男「はんぶんこ?」幼馴染「うん、はんぶんこ」(120)

幼稚園時代

幼「」モグモグ

男「…幼ちゃん、なにたべてるの?」

幼「えへへ、チョコレートだよ」
幼「ばれんたいんだから、ママがくれたんだぁ」

男「そっか…ばれんたいん、チョコの日かぁ」

男「おいしいの?」
幼「うん、とっても」ニコッ

男「…いいな~」
幼「男くんもたべる?」

男「いいの?」

幼「もちろんだよっ、ふたりでたべたほうがおいしいもん」

幼「はい」パキッ

男「ありがとー」ニコッ

男「おいしいー」モグモグ

幼「…でしょ?」ニコッ

幼「おいしいものはふたりではんぶんこしてたべたら、もっとおいしくなるんだよ」

幼「ママが言ってたもん」

男「そうだね、ほんとだぁ」ニコッ

幼「…だから、なんでもはんぶんこしようね?ずっと」

男「うん!!」

幼「わたしとやくそくだよ?」

男「僕、やくそくするよっ!!」

幼「えへへ」

男「ふふっ」

……


現在 男の部屋

ピュー

男「…窓が開いてる」

男「…またか」

男「…だが、姿は見えない…」キョロキョロ

男「…いつもどおり、おコタに隠れているなっ!」バッ

男「……」

男「いない…」

男「じゃあ、どこに…」

?「えっへっへ~」

?「私はここだぁっ!!」バッ

男「…!?」

ゴンッ

?「…つぅっ~」

男「…何してんだよ、幼?俺のベッドの下で…」

幼「…いたいよ~、頭打っちゃったぁ…」グスグス

幼「いつもと違う登場の仕方で、男をびっくりさせたかったのにぃ…」

男「…毎回やられてたらびっくりなんてしないよ。いつもコタツや押し入れに隠れてさ」
男「今回、隠れ場所がベッド下になっただけだろ」

幼「…こぶができてないかなぁ…私のきれいな頭が傷ついたら男が悲しむもんね」サスサス

男「ふう…見せてみ」
男「…大丈夫、怪我してないよ」
幼「…ほんと?すごい痛いよ」

男「ああ、なんにもなってない」

幼「…じゃあ、なでなでして?」

男「…またか」

男「こう?」ナデナデ
幼「…うん、そう」

幼「…えへへ」

男「」ナデナデ

男「…もう、痛くなくなったかな?」ナデナデ

幼「うん!」ニコッ

男「そうか、良かったな」ニコッ

幼「ありがとね、男」

男「今日宿題でてたし、いつもどおり一緒にするんだよな?」

男「じゃ、そろそろ始めようか?」

幼「うん、やろっ」

幼「男っ、早く済ませて遊ぼうね」

男「うん、そうだな」

……

男「宿題は数学と英語のプリントだな」

幼「いや~、頭脳明晰な幼ちゃんも、数学と英語は苦手なんだよねー」

男「…いつから、頭脳明晰になったんだよ?」

男「俺だって苦手だよ、数学と英語は…」

幼「でもでも、ふたりいればどうにかなるよ」

幼「苦労もはんぶんこするんだよ」

男「そうだな」ニコッ

男「いつもどおり、わかる問題で分担するか」

幼「おっけ~だよ」ニコッ

幼「私はこの問題とその問題を解くからね」

男「俺はこの辺りの問題にするよ」

幼「がんばろー!」

男「おーっ!」

……

幼「」カキカキ

男「」カキカキ

幼「…結構進んだね」
男「ああ」

幼「ねぇ、男。カップケーキあるけど、食べない?私、お腹がすいちゃったんだよね」
幼「男の部屋に来る前に買ったんだ」

男「いいな、食べよう。一休みだな」
幼「うん食べよ。一休み。これね、味がたくさんあるんだよ」

幼「プレーン、チョコ、紅茶、メイプル…一つの味が一つしかないや」

男「…じゃ、頼む」

幼「うん」

幼「」チギリチギリ

幼「ちぎってはんぶんこしようね。こうすればふたりで全部の味、食べられるもん」ニコッ

男「うん」ニコッ

幼「宿題もはんぶんこだね」

男「楽々だな」

幼「ねーっ」

男「カップケーキもはんぶんこだな」

幼「おいしいね」モグモグ

男「おいしいな」モグモグ

幼「私、お茶いれるね」

男「うん」

幼「食べたら、宿題早く終わらして遊ぼうね」

男「おう、遊ぼうな」

……

朝 通学時

幼「…あ~、さむ~いっ」

男「うん今日は特に寒いな」

幼「うん、雪降るかも」

男「かもな」

幼「もし雪が降ったら、いっしょに遊ぼうね」

男「うん」

幼「…それにしても…うぅ、寒いよぉ…」

幼「コートにマフラー、手袋、ちゃんと身につけてるのにぃ」

幼「」ブルブル

男「…そこまでか…幼はあいかわらず寒がりだな。そんなんじゃ、雪遊びできないぞ」

