【ラブライブ!×ウィクロス】希「あの出会いは」ウムル「奇跡」 (91)


希「び、びっくりしたあ……」

???「正常な反応じゃなあ。大丈夫かの?」

希「だ、大丈夫やけど……大丈夫じゃないかも……」

希(ことりちゃんから貰ったカードがまさか喋るなんて)

???「わしはの、ウムル、という者……カードじゃな。さて、ヌシの名は?」

希「う、ウチはね、東條希……」

ウムル「ほほう。……なるほど希望の希で『のぞみ』……因果なもんじゃな」

ウムル「ヌシは『セレクター』として選ばれた。選ばれた、選択する者……」

希「な、なんなん一体……」

ウムル「ヌシ、いや主よ。夢限少女を目指して共に頑張ろうぞ。あっはっはっは―――――」


これが、ウチと不思議なカード『ウムル』との出会いやった。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408967328

希望、願望、欲望……
それぞれの思いを胸に、
少女たちは、危険なゲームの渦に巻き込まれてゆく……!

ラブライブ!×selecotrのコラボSSとなります
基本はウムルとの対話によって進行します
まったり更新です(はやくしんこうしてください)
あまりバトルには重きをおいていません(バトル描写は一応あります)
ウムルちゃんかわいい

時間は少し遡り、放課後……

ウチは、部室にばらまかれたカードをじっと見つめていた。
恐らくは穂乃果たちが残していったものだと思うのだが、なんだろう?注意するとか片付けるとかいう感情よりも、手にとって触れてみたい、という気持ちが先行した。
綺麗なイラストだ。他にもテキストが書いてある。

希「トレーディングカードゲームってやつやね」

裏面は黒色。白色のカードもある。
そして特徴的な書体で『WIXOSS』と記されていた。

希「ウィクロス……?」

ことり「穂乃果ちゃんったらカード忘れて……あ!希ちゃん!」

希「ことりちゃん。どうした……あ、これね」ヒラヒラ

ことり「うん。穂乃果ちゃんたちと遊んでたんだけど、急用ができちゃったらしくて、先帰っちゃったの」

希「あまりに急ぎすぎた穂乃果ちゃんはカードを忘れちゃったわけか…穂乃果ちゃんらしい」

~お片付けタイム~

希「ところでこれ、なんなん?」

ことり「『ウィクロス」っていう最近新しく発売されたカードゲームだよ~。今、音ノ木坂ですっごい流行ってるんだ~」

ことり「希ちゃんもやってみる?」

希「へえ……面白そうやん♪」

希「『ブラック・スピリチュアリティ』……?」

ことり「うん!いつもお世話になってるお店の店長さんがくれたんだ~。新デッキなんだって!」

希「……ふむふむ。つまりこれひと箱でもう遊べちゃうわけやね」

希「ありがとうことりちゃん。明日までにはルール覚えとくからな~」

ことり「うん!あ、片付け手伝ってくれてありがとっ」

希「どういたしまして。じゃあ、またな~」



現在~


希(デッキを開封してみたらしゃべるカードなんて……なんてスピチュアルな!)

ウムル「どうしたんじゃ?呆けた顔をして」

希「そりゃ呆けたくもなるよって」

希「だってカードが、喋ったんよ!?」

ウムル「うむ。主の反応は普通じゃな。だから、これから納得のいく説明をしようと思う」

ウムル「よーく聞くんじゃぞ。わしはな、『ルリグ』という存在じゃ。そして、そのルリグを持つ主は『セレクター』と呼ばれる」

希「さっきそう言っとったね。…むげんしょうじょ?がどうとか」

ウムル「そうじゃ。主よ、ヌシは『夢限少女』となれる資格がある」

ウムル「夢限少女とは、言わば『願いを叶えられる自分』。主にもあるじゃろう?叶えたい願いが。年頃の女の子じゃからな」

希「そ、そりゃあ、ウチにもあるよ。そういうのは」

希「……つまり、願いを叶えてくれるってこと?ウムル?ちゃんが?」

ウムル「まあ、大体そうじゃ。理解が早くてたすかるのう」

希「……もっと、詳しい話を聞こか?」

ウムル「ふふふ。わしはお喋り好きじゃ。いいじゃろう。たあんと、なんでも聞いてみい」

希「どうすれば願いは叶うん?まさか無条件で叶えてくれるわけやないよね?」

ウムル「そりゃあそうじゃ。条件はあるぞ。……もっとも、主は勝負強そうじゃし、案外楽に願いを叶えられるやも……いや」

ウムル「願いを叶えられる存在になれるかものう」

希(なーんか引っかかる言い方やね……)

