フランケン「そろそろ混ぜるです!」久「……」まこ「……」竹井「……」 (40)

【Roof-top】

まこ「ほんで、あんたの言う全国大会に向けての練習相手ってのは誰なんじゃ?」

久「んー、私もよく知らないのよね」

まこ「おいおい……」

久「知り合いの知り合いに大沼プロって方がいるんだけど、その人の紹介なのよ」

まこ「ほう」

久「なんでも大沼プロに貸しがあるらしくて、一回だけならって練習相手を引き受けてくれたらしいわ」

まこ「——あの大沼プロが紹介してくるってことは相当の打ち手なんかのう。名前は何ていうんじゃ?」

久「それがね、私と同じなの。“竹井”さんって方よ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369139871

カランカラーン

まこ「いらっしゃいませ。——ちいと接客してくるぞ」

久「今入ってきたお客さん——。黒髪のオールバックにやる気のなさそうな目、一見するとしょぼくれたおっさん……。聞いていた特長と一致するわね。あの人かしら」

まこ「お客様はご利用初めてですか?」

竹井「ああ。待ち合わせなんだが、竹井久って人はいるかな?」

まこ「あー……。少々お待ちください」

まこ「久、待ち人が来たようじゃぞ」

久「やっぱり今の人がそうなのね。あんまりすごい打ち手って感じはしないわね……」

竹井(聞こえてるぞ……。って、相手は女子高生かよ! 大沼さんの頼みだが……気乗りしねえな)

久「初めまして、竹井さん、ですよね?」

竹井「ああ。大沼さんから何局か手合わせしてやってくれって言われてきたんだが……。あんたが相手でいいのか?」

久「ええ。竹井久と言います。よろしくお願いしますね」

竹井「あんたも“竹井”か」

久「紛らわしいんで久で良いですよ」

竹井「そうかい。大体の話は聞いているが、相手はあんただけで良いのか?」

久「私と、そこにいるまこの相手をお願いしたいわ」

まこ「染谷まこ、じゃ。よろしゅう」

竹井「……よろしく」

まこ「面子が足りんで、一名待つことになるかの。しばらく接客しとるけん、待っとき」

久「はいはーい」

竹井(長野まで来て女子高生のお守りかよ。……まあ鉄火場よりはましか。適当に相手しときゃ終わるだろ。この店は特にレートもなさそうだしな)

久(うーむ。大沼プロの紹介ではあるんだけど、なんともオーラを感じない人ね。本当に強いのかしら)

久「竹井さん」

竹井「なんだ?」

久「こんなことを聞くのは失礼かもしれませんけど、竹井さんって強いんですよね?」

竹井「……それなりだな。俺より強いやつなんてごまんといるさ」

久「それなり、ですか」

久(どうなのかしら、これ。覇気もないし、期待薄かも)

竹井(——なんて思ってるんだろうな。まあ好都合だ。期待薄な人を演じて、さっさと終わらせて温泉でも行くか)

カランカラーン

まこ「いらっしゃいませー」

フランケン「こんにちはです! 初めてなんですけど、一人でも打てますか?」

まこ(で、でかっ!)

まこ「ええ、大丈夫ですよ。場代のみでレートはなくて、ルールはここをご確認ください」

フランケン「ふむふむ」

まこ「よろしければ卓にご案内いたします。よろしいですか?」

フランケン「はいですー! おれは麻雀が打てればそれで良いです!」

まこ「ではこちらへどうぞ」

久「ずいぶん声も背も大きい人が来たわね。——竹井さん? どうしました?」

竹井「いや、なんでもない……」

竹井(今の声は……フランケンか!? 何でこんなところに!)

