絵里「穂乃果は、どうしてクイズをするの?」 穂乃果「そこにクイズがあるから!」 (201)

・μ'sのみんなが、スクールアイドルではなく競技クイズ(『知力の甲子園』時代の高校生クイズ的な感じ)にチャレンジするお話です
・クイズやってる穂乃果たちが書いてみたかっただけです
・遅筆です
・クイズでは、早押しボタンが押された場所を/で示します

・ほのうみこと/まきりんぱな1年生、にこのぞえり2年生の設定で行きます

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Question.0 「クイズ、やってみよう」

穂乃果(入学早々私たちに知らされたのは、2年経っても現状が改善されなければこの学校が廃校にされるというびっくりな事実)

穂乃果(オトノキを廃校にしないために……どうしたらいいんだろう)

穂乃果(有名になれば、きっとみんな来てくれるよね)

穂乃果(高校生で、有名になる……)

穂乃果(ダメだ、思いつかないや……海未ちゃんとことりちゃんに相談してみよう)

~昼休み~

穂乃果「有名になるにはどうしたらいいのかなあ?」

海未「いきなりどうしたのですか、穂乃果」

穂乃果「だって、この学校廃校になっちゃうんだよ! そんなの嫌じゃん!」

海未「それで、有名になるには、と。相変わらず穂乃果は単純ですね」

ことり「でも、悪くない考えだと思うよ、穂乃果ちゃん」

海未「そうですね、では……」

ことり「やっぱり、テレビじゃないかなぁ」

穂乃果「でも、どうやったらただの高校生がテレビに出れるの?」

ことり「そっ、それは……」

海未「とりあえず、高校生が出ているテレビ番組を思い浮かべてみましょう」

穂乃果「うーん……あ! 甲子園! 学校の名前も呼ばれるよ!」

海未「穂乃果、ここは女子校ですよ」

穂乃果「えっと、じゃあ、アイドル! スクールアイドルは? 最近流行ってるらしいよ!」

海未「穂乃果にできるとは思えませんが」

海未(それに、あんな破廉恥な服を着たくなんてありません)

穂乃果「うう……海未ちゃんひどい」

ことり「でも、むずかしそうだよねぇ」

海未(高校生……テレビ……はっ)

穂乃果「あ、海未ちゃんなにか思いついたでしょ」

海未「穂乃果に言ったらどんなひどいことになるかわからないですし、教えませんからね」

穂乃果「じー」ワクワク

ことり「じー」ワクワク

海未「そんな目をされても……はぁ、わかりましたよ」

穂乃果「なになにー?」

海未「クイズです、高校生クイズです」

穂乃果「高校生クイズって、あの、テレビでやってるやつだよね」

海未「今はテレビの話をしていたと思ったのですが、穂乃果」

ことり「でもあれ、むずかしそうだけど……」

海未「ある程度のセオリーというものがあるみたいですよ、早押しクイズには」

海未「それに、この学校にはクイズ研究部がありますから」

ことり「あれ、海未ちゃん、弓道はいいの?」

海未「ええ、どうせ高校でも穂乃果に振り回されることはわかっていたので」

ことり「そっか」

穂乃果「えへへー」

穂乃果「じゃあ、今日の放課後、早速見学に行ってみよー!」

~放課後・部室~

山田先生「それじゃ、4○3×やるぞー」

先生「問題」

??(ごくっ)
??(ごくっ)
?(ごくっ)

先生「のこぎりなどの刃を/」ポーン

??「……目立て」

先生「正解、__が○、と」ピポーン

先生「問題」

先生「同じ種類の恒温動物では、/」ポーン

??「__、押しが速いわね……」

??「ま、3×あるし? ベルクマン!」

先生「残念、出っ張ってるアレンの方だ」ブー

先生「問題」

先生「フェンシングのエペ、フルーレ、サーブルのうち、/」ポーン

??「ちょ、なんで押すのよ!」

?「__っちだってさっき押したやん? エペ!」

先生「全身が有効面のもの――正解だ」ピポーン

??「なんで私は2択はずして_は3択当てるのよ、もう」

?「ふふ、スピリチュアルやね」

先生「それじゃ、次行くぞー」

~放課後・部室前~

ポーン

ブブー

ことり「えっと、ここかなぁ?」

海未「中からブザーの音が聞こえてきますね」

穂乃果「とりあえず入ってみよう!」

コンコン

穂乃果「失礼しまーす」

先生「おや?」

海未「失礼します」

ことり「失礼します」

海未「ここ、クイズ研究部ですよね?」

穂乃果「私達、1年生なんですけど、クイズやってみたくて」

穂乃果「見学とか、体験とかさせてもらえますか?」

先生「ああ、べつに構わない――」 絵里「あなた達」

穂乃果「はっ、はい」

穂乃果(何この人怖いよ)

先生「おい絢瀬、1年にそんなに強く当たらなくても……」

絵里「遊びで来てみただけなら、今すぐ帰ることを強くお勧めするわ」

希「絵里ち」

絵里「希は黙ってて。 それで、あなた達、本気なの?」

穂乃果「え、ええっと……」

絵里「私達には、チャンスがあと2回しかない。 素人に――やる気のない人に構っている余裕はないの」

穂乃果(ん?)

海未「チャンスとは何でしょうか?」

絵里「別に、あなた達には関係のな――ちょっと、希?」

希「絵里ちが言い出したことなんやけどね、廃校を止めるにはどうしたらいいかって」

穂乃果(もしかして)

希「高校生クイズで、優勝――最低でも全国大会に出て、この学校をアピールできればどうにかなるんじゃないか」

穂乃果「あ、やっぱり! 私たちも同じことを思ってました! それでここに来たんですよ!」グイッ

にこ「そんなわけないわよ」

穂乃果「え……」

にこ「今、話を合わせただけに決まってる」

海未「ですが、穂乃果は今朝からずっと――」

にこ「ほら、『今朝から』でしょ」

ことり「えっ……」

にこ「絵里と希と、そして私は『去年から』よ」

にこ「生徒会にいた絵里が廃校の話を聞きつけてきて、ずっと、ずっと、どうしたらいいか考えて、そしてクイズを頑張ってきた」

にこ「それだけの覚悟があんた達にあるのか、見ただけじゃわからない」

にこ「だから、帰って」バタン

ことり「えっと……」

海未「あの……」

穂乃果「先輩、待ってください!」

にこ「何よ、話なら済んだわよ。 さっさと帰りなさい」

穂乃果「今、先輩は『見ただけじゃわからない』と言いましたよね?」

穂乃果「なら、私たちを試してください!」

穂乃果「私たちがどれだけ本気なのか」

希「ええやん、面白そうやん」

絵里「ちょっと、希?」

希「うーん、そうやねえ……」

希「ウチら3人とキミたち3人で、早押しクイズバトルや」

にこ「普通だとニコ達が圧勝しちゃうと思うけど?」

希「わかってる。 ウチらは合計5問正解で勝ち、お手つき3回で負け」

希「そして君たちは――1回でもボタンを押して、何かしら答えることができたらええよ」

海未「それくらい、誰だってできます――」

絵里「いいわ、それで行きましょ。 あなた達、負けたらとっとと帰るのよ」

にこ「ニコもOKよ」

海未「……え?」

絵里「それじゃあ、先生、いつも通り問読みをお願いします」

海未(この時、私はまだ知りませんでした)

海未(誰よりも早くボタンを押して、答えるという行為の難しさを)

今回はここまで
次回、「はじめてのクイズ」

4○3×ってのは、4回正解で勝ち抜け、3回誤答で失格っていうルールです、まんまだね


4じゃなくて7の漫画読んで興味持ったんだよね

>>14
実際、7○3×やる機会って普段の部活だとそんなにないんですよねー、7回正解って結構長い割に誤答が許される回数が少ないですから
ただ、大会とかだと定番のルールですね

ルールはいっぱいありますので作中でぼちぼち紹介していけたら、と思います


さて、投下始めます

Question.1 「はじめてのクイズ」


穂乃果「あの、先輩!」

希「ん?」

穂乃果「作戦会議をさせてください!」

にこ「作戦もなにもないでしょうに……」

絵里「どうせ結果は変わらないんだから、さっさとやるわよ」

希「まあまあ、にこっちも絵里ちも落ち着いて」

希「そんなに時間はかからないだろうし、ええよ」

穂乃果「ありがとうございます!」

~作戦会議~

海未「背の低い先輩もおっしゃっていましたが、作戦なんてあるのですか、穂乃果?」

穂乃果「作戦、ってほどじゃないんだけど」

穂乃果「私たち、正解する必要はないんだよね」

穂乃果「もちろん、問題が読まれ始めた瞬間とかに押すのは無しだけど、『わかった』タイミングじゃなくて、『わかりそう』なタイミングで押すのはありだと思うんだ」

海未「なるほど……」

ことり「うん、わかった」

穂乃果「それじゃあ、海未ちゃん、ことりちゃん」

穂乃果「ファイトだよっ!」

ことり「うんっ!」

海未「ええ、頑張りましょう!」

~作戦会議終了~

希「じゃあ、ボタンつなごうか」

穂乃果「おお! テレビに出てくるみたいな早押しボタン……じゃない?」ガーン

海未「名刺くらいの大きさの箱にボタンとライトがついて、横からコードが伸びていますね」

希「これを押し機につないで、」

希「ほら、押してみ」

穂乃果「わーい」

穂乃果「あれ……光らない?」

海未「穂乃果、そっちはどう見てもライトです」

穂乃果「あ、こっちか!」ポーン

穂乃果「おお! 光った!」

先生「こっちの手元で正誤判定をするんだ」ピポーン ブブー

穂乃果「なるほど……」

希「そっちの2人も押してみ」

海未「ありがとうございます」ポーン ピポーン

ことり「はぁい」ポーン ピポーン

絵里「準備が整ったみたいね…… 先生、お願いします」

先生「えっと……そっちの1年も本当にいいんだな? 普通に読むぞ」

絵里「はい」

海未「ええ」

にこ「絵里、わかってるわね? 押されたら負け、飛ばしていくわよ」

絵里「もちろん。 希は……どうせ押さないでしょ?」

希「まあウチは、確定したとこで押すわ」

先生「……まあいい、それじゃあ行くぞ」

先生「問題」

穂乃果(どんな問題が出るのかすら分からないけど、なんだか楽しそう!)

