提督「安価でさらにみんなと遊ぶ」 (1000)

比叡「お姉さま、比叡はお先に嫁に参ります」

金剛「ワッツ!? ちょ、ちょっとどういうことネ比叡!」

提督「比叡、挨拶は済んだか?」

比叡「はい、司令……いえ、あなた」

金剛「あなた!?」

提督「お前からそう言われるとくすぐったいな。でも、悪くない」

比叡「もう、あなたったら」

提督「金剛、比叡は幸せにする。絶対にだ」

金剛「え、ええ……」

提督「じゃあ、一生に一度の比叡の晴れ舞台だ」

比叡「お姉さま、必ずブーケをお姉様に届けますから」

金剛「……ど、どういうことデース!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410331811

~~~~~~~~


金剛「……」ムクッ

榛名「ふわ……あれ、金剛お姉さま、まだ五時ですから寝ていてもいいんですよ?」

金剛「悪夢デース! 寝られるわけがないデース!」

榛名(今度の夢はいったいなんだったんでしょうか……)

金剛「ちょっと外走ってくるデース!」ガチャ

バタン

霧島「ん……一体何ですか……?」

榛名「さあ……?」

以上、前スレ1000の内容でした



前々スレ
提督「安価でみんなと遊ぶ」
提督「安価でみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
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前スレ
提督「安価でもっとみんなと遊ぶ」
提督「安価でもっとみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408859242/)


※雑談自由・キャラ崩壊注意
※今回からもう安価は自由にします(遊ぶに縛られなくてもいいや)

―執務室―

霞「しばらくは休みにしてあげるわ、感謝なさい」

提督「じゃあもう仕事しなくていいってことですか? やったー!」

霞「は?(威圧)」

提督「すみません」

霞「別に仕事がなくなったわけじゃないから、勘違いしないことね。提督業はしっかりしなさい」

バタン

提督「悪夢の缶詰の日々が終わった……よし、その分いろいろしてやるぜ!」

↓2

―天龍型の部屋―

提督「マッサージし合おうぜ」

天龍「お、いいぜ。でもどうするんだ?」

提督「そりゃ、正面からこう向き合って、肩もみだろう」

天龍「こうか?」モミモミ

提督「そうそう……しづらいな」モミモミ

天龍「同感だ」モミモミ

龍田「天龍ちゃ――提督?」ガチャ

提督「おう龍田か。どうした、そんな目つきを悪くして」

龍田「何やってるのかしら、提督~?」

提督「マッサージ、だよな、天龍」

天龍「そうだな、何かおかしいところでもあるか?」

龍田「……」

提督「それにしてもやりづらいな……」モミモミ

天龍「だよなぁ」モミモミ

龍田(……これで怒ったら、まるで私が不純みたいじゃない……やっかいねぇ)

―執務室―

提督「龍田がやっかいものを見る目で見ていたから、そこそこのところで逃げてきた」

提督「でも、普通にマッサージしていただけなんだけどなぁ」

↓2

霞「……しばらく休んでいいとは言ったわよ」

提督「はい」

霞「でも、提督承認が必要な案件を投げ捨てるのは許されないわ」

提督「し、知らなかったんだ!」

霞「知らなかったですむわけないでしょうが!」

提督「う、うるさいっ! たまには反逆するってことを教えてやる」ブンッ

霞「遅い」ドスッ

提督「う゛っ」バタッ

霞「ふんっ、紙ひこうきにした書類はここにおいておくから、ちゃんとしなさいよ」

提督「はい……」

バタン

提督「まさか見えないスピードで腹パンし返されるとは……さすが秘書官、恐ろしい子……!」

提督「……書類に判子押しておこ」

↓2

提督「ゼクシィって言ったら結婚の雑誌だったか。たまたま売店で売ってあったから買ってみた」

提督「……いらないことに使ってしまった。まあいいや、反応見てほしそうなやつにあげよう」

ダンボール「というわけで、じゃーん」

ガチャ

金剛「ヘイ提督ー! って誰もいない」

金剛「うーん……ん? 何かおいてあるデース」

金剛「ゼクシィ……ま、まさか……正夢!?」

金剛「こうしちゃいられないネ! 比叡に聞いてくるデース!」

バタン

提督「なるほど、比叡がほしがっているのか。あとで持って行ってあげよう」

提督「……ん? まさか比叡が結婚するとか……だったら、青葉が報道するか」

提督「まあ、あいつらも女だしな、こういう飲みたくなる時があるだろう」

↓2

―庭―

提督「……」ザックザック

大和「提督、何をしているんですか?」

提督「穴掘ってる」

大和「見てわかりますけど、何のために……」

提督「穴に何かするために」

大和(どうやら、大和は提督を理解するには年月が足りないようです)

提督「穴に何かする、略してアナニーってか、はっはっは」ザックザック

大和「……というか、深くないですか?」

提督「そうだな……なぁ大和」

大和「なんですか?」

提督「ロープ持ってきてくれ」

大和「出られないんですか!」

―執務室―

提督「穴にはまったし、問題ないだろう」

提督「本当はなんなのかとか知らないけどな!」

↓2

舞風「踊りましょう、提督♪」

提督「なぜ」

舞風「全然私と踊ってくれないじゃないですかー」

提督「踊るとか言ってないし……必要もないだろう?」

舞風「ふっふっふー、そういうと思って、こんなのが企画されるんですよ」

提督「ダンス大会?」

舞風「じゃあ、踊りましょー」ガシッ

提督「やるとは一言も……って思ったよりも力強っ!」ズルズル

―トレーニング場―

舞風「~~♪」

提督「……舞風、さすが人をたたせるのがうまいな」

舞風「提督の足さばきが上手だからですよ」

提督「でも、舞風なら一人で踊った方が上手だろ」

舞風「踊りは、一人じゃなくてみんなで踊った方が楽しいから」

提督「そういうもんかね」

舞風「はい、もう一セットいきましょう」

青葉「青葉、見ちゃいました! 司令官が駆逐艦の子と踊りを踊ってるところ!」

提督「はぁ? ダンス大会があるんだから、ちょっと練習するくらいいいだろ」

青葉「はい? なんですかそれ」

提督「……」チラッ

舞風「ごめんねっ!」

―執務室―

提督「最初から怪しいと思ってたし、俺も踊りたかっただけだし」

提督「決して騙されてたわけじゃないんだから!」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「……さすがに何回もティータイムにお邪魔していると、話すことがなくなるな」

金剛「こうして一緒にティータイムするだけでも楽しいデース」

提督「内心それでよくても、表面上じゃわからんだろう」

金剛「表面上?」

提督「ほら、今はいないけど、比叡や榛名が戻ってきたときに、空気が悪いと勘違いされるかもしれないだろ」

金剛「大丈夫! だって私の妹なんだからネー!」

提督「……言われてみればそうか。余計な考えだったか」

金剛「じゃあ提督、ティータイムを楽しみまショー!」

―執務室―

提督「今日は珍しく金剛以外いなかったな」

提督「……! 今気づいたけど、ショーとshowをかけていた!?」

↓2

―北方AL海域―

提督「見回りとかふざけんなよぉ……超めんどくさい……」

提督「そもそも、攻略したところに出るわけないだろ……いらない仕事だな」

提督「こんな時間があれば、みんなと遊べるんだけどなぁ」

「みんなってだれなの?」

提督「そりゃ――え?」

北方棲姫「ねえ、だれなの?」

提督(馬鹿な……沈むところは見ていないとはいえ、致命傷だったはず。なぜ元気でいる?)

北方棲姫「……教えてくれないんだぁ。別にいいけどねー」

提督「と、ところで俺のことは覚えてるかなー?」

北方棲姫「にんげん、でしょ? お姉ちゃんから聞いた」

提督「そうなんだー」

北方棲姫「ずっと探していたんだよ」

提督(探して? もしかして、ヤバ――)
北方棲姫「お礼をしてあげなさいって、お姉ちゃんから言われてたから」

提督「……お礼? お礼参りじゃなくて?」

北方棲姫「なにそれ? よくわからないけど、お礼にでーとに行ってあげるよ」

提督「え?」

北方棲姫「だからでーと」

提督「……どこでその言葉を知ったのかな?」

北方棲姫「お姉ちゃんは、でーとすれば喜ぶって」

提督「お断りします!」バシャァ

北方棲姫「あっ……逃げちゃった。まーいーか」

―執務室―

提督「いったいどうしたというのだ。どこであんなフラグを立ててしまったのか」

提督「そもそもお姉ちゃんとはいったい誰なのだ」

提督「深海棲艦の謎は深まるばかり……」

↓2

―秘書官部屋の前―

提督「ここは機密などの都合のため、秘書官の仕事用に当てられた部屋だ」

提督「しかし、こんなところでテッポウをするのは、おそらく逆鱗に触れるだろう」

提督「ならばこちらのテッポウを……」

ズドドドドドド

霞「うるさい!」

提督「見てみろ秘書官、自衛隊とかでも採用されているPM9だぞ!」

霞「それがなんだっていうのよ」

提督「かっこいいだろ!」

霞「試し撃ちするなら射撃演習場に行け!」

提督「ういっす!」

―朝潮型の部屋前―

提督「秘書官が戻ったところを確認。やっぱりこっちもやっておかないとな!」

提督「はぁー……どすこいどすこい!」ダンダンッ

朝潮「じ、地震ですか!? ……あれ、司令官?」ガチャ

提督「お疲れ朝潮」ドゴッドゴッ

朝潮「あの司令官、一体何を?」

提督「テッポウ稽古だ!」

満潮「ウザいのよっ! 撃たれたくないのならやめなさい!」ガシャン

提督「げえっ! 先に満潮が出てきた!」ドムッドムッ

満潮「っ!」イラッ

ドーン

―執務室―

提督「ふぅ、出撃が少ないからか、砲撃の威力が落ちていたな。ちょっと考えて艦隊を選出するか」

提督「ちなみに秘書官は室内からスナイプしようとしていたらしい。我が秘書官ながら、恐ろしい奴だ」

↓2

―金剛型の部屋―

金剛「ちょっと相談してもいいですかー?」

霧島「金剛お姉様から相談とは珍しいですね」

榛名「何か困ったことでもあったんですか?」

金剛「その……なんだかおちつかないネー」

霧島「落ち着かない、ですか?」

榛名「もっと具体的に教えていただきたいのですが……」

金剛「……提督にずっとみられて、油断できないデース!」

霧島「……」シャッ


提督「ちっ、カーテンを閉められたか。しょうがない、別ルートだ。こっちからなら……」


霧島「よくわかりました」

榛名「普通に外にいましたね」

金剛「こうずっと見られていると、さすがに恥ずかしいデース」

比叡「大丈夫です! お姉さまに恥ずかしいところなんてありません!」

金剛「あ、比叡いたんですネー」

比叡「!」ガーン

霧島「いつものことですし、飽きるまで放っておけばいいのではないでしょうか」

金剛「ウーン……そうしマース」

榛名「はぁ。提督ももっと榛名にかまってくれてもいいんですけど……」

霧島(反応が面白くないからじゃない……とは言わないでおきましょう)

金剛(今日はお風呂とか入れないネー……)

―執務室―

提督「一日中ばれるように監視していたけど、いつもより行動が固いよりおかしなところはなかった」

提督「というより、なんで俺一日を無駄にするようなことしたんだろうか……」

↓2

提督「比叡と結婚する夢を見た」

金剛「ノー! 勝手に比叡と結婚したらノーなんだからネ!」

提督「いや、結婚って姉妹の許可はいらないんじゃ……って、その前に夢だから」

金剛(まさか私と同じ夢を見てるとは思わなかったデース……)

提督(まさか金剛が比叡との結婚を主砲ちらつかせて迫ってくるなんてな)

金剛「じゃ、じゃあ……嬉しかったですカ?」

提督「あんな結婚、嬉しくないな……まだ金剛本人と結婚した方がよかった」

金剛「――!」

提督(だって比叡、豚を見るような目で結婚したんだぞ。まだ迫ってきた金剛本人と結婚する方がいい)

金剛(こ、これってまさか……! うぅ、暴走しそうデース!)ダッ

バタン

提督「って、気づいたら金剛がいなくなっている」

提督「せめて夢の金剛も、比叡じゃなくて榛名を条件に出してほしかったよ。はぁ……」

提督「とにかく、シスコンと態度がきつい奴が苦手だからさぁ」

↓2

―鳳翔の店―

提督「君の瞳に乾杯」

大淀「ふふっ、提督には全く合わない言葉ですね」

提督「なんだとぉ、これでも高い地位についているんだぞ」

大淀「それと高い地位についていることは全く関係ないと思います」

提督「それもそうか」

大淀「それにしても、珍しいですね。提督がこうしてディナーに誘ってくれるなんて」

提督「場所は鳳翔のお店だけどな」

大淀「いいじゃないですか。ここは雰囲気もあって」

提督「……まあ、大淀を呼んだのは、ゆっくり親睦を深める機会がほしかったからだ」

大淀「そうなんですか?」

提督「嫌なら、ここで切り上げてもいいが」

大淀「そんなことしませんよ。仮にそうだとしても、このタイミングで帰ることのできる人はできないと思いますよ」

提督「それもそうだ」

大淀「……わかってて言ったんじゃないんですか?」

提督「それはどうだかな。じゃあ、本当に食事にありつくとしようか」

大淀「そうですね」

―執務室―

提督「空気は悪くなかった。鳳翔の店は、基本的に見知ったところもあって雰囲気を軽くしやすい」

提督「別に大淀がきついってわけじゃないけど……ああして二人きりになるのは初めてだったから、ちょっと保険かけてしまった」

↓2

―鳳翔の店―

提督「二連続でお世話になってんだけど、いいのだろうか」

加賀「客は客ですし、いいのではないでしょうか」

赤城「同感ですね。気にせずに行きましょう」

提督「しかし飲みってもなー……」

加賀「前みたいに酔いませんから」

提督「……フラグたてんな」

加賀「絶対に酔いません」

赤城「提督、加賀さんが酔ったら責任もって部屋に届けますから」

提督「そうか。それなら安心だ」

加賀「酔いませんから」

~二時間後~

加賀「だからごこうせんのこにいってやったんです……そこはそらにむけろと」

提督(こうなると思った)

赤城(なんでペース上げて飲んだんでしょうか)

加賀「まったく……zzz」

提督「寝たんだけど」

赤城「加賀さんはすぐ意地になるんですから」

提督「そこが加賀のかわいいところだと思わないか?」

赤城「思いますけどね。でも、提督は加賀さん苦手でしょう」

提督「まあな。でも、嫌いじゃないぞ」

赤城「嫌いなんて言われたら、多分加賀さん落ち込んじゃいますよ。では提督、私は加賀さんを部屋に戻しますので」

提督「おー、今日は解散なー」

―執務室―

提督「……いまさらだが、あの加賀が落ち込むか?」

提督「うーむ、考えられない。まったくもって考えられない」

↓2

―陽炎型の部屋三号室―

提督「谷風、甘えてもいいって、前に言ったよな」

谷風「言ってないけど、甘えてもかまわんよ」

提督「谷風ー!」バッ

谷風「おっと、なんで急に甘える気になったんだい?」ヒョイッ

提督「男には、たまに人肌に甘えたくなる時が来るのだよ」

谷風「だったら谷風さんじゃなくてもいいんじゃないのかな?」

提督「一番恥じなく誘えるのが谷風だったんだ」

谷風「そっかそっか。そりゃまた嬉しいね」

提督「というわけで、甘えさせろー!」ギュッ

谷風「はいはい、よしよしっと。これでいいのかい?」

提督「もうちょっと」

浜風「――もうちょっと……なんですか?」

提督「……やあ浜風。今日も元気かな?」

浜風「たった今、すごくやる気に満ち溢れました」

提督「……谷風、お前からとめれるよう言えないか?」

谷風「いうのはいいんだけどねぃ。ただ、止められるかは別だよ」

提督「そうか……」

浜風「セクハラはやめろと言っていますよね」

提督「こ、これはセクハラじゃない! 同意の上での行動だ!」

浜風「懺悔は地獄でしてください」

ドーン

―執務室―

提督「困ったもんだね。浜風も」

提督「でも谷風と遊ぶくらい、もっと温かい目で見てくれてもいいのに」

↓2

―食堂―

提督「大鳳、おっぱい吸わせてくれ」

大鳳「……はい?」

提督「俺はお前のおっぱいを吸いたいんだ」

大鳳「……」

大鳳(いつもの奇行にしては下ネタが過ぎます。おそらくこれは奇行を超えたその先、有名な比叡カレーによるものでしょうか。しかし、比叡カレーが生産されないよう、細心の注意を払って食堂にだけ入れないようにしているはずです。とはいえ、目の前にいる提督が言ったのも事実。夢の中であることを祈りたいものですが、周りの呆気にとられた視線を見る限りそれはないと思われます。……とりあえず)←0.7秒

大鳳「爆撃しますから」ブゥン

提督「ぬわー!」ドーン

大鳳「珍しく当たったんですが……」

浦風「迷惑かけて悪かったのう」

大鳳「おや、あなたは……」

谷風「どうやら磯風の料理を食べたみたいで、こうなったんだよ。いやぁ、まいったねぇ」

大鳳(第二の比叡カレーがここに誕生してしまったんですか……)

―執務室―

提督「磯風がもってきた谷風が作ったおにぎりを食べてから記憶がない……なんか、味わったことのない刺激を受けたところまでは覚えているんだが」

提督「気が付けば医務室に寝ていたし、何があったんだろうか……」

↓2

―演習場―

提督「瑞鳳、相手の好きなところを言い合おうじゃないか」

瑞鳳「す、好きなところですか?」

提督「まずは俺から。強い」

瑞鳳「つ、強いですか?」

提督「強いだろ。ほら、次瑞鳳」

瑞鳳「え? ええと……かっこいい、です……」

提督「ほうほう。じゃあ、意外とおっちょこちょい」

瑞鳳「おっちょこちょいってなんですかー!」

提督「実際そうだろ。ほら、次言ってみろ」

瑞鳳「うう……なんだかんだで優しいところ……」

提督「言われたかー。じゃあ、そうだな……」

瑞鳳(こ、これすごく恥ずかしい!)

提督「超弩級戦艦っていうところ」

瑞鳳「……は?」

提督「え、ダメだった? でも好きなところだし、俺この肩書好きだし」

瑞鳳「……すみません、相手って誰ですか?」

提督「だから、演習の相手。旗艦大和だろ?」

瑞鳳「……わ、分かってましたよ……」ガクッ

提督「ど、どうした?」

―執務室―

提督「まさか、あの後我らが主力大和が瑞鳳によって中破させられるとは……」

提督「たまに紅白戦するのも面白いものだ」

↓2

―廊下―

提督「羽黒ってかわいいな」

羽黒「は、はい!?」

提督「なあ、通りすがりの神通もかわいいと思うよな」

神通「はい、かわいいと思いますよ……」

羽黒「そ、そんな私なんてっ」

那珂「ううん、羽黒ちゃんはかわいい。艦隊のアイドル那珂ちゃんも認めてあげる」

羽黒「そ、そんなことありませんから!」

川内「夜戦の次にかわいいと思うわ」

羽黒「どれくらいなのかわかりません……」

提督「とにかく、とてもかわいいぞ!」

羽黒「うぅ……」

青葉「かわいいですよ!」

衣笠「え、ええと、かわいいって言えばいいの?」

羽黒「そ、そんな……私がかわいいなんてこと、ありませんからぁ!」ダッ

提督「逃げたか。ご協力感謝」

青葉「実際に、司令官はかわいいと思ってるんですか?」

提督「……まあ、妙高型四姉妹の中では一番な」

―執務室―

提督「あのまま逃げださなかったら、第二第三の協力者が登場していたところだった」

提督「協力者にはお礼として、俺の自家製アイスをプレゼントしてあげた。微妙な顔されたけど」

↓2

―鳳翔の店―

鳳翔「では、しばらくお店外しますから、少しの間頼みますね」

提督「うむ。いつもお世話になってるからな、まかせろ」

鳳翔「はい、頼りにしていますね」スタスタ


提督「……というわけで、鳳翔がいない間、店番をしているわけだ」

金剛「鳳翔はどこにいったのですカ?」

提督「俺が鳳翔の肉じゃが食べたいって言ったら、間宮から食材もらってくるって」

金剛「それって、自分のためですネー」

提督「まあそうなんだけどな」

金剛「鳳翔も大変デース」

提督「ははは。でも俺も嫁にするなら、鳳翔みたいな自分の苦労を顧みず頼みを受けてくれる女性がいいな」

金剛「……!」

提督「店番でも、飲み物出すことぐらいできるぞ。どうする?」

金剛「わ、私も肉じゃが作るデース!」

提督「……は?」

金剛「待っててネ! 提督!」ダッ

提督「ええ……さすがに二つもいらんぞ……」

鳳翔「あら、どうかしました?」

提督「いや……すまないが、肉じゃがは夜食にしてくれ」

―執務室―

提督「料理の結果は……別にいいか」

提督「しかし、金剛も対抗するなら別の方法で対抗してくれればよかったのに」

↓2

提督「朝潮、これ頼む」

朝潮「はいっ!」

提督「悪いな、手伝ってもらって」

朝潮「霞が出撃している間は仕方ないですから」

提督「ふっ、朝潮はいい子だな」

朝潮「ありがとうございます」

提督「ええと、この出撃指示は……朝潮、お前はどう思う」

朝潮「えっ? その、司令官がたてた作戦ならそれでいいかと」

提督「その返しじゃ0点だ。個人単位でたてた作戦など、穴があって当然だ。その穴を埋めるのが秘書官の仕事でもある」

朝潮「は、はいっ!」

提督「わかってくれたのならいい。もう一度聞く、この指示にどう思う」

朝潮「…………すみません、私にはどこが穴なのかわかりません」

提督「考えてくれたのならそれでいい。大事なのは、考え、決断することだからな」

朝潮「司令官……」

提督「まだ仕事はある。休んでいる暇はないからな」

朝潮「はいっ!」


~数時間後・朝潮型の部屋~

霞「――へぇ、そうなの」

朝潮「はい! 私のことも考えてくれて、とても素敵でした!」

霞(なんであいつは真面目にしたら高評価なのに、真面目にしないのかしら)

―執務室―

提督「久しぶりにまじめにやって、肩こった」

提督「しばらくはまじめに仕事なんてしたくない」

↓2

―マクドナルド―

提督「マックに来たけど、何を頼む?」

矢作「ん?」

提督「どうした?」

矢作「たしか、ここのことをマクドと呼んでいる人がいました。どっちが正解なの?」

提督「……マクドナルドに来たけどどうする」

矢作「私は普通のでいいわよ」

提督「オッケー、ビッグマックな」

矢作「ビッグとついている時点で、普通の物ではない気がするのだけど」

提督「絶対足りないから、悪いことは言わない、このままビッグマックにしておけ」

矢作「提督がそういうのであればそうします」

~注文後~

矢作「モグモグ……」

提督「美味しいか?」

矢作「間宮さんの料理の方がおいしいけど、これはこれで病み付きになるわね」

提督(ファーストフードってそういうところがあるからなー)

矢作「それで提督、そのおもちゃはなんなの?」

提督「ハッピーセットについてくるおまけだ。今日のはミニパチンコだ」

矢作「……」

提督「……したいのなら、遠慮せずにやってみるといい」

矢作「も、申し訳ありません。では……」

提督(こう、おまけのおもちゃで必死に遊んでいるところを見ると、子供みたいに見える)

矢作「……なんですか、じっと見てきて」

提督「勝負しようぜ」

―執務室―

提督「ミニパチンコで遊んでいたら、ポテトが冷めてた……」

提督「なんにしても、あったかいうちが一番おいしいよな」

↓2

―トレーニング場―

提督「この動画みたいなことをしたい」

浜風「……セクハラじゃないんですか」

提督「ば、馬鹿言うなよ! これは体制を整え、バランス感覚を伸ばし、共同作業に対してチームワークをはぐくむことにつながるぞ!」

浜風「……」

提督「浜風がいやなら浦風か谷風とするし」

浜風「……わかりました、しょうがないですが、本当にしょうがなくですがしてあげましょう」

提督「よしきた。手を下にして」

浜風「では、いっせーので……」

グイッ ビョン クルクル ガシッ スタッ

浜風「……ちょっと待ってください。なぜか天井近くの空中に投げ出されて三回転くらいした後、空中で終わりのこの体制になったんですが」

提督「ちょっと力入れすぎてしまったようだ。浜風も高く飛びすぎ」

浜風「提督が規格外なだけですよね!?」

提督「しかし浜風」

浜風「なんですか?」

提督「この抱きついた体制に、何も反応はないのか」

浜風「……正直、さっきの肝が冷えるジャンプをした後では、さほど……」

提督「そうか……」

―執務室―

提督「やりすぎて、反応が薄くなってしまったようだ」

提督「万が一ミスしても、一応事故防止にマットの上でしたから、多分大怪我まではいかなかった……と思う」

提督「ぶっちゃけあんなに飛ぶとは思わなかった」

↓2

―高翌雄型の部屋―

愛宕「なんだか肩こりがひどいわぁ~」

高翌雄「そうね……」

提督「ふっふっふ、その肩こりによく効く方法を教えてやろう!」

愛宕「本当?」

高翌雄「またマッサージですか?」

提督「そんな安直な人間ではない! 見よ、サロンパスだ!」

愛宕「……」

高翌雄「サロンパス?」

提督「肩こり腰痛筋疲労などの症状を和らげてくれるぞ!」

愛宕「……」

提督「……愛宕さん、その冷たい視線やめてください。キャラが崩壊していますよ」

―執務室―

提督「とか何とか言って、結局サロンパスで解消した」

提督「歳を取ってくると肩こりがきつくなるからな、しょうがない」

提督「……今一瞬青葉の気配がした」

↓2

―温泉―

提督「……温泉きたし、みんなで混浴と行こうか」

ドーン

提督「危ないな! 周りに被害が出るだろ!」

霧島「もはや自分の身を案じすらなくなりましたね」

金剛「て、提督、それはちょっと早いと思いマース」

比叡「そうですよ! お姉様の肢体は私だけの物です!」

榛名「……」

提督「ちぇっ、まあ嫌なら嫌でもいいけど。一人で温泉に入るの寂しいなー」

榛名「……は、榛名は大丈夫ですよ」

『!?』

霧島「本気?」

榛名「も、もう提督と混浴なら体験していますし!」

『!?!?』

金剛「どういうことネ榛名!?」

榛名「そのままの意味です! では提督、い、行きましょう!」

提督「顔真っ赤だけど大丈夫か? ……まあ、倒れなきゃいいけど」

金剛「わ、私も入りマース!」

比叡「お姉様が入るのなら!」

霧島「はぁ……結局こうなるんですね」

提督「別に嫌なら……うーん、女心はわからん」

―露天風呂―

提督「あ、さきあがるわ」

榛名「はいっ!」

比叡「早いね」

提督「俺あんまり長風呂しないからさ。お前たちはゆっくりしとけ」

ガラガラ バタン

金剛「……ど、どういうことですカ。本当に何も起こらなかったデース」

比叡「お姉さまくっつきに行きましたよね?」

金剛「邪魔っていわれたネー」

榛名「榛名も、お背中流しますって言ったら、お前たちの方が時間かかるんだからいいよと返されました……」

霧島「……そういえば、湯につかっているときも、ずっと星を眺めていました」

金剛「な、何か言っていなかった?」

霧島「やっぱり、温泉に浸かりながら見る星は最高だ……と」

『……』

―執務室―

提督「ああ、いいお湯だった」

提督「そういえば、帰り道で女の吟味とかつぶやいてたけど、どうしたんだろうか」

提督「若返りの効能とかある温泉に行った方がよかったかな……?」

↓2

提督「……なるほど、姉に何かプレゼントしたいと」

木曾「ああ、今までお世話にもなってるしな」

提督「いい妹じゃないか。大井、北上はもう買ってるんだよな」

木曾「ああ」

提督「球磨と多摩か……なら、魚だな」

木曾「魚? そんなんでいいのか?」

提督「魚……でもキスとかどうだ。あんまり食べる機会もないし、お礼ってことなら食べ物でもいいだろう」

木曾「なるほど、さすがだな。意外なところをついてくる」

提督「戦術ってのはそういうもんだ」

木曾「サンキューな」

バタン

提督「木曾にキスを薦めてやったぜ」

提督「キスは脂肪が少なくて意外と美味だ。まあ、一般的に好き好んで食べる人は少ないと思うけど」

提督「キスじゃ普通は喜ばないかもしれないけど、木曾の気持ちはわかってくれるだろう」

↓2

―アップルストア前―

ワーワーキャーキャー

提督「……予約殺到してるな」

168「だから早めに予約しに来たのよ」

提督「俺を連れてきた理由は?」

168「一人じゃ暇だから」

提督「……そんな理由で上司を連れてくるなよ」

168「まあまあ、司令官の分も買えば無駄にならないでしょ」

提督「そうかもだが……あと何時間並べばいいんだ。店の外まで続いてるんだぞ」

168「深夜組がいたみたいね。まあ、これくらいの人数なら大丈夫でしょ」

提督「イムヤが大丈夫っていうなら大丈夫か」

168「こうしてる間、携帯ゲームでもしましょ。まだまだ長いんだから」

提督「へーい」

―執務室―

提督「結局俺のも予約してしまった」

提督「一緒に買ったから、登録が一番最初になるのだろうか」

↓2

提督「瑞鶴、加賀に稽古を受けに行こうか」

瑞鶴「稽古?」

提督「嫌とか言ってたらだめだぞ。先輩の指導を受けること大切なんだからな」

瑞鶴「いや、別に稽古を受けるのはいいんだけど、あちらさんが素直に応じてくれるの?」

提督「……え、いいの?」

瑞鶴「断る理由はないわよ」

提督(おかしいな、俺の予想だと難色を示すはずなんだが)

瑞鶴「何?」

提督「瑞鶴がそういうのならいいだろう。じゃあ、一航戦の部屋に行くか」

瑞鶴「はーい」

― 一航戦の部屋 ―

提督「というわけで、稽古つけてくれない」

加賀「……」

提督「……嫌、か?」

加賀(一体なぜ五航戦の子を……もしかして、私たちの技術を学ばせることにより、一航戦の出番をなくそうとしている……ま、まさか本当に用済みってこと?)

提督「瑞鶴、反応がない」

瑞鶴「多分こうなると思ったわ」

赤城「どうしたんですか? 加賀さん固まってますけど」

提督「瑞鶴に稽古つけてもらおうと思ったら、加賀が固まった」

赤城「ああ……なんとなく理由はわかりますし、私が代わりにつけてあげますよ」

提督「そうか? じゃあ頼もうかな。瑞鶴もそれでいいか?」

瑞鶴「ええ、私は構わないわ」

加賀「ブツブツ……」

―執務室―

提督「加賀は本当に大丈夫なのか。最近なおのこと調子が悪くなっている気がする」

提督「AL作戦で酷使しすぎたか。しばらく休みいれておいてやるか……」

↓2

―扶桑型の部屋―

提督「よし! ゆっくりするぞ扶桑」

扶桑「ゆっくりするんですか?」

提督「そうだ、ゆっくりするぞ!」

扶桑「ゆっくりできるんですか?」

提督「は? 何言って……」

山城「何勝手に部屋に入っているんですか、提督」

提督「……あ、山城は出撃翌予定入っているから」

山城「な、なんですって!」

扶桑「山城、頑張ってね」

提督「ほら、お前の愛する姉さまにも言われたぞ」

山城「くっ……姉さま! すぐに戻ってきますから」ダッ

提督「……さて、ゆっくりしようか」

扶桑「ここまで考えていたんですね」

提督「さて、何のことかな」

扶桑「まったく、提督は……お茶入れますね」

提督「いや、お茶なんて入れなくていいから、お前もごろごろしろ」

扶桑「え? えーっと……」

提督「ほら、俺の隣あいてるから」

扶桑「は、はい! では、失礼します……」

提督「……」

扶桑(ど、ドキドキしますね……提督は……)

提督「……zzz」

扶桑「……提督らしいです、ふふ」

―執務室―

提督「山城にたたき起こされてしまった……」

提督「不幸というが、部屋の場所はいい部屋だ。日当たりもいいし」

↓2

― 一航戦の部屋 ―

提督「――というわけで、稽古のお礼だ」

赤城「ありがとうございます。あ、おまんじゅうですね」

加賀「……」

提督「いいところのやつだから、美味しいはずだ」

赤城「気にしなくてもいいんですよ? 好意でやったわけですから」

提督「なら、これも俺の好意だ」

赤城「提督は優しいですね」

加賀「……」

提督「じゃあな赤城」

赤城「はい、好意ならきちんと受け取っておきますね」

提督「加賀も遠慮せずに食べろよ」
赤城「加賀さんいただきましょう」

提督「俺が言う必要がなかったか」

赤城「ふふ、そうですね」

加賀(あ、赤城さんにヒロイン力で負けてる……!」

赤城「加賀さーん、心の声が漏れてますよ」

提督「加賀のキャラが崩壊するほど、何か辛いことがあったのか」

赤城「提督、そっとしておいてください」

提督「あ、ああ」

―執務室―

提督「思ったより重症みたいだな……しょうがない、休みを増やしておいてやろう」

提督「早めに治ってくれればいいんだけどな」

↓2

提督「……MGS4やってて思ったんだけど、ドラム缶で転がるのって面白くない?」

天龍「それがどうしたっていうんだよ」

提督「そんなわけで、ドラム缶を用意した」

天龍(なんか嫌な予感がするな……)スッ

提督「逃がさんぞ!」ガシッ

天龍「なっ……は、離せ!」

提督「さあて、ドラム缶につめこんで……」

天龍「やめ……!」

提督「出発だー!」ゴロゴロ

天龍「やめろおおおおおおおおお!」ゴロゴロ

―廊下―

天龍「ははははは!」

提督「楽しんできたな! 天龍!」

天龍「目が回るのさえなれればなんてことないな!」

提督「じゃあこのまま怖がらせてやろう!」

天龍「フフフ、怖いか!」

龍田「あらあら……何してるのかしら?」

提督「うっ!」ピタッ

龍田「面白そうなことしていますね、天龍ちゃん、提督」

提督「こ、これはだな、天龍がどうしてもやりたいと」

天龍「ばっ、提督の方から誘ってきたんだろ!」

提督「なんだと!」

龍田「ふ・た・り・と・も?」

二人『すいませんでしたぁ!』

―執務室―

提督「みんなの迷惑になるからやめろと言われた。まさか龍田から正論をくらうとは……」

提督「天龍は完全にとばっちりだけどな」

↓2

提督「那珂ちゃんちょっと太ったんじゃない」

那珂「え゛」

提督「ちょっとダイエットしなきゃな」

那珂「な、那珂ちゃんはそんなの全然大丈夫!」

提督「ほう、ぶくぶく太っていいと」

那珂「そ、そんなわけないでしょ」

提督「まあまあ那珂ちゃん。俺も何の策無しに言ったわけではない」

那珂「何か策があるの?」

提督「そんなわけで、参考に動画を用意してみた。エアロビ天国 GO! GO! HEAVENだ」

~閲覧後~

那珂「……これって拷問じゃないかって那珂ちゃん思うんだけど」

提督「フィットネスはそのくらいの覚悟がいるに決まってるだろう」

那珂「那珂ちゃんが知ってるフィットネスは、トゲとかローラーとか電気ショックとか使わないよ」

提督「だが、これを乗り越えられたものに勝利があると思わないか」

那珂「思わないよ」

提督「えー、俺はこれくらい余裕だったけどなぁ」

那珂「やったの!?」

提督「それで那珂ちゃん、やる?」

那珂「お断りします」

バタン

提督「……すごい他人行儀に断られた」

提督「するって言われても困ってたけど。だって、こんな機械用意できるわけないし」

↓2

― 一航戦の部屋 ―

提督「赤城よ! 貴様の三段式甲板を見せてもらうぞ!」

赤城「私の、ですか? 私三段式甲板なんてつけてませんけど」

提督「大和みたいのじゃない。お前自身についている奴だ」

赤城「私自身についてるもの、ですか?」

提督「これだ!」スッ

赤城「きゃっ!?」

提督「……」スリスリ

赤城「お、お腹くすぐらないでください! く、くすぐったいですから!」

提督「馬鹿な……」

赤城「な、何がですかっ」

提督(三段式無いぞ……一段すらないだと……)

赤城「提督っ!」

提督「……」プニッ

赤城「ひゃん!」

提督「これが三段式甲板……きょ、今日は脇腹で勘弁してやる!」

赤城「何がですか!」

提督「じゃあ――」
加賀「おとなしく帰れるとでも?」

赤城「あ、加賀さん……」

提督「いつからいらっしゃいました?」

加賀「赤城さんの服の中をまさぐっていたときですかね」

提督「あれはあくまでも、ちょっとしたコミュニケーションであってな」

加賀「嫌がってるからセクハラですよね」

提督「……」チラッ

赤城「……」テレテレ

提督「せ、セーフってことに」

加賀「なりません。第一攻撃部隊、突撃」

ドーン

―執務室―

提督「セクハラかぁ……そういえば、最近気にしてなかったなぁ」

提督「ま、まあ嫌がってたら、その時にやめればいいし?」

↓2

―阿賀野型の部屋―

提督「……」ムニムニ

阿賀野「……」ペタペタ

提督「赤城よりムニムニしてる気がする」

阿賀野「な、なにー」

能代「阿賀野姉ぇ、棒読み」

阿賀野「阿賀野自身、ちょっと自覚あったから……」

矢矧「では、共に走りましょうか?」

阿賀野「えー、めんどくさい~」

提督「そんなこと言うから、こんなにムニムニしてるんだ」ムニムニ

阿賀野「やぁん♪」

提督「……」スッ

阿賀野「えー、何で止めるの?」

提督「嫌がられたいわけじゃないけど、ちょっとそれは……」

阿賀野「そういうのは能代の役目でしょ?」

能代「私に何を求めてるのよ!」

酒匂「司令、あたしには?」

提督「また今度な」

―執務室―

提督「ふーむ、阿賀野型はどうも予想よりまろやかになるな」

提督「基本ボケキャラしかいないからなぁ」

↓2

―デパート―

提督(なんかよく分からないけど金剛とデートすることになった)

金剛「考え事ばかりしないで、デートを楽しみまショー!」

提督「目的もなくショッピングは男にとって苦痛なだけだぞ」

金剛「私とデートしてるヨー」

提督「目的になるのかね」

金剛「ムー、提督が誘ってきたのニ」

提督「そうだっけ」

金剛「提督が遊びに行こうって言ってきたデース」

提督「……ああ、俺は遊びに行こうって言ったわけであって、デートのつもりは全くなかったわけだ」

金剛「乙女の純情を弄んだデース!」

提督「そう言うつもりはないけど……まあいいか、ウィンドウショッピングでもしよう」

金剛「じゃあいくネー!」

提督「って、ウィンドウショッピングだけでいいのか?」

金剛「だって提督はお金もってないでショー」

提督「まあ、遊ぶだけのつもりだったし、そんなには」

金剛「なら、これで満足デース」

提督(……流石にそれは悪いよな)

~帰り道~

金剛「楽しかったデース!」

提督「そうか、それは良かった」

金剛「提督はどうでしタ?」

提督「のんびり見るというのも、たまにはな」

金剛「それなら良かったデース!」

提督「……そうだ、金剛にプレゼントだ」

金剛「プレゼント?」

提督「本当に見るだけというのも味わいが無いからな」

金剛「……これ、ネックレス?」

提督「気にせず受け取れ、断られても使い道がない」

金剛「とっても嬉しいデース!」

提督(……まあ、時間が空いたときに行ったゲーセンでとれたもんだけど)

―執務室―

提督「男女二人で歩けばデート。分かりやすくていいな」

提督「……ていうことは、遊びに誘った時点でデートと同意だったという事か」

↓2

―球磨型の部屋―

提督「北上、そう言えば三つ編みだったな」

北上「……それが何」

提督「練習してきたんだ、編ませてくれ」

北上「断る」

提督「な、何だって!?」

北上「自分の髪を好き好んであませる人は……あー、いるねぇ」

提督「ならいいだろ?」

北上「ま、別に私は良いんだけどね」

提督「じゃあなんで断ったんだ?」

北上「後ろを見てみ」

提督「北上、後ろには恐ろしい化け物がいるんだ」

北上「だって、大井っち」

大井「恐ろしい化け物、ですか」

提督「待て大井、北上の三つ編みを編ませてからにしてくれ」

大井「それを許すと思いますか?」

提督「と、思うか。もう既に行動は終わっている」

北上「……え? あ、なんか少しだけ三つ編みが変わってる」

大井「ほ、本当ですか!?」

提督「……ま、嘘だけどね」ダッ

大井「あっ、待ちなさい提督!」ダッ

北上「……さて、本当に三つ編みが変わっていないのかねー、なんだか違和感があるけど」

―執務室―

提督「北上と遊ぶとだいたい大井に追っかけられてる気がする」

提督「それでも遊ぶけど」

↓2

大井「見つけましたよ提督」

提督「何時もここにいるだろう」

大井「北上さんの髪をいじった罪、償ってもらいます」

提督「なるほど」

大井「何がなるほどなんですか」

提督「つまり大井は俺に三つ編みをしてもらいたかったんだな」

大井「なななっ! なんでそうなるんですか!」

提督「違うの?」

大井「大違いですよ!」

提督「……北上と一緒の髪型に出来るぞ」


大井「提督にしてもらいたかったわけじゃ無いですから、北上さんの一緒の髪型にしたかっただけですから」

提督「はいはい」

大井「くっ……今度何かあったときは、絶対に許しませんから」

バタン

提督「……いや、一緒の髪型にしたいなら北上に頼めばよかっただろ」

提督「ん? いや、北上の事だから、キャラが被るとか言ってあえてしない可能性もあるか」

↓2

―廊下―

「うおおおおおお!!」

暁「?」クルッ

般若の仮面をかぶった男「暁たんペロペロオオオオオオオ!!」ドドドドド

暁「ぴゃああああああああ!!??」ダッ

般若「舐めさせろおおおおおおお!!」

暁「た、たすけてええええええ!!」


響「……」

雷「助けなくていいの?」

電「無駄なのです」

響「追いかけられる身にはなりたくないね」


暁「見てるならたすけてよおおおおおおお!!」

般若「prpr!!」

―執務室―

提督「……少し磯風に頼ってしまった、おかげでやり過ぎてしまった」

提督「他の三人にいつもと同じように見られていたのは心外だけど」

↓2

―綾波型の部屋二号室―

提督「マッサージさせてくれ」

潮「ま、マッサージですか?」

漣「もしかしてご主人様、手が滑ったとか言って、あの大きな胸に触るつもりじゃないですよね」

曙「そうなの!? 変態クソ提督!」

提督「なんでそんな話になる。みろ、おとなしく受けてくれた朧は、あんなところでぐーすか寝てるぞ」

潮「え? あれ司令官がしたんですか?」

提督「気持ちよさそうに声あげて、そのまま睡眠に入ったぜ」

漣「もしかして、寝込みを襲うために……」

曙「この変態クソ提督!」

提督「なんでお前ら下世話な妄想しかしないわけ」

潮「あの、私は良いですよ。マッサージしても……」

提督「ほほう。ならばそこに横になるといい」

漣「ご主人様、通報しますた」

曙「潮、正気なの!?」

提督「おい潮、色々疑われてるぞ」

潮「漣ちゃん、曙ちゃん、大丈夫だよ」

曙「本当に? 何かされそうになったら、大声出すのよ」

漣「防犯ブザー渡しておくね」

潮「だ、大丈夫だって」

提督(マッサージ始まらないな……)

潮「ん……少し、くすぐったいです……」

提督「駆逐艦の中でも、肩とかこってそうだと思ったけど、そんなことは無いな」コリコリ

潮「そうです……か……?」

提督「んー……まあ、全体的にもみほぐすくらいにしておこう」モミモミ

潮「はい……っ……」

漣「ご主人様、よく通報されませんね」

曙「完全にセクハラだし、通報しておきましょう」

提督「本当に憲兵来るからやめて!」

潮「提督……もっと、お願いします……」

提督「お、おう……」

漣「ですって奥さん」

曙「奥さんじゃないけど、あれはロリコンの目ね」

提督(どうしろと)

―執務室―

提督「かつてないほどやりづらかった」

提督「ちなみに、曙の通報先は秘書官だった。また怒られるところだった……」

↓2

―綾波型の部屋一号室―

提督「なるほど……」タプタプ

綾波「えっと、何がなるほどなんですか?」

提督「綾波のほっぺはもち肌だな!」

綾波「それは喜んでもいいのでしょうか?」

提督「ふふふ、喜んでいいぞ。綾波は今まで触った中で最ももちもちしている」

綾波(それって太ってるという事ではないですよね……)

提督「さあ、もっと触らせるのだ!」

綾波「もう、あんまりしないでくださいね」

敷波(二人とも、あたしがいるとわかっててしているの……?)

―執務室―

提督「綾波のもち肌を体感してやった」

提督「まあ、一番といっても、別に全員の頬を触ったわけじゃないんだよね」

↓2

―廊下―

金剛「~~♪」


提督「いたいた。だーれ――」ズルッ ムニョ

金剛「ひゃあ!?」ビクッ

提督「だ……」

金剛「て、提督ぅ~」

提督「わ、わざとじゃない! そこのバナナに足を取られただけで!」

金剛(あれ、珍しく提督が焦ってるデース。もしかして、少しでも私のことを気にしてくれているかモ!)

金剛「もう、そういうことは、時と場所を考えて行いなヨー! でも、提督がその気なら……」

提督「セクハラで……セクハラで秘書官に通報するのだけはやめてください! お仕置きが怖いんです!」

金剛「デースよネー」

―執務室―

提督「セクハラ通報は怖いね、まったく」

提督「金剛も今回はわかってくれたし、今度から気を付けることにしたい」

↓2

―食堂―

提督「三隈、相席いいか?」

三隈「よろしいですわ」

提督「ええと……最上たちと一緒じゃないのか」

三隈「いつも一緒というわけではないですよ」

提督「ふうん……なら、今日は熊野っぽく優雅にランチと行かないか」

三隈「優雅ですか?

提督「まず、テーブルクロスをオシャレなものにする」バサッ

三隈「シルクのテーブルクロス……いったいどこに持ってたんですか」

提督「そして、間宮に頼んで作ってもらった、ミディアムの霜降ステーキ」

三隈「職権乱用じゃないですか」

提督「ナイフとフォーク。飲み物にはワインを」

三隈「優雅というより豪華じゃないですか」

提督「これで二人がマナーよく食べれば、優雅に見えないか?」

三隈「くまりんことしては、ここだけ浮いているように見えると思います」

提督「なんだと……」

三隈「マナーよく食べれば、あんまりおしゃべりできませんし」

提督「うむむ……なかなか、優雅に食べるのも難しいものだな」

三隈「それと提督はマナーを知っているのですか?」

提督「……気分だけ優雅に行こうか」

三隈「それが限度ですね」

―執務室―

提督「誤魔化すように言ったが、マナーくらいは覚えている。多分」

提督「優雅ってのも難しいものだよなぁ」

↓2

提督「お茶しよう」

叢雲「執務室に人を呼んどいて、いきなりそれ?」

提督「俺が真面目な口調で呼んでないときは、だいたい私情によるものだ」

叢雲「そんなの知らないわよ!」

提督「まあお茶くらいいいじゃないか。絶対嫌だってなら、諦めるけど」

叢雲「そ、そこまでは言ってないわよ!」

提督「なら付き合ってくれ」

叢雲「そもそも、なんで私なのよ」

提督「吹雪型の中で、お前だけは話して無かったからな」

叢雲「……そうなの?」

提督「いや、嘘だけど」

叢雲「っ!」ガシャン

提督「すみませんすみません!」

叢雲「次変な冗談言ったら、かますから」

提督「もういいません」

叢雲「……準備しなさい、一緒にお茶したいのなら」

提督「わかりました!」

叢雲(これで提督やってるのよねぇ)

提督「準備終わりました!」

叢雲「早いわね!」

~一時間後~

叢雲「あら、もうこんな時間……」

提督「なんだかんだで、時間を忘れるほど楽しんだのか」

叢雲「わ、悪い!?」

提督「悪くないです!」

叢雲「ふん! ……じゃあね、楽しかったわ」

バタン

提督「叢雲はツンデレだなぁ」

提督「秘書官とか苦手だけど、ああいう分かりやすい奴は結構好きだな、うん」

↓2

―食堂―

提督「いつも大変そうだな間宮は」

間宮「そうでもないですよ。こうして料理を作って、みなさんの笑顔を見られるなら疲れも取れていきますから」

提督「よくできた人間だよ、本当に」

間宮「艦娘ですけどね」

提督「……よし、そんな頑張っている間宮には、俺に甘える権利をやろう」

間宮「はい?」

提督「膝枕でも耳掃除でもなんでもいいぞ」

間宮「私よりも、駆逐艦の子たちに甘えさせてください」

提督「思春期なのか、一部の子以外はなんだか反発してね……」

間宮「恥ずかしがっているだけですよ」

提督「そうだといいんだが……って、俺は間宮を甘えさせに来たんだ」

間宮「気を遣わなくていいですよ」

提督「気を使っているんじゃない。俺が甘えてもらいたいだけだ」

間宮「……では、少しだけいいですか」

提督「おう、どんとこい」

間宮「……」ギュッ

提督「……」

間宮「……はい、もう大丈夫です」

提督「え、手を握っただけだぞ」

間宮「それで充分です」

提督(もしかして、甘えたくないほど信頼されていないのか……)

間宮(迷惑かけることも多いですけど、提督は見ているだけで元気が出ますから)

―執務室―

提督「地味にショックだ……てっきり一定の信頼はもらっていると思っていたのに」

提督「も、もしかしたら弱いところを見せたくないだけかもしれないし……(震え声)」

↓2

提督「間宮が甘えてくれないから、代わりにご飯を作ってあげよう」

扶桑「……はあ」

提督「なんだその気のない声は。扶桑だってお世話になっているだろう」

扶桑「お世話になっていますが、料理を作ってあげるのであれば、私より上手な人にお願いした方がよいのでは……」

提督「そんなわけないだろう。俺は扶桑がサポートとしてついてくれた方が嬉しいから、お前を選んだんだぞ」

扶桑「て、提督……」

提督(本当はクジで出ただけだけどな)

扶桑「扶桑型戦艦扶桑、提督のご期待に応えられるよう、頑張らせていただきますね」

提督(まあやる気になってくれたみたいだし、これでいいや)

―食堂―

提督「許可は得た。サプライズにはならないが、重要なのはそこではないだろう」

扶桑「何を作りますか?」

提督「カレー?」

扶桑「間宮さん一人で食べられますかね……」

提督「……しょうがない、ならば和の心を持って、ご飯味噌汁焼き魚と行こう」

扶桑「いいですね」

提督「扶桑、俺と一緒に味噌汁を作ってくれるか」

扶桑「……あ、はいっ」

提督「食材はこれで……」

扶桑(ぷ、プロポーズに聞こえてしまいました……)

―執務室―

 間宮『後姿がまるで夫婦みたいでしたよ』

提督「――とか言われたけど、何のことだろうね」

提督「料理を一緒に作るだけで夫婦なら、比叡とはもうとっくに結婚してるぞ」

↓2

―陽炎型の部屋一号室―

提督「陽炎、アイスをやろう」

陽炎「間宮アイスじゃなくて、当たり棒のアイス? わざわざ買ってきたの?」

提督「間宮アイスばかり食べてると舌が肥えるからな。遠慮せずに食べろ」

黒潮「ウチのもあるん?」

提督「あるぞー」

不知火「不知火はせがんだりしませんから」

提督「あっそ」

不知火「……」

提督「そんなショックうけるような顔するなら、始めから言うなよ」

不知火「しょ、ショックなんて受けてませんから!」

陽炎(不知火ったら楽しそうに。あれ、このアイス……あた――)

黒潮「おー、まさか当たりかぁ!」

提督「マジで、運いいな」

陽炎「あた……らない」

不知火「……本当にそう書いてありますね」

黒潮「いやらしいなぁ、当たりと見せかけて、実は違うとか」

陽炎「……まさか、司令?」

提督「店で売ってるのだと思ったか? 自作だよ!」

陽炎(また無駄なことをしちゃって……)

―執務室―

提督「いじめというかいたずらというか。ギャグ漫画によくあるアレをしたかっただけというか」

提督「なんにしても、期待させて落胆させるあの表情の変化はいいものだ」

↓2

―お好み焼き屋―

提督「という訳で、お好み焼き屋に来た」

浦風「お好み焼きは久しぶりじゃ」

龍驤「お好み焼き屋? 他にはないんか」

浦風「お好み焼き一枚で十分じゃろ」

龍驤「足りるわけないやん。何言うとん」

浦風「そうなん? よく食べるんじゃのう」

提督「そこ二人、喋ってないで早く選べ」

黒潮「ウチはチーズの入った奴で頼むわ」

浦風「うちは普通のでええ」

龍驤「えっと、うちは……ん?」

提督「どうした龍驤」

龍驤「いやなんか……大きない、これ」

提督「そらお好み焼きだからな」

龍驤「でも、うちのしっとるお好み焼きは、こう、おかずになるような……」

提督「それ関西風だろ。ここは広島風。お好み焼き屋って言ったら、広島になるのは当たり前だろう」

龍驤「なんやて!」

浦風「とうしたんじゃ」

龍驤「お好み焼きっていうたら関西風やと思うやろ……まったく」

浦風「それは聞き捨てならんのう」

龍驤「なんや、文句あるんか」

提督「……なんでこう、お好み焼きの呼び方で熱くなるかな」

黒潮「しゃーないかもしれんけどなぁ」

提督「黒潮は気にしないのか?」

黒潮「地方に合わせて呼べばええんやろ。気にすることでもないやん」

提督「せやな」

龍驤「そもそもお好み焼きの元祖は――」

浦風「そんなはずない――」

黒潮「……司令はん、先に頼まん?」

提督「頼むか……」

―執務室―

提督「とまあ、関西で関西風、広島で広島風と呼ぶとキレる人がいるので注意が必要」

提督「そもそも、三人を一緒に連れて行ったのが失敗だろう」

↓2

―廊下―

提督「喰らえ! かなり本物に近い蛇の攻撃!」ヒュッ

ビスマルク「あ、ちょっと!」スッ

提督「ちっ、避けられたか」

ビスマルク「危ないわね! いきなり何よ」

提督「……あ、すまん間違えた」

ビスマルク「いったい何に間違えたっていうのよ」

提督「いやぁ、暁に投げてやろうかと思ったら、大きい暁に投げてしまったよ」

ビスマルク「あの駆逐艦の子と私でどうやって間違えるの!?」

提督「ところで、その蛇のおもちゃに驚きもしないのか?」

ビスマルク「いくら巧妙に作られていたとしても、おもちゃはおもちゃよ」

提督「つまらんな。暁ならいい声で驚いてくれるというのに」

ビスマルク「いったい私に何を求めているのよ!」

―執務室―

提督「どうせなら本物投げつけたほうが面白い反応をしたかも」

提督「まあ、何してくるかわからない以上、無茶はできないが」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「好きだ」

比叡「ひえっ!?」
金剛「ひえっ!?」

霧島「金剛お姉さま、うつってます」

榛名「お茶の準備してきますね」

提督「よっと」ダキッ

比叡「し、司令……」

提督「さあ、行くぞ比叡。あの城まで」

金剛「城ってどこネ」

提督「え? そりゃ……万里の長城?」

金剛「日本ですらないデース!」

比叡「司令、ちょっと棒読み過ぎませんか? 練習になりませんよ」

提督「いきなり舞台練習の相手なんかさせるからだ」

霧島「まさか、比叡お姉さまが女優の仕事までするなんて思いませんでした」

比叡「ギャラに惹かれて……」

提督「現金だなおい。あと金剛、演技だと知っているのに反応するな」

金剛「無理言わないでくだサーイ。好きなひ――」
榛名「お茶の準備ができました」

金剛「……」

提督「まあ比叡、お前のセリフはほとんどないんだから、適当でどうにかなるだろ」

霧島「アイドルの主演なんて、だいたい微妙な演技ですしね」

比叡「ひえぇ……」

―執務室―

提督「しかし、比叡が女優デビューだとは……もうどこまで行っても驚かない」

提督「申請が行くのは秘書官だから、どこまで許すのかは秘書官次第ではあるけど」

↓2

提督「昼寝しないか」

霞「ふざけんなカス提督」

提督「一応理由を聞いておこう」

霞「伝達の手間を省くために、わざわざここで仕事をするほど量があるのに、昼寝をしている暇なんてないわ」

提督「つまり、俺が真面目に仕事をしたら昼寝をしてくれるんだな」

霞「……夕方までに終わるなら考えてもいいわ」

提督「俄然やる気でてきた」

霞(終わるわけないでしょ。しばらく判子押すくらいしかしてないんだから……)

提督「じゃあ、承認いる奴はこっちに持ってきてくれ。確認の手間が余計だ」

霞「はいはい」

~数時間後~

提督「まだ昼と言える時間だな。よし、完璧」

霞「まさか、本当に終わるなんて……」

提督「ほらほら、約束したよね、ん?」

霞「ウザいわね……わかってるわよ!」

提督「布団は用意した。じゃあ寝るぞ!」

霞「ったく……」

提督「zzz……」

霞「早っ! ……はぁ」ゴソゴソ

霞(今日だけなんだから、まったく)

