穂乃果「―――生徒会長を攻略します!」 (30)

ほのえり短編
かしこいかわいいエリーチカ

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6人「ええ!? 生徒会長に!?」


海未「はい」


真姫「どうして生徒会長にダンスを教わらなきゃいけないのよ」


海未「私たちに持っていないものを、持っているからです」


にこ「バレエが少し上手なだけでしょ」


海未「ただ、上手なだけじゃないんです。見ていて……惹かれるものがあるんです」


花陽「でも生徒会長は、わたしたちのこと……」


凛「目の敵にしてるよねー」


穂乃果「んー……私は賛成かな」


にこ「ちょっと穂乃果! どういうこと!?」


真姫「私は反対よ、絶対に潰しにくるわ」


にこ「私も反対、3年生はにこがいれば十分だし」


凛「うんうん、平和に楽しくやりたいしね」


海未「やっぱり、そうですよね……」


穂乃果「私はいいと思うけどなー、生徒会長に教わるの」


ことり「穂乃果ちゃんどうして?」


穂乃果「だって、ダンスが上手い人が近くにいたら、いい目標になるでしょ」


穂乃果「上手い人に教わった方がもっと上手くなるよ」


真姫「確かにそうだけど……」


穂乃果「頼むだけ頼んでみようよ」


ことり「生徒会長のダンスかあ……少し見てみたいかも」


にこ「ちょっと! どうなっても知らないわよ……!」


穂乃果「よーし! 早速明日、お願いしてみよう!」


――翌日




コンコン


希「どうぞ」


穂乃果「失礼しまーす」ガチャ


穂乃果「希先輩、生徒会長は……?」


希「えりち? 今はおらんよ」


希「えりちになにか用があるの?」


穂乃果「実は生徒会長にダンスを教わろうと……」


希「ほほう、なるほどなるほど」


海未「昨日の映像を見て、私は思いました。生徒会長に教われば、もっとダンスが上手になると」


希「そうやね、えりちに教わればもっと上手になると思う」


希「でも、えりちが素直に教えてくれると思う?」


凛「確かに……



絵里「私があなたたちにダンスを? 認められないわあ、なぜ教えなきゃいけないの?