竹井(どうする……。今からトイレにでも行く振りして逃げる? ——そうするか。大沼さんには悪いが、後で埋め合わせをするとしよう)

竹井「なあ、ここってトイレはどこにある?」

久「トイレなら入り口のところにありますよ」

竹井「あ、そう……」

竹井(入り口じゃ駄目じゃねえか……。逃げられねえ)

久「?」

フランケン「あああーーーーー!!! 竹ちゃんじゃないですか!」

まこ「ありゃ、知り合いじゃったのか」

久「そうみたいね」

竹井「いや、知らん。こんなやつは知らん」

フランケン「何を言うですか!」

久「お知り合いなんですか?」

フランケン「竹ちゃんはですね、おれの麻雀の師匠なんです! ものすごく強いですよ!!」

久「へえ。本人は“それなり”なんて言ってたけれど」

フランケン「竹ちゃんは謙遜が好きなのです」

久「謙遜ねえ。あなたのお名前は? あなたも強いんですか?」

フランケン「ええ、強いですよ」

久(一片の迷いもなく答えたわね。まあ、打ってみればわかることか)

竹井(こうなったらしゃあねえ。適当に流しておけばフランケンがどっちかを飛ばしてさっさと終わらせてくれるだろう)

竹井「さっさとやろうか。あんまり時間はないんだ」

久「それじゃあ、半荘四回で良いかしら?」

竹井「ああ、わかった」

一回戦

東:フランケン
南:竹井
西:久
北:まこ

竹井「おい、フランケン。なんでお前は長野にいるんだ?」

フランケン「それがですね。強い人を探して雀荘巡りをしていたんですが、東京の雀荘は全部出禁になっちゃったです」タンッ

竹井「……それで長野まで流れて来たのか。相変わらずだな」タンッ

久「出禁って……」タンッ

竹井「ん。ああ、心配するな。こいつが出禁になるのは悪さをするからじゃない。イカサマなんて絶対にしないやつだ」

まこ「ほいじゃ、どうして?」タンッ

竹井「——勝ちすぎるからだ。こいつがいると勝ちすぎて他の客が寄り付かなくなる。だから店側も出禁にするしかないのさ」

フランケン「だはははは」タンッ

竹井「笑いごとじゃねえよ。巻き込まれてた俺の身にもなってみろ」タンッ

久「へえ……」タンッ

竹井「この店がノーレートで良かったな。さもなきゃ一ヶ月後には潰れていたかかもしれん」

まこ「それはなんとも……。ほいじゃあ、そんなフランケンさんの師匠の竹井さんもかなりの腕前なんかのう」タンッ

竹井「……さてな」

フランケン「お、ツモったです!」


……………

終局

フランケン:48600
まこ:18300
竹井:17000
久:16100

フランケン「思ったより稼げなかったです」

まこ「十分じゃろ……」

竹井(フランケンのやつ、今日はあんまり火力がないな。調子悪いんかね。さっさと飛ばしてくれれば終わるってのに)

久「……」

二回戦

東:久
南:竹井
西:フランケン
北:まこ

久「竹井さんは今日はあまり調子が良くないんですか?」タンッ

竹井「……ああ。麻雀ってのはそういうもんだろ? どんなやつにだって調子の波ってやつはある」タンッ

フランケン「確かにいつもの竹ちゃんらしくないです」タンッ

まこ「調子が悪い、ねぇ……」タンッ

久「……」




……………

フランケン「ツモったです!」



……………

終局

フランケン:50400
竹井:19400
久:16200
まこ:14000

フランケン「だははははー! またまた一位です!」

竹井(やれやれ。あと二回か。それにしてもフランケン相手だっていうのに、この子らなかなか飛ばんな)

久「……」

まこ「……」

三回戦

東:まこ
南:久
西:フランケン
北:竹井

まこ(この竹井って人は明らかに手を抜いて打っておるの)タンッ

久(女子高生相手に真面目にやってなんてられないってことかしら、ね)タンッ

フランケン「竹ちゃんはこのあとどうするですか? 雀荘に行くなら一緒に行きたいです」タンッ

竹井「行かねえよ。行くとしてもお前となんて御免だね」タンッ

まこ(まあ、手を抜きたくなる気持ちはわからんでもないが……)タンッ

久(……)タンッ

まこ(久は……、すっかりへそを曲げておるな。おーおー。怒り心頭って感じじゃのう)



