凛「何この生き物…」?「がうー」 (44)

◆ひなビタ♪SSです
◆割とファンタジー系
◆今回出てくる生き物の参考画像(描いた人≠私)→http://up3.viploader.net/game/src/vlgame071203.jpg

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409493885

凛「……はぁ……」

凛(あんな些細な事でレコード屋と喧嘩してしまうなんて…なんて私は愚昧なのかしら……)トボトボ

?「がう」

凛「そうがう…えっ?」

?「がうー」ヨチヨチ

凛「…?動いてるからぬいぐるみ…じゃないわよね……何この生き物……」

?「がうっ」

凛「栗色の長い頭髪に見える体毛と…ずんぐりとした首のない白い身体におまけのような短い手足…
  二足歩行のせいで短いしっぽのようなものは引きずってるし……うーん……」

?「がう?」

凛「…………」ナデナデ

?「がうーっ」ユラユラ

凛「白い部分は結構すべすべしているわね……はんぺんみたい……」

?「がうー」

凛(それにしても、この得体の知れない生き物、何かしら……
 非人道的な研究所から脱走してきた実験体…とか……?
 じゃあ何か破滅的な要素を含んだ生き物なのかしら…思わず撫でてしまったけど…)

凛「……」チラッ

?「がうー」ポケー

凛「とてもそんな機能を備えた生き物には見えないわね……」ナデリ

?「がーうーっ」

凛「それに……なんか、可愛いわね…茶色い髪の毛に見えるものがレコード屋そっくりで…アホ毛もあるし…
  こ、こんな生き物にレコード屋の面影を感じるなんて、私ったら……丁度ちくわを持っていたわ…食べるかしら……」ソッ

?「ぎゃうー♪」モグモグ

凛「あ、食べた」

?「がうっ、がうっ」スリヨル

凛「…………」ドキドキ

凛「こ、こんな人懐っこくて、野生で生きていけるの…?いや、やっぱり野生のものではないのかも……
  だったら飼い主が必要よね……し、仕方ないわ……私が飼育しましょう……」

?「ぎゃう?」

凛「さ、私の部屋に来て頂戴……」ギュ

?「がうー」パタパタ

凛(あ、甘い匂いがする……)

