勇者「世界が本気出した」 (29)

王「勇者よ、まずは城を出て酒場に行くがよい。そこで共に旅をする仲間を集めるのじゃ」

王「…と言いたい所だが、既にワシが腕の立つ者を集めておいた」

勇者「おお、助かります」

ゾロゾロ

武闘家「よろしくな!」ムキッ

賢者「お世話になります」ペコ

魔法戦士「一緒に頑張ろうね///」チラッ

勇者「どうも」ペコ

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王「この仲間達と共に、ハジマーリ村に向かうのだ」

勇者「ハジマーリ村…ここから街道沿いに東でしたよね」

武闘家「聞いた話によると、最近魔物の被害が多いんだとよ」

賢者「それは見過ごせませんね、村長さんから詳しいお話を伺わないと」

魔法戦士「こんな事もあろうかと、ハジマーリ村の村長を呼んでおいたわ」クイクイ

勇者「え?」

ハジマーリ村長「勇者様はじめまして」ペコ

武闘家「魔物に困ってるんだろ?」

ハジマーリ村長「はい…魔物達はツーギ洞窟をアジトにしていたらしく、村に頻繁に食糧を盗みに来ていました」

賢者「なるほど…では私達がツーギ洞窟に巣食う魔物達を倒しましょう」

ハジマーリ村長「いえいえ、勇者様達は魔王を倒す事に専念して下さいな。ツーギ洞窟の魔物なら村の自警団で先日懲らしめましたので」

ツーギ洞窟ボス「ごめんなさい、もう悪さしないから机に死ねとか書かないで」

勇者「……」

ハジマーリ村長「それでは私は村に帰ります」スタスタ

魔法戦士「ハジマーリ村に行く必要がないなら、サンバン港町を目指しましょ。魔王の城に行く為にも、とりあえず海を渡らなきゃ」

武闘家「ふふふ、サンバン港町に行かなくても船なら用意できるぜ。俺の実家が造船工房を営んでいてな」

賢者「そうなのですか。ではお言葉に甘えるとしましょう」

勇者「海までの最短記録くる?」

武闘家「ただ、造船にはフネー鉱石が必要だ。ヨヨン鉱山で採れるんだが、最近は魔物が凶暴化していて…」

魔法戦士「ジャジャーン!これを使えばいいわ。あたしのネックレス、フネー鉱石製なのよ」

勇者「いかにも高そう」

武闘家「ありがたい提案だが、そんな量じゃ足りないんだ。やはりヨヨン鉱山に行く必要がある」

賢者「ヨヨン鉱山の魔物なら、昨日私が修行の為にカジノで惨敗した腹いせに殲滅しましたが?」

武闘家の父「どうも!お陰様でフネー鉱石取り放題だ!船も作り放題だし、お礼に今朝作った船をプレゼント!」ペコペコ

武闘家「親父どっから湧いて出た?!」

武闘家の父「最初から尾行していた」

武闘家「俺を心配して…」

武闘家の父「特技は造船、趣味は探偵ごっこ」

勇者「…これで北の大陸に渡れるのか」

武闘家「目指すは北の大陸にあるファイブル渓谷だな」

賢者「ファイブル渓谷には不死鳥が卵を産み落とすという伝説があります。岩山に囲まれた魔王城に侵入するには、不死鳥に乗っていくのがベストでしょう」

ツーギ洞窟ボス「不死鳥を手懐けるには、奴らが好むトリスキー草が効果的なはず…」

勇者「お前まだいたのか」

魔法戦士「不死鳥ならウチでペットとして飼ってるわよ」

勇者「なんてセレブリティ」

魔法戦士「今からこの笛で呼ぶね」ピー

ハジマーリ村長「クエー」ダダダッ

武闘家「お前じゃねぇ」

不死鳥「クエー」バサッ

勇者「不死鳥に乗れば、岩山を越えて魔王城に行けるという訳だな」

武闘家「いよいよ最終決戦だぜ!」ゴクッ

勇者「あえて何も言わない」

賢者「ふふふ…そうは行きません」ニヤリ

魔法戦士「え?」

賢者「実は私は魔王様の下僕…あなた達をこれまで監視してきましたが、ここで死になさい!」

勇者「これまでっていつよ」

武闘家「賢者…俺達を騙してたのか!許せねぇ!」ドゴォ

賢者「ぐはぁ死ぬぅ」ガクッ

魔法戦士「賢者が敵だったなんて…3人だけで魔王に勝てるのかしら?」アセアセ

王宮守護騎士「だったら俺様を連れていけ!」バッ

勇者「誰」

王宮守護騎士「俺様は王宮守護騎士…この城で1番の実力者だ」キリッ

武闘家「でもお前、王様を守るのが仕事だろ?ここを離れていいのか?」

