

日向「どうした?」

澪田「えっと…良かったらバンドの練習しようよ!」

日向「えっ……」

澪田「音楽っていいストレス発散になるからね」

日向「……そういえば、そんなことをよく聞くな」

澪田「だからさ、唯吹と楽しくセッションして、暗い気持ちを吹き飛ばしちゃうっすよ!」

日向「そうだな、それも、良いかもな」

 
 
日向「七海…」


日向(皆の言うとおり、本当に七海は何でもないんだろうか?)

日向(俺が心配し過ぎてるのかもしれない)

日向「気分転換も……必要なのかもしれないな」

 
 
※重要な選択肢です。



1 罪木のもとへ向かう
2 西園寺のもとへ向かう
3 ソニアのもとへ向かう
4 澪田のもとへ向かう
5 小泉のもとへ向かう
6 部屋に籠る
 

↓1
 

 
 
日向「小泉…話があるって言ってたな…」


日向「行ってみよう」


小泉「……来てくれたんだ」

日向「大事な話らしいからな」

小泉「うん、日向にとっては分からないけど。少なくともあたしにとっては、大事な話」

日向「どうしたんだ?」

小泉「あのね──」

日向(小泉がそう前置きをして、少しだけ口を噤む)

日向(僅かに風が吹いて、俺の頬を撫でる)

日向「……」

小泉「こんな時に、こんなこと言うなんて、その……ずるいかなって思ってる」

小泉「でもここ数日の日向の様子を見てて……放っておけないって思った」

小泉「いつものお節介とかじゃなくて、心の底から、あんたの隣で、あんたを支えたいって思った」

日向「こい、ずみ……」

小泉「私が、あんたの隣にいたいの」

日向「……」



小泉「日向。──大好き。もしあんたが良ければ、私を、友達としてじゃなくて、恋人として……隣に居させてほしい」



 

 
 
日向(その言葉を聞いた途端、頭の靄が晴れていくような気がした)


日向(今まで胸の内で暴れていた不安が、消えていくような──)

日向(気が付けば、俺は小泉を抱きしめていた)

日向「俺も、大好きだ……小泉」ギュッ

小泉「日向……本当に、あたしでいいの?」

日向「ああ、むしろ、小泉じゃなくちゃだめだ……今更だけど、気付いたんだ」

日向「俺の方こそ、お願いできるか?」

小泉「当たり前でしょ?男子ならもっと胸張って受けれいれなさいよ」

日向「ははっ…そうだな、その通りだよ」

小泉「これから、よろしくね」

日向「ああ、もちろんだ──」


小泉と恋人になった。

 
 
 
 




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「あれ?あれあれあれあれあれあれあれあれあれあれ?」


??「私の目が壊れてるんですかぁ?」

??「それとも、まだ私の気を引きたいんですかぁ?」

??「ふふ、欲しがりさんですねぇ。日向さんは…くす」

 
 
 
 
 
罪木「あはははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!」

  
 

 
 
日向「小泉、今日は俺の部屋で過ごさないか」


小泉「んえっ!?ちょ、ちょっとそれは早過ぎない!?」

日向「え?なんでだ」

小泉「だ、だって日向の部屋で二人で過ごすって事はその……そういう事でしょ?」

日向(頬を赤らめながら上目づかいで俺を見つめる小泉は破壊力抜群で…)

日向(邪な想像が頭に浮かんだ途端、小泉の意図を理解した)

日向「い、いやいやいやいや!?そ、そういうわけじゃないぞ!?」

小泉「え、そ、そうなの…?」シュン

日向(やばい…ちょっとがっかりしてる小泉可愛いぞ)

日向「その……さ、やましい理由は無くて、ただ、一緒に居たいというか……うまく言えなくてごめん」

小泉「あの、あたしは…別にいいけど……その、えっちなことも」

日向「そ、そういうことを言うとロマンがマロンなことになるからやめてくれ!」

日向(俺と小泉は、笑顔を浮かべながら帰り道を歩く)

日向(その後ろで、誰が笑っているとも知らずに)

日向(幸せの裏側でどんな悲劇を怒っていたのかも)

日向(俺は、気付いていなかった……)

 
 
罪木「西園寺さん!」


西園寺「ちっ…ゲロブタかぁ……何の用?今私すこぶる機嫌悪いんだけど」

罪木「えへへ…ちょっとお話ししたくて」

西園寺「とっとと済ませてよね」

罪木「大丈夫ですよぅ、直ぐ済みますから」グチュ

西園寺「……は?」

罪木「あ、動かない方が良いですよぉ?今動脈に注射器刺さっちゃってますからぁ」

西園寺「いみ、わかんなッ…なに、を……」

罪木「えへへ、元気になるお薬ですよぉ。うふふ、ってまあ西園寺さんと澪田さんには一度打ってるんですけどねえ」

西園寺「……あ、う…」

罪木「気持ちよくなってきましたぁ?致死量余裕で越えちゃってるんで速攻オーバードーズで昇天できますよお」

西園寺「あぐ……あ、……くゥ…」ダラダラ

罪木「あらあらぁ、涎たれちゃってますよ…だらしないですねぇ」

西園寺「たすけ…て……おにぃ…」

罪木「はあ?なんで今日向さんの名前を呼ぶんです?」

罪木「日向さんは私の友達なんです」

罪木「私だけの友達なんです」

罪木「とぉーーーっても大切なお友達なんです」

罪木「世界中でたった一人だけ、私のことを認めてくれる人なんですよぉ」

罪木「あなたみたいな“メスガキ”が気軽に読んでいい名前じゃないんですよ!!!!!!!!」

西園寺「…………」

罪木「あ~あ、死んじゃった……」

罪木「あんな生意気なことを言うならもう少しいたぶって殺してあげればよかったですねぇ」

罪木「あはッ、あははっ」





罪木「あ         はは         はは
       は             は
                         は
あは             は                  はは      は

」  
 

 
 
日向「……」


小泉「……」

日向「……その、なんていうか、緊張するな…」

小泉「う、うん…」

日向「……」ポリポリ

小泉「日向、どうしたの?腕なんか掻いて」

日向「いや、どうも最近痒くてさ」ポリポリ

小泉「変な虫に刺されたんじゃないわよね?」

日向「多分、蚊かなんかじゃないかと思ってるんだけど、看てくれるか?」

小泉「こういうのは蜜柑ちゃんの役目だと思うんだけどね…どれどれ」

小泉「……うーん、蚊に刺され…っぽい気はするなあ、なんか小さい穴があるから、血を吸われたんじゃない?」

日向「なるほどな…っていうかこの島にも蚊とかっているんだな」

小泉「見たこと無いけど、意識したら結構いるのかもね」

日向「それは嫌だな…」

小泉「……っていうか、女の子と二人っきりでいるのにこのムードのない会話ってどうにかならないの?」

日向「そ、そんな事言われてもな……俺だってこんな経験ないんだし、どうしたらいいのか分からない」

小泉「……ふ、ふぅん。まあ…あたしも、無いけどさ……男子なんて汚らわしいって思ってたし…」

日向「だよなぁ」

小泉「本当、どうしてこうなったのかしらね。今でも自分の心境の変化に驚いてるわよ」

日向「なんていうか、小泉に選ばれるって、誇って良い事みたいに思えてきたな」

小泉「当たり前じゃない。……私をこんなに好きにさせたんだからさ、責任、取ってよね」

日向「…………ああ」


夜は更けていく…。
 

 
 
日向「……ふわぁ」


小泉「おはよ、日向……」プイッ

日向「あ、ああ。おはよう…なんか照れくさいな」

小泉「……うん」

日向「……」

小泉「……」

日向「す、少し早起きしすぎたけど、き、気分転換も兼ねて早めに出るか!」

小泉「そ、そそそうね!一緒に出ていくところを見られたら何言われるか分からないし!」

日向「だな!」

小泉「うん!」

日向(そんな照れ隠しの会話を繰り広げながらも、俺の胸は幸せで満たされていた)

日向(きっとこれからもこんな明るい未来が続くんじゃないかって、そんな予感さえしていた)


日向「そろそろ出るぞー?」

小泉「うん、準備オッケーよ。泊りになるなら準備してくればよかったわ」

日向「な、なんか悪いな…」

小泉「いいわよ、私も覚悟の上だったし…」

日向「……そろそろ行くか」

小泉「ええ」

日向(扉を開ける)

日向(それは、輝かしい道への、第一歩──)

 
 
 
 
 
日向「……………………………………………………は?」

 
 
 
 
 


 
 
日向(理解が、出来ない)


日向(いや、理解をすることを、脳が、拒んでいるんだ)

日向(だってそこには、ありえない光景が)

日向(あるわけがない、光景が広がっている──)

小泉「日向?どうした……の……………………?」

日向(小泉には、見せるべきじゃなかった)

日向(そんな判断さえできないほど、俺の頭は混乱していた)

日向「な、なんだよ……なんだよこれ…………」

日向(だって、そこには──)

 
 
 
 
 
小泉「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 
 
 
 
 
日向(澪田、西園寺、ソニアの無惨な死体が──)


日向(まるで見世物のように──)

日向(転がっていた──)

 
 
 
 
 

 
 
日向(それからの事は、よく覚えていない)


日向(俺は泣きじゃくる小泉を抱きしめながら、途方に暮れていた)

小泉「……どうして、どうしてなの………………」

日向「俺にも分からない……」

日向(嘘だ。本当は分かっている)

日向(あそこに転がっていた死体は、『3つ』)

日向(俺と小泉は二人でずっと一緒に居た)

日向(七海はずっと行方不明だった。……俺の考えが正しければ、きっともう、この世にいない)

日向(こんなものは推理でもない、ただの消去法で答えにたどり着く──)

日向「……」

小泉「こわいよ…日向……助けて……………………」

日向「…………」

日向(小泉は俺の身体が千切れるほどに、強く、強く抱きついてくる)

日向(不安と悲しみと恐怖が綯交ぜになったその抱擁は、俺の覚悟を決めさせるのには十分で)

日向「俺は……小泉の彼氏で、男子だからな」ギュッ

日向(終わらせよう、全て)

小泉「ひなた……?」

ピンポーン

日向(まるでタイミングをうかがっていたかのような、チャイムの音が鳴り響く)

小泉「ひっ!?」ビクッ

日向(恐怖で俺にしがみついてくる小泉をなだめ、俺は立ち上がった)

小泉「や、やめたほうがいいよ…日向……ここに閉じこもって……」

日向「それじゃ、何も解決しない。俺はお前との未来のためにも──戦うぞ」

小泉「日向……」

日向「待っててくれ、全部、終わらせてくるから」

日向(せめて、小泉だけは、俺の大切な恋人だけは──)

日向(護ってみせる)

日向(決意とともに、歩みを進めた……)
 


 
 
日向「俺をお呼びか…………」

 
 
 
 
 
日向「罪木」

 
 
 
 
罪木「あ、日向さん」


罪木「私からの愛のメッセージ、見てくれましたかぁ?」

日向「やっぱり……お前がやったのか?」

罪木「そうですよぉ?だって私がいれば他の人なんて要らないじゃないですかぁ」

日向「な、なにを…言ってるんだよ?」

罪木「海の日、言ってくれましたよね?私の事が友達だって」

日向「あ、ああ……」

罪木「私、すごく嬉しかったんですよぉ。今まで私の事を友達なんて言ってくれた人なんていなかったんですからぁ」

日向「それは違う…。この島の皆は……そうじゃないだろ……そうじゃなかったはずだ!」

罪木「でも、誰も私の事を友達だなんて言ってくれませんでした」

日向「言わなくても伝わることはあるだろ!」

罪木「分かるわけないじゃないですかぁ、人の気持ちなんて」

日向「罪木……」

罪木「でも日向さんは違いました!私の事を友達と言ってくれて私なんかの為に気を使ってくれて私の為に私の為に私の為に私の為に私の為に私の為に」

日向「つ、罪木?」

罪木「あの日からずっと待ってたんです日向さんがまた私に声をかけてくれるのを」

罪木「だって私は友達ですから」

罪木「友達は毎日あって毎日お話しして毎日毎日毎日毎日毎日毎日たぁ~~~っくさん愛し合うって決めてたんですよ」

日向「…………っ」

罪木「あの日日向さんから友達だって言われたときに決めたんです」

罪木「日向さんの為に何でもしようって日向さんの為に生きようって日向さんに全て捧げようって」

罪木「なのに日向さんったら澪田さんや小泉さんといちゃいちゃして…」

罪木「でもわかりますよぉ?友達の私の気を引きたいんですよねぇ」

罪木「だから私我慢したんです、すごくすごくすごくすごくすごくすごく我慢したんです」

罪木「毎日嫉妬で気が繰りそうになりながら耐えたんです」

罪木「でも気付いたんです、待ってるだけじゃダメだって」
 

 
 
罪木「きっと日向さんは私が応えるって信じてくれてたんですよね?だから頑張りました!」


罪木「偶然スーパーマーケットで見つけたお薬を夜中に忍び込んで西園寺さんと澪田さんに打ってあげたんですよぉ」

罪木「日向さんも見ましたよね?あの必死な行動…必死過ぎて笑っちゃいますよねぇ」

日向「あのおかしい言動はお前が…っ!」

罪木「あ、そういえば日向さん、最近腕が痒くないですか?」

日向「──ッ!?」

罪木「実はですね、私が見つけたお薬の効果は“感情を増幅させる”作用があるんです」

罪木「だから日向さんに私の愛のメッセージを届けましたよね?」

日向「あの時の不気味な手紙──!?」

罪木「不気味じゃないですよぉ、あれは私からのラブレターです♪凄く頑張って作ったんですよぉ?」

罪木「きっと友達の日向さんなら気付いてくれるって信じてましたぁ」

日向「お前──ッ!」

罪木「だけどどうして、どうして私のところに来なかったんですかぁ?」

日向(それはきっと…あの手紙に“好意”ではなく、“恐怖”を抱いたからだ…)

日向(ここ数日の異様な不安感や情緒不安定だったのも、薬の効果だったのか…)

罪木「挙句の果てになんですかあれ?おかしいですよね?」

罪木「ナンデ七海さんを頼ったんですか友達の私を差し置いて」

罪木「おかしいですよね?」

罪木「だって私は友達なのに。友達なのに友達なのにッ!!!!!」

罪木「日向さんが信じるべきなのは私ですよ私だけです私以外にはいません」
 
日向「それは…違う…!」

罪木「違わないです!!!!!!!!!!!!」

罪木「だけど安心してください日向さんは悪くないんです悪いのは日向さんのまわりのやつら」

罪木「日向さんを誑かして日向さんを惑わせて日向さんを狂わせて日向さんを壊して」

罪木「そんな日向さんに有害な“障害”たちを全員“処理”するんですぅ…そうすれば」

 
 
 
 
 
罪木「ずぅーーーーっと、私だけを見ていてくれますよね?」

 
 
 
 
 

 
 
日向(──罪木)


日向(俺はどうするべきなんだろうか)

日向(罪木をここまで追い詰めてしまったのは俺の責任でもある)

日向(もう少し、罪木に気を配るべきだった)

日向(もっと周りに気を付けるべきだった)

日向(でも、やっぱり罪木のしたことは許されない)

日向(だけどもう、俺の言葉は罪木には届かない)

日向(それでも、俺は足掻くべきなんだろうか)

日向(それとも──もう、終わらせるべきなんだろうか?)

日向(我ながら甘えた選択肢だと思う、罪木を説得することの危険性はもう十分ってほどに理解している)

日向(小泉に危険が及ぶかもしれない)

日向(俺は──)

日向(俺は──ッ!)

 
 
1 足掻く

2 終わらせる

 
 
↓1

 

 
 
日向「お前は……何をしに来たんだ……?」


罪木「決まってるじゃないですかぁ、最後の“障害”を駆除しに来たんですよぉ」

日向「…………そうか」

罪木「だからそこを通してください」

日向「……」

罪木「大丈夫ですよぉ、日向さんの手は汚させませんからぁ」

日向「…………俺がやるよ」

罪木「?」

日向「俺が、全部終わらせる……もう、罪木は何もしなくていい……」

罪木「そんなことさせませんよぉ、わたしがやりますから。日向さんは見ててください」

日向「“友達”の命令だ……」

罪木「……」

日向「俺に、任せてくれ」

罪木「うふ、ふふ、あは…うふふふふふ!!日向さんに、ようやく私の愛が伝わったんですね」

日向「ああ、お前の気持ちは痛いほどに伝わった。だから、もう、終わらせよう……」

罪木「わかりました……小泉さんは私の手で殺してあげたかったんですけど、日向さんがそう言うなら……はい♪」

日向(罪木は胸元からナイフを取り出すと、歪んだ笑みを浮かべながら俺に差し出してくる)

日向(俺はそれを無造作に受け取り──)

日向「──終わりにしよう」


罪木「──えっ」


日向(罪木に、突き刺した)

日向(罪木の純白のエプロンに、赤い染みが広がっていく)

罪木「ひな、たさん…なに……を……」

日向「終わらせよう、何もかも」

罪木「あ、う…」

日向「……ごめんな」

日向(俺は顔をそむけず、罪木が絶命するその瞬間まで、静かに見届けた──)

日向(罪木は最初こそ、驚きと苦痛で表情を歪めていたが)

日向(気付けば、恍惚とした笑みを浮かべて……)

 
 
 
 
 
日向(そして彼女は、死んでいった)

 

 
 
日向(罪木の死体からナイフを引き抜く)


日向(びちゃり、と血が跳ね、シャツを汚した)

日向(俺はそれを気にも留めず、一瞬、自分のコテージへと意識を向ける)

日向(コテージの中で、彼女はまだ怯えているのだろうか?)

日向(でももう、知ることは無いだろう)

日向(いや、知る必要はないんだな……)

日向「今更、どんな顔をしてあえばいいんだろうな」

日向(きっと何日か経てば、狛枝たちも帰ってくるだろう)

日向(出来る事なら、小泉には今までの事を忘れて、元気に生きてほしい……)

日向(さようなら……ありがとう、小泉)

日向(せめて、皆の死体を埋めてからにしよう…)

 
 
日向「……こんなもんか」


日向(第一の島の砂浜に、澪田達の簡単な墓を作った)

日向(少ない時間と俺一人ではこれが限界だな……)

日向「七海は、どうしたんだろうか……」

日向(罪木の口ぶりだと、もう……。いや、それなら尚更、供養してやらないとな)

日向(……)

 
 
1 罪木の家を探す

2 手当たり次第に探す

 
 
↓1

 

 
 
日向「あるとしたら……罪木の家だよな……」


日向(俺はふらふらとした足取りで、罪木のコテージへ向かった)


日向「ついた……」

日向「……」ガチャ

日向「鍵はかかってない……」

日向(七海…)

日向「……」


七海「……」


日向「七海っ!」

日向(部屋の中央で椅子に座らせられていた七海の姿があった)

日向(慌てて駆け寄り、息があるか確認する)

日向「おい、七海っ!聞こえるか!」

七海「……日向くん?」

日向「ああ、俺だっ!大丈夫か?どこも怪我してないか!?」

七海「はは…………日向くん」

日向「ああ、俺だ!……よかった、生きてたのか」

七海「やっぱり、やっぱり日向くんは助けてくれたね……」

日向「当たり前だろ…!俺のおかげで巻きこんじゃったかもしれないんだ…七海が生きていてくれていて、本当に良かった」

日向(目頭が熱くなり、感情のままに七海を抱きしめる)

日向(本当に、良かった…!)

七海「ああ、やっと……やっと……」

日向「もう大丈夫だ、もう何も起こらない…きっとこれからは平穏で幸せな未来が……来るはずだ……!」

日向(そこに俺はいないだろうけど…それでも……それでも、今は、今だけは──この喜びを)
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
七海「やっと二人きりになれたね、日向くん」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

七海「大変だったなあ」

 
 
 
 
 
七海「わざと罪木さんに捕まったふりをしたんだ」

 
 
 
 
 
七海「そしたら変な薬をいっぱい打たれたんだ」

 
 
 
 
 
七海「最初は少し気分が悪かったけど……途中から何も感じなくなったよ」

 
 
 
 
 
七海「私は日向くんの味方だから。私が捕まって日向くんが助かるなら……それは嬉しいなって」

 
 
 
 
 
七海「それに、日向くんならきっと助けに来てくれるって信じてたから。だからずっと待ってたんだ」

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
日向(七海の言葉は耳に入ってこなかった)

 
 
 
 
日向(だって──七海の背後には、)

 
 
 
 
 
七海「何も見ないでいいんだよ、日向くん」

 
 
 
 
 
七海「もうキミは十分に頑張りました、花丸をあげましょう」

 
 
 
 
 
七海「これからは恋愛ゲームなんかよりもずっと甘くてラブラブな生活が待ってるよ」

 
 
 
 
 
七海「ゲームクリア、貴方は無事に七海千秋ルートを攻略しました」

 
 
 
 
 
七海「これからはずっと、ずっと一緒だよ」

 
 
 
 
 
七海「──日向くん」

 
 
 
 
 
日向(俺が“壊れる”寸前に見た七海は──)



日向(瞳を狂気で塗りつぶし)

 
 
日向(背筋が凍るほどの、優しい笑みを浮かべていた)

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
七海「おはよう、日向くん」



七海「今日は何が食べたい?」

 
 
七海「あ、ご飯溢してるよ」



七海「今日は恋愛ゲームをやろうね」

 
 
七海「むむむ、これは難易度高いなあ。日向くんはどっちだと思う?」

 
 
七海「恋愛ゲームのキスシーンって何度見ても慣れないんだよね…」



七海「もっとたくさん日向くんとキスをすれば分かるのかな?」


七海「キスよりももっとすごいこと、沢山してるのに……いつしてもドキドキするのはなんでだろう」

 
 
七海「今日も一日が終わったね」

 
 
七海「おやすみなさい、日向くん」

 
 
七海「大好きだよ」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
NANAMI YANDERE END



一週目のクリアおめでとうございます。
ですが残念ながらハッピーエンドは迎えられませんでした。

クリア特典として
『終里朱音』が攻略対象になりました。
『辺古山ペコ』が攻略対象になりました。
『狛枝凪斗』が攻略対象になってしまいました。

セーブデータをロードします。
二週目からは若干展開が変わりますので、新鮮な気持ちでお楽しみください。
決して周回対策などでは御座いません。
 

投下終了です。終盤駆け足気味になってしまったのと読まれやすい展開、安価の入りにくい展開となったのは安価スレとして致命的だなと反省してます。
二週目からはもう少し自由度をあげたいです。

TIPS
エンディングはハッピーエンド・バッドエンド・ヤンデレエンドがある。
なお、ヤンデレ・バッドエンドルートに入った場合は恋愛関係のキャラクターとのエンディングにはなり辛い。

 
 
──────



日向「……」

日向「……なんだこれ、どうなってるんだ…?」

日向「小泉を攻略しようとしてたら急に他の奴らが病み始めて気が付いたら七海に壊れるほど愛されていた…」

日向「な、何を言ってるのか以下略」

日向「こんな猟奇ドラマを見せられてどんな顔をすればいいんだよ……」

七海「笑えばいいと思うよ?」

日向「うおおおあああああああああああ!?」ビクッ

七海「……」

日向「な、七海!?てっきりそのセリフは狛枝が言うものかと…」

七海「日向くん」

日向「あ、ああ…なんだ?……」

日向(なんだろう、七海が少し怖い)

日向(絶対あれ見たからだよな…くそ、あんなゲームやるんじゃなかった……)

七海「私は、怒ってるんだよ?」

日向「な、なぜ!?」

日向(どうして怒るんだよ!?え、待ってくれまさか──)

日向(ゲームの影響が現実にも影響を与えるとかっていうベタなオチは……)

七海「……日向くんならよく分かってるはずだよね?」

日向「え、あ、その…」

日向(分からんわっ!)

日向(やばい、やばいぞこれは……うまい返しをしないと絶対にやばいぞ…)

日向「そのだな、七海、やっぱり話し合いって大事だと──」

七海「私にはやるなって言ったのに、どうして日向くんはそのゲームやってるの?」

日向「……あ、そっちか」

七海「ゲーマーとしてはどんなクソゲーでも一度はプレイしてみたいのに…日向くんだけ楽しむなんてずるいよ」プンスカ

日向「はは…その、ちょっと興味が湧いて……」

日向(さすがにそんなベタなオチは無かったか……良かった)
 

 
 
七海「これからは私も一緒にやるからね」


日向「ああ、まあ…そういう事なら構わないけど」

七海「よーし、頑張ってクリア目指そうね。クソゲー攻略は朝飯前だよ」

日向「いやこれクソゲーとかそういう類じゃなくてどっちかというと理不尽ゲーだぞ」

七海「リンゴが飛んで来たり段差に引っかかって死ぬような理不尽ゲーも越えてきたから大丈夫だよ」

日向「結構女の子的にはショッキングな展開があるんだけどな……まあ、俺と一緒にやるなら問題ないか」

日向「でも辛かったら言ってくれよ?」

七海「うん、大丈夫だよ」

日向「ああ、それなら続けるけど…っていうか気付いたら結構遅い時間なんだな」

七海「大丈夫だよ、お泊りセット持ってきたから」

日向「そうか、それなら問題ないな、ははっ」

日向(問題有りまくりだったが、正直このゲームを一人でプレイするのは精神的負担がやばすぎるしな…)

日向(別に変なことをするわけじゃないし大丈夫だろ)

七海「……」

七海「どうして日向くんが最初に私を攻略してくれなかったのかなあ…恋愛って難しいなあ…」ボソッ

七海「ゲームの私にみたいに振る舞えばいいのかな……?」ボソボソ

日向(あれ?なんだろう、これ以上このゲーム続けると七海に悪影響を与えづづける予感しかしないぞ)

七海「さ、ゲームリスタートだよ」

日向「あ、ああ……」
 

 
 
──────



??「……ねぇ、大丈夫?」

??「…だいぶ参ってるみたいだね?」

??「それはボクも…ううん、他の皆だって一緒だよ」

??「だっていきなり…こんなことに巻き込まれるなんて…」

日向「…………」

??「ねぇ、聞いてる?」

日向「…………」

日向(…分からない)

日向(どうして、こんなことになってるんだ…?)

日向「…………」

日向(…何が起きたんだ?)

日向(まず、それを思い出さないと……)

日向(至高を動かし、ぐちゃぐちゃに絡まった糸を解きほぐしていく)

日向(考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ)

日向(散らばった記憶の断片を集めて、状況を整理していく…)

日向「…………」

日向「……………………」

日向(そうだ、あれは──)

 
 
 
 
 
re:start game DANGANISLAND YANDE YAMARETE KOROSIAI secondgame


……
………
…………OK





GAME START.

 
 
日向「……左右田、皆を集めてどうしたんだよ」


左右田「おっせーぞ日向!オメーが最後だぞ!」

日向「悪い悪い。でも休日の朝っぱらからいきなり呼び出されたんだ、ちょっとくらいの遅刻は見逃してくれよ…ふわぁ」

狛枝「随分と眠そうだね」

日向「そりゃな…もう少し寝てたかったんだけど」

七海「すぴー…すぴー」

ソニア「七海さんはぐっすり寝ていますね」

花村「おっと、立ったまま寝たら危ないし、僕がしっかり経過観察を──」

小泉「弐大、花村抑え込んでおいて」

弐大「了解じゃあ…!墳ッ!」

花村「大の男に全身を抑え込まれるなんて……うん、全然アリだよ!」

澪田「守備範囲広すぎないっすか!?」

豚神「おい、このメンツだと雑談がいつまでたっても終わらん。とっとと話を進めろ」

九頭龍「同感だな」

左右田「お、おう…わりぃな。まあ聞いてくれよ、すげーもん発見しちまったんだ」

辺古山「凄いもの…?既にこの島の探索はあらかた終わっていて、今更目新しい発見などないと思うのだが」

田中「下らん事で俺様を呼んだのなら……地獄の業火にて焼き尽くすぞ?」

左右田「へへっ、まあ慌てんなよ!四番目の島があるだろ?」

罪木「えっと…確か遊園地があったところですよねえ」

西園寺「あそこのジェットコースター凄いスリルがあって気持ちいいんだよねー」

日向「そこがどうかしたのか?あそこもみんなで一通り楽しんだだろ?」

左右田「いや、一つだけ行ってねえアトラクションがあるだろ?」

狛枝「……ああ、ドッキリハウスの事?」

左右田「それだ!ドッキリハウスっつーわりにそれらしい仕掛けも無くて何もなかったけどよぉ、あれよく調べたら、どうもコースターに乗ると別の場所まで連れてってくれるらしいぞ」

九頭龍「確かアレは故障して動けねえんじゃなかったのか?ウサミのヤローがんな事言ってた気がするぜ」
 
ウサミ「ばばーん、そこであちしの登場でちゅ!」

全員「…………」

ウサミ「あれ、歓迎されてない!?」
 

 
 
辺古山「それで、そのドッキリハウスとやらは今でも動くのか?」


ウサミ「あちしが毎日コツコツと直ちてまちたから、今はばっちり動くんでちゅ!」

左右田「って訳だ!そろそろオメーらも退屈してきただろ?ここいらで少し新しい刺激とやらニッチャレンジしようぜって事で呼んだんだよ」

豚神「……ドッキリハウスか、良いだろう。俺についてこい、最高に楽しませてやる」

西園寺「ドッキリハウスかー。蟻タン潰すより面白いのかなー」

罪木「西園寺さん、趣味が悪いですよ…」

小泉「ま、たまにはみんなでそうやって遊ぶのもありかもね、あたしは賛成かな」

七海「zzz」

日向「七海は賛成だそうだ」

澪田「創ちゃんはいつの間に千秋ちゃんとテレパシー出来る様に!?」

日向「俺も賛成だ、皆とやるならな」

日向(そうして、他の面々も全員賛成だった)

日向(それなりに長い時間を共に過ごしてきた俺たちが、足並みを乱すことはもうないだろう)

 
 
左右田「着いたな!」


終里「……」

弐大「終里、いい加減食うのを止めんかい」

終里「…………ぷはっ。しゃーねーだろ!朝飯食ってる時に呼び出されたんだからよぉ」

花村「僕が丹精込めて作った朝飯だからね!残すなんてプライドが許さないよ!」キリッ

終里「おう、うまかったぜ花村!ごちそーさん!」

ソニア「ドキドキが止まりません!何か生まれそうです!」

左右田「な、何が生まれるんすかソニアさん!」

日向「さっきからツッコミサボるなよ左右田」

左右田「うるせぇ、俺はこの世紀の大発見をソニアさんがいつ褒めてくれるかドキドキしてんだよ!もしくは罵倒でも可!」

田中「ククッ…数々の煉獄を渡り歩いた俺様にとってこの程度児戯となんら変わらんな……精々愉しませるがいい」

左右田「ひぃ、ふう、みぃ…っとあー微妙に席が足んねえな。男子→女子の順で乗るつもりだったけど、男女で二人炙れんな」

日向「そうか、なら俺は後でいいぞ」

左右田「日向てめえ!女子とハーレムする気か!?ゆるさねーぞ!」

日向「いや、二人炙れるならそいつと一緒に乗ればいいだろ……」
 

 
 
狛枝「じゃあ、僕が残るよ」


左右田「あ、いいのか?」

狛枝「ボクが皆より先に楽しむなんて悪いしね、日向くんと一緒に後から乗るよ」

日向「おい、俺まで同じ扱いみたいに思われるだろ」

狛枝「最近日向クン、ボクの扱い酷くない?」

日向(そりゃああんな本性知ったらな……)

弐大「そうか…んならば好意に甘えさせてもらおうかのぅ!」

花村「それじゃ、お先に失礼させてもらうよ~」

九頭龍「わりいな、向こうで待ってるからさっさと来いよ」

豚神「全員来るまで待機しておいてやる、俺が全員を導くのだからな」

田中「常闇の先で貴様らを待っているぞ…フハハハ!」

左右田「それじゃ、先に行ってんぞ」

日向「ああ、行ってこい」

狛枝「皆、行ってらっしゃい」

日向(そうして、俺と狛枝を除く男子たちはドッキリハウス行きのコースターに乗る)

ウサミ「それでは皆さん、出発しまちゅよ~」

日向(ウサミが車掌席に乗り、フリフリと腕を振る)

日向(鈍い金属音を鳴らしながら、コースターは動き出す)

日向(もしもこの時、何か些細な事でもいい、何か、何かがあれば──)

日向(俺はあいつらが逝くことを、止められたんだろうか)

日向(…………)

日向(………)

日向(……)

日向(…)
 

 
 
日向「…………」


日向「……ふぅ」

狛枝「あ、起きた?」

日向「最初から寝てないさ…こんな状況で、寝れるわけがないだろ……」

狛枝「それもそうだね……」

ソニア「田中さん達は無事なんでしょうか……?」

終里「なにがどうなってんだよ、ちくしょう……」

日向(左右田たちを乗せた列車が出発した数分後、近くで轟音が鳴り響いた)

日向(轟音を聞いた俺たちは遊園地中をあちこち探しまわったが、原因は見つからなかった──だけど)

罪木「もう二時間も経っているのに……コースターが帰ってきませんね」

日向(あれからどれだけ経ってもコースターは帰ってこなかった)

日向(俺たちはずっとドッキリハウスのコースター乗り場で立ち往生している)

澪田「やーっぱりウサミちゃんの仕業っすかね」

辺古山「クッ……私がついていながら……どうか御無事でいてください、ぼっちゃん…!」

西園寺「やっぱりあんな奴信用したのが間違いなんだよ!」

小泉「今までの行動も私たちを信用して油断させるっていう目的なら…納得がいくしね」

七海「うーん……でも、ウサミがそんなことするかなぁ」

日向「あいつはこの島に危険が無いって言ったのに、現に危険な事態が起きてるじゃないか」

七海「…………」

狛枝「ま、とりあえずはここで待つしかないよね」

終里「くっそ……こんな時でも腹が減りやがる……花村の飯、また食いてえなあ……」

辺古山「もしもぼっちゃんに何かあれば……くっ!」ギリィ
 

 
 
ウサミ「……あのー」


日向「お前っ!」

小泉「ウサミ!?あんたどうしてここに」

辺古山「貴様!坊っちゃんに何をした!?」

ウサミ「だ、大丈夫でちゅ!皆さんは無事でちゅ!」

ソニア「ではなぜコースターは帰って来ず、貴方だけがここにいるのですか!」

ウサミ「それはその…不慮の事態がありまちて……」

西園寺「うわー見え見えの嘘だー」

七海「……皆、ちょっと静かにしてよう。まずはウサミの言い分を聞いてみてからでも遅くないよ」

狛枝「そうだね」

ウサミ「実はドッキリハウスに男子の皆さんはついたんでちゅが……コースターを帰還させる途中で突然操作ミスが起きてしまったんでちゅ!」

罪木「操作ミスですかぁ…?」

ウサミ「はい、こんなこと絶対に起こらないはずなのに……あちしのせいで生徒の皆さんを不安にさせるなんて教師失格でちゅよね…」

澪田「っていう設定だったりしないっすよね?」

ウサミ「あちしのイン持ちをかけても生徒の皆さんには指一本触れさせないでちゅ!左右田さん達は無事でちゅ!その証拠を今からお見せするでちゅ!」

日向「証拠……?」

日向(すると、突然、近くに設置されていたウサミ用の連絡モニターが光り出し──左右田たちの姿が映し出された)


左右田『あー…なんつーか、ちょっと事故っちまったみたいでよお。どうやらしばらくそっちに帰れねーみたいなんだわ』

田中『俺としたことが……この程度の事態に気づきもしないとはな…』

豚神『だが安心しろ。俺が必ずここにいる全員を無事にそちらに帰還させる。必ずな……』

九頭龍『へっ……つうわけだ。こっちには豪華な客室が何個もあるし、食料や水も十分にあるからなんも問題ねえ』

弐大『ソッチに迷惑はかかるかもしれんがぁ、こっちは気楽にやるわい』

花村『こっちの生活もなかなか面白そうだから、故障が治ったら一度はこっちに来ることをお勧めするよ!』

左右田『ま、そんなわけでこっちはなんともねえ。心配しねーで待っててくれ。つーかこっちのメンツむさすぎてやってらんねーから速攻で直せよウサミ!!俺も手伝うからよ!!頼むぞ!!』


日向「皆…無事だったんだな!」

狛枝「でも、だったらどうしてすぐこっちに来なかったの?」

ウサミ「向こうの皆さんが不自由しないように色々と頑張ってたんでちゅ!」

七海「……ね?」

ソニア「本当に良かったです……」

ウサミ「急いで復旧作業しまちゅけど、多分すぐには治らないと思うでちゅ」

辺古山「だが必ず直るんだな?」

ウサミ「勿論でちゅ!」

西園寺「はーったく無駄に心配しちゃったよー」

罪木「えへへ、西園寺さんも心配するんですねぇ」

西園寺「うっさいゲロブタ」

小泉「何はともあれ、これで一件落着ね」
 

 
 
日向(全く、ウサミの奴…余計な心配掛けやがって……)


日向(だけどそれにしても……なんだったんだ)

日向(どうして俺はあんなに取り乱したんだろうか)

日向(……似たような展開を…………体験した?)

日向(いや、まさかな……)


日向(その後自然とお開きの形になった)

日向(明日からはまたいつも通りの生活が始まる)

日向(メンバーが欠けているからいつもの仕事はしなくていいとウサミからは言われているが、もう生活の一種になってるしな)

日向(俺たちは明日からも通常業務に勤しむ事をみんなで取り決めて、家に帰った……)

日向(今日はちょっと疲れたな……早めに寝るか)

日向(いや、すぐに寝たいってほど疲れても無いしな、少しくらい誰かに付き合うのもありか)
 

狛枝「それじゃ、解散しようか」


西園寺「ねー小泉おねえ、この後ダイナーで少しオヤツ食べて行こうよ」

小泉「いいわね、ついでに蜜柑ちゃんたちも誘いましょ」

罪木「わ、私も行きますぅ!」

西園寺「必死過ぎてキモいんですけど!」

澪田「唯吹もいかせてっ!」

終里「おう、オレも行くぞ。安心したら腹が減っちまった」


辺古山「ぼっちゃんは無事だったか…良かった」

辺古山「少し疲れたな、早めに帰るとしよう」スタスタ


七海「ねみぃ…………」

七海「帰ってゲームしよ」スタスタ


ソニア「皆さんとお食事に行きたいですけど…今日は調べたいものがありますのでそちらを優先しましょう」

ソニア「それではお先に失礼しますね」スタスタ


狛枝「さて、ボクも帰ろうかな……」

狛枝「日向クン、一緒に帰らない?」

日向「なんだよいきなり」

狛枝「日向クンもコテージに帰るんでしょ?」

日向「そりゃそうだけど、別に一人で帰ってもいいだろ」

狛枝「ボクみたいなやつとは一緒に帰れないって事なのかな……うん、それならしょうがないよね」スタスタ

日向(こいつ本当に面倒くさいな…)

 
 
1 西園寺たちとダイナーへ行く

2 辺古山と帰る
3 七海とゲームする
4 ソニアの調べものに付き合う
5 狛枝と帰る

↓1

 
 
日向「はぁ……分かったよ、一緒に帰るぞ。狛枝」


狛枝「やっぱり日向クンは優しいね……僕が女の子だったら惚れてるね」ハアハア

日向「気持ち悪いからやめろ」

狛枝「冗談だよ」

日向「お前さっきの表情鏡で見てこい」

狛枝「……ま、少しは元気になったみたいだね」

日向「は?」

狛枝「さっきは少し元気がなかったみたいだからね」

日向「お前、本当に狛枝か?」

狛枝「それは流石に失礼すぎないかな」

日向「……それもそうだな、ありがとう。少しは気が紛れたよ」

狛枝「それなら良かったよ」

日向「失礼を承知で聞くけど、狛枝がそんなことするなんてちょっと意外だな」

狛枝「そう?」

日向「ああ、お前なら『その絶望を~』とか何とか云うだろうし、ウサミの説明を聞いても変なことを言って場をかき乱しそうじゃないか」

狛枝「日向クンからの信用のなさがマッハだね…ボクは信用してるのに」

日向「信用してるから疑うんだよ」

狛枝「まあ、ボクもこの島で生活してるうちに考え方が変わったんだよ。……それだけ」

日向「そうか」

狛枝「だから……困ったときはいつでも頼ってほしい」

日向「そんな時が来たらな」

日向(そして狛枝と他愛のない話をして帰った)


狛枝の好感度が上がった。

 
 

投下終了です。前回は他キャラの扱いが酷かったので今回は少し未攻略対象キャラにも出番を与えました。
次の投下以降は安価と共に本格的な恋愛ゲームが始まります。

TIPS
辺古山を攻略したからと言って九頭龍が敵になるわけではない。
関係性のメタは関係が無いので、攻略したい時は気兼ねなく攻略しても良い。
全てはプレイヤーの意思次第。
誤る事は間違いではない。

 
 
日向「……朝か、そろそろ仕事に向かわないとな」


日向「ふわぁ」

日向(少し眠い…昨日の疲れが少し残ってるのかもしれないな……)

 
 
終里「ん?日向じゃねーか」


日向「終里か、おはよう」

終里「おう、おはようさん!」

日向「朝から元気だな、お前は」

終里「いや、そうでもねえ」

日向「そうは見えないけどな」

終里「今日は全然飯食ってねえからな……寝坊しちまってよぉ」

日向「なるほどな…」

終里「だから仕事終わりにはめいっぱい食うぜえ!」

日向「そうか、まあ、がんばれよ」

終里「お、日向もいきてーのか?だったら一緒に食い物めぐりでもしようぜ」

日向「ま、気が向いたらな」

日向(終里と話しながら公園に向かった)
 

 
 
日向「ふぅ、今日も無事に終わったな」


日向(……思ったより楽だったな)

日向(なんとなく凄い大変だったイメージがあるのに)

日向「まあ、狛枝もいるしそこまで負担にならなかったってだけか」


日向「ん、あれって……」

西園寺「…………」キョロキョロ

日向「よう、西園寺」

西園寺「あれ、日向おにぃ」

日向「こんなところで何してるんだ?」

西園寺「別になんだって良いじゃん、おにぃには関係ないでしょ~」スタスタ

日向「……」

日向(……それにしては動きが微妙に忙しなかったのは何でだろうな)

日向(一応、気にかけておくべきか)


日向(さて、今日はどうするかな)

日向(終里から食事に誘われていて、西園寺の事も気になるな…)

日向(狛枝は仕事の残りがあるらしくて今日は一緒に過ごせないみたいだな)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里


↓1

 
 
日向「終里と食べ物巡りに付き合うか」


日向「ちょうど小腹が空いてたしな」


終里「ん、日向か。なんか用か?」

日向「朝、食い物巡りするって言ってただろ?」

終里「おう、もちろんだぜ。ん、ってことは日向もくんのか?」

日向「ああ、せっかく誘ってもらったし、付き合うぞ」

終里「よーしその意気だ!んじゃオレとどっちが多く食えるか勝負だな!」

日向「えっ……」

終里「なんだよ、やらねーのか?」

日向「いや、えっと……」

日向(終里相手だと勝てる未来が見えないんだよな……)

 
 
1 勿論受けて立つ!

