真姫「ウェルカムソング」 (67)

真姫ちゃん主人公のifストーリー。
書き為はほとんどしてないです。
よろしくおねがいします

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新たな春を迎えた。
春といえば新しい事や初めての始まりの季節。

初めて着る制服、初めて会う同級生、初めて入る校舎。

普通の高校生なら何もかもが新鮮で新しい楽しみが始まるそんな季節だろう。

でも私は違う。
「普通」なんかじゃない。

親に作られた道を歩くだけの操り人形。
そこに新鮮さや刺激といったものは微塵もない。
平凡とは程遠いがとてつもなく平凡に近い人生を送らされる。
…私って何が楽しくて生きてるんだろう。

そんなくだらない考えから始まった高校一年生の春。

この時の私はまだ硬い殻に包まれたままの小鳥でしかなかったんだと思う。

一日の授業が終わり、私は一人音楽室に向かう。
普通の高校一年生なら新しくできた友達と遊びに行ったり、おしゃべりをしながら時間を潰したりするものだろう。

だけど私はいつも一人だった。

決して友達がいないわけじゃないの。
一人が好き、ただ…それだけ。
誰にも邪魔をされないこの「音楽室」という空間が何よりも好きだった。
音楽だけは私の中のしがらみを忘れさせてくれる。
そしてなにより夕方になると、窓から夕日がさしてくる。
この夕日が私はとても好きだった。

私は譜面台に自作の楽譜を立てかけ、白と黒の綺麗な鍵盤に指を置く。
普段は既存の曲しか弾かない。
だけど今日は自作の曲を持ってきた。
夜中にふと思いついてそのまま書き起こして…正直ワクワクしながら学校に来てしまった。

息を吸う、肺が満たされる。

愛してるばんざーい♪

ここでよかった♪

わたし達の今がここにある♪

愛してるばんざーい♪

………

指が止まった。

自分だけで作った曲。
密かに胸に秘めた期待を持ち帰る。
家で続きを作ろう。

その日、私は夕日を見ることのないまま家に帰った。

本日はここまで

あの日から2週間経った。
私は変わらず一人のまま。
…別に寂しくなんかないわよ。

そんな風にひとりぼっちで玄関へ向かう生徒達を見ていた。
皆楽しそうにお友達とお話をしている。
話の内容はやっぱり普通の内容。
カラオケ行くー?とか服見よー?とかそんなの。
…だから寂しくなんかない!

そう考えていると私はあの音楽室に行きたくなった。
別に寂しかったわけじゃない。
強いていうなら『何故か惹かれたから』としかいえないかな。
でもこれが私の人生が変わったひとつのきっかけかも。

2週間前と何も変わらない音楽室。
授業以外で使われることのないピアノ。
このピアノと二人きりになると何故か優越感にひたれる。
独占出来てるからかな?今なら音楽が恋人っていう人の気持ちがわかるかも、ふふふ。

2週間前と同じように鍵盤に手を添える。
楽譜はない。必要ないと思ったからだ。

「~~~♪ ~~~♪ ~~~♪」

突然思いついたフレーズ。
我ながら良い出来だと思った。
歌詞はまた今度付けるとしよう。

でもこれが私を厄介事に巻き込んでしまったのだ。

自分の演奏に酔いしれていると、音楽室の扉が勢い良く開く。
驚いた私は軽く悲鳴をあげ演奏の手を止める。

「きゃぁ!な、なによ!」

あのリボンの色は先輩だ……
息を荒らげて私を見つめる先輩が口を開く。

「ハァ…ハァ…私達の為に…を……ってくれませんか?」

「えっ?」

「すみません……ちょっと待ってください……」

そういうと彼女は深呼吸を始めたの
………なんだか変わった人。

「ふぅ………すみません、お待たせしました。」

「突然ですが、私達の為に曲を作ってくれませんか?」

その場の空気が固まったような気がした。
ただ私がかたまっただけかもしれないけど私にはそう感じた。

あまりの突然さに私はマヌケに口を半開きにしてた。
私の表情で察したのか、その先輩は事情を話し始めた。

「突然おかしなお願いをしてしまってすみません…申し遅れました
私の名前は園田海未、二年生です
この学校でスクールアイドル活動をしています
今日は貴女に作曲のお願いをしたくてここに来たんです」

