お嬢様「その窓際の席を私に譲りなさい!」 (61)

友「今日さ、キミのクラスに転校生が来るらしいよ?」

男「……はあ?今七月だぞ?もうすぐ夏休みだぞ?なんでそんな時期に転校生が来るんだよ?」

友「いや、そこまでは知らないよ。家庭の事情とかじゃない?」

男「ハッ、どんな事情だか」

友「……男、なんかあんまり興味なさそうだね」

男「どうせ大してかかわったりしないだろうからな」

友「もう……なんであれ出会いは大事にしたほうがいいよ?いや、転校生の性別がどっちかまでは知らないんだけどさ」

男「どっちでもノーサンキュー。どうでもいいし」

友「またそんなこと言って……そんなんだから彼女できないんだよ?」

男「……説教してる時間なんかないぞ。今日もギリギリなんだ、駄弁ってる暇なんかない」

友「それは男が寝坊したからでしょーがっ!って逃げるなよ!」

男「だから説教は聞かないって言ってるだろ」タッタッタッ

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-教室-


生徒達「」ワイワイガヤガヤ


男(……どうやら転校生が来るってのは本当みたいだな)ガタタッ

男(あーしんど、やっぱり走るんじゃなかった)ハァー

男(……あれ?そういえばなんで俺の隣の席空いてんの?)


教室戸「」ガラガラ


教師「おーいお前らさっさと席に着けー。早速転校生を紹介するからなー」スタスタ


生徒達「」イィィィィヤッホォォォォォォウウ!!


男(……いや、その前に挨拶くらいしろよ)

教師(面倒だからいやだ)

男(こいつ、直接脳内に……!)

教師「それじゃー入ってくれ」

???「失礼しますわ」カツカツカツ

お嬢様「お嬢と申しますの。コンゴトモヨロシク、ですわ」ニコリ


男子共「」ジョシダァァァァアアア

女子共「」キャーキレェェェェエエエイ


教師「はい静かに。ああ、あと面倒なんで質問タイムとかそういうのは各自休み時間に行うように。それじゃあ、お嬢は……あの席に座ってくれ」

お嬢様「? あの席ですの?」ムスッ

教師「ああ、あの席だ」

お嬢様「……」フン

お嬢様「………………」カツカツカツ

男「………………」ボーッ


お嬢様「そこの貴方……いえ、庶民」フン

男「?」

お嬢様「その窓際の席を私に譲りなさい!」バァーン!!


教師「えっ?」
生徒達「えっ?」


男「……ああ、いいよ」ヨッコラセ

お嬢様「あら、以外に物分りがよい方ですのね」ヨイショ


教師「えっ?」
生徒達「えっ?」

-昼休み・図書室-


友「男、男男男っ!キミのクラスの転校生がお嬢様ってホント!?」ガバッ

男「うるせぇ図書室では静かにしろ」

友「とっても凄いじゃん!お嬢さんの家っていったら超が付くほどの伝説のお金持ちだよ!」

友「なんかこう、魔を断つナントカっぽい名前の巨大ロボを建造して悪の宗教団体と戦ったりする位の!」

男「人の話聞けよ。……ああでもそのゲームが出たのって、かれこれもう十年くらい前の話なんだよなぁ……」シミジミ

友「いや、ボクはゲームの話はしてないんだけど」

男「知ってるよ」

友「ひゃーでもそんなご令嬢さんと同じ学校に通うことになるなんて思わなかったなぁ」シミジミ

男「……そんな感慨深いモンかねぇ」

男「別に同じ学校に通っているからって、俺達の学歴に箔が付くワケでもないだろ?」

友「うーん……確かにそうだけどさ」

友「でもこういうのって、大体は気分の問題じゃない?」

男「……たぶんこの話題は七十五日も持たないだろうな」

友「まあ、流行が過ぎるのは早いからねぇ」ハッハッハッ

-翌日の朝・教室-


女生徒「あ、おはようお嬢さん」

お嬢様「おはよう、庶民」スタスタ


女生徒「庶民って……お嬢さんってなんか変わってるよねー」ヒソヒソ

ギャル「確かに。つーか何あの態度、金持ちだからって調子ノってね?」ヒソヒソ

不良娘「マジないわー。いくら育ちがよくても常識くらい弁えるモンでしょ」ヒソヒソ


お嬢様(陰口を叩く人に常識を問われましても……ねぇ)ハァ

お嬢様(やはりどこの学校も似たようなものですわね。所詮庶民は庶民、気にするだけ無駄ですわ……ん?)

