男「二人暮らし」(15)

ザァァァァァァ……

男「あーあ、ついに降ってきちゃったか……」

男「でも買い物に行かないと今夜食うもんないんだよな……」

男「あー……一時間だけ寝てから行くか……」

――――

男「……最悪だ。一時間のつもりで三時間も寝てしまった」

男「もう外は真っ暗だ……」

男「行くか……」

男「寒いなー、もう春だっちゅうのによー」

男「でもまあサ○ウのご飯とお総菜が買えてよかった。ちょうどタイムセールの時間に当たって安かったし」

男「寝ててよかった……のかな」

ニャー

男「しっかし寒いな。こりゃまだ冬物しまえそうにないぞ」

ニャー

男「安売りのコート買っといて良かったよ」

ニャーニャー

男「……?」

猫「うなー」クイッ

男「猫?」

猫「にゃー!」クイッ

男「おいおい、ジーパンの裾引っ張ってんじゃねえぞ猫」

猫「ふにゃーご!」グイッ

男「分かったわかった!!!そっち行けばいいんだろ!」



女「…………」

男「おいおいウソだろ……」テルテル

猫「…………」

男「もしもし?女の人が倒れてるんスけど」

男(なんか警察まで来た)

警察「えっと、発見したときの状況を教えていただけますか」

男「ここの猫についてきたら倒れてたんですけど。信じてもらえますかね」

警察「ええ、大丈夫ですよ。女性の方は、外傷もないようですし」

男「そりゃあ良かった。もう帰っていいですか?惣菜冷めちゃうんで」

警察「雨の中引き留めててすいませんね。ご協力ありがとうございました」

男「じゃ、そういうことで」

猫「…………」トコトコ

――――

男「ただいま」ガチャ

猫「ナーゴ」

男「……おいおい猫さんよ、何でついてきたんだい」

猫「うにゃー」

男「飯をよこせってか。あいにく俺の分しか買ってねえぞ、他当たれ」

猫「にゃー」

男「…………おいおい、人間様の食いもんはお前らにゃ塩気と油気が強すぎるぞ、体こわしても知らねえかんな」

猫「うなー」

男「わーったわーった。キス天やらあ」ヒョイッ

猫「にゃーご」モグモグ

男「まったく。天ぷら盛り合わせが一品減ったじゃねえか」

男「……ここまでくるとこの雨の中放り出すのも気が引けるよなぁ」

男「確かこの辺に……あったあった空段ボール。これと廃棄予定の俺のセーターを合わせて……っと」

男「おい猫。今日はここに寝てていいからな。明日はどっか行けよ?」

猫「うなー?」

男「分かってんのかよ……?」

猫「…………」ゴソゴソ

男(いい感じじゃん)

猫「……zzz」

男(流石猫。寝るの早)

男(……俺も寝よ)

――――

ピンポーン

男「……んあ?」

ピンポピンポーン

男「んだよ朝っぱらから。寝よ」

ピピピピピピピピピピンポピンピピンポピンポーン

男「…………」

ピピピピンポーダンダンダンダンダンダン

男「だぁぁぁぁあああっ!ドアをたたくな壊す気か!今出ます今出ますから騒がないで!」

ガチャッ

女「あっ///」

男「朝っぱらからうっせーよ隣近所のことも考えろこの……アレ?」

女「ご、ごめんなさい……」

男「アンタ、昨日の……」

女「えへへ……あ、昨日はどうもありがとうございました」

男「んー……いや、別に……」

女「ほんと、あのまま放置されなくて良かったです」

男「普通は放置しないと思うんだけどな」

女「ところで、私の猫ちゃん、もしかして預かってもらっちゃってたりしません?」

男「あー……黒猫で赤い首輪付けてる奴?」

女「はっはい!そうですそれですその子です!」

男(うるせえ)

女「ごめんなさい……たびたび迷惑をおかけして」

男「いやそんなことはいいから……猫連れて帰ってくれ」

女「えっと、それは無理です」

男「へ?」

女「え、えっと……」

男「…………」

女「こ、ここに住まわせてください!!!」

男「ヘァッ!?」

女「と、唐突ですよね……でもわけがあるんです」

女「私、実は……>>+3

1,あなたに一目惚れしちゃいました
2,吸血鬼なんです
3,家出してきたんです

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