にこ「とうとう手に入れたわ」 (31)

――部室

にこ「ことりが花陽のご飯にされてたせいで遅れたけど」

にこ「真姫ちゃんのおばけ衣装、やっと手に入れたわ!」

にこ「そろそろ真姫ちゃんも来る頃ね」

にこ「カメラの準備はいい、海未?」

海未「」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409153207

にこ「海未?」

海未「……あ、はい。三脚の用意もできました」

にこ「さすが海未ね。ありがと」

海未「いえ、大丈夫です」

にこ「さぁ、早く来るのよ、真姫ちゃんっ」

海未(何故私が巻き込まれるのでしょう……)

真姫「お疲れ様ー」

にこ(来た! 海未、頼んだわ!)ボソボソ

海未(……わかりました)ボソボソ

真姫「……ちょっと、なに二人でコソコソしてるのよ?」

にこ「ねぇ真姫ちゃん。ちょっとこっちに来て?」

真姫「言われなくても行くわよ」

海未「……」ガチャン

真姫「……?」クルッ

にこ「……」ニヤッ

真姫「海未、今鍵閉めなかっt海未「今です、にこ!」

にこ「任せなさい!」ガタッ

真姫「えっ! ちょっ、なにすんのよ!」

にこ「さあ真姫ちゃん、着替えの時間よ!」

真姫「え、にこちゃ……いやあああぁぁぁああ!」

真姫「なによこれ!」

海未(真姫……黒のレースでしたね)

にこ「前に言ったでしょ。おばけのコスプレよ」

海未(にこがそれに触れないのは優しさでしょうか)

真姫「いやだって言ったはずよ!」

海未(あ、見慣れているだけですね。きっと)

にこ「でもぉ、その衣装とーっても似合ってるよ?」

海未(またあんなこと言って……)

真姫「そ、そうかしら?」

海未(毎回この流れになるのもいい加減飽きたのですが)

にこ「うんっ! 真姫ちゃんにとびっきり似合うように作ってもらったんだから」

海未(……ことりも大変ですね)

真姫「そこまで言われると……」

にこ「だから、記念に写真撮りたいなって」

海未(なんでしょう、この拭えない違和感)

真姫「しゃ、写真!? それはさすがにちょっと……」

にこ「だめ……?」ウルウル

真姫「うっ……」

海未(にこ……演技が日に日にうまくなってますね)

真姫「わ、わかったわよ。少しだけだからね!」

にこ(相変わらずちょろいなー)ニヤニヤ

海未(……とか思ってるんでしょうね、あの顔は)

真姫「で? どこで撮るの?」

にこ「あっちの部屋に用意してあるから」

真姫「やるんだったら、皆が来る前に早くやってしまいましょう」

海未(意外とノリノリなのでは……?)

にこ「じゃーん! 結構まともなセットでしょ?」

海未(セットしたのは私ですがね)

真姫「本当ね。このカメラはどこから?」

にこ「これはにこが真姫ちゃん用に買ってたやつだよ」

海未(なんですか、真姫用って)

真姫「にこちゃん……」ウルッ

海未(まんざらではなさそうなところが何とも言えませんね)

海未(……あれ、私さっきから全然喋っていないのでは?)

にこ「さ、真姫ちゃんはそっちに立って!」グイグイ

真姫「お、押さないでよ」

にこ「海未っ!」

海未「」ビクッ

にこ「なにぼーっとしてんのよ? そろそろ始めるわよ」

海未「あ、はい」

海未(とはいえ、照明係なんですがね)

にこ「さぁ真姫ちゃん、まずは自分の思うようにポーズとってみて」

真姫「えぇ? そんなこと急に言われても……」

にこ(困り顔もなかなかね……)カシャ

真姫「に、にこちゃん! いきなり撮らないで!」

にこ「ごめんね、真姫ちゃんがあまりにもかわいくて……」

真姫「や、やめてよそういうの……」

真姫「にこちゃんのほうが、その……」

にこ「? にこがなに?」

真姫「にこちゃんのほうがかわいいって言ってるのよ!」

にこ「真姫ちゃん……」

海未(あ。これ、私の存在を忘れてるやつですね)

にこ「で、でも、今は真姫ちゃんが主役だから……」

真姫「……もう少しだけ、付き合ってあげる」

にこ「真姫ちゃん……ありがと!」

海未(……私、必要ですか? 帰っても……)

にこ「というわけだから、海未っ! 照明は任せたわよ!」

海未(いいわけないですよねー)

にこ「真姫ちゃん、今度は前屈みで胸を強調して!」

真姫「うえぇ……こ、こう?」

海未(このあとも撮影会は続き)

にこ「次は太ももをちらっと見せるのよ!」

真姫「あ、脚も!?」

海未(とうとう私たちが練習に参加することはありませんでした)

――数日後

海未「おや、まだにこだけですか?」

にこ「ええ、ちょっと早く来すぎたみたい」

海未「……それ、なんですか?」

にこ「! よくぞ聞いてくれたわね、海未!」

海未(あ、これだめなやつでは……)

にこ「この前の真姫ちゃんの写真、プリントしてきたんだっ」

海未(早く誰か来てください!)

