コナン「なんか推理だりぃな」博士「自白強要ができる催眠メカを作ったぞぃ」 (77)

コナン「最近推理するのめんどくさいわ。事件起こりすぎなんだよ」

博士「そんな滅多なこと言うんじゃないわい。探偵冥利につきる話じゃろうが」

コナン「モノには限度ってのがあんだよ。もう頭使うの嫌だよ」

博士「ふぅむ…仕方ない脳。なにか新しいお助けメカでも開発してみるか」

コナン「マジか!完成したらまた教えてくれ!頭使わなくて良くなるヤツだぞ!」

博士「わかった、わかった。善処してみるわい」


後日

博士「うむ、これで完成じゃな」

博士「このペンライト型の新メカは、光を浴びせることで対象を強制的に催眠状態にすることができる代物じゃ」

博士「催眠状態に陥った相手には、こちらの言うことを常識であると信じ込ませたり、記憶を改ざんしたり、感情を増幅したり、なんでもやりたい放題じゃ」

博士「………」

博士「我ながら、恐ろしいものを作ってしまったわい」

博士「これさえあれば、事件が起きた直後に犯人を割り出し、警察の前で自白させることができるのじゃから…」

博士「とにかく、新一にメカの完成を報告するか」スタスタ・・・



光彦「…」

光彦「博士の家に遊びにきたら、とんでもない話を聞いてしまいましたよ…?」

光彦「どうしましょうかねぇ」

光彦「…」

光彦「博士は電話でもしに行ったみたいですね」

光彦「催眠メカなんて、そんな邪悪なものをこの世に放つワケにはいきませんからね」

光彦「僕がこっそり回収しておきましょう」スタスタ


光彦「これですか…ペンライト型の催眠装置…」カチャ

光彦「うーん、ただのおもちゃにしか見えませんね」

光彦「しかし、これがあれば…いろんなことが…」

博士「ムッ!?誰じゃ!?」

光彦「!」

博士「光彦君…?こんなところで何をしておるんじゃ?」

光彦「あ、いや、何も…」

博士「…まあ遊びに来るのは構わんが…」

博士「!」

博士「その手に握っているペンライト!それに触ってはだめじゃ!返しなさい!」

光彦「(…まずは博士で実験してみましょうか)」

光彦「…」スッ

博士「!?」

博士「光彦君、いかん!それをこっちに向けるでない!」

光彦「…」ニヤニヤ

博士「まさか、話を聞いていたのか!?」

光彦「さよなら、博士」カチッ

ピカーッ

博士「あ…う……」ガクガク

光彦「おお!!」

光彦「これはすごい!博士の目がどんどん虚ろになっていきますよ!!」

博士「あ…あー………」ボケー

光彦「これが催眠状態ってやつですか…」

博士「…あー……」ボケー

光彦「今、命令をすればいいんですかね」

光彦「うーん………よし」

光彦「阿笠博士、お前は豚だ。豚なんだから、もう人間の言葉は喋るな」

光彦「二足歩行も厳禁だぞ?お前は豚だ、お前は豚だ、お前は豚だ…」

博士「……………」

博士「ブヒブヒ」


博士「ブヒ、ブヒッブヒブヒヒィ!!」ブヒブヒ

光彦「…」

光彦「………プッ」

博士「ブヒブヒブヒヒィ!!!!!」ブヒブヒ

光彦「あっはっはっはっは!!!!」

光彦「なんですかこれ、最高ですね!!!」

光彦「ククク、笑いが止まりませんよ」

博士「ブヒィ!!」

光彦「おい、豚。お前はそこでずっとブヒブヒ言ってろ」

光彦「僕の許可無く豚を辞めたり、ここから移動したりするなよ」

光彦「わかったな?」

博士「ブヒィ!!!!」

光彦「さてと、これからどうしますしょうかねぇ」

光彦「このメカさえあれば、世界を僕のものにすることもそう不可能の話ではないですよ」

光彦「…とはいえ、あまり派手に動きすぎて目立つのは避けたほうがいいでしょうね」

光彦「まずは手ごろなところから着実に行動しますか…」

光彦「……」

光彦「そういえば、この家には灰原さんも住んでるんでしたっけ」

光彦「…ククククク」

灰原「……」

灰原「はぁ、低血圧で朝がしんどいわ」

灰原「博士ったら、ここのところずっと新メカの開発で徹夜してたみたいだけど…」

灰原「そろそろ完成したのかしら?どんなメカ作ってるのか知らないけど…」

灰原「ちょっと地下の研究室まで、見に行ってみましょうか」スタスタスタ



研究室

灰原「博士、入るわよ。どう?進んでる?」ガチャ

博士「ブヒブヒブヒ!ブヒヒィン!!!」