2 お手柔らかにな
3 止めておく


↓1
 

 
 
日向「いや、止めておくよ」


終里「んだよ男らしくねーなあ」

日向「勝てない勝負に乗らないことも大事だぞ」

終里「ま、いいや。んじゃ、行こうぜ」

日向「そうだな」

日向(そして終里と食べ物巡りをした)

日向(俺なりに頑張ったものの、三軒目の時点で俺はギブアップ)

日向(その後は終里が満足するまで食べ歩きに付き合わされた)


終里との仲の良さに変化は現れなかった。
 

 
 
日向「……夕焼けが綺麗だな」


日向(コテージまでの帰り道、ぼんやりと空を見ながら歩く)

日向「……赤いな」

日向(…………うーん)

日向(何か大切なことを、忘れている気がする……)


辺古山「日向か?」

日向「辺古山、今帰りか?」

辺古山「ああ。今日は負担をかけてすまないな」

日向「いや、気にしなくて良いさ。男子は俺と狛枝だけだし、存分にこき使ってくれ」

辺古山「そう言える男はポイントが高いな」クス

日向「そうか?」

辺古山「明日からもよろしく頼むぞ」

日向「ああ、勿論だ」

日向(辺古山と一緒に帰った)
 

 
 
日向「ん~~~いい朝だな」


日向(いい朝……なんだけど、なんか身体が重いな……)

日向(動けないってほどじゃないし、大丈夫だろう)

ピンポーン

日向「誰だ?」

小泉「おはよう、日向」

日向「おはよう、小泉…何か用か?」

小泉「最近日向寝坊しがちだからね、たまには起こしてやろうかと思ってさ」

日向「そんなことは……まあ、あるな」

日向(寝坊というよりは、部屋でダラダラしてるからなんだけどな)

小泉「そんなわけだから、ほら、さっさと仕度して行くよ」

日向「いや、そこまでしてもらわなくても…」

小泉「いいから早く仕度するっ」

日向「わかりましたっ!」

日向(小泉にお小言を言われながら公園へ向かった……)

 
 
日向(……やっぱり少し気だるさが取れないな)


日向「でもまあ、微妙に動けるレベルのけだるさなんだよな」

日向「いっそぶっ倒れたら楽なんだけどな」

ソニア「あ、日向さん!」

日向「よう、ソニア」

ソニア「大丈夫ですか?」

日向「大丈夫?何がだ?」

ソニア「いえ、ここ数日少し体調悪かったようでしたから」

日向「……そんな風に見えてたか?」

ソニア「ええ……」

日向(参ったな…気づかれてないと思ったんだが)

日向「いや、そんなにひどいものでもないさ。多分ゆっくり眠れば治ると思うぞ」

ソニア「体調不良を舐めてはいけません!油断したら上からきますよ!」

日向「いや、意味が分からないんだが」

ソニア「とにかく、自分の体調もしっかりと鑑みて下さい!でないと私心配です!」

日向「わ、分かったよ。気をつけるから」

ソニア「約束ですよ?」

日向「ああ、無理はしない」


日向(今日は無理はするなって釘を刺されたばっかりだが、まあ、誰かと会うくらいなら問題ないような気がするな)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里
9 狛枝


↓1
 

 
 
日向「七海と過ごすか…」


日向(七海はまあ、いつものごとくホテルのロビーでゲームでもしてるんじゃないか?)


日向「やっぱりな」

七海「…………」ポチポチ

日向(このときの七海には何を言っても聞こえないからな)

日向(一区切りするまで黙ってみてるか……)

七海「…………!」ポチポチ

七海「…………?」ポチポチ

日向(こうして眺めていると、七海はボーっとしているように見えて感情豊かな女の子だって再認識させられるな)

日向(喜怒哀楽が人より分かり辛いだけで、七海は普通の女の子だ)

日向(まあ、ちょっと世間知らずなところもあるけれど、それはそれで可愛いと思う)

日向「────っ」

日向(不意に、フラッシュバックする何か……俺はどこかで……七海と……)

七海「あれ、日向くん?」

日向「お、おう…七海」

七海「どうかしたの?」

日向「少し七海と過ごそうと思ってさ」

七海「そっか、うん。それじゃあ何をしようか」

日向「そうだな……」

 
 
1 ひなたぼっこでもするか?

2 一緒にゲームでもするか?
3 散歩に行かないか?

 
 
↓1

 

 
 
日向「少し、散歩でもするか?」


七海「散歩かぁ…うん、そうしよう」


七海「日向くんと散歩するのって久しぶりだね」

日向「そうか?…いや、そうかもな」

日向(ここ最近は散歩はしないでどこかで遊ぶことが多かったからな)

七海「私ね、日向くんと散歩するの好きだよ」

日向「そうなのか?」

七海「うん。一人じゃなんでもない景色でも、二人だと違って見える……そう教えてくれたのは、日向くんだから」

日向「そっか…」

七海「私の知らないこともたくさん知ってるし」

日向「それは七海が世間知らずなだけだと思う」

七海「むぅ……今は少しだけそれを後悔してる…かな」

日向「後悔?」

七海「うん。いつかは私が、日向くんに何かを教えてあげられたらなって、そう思うんだ」

日向「そうか。……ああ、その日がくるのが楽しみだな」

七海「……うん」

日向(七海と二人であちこちを散歩した)

日向(隣で見た七海の笑顔は、きっと忘れない──)


七海の好感度が上がった。
 

 
 
日向「……ふぅ、やっぱり疲れが溜まってるみたいだな…」


日向「だめ、だ……あたまがおもくて……」フラフラ

日向「…………」ドスンッ

日向「zzz」


日向「……はぁ、はぁ…」クラッ

日向(脇にはさんでいた体温計が規則的な音を立てる)

日向(体温計の数値を確認すると、そこには38.4℃と表示されていた)

日向「はぁ、はぁ…っ…ダメだ……身体が重くて動けない……」

日向(昨日は倒れたほうが楽とかいったが…そういうレベルじゃないな……)

日向(昨日はおとなしく寝てるべきだったな……)

日向「はぁ…く、くそっ……せめて、……だれかにれんらくを…しな、いと…」ヨロヨロ

日向(視界がぼやけて、思考もぼやけてくる)

日向(体中が燃える様に熱く、踏み出す足は鉛のよう)

日向(よろけながらなんとか扉の前まで辿り着くけれど、そこで力尽きてしまった)

ピンポーン

日向(だ、誰か……きて、くれたのか……?)

日向(誰でもいい……助けて、くれ…………)

日向(俺が意識を失う寸前に、扉が開く)

日向(そこにいたのは──)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里
9 狛枝


↓1
 

 
 
日向(…………)


七海「~~♪」

日向(なんだろう……何か聞こえる……)

七海「~~♪~♪」

日向(それに、さっきまで苦しさがだいぶ和らいでる……気がする)

七海「……早く元気になってね」

日向(誰かの声と共に、右手を温もりが包む)

日向(そして俺は再び──眠りに落ちた)

 
 
日向「……ん」パチッ


七海「あ、おはよう。日向くん」

日向「あれ、俺はどうして…」

七海「日向くんは熱を出して寝込んでたんだよ」

日向「ああ、そうだったな……まさかあんなに酷い事になるなんて」

七海「私もびっくりしたよ」

日向「でも、どうして七海がここに?」

七海「えっとね、日向くんと一緒に公園に向かおうと思って日向くんのコテージにきたら日向くんが倒れてて…」

日向(そこまではうっすら思い出せるな)

日向(朝がピークだったみたいで、かなりやばい状態だった気がする)

七海「慌てて皆を呼んで日向くんをベッドまで運んで、罪木さんに診察してもらって今に至るんだよ」

日向「そうだったのか……でも何で七海がいるんだ?」

七海「病気のときっていつもより心細くなっちゃうよね?だから誰かが一緒にいてあげたほうがいい…と思うな」

日向「……そっか、ありがとう、七海」

七海「気にしないで。罪木さん曰く風邪みたいだから、しっかり寝てれば治るって言ってたよ」

日向「そうだな。無理をして風邪を長引かせるのも嫌だし、早く寝てさっさと治すよ」

七海「うん、私が看病するから、安心していいと…思うよ」

日向「そこは断言してくれよ!……なあ、七海……頼みがあるんだ」

日向(きっと普段なら考えもしないことだ……だけど今は、今だけは……)

日向「手を繋いでくれないか……俺が眠るまででいいから……」

七海「……はい、どうぞ」

日向(手が温かい感触に包まれる)

日向(それを確認すると、俺は再び眠りの世界へと潜って行った)

日向「……ありがとう、七海」


七海の好感度がとても上がった。
七海から仄かな好意を感じる…。
 

投下終了です。ようやく序盤が終わりました。次回は中盤、ここからが本番です。

TIPS
好感度には4段階があり、一定量を超えると通常→仄かな好意→確かな好意→…となって行く。
現在どこまで好かれているかの目安となる。

 
 
日向「……ん」


日向「ん、んーーっと。いい朝だな」

日向(あれから一日が経った)

日向(本当なら昨日の時点でだいぶ元気だったけれど、大事を取って一日休ませてもらった)

日向(昨日まで七海に付き添ってもらっていたから少し寂しいな……って、そんなことは言ってられないか)

日向(せっかく元気になったんだ、頑張るぞ)


罪木「おはようございます、日向さん」

日向「罪木か、おはよう」

罪木「お体の調子はどうですかぁ?」

日向「ああ、もうなんとも無いぞ。悪かったな迷惑かけて」

罪木「いえいえ、これも私のお仕事ですからぁ」

日向「ありがとう、罪木。お前みたいなヤツが友達でよかったよ」

罪木「友達……ですか?」

日向「ああ。きっと皆も、お前の事をそう評価してくれてるはずだ」

罪木「…………えへ、そうでしたら嬉しいですぅ」

日向(罪木と談笑しながら公園へと向かった…)
 

 
 
日向「病み上がりにしては上出来なんじゃないか?」


日向「この調子なら普通に働けそうだな」

澪田「おーっす創ちゃん!体調は悪くないっすかー!」ガチャ

日向「澪田か、見ての通りだよ」

澪田「ぱっと見元気そうだね!」

日向「元気だからな。澪田は何しに来たんだ?」

澪田「ほい、ジュースの差し入れ」スッ

日向「?」

澪田「疲れた身体にスポーツドリンク、これミュージシャンの鉄則っす!」

日向「えっと、それはよくわからないけど、ありがとうな!」

澪田「創ちゃんがぶっ倒れたら唯吹とセッションしてくれる人が居なくなるっすからねー!ちゃーんと体調管理には気をつけるんだよ?お姉さんとの約束☆」

日向「ああ、ありがとう。本当に助かったよ」

澪田「んじゃまたねー!っす」タッタッ

日向(澪田は去っていった)

日向(よく冷えたスポーツドリンクを胃に流し込みながら、今後を思案する)

日向(せっかくだから誰かと過ごそう)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里
9 狛枝


↓1

 
 
日向「そういえば七海に看病のお礼を言ってなかったな」


日向「どこにいるんだ…?」


日向(あても無くぶらぶらしていると、ばったりと七海と出会った)

七海「あれ、日向くん?」

日向「ちょうどよかった」

七海「?どうかしたのかな」

日向「いや、看病のお礼、ちゃんと言えてなかったから。本当に助かったよ」

七海「ううん、誰かが困ってたら助ける、当たり前だよ」フンス

日向「それでも、だよ。あの時七海が居なかったら、きっとこんなにすぐには回復しなかったと思う」

七海「……うーん…その返しは予想外だなあ。ちょっと処理が追いつかないや…」

日向「?どうした七海、顔が赤いけど」

七海「えっと、なんでだろうね?」

日向(七海は頬を赤らめながら、困ったように首を傾げる。その姿がなんだかとても愛おしくて……)

日向(って、俺は何を考えてるんだ!)

日向「その、だから、ありがとうな……」

七海「……うん、どういたしまして」

日向「……」

七海「……」

日向(この沈黙、凄くむずむずするな…)

日向(だけど、嫌な沈黙って訳じゃないんだ、むしろ──)

七海「えと、用はそれだけ、なのかな?」

日向「あ、ああ…そう、そうなんだけど……えっと、だな……」

 
 
1 やっぱり用は無い

2 用があった気がする…はず
3 もう少しだけ一緒に過ごしたい

 
 
↓1

 

 
 
日向「もう少し、七海と一緒に居たいんだ…だ、ダメか?」


七海「……うん、いいよ」

日向「あ、ありがとう……」

日向(俺のうぬぼれかもしれない。勘違いかもしれない)

日向(でもそう答えたときの七海は、口元を柔らかに緩めて、微笑んでいたような、気がする……)
 

日向「砂浜か…」

七海「うん、ここでなら二人っきりで静かに過ごせるよ」

日向「ああ、そうだな」

日向(俺たちは自然と、肩を寄り添いあいながら、ぼんやりと海を眺めた)

日向(会話は無かったけれども、何よりも充実した時間だったな……)

日向(七海と日が暮れるまで海を眺めて過ごした)

 
 
七海の好感度が上がった。

 

 
 
日向「おはよう、皆」


終里「んぐもぐんぐんぐ…ふぉふぁ」

小泉「食べながらしゃべらない!おはよう」

西園寺「明日はお休みだしさっさと面倒くさいこと終わらせないとねー」

罪木「頑張りましょうねぇ」

ソニア「そうですね。今日も元気モリモリで行きましょう!」

七海「みんなおはよう」

日向「おはよう七海」

七海「うん…おはよう、日向くん。……えへ」

日向(少しぎこちなくなるかと思ったけど、そんなことはないみたいだな…)

日向(っていうか珍しく七海が元気そうだ)

辺古山「おはよう皆。一つ聞きたいのだが、休日に予定があるものはいるか?」

狛枝「ボクはないけど、何かあるのかな?……あ、おはよう」

澪田「あたしもないっすけど、ペコちゃん何か考えてるんすか?」

辺古山「せっかくの休日だ。皆との親睦をさらに深めるために、キャンプでもしようと思ったのだ」

罪木「キャンプ、ですかぁ?」

辺古山「ああ、この島には何個か無人島があるのは知ってるな?皆で無人島でキャンプでもとな。勿論ウサミにも許可は取っている」

終里「んぐんぐ…ぷはっ。熊とかいるのか?」

辺古山「残念ながら熊は居ないな、ある程度動物は居るようだが、みな害は無いようだ」

小泉「……ペコちゃんの計画のほうが面白いかも」

西園寺「それってどういう意味?小泉おねぇ」

小泉「あたしも実は皆で海に遊ぼうって思ってたんだけど…ペコちゃんのほうが面白そうよね」

ソニア「私、ぜひとも無人島という未開の地を土足で踏み荒らしてみたいです!……ですけど今回は海が良いですね」

日向「言い方を考えような、ソニア」

終里「オレも断然山だぜ!もしかしたら熊がいるかもしれねーしな。バトりてぇ…!」

西園寺「えー虫とかいたらやじゃん。私は海がいー」

七海「私はどっちでも良いけど……海のほうが良いかな」

狛枝「これじゃあ収拾がつかなさそうだね…いっそのこと、海派と山派で分かれれば良いんじゃないかな?」

辺古山「…ふむ、それはいい案だな。嫌なものを無理に付き合わせる必要も無い、好きなほうを選べば良いな」

小泉「うん、それ名案かも!じゃあ海派は私のところ、島派はペコちゃんのところに集まって!」

日向(小泉がそう声をかけると、皆は少し悩みながら、希望の場所の元へと向かう)

日向(その姿をぼんやり見つめていると、どうやら俺が最後の一人になったみたいだ)

小泉「あたしのところは…七海ちゃん、ソニアちゃん、日寄子ちゃん、あたし」

辺古山「私のところは…罪木、澪田、終里、狛枝、私だな」

小泉「日向はどうするの?」

日向「俺は……そうだな」

 
 
1 海に行く

2 島に行く


↓1
 

 
 
日向「……そうだな、俺は島に行くよ」


辺古山「そうか。では日向も含めた6人で行くことにしよう」

罪木「日向さん、よろしくお願いしますねぇ」

澪田「一緒にがんばるっすー!」

終里「一緒に一狩しようぜ!」

狛枝「無人島は行ったことがなかったからね、楽しみだよ」

日向「皆、よろしくな」

辺古山「では明日の朝、いつもの公園に集合だ」

日向「ああ、分かった」

 
 
辺古山たちと無人島キャンプをすることになった。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「…………くす」

 

 
 
日向「ふぅ、今日も仕事が終わったな」


日向「明日はキャンプだけど……誰かと過ごすことくらいなら出来るな」

日向(誰と過ごすか……)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里
9 狛枝


↓1
 

 
 
日向「そうだな、やっぱり──」


七海「あ、日向くん」

日向「ん?どうしたんだ七海」

七海「うん、一緒にゲームがしたいなって思って」

日向「ああ、いいぞ」

七海「ありがとう。じゃあ私の部屋に行こっか」


日向「……」

七海「むー、この選択肢はどっちなんだろう」

日向(七海の部屋には何度も訪れてるのに、少し落ち着かないな…)ソワソワ

七海「日向くんはどっちだと思う?」

日向「え?うーん、左じゃないか?そっちのほうが相手も喜ぶと思うぞ」

日向(七海が俺と一緒にやりたいゲームは、恋愛ゲームだった)

日向(女子向けのヤツではなく、男子向けの可愛い女の子たちを攻略する、一般的な恋愛ゲーム)

日向(七海は真剣な表情でゲームを進め、選択肢で悩む)

七海「うーん、これは……こっちかな」

日向(本当にこの手のゲームは苦手だったらしく、選択肢に出会うとうんうんと唸っていた)

日向「なあ、どうして恋愛ゲームを俺と一緒にやりたいんだ?」

日向(前はどうしてだか、嫌そうな感じがしたんだけど)

七海「うーん……何でだろう。私でもよく分からないんだよね。ただ、日向くんといたいなって思って。でも、普通のゲームを一緒にしたいって感じじゃなくて…」

日向「そ、そうか…」

日向(その言葉はどう捉えたら良いんだろう…七海だから判断がつきにくいな)

七海「なんだかね、日向くんと居ると胸の中があったかくなって、ずっと居たいなって思っちゃうんだ…」

日向「……七海」

七海「……日向くんは、どうなのかな?」

 
 
1 同じ気持ちになる

2 そんな感じはしないな
3 よくわからない

 
 
↓1

 

 
 
日向「……俺も、七海と居ると、良くそんな気持ちになる」


七海「そっか……えへへ」

日向「どうかしたか?」

七海「ううん、なんだか嬉しくなって。きっと画面の向こうの女の子も、同じ気持ちなんだろうね」

日向「……」

日向(さっきまでは、ただゲームに集中してるからだと思ってた)

日向(でも、七海が真剣な顔でゲームをしていたのって……もしかしたら、自分と、画面の向こうの女の子を──)

七海「恋愛って、きっと難しいことなんだね」

日向「そうだな、俺も難しいことだらけで、正直どうしたら良いのかって感じだよ」

七海「でもきっと……すごく大切なことなんだと思う」

日向「ああ」

七海「私も……そんな風になれる日が来ると良いな」

日向(そう呟いた七海の横顔は、今まで見てきたどんな表情よりも破壊力のある──)

日向(笑顔だった)

 
 
七海の好感度が上がった。

七海から確かな好意を感じる…。
 

投下終了です。明日は多分二週目終盤、テンポよく進めば二週目終了まで突っ走る予定です。

TIPS
ヤンデレ化は事前に防ぐことが可能。
逃げるだけでは、どうあがいても、絶望。

おっと、TIPSもう一つ忘れてました。ついでに明日というか正確には今日の夜ですね。
誤字脱字が多いですがその辺りはは基本的には脳内補完して頂けると助かります。重大なミスはこちらで修正します。

TIPS
ヤンデレ化後も条件を満たせばハッピーエンドには成り得る。

>>1 >>248に好感度には4段階があり、とありますが通常より下はありませんか?

投下の前に質問回答
>>279
日向には主人公補正が働くので通常より好感度が下がることはありません。
好感度が下がる場合は、好感度が上がっている状態のみです。
好感度が変動してない、もしくは最低値(通常)の場合、「仲の良さに変化は現れなかった」という表記になります。

  
 
日向「……すぅ」

 
??「…………」カシャ

日向「……ん…すぅ……」

??「……………………」カシャカシャ

日向「…………zzz」

??「………………………………」カシャカシャカシャ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「……………………………………………………」カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「……………………………………………………………………………………………………………………カワイイ寝顔」カシャ

 
 
 
 
 

 
 
日向「んーっと、よく寝たな……」


日向「時間帯もちょうど良いな。そろそろ支度をするか」パサッ

日向「ん?なんか落ちたな」スッ

日向「…………えっ」

日向(俺の身体から落ちたものを拾い上げると、それは写真だった)

日向(…………ただの写真じゃない)

日向(だってこんなの……普通は撮れないはずだろ?)

日向(そこに写っていたのは、“寝ている俺の姿”だった)

日向「なんでこんなものが俺の懐にあったんだ…?」

日向「よく分からないけど…害があったわけじゃないし、放っておくか」

日向(俺はその写真をそっとゴミ箱に捨てた)

 
 
狛枝「あ、日向クン」


日向「おはよう狛枝、お前も今出るところか?」

狛枝「そうだよ。どうせだし一緒に行こうか」

日向「そうだな」

狛枝「それにしても無人島探索なんて心が疼くよね」

日向「そうだな…秘境探索は男のロマンだからな」

狛枝「凶暴な野生動物が生息していてサバイバルな展開になったらファンタスティックだよね!」

日向「お前それファンタスティックって言いたいだけだろ……」

狛枝「あはっ、ばれちゃった?でも、きっと何かが起こるよ。超高校級の皆が無人島探索をして、何も起こらないなんてわけが無いって」

日向「お前は変なフラグを立てるのを止めろ」

日向(狛枝の会話に付き合いながらジャバウォック公園へと向かった)
 

 
 
辺古山「日向に狛枝、おはよう」


日向「ああ、おはよう」

狛枝「おはよう」

罪木「二人ともおはようございます」

澪田「おはようございまむ!」

終里「ぼばぼぶ」ムグムグ

辺古山「……飲み込んでから話せ」

終里「んぐんぐ……ぷはっ!おはよう」

日向「俺たちで最後か?」

辺古山「ああ。だが時間通りだし問題は無い、それでは行くとしよう」

澪田「秘境探索へレッツゴーっす!」

終里「うっしゃあ!燃えてきたぜぇ!」

罪木「怪我にだけは気をつけてくださいねぇ」

狛枝「大丈夫だよ。きっと皆ならどんなことをが起こっても乗り越えられるって信じてるからね」

日向「よし、行こう!」

 
 
日向「移動方法は地味なんだな」チャポチャポ


辺古山「本当なら船を借りたかったのだがな。ウサミは向こうの作業で忙しいようだから私が許可を得て手漕ぎボートを作った」

罪木「器用ですねぇ」

狛枝「二隻に分けているとはいえ、結構重労働だね」チャポチャポ

終里「辛いんなら変わるぞ?」

狛枝「大丈夫だよ、皆にこんな雑用もどきなんてさせられないって」

日向「そのとおりだな」

日向(俺のボートには辺古山・罪木が、狛枝のボートには終里と澪田が乗っていて、男手の俺と狛枝がオールを漕いでいる)

日向(どうやら無人島はそこまで遠くにあるわけじゃなかったらしくしばらくオールを漕いでいると島が見えてきた)

辺古山「どうやら着いたみたいだな」

罪木「楽しみですねぇ」

終里「熊でて来い!」

澪田「それで本当に出てきちゃったらやばくないっすか!?」

日向「出ないって何度も言ったろ……」

狛枝「もしも“ありえない”ことが起こったらそれは奇跡と呼べないかな?」

辺古山「お前が言うと洒落にならない」
 

 
 
終里「っしゃあ!何でも出て来い!ぶっ倒してやるぜえ!」ダダダッ


澪田「ああ、会いたくないのに実物を目の前で見てみたいという二律背反、なーんて唯吹らしからぬフレーズが出たところで…突撃ー!」ダダダッ

日向「あ、おいっ!なんで先に行くんだ!」

終里「早い者勝ちに決まってんだろ!獲物は頂くぜぇ!」ダダダッ

日向「そういう企画じゃない!」

辺古山「あの馬鹿娘二人は…全く」

罪木「ど、どうしますかぁ?あのまま放置するのもまずい気が……」

狛枝「とはいえ二人の暴走を止めるのは無理そうだね」

辺古山「……面倒を増やしてくれるな、仕方ない。日向か狛枝は二人を追ってくれないか?」

狛枝「それは構わないけど……ああ、なるほど、用心も兼ねてだね」

辺古山「終里のほうはあまり気にしないが、万が一があれば男手が必要になるだろう。お前達どっちかが傍に居れば問題ないだろう」

日向「なるほどな」

辺古山「私達も後から追いつくから、それまで二人を見張る役目も頼みたい」

狛枝「分かったよ。さて、日向クンはどっちにする?ボクはどっちでもいいけど」

日向「そうだな……」

 
 
1 終里たちを追う

2 ここに残る

 
 
↓1

 

 
 
日向「俺が行くよ。狛枝は辺古山たちを頼むぞ」


狛枝「了解。ま、ボクなんかが居なくても辺古山さんが居れば十分な気はするけどね」

日向「よしっ、行くぞ!」ダダダッ


日向「はぁっ……はぁっ……結構走ったのに見当たらないな。どんだけ進んでるんだあいつら…」

日向「って言うか流石無人島…手入れもされてないから植物の蔦が凄いな……」

澪田「どっひゃー!!!!!!」

日向「!?澪田の悲鳴、何かあったのか!」

日向「こっちから聞こえてきたな、急いで向かうぞ!」ダッ


澪田「ど、どうなっちゃってるんすかこれ!?」モゾモゾ

日向「澪田ー!何かあったのか」タタタッ

澪田「は、創ちゃん!?ちょ、お願い来ないでっ!!」

日向「いや、あんな悲鳴を聞いて駆けつけない…わけ……が……」

澪田「あ、あ……あはは……」

日向「…………」

日向(──目の前には、澪田のあられもない姿)

日向(俺にお尻を突き出すようにして、宙にぶら下がっている。パンツ丸出しで)

日向(罪木もびっくりな転び方でもしたのか、辺りに生えている植物の蔦が全身を絡めとっている)

日向(どうやらスカートが蔦に引っかかったみたいだ)

日向「…………」

澪田「あは…は……うわーーーーーーーーーーーーー!!!もうお嫁にいけないーーーーーー!!!!」

日向「い、いやいやいやいやいや大丈夫だ!何も見えてない!見えてないぞ!」

澪田「この格好で見られてないってどんな奇跡が起こったんっすか!?無理にもほどがあるよ!」

日向「と、とととりあえず後ろ向くから!そして今の光景は忘れる!大丈夫だ!」

澪田「ううっ……唯吹の清純キャラ設定が……」

日向(そんな設定があったのか……)

澪田「…………」

日向「どうかしたか?」

澪田「…………そのー、ちょっと、創ちゃんに手伝ってほしいことが」

日向「なんだ?俺に出来ることなら何でも…今のお礼……じゃなくて謝罪にな」

澪田「唯吹に絡まってる蔦、取ってください……唯吹の状態じゃ無理っす…………」

日向「……………………マジか」
 
日向(そういえば結構しっかり絡み付いてたもんな、あの状態じゃ無理か……)

 
 
1 ああ、分かった

2 終里を呼んでこよう

 
 
↓1

 

 
 
日向「い、いや……流石に俺がやるのはまずいだろ……その、なんか見えてるしな」


澪田「で、ですよねー……唯吹のパンツをなんか扱い……」

日向「ち、近くに終里も居るんだろ?呼んでくるから待ってろ!」

澪田「り、了解。なるべく早く帰ってきてくれると唯吹としては助かるっす……」

日向「分かった!」タッタッ


終里「んー熊どころか何もいねーじゃねーか…食いモンもねえし」

日向「おーい終里ー!」

終里「ん?日向じゃねーか。熊ならやっぱりいねえみたいだぞ?」

日向「だから最初からそういってるだろ…ってそうじゃなくて、ちょっと来てくれ!」グイッ

終里「お、おい、いきなり引っ張んなよ」

日向「後で謝るからとにかく付いてきてくれ!」

終里「なんなんだよ~」

 
 
澪田「ふぅ~~…なんとかたすかったっす」


終里「ちゃんと前見て走らねーからだぞ」

澪田「やーテンション上がっちゃってつい…」

日向「蔦は何とかなったみたいだな」

澪田「やーその節はお恥ずかしいところを……」

日向「あ、いや……俺も悪かったよ……」

終里「オレのおかげだからな!」

日向「ああ、分かってる。助かったよ終里」

終里「へへっ!いいってことよ!」


終里の好感度が上がった。
 

 
 
日向(その後はおとなしくなった終里と澪田を引き連れてあたりを散策しながら辺古山たちが追いつくのを待った)


辺古山「む、追いついたようだな」

狛枝「やあ、三人とも無事かな?」

罪木「お怪我はありませんかぁ?」

澪田「なんともないっすよ~……唯吹の純情以外は」

日向「…………」

終里「おせーぞオメーら」

狛枝「……日向クンにも超高校級の幸運が備わってるのかな?あ、いや──超高校級のラッキースケベかな?」

日向「お前の察しの良さには脱帽だよ。でもその呼び方は止めてくれ…事故だから」

辺古山「?……よく分からんが、全員集まったことだし昼食にするか」

狛枝「そういえばここに来る途中、ちょうどいい感じに開けている場所があったね」

罪木「あそこなら景色を楽しみながらご飯を食べられますね」

終里「飯!早く、早く食おうぜ飯!ハアハア」

日向「落ち着け」


辺古山「ふむ…美味いな」

終里「んぐんぐもぐもぐ…うめぇ!」

罪木「この卵焼き凄くおいしいです!」

澪田「っはー!凪斗ちゃんの家庭的な面が見えたっすー!」

狛枝「ははっ。そんなに褒められるとちょっと照れくさいね」

日向「これ、全部狛枝が作ったのか?」

狛枝「そうだよ。せっかくボクまで誘ってくれたのに何もしないなんて失礼だからね。家事は得意だし」

日向「……美味い」モグモグ

狛枝「ありがとう、ボクでもみんなの役に立てたのなら何よりだよ」
 
日向(狛枝のお弁当に舌鼓を打ちながら騒がしく過ごした)
 

 
 
辺古山「そろそろ日が落ちるな、帰るとしよう」


罪木「そうですねぇ、夜になると危ないですし」

終里「結局熊は見つかんなかったな」

澪田「新発見もなかったっす」

狛枝「また来ればいいよ。その時には新しい発見があるかもしれないしね」

日向「そうだな……」

日向(皆で騒ぎながら探検をするのは楽しかった)

日向(……この気持ちを誰かと共有しておきたいな)

 
 
1 辺古山と

2 罪木と
3 終里と
4 澪田と
5 狛枝と

 
 
↓1

 

 
 
日向「狛枝」


狛枝「どうかしたの?日向クン」

日向「いや、なんていうか、楽しかったな」

狛枝「そうだね、こんな風に騒がしく過ごすのなんて久しぶりだったよ」

日向「お前もなんだかんだで楽しそうだったしな」

狛枝「そうかな?」

日向「ああ、今日のお前の笑顔はなんていうか、悪くなかったぞ」

狛枝「普段の笑顔はどうなの?」

日向「気持ち悪い」

狛枝「ばっさり言うなあ…そっか、でも楽しめてたんだね」

日向「ああ。お前とこうして遊べてよかったよ」

狛枝「うん、ボクもだよ。誘ってくれた辺古山さんには感謝しないとね」

日向「そうだな……」

日向(狛枝だって、悪いやつじゃないんだ……こうやって話していれば、普通のヤツで)

日向(まあ、ちょっとおかしいところもあるけど、それも個性と思えば気にはならnいしな)

日向(……)

 
 
1 今度は男連中と遊ぶか

2 今度は二人で探索しにこよう
3 また皆で楽しく騒ごう

 
 
↓1

 

 
 
日向「今度は二人で探索するか」


狛枝「えっ?」

日向「前に言ってたろ?何もおきないはずが無いって、もしかしたら次は何か起こるかもしれないしな」

狛枝「……」

日向「皆を巻き込むのは悪いけど、お前なら幸運があるし、巻き込んでも心が痛まないからな」

狛枝「ちょっとひどくない?」

日向「信用してるからだよ」

狛枝「都合のいい言葉だね、信用って…。そう言ってくれたのは嬉しいけどね。…でもその言葉は女の子に言ったほうが良かったんじゃない?」

日向「……そうかもな、やっぱり取り消しで」

狛枝「あはっ。残念ながら断らせてもらうよ。いつか二人で、この島の謎を解き明かそうか」

日向「そうだな、お前と二人で何かをするのも面白そうだ」

狛枝「約束だよ」

日向「ああ、約束だ」

日向(夕焼けをバックに、狛枝と握手を交わした……)


狛枝の好感度が上がった。
狛枝との友情を感じる…。
 

 
 
日向(再びジャバウォック島に帰ってきた)


日向(見慣れた景色を見た途端、疲れがどっと出てきたな……)

日向「さっさと帰って寝るか」

ソニア「あ、日向さん、帰ってたんですね」

日向「ん?ソニアか、見ての通りだよ」

ソニア「秘境探検は楽しかったですか?謎の遺跡や原住民との戦いはありましたか!?」

日向「いや、何も無かったぞ?ただ皆で騒ぎながらあちこち歩いただけだったな」

ソニア「そうですか…胸がドキドキするような冒険大活劇は無いのですね……」

日向「そんなことが起こっても困るけどな。……そういえばソニア、手に持ってる袋はなんだ?」

ソニア「これですか?これはお菓子です」ガサガサ

日向(そういうとソニアは袋の中に手を突っ込み、何かを取り出す)

日向(手に持っていたのは外国で作られたグミのようだ)

ソニア「西園寺さんが美味しくないと言って頂いたのですが、私ドハマリしてしまったのです!」

日向「そ、そうか…」

日向(袋の中身全部そのグミじゃないだろうな…?)

ソニア「日向さんも一ついかがですか?」

日向「いや、止めとくよ」

ソニア「そうですか、残念です……」

日向「また明日な」

ソニア「ええ、また明日」
 
日向(ソニアと別れ、帰路についた)



日向「ただいま…まあ、誰も居ないんだけどな」ガチャ

日向「疲れたしシャワーを浴びたらすぐ寝よう……」

日向「…………」

日向(違和感を感じる……何も、変わっていない……けど、何か、違和感)

日向(何も変わっていないはずなのに、何かが変わっている違和感)

日向(俺はこれを、どこかで……)

日向「……ふわぁ、眠い…頭が働かないな……」

日向(気のせいか…)

日向(俺はシャワーを浴びて、眠りに付いた)
 

 
 
 
 
 
??「…………」カシャ

 
 
 
 
 
??「……………………」カシャカシャカシャカシャ

 
 
 
 
 
??「……………………準備は整った」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「……………………愛を」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「愛を愛を愛を愛を愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛殺愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛死愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「ください」カシャ

 
 
 
 
 
 

 
 
日向「……ふわぁ、眠いな。まだ疲れが少し残ってるみたいだ…」


日向「まあ、大丈夫だろう……そろそろ行かないとな」


西園寺「おっはよ~日向おにぃ!」

日向「西園寺か?どうかしたのか」

西園寺「最近下僕のクセにおにぃ全然私と遊んでくれないじゃーん」

日向「そうか?」

西園寺「そうだよ、何やってるのか知らないけどさー。たまには私と遊んでよー」

日向「西園寺にしては素直だな?」

西園寺「だって素直にしろっておにぃが言ったんじゃん」

日向「……は?そんなこと俺言ったか?」

西園寺「えー…あれ、でも私、おにぃに前に……」

日向「どうかしたか?」

西園寺「……別にー。おにぃが覚えてないなら良いや!とにかく朝くらい付き合ってよね」

日向「分かったよ、一緒に行こう」

西園寺「じゃあおんぶして!」

日向「いや、自分で歩けよ…」

西園寺「ひぐっ……おにぃに変なところ触られたって叫ぶ」

日向「嘘泣きはやめ──」

西園寺「うええええええええええんおにぃに──」

日向「分かった!っ分かったから止めてくれ!社会的に死んじゃうだろ!」

西園寺「やったー!はやくはやくー!」ケロッ

日向「くそ……分かってた、分かってたのに…!」

日向(西園寺をおんぶしながら公園へと向かった)
 

 
 
日向「今日も無事に終わったな」


日向(そういえば左右田たちは元気にやってるのか?)

日向(まあ、ウサミが何とかしてるみたいだし、心配しなくても大丈夫か)

日向「よし、今日もいつもどおり誰かと過ごそう」


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里
9 狛枝


↓1
 

 
 
日向「……そういえば、七海は昨日の休日、どうだったんだろうか」


日向(無性に気になるな…)

日向「今日は七海と過ごそう」


七海「あ、日向くん」

日向「お、七海」

七海「えへへ、日向くんと一緒に居たくてきちゃったよ」

日向「そ、そうか…」

日向(七海の頬が赤く色づいている…きっと俺の顔も同じように赤くなってるだろうな……)

七海「今日は日向くんの部屋で過ごしたいな」

日向「ああ、俺の部屋でいいなら…何も無いけどな」

七海「えへへ、それじゃあお邪魔します」

日向「ああ」

 
 
七海「昨日はどうだったのかな」


日向「そうだな……意外と楽しかったぞ。結局何も発見は無かったけど、皆で探検するのは面白かったしな」

七海「そっか…私もそっちに行けばよかったな」

日向「七海が居ればもっと楽しくなっただろうな。七海はどうだったんだ?」

七海「私達のほうも楽しかったよ。4人でビーチバレーをしたり、アイスを食べたり……」

日向「へえ、そっちも楽しそうだな」

七海「うん。日向くんと入れないのだけがちょっと心残りだった…と思う」

日向「でも、楽しめたなら良かったな」

七海「そうだね……でも、こうやって日向くんと二人きりで過ごす時間も、私は好きだよ」

日向「それに同意だ!……なんてな」

七海「今度は日向くんと二人でどこかに行きたいね」

日向「ああ、俺もそうしたいな」

七海「日向くんだったら私とどこに行きたい?」

 
 
1 海で遊ぶ

2 部屋でゲーム
3 のんびりお散歩

 
 
↓1

 

 
 
日向「海で遊ぼう」


七海「昨日遊んだばっかりだよ?」

日向「それは小泉たちとだろ?今度は俺と二人で、俺たちだけの思い出を作ろう」

七海「……」

日向「ハードルは高いけどさ、小泉たちとよりももっと楽しい思い出を作ろう」

七海「うん。それは……とても、素敵だね」

日向「ああ、だから今度。──二人で」

七海「うん。──二人で」

日向「約束だ」

七海「うん、約束だよ」

日向(俺たちは指きりを交わした)

日向(絶対に約束を果たそう)

日向(そしてその時までには、七海と──)


七海の好感度が上がった。
 

 
 
カチッ


ピッ

ピッ


ピッ




ピッ



ピッ……ピッ…


ピッ…………ピッ…………

 
 

 
 
日向「んーーーっと」


日向「今日も元気に仕事に行くか」


小泉「あっ……おはよう、日向」

日向「よう、どうしたんだ小泉」

小泉「ちょっと朝の散歩にね」

日向「そっか。ついでだし一緒に公園に行くか」

小泉「おっけー。んじゃ、行きましょうか」

日向「ああ」

日向「…………」

日向(そういえばすっかり忘れてたけど……あの写真……もしかしたら……)

日向(……まさかな)

 
 
日向「皆おはよう」


終里「おーっす」

澪田「はよーっす!」

西園寺「おはよー」

狛枝「おはよう」

辺古山「おはよう、今日もいい天気だな」

ソニア「今日は晴天なりってヤツですね、おはようございます」

罪木「おはようございますぅ」

小泉「皆おはよう」

七海「おはよ~……」

日向「大丈夫か?七海、いつにもまして眠そうだけど」

七海「うん、ちょっと考え事しちゃって…お仕事終わったらすぐに寝よう……zzz」

小泉「今寝たらダメだって!」

狛枝「さ、七海さんが本格的に寝ちゃわないうちに、仕事を始めちゃおっか」
 

 
 
日向「ふぅ、今日も疲れたな…」


ピンポーン

日向「ん?誰だ?」

ソニア「たのもー!日向さん!」

日向「おお、どうしたソニア?」

ソニア「いえ、ちょっとお話が」

日向「話?」

ソニア「大したことじゃないのですが…最近日向さんと過ごしてないような気がして……」

日向「ああ……そんな気もするな……」

日向(七海と過ごしてた記憶しかないな、うん)

ソニア「七海さんとよく過ごしていますし」

日向「はは、見られてたのか…」

ソニア「ふふ、壁にミミー障子にメアリーというやつです!」

日向「えらく洋風な障子だな」

ソニア「たまには私と過ごしてほしいと思い、ここに馳せ参じました!」

日向「それはどうもご丁寧に……」

ソニア「ええ、ですからもしよろしければ私と一緒に過ごしてください」

日向「ああ、そうだな」

ソニア「もしも日向さんの都合がよければ、この辺りを散歩していますので声をかけてくださいね」

日向「分かった」


日向(ソニアが寂しがっていたな…結構意外だ)

日向(そういえば七海は今日は部屋で休むって言ってたな、気を使ったほうが良いかもしれない)

日向(それに……)

日向(……なんとなく今日は大切に過ごしたほうが良いかもしれないな)


1 罪木
2 ソニア
3 西園寺
4 小泉
5 澪田
6 辺古山
7 終里
8 狛枝


↓3(キャラクターと交流する選択肢はこれで最後です)

 
 
日向「小泉のところへ行こう」



日向「小泉は……っと」

小泉「……」

日向「よう、小泉」

小泉「あ、日向…」

日向「考え事か?」

小泉「うん、ちょっとね……」

日向「何かあったのか?」

小泉「そういうわけじゃないんだけど……少しね」

日向「……」

小泉「日向こそ何か用があるの?」

日向「俺は──」

 
 
1 聞きたいことがあるんだ

2 その辺でもぶらつかないか?
3 一緒に遊ぼう


↓1
 

 
 
日向「なあ小泉……聞きたいことがあるんだ」


小泉「どうしたの?」

日向「実は──」

日向(俺は数日前に起こった出来事を小泉に話した)

日向(寝顔の……“写真”。写真で思いつくのなんて……小泉、お前しか…いないんだ)

日向(小泉が犯人だとは思っていない……いや、犯人だと思いたくない)

日向(俺の大切なクラスメイト達が犯人じゃない…その証明のために、俺は真実を話した)

日向(信じるって言うのは、疑うことだ。疑いの無い信用は、妄信となんら変わらない)

日向(俺は小泉を、皆を信じる……信じるから、疑うんだ!)