幼「え~、雪遊びはしたいよ~…でも、さむーい!」

幼「凍っちゃうよ~!」ブルブル

男「…なら」

男「ほら、カイロあげるよ」サッ

幼「…いいの?男は寒くない?」

男「平気だよ。カイロ二つあるから」

幼「ありがと、男」ニコッ

幼「…カイロ、あったかぁ~い」スリスリ

男「ふふっ、よかったな」

幼「男の気持ちもあったかいよ~」ニパー

男「…恥ずかしいこと言うなよ…」

男「/////」

幼「えへへっ♪」

幼「…そうだ…」

幼「手、つなご?」
幼「カイロのお礼、私のあったかさもおすそわけ」

幼「男も寒いでしょ?」

男「…平気だよ」
男「…それに、通学路で通学時間に…目立つよ」

幼「私は気にしないよ」ニコッ

幼「男も暖かくなって?つなぐと手、あったかいよ」
幼「…それとも、私とじゃ、イヤ?」

男「…いやなわけないだろ」ギュッ

幼「…えへへ」ギュッ


幼「男、手あったかいね」
男「幼も暖かいぞ」

幼「カイロもはんぶんこ、あたたかさもはんぶんこ」

幼「ふふっ」

男「だな」ニコッ

幼・男「♪」ギュッ

昼休み 学食

幼「…トンカツ定食と唐揚げ定食、どっちを食べようかな?」

幼「…う~ん…」ジーッ

男「高校一年生がお昼のメニューで悩み過ぎだぞ」クスッ

幼「ご飯は一日の活力源だもん。おろそかにはできないよ」

幼「…むむ」

男「…確かに迷うよな」

男「…そうだ」ニコッ

男「すみませーん、トンカツ定食ください」

男「…あと、唐揚げ定食も」

「はーい」

幼「男?」

男「…おかず、はんぶんこしようぜ」

男「トンカツと唐揚げ、分け合って食べよう」

男「そうすれば、両方食べられるからさ」

幼「そうだね」ニコッ

幼「ありがと、男」

男「いや、俺も両方食べたかったからね」

男「…さっ、行こっ」

幼「うんっ!」

男「…つけあわせのポテトサラダはもらってもいいかな、好きなんだ」

幼「いいよ~」

幼「じゃあ、私はつけあわせのスパゲティちょうだいね」

男「ああっ」

今日はここまで
おやすみなさい
見ているかたいたらありがとうございます

帰り道 

幼「ミスドでセールしてるね」

男「そうだな」

幼「何か食べようよ~、男~。最近ミスド来てないもん」

男「…確かにご無沙汰だね。うん、食べようか」

幼「行こっ」グイグイ

男「…あんまり手、引っ張んなよ。急がなくても平気だよ」

幼「早く、早く。お腹すいた」グイグイ

男「…待ちきれないわけね」

幼「ドーナッツ、たくさん頼むぞー!」

幼「…エンジェルフレンチ、フレンチクルーラー、ポンデリング、オールドファッション…」ササッ

男「…どんだけ食べるんだよ、幼」

男「お昼ご飯もちゃんと食べたろ」

幼「この時間はお腹すくんだよっ。わかるでしょ?」

男「確かに」

幼「…それにお昼ははんぶんこしたから食べすぎてないし」

幼「トンカツ定食も唐揚げ定食もはんぶんこ…でしょ?」

男「まあね」

幼「当然、ドーナッツも…」

男「はんぶんこ…だな」

幼「そういうこと」ニコッ

幼「じゃあ、席で食べようか」

男「うん」

男「…けっこう種類あるな」

幼「でもふたりならすぐ食べきっちゃうよ」

幼「男がいるおかげで食べすぎずに、無理なく、いろんな味が楽しめるね」

幼「ありがと、男」ニコッ

男「お互い様だよ。こっちこそありがとう」ニコッ

幼「えへへ~」

男「じゃ、はんぶんこしようか」

男「ドーナッツの公平なはんぶんこは難しいぞー。形が複雑だから」

男「特にエンゼルフレンチは、チョコが半分だけかかってるからな」

幼「ということは、私にお任せだねっ!」

男「おうっ、任せるぞ!幼のはんぶんこは正確だからなっ!」

男「任せたぞっ、幼!!」

幼「任されたっ!!」

幼「よし…」チギリチギリ

幼「やったー!!」

幼「エンゼルフレンチも、きれいにチョコのかかってるところが行き渡るように割れたよ♪」

男「やったな」ニコッ

男「さぁ、食べようか」

幼「うんっ!!」

男「」モグモグ

幼「」モグモグ

幼「ドーナッツもはんぶんこ。おいしいね」ニコッ

男「おいしいな」ニコッ

幼「」モグモグ

男「」モグモグ

幼「…ん、おいしー♪」

男「やっぱりミスドはうまいなー」

男「…幼の食べ方かわいいな…ほっぺに手を当てて」ボソッ

幼「えへへ、そうだねぇ。ときどき食べたくなる味だよね」

男「だなっ」

幼「」ジーッ

男「…どうかしたか、幼?」

