ベルトルト「拷問ショーが始まるよ!」(80)

最近、よくこの夢を見る。幼い頃の思い出の夢だ。
幼馴染の騒がしい声で、僕は目を覚ました。

そこは馬車の中、一定のリズムの振動が眠気を誘っていた。
また寝そうになった僕に、もう一人の子が肩を叩く。それに僕はすっかり目を覚ました。

アニ「いつまで寝てるの? ……こういうの、初めてだ」

ライナー「起きろよ! サーカスだぜ!!」

・・

「いらっしゃい、当サーカスの名物、串焼きのあぶり焼肉はいかが!」ゴーリゴーリゴーリ

ライナー「肉……! 買おうぜ!」

アニ「いいけど、高いんじゃないの?」

ベルトルト「えっと……一人一個かっても、サーカスのチケット代は全然残るよ」

ライナー「いいじゃんか! 俺、捌きたての肉って食べてみたかったんだ!」タタタ

アニ「いきなり、そんなにお金を使って……。わたしはいいから!」

ベルトルト「欲しいものがあるの?」

アニ「見たいものがあるの。お父さんが、勉強になるから見てきなさいって」

ベルトルト「へえ」

ライナー「ベルトルト、これお前の」

ベルトルト「え、僕のも、……ああうん、ありがとうライナー」

ライナー「なんだよ、一人で食べるなんて寂しいだろ」

ベルトルト「はは、そうだよね」

ライナー「おまえも見ればよかったのに、肉を捌く様子って面白かったぜ!」

ベルトルト「僕はなんか血とか怖くって……」

アニ「怖がりだね。そんなんで戦士できるの?」

ライナー「もぐもぐ……、ぺっ。この部位って美味しいけど、固いとこあるから食べにくいよな」ムグムグ

アニ「ちょっと。食べる前に取りなよ、乙女の前でよく吐き出したりできるよね」

ベルトルト「う、うん……僕は剥がしてから食べるよ」チマチマ

アニ「それはそれで、……なんか男らしくないね」

ベルトルト「そ、そんな……」ガン

ライナー「お! あっちで、演奏をやってるぜ!」

アー アアアー ウアアー

アニ「これが今流行りの音楽……」

ベルトルト「かっこいいね」

ライナー「俺はあの叩く役がやりたい。男らしい」

アニ「わたしは、あの高い音を出してるのがいいかな」

ベルトルト「僕も……」

ライナー「……はは、ベルトルト、おまえ、もう怖いとか言わなくなったんだな!

ベルトルト「えっ!?」

ライナー「おまえ、5歳のときだっけ? こんな演奏聞いてて、大きな声が怖いっ、とか言って泣いてたじゃんか!」

ベルトルト「ちょっ! あ、うー……や、やめろよ!3年も前のことだろ!?」

アニ「……わたしも最初はちょっと怖かった。わかるよ」

ベルトルト「!」

ライナー「へー。ふふん、俺は最初から怖くなかったぜ。あの叩くヤツがかっこいいって思ってた。
     やっぱりお前らお子様だな」

アニ「大人が、我先に肉買いにいくもんかな……」

ライナー「は? ……なんだよ。このちび」

アニ「はあ?」

ベルトルト(あわわ……)

ワー!!

ライナー・アニ「!」

ベルトルト「あ、ああ! ほらほら、今日の目的のショーが始まってるよ!チケット買って入ろうよ!」グイグイ

ヒョコ

司会者「……さあ、ここからは今日の大目玉!! 世にも珍しい生き物による、生命の神秘を
    ご覧に入れましょう!」

ベルトルト「ほ、ほら、ちょうど見所だ。入ろう」

アニ「! わたし……これを見ておけって言われたんだ。お父さんに」

ライナー「とにかく、座ろうぜ」

ベルトルト「うん」

司会者「美しい毛並みの方は、我がサーカスの誇るメスであります。おお……、これが世にも
    珍しい生命行為、『セックス』ショーです!!」

オオー

司会者「さあ、この美しいメスを、より手近でご覧に入れたい方はいらっしゃいませんか!?」

「2000!」

「2300!」

ライナー「へー。巨人に性器はないからな。初めて見た。お? オスが暴れてるな」

アニ「確かに、神秘的かもね……。……オスはなにを言ってるんだろう」

「○○○! ▲▲▲!!」ガルル

司会者「このオスはよく我々に爪を立てる困りものでして……。このとおり、野蛮な家畜でして言葉も発しません」

アハハハハ……

ベルトルト「……アハハ」

アニ「ベルトルト?」

ベルトルト「なに言ってるんだろうね……家畜の言葉はわからないな」

嫌な夢だ。

・・


856年末 地下特殊施設。

ここには人類の仇、超大型巨人と女型の巨人が生け捕りにされている。

ギイイ

カツンカツンカツン

「オイ、起きろよ!!」バシャッ

ベルトルト「……う……」

「なにオちてるんだよ。アニの結晶化を解く方法、言う気になったのか?」

ベルトルト「誰が……悪魔の末裔……」

兵1「最近、威勢が悪いな。超大型巨人」

兵2「ああ。……もっとキツくしてやんないと。刺激に飽きたんじゃないか?」ハハ

兵1「はは、そうだな……。生け捕りにして1か月。情報をちっとも吐きやしない。
   先週いっしょに捉えた男が自害してからは益々反応が悪い」

兵2「どうするか。……まあ、このままでも役にはたってるけどな」

ベルトルト「……僕の身体を使うのか、この、ゲスども! 鬼畜めえ!」

「ああ、静かにしてね」ゴーリゴーリゴーリゴーリ

ベルトルト「ぎゃああああああああ!」

「ふう。あ、そうだ。今日は臓物も貰おうかな?このハサミで」バチンバチン「で、塩擦りつけて臭みを取るコツだってね」ジャリジャリ

ベルトルト「あっぎゃあああああああああああああ!!! ぐああああああ」

「この腸についた血の気多い部分はちぎってこうね。臭いから」ブチブチ

ベルトルト「あがあああああ」

「で。採りながら、最高に新鮮なのを炙ろう!」ボオオオ

ベルトルト「うぎっ、うぎゃあああああ!あづっ、あづいいいいいィィ」

・・

兵「オイ、レオンハートの情報を吐く気はあるか?」

ベルトルト「……」

兵「……。今日使うのは、この試作No.3の鞭。刺だらけだな。じゃあ、まずは第一段階から」

バシイッ ……ズルズルッ

ベルトルト「うっごあっ!!」

兵「皮が綺麗に剥けた。今日は声の出もいいんじゃないか」ビシイイッ

ベルトルト「あっぐう!!」

兵「……」カキカキ「第二段階は火で炙ったものを使う」ボオオ

バシイッ バシッ バシイッ

ベルトルト「うっぎゃああ!! あがあ! ぐああああ!!」

兵「レオンハートの情報を吐くか?」バシイッ ビシイッ

ベルトルト「おがっ、うごっ、……っだ、誰があ」ボタボタ ズルズル

兵「本当に今日は声の出がいいなあ……俺の死んだ家族にこの歌声聞かせたりたいよ」バシッ バシッ ビッシッ!!