小泉「……!」

日向「お前……なのか?」
 
小泉「…………」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
小泉「──……違うよ」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
小泉「あたしはそんな写真撮ってない…信用してくれないかもしれないけど、あたしじゃない」


日向「……」

小泉「うん、分かるよ。誰だって“写真”って聞いたら、真っ先にあたしを疑うと思う」

小泉「でも、私じゃない!信じて日向!」

日向「……本当、なのか?」

小泉「うん……あたしが悩んでたのはね、夢のこと。夢のことなんて、誰かに相談したって意味ないでしょ?」

小泉「だから……言わなかっただけ」

日向「そうだったのか……」

小泉「しかも変な夢よ。あ、あたしがその…日向とごにょごにょ……で、一緒に出掛けようとしたら……っ」

日向「?どうした」

小泉「ううん、なんでもない。少し気分が悪くなっちゃったし、帰るね」

日向「ああ、悪かった…疑って」

小泉「いいよ、気にしないで。心配してくれてありがとうね、日向」

日向「……ああ」

日向(小泉はそのまま去っていった……)

日向(……一瞬、胸の中で疑念が渦巻く)

日向(──小泉は嘘をついてるんじゃないか?)

日向(いや、疑う必要は無い。あいつ事態が否定してたし、仮に事実だったとしても、いたずらだったで済まされるレベルなんだ)

日向(きっと西園寺あたりがいたずらをしたんだろう、そう思うことにした)

日向「俺も帰るか……」

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「…………………………………………………………」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「くす、くすくすくすくす」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「見てくれマシた伝わっテクレまシた思ッてくれマした考エテくれた嬉シいです嬉しイdeath嬉しい嬉しい大好キでス愛シテル」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



日向「少し寄り道したせいで遅くなったな……」 
 
日向「ホテルの料理は美味いけど、やっぱり花村の作った飯が食べたいな」


日向「それにしても──なんか心のつっかえが取れるとすっきりするな」

日向「さっさと風呂にでもはいってリフレッシュしよう」ガチャ

日向「ただい……ま…………?」

日向(部屋にはいった瞬間、俺は言葉を失った)

日向「…………は?」

日向(だって、そこには──全く理解の及ばない光景が広がっていて)

日向「…なんの、……冗談だよ……」



日向(俺の部屋のあちこちに“写真”が貼り付けられていて──)

日向(天井には、赤いペンキで塗ったのか“愛”という文字が書かれていた……)

日向(写真を良く見ると、ただの写真じゃない……そこに写っている俺は、明らかにカメラ目線ではなくて──)

日向(どう見たって、盗撮されたものだった)

日向「なんだよ……これ、どういうことなんだよ……これ…」

日向「ただの……いたずらじゃなかったのかよ!」

日向(俺は、恐怖で叫ぶことも忘れ、どこに向けるでもない怒りを、部屋に向かってぶちまけた)
 

 
 
──────


日向「またこの展開かよ!なんでだよ!」

七海「びっくりするくらい唐突で怖いね」

日向「今回は七海一筋だっただろ!なんでこうなったんだ!」

日向(キャラを選ぶときめちゃめちゃ七海がこっちを見てたしな……瞳のハイライト消えてたし怖すぎだろ……)

七海「うーん、私ばっかり構ってたからなのかな?」

日向「うーん、好きな人だけ追っかけてればヤンデレは防げると思ったんだけどな」

七海「もしかしたら最初から絶対に病むようになってるとか?」

日向「いや、ロード中の画面のTIPSってヤツで、ヤンデレ化は防げるって書いてあっただろ?」

七海「防ぐには何か条件があるのかも……って思うよ」

日向「うーん、防ぐ方法か……何かあったのか」

七海「ヤンデレっぽい人と話してみるとか?」

日向「それ火に油注いでないか?」

七海「うーんでも、今回は完全に無視したからこの結果になったわけだし、そうなのかも。……日向くんが他の女の子を選ぶのはもやもやするけど」

日向「七海、時々瞳のハイライト消すの止めてくれ……」

日向「まあ、ここから挽回も可能だろ。ヤンデレ化してもハッピーエンドの道筋はあるってあったしな」

七海「そうだね。がんばろう」

日向「まずは今回のヤンデレの特定からだな…」

日向(とはいってもそこまで難しくは無いはずだ。前回ほど分かりやすくは無かったけど、今回はその代わり“ヤンデレらしい”そぶりをしている人間がいなかった)

日向(ならヤンデレの子は確実に、違和感のある発言をしているはずなんだ)

日向(ゲームの主人公の“俺”には分からないかもしれないが、プレイヤーの“俺”からなら見えるものはあったしな)

日向「よし、今度こそハッピーエンドを掴むぞ、七海!」

七海「おー」
 

投下終了です。エンディングまで書ききりたかったんですがこの調子だと結構掛かりそうなので持ち越します。
ちなみに現実世界の描写は基本的に攻略のヒントだと思ってください。あんまり本筋には関係ないです多分。

TIPS
無し。

あ、鯖復活してますね。
本日夜更新予定です。

TIPS
ヤンデレ化キャラは言動、行動などが本来の性格との不一致している。

 
 
──────



日向「……とにかく、冷静にならないとな」

日向「流石にこの部屋で過ごす……訳にはいかないよなあ」

日向(……)

日向(この状況になってまで、俺は現実から逃げようとするのか……?)

日向(このジャバウォック島に、俺たち以外の人間はいない……それはだいぶ前から分かっていたことだ)

日向(だから、こんな悪趣味で気味の悪い事をしたのは、まず間違いなく、俺たちの中の誰かなんだ……)

日向「俺は、どうすればいいんだ」

日向(笑って流せばいいのか……何も言わずに逃げるのが正しいのか……)

日向(──それとも、正面から向き合うべきなのか)

日向「俺は──」

 
 
1 
正面から向き合う

2 無理やり誤魔化す
3 逃げ出す

 
 
↓1

 

 
 
日向「は、はは……そうだよ、そうだ…きっと西園寺の奴がいたずらしたんだろ……」


日向「最近構ってなかったもんな……寂しくてこんなことやったんだろ……」

日向(頭の中で冷静な俺が叫んでいた)

日向(それは違うと、もっと考えろと……)

日向「ああ、分かったよ……お前と遊ぶよ……お前と……お前、と…………」

日向(俺は、もう自己正当化の言い訳すらやめた)

日向(逃げることなんて出来やしない)

日向(ましてや、向き合う覚悟だって俺には無い……)

日向「もう寝るか……ったく、誰だか知らないけど、ここまでしなくてもいいだろ……」

日向「掃除するの面倒だな……このまま寝るか」

日向(俺は、眠りにつこうとベッドに潜り込む)

日向「ったく、これはやりすぎだからな……明日叱ってやるか……」

日向(無理やり明るいほうに頭を切り替えて、俺は眠りに落ちた……)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「…………」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
狛枝「ふぅ、全く……こんな夜更けに呼び出されるなんてね」


??「──」

狛枝「やあ、一体どうしたのかな?ボクに相談事?」

??「──」

狛枝「へぇ、そうなんだ」

??「──」

狛枝「……え、話はそれだけ?こんな夜更けに呼び出すんだからもっと大事な話でもあるのかと思ったよ」

??「──」

狛枝「あはは、冗談だよ。ボクみたいな奴を好きになる人なんているわけないからね」

??「──」スッ

狛枝「ん?話に付き合ってくれたお礼?こんなの気にしなくて良いのに」ボトッ

狛枝「っと…ごめんね。ちょっと手が滑っちゃったよ…」スッ

??「──」

狛枝「そうだね、せっかく頂いたものだし、ちょっと喉も渇いていたから頂こうかな……んくっ」ゴク

??「──」

狛枝「うん、美味しいね。まあ味はただのスポーツドリンクなんだけどさ」

??「──」

狛枝「……なんだって?」
 
??「──」

狛枝「まさか、君は──っ」クラッ

??「──」

狛枝「ぐ、ん…ぐ……う…ん…」ドサッ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「オヤスミナサイ」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
??「──さん!」


日向(誰だよ……五月蝿いな……疲れてるんだ、寝かせてくれ……)

??「日向──ん!お──てください!」

日向(五月蝿いな……)

??「大変なのです日向さん!おきてください!」

日向「んあ……なんだよ、まだ朝には……ふわぁ」

ソニア「ああ、やっとおきてくれました!ってそんなのんきにしている場合じゃないんですよ!大変なんです!」

日向「ソニア、今は夜中だぞ。緊急にしても朝とかに連絡してくれよ」

ソニア「そんなことを言ってる場合じゃありません!大変なんです」
 
日向「だから、その大変ってのをだな──」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ソニア「私の日向さんへの愛が、溢れて止まらないんです!」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日向「──は?」


日向(しかし、その意味を問う前に、俺の意識は途絶えた)

日向(薄れゆく意識の中──ぼんやりと見えたソニアの顔は)

日向(絶望と狂気の入り混じった瞳で)

日向(頬を赤く染め、恍惚とした笑みを浮かべていた)

日向(俺はこの表情をどこかで見たことがある……そんなことを考えながら、意識を失った──)

 
 

 
 
日向(……)


日向(…………)

日向「……ん」パチ

ソニア「あ、起きましたか?」ニコリ

日向「ここは……?」

ソニア「私の部屋です」

日向「いや……何かの冗談だろ…?」

日向(そこが、人の住む部屋じゃない、なんてのは誰でも理解できた)

日向(部屋の隅々まで写真、写真、写真、写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真写真)

日向(あちこちが俺の写真で埋め尽くされていた)

ソニア「とても集めるのが大変でした!日向さんはシャイボーイですからね、気付かれないように写真を撮るのは苦労しました」

日向「い、意味が…分からない……っ」

ソニア「これは愛です!私の愛なんです!」

日向「こ、こんなのただストーカーと変わらないぞ!?」

ソニア「いいえ、違いますよ?これは愛なのです、私は日向さんをずーっと前からノヴォセリック王国に招待していますのに、全く返事をくれませんから」

日向「い、いやあれは……将来的にそうなるかもしれないって仮定の話だっただろ」

ソニア「またまたご冗談を、日向さんは言ってくれたじゃないですか!」

ソニア「私のことが好きだと、私の為に全てを捧げてくれると!」

日向「何を言ってるんだよソニア!俺はそんなことを言った覚えは無い!」

日向(そうだ、そんなことを言ったはずがない。言うわけがないんだ……なのになんで、なんでこうなってるんだよ!?)

ソニア「だってあの夜──約束したじゃないですか!」

日向「夜、何のことを……!?」

ソニア「花火をした後、一緒に天体観測をしようって…日向さんは照れ屋さんだから、“皆と”なんて誤魔化していましたけど…あれは私への愛の告白だったんですよね!」

日向「む、むちゃくちゃだ!ソニア、本当にどうしちゃったんだよ!」

日向(ソニアを正気に戻す為に、身体を動かした瞬間、手首と足首の辺りに痛みを感じた)

日向「っ……」

ソニア「安心してください、日向さん。私たちがずーっと共に居られるよう、私が日向さんの面倒を見ますから」

ソニア「お食事もお風呂も歯磨きもトイレも話も掃除も着替えも睡眠も何もかも私が管理して差し上げます!」

日向「……」

日向(目の前にいるのは、誰だ?)

日向(俺が知ってるソニアは、こんな奴じゃない……こいつは……こいつは誰なんだよ…)
 

 
 
日向「なぁ……ひっ!」


ソニア「んふ…どうかしましたか?」

日向(目と鼻の先のソニアの顔があった。相変わらず瞳は淀んだままだが、妖艶さを感じるその表情に、思わず顔を背けてしまう)

日向「……」フイッ

ソニア「くす……日向さんは本当にシャイボーイですね!これが日本男児という奴ですか!素敵です!」

日向「お前は……誰なんだよ」

ソニア「私ですか?私はソニア・ネヴァーマインドですよ?日向さんを愛してる、どこにでもいる皇女です♪」

日向「……ちがう」

ソニア「ふふ、こんな風に急に攻められて照れちゃっているんですね!これが萌えキュンというやつですか!」

ソニア「日向さんが最近構ってくれなかったのも、私の気を引く為にやったんですよね?」

ソニア「日向さんは本当に恥ずかしがり屋さんで私も少々困りましたわ。七海さんといい雰囲気になっていたときは衝動的に殺してしまいそうになってしまいましたから」

日向「──!?」

ソニア「ふふ、大丈夫ですよ。日向さんは優しい方ですから。私は日向さんが望まないことはしません」

ソニア「皇女たるもの、この程度の浮気──受け入れないといけませんし」

ソニア「ですけど最近になってようやく気付いたんです」

ソニア「日向さんはきっと私に構ってほしくて、愛してほしいから浮気をするんだって」

ソニア「ですから決めたのです……日向さんをたっぷりと愛しつくしてあげようと……」

日向(ソニアがにっこりと、邪気の無い──いや、邪気が無さ過ぎて、恐ろしさすら覚えるほどの純粋な笑顔を浮かべる)
 
ソニア「日向さん、私に全て任せてください──きっと、貴方を愛しますからね?」

 
 
1 受け入れる

2 断る


↓1
 

 
 
日向「……もう、疲れた……もう、いい……」


日向(思考をとめる、考えることをやめる)

日向(──だってこんなの、どうしようもないだろ)

日向「ソニア、好きにしてくれ……」

ソニア「ええ、モチのロンです!日向さんをたーっぷり愛してあげます」

日向(唇に温かい何かが触れる……)

日向(それがなんだか、俺にはもう考える気すら起こらない)

日向(唇が抉じ開けられ、ぬめりとした温かい何かが俺の口内を蹂躙する……)

ソニア「んっ……ふ、んちゅ……ん…」

日向(俺は考えることをやめて……ソニアに身を任せた……)

 
 
 
 
日向「……おはよう、ソニア」


ソニア「ええ、おはようございます、創さん」

日向「少し腹が減ったな……」

ソニア「では私が存分に腕を振るいましょう!ジャパニーズ料理もお手の物です!」

日向「ああ、楽しみにしてる」

日向(ソニアに監禁されてから数日──驚くほど心地よい日々が続いている)

日向(きっと変に抵抗しなかったからだろうな…いや、する気もないけどな)

日向(もう、疲れたんだよ。こんな頭のおかしいことに巻き込まれて……)

日向(俺がソニアを受け入れれば、ソニアはただ俺に尽くすだけで、不気味なことは何も起きない)

日向(こんな可愛い女の子と毎日ずっと一緒にイチャイチャしながら……自堕落に生活を送る)

日向(それはある意味男の夢じゃないか?ああ、そうだ、そうに決まってる…)

日向「…………」 
 

1 受け入れる
2 抗う

 
 
↓1

 

 
 
日向「……なあ、ソニア」


ソニア「なんですか、日向さん」

日向「他の皆は…どうしてるんだ?」

ソニア「それを日向さんが知る必要は無いですよ?」

日向「……頼むよ、教えてくれ」

ソニア「どうしてですか?」

日向「だってさ、突然俺が消えたら……心配するんじゃないか?」

ソニア「いえ、その心配は無いと思いますよ」

日向「なんでそう言い切れるんだよ!」

ソニア「皆さんは今、そんなことを考える余裕が無いからです」

日向「……は?」

 
 
 
ソニア「恐怖政治って知ってますか?」


 
 
ソニア「権力者が、自らに反対するものを投獄したり、殺戮したりなどという苛烈・暴力的な手段を用いて弾圧することで、国民に恐怖を抱かせることで強引に自らの権力を保つ、とウィキペディアさんには書いてありましたね」




ソニア「私はそれをやってるだけです。皇女として、人殺しはまずいですから。ですから皆さんには小さな部屋に全員で住ませて、衣食住、全て私が管理してます」

 
 
 
ソニア「もちろん、日向さんのお世話が一番大事ですから、一日に一度様子を見るだけですけどね」

 
 
 
日向「……」


ソニア「ふふ、終里さんなんかは凶暴で手こずりましたが、仕掛けがあるので心配は無用ですよ♪」

日向「仕掛け…?」

ソニア「ええ、爆弾です。勝手に逃げ出した場合、私がその爆弾を起動させます。それでボーン♪、皆さんはゲームオーバーです」
 
ソニア「まあ、仲間を見捨てて生き残りたいって人が居るなら止めはしませんけどね、くす……」

日向「爆弾、なんて…そんなのどこで!?」

ソニア「スーパーマーケットにありましたよ?あそこは便利ですね!」

日向(そういえば前に…買い物帰りのときのソニアと会って……まさか、あの袋に入ってたのはグミなんかじゃなくて…!?)

ソニア「ですから、他の皆さんは今、生きることに必死で日向さんの事なんて考えてられませんよ」
 

 
 
日向「──皆を、解放してくれ」


ソニア「なぜですか?そんなことをしたら私と日向さんのラブラブな生活が終わってしまうじゃないですか!」

日向「ソニア、お前はそんな奴じゃないだろ──!思い出せ!こんなことをしたって誰も幸せになんか──」

ソニア「うるさいっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!」

日向「──ッ」

ソニア「日向さんは黙って私を受け入れてれば良いんです!それだけでいいんです!余計なことを思考しないでください!余計なことを考えないでください!私だけを考えてください!私の為に生きてください!私だけを愛してください!」

日向「ソニア──っ!」

ソニア「分かりましたわあの女ですよね!?七海さん!あの人がいるから私のことだけをみてくれないんですねあの泥棒猫がいるからいるからいるからいるから!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

日向「……」

日向(そう、すべてを諦めかけた俺に、たった一つ残された、“希望”──)

日向(七海の声が、聞きたい……あいつの想いを断ち切るなんて、出来ない)

日向(もう手遅れかもしれない、一度諦めてしまった俺には、その権利すらないのかもしれない)

日向(でも、もしも俺が抗う先に、七海が居るのなら──俺は)

日向「俺は抗うぞっ!ソニアッ!」

日向(渾身の力で、手錠の鎖をベッドに叩きつける)

ソニア「な、なにを──」

日向(動揺したソニアが俺に近づいた瞬間、俺は稼動範囲ギリギリまで手を伸ばすとソニアの懐から手錠の鍵を引ったくる)

ソニア「!」

日向(いつになく神経を尖らせ、ソニアに止められない内に両腕の拘束を開放する)

ソニア「ダメです、止めてくださいっ!」

日向(近づいてくるソニアを心の中で謝罪をしながら突き飛ばし、両足の拘束も解く)

日向「っはぁ…はあ……これで、形勢逆転だ……」

ソニア「………………」
 

 
 
 
 
ソニア「くす」

 
 
 
 
 
ソニア「くすくすくすくす」

 
 
 
 

ソニア「──もう、いいです」

 
 
 
 
 
 

 
 
カチッ



日向(──何かのスイッチが入る音が、した)
 
ソニア「今のは七海さんの監禁部屋の爆破スイッチです」

日向「なっ──!?」

ソニア「後30分もすれば、七海さんは吹き飛びます」

日向「なにをしてるんだよ!?そんなことをしたら──」

ソニア「ええ、死んでしまいますね。でももういいです、私のものにならない日向さんも、私の邪魔をした七海さんも、必要ありませんから」

日向「ソニア、分かってるのか!?今ならまだ引き返せる!止めてくれ!」

ソニア「やめません♪それに、スイッチを押した時点でどうにもなりませんから。──いまさら引き返せません」

日向「ソニア……っ!」

ソニア「日向さんだけは……私の愛している日向さんだけは、この手で殺してあげますから……死んだら、私がずぅーっとお人形として愛でます。初めからそうしていればよかったですね」

日向「……くっ!そこをどいてくれ、ソニア!」

ソニア「どくわけないじゃないですか。日向さんはここで、私に殺されるんです」

日向(そういうと、ソニアは近くに立てかけてあった日本刀を鞘から引き抜き、銀色の刀身を俺に突きつける)

ソニア「一度やってみたかったんです、カイシャクってやつを!ブシドーというやつですね!」
 
日向「っ……!
 」

 
 
日向(ソニアの目にもう光は無かった…)


ソニア「安心してください!七海さんと他の方たちは別にしてあるんです。日向さんを奪った泥棒猫を他の人と同列に扱うなんて……流石にそこまでの器量は私には無かったようです」

ソニア「七海さんだけは別の場所で、厳重な拘束を施してあります。だから奇跡が起こる──なんて事はありませんよ?」

日向「……」

ソニア「日向さんが余計な心を痛める必要は無いんです、悪いのは全部七海さんですから。七海さんに毒されて日向さんもおかしくなってしまっただけなんです」

ソニア「ですから私が日向さんの穢れを、“死”によって浄化してあげましょう!」

日向「ソニア…!」

日向(ソニアの覚悟は固いようだった…いまさら言葉が届くなんて思ってはいない)

日向(七海を救うためには、ソニアをなんとかして、さらにどこにいるかも分からない七海の捜索をしなくちゃいけない)

日向(こうしている間にも時間は刻一刻と減っている……もう、時間は無いんだ)

日向(決意を固めるしか……)

日向「ソニアは…俺を殺す気なんだな?」

ソニア「当たり前ですよ。今の日向さんは、いりませんから」

日向(ソニアの目を見れば分かる。どこまでも暗く、深い──絶望に支配された瞳)

日向(ソニアは本当に俺を殺しにくるはずだ)

日向(この場を切り抜けるには、ソニアを──……)

日向(本当に、それで良いのか?七海を救う為に、大切な人を救う為に誰かを犠牲にするのは、正しいのか?)

日向(──)

 
 
1 まだ考える

2 決意をする

 
 
↓1


 
 
日向(──考えるんだ。思考を止めるな)


日向(俺は何度も間違えてきた……どうして間違えたのか)

日向(そんなものは決まってる──考える事を、放棄したからだ)

日向「何か…何かないか…!?」

日向(考えろ、考えろ考えろ考えろ)

日向(時間を無駄にするな──なんとかして、この場を)

ソニア「くす、何か考えているようですが、無駄ですよ?」

日向「うおっ!?」

日向(思考におぼれた俺の視界に銀色の軌跡が映りこんだ)

ソニア「諦めて、私の人形になってください!!」

日向「それはっ、断る!俺は、誰も……誰も犠牲にしないで、なんとかしてみせる!」

ソニア「そんなの、無理なんですよ!」

日向(ソニアの日本刀が遠慮の無い太刀捌きで襲い掛かる)

日向(いくら素人でも、殺意を込めて振れば達人の一撃に劣らない──)

日向「く、くそっ!」

日向(やっぱり俺は間違っていたのか…?)

日向(最後まで、諦めずに考え続けるなんて、間違ってたのか…?)

ソニア「早くッ、死んでください!」

日向(ソニアの一太刀を後ろに跳んで避けたところで、背中に硬い感触)

日向「──ぁ」

日向(そこで、思考は止まった)

日向(もう、逃げ場は無い)

ソニア「ようやく、追い詰めました……」

日向「……」

日向(俺の選択は……間違っていたのか)

日向(はは、情けないな……諦めて、もがいて、あがいて……その結末が、これだ)

日向(誰もを救おうとして、誰も救えない……俺は……何をしてたんだろうな)

日向(あのとき、ソニアを犠牲にする覚悟があれば……なにか、変わったんだろうか──?)

ソニア「日向さん、サヨウナラ」

日向(狂気の笑みを浮かべたソニアの白刃が、眼前に迫る)

日向(俺は何も出来ずに、ただその白刃を眺めていた)

日向(──ごめんな、七海。約束……守れなかったな)

 
 
 
 
 
BADEN

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
「 そ れ は 違 う よ ! 」

 
 
日向(俺の眼前まで迫っていた白刃は、金属音を伴って視界から消える)


ソニア「な、何を──!?」

 
 
「……全く、甘ちゃんだよね、日向クンってば。何もかもが遅すぎるよ、その程度がキミの“希望”なら……がっかりだね」


日向「お前……は!」

ソニア「どうして貴方が!?」

「でもまあ、最後には“希望”の為に抗おうとしたんだから、ボクが命を賭ける価値はあるよね」
 

日向(俺の視線の先には……ナイフ右手に携え、いつものように笑みを浮かべる──)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
狛枝「──さあ、反撃開始と行こうか」

 
 
日向(狛枝が、いた)

 
 
日向「狛枝っ!?お前、どうして…」


狛枝「あはっ…友達の窮地を助けに来るのがそんなに変な事かな?」

日向「友達……」

狛枝「さて、色々話したいことはあるだろうけど、日向クンは先を急いだほうが良いと思うよ」

日向「──すまん!狛枝、恩に着る!」ダッ

狛枝「別に構わないよ。だって約束したでしょ?またあの島を探索するって……ボクはあの時すごく嬉しかったんだからさ、キミに約束を破られると困っちゃうんだよね」

ソニア「私が逃がすと──」

狛枝「おっと、ソニアさんはしばらくボクとお話をしようか。キミもボクに聞きたい事があるんじゃない?」スッ

ソニア「っ……!」

狛枝「さて──答えあわせと行こうか。どうしてボクがキミの監視から逃れられたのか、そしてキミがしようとしてることを知っていたのか」

ソニア「日向さんを追いかけないと!」

狛枝「ははっそんなことさせると思う?別にボクの話は聞かなくても良いけど、少なくともボクは死ぬまでずっとキミの邪魔をし続けるよ?」

ソニア「どいてくださいっっ!!」

狛枝「それは出来ないよ、日向クンの為にも、ね。だからボクと本気の殺し合いをしようか……キミの“日向クンに対する愛”と、“ボクと日向クンの友情”どちらの希望が上か、はっきりさせようか──!」

 
 

手首足首の痛みとは何だったのか

たいしたことなかったのか?

 
 
日向「はぁっ……はぁっ……」


日向(ソニアは狛枝が足止めしてくれている…ここで七海を救わなくちゃ……狛枝のがんばりも何もかもが無駄になる……)

日向(もうそんなに時間は無い……闇雲に当たっても時間の無駄だ)

日向(……一回だ。一回で場所を当てるしかない)

日向「ソニアは少なくともついさっきまで、誰かを殺すことには躊躇いがあった……」

日向「そして七海の監禁部屋を爆破する……ってことは、七海はまだ生きてるはずだ」

日向「だとすれば七海に食事を与えたりして、最低限度の生活をさせる必要がある」

日向「だけどソニアはほとんど俺に付きっ切りだった。他の皆との世話も考えたら遠い場所に監禁するわけにも行かない」

日向「そしてもう一つのヒント……ソニアは、他の人は爆発には巻き込まれない。つまり、みんなの監禁場所と七海の監禁場所は近くにあるわけじゃないけれど、遠くにあるわけでもないはずだ」

日向「そして他のみんなの監禁場所は同じ…つまりある程度の広さがある……そんな場所、この辺りにあるか?」

日向(軽く辺りを見回すが、コテージしかない。まさか一人分のコテージに全員をつめたわけでもないはずだし…)
 
日向(くそ、時間が無い……!)

日向(このあたりで考えを切り上げて探し始めるべきか…!?)


1 探し始める
2 一度落ち着く


↓1
 

 
 
日向「考えるのは後だ──」


日向「今は足を動かせ、日向創……!」



狛枝「さて、まずはボクがキミの監視からどうやって逃れたのか、だけど──」

ソニア「はぁっ!」

狛枝「おっと、実はね。ボクは最初からキミを疑っていたんだ。だからあの晩、キミに呼び出されたときには既にある程度の見当はついてたんだよね」

ソニア「!……どうして」

狛枝「ソニアさん、キミは致命的なミスを犯している。そのミスは本当に些細だけれど、些細だからこそ、ボクにとっては強烈な違和感になったんだよ」

ソニア「ミス……ですか」

狛枝「皆で無人島に行くか海に行くかを相談していたときの発言を思い出してみなよ」

ソニア『私、ぜひとも無人島という未開の地を土足で踏み荒らしてみたいです!……ですけど今回は海が良いですね』

狛枝「ソニアさん、普段のキミなら、いつでも行けて飽きるほど遊んだ海なんかよりも、無人島を選ぶんじゃないかな?」

ソニア「……」

狛枝「でも君はそうすることが出来なかった…それはなんでだろうね?」

ソニア「……」

狛枝「勿論、この発言だけじゃない。他にもそれを裏付ける証拠…というよりも現場をね」

狛枝「最初は行き過ぎた愛情表現なのかなって思って見逃してたけど、まさかここまでとはね……」

狛枝「それに日向クンはボクよりももっと違和感に気付いていたと思うよ。キミは“日向クンをずっと見ていないと知りえない”ような発言をしているはずだからね」

ソニア「……そこまで気付いていて、なぜ私に捕まったのですか?」

狛枝「他の皆が巻き込まれるからだよ。ボクが巻き込まれるなら別に構わないさ…でも、彼らはボクのクラスメイトだ。それに……日向クン曰く、ボクが厄介事に巻き込まれても心は痛まないらしいからね」

ソニア「……」

狛枝「ま、そんなわけで。キミが仕込んだであろう睡眠薬を飲んだフリをして狸寝入りをしつつ、キミに監視されるフリをして他の皆に事情を説明したわけさ」

狛枝「さっきも日向クンを拘束してた手錠の鍵を懐に入れていたけど、鍵はあまり持ち歩かないほうが良いよ?ちょっと油断した隙に偽物の鍵とすりかえられちゃうかも知れないね」

ソニア「まさか……!」

狛枝「うん、大正解。あの晩ボクがペットボトルを落としたとき、君の懐から鍵をすり替えておいたよ」

狛枝「……さて、ソニアさん。終わりにしようか」

ソニア「…………私は、間違えていたんですか?」

狛枝「……それは、どうなんだろうね」

狛枝(自分の計画を壊された消沈というよりは……これは……)
 
狛枝(もしかして──)

 
 

 
 
日向「はぁっ…はぁっ…!はぁっ!……くそ、どこだ、七海!」


日向「返事をしてくれ…七海ーーーー!!」

日向(コテージには居なかった…ホテルの周りにもいない……一体、どこ……に)

日向(ホテルの……周り?)

日向「そうだ、それを忘れていた…!」

日向(俺はホテルの右側の建物──旧館へと足を向けた)

日向(ここは以前からウサミに工事中だといわれて誰も入ったことがない)

日向(最近ウサミはドッキリハウスのコースターの修理で忙しいから、監禁するのも難しくないはずだ)

日向「頼む──いてくれ!」

日向(俺は祈りながら、旧館の扉を開ける……すると扉は何の抵抗もなく、開いた)


日向「七海っ!」

日向(旧館に入るなり、大声で七海の名を叫ぶ)

日向(頼む、七海、いてくれ……っ!)

ガタンッ

日向「!」

日向(今…奥のほうで音がしたぞ!)タッタッ

日向「ここは…物置部屋か?とにかくこの中から音が──」

日向「七海っ!」ガチャ

日向(扉を開くと、中は想像以上に暗かった)

日向(真っ暗闇の中、俺が開け放った扉のほうから光が差し込み、うっすらと全容が見えた)

日向(そこに、いたのは──)





七海「ひな…た……くん……」

 
 
 
 
 
日向「七海!」


日向(全身を拘束され、床に倒れこんでいる七海の姿があった)

日向「七海、無事か!?」

七海「うん、少し……身体が重たいけど……」

日向「そっか……じゃない!こんなことをしてる暇は無いんだ」

日向(ふと気がつくと、室内から機械的に電子音のようなものが鳴っていた)

日向「まずい……とにかく脱出しないと!」

日向(俺は七海の拘束を解くのを後回しにして、七海を無理やり背負い込む)

日向(そして、そのままわき目も振らず走り出した──)
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日向(それから数分も経たないうちに、爆音が背中から轟いた)


日向(慌てて七海を背中から前へと抱きかえ、お姫様抱っこの形にする)

日向(瞬間、背中に痛みを感じた……爆ぜた何かが当たったのか、旧校舎を飲み尽くす炎が俺の背中を舐めていたのか)

日向(俺が無我夢中で走っていると──)

辺古山「日向!七海!無事か!?」

日向「辺古山、お前…!」

辺古山「話は後だ!消化弾は用意できてるか?」

小泉「おっけーだよ!」

西園寺「あいあいさー!」

罪木「大丈夫です!」

終里「まだまだ持てるぜ!」

澪田「大丈夫っすー!」

日向「お前ら…!」

辺古山「よし、消化開始!」

日向(そして、困惑している俺の目の前で、監禁されていたはずの皆が、旧校舎の消火活動を始めた)

七海「……」

日向「……七海、大丈夫か?」

七海「……うん」

日向「ごめんな、待たせて」

七海「ううん、きっと……きっと日向くんなら、助けてくれるって信じてたから」

日向「……結局、いろんな人に助けられたけどな」

七海「それでも……私を見つけてくれたのは、日向くんだよ」

日向「──ああ、何よりも大事な七海を、見つけて、救えて……本当に、良かった」

日向(目じりから熱い何かがこみ上げる)

七海「……」

日向(俺の両腕に抱かれながら、七海は俺が涙を流す姿を、優しい笑みで見つめている)

日向「七海……っ」

七海「ありがとう、日向くん──大好きだよ」

日向(突然、七海が腕を回してきて──)

七海「……んっ」

日向(俺の唇に、触れた)

日向(その唇は甘くて、やわらかくて、やさしくて……)

日向(すべてが終わった疲労感と、とんでもない幸福感に包まれて──俺は、目を閉じた)

 
 
 
 
NANAMI HAPPY END

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「はいはいおっつかれー。はい、おつかれ。楽しかった?楽しかった?こんな大円団のハッピーエンド楽しめた?」


??「は?なにか文句でもある感じ?」

??「ぶつぎり感半端ねーしジャンプの打ち切りエンドじゃねーんだから最後まで見せろって?」

??「はあ、物好きな奴もいるんだねー」

??「べっつにいーじゃん、このまま二人は幸せなキスをして終了、でさー」

??「それともなに?まだ要求すんの?先を知りたいの?知っちゃいたいの?」

??「うぷぷ……そこまで知りたいというのなら別にそれはやぶさかじゃないよ?」

??「でもさあ、物語なんて結局のところ読んだ当人の解釈次第でしょ?」

??「それをわざわざ最後まで知りたいっていうのは…ねえ?」

??「お得意の妄想だとかで自分が描く最高のエンディングを創造したほうが百倍有意義だよ!」

??「で、どうすんの?知る?知っちゃう?この先のどーでもいい結末を知りたい?」

??「あたし完結した物語なんてもう二秒で忘れちゃうからさー、結末なんてほんの数行だよ?」

??「それでもさ、“あんた”はその先を知りたいって思う?」

 
 
1 知りたい

2 知りたくない


↓1
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「うぷぷ…うぷ……あーっひゃっひゃっひゃ!」


??「あーおっかし!」

??「バカだよねーあたしがこんなに丁寧に引きとめてあげたのにさー」

??「まあ人間止めろっていわれっるとやりたくなっちゃうもんね?うんうん分かる!」

??「しょーがないしょーがない!」

??「それじゃあほんの少しだけ見せてあげるよ…あんたが望んだエンディングをさ……」

??「うぷぷぷぷ……」

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
左右田「おいウサミ…いい加減コースターは直らねーのかよ!」


九頭龍「いくらなんでも待たせすぎだろ……もう一月だぞ!」

弐大「そうだじゃのう、いい加減向こうの奴らも恋しくなってきたわな!」

花村「そうだね…可愛い女の子と一月も触れ合ってないなんて…禁断症状が出るよ!」

豚神「確か貴様は二週間以内には完成させると言っていた筈だが?」

ウサミ「……ごめんなちゃい、まだ出来ないんでちゅ」

左右田「なあ、やっぱ俺も手伝うぜ?オメ-だけじゃ大変だろ」

九頭龍「俺らもなんかやれることはやるからよ…言ってくれや」

豚神「そうだな、全員で協力すればすぐに終わるだろう。というわけだ、花村。コースターを調べろ」

花村「あいあいさー」

ウサミ「あ、だ、ダメでちゅ!」

花村「あ、あれれ~……コースター……普通に直ってるように見えるんだけど」

弐大「む?……確かに、素人目で見ても特に壊れてるところは無いわな」

左右田「ちょっと中身見せてくれや、内部の問題もあるしな」

ウサミ「ほ、本当にダメなんでちゅ!向こうに行ったら…行ったら……」

左右田「なんだ、普通に動くじゃねーか!今すぐにでも帰れるぜ!」

九頭龍「本当か!?」

田中「フン…騒がしいな、なにがあったのだ」

左右田「田中テメーどんだけ寝坊してんだよ!ってそうじゃねえ!コースターが直ったんだ!皆帰れるぜ!」

田中「なん…だと…!?なぜそれを言わん!さあ魔界へと再び舞い戻るぞ!」

花村「そうだね、ああ一月ぶりの女の子かー…一月ぶりならおっぱい触ってもいいよね?」

左右田「ダメに決まってんだろ!つーかソニアさんの胸とか触ったら承知しねーからな!」

九頭龍「グダグダうっせーよ。とりあえずはコースターに乗って帰ろうぜ…」

弐大「そうじゃのう…早くあいつらの顔が見たいわい」

ウサミ「……無理なんでちゅよ、もう…」

豚神「何か言ったか?ウサミ」

ウサミ「皆さんは、本当に皆のところに行きたいんでちゅか?」

左右田「あったりめーだろ!」

ウサミ「多分…“向こう”よりこっちのほうが……ずっと住みやすいでちゅ」

田中「戯言だな、俺様は行くぞ!その先に広がるのが地獄であろうとな」

ウサミ「──本当に、地獄、なんでちゅよ……」ボソッ


──日向が七海を救った同時刻。
島のとある場所が爆発した。
そして連鎖していくようにどんどんと爆発が広がっていき…。
やがて第一の島、は…大爆発にまきこまれた。
生存者0、死亡者10。
既に左右田たちの帰る場所は、帰る理由は、なくなってしまっていた。





TO BE NEXT GAME...



二週目のクリアおめでとうございます。
そしてハッピーエンドおめでとうございます。まだまだ物語は続きますので、お楽しみください、。

クリア特典として
『左右田和一』が攻略対象になりました。
『田中眼蛇夢』が攻略対象になりました。
『弐大猫丸』が攻略対象になりました。
『九頭龍冬彦』が攻略対象になりました。
『豚神白夜』が攻略対象になりました。
『花村輝々』が攻略対象になりました。

ハッピーエンド特典として
『トゥルーエンド』フラグが経ちました。
ぜひとも『トゥルーエンド』を目指してみてください。
『*****』が攻略対象になりました。

セーブデータをロードします。
三週目からは若干展開が変わりますが、一週目と二週目の焼き増しの部分も存在します。

投下終了です。ハッピーエンドの後日談はトゥルーエンド後にでもやるつもりですのでご安心ください。
二週目の補足として、狛枝登場シーンは“友情”関係になっているキャラクターが居た場合、ハッピーエンドルートに分岐します。
居ない場合は普通にバッドエンドです。

TIPS
恋愛とは別に友情度が存在する。
恋愛度は女子が上がりやすく、友情度は男子が上がりやすい。

鍵をすり替えたんだったらどうやって日向は手錠解いたの?