灰原「!?」

灰原「は、博士…?何してるの!?」

博士「ブヒィィィィ!!!」

灰原「これは…一体…!?」

光彦「豚の真似ですよ。いや、今までが人間の真似だったのかな?」アハハハ

灰原「!?円谷君!!」

光彦「はい、また一人ご案内~~!!」カチャッ

ピカーッ

灰原「!!!」

灰原「…あ…っか……」ガクガク

光彦「ふふふ、もう動けませんよ。これで灰原さんは僕のものですね」

灰原「……あー…………」ポケー

光彦「よし、催眠状態に入りましたね」

光彦「さてと、どんな催眠をかけましょうかね」

光彦「………」

光彦「そういえば、灰原さんっていつも何を考えてるのかわからなかったですね…」

光彦「この機会に、いろいろ聞き出してみましょうか…ふふふ」

灰原「…………………」ポケー

光彦「灰原さん、好きな異性はいるんですか?」

灰原「…………………」ポケー

光彦「答えて下さい。これは『命令』です」

光彦「好きな異性はいますか?」

灰原「…はい…」

光彦「ほほおう」ニヤニヤ

光彦「それは、円谷光彦ですか?」ニヤニヤ

灰原「…」

光彦「どうなんですか…?」

灰原「…違います」

光彦「ちっ…。じゃあ、誰なんだ!?」

灰原「…」

光彦「答えなさい!!」イライラ

灰原「…工藤君です…」

光彦「工藤?…誰ですか、それは」

光彦「私にわかるように説明しなさい!」

灰原「……」

灰原「つまり、江戸川君…です…」

光彦「…?」

光彦「コナン君…?」

光彦「あなた、コナン君が好きなんですか?」

灰原「………はい」

光彦「…………」イライラ

光彦「クソッ、あの糞メガネ野郎…ちょっとサッカーが上手いからって…」イライラ

光彦「………」

光彦「まあ、いいでしょう」

光彦「あの糞推理オタク生ゴミ野郎のことなんか、綺麗さっぱり忘れて…これからは、僕のことが好きで好きでたまらなくさせてあげますよ」

光彦「この素敵な洗脳メカを使ってねぇ!!」ニヤニヤ

灰原「……………」ポケー

光彦「よし…はじめるか。そうだな…まずは…」

光彦「…あなたが好きな異性は、江戸川コナンではありません。今、目の前にいるこの僕、円谷光彦です」ニヤニヤ

光彦「江戸川コナンに対する恋愛感情は綺麗さっぱりなくなります。あなたにとって彼は、取るに足らないどうでもいい存在になります」

光彦「いえ、むしろ嫌いになりなさい。あの糞メガネには金輪際近寄らないこと。わかりましたね?」

灰原「…はい」

光彦「そしてこの僕、円谷光彦は、あなたにとってかけがえの無い存在です。大好きでたまらくて、尊敬の対象となっています」

灰原「……………」ポケー

光彦「ただし、その想いは胸に秘めており、まだ打ち明けていません。告白の機会をうかがっているのです」

光彦「とにかく、あなたは偉大なるこの僕に好かれたくてたまりません。僕を悦ばす為なら、どんなことだってやってくれます」

光彦「…とりあえず、こんなところですかねぇ。わかりましたか?…あ、そうだ」

光彦「わかったなら、『はい、光彦様』と言いなさい」ニヤニヤ

灰原「……」

灰原「はい、光彦様」

光彦「ククク、よくできました」ニヤニヤ

・・・・・・


灰原「………ん」

灰原「…あれ?私……どうしたんだっけ…?」

灰原「確か…朝起きて…それで…」

灰原「………」

灰原「うう、思い出せないわ」

光彦「灰原さん!大丈夫ですか?」

灰原「!?」ドキッ

灰原「…つ、円谷…君…?」

灰原「どうして…ここにいるの?」ドキドキ

光彦「博士の家に遊びに来たんですよぉ。それで倒れてる灰原さんを見つけたんです」

光彦「あ、迷惑でしたか…?」シュン

灰原「う、ううん!そんなことないわ!ありがとう、介抱してくれて…///」ドキドキ

光彦「そうですか。まあ無事でよかったです」

灰原「(ああ…円谷君…やっぱりカッコいいわ…)」ドキドキ

光彦「(ククク、催眠はちゃんとかかってる様ですねぇ)」ニヤニヤ

光彦「灰原さん、顔が赤いですけど、どうかしましたか?」

灰原「!」ドキッ

灰原「な、なんでもないわ。…暑いからじゃない?」ドキドキ

光彦「そうですか?」

灰原「え、ええ」ドキドキ

光彦「灰原さん…なんか僕に冷たくないですか?」