~~~~~~~~

提督「起きると隣に秘書官が……いない」

提督「だが、ちょっとだけまくられた毛布と、残る温度、ついでに残り香で寝ていたことは明らかだろう」

提督「……今の変態っぽかったな」

↓2

金剛「脱衣麻雀するデース!」バーン

提督「……また比叡か。困ったもんだな」

金剛「ノー、違うデース!」

提督「じゃあ磯風か。ったく、あいつは」

金剛「ノーノー!」

提督「……医務室いこう。俺もついていくから」

金剛「ムー、提督が素直にうなずいてくれないネー」

提督「……わかった。だが、ルールはロン上がりのみで服を脱ぐようにしよう」

金剛「ついにやる気になってくれたんですネー。わかったデース!」

提督「では、始めようか」

~二時間後~

金剛「聴牌デース」

提督「ノーテン」

金剛「……ツモで上がれても、ロンで上がれないネー」

提督(差し込まなきゃいいだけだしな。さて、これからどうするか)

金剛「ウゥ……」バタッ

提督「……って、大丈夫か?」

夕張「あー、やっぱりここにいましたね」

提督「夕張、急に金剛が倒れたんだ」

夕張「その、比叡カレーを技術で再現できるかと、妖精さんと薬を作ってたんですよね」

提督「作ってた? ……まさか、急に倒れたのは」

夕張「多分効能切れです。いやあ、無くなってて焦りました。では、金剛さんはきちんと医務室に連れて行きますので」

バタン

提督「……まるで台風一過だな」

提督「いやしかし、金剛が麻雀下手で助かった。単騎待ちかシャボ待ちしかしないんだもん」

提督「四人麻雀とか、上手な人と当たったらどうなっていたことか……」

↓2

金剛「今後は仲間を連れてきたデース!」

榛名「こんにちは提督」

比叡「気合! 入れて! 行きます!」

提督「……夕張は?」

榛名「解毒剤とすり替えておきました」

提督(夕張、恨むからな……)