お嬢様「おはよう庶民、朝から居眠りとは呆れますわね」

男「……ああ、おはよう。あとおやすみ」グダァ

お嬢様「ちょっ!?人の話を聞いていますの!?」

男「」ZZZzz…

お嬢様「まったくもう……」ヤレヤレ

-昼休み・教室-


お嬢様「ふぅ、ようやく食事の時間ですわ」

委員長「あのー、お嬢さん?」

お嬢様「? なんですの?」

委員長「私達、お嬢さんと一緒にお昼食べたいなー、って」

女生徒達「」ネー

委員長「いいかな?」

お嬢様「ええ、構いませんわよ」サラリ

委員長「良かった!それじゃあ机合わせるね」ガタガタ

眼鏡「うわぁ、お金持ちのお弁当なんて見るの初めてだ」ワクワク

元気娘「おかずはキャビアとかかな、フォアグラとかかな!?」ワクワク

お嬢様「………………」パカ


委員長「………………」アレ

眼鏡「………………」ナンカ

元気娘「………………」フツー?


お嬢様「……一応言っておきますけど、食材自体はどれも高級品ですのよ?」フンス

元気娘「あ、あははは、だよねー。なんかそんな感じがするし!」チラッチラッ

眼鏡「」コクコク

委員長「」コクコク

元気娘「―――それでさー、さしものヤツもフブッ切れてさー」ケラケラ

眼鏡「へー」ケラケラ

委員長「ホントにー」ケラケラ

お嬢様(はあ……つまらないですわね)

お嬢様(やはり庶民とは話が合いそうもないですわ……んん?)


男「」モグモグ


お嬢様「ちょっとよろしいかしら?」

委員長「? どうかしたの?」

お嬢様「彼、どうして一人で食べてるんですの?」

委員長「さあ。一年の時はクラス違うからよく分からないけど、少なくとも二年になってからはずっとあんな感じだよ?」

眼鏡「友達もいないっぽいしねー」

元気娘「なんていうか……気難しそうで話しかけ辛いっていうか」

眼鏡「それ以前にこっちが話しかけてもまともに返さないことが多いし、たぶん不良とかなんじゃないの?」

委員長「あー、確かに目つきとか悪いもんね。何考えてるか分かんないし」クスクス

元気娘「もう、やめなよ二人共ー。この話はもう止め!」

眼鏡・委員長「はーい」


お嬢様(不良、変わってる、友達がいない……か。まあ、)

お嬢様「私にとっては等しく没個性な庶民ですわ!」ハッ


眼鏡「………………」

委員長「………………」

元気娘「………………」

-一週間後・昼休みの教室-


生徒達「」ワイワイガヤガヤシャバドゥビタッチヘーンシーン!!


お嬢様(……まあ、あんな態度をとっていればこうなりますわよね)ポツーン

お嬢様(クラスそのものに居場所がない感じですわね。……まあこの疎外感自体は今に始まったことではありませんし、もう慣れていますけど)フンス


お嬢様「………………」

男「………………」モグモグ

お嬢様「………………………………」

男「………………………………」モグモグ

お嬢様「………………………………………………」

男「………………………………………………」モグモグ


お嬢様「あ、あの……」オズオズ

男「んん?」

お嬢様「わ、私が昼食をご一緒して差し上げてもよろしくってよ!?」ババァーン!!

男「……ああ、いいよ」ガタガタ

お嬢様「えっ?」キョトン

男「えっ?」キョトン

俺「えっ?」

男「……なんだ、食べないのか?」

お嬢様「い、いえ!是非ご一緒させ……てさしあげますわっ!!」カッ!


お嬢様「………………」モグモグ

男「………………」モグモグ





お嬢様(くっ、空気が重い―――――!!)ウゾダドンドコドーン!!