ベルトルト「あーッ! あああーっ、うあああああ」

・・

兵1「さあシーナの貴族の淑女の皆様! 今日は超大型巨人の拷問ショーです!」

ワア

中年女性1「こいつのせいで、わたしたちは肩身狭い思いをしたのね」ベタベタ

中年女性2「やだあ、見た目は普通の男の子じゃない。可愛いくてそそるわあ」ニギニギ

ベタベタ コシュコシュ 

ベルトルト「うあっ、ああっ、ひっ」

中年女性1「ねえ、これ特殊なハーブエキスを濃縮したものよ、これをこの穴に突っ込むと……」ズプッ

ベルトルト「っ! ……!? ッひっぎゃあああああああ!!」バタンバタンッ

ドッ

中年女性1「スースーするってものじゃないって噂だけど、本当だったのね。
      普通の20倍は濃度が高かったのがよくなかったかしらあ」

中年女性2「こんなときも勃起するなんて……さすが童貞なだけあるわねえ」

中年女性1「これは、もっとキツイおもちゃを持ってきてあげないとねえー。ね? ほら、まだあげるわよ」ズプズプ

中年女性3「どう? こんな目にあっても勃起してて悔しい?」ギュッ

ベルトルト「うぎゃっ、うあああんッ、そ、そんな、ことッ、ぁああああ」(………これで、これでアニが汚されないのなら……)

・・

ガチャバタン

ベルトルト(ああ……、終わった、今日も……。……アニ、アニ、アニ……)ズルズル

カタン

アニ「……」

ベルトルト(ああ……今日も、チラっとだけど、この牢屋から見える。……結晶化したまま、斜め向かいの牢に拘束されたアニが。
      ……僕は君がいるから、自分を保っていられるよ……。

      ……僕ががんばれば、それだけ君は眠っていられるんだよね……。
      今はまだ無理だけど、いつか、この地下から抜け出して、悪魔の末裔から君を救うんだ……。

      明日も、そこで綺麗なままで眠っていてね、僕の唯一の仲間……!)ガク

・・

ジャン「……で、ベルトルトは誰が好きなんだよ?」

ベルトルト「……え?」

コニー「あー! そういや答えたことないな。クリスタ?アニ?ミカサ?」

ジャン「はあ?ミカサ!?」

ベルトルト「……ま、待って。僕、別にそういう人は」

ライナー「……まあ、好みくらいは言ってみろよ。全員暴露してんだからよ」

ベルトルト「! ……う、うん……。強い人が好きかな。あと色白で金髪……」チラ

ジャン「……それってライ」

マルコ「ジャン」バシッ

・・

アニ「……それで。ライナーの様子はどうなの。また兵士がどうとか口走ってる訳」

ベルトルト「……」

アニ「欠席の時点で、聞くまでもないね」ハア

ベルトルト「……あ、あの……ごめん……」

アニ「あんたが謝っても仕方ないでしょ?」

ベルトルト「……そうだよね……ごめん、あ、……」

アニ「……」

ベルトルト「……ごめ……」

アニ「……ベルトルト」

ベルトルト「……う、ん!?」バッシイ

アニ「……うっとおしい。うじうじしてんじゃないよ!!」ゲシッ

ベルトルト「……いッ、……!」

アニ「とにかくアンタはライナーにひっついときな……。それが一番ライナーにいいんだ。
   それならできるでしょ?」グイ

ベルトルト「く、くるし、……でっできます」

アニ「あんたがそんな弱って……情けなくないの?あんたライナーの彼女かなにかな訳?」

ベルトルト「い、イヤ……違う。うん……そうだね、すまない、僕がしっかりしないと……」ムク

アニ「動揺してもライナーは戻らない。……わたし「たち」でなんとかするんだ」

ベルトルト「……! うん」

アニ「しっかりしなよ」

・・

ベルトルト「……」チラ

アルミン「! アニ。ここの作戦、ちょっと」タタ

アニ「ああ。ここはこうがいいんじゃない」

アルミン「イヤ、それじゃダメだ。……で、……がいい。それでアニは……して、……してくれ」

アニ「……うん。確かにそうだね」

アルミン「で、できればミカサが……して、君といっしょに……するべきだ。いい?」

アニ「ああ」

アルミン「よし。じゃあこれで決定だ。がんばろう、アニ」ニコ

アニ「そうだね」

ベルトルト「……」

ベルトルト(アニは……彼みたいな見た目の人が好きなんだろうか。僕とは真逆の外見だ。アニは彼みたいな人と……)

アニ「?」

ベルトルト(……! ……なにを考えてるんだ。違う。アニも僕も戦士だ……それだけだ、それだけ……)

・・

アニ「明日、兵団を決める。……アンタはライナーにくっついていくんだ」

ベルトルト「そんな」

アニ「今日だって、ライナーは戻れなかった。明後日戻れる保証はほぼない。
   このままでライナーが任務をできる訳がない。あんたもいっしょに調査兵団に行くんだ」

ベルトルト「……アニは、一人で平気なの?」

アニ「別に……平気だよ。今更だろ」

ベルトルト「……」

アニ「任務を成功させる、これだけでしょ」

ベルトルト「そ、そうだね」

アニ「任務が終われば、わたしたちも自由だ。それまでの我慢だ」

ベルトルト「ああ……」(任務が終わるまで……アニとこうして会うことはもう……僕は実質一人で……)

アニ「……」ポン

ベルトルト「!」

アニ「しっかり目え開きなよ。……いつまで子供みたいに、情けない伏し目してんの。こんなでも、アンタはわたしの唯一の仲間なんだからね」

ベルトルト「……あ、アニ、そうだね……ごめん……」

・・


ベルトルト(アニは子供の頃から、いつだって変わらない気高く美しい孤高の戦士だった)パチ

ベルトルト(結晶化したアニを眺めているとき、それだけが僕の安らげる時間だ。
      ライナーがいない今、僕が戦士として拷問に耐える意味はそれしかない。
      そうして僕が結晶化を解く方法を吐かなければ、きっと彼女は結晶の中で生き延びていられる。
      やっと彼女を守れるんだ)ムク

