海未「今、いきます!」 (66)

~~~~~
18歳 高校卒業式

海未(つ、ついに卒業式です。今日こそ穂乃果に私気持ちを……)ドキドキ

穂乃果「お待たせー!それで二人だけで話したいことってなに?」

海未(大学に行ったら離ればなれになってしまいます……その前に伝えなくては……)

穂乃果「ねえ、どうしたの?」

海未(落ち着いて……、穂乃果も私に悪い感情は抱いてないはずです)

海未(勝率は高いはず!)

海未「穂乃果!」ガシッ

穂乃果「ひゃっ!な、なになに!?」

海未「あ、貴方のこ、ことが!す……す」ドキドキ

海未(あとちょっと!あとちょっとで……!)ドキドキ

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海未(……しかしここで失敗したら?)

海未(大学も別々ですし、二度と穂乃果に会えなくなってしまうのでは……?)

海未(そんなことは絶対に嫌です……)

海未「す……す……ステキだと思ってました!」ドキドキ

穂乃果「……へっ?」

海未「アイドルとして踊る姿も!全校生徒の前で生徒会長としてふるまう姿も!とても素敵だと思ってました!大学に行ってもその輝きを失わないでくださいっ!」

穂乃果「えっ、あ、ありがとう」

海未「では言いたいことも言えたので、ことりたちが待ってます!早く戻りましょう!」

海未(……冷静に考えれば大学に入ってからも会うことなどいくらでもできます!)

海未(チャンスは一度です。確実に、確実にいきましょう)

~~~~~
成人式

穂乃果「海未ちゃーん!久しぶりっ!」ギュッ

海未「もう!先週会ったばかりじゃないですかっ」

穂乃果「高校の時までは毎日あってたからかな?数日会えないだけで寂しくて……」

海未「もう、穂乃果ったら本当に甘えん坊なんですから」ナデナデ

穂乃果「くぅ~ん、海未ちゃんにだけだよ」スリスリ

海未(別々の進路でどうなるかと思いましたが……)

海未(ただの杞憂だったみたいですね。
むしろ会うごとに穂乃果がかつてないほど甘えてきてくれます)

海未(会えない時間が二人の絆をさらに強くしたんですかね、ふふっ)

穂乃果「あっ!ことりちゃんだ!海未ちゃんいこう!」ギュッ

海未「ほ、穂乃果!急に手を繋がないでくださいっ///」

穂乃果「えへへ、ほら早く早く!」

~~~~~
21歳 大学四年生

穂乃果「へへ~、海未ちゃん~」フラフラ

海未「もう!飲みすぎですよ?」

穂乃果「ごめんなさい……でも海未ちゃんと二人だけで食事なんて久しぶりなんだもん」

海未「穂乃果……」

穂乃果「それに海未ちゃんとしばらく会えてなくなかったし……」

穂乃果「就職活動でお互い忙しかったけどもうちょっとかまってほしかったなーって」テヘヘ

海未「私も……私も穂乃果に会えなくてとても寂しかったです」

穂乃果「……本当?」

海未「ええ、本当ですよ」

穂乃果「ならもっと一緒に居る時間作ってくれても……」

海未「すみません、将来のために少しでも良い企業に入社しようとしていて……」

海未(もちろん将来穂乃果を養うためですけどね)

穂乃果「あはは!そうだよねっ
それに付き合ってるわけでもないのに変だよね!ごめん、忘れて……」

海未(……あれ?今ってとてもいいムードな気が……、ここで一気に想いを!)

海未「穂乃果!」ガシッ

穂乃果「んっ……ぁ……?」

海未(卒業式で言えなった想いを今こそ!)

海未「ず、ずっと!ずっとあなたのことが好きでした!付き合ってくださいっ!」

穂乃果「……」

海未「ほ、穂乃果?」

穂乃果「ぐぅ……ぐぅ……」zzz

海未「え……」





海未(結局穂乃果は酔いつぶれて寝ていました……)

海未(もちろん告白の時の記憶も、あの時の会話も全く覚えていませんでした)

海未(しかし後で考えれば穂乃果も酔った勢いで少し大げさに言い過ぎていたのでは……?)

海未(そう考えると失敗の可能性が高かったのかもしれません)

海未(もう少し仲を深めて再チャレンジしましょう!)