お嬢様(言いようのない孤独感……というか妙な仲間意識からついあのようなことを言ってしまいましたが……)

お嬢様(よく考えれば話すことが何もありませんわ!な、なにか話題を……!流石の私もこの空気には耐えられない!!)ズーン


お嬢様「………………」ジー

男「………………」モグモグ


お嬢様「そっ、それにしても、貴方の弁当は貧相ですわね!?」バァーン!

お嬢様(何を言ってるんですの私は!?これでは会話なんて望むべくもな―――)

男「……まあ、ほとんどが冷凍食品だからな。量も少ないし、貧相なのは否定できない」モグモグ

お嬢様(か、会話が成立した!?今ので!?)

お嬢様(と、とにかく、なんでもいいから話を続けませんと!こう……できるだけ相手を気遣うように!)

お嬢様「そ、そうですの?で、でも駄目ですわよ、しっかりしたものを食べないと体が持ちませんわ」

お嬢様「まあ、庶民には私レベルの食事を摂るのは無理でしょうけど」サラリ


お嬢様(何を言ってるんですの私は!?)


男「……確かに満足はできないが、それでも母親が毎朝作ってくれるものだからな。文句は言えない」モグモグ

お嬢様「そ、そうですの。……今時珍しいですわね」

男「……そうかもな」モグモグ


お嬢様(私としたことが……普通に感心してしまいましたわ。不良などと言われていましたけど、全然まともではありませんの)

お嬢様(……というか、あれ?もしかしてこの方とは、素の私で接し続けても大丈夫なのでは……?)

これあれのパクリだろ、漫画のなんだっけ…忘れたがまさにこんなかんじのやつ

>>15
かなり影響を受けている……というか、あの漫画を読んで書き始めました。
お気に障ったようなら申し訳ありません

おじょじょじょ

男{……ふぅ、ごちそうさま」カタッ

お嬢様「あっ、ちょっと、どこに行くんですの?」アセアセ

男「……図書室だ」

お嬢様「ま、待ってくださいまし!私も一緒に行きますわ!」アセアセ

男「……行き先は言ったんだ。別に俺が待ってる必要はないだろ」

お嬢様「いや、それは、その……。っ!私は転校して来たばかりだから、まだどこに何があるのかよく分かりませんので、エ、エスコートを、をを……!」

男「……分かった。食べ終わるまで待つよ」ガタッ

お嬢様「あ、ありがとう、ですわ」フゥ


お嬢様(って、私は一体何をやってるんですの!?)アセアセ


お嬢様「………………」モグモグ

男「」ポケー

お嬢様「あの、そんなに見ないでくださいませんこと?落ち着きませんわ」

男「……じゃあもう行っていいか?」

お嬢様「うぅ、分かりましたわ。そんなに見たいのならいくらでもどうぞ。……まったく、これだから庶民は無駄に好奇的でイヤになりますわ!」

男「……そーかい」

お嬢様「………………」モグモグ

男「………………」ポケー


お嬢様(死んだ魚のような眼で、しかもジト目。それに無口で無表情ですし、本当に何を考えているか分かりませんわ)


お嬢様「あの、一つ尋ねてもよろしくて?」

男「……どうぞ」

お嬢様「なんで一人で食べてるんですの?」

男「弁当組は食堂で食べちゃいけないことになってるし、他の教室に行くのもだるいから」

お嬢様「でも、その……この教室で食べるのはなんだか辛くありませんの?ほとんどの方が教室に残っているようですし、他所のクラスの方も来ているみたいですし」

お嬢様「まあ、私のメンタルは鋼ですのでそんなのまったくこれっぽっちも気になりませんが?」

男「いや、そんなの気にする必要すらない」

お嬢様「えっ?」

男「というかそもそも便所飯とかやってるヤツの心理が理解できない」

お嬢様(便所飯……?なんですのそれ)

男「『お前が一人で食べてるから辛気臭い、だから他所で食べてくれ』」

男「そんな風に心の中で言われようが、実際に口に出されようが、俺は何があっても梃子でも動かない」

男「むしろそれで少しでも俺を邪魔に思ってるヤツの飯が不味くなるんだったら、喜んで昼休み中ここに居座り続けるさ」ハッ!

