しんのすけ「美術館に行くゾ」(37)


みさえ「しんちゃん、忘れ物ないわよね?」

しんのすけ「う~ん、多分」

みさえ「あら、あんたポケットからなにか出てるわよ」

しんのすけ「ぶりぶりざえもん!美術館に行くなら飾ってもらおうと思って」

ひろし「あのなぁしんのすけ、今日行くのは展覧会とは違うんだぞ?」

しんのすけ「ほ~い、でも一応持ってくゾ!」

みさえ「そこら辺に捨てちゃダメよ?」

ひまわり「たうたう!」


ひろし「さぁ着いたぞ!」

みさえ「しんちゃんは美術館初めてよね?」

しんのすけ「なんか静かで大人しかいないゾ...」

ひろし「はっはっは!そのなかにいるしんのすけは大人だな!」

みさえ「今日観に来たのは『ゲルテナ』っていう人の作品なのよ」

しんのすけ「げる...ケツデカみたいだぞ」

ひろし「かあちゃんみたいにな!」

みさえ「あなた...?」ニコッ

ひまわり「たあう!」


ひろし「いてて...受付済ますか」

しんのすけ「とーちゃんとーちゃん」ツンツン

ひろし「あん?どした」

しんのすけ「おしっこしたいゾ」

みさえ「やだ!来る前にしてこなかったの?」

しんのすけ「ぶりぶりざえもん描いてたゾ!」

ひろし「しょうがねぇなー、建物の奥にあるから行ってこいよ」

みさえ「まったくもう、知らない人に声かけちゃダメよ?」

しんのすけ「おお!大人のお姉さんがオラを待ってるゾ!」タッタッタ

みさえ「あ、コラ!」

ひまわり「すぴーすぴー」


しんのすけ「ふぅースッキリしたゾ」

しんのすけ「さぁてキレイなお姉さんは...お?」

そこにはこれまで見たのとのないほど大きな絵があった

しんのすけ「『??の??』?読めないゾ...ふりがなくらい付けないとは、子供に優しくありませんなぁ」フゥ

チカッチカッ パッ

しんのすけ「お?停電?あ、明るくなったゾ」

しばらく歩くしんのすけ しかし誰一人としてしんのすけは人に会うことはなかった

しんのすけ「誰もいないゾ...とーちゃん、かーちゃん、ひま...」

再び辺りが暗くなる しんのすけは大きな絵の場所に戻っていた

まさかのibとクレしんのクロスwwww

確かに違和感はないな

プレイしながらだから遅くなるお

しんのすけ「お?」

絵の下部から青い液体が垂れている
額縁の裏からしみだすように...

お い で よ し ん ち ゃ ん

しんのすけ「!? おいでよしんちゃん...?どこへ...!」

"したに おいでよ しんちゃん
ひみつのばしょ おしえてあげる"