とか言われそう」


花陽「認められないわあ、って口癖なのかな……?」



凛「なんとなく付け足しただけだよ」


にこ「やっぱり諦めるべきよ」


真姫「そうね、こればっかりは仕方ないわ」


穂乃果「無理なのかなあ……」


希「1つ、方法があるよ」


穂乃果「な、なんですか!?」ズイッ


希「それは―――」

















希「―――えりちと仲良くなることや!」バーン

















にこ「……は?」


真姫「早く練習しましょう、明日から雨らしいし」


希「まあまあ、少しウチの話を聞いて聞いて」


希「えりちはね、とても優しいんよ」


凛「えー……あの生徒会長が?」


希「うん、ウチとか亜里沙ちゃんには」


花陽「亜里沙ちゃん……?」


海未「生徒会長の妹さんです」


穂乃果「へえー、妹がいるんだ」


にこ「それは希と生徒会長が友達だからでしょ」


希「……えりちはな、知らない間に壁を作っちゃうんよ」


希「クラスメイトでもえりちと仲良くしたい人はたくさんいる」


希「でも、本人はそんなつもりないけど、いつの間にか壁を作ってしまう」


希「えりちは勘違いされやすい。話しにくい、この人とは友達になれない、って」


希「要するに不器用なんよ、えりちは」


にこ「不器用、ね……」


希「だから、えりちを攻略してもらいます」


真姫「……ちょっと待って、話が変わってない?」


希「変わってないよ?」


希「えりちは不器用 → 仲良くなろう → ダンスレッスン、って流れや」


ことり「えっとぉ……」


海未「つまり……?」


希「えりちと友達になろう!」


海未「2分前に同じことを聞いたような……」


希「大事なことなので2回言いました」


花陽「ええ!?」


真姫「無理ね」キッパリ


希「そうでもしないと、教えてくれないよ」


にこ「諦めましょう。ええ、そうしましょう」


ことり「にこちゃんならまだしも、1年生2年生は……」


海未「先輩後輩という関係ですし……」


凛「無理だと思うよー」


穂乃果「ことりちゃん攻略ってなにー?」


ことり「それはね……」


希「(少し、まずいなあ……)」


希「(中々上手くいかないもんやね。どうしよか……)」


希「(これだと、9人が集まらない―――)」


穂乃果「はいはーい! 私が攻略? する!」


海未「穂乃果!?」


希「穂乃果ちゃん!」


穂乃果「私が―――」











穂乃果「―――生徒会長を攻略します!」


――昼




絵里「希、一緒に食べましょう」


希「え、えりち……今日は先約が……」


絵里「そ、そうなの? それなら仕方ないわね……」


希「(う……ごめんな、えりち)」


絵里「(1人、か……)」」


絵里「(入学以来、いつも希と一緒に食べてたわね)」


絵里「(別に、希以外に友人がいないってわけじゃない。ただ)」


絵里「(希以上の、かけがえのない友人はいない)」


ガヤガヤ


絵里「(希と話している時、BGM程度にしか思っていなかった、クラスメイトの雑談も)」


絵里「(こんなにも、私に覆い被さってくるなんて)」


絵里「(……食べましょうか)」


ガララー


穂乃果「失礼しまーす!」


アノコハ…タシカ
カワイイ!


「なにかようですか?」


穂乃果「あ、あの! 生徒会ちょ……絢瀬先輩はいますか?」


「絢瀬さんなら……絢瀬さーん」


絵里「……」ピクッ


「2年生の子が呼んでるよー」


絵里「(2年生……生徒会の子かしら)」


絵里「なにかし……高坂さん」


穂乃果「こ、こんにちは」


絵里「……なにか用?」


穂乃果「よかったら一緒にお弁当なんて……あはは」


絵里「……なぜあなたとお弁当を食べなきゃいけないの?」


穂乃果「(な、中々手強い……)」


穂乃果「もしかして、もう先約が……」


絵里「……別にいないけど」




希『えりちって以外と寂しがり屋なんよ』




穂乃果「! 絢瀬先輩! 一緒に食べましょう!」グイグイ


絵里「ちょっと!」


――屋上




ガチャ


穂乃果「はああぁぁ……やっぱり屋上はいい風が来るなあ」


絵里「ねえ……」


穂乃果「なんですか?」


絵里「私、お弁当置いてきちゃったんだけど」


穂乃果「……生徒会長って結構、ドジっ子なんですね」


絵里「あなたが無理やり連れてきたんでしょう!?」


穂乃果「そうでしたっけ?」


絵里「2分前のこともう忘れてるの……! まったく……!」


穂乃果「ご、ごめんなさい……」シュン


絵里「! ま、まあいいわ」


絵里「……お弁当、取ってくるから待ってなさい」


穂乃果「! はいっ!」


バタン


穂乃果「希先輩の言うとおり、生徒会ちょ……絢瀬先輩は……」



絵里「(……あれ? 私はどうして高坂さんと)」


絵里「(私と高坂さん……いや、μ'sは敵対してる者同士)」


絵里「(なのに、どうしてお弁当を……)」


絵里「(別に、このまま教室で食べればいいじゃない)」


絵里「(ええ、それがいいわ)」


ガチャ バタン


絵里「ただいま」


穂乃果「おかえりなさい」


穂乃果「いただきまーす!」パクッ


穂乃果「やっぱりパンはおいしいなっ♪」モグモグ


絵里「……ねえ」


穂乃果「はい?」モグモグ


絵里「あなたは一応スクールアイドルやってるんでしょ。そんな高カロリーな物……食べていいのかしら」


穂乃果「大丈夫です! 1日2個までって決めてますから」


絵里「そ、そうなの?」


穂乃果「はいっ」


絵里「(……この子の目的がよくわからないわ)」


絵里「(少し警戒してたけど……ただ一緒に食事してるだけじゃない)」


穂乃果「あの、絢瀬先輩」


絵里「なんですか?」


穂乃果「……迷惑でしたか?」


絵里「……そうね、迷惑ね」


穂乃果「」ガーン


絵里「……でも」


絵里「あなたと食事するのも、悪くないわね」


穂乃果「……」パアアアア


絵里「か、勘違いしないでよね。あなたと食事するのはいいけど、それ以外のことは―――」


穂乃果「絢瀬先輩!」ダキッ


絵里「!」


穂乃果「あ! その……」


穂乃果「私……人に抱きついちゃう癖があって……ごめんなさい」


絵里「(この子は……)」



______________________



______________



――数ヶ月後




絵里「ねえ、希。どうして穂乃果ってあんなに可愛いのかしら?」


希「さ、さあ? どうやろうね」


絵里「あの子ったら急に私に抱きついてきて……」


希「……」ウンウン


絵里「その時とてもいい匂いがして……」


希「……」ウンウン


絵里「『ぅ絵里ちゃーん』って……」


希「……」ウンウン


希「(えりちが見事に攻略された)」


希「(穂乃果ちゃん恐るべし)」

おわり

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