~~~~~
25歳

海未(今日は穂乃果と旅行です)

穂乃果「すごい大きなベットだね!でも一つしかないけどどうするのかな?」

海未「あちらのミスでしょうか?一緒に寝るしかなさそうですね……」

穂乃果「やっぱりそうだよね、海未ちゃんと一緒に寝るなんて久しぶりだから
緊張するなぁ」

海未(ふふっ、わざわざダブルベットの部屋を予約しましたからね、計画通りです)

穂乃果「よーし!会えなかった分まで今日は語りつくろうねっ、寝かせないからね?」ギューッ

海未「はい!喜んで!」ナデナデ

~~~~~
現在 26歳

海未(ようやく今年も仕事が落ち着く時期に入ってきました)

海未(去年みたく穂乃果を誘って旅行でもいきましょうかね)

海未(遊園地や、ハイキングに山登りなどもいいかもしれません)

海未(……数年前までの私は穂乃果と付き合うことばかり固執してきました)

海未(しかし付き合うとは何か?を考えるうちに私と穂乃果の間に告白などいらないと気づけたのです!)

海未(暇な時期になれば二人で出かけて一晩中、語り合う
まさにカップルいえ、夫婦ではないですか!)

海未(穂乃果からの確固とした愛もビンビンに感じますしね!)

海未(これほど幸せな日々はありません)

海未(でもそろそろ理由を付けて同棲を……っと何か手紙が来てますね、なになに)

海未(結婚式の招待状……?確かちょっと前に凛と花陽が結婚しましたね)

海未(今度はことり辺りでしょうかね、差出人はっと……)

海未「綺羅ツバサと……高坂穂乃果!?」