……………

フランケン「ツモです!」


……………

終局

フランケン:50200
まこ:18600
竹井:16000
久:15200

フランケン「竹ちゃん、本当に調子悪いですね」

竹井「……まあな」

竹井(お前まで入ってきて、真面目にやってらんねえんだよ。まあこれであと半荘一回だ。そのあとは適当なところでこいつをまいて一人でゆっくり温泉でも行かせてもらうさ)

竹井「じゃあ、ラス半行こうか」

久「……」

竹井「ん? どうした?」

久「……四回戦はやめておきましょうか」

フランケン「えー!? どうしてですか!? おれはもっと打ちたいです!」

竹井「お前は黙ってろ。——そっちが終わりで良いって言うなら俺は構わんさ。すまんね、あんまり練習相手にはならなかったみたいだ」

久「いえ、構いませんよ。大沼プロには“あなたが紹介してくださった方は何の役にも立ちませんでした”とでも言っておきます」

竹井「……」

まこ(これはまた辛辣じゃな)

久「それともこう伝えたほうが良いかしら? “あなたが紹介してくださった方は相手が女子高生と見るや手を抜いてだらだらと打つだけでした”」

久「まあ、私としては代わりになる方を紹介してもらえればそれで良いんですけど、大沼プロはどう思うのかしら」

久「あの年代の方は面子を大事にする傾向にあるから、ひょっとしたら竹井さんに面子を潰されたと考えてしまうかもしれませんね」

竹井(……こいつ)

まこ(ずいぶん煽るのう)

竹井(言われっぱなしってのはまあ良い。手を抜いてたのは事実だしな。問題は大沼プロだ。これで借りを返せると思っていたが、そんなことになったら逆に借りが増えかねん。あの人からの借りはいろいろとやばいからな……。——仕方ない)

竹井「わかった。俺が悪かったよ」

久「え? 何がですか?」

竹井「……手を抜いて悪かったよ」

竹井「次の半荘はちゃんと打つから、勘弁してくれ」

フランケン「竹ちゃん、手を抜いていたですか!? 手を抜くと麻雀の神様に怒られるですよ!?」

竹井「わかったっての。真面目に打つから早く始めさせてくれ」

四回戦

東:フランケン
南:久
西:まこ
北:竹井


東一局

竹井(さて、どうしたもんか)

竹井(真面目に打つとは言ったものの、ぬるい打ち方を続けた俺がフランケンと真っ向から当たってもやられるだけだ)

竹井(だからといってある程度のものを見せなければ、納得してもらえそうもない)

久「……」

竹井(半荘一回で、どこまで立て直せるものか……)

竹井(それに、久とまこと言ったか。この二人もそこそこ悪くない打ち手だ。フランケンを相手にここまで一回も一万点を割ってない)

竹井(とりあえずフランケンの親はさっさと流しておくか)



……………

フランケン「リーチです!」

竹井(と思ったらこれかよ)

竹井(今のフランケンなら一発ツモか。俺の手配はばらばらだし、とりあえずずらしとくか)

竹井「チー」

まこ(ん? 今までにない鳴きじゃな。久に煽られてようやくやる気になった、というところかの)

フランケン「一発ならずです!」タンッ

久(六萬か。本来のフランケンさんのツモ。不要牌だけど……、今までの彼を見る限り切らないのが無難ね)タンッ

まこ(わしは戦える手じゃないからの。オリじゃ)タンッ

竹井(ずらしたところでフランケンのことだ。数順以内にツモあがるだろう。それまでに何とか安手で良いから流すか、他の二人に振ってもらうかね)タンッ

フランケン「むむむ……! ああもう隣です!」タンッ

久(打五萬で隣ってことは、本当に六萬が和了牌? ってまた六萬がきたわよ)タンッ



……………

久(竹井さんが鳴くたびにこっちに三六九萬の筋が流れてくるわね……。本当にこれがフランケンさんの和了牌で、狙ってやってるのならすごいんだけど)