ベルトルト「……アニ。……アニ?」カタン

その日の朝、アニは消えた。

一ヶ月後

カツンカツン

兵「来い。シーナの紳士淑女の方々がお待ちだ」ギイイ

ベルトルト「……」

兵「とっとと来い!」グイッ

カツンカツン……

ベルトルト(アニが消えて一ヶ月……僕は故郷の情報は何一つ漏らさず、 脱走のチャンスをただただ伺っている。……拷問の日々の唯一の楽しみは、故郷の……ライナーやアニのことを思うことだ)

……ザワザワ

男「さあおたせ致しました。本日の大目玉、人類の敵の化け物のセックスショーをご覧に入れます!」

ベルトルト「……」

シーナ貴族女性「へえ、あれが……」

シーナ貴族男性「なんだ……全然普通の、子供じゃないか」

男性「相手は勿論……」

カツ,カツ

ベルトルト「……!?」

男「女型の巨人です!」

オオーー パチパチパチパチ

ベルトルト「アニ……!?」

アニ「……?」

856年というならベルトルトは22歳だろ、子供…?
最近設定の甘い作品増えたな

>>22
すいません、856年→851年です

ベルトルト(アニ、生きていたんだ……綺麗なままで……。それにいつか着たいってこぼしてたようなドレスで
      着飾っていて……。でもこう着飾っているのも、悪魔の末裔の目を楽しませるため……)

ベルトルト「アニ……、アニ! あ、ああ、君、無事だったの「誰……?」

アニ「この人、誰?」

ベルトルト「……」

男「この女型の巨人は今、頭蓋骨に穴を開けて脳に仕込まれた針により、正常な思考をすることが
  できない状態です。
  この男のことも覚えておりませんし、理性もろくに働きません。酔っ払っているような状態ですね。
  こうして手をとっても、大した反応はない」スッ

ベルトルト(針……。確かに、体内に異物があれば、僕らは修復できない。
      そうか……アニは、一時的に頭がおかしくなっているだけか、助けて針を除けば元に戻るんだ)

アニ「?」

男「理性がないので、その手を性感帯へ誘導すると……」グイ

ベルトルト「!」

アニ「……。ん。んん。あ……」モゾモゾ

男「このように自慰も始めます」

ドッ ハハハハハ……

アニ「……あ……っ、あ、あん、き、……気持ちいぃ……」

ベルトルト「~~! な、なにさせてるんだ!」
     (こいつ、……戦士のアニを卑怯な手段でこんな目に遭わせて……!)

男「こんなうるさい巨人は仰向けに拘束して……。説明しましょう。今回はセックスショー、それに続いて死刑執行ショーも予定しております」

ベルトルト「!!」

シーナ女性「あら、おもしろいおもちゃなのに、もう殺してしまうの」

シーナ男性「すぐ怪我の治る化物なんだろ? ローゼマリアの市民はどう思っているか
      知らないが、我々としては勿体無く思うな」

男「つまり本日が最後ですので、ぜひご存分にお楽しみください。
  しかし、ただ無為に殺しては面白くない。ここはこの超大型巨人を使った賭け事を行いましょう。

  セックスショーは30分間を予定しておりますが、ここで巨人が人間性を見せて射精を耐えたら
  死刑執行は延期ということに致します」

ベルトルト「!?」

男「さすがに仲間と自分の命がかかっていれば、人外とはいえ耐え抜くとは思いますが……。

  超大型巨人が射精するかしないか、しないか。さあ、どちらに賭けますか」

シーナ女性「なんだか、庶民のような賭け事だけど、化物相手になら調度いいかもね。
      するに金貨1枚賭けるわ」

「しないに金貨2枚!」

「するに金貨1枚」

「するに金貨1枚」

「しないに4枚」

ベルトルト(射精すれば……死刑……殺す? 死刑……いつかはと覚悟していたけど、
      こんな、戦士の誇りを踏みにじられるような死に方………。
      僕のせいでアニが死ぬなんて耐えられないし、大体アニを汚すようなこと……、……)

アニ「ん……はん……うう」クチュクチュ

男「オイ、喜べよ。死ぬ前にいい思いさせてやるんだから」シュル

ベルトルト「!! 誰が喜ぶものか……、アニも僕も気高い戦士だ! 殺すならひと思いに殺せ! この悪魔の末裔が!」

男「なに言ってんだ、ねちっこい目で女型の巨人を見てたそうじゃないか。好きだったんだろ?
  一発ハメたかったんだろうが」

ベルトルト「ふざけるな、僕がアニを見てたのはそんなんじゃない!」

男「オイオイ、立場わかってるか? この強力磁石、これを女型の巨人の頭にコツンと当てたらどうなる?
  金属の針が動いて脳がズタズタになれば、すぐにでも殺せるんだぞ。

  しかし、ハハ、こんな状況でも勃起させて、どうしようもないな。
  ……さあ、出揃ったようなので、始めましょう。女型の巨人ももう発情しきっております」グイ

アニ「あっ! ……ま、まだ……」トロトロ

男「このドレスは紐をほどくとランジェリーに早変わりします。さあ、世にも奇妙な美しい巨人のショーをお楽しみください」シュル

アニ「もっと……」スッ

ベルトルト(ライナーはもういない……今アニは思考できない……。死ぬにしても……彼女に情けないところを晒させるなんて駄目だ……!)グッ

ベルトルト「……っアニ、アニ! 目を覚ませ!」

アニ「ん……っ」

男「さあ女型の巨人、この男にまたがって、自分で広げて……そう……それで、……と言え」ボソボソ

アニ「はあ……、ねえ、見て」クパ トロー

ベルトルト(……! アニはこんなことを言わない……これはアニじゃない……アニ……アニ、必ず助けるから……!)