~~~~~
数週間後

ピーポーン

ことり「海未ちゃーん?今日は穂乃果ちゃんの結婚式だよー?」

ことり「最近連絡がないから心配になって来てみたんだけどいないのかな……」

ことり「あれ……カギが開いてるみたい?はいってもいいよね……」

ことり「うーん、心配だし入っちゃえっ!」

ガチャリッ

ことり「海未ちゃん?ことりだけど……って海未ちゃん!?」

海未「あれぇ?ことり?いつから居たんですかぁ?」ボーッ

ことり「う、海未ちゃん!?」

海未「はーい、海未ですよ?そうだ、一緒に穂乃果ヒストリーでも見ますかぁ?」

海未「見てくださいよ!この時の穂乃果!去年の旅行の時なんですけど
動物園で猿におにぎり取られて泣いちゃったんですよ?かわいくて激写しちゃいました!」

ことり「あっ、本当だね!やっぱり穂乃果ちゃんは変わらないなー、って!」

ことり「そ、それよりも、どうしたのその恰好!?顔もすごいことになってるけど……」

海未「恰好?そういえば最後に着替えたのはいつでしたっけ?あれ?お風呂は?」

ことり「う、海未ちゃん……」

海未「うーん、わかんないけどどうでもいいです。それよりこの手紙見てくださいよ!
穂乃果ったらすっかり冗談が上手になったみたいですよぉ~」

ことり「これって穂乃果ちゃんの結婚式の招待状?」

海未「穂乃果のドッキリですけどね~、よくできてますよねぇ!」

ことり「ド、ドッキリじゃないと思うけど……」

海未「何言ってるんですかぁ!良くみてくださいよ~」ハイッ

ことり「あれ、招待状の他に手紙がついてる……」

海未「手紙?ああ、その適当な文面の手紙ですかぁ。
本当に穂乃果ったら適当で私がいないと何もできないんですから……」

ことり「……」ペラペラ

海未「穂乃果はひどいです、こんな冗談を言っといて連絡しようとしても
連絡がつかないんですもん、鬼畜ですよぉ……、そこもいいのですけどね?」

ことり「……ねえ、この手紙きちんと読んだ?」

海未「はい?」

海未「はい?」

ことり「きちんと何回も読んだのかって聞いてるの」

海未「……読むわけないじゃないですかそんな手紙、どうせいつもの冗談ですし」

ことり「……やっぱりね、いつもの海未ちゃんならちゃんと手紙の意味に気づけるのにね」

海未「何が言いたいんですか?」ムッ

ことり「私には二枚目の手紙なんてなかったよ、それを考えてもう一度その手紙を読んでみて」

海未「もう!何を言ってるんですか!
……もしかしてことりまで穂乃果の冗談に付き合ってるんですか?」

ことり「いいからっ!読まないと後悔するよ!」

海未「はぁ……、わかりましたよ」


たいへん突然ですがなんと結婚することになっちゃった!
すごい驚いたよね?私も何がなんだかわからないもん。
けど私も26だからもうそういう時期なんだね……。
2週間前にお見合いしてそのまま流れで結婚することになっちゃったんだ。
きっと海未ちゃんにも素敵な出会いがあることを祈ってます。
手紙での連絡になっちゃってごめんね?待ってるから!


海未「……ただの結婚の報告の手紙じゃないですか、一体何を言いたいんですか?」

ことり「よく見て!気づくまで!何度でも!」

海未「は?私は穂乃果ヒストリーの続きが見たいんですが……
ああ、今年は一緒にどこに出かけましょうかね……」

ことり「いいから!」ギロッ

海未「は、はい……」

海未(なぜことりはここまで必死なんでしょうか……)

海未(私には穂乃果が適当に書いた手紙にしか見えませんが)

海未(この適当さ、私のことなんて本当にどうでもいいんですね……)

海未(笑えますよね、一体どこで間違ってしまったんでしょうかね……)

海未(私がもっと早く告白をしていれば何か変わったんでしょうか)

海未(はぁ、それよりも早く寝て、また夢の中で穂乃果と一緒に遊びたいですねぇ)

海未「……私には普通の手紙にしか思えません」

ことり「そっか、じゃあ海未ちゃんの穂乃果ちゃんへの想いはその程度だったんだね」

海未「……今、何か言いましたか?」

ことり「だってそうでしょ?こんなの子供でも気が付くよ!
海未ちゃんは現実を見てないよ!その想いは口だけなんだよ!」

海未「……私が!どれほど穂乃果のことを想っていたと!ことりは知らないだけです!
私は何年も!何年も!ずっと、ずっと想い続けてきました!」

ことり「なら!なんでこの手紙の意味に気づけないの?
穂乃果ちゃんがどんな想いで書いたか……海未ちゃんには気づけないの!?」

海未(一体ことりは何を言いたいんでしょうか……)

ことり「お願いだから!きちんと見て!もっと良く考えてあげて……」

海未(……そういえばことりは招待状以外の手紙は来なかったと言ってました)

海未(私にだけこの手紙をわざわざ付けたってことですよね?でもなんでこんな変な文面に……)

海未(……こ、これは!?もしかして穂乃果は!)

ことり「気づいたみたいだね」

海未「ことり!私は……、それよりも早くいかないと!」

ことり「待って!まだ時間はあるよ?そんな恰好で行ったら本当に嫌われちゃうよ。
だからせめてお風呂に入って着替えないとね」

海未「そ、そうですね……、こんな恰好では穂乃果に会えません……」

ことり「うん!冷静になったみたいだね、それでこそいつもの海未ちゃんだよ!」



海未「シャワーも浴びましたし、着替えもしました!これで完璧です!」

ことり「うん!最初来た時と同じ人には思えないよ♪」

海未「……ことり、貴方がいなければまた私は手遅れになるところでした」

ことり「本当だよ、心配して来てみれば廃人みたいになっててびっくりしちゃった」

海未「ことりにはお礼を言っても言い尽くせません」

ことり「ふふっ、お礼なんていらないよ?それよりちゃんと穂乃果ちゃんを助けてあげてね」

海未「ええ、必ず!ではいってきます!」タッタッタ

海未(待っていてください穂乃果!今、助けに行きます!)

