パーティ:勇者、僧侶、男、女(15)


長い
かなりの独自世界観だと思います


【女学教室】


エルフ教師「という事で、魔法と数学というのは紙一重の性質を持っているのです」

エルフ教師「魔導書に複雑な式を組めば組むほど強力な魔法を使う事ができますが、それを理解出来なければ発動しません」

女「」スヤスヤ

エルフ教師「皆さんは今日から魔法を学んでいきます。魔法に人も魔族も貴賤貧富も関係ありません……が」

ゴウッ

女「……?熱い」

角女生徒「うわあああ女さんの頭から火が!?」

エルフ教師「私の授業で寝る奴はゴミ虫です。ましてはそれが初日など。ですので魔法で焼き払いましょう」

角女生徒「ちょっ、先生!死んじゃいますよ!?」

エルフ教師「お仕置きです。それに、彼女なら問題ないでしょう」

角女生徒「え?」

女「……《デリート》」

フッ


角女生徒「き、消えた。もしかして今のって魔法……?」

女「…………《バリア》《ノイズキャンセル》」

角女生徒「わわっ、何か女さんの周りに壁みたいなのができた」

女「おやすみ」コテッ

角女生徒「寝るんだ!?」

ザワザワ…

エルフ教師「はい静かに。気にしない。では基礎からいきますよ。テキストの10ページを開いてー」

角女生徒「続行!?」

女「」スヤスヤ


カランカラン

エルフ教師「あら、もう終わりですか。皆さん、復習をきちんと……」

女「」パチッ  ガバッ

角女生徒「うわびっくりした!」

女「」ダッ

角女生徒「い、行っちゃった」

エルフ教師「はぁ……」

碧眼生徒「不良ってやつよね。あー変なのと一緒のクラスになっちゃったー」

角女生徒「魔法使ってたよね?」

碧眼生徒「はあ?そんな訳無いじゃん。今日習ったでしょ。魔法は魔導書に式を組まなくちゃ発動しないのよ?」

角女生徒「でも……」


エルフ教師「そうね。あれを魔法だと信じたくは無いわね」

碧眼生徒「ほら」

エルフ教師「だけれどあれは魔法よ」

角女生徒「えっ!?」

エルフ教師「彼女は特殊なの」

碧眼生徒「どんな風にですか?」

エルフ教師「知ると授業が馬鹿らしくなるから言わないわ。一つ言える事は、気にするな、ね」

角女生徒「余計に気になりますよ……」


【男学教室】

片目生徒「たっく魔族が羨ましいわ。最初から強えーもん」

鬼人生徒「主は人間じゃからな。種族的なもんじゃ、仕方なかろう」

男「でも先生が言ってたじゃん。最終的に肉体の差は無くなるって」

片目生徒「剣とか体術を極めればな。俺はそこまでできそうな気がしないわー」

男「まあまあ、そう言わずに一緒に頑張ろう」

鬼人生徒「して、気になっておったんじゃが、主はどうして片目なのかの?」

片目生徒「ん、ああ。小さい頃にな枝にザクッ、ポロッて」

男「痛てててて」

片目生徒「まあそん時に女性が回復魔法かけてくれてさあ、視力は無くなっちまったけど自分の眼は取り戻せた訳よ」

鬼人生徒「それなら義眼でも良かったんじゃないのか?」

片目生徒「いやそれがよ、その女性がさ……『今の私ではこれが精一杯です。いつか必ず完全に治せる魔法を覚えます』って言ってくれて去って行ったんだよ。だから俺は待ってるんだぜ。フッ」

男「つまりその女性が美人だったって事だね」

片目生徒「あたぼうよ」


鬼人生徒「ほっほっほ。主は鼻の下伸ばし太郎じゃな」

片目生徒「何つー名前!」

鬼人生徒「ほっほっほ」

男「何かいいなあ、こういうの」

片目生徒「美人に助けてもらった事か?」

男「じゃなくて。分け隔てなく人と魔族が接することができる事が」

鬼人生徒「そうじゃのぉ。主はどちらから来たのじゃ?人間界か?魔界か?」

男「んーどっちだろうね。転々としてたから」

片目生徒「で、ここに行き着いた、と」

男「そうそう。まさか人間と魔族の共存都市があるなんて夢にも思わなかったよ」

鬼人生徒「魔王様のお墨付きじゃ。秘密貿易などはここで行われておる。人間界に不足しておる物をこちらが供給し、逆にこちらが不足している物を人間界が供給する。よーできとるわい」

片目生徒「俺は生まれも育ちもここだから、魔族を怖いと思った事は無いぜ」

鬼人生徒「ほっほっほ。ならば食って進ぜようか?人の肉はうまいと聞く」

片目生徒「や、やめろよぉ!食うならこいつ食え」

男「え、ひどっ!」

鬼人生徒「主はうまそうじゃないのう。そもそも、主は人間か魔族かどちらなのじゃ?」

男「あー俺はー……」

女「男、帰ろう」ヌンッ

片目生徒「おわあ!?女の子が湧いて来た!?」

鬼人生徒「ぬ。これは魔方陣か。という事は魔法科の生徒じゃな」

男「いつもながら唐突だな、お前は」

女「褒め言葉?」

男「ご自由に受け取ってくれ」

女「じゃあ褒め言葉。嬉しい」

片目生徒「えっと男サン?これはドーユーコトデスカ?」

鬼人生徒「ニヤニヤ」

男「口で言うかな……えっと、一緒に旅してた仲間」

片目生徒「ほー?」

男「な、なんだよ」

女「訂正。仲間部分が家族」

鬼人生徒「なんぞ。主は家族がおったかや」

片目生徒「ちぇー」

男「いやいや。家族じゃないだろ」

女「……?」

男「いやそんな、何か的外れな発言しましたって顔されても。父母違うから」

女「違う。私は妻。故に家族」

男「」ブフゥッ

片目生徒「なに!?そんなに進んでるのか!」

男「違う違う!え、妻ってお前、婚姻なんてしてないけど!?」

女「大丈夫。心は常に新婚」

男「あ、ダメだ。これさっぱり通じないパターンだ」

鬼人生徒「祝うぞ」

男「そんなんいいから!真剣な目をしないで!」

女「さあ、帰ろう。《テレポート》」

男「ちょ、まっ」

シュン

片目生徒「き、消えた……」

鬼人生徒「かかぁ天下か。楽しいのお」

片目生徒「くっそー。羨ましいわ。しかも女の子、めっちゃ可愛いじゃん」

鬼人生徒「どちらも訳ありっぽいが」

片目生徒「訳あり?」

鬼人生徒「さての。検討もつかん」

片目生徒「ふーん……」

適当な時間に投下していきます。
お暇ならどうぞ

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