X人目のジョジョの奇妙な冒険 (193)


 ・キャラは安価で作成
 ・更新遅めかも
 ・ジョジョ原作のキャラは一切出てきません



 このSSは、『ジョジョの奇妙な冒険』の二次創作SSです。

1~6部でも、7部でも8部でもない舞台で。ジョジョが冒険するストーリーです。

 主人公、仲間、敵のキャラクターや、スタンドを全てを安価で決めます。
ちなみに安価はキャラの制作のみで。行動安価などはしないつもりです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409170090


キャラ制作の流れ

① 性別 名前
② スタンド能力
③ スタンド名
④ 性格

 を安価で決めます。

(②スタンド能力は、既存のスタンド能力の引用はご遠慮ください。
  それと、他作品の能力をまんま流用したり、『相手は死ぬ』等のチート能力や下ネタもご遠慮ください)
(④性格は、複数の物を合わせるので。1つで完成しないような言葉にしていただくと嬉しいです。
  EX「不器用」「正義感が強い」「髪型にこだわりがある」)


 その他、
あまりにも変わった名前、使いづら過ぎる能力等は、
>>1の独断で、再安価、安価下にする可能性がございます

『プロローグ』

 2014年・Y県Y市。

 丁度今から5年前の話。


父親「旅に出る……」


 そう言い、彼は1人の小学生を残したまま。
家を出た……。


 その家は、父一人と、当時小学生の子供の2人暮らしだった。
中が悪いという程ではないが、男手1つで働き続けた結果か、特に深い親子の仲はなかった。

 その子供には、しかしながらその父親以外に身寄りはない。

 あの時。その瞬間からその小学生は。天涯孤独となった。
ただ通帳を置いて行き。生きる上では問題なく生活できた。


 故に。高校に入学する事は可能だった。
5年後の2014年。天涯孤独の幼い命は、高校生となり、今も尚生きている。


孤独だからといって、不気味に性格が歪む事もなく。
傍から見れば至極まっとうな人間へと成長した。

 唯二つ。
父親を捜し、旅立った『理由を聞く』という、普通ではない『使命』と。
その父親から授かった。傍に立つその『奇妙な能力』を除いては……。


 そこの高校は、家から6駅も離れた高校。
別段そこが学力が高いわけではなく。寧ろ若干、下に近い偏差値だった。

 ただ、唯一つの理由で。その高校へ通う事に決めていた。

 自分の父親の母校。
数少ない、父親の手掛かりだったから……。



『プロローグ』・完

 と、言うわけで。簡素なプロローグですが。
早速主人公を安価で決めたいと思います。

 
順番に決めていきたいと思います。
まず性別と名前。

 苗字は『空条』とさせていただきます。

>>5

この時間は人居ないんでね

男 上進 (ジョウシン)

いつもこの時間なので。人が集まらないのはしょうがないと思ってます。
気長に待ちます。

 では次。

 スタンド能力。

 >>7
 >>8
 >>9

 で、一番主人公に合いそうな能力に独断で決めたいと思います。

水を操る

気流操作

スタンドパラメーターを弄る事が出来る

では、3つ出揃ったので。

>>8

の『気流操作』にしたいと思います。


次はスタンド名です。

>>11

ストーム

はい。

では、最後に性格を安価します。

主人公なので。
①黄金の精神

 は決定で。

あと二つほどお願いします。

>>13
>>14

超紳士

スジを通す

 主人公が決まりました!

名前:空条 上進
スタンド名『ストーム』
スタンド能力:気流を操作する

性格:超紳士
   スジを通す
   黄金の精神

 次に、敵キャラも1人決めておきたいと思います。


敵キャラは一気に安価します。

名前と性別
>>17

スタンド能力
>>19

スタンド名
>>21

性格
>>23
>>24
>>25

四方津 御邦(よもつ みくに) 女

天然

能力と名前はセットの方がやりやすい

能力なら「集団心理や無意識の判断を操る」
名前なら「シヴィル・シン」

いつも何を考えているかわからない

勝つためなら手段を選ばない

寂しがりで孤独を嫌う

>>21
 そうですね。じゃあ、今後はスタンド名とスタンド能力はセットで行きたいと思います。

んで、諸々まとめると。

名前:四方津 御邦 女
スタンド名:シヴィル・シン
スタンド能力:集団心理や無意識の判断を操る

性格
いつも何を考えているか分からない
勝つためなら手段を選ばない
寂しがりで孤独を嫌う


 です。


 それでは、ひとまず書きたいと思います。

敵が味方になったりとかはあるのかな?
漆黒の意志っぽいキャラが味方になるのって原作ではレアだし見てみたい

>>28

 展開によっては、というか。1人はそうしようと考えてます。
まあ、なるべく汎用性の高い能力の敵をそうしようと思ってますので……。

 四方津さんは……。多分……。

待ってる間に元ネタでも

The Bloody Beetroots - Storm
ttp://www.youtube.com/watch?v=1IOHkJOHW6o

Boy Kill Boy - Civil Sin
ttp://www.youtube.com/watch?v=7v28MqFqliA

第01話『空条 上進という男』


教師「明日から本格的に授業開始だ。今日はひとまず終了……」


 その言葉を皮切りに、クラス中がざわめき出す。
今日は、この高校の入学式。一連の通過儀礼とも言える口上や説明を聞いた後。
私達は自由時間をもらった。

 クラスは皆、前後や左右の席の人間とコミュニケーションを取っていた。
既に友達作りは始まっていると、まるで戦争のように騒がしかった。


上進「…………」


 滑稽に見えるのだろうか。一番後ろの廊下側の席で、クラスで唯一誰とも話さない私は。
しかし、私はこの高校に友達を作りに来たわけでも。極論、勉強を教わりに来たのではない。


 私にはやるべき使命がある。その、使命を遂行する。
ただそのためだけに入学したのだから。

上進「ふむ……」


 入学者のしおりと銘打たれた冊子を、私はパラパラとめくる。
開くページは見取り図だ。この学校の見取り図。

 そこで、この学校の『生徒会室』の場所を把握するために。


 私には、知る必要があり、更にはそこへ赴く義務がある。
私が生徒会長になろうだとか、そんな野心はないのだが……。


「あ、あの……」


上進「私か?」


 不意に、目の前から呼ばれた。
顔を上げて見ると。気の弱そうな男の子が1人。私の方を見つめていた。


「う……うん。君は誰とも話さないの?それとも他のクラスに友達がいるの?」


上進「いや、そういうわけじゃあないが。
   ただ私には興味のない事だと思ってね。
   いや、勘違いしないでくれよ?別に一匹オオカミがかっこいいとか。
   一人ぼっちの言い訳をカッコつけるわけじゃあないんだ」


「あ……あはは。そういう言い方をすると、逆にそう聞こえちゃうよ?
 あ、僕は広瀬 健一。よろしくね」


上進「あ、ああ。私は空条 上進だ」


健一「変わった名前だね」


上進「そうだな。中学の頃、くうじょうじょうしんで、ジョウジョウで。
   ジョジョなんてあだ名をつけられるくらい変わった名前だ」


健一「え?ジョジョって呼べばいいの?」


上進「特に否定するつもりはないが、出来れば普通に空条か上進で呼んでもらいたい」


健一「あ、うん。分かった、じゃあ空条君だね」


上進「ああ、所で。話し始めてすぐですまないが。私はちょっと用事があるんだ。
   すまないが、失礼させてもらうよ」


健一「あっ……分かったよ。うん。
   また明日学校でね」


上進「ああ」

 別に、本当に私は。友達が作りたくないわけではない。
ただ、それ以上に優先すべき事があるだけだ。


 さっきと同じく、その理由は1つ。
私には使命がある。


 父親の行方。というよりは、父親の生きている、その『理由』が。
私はどうしても知りたかった……。


 私の父、空条 汝(くうじょう なんじ)は。私が小学生のころに消えた。
思えば、実の父にもかかわらず、彼の職業すら把握していなかった。

 私はその当時、何が起こっているのか理解するのが難しく。ただ泣いていたのを覚えている。

 何故、彼は子供一人を置いてどこかにいったのか。
何故、彼の部屋は。まるでもぬけの殻のように家具1つ捨てられていたのか。
何故、彼は【あんな物】を持っていたのだろうか。


 隠されれば知りたくなるのが人間の性だ。
私は唯一といっていい、父親の情報として。たったひとつ。
高校の卒業アルバムを見つけた。


 そこの高校に今、入学し。私は父の情報を集め。
私は父を探し出し、知りたい。

その理由を。
それこそが、私の『使命』なのだ……。

上進「ここが第3棟で?ああ、この横が4棟か、プレートがあるな。
   そこの3階か……」


 だからこそ、私はクラスメイトの自己紹介も早々に。生徒会室へ向かう。


上進「……?おや?ここは違うな。
   じゃあここは何棟だ……?」


 そもそも、この学校は広く、大きく分かりづらい。
どうして棟が7つもあるんだ。そして私が今いるこの棟は何棟なのだ?