お嬢様「そ、そうですの。貴方って……」モグモグ





お嬢様「根暗ですのね」

男「Exactly(そのとおりでございます)」キリッ

今日はここまで

楽しい

待ってる

縺翫b縺励m縺?◇


とっても期待してる

おっつー

男廚二過ぎて酷い

このクラスなんで決闘者やら仮面ライダーが湧いてるんだよ

お嬢様「ふぅ、食べ終わりましたわ」

男「……それじゃあ行くか、図書室」ガタッ

お嬢様「そ、そうでしたわね」ガタタッ


-図書室-


友「おーう男ぉ!どしたの?今日はいつもより遅かったけど」

友「って、ほわぁ!?あの男が女連れ……だと……!?」

男「……張っ倒すぞ?」

友「はははっ!ごめんごめん」

お嬢様「」ポケー

友「それで?この可愛い娘だれ?」

男「前言ってたウチのクラスの転校生だ」

友「うそっ!?なんでそんな人と一緒にここまで来たのさ!一体どんな汚い手を使ってたらしこんだの!?」

お嬢様「たっ、たらしこむ!?」カァァ…

男「……いや、普通に図書館まで案内してくれって頼まれたから連れて来ただけなんだけど?」

友「あっ、そうなんだ。なんだよなんだよつまんないなー」コノコノ

男「うるさいつつくな。……それじゃあ、案内はしたからな」ノシ

お嬢様「えっ、あの……」

お嬢様「行ってしまいましたわ……」

お嬢様「………………」


お嬢様(不良、変わってる、友達がいない……?)

お嬢様(最後だけ、根も葉もない嘘じゃありませんの)ハァ…

お嬢様(……って、なぜ落胆しているの私は!?)

好きなパターンのヤツや!

お嬢様(ともあれ、折角着た以上は何かしませんと)

お嬢様(でもぱっと見た感じでは、私のような高貴な者が読む類の本は置いてなさそうですわね)ウーン

お嬢様「」チラッ


男「………………」カタカタカタ


お嬢様(図書室にパソコン……はそこまで珍しくもありませんか。でも一体何を?)


お嬢様「」コソコソ

男「」カタカタカタカタ

お嬢様「」ソー

男「……使うのか?」ジロ

お嬢様「っ!? い、いえ!そう言う訳ではありませんわ!ただ何をしているのか気になっただけで……」アセアセ

男「……そうか」カタカタカタカタ

お嬢様「………………」

男「………………」ウーン

お嬢様「な、なにをしているんですの……?」

男「物書き」

お嬢様「えっ?」

男「……小説書いてるんだよ。文芸部だからな」

お嬢様「そ、そうなんですの?なんだか意外ですわ」

男「そーかい」

お嬢様「」ジー

男「」カタカタカタカタ


???「あっ。もしかして、興味あります?」ヒョコ

お嬢様「ひゃうぁっ!?」ビクゥ


お嬢様「お、脅かさないでくださいまし!」ドキドキ

???「いやー、すみません。不注意でしたッス。でもかなりいいリアクションでした、今のでご飯三杯はいけます。本当にありがとうございました」ペコリ

お嬢様「は、はあ、そうですの……」ポカーン

後輩「ちなみに自分は一年の後輩って言います!そちらさんは先輩ッスよね?なんかこう……サイズ的に!」

お嬢様「? ええ、まあ……二年のお嬢ですわ。先日転校して来ましたの」オズオズ

後輩「お嬢先輩ッスね!把握しました!……ところで話は戻るんスけど、小説、興味あります?」wktk

お嬢様「ええ、まあ……」

後輩「男先輩の書いた小説、興味あります?」

お嬢様「ええ、まあ……って、ええ!?いや、別に、その、そういうワケではありませんわ!」アセアセ

後輩「そうッスかそうッスか!素でツンデレが入るほど気になるッスか!そんなアナタにコレ!」

後輩「男先輩のーっ!なーまーげーんーこーおーっ!!」テレレレッテレー!