投下前にいくつか疑問に答えます。
ストーリーと直接関係の無い部分ですが。

>>381
手首の痛みとは後の描写で大体察することが出来ると思いますが、手錠の事です。
手錠をされていたので動いたときに痛みが走ったというわけです、説明不足で申し訳ないです。

>>424
狛枝がすり替えた鍵は、狛枝の手錠の鍵です。
日向の手錠の鍵はまた別のものです、分かりづらい表現で誤解させてしまった用で申し訳ないです。

それと脳内保管できる範囲内ではありますが、一部無人島の表記を山としている部分がありました。
山ではなく無人島です、申し訳ないです。
それでは投下に入ります。

 
 
──────



日向「こんなん耐えられるかああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

日向「ふざけんなよ!なんだよこれ!ハッピーエンドって言っただろ!これどう見てもハッピーエンドじゃないだろ!」

七海「これはちょっと理不尽にもほどがあるね」

日向「よっしょハッピーエンドだ!って素直に喜んだあのトキメキを返せよ!つーか最後に出てきた女の子は誰なんだよ!」

七海「あの人は……」

日向「なんだ、七海は知ってるのか?」

七海「……なんでもないよ」

日向「俺もなんか見たことあるんだよな、あの子を見てると胸がざわつくって言うか…」

七海「日向くんは私一筋だよね?」

日向「いや、別にナンパとかそういうわけじゃなくて…っていうかそれはゲームの中での俺だろ?」

七海「むぅ」

狛枝「イチャイチャしてるところ悪いけど、調子はどう?」

日向「なんで俺の周りは皆勝手に部屋に上がるんだ…」

七海「さっき二週目が終わったところだよ」

狛枝「へえ…ハッピーエンドは見れたの?」

日向「ああ、一応な……ただその後なんか爆発した」

狛枝「定番だね」

七海「リア充爆発しろ、ってやつだね」

日向「ゲームの中くらいいいだろ……」

狛枝「ま、大方ボクの予想通りかな。ハッピーエンドに辿り着くのがこんなにも早いとは思ってなかったけど」

日向「そうなのか?」

狛枝「このゲームは目的を絞れば難しいわけじゃないと思うよ」

七海「……なるほど」

狛枝「日向クンも薄々気付いているだろうけど、このゲームには恋愛ゲームとは別にもう一つの側面があるんだよ」

日向「ああ、それはなんとなく気付いてたな。推理……っていうか、ヤンデレを探す、みたいなやつだろ?」

狛枝「うん。そしてそれらは、個々として処理をするのは難しい事じゃないんだ。今回日向クンはどうやってハッピーエンドを迎えたの?」

日向「確か…基本的には七海を選んで七海の好感度だけが上がるように動いていたな」

狛枝「そっか、ならハッピーエンドを迎えるには、狙った女の子の好感度だけを上げるようにして、後は常識的っていうより、その場にあった最善の選択肢を選んでいけばいいんじゃないかな」

日向「確かに危なっかしい選択肢もあったけど、基本的にはそんな感じだったな。ヒントもそれなりに出されていたしな」

狛枝「そしてヤンデレの判別…今回はどうだった?」

日向「ああ、前回の罪木はともかく、今回のソニアも言われてみれば分かりやすかったな。ゲーム内の狛枝の推理もかなり納得が出来るし、違和感もあったからな」

狛枝「へえ、ゲームの中でボクが活躍してたんだ」

日向「現実のお前よりずっとかっこよかったな」

七海「どうしてこっちの狛枝くんはこんな感じなんだろうね……」

狛枝「なんでボクはこんなに貶められてるの……」

 

 
 
狛枝「ま、それはともかく、ヤンデレの子を探すのは、ある程度意識してれば実はあまり難しくない……怪しいと疑った上での捜査は、アテの無い捜査とは得るものが大きく変わるからね」


日向「……それがわかったところでどうなんだ?」

狛枝「つまり──個々の処理は難しくない、但しその両方を成そうとすると、このゲームは難易度が跳ね上がる」

七海「確かに…ヤンデレを探すためには他のキャラクターとの交流もこなさなくちゃならないし、だけど本命の子の好感度を上げていかないといけないよね」

日向「しかも下手に色んなやつの好感度を上げれば他のやつまでヤンデレ化する可能性がありそうだな」

狛枝「かといって、ヤンデレを見極めるまえ放置しておくと取り返しのつかない事態にもなる…ってね」

日向「本当に嫌なゲームだなこれ……」

七海「クソゲーって言うかフラグ管理が大変すぎるよ」

狛枝「でも、こんなところで挫けている様じゃ希望とはいえないよ!キミならきっと真のハッピーエンドを迎えられるはずさ!」

日向「好き勝手言ってくれるな…」

七海「うーん、せめて何か補助がほしいよね」

日向「そうだな、このままだと厳しくなりそうだ……」

狛枝「……まあ、そうだね」

日向「どうしたんだ狛枝」

狛枝「さっき外でウサミと会ってさ、面白いものを貰ったんだ」

日向「面白いもの?」

狛枝「はい、どうぞ」

日向「……『希望アップデートファイル』?なんだこれ」

狛枝「詳しくは分からないけど、このゲームのアップデートファイルらしいよ。攻略が少し楽になるみたいだね」

日向「モノクマとウサミ、実はグルなんじゃないか?」

七海「……うーん、それは無いと思うけどなあ」

日向「ん?製作者…M・N?イニシャルか?」

狛枝「ウサミの中の人じゃない?」

日向「なるほどな」

七海「なんとなくだけど、その人は信用できる…気がするな」

日向「ま、なんにせよ使ってみるか」

狛枝「それじゃ、ボクは行くね」

七海「あ、そうだ」

狛枝「?なにかあったの?」

七海「狛枝くん、この説明書をウサミに渡してくれないかな?」

狛枝「それはいいけど、どうして?」

七海「この説明書、後半の部分が文字化けしちゃってるでしょ?ウサミなら直せるかなって思ったから」

狛枝「分かった、任せておいてよ」スタスタ

日向「さて、アップデートしたら後半戦行くか」

七海「そうだね、今度こそ」

日七「「トゥルーエンド、いくぞー!」」
 

 
 
───────


新規のアップデートファイルを発見しました。
アップデートを開始します…………
アップデートが完了しました。

日向が新技能「ココロンパ」を習得しました。
以降、ゲームの進行状況によって、ココロンパを使用することが出来る場面があります。
ココロンパを使用した場合、対象の深層心理をのぞくことができます。
ただしある程度中が深まっている状態でなければ効果は薄くなります。

  
 
 
 
 
re:start game DANGANISLAND YANDE YAMARETE KOROSIAI thirdgame


……
………
…………OK





GAME START.


 
 
日向「…………」


日向「……」

日向(ぼんやりと、窓の外の景色を眺める)

日向(朝か、なんていうか、長い夢を見ていたみたいだな…)

日向「ふう、休日だし二度寝するか…」

左右田「──おい!日向!起きろ!朗報だぞ!」

日向「なんだよ…煩いな」

左右田「うるさいってなんだよちゃんと朝に来ただろ!」

日向「せっかくの休日なんだから寝かせてくれよ……」

左右田「本当にそんなこと言って良いのかお前~後悔すんぞ?」

日向「用件だけ聞いてやるから手短にしてくれ…ふわあ」

左右田「実はよ、ドッキリハウスがいけるようになってるんだぜ!」

日向「……」

左右田「あんだよ、おどろかねーのか?」

日向「いや、なんでも……少し寝起きで反応が悪いだけだ」

日向(俺は今の言葉を…覚えている?)

日向(なんだ…気持ち悪いな……少し頭が痒い……)

左右田「だからよ、今から皆で誘ってドッキリハウスいかねえか?」

日向「……ああ、そうだな」

左右田「よっしゃ、流石ソウルフレンドだぜ!つーわけで公園で集合だ、頼むぜ!」

日向「なあ、左右田」

左右田「なんだよ?」

日向「こんな事、前にも無かったか?」

左右田「はあ?んなもんあるわけねーだろ、今までドッキリハウスは故障だかなんだかで使えなかったんだからよ」

日向「はは、だよな……忘れてくれ」

左右田「んじゃ、約束忘れんなよ!俺は他の連中の誘ってくるぜ!」バタンッ
 

 
 
日向「そろそろ公園に向かわないとな……」


日向「……」

日向「行かないと、行けないんだが……」

日向(ダメだな、眠い……)

日向(どうせドッキリハウスなんてまた行けるだろ…)

日向(いっそ行かないって言うのもありか?)

 
 
1 行く

2 行かない

 
 
↓1

 

 
 
日向「ダメだ、眠い……」


日向「左右田には後で謝っておくか…おやすみ……すぅ」

日向(そのまま俺の意識は落ちていった……)


日向「……ん、んーー」

日向「よく寝たな、ようやく調子が戻ってきたぞ」

日向「そろそろ昼か…ホテルで飯でも食うか」スタスタ


日向「……誰も居ないな、まあそうか。皆ドッキリハウスのほうに行ってる筈だもんな」

日向「今から行けばまだ合流できるか?いや、どうせなら一人の時間を思いっきり楽しむのもありか」

日向「どうするか…」

 
 
1 ドッキリハウスのほうに行ってみる

2 一人で散歩でもする

 
 
↓1

 

 
 
日向「そうだな、ドッキリハウスのほうに向かうか」


日向「今からでも合流できるのならした方がいいしな」

日向「──っ!」ズキ

日向「……なんだ?」

日向「今、頭痛が…気のせいか?」
 
日向「とにかくドッキリハウスに向かおう」


ウサミ「あ、日向くん!」

日向「あれ、ウサミどうしたんだ?」

ウサミ「日向くんを待ってたんでちゅ!ドッキリハウスに行きたいんでちゅよね?」

日向「ああ、そうだけど……」

ウサミ「七海さんに日向くんが遅れてくるかもしれないからお留守番しててって言われたんでちゅよ」

日向「なるほどな」

日向(……なんだ、この違和感)

日向「──なあ、ウサミ。このドッキリハウス行きのコースターは壊れてないのか?」

ウサミ「?このコースターに不備は何も無いはずでちゅよ?」

日向「そっか。俺の勘違いだったみたいだな…じゃあ、乗せてくれるか?」

ウサミ「分かりまちた!」

日向(そしてウサミの先導にしたがって、コースターに乗った)

日向(コースターがトンネルへと差し掛かり、視界が暗闇に閉ざされる……)

 
 

 
 
七海「あ、日向くん」


日向「よう、七海……なんだここ、すごい目が痛いんだが」

日向(あたり一面にイチゴの装飾が施されてる。目が痛い)

七海「うん、ちょっと毒々しいよね。ウサミの趣味みたいだよ?」

日向「迷惑な趣味だな」

七海「マスカットハウスにいけば少しましかなあ」

日向「マスカットハウス…?」

七海「うん、さっきまで皆でこのドッキリハウスの構造を調べてたんだけど──」

日向(なるほどな、このドッキリハウスは今俺たちが居るストロベリーハウスとマスカットハウスがあって、入り口によって変わるんだな)

日向(2階と3階には客室があって、一階には遊具とかがあるのか…そしてこのドッキリハウスの構造を解き明かすのがこのアトラクションの目的、と)

七海「はい、これが地図だよ」

日向「ああ、ありがとう…ん、このウサミの顔が書いてある部屋はなんだ?」

七海「そこはファイナルデッドルームって言うんだって」

日向「な、なんだよその物騒な家は……」

七海「ただの食料保存庫みたいだよ?」

日向「ああ、死を回避する意味でつけたのか。なんかあらゆる凶器でも置いてあるのかと思ったぞ…」

日向「ま、とりあえず皆と合流しよう」

七海「そうだね」

日向(七海と一緒に、皆が居るというマスカットハウスへ向かった)
 

 
 
日向「……ふう、疲れた」


日向(皆と合流した俺達は、このドッキリハウスの仕掛けの答えを知るため、ありとあらゆる検証を行った)

日向(その結果、この建物は二つに分かれているのではなく、一つの建物に二つのハウスが造られている、という事だった)

日向(つまり、俺たちが連絡通路だと思っていたものは、ただのエレベーターだったって訳だ)

日向(そして謎を解き明かし、ウサミから正解の判子を貰った俺達は思い思いに寛いでいた)

九頭龍「なんだ、もういい時間だな」

左右田「そろそろかえらねーとやべーか?」

終里「えー面倒くせえよ。どうせ客室あるんだし泊まってこうぜ」

豚神「確かそれぞれのハウスのい2階、3階に6部屋ずつあったな」

小泉「24部屋…一応全員で泊まれて余裕もあるわね」

左右田「俺は目がチカチカしてだめだわ…帰りてえな」

罪木「私はどっちでも構わないんですけどぉ」

弐大「一日くらいは問題ないんじゃないかのう」

狛枝「それじゃ、帰宅したい人は帰宅して、ここに残りたい人は残れば良いんじゃないかな?」

花村「うん、僕もそれでいいと思うよ!ここならムフッ…アーバンな一夜を過ごせそうだしね」

田中「この空間は毒素に満ちすぎている…俺様は帰るぞ」

七海「私はどうしようかなあ」

日向「俺はどうするか…」


1 ドッキリハウスで一夜を過ごす
2 島に帰る


↓1 
 

 
 
日向(俺は残るか)


小泉「それじゃ、帰る人は支度しちゃってー」

日向(小泉の一言で帰宅組はおのおの荷物をまとめた)

日向(結局こっちに残ったのは俺・終里・罪木・西園寺・澪田・弐大・豚神・花村が残る事になった)

 
 
終里「おっしゃ、とりあえず花村!飯作ってくれ」


花村「はいはい了解だよー。皆もいるかな?」

澪田「唯吹も食べたいっすー!」

罪木「私もお願いしますぅ」

西園寺「私も食べたーい」

豚神「俺も頼もうか」

弐大「それじゃあわしもご相伴に預かるとするかのう」

日向「俺も頼む、花村」

花村「分かったよ、任せておいて!」

日向(皆との会話に花を咲かせながら花村の料理を待った)

日向(楽しくなりそうだな……)
 

 
 
日向(花村の料理は美味かったな)


日向(まだ時間はあるな、誰かと過ごそう)

 
 
1 罪木

2 西園寺
3 終里
4 澪田
5 弐大
6 豚神
7 花村


↓1
 

 
 
日向「澪田と過ごそう」


澪田「んー?創ちゃん唯吹の事呼んだ?」ニュッ

日向「うお、澪田!?」

澪田「なーんか共有スペースでぶつぶつ言ってたから観察してたっす」

日向「ああ、なるほどな。いや、暇だから澪田と過ごそうと思ってな」

澪田「おー、いいねいいね!んで、何するんすか?」

日向「そこは俺が決めるのか」

澪田「誘ったのは創ちゃんだからね!」

日向「そういう理論なのか……」

日向(うーん…何をするか)

 
 
1 このあたりをぶらぶら探検するか?

2 バンドの練習をしよう
3 バストアップ体操の時間だ!


↓1
 

 
 
日向「バンドの練習…でもしてみるか?」


澪田「バンド?」

日向「ああ、折角だしな。…いや、ギターがないか?」

澪田「あるっすよ」スッ

日向「なんであるんだよ!?」

澪田「軽音楽部としてのたしなみっすー」

日向「普通に重いだろ…」

澪田「創ちゃんの分もあるっすよ」

日向「ずいぶん用意周到だな!?」

澪田「まあまあ、せっかく創ちゃんが言ってくれたんだし早速バンドの練習へゴー!」

日向「澪田…俺がそう答えるの分かってたな?」

 
 
澪田「創ちゃんのギター弾く姿中々キマッってるね~」


日向「そうか?演奏はド素人だけどな」ギュイーン

澪田「コードさえ頭に叩き込めば簡単な曲は楽勝っす!」

日向「そんなもんか……っていつっ」

澪田「?」

日向「ちょっと弦で指を……」

澪田「あー完全に切れちゃってますね、これ。蜜柑ちゃーん!っていないよそういえば!!」

日向「一人で漫才やってないで絆創膏かなんかくれるとありがたいんだが」

澪田「その前に消毒しないとダメっすよ!ばい菌はいっちゃったら大変だからね。ってわけで噛ませて!」

日向「なんでだよ!?」

日向(……ん?なんだろう、なんかこの展開の覚えが……)

澪田「唯吹、いっきまーっす!」

日向「そおいッ!」

日向(澪田が俺の指に噛み付く寸前に手を素早く後ろに隠す)

澪田「ちょっ!?」

日向「だ、大丈夫だ!大丈夫だから…これくらい舐めてれば治るさ」

澪田「いや、だから唯吹が舐めようと……」

日向「自分で何を言ってるのかよく考えような」

澪田「……うおわーーー!?なんかすごい大胆な事しようとしちゃってないっすか唯吹!?」

日向(もう少し早く気付いてくれよ……)

日向(それにしても……この展開、どこかで見たことがあるんだよな……?)
 
日向(澪田とバンドの練習をして過ごした)

 
 
澪田の好感度が上がった。

 


 
日向(ふう、色々大変だったけど、何とかなったな)

日向(まだ時間はあるな、誰かと過ごそう)

 
 
1 罪木

2 西園寺
3 終里
4 弐大
5 豚神
6 花村


↓1

 
 
日向「花村と過ごすか、あいつに夕飯の礼も言ってないしな」


日向「とりあえず花村にあてがわれた部屋に行ってみるか」


日向「花村ー」コンコン

花村「はいはーい」ガチャ

日向「よう」

花村「あれ、日向君?僕に何か用かな?」

日向「夕飯の礼と暇だから遊ぼうと思ってさ」

花村「あはは、夕飯の礼なんていいよーよく作ってるわけだしね!おいしく食べてもらえるなら料理人冥利に尽きるって感じかな?」

日向「そうか、でも本当に美味しかったぞ」

花村「ま、一流のシェフ、だからね。当然といえば当然なんだけど…ってそれより」

日向「なんだ?」

花村「礼を言いたくて暇だから遊びたい……フフ、なるほどね」

日向「いや、なんだよ?」

花村「僕とアーバンな一夜を過ごしたいって事でしょ?勿論大歓迎だよ!僕はバイだからね!」

日向「そういう意味じゃないぞ!?」

花村「ンフフ…そんなに照れなくても……僕が最高の一夜をプロデュースするよー!」

日向「勘弁してくれー!?」
 
日向(花村に迫られながら過ごした)

日向(今後あいつにお礼を言うときは気をつけないとな…)

 
 
花村の好感度が上がった。

 

 
 
日向(…さて、そろそろ夜が更けるな)


日向(こっちで過ごすのも悪くなかったな)

日向(寝るか……)

日向「……すぅ」

日向(俺はあっさりと眠りの世界に落ちていった……)
 

日向「ん、んーよく寝たな……」

弐大「おはようじゃあ!日向!起きとるかー?」コンコン

日向「おはよう弐大!起きてるぞ」

弐大「なら話は早い!帰りの支度をして向こうに帰ると言っておったぞ!」

日向「ああ、分かった!すぐ行く!」

日向(そういえば今日から平日か、忘れてたな)

日向(よし、今日も一日がんばるか!)

 
 

投下終了です。導入部分は荒が目立ちますがご容赦ください。

 
 
TIPS

「*****」を攻略するにはフラグを立てなければならない。



日向「……んー、疲れたな」

日向「さて、今日は誰と過ごすか……」

七海「日向くん」コンコン

日向「ん?七海か?」ガチャ

七海「もし用事がなかったら私に付き合ってほしいな」

日向「用事でもあるのか?」

七海「うん、部屋でゲームでもして待ってるから、用事がなければ部屋に来てくれるかな?」

日向「分かった。何もなければそうするよ」

七海「うん、ばいばい」スタスタ

日向(七海から誘われた)

 
 
罪木「日向さーん」コンコン


日向「ん?次は誰だ?」ガチャ

罪木「すみません、差し出がましいお願いなんですけど…もし良かったら少しだけ私に付き合ってもらえませんか?」

日向「うーん、そうだな…」

罪木「も、勿論他に用事があるならそちらを優先してくれて構わないですよぉ!?」

日向「いや、罪木から頼んでくるってのも珍しいしな…」

罪木「えへへ……やっぱり日向さんは優しいですね。もし良かったらお部屋で待ってますからぁ…」スタスタ

日向(罪木から誘われた)
 

狛枝「やあ、日向クン」

日向「うお!?いきなり部屋に入ってくるなよ!?」

狛枝「あはっ…ついクセでね」

日向「どういうことだよ……」

狛枝「ま、そんなことはどうでもいいじゃない。それよりも日向クン、今日は何か用事でもあるのかな?」

日向「何かあるのか?」

狛枝「いや、特に意味はないよ。日向クンと一緒に過ごせたらなって思ったからさ」

日向「そうか……」

狛枝「ま、ボクみたいなゴミクズに割く時間はないって言うのならしょうがないし、日向クンがボクで暇を潰してもいいって思ったなら部屋にきてよ…待ってるからさ」スタスタ

日向(狛枝から誘われた)
 

 
 
日向「さて、改めて、今日は誰と過ごすか……」


日向(七海、罪木、狛枝から誘われているな)

日向(一部の連中は用事があるようなことを言ってたな、そのあたりは除外して決めるか)

日向(どうするか?)

 
 
1 七海

2 罪木
3 狛枝
4 ソニア
5 左右田
6 辺古山
7 九頭龍


↓1
 

 
 
日向「狛枝と過ごすか」


日向(七海と罪木に断りを入れてから狛枝の部屋へと向かった)


日向「おーい、狛枝」コンコン

狛枝「やあ、待ってたよ」ガチャ

日向「お邪魔するぞ」

狛枝「どうぞ」

日向「……ん?いい香りがするな」

狛枝「暇だからね、コーヒーでも淹れてみたんだ」

日向「へえ、わざわざありがとうな」

狛枝「気にしなくていいよ……あ、そうだ」ガサゴソ

日向「ん?何してるんだ?」

狛枝「和菓子は…羊羹と饅頭と煎餅かな。草餅はたくさんストックしてあるし。洋菓子はケーキとシュークリームと……そうだスナック菓子も用意しないとね」ガサゴソ

日向「な、なんかとんでもない量のお菓子が出てくるんだが」

狛枝「よし、こんなものかな。さあ日向クン!お茶会をしようか!」

日向「いやその前にお菓子めちゃくちゃ多くないか!?」

狛枝「え?どんなお菓子が食べたいって言われてもいいように常に複数用意しておくのが基本でしょ?」

日向「いや、こんなには要らないだろ……」

狛枝「そうなんだ…こんな風に誰かと過ごすなんてした事がなかったからわからなかったよ」

日向「さらっと重い話を混ぜるの止めてくれ」

狛枝「まあ、日向クンとこうして過ごせるからテンション上がってしまったってことにしておいてくれるかな」

日向「恋する乙女かよ」

狛枝「ボクの日向クンに対する好感度は基本的に右上がりでしかないよ!」

日向「お前の俺に対する謎の好感はなんなんだよ!?」

狛枝「だから言ったじゃない、キミはね、なんだかボクと同じ匂いがするんだよ」

日向「同じ、匂いね…」

狛枝「ボクみたいなヤツと一緒にされるのは心外かもしれないけどね」


1 そうでもない
2 似たようなことを思った
3 そんなわけない


↓1
 

 
 
日向「そんなわけないだろ!」


狛枝「え?」

日向「あのなあ狛枝、お前はもう少し視野を広げるべきだぞ」

狛枝「どういう意味かな?」

日向「狛枝が本当にどうしようもないヤツなら、俺は今ここにいるわけないだろ」

狛枝「……」

日向「俺は初めてこの修学旅行に連れてこられたとき、普通に混乱したし、心細かった。お前のおかげで、俺はこの修学旅行を受け入れられた」

狛枝「……」

日向「確かにお前は変なヤツだし、たまに理解できないかもしれない。でも俺には……お前が自分で言うほど卑下されるべき人間だなんて思わないぞ」

狛枝「……日向クンは不思議な人だね。ボクみたいなちっぽけな人間のためにそんな言葉をかけてくれるなんて」

日向「関係ないだろ、ちっぽけだとか才能がないとか、そんなの些細な話だ」

狛枝「ボクはそうは思わないよ……才能がない人間は、踏み台であるべきだ。ペンギンは空を飛べないんだよ」

日向「だからどうした。ペンギンは飛べないかもしれない、でもだから不幸だって訳じゃないだろ。大切なのは才能じゃない、自分がどうしたいか、だろ?」

狛枝「自分が……どうしたいか」

日向「まだそれが分からないって言うのなら、俺がいくらでも付き合ってやる。だからさ──もう少し胸張って生きろよ、狛枝」

狛枝「……はは」

日向(その後、何かを考え込んでいる狛枝としばらく過ごした…)

 
 
狛枝の好感度が上がった。

 

 
 
日向(狛枝の家からの帰り道、ぼんやりと夕焼けを眺めていると不意に視界に西園寺の姿が見えた)


西園寺「んー……」

日向(何か考え込んでるみたいだな…)

 
 
1 声をかける

2 声をかけない


↓1
 

 
 
日向「西園寺ー」


西園寺「んー?あ、日向おにぃ?なんか用?人呼ぶよ」

日向「なんで通報前提なんだよ止めてくれ…何か考え込んでるみたいだったからな、俺で良ければ聞くぞ」

西園寺「……んーまあおにぃはロリペド犯罪者予備軍だし話聞いてもらってあげてもいいかな~」

日向「俺をディスるのを忘れないその精神だけは評価しそうになるな…」

西園寺「ちょっとお腹空いちゃってさー。でももう少しで夕飯だし、夕飯抜いてお菓子食べるかお菓子食べて夕飯食べるか悩んでたんだよね」

日向「お菓子を食べるのは確定なんだな」

西園寺「あったりまえじゃん!むしろ食べる選択肢がないの?」

日向「我慢した方がいいんじゃないか?太るぞ?」

西園寺「私太らない体質だから大丈夫ー」

日向「お前今世の女性の大半を敵に回したからな……」

西園寺「とにかくさー、おにぃはどっちがいいと思う?」

日向「それじゃ夕飯行くぞ」グイッ

西園寺「はあ!?お菓子食べるかどうかって聞いてるじゃん耳ついてないの!?」ジタバタ

日向「夕飯食ってからな……よいしょっと」

西園寺「うえええええん!おにいに汚されるーーーー!」

日向「おんぶしてつれてってやるから」

西園寺「こんなことで喜ぶわけないじゃんロリコン!変態!」

日向「はいはい」

西園寺「ううー……おにぃのばーか」

日向(西園寺の扱いがなんだか手馴れてきたな)

日向(西園寺と夕食をとった)


西園寺の好感度が上がった。
 

 
 
日向「ふわあ、朝かー」


日向「……なんか、身体が重いな?」

日向「うーん……気のせいか」

 
 
九頭龍「ん?よう、日向じゃねーか」


日向「九頭龍か、おはよう」

九頭龍「おう、おはようさん。なあ日向…」

日向「どうした?」

九頭龍「お前、確か草もち好きだったよな?」

日向「ああ、そうだけど」

九頭龍「…その、あれだ。仕事上がりにちょっと一杯やんねえか?」

日向「……ああ、なるほどな」

九頭龍「まあ予定があんならいいけどよ、ねーなら俺の部屋に来てくれや」

日向「ああ、分かった」

日向(九頭龍に誘われた)

日向(九頭龍と話しながら公園へと向かった)
 

 
 
日向「うーん、やっぱり身体が少し重いような気がするな」


日向「みんなの前では一応何もないように振舞えてはいただろうけど……ちょっと気をつけたほうが」

日向(……確か)

ソニア「日向さん!」

日向「ああ、なんだソニア」

ソニア「実はですね──」

日向(ここでソニアが──)

ソニア「夜、時間ありますか?」

日向「えっ?」

ソニア「実は夜にとあるイベントをやろうと思うのです。もしよろしければ日向さんも参加しませんか?」

日向「……?」

日向(うーん、なんだか思ってたの違うな)

ソニア「もしや…都合が悪いのですか?」

日向「あ、いや、そういうわけじゃないんだけどな」

ソニア「では参加してくれますよね?」

日向「うーん、そうだな……」


1 行く
2 行かない


↓1
 

 
 
日向(身体の調子も悪いし、やめておいたほうがいいな)


日向「悪いソニア。用事って訳じゃないんだけど、仕事疲れも有りそうだし、今夜は遠慮しておくよ」

ソニア「そうですか…残念です。身体には気をつけた方が良いですしね、ではまたの機会にお願いします!」

日向「ああ、誘ってくれたのに悪いな」


日向「さて、今日は誰と過ごすかな…」

日向(そういえば九頭龍に誘われていたな)


1 九頭龍
2 七海
3 澪田
4 豚神
5 西園寺
6 終里
7 花村
8 田中


↓1
 

 
 
日向「西園寺と過ごすか」


日向「そうと決まれば西園寺を探そう」


西園寺「蟻タン♪蟻タン♪」

日向「西園寺ーってお前またそんなことを」

西園寺「あ、おにぃ!やっほー。一緒にやる?」

日向「やらない。お前もそんな悪趣味なこと止めろよ」

西園寺「はぁ…本当におにぃはわかってないよねー」

日向「そんなもの分かりたくないだろ…そんなことよりもっと面白いことがあるぞ?」

西園寺「なになにー?蟻タン潰すより面白いことだよね?面白くなかったら日向おにぃを蟻タンみたいに潰すよ?」

日向「はいはい…そうだなー……」

 
 
1 着物の着付け教室だ

2 ひたすら西園寺を褒めちぎる
3 お菓子巡り


↓1
 

 
 
日向「お菓子巡りやるぞ」


西園寺「はあ、なにそれ?」

日向「お前和菓子好きなんだろ?……まあ見てろよ」

西園寺「良く分からないけど、和菓子が食べられるの?」

日向「ああ、ちょっと待っててくれ」

日向(さて、と……)


西園寺「あ、おにぃ、おっそいよ!」

日向「悪い悪い。色々仕込があってな」

西園寺「んで、和菓子はどこにあるの?」

日向「慌てるなよ……さて、これから西園寺には和菓子のツアーに招待しよう」

日向(俺はそっと背中に隠していた袋から和菓子を取りだす)

日向「ほら、まずは定番の桜餅だ」スッ

西園寺「……ほ、本当に!?」

日向「ああ、食ってみろよ」

西園寺「いただきます……あむっ……!!」

日向「どうだ?」

西園寺「ほ、本当に桜餅だ……おいしい!」

日向「そうだろう?まあ残念ながらお前が好きな技巧を凝らした…ってヤツは無理なんだけどな」

西園寺「でもこれスーパーマーケットには売ってなかったよね?どうして……」

日向「ああ、これはな……俺の自作だ」

西園寺「は?」

日向「俺の自作だよ。まあ最初のうちは花村に手伝ってもらったんだけどな」

西園寺「おにぃの…自作?」

日向「ああ、俺も草もちが好きでさ。なんとか食べたいなって思って色々と調べて、最終的に自分で作ればよくないか?って結論に達してさ。花村に色々と聞いて教えてもらったんだよ」

日向(そのときに九頭龍にその姿を見られ、それからあいつと打ち解けたってエピソードもあったりする)

西園寺「本当に美味しいよ、これ…」

日向「ま、言っても素人ものだからな。見た目は大して凝ってないし、西園寺は嫌がるかと思ってたが…良かったよ」

西園寺「凄く懐かしい味がする…」

日向「そっか、まだまだ色々あるから好きなだけ食べてくれ」

西園寺「うん、ありがとおにぃ!」

日向「ああ、おあがりよ!」

日向(西園寺はにっこにことしながら和菓子をほうばる)

日向(俺が隠れて磨いてきたスキルがこんなところで功を奏したとは……)

日向(ま、西園寺のこんな笑顔が見れたなら、必死こいて作れるようになった甲斐があったな)


西園寺の好感度がとても上がった。
西園寺から好意を感じる…。
 


 
日向「……ふぅ、やっぱり疲れが溜まってるみたいだな…」

日向「だめ、だ……あたまがおもくて……」フラフラ

日向(なんだ……?この状況……前にもどこかで……)

日向(ダメだ……頭が回らない……身体が)ドスンッ

日向「zzz」


日向「……はぁ、はぁ…」クラッ

日向(脇にはさんでいた体温計が規則的な音を立てる)

日向(体温計の数値を確認すると、そこには38.4℃と表示されていた)

日向「はぁ、はぁ…っ…ダメだ……身体が重くて動けない……」

日向(昨日はここまでひどくなかったのに……どうしてこんな……)

日向(おとなしく寝てるべきだったな……)

日向「はぁ…く、くそっ……せめて、……だれかにれんらくを…しな、いと…」ヨロヨロ

日向(体中が燃える様に熱く、踏み出す足は鉛のよう)

日向(よろけながらなんとか扉の前まで辿り着くけれど、そこで力尽きてしまった)

ピンポーン

日向(視界がぼやけて、思考もぼやけてくる)
日向(だ、誰か……きて、くれたのか……?)

日向(誰でもいい……助けて、くれ…………)

日向(俺が意識を失う寸前に、扉が開く)

日向(そこにいたのは──)

 
 
1 七海

2 罪木
3 ソニア
4 澪田
5 西園寺
6 小泉
7 終里
8 辺古山


↓1
 

ごめんなさい、桜餅嫌いな設定忘れてました。久しぶりの和菓子でテンション上がってたということにしておいてください…。
そのあたりも次の西園寺交流があったら補足入れます、完全にミスりました。
安価↓


 
日向(…………)

澪田「~~♪」

日向(なんだろう……何か聞こえる……)

澪田「~~♪~♪」

日向(めちゃくちゃ寝苦しい……なんだこの不安になる曲は……)

澪田「早く元気になってもらう為に、唯吹、うたいまーっす!」

日向(誰かの声と共に、右手を温もりが包む)

日向(謎の歌に頭をやられながらも、右手のぬくもりが眠りを誘い…)

日向(俺は再び──眠りに落ちた)

 
日向「……んん、ん」

澪田「お、おきたかな?」

日向「おはよう、澪田?お前、なんでここに……」

澪田「創ちゃんと遊ぼうかなってお仕事の後のお誘いに来たら創ちゃんがすごい荒い息でぶっ倒れてたんすよ!」

日向「ああ、ちょっと体調悪くてな」

澪田「ちょっとってレベルじゃなかったよ!?蜜柑ちゃんは言うにはしばらく安静にしてれば大丈夫って言ってたけど唯吹めちゃくちゃ心配したっす!」

日向「心配かけて悪かったな…」

澪田「あまりに心配だったから仕事サボって看病にきちゃったっす」

日向「いや、寝てるだけだし気にしなくても良かったぞ?」

澪田「病気のときは心細くなるもんだからね、創ちゃんもきっと唯吹の温もりが欲しいだろうなって思って看病してあげたんだよ!えらい?褒めて!」

日向「まあ、おかげで助かったし…ありがとうな」

澪田「フフーン、それじゃあまた唯吹が凍り歌歌ってあげるっすからゆっくり寝てていいっすよ」

日向「あれはやめてくれ……」

澪田「ちぇー。んじゃま、こうやって手を握っててあげるから…しっかり寝てね」ギュッ

日向「……急にまじめなテンションになるのは良くないぞ」

澪田「なんのことかなー?」

日向「……ありがとう、澪田。おやすみ…」
 
日向(澪田の温もりに安堵を覚えながら、目を閉じた……)

 
 


 
日向「……ん」

日向「ん、んーーっと。いい朝だな」

日向(あれから一日が経った)

日向(本当なら昨日の時点でだいぶ元気だったけれど、大事を取って一日休ませてもらった)

日向(そしてなぜか…)

澪田「……三平方の定理……すぴー……zzz」

日向「なんだよ三平方の定理って…どんな夢見てるんだ」

日向(澪田があれからずっと俺の傍にいた。なんでかは分からないが、俺としては心強かったので何も言わなかった)

日向「おーい、澪田。朝だぞ、もう大丈夫だから帰ったらどうだ?」

澪田「ん、ん……あと三万分」

日向「おきろ」ペシッ

澪田「いったぁ!うら若き乙女の頭をいきなり叩くとか正気っすか!?」

日向「軽く叩いただけだし、声はかけたぞ…」

澪田「ほいで、創ちゃんの体調は良くなったんすか?」

日向「ああ、今日からはばっちり仕事にも参加できる」

澪田「そっか…それじゃ唯吹はお役御免だね!」

日向「ああ、迷惑かけて悪かったな」

澪田「別に唯吹は迷惑じゃなかったよ?むしろ創ちゃんこそ、唯吹のこと迷惑じゃなかったっすか?」

日向「へ…?そんなわけないだろ、居てくれて心強かった」

澪田「……」

日向「?どうした?」

澪田「全く創ちゃんは天然キラーですなぁ!危うく押し倒しそうになっちゃったよ!」

日向「突然どうしたんだよ!?」

澪田「そ、それじゃ、また仕会いましょうさようならごきげんようー!」タタッ

日向(澪田は慌しく去っていった…どうしたんだ?)

 
 
澪田の好感度がとても上がった。

澪田から好意を感じる…。



日向(何か嫌な予感がする……)

  
 


 


 
「やっと二人きりになれたね、日向くん」




                                  「褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて褒めて」





            「日向さんだけは……私の愛している日向さんだけは、この手で殺してあげますから……死んだら、私がずぅーっとお人形として愛でます。初めからそうしていればよかったですね」

 
 
 
 
 
                            「ずぅーーーーっと、私だけを見ていてくれますよね?」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   お   前   は   逃   げ   ら  れ  な  い  。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   

 
 
日向「う、うわあああああああああああああああああああああああああああっ!?!?」


日向「はぁ……はあ、…くそっ……」

日向(頭が痛い……痒い……)

日向(なんなんだ……なんなんだよ……)

日向「今の幻覚の内容は……くそっ……思い出せない……」

日向「……冷や汗がひどいな…風呂にはいってこよう……」


日向「そろそろ行くか…」ガチャ

小泉「……」

日向「うわっ!……って小泉か……驚かせるなよ」

小泉「や、おはよう。日向」

日向「ああ、おはよう……何か用か?」

小泉「ほら、アンタ病み上がりでしょ?大丈夫か心配だったから来て上げたのよ」

日向「そっか、悪いな……心配かけて」

小泉「いいわよ、ほら。いくわよ…」グイッ

日向「引っ張らなくてもいけるって…」

日向(なんか小泉、やけに楽しそうだな?)
 
日向(小泉と一緒に公園に向かった……)
 

 
 
西園寺「おにぃ!今日も和菓子食べさせてよー」


澪田「いやいや創ちゃんは病み上がりなんだから無理させちゃだめっすよ!創ちゃんが無理しないように唯吹がベッドで見張ってあげるっす!」

西園寺「はあ?しゃしゃりでてこないでよ鬱陶しいなあモブのくせに」

澪田「……。ワガママばっかりのお子様はお家でお菓子でもむさぼってればいいんじゃないっすか?」

日向「お、おい、何喧嘩してるんだよ…」

西園寺「とにかく、お仕事終わったら日向おにぃは来てよね」

澪田「唯吹はずっと待ってるっす!」

日向(どうしたんだよ…あいつら…)

小泉「アンタ何かやったの?」

日向「いや、心当たりなんかないけど……」

小泉「とりあえず今の二人は冷静じゃないし、少し時間を置いたら?あたしでよかったら付き合うけど」

日向「そうだな、考えておくよ」

 
 
日向(今日は仕事、終わらなくてよかったんだけどな……)


日向(病み上がりなのに気が重たい…)

日向(どうするか…)
 
日向(小泉・西園寺・澪田から誘われてるな…)

 
 
1 小泉

2 西園寺
3 澪田
4 七海
5 狛枝
6 弐大
7 豚神
8 九頭龍


↓1
 

 
 
日向「……今はとにかく一人になりたい」


狛枝「あれ?日向クン?」

日向「狛枝か……悪い、一人にしてくれないか?」

狛枝「そうしたいところだけど……日向クンの顔色を見たらそんなことは言えないね」

日向「そんなに悪いか、俺の顔色?」

狛枝「絶望、って感じだね?良かったら話してくれない?」

日向「そうだな……狛枝なら、いいか」

日向(狛枝を連れて部屋に戻った)

 
 
 
 
 
小泉「…………」

 
 
 
 
 
日向「──って事があったんだよ…」


狛枝「突然、西園寺さんと澪田さんの様子がおかしくなったんだね…なるほど」

日向「ああ、心当たりが全然なくてさ…狛枝は分かるか?」

狛枝「うーん、日向クンの話を聞く限りなんともって感じだけど見当はついてるかな」

日向「本当か?教えてくれないか?」

狛枝「……いや、やめておくよ。これは推測だし、間違っていたら日向クンにも彼女たちにも悪いからね」

日向「どういうことだ?」

狛枝「これは日向クンが答えを出すべき問題だと思うよ」

日向「そう…なのか?」

狛枝「そうだね、少なくとも部外者のボクが口を出すことじゃないと思うけど」

日向「……」

狛枝「それとも……ボクは部外者じゃないっていいたいのかな?」

日向「えっ……どういう意味だ?」

狛枝「……ねえ、日向クン。キミはボクの事をどう思ってるの?」

日向(?突然どうしたんだ狛枝)

日向(狛枝は──……)

 
 
1 仲間

2 友達
3 クラスメイト


↓1
 

 
 
日向「お前は信頼してる…仲間だよ」


狛枝「……!」

日向「だからこうして、お前を頼ってるんじゃないか」

狛枝「そっか、うん。ごめんね…変なこと聞いたりしてさ」

日向「いや、こっちこそ悪かったな。変な相談して」

日向(そういって苦笑いを浮かべると、突然目の前にいた狛枝が俺を抱きしめた!?)

日向「お、おいっ!?」

狛枝「大丈夫だよ……何があってもキミはボクが守るよ……“仲間”だからね」

日向「離せよっ…男同士で抱き合うって気持ち悪いだろ!」

狛枝「あはっ。ごめんごめん、これがボクなりの決意表明ってところさ」

日向「もう少し普通にしてくれ…」

狛枝「とにかく、何かあったらいつでも言ってよ。ボクらは“仲間”なんだからさ…」

日向「ああ、頼りにしてるぞ。狛枝」
 
日向(そして狛枝は帰っていった)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
狛枝「仲間……か。てっきり友達かクラスメイトとばかり言われると思ってたよ」


狛枝「そこまで信頼されてるのなら、応えないわけにはいかないよね」

狛枝「大丈夫。キミはボクが守るよ……日向クン」

狛枝「あはっ…あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」


狛枝の好感度がとても上がった。
狛枝から 好 意を感じ る 。
 

 
 
ピンポーン


日向「……ん?」

日向(だれだ?こんな時間に)

日向「今出るから待っててくれ」ガチャ

小泉「……」

日向「小泉?…どうかしたのか?」

小泉「……の」

日向「へ?」

小泉「……──どうして、あたしのところにこなかったの?」

日向「えっ?」

小泉「どうして?なんで?ねえ、なんで?」

日向「いや、それは……その」

小泉「何処にいたの?何してたの?誰と居たの?」

日向「ど、どうしたんだ小泉!?」

小泉「答えなさい」

日向(な、なにがどうなってるんだ…?)

日向(今の小泉は冷静じゃないぞ…?)

 
 
1 正直に話す

2 誤魔化す


↓1
 

 
 
日向「い、いや、その……少しな…大した用事じゃないぞ?」


小泉「……」

日向「その、悪かったとは思ってる……ごめん。ただ、今日はそんな気分じゃなくて」

小泉「……」

日向「だから、その──」

 
 
 
 
 
小泉「  誤  魔  化  し  た  わ  ね  ?  」

 
 
 
 
 
日向「──っ!」


小泉「私本当は知ってるわよ。アンタが誰とあって何を話して何をしてたのか全部見て聞いて撮ってたんだから」

日向「な、なんで」

小泉「アンタのために決まってるじゃんそれ以外にありえないわよ、なんで誤魔化すの?あたしに言いたくないのあたしが信用ならないの?」

日向「それは違うっ」

小泉「あたしはこんなに想ってるのにこんなにあんたのためにがんばってるのになんでなんでなんでなんでなんでえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」

日向「っ!?」

日向(小泉が今までに見たことがないくらいの怒気を孕ませ、俺の顔を睨み付ける)

日向「違うんだ、小泉──話を……!」

小泉「もう、知らない……」

日向「小泉!待ってくれ!」

日向(小泉は去ってしまった……)


日向「明日……小泉に謝らないと……」

日向(正直、参ってしまっていた)

日向(朝見た幻覚のモヤモヤ)

日向(西園寺や澪田の豹変──)

日向(些細なことが積み重なって、心が磨り減ってしまった)

日向(今日はもう寝よう……考えるのは後だ……)

日向(早めに寝ることにした)
 

投下終了です。前半部分でミスが多発、設定忘れ等ものすごく申し訳ないです。次回以降に反省を生かします。
次回中盤戦。


TIPS
なし。

突然で悪いけど、>>1って「病んで殺られてペルソナ4」シリーズ書いてた人?