「困ってる?」


 また私が冊子に目を通していると。声をかけられた。
冊子を呼んでいる事が、皆はそんなに不思議なのだろうか。

 そんな疑問を抱きながら、再び「私か?」と顔を上げた。


 そこには、女性の教師が立っていた。

「君、新入生でしょう?」


上進「あ、はい。先生方でしたか。私は空条上進。
   新入生です。これからよろしくお願いします」


「そう、私は四方津 御邦。こう見えても、そう見えても数学教師。
 よろしく」


上進「あ、はい……」


四方津「で?改めて最初の質問に戻るよ?
    困ってる?」


上進「あ、はい。いえいえ、実は道に迷ってまして」


四方津「まあ、そうだろうね」


上進「え?」


四方津「新入生っぽい人間が。冊子の見取り図を眺めて校舎をうろうろしてたら……。
    それしかないよね」


上進「ええ、そうなんです」


四方津「で?何処に行きたいの?」


上進「えっと……せッ」


四方津「生徒会室?」

上進「え?」


四方津「生徒会室に、行きたいんじゃあないの?
    だって、【4棟に行きたがってるの君だけだし】……」


上進「何を……言っているんですか?」


四方津「棟の番号を頼りに生徒会室へ行く人間。つまり、生徒会室へ行きたい新入生。
    あらあら、その理由は何でしょうか?」


上進「ッ……」


四方津「生徒会に入りたい何か野心を持っているのかな?
    でも、そんな人でも今日くらいはきっと友達作りしてるよ……?
    だとしたら、それ以上の何か。きっと、多分。
    なによりも優先すべき事がそこにあるから、かな?」


上進「何を……知っているんですか?」


四方津「何も知らないよ。
    君がどんな人間で、私がいつ死ぬのか。そんな事も知らないくらい無知だよ?
    まあ、でも…………」



四方津「『空条汝』のことは知ってるかな?」



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

上進「あなたは……。私の父親の事を知っていると……?」


四方津「やっぱり。ああやっぱりそうなんだ。
    君が汝君の息子か……。
    年齢もぴったりで、もしかしたら今年入学するかもなとは思っていたんだけど……。
    罠を張っておいてよかった……。だって君は、『知るべきじゃあないから』。
    ごめんね。諦めてくれないかな……?生徒会室へ行くのを」


上進「それを断れば……。どうなりますか?」


四方津「ルート3の二乗の解を答えるより、その解は容易いはずだよ?」


上進「成程……。やはり一筋縄ではいかないみたいですね……」




 そんな気はしていた。
父親の部屋で見つけた【あんな物】があったのだ……。

 多分、父親の事を知ろうにも。難しいという気はしていた……。


 何故なら。あんな物、あんな【弓矢】のおかげで。
私は不思議な力を得たのだから……。



To Be Continued →

 ひとまずここまで。
続きは明日の明け方に書きあげます。

 ではでは。

第01話『空条 上進という男』 その2


上進「しかし、私には、この空条 上進には『使命』があるッ!!
   貴方にとって、隠したい事実と。
   わたしにとって知りたい事実。
   その重さを、天秤にかけて考えてほしいのだが?」


四方津「あら……。それはごめんね。
    天秤は理科の実験に使う物……。数学教師は扱わない……」


 上進と四方津が、廊下で向かい合う。
上進の右手に力が入った。それは攻撃への意欲の表れ。

 目の前の女性教師を、力づくで押さえつけてでも。
空条上進は、知りたい。知らねばならない事実があるッ!!


上進「ああ、そうか……。なあ、四方津先生、でしたか?」


四方津「何かしら?」


上進「貴方は数学教師。他に肩書はないんですね?」


四方津「ん?」


上進「どこかのクラスの担任だとか、学年主任だとか。
   暴力や喧嘩を叱る、『生徒指導担当教師』とかじゃあないんですね?」


 その言葉の意味を理解した四方津は、口角を上げて息を吐いた。


四方津「ああ、確かにそうだね。
    私はただの数学教師。だから君の暴力を校則違反扱いにする権利はない……」

上進「それならッ!!」
四方津「それでもッ!!」


 そして、お互いが一瞬前のめりの姿勢に揃い。
足で地面を蹴るッ!!


上進「力づくで行かせてもらうッ!!」


 上進は大きく振りかぶるッ!!
四方津の顔面へ突き刺さる角度でッ!!
躊躇や迷いは全くなくッ!


上進「オラァッ!!」


 しかしッ!!
それに対して四方津は、不敵な笑み。余裕の表情を崩さないまま行動を起こさないッ!!
まるでサンドバッグのようにッ!!ただのその攻撃を目で追うだけッ!!

四方津「いいのかな?」


 そして、不敵な一言を呟いた……。



健一「空条君ッ!?」


上進「何ッ!?」


 ピタァァア………。

 上進の拳は、止まった……。
四方津の鼻の頭数ミリまで近づいて。

 正確に言えば、上進自身が止めた……。


 その声を聞いてしまったから。更に、その状況を理解してしまったから。


上進「何……だ?。これは……ッ!?」


 状況は異様。
さっきまで、つい数秒前まで。

 この廊下は誰も。生徒どころか、人間はおろか、虫の一匹いないほどの静けさだった。
しかし。だがしかしッ!!


「何アレ……?」
 「新入生?」
「あれ数学の先生じゃね?」
 「え?喧嘩……?」


 その場を囲むように。
20人は超える人だかりが、一瞬で形成されていたッ!!


四方津「殴れるのかな?今、この状況で……」


健一「え?何をしてるの空条君!!」


 その手を止めた上進の元へ、その人だかりの一人。
先ほど会ったばかりの、広瀬健一が近づく。


上進「健一……だったか?何故ここに来た……?」


 その手を一度下し、四方津から目を逸らして健一に話しかける。
この状況ではそうするしかなかった。

 四方津1人であれば、ある意味で許可が下りた故に。
学生が教師を殴るという行為を実行できた。

 しかし、こうも他人の目があれば。
その行動が問題になるのは火を見るより明らか。


 そうなれば、情報が聞き出しづらくなるよりも。
ましてや退学の可能性さえも浮上してしまう。

 それでは意味が無かった……。

健一「え?いや、僕はただ、体育館に行こうと思って……」


上進「体育館?」


健一「うん。入学生を対象に、軽音楽部のおめでとうフェスってのが開催されるらしいんだ。
   だから僕は、それを見に行くために……」


上進「いや、何を言っているんだ?」


健一「え?」


上進「私は見取り図をよーくこの目で見たが故に思うんだが……。
   私達1年生のクラスから、体育館に行くのであれば。どう考えても『逆方向』じゃあないのか?」


健一「え……。そうなの……かな……?
   いや、でも。なんでだろう、この道が近いと思ったんだ」


上進「何だってェ?」


健一「なんでか分からないけど。僕も見取り図を見ながら歩いたんだけど……。
   体育館に行くにはこの廊下を通るべきだって。
   何故かそう思ってるんだ……。でも確かに……。これじゃあ遠回りだね……」


上進「…………何ィ?
   なあ、そこの新入生……」


 上進は顔をゆがめて首をかしげる。
そして、健一の後ろの方に居る。2人組の男子学生に話しかける。


「え?何?」


上進「君達もひょっとして……」


「ああ、今から体育館へ行くんだ」


上進「それで、この廊下が近道だと思ったって言うのか……?」


「ああ。そうだとも」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。

上進「どう言う事だ?この棟は資料室だとか倉庫の多い棟。
   本来人が歩く事すら珍しいだろう場所なはずなのに……。
   何故かここにいる全員が、体育館への近道だと『勘違い』している……」


健一「でも、さっきのは一体何?
   先生っぽい人に殴りかかっていたように見えたんだけど……」


上進「ハッ!!そうだ……ッ!!」


 上進は我に帰り、当初の目的を思い出すッ!!