久(でも感心もしていられないわね。竹井さんもこれ以上晒せないだろうし、そろそろフランケンさんにツモられてしまいそう)

久(かと言って和了りも遠いしなぁ。まこは完オリだし)

久(ん、竹井さんのあの晒しと捨て牌……。二筒をチーしているのに次順に五筒を手出し。明らかな食い替えよね。三四五筒なら三色もついたっぽいのにそんなことをした理由は?)

久(決まってるわね。点数が高くないことを教えてくれたのよ。差し込んでも大丈夫って)

久(ふーん。ちょっとは真面目に打ってくれているのかしらね)タンッ

竹井「ロン。タンヤオのみだ」

久「はい」チャラッ

フランケン「む……!」

東二局

フランケン「またリーチです!」

竹井「……」タンッ

まこ「ロン。タンヤオ、赤1」

竹井「はいよ」チャラッ

フランケン「むむ……!!」

東三局

フランケン「またまたリーチです!」

まこ「……(この辺かのう)」タンッ

竹井「ロン。白のみ」

フランケン「むむむ……!!!」


……………

南二局

フランケン「だー! 全然和了れないのです!」

竹井(お前の火力で和了られて堪るかよ)

竹井(しかし、この二人は思った以上に打てるな)

竹井(久はぎりぎりまで高打点を目指しつつ、危なくなったらきっちり安手に抜き打ってる)

竹井(まこは広く構えて鳴き重視でフランケンの和了りをかわしつつ点棒を拾っていく)

竹井(やれやれ、最近の女子高生はどうなってんのかね)

フランケン「まだまだ! 通らばリーチなのです!」タンッ

まこ「すまんが、通らんわ。一通、ドラ2赤1」

フランケン「むがー!?」

竹井(ん……)

南三局

竹井(さっきの振り込み……)

竹井(さすがのフランケンの豪運も小休止ってことろか)

竹井(前に出るならこの局だな)

フランケン:11000
久:29200
まこ:33300
竹井:26500

竹井(さっきの満貫でまこが頭一つ抜け出たが、3900直撃でひっくり返る。大した差じゃない)

竹井(問題は……)チラッ

久「……」

竹井(あの表情……。フランケンが下降気味ってことに気づいてるな。向こうも仕掛けてくるならこの局か)



……………

もしかしてダイナマイト麻雀か?

久「さて、ようやく私の番ね。リーチよ」タンッ

竹井(やっぱり来たな……)

まこ(親じゃが、久の悪待ちなんざ読めるもんでもないしの。回し打ちはせずにオリとくか)タンッ

竹井(親は現物か。俺はどうしたもんかね。——っと、テンパったか)

竹井手配
一三四五九���123東東
ツモ:一

ドラ:一

竹井(ドラが重なったが役がない。九萬切りリーチって手もあるが……)

久捨て牌
�八東北七�
1�六68四(リーチ)

竹井(役があるなら下の三色あたりか? 筋の六萬は切られているし、八萬は四枚見えている。九萬はドラ表示牌だからあるなら単騎待ちか)

竹井(……)タンッ

打:東

竹井(ま、ラス親もあるし、無理することはないだろう)

久「……」



……………

ピンッ

バシィツ!

久「ツモ!」パララッ

一二三九���234西西西

ツモ:九

裏ドラ:九

久「リーヅモドラ1裏裏、満貫ね」

竹井(おいおい、本当に九萬単騎かよ)

竹井(ドラ筋のノベタンは拒否ね。そういう打ち筋なのか、今回がたまたまそうなのか……。まこの表情を見るに前者っぽいかな)

この作者の作品同名人物でるけど同一世界じゃなくてスターシステムだっけ?