凛「と、取り敢えず、誰かに見られないうちに……」

?「がう」

凛「こ、こんな小動物を積極的に愛でるなんて、私のキャラではないのよ……」

?「がーうー?」

~凛の部屋~

?「がうー」スリヨリ

凛「ん、まだお腹空いてるのかしら…じゃあこのちくわを…」ソッ

?「ぎゃうー」モグモグ

凛「一瞬で食べ終わるのね…よく噛んで食べなさいよ…」

?「ぎゃう、ぎゃう」

凛「え、まだ食べるの?えっと…じゃあ今度はチョコレートなんてどうかしら」ソッ

?「ぎゃうー♪」モグモグ

凛「随分と嬉しそうに食べるのね…甘味が好きなのかしら…こんな所もレコード屋に似てるわ……」

?「ぎゃうっ」ケフ

凛「そういえば名前を付けてなかったわね…何がいいかしら……」

?「がう?」

凛「そうね……レコード屋に似てるから……レコゴン…は語呂が悪いから…ま、まりゴン?
  うん、今日から貴女はまりゴンよ……メスかどうかは分からないけど……」

まりゴン「ま、まり……ま!ぎゃう!」

凛「あら、がう以外にも物が言えたのね、気に入ったのかしら…ふふふ」

まりゴン「がーうー」スリスリ

凛「もう、そんな膝に頬ずりしても、何も出ないわよ…?」

まりゴン「がうー…」

凛「んー、どうしたのまりゴン……」

まりゴン「ぐー……」スヤァ

凛「あらら、まりゴン、眠っちゃったの?仕方ないわね、毛布を掛けてあげましょう……」

まりゴン「くー……」

凛「そうだわ、まりゴンの横髪、何か足りないと思ってたけど、この花型の髪飾りを付けて……」

まりゴン「んぐー」

凛「ふふふ、益々レコード屋に似通ったわね、可愛い…♪」

凛「……レコード屋本人にもこうやって労さずに私の素直な気持ちを伝えられれば……」

まりゴン「ぐうー…」スヤ…

~それから数日後、バンド練習終わり~

凛「じゃあ私、失礼するわ」

一舞「おつかれ」

咲子「お疲れ様です」

バタン

めう「りんりん先生、今日もすぐ帰っちゃっためうね」

一舞「そうだよねぇ、前は残ってコーヒー飲んだりしてたのに、ね、まりか」

まり花「え、う、うん」

一舞「……まだ仲直りしてないの?」

まり花「う、うん……」

一舞「大丈夫だよまりか、りんがそんな根に持ってる訳ないって」

まり花「そ、そうだよね…大丈夫だよねっ?」

一舞「そうだしっ!絶対大丈夫だしっ!もー、いつもと台詞が逆じゃんかー、ふふふ」

まり花「わたしりんちゃんに謝ってくるねっ!みんなまた明日ねっ!」

一舞「おう!」

バタン

めう「さっすがいぶぶはまりりの扱いに慣れてるめう~」

一舞「あはは、意外とまりかってああいうとこあるんだよね」

咲子「イブちゃん、とってもとっても……」

めう「でもりんりん先生はまりりと違っていつも通りだっためうよ?」

咲子「むしろ、いつもよりご機嫌だったような…ストレスフリーというか……」

一舞「それは分かんないけど…まぁストレス発散するなんか見つけたんじゃない?」

めう「なんかって何めう?」

一舞「分かんないからなんかなんだしっ」

咲子(私はイブちゃんと会話をするだけでとってもとってもストレスフリーですよっ、えへへ)

