【艦これ】提督「二人の秘書艦」 (1000)

※キャラ、口調崩壊注意

※遅筆且つ不定期更新の可能性大

※不知火・Z3がメインのSSです。他の艦娘の出番は若干少ないかもしれません

※スローペース更新になります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409389461

提督「ふわ……眠いなぁ」

提督「今日は…出撃なしで演習と遠征で大丈夫か」

提督「後は書類が溜まってるからやらないと……めんど」

提督「愚痴っても減るわけじゃないし……今日も頑張りますか」ガチャ

不知火「おはようございます司令」

Z3「GutenMorgen.提督」


提督「おい待て。まだ朝5時前だぞ、何でお前ら執務室にいる」

不知火「何故…?」

Z3「…秘書官に任命したのはあなたでしょう?」

提督「いや確かにそうだけど……ま、まぁいっか…二人とも手伝ってくれるか…?」

不知火「私は別に構いませんが」

Z3「構わないわ、朝のうちに出来る限り片づけておきましょう」



提督(――ウチの鎮守府には秘書官が二人いる)

提督(最初は仕事が回らなく、ただの思いつきで『そうだ。秘書を二人にしたら捗るんじゃね!?』とした結果は――)



不知火「…」モクモク

Z3「…」モクモク


提督(うん…優秀。すごい優秀なんだけど…こう、思ってたのと違うんだ……)ズーン

提督(責任感強い二人を選んだんだが…些か強過ぎたかなぁ…)

不知火「司令」

提督「どうした不知火?」

不知火「司令が記入したこちらの書類ですが不備がありました」カサッ

提督「え」

不知火「不知火の方で修正しておきました。ご確認をお願いします」

提督「あの、不知火」

不知火「なんでしょう」

提督「…こんなにあるの?」

不知火「はい」

提督「……マジで?」

不知火「そのまま提出して恥をかきたいのなら別ですが」

提督「すみませんやります」


提督(はぁ……昨日は後半大分眠くなって適当気味にやってたからなぁ…仕方ないか…)カサッ

提督「あれ?」

不知火「どうしました司令」

提督「……この書類の字は不知火のか?」

不知火「…………いいえ、司令のものです」

提督「え?でも俺こんなに達筆じゃ…」

不知火「司令のものです、それとも不知火に何か落ち度でも?」ギロッ

提督「ごめんなさい」

不知火「分かればいいんです」サラサラ

提督(理不尽だ…)シクシク

Z3「あなた、今日は私は何をすればいいかしら?」

提督「あ、すまんなマックス。今日の分の開発と建造を頼みたいから工廠に行っててもらえるか?」

Z3「分かったわ、配分は?」

提督「しばらくは節約したいから最低限で頼む」

Z3「そう、了解。じゃあ行ってくるわね」ガチャ

提督「…」

提督(マックスも凄く頼りになる…秘書にとしても、駆逐艦としても)

提督(…でももうちょっと会話したい…不知火もそうだけど…)グス

不知火「司令。手が止まってますが」

提督「すみません…」シクシク




Z1「あ、マックス!」トテテ

Z3「レーベ。早いのね、どうしたの?」

Z1「あはは…マックスほどじゃないよ…。これからどこ行くの?」

Z3「工廠よ。今日の分の開発と建造を任されたの」

Z1「早い時間だから妖精さん達も大変だね…僕も行って良いかな?」

Z3「構わないわ。一緒に行きましょう」

Z1「ところでマックス。今日は提督にアレをご馳走出来たの?」

Z3「いいえ…忙しい身だから仕方ないわ」

Z1「…そんなこと言って、また素直になれなかったとかじゃないよね…?」

Z3「…」

Z1「……マックス」

Z3「…行くわよ、レーベ」スタスタ

Z1「もう…」トコトコ

不知火「…司令、12時です。そろそろ昼食のお時間ですが」

提督「…あぁ、そうか。先に行ってていいぞ不知火」

不知火「司令は…」

提督「俺は他にもまだやることがあるから先に食堂行ってていいぞ」

不知火「…そう、ですか。では失礼します」ガチャ


提督「…ふぅ」ギシッ

提督「はぁ~…まだこんなにあるのかよ…」ドッサリ

提督「不知火に手伝ってもらってこれだもんな…とにかく俺がやらんと…秘書艦に頼りっぱなしではいかんからな…」カキカキ





不知火「…」スタスタ

陽炎「不知火~!」フリフリ

不知火「陽炎」

陽炎「今からお昼?なら一緒にどう?」

不知火「構いません」

陽炎「さーんきゅ。ところで秘書艦の仕事はどう?」

不知火「いつも通りです」

陽炎「司令とは?」

不知火「…………いつも通りですが。どういう意味の質問ですか?」

陽炎「べっつにぃ~?」ニヤニヤ

不知火「…分かりました。午後の演習は大和型と金剛型で編成された艦隊が来てくれるらしいので陽炎に旗艦を務めるよう進言しておきます」

陽炎「ちょ、ちょっと!じょ、冗談!冗談だから!勘弁して!」

不知火「そうですか?残念です」

陽炎「…」ホッ

陽炎「でも本当に何にもないの?他の鎮守府だと秘書官に選ばれた娘って司令に気に入られてる証拠って聞くけど」

不知火「それは他所の話でしょう。ここはここです」

陽炎「相変わらずお固いなぁ……あれ?不知火?」

不知火「なんですか?」

陽炎「そのバインダー何?」

不知火「少し書類を持ってきました。移動の際にも目を通すくらいはできますので」

陽炎「…そ、そう。他の娘とぶつからないようにね」

不知火「はい」カサッ

陽炎(元々司令の仕事なんだけど…秘書艦ってだけでそこまでするかなぁ…?)

提督「……あ」

提督「あ~~~~~~もう!!疲れたー!!」バサッ

提督「もうやだぁ…何時間も書類とにらめっこしてるんだよぅ…」

提督「ちょっと疲れたし、気分転換……」ガチャ



Z3「きゃっ!?」

提督「おわっ!?……って、マックス?」

Z3「あ…ご、ごめんなさい」

提督「いや、いきなり開けて悪かった。どうかしたのか?」

Z3「……えぇと」

提督「?」

Z3「あなた…い、いま大丈夫かしら?」

提督「ん?まぁ…ちょっとだけ気分転換しようかなと」

Z3「…そう。ふぅん……そうなの」チラ

提督「どうした?」

Z3「………え、と。その」

Z3「…ば、バウムクーヘン。作ったのだけれど」

提督「え?」

Z3「…い、一緒にどう…かしら?」チラ

提督「……」

Z3「…その」

提督「ありがとう、マックス。じゃあ一緒に食べよっか」ニコ

Z3「! そ、そう?ふぅん…なら付き合うわ」

Z3「少し待ってて…一緒にコーヒーも淹れるわ」パタパタ

提督「おーいマックス。部屋の中で走り回るなよー」

Z3「あっ…ご、ごめんなさい」

提督「怒ってないから大丈夫だ。マックスのコーヒー楽しみにしてるよ」ニコ

Z3「そ、そう…」プイ


提督(…マックスからコミュニケーションはかりに来てくれる何て…提督さん感激っぽい…)ジーン

提督(嗚呼……甘い良い匂いがする……)ホワホワ

Z3「……ど、どうかしら?」

提督「……」モグモグ

Z3「…」ドキドキ

提督「……うん、美味しい!」

Z3「…!」ピクッ

提督「これなら毎日おやつで食べたいくらいだよ」モグモグ

Z3「…ふ、ふぅん…そう。そうなの……。ふぅん……」チラチラ

提督「コーヒーも……うん、いい濃さ」ズズ

Z3「…このくらいが好み?」

提督「バウムクーヘンと食べるならね。苦いのも甘いのも飲めるよ」ズズ

Z3「……そう」

提督「マックスは甘いのと苦いのはどっちが好き?」

Z3「そうね…少し甘めの方がいいかしら」

Z3「…あっ!に、苦いのも別に飲めるわよ?」

提督「…」ニコニコ

Z3「…その顔は、気に入らないわ」プイ

提督「ごめんごめん」クス

提督「マックス」

Z3「何かしら?」

提督「えっと……よ、よかったらなんだけど、これからも執務のときにたまにでいいからコーヒー淹れてくれる?」

Z3「!」

提督「…だめ?」

Z3「……いいえ、分かったわ」

提督「本当か?ありがとうなマックス!」ニコ

Z3「……別に、礼を言われることじゃないわ」プイ

提督「いいや、仕事中の楽しみが増えたよ。マックスの淹れてくれるこのコーヒーは俺好きだし」ズズ

Z3「………ふぅん、そう?そうなの……ふぅん」ソワソワ

Z1「マックス聞いたよ!」

Z3「…なにが?」

Z1「今日廊下で提督に会ってね!凄く上機嫌だったからどうしたのか聞いてみれば…」

Z1「マックスの用意したコーヒーとバウムクーヘン、とっても好評だったみたいじゃないか!」

Z3「…そう」

Z1「よかったねマックス。今まで練習してきたのが無駄にならなくて」クス

Z3「…そうね」

Z1「次の機会が楽しみだって提督言ってたよ!」

Z3「…ふぅん」

Z1「……ねぇ、マックス」

Z3「なに?」

Z1「顔、真っ赤だよ」クス

Z3「…ッ!//」プイ

Z3「……もう寝るわ。おやすみなさい」

Z1「え?ま、マックス?!さっき夜ごはん食べたばっかりだよ!?食べてすぐ寝たら身体に…」

Z3「……明日も早いわ」

Z1「ちょ、ちょっとマックス!もう少し聞かせてよ!」ユサユサ

Z3「……」モゾモゾ

Z1「そ、そんな風にお布団にくるまったら行儀悪いよ!マックスってば!」ユサユサ

不知火「失礼します、司令」ガチャ

提督「ん、不知火か」

不知火「本日の演習や訓練で使用したものの後片づけが全て終了しました」

提督「お~、ありがとう不知火」

不知火「…司令、まだ書類の山が残っているようですが」

提督「うっ……ま、まぁまだ提出期限じゃないから…」ダラダラ

不知火「それを置いておいて優雅にコーヒーですか」

提督「うぅ…」グサッ

不知火「第一、もしこぼして汚したらどうするおつもりで?」

提督「あうぅ…」グサグサ

不知火「…」ジトー

提督「…ほ、ほら!不知火もコーヒー飲むか?美味しいぞ!」

不知火「……」

提督「……」ダラダラ

不知火「……ふぅ」

不知火「では不知火も頂いてよろしいですか」

提督「おうもちろんだ!ちょっと待ってな」

不知火「あ…自分でやりますので…」

提督「そう言うなって。ほら」スッ

不知火「…ありがとうございます」ズズ

不知火「…ッ!」ピクッ

提督「え?どうした」

不知火「………いえ、なんでもありません」ズズ

不知火「~~ッ!」

提督「…………」

不知火「……なんですか。人の顔をジロジロと…」ギロッ

提督「い、いや…なんでもないよ?」

不知火「…」コトッ

提督「不知火…まさかブラックコーヒーがダメなのか…?」

不知火「そんなことありません。今飲んでるじゃないですか」

提督「でも少し苦そうな顔を…」

不知火「…」キッ

提督「はい、なんでもありません」

不知火「……ですがたまには砂糖やミルクを入れるのも悪くありませんね、これを頂きます」サーッ

提督(不知火がコーヒーに砂糖とミルク…すげぇ意外だ)

Z3「あなた、今日も私は工廠の方で良いかしら?」

提督「おう、ちょっと待っててくれ。今日は俺も行く」

提督「不知火、しばらくの間留守を頼む。何かあったら連絡してくれ」

不知火「了解しました」


パタン


不知火「……」

不知火「…」ギシッ

不知火「…ふぅ」ポフッ

不知火「これはなかなか良い椅子ですね…司令のくせに」

不知火「……」

不知火「……」ウトウト

不知火「…」ハッ

不知火「…いけません。不知火は留守を預かった身…仕事もせずこんなことをしている場合では…」











提督「…」

不知火「…すぅ…すぅ」

提督(帰ってきたら不知火が俺の椅子に座って寝息を立ててました)

提督「……どういう状況これ?」

不知火「んっ……ぁ…」ゴロッ

提督「…提督として、ここでとるべき行動はもちろん…!」

提督「……」

提督「イタズラしたら殺されそうだし肌掛け持ってこよ……明石さんのところにあるかな」ガチャ


パタン


不知火「し……れぇ……」ムニャムニャ

青葉「こんにちはー!マックスさん、レーベさん!」

Z3「…青葉?」

Z1「どうしたの青葉さん?」

青葉「いやーお二人はいつも仲がよろしいですね!」

青葉「実はちょっとマックスさんに取材したことがありまして!」

Z3「私に?」

青葉「えぇ。すこーしだけお時間良いですか?」

Z3「別に構わないけれど…」

青葉「ありがとうございます!実はですね…司令官にドイツのお菓子をふるまったとお聞きしたのですが…」

Z3「バウムクーヘンのことかしら?」

青葉「そうです!マックスさんって結構料理得意なんですか?」

Z3「日本食はさすがにまだ無理だけれど…人並みくらいなら」

Z1「そんなに謙遜することないと思うよ?マックスのお菓子はとっても美味しいですから!」

Z3「こ、こらレーベ…」

青葉「なるほどなるほど…」メモメモ

Z1「もしかして青葉さんも料理するんですか?」キョトン

青葉「え?あー…違います違います」

Z1「じゃあ一体…?」

Z3「…青葉、本当のことを話してくれないかしら」

青葉「あ~……」

Z3「……そう、じゃあまたね」クルッ

青葉「あっ!ちょ、ちょっと待ってください!わ、分かりましたよ!」

青葉「…ここだけの話ですよ?青葉自身も少しは興味ありますけど…この質問はあるお方に頼まれてるんですよ」

Z3「ふぅん?」

青葉「まずこの鎮守府での皆さんの料理の腕と得意料理は何か…そして最終的に司令官にご質問する予定なんです」

Z1「提督に?」

青葉「『皆さんから聞いたリストの中でだれの料理を一番食べてみたいか?』って質問です!」

Z3「……ふぅん、そう」

青葉「まぁ依頼主はプライバシーの関係でちょっと伏せさせて頂きますけどそう言うことです!」

Z3「あなたの取材にプライバシーって関係あるのかしら」

Z1「ちょっとマックス!」

青葉「あ、あはは……手厳しいです……」

青葉「とにかくありがとうございました!」ダッ


Z1「提督がだれの料理食べてみたいか。かぁ…確かにちょっと気になるねマックス」

Z3「…」

Z1「…マックス?どうしたの」

Z3「レーベ、この後暇かしら?」

Z1「え?うん」

Z3「そう…少し新しいお菓子に挑戦したかったところなの、付き合ってもらえるかしら」

Z1「え?ま、マックス…わわっ?!そ、そんなに急がなくても大丈夫だってば!ひ、引っ張らないでよマックス~!」ズルズル

不知火「失礼します」

明石「あらら?珍しいですね。不知火さんどうしたの?怪我でもした?」

不知火「いえ、最近は出撃命令もないので」

明石「じゃあ…」

不知火「…その、秘書艦の仕事で少し」

明石「ふぅん?どこか痛めた?」

不知火「…肩が少々」

明石「あ~…書類仕事ばっかりよね…いいですよ、じゃあそこに横になってください」

不知火「? 肩なら横になる必要は…」

明石「座りっぱなしなら気付かなくても腰とかに来てると思いますよ。折角だからやっちゃいましょ」

不知火「そ、そうですか…」


不知火「…ん」

明石「このくらいで大丈夫ですか?」

不知火「はい…ちょうど良いくらいです」

明石「それにしても不知火さん頑張ってますね…マックスさんも一緒とはいえ秘書艦は大変でしょう?」

不知火「慣れればそれほどでもありません」

明石「…ふふ」クス

不知火「どうしました?」

明石「いえ、以前提督が秘書艦の二人が優秀すぎて、それに甘えちゃってるって言ってたのは本当だと思って」ニコ

不知火「自覚はあったんですかあの司令…」

明石「でも、秘書官に頼ってばかりでもいられないとも言ってたわよ?」

不知火「そうあってほしいですね」

明石「あらそう?じゃあ不知火さんは秘書艦の仕事は離れたいかしら?肩も凝るし」

不知火「………それは」

明石「はい、おしまい」パッ

不知火「…ありがとうございます」ムク

明石「私みたいにお傍で長い時間提督とお話できるっていう機会は少ないから、貴重だと思いますよ」ニコ

不知火「…明石さん、それはどういう」

明石「あ、じゃあこの後仕事ありますから!失礼しますね!」パタパタ

不知火「…はい、ありがとうございました」ペコリ


不知火「…会話、か」

不知火(思えば仕事の会話しかしていませんでしたね…)

不知火(…提督は、どう思ってるのでしょうか…秘書艦として無駄話するのは)

不知火「……今度、お茶でも淹れてみましょうか」スタスタ

夕張「~♪」

Z3「夕張」

夕張「わっ!?」ピッ

夕張「あ、あらマックスさん?」

Z3「夕張、今のは一体なんですか?」ジー

夕張「え~っと……て、提督に内緒にしてくれる?」

Z3「はい」

夕張「そう…マックスさん口堅いし大丈夫よね」

夕張「そのー…アニメ見てたのよ」ピッ

Z3「アニメ…これが噂に聞く日本のアニメですか!?」

夕張「あら?もしかして興味津津?」

Z3「はい…機会があれば見てみたいと……!」キラキラ

夕張「そう?じゃあこれちょうど見始めたばかりだし1話目から見ましょうか」ニコ

Z3「夕張…!Danke schon!」









Z3「ねぇ、あなた」

提督「どうしたマックス?」

Z3「明日の開発なのだけれど…島風の速度上昇のために土星エンジンに挑戦しても良いかしら」

提督「空中分解どころか海上分解するから却下だ」

Z3「」ガーン

不知火(ゴーストファイター…)

提督(夕張の影響だな…今度貸したBD返してもらわねーと…)

提督「…う、ん」ノビー

提督「よーし、今日の分のノルマ終わり~…」

不知火「お疲れ様です司令」コトッ

提督「お、ありがとう不知火…ほうじ茶か」

不知火「…コーヒーの方がよろしかったですか?」

提督「お茶も好きだから問題ないよ。ありがとうな」ズズ

不知火「いえ…」

提督「…よし不知火。マックスには内緒だぞ」ゴソゴソ

不知火「?」

提督「じゃ~ん、間宮羊羹~」テーレッテレー

不知火「!!」

提督「こっそりとっておいたんだ。一緒に食べないか?」

不知火「………」ゴク

不知火「…し、しかし今は職務中です」

提督「……そっか、じゃあ俺だけ」スッ

不知火「ッ!」ギロッ

提督「!」ビクッ

不知火「……」プイ

提督「……不知火」

不知火「なんですか」チラ

提督「あーん」スッ

不知火「…」

提督「…」

不知火「……」パク

提督「えっ」

不知火「……ご馳走さまです」

提督「あ、あぁ…どういたしまして……って不知火?!どこ行くの?!」


バタン!


提督(や、やべぇ…怒らせちゃったかな…)




陽炎「あれ?不知火、どうし―――え?ちょ、ちょっとちょっと!そんな全速力でどこ行くの!?」

不知火「」ダダダダ

陽炎「う~…ん?何か顔真っ赤だったし…どうしたんだろ?」

金剛「テートクゥ!」バターン

提督「おわっ!?な、なんだ金剛!?」

金剛「何だじゃアリマセーン!最近訓練訓練訓練…訓練ばっかりでつまらないデース!」プンスカ

提督「そうはいってもな…この前の大規模作戦のおかげで大分消耗したからまた集め直さないと…」

金剛「もう一回大規模作戦出来るほど持っておいて何言ってるんデスか…」

提督「妹の霧島だって言ってるだろ!『備えあれば憂いなし』って!」

金剛「限度と言うものがアリマース!それに艦隊の不満が溜まったら意味がないと思いマース!」プンスカ

提督「うぐ…そ、そうだが…」

金剛「なら今日一日付き合ってもらいマース!行きいますよテートク!!」ガシッ

提督「ちょ、ちょっと待て金剛!今日はやらなきゃいけないことあるんだ!せめて明日に…!」ズルズル

金剛「待てまセーン!!」



不知火「金剛さん」ヌッ

金剛「あ、不知火!聞いての通りテートク借りるネー!」ニパー

不知火「申し訳ありませんが司令が言った通り今日は片づけなければならない仕事があります。明日にずらしてください」

金剛「不知火まで……」ブーブー

金剛「不知火はいつもテートクと一緒に居られるからそんなこと言えるんデース!」

金剛「少しはワタシにもおすそわけを――――」ハッ

提督「?」


金剛「……も、申し訳ないネー…不知火、あ、明日また来マース……」ダラダラ

不知火「ありがとうございます」

金剛「じゃ、じゃあテートク…ま、また明日ネー……」ブルブル

提督「お、おう……?」

提督「…不知火何したんだ?掴まれてて後ろ向けなかったんだが…」

不知火「普通にお願いしただけですが?」

提督「そうか…まぁ金剛も分かってくれたみたいだし、明日行ってくるよ」

不知火「では明日の分の仕事も今日中に片づけましょうか」

提督「…………はい」

雷「たっだいまー!司令官!」

電「ただいまなのです」

暁「帰ってきたわよ司令官!」

響「ただいま」

提督「おー皆お疲れ様。どうだった?」

響「大成功だよ」

電「成果はこのくらいなのです」スッ

提督「おぉ~…さすが第六駆逐隊。いつも頑張ってくれてありがとうな」ニコ

暁「ま、まぁ私にかかればこんなもんよ!」プイ

雷「ねー司令官!ご褒美頂戴!」

提督「え?ご褒美?」

響「…そうだね、そのくらいはあっても罰はないと思うよ」

提督「う~~ん………」ムムム


提督「…よし」スクッ

4人「…」ワクワク

提督「…皆お疲れ様」ナデナデ

電「はわ…?」

雷「わ、わわ…」

提督「響と暁も…ちょっと帽子失礼」ヒョイ

提督「皆ありがとうな。皆のおかげでこの鎮守府があるわけだし」ナデナデ

暁「ちょ、ちょっと!レディーにナデナデなんて…!」

響「……司令官」

提督「なんだ響?」

響「…もっと」

提督「はいはい」

暁「ちょ、ちょっと!私にもしっかりやってよ司令官!」

雷「司令官ー!私まだ撫でられ足りないー!」クイクイ

電「え、えと…私ももっとしてほしいのです…」クイクイ

提督「はいはい」ナデナデ



不知火「…」

Z3「…」

Z3(…羨ましい)ジー

不知火(…不知火も秘書の激務をしているのですから同じ褒美があるべきだと思いますが)ジトー


提督「こらこら引っ張るなお前らー」ナデナデ

Z3「GutenMorgen.」ガチャ

Z3「…あら?」

提督「…zZZ」グーグー

Z3「…もう、執務室で寝るなんて…」ハァ

Z3「…提督。疲れているのならそう言ってくれればいいのに…」ファサ

提督「ん……」ゴロッ

Z3「もう少し寝てていいわ…大丈夫よ」

Z3「あら、これ…」スッ

Z3「…もう。上着までこんなところに放り投げて…」

Z3「………」

Z3「…」キョロキョロ

Z3「…少しだけ」ギュ

Z3「…! わ、私ったら何を考えて……!」ハッ

Z3(…い、いくら何でも勝手に人の上着を着るなんてまずいわ)

Z3「……」タタミタタミ

Z3「………」ジー

Z3「……」ギュッ

Z3「……!」スーハー

Z3(提督の、香りが一杯………)


Z3「…」

榛名「……」

Z3「……!?」バッ

榛名「え、えぇと……その…」

Z3「……ぁ、な……ぁ…?!」オロオロ

Z3「は、榛名…!ち、ちが…い、今のは…!」

榛名「……はい!榛名は大丈夫です!」パタン

Z3「ま、待って榛名!ご、誤解よ!待って!!//」ダッ

夕立「…報告は以上っぽい!」

提督「お疲れ様夕立、時雨」

時雨「提督、この後僕たちはどうすればいいんだい?」

提督「しばらく待機でOKだ。二人ともゆっくり休んでくれ」

夕立「了解っぽいー!時雨ー!間宮さんのとこ行くっぽいー!」パタパタ

時雨「はいはい…」クス



Z3「あの二人はとても頑張ってくれてますね」

提督「だな、あの二人は改二になってから特に。本当に頭が下がるよ」

Z3「…」

提督「どうしたマックス?」

Z3「え?」

提督「ずっとあの二人を見てたみたいだけど…何か変なところでもあったか?」

Z3「…以前からずっと気になってたことがあるのだけれど」

提督「なに?」

Z3「…この国の駆逐艦は改二になると髪型が変わるの?」

提督「へ?」

Z3「時雨と夕立…それに綾波もそう。けれど私は特に何も変わらなかったわ」

提督「…そんなに気になるか?」

Z3「…少なくとも実感がわかないっていうのはあるわ。本当に強くなったか……」

Z3「…貴方の役に、立てているか」

提督「マックス」

Z3「…ごめんなさい、暗い話をして。忘れて――」

提督「うーん…」ヒョイ

Z3「え?」

提督「マックスの髪型は今のままでも良いと思うけどな…髪の毛も綺麗だし」サワサワ

Z3「え?な…ちょ、ちょっと何して…!」

提督「うん、手触り良好」ナデナデ

Z3「…!//」カァ

提督「マックスは十分活躍してくれてるさ。いつもありがとうな」ナデナデ

Z3「ふ、ふぅん……そ、そう…なら…いい、けれど……//」

Z1「あ、お帰りマックス」

ビスマルク「あらマックス。お邪魔してるわよ」

Z3「……」

Z1「…マックス?どうしたの?」キョトン

Z3「……た」

ビスマルク「え?」

Z3「………撫で、られた」

Z1「撫でられた……?」

Z3「~~~~~!//」ボフッ

Z1「え?ま、マックス?!」

Z3「……!~~~!//」ゴロゴロ

Z1「な、何…一体…?」

ビスマルク「…なるほど分かったわ」

Z1「ビスマルク?何か分かったの?」

ビスマルク「きっと提督に頭をなでられたに違いないわ!」

Z1「えぇ?そんなまさか…頭を撫でられただけでこんな風になるわけないじゃないか」

ビスマルク「そんなことないわ。提督の手には魔力と呼べるほどのものが込められてるわ」

Z1「つ、つまり経験あるんだ…」

ビスマルク「もちろんよ!マックスばかりずるいわ!この前私だって戦果をあげたのだし…提督にねだってくるわ!」ガチャ

Z1「あ…ビスマルク!」

Z1「行っちゃった……ごめんねマックス。ビスマルクが変なこと言ってたけど気にしないで……」

Z3「……」

Z1「マックス…?」

Z3「……//」

Z1「も、もしかしてさっきの図星……?」

Z3「……//」コク

Z3「~~~~!///」ゴロゴロ

Z1(……そう言う反応されると僕も気になってくるじゃないか)ハァ

提督「昨日のビスマルクは一体何だったんだ…夜中に来たかと思えば頭撫でろと…」

提督「まぁ撫でたら満足して帰ったし…別に良いか」

提督「え~っと…今日はマックスには工廠と演習の監督頼んでるからOKだな…」

提督「あとは…書類は書くもの少ないから不知火に書類整理頼むか」

提督「不知火のことだからそろそろ来る頃―――」

不知火「おはようございます。司令」ガチャ

提督「お、噂をすれば…おはようしらぬ………い?」

不知火「如何しましたか司令?」

提督「し、不知火?今日は髪留めどうしたんだ…?」

不知火「…あぁ。これですか…朝起きた時見当たらなかったものでして…梳いただけです」

提督「そ、そか…」

提督(…元々美人だったけど…髪下すと何か大人っぽくなるな……)

不知火「司令、聞いてますか?」

提督「えっ?!あ…悪い、何て?」

不知火「本日の不知火の仕事は何をすればよいか、と」

提督「あーそうそう。今日は書類整理頼む。提出するものはほとんどないけど最近たまってばっかりだったから」

不知火「了解しました」



提督「……」サラサラ

不知火「……」カサ

不知火「……」イライラ

提督「……あ、あの不知火さん?」

不知火「何ですか」ゴソゴソ

提督「な、何か怒ってらっしゃいませんか?」

不知火「気の所為だと思いますが。それとも司令、何かしましたか?」

提督「な、何もしてない……はず」

不知火「………」イライライライラ

提督(な、何か余計不機嫌になった?!な、なんで!?マジで俺何かしたか!?)ビクビク

不知火(なぜ、マックスやビスマルクの頭を撫でて不知火にはしないんですか………!)イライライライライラ

不知火(人が撫でやすいように髪をおろしてきたというのに………何で何も気付いてくれないんですか……!)バキッ

提督(ふぇぇ……)ビクビク

不知火「……はぁ」カチャ

不知火(…いつの間にか昼になってしまった)

不知火「……いけませんね。こうでは…」

陽炎「あれ?不知火?」ヒョコ

不知火「陽炎。今お昼ですか?」

陽炎「まぁね。というか今日髪下したままなの?」

不知火「えぇ、まぁ」

雪風「わぁ!不知火さん大人っぽいです!!」ヒョコ

舞風「カッコいい~!いや…どっちかっていうと美人さん!?」ヒョコ

不知火「雪風に舞風…珍しい組み合わせですね」

雪風「今日は午前の演習で舞風さんと久しぶりに一緒だたったんです!」

舞風「それで不知火さんどうしたの?イメチェン?凄く似合ってるけど前の方が踊りやすそうだけど…」ウーン

陽炎「何でもかんでもダンス基準で考えるんじゃないわよ……」

不知火「…やはり急に変えたら変でしょうか?」

雪風「そんなことないです!舞風さんも言ってますけど凄く似合ってますよ!」ニパー

不知火「そう。ありがとう雪風」ナデナデ

雪風「わ?わわわ…?」

陽炎「…し、不知火が頭撫でるなんて…ほ、ほんと珍しいわね…」

不知火「……」

不知火(……司令にされなかった分、誰かに発散したかったんでしょうか)ナデナデ

雪風「はゎ~…落ち着きます……」ポワポワ

舞風「そういえばナデナデと言えばビスマルクさんが何か凄い騒いでたね。昨日してもらったとか何とか」

陽炎「あぁ。何でもマックスさんもしてもらったから私も~って話らしいわよ?青葉さんから聞いた話だけど」

舞風「ふ~ん」

雪風「あ!もしかして不知火さんもしれぇに撫でてほしかったんですか!?」

不知火「」ピタッ

陽炎「…………え?まさか不知火……」

不知火「雪風。そのようなことが不知火にあるわけがありません」メキメキメキ

雪風「し、不知火さん!い、痛い痛い痛いですー!!!」

不知火「…あっ!?す、すみません雪風!」パッ

雪風「ぁぅう……」グス

不知火「……今のは不知火の落ち度です。許してください…」ナデナデ


陽炎「つまり髪下して司令のところに行ったってことは……」ボソボソ

舞風「…マックスとビスマルクの話を聞いて羨ましがった…ってこと?」ボソボソ

陽炎「相変わらず素直じゃないわねホント…」

舞風「それにしても顔に出ないから分らないけど不知火さんかなり提督にぞっこんだよね…」

陽炎「…よーし、ここは私達が何とかしてあげましょ♪」

舞風「それはもちろん良いんだけど…具体的にどうすれば?」

陽炎「…私に良い考えがあるわ!」

舞風(今何か猛烈に嫌な予感したんだけど大丈夫だよね……)

提督「…ふぅ」ズズ

提督「何か自分でお茶淹れて自分で飲むってこんなにさびしかったっけ……」

陽炎「てーとく♪」ガチャ

提督「ん?陽炎?……と舞風に雪風と不知火?お前らそろってどうした?」

陽炎「え~っとね…」

舞風「ちょっと暇してたからさ!不知火の話聞いてたら手伝いしたくなって!」

不知火「で、ですから不知火一人で…」

雪風「しれぇ!雪風は何をお手伝いすればいいですか!?」キラキラ

提督「…たまにはこういうのも良いか。じゃあ皆で不知火の仕事手伝ってやってくれ。頼むぞ不知火」

不知火「…了解しました」

舞風(いいの…?どっちかっていうと二人きりの時間邪魔しちゃった感じだけど…)ボソボソ

陽炎(良いの良いの♪それ以上の報酬を司令からもらえるように仕向ければいいんだから♪)ボソボソ


不知火「――ということで、陽炎、舞風、雪風。よろしくお願いします」

雪風「はい!任せてください!」

陽炎「りょうか~い!分からないことあったら聞くから!」

不知火「はい。遠慮せず聞いてください」

雪風「はい!頑張ります!」セッセッ

不知火「雪風。それほど焦らずとも大丈夫ですよ。4人もいればゆっくりやっても問題ありません」

雪風「はーい!」

陽炎(微笑ましいわねぇ…不知火ったら意外に面倒見いいんだから)クスクス

舞風(それにしてもここからどうやって撫でられる流れに……?)キョトン

舞風「―――――ん~~!終わったー!」

雪風「ふわぁ……疲れました…」フニャ

不知火「皆さんお疲れ様です。非常に捗りました」

陽炎「な~に良いって良いって!お礼は司令から貰うからさ!」

提督「え?なに?」

陽炎「ねー司令…私たち頑張ったからご褒美くれるよね~?」チラ

舞風「!」ピーン

舞風「だよね~提督!舞風疲れちゃったよー…」

提督「お前らそれが目的か……」ハァ

提督「まぁいいか、実際助かったしな。何が欲しい?」

雪風「しれぇ!しれぇ!ナデナデしてください!!」

陽炎・舞風(雪風ナイスアシスト!)グッ

提督「……最近艦娘達の間で流行ってるのか? それで良いなら良いけどさ…」ナデナデ

雪風「はふぅ……落ち着きます~……」ポワポワ

提督「ほら陽炎、舞風。二人ともこっち来い」

陽炎「え!?わ、私も!?」

舞風「い、いや別に私たちは……」

提督「そう言うなって。二人もありがとうな」ナデナデ

陽炎「え?ぁ…わ……//」

舞風「ぁ…//」

陽炎(な、なにこれ……!?なんて言うか、その…凄く気持ちいい…//)ポワポワ

舞風(す、すご…とっても安心するっていうか……//)ポワポワ


陽炎・舞風(こ、これが噂の提督の魔のナデナデ……!//)

提督「…はい、おしまいな」パッ

陽炎「あ……う、うん…//」

舞風「…//」ポー

雪風「ありがとうございますしれぇ!」ニパー

提督「ほら、もうすぐお前たちは夕飯の時間だぞ。食堂行ってくると良い」ニコ

雪風「はい!陽炎さん!舞風さん!行きましょう!」

陽炎「あ……う、うん…」ボー











陽炎「…なんていうか、確かに凄かったね…」

舞風「ビスマルクさんが騒ぐ理由が分かったよ…確かにあの手に何か魔力とか宿ってるよ…」

雪風「すっごく気持ち良かったですね!」ニパー

舞風「…でもなんか忘れてるような」ハテ

陽炎「…………あっ」

舞風「思いだしたの?」

陽炎「………し、不知火」

舞風「……………」

舞風「………あ、後で謝ればき、きっと許してくれるって……う、うん…」ダラダラ

陽炎「…あ、あの子が本気で怒った目つきで睨まれでもしたら殺されても文句言えないわよ……」ダラダラ

舞風「そ、その時はお互い覚悟しよ……」

提督「…よし、今日はこんなもんかな」トントン

提督「不知火も悪いな。こんな時間まで付き合ってもらって」

不知火「…いえ。仕事ですから」

提督「いや今日は本当に助かったよ。ちょっとお茶でも飲んでゆっくりしてくれ」コトッ

不知火「…ありがとうございます」スッ

不知火(陽炎達は、撫でられてとても満足そうでした…)

不知火(きっと不知火の意図に気付いて余計なおせっかいを考えてたのでしょうが…司令にあぁされたら仕方ないでしょう…)

不知火(……不知火には、それほどの魅力がないのでしょうか…)ズズ

提督「どうした不知火?難しい顔して」ポン

不知火「いえ…何でもありません」

提督「そうか…何か悩みがあるなら聞くけど…」ナデナデ

不知火「…はい」

不知火「……」

不知火「……?!」クルッ

提督「ん?どうした不知火?」

不知火「え?あ……い、いえ……何も……」

提督「そか」ナデナデ

不知火「………」ソワソワ

提督「…俺、不知火には本当に感謝してるよ」

不知火「え?」

提督「不知火のおかげで俺みたいなのでもここに務まってられるし…正直不知火がいなくなったら不安で仕方ないよ」

不知火「それは…秘書艦としての能力が、ですか?」

提督「それは違う。今の鎮守府から誰が欠けたって嫌だよ」

提督「だけどその中でもさ、その……不知火とはもっと長い間一緒に居たい…んだ」

不知火「…!」ドキ

提督「…」ナデナデ

不知火「あ、の……し、しれ……」

提督「……よっと」シュル

不知火「え…?」

提督「不知火にプレゼント。と言ってもついさっき明石さんのところから買って来た安物のリボンだけどな…」アハハ

提督「…うん、これでいつもの不知火だ」ポンポン

不知火「……」

提督「でもたまには降ろしてるところも良いな。大人っぽくてよく似合ってる」ニコ

不知火「……そ、そうですか//」カァ

提督「ん…もういい時間だ。明日も早いしそろそろ戻ると良い」

不知火「……はい」スクッ



不知火「……あの、司令」ガチャ

提督「うん?」

不知火「……を」

提督「?」

不知火「…髪を、降ろしている不知火をお望みでしたら…いつでも言ってください」

不知火「…不知火は、貴方の期待に応えますから」

提督「え?しらぬ――」

不知火「では、司令もお休みになられてください。失礼します」


パタン


提督「……」

提督「…明日早速頼もうかなぁ」

不知火「…」ガチャ

陽炎「不知火!」

舞風「ほんっと~に…!」

陽炎・舞風「「ごめんなさい!!!」」

陽炎「謝って許してもらえるとは思ってないけど…!」

舞風「本当にごめんなさい…!て、提督のナデナデされたら…あ、頭から考えてること全部抜けちゃって…!」

不知火「……」

陽炎「ごめん!今度何でも言うこと聞くから!」

不知火「……」

舞風「……し、不知火さん?」チラ

不知火「…陽炎、舞風」

陽炎・舞風「は、はい!」ビシッ

不知火「気になさらないでください。貴方達のおかげですから」

陽炎「へ?」

舞風「え、えと…どういう…?」

不知火「貴女達のお節介のおかげで目的は果たせた、ということです」

陽炎「え?そ、それって…」

不知火「…それに、このようなものまで頂けました」

舞風「リボン…?もしかして提督から…?」

不知火「はい」

陽炎「……やったじゃん不知火!!勇気出した甲斐があったね!」ダキッ

不知火「暑苦しいです陽炎。ですが貴女の助言のおかげでもあります、感謝します」

不知火「舞風、貴女もありがとうございました」

舞風「あはは…私は何もしてないよ。不知火さんが自分で頑張った結果じゃん!」

不知火「…そうですか」

不知火「私からのお礼です。二人ともありがとうございました」ナデナデ

陽炎「わ…な、なんか提督からよりも貴重かも…♪」ニコ

舞風「えへへ…ありがと不知火さん♪」ニコ

不知火「ですが不知火を出し抜いて先に撫でられたことは許しませんので、明日の訓練は覚悟してください」

陽炎・舞風「」

提督「不知火、今日は予定通り訓練の巡視の方頼む」

不知火「了解しました。行って参ります。マックス、司令をよろしくお願いします」

Z3「任せて。不知火も頑張ってね」

不知火「ありがとうございます。では失礼します」パタン


提督「さてと…今日もお仕事かぁ…」

Z3「…」

提督「マックス?どうした?」

Z3「…いいえ、不知火の髪留めが変わっていたから少し気になっただけよ」

提督「あぁ、いつもの髪留め見つかったらしいから何もあのリボン付けなくても良いのになぁ」

Z3「…あのリボンについて何か知ってるの?」

提督「え?知ってるも何も俺が不知火にあげたものだし…」

Z3「………ふぅん。そう」

提督「マックス?」

Z3「……別に。コーヒーでも淹れてくるわ」スタスタ

提督「お、おう…?」

提督(……何か不機嫌?)ハテ

提督「……もしかしてまた知らないうちに俺なんかしたかなぁ」ハラハラ

提督「戻ってきたら聞いてみる―――」

Z3「~~~~~!!!」パタパタ

提督「え?ま、マック……うわっ!?」ビクッ

Z3「~~~!!」ギューッ

提督(な、なに!?何で俺マックスに抱きつかれてるの!?)

Z3「ぁ、あ……あれ………!」ビクビク

提督「あれ…?」


カサカサカサカサ


提督「……うわぁ。そういうこと……」

Z3「あ、あなた…!納得してないでどうにか―――!」

提督「よいしょ」プシュー

提督「便利だなぁ…○キジェット…」


提督「ほらマックス。もう大丈夫だぞ」

Z3「……ほ、ほんと?」ビクビク

提督「大丈夫だよ。今度駆除入れておいた方がいいか……駆逐艦の子たちがびっくりするだろうし…」

Z3「そ、そうね……その方がいいと思うわ……」

提督「あの、マックス」

Z3「なに?」

提督「そのー……そろそろ離れてくれると嬉しいんだが…//」

Z3「……?」

Z3「ッ?!//」バッ


Z3「ぁ、あの………//」カァ

提督「えと……お、俺がコーヒー淹れてくるからマックスは座って待っててくれ……//」スタスタ

Z3「あ……」

Z3(…怒らせてしまったかしら……)シュン

Z3(でも……提督のぬくもりと香り……あの時の上着なんて比じゃないくらい…)

Z3「……//」カァ

Z3「~~!//」ブンブン

Z3「…いけないわ。不知火にも任されたのだからしっかりしないと……」フルフル

Z3「でも……ふふっ」クス

提督「どうしたマックス?」ヒョコ

Z3「……なんでもないわ」キリッ

提督「??」キョトン

不知火「失礼します。司令……あら?」

提督「むぐ……不知火、おかえり」ゴク

Z3「お帰りなさい不知火」

不知火「お食事中でしたか。失礼しました」

不知火「………? 食堂にこのようなメニューありましたか…?」

提督「いいや? マックスが作ってくれた」

不知火「マックスが…ですか?」

Z3「えぇ。朝食も私が準備したのだけれど…少し足りなかったかしら」

提督「昨日少し運動したからかなぁ」モグモグ

Z3「昼食はしっかりとるようにしましょう。午後もあるのだから」

提督「うん、ありがとうなマックス」ニコ

不知火「………」

不知火(……なるほど、秘書艦として食事の準備、か)フム

Z3「不知火も如何かしら?食べるのなら準備するわ」

不知火「良いのですか?」

Z3「えぇ。少なめにしておきましょうか?」

不知火「お願いします」

Z3「どうぞ。お口に合えば良いのだけれど」

不知火「…頂きます」パク

不知火「………これは、良いものですね」モグモグ

Z3「そう、よかったわ」

提督「いやーマックスはきっと良いお嫁さんになるだろうな」モグモグ

Z3「!?」ドキッ

不知火「」ピクッ

Z3「…あなた、何を言ってるのかしら」ジロッ

提督「え?あ、あの…何かごめんなさい」ビクッ

Z3「……//」プイ

不知火「……」

不知火「……司令、急で申し訳ないのですが少しお暇を頂けないでしょうか?」

提督「ん?もちろん構わないぞ。形だけで出撃もないから暇だしな」アハハ

不知火「ありがとうございます。マックス、とても美味でした。ごちそうさまです」ガタッ

Z3「どういたしまして。不知火もゆっくり休んで」

不知火「はい、では司令、マックス。失礼します」ガチャ


提督「ん~……やっぱり不知火に頼り過ぎかなぁ…少し負担を減らすか…」

Z3「あなた。食べながら作業ははしたないわ」

提督「ごめんなさい…」

Z3「もう…仕方ないのだから」フゥ

不知火「……」スタスタ

不知火(お暇を頂いたのは良いのですが……)

不知火(料理……か。いまの不知火では到底作ることは至難…)

不知火「そうなると誰かに頼むことになりますが……」

不知火(間宮さん……は、きっとお忙しいでしょうし……そうなると非番で料理の出来る方は……)

不知火「…」ウーン

比叡「あれ?不知火さん」

不知火「比叡さん。お疲れ様です」

比叡「今日は秘書艦のお仕事はお休みですか?珍しいですね」

不知火「えぇまぁ…少しお暇を頂きまして」

比叡「ふぅん?」

不知火「……」ジー

不知火(そういえば、榛名さんと金剛さん…霧島さんは分かりませんがあの御二方は司令にお菓子や紅茶を振舞っている姿を見かけましたね…)

不知火(そうなると比叡さんも……)ジー

比叡「あのー…どうかしました?」

不知火「比叡さん。折り入ってお願いがあるのですが」

比叡「へ?私に?」

不知火「はい。実は―――」カクカクシカジカ

比叡「……なるほど!それなら任せてください!」

不知火「本当ですか?」

比叡「はい!カレーには自信があるので任せてください!作り方も簡単な方ですからね!」

不知火「ありがとうございます。よろしくお願いします」ペコリ

金剛「ハァー…今日も疲れたネー…」ガチャ

榛名「はい、でもこのあたりの海域は全て攻略しましたから出撃は少なめですけどね」

金剛「でもやっぱり訓練ばっかりじゃ飽きちゃいマース。テートクにはどうにかしてほしいネー」プンスカ

榛名「あはは…またお時間ある時にお邪魔しに行きましょうか」

金剛「賛成ネー!」

比叡「お帰りなさい金剛お姉さま!榛名!」ヒョコ

金剛「比叡!ただい…………ま………ネー………」

榛名「ひ、比叡お姉さま……あ、あの……そのエプロンは……」

比叡「はい!ちょっとカレーを…」

金剛「」

榛名「……すみません金剛お姉さま!榛名は用事を思い出しましたので失礼します!」ダッ

金剛「こ、コラ!榛名!!」ガシッ

榛名「は、離してくださいお姉さま!とても大事な用事なんです!!」

金剛「ひ、一人だけ逃げるなんて許さないネー!!」

霧島「だ、大丈夫ですよお姉さま……」

金剛「き、霧島!いたのなら何故止めなかったんデース!」ボソボソ

霧島「それがその……不知火さんに頼まれたそうなんです」ボソボソ

榛名「し、不知火さんが?どうして……」ボソボソ

霧島「よく分かりませんが料理を覚えたいらしく…比叡お姉さまに頼まれたそうです…」

金剛「Oh……酷いほどの人選Missネ………」

霧島「ですが逆に考えてください…不知火さんならきっといい影響を与えてくれるのではないかと……」

榛名「な、なるほど……比叡お姉さまの料理でも不知火さんならきっと良い方向に…」

金剛「…でも、不知火が料理したことないのなら手順の良いか悪いか判断付かないんじゃ……」

霧島・榛名「……」


比叡「皆!できましたよ!」

不知火「皆さんお疲れ様です。比叡さんに教わりながら不知火もお邪魔させて頂いてました」

3人(あ、もう逃げられない)

提督「……ふぅ」ギシ

提督「う~ん…金剛じゃないけど出撃ないと暇だなぁ…」

提督「明日あたり久しぶりに西方の海域で駆逐艦の練度上げでもしてみるかな…そうすると…」

コンコン

提督「…ん?もう23時過ぎてるのに誰だ……?どうぞ」

不知火「…」ガチャ

提督「不知火?どうしたこんな時間に」

不知火「……その」

提督「ん?その包みは……っていうかどうしたその指!?」

不知火「え?あ……いえ。なんでも…」

提督「何でもないってわけないだろ…ほぼ全部に絆創膏が…」

不知火「そ、それよりも司令!」キッ

提督「は、はい!」ビクッ

不知火「……これ、を」スッ

提督「……? 開けても良いか?」

不知火「はい」

提督「……これは、カレー?」

不知火「…はい。料理はしたことがありませんが…教わりながら」

提督「…い、いいのか?食べても?」

不知火「はい。その……司令のお口に合えば……よろしいのですが」モジ

提督「…」ドキ

提督(…え?不知火が俺の為に?指の怪我もそのため……!?)

提督「ありがとう不知火!ちょうど小腹が空いてて夜食が欲しかったんだ」

不知火「ですが…その」

提督「ん?」

不知火「ジャガイモや人参が煮崩れしてしまって……あまり見栄えが良くありませんが…」

提督「そんなこと?気にしないから大丈夫だよ」パク

不知火「あっ……」

提督「……」

不知火「……し、司令?」

金剛「……」

榛名「……」

霧島「……」

比叡「それじゃあ私はお風呂に行ってきますね!皆はゆっくりしていてください!」ガチャ

パタン

金剛「………Hey、榛名、霧島」

霧島「…はい」

榛名「何でしょうか…お姉さま」

金剛「……今日は、神が舞い降りたと言っても過言じゃないデース…」

榛名「…はい」

霧島「まさか……あのカレーが……」

金剛「人の食べられるものどころか普通に食べれるカレーになってたなんて……」

霧島「奇跡としか言いようがないですね……」

榛名「不知火さんには感謝しないといけませんね…」

金剛「まさか不知火にあれほどの能力があったとは……びっくりデース」

榛名「今頃不知火さん、提督に振舞っていらっしゃるのでしょうか…」

金剛「まぁ今日のところは普通のカレーが食べれたということで抜け駆けは認めてあげましょう…」

霧島「今後に期待ですね」

金剛「しかし初めて且つ比叡に教わりながらでよくこんなものが作れましたネ?」モグモグ

霧島「一応これを渡しておいて正解でした」スッ

榛名「これは…料理の本ですか?」

霧島「えぇ。一応と思って渡したんですが…きっとこれを参考にしたのかと」

金剛「なるほど……霧島の隠れたFinePlayネ!」

榛名「それがなかったかと思うとぞっとしますね……」

霧島「…そうですね」

提督「……不知火?」

不知火「なんでしょう」

提督「美味しかったからお礼がしたいとは言ったけど……これでいいの?」

不知火「はい。司令は不満ですか?」

提督「いや不知火が良いなら良いけどさ……」

提督「……何で膝枕?」

不知火「何か?」

提督「いや…男の膝枕って堅くない?」

不知火「いえ。不知火にはちょうどいいくらいです」

提督「そ、そうか…ならいいけど」

不知火「…司令、少し寝づらいので後ろのリボンを外して頂けませんか」

提督「ん?おう」シュル

不知火「ありがとうございます」

提督「…」

提督(…相変わらず綺麗な髪だなぁ)ナデナデ

不知火「んっ……し、司令?」

提督「あ…嫌だったか?」

不知火「いえ……あの」

不知火「もう少しだけ……し、して頂けると…」

提督「あいよ」ナデナデ

不知火(……言ってみるものですね)

不知火「それより司令…このような時間まで仕事をしてるのはお身体に障ります」

提督「あー…すまん。つい、な」

不知火「そのような意識ではそのうち倒れます。全員の士気にかかわりますのでご配慮ください」

提督「…分かった。心配してくれてありがとうな」ニコ

不知火「……そういうわけでは」プイ

提督「でもおまえたちが頑張ってくれてるのに俺だけのうのうと座って指示するだけなんて嫌だからな」

不知火「……仕方ないお方ですね。本当に」

提督「あはは……」ナデナテ

提督「……」

不知火「……」

提督「…なぁ、不知火」

提督「実はその……お前とマックスを秘書艦にしている本当の理由なんだけど…」

不知火「…」

提督「…不知火?」

不知火「……すぅ」

提督「ありゃ…寝ちゃってたか」

提督「仕方ない…ソファーで我慢してもらうか」ヒョイ

不知火「し……れぇ……」zZZ

提督「はいはい。俺もここで寝るから安心しなさい」

提督「…いつもありがとうな、不知火」ナデナデ

提督「さてとー……不知火にはあぁ言われたけど後ちょっとだけ……」

ガシッ

提督「……」

不知火「……」zZZ

提督「…あの、不知火さん?」

不知火「し……れ……休んで……ください……」zZZ

提督「…」

提督「夢の中でさえ気遣われてるって……そんなに俺無理してる?」

提督「…このままじゃ仕事できないし……寝るとしますか」フゥ

提督「ほら不知火。俺もちゃんと休むから放して……」

不知火「……」ギュー

提督「…あのー」

不知火「………やら」ギュ

提督(何この可愛い生き物)

Z3「GutenMorgen.あなた」ガチャ

提督「すー…すー…」zZZ

Z3「…また。疲れているのなら自室で休んでってあれほど……」

Z3「……? なんだかふくらみが大きいような……?」ファサ

不知火「……zZZ」

提督「…zZZ」

Z3「………………」

Z3「……」ゴシゴシ

Z3「……見間違い?」ジッ

提督「んっ……んう…」グーグー

不知火「……」スースー

Z3「……………な……な……!?」

提督「んぅ………?」パチッ

提督「あ……マックスか…おはよ」フワ

Z3「あ、あああ…あなた……な……なな……?!」プルプル

提督「…どうしたマックス?昼ドラで浮気現場を見つけた妻みたいな顔し――――」

不知火「……し、れぇ」クイクイ

提督「……」

Z3「……」


提督「………ま、待てマックス……ご、誤解だ……!」ダラダラ

Z3「あ、なた………」

提督「お、落ち着いて話を聞いてくれマックス……こ、これは……!」

Z3「――――ッ!」ダッ

提督「あ!ま、マックス!待ってってばー!!」

Z3「………」

Z3(……昨日、私が帰った後に何があったの……?)

Z3(不知火と提督…昨日と同じ服のまま…)

Z3「……まさ、か」

Z3「……!」ブンブン

Z3「……そんんわけないわ……そんなわけ……」

Z3「……てい、とく」ギュ

Z3「…………あ」ポロポロ

Z3「……だめ。こんなの…こんなつもりじゃ……」ゴシゴシ

Z3(と、止まらない……なんで……どうして……!)グス


ポン

Z3「ッ?!」ビクッ

鳳翔「どうなさいました、マックスさん?」ニコ

Z3「ほう……しょう」

Z3「…!」グシグシ

Z3「……なんでもないわ」

鳳翔「そんな顔では放ってはおけませんよ。なにがあったんですか?」ニコ

Z3「……」

Z3「…ッ!」ダキッ

鳳翔「あら……」

Z3「ほうしょう……鳳翔……」ギュー

鳳翔「…良いんですよ。周りにはだれもいらっしゃいませんから…」ナデナデ

Z3「っ……ぁ……ぅぅ……」ポロポロ

鳳翔「………」ナデナデ

鳳翔「……落ち着きましたか?」ニコ

Z3「……えぇ、見苦しい姿を見せてごめんなさい…」

鳳翔「いいえ、気になさらないでください」

鳳翔「それで、一体何があったんですか?マックスさんがあんなに取り乱すなんて…」

Z3「……それは」

鳳翔「提督絡みですか?」

Z3「ッ!」ビクッ

鳳翔「ふふ、当たりですか?」クス

Z3「……鳳翔には敵わないわ」プイ

鳳翔「なんとなくですよ。もし何かお手伝いできることがあるならお聞きしますよ」ニコ

Z3「……え、と。実は――――――」




鳳翔「………」

Z3「…というわけなの」

鳳翔「…なるほど」

Z3「…鳳翔、その…私はどうすれば…」

鳳翔「…」ウーン

鳳翔(提督のことでしょうから不知火さんに手を出した……なんてことはないでしょうね)

鳳翔(そうなると誤解の可能性が高いですね…しかし今のマックスさんでは混乱してしまうでしょうし…)

鳳翔「…少し時間を置きましょうか」ニコ

Z3「え?でも……」

鳳翔「マックスさんもまだ頭の中では整理しきれていないでしょう?」

Z3「う…」

鳳翔「ですから少し落ち着くためにもお休みしましょう。私のお部屋にいらっしゃいませんか?」

Z3「でも提督の仕事の手伝いは……」

鳳翔「今の状態で秘書艦のお仕事がまともにできますか?」

Z3「う……うぅ」

Z3「………お邪魔するわ」

鳳翔「はい、素直でよろしいです」ニコ

Z3「………ありがとう、鳳翔。貴女がいなかったら私……」

鳳翔「お気になさらないでください。たまたま通りかかっただけなんですから」ニコニコ

Z3(話には聞いていたけど……凄い安心感のある人だというのは本当なのね…)

鳳翔「では参りましょう」ニコ

鳳翔「ただいま戻りました」ガチャ

龍驤「お、鳳翔さんおかえりー!………っておやおや?」

Z3「お、お邪魔します……」

龍驤「なんやマックス?珍しいお客さんやな?」

鳳翔「えぇ、少し外でお会いしまして。マックスさん、適当にくつろいでいてください」

Z3「え、えぇ」キョロキョロ

龍驤「そんなビクビクしなくてもええで!なんなら寝っ転がっても大丈夫や!」アハハ

鳳翔「龍驤さん。マックスさんに悪いことを教えてはいけませんよ」メッ

龍驤「は~い…」

鳳翔「それじゃお茶でも淹れてきますね♪」パタパタ


Z3「えぇと……失礼するわ」スッ

龍驤「それにしてもマックスが鳳翔さんのお誘いに乗るとは珍しいな?」

Z3「そうかしら?」

龍驤「別に悪い意味やないけどいつも秘書艦の仕事忙しそうにしてるからなぁ。他の子が誘っても断ってることも多いし…」

Z3「…ごめんなさい」

龍驤「だから悪い意味やないで?それだけ提督にお熱ってことやろうしな!」アハハ

Z3「ッ!」ピクッ

龍驤「………あれ?」

鳳翔「龍驤さん。ちょっとよろしいですか?」ガシッ

龍驤「え?ちょ、ちょっと鳳翔さん?そ、その包丁置いて!?ま、待って待って!ちょい待ってぇええええええ!!」ズルズル

鳳翔「…ごめんなさい。龍驤さんが失礼なことをしたみたいで」コトッ

Z3「い、いえ……その、龍驤は?」

鳳翔「……………あぁ、ちょっとお隣の部屋で反省してますよ」ニコニコ

Z3「そ、そう……」

鳳翔「お茶とお饅頭でもどうぞ。甘いお菓子を食べると落ち着けると思いますよ」ニコ

Z3「…頂きます」パク

Z3「美味しい…!」モグモグ

鳳翔「ふふ、それはよかったです」ニコ

龍驤「う、ウチにも……」ズルズル

鳳翔「……反省しましたか?」ジトー

龍驤「も、もちろんです…」

龍驤(せやけど…さっきのは些か理不尽じゃないやろうか……)

Z3「ごめんなさい龍驤。さっきは少しビックリしただけ」

龍驤「あぁいや…知らんとはいえ不躾なこと聞いたウチが悪いんや、気にしないでええで」

鳳翔「少しは落ち着けましたかマックスさん?」

Z3「えぇ…」

龍驤「とはいってもウチも信じられへんなぁ…提督が秘書艦に手出すとはちょっと思えんけど」

Z3「………」

鳳翔「それは私も思っていますよ。あの人のことですからまた何か誤解を生むようなことをしてしまったのでしょう」

龍驤「色々抜けてるからなぁ提督は……それにしても鳳翔さんも中々提督のこと知ってるような発言やな?」ニヤニヤ

鳳翔「ふふ、一応これでも古くからいる方ですから。それに昔秘書艦を務めていたこともありますからね」ニコ

Z3「……」

Z3(…そういえば、あの時提督は……何か話をしようと……)

Z3(私……提督の言葉も聞かずに勝手に逃げて……)

Z3(もしかして……私は酷い勘違いを……)

龍驤「まーっくす!」ダキッ

Z3「きゃっ!?」

龍驤「そない難しい顔してたら折角の可愛い顔が台無しやで!もっと笑おうや!」ニコニコ

Z3「…龍驤」

龍驤「んー?」ニコ

Z3「……その、えっと………」

Z3「…ありがとう」プイ

龍驤「何やよく分からんけど…どういたしまして♪」ニコ

鳳翔「ふふ…やっぱり龍驤さんに会わせて正解でしたね」クス

Z3「あと、龍驤」

龍驤「うん?」

Z3「その…鳳翔と違って少し痛いのだけれど…」

龍驤「ウチはその台詞で胸が痛いわ」

コンコン

鳳翔「あら?どなたでしょうか?」

龍驤「ん~?他の空母の皆は今日は出掛けるって言ってたし…」

提督『鳳翔、龍驤。いるか?』

Z3「ッ!?」ビクッ

鳳翔「あらあら…提督ですか」

龍驤「はは~ん……。ほらマックス!こっちに!」グイグイ

Z3「え?ちょ、ちょっと龍驤…!?」

龍驤(ウチと鳳翔さんで提督に色々聞き出したる。提督の本音聞きたいやろ?)ボソボソ

Z3(でも……)

龍驤(マックスがいたら提督も何ごまかしてくるかわからんやろ?だからここで隠れて聞いてるのが一番やで♪)ニコニコ

Z3(……お願いするわ)

龍驤(うんうん、素直なのが一番やで♪)ニパー


鳳翔「すみません提督、お待たせしました」ガチャ

提督「いえ、こっちこそ休みなのにいきなり押しかけてすみません」

龍驤「どないしたんや提督?とりあえず上がってく?」

提督「あぁいや大丈夫だ。ちょっと聞きたいことがあってな」

鳳翔「あら、なんでしょうか?」

提督「マックスを見てないですか?いま少し探してて…」

Z3「……」ピクッ

龍驤「マックス?いやみてへんけど?」

鳳翔「……もしかして提督何かなさったんですか?」ジトー

提督「……………えぇっと、その」

龍驤「またおかしな間を……気になるなぁ?」ジトー

提督「………内緒にしてくれる?」

鳳翔・龍驤「もちろん♪」

Z3(凄まじいほどのすっとぼけぶりね…あの二人は…)ハァ

提督「―――とまぁそういう経緯で不知火に掴まってな……あぁして寝るしかなかったんだよ…」

鳳翔「…それは提督が悪いですね」

龍驤「せやな」

提督「分かってます……」ズーン

龍驤「それにしてもあの不知火が料理か……羨ましいやないか提督」ウリウリ

提督「あぁ、そりゃもう!」

鳳翔「提督、今はそういう場合ではないでしょう?」メッ

提督「ごめんなさい……」

龍驤「浮かれるのは分かるけど夜食作ってもらってお礼に膝枕に添い寝…それ以上してくれてるマックスに失礼やないか?」

提督「うっ……」

鳳翔「そうですねぇ…あ!では同じようにしてあげてはどうですか?」ニコニコ

提督「え」

龍驤「おぉ鳳翔さんナイスアイディアやな!そうすればマックスもきっと許してくれるで!」ニコニコ

提督「そう言う問題じゃ……それにまずマックスの誤解を解かなきゃ……」

Z3「それには及ばないわ」

提督「え」

龍驤「あ、マックス。折角もっと要求できるところやったのに…」

Z3「そこまでは頼んでないわ」

鳳翔「そうですよ龍驤さん。あまり調子に乗り過ぎはいけませんよ」

龍驤「うぐ…ごめんなさい」

提督「え……え?こ、これは…一体?」

Z3「……あなた」

鳳翔「マックスさん。先程の提督の話は聞いてましたよね?アレが真実だそうです」クス

提督「ほ、鳳翔さん?!分かっててやってたんですか!?」

鳳翔「えぇ、秘書艦を悲しませるような提督には少しお灸が必要ですからね」クスクス

提督「あう……面目次第もありません……」

Z3「…鳳翔、龍驤。ありがとう。あとは自分でどうにかするわ」

鳳翔「はい、また何時でもいらしてくださいね」ニコ

龍驤「まっとるでー」ニコ

Z3「……Danke」ニコ


パタン


龍驤「…ちょっと最後のマックスの笑顔、レアやない?」

鳳翔「そうですね。いつもあれくらい素直ならきっと苦労しないと思いますけどね」クス

龍驤「違いない」アハハ

提督「え、えっと……」

提督「……さっきは本当にすまん!」ドゲザ

Z3「…」

提督(や、ヤバイどうしよう……どう考えても怒ってるよね……というか怒ってるから出て行ったんだよね……)ダラダラ

Z3「……あなた」クルッ

提督「は、はい!」ビクッ

Z3「…さっきの話、嘘はついてないのね?」

提督「…あ、あぁ。さっき話してた通りだ…」

Z3「………」ジー

提督「……」

Z3「……そう」プイ

提督(き、嫌われた………?!)ガーン

Z3「それじゃあ、そこのソファに座って」

提督「え?」

Z3「……嫌なの?」ムス

提督「はい!すぐ座ります!」バッ

提督「……あれ?座って一体何を………?」

Z3「…」ポフッ

提督「へ?」

Z3「……なに?膝枕は不知火にはやって私には出来ないの?」

提督「え?あ…いや?そ、そんなことはない…よ?」

Z3「…ふぅん、そう。ならこのまま」

提督「……」

Z3「……」

提督(…どういう状況なのこれ?)

Z3「あたま」

提督「え?」

Z3「…撫でて」

提督「…うん。ちょっと帽子取るぞ」ヒョイ

Z3「ん…」

提督「……」ナデナデ

Z3(………気持ち良い)

Z3「…あなた」

提督「ん、どうしたマックス?」

Z3「…さっきは話も聞かずに勝手に飛び出したりしてごめんなさい」

提督「いや…あれはどう考えても俺が悪いから。マックスの反応は当然だよ」

Z3「でも…」

提督「だからってわけじゃないけど…マックスにもこうしてたまに膝枕するからさ」

Z3「!」

提督「…それで許してくれないか?」

Z3「……もう」フゥ

Z3「…分かったわ。でももうひとつだけ、お願を聞いてくれないかしら」

提督「ん?」

Z3「……ッ」グイッ

提督「え?わっ!?」ドサッ

Z3「…っ!//」ドキ

提督「ま、マックス?どうした、いきなり引っ張ったりして……って!?ち、ちかっ…!//」ドキッ

Z3「…わ、私だって朝ご飯やお昼を用意したでしょう?これくらいしてもらわないと許さないわ……//」ギュ

提督「お、おい…!//」

Z3「……なに?それとも私には出来ないの」ジロッ

提督「い、いえ…そんなことありません……」

Z3「……なら、このまま」ギュ

提督(……俺もう死んでも良いや)


提督「…あの、マック―――」

Z3「…すー……すー……」

提督「」ズルッ

提督「ま、またこのパターンか……」ズーン

提督「……心配かけちゃってごめんな…マックス」ナデナデ

提督「なんか…マックスを探しに走りし回ってたせいで俺まで眠くなってきた…」ウトウト

提督(…何か、このままだと何かいやな予感がする…けど…頭があんまり……働かな……ぃ……)

提督「……ぐぅ」zZZ












不知火「失礼します」ガチャ

不知火「―――――――」ピキッ


その日執務室の壁が消し飛んだのはまた別のお話

ガチャ

不知火「おはようございます提督」

Z3「GutenMorgen.あなた」

提督「おはよう二人とも」

Z3「……今日も風通しが良いわね」

不知火「…申し訳ありません」ズーン

提督「もういいって…大体の修復作業終わってるし残りは妖精さんに任せてるから心配いらないよ」

Z3「書類とかは大丈夫だったのかしら?」

提督「あぁ。本当に大事なのは俺の自室にあるからここのはいつ燃えようが問題ないよ」

不知火「…提督、本日は何を…? この状況では限られてしまいますが……」

提督「…まぁ後片づけだな」

不知火「……申し訳―――」

提督「もういいよ不知火。俺も悪かったんだから」ナデナデ

不知火「………はい」

Z3「……」ジトー

提督「…さて、じゃあ今日は片づけしますか。二人とも本当は非番なのにごめんな」

Z3「いいえ。気にしないで」

不知火「今回は不知火の落ち度です。責任をとるのは当然です」

提督「ありがとうな、じゃあやろうか」ニコ






Z3「不知火。そっちの書類はどうする?」

不知火「それはこちらに纏めてしまいましょう。マックス、この資料は――」

Z3「それならこっちよ。月ごとに纏めておいてあるわ」パサッ

不知火「ありがとうございます。では次はこちらをやってしまいましょう」

Z3「そうね。そうなるとバインダーが足りないわね…あなた、予備はどこにあったかしら?」

提督「え…?あ、えぇっと……」ウーン

不知火「予備ならあそこの棚に」

Z3「分かったわ。ありがとう不知火」

不知火「いえ、こちらこそ取りに言ってもらって申し訳ありません」

Z3「気にしないで。その間に――」

不知火「準備はできています。先にこちらもやっておきます」テキパキ

Z3「ありがとう、助かるわ」テキパキ


提督「……」

提督(…俺、いらなくね?)

不知火(…さて、久しぶりに工廠を任されましたが)トコトコ

不知火(…『適当に』か。とりあえず爆雷と探信儀でも……)ウーン


ガサゴソ


不知火「?」

不知火「…誰?」

夕張「」ギクッ

不知火「…夕張?なにをしているのですか?」

夕張「い、いや~…えっと……ちょ、ちょーっと探し物してて……」

不知火「……そうですか。不知火も探しましょうか?」

夕張「だ、大丈夫!もう見つかったから!じゃ、じゃあね不知火さん!!」ダッ

不知火「……」

不知火(…案の定資材が若干ですが減ってますね。あとで司令に伝えておきましょうか)フゥ

不知火「……あら?」

不知火「……なんでしょう?失敗ペンギンの奥に何か……」ゴソゴソ


犬耳「」バーン


不知火「………………」

不知火「……まさか。こんなくだらないものを作るために貴重な資材を……」プルプル

不知火「……これで今日の分の開発は終了していますね……はぁ」

不知火「…仕方ありません。司令に報告を―――」チラ

犬耳「」

不知火「………」チラチラ














提督「やれやれ、不知火に伝え忘れちゃった…ちょうど良いしたまには俺も工廠で何か作って……」ヒョコ

不知火(犬耳装備)「あ」

提督「え」

不知火「…………………」

不知火「~~~~~!///」カァー

不知火「」ダッ

提督「え?え!?ちょ、ちょっと待って不知火!待ってー!!」ダッ

コンコン

提督「は~いどうぞ~」

鈴谷「おっ邪魔しまーす!」ガチャ

熊野「お邪魔しますわ」

提督「おぉ鈴谷に熊野」

鈴谷「あれ?今日は不知火ちゃんとマックスちゃんいないの?」キョロキョロ

提督「あぁ。二人ともちょっと見回り頼んでる。そのうち帰ってくるともうけど何か用だったのか?」

鈴谷「ふふ~ん……じゃあ鈴谷が今だけ秘書を……!」

熊野「鈴谷、用件が違いますわ」ハァ

鈴谷「え~…ね~ダメ?提督ぅー?」ジー

提督「ダメ」

鈴谷「ちぇ~。ケチ」ブーブー

提督「それで熊野。何かあったのか?」

鈴谷「ちょっとー!無視しないでよー!!」プンスカ

熊野「えぇ。間宮さんからお預かりものがありますの」ゴソゴソ

提督「間宮さんから?」

熊野「何でも新作のお菓子らしいですわ、これは提督専用とおっしゃってましたわ」スッ

提督「…へぇ」

鈴谷「……何デレデレしてるの提督」ムスー

提督「…そんなことないぞ」キリッ

鈴谷「ふーんだ……で、何のお菓子なの?」

提督「確かに気になるな…んと」ガサガサ

提督「…お、チョコだ」

熊野「あら、おいしそうですわね」

提督「早速一個…………」パク

鈴谷「提督~鈴谷も欲しいなぁ~」ジー

提督「………あ、俺専用ってそういうことか」

鈴谷「へ?なになに?も、もしかして裏に愛のメッセージとか……!?」

提督「違うわ馬鹿もの。これウィスキーボンボンだ」

熊野「えぇっと…お酒が入っているチョコでしたわね?」

提督「そうそう、とはいっても酒よりかはアルコール量少ないけどな」モグモグ

鈴谷「えー!なら鈴谷にも頂戴ー!」グイグイ

提督「わかったわかった。ほら、あーん」スッ

鈴谷「あー……んっ♪」パク

鈴谷「ん~…おいし♪」

熊野「……まったくもう、はしたないですわよ」ハァ

提督「いま暇だし間宮さんのとこ行ってお礼言いに行くか、二人も来るか?デザートくらいなら奢るぞ?」

熊野「ほ、本当ですの?」

鈴谷「やったー!行く行くー!!提督大好きー!」ダキッ

提督「コラ抱きつくな。それじゃ行くぞ」ガチャ

不知火「ただいま戻りました」ガチャ

Z3「途中で不知火と会ったから一緒に戻って来たわ。提督………あら?」

不知火「……不在ですか。午後は執務室にいると言っていましたが」

Z3「きっと何か急用でもあったのでしょう。不知火、紅茶は如何かしら?」

不知火「ありがとうございます。頂きます」

Z3「分かったわ。……あら?」

不知火「これは…チョコレート、でしたか?」

Z3「そうね。珍しいわね……間宮かしら」

Z3「ちょうど良いわね。量も結構あるし少し頂きましょうか?」クス

不知火「…いい案ですね。提督だけ美味しい思いをするのは頂けませんからね」クス

Z3「それじゃチョコに合う味にしてくるわ。少し待ってて」

不知火「はい、ありがとうございます」













鈴谷「いやー!ご馳走さま提督!」ニコニコ

熊野「ご馳走さまですわ提督」ニコ

提督「なに、いつも二人には頑張ってもらってるからこれくらいは何ともないって。毎日は無理だけどな……」アハハ

提督「っと…もう外も暗くなってきたしそろそろ二人は自室に帰る時間だな」

鈴谷「えー…もう少しだけ」ピト

熊野「すーずーや」グイッ

鈴谷「いたたたっ!み、耳引っ張らないでって熊野!」

熊野「では提督、今日はこれで失礼しますわ。お仕事頑張ってください」ニコ

提督「ありがとうな熊野、おやすみ」

熊野「はい、おやすみなさい♪」ニコ

鈴谷「いたた……おやすみ提督~…」ズルズル

提督「…さてと、不知火とマックスのことだから執務室で待ってるだろうし……戻るか」トコトコ

提督「ただいまー」ガチャ

Z3「…」

提督「やっぱり…あれ?でもマックスだけか。帰るの遅くなってごめんな、もう良い時間だし戻って大丈夫だぞ」

Z3「…」

提督(…寝てるのか?)

Z3「…」スクッ

提督「ん、起きてたのか」

Z3「……」フラフラ

提督「…マックス?」

Z3「………」ダキッ

提督「……へ?」

提督「お、おいマックス!?// ど、どうし―――」

Z3「……て」

提督「え?」

Z3「……ぎゅーって……して」ギュー

提督「え…?は…な、なぁ……!?//」

提督「ま、マックス?!ど、どうしたんだ急に…!?」アタフタ

提督「と、というかそ、その……や、柔らかいものが当たってるって……//」ドキドキ

Z3「……きらい?」

提督「えっ?」

Z3「わたしのこと、きらい…?」ウル

提督「」

提督「ま、まてマックス……お、落ち着け…//」

Z3「…こたえて」キュ

提督(な、なんでマックスが……い、一体どうして……?!)

Z3「……あなた」ウル

提督「う……」ダラダラ

提督「お、俺がマックスのことが嫌いなわけないだろ……?」ニコ

Z3「……ほんと?」

提督「…う、うん」

Z3「……」ギュッ

Z3「……嬉しい」

提督(やばい鼻血でそう……)

提督「って、そうじゃなかった!?マックス、一体何が……!?」アタフタ

提督「……? この、甘い匂いは…」スンスン

Z3「……ぅん?」トロン

提督「もしかしてマックス…アレ食べた?」

Z3「…うん♪」ギュ

提督(…あの量で酔ったのか。いや…大量に食べたという可能性も……)

Z3「…あなた」クイ

提督「え?」

Z3「あ~ん…」スッ

提督「…」

Z3「…………」ウルッ

提督「あ、あー……//」

Z3「! あ~ん…♪」スッ

提督「…んっ」パク

Z3「……ふふ、どうかしら…?//」ニコ

提督「…う、うん。美味しいよ……//」

Z3「ねぇ…私にも」ジー

提督「へ?あ……」

提督(……こ、こうなったら出来る限り満足させてやれば!)

提督「ほ、ほらマックス!あーん…」スッ

Z3「……ん」モグ

提督「……ど、どう?」

Z3「……うん、あなたからだから自分で食べるよりもおいしいわ…♪」ニコ

提督「…」ドキ

提督(や、やばい……俺の方が持たないぞこれ……///)

Z3「…あなた、指」ニギ

提督「へ?」

Z3「チョコ、ついてるわ…」

提督「あ…悪い。いま拭くから――」

Z3「……ん」パク

提督「なぁ!?//」

Z3「ん……ちゅる………む…」チュパ

提督「ま、マックス……//」

Z3「……ん」プハ

Z3「……うん、綺麗になったわ」クス

提督「う……//」ドキドキ

Z3「……あなた、もっと」ギュ

提督「ま、マックス…待て落ち着―――うわっ!?」ドサッ

Z3「……」

提督「ま、マックス…ちょ、ちょっとどいてくれないか……?」

Z3「……」

提督「…あの、マックスさん?そのー……ち、近いんだけど……//」

Z3「…ん」ハム

提督「?」

Z3「…たべへ」スッ

提督「はっ!?//」

Z3「………」ズイッ

提督「ちょ、ちょっと待てマックス……!//」バクバク

提督(や、やばいやばいやばい!ま、マックスの顔が近づいて………!///)

Z3「……」ピタッ

提督「……ま、マックス?」

Z3「…」ポロッ

Z3「………きゅぅ」パタッ

提督「っと!?」ガシッ

Z3「……すぅ……すぅ」zZZ

提督「………ね、寝たのか」ホッ

提督(安心したような、若干残念なような……)ハァ

Z3「あ……なた……」ギュ

提督「はいはい。俺はここにいるよマックス…」ナデ

Z3「……うん」ニコ

提督(……かわいいなぁ)

提督「……仕方ない、この時間ならレーベも起きてるだろうし迎えに来てもらうか」フゥ

提督「その間だけちょっとソファに……よいしょ」スッ

Z3「ん……」

提督「…チョコは隠しておくか。また酔ったりしたらこんなことになるし……」ゴソゴソ













提督「…これでよし」フゥ

提督「………」

提督(……なんだろう、なんか嫌な予感がするんだが)モンモン

提督「気の所為だよな、いまのうちにレーベを…」

ガチャ

提督「ん?」

不知火(犬耳装備)「お待たせしました」

提督「」

提督「え…あ、の…不知火さん?」

不知火「なんでしょうか」

提督「……その、犬耳はなんですか?」

不知火「これですか」ピコピコ

提督(自動で動いてる?!)ビクッ

不知火「司令がお好きかと思いまして。如何でしょうか」ジー

提督「え?あ……」

提督「……う、うん。よく似合ってると思うぞ」ニコ

不知火「そうですか」

提督(…よ、酔ってるのか酔ってないのか分かりづれぇ……)

提督(いやだが…不知火があんなもの付けてる時点で酔ってるよな…?)

不知火「司令?どうかなさいましたか?」ジッ

提督「え?あ、あぁ!なんでもない!」

不知火「そうですか」

提督「……」ジー

提督(…マックスみたいに暴走してる様子はないし…今日はもう戻ってもらえれば良いかな…)ホッ

提督「今日はありがとうな不知火。今日はもう休む準備しても良いぞ」ニコ

不知火「了解しました、では」ピト

提督「……あの」

不知火「はい?」

提督「…何で俺にくっつくの?」

不知火「休む準備をしてもよいとおっしゃいましたので」

提督「えっと…つまり?」

不知火「不肖不知火が司令のお傍で一夜をともにする務めを果たさせて頂きます」

提督「」ブフッ

不知火「さぁ!不知火を犬と思って扱って頂いて結構です!」ピシッ

提督(だめだ!酔ってないかと思ったらベロンベロンだよこの子!!)

不知火「…司令」スリ

提督「し、不知火?」ビクッ

不知火「……司令」スリスリ

提督(なんか…不知火が尻尾振ってるような幻覚が見えてきた……)

提督「……」スッ

不知火「!」ピクッ

提督「…」ナデナデ

不知火「ん……」

提督「……犬か」ポツリ

不知火「はい……不知火は、貴方の犬です」ピクッ

提督「じゃあ…こっちか」サワッ

不知火「んっ…?!」ビク

提督「ほら、顎の下~」サワサワ

不知火「んっ……く……」

提督「どうだ不知火?」

不知火「す、少し…くすぐったいです……」ビクッ

提督「我慢しなさい。ほらいい子良い子」ナデナデ

不知火「んぅ……」トロン


提督「……」ナデナデ

提督(……ちょっと待って。冷静に考えて何してるの俺!?酔ってる子にこんなセクハラまがいな…!//)

不知火「……しれぇ」

提督「ご、ごめん不知火!調子に乗って……!」

不知火「…もっと」

提督「は?」

不知火「…もっと、してください……」ギューッ

提督「……………」

提督「……」サワサワ

不知火「ひぅ……んっ…//」

不知火「しれぇ……」トロン

提督(俺がダメになりそう)

不知火「……」ギュー

提督(…どうしよう、この状況)

不知火「……」スリスリ モゾモゾ

提督(どうにかして不知火もマックスみたいに眠れば……しかしどうやって…)ダラダラ

不知火「……」ピタッ

提督「…? どうした不知火?」キョトン

不知火「…ッ!」ガリッ

提督「いたっ!?な、なんだ不知火!?ど、どうし―――」

不知火「………が」

提督「へ?」

不知火「……不知火以外の、匂いがします」スンスン

提督「えっ」

不知火「…どういうことですか、司令?」ジッ

提督「いや…ど、どういうことって……」

不知火「…不知火では、不服ですか」

提督「は、はい?」

不知火「不知火は……司令の為なら…」スクッ

提督「あ、あれ?不知火…?」

不知火「………」ソワソワ

提督「……?」

提督「……な、なぁっ!?//」

不知火「……」プチプチ

提督「ちょっと待って不知火!!な、何で上着脱ごうとしてるの!?///」

不知火「……」

提督「ま、待て不知火!少し落ち着けって…!//」

不知火「……ん」ハラリ

提督「っ!//」プイッ

不知火「……司令、こちらを向いてください」

提督(む、無理……!//)ドキドキ

不知火「ご安心ください……司令になら不知火は……」

提督(だ、ダメだ……!酔ってる状態の不知火にこんなことするわけには……//)バクバク

不知火「……しれぇ」

提督(そ、そうだ!不知火には悪いけどこのまま逃げれば……!)

不知火「……」グイッ

提督「うわっ!?」ドサッ

不知火「…不知火を、みてください……」ガシ

提督「し、しま――――///」

提督「……あれ?」

不知火「なんですか」

提督「……お、おなか?」

不知火「はい」

提督(……なんだ、見せてるのはお腹だけか)ホッ

提督「ってそうじゃない!女の子がそんなことはしたないから早くしまいなさい!//」カァ

不知火「……司令、手を…」ガシ

提督「はい?」

不知火「……んっ!」ピクッ

提督「へっ!?し、不知火さん!?な、何で俺の手をお腹に……///」

不知火「…服従の、証…んっ……です……」ピクッ

提督「ふ、服従って…い、犬じゃないんだから……//」

不知火「いいえ……不知火は司令の犬です……。ですから……」ウル

提督「………」サワ

不知火「ひゃっ……んっ……」ピクッ

提督「……」ナデナデ

不知火「んぅ……ふっ……ぅ……!」ビクッ

提督(…柔らかい)プニプニ

提督「不知火…?」チラ

不知火「はっ………ん…は…ぁ……し、れぇ……?」トロン

提督「」

提督(む、無心で撫でろ!いま不知火の顔と声を認識したら理性が吹っ飛ぶ!//)ナデクリナデクリ

不知火「ぁ…ふ……ひゃぅっ……」ピクッ

提督(無理!!///)バクバク

不知火「し、れぇ……」ギュ

提督「な、なんだ?」ドキドキ

不知火「お願い…します……もっと………はげ……しく…」

提督「…し、らぬい」ガバッ

不知火「ぁ……」

提督「……不知火」

不知火「……」スッ

提督「……!」

提督(目を……とじた?つ、つまりこれ……//)

提督「……し、不知火…!」バクバク

不知火「……」

提督「そ、の……お腹、より……上は…//」

不知火「……」

提督「……不知火?」


不知火「……すー……すー……」zZZ

提督「」ゴンッ

提督「ま、またこのパターンか……!///」

提督「…いや、いいんだ。流されかけたとはいえいまの二人に手を出すなんて最低だ……」スッ

提督「ほら不知火。大丈夫か?」ヒョイ

不知火「し…れ……」ギュ

提督「ふぅ…こっちも陽炎呼んで連れてってもらうか…」ハァ

提督(……結果的に間違いが起きなくて本当によかった)ホッ

提督「…でも、二人ともいつか。な」ナデナデ

不知火・Z3「すぅ………」zZZ













Z1「ごめん提督、陽炎。マックスはアルコールには弱いんだけど…なのにこういうの好きだから」ハァ

陽炎「うぅん。ウチの不知火こそごめんね。本当はしっかりしてるんだけどねぇ…」フゥ

提督「不知火ってアルコール弱かったか?」

陽炎「分かんない。少なくともお酒なんて飲んでるところ見たことないし」

提督「そか…。今回は俺がこれを置いといたのが原因だ。レーベ、陽炎。すまないが二人を部屋まで頼む」

陽炎「りょうーかい!おやすみなさい司令!」ニコ

Z1「任せて、おやすみなさい提督」ニコ

提督「あぁ、おやすみ」ニコ


陽炎「にしても酔って寝るなんて…アンタらしくないわねぇ…」

不知火「…zZZ」

Z1「…でも、しっかりしてる分こういう姿を見れるのはちょっと嬉しいかもね」クス

陽炎「…そうね」クス

Z3「…zZZ」

提督「………」カキカキ

鈴谷「おっはよー!提督ー!」ガチャ

熊野「おはようございます、提督」

提督「ん、あぁ。おはよう鈴谷、熊野」

鈴谷「…あれ?不知火ちゃんとマックスちゃんもう見回り行ったの?早いね?」キョロキョロ

提督「あー…いや違くて。まだ来てないんだ」

熊野「…あのお二人がですか?珍しいですわね?」

提督「あぁ、陽炎とレーベからは一応連絡が来たんだが…しばらくしたら必ず行かせるから待っててくれ、と」

鈴谷「ふーん?あ!それじゃあその間だけ手伝っても良い!?」ズイッ

提督「……頼むわ。これにこの判子押すだけで良いから」

鈴谷「え?い、いいの?」

提督「あぁ…あの二人いないだけでこのざまだからな…猫の手も借りたい」

熊野「でしたら私も手伝いますわ。鈴谷、大事な書類なのではしゃいで破ったりしないようにしないでくださいよ?」

鈴谷「もー!それくらいわかってるってばー!」プンスカ

鈴谷「えっへへ~♪てーとくとお仕事~♪」ルンルン

提督「ありがとうな…助かるよ」フゥ

鈴谷「えへへ~それじゃあ今度デートしてよ~♪」ピト

提督「だめ」

鈴谷「えー……」

熊野「鈴谷、提督の邪魔をしてはいけませんわよ」

鈴谷「でもー…やっぱりなんかご褒美ないと……」ダルーン

熊野「そうですわねぇ…黙ってしっかりお仕事すれば提督もその気になってくれるのではなくて?」クス

鈴谷「えっ?!ほ、ほんと提督?!」

提督「え?あ、いや……」

鈴谷「よっしゃー!鈴谷頑張るし!」テキパキ

提督「……熊野」ジトー

熊野「ふふ、良いじゃないですの。少しくらい役得があっても♪」クス

提督「……はぁ」

陽炎「ちょっと不知火ー!早く起きなさいってば!」グイグイ

不知火「」モゾモゾ

陽炎「司令官心配してたわよ!早く行かないと迷惑でしょ!」ユサユサ

不知火「…しれい」ピタッ

陽炎「そうよ!早く起きなさい!」

不知火「………」

不知火「……」サスサス

不知火「―ッ!//」ガバッ

陽炎「ちょっ!だ、だから布団に包まらないでよ!」グイー

不知火「拒否します」

陽炎「もー!!」グイー


Z1「あのー…陽炎さん、不知火さん。いる……?」ガチャ

陽炎「あれ?どうしたのレーベ?」

Z1「その…実はマックスが、お布団から出てこなくて………」

陽炎「…あぁ、そっちもなのね」ハァ

Z1「あ…不知火さんもなんだ」

陽炎「うん。どうしようかしら……」

Z1「……提督に報告しに行こうか」

陽炎「あ、いいわね。昨日の記憶があること伝えれば提督もきっと分かって―――」


不知火「陽炎。いまここで沈みますか…?」チャキ

陽炎「お、起きたんだ不知火……ね、ねぇ。その物騒な艤装しまって……ね?」ダラダラ

Z1「か、陽炎さ――――」

Z3「レーベ。提督に何しようとしたのかしら?」ジャキ

Z1「ま、マックス……起きたんだ……」ダラダラ

陽炎「て、て言うか二人とも昨日何あったのよ!?それすら知らないわよ私は!」

不知火「…昨日」

Z3「…何が」

不知火・Z3「―――ッ!//」ボフッ

Z1「あ、あぁ!マックス!それ陽炎さんのお布団なんだから!ねぇってば!」ユサユサ

陽炎「…はぁ、なんなのよもう………」ガクッ

不知火「…おはようございます。司令」

Z3「ごめんなさい、昨日は急に休んでしまって」

提督「あぁ、気にしなくて良いよ。これを置いておいてすまんかった」

不知火「い、いえ…勝手に食べた不知火達にも落ち度があります」

Z3「そうね…ごめんなさい」

提督「……ところで二人とも」

不知火「はい?」

Z3「なにかしら?」

提督「……あの時の記憶ってないよな?」

不知火「………はい、申し訳ありませんが目覚めたときには陽炎に介抱されていましたので」

Z3「…………え、えぇ。私もレーベに介抱されていたから記憶がないわ」

不知火「……」ソワソワ

Z3「…」チラチラ

提督「…そか。ならいいや」ホッ

不知火「」ピキッ

Z3「」イラッ

提督「えぇっと…今日の二人に頼みたいことなんだけど…」

不知火「不知火は先日同様見回りに行ってきます。書類は司令一人でお願いします」スタスタ

Z3「そうね。不知火、私も同行するわ」

不知火「お願いします」

提督「へっ!?ちょっと二人とも?!お、お願い!今日提出の書類いっぱいなの!お願い手伝ってー!!」



Z3(わ、私にあんな真似をさせておいて……忘れてて良かった何て………!)イライラ

Z3(…提督の、指の味……)ソッ

Z3(―ッ!//)ブンブン


不知火(し、不知火の腹を触っておきながら……!//)イライラ

不知火(……)サスサス

不知火(―ッ!//)ガンッ


提督「ふぇぇ…二人とも手伝ってよぉ……」シクシク

Z3「……ふぅ」トコトコ

Z3「…今日の開発はどうしようかしら」

Z1「あ、マックス!」

Z3「レーベ、どうしたのかしら?」

Z1「うぅんと…今日はお休みなんだ。マックスは秘書艦のお仕事?」

Z3「えぇ、今日も開発ね」パラ

Z1「良かったら僕も着いて行って良いかな?」ニコ

Z3「えぇ、構わないわよ」ニコ












Z3「…はぁ、一個目から失敗とは幸先悪いわね」ペンギン

Z1「ふぅん…開発って大変なんだね」

Z3「レーベ、少しやってみる?」

Z1「え?いいのかい?」

Z3「えぇ、一緒に作るくらい問題ないわ」ニコ

Z1「Danke.マックス!じゃあ早速やって見るよ!」ニコッ

提督「おーいマックス……あれ?レーベもか」ヒョコ

Z3「あなた、どうかしたの?」

提督「ちょっと立ち寄っただけ、調子はどうだ?」

Z3「…ごめんなさい、今日はちょっと…ただ」チラ

Z1「マックス!これ楽しいね!」キラキラ

Z1「あ!提督!見てよ!初めて作って見たんだけど上手く行ったんだ!」サンシキソナー

提督「お、おぉ!凄いなレーベ!」

Z1「そ、そう?えへへ…」ニコ

提督「あぁ、ありがとうなレーベ!助かるよ!」ナデナデ

Z1「へ?あ…わわ……//」カァ

提督「それじゃあこれからちょっと別の鎮守府に連絡しなきゃいけないんだ。あまり根を詰め過ぎないようにな!」タタタ

Z1「……」ポケー

Z1(あれが噂に聞く提督の……確かにちょっと癖になるかも……//)ポンポン

Z3「………」ムッスー

Z1「あ……」

Z1「ご、ごめんマックス!別に僕は提督に褒めてもらってやったわけじゃ……!」アタフタ

Z3「…別に、分かってるわ」プイ

Z1「う…」

Z1「……えい!」ポン

Z3「きゃっ!?れ、レーベ?なに?」ビクッ

Z1「え、えと…僕のナデナデで我慢してくれないかな……?」ニコ

Z3「…」ポカン

Z3「……そうね、仕方ないからそれで満足してあげるわ」

Z1「そう?助かるよ」ニコ

Z3「…もう」クス

磯風「そういえば不知火」

不知火「なんでしょう磯風」

磯風「いまは司令の秘書を担当しているとのことだが、時報の担当はマックスと交互にやっているのか?」

不知火「…時報?」

磯風「む…不知火はやらない艦だったか」

不知火「どういうことですか?」

陽炎「あぁ、それって秘書の子が一時間ごとに司令に時間を伝えるんだっけ?」

磯風「その通りだ。無論全員が全員やっているわけではないがな」

陽炎「そういえば皆一度は秘書をやってるもんね。司令の意向で」

磯風「あぁ、おかげで司令がどういう人となりか理解できるからな。いまは不知火とマックスだがな」

不知火「…それで、その時報がどうかしましたか?」

磯風「いや、特にどうということはないが。二人いる場合はどうしているのかと思っただけだ」

不知火「…確かにマックスとともにいるときはマックスが司令に時刻を報せていますね」

磯風「そうか。私としては司令と会話できる機会につながるとも思っただけだ」

不知火「……なるほど」

陽炎「だからってさぁ磯風…司令にご飯振舞うのはもうやめた方が良いよ?」

磯風「なっ……う、浦風や谷風や浜風に手伝ってもらっている!」

陽炎「手伝ってもらってるのは良いけどさぁ…ちょっとは人の食べれる物をね…」

磯風「そ、そこまで言うのなら今度、素晴らしい朝食を用意してみよう!」ガタッ

陽炎「あー…いや遠慮しておく」

磯風「ぐっ………」

不知火(……時報、ですか)フム

不知火(……ヒトキューマルマル。司令、夕食の準備ができました)

不知火(……その、不知火が食べさせて――――)

不知火「」ガンッ

陽炎「ちょっ!?し、不知火何してるの!?」ビクッ

不知火「……いえ、何も」ポタポタ

磯風「ひ、額から血が出ているが……」

不知火「問題ありません」

磯風「そ、そうか…とりあえず止血だけは忘れないようにな……」

不知火「はい、助言ありがとうございました磯風」

陽炎(また変な妄想してたわねこの子……)

提督「マックス~」トコトコ

Z3「提督?どうしたの?」

提督「いや。ちょっと暇だから訓練見に来たところなんだけどみんなの調子はどうだ?」

Z3「良好よ。ちょうど今……」

伊19「あ!提督なのね!」サバッ

伊58「あ、本当でち!」ザバッ

提督「イク、ゴーヤ。お疲れ様、タオルどうぞ」スッ

伊19「提督に拭いてほしいのね!」

提督「あほか。自分でやりなさい」ポイッ

伊19「むぅ~……」フキフキ

伊58「提督も一緒に海に潜るでち!気持ちいいでち!」パタパタ

提督「あのな……俺は潜水艦のお前らと違って長時間潜れないし、第一いまこの服着て……」

ガシッ

提督「ん?」

伊168・伊401「……せーの!」グイッ

提督「ちょぉおおおおおお!?」ザバーン

伊8「作戦成功ね…♪」ブイ

Z3「な……あ、あなた!大丈夫?!」

提督「おまえら………」ザバッ

伊401「あははっ!提督ずぶぬれだね!」

伊168「どう?少しはすっきりしたんじゃない?」

提督「すっきりし過ぎだ!あーもー…水吸って重い……」

伊58「ゴーヤが拭いてあげるでち!」

提督「あー、ありがとな。まったく……」ギュー

Z3「……」ジー

伊19「わー!提督のお腹しっかりしてるのね!」ツンツン

提督「こ、こらやめろイク!くすぐったい!」

伊401「わーホントだ。かたーい」ツンツン

伊8「なかなか面白いの……」ツンツン

提督「やめろってのお前ら!」

Z3「……」ジー

Z3(…提督、意外としっかりした身体してるのね)

提督「……あの、マックス?」

Z3「え?」

提督「いや…いつまで触ってるのかなって……」

Z3「……」ペタペタ

Z3「ッ?!」パッ

Z3「……こ、こほん。ごめんなさい、つい」プイ

提督「いや…気にしなくても良いけど…」


伊168(…なに、この空気?)

伊401(んー…何かむずむずする?)

伊8(ふふ…微笑ましいですね)

伊19「マックスったら提督のこと本当に大好きなのね!」クスクス

伊58「お熱いでち!」ニヤニヤ

Z3「イク、ゴーヤ。今すぐまるゆを連れてオリョール海域を周回してきなさい。フタサンマルマルまで」

伊19・伊58「」

伊8「あーあ…」

伊168「…ま、自業自得ね」

伊401「てーとく!着替え持ってきたよ!」トテテテ

提督「お、ありがとうなしおい」ナデナデ

伊401「えへへ~♪」ニパー

Z3「…ふぅん」プイ

隼鷹「おーいマックスー?これでいいのかー?」

Z3「えぇ、そこで待機してて」

飛鷹「隼鷹、ちょっとずれたわよ」

隼鷹「うげぇ…ちょ、ちょっとくらいばれないって」

Z3「聞こえてるわよ。ちゃんとして」

隼鷹「わーったよ!あーもー…何で私が建造の手伝いなんて…」ブツブツ

Z3「ふぅん。なら提督の秘蔵のお酒を勝手に飲んだことを報告しても……」

隼鷹「よっし!こんなもんだな!」

Z3「えぇ。ありがとう」カーンカーン

隼鷹「ちくしょう……」シクシク

飛鷹「マックスさん大丈夫?高いから気をつけてね?」

Z3「Danke.大丈夫よ飛鷹」

隼鷹「………」ジー

飛鷹「どうしたの隼鷹?」キョトン

隼鷹「いやー…上を見上げれば綺麗な白いものが見えるなーって」

Z3「……?」

Z3「…なっ!?//」バッ

隼鷹「ありゃ。隠れちまった」

飛鷹「あのねぇ……まったく」ハァ

隼鷹「それにしてもちょっとは気をつけた方が良いぞマックスー。もしかしたら日頃から提督が覗いてるかもしれないぞー?」ニヤニヤ

Z3「な……ぁ…!?//」

飛鷹「隼鷹」ジロッ

隼鷹「あー…悪い悪い。冗談だってマックス」アハハ

Z3「……まったく」プイ

飛鷹「でもレーベさんと言い雪風と言い…よくそんな格好できるわねぇ…」

隼鷹「本人達にとってはアレが制服なんだろ?いいじゃん、露出多いし綺麗な脚も見れるしさぁ!」

飛鷹「セクハラおやじみたいなこと言ってるんじゃないわよ……」

Z3「………」

提督「…えっと、マックス?」チラ

Z3「なに?」

提督「…その、スパッツなんて穿いてどうしたんだ?」

Z3「…別に。それとも私がこれを装備していると何か不都合でもあるのかしら?」ジトー

提督「え!?い、いやそんなことないぞ!?」ビクッ

Z3「…そう。ならいいじゃない」プイ

Z3「……その、あなたは」

提督「え?」

Z3「…いえ、なんでもないわ。それより不知火はまだ来てないのかしら?」

提督「ん、そうだな。もうそろそろ来ると思うが…」

不知火「申し訳ありません。遅れました」ガチャ

提督「あぁ不知火。おはよ……………う?」

不知火「如何しましたか司令?」

提督「………あの、不知火?いつものスパッツは?」

不知火「……気分です。それとも何か不都合でも?」ジト

提督「い、いや……そんなことはないけど……」

不知火「なら構いませんね。では今日の仕事は…」クルッ

ヒラッ

提督「いっ!?//」プイッ

不知火「…どうしました司令?」

提督「な、なんでもない……//」ドキドキ

提督(ふ、二人ともどうしたんだ……いつもと違うとどうしてもそこに目が行くから…//)ドキドキ

Z3「…」ジトー

Z3「…でも、これは確かにいい装備ね」ピラッ

提督「ま、マックス!スパッツ穿いてるからってスカートめくるのやめなさい!はしたないから!//」カァ

不知火「…」ムス



隼鷹(おーおー、二人とも予想通りのことしてくれてからかい甲斐あるねぇ♪)コソコソ

不知火「…」トコトコ

不知火「……ん、あれは…」ピクッ

不知火「…しれ――――」ハッ

不知火「…」サッ



提督「…若葉、いつも言ってるけどネクタイするならちゃんとしなさい」

若葉「むぅ…しかしだな」

提督「しかしもなにもないの」

若葉「だがな…いつ出撃になるか分からないのだからそれほど身だしなみに気を遣わなくても…」

提督「若葉だって女の子なんだから少しは気遣いなさい…ちょっと失礼するぞ」

若葉「な…//」

提督「まったく…ネクタイも曲がってるしヨレヨレじゃないか…ほら、シャツもちゃんとボタン締める」テキパキ

若葉「て、提督…自分でやれるから…!//」

提督「そういうとまたそのままにするだろ。ちょっとじっとしてなさい」

若葉「ぅ…//」

提督「…よし、これで大丈夫だな」

若葉「…少し息苦しい」

提督「それはまぁ…慣れてくれ。似合ってるし可愛いぞ」ニコ

若葉「な…ぁ…//」カァ

提督「ん?」

若葉「……なんでもない//」プイ


不知火「………」











不知火「司令」

提督「お、不知火か。どうした?」

不知火「いえ、ちょうど姿を見かけましたので。執務室までなら御同行します」

提督「そうか。いまから戻るところだったから一緒に行くか」

不知火「はい」

提督「あれ?不知火リボン縦結びになってるぞ?」

不知火「…し、失礼しました。そ、その……司令が……」ソワソワ

提督「あぁ、ここでちょっと待つからいまのうちに直すと良いぞ」

不知火「…」

提督「不知火?」

不知火「…いえ、時間の無駄ですから執務室に戻ってから直します、ですがこのままだと見苦しいので外します」シュル

提督「そうか?じゃあ行くか」トコトコ

不知火(なぜ、不知火にはやってくれないのですか、司令……)シュン

不知火「…」

陽炎「ねぇ、不知火……不知火ってば!」

不知火「え?あ…なんですか陽炎?」

陽炎「なんですかじゃないわよ…ここ最近なんだかふらついてるじゃない。疲れたまってるんじゃないの?」

不知火「…いえ、少し考え事があるだけですので…」

陽炎「そう…?悩みがあるなら力になるわよ?」

不知火「いえ、不知火の問題なので…お気持ちは嬉しいですが大丈夫です」スタスタ

陽炎「あ…ちょっと不知火!」



不知火「……」トコトコ

不知火(…やはり、不知火にはまだ甘い点があるから…もっとしっかりしないと…)

不知火(司令も……不知火が…ちゃんとしているところを見てくれれば……不知火……を…)ボー

不知火「ぅ…」フラッ

不知火(まずい…意識……が…)













不知火「……ぅ」パチ

提督「起きたか」

不知火「……し、れぇ…?」

不知火「…ッ!?」ガバッ

不知火「ぅっ…」フラッ

提督「こら、急に起きたりしないの。急に廊下で倒れそうになったんだから」

不知火「え…?」

提督「覚えてないのか?廊下で不知火を見かけたから声かけようとしたら急に倒れたんだよ」

不知火「…そう、ですか」

提督「うん。だけど執務室のソファに寝させるにはちょっと悪いと思ってな…明石さんは今日不在だし申し訳ないけど俺の部屋に」

不知火「……」

不知火「…で、ではこの布団は……」モゾ

提督「あー…俺ので悪いな。一応昨日洗濯してもらったから大丈夫だと思うけど…」

不知火「い、いえ。問題ありません」

不知火(…仄かに司令の匂いが)スンスン

提督「それで不知火」

不知火「は、はい!」ビクッ

提督「…何があったんだ?」

不知火「……それは」

提督「…もしかして、過労か?」

不知火「…」

提督「……ごめんな、不知火」

不知火「え?」

提督「俺が不甲斐ないから…不知火とマックスにいつも頼り過ぎてた。しかも疲れにも気付いてあげられないなんて…」

不知火「な…そんな!司令が悪いわけでは…!」

提督「いやいいんだ。しばらく一人でやって見るよ。だから……」

不知火「司令!」

提督「わっ!?」ビクッ

不知火「あ…」

不知火「……大声をあげて申し訳ありません。司令、少しは不知火の話を聞いてください」

不知火「………その」モジ

提督「?」

不知火「………わ、笑ったり…しませんか?」チラ

提督「はい?」

不知火「…」ジー

提督「…俺は不知火の言うことを笑ったりなんてしないよ」ニコ

不知火「…そうですか、では」コホン

不知火「…」

不知火「…その、怖かった…のです」

不知火「不知火は…司令の目に映ってないのではないかと」

不知火「…金剛さんや、雪風…この前だと若葉…司令は彼女達に優しく接しているのを見かけました」

提督「若葉って…こ、この前の見てたのか」

不知火「はい、ですが………」

不知火「………………し」

提督「し?」

不知火「し、不知火には……どうしてそのようにしてくれないのですか……」チラ

提督「……………はい?」

不知火「その時…リボンを直してくれなかったではないですか……」モゾ

提督「…………え?」

不知火「ですから、司令は……不知火に興味がないのではないのかと…」

不知火「だから…司令のお役にたてるよう秘書官としての仕事に励めば…司令に認めてもらえると思って…」

提督「……」

不知火「…これで倒れてしまっては、本末転倒ですが」ハァ

提督「…」

不知火「…申し訳ありません。こんなくだらない理由で…」

提督「…」

不知火「…」モゾモゾ

提督(う、うそ…不謹慎だけど不知火がこんな可愛い理由で悩んでた何て……!)

不知火「し、司令!?」

提督「え?」

不知火「は、鼻血が出ていますが…」

提督「……」ポタポタ

提督「…はっ!?す、すまん!」フキフキ

不知火「えっと…ど、どうなさいました?」

提督「…不知火」キリッ

不知火(鼻にティッシュを詰めている状態でそんな顔をされても…)

提督「…ごめんな不知火。そんな風に悩んでるとは思ってなかった」

不知火「…いえ、ただのわがままですから…それにこんな子供のような理由…」

提督「…よいしょ」

不知火「?」

提督「ちょっと失礼するぞ」ファサ

不知火「し、司令?」

提督「寝てたからちょっと乱れてるからな…髪直さないとな。櫛通すぞ」

不知火「え?あ……はい…」

提督「…」サッサッ

不知火「…」ドキドキ

提督「不知火」

不知火「はい?」

提督「そう言う風に何かあったら遠慮なく言ってくれ。俺って昔から鈍感ってよく言われるから…」アハハ

不知火「司令…」

提督「それにな不知火。少なくとも、気にならない子を秘書に置いたりしないよ」

不知火「……え!?」クルッ

提督「ほら、動かない」

不知火「あ…も、申し訳ありません…」

提督「えっとな……不知火」

不知火「は、はい…」

提督「……これからも、よろしく頼むな」

不知火「……はい、期待に応えて見せます」ニコ

提督「あ…」ドキ

不知火「…どうしました、司令?」

提督「…なんでもない」ナデ

不知火「…そうですか」ウト

提督「…不知火?」

不知火「……すぅ、すぅ」zZZ

提督「……お疲れ様。お休み…不知火」ナデナデ

Z1「提督と不知火が怪しい?」キョトン

Z3「…えぇ」

Z1「どうしたんだい急に?執務中に何かあったの?」

Z3「…それが」



――――――――――――――――
―――――――――
――――――


不知火「司令、こちらの書類が完了しました」

提督「ん、ありがとう不知火」

不知火「…司令、その」

提督「んー…?」チラ

不知火「……」モジ

提督「…じゃ、この後も頼むぞ不知火」ポンポン

不知火「あ…」ピクッ

不知火「……はい、不知火。訓練の見回りに行って参ります」ピシッ

Z3「……」







Z3「…ということだったの」

Z1「つまり…何だか以前より意思疎通と言うか…目で会話しているという感じなの…かな?」

Z3「…そんなところね」

Z1「それで、どうするんだいマックス?」

Z3「……」

ビスマルク「話は聞かせてもらったわ」バーン

Z3「なっ……び、ビスマルク?」ビクッ

ビスマルク「安心しなさいマックス!私に良い考えがあるわ!」

Z3「…本当?」

ビスマルク「えぇ、任せなさい!」

Z1(…何だか不安なんだけど…大丈夫かなぁ)ハラハラ

提督「…ふぅ」ギシッ

提督(あれから不知火は何だかよく甘えて(?)くるようになったな…)

提督(心を開いてくれた証拠かな…俺も少しは不知火が何考えてるのか分かるようになったし…)

提督(少し、いやかなり嬉しいかな…)クス


コンコン



提督「うん?どうぞー?」

Z3「あなた…今いいかしら」ガチャ

提督「マックス?もちろん大丈夫だぞ」

Z3「えぇと……クッキー、焼いたのだけれど、休憩にどうかしら…?」

提督「え?クッキーを…マックスが?」

Z3「……ダメかしら」

提督「あ、いや…大歓迎だよ。一緒にマックスの淹れてくれたコーヒーがあると嬉しいかな」ニコ

Z3「ふぅん…そう。なら今淹れるから少し待って…」パタパタ








ビスマルク「ふふ…これならうまくいきそうね」モグモグ

Z1「…ねぇ、ビスマルク」

ビスマルク「どうしたのかしら、レーベ?」

Z1「マックスのクッキー食べたかったからとかじゃないよね…」ジトー

ビスマルク「…」ギクッ

ビスマルク「…そ、そんなことないわ!この国には『男を落とすなら胃袋から』という言葉があるらしいのよ!」

Z1「へぇ…それは知らなかった。どういう意味なの?」

ビスマルク「正直詳しいことは私もまだ理解したわけではないけど…金剛が言うには手料理で男を落とすということらしいわ」

Z1「ふぅん…?」

ビスマルク「それにそれだけじゃつまらないわ。もちろん私なりのアドバイスも施したから安心しなさい!」

Z1「へぇ…それは楽しみだね」

Z3「…どう?」

提督「美味しい…マックスは料理上手だよな」モグモグ

Z3「…そう?」

提督「うん。たまに作ってくれる朝食とか凄く美味しいし」

Z3「ふぅん……そう?なら毎日でも…」

提督「さすがにそれはマックスの負担になるから大丈夫だよ。気持ちは嬉しいけどな」ニコ

Z3「……」プク


Z1「…納得いかないっていう顔だね」

ビスマルク「え?そうかしら」

Z1「…………………」



Z3「…私もちょっと休憩するわね」

提督「あぁもちろん。そこに椅子あるから…」

Z3「……」ジー

提督「……マックス?」キョトン

Z3「…あなた、もう少し深く座ってくれるかしら」

提督「へ?」

Z3「はやく」

提督「あ、あぁ…?」ギシッ

Z3「膝をくっつけて」

提督「……?」スッ

Z3「………ん」ポスッ

提督「………え?」

提督「ちょ、ちょっとマックス!?ど、どこ座ってるの!?//」

Z3「……なに、嫌なの?」チラ

提督「い、嫌じゃないけど……//」

Z3「……ならいいじゃない。クッキー頂くわ」スッ

提督「あ、あぁ……//」ドキドキ



ビスマルク「ふふ…作戦成功ね!」

Z1「ちょ、ちょっとビスマルク…あ、あれはさすがに過激じゃ…//」

ビスマルク「過激って…何故かしら?私はいつも提督に撫でてもらうときあそこに座ってるけど…?」キョトン

Z1「それ絶対マックスの前で言わないでね」

提督「……」ドキドキ

Z3「……」モフモフ

提督(す、すごく落ち着いて食べてる……ビスマルクと言い…ド、ドイツではこれが普通なのか……!?//)

Z3「……なに?なにかついてる?」チラ

提督「え!?い、いやなにも……//」プイ

Z3「……そう」プイ

Z3「………」パクパク

Z3「…………………………………」パクパクパクパク

提督「ま、マックス?」

Z3「……なに?」ピタ

提督「い、いや…少し食べすぎじゃ…」

Z3「……そうね。ごめんなさい」

提督「別に怒ってるわけじゃないけど…あんまり食べすぎないようにな?」

Z3「……えぇ」

Z3「…………」

Z3(………落ち着かない)ソワソワ

Z3(ビスマルクに上手く乗せられた気がするわ……こ、こんな……)チラ

提督「ん?」モグ

Z3「……なんでもないわ」プイ

Z3(でも……このままじゃ何も…何も変わらない…)ギュ

Z3「………あなた」クルッ

提督「ん?どうしたマックス?」

Z3(……なんで、私はこんなに落ち着かないというのに…あなたはそんなに平然で…)ジー

Z3(……なんだか癪ね。こうなったら……)

Z3「……あ」

提督「あ?」

Z3「あーん………」スッ

提督「……」

Z3「……」

Z3(こ、これじゃ……わ、私が余計に恥ずかしいだけじゃない……!///)カァ

提督「……」

Z3「ぁ……そ、その……//」

提督「…」パク

Z3「あっ…!?」

提督「ん……ごちそうさま、マックス」

Z3「……そう。どういたしまして」

提督「……」

Z3「……」

Z3(ど、どうしよう……提督に変な子だと思われたりしたら……)ハラハラ

提督(……やばい、マックスの顔がまともに見れない……//)プイ

Z3「!?」ガーン

提督(ど、どうしよう…さすがにこの恰好のままじゃいずれ俺に限界が……//)チラ

Z3「…」ウルッ

提督「…え」

Z3「あ……」

Z3「ッ……ごめんなさい。いま、降りるから……」スッ

提督「ちょ、ちょっと待ったマックス!」ギュッ

Z3「ひゃんっ!?」ビクッ

提督「あっ……」

提督(…マックスのお腹柔らかっ)

Z3「あ、あなた……?」ビク

提督「あっ……そ、そのだな……」ダラダラ

Z3「……」チラチラ

提督「せ、セクハラじゃないぞ!?」

Z3「……は?」

提督(し、しまった…何言っていいの変わらなくて意味分からんことを……)ダラダラ

Z3「………そう」クス

提督「へ?」

Z3「別に私は怒ってないわ……その、あなたも…怒ってない?」

提督「え?あ……あぁ、俺は別に怒ってなんて…?」

Z3「……そう、ならよかった」ニコ

提督「??」

提督「……って!ご、ごめん!すぐ離すから……!」

Z3「…」ギュ

提督「あ、あれ…ま、マックス…さん?」

Z3「……もう少しだけ、こうしてくれるかしら…?」ギュ

提督「……わ、わかった」ギュ

Z3「ん……」ピク

Z3(暖かい……とても、安心する…)

提督「マックス?」

Z3「ん……な、に…?」

提督「…なんでもないや」

Z3「……そう」

提督「疲れてるなら少し眠っても良いぞ」

Z3「……ここで?」

提督「…マックスが良ければ」

Z3「なら…そうさせてもらうわ。でも…」コックリコックリ

提督「それまでこうしててやるから。安心しなさい」ニコ

Z3「ん…」

提督「…マックス」

Z3「すぅ……ん…」zZZ

提督「…やっぱり二人とも疲れてたんだな…ごめんな。今度休みあげるから許してくれ」

Z3「すー……すー…」

提督「…お疲れさま、マックス」クス












ビスマルク「……マックスったら羨ましいわ……私も…!」スッ

Z1「だ、ダメだよビスマルク!」ガシッ

ビスマルク「離しなさいレーベ!艦娘によって差をつけるなんて許されないわ!」ジタバタ

Z1「ま、マックスは毎日秘書艦として頑張ってるんだから!いいじゃないか!」

ビスマルク「私はだって定期的に演習と出撃でMVPとってるわ!」

Z1「その度に撫でてもらってるでしょ!少しは遠慮して!」

ビスマルク「嫌よ!」キッパリ

Z1「もー!ダメだってばビスマルクー!」グイグイ

不知火「……あら」トコトコ

Z3「不知火…?今日は提督にお休みを貰ったはずじゃ?」トコトコ

不知火「それはマックスも同じでは…。執務室ですか?」

Z3「…行き先は同じみたいね。良かったら一緒にどうかしら?」

不知火「えぇ、構いません」


Z3「それにしても…不知火も同じ考えだなんて…」チラ

不知火「それは不知火も同感です。マックスはそのあたりをメリハリ聞かせているものかと思っていました」チラ

Z3「…私は、なんだかあそこにいる時間がとても落ち着くの」

不知火「…それは」

Z3「…なに?」

不知火「……いえ、なんでもありません」

Z3「…そう」

不知火(きっと…司令がいるから。あの方のお傍にいるのが…不知火の…いえ、不知火とマックスにとっての…)ジー

Z3「…不知火?私の顔に何かついてるかしら?」

不知火「…失礼しました。なんでもありません」

Z3「ふぅん…?ところで不知火」

不知火「なんでしょう?」

Z3「…ごめんなさい、やっぱりなんでもないわ」

Z3(不知火が倒れたと聞いたあの日…提督と何をしていたのか聞くのは野暮、というものね…)


不知火「司令、不知火とマックスですが入室してもよろしいでしょうか?」コンコン

シーン

Z3「……いないのかしら?」

不知火「…無礼ですが、ちょっと覗いてみましょう…」カチャ

Z3「あっ…し、不知火…!」


提督「…すー……すー………」zZZ

不知火「………書類を枕にして寝ていますね」

Z3「……仕事が溜まっているのならそう言ってくれればいいのに」ハァ

Z3「私は毛布を持ってくるわ…不知火は書類が汚れないように片づけをお願い」カチャ

不知火「了解しました」

不知火「……」ジー

提督「むにゃ……」zZZ

不知火「………」ソ-

不知火「………」ナデナデ

提督「んぅ……」ピク

不知火「……お疲れ様です。司令」クス

Z3「……」トコトコ

Z3「えぇと…卯月の部屋は…」キョロキョロ

Z3「……最近は駆逐艦の数が増えたから探すのも一苦労ね…」フゥ

Z3(…いけない。秘書艦としてちゃんと把握し置かないと…)フルフル

Z3「…あ、弥生」

弥生「ん……マックス?」

Z3「ちょうどいいところに…貴方と卯月の部屋の場所を教えてくれないかしら?」

弥生「うん…?いいけど…弥生と卯月に何か用?」

Z3「いいえ、卯月だけよ。提督が呼んできてほしいと」

弥生「そうなんだ…。この後ちょっと用事があるから…道を教えるだけでも良い?」

Z3「もちろんよ。ありがとう」

弥生「うぅん…。えぇっと…ここからだと……」







Z3「弥生に聞いた通りだとここね……」

Z3「卯月、いるかしら?」コンコン

Z3「……卯月も外出してしまったのかしら?」ウーン

―♪――――♪

Z3「……うん?なんだか部屋から音が聞こえるけれど?」

Z3「……卯月?」ガチャ


<ココロピョンピョンマチ♪ カンガエルフリシテ モウチョットチカヅイチャエ!

卯月「簡単には、おーしえないっ♪」クルッ

Z3「…………」

卯月「……………………」

<ハ-ジメガカンジン ツンダツンダ♪


Z3「………ごめんなさい、お邪魔したわ」パタン

卯月「ちょっと待ってください」ガチャガチャ

Z3「ど、どうしたのかしら卯月……わ、私は何も見てないわ……」グイグイ

卯月「違うんですマックスさん。私の話を聞いてください」ドンドン

Z3「卯月、語尾がいつもと違うわ。冷静になりましょう」

卯月「冷静にお話しましょう?扉越しじゃあ分からないので面と向かって」ガチャガチャ

Z3「わ、わかったから…!わ、私も忘れるし他言しないから…!」

卯月「……ほんとぴょん?」

Z3「…えぇ、あと提督が呼んでいたから落ち着いたら執務室に来て。それじゃあ……」ソソクサ



弥生「あれ…マックス?卯月と一緒じゃないの?」

Z3「…弥生。悪いのだけれど卯月のフォローをお願いするわ……。私は先に戻ってるから……」スタスタ

弥生「……?」キョトン

雪風「しれぇ!」バンッ

時津風「しれぇー!」バンッ

不知火「こら雪風、時津風。部屋に入るときは静かに入りなさい」

雪風・時津風「ごめんなさい…」シュン

提督「まぁまぁ不知火。それで、どうした二人とも?」

雪風「しれぇ!遊んでください!」パタパタ

時津風「あたしともー!」グイグイ

不知火「……二人とも」ガシ

雪風・時津風「」ビクッ

不知火「司令は執務中です……。分かりますか……?」ニヤァ

雪風・時津風「」ガクガクガクガク

提督「不知火」

不知火「……失礼しました」パッ

提督「いいじゃないか。今ちょうど区切り良いしそれほど立てこんでるわけじゃないしな」

不知火「確かにそうですが……」

雪風「しれぇ!しれぇにこれ作ってきました!」スッ

時津風「雪風と一緒に作ってきたんだよ!」

提督「おー…花の冠か。誰に教えてもらったんだ?」

雪風・時津風「鳳翔さん!」

提督(凄い納得できる)

時津風「ねー、しれぇー!どうどう!?喜んでくれた!?」グイグイ

提督「うん、ありがとうな時津風」ナデナデ

時津風「えへ~……満足満足…♪でももっとしてもいいよ~?」ポワポワ

雪風「しれぇー!雪風にもしてください!!」グイグイ

提督「はいはい、両手が忙しいな……」ナデナデ

雪風「はわぁ~……」ポワポワ


不知火「………司令」スッ

提督「ん……?どうした不知火?頭こっちに向けて……?」

不知火「………」ジー

提督「………」ナデナデ

不知火「んっ…」ピクッ

提督「……」ナデナデ

雪風「不知火さん幸せそうです~……」

時津風「なーんか司令の撫で方あたしたちより優しい気がする~……」

不知火「」ハッ

不知火「……失礼しました」コホン

提督「いいや、どういたしまして」ニコ

不知火(久しぶりに撫でてもらえました………)ウキウキ

Z3「それでは、遠征に行ってきます」

ビスマルク「何で私まで…戦艦で遠征っておかしいと思わないの?!」

Z1「文句言わないのビスマルク……。ちょっとした旅行だと思えば良いじゃないか」

ビスマルク「むぅー……帰ってきたら提督に文句言わないと…」

Z1「……きっと資材いっぱい持って帰ってきたらいつも以上に褒めてもらえるよ」ボソボソ

ビスマルク「!」

ビスマルク「…ふ、ふふん?ならこのビスマルクの力を提督に見せつけなきゃいけないわね!さぁ行くわよレーベ!マックス!」ダッ

Z1「ちょ、ちょっと待ってよ!他の班と合流しなきゃ……って!ビスマルク!そっちじゃないってばー!」トテテテ


不知火「……大丈夫ですか?」

Z3「…レーベもいるし大丈夫だと思うわ。仮に戦闘になってもビスマルクがいれば大丈夫よ」

不知火「油断は禁物です。司令がおっしゃっている通り生還を優先してくださいね」

Z3「分かってるわ。不知火も提督をよろしく頼むわ」

不知火「任せてください。あぁ、あと今回の遠征なんですが…」

Z3「えぇ。私達の羽根伸ばしが目当てでしょう?」

不知火「…気付いていましたか」

Z3「もちろんよ。資材は十分すぎるほど備蓄があるし、ビスマルクを遠征班に入れている時点で分かるわ」

不知火「…そういうわけです。司令の御意向ですので思う存分楽しんできてください」

Z3「……私は、あの人の傍でも……」ボソ


Z1「マックスー!早く行かないと置いてかれるよー!」

Z3「不知火」

不知火「なんでしょう?」

Z3「…やっぱりなんでもないわ。行ってきます」

不知火「了解しました。お気をつけて」ピシッ

不知火「司令、マックス達が遠征に出たのを確認しました」

提督「ん……ありがと、不知火」

不知火「……司令?」

提督「どうした?」

不知火「若干顔が赤いようですが……如何されました?」

提督「そうか…?不知火の気の所為だと思うぞ?」

不知火「ですが………」

提督「さてと…じゃあ今日は基本的に皆休みだし…今のうちに書類……を…」フラッ

不知火「司令!?」

提督「ぅ…」パタ

不知火「司令!大丈夫ですか!?」

不知火(……ひどい熱。風邪程度なら良いのですが……)

不知火「こ、これは明石さんを呼べばいいのでしょうか……?しかし司令は艦娘では……」オロオロ

不知火(まずい…一度冷静に……しかしこのままでは司令が……!)

提督「…し、らぬい」

不知火「! 司令、大丈夫ですか!」

提督「…ごめん」

不知火「……体調管理については後ほど聞かせてもらいます。今は……」

不知火(…ど、どうすれば)


大淀「失礼します提督。……って、ど、どうしたんですか不知火さん!?」

不知火「大淀さん、いいところに……!実は―――」カクカクシカジカ

大淀「…分かりました。たぶん明石さんのところで薬を取り扱ってると思いますから持ってきます」

不知火「し、司令はどうすれば……」

大淀「落ち着いてください。一度提督の自室に連れて行ってお布団で休ませてあげてください。不知火さんの力なら大丈夫ですね?」

不知火「…はい、問題ありません」

大淀「ではそちらはお任せします。とにかく暖かくして休ませてください」

不知火「分かりました。ありがとうございます大淀さん」

大淀「どういたしまして、でも……」ジー

不知火「?」

大淀「不知火さんのそんなに慌てた姿はちょっと珍しいですね」クス

不知火「ッ!」ビクッ

大淀「ふふ、それじゃあ提督をお願いしますね。不知火さん」ニコ

不知火「……はい」

提督「………ん」パチ

提督「……あれ?俺の部屋……?」キョロキョロ

提督「執務室にいたはずじゃ……?」

不知火「司令、起きましたか」

提督「うわっ?!し、不知火!?な、なんで俺の部屋に?!」

不知火「……なんでとは御挨拶ですね。不知火が戻ってくるなり司令は倒れたのですよ」

提督「………」

提督「……あ」

不知火「思い出したようですね」

提督「……ごめん」

不知火「それはここに来る前に一度聞きました」

提督「ご、ごめ―――」

不知火「いいですから大人しく寝てください。あと、これを」スッ

提督「風邪薬?」

不知火「はい。明石さんのところで取り扱ってくれていたようです」

不知火「本来なら何か胃に入れた方が良いですが…とにかく今は休んでください」

提督「でも仕事………」

不知火「……司令」ギロッ

提督「」ビクッ

不知火「そんなお身体でまだそのようなことを言うなら不知火は本気で怒ります」

提督「……大人しくしてます」スゴスゴ

不知火「はい」

提督「ありがとうな不知火…でも風邪うつっちゃうからもう戻っても……」

不知火「いえ、司令は放っておくと何をするか分かりませんのでここに居させてもらいます」

提督「え?だ、だけど……」

不知火「心配せずとも勝手に司令の私物を漁ったりしません。ご安心して休んでください」

提督「そ、そうじゃなくて……」

不知火「……それとも、不知火がいては邪魔ですか?」ジッ

提督「え」

不知火「………」ジー

提督「…………そんなことは、ない」

不知火「……なら問題ありませんね。秘書艦として不知火が責任を持って看病させて頂きます」

提督(…不知火の看病、か)

提督(なんか…そう思うと安心して一気に眠気が………)ウトウト

不知火「不知火に何かしてほしいことがあれば…………司令?」

提督「……すー………すー……」zZZ

不知火「……」

不知火「…不知火は、いつまでもお傍にいます」

Z1「それにしても二人とも変わったよね」

Z3「なに?」

ビスマルク「どうしたの急に?」

Z1「二人ともここに来た時は凄く気を張ってたじゃないか。それに提督にも強気だったしね」

ビスマルク「そうだったかしら…?」ウーン

Z1「ビスマルク……君が一番そうだったじゃないか」

Z1「最初の頃は『提督、貴方の艦隊は少し規律が緩んでいるようね。私が一から教えてあげるわ。』って……むぐっ!?」

ビスマルク「……き、記憶にないわ!レーベの勘違いよ!//」

Z1「んー…んー…!」コクコク

ビスマルク「…わ、分かればいいのよ……//」スッ

Z1「ぷは………。別に良いじゃないか……提督も気にしてるわけじゃないんだから」

ビスマルク「だ、だって……その…」

ビスマルク「……最初はその、艦隊としてあるまじき空気だと思っていたわ」

ビスマルク「でも、提督や皆と過ごしていて…あんな場所があること、教えてくれたから…」プイ

Z1「ふふ、いいことじゃないか」ニコ

ビスマルク「そ、それに私だけじゃないはずよ!そうでしょマックス!」

Z3「…何がかしら?」

ビスマルク「貴女だって最初は提督につんけんしてたじゃない!知らないふりは通らないわよ!」

Z3「そうだったかしら…よく覚えていないわ」

ビスマルク「……へぇ、そう。提督が少し書類を渡そうとしただけで『何?あまり触らないで。』って言ってたくせに…」

Z3「………」

ビスマルク「それが今じゃこの前みたいに自分から膝の上に座ってクッキーを食べさせるなんて……」

Z1「あっ!び、ビスマルク…!」

Z3「………………そう。ビスマルク、レーベ。貴方達覗いてたのね」

Z1「い、いや…マックス。その…これにはわけが……」アタフタ

ビスマルク「感謝してほしいわね!私の的確なアドバイスがあったからこそじゃない!覗かれるくらい些細なことよ!」

Z1「ちょ、ちょっとビスマルク!開き直るところじゃないよ!」

Z3「……ふぅん。なら今度からビスマルクにはクッキーは作らないわ」

ビスマルク「えっ………」

Z3「ん…もうすぐ目的地ね。行きましょう」

Z1「あっマックス待って……わわっ!?」グイッ

ビスマルク「……レーベ」

Z1「ど、どうしたのビスマルク?」

ビスマルク「ど、どうすればいいの………ま、マックスがクッキーを作ってくれないほど怒るなんて思ってなかったわ………」ビクビク

Z1「え。そこ基準なの…?」


Z3「……?」クルッ

Z1「どうしたのマックス?」

Z3「…いえ、なんでもないわ。行きましょう」

Z3(……なに、かしら。この胸騒ぎ……)

Z3(不知火がいるから大丈夫だとは思う……けど、提督に何もなければいいのだけど)

提督「う………ん…?」パチッ

提督「ふわ……」ムク

提督「…そうだ、不知火に部屋まで連れてってもらって…薬飲んで……」ウーン

不知火「起きましたか、司令」

提督「うわっ?!」ビクッ

不知火「どうしました?」

提督「し、不知火……?」

不知火「はい」

提督(……あ、そうだ思い出した。不知火が看病してくれるってことに…)

提督「……あれ、不知火?」

不知火「はい」

提督「……ずっとそこにいたの?」

不知火「はい」

提督「…せ、正座のままで?」

不知火「はい」

提督(う、嘘だろ……俺がさっき寝た時間考えると…さ、3時間はそのままだったのか…!?)

不知火「どうかしましたか、司令?もしかして体調が悪化を……」ジッ

提督「あ、いや…。それより不知火、別に正座してことはないぞ?」

不知火「いえ、司令のお部屋にお邪魔している以上そのような真似はできません」

提督「そんな固いこと考えなくても……」グー

提督「………」グーグー

不知火「…どうやら、食欲はあるようですね。なによりです」

提督「…ごめん」

不知火「謝る必要はありません。ではお食事の用意を――――」ピクッ

提督「……不知火?」

不知火「……いえ、なんでも……………」グググ

提督「…まさか、足が――――」

不知火「不知火にそのようなことはありません」

提督「………」ソーッ

不知火「司令。今触ったらセクハラとして全艦娘に通達します」

提督「ごめんなさい」

不知火「お待たせしました、司令」コトッ

提督「…………」

不知火「…なんですか」

提督「し、不知火が作ったのか?」

不知火「はい、以前のカレーに比べればまだ簡単でしたから」

提督「もしかしてあれ以来料理を…?」

不知火「えぇ、まぁ…。鳳翔さんや間宮さんに…」プイ

提督「もしかして、俺のた―――――」

不知火「それよりお腹が空いているのでしょう、どうぞ」ズイッ

提督「え?あ、あぁ…ありがとう」

不知火「まだそれほど上達したわけではないので…塩で味付けしただけですが」

提督「いや、いい匂い…美味そう。頂きまーす……」スッ

提督「…あつっ!あつぅっ!?」ハフハフ

不知火「何をしているんですか……」ジトー

提督「す、すまん」

不知火「まったく…貸してください」パシッ

提督「あ…」

不知火「ふー……ふー……」

不知火「どうぞ」スッ

提督「え…あの、不知火…?」

不知火「どうしました司令?」

提督「……な、なんでもない。じゃあ……」パク

不知火「…如何でしょうか?」

提督「……」

不知火(……まさか、失敗を…)ハラハラ

提督「う……」

提督「美味い……!」

提督「不知火、もっとくれないか?」

不知火「…」ホッ

不知火「はい、少し待ってください」フーフー

提督「カレーも美味しかったけど…凄い上達したな不知火」

不知火「…ありがとうございます」スッ

提督「ん…」パク

提督「うん…不知火の作ってくれる料理の味、俺好きだよ」ニコ

不知火「…そうですか。作った甲斐がありました」

不知火(好き……好き、か)ドキ

提督「不知火?」

不知火「…いえ、どうぞ司令。まだありますから」スッ

提督「ありがと……。んまい」モグモグ

提督「ふぅ…ごちそうさま」

不知火「お粗末さまでした」カチャカチャ

不知火「司令、お加減はいかがですか」

提督「ん…大分楽になった。明日には復帰できると思う」

不知火「ですがあまり無理はなさらないように。明日の書類の仕事は不知火が引き受けますので」

提督「え…だけど」

不知火「なんでしょうか。何か文句が?」ジロッ

提督「……ないです」

不知火「はい」

提督(……あちゃ、寝てる間に結構汗かいたのか…。着替えないとな)

不知火「どうしました司令?」

提督「あー…ちょっと汗かいたみたいだ。着替えないとなって」

不知火「かしこまりました。替えを持ってきますので少々お待ちを」

提督「へっ!?い、いや自分でできるから着替えてる間不知火は外に……」

不知火「…それもそうですね。失礼しました」

提督(良かった…これで着替えまで手伝われるなんてなったらさすがに恥ずかしい…//)

不知火「ですが着替えは持ってきますので大人しくしていてください」

提督「……わ、わかった。頼む」

提督(まぁ…下着見られるくらいなら良いか…不知火も気にしてなさそうだし)




不知火「お待たせしました」スッ

提督「ありがとう不知火。じゃあ……」

提督「…あの、そのタオルは?」

不知火「まさか汗をそのままにするつもりではないでしょう?不知火が拭きますので脱いでください」

提督「い、いやいやいや!だ、大丈夫だって本当に!」

不知火「……」ジッ

提督「うっ…」タジッ

提督「わ、わかった…だ、だけど上を拭くだけで良いからな」

不知火「了解しました」

提督「………///」

不知火「……」ゴシゴシ

提督(なんでこんなことに……//)カァ

不知火「司令」

提督「は、はい!」

不知火「寒くありませんか?手早く終わらせますが少し我慢して頂けると幸いです」

提督「だ、大丈夫…寒くない」

不知火「そうですか」フキフキ

提督「…//」ドキドキ

不知火「司令。申し訳ありませんが両腕を上げてください」

提督「お、おう…」スッ

不知火「ん…」フキフキ

提督(……タオル越しに不知火の手の感触が……今は手袋付けてないから余計に……//)

不知火「司令?」

提督「な、なに!?」ビクッ

不知火「少し体温が高いようですが…まだ熱がありますか?御気分の方は…」

提督「い、いや大丈夫……//」

不知火「ならよかったです」フキフキ

提督(正直大丈夫ではないよ…別に意味で…//)ドキドキ

不知火「…完了しました。お疲れ様です」スッ

提督「い、いや…こっちこそありがとう」

不知火「では不知火は一度退室します。扉の前で待機しますので着替えが終わりましたら呼んでください」ペコリ

提督「あ、今日はもう戻っても……」

不知火「待機しています」ガチャ

提督「ちょっ!し、不知火…!」


パタン


提督「………」

提督「…早く着替えよ」スゴスゴ

提督(…あそこでもし、寒いっていったら……不知火が温めて…)モンモン

提督「…何バカなこと言ってるんだろ、早く着替えよう……」イソイソ

提督「…お待たせ不知火。入って大丈夫だぞ」

不知火「はい、失礼します」ガチャ

不知火「司令、体調の方は?」

提督「あぁ、不知火のおかげで大分楽になったよ、ありがとうな」ニコ

不知火「いえ、礼には及びません。秘書艦として当然ですから」

提督「………」

不知火「司令?」

提督「ん…なんでもない」

提督(秘書艦として、か。そうだよな……不知火の責任感の強さ考えれば当然か…)ハァ

提督(…ちょっと寂しい)

不知火「では司令、あとは明日に備えて休みましょう」

提督「え?もう?」

不知火「明日には復帰したいのでしょう?なら少しでも疲れを抜いてください」

提督「…分かった」

不知火「念のため明日の仕事の開始時間は遅めにしておきます」

不知火「明日の朝、不知火が起こしに来ますのでゆっくり眠っていてください」

提督「そこまでしなくても……」

不知火「決定事項です。聞き入れてください」ジロッ

提督「うぐ……わ、分かりました」シュン

不知火「……では司令、後はゆっくり療養して……」ピクッ

不知火「…司令、どうしました?」

提督「え……?」クイ

提督「……あっ!?ご、ごめん不知火…」パッ

不知火「……」ジッ

不知火「…失礼します」ニギ

提督「え…し、らぬい?」

不知火「司令が眠るまでこうしていますので…ご安心ください」ニコ

提督「……不知火」ギュ

不知火「なんでしょうか?」

提督「……ありがとう」ニコ

不知火「…いいえ。早く治してくださいね……司令」

提督「…うん。おやすみ」

不知火「…おやすみなさい、司令」

【翌朝】


大淀「うーん…提督は自室でお休みでしょうし、不知火さんが執務室にいないとなると…どうしましょう」トコトコ

大淀「仕方ありません…一度提督の自室に行ってみましょうか……」


大淀「提督、大淀です。いらっしゃいますか?」コンコン

大淀「……うーん、これでは今日の任務の連絡をする人が…マックスさんもまだ……あら?」

大淀「鍵が開いてるなんて不用心な…ちょっとだけ…」コソッ

大淀「……提督?」チラ

提督「うぅん……むにゃ…」zZZ

不知火「すぅ……すー……」zZZ

大淀「……あらあら♪」クス

明石「あれ、大淀?提督の調子まだダメそうですか?」

大淀「そうですねぇ…もう少しだけ休ませてあげましょうか。不知火さんも」

明石「あら?不知火さんも何か体調が?」

大淀「うーん……あの病気は明石さんじゃ治せないでしょうね♪」ニコニコ

明石「へ?」

大淀「たまには提督に頼り切らず自分達も手伝ってあげましょうか。手初めてに明石さん、ちょっと演習行きましょう?」ニコ

明石「え!?ちょ、ちょっと…私あんまり戦闘は……!」

大淀「まぁまぁそんなこと言わずに♪」ズルズル

明石「待ってくださいー!大淀と違って戦闘は専門外なのにー!!」

大淀「失礼ですね、私だって戦闘そんなに得意じゃないですよ」プンプン

明石「うそつきー!!」




不知火「司令……不知火が、いつまでもお傍に……」zZZ

提督「不知火……ずっと、いっしょ…に……」zZZ

不知火「戻りました」ガチャ

陽炎「あ、おかえりー不知火」

陽炎「司令の体調はどう?」

不知火「えぇ、大分回復しました。今日の午後から復帰できるかと」

陽炎「よかった。ところでさー…不知火」

不知火「はい?」

陽炎「昨日の夜どこ行ってたの?執務室にはいなかったし……司令がいない分何処かで仕事してたの?」

不知火「………」

不知火「……昨日、は」

陽炎「昨日は?」キョトン

不知火(……司令の部屋にお邪魔して)

不知火(一緒に食事をして…身体を拭き、手を繋いだまま一晩を明かして――――)

不知火「…………………………」

陽炎「不知火?」

不知火「……………いえ、特に何もありませんでした」

陽炎「特に何も?」キョトン

不知火「あ」

陽炎「……ん~?特に何もなかったってどういう…?」

不知火「何でもありません」

陽炎「で?でも……」

不知火「なんでもありません」

陽炎「あれ?不知火なんか少し顔赤く…」

不知火「なんでもありません」ジャキ

陽炎「ちょっ!?じゅ、銃身こっち向けないで!?」ビクッ

不知火「なにもなかった。いいですね」ギロッ

陽炎「は、はい………」

不知火「では不知火は執務室に行きますので」ガチャ

パタン

陽炎「…あぁいう反応されると余計気になるじゃない…なんなのよ」ムス-

青葉「知りたいですか!?」ガチャ

陽炎「お呼びじゃないわよ」

青葉「そうですか……」パタン

陽炎(…ま、きっといいことあったんでしょうね。あの顔だと)クス

Z3「あなた!」バンッ

提督「わっ?!お、お帰りなさい、マックス」

Z3「お帰りなさいじゃないわ!明石から聞いたわ!」ズイッ

提督「な、何を?!」ビクッ

Z3「あなた倒れたのでしょう?!体調は大丈夫なの!?」

提督「だ、大丈夫だ。だから落ち着けマックス」

Z3「落ち着けって…落ち着けるわけ…!」

提督「ほ、ほら。もう熱もないし。それに仕事も少なめだから」

Z3「…………そう」ホッ

提督「ま、マックス?」

Z3「…本当に、心配したのよ。あなた………」

提督「…ごめんな。心配かけて」

Z3「……いいの、あなたが無事ならそれで」ギュ

提督「ちょ、ちょっとマックス!?」

Z3「……うん、身体も熱はなさそうだし…よかったわ」

提督「あ、あの…マックス?」

Z3「なに?」

提督「い、いやー…その、放してくれると嬉しいなって…」

Z3「嫌よ」

提督「はいっ!?」

Z3「私に心配させた罰よ…少しは私を安心させて…」ギュ

提督「…マックスがそれで満足するなら」

Z3「…えぇ」

提督「一日で回復して良かったよ…これも不知火がつきっきりで看病してくれたおかげだなぁ…」

Z3「……つきっきり?」ピクッ

提督「あぁ、俺の部屋まで運んでくれて、その上ずーっと看病してくれてな…」

Z3「……ふぅん、そう」ムス

提督「ど、どうした?」

Z3「……別に、なんでもないわ」パッ

提督「あ、あれ…?何か怒ってる……?」

Z3「…別に、怒ってなんかいないわ」プイ

Z3「遠征の報告は後からレーベが来るから。じゃあ」スタスタ

提督「ま、マックス!?どこに……?」

Z3「少し休むわ。自室にいるから何かあったら不知火を呼ぶと良いわ。それじゃ」ガチャ

提督「え…あの……」

パタン

提督「……明らかに怒ってたよな。やっぱり…体調管理がなってないからかな……」ハァ



Z3「………ばか」ポツリ

Z1「……えぇっと、どうしたの提督?」

提督「……あぁ、レーベか。お帰りなさい……」ズーン

Z1「体調は戻ったって聞いたんだけど……?」

提督「うん…まぁね」

Z1「…もしかしてマックスと何かあったのかい?」

提督「理由が分からないけど…何か怒らせちゃったみたいで……」ドヨーン

Z1「マックスが来てから何があったんだい?僕でよければ聞くよ?」

提督「れーべぇ………」グスッ


カクカクシカジカ


Z1「それは提督が悪いね」

提督「えぇ!?」ガーン

提督「や、やっぱり俺が何かしたのか……教えてくれレーベ!一体何を……」

Z1「…それはちょっと僕の口からは」プイ

提督「そ、そこを何とか……」

Z1「それよりも提督。マックスと話をした方がいいと思うよ」

提督「でも…今の状態のマックスと話してもまた拒否されそうな……」

Z1「そんなことないよ。マックスは遠征中だって提督のことをずっと考えていたんだから」

提督「俺のことを?」

Z1「その証拠に心配して真っ先に提督のもとに来てくれたじゃないか。話せばマックスだって分かってくれるよ」

提督「……マックス」

Z1「それじゃあ今日は僕が不知火のお手伝いをするよ。提督は部屋に行って」

提督「え?でも……」

Z1「この国には『善は急げ』って言葉があるんでしょ?ほらほら!早く早く!」グイグイ

提督「わ、分かったから!」

提督「…ありがとな、レーベ」

Z1「それはマックスと仲直りしてから。じゃあ行ってらっしゃい」ニコ


Z1「…もう、提督もマックスも世話が焼けるなぁ…」

不知火「あら、レーベ?」

Z1「あぁ不知火。遠征の報告に来たんだ」

不知火「お疲れ様です。では報告を――――」

Z3「……」ポフッ

Z3「……別に、提督の所為ではないのに。どうして………」

Z3「不知火だって……抜け駆けしたわけではないのに……」

Z3(…それに、抜け駆けだとか…そう言うのは別に……)ゴロゴロ

Z3「……全部、提督の所為ね。体調管理がなってないから……!」ムスー

Z3(…どうして私が、こんなに悩んで……)

コンコン

Z3「…レーベ?」

提督『マックス。いるか?』コンコン

Z3「ッ!?」

Z3(どうして……今はレーベの報告を聞いてるはずじゃ……!)

Z3「……………」

提督『……マックス?』

Z3「……なに」

提督『……その、話がしたんだけど…今大丈夫か?』

Z3「嫌よ」

提督『』

Z3「あなた、仕事も放って何をしに来たのかと思えば……いいから執務室に戻って」

提督『………』

Z3「どうしたの。早く………」

提督『……断る』

Z3「……は?」

提督『……いいから開けろマックス』

Z3「な、何を……」

提督『あ、よく考えたらマスターキーあるんだった…それじゃ』ガチャガチャ

Z3「なっ……ちょ、ちょっと!」

提督「お邪魔します」ガチャ

Z3「あ、あなた…いきなりどういう…!」

提督「上官の話を無視するなんていい度胸じゃないかマックス」ジッ

Z3「な……それ、は」ビクッ

提督「いいか、一度しか言わないから良く聞け」

Z3「……」ビクビク

提督「…………その」


提督「……すいませんでしたー!!!」ドゲザ

Z3「……………」

Z3「は?」

Z3「…何なのいきなり」

提督「えぇと………」

提督「その、マックスが怒らせちゃったから……俺が悪いことを…」

Z3「……別に、怒ってないって言ったはずよ」

提督「嘘」

Z3「嘘なんてついてないわ」

提督「マックスとどれだけ一緒にいると思ってるんだ。顔を見れば一目で分かる」

Z3「なっ……」

提督「でもその……何がマックスを怒らせたのか分からなく………ごめん」

Z3「……なにそれ」クス

Z3「私のことは顔を見れば分かるとは言えないんじゃない?」

提督「うぐ……」

Z3「…あなた、頭をあげて」

提督「いやでも……」

Z3「もう、怒ってないわ」

提督「……」ソロー

Z3「…ごめんなさい」ダキ

提督「うわっ?!ちょ、ちょっとマックス…!//」

Z3「…ほんの一日、遠征に行ってあなたの顔が見れなかっただけで…寂しかったの」

提督「マックス…」

Z3「それで、倒れたって聞いて…心配したら……その」

提督「…?」

Z3「……別に、私がいなくても良いのかなって…思ったら…」ギュ

提督「…そんなことないよ」ナデナデ

Z3「んっ……」

提督「俺にはマックスが必要だよ。これからも」ニコ

Z3「…ほんとう?」

提督「もちろん」ナデナデ

Z3「…そう。そうなの………ふぅん」ギュ

提督「ごめんな。またしばらく秘書艦としてよろしく頼む」

Z3「いいわ……ただ」

Z3「あなたの部屋…一度招待してくれないかしら?」ジー

提督「え?」

Z3「……」ジー

提督「…うん、いいよ」

Z3「そう……なら、嬉しい」ニコ


Z1(…上手くいったみたい。よかった…)ホッ

ビスマルク「何してるのレーベ?自分の部屋覗いて?」キョトン

Z1「わっ?!な、なんでもないなんでもない!あはは……」ワタワタ

ビスマルク「?」

ビスマルク「……不満だわ」プクー

長門「ん、どうしたビスマルク」

ビスマルク「長門……この前私、遠征に行って来たじゃない?」

長門「あぁ、そうだな」

ビスマルク「私は大成功まで導いたのよ!なのに提督は……『お疲れ様、ありがとうビスマルク』の一言で終わったのよ!許せないわ!」ガタッ

長門「…それ以上に何が欲しいんだお前は」

ビスマルク「まずいつも撫でてもらってるのがなかったし…それにアレも…」ブツブツ

長門「…普通にねぎらいの言葉をもらえればそれで良いだろう」

ビスマルク「納得いかないわ!長門!ここの艦隊は皆、謙虚すぎるわ!」

長門「そうか?普通だと思うが…」

ビスマルク「戦果にはそれ相応の対価を貰う権利があるわ!」

長門「ふむ…まぁ一理あるな」

ビスマルク「でしょう?」

長門「だが出撃して戦果をあげてその度に一々提督にねだっていたら提督も身が持たないだろう」

ビスマルク「…ま、まぁそうだけど…でもそれも仕事のうち…」

長門「あまり提督に心労をかけるな。この前も倒れたと聞いたのだから」ズズ

ビスマルク「……むぅー」ムスー

長門「不満か?」

ビスマルク「えぇ」

長門「即答か……はぁ。お前と言う奴は……」

ビスマルク「なによ。長門は撫でてほしかったりしないの?」

長門「提督にか?…………別にいいかな」

ビスマルク「はぁ…そう。人生損してるわね」

長門「そこまで言うかお前……」


提督「あ、いたいた。ビスマルク、ちょっと良いか?」

ビスマルク「……なに」ムス

提督「ちょっと話があるから工廠まで来てくれないか?」

ビスマルク「いや」プイ

提督「はっ?」

ビスマルク「ふんっ」ツーン

提督「…長門、何があった?」

長門「分からん。ただ提督次第ということだけだ」

提督「??」

ビスマルク「ふんだ…あなたと話すことなんて何も…」

提督「そうか…設計書が来たからこの前の改造の話を…」

ビスマルク「さぁ行くわよ提督!もたもたしないで!!」グイッ

提督「ちょ、ちょっと待て!お前の力で引っ張るなぁぁぁぁっぁああああああ!」ズルズル


長門「……十分気にかけてもらってると思うがな、羨ましいほどに」ズズ

不知火「マックス」

Z3「どうしたの、不知火?」

不知火「司令を知りませんか?急ぎで目を通してもらいたい書類があるのですが…」

Z3「さっき工廠に行くと言ってたわね…私も行きましょう」

不知火「ありがとうございます。では……」








不知火「司令、いらっしゃいますか?」ガチャ

Z3「あなた?」ヒョコ

ビスマルク「やった、やったわ!遂にDreiよ!」ギュー

提督「び、ビスマルク!嬉しいのは分かったら抱きつくのは……!//」カァー

ビスマルク「なに?嬉しくないの?」ジー

提督「い、いや…ビスマルクも喜んでくれて俺も嬉しいけど……//」

ビスマルク「ならいいじゃない!喜びを分かち合いましょう♪」ギュー

提督「あ、当たってるんだって!お、お前の胸部装甲が!!//」

ビスマルク「別に良いわよ?」キョトン

提督「はぁっ!?//」

ビスマルク「些細なことだわ。これからも貴方の役に立てる方が私にとって大事だもの」ギューッ

提督「な…ぁ……//」ワタワタ

ビスマルク「そうね……いつも貰ってばかりだから…私からもお礼を…」ズイッ

提督「ちょ、ちょっと待てビスマルク!お、俺は……!」


不知火「司令」

Z3「あなた」

提督「」

提督「…………ま、まっく……す。し、ら……ぬい……」ギギギギギ

ビスマルク「あらマックスに不知火?どうしたの?」

不知火「…どうしたのではありません。司令から離れてください」

Z3「そうよ。提督が困ってるわ」

ビスマルク「そう?喜んでるように見えたけど?」

提督「なっ!そ、そんなわけ……!」

ビスマルク「…いや、だったの?」ジー

提督「………い、いや。そんなことは………」

ビスマルク「なら、私も嫌じゃないわ♪」ギュー

不知火・Z3「」ピキッ


チュド-ン

陸奥「な、なに!?」ビクッ

長門「…工廠の方でなにか爆発みたいだな」

陸奥(…一瞬私の第三砲塔かとおもったじゃない…もう)

大淀「まったくもう……!」ガミガミ

不知火「申し訳ありません……」シュン

Z3「ごめんなさい…」シュン

ビスマルク「何で私まで……」ムスー

大淀「あら、ビスマルクさん?」ニッコリ

ビスマルク「」ビクッ

大淀「反省の色がないのなら解体か近代化改修に回しても良いんですよ?」ニコニコ

ビスマルク「ご、ごめんなさい………」ビクビク

提督「…すまん、大淀」

大淀「まったくですよ!前にも執務室の壁飛ばしたの忘れたんですか!」プンスカ

大淀「大体提督がビスマルクさんの色仕掛けに動じたりしなければこんなことには……!」

提督「おっしゃる通りです……」ズーン

ビスマルク「い、色仕掛けって…別に私はそんなつもりじゃ……」ボソボソ

大淀「はい?何か?」ギョロッ

ビスマルク「なんでもないわ」

大淀「まったく……!提督の取り合いは別に構いませんが鎮守府の破壊はやめてくださいね!」

提督「ちょっと待ってください大淀さん。そこは止めてくれるところじゃ…」

大淀「そんなもの提督の問題です。私は関係ありません」

提督「ひどい」

大淀「…とにかく、修理は妖精さんの方にお願いしておきます。鋼材を使わせてもらいますからね」スタスタ

提督「はーい……」


不知火「…申し訳ありません、司令」シュン

Z3「ごめんなさい…ついカッとなって…」シュン

提督「あー…いや、俺も悪かったよ、ごめんな。二人とも」

ビスマルク「本当よ、反省しなさい二人とも」プンスカ

不知火・Z3「」イラッ

提督「ビスマルク」

ビスマルク「…つーん」プイ

提督「……はぁ、とにかくビスマルクはちょっと執務室まで来なさい」

ビスマルク「…分かったわ」

提督「不知火とマックスはちょっと外にいた皆への説明頼む。それじゃ」

不知火「…了解、しました」

Z3「…了解」

不知火「…というわけです、お騒がせしました」

曙「はぁ?なにそれ!?敵襲かと思って身構えてたのにあのクソ提督…」

不知火「曙、不知火の落ち度ですから司令は関係ありません」

曙「でも実際あのクソ提督の所為で不知火もイラついたんじゃないの?」

不知火「それは否定できませんね」

潮「し、不知火さん…」

曙「というか不知火、前から聞きたかったんだけど…」

不知火「なんでしょう」

曙「実際あのクソ提督のことどう思ってんの?」

不知火「……どう、とは」

曙「鈍いわね、好きかって聞いてんの」

潮「ちょ、ちょっと曙ちゃん!」

曙「潮は気にならないの?私は気になるわね」

潮「そ、それは……えと、き、気になる……かも…//」

不知火「……答える必要はありません。曙には関係のないことです」

曙「……気に入らないわね。というか答えない時点で認めてるようなもんじゃない」

不知火「違います。不知火は秘書艦として……」

曙「ふーん、そうやってずーっと逃げるのね。あーあ、それじゃいつまでたっても何も変わらないでしょうね」

不知火「……」

曙「どうせ飽きられてそのうち秘書艦もビスマルクに変わるんじゃない?あのクソ提督も改三にするくらい気に入ってるみたいじゃない」

不知火「訂正してください、曙」

曙「嫌よ、事実じゃない」

不知火「………曙」ジロッ

曙「睨んでも別に何とも思わないわよ。それとも何か反論できるわけ?」

不知火「………」

曙「はっ。まぁあんなクソ提督のどこが良いのか私には理解できな――――」

不知火「曙」ユラァ

潮「ひぅっ!?」ビクッ

曙「あら、凄い殺気ね。深海棲艦相手でも見たことないわよ?」

不知火「不知火への罵倒は構いません。しかし司令への暴言は許しません」

曙「あっそ、じゃあ力づくで訂正させてみたら?」ジャキ

不知火「……後悔させてあげましょう」ジャキ

潮「ふ、二人ともやめてよぅ………」ビクビク

ザザーン


Z3「……」


長門「ここにいたか」

Z3「…長門?」

長門「先程の爆発の件を聞きに来たのだが…お邪魔だったかな?」

Z3「…いいえ、私こそごめんなさい。提督から皆に説明するように命令されていたのに」

長門「ほう、マックスが命令違反とは珍しいな。それほどまでに悩み事が解決しないか」

Z3「………」

長門「何を考えていた?」

Z3「……もし、だけど」

Z3「…もし、私が祖国に戻りたいと言ったら、提督はどう思うのかしら……と」

長門「…ふむ」

長門「きっと、笑って送ってくれるだろうな」

Z3「ッ!」ビクッ

長門「…と、言ったらどうする?」

Z3「……趣味の悪い冗談ね」

長門「そう思うなら提督に対して意地の悪い質問を考えるはやめるのだな」

Z3「う……」

Z3「だって、私はどうしたらいいのか………」ギュ

長門「まったく…贅沢な悩みだな」

Z3「贅沢…?」

長門「お前と不知火はここで一番慕われている人の元に居られるのだ。金剛の様な連中の不満に比べれば小さい方だろう」

Z3「……それは、でも……」

長門「ほう、それなら私と秘書艦を交替するか?」

Z3「い、嫌よ!」バッ

長門「…」クス

Z3「………な、なに?」ジッ

長門「マックス、お前はもう少し自分というものを提督に見せるべきだ」

Z3「…?」

長門「心というものは他人には分からん。例えそれが一番身近な人物だとしてもな…。顔を見て分かるのは癖や性格を知っているだけだ」

Z3「…」

長門「だが、伝えることはできるはずだ。自分の気持ちを、言葉で」

Z3「……長門」

長門「くさいことを言ってすまなかったな。では私は失礼する」スタスタ

Z3「…ありがとう、長門」

長門「…ん」フリフリ


長門(…少し損をしたかな。まぁ、いいか)

曙「はっ……はっ……!くそっ!」

不知火「……いい加減ッ、負けを認めなさい……ッ!」

曙「あぁっ!?どの口が言ってるのよ!?」

不知火「ちっ……」


陽炎「はーい、そこまで」パンパン

曙「…なんでここに居んのよ、陽炎」

潮「わ、私が呼んできて……」ビクビク

曙「……ったく。白けたからもう良いわ」パッ

不知火「…待ちなさい、まだ勝負は……」

陽炎「不知火も十分暴れたでしょ?少しは頭すっきりしたんじゃないの?」

不知火「………えぇ、まぁ」

潮「そ、そういえば先程マックスさんが執務室の方に向かってましたよ?」

陽炎「不知火も戻らなくて良いの?」

不知火「……了解しました。一度戻ります」クルッ

曙「ふんっ、今頃執務室でビスマルクと何してるんでしょうね?」

不知火「………」スタスタ






陽炎「……まったく、曙。もうちょっとやりようってもんがあるでしょ?」

曙「はぁ?なんのことよ」

皐月「不知火の為に自分から悪役やるなんてねー!」ヒョコ

霰「…二人とも不器用」ヒョコ

長月「ふん…訓練でストレス発散とはなんともお前ららしいな」ヒョコ

曙「……なんでアンタら居るのよ」ジロ

潮「ふぇっ?!わ、私じゃないよ!?」オロオロ

曙「……別にいいわ。どの道あんた達が何言ってるのか分かんないし」プイ

陽炎「そんなこと言っちゃって~♪ 本当はちょっと後悔してるんじゃないの?」

曙「はぁ?何言って……」

皐月「そうそう!この前だって夜にこっそり秘書艦になった時のために時報の練習してたくせに……♪」クスクス

曙「なぁっ!?な、なんでそれ知ってるのよ!?」

5人「えっ」

曙「えっ」

長月「………あー」

霰「……自爆」ポツリ

曙「…………………ぶ」プルプル

曙「ぶっ殺す!!!!!!」ジャキッ

潮「あ、曙ちゃん落ち着いてー!」ダキッ

曙「離しなさい潮!あいつら全員沈めてやるわ!!」ギャーギャー

不知火「マックス」

Z3「不知火、あなたも戻るところ?」

不知火「はい、ある人のおかげで少し頭が冷えましたので」

Z3「そう…私も同じよ」

不知火「…」トコトコ

Z3「……」トコトコ

不知火「…不知火は、司令に伝えなければいけないことあります」

Z3「奇遇ね、私も」

不知火「…どうやら、考えていることは一緒のようですね」クス

Z3「…そうね。そう考えると不知火とももう長い付き合いね…」クス

不知火「年寄りくさいですよマックス」

Z3「ふふ、まったくいけないわね」

不知火「…司令は、何を思って私たちを秘書にしたのでしょうね」

Z3「さぁね。でも、この部屋にいるのだから伝えた後に直接聞けばいいのよ」

不知火「そうですね。できることなら…都合のよい解釈通りであれば良いですが」

Z3「悪く考えるよりは良いと思うわ」

不知火「…司令、入ります」コンコン

Z3「あなた、入るわよ」ガチャ









ビスマルク「~♪」

不知火「……何してるんですか、司令」

Z3「あなた…何してるの?」

提督「…ビスマルクの改三祝い?」

不知火「それは構いませんが…」

Z3「……なぜケーキを食べているビスマルクを撫でているの?」

提督「何でもお願いひとつだけ聞いてやるって言ったら…こうして欲しいと」ナデナデ

ビスマルク「ふふ……幸せ………♪」モグモグ

不知火(……ビスマルクに嫉妬していた不知火が馬鹿みたいです)ズーン

Z3(悩んでいた自分が馬鹿馬鹿しくなってきた……)ズーン

ビスマルク「それじゃ提督、お疲れ様」ニコニコ

提督「あぁ。明日からもよろしく頼むなビスマルク」

ビスマルク「えぇ、任せて頂戴!明日から早速演習で暴れてくるから!」

ビスマルク「明日に備えてもう寝るわ!Gute Nacht.」パタン

提督「寝るって…まだ20時だが…ま、いいか。寝る子は育つというし…」

不知火「それはどこがどういう意味ででしょうか」

提督「うわっ?!」ビクッ

Z3「あなた……昼間のセクハラをまだ引きずるつもりかしら」ツネリ

提督「い、いたたた!やめてマックス!痛い痛いっ!!」

Z3「……もう」パッ


不知火「…あの、司令」

Z3「あなた…その、私と不知火から…伝えたいことがあるの」

提督「ん?」

不知火「…司令」ジッ

Z3「…あなた」ジッ

提督「…………不知火、マックス?」

不知火・Z3「司令(あなた)のことが―――――――」



チュドーン


3人「」ビクッ

提督「な、なんだぁ!?」ガラッ


曙「待ちなさいアンタら!!絶対許さない!!!」

陽炎「し、しつこいわよ曙ー!!」

長月「い、いい加減にしろ!!もう何時だと思ってる!!」

曙「うっさい!!!」

皐月「あはははー!!良いランニングじゃーん!!」

霰「……もう、帰りたい」

潮「な、何で私まで~……!」



不知火「………」

Z3「………」

提督「……マックス、不知火。あいつ等止めてきてくれ」ハァ

不知火「……了解」ガチャ

Z3「…分かったわ」スタスタ


パタン


提督(………そろそろ、腹を括る頃かなぁ)フゥ

Z3「……ふぅ」トコトコ

夕張「あら、マックスさんこんにちは」

Z3「夕張…Guten Tag.」

夕張「お疲れみたいね…大丈夫?」

Z3「えぇまぁ…色々とね」

夕張「良かったらこの後またアニメ見るつもりなんだけど一緒にどう?」

Z3「本当!?」

夕張「うん、マックスさんさえよければ」ニコ

Z3「それじゃあお邪魔するわ……Danke.夕張」

夕張「なーに、どういたしまして」クス










大鯨「次回の潜水艦作戦の旗艦を…私に…?」

提督「あぁ、是非お願いしたいんだ。大鯨の練度もかなり上がったしな」

大鯨「えぇっと…その、私…」ワタワタ

提督「もちろん無理にとは言わないが…潜水艦だけでも何とかなるとは思うけど…」

大鯨「……いえ、やらせてください!」

提督「ん、わかった。じゃあ潜水艦の皆を任せたぞ」ニコ

大鯨「はい、お任せください!」ニコ

Z3「………」



Z3「……ねぇ、あなた。大鯨なのだけれど…」

提督「改造してもサイコフレームは載せないからな」

Z3「」ガーン

北上「お~い、提督いる~?」ガチャ

提督「ん、北上か」

不知火「おはようございます、北上さん」

北上「おー、不知火っちもおはよ~」

提督「どうした北上?」

北上「いやぁ~…ちょっと駆逐艦の連中に絡まれて…髪の毛ぼさぼさになっちゃってさぁ……」ハァ

提督「まだ毛嫌いしてるのか…少しは打ち解けなさいっての」

北上「えー……むり」

不知火「……自分で言っては何ですか、私も駆逐艦なんですが」

北上「あー……なんか不知火っちって駆逐艦って感じしないからさ。だから結構話しやすいっていうか?」

不知火「駆逐艦には見えない…」

北上「そうだねー…落ち着きもあるし戦艦かな!」

不知火「…そうですか」

提督(不知火が少し喜んでる……)