お嬢様「どこから取り出したんですのソレ!?」

後輩「一々そんなこと気にしてたらラノベどころかアニメや漫画なんて見てられないッスよお嬢先輩!ともかく早速これに目を通し、男先輩の魅力の虜になってしまうがいいー!―――って、たわば!?」

男「隣で騒ぐな。……じゃなかった、図書室で騒ぐな」

後輩「oh……痛いじゃないッスか先輩!女子に手を上げるなんてリョナラーなんスか!?あっ、リョナラーでしたね!なら仕方ないッスね!!」

男「静かにしろって言ってるだろ。……あと、ソレ返せ」

後輩「ダメッス!この原稿は自分の宝物ッス!例え尊敬する先輩でもその要求は呑めないッスねぇ!」

男「……じゃあせめて人に見せるのはやめろ。特に一般人と女子」

後輩「だが断る」キリッ

男「お前なぁ……」


お嬢様(男さん……なんだか生き生きしていますわね)ムムム


後輩「と、いうワケで!この死守した原稿をお嬢先輩の腕にシュ―――――ッ!超ッ!エキサティン!」パシッ

男「あっ、コラ!」

お嬢様「えっ!?ちょっ、どうすればいいんですのこれ!?」アセアセ

後輩「自分がこの場を押さえている内に、そこに書かれている真実を早く金田一さんに伝えて欲しいッス!……フッ、安心しろ。俺も後から追い着く!」

男「死亡フラグ立ててどうするんだよ」ガッ

後輩「たわばっ!?」メキィ

お嬢様(男さんがあそこまで嫌がるとは……文芸部に所属しているくらいですし、自分の作品を読まれるくらい慣れっこだと思いましたが、意外な反応ですわね)フム

お嬢様(まあ、何はともあれ。とりあえず、ここは読んでおくことにしましょう。……内容も普通に気になりますし)ドレドレ


お嬢様「」フムフム

お嬢様「」ンン?

お嬢様「―――――っ!?///」ボンッ!

お嬢様「な、ななっ!?なんですのこれは!?///」バン!


男「」アチャー

後輩「ふふふ、予想通りの反応です!今のでご飯五杯はおかわりできる!流石は男先輩が再入部早々に書いた問題作なだけはあるぜ!」ゴクリ

お嬢様「ほ、本当に、あっ、貴方が書いたのですか!?こ、こんな、ハレンチ極まるモノを!?」


男(だから読ませたくなかったのに……)ハァ

男「……当時は色々とテンションがおかしかったんだ。今では自分でもどうかと思ってるんだ。だから察しろくださいおねがいします」

お嬢様「無理ですわよ!」

後輩「先輩マジ最低です!貴方って本当に人間の屑だわっ!!」

友「ちくわ大名神」

男「姫騎士は帰れ!二度と画面の外に顔を出すな!」

男「あと誰だ今の」

友「わざわざ突っ込んでくれるなんて……男は律儀だなぁ」

友「なんだか楽しそうにしてるから顔を出してみたよ」

男「わざわざ図書委員の仕事放り出してまでこっち来るなよ……」

友「大丈夫だよ。一年生に押し付けてきたから」

後輩「流石は友先輩!自分に出来ないことを平然とやってのけるッ!そこに呆れる反吐が出るゥッ!!」

友「ははは、とても上級生に言っていい台詞だとは思えないなぁ?」ガシッ

後輩「ひぃっ!?もうアームロックは勘弁して欲しいッス!」ガアアア

男「……自業自得だろ?」

後輩「なんだか今日は辛辣過ぎッスよ先輩方!でもうそういうのも嫌いじゃないわ!」

男「ルナの物真似やめーや」


お嬢様(……あれ?なんですのこの空気)

お嬢様(なんとなく私がいなかったことになっているような……)

お嬢様(というか後輩さんのキャラが濃すぎて私の影が薄くなっているような)

お嬢様(あれ?私存在感で負けてますの?スレタイにも名前入ってますのに?)

友(メタ発言はいけない)

お嬢様(この方!直接脳内に……!?)


後輩「ところでっ!どうですか先輩のエロ小説は!興奮しましたか?濡れましたか!?」

お嬢様「うぇぁっ!?」

男「堂々と上級生にセクハラしてるぞこいつ。いや、こんなの書いた俺も俺だけど」

お嬢様「こっ、興奮なんてしませんわよ!馬鹿馬鹿しい!」

お嬢様「そもそもこんなあまりにも年齢的に不適切な駄文、まともに目を通してさえいませんわ!」

お嬢様「というかなんで結婚もしていないのにこんなモノが書けるんですの!?ま、まさか経験済みなのかしら……!?」

お嬢様「なんてインモラル極まる方なのかしら!恥を知りなさいっ!!」ビシィ!