……

まり花「りんちゃんりんちゃん!」

凛「ん、どうしたの、レコード屋……」

まり花「あの、この前は、ごめんなさいっ!」ペコッ

凛「ああ、こ、こちらこそごめんなさい…あの時の私は、冷静ではなかったわ……」

まり花「えへへ、仲直り出来て良かったよっ」

凛「そうね……私から言えればよかったのだけれど……」

まり花「その気持ちだけで十分だよ、りんちゃんっ!」

凛「そ、そうかしら……上がってく?」

まり花「うんっ!」

凛「じゃあ……あ」

まり花「どうしたのりんちゃん?」

凛「ちょ、ちょっと部屋片付けてくるわ」ダッ

まり花「?」

ガチャッ

まりゴン「がう?」

凛「まりゴン、ちょっとこのタンスの中にいて頂戴」ガラッ

まりゴン「がーうー?」

凛「少し苦しいかもしれないけど、そこで大人しくしてて、ね?」

まりゴン「がうー…」

凛「あとでチョコレートあげるから、いいわね」

まりゴン「がうっ…」

パタン

まり花「おじゃましまーす!なんだかりんちゃんの部屋に来るの久々だねっ?」

凛「そ、そうだったかしら……あ、お茶持ってくるわね」

まり花「あっ、別にいいようっ!」

まり花「行っちゃった…んー、りんちゃんの部屋、別に前とそんなに変わってないけどなぁ…」

ギャウー

まり花「ん、なんだろこの声……」

ガウー

まり花「このタンスから、かな?」

ガウーッ

まり花「あ、開けちゃって、いいのかなっ?」ガラッ

まりゴン「ぎゃうー!」ピョコ

まり花「わっ!?ぬ、ぬいぐるみ?いや、動いてるからいきものさん…?」

まりゴン「がう?」

まり花「か、かわいい…」

まりゴン「ぎゃう」

まり花「この子、なんだかわたしみたいな髪型してるよう……」

まりゴン「ぎゃうー?」

まり花「この花飾り…前にりんちゃんにあげたの?」

まりゴン「がうっ」

凛「お待たせ、レコード屋……って、ちょ、ま、まりゴン…」

まり花「まりゴン?この子の名前?」

凛「え、ええ……」

まりゴン「ぎゃうー」スリスリ

まり花「ねぇりんちゃん、りんちゃんが最近機嫌良かったのって、この子のせいでしょ」

凛「うっ……」

まり花「可愛いもんねっ!」

まりゴン「ぎゃうぎゃう」

まり花「この子まりゴンって言うんだね、りんちゃんが付けたの?」ナデナデ

凛「え、ええ……あ、安直だったかしら…」

まり花「ううん、とっても可愛い名前だと思うよっ!」

凛「そ、そう、かしら……」

まりゴン「がうがう」

まり花「この子何食べるのー?」

凛「基本的になんでも食べるけど…甘いものが特に好きね」

まり花「そうなんだー、まりゴン、クッキーだよー」

まりゴン「がうーっ」モグモグ

まり花「わぁ、食べたっ!可愛いよぅ…もう一枚…」

凛「ちょ、ちょっとレコード屋、あんまりいっぱい食べさせないで頂戴、すぐ太るから」

まり花「むう…」

まりゴン「ぎゃうー」スリスリ

まり花「えへへ、まりゴンくすぐったいよー」

凛「その子、結構人懐っこいみたいね…」

まり花「そんなところもわたしに似てるねっ!」

まりゴン「がうー」

まり花「それにしてもりんちゃんなんでまりゴン隠してたの?こんなに可愛いのにー」

凛「え、えっと、なんていうか…小動物を愛でてるなんて、私らしくないかな、とか……」

まりゴン「ぎゃう」

まり花「そうかな?りんちゃんがこういうことしてるのって、なんか可愛いよっ!」

凛「だ、だから、それがキャラが違うって言うのよっ!」

まりゴン「がうがう」

~数日後~

まり花「まりゴン!一緒に遊ぼっ!」

まりゴン「がうー!まー!まー!」ピコピコ

凛(ま、まま…?)