ジュプンッ

アニ「ふわあああっ」

男「では30分、スタートです」

アニ「ふあっ、あうっ、んんんッ」パチュン パチュン


・・

ベルトルト「う、……うくっ、」グスグス

アニ「ちょっと」

ベルトルト「!」

アニ「なに泣いてんの……」

ベルトルト「……!い、イヤ、……ごめ……」

アニ「無視しようかと思ったけど……あんまり長いから。さっきここ通った時からずっと泣いてるの?……今はライナーは来ないんだよ」

ベルトルト「わ、わかってる……、情けないね、僕」

アニ「別に。……ちょっと……鼻水シャツで拭ってるの?ハンカチは」

ベルトルト「えっと……持ってない」

アニ「あんた意外とおおざっぱよね……ほら」グイ

ベルトルト「うぶっ。あ、……ありがとう」

アニ「それ仕方ないからあげるよ。大分使い込んでるから、捨ててもいいと思ってたし……
   返さなくていいから」

ベルトルト「え?だ、だけど」

アニ「いいって」ギロ

ベルトルト「……はい。ありがとう、アニ」

アニ「あんたさ、強いくせに、なんでそんなにおどおどしてるの……」

ベルトルト「はは……」

アニ「背だけはこんなに高いくせして……」

ベルトルト「……ごめん……ありがとう、励ましてくれて」

アニ「……」ハア

・・

アニ「ああっ、あんっ、き、気持ちいい……、これ、気持ちいぃ……っ」グリグリ ゾクゾク

ベルトルト「アニ、……ぐう……、しっかり、しっかりするんだ……、君は、君は戦士だ! 本当は気高い……!」
     (ああ……、アニ、奥をぐりぐり押し付け……、呼吸を整えて……とにかく耐えるんだ……!
      死刑執行を遅らせて……こうして呼びかけて彼女の目を覚ますんだ……)

アニ「ああっ、もっと、もっと!」パチュンパチュン

ベルトルト「ううう! う……!」
      
男「そろそろ10分か。だんだん、射精感ものっぴきならなくなってきたろうな」

シーナ男性「なかなか頑張ってるじゃないか。よしよし、そのまま耐えろよ」

シーナ女性「化物のセックスも興味深いけど、だんだん飽きてきたわね」

男「皆さん、まもなく10分経過します。これより5分おきに、「射精する」に賭けた皆様から、
  射精を促したいというお気持ちが一番強い方に、お好きな刺激を加えて頂きます」

ベルトルト「……!?」

「銀1枚」

「銀2枚」

「4枚」

男「ではあなた。……。では、ご指示のとおり、女型の巨人にこちらの性具を用います」

アニ「あっ、……ふわああああっ!」ビクッ

ベルトルト「!? うっぐう!」(きゅ、急に締め……!)

アニ「~~っ、んんんーー~っ、ああっ、~~あぁーーーーっ!」ギュウウウウ 

ベルトルト「いっ、……ううう! あ、アニ、……ぐうぅうーーー!」ギリギリ

アニ「~~ひゃうっ、ううっ、アン、いく、いくうううっ! はあ、はあああ……ッ」パチュッパチュッ ……キュウウウウウウッ

ベルトルト「!? ううっ、ううううー! ぐううう!」ブンブン 

アニ「はあ、はああ……ああ……」モゾモゾ

ベルトルト「……っかは、はあ、はああ……っ」
     (なんだ今の、あ、危ない……っ、ほ、本当に出そうに……、これはマズ……、んん!?)

アニ「あんっ、あっ、アハッ、き、気持ちいいっ」パチュンッパチュンッ

ベルトルト「あっ、ううううー~~! ま、待ってッ、あぐ、ううう!」ギリギリ
     (ゆ、油断し……で、出る! 出る、ううううううううう)

アニ「んんんッ、……はあー……」ギュウウウウ ヘタ

ベルトルト「~~~~~ッ!! っぐ、うっぐううう……!!」ギリギリギリ ゾクゾク

男「では性具を外しましょう。残り19分です」

アニ「はあ、はあ、はあ、……っく」モジモジ

ベルトルト「はあッ、はああ……ッ」(19……、ま、まだ、そんな……、クソ、絶対、耐える、アニを戻す……戦士のアニに……!)

・・


ベルトルト(代わりのハンカチを買わないと……可愛いヤツあげたいな。ん?)

アニ「へえ……こういうのが……」

ミーナ「そうそう。可愛いでしょ?」

アニ「まあ……うん」

ベルトルト(わ。アニだ。……なんか隠れてしまった。別にいいんだけど)コソ

ミーナ「アニの村ではウェディングドレスってなかったの?」

アニ「うん」

ミーナ「内地の文化なのかな? まあシーナがどうかは知らないけど。
    あ、これとか、アニに似合いそう」

アニ「そうかな」

ミーナ「色が白いから、本当に真っ白になっちゃうだろうね。いいなあ」

アニ「真っ白って……」

ベルトルト(真っ白のドレスを着たアニ……。綺麗だろうな)

ミーナ「着てみたくない? 可愛いドレス」

アニ「……別に……」

ミーナ「……」

アニ「まあ、……そりゃあ多少はね」

ミーナ「だよね!」

ベルトルト(可愛いの、アニも好きなんだ。似合うと思うから、勝手に可愛いのばっかあげてたけど……よかった)

ミーナ「それで、相手は誰がいい、なんてないのー? 好みだけでもいいからさー」

ベルトルト「!」

アニ「またそういう……。……自分がそうだからってんじゃないけど、色が白くて金髪の人がいいな。綺麗で」

ミーナ「へえー。赤ちゃんができたら、どれだけ色白になっちゃうんだろうね」スタスタア

アニ「……あのさ、わかってると思うけどお、掛け合わせたらもっと白さが増すとかそういうことは……」スタスタ

ベルトルト「……」

・・

ベルトルト「うー、……ううううー……っ」ギリギリ

アニ「はあ、はああ……、あ、あ、あんん……」ジュプッジュプッ

ベルトルト「んん! ……ぐうう……あ、アニ、アニ。しっかり……」(だんだんわかってきたぞ……、アニの動きのタイミングとか……、
      予測がつけば、ある程度衝撃が和らぐ……)ハアハア

男「まもなく15分です。次は……。……はい、あなた。……。では再び、女型の巨人に性具を用いましょう」

アニ「あっ! あ、あはああ……」ビクッ

ベルトルト「っぐ……!」(またアレか! アニが絶頂するのに合わせて、力込めて……)ハアハア

アニ「~~~あ、あ、あ! やあっくる! あああああああッ」ギュウウウウ ビクッ ビクッ

ベルトルト「んんう!? うっぐううううう!!」
      (いいいい! い、いきなり、弾けるみたいに絶頂しッ……)

アニ「はあ、はあ、ああああ! ああん! うああああっ」ギュウウウ ギュウウウウ ギュウウウーーーッ

ベルトルト「~~~~!! っかは、ああ! ……うぐううううう!」(れ、連続……ッ)ギリギリ

アニ「はあ、はああ、~~~うううううん!」クチュッ ギュッ ギュッギュッ 

ベルトルト「~~~ふっぐう! ~~~!!」(い、いつまで、あああ、息できな……ッ、だめだだめだだしちゃだめ!!)ギリギリ

アニ「あああああんっ……」クタ

男「では外しましょう」

アニ「はあ、はああ……、ふわあ……、あッ」グリグリ キュウウッ

ベルトルト「うっぐ、ふううううー……、うーー……!!」ゾクゾク(落ち着け、落ち着いて、よ、呼びかけて……)