希「…これはカードゲーム。そしてウムルちゃんはカードそのもの。つまり、ウィクロスで誰かと勝負すればええのね?」

ウムル「正解じゃ!主は頭もかなりきれるようじゃなあ?」

希「要するに、勝てばええんよね。そうすれば、願いを叶えられる……」

ウムル「そうじゃな。ただし!」

希「ただし?」

ウムル「バトルに勝ち星をつけられるのはわしと同じ『特別なルリグ』を持った『セクレター』とのバトルのみ」

ウムル「そして……自らの願いをかけたバトルに三回の敗北を喫すれば……」


ウムル「主の願いは永劫の闇へ消え去る」

希「……まあ、お願い事が叶うんやし、そういう『代償』はあるんじゃないかなあ、とは思っとったよ」

希「他人の願いを犠牲にしてでも、自分の願いを叶える、ってことやんな。それ」

ウムル「……まあ、強制力はない。ただ、わしを授かれたというだけで相当な強運じゃ。それに、時間ならまだまだあろうよ」

ウムル「バトルするしないも、その冴えた頭でとくと考えることじゃな」

希「そうやね。……ことりちゃんとの約束もあるし、ルールを覚えるところからやな。ねえ、教えてーな」

ウムル「おう!いいぞいいぞ!まずはゲームの始め方から……」


希(…スピリチュアルやな)

翌日~雨の日の放課後・部室

穂乃果「うえ~雨ってことは練習できないじゃん!」

凛「体動かしたいよ~!」

海未「穂乃果、凛も、少し落ち着いてください」

ことり「ほら、ウィクロスしようよ!昨日は勝負の途中で終わっちゃったし」

穂乃果「あ!そうだった!ごめ~んことりちゃん。じゃ、せっかくだしやろっか!」

凛「え!?なになに!?凛にも見せて!……かっわいいにゃ~」

希「…………」

希(そういえばμ’sのなかにもいるかもしれんのよね)


希(セレクターが)

明日の予定がありますので一旦ここでお休みします。
再開は明日の夜八時ぐらいの予定です!

ウムル「おうおう!やっとるのう!」

希(喋った!?ちょ、そんなことしたらバレて……!)

海未「もう、パワー計算間違えてますよ。そのシグニはパワー12000です」

穂乃果「じゃあバトルで勝てないじゃん!むむー!」

ことり「二人共がんばれー!」

凛「なんだかわかんないけどすごそうにゃ!」

希(結構な大きさの声やったけど……みんな聞こえてないみたいや……)

ウムル「うん?ああ、何をまた呆けているのかと思えば。そんなに驚かずともわしの声はセレクター以外には聞こえんよ」

希「あはは……穂乃果ちゃんってばドジやなあ」

希(そう言われてもここで話すわけにはいかんのよね……)

希「すまんけど、学校ではおとなしくしててもらえる?」(超小声

ウムル「うむ。そうじゃなあ。おとなしくするとしよう……ふぁ……退屈じゃ……」

希(これはちょっと心が痛いな……まあ、少しの辛抱や)


希「あ、次終わったらウチも混ぜて~♪」

『え~六時になりました~。残っている生徒は窓を閉め、鍵の確認をしてすみやかに下校してくださーい。なお、台風が近づいているため、下校の際には細心の注意を払って……』


希「はい、《コードアンチ・テキサハンマ》でとどめやんな♪」

海未「うっ……くっ、負けです。ありがとうございました」

ことり「希ちゃん、すご~い……。海未ちゃんは私たち全然勝てないのに……」

穂乃果「しかもそれ新しいカードだよね!見せて見せて!」

凛「凛もやりたいにゃ!」

希「あはは……。運がよかっただけよ~。海未ちゃんのプレッシャーもすごかったで」

海未「次は負けません……!」


穂乃果「じゃあ、時間にもなったし帰ろっか!」

希の家~

希「ふー。あれからデッキ作りのアドバイスとかカードを見せたりして疲れたなあ……」

ウムル「わしはその間、バトル模様の実況中継じゃよ」

希「あはは。結構おもろかったよ」

ウムル「それならば良い。ところで」

ウムル「バトルする気は起きたか?」

希「バトル……夢限少女になるか?って意味やんな。それ」

ウムル「勿論じゃ。まー別にしないならしないでそれもありじゃ……人それぞれの」

希「なってみようかな、ウチ」

ウムル「希望や願望というのは……ん?なんじゃと?」

希「なる、って言ったんよ」


希「夢限少女に」

ムル「急かしたのはわしじゃが……随分と潔いの」

希「ふふふ。思い切りがいいのだけが取り柄でな……本当は珍しいもの見たさの野次馬なんよ」

ウムル「あっはっは―――!!それでもいいではないか。このような巡り合わせ、一生に一度しかない奇跡ぞ!」

ウムル「……それでは、聞こうか。主よ。おヌシの望みは……なんじゃ?」

希「ウチの…いや」


希「私の望みは―――」

希「すぅ……ん……すぅ……」

ウムル「寝たかの」

ウムル「……今回は随分聡い子になってしまったのう」

ウムル「いや……こんな言い方は止そう」

ウムル「……わしも寝るかの」

ウムル(夢の限り……か。主……ノゾミの願いは……)