幼「…ううん、なんでもないよっ」

別の席

カップル女「はい、あ~ん♪」スッ

カップル男「…うまいな」モグモグ ニコッ

カップル女 「ねぇ、私にもしてよ」

カップル男「じゃ、あ~ん」スッ

カップル女「おいしいね~」モグモグ ニコッ

カップル男「なっ」


……

幼「……」ジーッ

幼「……」

幼「」アゲ

幼「」サゲ

幼「」アゲ

幼「」サゲ

幼「」カアアッ

男「…ドーナッツを上げたり、下ろしたりして、どうした?」

幼「なんでもないよ…」

幼「……」シュン

男「……」

男「…?」
男「」チラッ

カップル「♪」

男「!」

男 「…幼」チョンチョン
幼「…なぁに?」

男「あ~ん」サッ

幼「…ふぇ!?」

男「あ~ん」

幼「……」

幼「」パクッ
幼「/////」モグモグ

幼「…おいしい」ジワッ
男「そっか…よかった」ニコッ

幼「」テレッ
男「」ニコニコ

男「」パカッ

幼「…男が口開けてる」

男「」ニコッ

幼「……」

幼「あ~ん/////」ササッ

男「ありがとう」パクッ

男「うまい」モグモグ

幼「…えへへ」

幼「…なんかしゃべらなくなっちゃったけど」ボソッ

幼「…この沈黙、居心地いいな」ボソッ

幼「」ニコニコ

男「」ニコニコ

幼宅 幼の部屋

幼「映画のdvd見ようよ、男ー」
男「いいよ。何見るんだ?」

幼「ハリポタ最終回。まだ見てないから借りたの」
幼「男も見てないよね?」

男「うん」

男「…でも、前後編か…長いな…もう夕方だぞ」
男「最後までは見れないだろうから、途中からは明日になるな」

幼「じゃあ、帰らないで、泊まっていったら?」
幼「…で一気に見よっ」

幼「最近、男、ウチに泊まってくれないよね…前はよく泊まっていったのに」

幼「みんな待ってるんだよ、男が泊まっていくこと」

幼「私も久しぶりに、夜ずっとおしゃべりしたいもん。明日休みだし…だめ?」

男「…わかったよ、ありがとう。泊まらせてもらうな」ニコッ

男「今日はよろしく」

幼「やったー!!」ピョンピョン

幼「そうと決まったら、私いっぱい歓迎しちゃうよー♪」

幼「お母さんにも話しとくからねっ…お母さんも、きっとたくさんおもてなししてくれるよー」

男「…それはうれしいな。ありがとう、幼」ニコッ

男「…幼とはいえ、年頃の女の子の家に泊まるのは緊張するな…」ボソッ

幼「…そうだ。ねぇ、男。いっぱいお菓子食べない?」

幼「今から二人で買い出しに行こうよっ!!」

男「うん、行こうっ」

コンビニ

幼「…うーん、ポップコーンとポテチ、どっちが映画見ながら食べるのに合うかな?」

男「一般的にはポップコーンだけど…」

男「両方買って食べればいいじゃん」

幼「そうだねー」ヒョイヒョイ

男「…ふむふむ」

幼「どうしたの男?」

男「肉まんとあんまん、どっち食おうかなって」

幼「両方買って食べようよ」

男「…確かに迷う必要はないな」クスッ

男「肉まん、あんまんくださーい」

ハーイ

幼「よし、早く帰ろうね」

男「おう」

アリアッシター

幼「やっぱりそとは寒いな~」

男「なっ」

幼「…手が冷たくなっちゃうよぉ」

幼「」フリフリ

幼「」チラッ

男「……」

男「/////」ギュッ

幼「…えへへ」ギュッ
男「ふふっ/////」テクテク

幼「おてて、あったかい…」テクテク

幼「やっぱりあったかさもはんぶんこ」
男「…ドキドキもはんぶんこ」ボソッ

幼「…何か言ったの?」

男「…いや、何も」

幼・男「」テクテク

幼宅

幼「さっそくあんまんと肉まんをはんぶんこするよー」
幼「幼ちゃんの正確なはんぶんこテクを見せてあげるよー」

男「よし、任せたっ」
幼「任せされたっ」

幼「」チギリチギリ

幼「きれいにわれたー」

幼「どうぞ」ニコッ

男「ありがとう」ニコッ
幼「あんまんもはんぶんこ」モグモグ

男「肉まんもはんぶんこ」モグモグ

幼「おいしいね」ニコッ

男「おいしいな」ニコッ

幼「…男」ジッ
男「…ん?」

幼「口元にあんこ、ついてる」

男「…どこ?」

幼「ここだよ」チョイ

男「…ここかな」チョイ

幼「違うよー、ここ」チョイ

男「こっちか?」チョイ

幼「…そっちじゃなくって…」

幼「……」

幼「ここ」ツン

男「うわ!?」(ほっぺつつかれた!?)

幼「あんこ取れたよ」ペロッ

男「うん…ありがと」(取ったあんこを舐めた…)