上進「四方津先ッ……生!?」


 振り返ると目の前に。
教師の姿は一切なかった……。


上進「逃げられた……だと?」


健一「え?どう言う事……?」


上進「いや、こっちの話だ。まあ別に逃げるのであればそれでもいい。
   私は力を振るうことなく『生徒会室』に行けるのであれば……」


健一「ふぇ?」


上進「じゃあ、私は行くよ。
   ああ、それと。君の見取り図に赤線を引いた。この通りに歩いて体育館へ行けと。
   周りの人間にも教えてやってくれ。それでは」


 そう言い残し、上進は再び生徒会室へ歩き出した。


健一「あ、え?う……うん!!また明日学校でね!!」

四方津「無駄なのに……なぁ……。
    どんなに生徒会室に行こうとも。君は辿り着けないよ。
    無意識の深層心理は誰しも否定出来ない。
    生徒会室を無意識的に避けちゃうんだから、君はどうしようとも。
    行きたいと思えば思う程逆に進んじゃうんだもの……」


 看守室で、四方津はコーヒーを飲みながら。独り言をつぶやいた。
数多の監視カメラに映る、迷いながら歩く事をやめない上進を眺めながら。


四方津「あの子もきっと、私と同じ。
    いや、汝君の子供なら、むしろ必要十分条件ってくらいに確実なのかな?
    ねえ?君は私と同じでしょ?……。だから惹かれあったんだよ。
    だって、同じ【スタンド使い】なのだから……」


 にやりと、笑みをこぼす四方津の後ろで、半透明の何かが浮かび上がる。


四方津「それでも、私の【シヴィル・シン】は、学校や会社みたいな場所では。
    負ける気がしないよ……?」


看守「先生?ここは警備員以外立ち入り禁止ですよ……?」



 To Be Continued →

>>1です。
これくらいのペースで書いて行こうと思います。
続きは、遅くとも明日のこの時間には書けたらと思います。

 それでは。

第01話『空条 上進という男』その3


上進「……チッ。ここはもう来た。
   なんだというのだ?この見取り図がおかしいんじゃあないのか……?」


 空条上進は、簡潔に言えば。道に迷っていた。
広瀬健一と再び逸れた後に、上進はかれこれ1時間は学校を彷徨っていた。


上進「生徒会室は4棟。そしてここは3棟……。
   だからこの廊下を渡って、この階段を下りれば……」


 何度も見取り図と、現実の光景を照らし合わせて歩を進める。


 だが。


上進「2棟ゥウウ!?何故だッ!?何故こうなる…………」


 未だに生徒会室へは辿り着けない。

上進「…………。駄目だ。どうやっても4棟にたどりつけない……」


 それから更に15分。7度目に3棟に到達した時。
諦めと疲労から、上進はその場に座り込んだ。


上進「何かがおかしい……。普通じゃあない。
   この見取り図がおかしいだとか、私が方向音痴だとか。そんな簡単な話じゃあない」


 天井を見上げながら、上進は模索する。


上進「そう言えば……。どうして四方津先生は私が生徒会室に行くと分かったのか……。
   そして何故、体育館に向かう生徒が全員遠回りのルートを選んだのか……。
   まさか、四方津先生の【スタンド】か……?あり得ない話じゃあない……」


 そして、遂に彼は。1つの仮説へとたどり着いた。
その全ての理由が一つに集約されるならと。思いついた、1つの結論。


上進「迷わせる類のスタンド。もしそれが四方津先生の能力なのであれば……。
   私はいつまでも生徒会室へ行けるはずがない……。
   そうか、そう考えるなら合点がいく。そして、そう考えるなら。解決策はある」


 何かを思いつき。口角を上げる。
そして、全身の力を込めて、力強く立ち上がるッ!!


上進「私が4棟に行こうと思えば行けなくなる。
   それなら、『私は4棟に行こうと思わなければいい』だけだ……」


 ふわりと、上進の周りから風が吹いた。


上進「窓は開いている。それだけが重要だ。それならば可能だ……。
   4棟は、ここから北。それが分かれば大丈夫だ……」


 廊下を風が通る。
その風が、まるで道しるべのように1つの方向に向かうッ!!


上進「【ストーム】……ッ!!この場の気流を操作するッ!!
   北に吹けッ!!風よ……北へッ!!」


 上進の後ろに。ヴィジョンが現れたッ!!
緑と青の規則的なフォルムに彩られた、どこか優しげなそのヴィジョン。
それこそが、彼。空条上進のスタンドッ!!

 その名を、【ストーム】!!


 能力は単純ッ!!
気流操作の能力ッ!!

上進「そう、これでいい……。
   あとは、目を瞑って壁を頼りに、風の吹く方向へ向かう。
   そう、だからいい。
   私は、4棟に行こうとせず、『風の吹く方向へ進む』だけだ……」


 一歩。上進は瞳を閉じて歩き始める。
廊下を伝い、階段を下りる。

 慎重に、ゆっくりと。

 北へッ!!北へと……ッ!!

四方津「目を瞑って歩くなんて、どうしたの?
    眠いの?それとも、何かの訓練?」


上進「その声は……。四方津先生でしょうか?」


 後ろから声がした。
上進は歩みを止めて、目を瞑ったまま返答する。


四方津「そうだね。目を開ければすぐに分かる話なんだけど。
    私は四方津。自己紹介は先ほど済ませたはずだよ」


上進「ええ、覚えています。
   いえいえ、それにしても……。改めて私の前に出てくるなんて。
   私の方法は、正しかった。みたいですねェ?」


 そして、上進は、改めて目を見開くッ!!


上進「伺ってもよろしいですかな?
   ここは、何棟ですか……?」


四方津「私は教師だから。生徒に嘘はつけないね。
    ああ、そうだとも。ここは4棟。生徒会室のある4棟だ……」


上進「そうですか……。
   やっと辿り着けた……ッ!!」



四方津「でも、君を生徒会室へは行かせないけど……ね?」

四方津「それにしても、それが君のスタンドかな?
    可愛い見た目をしているんだね。風を道しるべにするとは、私も驚いた」


上進「見えるという事は……。やはり先生方もスタンド使いなのですか。
   人を迷わす能力、だとか。勘違いさせる能力といった所ですか?」


四方津「良いせんいってるね。でも、さんかく。
    マルはあげられない解答だよ……」


上進「じゃあ伺います。正解を教えては頂けませんか?」


四方津「あら、残念だけど。
    教師は生徒に、テストの解答を流したりはしないんだ。
    模範解答を配るのは、テストが終わってから。今はまだ問題の最中……」


上進「成程……。しかし。
   私はこれから、この棟の3階。そこの生徒会室へ行くつもりですが……」


四方津「ああ、そうだね。ここまできたら、君は辿り着ける。可能だね。
    でも、私がここにきているという事は。理由は分かるかな?」


上進「止めに来た……のでしょう?」


四方津「正解。文句なくの2重丸をあげよう」


上進「ですが。貴方はさっきも逃げた。
   そこから考えて、貴方のスタンドはパワーはそこまで無いんじゃあないですか?」


四方津「ふーん。やっぱりそれはバレちゃってたんだ……。
    そう、私のスタンドにパワーはない。非力なもんだよ……。
    でも、ある意味で『力』はある」

 ガクガクッ!!


上進「何……ッ!!」


 瞬間ッ!!上進は体から生気が抜けたように倒れ込んだッ!!
バタリと地面と密着するようにッ!!


上進「く……ッ!!体がッ!!」


四方津「能力の精密性は、近づかないと駄目なんだ。
    だから私は、再び君の前に現れた……」


上進「何を……したッ!!」


四方津「人間はさ……。いや、犬や猫も含めて、動物というカテゴリでも良いんだけど。
    もしくは目の前の、『空条上進』に限った話でも良いんだけど……」


 四方津はしゃがんで、上進と目線を合わせて優しく笑いながら話す。


四方津「歩くときに、立つ時に。君は……。『意識しているかい』?」


上進「何……?」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 To Be continued →

 今回はここまでです。

 そして、これからストーリーを進めていくことを考えて。
最初は次に出すキャラを逐一安価して決めて行こうかと考えましたが。

 まとめて数人くらい安価しようと思います。
ひとまず。5人くらいトントンと出したいと思いますので。
5人分の安価を、近いうちにしたいと思います。

 すぐだとあまり人も少なそうなので。
時間を改めて安価したいと思います。

 ではでは。

日曜日だし。今の時間であれば人はいるかな……?

 というわけで。
ひとまず安価します。

 敵・味方は。特に明記せずに安価したいと思います。

 ひとまず。
名前 >>65

スタンド能力>>67
スタンド名 >>67

性格
①高校の生徒会長
>>69
>>70

名前だったら捩子間 入間(ねじま いるま)

スタンドだったらブラッディマンデイ
能力はたくさんのカラスを生み出して操る能力

ビューティフルライズ
自分にかかる重力を軽減できる

思い詰めるタイプ

真面目で他人思いだが頭が固い

セットでやるんじゃなかったけ

寝てました……。

ともあれ決まりました。
性別はないので、名前的に男性で。

名前:捩子間 入間
スタンド名:ビューティフルライズ
スタンド能力:自分にかかる重力を軽減する

性格:思いつめるタイプ
   真面目で他人思いだが頭が固い
   生徒会長



 では、次です。


名前 >>73

スタンド能力>>75
スタンド名 >>75

性格
>>77
>>78
>>79

比等坂 千里(ひらさか せんり)