まり花「今日はね、えっと、クレープ持ってきたんだよっ!」ソッ

まりゴン「ぎゃうっ!ぎゃうっ!」モグモグ

まり花「まりゴン、おいしい?」

まりゴン「ぎゃうー♪」フリフリ

まり花「ふふふ、よかった」

まりゴン「ぎゃうーっ」スリスリ

まり花「もうまりゴン、膝にすりすりされるとくすぐったいよー♪」

キャッキャッ

凛「こら、レコード屋、まりゴン、そんなにはしゃがないの、
  あと食べ滓はなるべく出さないようにして頂戴…!私の部屋だから…」

まり花「あ、ごめんねりんちゃん」

まりゴン「がうー」

凛「全く……」

まり花「りんちゃん、りんちゃんも一緒にまりゴンと遊ぼうよっ」

まりゴン「ぎゃうっ」

凛「今作業中だから、もうちょっと待って……」

まりゴン「ぎゃう…」

まり花「ほらまりゴンも寂しがってるよっ」

凛「うぐぐ…し、仕方ないわね……」

まり花「わぁい♪」

まりゴン「がうっ」

凛「で、何するのよ」

まり花「えっとねえ、ほら、ピンとボールだよっ!ミニチュアボウリングだよっ!ボールをまりゴンに持たせて……」

まりゴン「がう」ボロ

まり花「あれ?」

凛「レコード屋、まりゴンの手は短いし指がないからある程度の大きさがないと持てないのよ」

まり花「よし、じゃあ蹴って!蹴ってあの10本のピンさんを倒すんだよまりゴン!」

まりゴン「がう!」ベシッ

まり花「あー…ちょ、ちょっと足の力が足りなかったね、あはは…」

凛「ちょっとじゃなくて相当足りないわよ…あれじゃ逆にボールがピンに弾かれるわね…」

まりゴン「がーうー?」

まり花「うーん、まりゴンとボーリングしたかったのになあ…」

まりゴン「がう……」ウトウト

まり花「あれ、まりゴン、もうおねむなの?」

凛「クレープ一個も食べさせたからよ……」

まりゴン「ぐう」スヤァ

まり花「寝ちゃった…りんちゃん、毛布はタンスの中?」

凛「ええ」

まり花「よいしょっと」ファサ

まりゴン「くう……」

まり花「おやすみまりゴン……ねぇりんちゃん」

凛「ん、何かしら……」

まり花「なんかまりゴンって、わたしたちの子供みたいだねっ!」

凛「ぶっ!?」

凛「い、いいいいいいいいきなり何を言い出すのよ貴女はっ……!/////」

まり花「え?そんな変なこと言ったかなあ……」

凛「そ、そうよ、私の精神世界が滅亡寸前になったわ……///」

まり花「ふぅん……でも実際、そんな感じしない?」

凛「え、えっと……」

まり花「まりゴンすっかりわたしにも懐いちゃったし……」

凛「貴女、たまに「まま」って呼ばれてるわよね……」

まり花「うんっ!この前名前教えたらそう呼ぶようになっちゃった」

凛「レコード屋の名前くらい呼べそうなものだけど……」

まり花「わたしがままなら、りんちゃんはぱぱかな?なんちゃってっ!」

凛「ぱ、ぱぱぱぱぱ……!?///」

まり花「パイナップルさん?」

凛「ち、違うわよっ!///」

~更に数日後~

一舞「ふむふむ…で、そのぬいぐるみみたいな生き物が行方不明になったって?」

まり花「そうなんだよイブっ!この前外を散歩してたら、いつの間にかまりゴン…」

一舞「ふぅん…でもあたしにはぬいぐるみにしか……」

まり花「まりゴンは歩くの遅いし、そんな遠くには行ってないと思うんだけど…
    人懐っこい性格だから、誰かに拾われちゃったのかも……はうう、心配だよう…」

一舞(あたしの話聞いてるのかな……)

凛「レコード屋」

まり花「りんちゃん!見つかった?」

凛「いいえ…その代わりにビラをいっぱい作ってきたわ、駅前で配って情報提供を呼びかけましょう」

まり花「うんっ!イブ、何かちょっとした情報があったら教えてねっ!」

一舞「う、うん……」

一舞「っていうかあんな生き物二人で密かに飼育してたなんて知らなかったしっ」

咲子「りんちゃんがなんだか外に漏らしたくなかったみたいですよ」

めう「イメージに合わないとか言ってたなり」

一舞「まぁ確かにあんま小動物を可愛がるイメージはないけど…」

咲子「ふふふ、この子が見つかったら一緒に愛でましょうねっ」

めう「話によるとぎゃうぎゃう言うらしいめう、可愛いめう!」

一舞「動くとこちょっと見てみたいなっていう気はするなあ、
   髪型まりかみたいだし…だからりんは気に入ってたのかな?」

咲子「りんちゃん、まりかちゃん大好きですもんね」

一舞「うん、あの様子からして…まだくっついてはないみたい?」

めう「一緒に世話してたんだからチャンスはいっぱいあった気がするなりが…」

一舞「ヘタレだから、仕方ないしっ」

めう(いぶぶがそれを言うめう?)