ウムル(神秘的じゃな……この巡りは)

翌日・土曜日 雨の日

朝。

希「台風か~。穂乃果ちゃんにかかれば消し飛ばせそうなもんやけど……」

ウムル「そのホノカとかいうおなごは何者なんじゃ……」

希「ふふ。スーパーラッキーガールなんよ」

ウムル「それは神秘的じゃな」

昼。

ウムル「むう……退屈じゃな」

希「じゃ、デッキ組み直そか?ウムルちゃんのアドバイスもあれば嬉しいし」

ウムル「そうじゃな!ウミ…だったかの?あの娘との対戦で気づいたこともあるしの……」

希「じゃあ、アキバまで行ってカード買おっか」

ウムル「もしかしたらセクレターにあえるかものう」

希「いっくでー!」

夜。

希「ただいまー……」

ウムル「カードの収穫はあったの」

希「セレクターはおらへんかったけどね……」

ウムル「あのような人の波のようなところにもいないとはの……」

希「ウムルちゃんは分からないん?そういう……なんかセレクターの気配みたいな……オーラ?」

ウムル「あー、わしはそういうの苦手じゃなあ……すまんの」

希「あはは、ええって。多分、大会とかに行けばさすがにいると思うんよ」

ウムル「ああ、なるほど。納得じゃ」

希「日時も調べてたんよー?……で、明日、近場のカードショップであるんよ」

ウムル「ほうほう!?」

希「出ようと思う」

ウムル「そうと決まれば、デッキカスタムじゃ!」

希「おー!」


この時、ウチはまだ甘く考えてた。
自分で言った『代償』という言葉の意味や、願いをかけたバトルのこと。
人が持つ『願い』の重さを、苦い汁を啜るように、
ウチはこれから、味わうことになる―――

区切りがついたので今日はここまでです。(明日も予定があるのですごめんなさい)
明日からは長く書けるのでもう少しの辛抱を……
また、書き込みあざます。期待に応えられるよう、しっかり書き切ります。
また、アニメセレクターを一人出そうかなあ、と思いました!
『るう子以外』のアニメセレクターを一人書いてみてください。戻ってきた時に多かったキャラを出そうかな、と思います
また、特にない場合は私の独断と偏見で出します

さすが人気なあきらっきー!
書けるのは24時ぐらいからになりそうです

翌日の夜・秋葉原某所のウィクロスパーティ 

希「へえ、日が落ちてからなんやな……」

ウムル「まーセレクターの存在は秘匿というか……都市伝説のようなものじゃから、『闇に紛れる』という意味での時間帯なんじゃろう」

希「スピリチュアルやね……あ、すいません、今日のウィクロスパーティに参加したいんですけど……」

店員「お、女性のプレイヤーとは珍しい!……ってμ‘sの希さんじゃないか!応援してます」

希「ありがとう♪」

ウムル「『営業すまいる』ってやつじゃの」

店員「はい、じゃあここに名前を。ハンドルネームでも構いませんよ」

希「……じゃあ『のんたん』とでもしておこかな」

店員「ありがとうございます!あ、私も個人として大会に出るので、当たった時はよろしくお願いします!…では、開始までしばらくフリースペースでお待ちください」

希「どうも~」

ウムル「一段落着いたのう」

希「そうやね……って、ん?カメラ?」

ウムル「なんじゃ騒々しい……」

希「……雑誌の取材、っていうの?TVも来とるみたいやね」

希「一体なにを目当てに……」

視線を引いたのは、少々派手な見た目の小柄な女子だった、女子中学生だろう。
片や黒髪の美しい静かな子。二人がカメラの前でなにやら話しているようだった。
ウィクロスを宣伝しているようだ。