>>71
スタンド名と能力をセットでやるといったつもりです……。
kskst

おっとり

死にたがり

ヤンデレ

 2人目決まりました。わさわさ。

名前:比等坂 千里
スタンド名:キルミーベイベー
スタンド能力:自分に殺意を向けさせる

性格:おっとり
   死にたがり
   ヤンデレ

 では最後。3人目。

名前 >>81

スタンド能力>>82
スタンド名 >>82

性格
>>84
>>85
>>86

あ、sageちゃった。

全体的に安価下でお願いします。

ミクローシュ・ジュガシヴィリ

ナルシスト

顔を馬鹿にされると仗助ばりにキレる

ネクロフィリア

3人目決まりました

名前:ミクローシュ・シュガシヴィリ
スタンド名:クライム・トゥ・ザ・エッジ
スタンド能力:分断、接合する

性格:ナルシスト
   顔をバカにすると切れる
   ネクロフィリア


 以上で3キャラ決まりました。
というわけで。出る順番などは変わる可能性がありますが。
ひとまず第一話の続きを書こうと思います。

 ではでは。

第01話『空条上進という男』その3


四方津「君は、右足の出す時に、意識して右足を出すのかな?
    君は立ちあがる時、何処の筋肉で体を動かすか、意識するのかな?
    答えは否。だよね……?」


 体の自由を奪われたように、上進は地面と密着する。
その姿を、ニヤリと含みながら。四方津は語りを続ける。


四方津「私のスタンドは、つまりはそういう事だよ。
    まあ、君が気付けば。確かに生徒会室へ行ける……かな?
    まあ、まあまあ。その前に君を再起不能にすればいいんだけど?」


上進「再起不能……?殴りつけ、痛めつけるつもりですか?
   教師が生徒に暴力を振るうと?」


四方津「違う。暴力じゃあなく、これは体罰。むしろ教育……。
    身動きの出来ない生徒を、一方的に。という状況は確かに頂けないけど」


 四方津は立ちあがり、自らの後ろに奇妙な姿が浮かびあがる。
それこそが四方津のスタンド能力。【ジヴィル・シン】のヴィジョン。

 個性はなく、まるでステレオタイプの浮遊霊のような見た目だった。
その姿が、四方津に呼応するように、拳に力を入れた。


四方津「まあでも。仕方がないよね……?」


上進「仕方が……無い?」


四方津「そう、仕方がないんだよ。しょうがない事。
    君をここで再起不能にすることは。正直、今。私は君を『殺す』つもりでいる」


上進「何ッ!?」


 上進の顔が引き攣る。
自らの死という状況を引き合いに出された事で。上進の顔は血相を変えた。

四方津「私は。数学教師。そう、ただの数学教師だ。
    でも、言ってなかったよね?今から言う。私は数学教師であり。
    生徒会執行部の、顧問教師なんだよ……」


上進「成程……。つまり、あなたは生徒会の事と、私の父親の事との繋がりを知っている。
   そして、知っているからこそ。実の息子である私を遠ざけたい【何か】があると?」


四方津「ううん。それもさんかく。マルは付けられない。
    正解を答えてあげるならば。そうだね。
    動機が違うんだ……。私と君じゃあ。君は父の事が知りたいだけじゃあないのかい?」


上進「動機……?え、ええ。私は父親の事を知る使命があるッ!!」


四方津「そこなんだよ……。
    父親の事など、ここじゃあなくとも知れるはずだよ。
    なんなら父親の情報だけなら私が教えてあげられる」


上進「何?」


四方津「私が君の父親について持っている情報を全て教えると言っているんだよ。
    だからその情報を頼りに、君は父親探しに没頭すればいい。
    だから、だからこそ生徒会室へ行かなくてもいいんじゃあないかな?」



上進「一体……ッ!!貴方は何を知っているッ!!」

四方津「もう一度、再度問うよ。改めて……。
    空条 上進くん?私の持っている情報を全て委ねるから。君は勝手にやってくれないか?」


上進「…………1つ。その問いに答える前に、質問させてもよろしいですか?」


四方津「ん?いいよ……」


上進「その情報は、私に本当に有益だと断定できるのですか?」


四方津「ああ、言い切れる」


上進「そしてその情報は。生徒会室へ行けば……。
   貴方に聞かずとも、知ることはできるのですか?」


四方津「…………その質問は、ある意味で解答に等しいのだけど?」


上進「その疑問形も、私の質問への回答と受け取らせていただきますよ?」


四方津「…………ふうん」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

上進「私は。この空条上進は……。確かに父親を探している。
   それは間違いのない事であり、確定された事実だ」


 上進は立ちあがるッ!!
【シヴィルシン】の能力下にありながら。立ちあがったッ!!


上進「故に、父親に関して知れるべき事柄は知りたい。至極当然ですがね?
   だがしかし……」


 その目は、その視線は。四方津を捉え。眼光を光らせ睨みつけるッ!!


上進「施しは受けるつもりは毛頭ないッ!!
   全ては私が、私の目で知り、私の手で知り、私の行動で知るッ!!
   【使命】とは、己で勝ち取り、到達すべきものなのだからッ!!」


 バァーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

四方津「立ちあがる……か……」


上進「貴方は私の殺すと言った。それならば、私も殺すつもりで行かなきゃあ。
   互角じゃない……ッ!!」


 上進のスタンド、【ストーム】が。シヴィルシンと同じように拳に力を入れたッ!!


四方津「そうか、君はつまり……。そうなんだね?」


上進「ぶっ飛ぶ準備は、出来ましたか?」


四方津「………ふふふ……」


 風を切るッ!!
ストームの拳が、風の音を響かせるほど早く、速く前に出たッ!!


上進「ウォラァッ!!」
四方津「…………合格だ」


ピタァッ!!



 四方津のたった一言。それで再び、四方津の鼻先に。
その拳は停止する……。
にやりと笑う四方津は微塵も動かず。その攻撃が止まると知っているかのように。

そして、上進はデャヴュのように拳を止めて、息を大きく吐くように。
疑問を漏らす。



上進「合……格……?」

 眉間を上げて、疑問を露わに。上進は分かりやすく首をかしげて見せた。
そして、一歩も動かない四方津は、そのまま前進して、上進の肩に手を置いた。


四方津「ああ、合格だ……。
    君を案内しよう。生徒会室へ……」


 それは突然だった。
上進からすれば、突然の手のひら返し。
明らかに殺意のあった一瞬前と違い、今は陽気さえ感じさせるほど安らかな顔の四方津。


四方津「大丈夫。騙しはしない。騙していたのは今までだ。いや、寧ろ試したんだけどね?
    君が、信じられる人間かどうか……をね?」


上進「……?」


四方津「証拠に、私は全てをさらけ出す。私のスタンド能力は『集団意識、無意識の判断を操る能力』
    つまり、君の無意識の中で生徒会室を避けさせたし。
    無意識的な起立や徒歩を制限した……」


上進「……」


四方津「君は、自分のスタンドをよく理解している。
    それ故、無意識に行けないはずの生徒会室の棟まで来れたんだ。
    そして君は、君の使命は。本物の意思を持っているッ!!
    だから君は立ち上がれた。意識したんだ、自分の足で立つ事を。それは使命による意思ッ!!
    その2点から、私は君を信じられると評価した……」


上進「つまり。何であれ私は。貴方を殺すことなく。
   生徒会室へ行けるのですか?」


四方津「そうだ。寧ろ殺さないでくれ。元々君を殺す気なんてないし。
    君に殺される覚悟なんて持っていない。なんてったって私は、ただの数学教師だから」


上進「……分かりました。
   試されていたという事実には多少の不満はありますが……」


四方津「そこまでする意味が、空条汝という人間にはあると考えてくれ」


上進「ええ、そう考えています……」





第01話 『空条上進 という男』 ―完―


To Be continued →

 今回はここまでです。

 次話からちゃんとバトルらしいバトルが出来る……かも……。

 ではでは。

第02話『汝はスタンド使いなりや』 その1


四方津「所でさあ。君……。ああえっと、上進君だっけ?
    君はどっち側なんだい?」


 生徒会室へ行く廊下の途中で、不意に四方津は上進に問いかけた。


上進「どっち?」


四方津「あはは、これはごめん。順序が必要だったね。解答のみなら数学じゃあバツだ。
    えっと、スタンド使い。と、私達は呼んでいるのだけど。この能力の事だよ」


上進「あ、ああ。私の【ストーム】や、先生の【シヴィル・シン】の事ですか?」


四方津「その通り。で、その能力は、人により千差万別で、十人十色なんだけど……。
    能力が発現するのはたったの2通りしかないんだよね」


上進「成程……。その2通りのどっちなのだ、という質問ですか」


四方津「理解の早い生徒は教師から見てもありがたいよ。
    そう、生まれながらにしてスタンドを持つ先天的な才能なのか。
    【弓矢】によって引き出された後天的な才能なのか、という話」