海未(わくわくします)

ことり(ことり、ちゃんとできるかなぁ?)

先生「アムハラ語で/」ポーン

穂乃果「は……はやい」

希「あら、点いたのウチやん」

希「アディスアベバ、やね」

先生「正解だ。 2年チーム1○」ピポーン

穂乃果「あ、あじるあびば? 何語なの?」

ことり「今、アムハラ語って言ってたよ」

海未「穂乃果、アディスアベバです。 確か……エチオピアの首都の名前だったと思いますが」

絵里(あら、一応は知っているのね)

希「その通りや、『アムハラ語で~』っていう問題はこれくらいしかないから覚えとき」

にこ「シンハラ語ってなんだっけ」

絵里「スリジャヤワルダナプラコッテよ」

にこ「あー、それそれ」

穂乃果「へぇ~」

先生「それじゃあ、次」

先生「問題」

先生「築地4丁目にある老舗の料亭で、/」ポーン

希「あら、にこっちここで押すんや」

にこ「わかってないわね…… 私たちは相手に押されたら負けなのよ?」

にこ「新喜楽!」

先生「ああ、正解。 芥川賞と直木賞のやつだな」

穂乃果「何それ、ずるいずるーい」

穂乃果「築地に料亭なんていくらでもあるでしょ!」

ことり「穂乃果ちゃん、先輩だよ」

にこ「悲しいけど、これってクイズなのよね」

先生「問題」

先生「夏の大三角を――/

海未(夏の大三角。夏の夜空に天の川をまたいで描かれる、大きな三角形ですね)

海未(クイズに出そうなのは……やはり、それを構成する星でしょう)

海未(3つ全て答えるのでしょうか)

海未(ボタン、押してみましょう)



ポーン





海未(光って……ない?)

にこ「まったく、危ないわね」

にこ(今、黒髪の子も押してた……危なかった)

にこ「んーとね、ベガ!」

先生「残念、わし座のアルタイルが答えだ」ブー

海未「あれ、答えを言ってしまうのですか?」

希「ああ、そういえば言っておらんかった」

希「誰かのボタンが点いて、答えたら正解でも×でもその問題は終了、そういうルールや」

希「ちなみに、ボタン点いてから答えるまでの制限時間は5秒が一般的」

希「逆に言うと、押してから5秒間は考えられるってことだから、上手に使ってな?」

海未「はあ……ありがとうございます」

にこ(×ついたけど、まあ負けるよりはいいわね)

にこ(でも、また3択はずした…… とことん運がない……)

海未(命拾いしたのか、チャンスを逃したのか……わかりませんね)

にこ「2○1×ね」

先生「次行くぞ」

先生「問題」

先生「14世紀に林浄因という中国人が日本に持ち込んだとされる菓子で、――

穂乃果(お菓子? お菓子なら、穂乃果分かるかも)

先生「――古典落語の/」ポーン

にこ「古典落語の菓子なんてまんじゅうか外郎しか思いつかないけど……」

にこ「まんじゅう!」

先生「正解」ピポーン

希「あのね、にこっち」

にこ「何よ」

希「外郎売は、歌舞伎十八番やで」

にこ「」



穂乃果「うわーん! 穂乃果和菓子屋の娘なのにまんじゅう答えられなかったよお!」シクシク

海未「穂乃果、落ち着いてください、まだチャンスはありますよ」

穂乃果「ほむまんの由来はりんじょういんさんだね、穂乃果もう忘れないよ」

ことり「うん、がんばろー」

先生「問題」

先生「イラストレーターのみうらじゅん/」ポーン

希「絵里ちも飛ばすねえ」

絵里(黒髪の子が押すの、見ちゃったから)

絵里「ゆるキャラ!」

先生「残念、クソゲーの方だな」ブー

希「まあ、絵里ちが『クソゲー!』って叫んでるところ見たくはないから、ええんちゃう?」

希「とにかく、これで2×。 追い込まれたってことやね」

にこ(あ、3×だったけこれ、忘れてたわ)

にこ(チャージができないじゃない)

先生「問題」

    ・
先生「手の爪に/」ポーン

希「ふふ、ペディキュア、やね」

先生「正解」ピポーン

穂乃果「え?」

希「ん?どした?」

穂乃果「先輩、どうして今の問題が引っ掛け問題ってわかったんですか?」

希(引っ掛け……ああ、パラレルのことやね)

希「スピリチュアルパワーで、や」

穂乃果「す……すごい」

にこ「希、嘘もほどほどにしときなさいよ」

希「わかったってにこっち。 そうやね……キミがこの勝負、勝ったら教えてあげる」

穂乃果「は、はあ…… 頑張ります!」

絵里「さて、これで4○2×、ダブルリーチね」

先生(1年生の名も知らない子たち、頑張ってくれ)

先生(黒髪の子は一回押し負けていた――あとの子はボタンすら押せていないのが気になるが)

先生(これくらいの難易度ならクイズをやっていなくても耳にしたことはあるはず――押して、点けば何かしらの解答はできるはずだ)

先生(絢瀬と矢澤は少し気張りすぎている、楽にさせてやるためにも――)

先生「行くぞ」

先生「問題」

先生「『我思う、/」ポーン

絵里「点い……てない?」

絵里(点いてても2択だけれど)

希(絵里ちでも、にこっちでもない――あ、黒髪の子やね)

海未(聞いたことのあるフレーズが読まれたので押してしまいました)

海未(ボタンが光っています、私が答えるのですね)

海未(『我思う、ゆえに我あり』――誰の言葉だったでしょうか)

海未(哲学者であることは確かですね)

海未(哲学者……哲学者……)

先生「……3」

海未(え、なんですかこのカウントダウンは、0になったら地球が破滅でもしてしまうのですか)

海未(それとも穂乃果が爆発でも――)

海未(我思う、我思う……)

先生「2」

海未(ああ、急がないと穂乃果が爆発してしまいますどうしましょう)

海未(はっ! パスカル!)

海未(いいえ、あれはたしか葦でした)

海未(そもそも答えるのが人名でない可能性もありますよね)

先生「1」

海未(人名以外なら……それが掲載された書物、でしょうか)

海未(ああ、一体何を答えればいいのですか)

海未(何もかも足りません――知識も、時間も)

先生「……0」ブー

先生「時間切れだ、正解はそのまんまデカルト」

にこ(危なかった)

絵里(間一髪ね)

希「答えられんかったから、続行やね」


穂乃果(海未ちゃんが、すごい早く押した)

穂乃果(何かを答えれば勝ちなのに、海未ちゃんは何も答えられなかった)

海未「穂乃果……ことり……すみません」

海未「私が何でもいいから答えていれば……」

海未「頭の中で何が何だかわからなくなってしまって」

穂乃果「いいんだよ、海未ちゃん」

海未「ですが……」

穂乃果「あの3人より早く押せないわけじゃない。これがわかっただけでもすごいことだよ!」

穂乃果「そして、まだ勝負は終わってない。 海未ちゃんもことりちゃんも、ファイトだよ!」

海未「ええ!」

ことり「うんっ!」

先生「それじゃ次……読むぞ」

先生(このタイミングでこの問題? 仕方ないけどなあ)
先生「問題」

先生「千葉県が舞台であるが――」

海未(舞台――フィクション作品でしょうか)

先生「登場人物の名字は全て神奈川県の地名になっている、――」

ことり(そんなのがあるんだ、おもしろーい)

先生「『はまち』や『俺ガイル』と略される――」

にこ(×が残ってたら押すのに……思い出せない……)

海未(なんですか、その変な略語は)

先生「ことでも知られる、渡航によるライトノベルは何でしょう?」

先生「3……2……1……」ブー

穂乃果「え、ええっと……」

希「ああ、誰も押さなかった場合は「スルー」って言ってな、その問題をなかったことにして進めるんや」

海未「なるほど、参考になります」

絵里「先生、答えは」

先生「ああ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』だ。 書くときは最後の句点も忘れないようにな」

絵里「」

希「」

にこ「先生、この局面でそれはないんじゃないの?」

先生「わ、私はちゃんと順番通りに読んだだけだ!」

先生「さて、気を取り直して行くぞー、2年は4○2×のままだな」

先生(そして、ここで1問目と同じ語源問題)

先生(あの子たちが適応できているならば――どちらにせよ、次で決まる)

先生「問題」


先生「フランス語で/」




ポーン

にこ(何択よこれ? まあ押しちゃったからには……って、点いてない!?)

絵里(エルミタージュ……クロワッサン……サンキュロット……ミルフィーユ……クーポン……カシュクール……どれにしよう……って、点いてない?)