ガチャッ



ことり「……頑張ってね海未ちゃん、ことりにできるのはここまでだから」

~~~~~
結婚式会場前広場

海未「ふぅ、やはりタクシーは便利ですね、一時間足らずで会場まで来れました!
これなら余裕で間に合いそうです」

海未「それにしても穂乃果を助けるとはどうすればいいんでしょうか……」

海未「無理やり連れ去る?ツバサさんを打ちのめす?果たして……」

??「ようやくきたよ!」

?「待ちくたびれて疲れたにゃ……」

??「本当、待たせすぎよね」

海未「会場の前に誰かが……」

まきりんぱな「待っていた(わよ!)(にゃ!)(ました!)」

海未「!? あなた達なんでここに……」

真姫「海未が結婚式を邪魔しに来るのは想定内なのよ!」

花陽「海未ちゃんを止めるのが私たちの役目です!」

凛「この仕事とってもギャラがいいんだにゃー」

海未「くっ……後輩の癖に先輩の邪魔をするなど!体育会系として許せませんね」

真姫「そんなこと知らないわよ!まずは凛!海未に動きを止めるのよ!」

凛「了解!行くよ海未ちゃんっ」

海未「凛ですか……、運動神経は相変らずですが所詮は素人です!」

凛「これから生まれてくるかよちんとの子供の為にも糧になってもらうよ!」

花陽「凛ちゃん気を付けて!」

凛「へっ?」

海未「全て見えています、甘いっ!」ゴキッ

凛「え?へ?……い、い、い痛いにゃああああああ!」

花陽「り、凛ちゃああああああん!」

真姫「ちょ、ちょっと!凛に何をしたのよ!」

海未「安心してください、腕の関節を外しただけです。」

花陽「安心できないよ!?凛ちゃああん!」

凛「……」ピクピク

海未「大丈夫ですよ、医者志望の真姫ならすぐに直してくれるはずです」

真姫「え?……いや、専門が違うしそんな頼られても
ってか関節はめ直すとか無理に決まってるじゃない」

うみはなまき「……」

凛「……」ピクピク

海未「と、とりあえず私は急いでるので……ではっ!」ダッ

真姫「ちょ、ちょっと!責任もって関節はめてから行きなさいよ!」

花陽「ダ、レカ!ダレカ助けてー!」

~~~~~
会場 ロビー

海未(ふぅ、何とか入ることができました。……凛ならきっと大丈夫でしょう)