上進「弓矢……。とは、私の家にある。古代文明だとかオーパーツとも思える弓矢の話ですか……?」


四方津「やっぱり、一本は君の家にあるんだ…………」


上進「一本?あれはいくつもあるんですか?というより、あれはいったい何なんですか?」


四方津「おっと待ってよ。君の質問の前に私の質問だ。
    順序だよ順序。問い2を解く前に、今一度問い1を答えてくれよ」


上進「あ、えっと……。私は生まれつきです。
   生れついたころからこのスタンドを発現させていました。そもそも、弓矢は触った事すらありません」


四方津「成程。いや、それもやはり……。汝君の子供が故。
    なのかな……?」


上進「では、改めて私から質問させていただきますが。
   あの弓矢は何なんですか?」


 その質問と同時に、四方津の足は止まった。
ニヤリと含み笑いを顔に浮かべながら、上進に向き直る。


四方津「その質問の答えは、順を追って説明しよう……。
    その前に君は……。ここに用があるんじゃあなかったかい?」


上進「え……?」


 四方津が指を指す。
廊下を隔てる、扉。
その扉の横には、【生徒会室】と、ゴシックのフォントで事務的に描かれたプレートが張り付けられていた。


四方津「ひとまず、中に入ろうか……」

 ガチャリ


四方津「捩子間君……?生きているかい?」


 扉を四方津は開けると同時に、聞き慣れない名前を、部屋の中で呼んだ。


 簡素な生徒会室だった。
コピー機やパソコン。行事予定表が乱雑に張られたホワイトボード。
そして、使われた形跡がまるでないイスと机が6つ。


 その部屋に1人だけ。たった1人だけ、部屋の奥のソファーで座って読書をしていた。


「生きている。至極当たり前の話だがなァ?
 四方津 御邦教員。この時間に来るとは珍しい。
 ご用件は?今月の部活動の部費はホワイトボードにまとめてある。
 それとも体育祭の件ですか?新入生へのお知らせ用のプリントは以前提出したとおりだが?」


 読書の手を止めず、その男は。四方津へ返答する。


四方津「そのどれでもない。今日は表向きの要件ではないんだ。
    ひとまず顔を上げてくれないかな?」


 そう言うと、初めてその男は顔を上げた。
整った顔立ちだが、厚いまゆ毛や、ストレートの短髪は。彼のまじめさを象徴しているようだった。


「表向きではない……?ああ、【ソッチ】か……。
 何か進捗はあった……ん?君はどちら様かな?」


 そして、上進を改めて視認して。
男は首をかしげた。


四方津「おや、君らしくはないな……」


「失礼。そうだな……。【ソッチ】の要件と聞いて多少なりとも身構えてしまった。
 他人に名前を聞くなら、という話だな……。
 私の名前は『捩子間 入間』。3年生で、この学校の生徒会長だ」


上進「あ、私は『空条上進』です。この学校の新入生で……」
捩子間「くうじょうゥ……?」


 ピキッと、音がしたかのような緊張が走る。
捩子間の眉間がつり上がる。


捩子間「まさか四方津 御邦教員?
    【ソッチ】の要件だと言ったうえで、珍しい名字の新入生をつれて来た。
    これに関連性が無いとは言うまいな?」


四方津「その推論は、概ね正しいと思うよ」


捩子間「空条 上進……か。そうか。それなら君が……。彼の子供か」


上進「成程……。貴方も知っていると言う事は……。
   やはりこの生徒会は……。父の何かを知っているんですね?」


捩子間「父。ああ、空条汝。
    彼について、我々は追っている……」


四方津「順を追って話そう。ひとまず座りなよ。
    コーヒーくらい出すからさ」

 3人は、改めて椅子に座り。缶コーヒーを開けながら互いを見合わせる。


四方津「ひとまず、捩子間君への説明だ。
    綺麗にスマートに説明するために、私がかいつまんで話す」


四方津「この子は新入生。さっきも知った通り、空条汝の息子だ。
    スタンドを持っている、生まれつきのね?
    どうやら彼も、自分の父親の事をよく知らないらしい。
だから、汝君が、この高校の元生徒会であるという事実を知って、ここに入学してきたというらしい。
    この子は、自分の父親が何者であるか知りたいと言うんだ」


上進「……」


捩子間「……」


四方津「次に、上進君への説明だ。
    この生徒会には、確かに過去。汝君は在籍していた。それも生徒会長として。
    ああ、蛇足ではあるが、私の2個上の先輩だ、汝君は。
    高校の頃から『変わったヤツ』だったよ。
    なんていうか、良く言っても変人だった。気持ち悪いという表現すら当てはまりそうなほどに」


四方津「で、結論から話すと。私達も、と言えば。生徒会も、汝君を追っている。
    いや、それでも私達は。正直、汝君が今どこで何をしているかはあまり興味が無いんだけど……。
    私達が追っているのは。【コレ】なんだ……」


 そう言って、彼女は胸ポケットから1枚の写真を取り出した。
その写真に写っていたのは……。


上進「これは……。あの弓矢ッ!!」


四方津「そうだ。この弓矢を、私達は探しているッ!!
    空条 汝が創り上げたッ!!この【弓矢】をッ!!」



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


To Be continued→

>>1 です。

 次を今書いているので。そろそろあげます。

 

で、キャラを全て安価で。
といったのですが。

 ラスボスというか、黒幕というかは。
この物語に整合性や筋を通すため、コチラで決めさせていただきます……。
すみませんが、ご了承ください。

第02話『汝はスタンド使いなりや』その2


四方津「言おう。君の父親はッ!!この弓矢を創り上げた張本人ッ!!
    そしてこの弓矢はッ!!貫いた人間にスタンドを生み出すッ!!」


上進「スタンドを……生み出すッ!?」


四方津「ああ、そしてこの弓矢は2本存在するッ!!」


上進「その一本が。私の家に……?」


四方津「ええ、大方予想はついてはいたのだけど。
    変に汝君を刺激してもと思ってね……」


上進「父親を……刺激……?」


四方津「うん。簡潔に、端的に。私は私達の仮説を話そう……。
    空条 汝。彼は今、この街のどこかにいるッ!!」



 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

上進「この街……!?
   何故、何故ですか?その予測の理由を伺わせて頂きたいッ!!」


四方津「ふふふ。まあそう急かさないでよ……。
    その理由は。たったひとつ……。この街に、弓矢による犯罪が存在するから……かな?」


上進「弓矢による……。犯罪ッ!?」


四方津「ああ、それはこれを見ながら話そうか…」


上進「?」


 四方津は、1冊のファイルを。生徒会室の班棚から抜き取り、それを机の上に置いた。


 ドサッ


上進「これは……?」


四方津「汝君の、スタンドと、弓矢についての研究資料だ。
    この学校で発見した。といっても、記された日付は5年前だけどね」


上進「5年……?すると、父親は、少なくとも5年前には。この学校にいたと?」


四方津「ああ、そうなるね。
    筆跡も汝君だ。間違いはないだろうね」


上進「といよりも、父親は研究者だったのですか?」


四方津「ん。そこについての詳しい事は知らない。
    私と彼の関係は、先輩と後輩。夫婦でなければ彼氏でもないから。そこまでは不明。
    まあ、でも。この写真の弓矢を作った張本人であるという事は、この資料が語っているよ」


 そう言うと、四方津はパラパラとそのファイルを捲る。


四方津「ここにはね。書いてあるんだよ。
    スタンドという能力を、意図的に発現させる道具としての【弓矢】が」


 そのページには、こう記されていた。

《弓矢》

『私は、自分の持つ。他人には見えないスタンドを、可視化するために努力した。
 この弓矢は、その結末であり。結果である。
 この弓矢を使えば、スタンドを持たない者。ここでは一般人とする。
 その一般人を。私達のような『スタンド使い』にする事が可能となる。

 非人道的であるという批判を受ける覚悟を持って、正直に記すが。
 有志の者や、死刑囚などに対し、人体実験を行った。
 その結果。2割の人間がスタンド使いとなり、残りは致命傷ではない傷にもかかわらず。
 絶命した。

 私は、ある意味で凶器として、ある意味で、人類の新たな一歩として。
 この弓矢を生み出してしまったのである。

 その弓矢は、2本。2本ほど作製に成功はしたものの。3本目は遂に完成しなかった。
 いや、逆に2本も作製した事に後悔すら覚える。

 一本は、私の息子に託し。私はもう一本を手に収める事に決めた。
 他人に渡すべきではない。そう確信したのだ。
 これからは、スタンド使いになる2割と、絶命する8割の違いについて研究を進める』

上進「…………これは」


四方津「重要な場所は、【8割が絶命】という点だ。
    そして今。この街には。とある殺人鬼の噂がある……」


上進「殺人鬼……?私はこの街で生まれ育ちましたが、そんな噂……」


四方津「ああ、そうだね。私が勝手にそうしているんだもの。
    無意識の中で、【殺人鬼なんていない】と思わせている……」


上進「まさか……ッ!!【シヴィル・シン】ッ!!」


四方津「そう、さっきも言ったように、私は集団意識を操る。
    この街に来て以来。そのスタンドパワーの半分以上を、この街全体に使っているんだよ」


上進「どうして……そんな事を……?」


四方津「それが【弓矢によって絶命】しているからだよ……。
    警察なんて当てに出来ない。この街を無駄に混乱させるだけだからね」


上進「スタンド使いの仕業だから、スタンド使いが始末する。という事ですか?」


四方津「そんな感じだろうね。でも、ある意味で私も殺人鬼の仲間になるかもしれない。
    だからこそ、私達は一刻も早く弓矢を探しているんだ」


上進「成程……。ん?
   でも……。いや……。それは……。つまり……」


四方津「そうだよ?この資料から、君も予想出来るんじゃあないのかい?」


上進「その全てが事実だとすれば……。それは……ッ!!」


四方津「ああ、その殺人鬼はッ!!
    空条 汝 である可能性が高いッ!!」

上進「まさか……。私の父親が殺人鬼など。信じたくない事実ですが……」


四方津「ああ、でも。だからこそ君を試したんだ。
    君は、どこまで父親が知りたいのか。それを試したかったんだ……」


上進「成程……。つまりはこう言いたいのですね?
   弓矢を探す。父親を探す。この二つは、同じことだと。
   故に、貴方達と協力すべきだと……」


四方津「ああ、その返答は、通過儀礼的に。伺ってもいいかい?」






上進「………。是非に及ばずッ!!」






 バァーーーーーーン!!