にこ「まぁ、海未はあの時実際に真姫ちゃんを見てるからわかると思うけど」ガサゴソ

海未(なにがわかるというのでしょう……)

にこ「ほら、これ見て!」

海未「……? これがなにか?」

にこ「これね、にこが最初に不意打ちで撮った写真」

海未「あぁ、そういえばいきなり撮って怒られてましたね」

にこ「ええ、そのせいもあって、あの日の夜はめちゃくちゃにされたわ」

海未「」

にこ「でも、これが一番真姫ちゃんらしく撮れたと思うの」

海未「にこ……」

にこ「この表情とか素敵よね」

海未「ええ、そうですね」

にこ「そそるものがあるわ」

真姫「」

海未「……」チラッ

にこ「海未?」

海未「え? あ、はい。ええ、そうですね」

にこ「ちょっと! なんで投げやりなのよ!」

海未「いえ、少し前に似たような状況があったような気がして……」チラッ

真姫「」●REC

海未「」

にこ「はぁ? なによそれ」

海未「いえ、なんでもありません」

にこ「ほら、こっち見なさいよ」

海未「え、はい」

にこ「表情はもちろんだけど、何気にボディラインが強調されてるのが素晴らしいでしょ?」

海未「そういうものですか?」

にこ「よく見なさいよ! この高校1年生とは思えないくびれとヒップを!」

真姫(おしりはちょっと気にしてるんだけど……)●REC

海未「まあ……」チラ

にこ「……」チラッ

海未「私たちと比べても……」

にこ「なんか悔しいわね……」

真姫(それがにこちゃんの魅力だって、何回言えばわかってくれるのかしら)●REC

海未「どうすればあのようになれるのでしょうか?」

にこ「さぁ、でもにこはまだ諦めてないもん」

真姫(もん、とか言っちゃうにこちゃんかわいい)●REC

海未(……ところで、さっきから真姫がカメラ片手に覗いてるんですがどうしましょう)チラッ

にこ「ねぇ、さっきからなにそっちのほう見て……」チラッ

海未「あっ」

真姫「……」●REC

にこ「」

にこ「……ま、ままままま真姫ちゃん!?」

真姫「にこちゃん、こんにちは」ニコッ

にこ「こ、こんにちは……」

にこ(あぁ……やばい、あの微笑みはパンサーだわ)

真姫「海未とふたりでなにしてたのかしら?」

にこ「な、なにもしてないわ。ね、海未!」

海未「全部にこがやりました」

にこ「うぉい!」

海未「諦めてください、にこ。真姫にはあのカメラがあります」

真姫「ええそうよ。途中からだけど、ちゃんと証拠は残ってるわ」

にこ「え、なに、にこが悪いっていうの?」

真姫「そうよ。私の写真を勝手に見せびらかすなんて」

にこ「それは真姫ちゃんがかわいいのが悪い」

真姫「! にこちゃん……」

海未(あ、このパターンは……)

真姫「ねぇ海未」

海未「は、はい」

真姫「今日の練習と明日の朝練、私とにこちゃんは休むわね」

にこ「ま、真姫ちゃん、さすがにそれはだm海未「分かりました」

にこ「ちょっ、海未っ!?」

真姫「ありがと。ほら、にこちゃん。さっさと行くわよ」

にこ「え、真姫ちゃん本気? う、腕引っ張んないでよ……い、いやああぁぁぁああ!」

海未「……さ、練習メニューを改めなくては」

――終わり

ありがとうございました。

にこのイベントの時と対になるようにしました。一応、以下の流れとなっていますので、よろしければこちらもどうぞ。

真姫「ふんふふ~ん」テクテク
真姫「とうとう手に入れたわ」
にこ「ふっふっふっふふ~ん」テクテク
真姫「にこちゃんと夜の学校」

改めてありがとうございました。おやすみなさい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月28日 (木) 03:05:10   ID: 8oH8qxSX

天才かよ
次も楽しみにしてる

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