金剛「次こそは負けないデース!」

提督「しょうがない、真の力を見せるか」

金剛「真の力……?」

比叡「どーせはったりですよね!」

提督「さて、どうかな?」

~二時間後~

金剛「ノーテンデース」

榛名「榛名も同じです」

比叡「ひえぇ……」

提督「くっくっく、場の支配の力はどうだ」

金剛(おかしいネー……)

榛名(一向聴から進みません……)

比叡「ルールの変更を求めます!」

提督「前のルールでもいいって言ったのは、お前の敬愛するお姉さまだぞ」

比叡「くぅっ……」

提督「さて、次は……」

明石「はぁっ……はぁっ……今度こそ捕まえさせてもらいますよ!」

提督「よく来た明石! こいつらを何とかしてくれ!」

明石「わかってます! 大和さん、やっちゃってください!」

大和「もう終わってます」

金剛「」
榛名「」
比叡「」

明石「いつのまに……」

提督「恐ろしく早い手刀、俺でなきゃ見逃しちゃうね」

大和「では、今度は私もついていますから」

提督「ああうん、もう二度とこんな麻雀させないようにしてくれ」

大和「こんな麻雀?」

提督「脱衣麻雀」

大和「……わかりました」

バタン

提督「ふう、いつイカサマがばれるかとひやひやしたぞ」

提督「なんとなく覚えた特技が、こんなところで役に立つとはな。芸は身を救うとはよく言ったものだ」

↓2

―白露型の部屋―

提督「っぽい」

夕立「っぽい?」

提督「っぽい」

夕立「っぽい!」


春雨「司令官と夕立姉さんは何をやっているんですか?」

時雨「理解しない方がいいよ」

村雨「そうねぇ、ああなると止められないから」

春雨「そうなんですか……不思議ですね」

時雨「まったくだね」

村雨(あれって、お互い理解できているのかしら)

―執務室―

提督「最近夕立は暇っぽい。遠征もたまには行きたいっぽい」

提督「って、やべ、治ってないっぽい。んんっ!」

提督「とりあえず、ニュアンスで意志を読み取るものだよ、うん」

↓2

―廊下―

提督「……」

榛名「あ、提督こんにちは。どうかしましたか?」

提督「……」

榛名「提督?」

提督「……」

間宮「榛名さん、少しいいですか?」

榛名「あ、はい。では提督、失礼しますね」

提督「……」

間宮「少し頼みたいことがあるんですけど、いいでしょうか?」

榛名「はい、榛名にお任せください」

間宮「それでその……後ろの提督は、いかがしました?」

榛名「え? あ、提督?」

提督「……」

間宮「……」

提督「……」グッ

間宮「またいつものですね。ええと榛名さん、頼みたいことというのは、鳳翔さんのところにこれを届けてほしいんです」

榛名「調味用のお酒ですか。はい、承りました!」

間宮「提督も手伝ってあげてくださいね」

提督「……」コクッ

榛名「ありがとうございます、提督」

―執務室―

提督「……ん? 普通にお礼されたんだけど、なんか想定外の方向に……」

提督「んー、まあそんなものか。相手は榛名だし」

↓2

―阿賀野型の部屋―

提督「阿賀野、目隠しして」

阿賀野「阿賀野に何する気?」

提督「でろっとしてて、少しピンクがかったものを咥えさせるつもりだ」

能代「ちょちょちょ、ちょっと待って提督!?」

矢矧「何慌ててるの、能代」

酒匂「能代ちゃん、ちょっとおっちょこちょいなところあるからねー」

能代「そういう問題じゃないでしょ!」

阿賀野「わーい! 目隠しするねー」

能代「阿賀野姉ぇ!?」

提督「ほら、口を開けて」

阿賀野「あーん」

能代「二人ともっ!」

阿賀野「あむあむ、魚肉ソーセージウマー」

提督「そうだろうそうだろう、俺の魚肉ソーセージ美味しいだろう」

矢矧「私もほしいな……」

酒匂「ぴゃー、あーんだって! 酒匂もしてもらいたい!」

能代「……魚肉ソーセージ?」

提督「ちょっとそこで買ってきたんだ。しかし、さすが阿賀野だな。一発で当てるなんて」

阿賀野「ふふん、阿賀野の凄さ分かったでしょ!」

提督「食い意地が張ってるだけじゃないのか。って能代、なんか顔が赤いが大丈夫か」

能代「な、なんでもありません!」

―執務室―

提督「まさかあっさり目隠ししてくれるとは。これも信頼のたまものか」

提督「能代に限らず、みんなが顔赤くしたりするのはいつものことなのだろうか」

↓2

提督「霞と寝れたんだから、きっとツンデレ少女の叢雲となら簡単に寝ることが出来るだろう」

叢雲「……」

提督「というわけで、寝てくれ」

叢雲「目の間でそんなこと言われて、はい分かりましたっていう人がいると思うの?」

提督「金剛とか」

叢雲「……人の揚げ足を取らないでちょうだい」

提督「じゃあ、寝てくれるか」

叢雲「そもそも、何で私と寝たがるのよ。他にもいるでしょうに」

提督「なんとなく」

叢雲「……」バチーン

提督「ぶふぅ!」

叢雲「つまらないことで呼ばないでちょうだい」

バタン

提督「ふふふ、まだあきらめんぞ」

―夜・吹雪型の部屋―

提督「針金を使えば侵入など容易」

提督(さて、叢雲はあそこだな。では失礼します)

叢雲「ううん……」

提督「zzz……」

叢雲「ん……なにこれ……」

提督「zzz……」

叢雲「温かい……抱き枕かしら……」ギュッ

提督「zzz……」ギュッ

~朝~

ドーン

叢雲「はぁ……はぁ……」

提督「あ、危ないな……」

叢雲「お目覚めの一撃にはちょうどいいんじゃないの」

提督「そういう、命に関わる目覚ましは止めてほしいかなーって」

叢雲「命にかかわるようなことをしたのはそっちでしょ!」

提督「ふっ、まあいい。そっちから抱きついていた事、俺は忘れないからな!」

叢雲「やけに簡単に避けられたと思ったら、先に起きてたの!?」

提督「さらばだ!」

バタン

吹雪「とりあえず叢雲、お掃除しようか」

叢雲「そうね……」

―執務室―

提督「抱き枕にされつつしつつ、これぞWin-Winの関係」

提督「最後砲撃されたから、どちらかといえばLoseな気もするけど」

↓2

島風「提督、競争するって!?」ガチャ

提督「さすが島風、競争と聞いたら血が騒ぐか」

島風「それより、何をするの?」

提督「そうだな……よし島風、パルクールをしよう」

島風「ぱるくーる?」

提督「自分の体一つで目的地にたどり着く、超エキセントリックなハイスピードスポーツだ」

島風「ハイスピード! やるやる!」

提督「目的地は……そうだな、この執務室から母港までにしよう」

島風「分かった! よーいどん!」ダッ

提督「あっ、ずるい奴め……だが、素直に扉から出るとはな。執務室の窓からどこが見えているか分かっていないようだな」

―母港―

島風「島風一番乗り!」

提督「だと思ったか」

島風「て、提督!? いつの間にきてたの!?」

提督「パルクールを分かっていなかったようだな、パルクールは何よりも効率的な移動を重視する」

島風「効率的な移動?」

提督「素直に扉から出るのではない。あの窓から飛び降りてきたんだ」

島風「普通に降りたら怪我するよ? ロープつかったとか?」

提督「体一つのスポーツだぞ、そんなちゃちなものじゃない。窓の凹凸などを利用し降りて来ただけだ」

島風「すごーい!」

提督「お前も早さを目指すなら、もっと効率を考えなくちゃな」

島風「分かった提督!」

―執務室―

提督「普通に考えたら窓からロッククライミングとか、尋常じゃないから気を付けましょう」

提督「あと人様にも迷惑をかけないようにしないと。降りる最中、窓から見ちゃいけないものを見たけど」

↓2

―談話室―

提督「談話室とか皆のプライベートルームだし、あんまり入ったことなかったな」

飛鷹「すぅ……」

提督「何か寝てる奴が居るな。自分の部屋で寝ればいいのに、悪戯されても知らないぞー」

飛鷹「すぅすぅ……」

提督「……添い寝ドッキリでもしようか。でもなあ、最近寝てばかりの気がするしなぁ」

提督(それに、ソファーで寝てるやつの横でどうやって寝ればいいのだろうか)

提督「そうか、座って寝ればいいのか。よしさっそく……」

~十数分後~

提督「……っと、一瞬だけ落ちてたが、やっぱ座りながらだと首痛めそうだな……」

飛鷹「ん……」

提督「飛鷹起きたか」

飛鷹「ここは……あれ、提督? えっ、嘘、もしかしてずっと見てたの?」

提督「いや、気持ちよさそうに寝てたから、つられて横で寝てた」

飛鷹「そ、そう? いえ、それもちょっと……」

提督「悪戯とかしてないから気にするな。さて、俺は戻るかな」

飛鷹「悪戯とかするの提督だけだと思うけど……」

提督「お前の妹ならわからんぞ」

飛鷹「それもそうね」

―執務室―

提督「あのときはつっこまなかったが、隼鷹悪戯する奴だって思われてるのか」

提督「んー……寝てばかりいるから、秘書官の仕事も滞っているのだろうか」

↓2

霞「カス提督、これとこれを頼むわ」

提督「いや、今日はもっと仕事が多いだろう。振り分けの量は逆でいい」

霞「……そう、後悔しない事ね」ドッサリ

提督「一応提督やってるんだぞ、この程度で音なんてあげない」

霞「それが一日続けばいいんだけど」


~~~~~~~~


霞「今日の出撃はこれでいいのね」

提督「問題ない。作戦は逐一指示する。秘書官は下がっていていいぞ」

霞「……なんか今日は心配ね。着いてておくわ」

提督「秘書官が見てくれるのなら、失敗はあり得ないな」

霞「……」

~~~~~~~~


提督「今日の仕事はこれで終わりだ」

霞「えっ、本当に終わらせたの?」

提督「秘書官だって、今はもう別の事に手を付けているだろう。手伝おう」

霞「提督に文書が書けるの?」

提督「ここには秘書官もいるだろう」

霞「……はぁ、こう真面目だとそれはそれでやっかいね」

提督「酷いな、秘書官は」

霞「どうせ今日一日だけでしょ。カス提督の集中力が一日でも続くとは思わないけど」

提督「それならそれで、その一日でもしっかりと働くよ」

霞「……」

提督「どうかした?」

霞「寒気がしたわ」

―次の日・執務室―

提督「俺が真面目にやっても、秘書官の態度が変わらないことに気が付いた」

提督「諦められているのか、もしくは遊んでいてほしいのか」


 「あるわけないでしょ、だからカスなのよ」


提督「……なんか声が聞こえた気がするがきっと気のせいだな」

↓2

―鳳翔の店―

提督「って、飛鷹が寝てたんだよ」

隼鷹「へー、悪戯すればよかったじゃんか」

提督「いやいや、仮に悪戯なんかしたら後が怖いだろ」

隼鷹「そうか? あ、鳳翔もう一瓶!」

提督「まだ飲むのか。さすが酒豪」

隼鷹「おー? 提督はもう限界か?」

提督「まだまだ行けるけどさー、なんとなーく嫌な予感するんだよね」

隼鷹「何が怖いんだよ。それで、次に飛鷹が寝てたら、今度は顔に髭書いてやるとかさ~」

提督「……」

隼鷹「額に肉とか書いてやろうぜ~」

提督「……」

隼鷹「どうした提督、なんか顔が引き攣ってるけど」

提督「う、後ろ……」

隼鷹「後ろ? ……」

飛鷹「……それで、何をすると?」

隼鷹「て、提督が飛鷹の寝込みを襲うって」

飛鷹「ずっと見てたのよ?」

隼鷹「……」

提督(今のうちに逃げておこう)

<ギャアアアアアアア

―執務室―

提督「あー、怖い怖い。気のない振りしておいて正解だった」

提督「いつも俺ばかり酷い目に合うし、たまにはいいよな」

↓2

―執務室―

提督「……それで、今度は飛鷹とか」

飛鷹「こういうところで愚痴を言うといいかと思って」

提督(もう酒は飽きたんだが)

飛鷹「隼鷹の愚痴に付き合っていたんだし、もちろん良いわよね」ゴゴ

提督「もちろんですはい! だからちょっと覇気を出すのをやめてください!」

飛鷹「……でも、隼鷹とは今に始まったことじゃないのよね」

提督「隼鷹もあの性格だしな」

飛鷹「それに、お酒を飲んだら少し判断も悪くなるし、悪乗りもするのはおかしなことじゃないのよね」

提督(いや、あれは間違いなく素だぞ)

飛鷹「だから、別に本気で怒ってたわけじゃないの」

提督(え、何か叫び声聞こえてくるほどだったのにか)

飛鷹「……何か言いたそうな顔ね」

提督「飛鷹と飲むのも楽しいなぁと」

飛鷹「まあ、いいけどね。無理に付き合わせているわけだし」

提督「嫌ではないぞ」

飛鷹「提督は嫌な子だと全力で逃げるから、分かってるわよ」

隼鷹「ずいぶん楽しそうで……」

飛鷹「あれ、来たの」

隼鷹「こちとら中途半端だったんだぞ! 混ぜろ!」

飛鷹「もちろんよ」

隼鷹「……怒ってないのか?」

飛鷹「いつものことだから、わざわざ引きずらないわよ」

隼鷹「よしっ! 鳳翔、もう一瓶!」

提督(いつも通りのオチかね。さて、俺は退散すると……)

隼鷹「あ、もちろん提督もな」

提督「……はい」

―執務室―

提督「……という訳で平和に終わった」

提督「なーんか、ミスしたような気がするけど、終わりよければ全てよしだよな!」

↓2

―扶桑型の部屋―

提督「扶桑、ジェンガしよう」

扶桑「ジェンガですか?」

提督「もうすでに用意してある。ルールは分かっているな」

扶桑「崩してはいけないんですよね。大丈夫です」

提督「では……早速始めよう」スッ

扶桑「提督お上手ですね」

提督「おいおい、まだ一つ目だぞ」

扶桑「抜き取るとき、音もほとんど立てていなかったじゃないですか」

提督「手先には自信があるからな」

扶桑「では、私の番ですね」

バンッ ガシャーン

山城「提督がこの部屋に入っていったと聞き……あれ、姉さま?」

扶桑「一回目で倒れるなんて、不幸だわ……」

提督「あー! 山城のせいで扶桑が落ち込んだぞ!」

山城「え? え? す、すみません姉さま!」

扶桑「うふふ、いいのよ山城。ただ、早いか遅いかの違いだけだから……」

提督「久しぶりに扶桑が暗くなるところ見たぞ……」

山城「うぐ……本当にすみませんでした……」

扶桑「うふふ……」

提督(これもうゲームにならないな)

―執務室―

提督「山城もまさか姉さまの番で入るなんて……とかぼやきながら片づけてた」

提督「今回は事故だし、しょうがないんだけどな。山城のフォローはしないけど」

↓2

―扶桑型の部屋―

提督「よしわかった。今度は山城としようか」

山城「どうしてそうなるんですか」

提督「ええい、ああなってしまったのは山城のせいだろう」

扶桑「うふふ……どうせ、いつものことよ……」ドヨーン

山城「ぅ……そこをつかれると弱いんですが……」

提督「だからだ山城。ほら、一人だけ運が悪いわけじゃないって」

山城「あ、そういう事ですね。分かりました、扶桑型戦艦山城、姉さまのためならばひと肌脱ぎましょう」

提督「というわけで、ジェンガ」

山城「はい、どうぞ」

提督「では、まず俺から……」スッ

山城「……」カチャ

提督「……」スッ

山城「……」カタ

提督「……早く崩せよ!」

山城「そういうのは提督の役目でしょう!」

提督「ああん?」

山城「文句あるんですか」

提督「ちっ……さっさと勝負付けるぞ!」

山城「提督なんかに絶対負けませんから!」

扶桑(二人とも、やっぱり仲が良くて安心するわ……今日も空が青いわね)

―執務室―

提督「しまった、ジェンガに熱中して扶桑の事忘れてた」

提督「……でも、部屋から出るとき、心なしか穏やかな表情になっていたような……」

↓2

―公園―

提督「スケボーはいろいろなテクニックがある」

龍驤「ほうほう」

提督「飛んだり跳ねたりジャンプしたり色々な」

龍驤「それ全部同じことやろ!」

提督「ついでに、スピンやターン、回転だってな」

龍驤「それも似たようなことやないか!」

提督「それで、今回教えるのはB/Sビッグスピンだ」

龍驤「なんやねん、その技は」

提督「B/S180とポップショービットの複合技だ」

龍驤「そっちを先に教えーや!」

提督「では、まず俺が手本を見せるぞ」

龍驤「できるんか?」

提督「楽しょ――うっ!」ズルッ ゴツン

龍驤「普通に失敗しとるで!」

提督「……このスケボー、車輪が壊れてる」

龍驤「どんな言い訳……って、本当に壊れとるし。どこから持ってきたん」

提督「公園に捨てられてた」

龍驤「そら壊れとるわ!」

提督「……帰るか」

龍驤「せやな」

―執務室―

提督「後頭部強打したし……地味に痛い」

提督「というか、ずっと漫才みたいなことをしてた気がする」

↓2

―食堂―

提督「最近はあんまりかまってあげられてなかったな」

霧島(別にいいんですけどね)

提督「今別にいいと思っただろう」

霧島「はい」

提督「隠せよ!」

霧島(めんどくさい人ですね……)

提督「今めんどくさいって思っただろう!」

霧島「分かってるなら聞かないでください」

提督「隠してよ!」

霧島「……それで、一体何の用なんですか」

提督「最初言った通りだ。一緒に食事位はどうかとな」

霧島「金剛お姉さまや榛名と一緒に行った方が喜ばれますよ」

提督「でも、霧島だけあんまり話してなかっただろ」

霧島「そうかもしれませんが、気にしなくてもいいんですよ」

提督「んー、そう言われるとなぁ」

霧島「それより、早く食べないと冷めますよ」

提督「おっと、大変だ。いただきまーす」

霧島(司令とは、主に食事をするくらいの距離が一番ですから)

―執務室―

提督「結局霧島と何もしてないなぁ」

提督「霧島自体は満足そうだったし、良しとするか」

↓2

―陽炎型の部屋二号室―

天津風「ほら、ご馳走してあげる」

提督「すまないな天津風」

天津風「そう思うのなら、昼を作っているときに急に来ないでよ」

提督「すまないな。でも、なんでわざわざ自炊をしているんだ? 食堂に行けばいいのに」

天津風「私だってたまには自分で料理くらいするわよ」

時津風「しれー、天津風は将来のためにって花嫁修業してるんだよー」

提督「花嫁修業!?」

天津風「か、勝手なことを言わないでちょうだい!」

提督「ま、まあ本当かどうかはどっちでもいいしな」

雪風「あ、花嫁修業なら、しれぇと夫婦ごっことかどうですか?」

天津風「ゆ、雪風!?」

提督「いいかもな」

天津風「もう、あなたまで!」

提督「なんだい天津風。あなたとか、何時にもまして熱いじゃないか」

天津風「そういう事じゃ……もう!」

提督「うん、天津風は料理もおいしいな」

天津風「そ、そう言われるのは嬉しいけど」

提督「これで、一日の疲れも取れてしまうよ」

天津風「そんなことないわよ、私にできることはこうして家庭を守ることだけだから」

提督「少しきついところもあるが、なんだかんだで俺の事を支えてくれるし、天津風は本当によく出来た娘だよ」

天津風「えへへ、お父さー……って変わってるじゃないの!」

時津風「ノリノリだね、天津風」

提督「さすが天津風だな。ちゃちなノリでも付き合ってくれる」

天津風「褒めてないわよね!」

―執務室―

提督「ごっこ遊びというか、ただのノリというか」

提督「ちなみに、ノリが悪そうな初風がいないタイミングを狙って部屋に行った」

↓2

―二航戦の部屋―

提督「ツイスターゲームするぞ!」

飛龍「また突然ですね」

提督「どうやら、体の柔らかさを決めるゲームのようじゃないか。柔軟比べのためにも、一回やってみようかと」

飛龍「そうですか。ええと、二人でやるんですか?」

提督「読み上げる奴が必要だろう。という訳で蒼龍」

蒼龍「私が読めばいいんですか? ですけど、あんまりそう言ったゲームは……」

提督「大丈夫大丈夫」

蒼龍「飛龍、本当にいいの?」

飛龍「んー、まあ提督だし?」

~数分後~

蒼龍「――次、右足青」

提督「ほい」

飛龍「提督、余裕ですね……」

提督「陣地決めて手足置けば、疲労が来るまでずっと耐えられそうなんだけど」

飛龍(この提督とくんずほぐれつ、みたいなことにはならないわよね)

蒼龍(無茶な位置が来た時、逆立ちしてまで一定の範囲を離れないなんて……)

提督「柔軟と手足の筋トレには使えそうだな。大鳳にでも進めようかな」

蒼龍「これ、そういうゲームじゃないんですけどね……」

飛龍「二人プレイでお互い寄らなきゃ、こういう事もあるのよね」

提督(ゲームとしてはつまらんな、まったく)

―執務室―

提督「買ったけど遊びそうにないな……あれ、でも」

提督「あれを大人数でやったら面白かったんじゃなかろうか」

↓2

―談話室―

足柄「勝負ね……いいわよ!」

提督「花札のルールは大丈夫か?」

足柄「こいこいならわかるわ」

提督「よし、それで勝負だ」

足柄「ふふ、私は何事でも勝利を掴むんだから」

提督「チェスは負けたが、日本のゲームならば俺は負けん」

足柄「そうねぇ……じゃあ、何か賭けない?」

提督「おう、なんでもいいぞ。負けるはずがないからな」

足柄「だったら、負けた方は妙高姉さんの目の前で中破したときのマネをしなさい」

提督「自分の姉をネタにした罰ゲームなんてするなよ……ま、いいけどな」

~数十分後~

足柄(あと3点……ここで先にあがられると、このまま負けてしまう……)

提督「7月の10点札を出して、山から引いた10月の10点札で10月のカス札を取る」

足柄「あら、10点を出して良かったの? それがあれば猪鹿蝶が出来るのに」

提督「そうだな、だがそれだけだ」

足柄(あれが完成するなら私は負けるわね。でも、10点札を先に出すとは思えない)

足柄「なら、8月の20点札で10点札を取るわ」

提督「7月のカス札で10点を取る、猪鹿蝶5点で終わりだ」

足柄「なっ……罠だと思ったんだけど」

提督「かけひきに度胸なら負けてない自信があるからな」

足柄「くっ……しょうがないわね。勝負は負けにしておいてあげるわ」

提督「待て足柄」

足柄「……なにかしら?」

提督「罰ゲーム、忘れたとは言わせんぞ」

足柄「あれは、一種のジョークで……」

提督「足柄」

足柄「はい……」

―執務室―

提督「その後、妙高型の部屋から足柄の叫び声が聞こえたのは別の話」

提督「大勝負に出るときは、派手か静かかのどっちだと個人的に思う。大勝負って程でもなかったけど」

↓2

提督「吹雪と遊ぶぞ吹雪と」

提督「模擬戦したりセクハラしたりとまともに遊んだことない気がするし」

↓2

―吹雪型の部屋―

提督「吹雪、遊ぼうぜ!」ガチャ

吹雪「はい?」

提督「……その手に持っているおもちゃはなんだ?」

吹雪「ほっぺちゃんです」

提督「ほっぺちゃん。なるほど、吹雪って思ったより子供だな」

吹雪「いえ、人形くらいなら長門さんでももっていますけど」

提督「それはともかく、人形があるし、人形遊びでもするか」

吹雪「司令官って、思ったよりずっと子供ですね」

提督「人形遊びくらい長門でもするぞ」

吹雪「それもそうでした」

提督「そうだな、こうして、たくさんのほっぺちゃんをくっつけることにより……」ゴチャゴチャ

吹雪「なんか塊魂みたいなことになってますけど」

提督「一見すると何かわからないトゲトゲの物体となる」

吹雪「はあ、それで」

提督「これでドッジボールしようぜ」

吹雪「危険ですけど!?」

提督「大丈夫、夕張製の瞬間接着剤で、一日たつまで離れない優れものだから」

吹雪「接着剤として全然優れてませんけど!?」

―執務室―

提督「結局お断りされてしまった」

提督「この接着剤、一定時間の固定には役に立つんだがな……」

↓2

―榛名神社―

提督「今度は榛名神社に来てみた」

榛名「私の名前の元ですよね」

提督「厳密には、近くの榛名山からきているがな」

榛名「此処には何をしに?」

提督「どうやら榛名神社は火の神と土の神を奉っていると聞く」

榛名「立て看板にもそう書いてありますね。何かお祈りですか?」

提督「いや、火の神も土の神もどっちも関係ない」

榛名(では、なぜ話に出したのでしょうか)

提督「ここにきてやってみたかったのは雨乞いだ」

榛名「雨乞いですか?」

提督「なんでも、榛名神社の雨乞いは非常に効力があったと聞く」

榛名「はあ、そうなんですか」

提督「というわけで、雨乞いをしてみたかったんだ」

榛名(理由が子どもっぽいけど、それでこそ提督という感じもします)

提督「では――」

榛名(それと本当に雨が降ったら、帰るときに困ることも忘れているようですね……)

~一時間後~

提督「……終わったけど、雨降りそうにないな」

榛名「あくまで、この神社に伝わる雨乞いであって、場所は関係ないのではないでしょうか?」

提督「そ・れ・だ」

榛名「提督……」

提督「まあまあ、こうして神社に来てお参りするだけでも十分楽しいだろ?」

榛名「それもそうですけど……」

提督「なら、このままお参りしようか。どうせここまで来たんだし」

榛名「……はい、榛名とで良ければ」

―執務室―

提督「帰ってくるときに雨が降って大変だった、運が悪いな……」

提督「ちなみに、榛名山の近くには赤城山もある。だからどうってわけじゃないけど」

↓2

―海―

提督「スカイダイビングしようと思う」

大潮「ここまで連れてきたのも、そのためなんですね」

提督「おうよ、全員と話したりしたいからな。そろそろ大潮ともと思って」

大潮「いいですよ! しましょうスカイダイビング!」

提督「今回は潜水艦がいるわけでもないから、浅目の所をもぐることにしよう」

大潮「わっかりました!」

提督「ではゴー!」

ザバン

提督「……大潮やーい」

大潮「すみません司令官、私の分は無いんですか」

提督「……え、潜れないの?」

大潮「すみません、そういう能力は無いから……」

提督「……じゃあ、俺素潜りで行こうか?」

大潮「そ、そんな悪いです! それに、今司令官が着ているのでは入らないと思いますし」

提督「しまった……そういう可能性を残しておくべきだった……」

大潮「す、すみません!」

提督「ああいや、準備不足だったこちらが悪い。今日は帰るとしようか……」

大潮「はい……」

―執務室―

提督「これはひどい」

提督「いや、多分イムヤと行ったことが頭の片隅に残っていたんだよな。だから大潮が潜れないことを忘れていた」

提督「……言い訳にしかならない」

↓2

―工廠―

提督「はあ、解体すると、この那珂ちゃん人形を」

夕張「塗装とか剥げてきてますし、最新の技術を使って作り直したいんですよ」

提督「それで、なんで俺を呼んだんだ。個人のものだから、好きに解体してもいいんだぞ」

夕張「だってこの前、解体したいってぼやいていたじゃないですか」

提督「……ああ、そういえば、塗装の禿げ方が挑発しているように見えたから、ついつい言ってしまったっけ」

夕張「では、解体作業は任せました」

提督「……まあ、適当に解体しよう。ただの人形だし」


那珂「~♪ あれ、あそこにいるのは提督?」

提督「やっぱハンマーかな」ガンッガッ

那珂「!?」

提督「さすが夕張製、無駄に固い」

那珂(こ、こっちに気付いてないよね……なんで提督が那珂ちゃん人形を……)

提督「では、溶解炉を使って」

那珂(ひいいいいい……)ガタブル

提督「妖精さん製なら楽に解体できるだろう。ん? 那珂ちゃん?」

那珂「こ、こっちこないでくださーい!」ダッ

提督「な、何なんだ一体……」

―執務室―

提督「解体は完了、新たな那珂ちゃん人形が再びおかれることになった」

提督「那珂ちゃん人形っているのだろうか」

↓2

―廊下―

阿武隈「あ、提督おはようございます」

提督「おはよう」ズイッ

阿武隈「……? ええと、なんであたしの方に寄ってくるんですか?」

提督「なんでだと思う?」ズイイッ

阿武隈「そ、その、あたしには思い当たることが無いんだけど……」

提督「ならば、理由などないのだろう」ズズイッ

阿武隈「でしたら、止めてもらっても……」

提督「嫌だ」

阿武隈「提督、北上さんみたいです……って、壁まで追い詰められてる!」

提督「さあ、どうする?」

阿武隈「は、離れてください」ドン

提督「……」ドンッ

阿武隈(か、壁ドン!? 少女漫画とかにある、あの……って、なんであたしドキドキしてるの!)ドキドキ

提督「……これで終わりか?」

阿武隈「あ、あたし的に、まだ早いとゆーか、なんとゆーか……」テレテレ

提督「ふむ、これ以上派生はなさそうだし、去るとしよう」スタスタ

阿武隈「……あれ?」

阿武隈(でも、貴重な体験しちゃったかも……!)

―執務室―

提督「顔赤くしたりするのはいつもの事だな」

提督「でも、北上と一緒にされるのはなんだかな……」

↓2

―翔鶴型の部屋―

提督「瑞鶴、膝枕をしてくれ」

瑞鶴「嫌よ」

提督「じゃあ膝枕をさせてくれ!」

瑞鶴「なんでそんなに膝枕に拘ってるの!?」

提督「いつしか翔鶴が膝枕はいいものだって言ってたから」

瑞鶴「翔鶴姉ぇが? 本当かしら……」

提督「真偽は今はどうでもいいだろう。つまり、瑞鶴はどうするかってことだ」

瑞鶴「うーん……するのは嫌だけど、されるのなら」

提督(馬鹿め、かかったな。翔鶴がそんなことを言うわけないだろうに。くくく)

瑞鶴「なんか提督さんから邪念を感じたんだけど」

提督「気のせい気のせい! ほら、準備できたぞ」ポンポン

瑞鶴「そう? じゃあ……」ゴロン

提督「……」

瑞鶴「……固い」

提督「枕でも入れるか」

瑞鶴「それこそ何のために膝枕してるのって話なんだけど」

提督「それもそうか」

瑞鶴「まあ、悪くないわ。翔鶴姉ぇと違った感触で」

提督「そうか、それならよかった」ナデナデ

瑞鶴「……提督さんも、そうしていれば奇行とか言われないのにね」

提督「んー、別に気にしないさ」

瑞鶴「そ……」

提督「……」

瑞鶴「……すぅ」

提督「……寝られると、こっちが辛いんだけどな」

―執務室―

提督「穏やかな時間は過ぎ去るのも早い」

提督「でも、膝の上で寝られると結構きついから早く終わってくれて助かったかも……」

↓2

―食堂―

提督「間宮、ちょっと料理作りたいんだがいいか?」

間宮「はい、大丈夫ですよ。何を作られるんですか?」

ビスマルク「ファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒよ」

間宮「……すみません、もう一度お願いできますか」

ビスマルク「しょうがないわね。ファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒよ」

間宮「……ええと、それはどういう料理なのかしら?」

提督「え? 間宮しらないのかファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒを」

レーベ「間宮さんはファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒに興味ない感じ?」

マックス「ファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒは有名という訳でもないから、おかしくないのではないでしょうか」

ビスマルク「間宮ならファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒを知ってるかと思ったのだけど」

提督「ちなみに間宮、ファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒという料理は――」
間宮「許可出すのでもうやめてください」

提督「そ、そうか」


ビスマルク「完成したわね、ファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒ」

レーベ「やっぱりファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒって美味しい」

マックス「というより、そろそろファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒって言うのやめませんか? ファイネス・ホホツアイトズュップレ・ミット・ブレートシュトゥルーデル・ウント・アイアーシュティヒって相当長い名前ですよ」

提督「どうせこういう時以外言う機会ないんだし、今のうちに言っておけ」

マックス「いえ、どちらかといえば無理矢理言っているだけのような気がしますけど」

提督「とにかく、本番は料理だ。もう完成してるけど」

ビスマルク「もう食べているわね」

レーベ「久しぶりに僕たちの居た国の料理を食べるのもいいね」

マックス「今はどこでも他の国の料理が食べられますからね。いい時代になったものです」

提督(でも、カンペ無いと確実に言い間違える名前だよな……)

―執務室―

提督「意外と美味しかった」

提督「まあ元はコンソメスープだし、味さえ間違えてない限りよほど不味くなることは無いんだけど」

↓2

―上空―

提督「さて、高度はこれくらいでいいか」

大潮「……ダイビングはどうしたんですか?」

提督「え? ダイビングだろ」

大潮「ダイビングとスカイダイビングには天と地の差があるんですよ!」

提督「文字通りだな!」

大潮「司令官!」

提督「まあ、何事も挑戦しないと損だぞ」

大潮「……それもそうですね! 駆逐艦大潮、頑張ります!」

提督「その意気だ! さて、艦載機でここまで来たけど、実は燃料的にそろそろ飛び降りなきゃいけないんだよな」

大潮「ドキドキしてきました」

提督「それでだな、今見てみたら……パラシュートが一人分しかなかった」

大潮「」

提督「正確には、一人分穴が開いてた」

大潮「」

提督「……俺はこの穴開きパラシュートで行ってくる。大潮、頑張れよ」

大潮「し、司令官?」

提督「お前も早く飛び降りろよ! それっ」バッ

大潮「し、しれいかーーーん!!」

―母港―

提督「なんちゃって、一日だけ持つ瞬間接着剤を使ってうまく直してたのさ」

大潮「……もう!」

提督(……パラシュートの効果、最低限しか発揮されなかったから、あいつが艦載機飛ばしてくれなかったら多分死んでたけど)

大和「提督、艦隊が帰投しました」

提督「ご苦労」

大和「……」

提督「どうした大和、まだ何か用があるのか?」

大和「いえその……最近提督は、他の子には良くしていますよね」

提督(良くして……いるのか?)

大和「それでその……頭を撫でてほしいと、思いまして」

提督「頭を? まあ、そのくらいならお安い御用だ」ナデナデ

大和「はぅ……やっぱりいいものですね」

提督「大和がそれでいいならいいけどな。このポニーテールのさわり心地もいいし」

大和「そ、そんな提督……」テレテレ

提督(潮風に当たっているのに、良く傷まずに維持できてるよなぁ。艦娘って、やっぱちょっと違うのか)

大和「……ありがとうございます。大和、まだまだ頑張りますね!」キラキラ

バタン

提督「何かキラついたけど、なんだろうか」

提督「別に撫でるくらいならいくらでもしてあげるけどさ」

↓2

― 一航戦の部屋 ―

提督「赤城、最近加賀の調子はどうだ?」

赤城「あ、はい、大分落ち着いたみたいですよ」

提督「そうか。でも、まだ出撃には早いか……?」

赤城「……ところで提督、加賀さんのいいところってどういうところだと思います?」

提督「突然だな」

赤城「最近は五航戦の子を重用しているって加賀さんもぼやいていましたし」

提督「そんなつもりはないんだがな……個人的に幸運艦隊とか好きなだけだし」

赤城「瑞鶴さんと飛龍さんとかですね」

提督「とにかく、別に加賀の何が悪いってことは無い」

赤城「具体的にはどうですか?」

提督「冷静な判断に多くの艦載機を扱える実力、個の能力でいえば相当なものだ」

赤城「なるほど」

提督「なんだかんだで優しいところもあるし、いざとなれば非情な面も見せる。加賀に任せる艦隊は信頼が出来る」

赤城「提督も加賀さんの事をちゃんと見ているんですね」

提督「俺をなんだと思っている」

赤城「ですけど、それを聞いて安心しました」

提督「とりあえず、加賀にはそろそろ出撃命令を出すかもしれないから、準備しとけといっといてくれ」

赤城「わかりました」

バタン

赤城「……加賀さん、行きましたよ」

加賀「ベットの下に隠れさせられたと思ったら、こういう事だったのね」

赤城「加賀さんが何に悩んでいるかは聞いてましたから」

加賀「……悪いことしたわ。でも、提督が悪い感情を持っていたらどうするつもりだったの、赤城さん」

赤城「提督が加賀さんの事を嫌っているはずがありませんから」

加賀「そう……迷惑をかけたわ」

赤城「いえ、同じ一航戦として、共にがんばりましょう」

加賀「……友だけに、ね」

赤城(提督、やっぱりもうちょっと休ませた方がいいかもしれません)

―執務室―

提督「幸運艦隊とか、ネタ以外の何物でもないから好きなだけで出さないけどな」

提督(というか、それを言い始めると扶桑姉妹や大鳳と陸奥の出番が一切なくなるぞ)

↓2

―食堂―

提督「間宮、マッサージするぞ」

間宮「リラクゼーションルームを作ったので、必要ないんじゃないですか?」

提督「……いつ作ったっけ、そんなの」

間宮「大分前に、マッサージの需要が大きければ作るといっていたではないですか」

提督(申請を受けた記憶はないし、誰かいに提案した記憶もないんだが……まあいいか)

提督「だが、いくら高性能でも人の手に勝るマッサージは存在しない」

間宮「そうですか……では、頼んでみましょうか」

提督「よし来た。じゃあそこに座って」

間宮「分かりました」

提督「では……神の手を見るがいい!」

間宮「なんですか、その掛け声」

提督「……」モミモミ

間宮(あ……でも、上手……)

提督「……」ムニョムニョ

間宮「ん……ふぅ……」

提督「……」コリコリ

間宮「あっ……それ、イイです……」

提督「……」ピタッ

間宮「はぁ……あれ、どうしました?」

提督「青葉ぁ!」

青葉「ちっ、ばれましたか! でも、こんなところでいけない事をする司令官が悪いんですから!」ダッ

提督「何がいけないことだ、ただのマッサージだろ」

間宮「……あら、あんな短時間だったのに、もう大分楽になってます」

提督「間宮も忙しいだろうから、スピードコースでやってみた。どうだ、機械だとこういう風に時間を決めることなんてできないぞ」

間宮「ふふ、ちゃんと私の事を考えてくれていたんですね」

提督「間宮も無理すんなよ。料理なんか最悪自炊させればいいからな」

間宮「はい、心にとどめておきます」

―執務室―

提督「いつリラクゼーションルーム何て作ったのか……まあ、いいけど」

提督「間宮には労ってばかりだな」

↓2

―廊下―

提督「浜風ー!」ギュッ

浜風「なっ!? て、提督、全然こりませんね!」

提督「だが後ろからあすなろ抱きをしている俺を離せるかな!」

浜風「くうっ……! た、谷風、磯風!?」

谷風「楽しそうでいいことだねぇ」

磯風「邪魔するのも忍びないな」

浜風「う、浦風!」

浦風「残念じゃが、ここに提督を止めれるような者はおらんと思うぞ」

浜風「砲撃をすれば……」

浦風「廊下爆破はさすがにまずいじゃろう」

浜風「では、どうすれば……」

磯風「聞いたことあるぞ、これがあきらメロンというやつだな」

提督「そういうことだ浜風、このまま抱かれるんだな!」

浜風「……わかりました、今はあきらめましょう。ですが」

提督「なんだ?」

浜風「離す前に辞世の句を読んでおいた方がいいですよ」

提督「」

―執務室―

提督「離す時に気絶させていなかったら、こっちの方がやられていた」

提督「磯風もわざわざ焚き付けるような一言を……」

↓2

―クジ屋―

提督「お前らならきっと一等を当ててくれるはずだ。期待してるぞ!」

雪風「はわわっ、雪風、しれぇの期待に応えられるよう頑張りますね!」

時雨「こういうのは運だけで決まるものでもないけどね」

瑞鶴「ところで、一等ってなんなの?」

提督「一等は一千万らしいぞ」

瑞鶴「……本気で当たると思ってるわけ?」

提督「いや、運の高いお前らが選べば、いいところまで行けるかなぁと」

雪風「責任重大っていうことですか?」

時雨「いや、軽い気持ちでいいと思うよ。ね、提督」

提督「まあな、一千万当たってどうするんだって話だし」

瑞鶴「じゃあなんでやらせるのよ」

提督「運だめしでいいじゃないか」

瑞鶴「……ま、いいか。お金は提督さんが支払ってくれるんだろうし」

時雨「僕は一口だけでいいからね」

提督「俺が出すの前提かよ。まあ、いいけど」

雪風「じゃあ、雪風はこの番号にしますね!」

提督(所詮は遊びだし、まあ誰かひとり分でも返ってきたら普通にいい方か)

―執務室―

提督「悪かったらわざわざ知らせなくていいか。多分、言わなくても外れたと思ってくれるだろう」

提督「今更だが、こういうのって買っていいのだろうか……」

↓2

提督「ちょっと初心に帰って泥団子作りとかどうか」

まるゆ「何の初心ですか?」

提督「もぐらだけに」

まるゆ「もぐらじゃなくてまるゆです!」

提督「まあまあ、とにかくつくろうか」ガシッ

まるゆ「隊長強引です~」ズルズル

―庭―

まるゆ「隊長隊長! おっきなの作りました!」

提督「大きいな、まるゆの手より大きいんじゃないのか」

まるゆ「そうですね!」

提督「……投げれるのか?」

まるゆ「もったいないですけど、やってみますね!」

提督(そう言って持ち上げた手は重さに震えていて……)

まるゆ「あっ」ツルッ

提督(そのまま手を滑らせてまるゆの頭から……あ、予想通り泥まみれになった)

まるゆ「……ぐすっ」

提督「お風呂入ろう、な?」

まるゆ「はい……」

―執務室―

提督「なんとなく、まるゆなら何かやってくれると思っていた」

提督「まるゆも運悪いしな、そういう星のもとに生まれている」

↓2

文月「司令官、これって何に使うのぉ?」

提督「これって……だっこひも? いったい誰がこんなものもってたんだよ……」

文月「売店で売ってたよ~」

提督「まじか。こんなの売れるのか」

文月「文月、使ってみたいな~」

提督「正気か。その、あんまりいうのもどうだが……女の子にこれは酷だと思うぞ」

文月「だいじょうぶだよぉ~、司令官だから」

提督「……まあ、別に仕事は片付いたからいいんだけど」

―廊下―

長月「何をやっているのだ」

文月「えへへ~、楽でいいよぉ」

望月「うらやま……」

卯月「うーちゃんもそれやってみたいぴょん!」

提督「くっつくな。というか、これ恥ずかしいんだぞ」

菊月「司令官にもそういう感情があるのだな」

提督「何それ馬鹿にされてんの?」

睦月「私とはしてくれないのにーってことじゃないかにゃ~」

菊月「睦月!」

提督「実際、文月じゃなきゃ頷いてなかっただろうけどな」

文月「文月がとくべつなんだね~」

提督「そういう言い方されると……まあ、ある意味」

弥生「贔屓?」

三日月「そ、そういうことは口に出してはいけないかと」

提督「贔屓のつもりじゃないわい。ていうか、こんなんされてうれしい奴なんてほかにいないだろう」

如月「あらー? さっきの会話聞いてなかった?」

提督「……やってほしい奴は後で執務室来い。廊下には出んからな」

皐月「わかったよ!」

文月(このままねると、きもちよさそ~)

―執務室―

提督「気づけば文月は寝ていた。寝ていた文月よりも、本当にきた睦月型の方に困ったけど」

提督「結局起きるまで待ってもらったら一日過ぎちゃったんだけど。望月並に寝てたぞ……」

提督「どう考えても恥ずかしいだけだと思うんだけどなぁ」

↓2

SS速報には稀によくあること

―母港―

提督「……」

飛鷹「……」トクトク

提督「……」ゴクゴク

飛鷹「……月が綺麗ですね」

提督「……私、もう死んでもいい」

飛鷹「そういうの、戦争中に言うのはどうかと思うわよ」

提督「飛鷹の教養が微妙にないのはわかった」

―廊下―

飛鷹「でも、なんで急に月見酒を?」

提督「なんとなく月見酒っていい感じになるじゃないか」

飛鷹「それは否定しないわよ。でも、それとこれが何の関係が……?」

提督「荒んだ心に癒しがほしかった」

飛鷹「提督ならほかに癒してくれそうな子がいると思うけど」

提督「ないない、ありえないな」

飛鷹(実は狙って鈍感を演じているんじゃないのかしら)

―執務室―

提督「まあ本気で癒してほしいなら、確かに雪風とかとゆっくりした方がいいかもしれない」

提督「でもそれだけだと会う人偏るんだよなぁ」

↓2

―動物園―

雪風「しれぇ、動物園ですよ!」

提督「早くペンギン見に行きたいぜ! な、時津風!」

時津風「……初風、はわかるけど、天津風はどーして誘わなかったの?」

提督「天津風子供っぽいのは嫌だって前に言ってなかったっけ。初風もだけど」

時津風(天津風、こんなところで弊害出ちゃったねー)

提督「無理に連れてくることもないし、三人で楽しもう」

雪風「本当に嫌だったのかな?」

時津風「今更気を使ってもしょうがないよー」

提督「最初は何を見に行く?」

雪風「しれぇはペンギンを見に行きたいんですよね?」

提督「さすがに最初はお前たちを立てるさ」

提督(ペンギンの行列は午後からだからな、今行っても意味はない)

時津風(ペンギンとふれあいは午後から……しれー、分かりやすすぎるよ)

雪風「じゃあ、雪風は熊を見に行きたいです!」

提督「熊……なんで熊?」

雪風「球磨さんに、熊を撮ってきてほしいって言われましたから」

提督(自分で見に行った方がいいんじゃないか……)

―熊の檻前―

時津風「おおー」

雪風「あ、ここからならきれいに撮れます」

提督(うむ、楽しそうでなによりだ)

「あ、あそこに熊と写真を撮れるって書いてあるクマ!」

「ええ、でもまたあとで来ましょう」

提督「熊と撮れるか……時津風、雪風」

雪風「なんですか?」

提督「三人で撮って二人に自慢してやるか」

時津風「性格悪いよ、しれー」

提督「え、いや、子供っぽくても楽しかったよーって言いたかっただけなのに」

―執務室―

提督「撮りはしたけど自慢はやめておいた」

提督「さすがに雪風までもジト目で見られたら自重する」

↓2

―トレーニング場―

提督「練度をあげるため、協力してもらうぞ」

長門「駆逐艦を鍛えるか……あまり無理をしても仕方ないと思うのだが」

加賀「志願制にしたので、そのあたりは大丈夫だと思いますよ」

提督「嫌がる奴に無理やりしてもしょうがないしな。数も多いし」

長門「さて、一体だれが来るのか」

ガチャ

磯風「失礼する。訓練を受けれるというのはここか」

不知火「不知火も参加しましょう」

霞「あら、カス提督も真面目に教官するのね」

提督「おい、あいつらガチだぞ」

長門「まあ、志願制にしたのならそうなるだろう」

加賀「やる気ある人の方が教えやすいですし」

提督(秘書官にだけは当たらないようにするか)

長門「では、まずは実力を図るため、稽古をしようか。磯風、相手をしよう」

磯風「ビッグ7が相手になってくれるのか、滾るな」

加賀「では、私は不知火さんですね」

不知火「よろしくお願いします」

提督「……」

霞「なに絶望したような目でこっちみてるの。やるわよ」

提督(一切の容赦なくやられるな、これ)

~三時間後~

長門「筋はよかったぞ」

磯風「さすがビッグ7だった。これからは目標にしていきたい」

加賀「時間的に終わりですね。それでは」

不知火「ふぅ……」

霞「武蔵とやり合った割には大したことなかったわ。もしかして手加減した?」

提督「そんな、滅相もありません!」

霞「まあ、手加減なんかしたら死ぬくらいの力でやってたから、それは当然ね」

提督(冗談抜きで死ぬかと思った)

―執務室―

提督「おかしいなぁ……駆逐艦に稽古をつけていたはずが、つけられていた気がするぞ」

提督「そもそも、駆逐艦じゃなくて超弩級戦艦を相手にしていたような気がする」

↓2

―工廠―

提督「それで、木曾監修の眼帯だって?」

夕張「そうです! 邪魔にならないフィット感に、まるで自分の一部かのように感じる一体感!」

提督「そりゃフィットしてたら一体感あるだろう」

夕張「そういう突込みは求めてません! とにかく、自分でカスタムすることもできる、すごい眼帯ができたんですよ」

提督「木曾監修の木曾眼帯……でも、なんに使うんだ」

夕張「……フフ怖ごっこ?」

提督「使えないな」

夕張「ま、まあ、一番見てほしいのは、この眼帯自体ですよ」

提督「何か特殊な機能でもあるのか?」

夕張「なんと、眼帯の裏をなめると甘いんです!」

提督「ペロ……確かにそうだけど、いらない機能だ!」

夕張「なんでですか、薬とかつけたりしても、甘く感じるんですよ」

提督「薬とかつけたら、なおさら舐めたらいかんだろ! 逆にまずくしないとヤバいだろ!」

夕張「……言われてみればそうですね」

提督「新装備はいいが、秘書官に相談してからにしてくれ……」

―執務室―

提督「眼帯からビームでるとか、そういう驚きがほしかった」

提督「それはそれで怖いがな……」

↓2

―吹雪型の部屋―

提督「吹雪、個性ってなんだと思う」

吹雪「私が聞きたいです」

提督「……お前はそんな返しだから個性がないって言われるんだ」

吹雪「こ、個性がないって言ってるのは司令官だけですよ!?」

提督「実はみんな陰で言ってると言ったら?」

吹雪「嘘言わないでください。……嘘ですよね?」

提督「言ってるわけないだろ。言われてたら、陰口されるキャラである意味個性だ」

吹雪「そんな個性いらないですけど」

提督「とにかく、個性ってのはその人特有にあるもんなんだよな」

吹雪「結果出てるじゃないですか」

提督「ん? あ、しまった」

吹雪「そういう人を気にしていることをしゃべるのはよくないことですよ」

提督「気にしてる……」

吹雪「なんですか?」

提督「なるほど、吹雪は無個性が個性だな!」

吹雪「無個性って言わないでください!」

―執務室―

提督「無個性は悪いことじゃないぞ、ほかのでも、個性がない人が人気あることだってあるしな」

提督(吹雪が人気あることにつながるわけじゃないけど)

↓2

あらすじ:提督に呼ばれて工廠に来たら、資材を倉庫に戻しておいてとの手紙が……!

―深夜・倉庫―

暁「懐中電灯が置いてあって嫌な予感はしたけど……」

響「電気がつかないね……」

雷「だ、大丈夫よ!」

電「早く行って戻るのです」

暁(こういうパターンって、でるのよね……)

響(なんだか既視感があるよ……)

雷「あ、ボーキサイトと鋼材は別ね」

電「では、私たち二人はあっち行くので、二人はそっちを頼むのです」

暁「わ、分かったわ」

響「暁、ここだから、早く戻ろう」

暁「そ、そうね」

響「こことここに……」

提督「お、持ってきてもらって悪かったな」

暁「ひっ!?」

響「司令官……?」

提督「おう、司令官だぞ。どうした、幽霊でも見た様な顔して」

暁「な、なんで私たちに資材の片づけを頼んだのよ」

提督「肝試しさせたかったからだ」

響「肝試し?」

提督「実はここに隠れて驚かそうと思ってたんだが、二人のビビり方を見てたら必要ないかと思って」

暁「ビビってないわよ!」

提督「そっか。じゃあ、俺は先に戻って別の驚かせ方を考えるよ」スタスタ

暁「え、ちょ、ちょっと!」

響「暁……」

暁「……ど、どうせたいしたことないわよ!」


―工廠―

提督「やっと帰ってきたか」

暁「……驚かせるつもりじゃなかったの?」

提督「いや、電たちに見つかったからやめた」

響「そう」

暁「ほっ」

提督「?」

―執務室―

提督「やるからにはいっそ気絶までしたかったんだけどな。すごい身構えていたように見えたし」

提督「忘れてたけど、電気も意図的にブレーカー落としてるの直さなきゃ」

↓2

―お風呂―

提督「許可とって広いお風呂に入ろうと……で、見つけてしまうのがみんなの忘れもの」

提督「どうすればいいんだろうか……」

妖精「せんたくしてかえせばいいんじゃよ……」

提督「だが、誰のかわからないぞ」

妖精「おしえるんじゃよ……」

提督「妖精……!」

妖精「ふっ」

妖精(おもしろそうなことになりそうですね……)

~その後~

提督「島風、忘れものだ」

島風「あれー? どうして提督が?」

提督「忘れておいてあったからだ。リボン忘れるとか……」

島風「ごめんごめーん」


ビスマルク「な、なんで持ってるの!?」

提督「忘れてたからだろ。洗濯してやったんだからありがたく思え」

ビスマルク「アトミラールの馬鹿!」バシン

提督(何故叩かれた……帽子を届けただけなのに……)

提督「というわけで、提督指定の水着を洗濯してやったぞ」

19「あ、提督ありがとうなのね」

提督「もう忘れないようにしろよ」

19「分かったのー」


提督「龍鳳が忘れるとはな……」

龍鳳「す、すみません……」

提督「迷ったが、洗濯しておいた。しないほうが気にしそうだしな……」

龍鳳「いえ、その……ありがとうございます……」

提督「もう忘れないでくれよ……下着」

龍鳳「はい……」

―執務室―

提督「洗濯する過程はどうでもいいか。わかんないところは調べながらやったし」

提督「家庭は重要じゃない、大事なのは結果だって誰か言ってたし」

↓3

今日から更新速度落ちることになるけど、一日一回は必ず投下する勢いでいきます

提督「吹雪、叢雲、電、漣、五月雨の五人か」

提督「こうみると、全体的にキャラが薄いような……吹雪の存在が大きいだけなのだろうか」

提督「でもこれは呼び出さなきゃならんかも」

↓2

提督「――改善のため、短所を言って貰いたい」

吹雪「もっといい人になるべきですよ」

提督「雑。普通。次」

吹雪「雑だとは自分で思ってましたけど、それは酷くないですか!?」

叢雲「もうちょっと、周りに迷惑かけないようにしなさいって事でしょ」

提督「なるほど、ツンデレらしい補足だ」

叢雲「ツンデレじゃないわよ!」

提督「だが、真面目な場面ではふざけているつもりはない。次」

電「○○○したいなら一人でするのです」

提督「……ちょっと聞こえなかったな。次」

漣「もう治りませんから、諦めてくださいご主人様」

提督「君も笑顔で凄いこと言うね」

五月雨「私は……このままでいいと思いますよ」

提督「まさか、五月雨からそんな言葉が出るとは……」

五月雨「そ、そんなつもりじゃありませんよ! ただ、私は司令官は今のままがいいと思っただけですから」

電「正気なのですか?」

叢雲「まさか、一番に電がつっこむとは思わなかったわ」

提督「え、誰かにつっこまれること前提?」

五月雨「私はこのにぎやかな鎮守府が好きですから」

漣「天使ktkr」

提督「それ俺のセリフだから」

電「電もこの鎮守府の空気は好きなのです」

叢雲「……ま、無理に変えても仕方ないし」

提督「お前ら……ツンデレだな!」

叢雲「そこで締めれないから治らないとか言われるんでしょ」

吹雪(……あれ、気付いたら話し合い終わってる?)

~~~~~~~~

提督「結論、このままでいい」

提督「ま、変えろって言われても、今更変えられるものじゃないけどな!」

↓2

―雲龍型の部屋―

提督「雲龍と戯れるといっても、どう戯れるのか」

雲龍「それ、本人の前で言います?」

提督「何押してほしいのか、要望を聞こうかと思って」

雲龍「……そうですね、別に特別してもらいたいことは無いです」

提督「面白くない」

雲龍「では、提督の方から考えていただけたら」

提督「……したいことない」

雲龍「はあ……」

提督「くっ、なら共に休もう!」

雲龍「提督は何時も休んでいますよね、あれ、違いましたっけ?」

提督「……雲龍も、ちょっときつくなったよな」

雲龍「そんなつもりはないんですけど、あえていうのなら……提督ですから」

提督「みんなそう言ってくるんだけど……」

雲龍「よく分かってるという事じゃないですか?」

提督「ホント、すっかり馴染んだよなぁ」

雲龍「ありがとうございます」

―執務室―

提督「戯れるというより、普通に会話を交わしただけのような気もする」

提督「ふざけ合うのも戯れるだから、多分間違ってないと思うけど……」

↓2

―食堂―

提督「貴様らにランチを奢ってやろう」

山城「何をたくらんでいるんですか」

扶桑「お気持ちは嬉しいのですけど、少々負担になるのでは?」

提督「気にすることは無い。出費より収入の方が多いし」

山城「自慢ですか」

提督「山城の卑屈の方向が攻撃的になってないか」

扶桑「最近出撃が無かったので、少し溜まってるのかもしれません……」

提督「とりあえず、普通にカレーにするか。今日のカレー当番は……」

扶桑「カレー当番……たしか、今日は……」

山城「もういいですから! 私ハンバーグにします!」

提督「お、おう」

扶桑(今日の当番は山城だったわね……)

提督「何をごまかそうとしているのかは分からないが山城」

山城「なんですか」

提督「隠し味に板チョコ一枚入れるな。多いぞ」

山城「そう言われると思っていたから一緒は嫌だったんですよ!」

扶桑「提督、もしかしてすでに食べておられるのですか?」

提督「まあいつも昼は当番のカレーを試食ついでに食べて……あっ」

扶桑「では昼を共にするのは、また今度という事でお願いします」

山城「うぅ……気付かないうちに食べられてる……不幸だわ」

提督(別に一食無理なほどお腹いっぱいという訳でもないんだが)

―執務室―

提督「一緒に食べることは叶わなかった。ランチタイムに話しただけか」

提督「無言で食事しそうな姉妹だし、一緒に食事しても碌な内容にはなりそうにないけど」

↓2

―妙高型の部屋―

提督「足柄、再戦だ」

足柄「再戦ね、いいわよ。再戦って事は、チェスかしら」

提督「前の俺とは違うぞ。今度は戦略戦術共に成長させ、必勝法を携えてきたんだ」

足柄「必勝法ね。こっちは妙高姉さんという強力なバックがいるんだから」

提督「ふん、貴様の勝利もここで終わりだ」

足柄「あら、私は何時までも勝利を掴み続ける女なんだから」

提督「ほほう、その勝利もここで止めてやるよ」

提督・足柄「「Good Luck」」ガシッ