捩子間「話は……終わったみたいだな……?」


 不意に、捩子間が声を発した。
黙ったまま、2人の会話を淡々と聞いていた捩子間が、息を吐きながら会話に参加する。


四方津「お待たせ。さあ、ここからは捩子間君に任せるよ」


捩子間「ああ、任された。
    それでは改めて、空条 上進1年生。この生徒会。入部という事でよろしいか?」


上進「……。それが、証となるのですね?」


捩子間「ああ、そうだ。
    まあ本来の業務もしっかり手伝ってもらうつもりだが……」


上進「ええ、よろしくおねがいします……」


捩子間「うむ。承諾しよう。
    空条上進1年生。君は今から、生徒会、副会長だッ!!」


上進「副会長……?」


四方津「この学校の生徒会は、捩子間君1人だけだったもの。
    そりゃ上進君は副会長だよ」


上進「なんと……まあ……」

 これが、最初の1日だった。
空条上進が、高校に入学しての。初日。

 彼は、というよりも。彼をとりまく状況は。
この日から一変する。


 生まれた瞬間からの宿命か、血筋か。
偶然か必然か。


 この日から。


 空条 上進の、奇妙な冒険が。始まる。



第02話『汝はスタンド使いなりや』 ―完―

To Be Continued →

 気付けば2話も説明ばっかりになってしまった……。

 次はやっとスタンドバトルです。
それと近々、もう少しキャラを集めたいと思うので。
また一気に2~3キャラ安価したいと思います。

 いや、比等坂は動かせたんだけど。ミクローシュが。
言うなればエンヤ婆とか音石明のような中ボス臭がして……。

 簡単に出せそうにないんですよ……。

 なので、また近々安価します。

 ではでは。

>>1です。

 近々安価。と言った矢先でアレですが。

 今から安価させて下さい。

 3キャラ程、安価させてもらいます。


早速。まず、1キャラ目。


名前と性別
>>123

スタンド能力と、スタンド名

>>125

性格

>>127
>>128
>>129



 >>1の勝手な都合で、安価下になる可能性がありますが、ご了承ください。

南堂 豹馬

サーカス
物を好きな様に出したり消したり出来る

豪傑

女性に免疫がない

快活で爽やか

では。まとめます。

名前:南堂 豹馬(なんどうひょうま)
性別:男
スタンド名:【サーカス】
能力:物を好きなように出したり消したりできる

性格:豪傑
   女性に免疫が無い
   快活で爽やか

次は……。

一気に2人やっても、問題なさそうですかね?


キャラA

名前と性別
>>133

スタンド能力と、スタンド名

>>135

性格

>>137
>>138
>>139


キャラB


名前と性別
>>141

スタンド能力と、スタンド名

>>143

性格

>>145
>>146
>>147

昏崎 夕 (くらさき ゆう)
女性

ヴァニシング
攻撃や光、痛みの感情等のエネルギーを吸収してスタンドの力に変換・放出する

うわの空

他人に優しいが自己犠牲的

繝舌き

佐名木 文香 女 さなぎふみか

Circa Waves
「波」を操る (音波、電磁波など

スタンド以外なら下

>>143の読みはサーカ・ウェーブスです

kskst

ファクトリー
触ったものを違うものに変える

人なつこく明るいが、自分に自信を持てない

激怒した時は毅然とした性格になりスタンドのパワーも跳ね上がる

急な睡魔が……。

 起きたらまとめます……。
すみません。
ひとまずこれで、当分安価キャラは作らなくて大丈夫だと思います。

ありがとうございました。
ではでは

 遅くなりましたが。
まとめました。


名前:昏崎 夕 (くらさき ゆう)
性別:女性
スタンド名:ヴァニシング
能力:辛い・痛い・悲しい等の。マイナスの感情を吸収し、スタンドパワーに変換する

性格:うわのそら
   他人に優しい自己犠牲思考
   いつもねむそう


名前:佐名木 文香(さなぎ ふみか)
性別:女性
スタンド名:Circa Waves【サーカ・ウェーブス】
能力:波を操る

性格:ひとなつっこく明るい
   天涯孤独
   激怒したら、毅然とした態度になる



昏崎のスタンド能力が。なんだかけっこうアバウトだったので。
勝手に多少の改変を施しました

佐名木の性格について。

>>147は。明るい事と自信が無い事は全く違う性格だと思うので。
勝手ながら前半部分だけ抜粋しました。

>>149は。スタンドパワーが跳ね上がるのは。性格じゃあ無い気がするので。
勝手ながら消去しました。


では、3話をかけ次第。またアゲます。

ではでは。

>>1です。

 すいません。描きたいとは思うのですが……。
時間が……。

 ごめんなさい。エタりたくはないので。
気長に待ってもらえると嬉しいです……。

第03話『俺が団長である』その1

上進「朝は嫌いだ。別に昼が好きって訳じゃあないが」

 独り言を呟きながら。上進は電車に揺られる。
電車で片道30分。
眠気と戦いながら。朗らかな朝を過ごす。


上進「しかし。分かった事と言えば。父親が殺人鬼ということ。
   コイツはブラックジョークにしても黒過ぎる……。
   調べる事は、まだまだ多そうだな……」


 あの日。上進が捩子間会長や四方津と出会ってから。
既に一週間。

 毎日のように生徒会室へ足を運んでは。資料に目を通していた。
しかし。分かる事と言えば、結局は研究内容だけ。

 汝は何処にいるのか。何をしているのか。
そういった情報は未だゼロに等しい。


上進「手っ取り早いのは……。
   四方津先生の言う、後天的なスタンド使いから聞き出す事……だよな……」


 ため息交じりに、上進は流れる風景を見つめた。

 高校に一番近い駅の名前がアナウンスされる。
それを聞いて、大勢の学生服の人間が降りる。上進も例外なくその駅で降りた。


健一「あっ!!空条くん!!」


上進「私か?」


 駅で呼びかけられて振り向いた先には。同じクラスの広瀬 健一がいた。
入学式の日に話して以来。席も近いので仲良くなっていった。


健一「うん!君だよ。
   空条君も電車通学だったんだね。学校まで一緒に行こう!!」


上進「あ、ああ。特に断る理由もない。
   だが、別に話す事もないぞ?」


健一「えー……。今日の授業の話とか、昨日見たテレビの話とかしようよー」


上進「テレビは昨日も見てない。
   ああ、それならば、今日の1時限の英語。テストだったな」


健一「え?嘘……。忘れてた……」


上進「…………」


 談笑をしながら、上進と健一は学校へ歩いた。
日常という言葉が相応しいほどに、その瞬間。上進は普通の高校生だった。


「くうじょう……か……」


 そして、その少し後ろで。
一人の学生が、口角を緩めた。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

担任「それじゃあ今日は終了。
   あ、そろそろ部活決まったかー?入れとは言わんが入るべきだと入っておこう。
   それだけだ。じゃあ解散!!」


 放課後。6時限まで終えて今日も学校が終わる。
各々が好きなように行動を始めるその時間。上進はいつものように同じ行動を起こす。


健一「あ、じゃあ僕は部活に行くから!またね空条くん」


上進「ああ、また明日」


 健一とさよならを交わした後。
一目散に生徒会室へ。


 帰宅指令が出る18:30まで、そこで籠りきりで資料を読み漁るために。


 ガラッ!!