南四局

フランケン:9000
久:37200
まこ:29300
竹井:24500

久(さてさて、竹井さんから直撃は取れなかったけど二位に7900差のトップか。安手で逃げるのがセオリーかしらね)

久(このオーラスでなにか見せてくれないと、本当にあることないこと言っちゃうわよ。竹井さん?)

竹井(トップを捲るには満ツモか、7700以上の直撃)

竹井(親だから刻んでいっても良いんだがな。どうしたものか)



……………

竹井「……」タンッ

フランケン「……」タンッ

久「チー」タンッ

まこ「……」タンッ

竹井(ん……)

竹井「……リーチだ」タンッ

フランケン「竹ちゃんのリーチは怖いです」タンッ

久(とりあえずは安牌ね)タンッ

まこ(一発を消そうにも鳴けんのう)タンッ

竹井「……」タンッ

フランケン「うーん……」タンッ

久(おっと、ここでテンパイか)

一二三四五赤五六西西赤� [七]八九

ツモ:西

久(赤�筒切り?)

久(いやいや、私はそうじゃないでしょう?)

久(問題は五萬が通るかだけど……)

竹井捨て牌
�9西北六�
2七(リーチ)二

久(二五萬の筋はない。リーチ後にフランケンさんが八萬を捨てているから五八萬もない)

久(五萬は私が二枚持っていて、フランケンさんとまこが一枚ずつ捨てているから単騎待ちもない)

久(あるとしたらカンチャン待ちか。んー……)

久(無理をする場面でもないけど、ここで引くのも私らしくないものね!)タンッ!

打:赤五

竹井「……赤か。強いな」

久「まあね」

竹井「だが、通らずだ」パラッ

二三四四六���34566

久「え」

竹井「リーチ赤1。裏が乗ったら逆転だな」

まこ(そりゃあまるで、久の悪待ち……)

竹井「……乗らずか。3900だ」

久(七萬切りリーチ? 四萬でリーチをすれば両面待ちでピンフもついたのに……)

竹井「おーい、3900だぞ」

久「ああ、ごめんなさい」チャラッ

久「……ねえ」

竹井「あん?」

久「今の待ちは私から直撃を取るためよね?」

竹井「まあな」

久「どうして私から五萬が出ると思ったの?」

竹井「七萬チーと、お前さんが悪待ちが得意ってところからだな」

久「……」

竹井「得意なんだろ?」

久「……ええ。前局の一回しか見せてないのに見抜かれちゃうものなのね」

竹井「一回でそのくらい見抜けなきゃ、死ぬような世界だからな……」

久「え?」

竹井「なんでもない」

久「それで、どうしてその2つから打五萬がわかるの?」

竹井「あのな。俺は先生じゃないんだ。ヒントは出したんだからあとは自分で考えろ」

久「ちぇっ、ケチね」

竹井「ケチで結構」

久「ふうん。でもそんな待ちする人が私以外にもいるのね」

竹井「そんな待ちとは失礼だな。トップからの直撃がとれたんだ。良い待ちだろ?」ニヤッ

久「……そうね。まったくもってその通りだわ」フフッ


南四局一本場

フランケン:9000
久:33300
まこ:29300
竹井:28400

竹井「さて、逆転といこうか」

久「そう簡単にいくかしらね」

まこ「二人で盛り上がっとるところ悪いがな。わしもトップ条件が緩くなっとることを忘れるでないぞ?」

竹井(そういや、フランケンがやけに大人しいな)タンッ

フランケン「……」

竹井(ん?)

フランケン「だははー! ダブリーなのです!!」タンッ!