海未(ああ、先ほど私が答えられなかったばかりにこのような問題が回ってきて、負けてしまう……)

海未(先輩方は、なぜ答えないのでしょう)

海未(って、穂乃果!?)

穂乃果(あはは、適当に押したら穂乃果のボタンが光ってるよ)

穂乃果(フランス語……ボンジュールしかわからないや)

先生「……3」

穂乃果(ん? そういえば、昔テレビで何かのお菓子がフランス語って言ってた)

穂乃果(でも、何のお菓子だったっけなあ……)

先生「2」

穂乃果(和菓子なわけないから、うちで扱っていないお菓子のはず)

先生「1」

穂乃果(時間がない……こうなりゃヤケだああい!)

穂乃果「エクレア!!」

絵里「!?」

にこ「!?」


先生「せ、正解!」ピポピポピポーン

希「スピリチュアルやね」

先生(茶髪の子のポテンシャルは、想像以上だった)

先生(この子は、何か運命的なもの――問題を引き寄せる力を持っている気がする)

今回はここまで

この時点で、今までに私が書いた小説らしきものの中の最長記録を更新しました
タイトル回収にこぎつけるのはいつになることやら……
ペースは遅くなりこそすれ、早くなることはないと思います

そしてちゅんちゅんの影が薄い……どうにかしたいところですね


次回、Question.2 「ぱられる?」


できれば問題文を全文載せて欲しい

なんというナナサン
>>1のとこってクイズ強い?

>>45
イラストレーターのみうらじゅんが「いつき」をこう評したことから広まった、出来の悪いゲームを指す言葉はなんでしょう?

手の爪に塗るマニキュアに対して足の爪に塗るものをなんというでしょう?

フランス語で稲妻という意味がある、シュー生地にチョコレートをかけた洋菓子はなんでしょう?

適当だけどこんな感じじゃね

>>45
問題文のフォロー、もう少しちゃんとした方がいいですねやっぱり
予定を変更してお届けします
>>47
フォローありがとうございます

>>46
強いわけないです

Question.0.5 「反省会!」


>>6の続きで、「もし穂乃果たちが来なかったら」というifストーリーになってます

~部活時間終了~

希「ほな、反省会しようか」

希「最初にやったのは……4○3×やね」

先生「1問目、『のこぎりなどの刃を、やすりなどで研いで鋭くすることを何というでしょう?』」

先生「絢瀬が見事な押しだったな」

絵里「いえ、もう少し早く押せたと思いますが」

先生「『のこぎり』だけだとベタでも色々あるからな?」

にこ「にこは全然思いつかないんだけど」

先生「そうだな……サメとかクワガタとか、あとリアス式海岸もそんな前フリだったりするな」

先生「反応速度の限界もあるし、あの辺りがベストだろう」

絵里「はい……」

先生「2問目は……『同じ種類の恒温動物では、寒い地域に棲むものほど体の突出部が小さくなる、という法則を、提唱者の名前から何というでしょう?』か」

希「にこっちがチャージしたやつやね」

先生「難易度帯にもよるが、だいたい2択、たまに3択だから分が悪い、というわけではないんだが……」

希「まったりやる時はちゃんと確定まで聞いて押そうな、にこっち?」

にこ「うう……」

絵里「寒いほど体の出っ張りが小さいのがアレンの法則、体が大きくなるのがベルクマンの法則と……なんでしたっけ」

先生「寒いほど色が薄くなるグロージャーだな。 まあ、アレンとベルクマンの区別がきっちりしてれば困ることはない」

先生「次、『フェンシングのエペ、フルーレ、サーブルのうち、全身が有効面の種目はどれでしょう?』だな」

にこ「っていうか、希だってこれチャージしてるじゃない!」

希「にこっちがその前の問題押したからやし、クイズは当てれば正義や」

にこ「まったく……」

先生「フェンシングの種目は、まとめてきちんと覚えておくとこういう問題で読ませ押しができるから楽になるぞ」

絵里「確かに、エペ、フルーレ、サーブルというのは知っていますが内容はあやふやかもしれません」

先生「全身が有効面で、攻撃権がないのがエペ、突きだけじゃなくて斬りもありなのがサーブル、フルーレは……なんだろう、首より下とかかな?」

にこ「先生雑すぎ」

絵里「後は試合開始の合図が「アレ」で、試合場がピスト、それくらいかしら」

希「そうやね」



先生「さて、次の問題だが――」

短いですが、本日はここまで
残りの問題については次回フォローする予定です

今回までにクイズ用語がいくつか登場していますが、これも次回説明します

改めまして次回、Question.2 「ぱられる?」

約10分後の13:30~、日本テレビ系列で高校生クイズの地区大会が放送されます。
今年は地区大会の決勝が早押しに変わった(戻った)ようですね。

お待たせしました
週末が使えたので何とか書けました

さて、投下始めます

Question.2 「ぱられる?」


穂乃果「やった! やったよ! 海未ちゃん、ことりちゃん!」

穂乃果「私たち、勝ったんだよ!」

海未「やりましたね!」

ことり「うん!」

海未(穂乃果は、やっぱりすごいです)

海未(そういえば、いつだったか本で読んだ気がします)

海未(エクレアは、稲妻のように早く食べなければクリームがこぼれてしまうから名がついた、と)


先生(この子らが入部して、絢瀬と矢澤をいい感じにほぐしてくれればいいんだが……)

絵里「ところで、そこのあなた」

穂乃果「は、はい」

穂乃果(こわいよぉ)

絵里「知っていたの?」

穂乃果「え、えっと……何をでしょうか」

絵里「『フランス語で『稲妻』という意味の名を持つ、細長いシュークリームにチョコレートをかけた洋菓子は何でしょう?』」

絵里「ベタ問の代表格にして、語源問題の代表格よ。 雑学本に書いてあることもあるけれど――知っていたの?」

穂乃果「え、ええっと……」

穂乃果「このままじゃ負けちゃうな、って思ったんです。 さっき」

穂乃果「海未ちゃんがあれだけ早く押せるなら、穂乃果も押せるんじゃないかな、って思って」

穂乃果「そうしたら、ボタンが光ったんです」

穂乃果「頭の中で必死に考えたんですけど、何かのお菓子がフランス語だった、ってことしか思い出せなかったから」

穂乃果「洋菓子の名前を言っただけ……です」

にこ「へえ、運がいいのね」

絵里「ふざけないで! そんなの……認められないわ」

希「絵里ち?」

絵里「熱意と、そして運があるのは認めてあげるわ、だから……実力もあることを、証明しなさい!」

希「この子らはウチらに押し勝った。それも、2回や。 はじめてなら、それで十分やと思うけど?」

絵里「いいえ、まだダメよ」

絵里「クイズを少しでもかじった人間と、一切やっていない人間には、厳然たる差が存在する。 これは認めてくれるわよね」

にこ「はあ……で?」

絵里「私が、そのあたりから1年生を3人連れてくるわ。 強制的に」

絵里「希とにこはその間、この3人にクイズの基本を教えておいて」

絵里「私が連れてきた子たちに、プラスマイナス1ポイントでダブルスコアをつけたら、入部を認めるわ」

希「……らしいけど、どうや?」

穂乃果「えっと……海未ちゃん、ダブルスコアってなに?」

海未「まったく……2倍以上の点差をつけることですよ」

穂乃果「つまり、相手が1問答える間に2問答えればいいんでしょ! できるできる!」

穂乃果「先輩、やります!」

ことり(穂乃果ちゃんは、いつもこうやって私たちを大変なことに巻き込みます)

ことり(でも、それはとっても楽しいこと。 それが、海未ちゃんとわたしが穂乃果ちゃんについていく理由です♪)