~~~~~~~~

提督「また負けたんだが」

足柄「十戦九勝一分……成長速度が私と同じね」

提督「これで本当に妙高に勝てないの? 俺これでも吹雪に五連勝したよ」

足柄「勝てないわよ。それって、相手が良かっただけじゃないかしら」

提督「じゃあ、誰に挑戦すればいいんだ?」

足柄「そうね……秘書官とチェスしてみたらどうかしら」

提督「確かに強そうではあるな……」

足柄「でも提督ならきっと強くなるわ。それでも、次に戦うときは負けないけど」

提督「それはこっちのセリフだ」

―執務室―

提督「秘書官に頼み込んで一戦交えてもらったけど、あれ勝てない。ほぼパーフェクトだったんだけど」

提督「流石歴戦の艦娘なだけはある。ある意味俺も鼻が高い」

提督(……もうチェス辞めよう。ぶっちゃけ俺には才能がないんじゃないかと思えてきた。それくらいボコボコニされた……)

↓2

―提督私室―

提督「……妙高、那智、足柄、羽黒……よし、全員そろったな」

妙高『wi-fiを通じて五人でも対戦できるなんて、凄いですよね』

那智『そうだな。して、これはどうやって操作すればいいのだ』

妙高『バラバラでやってるのだから、説明書を読みなさい』

那智『うむ、分かった』

足柄『ふふ、レート7000台の私に勝てるかしら』

羽黒『が、頑張りますね!』

提督「さて、全員準備は整ったようだな、そろそろはじめるぞ」

~レースシーンダイジェスト~

提督「ハングオンじゃサンドリには勝てんぞ」

妙高『はたして、そううまくいきますかね』


羽黒『は、8? ええと、まず……』

提督「スター貰い!」

羽黒『ああっ!』


足柄『お、おかしいわ……妙高姉さんにも提督にも、それどころか羽黒にすら負けるなんて……』

那智『む? ここ通れそうだな』<ハッフゥー

足柄『那智姉さんにも抜かされたですって!?』

~結果~

提督「最後にキノコサンドリが決まらなかったら負けていた……」

妙高『流石提督ですね。ハングオンの弱点コースばかり選ばれるなんて』

提督(苦手コースなのにあそこまで追いついてきたことが驚きだ……)

羽黒『さ、三位? 真ん中で良かったです』

那智『よく分からんが、足柄には勝ったみたいだな』

足柄『アイテムさえ、アイテムさえ良ければ!』

提督「アイテムに振り回されているようじゃ三流だな」

妙高『重要なのはわかるのだけどね』

提督「というわけで、第一回マリカー姉妹対決終了。各自、借りたゲーム機をきちんと返却すること。解散」

―執務室―

提督「妙高はマジでヤバいな。サンドリに勝つハングオンって化け物級だよ」

提督「まさかもうマリカー大会なんてしないと思うけど……ちょっと練習しておこう」

↓2

―カラオケ屋―

提督「ふーんふーん……ところで扶桑」

扶桑「なんですか?」

提督「持ってるのが琴なんだ」

扶桑「カラオケは楽器を鳴らして楽しむと聞いたものですから」

提督「それ、誰から聞いた?」

扶桑「山城が本で見たと言ってました」

提督「……ふう、空はあんなに青いのに」

扶桑「提督、その……室内なので空は見えませんよ」

提督「もう気にする方が野暮だ。扶桑、先に歌え」

扶桑「わ、分かりました。では……」

扶桑「う~ら~ないも――」

提督「……」

扶桑「反省文 反省文――」

提督「……暗い! キャラはあってるかもしれないけど暗い!」

扶桑「ええと、ダメでした?」

提督「もう那珂ちゃんの曲歌え! これは命令だ!」

扶桑「れ、連続ですか」

提督「盛り下げた罰だ!」

扶桑「分かりました……では――」

―執務室―

提督「指定しなかったら暗い曲に入るのは、ちょっと駄目だな。安定化図ろうとして電波曲歌って泥沼化するし」

提督「まだ山城も来てくれ方が……いや、あいつもむらがあるか」

↓2

吹雪「司令官、呼びましたか?」ガチャ

提督「影が薄かったりキャラが薄いと嘆く吹雪に、ちょっとした提案をしようと思ってな」

吹雪「失礼しました」
提督「まあ、まちたまえ」

吹雪「そういう事言わないでくださいって、いつも言ってるじゃないですか!」

提督「今度こそ本気だ、大丈夫、キャラ付にもなるし存在感も上がるぞ」

吹雪「司令官の言う本気ほどあてにならないんですけど……」

提督「今度は絶対だから! 俺を信じろ」

吹雪「……そこまで言うのでしたら」

提督「よし来た。吹雪、これを付けてみてくれ」

吹雪「これって、テレビとかでやっているデコ用の……?」

提督「艤装にこれを付けることにより、華々しくなるぞ!」

吹雪「誰がデコレーションをするんですか?」

提督「俺だ」

吹雪「えっ」

提督「俺だ」

吹雪(不安だけが募っていくんですけど……)

―吹雪型の部屋―

吹雪「……」

叢雲「あら、おかえり……って、それどうしたのよ?」

吹雪「艤装をデコると華々しくなるって、司令官が……」

叢雲「たしかに華々しいけど……邪魔だと思うのだけど。キラキラし過ぎだし、なにより砲身が見えないわ」

吹雪「ですよね……ちょっと落としてくる……」ガチャ

叢雲「……」

磯波「悔しいけど……デコレーションに関してはプロ級の出来だったよね」

叢雲「認めたくないけど、そうね」

―執務室―

提督「今気づいたけど、使い勝手に関しては考えてなかった。しまったな……絶対剥がされてるぞ」

提督「まあ、写真には収めたし、俺が楽しむ分には十分だけど」

↓2

―赤城神社―

提督「全国300社位ある赤城神社だが、その中でも赤城山の山頂に位置している大洞赤城神社が本宮とも言われている」

赤城「へぇー、そうなんですか」

提督「自分の名前の由来ぐらい知っとけよ」

赤城「まあいいじゃないですか、こうして提督から聞けましたし」

提督「まったく……とりあえず赤城、何か祈願しておけ」

赤城「提督は何も祈願をしないのですか?」

提督「赤城神社は主に女性の願掛けに答えるそうだ。俺が祈っても無駄ということは無いが、やっぱりここは赤城に任せるべきだと思ってな」

赤城「そうですか。では、無病息災ですかね」

提督「そうだな……おっ」

赤城「提督も何か欲しいものでも見つかりましたか?」

提督「欲しいものっていうか……とりあえず、お前はちゃんと参拝しておけ」

赤城「? 分かりましたけど……」

提督「俺は適当にまわってくる。徳川家康も奉ってるらしいしな」

赤城「それじゃあ一緒に来た意味がないんじゃないですか?」

提督「……それもそうか。じゃあ、ここで待ってるから参拝してこい」

赤城「別々に行動する必要はないと思いますよ?」

提督「……トイレ行きたいから、行っといてくれって事だ」

赤城「あっ」

―帰り道―

提督「湖……赤城神社の主祭神、赤城大明神は湖の女神様でな」

赤城「女性の願掛けに効果あるんですよね」

提督「さすがにさっき言ったことくらい覚えているか」

赤城「む、さすがにそれは甘く見過ぎですよ」

提督「すまんすまん。それでほら、姫守り」

赤城「これ……さっき見ていたのはこれですか?」

提督「護るって書いてあったからつい。もしなにかあれば、こうして共に出かけることもできなくなるからな」

赤城「……ふふ、この場所で渡してくるって、提督もなかなかロマンチストですね」

提督「別に、渡し損ねたらまずいから早めに渡しただけだ。ほら、行くぞ」

赤城「はいっ」

―執務室―

提督「どうでもいいことだが、赤城大明神は非常に美しかったと伝説に残っている」

提督「女神が美しいっていうのは、もはや株様式だけどな。赤城が名前負けしてるかは、まあ……」

↓2

―長門型の部屋―

提督「はい、結婚したから御祝儀くれや」

長門「まるで悪徳金融かのような物言いだな」

陸奥「一応人生ゲームにおいては結婚相手は置物なのよね」

提督「ていうか、お前たちがあっさりと人生ゲームをすることに賛成するとは思わなかったぞ」

長門「今日の鍛錬は終わったし、ちょうど暇してたところだったからな」

陸奥「そうね。たまにはってのもあるわ」

提督「まあ、理由なんてどうでもいいけどな。ほら、次は長門の番だ」

長門「……詐欺にあった、五万払う」

陸奥「ああ、実際にかかりそうね。気を付けてよ?」

長門「誰がかかるものか!」

提督「いいから早く払えよ」

陸奥「じゃあ私ね。ええと……スロットで大損、十五万払う」

長門「陸奥、運が悪いんだから、博打はやめておくのだぞ」

陸奥「分かってるわよ!」

提督「……なんだか、友情崩壊ゲームをやってるかのようだ」

~結果~

提督「なんとか一位か……」

長門「くっ、陸奥があそこで衝突をしてこなければ」

陸奥「保険かけてないからよ。……私も保険が無くなるくらい衝突したけど」

提督「というより、陸奥は運が悪いだけだが、長門は勝ってるのにわざわざギャンブルマスとか行くなよ……」

長門「ビッグ7たるもの、常に上を目指さなくてはな」

陸奥「私の運が悪いだけって結構致命的じゃないかしら」

提督「まあ……よし、これで解散!」

―執務室―

提督「結果は俺が一位、長門二位、陸奥三位……妥当だな」

提督「しかし、陸奥があれだけ衝突とかしたのならば、雪風がすれば……なんて、圧勝が見えるのだけど」

↓2

―廊下―

矢矧「おはようございます、提督」

提督「おはよう。……ちょっといいか矢矧」

矢矧「はい、なんでしょうか」

提督「髪が乱れてるぞ。ほれ、手鏡」

矢矧「あっ、すみません。少し寝坊してしまい、慌てていたものですから」

提督「お前も女なんだから、少しは身だしなみに気をつけろよ。どれ、整えてやる」

矢矧「すみません、お願いします」

提督「ふんふん……うん、これだけ艶やかな髪なら、なおさらきちんとしないと」サッサッ

矢矧「う、うむ」

提督「……これで良し。今度から身だしなみには気をつけろよ」

矢矧「今度から、気を付けます」

阿賀野「あっ! 矢矧ずーるーいー! 提督、私にもお願い」

提督「阿賀野はいつも能代にきちんとしてもらってるだろ」

阿賀野「うぅ、能代のせいで……」

能代「まるで私が悪いみたいに言うのやめて」

酒匂「じゃああたしは?」

提督「酒匂は俺の手を借りるほど髪長くないだろ」

酒匂「髪が長かったら……」

―執務室―

提督「一人が来れば他のも来る。阿賀野型は不思議だ」

提督「でも、あの騒がしさは個人的に好きだな」

↓2

青葉「司令官、呼びましたか」

提督「呼んだぞ」ナデナデ

青葉「……ええと、なぜ青葉の頭をなでるのですか?」

提督「ははは」ナデナデ

青葉「笑ってないでやめてください」

提督「撫で心地いいな」ナデナデ

青葉「そ、そういうことを聞きたいわけじゃありません!」

提督「だが、やめろと言われてもやめるつもりはないぞ」ナデナデ

青葉「せ、セクハラですよ!」

提督「嫌がられなければセクハラじゃない!」ナデナデ

青葉「嫌がってますよ!」

提督「だったら、逃げればいいじゃないか」ナデナデ

青葉「はい?」

提督「わざわざ追いはしないつもりだったんだけど、さっきから青葉も逃げないじゃないか」ナデナデ

青葉「……! こ、このことは絶対に記事にしてあげますから!」ダッ

提督「逃げた。写真も撮ってないのに記事になんてできないだろ……裏付けが足りないな」


提督「ええと……裏付け以前に、わざわざ誰も騒がんだろうし」

提督「よし、今回は勝ったな!」

↓2

―牛丼屋―

提督「ランニングコースに店があるのはいいな」

長良「何食べますか、提督」

提督「うーん、牛丼屋に来たんだし……まぐろたたき丼かな」

長良「牛丼屋に来て海鮮ですか!?」

提督「え、ダメ?」

長良「ダメっていうことはないですけど……ちょっと違うんじゃないかなと」

提督「海鮮がだめなら……麻婆とか」

長良「牛丼頼まないんですか!?」

提督「えー、朝から重くない?」

長良「麻婆の方が重いと思いますよ」

提督「わかった。じゃあ、普通に定食を頼む」

長良(それでも単体は頼まないんですね)

長良「私は普通の牛丼を頼みます」

提督「野菜が足りないな。こっちのほうれんそうの奴も頼んどけ」

長良「あ、ありがとうございます」

提督「すみませーん」

長良(……もしかして、朝から栄養に気をつかって頼んでたのでしょうか)

提督(実は昨日牛丼食ってたことを店に入ってから思い出した……二食連続はいいわ……)

―執務室―

提督「牛丼はおいしいけど、一品だけだから飽きる」

提督「長良には悪いが、牛丼単品を見るだけでもちょっと厳しいから野菜をつけさせてもらったくらいだ」

↓2

8「ほしい本があるのだけど、付き合ってくれませんか」

提督「いいけど、何を買うつもりなんだ」

8「……房中術書」

提督「房中……?」

8「いえ、冗談ですから気にしないでください」

提督「冗談……まあ、いいか」

8(やっぱり知らないか……というより、冗談で普通に通じると、いろいろ不安にもなるわね)

8「それで、探している本が絶版ではないですが、結構珍しいものなので少し時間を取ってしまうかもしれないんですけど……」

提督「ああ、別にいいよ。今日の分の仕事は終わったから」

8「ありがとうございます」

―夜・帰り道―

提督「なんかカットした気がするけど、ずっと書店回ってたな」

8「こんなに時間がかかるとは思いませんでした。すみません、こんな時間まで突き合わせてしまって」

提督「いや、行くときにも言ったが、今日はあいていたから問題ない。それより、見つかってよかったじゃないか」

8「はい、ありがとうございます……」

提督「しかし、夜かー……月が綺麗だな」

8「……わたし、死んでもいいわ」

提督「こら、はっちゃん。そういうこと言うんじゃない」

8(まあ、提督のことだから、分からないかもしれないけど)

提督「男にそういうこと言うと、誤解されるかもしれないだろ。つい言ってしまった俺も悪かったけど」

8「提督、わざとやっているんですか」

提督「へ?」

―執務室―

提督「俺何か間違えたこと言ったかなぁ……ちゃんと注意したと思うんだけど」

提督「確かに、あれで通じる人はあんまりいないと思うが」

↓2

―廊下―

加古「あ、提督おっす」

提督「おっすおっす」


古鷹「加古ー?」


加古「……じゃあ、あたし急いでるから」

提督「ちょっと待て」

加古「なに?」

提督「古鷹がお前を呼んでいるようだが」

加古「か、かくれんぼしてるんだよ」

提督「ほんとか~?」グリグリ

加古「あははっ、や、やめてっ、くすぐったいからお腹ぐりぐりしないで」

提督「それで、本当のところは?」

加古「古鷹のアイスを食べちゃった」

提督「加古らしいというか……」

加古「喋ったんだから、提督もどうするか考えてよ」

提督「お前の問題だろ……じゃあ、俺の手作りアイスでも送っておいてやる」

加古「あたしには?」

提督「お前のせいだろ」グリグリ

加古「や、やめてやめてっ」

―執務室―

提督「評価の微妙な手作りアイスなんてもらって嬉しいかわからないけど」

提督「微妙な顔でもらわれたら……いや、何も考えず後で渡すことにしよう」

↓2

―雲龍型の部屋―

提督「トランプ勝負だ、雲龍」

雲龍「なんで?」

提督「トランプ勝負には、勝負運、勘、ポーカーフェイス、戦術など様々な要素が必要になる」

雲龍「鍛えられるということですか」

提督「そういうことだ。じゃあ、さっそくポーカーだ!」

雲龍「やるとは言ってないんですけど……」


提督「……雲龍、降りなくていいのか? 俺の手札はすごくいいぞ」

雲龍「平気」

提督「……後悔するなよ。フルハウス!」

雲龍「ストレートで私の勝ちですね」

提督「なんだと……」


提督「次はブラックジャックだ!」

雲龍「……二枚で止めておきます」

提督「少ないな、舐めてるのかな? まあ、後悔しないことだな」

雲龍「だってブラックジャックになりましたから」

提督「……22」

雲龍「私の勝ちですね」


提督「なぜだ……なぜ勝てない」

雲龍「提督は勝つ気になった時ほど弱いですよね」

提督「うるせー! 次は負けないからな!」

雲龍(あ、また負けフラグ)

―執務室―

提督「きっと今日は調子が悪かったんだ」

提督「次やったら絶対に負けない、と思う」

↓2

―金剛型の部屋―

提督「今回は黒霧島を持ってきた」

榛名「黒霧島ですか?」

霧島「焼酎ですよね。ほかに赤霧島とかあります」

提督「そうだ。いつもは日本酒だから、少しアルコールも強い。25度のやつを買ったしな」

霧島「金剛お姉さまと比叡お姉さまが来るまで待ちますか?」

提督「あいつら酒癖悪いからな……」

霧島(だいたい司令のせいなんですけどね)

榛名「榛名も席を外した方がいいですか?」

提督「量はないが……わざわざ部屋を追い出すほどじゃない」

霧島「榛名、司令と二人きりにはさせないで」

提督「え、なんで警戒心持たれてんの」

提督「なんかくらくらする……」

霧島「いつものペースで飲むからですよ。どうせ、明日には復活しているんでしょうけど」

提督「霧島はいつもどおりだな……」

霧島「ペース考えてますから。司令も今回は悪酔いしないだけ、マシだと思ってます」

榛名「提督、お部屋まで支えましょうか?」

提督「少しやすんでればだいじょうぶ……だと思う」

霧島「それより、なんで突然霧島を飲もうと言ってきたんですか?」

提督「榛名には榛名神社につれて行ったし、あまりあいてをしていなかった霧島にもなにかしようかと」

霧島「……なんだか、気を使われると変な気分になりますね」

提督「霧島にそんなこと言われるような悪いことしたかなぁ」

―執務室―

提督「そういや霧島が酔ったところ見たことないなぁ」

提督「酔いそうなキャラではあると思うんだけど……知能キャラの残った部分とか」

提督「キャラとか何言ってんだろ俺」

↓2

―阿賀野型の部屋―

提督「お菓子かってきたから一緒に食べよう!」

酒匂「皆、今日はお出かけだよー」

提督「マジか。タイミング悪いな……酒匂はお留守番か?」

酒匂「今日はなんとなく司令が来る気がしたの」

提督「何その第六感」

酒匂「阿賀野ちゃんも同じようなこと言ってたんだけどねー。能代ちゃんぴゃっと連れていったんだ」

提督「何時もの阿賀野型って事だな。うーん、まあ、二人で食べるか」

酒匂「いいの? わーい!」

提督「皆には内緒だぞ。阿賀野は羨ましがって、能代は怒りそうな気がするからな」

酒匂「うん!」

提督「じゃあ、まずおっとっとを……なんで酒匂は膝にあがる?」

酒匂「駄目?」

提督「今日は誰も居ないから特別許してやる。ついでに頭も撫でてやるぞーうりゃりゃー」ワシャワシャ

酒匂「ぴゃあぁぁぁ。もっとして、司令!」

提督「お菓子も食わなきゃいけないだろ。ほれ、あーん」

酒匂「あーん♪」

提督「うんうん、酒匂は妹みたいで可愛いな」

酒匂「ぴゃあっ♪」

―執務室―

提督「変えるときまで阿賀野達が戻ってこなかったせいで、お菓子捌けなかったな」

提督「保存はきくし、今全部食べる必要はないけれど」

下2

提督「最近ネットの情報に疎くてな」

漣「はあ……」

提督「旧友にメール送ったら『あーね』とか『それな』とか意味の分からん言葉で返ってきて、返信に困ったりとかしたんだ」

漣「相変わらず知識が偏ってますね」

提督「そんなわけで、なんとか情弱と言われないようにしたいんだ」

漣「本当、偏ってますね……ネットサーフィンとかどうでしょうか。適当に見ているだけでも覚えていくものですよ」

提督「ほう、ネットサーフィンか」

漣「特定のニュースを知りたいのでないのならば、それが一番いいかと」

提督「よし、アンテナサイトを巡回だ」

漣(その単語知ってて、なんでさっきの言葉が分からないんですかねぇ)

提督「――艦娘アイドルの必死の願い『わたしの事は嫌いになっても、お姉さまの事は嫌いにならないでください!』」

漣「完全ネタktkr。でも、本気でいいそうなんですよね」

提督「『艦娘と提督のデート。同じ機種の携帯を買う二人の姿』」

漣「kwsk。産業」

提督「後でな。『神社で変な踊り踊ってる奴が居たwwwwww』」

漣「ご主人様、マジキチ」

提督「何故わかった。『お好み焼き屋にいるんだけど、俺の席の隣で関西弁で喧嘩してる……』」

漣「そんなよくある話、チラ裏に書いてください」

提督「俺に言うなよ……って、いつの間にかまとめサイトに来てる」

漣「あるある」

~数時間後~

漣「――あら、もうこんな時間ですか」

提督「付き合わせて悪かったな」

漣「いえ、楽しかったですから。ではまた~」

バタン

提督「見てたら意外と分かるものだと思った。でも、肝心の二言については全く分からなかった……」

提督「ま、知らなくて困るものでもないか」

下2

~朝・祥鳳型の部屋~

瑞鳳「すぅ……すぅ……」

『朝だぞ、起きろ』

瑞鳳「ん……提督のこえ……?」

『起きないか……なら、白雪姫のお姫様のようにキスをすれば起きるかな』

瑞鳳「きす……キス!? て、提督っ!」バッ

目覚まし時計『瑞鳳、今目を覚まさせてy』バシッ

瑞鳳「……紛らわしいことをして、提督の仕業には変わらないんだろうけど。はぁ……後で提督の所に行かなきゃ」

「瑞鳳、今日はまた乱暴な朝だな」

瑞鳳「あれ、目覚まし時計は止めたはずなんだけど? まだほかにあるってこと?」

提督「何言ってる。本物だ」

瑞鳳「……なぜ、布団に?」

提督「二重トラップだ。顔赤くして起きるところとか、安堵の息を吐くところとか、可愛かったぞ」

瑞鳳「――――っ! 提督っ!」

提督「あっはっは、瑞鳳は良い反応をしてくれるな!」ダッ

瑞鳳「あっ、待ってください!」ダッ


祥鳳(二人とも、朝から元気ね)

―執務室―

提督「添い寝や起こし方などで迷ったが……複合していい感じになったか」

提督「同室にいる祥鳳にも迷惑かかるから、騒音系が使えなかったというのもあるけど」

下2

―暁型の部屋―

電「来るのです」

暁「なによ電。急に来るって」

響「この展開……前にもあったよね」

提督「お邪魔するぞー」ガチャ

電「邪魔するなら帰ってほしいのです」

提督「電ってたまに辛辣な言葉を平気で吐くよね。ええと、雷は?」

暁「雷ならそこで寝てるわよ」

雷「むにゃ……」

響「出撃なら起こそうか?」

提督「いや、それには及ばない」ゴソゴソ スッ

暁「何してるのよ」

提督「見てわからないのか。膝枕だ」

電「セクハラなのです」

提督「嫌がってないだろ?」

響「寝てる相手に嫌がってるも何も……」

雷「ぅ……? しれいかん……?」

提督「まだゆっくり寝てていいぞ」ナデナデ

雷「えへへ……すぅ」

提督「……嫌がってないだろ?」

暁「ふん、雷が嫌がってないのならいいわ」

電「……」

響(今、電小さく舌打ちしたような……いや、きっと気のせいだよ、うん)

―執務室―

雷『今度は私が膝枕をしてあげるわね』

提督「――って言われて戻ってきた」

提督「暁型の中で一番構ってあげられてないのに、こっちに気をつかってくれるなんて、本当にいい子だと思いました」

下2

伊良湖「新しくこの鎮守府に着任することになりました、給糧艦伊良湖です。どうかよろしくお願いします」

提督(やっぱ着任したてじゃ少し固いな……まあ、じきに馴れるだろう)

提督「ええと、給糧艦と言ったな」

伊良湖「はい!」

提督「じゃあ、間宮アイスに勝てるものは作れるのか?」

伊良湖「ま、間宮さんを越える物ですか……すみません、それは……」

提督「ああ、いや無茶振りだったか。ならそれでもいい」

伊良湖「ですが、間宮さんには劣りますが、私だって作ることは出来ますよ!」

提督「ほう、それは一体なんだ」

伊良湖「最中です!」

提督「アイスの方がいいからチェンジで」

伊良湖「がーん」

提督「最中はまたあとで。アイスの方がいいというのは、間宮と比べたいからだ。能力を理解しないと運用も難しいからな」

伊良湖「あ……そういうことだったんですか、すみません……私なりに頑張ってアイスを作って見せます」

提督(咄嗟に言い訳を思いついてよかった……)

伊良湖「では、少々時間をいただきますね」

提督「食堂を使う許可は間宮からもらっている。好きに使っていいからな」

伊良湖「分かりました」

~数時間後~

伊良湖「失礼します。アイスが完成したので、届けに参りました」

提督「ありがとう。……見た目は最中だな」

伊良湖「どうぞ、食べてみてください」

提督「ああ……パクッムグムグ……ん、これ」

伊良湖「中にバニラアイスを入れてみたんです。どうですか?」

提督「自分の得意料理を混ぜる点は評価するが……これって、森永が作ってる……」

伊良湖「もりながですか?」

提督(あ、知らないのか。それはしょうがない……)