フランケン「そろそろ混ぜるです!」

久「……」タンッ

まこ「……」タンッ

竹井「……」タンッ

フランケン「ツモ!」

一一一三三三四四四六七八九

ツモ:九

ドラ:三
裏ドラ:一

フランケン「ダブリー一発ツモ清一三暗刻ドラ六! 数え役満です!」

竹井「……お前、ちょっとは空気読めよ」

久「……」

まこ「……」

終局

フランケン:41000
久:25300
まこ:21300
竹井:12400


フランケン「だははははー! またまたまたまた一位です!」

竹井(こいつは相変らずだな。大人しくなったのは二局だけかよ)

久「あはははは……」

まこ「……もう笑うしかないのう」

フランケン「ちょっとトイレ行って来るです」

竹井「そのまま戻ってくるな」

まこ「そりゃ無茶じゃろ」

竹井「最初は手を抜いて、悪かったな」

久「もう良いわよ。最後が面白かったし、帳消しね」

竹井「そう言ってもらえるとありがたい」

まこ「悪待ち返しを食らった時の久の顔はなかなか面白かったわ」

久「ちょっと、まこ!?」

竹井「それで、大沼プロになんだが……」

久「ああ、大丈夫よ。ちゃんと約束は守るわ」

竹井「そいつは助かる」

久「“紹介していただいたおじさまに、いいように弄ばれて身も心もずたぼろです”って伝えておくわ」

竹井「おい」

久「冗談よ」

まこ「あんたが言うと冗談に聞こえんわ」

久「ところで竹井さん。アドレス交換しない?」

竹井「嫌だ」

久「あら、花の女子高生のせっかくのお誘いなのに」

竹井「それこそこっちがいいように弄ばれかねないからな」

久「ぶー。そんなことしないわよ」

竹井「どうだかな。……交換しても良いが、条件がある」

久「何かしら?」



……………

フランケン「ふー、すっきりしたです!」

フランケン「あれ? 竹ちゃんはどこですか?」

久「竹井さんなら、もう東京に戻るって先に出ちゃったわよ?」

フランケン「えー!? 竹ちゃんだけ東京で打つ気なんですね!? ずるいです!」

久「ついさっき出て行ったばかりだから、走っていけば間に合うかもしれないわね」

フランケン「そうするです!」

フランケン「あ、忘れてたです」

久「ん?」

まこ「なんじゃ?」

フランケン「二人とも強かったです! また竹ちゃんと四人で打つです!」

久「ええ、そうね」

まこ「またよろしくな」

フランケン「それじゃ!」





フランケン「竹ちゃーーーん! 待つですよーーー!!!」ダダダダダッ



……………

竹井「やれやれ。行ったか」

竹井「フランケンも追い払ってもらったし、しばらくは長野でゆっくりするかね」

竹井「その代わりに久とアドレス交換したのが、そのうち厄介の種になりそうだが……」

竹井「まあ、良いさ。温泉にでも浸かってのんびりしょう」

竹井「東京と違って、怠け者の俺には意外とここは向いているかもな」




終わり

おつー
ワニ蔵さんも見たかった

短いけど終わりです。

麻雀漫画はアカギ、天、むこうぶち、ノーマーク、ムダヅモ辺りがよく話題に出ますが、押川雲太朗作品も一読すべき。

根こそぎフランケン、リスキーエッジ等々、名作が多いので是非。

闘牌シーンは上手く書けないので結構適当。

というか、押川作品レベルを求められても無理です。

おつおつ

竹井の再現度がよかった
フランケンの原作は竹書房から500円コミックスで「麻雀知将伝」で出てるから、皆買おう(ステマ)

おもろい
続き書いてくれるよな?

一本場なのにフランケンの点が32000になってました。
実際は32300なので下記のように訂正。

フランケン:41300
久:25200
まこ:21200
竹井:12300

もうhtml化依頼を出したので、続きがあれば新しくスレを立てます。
染谷まこは毎回出るので、「まこ」で検索してもらえれば引っ掛かるはずです。

おつ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom