北条加蓮「嫌いだった言葉」 (44)
都内の病院の一室に、一人の少女がありました。
少女は、年間の多くをこの病室で過ごしていましたが、かけがえのない夢を持っていました。
それは、アイドルになることです。
でも、その夢は、追いかけられるものではないと思っていました。
「加蓮ちゃん、呼ばれたから検査行きましょうね」
こう言いながら、看護師さんが車いすを持って病室へとやって来ました。
大抵の日は、こうして検査を受け、先生の話を聞き、あとはベッドの上で過ごしていました。
加蓮は、何も変化のない毎日を繰り返しているうちに、意欲を失っていってしまったのです。
だから、持っていたはずの夢も、だんだんと小さく遠いものへとなっていきました。
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