海未「おっと、また誰かが待ってるみたいですね」

にこのぞ「待っていた(わよ)(で!)」

海未「次は希とにこですか……」

にこ「ええ!あの三人が敗れることも想定内なのよ!」

希「まあ、あんなやられ方するとは思ってなかったけどなぁ」

海未「相手がたとえ誰であろうと私は止まりませんよ?では勝負です!」

海未(まずは小柄なにこからですかね、希といえどタイマンになれば!)ギロッ

にこ「ちょ、ちょっと待った!誰もあんたと殴り合いするなんて言ってないわよ!」

希「せ、せやで!平和的に話し合いでいこう?」

海未「暴力は私としても本意ではないので別にいいですが……」

希「ほっ……助かったなぁ」ヒソヒソ

にこ「凛のやられっぷりを見るに力技になったら勝てっこないいからね」ヒソヒソ

海未「というか話し合いなら穂乃果を助けた後にいくらでもするので通してもらえませんか?」

にこ「それはできないわね」

希「せやなぁ。それに穂乃果ちゃんを助けるってどういうことや?」

海未「それ穂乃果から助けてほしいって手紙がきて……」

にこ「ねえ、それで助けたとして穂乃果は幸せになれるのかしら?」

海未「幸せですか……?」

希「せやで、ツバサちゃんといったら今や日本№1アイドルや
今はどうあれツバサちゃんとくっ付けば生活は安泰やし、確実に幸せになると思うんやけど」

にこ「宇宙№1は私だけどね」

海未「つまり本当に穂乃果の幸せを願うのなら助けるのをやめろと……」

希「せやね、穂乃果ちゃんのためを思うならここは引くってのもあると思うよ?」

にこ「そうよね、将来的に考えると愛やら想いやらは変わってもお金は変わることがないものね」

希「とてもアイドルのセリフとは思えんな~」

にこ「うっさいわよ!」

海未「穂乃果の幸せですか……、確かにお金があれば一定以上の生活はできる……」

海未「一定以上の生活をする……それが幸せってことも、もちろんあるでしょう」

希「なら大人しくしててくれへん?」

にこ「私たちも後輩には一番幸せになってほしいのよ」

海未「ですがその幸せはきっと一番ではありません!私は穂乃果には一番幸せになってほしいんです!」

にこのぞ「……」

海未「ですのでここは通らせてもらいます!力ずくでも!」

にこ「……あっちゃー、失敗ね」

希「せやねえ、しょうがない、ここ通ってもええよ」

海未「へっ?戦わないんですか?」

希「わざわざ無駄なことして怪我したくもないしなぁ」

にこ「そうよ!私はアイドルよ?ここで怪我なんてしたら事務所がうるさいんだから!」

海未「二人とも……」

にこ「ほら、さっさと行きなさいよ。まだ一人残ってる忘れてないわよね?」

海未「ええ……、では行かせてもらいます!」ダッ





希「行ったみたいやね……」

にこ「ふぅ、助かったわね……、それにしても腕の間接外すなんてあの子どうなってるのよ……」

希「愛やねっ!」

にこ「本当、便利な言葉ね……」

~~~~~
結婚式会場前

海未「ついにたどり着きました!この扉の先に穂乃果が……」ハァハァ

海未「今助けに行きますっ」

絵里「認められないわ」

海未「……やはりいましたか」

絵里「なんちゃってね、久しぶりね海未」

海未「久しぶりですね。私はこの先に用があるのでできればどいてもらえないでしょうか?」

絵里「可愛い妹分の結婚式だもの、簡単に邪魔されるわけにはいかないわ」

海未「それが穂乃果の幸せではないとしてもですか?」

絵里「私があの子の気持ちに気づいてないとでも思うの?
それでも私はこの結婚式を支持するわよ」

海未「なぜですか?穂乃果の一番の幸せを望むならこんな結婚式は認められないはずです!」

絵里「……まるで結婚式さえなければ穂乃果が一番幸せになれるみたいなこと言うわね」

海未「……」

絵里「なんで穂乃果が好きでもない人と結婚することになってると思うの?
それは今まで穂乃果の元に相手が現れなかったからよ」

絵里「これからもその相手が出てくる保証はないわ
なら穂乃果のことを想ってくれて、お金も持ってるツバサさんに任せるのがいいんじゃないかしら?」

海未「それなら私が……」

絵里「何十年も時間がありながら、想い一つ告げれなかったヘタレが何を言うのかしらね」

海未「っ……!」

絵里「ねえ、今更穂乃果に何を言うつもりなの?
穂乃果の幸せを願うなら引くべきじゃないかしら?貴方は遅すぎたのよ」

海未「……確かに私は今までこの想いを、きちんと告げることができませんでした」

海未「そのくせ穂乃果の結婚を受け止められずに現実逃避してたりもしました……」

海未「だけど穂乃果のことが好きだっていう気持ち、
穂乃果を私自身の手で一番幸せにしてあげたいという想いは本物です!」

海未「穂乃果が今更私を選んでくれるかなんてわかりません……
だけど最後にこの想いを伝えたいんです。たとえそれがダメだったとしても!」

絵里「最後の最後に現れて……都合がいいわね」

海未「自分でも褒められることではないとは思います……。
だけど今が最後のチャンスなんです!」

絵里「……その気持ち本気なのね?」

海未「ええ、もちろんです!そのためなら絵里、例え貴方が相手でも強引に通らせてもらいます」

絵里「そう、本気……みたいね。なら勝手にするといいわ」サッ

海未「通して……くれるんですか?」

絵里「海未も言ったけど結局決めるのは穂乃果よ。
もちろん海未が本気でないのなら通す気はなかったけどね」

絵里「あそこまで言われたら通すしかないじゃない、行きなさい海未」

海未「……はい!ありがとうございます!」ダッ

海未(これで!これでようやく穂乃果を……!)





絵里「まったく、ようやく覚悟ができたみたいね」

絵里「貴方だって私の可愛い妹分なんだからね、ちゃんと頑張りなさいよ?」

絵里「さてと、行きますか……」