「は、はぁ……?でもそんなに急いでくる必要はなかったんじゃ?」

「それは前に来た時にすぐ出ていってしまったので…まぁその話は置いておいてここまでの経緯を話させてもらってもよろしいでしょうか?信頼を得るためということで」


それから園田先輩は自分のことと幼なじみの穂乃果さんとことりさんのことを話し始めた。

本日はここまで。
読んでくれてありがとうございます。

――――

「……そして私は穂乃果の勢いに負け、スクールアイドルの加入を余儀なくされたんです。」

「……先輩も大変なんですね」

「そうでもないですよ。
なんてたって生まれる前から幼なじみですから。こんなこと日常茶飯事みたいなものです。」

優しい笑顔をしながら園田先輩はそういった。
生まれる前から幼なじみ……か。
私もそんな友達がいたらこんなひねくれてなかったのかな。

「そして2週間前のあの日、私とことりは穂乃果に呼び出されて音楽室に向かったんです。」

「あの日……私は先輩たちなんて見てませんけど…」

「ええ、私達が隠れて見ていただけですからね」

「なんで入ってこなかったんですか?」

もしかして私の様子がおかしいかったせい…?
その姿を見られてたとしたら少し恥ずかしい……

「それは……貴女が勢いよく音楽室を出る少し前に穂乃果が用事を思い出して私とことりを置いて帰ってしまったんですよ……」

「おかしな人ですね…」

「ええ…そのおかげで貴女が出ていく前に部屋には入れず、ことりと二人で呆然と立ち尽くしてましたよ」

思わず口角が上がる。
こんな人がそばにいたら自然と場の空気とか和むんだろうなぁ…

「…おや?」

「どうかしました?」

突然園田先輩がニッコリする。

「ようやく笑いましたね?」

これが園田先輩こと海未との出会いだった。

時間は飛んで?’s3人でのファーストライブの日。

観客は私を含めて5人。
私、凛、花陽、にこちゃん、希。
今の?’sのほとんどのメンバーね。
…まぁにこちゃんと希はこっそり隠れて見てたけど。


海未達が歌った曲は私があの日海未に聴かれたワンフレーズを元に作った
『START:DASH!!』
私としてはこの曲はなかなかの出来だと思う。


「おつかれさま」

そういって私はドリンクを渡す。

「ありがとう真姫ちゃん!」

笑う穂乃果

「ありがとう…」

少し疲れ気味のことり

「ありがとうございます……」

複雑そうな表情の海未


この時、私は正直落ち込んでいたの。
だって初めて人に提供した曲を聴いたのがこの程度の人数なんて嫌だわ
もっと集客力をこのグループにつけないと……ね?

この時その場にいた全員がそれぞれ別々の思いを抱えていたはず…
だけど誰一人として諦めてはいなかったと思うの。
だって今があるんだもの…フフ

すると控え室になっている体育館倉庫の扉が開く。

「あ、あの!!」

そこには眼鏡をかけたお淑やかそうな女の子と動揺している短髪の女の子。

「私とこの子を?’sにいれてください!」

その場にいた全員が愕然とした。
一人を除いて。

「いいよ!!」

穂乃果のあっさりとした許可にさらに愕然としたのは言うまでもない。

「なら作曲者の私も入れなさいよ」

多分みんな腰を抜かした。

>>20
すみません文字化けはわかるとは思いますがミューズです

今日はここまでです。
読んでくれてありがとうございます!

そして次の日。
海未の言う通りまたにこちゃんはきた。

「どうもー!!らぶりーにこにーこと矢澤にこでーす!!」

「では練習を開始します、今日はストレッチと柔軟を中心に行っていきますね!!」

「無視?」

「みなさん広がってくださいね!!」

しっかり無視してるわね…

「あの……海未ちゃん?」

流石に花陽も海未の不自然さが気がかりのようね。

「ほら凛と花陽ももう少し離れて!!」

それを遮るかのように注意をする海未

「はーい」

「……」

この後海未は花陽達に謝っていたわ
海未も辛いだろうに…

「もういいわよ…」

そういってにこちゃんは屋上を立ち去った。

「ねぇ海未ちゃん……」

ことりが不安げに話しかける。

「大丈夫です…」

海未はことりの言いたい事が分かっていたようね…
見ているこっちも少し来るモノがあるもの…




でもって次の日、黒髪で長髪の女の子が訪ねてきたの。

「皆さんこんにちは!」
「よろしければ練習に参加させていただけないでしょうか?」

「………」

「ねぇ海未ちゃん…誰だろうね…」

「えーっと……匿名希望じゃだめですか?」

「まぁいいと思うよ~この子カワイイし!!」

ことりは騙されてるわね…

「いえ…そんなことはないですよぉ… 」

……なんでみんな気付かないのかしら

「確かに可愛いよ!凛ちゃんもそう思うよね!」

「でもかよちんの方が可愛いと思うなぁ」

「そ、そんなことないよぉ!凛ちゃんも可愛いよ!」

「そんなことないにゃ!かよちんの方が凛よりずっと可愛いよ!」

相変わらずこの二人は……

「ふふふ……楽しいお二方ですね…」

「ええそうですね」

「いつもにぎやかで素敵ですね!!」

「ところでにこさん」

「はい?」

「えっ」

その女の子の返事に私と海未以外が驚く

「あっ」

もちろんにこちゃんもしまったという顔をして目を逸らす…

「やっぱり貴女でしたか……」

「えへへ……バレちゃったらしょうがないわねぇ!!私が練習を見てあげるわよ!!」

「素直じゃないわね…」

「真姫ちゃんが言えることじゃないにゃ」

「ちょっと凛!!もう…」

和気藹々とした空気はすぐに切り裂かれる。

「練習に参加しないなら出ていってください!!」

海未が叫んだ。
怒りが頂天に達したみたいね…

「ちょっと海未ちゃん!!」

「邪魔なんですよ、いい加減にしてください!!」
「貴女が来るせいで時間が無駄になるで
す!!」
「今こうしている間も時間は経っているんです、もったいないんですよ!!」