突然で悪いけど、>>1って「病んで殺られてペルソナ4」シリーズ書いてた人?

投下します。
>>511>>512
違いますよ、あの作品が好きでこのSSを書き始めたので、意識してる部分は多々ありますが。

 
 
──────



日向「……」

七海「どうあがいても絶望ってやつだね!」

日向「おかしい…前回は一途に攻めたし今度は八方美人気味に振舞ったら余計酷い状況になったぞ!?」

七海「うーん…やっぱり正攻法での攻略は諦めたほうがいいのかもしれないね」

日向「って言ったって、狙った女の子と仲良くなりながら地雷撤去とか無理ゲー臭くないか?」

七海「それをやりきって真のエンディングが見れるんだと思うよ?」

日向「ギャルゲー初心者になんて要求するんだよ…!」

七海「多分ギャルゲー相当やりこんでる人でも意味が分からないと思うな」

日向「とりあえずどこからやっていくべきか…なんか誰も彼も信用できないぞ……」

七海「そうだね…あれ、これなんだろう」

日向「ん?どうした」

七海「ほら、なんか変なアイコンが点滅してる」

日向「本当だ、なんだろうな、これ」

七海「よくわからないけど、進めてみれば分かる……と思うよ」

日向「だな、ここまで来たら最後までやりきろう」

七海「きっとこの絶望的な状況もひっくり返せるよ」

日向「それは無理っぽいんだよな……」

 
 

 
 
──────

 
 
日向「……朝か」


日向(頭が重い…)

日向(身体がベッドの縫い付けられてるかのように重い)

日向(いろんなことが起こりすぎて、身体が動くことを拒否してるな……)

日向「それでも、行かなくちゃな……」

 
 
日向「……」


左右田「ん?よう日向、元気ねーな?」

日向「左右田か、おはよう…」

左右田「おう、おはよう。なんかあったのか?」

日向「まあ、ちょっとな……」

左右田「?よくわからねーけど、なんかあんなら言えよ?話しくれーは聞いてやれるしな」

日向「ああ、ありがとう……」

左右田「いいってことよ。よっし、んじゃ元気にお仕事に行こうぜ」

日向「そうだな」
 
日向(左右田と一緒に公園へ向かった)
 

 
 
西園寺「日向おにぃ!」ダキッ


日向「うお、どうしたいきなり!?」

西園寺「昨日どうして来てくれなかったの?」

日向「色々あってな……」

西園寺「まあいいけどさー。おにぃは私のものなんだからもっとちゃんとお世話してよね」

日向「西園寺のものになった覚えはないんだけどな」

澪田「……ッ」

小泉「……」

狛枝「やあ、おはよう日向クン」ドンッ

西園寺「った!」

狛枝「あ、ごめんね。キミの存在が視界に入ってなかったよ」

西園寺「チッ…感じ悪」

狛枝「何か言った?」

西園寺「ふん……」テクテク

日向「おい、狛枝…」

狛枝「あはっ、朝だから機嫌が悪かったのかな?それはともかく、おはよう日向クン。いい朝だね」

日向「おはよう。いい朝かどうかは微妙だけどな……」

狛枝「何かあったらボクに相談してくれていいからね。必ず助けるからさ…」

日向「……?ああ」

日向(……昨日の出来事があったからか、少し警戒心が強いのかもしれない)

日向(なんでもない仕草や行動に神経質になってるな)

日向(こんなとき、誰かの心を覗けたなら……)

 
 
ココロンパを使用します。


対象を選択してください(攻略対象メンバー全て。但し「*****」を除く)。
↓2
 

 
 
日向「──ッ!」


日向「なんだ、意識が……遠く」

日向(電源ボタンを押したゲーム機のように)

日向(俺の意識は唐突に落ちて行った……)

 
 
 
 
小泉「どうして?」


小泉「あたしはただ心配してあげただけなのに……」

小泉「日向のことが心配で…」

小泉「昨日の日向、凄く気分が悪そうだった……」

小泉「唯吹ちゃんや日寄子ちゃんが喧嘩?しているところをみていたからだよね」

小泉「話してくれれば……あたしが力になれたかもしれないのに……」

小泉「どうしてあたしを避けるの……」

小泉「どうしてあたしに心を開いてくれないの……」


──??「きっと誰かが彼を追い詰めている」──

──??「その誰かを見つけて……オシオキしないと」──


小泉「!」

小泉「そうだ、日向は悪くない。きっとちょっとだけ精神的に参ってるだけ」

小泉「あたしが助けないと…日向を救ってあげないと……!」

 
 
 
 
 
日向「……グ、あ…!」


日向「な、なんだ……今の……?」

日向「小泉の……深層心理か?」

日向「あいつ……本当に俺のことを心配してくれてたのか…」

日向(……だけど、小泉の深層心理に違和感があったような……)

日向(何か別の……聞きなれた誰かの声が……聞こえたような……)

 
 
ココロンパは成功しました。

 

 
 
日向「ようやく終わったな」


西園寺「やっほーおにぃ!今日こそは私と遊ぶよね?そうだよねそうに決まってるよね?」

澪田「いやいや、今日は唯吹と遊ぶって約束してるんで」

西園寺「は?そんな約束してるわけないじゃん。私今日はずーーーーーっとおにぃのこと見てたんだから」

澪田「……」

狛枝「あのさあ、二人とも少し冷静になりなよ。日向クンが困ってるからさ」

西園寺「うっさいなあ……ホモ枝はどっかいってよ」

澪田「唯吹たちの話に割り込んでこないでほしいっす」

狛枝「ったく……キミらがそんなだからボクも安心できないんだよね」

日向「狛枝…悪いな」

狛枝「気にしないでよ。ボク達は“仲間”でしょ?彼女たちとは距離を置いたほうがいいよ。ボクが代わりに話し相手にでも何でもなるからさ」

日向「あ、ああ……」

日向(昨日から狛枝の距離が近い気がする……)

日向(とにかく家に帰ろう……)

 
 
日向「今日は誰と過ごすか…」


日向(一人で居ても余計気が滅入るだけだしな)

日向(澪田と西園寺と狛枝に誘われてるな…)

日向(そういえば結局小泉にも謝れてないな)

 
 
1 澪田

2 西園寺
3 狛枝
4 小泉
5 左右田
6 七海
7 田中
8 罪木


↓1
 

 
 
日向「小泉に謝りに行こう」


日向(あいつは純粋に俺の心配をしてくれていただけなんだ……誤魔化したのはこっちが悪いはずだ)


日 向「小泉」コンコン

小泉「日向!?」ガチャ

日向「ああ、えーっと、その……よう」

小泉「何の用なの?」

日向「その、昨日のこと…謝りたくてさ」

日向「よく考えたらお前は俺のことを心配してくれていただけだったのに、何も考えないで勝手に後ろめたくなって…誤魔化して…不誠実だったよな。お前が怒るのだって仕方ない。だから…ごめん」

小泉「……くす」

日向「なんだよ?」

小泉「やっぱり日向は優しいなって思っただけ」

日向「優しいって言うか、普通のことだろ?」

小泉「でも、昨日の事だってあたしが勝手に怒っただけだよ、だから日向がわざわざ謝りに来る必要も無かった。なのにこうやってわざわざ謝りに来て…」

日向「心配してくれたのに誤魔化しちゃったからな…」

小泉「うん、でもそれはやっぱり、あたしが一方的に頼って欲しいって思ってただけで、日向からすればお節介だったって考えられなかったし」

日向「お節介なんて事はないぞ。昨日はちょっと、色々あったからさ…。だから少しだけ疑心暗鬼になってただけだ。小泉のことは頼りにしてる」

小泉「……それ、本当?」

日向「当たり前だろ」

小泉「どうして、あたしを信用してくれるの?」

日向「そんなの──」

 
 
1 友達だから

2 好きだから
3 黙りこむ


↓1

 
 
 

 
 
日向「そんなの、友達だからに決まってるだろ」


小泉「友達…?」

日向「ああ、友達を信用しないで誰を信用するんだって話だろ?」

小泉「……そっか、友達か」

日向「なんだよ、おかしかったか?」

小泉「ううん、ちょっとね」

日向「?」

小泉「──さーってと、もう謝罪は終わったんでしょ?だったら帰る帰る!」

日向「あ、おい……!」

小泉「あたしは謝罪を受けいれたし、これでチャラ!それとも何か他に用でもあるの?」

日向「いや、特にはないけどさ」

小泉「それじゃ、これでおしまい。明日からもよろしくね、友達くん?」

日向「いやいや、その呼び方はなんだよ…?」

日向(笑顔の小泉に見送られて帰った……)

 
 
小泉の好感度が上がった。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
小泉「そっか、友達か」


小泉「日向ってば、きっと照れちゃったのかな」

小泉「友達だから信頼してる、なんて嘘嘘」

小泉「だって私達は恋人だったんだもんね?日向」ニヤニヤ


小泉  から邪 な好  意を 感じる …。

 

 
 
日向「……ふぅ、小泉とはなんとか仲直りできたか」


日向「とにかく、この調子なら皆もなんとかいつもどおりになるはずだ…」

日向「……」ガリガリ

日向(なんだろう、痒くもないはずなのに、腕を掻いた)

日向(腕を念入りに調べてみるけど何の跡もない、痒みだってないはずなのに…どうして俺はこんなに痒みを…)

ピンポーン

日向「ん?誰だ?」スタスタ

日向(扉の向こうにいたのは──)


1 七海
2 罪木
3 ソニア
4 西園寺
5 小泉
6 澪田
7 辺古山
8 終里
9 狛枝
10 左右田


↓1
 

 
 
日向「な……罪木?」


罪木「こんばんは、日向さん」

日向(今俺、違う誰かの名前を言いかけなかったか?)

日向(……気のせいだな)

日向「どうしたんだ?もう夜だぞ?」

罪木「日向さん、どこか具合が悪いんですか?」

日向「やっぱりそう見えるか?」

罪木「ここ数日の日向さんは顔色が悪いように思いますぅ……もしかして前の熱が治ってなかったり」

日向「いや、それは大丈夫なはずなんだ。ただ、ちょっと人間関係的な感じでさ」

罪木「ふゆぅ…人間関係ですかぁ。それだと私はお手伝いできそうにないですねえ」

日向「まあ、この問題は他人にどうこうできるものじゃないって言われたしな」

罪木「そうですか…でもとりあえず軽く調べるだけ調べてみてもいいですか?もしかしたらストレスが原因で身体に異常があるかもしれませんし」

日向「そうだな──お願いできるか?」

罪木「はい、任せてくださぁい♪」


罪木「……多分、身体のほうに異常は出てませんねえ。少し寝不足ですか?」

日向「ああ、まあちょっとだけな」

罪木「でしたら確か病院のほうに良く眠れるお薬が……。……」

日向「……?どうかしたか、罪木」

罪木「ちょっと調べたいことが出来ちゃったので、お暇させてもらいますねえ」

日向「おい、罪木?」

罪木「大丈夫ですよ、日向さんの状況が助かるかもしれないんです!」

日向「だったらなおさら俺に手伝わせてくれよ、よく分からないけど、なんでも手伝えるぞ」

罪木「うーん……でしたら、日向さんが体験した人間関係のお話、少し聞かせてもらえませんか?」

日向「それが関係あるのか?」

罪木「た、多分…ですけど」

日向(罪木に……話すべきか?)

 
 
1 話す

2 話さない


↓1
 

 
 
──狛枝『これは日向クンが答えを出すべき問題だと思うよ』


日向(不意に、狛枝の言葉が脳裏を過ぎった)

日向(……俺が、答えを出すべき問題だ)

日向「悪い……罪木には、いえない」

罪木「そうですか…でもしょうがないですよね、そんなこといきなり話せって言われても」

日向「俺が答えを出すべき問題だからな…罪木には悪いけど、自分で考えてみるさ」

罪木「ごめんなさい…日向さんの問題に踏み込んで」

日向「いやいや、罪木の気持ちはありがたかったよ。何かあったら、遠慮なく頼らせてもらうさ」

罪木「わかりましたぁ。じゃあこれでお暇しますね」

日向「本当になにもしなくていいのか?」

罪木「大丈夫ですよ、ちょっとだけ気になってたことがあっただけですからぁ」

日向「……そうか、あんまり無理するなよ」

罪木「はい!」

日向(そういって罪木は帰っていった)

 
 

 
 
罪木「日向さんから詳しい話しを聞けなかったのは残念ですけど……とりあえず確認してみないと……」


罪木(日向さんの様子がおかしいのに気付いてから、さりげなく周りを観察してましたけど…)

罪木(西園寺さんや澪田さん…狛枝さんも……普段じゃ絶対しないような行動をしてますよぉ……)

罪木(もしかしたら──)

罪木(スーパーマーケットの一角、前々から危ないと思ってましたけどぉ……)

罪木(幻覚剤などの類……いわゆる麻薬の類がひっそりと置かれてるスペース)

罪木(勿論専門の知識がないと誰も気付きませんし、普段生活するうえでは全く気にしない場所にありますし…)

罪木(以前まであんな危険なものなかったはずですよね…?)

罪木(とにかく、もしも“アレ”が今回の件と……ってどうしてそんなこと考えるんでしょう?)

罪木(──以前、私が使ったから?)

罪木「そ、そんなことありませんよね……だって私、アレに気付いてから怖くなって近づいてませんし…その内撤去してもらおうと思って……」

罪木(とにかく、杞憂だと思いますけど、見るだけ見ておかないと……)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「……」


 

 
 
日向「朝か…」


日向(よく眠れたな…我ながら現金なやつだと思う)

日向(小泉の一件が解決してから、少しだけ希望が見えてきた気がする)

日向「きっと他のやつらも、少しだけ不安定になってるだけだろうな」

日向「仕事疲れとかあったりしてな、ははっ」

日向「さて、と──今日もやっていくか!」

 
 
澪田「おはーす、創ちゃん!来ちゃった♪」


日向「澪田!?どうしたんだいきなり」

澪田「今日こそは唯吹と遊ぶんですよね?創ちゃん?だよね?そうだよね?」

日向「いや、その前にいつものやらなくちゃいけないだろ?」

澪田「……うーん、正直もうどうでもいいかなって。だっていっつもおんなじことの繰り返しじゃないっすか。掃除して材料集めて何か作って……そんなことよりも唯吹は創ちゃんと過ごすほうがいいから」

日向「それでもやるって俺達皆で決めたろ?だったら最後までやらないとな」

澪田「……だよねー!創ちゃんがそういうのなら唯吹に依存はないっすー!うん!」

日向「全く、朝っぱらから冗談言ってないで行くぞ」

澪田「えへへーラブラブ出勤ってやつだね!オラワクワクすっぞ!」

日向「朝っぱらからテンション高いな」

日向(澪田と一緒に公園に向かった)
 

 
 
日向「さてと……家に帰ったらまた誰かと過ごすか……」


七海「あ、日向くん」

日向「ん?七海か?」

七海「うん」

日向「何か用か?」

七海「ううん、特には。最近遊んでないから、一緒に散歩したいなって思っただけだよ」

日向「なるほど、お誘いか」

七海「うん。最近の日向くん、元気がないみたいだったから」

日向「結構心配かけちゃってたな。もう大丈夫だから、気にしないでいいぞ」

七海「……そっか」

日向「そういや七海、今日罪木が来てないかったけど、どうかしたのか?」

七海「うーんと、確か体調が悪いから大事を取って休む、見たいな事を言ってたよ」

日向「そうか……」

日向(無理するなって言ったのに…あいつは)


日向(よし、とりあえず今日はどうするか決めてしまおう)

日向(そういえば七海と澪田から誘われてたな)

 
 
1 七海

2 澪田
3 西園寺
4 小泉
5 狛枝
6 弐大
7 九頭龍
8 花村


↓1
 

 
 
日向「九頭龍と過ごそう」


日向「あいつは部屋にいるか…?」


日向「おーい九頭龍ー」コンコン

九頭龍「あんだよ…って日向か、よう」ガチャ

日向「よう、暇だから遊びに来たぜ」

九頭龍「ったく。俺なんかとつるむのなんてお前くらいだぞ?……まあいいや、入れよ」

日向「ああ、お邪魔します」


九頭龍「ほらよ、茶くらいしかだせねーけど勘弁してくれや」

日向「おお、ありがとう。……うまい」ズズッ

九頭龍「そうか?いつも飲んでるから味なんてわかんねーな」

日向「こんなお茶にはお茶請けが欲しいな」

九頭龍「あいにく切らせてるからそっちはねーぞ?」

日向「そんなこともあろうかと、作ってきたぞ」

九頭龍「気が利くな」

日向「かりんとうだ」

九頭龍「!」

日向「花村に作ってもらった、俺が作っても良かったんだけど時間かかりそうだったしな」

九頭龍「やるじゃねーか兄弟!」

日向「お前の兄弟、安いなー」

九頭龍「……あめぇ、うめぇ」ボリボリ

日向「お茶に合うなー」ズズッ

九頭龍「ああ、ほっこりするよな」

日向「やくざがほっこりって面白いな」

九頭龍「あ、アアン!?テメーやんのか!?」

日向「お、怒るなよ、お茶がまずくなるぞ?」

九頭龍「テメーが余計なこと言うからだろボケ」

日向「悪かったよ」

九頭龍「まあいいけどな……つーか、かりんとうのこと誰にも言ってねえだろうな?」

日向「言わないさ、俺と九頭龍の絆の証だからな」

九頭龍「お、おう…そうか。やっぱ柄じゃねーからな、ヤクザがかりんとうなんてよ」

日向「好みは人それぞれだろうし、気にするところじゃないと思うけどな」

九頭龍「日向みたいな考えのやつが多ければもちっと生きやすい世の中なんだけどな」

日向「苦労してるな、九頭龍」

九頭龍「お前もな。なんかあったら遠慮なく頼ってくれていいぜ」ボリボリ

日向「かりんとうかじりながら言われてもな…」

日向(九頭龍と駄弁りながら過ごした)


九頭龍の好感度が上がった。
 

日向「そんなこともあろうかと、作ってきたぞ」 …×
日向「そんなこともあろうかと、持ってきたぞ」 …○

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
??「…………」



??「………………」


??「……………………ソロソロシアゲトイコウ」

 
 
 
 
 


 
 
日向「ただいまー」ガチャ


日向「まあ、誰も居ないんだけどな」

日向「さて、と。さっさと風呂にでも入って寝るか」

日向「……ん?」

日向(ふとした違和感を感じた)

日向(いや、違和感なんてものじゃない)

日向(なにかが、決定的に……間違えていた)

日向(だけど、それがなんだか分からない。どれだけ部屋を眺めても、何も変わらない)

日向(──違う、そうじゃない)

日向「“何も変わっていないのが、おかしい”……?」

日向「なんでだ?どうしてそんなことを思うんだ?分からない……」

日向(変わっていないことはおかしいことじゃない、なのにこの状況に違和感を抱いている自分がいる)

日向「どういうことなんだ……?」
 
日向(違和感に首を傾げながらも、俺はいつもどおりに過ごし、いつもどおりに就寝した)
 

 
 
日向「ん、ん……」


日向(なんだ……寝苦しいぞ……)

日向(息が……かおに……)

日向「っは!?」

狛枝「あ、起きちゃった……」

日向「うわああああ!?」

日向(目が覚めると、目の前に狛枝の顔がドアップで迫っていた)

狛枝「おはよう、日向クン?」

日向「な、なにしにきたんだよ!?」

狛枝「何って……ボクはただ日向クンを起こしに来ただけだよ。それに、最近外野が五月蝿くて日向クンとの時間が取れてなかったからさ」

日向「か、鍵はどうしたんだよ…?」

狛枝「……開いてたよ?無用心だね、ボクだったからよかったものの、他の人だったら何をされていたか分からなかったよ?」

日向「っていうか、起こすなら普通に起こしてくれよ……」

狛枝「あはっ…ごめんごめん。キミの顔を見てたらつい、さ…」

日向「男に言われても気色悪いだけだろ……」

狛枝「……試してみる?」

日向(狛枝が再び俺に迫り、囁く)

日向(寝起きだった俺はわずかに反応が鈍ってしまった)

日向「じょ、冗談はよせよ…」

狛枝「……うん、ちょっと趣味が悪い冗談だったかな。あはっ」

日向「ったく。着替えるから出てってくれ。すぐ支度するから」

狛枝「ボクはここに居ちゃだめなのかな?」

日向「当たり前だろ。わざわざ男に着替え見せる趣味なんてないぞ」

狛枝「残念だね……」

日向(冗談だとは思ってるが、狛枝は心底残念そうな表情を浮かべながら、部屋を出て行った…)

日向(あいつは本当になんなんだよ……)

日向(すぐに支度をして、狛枝と公園へ向かった)
 

 

日向「……まだ、終わらないのか」

西園寺「おはよーおにぃ」ギュッ

日向「ああ、おはよう。西園寺、離れてくれ」

西園寺「えーなんで?おにぃは下僕でしょ?」

日向「違うだろ」

澪田「創ちゃん嫌がってるじゃないっすか。やめなよ」

西園寺「これは照れ隠しだから。つーか軽音バカこそどっかいってよねー」

澪田「……ってろ……が……」

西園寺「は?何言ってるか全然聞こえないんですけど」

狛枝「相変わらず騒々しいね。少し慎みを持ったらどうなの?人間としてどうかと思うよ?」

西園寺「あーもーうっさいなあ!おにぃ以外の人間はあたしの前から消えてよ!!!」

小泉「日寄子ちゃんも唯吹ちゃんも狛枝も少し落ち着きなさいよ。あんた達がそうやって喧嘩するから日向が困るんでしょ!」

日向「……悪いな、小泉」

小泉「気にしないでよ、あたしと日向の中でしょ?」

日向(小泉がそっと俺の手を握ってくる……)

日向(小泉もなのか…?)

日向「今日は……やけに人が少ないな」

七海「おはよう……なんだか病気がはやってるみたいだね……ねむ」

九頭龍「ったく。根性のねー野郎達だな。まあいいや、なら残ってる連中でやるぞ」

日向「ああ、そうだな」

 
 

 
 
日向「今日も無事に終わったか」


日向(……これが、いつもの日常なら、もっと良かったんだけどな…)

日向(それとも、俺がもう、いい加減答えを決めるべきなんだろうか?)

日向(いくら俺でも、彼女達の好意には気付いている)

日向(でもそれは、一過性のものなんじゃないか?)

日向(──もっと言えば、なんとなく、彼女達が求めているものは違う気がするんだ)

日向(どこか、ずれている)

日向(どうしてずれてしまっているのか、もう今では分からないけど)

日向(──いい加減、腹を決めるべきなのかもしれない)


1 西園寺
2 澪田
3 家に帰る
 

↓1
 

 
 
日向「澪田のところに行くか」


日向「よし、行こう──」

日向(頬を叩いて、気合を入れた)


日向「……」コンコン

日向「……」

ピンポーン

日向「……いないのか?」

日向「近くを探してみるか」


日向「……いないな」

日向「だとするとライブハウスか?」


日向「……いない」

日向「一体……何処に行ったんだ?」

小泉「ねえ、日向、誰を探しているの?」

日向「…!小泉か……澪田をな」

小泉「どうして唯吹ちゃんを探してるの?」

日向「いや、少し……な。いい加減、この状況に蹴りをつけたくてさ」

小泉「ふーん、どうするつもりだったの?」

日向「……そうだな、隠してもしょうがないか。ああ、実はな──告白しようと、思うんだ」

小泉「……ふーん」

日向「薄々は分かってたんだ。俺が何もしなかったからなんじゃないかって、だから皆、焦ってあんなふうに険悪になってしまうんじゃないかって」

小泉「……」

日向「さっさと決めるべきだったんだよな……俺がうだうだ悩むフリをしてたから……きっと」

小泉「……」

日向「だから、俺も答えを出したんだ。だからそのためにも、俺は澪田に会いに行く」

小泉「そっか」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
小泉「残念だけど、それは無理だよ」

 

 
 
日向(俺は気付かなかった…)


日向(にこりと微笑を浮かべた小泉の後ろ手に、何が握られていたのか)

日向(そして愚かな俺は、もうどうしようもないくらいに手遅れなのに)

日向(バカみたいに、答えを求めた……)

日向「なんで、無理なんだよ」

小泉「……よく考えてみなよ」

日向「何をだよ」

小泉「あんなやつのどこがよかったのかな?」

日向「は?何を言ってるんだよ……?」

小泉「だってあたしのほうがずっと日向のことを好きだし、大好きだし、愛してるし。あのこが私に勝ってる要素なんてないよ?」

日向「小泉…?」

小泉「それに日向はあたしのことが好きなんでしょ?だから信用してるんでしょ?」

日向「いや、友達だから信用してるって、前に言っただろ?なんでそうなるんだよ?」

小泉「まだ照れてるの?いい加減にしなよ。もう照れ隠しなんてしなくていいんだよ?あたしだって日向のことを愛してるから」

日向「おい、小泉?」

小泉「日向こそ冷静になってよ。どうして唯吹ちゃんなの?」

日向「あいつと居る時は騒がしくて楽しくて……なんだか満たされるような気がして……あいつとずっと一緒に居たら、楽しそうだなって思って……これが、恋愛感情なのかはまだ分からないけど、だけど今一番傍にいたいのはあいつで」

小泉「嘘」

日向「嘘じゃない、嘘な訳ないだろ」

小泉「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」

日向「なあ、小泉……俺は、お前の気持ちには──」

小泉「そんなモン嘘っぱちだよそうよ嘘に決まってるなんでそんな嘘をつくの?ああそうか分かったあんた日向の偽物でしょ?偽物だからそんな汚らしい嘘平気で言えるんだね嘘つき嘘つき嘘つき。日向はあたしだけを見てあたしだけを好きでいてあたしだけを愛してくれるのそれ以外の日向なんか日向じゃない!嘘つき嘘つき嘘つき!」

日向「……小泉、どいてくれ…俺は澪田の元に…」

小泉「だから無理だって言ってるじゃない。唯吹ちゃんはもう“いない”から」

日向「は?何言ってるんだよ」

小泉「そんなことどうでもいいでしょ。それより本物の日向を返してよ」

日向「おい、小泉……どういうことだよ!?」

小泉「うるっさいわよ!!!!!!!!!!!本物の日向を返しなさいよ!!!!!!!!!!!!」

日向(──瞬間、激昂した小泉が後ろに回していた手を振りかざす)

日向(そこにはついさっき付着したと思われる──“誰かの血”がついていて──)

日向(俺はそれを見て、ほんのわずかに硬直してしまった……)

日向(当然、小泉の一撃を回避することにも遅れてしまった)

日向「う、ぐ、あ…………」

小泉「はァ…ハぁ……返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ!あたしの日向を返してえええええええ!!!!!!!!!」

日向(肩を裂かれて、血がシャツを赤く染めていく)

日向(とにかく逃げないと……このままじゃ殺される……!?)

日向(俺は肩口を押さえながら慌ててその場を離れた)
 

投下終了です。次回三週目終盤戦。
終盤恒例のヤンデレ黒幕劇場です。


TIPS
一周回に一人、ヤンデレがいる。
条件を満たすと、複数のキャラクターがヤンデレ化する。


 
──────


日向「なあこれもう俺がゲーム続けるメリットかんっぜんに無いだろ…」

七海「無駄に精神すり減らしてるだけに見えるね」

日向「もう完全にハッピーエンド無理そうなの伝わってきたしな……」

七海「日向くん……もうやめる?」

日向「……そうだな、最後までやるよ。なんていうかさ、凄く腹立つしもう二度とやりたくないって思うけど……このままゲームを投げちゃったら……きっと現実でも逃げ出してしまう気がするんだ」

七海「…これ、ゲームだよ?」

日向「そうなんだけどさ。……なんとなく、逃げちゃいけない気がする……うん」

日向(こっちの俺もパンツ貰ったりしてるしなあ…もしやあれはそういう意図だったんだろうか…)

日向(だとしたら刺される前に腹括らないと……)

七海「そっか……でも日向くん、続けるとして、この周回はもうハッピーエンドは無理だけど、どういうスタンスで行くのかな?」

日向「スタンス?」

七海「うん。多分この先どうあがいてもハッピーエンドは無理だと思うんだ、小泉さんの発言的に、もう死人が出てるみたいだし」

日向「そうだな…」

七海「だから、このまま流れに任せて展開を鑑賞するのか、それとも……絶望すると分かっていて、真実を求めるか」

日向「真実…か」

七海「うん。今回の周回でのヤンデレさんだね」

日向「真実を導いても、もうハッピーエンドにはならない……んだろうな。ハッピーエンドでさえあれなんだし」

七海「うん。だから…日向くんが今回の周回をどんな形で望むのか、今のうちに聞いておきたいんだ」

日向「……──そうだな」


1 真実を求めるスタンス
2 流れに任せて恋愛劇を楽しむスタンス


↓2
 

 
 
日向「俺は、真実を求めたい……例えその先に絶望があっても、俺は真実が知りたい」


七海「そっか。それじゃあ、私からヒントをあげるね」

日向「ヒント?」

七海「うん。私はもう、今回のヤンデレさんが誰か分かったから」

日向「本当か?今回全然ヒント無かったろ?」

七海「ううん。あったんだよ、大きなヒントがね…」

日向「……ううん、やっぱり分からないな。候補が多いのもあるが、今回怪しい動きが無かったからな」

七海「それが既にヒントなんだと思うな。ヤンデレの人は必ずいるはずなのに、音沙汰が無い」

七海「それどころか、日向くんが好感度を上げた人たちがどんどんヤンデレさんになっていく」

七海「ねえ日向くん、もしも日向くんが同じ状況になって、その状況に耐えられなくなったらどうするかな?」

日向「……それは、多分だけど、誰かに助けを求めるんじゃないか?」

七海「そうだね。その人が本当は一番狂っているのに」

日向「……どういうことだ?」

七海「今回のヤンデレさんはとても狡猾な人だと思うよ。日向くんの回りを異常な状況にして……そして、正常な人たちをどんどん除外していってる」

日向「えっ……」

七海「後は、犯人がうっかり漏らしてしまった“ほころび”を見つけるだけ……」

日向「なあ七海、それはどういう──」

七海「さあ、はじめようか。日向くん……ここからが本番だよ」

 
 
 


 
──────


日向「はぁ……はぁ、うぐッ……くそ…」

日向(なんとか小泉からは逃げ出したものの……肩口の出血がひどくてそれど頃じゃない……)

日向「……なんでだ、どうしてこうなったんだ…」

日向(それに小泉のナイフんは……誰かの血が付いていた…)

日向「誰の……血だったんだ……?」

西園寺「あの軽音バカの血じゃない?小泉おねえもなかなか役立つじゃん」

日向「そんなわけ──はっ?」

日向(ちょっと待て、待ってくれ──)

日向(振り向くと、そこには……)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
西園寺「やーーっと  つ  か  ま  え  た  ♪」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日向「う、うわああああああああああああああああああ!?」

 
 
日向(逃げ出そうとした俺の肩を西園寺が掴む)


日向「ぐあああああああっ!?」

西園寺「もうおにぃ、なんで逃げるの?」

日向「俺を……どうする気なんだよ……っ」

西園寺「どうもしないよ。私はおにぃを心配してるだけ……あ、血が付いちゃってる。もったいないね!ん…ちゅる…」

日向(西園寺は手にべっとりと付いた俺の血を愛おしそうに舐めている)

西園寺「さて、と……ほらいこ?おにぃ!こんなところにいたら小泉おねえに殺されちゃうよ?」

日向「……一人で行く」

西園寺「どうして?一人で逃げ切れるわけ無いじゃん。そんな怪我で」

日向「お、俺は……俺はお前を、西園寺を……信用、できない……」

西園寺「…………は?」

日向「っすまん、今はただ……見逃して欲しい」

西園寺「なんで?」

日向「……悪い」

西園寺「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」

日向「くっ……」

日向(そんな西園寺の姿が見ていられなくて、俺は西園寺に背を向けて走りだそうと──)

日向「っアアアアアアあああああああああああああああああ!?!?」

日向(瞬間、切り裂かれた右肩に信じられないほどの激痛が走った)

日向(慌てて肩に触れると、生々しい人間の体温)

日向(おそるおそる肩を覗くと、西園寺の、手が、俺の肩を…抉って……)

日向「あ、あ……あ、あああああああああ!?」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
西園寺「逃がさない逃がさない逃がさない逃がさないにがさないニガサナイアアアアああああああああああああああ!!!!!!!!!!おにぃはおにぃは私のもの何打私だけの私の所有物私が所有するの!私の玩具なの!私がめでるの!!!!」

 
 
 
 
 

 
 
日向「いた、痛い痛い痛い痛いあああ!!!やめてくれ!西園寺!」


西園寺「絶対に逃がさないニガサナイニガサナイ!」

日向(じゅくじゅくと嫌な音を立てて西園寺の指が、俺の傷を掻き毟る)

日向(指が肉を掻き分けている感触と想像を絶する痛みに俺はみっともなく泣き乱した)

日向「もうやめてくれ痛いんだやめてくれ頼む!殺さないでくれ…あ、ぐ、アあ…!!!」

西園寺「やめるわけないじゃん。こうしないとおにぃ逃げちゃうでしょ?あーあ、ちゃんとこうやって躾てればよかったなー」

日向「うぐ、あ…う…」

西園寺「全く、躾がなってないとこんなことになるんだね?勉強になったよー。これからはたっぷりと躾けて私専用にしてあげるからね?」

日向「もう、逃げない……逃げないから、やめてくれ……」

西園寺「……ったく、本当にみっともないなあ。顔ぐっちゃぐちゃで超絶ブッサイクだよ今のおにぃ。ま、そんなおにぃも愛してるけどね♪」

日向(そしてようやく、肩の激痛が止む)

日向(それでもじんわりと痛みが残っていて、俺は荒い息と涙を流しながら、動くことさえ出来なかった……)

西園寺「それじゃ、おいで?早く行かないと小泉おねえに見つかっちゃうし」

日向「……」

日向(俺は何も言わず、ただ西園寺の後ろについていった……)

 
 

 
 
日向(どうして……どうしてこうなってしまったんだよ……)


日向(俺は……どこで選択肢を……)

日向(虚ろなまなざしで西園寺の背中を見つめていると、不意に……頬をぬるい風が撫でた)

西園寺「……………………………………………………え?」

日向(そして、俺の視界に、赤が広がる)

日向(いや、正確には……西園寺の着物が、赤く染まる)

日向(鮮やかな橙の着物を、濃厚な赤が侵食していく)

日向(じわり、じわりと)

日向(何が起きているのか、理解するのに数秒かかった)

日向「さ、西園寺!?」

西園寺「な、なんで……え?……………………どう…………し……………………て」」

日向(やがて、糸の切れた人形のように、西園寺は事切れた)

日向(西園寺が倒れていくと同時に、俺の視界が新たな情報を映し出す)

日向(西園寺の──いや、今は俺の前に立っている人物、そいつは……)

 
 
 
 
 
狛枝「やあ、日向クン。助けに来たよ」

 
日向(いつもよりも、何倍も、何十倍も邪悪で歪んだ笑みを浮かべた、狛枝だった……──)
 


 
狛枝「全くさあ……ボクとしたことが油断したよ」

狛枝「ごめんね日向クン、助けが遅れてしまって……」

狛枝「こんな奴ら、もっと早く処分しておくべきだったよ」

日向「お前、何言って…」

狛枝「日向クンは優しいから、こんな絶望的な連中にも温情をかけるでしょ?だから直接害を与えないのなら放置しておこうかとも思ったんだけど…やっぱりダメだね」

狛枝「たとえ日向クンに多少嫌われても、ボクがさっさと彼女達を殺すべきだった…ボクの判断ミスでキミをこんなに傷つけてしまうなんて…仲間失格だね……!」

日向(狛枝は悔しそうに表情を歪ませている)

日向(そうじゃない…そうじゃないだろ……!)

日向「それでもっ!殺す必要は無かったはずだ!」

狛枝「……何言ってるの?日向クン」

 
 
 
 
 
狛枝「こんな連中死んで当然でしょ?日向クンに手をだしたんだよ?あはっ。本当なら日向クンが受けた以上の苦しみと痛みを与えてからじっくりと嬲り殺してもいいくらいだよ。ああ勿体無かったなあ…ボクに刺されたときの絶望的な顔…最高に素敵な顔だったよ。見るに耐えない醜悪な西園寺さんが唯一きれいに見えた瞬間だったね?あ、勿論ボクの中の一番は日向クンさ。当然だよね。ボクみたいなクズを仲間と呼んでくれた世界でただ一人の人間なんだから当然さ。キミの敵はボクが殺すしキミの願いは何だって叶えるしキミを誰よりも深く愛しているんだよ。…あ、勿論政敵とか恋愛感情なんてそんな汚らしいものじゃないよ、ボクは日向クンを崇めているんだ。日向クンという存在がボクにとって救いであって神であるんだよ。あはっ…あっはははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!」


 

政敵→性的 今日は誤字が多いです。
少しいつものペースより投下遅れます。10分ほど。

 
 
狛枝「さあ日向クン、ボクがキミを救うよ…」


狛枝「キミの理想を叶える……」

狛枝「ボクとキミの理想郷を作ろう…」

狛枝「その楽園でボクと永遠に永久に生きよう…」

狛枝「ボクの手をとって…日向クン……」

日向「もう…」

日向「もう、勘弁してくれ…」

日向「もう……終わりにしてくれ……」

日向「疲れたんだ…楽園とか理想郷とか…そんなことはどうでもいい……もう、殺し──」

日向(俺は地面にへたり込み、ただ懇願した)

日向(もう散々だ……こんな風に苦しんで、誰かの狂気を見続けなければならないくらいなら、いっそ──)

狛枝「ああ、日向クン…可哀想に。大丈夫だよ、ボクは日向クンの望まないことなんてしない。キミの居心地のいい世界を創るさ…ただそのために、優しいキミは心を痛めてしまうかもしれない」

狛枝「でも安心してよ。その先は希望溢れる未来が待っているからさ……」

日向(狛枝がぞっとするような笑顔を浮かべて、近づいてくる)

日向(俺は、もう、動けなかった……)

日向(好きにしてくれ……死ねないのなら、殺されないのなら……もう……)

 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
九頭龍「変態ヤローはそこで眠っていやがれッ!」

 
 

 
 
狛枝「ん──!?ぐ、…あ…?」ビクビク


九頭龍「安心しな。ちょっと気絶するだけだからよ」

九頭龍「電流浴びてちっとは反省しやがれ、ボケが!」

日向「く、ず…りゅう…?」

九頭龍「くそ、遅かったみてーだな!この怪我をまずはなんとかしねーとな…部屋に戻るのは危険か…ここから近くて止血も出来る……スーパーマーケットか」

九頭龍「おい日向。ちょっと我慢してろ…すぐ手当てしてやる」

日向(そう言い放つと、九頭龍は俺を背負い、走り出した)

日向(九頭龍は他のやつらみたいにおかしくないのだろうか…?)

日向(もう、誰が味方で誰が敵なのかも分からない…)

 
 
九頭龍「──ま、こんなもんだろ」


日向(俺の肩に包帯を巻きつけた九頭龍は、ほんの少しだけ満足げな表情を浮かべた)

九頭龍「大変なことに巻き込まれてるみてーだな」

日向「……そうだな」

日向(九頭龍だって…味方とは限らないんだ)

日向(そう思うと、自然と距離をとってしまった)

九頭龍「チッ…俺も信用できねーってか?まあ、この状況じゃしょうがないかもしれねーけどよ…」

日向「悪い…」

九頭龍「気にしねーよ。んなもん慣れてるからな」

九頭龍「暇だったから散歩してたら明らかにおかしい様子の小泉を見かけてよ、思わず声をかけたんだ」

九頭龍「だけども俺の言葉なんか全然聞いてねーみたいでな、ひたすら日向だとか偽物だとか呟いてたから、慌ててお前を探しにきたって訳だ」

日向「……そうだったのか…」

日向(九頭龍の話を聞きながら、ぼんやりと近くの棚にあった小瓶を手に取り、眺める)

 

 
 
日向(何かをしてないと、あのときの恐怖が蘇る……)


日向(何の気なしに小瓶の説明書きを読んで──)

日向「……はっ?」

日向(そこには……)

『効能:感情の増幅。楽しい気分、暗い気分、誰かに恋い慕う気持ちそんな貴方の思いや感情をぐーんと高めてくれるお薬です。使用法は簡単!付属の注射器に液体を吸わせて、自分の血管にブスリ。即効性や持続性もばっちり。ちょっと奥手な貴方が好きな人にアタックするときなんかに使えばガンガン積極的になれるよ☆ただしいーぱい使うとオーバードーズであっさり死んじゃうから、使用の際は気をつけてね!』


日向「なんだよ…これ……」

日向「──えっ!?」


──罪木「偶然スーパーマーケットで見つけたお薬を夜中に忍び込んで西園寺さんと澪田さんに打ってあげたんですよぉ」


──罪木「実はですね、私が見つけたお薬の効果は“感情を増幅させる”作用があるんです」


日向(頭が痒い…!!なんだ、なんだこれ…この、記憶…はッ!)

日向(……そうか、澪田や小泉はきっとこれを…!)

日向(ぐ、頭が……痛い…)

日向(頭の中で今までの記憶がぐるぐるぐるぐるぐるぐる…)

日向(記憶の本流の中で……何かが、結びついたような気が……した)

九頭龍「おい、どうかしたのか!?」

日向「……はぁ、はぁ…………」

日向(もしかして……もしかして、皆がおかしくなった原因は……)

日向(こんな事態を引き起こした黒幕が……いるのか?)