希「ふふ、絵里ちも意地っ張りさんやね」

絵里「な、何よ……」

希「べつに、なんでもないんよ」

絵里「……相手、探してくるわ」


バタン

希「さて、絵里ちが行ったところで、お話しよか」

先生「その前に、お前ら自己紹介したらどうだ? 不便だろう」

先生「私は山田博子、3人に頼み込まれて、昔やってたこともあってクイズ研究部の顧問をしている」

希「ウチ、東條希、2年生や」

希「今出ていった、金髪の意地っ張りさんが絢瀬絵里。ロシア系なんよ」

希「で、こっちのちっちゃいのが」

にこ「誰がちっちゃいって?」

希「ほらにこっち、いつものやつやってよ」

にこ「ったく、しょうがないわね」スクッ


にこ「にっこにっこにー♪」

にこ「あなたのハートににこにこにー♪」

にこ「笑顔届ける矢澤にこにこー♪」

にこ「にこにーって覚えてラブにこー♪」


にこ「どう、何か文句あんの」



穂乃果「うっ……」

海未「これは……」

ことり「キャラというか、なんというか……」

希「にこっち、アイドルが将来の夢なんよ」

にこ「クイズやればテレビに出られるかも、とか言って私を釣ったのは誰だったかしら?」


希「んで、キミたちは?」

にこ「ちょ、スルー?」

穂乃果「高坂穂乃果です!」

海未「園田海未と申します、よろしくお願いします」

ことり「南ことりです」

穂乃果「よろしくお願いします、東條先輩、矢澤先輩!」

にこ「さっき私が言ったこと、もう忘れたの?」

穂乃果「へ?」

ことり「にこにー先輩、じゃない? 穂乃果ちゃん」

海未「に、にこ、に……やっぱり無理です!」

にこ「まあ、無理ならにこで構わないから」

穂乃果「わかりました、にこにー先輩!」

希「あ、ウチも下の名前でいいんよ」

海未「希先輩、ですよね」

3人「よろしくお願いします!」

希「それじゃ、自己紹介終わったところで質問タイムや」

希「なんでも聞いてええよ」

海未「それでは、ひとつよろしいでしょうか」

希「ほい」

海未「先輩方は、ボタンを押されるのがすごく早かったです」

海未「まさか、問題文を全部覚えているわけではないでしょうし……」

海未「なぜ、あんなに早く押せるのですか?」

にこ「ベタ問だから、ね」

穂乃果「べたもん? へんしんするポケモン?」

ことり「穂乃果ちゃん、それはメタモンだよ」

海未「ベタ問、とは何でしょうか」

希「簡単に言えば、よく出る問題、やね。 今日読んでた問題集は、ベタ問メインの物やから」

にこ「幾多のクイズ大会で、何度も何度も繰り返し出題され、何人もの問題製作者の手によって日々改良が加えられた、汗と涙と努力の結晶――それがベタ問」

にこ「良問は残ってその問題文はどんどん洗練されていき、その途上で悪問は自然淘汰される」

にこ「その代表格――ベタ問中のベタ問、キング・オブ・ベタ問が――これよ、希、いいわね!」

穂乃果「おお! なんかかっこいい!」

希「問題」

希「『なぜ山/ポーン   にこ「マロリー!」   に登るのか』と聞かれ、『そこに山があるから』と答えたエピソードで知られる、イギリスの登山家は誰でしょう?」

ピポーン

希「『メモを取る』/ポーン   にこ「メモランダム」    と言った時のメモとは、何という言葉の略でしょう?」

ピポーン

希「茶道の三千家/ポーン   にこ「武者小路千家」   とは、表千家、裏千家と何でしょう?」

ピポピポピポーン

穂乃果「おおお……」

ことり「す……すごい……」

海未「なんだか、かるたのようですね」

希「おお、ええこと言うやん」

希「確かに、かるたと似てる」

希「でも、読み札の数も取り札の数も無限大――それがクイズや!」

にこ「ま、それだけ多く覚えなきゃいけないから大変なんだけどね」

ことり「でも、今から覚えたんじゃ対決に間に合わないよぉ、穂乃果ちゃん、海未ちゃん」

にこ「いくつかベタ問を教えたところで必ず出るわけじゃないし、それは仕方ないでしょ」

希「とりあえず、さっきやった問題は復習しとこか?」

希「もう1つ教えたいことあるけど、復習してるうちに出てくるし」

先生「1問目――『アムハラ語で『新しい花』という意味を持つ、エチオピアの首都はどこでしょう?』

希「まあ、アムハラ語/が確定ポイントやね」

海未「あの、先ほどから『確定』とおっしゃっていますが、どのような意味ですか?」

にこ「確定ポイントってのは、問題の答えが決まる場所のことよ、そのまんまじゃない」

穂乃果「答えが決まる?」

希「うーん、そうやねえ……」

希「たとえば、『漢字の『右』と『左』のうち、』っていうところまで問題を聞いても、まだ答えはわからんやろ?」

希「でもその次に、『一画目が斜め』ってところまで読まれたら答えがわかるやん」

ことり「右、だよね」

穂乃果(わかんない……)

希「この問題の場合は、『斜め』が確定ポイントってことになるんや、わかった?」

海未「はい、ありがとうございます」

穂乃果(ん?)

穂乃果「つまり、『アムハラ語』で始まる問題はこの問題くらいしかないってこと……ですか?」

希「少なくともウチはこれしか聞いたことがないし、万が一他の問題だったらそれまでや」

海未「そんなものですか……」

希「そんなもんよ」

先生「2問目――『築地4丁目にある老舗の料亭で、1階では芥川賞の、2階では直木賞の選考が行われることで知られるのは何でしょう?』

希「ま、これもベタ問やねー」

にこ「築地の料亭ってこれしかないでしょ」

穂乃果「え、そんな雑でいいんですか?」

希「確定ポイントなんて、割合あやふやなものやしなあ」

穂乃果「はあ……」

先生「『夏の大三角を構成する3つの星とは、こと座のベガ、はくちょう座のデネブと何でしょう?』」

先生「小学校でも習うし、有名なアニソンの歌詞にも登場するから、これは難易度低めだな」

穂乃果(これもわからなかった……)

希「実際、海未ちゃん押してたやん、にこっちよりは遅かったみたいやけど」

海未「あ……はい」

海未「あの、質問です」

海未「こういった問題で、『ベガとデネブとアルタイル』のように、3つ全てを答えた場合はどうなるのですか?」

先生「問題文の順番通りなら○、それ以外なら×だ」

にこ「普通の早押しで複数答えさせる問題なんてめったに出ないから、1/3の方が確率高いわよ」

海未「なるほど、うまくルールができているんですね」

先生「次は……ああ、まんじゅうか、まあ『まんじゅうこわい』だわな」

にこ「そんなに話すことないわよねー、ベタベタってわけでもないし」

希「にこっちは落語と歌舞伎間違えないようにな」

にこ「それ引っ張らないでって……」

穂乃果(知ってる問題はカットされるし……)

先生「次――『イラストレーターのみうらじゅんが『いっき』をこう評したのが始まりとされる、つまらないゲームを指す言葉は何でしょう?』

にこ「だいたい、先生の問題は青問が多いのよ」

希「イラストレーターのみうらじゅんが造語したたのは、クソゲー、ゆるキャラ、あとマイブームくらいやね、クイズで出るのは」

にこ「ゆるキャラとクソゲーを同じ人が造語したとか普通思わないわよね」

ことり「あの、青問ってなんですか?」

希「漫画、アニメ、ゲームとかの、サブカルチャー要素が含まれた問題やね、にこっちが得意なやつ」

にこ「そ、そりゃあネット使ってればいやでも目に入ってくるからよ……勘違いしないでよ」

希「まあ、この学校はアキバも近いし、得意な方が目立てるやろ」

希「さて、穂乃果ちゃんお待ちかねの、引っ掛け問題の解説やね」

穂乃果「お! きたきた!」

     ・
先生「『手の爪に色を塗るのはマニキュアですが、足の爪に色を塗ることを何というでしょう?』」

先生「まあ、典型的なパラレルだよな」

穂乃果「ぱられる? あの電車のおもちゃの?」

海未「穂乃果、それはプラレールですよ」

希「英語で平行って意味のパラレルやから、線路が平行という部分では間違っちゃいないで」

希「クイズだといわゆる「ですが問題」のことを指すんや」

ことり「へぇ……」

希「逆に、「ですが」が入らずにそのまま行く問題のことをストレートって言ったりもするんや」

穂乃果「でも、希先輩は先生が『手の爪に』って読んだだけで、パラレルだってわかってましたよね?」

希「それはね、問題文の読まれ方にヒミツがあるんよ」

穂乃果「読まれ方?」

希「そうやね……ちょっと例を出そうか」

希「先生、パラレル三段活用お願いします」

先生「あれテレビのパクリじゃん……まあいいけどな」

    ・ ・
先生「日本で一番広い湖は琵琶湖ですが、世界で一番広い湖はどこでしょう?」

希「カスピ海やね」

        ・ ・ 
先生「日本で一番広い湖は琵琶湖ですが、二番目に広い湖はどこでしょう?」

にこ「霞ヶ浦」

           ・ ・
先生「日本で一番広い湖は琵琶湖ですが、日本で一番深い湖はどこでしょう?」

希「田沢湖、と」

希「これが三段活用や」

にこ「なんかわかったでしょ?」

海未「強く読まれた箇所が、「ですが」の後で変わるんですね……!」

希「そ、どこかが強調されて読まれたら、パラレルのしるし、や」

希「これを知ってれば、だいぶ有利になるで」

にこ「3トビなんてのもあるけど、それは今度でいいでしょ」

穂乃果「今度?」

希「だって、」

ガラッ

絵里「待たせたわね」

絵里「あなた達の相手を集めてきたわ」

希「絵里ちがもう戻ってきちゃったみたいやもん」

真姫「なんで私が……」クルクル

凛「ここ、どこ?」

花陽「誰か助けてえええ」

今回はここまで

結局回収しきれなかった問題のフォローを
>>29
『我思う、ゆえに我あり』という言葉を遺したことでも知られる、フランスの哲学者は誰でしょう? A:デカルト
海未ちゃんのポイントだとこの言葉が載っている書籍、『方法序説』の可能性が無きにしもあらず、といったところでしょうか

今後はこの形のフォローが多くなると思います

次回、Question.3 「ナチュラル知識の差」

お待たせしております

本日夜、21時から日本テレビ系列で高校生クイズの全国大会が放送されます
決勝はニューヨークで船上早押しのようですし、見てみるのもいいと思います

このペースだと完結に1年くらいかかりそうですね
来週も忙しいのでまた1週間空いてしまうと思います

では、投下始めます

Question.3 「ナチュラル知識の差」


真姫(たまたまだった)

真姫(図書室に借りていた本を返しに行ったら、その続きが面白くて、一区切り読んでしまって)

真姫(それで、いつもより音楽室に行くのが遅れたのよ)

真姫(許可を取りに行ったんだけど、生徒会室は閉まってたから、いつも通り、クイズ研究部に行ったの)

真姫(部室の前の廊下を歩いていたら、中から絢瀬先輩が飛び出してきて――)

絵里「あら」

真姫「あ、今日も音楽室の許可お願いします」

絵里「……西木野さん、そういえば頭良かったわよね?」

真姫「仮にも医者の娘ですから」

絵里「そう、ちょうどよかった」

絵里「クイズ、やってくれるかしら?」

真姫(この人、いきなり何を言い出してるのかしら)

絵里「ああ、もちろん自信がないならいいのよ?」

真姫「っ……! いいです、よくわからないけどやります!」

絵里「ありがとう、それじゃあ、あと2人探してくるからそこにいてね」

真姫(挑発に乗っちゃった……)

真姫(仕方ないわね、さっさと終わらせて帰りましょう)

~部室~

真姫「それで、私達は何をするんですか?」

希「あら、西木野さんやん」

真姫「東條先輩……」

希「キミたちには、こっちの3人とクイズで戦ってもらいます」

穂乃果「高坂穂乃果だよ、よろしくね!」

海未「園田海未と申します」

ことり「南ことりです」

真姫(クイズね……よくテレビでやってるクイズよね?)