・・


ベルトルト(コレ……捨てないと汚いよな……アニのハンカチ……)

アルミン「ベルトルト!」

ベルトルト「! アニ」

アルミン「あ、ごめん。驚かしちゃったね。……この本返すよ」

ベルトルト「ああうん、わかった。……? アルミン」

アルミン「うん?」

ベルトルト「手、どうしたんだい? 怪我?」

アルミン「ああ……コレ、さっき訓練中にちょっとね」

ベルトルト「利き腕じゃないか」

アルミン「うん。僕もちょっと焦ったんだけど……同じ班の子が応急処置してくれたおかげで、なんとかなったよ」

ベルトルト「へえ……」

アルミン「もっと体力つけないとな……後半になるとふらついちゃって……。よかったら今度訓練に付き合ってよ」

ベルトルト「え、あ、うん。僕でよかったら……」

アルミン「よかった。じゃあまたね」バタン

ベルトルト「うん」


ベルトルト「……」

ジャン「……え? ああ、アルミンか、ブレードで掌切ってたな。アニが処置してたぜ」

ベルトルト「そうなんだ。わかった、ありがとう」

ジャン「……ははあ、おまえ、アルミンに嫉妬か」グイ

ベルトルト「! そ、そうじゃないよ。アルミンが痛そうだったから気になっただけだよ……」

ベルトルト(……な、なにやってるんだ僕は。アニが誰が好きでも関係ないよ。
      僕は別にアニの恋人になりたい訳じゃないし……ただアニは唯一の仲間で何度も助けられてるから……。
      いつか僕もアニを守れればって思ってるだけで……)

・・

男「では20分……、……。はい。ではそのとおりに、女型の巨人に指示してみましょう」グイ ボソボソ

アニ「?」ジュブ、ジュブ

ベルトルト「はーっ、はーッ……」(なにするつもりだ……、!?)

アニ「……」ズイッ 「んん」チュッ

ベルトルト「~~~~!?」(く、口に、キ……ッ、!?)ゾクゾクッ

アニ「んんう。んっ、ん。うむうっ」チュッチュ ズルッ、パチュンッ ズルッ、パチュン

ベルトルト「うぐう! ううっ、……ううーーーっ!」ギリギリ

アニ「んあ、うむうーーっ、んんッ、んう」ベロッ

ベルトルト「うぐっ!? うむっ、あ! うう、うあああ……ッ」(く、口の中に舌……っ、あああ、な、なんだコレ、ち、力が抜けるうう……~ッ)ゾクゾク

アニ「あむ、ちゅ、うん。んっ、あっ、あっ、あ!」パチュンッパチュンッパチュンッ

ベルトルト「ふぐうっ! うあっ、あ、あああっ、うあああっ」(口が閉じれない、声が……、姿勢のせいで首も動かせ……ああああ!)

アニ「あ、ああっ、うああ、い、んあ、いいいい……ッ!」パチュンッ キュウ、ギュウウウウウ

ベルトルト「ああ、あああ! うあーーーーー!」(すごい締め……ッ、耐え、耐え……!!)ゾクゾク

アニ「んッ、ん……、ん? んんう……」

ベルトルト「はああ、……」(またなにか耳打ち……!?)ビクッ

ベルトルト「んん! うああああ、んうううう~……っ」(む、胸を引っ掻いてる、ううう、も、もうこれ以上は……っああああ)ゾクゾクゾク

アニ「あう、うう、……ぷはあ、はあ、あはっ」ムク

ベルトルト「はあああ……、あぐっ、ああ……!!」(や、やっと離れ……、ん!?)ガシ

アニ「うんっ、あ、あ、あー! あんあんっああああ!!」パンッパンッパンッパンッ

ベルトルト「~~~~ふ、うぐううううう!」ブンブン(ひ、ひいい、休みがない、ここでこんなすごい動きッ……)

アニ「んあっ、あんっ、んむっ、キス、キス気持ちいぃ……っ」カプッ チュウ  パンパンパンパン

ベルトルト「うあっ、んあ、はっがああああ……っ」(し、舌入れちゃ、だって、……アニは……僕なんかとキスしたくないのにっ……あああああ……!)ゾクゾク

・・


アニ「じゃあ、ライナーがいない場合の作戦はこれで決定でいいね」

ベルトルト「ああ……ごめん、君の負担が大きく……」

アニ「別に……。あんたこそ、ライナーと二人で大丈夫なの?いっしょにつぶれたりしないでよ」

ベルトルト「うん……大丈夫」

アニ「……それ、大丈夫って顔?」

ベルトルト「う、うん。……じゃあ戻るね。ライナー一人だと心配だし」

アニ「……」

ギュッ

ベルトルト「!?」

アニ「どう?」

ベルトルト「……な、……何が?」

アニ「? 戦士の訓練受けてるときは、よくひっついて暖をとってたじゃないか……。忘れたの」

ベルトルト「イヤ……覚えてるけど、そりゃ……。なんで今?」


アニ「誰かさんが冬でもないのに震えてたからね……」パッ

ベルトルト「……」

アニ「……ふ。震え止まった? じゃあね」パタン

ベルトルト「……あ……」

バタン

ライナー「ベルトルト。遅かったな。……どうした?」

ベルトルト「え?」

ライナー「何があったんだ。嫌に落ち込んでるじゃないか……大丈夫か?」

ベルトルト「なんでもないよ……」

・・

シーナ男性「あの男。口づけされた反応からして好意を持っていたんだろうな……。
      あの娘で自慰でもしていたのだろう」

シーナ男性「だったら……」

男「25分……。……。ええ、では女型の巨人に指示しましょう」

アニ「はあっ、あんっ、……んんんっ」パチュンッパチュンッ ……キュウウウッ

ベルトルト「ぐうう、……っはあ、うーー…………!!」(あ、あと5分、5分だッ、はあああ……も、もう頭がおかしく……)ギリリ

アニ「……。……」グイ

ベルトルト「!」(ま、また身を乗り出して……口を閉じないと、)ギュッ

アニ「ベルトルト」

ベルトルト「!? えっ」

アニ「ベルトルト……ベルトルト、ベルトルト! ベルトルトおっ」ギュッ パンパンパンッ

ベルトルト「うぐっ、……う、ううううう!」(しょ、……正気になったんじゃない、言わされてるんだ、……これはアニの言葉じゃない……!)