日向(それなら、全部、全部辻褄が合う……)

日向(…………誰だ、誰なんだ……)

日向(記憶を探れ、一言も漏らさずに思い出せ……)

日向(…………まさか…………)

 
 
人物を指名しろ! 
 
 
↓3

 

 
 
日向「江ノ島…?」


九頭龍「…あ?何言ってんだ日向?」

日向「なあ、九頭龍……この名前に──」



ERRORを検知しました。
それは不正な入力です。
不正です。不正です。不正です。
貴方はそのフラグを立てていません。
不正。不正。不正。不正。不正。不正。不正。不正。

不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正

不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正

不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正不正






日向(頭が痒い…!!なんだ、なんだこれ…この、記憶…はッ!)

日向(……そうか、澪田や小泉はきっとこれを…!)

日向(ぐ、頭が……痛い…)

日向(頭の中で今までの記憶がぐるぐるぐるぐるぐるぐる…)

日向(記憶の本流の中で……何かが、結びついたような気が……した)

九頭龍「おい、どうかしたのか!?」

日向「……はぁ、はぁ…………」

日向(もしかして……もしかして、皆がおかしくなった原因は……)

日向(こんな事態を引き起こした黒幕が……いるのか?)

日向(それなら、全部、全部辻褄が合う……)

日向(…………誰だ、誰なんだ……)

日向(記憶を探れ、一言も漏らさずに思い出せ……)

日向(そうだ…おかしいんだ…あいつのセリフ…“どうしてあいつは知っていたんだ”)

日向(急に出席率が減った仕事…)

日向(皆がおかしい中、普段どおりだったあいつ……)

日向(そしてなにより、俺がその場に居ない皆を気にしなかったのは、あいつの発言を信じたからだ…)

日向(──犯人は、あいつしか居ない!)


人物を指名しろ!


↓1

 
 
 




 
 
日向「……九頭龍」


九頭龍「どうした?」

日向「行きたい場所がある、ついてきてくれないか?」

九頭龍「どこだよ?」

日向「……一応、武装していきたい。何か道具はあるか?」

九頭龍「色々あるが…勿論殺すわけじゃないよな?」

日向「ああ、勿論だ。話し合いで解決する…つもりだけど、念のためにな」

九頭龍「なら俺が使ってたスタンガンと……お、木刀があんな。これでいいんじゃねーか?」

日向「すまん、助かる。一応九頭龍も──」

九頭龍「ああ。俺も木刀を持っていく。んで、どこに行くんだよ?」

日向「──七海のコテージだ」

 
 
九頭龍「なあ日向、マジで言ってんのか?」


日向「ああ、俺の考えどおりなら…この事件の黒幕はあいつだ」

九頭龍「いや、そういわれてもよ…あいつがこんなこと仕掛けるタマには見えねーぞ?」

日向「ああ、俺もさ…。だからある意味、俺の推理を否定して欲しくて、ここに来たんだ」

九頭龍「そうか…」

日向「…行くぞ」コンコン

九頭龍「……出ねーな」

日向「……開いた」ガチャリ

九頭龍「おい、勝手に入るのかよ!?」

日向「非常事態だし、しょうがないさ」スタスタ

九頭龍「あ、おい…!」

日向「……いないな」

九頭龍「外れってことか…?」

日向「──いや、そうじゃないみたいだな」

日向(俺は七海の使っているテーブルから紙を拾い上げた)

日向「第一の島の砂浜で待っている……らしいぞ」

九頭龍「……マジかよ」

日向「行こう──もう、終わらせるんだ」
 

 
 
日向「……よう、七海」


七海「……やっと、来てくれたね」

日向「お前が……皆に……あの薬を、打ったのか?」

七海「えへへー違うよ?」

日向「えっ?」

七海「そんなことするわけないよ。大切な友達にそんな薬を打つなんて私は出来ない…と思うな」

日向「う、嘘をつくなよ!だった、だったらなんで皆は──」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
七海「私はただ、みんなの気持ちを後押ししてあげただけ」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
七海「どうせ叶わない恋だもん。だからせめて夢を見せてあげるのが“希望”だと思うな」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

すみません…。書ききるつもりでしたが眠気が襲ってきてまともにかけないので今日はここまでにします。
次回投下は本日中。完結まで書いて4thゲーム序盤までやるつもりです。

TIPS
無し。

 
 
日向「な、何を──」


七海「西園寺さんと、澪田さんには、危機感を煽ったんだ」

日向「……え?」

七海「早くしないと誰かに取られちゃうよって。誰かに取られたら、もう貴方は友達ですらない、ただの他人だよって…教えてあげたんだ」

日向「…な、なにを…?そんなわけ、ないだろ?」

七海「小泉さんはね、日向くんに避けられて凄く苦しそうだったから、日向くんは悪い誰かに追い詰められてるんだよって。貴方が助けなくちゃいけないんだよって教えてあげたよ」

日向「…………」

七海「狛枝くんには日向くんがいかにかっこよくて素晴らしくて素敵で優秀で有能で尊い存在かを教えてあげたんだ。狛枝くんなんかには勿体無い存在だよって、そう言ってあげたよ」

日向「おまえ、は……」

 
 
 
 
 
 

七海「皆の為に、皆に夢を見せる為に頑張ったんだよ?」

 
 
 
 
 
七海「勿論嘘なんかついてないよ」

 
 
 
 
 
七海「だって日向くんは私と結ばれるんだから西園寺さんも澪田さんも他人だよね?」

 
 
 
 
 
七海「狛枝くんに日向くんが勿体無い存在なのも事実だもん。狛枝くんは男の子なのに日向くんに好意を抱いちゃった悪い子さんだからね」 
 
 
 
 
 
七海「それに、小泉さんに言ったことだって嘘じゃないよ。だって追い詰めてるの他でもない、皆だもん。えへへー」

 
 
 
 
 
七海「大丈夫だよ、日向くん。皆は狂ってるけれど、私だけは、私だけは世界で日向くんの“唯一の味方”だから」

 
 
 
 
 
 

 
 
日向「狂ってる…!?七海、お前は……お前は……狂ってる!!」


日向(淡々と、嬉しそうに自分の罪を騙る七海の瞳は、淀んでいた)

日向(淀みすぎて、穢れ切って、狂い切って──)

日向(その果てにある、ある種の純粋さすら見えてしまう、瞳)

七海「違うよ?狂っているのは皆のほう。私達は世界でたったの二人ぼっち」

日向「違うッ!狂っているのはお前だけだ!七海!」

七海「……どうして伝わらないんだろう、私はこんなにも日向くんを好きなのに」

日向「だったらなんでこんな回りくどいことをするんだよ…!」

七海「だって日向くんと私は結ばれるんだよ?運命の赤い糸ってやつだね!」

日向「だからっ…」

七海「私が日向くんと結ばれるのは、もう“決定してるんだよ”。だから皆がどんなにあがいたって未来は変わらないんだよ」

日向「……なにを…」

七海「だから皆にチャンスをあげたんだ。何をしても結末は変わらないけど、夢を見るのは誰にだって平等に与えられる権利だもんね」

日向(七海は恍惚として語っていた)

日向(自分は何一つ間違っていないのだと、そう信じきっている…!)

日向(だけど──突然、七海の瞳が暗闇に染まる)
 
七海「──でも、バグが起きた」
 

ゆ は関係ないです。改行の時に誤タイプしましたすみません。シリアスなのにごめんなさい。

 
 
七海「そう、バグだよ。これはバグなんだ。ありえないもんだ、だって」


日向「……?」

七海「だってこんなことあるわけがないもん。そうだよねそうに決まってるよね?」

日向「七海、何を言っ──」

日向(びちゃり、と)

日向(何かが滴る音がした)

日向(瞬間、目の前が赤に染まる)

日向(赤、赤赤赤赤、赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤!?!?!?!?!?!)

七海「たかだか私達の“ゲーム”のサブキャラクターの分際で、たとえバグでも、日向くんから好意を向けられるなんて──嘘だよね?」

日向「あ、あッああ、あああああああアアアアあああああアアア!?」

日向(赤はどこまでも、どこまでも広がっていく)

日向(あふれ出た赤は俺の靴底を汚していく)

日向(めまいがする、吐き気がする、気持ちが悪いなんだこれなんだこれなんだこれなんなんだこれ)

日向「う、ぐッ……あ、ぐ…おええええええ」

日向(たまらず、胃の中のものをぶちまけた)

七海「美味しい所は小泉さんに奪われちゃったけどね、わざわざ死体を見つけてきて、ちゃんと殺し直してあげたんだ」

日向「おええっ…はぁ、…はあ…ま、ま…まさか…」

七海「この汚らわしい腕が足が頬が唇が耳が脳が眉が目が鼻が喉が胸が肺が内臓が爪が髪が肉が日向くんを惑わして汚して狂わせたって思うと、どうしても許せなかったんだよ…」

日向「も、もう……もうやめろ…やめてくれ…」

七海「これはね、澪田さんの死体だよ」

日向「あ、ああ……あああああああ…」

日向(目の前で、無残に殺されたナニカ──)

日向(一目で何かも分からないほどのそれは……俺の何かを壊すには十分だった)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日向「あああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 
 
 
 
 
「──おい、やめろ日向!なにしてやがんだ!物騒な音が聞こえたと思ったらよ…!」


「バカ野郎!てめーが話し合いで説得するっつったんだろ!だからてめー一人で行かせたんだぞボケが!」


──煩い、殺す。

 
 
 
 
 
小泉「日向日向日向ひなたひなたひなたヒナタヒナタヒナタ」


小泉「アンタは偽物アンタは偽物アンタは偽物」


──黙れ殺す。

 
 
 
 
 
狛枝「あははははっ!流石だよ日向クン!なんて美しいんだろうねぇ…」


狛枝「やっぱりキミはボクが崇めるべき、唯一無二の神だよ!あはっ!あははははははははははは!」

 
 
──お前も殺す。

 
 
 
 
 
死ね。みんな死んでくれ。

 
 
 
 
 
七海「日向くんに殺されるなら嬉しいなあ」


七海「もっともっともっともっと痛めつけてぐちゃぐちゃにして苦しめて殺してね」

七海「誰よりも残酷に残忍に殺せば、私が一番だもんね?」

 
 
──殺す。

 
 
 
 
 
ツマラナイ……。

何だこの世界は……本当にツマラナイ。

 
 
 
 
 
 
 
 
MINAGOROSHI END

 
 
──────



日向「……」

七海「……」

日向「七海、お前は自分の狂いっぷりをみていてどうだった?」

七海「日向くんこそ自分がみんな殺して回ってるの見てどう思ったのかな?」

日向「……」

七海「……」

日向「もう……やめたほうがいいよな。そろそろいい時間……じゃないな」

七海「あれから結構ゲームやってたと思うのに、まだ時間があるみたいだね」

日向「…正直これやりたいと思うか?続けたいと思うか?」

七海「もうお腹一杯かな。ちょっと気持ち悪くなってきちゃったかも」

日向「攻略云々の前にこんなゲーム続けてたら身体も心も持たない……」

七海「なんでこのゲームやってるんだろうね、私達……」

日向「もう、やめよう、うん。それがいいだろ……怪しいゲームなんかに手を出すべきじゃなかったな」

七海「その通りだね」

日向「それじゃあ何か違うことでもするか」

七海「うん、そうだね」

 

 
 
 
 
 
紫髪の少女「あら、困ったわね」


アンテナの少年「やっぱりあんなゲーム作るべきじゃなかったような気がするんだけど…」

噛ませ眼鏡「下らんな。わざわざモノクマや江ノ島の名前を騙ってあんなゲームを作り出した上に、それをプレイさせるなど…完全に無意味だ」

紫髪の少女「そうとも言い切れないの。無事この“修学旅行”を終えたら彼らはこちら側に戻ってくる。その時にはある程度の真実を伝えなくてはいけないでしょう?」

アンテナの少年「だったらもっとこう…他に方法は無かったのかな?」

紫髪の少女「ないわね。これはゲームであるという前提があるからこそできる手段なの。下手な刺激を与えて彼らがまた“絶望”に戻ってしまっては意味が無いわ」

噛ませ眼鏡「そもそもこのゲームを日向一人にやらせるのが間違っている。たとえ日向がこのゲームを乗り越えられたとして、他の連中はどうするんだ」

紫髪の少女「そのあたりは問題ないわ。彼は男のクラスメイトからはかなりの信頼を寄せられている。日向君が語りかければ何とかなると踏んでいるわ」

噛ませ眼鏡「では女連中はどうする?」

紫髪の少女「そっちのほうはもっと問題ないわね。これを見なさい」

アンテナの少年「これって…小泉さんの部屋かな?いや、女子の部屋を覗くのは悪いんじゃ…」

紫髪の少女「問題ないわ。これを見てくれれば全部解決するから」

アンテナの少年「えっ…どういうことなんだろう。…とにかく見てみるしかない、か」

噛ませ眼鏡「少し嫌な予感がするな」

紫髪の少女「その予感は当たりね──」

 
 
 

 
 
 
 

西園寺「あーーーーーーー!おにぃと七海おねぇゲームやめてイチャイチャしてない!?」

小泉「うーんどうだろ…これは……ギリギリセーフかな」

澪田「くうううう!千秋ちゃん羨まし過ぎるっす!!!今すぐ唯吹も混ざりたい!創ちゃんとイチャイチャしたいっす!」

罪木「ダメですよぅ……今日は七海さんが日向さんを独占する日なんですから」

ソニア「この息が止まるような感覚…胸の痛み…これがジャパニーズレンアイというやつなのですね!」

小泉「なんでもジャパニーズつければいいってもんでもないと思うけど…あ、今千秋ちゃんボディータッチしなかった!?」

西園寺「あれはアウトだよね!?ね!?」

澪田「レッドカードっす!どう見てもフォローできないくらいレッドカードっす!」

罪木「これは見逃せないですよねぇ…」

ソニア「狛枝さん!」

狛枝「や、やあ」

狛枝「まあ皆から離れた端っこでずっと待機してたんだけどね……」

西園寺「今すぐおにぃと七海おねぇの邪魔してきて!」

狛枝「いや、でもボディータッチと言っても軽く肩に触れたりとかその程度だし、余り干渉するのも…」

ソニア「早く行ってきてください!!!」

小泉「ねえ狛枝。あんたは日向の隠し撮りプロマイド…欲しくないのかしら?」

狛枝「いや、あれはちょっとした冗談で…分かった、行くから皆落ち着いてよ!」

罪木「早く行ってきてくださいねぇ?狛枝さん」

狛枝「分かった、勿論行くよ。だからその注射器を下ろしてくれないかな、罪木さん…」

狛枝「はあ、まさかちょっとした冗談で日向クンが好きだなんて言ったらこんな事になるなんてね…」

狛枝「ボクはこれからどれだけ女性陣の使い走りをやってればいいんだろう……」
 

 
 
 
 
 
アンテナの少年「日向クンは何をしてるんだよ本当……!?」


噛ませ眼鏡「……いや、日向よりこいつらのほうが問題だろう。なんで監視カメラで日向の部屋を監視しているんだ」

紫髪の少女「彼女達は日向君が大好きなあまり私生活を観察し始め、毎日ローテーションで日向と二人っきりになれる、決してこちらからは告白しないなどの日向十の鉄則をちぎり、あまつさえ色んな用途で手に入れた日向君の関連の物品をオークションやらで競い合ってるわ。ちなみに主な出品者は男性陣よ」

アンテナの少年「彼ら以外と平和だね!?」

噛ませ眼鏡「頭が痛くなってきたな……どうやったらこんなことになるんだ……」

紫髪の少女「分かったかしら。あの子たちは多分日向君が受け入れろって言ったら全員受け入れるわ。辺古山さんに関しては九頭龍君から言えば問題ないでしょうし、終里さんは…言わなくても分かるわね?」

噛ませ眼鏡「単細胞だからな…全員が納得すれば納得しそうだな」

アンテナの少年「趣味の悪いゲームだなって思ってたけど、あながち間違いじゃなかったんだね……」

紫髪の少女「ええ、そうよ。このゲームは日向君を希望へと育て上げるのと同時に、これから本当に起こるかもしれない事態へのシミュレートも兼ねているの」

アンテナの少年「やりすぎだとは思うけど……そういわれると納得せざるを得ないね」

噛ませ眼鏡「だがあいつのやる気は削がれている、どうするんだ?」

紫髪の少女「そこなのよ。もうすこしプレイしてもらえれば日向君が燃えあがるようなシナリオになったのだけれど、ここでまさかBADを引くなんてね……困ったわ」

アンテナの少年「……とりあえず、今は見守ろうか」

 
 
狛枝「日向クン!」ガチャ


日向「狛枝…?今度は何しに来たんだよ」

狛枝「ゲームをしてる間は七海さんとイチャイチャできないよね…?」

日向「は?何言ってるんだよ」

狛枝「ボクのためにゲームを続けて欲しいんだ…頼むよ…命が掛かってるんだ……」

七海「……」

日向「いや、もうあのゲームはやりたくないな……これ以上やってもハッピーエンドなんて見れそうもないだろ」

狛枝「土下座でも靴舐めでも何でもするよ!なんなら召使になろうか?サーヴァントって改名してもいいよ!」

日向「いや、なんでだよ…」

狛枝「あのゲームをクリアしたらきっと素晴らしい希望に溢れる結末が待ってるはずだよ!」

日向「血塗られた絶望の結末しか見えないんだよ」

狛枝「ウサミが言ってたんだけどもう少しであの説明書の文字化け部分の解読が出来そうなんだ!それが分かればきっとハッピーエンドの道筋も開けるよ!それに辛いシナリオを繰り返していれば逆にもう耐性ができてるころなんじゃない?」

日向「あんな展開に慣れたくないんだけどな…」

狛枝「何でそこで諦めちゃうの頑張ってよキミは希望だろ頼むよ!?ボクに希望を見せてよ!」

日向「なんでお前はそんな必死なんだ……分かったよ。もう少し続けてみる。ただし、きつくなったらやめるからな?」

狛枝「うん、ありがとう…本当にありがとう……」

日向「狛枝キャラ壊れてないか…?」

七海「狛枝くん、後でお話があります」

狛枝「」

日向(また七海のハイライトが消えた…)

日向「はあ、気は進まないけど、もうすこしだけやってみるか…」

七海「……そうだね、ゲーマー的にも中途半端に終わるのはやっぱりモヤモヤしちゃうし」

 



三週目のクリアおめでとうございます。
残念ながらバッドエンドです。トゥルーエンド目指して頑張ってください。

クリア特典として
以降のTIPSではより内容に深く関わった攻略情報を手に入れることができます。

セーブデータをロードします。
四週目からは若干展開が変わりますが、選択次第では今までの周回と同じような展開になります。
 


 
───────

新規のアップデートファイルを発見しました。
アップデートを開始します…………
アップデートが完了しました。

技能「ココロンパ」が強化されました。
ココロンパの使用機会が増えます。

  
 
 
 
 
re:start game DANGANISLAND YANDE YAMARETE KOROSIAI fourthgame


……
………
…………OK





GAME START.


 
日向「…………」

日向「……」

日向(ぼんやりと、窓の外の景色を眺める)

日向(朝か、なんていうか、長い夢を見ていたみたいだな…)

日向「ふう、休日だし二度寝するか…」

左右田「──おい!日向!起きろ!朗報だぞ!」

日向「なんだよ…煩いな」

左右田「うるさいってなんだよちゃんと朝に来ただろ!」

日向「せっかくの休日なんだから寝かせてくれよ……」

左右田「本当にそんなこと言って良いのかお前~後悔すんぞ?」

日向「どうせドッキリハウスのお誘いだろ……」

左右田「実はよ、ドッキリハウスがいけるようになってるん──えっ?」

日向「……ん?」

日向(あれ、俺今……どうして……)

左右田「知ってたのか!?」

日向「いや、なんか勝手に言葉が出てきたって言うか……」

日向(俺は今の言葉を…覚えている?)

日向(なんだ…気持ち悪いな……頭が痒い……)

左右田「よく分からねーけど、そういうことなら話がはえーな!今から皆で誘ってドッキリハウスいかねえか?」

日向「……悪い、考えさせてくれ」

左右田「なんでだよ!?いかねーのか!?」

日向「そうじゃない。ただちょっと考えたいことがあってさ」

左右田「は?まあいいけどよ…これんなら公園に集合してくれ!頼むぜ!」

日向「ああ、分かった。……なあ、左右田」

左右田「なんだよ?」

日向「こんな事、前にも無かったか?」

左右田「はあ?んなもんあるわけねーだろ、今までドッキリハウスは故障だかなんだかで使えなかったんだからよ」

日向「はは、だよな……忘れてくれ」

左右田「んじゃ、約束忘れんなよ!俺は他の連中の誘ってくるぜ!」バタンッ
 

 
 
日向「そろそろ公園に向かわないとな……」


日向「……」

日向「行かないと、行けないんだが……」

──死ね、皆死ね。

日向(頭が、痛い…割れそうだ……なんなんだ、これ……!)

日向(目の前がチカチカする、何もかも壊して、ぐちゃぐちゃにしてやりたい衝動──)

日向「……っはあ。収まったか…」

日向「なんだったんだ…体調が悪かったのか?」

日向(今は……あまり動きたくないな)

日向(どうせドッキリハウスなんてまた行けるだろ…)

日向(いっそ行かないって言うのもありじゃないか?)

 
 
1 行く

2 行かない

 
 
↓1

 

 
 
日向「いや、俺の勝手で皆に迷惑をかけるのも悪いな……行くか」


日向(もそもそと布団から這い出ると、俺は身だしなみを整えてから公園へと向かった)


日向「んーーー風が気持ちいいな…」

日向(たまには早起きして散歩するのもありだな、仕事のときはあまり気にしてなかったけど…こうしてのんびりと風を浴びてると気分が落ち着く)

日向(ま、あんまりのんびりしててもまずいし、そろそろ急いだほうがいいか──)

 
 
 
 
 
──「……けて……」

 
 
 
 
 
日向「……ん?」


日向「あっちは……砂浜のほうだよな?」

日向「何か聞こえた気がするけど……気のせいか?」
 
日向(っていうか、砂浜のほうまで寄り道してたら遅刻するんだよな……)
 
日向(俺の気のせいな気もするしな)

 
1 声のほうへ向かう
2 気のせいだろ

 
 
↓1

 

 
 
日向「多分、気のせいだとは…思うんだけどな……」


日向(それでも、念のために見に行くか)

日向(遅刻確定だな、はは……)

 
日向「…さて、と」キョロキョロ

日向「やっぱり何事も無いよな……気のせいだったか」

日向(そう思って引き返そうとして──)

日向「ん?」

日向(視界の端に、見慣れない何かが写りこんだ)

日向「なんだ…?」

日向(慌てて駆け寄ると……)

??「……ぁ、はぁ………ぁ……」

日向「えっ!?」

日向(人!?っていうか知らないやつだぞ!?)

日向「この島に俺たち以外の誰かがいたのか……?」

??「…ん……はぁ……」

日向「っていうか、だいぶ辛そうだな…」

日向(どうする……ってどうするもなにもないよな)

日向(とにかく何処かで寝かせてやらないとな)

日向「仕方ない、とりあえず俺の家に運ぼう。その後で罪木辺りに相談したほうがいいな」

日向(っていうか…女の子、だよな…。悪い、少し身体に触るぞ)

日向(心の中で謝りながら、俺は倒れていた少女を背負ってコテージへと戻った…)
 

 
 
日向「ふう、こんなもんか……」


??「…………ん、すぅ……」

日向「やっと落ち着いたか…」

日向(家に運び込み、ベッドに寝かせ、備え付けの冷えピタを貼り付けるだけの看病だが、多少苦しみは和らいだみたいだ)

日向「……あちゃー…完全に遅刻だな」

日向(時計を見ると、とっくに集合時刻はすぎてる。今頃皆はドッキリハウスの中だろう)

日向「この子の傍を離れる……のはまずいか、やっぱり。いきなり知らない場所に運び込まれてたら困るもんな」

日向(軽く目の前の少女の姿を見やる)

日向(多分背格好的に俺たちと同い歳だろうか?)

日向(もしかしたら遅れてきた希望ヶ峰学園の新入生かもしれないな…ウサミが案内してたのか?)

日向(それにしてもあんなところで倒れてたのは気になるけどな…)

日向「まあ、彼女がおきればなんとかなるだろ…」

??「……zzz」

日向「悪い、皆。そっちにはいけそうにない…」

日向(俺はそう小さく謝罪をして、椅子に座って読みかけの小説を読むことにした)

  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
reset game DANGANISLAND YANDE YAMARETE KOROSIAI anotherhgame


……
………
…………OK





GAME RESTART.

投下終了です。次回、4週目序盤戦。
今までとは多少毛色が違うものとなっております。

TIPS
好意を持っている人物が一定以上存在するとヤンデレ・バッドルートが加速する。
また、ココロンパが成功した場合、重要な情報が手に入るというだけで、攻略には何の支障も無い。


3週目のココロンパで手に入った情報はどんなふうに使えばよかったですか?


一回トゥルーエンドを見たら、このゲームは終わってしまうのかな?
可能なら、いろんなキャラのエンディングを見てみたいものだが

日向の横で一緒にゲームしているのは七海(狛枝)で固定? 一周目は七海ヤンデレエンド、二周目はヒロイン、三周目は元凶
と、かなり出番が多いので、できれば安価で決まるゲーム内はともかく、一緒にゲームするキャラは1、2周毎に交代して欲しいです

今日は少し投下は無理そうなので、軽く質問応答やらだけ答えて去ります。
攻略に関するネタバレとなるような質問は答えられませんが、ここをこうしてたらどうなった?みたいな質問には答えます。
ちょっと理解できない箇所などがあればご指摘いただければと思っています。

>>618
ココロンパの使い方ですが、
小泉・澪田・西園寺・狛枝を選択した場合は「彼らがヤンデレの元凶ではない」という情報がまず手に入ります。
そして次回の行動安価の際、ココロンパで心理を覗いた相手に対する選択肢でどれが一番マシなのかを考えるヒント手に入ります。
小泉のケースですが、小泉の場合「日向に頼られたい、救いたい」心理が見えたので、「友達」というキーワードはヤンデレ化を加速するだけでした。
「好きだから」で恋人ルート、「黙っている」の場合ヤンデレ化は防げました。
ちなみに九頭龍を選んだ場合は、九頭龍が日向に協力的な姿勢を持ってるという情報が手に入ります。
七海を選んだ場合ですが、こちらは同じように表面の心理しか見えません。ただし、一度も選んでいないのに心理を見ることができる、という情報が手に入るので、ヤンデレ当てがスムーズになるかとおもいます。
ココロンパはある程度好感度がなければ心理を覗くことができません。
以降の攻略の手助けになれば、と思います。

>>619
需要があれば続ける予定です。

>>620
固定というわけではないですが、七海はゲーマー、狛枝はアレなので攻略のヒントを与える側として楽だっただけなので。
交代の件ですがその内対応します。そんなに出番があるのかはさておき。

こんなところです。
明日までお待たせしてすみません、以降の質問回答は次回投下のときにお答えします。

こまるとか、無印のキャラは

申し訳ない、昨日投下するはずだったんですがね。気付いたら日付が変わってました、不思議ですね。
まさかここまで話が広がるとは思ってませんでしたが、>>620は結構賛否両論あるみたいですね。
まあこのあたりは気分で回すつもりなので、軽い気持ちで流していただければと思います。

>>630
こまるの方は色んな意味で難しいですが、無印のほうはネタが思いつけば。
その場合は別スレで立てると思いますので見かけたら覗いて頂ければと思います。

夜に来ます。



日向「……すぅ」

??「……」

日向「…………zz」

??「ねえ」

日向「……んー、ん……すぅ…」

??「ねぇ、ちょっと」

日向「ん…んあ……?」

??「起きた?」

日向「……んんー、って誰だ?」

??「いや、私が知りたいんだけど」

日向(欠伸をしたからか、涙で視界が歪む)

日向(ぼんやりとした頭のままで声の主を見る)

??「ここ、どこ?」

日向「そりゃ俺の部屋だろ」

??「……私は何、アンタに誘拐されたわけ?」

日向「そんなわけないだろ……ってああ」

日向(そこでようやく思考能力を取り戻した俺は、今の状況を理解する)

日向「お前……砂浜で倒れてたんだよ」

??「は?」

日向「朝砂浜の近くを通りかかる用事があってさ、そこで凄い具合悪そうに倒れてたお前をここまで運んできたんだ」

??「って設定の誘拐?」

日向「そんなわけないだろ…こっちだって俺達以外の人間がいるなんて思わなかったんだ」

??「ん?何言ってんの?」

日向「ああ、お前も知らされてないんだな。実は──」

あげ忘れました

 
 
日向(そして俺達がどうしてここにいるのかを説明した)


日向(女の子は最初は頷きながら聞いていたものの、俺の話が進むにつれて険しい表情になった)

日向「──って感じなんだが……どうかっしたか?」

??「……いや、なんでもない」

日向「そうか、なら一応、名前とか教えてくれるか……」

??「……アンタさ、口は固い方?」

日向「はあ?何言ってるんだ」

??「いやー悪いんだけどさ、私と会った事黙っててくれないかな」

日向「なんでだよ」

??「なんでも、だよ。ちょっと色々考えたいことがあるし……とにかく約束してくれない?」

日向「……よく分からないが、分かった」

??「ありがとー、物分りのいい男の子は好みだよー♪」

日向「な、なんだんだよ…」

日向(看病してたときは気付かなかったけど、この子かなり可愛いんじゃないか?)

日向(っていうか、どっかで見た様な……)

??「そいじゃ、私は行きますかね」スッ

日向「あ、おい!」
 

 

??「看病してくれてありがと。そこは素直にお礼を言っておく、ま、もう会うことはないだろうけどさ」

日向「いや、行くってどこにだよ?この島からは出られないぞ?」

??「……ふぅん。ま、大丈夫じゃなーい?」

日向「はあ?」

??「とにかく、私は行くから。約束守ってよね」ヒラヒラ

日向「ちょっと待ってくれ!せめて名前だけでも教えてくれ!もし何かあったら俺に手助けできるかもしれないだろ」

??「…………まーいっか。私の名前は江ノ島盾子。…だと思う」

日向「江ノ島だな、分かった。…だと思う?」

江ノ島「そんじゃ、またね」

日向(そしてあっさりと、江ノ島盾子と名乗った少女は去っていった)

日向(なんだったんだ…あいつ…)

日向(でえも、約束しちゃったしな…。どうせこの島からは出られないし、また会うこともあるだろうな)

日向(その時にまた聞けばいいか)

日向「なんていうか……」

日向(さっきまでの体験が、幻のように思えて。俺はそっと江ノ島が眠っていた布団に触れる)

日向(仄かな体温。それは彼女がこの場に紛れもなくいたという証明で──)

日向(俺は色々な疑問をとりあえずは頭から追い出した)

日向「江ノ島、盾子……か」


 
日向(日向創と江ノ島盾子──)

 

日向(この出会いが、何をもたらすのか、俺にはまだ分からなかった)


 
 
左右田「よう日向!オメーまじで昨日来なかったな」


日向「悪いな…ちょっと寝過ごしてさ」

弐大「がっはっは!勿体無いのう!ドッキリハウスは中々弩ぇれぇ建物だったぞ!」

田中「深紅と新緑の供物によって断たれし魔境……中々楽しませてもらった」

澪田「あの構造は中々見抜けないっす!」

ソニア「皆さんでドッキリハウスの謎を解き明かすのは非常にドキがムネムネでした!」

七海「狛枝くんの助言がなければ気付けなかったね」

狛枝「あはっ…そんなことないよ。ボク如きが助言なんてしなくても皆は真相に辿り着けたはずさ」
 
日向(いまいち会話に入れないな……)

ウサミ「はいはーい、皆さんおそろいでちゅねー!」

終里「お?飯か?」

左右田「いや違うだろ!」

ウサミ「ごめんなちゃい…今日はそういうお話じゃありまちぇん」

九頭龍「あったらなんなんだ?」

ウサミ「とりあえず5人組みを作ってくだちゃい!」

小泉「よくわからないけど、5人組を作ればいいの?」

罪木「ご、5人組みですかぁ…」

辺古山「よく分からんが……とりあえずはウサミに従っておくとしよう」

日向(5人組か…よく分からないけど、とりあえず言うとおりにするか)
 
日向「俺は↓1↓2↓3↓4と組むことにするか」

 
 
↓1~4の安価採用します。

ここで選んだキャラクター以外、今回の周回では攻略できません。

 
 

 
 
日向「よし、左右田と澪田、辺古山と七海と組もう」


左右田「ん?俺か?ソニアさんと組みてーんだけど…」

ソニア「これで五人ですね」

田中「フン…馴れ合いもまた俺様の背負う業か……」

西園寺「よろしくー!」

小泉「よろしくね」

九頭龍「チッ…何をたくらんでやがんだウサミの野郎…」

左右田「……入れてくれ」

日向(こいつ本当に可哀想なやつだな…)

辺古山「すまない、私も入れてはもらえないだろうか?」

日向「ああ、構わないぞ」

澪田「唯吹もお願いするっすー!」

七海「私もいいかな?」

日向「ああ、ぜひ来てくれ」

狛枝「……さて、皆五人組…は無理だよね、あぶれてる人はどうするのかな?」

花村「あれ、狛枝君炙れてるのかな?じゃあ僕たちのところにおいでよ!」

狛枝「ありがとう、ボクなんかを誘ってくれるなんて嬉しいね!」

豚神「俺はソニアのほうに入れてもらっても構わんか?」

ソニア「構いませんよ!」

ウサミ「これで皆さんチームは組めまちたね?」


日向チーム 日向・左右田・七海・澪田・辺古山
狛枝チーム 狛枝・弐大・花村・罪木・終里・罪木
ソニアチーム ソニア・西園寺・小泉・田中・九頭龍・豚神


ウサミ「それでは今から、ドッキドキトレジャーハントを開始しまちゅ!」
 

 
 
ウサミ「最近皆さんらーぶらーぶしてくれて先生は嬉しい限りでちゅ」


ウサミ「なので皆さんにもっともーっとらーぶらーぶしてもらうための企画でちゅ!」

ウサミ「しばらくはトレジャーハントに集中して欲ちいので、いつものお仕事はオヤスミしまちゅ」


~ドッキドキトレジャーハントのルール~

第一~第五、中央の島に各一個“お宝”を隠した。
3チームでそのお宝を見つけ出す争奪戦。
終了時刻は一週間後の正午。
それまで二一番多くお宝を持っていたチームが優勝。優勝したチームには“豪華商品”を贈呈。
お宝を先に取られても横取り・強奪は構わない。
但し勿論修学旅行のルールは適用される。ごみのポイ捨て・人を傷つける行為は禁止。
ただしルールに触れなければ何をしても構わない。

 
ウサミ「以上でちゅ!」

日向「これ、らーぶらーぶするのか?」

狛枝「まあ、仲間と何かを成し遂げるって経験はいいんじゃないかな?」

ソニア「それもそうですね!」

ウサミ「ちなみにトレジャーハント期間中は普段のコテージではなく、あちしが用意した施設で寝てもらいちゅ!」

豚神「施設?」

ウサミ「はい、ホームキャンプでちゅね。日向クンチームは第一の島、狛枝クンチームは第二の島、ソニアさんチームは第三の島にそれぞれあるんでちゅよ!」

日向「そうなのか」

ウサミ「とりあえず皆さんはそれぞれのホームキャンプで今後の方針を決めてくだちゃい。頃合になったら開始のアナウンスを流しまちゅ!」

日向「……」

日向(だいぶ唐突だけど…皆で何かをやるのは楽しいかもな)

日向(とりあえず前向きに行くか)

日向「皆、とりあえずホームキャンプに向かおう」
 

あ、罪木二人になってました。ごめんなさい!

 
 
日向「ここ…ホテルの旧館だよな」


辺古山「入れないと思ったら…こんなことになっていたのか?」

七海「……この大広間で皆で雑魚寝する感じみたいだね」

澪田「なんか一気に修学旅行って感じがするっすねー!」

左右田「うおおおおできることならソニアさんと一緒に過ごしたかったぜ!」

日向「とりあえず……ウサミの言ってたトレジャーハントの話をするか?」

七海「そういえばそんな話だったね」

左右田「とりあえずお宝を探せばいいんだろ?」

辺古山「仮にお宝を手に入れたとしても他のチームから横取りされることを警戒せねばな」

澪田「うーん、お宝探すよりお宝手に入れたチームから横取りしたほうが早くないっすか?」

日向「いや、お宝を隠されてしまったら難しくなるな」

七海「先に私達がどういう方針でお宝を狙うか決めたほうが良いかも」

澪田「横取りっす!」

左右田「待ち伏せして横取りしちまおうぜ」

辺古山「いや、ここは正々堂々宝を探そう」

七海「お宝を先に見つけて画しちゃったほうが早いと思うな~」

日向「うーん…そうだな」


1 お宝を探そう
2 横取りしよう


↓1
 

 
 
日向「お宝を探すに一票だな」


左右田「え~つまんねえな」

澪田「横取りしないっすか~」

日向「お宝探しなのに横取りに躍起になるのは色々間違えてるだろ…」

七海「そうだね、皆で地道に探してお宝手に入れようよ」

辺古山「とするとどこから回るのが重要になってくるな……」

日向「そうだな──」

日向(皆で今後の対策を練った)

七海・辺古山の好感度が上がった。


ウサミ『それでは、ドッキドキトレジャーハントをはじめまちゅ!』

日向(作戦を寝ていると、備え付けのモニターからウサミの姿が映し出され、そう宣言した)

左右田「よっしゃ、はじまったみたいだぜ!」

澪田「ガンガンお宝取っちゃうっすよ~」

辺古山「腕が鳴るな」

七海「皆で頑張って優勝めざそう」

日向「ああ、頑張ろう!」
 

 
 
日向「それじゃ、予定通り分担してまずは第一の島のお宝を探そう」


辺古山「2人と3人に分けよう」

七海「2時間後にホームキャンプに集合で、情報整理や戦果報告って感じだね」

澪田「どういう風に分けるっすか?」

左右田「日向、お前がリーダーだしお前が決めてくれよ」

日向「俺がリーダーなのか?」

七海「妥当だと思うよ?」

辺古山「ああ、私も異存はないな」

澪田「創ちゃんがリーダーなら文句ないっす!」

日向「ああ、ありがとう。皆から言われたらやるしかないな」

日向「それじゃ俺と誰かの2人と残りの3人で分けよう」

七海「了解だよ」

澪田「了解っす~!」

左右田「んで、日向は誰と行くんだ?」

日向「俺は──」


1 七海
2 左右田
3 澪田
4 辺古山


↓1
 

 
 
日向「七海と行こうと思う」


七海「私かな?分かったよ」

左右田「うっし、んじゃ辺古山と澪田は俺と行くぞ」スタスタ

辺古山「私達はホテルの辺りを探そう。では二時間後に落ち合おう」スタスタ

澪田「唯吹たちがさっくりお宝見つけちゃうっすー!」スタスタ

日向「よし、じゃあ俺たちも行くか」

七海「私達は砂浜のほうだね」

日向「ああ、行こう」

 
 
日向「うーん砂浜には何も無いな……」


七海「次は牧場に行こうか」

日向「ああ」

日向「……なんかこうして過ごしてると、いつもの散歩と変わらないな」

七海「うん。凄く久しぶりな気がするね」

日向「最近はこうやって一緒に過ごすことが減ったからな……」

七海「私はもっと、日向くんと色々な所に行って、たくさん思い出を作りたいな」

日向「……ああ、そうだな。その為にも、まずはこのトレジャーハントで思い出を作ろう」

七海「うんっ」

日向(七海が嬉しそうにはにかんで、俺まで頬が緩んだ)

日向(よし、頑張っていこう!)


七海の好感度が上がった。

 

すみません、本日の投下はここまでです。少し遅くなって申し訳ないです。
序盤なので安価が少ない展開です。次回投下からは安価多目です。

TIPS
anothergameでは、ヤンデレが存在しない。



日向「ただいま」

七海「ただいまー」

澪田「お、二人とも帰ってきたっすね!」

辺古山「お疲れ様、時間通りだな」

左右田「おう、お疲れさん!」

日向「収穫はどうだ?」

辺古山「残念ながらこちらのほうは無しだ、そっちはどうだ?」

七海「私たちも残念ながら」

澪田「うーん、結構頑張って探したんっすけどね。やっぱ一筋縄じゃいかないってことっすかね?」

左右田「だろうな。ほかの連中も見かけなかったし、大方自分のホームキャンプのある島を捜索してたんだろうぜ」

日向「早いうちに見つけてアドバンテージをとっておきたかったんだけどな」

日向(戦果報告を交わしていると、突然広間のモニターの電源が入った)


ウサミ『皆さん!ただ今午後5時になりまちた。本日の各チームの状況をお知らせしまちゅ』

左右田「お、どうやらお宝をとったか確認できるみてーだぜ」

日向「ま、初日は皆無しだろうな」

ウサミ『日向クンチーム、お宝0個』

辺古山「どうやらウサミは私たちの動きをリアルタイムで追っているようだな」

ウサミ『ソニアさんチーム、お宝0個』

七海「ソニアさんたちも見つけられなかったみたいだね」

澪田「そんな簡単に見つかったら苦労しないっす……」

ウサミ『狛枝クンチーム──お宝1個』

日向「……えっ?」

ウサミ『狛枝クンチームが一歩リードでちゅ!他のチームの皆さんも頑張ってくだちゃい!』

澪田「え、えええええ!?なんで凪斗ちゃんのチームはもうお宝手に入れちゃってるんすか!?」

左右田「おいおい、マジかよ……」

辺古山「馬鹿な…!」

七海「どうやらアドバンテージをとられちゃったみたいだね」

日向(……そうか!)

日向(狛枝の才能は“幸運”だったな……狛枝、味方の時も敵の時でも厄介な奴だな……!)
 