北上「まぁそれに戦闘時の目つき凄いからね!ほんと駆逐艦とは思えないくらいだよ!」アハハ

不知火「」ガーン


提督「…こ、こほん。それでどうした北上?」

北上「あぁそうだった。ちょっと髪の毛梳かして結ってくれない?」

提督「いや、大井に頼めば…」

北上「大井っちお風呂じゃん」

提督「あぁそういうこと……しょうがない。ほらこっちこい」

北上「ん」ポスッ

提督「……何で皆、俺の膝の上に乗りたがるんだよ」

北上「ん~……落ち着くっていうか、ここに座りたいからかな」

提督「ったく……ほらやるぞ」スッ

北上「んー……」ヌクヌク

不知火「………司令、そんなことをしていないで仕事を……」

北上「まぁまぁ不知火っち。あとで私も少し手伝うからさ~♪」

不知火「そ、そういう問題では……」

提督「こら北上。動くな」

北上「はいはい。あー…極楽極楽……」グテー


不知火「………くっ」

Z3「戻ったわ……あら、どうしたの不知火?」

不知火「…いえ、何でもありません」

提督「どうしたんだ不知火…さっきから元気なかったけど…?」

不知火「…いえ。特に何も」シュン

提督「……なぁ、しらぬ――――」


衣笠「提督ー?」ガチャ

青葉「失礼しますー!」ヒョコ

提督「衣笠と青葉か。おっ……衣笠、改造お疲れ様」

衣笠「どーう?改造された衣笠さん!イケてるでしょ!」

提督「おう。改造遅れちゃってごめんな」

衣笠「いいのいいの!」ニコニコ

青葉「司令官~、青葉はまだなんですか~?」ムスー

提督「順番だ順番、もうちょっと待っててくれ」

青葉「はぁ~い……」

青葉「それはそうと、司令官!」

衣笠「切り替え早いわね…」

青葉「衣笠のイメチェンぶりに何か一言どうぞ!」

提督「はぁ?」

衣笠「ちょ!な、何言ってるのよ青葉!」

提督「んー………」ジー

衣笠「あ、あの……あ、あんまりジロジロ見ないでほしいなぁ……って…」プイ

提督「ん、前のも良かったけど新しい髪形もよく似合ってるぞ」ニコ

衣笠「そ、そう……え、えへへ…ありがと…♪」ニコ

不知火「………」ムスー

Z3「………」ムスー

Z3(……なに、私だってもうzweiなのに)ジトー

不知火(不知火の改二はまだですか………)ジトー

青葉「そういえば司令官は女の子の髪型に好みとかあります?ロングとかショートとか?」

不知火・Z3「」ピクッ

提督「え?うーん……あんまり気にしたことないけど……」

青葉「じゃあ強いて言うならどっちが良いですか?」

提督「強いて言うならか。まぁ……………ロング、かなぁ?」

不知火・Z3「………」


榛名「はい!榛名は大丈夫です!!」バンッ

青葉「呼んでませんから」

瑞鳳「失礼します、提督」ガチャ

提督「瑞鳳か。どした?」

瑞鳳「九九式艦爆を探しているんですけど…どこか知りませんか?」

提督「格納庫にないのか?」

瑞鳳「うん…探したんだけど見当たらなくて…」

瑞鳳「……あ。え、えと…さすがに提督に格納庫を確認してもらうのはちょっと……//」カァ

提督「んなことしないわ!!//」

不知火・Z3「………」ジトー

提督(う、後ろから殺気が……)ダラダラ

提督「こ、こほん。ちょっと俺には記憶にないな……不知火とマックスは何か心当たりあるか?」

不知火「いえ。最近は空母の装備等は特に変更はありませんでしたので」

Z3「そうね。それに瑞鳳はここしばらく出撃もなかったし……」カサッ

瑞鳳「うーん……そうなると私が何処かに飛ばしたままなのかなぁ……」

提督「一応空母組に心当たりないか聞いておくよ、何かあったら連絡する」

瑞鳳「うんっ!ありがとう提督!」ニコ

瑞鳳「あ…それと」ゴソゴソ

提督「?」

瑞鳳「はい!ちょうどお昼時だし、最近提督に振舞ってなかったから良かったら食べて♪」ニコ

提督「おぉ、瑞鳳の卵焼きか!」

瑞鳳「えへへ…よかったら感想頂戴ね♪」

提督「あぁ、ありがとうな瑞鳳」ニコ

瑞鳳「うん!それじゃお邪魔しました」ペコリ

瑞鳳「あと鳳翔さんがたまには空母寮にも顔を出してほしいって。出撃も一段落したからお店も結構やってるみたいだよ?」

提督「分かった。じゃあ今夜あたりお邪魔するよ」

瑞鳳「そう?じゃあ私も待ってるからね!えへへ……♪」トテテテ


Z3「鳳翔のお店……とは?」

不知火「そういえばマックスは知りませんでしたか。鳳翔さんが暇なときに鎮守府内で小さな居酒屋を開いています」

Z3「へぇ…そうだったの」

提督「駆逐艦組は敬遠気味だからなぁ…居酒屋だし仕方ないけど…」モグモグ

不知火「司令、食べながら喋らないでください」ジト

Z3「そうよ。はしたないわよ」ジト

提督「……ごめんなさい」


不知火(………卵焼き、か。まだ挑戦していませんでしたね……瑞鳳には程遠いでしょうが作って見る価値はありそうですね)フム

Z3(日本食……覚えるべきかしら)

督「鳳翔さん、こんばんは~」ガラガラ

鳳翔「こんばんは提督、瑞鳳さんとの約束通り来てくれたんですね」ニコ

瑞鳳「あ、提督こっちこっち~」フリフリ

提督「おう、瑞鳳。今日もお疲れ様」

瑞鳳「って言っても最近やることないから艦載機の整備ばっかりだけどね…」

鳳翔「提督、今日はどうなさいますか?」

提督「いつもので」

鳳翔「かしこまりました♪」ニコ

提督「今日は他に来ないのか?それこそ隼鷹とか千歳辺りが来そうな気はするけど…」キョロキョロ

瑞鳳「あー……あの二人はこの前お店の中で暴れて……」

鳳翔「出禁にしました♪」コトッ

提督「………そうか。修理とか必要なものがあるなら言ってくれれば…」

鳳翔「いいえ、私の趣味でやってるお店なのに提督から何かを提供して頂く訳には行きませんから。場所をお貸しして頂いているだけで十分です」クス

提督「…そか。そういえば瑞鳳、卵焼きご馳走さま。凄い美味かったぞ」

瑞鳳「ほんと?えへ…作った甲斐があったなぁ♪」ニコニコ

鳳翔「提督、今日の大根はいい具合ですので冷めないうちにどうぞ」

提督「どれどれ……」パク

提督「ん~……味が染みてて美味しい……」モグモグ

鳳翔「ふふ、ありがとうございます」ニコ

瑞鳳「鳳翔さん本当にすごいなぁ……私も見習わないと」フンス

鳳翔「焦ることはありませんよ。それに瑞鳳さんの料理は十分な腕前なんですから」

提督「おう、それは俺も保障するぞ」

瑞鳳「…そ、そう?えへ…えへへ♪」


加賀「こんばんは……あら、提督?」ガラガラ

赤城「あれ、提督?珍しいですね?」

提督「赤城と加賀か。蒼龍や飛龍たちは?」

加賀「後から来ますよ。これでは空母ばかりですが…」

赤城「鳳翔さん!早速いつもの二倍増しでお願いします!!」

鳳翔「はいはい、かしこまりました」ニコ

提督「……赤城、食いすぎるなよ」

赤城「ふぁーい」モグモグ

提督「絶対聞いてないな……加賀、頼むぞ」

加賀「はい」モグモグ

提督(ダメだこいつら……早く何とかしないと)

瑞鳳「きゅぅ……」スヤスヤ

提督「あーあー…赤城達と飲んだらそりゃそうなるって…」

鳳翔「ふふ、でも提督とも結構飲んでましたよね?」

提督「そういえばそうですね…瑞鳳ってそんな飲む方でしたっけ?」

鳳翔「それは、久しぶりに提督の飲めたからでしょう?」カチャカチャ

鳳翔「最近は不知火さんとマックスさんとお仕事で、特に出撃も少ない空母はお休みですが提督とお話する機会が少ないですから」

提督「まぁ…確かに」

鳳翔「皆、本当は羨ましいんですからね。秘書としてお仕事できる子が」

提督「…そんなもんですか?」

鳳翔「でも提督は変えるつもりはないでしょう?」

提督「えぇ…不知火とマックスとはもうすっかり息が合っちゃって…」ゴクゴク

鳳翔「本当にそれだけですか?」

提督「……」

鳳翔「もう、どうするか決めたんでしょう?」

提督「…なんのことか」コトッ

鳳翔「あら?もうご購入したとお聞きしましたが?」クス

提督「……明石と大淀には緘口令を敷いておいたはずですけど」

鳳翔「先日ここで飲んでいるときにぽろっと♪」

提督「……そうですか」ハァ

鳳翔「式はいつごろに?」ニコ

提督「気が速すぎですよ!」

鳳翔「ふふ、冗談ですよ」クス

提督「冗談に聞こえなかったんですけど…」

鳳翔「でも、そういうのは早いうちに行動に移した方が良いですよ、いつまで経ってもできなくなっちゃいますから」

提督「………はい」

鳳翔「いっそのことお酒の勢いに任せてこの後すぐにでも?」ニコニコ

提督「それはちょっと勘弁してください」

鳳翔「もう…相変わらず大事なところで怖気付くですから」フゥ

提督「でも、できるだけ早く皆に報告出来るようにします」ガタッ

鳳翔「お帰りですか?」

提督「えぇ。執務室でまだ二人が仕事してるでしょうし。顔だけ見せてきます」

鳳翔「分かりました、またいらしてくださいね……あ、提督」ズイッ

提督「え?」

鳳翔「襟元が少し汚れていらっしゃいますよ。失礼しますね」テキパキ

提督(……近い//)カァ

鳳翔「…はい、終わりましたよ」ニコ

提督「ありがとうございます、鳳翔さん」

鳳翔「ではまたいらしてください、お待ちしてますから♪」

提督「はい、じゃあ瑞鳳もほどほどにな」ナデ

瑞鳳「うにゅぅ……」スヤスヤ

提督「あつー…程よく飲むといいもんだ」パタパタ

提督「………」

提督(…どうするか、か)

提督(そんなの…決まってる。決まってるけど…もし、拒まれたら)ゾクッ

提督「…はぁ。子供じゃあるまいしなんでこんな怖がらなきゃいけないんだろ」

提督「……」

提督(……マックス、不知火)

ガチャ

提督「あいたっ?!」ガンッ

不知火「あっ!?し、司令!?も、申し訳ありません!」

提督「い、いや…こっちこそごめん不知火…ドアの前で突っ立ってて…」ヒリヒリ

Z3「どうしたの?大丈夫?」

不知火「は、はい…司令、お怪我は?」

提督「…ちょっとぶつけただけだから大丈夫。血も出てないし」サスサス

Z3「今冷やすもの持ってくるわ。そこで待ってて」パタパタ

不知火「本当に申し訳ありません…」シュン

提督「……」

提督「…不知火」ソッ

不知火「え……し、司令…?あの、なぜ不知火の頬に手を……」

提督「…だめ?」

不知火「だ、ダメではないですが……。あ、いや…もしかして酔ってるのでは……?//」カァ

提督「…」ジー

不知火「し、しれ……//」

不知火「………?」ジッ

提督「不知火?」

不知火「……司令、その襟元についているものは何ですか?」

提督「へ…?」パッ

Z3「持ってきたわ。…あら、どうしたの?」

不知火「司令、その襟元の赤いもの。何か答えて頂けますか」ジトー

提督「……」ダラダラ

Z3「……あなた、それ」ジト-

提督(こ、これまさか……あの時鳳翔さんが……!)ダラダラ

不知火「どうやら本日は十分楽しめたようですね。では仕事に戻りましょうかマックス」スタスタ

Z3「そうね。誰のか知らないけどキスマークを貰えるほど楽しめたようだから」スタスタ

提督「ちょ、待って!ご、ごかい…!」


パタン

提督「……鳳翔さん。イタズラにもほどがありますよぅ……」シクシク

不知火「…」」モグモグ

Z3「…」パクパク

陽炎「…あ、あのさ」

不知火「なんでしょう」ジロッ

陽炎「あ…ご、ごめん、。やっぱなんでもないや…」アハハ


Z1(マックスも朝からあんな調子なんだ…何か知ってる?)ボソボソ

陽炎(私だって不知火がずーっと不機嫌なのよ…昨日は私先に寝ちゃったし…)ボソボソ

Z1(まぁ…二人が不機嫌な理由って決まってるよね…)

陽炎(そうよね…後で司令のとこ行ってみよっか)








陽炎「…なるほどねぇ、昨日そんなことがあったんだ」

提督「……うん」ズーン

Z1「で、でも二人には話したんでしょう?」

提督「…相手にしてもらえなかった」ショボーン

陽炎「あー…酔ってて記憶が曖昧だって思われたのね」

提督「その通りです…」

陽炎「うーん……どうしようっか」ムムム

Z1「でもきっと二人にちゃんと説明すれば分かってもらえると思うんだ」ニコ

提督「レーベ…」

Z1「誤解を招くようなことをしちゃったしても話せばきっとわかってもらえるよ。ほら、この国には『誠意を見せる』って言葉があるんでしょう?」ニコ

陽炎「ちょ、ちょっと意味が違わないかしら…?」

Z1「え?そ、そうかな…?」

提督(……誠意?)

提督(………まさか、鳳翔さん。この状況見越したんじゃ…)ダラダラ

Z1「…うん?どうしたんだい提督?」キョトン

提督「陽炎、レーベ。少し頼まれてくれないか?」

陽炎「うん?別に良いわよ?」

Z1「僕も構わないよ。僕に手伝えることなら何でも言ってよ」

提督「不知火とマックスに伝言を頼む」



提督「『今夜、フタフタマルマルに執務室に来ること。大切な用事がある』と」

不知火「え…では…?」

鳳翔「えぇ…昨晩提督の襟元の汚れを取ろうとした時に躓いて…その時に付いたものだと思います」

Z3「……そ、そうなの」

鳳翔「ですがそれほど提督も昨日は飲まれていませんでしたし、きっとご説明してくれましたよね?」ニコ

不知火「…………は、はい」

鳳翔「あら、もうこんな時間…。私はあちらの訓練を見てきます。」

鳳翔「二人も今日は訓練なのですね、頑張ってください」ニコ

Z3「え、えぇ…ありがとう。鳳翔」ペコ

鳳翔「いえ、では失礼します」ペコリ

不知火「…」ペコ



不知火「……し、不知火は……司令に失礼なことを……」ダラダラ

Z3「…わ、私もよ」ダラダラ

不知火「ど、どうしましょうマックス…勢いのまま秘書の仕事を断って訓練に…」チラ

Z3「……ご、誤解であることは昨日説明してくれたのに…私は」

Z3「…し、不知火。戻ったら謝りましょう、きっと提督も分かって――――」

陽炎「あ、いたいた。不知火、マックスー」トコトコ

不知火「陽炎?」

Z3「あら、レーベも…どうしたの?」

Z1「えっと、提督から伝言を預かってるんだ」

不知火・Z3「え」

Z1「『今夜、フタフタマルマルに執務室に来ること。大切な用事がある』だって」

陽炎「なーんか妙に神妙な顔してたわよね…」ウーン

Z1「そうだね…ちょっとあの顔は僕も初めてみたからこれ以上聞けなかったけど…」

不知火「………りょ、了解しました」タラー

Z3「え、えぇ…分かったわ…」タラー

陽炎「あれ?どうしたの二人とも?」

不知火「……いえ、ちょっと今日の走り込みが足りませんでしたので。少し走ってきます」ダッ

Z3「私も付き合うわ」ダッ

Z1「えっ?あ、あれ?二人とも訓練は?!」

陽炎(……本当のこと鳳翔さんから聞いて逃げたわね)ジトー

ウィーン カーンカーン


提督「……」ボー

妖精「」クイクイ

提督「…ん、終わった?」

妖精「」コクコク

提督「ありがとう。今日はこれでおしまいだからしっかり休んでくれ」ナデナデ

妖精「」スイー

翔鶴「お疲れ様でした提督。瑞鶴の改装が終了しました」ニコ

提督「うん、瑞鶴の付き添いご苦労さま。どうだ瑞鶴?」

瑞鶴「…うん、いい感じみたい!ありがとうね提督さん!」ニコ

提督「よかった。これで瑞鶴の改装も終わりだな…」サラサラ

翔鶴・瑞鶴「……」ジー

提督「……ん?どうした二人とも?俺の顔になんかついてるか?」キョトン

瑞鶴「うぅん…そうじゃなくて…」

翔鶴「…提督、何か悩んでいるような顔をなさってるので」

提督「そうか…?」

瑞鶴「何か悩み事?私と翔鶴姉でよければ聞くけど…」

翔鶴「そうですよ。お一人で思いつめるのはよろしくないですから…」

提督「…ありがとうな二人とも、大丈夫だよ」ポンポン

瑞鶴「わわ…」

翔鶴「て、提督…//」カァ

提督「じゃあ瑞鶴、今日はあとは休むと良い。何か体調がおかしかったら明石さんのところに行ってくれ」

瑞鶴「…うん、分かった」

提督「翔鶴も今日は瑞鶴といてやると良い。何かあったら報告頼む」

翔鶴「…はい、かしこまりました」

提督「じゃあ悪いけどまだ書類残ってるから執務室に戻るな」トコトコ



瑞鶴「……うーん、どう思う翔鶴姉?」

翔鶴「様子は…やっぱり変よね」

瑞鶴「どうしたんだろ…あんなに思い悩んでるところは前の大規模作戦でも見たことないのに…」

翔鶴「……きっと、何か大事なことをお考えなのよ。今はそっとしておきましょう」

瑞鶴「…うん」

翔鶴「大丈夫よ瑞鶴。何かあったらその時に力になってあげましょう」ナデナデ

瑞鶴「翔鶴姉……うん!」ニコ

不知火「…はぁ、はぁ」

Z3「ふぅ……はぁ」

不知火「…少し、休みましょうか」

Z3「えぇ…それはいいのだけれど」

Z3「…ここ、どこ?」キョロキョロ

不知火「……」キョロキョロ

不知火「……分かりません」

Z3「不知火……あなた」ジトー

不知火「……なんですか、不知火に落ち度でも?」プイ

Z3「私の眼を見て言って欲しいわね…。でも、鎮守府の敷地内であることは間違いないでしょうし」

ガサガサッ

不知火・Z3「」ビクッ

Z3「い、いま何か……」チラ

不知火「………だ、だれですか!?そこにいるのは!」ガチャ

Z3「し、不知火!野生の熊とかだったら……!」

大和「ひ、ひゃぃ!」ガサッ

不知火「…………」

Z3「…………」

不知火「……大和さん。何してるんですか」

Z3「大和…あなた、そんなところで何してるの?」

大和「その……えっと、ですね…」アハハ

大和「…さ、山菜やキノコを採りに……//」カァ

不知火「さ、山菜?」

Z3「何故…?戦艦寮の基本的な食事当番は間宮さんが全て担当してくれてるはずじゃ…?」キョトン

大和「その……//」グー

不知火・Z3「……」

不知火「……あとで戦艦の食事の量について考えておきましょうか」

Z3「そうね…」

大和「う、うぅ…ごめんなさい…//」

大和「あら?でもどうして不知火さんとマックスさんがこんなところに?」キョトン

不知火「………えぇと、実はその…」

大和「もー…いけませんよ、ちゃんと提督のお話は聞いてあげないと」プンスカ

不知火「はい…反省しています」

Z3「ごめんなさい…」

大和「うん、よろしい」ニコ

大和「そうねー…今から戻るのも良いと思うけど…折角だからサボっちゃいましょうか♪」ニコ

不知火・Z3「え」

大和「どうせ夜に提督から呼ばれているんでしょう?ならそれまでリラックスしてから行きましょ」ニコ

不知火「で、ですが…」

大和「はーい、文句は後から聞きますから」ガシッ

Z3「ちょ、ちょっと大和?!す、凄い力……!」ズルズル

不知火「…あきらめましょうマックス。私たちでは振りほどけませんから…」ズルズル







大和「ただいま、武蔵」ガチャ

武蔵「戻ったか大和…………ん?」

不知火「……」プラーン

Z3「……」プラーン

武蔵「……大和、いくら何でも駆逐艦は食べれないぞ……」

大和「ち、違うわよ!?」

武蔵「まぁいい……とりあえず茶を淹れてくる」ガタッ

Z3「あ、それなら私が……」ジタバタ

武蔵「客人は大人しくしていいぞ。というか大和、いい加減放してやれ」スタスタ

大和「え?あ…ご、ごめんね二人とも」パッ

不知火「いえ…問題ありません」

Z3「えぇ…大丈夫」

大和「はい、座布団あるから座って待っててください♪」ニコニコ

不知火「は、はい…」

Z3(ここが鎮守府のエースと言われる大和と武蔵の部屋……なんだか緊張してきた…)ソワソワ

武蔵「待たせたな、緑茶だがマックスは大丈夫か?」

Z3「えぇ…ありがとう、ございます」

武蔵「らしくないな。別にいつも通りで構わないぞ」ズズ

大和「不知火さんもくつろいでくださいね」ニコ

不知火「は、はい……」

武蔵「で、大和はこの二人と何か話があったのか?」

大和「そうね…いま秘書艦としてどんな感じなのかなと思って」ニコニコ

武蔵「ふむ…確かに気になるな」

不知火「や、大和さん?先程話した通りで……」

大和「でも武蔵は聞いてないから、もう一度聞かせてくれると嬉しいかなー?」ニコニコ

Z3(……こ、怖い)ダラダラ





武蔵「……なるほどな、ただの痴話喧嘩か」ズズ

不知火・Z3「」

大和「そ、そこまではっきり言わなくても…」

武蔵「第一お前達秘書艦なのだろう?少しは提督の言うことを信用してやったらどうだ?」

不知火「おっしゃる通りです…」ズーン

武蔵「まぁいいさ……で、どうするんだ?」

Z3「どう…とは?」

武蔵「提督が今夜何の用事で呼んだのかは知らんが、謝って済む問題で終わればいいがな」

不知火「え……」

大和「確かに…。気まずい空気で仕事するくらいならいっそのこと秘書艦を変える……とか」

Z3「なっ……」

武蔵「十分あり得るな。もしかしたら今日はその件かもしれないな」フッ

不知火「……そ、そん…な」

武蔵「あくまで可能性の話だ。そうなるかどうかは知らん」

大和「……ね、不知火さん、マックスさん」

大和「もしあなた達がまだあの人の傍に居続けたいのなら―――――」

大和「……走って行っちゃったわね」クス

武蔵「お前も損な役回りだな。良いのか本当に?」

大和「…うん、いいの。私は提督が幸せになってくれるならそれで良いから…」

武蔵「やれやれ…私が男ならお前を嫁にしてるぞ?」

大和「もう、何言ってるの武蔵ったら」クス

武蔵「……ま、あいつらが望んだんだ。どうなるかくらいは見守ってやろう」

大和「どの道失敗するとは到底思えないけど」

武蔵「ほう、根拠は?」

大和「ずーっと提督を見てたから、かな」ニコ

武蔵「なるほどな。それは信用できそうだ」クス

大和「………」

武蔵「…大和」ポン

大和「……なに?」

武蔵「我慢しなくても良いぞ、今は私しかいないからな」

大和「…………」

大和「……むさしぃ…………」グスッ

大和「うぅ……わたしなんでもっと提督にアピールしなかったのよぉ………」ポカポカ

武蔵「その割に他の娘には的確にアドバイス、か」

大和「ぇぐ……追い打ちぃ………」ダキ

武蔵「お前は…本当に難儀な性格をしているな」ナデナデ

大和「ふぇぇ……」グス

武蔵(はぁ……本当に女泣かせな提督だ)ナデナデ

武蔵(……ま、ようやく身を固める気になっただけマシか)

不知火「……はっ、はぁ…はぁ…!」

Z3「…は…はっ…はっ…」

不知火「司令!」バンッ

Z3「あなた!」バンッ

提督「うわっ!?な、なんだ!?」ビクッ

提督「…って不知火とマックス?お前達今日は訓練だろう?まだ他の娘はやってるはずじゃ…」

不知火「その通りです。今不知火達は訓練を抜け出してきています」

提督「は?」

Z3「それよりも提督。あなたに、どうしても伝えたことが…」

提督「い、いや待て待て…!用事があるなら今夜伝えておいた時間に来て話してくれれば……」

不知火「…それでは、遅いんです」ギュ

提督「不知火……?」

Z3「……あなた」ギュ

提督「マックス…?」

不知火「この前…伝えきれなかったこと、伝えたいのです」グイ

Z3「この、気持ちを」グイ

提督「え……?」

不知火「司令…」

Z3「あなた……」





不知火「―――――――お慕いしています、司令」

Z3「Admiral―――――Ich liebe dich.」

提督「不知火……マックス……お前、達」

不知火「……//」ギュ

Z3「え、と……//」ギュ

提督「……あー//」ポリポリ

不知火「も、申し訳ありません司令……ですが、どうしても」

Z3「どうしても…伝えたくて」

不知火「司令のお傍から離れるようなことになる前に…私達の想いを聞いてほしくて…」

提督「え?」

Z3「…不知火と決めたの。どんな結果になっても、伝えようと」

提督「……ん?」

提督「…ちょっと待って?俺の傍から離れるって…?」

不知火「先日の無礼な働きをして…秘書艦の任を解くと…」

提督「え?」

Z3「仕方ないって分かってる…でも、こんな言い方をしてずるいのも分かってる…でも…私たちは…!」

提督「あの…」

提督「俺、お前たち意外に秘書艦頼むつもりないんだけど…」

Z3「うん……そうよね……………………って、え?」

不知火「……司令、今何と…?」

提督「いやだから…秘書艦は変えないって…」

不知火「……え?!な、なぜ……?!」

Z3「そ、そうよ……だって……!」

提督「えぇー…どこからそんな風に話がねじ曲がったんだ……」

提督「……仕方ない、大切な用事を今済ませちゃうか……」ゴソゴソ

不知火「あ、あの…司令……?」

Z3「えっと…じゃあ、大切な用事って……?」


提督「不知火、マックス」

不知火「は、はい!」ピシッ

Z3「な、なに?」ピシッ

提督「………俺から言えなくて、ごめんな。二人とも」スッ

不知火「―――――ー!」

Z3「これ、は――――!」

提督「あぁ」




提督「ケッコン指輪。お前達に、受け取って欲しい」

提督「本当は…今日の夜にお前達に俺の気持ちを伝えて、渡すつもりだったんだけど…」

提督「……あーもう!順序滅茶苦茶になっちゃったじゃないか、まったくもー!」

Z3「ご、ごめんなさい…?」

不知火「え、と…司令」

提督「…本当はもっと早く渡すべきだったよな…ごめんな二人とも」

提督「ま……本当は堂々と二股させてくださいって言ってるもんだから嫌われるのが怖かったんだけど…」

不知火「構いません」ヒョイ

提督「あ」

Z3「そうよ、そんな小さなことを気にするなんてあなたらしくないわ」ヒョイ

提督「マックス…不知火」

不知火「むしろ…嬉しいほどです」

Z3「えぇ…もし、叶うならこの結果を望んでいたもの…」ギュ

不知火「不知火も…マックスとなら上手く行けると思います」クス

Z3「私もよ、不知火」ニコ

提督「えーと……」

不知火「ジュウコン、不知火は喜んでお受けいたします」

Z3「同じくマックス・シュルツ。この指輪を受け取らせて頂きます」

提督「……」

提督「…ありがとう、二人とも」ダキ

不知火「ん…」ギュ

Z3「…暖かいわ、あなた」ギュ

不知火「…そう言えば司令」ジー

提督「うん?」

Z3「返事、聞いていないわ」ジー

提督「…そうだったな、ごめん」


提督「不知火、マックス」ジッ

提督「二人とも、愛してる。これからもずっと一緒に居てくれ」


不知火・Z3「――――はい」

提督「さてと、不知火。その指輪を貸してくれ」

不知火「? はい」

提督「ありがと。よし…ほら、手袋脱いで」スルスル

不知火「え…あ、の…司令……//」

提督「……よし」ソッ

不知火「……//」カァ

提督「…うん。良く似合ってる」ニコ

不知火「……ありがとうございます」ニコ

提督「…笑っている不知火が見れて、俺も嬉しいよ」

不知火「な……し、知りません!//」プイ

提督「いいさ、俺の前だけでも良いからこれからもそういう顔見せてくれ」ニコ

不知火「……ど、努力します//」

Z3「………あなた」クイクイ

提督「っと…ごめんなマックス。今からマックスの指輪も…」

Z3「…ふぅん。そう…私は二番目なのね」ジトー

提督「え」

Z3「……初めての指輪」ジー

提督「あ、あの……」オロオロ

Z3「……冗談よ」クス

提督「…怖いからやめてよぅ」シクシク

Z3「じゃあ、別の初めてを貰うわ」スッ

提督「え?マックス―――――」

Z3「ん……」チュ

不知火「…は?」

提督「―――――?」

Z3「…ふぅ」パッ

提督「…………」

提督「な、ななな…なぁ!?///」カァ-

Z3「ふふ…これでいいわ」ニコ

Z3「じゃあ、今日はもう部屋に戻るわ。お疲れ様……あなた」

不知火「……」ハッ

不知火「ま、マックス?!あ、貴女何を……ま、待ってください!!」ダッ


提督「……//」ポケー

提督「………俺、もう死んでも良いや…//」カァー

不知火「……」パタン

陽炎「あ、おかえりー不知火」

不知火「……」

陽炎「どしたの?というか訓練大丈夫だったの?」

不知火「……」

陽炎「……あれ、おーい?」フリフリ

不知火「……」

陽炎「……」

陽炎「ど、どうしたの本当に……?まだ約束の時間まであるんだからゆっくりすれば……」

不知火「…………いえ、もう不要です」

陽炎「え?なんで?大切な用事って言われてたじゃない?」キョトン

不知火「…用事は、もう済みました」

陽炎「あ、そうなんだ」

不知火「……陽炎」

陽炎「うん?なに?」

不知火「不知火の頬を思い切り叩いてくれませんか」

陽炎「うん、おっけーおっけー!…………って、なんでよ!?」

不知火「お願いします。本当に夢でないか確かめたいので………ふ」

陽炎「それならこれでいいしょー?ほら夢じゃないわよ~」グイー

不知火「………はへほう」

陽炎「あはは!不知火面白い顔ー!」

不知火「…」

陽炎「……あ、あれ?怒らないの?」

不知火「…夢じゃ、ないのですね」

陽炎「う、うん?」

不知火「………そう、ですか」ニコ

陽炎(………いま、ちょっとドキっとしちゃった…不知火のあんな顔初めてかも…)

陽炎「…ん?不知火、手袋してないの?珍しいわ…………ね……」

不知火「えぇ」

陽炎「………え、ちょ………た、大切な用事って……ま、まさか………」プルプル

不知火「………はい。不知火は、先ほど司令と………//」カァ

陽炎「………や」

陽炎「やったじゃん!おめでとう不知火ー!!!」ダキッ

不知火「か、陽炎……!」

陽炎「えへへ…私も嬉しい……ちょっとだけ寂しい気もするけど」ギュー

不知火「……ありがとうございます。陽炎」ギュ

陽炎「そだ!黒潮から磯風まで陽炎型みんな呼んでお祝いしよ!ほらほら、行きましょ!!」グイッ

不知火「か、陽炎……何も今日じゃなくても……!」


不知火(――――司令)

不知火(不知火はいま、幸せです)

Z3「ただいま」

Z1「あ、おかえりマックス………ってど、どうしたの?」

Z3「……何が」

Z1「え、えと……ずーっとそっぽ向いてるから……」

Z3「………」

Z1「…マックス?」ヒョコ

Z3「!」サッ

Z1「ど、どうしたんだい?何か具合でも…」

Z3「……ダメよレーベ」

Z1「え?なにが…?」

Z3「今の私の顔。絶対に誰にも見せられないわ」

Z1「え、えぇー……? 一体何があったんだい…?」

Z3「だから…応えられるはずが…」

ビスマルク「そう言われるときになるわね」グイ

Z3「なっ!?」

Z1「び、ビスマルク!?いつの間に…………あ」

Z3「――――あ……/////」マッカ

Z1「…………」

ビスマルク「うーん、私この位置だと見えないのだけれど…どうなってるのレーベ?」

Z1「…ビスマルク。放してあげて」

ビスマルク「え、でも気になる………」

Z1「………」ニッコリ

ビスマルク「は、はい……」パッ

Z3「ッ…//」サッ

Z1「……大丈夫かい、マックス?」

Z3「………もう、お嫁にいけない………///」

Z3「なんで…ちょっと羨ましいからってあんなこと……///」ブツブツ

Z3「不知火にだって悪いのに……どうしてこうも……あぁもう……///」ブツブツ


ビスマルク「……な、何があったの?」

Z1「僕にもちょっと詳しいことは分からないけど…」

Z1「…でも、何となくわかるかな」クス

ビスマルク「むぅー…レーベ、分かるなら教えてくれたっていいじゃない」ムスー

Z1「ビスマルクにはまだちょっと早いかな」クスクス

ビスマルク「ちょっと何よそれ!?」プンスカ

Z1「……おめでとう、マックス。頑張ったね」ナデ

Z3「…」コク

Z1「いいよ、今日はもうベッドで休んでも…」

Z3「…レーベ」

Z1「なんだい?」

Z3「……Danke.vertrauter Freund.」ポツリ

Z1「Bitte schon.」ニコ

ビスマルク「???」キョトン

不知火「……」ドキドキ

不知火「すー……はー……」

不知火「……司令、起きていますか?」コンコン

不知火「…司令。もうすぐ艦隊の皆も起床します。そろそろ……」

シーン

不知火「……し、失礼、しますよ…?」ガチャ


提督「ぐぅ……」zZZ

不知火「……」

不知火(…昨日あんなことがあったというのにこの人はなぜこれほど安らかに寝ていられるんでしょうか…)ハァ

不知火「不知火は一睡もできなかったというのに…」プニプニ

提督「んぐ……」

不知火「司令、起きてください。既に日は昇っています」

不知火「マックスが朝食を用意しています。早く起きてください」ユサユサ

提督「うぅん……あと5分……」ムニャムニャ

不知火「何を馬鹿なことを言っているんですか……いいですから…」スッ

提督「んぅー……不知火もこっちに……」グイッ

不知火「え?な……ひゃっ!?」ドサッ

提督「……あったかぃ」ギュー

不知火「し、しれ…!//」

提督「ぐー……」zZZ

不知火(ち、ちか……//)ドキ

不知火「……い、いけません司令。いくら指輪を受け取ったとはいえ翌朝から…こ、こんな……//」

提督「しらぬい……」ギュー

不知火「……は、はい」

提督「5分だけ………だから……」グーグー

不知火「……」

不知火「…5分だけ、ですからね……」ギュ

提督「………」

不知火「すぅ……す…ぅ…」

提督(起きたら目の前に不知火がいました)

提督(…ちょ、ちょっとまって?俺昨日確かに一人で寝たよね?間違いとか起こしてなよね?!)

提督「お、おーい……不知火ー…?」ツンツン

不知火「ん…ぅぅ……」

提督(……かわいい)プニプニ

提督「……あ」

提督(ちょっと隈が出来てる…もしかして眠れなかったのかな…)

提督「…夢じゃないからな、不知火」ギュ

不知火「し…れぃ……」ギュ

提督「……」

提督(……起きて、ないよな?)ジー

提督「…不知火、寝てる…?」

不知火「……」スースー

提督「…………」ドキドキ


提督「………ん」チュ

不知火「……」ピクッ

提督「…昨日、出来なかった分」

提督「……いや、いくら何でも寝てる間にやるのはないよな……俺のへたれ……///」カァ

提督「…今度起きてるときに……いやでも…恥ずかしいし……//」ウーンウーン




不知火(………起きてます、司令…//)バクバク

不知火「お待たせしました、マックス」ガチャ

Z3「お帰りなさい不知火。ちょうど今出来たところだから大丈夫」

提督「おはようマックス。待たせてごめんな」

Z3「気にしないで。ちゃんと起きれた?」

提督「………………うん」

Z3「そう、ならよかったわ。ありがとう不知火」

不知火「……いえ」

提督(……ばれてない。うん、不知火にばれてないはずだ)ホッ

不知火(…気付いていないフリをしています…が、司令も気付いていませんよね…きっと)ドキドキ


Z3「おまたせ」カチャ

提督「……えっ?!」

Z3「なに?もしかして嫌いなものでも入っていた?」

提督「え…いやそうじゃなくて…」

提督「……和食?」

Z3「もしかして…何かおかしいところがあったかしら…?」チラ

提督「あ、いやそうじゃなくて…マックス、和食作れたのか…凄いな」

Z3「いいえ。覚えたのは本当につい最近よ」

提督「え?そうなの?」

Z3「…えぇ、その」モジ

Z3「……あなたに、喜んでもらえると思って」チラ

提督「……」

Z3「その…まだ味付けとかしっかりできてないけど……えぇと…」

提督「…マックス」ポン

Z3「…なに?」

提督「…ありがとう。凄く嬉しい」ニコ

Z3「………そう、ふぅん……そうなの。ふぅん……」プイ

Z3「…冷めないうちに食べて。私は少し片づけてから行くから」

提督「いいや、マックスが来るまで待ってるよ。不知火もいいよな?」

不知火「無論です。3人で食べてこそ意味があるというものです」

Z3「……そう」

Z3「……Danke.あなた、不知火」ニコ

金剛「…はぁ~、マジですかー……」グテー

霧島「お姉さま。はしたないですよ」

金剛「う~…こんなことなら駆逐艦に生まれたかったデース……」

比叡「……金剛お姉さまの駆逐艦姿」モンモン

榛名「ハルナハダイジョウブ……ハルナハダイジョウブデス………」

霧島「でもある程度予想できたことでしょう?」

金剛「確かにそうデスけど…」

金剛「……うー!!やっぱり悔しいデース!!」ジタバタ

霧島「私としてはようやくアレだけあの二人を傍に置いておいていつになったらくっつくんだと思ってましたが」

長門「同感だな、まぁ良いことではあるが」

金剛「長門は悔しくないんデスか!?」ガタッ

長門「あの3人が幸せならそれで良いじゃないか。素直に祝福してやれ金剛」

金剛「うー…」

大和「そうですよ金剛さん、提督が決めたことなんですから」ニコ

武蔵「この前、夜中まで人に泣きついていた奴が言うセリフではないな…」

大和「む、武蔵!その話はだめ!!」

長門「そういえば大和が焚きつけたと聞いたが?」

武蔵「その通りだ。そして自分で泣いていれば世話ないがな」

大和「もー!!やめてってばー!!//」ユサユサ

武蔵「揺らすな。眼鏡が外れるだろう」

陸奥「あらあら。盛り上がってるわね」ニコニコ

長門「どうした陸奥。いつになく機嫌が良いようだが」

陸奥「うふふ…今日のお昼は間宮さんがデザートをつけてくれるって聞いて…♪」

長門「ほう、それは良かったじゃないか」

大和「ぁうう……私が恥かいただけじゃない……」グス

金剛「大和ー!こうなったら一緒にテートクに抗議しに行くデース!!ジュウコンOKならワタシたちも…!」

大和「あ、それはお断りします」ニコ

金剛「Fuuuuuuuuuuuuuuuuck!!!」

大和「……ふぅ」

大和(久しぶりに主砲の開発をしたいからってことで大淀さん経由で頼まれたけど…)

大和「……一人だと寂しいなぁ」カチャカチャ

妖精「」グイグイ

大和「あ、ごめんなさい。もちろん忘れてるわけじゃないから」ナデナデ

妖精「」フンス

大和「よい…しょっと」

大和「うーん……46cm主砲はとりあえず2つ出来たけど…結構失敗しちゃったなぁ」ハァ

大和(4つ作るまではいくら失敗しても良いとは言われたけど…無駄に資材を消費しないに越したことはないし…)

大和「…うん!あと二つ頑張らなきゃ!」グッ

提督「お疲れ、どんな調子だ?」

大和「あ、はい!いまからもう二つ…………………」


大和「…て、提督?!」ビクッ

提督「おー、もう二つ出来たのか。凄いな大和」

大和「あ…い、いえ!余計なものや失敗も多くて…その…」シュン

提督「んー…そうか?こんなの失敗のうちに入らない数じゃないか」

大和「しかし資材を無駄に…」

提督「大和が気にすることじゃない。心配しないで主砲の開発を頼む」ナデナデ

大和「わ……」

提督「じゃあ引き続きよろしく頼む。みんなの訓練の見てくるから」

大和「…はい!提督も無理をしないでくださいね」ニコ

提督「うん、またな大和」ガチャ

パタン

大和「………えへ、えへへ……♪」

大和「…よし!頑張ろう!」

不知火「ん……」

Z3「どうしたの不知火?」

不知火「この資料の書き方が少し難しくて…」

不知火「マックス、そちらの辞書をとって頂けませんか?」

Z3「構わないわ。えぇっと…これね」スッ

Z3「……あら?」

不知火「どうしましたマックス?」

Z3「なにかしらこれは…小冊子とDVDケースがいくつか入ってるみたいだけど…」

不知火「はい?カバーを見る限り辞書では…?」

Z3「ん…中々ぎっしり入ってるから…取り出しづらいわね…」ギチギチ

不知火「大丈夫ですか?」

Z3「えぇ……よい、しょ…」スポッ

Z3「……………………」

不知火「マックス?どうしましたか?」

Z3「……不知火。これを見てもらえるかしら」スッ

不知火「? 何でしょう?」

不知火「………………これは」

提督「ん?なんだ…あんなところで煙が…」トコトコ

提督「…あれ、最上と三隈じゃないか」

最上「あ、提督こんにちは」ニコ

三隈「ごきげんよう、提督」ニコ

提督「なにしてるんだ?」

最上「えへへ…もう秋らしくなってきたから焼き芋を…」

三隈「…あっ!申し訳ありませんわ…勝手に火をおこしたりして…」

提督「問題ないさ。すぐ近くに水と言うか海水があるしな」

提督「ここなら火事とかにはならないだろうし火傷だけに気をつけてもらえれば大丈夫だ」

最上・三隈「はーい♪」

提督「というか燃やすものはどうしたんだ?葉っぱ拾いでもしたのか?」

最上「あ、それはちょうどマックスと不知火から処分するっていう資料とかあったらしいから貰ったんだ」

提督「そうか。それはタイミングが良かったな」

三隈「もう、いけませんわよ提督。秘書艦兼お嫁さんにお掃除を任せっきりなんて」プンスカ

提督「いや本当…申し訳ない。出来る二人だからダメになりそうだよ…」

最上「ふふ…」クスクス

鈴谷「あれ?提督じゃーん!」ギュー

提督「おわっ!?鈴谷か…こら、離れなさい」

鈴谷「え~……。ねー提督ぅー…鈴谷にも指輪頂戴よ~」スリスリ

提督「ちょ…おいこら…//」

熊野「……不知火さんとマックスさんに言いつけましょうか」ジトー

提督「やめてくれ熊野!」

熊野「冗談ですわ…ほら鈴谷、離れなさいな」

鈴谷「えー…でも」

最上「鈴谷…マックスさんとか不知火さんにばれたら…」

三隈「…下手したら消し炭にされますわね」

鈴谷「うぐっ……」ギクッ

鈴谷「もー…分かったよぅ」パッ

提督「はぁ…」

熊野「どうですか提督?良かったらご一緒に…」

提督「いや、執務室で二人が掃除してるらしいから俺も戻って手伝うよ。ごめんな」

熊野「いえ、とんでもありませんわ……お幸せそうで何よりです」ニヤニヤ

提督「あははは……じゃ」スタスタ


最上「……否定しないあたり、本当に幸せそうだね」

三隈「あら?」

鈴谷「ん?どしたの三隈?」

三隈「いえ…なんでも」

三隈(気の所為でしょうか…?処分するっていう資料とおっしゃってましたけど、何だか雑誌らしきものも混じってるような…?)キョトン

提督「まさか執務室の掃除までしてくれてるとは…」トコトコ

提督「本当にダメ提督になりそうだ…」フゥ

提督「………ん?掃除……?」ピタッ

提督「…………」

提督(……やべぇ、この前部屋から辞書にカモフラして持ってきたやつ執務室の書棚に置きっぱなしだったような……)ダラダラ

提督(いや、落ち着け俺…仮に見られても18禁的なものじゃないから平気だ…)

提督(…でも見られたら間違いなく蔑まされるだろうな)ビクビク

提督「もし見つかってたら謝ろう…」トボトボ

提督「というか不要な雑誌も多分突っ込んでおいたよな…ごめんなさい二人とも」ズーン

提督(辞書に何入れてたんだっけ…えーと…)スタスタ

提督(……あ!そうそう。確かメイド特集の本入れておいたんだよな。なんか特典DVD付きの奴)

提督(まったく…確かに俺はメイドも好きだけどわざわざ別の鎮守府からの重要書類で送ることないっての…あいつは)

提督(…ま、まぁ重宝したけどね。変な意味じゃないよ!)


提督「…誰に言い訳してるんだろ」ハァ

提督「ん…まだ部屋から音が聞こえる…まだ掃除してるのかな?」

提督「ただいま、マックス。不知火」ガチャ

Z3(メイド服装備)「おかえりなさい、あなた」

提督「」パタン

提督「…俺、疲れてるのかな」ゴシゴシ

提督「なんか執務室のドア開けたらメイド服着たマックスがいた気がしたけど…」

提督「………夢だな、うん。そうに違いない」スーハー

提督「…ただいま、マックス、不知火!掃除を任せちゃってごめんな!」ガチャ

Z3(メイド服装備)「おかえりなさい、あなた」

提督「すみません。部屋間違えました」ソーッ

Z3「待ちなさい」ガシッ

提督「……え?あれ……俺、ゆ、夢見てるのか……?」

Z3「……」グイー

提督「ま、まふっふ?!ひはいひはい…!」

Z3「痛いでしょう?夢じゃないことは分かってもらえたかしら?」パッ

提督「あ、あぁ……」ヒリヒリ

提督「……って、そうじゃなくて!な、なんて格好してるんだマックス!いつもの制服は…」

Z3「……ふぅん、そう。そういうことを言うのね……」ゴソゴソ

Z3「これ」スッ

提督「」

Z3「メイド特集」

Z3「執務室の書棚から」

Z3「辞書のカバーでカモフラージュ」

提督「……」ダラダラ

Z3「…で?心当たりは?」ジトー

提督「………あります」

Z3「……そう、やっぱり」ハァ

提督「ごめんなしゃい………」

Z3「別に怒っているわけじゃないわ」

提督「えっ?」

Z3「その…私もこういう服に興味がなかったわけではなかったから……」モジ

Z3「えっと……どう、かしら?」チラ

提督「え?あ……えっと…」

提督「……可愛い」

Z3「ッ! あ、あなたって人は……本当に…//」カァ

提督「そ、それよりその服どうしたんだ?」

Z3「え?あぁ…秋雲から借りたの。何故か持っていたみたいで」

提督「そ、そうか…」

提督(…何で持ってたのかは聞かないでおこう)

提督(…普段スカート丈がかなり短い分、マックスのロングスカートってのも新鮮だな)ジー

Z3「…なに?何かおかしいところある…?」

提督「いいや?良く似合ってると思う」ニコ

Z3「……そう。よかった」ニコ

提督「ところで、その……」

Z3「なに?」

提督「……俺の為に着てくれたの?」

Z3「そうよ」

提督「……そっか//」カァ

Z3「…でも、もうひとつ理由はあるわ」

提督「?」

Z3「……あんな写真の子に、負けたくなかった」

Z3「…あなた」ギュ

提督「マックス…」

Z3「私は…もう、あなたのものだから……」ギュー

Z3「あなたの望みは…何でも叶えたいの。ダメ、かしら?」ジッ

提督「…そんなことないよ。嬉しい」ナデナデ

Z3「んっ……Dnake.あなた」ギュー

不知火「司令、お茶が入りました」コトッ

提督「ありがとう不知火……えと」

不知火「なんですか?」

提督「…不知火も気に入ったのか?メイド服…」

不知火「いえ、別に。ただ司令がこの服がお好きなのでしょう?」

提督「た、確かに嫌いじゃないけど…」

不知火「それに……不知火に似合っていると言ってくれましたので…」プイ

Z3「あなた、別にあなたがメイドフェチでも私たちは気にしないわよ」

提督「周りが気にするだろ!?どこの世界に秘書艦にメイド服着させて仕事する奴いるんだよ?!」

不知火「現に不知火の目の前にいますが」

提督「……はい、その通りです」ズーン

Z3「なに?残念なの?」ジー

提督「い、いや……そんなことはないけど…」

不知火「なら良いではないですか。不知火もマックスも気にせず、司令も気に入っているのなら」

Z3「そうね。不知火、掃除の続きをしましょうか」クルッ

不知火「はい」クルッ

提督「………」ジー

提督(…こう、スカートがふわっとなった瞬間って最高だよね!)

不知火「…司令、今何か不穏な視線を感じたのですが」

提督「……き、気の所為だ」プイ

不知火「……まったく」クス

青葉「司令官が自分の嫁にメイド服を着させていると聞いてきました!」ガチャ

提督「おい、どこから聞きつけた」

青葉「おぉ~……お二人とも良く似合って……これは写真を」パシャパシャ

不知火「青葉」ガシッ

青葉「………あ、あの。いつの間に後ろに…」ダラダラ

Z3「青葉」ガチャ

青葉「あ、あの~…メイドさん?い、いきなり艤装はちょ~っと押し付けるのは物騒では……」ダラダラ

不知火「不要なものを掃除するのもメイドの役目ですので」

Z3「そうね。このまま焼却しましょうか」グッ

提督「こらやめんか、二人とも」コツン

不知火「ですが司令。このような格好を広められたら不知火は生きていきません」

Z3「そうよ。見せられるのはあなたの前だけよ」

青葉「それなら人が来る執務室で着ない方がいいんじゃ……」ボソ

不知火「なにか?」ジャキ

青葉「なんでもありません!はい!」ビシッ

提督「とにかく艤装を仕舞ってくれ。また風通し良くするわけにいかんだろ」

不知火「…失礼しました」スッ

提督「青葉も誰かの写真撮るなら許可取れって言ってるだろ。今の完全に盗撮だぞ」

Z3「日常的に盗撮を繰り返している人に言っても無駄よ」

青葉「うぐ……反論できません」


青葉「あ!では3人での写真を撮りましょう!それならいいですよね!?」

提督「あのな…メイド二人に挟まれてる司令官の写真なんてどうするつもり―――」

不知火「良い考えですね。そうしましょう」ガシッ

Z3「えぇ。お願いするわ青葉」ガシッ

提督「お、おいお前ら!?」

青葉「じゃあ取りますよ~!」パシャ


青葉「それじゃ出来たら持ってきますね!」

不知火「もし他のところに掲載したり広めたりしたら…」ニコ

Z3「分かってるわよね?」ニコ

青葉「も、もちろんです……」ニコ

Z3「戻ったわ」

不知火「戻りました」

提督「…うん。やっぱり二人ともいつもの制服の方が落ち着くよ」

不知火「ご希望であればいつでも着用しますので」

提督「……考えておく」

Z3「そこで断らないのがあなたらしいわね」

不知火「それほどメイド服が好きなのでしょう………しかし、司令の趣味を理解するのも私たちの務めです」

Z3「えぇ、そうね」

提督「俺を変態みたいに言うのやめて?!」

不知火「では違うと?」

Z3「ケッコンした相手にメイド服を着させておいて?」

提督「ごめんなさい、否定できません」

Z3「……まぁいいわ。秋雲から譲り受けたのだし、大事にしましょう」ギュ

不知火「…そうですね」ギュ

提督(…意外とマックスも不知火も満更ではなかったみたいだし良いか…)ポリポリ

不知火「ではそろそろ戻りましょうかマックス」

Z3「そうね、でもその前にあなた」

提督「うん?どうした?」

不知火「先程のメイド雑誌。隠していないで出してください」

提督「」ギクッ

Z3「あなた……さっきの私との言葉は嘘だったのかしら」ジロッ

提督「ぁうう……」ススッ

不知火「では、これは焼却炉の方に入れておきます」

Z3「今後は執務室に持ち込まないで。自室にある分については今は言及しないでおいてあげるわ」

提督「はい……」ショボーン

Z3「さっきも言ったけれど、そう言った望みは私達に言って欲しいわ……あなた」ギュ

不知火「…不知火も同様です」ギュ

提督「……うん、分かった。ごめんな不知火、マックス」ナデナデ

Z3「ん……もう気にしないわ」ニコ

不知火「…はい」

提督「……ふぅ」パタン

Z3「あなた、なにしてるの」

提督「い゙っ!?」ビクッ

不知火「……いくら今日の書類はすべて片付けたとはいえ執務室でゲームですか…」ジトー

提督「い、いや……あはは……」ダラダラ

Z3「…あぁ、ビスマルクが最近騒いでやってるモン○ンね」

不知火「あぁ、最近雪風や時津風もやっていますね」

Z3「私もたまに付き合わされているけど…訓練に支障が出るのは問題じゃないかしらね」ハァ

不知火「こうなれば禁止令か何かを…」

提督「そ、そうだ!不知火とマックスもやろうじゃないか!」

不知火「……はぁ」

Z3「…仕方ないわね。少しだけ付き合ってあげるわ」

提督「よし、そうと決まればやりますか!」

Z3「まったく…調子が良いんだから…」

Z3「あなた、そっちに行ってるわよ」カチャカチャ

不知火「司令。罠を仕掛けたので誘導してください」カチャカチャ

提督「ちょ、ちょっと待てお前ら…!」ワタワタ

不知火「マックス、お願いします」

Z3「任せて」ザシュ

提督「…あ」

不知火「司令。これで2落ち目です。いい加減にしてください」

Z3「始めてまだ数十時間しか経ってないから仕方ないわ、不知火」

不知火「…そうですね。まだ大剣にも慣れていない様子ですし」

Z3「不知火はヘビィボウガンなのね…。良い趣味してるわ」

不知火「えぇ。マックスもガンランスとは……」

提督「ま、マックス……不知火……」ワナワナ

提督「お前らこのゲームやりこんでるなっ!?」

Z3・不知火「「答える必要はない(わ)です」」カチャカチャ

陽炎「ところで不知火ー?」

不知火「なんですか陽炎?」

陽炎「んー…ちょっとした疑問なんだけどさ」

陽炎「司令とケッコンしたでしょ?同じ部屋に一緒に住んだりしないの?」

不知火「……は?」

陽炎「いやー…この前の演習相手の旗艦の娘がケッコン済みでね?ちょっと話したんだけどさ…」

陽炎「何でもその司令と一緒に同じ部屋で寝食共にしてるんだって。それと秘書艦の仕事もしてるって」

不知火「…寝食を共に」

陽炎「まー、他所は他所。家は家だからね。ちょっと気になっただけ」

不知火「……ふむ」

不知火「他には何か言っていましたか?」

陽炎「え?んーと…朝起きたらお世話とか……」

不知火「お世話?」

陽炎「あっ………ご、ごめん…なんでもない。忘れて…」アハハ

不知火「陽炎?」

陽炎「ほ、ホント何でもない!それよりマックスに相談してみた方がいいんじゃない!?」

不知火「…それもそうですね。少し行ってきます」ガチャ

陽炎「う、うん。行ってらっしゃーい」フリフリ

不知火「…というわけです。他所での話ですが」

Z3「……なるほど」

不知火「マックスの意見を聞きたいのです」

Z3「確かに憧れるわ……だけど、私たち二人が提督の部屋に一緒に住むのは少し厳しいと思うわ」

不知火「えぇ、それは私も思います」

Z3「それにいくらケッコンしたと言っても、レーベのことも一人にはしておけないわ」

Z3「それは不知火も同じことでしょう?」

不知火「えぇ…陽炎とは長い間一緒でしたから」

不知火「もちろん私達が申し出ればきっと祝福してくると思います」

Z3「えぇ…でも長く一緒にいた相棒とも一緒には居たいわ」

不知火「…難しいところですね」

Z3「…提督はどう思ってるのかしら」

不知火「分かりません……ですが」

不知火「司令のことですから私達の今の部屋割りを考慮して何も言わないのかもしれません」

Z3「…そうかもしれないわね」

不知火「司令に相談してみましょう、マックス。何かいい案を考えてくれるかもしれません」

Z3「えぇ、そうしましょう」


不知火(……司令と寝食を共に、か)モヤモヤ

不知火『おはようございます司令』

提督『おはよう、不知火』ムクリ

不知火『司令、顔を洗って来てください。だらしないですよ』

提督『ごめんごめん…不知火いつ起きたんだ?』

不知火『つい先ほどです。起こしてしまったのなら申し訳ありません』

提督『いいや。いつもこの時間に起きるからな』

提督『それより不知火。ちょっとこっちに』チョイチョイ

不知火『はい』テクテク

提督『…ん』チュ

不知火『ん……』

提督『改めておはよう、不知火』ニコ

不知火『……はい』











不知火「」ガンッ

Z3「し、不知火!?どうしたの!?」ビクッ

不知火「…なんでもありません」ダクダク

Z3「…そ、そう。とにかく止血だけはしておいた方がいいわ。はい」スッ

不知火「すみません。ありがとうございます」

Z3(…たまに不知火が分からない時があるわ)

Z3「…ということなの、あなた」

提督「……う、うーん」ムムム

不知火「……その反応。司令は私達とは同じ部屋になりたくないと?」ジトー

提督「え?違う違う!そうじゃなくて…」

Z3「じゃあ何?」

提督「……俺、そんなこと全然考えてなかった」

不知火・Z3「…………」

不知火「…そうですね。不知火も陽炎から教えてもらえなかったら考えもしてませんでしたから」

Z3「…同感ね。今のままで特に違和感がなかったから…」

提督「…まぁ、それは置いておいて」

提督「俺の個人的な考えで良いなら話すけどいいか?」

不知火「はい」

Z3「お願いするわ」

提督「正直に言えば一緒に住みたい」

不知火・Z3「」ピクッ

提督「でも二人が言った通り、あの部屋で3人住むのは不可能だ」

提督「それに不知火は陽炎、マックスはレーベのことが心配だよな」

不知火・Z3「」コクコク

提督「そこで、俺が提案するのは――――――――」

Z1「…か、通い、妻?」

Z3「…提督が言うにはそういうことらしいわ」

Z1「えぇっと…日本独自の文化なのかな?僕はちょっと分からないけど…」

Z3「ようするに不知火と交替で提督の部屋に泊まると言ったところね」

Z1「ふぅん…」

Z1「…何だかごめんね、マックス」

Z3「…いきなりどうしたの?」

Z1「だって僕のことが心配で引っ越しじゃなくて通うことにしたんでしょ?だから…」

Z3「レーベ」ツン

Z1「わっ…」

Z3「…それはあなたの気にすることじゃないわ。私がしたいからそうしたの」

Z3「それに、提督も同じように私たちのことを分かってくれてるの。だから謝らないで」

Z3「私は提督が大切よ。でも貴女のことも同じくらい大切なの、レーベ」

Z1「………」ポカン

Z3「…どうしたの?」

Z1「……うぅん。マックスがそんな風には切り言ってくれるなんて嬉しいなって…」ニコ

Z3「…変かしら?」

Z1「そんなことないよ。でも以前のマックスはちょっと自分の気持ちを伝えるのが下手だったからね」クス

Z1「それも、提督の影響かな?」

Z3「…かもしれないわね」クス

Z1「それに今のは提督が聞いたら嫉妬しちゃうよ?」

Z3「そんなことないわ。あの人は器が大きい人だもの」

Z1「ふふ…そっか」ニコ

Z1「でも、その通い妻って具体的に何するの?」

Z3「明日への仕事の調整や今後の予定とか…?」

Z1「え?」

Z3「どうしたの?」キョトン

Z1「………だ」プルプル

Z1「ダメだよマックス!!そんなの普通の秘書艦と何も変わらないじゃないか!」

Z3「…じゃあどうすればいいの?」

Z1「え?そ、それは……」

Z3「……」ジー

Z1「そ、そうだ!誰かにアドバイスを聞きに行こう!ね!?」

Z3「……そうね。何も知らずに失礼をするわけにもいかないわね」

Z1「そ、そうそう!それじゃ早速行こう!」



Z3「でも誰に聞けばいいのかしら?適任そうな鳳翔は今日は遠征に行ってしまっているし…」テクテク

Z1「そっか……うーん……」テクテク

伊8「あら?」

Z1「あ、ハチ。Guten Tag」ニコ

伊8「Guten Tag.レーベ、マックス。二人ともどうしたの?」

Z3「Guten Tag.ハチ。実は―――」カクカクシカジカ

伊8「ふぅん?それなら良さそうな娘がいるよ?」

Z1「本当!?」

伊8「うん、どうするマックス?」

Z3「是非お願いするわ、ハチ」

伊8「うん。これから会う予定だったから…一緒に行きましょう」ニコ

Z3(ところでその相手って誰かしらね…?)ボソボソ

Z1(あ!もしかして大鯨さんとか…!)ボソボソ












伊8「おまたせ、イク」

伊19「もー!ハチったら遅いのねー!」プンスカ

Z1・Z3「」

提督「ふぃ~…今日の仕事もお疲れ様でしたっ…と」ノビー

不知火「お疲れ様でした、司令」

提督「うん、不知火もお疲れ様」

不知火「では先程の提案通り交代制で司令のお部屋にお邪魔させて頂きます」

不知火「本日はマックスの方が伺いますので」

提督「あぁ、了解。不知火の番のときもそんな堅苦しく考えなくて良いからな?」

不知火「はい」

提督「えと…その、け、ケッコンしてる仲…だしな?」テレ

不知火「…はい、心得ています。司令」

不知火「司令から頂いた指輪は常に肌身離さず持ち歩いていますから」キラッ

提督「…そっか。嬉しいよ不知火」ニコ

不知火「では失礼します。お疲れ様でした」ペコリ

提督「うん、お疲れ様」


提督「さてと…俺も部屋に戻ってマックス待ってるかぁ」ノビー

コンコン

提督「はーい、どうぞー?」

Z3「…あの、あなた」ヒョコ

提督「マックス?どうした?」

Z3「…今日、お邪魔する予定だったのだけど…覚えてるかしら?」

提督「うん、もちろん?」

Z3「…あの、迎えに来たのだけれど…一緒に行っても、構わないかしら?」

提督「もちろん!」

提督「迎えに来てくれてありがとうな、マックス」ニコ

Z3「あ…えと」モジモジ

Z3「…いいえ、私がやりたかっただけだから…気にしないで」ニコ

提督「……なぁ、マックス」

Z3「なに?」

提督「……何でぴったりくっつくの?」

Z3「…嫌かしら?」ピトー

提督「そんなことはないけど…」

Z3「…今日はこうしたいの。歩きづらいかもしれないけど…許してくれないかしら」チラ

提督「…もちろんいいよ」ナデナデ

Z3「ん…Danke.あなた」

提督(…マックスにしては大胆というか…いや、嬉しいけど)

Z3「あなた、着いたわよ?」

提督「あ、あぁ。ごめんごめん。今開けるから…」チャリ

Z3「私が開けても良いかしら?」

提督「? 別に良いけど…はい」スッ

Z3「ありがとう……ふぅ」ガチャ

提督「マックス?」

Z3「あなた」クルッ


Z3「お帰りなさい。あなた」ニコ

提督「……」

Z3「…あ、あの。何か変だったかしら…?」

提督「あ…う、うぅん。ただいま…マックス」

Z3「ふふ…それじゃ早速ご飯作るから少し待ってて」パタパタ

提督「……」

提督(…かわいいなぁ。本当に)ポケー

Z3「あなた、おかわりは要るかしら?」

提督「ん~、大丈夫だよマックス。もう2杯目だし」

Z3「結構食べるのね」

提督「マックスのご飯がおいしくて…つい、な」モグモグ

Z3「もう…口だけは上手いのね」パク

提督「そんなことないって。本当に良いお嫁さんになれるよ」

Z3「……」ジトー

提督「え?な、なに?」

Z3「…ふぅん、そう。あなた、そう言う意地悪を言うのね…」ムスー

提督「え?あっ……」

Z3「……」ムス-

提督「ご、ごめんマックス!そういうつもりじゃ…!」アタフタ

Z3「…知らないわ」プイ

提督「マックスはもう俺のお嫁さんだよ!」

Z3「ッ……」ピクッ

Z3「……ふ、ふん。今更そんな調子のいいことを言っても…」ソワソワ

提督「…マックスぅ」ジー

Z3「……」チラ

Z3「…もう、そんな顔しないで」ツン

提督「わ…」

Z3「私もちょっと悪戯が過ぎたわ。ごめんなさい」ペコリ

提督「…俺が変なこと言ったのが悪いんだから、謝ることないよ」

Z3「……そう。じゃあ私の頼みを聞いてくれたら許してあげるわ。それでいい?」

提督「もちろんそれでマックスが許してくれるならお安い御用だよ。それで頼みって?」

Z3「…その、えと……」





Z3「…………ぬ、脱いで!」

提督「えっ」

提督「…な、なんだマッサージだったのか」ホッ

Z3「他になんだと思ったのかしら?」グッグッ

提督「えっ?!い、いや、俺もマッサージだと思ってたよ!?あはは…」

Z3「…ふぅん。そう」グイグイ

提督「というか……う、上手いなマックス…」

Z3「そう?それなら良かった」ギュー

Z3「あなた、意外と凝ってるわね。やっぱり事務仕事ばかりだといけないわね…」

提督「だなぁ…でもマックスがいつもこうしてくれるなら事務仕事もがんばれるよ…」グテー

Z3「そう?それなら私が来るときは毎回やってあげるわ」

提督「ほんとか?それは嬉しいな…」

Z3「えぇ、あなたの体調管理も私の大事な仕事の一つよ」

Z3「…もちろん、秘書官としてではなく私個人として…ね」

提督「…マックス」ドキ

Z3「あなた、そのままうつぶせでいて。ちょっと失礼するわ」スッ

提督「え?」

Z3「ん…しょ」ノシッ

提督「え?!ちょ、ちょっとマックスさん!?見えないけど何してるの!?」

Z3「暴れないで。それとも……あの、重いかしら…?」

提督「い、いや、むしろ軽すぎるくらいで心配なんだが…」

Z3「な、なら気にしないで。マッサージを続けるわ」ググッ

提督(え…なにこれ!?ど、どどどういう状況!?//)バクバク

Z3「…あなたの背中、意外と逞しいのね…」ピト

提督(アバーッ!?)

提督「お、おい…マックス何を…//」ドキドキ

提督(う、上着脱いでるから背中にマックスの感触が……//)

Z3「…え、ぁ…あの。その…えっと…」ドキドキ

Z3「す、少しだけ…こうさせて」ピトー

提督「ぅ…ぁ…あ、あぁ」

Z3「ん……」

Z3(暖かい……そして、安心する)ギュー

Z3「……あなた」ボソボソ

提督「ひぅっ?!ちょ、ちょっとマックス!耳元で喋るのは…//」

Z3「我慢して。それより、どう?」

提督「ど、どうって何が!?//」

Z3「ま、マッサージは…どうかしら?」フニフニ

提督「あ、あぁ…やわらか……ってそうじゃないよマックス!//」

提督「ち、近いっていうか……こ、これじゃマッサージできないんじゃ…//」

Z3「き、気にしないで。こ、こういう方法もあるのよ……//」スリスリ

提督「お、おい……やめ…//」

提督(や、やばい……せ、背中にナニか柔らかいもの2つの感触が………///)ドキドキ

Z3「ぁ…あな…た……//」トロン

提督「…………ぐっ!」ガバッ

Z3「きゃっ?!」

提督「ご、ごめんマックス!ちょっと汗かいちゃったから風呂行ってくるな!//」ダッ

Z3「え?あ…あな――――」

提督「」ダダダダダ

Z3「………」プクー

Z3(…でもさすがイクだわ。効果はかなりあったみたい……)

Z3(つ、妻としての仕事を全うしないと……!予定通り提督はお風呂に逃げたわ…)

Z3「…これよりプランBに移るわ」

提督「……はぁ」ザバー

提督(どうしたんだマックスは…?やたらと接触が多いような…)

提督「……」サスサス

提督(……さっきの背中の感触が消えない…//)モンモン

提督「あぁもう!」ザブザブ

提督「…はぁ、とりあえず顔洗ってすっきりしたし…身体洗って湯船浸かるか……」

Z3『あなた』コンコン

提督「いっ?!」ビクッ

提督「ま、マックスか?その、さっきはごめんな。急に押しのけちゃったりして…」

Z3『大丈夫よ。気にしていないわ。それより湯加減はどうかしら?』

提督「あぁ、ちょうど良いくらいだ」

Z3『そう、それなら良かったわ』

Z3『………』

提督「マックス?どうかしたのか?」キョトン

Z3『……あ、なた。その』

提督「?」

Z3『……お、お背中。流すわ…』

提督「……はい?」

Z3『え、えと……お邪魔しま……//』

提督「ま、待て待て待て待てマックス!!か、考え直せ!!//」

提督「そ、そこまでやってもらわなくても大丈夫だ!ほんと大丈夫だから!///」

Z3「……お、お邪魔します!//」ガチャ

提督「ちょっ!?まっ…///」

提督「あ……」

Z3「………え、と//」モジモジ

提督「……よ、よかったぁぁぁぁ……」ホッ

Z3「な、なにが?」

提督「水着着ててくれたんだな……」

Z3「あ、当たり前よ。は、裸でなんて……//」カァ

提督(俺は裸なんだけどな……)

提督「ってちょっと待てマックス!お前なんでそのスクール水着着てるんだ!?」

Z3「これ?ハチに支給されていた分を分けてもらったのよ」

Z3「イクからあなたはこれが好きだと聞いたのだけれど…」

提督(あのエロ魔神か!マックスに変なこと吹き込んだのは!)

Z3「あの……あなた?」

提督「へっ!?」

Z3「その……似合ってないかしら……この水着」シュン

提督「え?い、いやそれは…その……」ダラダラ


提督「……う、うん。似合ってる…よ?」ニコ

Z3「……そう。ふぅん……」

Z3「…少し恥ずかしいけど、着た甲斐があったわ」ニコ

提督「う……//」カァ

提督(ど、どうしてマックスにこれほどスクール水着が似合うんだ…犯罪的だろこれ…//)

Z3「な、なに?//」

提督「い、いや。なんでもない…//」

提督「それよりマックス、もしかしてイクの入れ知恵か?」

Z3「…そんなところ」

提督「…だったら無理にそれを実行することはないぞ。マックスが嫌なことを強要させてくたないし」

Z3「そんなこと…」

提督「それを着てくれたのは嬉しいけど、そんなに色々やることはないさ。ゆっくり行けば…」

Z3「…あなたは嫌だったの?」

提督「嫌というわけじゃないけど…マックスに無理をさせるようなことは…」

Z3「……そう」カチン

提督「…マックス?」

Z3「気が変わったわ。嫌でも背中を流させてもらうわ」

提督「はいっ?!」

Z3「座って。私がイクに言われて何も考えないでやってると思っているなら大間違いよ」

提督「え?え?」

Z3「はっきり言うわ。私がやりたいからやる。その中であなたが喜んでくれることを最大限したいの」

提督「…マックス」

Z3「イクの助言だって全部実行しているわけじゃないわ」

Z3「…私のできる範囲で、あなたが喜んでくれれば…それでいいの」

Z3「…あなたの、よ……嫁、として…//」カァ

提督「…ごめん。マックスのこと全然分かってなくて…」

Z3「いいの。これから知っていけばいいのだから…あなたと一緒に」ピト

提督「…うん」


提督「…くしっ!」

Z3「あ…冷えてしまうわね。早速洗いましょう」

提督「そ、そうだな…だけどせめて俺も水着か何か着るから…」

Z3「え?」

Z3「……………あ///」カァー

Z3「ご、ごめんなさい!!そ、そこまで考えてなくて………その…///」プイッ

提督「だ、大丈夫大丈夫…すぐ戻ってくるから待っててくれ…//」パタパタ

Z3「ぁぅう……///」プシュー

提督「…ふぅ、いい湯だったな」フキフキ

Z3「…ごめんなさい。逆に邪魔を……」シュン

提督「ほらマックス。こっち来なさい」チョイチョイ

Z3「え?」

提督「髪の毛乾かしてやるから、ほらほら」

Z3「え…えと………はい」トコトコ

提督「ほれほれ~」フキフキ

Z3「んっ…あなた、もう少し丁寧に…」

提督「あ…ごめん」

Z3「怒ってるわけじゃないわ。あなたらしくていいけれど」クス

提督「そっか。よかった…ドライヤーするぞー」ブイー

Z3「ん………」

Z3「……」ハフゥ

Z3「…!?」ハッ

Z3(こ、これじゃ立場が逆じゃ……!)

Z3「あ、あなた…!」クルッ

提督「ん?」ニコ

Z3「あ……その…//」

Z3「……な、なんでもないわ//」プイ

提督「そうか?それじゃ次は櫛通すぞー」サッサッ

Z3(……気持ち良い。なんだか……眠く…)ウトウト

提督「マックスー?どうだ?もう少しやった方が……マックス?」

Z3「すー……すー……」zZZ

提督「…」クス

提督「おやすみ、マックス」ナデナデ

Z3「ん…ぅ…?」パチッ

提督「ん、起きたかマックス」

Z3「あなた…?」ボー

提督「途中で寝ちゃったから布団でまた寝ると良い」

Z3「ん……」ギュ

提督「マックス?どうした?」

Z3「…や」フルフル

提督「……お、俺の布団は嫌?」

Z3「…ちがう」

Z3「あなたも…一緒」クイクイ

提督「…え?」

提督「い、いやぁマックス?さすがにそれは…//」

Z3「……や」ムスー

提督「うぐ…だがしかし……」

Z3「…ぅ」ウルッ

提督「よし、布団入るぞ」

Z3「ん…♪」ニコ

提督(泣き顔に負けた……大丈夫かなぁ)ハラハラ

Z3「うん……あなたと一緒に…お布団…♪」

提督(…マックスが嬉しそうだし良いか。うん)

Z3「……ん?」パチ

Z3(布団の中…?)モゾモゾ

Z3(確か…提督に髪を乾かしてもらっている途中で寝てしまって…それから…?)

提督「んゅ……」ギュー

Z3「……え」

Z3「な……ぁっ……?!///」モゾモゾ

Z3(だ、だめ…!しっかり抱きしめられてる所為で抜け出せない……!///)

Z3「ど、どうしてこんな…///」

提督「んぅ……まっくすぅ……」ギュー

Z3「ぁ…ぁぅ…///」

Z3(そ、そういえば寝ぼけて何か言ったような気が…//)

Z3「あ、あの…あなた……その…」クイクイ

提督「んん……マックス……」スヤスヤ

提督「す…きだ…ぞ…」グーグー

Z3「―――ッ!//」カァ

Z3「…ずるいわ。そんなこと言われたら……」

Z3「…うん、私も好きよ…あなた」ダキ

Z3「今日は…このまま」ギュ

Z3「…おやすみなさい」

Z3「ぅ……ん…」パチ

Z3(…明るい。もう朝…提督は…)ムクリ

提督「ん、起きたか。マックス」

Z3「…あなた、もう起きていたの?」

提督「まぁな。いつもこのくらいに起きてるし」

Z3「このくらいって…まだ5時半じゃない。いつもちゃんと寝ているの?」

提督「寝過ぎると逆に眠くなるんだ。このくらいでいいんだよ」

Z3「…あなた、そんな生活しているからこの前みたいに倒れるんじゃないかしら…」ジトー

提督「…そ、そんなことはないぞ」プイッ

Z3「…それは置いておきましょう。とにかくいま朝飯を作るから…」

提督「あ、それなら俺が作ったぞ?」

Z3「え?」

提督「何でもかんでもマックスに任せるわけにもいかないだろ?たまには俺も、な」アハハ

Z3「…私の仕事をとったのね」ムスー

提督「えっ」

Z3「……冗談よ」クス

提督「…し、心臓に悪いからやめてくれ」

Z3「あなたの料理、期待しているわ。私は顔を洗いに…」

提督「あ、ちょっと待ってくれマックス」

Z3「?」

提督「少しだけ目閉じてくれるか?」

Z3「? えぇ」スッ

提督「……ん」チュ

Z3「……!?!!?」ビクッ

提督「改めておはよう。マックス」ニコ

Z3「ッ…お、おはようっ!///」パタパタ

Z3(不意打ちなんて卑怯だわ……!///)

不知火「おはようございます、マックス」

Z3「…え、えぇ。おはよう」

不知火「司令は予定通り演習の見学へ?」

Z3「…そうね」

不知火「了解しました。では我々は書類の方の確認を…」

Z3「…えぇ」

不知火「…マックス?どうしました?」

Z3「え?」

不知火「何だか上の空の様な気がしますが…何かあったのですか?」

Z3「……そうね。不知火」

不知火「はい?」

Z3「…あなたも、覚悟しておいた方がいいわ」

不知火「??」

Z3(口元の感触が消えない……//)

Z3(…じ、自分でやった時とは全然違う…提督からされるだけでこんな……//)カァ

不知火(覚悟…覚悟ですか。なるほど)

不知火(恐らく妻としての自覚を試されるのでしょう。心しておかなければ…)フム

不知火「ありがとうございます、マックス。不知火も覚悟して臨みます」

Z3「え、えぇ…気をつけて…」

不知火(気をつける…つまり何か危険を伴う試験がある…!?)