~~~~~
結婚式会場!

海未(やっと……やっとたどり着きました!これで穂乃果を……)

バンッ!

海未「穂乃果っ!迎えに来ました!」

海未(穂乃果は……いました!ドレス姿で……壇上前に!)ダッ

ツバサ「なっ!園田海未!?……まさか本当に」

海未「穂乃果ぁ!ようやく……ようやく会うことができましたっ!」

穂乃果「う、海未ちゃん!?来てくれたの?」

海未「当然じゃないですか!」

海未「穂乃果!とりあえずここから出ましょう!」グィッ

ツバサ「待ちなさい、大切な花嫁をみすみす行かせると思うのかしら?」

海未(くっ、こうなったらツバサさんには悪いですが……)サッ

穂乃果「待って!……ねえ海未ちゃんはなんで私を助けに来たの?」

海未「ほ、穂乃果?」

穂乃果「友達だから?それとも私が助けて欲しがってたから?」

海未「私は……」

穂乃果「それなら私はこのままツバサさんと結婚するよ……、来てくれたのにごめんね」

ツバサ「園田さん、安心して。穂乃果さんは私がきちんと幸せにしてみせるわ
だからもう帰りなさい?」

海未(何度も言われてきました……、確かにツバサさんなら穂乃果を幸せにできるでしょう)