 
 
日向「とりあえず、狛枝たちに先を越されたみたいだけど、まだまだ挽回はできるさ、焦らずに行こう」


七海「そうだね」

澪田「まずはこの島のお宝をさくっと見つけちゃうっすー!」

辺古山「その通りだな、焦っても何も解決しないだろう」

左右田「……よし」

日向「?どうかしたか?左右田」

左右田「いや、なんでもねえ!ちょっと考え事をしてただけだ」

七海「暗くなってきたし、探索は明日に回して、今日は休もっか」

辺古山「そうだな、焦って探しても意味はない。今日は落ち着いて今後の動きを考えるべきだろう」

澪田「だねー!唯吹も明日に備えて英気を養うっすー。というわけで噛ませて!」

辺古山「そこでなぜ私を噛むのだ!?」

日向「ははっ!」
 
日向(皆と団欒した)


日向(そろそろ夜になるけど、皆思い思いに過ごしてるな)

日向(俺も誰かと一緒に過ごすべきか?)

日向(一人で静かに過ごして、明日の英気を養うのもいいかもしれないな)


1 七海と過ごす
2 左右田と過ごす
3 辺古山と過ごす
4 澪田と過ごす
5 一人で過ごす

 
 
↓1

 

 
 
日向(左右田と過ごすか)


日向「おーい、左右田?」

日向(あれ?さっきまではいたよな?)

辺古山「左右田なら先ほど外に出て行ったぞ」

日向「本当か?ちょっと探してくる」

辺古山「ああ、分かった。あまり遅くならないようにな」

日向「わかってるさ」

日向(左右田の奴…何をしに行ったんだ?)

 
 
日向(うーん、見当たらないな……)


日向(第一の島はあらかた探しつくしたけど)

日向(もう帰ってるのかもしれないな、俺も帰るか……)

左右田「ん?日向じゃねーか」

日向「左右田!お前どこに行ってたんだよ」

左右田「わりいわりい、ちょっと野暮用でな。色々と仕入れてきたんだ」ガサッ

日向(左右田が掲げた袋には、何に使うのかわからない部品がたくさん詰め込まれていた)

日向「何をする気なんだ?」

左右田「まあ明日を楽しみにしてろって!俺たちの損にはならねーもんだって断言してもいいぜ?」

日向「ならいいけどな」

左右田「つーかせっかく男二人なんだし、二人でなんかするか?」

日向「何をするんだ?」

左右田「それは日向が決めてくれよ」

日向「提案しておいて俺に丸投げかよ」

日向(うーん、そうだな……)


1 ボーイズトークでもするか?
2 飯でも食っていくか?
3 さっさと帰って寝るぞ


↓1
 

 
 
日向「そうだな……飯でも食っていくか」


左右田「お、いいな。つってもホテルの飯でいつもとはかわらねーんだけどな」

日向「そういえば皆は飯はどうしてるんだろうな」

左右田「ああ、言ってなかったか。俺たちが探索してる途中でウサミに言われたんだけど、飯はウサミがホームキャンプまで届けてくれるみてーだぜ」

日向「そうなのか?…っていうかそれだと俺たちの飯も用意されてるんじゃないか?」

左右田「ま、ウサミに言っとけば大丈夫だろ」

日向「それもそうだな、それじゃあ行くか」

左右田「おうよ。ホテルで晩餐会と行こうぜ!」

日向(左右田とホテルで夕食を食べて過ごした)

日向(帰りがそれなりに遅くなったので、辺古山には怒られてしまったが…)


左右田の好感度が上がった。

 
 

 
 
日向「ん…んー……朝か」


左右田「ふわぁ…ねみぃ」

七海「zzz」

澪田「おーい千秋ちゃーん、早く起きてー」

日向(ああ、そういえば昨日の夜は皆で雑魚寝したんだったな……)

日向(女子と同じ部屋で寝るとか倫理観とかその辺り問題ないんだろうか)

左右田「あれ?辺古山は?」

日向「そういえばいないな…」

辺古山「……む、みんな起きたか。おはよう」ガチャ

日向「どこ行ってたんだ?辺古山」

辺古山「朝の鍛錬だ。ついでに軽く第一の島を見て回ってみたが…やはりお宝など見つからないな」

七海「……ねみぃ」

澪田「やーっと起きたっす」

日向「七海、おはよう」

七海「……んー、おはよう……すぴー」

左右田「なんでまた寝るんだよ!」

辺古山「さて、みんな起きたなら朝食にして、今日の行動を決めようか」

日向「そうだな」

 
 
左右田「おーっし、みんな朝食は食い終わったな?」


日向「ああ。今から作戦会議でもするつもりだけど……なにかあるのか?」

左右田「まあな、ちょっと話があるんだ」

日向「話?」

左右田「おう。昨日思いついたアイデアなんだが……これを全員受け取ってくれ」スッ

辺古山「?なんだこれは」

七海「トランシーバー…かな?」

澪田「おー!なんかすごいロックって感じがするっす!」

左右田「全員にいきわたったみてーだな!こいつは七海が言った通りトランシーバーだ。電波範囲は同じ島の中でならどこでも会話できるぜ。ただ電波が特別強いってわけじゃねーから室外での使用を前提としてある」

左右田「昨日思いついて部品をあさったんだが…ちょうど五人分あったからよ。こいつで連絡を取り合えばもっと効率良く探索が進むと思ってな」

澪田「それ凄いじゃないっすか!」

辺古山「ああ、これがあればかなり捗るな」

七海「うん、いいアイデアだと思う」

日向「やるじゃないか、左右田」

左右田「まあな!」フフーン

日向「よし、それなら今日は全員で別々の場所を探して、トランシーバーで連絡を取り合う形にしよう」

澪田「なんかすっごいドキドキしてきて心臓がのど元までせりあがってるんだけど大丈夫かな?」

左右田「もう少しましな表現はなかったのかよ!」

 

 
 
日向「さて、みんなは行ったか」


日向「俺も行くとするかな」

日向(俺の担当は牧場だ)

日向(昨日七海と探したし、あそこに何かあるとは思わないけど……もう一度探してみよう)

 
 
日向「……のどかだな」


日向(改めて探すまでもない)

日向(眠そうに欠伸をしている牛がいるだけだ)

日向「……一応みんなに連絡しておく──」

日向「…………なんだ?」

日向(ちらりと視界の端に何かが移った)

日向(ピンク色の艶やかな髪が、ちらりと写った気がした)

日向(誰か…いたのか?)

日向(あっちはホテルの方か……確か澪田が探索していたはずだよな?)


1 人影を追いかける
2 やめておく

 
 
↓1

 

 
 
日向(とりあえず追いかけよう……!)


日向(あの髪の色……もしかしたら、彼女かもしれないしな)


日向「……あっ」

江ノ島「……」スタスタ

日向「おい、江ノ島!」

江ノ島「!……あ、誘拐犯クン」

日向「誰が誘拐犯だよ!……いたんだな」

江ノ島「そりゃ当たり前でしょ?この島から出られないんだから」

日向「まあそうだけどさ……なんとなくあの時から会えないと思ってたからな」

江ノ島「なに、日向クン、私のこと好きなの?」

日向「ち、違う!そういうのじゃなくて、なんていうかあの時の出会いは幻だったのかもな、とか思っただけだ」

江ノ島「私は普通の人間だよ。……多分」

日向「そうか…なんで多分?」

江ノ島「それよかなんか用?」

日向「いや、姿を見かけたから追いかけてきただけだけど」

江ノ島「……やっぱ日向クン私のこと好きなの?」

日向「だから違うって」

江ノ島「ま、いっか。また会ったね、それじゃ」

日向「ちょっと待て。……前は聞きそびれたけど、どうしてお前と会ったことを秘密にしないといけないんだ?」

江ノ島「……やー、よく分からないけどさ、多分そうしたほうがいいんだと思う」

日向「多分が多いなお前……」

江ノ島「だって私記憶喪失だし」

日向「そうか、記憶喪失ならしょうが……ってなんだって!?」

江ノ島「だーかーらー、記憶喪失なんだって。知識はあるけど思い出がないっつーの?思い出そうとするとモヤがかかってよく分かんないんだよね」

日向「だったらなおさらウサミに助けを求めたほうが……」

江ノ島「それは遠慮しておく。私の第六感的な何かがまずいって告げてるから」

日向「でもな──」

江ノ島「とにかく、私は一人で何とかするから。じゃあね」スタスタ

日向「あ、待ってくれよ!」ガシッ

日向「──ぐぅ!?」ビクンッ
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
江ノ島「──」


??「──」

日向(なんだ……頭の中に……何かが……)

江ノ島「──」

??「──」

日向(誰かと江ノ島が……話してる……?)
 
江ノ島「へぇ、何それすっごく面白そうじゃん」

??「──」

江ノ島「ふぅん、ま、いいよ。私様が手伝って差し上げましょう」

??「──」

江ノ島「それにしても、私なんかに救いを求めるなんてねー。うぷぷ…やっぱり惹かれあっちゃうのかな?」

??「──」

江ノ島「それじゃあたぁ~っぷりと、私様の力を教えてあげましょう」

日向(なんだ、何を話してるんだ……?)

日向(ぐっ…頭が割れそうだ……なんだ、なんだこれ……)

日向(だめだ……何を言ってるのかもわからない……)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
日向「……はぁ、はぁ…」


江ノ島「ちょっと、人の手掴んで興奮しないでくんない?」

日向「いや、そういうつもりじゃ……お前は何ともないのか?」

江ノ島「はあ?」

日向「いや、何もないなら、いいんだ……」

江ノ島「じゃ、私行くから」ヒラヒラ

日向「……ああ」

日向(さっきのは……なんだったんだ……)


澪田「あれ?創ちゃん?」

日向「澪田か……」

澪田「こんなところでなにしてるっすか?確か牧場担当じゃなかった?」

日向「……収穫もなかったからな。ホテルの捜索を一人でやるのも大変だろうし、手伝おうかと思ったんだ」

澪田「なるほど!正直唯吹一人だけじゃ大変だったんで助かったっす!」

日向「そうか、ならよかった。俺はどこを探せばいいんだ?」

澪田「それじゃあコテージのほうをお願いするっすー!どうやら個人の部屋には入れないようにロックがされてるみたいなんで考えなくていいってペコちゃんが言ってた気がする!」

日向「気がするだけか…」

日向(とりあえず、探すだけ探してみるか)


 
 
日向「……やっぱり何にもないな」


日向「個人の部屋にはさっきも確かめたとおり入れないしな」

日向「でも……これだけ探して見つからないとなると……もしかしてもうお宝はすでに取られているのか?」

日向(……でも、昨日あれだけ探し手も見つからなかったものを他の奴らがあっさり手に入れられるのか?)

日向「何か……何か見落としてる気がするな」

日向(牧場、マーケット、ホテル、空港、砂浜……)

日向(全部、探したよな?)

日向「……全部?」

日向「そ、そうか…そういうことだったのか!」

日向「よし、早く連絡しないとな」ガサゴソ

日向「よし、あーあーこちら日向」

左右田『どうした日向、収穫はあったのか?』

辺古山『こっちは空振りだ…どこにあるのやら』

七海『奪われちゃったのかな』

澪田『な、なんですとー!?』

日向「いや、大丈夫だ。多分俺の推理通りなら、お宝はまだあるはず」

日向「皆、施設から直ぐに出て、“施設間を結ぶ道路”を探してくれ!」

七海『……そっか、そういうことなんだね。分かったよ』

左右田『ん?どういうことだよ?』

日向「俺たちは第一の島を探す、ということをいつのまにか“第一の島の施設を探す”と勘違いしてたんだ」

日向「だけどウサミが言ってたのは、“各島の中に1つ、お宝がある”ってだけだ」

日向「つまり、施設だけじゃない。道路だって立派な島の一部だ!」

辺古山『なるほど…!これは盲点だったな』

澪田『目から鱗がポロリっす!』

左右田『なるほどな…!よっし、んじゃあ手分けして道路を探すぞ!』

日向「ああ、俺もすぐに探す!」

 
 
日向(それから数十分もしないうちに、俺達は“第一の宝”を見つけることができた)

 
 

投下終了です。途中ブレーカーが落ちてしまい投下が遅れたのは申し訳ないです。
次回、序盤から中盤まで書き切りたいと思っています。

TIPS
anothergameでは選択肢によって過去の周回の真相やトゥルーエンドに至るためのヒントを手に入れることができる。



左右田「なあなあ!早く宝の中身開けてみようぜ!」

七海「何が入ってるのかな?」

澪田「きっと金銀財宝っすー!!ロマンが詰まってるんだね」

辺古山「……お宝は奪われる可能性もあるし、そこまでたいしたものではないと思うが」

日向「とりあえず開けてみよう」

日向(道路に隠すように埋められていた宝箱をホームキャンプまで持ち帰った後、俺たちはその宝箱を囲うように座っていた)

日向(みんなの視線が集まる中、ゆっくりと宝箱を開けていく……)

日向(そこにあったのは……)

日向「…………なんだこれ」

左右田「えーっと、メダルか?」

澪田「なんかものっそいチープな造りっすね」

七海「あ、ウサミの絵が描いてあるね」

辺古山「これを……集めろというのか……」

左右田「いらねーよ!集める気むしろ失せるだろ!?なんでこんなものにしたんだよ!?」

日向「こ、これはがっかり感がやばいな……実際の宝である必要は無いけど、もう少し探す気になるものにできなかったのか」

七海「うん、よく見るとちょっと可愛いよ」

澪田「そうっすか!?」

日向「ま、まあとにかく……これからはこれを集めればいいんだ。出遅れたけどまだまだ挽回できる、頑張っていこう」

辺古山「そうだな。まだ巻き返せる。こうなったら優勝して豪華景品とやらを必ず手に入れるぞ」

左右田「くっそー…これは景品は豪華じゃねーと割りにあわねえ…やるぞ!」

澪田「それはもう脳汁飛び出ちゃうような素敵なご褒美だと願うっす!」

七海「なんとか皆のやる気が戻ってよかったね」

日向「ああ、そうだな…まあ、ちょっと方向性が変わった気もするけど」

日向(そうして改めて士気を上げていると、突然広間のモニターの電源が入った)


ウサミ『皆さん!ただ今午後5時になりまちた。本日の各チームの状況をお知らせしまちゅ』

左右田「お、例のやつか」

ウサミ『日向クンチーム、お宝1個。おめでとうございまちゅ!』

辺古山「ふっ…」

ウサミ『ソニアさんチーム、お宝1個』

七海「むむむ、ソニアさんたちも手に入れたみたいだね」

澪田「くうう…結局横ならびっすか!?唯吹頑張ったのに…」

ウサミ『狛枝クンチーム、お宝2個』

日向「な、なんだと!?」

ウサミ『狛枝クンチームが依然リードでちゅ!他のチームの皆さんも頑張ってくだちゃい!』

左右田「ど、どうなってやがんだよ…俺らは1つでさえこんなに大変だったっつーのに」

日向「狛枝チームは手ごわいな……このまま後一個狛枝チームにお宝を取られたら奪わなくちゃ勝てないぞ……」

 
 
左右田「残りのお宝は2個…優勝するならその全部を俺たちが先に見つけて手に入れなくちゃなんねー」


澪田「現実的に考えてちょっと難しくないっすね……」

辺古山「ああ、どうにもこの企画、お宝が全て見つかった後の奪い合いがメインのようだな」

七海「狛枝くんチームがあっさりお宝を見つけている辺り、多分お宝を見つけるよりもその後どうするか、が肝になってるみたいだね」

日向「だとすると、明日次第ではどうやってお宝を奪うかについても考えなくちゃいけないんだな」

辺古山「アドバンテージをとるにはやはり明日のお宝を見つけておくに越したことは無い、そのあたりもどうするか、各自考えておいたほうが良いだろうな」

左右田「ああ、俺たちには無線機っつー武器があるけど、ゲーム的にはリードを許しちまってるからな」

澪田「なんとかしてここで一気に攻めたいところだね」

七海「うん、明日の朝、皆で意見を持ち寄って方針を決めようか」

日向「そうだな、とりあえず今日は各自で休むことにしよう。暗くなったら効率も落ちるしな」

左右田「おう」


日向(そろそろ夜になるけど、皆思い思いに過ごしてるな)

日向(俺も誰かと一緒に過ごすべきか?)

日向(一人で静かに過ごして、明日の英気を養うのもいいかもしれないな)


1 七海と過ごす
2 左右田と過ごす
3 辺古山と過ごす
4 澪田と過ごす
5 一人で過ごす

 
 
↓1

 
 

 
 
日向「左右田と過ごすか」


日向「おーい左右田ー」

左右田「ん?どうかしたか?」

日向「一緒に過ごそうと思ってさ」

左右田「おう、いいぜ。んでなにすんだ?」

日向「特に決めてないけど…左右田は何かあるのか?」

左右田「ねーよ!」

日向「無いのかよ」

左右田「つーかよ、日向……ちょっとオメーに聞きたいことがあんだけどよ」

日向「なんだ?」

左右田「あ、あれだ…日向はさあ…その、ソニアさんと仲良いだろ?」

日向「特に親しいって訳でもないけどな」

左右田「……」

日向「お、おい…いきなり睨むなよ」

左右田「あーやってらんねー!なんで俺の扱いはあんなに酷いのにオメーや田中のヤツは好かれてんだ!?」

日向「いや、普段の行いだろ」

左右田「そ、そんなおかしなことは言ってねーよな?」

日向「本気で言ってるのか……左右田……」

日向(左右田と談笑して過ごした)


左右田の好感度が上がった。
 

 
 
日向「少し時間が余ったな……夜風でも浴びてくるか」


日向(そう結論付けると、俺は薄暗い夜の世界へと飛び出した)


日向(あても無くぶらぶらと歩いていると、いつもの砂浜が目に入る)

日向(砂浜で少し波の音でも聞こう……)

日向「……ん?」

日向(そこにはどうやら先客がいたようで、夜風に髪が靡いている)

日向「とりあえず声をかけるか…」

日向(そう言って俺は人影に近づく)

日向(そこにいたのは──)

 
 
1 罪木だった

2 ソニアだった
3 七海だった
4 西園寺だった
5 澪田だった
6 小泉だった
7 狛枝だった
8 江ノ島だった

 
 
↓2

 

 
 
日向(──西園寺だった)


日向「よう、西園寺」

西園寺「!……って日向おにぃか」ホッ

日向「なんでそんなほっとしてるんだ」

西園寺「ここ一応日向おにぃのチームの領地だからさ、見つかったら面倒じゃん。おにぃなら別に怖くないし」

日向「それは褒めてるのか貶してるのか微妙なラインだな…」

西園寺「おにぃは何しに来たの?」

日向「ちょっと夜風にな。宝探しは順調か?」

西園寺「そこそこかなー。豚ちゃんが頑張ってくれてるからそこそこ楽してるよ」

日向「お前もちょっとはがんばれよ…」

西園寺「お宝見つけるまではそこそこ楽しかったけどウサミのメダルだからやる気なくしちゃった」

日向「気持ちはわかるけどな」

西園寺「……」

日向「どうかしたのか?」

西園寺「最近夢見が悪いんだよね。だからちょっと寝るのが嫌でさ」

日向「そうなのか?いやな夢でも見てるのか?」

西園寺「……私が殺される夢」

日向「……え?」

西園寺「変な薬を大量に注射されて殺されたり、ナイフで思いっきり刺されたり、爆発に巻き込まれたり……」

日向「……」

西園寺「……」

日向「大丈夫か?」

西園寺「大丈夫なわけないじゃん。でもこんなこと言ったって誰もまともに取り合ってくれないだろうし…本当に最悪」

日向「だよな……」

西園寺「……おにぃは、笑わないんだね」

日向「え?」

西園寺「なんでもない。んじゃそろそろ帰るね」

日向「?ああ…気を付けてな」

西園寺「おにぃはさ、もし私が殺されそうになったら……助けてくれる?」

日向「当たり前だ」

西園寺「そっか……ま、今の話、全部ウソだけどね」

日向「……はああ!?」

西園寺「プークスクス!おにぃってば真面目な顔で気を付けてな、とか言っちゃってさ…ぷふー!」

日向「お前なあ……本気で心配したんだから、そういう冗談はやめろよ」

西園寺「騙されるおにぃが悪いんだよーっだ…………ありがと」

日向(いたずらな笑みを浮かべながら、砂浜を駆けていく西園寺を見送った)

日向(一瞬嬉しそうに笑ったように見えたのは……なんだったんだろうな)

日向(夜の海を眺めて過ごした…)
 

 
 
日向「……」


日向「…………」


日向「…………………よし」

日向「そろそろ行くか」

 
 
 

 
 
澪田「おはよーっす!」


日向「……ああ、おはよ…ぐ…ねむい…」

澪田「創ちゃん今日は一段と眠そうっすね」

日向「いや、なんか寝つきが悪くてさ……ふわああ」

澪田「もう、リーダーなんだからシャッキリするっすよ!朝ごはんモリモリ食べてオーバーヒートっす!」

日向「オーバーヒートはしたくないぞ…」


日向「よし、今日の作戦だけど、まずは第四の島、第五の島でチームを分けようと思う」

辺古山「む?なんでそこなのだ?」

日向「恐らく第一、第二、第三のお宝はそれぞれの島がホームのチームたちの手元にあるはずだ」

日向「そして狛枝たちは2つ目のお宝を持ってる。中央の島はほかの島に渡るために否が応でも通る、この島のお宝を狙わない手はないだろ」

左右田「なるほどな。狛枝達は第二の島と中央の島の宝を持ってるって読みか」

日向「ああ、そして今回、俺たちがアドバンテージを得るには残りのお宝を先に手に入れなくちゃいけない」

日向「だから非効率は承知の上で、2チームに分けようと思う」

七海「うん、日向くんの考えはわかったよ。それで、どういう組み分けにするの?」

日向「第五の島には俺と…」

 
 
1 七海

2 左右田
3 辺古山
4 澪田

 
 
↓1

 

 
 
日向「左右田、お前が来てくれ。残りの皆は第四の島を頼めるか?」


七海「了解だよ」

辺古山「ああ、分かった」

澪田「任せろー!」バリバリ

左右田「なんでテープの財布持ってんだよ!」


日向「さて、と。それじゃあ第五の島に向かうか」

左右田「おう!」

日向「……」

左右田「どうかしたのか?」

日向「いや、きっと豚神たちも同じことを考えてるんだろうなって思ってさ」

左右田「まあ、そうかもしんねーな」

日向「俺たちがそう考えてることを読み切った狛枝が…ってことはないよな?」

左右田「……さ、さすがにないんじゃねえか?」

日向「…だよな」

左右田「ま、何かあったら遠慮なく俺を頼ってくれよな!俺にできることなら何でもするからよ」

日向「ああ、助かる!」


左右田の好感度が上がった。
左右田から友情を感じる。

 
 

 
 
日向「んー見つからないな」スタスタ


左右田「だなー…もしかしてもう取られたのか?」スタスタ

日向「どうだろうな…」

豚神「……む」

日向「あ」

左右田「お」

豚神「どうやらお前達もこの島を探しに来たようだな」

日向「みたいだな…って事は第四の島にも向かわせてるのか」

豚神「ああ。俺以外は全員第四の島に向かわせている」

日向「……一人で見つけられるのか?」

豚神「俺を誰だと思っている。必ず見つけ出すさ…十神の名にかけてな」

日向「先に見つけるのは俺たちのほうだ」

左右田「その通りだぜ!」

豚神「ふん、せいぜい探し回ればいい」スタスタ

日向「ま、これくらい、豚神なら考え付くよな」

左右田「こうしちゃいられねえ!さっさと見つけて十神のヤローをぎゃふんと言わせてやるぞ」

日向「ああ、そうだな!」

左右田「俺はこっち側を探すから、日向はそっち側を探してくれ」

日向「ああ、分かった。見つけたら無線機で連絡する」

左右田「了解!」


日向「……さてと、この島は物騒なものばっかりだからあまり調べたくないんだよな…」

日向「一通り調べたけど見つからない以上、前の時のように考え方を変えないとな」

日向「思いつかないな……」

日向「しょうがない、気晴らしに辺りを散歩でもしてみるか?」

日向「いや、もう一度探すべきか…うーん」

 
 
1 散歩する

2 もう一度探してみる


↓1
 

 
 
日向「……散歩でもするか、多分、普通に探しても見つからないだろうしな」


日向「それにしても……」

日向「ウサミグッズ製造工場とかもいろんな意味で不気味だけど…なんでこんなところに軍の施設があるんだろうな」

日向「ウサミ曰く社会勉強の一種って言ってたけど…こんな危ないものを放置しておいて大丈夫なのか…?」

狛枝「大丈夫なんじゃない?ここに置いてあるものは全部ハリボテだし」

日向「!?」

狛枝「や、日向クン」

日向「狛枝!?どうしてここに…」

狛枝「日向クンチームのお宝探しは順調かなって思ってさ」

日向「お前に言われると皮肉にしか聞こえないな」

狛枝「そんなつもりはないって。2つのメダルを見つけられたのも皆のおかげだよ。ボクは大したことなんてしてないさ」

日向「どうだろうな…」

狛枝「ま、そんなことよりさ、この島のお宝は見つかったの?」

日向「……さあな」

狛枝「別に隠さなくてもいいんじゃない?見つかってないんでしょ?」

日向「もうお前が見つけた…とかいうオチか?」

狛枝「まさか。ボク如きじゃ到底見つけられっこないよ…見当もつかないね」

日向「そうなのか」

狛枝「他のお宝にはわかりやすい“ヒント”があったんだけど…この島にはなぜかないからね」

日向「ヒントなんてあったんだな」

狛枝「ああ、勿論ヒントのことは話さないよ?敵に塩を送るほど親切でもないからね」

日向「そうか……まあ、自分で考えるさ」

狛枝「……」

日向「なんだよ?」

狛枝「なんでもないよ……ちょっと、考え事をね」

日向「?」

狛枝「それじゃあね、日向クン。誰のチームが勝つのか……楽しみだね」

日向「……ああ」
 

投下終了です。次回中盤戦。
明日、というより今日の夜にまた来ます。こまるはいい感じにむっちりしてて大変よろしいですね。

TIPS
anothergameではハッピーエンド・バッドエンド・ヤンデレエンドは存在しない。
チームメンバーエンド、江ノ島エンドのみが存在する。



日向「さて、と。どうするかな」

日向(狛枝がいなくなり、俺は顎に手を当てながら思案する)

日向(“仕掛け”はしてある。ただしその仕掛けが本領を発揮するのは俺たちが2つ目の宝を…出来れば3つの宝を手にすることが前提だ)

日向「七海達のほうは…まあ、大丈夫だと信じるしかないな」

日向(だとすれば俺がやるべきことこの島の宝を手に入れること……なんだけどな)

日向「まあ、何とかなるはずだ」

日向(探すことに夢中になっていてもしょうがない、何かを考えながら探すくらいじゃないと前回の二の舞になる気がする)

日向(考え事──そう思って俺の脳内に浮かんできたのは)

 
 
1 左右田

2 七海
3 澪田
4 辺古山
5 江ノ島


↓1



日向「……」

日向(江ノ島盾子……)

日向(不思議な出会いをした、記憶喪失の少女)

日向(なぜかふとした時に彼女のことを考えてしまう)

日向「……」

日向(なんでかは分からない……恋、とはなんとなく違うような気がする)

日向(……江ノ島は今、どうしてるんだろうか)

日向(それにあの記憶──)

日向「江ノ島……」

江ノ島「ん?呼んだ?」

日向「う、うおわッ!?」

江ノ島「ぷぷ、いい反応だねぇ」

日向「え、江ノ島!?なんでこんなところにいるんだよ?」

江ノ島「んー?まあこの辺に私の寝床があるっつーか、まあなんでもいいじゃん」

日向「まあ、元気にしてるならよかった」

江ノ島「そんなに心配してたわけ?」

日向「え、いやそれは……」

江ノ島「ほらほらー言っちゃいなよユー☆愛しの盾子ちゃんが心配で心配でしょうがなかったってさ☆」

日向「う、だ、だからそういうのじゃ…!」

江ノ島「うぷぷー素直じゃないなー。ほら、オフレコだからこっそり言ってごらん?」

日向「……」


1 愛しの盾子ちゃんが心配で心配でしょうがなかった
2 何も言わない
3 心配した


↓1
 

 
 
日向「……」


江ノ島「……や、その反応ちょっとマジっぽいけど」

日向「う、うるさい。お前がからかうなら俺は徹底的に無視するぞ!」

江ノ島「だからそういう反応されるとマジっぽいって」

日向「……」

江ノ島「なんで私なんか心配するのかさっぱりわかんないわ」

日向「俺だってよく分からないさ、ただ……放っておけないんだ」

江ノ島「あ、私に一目ぼれってヤツ?やだーもう、日向クンのえっち☆」

日向「いや、恋愛感情っていうか……よくわからない」

江ノ島「だからマジに反応すんなっつーの…」

日向「……」

江ノ島「前も言ったけどさ、私は記憶喪失だし、出会った事を秘密にしろとか色々無茶言ってるし、自分でもすげー意味わからねー女だと思う」

日向「ああ、そうだな」

江ノ島「つーか私が日向クンの立場だとこいつうぜぇ!死ね!以外の感情浮かばないレベルだって。だからさ、日向クンが私を気にかける必要性はこれっぽっちもないし、私も別に求めてない」

日向「……」

日向(俺は──どうしたいんだろうか)

日向(江ノ島は明確に、俺を必要としてないと伝えた)

日向(それに、言ってる事だって間違えてない。だから俺は、江ノ島との関わりを絶つべきなんだろうか?)

 
 
1 それでも俺は江ノ島との関係を終わらせたくない。

2 そうして俺は江ノ島との関係を終わらせた。

 
 
↓1

 

 
 
日向「それでも俺は、お前との関係を終わらせたくない。お前を放っておけないんだ」


江ノ島「え?なにそれ口説いてんの?」

日向「少しはまじめに聞けよ……。なあ、江ノ島。お前記憶喪失なんだろ?記憶を取り戻したいって思うか?」

江ノ島「そりゃまあ記憶は取り戻したいっしょ。ただ知識だけが頭の中に入ってるって状況は思ったより不快だし」

日向「なら、俺が記憶を取り戻す手伝いをする」

江ノ島「……はあ?」

日向「一人で探すより二人で探したほうが効率がいいだろ?」

江ノ島「コンタクトレンズ探すとかそういう話じゃないんだけど」

日向「でも、一人で考えたって限界があるだろ?二人で考えれば何か方法が見つかるかもしれない」

江ノ島「……あー、なんていうか、うん、ウザい」

日向「なんでだよ!?」

江ノ島「なんていうか全身がぞわっとするっていうか日向クンを今すぐ蟻みたいにぶちぶち潰したい衝動に駆られました」

日向「こ、怖いこと言うなよ……」

江ノ島「……ま、いいや。利用できるもんは利用するってね。じゃあ日向クン、手伝ってね?」

日向「ああ、最大限の努力はするさ」

江ノ島「ん。いつも夜はジャバウォック公園にいるからさ。暇なときに声かけて」

日向「──改めて、よろしくな。江ノ島」

日向(そう言って、俺は江ノ島へと手を差し伸べる)

江ノ島「……」

日向(江ノ島は俺の手のひらを見やり、少しだけ考えるような仕草をした後、そっと俺の手に自分の手を重ねた)

江ノ島「……よろしく、日向クン」

日向(江ノ島の手は、少し冷たくて……だけど不思議と俺の心は、ほんのりとした温かさに包まれていた)


江ノ島の好感度が大きく上がった。
江ノ島から好意を感じるような気がする。
 

 
 
日向(江ノ島と別れた後、島を捜索したが、宝は見つからなかった)


日向(しかし──)

  
 
澪田「じゃっじゃーん!これぞまさにっ!お宝っすー!」


日向「おお!やったな!」

辺古山「途中、ソニア達や終里たちとも会った。どうやら日向の読みどおりだったみたいだな」

七海「先に手に入れられてよかったよ」

左右田「おおおお!流石だぜ!……ま、俺らは見つけられなかったんだけどな」

澪田「唯吹達も危なかったっすよ?千秋ちゃんがお宝のヒントってヤツを見つけて解いたから先にゲットできたんだ」

辺古山「ああ、七海がいなければ先を越されていただろうな」

七海「ううん、二人が協力してくれなかったら分からなかったよ。これは私達皆が頑張ったから手に入れられたんだよ」

左右田「……なんか俺ら、蚊帳の外だな」

日向「手に入れられなかったからしょうがないさ…とりあえず中間成績を待とう」


ウサミ『皆さん!ただ今午後5時になりまちた。本日の各チームの状況をお知らせしまちゅ』

左右田「お、きたぜ」

ウサミ『日向クンチーム、お宝2個。おめでとうございまちゅ!』

辺古山「とりあえずは安心だな」

ウサミ『ソニアさんチーム、お宝1個』

七海「ソニアさんチームは手に入れられなかったみたいだね」

澪田「後は凪斗ちゃんのチームっす……」

ウサミ『狛枝クンチーム、お宝2個』

日向「……どうやら、最後のお宝は狛枝たちも手に入れてないみたいだな」

ウサミ『狛枝クン・日向クンチームがリードでちゅ!ソニアさんチームの皆さんも頑張ってくだちゃい!』

辺古山「よし、これでなんとか勝ちの目が見えてきたな」

澪田「明日最後のお宝を華麗にゲットして勝利をかざるっすー!」

七海「明日は皆同じ場所を探すだろうから、争奪戦になるね…気を引き締めていこう」



 
日向「明日が本番だ、明日の争奪戦を勝てば一気に有利になる」

左右田「お宝が取り尽くされたら奪い合いだしな。数のアドバンテージは強いぜ」

澪田「明日が正念場っすー!気合入れていくっすよー!」

辺古山「そのためにも、今日はしっかりと休むべきだな」

七海「うん、そうだね。ゆっくりと休んで、明日に備えよう」


日向(そろそろ夜になるけど、皆思い思いに過ごしてるな)

日向(俺も誰かと一緒に過ごすべきか?)

日向(江ノ島は確か…ジャバウォック公園にいるんだよな。そっちも気にかけておくか…)


1 七海と過ごす
2 左右田と過ごす
3 辺古山と過ごす
4 澪田と過ごす
5 江ノ島と過ごす

 
 
↓1

 
 

 
 
日向「江ノ島のところに行こう」


七海「何処かに行くの?」

日向「ああ、ちょっと散歩してくる」

七海「あんまり遅くなっちゃダメだよ?」

日向「分かってるさ」

 
 
日向「おーい、江ノ島ー!」


江ノ島「マジで来たよ…」

日向「なんでちょっと嫌そうなんだよお前」

江ノ島「いや、ああいうのって普通社交辞令なんだよね」

日向「じゃあなんで律儀にお前は待ってるんだよ…」

江ノ島「……」

日向「ん?どうかしたか?」

江ノ島「別にー」

日向(微妙に不機嫌そうなんだけどな…)

日向「記憶の件だけど、手掛かりはあるのか?」

江ノ島「無しッ!これが絶望的状況ってヤツよ!」

日向「そんなかっこよく言われてもな……じゃあなんていうか、手掛かりになるようなものとかはないか?持ってたものとか」

江ノ島「……んーパンツ?」

日向「それが真っ先に出てくるのか…」

江ノ島「ほかに浮かばないし……んー、でもまあ、この島がなんか関係ある、とは思うんだけどね」

日向「どうしてそう言い切れるんだ?」

江ノ島「私がここにいたから。目的とか無きゃこんな誰もいないような島に来ないでしょ」

日向「まあそうだろうな……。だったら、とりあえず島を歩き回ってみるか?」

江ノ島「ま、それは前からしてるんだけどなぁ!」

日向「じゃあなんで言ったんだよ!?」

江ノ島「日向クンと回れば何か違うことに気がつくんじゃない?」

日向「それもそうだな…じゃあ回ってみるか」

江ノ島「んじゃ、明日ね」

日向「今日回らないのか?」

江ノ島「焦る必要も無いしね」

日向「それもそうだな」

江ノ島「というわけでとても私は退屈なので何か日向クンは私に提案なさい」

日向「唐突すぎるだろ…」

江ノ島「だってだってだってー暇なんだもーん☆」

日向「はぁ…ったく……」

日向(江ノ島に振り回されて過ごした…)

 
 
江ノ島の好感度が上がった。



 
 
日向「さて、そろそろ寝るか…」


日向(皆はすっかりと眠りに落ちている…)

日向(布団に潜り込むと、目を閉じる)

日向(思ったよりとあっさり眠気は襲ってきて……)

日向「…………zzz」

 
 
 
 
日向「どこだ?ここ…」


日向(気がつくと、真っ白な空間にいた)

日向(目の前には、三つの扉)

日向「よく分からないけど……扉に入ってみるか」

 
 
1 “1の世界”と書かれた扉

2 “2の世界”と書かれた扉
3 “3の世界”とかかれた扉

 
 
↓2

 

数字は周回を表している?

 
 
日向「3の世界…ってところにいってみるか」


日向(扉を開けようとすると、まばゆい光に包まれた)

日向「──ッ」

 
 
 
 
 
七海「……ふぅ」


七海(なんだか最近、日向くんと一緒にいる時間が短い気がするなあ)

七海(少し前まではいつも一緒だったのに、どうしてだろう…)

七海「む…むむ?」

七海(突然、頭が痺れるような痛みを訴える)

七海(おかしいなあ…そんな風には出来てないんだけど、どういうことなんだろう?)

七海(首を傾げながら、痛む額を抑える)

七海「──っ」

七海(すると、頭の奥で、誰かの声が聞こえた気がした)

 
 
 
 
 
日向「……七海、大丈夫か?」


七海「……うん」

日向「ごめんな、待たせて」

七海「ううん、きっと……きっと日向くんなら、助けてくれるって信じてたから」

日向「……結局、いろんな人に助けられたけどな」

七海「それでも……私を見つけてくれたのは、日向くんだよ」

日向「──ああ、何よりも大事な七海を、見つけて、救えて……本当に、良かった」

 
 
 
 
 
七海「……今のって」


七海(どういうことなんだろう、こんな記憶…あるはずがないのに)

七海(どうしてこんな映像が…私の願望ってことなのかな)

江ノ島「やっほー千秋ちゃん!」

七海「!?…どうして貴方がここにいるの?貴方はウサミが退治した筈だよ」

江ノ島「べっつにそんなことはどうでもいいじゃーん!」

七海「ウサミを呼ぶよ?」

江ノ島「うぷぷ…お好きにどうぞって感じなんだよなー!っつーかもうおせーしなァ!」

七海「どういうこと?」

江ノ島「今回のイケニエはあの連中の中の唯一の希望ともいえる七海千秋ちゃんなのです!なので可及的速やかに貴方には絶望の種を受け入れてもらいます」

七海「何を言ってるのか…分からないよ」

江ノ島「後数分もしたら何もかもどうでも良くなるから、“そういうシナリオ”になってんの」

七海「意味が──ッ!?」
 

あっ…すみません、>>740が質問安価だったので↑とりました。
それと、質問返答ですがその通りです。この選択肢はまた出てくるので気にしなくても大丈夫です

 
 
七海(な、なんだろう…これ…頭の中に……エラーが…たくさん……)


七海(身体の中がどす黒い何かに犯されているみたいで……気持ち悪い……)

七海「う、ぁ、ぐ……」

江ノ島「地べたに這いずってあえぐ姿はとても下半身に来ますね、男性的に」

七海「どうして、こんなことを…する、の…」

江ノ島「私に聞かれても困ります、そういう存在ですので。巷では小物臭さが抜ききれてない、いい加減なんでもかんでも江ノ島に結びつけるな、はいはい江ノ島江ノ島等とぞんざいに扱われていますが、全く持ってその通りです。私はそういう風に作られた存在でそういう風にしか生きることの出来ない、ある意味貴方以下の存在です」

江ノ島「ま、なんといわれよーと私様が楽しければ万事オッケーなんだけどなァ!」

江ノ島「それに今回の私はわりと慈善事業しちゃってるんだよー?だってだってー、確かに私なりに脚色したり遊び心はあるけどぉ、別に私が望んでやったわけじゃないんだよー?」

七海「ど、どういう…こと……?」

江ノ島「うぷぷ……それは流石に教えられないなあ。でもヒントとしてはーこの状況を望んだ“誰かさん”がいるってことなんだよねー!ってあ、言っちまったぜ!今のはオフレコで頼むな?おっけーい?」

七海「…………」

江ノ島「──病みの世界にようこそー☆貴方の愛しの日向クンをー、たーっぷり、たーっぷり愛してあげて☆」

七海(そして……)

七海(私は……)

 
 
 
 
 
七海(私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は)


 
 
 
 

 
 
日向「……」


日向「……朝か」

日向「なんか、夢を見ていたような気がするんだけど……覚えてないな」

日向「大事な夢だった気がするんだが……思い出せないか」

日向(少し早いけど、顔を洗って目を覚まそう)

日向(夢のことは、後で思い出すかもしれないしな)

日向(そう結論付けると、俺は顔を洗いに行くことにした)
 

投下終了です。中盤戦です。
中盤戦は過去の周回の謎がメインになります。

TIPS
無し。



日向「よし、それじゃあ今日の作戦を発表するぞ」

左右田「おうよ!」

日向「俺たちには他のチームには無い利点がある。言うまでもなく、左右田が作った無線機だ」

辺古山「確かにこれがあれば、他のチームよりも連携は取れるだろう」

日向「ああ、そこで二つの役割分担をしたい。監視組と探索組だ」

澪田「探索組のほうはお宝を見つけるってことっすよね?じゃあ監視組って…?」

日向「簡単に言えば、他のチームの動きを監視する役割だ。他のチームの動きを見つつ、皆に状況を報告する役割だな」

七海「……そっか、皆同じ島を探してるんだから、他のチームの動きも知れるのならかなり有利だね」

日向「ああ、昨日あれだけ探したのに何も見つからないのなら、俺たち五人の力だけじゃ難しい。そこで他のチームの力も借りようってことだ」

辺古山「なるほどな…あまり綺麗な戦略ではないが、勝つためには止む無し…か」

左右田「いいアイデアだと思うぜ。んで、分担はどうするんだ?」

日向「探索組が3人、監視組が2人だ。監視組はそれぞれ狛枝・ソニアチームの動きを見ていて欲しい」

澪田「んじゃー唯吹は探索役をやりたいっす!動いてる方が唯吹の性にあってるしね!」

七海「私も探索組かな。監視組は疲れちゃいそうだし」

左右田「俺は監視組だな。そっちのほうなら色々と俺の才能が役に立つだろうしよ」

辺古山「ふむ……私はどちらでも良いな。日向が先に決めてくれ」

日向「そうだな……俺は……」


1 探索組
2 監視組

 
 
↓1

 

 
 
日向「そうだな、俺は探索組をやるよ」


辺古山「分かった。では私は監視組を担当しよう」

左右田「んじゃ、辺古山はソニアさんたちのチームを監視してくれ」

辺古山「む?左右田のがソニアのチームでなくて良いのか?」

左右田「そうしてーのはやまやまだけどよ、狛枝のチームがこえーからな…俺にも色々考えはあるし、やべー方は俺がやるぜ」

辺古山「そうか…ならお前に任せよう。しっかりと頼むぞ」

左右田「オメーもな!」

日向「分担は決まったみたいだな、じゃあ左右田と辺古山は早速監視に移ってくれ。俺たちもすぐに向かう」

左右田「おうよ」

辺古山「ああ、先に行っているぞ」

澪田「それじゃ唯吹達も役割分担するっすか?」

日向「一応無線機があるし、各自で適当に見て回ればいいと思うけどな」

七海「うーん、昨日日向くんは結構頑張って探してたんだよね?」

日向「ああ、それなりに探したつもりだったぞ」

七海「だとすれば個人個人で探すより、皆で固まって探したほうが効率が良くないかな?」

澪田「うーん…唯吹はばらばらで探したほうがいいと思うんすよねー…。せっかく他のチームの動きも見れてるなら数で探したほうが効率よくないっすか?…って唯吹らしからぬ賢い意見がでちゃったっすなー!」

日向「どっちの意見も的を射てるな……うーん……」

日向(どっちを採用するべきか……)


1 澪田の意見
2 七海の意見


↓1
 

 
 
日向「そうだな…澪田の意見を採用しよう。各自で探して、何かあれば無線で報告だ」


澪田「うっひょーい!さすが創ちゃん!話がわかるっすねー♪」

七海「むー…まあ日向くんがそういうなら仕方ないかな」

日向「七海には悪いけど、従ってくれ」

七海「…うん、分かったよ」

日向「それじゃ、俺たちも行くか!」

澪田「らじゃーっす!」

七海「了解だよ」


澪田の好感度が上がった。


日向「さて、と…」

左右田『日向、聞こえるか?』

日向「ああ、聞こえるぞ」

左右田『おう、感度良好だな。んで、俺は狛枝の監視についたぞ。どうやら狛枝達は全員でまとまって動いてるみてーだな』

日向「そうか…場所は?」

左右田『屋台どおりのあたりだな。まずは近い場所から虱潰しに探すらしい』

日向「了解。澪田や七海達にもそのあたりは探さないよう伝えておくぞ」

左右田『おう、頼むぜ。ってまあ、この会話七海や澪田も聞いてるんだけどな』

七海『ばっちり聞いてるよ』

澪田『屋台どおりのほうは探さなくていいんすよね』

辺古山『そういうことだな。ソニア達も固まって行動するようだ。ワダツミ・インダストリアルの方に行くようだぞ』

日向「ウサミが社会化見学云々とか行ってた施設か…あそこも不明点がありそうだな」

澪田『唯吹は道路とか、建物にこだわらずに探索してみるっす』

七海『私は工場の方を探してみるよ。ウサミグッズが多いし、もしかしたら紛れてるかも』

日向「そうか…じゃあ俺は軍事施設のほうだな」

左右田『よし、話はまとまったみてーだな。それじゃ、気を引き締めて行こうぜ!』

日向「ああ!」
 

 
 
日向「軍事施設か…物騒なものばかりだし、あまり進んで探したい場所でもないんだけどな…」


日向「……ん?なんか少し…雰囲気が違う……ような」

日向(そう思い、辺りを見回すと、物騒な物の中にやたらポップな落書きがされてある箱を見つける)

日向(もしかしてあれがお宝か…!?)