真姫(黒髪の人は真面目そうだけれど、他は……)

凛「星空凛にゃー」

花陽「こ、小泉花陽です」

真姫「……西木野真姫よ」

凛「でも、どうして?」

希「ああ、誰かさんがあっちの3人の実力が認められないって言ってね」

希「それで、そのあたりから募集して戦ってもらおうってことや」

真姫(それって踏み台ってことじゃない……負けられなくなったわね)

希「ルールは簡単や」

希「正解でチームに+1ポイント、誤答でチームが-1ポイント」

希「ダブルスコアがついたら、試合終了や」

希「ただ、あんまりにも早く終わっちゃうとつまらんから、2-0と2-1は続行にしよか」

希「どうや?」

穂乃果「わかりました!」

真姫「いいわよ」

絵里「待って」

希「何?」

絵里「10問限定にしましょう。 それで決着がつけられなかったら、その程度ということよ」

穂乃果「げんてい……?」

希「スルー、正解誤答全部込みで10問しか問題は読みませんよー、ってことや」

海未「まあ、その程度ならいいのではないでしょうか」

希「了解」

絵里「――ボタンとかの説明は終わったわね?」

絵里「では、よろしくお願いします」

先生「あまりにもベタベタでクイズクイズしてるやつは飛ばして読むぞ、初心者同士だし」

希「まあ、それが妥当やね」

先生「いくぞ、問題」

先生(芸能……まあ、1人くらいは知ってるよな)

先生「綺羅ツバサ、/」ポーン

先生(えっ)

絵里「えっ」

にこ「ちょっと希、私と同じポイントよ」コショコショ

花陽(お、思わず押しちゃったよぉ……)

花陽(綺羅ツバサさんが今入っているのは、もちろんA-RISEなんだけど……)

花陽(その前のグループかもしれないしA-RISEはUTX学院だよ、どうすれば……)

先生「……3……2……」

真姫「ちょっと、何か答えなさいよ?」

花陽「ご、ごめんなさい……」

先生「1」

花陽「え、ええっと……UTX、学院の……A-RISE……」

先生「正解!」ピポーン

絵里「!?」

先生「『綺羅ツバサ、統堂英玲奈、優木あんじゅの3人が現在のメンバーである、秋葉原のUTX学院を代表するスクールアイドルユニットは何でしょう?』」

にこ「まあ、学校を聞く場合はユニット名の方を並べる場合が多いわね」

真姫「なかなかやるじゃない」

花陽「え!? わ、私はそんな……」

希「小泉さんやっけ?」

希「偶然でも、自信があったとしても、クイズでは正解したものが正義や」

花陽「は……はい」

花陽(正解、できちゃった)

ことほのうみ 0 ‐ 1 まきりんぱな

残り問題数 9

先生「じゃあ、次」

先生「問題」

先生「用心に用心を重ねて物事を行うことを、――」

海未(ことわざ、故事成語あたりでしょうか)

先生「何を叩いて/」ポーン

海未(ことわざでしたね……答えましょう)

真姫「石橋をたたいて渡る、ね」

海未(ボタンが……光っていません)

海未(わかっても、押しても負けることがある――これがクイズなんですね)

先生「正解」ピポーン

希(穂乃果ちゃん達、あっという間に追い込まれたやん)

希(ここから立て直せるか――それにこの学校がかかってる、そんな気がする)

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん」

穂乃果「まだ私たちは負けてない! そうでしょ?」

海未「そうですね……」

海未「一問目はたまたま詳しい方がいたようですし、今の問題は私も分かっていましたがタッチの差で負けてしまったようです」

海未「まだまだ、大丈夫です」

穂乃果「うん、私たちの知識で答えられる問題を、一問ずつ答えていこう」

海未「……ええ」

ことり「わかった!」

ことほのうみ 0 ‐ 2 まきりんぱな

残り問題数 8

先生「問題」

先生「熱の伝わり方を大きく三種類に分けると、/」ポーン

海未(どうせ、相手に正解されてしまったら負けです)

海未(ここは勝負しましょう)

海未(順番通りに……)

海未「放射、ですか?」

先生「正解」ポーン

希「まあ、だいたいは学校で習う通り、伝導、対流、放射の順やね」

希「いい読みや」

海未「ありがとうございます」

穂乃果「次も取ったら同点だよ! がんばろう!」

ことり「うん」

ことほのうみ 1 ‐ 2 まきりんぱな

残り問題数 7

先生「問題」

先生「洋服に使われる模様で、――」

ことり(あ、洋服のことなら、ことりできるかも)

    ・
先生「縦縞のことをストライプ/」ポーン

ことり(ことり、わかっちゃいました)

ことり(これは、さっき教えてもらったパラレル問題)

         ・
ことり(つまり、横縞のことは……)

ことり「ボーダー!」

先生「正解!」

真姫(今、この人、絶対に引っ掛け問題だってわかって押してた……)

真姫(なんでだろう)

穂乃果「これで同点! いけるよ!」

真姫「追いつかれちゃったわね……」

真姫「次、取るわよ」

花陽「は……はい……」

ことほのうみ 2 ‐ 2 まきりんぱな

残り問題数 6

先生「問題」

先生「星座のふたご座の由来となった/」ポーン

真姫(星座の問題ね、運がいいわ)

真姫(思わず押しちゃったけれど、あの兄弟でしょうから……」

真姫「カストルとポルックス?」

先生「……正解」ピポーン

先生「『兄はカストルですが、弟は誰でしょう?』だからポルックスだけの方が望ましかったんだが、まあいいだろう」

穂乃果「西木野さん、強いね」

真姫「ヴェ……と、当然でしょ?」

穂乃果「でも」

穂乃果「負けないよ、わたしたちは」

ことほのうみ 2 ‐ 3 まきりんぱな

残り問題数 5

先生「問題」

先生「645年、/」ポーン

海未「あっ」

真姫(これ、正解なら勝ちね)

真姫(645年って……)

真姫「大化の改新!」

先生「これ読むべきじゃなかったな……乙巳(いっし)の変なんだ」ブー

先生「大化の改新は厳密にはクーデターの後の改革のことだからな、すまない」

真姫「そ、そんなのあり?」

希「クイズは、書かれている問題文と問読みが全てや」

真姫「何それ」

希「今のは、『645年、中大兄皇子・中臣鎌足らによって蘇我入鹿が暗殺された事件のことを何というでしょう?』みたいな問題文だったはずや」

希「大化の改新って答えたい気持ちもわかるけど、こればっかりは仕方ないんや」

真姫「へえ……」

海未(ボタンを押していたら負けていました……命拾いしました)

海未(先ほどは押したのに相手にポイントを取られて、今は押さなかったために命拾い……クイズには、運も必要なのかもしれません)

ことほのうみ 2 ‐ 2 まきりんぱな

残り問題数 4

先生「問題」

先生「伊藤博文が大正天皇に対して贈ったものがその始まりであるとされる、/」ポーン

真姫(ええっと……これはパパの部屋にあった本で読んだはず)

真姫「ランドセル、ね」

先生「正解」ポーン

穂乃果(西木野さん、さっきからずっと押してる……)

穂乃果(やっぱり、穂乃果と違って頭良いんだなあ)

穂乃果(分かる問題あまり来ないし……)

穂乃果(でも、来たら、その時は絶対に取る)

希(あそこまで知識があるとは思わんかったわ)

希(絵里ち、入部を拒否するどころか逸材連れてきてるやん♪)

ことほのうみ 2 ‐ 3 まきりんぱな

残り問題数 3

先生「問題」

先生「カップ麺で、『赤いきつね』/」ポーン

凛(カップ麺ならわかる!)