アニ「あんっ、ベルトルト、べる、べるとるとおっあああっ好き、気持ちいい……ッ、!」ギュウッ

ベルトルト「ううっ、んんんん……!」(ち、違う……聞くな、これは意味のない、ただの言葉の羅列だッ、……!?)ゾクッ

アニ「あふっ、あんっ、ベルトルト、ベルトルト……っはあっ」ベロッ チュプッ クチュクチュ

ベルトルト「うううう!」(み、耳……ッ、耳に直接、や、だ、駄目だあ力が抜け……!!)ゾクゾクゾクッ

アニ「ベルトルト! ふああっ、気持ちいいよ、ベルトルト、の、おちんちん気持ちいい……ッ」

ベルトルト「うぐっ! ううっ、ううううう」(言わされてるんだ、アニは、違う、ちが……ああああ)ブンブン

アニ「あんっ、あんっ、ああ! ベルトルト、ベルトルトのおちんちんでイっちゃうよお、ふわあああッ」ズル、パチュン ズル、パチュン

ベルトルト「あああああ、アニ、アニ、やめ……、ああああ」(アニじゃない、アニはこんな、こんな子じゃない!僕の好きなアニはっああああ)

アニ「い、いく、いくうっ、ベルトルト、いっちゃうう……んあああああベルトルトおおおッ!!」キュウウウウウ

ベルトルト「うぐっ、ううううッ、~~~~~!!」(あ、ああああ!? なんだこれ、だ、駄目っだっああああああああああ)ガクンッ

アニ「ああっ、ああんっ、ベルトルト! ベルトルト、もっと!」キュウウウウウッ パンパンパンパン

ベルトルト「うっぁあ!! ……ッ!! あああ! ああ、アニ、アニぃい!! ……!!! ……っぐ、……!!」ガクン、ガクッ ……ビュクビュクビュク

ポタ、ポタ

ベルトルト「……。あ”」

ドッ

シーナ男性「ほら、やっぱり名前を呼ばれたら勘違いをするんだ。馬鹿だね巨人っていうのは」

シーナ女性「はあ、あの男のせいで負けちゃったわ」

アニ「あああ……ベルトルト……ベルトルト……もっとしてえ……」チュ

ベルトルト「……」

男「おい、最高の思い出ができたな。さて……では、死刑執行ショーに移ります……。執行したい方は金額をご提示ください」

「金200」

「300」

アニ「ベルトルト……ベルトルトお、好きだよ……さっきの気持ちよかった……だからもっと……」

ベルトルト「ああ……アニ、ごめん……ごめんなさい……」

アニ「? ベルトルト……好きだよ……もっとしてよ……」

ベルトルト「ごめん……僕……僕、……あああ」


「金10000」

ザワッ

男「……金10000でよろしいですか」

貴族「ああ。その2匹はなかなか面白い。そのメスは調教されててなんでも言うことを聞くようだし」

男「ええ」

貴族「執行方法も指定していいだろ?そのメスにそのオスを殺させてくれ」

ザワッ

貴族「そこで死にたそうな顔をしているオスもうれしいだろう。な?」

ベルトルト「……!?」

男「では。……女型の巨人、これを使って、あれの首を切れ」

アニ「ええ……、なんで……、もっと、もっとセックス……」

男「おまえは巨人だ。殺人の快楽は性感を上回るぞ」

アニ「……本当に?」フラ

ベルトルト「……あ、アニ……」

アニ「これで切ったらいいの」

ベルトルト「アニ、あの、」ザクッ「……あ?」

アニ「……あはは! 切れた! おっきなおちんちんが! きゃははははっ」ケタケタ ヒョイ

ベルトルト「~~う、うぎ、うっぎゃあああああ!!」

アニ「アハハハあ、さっきだしたのが溜まってた玉の方もさばいてあげるよお!」ザク 

ベルトルト「いぎゃあああああっ、ぐあああああああ」

アニ「ふふふ……ベルトルトお……」グチュグチュ

ベルトルト「いだあああっ、ぐううっ、あに、アニィ……!!」

アニ「ベルトルト」チュッ

ベルトルト「んぐッ! ううう……ぅうううううう!!」

アニ「わあ、ナイフがおちんちんの切り口からどんどん入ってく……っきゃはは」ズプズプズプ


ベルトルト(た、耐えろ、意識を保つんだ……少なくとも僕が死ぬまでアニは生きるんだから、そしたらなにか……。
      なにかってなんだ。……なにやってるんだ僕は……僕はまた他力本願で彼女を)プチンッ「ぃっぎゃああああああ!!」

アニ「きゃははは、ナイフがお腹から生えてきた」

シーナ男性「見ろ……やはり巨人は異常だ」

シーナ女性「わたしたちのような良い趣味の持ち主でないと、吐き気をもたらしそうね」

ベルトルト「ぎゃあああああっ、いだあっ、アニ、アニいいいい!!」

貴族「メスに止めて欲しかったら、動物みたいに命乞いしてみろ」

ベルトルト「止め……、ああ、あああ……ッわ、……わん! わんわんわんわんわんっ、やめ、助けてえええええぎゃああああ!!」

ドッ

貴族「ほらほら、もっと鳴かないと死ぬぞ。そしたらメスの番だ」

ベルトルト「わんっわんわんわんっ、おごっ、あがああっうっぶうううううっ!! がああっ」

貴族「今の家畜の鳴き真似はなかなかうまいな」

ハハハハハ


ベルトルト「わ、わんわんん……ッおがあ」(ああああ……僕、僕死ぬんだ……仲間の手で……末裔の笑いものにされながら……。
      こんなことしても……アニは助からないのに……僕が馬鹿なせいでアニは死ぬんだあ……)

アニ「きゃははははっ、血がいっぱい、おもしろーい!」ケタケタケタ

ベルトルト(あ……でも……アニの楽しそうな顔初めて見た……僕でアニが楽しいなら……それでもう……ああ……。
      僕じゃ駄目なんだ……アニを守れないんだ……僕はアニのヒーローになんかなれない……)

「金20000!」

ザワッ

男「……ちょっと止めて。金20000ですか?」

兵「ええ。彼たっての願いなので」

シーナ男性「な、なんという……存じ上げないが、どこかの貴族のお方か?」

シーナ男性「隣の少年は、どこかの名家のご子息か……」

兵「執行は、この施設内の別室で行いたい。かまいませんか?」

男「……ええ。この地下施設内であれば、かまいませんよ」

ベルトルト「……がはっ。……ああ……?」(な、……なんだ。どうしてそんな大金、!)

カツン


エレン「……」

ベルトルト「……え、……エレン」

エレン「……このオスを連れて行く」

兵「ああ」グイ

ベルトルト「エレン? ……た、……助けてくれたのか……?」

エレン「……ハハハ」

ベルトルト「エレン?」

エレン「なに言ってるんだろうな……家畜の言葉はわかんねーな」ハハハ

・・

ベルトルト(……?)

