春香「今度私どこか連れていって下さいよ」 (19)

アイマスの天海春香SSです。
P『私がオバさんになっても♪』のアナザーです。
短いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409155041

プロデューサーさんはいつも優しくしてくれるけど……


ただそれだけ。


収録後にご飯を食べに行ったり、空いた時間にお茶をしたりすることはあっても

それはデートではなくて子供扱いされてるだけ。相手にしてもらっていない。


私から攻めて行かないとチャンスもないのかなぁ……


「今度私どこか連れていって下さいよ」


ただそれだけの言葉がいつも喉の奥で止まっちゃう。

ドライブしてみたいなぁ……海の見える道をプロデューサーさんと二人で。


なーんて、叶わない夢物語なのかな。


優しい優しいプロデューサーさんのことだから、

おねだりしたら連れて行ってくれるかも知れない。


プロデューサーさんが優しいのは私にだけじゃないことも知ってる。


この間、千早ちゃんが嬉しそうにしてたのは

プロデューサーさんと二人でカラオケに行ったから。

真に付き合ってジョギングしてるのも知ってる。


伊織とは駅前のスイーツショップでケーキセットを食べさせあってた。


貴音さんとはよくラーメンを食べに行ってる。


あずささんはムードのあるお店で二人で飲みたいって言ってたけど

もう行ったのかなぁ?


なんだかモヤモヤする……。

私は……? 私じゃダメですか? プロデューサーさん……。

最初はただ優しいプロデューサーさんに甘えたかっただけだったけど

いつのまにか好きになってた。



でも一番決定的だったのはある大雨の日。



台風の接近で大雨になるのは天気予報で見たけれど、

予定より早く雨が降り出して、電車が止まってしまった。






「春香、お前、今日これからのことを秘密にすると誓えるか?」

最初はすごく迷っていたプロデューサーさん。

帰ることもできず、ホテルも満室でタクシーも大行列という状況で

律子さんや小鳥さんにも連絡が付かなかったから

プロデューサーさんの家の住所を秘密にするという約束で

泊めてもらうことになった。



……泊めることを秘密にするんじゃなくて

住所を秘密にするんですね……やっぱり子供扱いされてるのかな……?

プロデューサーさんの家は小奇麗で、掃除もコマメにしているらしく

食事も自分で作っているようで冷蔵庫の中も一人暮らしの男性とは思えなかった。


私の家事スキルは披露の場を失ったかと思われたが、

プロデューサーさんが作ってくれた料理は決して美味しいとは言えなかった。


料理を教えてくれたお母さんに感謝しつつ、翌朝の朝食は私が作った。


寝顔を見たことがあるのも、寝起きの顔を見たことがあるのも、

朝食は味噌汁がないと起きた気にならないという習慣も

私しか知らないのだと思うと優越感に浸ることができた。


この日、私はプロデューサーさんに惚れてしまっていることを

改めて実感した。

それからというもの、食生活が怪しいプロデューサーさんに

手料理を振舞うという名目で、何度かプロデューサーさんの家に押し掛けた。

胃袋を掴んで落とそう作戦である。


だけど決してお泊りは許してもらえず、

デートにも誘ってもらえない。ましてやドキドキイベントなんて……


外へ行くといえば、駅までの帰り道をお散歩するくらい。

プロデューサーさんにとって私は何ですか……?

そんな自称通い妻生活が続いたある日、事務所で衝撃的な事実を知ることになる。



「このあいだプロデューサーとグアムへ行ったんだぞ!」


響ちゃんがプロデューサーさんとグアムへ行ったらしい。

仕事で貴音さんも一緒に、だけど。



「プロデューサーとのドライブ楽しかったですー!」


やよいはプロデューサーさんと夕暮れの海辺をドライブしたらしい。

イベント会場からの帰り道、亜美・真美と一緒に、だけど。



「このあいだ連れて行ってもらったところはクラブって言ったかしら~?」


あずささんは六本木のクラブでプロデューサーさんと飲んでいたらしい。

小鳥さんも一緒に、だけど。

「あら、プロデューサー殿は、19が女盛りだって言ってたわよ」


律子さんはまだ19歳だから

丁度プロデューサーさんのストライクゾーンってことかな……

ロリコンじゃなかったのは嬉しいけど私はまだ17才。

二年も待てませんよぅ、プロデューサーさぁん。



みんな、私以外のみんなはプロデューサーさんとどこかへお出かけしてた。



私だけ仲間はずれ……?

私だってプロデューサーさんと一緒にお出かけしたいんですよぅ。



誰もいない海を二人で歩いてみたいんです……

スパンコールの波間ではしゃいでみたいんですよ。

プロデューサーさんの腕をすりぬけて、逃げるふりをして

走る水辺のまぶしさに目を細めながら、息もできないくらい強く

つかまえに来てほしいんです……



だって、プロデューサーさんが好きなんだもの!

「……春香、お前はちょくちょく俺の家に来てるじゃないか」


……えっ!? 秘密にするんじゃなかったんですか!?


「俺の家に来たことのあるアイドルはお前だけなんだぞ?」


私だけという優越感と秘密をあっさりバラされたガッカリ感に

ちょっと複雑な乙女心、プロデューサーさんは分かってないんだろうなー……


やっぱり私じゃダメなのかなぁ……

ううん、ここで攻めないとみんなに負けちゃう!


「でもでも、私もプロデューサーさんとお出かけしたいんですよぅ」

「仕方がないなぁ、どこに行きたいか考えておいてくれ。今度のオフに連れて行くから」

「やったぁ!」


え……? 連れて行ってもらえる……の?

大げさに喜んではみたものの、まだ実感が湧かない……



「今度私どこか連れていって下さいよ♪」



やっと言えた! 今日これから始まる私の伝説。


天海春香17才、頑張ります!

春香「私は今、生きている♪」

END

おかしい……コメディにする予定だったのに(-_-;)

森高千里、意外と知ってる人も多いみたいだったので
書いてみましたが

「私がオバさんになっても」
「今度私どこか連れていって下さいよ」
「17才」

辺りをググってみてください。YouTubeにもあるので
歌も聴けると思います。
本当は「臭いものにはフタをしろ!!」とか
「テリヤキ・バーガー」とかが好きなんですが
SSにはし辛いですね。

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