咲子「イブちゃん、めうちゃん、この後まりかちゃんたち手伝いに行きましょうねっ」

まり花「りんちゃん、まりゴンの情報あった?」

凛「いいえ……これは誰かが連れて行った可能性が高いわね……」

まり花「誰か?まりゴン、危ない目にあってなければいいけど……」

凛「レコード屋……」

まり花「まりゴンの身になにかあったら…わたし……」

凛「レコード屋っ」ギュ

まり花「あ、りんちゃん」

凛「大丈夫よ…きっと可愛がられているはず…だから大丈夫……」

まり花「う、うん……」

凛「その連れていった人の目にビラが入るまで、この活動を続けましょう……」

まり花「うんっ!」

……

心菜「ただいまー…」

夏陽「おかえりここな……何抱えてんの?」

まりゴン「がうー」

夏陽「喋るぬいぐるみ?」

心菜「拾ったの……」

まりゴン「がーうー」

夏陽「ふぅん……生き物なの?」

心菜「うん」

まりゴン「がう?」

夏陽「なにこれ…こんな生き物初めて見たわ」プニプニ

まりゴン「ぎゃうー」

心菜「まりゴン」

夏陽「この生き物の名前?」

心菜「私が付けたの」

夏陽「そう……それはいいけど、まさか飼う気?」

心菜「だめ……?」

夏陽「ダメよ、ペットはおもちゃじゃないのよ?ちゃんと世話できるの?」

心菜「できるもん……」ギュ

まりゴン「がう」

夏陽「うーん……しょうがないわね、ちゃんと面倒見るのよ?」

心菜「うんっ」パァァ

心菜「まりゴン、ごはん」ソッ

夏陽「ちくわなんて食べるの?」

心菜「さぁ…」

まりゴン「ぎゃうー」モグモグ

心菜「食べたよ」

夏陽「ほんとね…」

まりゴン「ぎゃうっぎゃうっ」

心菜「かわいい……」

夏陽「そ、そう?」

心菜「ちょっとまりゴン汚れてるね…一緒にお風呂入ろ?」

まりゴン「ぎゃうー」

心菜「なっちゃんも入る?」

夏陽「いやあたしはもうシャワー浴びたから……」

心菜「そっか…じゃあまりゴン、一緒に行こ?」

まりゴン「ぎゃうぎゃう」ヨチヨチ

心菜「……」

夏陽「歩くの遅っ」

心菜「やっぱり抱えてあげるね」ダキッ

まりゴン「がーうー」

夏陽「……」

カポーン

心菜「ふう、気持ちいいね、まりゴン」

まりゴン「ぎゃう~」

心菜「まりゴンって…水に浮くのかな……?」

まりゴン「ぎゃう?」

心菜「…………」パッ

まりゴン「ぎゃう……」ブクブク

心菜「……」ザバァ

まりゴン「ぎゃ、ぎゃうっ……」ケホッ

心菜「水には浮かないみたいだね…」ギュ

~数日後~

まりゴン「ぎゃおー」

心菜「…ぎゃお」

まりゴン「ぎゃうぎゃう♪」ピョンピョン

心菜「ぎゃうぎゃうー」

まりゴン「がうー」スリスリ

心菜「がうー」ナデナデ

夏陽「……」

夏陽(またここなまりゴンと遊んでる……)

夏陽(放置してると一日中まりゴンと遊んでるのよね……
  そんなにあのぬいぐるみがいいのかしら……)

夏陽(……あたしより?)

夏陽(まぁぎゃおぎゃお言うここなは可愛いけど……)

まりゴン「ぎゃうー」

心菜「ぎゃうーっ」

夏陽(……可愛い)

夏陽(いやいや、そうじゃなくって……)

心菜「あっ」

まりゴン「ぎゃう?」

心菜「なっちゃん、私ちょっと出掛けるね」

夏陽「出掛ける?そう」

心菜「あの、もうすぐご飯の時間だから、まりゴンにご飯あげてね」

夏陽「え、ちょ、ちょっと」

夏陽「もう、ここなったら……」

まりゴン「がうー」クイクイ

夏陽「何、ごはん?しょうがないわねえ……」

夏陽「えっと…ちくわでいいの?」

まりゴン「ぎゃう」

夏陽「はい、どうぞ」ソッ

まりゴン「ぎゃうー♪」モグモグ

夏陽「あ、食べてる……」

まりゴン「がうっ」

夏陽「……」ドキドキ

夏陽「…も、もう一本、食べる?」

まりゴン「ぎゃうー」

……

心菜「ただいまー……何か聞こえる…」

キャッキャッ

夏陽「まりゴン、次はお歌の練習しましょ?」

まりゴン「がう」

夏陽「今度はラの音から、真似してね、さん、はい」

まりゴン「ぎゃう~」

夏陽「そうそう、上手よまりゴン!」ナデナデ

まりゴン「がうー」フリフリ

夏陽「えっと、次はシの……」

心菜「…なっちゃん?」

夏陽「な…こ、これは違うわよ!け、決してまりゴンと楽しくお歌の練習してたんじゃ」バタバタ

心菜(なっちゃんってこういう一面もあるんだ……少し意外)

心菜「なっちゃん、今度は一緒にまりゴンと遊ぼうね」

夏陽「う、うう……///」

まりゴン「ぎゃう~ぎゃう~」

~数日後~

心菜「ねぇなっちゃん……」

夏陽「ん、どうしたのよここな」フリフリ

まりゴン「ぎゃうーっ」ピョンピョン

心菜「あのね、この、ビラ……」ペラッ

夏陽「えっと……まりゴンを、探してる?
   まりゴンって、あのちくわバンドのペットだったのね…」

心菜「うん……」

夏陽「…返すの?」

心菜「う、うん……」

まりゴン「がう?」

夏陽「…言わなきゃバレないかもしれないわよ?」

心菜「ダメだよなっちゃん、きっと向こうもまりゴンに会えなくて、寂しがってるよ……」

夏陽「で、でも……ここな、う、うん、それもそうね、返しに行きましょ」

心菜「うん……」

まりゴン「がう」

……

まり花「まりゴーン!どこ行ってたの?わたしたちずっと探してたんだよ~!」

まりゴン「まー、まー」

凛「貴女達が拾ってたのね…どうも、まりゴンがお世話になったようで…
  ちゃんと返しに来てくれた事に深く感謝するわ……」

心菜「うん……ぐすっ」

夏陽「………」

凛(これは…大分可愛がってたみたいね……)