灰原「へ…?」

光彦「僕のこと、嫌いなんですか…?」

灰原「そ、そんなわけないじゃない!!」

灰原「円谷君のことは尊敬してるし、むしろだいす……」

灰原「///」

光彦「?…なんですか?」ニヤニヤ

灰原「な、なんでもない…///」

光彦「……」

光彦「(ふふふ、自分に好意があるとわかっている相手と話す…愉快極まりないですねぇ!!)」ニヤニヤ


<ピンポーン


光彦「おや、誰か来ましたかね」

コナン「博士ー!例のメカ受け取りに来たぞー!!」

光彦「……おやおや」

コナン「おーい!博士ぇー!開けてくれよ!」コンコン

コナン「…おっかしーなー。博士の方から例の新メカが完成したって電話があったってのに」

インターホン<コナン君ですね?今ドア開けますから~

コナン「へ?」


ガチャッ


光彦「どうも、こんにちは」ニコッ

コナン「え?…光彦?なんでおめーがいるんだ?」

光彦「ちょっと遊びに来てるだけですよ」

コナン「遊びにって…一人でか?」

光彦「ええ」

コナン「ふーん…。…あ、それより博士はどこにいるんだ?ちょっと用があるんだ」

光彦「博士なら奥にいるみたいですよ?」

光彦「あ、灰原さんならここにいますけど…」ニヤニヤ

コナン「ああ、灰原にも挨拶しとくかな(解毒剤のほうは進んでるのか、ちょっと聞いてみるか)」

灰原「………」

コナン「よう、灰原!」

灰原「………」

コナン「灰原?」

灰原「………」

コナン「おい、聞いてんのか?」ガシッ

灰原「イヤ!!!私に触らないで!!!!!」バシッ!!!

コナン「えっ」

灰原「…気持ち悪い」

灰原「二度と、私に話しかけないでね」スタスタ



コナン「………は?」

コナン「な、なんだ…あいつ…」

光彦「ちょっとコナン君…!女性に乱暴なんて、良くないですよ」

コナン「え?」

光彦「正直、見損ないましたね。君にはガッカリです…」

コナン「ちょ、おま、何言って…」

光彦「博士は地下の研究室にいるみたいですから…」

光彦「僕たちにはもう関わらないで下さいね…」

光彦「さてと。灰原さ~ん、大丈夫ですか~?」タッタッタッタ

コナン「………???」

コナン「わけがわからん…」

コナン「灰原…あいつ、生理か何かか…?光彦は光彦で盛大に勘違いしてやがるし…」

コナン「…はぁ」

コナン「まあいい。とりあえず…今は博士のところに行って、メカを受けとらねぇと」

コナン「地下にいるとか行ってたな。行くか」スタスタスタ


地下

コナン「おい、博士~、いるか~」コンコン

コナン「入るぞ~?」ガチャ


博士「ブヒ。ブヒ。ブヒブヒブヒ」トコトコトコ

コナン「………」

コナン「は、博士…何してんだ…」

コナン「おい、博士…?」

博士「ブヒ?ブヒィ!!」ブヒブヒィ

コナン「わ、やめろ!何すんだ!!」

博士「ブヒブヒブヒィ!!」

コナン「俺にのしかかって…なにがしたいんだよ!」

博士「ブヒィ!!」

コナン「おい、いい加減悪ふざけはやめろよ…!!」

博士「ブブブヒヒッブッヒヒィ!ブヒィ!?ブヒヒィ!!??」

コナン「俺は例のメカを受け取りに来ただけなんだよ!なぁ!!オイ!!!」

光彦「…どうやらお腹が空いて、エサを求めてるようですね」

光彦「まったく、醜いったらありゃしない」

コナン「!?光彦!!」

コナン「どういうことだ!?博士はどうしちまったんだ!!」

光彦「博士…?そんな人知りませんねぇ」ニヤニヤ

光彦「そこにいるのは…ただの哀れな老豚ですよ」

コナン「お前…ほんとに光彦か?一体なにを言ってるんだ…」

光彦「ああ、そうだ」

光彦「例のメカって…これのことですかね?」サッ

コナン「!?」

光彦「これを受け取りに来たんでしょう?ふふふ」

コナン「おま…なんでそんもの持って…?…いや、そもそもなんでお前がメカのこととか知ってるんだよ!?」

コナン「まさか博士をこんなにしたのもお前か!?」

光彦「そうですよ?…そしてあなたも同じ運命をたどるのです」

コナン「なんだと!?」

光彦「じゃ、さようならですね~」

光彦「糞メガネ君? 笑」カチッ


ピカーッ

ちょっと離れる

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