しんのすけ「読めるゾ...下?」

足元をジッと見つめるがなにも起きない

しんのすけ「...」チラッ

...さすがに小さくなっている

しんのすけ「おお!下って1階のことか!」


1階に降りるが誰もいない 受付さえも

しんのすけ「出入口も開かないゾ...」

踵を返し1階の奥へと進んでいく

展示室に入ってすぐ 部屋の中央に大きな絵が置いてある
その絵のなかに入っていくように青い足跡が続いている

しんのすけ「あれ?さっきまで足跡なんかあったっけ?」

薄暗い美術館で一人小首を傾げているしんのすけ しかし考えているだけでは始まらない

静かにアクション仮面のハンカチを握りしめる

しんのすけ「こうなったらい行ってみるゾ!春日部防衛隊!ファイアー!!」

いつもなら隣にいる他の隊員はおらず、一人ぼっちの隊員の叫びが寂しく美術館に響く

しんのすけ「とうっ!」ドプン


青い床 青い壁 まるで深海の様な 青 青 青
そのなかを赤い服を着た少年が歩いていく

しんのすけ「壁になんか書いてあるゾ...でおいでおいでおいでおい?訳がわからんないゾ」

ドアを発見、しかしそのドアの前には

しんのすけ「チューリップ?アサガオ?よくわかんないゾ」

しんのすけの服のように赤い花を手にする

しんのすけ「一応持っておくゾ」


しんのすけ「せっかくだから部屋も見ていくゾ」

静かにドアを開けると髪の長い女性の絵が飾られている...しかし

しんのすけ「額縁から髪が出てるゾ...」

一歩後ずさる すると足に何か固い感触

しんのすけ「青い鍵?」ヒョイ

ギヒッ

しんのすけが青い鍵を拾うのと同時 髪の長い女性の絵が不気味に笑う

しんのすけ「そ、そんなに見つめちゃ照れるゾ...」

顔を赤くしながらしんのすけは部屋を後にする


しんのすけ「このチューリップ 満開じゃないゾ...そうだ!」

チューリップ(仮)の活けてあった花瓶には少量の水が残っていた

しんのすけ「これで元気に...!体が軽くなったゾ」

チューリップ(仮)が満開になると同時に花瓶に入っていた水は無くなっていた

しんのすけ「ほっほーい!鳥みたいだゾ!...あれ、壁の字が変わってる...えかせえかせえかせえかせ?」

しんのすけが元来た道を歩きながら読み進めると足元にも字が書いてあった

しんのすけ「『えせ』?オラ知ってるゾ!こういうのは日本語が不自由っていうんだゾ!」

しんのすけはフフン、として歩いていった 自分で『か』の字を踏んでいたことに気づかず


しんのすけ「お?またドアがあるゾ...開かない...さっきの鍵で...開いたゾ!オラって天才~!」ガチャ

その部屋にはたくさんの虫の絵が飾られている

しんのすけ「どれも上手いゾ」

アリ「ぼく アリ」

足元には一匹のアリがいた

アリ「ぼく 絵 大好き ぼくの 絵 かっこいい ぼくの 絵 みたいけど ちょっと 遠い とこにある」

しんのすけ「アリがしゃべったゾ...でもシロもしゃべれるからおあいこですな!」ウンウン

あっちかな、と細い道を発見 しかし注意書がある

"はし に ちゅうい"

しんのすけ「はし...お箸...お茶碗が左手だから...右がダメだゾ!」

突如右から真っ黒な腕が伸びてくる!
左によって歩かなければどうなっていたことか

しんのすけ「うわっはっはっは!オラを甘く見すぎだゾ!」ココマデオイデー

伸びている腕に捕まるギリギリの位置 すなわち道の中央で挑発するしんのすけ しかし反対側からも腕が伸びてきた!

しんのすけ「うわっは...あ、危なかったゾ...この建物のなかのものを怒らせない方がいいかもしれないゾ...」

しんのすけの謎の安定感


しんのすけ「アリの絵アリの絵...これだな、よいしょ」ガタッ

額縁から絵だけを取り出す

しんのすけ「ホイ」

アリ「あ それ ぼくの 絵 やっぱり かっこいい うっとり」

しんのすけ「よかったねアリさん じゃ!」ガチャガチャ

しんのすけ「扉が開かないゾ...また鍵がいるのかも お?」

しんのすけ「道があるけど穴が開いてて通れないゾ そうだ!」

アリの絵が入っていた額縁を橋にかける

しんのすけ「オラの体重なら...通れた!」


しんのすけ「なにこれ、このマネキン頭がないゾ かなりナイスバデーだけど頭がないんじゃなぁ」


しんのすけ「鍵鍵...あったゾ!今度 春日部公園でみんなと宝さが」

ズズッ

しんのすけ「...今、頭無しマネキン略してタマキンが動いたような...」

タマキン「...」ブチッ

ドドドドドドド!!

しんのすけ「うわああああ!かあちゃんと同じですぐ怒るゾ!!」ダダダダダッ

ひゅー...ガシャーン!

しんのすけ「ひぃっひぃっひぃいっ!」ダダダダダッ

しんのすけは急いで拾った鍵で次の部屋へと進んでいった

アリ「うっとり」


しんのすけ「もう追って来ない...いい加減疲れたゾ...」ゲッソリ

そこに一枚の絵を発見する

『赤い服の女』

しんのすけ「??読めないけど、もう絵はたくさんだゾ...」

しかし突然、絵から女が上半身を乗りだし迫ってくる!

赤い服の女「オハナチョウダイオハナチョウダイオハナチョウダイオハナチョウダイ」ズリズリズリ

しんのすけ「やっと会えたキレイなお姉さーん!!」ダダダダ

赤い服の女「!?!?」ビクッ

しんのすけ「オラとお茶しない!?それとも納豆!?ネギ入れちゃう派~!?」ダダダダダッ

赤い服の女「~!」ズリリリリリリ!!