男「……」カアアッ

幼「…やりすぎちゃったかな」ボソッ

幼「……」カアアッ

……

テレビ「♪」

幼「映画おもしろいなー」

男「なー」

幼「ポテチとポップコーン、おいしいなー」モグモグ

男「なー」

幼「テレビで見ても映画って楽しいよね」ニコッ

男「だな」ニコッ

幼「映画館のスクリーンで見たら、迫力があってもっと楽しいよね」

男「うん。画面大きいし、音もリアルだからね」

幼「…そういえば最近、映画館に行ってないよね」

男「そうだな、前は2人でよく行ってたのにな…」

男「…じゃあさ、今度、映画館で映画見ようか?」

男「でさ、なんか面白い映画があったら、二人で見に行こうよ…いいかな?」

幼「…そうだね。私もそろそろ大スクリーンが恋しいもん」

幼「いっしょに映画館、行こうっ!」

男「よし!決まりなっ!」

幼「楽しみだね」ニコッ
男「おうっ!」ニコッ

男「何の映画見るか、いつ行くかはおいおい決めような」

幼「うん!いっしょに決めよっ」ニコッ

男「ああ」ニコッ

幼「…えへへっ、デートの約束しちゃったー」ボソッ

男「…これってデートだよな…楽しみだなぁ」ボソッ

……

幼母「ご飯よ~!」

幼「はーい!」

幼「キリがいいところまで見たし、続きはご飯食べてからね」

男「うん」

幼「行こっ」

……

幼母「今日は泊まっていくのよね」

男「はい。お世話になります」ニコッ

幼母「泊まってくれるのは、久しぶりだから嬉しいわ。ゆっくりしていってね」ニコッ

男「おばさん、ありがとうございます」

幼母「晩ご飯、いっぱい作ったから、男君もたくさん食べてね」

男「おばさん料理上手だから楽しみですよー。いただきますね」

幼「…えへへ~」

幼弟「…姉ちゃん、嬉しそう」

幼弟「…相変わらずわかりやすいなー」

幼弟「…待てよ…泊まるって…」

幼弟「…まさかな」

幼弟「……」モグモグ

男「いただきます」

男「」モグモグ

幼「」モグモグ

幼「…うぇー、ピーマン嫌いだなー…」

幼母「好き嫌いしないでちゃんとたべなさいよ」

幼母「あんた野菜いつも残すわよね」

幼母「そんなんじゃダメよっ」

幼「…はーい」

男「……」チラッ

幼母「…さてと、お風呂沸いたか見てこないと…」ガタ

男「……」

幼「ふぇ…」(ピーマンたくさん)