日向「っていうか、こんなもん昨日まであったか…?」

日向(そう思いながらも箱に近づいていくと、何か張り紙がしてあった)


『真実を求める者へ
このはこの中からたった一つだけ貴方の望む本を与えましょう』


日向「……は?」

日向(ウサミがしかけた謎解き…ってことか?)

日向(それにしたって一つだけってのがよく分からないけど)

日向(そんなことを思いながら続きを読む)


『1 全世界を震撼させた!?絶望的シナリオの衝撃の結末とは!?貴方が知りたいあの“後”を徹底解説!
2 全ての始まりを引き起こした何者かの手記
3 最後のお宝の場所 』


日向「な、なんだよ…これ……!?」

日向(こんなの、3を選ぶに決まってるじゃないか……なんなんだよ、この選択肢……)

日向(謎解きにもなってないじゃないか……大体貴方が知りたいあの後だとか全ての始まりだとか…意味が分からないぞ?)

日向「まあ、一応形式には従っておくか」

日向「俺が選ぶのは……」


1 1の本
2 2の本
3 3の本


↓2
 

 
 
日向「3の本だ…当たり前だろ」


日向(俺がそう言うと、宝箱が空いて、中から一枚の紙が出てくる)

日向(それを受け取ると、箱が凄い勢いで閉まり、ガチャンと音がして、鍵が掛かった)

日向「やっぱり…3以外を選んだら宝箱が空かないとか、そういう仕掛けだったのかもな」

日向(……)

日向(細かいことはいいか。よし、さっそく宝の場所を──)


『最後のお宝は、消火弾の中』

 
 
日向「……」


日向「こ、こんなあっさり……」

日向「とりあえず、連絡するか──」

??『…………』

日向「おい、左右田」

??『…………』

日向「?おい、左右田。どうかしたのか?」

??『…………やあ』

日向「──!?」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
狛枝『やあ、ボクだよ。日向クン?』

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
日向「狛枝!?なんでお前が……っ!?」


狛枝『昨日日向クンと話した時、反応が薄いのが気になっちゃってさ。もしかしたらって思ったら案の定だったね』

日向「まさか…読まれてたのか!?」

狛枝『読んでいた訳じゃないんだけどね。ただ、警戒はしていたからさ』

ソニア『狛枝さん!こちらも確保が終わりました!』

日向「なっ!?ソニアまで!?」

狛枝『ああ、言ってなかったけどね。ボクは協定を結んだんだよ、彼女と』

日向「ど、どういうことだよ!?」

狛枝『ソニアさんのチームはお宝を1つしか持ってないでしょ?このままボクか日向クンの手に第五の島の宝が渡れば敗北は必至──だから取引を持ちかけたんだ』

日向「取引…だって?」

狛枝『うん。ボク達と手を組んで第五の島のお宝を手に入れればそれをソニアさん達のチームに譲るってね』

日向「そ、そんなの…狛枝達のメリットが無いだろ?」

狛枝『そんなことは無いよ。仮に最後のお宝がソニアさんの手に渡れば3チームで2枚ずつ所持することになる。そうすればまだ勝負は分からないでしょ?』

日向「だから、わざわざ3チームを平等にするメリットが……」

狛枝『そっちの方が面白そう、だからかな』

日向「な、そんな理由で──!?」

狛枝『あ、勿論日向クンはあっさりボクらにお宝を渡すなんて真似はしないでよ?それじゃ興醒めだからさ』

ソニア『それは話が違いますよ!日向さんが渡してくれるのならそれでいいじゃないですか!』

狛枝『うーん、それだと面白みが無いでしょ?チームの仲間は全員囚われ、敵が手を組んでいる。いわゆる四面楚歌ってヤツだね。そんな状況で日向クンがどう抗うのか──ボクはそれが見たいんだよ』

日向「くそ…また狛枝の病気かよ…」

狛枝『そう思われちゃうのは心外だな…。ボクはただ、日向クンという主人公がどういう判断をして、どんな未来に辿り着くのか…それが知りたいんだ』

日向「それが病気だっていってるんだよ…!」

ソニア『……仕方ありません、協定を結んだ以上、狛枝さんの提案は飲みます。ですが日向さん、貴方の降伏はいつでも受け付けていますよ』

狛枝『だそうだよ?日向クン、ボクを驚かせるような素晴らしいショーを期待してるからね』

日向「……」

 

 
 
日向「……くそ、参ったな…」


日向(あの後全員に連絡を取ろうとしたが、誰も出なかった。全員捕まったのは本当みたいだ)

日向(まあ、身の安全は保障されてるだろうけど…くそ、このままじゃまずいな……)

日向「一応…手が無いわけじゃないけど……」

日向(まだ“アレ”を使うのはな)

日向「もう日が暮れるな……とりあえずホームキャンプに戻るか」
 
日向(その前にお宝も回収しておくか)

 
 
ウサミ『皆さん!ただ今午後5時になりまちた。本日の各チームの状況をお知らせしまちゅ』


日向「……」

ウサミ『日向クンチーム、お宝3個。おめでとうございまちゅ!』

日向「……」

ウサミ『ソニアさんチーム、お宝1個』

日向「……」

ウサミ『狛枝クンチーム、お宝2個』

日向「……」

ウサミ『日向クンチームが一歩リードでちゅ!なにやら波乱がありそうでちゅが、皆さん全力を出して頑張ってくだちゃい!』

日向「……だめだ」

日向「何の案も浮かばないぞ…」

日向「とりあえず今日は動きたくても動けないな……」
 



日向(何かをして気を紛らわせるか)

日向(とは言っても、考え事くらいしかないんだけどな)

日向(……そういや、あいつ、今日もいるのか?)


1 七海のことを考える
2 左右田のことを考える
3 辺古山のことを考える
4 澪田のことを考える
5 江ノ島と過ごす

 
 
↓1

 

 
 
日向「…江ノ島のところに行くか」


日向(誰もいない大広間って、寂しいしな…)

 
 
江ノ島「あ、またきた」


日向「だから何でちょっと嫌そうなんだよ」

江ノ島「鬱陶しいから?」

日向「……」

江ノ島「ん?なんかちょっと機嫌悪い?」

日向「いや、そういうわけじゃないんだけど、ちょっとな……」

江ノ島「ふーん、まあどうでもいいけど」

日向「そこはこう、軽く聞くくらいしろよ」

江ノ島「うわ面倒くさっ!」

日向「……本当、お前と話してると力が抜けるよな。まあいいや、記憶の方はどうだ?」

江ノ島「まあぼちぼちってところかな。ぼんやりがうっすらになった程度」

日向「あまり進展はなさそうだな」

江ノ島「ま、気長にやってくしかないっしょ。あせってもしょうがないし、思い出すときは一気に思いだすんじゃん」

日向「それくらい気楽に構えておいた方がいいのかもな」

江ノ島「そんで、女々しくて鬱陶しくてウザい日向クンは何があったの?」

日向「そこまでぼろくそに言われたら言う気が失せるんだけどな…」

日向「実は──」

日向(かいつまんで、江ノ島に事情を説明した)

日向(話してどうなるって訳でもないけれど、誰かに話して少しでも楽になりたかったんだと思う)

日向(江ノ島はどうでもよさそうに話を聞いている)

江ノ島「ふーん…なんていうか、ゾクゾクするシチュエーション」

日向「いや、その感想はおかしいだろ」

江ノ島「そう?そういう状況ってあたし大好物だけど」

日向「変わってるなお前…Mなのか?」

江ノ島「別にそういうわけじゃないけどね。なんつーか、よく分からないけど、私を構成してる要素が大歓喜してる」

日向「めちゃくちゃ意味不明だよ」
 

 
 
江ノ島「うーーーん、でも……」


日向「どうかしたか?」

江ノ島「……似たような話を聞いたような気がするってだけ」

日向「記憶か?」

江ノ島「確かその後……私は誰かに助けを──っ!?」ビクンッ

日向「おい、江ノ島!?」

江ノ島「…………」

日向「大丈夫か?」

江ノ島「なーんか思い出した気がするんだけど、忘れた」

日向「おい……」

江ノ島「まあいいや、頑張ってね、日向クン」

日向「手伝ってくれたりはしないんだな」

江ノ島「当たり前じゃん。私はむしろそんな状況なら追い詰められた方がいいし」

日向「お前やっぱりMなんじゃないのか…?」

日向(江ノ島と他愛の無い話をして過ごした…)

日向(俺の状況も、江ノ島の記憶も、何も変わってはいないけれど)

 
 
江ノ島の好感度が上がった。

江ノ島から好意を感じる。
 

投下終了です。次回中盤から終盤戦です。


TIPS
anothergameで条件を満たすと、TrueEpisodeに進む。
条件を満たさなかった場合、fourthgameになる。

まずは謝罪から、大変申し訳ないです。
ここで理由をつらつらと重ねてもしょうがないと思いますので、謝罪の方だけでもさせていただきます。

長らくお待たせしました。
本日の夜から再び再開させていただきます、未だに需要があるのかはさておき。



日向「朝か……」

日向(寝覚めは最悪だった。周りには誰もいない、ぽかんとした大広間)

日向(やっぱり一人は堪えるな……)

日向「とりあえず、顔を洗って──」

弐大「日向はどこじゃあああああああああああああああああ!!!!」

終里「日向ァ!ここにいるのは分かってんぞ!とっとと出て来い!!」

日向「!?」

日向(なんだ!?)

豚神「素直にお宝を渡せ。そうすれば仲間を解放してやる!」

日向(……そういうことか、狛枝め…とことんゲスいなあいつ……っ!)

日向(とにかく、気付かれないように脱出しないとな……)

日向(とはいえ、どうやら旧館の出入り口付近には終里・弐大・豚神の三人が俺が出てくるのを待ってるみたいだ)

日向(旧館の出入り口は一つしかない……どうする?)

豚神「……ふむ、もう既に他の場所に逃げてる可能性があるな」

終里「マジか?でもここにいるってオレの嗅覚がいってんだけどなぁ…」

弐大「ホームキャンプは不可侵の領域らしいからのぅ…ここでワシらが待っていても意固地になるだけかもしれんぞ」

豚神「仕方ない、出直すとするか。何、ヤツに逃げ場は無い。いずれ自ら俺たちに宝を差し出してくるだろう」

終里「そうだなー」

弐大「それが一番だわな。それじゃあちっとクソでもしてくるとしよう」

日向「……行ったみたいだな」

日向(今のうちに抜け出そう……)
 

 
 
日向(……どうするか、今、俺の味方は誰一人いない)


日向(このまま逃げ隠れてもジリ貧だ、それに時間だってもう残ってるわけじゃない)

日向(勿論、このお宝を差し出してフラットにする方針だってある……けれど)

日向「狛枝がそんな展開を許すとも思えないんだよな……」

日向(だとすれば俺が取れる選択肢はそう多くない)

日向「七海達を救出して、狛枝達を出し抜く──もしくは」

日向「……このままお宝を持って、ゲームの終了まで隠れる」

日向(そうすれば少なくとも、ゲームには勝てる。これだって立派な戦略だ)

日向(勿論、七海達には負担が掛かるだろうけど…きっと勝利のためなら許しては貰えるはずだ)

日向「七海達を救出するにしたって、俺ひとりで出来る事なんてたかが知れてるしな…」

日向(──俺は、どうするべきだろうか)

 
 
1 七海達を助ける

2 隠れ続ける

 
 

 

すみません、↓1 ですね。
安価下

 
 
日向(──何弱気になってるんだよ、日向創)


日向(逃げる?)

日向(アホらしい)

日向(俺はまだ何もしていない、何も試してない)

日向(まだこの腕は動く。まだこの足は動く)

日向(日向創は何も成していない、なら、まだ未来は分からない)

日向(……いつだって、そうだった。どんな状況でも、どんなに絶望的な状況でも、俺は最善を尽くしてきたはずだ)

日向(結果が伴わなくても、それでも、足掻く事すら放棄してしまったら、それは死んでいるのとなんら変わりはしない──!)

日向(それは、誰に向けた言葉でもない。どうしてそんな考えが浮かんだのも分からない)

日向(だけど、それはどうしようもなく正しい、という事だけが、俺の結論だ)

日向「よし、やるぞ!」


日向「……そういって意気込んだのはいいものの、これはちょっとどうしようもないよな…」

日向(俺がやってきたのは、ソニア達のホームキャンプだった)

日向(大切な取引材料である七海達をぞんざいに扱うわけも無い、きっと手元で監視して、俺の来訪を今か今かと待っているはずだ)

日向「だけど現実はこれだもんな」

日向(ホームキャンプの周りはソニア・狛枝・豚神・弐大・終里・九頭龍とあらゆる方向に手強いメンバーが見張りをしていた)

日向(そして俺に対する見せしめのつもりなのか、傍には七海達が不安そうに視線をさまよわせていた)

狛枝「日向クン、来ないね」

ソニア「まあ、すぐにはやってこないでしょう。ですが、これだけの警備体制です、七海さん達の奪還は無理。そして島のあちこちで皆さんが日向さんを探しています。時間の問題だと思います」

豚神「だろうな。…だがヤツのことだ、少なくともすぐに根を上げはしないだろう。夕方になったら例の場所に七海達を移動させるぞ」

終里「まーた交代制で監視するのか?」

弐大「夜中に七海達を奪還されてはたまらんからのぅ」

日向(……なるほど、七海達の奪還はこのままだと厳しいな)

七海「……」

左右田「あーくそ…日向のヤツ…大丈夫か?俺たちのことなんて気にせず逃げてくれればいいんだけどよ」

澪田「まあ創ちゃんのことだから大丈夫っすよ!問題は唯吹達を心配してお宝を私に来ちゃうことっす」

辺古山「そうだな。このまま2日間逃げ切れば私達の勝ちだ。私達は無事であることをアピールして、日向には逃げて貰うべきだな」

七海「そうだね。私達も隙があれば逃げ出せるようにしておこう」

左右田「ま、当分無理そうだけどな…この厳重警備じゃよ」

狛枝「……」



 
 
日向「……皆」


日向(皆が、自分の身を案じてくれている)

日向(ここで逃げ出したら、それこそ皆の信頼を裏切ることになる)

日向(出し惜しみしてる暇は無い……か。出来れば“あと1日”の段階で使いたかったけどな)

日向(……──)



日向「……」

日向「…………」


日向「…………………よし」

日向「そろそろ行くか」

 
 
日向(あの後俺は、皆が寝静まる中、こっそりと旧館を抜け出して、ウサミを呼んだ)


日向「ウサミ、いるか?」

ウサミ「日向クン!?こんな夜遅くにあちしを呼び出すなんて…不潔でちゅ!」

日向「何言ってるんだよ…ちょっとルールの確認をしたくてさ」

ウサミ「ルールの確認?何かおかしいところありまちた?」

日向「いや、そうじゃないんだ。なあ、このなんでもありってルールってさ、本当に何でもありなのか?」

ウサミ「常識の範囲内であったら問題ないでちゅ。問題がありそうならあちしが止めまちゅよ」

日向「……なら、一つ聞いておきたいんだ。“お宝の偽装”はありなのか?」

日向(そう、これが俺の奥の手。ウサミのメダルを始めて見た時、その安っぽさと、お宝にしては弱いインパクト…それがこの発想に至った)

日向(お宝の偽装、つまり、偽物だ)

ウサミ「……日向クン、結構えげつないこと考えまちゅね…。ルール上では問題ないでちゅけどね」

日向「そうか、ありがとう」




日向(ウサミからその話を聞いた後、俺は早速贋作の作成に掛かった。砂浜で拾った悪趣味なモノクマメダルとかいうアイテムを加工して、偽物のお宝を一つ作り出した)

日向「……」

日向(手のひらには、本物とほとんど区別の付かない贋作が鈍い輝きを放っている)

日向(勿論、荒い部分はある。本物と並べてしまえば偽物なのはすぐに分かってしまうはずだ。だからこそ、バレても勝てる“1日前”にこの手を使いたかったんだけど…)

日向(このまま七海達を放置したくない、今日さえ乗り越えられれば…!)

 

 
 
日向「……よし、それじゃあ、やるか」


日向(ごくりと、喉を鳴らす)

日向(あくまでこっちは、お宝を奪われた体でなくちゃいけない)

日向(……自然に、追い詰められた風を装わないとな)


田中「フン…他愛も無い」

花村「僕のテクニックにかかれば、日向君を捕まえることなんてオードブル前さ!」

狛枝「……へぇ」

ソニア「なんと!日向さんを捕まえたのですか!?」

日向「っ…くそ……」

左右田「日向!お前……っ!」

日向「悪い、左右田、皆……」

七海「日向くん……」

澪田「くぅうう!人海戦術なんてひきょうっすー!」

豚神「なんとでもいえ、ルール上では有効だ。現にウサミから何もお咎めは無いだろう」

狛枝「その通りだね……それにしても、がっかりだよ。てっきりボクですら予想の付かないことをしてくれると思ったのに」

日向「……おい、お宝を渡したら、七海達は解放するんだろうな?」

ソニア「ええ、それは約束します。誰にも邪魔はさせませんよ」

日向「……分かったよ」

日向(不満げな表情をしながら懐からメダルを取り出し、ソニアに手渡した)

ソニア「……確かに、確認いたしました。では七海さんたちを解放してあげてください」

豚神「ああ、取引成立だな」

日向(そして豚神たちが警戒態勢を解き、七海達に目線で俺のほうへ行けと指示をした)

七海「……日向くん」

日向「ごめん、皆。お宝を守りきれなくて」

左右田「しゃーねーよ。あれだけの包囲網だ、逃げ切るほうが難しいだろーよ」

辺古山「ずっとホームキャンプに引きこもっているのも戦術ではあるだろうが、私たちのことを慮ってくれたのだろう、なら感謝はあっても文句など無い」

澪田「唯吹達の為に頑張ってくれた創ちゃんを貶すわけないじゃないっすか!……ありがとうね、創ちゃん」

日向「皆……」

左右田「ま、まだ負けたわけじゃねーしな。後二日あるんだし、そこで逆転してやろうぜ!」

七海「うん、そうだね。皆で頑張ろう」

日向「……ありがとう、皆」
 

 
 
狛枝「……」


豚神「狛枝、どうかしたのか?」

狛枝「ううん、なんでもないよ。ちょっと、ね……」

日向「……よし、そろそろホームキャンプに帰ろう。流石に疲れたしな」

左右田「だな」

七海「そうだね」

澪田「その後は作戦会議っすなー」

辺古山「ああ、失態の分は取り戻す」

狛枝「……ねえ、日向クン」

日向「……なんだよ」

狛枝「本当にこんな結末で満足なのかな?」

日向「──狛枝」

狛枝「なにかな?」

日向「なんだっけか、素晴らしいショーを期待する、だったか?……んじゃ」

日向「狛枝、お前がどう足掻くのか、見せてくれよ。俺を驚かせるような素晴らしいショーを期待してるぞ?」

狛枝「……は?」

左右田「は?どうかしたのか?」

七海「日向くん…?」

日向「さあ、帰ろう。俺たちのホームキャンプに」
 

 
 
左右田「なあ、日向。さっきのはどういうことなんだ?」


辺古山「確かに、気になるな。明日他のチームからお宝を奪えなければ引き分けになるだけだぞ」

澪田「ま、まさか…実はこっそりお宝を盗んでいたのでは…!?」

日向「はは、そういうわけじゃないんだけどな。まあ、そろそろネタばらしを……って、ちょうど夕方か」

七海「夕方が何か関係あるの?」

日向「ほら、ウサミの現状報告があるだろ?それを聞けば全部分かるさ」

日向(俺がそういうのとほぼ同時に、ウサミの放送が流れ始めた──)


ウサミ『皆さん!ただ今午後5時になりまちた。本日の各チームの状況をお知らせしまちゅ』

日向「……」

ウサミ『日向クンチーム、』

左右田「ん…?やけにためるな」

ウサミ『──お宝3個』

澪田「えええええ!?あれ!?確かに創ちゃん、お宝をソニアちゃんに渡してたよね!?あれ幻覚!?」

辺古山「どういうことだ!?まさか澪田のいうとおりだったのか…?」

七海「でも、あの警備の中だよ?難しいんじゃないかな。それよりももっと簡単な──」

ウサミ『ソニアさんチーム、お宝1個』

日向(ソニアチームの悲鳴が聞こえてきそうだな)

ウサミ『狛枝クンチーム、お宝2個』

左右田「こ、これは予想外だぜ…」

ウサミ『ちなみに、日向クンがソニアさんに渡していたお宝は“偽物”なので、カウントには入りまちぇん。明日が実質最終日でちゅ。誰が優勝するのか、今からドッキドキでちゅ!』

左右田「に、偽物!?!?」

日向「……はは、まあそういう事だ。豚神や狛枝辺りに渡っていたらその場で見破られるかもしれないし、結構賭けだったんだけどな」

七海「むー、まさか仲間まで騙すなんて」

日向「そういうつもりはなかったんだけどな…あまり良い手とも思わなかったし、いざって時が来なければ使うつもりも無かったからな」
 
澪田「いやー見事に騙されたっす!敵を騙すにはまず味方からってやつっすねー」

辺古山「……まあ、結果オーライといったところだな。これで私達は圧倒的有利だ」

左右田「ま、その分明日が大変だろうけどな。他のチームから狙われるだろうしよ」

日向「ああ、そうだな……だけど、皆がいる。皆がいれば乗り越えられるさ」

日向(そういって拳を掲げる)

日向(七海も、左右田も、辺古山も、澪田も、少しだけ目を見合わせた後、俺と同じように拳を掲げてくれた)

日向「明日を乗り越えるぞ!」

 

リハビリという事で本日はここまでとさせて頂きます。
次回投下で終盤、選択された√によってはanothergame終了となります。
改めて、よろしくお願いします。

追記・次回投下は明日の夜になります。




日向(そろそろ夜になるな…)

日向(……なんとなくだけど、こうして自主的に誰かと会う時間は最後のような気がするな)

日向(誰と一緒に過ごすべきか?)

日向(左右田は皆よりも俺のことを心配してくれていたみたいだし、声をかけるのもいいか?)

日向(そういえば、昨日は江ノ島に助けられたな。本人はそう思ってなさそうだけど、一人で過ごすよりずっと良かったしな)

日向(特に仲が深まったのはこの二人みたいだ…)

日向(──さて、誰と過ごそう)


1 七海と過ごす
2 左右田と過ごす
3 辺古山と過ごす
4 澪田と過ごす
5 江ノ島と過ごす

 
 
↓2

 

上げ忘れました。
安価下



日向「江ノ島に会いに行こう」

日向(きっとあいつも……なんだかんだ言って、いつもの場所で待っていてくれているはずだ)


日向(夕日が沈みかけた公園)

日向(眩い朱に染められたその場所で、江ノ島は今日も今日とて退屈そうに空を眺めていた)

日向「よう、江ノ島」

江ノ島「……」

日向「江ノ島……?」

江ノ島「聞こえてるよ」

日向「そうか、随分センチメンタルな様子だな」

江ノ島「たまにはあたしだってそういう気分になるときもあるでしょ」

日向「そりゃ、そうだけど…考え事でもしてたのか?」

江ノ島「ま、そんなところね。あたしのことなんてどうでもいいけど、日向クンはどうなの?なんとかなったわけ?」

日向「まあな……とは言っても、ここからが正念場って気もするけど」

江ノ島「そっか…ま、お疲れ様」

日向「ああ、昨日は助かった。お前がいなかったら、孤独に押し潰されて何も出来なかっただろうな」

江ノ島「あー分かるかも、日向クンってもろモブキャラって感じだし。どこかの誰かさんみたいになんでも前向きに決断、なんて出来ないだろうね」

日向「随分な言われようだな……まあ、その通りなんだけどさ」

日向(実際、江ノ島の言うとおりだ。俺は一人じゃ何も出来ない。いつだって誰かに助けられている)

日向(そのくせ他人の面倒ごとに首を突っ込んだり、やれやれと言いながらも厄介事に巻き込まれるんだ。性質が悪い)

江ノ島「でもきっと、あいつらにも、そして“今”の私にも、アンタみたいななんでもない、どこにでもいるような存在が…必要だった」

日向「江ノ島……?」

江ノ島「ねえ、日向クン」

日向「……なんだ?」

江ノ島「正直に答えてほしいんだけどさぁ、アンタは私の事、どう思ってるわけ?」

日向「どうって…」

江ノ島「虚飾も誤魔化しも無し、日向創の正直な答えを教えてよ」

日向「──俺は、」

 
 
1 友達だと思っている

2 自分でもよく分からない

 
 
↓1

 

 
 
日向「──自分でもよく分からない」


江ノ島「はあ?」

日向「いや、誤魔化してるわけでもないし、嘘をついてるわけでもないんだ。ただ…自分の中で明確な答えにならないって言うか…」

江ノ島「……」

日向「お前のことは嫌いじゃない。それは間違いないんだ。ただ、友達っていうのも違う気がして…放っておけないというか…うまく言葉に出来ない…」

江ノ島「……はあ、なんていうか、らしい答えで、うんざりするようなテンプレな返しで…呆れを通り越して尊敬するレベル」

日向「わ、悪かったな…これでも自分なりに考えたつもりなんだよ」

江ノ島「ここでスパッと俺はお前が好きだ、それ以外あるか!とか言えたら本当にカッコいい素敵な主人公になれたのに」

日向「……」

江ノ島「でもまあ…日向クンがそういう人間だったなら、今こうして私とアンタは会話することもないわね」

日向「なあ、そういいつつも言葉の端々に棘があるのは気のせいか」

江ノ島「あったりまえじゃん?こんなうら若き乙女が決死の覚悟で意中の相手に気持ちを聞いたのに、返ってきたのは三流以下の返答。悪態の一つもつきたくなるってもんよ」

日向「絶対そんな感じじゃなかったんだけどな……」

江ノ島「まあ、いっか。……どうせ、何も変わらない」

日向「江ノ島?」

江ノ島「じゃあね、日向クン。私の愛しいサブキャラ(ヒーロー)さん」

日向「あ、おい…!」

日向(江ノ島は俺の制止も無視して、去ってしまった)

日向(あいつは何がしたかったんだ……?)


江ノ島の好感度が上がった。
江ノ島から確かな好意を感じる…。

 
 



日向(江ノ島と話した後、旧館に戻った頃には既に夜の帳が下りていた)

日向(皆と楽しく夕食をして、ほどよく夜が更けた頃…)

日向「……少し夜風に当たりたいな」

日向(前と同じように、砂浜に行こう)

日向(皆を起こさないように気を付けながらそっと外へ出た)


日向(相変わらず誰もいない砂浜で夜風を浴びるのは心地いいな)

日向(……と思ったが、そこにはまた先客がいたようで、夜風に髪が靡いている)

日向「声をかけるか」

日向(そう言って俺は人影に近づく)

日向(そこにいたのは──)

 
 
1 罪木だった

2 ソニアだった
3 七海だった
4 澪田だった
5 小泉だった
6 狛枝だった

 
 
↓2

 

 
 
日向「──狛枝」


狛枝「あれ、日向クン?」

日向(月夜に照らされ、彼の特徴的な白髪が輝きを零す)

日向(その幻想的な光景に、俺は不覚にも少しだけ目を奪われてしまった)

狛枝「どうかしたの?」

日向「あ、いや…ちょっとな。お前こそどうしたんだよ」

狛枝「虫けらは虫けらなりに悩みがある…ってところかな」

日向「……そうか」

狛枝「…それにしても、お宝の件は見事にしてやられたよ。まさかあんな隠し玉があったなんてね」

日向「半分以上賭けだったけどな、お前や豚神にメダルを渡してたら偽物だってばれてた可能性だってあったし」

狛枝「それでも……流石だよ。やっぱりキミはボクが見込んだとおりの人物だったね」

日向「期待に添えたようで何より」

狛枝「明日は本気で行かせてもらうよ」

日向「望むところだ。俺だって負けるつもりは無い、全力でいくぞ」

狛枝「……例えばさ」

日向「ん?」

日向(せっかく雰囲気が盛り上がったと思ったら、狛枝がどこか気難しい表情で俺に問うた)

狛枝「……ボクがキミの事を崇拝してる、といったら、どうなるのかな」

日向「ぶん殴って正気に戻す」

狛枝「そ、即答だね」

日向「当たり前だろ、たとえ話でもそんな気味の悪いことを言うなよ…」

狛枝「最近、そんなような夢を見たんだよね。勿論、ボクは日向クンを……ううん、超高校級の才能を持つ皆のことを尊敬をしているし、崇拝している側面はある。でもそれはあくまでボクが勝手に思って勝手にやっていることで、それを誰かに強要するつもりは無いんだよ」

日向「……」

狛枝「誰にも理解されなくてもいい、自分だけが理解していればいい。そんな風に思っていたはずなんだけどね、夢の中のボクはそれを日向クンに押し付けた」

日向「……お前、大丈夫か?」

狛枝「……自分でも言っていて頭が痛くなってくるよ。こんな話をしても理解されないのは分かっているんだけどね。今日のボクは少し興奮しているのかもしれないね」

 

 
 
日向「よく分からないけど、そういうのは深く考えないほうがいいと思うぞ」


日向(おざなりなアドバイスをしてしまったが、正直この話題に深く触れたくない)

狛枝「それもそうだね……」

日向「まあ、どうしても吐き出したくなったら俺に愚痴れよ。アドバイスなんて出来ないけど、話を聞くくらいならしてやれるしな」

狛枝「……ありがとう」

日向「まあ、友達だしな。それくらいは気にするなよ」

狛枝「友、達……っ…!?」

日向(──瞬間、狛枝が額を抑えながら膝を着いた)

日向「狛枝!?どうかしたのか?」

狛枝「そうだ……あの時、ボクはソニアさんに捕まったフリをして……一緒に捕まっていた皆に事情を説明して……」

狛枝「その後……皆の手錠を気付かれないように壊して……七海さんの捜索を頼んで、ボクは……日向クンを……助けに……」

日向「おい、狛枝……っ!どうかしたのか!?」

狛枝「日向クンっ!しっかり聞いてほしい…っ!あの日、あのゲームで、ボク達が死んだ原因の爆発……あれは……」

 
 
 
 
 
狛枝「あれはソニアさんじゃない……っ!誰か別に、黒幕が居たんだ……その黒幕が、ボクらを……──」

 
 
 
 
 
狛枝?「エラー」


狛枝?「その情報(記憶)を所有する権限がありません、閲覧権限もありません」

狛枝?「記憶をデリートします」

日向(狛、枝──!?)

日向(そして、世界が白に包まれた……──)

 
 

 
 
日向「……っ」


狛枝「ねえ、日向クン?」

日向「ここは……」

狛枝「どうかしたの?急に黙って」

日向「狛枝、お前さっき…」

狛枝「さっきの話、まだ引き摺ってるのかな?確かに趣味が悪い質問だったね…忘れてくれていいんだよ」

日向「そうじゃなくて、お前さっき死んだとかゲームとか言ってなかったか!?」

狛枝「はぁ?そんなこと一言も言ってないよ、どうかしたの?」

日向「いや、確かにお前は……お前は……」

日向(……あれ?さっきまでのことがうまく思い出せない)

日向(どういうことなんだ…?)

狛枝「……緊張でもしてるのかな?今日は早く眠ったほうがいいと思うよ」

日向「……そうだな、そうさせてもらう」

狛枝「それじゃ、おやすみ。明日が楽しみだよ」

日向「ああ……」

日向(狛枝は去っていった)

日向(いまだに奇妙な違和感と不快感は残っているけど、どうしようもない。早く寝てしまおう…)

 
 


 
日向「明日は重要な日だ、そろそろ寝ないとな…」

日向(皆はすっかりと眠りに落ちている…)

日向(布団に潜り込み、目を閉じた)

日向(今日は色々とあったせいか、あっさりと眠りに落ちて行った……)

日向「…………すぅ」

 
 
 
 
日向「また、ここか…」


日向(気がつくと、真っ白な空間にいた)

日向(前回の時はよく覚えてないけれど、今度こそ何か覚えているかもしれない…)

日向「あれ、そういえば…前回は扉が三つあったはずだよな?二つになってるぞ」

日向「よく分からないけど……扉に入ってみるか」

 
 
1 “1の世界”と書かれた扉

2 “2の世界”と書かれた扉

 
 
↓1

 
 


 
日向「2の世界…ってところにいってみるか」

日向(扉を開けようとすると、まばゆい光に包まれた)

日向「──ッ」

 
 
 
 
 
ソニア「……」


ソニア(最近、少し私、変ですね)

ソニア(具体的にどこが変、というのが分からないのですが……)

日向「──でさ、──なら」

左右田「へぇ──ならよ、──じゃね?」

ソニア(気がつくと、日向さんのことを目で追ってしまいます)

ソニア(今、どんな話をしてるんでしょうか?そんな風に考えて)

ソニア(女の子と話していると、どうして相手が私じゃないのだろう、なんて考えてしまって)

ソニア(もっと近くにいたい、もっと話していたい、そう思っているのに、なぜか前よりも近づきづらくなってしまって……)

ソニア「どうして、なんでしょうか……」

江ノ島「んー超名探偵(恋愛的な意味で)な私様からするとそれはつまり……恋!鯉じゃなくて恋!ラヴ!甘酸っぱい青春の味ってヤツゥ!」

ソニア「こ、これが…噂にまで聞くあの恋…っ!?私はいつのまに……ってえっ!?」

江ノ島「やっはろーソニアちゃん。今日も元気に青春☆爆走しちゃってるのかなー?」

ソニア「あ、貴方は誰ですか!?」

江ノ島「あーもうそういう質問は聞き飽きたって言うかあまりにテンプレートで平凡でツマラナイ質問すぎて答える気力すらわいてきません。貴方王女なのにそんな凡愚のような質問しちゃうんですか?」

ソニア「い、意味が分かりません!」

江ノ島「別に意味なんて求めてないし意図が伝わらなくてもどうでもいいんです私は。貴方には可及的速やかなヤンデレ化をオススメします、異議は認めません。意義は必要ありません」

ソニア「な、なにを……っ!?」

ソニア(突然私の傍に現れた少女が手をかざすと、黒い何かが私の体を包み込みます)

ソニア(肉体だけでなく、精神すらも汚染されるような毒々しい“何か”)

江ノ島「さあ、貴方の欲望を解き放つのです。貴方が恋する乙女のように秘めてきた思いをあのアンテナモブボーイにぶつけるのです!」

ソニア「あ、う、ッグ…あ、ぁう……」

ソニア(だんだんと思考が薄れて、頭の中がどす黒い考えで染まっていきます)

ソニア(否定したいのに、否定しなくてはいけないのに、私の心は際限なく溢れてくる“それ”を肯定します…)

江ノ島「さぁ──見せてくれよ。超高校級の王女の“愛”ってやつをさ…」

ソニア(私は──日向さんを──)

ソニア「あっ……アァあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 
 
 
 
 
ソニア「これが、これがこれがこれが…ッッ!私の愛、私の真実!くすっ…くすくす……あはははははははははは!!!」

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「──もしも、“夢のような時間”なんてものが存在するのであれば。

それは毒のように、ゆっくりと、じわじわと、内面を蝕んでゆく。
甘い、甘いその果実は、ひとたび貪れば二度と手放したくなくなるくらいに。

“夢のような時間”を手放してまで、残酷で救いの無い、絶望的な現実を選べる人間がどれだけいることか。
だからこの選択は決して間違っていない。
でも、ならば、どうして。
こうして今も続いている、“夢のような時間”は、こんなにも苦しいのだろうか」

 
 
 
 
 
 
日向「……ん」


日向(……頭がぼんやりとする)

日向(うっすらと覚えていたのは、夢の最後の、誰かの独白)

日向(唐突に、何の脈絡もなく、俺の頭の中に挿し込まれたそれは、強烈な印象だけを刻んだ)

日向「顔、洗ってくるか」

 



日向「皆、よく眠れたか?」

左右田「おう、勿論ばっちりだぜ?」

七海「うん、大丈夫だよ」

澪田「今日はいよいよ最終日前日っすからね!全力で逃げ切るっすよー!」

辺古山「私の方も問題無い。今日を乗り越えて、勝利をもぎ取る」

日向「ああ、その意気だ!……さて、今日の俺たちの行動についてだけど」

左右田「ああ、どうすんだ?このままホームキャンプに閉じこもるってのもありだけどよ、向こうも何かしらの手を打ってくるはずだぜ?」

七海「そうだね。ここに閉じこもってるだけだと、ほかのチームの人たちが何かしかけてきても逃げ場がないと思う」

澪田「うーん…でも外で逃げ回ってもつかまっちゃわないっすか?実質2対1みたいなもんだし」

辺古山「そうだな…ここに隠れていても逃げ回っても危険、となると……良い手が浮かばないな」

日向「それに関してなんだが、俺もホームキャンプで隠れるのは反対だ。だから逃げ回ることになる。……それを利用した、作戦があるんだ」

七海「作戦?」

日向「ああ、こういうのはどうだ?──」



左右田「……なるほどな、確かにそりゃ成功したら勝ちも同然だな」

辺古山「勿論、不安要素は多々ある……が、現状では最善だろうな」

ウサミ『皆さん、おはようございまちゅ!本日はドッキドキトレジャーハントの追加ルールをお知らせしまちゅ』

ウサミ『お宝は必ず“ベースキャンプの外”に持ち出してくだちゃい!お宝を持ってホームキャンプに閉じこもってたら他のチームの皆さんが不利でちゅからね!』

ウサミ『それでは残り時間も少ないでちゅが、皆さん精一杯頑張ってくだちゃい!』

左右田「……だ、そうだぜ?」

澪田「ぜーんぜん問題ないっすねー!創ちゃんの作戦なら絶対外に持ち出さなくちゃいけないし!」

七海「うん、それじゃあ日向くんの作戦で行こう」

日向「ああ、賛成してくれてありがとう。それじゃあ皆、健闘を祈る」

辺古山「必ず勝つ、それだけだ」

左右田「あったりまえだ!目にもの見せてやろうぜ!」

澪田「唯吹の華麗な逃走劇、見せちゃうっす!」

七海「私たちならきっと勝てるよ。皆で頑張ろうね」

 
 

投下終了です、若干駆け足気味ですが、終盤戦。終わりも近づいてきました。
次回でanothergame終了の予定です。少し延びてしまうかもしれませんが。
明日もしくは明後日に投下をいたします。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月26日 (月) 22:12:57   ID: nS2EFnYH

スゴい面白いのに終わってるなんて···
これってホントに完結してるの?
続きを期待してます
もしくはこれをゲーム化とかでもいいんだけど···

2 :  SS好きの774さん   2016年10月19日 (水) 20:29:05   ID: cL6XwA3P

続き早く見たいです.....

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