 上進は教室の扉を開けて、廊下へ出た。
その時だった。


「君。空条って苗字なんだね」


 呼び止められた。
壁に寄りかかり、待ち伏せしていた男子生徒に……。


上進「…………私か?」

「おう。君だ!!
 君だよ君。空条って言うんだろう?」


上進「ああ、確かに私は空条ですが。
   何か御用かな?」


「そうだね。用が合って僕は君を待っていたんだ。
 ちょっと付き合ってくれないか?」


上進「見ず知らずの人間に、ついて行くのは不安が残るのですが」


「…………まあ確かに。
 いや、それでも信用して欲しい。ちょっとここじゃあ話しづらい要件だからさ」


上進「話しづらい?」


「【スタンド】の事なんだけど……」


上進「…………付き合いましょう」

 生徒会室へ行く前に。上進は男に呼び止められて。
結果、剣道場へ向かう事になった。


「僕は南堂豹馬。1年生だ。君の隣のクラス。
 あっ、ここは剣道場。僕は剣道部に入っているんだけど。今日はお休み。
 だからここには誰も来ない」


上進「なるほど……。それなら確かに。
   静かに話が出来そうですね……」


 剣道場のカギを開けて、2人は稽古部屋へ赴いた。
そして、南堂が振り向き。部屋の中心で立ったまま。お互いは顔を見合わせる。


南堂「さあ、早速だけど本題を話すとしようか……。
   っと、その前に。僕は君に自己紹介をした。君の事も教えてくれないか?」


上進「おっと。これは失礼。私は 空 条 健 一 です。
   同じく一年生。部活は入っていない」


南堂「ふぅん。分かったよありがとう……。
   じゃあ、改めて…………っと、そうだな。何から話そう」


 南堂は、天井を見ながら模索するポーズで動きを止める。
一瞬だけ、お互いが無言になった後。上進の方から口を開いた。


上進「では、先にこちらから……。
   3つほど質問させてもらっても構わないですか?」

 指を3本伸ばして、南堂へ問いかけた。


南堂「構わないよ!!」


 そして、二つ返事でそれを了承した。

上進「まず1つ」

 指を上進は一本折る。


上進「何故私の苗字が空条であると知っている?」


南堂「電車を降りた時。
   君の友達が、君を空条と呼んだから。たまたま僕もそこにいたんだ」


上進「ああ、今朝のアレか……。
   ふむ。それでは二つ目」

 もう一本、上進は指を折る。


上進「さしずめ、私が空条であるという情報だけで、
   私にスタンドの話をしようと思ったのでしょう?
   その理由は?」


南堂「珍しい名字じゃないか、空条って。
   もしも同じ街に、御手洗さんとか小鳥遊さんとか居たら、絶対身内だって思うだろ?」


上進「…………そうだな。
   では最後の質問……」


 上進は最後の指を折る。


上進「空条汝に、貴方は弓矢で射ぬかれて。
   スタンド使いになったんじゃあないのかい……?」


南堂「ふぅん…………。
   どうやら。話は早そうだね……」



 ドドドドドドドドドド

南堂「君は……。とても良く。もしかしたら僕以上に。
   今の状況を理解しているようだね……」


 南堂が笑みを浮かべる。
それは先ほどまでの愛想笑いの顔ではなく。明らかな素顔。
上進の拳にも力が入る。


上進「空条という名前と、スタンドという言葉を結び付ける理由は。
   私が知る限り1つしかないんでね……。
   しかし、それならとても嬉しいんだ」


南堂「嬉しい?」


上進「ああ、空条汝について。
   貴方は私には無い情報を持っている。それを聞けるのだからな……。
   弓矢でいぬかれたのであれば、貴方は。汝と接触したはずだ」


南堂「……。ご明察だね!!
   ああ、そうなんだね。君は知りたいんだ。汝さんの事が」


上進「ああ、それこそが私の生きる理由だからな」


南堂「ふぅん。変わった理由だね……。
   いや。まあ汝さんの事が知りたいなら。教えてあげるよ?」


 その言葉は、上進にとって喉から手が出るほどに欲した言葉。
しかしッ!!

 それ以上にッ!!南堂の動きは警戒を促したッ!!


南堂「ああ、教えてあげる。
   僕の【団員】になってくれたらねェエエエ!!!」



 その南堂の口は発するッ!!
スタンド能力を発現する言葉をッ!!自らのスタンドの名前をッ!!


南堂「【サーカス】!!」

上進「やはり敵かッ!!」


 薄々感づいては居た。否、寧ろほぼ確信を持っていた。
学校の隅の、誰も来ない場所へ案内された時点でッ!!

 しかしそれ故に上進は歓喜したッ!!


 汝の事を知る人間という、確定がそこにはあったからッ!!



南堂「さあ、招待するよ!!僕の【サーカス】でッ!!
   《空条 健一》ッ!!」


 南堂のスタンドのヴィジョンッ!!
不気味な能面のピエロのようなヴィジョンッ!!それが姿を現しッ!!

 南堂に呼応して、空条を指差したッ!!


上進(何をしてくるッ!?迂闊に行動すべきではないが……ッ!!)


南堂「…………おいッ!!」


上進が身構えるッ!!行動によっていくつかパターンを思考しッ!!
しかし……。それ以上南堂は何もしない……。

 寧ろ。首をかしげて動きを止めている……。



南堂「…………まさか……。
   嘘か……?」


上進「……何?」


南堂「嘘をついたのかい?
   そうなのか……。チッ……」


上進「何だと……?」


南堂「バレてしまったね……。この敵意がッ!!
   しかしそれなら……。君を再起不能にして。学生証から「真名」を知ればそれでいいッ!!」


上進「よく分からんが……。
   貴方はスタンド能力の発動に失敗したのか……?」


南堂「ああ、そうだねッ!!もう隠す意味はないッ!!
   僕は南堂サーカス団団長ッ!!南堂豹馬ッ!!」


 バァーーーーーーーーーーーーーーン!!


上進「だ……団長……?
   イカれているのか……?」


南堂「正常だッ!!至って正常!!
   それ故僕は君をッ!!空条の名を持つ者をッ!!なんとしても団員に迎え入れたいッ!!」

上進「意味が不明瞭すぎるぞ……」


南堂「不明瞭ゥ?
   分かりやすく言っているつもりはないから当たり前だけどねッ!!
   単純に言えば、僕は団員を迎え入れて、好きな時に出現させる事が出来るッ!!
   素晴らしい、とても素晴らしい団長なのさッ!!」


上進「ますます理解が遠のいたぞ……」


南堂「それじゃあそのまま理解しないで頂いて結構ッ!!
   再起不能になってもらおうッ!!
   《補強コンクリートブロック JIS A 5406》ッ!!」


 南堂が言葉を発すると同時ッ!!


 上進の真上にッ!!十数個のコンクリートブロックが一瞬で出現したッ!!


上進「何ィ!?」


 避けられる距離ではないッ!!そしてその数はッ!!
破壊も間に合わないッ!!


南堂「脳天直撃だァアアアア!!!」


上進「【ストーム】!!」


 ビュォオオオオオ!!

 ドゴドゴと、剣道場にヒビを入れながらコンクリートブロックが落下するッ!!
その着地点にッ!!上進はいないッ!!


 ドガッ!!


上進「グァッ!!」
南堂「ウギィッ!!」


 上進と南堂はッ!!互いに対面の壁へ体を強打するッ!!
空条上進の【ストーム】でッ!!

 2人は、部屋の中心から外側へッ!!
文字通り吹き飛ぶッ!!


 回避と攻撃ッ!!一瞬で同時に行った!!


上進「ああ、成程理解したよ……。
   そういうスタンドなんだな……。貴方、いや。貴様はッ!!」


南堂「いててて……。
   そういう君こそ。そういうスタンドなんだね……。
   これはやられた。でも、それだけだ……」


上進(物を出現させる能力……。それにさっきの発言も踏まえれば。
   取り込む能力……?そしてそれには……。名前が居るのか?)


上進「いや。今はどうでもいいことだ。
   今、私が知るべきことは1つ。アイツが敵だと言う事だけだな……」


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第03話『俺が団長である』その2

南堂「さて……。さてさてさて……」

 背中の痛みを庇うように、南堂はゆっくりと体を起こす。
それと同時に、上進も再び立ち上がる。

 壁に寄り添う形で、部屋の隅と隅。
拳が届くような距離ではない……。

 しかし、双方ともに。自らの射程圏内ッ!!


南堂「僕の能力は、一言で言えば……【神出鬼没】さッ!!
   団長らしいだろう?」


上進「団長……。か……。
   ならば団長らしく。見世物になっているがいいッ!!」


 上進はスタンドヴィジョンを構えるッ!!


上進「【ストーム】ッ!!
   外からの突風を生み出せッ!!」


 バリリリィンッ!!


 剣道場の壁の上方ッ!!張り付けられたガラスが。一瞬で砕け散るッ!!
外から内に向けた突風が、ガラスをまるで散弾銃のように打ちこんだッ!!


 上進は壁に寄り添っているが故、一切の危険を排除したうえでの攻撃ッ!!
数多のガラス片は、南堂へ向かって飛来するッ!!


南堂「おおっと!!これは危ない事をするんだねッ!!
   死んでしまうよ?僕じゃあ無ければ……ね?
   《型番ガラス JIS R 3203》ッ!!」


上進「……成程」


 一瞬。
ものの一瞬で。一面のガラスが消えた。
吹き飛ぶガラスが。まるで最初から存在が無かったかのように……。
跡形もなく。


南堂「無駄だよ。
   この部屋の物の名前は、ほとんど熟知している。
   それ故、この部屋の物は。ほとんど既に、僕の団員さッ!!」

上進「消す事も可能か……。想像はしていたが。
   見世物としては最高傑作だな」


南堂「あっはっは!!喜んでいただけて何よりだ。
   そうだ、僕は全ての、この世のすべての物質を出現させる事が出来るッ!!
   更に。迎え入れた物質は。その姿を保つんだよ……?」


上進「何?」


南堂「こんな具合にねッ!!
   《型番ガラス JIS R 3203》ッ!!」


 同じ言葉。ガラスを消した時と。同じ言葉を南堂は口にするッ!!
そうした瞬間だったッ!!