男「」ヒョイパク ヒョイパク

男「」モグモグ

幼「…男っ」

幼「ありがと」ニコッ

男「/////」モグモグ

幼弟「…ふふっ」

……

小学校時代

幼「…はぅ、給食食べきれないよぅ…」
幼「…全部食べないと休み時間、遊びに行っちゃいけないよぅ…」

幼「ぅぅ…」グスグス
男「…どうした幼?」ヒョイ
男「…泣いてるの?」

幼「…おとこぉ…給食がね…食べきれないよぉ」グスッ
幼「…もぉ、お腹いっぱいだよぉ…」

男「…貸して、俺が食う」モグモグ

幼「…男?」

男「…苦労もはんぶんこしないとな」モグモグ

幼「…おとこぉ」ジワッ

男「…泣くなよ。俺早く食べちゃうから、そしたら遊びに行こうな」ニコッ

幼「うん…ありがと、男…」ニコッ

……

男「素敵なことははんぶんこ」

男「…イヤなこともはんぶんこだろ」

幼「うんっ」

男「…じゃあ、時間が無くなる前に早く遊びに行こうか」ゲプッ

幼「…えへへっ、そうだねっ」

幼「ほんとにありがと、男っ」ニコッ

男「…どういたしまして」ニコッ

……


現在

幼「…あの頃となんにも変わらないや」ニコッ

幼「…変えたいこともあるけど」ボソッ

男「」モグモグ

幼弟「…姉ちゃんが男さんをじーっと見てる」モグモグ

幼弟「…今日あたり、事態が動くかな…」

幼弟「…しっかり見届けないと…」フンス

おやすみなさい
見てるかたありがとう

……

幼「…映画見終わったね」

男「ああ、楽しかったな」ニコッ

幼「…さてとお風呂は入ったから、後は寝るだけだね」

男「…そうだな」

男「…幼、パジャマだな…可愛い」ボソッ

幼「着てもらったお父さんのジャージ、サイズ合ってる?」

男「合ってるよ。ありがとう」

幼「えへへっ、よかったー」

幼「…そろそろ、お布団敷くよー」

男「うん…」

幼「これが私の布団で、こっちがお客様用だよ」

男「……」

男「…えっと…幼の部屋に泊まるの?」

幼「…そうだよ。じゃないとおしゃべりできないでしょ?」

幼「」キョトン

男「…うん…そうだな」

男「…いいのかな?」

幼「…早く敷くよー」

幼「」ゴソゴソ

男「」ゴソゴソ

男「…布団、できるだけ離すか」ボソッ

幼「…ん」ヨセヨセ

男「…寄せてきた」

幼「敷けたよ、寝よう」ニコッ

男「…うん」

……

男「……」

幼「…こうしてると、昔を思い出すね」

男「…幼稚園の頃かな?」

幼「…うん。お昼寝タイム、隣同士で寝てたよね」

男「そうだね…懐かしいな」ニコッ

幼「…結構、最近まで泊まってくれてたよね?なんで最近泊まってくれないのかな?」

幼「…私、さびしかったんだよ?」

男「…ごめん」

男「いろいろあってね…」

幼「……」

幼「…まぁ…いいかな」

幼「今日はいっぱいお話しようね」ニコッ

男「うん…しような」ニコッ

幼「えへへ~」

幼「今夜は寝かさないよっ!」

男「!」ドキッ

幼「じゃあ、なんのお話する?」ニコッ

男「…そうだな…」

男「…なんてこと言うんだよ」ボソッ

幼「お布団よく干してるから気持ちいいでしょ?」バフッ

男「うん」

幼「…こうやっていっしょにお布団で寝ていると、幼稚園のお昼寝タイムを思い出す…」

幼「…ってさっきも言ったよね」

男「うん」

幼「…私たち、共通の思い出がたくさんあるんだね」

男「…そうだな」

男「……」

幼「…思い返せば、私たち、もう幼稚園に入る前からいっしょにいるんだね…」

幼「…思い出がたくさんあるわけだよ…」

幼「…はんぶんこ」

男「…うん?」

幼「なんでもはんぶんこしようって約束したの、幼稚園のときだったよね」

男「うん、覚えてる…」

男「…確か、バレンタインのチョコを分けたんだよな…最初は」

幼「…覚えててくれたんだ」

幼「そうだよ…バレンタインなの」

幼「今年もチョコ、分け合って食べようね」

男「うん、そうしよう」

幼「…あのね」

幼「はんぶんこの話に戻るけど」

幼「さっきは私の野菜食べてくれてありがとう」

幼「私、少食で好き嫌い多いから、あんまし食事って好きじゃなかったんだよ、昔は」

幼「でも今は男といっしょにいろいろ食べられるのが、おいしくて楽しいんだ」

幼「はんぶんこしてるのは食べ物だけじゃないんだよ」ニコッ

幼「しあわせもはんぶんこって感じ」

幼「ありがと、男」

男「……」カアァッ

男「…俺も美味しいし楽しいよ」

男「幼といっしょだからな」ニコッ

男「ありがとう、幼」

幼「…えへへ」

幼の部屋の前

幼弟「……」

幼弟「…これはいいムード」

幼弟「頑張れ姉ちゃん」グッ

……

幼「…ねぇ、男」

男「なんだよ?」

幼「手をつないでもいいかな?」

幼「昔を思い出して懐かしくなっちゃったの」

幼「私たち、お昼寝タイムは手をつないで寝てたよね」

幼「そうすると、とっても安心してよく寝られたんだよ、私」

幼「だから…」

幼「…だめ?」

男「」ギュッ

男「…俺も安心するし」

幼「…えへへ…ありがと」

幼「」ギュッ

幼「…男のおてて、あったかい…」ギュッ

男「…あったかさもはんぶんこだからな」ニコッ

男「…幼のもあったかいぞ」

幼「うん、ありがと」ニコッ

幼「今日はいっぱいお話しようね」

幼「バレンタインどんなチョコ食べたいとか」

幼「映画なに見たいとか」

幼「…いろいろおしゃべりしよ?」ギュッ

男「うん」ニコッ

幼・男「」ギュッ

幼の部屋の前

幼弟「…やっぱり仲いいな、あの二人…」

幼弟「…でも特に進展は無さそうだな…」

幼弟「…うーん」

幼弟「…そういや、もうすぐバレンタインだな」

幼弟「ハッパかけてみるか…」

男「…幼、幼」

幼「……」

幼「…ふぇ!?」

男「…どうしたんだ、ぼーっとして?」

幼「な…な、なんでもっないようっ!!」
幼「」アセアセ

男「?」

幼「…そんなのムリだよぅ…」ボソッ

幼「…うぅ~」

男「…ホントになんでもないのか?」

幼「…うん、平気だよ」

男「それならいいけど…」

男「購買で昼飯、買ってきたぞ」

幼「うん、ありがと」

男「…あんパン、ジャムパン、カレーパン、ウグイスパン…」ガサガサ

男「…チョコパン…」

幼「…チョコっ!?」

男「…幼?」

幼「…ううん…なんでもないんよ…へいき…だいじょうぶ」

幼「…はんぶんこして食べよ」ニコッ

男「…ああ」

長引いてバレンタインネタ引っ張ってすみません
読んでくれているかたどうも

幼「…いつも通りはんぶんこするね」

男「うん、任せた」

幼「…うん」チギリチギリ

男「…なんか元気ないな」

幼「……」チギリチギリ

幼「…なんかうまくいかないや…いびつな形になっちゃってごめんね…」

ボロッ

男「…気にすんな」

男「大きい方食べな」ニコッ

幼「…ふぇ」カアァッ

幼「…男が大きい方食べて」

男「…うん…いいのか?」

幼「うん…」

幼「…顔近いよ/////」ボソッ

男「…幼、様子が変だな…だいじょうぶか?」

幼「」(うつむき加減)

幼「…改めて意識すると恥ずかしいよぉ…顔見れないじゃん」

幼「…幼弟のばかぁ/////」

男「……」モグモグ

幼「……」モグモグ

男「…なんか気まずい」
男「…なぁ、幼…」

幼「…ふぇ!?」ビクッ

男「…幼?」

幼「…なんでもないよ…」
幼「…パン、おいしいね」ニコッ

男「うん…」
男「…屋上はちと寒いけど、今日は小春日和だから暖かくてきもちいいな」

幼「…うん」モジモジ

男「…今日はおとなしいな」
男「体調悪いのか?…顔色は平気だけど」

幼「…そんな…こと…ないよ…」

男(…しおらしい幼もかわいいな)

幼「/////」モジモジ

男(…いやいや)

男(…幼の様子がおかしい。やっぱり心配だ…)