伊良湖「……美味しくなかったですか?」

提督「いや、美味しい。手作りってのはやっぱりいいものだな。味も自由に変えれるし、出来立てが食べられる」

伊良湖「ほっ……」

提督「よし、分かった。とりあえず今後は間宮の手伝いをしておけ。いろいろ学んで来い」

伊良湖「はい! 失礼します」

バタン

提督「……やばい、こっちの方が俺好みかも知れない。中にチョコ入ってる奴もあるし」

提督「自分でアイス作るのが馬鹿らしくなるな、こんなのがあっさりと作られると」

下2

―母港―

提督「誘導爆弾のテストに協力してほしい」

蒼龍「誘導爆弾? 一体何に使うの?」

提督「主に敵の偵察部隊の迎撃に使用する。誘導性と起爆の確認をしたい」

蒼龍「起爆って、まさか犠牲になれということですか?」

提督「蒼龍、そういう冗談は笑えないぞ」

蒼龍「すみません、もちろん、提督がそこまでするとは思ってませんから」

提督「起爆と言っても、作動の確認だけだ。中身はダミーで仕掛けている」

蒼龍「分かりました。九九艦爆ですか?」

提督「江草隊は休みだからな。そっちで十分だ」

蒼龍「分かりました。では……艦載機、発進!」

~~~~~~~~


提督「……分かった。もういいぞ」

蒼龍「撃ち漏らしが少しありましたね。どうするんですか?」

提督「妖精さんと夕張に報告だ。あれだと、友永隊や江草隊だと完璧に避けられる可能性がある」

蒼龍「そうでなくとも、誘導しきれなかった機体がありましたからね」

提督「悪かったな蒼龍、時間を貰って」

蒼龍「いえ、兵器能力の向上は、後に私たちのためにもなりますから」

提督「そう言ってくれると助かる。じゃあ、お礼に……伊良湖最中だ」

蒼龍「あっ、これって着任したばかりの間宮のお手伝いさんのね。ありがとう提督」

―執務室―

提督「艦載機の能力が高いのか、誘導能力が低いのか……新兵器の製作も大変だ」

提督「そのあたりは全部任せてるから、どう大変なのかは知らないけど」

下2

―食堂―

提督「駆逐艦共ー、間宮アイスと伊良湖アイスを配るから並べー」

霞「ねえ」

提督「どうした秘書官。きちんと秘書官の分も用意してあるから、心配しなくてもいいぞ」

霞「今から出撃するメンバーには優先で配った方がいいと思うのだけど」

提督「あー……そういえばそうか。だが、人数ピッタリしか用意していないぞ」

霞「はぁー……カス提督だし、予想してたことかしら。なら、私のだけでもあげて足しにするしかないわね」

提督「秘書官は仕事あるから外すわけにはいかないだろ。……しゃあない、今日オフの奴の分を明日位に回すか。おーい、潮、浜風、浦風」

潮「なんですか?」

浜風「今日は……真面目のようですね」

浦風「なんじゃ、用か?」

提督「悪いが、お前たちの分のアイスを明日に回させてくれないか」

潮「ええっ?」

浜風「説明はしてくれますよね」

提督「出撃メンバーに回した方が効率がいいことに今気づいてな。お前達なら、多分頷いてくれると思うのだが」

浦風「ま、明日貰えるなら一緒じゃしの。うちはかまわんよ」

潮「私は良いですよ」

浜風「効率を考えれば正しいですしね。断りはしませんよ」

提督「ありがとな、お前達には後で俺の自作アイスも分け与えようではないか」

大鳳「提督、ここにいましたか」

提督「おっ、大鳳……瑞鳳に龍驤も一緒か。ちょうどいい」

龍驤「なんや、なにか用でもあったんか」

瑞鳳「私たちは出撃に関してなんですけど、提督は?」

提督「間宮アイスと伊良湖アイスだ。お前たちにと思ってな」

瑞鳳「わ、ありがとうございます」

大鳳「……そこの、駆逐艦の子は?」

提督「今回分け与えてくれた三人だ。ああ、気にしなくてもいいぞ。なんせ――」
龍驤「胸か」

提督「……ん?」

龍驤「キミ、もしかして胸囲の格差社会とでも言いたいんか」

提督(あ、これ面倒なパターンだな)

龍驤「いくらうちらが小さいゆうてもな、そういうのはいかんと思うんや」

提督「(面倒なことになったから、お前たちは部屋に戻っておけ)」

潮「……」コクコク

浜風(龍驤さん、自分から地雷踏みにかかったみたいなんですけど)

浦風(何で気にするんじゃろうな、邪魔なだけじゃろうに)

大鳳(自覚したくないことを永遠と怒るのも、辛いと思うんですけど)

瑞鳳(これ、もらっちゃってもいいのかなぁ……)

龍驤「そもそもなぁ――」

―執務室―

提督「まったく、龍驤には怒られるし、秘書官には出撃が遅れたことに怒られるし、散々な目に合った」

提督「こちとら、胸囲とか見てもいなかったというのに。大鳳と瑞鳳も心なしか呆れていたように見えたぞ」

下2

―提督私室―

提督「今回もwi-fiを使ってマリカするぞー。お前達、準備はいいか?」

雲龍『準備完了』

蒼龍『遊んでてもいいのかしら……』

飛龍『たまにはいいんじゃないの?』

提督「それじゃ、開始ー」

雲龍『勝ったら、装備を強化してくれるんですよね』

提督「まあ、一応」

雲龍『全力で行かせてもらいます』

蒼龍『装備の強化か……』

飛龍『お、蒼龍もやる気になったね。じゃあ、私もやるかな』

~ダイジェスト~

提督「雲龍サンドリ上手すぎるだろ!?」

雲龍『装備がかかってるから……!』

蒼龍『あ……ハングオンバイクを選んでたみたい……』

飛龍『それは致命的だね、蒼龍』


提督「空中で三連赤甲羅を食らえ!」

雲龍(間にはスター状態のカートが……あれ、私の方に来た?)<ドシュ チャポン

提督「今作はスターを無視するのだよ。はっはっは」


雲龍『赤甲羅お返しよ』<シュッ

提督「秘技、壁消し!」<パシュッ

雲龍『えっ』

蒼龍『じゃあ、このトゲ甲羅を食らって!』

提督「キノコで回避!」

蒼龍『効いてない!?』

飛龍『楽しそうだけど、珍しくついていけてないなー。あ、サンダー』<ドシャァ

雲龍『あっ』<ポチャン
蒼龍『あっ』<ポチャン

提督「さすが飛龍、二人とも落ちていったぞ。運が高いだけある」

飛龍『狙ったわけじゃないんだけどね』

―執務室―

提督「一位俺、二位雲龍・蒼龍・飛龍」

提督「最後のサンダーで飛龍が追いついたけど、それなりに妥当な結果か。雲龍が予想以上にうまかったけどな……」

提督「なんだかんだでみんなノリノリでプレイしてた」

下2

―大鳳の部屋―

提督(普段から燃料の匂い嗅いでるんだし、ガソリンつけるだけだと意味ないと思うんだよなぁ)

提督(そんなわけで、煙幕と爆発音の入った携帯も用意した)

提督(……ん、これって加賀にやったのと似てるような……まあいいか)

大鳳「スゥ……」

提督「では起きる前に、ドッカーン」

ドーン モワモワ…
大鳳「はっ!? な、何事ですか!?」

提督「火事だ! 大鳳!」

大鳳「か、火事!? ちょ、ちょっと待ってください……けほっ、こ、これって……!」

提督「早く逃げないとまずいことになる……!」

大鳳「……この匂い、確か……」

提督「ガスに引火したら、大爆発を起こすぞ!」

大鳳「待ってください提督」

提督「なんだ?」

大鳳「……ドッキリですよね、これ。ガソリンを鼻に付け、煙で誤魔化そうとしたんでしょうけど、バレバレですよ」

提督「……ばれたか。まあ仕方ない、撤収だ」ダッ

大鳳「今日はいやに早く戻っていきましたね……」

モクモク

大鳳「って、この煙なんとかしていってください! 片づけたくないから逃げましたね!?」

―執務室―

提督「大鳳はノリが悪い割にきちんとつっこんでくれる。悪戯するかいがあるというものだ」

提督「本人からすると迷惑極まりないのだろうけど」

下2

―妙高型の部屋―

提督「トランプをするぞ那智」

那智「トランプだと?」

提督「トランプ勝負には、勝負運、勘、ポーカーフェイス、戦術など様々な要素が必要になる」

那智「どこかで聞いたことのある言葉だな」

提督「さあ、勝負を受けるか否か!」

那智「ふむ、受けることにやぶさかではないが、私はトランプとやらのルールを知らないぞ」

提督「……なんにもか?」

那智「ババ抜きだけは前にやったことがある」

提督「ではそれで勝負だ!」

~数分後~

提督「……これだ!」

那智「くっ、負けてしまったか」

提督「よっしゃあ! ……って言いたいところだが、正直つまらん」

那智「最後の三枚になるまで流れ作業だったしな」

提督「最後の最後にジョーカー引いたら負けだから、いっそ三枚でスタートしてもいいくらい」

那智「二人でトランプは無理があったな」

提督「言いだしっぺとしては認めたくないが……事実そうだったな……」

那智「すまない、これしか知らないで」

提督「いや、教える手間をめんどくさがった俺の失敗だ……」

―執務室―

提督「結論、二人でやるババ抜きはつまらない」

提督「一人でするポーカー並につまらないのは、する前から明らかだったはずなのにな……」

下2

―扶桑型の部屋―

提督「人生うまくいかなかったときは、飲みに限るだろう」

山城「私は今日一日平和でしたけど、提督が来た時点で少し残念な日になりました」

提督「ひどくない?」

山城「また姉さまとデートとか誘いに来たんですよね。絶対に許しませんから!」

提督「勘違いも甚だしいな山城」

山城「では、いったい何の用ですか」

提督「俺はお前を友達として飲みたいと誘いに来たのだ!」

山城「嫌です」

提督「……ちょっとくらい考えてくれてもいいんじゃない」

山城「普通に飲むのと何が違うんですか」

提督「敬語が無くなって……自然体で話せる?」

山城「私も提督もこれ以上なく自然体ですよね」

提督「な、何か変わるかもしれないだろ」

山城「提督に何か隠しているというわけでもないですし……」

提督「ええい、うるさい! 予約してんだからさっさと行くぞ!」

山城「結局強制、不幸だわ……」

―鳳翔の店―

山城「はぁ……」

提督「何しけた顔しているんだ。今日は無礼講だぞ」

山城「提督が無理に連れてきたせいなんですけどね……」

提督「敬語敬語」

山城「……面倒な男」

提督「敬語が解けた途端、急に辛辣に!?」

山城「私は姉さまを待つ方が好きだったし……」

提督「……そんなに嫌なら、部屋に戻ってもいいんだぞ」

山城「あ、そうですか。ありがとうございます」ガタッ

提督「ええ!? 本気で帰るの!?」

山城「友人同士の飲みでは、用事があれば遠慮なく帰ってもいいですよね」

提督「そうかもしれないけどさ……そんなに俺と飲むの嫌だったわけ?」

山城「提督より姉さまの方が重要というだけですよ。では、お先に失礼します」

提督「……グスッ」

―執務室―

提督「その後、慰められるように鳳翔に一酌してもらった」

提督「いやまあ、あの言い方的に嫌われているわけではないらしいのだろうけどさ……」

下2

―食堂―

提督「伊良湖、間宮はどうだ」

伊良湖「凄いです……具体的には、突然パーティ―始めると言ってきた提督に、文句無く行動を始めるところが凄いですね!」

提督「あれ、俺遠まわしに非難されてる」

伊良湖「はい?」

提督「……ああ、そうだ。鳳翔も食堂で料理作るのは慣れなかっただろう」

鳳翔「いえ、食堂は設備がきちんと整っているので、とてもやりやすかったですよ」

提督「遠まわしに設備をねだられているのだろうか」

鳳翔「そんなことないですよ」

間宮「提督、すみませんが料理を運んでください」

提督「分かった」

~~~~~~~~

提督「そんなわけで、伊良湖着任のパーティだ。とはいえ、本人にも動いてもらったがな」

伊良湖「いえ、わたしお料理作るの好きですからいいですよ」

提督「彼女の働きで間宮の激務も解消されることを願っている」

伊良湖「私が手伝う事で料理の味を落としてしまわないか……」

提督「なんて言ってるが、この量の料理を作るのに彼女にも手伝ってもらった。それが安心できる腕かどうかは個人で判断してもらいたい」

間宮「提督も考えましたね」

提督「まるで、普段俺が何も考えてないみたいだな」

間宮「すみません。ですけど、こうしてパーティとして私との料理を出すことによって、料理の味の違いを分からせず、かつ慣れさせているんですね」

提督「まあ、既製品じゃない以上どうしても味に違いが出るだろうしな……って、俺がそんなこと考えているわけないだろう!」

間宮「あら、提督ったら……」

提督「ほら、食べなきゃなくなるぞ!」

―執務室―

提督「パーティとかなんとなく考えただけだから。深い意味ないし」

提督「でも、今思えば間宮もよく全員分の料理とか作ってたなあ」

下2

―廊下―

金剛「ウーン、最近提督が部屋に来ない気がするデース」

榛名「前が来過ぎていたという意見もありますし、これが普通ではないでしょうか」

金剛「私はもっと提督と遊びたいネー! こうなれば、私の方から行ってやるデース!」

榛名「あっ、金剛お姉さま!」

提督「金剛発見!」ギュッ

金剛「!?」

榛名(あ、あすなろ抱き……うらやましいです……)

提督「珍しく金剛が動揺してるな」

金剛「てて、提督ぅー! 突然は私も驚きマース!」

提督「そりゃ、驚かせるためにやったんだし」

金剛「意地が悪いネー……」

提督「はっはっは、おお、榛名。榛名もやってやろうか」

榛名「は、榛名は……遠慮しておきますね」

提督「そっか。じゃあな、金剛。タイミング悪いと秘書官と鉢合わせるから気を付けろよ」

金剛「オオゥ、忘れていたデース……」

榛名(金剛お姉さまの前じゃ頷けませんよ……)

―執務室―

提督「金剛といえど、突然は驚くようだ。うむうむ、いいことを知った」

提督「榛名も忘れたころにすればいい反応が見られるかもしれない」

下2

扶桑「提督、どうしました……あら?」

雪風「こんにちは扶桑さん!」

提督「ちょうどいいタイミングだ扶桑。こちらの準備は整った」

扶桑「準備とは? すみません、何も聞かされていないのですが……」

提督「トランプをしよう。雪風には大富豪のルールを教えていたんだ」」

扶桑「トランプ、ですか。もちろんいいですよ」

雪風「よろしくお願いしますね」

~数十分後~

雪風「8切り8切り1トリプル2トリプルジョーカーと4トリプルで革命3トリプル10ダブルで上がりです」

提督「……え、ちょっと待って、何が起こった」

扶桑「17枚一回で全部消化しましたね……」

提督「いやいや、普通ありえないから。なんでそんな綺麗にもってたのよ。ありえんだろう」

扶桑「カードの混ぜ方が失敗したんだと思います」

提督「えぇー……いや、確かにそうならあるかもしれないけど、さすがにヤバいだろ……」

雪風「しれぇ、どこか間違ってました……?」

提督「そんな穢れ無き純粋な瞳で見られたら、怒るに怒れない……不幸だ……」

扶桑「あ、それ私のセリフ……」

―執務室―

提督「トランプは運が重要だが、即死コンボはそんなレベルじゃない」

提督「三人でデスコンは初めて見た……」

↓2

―廊下―

鬼怒「提督、一緒に走りましょう!」

提督「これまた急だな。そういうのは俺の独壇場だと思っていたんだが」

鬼怒「独壇場ですか? 私は最近提督が運動不足に感じていたので、誘っただけですが」

提督「ううん、まあ付き合おうか。事実、最近運動不足に感じていたからな」

鬼怒「やった!」

提督「それで、走ればいいのか。どれくらいの距離だ?」

鬼怒「ウォーミングアップにハーフマラソンの半分走りましょう!」

提督「……ハーフマラソンって、21㎞だよな?」

鬼怒「だいたいそれくらいですね」

提督「……」

鬼怒「ちょっと長すぎましたかね……?」

提督「そのくらいでいいのか」

鬼怒「ウォーミングアップですから!」


阿武隈「混ぜてもらおうかと思ったけど、軽い気持ちで話しかけなくてよかった……」

―執務室―

提督「はぁ、久しぶりに走ると疲れるな。運動は欠かさないようにしないと」

提督「阿武隈も見てたようだが、正直前に走ってた時についてこれなかったんだから無理だよなぁ」

↓2

―母港―

提督「今日は一部の艦娘以外は外にお出かけ。たまにはオフを暮れてやろうと思った次第だ」

提督「俺もたまには実家に帰ろうかと思った次第なのだが……」

北方棲姫「ねーねー」

提督「どうして深海棲艦がここにいるんですかね。そもそも、こんなところまで来ているってことは……」

北方棲姫「ル級ちゃんがさいきんこないっていってたよ?」

提督「え? あ、ああ……ちょっと忙しくてな。それでその……よくここにいるってわかったね?」

北方棲姫「ヲ級ちゃんがつれてきてくれたの。でも、ここどこなのかな?」

提督「ヲ級……あいつ、今度見つけたら狙うように伝達しないとヤバいかな……」

北方棲姫「ねーねー、あそぼー?」

提督(皆がいない以上、なるべく平和に帰ってもらいたいが、どうすれば……そうだ、子供を動かすにはやはり物だ)

―提督私室―

提督「烈風のプラモがある」

北方棲姫「わー、すごーい!」

提督「これあげるから、ル級には最近忙しいって伝えてくれる?」

北方棲姫「……」

提督「どうした?」

北方棲姫「これ、なかに烈風がないよ」

提督「……ええい、俺が組み立ててやる!」

北方棲姫「わーい!」

提督「まずは、これとこれを組み立てて……」

北方棲姫「これ、飛ぶの?」

提督「……今から妖精さんのところに行ってくる」

北方棲姫「わーい!」

―執務室―

提督「何とか帰ってもらった……まじヲ級は倒さなきゃやばいかも」

提督「放っておいた結果が……なんてことにはしたくないしな」

↓2

―秘書官室―

提督「霞、秘書官解任だ」

霞「……」

提督「お前は厳しすぎる。どうやら、俺との相性には合わないようだ」

霞「……へぇ、じゃあ、代わりの子はもちろん見つけてあるのよね」

提督「そ、それはこれから探す」

霞「そんなことで、先行きは大丈夫なのかしらね」

提督「ぐう……そういうところが嫌いなんだ! お前には二度と秘書官はさせんぞ!」

霞「目の前に積もる仕事量を見て、秘書官解任に悲しむ人がいるのかしらね」

提督「口が達者なやつめ……」

霞「事実を言ってるまでよ」

提督「じゃあ、二度と秘書官なんてしなくてもいいと?」

霞「まあ、しなくてすむなら、それに越したことはないんじゃないかしら」

提督「く、くそうっ! 冗談で言っていたのに、ここまで口で叩きのめされるなんて!」

霞「そんなの最初から分かっていたわよ、まったく」

提督「へ?」

霞「この仕事量にすぐ対応できる人がこの鎮守府にいるわけないでしょう。あんたはカスでも無能じゃないんだから、何も考えずに秘書官を降ろしたりなんてしない」

提督「か、霞……」

霞「カス提督、そういう冗談も大概にしなさい」

提督「イエス、マム!」

霞(仮に私が必要なくなったとしても、それだけ提督も育ってるってことだから、心配はあっても悲観はないわよ)

―執務室―

提督「これだから秘書官は変えられない。よくできた奴だよまったく」

提督「これからも、おんぶに抱っこさせてもらうつもりでいるからな!」

↓2

―金剛型の部屋―

比叡「ついに女優のお仕事なんですよ」

提督「B級確定」

比叡「ひどいですね!」

金剛「ラブロマンスですカー。いいですネー」

霧島「司令とのラブロマンスとかしてみたいんですね」

提督「おい」

霧島「冗談ですよ」

金剛「そうデース。私もこんなラブロマンスがしてみたいデース!」

提督「金剛にそういう冗談は通じないんだぞ……」

霧島「なにかすみません……」

比叡「映画のシーンには、お姫様抱っこしてさらう場面もありますね」

提督「あっ、馬鹿、燃料を投下するな」

金剛「それデース! 提督ぅ!」

提督「あー、はいはい、しょうがないからこっちこい」

ガチャ

榛名「すみません、少々お片づけに手間取ってしまって……」

提督「ほれ、金剛」グッ

金剛「ありがとデース!」

榛名「……」

霧島「あっ、榛名」

榛名「ええと……」

比叡「提督、比叡がしてあげようと思ったんですけど!」

提督「え、ねだったのは金剛だろ」

榛名「……いつものみたいですね」

霧島(その通りなんだけど、羨ましそうな顔するのは変わらないのね)

―執務室―

提督「金剛は相変わらず子供みたいなやつなんだから」

提督「あそこの姉妹も、阿賀野型みたいに不和がなさそうでいいな。何もなければの話だが」

↓2

今日はここまで

―庭―

提督「フットサル開始だ!」

長月「気のせいか、突然始まったような気がするのだが」

菊月「事実突然だ」

皐月「フットサルって、サッカーみたいなものだよね!」

如月「うふふ、司令官にいいとこ見せちゃう」


皐月「みんなー、頑張ろー」

文月「頑張るよ~」

卯月「頑張るぴょん!」

弥生(これ、絶対勝てないチーム分けだと思うけど……)

三日月(仮に司令官がいなくても、勝つには厳しいかと……)

~試合開始~

提督「というわけで、開幕シュート!」ドゥン

三日月「ひっ!?」パシッ

提督「正面だったか、運がいいな」

三日月(お願いしますから、無事に終わりますように……)

三日月「ええと、パスコースは……」

睦月「こっちこっち! 睦月に任せて!」

皐月「おっと、ここから先は行かせないよ!」

卯月「こっちぴょん!」

長月「悪いが、コースはさえぎらせてもらう」

弥生「……」ジリッ

菊月「……」ジリッ

三日月「ど、どこも防がれてる……」

如月「早く蹴らないと、ボール奪っちゃうわよ~」

三日月「うっ……お、お願い!」

文月「ふわぁ、文月、頑張るよぉ~」パシッ トテトテ

提督「ふっふっふ、この俺の壁を抜けれるかな?」

文月「ええーい」ポンッ

提督「どうした、ゴールとはあらぬ方向に蹴って……」

望月「ほいっ」ケリッ パサッ

睦月「やったぁー! ゴールだ!」

提督「もっちー、いたんだな」

望月「チーム振り分けたのはそっちだろー」

―執務室―

提督「とか何とかやりつつ、予想通りこっちの圧勝で終わった」

提督「具体的には某33-4並に」

↓2

榛名「……提督」

提督「は、榛名……どうしてしまったんだ……」

榛名「お姉さまが悪いんです。榛名の提督に色目を使って、あまつさえ結婚まで致すなんて」

提督「金剛は色目を使われたわけじゃない。そのくらい、榛名も分かっていることだろう……?」

榛名「いいえわかりません。金剛お姉さまは提督を誘惑しました。だから、ちょっとお灸をすえてあげただけです」

提督「お灸……」

榛名「戦いは出来なくなったかもですけど……まあ、提督を誘惑した罪として受け入れていただくほかありませんね」

提督「榛名、もしかして……」

榛名「提督」

提督「っ」ビクッ

榛名「分かっていますよね。榛名を受け入れてくださいますよね」

提督「そ、それは……」

榛名「提督、あまり悲しいことを言わないでくださいね。あまり悲しくなると榛名、お姉さま方にやり過ぎてしまうかもしれませんから……」

提督「……分かった」

榛名「ふふっ♪ 提督ならそう言ってくれると思いました」

提督「だから、もう他に手を出すなんてこと、しないでくれるよな?」

榛名「もちろんです。榛名は提督と居られるのなら、十分なんですから――」

~~~~~~~~

提督「……なんだか、前にもあったような気がする夢を見てしまった」

提督「金剛と関係が深まるとか、榛名が迫ってくるとか、現実味のない夢だけどな。ははは」

下2

―金剛型の部屋―

提督「金剛ー」ガチャ

金剛「zz……」

提督「って、寝てるのか。他の奴もいないみたいだし、タイミング悪かったな……」

提督「ふわぁ……変な夢見たせいで、ちょっと眠いな…………」

提督「……」


~数十分後~

榛名「お姉さまはまだ寝てるのでしょうか……?」ガチャ

金剛「zz……」
提督「zzz……」

榛名「」

榛名(い、一体なぜお二人が同じ布団に入っておられるのでしょうか。榛名のいない間に、もしかして……)

提督「うぅん……こ、こんごー……くっつくなー……zz」

榛名「……提督ですからね。余計な勘繰りでしたね」

榛名(榛名も、提督のお隣に……はっ、榛名は何て考えを……ですけど、ちょっとだけ――)


~~~~~~~~

金剛「……提督と榛名が隣にいマース。これは……」

金剛「……」

金剛「シークレットシチュエーションネー! もう一眠りするデース!」


霧島(今部屋に入れる雰囲気では無さそうですね……もうちょっと時間つぶしてきましょう)

―執務室―

提督「熟睡してしまった。用件言うのも忘れてた」

提督「……ま、金剛も榛名も何故か嬉しそうだったし、別にいいか」

下2

加賀「――報告は以上です」

提督「ご苦労。ゆっくり休養をとってくれ」

加賀「はい」

提督「……ちょっと待った」

加賀「なんですか?」

提督「いろいろとな、まあ赤城とかに言われて考えてみたわけだ」

加賀「はあ……」

提督「お前が調子が悪かったのは、五航戦みたいにしてなかったからだろ」

加賀(これは、もしかして出撃が増えるチャンスでしょうか)

提督「だからな、こっちこい」

加賀「……」ワクワク

提督「ほれ」ナデナデ

加賀「……」

提督「こうして撫でると翔鶴とか喜ぶんだよなぁ」ナデナデ

加賀「……」ゴゴゴゴ

提督「……間違えたみたいだな。すまんかった」

加賀「次やったら動画にとって青葉さんに渡しますから」

バタン

提督「……どちらかというと、期待を裏切られたことに対する怒りだった」

提督「今度から早まった考えをしないようにしよう……」

下2

―トレーニング場―

提督「ダンレボするぞ」

那珂「だんれぼ?」

提督「ダンスダンスレボリューションの略だ。もちろん、マットもちゃんと用意してきた」

那珂「あ、那珂ちゃんやったことあるよ。ゲームセンターによくあるんだよね」

提督「ならば説明はしなくていいな。これで勝負をするぞ」

那珂「いいの? 那珂ちゃん負けないよー」

提督「アイドルの那珂ちゃんだもんな。俺も本気で行くから」

那珂「普段事務仕事の提督に、那珂ちゃんが負けるはずなんてないんだから」

提督「じゃあ、曲は……パラノイアの鬼でいくぞ」

那珂「あ、それ那珂ちゃん初めて」

提督「そうなのか? じゃあ、一回譜面を見てからにするか」

那珂「うん」

~~♪

提督「……うん、いつみてもなかなかの鬼畜さだ」

那珂(な、なかなか!? これどう見ても常人が出来るとは思えないんだけど!?)

提督「どうした那珂ちゃん。アイドルとは思えない顔つきになって」

那珂「て、提督は出来るの?」

提督「やっぱ初見じゃ苦しいか。ちょっとやって見せるな」

~~♪

那珂「……!」

那珂(な、何あの足捌き! 小刻みにビートを刻み、ドラムロールのように細かいテンポで動かし続けている! ……那珂ちゃんの提督、人間じゃなかったよ……)

提督「……ふぅ、やっぱ難しいな。あれ、どうした那珂ちゃん。そんな比叡の料理を見たような顔して」

―執務室―

提督「那珂ちゃんに丁重にお断りされてしまった。なぜだ」

提督「……いや、もしかしたら、隠れて秘密特訓でもするのかもしれない。初見だったし」

提督「俺も負けていられないな」

下2

提督「わびぬると もの思ふことと 知りなれば 恋ぞつもりて 憂きものなり」

提督「……」

提督「……やばい、なんとなく和歌が作りたくなって作ったはいいものの、これどうしよう」

提督「放っておくと、誰かに見られそうだし……捨てても誰かに見られそうだし……そうだ!」


―母港―

提督「海に流そう。そうだなぁ……どうせならタ級へとか、書いておこう」

提督「届くわけないだろうけどな。はっはっは」

―ジャム島―

タ級「王子様から手紙が届いたわ!」

ル級「……いや、海に手紙が届くわけないだろう」

タ級「届いたのよ!」

ル級「恋し過ぎて頭がどうかなったのか? 病院、一緒に行ってやろうか」

タ級「もう! そういうのじゃないっ! ほら、みなさい」

ル級「瓶? タ級へ……で、これがどう見たら王子様とやらの物なんだ?」

タ級「匂いがするじゃない。分からないの?」

ル級(こいつは犬か何かなのか)

タ級「ふふっ、なんて書いてあるかわからなかったけど、もうこれだけで一年は生きていけるわ!」

ル級(羨ましいくらい幸せな奴だな……)

―執務室―

提督「さすがに海に流せばみられることは無いだろう」

提督「見られたくないなら、そもそも書かなきゃいいんだけどな!」

下2

提督「あきつ丸、ここにポッキーがある」

あきつ丸「そうでありますね」

提督「ポッキーゲームをしよう」

あきつ丸「……」

提督(あ、やばい。雑誌で見てやってみたかっただけだけど、これ通報パターン)

あきつ丸「ポッキーゲームとやらはなんでありますか?」

提督「あ、そっちか。セーフ」

あきつ丸「?」

提督「聞くよりやってみた方が早い。ポッキーのそっち側を咥えてくれ」

あきつ丸「分かりました。はむっ」

提督「では、失礼して……」スッ

あきつ丸「!?」

あきつ丸(て、提督殿!? 顔が、顔が近いであります!)

提督「んー……」

あきつ丸「!?!?」

提督「……ポキッ」

あきつ丸「ムグムグ……て、提督殿?」

提督「これ、このままいったらキス一直線じゃないか。度胸試しみたいのものかもしれないけど、危ないな」

あきつ丸「は、はあ……」

提督「時間を貰って悪かったな」

あきつ丸「では、失礼したのであります……」

あきつ丸(あれだけ顔を近づけられて何もなしでは、逆に少しショックで……わわわ、自分は何を思っているでありますか!)