不知火(万全の補給をしていけなければいけませんね…)フンス

時津風「ねーねー天津風ー」

天津風「なによ、どうしたの?」

時津風「私達って何か必殺技とか二つ名とかないのかなー?」

天津風「…はぁ?なによいきなり?」

時津風「なんていうのかなー…ほら?何か技名とか叫んで倒したらカッコ良さそうじゃんー?」

天津風「あのね…」ハァ

時津風「あ!ねーねー不知火ー!」

不知火「時津風?天津風も一緒ですか。どうかしましたか?」トコトコ

天津風「時津風が必殺技とか名前とか考えたいとか言いだしたのよ…どうにかしてくれない?」

不知火「必殺技?」

時津風「そーそー。そっちの方がカッコいいと思わない?」

不知火「…砲雷撃戦の度に叫ぶのは疲れませんか?それに特別な武器を使っているわけでもないですし」

時津風「う…」

不知火「第一、敵に攻撃のタイミングと位置を教えては意味がないのでは?それに…」クドクド

時津風「ぁぅぅ……」グスッ

天津風「し、不知火。そ、その辺で良いから……。ね?」

不知火「ですが…」

天津風「そ、そうだ!実戦では使わないからちょっと考えてるだけ!時津風もそれでいいでしょ!?」

時津風「…」コク

天津風(なんで私がこんなことしなきゃいけないのよ…)ハァ

時津風「じゃあねー…『風』の天津風!」

天津風「そのまんまじゃないの!?」

不知火「では必殺技はデッド・ロン・フーンで」

時津風「なにそれ!?かっこいい!!」キラキラ

天津風「ちょっとやめてよ!?なんで不知火まで乗り気になってるのよー!」ムキー

長門「ん?なんだ、盛り上がっているな」トコトコ

時津風「あー、長門さん!」

天津風「時津風が急に二つ名だの必殺技だの考えるとかいいだして…不知火まで悪乗りしてきたのよ…」ズーン

不知火「失敬ですね。不知火は真面目に天津風のことを思って考えたのですが」

天津風「え?あ…ご、ごめんなさい」

天津風「……ってなんで私が謝らなきゃいけないのよー!!」キーッ

長門「まぁまぁ。そう怒るな天津風」

長門「私とてそう言うことを考えたことはなかったわけではないさ」

時津風「そうなの!?長門さんの聞きたい聞きたい!」ジー

長門「……さすがにそれは少し、恥ずかしいのだが」

不知火「他言はしません。是非聞かせてください」ジー

長門「不知火まで………むぅ、仕方ないな」フゥ

長門「なんだ、その……登場の前口上というかだな…」コホン

時津風・不知火「」ワクワク

長門「…『闇を裂き、悪を裂き、正義に向って突き進む…。人、それを…『闘志』という!』」

長門「そして名を尋ねられたらこう答えるのだ」

長門「『貴様らに名乗る名前はないっ!』…とな」

時津風「……か、かっこいい!」キラキラ

不知火「悪くありませんね…次の出撃の機会に使ってみてはいかがですか?」

長門「それはさすがに恥ずかしいから遠慮しておこう…//」

天津風(長門さんでもそんなこと考えるんだ…)

天津風「……デッド・ロン・フーン」ボソッ

時津風「気に入った!?もしかして天津風気に入ったのー!?」

天津風「な、なぁ!?ち、違うわよ!そんなんじゃないわよ!!///」


提督(なんだかあいつら盛り上がってるなー?)

夕張「」カーンカーン

夕張「」ウィーン ガガガガ チュミミーン

夕張「……できた」

榛名「ほ、本当ですか夕張さん!?」

夕張「はい!出来ましたよ榛名さん!体が小さくなる薬です!」

榛名「すごい…さすが夕張さんです!!」

夕張「い、いやぁそれほどでも…」アハハ

榛名「うふふ……これで小さくなれば駆逐艦が好きな提督は榛名のことも……♪」

夕張(そういう問題じゃないような気もするけど…黙っておきましょう)

榛名「ありがとうございます夕張さん!お礼に間宮さんのところでご馳走しますよ!」

夕張「え!?いいんですか!?」

榛名「はい!好きなだけ召し上がってくださって構いませんから♪」

夕張「やった!頑張って作った甲斐があったっていうものですよ♪」

榛名「では早速行きましょうか」ニコ

夕張「はーい♪」ルンルン


ポロッ


...コロコロ








提督「……うん?なんだこれ?」ヒョイ

提督「…サプリか何かの瓶か?とりあえず預かっておくか…」トコトコ

不知火「ふぅ…」パタパタ

不知火(予定より早く終了しました…執務室に戻りましょう)

Z3「あら、不知火」

不知火「マックス。あなたも早く終わったのですか?」

Z3「えぇ、執務室に行くところよ。一緒に行きましょう」

不知火「はい。もちろんです」

Z3「…その、不知火。先日の提督のところで止まった感想はどうだった?」

不知火「…予想外のことの連続でした」

Z3「…そうよね。きっと同じことされたと思うけど…//」

不知火「…えぇ。朝からあんな不意打ちをされるとは…不覚でした…//」カァ

Z3「…今度は私たちから何かしましょう。このままでは気がおさまらないわ」

不知火「良い案ですね。では後日何か考えましょう」

Z3「えぇ、そうしましょう」ニコ

不知火「と…言っている間につきましたね。司令、不知火とマックス。戻りました」コンコン

Z3「提督、調子はどうかしら?」ガチャ


不知火「……? 見当たりませんね」キョロキョロ

Z3「おかしいわね…今日は基本的に執務室で書類仕事をしていると言っていたはずだけど…」


ササッ


Z3「?」

不知火「どうしましたマックス?」

Z3「今何か机の陰から…」スタスタ

ダッ

Z3「あっ!?不知火!」

不知火「任せてください」ガシッ

??「うわっ!?」

不知火「何者ですか。正体……………を………」



提督(ミニ)「…や、やぁ。不知火」ダラダラ

Z3「…………え?」

提督「はぁ…」チョーン

不知火「…一体何があったのですか?」

提督「そこの落し物のサプリメントみたいなのをちょっと一粒飲んでみたらこんなことになってな…」ズーン

Z3「拾いものを口にしてはいけないわ」

提督「おっしゃる通りです…」

不知火「しかしまさかこんなことになるとは予想もしないでしょう」

Z3「確かにそうね…他に身体に異常はない?」

提督「今のところは。記憶もちゃんとあるし、体も動く…けど小さいから筋力も落ちただろうな…」

不知火「身長的に睦月達より少し小さい程度でしょうか」

Z3「それよりもその服…」

提督「あぁ…都合よく服まで小さくはなってくれなかったよ…」ダボーン

Z3「むしろその状態で逃げる方が無理じゃないかしら」

提督「すまないが不知火、備蓄庫から今の俺のサイズの整備服とかあると思うから持ってきてくれないか?」

不知火「了解しました。すぐに戻ってきます」パタパタ

Z3「それにしてもこれは一体…」スッ

提督「マックス。間違って他の娘が飲んだりしないように管理してくれないか?」

Z3「了解。責任を持って管理するわ」

提督「頼む」

Z3「………ん?」

提督「どうしたマックス?」

Z3「……このマーク」

提督「ん?なんだこれ……メロン?」

Z3「…どうやら犯人は簡単に見つかりそうね」ゴゴゴ

提督「…何だかよく分からんがマックスがすっ飛んで出て行ってしまった…」

提督「…」キョロキョロ

提督「なんかこの視線の低さだと落ち着かない…いつもよりすごい広く感じる…」

提督(言いようのない不安感が…)ソワソワ


摩耶「おーい提督、いるかー!?」バンッ

提督「」ビクッ

鳥海「ま、摩耶姉さん…そんな乱暴に開けちゃ…」

摩耶「いいんだよ。どうせ今日も椅子に座って書類とにらめっこでも………」

鳥海「……あれ?」

提督「ぅ……ひぅっ……」

摩耶「こ、子供……?」

鳥海「提督のお知り合いでしょうか……?というか、な…泣きそうに…」

摩耶「あ、アタシの所為だってのか?!」

鳥海「あんな乱暴に扉を開けたりするから…」ジトー

摩耶「そ、そうだけだよ!まさかこんなところに子供がいるなんて……」

提督「…ぅ」

鳥海「ま、まずいですよ摩耶姉さん。このままじゃこの子が泣いちゃいます……」

提督(な、泣きたいわけじゃないのに涙腺が……こんなところまで退化してるのか……)グスッ

摩耶「え、あ…え、えっと…えと……」ワタワタ



摩耶「………………か、カーニバルダヨー♪」クルッ


提督・鳥海「」

不知火「…ということです」

鳥海「あぁなるほど…そういうことだったんですか」

高雄「コラ、摩耶。暴れない」ガシッ

摩耶「うるせー!!あのクソ提督ぶっ殺す!!!////」ジタバタ

愛宕「それにしても提督、本当に小さいわねー♪」ジー

提督「まぁな…」

不知火「予備の整備服もサイズが合っていたようでなによりです」

提督「ありがとうな不知火。助かったよ」

不知火「いえ、気になさらないでください」

愛宕「……うーん」ジー

提督「どうした愛宕?何か変なところでもあるか?」

愛宕「…提督、ちょっと失礼しま~す♪」ヒョイ

提督「え?」

愛宕「あらら~♪ちょうどいい抱き心地♪」ギュー

提督「もがっ?!あ、あたご!なにして…///」モガモガ

不知火「なっ……あ、愛宕さん!」

愛宕「ほっぺもふにふにしてるわ~可愛い~♪」ギュー

提督「し、しぬ……///」

不知火「…失礼します」グイッ

愛宕「あんっ!もう…不知火ちゃんったらいけずぅー」ブーブー

不知火「大丈夫ですか、司令?」

提督「あ、あぁ…助かったよ不知火…///」

不知火「……」ジトー

提督「…不知火?」

不知火「いえ、別に」プイ


不知火「……」サワサワ

高雄「自分でやっても大きくならないわよ~?」クス

不知火「ッ!?」ブンッ

高雄「ととっ!室内でそんなもの振りまわしてはいけませんよ」

不知火「うぐ……も、申し訳ありません」

不知火(司令も大きいほうが好みなのでしょうか…………くっ!)

Z3「戻ったわ」

Z3「…あら?随分人がいるのね」

愛宕「あら~マックスちゃん、こんにちは♪」

Z3「Guten Tag.愛宕、それに高雄や摩耶に鳥海も」

高雄「…マックス、その引きずっているものはなんですか?」

Z3「…あぁ、これ?今回の騒動の原因よ」ポイッ

夕張「」ベチャ

不知火「夕張、やはりあなたの仕業でしたか」

高雄「確かにこんなことできるって言ったら夕張か明石さんくらいしか思い当たらないわね…」

鳥海「あの…大丈夫ですか、夕張」

夕張「」チーン

高雄「完全に気を失ってるわね」

Z3「仕方ないわね、起こしましょう」ボキボキ

不知火「マックス、ここは不知火に任せてください」スタスタ

摩耶(……何かこいつらこえーんだけど)ボソボソ

鳥海(実際怒らせたら間違いなく怖い二人ですし…)ボソボソ

不知火「夕張、起きてください夕張」ペシペシ

夕張「」シーン

不知火「……ちっ」ボキッ

夕張「ギャアァアアアアアアアアアアア!!!?」

摩耶(お、おい今ボキッって…)

鳥海(こ、こわい……)

夕張「…はっ?!わ、私は何を…」キョロキョロ

不知火「目が覚めましたか夕張」

夕張「あ、あれ?不知火さん?私確かマックスさんに呼ばれて…?」

Z3「目が覚めたみたいね。じゃあこっちに来て」グイッ

夕張「ちょ、ちょっと!?な、なに!何なのよー!?!?」ズルズル

不知火「不知火も同行します。愛宕さん、少しの間司令をお願いします」

愛宕「は~い、任せて~♪」

不知火「……くれぐれも先程の様なことはしないように」ジロッ

愛宕「も~不知火ちゃん怖いわよ~。安心して~♪」ニコニコ

不知火「…では」スタスタ


提督「…大丈夫かなぁ」

高雄「二人も艦隊の仲間である夕張にいくら何でもそこまでひどいことはしないでしょう」


<ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


提督「……」

高雄「……」

鳥海「それより提督、これからどうするんですか?」

提督「え?」

摩耶「え?じゃねぇだろ。お前その姿で他の連中のところ行くつもりか」

提督「あー…考えてなかったなぁ」

愛宕「う~ん、でも皆すんなり受け入れそうじゃない?私たちもそれほど困惑してないし」

高雄「少し鎮守府内を散歩してみてはいかがですか?」

提督「うーん…」

愛宕「あー!そういえばこの後訓練の監督するんだったー!」

愛宕「じゃあ一緒に行きましょう提督♪」ヒョイ

提督「えっ」

愛宕「それじゃあ愛宕行ってきま~す、不知火ちゃんとマックスちゃんに言っておいてね~♪」タタタ

提督「ちょ、ちょっと待て愛宕!わぷっ!!??」

愛宕「はーい、暴れないでくださいね提督~♪」ギュー

提督(た、助けて……///)モガモガ

提督「あたごぉ……まだかぁ…」

愛宕「もうすぐ着くから待っててくださいね~♪」ギュー

提督(さっきからずっとこの調子だ……早くおろしてくれ…)



北上「あ、やっときた」

大井「愛宕さん、遅刻ですよ」

愛宕「ごめんなさ~い…ちょっと色々あってぇ~♪」ニコニコ

北上「駆逐艦はもう先に始めさせたよ。元気良いね~……まったく…」

大井「……ところで愛宕さん、それはなんですか」

愛宕「どれ?」

大井「その子供です」

北上「あ、ホントだ。誰それ?」

提督「えぇと……その……」

愛宕「この子は提督の弟さんよ~♪」ニコ

提督「ちょっ?!」

北上「へー、提督って弟いたんだねー」

大井「…そう言われるとそこはかとなく提督に似てますね……」ジー

提督(な、何言ってんだ愛宕!余計に話ややこしくしてどういうつもりだ!?)ボソボソ

愛宕(でも北上さんと大井さんではとても信じてくれそうにないですよー?)

提督(うぐ…それは確かにそうかもしれないけど……)

愛宕「あ、それじゃあちょっと駆逐たいの子たちを見てくるからこの子をよろしく頼むわね~♪」トテテテ

提督「なぁ!?あ、愛宕!」

提督(な、投げっぱなしで行きやがった……ッ!)

大井「……」ジー

提督「あ、あの……」

提督(まずい……弟と公言されてしまった以上は演技で通すしかない……)ダラダラ

大井「…」ヒョイ

提督「うわっ?!」ビクッ

北上「どうしたの大井っち?」

大井「……」ナデナデ

提督「え?…え?」

大井「……なんだか、この子を見ていると無性にこうしたくなって……」

北上「ふーん……?でも何だかちょっと分かるかも…ほれほれー」ムニー

提督「ふぁにふぉふるふぉ……」

北上「あっははー!何言ってるのか分かんないし!」アハハ

大井「ふふ…もう、北上さんったら…♪」ギュー

提督(な、なんだ……?!北上が子供相手に上機嫌だと…!?)

提督(そ、それに大井まで……こんな馬鹿なことがあるのか…!?)

大井「うふふ……こうしていると…なんだか少し、ほっとします……♪」

提督(えぇえええええええぇええええ!?!?)

提督(馬鹿な……ありえん……!ゆ、夢だ……口を開けば毒舌…一服盛ろうとさえ大井が……こんな…!)

北上「大井っち、なんだか随分この子のこと気に入ってるね?」

大井「えぇ…何故だか分かりませんけど…」

北上「ははぁ~ん……もしかして提督に似てるからとかぁ~…?」ニヤニヤ

大井「……そんなわけありません。どうして提督にこんなことしなければいけないのですか」ナデナデ

提督(今まさにしてるんだけど…)

北上「大井っちー、ちょっとその子貸してー」

大井「えぇ、どうぞ♪」スッ

提督(俺をおもちゃか何かと勘違いしてないか……)ムスー

北上「おぉ、軽い軽い」ヒョイ

北上「んー………」ズイッ

提督(ちょっ?!ちか……!//)

北上「本当に提督に似てるなぁ…」ジー

提督(そりゃ本人だからな……)

大井「提督も小さい頃はこのくらい素直そうな顔だったんですかね」クス

提督(ほっとけ畜生!)

北上「はい、大井っち。ありがと」スッ

大井「はい♪」ヒョイ

大井(……それにしても本当にちょうどいい抱き心地ね…)ジー

提督「……?」

大井「……ん」ギュ-

提督「ぶふっ?!///」

大井(なんだか……ずっとこうしてたい…かも)

提督(ちょ……愛宕ほどの大きさじゃないにしてもなんつー柔らかい……///)

提督「―――ッ!――――!///」モガモガ

北上「ちょ…大井っち、なんか苦しそうだよ…?」

大井「…あっ!?ご、ごめんなさ……」パッ


提督(いまだっ!逃げろ!)ダッ

大井「あっ………」


大井「……」シュン

北上「まーまー、後で提督のところ行けばまた会えるって」ポンポン

大井「…はい」ショボーン

北上(こんな元気ない大井っち初めてみたかも……そんなにあの子気に入ったんだ…)ヘー

Z3「戻ったわ」ガチャ

摩耶「おう。お疲れ」

鳥海「あら?夕張さんは?」

不知火「あちらの部屋で解毒剤を作らせています」

高雄「ふぅん?ちなみにあの薬の効果はどのくらいなの?」

Z3「1週間と言われたわ。もちろんそんなに待てないから3日で作るように言ったけど」

摩耶「…ま、そうだろうな。あのままで指揮なんてさせるわけにもいかねーしな」

高雄「確かにそうね。仮に判断ミスなんて発生したら大惨事よ」

不知火「……」キョロキョロ

鳥海「あの…不知火さん」

不知火「はい、なんでしょう?」

鳥海「きっと提督をお探しだと思いますけど…その…」

鳥海「先程、愛宕姉さんが訓練の監督に行く際に一緒に連れて行ってしまって……」

不知火「…」メキッ

摩耶「いっ?!」

不知火「……ありがとうございます。あのままでは危険でしょうから探してきます」

Z3「私は念のためここに待機するわ。悪いけれど不知火、お願い」

不知火「了解しました。では失礼します」ガチャ

摩耶(…あ、あいつ今、握力だけでドアノブ握りつぶしたぞ……)

高雄(恋は盲目とはよく言ったものねー…)

提督「ぜぇ……はぁ…何とか逃げ切れた…」

提督「こういう小さいときは隠れられるから良いな…」コソコソ

提督「…できるだけ誰にも会わずに執務室に戻るしかないな…一々説明するのが面倒だ」

提督「…よし、いくか!」キョロキョロ







提督「……つ、つかれた…」ゼェゼェ

提督(子供の身体だと移動だけでこれだけ疲れるなんて…予想外だった…)

提督「まだ半分か……こんな遠いと感じるとは…」

提督「よし…あの角を曲がって…」トコトコ

ドンッ

提督「うわっ!?」ドサッ

提督「い、いたたた……」サスサス

??「ととと……ごめんなさい、大丈夫?」

提督「あ、あぁ…なんとか…」ハッ


陸奥「……あら?」

提督「」

提督(ま、まずい……!何か知らんけど本能的にまずいっていう予感がする……!)ダラダラ

陸奥「んー……」ヒョイ

提督「わっ!?」

陸奥「…」ジー

提督「……」ダラダラ

提督(な、なんだ…? ま、まさか捕食されるんじゃ……)ビクビク

陸奥「……かわいい」

提督「え」

陸奥「もしかして提督の弟さん!?」

陸奥「うん、そうよねー……目元とか雰囲気がとっても似てるし…」

提督(何故みんな弟と言う発想に行きつくんだ……もうそれで通すのが一番なのか…?)

陸奥「ね、私のこと『陸奥お姉ちゃん』って呼んで♪」

提督「え゙」

陸奥「ほらほら、早く~♪」ニコニコ

提督「あ、あの…陸奥さん?」ダラダラ

陸奥「お・ね・え・ちゃん」プクー

提督「……む、陸奥お姉ちゃん」ニコ

陸奥「はーい、よろしい♪」ナデナデ ギュ-

提督(打ち明けるタイミング完全に逃した……)

陸奥「お散歩中?じゃあお姉ちゃんと一緒に行きましょうね~♪」トコトコ

提督(結局こうなる運命なのか……がっちり捕まえられてて逃げられない…)シクシク

陸奥「うふふ~かーわいい♪」プニプニ

提督(今更言いづらい……でもばれたら面倒なことにも……)

提督(マックス…不知火……解決策を早めに頼むぞ……)

陸奥「はい、じゃあ靴脱いで上がってね♪」ニコニコ

提督「は、はーい…」

陸奥「それじゃあお菓子持ってくるから良い子でまっててね♪」ニコニコ

提督(陸奥の部屋にあげられてしまった…)

提督(というか戦艦寮か…久しぶりに来た気がするな…)キョロキョロ

提督(…最近事務仕事ばっかりで皆とあんまりコミュニケーションが取れてない気がするなぁ)

提督(以前は新人が来たら秘書にしてお互いを知ることもしてたけど…最近は配属される子もいないし…)

提督(仕事ばっかりで冷たいかなぁ…)

長門「ん?」ガチャ

提督「?」

長門「なんだ、随分可愛いお客さんだな」

陸奥「あ、長門姉お帰りー。ちょっと手が離せないからその子の面倒頼んでも良いー?」

長門「構わんが……ん?」ジー

提督(ま、まずい…このままでは余計に話がこじれる……!)ダラダラ

提督(こ、こうなったらこのまま弟として演技して通すしかない……ッ!)

長門「……」ジー

提督「え、えと…こんにちは、な…長門、お姉ちゃん?」ニコ






長門「……何をしているのだ?提督?」

提督「」

長門「…なるほど、そういうことだったのか」

提督「…連れ出してもらってなんだが…陸奥はいいのか?」

長門「これ以上あそこにいたら余計に話がこじれてしまうだろう。あとから私が適当にごまかしておくさ」

提督「すまない長門…」

長門「提督の所為ではないさ。陸奥も弟の様なものができて少し舞い上がってしまったのだろう」

提督「そう言われると罪悪感が…」チクチク

長門「長い間騙し続けてしまうといつか真実が知られたときの傷が広がるだけだ」

提督「…長門は大人だなぁ」

長門「提督には遠く及ばない。私はまだまだ子供さ」

提督「長門は俺のことを過大評価しすぎじゃないか?」

長門「提督が自身を過小評価し過ぎなのだ。貴方は素晴らしい方だよ」

長門「ここにいる百を超える全員の艦娘達の信頼を得て、だれもが認めるほどの指揮を執れる」

提督「…仲良くなるのは普通じゃないか?俺の指揮が認められるほどのものとは言えないけど…」

長門「それが普通と言える提督は凄いさ」

提督「…そうなのか?」

長門「そうさ」

提督「それにしても全員は言いすぎじゃないか?俺のこと嫌いな子だっているだろ…」

長門「それはない」キッパリ

提督「えぇ……?いやほら、曙とか大井とか…」

長門「……それが提督の欠点かもしれないな」ハァ

提督「へ?」

長門「なんでもないさ、気にしないでくれ」

提督「そ、そうか…?」

長門「……ん?」ピクッ

提督「どうした長門?」

長門「提督にお客のようだな。少し席をはずそう」スタスタ

提督「は?え…ちょ、ちょっと長門…!?客って……?」


提督「……あ」

榛名「……あの、提督」

提督「…榛名?」

榛名「…以上です。あの薬は榛名が夕張さんに頼んだものだったんです…」

提督「……そういうことだったのか」

榛名「…はい」コク

榛名「…ごめんなさい提督。榛名が変なことを考えたばかりに……提督が…提督が…」グス

提督「…確かに、あまり褒められたことじゃないな」

榛名「…ッ! ごめんなさい……どんな罰でもお受けします……」ギュ

提督「……そうだな。ちょっとしゃがんで目を瞑れ」

榛名「……はい」スッ


提督「……」ナデナデ

榛名「…え?あ、あの……提督?」

提督「どうだ!子供に撫でられる感想は!」

榛名「え?あ、あの……えと…?」キョトン

提督「……ごめんな、榛名」

榛名「ど、どうして提督が謝るのですか!?悪いのは榛名で…」

提督「最近感じてたんだ、あんまり皆とコミュニケーションとれてないなって…」

提督「特に榛名は寂しがり屋だもんな…」

提督「でもな榛名、これだけははっきり言っておく」

提督「俺は不知火とマックスを選んだ。これ以上誰かを選ぶつもりはない」

榛名「…………はい」

提督「…すまないな。俺が今まではっきりしなかったばっかりに…」

榛名「……そんなことありません」ニコ

提督「榛名…」

榛名「でも、提督。もしお気持ちが変わられたら榛名はいつでも大丈夫です!」ニコ

提督「あ、あはは…そうか」

榛名「…ふふ、もしの話ですよ。これから先のことは誰にもわかりませんから♪」

提督「…ま、そうだな。考えておくよ」クス

榛名「ありがとうございます提督!では榛名!これからも提督にご奉仕させて頂きます!」ニコッ

提督「え」

榛名「それでは提督!失礼します!」パタパタ

提督「ちょっと待って榛名!?今のどういう意味!?は、榛名ー!!」


長門(口は災いのもとだぞ提督…)ハァ

提督「…なぁ長門、俺の貞操って大丈夫だよな…」ハラハラ

長門「さぁな。それは提督次第だ」

提督「怖い…」ガクガク


不知火「司令!」パタパタ

提督「お、おぉ……! 不知火…しらぬい~……」ギュー

不知火「え?な……な…//」

不知火「あ、あの…なにが…?」ギュ

長門「…まぁ、その姿で色々あったのだ」

不知火「長門さん」

長門「では私はここまでとしよう。後は頼むぞ不知火」

不知火「はい、ありがとうございました長門さん」ペコリ

長門「気にするな、では提督。早くいつもの姿で会えることを期待しているよ」

提督「うん、ありがとう長門」フリフリ

長門「では、失礼する」スタスタ


不知火「司令、一度執務室に戻りましょう」

提督「…」ボー

不知火「…司令?」

提督「…ん」パタ

不知火「?! し、司令!大丈夫ですか!?司令!」

提督「すー…すー…」zZZ

Z3「……あなた」

不知火「…如何ですか、明石さん?」

明石「…ただの疲労ですね。体力が子供の状態になってしまっているんでしょう」カチャ

明石「子供の身体でこの鎮守府色々走ったり歩きまわってればそれは疲れますよ」アハハ

Z3「……よかった」ホッ

不知火「えぇ、倒れた時はどうなることかと思いました…」

明石「でもどうするんですか?提督がこのような状態と皆に報告する予定で?」

不知火「いいえ、どうやら司令の弟と誤解している方が多くいるようなのでそれを利用させてもらいます」

Z3「そうね。提督は1週間ほど出張…弟さんが遊びに来ているということにしましょう」

不知火「そうですね。それが良いでしょう」

明石「ということは提督は弟さんの振りをするということで…?」

Z3「…そうね。申し訳ないけどそうしてもらうしかないわね…」

不知火「…夕張に解毒剤の作成を急がせましょうか」

提督「…いや、大丈夫だよ」ムク

Z3「あなた!」

不知火「司令!」

提督「ごめん不知火…マックス、心配かけちゃったみたいで…」

明石「提督!まだ寝ていてください!」プンスカ

提督「ご、ごめん……」シュン

明石「あ…い、いえ。私こそ大きな声を出してごめんなさい…」アタフタ

明石(う、うぅ…なんだか小さい子に怒鳴っちゃったみたいで罪悪感が…)

提督「問題ないさ…むしろいいことを思いついた」

Z3「いいこと?」

提督「うん…ちょうど良いから皆の本心を聞いてみようかと思って」

不知火「本心…と言いますと?」

提督「俺が弟として演技を通して、普段皆が俺のことをどう思ってるのかなーって………だめ?」

Z3・不知火「だめ(です)ね」

提督「なんで!?」ガーン

Z3(当然よ…皆が何を口にするか分からないわ…)ゴゴゴ

不知火(大勢が提督に好意があるのは必然……もし浮気などにつながったら危険です…)ゴゴゴ

明石(提督も天然ですねー…ホントに…)

不知火「では…皆に教えるつもりですか?」

提督「あぁ、どうせ1日2日で戻るんだ。いいんじゃないか?」

Z3「…あなたがそう言うのなら」

不知火「体調の方は大丈夫ですか?」

提督「うん、休んだら大丈夫だ。執務室に戻ろうか」

Z3「でも無理は禁物よ。分かってるわね?」

提督「マックスは心配性だなぁ…そんなに心配なら手でもつなぐか?」アハハ

Z3「……いいわね、そうしましょうか」ニギ

提督「え」

不知火「では不知火はこちらを」ギュ

提督「あれ?」

Z3「ふふ……どうかしら?子供のように扱われる気分は?」クスクス

不知火「酷く滑稽ですね」クスクス

提督「ぐ……//」

Z3「それじゃあ執務室に行きましょう、あなた」

不知火「逃げようとしたりしないでくださいね、司令」

提督「…分かったよぅ」


Z3・不知火「……」トコトコ

Z3(もし…子供ができたらこんな気分なのかしら…)

Z3(…!? き、気が早過ぎるわ……!//)ブンブン

提督「?」


不知火(…司令と不知火の子)チラ

提督「??」

不知火(………馬鹿馬鹿しい…//)カァ

提督「????」キョトン

提督「はぁ…やっと戻ってこられた」ガチャ

あきつ丸「おや?」

提督「ん?」

不知火「あきつ丸さん。如何しましたか?」

あきつ丸「不知火殿。いえ、以前渡されていた書類を提督殿に提出に来たのです」ピシッ

提督「書類……あぁ、あれか!ありがとうなあきつ丸」

あきつ丸「え?あ、あの……この子供は…?」キョトン

Z3「…信じられないと思うけれど、正真正銘提督よ」

あきつ丸「なんと!?」

提督「あぁ…実は」カクカクシカジカ

あきつ丸「なるほど…まだまだ自分には知らない世界があるのであります…」

あきつ丸「…はっ!?う、上から提督殿に話しかけるなどと…無礼を働いて申し訳ありません!」

提督「え?いや…今の状態だと仕方ないから別にいいけど…?」

あきつ丸「失礼しました。しゃがんでお渡しするのが礼儀であります」スッ

提督「そ、そうか…あきつ丸がそう言うなら別に良いけど…」

あきつ丸「では提督殿、こちらが書類になります」スッ

提督「ん、ありがとう、あきつま……ぶっ!?」

あきつ丸「? どうされました提督殿?」キョトン

提督「な、何でもない…///」プイ

あきつ丸「あ、あの…?」

提督(あの短いスカートでしゃがんだ所為で白い三角地帯が……///)

Z3「……」グイー

提督「いっ!?いたたたた!?み、耳がっ!?ま、マックスなにを……!」

不知火「………変態」ボソ

提督「ま、待て不知火!今のは事故だ!俺の所為じゃない!///」

Z3「……ふぅん。そう…言い訳するのね」ジトー

あきつ丸「え、えぇと……?」

提督「…やっと終わったぁ」グテー

不知火「お疲れ様です、司令」

Z3「その姿でも仕事ぶりは変わらなくて驚いたわ」

提督「基本的に書類読んで記入して判子押すだけだしなぁ…」

不知火「しかし、皆さん意外と理解が速くて助かりましたね」

Z3「そうね…でも大井があそこまで怒っていたのは何故かしらね?」キョトン

提督「あ、あはは……さ、さぁな…?」ダラダラ

提督「と、とにかく今日はこのくらいにしておこうか」トントン

Z3「そうね、そうしましょう」

不知火「では司令、本日は不知火がお邪魔しますので」

提督「うん、分かった………うん?」

不知火「はい?どうしました?」

提督「……え?この状態で来るの?」

不知火「はい。というよりもその状態だからこそ一人でいるのは危険かと」

Z3「私も賛成ね。私も行きたいところだけれど今日は少し用事があるの…不知火、よろしく」

不知火「はい、任せてください」


提督「あの…不知火」

不知火「では司令、行きますよ」ニギ

提督「あの…何故手を…」

不知火「……気にしないでください。それとも嫌でしたか?」

提督「いや、そんなことはないよ」ギュ

提督(…ちょっと子供扱いされてるような気もするけど、まぁいっか)ニギニギ

不知火(いつもは大きい司令の手がここまで小さいと…何か違和感を感じますね…)ギュ

提督「不知火~上がったぞー」フキフキ

不知火「本日もお疲れ様でした、司令」

不知火「こちらにどうぞ」ポンポン

提督「え?ひ、ひざ?」

不知火「はい。……あの、不知火では不服でしょうか…?」

提督「そんなことはないけど…いいのか?」

不知火「はい。もちろんです」

提督「…じゃあお邪魔するな」ポフッ

不知火「では耳掃除をしますので、失礼します」スッ

提督「お、おう…」コロッ

不知火「どうですか?」カキカキ

提督「ん……気持ちいい」

不知火「……」

不知火(……いずれ子ができたらこのように…)ハッ

不知火(……馬鹿なことは考えないようにしましょう…//)ブンブン

不知火「司令、次は反対側を」

提督「ん…」ゴロッ

不知火「…司令、お身体の方は問題ありませんか?」

提督「んー…特に問題ないかな?今頃夕張が解毒剤作ってくれてるだろうし少しの我慢さ」

不知火「そうですか…ですが何か異常があったらすぐ教えてください」

提督「うん…ありがとう不知火」

不知火「司令、次は正面を」

提督「うん……って、え?正め――――?」

不知火「ん…//」チュ

提督「…!?//」

不知火「……い、以上で終了です。い…如何でしたか……?//」カァ

提督「う、うん……ありがと、不知火…//」

提督「ふわぁ…なんだか今日はいつにも増して疲れたな…」ネムネム

提督「不知火ーそろそろ寝ようー」モゾモゾ

不知火「はい、では失礼します」モゾモゾ

提督「不知火も慣れたなぁ…最初は入るのすら恥ずかしがってたのに」

不知火「…初日からいきなり一緒に寝ると言われれば誰でも動揺します」プイ

提督「ま…それもそうか…ふわぁ…」

不知火「お疲れ様です司令…本日は本当に慌ただしいし日でしたね」

提督「だな……」

不知火「…あの、司令。ひとつお願いがあるのですが…」

提督「なんだ?」

不知火「…今日だけ、司令を不知火に抱き締めさせてはいただけないでしょうか」

提督「…いいのか?不知火が良いなら是非とも…むぎゅ」ポフッ

不知火「……いつも司令からして頂いているばかりですから…」ギュ

提督「…俺が元に戻ってもしてくれるのか?」

不知火「当たり前です。司令が望むのであれば不知火はいつでも…」

提督「…そか。不知火も俺に甘えたいときはいつでも言ってくれよ」ギュー

不知火「…はい」ギュ

提督「…」ジー

不知火「…?どうしました司令?」キョトン

提督「…不知火、一回だけ。一回だけで良いから言わせてほしいことがあるんだ」

不知火「…は、はい。どうぞ…?」

提督「…おやすみなさい、不知火お姉ちゃん」ニッコリ

不知火「なっ…ぁ…!?///」

提督「…おやすみ」

不知火「う……ぐ…///」

不知火「……まったく、仕方のない人なんですから…//」ギュ

夕張「…お待たせしました提督。本当に申し訳ありませんでした…」

提督「…夕張、目の下の隈がひどいが大丈夫か…?」

夕張「あ、あはは…自業自得ですから…」ズーン

提督「それに関しては否定できないなぁ…今後は変な開発するなよ?被害が俺だけだったから良い物を…」

夕張「はい…」

Z3「…もう、本当に甘いんだから…」ハァ

不知火「それよりもその薬は本当に大丈夫なのですか?」ジトー

夕張「そ、それは保障するわ!これ以上提督をいじったりなんてして…ま、またあんな目に遭うのは……」ガクガク

提督(あの時マックスと不知火は一体何をしたんだ…)

提督「…よし、じゃあ早速頂きます、と」ゴクッ


提督「ん……お?」ピクッ

夕張「若干違和感を感じるかもしれないですけどすぐ効果が出ますから」

提督「お、おぉ……!」

Z3「少しずつ大きく…」

不知火「元に戻っていますね」

夕張(……んん?なんか嫌な予感が……?)

提督「お、おぉ……!」ビキビキ

提督「…………とりゃー!!!」ドーン

提督「……」グッグッ

提督「お、おぉ…この感じ…!」

提督「元に戻ったぞー!!」パンパカパーン

提督「どうだ不知火!マックス!いつもの俺に戻れたぞ!」

不知火「ぁ……ぁ……な……///」

Z3「あ、あな……た……な……なな……///」

提督「…どうした?二人ともそんな顔して……?」

夕張「て、提督!その粗末なものを隠してください!!///」カァー

提督「へ?」

Z3「あ、あなた!ふ……服!服を…!///」

提督「え?」


提督「……き、きゃー!!!!///」バッ

夕張「叫びたいのはこっちですよ!!さっさと服着てください!!///」


Z3(て、提督のを…み、みてしまった…あ、あれが……だ、男性の…//)チラチラ

Z3(ぁ、ぁぅ……///)プシュー

不知火(司令のを見てしまった司令のを見てしまった司令のを見てしまった司令のを見てしまった…///)プシュー

提督「ふぅ……やっぱり元の身体が一番だなぁ」

提督(……子供の姿だとあきつ丸の時みたいに役得もあるけど)モンモン

提督「…いかんいかん。ただでさえ元に戻った時の一件で不知火とマックスに怒られたのに」ブンブン

提督「さて、今日も元気にお仕事を…」

酒匂「ぴゃん♪司令、失礼しま~す♪」ガチャ

提督「酒匂?どうした、珍しいな?」

酒匂「えへへ~…今日は何の日だか分かる?」ニコニコ

提督「……ねのひだよー?」

酒匂「違うよ!もー!!司令のいじわる!」プクー

提督「ごめんごめん、冗談だって…。それで?今日誰かの誕生日か何かだっけ?」

酒匂「えへへ~……こ・れ♪」スッ

提督「……○ッキー?」

酒匂「うん♪今日はぜ~んぶ1の日でしょ?だからこれの日なんだって~♪阿賀野姉が言ってたよ~♪」

提督(阿賀野…また何かにつけて食べすぎたりしてないだろうな…)

酒匂「ふぁぃ、ひれぇ♪」スッ

提督「……なんのつもりかな?」

酒匂「はひっほはらはべへ♪」

提督「咥えながら喋らないの…端っこから食べないぞ。第一仕事が…」

酒匂「……」ウルウル

提督「……」

酒匂「ひぅっ……」グスッ

提督「あぁもう分かったよ!!すぐ終わらせろよ!?」パクッ

酒匂「ぴゅぅ……ひれぇはいふひ~♪」ニマニマ

提督(泣くのは卑怯でしょう……)モグモグ

酒匂「んふふ~♪」サクサク

提督「お、おい酒匂…?」

酒匂「し・れ・ぇ~♪」ガシッ

提督「ちょっ!?」

酒匂「ぴゃぅ~……えへ…このまま…♪」サクサク

提督「ま、待て酒匂……お、お前まさか最初からそのつもりで……!」

酒匂「えへ……しれぇ…♪」

提督「ちょ…ま……!」


パキッ

酒匂「ぴゅう?あ、あれ…?何で折れちゃって……?」

Z3「何をしているのかしら」

酒匂「……あ、あは?ま、マックスちゃん?今日は訓練の監督役じゃ…」ダラダラ

Z3「早めに終わったのよ。で?なにをしているの酒匂?」

酒匂「え、えと~……」ダラダラ

酒匂「……た、退避~!!!」ダッ

Z3「あっ!?こら!!」

Z3「……まったく」

提督「す、すまんマックス…助かった」

Z3「…あなたもあなたよ。どうして力づくでも拒否しないの」ジトー

提督「いや…女の子にそんなことできないし…それに本気で力比べしたら負けるしさ…」

Z3「…本当、あなたの優しさは欠点でもあるわね」

提督「情けない上司で面目ない…」

Z3「いいわ…それより」パク

提督「?」

Z3「…はやく。酒匂とやって私とは出来ないの?」ジー

提督「…まさか。マックスとならいくらでも」パク

Z3「……」サクサク

提督「……」サクサク

Z3「……このままだと食べきってしまうわよ?」

提督「そりゃ…こうするつもりだし」チュ

Z3「んむ……」チュー


提督「ぷは……どう?」

Z3「…たまには、こういうのもいいものね…//」プイ

Z3「…あの、あなた…その…も、もう一回…いい?//」ジー

提督「…うん//」クイ

Z3「あ…//」



大淀「……二人とも、執務室であることをお忘れではないでしょうか」

提督・Z3「あ……///」

大淀「…急な来客もありますから、ほどほどにしてくださいね」ハァ

提督「ごめんなさい…//」

Z3「Verzeihung…//」

時津風「ねーねー天津風~」

天津風「…今度は何かしら?もう必殺技なんて考えないわよ…?」プクー

時津風「何言ってるのー?必殺技なんてもう古いよー?」キョトン

天津風「…そ、そう」ヒクヒク

時津風「それよりさー!皆が言わないようなこと考えてみようよー!」

天津風「皆が言わないようなこと…?」

時津風「そーそー!例えば雪風がすっごく知的なこと言うとか!」

天津風「…ふふ、確かにあんまり想像できないわね」クス

時津風「でしょー!?じゃあ次は……」

舞風「おー?二人で何してるのー!?」トテテ

天津風「舞風、えっとね…実は…」

時津風「……」ジー






舞風『踊れ!踊らなければ風穴が開くぞ!』

舞風『なんて醜いダンスだ……ッ!』

舞風『さぁ…屍の山を築いてやろう!』

舞風『まともにダンスを踊れぬものよ……死ねえィ!!』





時津風「やだー!!!!!」ビエーン

天津風「な、なに!?」ビクッ

舞風「ど、どうしたの時津風!?ほ、ほら!泣かない泣かない!」ヨシヨシ

時津風「やだー……舞風は今のままがいいー……」ギュー

舞風「え?う、うん?そ、そう…?」

舞風「じゃあ時津風!一緒にダンスしよ!元気出るぞー!」ニパー

時津風「……風穴開けない?」ウル

舞風「開けないよ!?」

天津風(何想像したんだか…)ハァ

Z3「あなた。そろそろ遠征に行っていた第六駆逐隊の皆が帰ってくるわ」

提督「ん…もうそんな時間か」チラ

Z3「どうする?少し休んでもらったらまた行ってもらう?」

提督「ん~…いや、大丈夫だよ。ボーキサイトも結構溜まってきたししばらく安泰かな」

Z3「そう、分かったわ」


雷「司令官!ただいまー!」ガチャ

電「ただいまなのです」

提督「お帰り、みんな。今日も遠征ありがとうな」

暁「ふふん!一人前のレディーなんだからこのくらい当然よ!」フンス

響「それよりも司令官。ちょっとみて欲しいものがあるんだ」

提督「どうした響?」

響「ボーキサイト以外にこんなものを見つけてね…一応持ってきたんだけど…」スッ

Z3「…何かの鉱石かしら?」

提督「なんじゃこりゃ?」

電「良く分からないのです…ただ名前が彫ってあるみたいで…」

雷「なんだか英語?っぽかったからマックスと司令官に見てもらおうかと思って」

暁「ここにあ、あるふぁべっと?が彫ってあるのよ!」

Z3「ふぅん?えぇっと……『メタトロン』?」

提督「よし、捨てよう」

Z3「待ってあなた!これがあればベ○ターキャノンだって作れるわ!」

提督「却下だ!こんな危険なものウチに入りません!!」

Z3「考え直して!これなら深海棲艦なんて簡単に一掃できるわ!」

提督「それでもダメです!こんなものは見なかったことにする!!」


ギャーギャー


電「あ、あの…喧嘩はダメなのです…」オロオロ

雷「結局なんなのかしらねー?あれ?」キョトン

響「…少し待ってようか」チョコン

暁「ふ、ふふん…レディーはずーっと待ってたって平気なんだから…!」ソワソワ

Z3「…では、本日の訓練はここまでにしておきましょう。午後は各自自由にします」

Z1「マックス」トテテテ

Z3「レーベ、訓練お疲れ様」ニコ

Z1「うん。マックスも監督係お疲れ様」ニコ

Z1「…ね、マックス。最近提督の様子がちょっと変じゃないかい?」

Z3「…そう?」

Z1「うん…と言ってもたまたま提督が一人のときにちらっと見ただけなんだけど…すごく不安そうな顔してたよ」

Z1「僕に気がつくとすぐいつもの顔に戻っちゃったけど…」

Z3「…分かったわ、ありがとうレーベ」






提督「ふぅ…」ギシッ

Z3「あなた、戻ったわ」ガチャ

提督「ん、お疲れマックス」

Z3「まだ書類が結構残ってるみたいね…手伝う?」

提督「いや、大丈夫だよ。マックスは先に休んでいてくれ」

Z3「でも……」

提督「もうすぐ大規模作戦だからな…しっかり詰めておかないと皆を危険にさらすことになるからな…」

提督「だから今からもう一度最初から見直して…」

Z3「あなた」ソッ

提督「…マックス?」

Z3「あまり根を詰めるのはどうかしら……ゆっくり、行きましょう」

提督「…マックス」

Z3「…大丈夫」ダキ

提督「…うん、ありがとう」ギュ

秋月「秋月型防空駆逐艦1番艦秋月 ここに推参致しました!」ピシッ

朝雲「朝潮型駆逐艦!朝雲!着任したわ!」ピシッ

プリンツ「グーテンモルゲン 私は重巡プリンツ・オイゲン!よろしくね!」ピシッ

野分「陽炎型駆逐艦、野分!参上しました」ピシッ



提督「……えーっと、というわけで」

不知火「…今回の渾作戦は無事終了。計4隻が新規に着任しました」

Z3「……あっけなかったわね。今回」

提督「そ、そう言わない…」

提督「えーっと皆まずはお疲れ様。着任したばかりで色々あると思うけど…」

提督「まずは皆ここまで来るのに疲れただろうし一度部屋に戻って休んでくれ」

提督「部屋割は俺の方で適当に決めたから、ここに行ってみてくれ。一応地図はつけて置いたけど…」

不知火「司令、念のため不知火とマックスが同行します」

Z3「そうね」

提督「それじゃ頼む。4人への任務は追って通達するからまずはゆっくりしててくれ」

4人「はい!」

提督「あ、そうそう。今日は19時までは自由で。19時にはみんな食堂に来てくれ」

4人「はい!了解しました!」ピシッ


パタン


提督「そう堅くならんでも…ま、いっか」

提督「さーて、間宮さんや大鯨の方に宴会の用意は頼んでおいたし…俺も書類終わらせるかー」サラサラ

提督「えー、というわけで。今回も皆のおかげで作戦は無事終了!」

提督「新たに4名の娘が着任した。まだ分からないことばかりだろうし皆よくしてやってくれ」

提督「それじゃ。折角の料理も冷めるといけないから……かんぱーい!」


「「「「かんぱーい!!」」」」



舞風「野分~!会いたかったよぉおおおお!!」ギュー

野分「ちょ、ちょっと舞風……もう…」ギュ

不知火「…よかったですね、舞風は」

陽炎「そうね…今回の作戦成功した甲斐があったってところかしら」クス



プリンツ「お久しぶりですビスマルクお姉さま!」ニパー

ビスマルク「久しぶりねプリンツ。相変わらず元気そうね」

プリンツ「わぁー…!お姉さま3回も改造なされたんですね!とってもカッコいいです!」

ビスマルク「そ、そう…?ふふん、もっと褒めても良いのよ?」フンス

プリンツ「はい!さすがですお姉さま!」ニコニコ


朝雲「……」キョロキョロ

霰「…えい」ポフッ

朝雲「きゃっ?!な、なに!?」ビクッ

大潮「わー!霰の帽子は朝雲が被っても結構似合います!」

朝雲「な、なにするのよ!」ムキー

荒潮「あらあらダメよ~折角の宴会で一人だなんて~」ギュー

朝雲「ちょ…や、やめ……!//」


秋月「もぐ……お、おいしい……」パァア

間宮「いっぱいありますから、存分に食べてくださいね」ニコ

秋月「はい…!」

天津風「……」ジー

島風「……」ジー

秋月(何だか視線が…気のせいかしら?)キョロキョロ

天津風(……どう思う?島風?)キコキコ

島風(連装砲ちゃんの方が可愛いもん)キコキコ

提督「ふぃー……さすがにこの人数だと熱気が凄いな…」パタパタ

不知火「司令」

Z3「あなた」

提督「ん…不知火とマックス。どうした二人とも?宴会はいいのか?」

不知火「はい。少し静かに飲みたいと思いまして」

Z3「私もよ。それにあなたが外に出るのを見かけたから」

提督「そか…不知火は野分と会えてよかったな」

不知火「そうですね。舞風の喜びようには劣りますが」

提督「あはは……舞風は仕方ないさ。ようやく会えたんだからな」

不知火「…そうですね。あの顔を見ただけでも、今回の作戦に参加して良かったと思います」

提督「マックスはどうだ?プリンツとは同じ出身だろう?」

Z3「そうね。でも直接の面識はたぶんなかった……と思うわ」

Z3「それにビスマルクが離してくれないみたいだしね。逆かと思ったのだけれど」

提督「…そうだな」

提督(なんかビスマルクがああなった原因が分かったような気がする…)

Z3「同じ出身だし接する機会も多いと思うわ」

提督「そっか、レーベと一緒にサポートしてやってくれ」

Z3「えぇ、分かっているわ」


提督「あ、そうだ。二人に伝えようと思っててすっかり忘れてた」

不知火「? なんでしょう?」

Z3「どうしたの?明日の執務についてかしら?」

提督「そうそう、明日からなんだが………」


提督「二人とも、しばらく秘書艦お休みで」



不知火・Z3「………………………………え?」

提督「…と、いうわけでウチの鎮守府では新しく来た子には交流も兼ねて必ず一度は秘書官を頼んでいるんだ」

提督「期間は大体一週間を予定している」

野分「なるほど…」

秋月「提督、ひとつ質問があるのですが」ピシッ

提督「ん?どうした秋月?」

秋月「先日は不知火さんとマックスさんが後ろにいましたが…お二人が秘書艦だったのでしょうか?」

提督「うん、そうだけど?」

プリンツ「あれ?ということは私たちも二人ずつするんですかー?」キョトン

提督「あー……いや、一人ずつで大丈夫だよ。あの二人がいると凄く捗るから二人体制で頼んでるだけだって」アハハ

朝雲「ふーん……捗るねぇ…?」

提督「な、なんだ朝雲?」

朝雲「……べつに?」プイ

野分「それでは司令、誰から秘書を務めましょうか?」

提督「そうだな…じゃあ…」ジー

提督「…ん?」

4人「……」ソワソワ

提督(……何で全員そんなにソワソワしてるんだ…?)

提督「……あ――」

秋月・朝雲「」ピクッ

提督「……いや、待て。の――」

野分「」ピクッ

提督「………うーん、ぷ―――」

プリンツ「」ピコーン

提督「…………」

4人「……」ジー

提督(俺にどうしろっての!?)

秋月「~♪」ニコニコ

提督(結局じゃんけんで決めて貰いました)

秋月「さぁ提督!何を致しましょうか!」ニコニコ

提督「そうだな…じゃあこの書類を整理してもらっていいか?ここの番号ごとに頼む」

秋月「はい!了解しました!」パタパタ

秋月「ところで司令?秋月の出撃はいつごろになりそうですか?」

提督「そうだなぁ…まだ来たばかりで練度も低いだろうし…」

秋月「あ……申し訳ありません」シュン

提督「あ、ごめんごめん…悪い意味じゃないって。誰だって最初はそうなんだし」

秋月「ですが……」

提督「最初は演習で行こう、そんなに焦ることはないさ」

提督「秋月の力、次の演習で見せてくれ」ニコ

秋月「司令……はい!了解しました!」ニコッ

秋月「あ、司令。こちらの整理が終了しました!」

提督「はやっ?!さっき頼んだばっかりじゃない!?」

秋月「そうですか?」キョトン

提督(…さっきの話しながら進めてたのか…凄いな)

秋月「あ…もうヒトヒトマルマルですね。お昼はどうされますか?秋月がご用意しましょうか?」ニコ

提督「とと…もうそんな時間か。じゃあ頼むよ秋月」ニコ

秋月「はい!お任せください!」パタパタ

不知火「………」ジー

Z3「……」ジー

Z1「え、えと…」

陽炎「…あのさ、何してるの二人とも?」

不知火「見張っています」ジー

Z3「そうよ、新しい子たちが提督に色目を使わないか私達が見ていないと」ジー

陽炎「…し、心配しすぎじゃない?司令だって不知火とマックスがいるんだからさ……」

Z1「そ、そうだよ。この前だって榛名にもう誰にも指輪を渡さないって言ったんでしょ?」

不知火「それは以前の艦隊の話です」

Z3「そうね。今回でどう転ぶかわからないわ」

陽炎「…そ、そう。いらない心配だと思うけどなぁ…」

不知火「第一、司令も司令です…いくら何でも私達を解任するなどと…」

Z3「せめて私達のどちらかを傍に置いていてくれれば…」

陽炎(こんな威圧感出しまくりな子が隣にいたら落ち着けないでしょ……)

Z1(二人とも心配性だなぁ…)


不知火「はっ!?」

陽炎「ど、どうしたの不知火!?」

不知火「ま、まさか……司令の胃袋から支配するつもりでは……!」

Z3「それはまずいわね…私たちは料理をまだ始めたばかり…そこをついてくるとは…」

不知火「……くっ!」

Z1(本気で悔しがってる……)

陽炎(まったくもー……付き合いきれないわよ…)ハァ

不知火「……はぁ」

陽炎「…大丈夫?不知火?」

不知火「…はい、不知火は問題ありません」

陽炎(とてもそう見えないけど…)

陽炎「と、特に何もなかったじゃない?ほら、元気だしなよ?」ポンポン

不知火「約一ヶ月…一ヶ月も司令のお傍にいられない何て……」ズーン

陽炎(…こりゃ相当ね…まさかここまで司令に惚れこむなんてねぇ……)クス

不知火「…何ですか陽炎?何かおかしいことでも?」ジトー

陽炎「べっつにー?不知火ったら本当に司令のこと好きなんだなって」ニコニコ

不知火「……」プイ

陽炎「あれ?じゃあ嫌い?」

不知火「…そんなわけありません」ムス

陽炎「…そっか。じゃあちょっとは司令のこと信じてあげなよ」

不知火「………」

陽炎「……あーもー!頑固なんだから!そんなんじゃ……!」


コンコン


陽炎「? こんな時間に誰かしら?」

提督『陽炎か?こんな時間に悪いな。不知火いるか?』

不知火「し、司令……!?は、はい。不知火はここにいますが…」ガチャ

提督「あ、いたか不知火。今日はどうしたんだ?」キョトン

不知火「え?ど、どうした……と、申しますと…?」

提督「あれ?今日は不知火じゃなかったか…俺の部屋に来るの…?」ポリポリ

不知火「………え?」

提督「…もしかして、俺勘違いしてた?ご、ごめん…忘れて…」

不知火「い、いえ!申し訳ありません!すぐ支度して参りますので提督のお部屋でお待ちください!」

提督「そ、そうか?じゃあ先に戻ってるな……?」パタン


不知火「ふ、服を……い、いえ先ずは身体を洗うことから……!」パタパタ

陽炎(何で私は目の前でイチャイチャしてるところ見せられなきゃいけないのかしら……)ハァ

不知火「はっ…はっ…」パタパタ

不知火(不知火としたことが…司令から来て頂くようなことになるとは…不覚です)

不知火(…ですが、司令は忘れずに不知火のことを……)

不知火「……」ニコ

不知火「…」フルフル

不知火「……よし」キリッ

不知火「おまたせしました司令、よろしいでしょうか」コンコン


シーン


不知火「……司令?あの…失礼します…?」ガチャ


提督「むぐ……すー……んが……すぴー……」zZZ

不知火「……」

不知火(…不知火が遅れたばかりに)ズーン

不知火「司令、座ったまま寝るのはよろしくありません。せめて布団に入ってください」

提督「んぁ……あれ…しらぬい…?」ポケー

不知火「遅れて申し訳ありません司令。お疲れのご様子ですので本日はもう休みましょう」

提督「ん…そうだな…」ポケー

提督「じゃあ寝るか…不知火…」グイッ

不知火「へ……あ、あの……わっ!//」ドサッ

提督「んぐ……ぐぅ……」ギュー

不知火「ま、また……///」カァ

提督「……ごめん、な…しらぬい……まっくす……ぐぅ……」zZZ

不知火「え?」

提督「かまって…やれなく……て…」スースー

不知火「司令……」

不知火「……いえ、大丈夫です…司令。こうしていられるのなら……不知火は…それで…」ギュ

不知火「し…れぇ…」ウトウト

不知火「……すぅ……しれぇ……」zZZ

秋月「……」ドキドキ

秋月「……ふぅ」スーハー

秋月(え、えと…提督を起こすのも秘書官の仕事…ですよね!)フンス

秋月「…よ、よし」

秋月「……て、提督。もうすぐ総員起こしの時間になりますのでそろそろ起きた方がよろしいかと」コンコン

シーン

秋月「……あの、提督?」

秋月「…あれ?あい…てる?」

秋月「どうしましょう……でも、提督をこのままにするわけにも…」

秋月「……し、失礼します!」ガチャ


秋月(わぁ……ここが提督のお部屋ですか…)キョロキョロ

秋月(……って、いけません…勝手に人の部屋を見回すなんて…)フルフル

秋月(え、えっと…提督は…)


提督「zZZ」グーグー

秋月「あ……もう、外も明るいのにこんなに布団にくるまって…」

秋月(…? なんだか異様に布団が膨らんでいるような…?)

秋月(なるほど…きっと提督は寒いのが苦手なのでしょう…だからと言ってここまでするとは…)クス

秋月(ふふ…そうと決まればこれを全て取り払ったら面白そうですね)ニコニコ

秋月「……よし」グッ


秋月「……提督!朝ですよ!起きてくださーい♪」バサッ

秋月「…へ?」

提督「すぅ…す―…」zZZ

不知火「ぅ…んぅ……」zZZ

秋月「……」ポクポクポクポク

秋月「」チーン


秋月「へっ……な……ぇ…!?////」カァー

秋月(な、何で不知火さんがて、提督のお布団に……え、えぇっ!?//)

秋月(不知火さん→普段の秘書艦→同じ布団で一夜→夜の秘書官の仕事(意味深))

秋月「つ、つつ…つまり…こ、こここ…これって……ぁ……///」プルプル

提督「ぅ……ん……?」モゾモゾ

秋月「!!!!」ビクッ

秋月「し、失礼しましたー!!!///」ピュー



提督「ん~……?なんだか大きな声が聞こえたような……?」ポケー

提督「…って。もうこんな時間か…起きないとな」ムクリ

提督「ほら不知火、そろそろ起きないとまずいぞ?」ユサユサ

不知火「ぅ……ん……?」

提督「おはよ、不知火」

不知火「…………」

不知火「……朝のキスは…」

提督「へっ?!」

不知火「……」ボー

不知火「」カッ

不知火「……………し、失礼しました。少し惚けていたよう――」

提督「んっ」チュッ

不知火「なっ?!//」

提督「…改めておはよう、不知火」ナデナデ

不知火「……ぉ、おはよう、ございます……//」カァ

秋月「……」ソワソワ

提督「…」サラサラ

提督「…秋月」

秋月「ひゃ、ひゃぃ!?」ビクッ

提督「書類の整理終わったか?」

秋月「あ…も、申し訳ありません!まだ……」

提督「…どうした?何だか様子がおかしいけど…」

秋月「い、いえっ!?そ、そそそそんなことありませんよ!?」

提督「いやどう見ても…」

秋月「そ、それよりも整理終わりましたよ?!」

提督「はやいな、おい」

秋月「ど、どうぞ司令……こちらが……あぁっ?!」バサッ

提督「どうした秋月? 本当に大丈夫か?」ガタ

秋月「も、申し訳ありません!すぐに拾いますので………!」

提督「ごめん、ちょっと失礼」スッ

秋月「ふぇ…?」

提督「んー…別に熱もなさそうだし…」

秋月「あ……ぁ………///」カァ-

提督「ん?やっぱりちょとあるか…?俺一人でも大丈夫だからちょっと明石さんのとこ行ってくると良いぞ?」

秋月「ひぁ……ぁわ…ぁ……///」プルプル

提督「秋月?」

秋月「ご、ごめんなさい司令ー!!!///」ダッ

提督「お、おい秋月!?」

秋月「秋月にはまだ心の準備ができませんー!!//」

提督「こ、心の準備……?な、なんの……?」キョトン

ザザーン

秋月「……うぅ」

秋月「秋月は司令にとんだ無礼を……もう顔向けできません…」チョコン

秋月(…で、ですが……秘書艦の仕事として……あのような……//)カァー

秋月「はぅ……//」プシュー


Z3「…秋月?」

秋月「ふぇ……ま、マックスさん?」

Z3「どうしたのこんなところで。秘書艦の仕事はどうしたのかしら?」

秋月「あ……えと…それは…」

Z3「…もしかして提督が何かしたのかしら」

秋月「ち、違います!失礼なことをしたのは私で…!」ワタワタ

Z3「…何か失敗でもしてしまったの?」

秋月「ぅ……」

Z3「…私でよければ聞くわ。これでも不知火と一緒に一番近くあの人の傍にいるから」

秋月「……」

Z3「もちろん無理にとは言わないけど…」

秋月「…あ、あのっ!マックスさん!」

Z3「なに?」

秋月「ひ、秘書艦の仕事とは…あの……//」モジモジ



秋月「よ、夜伽のお相手も、しなくてはいけないのでしょうか………//」プシュー

Z3「…………」

Z3「……はっ!?///」ボンッ

Z3「…と、いうわけなの。私と不知火は提督とケッコンカッコカリをしているの」

秋月「…わ、私はとんでもない勘違いを……///」

Z3「…説明していなかった私達も悪いわ。ごめんなさい」

秋月「それで…あの、ケッコンカッコカリ…でしたか?」

秋月「つ、つまりその…将来を約束した仲ということは…秘書艦としてとは別にそういうことを……//」カァー

Z3「ま、まだしてないわ!」

秋月「ま、まだ?」

Z3「あっ…そ、それは……///」

秋月「す、すみません…先程から失言ばかりで……//」

Z3「い、いえ…私こそごめんなさい…//」プイ


提督「あ、いたいた。おーい秋月ー」タタタ

秋月・Z3「!?」ビクッ

提督「あれ、マックスも一緒か」

Z3「あ、あなた。どうしたの?今日の仕事は…」

提督「今日は少ないから午後の分まで終わらせたよ」

秋月「す、すみません司令!大変失礼なことばかりした上にご迷惑を……!」ペコペコ

提督「いや、それは構わないよ、それより本当に大丈夫か?どこか調子が悪かったりとか…」

Z3「…大丈夫よ。少し勘違いをしていたみたいだから」

提督「勘違い?」

Z3「私の方で解消したから平気よ。そうでしょう、秋月」チラ

秋月「…はい、ありがとうございました。マックスさん…」ペコリ

提督「…そっか。ありがとうなマックス」ナデナデ

Z3「んっ……あ、あなた……もう…//」プイ

秋月「…」ジー

秋月「……いいなぁ」

提督「え?」

秋月「あっ!?い、いえ…なにも……はぇ?」ポン

提督「秋月も仕事手伝ってくれてありがとうな。本当に助かってるよ」ナデナデ

秋月「あ…」

秋月「……はいっ!ありがとうございます!」ニコッ

Z3(…上手くいっているみたいでよかったわ)ホッ

Z3(分かっていると思うけど浮気は許さないわよ…あなた……)ゴゴゴゴゴゴ

提督(…!?)ゾワゾワッ

Z3「ただいま」ガチャ

Z1「あ、マックスお帰り」

Z1「どう?そろそろ提督の傍に行きたい頃なんじゃないのかい?」クス

Z3「大丈夫よ、今日は頭を撫でてもらえたわ」ムフー

Z1「そっか…よかったね」ニコ

Z3「………それよりも」チラ


Prinz「ビスマルク姉さま、はい、あ~ん♪」

ビスマルク「んむ……美味しいわね」モグモグ

Prinz「えへへ…よかったです♪」


Z3「…なんで二人がこの部屋にいるのかしら」

Z1「そ、それは…えっと…」

ビスマルク「仕方ないでしょう。提督が構ってくれないから悪いのよ」

Z3「あのね……提督は忙しいのだから仕方ないでしょう…」ハァ

ビスマルク「マックスだって構ってもらえなくて寂しいでしょう?」モグモグ

Z3「…」プイ

Prinz「あ、そういえば提督といえば来週は私が秘書艦です!」

Prinz「マックスさん!提督ってどんな方なんですか!?」

Z3「え?そ、そうね……」

Z3「……とても優しい人よ。常に私達皆のことを考えてくれてる…」

Z3「…時に自分を省みないほどに。本当はもっと身体を大切にしてほしいのだけれど…」

Prinz「うーん……」

Z3「…でも、実際に自分で接してみるのが一番だと思うわ」

Prinz「はーい!」ニパー

Prinz「それにしてもマックスさん、まるで提督の奥さんみたいですね!」

Z3「……え?」

ビスマルク「プリンツ、みたいじゃなくて実際そうなのよ」

Prinz「え、えぇ!?そうなんですか!」

Z3(……奥さん?妻……?提督……の?)

Z3「…」

Z1「マックス?」

Z3「……///」プシュー

Prinz「わ、わぁっ?!だ、大丈夫ですかマックスさん!?」ワタワタ

Z1「もー…ほらマックス。お水だよ」

Z3「ぁうぅ………///」プシュー

Z1(ケッコンしても変わらないなぁ…もう…)クス

Prinz「Prinz Eugen!秘書艦に着任しました!」ピシッ

Prinz「提督!これから一週間よろしくお願いします!」ニパー

提督「うん、よろしくなプリンツ」

Prinz「はいっ!」

提督「それじゃあ今日は早速一緒に演習場に…」

Prinz「えっ!もしかしてライン演習ですか!?」キラキラ

提督「残念ながら普通の演習だよ」アハハ

Prinz「なーんだ……うぅん!でも頑張ります!」グッ

提督「今日はビスマルクも参加予定だからプリンツは嬉しいかもな」

Prinz「本当ですか!?」

提督「あぁ」

Prinz「ビスマルク姉様の戦っている姿…是非近くでみたいです…♪」ニコニコ

提督「近いうちに一緒に参加することにもなるぞ?」

Prinz「本当?!やったー!!」ピョンピョン

提督「今からそんなにはしゃぐとバテるぞー?」

Prinz「大丈夫ですっ!まだまだ全然いけますよー!」ルンルン

提督(元気な子だなぁ…マックスやレーベと初めて会ったときは海外艦って大人しい娘ばかりかと思ってたけど…)

Prinz「えへへ~…ビスマルク姉様と一緒に演習~♪」ニコニコ


Prinz「そういえば提督!マックスさんとご結婚してるんですよね!?」

提督「ん?そうだけど…本人から聞いたのか?」

Prinz「はい!それでなんですが…」ズイッ

Prinz「マックスさんのどういったところがお好きになったんですかっ!?」

提督「え」

Prinz「……」ワクワク

提督「…そ、それより早く演習場に行くぞ。もうすぐ時間だからな//」スタスタ

Prinz「あー!ごまかさないでくださいよー!待ってください提督ー!ちゃーんと答えてくださいー!!」トテトテ

Prinz「戻りましたー!」

提督「予定外だけど飛び入りで参加させたとはいえ、いい感じの演習だったぞプリンツ」

Prinz「本当ですか!?」

提督「あぁ、これからも期待してるぞ」ニコ

Prinz「えへへ…♪」

提督「さて、じゃあ早速で悪いが書類仕事の手伝いを…」ガチャ


Bismarck「あら、お帰りなさい」モグモグ

Prinz「あ、ビスマルクお姉さま~♪」トテテテ

Bismarck「なかなか良い演習だったわよプリンツ。これからに期待が持てそうよ」

Prinz「えへへ……お姉さまにそう言われると頑張れますっ!」

提督「……ビスマルク」

Bismarck「あら、おかえりなさい。提督」

提督「いやそうじゃなくて…なんで執務室で煎餅かじってるんだ」

Bismarck「プリンツが秘書になったと聞いて様子を見に来たのよ」

Prinz「そ、そんな…ビスマルクお姉さまが…私の為に…」

Bismarck「あなたがプリンツに不埒なことをしないか心配になってね」

Prinz「ふぇぇっ!?///」

提督「しないわ!!//」

Bismarck「そう?ふぅん……今回の新入りの中では相当スタイルのいい方よ?」

Prinz「え、えと……あの…//」カァ

提督「……はぁ、あのな……いきなり来た子にそんな怖がらせるようなことするわけないだろ…」

Prinz「提督…」

Bismarck「じゃあ、長い間いる不知火とマックスにはやってるってこと!?」ガタッ

Prinz「えぇ!?//」

提督「だからしないっつーの!!//」

Bismarck「不公平よ!どうして私にはしないの!?この私を放置するなんて貴方も相当偉くなったものね!」

Prinz「び、ビスマルクお姉さまっ!?///」カァ

提督「もうお前出ていけ!!//」

Prinz「お待たせしました司令!こちらの書類も終わりました!」

提督「どれどれ……うん、大丈夫だ。ありがとう」

Prinz「いえ!次は何をしましょうか!」

提督「ん…記入が必要な書類はほとんど終わったし……そっちの資料の片づけをお願いしていいか?」

Prinz「はい!任せてください!」ニコッ


Prinz「~♪」

Prinz「……」チラ

提督「……」サラサラ

Prinz(……ビスマルクお姉さま、秘書艦したいのでしょうか……?)

Prinz(……で、でも……ふ、不埒なこと…はぅ…//)カァ

提督「お、おいプリンツ?な、何かふらついてるけど大丈夫か?」

Prinz「あ、はい。ちょっと届かないので脚立を……」

Prinz「……あっ」ズルッ

提督「プリンツ!?」

Z3「……」テクテク

Z3「…」ピタ

Z3「すー……はー……」

Z3(…そ、そう。私はあくまでもクッキーを焼き過ぎてしまったから差し入れに来ただけよ)

Z3(何も不思議なことじゃないわ…でも)カサッ

Z3「……」ジー

Z3(…さ、さすがにハート型のクッキーはやりすぎたかしら…//)カァ

Z3(い、いえ…いいのよ。私は提督の…つ、妻……なのだから…//)

Z3「な、何て言えば良いのかしら…お、お疲れ様?」

Z3「そ、それとも……い、イッヒリーベ……//」

Z3「……」グッ

Z3「……で、は」スッ


ドンガラガッシャーン!!


Z3「!?」ビクッ

Z3「な、なに今の音……ま、まさか…!」

Z3「あなた!?大丈夫!?」ガチャ

提督「いつつつ……」

Prinz「あうぅ……す、すみません、ていと………く…」

提督「……ん?」モニュ

Prinz「ひゃぅっ!?//」ビクッ

提督「え」

提督(腰には程よい重さと柔らかさ…て、手にも程よいな大きさと柔らかさ…こ、これ……!//)

提督「す、すすすまん!//」バッ

Prinz「ご、ごめんなさい!//」パッ

提督「そ、それより怪我はないか?プリンツ?」

Prinz「はい…すみません提督…私が無茶したばかりに…」

提督「そ、それはいいが…その、プリンツ」

Prinz「?」

提督「えっと……す、スカートは戻した方が……//」プイ

Prinz「ふぇ?……あっ?!///」サッ

提督「…//」

Prinz「はぅ……//」

提督「ご、ごめん…俺はちょっと頭冷やしてく………る………」


Z3「………あなた」ゴゴゴゴ

提督「ま、マックスさん?い、いつから……」ダラダラ

Z3「あなたが……プリンツの胸を揉んでいるところからよ……」ユラァ

提督「ま、待てマックス!い、今のは誤解だ!プリンツが倒れそうになったから…!」ワタワタ

Z3「………………の?」

提督「え?」

Z3「……やっぱり、大きいほうがいいの……?」ウルッ

提督「ま、マックス……?!」

Z3「…ご、ごめんなさい!」ダッ

ポトッ

提督「ま、待って!マックス!あ……」ヒョイ

提督「これ………クッキー…」カサ

提督「すまんプリンツ!しばらく待機!ちょっと出てくる!」

Prinz「は、はい!頑張ってください!!」ニコッ

Z3「……」トボトボ

Z3「…どうして」

Z3「私…どうして、あんな馬鹿なこと……」ウル

Z3「…ッ!」ゴシゴシ

Z3「…部屋に、戻りましょう」トボトボ

提督「マックス~!!」タッタッタッ

Z3「!!」ビクッ

提督「マックスー!ちょっとそこで待って………」

Z3「」ダッ

提督「え、えぇ!?マックス!?何で逃げるの!?」

Z3「な、何で追ってくるの!?」

提督「マックスが逃げるからだよ!ちょっと待ってくれって!」

Z3「い、いや!」

提督「」ガーン

提督「き、傷つくか……こ、こんなんじゃ提督さん傷つかないっぽい……!」

提督「コラ待てマックス!こうなったら絶対捕まえてやる!!」ダッ

Z3(な、なんで…なんであんなことをした私を追ってくるの…!?)ダダダ

Z3「はっ……はぁ…はぁ……」

提督「…捕まえた」ギュ

Z3「あっ……!?」

提督「やれやれ……最近走り込みが足りない証拠だ……」ゼェゼェ

Z3「……いけないわよ。ちゃんと運動しないと」

提督「うん、ごめん…」

Z3「……どうして?あんなことを言った私をどうして……」

提督「質問にまだ答えてないから……かな?」

Z3「え?」

提督「俺は別に大きくなくても構わないし。というか胸の大きさなんて人それぞれだしあんまり気にしたことないから」

Z3「……そう、なの?」

提督「少なくとも俺は大きければいいっていうわけじゃないぞ」

Z3「……そう」ギュ

提督「まぁそれはそれとして……本命はこっち」カサッ

Z3「あ……それは」

提督「このクッキー、マックスが持ってきてくれたんだろう?」

Z3「…えぇ。ごめんなさい…落としたことにすら気付かなかったわ…」

提督「そうか…でも、嬉しいよマックス」ニコ

Z3「……でも、落としたから少し割れてしまって……」

提督「関係ないよ。マックスが作ってくれたってだけで嬉しいから」

Z3「あなた……」ギュ

提督「マックス、一緒に食べよう」

Z3「ここで?」

提督「うん。たまには外で海を見ながら食べるのも良いじゃないか」ニコ

Z3「……そうね、えぇ。いいわね」ニコ

提督「んぐ……美味い」モグモグ

Z3「そう…なら、良かったわ」ニコ

提督「マックスの作るお菓子やご飯は本当においしいよ。俺の好きな味も多いからな」ニコ

Z3「…そう」ニコ

Z3「…えっと、じゃあ…こういうのはどうかしら…」ガサガサ

提督「?」

Z3「……ん」

提督「…ま、マックス?まさか…」

Z3「あー…ん」ススッ

提督「……」パク

Z3「どうかしら?」

提督「さっきより美味しい…//」モグモグ

Z3「…そ、そう。それならよかった…わ…//」プイ

提督「はい、マックス」スッ

Z3「え?」

提督「あーん」

Z3「え、あの…あ、あなた…?わ、私は良いから…//」カァ

提督「そんなこと言わずに、ほら」スッ

Z3「……ぁ、あー…//」

提督「ほい」

Z3「ん…」サク

提督「どう?って…作ったのはマックスだけどな」アハハ

Z3「…いいえ」

Z3「自分で味見した時よりも…ずっと、ずっと美味しいわ…」ニコ

提督「…そ、そっか//」カァ

Z3「ふふ…じゃあ、お返し…」クス

提督「…ん。おいし…」サクサク

Z3「いっぱいあるわ。でも、食べすぎないように気をつけましょう」

提督「うん、ありがとうなマックス」ニコ

Z3「…えぇ。あなた…」ズイ

提督「?」


Z3「…Ich liebe dich.」チュ















Prinz「………てーとく、遅いです………」シクシク

野分「駆逐艦野分、秘書艦に着任しました!1週間よろしくお願いします、司令!」ピシッ

提督「ん、よろしくな野分」ニコ

野分「はい!よろしくお願いします!」

野分「司令、早速ですが野分は何をすればよろしいでしょうか?」

提督「う~ん…何だか秘書に来てもらって書類仕事ばっかり頼むのもなぁ…」ムムム

提督「……よし、野分!」

野分「はいっ!」ピシッ

提督「演習にでも……」グー

提督「………」

野分「………」

野分「……えと、なにかお作りしましょうか…」クス

提督「すまん……//」

野分「いえ、司令はいつもお疲れでしょうから。お気になさらないでください」

野分「では、少々お待ちください。すぐ作ってきます」パタパタ

提督(うぅ……とんんだ醜態をさらしてしまった…)ハァ

提督「……もし、こんなところ不知火とかに見られたら……」


不知火『………司令、普段の管理がなっていない証拠です。ですから司令は以前も風邪で倒れて――――』クドクド



提督「……うん。自分の管理がなってないことに怒られそう…」ズーン

野分「お待たせしました、司令」コト

提督「お、おぉ…すごい美味しそう…!」

野分「司令のお口に合うか分かりませんが…どうぞ召し上がってください」

提督「じゃあ早速…頂きます」パク

提督「……」モグモグ

野分「………あの、如何でしょうか…?」

提督「すっごい美味しい……!」

提督「美味しいぞ野分!間宮さんにも引けを取らないくらいだ」

野分「し、司令…それはさすがに言いすぎでは…」

提督「いや、この味付けは俺凄い好みだ…いくらでも食べれそう」モグモグ

野分「そうですか…よかったです」ホッ


舞風「提督ゥ~!いるー!?」バンッ

野分「こ、こら舞風…!執務室の扉をそんなに乱暴に開けちゃダメでしょ!」

舞風「あ!野分!野分が今週の秘書なの!?」クルクル

野分「そ、そうだけど…。ま、舞風…そんなところ構わず踊ってたら危ないって…!」

提督「どうした舞風。いつになくご機嫌だな」モグモグ

野分「し、司令…申し訳ありません!ほら舞風!司令にも失礼だから…!」

提督「気にしなくていいよ野分。舞風が秘書のときだって似たような感じだったから」

野分「え、えぇ…!?」

舞風「えへへ~…ようやく野分に会えたからね!」ニパー

野分「舞風…」

舞風「だから、ありがとうね提督!野分を迎えに行く作戦に舞風を参加させてくれて!」

提督「俺の方こそありがとうな舞風。舞風の力があったから作戦も無事成功したわけだしな」ナデナデ

舞風「そう?えへへ~…♪」ニコニコ

野分「……」

提督「………う~ん」

不知火「失礼します、司令」ガチャ

提督「お、不知火。おかえり」

不知火「第二艦隊、帰還しました。遠征の結果がこちらになります」カサ

提督「うん、ありがとう」

不知火「………」ジー

提督「…ん?どうした?」

不知火「…いえ、何かお悩みのご様子でしたが…何かあったのですか?」

提督「…顔に出てた?」

不知火「はい。少なくとも不知火にはそう見えました」

提督「敵わないな…」

不知火「如何いたしましたか?不知火でよければ聞きます」

提督「…野分のことなんだけどさ」

不知火「野分がどうかしましたか?」

提督「なんだかさ…何処か無理してるっていうか…遠慮されているような気がして」

不知火「と言うと?」

提督「舞風と野分の絡みを見たことあるか?」

不知火「はい。舞風はとても嬉しそうにじゃれついてますね」

提督「野分の方はどうだった?」

不知火「…そうですね。普段からはあまり見られないほど優しい声を出している…そういうことですか」

提督「なんか俺の前だと皆と話している時以上に固いんだよなぁ…」ズーン

不知火「緊張しているのでは?司令はあまり自覚がないかもしれませんが上官相手です」

提督「そうなのか…あんまりそういうの気にしなくていいのに…」

不知火「司令はそう思っても野分はそういう考えは出来ないかもしれません」

提督「どうしようかなぁ…不知火、何かいい考えは…」

不知火「ご自分で考えてください」

提督「不知火が冷たい……」ショボーン


那珂「たっだいま~!那珂ちゃん戻りました~♪」ガチャ

提督「良く来た那珂!お前に頼みがある!!」ガシッ

那珂「へ?えっ?え?」キョトン

不知火(また良からぬことにならなければいいのですが…)ハァ

野分「クリス…マス?」キョトン

提督「そう。異文化ではあるがクリスマスと言う日にはケーキを食べたりサンタがプレゼントを持ってくるんだ」

野分「サンタ…とは、どういう…?」

提督「…真っ赤な服を着た白く長いひげが特徴…らしい」

野分「…そ、それはまさか…か、返り血では……!?」

提督「いやいや違うから…そういう服装なの」

野分「とても独創的なんですね…」

提督「ということで今日は良い子の野分にフライングでサンタに来てもらうことにした」

野分「え?」

提督「それじゃお願いしまーす」

野分「ま、待ってください!そんな簡単に来るものなんですか!?」



那珂「はーい!那珂ちゃんサンタでーすっ♪」ガチャ

野分「な、那珂さん!?な、何してるんですか?!」

那珂「もー、那珂さんじゃなくて、那珂ちゃんサンタ!」プンスカ

野分「え、えぇと…?」

那珂「と、いうわけで!いま秘書艦として頑張ってるのわっちにプレゼントーッ♪」ゴソゴソ

野分「え?えっ?」オロオロ

那珂「はいどーぞっ♪」スッ

野分「あ…は、はい」

那珂「それじゃ提督!他の駆逐艦の子たちにも配ってくるね☆」

提督「おう、頼んだぞ那珂サンタ」

那珂「はーいっ!那珂ちゃん輝いてるーっ!!」パタパタ

野分「…あの、司令…これは一体…」

提督「だからサンタから良い子の野分にプレゼント」

野分「…どうみても那珂さんでしたが」

提督「違う、那珂サンタだ」

野分「……はい」

提督「ほら、開けてみると良いぞ」

野分「え?えぇ……」ゴソゴソ


野分「……これ、は?」

提督「これがケーキだよ」

野分「これが、ケーキ…」ジー

提督「ほら、フォーク」スッ

野分「あ、ありがとうございます…って、し…執務中ですから…」

提督「俺は気にしないから。ほら」ニコ

野分「…」ソワソワ

野分「で、では…」

野分「……はむ」パク

野分「ん……甘くて、おいしい…♪」ニコ

提督「…やっとここで笑ってくれたな」ホッ

野分「え?」

提督「野分、俺の前ではずーっと畏まってるだろう?」

野分「…当然です。司令は上官で…」

提督「でも、さっきの那珂を見ただろう?」

提督「ウチの鎮守府ではそういうのは気にしなくていいさ、もちろん無理に笑えってわけじゃないぞ?」

提督「ただ、ここにいるときは野分には野分らしくいて欲しいってだけだからさ」

野分「司令…」

提督「俺にとって皆は那珂までもあるし家族当然だよ。遠慮なんて必要ないんだ」ポン

野分「あ…」

提督「だから、もっと肩の力抜いていこうな」ナデナデ

野分「………」

提督「…あれ?お、俺なんかまずいことした…?」ダラダラ

野分「あ、いえ…そうではなく…」

野分「…その、差し出がましいようですが…もう少しだけこうしてもらえると…」

提督「? 野分がそう言うなら…」ナデナデ

野分「ん…」

野分(舞風が…あれほど嬉しそうな顔をしていた理由が…少し分かった気がします)

野分(司令にこうされると…何だか、安心します…)ニコ

提督「これからもよろしくな、野分」

野分「はいっ」

提督「…というわけで、野分とも上手くやっていけそうだよ」

不知火「それは良かったです」

提督「間宮さんに頼んで良かったよ。まさかケーキまで作れるとはな…」

不知火「他の駆逐艦も喜んでいたようですよ」

提督「それはよかった。不知火も食べたのか?」

不知火「いえ。不知火の分はここに」スッ

提督「…ちゃんと冷蔵してたか?」

不知火「無論です。そのまま持ち出していたら食べられなくなってしまいます」

提督「ならいいか」ホッ

提督「でも何で食べなかったんだ?」

不知火「もちろん頂きます。ですが……」ゴソゴソ

提督「?」

不知火「…ん」ポフッ

提督「…さ、サンタ帽?」

不知火「はい、那珂サンタから借りました」

提督(那珂サンタっていう言葉浸透してたのか…)

不知火「どうでしょう司令?」

提督「かわいい」

不知火「そ、そういうことではなくて…!//」カァ

提督(かわいい)

不知火「…き、気を取り直して」コホン

提督「?」

不知火「サンタとは一年間良い行いをした人に贈り物をするのですね?」

提督「うん?一応そうだな」

不知火「……ですから、私から司令に…」ゴソゴソ

提督「え?」

不知火「……その、どうぞ」スッ

提督「…プレゼント箱」

不知火「あ…し、資材が入っているわけではないですから」アセアセ

提督「開けても良いかな?」

不知火「…は、はい」

提督「…」ゴソゴソ

提督「……マフラー」

不知火「…はい。鳳翔さんに教わりながら作りましたが…その…一部ほつれてしまっているようなところも…」

提督「…暖かい」ヌクヌク

不知火「それに長さも少し長すぎて…」

提督「それは…こうする」シュル

不知火「え?んっ……」

提督「ほら、ちょうどいい長さ」

不知火「し、司令…あの…これはさすがに…//」

提督「二人で巻いちゃいけないってことはないだろう?室内なのはちょっと頂けないけどな」アハハ

提督「…でも、凄く嬉しいよ不知火。ありがとう」ナデナデ

不知火「…いえ」ニコ

提督「ところで、プレゼントくれたのはとても嬉しいんだが…ケーキを残していたのとどう関係が?」

不知火「先に司令に渡したかったのがひとつです。もう一つが…」

提督「もうひとつが?」

不知火「……その」

不知火「…できることなら、司令と一緒に食べたい…と」

不知火「クリスマスとは…特別な方と共に過ごす日でもある、と聞いたので…」

提督「……」

不知火「ですから……その……」チラ

提督「…不知火」ダキ

不知火「し、司令…?!//」

提督「…気が回らなくてごめんな」ギュ

不知火「いえ…ただの不知火の我儘で…」

提督「言っただろう?遠慮なんて必要ないよ。それに不知火は俺の嫁なんだからさ」

不知火「………はい」ギュ

提督「なんか嫁って言葉にすると凄い恥ずかしいな…//」

不知火「安心してください。言われた不知火も恥ずかしいですから…//」

提督「さて、じゃあ折角一緒に食べようって言ってくれたんだ。フォーク貸して」ヒョイ

不知火「え?」

提督「よいしょ……はい、あーん」スッ

不知火「え…あ……//」

不知火「…はむ」パク

提督「どう?」

不知火「…とても、甘くて美味しいです…」

不知火「貸してください司令。不知火にもやらせてください」

提督「うん」ニコ

不知火「あ……ぁー…ん…//」スッ

提督「…ん」パク

不知火「ど、どうでしょうか…?」

提督「うん。美味しい」ニコ

不知火「……良かったです」ニコ

提督「さて、そろそろ部屋に戻るか」

不知火「はい」

提督「…不知火。帽子は外しても良いんだぞ?」

不知火「…もう少しだけ」ソワソワ

提督(気に入ってたのか…)ガチャ


Z3「きゃっ?!」

提督「わっ?!あれ…?マックス?」

Z3「あ、あなた…」

提督「どうした?」

Z3「い、いえ…その…」ササッ

提督「?」

Z3「そ、その…えぇと…」ソワソワ

提督「??」

不知火「……司令、いくらなんでも鈍すぎです」

提督「え?」

Z3「あ、あなた!」

提督「は、はい!」

Z3「…その、めりー……くりす…ます…」スッ

提督「……これって」

Z3「クリスマス…だから、あなたに…プレゼントしたくて…」プイ

Z3(30分近くも扉の前でうろうろしていた自分が情けないわ…)ズーン

提督「…」ゴソゴソ

Z3「え?あっ…!せ、せめて部屋で…!」ワタワタ

提督「…手袋」

Z3「…自分で編んだり出来ないから…買ったものになってしまったの…」シュン

Z3「だから…わぷっ!?」

提督「そんなの関係ないよ…マックスから貰ったってだけで嬉しいよ」ギュー

Z3「あ、あなた…こ、こんなところで…!//」ワタワタ

提督「ありがとうな、マックス」ギュー

Z3「ぁう…//」ギュ

提督「……」ムムム

不知火「司令?どうしましたか?」

提督「いや、うーん……」ギュー

Z3「あ、あなた…いつまでこうして…!///」モガモガ

不知火(……羨ましい)

提督「……」チラ

不知火「?」

提督「…」チラ

Z3「―!―――!//」ジタバタ

提督「……決めた」

不知火「…何をですか?」

提督「二人とも、俺の部屋に来てくれないか?」

不知火「…? はい。元々不知火は今夜お邪魔する予定でしたので…」

Z3「私も構わないわ…」プハ

提督「ん、ありがとう。じゃあ離すぞマックス」パッ

Z3「あ………えぇ」シュン

不知火「…」テクテク

【提督の自室】


提督「二人とも入ってくれ」ガチャ

不知火「失礼します」

Z3「お邪魔するわ」

提督「ん」パタン

不知火「司令?一体何を……」

提督「」カチャリ

Z3「……あ、あなた?どうして鍵を閉めて…」

提督「…不知火。マックス」クルッ

不知火「し…司令?」

Z3「あ、あなた……? どうしたの?」

提督「…二人ともこっちに」ポフッ

不知火(…ふ、布団の上?!)