気がつくと故郷だった。よく見る、ショーの夢……先日も見たその夢の続きのようだ。

司会者「では、ショーの方は終了です。オークションの方を始めさせて頂きます。
    まずはこの美しいメス!」

「20000!」

「40000!」

ベルトルト「へえー……あのつがい、買えるんだ」

アニ「わたしたちのおこずかいでどうなる額じゃないよ」

ライナー「いいな。あの綺麗なメスなら、俺も欲しいぜ。いいケツしてるしさ」

司会者「では、続いてオス。いかがでしょう」

シーン

ライナー「はは、あいつしつけ悪そうだったもんな!」

アニ「綺麗じゃないもの……買うのなんてよほどのモノ好きだよ」

司会者「このオス、○○地区を滅ぼした一派の残兵とされております……つまりそういう憂さ晴らしにも……」


ライナー「あんなの言ったら逆効果だろ……ベルトルト?」

ベルトルト「欲しい」

アニ「はあ?」

ベルトルト「僕、あのオスが欲しい」

ライナー「……。故郷襲ったヤツの下っ端を捕まえてどうすんだよ?買ってもおまえが怖がるだけってのがオチだぜ」

ベルトルト「でも……」

マルセル「1000!」ハイ

ベルトルト「!」

ライナー「マルセル!?なにやってんだよ」

マルセル「よう。ベルトルト、よく頑張ってるからな。ご褒美だ、買ってやるよ」

ベルトルト「ありがとう……!」

アニ「……あーあ。本当に買えちゃったよ。どうするの?戦士の先輩に怒られるよ」

ベルトルト「うん……大丈夫」

ライナー・アニ「?」


屋外

ベルトルト「ここなら誰もこないね……」

マルセル「よいしょっと。袋に入れたオス、離していいのか」

アニ「まさか逃がす気?」

ベルトルト「まさか。だってこいつ悪魔の末裔で、僕らの故郷を襲ったヤツでしょ?」

ライナー「まあ、昔はな……今は一人でなにもできないぜ、こんなヤツ」

ベルトルト「ぐるぐる巻きにされてる……えいっ!」バシッ

男「うぶっ」

ライナー「べ、ベルトルト?」

ベルトルト「ああ……い、痛いよね?……ああ、でもなんだろう。ぞくぞくする」グリグリッ

マルセル「おいおい……」

男「ごっ」

ベルトルト「アハハ! 聞いた?こいつ、ごおっだって! 鳴き声みたい、やっぱり家畜だ!」ゲシッゲシッ

アニ「ちょっと……趣味悪いよ」

ベルトルト「あ、うん……そうだけど、だってこいつら僕らの敵だよ。こうなるのが当然だよ!」ゲシッゲシッ

マルセル「……まあベルトルトの言い分は間違ってはない」

ベルトルト「! そうだよね。ははは……あ、そうだ。小さいナイフ持ってるんだ、僕。
      捌く人の真似、してみたかったんだ!」

ライナー「おまえ、血が怖いとか言ってたんじゃないのかよ……」

ベルトルト「そのはずなんだけど……。ねえライナー、抑えてて」

ライナー「まあいいけどよ」

ゴーリゴーリゴーリ

男「うごおおおおお!!」

ベルトルト「うーん、親指の骨って硬いなあ」

ライナー「……。おいおい、おまえ動くなよ。ベルトルトが怪我しちまうだろ」

アニ「……。ベルトルト、固い物を切るときは、こう……」グイ

ボキッ

男「あっぎゃあああああ!!」

アニ「力をかけるんだよ」

ベルトルト「あ、そっか。よし、じゃあもう一方は……」

ゴリゴリゴリ…… ボキッ!

男「うっぎゃあああああ!!」

ベルトルト「あはは、ざまあみろ、悪魔の末裔!」

ライナー「……おいおい、それくらいにしとけよ」

アニ「そうだよ……かわいそうだって」

ベルトルト「いいんだよ、僕らは戦士だから、どうせ後で皆殺しにするんだもん。1人くらい増えてもいっしょでしょ?」

ライナー「うーん……」

ベルトルト「お母さんの仇!お父さんの仇!村の皆の仇!はははははは!!」グサッグサッグサッ


アニ「……ん? 待ってよベルトルト、こいつなにか話したいみたい」グイ

男「あ……」ゲホ「……待て……やめるんだ……こんなこと……」

ベルトルト「……は?」ドスッ

男「ぎゃあああああああ」

ベルトルト「自分が口出しできる立場だとでも思ってる訳? 仇、しね、しね、しね! しねえ!!」グサグサ

いつも以上に、思い出していて気分が悪くなった。
そして違和感を覚える。

よく見ると、男は今の僕の顔をしていた。

・・


エレン「よお。起きたか」

ベルトルト「エレ……おごっ!!」ドスッ

エレン「おまえが気持ちよく死にそうだったからな。我慢なんなかったんだ」

ベルトルト「かは、っかは、……はー……っ」ヒューヒュー

エレン「ああ悪い、まだ治癒完了してねーのか。……ふんっ」グチュッ ブチブチイ

ベルトルト「うぎいっ!!」(う、腕が、裂けた腹に入って……ッ)

エレン「あったけーな。……おい、このまま修復してみろよ。いつでも心臓潰してやれる」

ベルトルト「がはっ、かっは……っ、おごっ……」

エレン「失神すんなよ」パンッ「なにしたいんだって顔だな。……別に俺はおまえに吐いてほしい情報がある訳じゃねーよ。
    っつーかな、おまえが地下でゴロゴロしてる間に、状況は変わったんだ。
    