海未「ですが……それではだめなんです!穂乃果は私が幸せにするんです!」

穂乃果「う、海未ちゃん!?」

ツバサ「へぇ、面白いじゃない」

海未「ごめんなさい、こんな土壇場になってしまって……」

海未「ずっとずっと言おうとしてました……」

海未「ですが恥ずかしさや保身のために、今までずっと逃げ続けてしまいました」

海未「今更迷惑なのがわかっています……。受け入れてもらえなくても構いません。
ですがこの想いだけは伝えさせてください!」

穂乃果「……」

海未「あなたのことが、ずっと!ずっと大好きでした!愛しています!
私と……私と結婚してください!」

穂乃果「……本気なの?」

海未「本気じゃなければ結婚式に乗り込んで来たりしませんよ」

穂乃果「そうだよね……、いくら助けてほしいって言ったからって普通なら結婚式の邪魔しになんてこないよね……」

海未「ふふっ、私の穂乃果への想いは普通ではないですからね。……それで返事の方は」

穂乃果「ちゃんと幸せにしてくれる?」

海未「世界中で一番幸せにすると誓います」

穂乃果「破ったらただじゃおかないよ?」

海未「ふふっ、そんな心配はしなくても大丈夫ですよ。穂乃果返事をください!」

穂乃果「……うん、私も海未ちゃんのことが大好き。海未ちゃんと結婚したい」ギュッ

海未「穂乃果ぁ!幸せにします!だから、だから私についてきてください!」

穂乃果「うん……うん……!」ポロポロ

海未(これで穂乃果が!もう離しませんっ!)ギュッ

穂乃果「海未ちゃんっ!海未ちゃんっ」モギュッ

ツバサ「……ふーん、見せつけてくれるじゃない?」

海未「……ツバサさん、貴方には悪いですが穂乃果は私がいただいていきます」

ツバサ「目の前で花嫁を取られる人の気持ちを考えたことあるのかしら?それでも持っていくつもり?」

海未「……ええ、他の何に変えようと私は穂乃果が好きで、一緒に居たいですから」

ツバサ「ふーん、覚悟は本物のようね。」

海未「謝っても謝りきれません、ですが……穂乃果だけは譲れません
なので……何があろうと穂乃果は連れて帰らせてもらいますっ!」

穂乃果「海未ちゃんっ……」

海未「大丈夫です、すべて私にまかせてください」ギュッ

ツバサ「……まったくそこまで度胸があるなら
もっと早く告白してればこんなことしなくて済んだのにね」

海未「? 一体何を……」

ツバサ「中々いないわよ?結婚式に乗り込んでそこまで啖呵切れる人もね
……おめでとう園田さん!お幸せにねっ!」

海未「へっ?」

バーンッ!

ことり絵里花陽真姫希にこ「ドッキリ大成功!」

海未「え?え?」

穂乃果「う~みちゃん!」ニヤニヤ

海未「ほ、穂乃果?どういうことなんですか?」

穂乃果「にっぶいなー!全部ドッキリだったんだよ?」ニヤニヤ

ツバサ「あら、穂乃果さんの涙はドッキリには見えなかったわよ?」

海未(ドッキリ……?なにが……?いったい……?え?え?)フラフラフラ

穂乃果「ぅ……、あれは海未ちゃんが不意打ちであんなこというから!///」

海未(い、いったいなにが……)バタンッ

絵里「海未!?」

穂乃果「海未ちゃんが倒れた!?スタッフさんー!ヘルプ!ヘルプ!」



海未(その後、落ち着いた私は説明を受けました)

海未(この結婚式は全てドッキリで、その目的は穂乃果へ中々告白をしない私の気持ちを引き出すことだったらしいです……)

海未(私との関係が中々進展しないことをツバサさんに穂乃果が話したことが
始まりだったらしく……)

ツバサ『それなら私がやってるテレビ番組で面白そうな企画があるのよ!』

海未(それに穂乃果が乗ってそれをμ'sメンバーに話したところ全員で協力するという流れになったのが今回のドッキリのようです)