凛「凛の読みだと……たぬき!」

海未(パラレルではないですよね、この読み方は)

先生「残念、『『緑のたぬき』を発売している会社はどこでしょう?』で東洋水産だ」ブー

凛「えー、引っ掛けじゃないのー、ひどいにゃー」

真姫(そういえばこの問題は引っ掛けじゃないのね……何が違うのかしら)

凛「かよちん、西木野さん……ごめんなさい」

真姫「別に……私だって間違えたんだし」

ことほのうみ 2 ‐ 2 まきりんぱな

残り問題数 2

絵里「残り問題は2問よ、あなた達、連続で正解しないと勝てないわよ?」

穂乃果「はい、でも」

穂乃果「さっきも言った通り、私たちは正解できる問題を正解するだけです!」

絵里「……そう、ならいいわ」

絵里「せいぜい、頑張りなさい」

希(なんだ、絵里ちも気にかけてるんやない)

先生「問題」

先生「弓道の的の真ん中にある黒い点/」ポーン

海未(ここでとは……運が向いていますね)

海未(やはり、穂乃果のご利益なのでしょうか)

海未「図星、です」

先生「正解」ポーン

先生「『黒い点のことで、相手の考えていることをそのまま当てた場合に言うのは何でしょう?』」

にこ「しっかし、よく知ってるわね」

海未「たまたま、弓を嗜んでいたもので」

ことり「これで逆転だね♪」

穂乃果「穂乃果、なんにもしてないけど……次を取れれば勝ちだよ、頑張ろう!」

ことほのうみ 3 ‐ 2 まきりんぱな

残り問題数 1

先生(次でおしまいか……)

先生(やはり、クイズ初心者同士がナチュラル知識、それまでの人生で得てきた知識をフルに使って戦うのは面白いな)

先生(最後は……これにしよう)

先生「問題」

先生「最初に発売されたのは『青リンゴ』『ヨーグルト』『小倉』――」

穂乃果(あれ?)

先生「『ピーナッツ』の4種類/」ポーン

穂乃果(あああああああ)

穂乃果「よかった……光ってるよ」

海未「穂乃果……これがわかるのですか?」

穂乃果「もちろん! だって、答えは」

穂乃果「ランチパック!」

先生「正解!」ピポピポピポーン


ことほのうみ 4 ‐ 2 まきりんぱな

ことり「勝てたね♪」

海未「ええ」

穂乃果「うん、勝ったよ!」

穂乃果「絢瀬先輩、これでどうですか?」

希「絵里ち?」

絵里「わかってるわよ……あなた達、入部を認めるわ」

絵里「まずはベタ問からね……覚悟してなさい?」

穂乃果「げっ」

真姫(悔しかった)

真姫(知識量なら、負けていない――勝っていたと思う)

真姫(でも、負けた)

真姫(どうして……)

真姫(何よりもやっとするのは――負けたのに、負けたのに『楽しい』と感じてしまったこと)

真姫(誰よりも早くボタンを押して、答えるだけなのに――どうして、こんなに楽しいの?)

真姫(あ)

真姫(ピアノと同じ「楽しい」だ、これ)

真姫(私に合ってるのね、きっと)

にこ「で、あんた達は?」

にこ「そこの髪の毛くるくるしてるのとか結構知識量あるみたいだし?」

にこ「A-RISEをあのポイントで押せるのも、右も左もわからない状況で緑のたぬきに飛びつけるのもなかなかいないし?」

にこ「入ってもいいんじゃないかと思うけど?」

真姫「え?」

凛「ちょっと凛の褒め方が雑じゃないかにゃー?」

にこ「そうそう……高校生クイズに出場すればテレビに出られるかもしれないって、誰かが言ってたわね」

花陽(テレビ……)

花陽「じゃ、じゃあ、私なんかで迷惑にならなければ、入ってもいいですか?」

凛「ま、かよちんが入るなら凛も入るにゃー」

にこ「んで、あんたは?」

真姫「べ、別に……」

希「ほんとは楽しかったんやろ?」

真姫「ヴェ……な、なんで?」

希「目を見ればわかるんや」

希「キミ、クイズが好きな人の目をしてるで?」

真姫「そ、そこまで言うなら……入ってあげてもいいわよ……」

希「ふふ、ほんと、類は友を呼ぶんだから」

今回はここまで

最初にやろうと思った時はこんなに続くとは思ってなかったよ……

次回、Question.4「ボードクイズ」

作中の真姫みたいな感じでしたねー

なんとなくクイ研行ってみる→右も左もわからんうちに新入生向けクイズ大会→なにこれたのしい!

番外編的な短編投下します
一発ネタです

nozomi:えりち
KKE:どうしたの?
nozomi:みうらじゃんが逮捕されたで
KKE:ああ、この間私が答えたゆるキャラとかの……え?
KKE:ちょっと、それ本当?
nozomi:本当やで
KKE:容疑は?
nozomi:窃盗だか強盗だか
nozomi:ほら、これや

KKE:ちょっと、どこにもそんなこと書いてないじゃない
nozomi:よく読んでみ?
nozomi:>職業不詳ミウラ・ジャン(37)
KKE:もう、希ったら……

今日投下できるかなあ、と思っていたのですが、ボードクイズの解答と得点の表示方法に手間取っています
もうしばしお待ちください

やっとできた……くだらないネタ込にしろ間空いてしまってゴメンナサイ
文字数だけなら前回までの3倍弱です、文字数だけなら。

投下はじめますね

Question.4 「ボードクイズ」


穂乃果(クイズ研究部に入って1週間!)

穂乃果(問題は全然覚えられないけれど、ボタンを押すことには慣れてきたよ!)

穂乃果(穂乃果が1問答えられるのは、2日に1回くらいだけどね……)

穂乃果(今日もはりきって、がんばろー!)

~部室~

絵里「ボードクイズをしましょう」

穂乃果「ぼーとくいず?」

ことり「穂乃果ちゃん、それだと競艇になっちゃうよ」

海未「ボード……板……」

にこ「なんで私を見んのよ」

海未「いえ、なんでもありません」

希「ボードクイズってのは、問題を全文読み上げてから、ホワイトボードとかに各自で答えを書いて、一斉に答え合わせするやつやね」

希「うちの部で使ってるボードはこの、磁石使ってて何度でも書いたり消したりできるやつや」

希「でも絵里ち、一つ問題があるで」

絵里「何かしら?」

希「部員は9人。ボードは?」

絵里「4枚あるわよ……あっ」

にこ「そこの黒いのと赤いの、買ってきなさい」

海未「なぜですか?」

真姫「なんで私が……」

にこ「そりゃ、さっきじろじろ見たからよ」

海未「それは、その……」

真姫「私は関係ないでしょ!」

にこ「なんかむかつくから」

真姫「何それ、意味わかんない」

にこ「あら、お使いもしたことないの? 私はまいn……」

にこ(危ない、口が滑るとこだった)

真姫「わかったわよ! 行ってくればいいんでしょ!」

真姫「ほら、海未も!」

海未「え、ええ……」

希「その辺の100均で売ってるでー」


にこ(もう1年は名前で呼び合ってんのね……)

~20分後~

海未「お待たせしました」

真姫「はい、買ってきたわよ」ドサッ

絵里「それじゃ、始めましょうか」

絵里「7ポイントでいいわね?」

にこ「ええ」

ことり「あの……」

希「先生が問題読んでくれるから、答えをこのボードに書いて掲げるだけや」

希「1問正解で1ポイント、7ポイント到達で勝ち抜け」

希「間違えてもペナルティは無し」

希「どう、早押しよりカンタンやろ?」

ことり「はいっ♪」

穂乃果「ボタン押さなくても答えられるなんて、このルールいいことずくめだね!」

希「フフ、そうでもないで?」

海未「なぜですか?」

希「全員に回答権があるってことは、みんな正解なのに自分だけ間違えてることもあるってことや、すごく恥ずかしいで?」

穂乃果「あう……」

先生「用意はいいな?」


先生「なぜ山/」ポーン

にこ「ふん、あんた達まだ甘いわねっ!」

にこ「マロリー!」

先生「はい」ピポーン

海未「毎回思うのですけれど、何なのですか、この儀式は……」

先生「よし、OKだな。それじゃ、行くぞー」

先生「問題」

先生(最初は簡単なやつから)

先生「『桐壺』から『夢浮橋』までの全54帖から成る、――」

絵里(『夢浮橋』まで――あれね)カキカキ

穂乃果(2年のみんなもう書いてる……早い)

先生「光源氏を主人公とする、――」

海未(あれですね)カキカキ

ことり(海未ちゃんと真姫ちゃんが、わかったみたいです)

先生「紫式部による長編小説は何でしょう?」

穂乃果(紫式部、むらさきしきぶ……あれだ!)カキカキ

希「あ、答えはかなでもOKやで」

先生「5……4……3……2……1……ボードオープン」

希「あ、みんなボードを前に向けて、先生に見えるようにするんやよ」

┌────┬────┬────┬────────┬────┬────┬────┬────┬────────┐
│絵里    │希      │にこ     │穂乃果          │ことり   │海未    │真姫    │花陽    │凛              │
├────┼────┼────┼────────┼────┼────┼────┼────┼────────┤
│宇治十帖│源氏物語│源氏物語│げんじものがたり  │源氏物語│源氏物語│源氏物語│源氏物語│げんじものがたり  │
└────┴────┴────┴────────┴────┴────┴────┴────┴────────┘

絵里「……えっ?」

先生「はい、源氏物語が正解」

希「絵里ちはあわてんぼうさんやね」

絵里「私としたことが……」

穂乃果「穂乃果は受験で覚えたよー」

凛「あ、凛もにゃー」

絵里「凡ミスは一番やっちゃいけないのに……」

希「1年のみんなに言っておくと、宇治十帖ってのはこの源氏物語の最後の十個、『橋姫』から『夢浮橋』までのことやね」

絵里「くやしい……」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│0   │1 │1   │1     │1     │1   │1   │1   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「じゃあ、次な」

先生「問題」

先生「1年が365日の年で、183日目と、ちょうど真ん中にあたるのは何月何日でしょう?」

絵里(ベタ問ね……今度は間違えないわよ)

穂乃果(1年は12ヶ月あるから……)

真姫(31+28+31+30+31+30で……)