しんのすけ「行っちゃったゾ んもう、照れ屋さんなんだから~」エヘエヘエヘ

無個性にも飛び込んで行くかと思った
ナイスバデーだからな

しんのすけ「この部屋は本がいっぱいあるゾ」

"うっかりさんとガレッド・デ・ロワ"

しんのすけ「ほうほう」パラッ



『うっかりさんとガレッド・デ・ロワ』

「お誕生日おめでとう!今日はあなたのためにガレッド・デ・ロワをつくったのよ!」

「なにそれ?」

「このパイのなかにコインが入っていて、食べたパイのなかにコインが入っていて、それを食べた人は幸せになれるの!」

「おもしろそう!」

「じゃ、人数分に切り分けるね」

もぐもぐ

「...あ、硬いもの飲み込んじゃった!」

「あはは、うっかりさーん!きっとコインだよ!」

「うふふ、包丁とお皿を片付けてくるね」ガチャ


「あれ、ママどうしたの?」カチャカチャ

「このテーブルに置いておいた書斎の鍵がないのよ」

「え、だってそこに...あれ...コインだ...」

「どこかしら、パパに怒られちゃうわ」スタスタ

「...どうしよう」カチャ



「私ってばうっかりしてたわ」

ザクッ ドシュッ

「ママ、鍵あったよ!いま開けるね!」



しんのすけの目の前の真っ赤な扉が開く


しんのすけ「うっ...これは...」

しんのすけ「知らなかったゾ...包丁でカンチョーするとすぐに出てくるなんて...」



みさえ『今日で一週間だわ...』ハァ



しんのすけ「さすがにないゾ」

ibの美術館が楽しい物に思えてくるなw


しんのすけ「!誰か倒れてるゾ」

ギャリー「うぅ...」

しんのすけ「なんだぁ男か、なにか持ってるゾ」モゾモゾ

小さな鍵を手にいれた

しんのすけ「開いたゾ...」ガチャ

青い服の女「スキキライスキキライスキキライスキキライ...」プチプチ

しんのすけ「年下の男の子は好きですかー!?」ダダダダダッ

青い服の女「ヒイイイィィィィィ!?」ズリリリリリリ

バリーン!

しんのすけ「まど突き破ってっちゃったゾ、ここはシャイなお姉さんが多いなぁ」

しんのすけ「なにやってたんだろ...青いチューリップ?」


しんのすけ「このチューリップぼろぼろだ、花瓶花瓶...めっけ!」

しんのすけは青いチューリップ(仮)を花瓶に活けると満開になった



ギャリー「うーん...あら、苦しくなくなった?」

しんのすけ「よっ!」

ギャリー「うわっ!」

しんのすけ「やっ!」

ギャリー「な...今度はなによ!もうなにも持ってないわよ!!」


しんのすけ「ほい」つチューリップ(仮)