男「もうどこから突っ込んでいいのかわかんねぇよ」

後輩「突っ込むなんていやらしい!」

友「やっぱり貴方って最低の」

お嬢様「屑ですわっ!」

男「お前ら仲いいなオイ」

男「……はあ、もういいや。そろそろ昼休みも終わるし、教室に戻る」

後輩「いいか!絶対に誰も近寄るんじゃぁないぞ!!」

男「勝手に死亡フラグにするな」

お嬢様「あっ、ちょっと待ってくださいまし!」

友「おっと、すこーしいいかな?お嬢さん」ガシッ

お嬢様「? 何か用ですの?庶民」

友「友だよ、隣のクラスのね。覚えておいてね」ハハハ

友「っと、本当にあんまり時間がないや。単刀直入に訊くけど、キミ、ウチの部に興味ない?」

お嬢様「部?部活動のことですの?」

後輩「そうッス!自分達文芸部のことッス!」

お嬢様「お生憎ですけど、私は別に部活動を嗜むつもりは……」

友「いやいや、別に入部を催促してるワケじゃないよ。ただせめて、文芸誌を読んでみる気はない?」スッ

お嬢様「文芸誌、ですの?」

後輩「文ゲイ誌ですのー!」

友「キミはマジで黙ってようね」

お嬢様「ま、まあ、それくらいなら」オズオズ

友「ははは、ありがとう。やっぱり読者は一人でも多いほうが書き手としても嬉しいから」

友「ボクもそれには一つ短編を載せてるから、読んでみてくれると嬉しいな」

後輩「自分も載せてるっすよー!」

お嬢様「そうなんですの。まあ、時間があれば読ませていただきますわ」

友「ふふふ、そうしてあげて。……男のも載ってるから」

後輩「そうッス。ちゃんとエロくないのッスよ!」

お嬢様「は、はあ。そ、そうですの。……まあ、考えておきますわ」


友「」ニヤニヤ

後輩「」ニヤニヤ


お嬢様「なんなんですのよその妙な笑みは!?」

今日はここまで

かわいい

このSSの前半の方、おじょじょじょのパクってね?

>>45
おじょじょじょを読んで書き始めたので、ああいう感じになりました
もしお気に障ったのなら申し訳ありません

-放課後・お嬢邸-


お嬢様「まったく……今日は色々あって疲れてしまいましたわ」ハァ

お嬢様(でも不思議と嫌ではない……なんだか妙な気分ですわね)


お嬢様「………………」


お嬢様「部活動、か……」チラッ

文芸誌「」

お嬢様「時間はありますし……少しだけ、目を通してみましょう」フゥ


目次「」ペラリ

お嬢様(これが友さんで、これが後輩さんの書いた作品ですわね)

お嬢様(……? おかしいですわね。男さんの名前がありませんわ)

お嬢様(まあ、いいでしょう。とりあえず最初から一つずつ読んでいくとしますわ)

お嬢様「………………」ペラペラ


お嬢様「後輩さんの……思ったとおりシュールな内容ですわね」ペラリ

お嬢様「友さんのは恋愛小説かしら。……心なしか女性より男性の登場人物の方が多いような気がしますが」ペラリ

お嬢様「どちらも、まあ……おもしろいですわね。少なくとも暇潰しにはなりそうですわ」ペラリ

お嬢様「……あら、これは」ピタッ

お嬢様(ホラー……ですの?でも微妙に違いますわね)

お嬢様(なんでしょう、なんだか……読んでて凄く気持ち悪いですわ)

お嬢様(性を仄めかせる描写に、暴力的な一人称の文体。正常を異常に見せようとする構図、現実にあって当たり前の不条理を大仰に表現する手法)

お嬢様(まるで読者に生理的嫌悪感を抱かせることを目的に書かれているような……読んでいると、とても気分が悪くなる)

お嬢様(でも、なぜか引き込まれてしまいますわ。なんだか不思議なお話)