ことり「いやー、それにしても自宅で海未ちゃんが廃人になってた時は驚いたよ
だって全然手紙のネタに気づかないんだもん!」

花陽「映像を見てましたけど、あの時のことりちゃんの演技は迫真でしたね!」

真姫「自殺しなかったのが不思議じゃないレベルで落ち込んでたわよね」

希「本当になあ、ってかあれを放送してもええのかな?」

海未「え?このドッキリって放送されるんですか!?」

にこ「当然じゃない、何のためにツバサや私が協力してると思ってるのよ」

穂乃果「ツバサちゃんのやってるゴールデンの番組で放送されるんだよ!」

穂乃果「ツバサちゃんのやってるゴールデンの番組で放送されるんだよ!」

海未「え?え?私は何も聞いてないのですが?」

穂乃果「聞いてたらドッキリじゃないでしょ?それにそのおかげで費用も無料だから気にしない!気にしない!」

海未「そういえば会社が私が病気なんじゃあって言い出して快く長期休暇をくれたのって……」

ツバサ「全て根回し済みよ!あとで式場に居た人を良く見るといいわよ、貴方の会社の人もバッチリきてるから」

海未「ええ!では同僚の前で私はあんなことを……」フラフラ

ことり「それどころかよく見ると海未ちゃんの家族の人達や知り合いもちゃんといるんだよ?」

海未「そ、そういえばさっきことりの母親っぽい人を見た気が……」

穂乃果「だ、大丈夫だよ!格好良かったから!」

真姫「でも一番焦ったのは凛の腕の関節を外したところよ、ちょっとやりすぎだったんじゃないかしら?」

にこ「それだけ穂乃果への愛が強かったってことよ、番組的にも盛り上がるわ!」

絵里「ちなみに凛はどこいったの?」

花陽「い、今病院で治療中です……」

海未「凛……、ごめんなさい……」

ツバサ「番組的には結構おいしいキャラだったんじゃない?気にしないほうがいいわよ」ポンッ

希「それにしてもしょっぱなであんな手荒な真似するとはなぁ」

にこ「その後の私たちも怒らせると関節外されそうで気が気じゃなかったわよ……」

希「にこっちったらビビッて直前まで足が震えてたもんなぁ」

海未「うぅ……すいません……」

穂乃果「ダメだよみんな!海未ちゃんをいじめちゃ!」ナデナデ

海未「穂乃果ぁ!」ダキッ

真姫「そういえばエリーの箇所はちょっと意地悪な問いだったんじゃない?
あのまま海未が帰っていたらどうするのよ」

絵里「そ、その時はその時よ!ここまでやってまたいつもみたいに土壇場で
ヘタられたらたまんないでしょ?」

花陽「確かにそうですね……」

ツバサ「まあその場合は私が責任もって結婚してたんだけどね?」

穂乃果「へっ///」

ツバサ「その場合企画の内容が変わっちゃうけどね」
ふふっ、でも視聴率は稼げそうね」

にこ「ちょっと!アイドルの電撃結婚式なんてシャレにならないわよ!?」

花陽「本当ですよ!断固認められません!」

ツバサ「冗談よ、冗談♪」

海未「穂乃果ぁ!浮気は許しません!私だけを見てください!」

穂乃果「う、浮気!?違うよ!穂乃果は海未ちゃん一筋だよ!」ギュッ

海未「えへへ、穂乃果ぁ///」

にこ「ねえ、海未ちょっとちょろくなってない?」ヒソヒソ

ことり「穂乃果ちゃんにまったく会ってなかったからその反動がきてるんじゃないかな」ヒソヒソ

絵里「それよりもうそろそろ凛が戻って来るんじゃないかしら」ヒソヒソ

希「せやね、ちょっと時間的にも押してるし先に準備させとこか」ヒソヒソ

ツバサ「そうだった!穂乃果さん!園田さん、移動よ!あ、園田さんはその前にお着替えね」

穂乃果「そうだったね!じゃあ先に行って待ってるね海未ちゃんっ」

海未「へっ?一体何が始まるんですか?」

真姫「海未は相変らず鈍いわね」

にこ「プロポーズまでしたのよ?次にやることは一つじゃない?」

海未「も。もしやセッ―――」

花陽「結婚式です!」

海未「へっ?」

絵里「何のために今日一日この会場を貸切にしてると思ってるのよ」

ことり「穂乃果ちゃんのも海未ちゃんのもことりがデザインしたドレスなんだよ!」

海未「あのう……結婚式も放送されるんですか?」

にこ「当然じゃない!頑張って視聴率稼ぎなさいよねっ」

花陽「早く早く!穂乃果ちゃん待たせちゃだめだよ!」

~~~~~
結婚式会場!

海未(うぅ……、結局言われるがままに着替えて、結婚式になってしまいました……)

海未(この扉を開ければ穂乃果と……)ドキドキ

海未(私は本当に穂乃果と結婚してもいいんでしょうか……)

海未(本当に私は穂乃果を幸せにできるんでしょうか……)

海未(っと、いけません、こんな思考では何のためのドッキリだったのかがわかりませんね)

海未(少しやりすぎな気もしますが……
みんなが協力をしてくれてようやく答えが出せたんです)

海未(例えこの先どんなことがあろうと……
私は穂乃果を幸せにしてみせる、そう誓いました。だから……!)

海未(待っていてください!今あなたを幸せにしに行きます)

ガチャッ

おわり

最近同性同士で付き合ってることや結婚してることに何も違和感を感じなくなっていたことを
指摘されて気づいた・・・・・・・、ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月04日 (木) 09:43:25   ID: TX6BWclO

上手いなぁ

2 :  SS好きの774さん   2014年09月04日 (木) 20:58:22   ID: n9w4vjiP

大変よろしい

3 :  SS好きの774さん   2015年09月12日 (土) 12:55:33   ID: Q_DgAWFA

素晴らしい

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