男(…でも)

幼「/////」ハムハム

男「」ジッ

幼「…はぅ」モジモジ
男「…かわいいな」ボソッ

幼「…おと…おとこ」

男「うん、どうした?」

幼「…バレンタインね…」

男「バレンタイン?」

幼「…バレンタイン、今年は特別だから…楽しみにね…」

男「ああ…で、どんな風に特別なんだ?」

幼「…まだ、な、ないしょっ…」カアァッ

男「…うん」

男「…なんだろ?」

……


幼の部屋

男「おやつのマドレーヌ、はんぶんこな」チギリチギリ

幼「…うん」モジモジ
幼「」モソモソ

……

男の部屋

男「映画のdvd、面白いな」ニコッ

幼「…あぅ、そだね…」モジモジ

幼「…ふぇ」カアァッ

男「…だいじょうぶか?どうした?」
男「具合悪いのか?」

幼「…だいじょぶ…げんき…」

男「…なら、いいけど…」

幼「……」

……

……

男「…幼がおかしい。なんか元気がないんだよな…」

男「…どうにかしなきゃな…こっちの調子まで狂っちゃうよ」

男「早く元の元気な幼に戻ってほしい…」

男「…今の幼もかわいいけど…おしとやかな感じがするし」

男「でもいつもの元気な幼も可愛いよな…」

男「…つまるところ、幼は常に可愛いってことだな…うん、わかりきったことだ」

男「」カアァッ

男「…いやいや、そんなこと言ってる場合じゃない」

男「…うーん」

……

駅前

幼「…待たせてごめんね」

男「ううん、今来たところだよ…時間ちょうどだしな」ニコッ

男(…ほんとはかなり、待ち合わせ時間より早くから来てたけど)

男(…デート、楽しみすぎて)

男(…てか、男女逆だよな、この会話内容…)

幼「…映画楽しみだね…」

男「だなっ」

男(…今日なんとか幼と今まで通りになりたいな)

男(…がんばろう)

幼「……」

映画館

男「…さて、前決めた通りに、話題のアクション映画を見るんだよな」

幼「…うん、楽しみだね…」ニコッ

幼「…私、今日がすごく待ち遠しくて…」

幼「…い、いやっ!映画がね…これ見たかったから…」

幼「でもっ!それだけじゃなくって!男と映画が見られるもうれしくって…」

幼「…あぅ/////」モジモジ

男「俺も待ち遠しかったよ」ニコッ

幼「……ふぁ」カアァッ

幼「……」(うつむき)

男「…わけわかんない反応だけど、これだけは言える…」ボソッ

男「可愛すぎ…」

まだ見てくれてるかたがいてうれしいです
ありがとう

……

男「…映画まだ始まらないな。この待つ時間が長いんだ…」
幼「…うん」

男「ポップコーン食べようか?一番大きなのにしたから食べごたえがあるよな」

幼「…そだね、おいしそう」

男「……」
男「…あ~ん?」

幼「え?」

男「食べさせてあげる…ほら、あ~ん?」

幼「…恥ずかしいよ」

男「別にいいじゃん。前ミスドでやったし」

幼「…あのときとは…ちがうよぅ…」
男「…違う?」

幼「……」カアァッ

男「……」
男「…えいっ!」ポイッ

幼「…ふぇ!?」パクッ

男「…隙あり」ニコッ

幼「…いじわるだよ男…」モグモグ

男「ごめん」
男「最近の幼照れ屋っぽくて可愛いから、恥ずかしがってるとこ見たくなっちゃって」

幼「……」カアァッ

男「どんな幼でも可愛し、魅力的だけどな」

幼「…ふぇ/////」
男「…やりすぎた…」

幼「…はんぶんこ」

男「うん、ポップコーンはんぶんこだな」

幼「…うん、おいしいね」ニコッ

男「おいしいな」ニコッ

幼「…もう映画始まるかな?」
男「まだ少し後じゃないかな」

幼「そう…えへへ」

男「…ふふ」

男「くすぐったいや…」

男「…少しは距離詰められたかな」ボソッ

幼(…わたし、混乱してる…)

幼(…今までとぜんぜんちがうきもち…なんだろ?…うまくいえないや)

幼(…でも、恥ずかしいけど…いやじゃないよ)

幼「…えへへ」

上映中

男「……」ジーッ
幼「……」ジーッ

男(…面白いな、これ)

幼「……」

男(…見入ってる。この映画楽しみにしてたもんな…)

映画「どかーん!!」

幼「…ひゃっ!?」ビクッ
幼「…あっ…あっ」ハラハラ

映画「はあっ!とりゃー!ばし!どか!ばき!」

幼「…がんばれ」グッ
幼「…そこだよ」グッ

映画「…好きだ…、私も…」

幼「…よかったねぇ」グスグス

男「……」
男「幼のリアクション、見てるのも楽しいな…」

幼「」サッ

男(…手が)

男「」スッ ギュッ

幼「…えへへー」ギュッ

男「…ふふ」

幼「」ニコッ ギュー

映画「…心から愛してる」

……

幼「…映画面白かったね」ニコー

男「ああ」

男(…幼と過ごした時間だから楽しいんだな)

幼「やっぱり大きな画面で見るとちがうよね」

男「うん」

幼「えへへ、また映画ふたりで見ようね♪」

男「ああ、ぜったい!」コクッ

男(…幼が明るくなってきてるな)