Z3(ま、まさか……私達を呼んだ理由って…!?)

不知火「し、司令……あ、あの…//」ドキドキ

Z3「あ、あなた…それは…その…//」ドキドキ

提督「ん?」キョトン

不知火(ま、マックス……ど、どうすれば…!)ボソボソ

Z3(お、落ち着いて不知火……こ、この時間は『性の6時間』と聞いたわ……お、おかしくはない…わ…//)ボソボソ

不知火(せ『性の6時間』!? は、初めて聞きましたが…!?)

Z3(わ、私もそうよ…でもついさっき漣から聞いたのよ…)

不知火(……そうですか。情報通の漣ならあながち間違いでは……)

提督「どうした二人とも?」キョトン

不知火「……い、いえ!いま……行きます…//」スッ

Z3「…え、えぇ…覚悟が決まったわ//」スッ

不知火「…ど、どちらから…でしょうか…!」

提督「え?二人とも来て欲しいんだけど…?」キョトン

Z3「ど、同時に!?//」カァ

提督「へ?」

不知火「……了解、しました」

Z3「し、不知火…//」

不知火「…覚悟を決めましょうマックス。来るべき時が来ただけです…//」ドキドキ

Z3「…そ、そうね。えぇ。分かったわ…//」ドキドキ

不知火「……不知火。失礼します…//」シュル

Z3「…//」シュル

提督「な、何してんの二人とも!?//」

Z3「な、何って……//」

不知火「司令が望むのであれば…不知火達は…//」

提督「え?……あ」

提督「ち、違う違う!!そういう意味で呼んだわけじゃない!!ベッドにいるのも別に深い意味はない!!//」カァ

不知火「……え」

Z3「ち、違う…の?」

提督「違うって!//」


不知火「し、不知火は……とんだ恥ずかしい勘違いを……!//」プシュー

Z3「ば、馬鹿……私の馬鹿……!//」プシュー

提督「いや…俺の言い方が悪かった…すまん…//」カァ-

不知火「……では、隣に」ポフッ

Z3「私は反対側に…」ポフッ

提督「うん」

不知火「それで司令…なぜ私たち二人を?」

Z3「そうよ…泊りなら不知火の番よ」

提督「ん…まぁそうなんだけど…」ナデナデ

Z3「んっ…」ピクッ

提督「…さっき不知火も言ってたんだけどさ。クリスマスは特別な人と過ごす日なんだ」

Z3「? えぇ…そうね」

提督「…だからさ、今夜は二人と一緒…三人で過ごしたいって思ってな…」

Z3「あなた……」

Z3「……嬉しいわ。ありがとう」ピト

提督「ん…」ナデナデ

不知火「…」クイクイ

提督「不知火?」

不知火「司令……」ジー

提督「……? あ」ピコーン

提督「ごめんごめん…そんなつもりじゃなかったんだけどね」ナデナデ

不知火「んっ……いえ、問題ありません…」

提督「不知火も今夜はこれで大丈夫か?」

不知火「当然です…司令が望むのであれば」ギュ

提督「うん…ありがとう」ニコ

Z3「やっぱり…3人だと少し狭いわね…」モゾモゾ

不知火「司令…もう少しそちらへ…」モゾモゾ

提督「あ、あの…二人とも」

Z3「なに?」

不知火「どうしました?」

提督「た、確かに一緒に過ごしたいと入ったけど…なにも3人でひとつの布団に寝ることは…//」

Z3「…なに?嫌なの?」ジトー

不知火「司令…自分の発言には責任をですね…」ジトー

提督「わ、分かったよ!ほら…!//」グイッ

不知火「ひゃっ!?//」ビクッ

Z3「きゃっ!?あ、あなた…どこ触って…!//」カァ

提督「な、何言ってる!へ、変なところはどこも触ってない!//」

Z3「も、もう……///」ギュ

不知火「……ですが」

不知火「…とても暖かいです。司令とマックスとこうしていられると…落ち着きます…」ギュ

Z3「不知火…」

Z3「…私もよ。3人一緒が…一番落ち着くわ」ギュ

提督「マックス…不知火…」

提督「二人とも、これからも俺の傍にいてくれ…」ギュ

不知火「はい…」ギュ

Z3「当り前よ…離れるつもりも…離すつもりもないわ」ギュ

提督「うん…」


不知火「…」ウトウト

提督「眠いか不知火?」

不知火「あ…す、すみません…少し訓練の疲労が…」

提督「構わないよ。ほら」ダキ

不知火「ぁ…//」カァ

提督「ゆっくり休んでいいぞ。明日は皆も休みだからな」ナデナデ

不知火「…はい。ありがとうございます…し…れぃ…」

提督「…不知火?」

不知火「すぅ……すー……」zZZ

提督(…前から思ってたけど不知火って結構寝付きいいよなぁ)クス

不知火「…zZZ」

提督「~♪」ナデナデ

Z3「……あなた」

提督「あ」

Z3「……私たち二人を選んだと言った割に…不公平じゃないかしら?」ムッスー

提督「い、いや違うぞマックス?こ、これはだな…」ダラダラ

Z3「…ふぅん?なにが違うというのかしら…?」ジトー

Z3「…いいわね。二人は暖かそうで…」プイ

提督「ま、マックスを放置するつもりじゃなかったんだって…不知火が眠そうだったから…」アタフタ

Z3「…いいわよ、別に。元々今日は不知火が泊る予定だったのだから」モゾモゾ

提督「ま、マックス…」


Z3(……どうしていつもこう悪態ばかり……プリンツの時もそうだったのに私は…)ウル

提督「…マックス。こっち向いて」

Z3「…嫌」

Z3(…今の顔…あなたに見せられない…)

提督「……」

Z3「…そ、の…あな………えっ?!」グイッ

提督「…ん」チュ

Z3「…!?//」

提督「…これで機嫌直してくれ。な?」ニコ

Z3「な、なな……///」カァ-

提督「……もう一回した方がいい?」

Z3「~~~~!///」

Z3「し、知らないわ!もう!//」プイッ

Z3(い、いつもいつも…不意打ちばかり……!//)バクバク

提督「マックス」ダキ

Z3「な…あ、あなた…!///」

提督「…不知火は寝付いたからさ…ほら」ギュ

Z3「え?//」ドキ

Z3(そ、それってまさか……だ、ダメよ!不知火に申し訳が……!///)ドキドキ

明けましておめでとうございます。今年も艦これ、不知火とZ3をよろしくお願いします


提督「マックス?」

Z3「あ、あなた…でも…あ、あの…//」チラ

提督「ほら」ナデナデ

Z3「んっ……って、え?」

提督「ん?マックスも寝付くまでこうしててあげるからさ」ナデナデ

Z3「………」ハァ

提督「え?ど、どうしたマックス?そんなため息ついて…」

Z3「…なんでもないわ。あなたらしいと思って」

提督「??」

Z3「それよりも手が止まってるわ」

提督「あ、ごめん」ナデナデ

Z3「ん…気持ちいいわ♪」

提督「…なんか皆撫でられたがるけどそんなにいいもんか?」ナデナデ

Z3「えぇ、とても」

提督「…ま、二人が喜んでくれるなら良いけどな」クス

Z3「……そうね、でも」

提督「うん?」

Z3「…さっきの方が…嬉しいかもしれないわ…//」

提督「さっきのって…?」キョトン

Z3「……これのことよ」ガシ

提督「え?まっく……んむ…!?//」チュ

Z3「……ん//」


Z3「…ただ、他の子には…絶対しないでね…//」スッ

提督「…もちろんだよ。約束する」

Z3「うん…約束…♪」ニコ


提督「そろそろ寝ないとな…お休み。マックス」モゾモゾ

Z3「えぇ…おやすみなさい…あなた…」モゾモゾ

提督「……新年か」

提督「なんだかあっと言う間に過ぎたなぁ…これも年かなぁ」

提督(…でも、去年は嫁さん出来たし……しかも2人って…//)


大淀「失礼します、提督」ガチャ

提督「お、明けましておめでとう。おおよ……ど?」

大淀「はい、あけましておめでとうございます。提督」ニコ

提督「…」

大淀「あの…?どうかなさいましたか?」

提督「ど、どうしたんだそれ?」

大淀「あ、これですか?実は明石さんのお店から出て来たらしくて…♪」

大淀「如何でしょうか提督?」ニコ

提督「……」ジー

大淀「……あ、あの」

提督「あ、あぁ。ごめんごめん。うん、良く似合ってる」ニコ

提督「髪下してる姿も良いけど晴れ着ならそっちでも似合うなぁ」

大淀「ふふ、そうですか。着た甲斐がありました」ニコ

提督「しばらくその姿で仕事するのか?」

大淀「えぇ。実はちょっと気に入っちゃって…」アハハ

提督「俺は構わないよ。しばらく作戦の予定もないから出撃して汚すこともないと思うさ」

大淀「それは助かります。あと、明石さんの方も着ていますからよかったら後ほど覗いてみてください」クス

提督「そか。分かった」

大淀「ではこちらが報告書などの書類になります。目を通しておいてくださいね」スッ

提督「あいよ」

大淀「では失礼しました♪」ガチャ

提督「…」

提督「……正月早々に仕事か……はぁ」ズーン

提督「まぁ…晴れ着姿の子が見られただけいいか!」

提督(……不知火とマックスも着てくれないかなぁ……なんて)

提督「ちわー」ヒョコ

明石「……て、提督」ヒョコ

提督「……明石、何故隠れている」

明石「い、いや~……ちょっと奥の整理が忙しくてですね…」アハハ

提督「そっかぁ……ちょっと欲しいものあるんだよなぁ…」

明石「だ、代金だけ置いて行ってもらえればお好きに持って行ってもらって構いませんから!」

提督「え~……」

明石「う、うぅ……お、大淀から聴きましたね……!」ジトー

提督「まぁな」

明石「………そ、そんなにみたいんですか?」

提督「うん。凄く見てみたい」

明石「……あぁもう分かりました!//」ヒョコ


提督「……おぉ」

明石「あぁもう…こんなもの発掘するんじゃありませんでした…恥ずかしい…//」ハァ

提督「いやいや明石、凄く似合ってるぞ」

明石「……そ、そうですか?」

提督「うん」

明石「……ほ、褒めても安くしませんからね…?//」

提督「別にそんなつもりはないんだが…」

明石「そ、そうですか…似合ってますか……ふふ」クス

明石「あ、提督。よければ門松飾りませんか?余ってるんですよ」スッ

提督「いいのか?それじゃ貰おうかな…」

明石「分かりました。では後ほど執務室に運んで置きますね」ニコ

提督「うん。頼むよ」ニコ


明石(えへへー…なんだか褒めてもらえると嬉しいかも…♪)ルンルン

提督「正月だから皆休みにしたけど…」

提督(う~ん……やっぱり寒いし皆は部屋の中で炬燵かなぁ…)


ぽいぽーい!!


提督「ん?」

夕立「わーい!羽根付きするっぽい~♪」トテテテ

提督「おや、夕立」

夕立「あ!提督さん!あけましておめでとうっぽい!」

提督「夕立は正月早々元気だなぁ」ナデナデ

夕立「わふ……初なでなでっぽい!」ニパー

提督「……って、お前も着てるんかい!」

夕立「ぽい?あぁ、これ?さっき大淀と明石が着てて羨ましかったから着せてもらったっぽい!」ニコニコ

提督「…」ジー

提督(それにしても3人とも見事に似合うな……元が可愛いし)

夕立「提督さん?」キョトン

提督「いや、なんでもない。転んだりして汚さないように気をつけなさい」ナデナデ

夕立「は~いっぽい♪」


時雨「お待たせ夕立…おや、提督」

提督「お、時雨……は普通か」

時雨「何のことだい?」キョトン

提督「なんでもないよ。あけましておめでとう」ナデナデ

時雨「あけましておめでとう…でもいきなり撫でるのは…」

提督「あ、すまんすまん」パッ

時雨「あ…」

夕立「提督さん!夕立はもっと撫でて欲しいっぽい!」ブンブン

提督「悪いな。この後仕事あるからこの辺でな」ポンポン

時雨「お正月なのに?」

提督「正月でも気は抜けないからな、皆はゆっくりしてなさい。じゃ」スタスタ


夕立「提督さん忙しそうっぽい~…」ショボン

時雨「うーん……どうにかしてあげたいね…」

提督「……」

ゴチャァー

提督「……はぁ」

提督「年末に掃除しなかったツケが回ってきたなぁ…あの時」ポワンポワン


不知火『司令、書類は今のうちに纏めておいた方がいいですよ』

Z3『そうね。私達でも見れない重要機密書類もあるでしょう?』

不知火『私達ばかりでやってしまうと司令が分かりづらくなってしまいますので、重要なものだけは司令がお願いします』

Z3『他のものは私たちがやっておくわ。今のうちに片づけてしまいましょう』



提督「………って言ってくれたのに…俺のアホ」ハァ

提督「仕方ないか…しかも折角片づけてくれたのにまた汚してるし…」ズーン

提督「…とりあえずこの辺の資料から片づけるか…」ゴソゴソ

ガチャ

提督「ん?」チラ

シーン

提督「……あれ?今誰かいたような気がしたんだけど…?」

提督「…気のせいか」



「だ、ダメだよ曙ちゃん!」

「う、うっさいわね!別にこんな恰好じゃなくても…!」


提督「…?」

提督「誰かいるのか?」ガチャ

潮「あ」

曙「え?」

提督「うん?」

3人「……」

提督「潮?それに曙………って、その格好…」

曙「こ、こっちみんな!このクソ提督!!///」ブンブン

提督「おわっ!ほ、箒を振りまわすな曙!!」

提督「…な、何だったんだ曙は…」




曙『う、うるさいうるさいうるさーい!こ、こっち見んなって言ってんのよ!このクソ提督ー!!///』ブンブン

潮『あ、曙ちゃん!』ドスッ

曙『』

潮『て、提督!失礼しましたー!!』ピュー





提督「…それにしても」

提督(曙も晴れ着姿……しかも腕まくりをして…)

提督「……すごく似合ってたし曙らしかったなぁ…」ポワポワ


Z3「なにがかしら?」

提督「うわっ!?」ビクッ

Z3「Guten Morgen.あなた」

提督「あ、あぁマックスか。おはよう」

Z3「あなた…年末に掃除をするようにとあれほど…」ジトー

提督「ごめんなさい……」シクシク

Z3「仕方ないわ…私も手伝うわ」モクモク

提督「え?いやいやマックス…折角の休みなんだからゆっくりしてていい……むぐ?」

Z3「あなた」ジッ

Z3「掃除もそうだけど……あなたと一緒にいたいの」

提督「……」

Z3「……迷惑、かしら」シュン

提督「……いいや。マックスから来てくれるなんて嬉しいよ」ナデナデ

Z3「…ありがとう」ニコ



Z3「ところで、さっきの独り言だけれど曙がどうかしたのかしら?」ギロッ

提督「」ダラダラ

Z3「ふぅん……着物、ね」

提督「興味ある?」

Z3「そうね…本でしか見たことないから少しは興味があるわ」

提督「向こうじゃ着ることないもんなぁ…日本の文化だし」

Z3「…あなた」

提督「うん?」

Z3「…見たい?」

提督「うん」

Z3「そ、そう…//」カァ

提督「マックスなら似合うだろうなぁ…いつもの紺色か青っぽい着物……うーん」ジー

Z3「…あ、あなた。やっぱりコスプレさせるのが趣味……」

提督「コスプレじゃないよね!?」

Z3「な、ならあまりジロジロ見ないでくれるかしら。は、恥ずかしいから……//」カァ

提督「うーん…明石さんに頼んでどうにか探してもらおうかな…」

Z3「い、いいわよ。そこまでしなくとも」

提督「でもなぁ…俺が見てみたいんだよなぁ…」

Z3「す、すぐじゃなくても良いでしょう?少しゆっくりしないかしら?」

Z3「実はその…間宮から頂いたの」スッ

提督「みかん?」

Z3「えぇ、日本ではお正月に炬燵とみかんがつきものなのでしょう?」

提督(何か若干違ってるような…でも間違いではないような…)

Z3「あなた?」キョトン

提督「おっと、それじゃ炬燵出すから手伝ってくれるか?」

Z3「えぇ、分かったわ」イソイソ

提督(もしかして地味に楽しみにしてる……?)クス

Z3「なに?」キョトン

提督「いや、なんでもないさ」

Z3「ふぅん…そう」ウキウキ

提督(いちいち反応が可愛いなぁ…もう)

不知火「失礼します………あら?」

提督「お、不知火」

Z3「しらぬい……きたのね」ヌクヌク

不知火「……何ですかこの状況は」

提督「マックスが炬燵にみかんをしてみたかったらしくてな。で、こういうことに…」

Z3「……はぁ」ヌクヌク

不知火「……炬燵の魔力にやられていますね」

提督「仕方ないだろう…炬燵に慣れていたってこうなるから」

不知火「気持ちは非常に良く分かります」

Z3「これは……まずいわ……」グググ

Z3「………ど、どうしましょうあなた…!で、出られない……!」ヌクヌク

提督「まぁまぁ、ほら緑茶も一緒に飲むといいぞ」コトッ

Z3「…」ズズ

Z3「……はぁ♪」ヌクヌク

不知火(すっかり満喫していますね、マックス…)

提督「不知火もどうだ?」

不知火「いえ。先程自分の部屋のものから脱出してきたばかりですので…」

提督「…そうか」

Z3「はぁ……」ヌクヌク

Z3「すぅ……すぅ……」zZZ

提督「あーあー…炬燵で寝ると風邪ひくぞマックスー?」

Z3「んぅ……ん……」スヤスヤ

提督「仕方ない…俺の上着掛けておくか」ファサ

不知火「…マックスも変わりましたね」

提督「え?」

不知火「着任当時のことを考えれば司令の目の前で無防備に眠るなんてことはなかったでしょう」

提督「…それは否定できないな」

提督「仕方のないだろうな、母国を離れてここに来ているわけだし」

不知火「気が抜けない……ですか」

不知火「しかしプリンツやビスマルクの様な方もいますから一概には言えませんがね」

提督「あはは……まぁ人それぞれってことで」

提督「でも不知火だって人のこと言えないだろう?」

不知火「…否定はできませんね」

不知火「……司令」

提督「なんだ?」

不知火「ひとつ聞きたいのですが、不知火の第一印象とはどうだったのでしょうか?」

提督「第一印象?」

不知火「はい」

提督「どうした急に?」

不知火「……今更ながらですが、司令は不知火のどこを気に入ったのか……」

提督「え?」

不知火「……不知火は最初、他の駆逐艦からも怖がられるような始末でした」

不知火「ですが、司令は構わず不知火を気にかけてくれました。不知火に優しく接してくれました」

不知火「……そして、不知火を選んでくれました」ニコ

提督「……そっか」ナデナデ

不知火「ん……」

提督「…ま、第一印象で言えば俺も少し怖かったというのが正直なところかな」

不知火「」ガーン

提督「だ、第一印象だから!そ、そんな泣きそうな顔するな不知火!!」

不知火「……不知火に何か落ち度でも」ゴシゴシ

提督「………強いて言うならそういうところだよ。俺が好きになったのは」

不知火「え?」

提督「いつも不知火はしっかりしている。ように見えて年相応のところ」

提督「実際しっかりしているけどな。でも子供っぽいところもあるし、危なっかしいところもある」

不知火「…そうでしょうか?」

提督「以前、僚艦の高雄がやられたときに単機突撃した話は忘れんぞ」

不知火「う……」

提督「あの時本当に俺の心臓止まるかと……いや、若干止まったぞ」

不知火「…あの時は、その…申し訳ありませんでした」

提督「昔の話をまた怒るつもりはないよ。ただ、そういうことは二度としないでくれよ」

提督「もう、お前ひとりだけの命じゃないんだから」ダキ

不知火「………はい」ギュ

提督「ただ、それが不知火の優しいところだよ。本当は他人のことを想ってる、大事にしている」

提督「だけど、自分を省みない……だから」

不知火「…だから?」

提督「俺が、護ってやりたい。そう思ったんだ」ギュー

不知火「……司令」

不知火「…不知火は幸せ者です…司令に出会えることができて…本当に」ギュー

夕立「ふふ~…♪」ササッ

時雨「夕立…一々隠れる必要はあるのかい?」

夕立「驚かせて登場した方がいいっぽい!」

時雨「やれやれ…」


夕立「えへへ~…提督さん。お邪魔するっぽい~…………ぽい?」ヒョコ

時雨「……おや」クス

夕立「わぁ~……提督さんと不知火さん…仲良しっぽい~♪」ニコニコ


提督「すー……すー…」スヤスヤ

不知火「すぅ…ぅん…」ピト



時雨「夕立、倉庫から毛布を持ってきてくれないかい。二人が風邪をひいちゃうからね」

夕立「了解っぽい!任せてっぽい~!」トテテテ

時雨「まったくもう…マックスまで炬燵で寝転がるなんて…」フゥ


Z3「すぅ……あなた……んぅ」ゴロッ

不知火「司令……す…ぅ……」スヤスヤ


時雨「この二人がこんなに無防備に執務室で寝るなんて…」チラ

提督「zZZ」グーグー

時雨「…やっぱり、提督は凄い人だよ」クス

提督「吹雪、そんな緊張するなって」ポンポン

吹雪「は、はい……!」ガチガチ


青葉「カメラの準備など完了しましたよ~」トテテ

提督「おっけー。赤城、加賀。先に行って準備しててくれ」

加賀「了解しました」

赤城「はい」


吹雪「う、うぅ……今更私なんかが出ても……」モジモジ

提督「胸を張って行って来い。主役はお前なんだから」ポンポン

吹雪「…司令官」

提督「頑張れ吹雪。皆がお前のこと待ってるぞ」

吹雪「……はい!司令官!私、頑張ってきます!!」ダッ



不知火「……司令、これは?」

Z3「私たち何も聞いていないのだけれど」

提督「え?あー……これはだな」

青葉「テレビ撮影です!」ヒョコ

不知火「…テレビ?」

Z3「撮影……?」

青葉「はい!全国の皆さんに私達艦娘について知って頂き理解を深めてもらうことが目的です!」

青葉「普段の訓練の姿や鎮守府の警戒態勢での戦闘を映して見て頂こうということです!」

青葉「……まぁ、もちろん収入目的もありますが」ボソ


不知火「…それは分かりました。ですが司令、ひとつ聞きたいのですが」

提督「なんだ?」

Z3「どうして私達が出る予定を聞かされていないのかしら……」ゴゴゴゴゴゴ

不知火「はい」ゴゴゴゴゴゴ

提督「」ダラダラダラダラ

提督「そ、それは……だな」コホン

不知火・Z3「それは?」

提督「……お、お前達の魅力は俺が独り占めしたかったんだ!」

不知火・Z3「…」

提督「……」

不知火「……司令」キュン

Z3「あなた…」キュン


青葉(うわぁ…)

提督「ただいま~……さむさむ……」ブルブル

Z3「おかえりなさい、あなた」

不知火「お疲れ様です、司令」

提督「本当に外寒くなってきた…早く冬終わらないかなぁ…」ハァ



間宮「失礼します」ガチャ

Z3「間宮?どうしたの?」

不知火「間宮さん。珍しいですね。執務室にいらっしゃるとは」

間宮「お疲れ様です不知火さん、マックスさん」ニコ

間宮「提督と皆さんにこれを振舞いに来たんです♪」ニコ

Z3「……これは?」キョトン

不知火「甘酒ですか」

提督「おぉ間宮さん!ありがとうございます!」

Z3「あま……ざけ?お酒なの?」

間宮「う~ん…一応ほんのちょっとだけアルコール入ってますがほとんどないものに等しいですね」

Z3「それなのにお酒?」

不知火「恐らく酒粕から作られているからではないでしょうか」

Z3「ふぅん…?」

提督「米と米麹で作ってる場合もあるけどな」

間宮「ふふ、皆さん寒いかと思いまして♪」

提督「ありがとうございます。頂きます♪」スッ

不知火「ありがたく頂きます」

間宮「マックスさんもどうぞ。温まりますから」

Z3「それじゃあ……頂くわ」

間宮「他の方にも配ってますね、失礼しました」ペコリ

提督「ご馳走様です間宮さん、ありがたく頂きます~」

間宮「はい♪」ニコ

提督「ふぅ……温まる…」ズズ

不知火「はい。初めて飲みましたが中々美味しいですね」クピクピ

提督「ん?飲んだことなかったのか?」

不知火「はい」

提督「でも不知火の舌にもあったようでよかったよ。マックスは?」

Z3「…」スンスン

Z3「なんだか独特の匂いがするわね」

Z3「……ん」ズズ

Z3「……身体がぽかぽかする」ポカポカ

提督「身体が温まるからな。正月に振舞われることが多いんだ」

Z3「……美味しいわ」クピクピ


不知火「……ふぅ、ご馳走様でした」コト

Z3「ご馳走さま」コト

提督「ん。それじゃあ俺が片づけてくるわ」ヒョイ

不知火「司令…さすがにそれは」

提督「ちょうど食堂に用事があるから気にしなくていいよ。二人は悪いんだがある資料を探しておいて欲しいんだ」

Z3「…分かったわ。任せて」

提督「頼む。すぐ戻ってくるから」ガチャ


パタン



Z3「…?」ボー

不知火「…?」フラフラ

提督「…よし、ここに置いておけば大丈夫かな」コト

提督「さてと、後は戻るだけ……うおっ!?」ビクッ

??「だ~れだっ♪」

提督「……す、鈴谷?」

鈴谷「せいかーい!」ギュー

提督「こ、こら抱きつくな!せ、背中に当たってる!//」

鈴谷「え~……いいじゃんいいじゃん。正解したご褒美ってことで…♪」スリスリ

提督「こ、こらやめ……!//」


熊野「…すーずーやー!」グイッ

鈴谷「いたたたっ!く、熊野やめて!耳!耳が!!」

熊野「何度言わせますの。提督にご迷惑をかけたらいけませんわ」プンスカ

鈴谷「ぁぅう……」ヒリヒリ

提督「す、すまん熊野。助かった…」

熊野「いえ、お役に立てて光栄ですわ」ニコ

鈴谷「もー、熊野の馬鹿~…しかもひりひりする…」グス

提督「大丈夫か鈴谷?」サスサス

鈴谷「へ?わ、わわ……///」ドキ

熊野「………提督、私が何のために鈴谷を引き?がしたと…」ハァ

提督「え?」

鈴谷「あ、ありがとね提督!だ、大丈夫だから!」ササッ

鈴谷「じゃ、じゃね提督!鈴谷は部屋に戻ってるから~!」ピュー

提督「え?お、おい…?」

熊野「こ、こらお待ちなさい鈴谷!て、提督、すみません。失礼致します!」ペコリ

提督「お、おう…?」


提督「……どうしたんだろ?」キョトン


間宮(お店の前で堂々と浮気とは…今度不知火さんとマックスさんに告げ口しましょうか……)トコトコ

提督「やれやれ…鈴谷は一体何だったんだろうか」トコトコ

提督(…まぁ不知火とマックスに見られなかっただけマシか…)

提督(……背中の感触)

提督「…いやいや忘れよう。不知火とマックスの信頼を裏切るわけにいかん…//」フルフル



提督「さて、と…二人ともただいまー」ガチャ

Z3「」フラフラ

提督「マックス?」

Z3「あ……なた…」ポフッ

提督「ど、どうしたマックス!?大丈夫か!」

提督「……あれ?不知火がいない……?」キョロキョロ

Z3「はぁ……ぁ……はぁ……ん……」ギュ

提督「そ、それよりどうしたんだマックス!?何があった!?」

Z3「……」クイクイ

提督「ん?どうしたマックス?」

Z3「……ソファ」

提督「ソファ?連れていけばいいのか?」

Z3「…」コク

提督「それじゃ手を引いていくから転ばないように…」

Z3「…や」フルフル

提督「え?い、いやって…?」

Z3「…………こ」

提督「え?」

Z3「……だっこ、して…」ギュー

提督「」

提督「ちょ…あの…ま、マックス…?//」ドキドキ

Z3「やー……」ギュー

提督(な、なんだ……一体マックスに何が……!?)

提督(………待てよ?)ハッ

提督(……この状況。あの時と同じ……ま、まさか……)ダラダラ

提督「…マックス」

Z3「なに……?」トロン

提督「…………酔ってる?」

Z3「……しょんなわけにゃいわ」スリスリ

提督(やっぱりか!すごいベロンベロンになってるよこの子!!//)

提督(ど、どうしよう……っていうか甘酒で酔うの!?)

Z3「……あなた?」ジー

提督「へ?あ、あぁ…ごめんマックス」

提督「……と、とにかく落ち着こう。な?」ハラハラ

Z3「……いや、なの?」ウル

提督「え」

Z3「……だっこ」ジー

提督「う……」

Z3「……」グス

提督「……失礼するぞ」ヒョイ

Z3「わ……」

提督(まさか執務室でお姫様だっこする羽目になるとは……この瞬間に誰も来ませんように…)

Z3「……あなたぁ♪」ギュー

提督(やっぱりずっとこのままがいいです)

提督「そ、それじゃ下ろすぞマックス」スッ

Z3「……」ジー

提督「ど、どうした?」

Z3「……もうちょっとだけ」ギュー

提督「お、おい……//」カァ

Z3「う…」グス

提督「いくらでも良いです。はい」

Z3「ん…あなた……♪」ギュー

提督(以前もそうだがマックスは酔うと甘え癖が出るのか……でもこの状況…非常に心臓に悪い…//)バクバク

Z3「どうしたの…?」ジー

提督「な、なんでもないぞ」ニコ

提督(い、一緒に寝る回数が増えたとはいえ…印象が違いすぎる…//)

Z3「ん…そう」ギュー

提督(…どうしよう、ずっと立っているわけにもいかんよな…)ウーン

Z3「あなた…」クイクイ

提督「ど、どうした?」

Z3「このままソファに…座って…」

提督「こ、このまま?」

Z3「えぇ…」

提督「…分かった」ストン

Z3「ん……♪」ポフッ

提督「ちょっ!?//」

提督(ひ、膝に座って…しかもそのまま抱きついてきたし!?//)ドキドキ

Z3「あなたの匂い……好きぃ…♪」スリスリ

提督(やばいやばいやばいやばいやばい)バクバク

Z3「♪」スリスリ

提督(お、落ち着け落ち着け……!いつもと変わらないマックスだ……!)ドキドキ

Z3「あなた……」ジー

提督「ど、どうした?」

Z3「……呼んだだけよ」ニコ

提督「ッ!//」ドキッ

提督(か、顔が紅潮してるのもあってマックスが凄く色っぽいような……///)ドキドキ

Z3「呼んで…」ジッ

提督「え?」

Z3「私の…名前」

提督「……マックス」

Z3「……うん」ギュ

Z3「好きよ……あなたぁ…♪」ギュー

提督(しにそう)

Z3「……あなたからもして欲しい」ギュー

提督「…こう、か?」ギュー

Z3「んっ……」ピクッ

提督「ご、ごめん。痛かったか?」

Z3「うぅん…」フルフル

Z3「……このくらいの方がいいわ」

提督「そうなのか…?」

Z3「えぇ…」

Z3「あなたに愛してもらっているっていうのが…分かるから…♪」ギュ

提督(お酒怖い)

提督「……」ドキドキ

提督(そ、そうだ思い出した…あの時はマックスのことを満足させてやってなんとか乗り切った……!)

提督(つまり、ここで俺が取るべき行動は…!)

提督「…」ポン

Z3「…? あなた…?」

提督「…ん」ナデナデ

Z3「ふぁ……」トロン

提督「…どう?」

Z3「……いいわ」スリスリ

提督「じゃあもうちょっとするな」ナデナデ

Z3「んっ……んぅ…♪」フニャ

提督「…」ナデナデ

Z3「…♪」ギュー

提督(……これ、引っ込みつかなくなった…?)

提督(って満足させて乗りきったんじゃなくてマックスが途中で寝たんだった!)ガーン

提督(し、しかし…今更どうすることも…)ナデナデ

提督(な、何か……何かいい方法は…)ダラダラ

Z3「…」

提督「ま、マックス。あの…」

Z3「…」

提督「…マックス?」

Z3「すー……すぅ……」zZZ

提督「………」

提督(助かったと思うべきか、もったいないと思うべきか……//)ハァ

Z3「あな…たぁ……♪」ギュー

Z3「zZZ」スヤスヤ

提督「よかった…どうやら眠ってくれたようだ」ファサ

Z3「んぅ…すー…」モゾモゾ

提督(しかし普段のマックスから考えられないほどの甘え方だよな…)

提督「…本当はあんな風に接したいのか?マックス…?」ナデナデ

Z3「んん…」ゴロッ

提督「…なんてな」クス


提督「……とにかく今後はアルコールの含んだものは飲ませないようにしよう…」ズーン

提督「さてと…とりあえずここに休ませておけばいいだろう」

提督(……起きた時どう説明すればいいのかわからんが)ダラダラ


提督「…」

提督「……なんだろう。何か忘れている気がする」

提督(前回もこう…何か嫌な予感がしたような…)


ガチャ


不知火(犬耳メイド服装備)「お待たせしました」

提督「」

提督「し、しら……ぬい……」

不知火「はい」

提督(そ、そうだ…前回も犬耳を……)

提督「……って、メイド服!?」

不知火「はい」

提督「ど、どうしたんだ不知火!急にメイド服なんて来て…そ、それにその耳は…」

不知火「はい」ピコピコ

提督(今回も自動で動いてる……)

提督「…こ、こほん。それで不知火…何だって急にそんな格好を…」

不知火「司令がお喜びになるかと思いまして」

提督「だ、だから俺は別にメイド服フェチとかそういうわけじゃ……」

不知火「……そう、ですか」シュン

提督「え」

不知火「……申し訳ありませんでした…このようなお姿をお見せしてしまって…」ウル

不知火「…すぐ部屋に…いえ、海に戻ります…」トボトボ

提督「こ、こらこらこら!ま、待つんだ不知火!」ダキッ

不知火「……何でしょうか、司令」グス

提督「………す、好き、だよ。メイド服」

提督「…その、特に不知火が着てくれてると…凄く、良い……です。はい」ギュ

不知火「……どうして嘘をつくのですか」グス

提督「いやぁ…その…恥ずかしくて」テレ

不知火「……司令のそのプライドの所為で不知火は大変傷つきました」ジト

提督「う…」

不知火「不知火に要求があります。もちろん飲んでもらえますね、司令?」ギュ

提督「は……はい」

不知火「では」ジャラッ

提督「…あの、不知火さん」

不知火「なんでしょう」

提督「つかぬことを聞きますが……それって……」

不知火「手錠です」

提督「」

提督「そ、それで……よ、要求とは…」

不知火「どうぞ」ジャラ

提督「え?」

不知火「では、お願いします」スッ

提督「………」

不知火「司令?」

提督「いや…あの…え?」

不知火「え?」キョトン

提督「…この手錠をどうしろと?」

不知火「不知火に着けてください」

提督「………はい?」

不知火「要求の1つ目です」

提督「は、はぃいい!?な、なんで!?俺に着けるんじゃないの?!」

不知火「何故司令にそのようなことを」

提督「……じゃ、じゃあ何で不知火には付けるの?」

不知火「躾です」

提督「はい?」

不知火「不知火は司令に確認もせずに勝手な行動をした躾のなっていない犬です」

不知火「さぁ!手錠をして不知火に罰を!」

提督(もうダメだこの子!!絶対アルコール禁止だ!!)

提督「……」カチャカチャ

不知火「…」

提督(何だこの光景は……何で俺が不知火に手錠しなくちゃいけないんだ……)カチッ

不知火「終わりましたか、司令?」

提督「…一応」

不知火「では」ゴロッ

提督「………何してるの?」

不知火「司令がお好きなようにできるようにと」

提督(そんな気遣いされても凄い困る……)

不知火「……」ソワソワ

提督(すっごいそわそわしてる!)


提督「う、うぐぐ………」

提督「わ、わかった……それじゃ躾をするからな」スッ

不知火「はい」

提督「……」

提督(……とはいっても、どうしようか…)ウーン

不知火「…」ジー

提督「!」ピーン

提督「待て」

不知火「はい」ピシッ

提督「じゃ、しばらくそのままで」

不知火「えっ」

提督(ふふ…そうさ。何も俺から何かすることはない…!)

提督(このまま待機させることも躾の一環……何も問題はない…!)フフフ

提督「さてと、この後どうするか…」ウーン

不知火「」ユラァ

提督「……ん?うわっ?!」ドサッ

不知火「……」ノシッ

提督「ちょ…え。し、不知火……さん?」ダラダラ

不知火「………」ムスー

提督「あ、あの……」

不知火「……」

不知火「………何故構ってくれないのですか」

提督「い、いや構うって…ほ、ほら。ずっと我慢して待つのも躾の一環……」

不知火「……むりです」

提督「え」

不知火「大好きな主人を前に……我慢などできません…」ズイ

提督「お、おい不知火……?!」

不知火「……ん」ペロ

提督「うひゃっ?!お、おま……何して…!///」

不知火「しれぇ……んんぅ…」ペロペロ

提督「こ、こら不知火…!い、犬じゃないんだから……!//」

不知火「いいえ……不知火は…司令の犬です……」スリスリ

提督(ま、マックスより性質悪い!!///)バクバク

提督「こ、こら!」ガシッ

不知火「んっ…」ピクッ

提督「あんまり言うこと聞かない子はこうするぞー…」ムニムニ

不知火「んぅ……わぅ…」フニャ

提督「……」プニプニ

不知火「…」フニャー

提督(……やだ。ほっぺた凄く柔らかい……)ムニムニ

提督「しらぬ………あれ?」

不知火「……」トロン

提督「…」フニフニ

不知火「ふぁ……」トロン

提督「…」プニプニ

不知火「んんっ……んぅ……ぁ……」

提督「……///」

提督(ど、どうしよう…止めないといけないのは分かってるのに…と、止められない……!//)

不知火「しれぇ……」スリスリ

提督「ど、どうした…不知火?」

不知火「……し、を」

提督「え?」

不知火「ご奉仕……を…します」スリスリ

提督「は?」

不知火「しれぇ……♪」ポー

提督「ま、待て不知火!ま、待つんだ!落ち着け!!///」

不知火「メイドで…犬…なのですから……」プチプチ

提督(て、手錠してるのになんて器用な…!)

提督「こ、こら俺の服を脱がすな!や、やめ……!///」

不知火「しれぇ……し、れぇ…」

提督(ま、まずい……純粋な力比べしたら負ける…ど、どうすれば…!///)

提督「……しら、ぬい」ギュ

提督(………もう、ここまできたら……)

不知火「……」ピタ

提督「……あれ?」

提督「し、不知火?」

不知火「………きゅぅ」パタ

提督「おわっ!」ガシッ

不知火「」ピヨピヨ

提督「……き、気を失った……のか?」

提督「………はぁ~」

提督「……た、助かった……今のは完全にやばかった…//」

提督(もし不知火やマックスに迫られたら断りきれる自信がない……///)ハァ

不知火「うぅ……しれぇ……しれぇ……」ギュー

提督「……とにかく。このままにするわけには……」ハッ

提督「…………手錠の鍵は?」

不知火(メイド服犬耳手錠装備)「すー…すー…」zZZ

提督「…」ダラダラ

提督「ま、まずい……まずすぎる…こんな光景もし誰かに見られたら言い訳しようがないぞ……!」ダラダラ

提督「と、とにかく犬耳だけでも…」カチャカチャ

提督「は、はずせない!?ど、どうなってるんだこれ…!」

不知火「ひぅ、んっ……」ピクッ

提督「こ、こら変な声を上げるな!///」


バサッ


提督「え」

秋月「あ、あわ……あわわわわ……///」カァー

提督「」

秋月「……し、しし……」

秋月「失礼しましたー!!!///」ピュー


提督「ま、待って秋月!!俺の話を聞いて!ま、待ってぇえええええええええええ!!!!」

Z3「…………ん」パチ

不知火「……起きましたか、マックス」

Z3「不知火……あれ?どうし―――――」

Z3「……不知火。あなたなんて格好をしてるの…」

不知火「…………………不知火に落ち度でも」

Z3「……不知火。あなた記憶は?」

不知火「…………全て、ここに」

Z3「………私もよ」

不知火・Z3「」ズーン

不知火「……ちなみにマックス。あなたは何を…?」

Z3「………口にできないわ…//」プイ

不知火「……そうですか」

Z3「……不知火は聞かないわ。私より酷い光景が目に浮かぶわ……」

不知火「そうして頂けると幸いです……」ズーン

Z3「……それよりまずはその手錠外しましょう。鍵は?」

不知火「ポケットに」

Z3「仕方ないわね……まったく、こんな服まで取り出して…」ゴソゴソ

不知火「んっ、マックス…もう少し左です…」

Z3「ここ?」

不知火「ちが……んんっ…くすぐった…」

Z3「少し我慢して。えぇっと……」ゴソゴソ

不知火「そ、そこじゃない……んんっ!」

Z3「あ、ここね…よいしょ」




秋雲(て、提督に用があってきたら……な、何この光景…)コソコソ

秋雲(……次のイベント用のネタ決まったね)フフフ

チリンチリン


陽炎「あれ?」

不知火「どうしました陽炎?」

陽炎「んー…不知火チョーカーなんてつけてたっけ?」

不知火「…あぁ。司令から頂きました」

陽炎「司令官が?へ~……うん、似合ってるわよ」ニコ

不知火「………そう、ですか」

陽炎「? なんか微妙そうな顔ね?」

不知火「……い、いえ。そういうわけではありませんので」

陽炎「??」


Z3「GutenMorgen.二人とも」チリンチリン

Z1「GutenMorgen.不知火さん、陽炎さん」ニコ

陽炎「あら、ふたりともおはよ……って、あれ?」

Z3「?」

陽炎「へ~…マックスも付けてたんだ、似合ってるわよ」ニコ

Z3「…………そう」

陽炎(…なんでマックスまで微妙そうな顔を…)

Z1(……陽炎さん)チョンチョン

陽炎(どうしたのレーベ?)

Z1(僕が言った時もあんな感じだったんけど…不知火さんもそうだったかい?)

陽炎(そうなのよ……折角の贈り物なのに嬉しくないのかしらね?)

Z1(何かあったのかな…少し心配だよ)

陽炎(な~に、あのバカップル3人組が喧嘩なんてないってないって♪)クスクス


不知火・Z3「……はぁ//」

提督「……えー」

提督「…そんなわけで色々あったが、新入りの秘書艦が終わったわけだ」パタン

提督「改めて二人とも、秘書艦としてよろしく頼む」

不知火「不知火。秘書艦の任を了解しました」ピシッ

Z3「同じくマックス・シュルツ、了解」ピシッ


提督「この前はいきなり驚かせてごめんな。また一緒に仕事しよう」ナデナデ

不知火「…はいっ!」

Z3「もちろんよ。任せて…」ニコ


提督「…二人とも」ダキ

不知火・Z3「!?」

提督「…うん。やっぱり二人が一番落ち着くよ」ギュ

不知火「し、司令…ここは執務室で……//」

Z3「あ、あなた…場所を考えて…//」

提督「…ごめん。でももう少しだけ…」ギュー

不知火「司令……」ギュー

Z3「あなた…」ギュー




朝雲(…先週分のまとめた書類持ってきたんだけどすっごい入りづらいんだけど……)ハァ

朝雲「…」ジー

朝雲(……いいなぁ」ボソ

Prinz「ふぇ?なにが?」

朝雲「」ビクッ

朝雲「な、なんでもないわよ!」

Prinz「??」キョトン

天龍「おーい、提督いるかー?」ガチャ

Z3「天龍。どうしたの?提督なら今訓練の見回り中よ」

天龍「おう、マックスか」

天龍「別に直接じゃなくても良いけどよ。大本営からの荷物だよ」

Z3「あら…ごめんなさい。わざわざ持ってきてもらったりして…」

天龍「なーに、気にすんなって。それじゃ俺は駆逐艦の連中と遠征行ってくるわ」フリフリ

Z3「えぇ。気をつけて」


Z3(…書類にはちょっと大きすぎるわね…何が入ってるのかしら?)

Z3「…どの道見るのだから開けてしまいましょうか」ガサゴソ


Z3「…これ、は?」カサッ

Z3「『ドイツ艦『Z3』専用装備』…一式同封」

Z3「私…専用?」

Z3「もしかして…新しい装備…!?」ガサガサ

Z3「艤装と…帽子…それに…」

Z3「………え?」

提督「んー……訓練の見回りも終わりっと」ノビー

提督「…もうすぐお昼の時間か」

提督(久しぶりにマックスにコーヒー淹れてもらおうかな…そしてお昼ごはんも…)グー

提督「…いやいや。さすがにお昼ごはんまで頼むのは図々しいな…」フルフル

提督「でもコーヒーは飲みたいかも…マックスのコーヒー飲むとやる気出るんだよね」

提督「よし、ただい……あれ?」ガチャ

提督「…」ガチャガチャ

提督「…あれ?俺執務室の鍵かけたっけ…?」

Z3『あ、あなた!?』ビクッ

提督「あ、マックス?部屋にいるのか?」

Z3『え、えぇ……まぁ』

提督「どうしたんだ鍵なんてかけて?何かあったのか?」

Z3『え、えぇと……その…』

提督「?」

Z3『……い、いま開けるわ……た、ただ』

提督「ただ…何だ?」

Z3『……わ、笑ったり……しないで、ね』

提督「え?」

カチャカチャ…カチャリ

提督「…マックス?」ガチャ

Z3「…」モジ

提督「……へ?」

Z3「あの……どう…かしら?」チラ

提督「え?いや…ど、どうしたんだその制服と装備は…?」

Z3「荷物で届いたの。私専用の装備一式だと…」

提督「そ、そうなのか…」

提督「これか…『ドイツ艦『Z3』専用装備……JapanStyle』。に、日本式…」

Z3「そうね…吹雪たちに似ているのかしら。セーラー服…?あとスカートね。随分丈が長いようだけれど」ピラ

提督(いや…というかマックスとレーベが短すぎるだけであってだな…//)

Z3「…それで、どう?」

提督「え?」

Z3「…似合ってないかしら」シュン

提督「…いや、むしろ似合いすぎてびっくりした。メイド服もそうだけどマックスは何着ても似合うな」ジー

Z3「ま、また…。口ばかり上手いんだから…//」プイ

提督「でも基本デザインはそのままなんだな」

Z3「えぇ。そのおかげか随分しっくりくるわ」

提督「……」

Z3「…あなた?どうしたの?」

提督「マックス」

Z3「な、なに?そんな真剣な目をして…?」

提督「お願いがあるんだが――――」

Z1「失礼します。提督」ガチャ

Z3「あら、どうしたのレーベ」

Z1「あ、マックス…提督は……って、ど、どうしたのその服?」

Z3「これ?私専用の新装備らしいわ」

Z1「マックス用の…?」キョトン

Z3「といっても…性能は何も変わってないけれど」

Z1「え?じゃあどうしてそのままなんだい?」

Z3「……提督に頼まれたの」

Z3「提督に?」

Z3「えぇ…『せめて今日一日、是非その服で仕事して欲しい』って…」

Z1「…潜水艦の人たちの服といい…この前のメイド趣味いい…前から思ってはいたけど、提督って……」

Z3「…みなまで言わなくていいわ」

Z1「あはは……でも似合ってるよマックス」ニコ

Z3「……そう?」

Z1「うんっ!」

Z3「ふぅん……そう」ニコ

Z1「ふふ…♪」クス

Bismarck「お邪魔するわよ提督」ガチャ

Z1「あれ?」

Z3「ビスマルク?どうしたのかしら?」

Bismarck「えぇ、ちょっと提督と…………」ピタッ

Z3「……? どうしたの?」

Bismarck「……ま、マックス……あ、あなた……!」プルプル

Z3「?」キョトン

Z1「ど、どうしたんだいビスマルク?」

Bismarck「あなた……あなたは祖国を裏切ったわ!!」ビシッ

Z1・Z3「……は?」

Z1「び、ビスマルク!急にどうしたんだい!?」

Z3「…いきなり失礼ね。どうしたっていうのかしら?」

Bismarck「私達の軍服ではないじゃない!」

Z3「……これ?」

Z1「……えぇ?そ、それだけのことで…?」

Bismarck「それだけのことじゃ済まされないわよレーベ!これは大変なことで……!」

Z3「ビスマルク」

Bismarck「なによもうっ!」プンスカ

Z3「その手に持っているものは何かしら?」

Bismarck「え?何って……お煎餅にお饅頭…あとは間宮羊羹ね!」

Bismarck「もちろん緑茶も忘れていないわ!」

Z3・Z1「……」

Bismarck「なに?そんな顔をしてどうしたのかしら?」キョトン

Z1「……祖国のお菓子を裏切ったんだね」

Bismarck「えっ」

Z3「あなたは祖国を裏切ったわ」

Bismarck「」

Prinz「ビスマルク姉様~!私も来ちゃいまし………」ヒョコ

Bismarck「うぅ~…プリンツ……」グス

Prinz「わわっ?!び、ビスマルク姉さま!?ど、どうしたんですか!?」ワタワタ

Bismarck「二人がいじめるのよぅ……」ギュー

Prinz「え?ま、マックスさんとレーベさんが?」キョトン

Z3「」ツーン

Z1「どっちかっていうとビスマルクのほうが悪い気がするんだけど…」アハハ

Prinz「ふぇ?一体何があったんですか?」

Z1「えっとね、実は―――」カクカクシカジカ


Prinz「おぉ~……それでマックスさん服装が違ったんですね?」

Z3「えぇ」

Prinz「とっても似合ってると思います!提督さんが着てて欲しいのも納得です♪」ニコ

Z3「そ、そう?」

Prinz「はいっ♪」ニパー

Z3「ま、まぁ…悪い気はしないわ。Danke.プリンツ」ニコ

Bismarck「ぷ、プリンツ…あ、貴女まで裏切るの!?」

Prinz「ふぇ?だってBismarck姉さまだってお正月に着物を着たいと言って鳳翔さんに頼んでましたよね?」

Bismarck「」ギクッ

Prinz「それにお部屋には和服に関する本がたくさん置いてありましたし……」

Bismarck「い、いいわプリンツ!も、もういいから!//」アタフタ

Prinz「? でも…」

Z3「………ふぅん?」

Bismarck「い、いや違うのよマックス?それは……」ダラダラ


鳳翔「あ、こちらにいらっしゃいましたかビスマルクさん」ガチャ

Z1「あれ、鳳翔さん?どうしたんですか?」

鳳翔「えぇ、この前ビスマルクさんと約束した着付のお話を」ニコ

Bismarck「」

Z3「……ビスマルク?言い訳があるなら聞いてあげても良いわよ」

Bismarck「……ごめんなさい//」プシュー

Z3「はぁ……」

Z1「あ、あはは……」

Prinz「?」ニコニコ

不知火「戻りました」ガチャ

Z3「お帰りなさい、不知火」

不知火「なるほど…それがマックスの新装備ですか」

Z3「? 誰かから聞いたのかしら?」

不知火「えぇ。先程レーベから」

不知火「…なるほど、良いものですね」ジー

Z3「そうかしら?」

不知火「はい、こういうのも新鮮なものですね」

Z3「なら普段私が来ている軍服を着てみる?」

不知火「不知火が…ですか?」

Z3「えぇ」

不知火「…………」モンモン

不知火「……いえ、遠慮しておきます」

Z3「そう?」

不知火「…はい」

不知火(……以前スパッツを外したときは落ち着きませんでしたし)

不知火(さらにマックスのあの短いスカート……不知火には無理です…//)ハァ

Z3「…」ジー

不知火「? どうしましたマックス?」

Z3「…やっぱり着てみましょう。不知火」

不知火「え?」

Z3「私自身純粋に興味があるわ。不知火が私達の軍服を着た姿」グイグイ

不知火「い、いえ!いいですから!不知火には似合いません!」

Z3「いいじゃない。減るものではないわ」

不知火「へ、減ります!不知火の羞恥心が!//」

Z3「それにもしかしたら、提督も喜んでくれるかもしれないわ」

不知火「」ピタッ

不知火「……し、司令が、ですか?」

Z3「えぇ。少なくとも似合わないことはないと思うわ」

不知火「し、しかし……うぅ…」ムムム

陽炎「不知火、いるー?」ガチャ

雪風「しれぇ!失礼します!」ヒョコ

時津風「しれぇー!いるー!?」ヒョコ

Z3「あら。みんな揃ってどうしたの?」

陽炎「マックス。ちょっと不知火に用があったんだけどいる?」

Z3「えぇ。ただちょっと待っててもらっても良いかしら?」

陽炎「? 別に良いけど」

不知火「ま、マックス…」ヒョコ

Z3「不知火。着替え終わったかしら?」

不知火「や、やはり不知火には…」

陽炎「あ、いたいた不知火」

不知火「か、陽炎!?」ササッ

陽炎「へ?ちょっとどうしたの不知火?」キョトン

不知火「…い、いえ。ただ今はこちらに来ないでください」

陽炎「へっ?」

不知火「い、いいですから…今は……!」


時津風「あーっ!!!」

雪風「わぁ~~!!!!」

不知火「なっ!?ゆ、雪風に時津風!?あ、貴女達いつの間に……!?」

雪風「不知火さん凄いです~!!」キラキラ

時津風「早く早く!陽炎にも見せようよ~!」グイグイ

不知火「こ、こら…やめなさ……!」

陽炎「し、不知火……あ、あんた……」プルプル

不知火「~~~!///」カァー

雪風「不知火さん私達とお揃いです!」ニパー

時津風「おっ揃い~♪」ニパー

不知火「そ、揃っているのはスカート丈だけです!//」

不知火「ま、マックス…やはり私には……//」モジ

Z3「似合っているわよ不知火?なにを恥ずかしがっているの?」キョトン

不知火「せ、せめてスパッツを…」

Z3「だめよ。それでは私達の軍服では着用しないようにしているわ」


陽炎「」パクパク

不知火「か、陽炎!あ、あまり見ないでください……!//」モジ

陽炎「……」サワサワ

不知火「なっ?!ど、どこ触って……!//」ビク

陽炎「うわぁ~……太ももすべすべ…」ツンツン

陽炎「不知火…あんたこんなすごいもの隠してたのね……」

不知火「な、何をして……!?//」

不知火「い、いい加減にしてください!」ペシッ

陽炎「あたっ!?」

陽炎「あ、あはは…ごめんごめん。つい…」

不知火「まったく…」プイ

Z3「でも確かにいつもスパッツで隠してるのがもったいないくらいだわ」

不知火「あ、あまり連呼しないでください」

不知火「だ、第一。司令は男性です。あまり肌を露出すべきではないのが普通かと」

雪風「え?でも不知火さん。しれぇともうケッコンしてますしすよね?」キョトン

時津風「そうだね~…それに好きな人のなら逆に見たいんじゃない?」キョトン

不知火「……」

Z3「だそうだけれど?不知火」

不知火「…だ、ダメです」

陽炎「アンタってばホント硬いんだから…」

不知火「し、司令が不知火の肌を見たがるわけありません」

Z3「根拠は?」

不知火「…い、いつも戦闘で傷ついて…」

Z3「いつもお風呂入ってるじゃない?」

不知火「…て、手入れは他の子に比べて特別何も…」

陽炎「? 不知火この前部屋で何か塗ってなかった?」

不知火「……み、見せるほどの魅力は…」

時津風「すべすべ~!」キラキラ

雪風「真っ白で綺麗ですー!」キラキラ

不知火「……」

Z3「…だそうだけれど?」

不知火「と、とにかく!不知火は着替えてきます!//」スタスタ

陽炎「ちょ、ちょっと不知火!少しくらい司令に見せたって…」

不知火「し、しつこいです陽炎!不知火はそんなつもりはありませ……わぷっ!?」ドンッ

陽炎「あ…」

不知火「…?」

提督「……」

Z3「ん…お帰りなさい。あなた」

不知火「」

提督「…え?し、しら……ぬい?」

提督「…なるほど。そういう流れだったのか」

Z3「えぇ。元を返せばあなたの指示によるものね」

提督「そ、そう言われると言い返せないな…」

提督「…ところで不知火」

不知火「なんですか?」

提督「……カーテンに包まってないで出て来てくれないか?」

不知火「拒否します」

提督「折角着たんだからもうちょっと見せてくれたって…」

不知火「嫌です」

提督「ひどい……」シクシク

陽炎「いいじゃない不知火ー。減るもんじゃないんだし」

雪風「そうですよ不知火さん!しれぇだって喜んでくれます!」

時津風「そうだよそうだよー!」

不知火「くっ…な、何と言われようと不知火は……」クルクル

提督「…どうしようマックス」チラ

Z3「いい案があるわ」

提督「いい案?」

Z3「えぇ、陽炎型の兵装…制服はそれほど統一しているわけではないわね?」

陽炎「え?えぇ、まぁそうね。一応何となく合わせてるけど別に強制ってわけじゃないし」

提督「さすがに陽炎型以外の娘が着るだけは混乱するから着ないように指定はしてるが」

Z3「そして、あなたには制服を指定する権利があるわね?」

提督「ま、まぁ…」

Z3「つまり、不知火に雪風や天津風の制服を指定しても良いということよ」

提督・陽炎「!?」

雪風「わぁ!お揃いです!」

時津風「いいかもー!不知火も雪風や私とお揃い~!」

雪風・時津風「おっそろい♪おっそろい♪」


Z3「それが嫌なら出てきた方が良いと思うわよ、不知火」クス

不知火「な、なんて恐ろしいことを……!」

不知火「………」ソワソワ

Z3「あなた、こっちの書類の確認終わったわ」

提督「ん、ありがと」

Z3「そろそろ休憩した方がいいわ。コーヒーでも淹れる?」

提督「頼む。少し濃い目で」

Z3「分かったわ。少し待ってて」トコトコ

不知火「……」ソワソワ

Z3「…不知火。ちょっと落ち着いた方がいいわよ」ポン

不知火「だ、誰の所為だと…!」


不知火(落ち着かない……スースーする上に見られている気が…)チラ

提督「…」カリカリ

提督「不知火」

不知火「は、はいっ!?」

提督「休憩するし座って良いぞ?立っているのも疲れるだろ?」

不知火「あ…はい。では失礼します」ポフッ

不知火「………」

不知火「……!?///」バッ

提督「? どうした不知火?」

不知火「い、いえ!何も!」

提督「?」キョトン

不知火(な、なんですかこれは!す、座っただけで見えそうに……!///)

不知火(くっ……ま、マックスやレーベはいつもこんなものを着こなしているというの…!///)グイグイ

不知火「……はぁ」トボトボ

不知火(気が散って仕方がなかった…執務に集中できません)ズーン

不知火「しかしこの制服も今日までです…明日には元に…」

不知火「ん…?」

陽炎「~♪」トコトコ

不知火(あれは…陽炎?)

不知火(…少なからず煽った陽炎にも原因はありますね…文句の一つや二つを言っても)スッ


陽炎「―――それで、どうだったのかしら司令?」ニコニコ

不知火「」ピタッ

提督「な、なにが?」

不知火(し、司令と…陽炎?なにを…?)ササッ

陽炎「何がって…そりゃ不知火の脚よ脚!太もも!」

提督「こ、こら陽炎!大声ではしたないこと言うんじゃありません!」

陽炎「いやー…だって私だってビックリしたわ…。司令ももっと見たかったんじゃないの?」

不知火(か、陽炎…一体何を話しているかと思えば…!)

不知火(……二度とその話題が出来ない様に口止めを……)ボキボキ

提督「いや……まぁ、うん。正直言えば…見たかった」

不知火「」ピタッ

陽炎「見たかった…って、さっきまでマックスの格好してたんじゃないの?」キョトン

提督「あぁ…まぁ、してたな、うん」

陽炎「…歯切れ悪いわねー?もしかして不知火に何かしたの?」ジトー

提督「ち。違う違う!そうじゃなくて…!」

陽炎「じゃあなんだっていうのよー、煮え切らないわねー!」プンスカ

提督「…あー//」ポリポリ

不知火(……………)ドキドキドキドキ

陽炎「……はぁ?あんまり見れなかったぁ?」

提督「あぁ…」

陽炎「ど、どういうこと?不知火が隠してたってこと?」

提督「そうじゃなくてだな…その」

提督「……綺麗過ぎて目に毒だったんだよ。その…長時間直視できなかった」

陽炎「へ?」

提督「だから…あー…あのまま見てたら…その、不知火のこと…」

陽炎「……押し倒してたとか?」

提督「そこまで言わんわ!//」ペチッ

陽炎「あたっ!?」

提督「と、とにかく!あれは魅力的すぎるから危険極まりないの!もっと見たかったけど色々我慢できなくなるから見なかったの!//」

陽炎「男子小学生が女子のスカートの中覗くようなもんじゃないそれ…」

提督「う、うるひゃい!とにかく!何もなかったんだよ!//」スタスタ

陽炎「あ!ちょ、ちょっと司令!」トコトコ


不知火「……」プルプル

不知火(し、司令が…よ、喜んでくれて…いた…?)

不知火(そ、それに…が、我慢……が…///)カァ

不知火「~~~~!!!///」ガンガンガンガン

磯風「し、不知火!?ま、また壁に頭を叩きつけて何をしている!?」ビクッ

不知火「……磯風」ダラダラ

磯風「と、とにかく止血をしろ!」アタフタ

【翌日】

Z3「GutenMorgen.あなた」ガチャ

提督「おはよマックス」

Z3「あら…?不知火は?」キョロキョロ

提督「それが、まだ来てないんだ」

Z3「ふぅん…珍しいわね?」

提督「あぁ、いつも結構早くに来るからちょっと心配でな」

Z3「…もしかして、昨日の服…本気で嫌だったのかしら」

Z3「もしそうなら…悪いことをしてしまったわ」シュン

提督「仮にそうだとしてもマックスの所為じゃないよ」ナデ

Z3「あなた…」

提督「だから落ち込むなマックス。不知火に何かあったら俺が…」


不知火「…遅くなりました」ガチャ

提督「お、来たか不知火。おはよ………う?」

Z3「あ…不知火」

不知火「…おはようございます二人とも。本日の執務を行いましょう」

提督「し、しら…ぬい?そ、その……」

不知火「……何か?」

Z3「不知火。あなた、スパッツは?」

不知火「……あぁ」

不知火「…たまには、外してみようかと思いまして。気分転換も大切ですから」チラ

Z3「……だそうだけれど、あなた?」チラ

提督「えっ!?」

不知火「……司令、その…いけなかったでしょうか?」

提督「え?いや…あー……」

提督「…う、うん。良いと思う…ぞ?」

不知火「…そうですか」ホッ

Z3「……ふぅん」クス

不知火「な、なんですかマックス?」

Z3「いいえ、私もいいと思うわ。不知火、もっと素直になることは大事よ」

不知火「…何のことか私には理解しかねます」プイ

Z3「ふふ…」クス

提督(素晴らしいことだけど執務に集中できるかな…//)ハァ

不知火「……?」

不知火(なんでしょうか…今日は鎮守府全体が浮ついているような気がします)

陽炎「しーらぬい!」ヒョコ

不知火「陽炎。演習お疲れ様でした」

陽炎「ん、不知火も監督お疲れ!」

不知火「陽炎、今日はなんだか皆の空気が浮ついているような気がするのですが」

陽炎「え?あ、あ~…そうねぇ」

不知火「? 何か知っているのですか?」

陽炎「…むしろ知らないの?」

不知火「……何かありましたか?」キョトン

陽炎「あんんたねぇ……」ハァ

不知火「…何ですか?知っていないといけないようなことでもありましたか?」

陽炎「今日はバレンタインよ!バレンタイン!」

不知火「……バレンタイン?」

陽炎「そうよ!もう!忘れてたの!?」プンスカ

不知火「陽炎」

陽炎「なに?」

不知火「バレンタインとは…なんでしょうか?」

陽炎「へ?」

不知火「…なるほど、そういう日だったのですか」

陽炎「というか知らない方が驚いたわよ…」

不知火「今まで不知火には関係のないことでしたから」

陽炎「あぁそう…でも、今日という今日はそうはいかないわよ?」

不知火「う…」

陽炎「……まさか、何も準備してない…とか」

不知火「……今知りましたから」

陽炎「…」

不知火「……」

陽炎「…どうするの?」

不知火「…………………」ダラダラ

陽炎「あれ?そういえばマックスは?なにも言わなかったの?」

不知火「」ハッ

不知火「そ、そうです…マックスが何も言わずに一人で準備するはずが…!」

不知火「す、少し行ってきます!」ダッ

陽炎「ま、待って不知火!一応私も行くって!」パタパタ

不知火「失礼します」ガチャ

Z1「あれ?どうしたの不知火さん?」

不知火「マックスはいますか?」

Z1「うん。マックスならいるけど…?」キョトン

Z3「どうしたの?」ヒョコ

不知火「マックス…」

Z3「不知火?直接部屋に来るなんて珍しいわね、何かあったの?」

陽炎「ちょ、ちょっと不知火…早いってば…」トコトコ

Z1「陽炎さんまで…本当に何かあったの?」

不知火「マックス…本日が何の日か知っていますか?」

Z3「? えぇ、バレンタインでしょう?」

不知火「」

陽炎「あー……」

不知火「マックスまで知っているというのに…不知火は…不知火は……」ズーン

陽炎「ってことはマックスはチョコの準備してたの?」

Z3「チョコ?」

陽炎「え?」

Z1「チョコって…チョコレート?どうしてチョコレートの準備をするんだい?」

陽炎「え?あ、あれ?!」

不知火「…どういうことですか陽炎?」

陽炎「わ、私に聞かれても…」

Z3「……もしかして」

Z1「…日本のバレンタインと…ドイツのバレンタイン…違うんじゃ」

全員「………」

不知火「…ちなみにですが、ドイツのバレンタインとはどのような…」

Z3「…恋人や夫婦のカップルが、男性がパートナーに赤いバラを贈る日よ」

Z1「その赤いバラが愛情を示すってことなんだ。だからその日は薔薇を持っている男性をよく見かけるんだ」

陽炎「に、日本と…全然違うわね…」

Z3「…日本では?」

不知火「…女性が男性にチョコレートを贈り、愛情を告白…すると言った形です」

Z3「………………………ふぅん」ダラダラ

Z1「ま、マックス…まずいんじゃ…今から準備してたら間にあわな―――」

Z3「不知火。遠征の準備をしましょう。40秒後以内よ」

不知火「了解しました」ダッ

陽炎「ちょ、ちょっと!?」

Z3「悪いわねレーベ、ちょっと出かけてくるわ」ダッ

Z1「あ!ま、マックス!」


Z1「……大丈夫かなぁ」ハラハラ

陽炎「…気になったんだけどさ」

Z1「なに?」

陽炎「…市販で済ますなら良いけど…作るとなると…時間大丈夫かしら」

Z1「あ…」

陽炎「…念のため準備しておいてあげましょうか」クス

Z1「そうだね、二人は慌てると周りのことが見えなくなるし」クス

陽炎「それじゃレーベ、間宮さんのとこ行って器具借りてきましょ♪」ニコ

Z1「うん」ニコ

陽炎「いやー…借りてきたのは良いけど」

Z1「いっぱいあるんだね…知らなかったよ」

陽炎「間宮さんから親切にチョコの作り方の本も借りたし…これなら大丈夫でしょ」

Z1「へぇ…」パラッ

陽炎「基本的にチョコと化して固めるって感じかしら?」ヒョコ

Z1「無難なのはそうじゃないかな?時間もないしマックスもそこまで凝ったものは作らないだろうし…」


不知火「戻りました」

Z3「ただいま」


陽炎「はやっ!?あ、あんた達何分で戻ってきたのよ!?」

不知火「20分程度です」

Z3「あ…レーベ、これ…」

Z1「うん、もしかしたら必要になるかと思って用意しておいたんだ」ニコ

Z3「…Danke.レーベ」ダキ

Z1「え?わ、わわ」

陽炎「…私も用意したんだけど」ハァ

不知火「ありがとうございます、陽炎」ポン

陽炎「不知火…」

不知火「早速準備に取り掛かります。陽炎も手伝って頂けると助かります」

陽炎「…うん!まっかせて!」ニコ

Z3「私もチョコは作ったことがないわね…誰か良い人はいないかしら」

Z1「…うーん、ちょっと探してこよう陽炎さん」

陽炎「そうね、二人は今のうちに準備してて!じゃ」ガチャ

不知火「陽炎、レーベ」

陽炎「え?なに?」

Z1「どうしたの?」

不知火「…ありがとうございます」

Z3「二人とも、ありがとう」

陽炎・Z1「どういたしまして♪」ニコ

不知火「………むぅ」パラパラ

Z3「大丈夫不知火?」

不知火「…なんとか」

Z3「確かに今からでは少し急がないといけないけれど焦るのは禁物よ」

不知火「…はい」

Z3「あと、始めてなら余計なアレンジを加えようとしたりしない方がいいわよ」

不知火「」ギクッ

Z3「…不知火」ジトー

不知火「……不知火に落ち度でも?」

Z3「まったくもう…仕方ないわ。私も一緒に作りましょう」

不知火「え?ですがマックスの分は…」

Z3「大丈夫よ。仮に間に合わなくても二人でひとつのものを渡してもいいでしょう?」

不知火「…ありがとうございます。マックス」

Z3「どういたしまして」クス


如月「お邪魔しま~す♪」ヒョコ

Z3「如月?」

不知火「どうしました如月?」

如月「うふふ~…陽炎ちゃんとレーベちゃんから面白そうなことを聴いたの♪」クス

如月「本当はお手伝いしたいこところ何だけど…私も作ってるから♪」ニコ

不知火「……作っている?」ピクッ

Z3「……如月が?誰に?」

如月「あらあら、決まってるじゃない♪この鎮守府に男性は一人しかいないわよ♪」

如月「私に限らず…いっぱいいるわよ~、提督にあげようとしている娘♪」

不知火・Z3「……」

如月「…これを機に、指輪貰っちゃったりして…ウフフフ♪」

如月「愛情たーっぷり注いで作るらないとね~♪頑張ってね~♪」フリフリ



不知火「…………マックス」

Z3「……不知火」

不知火「作りを凝りましょう」

Z3「そうね」

陽炎「ありがとね浜風」

浜風「あの…良いんですか?私なんかが」

Z1「うん、浜風さんが手伝ってくれれば百人力だよ!」

陽炎「それにしても浜風…」ジー

浜風「な、なんでしょう?」

陽炎「随分可愛いエプロンじゃないこれ…ハートマーク何か着けちゃって…♪」ニヤニヤ

浜風「い、いえこれは…その…//」

Z1「ふふ、似合ってるよ、浜風さん」クス

浜風「…ありがとうございます//」

陽炎「でも浜風はチョコじゃなくてクッキーなのね?」

浜風「はい。きっとほとんどの方がチョコレートだと思いますので…」

浜風「少し食感の変わったクッキーの方がいいかと。チョコはチョコチップ程度で」

陽炎「ほほ~…浜風ったら中々策士ね」

Z1「なるほど…そうやって提督への印象を高める作戦か…」

浜風「ち、違います!そこまで考えていません!//」

陽炎「そんなこと言っちゃって~♪」ニヤニヤ

浜風「と、とにかく!不知火さんとマックスさんのお手伝いをすればいいんですね!」スタスタ

陽炎「あ、ちょっと浜風ったら~」


浜風「不知火さん、マックスさん。いらっしゃいますか」コンコン

シーン

陽炎「…あれ?おかしいわね?」

Z1「どうしたんだろ…入るよ、マックス?」ガチャ



ゴゴゴゴゴゴゴゴ


陽炎「な、何かこの部屋…空気が重いんだけど…」

浜風「一体この部屋で何をしているんですか…」

Z1「さ、さっきまでチョコ作ってたはずなんだけど……」

不知火「……少し甘すぎますかね」

Z3「そうね…次はこっちの試作品にこれを2mg足してみましょう」

不知火「よい改造ですね。そうしましょう」

不知火「マックス。そちらの材料を10mgください」

Z3「了解よ」



陽炎「……なんで化学の実験してんの?」

浜風「あの…チョコの手伝いと聞いたんですが」

Z1「え、えぇっと…」


Z3「ん。帰ったのレーベ、陽炎…あら、浜風?」

浜風「お、お邪魔しています、マックス」

陽炎「えーっと…お手伝いに良いかなぁ~…なんて思って」

不知火「手伝ってくれるのですか、浜風?」

浜風「不知火、お邪魔しています。私でよければ、ですが」

不知火「とても助かります。私よりも料理には長けていますから」

浜風「恐縮です。ところで、今お二人は何を…」

Z3「実験よ」

3人「えっ」

不知火「実験です」

陽炎(………お菓子作りって実験だったかしら)

浜風「不知火、そこはこうして…」

不知火「…なるほど」

Z3「浜風、ここの分量はどのくらいかしら?」

浜風「そちらは少量で大丈夫なのでこのくらいで…」

Z3「わかったわ」

浜風「材料は多いようですし、いくつかバリエーションを試すのも悪くないかと思います」


陽炎「やっぱり浜風連れて来て正解だったわね」

Z1「うん、浜風さんが空いてて良かったよ」ニコ



不知火「ところで浜風、貴女は司令に何を差し上げるつもりですか?」

浜風「はい、クッキーを渡そうかと」

Z3「…ふぅん、クッキー…」

浜風「チョコチップなのでこれもありかと思いまして」

不知火「……そうですか」

Z3「そう……」

浜風「!?」ゾクッ

浜風(な、なんでしょう…な、なぜか司令に差し上げると口にした瞬間に空気が変わった気が…)

不知火「ふ、ふふ…ふふふ…そうですか、浜風…貴方も司令を狙って……」ゴゴゴゴ

Z3「ふ、ふふ……認めないわ……提督には私と不知火がいれば……」ゴゴゴゴゴ

浜風「あ、あの……」ダラダラ

陽炎「こーら、不知火」ペシッ

Z1「もう、マックスってば」ペシッ

不知火「なっ…か、陽炎」

Z3「っ…な、なにかしらレーベ」

陽炎「アンタ達ねぇ…折角手伝ってもらってるんだから威嚇しないの」

Z1「そうだよ、浜風さんに悪いよ」

不知火「う…」

Z3「……確かにそうね。ごめんなさい、浜風」

不知火「申し訳ありませんでした」

浜風「…いえ」クス

不知火「…?」

Z3「…なに?わらって…?」

浜風「お二人は本当に司令のことを想っているのだと感じまして」ニコ

不知火「それは……はい」

Z3「…そうね。提督の隣にいられることが、本当に幸せよ」

浜風「…そうですか」

浜風(…これは、確かに他の娘たちが入り込む隙間はなさそうですね…)フッ


浜風「では再開しましょう。本日までに作って司令にお届けしましょう」

不知火「了解です」テキパキ

Z3「そうね、急いで作ってしまいましょう」テキパキ

鈴谷「はいっ!て~とくぅ♪」スッ

提督「おぉ、ありがとな鈴谷…」

熊野「提督、私からもどうぞ♪」スッ

提督「熊野まで…本当にありがとうな」

鈴谷「…それにしても」チラ

熊野「すごいプレゼント箱の山ですわね…これ全部チョコですか?」

提督「……まぁな」

鈴谷「いや~…すごいねぇ提督。みんなに好かれてるんだね」クスクス

提督「あはは…どうも」

熊野「これ…全部食べるんですの?」

提督「あぁ、皆が折角用意してくれたんだ。食べなきゃ失礼だろう」

鈴谷「ほんっと、提督ってそういうとこ律儀って言うか馬鹿正直って言うか…」

熊野「提督…くれぐれも体調を崩さないようお願い申し上げますわ」

提督「分かってる、心配してくれてありがとうな熊野」ニコ

熊野「いえ…」ニコ

鈴谷「え?あ…ちょ、ちょっと!鈴谷だって心配してるって!」ガタッ

提督「ん、鈴谷もありがとな」ニコ

鈴谷「…え、えへ♪」ニパ

提督「さて、二人はそろそろ演習の時間だろう?」

鈴谷「え?う、うそっ!?ほ、ほんとだ、やっば!」

熊野「す、すみません提督!では私たちはこれで…!」パタパタ

提督「おう、ありがとなー」フリフリ


パタン


提督「……とは言ったものの」チラ

提督(…どうしよう、このチョコの山)ハァ

提督「………」

提督「…あの二人からは、もらえないのかなぁ」ポツリ

コンコン

提督「はーい?」

不知火「失礼します。司令」ガチャ

Z3「あなた」

提督「不知火、マックス」

不知火「……司令、その後ろの箱の山は…」

提督「…恐らく予想通りだ。みなまで言わんで良い…」ハァ

Z3「…ふぅん。あなた…やっぱりたくさんもらってたのね」

提督「…すまん、皆の好意を無碍にできんから…」

Z3「いえ、いいのよ。そのほうがあなたらしいから」ニコ

不知火「…そうですね。確かにそうかもしれません」クス

Z3「あなた。それなら用件は分かってるわね」

提督「…期待していいのか?」

不知火「…出来に関しては、あまり…」

提督「そうじゃないさ。二人から貰えるなら凄くうれしいよ」

不知火「…司令」

Z3「…なら、受け取ってくれる?私と…不知火からのチョコレート…」

提督「もちろん」ニコ

不知火「司令……どうぞ」スッ

Z3「あなた…受け取って」スッ

提督「…ありがとう二人とも、今日一番嬉しい」ナデナデ

不知火「ん…そう、ですか」モジ

Z3「…ふぅん、そう」モジ

提督「早速だけど食べても良いか?」

不知火「え?ですが後ろのチョコは私たちより先に…」

提督「…もし二人がくれるなら、二人のを一番最初に食べたかったんだ」

不知火「しれい…」ドキ

Z3「あなた…」キュン

提督「どれどれ…おぉ」

提督「出来は微妙って…ちゃんと出来てるじゃないか」

不知火「いえ…初めてでしたから」

Z3「それに浜風にも手伝ってもらって…私たちだけで作ったわけじゃないから…」

提督「関係ないさ、最終的に作ってくれたのは二人だろう?」

Z3「でも…」

提督「いただきます」パク

不知火・Z3「あっ…!」

提督「…」モグモグ

不知火・Z3「……」ドキドキ

提督「…美味い」

Z3「ほ…本当?」

不知火「し、司令…社交辞令なら…」

提督「こら」デコピン

Z3「きゃっ!?」

不知火「あぅっ!?し、司令何を…!」

提督「あんまり卑下し過ぎると怒るぞ?」

提督「お前たちに嘘をつくわけないだろ?凄く美味しいよ」

不知火「ほ、本当ですか…?」

提督「…嘘だと思うなら食べるか?」

不知火「…では、ひとつ…」

提督「待った不知火」ガタ

不知火「え?しれ……んむっ!?//」

提督「ん…」

不知火「――!―――!!///」ジタバタ

提督「…ほら、美味かっただろ?」

不知火「」プシュー

Z3「あ、あなた…いきなり何を…///」カァ-

提督「…マックス」

提督「お前たちは卑屈すぎだ。いくら俺でも怒るぞ?」

Z3「…だって」

提督「だっても何もない。お前たちは俺の大事な人だ、たとえ自分で言ったとしても悪くいわれるのは嫌なんだよ」

Z3「…あなた」

提督「…だから、自信を持ってくれ」

Z3「…えぇ、分かったわ」

提督「…よかった」ホッ

Z3「でも、あなた」

提督「ん?」

Z3「やるならもっと堂々としたらどう?顔、真っ赤よ?」クス

提督「……///」

Z3「照れるくらいならやらなければいいのに」フフフ

提督「…しょ、しょうがないだろ…//」

提督「それに…最近不知火にはしてやれてなかったからさ…キス」

Z3「…そう」

Z3「…ねぇ、あなた。私も欲しいわ…あなたからの…チョコレート」ズイ

提督「…い、いいんだな?」

Z3「…えぇ、早く…//」ズイ

提督「…ん」パク


提督「ん…」

Z3「…はむ」パク

提督「…//」

Z3「…//」

提督「……まっくす」チュ

Z3「あな…た…んむ…」チュ


提督「…ポッキーの時以来だな」クス

Z3「…えぇ、いつしても…嬉しいわ…//」モジ

不知火「く…ぅ…//」スクッ

Z3「大丈夫?不知火?」

提督「…すまん不知火、急すぎたな…//」

不知火「い、いえ…確かに急ではありましたが…」

不知火「…嬉しかったことに、変わりはありませんから…」

不知火「…//」プイ

提督「…ありがと不知火。俺も嬉しいよ」ニコ

不知火「そう、ですか…//」カァ


提督「それでさ…二人に渡したいものがあるんだ」ゴソゴソ

Z3「私たちに…?」

提督「…これ」スッ

不知火「これは……赤いバラ?」

Z3「あなた…これって…!」

提督「まぁ…その、なんだ…。マックスの故郷のこと調べてたらバレンタインの文化って違うんだなーって知って…」

提督「…ドイツではこれが主流だそうだし、俺もやってみようかなって…」

不知火「司令…」

Z3「あなた…」


Z3「…嬉しいわ。あなた」ダキ

Z3「私の故郷を…知ろうとしてくれて…」

提督「…まだまだ疎いけどな」ナデナデ

Z3「いいの…例え少しずつでも、知ろうとしてくれたんだから…」

提督「…マックス」ハッ


不知火「……………」ジィー

提督(な、なんか不知火がいじけている…気がする……)ダラダラ

不知火(別に構いませんが…不知火は何も思ってなどいませんから…)プイ

Z3「どうしたのあなた……あ」チラ

不知火「ッ!」プイ

Z3「…ふふ」パッ

提督「マックス?」

Z3「あなた。今あなたがすべきこと、分かるわね?」

提督「…もちろん」

提督「ほら、不知火。こっちに来い」チョイチョイ

不知火「…なんですか?」トコトコ

提督「ん」ダキッ

不知火「ッ…!な、なにを…//」

提督「ごめんな不知火。忘れてるわけじゃないぞ」ナデナデ

不知火「で、ですから…何の話を…//」プイ

Z3「不知火」

不知火「ま、マックス…」

Z3「…以前、私もとある人に言われたわ。もう少し自分を出せ。と」

不知火「…自分を」

Z3「言葉にしなければ伝わらないこともあるわ」

不知火「…」

提督「…不知火」

不知火「…あの、司令」

提督「なんだ不知火?」ニコ

不知火「お願いが、あるのです…」ギュ

提督「いいよ。いくらでも言ってくれ」

不知火「…………では」

提督「…あの、不知火さん」

不知火「何でしょうか司令」

不知火「あ…もしかして…その、重かった…でしょうか」

提督「い、いやそんなことはないが…」

不知火「司令、手が止まってます」

提督「す、すまん」ナデナデ

不知火「ん…」

提督(…まさか膝の上に乗せて撫でて欲しいとは…)

不知火「…」ソワソワ

提督(…確かに普段の不知火なら言いにくいかもなぁ)ナデナデ

不知火「…」モジモジ

提督「…不知火をこうしてあげるのは初めてか?」

不知火「…そうですね」

Z3(…私は酔ってるときに……いえ、忘れましょう)フルフル

不知火「…恥ずかしいです」

提督「自分で頼んだのにか?」クス

不知火「それは…そうですが…//」

Z3「不知火、固くなりすぎよ。もっとリラックスしないと」

不知火「そんなことを言われても…//」ドキドキ

Z3「仕方ないわね…不知火。いまから私の言うとおりに動いて」

不知火「え?は、はい…?」

Z3「まず、目を瞑って」

不知火「…」スッ

Z3「座ったまま司令の方を向いて、身体ごとよ」

提督「ちょっ!?」

不知火「…?」モゾモゾ

Z3「…いいわ。そのまま目を開いて」

不知火「……」パチ

提督「あの…不知火…//」ドキドキ

不知火「……」

不知火「……!?//」ボンッ

Z3(…見てて面白いわね)

不知火「あ、あの…司令…//」ドキドキ

提督「え、えーっと…」

不知火「…」バクバク

提督(不知火が俺の膝に乗ったままこっちを向いている…ど、どんな状況!?)