バタン

提督「あきつ丸の様子もおかしかったな……」

提督「ううん、男女込みで楽しめるゲームと書いてあったから買ってみたけど、あんまりよろしくないみたいだ」

下2

―談話室―

提督「カルタをしよう」

利根「吾輩らを集めたかと思えば、いきなりなんじゃ」

赤城「カルタって、百人一首のアレですか?」

提督「いや、一部の間で買われている上毛かるただ」

榛名「上毛……といえば、群馬県のカルタですよね」

提督「さすが榛名だ。よく知っている」

利根「……ふむ、つまりいつものじゃないのじゃな。わかった」

提督「じゃあ、適当にバラバラにして始めるぞー」

~~~~

提督「利根は坂東一の川」

赤城「はいっ」パシッ

利根「……坂東一ってなんじゃ?」

提督「坂東ってのは東の国の総称だ。ていうか利根。自分の名前の札くらいとれよ」


提督「裾野は長し赤城山」

利根「これじゃ!」パシッ
赤城「あっ」

提督「山麓が緩やかって事だ。次行くぞー」

赤城「すみません、私のとき雑じゃないですか」

提督「登る榛名のキャンプ村」

榛名「これですね。榛名湖にはキャンプ場がありましたね」

提督「よく見てるな。二人は……まあ、いつものことか」

利根「坂東なんて知らなくてもおかしくないわ」

赤城「というより、私は札とられただけで何も言ってないんですが」

提督「ちなみにさっきので最後だ。三人はどれくらい取ったんだ?」

榛名「半分くらい榛名が取ってますよ」

利根「いきなり吾輩の名前が呼ばれて動揺したせいじゃ」

赤城「私なんてスルーされたんですが……」

提督「責めるように流し眼をするな。今度また再戦させてやるから」

利根「ふん、絶対じゃぞ!」

―執務室―

提督「自分の名前が入っているカルタとか、あるとは思わないよな。動揺するのは無理もない」

提督「だが言い訳にはならない。榛名が最後まで残ったのは運がいいのかもしれないが」

下2

―談話室―

提督「……スリーカード」

不知火「フラッシュです」

提督「あー、強い……というか、ゆさぶり効かないんだよなぁ」

不知火「いつゆさぶってきたんですか」

提督「え、さっきからずっとしてたじゃないか」

不知火「はい?」

提督「不知火だけに、ゆさぶりなんてしらぬ(い)ってことか」

不知火「……次、本気で行きますから」

提督(よし、ゆさぶり成功)

不知火「ほら、早く引いてください」

提督「……五枚チェンジ」

不知火「一枚チェンジです」

提督(五枚チェンジした後に一枚チェンジ、気のお強いことで。だが、本当は弱い手札なんだろ)

提督「このまま勝負だ!」

不知火「フラッシュです」

提督「……ワンペア」

不知火「それで、いつゆさぶってきたんでしょうか」

提督「俺がゆさぶりに引っかかりました……」

不知火「なぜ何もしかけてないのに引っかかるんですか」

―執務室―

提督「そんなわけで、間宮アイスに伊良湖最中をつけるか否かけて勝負した」

提督「結果は惨敗である。最近運が全くない気がするんだけど……雪風に少しくらい分けてもらえないかな」

下2

―翔鶴型の部屋―

提督「ジェンガを持ってきた」

翔鶴「はあ、ジェンガですか」

瑞鶴「なんでまた?」

提督「前回扶桑とやったんだが、不幸な事が起こって一巡で勝ってしまったんだ」

瑞鶴「何があったらそんなに早くに終わるのよ……」

提督「不幸な事故があったらな……それで、やってくれるか?」

翔鶴「はい、いいですよ」

瑞鶴「翔鶴姉、本当にするの?」

翔鶴「普通に遊ぶことって少ないじゃない」

瑞鶴(翔鶴姉にとっては、今までの提督さんの行動は普通じゃないのね)

提督「じゃあ、早速始めよう。まずは俺から」スッ

翔鶴「提督、きれいに抜きますね」スッ

瑞鶴「翔鶴姉だって」カチャ

提督「さすがに一回は周るか」スッ

翔鶴「ちなみに不幸な事故とはなんですか?」

提督「ん? 急に山城が来て、倒しちゃったというだけだ」

翔鶴「そうですか。それはまた、不幸な事故ですね」スッ

ガチャ

加賀「提督、ここにきているの聞いたのですけど」

ガシャーン

提督「……翔鶴、不幸な事故だ」

翔鶴「私も、仲間入りですかね」

瑞鶴「だ、大丈夫、翔鶴姉! 私がいるんだから」

翔鶴「ふふ、瑞鶴は良いわね……私と違って運が高くて……」

瑞鶴「ちょ、ちょっと翔鶴姉!? 提督さん、なんとかしてよ!」

提督「なんとかと言われても……」

翔鶴「うふふふ……」

提督「……扶桑型の部屋に案内するか?」

瑞鶴「ちょっと、提督さん!?」

加賀(一体何が起こってるのかしら……)

―執務室―

提督「暗黒に身を落とす翔鶴だった……」

提督「ちなみに加賀の用事は次回の出撃に関することだった。こっちはこっちで戦闘狂にでもなるのだろうか」

下2

―廊下―

翔鶴「はぁ……」

提督「何だ翔鶴、まだ機嫌治してないのか」

翔鶴「いえ、そういう訳ではないんですが……」

提督「……よし、翔鶴の気分転換に付き合ってやろう」

翔鶴「気分転換ですか?」

提督「ゴホン。翔鶴ねぇ、機嫌を直すんだ」

翔鶴「えっ?」

提督「どうした翔鶴ねぇ、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして」

翔鶴「ね、ねぇって、瑞鶴のマネですか?」

提督「世の中には目上の人と見られることで喜びを覚えるものもいるらしい」

翔鶴「それと姉と呼ぶのにどういう繋がりが?」

提督「気分が変わるだろ?」

翔鶴「お気持ちは嬉しいのですけど、提督からそう言われても、あまり喜びはありませんが……」

提督「んー、まあそういう人もいるか」

翔鶴(喜びを覚える人の方が少数だと思うんですけど)

提督「でもまあ、ついでだから今日はずっと翔鶴ねぇと呼ぶことにする」

翔鶴「何のついでですか……」

―執務室―

提督「瑞鶴に見られて変な目をされるところまでテンプレ」

提督「何、翔鶴もため息交じりに笑みを浮かべてたから、無駄ではなかった」

下2

―食堂―

提督「ちょっと前は突然驚かせて悪かったな。俺もどんなのか試してみたかったんだ」

あきつ丸「それで食事に誘ったのでありますか?」

提督「そういうことだ」

あきつ丸「それでしたら、気になさらずともよかったのでありますが」

提督「そこはまあ、円滑なコミュニケーションや、たまには一緒の時を過ごすためとかな」

あきつ丸「同じ釜の飯を食べる仲でありますか」

提督「そういうことだ」

あきつ丸「ですが、同じ釜の飯を食べる仲というのは、すでに果たされてることであります」

提督「そういう、自分で言ったことを撤回するような言い方、俺はあんまり好きじゃないな」

あきつ丸「申し訳ない、であります」

提督「さて、あきつ丸は何を食べる?」

あきつ丸「カレーがいいであります」

提督「ふーん、今日のカレー当番はまるゆか」

あきつ丸「まるゆ? はて……」

提督「そろそろ覚えてやれよ……」

あきつ丸「冗談でありますよ」

提督「あきつ丸も冗談を言うんだな」

あきつ丸「最近、ここの艦隊に感化されてきているでありますよ」

―執務室―

提督「食事をしているときは気も緩む。あきつ丸が冗談を言うのは初めて見た」

提督「これが食事効果か……!」

↓2

―水族館―

提督「水族館に来てみた」

168「へー、いろんな魚がいるわねー」

58「あっ、見たことない魚がいるでち!」

19「珍しいのー!」

8「外海にしかでない魚もいるからね。当然と言えば当然」

401「そんな魚を見てると、こっちまでそこにいるみたいに思えてくるよ」

まるゆ「わっ、これが深海魚ですか。かわいいですねー」

提督「……なんでみんな深海魚の方に集まってるんだ? イルカとかみないのか?」

168「イルカとかは普通に見れるし」

8「見るなら、潜ることのできない深度の魚が面白いです」

提督「ああ、そう……俺はペンギンでも見てくる」

58(動物園に行った時もペンギン見てたって聞いたでち)

401(提督も人のこと言えないよね)

19「あっ、イクも行くのー」

~~~~

「はーい、イルカさんの三回転ジャンプですよー!」


19「すごーい!」
58「すごいでちー!」

提督「でもイルカショーは見るんだな」

168「水族館に来てみない方がもったいないわよ」

提督「それはわかってるんだけどな」

まるゆ「イルカかわいいですねー。あっ」

バシャァ

提督「どうせなら濡れない所に座りたかった」

168「私たちは濡れても問題ないから」

8「後ろの方に座っててもよかったんですよ」

提督「一応保護者の役割考えたらな」

―執務室―

提督「みんな楽しそうでよかった」

提督「海に潜れるとはいえ、わざわざ魚を見るなんてこともないだろうし、場所は悪くなかったんじゃないかと」

↓2

瑞鶴「――被害は以上で、報告書はこれよ」

提督「ふむ、被害は翔鶴が大破しただけだったよな」

瑞鶴「そうだけど?」

提督「では、なぜ瑞鶴の髪はそんなに乱れているんだ?」

瑞鶴「嘘っ!?」

提督「いや、ほんとほんと」

瑞鶴「ええー……提督さん、手鏡か何かない?」

提督「ちょっと待ってろ」スッ

瑞鶴「……いやいや、なんで私の髪に触れるの?」

提督「整えてやろうかと」

瑞鶴「い、いいわよ、提督さん」

提督「遠慮しなくてもいい。ほら、動くな」

瑞鶴「うぅぅ……」

瑞鶴(い、嫌じゃないんだけど、なんだか恥ずかしい……)

提督「瑞鶴の髪型は比較的直しやすいな」スッ

瑞鶴「……」

提督「どうした、瑞鶴」

瑞鶴「提督さんは、いつも通りよね」

提督「はあ? ……まあ、なんだっていいが。ほら、終わったぞ」

瑞鶴「ありがと、提督さん」

バタン

提督「ううん、機嫌が悪くなった感じではないけど、気が抜けた感じ?」

提督「緊張される方がやりにくいんだけど、なんでいきなり緊張を解いたんだろうな」

↓2

―遊園地―

提督「遊園地に来た。のはいいんだけど」

霞「はぁ……こんなところで遊んでいる暇なんてあるのかしらね」

満潮「休養なら、司令官が来る必要はないと思うんだけど」

提督「朝潮型ってこいつらもいるんだよなぁ……」

朝潮「司令官、一緒にジェットコースター乗りませんか?」

荒潮「コーヒーカップもいいわよ」

霰「メリーゴーランド……」

大潮「お化け屋敷に行ってみたいです!」

提督「お前ら……そうだな、こいつらだっているんだ」

霞「ま、お邪魔になりそうだから私は行かせてもらうわ」

満潮「私もそうする」

提督「迷子になるなよ」

霞「それ、私に言ってるの?」

提督「……満潮ー」

満潮「ふん、自分に絶対の自信があるようね」

提督「迷子にならないように気を付けます」

朝潮(司令官は満潮と霞に弱いです)

~ダイジェスト~

提督「ジェットコースターだ!」

朝潮「し、司令官、ドキドキしますね」

提督(この先に見える五回転にねじれ、急カーブとか見てドキドキだけで済むのか……)


荒潮「こういうのもいいわね~」

提督「よし、酔って吐くまで回転させよう」

荒潮「提督、情緒をなくすようなことをすれば……」

提督「ごめんなさい」

霰「これ、いい……」

提督「見事子供向けって感じだけどな」

霰「楽しくない?」

提督「たまにはいいものだと思いました」


大潮「こ、こわいですね! でも我慢すれば大丈夫です!」

提督「前に暁型と来たときはもっと怖そうにしてたけど……さすがに大潮か」

大潮「駆逐艦大潮ですから!」

提督「意味わからないけど、ちょっと納得」

―執務室―

提督「帰りに何もないのはちょっとアレなので、満潮と霞に土産を渡した」

提督「喜んでいるのかは微妙だったけど」

↓2

―映画館―

響「今度は映画みたいだけど、何を見るんだい?」

雷「司令官が選んだものなら何でもいいわよ」

提督「そうだなぁ、宇宙戦艦ヤマトとか……」

暁「……」ジー

提督「……暁?」

暁「はっ、な、何も見てないわよ!」

提督「……よしわかった。プリキュアを見よう!」」

雷「プリキュア?」

電「司令官さん、子供みたいなのです」

響(電のことだから、子供みたい以上の言葉を吐くかと思った)

暁「司令官が見たいなら、しょうがないわね!」

~上映中~

提督(この子も前向きになったし、そろそろ終盤かな……さて、四人の様子は)

暁「……」

提督(うわ、暁すごい真剣にみてる)

電「わぁ……」

提督(電は見る前とうって変わって、すごく楽しそうに見てる)

雷「ガンバレー……」

提督(雷は小さな声で応援してる。かわいい)

響「……」

提督(響が無表情なんだけど……お気に召さなかったか……)

~上映後~

暁「はぁ~面白かった~」

提督「暁凄く真剣にみてたしな」

暁「もちろんよ。言っときはどうなることかと思ってはらはらしたけど、ちゃんとプリキュアらしく……はっ!」

提督「ふんふん、プリキュアらしくね」

暁「プリキュアなんて、ど、どうでもいいわよ!」

雷「でも面白かったわ!」

電「全体的には面白かったのです。でも、最後のオチは現実味があってもとは思うのです」

響「題材がよかっただけに、どうにも子供向けに感じたよ」

提督「ほら、子供向けだから……」

暁「こ、こどもむけ……」

提督(しまった、暁がショックを受けてしまった)

―執務室―

提督「何とか気を取り持たせつつ帰ってきた」

提督「個人的には話も作画もよかったと思う。曲の使い方もうまかった」

提督「……って、そんなことはいいか」

↓2

―食堂―

提督「食事という名の駄弁りタイム」

扶桑「今日は和食がおいしそうよ、山城」

山城「そうですね姉様。私は和食にいたします」

提督「じゃあ俺も和食にしようかな」

山城「早く取りに行きましょう姉さま」

扶桑「え、山城……?」

提督「……」

~~~~~~~~

扶桑「ええと、おまたせしました」

提督「二人そろって無視とは」

扶桑「そ、そういうつもりでは……すみません」

山城「私と姉さまの時間を邪魔させるものですか」

提督「扶桑に不幸を味あわせたくせに?」

山城「あ、あれは事故です!」

扶桑「二人とも、まずはご飯を食べませんか?」

提督「……一時休戦だ」

山城「そうしましょう」

扶桑(山城、なんだかんだ言って一緒に食事はとってもいいのね)

―執務室―

提督「そういえば、山城が難色を示したのは、俺と食事をとることではなかっただろうyか」

提督「……ふっ、山城ってば抜けてるなぁ」

↓2

―ファミレス―

提督「翔鶴、瑞鶴、今日は奢ってやるから好きに食べろ」

瑞鶴「本当にいいの?」

提督「ふん、男に二言はない」

提督(今日は翔鶴の気を使う名目もあるし)

翔鶴「では、お言葉に……あら?」

加賀「……」

赤城「あ、提督。奇遇ですね」

飛龍「ついでだし相席しない? あ、三人がよかったらね」

蒼龍「あ、いいですね」

提督「二人とも、大丈夫か?」

瑞鶴「断る理由はないわ」

翔鶴「私もです」

提督「じゃあ、お言葉に甘えて」

飛龍「ところで、さっき聞こえたけど、奢ってくれるって」

提督「飛龍……もしかして相席したのって、それ狙ってたのか」

飛龍「なんのことかしらー?」

加賀(三人でいるということは、やはり提督は五航戦に)

赤城(加賀さん、また何か悩んでいるみたいですね……)

蒼龍(一航戦の二人がなぜか静かなんだけど)

瑞鶴(頷いたのはいいけど、なぜか急に暗くなったんだけど)

提督(なんか暗いけどどうしたんだろうか)

~数十分後~

提督「……お前ら、なんかいつも以上に頼まないな。いや、こっちとしてはうれしいんだけど」

飛龍「え? パフェ三つ目だけど少ないの?」

提督「飛龍、お前は食べ過ぎ。ほら、ほかの五人」

加賀(慎ましやかなところ……いえ、それも違うわね)

瑞鶴(すごいみられてる気がする……)

翔鶴(居たたまれないです……)

赤城(五航戦の二人をじっと見てるんですけど、二人がいづらそうにしているので、やめるよう進言するべきでしょうか……?)

蒼龍(ううん……食欲がわかない)

提督「……こいつらの仲って、もうちょっとマシになってなかったか?」

飛龍「また何かあったんじゃない?」

―執務室―

提督「安く済んだけど、ある意味高くついたような気がする」

提督「あの空気のまま別れるとか、飛龍以外やりづらそうにしてたし……」

↓2

―鳳翔の店―

提督「――そんなわけで、空母たちの空気が悪い」

瑞鳳「そうなんですか? 私たちはそうでもないんですけど」

提督「厳密には加賀の五航戦を見る目がヤバい。ストーカーみたいな観察の仕方してるし」

鳳翔「それは……大変ですね」

千代田「好きなんじゃないの?」

提督「千代田が千歳を見る目と違って、なんか嫉妬するような視線だった」

千歳「そこまでわかってて、原因が分からないんですか?」

提督「ずっと調子が悪いからだと思っていたんだが、ここまでくるとなぁ、さっぱりわからない」

瑞鶴「私もにらまれるような覚えはないのよね」

瑞鳳「なんででしょうかね……」

提督「いっそ長期休養を与えてもいいかもしれない。田舎とかに行って心を洗ってもらうとか」

鳳翔「ですけど、根本的な解決にはなりませんよね……」

千歳「解決するには情報が足りませんね」

瑞鶴「言いたいことがあるなら、言ってくればいいのに」

瑞鳳「加賀さん直接言ってくるタイプですから、何か言えないようなことなんでしょう」

提督「ううん……結局休ませるくらいしか解決策が思い浮かばないのは、歯がゆいものだな」

千歳「提督が問題ならどうとでもできそうなのに」

瑞鳳「むしろ、今回が提督がらみじゃないことの方が驚き」

千代田「あ、それ私も思った」

提督「ちょっと待て、それはどういうことだ」

―執務室―

提督「具体的な解決はできそうにないな」

提督「……いっそ、いつものことで片づけられないかな」

↓2

加賀「重大な要件と伺いました」

提督「ああ、重大とは言ったが、実際はそれほどでもない。加賀しだいの要件だ」

加賀「それで、本題はいったいどういうものでしょう」

提督「率直に聞く、翔鶴と瑞鶴に対して鋭い視線を送っているのはなぜだ」

加賀「……なるほど、そういうことですか」

提督「空気まで悪くするなら、こちらとしても少し考えなくてはならないからな」

加賀「別に、彼女らとは何もないですよ」

提督「何もないのに視線を送っていたのか?」

加賀「私自身の問題ですから。空気を悪くさせていたのはすみません、以後気を付けるようにします」

提督「なんでなのか、理由は……」

加賀「取り留めもないことです」

提督(加賀の性格からして、ここから素直に答えてくれるとは思えんな)

加賀「要件はそれだけでしょうか」

提督「ああ。言いたくないなら無理強いはしない。だが、相談したくなったらいつでも相談してくれ」

加賀「はい。失礼します」

加賀(鋭い視線を送っていたつもりはないのだけれど……今後から気を付けないと)

バタン

提督「予想はしてたが、正面から聞いても答えないか」

提督「命令、とあれば聞き出せるだろうが、そうまでして聞き出すことじゃないし」

提督「……難しいな」

↓2

―提督私室・前―

青葉(あれ、司令官の部屋が少し開いてますね)

青葉「……」

青葉(これは見てくださいってことですね。わかってますよ、フリには答えますよ)


提督「……こう、腕を組む感じで……」


青葉(鏡に向かってポーズをつけてますね。これは、ナルシスト特有のかっこいいポーズの練習でしょうか)


提督「体を傾けて……」


青葉(あ、あれ、重力を無視しているような感じに……しかも、手の向きとかちょっと折れているような……)



提督「じゃあ、ゴホン……スター――」



青葉()



提督「……なんて、あれ……青葉ぁ!」

青葉「は、はいっ!? 青葉はいったい何を!?」

提督「なんでドアの隙間からこっそりのぞきこんできてるんだ。何か用か?」

青葉「な、なんでもないです! それではっ!」

青葉(突然司令官が目の前に現れたような……き、気のせいですね!)

ダッ

提督「……なんか見られたっぽいな。やれやれだな、としか言えないけど」

提督「いや、そんな格好つけてる場合じゃないんだけどさ。どうしようもないから放っておくだけだけどさ」

提督「ちょっと真似しただけなのに……あれ晒されたら結構恥ずかしいんだぞ……」

↓2


提督「山城が珍しく俺に相談してきたんだが」

山城「提督、冗談で相談しに来たんじゃないんですよ。聞く気ないなら帰ります」

提督「聞く聞く、聞くから帰らないでくれ」

山城「……最近姉さまが大破続きで戻ってくるのは知っていますよね」

提督「つまり、俺の作戦と指揮がカスなのを直せと」

山城「提督に求めても無駄なことは分かっているつもりです」

提督(いつも通りなんだけど、辛辣……)

山城「かわりに何とかして元気づけてください」

提督「そういうのって、俺に相談する前に山城がすると思ってたんだが」

山城「最近は私の方が無傷で戻ってくることが多いせいで、多分嫌味にしかなりませんから……」

提督「ふうん……よし、任せろ」

―母港―

扶桑「はぁ……今日も空が青いわね……」

扶桑(最近戦果が芳しくないわ……私は、ここにいていいのかしら)

山城「いいんです、姉さま」

扶桑「山城?」

山城「姉さまは、ここにいていいんです」

扶桑「でも、私は山城と違って、この艦隊でもドックに入ってばかりだし……」

山城「まずは、自分を好きになってください」

扶桑「自分を?」

山城「そうです。扶桑姉さまはこの世に一人でしかいない。そして、その扶桑姉さまを大切に思っている人がいるんです」

扶桑「私を……」

山城「自分に自信を持って、周りの声を聴いてみてください」

扶桑「私は私が嫌い……でも、好きになれるかもしれない」

扶桑「私は、ここにいていいの?」

提督「そうだ、扶桑は扶桑でしかない」

山城「姉さまは姉さまです。ありのままの姉さまが好きなんです」

提督「扶桑は、ここにいたくないのか?」

扶桑「私は……私はここに居たい。私はここにいてもいいのね」

ワーワー パチパチ

山城「おめでとう」

伊勢「おめでとう」

日向「おめでとう」

最上「おめでとう」

満潮「おめでとう」

時雨「おめでとう」

長門「めでたいな」

陸奥「おめでとさんね」

球磨「クマー」

大和「おめでとう」

武蔵「おめでとう」

明石「おめでとう」

ビスマルク「おめでとう」

霞「おめでとう」
提督「おめでとう」

扶桑「……ありがとう」

妖精さんにありがとう 深海棲艦にさようなら そして、全ての艦娘達に おめでとう

~~~~~~~~

提督「というネタでどうだろうか」

山城「上司がこれとか……不幸だわ……」


扶桑(山城に提督……私のために……私は、ここにいていいのね)



―執務室―

提督「という作戦だったとさ。扶桑は何故か知らないけど元気を取り戻していたらしい」

提督「とりあえずおめでとうとは言っておいた」

下2

翔鶴「提督、第一艦隊が帰投いたしました」

提督「……」

翔鶴「提督?」

提督「ん? あ、ああ、すまんな。明日取っている休暇の事を考えていた」

翔鶴「どこか行くつもりなんですか?」

提督「実家に帰る予定なんだが……そうだ、翔鶴も来るか?」

翔鶴「……はい?」

提督「瑞鶴も連れてきてもいいぞ。ああ、いやなら構わないんだが」

翔鶴「それでは――」

―提督の実家―

提督「鎮守府は秘書官に任せておけば無問題。さーて、久々の休暇だ」

瑞鶴「へぇ、ここが提督さんの出身地……すごい田舎ね」

翔鶴「こら、瑞鶴」

提督「田舎なのは変わりない。そして、ここが俺の家だ」

瑞鶴「結構立派ね」

翔鶴「古き良きといった佇まいですね」

提督「……」

翔鶴(提督の実家に……どうしましょう、どきどきしてきたわ……)

瑞鶴(ここまで来たは良いけど、私たちの事をどうやって紹介するつもりなんだろ)

ガラッ

提督「……それで、ここが家の中」

翔鶴「お、お邪魔します!」

瑞鶴「失礼しま……ちょっと、提督さん」

提督「なんだね」

瑞鶴「瑞鶴の目がおかしくなければ、すごく散らかっているような気がするんだけど」

提督「よく分かったな。そして、お前たちはよくぞここまで来てくれた」

瑞鶴「提督さん、もしかして……」

提督「俺の親は今旅行で出かけている。掃除のできない親でな、旅行に行っている間に片づけろときたもんだ。見ての通り、家がそこそこでかい。最悪休暇が全部潰れるかもしれないからな」

翔鶴「その、それって、人手が欲しくて誘ったというわけですか?」

提督「正解」

瑞鶴「……」イラッ

<ダイイチコウゲキブタイ、ハッカン!
<ギャー!