お嬢様「……一体、どんな方が書いたのでしょう。気になりますわ」

お嬢様「筆名は……『這い寄る混沌』……?」

お嬢様「本名ではありませんわね。間違いなく」

-翌日・昼休みの教室-


お嬢様「きょ、今日もお昼をご一緒してさ、さしあげますわっ!」ギクシャク

男「……分かった」ガタタッ


お嬢様「………………」モグモグ

男「………………」モグモグ


お嬢様「あ、あの、その……貴方は文芸部に所属しているのですわよね?」オズオズ

男「……ああ、そうだよ」

お嬢様「それなら、この方が誰かお分かりになりません?」

お嬢様「昨日に友さんから頂いた文芸誌の……ホラ、ここですの。この方」パラリ

お嬢様「物語の内容は悪辣ですが、発想と表現の仕方がユニークだと思いまして。別に気に入った訳ではありませんが」

男「……ふーん」ドレドレ

男「」

男「あー……これか」

お嬢様「知っていますの?」

男「当然。これ、俺が書いたんだから」

お嬢様「えっ?」

男「えっ?」

お嬢様「えっ?」

男「……驚きすぎ」

お嬢様「えっ、あ、いや……ごめんなさい……?」

男「別に謝らなくていい」モグモグ

お嬢様「はい……ですわ」


お嬢様(無表情すぎる……何を言えばいいのか分かりませんわ)ムムム


男「それで?」

お嬢様「へっ?」

男「何か感想はあるか?」

お嬢様「感想って……ああ、この作品を読んだ感想を訊いている訳ですのね?」

男「」コクリ

お嬢様「そうですわね……」


お嬢様(読んだ感想は確かに色々ありましたが……何故でしょう。なんか全部吹っ飛んでしまいましたわ)ウーン

お嬢様(でも一つだけ気になっていることはあるんですのよね。とりあえずそれを訊いておきましょう)


お嬢様「なぜ作者名が『這い寄る混沌』になっているんですの?」

男「俺が星の智慧派教団の教徒だから」サラリ

お嬢様「………………なんですの、それ?」

男「……わからないなら、いい」チッ

お嬢様「その言い方……釈然としませんわね。なんなんですの?どういう意味ですの?」ズイッ

男「ggr」

お嬢様「えっ?今なんて言いましたの?」

男「……さて、と。食べ終わったし図書室に行くかな」ガタッ

お嬢様「食べ終わるの早すぎですし話の逸らし方が露骨ですわっ!も、もう少しだけ待ってください、私も一緒に……」アセアセ

男「………………」スタスタ

お嬢様「聞いていない!?」

お嬢様「行ってしまいましたわ……」ハァ

お嬢様(何か気に障ることを言ってしまったのかしら……?いや、流石に今の会話で私に落ち度はない……はず)ムムム

お嬢様(単純に彼の虫の居所が悪かっただけ?もしそうなら自分勝手にもほどがありますわ!)ムスッ


生徒達「」ワイワイガヤガヤオレノチカラハオマエヲリョウガシタ…


お嬢様「………………」ポツン

お嬢様(早く食べてしまいましょう)モグモグ

正直この男の臭さもここまでくると才能

-図書室-


男「」スタスタ

友「あっ、来たんだ。今日も遅かったね?」

後輩「ぼっちの先輩がこんな遅くに来るなんて……はっ!?まさか女ッスか!?不潔ッスよ男先輩!」

男「違うわバカ。……あっ、そうだ。後輩」チョイチョイ

後輩「? なんスか?」スタスタ

男「攻めの反対は?」

後輩「受け」

男「ggr?」

後輩「ks」

男「いあ、いあ?」

後輩「くとぅるふ、ふたぐん」

男「ドーモ、コウハイ=サン。男です」

後輩「ドーモ、オトコ=サン。後輩です」

男「純銀マケドニウム加工水銀弾頭弾殻」

後輩「マーベルス科学薬筒、NNA9」

男「全長39cm、重量16kg。13mm炸裂徹鋼弾『ジャッカル』」

後輩「パーフェクトだウォルター!」ドヤァ

男「……よし、ありがとう。なんか落ち着いた」スーハー

後輩「そッスか!それは良かったッス!なんかよくわかんねぇッスけど!」ハハハ


友「あれは一体なんの儀式かなぁ」

今日はここまで

つまらん

二次創作とはいえ、前半はパクリですって前書きでちゃんと書こうな
影響を受けたとか言うレベルじゃなくて丸パクリじゃねぇか

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