提督(ま、まずいまずい!平常心平常心…)スーハー

不知火「……」

提督「……」ジー

不知火「」バタッ

提督「お、おいっ!?不知火!?」ガシッ

不知火「……きゅぅ」ピヨピヨ

Z3「……不知火には少し刺激が強過ぎたかしら」

提督「…かもな」

提督「ソファで休ませるか…よいしょ」ヒョイ

不知火「ん…」

提督「軽いなぁ……本当に体調が心配だよ」トコトコ

Z3「……」ジー

Z3(……羨ましい)ジー

提督(…なんか、視線を感じる)

提督「さて、陽炎に不知火も任せたし…今夜はゆっくり眠るか」テクテク

提督(…というか、あのチョコの山をどうしようかなぁ…捨てたりしたくないし)

提督「…何とかするか。虫歯になったりしないように鳳翔さんとか明石に相談しておこう」

提督(そういえば不知火送った後執務室に戻ったらマックスが居なかったな…部屋に戻ったのかな)

提督(…またへそ曲げてないと良いんだけど)

提督(不知火もマックスもちょっと子供っぽいところあるんだよなぁ…ケッコンしてから知った一面だけど)

提督(…そこが可愛いんだけどな)クス

提督「さて、寝る――――」ガチャ


布団「」コンモリ

提督「…」

布団「」モゾモゾ

提督「……マックス」バサッ

Z3「あっ…!」

提督「…何してるんだ。今日は二人とも当番の日じゃないだろう」

Z3「そ、それよりなんで私が入ってるって…!」

提督「…枕元にご丁寧に帽子が置いてあるぞ」

Z3「あっ…うぅ…//」

提督「…うっかりだな」ナデナデ

Z3「こ、子供扱いして…!」ムス

提督「そんなことないって」クス

Z3「……」プク

提督(…可愛い)

提督「それでどうしたんだマックス?俺の布団に隠れたりして」

Z3「……その」

提督「?」

Z3「…今日は、あまりあなたと触れ合えていないから…えっと…」

提督「…そっか」ポン

Z3「…あなた?」

提督「…いいよ。今日は一緒に寝ようか」ニコ

Z3「……ふ、ふぅん………そう、いいの…かしら?」チラチラ

提督「あぁ、ただ不知火には内緒だぞ?」

Z3「…そうね。不知火に知られたら怒られてしまうわ」クス

提督「そうだな…俺も怒った不知火は怖いからな…」ブルブル

Z3「…ふふ、もう」クス


提督「…マックスがさっきまで居てくれたからあったかいな」ヌクヌク

Z3「…そう?」

提督「あぁ、あと…こうすると」ギュ

Z3「きゃっ!?」

提督「…ん、暖かい」ギュー

Z3「あ、あなた……もう…//」ドキドキ

Z3「…ねぇ、あなた」ジー

提督「ん?」

Z3「もうひとつ…甘いもの、あるの。受け取ってもらえるかしら?」

提督「え?あぁいいけど…なに―――んむっ!?」

Z3「……ん」チュー


Z3「……どうかしら?//」スッ

提督「……うん、マックスの味がした…//」

Z3「……ばか//」ギュ

提督「…明日もある。お休み…マックス」ナデ

Z3「えぇ…おやすみなさい。あなた…」ギュ

陽炎「……うん」サッサッ

陽炎「不知火。できたわよ!」

不知火「…ありがとうございます、陽炎」

陽炎「それにしても珍しいわね…不知火が私に髪の毛触らせてくれるなんて」

不知火「不知火よりも陽炎の方が髪を梳くのが上手いですから」

陽炎「そう?ありがと♪」

不知火「…完璧です。感謝します」

陽炎「…それよりも不知火」

不知火「なんでしょう?」

陽炎「…髪下したのは良いと思うんだけどさ」

陽炎「…今日、その格好でいるの?その…メイド服」

不知火「何か問題でも?」

陽炎「い、いや別に…悪いとは言わないわよ?」

不知火「そうですか。きっと司令がお喜びになると思いまして」

陽炎(そういえば司令はメイド好きっていう噂流れてたわね…本当だったのね…)ハァ

不知火「…」

陽炎「どうしたの不知火?」

不知火「…いえ、何か一つ物足りないと…」

陽炎「えぇ…?髪下してメイド服にカチューシャ…後何が足りないってのよ?」

不知火「……」

陽炎「……うーん」

陽炎「そうねぇ…?強いて言うなら……眼鏡とか?司令が好きかどうかは知らないけど」

不知火「それです陽炎!」

陽炎「へっ?」

不知火「秋雲からこの服を貰った時に一緒にもらいました…確かこのあたりに…」ガサガサ

陽炎「…何で秋雲そんなもの持ってるのよ」ハァ

不知火「ありました。どうでしょう不知火」スチャ

陽炎「……」

不知火「…陽炎?」

陽炎「…………い、いいんじゃない、かしら…?」

陽炎(ま、丸メガネって……い、いや。悪くはない……けど)

不知火「ありがとうございました陽炎。司令のもとに行って参ります」

陽炎「う、うん。いってらっしゃーい…」フリフリ


パタン


陽炎「…ま、司令と陽炎が幸せそうならそれでいっか」

不知火「…」テクテク

不知火「…問題ありませんね。さすが陽炎です」

不知火(…本日は警備の娘を除いてほぼ休暇…マックスもレーベと共に外出)

不知火(ふふふ…あの日に私を出し抜いたことは忘れませんよ、マックス)ゴゴゴ

不知火(…本日、司令は執務室にいると…この日くらい休んで欲しいものですが)

不知火(不知火にはこれくらいしかできませんが…せめて、司令のお傍で司令の喜んでくれることを致します)トコトコ

不知火「…」コンコン

不知火「司令。不知火です、入ってもよろしいでしょうか?」

シーン

不知火「……?」

不知火「…司令?失礼します」ガチャ



不知火「……司令?」

不知火(いない……どこかに見回りに言ったのでしょうか?)

不知火「…あら?」

不知火(この書類は…書いている途中?不在になるにしてもどうしてこんな中途半端な状態で…)キョロキョロ

不知火「?」ピタッ

不知火「これは…不知火宛ての書面?司令の字ではない…誰が…」カサッ

不知火(……まさか、不知火にもマックスのように新装備が…)ソワソワ




『提督は我ら戦艦が預かったデース!!返して欲しくば我々の要求に飲んでもらいマース!!』

『答えはヒトヒトマルマルに戦艦寮まで来て、答えてもらいマース!!』

『ぬいぬいのAnswerに期待してるネー!Good Newsを待ってマース!』


不知火「」ブチッ

大淀「…よいしょっと」

明石「ごめんねー大淀…手伝ってもらっちゃって…」タハハ

大淀「まったく。改修工廠の方にかまかけてお店の整理放っておくなんて」プンスカ

明石「うぅ…ごめんなさい」

大淀「別に良いですけどね…折角の休日だったのに」チラ

明石「う、うぐ……」

明石「…じゃ、じゃあ間宮さんのところでなんとか…」

大淀「伊良湖さんもなら」

明石「えぇ!?そ、それはさすがに……」ダラダラ

大淀「…」ジトー

明石「……分かりました…両方とも奢らせてもらいます…」ズーン

大淀「ふふ。分かればいいですよ」ニコニコ

明石「はぁ…」ズーン

大淀「安心してください、その分はしっかり働いてあげますから」クス

明石「…まぁ、実際それくらいでこの在庫整理を手伝ってくれるなら助かるからね…」


ガラッ


明石「あら?いらっしゃいま……って、不知火さん?」

大淀「わ…ど、どうしたんですか?その格好!」

不知火「…」

明石「おぉ…これが提督の好きなメイド服ですか」

大淀「とてもよく似合ってますよ、不知火さん」

明石「それでどうかしましたか不知火さん?司令に何かお渡しするものでも…?」

大淀「あ、よければこちらのコーラ如何ですか?大和さんが瓶のものを取り寄せてくれたんです」スッ

不知火「…」ガシ

不知火「…」ゴクゴク

明石「…? 不知火さん?」

大淀(何だか様子がおかしいような…?)

不知火「………を」コト

明石「え?」

不知火「――――戦艦と、戦いするのに必要な全てのものを揃えてください……」ユラァ

明石・大淀「」

大淀「……し、不知火、さん?」ダラダラ

明石「え、えぇと…いくら何でもそんな冗談は……」

不知火「」バリン

不知火「……冗談や酔狂だと、お思いですか?」パラパラ

明石(す、素手で……)ダラダラ

大淀(び、瓶を……)ダラダラ

日向「……やれやれ」ブイーン

日向(金剛の悪巧みに乗ったのは良いが…まさかこんな地味な仕事が回ってくるとはな)ハァ

日向「…まぁ。提督に新型の偵察機を掛け合ってくれるというのなら喜んでやるがな…」ブイーン

日向「それにしても…駆逐艦一隻相手にここまで厳重な警戒するか普通…?」

日向「……まぁ、いいか。この程度の楽な仕事ならいいものだ」

日向(情報によると今日はメイド服を着て出歩いているらしいが…そんな服を着ていたら嫌でも気付くだろう)

日向(それに伊勢の奴も一緒に見張っているのだ…問題ないだろう)

日向「……む」

日向「そういえば伊勢からの定時連絡がないな…」

日向(……あいつ、まさか寝ているんじゃないだろうな)イラッ

日向「おい、伊勢。返事しろ。定時連絡はどうした」

ピーガガガー

日向「ん…なんだ。調子が悪いな……」

日向「………」

日向(な、なんだ…?嫌な胸騒ぎがする……)ドキドキ

日向「……お、おい伊勢!返事をしろ!」

ガガガガ....

日向「…は、早く出ろ伊勢!早くしろ!!」

ガチャ

日向「い、伊勢か!?私だ!日向だ!今の状況を――――」

ガサガサ

日向「!! い―――」クルッ







不知火「――――ようやく見つけました、日向さん」

日向「」

日向「し、不知火……!」

不知火「…『なぜ、お前がその無線を持っている?』」

不知火「――そうお聞きになりたいのではありませんか…?」

日向「ッ!!」ジャキ

不知火「!」ゲシッ

日向「なっ……ぐっ……!」ミシミシ

日向(は、速い……い、いやそれよりも…お、重い……!なんて蹴りだ……!)

日向(ぎ、艤装を出そうとしたのが仇になった……!逆に身動きが……)ガチャガチャ

不知火「先程は――」

日向「」ビクッ

不知火「伊勢さんとお会いすることが叶いました」

不知火「……ですが、私の知りたいことを知っておられるのは、結局、貴女だけのご様子でしたので――」

日向「…お、おまえ…まさ、か」

日向「で、電探もなしに見つけたのか…!?艤装を解いていれば確かに見つかりにくい……!」

日向「だ、だが…それでは私たちを見つけることは……!」

不知火「…日向。貴女は私の知りたいことを知っておられますね」ニタァ

日向「」ゾクッ

不知火「それらすべて―――臓腑の底からえぐり出して頂ければ……」

日向「」ダラダラ

不知火「不知火は、十分にございます」ニタリ

金剛「……ふぅ」

金剛「イエース!!今日のTeaTimeはVeryGoodデース!!」ニパー

榛名「でもお姉さま…良かったんでしょうか。こんな強引な手段…」

金剛「ダメですよ榛名!最近はぬいぬいやマックスがテートクを独り占めしすぎデース!」

金剛「時にはちょっとした強硬手段も大事ネー!」

金剛「それに要求と言っても我々戦艦にもテートクとの会話をする時間を設けて欲しいというだけネ」

金剛「テートクが選んだのはあくまであの二人。それ以上望むことはないデース」

榛名「お姉さま…」ジーン



金剛「……なんて綺麗事言うつもりはないデース!!テートクの嫁候補としてアピールするのは当然の行為デース!!」クワッ

比叡「さすがお姉さまです!!」

金剛「フフン!もーっと褒めても良いネ!」フンス

榛名「……そうですか」ハァ

金剛「あれ?どうしたネ?榛名」

榛名「いえ…何でもありません」

榛名(提督は金剛お姉さまが隠したとおっしゃってましたが…一体どこに?)

榛名(…榛名、少し心配です)

霧島「お姉さま」

金剛「霧島?どうしたんデース?」

霧島「見張りを頼んでいた伊勢と日向から定時連絡が来ませんね」

金剛「むぅ~…!もう!楽な仕事だからと言ってサボり気味ですカ!?」プンスカ

霧島「まぁ…伊勢はともかく。日向は珍しいですね」

比叡「きっとまた瑞雲でも磨いてるんじゃないでしょうか?」

金剛「やれやれデース…テートクに新型の偵察機をかけあうと約束したのに…」ハァ

霧島「どうします?」

金剛「約束の時間まではまだまだありマース。あの二人の定時連絡がないくらいは大目に見るデース」

霧島「了解しました」

金剛「では比叡!TeaTimeの再開ネ!」

比叡「はいっ!」

榛名(………なんでしょう。とても嫌な予感が…)

不知火「……」ガチャ

不知火「…さて」

不知火(戦艦寮、裏口からの侵入完了………だが)チラ

不知火「…コソコソ隠れず出て来たらどうですか?」ジロ

??「……」

不知火「日向から知りたい情報は全て知っています。主犯以外に用はありません…」

不知火「……邪魔をするのであれば、実力を以って排除させて頂きます」ジャキ


Bismarck「…ふふ、そう殺気立たないで良いわよ不知火!」ザッ

不知火「…ビスマルク」

Bismarck「日向はどうなったのかしら?」

不知火「…」

Bismarck「…ふふ、答えたくないのなら答えなくても良いわ」

Bismarck「だけどね不知火。ここを通りたくばこの私を倒してから行きなさい!」バーン

不知火「…」

Bismarck「…『貴女に構ってる暇はない』って言いたい顔ね、だけど聞けないわ」クス

Bismarck「あと、暴力はなしにしてあげるわ。戦艦と駆逐艦じゃ結果は目に見えてるもの」フフン

不知火「…」ピクッ

Bismarck「勝負はこれよ!お酒!」ドン

Bismarck「私の国で使われている『ジョッキ』と呼ばれるお酒を飲むための容器よ!」

Bismarck「これを多く飲みほした方の勝ちよ。どう?単純でしょう?」

Bismarck(ふふ…知っているわよ不知火。マックス共々あなたがお酒に弱いことを!)

Bismarck(ここでアルコールで潰してしまえばこの後の記憶は残らない…ふふ、完璧な作戦だわ!)

不知火「…」ガシ

Bismarck「ふふ…!ジョッキを握ったわね!」

不知火「…」ブルブル

Bismarck「今更震えたって遅いわよ!もう逃げることは許されないわ!」

不知火「」ピシッ

Bismarck「さぁ、いざ勝負を―――――」

不知火「」バキンッ

Bismarck「」

不知火「……………ひびが入っていたようですね」パラパラ

Bismarck「……えっ?」

Bismarck(…い、いま。握力だけでジョッキをこ、粉々に割った……?も、持ち手の部分しか持ってなかったのに!?)ダラダラ

不知火「取り替えて、頂けますか?」

Bismarck「…ま、待ちなさい不知火。お、落ち着きましょう……」ダラダラ

不知火「…ところで、先ほど気になることをおっしゃっていましたね」ガタ

Bismarck「え?」

不知火「『戦艦と駆逐艦では、結果が目に見えている』、と」ユラァ

Bismarck「」ゾワッ

不知火「…いいでしょう。陽炎型二番艦、不知火」ギロリ

不知火「…司令と絆を結んだ本当の力、お見せ致します」ジャキ

Bismarck「ちょ…!ま、待ちなさい不知火!」アセアセ

不知火「」ツカツカ

Bismarck「わ、私達は同盟を結んだ間柄よ!わ、私に危害を加えれば祖国が黙ってるわけ――」

不知火「望 む と こ ろ で す」ニタァ

Bismarck「」

金剛「ふ~…今日の紅茶は美味しかったデース!」

比叡「こちら、片付けておきますねお姉さま!」

金剛「Oh!Thank youネ、比叡!」

比叡「えへへ~♪」

榛名「…」

金剛「榛名?どうしたデース?さっきから元気ないデース」

榛名「あ、いえ…榛名は大丈夫です」ニコ

金剛「そうですか?む~……」ムムム

金剛「…榛名。いいこと教えてあげるネー!」

榛名「いいこと…ですか?」

金剛「Yes!榛名にだけ特別にテートクの場所教えてあげるデース!」

榛名「!」

金剛「ただし、抜け駆けはNGネ。あくまで榛名が心配そうな顔してるからデース」

榛名「…そんなに顔に出ていました?」

金剛「長女を甘く見てはいけないデース。妹の考えごとなんてお見通しデス!」

榛名「…もう。お姉さまにはかないませんね」クス

金剛「ふふ、姉には敬意を払うデース」フンス

金剛「居場所はこの地図の通りネ。あと、扉はかなり頑丈だからテートクが逃げたり、誰かが侵入する心配はないデース」

榛名「そうなんですか?」

金剛「この前霧島に46cm三連装砲を試し撃ちさせて傷ひとつ付かなかったネ!」

榛名「…す、すごいですね…」アハハ

榛名(主砲の使用許可は…いえ、言わないでおきましょう)

金剛「さ、榛名。テートクとお話してくるネ。少しは気分も晴れるデース」

榛名「…はい!ありがとうございます。お姉さま!」トテテテ


金剛「やれやれ、妹にいいところを譲ってあげるのも姉の務めネ」フー

霧島「……うーん」

金剛「どうしたネ、霧島?」

霧島「先ほどから伊勢と日向に連絡をしているのですが応答がありません」

金剛「まさか昼寝ですか?もー、ちゃんと仕事してくれないと困るデース!」プンスカ

霧島「それにビスマルクからも連絡がないようで…」

金剛「What?ビスマルクもですか?う~ん…」

比叡「もしかして、皆さんもう不知火さんにやられてたりして!」

金剛「Wow!もー、比叡ったらJokeがユニークデース!」アハハ

比叡「いやー!それほどでもありません!」アハハ

霧島「もう、冗談が過ぎますよ」クスクス



3人「……………………」


霧島「ま、まさか…?く、駆逐艦と戦艦ですよ?」ダラダラ

比叡「し、しかし錬度の差が…」

バンッ

比叡・霧島「」ビクッ

金剛「もう!弱気になってはいけないデース!」クワッ

霧島「お姉さま…」

比叡「お、お姉さま…」

金剛「私たちは圧倒的有利。ですが慢心をするつもりは毛頭ないデース」

金剛「ぬいぬいがその気で来るのであれば迎え撃つのが金剛型としての誇りデース!」

金剛「二人はワタシの自慢の妹ネ!自信を持つデース!」

霧島「お姉さま…!」

比叡「…はいっ!お姉さま!お任せください!」

金剛「イエース!その調子ネ!!」ニパー










不知火「話は終わりましたか?」

3人「」

金剛「……へ、ヘーイぬいぬい……い、いつからそこに…?」ダラダラ

不知火「つい先ほどです。盛り上がっているご様子だったのでしばし待っていましたが」

金剛「そ、そうデスか!それは申し訳ないネー!」

不知火「……さて」ユラ

金剛「」ビクッ

不知火「無駄な資材を浪費した挙句」

不知火「不知火に対する挑戦状の数々……」ミシ

比叡(な、何の音ですか?)

霧島(さ、さぁ…?)

不知火「……さらに、司令を監禁……!」ミシミシ

金剛「へ?と、扉に亀裂…」

不知火「……………覚悟はよろしいですね?」バキッ

3人「」

比叡(ちょ、ちょっと待ってください!!いま握力でドアを破壊しましたよ!?)

霧島(ど、どうするんですかお姉さま!!)

金剛「……ふ、ふふ。ふふふふふ!!HA-HAHAHA!!」

不知火「…」

金剛「そんなの簡単デース。わが妹たちよ」

金剛「…ここは」

比叡・霧島「こ、ここは?」



金剛「逃げるんデェース!!!!」パリーン

比叡・霧島「ですよねー!!!」ダッ



不知火「……窓ガラスの修繕まで。余計なことばかり……」

不知火「………逃がすものか」ニタァ

金剛「……ふー。しっかり逃走用の車を用意しておいて正解デース」

霧島「備えあれば憂いなしです。お姉さま」ブロロロ

比叡「でも霧島?どこで運転を習ったんですか?」

霧島「えぇ、以前司令に頼んだら免許取得の許可を頂けたんです」

金剛「さすがテートクね!優しいところもVeryGoodデース♪」クネクネ

比叡「しかし陸路を走ってるのもなかなか新鮮でですね!」

金剛「イエース!同乗者は景色を楽しむ権利がありマース!」ニパ

比叡「はい!こうして誰かに運転を頼んでる間に後ろの景色……を……」

金剛「比叡?どうかしましたか?」

比叡「こ…こ、ここ…金剛姉さま…………あ、あわわ…!!」

金剛「What?何をそんなに焦って……」ピタ

霧島「どうしましたお姉さま?」

金剛「と、飛ばすデース霧島!!フルスロットルデース!!」

霧島「えぇ!?でももうすぐ裏手の森のほうに入りますから…」

金剛「こ、この際車の心配は無用ネ!!う、後ろ見るデース!!」

霧島「後ろ?後ろに何……が……」


不知火「」ダッダッダッ


霧島「と、飛ばします!!しっかりつかまっていてください!!」ガッ

比叡「ひえぇええ!!」

金剛「ど、どうして走って追いつくネ!?」

比叡「お、お姉さま!!メイド服の不知火さんがタ○ミ○ーター見たいな走り方で迫ってきてます!!」

金剛「み、見れば分かるデース!!霧島!速く!!」

霧島「はいっ!!」ブイーン

チュインッ


比叡「う、撃ってきましたぁ!?」

金剛「な、何で走りながらであれほど正確な射撃が出来るんデース!?」

比叡「き、霧島!回避行動を!」

霧島「む、無理です!この林の中で蛇行運転したら木にぶつかってしまいます!」

金剛「こ、こうなったらぬいぬいとの距離を離すしかないデス!飛ばすしかありません!」

比叡「く…私も反撃を…!」

霧島「お、落ち着いてください!この状況で主砲を撃ったら車が制御できません!」

比叡「う…」


パンッ

比叡「ひええっ!?」

金剛「こ、後輪が打ち抜かれたデース!?」

霧島「ま、まずいです!このままだとぶつか――――」


キキーッ ドンッ

プシュー






不知火「……」ガサガサ

不知火「……」キョロキョロ

不知火「ちっ、タイヤを上手くパンクさせたのはいいが…」ガサガサ

不知火(逃げ足の速い…すぐに車を放棄して逃げるとは)

不知火「…」

不知火「足跡は…これか。この先は…なるほど」

不知火(先ほどビスマルクから聞いた司令を監禁してると思われる秘密の場所か…)

不知火「……ふ、ふふ」

不知火「逃がすものか……」ユラァ

不知火「不知火を怒らせた罪……とくと味わってもらいます…」スタスタ

【秘密の部屋】

榛名「…申し訳ありませんでした提督」ガサガサ

提督「いいのか榛名?金剛たちは…」

榛名「いいんです。確かに榛名は提督に私を見て欲しいですが…」

榛名「こんな形は提督にも、不知火さんやマックスさんにもご迷惑ですから」

提督「…榛名」ポン

榛名「わ…」

提督「確かに俺は榛名のことを不知火やマックスと同列に扱うことは出来ない」

提督「だけど、俺にとっては大事な仲間でこの鎮守府の一員だ」

提督「度を過ぎなければ俺に甘えるのは構わないさ」ナデナデ

榛名「…提督」

榛名「本当に申し訳ありません…提督はこれほどお優しいのに榛名は…」

提督「いいさ。ただ、今度からはこんなことはしないでくれよ?皆に迷惑をかけちゃうからな」

榛名「はいっ」ニコ




比叡「ひえぇええええええっ!」バンッ

榛名「わっ!?」

霧島「ぜー……ぜー……!」

金剛「な、何とか…たどり着いた…デース…」ゼーハー

提督「金剛!?どうしたんだ?そんな全力でここまで走ってきて…」

金剛「て、テートク!?あ、あれ!?縄は…!」

榛名「すみませんお姉さま…やっぱり榛名は、こんな方法では…」

金剛「は、榛名…」

提督「説明は後だ。金剛、比叡、霧島。そこに整列」

3人「?」

提督「…おしおき」ゲンコツ

3人「いたいっ!?」

提督「とりあえず今回の件はこれで不問とする。次はないからな」

金剛「ぅ~……分かったデース…」シュン

提督「…まぁ、榛名には話したけど金剛、これからは……」クドクド

金剛「うぅ…ワタシのPerfectなPlanが…」ショボーン



比叡(…そういえば、不知火さん…入ってきませんよね?)ボソボソ

霧島(…大丈夫でしょう。この部屋への入り口はひとつ。その入り口の頑丈さは46cm主砲を耐えるほどですから…)ボソボソ

榛名(…だと、良いんですけど)

不知火「……」ピタ

不知火「ここか…この扉」

不知火(……中の声は聞こえない。防音はどうやら完璧のようですね)

不知火「さて…噂の防御力は…」ガシャ


ドォン


不知火「…」

不知火(…確かなようですね。戦艦の主砲ではないにしろ夕立から借りた連装砲で傷ひとつ付かないとは)

不知火「魚雷は…直接ぶつける訳には行きません」

不知火「…」

不知火(……申し訳ありません、司令)

不知火(不知火は…一度だけ、司令との約束を破ります)

不知火(許しを請うつもりはありません。ですが…)

不知火「不知火にとって…貴方は不知火の全てです」

不知火「司令がいない生活など…不知火には到底耐えられない」

不知火「ですから…」

不知火「あらゆる手段を以って、貴方を助けます」


ガチャリ



『不明なユニットが接続されました』

『システムに深刻な障害が発生してします。直ちに使用を停止してください』

提督「…で、分かってくれたか金剛」

金剛「て、テートク…」ウルウル

金剛「ゴメンナサイテートクぅ!ワタシが間違ってたデース!」ダキッ

提督「こ、こら抱きつくな!」

榛名「えっと…一応解決、ということでよろしいんでしょうか…?」アハハ

霧島「元はといえば司令がはっきりしてくれなかった所為でもあると思いますが…」

比叡「…?」

霧島「どうしました比叡お姉さま?」

比叡「いや…なんだか奇妙な回転音が…?」

榛名「? 榛名には何も…」

霧島「私もです。特に何か聞こえるわけでは…」

比叡「うーん…」

提督「いいな金剛、戻ったら不知火やほかの巻き込んだ戦艦の娘たちに謝るんだぞ」

金剛「はーい…」

提督「よし、それじゃあ戻るとする―――――」


ギュィーン ガガガガガ


比叡「へ?」

霧島「な、何ですか!?この音……!」


ドォオオオオオン


不知火「」スタスタ

金剛・比叡・榛名・霧島「」

榛名「お、お姉さま!?と、扉は頑丈のはずでは…!」

金剛「あ、ありえないデース!!ど、どうやっても破壊できるはずが…!」

提督「! し、不知火!お前その装備…!」

比叡「ひ、ひえっ…!な、なんですか…!?あ、あの装備は…!?」

霧島「ち、チェーンソーが6基…し、しかも回転してますよ!?」


妖精『不明なユニットが接続されました!システムに深刻な障害が発生しています!直ちに……むぎゅ』ベチャ

不知火「ダ マ レ」

金剛(け、喧嘩を売る相手を間違えたデース……!)ガクガク

霧島「し、司令!?あの装備は一体…!」

提督「…以前軍が作った装備、だが」

提督「本来艦娘用ではない規格外のものを無理やり接続して使用する装備だ」

提督「しかもブラックボックスである艦娘の艤装システムに無理矢理介入して強制稼動するもの…」

提督「威力は姫級であっても一撃で粉砕できる。だが……」

提督「…だが、使用すれば艦娘そのものにどんな悪影響が出るかも分からない。だから使用しないように厳重に保管しておいた…」

提督「…不知火がアレを持ち出してくるなんて」


不知火「フー……フー……」

榛名「て、提督!不知火さんが…!」

霧島「ま、まずいのでは!?明らかに理性が…」

金剛「て、テートク…ご、ごめんなさい!ワタシの所為で…ぬいぬいが…ぬいぬいが…!」

提督「…」スタスタ

比叡「司令!今の不知火さんに近づいたら…!」


提督「……不知火」

不知火「……シ、レイ…」

提督「ごめん不知火…心配かけた」

提督「お前にそこまでさせちゃって…俺の落ち度だ」

提督「不知火…」スッ

不知火「……チガウ」

不知火「コイツラ、ト…ナカヨク、イルワケガナイ…!」ギリ

不知火「オマエハ…シレイ、ジャナイ…!」ジャキ

金剛「て、テートク!危険デス!せめて武装解除させてから…!」

不知火「…」

提督「不知火、俺だ。元に戻ってくれ」

提督「俺は…今の無理している不知火の姿は見たくない」

提督「どうしても駄目なら…何が何でもお前を元に戻す」グイッ

提督「………ん」チュ

不知火「…!」



金剛「わ、ワァォ…//」

榛名「わ…う、羨ましい…//」カァ


提督「ん…んん…」チュ

不知火「…」

提督「…」ガシ

提督「…んむ、んぅ…れ、ろ…」チュル


霧島「な、なぁ…!?//」

比叡「う、うわ…うわわ……!//」チラチラ


不知火「………」

不知火「!?!?!////」ビクッ

不知火「ひ、ひれ…!な、なにほ……!///」ジタバタ

提督「ん…ぅ…んむ」

不知火「――!―――――!!///」ジタバタ




提督「……ふぅ。何とか元に戻ってくれたみたいだ」

不知火「」プシュー

榛名「も、戻ってくれたというか…荒療治というか…//」アハハ

比叡「わ、私…しばらく頭から離れそうにありません…あ、あんな光景…//」カァ-

金剛「」チーン

霧島「…お姉さまがショックのあまり気絶しています」

提督「不知火もだな…きっとこの装備の所為で体力が持っていかれたな」

比叡(いや…どう考えても司令の所為だと思います…//)

霧島(このバカップルを引き離そうとしていたこと自体間違いでしたね…//)ハァ

不知火「……ぅ、ん」パチ

不知火「…ここは」ムク

陽炎「起きた?」

不知火「陽炎…?」

不知火「…ッ!!し、司令は…!」

陽炎「はいストップ。大人しくしてなさい」

不知火「ですが…!」


陽炎「…!」パシンッ

不知火「……え」

不知火「……かげ、ろう?」

陽炎「…司令が言うと思うけど…我慢なら無いから私が言うわ」

陽炎「不知火のことだから、自分のことよりも司令の方が優先順位高いのは分かるわ」

陽炎「だけど…!それで不知火がいなくなっちゃったら意味ないじゃない!!」

陽炎「あんたの傍から司令がいなくなると同じで、司令が自分の傍から不知火がいなくなったらどう思うか分かってるの!?」

不知火「……それは」

陽炎「馬鹿よ…不知火……あんた本当に…大馬鹿よ……」ダキ

不知火「…陽炎」

陽炎「冗談じゃないわよ……不知火がいなくなったら悲しむのは…司令だけじゃないのよ…」ギュ

不知火「……心配をかけました」

陽炎「…約束して」

陽炎「もう絶対…自分のみを犠牲にする馬鹿なことしないって…」

陽炎「じゃないと…今回のこと許さない」

不知火「約束します。司令と、陽炎に誓って」

陽炎「なんか司令のついでに言われたみたいなのが癪だけど…」

陽炎「ん、じゃあ許してあげる」ニコ

不知火「…ありがとうございます陽炎」

陽炎「だけど、ちゃんと司令にも謝るのよ?」

陽炎「きっと私以上に心配してるはずなんだから」

不知火「…はい」

陽炎「そういえばちょっと聞きたかったんだけど」

不知火「なんでしょう?」

陽炎「ここまで司令が運んでくれたんだけどさ、司令の顔真っ赤だったんだけど何かあったの?」

不知火「……?」

不知火「……あ」

陽炎「思い出したの?」

不知火(あれを装備して…自我が無くなった不知火を…司令は…)

不知火「…………!!!//」ボンッ

陽炎「し、不知火?」

不知火「ぅ、ぅ…ぁ……あ、あぁ…!!///」パクパク

不知火「――ッ!!//」バサッ

陽炎「ちょ、不知火?どうしたの急に布団被って!?」

不知火「わ、忘れました!何も覚えていません!!」

陽炎「へ?」

不知火「不知火は何も知りません!」

陽炎「…」ウーン

陽炎(…ははぁーん?さては司令に何かされたわね?)

陽炎(不知火のこの恥ずかしがり様から…たぶんキスでもされたんじゃないかしら?)

陽炎(もー、ケッコンして結構経つのにまーだキスで恥ずかしがってるなんて…初心ね~♪)クスクス

陽炎(それにこの二人のことだからどうせ触れた程度のキスでこのくらい恥ずかしがってるんでしょうねぇ。可愛いなぁもう♪)ニヤニヤ

陽炎(それにしてもキスで目覚めるお姫様…素敵じゃない)


不知火(……)ドキドキ

不知火(く、唇…いや、口の中の感触が消えない……!///)

不知火(うぅ…司令にどのような顔でお会いすれば……!//)モゾモゾ

【執務室】

不知火「……」スーハー

不知火「…不知火、出頭しました」コンコン

提督『入ってくれ』



不知火「……失礼します」ガチャ

提督「不知火。呼ばれた理由は分かってるな?」

不知火「…はい」

不知火「戦艦寮の一部損壊、禁止武装の使用。……司令への攻撃未遂」

不知火「…その他まだ余罪はあるともいますが、主には以上の三点です」

提督「不知火」ガタッ

不知火「今回の一連の騒動。主犯はともかく、不知火にも責任があるのは分かっているな?」

不知火「はい…」

不知火「不知火がここまで騒ぎ立てしなければこれほど大事にはなりませんでした」

不知火「…全て不知火の落ち度です」

提督「そうか。分かってるなら良い」

不知火「……どのような処罰も受ける覚悟です」

提督「不知火への処罰はすでに決定している」

不知火「ッ!……はい」



不知火(……不知火はどこか、司令に甘えていたのかもしれません)

不知火(この部屋に入る前に…淡い期待をしていた……)

不知火(司令は正しい。不知火への処分は当然…例え、解体されようとも……)



提督「え?不知火?」

不知火「……え?」ポロポロ

不知火「え?あ…ち、ちが……!」アタフタ

不知火「も、申し訳……ぐすっ…」グスッ

提督「し、不知火。落ち着けって…!」ワタワタ

提督(え、えぇと…こんな時……こんなときは…)ウーン


提督「…」ダキ

不知火「…! し、れい……?」

提督「落ち着け不知火……まずは泣き止んでくれ」ナデナデ

不知火「あ……」

不知火「……」ギュ

不知火「…もうしばらく、お願いします」

提督「うん」

提督「…落ち着いたか?」

不知火「…はい、申し訳ありません。お見苦しいところを…」グス

提督「見苦しくなんてないさ。気にするな」

不知火「……それで、司令」

提督「ん?」

不知火「不知火の処分は決定していると…」

提督「あぁ」

不知火「…覚悟はできています。どのような処分でも……」

提督「よし。それじゃあ、はい」スッ

不知火「……」

提督「ん?どうした不知火?」キョトン

不知火「え?い、いえ…あの……これは?」

提督「これはって……箒?」

不知火「そ、それは見れば分かります!ですからこれをどうすれば…」

提督「不知火が壊した戦艦寮の一部」

不知火「え?」

提督「自分で言ったとおり不知火の落ち度だ。きちんと片づけてきなさい」

不知火「………」

提督「どうした?」

不知火「……あの、まさか処罰とはこれだけ…?」

提督「え、うん」

不知火「……」

提督「……」

不知火「な……」

不知火「納得できません!!!」バンッ

提督「わっ!?」ビクッ

不知火「不知火は司令の命を脅かすほどのことをしたのです!!それを掃除一つで片付けるなど…!」

提督「まぁ確かに軍規上は違反行為だし、本来なら厳しい処罰があるけど…」

提督「ひとつ聞くけど不知火、あれは故意なのか?」

不知火「違います!不知火の意思で司令に攻撃を加えようなどど絶対にありえません!」

提督「それじゃあ俺も気にしてないし問題ないな」

不知火「し、しかし!使用禁止の武装を用いて自我を失ったのは事実で――」

提督「確かにそうかもしれないけどさ」

提督「不知火は、全部おれのためにやってくれたことだろう?」

提督「それを俺が咎める理由はない。むしろ感謝するべきだ。違うか?」

不知火「――――」

提督「……あれ?俺もしかして変なこと言ってる?」

不知火「………」

提督「…不知火?」

不知火「…」ダキ

提督「わわ…不知火?」

不知火「…司令は甘すぎます」

提督「…そう?」

不知火「はい、本当に……大馬鹿です」

提督「でも不知火だけだぞ」

不知火「分かっています。だからこそ………甘えている自分が愚かしいと共に…」

不知火「とても……嬉しい、です…」ギュ

提督「…」ナデナデ

不知火「…司令。もう一つだけ…甘えてもよろしいでしょうか?」

提督「ん?なに?」

不知火「その…不知火は司令を救えた…ということですよね?」

提督「そうだな。俺からしてみればそう思ってる」

不知火「……を」

提督「え?」

不知火「……ほ、褒美を…頂けません、か?」

提督「褒美?んーと、間宮さんのところとか?」

不知火「い、いえ!それも魅力的ではありますが……えぇと…」ソワソワ

提督(?? 珍しく不知火が言い淀んでる?)

不知火「あ、あの時は…暴走をしていたので…よ、よく感じられなかったんです」

提督「何の話?」キョトン

不知火「で、ですから…!」

不知火「……アレ、を…もう一度……お願い…します……///」ギュ

提督「アレ?」

提督(よく感じられなかった……? あの時不知火にしてあげたのは………)ポクポクポクポク

提督「」チーン

提督「ま、まさか不知火…アレって…//」

不知火「…はい」

不知火「その…あの時のキ――」

提督「ま、待て待て!言わんでいい!!//」

不知火「き、聞いてきたのは司令です!//」

提督「うぐ…」

不知火「……それに」クイ

不知火「不知火でも…口にするのは恥ずかしいのですから…//」カァ

提督「…」

不知火「…司令?」

提督「そうだよな」ダキ

不知火「ひゃっ…!?」

提督「ごめん不知火。あんまり女の子からそういうこと言わせるのは悪いよな」

不知火「…まったくです」

不知火「司令は男性としてもっとしっかりしてください」

提督「あはは…」

提督「…それじゃあチャンスをくれる?」

不知火「………仕方ありませんね//」ギュ

提督「…うん」クイ

不知火「あ……///」カァ

提督「……い、いくぞ?//」

不知火「…は、はい//」

不知火「今度は…忘れないようにお願いします…//」

提督「…あぁ」ズイ

不知火「しれ――んっ…」

【翌日】


Z3「」ゴソゴソ

Z1「ん……まっくす…?」ムク

Z3「レーベ。ごめんなさい、起こしたかしら?」

Z1「うぅん。別に構わないよ」ゴシゴシ

Z1「…って!わぁ…!」

Z3「な、なに?」

Z1「マックス、今日はメイド服で行くんだね!」

Z3「…えぇ、まぁ。あの人はこの服好きだろうし」

Z1「ふふ、そっか」ニコニコ

Z3「…なに?」

Z1「うぅん。提督さん、昨日のことできっと忙しいだろうから良い目の保養になると思うよ」クス

Z3「そうね…昨日はレーベと出かけてたし、色々あったみたいだけど私もまだ状況に追いついていないわ」

Z1「帰ってきたら戦艦寮の外壁が一部吹き飛んでたのはびっくりしたけどね…」

Z3「そういうわけで提督に昨日のことを聞いてくるわ。レーベは訓練に遅刻しない程度に起きて」

Z1「わかってるよ。行ってらっしゃい、マックス」

Z3「えぇ。それじゃまたあとで」パタン


Z3「……」イソイソ

Z3(…うん。前髪も…寝癖も問題ないわね。よし、行きましょう)フンス

Z3(……ふふ。提督、喜んでくれるかしら…♪)ルンルン

Z3「…」チラ

Z3「その前に少し戦艦寮のほうを見ていこうかしら…何があったのか見ておかないと」テクテク

【戦艦寮】

Z3「…しかし、本当にすごいことになってるわね。戦艦寮は…」

Z3「誰かいないのかしら。ビスマルクは……心配ないわね、きっと」キョロキョロ

Z3「…ん?あれは…」



金剛「はぁ~…ワタシの完璧な計画だったハズでしたのに…どうしてこうやって掃除してるんデース…」サッサッ

金剛「…仕方アリマセン。次の作戦は………」ウフフフフ

Z3「金剛、GutenMorgen.」

金剛「Oh!その声は…!」クルッ

金剛「やっぱりマックスネー!グッドモーニー……ン……ぐ……でー……………す」

Z3「金剛、昨日は私は不在だったから何があったのかわからないの」

Z3「よければ教えてくれないかしら?提督にも不知火にもまだ会ってなくて…」

金剛「」ガタガタ

Z3「…金剛?どうしたの?」

金剛「め……め、めい…………!」ブルブル

Z3「大丈夫?体調が悪いのなら…」スッ

金剛「ノーーーーーーーー!!!」ビクッ

Z3「えっ!?」ビクッ

金剛「メイド怖いデース!!!!!!」ダッ

Z3「えっ!?ちょ……こ、金ご―――」


ダダダダダダ


Z3「な…なんだったのかしら……一体…?」

【後日 食堂】


Z3「………」モグモグ

陽炎(…ね、ねぇ。どうしたのマックス…なんだか不機嫌そうなんだけど…)ヒソヒソ

Z1(それが話してくれなくて…この前は上機嫌でメイド服着て提督のところに行ったはずなんだけど…)ヒソヒソ

陽炎(…喜ばれなかったのかしら?)

Z1(それはないと思うなぁ。提督、二人のコスプレ好きだし…)

Z3「聞こえてるわよ」

陽炎・Z1「」ビクッ

Z3「まったく…勝手に話を進めないでもらえるかしら」カチャ

陽炎「ご、ごめんごめん…ついつい」アハハ

Z3「……」

Z1「でもマックス。話してくれないと僕たちだってわからないよ」

Z1「もし何か思い悩んでるのなら僕でよければ協力するよ」

陽炎「もちろん私も協力するわよ!」

Z3「……以前にも、似た様なことがあったの」

Z1「似た…?何が?」

Z3「覚えてるかしらレーベ。前に提督と不知火が普段より意思疎通が取れていたこと」

Z1「うん。覚えてるよ」

Z1(あのあとビスマルクが撫でろ撫でろっ強請りに行こうとてうるさかったから余計にね……)ハァ

Z1「…って、え?また?」

Z3「…あくまで『似たようなこと』よ。少し様子が変だったの」

陽炎「様子が変?どんな感じで?」

Z3「…それが」

――――――――――――
―――――――
―――


Z3「…あなた?いる?」ガチャ

提督「ん。おはようマックス」

Z3「GutenMorgen.昨日は大変だったのに出かけててごめんなさい」

提督「別にいいって。休日なら休日らしく過ごすのが当たり前なんだから」

Z3「それで、何があったの?」

提督「えーっとだな…実は―――」


不知火「……お、おはようございます」ガチャ

Z3「あら、不知火。GutenMorgen.」

提督「」ビクッ

Z3「?」

提督「お、おはよう不知火」

不知火「お、おはようございます。司令、マックス」

不知火「……」ソワソワ

提督「……」ソワソワ

Z3(……? 何かしら、この空気?)

不知火「し、司令。不知火は工廠の方で本日の演習に使用する備品を用意してきます」

提督「あ、あぁ。よろしく頼む」

不知火「……で、では」パタン


提督「…えっと、マックス。それで話を戻すが…」

Z3「…あなた」

提督「どうした?」

Z3「……不知火と何かあった?」

提督「」ビクッ

提督「な、何もないぞ?」

Z3「……本当に?」ジトー

提督「ほ、本当だ!別に喧嘩とかしたわけじゃないから!」

Z3「……ふぅん。そう」ジトー

提督「そ、それより昨日のことを話そう!不知火も少なからず今回の件にかかわってるし…」

提督「実はだな……」カクカクシカジカ

Z3「…ということだったの」

Z1「それで…提督と不知火さんが喧嘩してるってこと?」

Z3「違うわ」

陽炎「そーねー…その話聞く限りだと…どっちかっていうと」

Z1「言うと?」

陽炎「…なんかやらかして、またお互いに気恥ずかしくなった…ってとこかしら」

Z1「や、やらかしたって…一体何を?」

陽炎「そこは私は分からないわよ」

Z3「陽炎の言ってることはおそらくあってると思うわ。でも、その原因がわからないの」

Z1「そうだよね…二人ともキスは済ませてるし、普段から同じお布団で寝てるわけだし…」ウーン

陽炎「……」

Z3「陽炎?何か思い当たることでもあるの?」

陽炎「え?あ、いやー…ちょっと素朴な疑問なんだけど」

Z3「なに?」

陽炎「……二人って、いつも司令と布団入った後、何してるの?」

Z3「……? 何って…布団に入ったら眠るものでしょう?」

Z1「でも少しは会話したりしないの?」

Z3「まぁ…確かにあるわね。だけど提督も疲れているでしょうから、極力休ませてあげたいの」

Z1「相変わらずマックスはやさしいね」クス

Z3「……そんなことないわ」プイ

陽炎(…………これって、私が汚れてるのかしら……)ズーン

陽炎(いやでも……不知火と司令がマックスを置いて行くなんてありえないし……なんなのかしら?)ムムム

Z3「……決めたわ」

陽炎「へ?」

Z1「何をだい?マックス」

Z3「勝手な憶測をすることが間違っているわ。不知火と私は同じ立場よ」

Z3「それなら正直に聞いた方が早いわ。ちょっと行ってくる」ガタッ

Z1「うん。行ってらっしゃいマックス!がんばってね!」

陽炎(………だ、大丈夫…よね?)

【工廠】

不知火「……」ガサガサ

不知火(……やはり、意識しすぎでしょうか)モンモン

不知火(いや、ですが……どのような態度で司令に接すれば……//)モンモン

妖精「」クイクイ

不知火「え?」

妖精「アレ」チラチラ

不知火「……あ」

ゴチャー

不知火「………作りすぎました」

妖精「カタヅケル」スイー

不知火「…すみません。お願いします…」ナデ

妖精「マカセテー」

妖精B「テツダウ?」フヨフヨ

妖精C「22ゴウデンタン10コモアル...」

不知火(……調子はとても良い。それは自覚できる程…)

不知火(やはり司令とのアレが――――)ハッ

不知火「…!///」ブンブン

不知火(…思い出す度に顔が熱く……くぅ…///)


Z3「不知火」

不知火「!」ビクッ

不知火「…マックス。どうしました?」クルッ

Z3「………」ジー

不知火「…? マックス?」

Z3「不知火、やっぱり貴方変ね」

不知火「え?」

Z3「私、実はここに来てから5分ほど経ってるの」

不知火「…………え」

Z3「普段の不知火なら気づかないはずないわ」

Z3「……提督と何かあったのでしょう?」

不知火「」ギクッ

Z3「話してくれないかしら不知火? あの人と喧嘩したようには見えないけど…気になって仕方ないの」

不知火「………わ、わかりました」

不知火「で、ですが一つだけ約束してください」

Z3「なに?」

不知火「い、今から言うことは…誰にも口外しないと……」

Z3「それはいいけれど…提督はいいのよね?」

不知火「…はい……//」カァ

Z3(? どうしたのかしら…この反応?)キョトン

不知火「……そ、その………実、は………///」

【執務室】

提督「……」サラサラ

提督「……ふぅ、こんなもんかな」ギシ

提督「……」

提督(しかし……あのあとなんとか理性は保てたけど…)

提督(不知火とどう接すればいいんだ……顔すらまともに見れん…//)ハァ

提督「…いかんいかん。こんなことじゃまた不知火やマックスに愛想尽かされちゃうな」フルフル

提督「なんとか不知火と元に戻らなきゃな…俺から行動を………」


コンコン

提督「うん?はーい、どうぞー」

Z3「あなた、今いいかしら」ガチャ

提督「マックス。ちょうどいま一区切りついたところだよ」

Z3「そう。ならよかった」

Z3「少し改修工廠の方に来てくれないかしら?見てほしいものがあって」

提督「改修工廠?あそこは明石の管理だろう?」

Z3「えぇ。でもあなたに確認してほしいものがあって」

提督「そっか。そういうことなら問題ないよ、行こうか」ガタ

Z3「ごめんなさい、手間取らせて」

提督「気にしてないって。さ、行こうマックス」ポンポン

Z3「ん……えぇ」

Z3「……」ジー

提督「? どうした?」

Z3「……いえ、別に」プイ

提督「?」

【改修工廠】

Z3「入って」ガラ

提督「ん、ありがと……って。こりゃまた散らかってるな」

Z3「工具だけは大事に仕舞ってるみたいね」

提督「そりゃ明石の大事な道具だからな」

提督「それでここがどうしたんだマックス?」

Z3「もう少し奥の方よ、行ってみて」

提督「ん、わかった」テクテク

Z3「……」

提督「…えーっと?」キョロキョロ

提督「マックス?奥の方まで来ちゃったけど…何が―――」クルッ

ドンッ

提督「おわっ!?っとっとっと…!?」ワタワタ

提督「あたっ!!」ドサッ

提督「こ、こらマックス!いきなり何を…!」

Z3「……」ノシ

提督「え?あ、あの…マックス?なんでおれの上に乗って…」ダラダラ

Z3「あなた」

提督「な、なに?」

Z3「私に何か言うことはないかしら」ムスー

提督「い、言うこと…?」

提督(な、なに!?俺もしかしてマックスのこと知らないうちに怒らせてた!?)

Z3「…」ジー

提督「…」ウーン

Z3「あなた」

提督「え?」

Z3「あなたは私と不知火、両方を平等に愛してくれるって言ってくれたわよね?」

提督「あぁ。それはもちろん」

Z3「……………ふぅん?」ジトー

提督「……?」

Z3「…ならどうして、不知火にはして、私にはしてくれないのかしら?」ムス

提督「え?何を…」

Z3「大人のキス」

提督「」ブフッ

提督「ま、マックス!何を言って…!//」

Z3「不知火からすべて聞いたわ」

Z3「あなた……さっき私に説明するときに不知火とのこと、省いたわね?」

提督「う…」ギク

Z3「どういうつもりかしら?」

提督「だ、だってその……」アタフタ

Z3「言い訳は聞きたくないわ。私が不知火から聞かなかったら話すつもりはなかったのでしょう?」

提督「うぅ…」

Z3「……で?」

提督「え?」

Z3「どうして私にはしてくれないの?」

提督「どうしてって……」

Z3「………」ジー

提督「…もしかしてマックス。妬いてる?」

Z3「………当り前よ」

Z3「指輪をもらったときだって…不知火が先だったじゃない」

Z3「いつも、私は後にされてるから…」

提督「あ…」

Z3「…」シュン

提督「…ごめんマックス。そんなつもりじゃなかったんだ」ナデ

Z3「…ん」

提督「ただ…やっぱり、その…言い出すのが恥ずかしくて…//」

Z3「…他の人にはわかるけれど、私には話してくれたっていいじゃない」

Z3「それに、不知火は私にきちんと話してくれたわよ?」ジトー

提督「ごめんなさい…」ズーン

Z3「…あなた、私がここに連れてきた理由。分かってくれたかしら」ジー

提督「…まぁ。さすがに鈍い俺でもここまでお膳立てしてくれれば…」アハハ

Z3「…なら、して。今すぐ」クイクイ

提督「ま、マックス。なんかやたらと積極的だな?」

Z3「当然よ。いつも抜け駆けばかりされたら焦りもするわ」

提督(…アレがすごく恥ずかしいのは分かってるのか…?)

Z3「あなた?どうしたの?」

提督「あ、いや…えと」

Z3「……まさか今更になって私にはできない、なんて言わないでしょうね?」ムス

提督「ち、違う違う。そうじゃないって」

Z3「…そう。なら…」ススッ

Z3「……ん」ズイ

提督「……//」ドキドキ

提督(えぇい!!どうとでもなれ!!///)グイッ



提督「……んっ」チュ

Z3「んっ……ん……」

Z3(温かい…やっぱり、キスだけでとても幸せに…)ドキドキ

提督「……//」

Z3「…?」

提督「…………ん、ぅ」レロ

Z3「……」

Z3「んっ!?んんっ!?////」

Z3(やっ…ぁ……ていとくの…が私の口のな、かに……///)ビク

Z3(う…そ…。普段のキスとこんなに違うなんて……!///)ドキドキ

Z3「んむ…んっ…!//」ジタバタ

提督「……んむ」ガシ

Z3「!?」

Z3(え…ぁ…頭抑えられて…!?//)

提督「んむ……ちゅ……れぅ……」チュー

Z3(抵抗できない………でも……ぁ……あぁ…//)チュー

Z3(…きもち、いい……………♥)トロン

提督「……ぷは」

Z3「はぁ……ぁ……//」ハァハァ

Z3「ぁぅ…//」パタ

提督「ま、マックス!?大丈夫か!?」

Z3「……//」コク

提督「よかった…」ホッ

Z3「不知火やあなたが恥ずかしがっていた理由が分かったわ……///」プシュー

提督「だよな……//」ハァ

Z3「…けど」クイ

提督「ん?」

Z3「…もう一回、してくれるわよね?」ジー

提督「…………はい?」

Z3「不知火には2回したはずよ」

提督「ちょ、ちょっと待てマックス!!確かにそうだけど一回落ち着いた方が…!」

Z3「…知らない」ガバ

提督「こ、こら待てマックス!」


カチャカチャ パタン


提督(? 今何か音が…)

Z3「…あなた」ガシ

提督「へ?」

Z3「今は私だけを…見て」チュ

提督「んむっ!?//」

Z3「ん……ん、ふ…//」

提督(あぁもうわかったよ!!もう一回だけだからな!//)ギュ

Z3「んっ…!// んんっ…♥」チュー

明石「……」パタン

大淀「どうしたの明石?」キョトン

明石「へっ!?え、えーっと」アタフタ

明石「ちょ、ちょっと中の掃除するの忘れてて!足の踏み場がないからここの案内はまた今度で!!」

暁「えー!」

響「少し興味があったんだが…」

雷「散らかってるの?私が掃除してあげるわ!!」バッ

明石「だ、だめだめ!!危険なものがいっぱい置いてあるから!!」バッ

電「無理言っちゃダメなのです」

雷「ちぇ~」ブーブー

大淀「まったくもう…いくら籠りきりだからって自室みたいな扱いはダメよ?」

明石「あ、あはは…」ダラダラ

大淀「それじゃあ今度着任してくる子の案内は任せても大丈夫かしら?」

暁・響・雷・電「はーい!」

明石「そ、それじゃあ落ち着いたところで間宮さんのところでも行きましょっか!奢りますよ!」

暁「ほんと!?」キラキラ

電「わーいなのです!!」ニパー

響「はらしょー…」キラキラ


大淀「……大丈夫なの?」

明石「う、うん!ほ、ほらほら!大淀も早く行きましょ!」グイグイ

大淀「ちょ、ちょっと。そんなに押さなくたって…」


明石(……とんでもないものを見てしまった…///)

明石(うぅ~……提督、今日の間宮さんのお昼代後で請求しますからね…!//)

【食堂】


不知火「……」モグ

Z3「…空いてる?不知火」

不知火「…はい」

Z3「そう…お邪魔するわ」カチャ

不知火「…はい」

Z3「……」

不知火「……マックス」

Z3「…なに?」

不知火「…どう、でした?」

Z3「」カチャン

不知火「…」

Z3「…ごめんなさい、失礼したわ」ササッ

不知火「…」ジー

Z3「……その」

Z3「今更ながら、自分でねだりに行ったのがものすごく恥ずかしいわ……///」プシュー

不知火「だから言ったでしょう…恥ずかしいと…//」ハァ

Z3「…だけど」

Z3「すごく…幸せだったわ」

不知火「それには同意します」

不知火「…それにしても」

Z3「…えぇ」

不知火「……司令、かなり…その、上手かったですね」

Z3「……そう、ね」

不知火・Z3「……」

不知火・Z3「…///」プシュー

不知火・Z3「「……はぁ//」」

Z1「あ、マックス、不知火さん」トコトコ

Z3「レーベ」

陽炎「やっほー」テクテク

不知火「陽炎。訓練は?」

陽炎「今日も問題なく終わり。それよりさっき間宮さんにこれ貰ったの!一緒に食べない?」ニコ

Z3「…何かしら?これ」ガサ

不知火「…さくらんぼ?」

陽炎「せいかーいっ!」

Z1「なんだか沢山送られてきたらしいんだ。お店で使うにしても使いきれないほどだって…」アハハ

不知火「…何かの発注ミスでしょうか?」

Z3「一応後で確認を…」

陽炎「もー!そういう堅苦しいことは後よ後!折角なんだから楽しく食べるわよ!」

Z3「…それもそうね。戴くわ」ニコ



Z1「ふふ、日本のさくらんぼも美味しいね♪」モグモグ

不知火「ドイツのはどうなのでしょうか?」

Z3「さくらんぼも美味しいけれど、私個人的にはKirschwasserが好きね」

陽炎「き、きるしゅ…?」

Z1「簡単に言うとさくらんぼを発酵させて寝かせた後に、蒸留して作ったお酒だよ」

陽炎「へぇー…………うん?」

Z3「どうかした?」

陽炎「う、うぅん!別になんでもない!」

Z3「?」キョトン

陽炎(…あんだけお酒弱いのに、飲めるの?)ヒソヒソ

Z1(…向こうでは大変だったよ)ヒソヒソ

陽炎(やっぱり…)

Z1(それに蒸留酒だからね…アルコール度数が…)

陽炎(…不知火にも飲ませちゃダメね)

Z1(うん…こっちには送らないように言っておくよ)ハァ

陽炎「あ、そういえばさくらんぼと言えば…」パク

不知火「? 陽炎?何をして…」

Z3「はしたないわよ陽炎。茎を食べるなんて…」

陽炎「違うわよ!!」

陽炎「ん~……」モゴモゴ

不知火「?」

陽炎「…でーきたっ!」プハ

Z1「わぁ!すごいね陽炎!」

不知火「これは…」

Z3「口の中で茎を固結び…器用ね、陽炎」

陽炎「ふふん!私の特技の一つよ!」フンス

不知火「しかし何の意味もありませんね」

陽炎「うぐっ…」

Z1「あ、でも…」

Z3「どうしたの?レーベ」

Z1「誰かから聞いたこと話だけど、サクランボの茎を口の中で結べる人ってキスが上手なんだって」

不知火・Z3「」

陽炎「……へ?」

Z1「陽炎、キス上手なんだね」ニコ

陽炎「へ、へぇ~そうなんだ~…あ、あはは…何とも言えない気分ね…//」テレ

不知火「…私もやってみましょう」パク

Z3「面白そうね。私もやってみるわ」パク

陽炎(人のことはしたないだのなんだの言ってた癖に…)

Z1「あ、じゃあ僕もやろうかな」モグ

陽炎「別にいいけど…結構難しいわよ?」





―――――――数分後



不知火・Z3「…」ズーン

陽炎「ま、まぁまぁ…そんなに落ち込まないの。簡単にできるわけじゃないし…」

Z1「…あっ!」

陽炎「ど、どうしたのレーベ?」

Z1「見てみて陽炎!僕もできたよ!」パァァ

陽炎「へぇ!やるじゃないレーベ!」ニコ

Z1「えへへ…♪」ニコ

陽炎「あれ?ってことはレーベもキス上手…」

Z1「え?あっ……」

Z1「あ、あはは…そう、なのるのかな…?えへ…//」テレ

不知火・Z3「」ピクッ

不知火「…陽炎」

陽炎「ん?なに、不知火?」

陽炎「ははぁ~ん?さてはコツを教えてほしいの?でもこればっかりは…」

不知火「…」ガシ

陽炎「し、不知火?」

不知火「…陽炎」


不知火「キスしましょう」

陽炎「…………………………は?」


陽炎「ご、ごめん?あたしの聞き間違えかなぁ?い、いま…」

不知火「陽炎」ズイ

陽炎「ちょ!ち、近い近い!!近いって!!」

不知火「いいでしょう、減るものでもないはずです」

陽炎「へ、減るっての!!いくらなんでも私のファーストキスは安くないわよ!!//」

不知火「ここは不知火のためと思ってください」

陽炎「なに意味分かんないこと言ってんのよ!!嫌よ!!//」



Z1「し、不知火さん!落ち着いて…」ワタワタ

Z3「レーベ」ポン

Z1「ま、マックス!不知火さんを止めないと…!」

Z3「レーベ。私とキスしましょう」ガシ

Z1「………えっ?」

Z3「不知火の気持ちもわかるわ。さぁ」ズイ

Z1「ま、マックスまで何言ってるの!?お、落ち着いてってば!」

Z1「そ、それに僕たち姉妹だよ!?姉妹でこんなことしちゃ…!//」アセアセ

Z3「大丈夫よレーベ。私は気にしないわ」ズイ

Z1「だ、だめだよマックス…わ、わわ……///」ドキドキ

長門「不知火。マックス」ヒョイ

不知火「ひゃっ!?」

Z3「きゃっ!?」

長門「まったく、何をしている。詳しいことは分からんが落ち着け」

Bismarck「ん?どうしたの長門?」モグモグ

陽炎「た、助かったぁ…」ホッ

Z1「あ、ありがとう長門さん…」

長門「珍しいな、この二人が暴走するとは」

Bismarck「そうかしら?この前の不知火だって……いえ、何も思い出さないわ」フルフル

長門「アレはお前たちの自業自得だろう。で、何があったんだ?」

不知火「…」

Z3「……」

長門「……黙秘か。別にいいが…まぁ、どうせ提督絡みだろう」

不知火・Z3「」ギクッ

陽炎(なんて分かりやすい…)

Z1「……あ、もしかして」

Bismarck「心当たりがあるの?レーベ」

Z1「うん…たぶんだけど。僕の勘違いじゃなければきっと…」

陽炎「……もしかして、さっきのキスのこと?」

Bismarck「キス?」

Z1「うん、さっき口の中でさくらんぼの茎を結べるとキスが上手いって話になって…」

陽炎「私とレーベは出来て、不知火とマックスが出来なかったんだけど…」

長門「……あぁ、そういうことか」チラ

不知火「う…」

Z3「…」プイ

長門「お前たちな…キスが上手い相手とキスしても上達するわけじゃないだろう…」ハァ

Bismarck「さくらんぼの茎?口の中で結べばいいの?」モグ

長門「そういう話もあるが、根拠は無いな」

Bismarck「ふぅん…?」モグモグ

長門「下ろすぞ」スッ

不知火「…申し訳ありません」

Z3「…ごめんなさい、長門」

長門「謝る相手は私ではないだろう」

不知火「…その通りです。陽炎、申し訳ありません」ペコリ

Z3「レーベ、怖い思いをさせてごめんなさい…」ペコリ

陽炎「なーに、大丈夫大丈夫。気にしてないって」ニパ

Z1「うん。むしろ提督さんのことだと分かったらちょっと納得できたよ」クス

長門「良い姉に恵まれたな」

不知火「…はい」

Z3「…そうね」

長門「それにしても何故キスにこだわる?普段から寝食も共にしてるのだから珍しいことではないだろう?」

不知火「それは…」

Z3「そうなのだけれど…」

不知火・Z3「…」

不知火・Z3「」プシュー

Z1「わわっ!?だ、大丈夫!?二人とも!?」ワタワタ

陽炎(…何があったのかしら)

長門「…まぁ、お前たちの提督への信頼は分かるが、あまり周りが見えなくならないように気をつけることだ」

長門「行くぞビスマルク。演習の時間になるぞ」テクテク

Bismarck「見て見て長門!!」

長門「なんだ」

Bismarck「さくらんぼの茎、蝶結びできたわ!!すごいでしょう!!」フンス

長門「………そうか」

Bismarck「長門もやってみない?結構楽しいわよ!」

長門「私はそういう器用なことは苦手だから遠慮しておこう」

Bismarck「ちぇ~」ブーブー

長門(…まさかこいつも………いや、根拠の無いことだ。考えるのはやめよう)テクテク

Bismarck「♪」テクテク

【Z1/Z3自室】


Z1「…ふぅ」ポフ

Z1「もうマックスってば…いきなりあんなことするなんて…」

Z1「…」

Z1(…でも、ちょっとドキドキした…なんて言えないよね…//)アハハ

Z1(……そういえば僕、ここに初めて来たとき男の子と間違えられたんだよね…)

Z1(…マックスもさっきそんな風に思ってたからあんなこと言えたのかなぁ)

Z1「……」プクー

Z1(むー…僕だって女の子なのに。最初は提督だって疑ってたし)

Z1(僕、そんなに女の子らしくないのかなぁ…)ハァ

Z1(制服だってワンピースだし…軍服だからデザインが堅いのかなぁ)ムー

Z1「……」

Z1「あっ!」

Z1「そうだ…そういえばこっちに来る時に持ってきたのが…」ゴソゴソ

Z1(最近提督ともあんまりお話してないし…丁度いいからドイツのビールでも持って行ってあげようかな)

Z1「あっ、そうだ。あと確かこの前作ったプレッツェルがあったような…」

Z1「…うん。これでよし」

Z1(喜んでくれるかな…えへへ)ニパ

Z1「それに確か提督コスプレ好きだったよね。これ着て行ったら喜んでくれるよね、うん」イソイソ

【執務室】

提督「……」カリカリ

提督「…」カリカリ

提督「」プシュー

提督「…疲れた。もう無理…」グテー

提督(不知火は長時間遠征…マックスは演習の付添い…)

提督「…一人で仕事するのってこんなに寂しかったかなぁ」ハァ

提督(夜には戻ってくるのに…俺も寂しがり屋になったもんだ)トホホ

提督「でもどうしようかな…息抜きしたいけど」

コンコン

提督「うん?はーい、どうぞー」

Z1「…お、お邪魔するね。提督」

提督「レーベか。どうし………た」ピタ

Z1「…」モジモジ

提督「……えっ」

Z1「あ…似合ってない、かな?」オド

提督「い、いや!そんなことはないけど…!」

Z1「…そっか。よかった」ホッ

提督「…どうしたんだその服?」

Z1「うん。こっちに来る時に持ってきたんだ」

Z1「提督はオクトーバーフェストって知ってるかな?」

提督「聞いたことだけはあるけど…ドイツのお祭りだっけ?」

Z1「うん。僕もよく行ってたんだ」

Z1「その時にいつも来て行く服がこれなんだ」

提督「へぇー…」

Z1「…どう?」ピラ

提督「え?どうって…」

Z1「…」ジー

提督(似合ってるとは言ったけど…うーん。他の反応がほしいのか)

提督(下手に煽てるのは良くないし、正直に…)

提督「可愛い」

Z1「…え?」

提督「可愛いぞレーベ」

Z1「え、えぇ!?//」カァ

Z1「え、えと…あの…//」モジモジ

提督「?」

提督(あれ…もしかして間違えた!?)ガーン

Z1「…だ」

Z1「…Danke.提督//」ニパ

提督「…」ドキ

Z1「…提督?」

提督「あ、あぁ。どういたしまして?」

Z1「ふふ…」クス

Z1(よかった…ちゃんと女の子らしい服装だって思ってもらえたよね)

Z1(可愛いは予想外だったけど…//)ハァ

提督「でもどうして急にその服を?」

Z1「え!?え、えーと…たまには軍服以外もいいかなって…」

Z1「ほ、ほら。皆も浴衣?着てるよね」

提督「…まぁそれもそうだな。あんまり堅く考えないで過ごしてほしいのがモットーだし」

提督「レーベもそういうのに慣れてくれたか。いいことだ」

Z1「うん」ニコ

Z1「あと提督にお菓子とビール持ってきたんだ。もう夕方になるけど…どうかな?」

提督「本当か!?ちょうどキリもいいし休憩しようと思ってたんだ」

提督「ドイツのお酒や食べ物は美味しいからな~♪」

Z1「そっか。喜んでもらえてうれしいよ!ちょっと待ってね」ゴソゴソ

提督(…それにしてもびっくりした)

提督(レーベがあんな服装してくるとは…年相応だけど)

提督(さっきの笑顔本当に可愛かったな…)

Z1「?」ニコニコ

【一方そのころ】


長門「よし、今日の演習はこれで終わりか?」

Z3「えぇ、そうね。お疲れ様、長門」

長門「マックスもわざわざ付添すまないな」

Z3「いえ。これも大事な責務よ」

長門「たまには書類仕事ばかりでなく演習に加わったらどうだ?」

Z3「…そうね。考えておくわ」

Bismarck「それよりもうクタクタよ…帰りましょう」フワ

Z3「えぇ。じゃああとは帰りの支度を…」


Z3「…はっ!?」ピキーン

Bismarck「ど、どうしたのマックス?」ビク

Z3「…」

長門「どうした?何かあったか?」

Z3「…いえ」

Z3「何だか今…提督がよからぬことを考えた気がしたの」

長門「…そ、そうか」

Bismarck「そう?私には全然わからないわ?」キョトン

Z3「……何か、凄く不満な感じ」ムス

Bismarck「もしかして浮気でもしてるのかしら」

長門「ビスマルク!」

Bismarck「え?」

Z3「」

Z3「……ふ、ふふ…ふふふふふ」ユラ

Bismarck「……ま、まっくす?」ビク

Z3「…………ちょっと残ってた仕事を思い出したわ……申し訳ないけどあとは任せるわ」ゴゴゴゴ

Bismarck「は………はい」



長門「……お前な」

Bismarck「うぅ…ほんの冗談だったのよ…」グス

Bismarck「し、不知火みたいなプレッシャーだったわ……怖い」ビクビク

長門(…ま、どうせ思い過ごしだろう)

Z1「…どうかな?」

提督「うん、美味しい」モグモグ

Z1「よかった、提督の口にも合ってくれたみたいで」ニコ

提督「こんな時間にお酒を飲んだのは久しぶりだな」グビグビ

Z1「…あっ!ご、ごめんね!まだお仕事があるのに…」ワタワタ

提督「気にすることないさ、久しぶりにレーベとゆっくり話す方が俺は大事だよ」

Z1「提督…」

提督(艤装に色々載せてるのはどうかと思うけど…まぁいっか)

Z1「…Danke.僕も久しぶりにこうして提督と話せてうれしいよ」ニコ

提督「こうしてるとレーベが秘書艦になってくれた時のこと思い出すなぁ」

Z1「僕、忘れてないからね」

提督「何を?」

Z1「初めて会ったときに僕のこと男の子と間違えたこと」

提督「…」

Z1「…」ニコニコ

提督「い、いやあれはだな…」ダラダラ

Z1「なんてね、冗談だよ」

提督「そ、そうか…」ホッ

Z1「あのあと結局皆に間違えられたし…」ドヨーン

提督「あー…」

Z1「いいよ。気にして…ないわけじゃないけど。もう過ぎたことだから」

提督「ごめんなレーベ…」

Z1「あ、ごめんね!こんな雰囲気にするつもりじゃなかったんだ!」ワタワタ

Z1「はい、提督。おかわりどうぞ」スッ

提督「ん…ありがと。レーベも食べたらどうだ?」

Z1「そう…?」

提督「折角だからゆっくりしようじゃないか」ニコ

Z1「ん…それじゃあお言葉に甘えるよ♪」パク

提督「あ、口元に食べかすついてるぞ?」

Z1「え?わわ…」スッ

提督「逆逆。ちょっと動かないでくれ。今とるから」スッ


ガチャッ

Z3「あなた!今戻って――――」


Z1「ん…」

提督「ほい、終わったぞ」

Z3「」

提督「お、マックス。お帰り」

Z1「え?あっ!」ササッ

Z1「お、おかえり…マックス…//」カァ

Z1(わぁ…みっともないところ見られちゃったかな…//)

Z3「………」

提督「…マックス?」

Z1「ど、どうしたのマックス?」

Z3「…」

Z3(…まずは落ち着きましょう。冷静になって状況を把握しないと)

Z3(レーベの頬に手を添えていた提督)

Z3(妙に赤くなって慌ててるレーベ)

Z3(そして私が入った瞬間に逃げるように提督から離れたレーベ)

Z3(この状況から推理して…導かれる答えは……)


提督「お、おーい?マックスー?」

Z3「……あなた」

提督「お、おう?」

Z3「言葉は不要ね」ガチャ

提督「ひぃっ?!」ビクッ

Z1「な、何してるのマックス!?提督に銃口向けちゃだめだよ!!」ガシ

Z3「離しなさいレーベ!!提督を殺して私も死ぬ!!!」ジタバタ

Z1「だ、だめだよマックス!!落ち着いてってば!!」ギュー

カクカクシカジカ



提督「……というわけだ」

Z3「…ごめんなさい」ショボーン

Z1「い、いいんだよマックス。僕も紛らわしいことしちゃってごめんね」

Z3「いえ…私の勝手な想像で暴走してしまったわ…」ズーン

提督(不知火もそうだけどマックスも結構想像力逞しいよな…)

Z3「…でも、あなた」チラ

提督「うん?」

Z3「……レーベに鼻の下を伸ばしていたわね」ジト

提督「え゙」ギク

Z1「え?」

Z3「顔を見ればわかるわ。私がどれだけあなたのことを見てると思ってるのかしら」ジトー

提督「う、うぐ…」

Z1「…そうなの?提督」ジー

提督「い、いや…そのだな」

提督「…レーベがいつもと違う服の所為か、可愛らしい雰囲気が気になっちゃってな…//」ポリポリ

Z1「え…ぁ…//」

Z1「そ、そう…なんだ…。なんだかちょっと照れくさいね…//」テレテレ

提督「あ、いやすまんレーベ。普段が女の子らしくないとかそういう意味じゃなくて…」アセアセ

Z1「大丈夫だよ提督。分かってるから」ニコ

提督「そっか…ありがとな」ポンポン

Z1「わわ…//」


提督「…はっ!?」ビクッ

Z3「……」ゴゴゴゴゴ

提督(い、いかん……マックスが拗ねてる……)ダラダラ

Z1「それじゃあ提督。マックスが帰ってきたようだから僕は戻るよ」

提督「お、おう…ありがとうなレーベ」

Z1「うぅん。僕こそ楽しかったから」ニコ

Z1「…また来てもいいかな?」

提督「も、もちろんだとも」ニコ

Z1「ふふ、それじゃあまたこれを着てくるよ♪お邪魔しました」パタン


提督「……」チラ

Z3「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

提督「え、えーと。マックス?その…」

Z3「…………なに?」

提督(す、すごい不機嫌だ…や、やばいかも…)ダラダラ

提督「そ、そのだな?レーベは息抜きにお菓子を持ってきてくれてだな…」

Z3「ふぅん…そうなの。ふぅん……」チラ

Z3「……仕事も全部終っていないのにビールとは…随分楽しそうだったみたいね?」

提督「」

提督「い、いや……あの…ですね」ダラダラ

提督(ど、どうしよう……息抜きとはいえ酒盛りしてたのは事実…マックスが怒るのももっともだ…)

Z3「それに…レーベにあんな顔させるなんて…やるわね。あなた」ジー

提督「え?」

Z3「…ふん」プイ

提督(……もしかして、マックスが怒ってるのって仕事さぼってた事じゃなくて…)

提督「マックス。ちょっとこっちに来てくれないか?」

Z3「……」テクテク

提督「………ん」ホホチュ

Z3「な…!!//」

提督「演習の付添お疲れ様」ナデナデ

Z3「………」ムスー

Z3「あなた……私がそんなわかりやすい方法で機嫌が直るなんて思ってるのかしら?」プイ

提督「う……」

Z3「……」

提督「マックス」

Z3「なに」

提督「…耳まで真っ赤だぞ」

Z3「……ふん//」

提督「……で、マックス」

Z3「なにかしら」

提督「…何で俺の膝の上に?」

Z3「いや?」

提督「そんなことはまったくないけど…」

Z3「じゃあ、このままで」チョコン

提督「……」ナデナデ

Z3「ん…」

提督「…一応言っておくけど、俺にとってはマックスと不知火が一番だからな?」

Z3「…えぇ、そうね。疑ってごめんなさい」

提督「いや…疑われるようなことした俺も悪かった」

Z3「…確かにそうね。あんなこと私もされたことないのに…」ムス

提督「え?」

Z3「っ…!な、なんでもない…」プイ

提督「…そっか」ナデ

Z3「…」ツーン

提督「なぁ、マックス」

Z3「…どうしたの?」

提督「マックスは着てくれないの?」

Z3「…Dirndlのことかしら?」

提督「あの服ってそういう名前なんだ」

Z3「えぇ、ドイツの民族衣装よ。オクトーバーフェストなんかの伝統的な行事に着ていくことが多いの」

提督「へー…」

Z3「……見たいの?」

提督「うん。マックスが着た姿を見てみたい」

Z3「……コスプレ好きね。相変わらず」

提督「だ、だから違うって…レーベも似合ってたしマックスにも似合うんだろうなぁって」

Z3「…はぁ。仕方ないわね」クス

Z3「後で着てあげるわ。楽しみにしてて」

提督「ありがうマックス。大好き」ギュー

Z3「だ、だからあなたは……!//」

Z3「……もう//」ギュ

金剛「」ボケー

榛名「お姉さま…あの事件以来ずっとあの調子です」

霧島「不知火さんのトラウマの件もありますけど…寮のことで提督にも怒られましたからね」

比叡「それに結局あの計画も失敗に終わっちゃいましたし…」ハァ

霧島「それでも今日の演習で5戦すべてMVPとるのはさすがですけど…」

榛名「お、お姉さま!良ければこのあと間宮さんのところに行きませんか?」ニコ

榛名「甘味を召し上がれば少しは元気になると思います!」

金剛「……Sorry.少し一人にさせてくだサーイ…」

榛名「お姉さま…」

霧島「…それでは、先に行って待ってます」

比叡「…お待ちしてますから。お姉さま」ニコ




金剛「………はぁ~」

金剛(普段だったらテートクにご褒美貰いに行く所デスが…)

金剛「アレ以来、顔が合わせづらいデース……」シュン

金剛(それに執務室に行ったらぬ、ぬいぬいが……うぅ、思い出すだけで恐ろしいデース…)ブルッ

金剛「それにこういう時に限って調子がいいなんて…BadTimingネ…」

金剛「もしテートクにご褒美貰うとしたら……うぅん…」ムムム

金剛「……ちょっとだけでも、この手を握って欲しいデース……」

金剛「……なーんて、そんな都合のいい事言えるわけが………」


ニギ

金剛「?」

提督「ん?」

金剛「……」

提督「……?」

金剛「て、ててて…テートク!?///」

金剛「い、いつからそこに…!//」

提督「いつから?えーっと…手を握って欲しいとか何とかってところからかな?」

提督「なんか寂しそうだったからつい、な」ニコ

金剛「テートク…」

提督「演習お疲れ金剛。5連続MVPって聞いてびっくりしたぞ」

金剛「あ、いやそんなコト…//」

提督「折角がんばってくれたんだし何か奢ろうか?」

金剛「え、えと。奢るのよりも…」モジ

金剛「……もう少しだけ、握ってて欲しいデース」

提督「?? まぁ、そのくらいならお安い御用だけど…」ギュ

金剛「あ…//」

金剛「………えへへ//」ニパ

金剛「……テートクぅ!」ダキッ

提督「うわっ!?お、おい金剛!?//」

金剛「やっぱりテートクは優しくて大好きデース!」ギュー

提督「こ、こら離れろ金剛!!//」

金剛「え~…いつもぬいぬいやマックスに抱きつかれて女の子に慣れてるんじゃないんデスかー?」

提督「変な言い方やめろ!」

金剛「そ、れ、に…♪」ギュ

金剛「二人にはない感触。味わえると思うデース?」

提督「ちょ…お、押し付けるな!//」

金剛「テートクぅ…」

金剛「…時間と場所、弁えてもらえれば…ワタシはいつでもWelcomeデース…♪」

提督「お、おま…何を言って…//」

金剛「…ふふ、テートクってば顔が真っ赤デース♪」クスクス

提督「な…!お前からかって…!//」

金剛「さぁ~?ワタシは本気かもしれ―――」


ゴリッ


金剛「What?何か固い感触が…」


不知火「お疲れ様です金剛さん」

金剛「」

不知火「演習の件で労いに来ましたが、どうやらこちらの鉛玉をご所望の様ですね」

金剛「……に」

金剛「逃げるが勝ちデース!!!」ダッ


不知火「…」

不知火「司令」ジロ

提督「え?」

不知火「後ほど金剛さんに抱きつかれてだらしない顔をしていたこと、詳しく聞かせていただきますので」ゴゴゴゴ

提督「………はい」

【夜 提督の部屋】


不知火「……」ムスー

提督「…不知火、まだ怒ってる?」

不知火「いいえ別に。金剛さんが抱きついてきた件については把握しましたので」

提督「いやでも…さっきから不服そうに…」

不知火「…」ジロ

提督「なんでもないです。はい」

不知火「…」ツーン

提督(…はぁ。昼からずっとこんな調子だし…どうしよう)ウーン

提督「……あ」チラ

提督「も、もうこんな時間だ。そろそろ寝ないと…」

不知火「……」ツーン

提督「……し、不知火。そろそろ寝よう?」

不知火「……」プイ

提督「…」

提督(ここは俺が先に布団に入って誘導してみよう…)モゾモゾ

提督「…ほ、ほら。入っていいぞ?」バサ

不知火「…」チラ

提督(……だ、だめか?)