 再び現れるガラス片ッ!!
一時停止から再生を押したように、ゼロが突然100になるッ!!

 さっきと同じ光景ッ!!ガラス片が消える寸前と同じ光景が生み出されるッ!!


 ただ、向きは逆ッ!!



上進「……ッ!!」


 ガラス片の向きは逆方向へッ!!
南堂はッ!!消したガラス片を、上進の方へ前後を逆転させて出現させたッ!!


上進「【ストーム】ッ!!」


 それに上進は反応するッ!!打ち消すための逆ベクトルの風圧をかぶせるッ!!
しかし……ッ!!


 ザクザクッ!!


 いくつかのガラス片は、相殺されずに上進の体を切りつけたッ!!
彼の能力は、気流操作……。
 壁際に立っていては、100パーセントの向かい風は作り出せない。
室内という場所では、気流そのものが発生しにくいが故。彼の能力はある意味で制限がかかってしまっている。


 この数回のスタンドの攻防で、初めてのダメージ。
それは、この状況下での有利と不利を表していた。


上進「その能力……。厄介だな……」


南堂「素晴らしいと言ってくれよ!!
   さあ、続行だ……」


上進(どうする……?このままでは……)

南堂「風のせいで飛び道具はほぼ効かない……ならばッ!!
   風なんて無意味な程の威力をッ!!コイツでどうだッ!!
   《ミネベア 9mm自動拳銃》ッ!!」


 ガチャリッ!!


南堂「自衛隊の方から拝借したコイツなら……。
   さあ、台風でも起こして防ぐかいッ!?」


上進「チッ……」


 パァンッ!!

 拳銃が発砲するッ!!南堂は反動に耐えながら、しっかりと上進に狙いを定めッ!!
上進は体を大きく横に逸らせて飛んだッ!!

 実際避ける術はそれしかないッ!!
再び風を発生させるにしても、拳銃すら吹き飛ばすほどの風は。自分にも被害が来る。
狭い室内でストームは使いづらい。

 事実上のチェック。


 パァン!!


 発砲を聞いたうえで再び上進は横に飛ぶッ!!
まるで狩猟から逃げる鹿のように、惨めに飛ぶッ!!


南堂「さあ、どこまで逃げ切れるッ!?」


 パァンッ!!

上進「グァッ!!」


 何度目かの発砲が、肩をカスったッ!!


南堂「おしいッ!!」


 上進は受け身を取れず前転するッ!!

そしてその時だったッ!!


 上進の服からッ!!
上進の持ちモノが……。彼の財布が部屋の中心へ転がっていくッ!!


上進「しまったッ!!」


南堂「コイツはッ!!ラッキーだッ!!」


 上進が起き上がるよりも速くッ!!
南堂はその財布を拾い上げるッ!!


 そしてッ!!


南堂「学生証……。見つけたァアアア!!
   君の真名は分かった……ッ!!これでもう、幕は下がったゾォオオオオオ!!!」



上進「やめろォオオオオオ!!!」


 上進は叫ぶッ!!
学生証に記された本名を呼ばれるッ!!
それがどういう結果を生むのかは、予想の範疇ですら容易く分かり得る。


 消えるッ!!上進の存在が消えるッ!!
何故ならそれがッ!!


【サーカス】ッ!!


南堂「もう遅いッ!!僕の団員になれェエエエエ!!
   《空条 健一》ッ!!………」


南堂「ケンイチィイイイイイ???????」


 ドグォッ!!


南堂「ァ……ァギィッ!!」

 上進の拳がッ!!南堂のこめかみにめり込んだッ!!
全てが終わったと、慢心する。南堂の顔を歪ませるッ!!


南堂「な……何だと……!?」


上進「おい。サーカス団長様よ……。
   俺の名前をッ!!言ってみろォオオオオオ!!!」


 ボグォッ!!


南堂「アギャァッ!!」


上進「うぉおおおおおおおお!!!
   オラオラオラオラオラオラオラオラァアアア!!!」



 ドッグォーーーーン!!!

上進「チッ……。どうやら俺の勝ち……。のようだな」


南堂「な……何で…………?何で……。真名を呼んでも……」


上進「真名、といより本名と言わせてもらうが……。
   簡単な話なんだけどな。【意識すれば】、分かったんだけどな……」


 体のほこりをはたきながら、上進は倒れこむ南堂を見据える。


南堂「何だって……?君は一体……」


上進「これに関して言うなれば。素直に、『助かりましたよ先生』。
   と、そう言うべきですかね?」


 上進はそのまま、入口へ視線を移す。
そしてその視線の先には。


四方津「ふふふ……。流石だよ、君って子は。
    まさか気付いたうえで利用するなんて。私の方こそ、ヒヤヒヤしたんだけど。
    全く別の解法で証明してしまうなんて、正直◎をあげるのが悔しいよ」


南堂「え……?」


 四方津 御邦。彼女の能力は、無意識の判断を操る【シヴィル・シン】。
つまりは……。そういうことだった。

 唯一つ。【上進】という言葉を発声する時。無意識的に【ケンイチ】と発声してしまう。
と、能力を使用していたッ!!

上進「気付いたのは、団長様が私の名前を呼んだ時だった。
   何故彼は、私の名前を間違えたのだろうかと……。私は至って単純に。
   何のひっかけもなく名を名乗ったつもりだったからな」


四方津「ああ、私も。南堂豹馬。君の事は知っていたんだよ。
    ただ、その能力の特性上。迂闊に近づけないから、君を餌にさせてもらったんだけどね」


上進「フッ。人が悪いですね。先生も」


四方津「いやいや、私はただの数学教師だよ」


南堂「な……なんなんだよ……。一体……」


上進「ああ、結論だけ言ってやろう南堂豹馬。
   君は……負けたんだ」


 バァーーーーーン!!!

【 南堂豹馬【サーカス】
四方津に、無意識的にスタンドに恐怖を覚えると言う事を植え付けられて、実質二度とスタンドが発動できなくなった 
―再起不能―】

上進「さあ、教えてもらおうか。空条 汝の事を……」


 剣道場で、上進は南堂に問いかける。
南堂は滅多打ちにされて腫れた顔のまま、正座でその質問を受けた。


南堂「ああ。話そう……。
   と言っても、僕は汝さんについて知っている事は少ない。
   去年の冬に、一度会って以来それっきりなんだ……」


上進「冬……か……」


南堂「ああ、冬に僕が。コンビニへ雑誌を買いに行こうと思った時。
   コートの下に白衣を着た汝さんに出会ったんだ。
   『君は今のままで満足か?不満があれば、試されては見ないか?』ってね……」


上進「……」


南堂「何かの宗教かなと思って。僕は興味本位で試してみろよと言ったんだ。
   そうしたら、何か鋭利なもので突然刺された……。
   その後は、気付いたら汝さんは名を名乗って『ありがとう』とだけ言って去って言ったよ……」


四方津「やっぱり……か」


上進「やっぱり?」


四方津「この街に居るのは確かなようだ。彼は……。
    そして今もまだ。実験を続けているみたいだね」


南堂「だから僕は。空条クンに出会って。苗字を知って。
   スタンド使いなら是非とも僕の能力で取り込みたいなって。そう思ったんだ」


上進「ふぅ……。分かった事は、この街に居るって言う事実だけ……。か」


四方津「まあ、収穫はゼロではないね……」


上進「ところで先生……?」


四方津「ん?」

上進「何故先生は、南堂くんの事を知っていたんですか……?」


四方津「それは、何故彼がスタンド使いだったと知っているのか。
    と、言う事かい?」


上進「ええ」


四方津「前にも言ったよね?私は教師だ。
    テストの回答を漏らす事はしない。それは、信頼する教師同士の間柄でも……ね?」


上進「何かを隠しているんですね?」


四方津「ああ。そうかもしれない。
    ただ今は言うべきではないだけなんだけどね。まあ、君と私の関係は。
    生徒と教師だ。恋人でも夫婦でもない。ああ、それに……。仲間じゃないんだ」


上進「ええ、分かっているつもりです……」


四方津「つもりのままで勉強を終えるなよ?
    しっかりと解きなおす事も、重要な事だ。さて、そろそろ私は帰宅する。
    ここの処理は任しておきなさい。なんとかしておくから……」



上進「…………」




 それから。特に生活に変化はなく。汝の事も結局進展が無かった。
が。南堂豹馬と、何故か一緒に昼食をとるようになった。


To Be Continued →

 これからはこのペースで書けたらいいな。
と勝手に思っていますが、多分難しいです……。

 ではでは。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月25日 (日) 23:30:32   ID: DsGWhgJ4

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