王宮守護騎士「愚問だな…攻撃こそ最大の防御!魔王を倒してしまえば、王の身が危険にさらされる事もないのだ!」

魔法戦士「それもそうね。頼もしい仲間が増えてよかったわ」

勇者「よろしく」

武闘家「よし、不死鳥!頼むぜ!」

不死鳥「クエー」バサッ

勇者「あれ」

魔法戦士「…ちょっと不死鳥、あたし達を乗せずにどこ行くのよ?!」

王宮守護騎士「まったく…しつけがなっていないな!」

魔法戦士「こ、こんなはずじゃ…!!」

不死鳥「クエー」バサッ

武闘家「あ、帰ってきたぞ!早かったな」

魔法戦士「待って!口に何かくわえてるわ!」

王宮守護騎士「あれは…魔王!!」

勇者「ふぁっ?!」

魔王ロクス「いてて…どこだここは」ボトッ

王宮守護騎士「教えてやろう…貴様の墓場となる場所だ!!食らえ、王族皆殺し斬っ!!」ザシュッ

魔王ロクス「効かぬ」

武闘家「王宮守護騎士の攻撃が効かないだと…?!まさかこいつの剣を受け止める奴がいるとは…」ガタガタ

勇者「もう知らない」

不死鳥「クエックエッ!」ガンガン

魔王ロクス「ぐわっ?!何をする!!」

魔法戦士「不死鳥がクチバシで攻撃を始めたわ!」

王宮守護騎士「や、やめろ不死鳥!そいつは貴様の手に負える相手ではない!我が最強の剣技、王族皆殺し斬ですら歯が立たなかったのだぞ!」

勇者「勇者って何だろう」

魔王ロクス「い、いくら攻撃してもダメージが与えられんだと…?!何なんだ、この鳥は!!」アセアセ

武闘家「!!そうか…不死鳥だから不死身なんだ!」

魔法戦士「いいぞー!やっちゃえ不死鳥ー!」

不死鳥「クエエェェェッ!!」ゴツゴツゴツゴツ

魔王ロクス「ひぎぃ例えこの身滅びようとも我が魂はうんたらかんたら」バタッ

勇者「魔王死んだ!!」

王宮守護騎士「魔王ロクスよ…奈落の底で悔やむのだな、この俺様を敵に回した己の愚かさを!」キリッ

王「まことにご苦労であった!いやはや、まさか本当に魔王を倒してしまうとは…流石はワシの見込んだ強者達じゃ!」

武闘家「いえいえ、それほどでも」ハナタカー

魔法戦士「アンタ何もしてなくない?」

武闘家「はぁ?船をゲットできたのは俺の親父のお陰、つまり俺のお陰だろ」

勇者「結局船いらなかったけどね」

王宮守護騎士「むしろ貴様ら全員何もしていないだろうが」

武闘家「お前にだけは言われたくない」

不死鳥「クエー」

王「これでようやく世界に平和が訪れる!今夜はパーティじゃ!」

武闘家「よっしゃあ、長旅の疲れを癒やそうぜ!」

魔法戦士「これであたし達の冒険もおしまいかぁ…そう思うと少し寂しいわね」

王宮守護騎士「ふっ、何を言っている。俺様達は離れていても心で通じ合っているだろう」

勇者「頼むから巻き込まないで」

王「よし、パーティの準備が整ったぞ!会場は左手の階段を下りて地下じゃ!ちなみにメインは七面鳥じゃぞ」

武闘家「腹減った、行くぜー」

魔法戦士「下りるの面倒だし、魔法でここに運んじゃいましょ」シュー

勇者「とっても便利」

王宮守護騎士「この銀の蓋を開ければ、そこには豪勢な七面鳥が…」パカッ

武闘家「…カラッポじゃね?」

兵士「お疲れの勇者様達に食事の手間は取らせまいと、私共が急いで処分しておきました」

王「おお、それでこそ我が城の兵士!やはり優秀じゃ」惚れ惚れ

勇者「パーティ終わったの!すごい!」



そして でんせつが はじまった!

姫「勇者様…ずっとお慕い申しておりました、結婚して下さい!」

勇者「初対面」

姫「私、勇者様の子供が欲しいんです!」

勇者「なんて大胆」

姫「早く欲しくて欲しくて…だから先に作って待ってました!」お腹ぽっこり

勇者「誰の子?」

ハジマーリ村長「…///」

ツーギ洞窟ボス「お前かよ」

勇者「そのセリフもお前かよ」

不死鳥「もうやだ」

魔法戦士「喋ったぁぁぁ」



おしまい

コメありがとですー。
幼稚なSSですみませんw
今回はシュールさとテンポの良さ重視でした。
それではまたノシ

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