不知火「……」モゾモゾ

提督(あ。入ってくるんだ)

提督「……」

不知火「……」

提督(…いつもならこっち向いてくれてるのに体ごとそっぽ向いてる)ズーン

提督「……不知火」

不知火「…」

提督(うぅ…返事も返してくれない。これは相当怒ってる…)

提督(どうしよう…)

不知火「……」

不知火「…司令」チラ

提督「ん?なに?」

不知火「……」モジ

提督「…?」

不知火「……怒って、いませんか?」

提督「へ?」

提督「ど、どうしたんだ急に!?」

不知火「……誤解だとわかっていたにも関わらず、いつまでも不知火はへそを曲げて」

不知火「司令に…大変失礼なことを」チラ

提督「…」ポン

不知火「…司令?」

提督「気にしてないよ。むしろ俺が不知火がずっと怒ってないかと思って心配だったから」ナデナデ

不知火「ん…」

提督「…ごめんな、やっぱりあぁいうことされたら強く拒否するべきなんだろうなぁ…//」ハァ

不知火「できればそうしていただけるのは一番ですが」モゾモゾ

不知火「…誰に対しても優しいのが司令の魅力であり、皆が慕う理由です」ダキ

提督「…そ、そう?」テレ

不知火「はい。ですから今更直せなどと不知火は言いません」ギュ

提督「…ありがと」ナデナデ

不知火「……司令、お詫びをさせてください」

提督「お詫び?」

不知火「はい。先ほどまでの非礼に対してです」

提督「そんな気にしなくても…―――」

不知火「……んっ」チュ

提督「…………え//」

不知火「お、おやすみなさいっ!//」モゾモゾ

提督「いやー久しぶりの非番だ」テクテク

提督(今日、マックスはレーベと。不知火は陽炎と買い物ときた)

提督「…久しくやってなかったけど、たまにはやってみるか。釣り」

提督「…ん?」


曙「ん…?げっ」

提督「曙…人をみるなり『げっ』はないだろう…傷つくぞ」

曙「……なによ。何の用よクソ提督」ムス

提督「俺はここにこれをしに来たんだよ」スッ

曙「…なにそれ?竿?」

提督「そ。釣り。俺の趣味のひとつでな」

曙「…しみったれた趣味ね」

提督「ひどいこと言うなよ!?」




――――――――
――――
――




ポチャン

曙「…で?それ楽しいわけ?」

提督「ん?おう。こうしてぼーっと海を眺めたりするのが好きだからな」

曙「…あっそ」プイ

提督「曙はこんなところで何してたんだ?」

曙「…別に。ただこうして海眺めてだけよ。悪い?」ムス

提督「悪いなんて言ってないだろ…」

曙「…ふん」プイ

提督「…そうだ。曙もやってみないか?竿がもう一本あるんだ」

曙「……何で二本も持ってきてるのよ」

提督「え?予備に」

曙「…ふーん」

曙「……んっ!」ポイッ

ポチャン

提督「おぉ、うまいな曙。俺が初めて振った時なんてまともに飛ばなかったのに」

曙「それはクソ提督が下手くそなだけでしょ」

提督「ひどい」

曙「それより」

提督「ん?」

曙「どうなの。不知火とマックスと」

提督「上手く行ってると思うぞ。たまーに誤解があって拗ねたりさせちゃうけど」アハハ

曙「……ふーん」

提督「どうした?急に?」

曙「別に。不知火やマックス見てると上機嫌なこと多いし、演習でも張り切ってるから」

曙「ただでさえあの二人がウチで一番錬度高いんだから、クソ提督が不甲斐無いとあの二人にだって影響でるのよ」

提督「…そっか」クス

曙「…何よ。いきなり笑ったりして」ムス

提督「いや、曙は二人のことよく見ててくれてるんだなって」

曙「…別にそんなんじゃない」プイ

提督「はいはい」

曙「…ただ、ちょっと羨ましいだけ……」ボソ

提督「ん?なんて?」

曙「なんでもないわよクソ提督!」ウガー

提督「な、なんだ!?急に怒るなって!?」

曙「ふんっ!」プイ

提督「そういえば曙も最近がんばってるな」

曙「そりゃ演習に出てるんだから当り前よ」

曙(…どうせクソ提督は二人に夢中であたし達のことなんて報告書でしか確認してないでしょ)

提督「それもあるけど、最近夜中に訓練所の方でこっそり射撃訓練してるだろ」

曙「……え」

提督「本当なら申請書出してほしいんだけどねー」

曙「ちょ、ちょっと待って!!だ、誰から聞いたのよ!?」

提督「え?いや、ちょっと前に夜散歩してる時に見かけただけだぞ?」

提督「それから毎晩見に行くと曙が真剣にやってるから、邪魔するのは悪いし声はかけなかったけど…」

曙「な……な……なな…//」

提督「だけどあんまり無理はするなよ?体調崩す方がみんなに心配かけるからな」

曙「う……」

曙「うっさい!!!このクソ提督!!!///」バシバシ

提督「い、いてっ!?こ、こら叩くな!お前の方が力強いんだから!!」

曙「変態!!覗き魔!!セクハラ提督って不知火に言いつけてやる!!!」

提督「それはやめてくださいお願いします!!」


ピクッ


曙「……ん?今何か動いたような―――」

グイグイッ

曙「えっ!?ちょ、ちょっと!?」ビクッ

提督「お。曙の方に先に来たか」

曙「なに呑気なこといってるのよ!?ど、どうしたらいいのよ!?」ワタワタ

提督「まずは落ち着け曙。しっかり竿を握って…」

曙「わっ!?え、ちょ…わわ…!?」アタフタ

提督「…初めてだから仕方ないか。ほら曙」ダキ

曙「…は!?//」

曙「ちょ!!な、何してんのよクソ提督!?//」

提督「仕方ないだろ。こうして後ろからじゃないと教えられないし」

曙「だ、だからって…!//」

提督「それよりほら、しっかり竿握って。逃げられるぞ?」

曙「……う、うん」ドキドキ

曙「……釣れた」

提督「おめでとう曙。初めてで釣れて良かったな」ポンポン

曙「さ、触んなクソ提督!!//」パシッ

提督「ひどい…」シクシク

曙「…ところでこれなに?」プラーン

提督「…秋刀魚だな」

曙「……なんでこんなとこ泳いでるのよ」

提督「…知らん」

曙「……この海域の生態が心配になってきたわ」ハァ

提督「…だなぁ」

提督「…さて、と」ガチャガチャ

曙「? なにしてんのよ?」

提督「ん?何って今日はもう引き上げるよ」

曙「え?」

提督「まだ目通しておきたい書類もあるしな」

曙「…今日非番じゃなかったの?」

提督「そうだけど、今度の秋にやる予定の作戦とかも考えておかないとな」

曙「…そ」

提督「あ、そうだ曙。よかったらその釣り竿あげるよ」

曙「え?」

提督「よくここに来るんだろう?海眺めながら釣りでもすると楽しいぞ」

曙「……」

曙「……一応、もらっておく」ギュ

提督「あいよ。それじゃな」テクテク

曙「あっ…」

提督「ん?」

曙「……あ、あの…クソ、提督…」チラ

曙「…その……ぃ、いつも、あ、あぁ…ぁ…り…あ、り……が……///」

曙「~~~!!!!///」ブンブン

曙「な、なんでもないわよ!!!このクソ提督!!!///」ダッ

提督「えぇっ!?」


提督(……何で最後、理不尽に怒られたの?俺……)ズーン

【後日 早朝】


皐月「んっ……んん~…!」ノビー

皐月「ふ~、朝の分のランニング終わりっと」

皐月「さーて、後はどうしようかなー。今日は天気もいいしちょっと散歩でも…」テクテク

皐月「ん?あれって……」

皐月「おーい!曙ー!」トテテテ

曙「ん?……げっ」

皐月「……ちょっと。人を見るなり『げっ』ってひどくない?」

曙「わ、悪かったわよ」

皐月「……って、どうしたのその格好?」

曙「…見ればわかるでしょ」

皐月「いやそりゃ見ればわかるけど…曙って釣りの趣味あったの?」

曙「さ、最近始めたのよ!悪い!?」プイ

皐月「いやいいと思うけど…曙って形から入るタイプ?」

曙「な、なんでよ?」

皐月「いやだって…ねぇ?本はいいと思うけど服装までそれっぽくする必要あるかなぁ?どう見ても新品だし」

曙「うっ……うるさい!何事も心構えってのが大事でしょ!!」ウガー

皐月「はいはい、僕が悪かったって。あれ?竿は結構年季入ってる?」

曙「…ま、まぁね」

皐月「へー。じゃあ後で僕にも釣らせてよ!」

曙「だ、だめっ!この釣竿だけは駄目!!」

皐月「えー…けちー」ブーブー

曙「アンタはその辺の木の棒で釣ってなさいよ。糸くらい貸してあげるわよ」

皐月「とほほ…手厳しい」

皐月「それにしても、その竿よほど大事なものなんだね?」

曙「…ん」コク

皐月「それじゃあ今日は曙の釣りでも隣で見てるよ。それならいいでしょ?」

曙「…ま。いいわよ」

皐月「ふふー、お手並み拝見だね♪」ニコニコ

曙「だから始めたばっかりだっての!あんまり期待しないでよ!」

陽炎「あ、いたいた。曙~」トテテ

曙「…またなんか来たし」ハァ

陽炎「へ?何?」

皐月「あはは…どうしたの陽炎?こんなに朝早くなんて珍しいね」

陽炎「まぁ普段は寝てるし…ちょっと曙見に来たの」

曙「は?見に来たって…何が?」

陽炎「んー?不知火伝いで聞いたのよ。司令から釣竿もらったんでしょ?」

曙「」

陽炎「潮が最近曙が朝早くにどこかに行ってるって聞いたからピーンと来たのよ。きっと釣り行ってるんだろうなーって」

陽炎「あ、そういえば司令もまた曙と釣りしたいなーって言ってたらしいわよ?」

皐月「……へー」ニヤニヤ

陽炎「どうしたの皐月?何ニヤニヤしてるのよ?」キョトン

皐月「べっつにぃ~…ねぇ。曙ぉ~?」ニヤニヤ

曙「………………陽炎」ゴゴゴゴ

陽炎「なに?どしたの?」

曙「………アンタを魚の餌にしてやるわ!そこに直りなさいっ!!!」ジャキ

陽炎「ちょっ!?わ、私が何したって言うのよ!?じゅ、銃口こっちに向けないでってばー!!」ダッ

曙「うるさいうるさいうるさーい!!!待ちなさい陽炎ー!!///」ダッ


皐月「……はぁ~」

皐月「…今日も空が青いねぇ」

不知火「…ふぅ」

不知火「…息が白い」

不知火(最近は急に冷え込んできましたね…陽が出れば多少はマシですが…)

不知火「…ん」

不知火「司令」テクテク

提督「お、不知火」

不知火「どうしました?このようなところで海を眺めて…」

提督「んー…ぼーっとしてただけ」

不知火「…最近は冷えてきていますから。あまり長居するとお身体に障りますよ」

提督「そうだな…確かに最近はめっきり寒くなってきた」ブル

不知火「…分かっているのなら少しは防寒着を着用をしたらどうですか」ハァ

提督「うぐ…すまん」

不知火「…まだここにいらっしゃいますか?」

提督「…もう少しだけダメ?」

不知火「了解しました」

提督「え?いいの?」

不知火「ただし、不知火の条件は呑んでもらいます」ピト

提督「…へ?」

不知火「…司令が風邪を引かないよう、こうさせて頂きます」ギュ

提督「…それが条件?」

不知火「はい」

提督「…」ナデナデ

不知火「……ん」

提督「不知火、あったかい」ヌクヌク

不知火「司令は冷えすぎです。次はないですからね」

提督「…じゃあ次は不知火連れていけばいいかな?」

不知火「……まぁ、それなら構いませんが」

提督「それじゃ、今度は去年に不知火から貰ったマフラー使おうな」ニコ

不知火「あ…」

不知火「…はい」クス

工廠】

提督「ふぅ…よいしょっと。立ちっぱなしはやっぱり疲れるな…」

Z3「お疲れ様、あなた」

提督「マックスもありがとな」

Z3「気にしないで。あなた、次の予定なのだけど…」

提督「うん、それじゃ次は演習の監督だったな」

Z3「えぇ。それと、そろそろ遠征の艦隊が帰投すると思うから―――」



??「…え~いっ!」バッ

提督「うわっ!?」ビクッ

提督(な、なんだ!?急に真っ暗に!?)

??「だ~れだぁ♪」

提督「その声は……」

提督「……文月?」


文月「わぁー!せいか~い♪」ニパ

提督「帰ってきてたのか。遠征、御苦労様」ナデナデ

文月「えへへ~♪」

Z3「文月。急にやったら提督がびっくりするでしょう」

提督(…まぁ、宣言されてからやったら意味ないけど)

文月「ぅ…ごめんなさい」シュン

Z3「あ…いえ、それほど怒ってるわけじゃなくて…」アセアセ

提督「大丈夫だよ文月。俺もマックスも怒ってないから」ナデナデ

文月「…ほんとぉ?」

提督「うん」ニコ

文月「…えへへ、よかったぁ~♪」ニパー

Z3「…」ホッ

文月「あとね、遠征大成功だったの~♪」

提督「本当か。ありがとな文月、助かるよ」ナデナデ

文月「えへ~、もっと褒めて~♪」ギュー

提督「あ、こら…!」

文月「司令官あったか~い♪」ギュー


Z3「…………」ジー

【提督の部屋】


提督「ふー、今日も疲れたー」ノビー

提督(久しぶりに立ち仕事三昧だったからなぁ…)

提督「でも座りっぱなしの書類仕事よりは楽しいな。皆とも話せるし」クス

提督「…さて、と」

提督(んー…そろそろマックスがお風呂から上がってきてもいいと思うんだけど…今日は長風呂だな?)ハテ

提督「…ま、いっか。帰ってくるまでゆっくり待とうっと」

提督「…」ウトウト

提督「…はっ!?」

提督「い、いかんいかん…この程度の運動で疲労が来るなんて…鈍ってる証拠だぞ」

提督「…」コックリコックリ

提督「…や、やばぃ」ウトウト

提督(…どうしようかな。先にベッドに…でもマックスが…)


??「…」バッ

提督「わっ!?」

??「……だ、だーれ……だ」

提督「……」

??「……」

提督「…あのな。マックス」

Z3「な、なに?」

提督「お風呂上りの石鹸の匂いするし、この時間に俺の部屋にこっそり入るなんてマックス以外いないだろう?」

Z3「う……」

提督「それにさ」

提督「俺がマックスの声を間違えたりするわけないって」ニコ

Z3「……あなた」ダキ

提督「…どうした?昼間の文月が羨ましかったのか?」

Z3「…そんなところ」

提督「…それじゃ」ポン

提督「同じことしてあげないとな」ナデナデ

Z3「ん……」

提督「どう?」

Z3「…すごく、気持ちいいわ」クス

提督「よかった」クス

Z3「…ふふ♪」

提督「…なぁ、マックス」

Z3「なに?」

提督「…撫でてほしいのはいいけど、膝の上に乗る必要はあるのか?」

Z3「えぇ」

Z3「撫でてもらうだけじゃ文月と変わらないわ」

提督「…さらにプラスしてやってほしいのか」

Z3「…」コク

提督「…うれしいよ、マックス」

Z3「え?」

提督「普段からマックスも不知火も遠慮しがちなところあるからさ」

提督「俺の前だけでも、そうして素直になってくれるのは凄い嬉しいよ」

Z3「…そう?」

提督「うん」

Z3「でも…その、私からしたら我儘というか…嫉妬というか…」モジ

提督「いいじゃないか?マックスの我儘だったらいくらでも聞くぞ?」ニコ

Z3「…本当?」

提督「もちろん」

Z3「……」モジ

Z3「…その、あなた」クイ

提督「ん?」

Z3「…手、握ってくれるかしら」スッ

提督「はい」ギュ

Z3「それで…その……えぇと」ソワソワ

提督「……ん」チュ

Z3「!!//」

提督「…これでいい?」

Z3「…//」コク

Z3「…なんでもお見通しね。まったくもう…//」カァ

提督「さ、そろそろ寝ようかマックス」ナデ

Z3「そうね。ありがとう、あなた」ニコ

提督「あ、それじゃあ…」

Z3「?」

提督「…今日は手繋いだまま寝ようか」ギュ

Z3「…!」

Z3「…えぇ。そうしましょう…♪」ギュ

【執務室】


提督「ん……よし、こんなもんかな」フゥ

提督「どれ…ちょっと一息入れるかー…」グー

提督「……ちょっと小腹が空いてきたな」

提督(だけどあと1時間もすれば夕食の時間だし…うぅん)

コンコン

提督「? はーい、どうぞ」

鳳翔「失礼します。提督」カチャ

提督「鳳翔さん。今日は訓練の監督ありがとうございます」

鳳翔「いえ、それに皆ちゃんと言うことを聞いてくれるいい子ばかりですから大したことはしてませんよ」ニコ

提督「わざわざご報告ありがとうございました」

鳳翔「はい。それとこちらを…」スッ

提督「?」

鳳翔「駆逐艦の子たちから頂いたんです。よろしければ提督もどうかと思いまして」ニコ

提督「これは…○ッキーですか」

鳳翔「はい。どうやら今日はそういう日だそうです♪」

提督(そういえば去年もそうだったな……)ハッ

提督「ほ、鳳翔さん!?」

鳳翔「はい?」

提督「ま、まさか…その、ポッ○ーゲームを要求したりするんじゃ…」ダラダラ

鳳翔「え?」

提督(って!?何言ってんの俺?!これじゃ自分からやってほしいとか言ってるようなもんじゃ…)

鳳翔「……あの」

提督「す、すいません鳳翔さん!い、今のは…」アセアセ

鳳翔「…申し訳ありません。その、ポ○キー…ゲーム?とはなんでしょうか…?」キョトン

提督「……え?」

鳳翔「え?」

提督「……す、すみません。忘れてください…//」

鳳翔「は、はい…?」

提督「…貰ったのはいいけど、どうしようかな」

提督「…一本だけ」ガサガサ

不知火「失礼します。不知火、戻りました」ガチャ

提督「ん、おかえり不知火」

不知火「司令?その手に持っているのは…」

提督「ん?あぁ、さっき鳳翔さんが貰ってきたのを分けてもらったんだ」

不知火「そうですか。確かに今日はそういう日だと伺っています」

不知火「ですが司令、夕食前に間食はいかがなものかと…」ジトー

提督「い、いや。一本だけのつもりだったから…」アセアセ

不知火「……それならいいのですが」

提督「……あ」

不知火「どうしました司令?」

提督「よし。不知火も食べよう」

不知火「はい?それは構いませんが…」

提督「はい」パク

不知火「…え? あの、司令?」

提督「…」ジー

不知火「あ、あの…まさか、反対側から食べろ…と?」

提督「ん」コク

不知火「な…!そ、それは…!//」

提督「……」ジー

不知火「う……」

不知火「……!!//」パク

提督「ん」サクサク

不知火「っ…!//」サク

不知火(ど、どうしてこんなことに……!//)

提督「…」サクサク

不知火「……//」サクサク

不知火「し、司令…あの、このままでは…その…//」

提督「…」ガシ

不知火「!? し、司令!?//」

提督「……ん」チュ

不知火「んっ…!んん…!//」チュー


提督「……ふぅ」プハ

不知火「……司令、いきなりはやめてください……//」カァ

提督「嫌だった?」

不知火「そういうわけではなくて…驚きますから…//」ハァ

提督「そっか…」ソッ

不知火「……あ、あの、司令?ど、どうしてまた不知火の頬に手を…//」

提督「いきなりじゃないならいい?」

不知火「え」

提督「不知火、もう一回…」スッ

不知火「……は、はい…//」

提督「…」クイ

不知火「……//」ドキドキ




大淀「…………提督」

不知火「っ!?!?!?///」ビクッ

提督「」ビクッ

大淀「……去年も言いましたよね?そして今回は不知火さんですか…」ハァ

提督「……ごめんなさい//」

不知火「申し訳ありません…//」

【後日】


鳳翔(…そういえば)

鳳翔(あの時提督が仰っていたポッ○ーゲームとは何だったのでしょうか…?)

鳳翔「…うーん」

鳳翔「……」ゴソゴソ

鳳翔(確か龍驤さんがこのあたりに女性誌を仕舞っていたはず……あった)

鳳翔「…載っているか分かりませんが少し読んでみましょうか」パラパラ

鳳翔「そもそもこういった雑誌に載っていることなのでしょうか…?」

鳳翔「……」パラパラ



――――――――――――
――――――――
――――



龍驤「たっだいまー!」ガチャ

龍驤「鳳翔さ~ん、今日のお昼何にするー?」

龍驤「……」

龍驤「…あれ?鳳翔さんおらんの?」キョロキョロ


鳳翔「……」

龍驤(…? ウチに気付いてない…わけやないよな?)

龍驤「…どないしたん鳳翔さん?」

鳳翔「……龍譲さん」

龍驤「う、うん?」

鳳翔「……最近は過激な遊びが流行っているんですね………///」カァ

龍驤「はい??」キョトン

鳳翔「提督は私にあのようなことを期待して……い、いえでも何かの間違いでは…///」ブツブツ

龍驤(……なんかあったんかな?)ハテ

【執務室】


提督「よし」

Z3「?」

提督「今日の分の仕事は終わった」トントン

Z3「早いわね。まだ夕方にもなってないのに…」

提督「いつもマックスと不知火にお世話になってるからな。俺も勝手に仕事が早くなってきたよ」

Z3「それだとなんだか私たちが急かしているように聞こえるけれど」ムス

提督「ちょ…そ、そういう意味じゃ」アセアセ

Z3「冗談よ。あなたがいつも私達以上に頑張ってるのは分かっているから」クス

提督「脅かさないでくれ…」ハァ

不知火「失礼します。不知火、戻りました」

提督「お?おかえり不知火。早かったな」

不知火「はい、予定より早く終わりました」

提督「そっか。お疲れ様」

不知火「ですので司令。不知火も書類の方をお手伝いしますが…」

Z3「いいえ不知火。それには及ばないわ」

不知火「?」

提督「実は今日の分は全部終わっちゃったんだ」

不知火「…なるほど。そうでしたか」

不知火「それならば本日は不知火たちはどうすればいいでしょうか?」ジー

Z3「そうね。どうするの?あなた」ジー

提督「……うーん」

提督「よし、それじゃたまには息抜きもいいだろうし、これでも一緒に観よう」パカ

Z3「…映画?」

提督「うん。買ったのはいいけどまだ見てなかったから」

不知火「不知火は構いません。ではお茶でも淹れてきます」

提督「ありがと。頼むよ」ニコ

Z3「それで、どんな映画なの?」

提督「ん?ホラー映画だな」

Z3「……ふぅん」

提督「マックスは映画とかは観る方か?」

Z3「…一応」プイ

提督「? どうかしたのか?」

Z3「いいえ、別に」

提督「?」

不知火「司令、マックス。お待たせしました」コト

提督「ありがとう不知火。ところで不知火は映画を見たことは?」

不知火「いえ、恐れながら観たことはありません」

不知火「ですので少々楽しみではあります」

提督「そっか、それは良かった」

不知火「ちなみにどのような映画なのですか?」

提督「ホラー系の映画だ」

不知火「ホラー…ですか。ジャンルとしては知っていますが、どの程度の恐怖度なのかは興味があります」

提督「よし、じゃあ早速準備するか」イソイソ

Z3「…あなたはホラー系の映画、好きなの?」

提督「うん?まぁそうだな。嫌いじゃないけどすごい好きってわけでもないかな」

Z3「……そう」

TV『ギャー!』

提督「……」

不知火「……」

Z3「……」

提督(人気作って言われるだけある…のかな?確かにびっくりするところは多いし)


チョン


提督「ん?」

Z3「あ…ごめんなさい、あなた」

提督「? 別に手が触れたくらいだろう?」

Z3「……そう、ね」

提督「…?」

提督「…」チラ

不知火「……」ジー

提督(不知火はさっきから随分真剣に見てるな…楽しんでくれてるのかな?)


TV『アアアアァァァァッァァァ』

提督「」ビクッ

提督(いきなりでかい音出さないでくれよなぁ…びっくりするから)

不知火「……」

提督(…というか不知火今のにも動じないのか…凄いな)

Z3「…」ソワソワ

提督「ん、どうしたマックス?」

Z3「え?い、いえ。別に…なんでもないわ」プイ

提督「そう…?」

提督(なんだかさっきからマックスの様子が変だな…体調でも悪いのかな…?)ウーン



TV『THE END』


提督「ん、終わったか。そこそこ面白かったな」ニコ

Z3「え、えぇ……そう、ね」

提督「不知火はどうだった?」

不知火「……」ジー

提督「…? 不知火?しらぬーい?」

不知火「」ハッ

不知火「な、なんでしょうか司令?」

提督「? 映画はどうだった?」

不知火「は、はい。とても有意義なものでした」

提督「そっか。よかった」ニコ

提督(……不知火もなんかおかしいな…どうしたんだろ。二人とも…?)ハテ

【提督の部屋】


提督「ふ~…今日もう疲れた…っと」コキコキ

提督(んー…こういう時にマックスや不知火にマッサージしてもらうと嬉しいんだけど…)

提督「…今日は二人とも部屋に来る日じゃないし、仕方ないか」

提督「……ふわ」

提督「うーん…今日はなんだか凄い眠いな…疲れがたまってるのかな…」ウトウト

提督「うん、風呂入ってさっさと寝よう…きっと今日はそういう日なんだ」テクテク




―――――――――――
――――――
―――



提督「…zZZ」スヤスヤ


カチャカチャ

...カチャリ


??「……」ソロー

??「……どうですか?」ヒソヒソ

??「…眠っているわ。呑気に…」ヒソ

??「人の気も知らないで…」ムス

??「…いいわ、好都合よ。作戦を実行に移しましょう」

??「了解。ただ…」

??「なに?」

??「…ちょっと狭いかもしれませんね」

??「大丈夫よ。どうにかなるわ…たぶん」

??「…それもそうですね。やってみてから考えましょう」

提督(…ん)ブル

提督(寒いなぁ…最近急に冷え込んできたし…)モゾモゾ

モゾモゾ

提督(ん…?)

ピト

提督(……なんだろう。何だか温かい…)ヌクヌク

モゾモゾ

??「も、もう少し詰められませんか…?」モゾモゾ

??「す、少し厳しいわ…私も少し布団からはみ出そうで…」モゾモゾ

??「やはり無理が…」

??「諦めてはいけないわ…必ず何か方法が…」

提督(……なんだ?両隣に誰かいる…?)


提督「………んん?」パチ

??「「…あ」」

提督「……え?」

??「「……」」

提督「…」

提督「……し、不知火?」

不知火「…はい」

提督「…マックス?」

Z3「う……」

提督「……あの、何してるんだ二人とも?」

不知火「…そ、それは…その」

Z3「…えぇと」

提督「陽炎とレーベは…あ、そっか。今日は二人とも遠征でいないのか」

提督「んん…?なら別に二人とも各自の部屋で寝てれば…」

不知火「そ、そう…なのですが…」モゾ

Z3「これには…その、訳があって…」モゾ

提督(そういえば二人とも昼からずっと様子がおかしかったよな…確か映画を見てから…)

提督「…!」ハッ

提督「…不知火、マックス。もしかして……映画、怖かった…とか?」

不知火・Z3「」ギクッ

提督「まさか…一人で眠れないとか……?」

不知火・Z3「…」ツネリ

提督「いででででっ!?」

不知火「そ、それ以上は言わなくていいです…!」キッ

Z3「そ、そうよあなた…!デリカシーが足りないわよ…!」ムス

提督「ごめんなさい…」シクシク

提督「…それで、もしかしてさっきのは図星だったのか…?」

不知火「…」コク

提督「昼に二人とも様子が変だったのはそういうことだったのか…」

Z3「…何度もあなたにそれらしい態度は見せていたのだけれど…」ムス

提督(わ、分かりづらかった…とは言いづらい)

提督「あれ?でも不知火はずいぶん真剣に見てた気が…」

不知火「……その」

提督「?」

不知火「…半分意識が飛んでいました」

提督「えっ」

不知火「まさかホラー映画というものがあそこまで心臓に悪いものだとは思いませんでした……」

提督(なるほど…だから最後に声をかけても返事がなかったのか…)

提督「で、でもそれならそうと言ってくれれば…」

Z3「い、言えるわけないでしょう!ホラー映画が怖くて眠れないから一緒に寝てほしいだなんて…!」

提督「いや、でも今言ったし…」

Z3「~~~!!!」グイー

提督「いだだだだ!!ま、マックス痛い痛い!!」

Z3「…ふん、意地悪を言うからよ……」プイ

提督「冗談だって…」トホホ

不知火「申し訳ありません司令…。ですが、本日だけでもいいので…」ギュ

提督「いいよ」ニコ

不知火「司令…」ギュ

提督「ごめんな、気が利かなくて。マックスも悪かった」

Z3「……」ギュ

Z3「…いいわ。こうしてくれるのを許してくれるなら…」

提督「今考えればこうして3人で一緒に寝るのは初めてか」

不知火「そうですね。今までなかったのが不思議なくらいです」

Z3「本当ね…もうケッコンして大分経つのに…」

提督「…今度からこういう機会も設けようか」

不知火「不知火は賛成です…」ギュ

Z3「えぇ、私も3人で一緒に過ごす時間が欲しいわ…」ギュ

提督「…ん、わかった」

Z3「それよりもあなた…もう少し詰めれないかしら?」

不知火「不知火もお願いします…少し布団から出てしまって若干肌寒いです」

提督「そ、そうは言われてもな…俺が真ん中なわけだし…」

Z3「……し、仕方ないわね。それなら…不知火」チラ

不知火「…ッ!そ、そう…ですね」

提督「え?」

Z3「…私たちがもっと密着するわ」グイ

提督「んな…!//」

Z3「ん…しょ…//」グイグイ

不知火「……ぅ、ん//」グイグイ

提督(ちょ…りょ、両腕に柔らかい感触が…!//)ドキドキ

Z3「ひゃっ!?//」ビクッ

提督「な、なに!?」

Z3「あ、あなた!手!手を動かさないで…!その、ふ…ふとももがくすぐったいから…!//」

提督「す、すまん!//」

Z3「も、もう…//」

Z3「…こうすれば大丈夫ね」ニギ

提督「ん…もしかして、手握って寝るの気に入ったか?」

Z3「…えぇ」ギュ

不知火「……」ニギ

提督「ん?」

不知火「……司令とマックスはそんなことをしていたんですか?」ジトー

提督「いや、こうして寝るようになったはつい最近で…」

不知火「…不知火にもしてください」ニギニギ

提督「はいはい」ギュ

不知火「…♪」ギュ

提督「二人とも布団からはみ出してないか?」

不知火「はい、不知火は問題ありません」

Z3「えぇ、私も大丈夫よ」

提督「そっか。それじゃちょっと窮屈だけど…今日はこれで寝るとするか」

不知火「…頭をなでてもらえないのが少し物足りないですが…仕方ありませんね」

Z3「…あなた?不知火と寝てる時いつもそんなことしてるの?」ジトー

提督「…こ、こほん。もうキリがなくなるから続きはまた今度、な?」ダラダラ

Z3「…そうね。私ももう眠くなってきたわ…」ウト

不知火「…そうですね、不知火も今日はすぐ眠れそうです…」ウト

提督「うん、おやすみ二人とも」ニコ

提督(…今度もう少し大きい布団買っておこうかな……)

【執務室】


提督「……はぁ」

Z3「あなた」

提督「…すまん」

Z3「これでもう23回目よ」

提督「だって…」

Z3「だっても何もないわ。もう過ぎたことを悔やんでも仕方ないわ」

提督「…そうなんだけどさ」

Z3「仕方ないわ。私もあの作戦には完全に騙されたわ」

提督「大本営が中規模っていうから完全に油断してたよ…」

Z3「確かに、攻略自体はさほどではなかったわね」

提督「…E4でかなり足止めされたけどな」

Z3「…そうね。私と不知火も一体何度出撃したのかしら…」

提督「……はぁ」

Z3「あなた」

提督「…ごめん」

Z3「気持ちは分かるけれど落ち着きましょう。幸い資材はそれほど消費してないからすぐ元に戻るわ」

提督「…高速修復材がなぁ。今回の作戦通していくつ使った?」

Z3「797個。一応ちょうど600個は残っているけれど」

提督「うぅ……聞くんじゃなかった」ズーン

Z3「今は遠征で皆頑張ってくれているわ。私たちも任務を済ませて修復材を支給してもらいましょう」

提督「…うん」

Z3「…もう。あなた、少しは元気を出して。一番上に立つ人がそんな調子じゃ艦隊の皆も心配するわ」

Z3「少し外に出てみましょう?そうすれば気分も……」


コンコン


Z3「あ。はい、空いてるわ。入って」

Z3「ほら、あなた。しゃんとして」

提督「…はい」

Graf「失礼する」ガチャ

Z3「あら、グラーフ」

Graf「久しぶりだなマックス。忙しいところすまない、改めてAdmiralに挨拶に来た」

Graf「…む?Admiralはお疲れのところだったか?それなら申し訳ない、それならまた後で…」

Z3「いえ、大丈夫よ。気にしないで」

Z3「ほら、あなた」トントン

提督「ん…。すまないなグラーフ、わざわざ来てもらって」

Graf「いや、こちらこそ急に押しかけてすまない」

提督「それでどうかしたのか?」

Graf「先ほど言った通り、改めて挨拶をしにきた」

Graf「その…なんだ。今回の作戦、私のせいで余計な時間や労力をかけさせてしまったと耳にしてな…」

Graf「その謝罪もだ、本当にすまなかった」ペコリ

提督「ちょ、ちょっと待てグラーフ!別に謝られるようなことは何もないぞ!」

Graf「しかし…作戦遂行の阻害をしてしまったのは事実だ。だから謝りに来た」

Graf「それともうひとつ聞かせて欲しいことがあった」

提督「?」

Graf「なぜ、そこまでして私を探してくれた?」

提督「なぜって…」

Graf「無理に今作戦で邂逅せずとも、次回の機会でもよかったはずだ」

Graf「その理由を聞きたい」ジー

提督「理由って言われてもな…」ポリポリ

提督「はるばるドイツから来てもらったっていうのに会うのはまた別の機会っていうのは忍びなかったし…」

提督「それに、ドイツ艦の皆から頼まれたんだ」

Graf「え?」

提督「特に会いたがってたのは―――」チラ

Z3「あなた」ジロ

提督「…こ、こほん。まぁそれは置いといて」

Graf「そうか…そうだったか」

提督「だから気にしないでくれ、それに…」ニギ

Graf「え?あ、Admiral…?」

提督「…本当、こうして目の前にいてくれるだけで凄い嬉しいから…」ジーン

Graf「…そう、か。Admiralも私の着任を待ち望んでいてくれたのだな」

Graf「任せてくれ。このGraf Zeppelin、必ずAdmiralの期待に応える」ニコ

Graf「ただ、後もう一つだけ聞かせてくれ」

提督「ん?」

Graf「…先ほどからマックスが物凄い形相でこちらを睨んでいるんだが………」

Z3「…………」ゴゴゴゴゴ

提督「……」ダラダラ

提督「あ…す、すまんグラーフ。つい嬉しくて手握ったりして…!」パッ

Graf「ん?いや、気にしていないぞ」

Z3「…」プイ

Graf(…? マックスの機嫌は悪いが睨まれなくなった…なんだったんだ?)キョトン

Graf「…と、すまないAdmiral。これから空母の者たちに呼ばれているのだった」

提督「そ、そうだったか。それじゃあみんなと仲良くやってくれ」

Graf「あぁ。ここの者たちは皆、親切で頼りになる」

Graf「それとAdmiral、来週から秘書艦としてよろしく頼む」

提督「あ、あぁ。こっちこそよろしく頼む」ニコ

Graf「もちろんだ。任せてくれ」

Graf「では、失礼する」パタン



提督「……ふぅ」

提督「……」チラ

Z3「…」ツーン

提督「ま、マックス。その…今のはグラーフが来てくれたのを再認識して嬉しくてだな…」アセアセ

Z3「……で?」

提督「う…」ビク

Z3「わざわざ手を握る必要があったのかしら?」ムスー

提督「…」ダラダラ

Z3「…そうよね。グラーフはとても美人だから、着任を待っていたのも頷けるわね」ツーン

提督「ま、マックス~…」

Z3「…それに、来週も秘書艦も担当ね」

提督「そ、それはいつも通り着任したばかりの人には順番で…」

Z3「……」ムスー

提督「…」ナデナデ

Z3「……なに?」ジト

提督「…マックスも凄い美人だよ」ナデナデ

Z3「ッ!また口ばっかり…//」プイ

Z3「…それに、グラーフが美人なのは否定しないのね」ツーン

提督「絶対に浮気なんてしたりしないって。少しは信用してほしいなぁ…」ダキ

Z3「……またしばらくあなたの傍にいられないのよ。もう少し安心させて欲しいわ」

提督「……キスでいい?」

Z3「…」フルフル

提督「え」

Z3「…ディープ」ジー

提督「……ふ、普通のキス」

Z3「……」プク

提督「………い、一回だけ…な?」

Z3「…えぇ♪」ニコ

【執務室】


Graf「Guten Morgen.本日から私が秘書艦を担当する。よろしく頼む、Admiral」

提督「おはようグラーフ。こんなに朝早くなくてもよかったのに」

Graf「何を言っている。Admiralが仕事をしているというのに、秘書艦である私がまだ寝ているわけにはいかないだろう」

提督(…加古や初雪に聞かせてやりたい台詞だ)

Graf「それでAdmiral、私は何をすればいい?」

提督「ん…それじゃあこっちの書類の整理頼んでいいか?」カサ

Graf「了解だ」

提督(…なんだろ、グラーフがいると不思議と落ち着くな)チラ

Graf「……」テキパキ

提督(……この感覚、そうだ。初めてマックスを秘書艦にした時に似てる)

提督(…マックスが会いたがってたのもなんだか分かる気がする)ジー

Graf「Admiral」

提督「へ?」

Graf「なんだ?私の顔に何か付いているか?」

提督「あっ…い、いや!なんでもないぞ!」ワタワタ

Graf「? そうか。それとこの書類の整理が終わったぞ」

提督「…え?もう?」

Graf「この程度ならすぐに終わる。一応確認は頼む」

提督「あ、あぁ…」カサ

提督「……うん。問題ない」

Graf「ほかに何も仕事はないのか?」

提督「あ。じゃあこっちの書類も頼めるか?」

Graf「問題ない。任せてくれ」カサ

提督(……ものすごい優秀だ。ビスマルクとは……いや、いくらなんでも失礼だからやめておこう)

【夕方 執務室】


提督「…と、もうこんな時間か」

Graf「そうだな。そろそろ切り上げても―――」

コンコン

Graf「む?」

提督「ん、どうぞー」

U-511「…失礼、します」ヒョコ

Graf「ユーか。久しぶりだな」

U-511「あ…グラーフ。久し振り…」ニコ

U-511「Ad……提督、今日の分のオリョール周回終わったよ」

提督「そっか。ありがとなユー。それとごめんな、またオリョールばっかりで…」ハァ

U-511「うぅん…。潜水艦の皆と一緒に出撃できるの、楽しいから…」ニコ

提督(ユーは本当にいい子だなぁ…)ホワホワ

U-511「えっと……それでね、あの…提督…」ソワソワ

提督「ん?」

U-511「今日…でっちとイムヤとね、誰が一番MVP取れるか競争してたの…」

U-511「それで……その、ユーが1番だったの…」

提督「おぉ、凄いじゃないか」

U-511「えと……だからね…あの……」モジモジ

U-511「…ユー、ご褒美…欲しいなって…」チラ

提督「ご褒美?」

U-511「うん…だめ?」

Graf「……ユー、Admiralにそんなことを…」

U-511「ぅ…」シュン

提督「まぁまぁグラーフ、ユーたちにはいつも頑張ってもらってるんだから、そのくらいいいじゃないか」

Graf「…Admiralがそう言うなら。私がとやかく言うことではなかったな、すまない」

提督「それでユー?ご褒美は何がいいんだ?間宮さんのとこか?」

U-511「ぁ…えっと…その…」チラ

U-511「……あたま」

提督「頭?」

U-511「撫ででほしいなって……//」カァ

提督「……そんなのでいいのか?それならお安い御用だけど…ほら、こっちおいで」チョイチョイ

U-511「! うん…」トコトコ


提督「ありがとな、ユー。明日からもよろしく頼むな」ナデナデ

U-511「えへ……うん…♪」

U-511「…提督、その…もうちょっとだけ…」チラ

提督「ん?うん、ユーが満足するまでいくらでもいいぞ」ナデナデ

U-511「……Danke…//」ニコ

Graf「……」ジー

【また別の日】


Prinz「提督さーん!演習終わりましたー!」トテテ

提督「お疲れ様プリンツ。急に入ってもらっちゃってごめんな」

Prinz「いえいえ!久しぶりの演習でとっても楽しかったです!」ニパー

提督「お詫びと言っちゃなんだけどこれで間宮さんのところで食べてくれ」スッ

Prinz「わぁ!ありがとうございます!」

Prinz「あ!でも提督さん!」

提督「ん?」

Prinz「私今日演習のMVPも結構とったんですよ!」フンス

提督「おう、もちろん見てたぞ」ニコ

Prinz「ですから…」ジー

提督「?」

Prinz「……ぶー」ムスー

提督「え?」

Prinz「ユーちゃんにはしてくれて私にはしてくれないんですか?」ジー

提督「…あぁ。そういうことか」ポン

提督「お疲れ様プリンツ、いつも助かってるよ」ナデナデ

Prinz「えへへ~♪」ニヘラ

Graf「…………」

【さらに別の日】


提督「……んー」サラサラ

Graf「……」テキパキ

Graf「…」チラ

提督「…よし、こんなもんか」

Graf「Admiral」

提督「うん?どうしたグラーフ?」

Graf「少し聞きたいことがあるのだが…」

提督「聞きたいこと?」

Graf「あぁ。ユーとプリンツでのことなんだが……」


Bismarck「提督!!」バンッ

提督「おわっ!?」ビクッ

Graf「……ビスマルク、せめてノックくらいしてくれ。あと扉は乱暴に開けるな」

Bismarck「ごめんなさい、グラーフ。つい力が入ってしまったわ」

提督「…で、どうしたビスマルク」

Bismarck「今日の出撃の報告よ。あと、勲章の方も預かってきたわ」スッ

提督「お、ありがとう。順調に攻略してくれたようでなによりだ」

Bismarck「ところで提督」

提督「ん?」

Bismarck「私は今日の出撃で全てMVPを取ってきたわ!」フンス

提督「す、凄いな……加賀と赤城も一緒にいたのによくやるな…」

Bismarck「というわけで提督!!」

Bismarck「頑張った分のご褒美を要求するわ!」バーン

提督「…お前もか」

Graf「……」

Bismarck「そうね…プリンツと同じで頭を撫でてもらうことかしら」

提督「まぁそのくらいなら…」

Bismarck「そのあとは膝枕ね。あとそれから次の休日には一緒に出かけてもらって……」

提督「出てけ」

【食堂】


Graf「……むぅ」

Graf(結局Admiralに聞けず終いだった…しかし、ビスマルクもとなると…)ウーン

Z3「あら、グラーフ」

Graf「ん…マックス」

Z3「ここいいかしら?」

Graf「もちろんだ。レーベは…遠征中だったな」

Z3「えぇ、私も少し時間が外れてしまったから一人で食べることになると思っていたのだけれど…」

Graf「…ふむ。マックス、ひとつ聞きたいことがあるのだがいいか?」

Z3「? もちろん構わないわ」

Graf「では……その、だな」コホン

Graf「……なぜ我々ドイツ艦の仲間はAdmiralに頭を撫でられたがるのだ?」

Z3「…は?」

Graf「ユーをはじめ、プリンツやビスマルクまでもがAdmiralに自分から頼んでいた」

Graf「…私にはそういう感覚がよく分からないのだが」ウーン

Z3(……あの子たち、後でお説教ね)イラッ

Graf「ん、どうしたマックス?」

Z3「え?」

Graf「…少し怖い顔をしていたぞ。以前私を睨んでいたのような顔だったが…」

Z3「あ…ご、ごめんなさい」

Graf「いや、謝ることはない。ただマックスがそれほど感情を露わにするのは珍しいな」

Z3「…そういえばグラーフには言ってなかったわね」

Graf「? 何をだ?」

Z3「……その、これ」スッ

Graf「指輪か。シンプルなデザインだが……ん?」

Graf「マックス。左の薬指は既婚者がパートナーとの愛と絆の証だろう?軽々しくつける箇所では…」

Z3「……//」

Graf「………ん?」ピク

Graf「…まさか、マックス…Admiralと……」

Z3「……えぇ、そうなの…♪」

Graf「……これは驚いたな。まさかあのマックスが…」

Z3「…どういう意味かしら」ムス

Graf「と…すまない。しかしマックス、嫉妬とはまた可愛らしいところがあるな」

Z3「……別にそんなんじゃないわ」プイ

Graf「それはないだろう。Admiralが私の手を握っただけであんな顔をしておいて嫉妬していないと言えるのか?」クス

Z3「…ふん」ツーン

Graf「さて、これでひとつの疑問は解消されたわけだが…」

Z3「と…そうだったわね。最初の質問に答えていなかったわね」

Graf「……ん?いや、待ってくれ。そうなるとマックスも…」

Z3「えぇそうね。私はほぼ毎日といってもいいほどしてもらっているわ」

Graf「……そ、そうか」

Z3「で、皆が撫でられたがっている理由だけれど…」

Graf「あぁ」

Z3「……正直、説明となると難しいわね」

Graf「何?」

Z3「『嬉しい』という感情は間違いなく皆あると思うわ」

Z3「だけど、そうしてもらえて嬉しいと思う感覚は人それぞれだと思うの」

Graf「…というと?」

Z3「私の場合、その………ぁ、愛してもらっているのが分かるわ…//」カァ

Graf「ふむ」

Z3「…その他の人の場合だと、私以外にも提督に好意を寄せている人がいるわ」

Graf「な、なに…?既婚だというのにか?」

Z3「……そうね。悩みの種のひとつでもあるけれど」ハァ

Z3「もちろん、全員が提督に好意を寄せているわけではないけれど…提督を信頼していない人は誰もいないわ」

Z3「そんな人に、自分の成果を褒めてもらえれば誰でも喜ぶと思うわ」

Z3「皆が皆、提督と会話できる機会が多くあるわけではないから」

Graf「…なるほど。女性の髪は気軽に触らせていいわけではないが…それに値する人物だからか」

Z3「…まぁ、撫でてもらいたいけれど、恥ずかしくて言えない人もいると思うけれど」

Graf「…しかし、成果に対する労いは言葉だけで十分だと思うのは私がAdmiralを信頼していないからか…?」ウーン

Z3「そうね…。そこは人によるとは思うけれど」

Z3「きっと、グラーフもそうしてもらえば分かるかもしれないわね」クス

Graf「…かもな。だが、マックスからまた嫉妬を買うのはごめんだ」フッ

【後日】


Graf「…演習?私がか?」

提督「あぁ。配属してもらってすぐ秘書艦の仕事ばっかりだっただろう?」

提督「訓練はしてるけれどそろそろ演習もしたいんじゃないかと思ってな」

Graf「ふむ…非常にありがたい申し出だ」

提督「それじゃあ…」

Graf「あぁ、是非とも参加させてもらいたい」

提督「分かった。それじゃあこっちの仕事は任せて準備してきてくれ」

Graf「午後からの演習だろう?それまでは…」

提督「大丈夫だ。その分演習が終わったら手伝ってもらうからな」ニコ

Graf「…ん、了解した。それではお言葉に甘えて心構えをしてくる」パタン



提督「……うーん」

Z3「あなた」ヒョコ

提督「うわっ!?」ビクッ

提督「い、いたのかマックス…驚かせないでくれ」

Z3「ごめんなさい、わざとよ」クス

提督「…それで、どうしたんだ?」

Z3「偶然通りかかったらグラーフを演習に出す話が聞こえたの」

提督「そうだったか」

Z3「……」

提督「…何か不安なことがあるのか?」

Z3「…そうね」

Z3「私とレーベの初演習のとき、艦隊の人たちとの動きや連携がうまく出来なかったの」

Z3「訓練や座学ではもちろん復習した上で臨んだけれど…」

提督「…グラーフにもそれがありうると?」

Z3「えぇ」

Z3「特に他の空母との艦載機の連携が重要になるわ。もし噛み合わなかったら…」

提督「…なるほど」

Z3「上手くいったのはビスマルクやプリンツね。あの二人はどちらかというと直感的に合わせてるというか自由というか…」

Z3「ユーも最初は他の潜水艦に引っ張ってもらっていて、その後ろにくっついて援護している形だったわね」

提督「…むぅ」

Z3「…杞憂かもしれないわ。ごめんなさい、余計なことを言って」

提督「いや、ありがとう。グラーフの心配してるあたり、相変わらずマックスは優しいな」ナデナデ

Z3「……そんなんじゃないわ」プイ

提督「はいはい、そういうことにしておくから」クス

Z3「…もう」

【演習場】


提督(……マックスはあぁ言ってたけど)

提督「……」ヒョコ

提督(…ん、もう終わってたか?)

Graf「………」

提督(……グラーフ、一人?)



翔鶴「…提督」チョンチョン

提督「ん?翔鶴か。演習はもう終わったのか?」

翔鶴「…はい。こちらが本日の演習結果の報告書になります」

提督「……すべて敗北?」

翔鶴「…はい」

提督「あくまで演習だから別に構わないが…何があった?」

翔鶴「……」

提督「…もしかして、連携が上手くいかなかったとか?」

翔鶴「…さすが提督。仰る通りです」

提督(まさかマックスの心配が現実になるとは…)

翔鶴「その…私の艦載機との連携がうまくいかなかったり、索敵段階で落とされることが多く…後半の演習では…」

提督「…独断専行か」

翔鶴「……はい」

翔鶴「演習終了後にはビスマルクさんと揉めてしまって…」

提督(…今思うとビスマルクは凄いんだな。最初からうちの艦隊に合わせて動いて勝手に行動しないとは…)

提督「それで、今に至ると」

翔鶴「はい…申し訳ありません」

提督「翔鶴が謝る必要はないだろう?」

翔鶴「いえ…私がグラーフさんに合わせれば…」

提督「ダメ」

翔鶴「え?」

提督「それじゃあグラーフのためにならないだろう?この艦隊に溶け込めなくなる」

翔鶴「提督…」

提督「翔鶴がグラーフを心配する気持ちは分かるよ。あとは任せてくれ」ポンポン

翔鶴「…はい!よろしくお願いします、提督」ニコ

提督「グラーフ」

Graf「ッ!?…Admiralか」

提督「初演習、お疲れ様」

Graf「……」

提督「……」

Graf「…何も言わないのか?」

提督「何を?」

Graf「…もう誰かから聞いたのだろう?今日の結果を…」

提督「うん」

Graf「…なぜ何も言わない」

提督「グラーフのことだ、自分で反省すべきことが分かってるだろう?」

Graf「……ビスマルクにもどやされたよ。普段の行いを見ていると日本に馴染み過ぎていて、堕落してしまったと思っていたが…」

Graf「彼女の方がよほど立派だった。公私を弁えている」

Graf「……所属する艦隊が変われば自分の動きもそれに合わせる、当然のことだ」

Graf「…私には、それすらできず…あまつさえ、勝手な行動をして皆に迷惑をかけた…!」

Graf「私は艦娘失か―――」

提督「はい、それまで」ペチ

Graf「っ…!!な……何をする!?」

提督「グラーフは自分の間違いを分かってる。それでもう充分じゃないか」

Graf「……だが、今回の件で皆の信頼を裏切ったことに変わりはない…」

提督「だれでも失敗はする、というか失敗しない奴なんていない」

提督「過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい、それが大人の特権だ」

Graf「……Admiral」

提督「だから気にするな、次の演習に期待してるからな」ナデナデ

Graf「あ…」

提督「ん?」ニコ

Graf「…なんでもない」

Graf(…次の糧にすればいい、か)

Graf(…不思議な感覚だ。Admiralにこうされるだけで…自分の中にあった黒い感情が全て取り除かれる)

【後日 演習場】


Z3「……」コソコソ

龍驤「お、マックス」テクテク

Z3「あら、龍譲」

龍驤「どないしたん?こんなところで覗いてないで見に行けばええんやないか?」

Z3「そうなのだけれど…」

龍驤「あー…もしかしてグラーフの件か?」

Z3「…えぇ」コク

Z3「あの後に提督が上手くやってくれているはずだけれど…」ハラハラ

龍驤「心配しすぎや。それに提督のことやからグラーフのことも簡単に立ちなおさせてるはずやって」

Z3「…」

龍驤「…ま、ウチも気になるしここで一緒に様子見てるか!」ニコ

Z3「…龍譲も優しいわね」クス

龍驤「そりゃ同じ空母やからな。同僚を気にするのは当然や」





Bismarck「…ふぅ」

提督「お疲れ様、みんな」

Bismarck「あら?提督。演習まで迎えに来るなんて珍しいわね」

提督「たまには様子も見に来ないとな」

Bismarck「……へぇ」ニヤニヤ

提督「…なんだその顔は。褒美はやらんぞ」

Bismarck「今日はいらないわ。」クルッ

提督「へ?」

Bismarck「私よりも今日一番頑張った秘書艦にあげるべきだわ。それじゃあ私は先に戻っているわ」スタスタ

提督「お、おい?ビスマルク?」

提督「…なんだ?いつもなら騒ぎ出すのに調子狂うな…?」


Graf「…Admiral」

提督「お、グラーフ。お疲れ様」

Graf「…見に来てくれてたのか?」

提督「いや、今来たところだったから残念ながら見れなかったけど…どうだった?」

Graf「……」

提督「グラーフ?」

Graf「……Admiral!」ダキッ

提督「なぁっ!?」

Graf「……」ギュー

提督「ちょ……お、おい。グラーフ…!」アセアセ







Z3「……」ジャキ

龍驤「マックス。とりあえずその主砲と魚雷しまおうな?な?」ダラダラ

提督「…なるほど、大成功だったのか」

Graf「…あぁ」

提督「よかった。でも、グラーフならきっとすぐ立ち直ってくれると思ってたよ」

Graf「…いいや」フルフル

Graf「全てはAdmiralのおかげだ」

Graf「おかげで今日は翔鶴とも、艦隊の皆とも素晴らしい連携がとれた」

Graf「あなたが私を信じてくれると、期待してくれると言ってくれたからだ」

Graf「…本当に、感謝している」

提督「…そんなことないさ。もともとグラーフにはそれができるだけの器はあったんだ。昨日はたまたま調子が悪かっただけだ」

Graf「そうかもしれない、だがそれがきっかけで私は皆と不仲になるところだった」

Graf「そんな私を立ち直させてくれたのはAdmiral、あなただ」

Graf「だから…ありがとう、Admiral」ギュ

提督「…どういたしまして。でも、グラーフも自分のことを褒めてもいいんだからな」ニコ

Graf「…そう、か」

Graf「ならAdmiral…ひとつ、頼みを聞いてくれないか?」

提督「ん?なに?」

Graf「……頭を、撫でてくれないか?」

提督「…え?」

Graf「…駄目か?」

提督「い、いや。グラーフがそういうなら別に構わないが…」

提督(まさかグラーフまで言い出すとは……)スッ

Graf「ん……」ピク

提督「……」ナデナデ

Graf(……心地良い)

Graf(…今なら、皆の気持ちが分かる。Admiralにこうしてもらえるだけで…私は……)ギュ

提督「な、なぁ、グラーフ……//」

Graf「?」

提督「な、撫でるのは構わないから…その、一旦離れてくれないか…?//」

提督「そ、その…お前の胸部装甲が……だな…//」チラ

Graf「……」

Graf「ッ!?//」ササッ

Graf「す、すまない。Admiral……//」

提督「い、いや。気にしないでくれ…」

Graf「わ……//」

Graf「わ、私も一度部屋に戻る!し、翔鶴にも改めて礼が言いたいからな!//」

Graf「で、ではAdmiral!また後ほど執務室に行く!//」ダッ

提督「あ!お、おいグラーフ…」


タッタッタッ


提督「…今度は俺と気まずくなっちゃったかなぁ」ハァ

提督(……それにしても、あの大きさはだた事じゃ……//)ゴク

トントン

提督「?」クルッ

Z3「…」ニッコリ

提督「」

龍驤(自業自得やな)

Graf「……ふー」

Graf(まだ少し動悸が収まらない……//)ドキドキ

Graf(…先ほどのAdmiralの感触がまだ残っている)

Graf「……まさか私は」ハッ

Graf(だ、ダメだ!それだけは認めるわけにはいかない!!マックスに申し訳が立たない!)ブンブン

Graf(しかし…まったく顔の熱が引かない……//)カァ

Graf「…どうすれば」ハァ


Bismarck「……」

Graf「……」

Graf「……!?」ビクッ

Bismarck「あら、やっと気がついた?」

Graf「び、びび…ビスマルク?!お、お前いつから…!?」

Bismarck「あなたがそこに走ってきて深呼吸始めたあたりよ」

Graf「なぁ…!?それは最初からだろう!な、なぜ声をかけなかった!?」

Bismarck「声掛けたわよ。グラーフが気付かなかっただけよ?」

Graf「え……」

Bismarck「顔真っ赤にしてきたからどうしたのかと思ったら…そのあと一人で面白い動きをしてたわね」

Graf「や、やめろ!!忘れろ!!//」

Bismarck「それで、その様子だと提督に堕とされたのかしら」

Graf「おと……ち、違う!//」

Bismarck「別に隠すことないじゃない?」

Graf「な、何を言っている!私はAdmiralのことなんて…!」

Graf「…………べ、別に……そのように思っては……」プルプル

Bismarck「ふーん?私は好きよ?提督のこと」

Graf「………は?」

Graf「……待てビスマルク。お前は知っているはずだな?マックスがAdmiralとケッコンしてることを」

Bismarck「当たり前じゃない。グラーフより先にここにいるんだから」

Graf「なら何故だ!?まさかマックスから奪うつもりか!?」

Bismarck「そんなわけないじゃない。提督はそんなに軽い人じゃないわ」

Graf「…分からない。お前の考えてることが全く理解できない」

Bismarck「何で?簡単なことじゃない」

Bismarck「私は好きならその気持ちを隠すつもりはないわ。例え振り向いてもらえなくても伝えることに問題はないでしょう?」

Graf「…しかしそれは」

Bismarck「自分の気持ちを隠している方が私はよっぽど窮屈よ」

Graf「……」

Bismarck「それに提督はマックスと不知火とジュウコンしてるんだからチャンスがあるかもしれないわよ?」

Graf「え?」

Bismarck「?」

Graf「……ジュウコン?」

Bismarck「えぇ」

Graf「…不知火というと、あの駆逐艦の…雰囲気がマックスに似ている子か」

Bismarck「そうね」

Graf「…」

Bismarck「…もしかして知らなかったの?」

Graf「…」コク

Graf「…ってちょっと待て?!それはマックスは承知しているのか!?」

Bismarck「えぇ」

Graf「な…!?」

Bismarck「というよりも、提督が二人同時にケッコンを申し込んで二人とも了承したのよ」

Graf「ば、馬鹿な…」

Bismarck「つまり、マックスも了承しているわ」

Bismarck「提督と、不知火がいる場所がマックスにとって最も大事な場所だとも聞いたわ」

Graf「…」

Bismarck「どうかした?」

Graf「…その話を聞く限り、チャンスなど初めからないのではないのか?」

Bismarck「…………」

Graf「……おい」

Bismarck「さぁグラーフ!!あなたの気持ちを聞かせてもらおうかしら!!嫌とは言わせないわよ!!」ガシ

Graf「お、おい!?どこに連れていくつもりだ!?」

Bismarck「鳳翔のお店よ!さぁ行くわよ!」ズルズル

Graf「ま、待て!このあと仕事が…!」

Bismarck「…色々貯め込んでる気持ちもあるでしょう?そのまま提督のところに行っても仕事にならないわよ?」

Graf「ぐ……」

Bismarck「久々に飲み比べでもしましょう?まぁ、グラーフじゃ私の相手にならないと思うけれど?」フフン

Graf「……面白い、日本のぬるい酒に浸かっているお前に負けるなどありえないな!」

Bismarck「言ってくれるじゃない。早速鳳翔のところにに行くわよ!」

Graf「……ビスマルク」

Bismarck「なにかしら?」

Graf「…Danke」

Bismarck「…なんのことかしら?」

Graf(…お前は、変わってなどいなかったな)




――このあとマックスに滅茶苦茶怒られた

【執務室】


大淀「提督、あけましておめでとうございます」ガチャ

提督「あけましておめでとう。大淀」

提督「ん、今年も晴れ着姿か」

大淀「え、えぇ。変でしょうか?」

提督「うぅん、よく似合ってるぞ」

大淀「ふふ、ありがとうございます。でも不知火さんとマックスさんに怒られますよ?」

提督「…だ、大丈夫だって」

大淀「先日のグラーフさんの件は大丈夫だったんですか?」

提督「…一応な。マックスが相当ご立腹でな…機嫌直すのが大変だった」ハァ

大淀「……グラーフさんにまで唾をつけておく提督が悪いのでは?」ジトー

提督「ち、違う!俺にそんなつもりは本当になかったんだって!!」

大淀「泥酔してたとは言え鳳翔さんのお店の中で大声で告白ですからね…」

提督「やめてくれ…ただ注意しに行っただけだったのに…」ズーン

提督「あの時一緒に来て、隣にいたマックスの顔が今思い出しても恐ろしい…」ガクガク

大淀「…心中お察しします」

提督「…それで、今日の任務か?」

大淀「あ、そうでした。脱線して申し訳ありません」

大淀「こちらが本日の任務になります。期限の設けられている特別任務もありますのでご注意ください」

提督「了解」

大淀「では提督、失礼します」ペコリ

提督「うん。あと大淀」

大淀「?」

提督「今年もよろしくな」

大淀「はい、よろしくお願いします。提督」ニコ

不知火「あけましておめでとうございます、司令」ガチャ

Z3「あけましておめでとう、あなた」

提督「お、おはよう二人とも」

提督「どうしたんだ?新年の挨拶なら起きた時に聞いたぞ?」

不知火「あれは司令の嫁としてです。今のは艦娘として、部下としての挨拶です」

提督「えっと…公私は分けるってこと?」

Z3「そうよ」

Z3「…どこかの誰かと違って」ムスー

提督「うぐ…」グサ

不知火「マックス。その件はもう終わったことです」

Z3「…そうね。ごめんなさい、あなた」

提督「いや、俺が悪かったって…本当にごめんな。マックス」

Z3「…いいわ。あなたが色々な人に好かれるのは今に始まったことじゃないわ」ハァ

不知火「確かにそうですね」

不知火「…グラーフの一件以来、嵐と萩風が秘書艦のときも不知火は気が気じゃありませんでしたが」ジトー

提督「うぅ…」

不知火「無論。司令が悪いわけではないのは分かっていますが」

提督「思ってることをズバズバ言ってくれるあたり、本当にうれしいよ…」

不知火「それだけ不知火は司令を信頼しています。同時にこのくらいの不満はあるわけですが」ムス

Z3「不知火に同感ね」

提督「ごめんなさい…」ズーン

不知火「……ですが、その不満を解消できる程のことをしてくれれば別ですが」チラ

提督「?」

Z3「そうね、今年はまだ…貰ってないわね」チラ

提督「??」

不知火・Z3「……」ジトー

不知火「…朝もしてもらってません」

Z3「…折角3人で寝たのに、あなただけいつの間にか抜け出してて…」プク

提督「…あ」

提督「…それじゃ、今日はマックスから」

Z3「…」テクテク

提督「…ん」チュ

Z3「ん…む」

Z3「…ふふ、あなたの今年の初キス、もらえたわ」ニコ

提督「…ど、どうしたしまして//」ニコ

提督「それじゃしらぬ………んむっ!?」

不知火「ん……んん」チュ-

不知火「…ぷは」

不知火「…今年の、不知火の初めてを、受け取って頂けました…?//」カァ

提督「…あ、ありがとう//」

Z3「今年は不知火も積極的ね」クス

不知火「…いつまでも受け身なのはいけませんからね//」カァ

Z3「いい、あなた?不知火も私も帰ってくるのは少し遅くなるから」

Z3「それまでにちゃんと執務室の掃除をしておいてね」

提督「……はーい」シュン


パタン



提督「……」ガサガサ

提督「…っと、資料はここか」

提督「また年末の掃除さぼっちゃったからなぁ…」

提督「……」

提督(…やっぱり、いつまでも心配させちゃってるんだよな)