男(よかった)

男「」ニコッ

幼「…映画中、男と手つないじゃったぁ」ボソッ

幼「…デートらしいな」

幼「」ニコッ

男「次はどこ行く?」

幼「…そうだね」

幼「……」

男(…まだだめか)

男「…カラオケとか?」

男「幼好きだよね、カラオケ。」

男「最近行ってないからどうかな?」

男「幼歌上手いし、声綺麗だから歌聞きたいなって」

幼「…私の声綺麗なの?」

男「うんっ」ニコッ

男「だから行こうよ?」

幼「…うん」

幼「……」サッ

幼「…手、つながない?」

幼「今日寒いから…だめ?」

男「いいよ」ギュッ

幼「…あっ」ギュッ

男「いつもつないでるじゃん。さっき映画館でだって」

男「そんな改まった感じじゃなくったって」

幼「…今までとは違うの…もう」

幼「ちがうの…」ギュッ

男「…幼」ハッ

幼「…早く行こ?」

男「うん…」

……

幼弟『…今まで通りじゃだめなんだよ』

幼弟『いつまでもそばにいたいなら』

幼弟『ちゃんと伝えなきゃ…どうなりたいかって』

弟『…じゃないと…』

……

お泊まりの翌日

幼「…離れたくないよぅ」ジワッ

幼「寂しいよ…」

幼「やだよぉ…」

幼「がんばらなきゃ…」

幼「…でもうまくいえないよぉ」

幼「…おとこぉ」

幼弟『…とっておきの作戦があるんだけど』

幼「……」

幼「」グッ

……

おやすみなさい
見てくれてるかたに感謝です

現在
カラオケボックス

男「なに歌う?」(メニューぺらぺら)

幼「…そうだね…」

幼「…う~ん」

男「…じゃあ、俺から歌うよ」

男「…えっと」

幼「……」ジーッ(食べ物メニューに)

男「…何か食べたいの?」

幼「うん…私、ハニートースト食べてみたかったんだ」

幼「前にクラスの女の子と来たとき、メニューの写真で見て、おいしそうだなって思ったの」

男「カラオケボックスならハニートースト置いてあるよな」

幼「すごく量が多いから頼めなかったんだけど」

幼「久しぶりに男と来れたからね」

幼「いっしょに食べよ?」

男「いいよ」ニコッ

男「もうお昼だし、いい昼食になるさ」

幼「ありがと」ニコッ

……

ハニートースト「」ドーン

幼「あはは…」

男「おお…」


男「…でか」

幼「おっきい…」

男「一人じゃ食べきれないな…フライドポテトなんかいっしょに頼むんじゃなかった…」

幼「…カロリーたかーい」

男「でも…」

幼「おいしそう」ニコッ

男「だなっ」ニコッ

幼「ハニートースト、私がはんぶんこするね」

男「おうっ、任せたっ!!」

幼「…任された」ニコッ

幼「」チギリチギリ

幼「…トッピングもキレイに分けるよ」サッサッ

男「」ニコニコ

幼「…なにも変わってない…やっぱり楽しいな…」ボソッ

男(…調子出てきたな、幼)

幼「♪」チギリチギリ

幼「きれいに割れたよっ」ニコッ

男「やったな」ニコッ

男「食べようか」

幼「うんっ」

幼「ハニートースト、はんぶんこ」

男「おいしいな」モグモグ

幼「おいしいね」モグモグ

幼「…ん~。あまーい」モグモグ

男「うん、でもいい甘さだな」モグモグ

幼「…えへへー、そだねっ」

男「ふふっ」

……

幼「ポテトもおいしいなー」モグモグ

男「お昼だから別にいいんだが、食べてばかりじゃなくって歌おう?」

幼「うん」ニコッ

男「…とはいえ、あんまり曲のレパートリーがないんだよな」

幼「わかるやつ歌えばいいよ?」

幼「まずは私から」

……

……

幼「君…でーあえたきせーきが、…そらに溢れてる♪」

幼「君…まもーるため、…ためにうまーれて来たんだ♪」

幼「ボーイ…ミーツガール、それぞれの♪」

男「いいぞー」パチパチ

男「幼、うまいっ」パチパチ

幼「えへへ…」

男「…幼は恋の歌が好きなんだな」

男「…すてきな出会いに感謝、みたいな曲が好きなのか」

男「…ふむふむ」

幼「…ちーか…きたいよー、きーみ…りそーをに♪…」

男「ユハッシャーユハッシャー、愛…空…落ちてー来るー♪」

幼「ユハッシャー♪」

男「そーのふねー…こいでいけー、おーまえ…て…こいでいけー♪」

幼「こいでいけー♪」

男「そしてはーばたくウルトラソッ♪」

幼「ウルトラソッ♪」

男(ノリの良い曲を選んで良かったな…幼も楽しんでくれてる)

男(だいぶ元気になってきたな)