~次の日~

提督「爆撃したから余計な仕事が増えたじゃないか」

瑞鶴「ふん」

翔鶴「それでも、殆ど綺麗になりましたね」

提督「主に翔鶴のおかげだ。瑞鶴は爆撃分で微妙だけど」

瑞鶴「人を連れてきておいてその態度?」

提督「さて、休暇は明日までだから、今日は存分に休むとするぞー」

翔鶴「スイカを買って来たので、切りますね」

提督「気が利くな」

瑞鶴「翔鶴姉、私も手伝う」

翔鶴「じゃあ、お皿出しておいてね」

提督「あー……平和だ」

―執務室―

霞「というわけで、これが三日分の仕事よ」

提督「……」

霞「これでも少ない方なんだから、ちゃんと今日中に終わらせなさいよ」

バタン

提督「……はぁ、まだ実家に居たい……」

提督「とりあえず程よく遊ぶことにして、仕事のモチベーションを上げるか」

下2

時津風「しれー、呼んだって……」


提督「夕立は可愛いなぁ。もちろん時雨もな」

夕立「えへへ~、ていとくさ~ん」

時雨「う、うーん……」

時津風「……憲兵……いや、秘書官の方を呼ぼっか」

提督「ちょっと待ってくれ時津風」

時津風「なに、ロリコンしれー」

提督「ロリコンじゃない、ちょっと猫可愛がりをしていただけだ」

夕立「夕立、ペットっぽい?」

時雨「僕はそういわれても、あんまり嬉しくないかな……」

提督「ペットとして扱ってるんじゃなくて、ペットのように可愛がっているんだ」

時津風「つまり変態だってみとめるんだね」

提督「む、そんな事言うなら可愛がってあげないぞ」

時津風「ふーん、しれーはそれでいいんだ?」

提督「……夕立ー、時津風が虐めるからもっと撫でさせてくれー」ナデナデ

夕立「提督さんの為なら、夕立いくらでも撫でられるっぽい!」

提督「夕立は可愛い事言ってくれるなぁ! 時雨ももっと寄ってきてもいいんだぞ」

時雨「時津風、霞の所に行くんだよね、付き合おうか」

時津風「うん」

提督「ちょっ」

~数分後~

霞「提督、あんたの……あら」


提督「時津風もなんだかんだでツンデレだなぁ」

時津風「しれー、ちょっとべたべたしすぎー」

時雨「なんだかんだで、こう収まるんだよね」

夕立「みんなが仲良いなら、夕立はそれでいいっぽい!」


霞「……ま、いいか」

霞(今日中に終える必要のない書類が混ざっていたけど、あの様子なら放っておいてもいいわね)

~~~~~~~~

提督「癒され心地のまま仕事を終わらせた。しかし、どう考えても三日分以上あった気がする……」

提督「途中でサボってたからそう思うだけかもしれんが」

提督「しかし、夕立に猫とはこれいかに。いや、どうでもいいけどさ」

下2

― 一航戦の部屋 ―

提督「実家から土産だ」

赤城「今川焼きですか。ですけど、何故私たちに?」

提督「翔鶴と瑞鶴を連れて行ったんだが、一航戦の先輩方に何かお土産を送りたいといっていたのでな」

赤城「そうですか、二人には感謝しないといけませんね。ね、加賀さん」

加賀「そうね。提督、伝えておいてくれますか」

提督「おう」

赤城「……」ガサガサ パク

加賀「……」モグモグ

提督「……」ズズ

赤城「ちょっと待ってください、実家に行ったんですか?」

提督「おい、一個食べてツッコミは遅すぎる」

加賀「提督もゆっくりお茶を啜っていたじゃありませんか」

赤城「提督、それをこの場で言うのはまずかったのでは……」

提督「ん?」

加賀「……なんですか、こっちをみて」

提督「……しまった、加賀に聞かせるのはまずかったか」

赤城「もう、提督……」

提督「加賀、ええと……気にするな、な?」

加賀「何を考えてるのかは知りませんけど、あの二人に対しては態度を少し改めることにしましたから」

赤城「改める、ですか」

提督「おお、言われてみれば、実家に行ったことを何も気にしていない風になってる」

加賀「思うだけなら、提督には関係ありませんからね」

提督「……ん? それってどういうことだ」

加賀「さて、それくらい自分で考えてください」

提督「……とりあえず、問題ないという事でいいな」

赤城(地雷踏んでます……起爆したことが分からないだけです、提督……)

―執務室―

提督「表面上いつも通りだし、加賀は問題ないという事でいいか」

提督「よし、悩みの種が一つ減ったぞ」

下2

―庭―

提督「~~♪」ジャー

朝潮「司令官、おはようございます」

提督「おはよう朝潮」

朝潮「何か育てているんですか?」

提督「ミニトマトとピーマンだ。比較的育てやすいし、ちょっと育ててみてるんだ」

朝潮「……」

提督「……好き嫌いするなよ?」

朝潮「だ、大丈夫です!」

霞「ふぅん、家庭菜園ねぇ」

提督「ひ、秘書官、なぜここに……」

霞「おかしくはないでしょ。こっちとしては、なんでこんなところで育てているかってことなんだけど」

提督「ここなら日当たりがいいのが一番の理由だけど……怒るだろ?」

霞「どれだけ私は怒りっぽいのよ! 家庭菜園くらい、怒りはしないわ」

提督「まじか」

朝潮「そうなの?」

霞「クズ提督は今日の仕事量、覚悟してなさい。朝潮、今日の朝ごはんは、ヘルシーで体にいいものにしましょう」

提督「」
朝潮「」

―執務室―

提督「どこにこんなに仕事が残ってたんだよ……危うく一日がつぶれるところだった……」

提督「しかし反撃が怖くて何もできないのだった」

↓2

提督「加賀、デートしよう」

加賀「帰らせていただきます」

提督「待て、冗談だから許せ」

加賀「……はぁ、そういう冗談は別の人にしてください」

提督「加賀は本当に冗談が通じないな」

加賀「性格ですから」

提督「じゃあ、一緒にお出かけには行ってくれるのか?」

加賀「別にいいですよ」

―公園―

提督「たまにこういう場所に行くと、まるで争いが起きてるとは思えなくなってくる」

加賀「そうですね……」

提督「……」

加賀「……こんなところに連れ出して、何か聞きたいことがあるのでは?」

提督「デートにそんな野暮なことは言いっこ無しだろ」

加賀「帰ります」

提督「ジョーク、ジョークだから、ごめん」

加賀「……はぁ、いいですけど」

提督(穏やかな顔をしている。とりあえず、加賀の心労を回復させる作戦は成功といったところか)

―執務室―

加賀「では提督、何のためにつれだしたのか、いまいちわかりませんでしたが」

提督「ちょっと気分転換だ。一人より二人の方がいいだろ」

加賀「提督が気分転換なんてする必要あるんですか」

提督「ひどいな、一日中机にかじりついていたというのに。加賀だって、悪くなかっただろ」

加賀「そうですか。それなら……ありがとうございます」

バタン

提督「言葉を返す時にちょっと悩んだ気になるが……」

提督「まあ、礼を言ってきたということは、加賀自身も気分転換できたということだろう」

↓2

―青葉型の部屋―

提督「青葉ぁ!」バタァン

衣笠「て、提督? どうしたの?」

提督「青葉は知らないか」

衣笠「青葉? 青葉なら、さっき面白い記事が書けたって、どこか出かけちゃったけど……」

提督「チィッ! 衣笠、青葉を見つけたら縛り付けてでも逃がすな」

衣笠「青葉が何かした?」

提督「……翔鶴と瑞鶴で帰省する写真、加賀と出かけている写真を撮られていたんだ」

衣笠「青葉がそれを撮ったら……ああ、余計な事を書きそう……」

提督「だろ、何とかして止めなくては」

衣笠「そうですね……あ、ではちょっとだけ待ってくれますか――」

―廊下―

青葉「ふっふっふ、三人の間で揺れ動く想い、これは話題になりますよ」

提督「見つけたぞ青葉ぁ!」

青葉「見つかりましたか、ですけど、絶対につかまりませんからね!」

提督「俺以外にかかわるゴシップ記事は禁止だと言っとるだろうが!」

青葉「司令官だって関わってるじゃないですか!」

提督「主役は三人だろうが!」

青葉「ふふーん、こんな面白い内容、逃せませんよ」

提督「加賀がせっかく落ち着いてきたというのに、これ以上余計なことをされてたまるか!」

青葉(なんだか、司令官の声質がマジな感じですね。残念ですけど、この記事はやめて、今回はここまでに――ひっ!?)

提督「青葉ぁ!」

青葉(司令官の顔が今までにないほど怖いんですけど!? え、も、もしかして予想以上に怒っているんですか!?)

提督「とまれ青葉ぁ!」

青葉(止まったら何されるかわからないじゃないですかぁ!)

提督(む、青葉の逃げるスピードが上がったな……作戦は失敗か?)

青葉(し、司令官から全然距離を離せません……!)


衣笠「あちゃあ……予想以上に効いちゃったみたい、提督に施したメイク」

―執務室―

提督「衣笠に任せたら、青葉が半泣きになりながら逃げるくらい怖い顔になっていた」

提督「最後に糸が切れるように倒れたのは、恐怖が振り切ったのか、疲れから来たものなのか……」

↓2

―鳳翔の店―

提督「……」パクパク

赤城「……」モグモグ

提督「……誘ってなんだけど、ここでよかったのか? いや、鳳翔の店がだめなわけじゃないけども」

赤城「提督とは気軽に食事を楽しみたいじゃないですか」

提督「そうか? それならいいんだけど」

赤城(正直、前みたいな堅苦しいところだと、食欲もわきませんし……)

提督「……」パクパク

赤城「……」モグモグ

提督「そういえば、あれから加賀はどんな感じだ?」

赤城「加賀さんなら、最近は表向き落ち着いているようですよ」

提督「翔鶴と瑞鶴を前にしてもか?」

赤城「はい」

提督「……」パクパク

赤城「……」モグモグ

提督「少し飲むか」

赤城「そうですね」

提督「……」パクパク

赤城「……」モグモグ

提督「なあ、もっとしゃべらないか?」

赤城「あ、す、すみません。ちょっと食べることに集中していたもので……」

提督「蟹か!」

赤城「いえ……最近は加賀さんを注意深く見ていたもので……」

提督「ああ……」

―執務室―

提督「赤城もなかなか落ち着いて食事をとれなかったようだ」

提督「でもまあ、落ち着いてきているといってたし、赤城も今後はゆっくり食事ができるだろう」

↓2

―母港―

提督「ほっ、よっ……」

筑摩「提督? 竹馬に乗って何をしているんですか」

提督「倉庫になぜか置いてあったから、遊びで使わせてもらっている」

筑摩「ここで遊んでいたら、秘書官に怒られますよ」

提督「つまり、もっと隠れている場所で遊べと」

筑摩「いえ、そもそも遊ばなければよいかと」

提督「正論は嫌いだ。とにかく、そんなことはいい」

筑摩「怒られても知りませんから」

提督「筑摩も竹馬で遊んでみるか」

筑摩「止める人間が付き合うと思いますか? それに、竹馬なんて……」

提督「そういえば、この竹馬は利根がやってみたいと買ってきたものだったか……ん、どうした筑摩」

~数分後~

提督「うまいもんだな、筑摩」

筑摩「姉さんも褒めてくれますかね」

提督「きっと褒めるだろう。そもそも倉庫に入ってたのは、利根ができないからって置いたからだった気がするし」

筑摩「ふふ、それでは姉さんに教えてあげましょう」

提督「そうするといい」

筑摩「では提督」カッポカッポ

提督「……いや、さすがに乗ったまま鎮守府に入るな」

筑摩「うふふ、姉さ~ん」

提督(訪れるであろう未来を妄想してトリップしてる……真面目な奴と会って説教されてもしらなーい)

―執務室―

提督「お気の毒ですが、竹馬は秘書官の手によって没収されてしまいました」

提督「……いやまあ、利根の話も適当に考えたものだし、没収された方が俺にとって都合よかったんだけど」

↓2

―鳳翔の店―

提督「扶桑、山城、潮、今日はよく集まってくれた」

扶桑「なぜ呼び出されたか、聞いていないんですが……」

山城「また不幸話かしら……」

潮「もしかして、なにかいけないことをしましたか……?」

提督「お前ら考え方がネガティブすぎ」

扶桑「このごちそうも、最後の晩餐……」

山城「姉様、山城は最後まで一緒ですから」

提督「不幸姉妹、いい加減にしろ」

山城「不幸って言わないで」

提督「自分から不幸自慢していたくせに……」

潮「司令官、ご用件は……」

提督「ああ、用事はお前らのお祝いだ」

扶桑「お祝い、ですか?」

山城「この三人で何か祝われることってありましたか?」

提督「改二祝いだ」

三人『えっ?』

提督「ふふん、驚いただろう。まあ、今まで隠していたしな」

扶桑「……」

山城「……」

提督「ん? どうした、もっと喜んでいいんだぞ?」

潮「……ぐすっ」

提督「!?」

扶桑「うっ……ついに、私たちにも……」

山城「うぅぅ……うえぇええん」

提督「!?!?」

―執務室―

提督「喜びで涙が出るって本当にあるんだな……驚いた」

提督「三人が泣きながらものを食べる姿は何とも言えないものがあった」

↓2

コンコン

提督「今回の旗艦は……羽黒か。入っていいぞ」

ガチャ

羽黒「司令官さん、作戦終了しました」

提督「ありがとう。報告書はそこにまとめて置いておいてくれ」

羽黒「はい」

提督(……ん?)

羽黒「では、失礼しま――」
提督「ちょっと待て」ギュッ

羽黒「ひゃぁっ!?」

提督「動くな、羽黒」

羽黒(う、後ろから抱かれて……こ、これって……)

提督「頭にごみが付いている」スッ

羽黒「……」

提督「……これでよし、羽黒もういいぞ」

羽黒「……」

提督「羽黒?」

羽黒「」バタッ

提督「羽黒!? ……気を失ってる」

―執務室―

提督「驚きと安心が同時に襲いかかってきて、つい意識を手放した……と聞いた」

提督「そんな驚かせたかな……ドッキリにするつもりはなかったんだが」

↓2

―デパート―

提督「そろそろ他に行き場所とか考えなきゃいけないな」

朝潮「司令官、このアクセサリーかわいいですね」

提督「お、そうだな」

朝潮「……」

提督「気に入ったなら買ってやるぞ」

朝潮「そ、そんな! 司令官に勝ってもらうなんて、おこがましいです!」

提督「いやいや、おこがましいってことは無い。そもそも俺から提案していることだし」

朝潮「そ、そうですか……」

提督「……」

朝潮「……じゃ、じゃあ、お願いします……」

~~~~~~~

朝潮「えへへ……」

提督「嬉しそうで何より」

朝潮「ところで、どうして私を誘ってくれたんですか?」

提督「家庭菜園用に必要なものを忘れていたから、そのついでに誰かの相手をしようかと」

朝潮「ついで、ですか……」

提督「オフの日に悪いな」

朝潮「あ、いえ、そういうわけじゃないですから、気にしないでください」

提督「そうか? だが……」

朝潮「誘っていただいたのは、とても嬉しいですから。ただ、もっと必要としてくれた方が、嬉しかったです……」

提督「朝潮は優しいな」ナデナデ

朝潮(もっと司令官に頼られるように頑張らなくては!)

―執務室―

提督「園芸用のハサミと……よし、これで収穫は大丈夫だな。育て終わったらプランターは誰かにあげるとしよう」

提督「朝潮は他の子とは違った気楽さがある。楽に買い物できたし」

↓2

今日はここまで

―金剛型の部屋―

金剛「――それで、最近提督がかまってくれないデース」

比叡「提督の代わりにこの比叡がお相手しますよ!」

金剛「比叡じゃ代わりにならないネー」

比叡「ガーン」

霧島「……なんだかデジャヴを感じるわね」

榛名「榛名もそう思います」

提督「……」ガチャ

霧島「司令……って、やっぱり前にもあった気がするわ」

金剛「提督、一緒にティータイムするネー!」

シュッ ガッ

比叡「おっと、前と同じようなことにはさせませんよ」

提督「……ふっ、それは残像だ」

比叡「ひえっ!?」

提督「まあ嘘なんだけどな」テクテク ナデナデ

金剛「アッ……」

比叡「くぅっ、またしてやられました!」

霧島「最近、こういう光景見ても驚かなくなりました」

榛名「そうですね……」

提督「まあまあ、俺に気にせずティータイムをするといい」

金剛「こんな状態で気にしないなんて、出来るわけないネー……」

比叡「そうです、離れてください!」

提督「嫌だ」

霧島「……榛名、用意だけでもしておきましょう」

榛名「あ、はい……」


金剛「提督ー、そろそろ撫でるだけじゃ物足りないデース」

提督「欲張りだな。じゃあ、磯風作のおにぎりをやろう」

金剛「欲張っちゃノーなんだからネ!」

提督「欲張ったの金剛だけどな」ナデナデ

金剛「じゃあ、抱きつくのはどうデス?」

提督「ノーだ」ナデナデ

金剛「ムー」

比叡「……何時まで撫でるつもりですか?」

提督「気が済むまで」ナデナデ

―執務室―

提督「仕事もあるので、そこそこのところで抜けてきた。これでしばらくは金剛の来襲も防げるだろう」

提督「と、金剛が寂しがるタイミングが最近分かってきた提督なのであった」

下2

―陽炎型の部屋二号室―

提督「愛する心をもって接すれば、きっと答えてくれるに違いない」

天津風「……初風とのこと?」

提督「いや、あいつじゃなくて時津風」

天津風(先に初風と何とかした方がいいんじゃないのかしら)

提督「時津風は……いたいた」

時津風「しれ~?」

提督「さあ時津風、俺の愛を受け取ってくれ!」

時津風「キモい」

提督「……なあ天津風、時津風ってこんなに辛辣だったっけ」

天津風「あんたが変な事言うからでしょ。そ、それに愛って……」

提督「ペットのような可愛さがあるだろ。まさに愛くるしい」

時津風「しれーの愛がくるしい」

提督「うまい!」

天津風「うまくないわよ!」

提督「時津風、某動物王国を作った人は、愛を伝えるのに抱きしめたり、噛まれたり、排出物を食べたりしたそうだ」

時津風「しれーどれか一つでもやったら、すぐに通報されるんじゃないかなー」

提督「な、なら見つめ合うくらいで」

時津風「しょーがないなー」

提督「……」ジー

時津風「……」ジー

天津風「……もしもし、霞?」

提督「やめて!」

―執務室―

提督「天津風さえいなければ、達成できた。今度スキンシップを取るときは、初風と天津風を避けよう」

提督「しかし、次のスキンシップのネタはどうするか……撫でることはしたし……」

下2

―北方AL海域―

長門「ここに北方棲姫が出るという話だったな」

提督「そうなの?」

長門「加賀から影を見たという話だ。加賀が嘘をつくとは思えない」

提督「……そうか。長門、見つけたらどうする」

長門「奴は敵だ、仕留めそこなったのなら、沈めなければならない。むしろ、それ以外の答えがあるのか?」

提督「いや、ないな」

長門「とはいえ、どういう状況かわからんな。指示を円滑に進めるために、提督を連れていけと言った霞の判断は正解かもしれんな」

提督「敵影を見つけても、必ず様子を見るようにしろよ。突っ走るのは禁止だ」

長門「ああ、流石にわかっている」

~三時間後~

提督「……見つからないな」

長門「見間違い……いや、まだ決断には早いか?」

提督「警戒状態を続けていても疲れるだけだろう。そろそろ休もう、いざとなったときに反応が遅れると、それだけで命取りになる」

長門「了解した」

提督「さて、中間報告を……圏外? ここは少し通信電波が悪いようだ。すまないが長門、少しだけ離れるな」

長門「危険だ、私から離れないほうがい」

提督「この辺りの安全確保はしただろう。心配しなくても、秘書官に報告したらすぐに戻る」

長門「……分かった。だが、何かあればすぐに伝達できるようにしておいてくれ」

提督「ああ」

~~~~~~~~

提督「……」

北方棲姫「……」

提督(まさか、普通にフラグを立ててすぐに回収してしまうとは……)

北方棲姫「にんげん? どーしてここにいるのー?」

提督(さて、何と答えたものか……長門のもとまで泳いで逃げれるかもしれないが、戦闘準備は整ってない)

北方棲姫「……あ、わかった」

提督「な、何が分かったのかな?」

北方棲姫「ル級に会いにきたんだね」

提督「へ?」

北方棲姫「でもごめんね。まだここにはいないのー」

提督「そ、そっかー、大変だなぁ」

北方棲姫「えへへ、ル級にはにんげんがきてたって、つたえてあげておくね」

提督「あ、いや……まだちゃんと時間とれるかわからないから、伝えないでくれると嬉しいな」

北方棲姫「そうなの? うん、にんげんがそういうなら、いわないでおくね」

提督「ありがとー、いい子だから飴ちゃんをあげるよ」

北方棲姫「わーい! じゃあ、おひっこししてるから、またきてねー」ザパッ

提督「……」

―執務室―

提督「長門と行ったが、敵影は見当たらなかった。だが、安全とは言えない」

霞「そう……しばらくは見回りが必要となるかしら」

提督「そのあたりのシフトは任せた、秘書官」

霞「分かったわ」

バタン

提督「……あああ、嘘の報告をしてしまった……あんな悪意のない眼で見られたら、敵がいたとは言えんよ……」

提督「あとは、大事にならないように祈るだけか……」

下2

提督「……」ピコピコ

金剛「提督、何してるデース?」

提督「おっと、何時の間に入ってきたんだ」

金剛「ノックはしたネー」

提督「まあいい。今俺がやっているのは、世界樹のやつの四作目だ」

金剛「楽しいですカー?」

提督「いや、hageそうだ」

金剛「大変デース!」

提督「……そうだ、やってみるか?」

金剛「やってもいいノー?」

提督「もちろんだ。もうhageたし……」

金剛「提督の口から不穏な言葉が聞こえたネー……」

提督「データはそのまま使っていいから。それで、操作は――」

金剛「分かったデース! じゃあ、さっそく出発デース!」

提督「……」

金剛「早速戦闘ネ! スキルは……」

提督「何もセットしてないから、真っ白だろ」

金剛「……ホワイ?」

『Game Over』


金剛「次はしっかり準備したデース!」

提督「おお、そうか」

金剛「採取ってのをしてみるネー……あれ」

提督「!!ああっと!! しかも全体睡眠」

金剛「……」

『Game Over』

金剛「今度は結構深くまで行ったデース!」

提督「二回のhageでここまでいくなんて、運がいいな」

金剛「体力も少ないから、そろそろ戻った方がいいネ。提督、どうやって戻るノ?」

提督「え? 糸買ってないのか?」

金剛「え、糸……?」

提督「……」

『Game Over』


金剛「ジャパニーズゲームは難しいネー……」

提督「世界樹がよくhageるだけだけどな。金剛には難しいか?」

金剛「……提督、絶対にクリアしてみますからネー!」ダッ

提督「あっ、それ俺の……まあいいか。五作目やろ」

霞「へぇ」

提督「……」

~~~~~~~~

提督「リアルhageをしそうになるとは思わなかった」

提督「執務室でゲームをする際には気を付けよう」

下2

今日はここまで

―トレーニング場―

提督「アイドルの那珂ちゃん、次の仕事靴下レスリングだってな」

那珂「どうして提督が那珂ちゃんの仕事内容を……」

提督「いや、一応提督だし、秘書官に聞いたらすぐにわかるし」

那珂「それもそうだね。それで、那珂ちゃんに何のご用事ー?」

提督「幾ら汚れ仕事でも、勝てばその分盛り上がるだろ。ちょっと練習台になってやろうかと」

那珂「ヨゴレって言わないで」

提督「……そうだな、仕事に貴賤は無いよな」スイッ

那珂「金剛型の部屋の方向を見ながら言うのもやめてくれないかなー?」

提督「それで、どうする?」

那珂「うーん……そうだね、盛り上げれば那珂ちゃんのファンも増えるかもしれないし、お願いしようかなっ」

提督「よしきた。じゃあ、てごろなマットを使ってやるぞ」

那珂「じゃあ提督、いつでもかかっておいで!」

提督「言ったな――」シュン

那珂(消え――はっ、な、那珂ちゃんがすでに空中に放り出されてる!?)

提督「終わりだ」シュッ

那珂「な、那珂ちゃんの靴下が、もう提督の手の中に……」ドサッ

提督「足払いがかかれば、受け身を取ることに集中して抵抗などないに等しい」

那珂「……アイドル靴下レスリングに、そういうことしてくる人はいないと思うよ」

提督「それもそうだな」

―数日後・執務室―

提督「普通に練習しても負けることは無かった。あれじゃ、実戦でも無理だな」

テレビ『大将戦、艦隊のアイドル那珂ちゃんが勝利を収めたー!』

提督「……ま、まあ、艦娘だ当然だな」

下2

提督「うーん……」

ガチャ

霞「失礼す……」

バタン

提督「ちょっと待て、なぜ逃げるように出て行った」ガチャ

霞「嫌な予感しかしないからよ、クズ提督」

提督「まあちょっと聞いてくれ。最近青葉が避けるんだ」

霞「そっちの方が都合良いんじゃないの」

提督「我が艦隊ではそんな不仲は認めない!」

霞(じゃあ、あんたも苦手な子ともっと付き合いなさいよ)

霞「……クズ提督はしつこいのが普段でしょ。もっとしつこく迫ってみたら」

―廊下―

提督「青葉ぁ!」

青葉「きゃあああああ!」

提督「逃げるな青葉ぁ!」

青葉「青葉、何にもしていないですよー!」

提督「お話しするだけだから止まれ青葉ぁ!」

青葉「お話し!? 余計に嫌な臭いしかしませんよー!」


衣笠「また提督が追っかけてる……」

霞(今回は私が悪かったわ)

―執務室―

提督「今回メイクしてないのになぜ逃げられたんだ」

提督「あのビビりようは、トラウマにでもなったというのだろうか」

下2

―食堂―

提督「天津飯を作ろう」

天津風「……それに私が付き合う必要はあるのかしら?」

提督「何を言っている。天津風と天津飯の文字を見比べると……」

天津風「ただのギャグじゃない!」

提督「そうともいう」

天津風「はぁ……まあいいわ。作るからには真面目に作るわよ」

提督「わざわざ間宮から厨房を借りたしな」

天津風「それで、材料は?」

提督「天津飯の元を買って来た」

天津風「完全に手抜きじゃない!」

~数十分後~

天津風「……結局そのまま作ってしまったわ」

提督「今日は間宮もいないし、一から作るのは失敗が怖いしな」

天津風「なによ、それならそうで、私に任せれば……」

提督「ん?」

天津風「な、なんでもないわよ」

提督「天津風は料理に自信ありか。なら、今度作るときは頼む」

天津風「聞こえてるんじゃない!」

提督「作ってくれないのか?」

天津風「ぅ……つ、作ってあげるわよ」

―執務室―

提督「元から作ったけど、そんなに難しくないから全部作っても良かったのだが」

提督「ただ、天津風が飯マズだったら処理に困るし……というわけで、インスタントから作った」

下2

―民宿―

提督「あれやこれやと外へ出かけたら急な嵐によって帰れなくなったところ、適当な民宿で榛名と一晩過ごすことになった」

榛名「誰に説明しているんですか?」

提督「眠気でどうやら変なことを言ってしまうようだ。俺はもう寝る。榛名、民宿の壁は薄いから、絶対に静かにしろよ」ガチャ バタン

榛名「……提督とは別々の部屋ですか。い、いえ、当然ですけど!」

榛名(もし一緒の部屋だったら……そそそ、そんなのいけません!)

榛名「でも、もしも……きゃーきゃー!」

ドン 榛名「す、すみません提督!」ビクッ

榛名(静かにしなくちゃ……提督も眠そうでしたから、少し機嫌が悪いのかも)

榛名「壁ドンを貰うとは思いませんでしたけど……」

榛名(壁ドン……少女漫画だと、こういうシチュエーションでは……)

~妄想~

提督「榛名、そんな格好して、俺を誘っているのか?」

榛名「そ、そんな、誘っているだなんて……」

提督「浴衣もはだけさせて……ほら、そんなギリギリのラインで隠してさ」

榛名「は、榛名は……」

提督「俺がいつも平和に終わらせるとは思うなよ。夜戦、してやるからな」

榛名「ていとく……」

~~~~

榛名「なんちゃってなんちゃって!」

ドンッ 榛名「すみませんすみません!」

榛名「気を付けなきゃ……」

榛名(そうだ、逆に榛名から部屋にお邪魔したり……)

榛名「は、榛名はそんなことしませんからっ!」

ガチャ

提督「うるさいわっ!!」

榛名「すみません!」

提督「あんまりうるさいと……こっちにも考えがあるぞ?」スタスタ ドン クイッ

榛名(あ、提督の顔が近く……)

提督「……」

榛名(うぅ、榛名はいったい何をされてしまうのでしょうか……)ドキドキ

提督「zzz……」

榛名「……はい、提督のことですからね、わかってました……」

―執務室―

提督「あー、帰れた」

提督「榛名は疲れたような顔してたけど、一体どうしたんだろうか。昨夜の事ほとんど覚えてないんだよな……」

提督「というか、壁に寄り掛かって寝るという、よく分からん寝方したせいで疲れがとれてない……」

下2

―阿賀野型の部屋―

提督「……」サワサワ

能代「ねえ矢矧、提督はあのまま放っておいていいの?」

矢矧「私が手袋を貸したのよ」

能代「そうなの……」

阿賀野「矢矧の手袋に気になるところでもあるの?」

提督「いや、なんとなく触りたかっただけだ」

矢矧「いつもの提督ね」

能代(この場面のいつものって、貶しているようにも聞こえるんだけど)

阿賀野「私も触っていい?」

提督「自分の手袋があるだろ」

阿賀野「えー」

矢矧「提督、そろそろ返してほしいのですが」

提督「ん、ああ……ここ、破れてるぞ」

矢矧「あ、本当ですね」

能代「貸して矢矧、直してあげる」

矢矧「いいの?」

能代「阿賀野姉のをいつもやってるから」

提督「麗しき姉妹愛か」

酒匂「司令、あたしのも見てみるー?」

提督「手袋ばっかり見ないって」

酒匂「ぴゃー……」

―執務室―

提督「なんで俺手袋なんか見てたんだろう……」

提督「いや、きっと破れていたのが気になったんだ、うん」

バタン

雪風「しれぇ!」
時雨「司令官!」
瑞鶴「提督さん!」

提督「ど、どうした、そんな慌てて」

雪風「当たったんです!」

提督「当たった?」

時雨「前に買っただろう、あれだよ!」

提督「はあ?」

瑞鶴「宝くじよ宝くじ!」

提督「ああそうか。それで、何等だ?」

雪風「三等五等六等です!」

提督「おおう、一等は無いが、予想以上のあたりだ。ま、まあ好きに使え。横取るような真似はしない」

雪風「それなんですけど――」

―食堂―

提督「という訳で、みんなで旅行に行くぞ!」

霞「なんで食堂で言うのよ」

提督「みんなが集まれて、何かしながらでも出来る場所だから」

霞「はぁ……休みやお金はどうするの?」

提督「金は心配すんな。休みに関しては調整してある」

間宮「私たちもですか?」

提督「もちろんだ。みんなで行くんだからな!」

霞(なんとなく、嫌な予感がするんだけど……)

―当日―

提督「え? パーティ? 参加? 強制?」

時雨「……」

提督「いやその、今日は部下との親睦を深めるのにですね……え、キャンセルしろ? マジすか」

瑞鶴「……」

提督「はい、はい……そうですね……分かりました……」ピッ

雪風「しれぇ、行けないの?」

提督「ごめんなぁ、なんか強制参加の用事が有るらしくてなぁ」

時雨「じゃあ、旅行を別の日に回すことは出来ないのかな?」

提督「それは無理だな。今回の休みも、無理やり空けたようなものだから」

瑞鶴「……つまり、本当に?」

提督「楽しんでこい、な?」

~数時間後~

提督「パーティ無駄に長かったな……もう何祝ったか覚えてない」

提督「ちょうどみんなが貸し切りバスに乗ったところかな……俺は一人寂しく鎮守府で仕事。妖精さんも休みでいない」

提督「はぁ……」

霞「何辛気臭い顔してるのよ」

提督「――え?」

霞「あんた一人じゃ不安だし、仕事もたまってるから、私も残ることにしたわ」

提督「秘書官……お前……」

霞「なによ、別にクズ司令官の為じゃないわ」

提督「……俺は今日行けないだけで、明日別に行くぞ?」

霞「……は?」

提督「パーティは今日だけだから、普通に合流しようと思ってたんだけど……秘書官は鎮守府にお留守番するのか」

霞「……」

提督「まあ、秘書官がそういうならよろしく頼むな!」

霞「――いいわ、行かせてあげるわ」



霞「私の銃弾は地獄への片道切符だけどね」

提督「ちょ、冗だ――」



                               ヽ`
                              ´
                               ´.

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全キャラ出るまで続けますので、また明日の夕方か夜に立てます。

その1 瑞鶴とデート


提督「まあ自分から向かうか。翔鶴居ても気にしない方向で」


―翔鶴型の部屋―

提督「デートしよう」

瑞鶴「……な、何言ってるの提督さん」

提督「大丈夫、退屈にはさせない」

瑞鶴「提督さん見てるだけで退屈はしないけど……その、翔鶴姉の前でそういう事は……」

翔鶴「……気にしなくても、いいのよ?」

瑞鶴「だったら、翔鶴姉もそんな暗い顔するのやめてよ……」

提督「翔鶴が気になって首を縦にふれないのか?」

瑞鶴「そういうわけじゃないんだけど……」

翔鶴「ふふ、気にしなくてもいいのよ」

瑞鶴(翔鶴姉の表情が、何時もより五割増しくらい幸薄そうな顔になってる……)

瑞鶴「わ、分かった……提督さん、あの――」


―執務室―

提督「断られた。翔鶴も一緒なら断られなかったような気もしないでもない」

提督「実は翔鶴とは前にドッキリをやり返そうと画策してたんだよなぁ」

その2 LOVE勢が物理以外の方法でお仕置き(を模索)


―食堂―

大和(最近の提督の行動は目に余ります。直談判しても効果は無かったようですし、もっと他に効果的な方法は無いでしょうか)

大和(ここにはたくさんの人がいますし、ちょっと相談してみましょうか)

大和(そうですね……)


金剛「追いかけてラブをつたえるのデース! あれ、違うのですカ?」

榛名「どうしても止めるのであれば、やはり捕まえておくとかですかね……あれ、榛名は何を……」


大鳳「ボートで出ているようですし、全部投棄しては? ああ、泳げるから無駄でしたか」


瑞鳳「正面から訴えても無駄ですか……うーん、私には思いつきません……」


千歳「何か守ってくれそうな交換条件を出すとかどうですか? 破ったら○○するって……」

鬼怒「あれで提督って感じがするからねぇ……」


酒匂「ずっとぎゅーってしてればいいんだよ!」


天津風「治らないんじゃないかしら、あれは」


大和「……効果的な手段がないわね……どうしましょう」

武蔵「物理がだめなら、精神的に訴えればいいんじゃないか?」

大和「む、武蔵、いつの間にいたの?」

武蔵「そんなことはいいだろう。そうだな……外に出るごとに、態度を冷たくしていけばいいんじゃないか? 口に出して伝えたうえで」

大和「つ、冷たく?」

武蔵「つまり、今の許している状態がだめなわけだ。だから、次からそうしていけばいい」

大和「……」

武蔵「成功させるには、提督が好きな奴らにも協力してもらわなければならんがな」

大和「……や、やってみるわ! みなさん、説得して」

提督「着せ替え。川内は夜戦とか言えば余裕だったけど、羽黒はなぁ」

提督「うーん、羽黒はどういえば……」

羽黒「司令官さん、お呼びですか?」ガチャ

提督「……羽黒、ここに服を用意した」

羽黒「え? あ、本当ですね」

提督「どれか好きなのを一つやろう」

羽黒「ほ、本当にいいんですか?」

提督「ああ、ちょっと暇つぶしにカタログの服をまねただけだ」

羽黒(これを……既製品の服と遜色ないです)

提督「決められないなら、ここで試着してみるといい」

羽黒「え、えっ? 司令官さんの前でですか?」

提督「さすがにそれは無い。ちゃんと試着室を用意してある」

羽黒(司令官さん、準備がいいですね)

提督「まあ好きにするといい」

羽黒「では、使わせてもらいますね」

~数十分後~

提督「まだ決まらないのか?」

羽黒「こっちもいいですね!」

提督(元気だなぁ。良い事なんだけど)

羽黒「ふふっ」

提督(これが、女としての本能か……)


――――――――

提督「あれから二時間ぐらい後に、ほくほくとした顔で羽黒は出て行った」

提督「ああ、残ったのは何故か作ってしまった女物の服ばかりだ。どうしよ……」

提督「雑巾はもったいないから、アイテム屋さんにでも売っておこう」

1000取るのもアレなのでここまで。
没の理由はちょっとずれすぎてたり、展開がおかしいと思ったり

あ、明日こそ次スレたてますから…

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