提督「……うーん、でもなぁ」


曙「…何独り言言ってんのよクソ提督」

提督「おわっ?!」ビクッ

提督「あ、曙!?いつの間に…」

曙「ちゃんとノックしてから入ったわよ」

提督「え?マジで?」

曙「いないのかと思って入ったら一人でブツブツ言ってたわよ、気持ち悪い」

提督「す、すまん……って」

曙「………な、何よ」

提督「…曙も晴れ着か」

曙「そ、そうよ!悪い!?」キッ

提督「いや?よく似合ってるぞ?」

曙「ぐ……うぐ…//」

提督「そんなに似合うんだったら去年も着れば良かったのに」アハハ

曙「………着たけど、見せれなかったのよ…//」ボソ

提督「?」

曙「そ、それより!なんなのよこれ!本当に汚いんだけど、ちゃんと年末に掃除したわけ?!」

提督「……すみません」

曙「不知火が私に頼んできた理由が分かったわ。さっさと掃除するわよクソ提督」

提督「え?不知火が?」

曙「そうよ。新年早々不知火から頼み事なんて天地がひっくり返るかと思ったわよ」

曙「とにかく、仕事より先に掃除が先よ!分かった!?このクソ提督!!」

提督「……はい」ショボーン

曙「んしょ…」テキパキ

提督「んー…」ガサガサ

曙「クソ提督、この資料片づけていいの?」

提督「ん、頼む」

曙「ん」スッ

提督「………」

曙「………で?」

提督「え?」

曙「…何に悩んでたわけ?」

提督「……えーと」

曙「…別に言いたくないなら言わなくてもいいわよ」

提督「…なぁ、曙」

曙「何よ」

提督「…俺ってそんなにフラフラしてて、心配される?」

曙「私は心配なんかしてないけど、フラフラしてて、危なっかしいのは確かね」

提督「…そっか」

曙「不知火とマックスが可哀相よ」

提督「……そっかぁ」

曙「……」

提督「…」

曙「…鎮守府には、色んな艦娘がいるわ」

提督「え?あ、あぁ…」

曙「不知火とマックスにない魅力を持ってる娘が沢山いる」

曙「自分が持ってないものに魅せられて、もし提督がとられたら…そんな不安持ってるんじゃないの?」

提督「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺は不知火とマックスだけを…」

曙「ないって言いきれるわけ?クソ提督は不知火とマックスのことなら心の中まで何でも分かるの?」

提督「……」

曙「アンタは不知火やマックスじゃない。不知火とマックスだってアンタじゃないのよ」

提督「…そう、だな」

提督「…ケッコンしてから二人のことなら何でも知ってる、分かりあえてるって勝手に舞い上がってたかもしれないな」

提督「…ありがと、曙」

曙「クソ提督じゃなくて不知火とマックスのためだから、礼なんて言われる筋合いないわよ」プイ

提督「…そっか」クス

曙「…何笑ってんのよ」ムス

提督「いいや。曙のそういうところ、俺は好きだよ」

曙「ッ!?//」ビクッ

曙(だからっ……そういうことを言うのをやめろって言ってんのよ…このクソ提督……!!///)プルプル

提督「どうした曙?」

曙「うっさい!!クソ馬鹿提督!!一人で掃除してなさいよ!!//」

提督「うえぇっ!?」

バタンッ


提督「…俺はまた何か怒らせるようなこと言ったのかな…」ズーン

提督「……んと、確かここに隠してたはず」ゴソゴソ

提督「………」

提督(いやでも……ね、念のために用意していたとはいえ…これを使うのか…?だけど……)ムムム

提督(それに二人のことを好きな気持ちを証明するためだからって……それを口実には…)ウーン


不知火「司令、戻りました」ガチャ

提督「」バンッ

不知火「?!」ビクッ

提督「あ、あぁ。帰ってきたのか不知火。お帰り」

不知火「…掃除は問題なく終わったようですね。曙に頼んで正解でした」

提督「そ、そうだな…おかげで助かったよ」

不知火「…それで、先ほどは何を慌てていたのですか?」

提督「な、何でもない何でもない!気にしないでくれ!」アハハ

不知火「……司令、不知火に隠し事をするおつもりですか?」ジトー

提督「う…そ、そういうわけじゃ…」ダラダラ

不知火「………」ジー

提督「…あ!そ、そうだ!このあとちょっと見回りする予定があったんだ!」

不知火「はい?今日のご予定にそのような記載は…」

提督「そ、それじゃあ不知火!ちょっと行ってくるな!」ガチャ

不知火「え?あっ!し、司令!」

パタン

不知火「……」

不知火「…怪しい」

Z3「あなた、戻ったわ」ガチャ

不知火「マックス、いいところに」

Z3「どうしたの不知火?あら、提督は…?」キョロキョロ

不知火「実は先ほど――――」カクカクシカジカ


Z3「……それは確かに怪しいわね」

不知火「しかし、確かめるにしても司令の引き出しを勝手に漁るわけには…」

Z3「そうね…」


大淀「失礼します。提督は……?」ガチャ

不知火「大淀さん」

Z3「ごめんなさい、大淀。提督は今どこかに行ってしまって…」

大淀「あら、そうなんですか…」

大淀「特に急ぎではないんですが、提督の私物の資料をお貸しいただけたらと思いまして」

不知火「!」

不知火「了解しました。では不知火達の方で探してみて、見つかればご連絡します」

Z3「…そうね。少しだけ時間をもらえるかしら」

大淀「本当ですか?助かります」

大淀「ではよろしくお願いしますね」ニコ

Z3「えぇ。まかせて」ニコ

パタン

不知火「………さて」チラ

Z3「…大淀に頼まれた以上、しっかり探してあげないといけないわね」チラ

不知火「そうですね。『提督の私物』ですから引き出しの中を捜すこともやむを得ないと思います」ニヤ

Z3「そうね、仕方ないことね」ニヤ

不知火・Z3「…ふふ、ふふふ」

Z3「…この引き出しで間違いないのね?」

不知火「はい。確かにこの引き出しです」

Z3「それじゃ、あけるわね」

不知火「はい」

ガラガラ

不知火・Z3「……」

不知火「…これは?」

Z3「…普通のファイルね」

不知火「…」ヒョイ

不知火「……むぅ」パラパラ

Z3「どう?何か書いてある?」

不知火「いえ、普通の書類をファイリングしたもののようです」

Z3「それを慌てて隠したの…?」

不知火「…さすがにそれはないと思います。あの慌てようは本当に見られたくないものを隠しているそれでしたから」

Z3「そうなると…ほかに何かを隠している?」

不知火「とは言いますが、これ以外に何も入っていませんし…」

Z3「…念のため別の引き出しも見ておきましょうか」


――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
―――


Z3「…収穫なし、ね」

不知火「大淀さんが探していたものは見つかりましたが…」

Z3「…ここまで探してないとなると、提督が出て行った時に持っていった可能性が高いわね」

不知火「…そう考えるのが妥当ですね。騒ぎ立てて申し訳ありません、マックス」

Z3「いいのよ。教えてくれてありがとう、不知火」

不知火「…また、司令は私たちに隠し事をしているのでしょうか」

Z3「……そう、かもしれないわね」

不知火「…」

Z3「でも、不知火」

不知火「?」

Z3「提督は、一度も私たちを裏切ったことはないわ」

Z3「また私達の勝手な勘違いかもしれない」

Z3「信じましょう、提督のことを。きっとあの人は応えてくれるわ」

不知火「……そうでしたね。マックスの言うとおりです」

不知火「不知火たちは、司令を信じて待っていましょう。それが司令の伴侶として選ばれた私達の仕事です」

Z3「えぇ。そうね」クス

提督「………」テクテク

提督「……はぁ」

提督(どうしよう…踏ん切りがつかない)ズーン

提督「というか新年早々サボってたら二人に怒られるよな…はぁ」


陽炎「あれ?提督?」テクテク

Z1「どうしたの?こんなところで?」テクテク

提督「ん?おぉ…陽炎とレーベか。明けましておめでとう」

陽炎「うん、あけましておめでと、提督」ニコ

Z1「明けましておめでとう、提督」ニパ

提督「……」ジー

陽炎「? なに?どうかした?」キョトン

提督「いや、二人は晴れ着じゃないんだなって思って」

陽炎「え?あ~…私はあんまり似合いそうにないからパスかなぁ…」アハハ

Z1「僕も興味はあるけど…やっぱりちょっと恥ずかしいからいいかな…」アハハ

提督「そうか、そりゃ残念だな」アハハ

陽炎「…ていうかさぁ、それ私たちより不知火やマックスに言ってあげればいいじゃない」

提督「う…」

Z1「今日の朝マックスに相談されたんだよ?晴れ着の方が提督喜ぶかなって」

陽炎「あー、不知火も似たようなこと言ってたわね」

Z1「本当にあの二人は考えることが似てるよね」クスクス

陽炎「本当よね~、特に司令のことになると完璧に意見一致してるしね」ニヤニヤ

提督「……」

Z1「…提督?本当に大丈夫?」

陽炎「もしかして…新年早々二人と喧嘩でもしたの?」ジト-

提督「え?あぁ違う違う。喧嘩なんてしてないって」

陽炎「…じゃあなんでそんなに元気ないの?」

提督「ん…と、そのー…」ポリポリ

Z1「……あのね、提督」

提督「うん?」

Z1「提督がきっと悩んでることってマックスと不知火に関係してることでしょ?」

提督「…まぁな」

Z1「やっぱり。えっとね…」

Z1「提督が何について悩んでるのかは分からないけど…」

Z1「提督が決めたことを、あの二人は決して否定したり、拒んだりしないと思うんだ」

Z1「もし提督が間違ってたら、一緒に正しい方法を見つけてくれると思う」

Z1「だから、提督は胸を張って、二人を引っ張ってあげて欲しいな」ニコ

提督「…レーベ」

Z1「あ…ご、ごめんね!偉そうなこと言っちゃって…」アセアセ

陽炎「いいのよレーベ!」ナデナデ

Z1「わわっ!?か、陽炎?」

陽炎「私だってレーベと同意見よ。二人が司令のすること信頼してないわけないし」

提督「陽炎…」

陽炎「だからさ、あんまり悩んでばっかりいるよりいっそ行動に移した方がいいんじゃない?」

陽炎「それでダメだったらまた新しいことすればいいだけなんだから」ニコ

提督「………」

提督「そうだな。ありがとう二人とも、おかげで決心がついたよ」スクッ

陽炎「ん、それでこそ私達の司令よ♪」クス

Z1「頑張ってね提督!」ニコ

提督「ありがとうな二人とも。もし上手く行ったら二人に何かご褒美持ってくるからな」

陽炎「そう?それじゃあ期待して待ってるわね」ニコ

Z1「ふふ、僕も期待してるから」ニコ

提督「それじゃちょっと外出してくるな。二人には言っておいてくれ」

陽炎「うん!……うん?」

Z1「え?が、外出って…ど、どこに行くの提督?」

提督「………秘密」

【執務室】


陽炎「……ってことで」

不知火「……そうですか」

陽炎「…お、怒ってる?」

不知火「当たり前です。本日の仕事を放棄して勝手に外出するなど……」

Z3「…でも、今までそんなことするような人じゃなかったわ」

Z1「そ、そうだよね…どうしたんだろう急に…」

不知火「……少し、待ってみましょうか」

Z3「…そうね。その間に私達で仕事を進めておきましょうか」

陽炎「なんて言うか…ちょっとだけあの時のこと思い出すわね」

不知火「あの時?」

陽炎「そ。司令が夜にプロポーズしようとしたのに、二人が演習すっぽかしたり、勘違いしてた時のこと」

Z1「あ、陽炎も?僕もちょっとだけ似てるなーって思ってたんだ」

不知火「…そのことは忘れてください。色々な人に迷惑をかけた上に未だに恥ずかしい過去ですから…//」ハァ

Z3「……」

陽炎「マックス?どうかしたの?」

Z3「…もし、あの時の状況と似ている、というのなら」

Z3「今私たちは、あの時の提督のように待っている立場で…提督は私達のように何か勘違いしている、ということ?」

陽炎「……」

不知火「……」

Z1「だ、大丈夫だよマックス!あくまで似ているだけだから…!」アセアセ

不知火「……だ、大丈夫…でしょうか」

陽炎(不知火が珍しく焦ってる……)ダラダラ

Z3「……提督」ポツリ

トゥルルルル


4人「」ビクッ

不知火「……執務室の直通電話ですか。こんな時に驚かせて…」ハァ

不知火「はい、こちら執務室です」ガチャ

提督『あ、不知火か』

不知火「ッ!?し、司令ですか!?」

Z3「!」

不知火「司令!仕事を放り出して…いえ、それは後でいいです。それより今どちらに…!」

提督『悪い、ちょっとした用事があってな。今そっちに戻ってるところだ』

不知火「……どのくらいにお戻りになりますか?」

提督『車で移動してるからあと10分ほどで戻ると思う。放り出した仕事はちゃんとやるから』

不知火「当然です」

提督『あはは…それじゃあマックスにも言っておいてくれ』

不知火「…司令」

提督『うん?』

不知火「…お気をつけて、お戻りください」

提督『…うん、ありがとう不知火。それじゃ』

ガチャ

Z3「提督、なんて言ってたの?」

不知火「あと10分ほどで戻るそうです。車に乗っているそうなので若干前後するかもしれませんが」

Z3「そう、分かったわ」ホッ

不知火「陽炎とレーベも申し訳ありません。あとはこちらで……」

陽炎・Z1「……」

不知火「……? どうしました?」

Z1「ふぇ!?あ、その…」

陽炎「…電話の最後の時さ、不知火って司令相手のときってあんなに優しい声出すのね……」

不知火「……そうですか?あまり意識してないですが…どうですかマックス?」

Z3「私は特に違和感ないけれど…」

陽炎(あんな声音、ずっと一緒にいて初めて聞いたわよ…)

ガチャ

提督「ただい………ま……」ピタ


Z3「おかえりなさい、あなた」ゴゴゴゴゴ

不知火「……」ゴゴゴゴ

提督「…え、えっと……お、怒ってる?」

不知火「怒っていないとでも思っているんですか?」

Z3「そうだとしたら一度明石のところで修理してもらう必要があるわね?」

提督「…すまん二人とも。急にいなくなったりして」ペコリ

不知火「………司令」ツカツカ

提督「…」

不知火「……」ペチ

提督「へ…? 不知火…?」

不知火「…あまり心配をかけないでください」ダキ

提督「…ごめんな不知火。勝手なことして」ナデナデ

Z3「あなた」

提督「マックスもごめんな…」

Z3「…本当よ。今すぐにでも不知火と同じことをしたいくらい心配してたのよ」

提督「背中なら空いてるぞ?」

Z3「…撫でてもらえないじゃない」プク

提督「あはは…じゃあ不知火の次な」

Z3「…そうさせてもらうわ」プイ

不知火「…ところで司令、一体どのような御用件で外出したのですか?」

提督「っと…そうだった」


提督「…不知火、マックス。二人へ指令だ」

不知火「! はい、なんでしょうか」ピシッ

Z3「…提督。どのようなご命令で」ピシ

提督「…………それは」










提督「明後日から2泊3日で、温泉に行くぞ」

不知火・Z3「………………………は?」

【2日後】


提督「…というわけで、大淀。よろしく頼むな」

大淀「はい、お任せください」ニコ

不知火「本当に申し訳ありません、大淀さん…」ペコリ

Z3「ごめんなさい、急なことになってしまって…」

大淀「いいんですよ。不知火さんとマックスさんはいつもがんばってますし、休暇も必要でしょうから」ニコ

大淀「…ただ、企画した方にはせめてもう少し早く言っていただけるか、もう少し後の日にしていただけたらと思いましたが…」ジトー

提督「ほ、ほら…善は急げって言うし…」ダラダラ

大淀「…まぁ、構いません。今回の件のお詫びのお約束はしていただきましたからね」

提督「もちろんでございますとも…」

不知火「大淀さん、念のため陽炎とレーベにも一部の仕事を引き継ぎましたので」

大淀「分かりました。必要な際には彼女たちに協力をお願いしますね」ニコ

Z3「それじゃあ大淀、何かあったら連絡をお願いね」

大淀「はい。マックスさんもせっかくの機会ですから温泉を満喫してきてください」ニコ

提督(……やっぱり俺っていなくてもいいのかなぁ…)ショボーン

大淀「ではあちらに車の方を手配していますので、旅館まではそちらでご移動してください」

提督「それじゃあ大淀、行ってくる」

大淀「はい。お気をつけて行ってらっしゃいませ」ニコ



提督「よいしょっと、二人とも発進するぞー」

不知火「はい、不知火は問題ありません」

Z3「私も大丈夫よ」

提督「よし、それじゃ行くとするか」

Z3「ところであなた」トントン

提督「ん?」

Z3「大淀へのお詫びって何を約束したのかしら?」

提督「あぁ……」

提督「実はな…今回の旅館って結構いいところなんだ」

Z3「…それで?」

提督「…来月、礼号組を同じ旅館へ2泊3日の休日と、その費用全額負担を約束した」

Z3「………そう」

提督「…ちなみに俺の財布から負担だ」

不知火「…司令が悪いです」

提督「…分かってます」ズーン

【旅館】


Z3「………すごい」キョロキョロ

不知火「マックスは温泉は初めてでしたか?」

Z3「えぇ…すごいわ。こんなところに旅館と…温泉が一緒になっているなんて」

不知火「露天風呂、というものがあります。外の風景を楽しみながら入浴できる施設です」

Z3「聞いたことあるわ!それもあるの!?」

不知火「えぇ。こちらのパンフレットを見たところ」

Z3「…とても楽しみだわ」ソワソワ

Z3「不知火は温泉に入ったことあるの?」

不知火「…いえ、実は不知火も初めてです。知識としては知っていましたが…」

不知火「…ですから、マックスと同じように楽しみです」ソワソワ


提督(…よかった。連れてきた甲斐があった)ホッ

提督(……だけど)

提督「………」


不知火「司令?手続きは終わりましたか?」

提督「え?あ、あぁ。部屋の方に行こうか」

Z3「…あなた?大丈夫…?」

提督「…大丈夫。ごめんな、ぼーっとしてて」ナデナデ

Z3「ならいいけれど…疲れているのなら今日明日、ゆっくりして」

提督「もちろんだって。そのための休日なんだからさ」ニコ

不知火「…司令」

提督「うん?」

不知火「司令のお荷物は不知火がお預かりします。司令はお先に温泉に入ってお身体を休めてください」

提督「え?だけど…」

不知火「……」ジー

提督「……う」タジ

提督「…分かった。それじゃあありがたく」ニコ

不知火「はい。ご安心ください、勝手に司令の荷物を漁ったりしませんから」

提督「ありがとう。それじゃあ頼む」

不知火「はい、お任せください」

Z3「あなた、ゆっくりしてきて」

【部屋】


不知火「……」ズズ

不知火「ふぅ。旅館に置かれているお茶も悪くありませんね」コト

Z3「…」

不知火「どうしましたマックス?」

Z3「…いいえ。とても良い風景だと思って」

Z3「こんな山奥に宿があるなんて、この国に来て初めて知ったわ」

不知火「後でこの風景と空気を楽しみながら風呂に入れますから」クス

Z3「…ねぇ、不知火」

不知火「なんでしょう」

Z3「…提督、何か悩んでいたわよね」

不知火「…えぇ。何かを隠しているのは明らかですね。あの人は隠し事がとことん下手ですから」

Z3「…私たちから聞くべきかしら」

不知火「その必要はないでしょう。マックスも気づいていますよね?」

Z3「…そうね。何かの決心をしてここに来たはずだから」

Z3「この期に及んで尻込みするなんて、本当に憶病な人なんだから」クス

不知火「不知火たちは待ちましょう。司令が何かを話してくれるまで」

Z3「…えぇ。それまでは存分にここを楽しませてもらいましょうか」ニコ

不知火「その通りです」ニコ


ガラガラ

Z3「あら、帰ってきたようね」


提督「ただいまー…ごめんな、先に入ってきちゃって」ヒョコ

不知火「司令。いえ、お気になさら………ず」

提督「?」

不知火・Z3「…………」ジー

提督「…ど、どうした二人とも?」

不知火・Z3「」ハッ

不知火「い、いえ!何も!」アセアセ

Z3「ゆ、ゆっくりできたようで何よりだわ!」アセアセ

提督「…?」キョトン

不知火・Z3「………///」プイ

不知火・Z3(浴衣姿に見惚れていたなんて、言えない……///)カァ

【浴場】


不知火「……ふぅ」チャプ

Z3「ん…」チャプ

不知火「なるほど…話通り、少し熱めの湯ですね」

Z3「……」

不知火「マックス?どうかしましたか?」

Z3「その、少し…というには熱すぎないかしら…?」ブクブク

不知火「ふむ…確かにドックに比べると熱いですが…不知火はこのくらいの方が好みですね」

Z3「…ドイツと日本の違いかしら」

不知火「それはあるかもしれませんね。こちらでは欧米に比べて高めの温度の風呂を好む傾向があると聞いたことがあります」

Z3「……ふぅん」

不知火「マックス。先に言っておきますが無理はしないでください」

不知火「今回は慰安旅行です。不知火に付き合って無理をして倒れれば司令が心配します」

Z3「…そうね。大人しく隣の湯に移動するわ」ザバ

不知火「いつか慣れますよ。マックスの負けず嫌いは好きですが」


Z3「ん……ふぅ」チャプ

Z3(……ぬるま湯って書いてあるわ)

Z3(…子供っぽいかしら)ブクブク

不知火「……ふー」チャプ

Z3(……なんだか初めての割に、不知火が温泉に入ってる姿が様になってるわね…)ジー

不知火「? どうかしましたかマックス?」

Z3「…いいえ。何でもないわ」

不知火「……」ジー

Z3「? どうしたの?」

不知火「…マックス、とても肌がきれいですね」

Z3「そうかしら…?あまり意識したことないのだけれど…」

不知火「…少し触ってもいいですか?」

Z3「ええ。構わないわよ」スッ

不知火「……」ペタペタ

不知火(…すべすべする。それに不知火よりも肌が白くて綺麗ですね…)

Z3「ちなみにだけど、私の国では少し日焼けしている肌の方が健康的で綺麗と言われてるわよ」

不知火「…そうなんですか?」

Z3「確かにこっちに来てから色白なのを他の娘にも珍しがられたけれど…それは文化の違いだから仕方ないわ」

Z3「私からしてみれば、不知火の方がよっぽど健康的に見えるわ」

不知火「…そういうものでしょうか」ペタペタ

不知火(……不知火は少し、訓練のし過ぎて筋肉がつきすぎでしょうか…)サワサワ

不知火(……司令にとって、このような体は…女性らしくないでしょうか)シュン

Z3「不知火、少し後ろ向いてもらえる?」

不知火「え?は、はい」クルッ

Z3「…肩、失礼するわね」ガシ

不知火「?」

Z3「よいしょ…」モミモミ

不知火「んっ……ふっ…」ビクッ

Z3「…やっぱり。最近私よりも書類仕事手伝ってることが多いから凝ってると思ってたわ」

不知火「…マックス、うまいですね」

Z3「たまに提督にもやってるから、自然と上手くなったのかもしれないわ」

Z3「どう?痛くない?」

不知火「は…い。とても…気持ちいい…です…」

Z3「よかった。ゆっくり体を預けて」モミモミ

不知火「ふぅ……」

不知火「司令、戻りました」ガラッ

Z3「あなた。遅くなってごめんなさい」

提督「お帰り二人とも。ゆっくりできたか?」

不知火「はい。マックスがマッサージまでしてくれたおかげでとても寛げました」

提督「不知火にあのマッサージしてあげたのか」クス

Z3「気に入ってくれたようで何よりだわ」

提督「……それにしても」ジー

Z3「? なに?」

提督「…マックス、浴衣がかなり似合ってるな」

Z3「…そう?」

提督「うん、ちょっとびっくりした。」

Z3「ふ、ふぅん。そう……?」ソワソワ

Z3「……Danke、あなた」ニコ

不知火「……」ジー

提督「…も、もちろん不知火も似合ってるぞ」

不知火「…とってつけて言われた感じがします」プイ

提督「そ、そうじゃなくてな」アセアセ

提督「その…もともと不知火は和服が似合いそうなイメージだったからさ」

不知火「……そう、ですか」

提督「とってつけたわけじゃなくて、本当によく似合ってる」

不知火「……」

Z3「不知火。顔が赤いわよ」

不知火「……気の所為です//」プイ

Z3「……」ジー

提督「どうしたマックス?外に何かあるのか?」

Z3「いいえ」

Z3「…凄く、いい景色ね。不知火と露天風呂というのに入ってきたけれどとても良かったわ」

提督「そういえばマックスは温泉って初めてだったか」

Z3「えぇ」

不知火「不知火もです」ヒョコ

提督「あれ?そうなのか」

不知火「はい。一体、司令は不知火にどんなイメージを持っているんですか」ジト

提督「ご、ごめんごめん…」

不知火「……」ポスッ

提督「お?」

不知火「……少し膝を貸してください。言っておきますが、司令の落ち度ですからね」モゾモゾ

提督「はいはい。俺の膝枕なんかでよければな」ナデナデ

不知火「……♪」

提督「あ、そうだ」

不知火「?」

提督「はい不知火、もうちょっと横向いて」

不知火「…?」コロン

提督「よいしょっと…」スッ

不知火「…んっ!」ピクッ

提督「どうだ?結構前に耳かきやってもらったからそのお返し」

不知火「……心地いいです」

提督「ほい、反対側」

不知火「はい…」コテン

提督「~♪」

Z3「…あなた」ジー

提督「大丈夫、あとでマックスにもやるから」

Z3「…そう。なら、いいわ」

【夕方】


提督「ふー…、ごちそうさまでした」

不知火「ごちそうさまでした」

Z3「ごちそうさま。とても美味しかったわ」

提督「いやーいい旅館でよかった」ホッ

不知火「さて、司令」

提督「ん?」

Z3「そろそろ話してくれないかしら」

提督「……な、何をでしょうか?」ドキ

不知火「急に温泉に行くなど、いくらなんでも突拍子がなさすぎます」

Z3「ねぇ、あなた。鎮守府では話しづらいことがあったから私達とここに来たのではないの?」

提督「……仰るとおりです」

不知火「司令」ニギ

提督「…不知火?」

不知火「不知火たちは、司令のお傍にいることを誓いました」

不知火「ですが、司令がどのようなことに悩んでいるのかは不知火たちにはわかりません」

不知火「…ですから、どうか司令の口から教えてください」

不知火「……お願いします」ギュ

提督「……不知火」

Z3「あなた」ギュ

Z3「私も不知火も、この数日あなたの様子が変なのは重々承知の上で待っていたわ」

Z3「お願い。聞かせて…あなたがなぜここに私達とここに来たのか」

提督「…マックス」


提督「……………………」

不知火「司令」

Z3「あなた」

提督「……」

提督「分かった。俺も腹を括る」

提督「……不知火。この前俺が机の前で隠したもの、あったよな」

不知火「はい」

Z3「見せてくれるの?」

提督「…いや、二人の返事次第だ」

不知火・Z3「?」

提督「…不知火、マックス」

提督「………今夜、二人を」









提督「抱きたい」

【数時間後、夜】


提督「………」ズーン

提督(遂に言ってしまった………が)

提督「……」

提督(不知火とマックスはしばらく固まった後、無言で出て行った……)

提督「こ、これって……まさか嫌われた!?嫌われたのか!?」

提督「ぉおおおおおおおおおおお………!」ゴロゴロ

提督(…冷静に考えたらそうだよな。外の旅館まで連れてきて抱きたいなんて言ったら……)

提督「…明らかにそれ目当ての、ただのクソ野郎じゃない?」

提督「………はぁ」ズーン

提督(それに言えない……隠してたのがゴムだなんて…///)

提督「鎮守府では言うのは恥ずかしいのからってのが裏目に出た…もうやだぁ」

提督「……今のうちに別の部屋取っておこう。さすがに同じ部屋で寝るのは気まずい…」

提督「たぶんまだ空いてるだろうから……」スクッ


スーッ


提督「え……」

不知火「……司令」

Z3「…あなた」

提督「…不知火、マックス」

提督「……その、二人とも。さっきは変なこと言って悪かった」

提督「俺は別の部屋に――――――」

不知火「待ってください!」ダキ

Z3「あなた!待って!」ダキッ

提督「ちょ…!ふ、二人とも!?」

不知火「……さ、先ほどは申し訳ありませんでした。勝手に出て行ったりして」

Z3「誤解なの。決して嫌とか言うわけじゃないわ」

不知火「ただその…き、急だったもので動揺してしまって…//」

Z3「ごめんなさい……//」

Z3「だけどあなた、安心して」

提督「え?」

不知火「我々二人とも、湯浴みは済ませてきました」

提督「……へ?」

不知火「司令」

Z3「あなた」

不知火「……不知火の全てを、司令に捧げます…//」ギュ

Z3「私を…あなたのものにして…?//」ギュ

チュンチュン チュンチュン


提督「……ん」ムク

提督「ふわ…ぁ。朝か……」

グイッ

提督「ん?」

不知火「すぅ……ん、ぅ…しれぇ……」ギュー

グイグイ

提督「…」チラ

Z3「すー……んっ……むにゃ……あなたぁ…♪」ギュー

提督「……お疲れ様二人とも。本当にありがとう…」ナデナデ

不知火「ん……んん」パチ

提督「あ…ごめん不知火。起こしたか?」

不知火「…しれぇ?」ボー

提督「おはよ、不知火」

不知火「……ん」チュ

提督「んっ…」

不知火「……」ボー

提督「…おはよう不知火。朝から積極的だな」クス

不知火「!」ハッ

不知火「ぁ……ぉ、おはよう、ございます…司令…//」

不知火「も、申し訳ありません。少し呆けていたようです……//」

提督「いいよ。不知火からしてもらえてうれしいし」ニコ

提督「身体は大丈夫か?まだ痛む?」

不知火「…まだ若干痛み…というより違和感はあります」

提督「…そっか。ごめんな」

不知火「司令」ツネリ

提督「いふぁい!いふぁいって、しらぬひ!」

不知火「昨日言いました。痛みよりも幸福の方が上だと」

不知火「それにこれは、司令からの愛の証です」

不知火「それを実感できているのですから、それに勝る喜びはありません」

提督「…ありがとう。不知火」ナデナデ

不知火「もう少し撫でててください」

提督「うん。こうして素直に言ってもらえると俺も嬉しいよ」ニコ

不知火「…少しだけ、吹っ切れたのかもしれません」クス

Z3「…それにしても、あなたの不器用さには驚いたわ」

提督「…そう?」

Z3「えぇ。私たちの不安…誰かに取られるんじゃないかっていう不安を取り除くために身体を重ねたいって言いだすなんて」

提督「…ほかに手段が思いつかなかったんだよ」

Z3「いくらなんでも極論過ぎるわ」

提督「…ごめん」

Z3「謝らないで」ペチ

Z3「理由はどうあれ…事実としてその不安はなくなったわ」

提督「本当に?」

Z3「えぇ。あんな恥ずかしいことを他の子にできる度胸はあなたは持ってないと思うわ」

提督「あ、あはは…」

Z3「…それに」

Z3「…身も心も、私の初めても…全部をあなたにあげられて、私はとても嬉しいの」

Z3「本当に、あなたのものになれたんだって…実感できるから」

提督「マックス…」ジーン

Z3「あなた」

提督「ん?」

Z3「Ich liebe dich.」

提督「…Ich habe dich gern. 」

Z3「えっ!?あ、あなた…!」

提督「…いつか言われた時にお返し用に覚えておいたんだよ」クス

Z3「……あなた」ダキ

提督「おっと……どうした、マックス?」ギュ

Z3「…嬉しいわ。私の国の言葉で好きって言ってもらえて」ギュー

提督「…他のも頑張って覚えるよ」ナデ

Z3「ふふ、期待してるわ」クス

提督「二人とも、忘れものはないか?」

不知火「問題ありません」

Z3「えぇ、大丈夫。あなたの荷物も確認しておいたわ」

提督「ありがとうマックス」

不知火「では司令、鎮守府へ戻りましょう」

提督「うん」



ブロロロロ...


提督「どうだった不知火、マックス。初めての温泉は」

不知火「はい。とても素晴らしいものでした」

Z3「また時間ができたら行きたいわね」

提督「はは、気に入ってもらえてよかったよ」クス

Z3「…でも、それ以上に嬉しいことがあったから」

不知火「確かに。そちらの方が強い印象が残ってしまいましたね」

提督「……あ、あはは。それはそれでどうなんだろうな…」

不知火「胸を張ってください司令。司令のおかげで私達はより親密になれたのですから」ニギ

提督「…不知火」

Z3「あなた。運転中くらい集中して」ムス

提督「ご、ごめんなさい!」

Z3「…もう」

不知火「マックス、あとで席を替わりましょう?」

Z3「…いいの?」

不知火「えぇ。それなら不満はないでしょう?」クス

Z3「…もう。不知火にもからかわれるなんて」

Z3「……でも、お言葉に甘えさせてもらうわ」プイ


提督「不知火、マックス」

不知火「はい?」

Z3「なに?あなた」

提督「愛してる」

不知火「不知火もです」

Z3「えぇ、私もよ」

【食堂】


陽炎「………むぅ」

曙「……なに朝から辛気臭い顔してんのよ?」

陽炎「あ、曙おはよーっ♪」ニパ

曙「ん。で、どうかしたわけ?」

陽炎「うーん……不知火のことなんだけど…」

曙「不知火がどうかしたの?」

陽炎「ほら、この前司令と一緒に温泉旅行行ってきたじゃない?」

曙「……あぁ。あのクソ提督、いきなり旅行するなんて言いだして大淀さんに迷惑かけた時のね」

陽炎「ま、まぁまぁ。大淀さんもちゃんと承認した上での話だから」アハハ

曙「で?その旅行がどうかしたの?お土産が気に入らなかったとか?」

陽炎「いやいや!おまんじゅうとっても美味しかったわよ!一晩で食べすぎちゃったくらいで……」

曙「太るわよ?」

陽炎「うぐっ……!」グサッ

陽炎「…ってそうじゃなかった。不知火のことよ!」

陽炎「なーんか帰ってきてからちょっと雰囲気変わったっていうか…大人しくなったって言うか…」ウーン

曙「…不知火なんて元から仏頂面で分かりづらいじゃない」

陽炎「……へ~?そういうこと言うんだ?」ニヤニヤ

曙「何よ」

陽炎「別にー?いっつも不知火のこと気にかけてるのはどこのどなたかなーって思って」プププ

曙「…ふんっ、少なくとも私じゃないわね。不知火なんて……」プイ

不知火「呼びましたか、曙」

曙「~~~!!?!?」ビクッ

曙「あ、アンタね!!いたなら声くらいかけてよ!!」

不知火「申し訳ありません、ちょうど今来たところですから」

曙「……あっそ」プイ

陽炎「あれ?不知火、今日髪留めは?」

不知火「久しぶりに下そうと思いまして。演習も訓練もありませんから」

陽炎「ふーん……?」

不知火「では、不知火は仕事がありますので」

曙「はいはい…クソ提督の御守り頑張ってちょーだい」ヒラヒラ

陽炎(ちょ…!また喧嘩になるようなことを…)ハラハラ

不知火「曙」クルッ

曙「何よ?」ムス

陽炎(や、やば…今のうちに誰か呼んでおこうかしら…)


不知火「少し言葉遣いを正してみたらどうですか?曙も女性なのですから」

曙「…………………へ?」

陽炎「は、はい………?」

不知火「不知火も人のことを言えませんが。せめて司令の前では意識したらどうでしょう」

曙「な…何でそこでクソ提督が出てくるのよ!?」

不知火「いえ。別に特別な意図はないですよ」

不知火「それでは」テクテク


曙「……………だ、誰よ。あれ」

陽炎「……だから言ったじゃない…」

Z3「♪」テクテク

Z1「マックス!」トテテ

Z3「あら、レーベ」

Z1「お疲れ様マックス!今日は提督の書類仕事の手伝い?」

Z3「そうよ。ちょっと資料を取りに行くところ」

Z1「ふぅん………」ジー

Z3「? レーベ?」

Z1「えっ!?」

Z3「どうかした?私の顔に何か付いてる?」キョトン

Z1「う、うぅん。そうじゃなくて…」

Z1「マックス…なんだか雰囲気変わった?」

Z3「…そう?」

Z1「うん。何だか大人っぽくなった気がする」

Z3「ふぅん…?私は特に何も変わってないと思うけど…?」

Z1「そっか…。きっと僕の気の所為だよ。ごめんね、変なこと言って」

Z3「いいえ。気にしてないから大丈夫よ」ニコ



Bismarck「あ!見つけたわマックス!!」

Graf「お、おい待てビスマルク!落ち着け!」

Z1「ビスマルク?それにグラーフも」

Z3「どうかしたのかしら?」

Bismarck「聞いたわよマックス!あなたこっそり提督と温泉行ってたそうじゃない!」

Z3「急ではあったけど別にこっそりではないわよ」

Bismarck「そんな些細なことはいいわ!それよりも!」

Z3「なに?」

Bismarck「どうして私も連れてってくれなかったのよ!?私だって温泉に行ったことなんて……むぐっ?!」

Graf「……落ち着けビスマルク。第一、マックスと不知火、Admiralの三人だけで行きたかったのだろうから当り前だろう」

Bismarck「むー!むー!!」ジタバタ

U-511「……温泉?」ヒョコ

Graf「ユーか。GutenMorgen」

U-511「GutenMorgen…マックス、温泉行ったの?」

Z3「えぇ」

U-511「……いいな。ユーも行ってみたい…」

Prinz「私も行ってみたいですー!!」ヒョコ

Z1「あ、あはは…なんだかみんな集合しちゃったね」

Z3「仕方ないわね…。提督に聞いてみるわ、もちろん確実に行ける保障はできないわよ?」

Bismarck「その言葉だけで十分よ!ふふ、そうときまれば今度の作戦、大活躍して見せるわ!!」

Prinz「ビスマルク姉さま、私もがんばります♪」

U-511「……でっち達にも相談してみる」トテテテ

Z1「だ、大丈夫かな…」

Z3「大丈夫よ。ビスマルクなら明確な報酬を見せてあげたほうが成果が出てるわ」

Z1(なんだかマックスのビスマルクの扱い方が凄く上手になった気がする…)


Graf「マックス。ひとつだけ聞いてもいいか?」

Z3「何かしら、グラーフ?」

Graf「……旅行先で、何かあったか?」

Z3「何か…って?」

Graf「あ、いや……その…だな…」アセアセ

Z3「…ふふ」フッ

Z1「?」

Z3「内緒、よ」クス

Graf「……や、やっぱり何かあったのか!?お、おいマックス?!」

Z3「内緒よ。さて、私は仕事があるから」テクテク

Graf「ま、待ってくれマックス!お前まさかAdmiralと……!//」

Z1「え?なに?どうかしたのグラーフ?」

Graf「あっ…い、いや……れ、レーベにはまだ早い!!//」ダッ

Z1「え?ぼ、僕には早いって何が!?余計に気になるよグラーフ!グラーフってば!」ダッ


Z3「もう、皆本当に忙しないわね…」フゥ

【執務室】

コンコン

提督「はい、どうぞー?」

不知火「失礼します、司令」ガチャ

Z3「あなた、入るわ」

提督「不知火、マックス。二人とも任せた仕事は終わったのか?」

不知火「はい。それほどの仕事ではありませんでしたから」

Z3「私も今日は順調にできたから早く終わったわ」

提督「さすがだなぁ……ごめんな。こっち終わってなくて」

Z3「いいのよ。あなたの仕事の量が多いのは分かってるから」

不知火「司令、今少しだけ不知火達にお時間頂けますか?」

提督「ん?うん、もちろん大丈夫だぞ」

Z3「……」キョロキョロ

提督「どうしたマックス?何か探してるのか?」

Z3「いいえ。今年は早めに渡せそうで良かったわ」

提督「え?」

不知火「司令。こちらを」スッ

Z3「私も。受け取って、あなた」スッ

提督「おぉ!チョコ…!」

不知火「去年は遅れてしまい申し訳ありませんでした」

Z3「今年はきちん時間を取ったからちゃんとしたものができたわ」

提督「え?今回も手作り!?」

不知火「もちろんです。司令のためですから」

Z3「もう、当たり前じゃない」クス

提督「……ありがとう。凄くうれしいよ二人とも」ポンポン

不知火「ん…喜んで頂けたようで何よりです」

Z3「ふふ、作った甲斐があったわ…♪」

提督「それじゃ早速…」ガサガサ

提督「おぉ、不知火のはハートのチョコか…!しかもちょっと大きめだ」

不知火「あまり捻りがありませんが…」

不知火「不知火の想いを乗せたつもりです…//」カァ

提督「ありがと、不知火」ニコ

不知火「いえ…//」プイ

提督「マックスのは……」ゴソゴソ

提督「ハートの小さいチョコがいっぱい…作るの大変だったんじゃないのか?」

Z3「そんなことないわ。ただ、食べやすいようにした方がいいと思って」

提督「マックスは本当に気配りできる優しい子だな…」ナデ

Z3「……そんなことないわ//」プイ

不知火「……」

提督「不知火」ポン

提督「いっとくけど、大きいから食べにくいものを渡してしまったなんて思わないでくれよ?」

提督「気配りとか味じゃなくて、二人から貰えたことが嬉しいんだから」

不知火「…司令はなんでもお見通しですね」

提督「不知火とマックスに関わることならな」ニコ

不知火「……それなら、これは予想できますか?」ゴソゴソ

提督「?」

不知火「……ん」ハム

Z3「!」

不知火「…ど、どうぞ……//」ズイ

提督「た、食べていいのか……?//」

不知火「…//」コク

提督「…ん」パク

不知火「……ん」チュ

提督「ん…」

不知火「…ごちそうさまです、司令」クス

提督「いや、こっちこそ…//」


Z3「あなた」クイクイ

提督「どうした、マックス……んっ?!」

Z3「ん……んむ」

提督「…ぷは」

Z3「…この大きさにした本当の理由は、こういうことするためだったの」

Z3「…不知火に先を越されたけれど」プク

不知火「ふふ、早い者勝ちですよ。マックス」

Z3「……むぅ」

提督「不知火、マックス」

不知火・Z3「?」

提督「二人ともありがとう。今までで最高のバレンタインだった」ニコ

不知火「それは良かったです。私達も用意した甲斐がありました」ニコ

Z3「でも、来年はもっといいバレンタインにしてあげるから。楽しみにしてて、あなた」ニコ

提督「あぁ、楽しみにしてる」

【工廠】


カーンカーン

Z3「…ふぅ、今日のところはこんなところかしら」

妖精「ゴロゴロー」ゴロゴロ

妖精2「ドラムカン、イッパイ」ゴロゴロ

Z3「ごめんなさい、片付けお願いね」

妖精「オマカセー」スイー

Z3「さて、私もこの辺の資材の工具の片付けしないと」カチャカチャ

提督「マックスー?」ヒョコ

Z3「あなた?」

提督「いたいた。調子はどうだ?」

Z3「ちょうど今終わったところよ。どうかしたの?」

提督「外見たら急に天気悪くなってな…傘持って来てないだろ?」

Z3「あら…本当。気付かなかったわ」

提督「マックスは集中するとほかの事に気付けなくなること多いからなぁ」

Z3「ふぅん…人のこと言えるのかしら」プク

提督「まぁまぁ、似たもの同士ってことで」ナデナデ

Z3「ん……♪」


ポツ...ポツポツ... ザー


提督「ありゃ…降って来ちゃったか」

Z3「本当に傘がなかったら参ってたわね。Danke、あなた」

提督「どういたしまして。それじゃ片付けも終わったし執務室戻ろうか」バサッ

Z3「……」ピタ

提督「? どうしたマックス?傘差していかないと濡れるぞ?」

Z3「…そうね。それじゃ…」ピト

提督「…マックス?」

Z3「あなた。私のこと濡らさない様にしてくれる?」

提督「…もちろん。ほら、もっとこっちに」ダキ

Z3「ん…♪」ギュ

Z3「一度してみたかったの、相合傘」

提督「俺も初めてだよ。マックスと出来て嬉しい」

Z3「ふぅん…そうなの?…ふふ♪」

【執務室】

ザー


不知火「…降ってきましたか」

不知火「どうやら司令の行動は正解だったようですね。さすがです」

不知火「……ん?」


提督「♪」テクテク

Z3「…♪」ギュー


不知火「……相合傘、ですか」

不知火(……その手がありましたか。さすがマックス…抜け目ない)

不知火「……」

不知火「はー………」

不知火「……」キュッキュッ

不知火(…物足りませんが、窓に相合傘でも書いて紛らわしますか……)キュキュッ

不知火「……し、ら、ぬい」キュ

不知火「し…れ、い……」キュ

不知火「……ふふ、我ながらなかなかの出来です」クス


ガサガサ


不知火「?」

青葉「………」

不知火「………」

青葉「……青葉!見ちゃいまし――――」

不知火「」バリーン ガシッ

青葉「たぁああああああああああああああああああああああああ!!!!?」

不知火「………まずはそのカメラを頂きましょうか?拒否するなら命を頂きますが」メキメキメキメキ

青葉「渡します渡します!!ですから命だけはあぁあああああ!!!」

不知火「まったく……」ピッ

不知火「………」ピタ

青葉「……し、不知火さん?」ビクビク

不知火「……いえ。不知火も少し大人げなかったです。ですが、前からいってるように盗撮は控えるように」スッ

青葉「え?は、はい……」

青葉「…あれ?」ピピッ

不知火「どうかしましたか?」

青葉「…先ほどの写真消さないんですか?」

不知火「構いません。ですが、データは後ほど提出して下さい。もちろんバックアップは許しません」

青葉「わ、分かりました……」

不知火「…なんですか?」

青葉「…なんだかこの前の旅行から変わりましたねぇ」

不知火「…陽炎にも言われましたが、不知火は何か変わったつもりはありませんが…」

不知火「…それほど以前の不知火と比べて違和感がありますか?」

青葉「なんといいますか…少し雰囲気が和らいだような気が…」

青葉「あとはそうですねぇ、司令官に対してのお気持ちを隠さなくなった気がします!」

不知火「……なるほど」

青葉「…あ、あれ?否定しないんですか?」

不知火「はい、それはむしろいい事なのでは?」

青葉「……ふーむ」

青葉「不知火さん!ずばり聞いちゃってもいいですか?」

不知火「なんでしょう」

青葉「この前の旅行先で、司令を一線を―――――」

不知火「どうやら命はいらないみたいですね」ボキボキ

青葉「失礼しました!!!!」ダッ


不知火「……はぁ、まったく。逃げ足だけは早い…」

不知火(…変わった、か)

不知火(確かにあの写真、以前の不知火では考えられない程………)




青葉「……」テクテク

衣笠「あーおばっ。今日は何撮ったの?」ヒョコ

青葉「あっ!これはダメです!衣笠には見せません!」ササッ

衣笠「えー!けちー!」ブーブー

青葉(……これは本来、司令官やマックスさんしか見ちゃいけない顔でしょうし、大人しくデータを提出しますか)

青葉(しっかしまぁ……司令官も罪づくりな人ですねぇ…)

青葉(不知火さんにこれほどまでに乙女の顔をさせるとは……)ニヤニヤ

衣笠「ぐぬぬ…にやにやして…気になる……!」

【執務室】


Z3「あなた。少しいい?」

提督「うん?」

Z3「私なりに新しい武装を追加する案を作ってみたのだけれど…」

提督「……ディス○ーションフィールドとか、プロテ○トシェードとかじゃないだろうな…」

Z3「……あなた?私のことをなんだと思ってるのかしら」ムス

提督(だってサイコフレームとか土星エンジンの前例があるし…)

Z3「もう。とにかくそういうのじゃないわ。きちんと考えたのよ」

提督「…そっか。疑ったりしてごめんなマックス」

Z3「いいえ。いいのよ、分かってくれれば」ニコ

提督「それじゃ早速見せてもらっていいか?」

Z3「えぇ。是非検討してくれると嬉しいわ」

提督「どれどれ…」カサ



[電改二 計画書]

― 右手を+電極、左手を-電極のコイルアームに改装
― 体内に発電装置を組み込み、前述のコイルアームを接触させることで発電装置を作動
― 生み出される電気を使用して攻撃に展開

例:電パンチ 電キック 等

備考
改三計画として超電子ダイナモを組み込み、チャージアップ....



提督「却下」

Z3「」


Z3「どうして!?」

提督「お前この計画書、どう考えても電に電パンチさせたいだけだろ!!!」

不知火(今度はストロンガーですか……)

【執務室】


提督「ふ~……疲れたぁ~!」ノビー

Z3「お疲れ様、あなた」

提督「マックスもお疲れ様。祝勝会は楽しめたか?」

Z3「えぇ。それに今回の作戦はそれほどの規模じゃなかったら心労も少なかったわね」クス

提督「あはは…ま、前回に比べればな」

Z3「でもあなた、今日はあまりお酒飲んでなかったわね?」

提督「悪酔い組を見てたらな…ちょっと控える気分になって…」

Z3「…ごめんなさい」

提督「マックスが謝ることじゃないさ。ビスマルク達だってかなり活躍してくれたんだから多少は大目に見るさ」

Z3「いいえ。いつも私達の国の戦艦や重巡や空母が迷惑かけてごめんなさい。誰とは言わないけど」ハァ

提督「ぐ、グラーフはほら…ここに慣れてくれてよかったってことで…」

Z3「限度を知ってほしいわ。まったくもう…!」プンスカ

提督「こらこらマックス」ナデナデ

Z3「んっ…」

提督「あんまり怒らないの。折角の可愛い顔が台無しだぞ?」

Z3「……そういう歯の浮くセリフはあなたには似合わないわよ?」

提督「うぐ…」

Z3「……嬉しい、けれど…//」チラ

提督「…」ナデナデ

Z3「……//」プイ

提督(そう反応されるともっと言いたくなる)ウズウズ


Z3「……ねぇ、あなた」

提督「うん?」

Z3「…もう、みんな寝静まったかしら?」

提督「そういえば食堂の電気消えてるな。それに騒ぎ声も聞こえなくなったな…」

Z3「ふふ…川内も今日は潰れて寝てるでしょうから静かね」クス

提督「まったくだな」クス


Z3「……………」

Z3「…」テクテク


カチャリ

提督「? どうしたマックス?鍵なんてかけて?」

Z3「……んっ」チュ

提督「んっ……!?」

Z3「んっ……んむ、ちゅ……」

提督「んっ……んん…!」


Z3「……は、ぁ…っ」プハ

Z3「……あなたぁ」ダキ

提督「…どうした?甘えたくなったのか?」

Z3「うん…」ギュ

Z3「…ねぇ、あなた?」

提督「ん?」

Z3「……ここで、シて?//」

提督「……えっ!?//」

Z3「…もう、みんな寝ているから。起きてる人はいないわ」

Z3「それに…あの日から一度もしていないでしょう…?//」

提督「そ、それならせめて俺の部屋で…//」

Z3「だめ」

Z3「それにあなた…。ここ、こんな風にして…部屋まで耐えられる…?//」サワ

提督「ちょ…!//」

Z3「…不知火には悪いけれど、一度だけでいいからあなたを独占したい日が欲しかったの」

Z3「だから、お願い。あなた…」ギュ-

提督「ま、マックス…//」

Z3「…それに」ボソボソ

Z3「あなたも私の軍服姿とシたいって思ってるの……知ってるわよ…♥」ボソボソ

提督「う…//」ギク

Z3「あなたが望むなら…どんな格好でも相手してあげるわ…//」ドキドキ

提督「……ここまで誘われた以上、もう我慢できないぞ、マックス…!」ガバッ

Z3「えぇ…来て。あなた……♥」

【後日 執務室】


Z3「…//」ソワソワ

提督「どうした?」

Z3「……いえ。ここにいるとどうしても……その、思い出してしまって…//」モジモジ

提督「…ここでしたいって言ったのはマックスだろ?」

Z3「分かってるわ。分かってるけど……!//」プシュー

Z3「うぅ……勢いに任せたせいで…後のことを考えてなかったわ……///」カァ-

提督「あの時のマックスは凄かったなぁ……まさか……」

Z3「も、もうあなた!!それ以上言わないで!恥ずかしいから!!//」ペチペチ

提督「いたいいたい!」

Z3「もう…!//」プイ

Z3「…でも、あなた。約束通り、きちんと不知火にも二人きりでの時間を作ってあげて」

Z3「今回は私のわがままだけど、不知火にも同じ機会がないと不公平だから…」

提督「分かってるよ。マックスは律儀だからな」ナデナデ

Z3「ん…もちろんよ。不知火には嘘をつきたくないから」



コンコン

雪風「しれぇ!失礼します!!」ガチャ

提督「お。雪風」

Z3「あら、雪風。Guten Tag.」

雪風「こんにちはマックスさん!!今日もかっこいいです!」ニパー

Z3「ふふ、Danke」クス

提督「それで雪風、何の用だ?」

雪風「はい!実は落し物を拾ったんですけど誰のか分からなくて…」

提督「落し物?何が落ちてたんだ?」

雪風「ノートです!これがそうなんですけど…しれぇ、ノート使いませんよね?」スッ

Z3「そうなると誰か艦娘の持ち物かしら?」

提督「ふむ…名前とか何か手掛かりになりそうなこと書いてなかったか?」

雪風「名前はなかったです。中に書いてあることも雪風には難しくて…」ムムム

提督「難しいこと?なんて書いてあるんだ?」

雪風「はいっ!えーと…」パラパラ


雪風「『すました顔しやがって…昨日ベッドであれだけ乱れてた癖に…!!』…とか?」

Z3「」ブフッ

提督「秋雲ォ!!!今すぐ執務室に出頭しろ!!!!///」

Z3(き、聞こえてないわよね…!?こ、ここの防音は完璧…それに声だってちゃんと抑えてたはず……////)カァ-

提督「…それで、マックスから話は聞いてる?」

不知火「はい。二人きりの時間を作るので好きに過ごしてほしいと」

不知火「ついでに言いますと、司令とマックスが執務室で不適切なことをしたことも」

提督「………す、すみません…//」

不知火「別に責めるつもりはありません」

不知火「……気持ちは分かりますから」ボソ

提督「え?」

不知火「…いえ。何でもありません…//」コホン

不知火「…ということで司令、本日は夕方からお時間頂けますか?」

提督「もちろん。今日はそれほど仕事も入ってないから」

不知火「ありがとうございます。ではマックスにもそのように伝えておきます」

提督「マックスが人払いしてくれるのか?」

不知火「はい。執務室の方には誰も近づかないよう取り計らってくれるそうです」

提督「何もそこまでしなくてもなぁ…」

不知火「マックスなりの気遣いです。不知火に抜け駆けしたことも気にしていたようでしたから、お言葉に甘えた方がいいでしょう」

提督「そっか。マックスがそう言うなら今回は頼るか」

不知火「了解しました。ではこちらを」カサ

提督「……あの、これは?」

不知火「夜に予定していた仕事です。夕方までに終わらせてください」

不知火「不知火も司令と気兼ねなく過ごしたいですから。よろしくお願いしますね」

提督「………はい」

不知火「では不知火は訓練の見回りをしてきますので、失礼します」ガチャ


パタン


提督「こういうところは不知火らしいよなぁ…とほほ……」

【夕方 執務室】


不知火「失礼します」ガチャ

不知火「司令、お茶を淹れましたがお仕事の方は…?」

提督「おかえり、不知火」

提督「ちょうど終わったところだよ。これで今日の分の仕事は全部終わり」

不知火「了解しました。では本日の執務はこれで終了ということで」

提督「うん」

不知火「ではお茶をどうぞ。司令も机の前でなくこちらで休んだらいかがでしょう?」

提督「そうする。隣、座るよ?」

不知火「はい」

提督「……」

不知火「……」

提督(……静かだなぁ)ズズ

提督(でも不知火と一緒ならこういう静かな時間も悪くない…うん)

不知火「……司令、少しだけ肩をお借りしてもいいですか?」

提督「ん?うん、もちろん」

不知火「……」ポフ

提督「どう?」

不知火「……落ち着きます。とても」

提督「……」ナデナデ

不知火「ん……」

提督「……あっ」

提督「不知火、それ昔俺があげたリボン…?」

不知火「気付いてくれましたか」クス

不知火「その通りです。以前、不知火が髪を下して仕事をしていた時に司令から頂いたものです」

不知火「実は、先ほど部屋に戻っていつもの髪留めから変えてきました」

提督「今思えばあの頃から俺に色々アプローチしててくれたのか…」ナデナデ

不知火「はい。ですが司令はまったく気づいてくれませんでしたが…」ジト

提督「す、すまん……」

不知火「構いません」

不知火「こうして司令は、不知火を傍に置いてくれることを選んでくれたのですから」ギュ

提督「でも嬉しいよ。そんな安物のリボンでも大事にしててくれたなんて」

不知火「不知火の一生の宝です。安物かどうかなんて関係ありません。それに、司令に返せと言われても絶対に返しません」

提督「…そっか。そう言ってもらえるとプレゼントした甲斐があったよ」クス

不知火「お待たせしました司令。夕食の準備ができました」

提督「おぉ。ありがとう不知火」

不知火「我儘を聞いていただいて申し訳ありません。どうしても司令に振舞いたくて…」

提督「いやいや、不知火の手料理ならいくらでも歓迎だよ」

提督(……それに不知火の制服に、エプロン姿)

提督「……眼福」

不知火「はい?」

提督「な、なんでもない」アセアセ

不知火「? では司令。どうぞ」コト

提督「……こ、これ全部不知火が!?」

不知火「はい。時間のある時に間宮さんにご指導頂いています」

不知火「…どうぞ。召し上がってください」

提督「焼き魚に肉じゃが…どれも美味しそう」

提督「いただきます!」パク


不知火「……ど、どうでしょうか?」

提督「………美味い!」

提督「凄いよ不知火。間宮さんに引けを取らないくらいだぞ」

不知火「それは言いすぎですが……司令にそう言われるのは素直に嬉しいです」ホッ

不知火「…司令。もうひとつ不知火の我儘を聞いてくれますか?」

提督「うん。いくらでも構わないよ?」

不知火「では……」スッ

提督「?」

不知火「あ、あーん……」

提督「………」

提督(なにこれ?エプロン姿の不知火に手料理振舞ってもらって、挙句にあーんまでしてもらえるとか)

不知火「司令?」

提督「…あむ」パク

不知火「…どうですか?」

提督「自分で食べるより美味しい」ニコ

不知火「……なら、迷惑でなければもう少ししてもいいですか?」

提督「迷惑なんてとんでもない、むしろ嬉しいから」

不知火「……ふふ、そうですか♪」クス

提督「さて、そろそろ寝ようか不知火」

不知火「はい。失礼します」モゾモゾ

提督「電気消すぞー」パチ


提督「…」

不知火「……」

不知火「…あの、司令」

提督「うん?」

不知火「……手を、繋いでも?」

提督「…もちろん」ニギ

不知火「…♪」ギュ

提督「不知火の手、温かいな」

不知火「司令もです。それに…大きくて安心します」

提督「不知火の手は小さくてすべすべしてるな」

不知火「…司令」

提督「んー?」

不知火「…不知火はこうしているだけで幸せです」

提督「俺もだよ」クス

不知火「…同時に、申し訳ありません」

提督「…急にどうした?」

不知火「…不知火は、マックスのように司令に迫る勇気がありません……//」

提督「ぶっ…!///」

不知火「ですから…せめて他の部分でと思って今日は色々させていただいたのですが…」シュン

提督「…不知火」ナデナデ

不知火「んっ…」

提督「身体を重ねることが一番大事なわけじゃないよ。今日不知火が俺にしてくれたこと、全部嬉しかったから」

提督「無理にすることはないよ。マックスはマックス、不知火は不知火の得意なこと不得意なこと。それぞれの魅力があるんだからな」ニコ

不知火「司令…」

不知火「……本当に、司令は不知火にはもったいないほどです…」ダキ

提督「そんなことないって。俺には不知火がいないとダメだよ」ギュ

不知火「…では、最後に……」チュ

提督「ん…」

不知火「不知火からの、愛です…//」

提督「確かに受け取りました」ナデナデ

不知火「はい、不知火も受け取りました…//」カァ

【食堂】


陽炎「……うーん」

Z1「どうしたの陽炎、そんなに唸って?朝ごはんが合わないの?」モグモグ

陽炎「いや違うのよ。朝ごはんはむしろ好きなものが多くて最高よ!」

Z1「じゃあどうしたんだい?」

陽炎「レーベも何となく感じてない?つい最近、不知火とマックスの雰囲気が変わった気がするの」

Z1「あ、うん。僕も思ってたよ。何だか最近大人っぽくなったよね」

陽炎「そうなのよね…女の子から女性になったって言うか…」ムムム

Z1「そんなに気になるの?いい事なんじゃない?」

陽炎「う~ん。そうなんだけど…どうしてそうなったんだろうと思って」

Z1「そういえばどうしてだろうね?」キョトン

陽炎「……う~ん」

Z1「そういえばグラーフはなんだか心当たりあるみたいだったなぁ。結局教えてくれなかったけど」

陽炎「そうなの?」

Z1「うん。なぜか『レーベには早い!』の一点張りで最後まで教えてくれなかったけど」

陽炎「レーベには早い…?」

陽炎「……うん?大人っぽくなった?大人の階段……大人の……」ブツブツ


陽炎「!!!///」ガタッ

Z1「ど、どうしたの陽炎?」ビク

陽炎「あ……//」

陽炎「な、何でもない!何でもない!ちょっとね!あはは……//」

Z1「もしかしてさっきのグラーフの心当たりのこと分かったの?」

陽炎「へっ!?あ、あー…ま、まぁ。たぶん?//」アセアセ

Z1「それなら僕にも教えてよ!グラーフが教えてくれなかったから凄く気になってたんだ!」

陽炎「え!?あ、あー…え、えと…//」

Z1「陽炎?」キョトン

陽炎「だ、だめ!!レーベにはまだ早いからー!!!///」ダッ

Z1「え、えぇっ!?陽炎まで!?ちょ、ちょっと待ってよー!!」ダッ

提督「そういえばマックス」

Z3「なに?あなた」ヌクヌク

提督「最近ドイツ艦の皆はどうだ?グラーフもそろそろ日本に慣れたか?」

Z3「えぇ。正直に言うと日本の文化に染まりすぎてるんじゃないかしら」ヌクヌク

提督「…そうだな。ところでマックス」

Z3「なに?」ヌクヌク

提督「…その炬燵、そろそろ片付けてもいいか?」

Z3「ダメよ」ヌクヌク

提督「…理由を聞こうか」

Z3「まだ寒いわ。あなたも風邪をひいたりしたら大変よ。防寒対策は大事なのだから」キリッ

Z3「……はふぅ」フニャ

提督(あの真面目なマックスまでもいとも容易く陥落させるとは…炬燵恐るべし)




Graf「Admiral。失礼する」ガチャ

提督「グラーフ?どうした?」

Graf「先日Admiralに頼まれていた書類の提出にきた」

提督「お。もう書いてくれたのか。仕事が早くて助かるよ」

Graf「この程度ならすぐ終わるさ。それよりマックスは…」チラ

Z3「……すぅ」zZZ

提督「はは…炬燵の魔力にやられて、な」

Graf「…まぁ、気持ちは分からなくもないがな」

Graf「それにしても…Admiralの前ではこうも無防備とはな…普段のマックスからは考えられないな」

Graf「それもAdmiralの人を惹きつける力と言ったところか?」クス

提督「嬉しいけどな。こうして俺の前では素を見せてくれるから」

Graf「そうか。さて、あまりAdmiralから惚気を聞くつもりはないからこれで失礼する」

提督「……ん?待てグラーフ。何か違う書類が紛れ込んでるぞ?なんだこれ…?」カサ

Graf「え?」

『ケッコン書類』

提督「……………えーと」

Graf「う、うわぁあああああああ!!!!////」バッ

Graf「ち、ちちち違うんだAdmiral!!こ、これは何かの間違いで…!だ、だから……!///」アタフタ

Graf「し、失礼するっ!!!///」ダッ

提督「ちょ……」



<キャッ!?

<アッ!?ス、スマナイショウカク!!

<ダイジョウブデス ソレヨリモナニカオトシマシタヨ?

<アラ、コレハ...

<ウワァアアア!!ミルナァアアアアアア!!!///


提督「………………」

提督(そっとしておこう)

Z3「ん……むにゃ……zZZ」スヤスヤ

不知火「………」

不知火(…この前、司令に手料理を振舞ったときに妙な視線を感じましたが……)

不知火「……もしかして、このエプロン姿がお好きなのでしょうか?」ウーン

不知火「どう思いますか、陽炎?」

陽炎「そんなこと言われても知らないわよ!不知火の方が司令のこと知ってるでしょ」

不知火「……むぅ」

陽炎「…まぁ、不知火がどんな服着ても司令なら嬉しいんじゃない?」

不知火「そういうものでしょうか?」

陽炎「それにしてもエプロン姿ねぇー…司令って家庭的な雰囲気が好きなのかしら」ウーン

陽炎「あ、そうだ。エプロン着るならいい事教えてあげよっか?たぶん司令も喜ぶわよ」

不知火「是非お願いします」ズイ

陽炎「ちょ!近い近い!落ち着きなさいって不知火!」

不知火「失礼しました」スッ

陽炎(ほんっとに司令が絡むと周りが見えなくなるわね……)

陽炎「…こほん。今日って不知火、司令の部屋に泊まる日よね?」

不知火「はい。その通りです」

陽炎「いい?今日は司令の部屋に先回りして出迎えてあげるの。で、司令が帰ってきたら――――」

提督「……ふーむ」

Z3「お疲れ様、あなた」

提督「マックスもお疲れ様。今日はこのあとドイツ組の皆と夜ごはんだったか?」

Z3「えぇ。今日は不知火があなたの部屋に泊まる日だったわね」

提督「うん。何だか夕食も用意してくれるらしいから今日は早めに俺の部屋に戻ってるよ」

Z3「ふぅん…。ふふ、よかったわね、あなた」

提督「最近不知火の料理の腕も凄く上達してるからなぁ。楽しみで仕方ない」ワクワク

Z3「それじゃ、そろそろ私は食堂の方に行くわね。今度私が泊まる時にはまた私が作ってあげるわ」ニコ

提督「うん、楽しみにしてるよ。それじゃ楽しんできてくれ、マックス」

Z3「えぇ。あなたも」

パタン


提督「さて、そろそろ戻るか」





【提督の部屋】

提督「不知火、ただいまー」ガチャ

提督(夕飯の良い臭いがする……)ホワホワ

パタパタ

不知火「司令」ヒョコ

提督「ただいま、不知火」

提督(おぉ…今日もエプロン姿…素晴らしい)

不知火「………そ、その」モジ

提督「?」

不知火「………………お」

提督「お?」

不知火「…お、お風呂にしますか?ご飯にしますか?そ、それとも………」

不知火「……し、し・ら・ぬ・い?」

提督「」

不知火「……な、何かおっしゃってください。司令……///」カァ-

不知火(何ですかこれは……!予想以上に恥ずかしい……!//)プシュー

不知火「あ、あの…司令?」

提督「」

不知火(……あまりの出来事に放心されている。やはり不知火には似合わなかったでしょうか…)シュン

提督「…………し」

不知火「?」

提督「し、しら……ぬ……」

不知火「!!!」ハッ

不知火「し、司令!!今なら夕飯が温かいまま頂けます!!」

不知火「ふ、風呂もちょうど沸いたところです!!司令がご満足頂ける温度になっています!」

提督「…………」

不知火「……」

提督「……そ、そうだな。それじゃあ冷めるのももったいないから不知火の料理を貰うよ」

不知火「承知しました。それではすぐ用意します」パタパタ


不知火(……あ、危なかった。あのまま司令がもし不知火を選んでいたりしたら……///)ドキドキ

不知火「……//」ゴク

不知火「!」フルフル

不知火(…何を馬鹿なことを……不知火も少し頭を冷やさないと……//)ハァ

不知火(…とにかく。陽炎には後できつく言っておきましょう)

提督「不知火」

不知火「はい?」

提督「……夕飯の後、お風呂入るな」

不知火「? はい。了解しました」

提督「だから……その、風呂からあがった後なんだが」

提督「……不知火、貰うな」ニコ

不知火「………?」

不知火「…………」

不知火「…!!!///」ボンッ

不知火「…は、はい……//」プシュー

陽炎「………」ウーン

陽炎(……今までのことを色々振り返って思ったけど…)

陽炎(…私ってもしかして、ムッツリ!?)ガーン

陽炎「……い、いや。いやいやいや…そんなはずないわ。皆きっとすっとぼけてるだけよ」

陽炎「……ちょっと皆に試してみようかしら」

陽炎(そうね……質問は…『Hになればなるほど硬くなるもの』って何?ってとこかしら)

陽炎「完璧ね!全員引っかかるはずよ!!よし、そうと決まれば聞いてみるしかないわ!!」



―皐月の場合

皐月「Hになればなるほど?それって鉛筆のことだよね?」キョトン

―長月の場合

長月「…? 鉛筆だろう?他に何かあるのか?」

―霰の場合

霰「…鉛筆」

―潮の場合

潮「え、えっと…鉛筆、ですよね。あとは特別何も浮かばないんですけど…何かあるんですか?」




陽炎「……嘘よ、そんなはずないわ……」ズーン

陽炎(だけど全員嘘ついてる様子はなかったし…つまり本当に…)

陽炎「やっぱり私だけ……うぐぁぁぁぁぁ…///」ガーン


曙「……何してんの?」

陽炎「今ものすごい自己嫌悪に陥ってるのよぅ……うぅ……///」

曙「はぁ…?」

陽炎「はぁ……ねぇ曙、『Hになればなるほど硬くなるもの』って何?」

陽炎「…なーんて、答え分かるわよね。そうよ…正解は鉛ぴ――――」

曙「な、な……ななな………///」ワナワナ

陽炎「え?」

曙「何言ってんのよこの馬鹿!!///」スパーン

陽炎「痛ぁっ!?」

曙「アホ言ってんじゃないわよ!!時と場所を考えなさいっての!!///」プイ

陽炎「……あ」パァアアア

陽炎「曙ー!!!!」ダキッ

曙「んなぁっ!?」

陽炎「曙もムッツリだったのね!!よかったー!!!」ギュー

曙「誰がムッツリよ!!/// てか放しなさいよ!!」ジタバタ

陽炎「安心して!ムッツリな曙も私は大好きだから!」

曙「放せこの変態ー!!!//」

不知火「…ふー」

陽炎「お疲れ様ー、不知火」

不知火「お疲れ様です陽炎」

陽炎「ひっさしぶりに不知火と演習だったわね♪書類仕事ばっかりで鈍ってるのかと思ってたわよ」

不知火「陽炎とは違いますから」

陽炎「ちぇー、司令といるときはデレデレしてるのに私と二人っきりだと厳しいこと」ブーブー

不知火「…別にデレデレなどしていません」

陽炎「……へぇ~?そういうこと言う?」ニヤニヤ

不知火「普通です」


提督「あ、いたいた。不知火ー」テクテク

不知火「!」ピクッ

不知火「しれ―――」ハッ

陽炎「……」ニヤニヤ

不知火「…」

不知火「…司令。本日の演習は無事終了しました」

提督「そっか。よかった」

不知火「それで、不知火に何かご用でしょうか?」

陽炎「ぷぷ…無理しなくてもいいのに」ボソボソ

不知火(…あとで説教ですね)イラッ

提督「マックスにはもう渡しちゃったけど、はい。不知火にも」カサ

不知火「……これは?」

提督「クッキー。この前のバレンタインのチョコレートのお返しだよ」

不知火「…!」

提督「皆にももちろん渡すけど、どうしても先に二人に渡したかったから」ニコ

陽炎(おー…さすが司令、そういうところしっかりしてるわね♪)クス

不知火「……」プルプル

提督「…あれ?不知火、もしかしてクッキーダメだった?」

不知火「……いえ」

不知火「…そう、ですか。チョコレートのお返し、ですか」

不知火「…まぁ、有り難くはありますね。頂いておきます」

提督「……」

不知火「……」

提督「…」ナデナデ

不知火「!?」

不知火「し、しれ…//」

提督「何か不機嫌になるようなことがあったのかもしれないけど、いつもの不知火の方が俺は好きだぞ?」ナデナデ

不知火「ぅ……は、はい…//」カァ

陽炎(…結局、目の前でイチャつかれるのは変わらないのね……)ハァ

Z3「……」ムムム

Z1「マックス、ただいまー」ガチャ

Z3「お帰りなさい、レーベ」

Z1「どうしたのマックス?なんだか難しい顔してたみたいだけど」

Z3「…いえ。何でもないわ」

Z1「…うん?マックス、その袋は?」

Z3「あ……」

Z1「……むー、マックス。僕に何か隠し事してるの?」ジトー

Z3「う…そういうわけじゃないのだけれど…」

Z1「…」ジー

Z3「……ふぅ。これよ」カサ

Z1「…うん?これ……って!?」

Z1「ちょ、ちょっとマックス!これ提督から貰ったホワイトデーのクッキーじゃないか!」

Z3「えぇ。その通りよ」

Z1「まだ食べられると思うけど……何でまだ残ってるの?」

Z3「……………もったいなくて」

Z1「えぇー…」

Z3「だ、だって折角、提督が用意してくれたのよ。嬉しいのは間違いないわ。一番最初に貰えたし…」ギュ

Z3「…そう思ったら、もったいなくて…一つだけ食べたけど」

Z1「そんな非常食じゃないんだから…」

Z1「…あれ?」

Z3「どうしたの?」

Z1「へー…。ハートマークのクッキーだ」

Z3「? えぇ。バレンタインのお返しだし、普通じゃないかしら?」キョトン

Z3「それにレーベだって貰ったのでしょう?」

Z1「うん、貰ったよ。でもね…」

Z3「でも…なに?」

Z1「他の駆逐艦の皆と一緒に食べたんだけど、誰にもハートのクッキーなんて入ってなかったよ」

Z3「……え」

Z1「たぶん、マックスと不知火さんの分にしか入ってないんじゃないかな」クス

Z3「…!」

Z3「……やっぱり食べるわ」ガサガサ

Z1「うん、それがいいと思うよ。コーヒー淹れてくるね」

Z3「Danke.レーベ」モグモグ

Z1(というか…提督ならマックスが言ってくれればいつでも喜んで用意してくれると思うけどなぁ…)ヤレヤレ

【提督の部屋】


不知火「……よし」カチ

不知火「司令。朝食の準備ができました。起きてください」ユサユサ

提督「…」グーグー

不知火「司令」ユサユサ

提督「ぐぅ…」zZZ

不知火「司令…朝ですよ」

不知火(…まぁ、昨日は遅くまで書類仕事でしたからね)

不知火「…春の作戦が近いとはいえ、無理をなされたら本末転倒ですよ」ツンツン

提督「むにゃ……」

不知火「……」ジー

不知火(……こうしてみると、寝顔はまるで子供のようですね)クス

不知火「起きているときはいつも不知火のことを振り回しているのに…まったく」

不知火「……」

不知火「……」ガバ

不知火(……起きて、ません…よね?)ジー

不知火「……」ズイ

提督「……」

不知火(……近い//)カァ

不知火「司令が寝ているときくらいしか、勇気が出せない自分が少し情けないですが…」

不知火「……ん」チュ



不知火「……//」

提督「……お、おはよ。不知火…//」

不知火「!?//」ビクッ

不知火「し、司令?!い、いつから起きて……!//」

提督「い、いやぁ…実は最初から…//」

不知火「な……!!//」

提督「ね、寝たふりしてたらどうなるかなー…って思って…つい…//」アハハ

不知火「~~~~ッ!!///」ペシペシ

提督「わ、悪かったって不知火!!」

不知火「知りません!!司令は朝食抜きです!」プイ

提督「ちょ!?ゆ、許してってば!不知火ー!」

皐月「いやー、今日の遠征大成功だったね!」テクテク

長月「そうだな。今日は全員調子が良かったのもあるしな」

霰「曙、敵の対処凄かった」

陽炎「ホントよねー、敵と遭遇したときはどうしようかと思ったけど、曙が無双してくれたわよね~」

潮「曙ちゃん、最近凄く訓練してるもんね」ニコ

曙「……そう思うなら自分も訓練したら?」プイ

陽炎「あ、照れてるー」ニヤニヤ

曙「照れてない!第一、あんた嚮導艦でしょうが!ちゃんと指揮しなさいよ!!」

陽炎「嚮導艦だって大変なのよ?あ、それなら曙やってみる?」

曙「お断りよ」プイ

皐月「文句言いながら曙は陽炎がじゃないと嫌だもんねー」ニヤニヤ

長月「まったくだな」ニヤニヤ

曙「うっさい!!好き勝手言うな!」ウガー

霰「それより…執務室、着いた」

潮「ほ、ほら。報告に行きましょう?」

曙「分かってるわよ…まったく…」ピタ

陽炎「? どうしたの曙?」

曙「しっ…!」




提督『んっ……』

Z3『あなた。ここ、随分固くなってるわね』

提督『最近、してもらってなかったからな…』

不知火『あまり我慢するのはよくありません』

Z3『そうよ。んっ……今なら手が空いてるから。私が楽にしてあげるわ』

不知火『む……マックス。不知火も…』

Z3『えぇ。二人でやりましょう。いいわよね、あなた?』

提督『あぁ…頼む。二人にしてもらえると凄く気持ちいいから…』

Z3『えぇ、任せて』

不知火『では司令。座って楽にしてください』



陽炎「な、な……ななな……///」

曙「執務室で何してんのよクソ提督ー!!!!///」バンッ

提督「ん?」

曙「………え?」

不知火「曙?」

陽炎「……へ?」

Z3「曙、ドアは蹴り開けるものじゃないわよ」

曙「え?あ…あれ?ご、ごめん……」

長月「どうした曙。いきなり怒りだして…何事だ」

霰「…乱暴」

皐月「いきなりどうしたのさ曙…あ、司令官!」

提督「おぉ、みんな帰ってきたのか。おかえり」

潮「あ……提督。噂のマッサージしてもらってたんですか?」

陽炎「ま、マッサージぃ………?」

提督「おう。ちょっと肩こりがひどくてな…そういえば潮には話したことあったな」

潮「はい。不知火さんとマックスさんがとても上手いって聞いてました」ニコ

皐月「えー、いいなー司令官」

長月「書類仕事ばかりで肩が凝るのは分かるが、少しは運動したらどうだ」

提督「うぐ…すまん」

霰「……報告」

不知火「そうですね。遠征の結果の報告をお願いします」

Z3「あなた。また後でしてあげるから」

提督「ん、ありがとうな」ニコ



曙「…………////」

陽炎「……///」

皐月「ところで曙、入る前に何と勘違いしてたの?」キョトン

曙「うぇ!?な、ななな何でもないわよ!!//」

曙「し、仕事中にマッサージしてもらうなんて良い身分ね!ふんっ!///」プイ

皐月「マッサージくらいでそんなに怒らなくてもいいのにねぇ……」ヤレヤレ

陽炎「……曙のむっつりすけべ」ボソボソ

曙「あんたにだけは言われたくないわよ!!//」

弥生「……はぁ」

Z3「あら、弥生。どうしたの」

弥生「マックス…お疲れ、さま」

Z3「お疲れ様。さっきの演習で疲れているの?」

弥生「うぅん…そんなことないけど…」

Z3「けど…?」

弥生「…卯月がここ最近騒がしくて」ハァ

Z3「…卯月が?いつものことじゃなくて?」

弥生「…日本では、旧暦で4月のことを卯月っていうの」

Z3「へぇ…初めて知ったわ」

弥生「卯月本人とはあんまり関係ない気がするけど、その話題で最近よく盛り上がってて…」

弥生「それと…この前はエイプリルフール」

Z3「エイプリルフール……あぁ。そういうこと」

弥生「…さんざん振り回されたせいで……ちょっと、ね」

Z3「……心中察するわ」

弥生「いいの。不知火にも嘘吐いて、こっぴどく怒られてたから」

Z3(卯月のその相手を選ばない怖いものなさは凄いわね…)

Z3「弥生、今度時間が空いてたら一緒に間宮でもどうかしら。お話でよければ聞くわ」

弥生「ありがとうマックス……今度、お願いする」ペコリ




【執務室】


Z3「……」

Z3(そういえばエイプリルフールなんてものがあったわね…)

提督「…」カリカリ

Z3「…あなた」

提督「うん?どうしたマックス?」

Z3「……」

提督「?」

Z3「故郷へ帰らせていただくわ」

提督「」ポロッ

Z3「……なんて、うs……」

提督「」ガタ

Z3「……あ、あなた?」

提督「………そうか」

Z3「え?」

提督「………海に還る」

Z3「!?」

Z3「あ、あなた!!だめっ!!」ダキッ

提督「……マックス?」

Z3「……ごめんなさい、あなた。嘘なの」ギュ

提督「……嘘?」

Z3「その……遅いエイプリルフールと思って」

提督「………本当に嘘、なんだよな?」

Z3「えぇ……故郷になんて帰らないわ」

提督「………よかったぁぁぁぁ」ホッ

提督「マックスに嫌われたりしたら生きていけないよ……」

Z3「…そう」ギュ

Z3「…ありがとう、あなた。そう言ってもらえるの…凄くうれしい」

提督「……だけどマックス。俺は嘘とわかって凄く怒ってる」

Z3「ぅ……」

提督「…罰として、一週間、俺の部屋に泊まるの禁止」

Z3「」


Z3「………………そ、そう。そうね……そのくらいが妥当……よね」ダラダラ

提督「……」

Z3「……」ズーン

提督「…」ナデナデ

Z3「…あなた?」

提督「……やっぱり今のなし」

Z3「え?」

提督「今日は予定通り俺の部屋に泊まること。分かった?」

Z3「だけど……」

提督「マックスだって反省してるだろう?それに俺はマックスのそんな泣きそうな顔みたいくないから」ナデナデ

Z3「……あなた、優しすぎるわ」ギュ

Z3「そんなあなたの優しさに甘える私が…少し嫌になるわ」

提督「いいんだよ。いくらでも甘えてくれ」クス

Z3「…ふぅん?」

Z3「それじゃあ…今日の夜も、沢山甘えさせてもらうわね?」チラ

提督「もちろん」ナデナデ

Z3「……ふふ♪」

陽炎「わらしべ長者してみる」
陽炎「わらしべ長者してみる」 - SSまとめ速報
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56 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:06:17.33 ID:2vN2clFz0
メモで書いてるから55までレスきてるとは思ってもみなかったwwwww
はえーよw

提督「ほら、間宮券だ」

陽炎「しーれーいーかーん?」

提督「何だよ、高価なもんだろ?」

陽炎「確かに高価だけどさぁ~……あーもういいや、今日は疲れちゃったから間宮さんのところで甘味食べて寝るよ」

提督「おうそうしろ……ところで陽炎?」

陽炎「なに?」

提督「来週にはたくさん間宮が手に入るかもしれんぞ?」

陽炎「……はぁ?それってどゆこと?」

提督「明日には説明するよ。ほら、今日はお疲れさんってことだ」

陽炎「全く意味わかんないけど……はーい」



提督「……あいつなら、あの3人を止められるかもしれないな」

提督「……人間性を捧げよ……か、あいつらは果たして救えるのか……」

提督「大丈夫だろうな、さてと、執務を終わらせるその前に磯風のところに見舞いに行くかな……」


みなさまお疲れ様でした。


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陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」
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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月18日 (火) 11:17:10   ID: j1Ft1JVB

オモロー

2 :  SS好きの774さん   2014年11月25日 (火) 04:18:23   ID: dgqDnPgL

待ってるよー

3 :  SS好きの774さん   2014年11月30日 (日) 12:37:39   ID: 2EB3vvGx

舞風のイメージがギナになっててクソワロタwwwww

4 :  SS好きの774さん   2014年12月22日 (月) 10:03:28   ID: JjtVXSkZ

野戦はまだですか?(ゲス顔

5 :  SS好きの774さん   2015年01月23日 (金) 01:11:04   ID: KYxsVreH

続きが楽しみ

6 :  SS好きの774さん   2015年03月01日 (日) 21:33:28   ID: hMfIP4Kr

私のイメージと同じ不知火で、とても共感できました。
続きが楽しみです。

7 :  SS好きの774さん   2015年05月20日 (水) 10:40:54   ID: GALMMGyg

ブラック○グーンのネタが出てきたなw
作者さんがどう纏めるかが楽しみです!

8 :  SS好きの774さん   2015年07月02日 (木) 00:34:55   ID: BDLU44EC

デデンデンデデンてきな?w

9 :  SS好きの774さん   2015年07月21日 (火) 21:52:45   ID: haLOg6l5

グラインドブレードかな?

10 :  SS好きの774さん   2015年08月07日 (金) 00:25:28   ID: aGKA2wCf

次回も楽しみにしています^o^

11 :  SS好きの774さん   2015年09月06日 (日) 23:00:41   ID: T5V1nbeR

続きが楽しみです!
ただ、ひとつ聞きたいことがありまして。
ショートランド分校のほうは進めないのですか?

12 :  SS好きの774さん   2015年11月07日 (土) 12:52:14   ID: XEvHCao_

学園の方も進めて欲しいです!

13 :  SS好きの774さん   2015年12月14日 (月) 08:53:52   ID: bHsXSxEn

大晦日までには学園に戻ろうか(⌒▽⌒)

14 :  SS好きの774さん   2015年12月29日 (火) 18:45:58   ID: wbKoA1nI

学園はどうなりましたか?

15 :  SS好きの774さん   2016年02月07日 (日) 16:06:46   ID: 34z1UR3U

あぁ、ええですなぁ~

16 :  SS好きの774さん   2016年03月10日 (木) 17:34:30   ID: rPbdBUGO

素晴らしい

17 :  SS好きの774さん   2016年04月26日 (火) 09:57:48   ID: G2I0RJ67

乗っ取りで終わった...?

18 :  SS好きの774さん   2016年04月28日 (木) 23:44:11   ID: q2mCl7fd

続き待ってるぞ!

19 :  SS好きの774さん   2016年05月12日 (木) 13:28:39   ID: BSMIRtVb

ずっとまってます

20 :  SS好きの774さん   2016年05月26日 (木) 18:54:45   ID: zvET2yUV

埋め立て荒らしで終わったのがほんと残念…

21 :  SS好きの774さん   2016年05月28日 (土) 05:54:07   ID: QjsHz-ND

荒らしのせいでやる気削がれたのかなぁ。悲しいです

22 :  SS好きの774さん   2016年07月01日 (金) 11:04:18   ID: baAuwSa-

続編来ないかなぁ…

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