心菜「なっちゃん、ほら、まりゴンにお別れしよ…?なっちゃん……?」

夏陽「まりゴン…ぐす、まりゴン行っちゃやだあ!うわあああん!」ボロボロ

心菜「なっちゃん、泣かないで……」ナデナデ

凛「あ、あの、いつでも、会いに来ていいから、ね?」

夏陽「ぐす…ほんと?」

凛「勿論よ」

心菜「じゃ…またね」

夏陽「まりゴン、ぐす、ま、また会いに来るからねっ!ばいばい!」フリフリ

まりゴン「がうー」フリフリ

まり花「ここなちゃん、なつひちゃん、またね!」

凛「……」フリフリ

まり花「まりゴン、可愛がってもらった?」

まりゴン「がう」

まり花「そっか、よかったね」

凛「全く、勝手にどこかに行かないで頂戴…あの二人に拾われたからよかったけれど……ここが貴女の家なんだから」

まりゴン「ぎゃうーっ」

まり花「それでねりんちゃん」

凛「ん、何かしら」

まり花「あのね、まりゴンが見つかったら、わたし、りんちゃんに言いたいことがあったんだ」

凛「言いたいこと……?」

まり花「そう!あのね、りんちゃん、まりゴン、一生懸命探してくれてたよねっ」

凛「あ、当たり前じゃない…」

まり花「まぁそうかもしれないけど、わたし、なんだか嬉しくなっちゃって」

凛「ナンデ」

まり花「えへへ、なんでかな、よく分かんないけど、とにかくまりゴンも帰ってきたし」

凛「ええ」

まり花「前、まりゴンってわたしたちの子供みたいって言ったことあったよね」

凛「あったわね……」

まり花「それに対して、りんちゃん、すっごく驚いてたよね?」

凛「そ、それは何を冗談めいたことをって…」

まり花「わたしは、嫌じゃないよ?」

凛「え」

まり花「ねぇまりゴン、妹欲しい?」

まりゴン「ぎゃう?まー、まーっ」

凛「ちょっ…!?」

まり花「えへへ、まりゴンは嫌じゃないみたいだよ」

凛「れ、レコード屋、貴女……」

まり花「それはちょっと早いけど、だから、ねぇりんちゃん、わたしと……」

…………
……

~数日後、霜月書店~

夏陽「まりゴン、今日は簡単なお歌を歌いましょ!さん、はい!」

まりゴン「ぎゃう~」

夏陽「うーん、もうちょっと高い声で」

心菜「なっちゃん、まりゴンの手をぎゅってすると高い声が出るよ」

夏陽「え、そうなの」ギュ

まりゴン「ぎゃうー!」

夏陽「ほんとだ」

心菜「でしょ」

夏陽「初耳だったんだけど……」

心菜「え、なっちゃん知らなかったの……?」

凛「あの二人、最近入り浸ってるわね…」

まり花「ふふふ、まりゴンモテモテだねっ!」

凛「そうね、なんだか微笑ましいわ…」

まりゴン「ぎゃうぎゃう」パタパタ

夏陽「ところでさぁここな」

心菜「なあに」

夏陽「あの二人なんか、この前より距離が近くなったような気がするわ」

心菜「そうかな?」

夏陽「そうよ!」

心菜「気のせいだと思うけどな……」

夏陽「でもあの二人、まるでまりゴンを実の子みたいに見てない?」

心菜「気のせいだよ……」

夏陽「うーん……」

まり花「えへへ」

凛「ふふ」

おわり

お疲れ様でした
このSSを書くにあたってまりゴンの登場許可や参考画像を頂いた某氏にこの場でお礼申し上げます

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