先生「……3……2……1……ボードオープン」

┌───┬───┬───┬────┬───┬───┬───┬──┬────┐
│絵里  │希    │にこ   │穂乃果  │ことり │海未  │真姫  │花陽│凛      │
├───┼───┼───┼────┼───┼───┼───┼──┼────┤
│7月2日│7月2日│7月2日│6月31日 │7月3日│7月2日│7月2日│    │7月3日  │
└───┴───┴───┴────┴───┴───┴───┴──┴────┘

花陽「あ……」

穂乃果「花陽ちゃん、どうしたの?」

花陽「答えが書けなかったんだけど……」

穂乃果「だいじょうぶ、私も1人だけ6月みたいだから」

穂乃果「こんなの、知らないとわからないよ。まだまだ問題はあるし、がんばろ?」

花陽「……うん」

真姫「私は計算したけれど」

穂乃果「真姫ちゃんは頭いいから」

ことり「えっと……穂乃果ちゃん、そもそも6月は30日までだよ」

穂乃果「あっ……!」

海未(危うく計算が終わらないところでした)

先生「2年陣はさすがだな、正解は7月2日」

先生「園田と西木野も、よく10秒間で計算できたな」

西木野「当然でしょ?」

希「まあ、ベタ問やしね」

海未「覚えることにします」

先生「得点はっと……」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│1   │2 │2   │1     │1     │2   │2   │1   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「問題」

先生「現在は北海道の帯広市のみで開催されている、――」

絵里(道民問題……)カキカキ

希(いつも思うけど、絵里ちは何で北海道問題にこだわるんやろか)

先生「競走馬が重いそりを引きながら行われる競馬は何でしょう?」

穂乃果(あ! これ……前にテレビで見たことあるよ!)

穂乃果(えっと……)

穂乃果(何とかえい競馬だったんだよね……)

穂乃果(確か食べ物みたいな名前で……2文字と2文字で……)

穂乃果(あ、そうだ!)

先生「……3……2……1……オープン」

┌──────┬──────┬───────┬───────┬───┬──┬────┬──┬─┐
│絵里        │希          │にこ           │穂乃果        │ことり │海未│真姫    │花陽│凛│
├──────┼──────┼───────┼───────┼───┼──┼────┼──┼─┤
│ばんえい競馬  │ばんえい競馬  │ばんえいけいば   │ぱんえいけいば   │      │    │    競馬│    │  │
└──────┴──────┴───────┴───────┴───┴──┴────┴──┴─┘

海未「穂乃果!? 知っていたのですか?」

穂乃果「いやー、前にテレビで見たことがあってねー」

海未「穂乃果にしてはすごいですね」

穂乃果「私だってたまにはやるんだよ!」

先生「そう、正解はばんえい競馬だ、前フリ込みで覚えとくといいぞ」

真姫「待って!」

希「どしたん?」

真姫「穂乃果の答え……『ぱんえい競馬』って書いてあるわ……」

にこ「BANじゃなくて、PANって書いちゃったのね」

先生「大体合ってはいるんだが……これは誤答だな」

穂乃果「えー……」

海未「そもそも、穂乃果が食いしん坊なのがいけないのですよ」

海未「おおかた、『食べ物の名前っぽい』などと思って覚えていたのでしょう」

穂乃果「ぎくっ……」

先生「それじゃ、2年生3人が正解だな」

先生(このままだと2年生同士の差がつかなそうだな)

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│2   │3 │3   │1     │1     │2   │2   │1   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「じゃあ、次はできたらかっこいい答えのやつ行くか」

にこ「絶対妙なの出すわよこの先生」ジトー

先生「問題」

先生(矢澤の得意分野だし文句は言われないはずだ)

先生「34作目のシングルとして2013年12月11日に発売されたAKB48の楽曲で、――」

にこ(まさか……)

花陽(も、もしかして……)

先生「その公式略称は『鈴懸なんちゃら』であるのは何でしょう?」

にこ(やっぱりいいいいい)ドドドドドド

花陽(きたきた、きました!)ドドドドドドド

穂乃果「アイドル担当のふたりがすごい勢いで書いてる……」

真姫「話題にはなったけれど、正確には覚えてないわね……」

先生「シンキングタイムは……多少伸ばすか」

先生「……1……」

にこ「書き終わんない待って」

先生「0.9……0.8……0、オープン」

にこ「ぎりぎりだわ」

┌───┬─────────────────────────────────────────────────────────┐
│絵里  │                                                                                    │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤
│希    │すずかけの木の下であなたに告白した結論                                                              │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤

│にこ    │鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、                      │
│      │                                                                                    │
│      │僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの                                             │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤

│穂乃果│すずかけ                                                                                │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤
│ことり │                                                                                    │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤
│海未  │鈴懸の木の下であなたに告白されてしまったら私たちはどうなってしまうのか、私なりに熟考した上でのやや気恥ずかしい結論           │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤
│真姫  │わかんない                                                                            │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤

│花陽  │すずかけの木の道できみのほほえみをゆめに見るといってしまったらぼくたちのかんけいはどう変わってしまうのか、               │
│      │                                                                                    │
│      │ぼくなりに何日かかんがえたうえでのやや気はずかしいけつろんのようなもの                                     │
├───┼─────────────────────────────────────────────────────────┤

│凛    │すずかけのきのした                                                                           │
└───┴─────────────────────────────────────────────────────────┘

先生「こりゃまた……」

凛「にこにーさん、こんな難しい漢字も書けたんだにゃー」

にこ「なっ……そりゃ書けるわよ」

先生「矢澤は……OKだな、表記揺れまで完璧だ、さすが」

先生「小泉は……ふんふん、とりあえず書いてあることはあってるな」

先生「読点は大丈夫で……鍵括弧が抜けてるが」

にこ「慌ててたんだろうし、今回はセーフでいいんじゃない?」

にこ「でも、作品名は完璧に覚えるのが嗜みよ?」

花陽「なるほど……わかりました」メモメモ

先生「その他は、うん、努力したってことは伝わってくるぞ」

7人「……」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│2   │3 │4   │1     │1     │2   │2   │2   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

にこ「やった、折り返しね」

真姫「ホントに変な答えだったわね……」

にこ「にこが正解できればいいのよ」

真姫「何それ……」

先生「さて、次だ」

先生(少々意地悪かもしれないが、まあいいだろう)

先生「問題」

先生「イタリア語で『悪い空気』という意味がある、ハマダラカによって媒介される熱帯地方の伝染病は何でしょう?」

絵里(語源問題……)カキカキ

真姫(最近話題なのは……デング熱)

真姫(蚊によって媒介される、伝染病……間違ってはいないと思うんだけど、なんか違和感があるのよね)

真姫(あ…… デング熱はネッタイシマカだったわね、パパが言ってたわ)

真姫(となると……原虫のやつかしら)カキカキ

先生「……3……2……1……オープン」

┌────┬────┬────┬─────┬────┬────┬────┬─────┬─────┐
│絵里    │希      │にこ      │穂乃果    │ことり   │海未    │真姫    │花陽      │凛        │
├────┼────┼────┼─────┼────┼────┼────┼─────┼─────┤
│マラリア │デング熱 │デング熱 │でんぐねつ  │でんぐ熱   │デング熱  │マラリア │デングねつ │でんぐねつ  │
└────┴────┴────┴─────┴────┴────┴────┴─────┴─────┘

絵里(もらったわね)

にこ「あー、引っかかった!」

にこ「先生、汚いわよ!」

希「へ? デングやないの?」

にこ「希、デング熱は語源ないし、ネッタイシマカよ……」

真姫(あら、合ってたのね)

希「あ、あああああ」バタン

希「先生、ひどいやん」

先生「そ、正解はマラリアだな」

先生「ま、絢瀬は正解だし、西木野もきっちり正解してるからちゃんと問題を聞けってことだな」

にこ「うう……」

穂乃果「穂乃果はデング熱以外知らなかったよ!」

凛「凛も!」

にこ「この2人に同レベル扱いされるのが腹立つ……」

ことり「でも、真姫ちゃん、すごいと思うなぁ」

真姫「べ、別に……親が医者なんだし、これくらい当然よ」

真姫(そういえば、医者の家、みたいなこといっても、この人たち一切態度が変わらないわね)

先生「点数はこうかな」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│3   │3 │4   │1     │1     │2   │3   │2  │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

希「追いつかれちゃったやん、頑張らないと」

絵里「ふふ、負けないわよ?」

先生「問題」
           ・ ・
先生「カクテルの王様と呼ばれるのはマティーニですが――、」

先生「カクテルの女王と呼ばれる、ウィスキーとベルモット、ビターズをステアしてチェリーを飾るカクテルは何でしょう?」

穂乃果「海未ちゃん、カクテルって何?」

海未「お酒とジュースなどを混ぜ合わせたものですよ」

絵里(そこからなのね……)

先生「……3……2……1……オープン」

┌──────┬──────┬──────┬────┬───┬──┬──────┬──┬──┐
│絵里        │希          │にこ         │穂乃果  │ことり │海未│真姫        │花陽│凛  │
├──────┼──────┼──────┼────┼───┼──┼──────┼──┼──┤
│マンハッタン    │マンハッタン    │マンハッタン    │うべびち │      │    │マンハッタン    │    │    │
└──────┴──────┴──────┴────┴───┴──┴──────┴──┴──┘