男「」ニコッ

幼「~♪」ニコニコ

幼「カラオケ楽しいね」ニコッ

男「だなっ」ニコッ

男「…さて次はこの曲だな」

♪~♪~

幼「…私が好きな曲だ」

男「うん」

男「…なぁ、幼。もしよかったら、俺とデュエットしないか?」

男「せっかくだし、マイクもはんぶんこってことでさ…いいかな?」

幼「楽しそうだね」

幼「いいよっ、デュエットしよっ」ニコッ

~♪~♪

幼「せーのっ」

幼・男「「なーみだ…かずだーけ♪」」

男・幼「「つよーく…なれーるよっ♪」」

~♪~♪

幼「男っ」

男「うん」

幼「デュエットたのしいね♪」

男「ああっ」

幼「マイクもはんぶんこ」

男「歌声もはんぶんこ」

幼「たのしいねっ」ニコッ

男「楽しいな」ニコッ

幼・男「♪♪」

幼「…男」

幼「私がんばるよ」

男「何を…」

幼「」ガサガサ

男「…バッグから何を出すんだ?」

幼「チョコ、手作りのっ」ニコッ

男「…くれるのか」

幼「うんっ」

男「…ありがと…でも、バレンタインはまだだよ」

幼「ノってるときにやりたいことがあるの」カサカサ

幼「」パキッ パク

幼「」チュッ

男「」チュッ

男「…な!?」

幼「えへへっ…どうかな?」

幼「ちゅーするのってすてきだね」

男「……」カアァッ

幼「おとこっ、だぁいすき」ニコッ

幼「…私ね、ずっと男に告白したかったの…好きだって」

幼「私、男のこと、幼稚園に入る前からずっと大好きだったんだよ」

幼「…でもはずかしくって言えなくって…」

幼「いっしょにいるうちに、自然に恋人どうしになれたらいいなって…」

幼「…でも幼弟がね、それだけじゃだめだって」

幼「いつか離れちゃうかもって…」

幼「そんなのぜったい、いやだから」

幼「だから、私、がんばんなきゃって…」

幼「私からアプローチしようって。このチョコをキスでたべてもらうのも弟のアイデアなの」

幼「でもね、そしたら…逆に男のこと、すごい意識しちゃって…」

幼「…ごめんね、変な態度とっちゃって…気まずかったよね?」

幼「…でも男にホントに気持ち伝えたくて…」

幼「…男の気持ちも聞かせて?」

男「……」

男「」チュッ

幼「…ふぁ!?」チュッ

男「…俺の答えだよ」ニコッ

男「俺も幼のこと、大好きだよ…ずっと、ずっとね」

幼「…おとこぉ…」ジワッ

男「ふふっ」ギュッ

男「さっきのチョコの口移しはステキなはんぶんこだったよ」

幼「もう…」カアァッ

幼「でも、男すきぃ…」ギュッ

男「俺も好きだよ」ニコッ

幼「うれしいよぉ…」グスグス

男「俺もうれしいよ…」ナデナデ

幼「…ふぁ、男のなでなで気持ちいい…落ちつく…」ギュー

男「…俺も幼の頭なでるの気持ちいいよ」ナデナデ

幼「…ずっといっしょだよ、男…」

男「もちろんさ」

幼(…今日はすてきな日だなぁ)

幼(…男といるだけで元気になれた…告白する勇気をもらえた)

幼「」ギュッ

幼「…幸せもはんぶんこ」

男「うん…」

……

幼宅

幼弟「…姉ちゃん、今ごろ男さんとデートか…」

幼弟「姉ちゃんを少し脅かしすぎたかな…平気かな」

幼弟「…二人がうまくいくといいなぁ…」

幼弟「ずっと仲良しだもんな。男さんもいい感じっぽいから、きっとうまくいくよな」

幼弟「がんばれ、姉ちゃん」グッ

……

幼の部屋 バレンタイン

幼「いらっしゃーい、愛する男っ」

男「…それはさすがに恥ずかしいな」

幼「えっへっへ、事実だもん♪」

幼「今日はバレンタインのチョコ、いっしょに食べようね」

幼「これは、このあいだ告白したとき作ったのと違うチョコ、フォンダンショコラだよ」

男「ほう…うまそうだな…」

幼「幼ちゃん、自慢の一品だよん」

幼「ではでは…」

男「うん」ニコッ

幼「はんぶんこするよっ」ニコッ

男「任せた、幼」

幼「任されたよっ、男」

幼「久々の幼ちゃんの正確なはんぶんこだよ~」

幼「むむ…」チギリチギリ

幼「できた!」

男「よしっ」

幼「はい、男」

男「ありがと、幼」

幼「バレンタインチョコもはんぶんこ」

幼「おいしいねぇ」ニコッ

男「おいしいな」ニコッ
幼「男、あ~ん」サッ

男「ありがと」モグモグ

幼「幸せもはんぶんこだね」ニコッ

男「…それは違うな、幼…」

幼「…ぇ?」

男「…俺は幼とはんぶんこすると、幸せは二倍になるんだぜ」

幼「…そっかぁ」

幼「私もだよ」ニコッ

幼「…じゃあ私たちの幸せはずーっと、二倍なんだね?初めてはんぶんこしたバレンタインから」

男「もちろん」ニコッ

幼「えへへ~」

幼「これからもずっと、ずっと、ずーっと、はんぶんこするよ、男っ」

幼「よろしくね」ニコッ
男「こちらこそ」ニコッ

おしまい

最後まで付き合っていただいてありがとうございます。バレンタイン過ぎてて、すみません。幼馴染ssってホントステキですよね。それではまた。

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