ギャリー「アタシののバラ...?アンタもしかして...美術館にいた...人!?」

しんのすけ「そうとも言う!」

ギャリー「そうでしょ!あぁ良かった!アタシの他にも人がいた!」


ギャリー「そっか...じゃあアンタも何でこんなことになってるのかわからないワケね」

しんのすけ「なんかここに来る以外どうしようもなかったから...」

ギャリー「アタシの方も大体同じよ それに」ゴソゴソ

ギャリー「このバラ...花びらちぎられると自分の体に痛みがでてきてさー」ゾワッ

ギャリー「さっきは死ぬかと思ったわ...取り返してくれてありがとね」

しんのすけ「どういたしかためまして!」

ギャリー「それを言うなら...まぁいいわ、ここから出る方法を探さない?」


ギャリー「こんな気味の悪い場所、ずっといたらおかしくなっちゃうわ」

ギャリー「そういえばまだ名前聞いてなかったわね アタシはギャリーっていうの アンタは?」

しんのすけ「オラ、野原しんのすけ!」

ギャリー「しんちゃんね 子供一人じゃ危ないからね...アタシも一緒に付いていってあげるわ!」

しんのすけ「ブ・ラジャー!!」

ギャリー「行くわよ!しんちゃん!!」スタスタ

絵『ブペッ』

ギャリー「ぎゃーっ!」

しんのすけ「...じ~~」

ギャリー「い、今のはちょっと驚いただけよ!本当よ!」

しんのすけ「ふぅ、ああ言えばこう言う...」ヤレヤレ

ギャリー「アンタはなんも言ってなかったでしょーがっ!」


ギャリー「あ、アンタのバラは赤なのね」

しんのすけ「バラ?チューリップじゃないの?」

ギャリー「チューリップじゃないわよ、トゲがあるでしょ?バラよ、バラ」

しんのすけ(なんか松坂先生のクラスっぽくていやだゾ)ゾワッ

ギャリー「?顔色悪いわよ」


しんのすけ「ワカメのお兄さんはなんでそんなしゃべり方なの?もしかしてオカマさん?」

ギャリー「ワカッ...ギャリーよっ!オカマじゃないわよ しゃべり方だけよ」

しんのすけ(ハイグレ魔王とかローズさんとかオカマには縁があるゾ)シミジミ

ギャリー「アンタ信じてないでしょ」

ハイグレ魔王とか懐かしいwwww


ギャリー「あら、ドアの前にマネキンが立ち塞がってるわね」

しんのすけ「ふん...んぎぎぎぎぎ...!...びくともしないゾ」

ギャリー「しんちゃんどいてなさい、ふんっ、くぅ...」ズズ...

しんのすけ「こういうときに大人の力がたよりになりますなぁ」ウンウン

ギャリー「ぐっ...」ズズ...

しんのすけ「でも絵的にはタマキンにセクハラしてるように見えるゾ」

ギャリー「んぬ...ぬぬ!」ズズッ

しんのすけ「変な声まで出して...こういう犯罪者な大人にはなりたくないゾ」

ギャリー「だああっ!うるっさいわね!なによタマキンって!あと誰が犯罪者よ!」ゼェゼェ

しんのすけ「息づかいまで...」

ギャリー「誰のためだと思ってんのよ!」

待ってたよ


ギャリー「なにこの大きい手...」

しんのすけ「泣いてるお嫁さんの絵だゾ」

ギャリー「そっちにお婿さんもいるわよ」

しんのすけ「なんで泣いてるの?」

花嫁「しくしく」サッ

しんのすけ「ウィザードのポー」

ギャリー「じゃないわよ!指輪してないわこの子!」

花婿「しくしく」コクコク

ギャリー「はぁ、あんまり関わりたくないんだけど、見つけたら渡すわ」

おもしろーい!
あたしの書き込みもみてね♡

>>33
てめーはくんなっつの
もしくはだまってみとけ呼び込みすんなバカ


しんのすけ「指輪指輪...ここかな?」ガチャ

無個性「!!」ドドドドドドッ

ギャリー「!?」バタンッ!

ギャリー「ち、ちょっと!すごい勢いで走ってきたわよ!?」

しんのすけ「え?前もこんな感じだったゾ?」

ギャリー「...子供に過剰反応するとかかしら、それともアンタなんかしたの?」

しんのすけ「んー、名前つけてあげただけだゾ」

ギャリー「なんて?」

しんのすけ「タマキン!」

ギャリー「そら怒るわよ!全力で襲いにも来るわ!」


ギャリー「うーん、アタシだけ入ろうか?」

しんのすけ「でも3人もタマキンいるんだよ?はさみうちにされたら...」

ギャリー「そうよね...なにか囮でも...あ」

しんのすけ「お?」


しんのすけ「ほっ!ほっ!ほっ!」タタタタタッ

無個性「!!!!!」ドドドドドドッ

ギャリー(今のうちね...)コソッ

ギャリー「ん...ボタンだわ」カチッ

ゴゴゴゴ...ガゴン

ギャリー「よし、撤収ね ちょっとマネキン達!」

無個性「!?」アアン?

ギャリー「その子のバラならアタシが持ってるわよ?」ヒラヒラ

無個性「!!」

しんのすけ「今だゾ!」タタタタタッ

ギャリー「よし、撒いたわね」

無個性「!!」ドドドドドドッ

しんのすけ「んじゃ、そういうことで!」バタンッ

無個性「~~~~~~!!」オノォォォレェェェェェェ!!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月07日 (金) 22:57:12   ID: Y2B94-E0

タwマwキwンw

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