名護「脱獄囚・浅倉威、止まりなさい!」浅倉「あァ…?」(19)

名護「俺はバウンティハンターの名護啓介…さぁ観念しろ、ボタンを貰うぞ!」

浅倉「ボタン…?なんだか知らんが、イライラするな…オマエ…」ジャリッ

浅倉「オラッ!」

名護「!!」ドゴッ

名護「くっ…こいつ、戦い慣れている…!?」

浅倉「どうしたぁ…俺を捕まえるんじゃなかったのか…」

名護「黙りなさい!」バッ

浅倉「なんだそれはァ…!?」

名護(ファンガイア以外にコレを使うのは気が引けるが…このまま逃がすわけにはいかない!)

名護「イクサナックル!」 

浅倉「!?」

ボッ!!

名護「…さすがに死んではいないだろう…すぐに確保を…」

浅倉「……ふざけたもん…使いや…がって……」ユラッ

名護「なにっ!?」

浅倉「オラァッ!!」ブンッ!!

名護「ぐあっ!」ガキンッ

名護「て、鉄パイプ…くっ!」バッ

名護「!?」

シーン…


名護「…逃げたのか、だがこの先は行き止まりのはずだ」

名護「待ちなさい!」ダッ

名護「……いない…!?」

名護「浅倉!どこに隠れた!出てきなさい!出てきなさーい!!」

浅倉「チッ…とっさに変身して鏡の中に逃げたが…あの男、イライラさせるぜ…」

浅倉「…腹が減った…何か食うか…」

カフェ・マル・ダムール

マスター「ねぇ恵ちゃんって、オムライス作れる?」

恵「オムライス…?作ったことないけど、この私にかかれば楽勝よ!…でもなんですか急に」

マスター「ゆりちゃん…恵ちゃんのお母さんが、昔ここでオムライス作ってたのを思い出してね…」

恵「母さんが!?」バッ

マスター「恵ちゃんも作ってみてよ」

恵「母さんの名前を出されちゃやらないわけにはいかないわよ!マスター、そこどいて!」

マスター「………」

30分後

恵「できた!どう?マスター」

マスター「うーん…」

マスター「見た目はゆりちゃんのとそう変わらないね」

恵「それって良いの?悪いの?」

マスター「最…悪」

恵「な…なによー!いくら見た目が最悪だって、きっと味は最高よ!」

?「マスター、コーヒーのおかわりを」

マスター「あ、はいはい」

恵「はじめて見るお客さんね…しかもイケメンじゃない!」

マスター「ほら、恵ちゃん、オムライス食べちゃってよ」

恵「わ、私が食べるのぉ…!?」

名護「クソっ!」バァン!!

マスター「いらっしゃい…あ」

恵「…名護くん!どうしたのその肩!血が出てるわよ!」

名護「脱獄囚を追っていたんだが、途中で逃げられた…浅倉め、あの状況でどこに消えた!?」

恵「脱獄囚…浅倉…?…それって、浅倉威のこと…?確か刑務所から脱獄したのも、突然消えた*?箸*言われてるらしいけど…」

恵「しかし名護くん、ボタンを奪い損ねた挙句返り討ちって…珍しいわねぇ*?*オムライス食べて元気出す?」ニコニコ

名護「何がそんなに嬉しいんだ…!オムライスだと?君が作ったのか?こんな汚いもの、今すぐに捨てなさい!」

恵「ちょっ…汚いものって、そんな言い方フツウしないでしょ!」

名護「うるさい!俺は今とても気が立っているんだ!」

マスター「…うるさいのはあんたたち両方。他のお客さんいるんだから、もう少し静かに…」

?「すいません」ガタッ

恵「あ、ごめんなさい、ごめんなさい…でもうるさいのはこの性悪名護くんで私は何も…」

?「このオムライス…俺が食ってもいいかな?」

マスター「え!」

恵「…食べてくれるんですか!うれっしー!!えっと…あなたお名前は?」

?「俺は橘。橘朔也だ」

名護「変わったヤツだな…好きにしなさい」

浅倉「ガブッ…バリバリ…」

浅倉「ダメだな…こんなんじゃ腹の足しにならん…あの男にやられた痛みも取れん…」ズキズキ

浅倉「少し寝るか…」ドサッ


ガチャッ、ガチャッ、ガチャッ…


浅倉(…足音…また誰か、俺を捕まえにきたか…?)

?「こんなところに人が倒れているとは珍しいな…しかも、そこに転がってるのは鼠の死骸…まさか、食ったのか…」

?「どうやら相当、地獄を見てきたようだな…俺たちと同じように…なぁ弟よ…」

影山「兄貴…まさかコイツを仲間にする気じゃ…」

矢車「仲間?そんなもの、俺たちには必要ない…俺はただ、太陽の当たらないこの場所が気に入っているだけだ…」

矢車「そして…奇しくもこの場所で倒れているこいつに同情なんてしてしまうのは…俺がまだ地獄を味わい足りないせいか…」

影山「兄貴…じゃあ…」

矢車「影山ぁ。もっともっと…深い地獄に堕ちよう」

浅倉(なんだ、こいつらは……)

ブロロロロロロロ…

?「……警察?」

警察「止まってください!」

?「……」キキィッ

警察「すみませんね…今、ここで検問をやってるんですよ…」

?「なんのことかな」

警察「あ、ご存知ないですか…脱獄囚がこの地域に潜伏してるとの報告があって、警戒を強めているのと…」

?「その一環で検問を実施しているわけですか…ご苦労様です」

警察「そういうことなんですよ…えーと、そちらのサイドカー、誰も乗っていないようだけど、念のため確認させてもらってよろしいでしょうか?」

?「ええ、構いません」

警察「うん…うん……誰も隠れたりしてないな……」

警察「ところでこのアタッシュケース…中には何が?」

?「…そんなこと聞いて何になるんです?」

警察「あ、いや…業務には関係のない、ただの好奇心で…失礼しました」

?「ベルトですよ」

警察「……ベルト…?」

?「もういいでしょう」カポッ

ブロロロロロロロロ…


草加「脱獄囚か…誰が何人殺してようがまったく興味ないね…」

草加「もし、オルフェノクだったら、話は違ってくるが…」

草加「オルフェノクは人殺しの一つや二つ、平気でやってのけるからなぁ…!」

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