    おまえらの故郷陣営と俺達は直に接触してるんだよ」

ベルトルト「!!」

エレン「末端の末端、ただの特攻隊の少年兵のおまえらに、情報的価値なんて最早一ミリもねーんだ。
    穀潰しだし、とっとと殺したいんだけど」グチュ


ベルトルト「っうぎいいいいいいい!!!」

エレン「俺はお前にはもっともっと苦しんで死んでもらわないと困るんだ。ハハハ。母さんの仇め。
    アニとライナーは許せても、ベルトルト、おまえだけはダメだ」

ベルトルト「がはっ、っかっは、ああああぁああ……」

エレン「どうだよ。心臓握られた気分は。……ああ、散々、偽物の心臓捧げてたんだし、
    これだって偽物か? ドクドク動いてるけど」ツンツン ……グリッ

ベルトルト「うぎっ、うごっ、あがあっ、エレ、えれええええええッ」

エレン「アハハハ。今度心臓とってみるか。どこまで生きれるんだ、おまえって」

ベルトルト「あが、うがあああああ……」ガクガク

エレン「あ、なんだよ。聞こえてねーのか。……」ズボッ


ベルトルト「うぎっ、……ひがっ、」ヒューヒュー…… ジョボボボ

エレン「う。くっせえ……失禁してんじゃねーか。そういや射精はしても排尿はしてなかったな」

ベルトルト「う……、うう……」シュウウ

エレン「とっとと修復しろよ。そんで床綺麗にしろ。……ハハハ、おまえらの故郷との戦いにもきっと勝ってやる!
    そして最高に絶望した気分、味あわせてやるよ」

ベルトルト(えれ……エレン……、こんなこと……言ったら怒るだろうけど……。

      僕は訓練時代、本気で君が羨ましくて……素直に言うと憧れていたんだ……。
      もしも兵士だったら……きっと本気で調査兵団に入ったろうな……君の演説に感動して……。

      だけど今の君を見てると……なんだか昔の自分を思い出して……。
      このままだと、すごくよくないことになる気がするよ……)

ベルトルト「かはっ、え、エレン……」

エレン「あ?」

ベルトルト「もう……こんなことやめるんだ……」

エレン「……」

ベルトルト「こんなことしてたら今度は君がっアァ!!?」ゲボッ


エレン「……もうしゃべれたのかベルトルト。ほら、汚物舐めて綺麗にしろよ」

ベルトルト「がはッ、え、……エレン……」

エレン「オイ聞こえてねーのか!? 人じゃないんだぞおまえは!」

ベルトルト「……っおえ、ぐ……」ベロベロ ズズズ

エレン「楽しそうな拷問受けてたよな……勘違いすんなよ、あんなモンで済まされねーんだよ、
    テメーのしたことは……母さんの仇……絶対に許さねーぞ……」

・・


エレン「よ、ベルトルト。喉渇いてないか?」

ベルトルト「の、喉……?」

エレン「ほら、口開けろよ。あーん」

ベルトルト「え、あ、あー……」

ドロ ジュウウウウウ

ベルトルト「あっがああああ!!」

エレン「ああ、こぼすんじゃねーよ!全部飲み込めって!」グイ

ベルトルト「があああっぐあ、うがああああああ」

エレン「よしよし、そのまま……ほら、口に蓋をするぞ」ペタ

ベルトルト「んごあああ、うぶあああああああーーーーー!!」


エレン「どうだ、毒が腹を焼いてるだろ。うまいか?」

ベルトルト「あぎゃあああっ、おがああああっ!!」

エレン「じわじわ溶けていってるかな。修復とどっちが早いんだ?下手したら永久に焼きただれる続けるのかな」

ベルトルト「うがああああああっ」バタンバタン

エレン「アルミンが修復速度に興味持ってたみたいなんだよ。悪いな。……アハハハハ……、なに踊ってんだよ、おもしれーな」

・・


エレン「おいベルトルト、布団変えてやるよ」

ベルトルト「……っ、これ、剣山……?」

エレン「は? 布団だよ。拷問部屋に残ってたんだ、昔の拷問官の手作りか?趣味悪いよなあ。ほら、寝ろよ!」グイ

ベルトルト「ま、待ってくれ、……っあああああああ!!」ドサッ ブツブツブツツ

エレン「なんだよ、出るのか?」

ベルトルト「うぎっ、痛い、痛いいいいい」ヨタヨタ ザクザクザク

エレン「まあ掛け布団も味わえよ。ハンジさんがまだ使えるかわかんないって言っててさあ」ポイ

ベルトルト「ぎゃあっ!お、重い……ッ、いだいっ、いだいいいいいいい!!」グサグサグサ

エレン「アハハハハ。……不思議だなあ……くっだんねえことしてんのに。
    この間抜けが超大型巨人で母さんの仇だと思うと、なんでかやめられないよ」


・・

エレンの拷問は3か月続けられ、あるときぱったりと止まった。
エレンが来なくなったのだ。故郷の陣営との戦いもいよいよなんだろう。
主戦力の彼は忙しいはずだ。
……僕はアニが心配で、脱出しようと強く願って、賭けのつもりで自分の手の甲を噛んだ。


ベルトルト「……?」

目が覚めると、僕は肉に囲まれていた。巨人になったのだ。
しかし、ずいぶん眠っていた気がする。這って巨人からでると、そこは外だった。
僕は巨人ごと、地下に埋まってしまったはずだった。でも、なにか奇跡がおきて、
こうしてでてこれたらしい。

外をしばらく歩いて、人通りのあるところに出た。
西暦を尋ねると、3年経っていた。傷は治っていても、化物地味た執着を持つエレンの拷問による消耗が激しく、そのせいで随分眠っていたようだ。

驚いたことに、ここは故郷だった。
故郷陣営は壁内勢力に勝利したのだ。壁内人類が、奴隷のように扱われている。

広間では拷問ショーが行われているらしい。

行ってみよう。


広間ではエレンの拷問が行われていた。
客席には着飾ったアニもいる。

僕は言いたいことがあったけど、結局遠くからそれを見ていた。
見ていた  ああああああ

・・・

ハンジ「……えええーーーー!? ベルトルト殺しちゃったの!?
    洗脳して戦力にするとか肉産生してもらうとか、家畜としては優秀だったんだけどなあ……。まあいいや。死体は蒸発した?」

エレン「はあ。……仕事で遠征して3か月ぶりに帰ったら勝手にくたばったんで、こっちもガッカリですよ。
    あんなヤツが憎かった超大型巨人だったと思うと。本当に惨めで残念なヤツでしたね、ベルトルトってのは」

ハンジ「さ、3か月って……あー、うーん……、まあ今はいいや、それよりエレン、仕事だ。次の作戦だけど」
   (最近、見回りが巨人がブツブツ言ってるのを聞いてたそうだけど……ベルトルト、孤独死してたのか……うわあ……)

エレン「ああ、それは……」


終わり

ミス
>>27

男「さすがに仲間と自分の命がかかっていれば、人外とはいえ耐え抜くとは思いますが……。

  超大型巨人が射精するかしないか、しないか。さあ、どちらに賭けますか」


男「さすがに仲間と自分の命がかかっていれば、人外とはいえ耐え抜くとは思いますが……。

  超大型巨人が射精するか、しないか。さあ、どちらに賭けますか」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月02日 (火) 09:43:42   ID: JOBD1pK1

ゲスミンが拷問するss思い出したわ…
同じ作者かな?

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