先生「さすがにベタ問は差が開くか」

先生「マンハッタン、正解」

先生「西木野は知識幅広いなー」

真姫「まあ……母が飲んだと言ったのを覚えていました」

花陽「す、すごい……」

穂乃果「ねーねー」

穂乃果「高校生にお酒の問題出していいの?」

先生「そもそも、大きい大会は大学生も来るしなあ……」

先生「まあ、クイズは何でも出る。どんなムダ知識にしろ出る可能性があるから、覚えとけ」

穂乃果「はーい」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│4   │4 │5   │1     │1     │2   │4   │2   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

穂乃果「うう……穂乃果の点数が低いままだよぉ」

ことり「私もいっしょだから、がんばろ?」

凛「凛もいるよ!」

穂乃果「……うん」

先生「問題」

先生「現在、日本にある世界遺産の数はいくつでしょう?」 (※作中とは食い違いますが本日扱いにさせていただきます、時系列まで考えてたら頭パンクしそうです)

穂乃果「むずかしいよー……」

海未(数えていては間に合わなそうですね……)

海未(ここは勘で勝負するしかないのでしょうか)

先生「3……2……1……オープン」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬───┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛    │
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼───┤
│16  │18│16  │18    │20    │21  │17  │13  │10    │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴───┘

先生「これはまたきれいに分かれたな……」

先生「正解は18件。絢瀬と矢澤は富士山と富岡製糸場忘れてないか?」

にこ「あ……」

絵里「定期的な確認を怠るとこうなるのね……」

希「やったぁ、スピリチュアルやね」

海未「ところで穂乃果、正解ではないですか」

穂乃果「……え?」

ことり「穂乃果ちゃん、正解だよ」

穂乃果「あ、ほんとだ!」

海未「その様子では……知っていたわけではないのですね」

穂乃果「うん!」

にこ「それに元気よく答えるのもどうかと思うけど」

穂乃果「なんだかおなかが空いてきちゃってさあ」

穂乃果「今晩はお肉がいいなあ、って思ったからにくで18って適当に書いたら……奇跡だよ」

海未「もう、穂乃果に聞いたのが間違いでした」

ことり「穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだねぇ……」

穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんもひどいよ!」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│4   │5 │5   │2     │1     │2   │4   │2   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「問題」
          ・ ・
先生「英語で、喜劇のことをコメディ【comedy】と言いますが、悲劇のことは何というでしょう?」

にこ「にこに英単語を聞かないでほしいわね……」

先生「3……2……1……オープン」

┌────┬────┬──┬───┬───┬──┬─────┬──┬─┐
│絵里    │希      │にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫      │花陽│凛│
├────┼────┼──┼───┼───┼──┼─────┼──┼─┤
│tragedy  │tregedy  │    │      │ひげき │    │anticomedy │    │  │
└────┴────┴──┴───┴───┴──┴─────┴──┴─┘

先生(さすがにこんなもんだよな)

先生「正解はトラジェディ【tragedy】」

先生「東條はスペリングミスだな、TRAだ」

希「え……あっ、やらかしてもうた」

先生「絢瀬単独正解か……決めてなかったが単独はどうする?」

希「今まで通り少ないから単独でもそのまま……あっ、増えたんやったね」

にこ「ま、決めてないから今回は特に何もなしでいいと思うけど」

絵里「そうね、次にやる時はちゃんと決めましょう」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│5   │5 │5   │2     │1     │2   │4   │2   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

穂乃果「たんどく……?」

希「もし正解した人が1人だったら、難しいのに正解できたって意味でポイントアップしたりするんや」

穂乃果「へぇ~」

先生「これで2年生3人が横並びか」

先生「問題」

先生「沖縄県の県の花になっている、赤い花をつける植物は何でしょう?」

穂乃果(これなら、できるかも)

先生(絶対引っかかるやついるよなー)

先生「……3……2……1……ボードオープン」

┌───┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┬──────┬──┬─┐
│絵里  │希          │にこ         │穂乃果      │ことり       │海未        │真姫        │花陽│凛│
├───┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼──┼─┤
│デイゴ  │ハイビスカス   │ハイビスカス   │はいびすかす  │ハイビスカス   │ハイビスカス   │デイゴ      │    │  │
└───┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┴──────┴──┴─┘

先生(こうなるよなー……)

先生「ハイビスカスっぽいよなこれ絶対、私も最初はそう思った、思ったんだが――」

先生「答えはデイゴなんだな、これが」

にこ「ちょ、ちょっと忘れちゃってただけだニコ~……」

一同「」ジトー

花陽「真姫ちゃん、やっぱり強いね」

真姫「私を誰だと思ってるの? これくらい当然よ」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│6   │5 │5   │2     │1     │2   │5   │2   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「さ、次だ。絢瀬がリーチだな」

にこ「ふん、ここからにこにー先輩が2連続単独で勝つんだから、見てなさい?」

真姫「たぶん無理よね……」

真姫(負けたくはないけれど、これは私も無理そうね)

にこ「なんか言った?」

真姫「いえ、何にも」

真姫(せめて、終わる前に次は取る!)

先生「問題」
               ・ ・ ・
先生「黄道十二星座で、おうし座のα星はアルデバランですが、――」

真姫(ここで星問題――これは常識よね)

真姫(問題は、この後に何が来るか)

先生「おひつじ座のα星は何でしょう?」

真姫(えっ)

真姫(私の星座……)

真姫(あの星座、暗いのよねえ)

真姫(1等星もないとか、私にふさわしくない星座よね)

先生「5……4……」

真姫(それで、α星だけれど……)

真姫(知らないわね……というより、覚えてないわね)

先生「3……2……1……」

真姫(くやしい)

先生「オープン」

┌──┬─┬──┬───┬───┬───┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ │穂乃果│ことり │海未  │真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼───┼──┼──┼─┤
│    │  │    │Hituji    │      │ハラル │    │    │  │
└──┴─┴──┴───┴───┴───┴──┴──┴─┘

先生「園田、それ惜しいけどイスラムのやつだな」

希「食べてもいいってのやね」

穂乃果「え? 海未ちゃんも食いしん坊なの?」

海未「それとこれとは話が別です!」

穂乃果「で、穂乃果の答えは?」

先生「高坂は……努力は認めるがせめてシープにしろ」

先生「実際、くじゃく座はピーコックだしな」

穂乃果「シープ?ピーコック?」

穂乃果「あ、ピーコックってスーパーの名前だよね!」

先生「もういい……」

先生「あ、正解はハマル、な」

海未(聞き覚えはありますが……思い出せませんでした)

真姫(聞いたことはある、ような)

真姫(そういえば私、星を眺めるのは好きだけれど、星の名前は1等星くらいしか知らない)

真姫(自分の星座の星も把握してないなんて、天才真姫ちゃんらしくないわね)

真姫(帰ったら調べて、覚えましょう)

真姫(ふふ、学校の勉強以外のことを覚えようとするなんて、初めてかもしれないわ)

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│6   │5 │5   │2     │1     │2   │5   │2   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「全員誤答で点数は変わらず、か」

先生「問題」

先生(あ、終わりそうだな)

先生「1924年に初めて発見された化石人類の一種で、――」

先生「その名にはラテン語で『南の猿』という意味があるのは何でしょう?」

穂乃果「ううううう、どっち?」

真姫「これ、授業でやったものね」

真姫(まあ、最古って言わないってことはこっちなんでしょうけど)

絵里「あら、それなら1年生には全員正解してもらわないとね」

凛「凛はどっちも忘れちゃった……」

先生「……はい、オープン」

┌───┬──────────┐
│絵里  │アウストラロピテクス     │
├───┼──────────┤
│希    │アウストラロピテクス     │
├───┼──────────┤
│にこ   │アウストロラテピクス     │
├───┼──────────┤
│穂乃果│サヘラントロプス     │
├───┼──────────┤
│ことり │サヘラントロプス     │
├───┼──────────┤
│海未  │アウストラロピテクス     │
├───┼──────────┤
│真姫  │アウストラロピテクス     │
├───┼──────────┤
│花陽  │アウストラロピテクス     │
├───┼──────────┤
│凛    │                    │
└───┴──────────┘

先生「矢澤、惜しい」

         ・ ・ ・ ・
先生「アウストラロピテクス、な」

にこ「くっそ……」

希「オーストラリアが『南の大陸』みたいなやつだからセットで覚えとくのがおすすめやで」

にこ「言われなくてもわかってるわよ!」

先生「世界史の最初の範囲に入ってるのか、これ」

先生「さすがに正解率が高いな」

穂乃果「うう……2択だったのにぃ……」

先生「まあ気にすんな」

凛「どっちも忘れたにゃー」

真姫「授業聞いてれば覚えてるはずよ? 復習はした方がいいわ」

凛「はーい」

┌──┬─┬──┬───┬───┬──┬──┬──┬─┐
│絵里│希│にこ  │穂乃果│ことり │海未│真姫│花陽│凛│
├──┼─┼──┼───┼───┼──┼──┼──┼─┤
│7   │6 │6   │2     │1     │4   │6   │3   │1 │
└──┴─┴──┴───┴───┴──┴──┴──┴─┘

先生「絢瀬が7ポイント到達で勝ち抜け、と」

絵里「何とか勝てたわね……」

穂乃果「私でもいっぱい解答はできたから、楽しかったな」

ことり「うんうん」


絵里「さて、せっかくボード買ってきたのだし、次は早ボにしましょうか」

にこ「そうね、ボタンが押したくなってきたわ」

穂乃果「はやぼ……?」

本日はここまで

テキストで表作るのって大変ですね……
AA職人の大変さの一端を知った気がします


次回、Question.5 「はやぼ」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月20日 (土) 11:18:08   ID: 6M2NvmlT

ミスに気付かないとは

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