「ちょっとあんたねぇ…!」

さすがにこの状況はまずいわよ…
止めないと……

「ねぇ海未、そのくらいにしておいた方が…」

にこちゃんに見えないよう海未は人差し指を自分の口元に当てる。
しーっのポーズ…はいはいわかったわよ…

「貴女は何の為にここに来てるんですか?」

「それはあんたたちがしっかりと練習をしてるか見てるのよ!!」

「何故メンバーでも関係者でもない貴女が私達のことを気に掛けるんですか?」

「そ…それは…その……」

「また黙り込むんですか?」

「違うわよ!!」

「じゃあ早く、理由をどうぞ?」

「………から…」

「何ですか?聴こえないですよ?」

「……μ'sが…」

「μ'sが何ですか?言えないんですか?」

煽る海未ってのも新鮮なものね…
その煽りに我慢できなくなったにこちゃんは怒鳴り散らす。

「もううるさいわね!!!私はアイドル活動をしたいの!!最初は潰す気まんまんだったのに気付いたら入りたくなってきて………」
「ついには体調管理ができてるのかとかこんな態度でアイドルとしての愛嬌とか心構えはできてるのか心配で…」

「そうでしたか、なら早くそう言って欲しかったですね」

しかめっ面だった海未の表情が一変し笑顔になる。
その変化ににこちゃんは驚き硬直する

「ようやく本心を話してくれましたね、にこ」

「えっ…?な、何言ってんのよ急に笑顔になって…」

「今まですみませんでした…」

「えっ?えっ?」

動揺を隠せないにこちゃん。
そりゃそうよ、直前まで煽ってきてた人がいきなり謝るんだもん…
ああそうだ、私は準備しないと…

「貴女に対する態度、あれは全部演技だったんですよ…」

「うそ?え?」

「海未ちゃんおつかれさま、ここからは穂乃果が話すから準備してきてちょうだい!!」

「え?ちょちょっとどういうことよ!!」

「ごめんねにこちゃん…これはにこちゃんの本心をきくための芝居だったの!!」

「はあぁ!?」

「でも穂乃果は嬉しかったよ?にこちゃんが小馬鹿にしつつも私達の心配をしてくれているのがわかったから!!」

「そ、それは…まぁ私も言い方があまりよくかったわ…」

「それでね、悪いことしたなぁって思ったからにこちゃんのためにライブをしようと思ったの」

「そうなのォ!?」

「凛きいてないよ!?」

「ちょっとメンバーに話してないってどういうことよあんたたち!!」

「あー…それはね、これは新メンバーを歓迎するためのものだから!!」
「だからこの曲は正確にはにこちゃんと花陽ちゃんと凛ちゃん、真姫ちゃんに送るウェルカムソングなの!!」

「まぁ私は作曲担当だから知ってたんだけどね…」

「真姫ちゃん隠してるなんてずるいにゃ!!…もしかしてさっきからことりちゃんと海未ちゃんが見当たらないのは…」

「そういうこと!!」

「おまたせ!」

「少し着替えに手間取ってしまいました…」

「あんたたち…よくも騙したわね…」
「でもこのサプライズ…キライじゃないわよ」
「あんたたちの為に入ってあげるわよ!!感謝しなさい!!」

「ありがとうにこちゃん!!」
「言うの遅れちゃったけど、真姫ちゃんも花陽ちゃんも凛ちゃんも入ってくれてありがとう!!」
「この曲は私達三人から送る感謝の曲!!」

こうして初めて『ウェルカムソング』は贈られた。
みんなを迎え入れるお祝いの曲。
一時はどうなるかと思ったけどなんとかなったわね…
ウェルカムソング…か…
入学当初の私じゃ考えられないわね…
一人が好きとか言っていた私はどこへ行ったのかしら…?
今となっては『μ's』のみんながいないと寂しくてどうにかなりそう……
なんてね。
ちょっとこれは言い過ぎね。
でもこう言っても過言ではないくらい私の中でこの『μ's』は大きな存在になっていることは確かね。
…感謝したいのはこっちの方よ。
ありがとう…

「じゃあ見てなさいよ1年生!!らぶりーにこちゃんの真の姿を!!」

「おおー!!」

「はいはい勝手にやってなさい」

「にっこにっこにー!!あなたのハートににこにこにー!!笑顔を届ける矢澤にこニコ!!青空も~ニコ!!」

「やりきったにゃ…」

「すごいよにこちゃん!アイドルみたい!」

「……いみわかんない」


「しっかり馴染でますね…」

海未はなんだか嬉しそうだった

「そうだねぇ~」

穂乃果はいつものようにのんびりしていた

「仲間は多い方がいいし良かったよぉ」

ことりも穂乃果とのんびりしつつ。

「次のライブっていつだったっけ?」

「えーっと…」

突然屋上の扉が開かれる。

「体験入学の日なんてどう?」

そこには絵里と希がいた。

読んでくれてありがとうございます
ウェルカムソングはこれで終わりです
続きは考えてます(・8・)できたらよろしくお願いします

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