ウムル「なんじゃ?主と同じく『すくーるあいどる』というやつか?」

希「……読者モデルってやつよ。ウチらとは少し毛色が異なる…方向性かな。色々と違う存在」

希「派手な子が蒼井晶。黒髪の子が浦添伊緒奈……二人共有名や」

ウムル「はーん。詳しいの」

希「スクールアイドル始めてからは近しい業界にも興味がでてきてな。調べたんよ」

希「確かに、ウィクロスをやっていると、二人共大々的にアピールしとった」

ウムル「……なんか匂うのう。隠し事の匂いが」

希「二人から?」

ウムル「うんむ。二人共何か、人には簡単にあかせぬ『秘密』を抱えておる」


ウムル「……あの二人、どちらかはセレクターと見て間違いないじゃろうな」

希「なあんだ、わかるやん」

ウムル「正直言って、『大きな秘密』を抱えているということしかわからん。まあ、状況を見てもその可能性が高そうだったのでな」

希(……まあ、確かに過去の雑誌見てると、少しやりすぎかと思うくらいにウィクロスの話題を出してるし、対戦者まで募集する異常な熱中ぶり……セレクターらしい特徴は多い)

希「せめて大会に出てくれればわかるかもしれんな……」


???「だあ!やっぱりいいって!今日で三店目だし……アキバまできてやることが大会!?いいって私は別に」

???「だって遊月ってば新しいカード探しに来てるのにすぐフリースペースでバトル始めちゃうからお店の人に睨まれてすぐ出て行くことになるじゃないか」

???「花代さんもなんか言ってよお!」

???「バカだね遊月。せっかく香月と二人きりなんだから、今のうちに好感度あげときな」

???「だぁ///!!花代さんんんん!!!もう黙っててよお///!!」

???「え?花代さんがなんて……ちょ、逃げないでよ遊月!」

ウムル「二人しかいないのに明らかに三人で会話してたの」

希「しかも話してるのはあの女の子と別の女性で、あのおにいちゃんには聞こえてないみたいやった」

ウムル&希「「セレクターだあ!!」」

ウムル「おうんじゃ!」

希「モチのロンやっ!」


『え~それではこれより××カードアキバ店のウィクロスパーティを開始しまーす!エントリーされた方はデュエルスペースへ移動を……』

希「くううううううう!!!!」

ウムル「タイミング悪いのう」

希「お金も払ってるんや。仕方ない。あの読モの子と当たればらっきーと考えよ」

希「どうやら、大会には蒼井ちゃんが出てくれるみたいやし」


晶「えぇ~!?私、大会にでちゃっていいんですかぁ?」

店員「はい。あの蒼井晶がでるとなれば、いい宣伝になりますし、それに晶さん強いって聞きましたよ!」


晶「ふふふ~ん♪まあ、見ててよねぇ。みーんなあきらっきーが倒しちゃうんだから♪」

ウムル「なーんか薄気味悪いというか……不安を煽るようなやつじゃな」

希「……ウムルちゃん。他にセレクターっぽい子、おる?」

ウムル「うむ。わしもそれが気になっての。さっきから探しとるんじゃが……いかんせん女子が少ないの。来る場所を誤った気がするわい」

希「じゃあ、なおのこと蒼井ちゃんが怪しいってわけや」

希「まあ、勝てばええんよな」

ウムル「そうじゃな」


ウムル(主よ、見知った相手とは互角以上の戦いができたが、他人との戦いはどうかのう?)


『では、バトルを始めてください!』

希「ウチのターン、ドロー!」

希「ウムルちゃんをグロウ!」

ウムル「まだまだ退屈じゃな」

希(三回勝てば……蒼井ちゃんのいる上位卓まで上がれるはず)


希「この勝負、ウチのもんやっ」

晶「うふふ……あなた、セレクター、だよねえ?」

女子「……!やはり貴女も」

晶「いきなり私とヤれてらっきーって感じかなぁ?」

女子(……仕組まれたっ!?こいつ……!)

晶「ざぁんねんでしたぁ~♪」

晶「アンタはここでおしま~い!始めたばっかの初心者だって、さっき聞いちゃったからね――――オープン!」


晶「たぁーっぷりかわいがったげる♪」

いったほど進行できなかった……
今日はここまでですが、起きたら書きます!

希「……ウムルちゃんでアタックや!」

プレイヤー「……僕の負けです。ありがとうございました」


ウムル「やはりそんな苦労せずに勝てたのう」

希「あはは……。褒めてもなんもできへんよ」

希「それに、本番はここからなんやし」

ウムル「あのアオイとかいう娘、盛大にやりおったようじゃな」

希「あれ……?あの子さっき蒼井ちゃんと対戦してた……もうドロップ?」

ウムル「アオイがなにかした可能性は高いの」

ウムル「セレクターでないなら、普通に屠れそうなものだが……。じゃが主よ。もしアオイがセレクターだとしたら絶対に躊躇うなよ」

希「躊躇うって……何を?」

ウムル「戦いに勝利することを、じゃ」

ウムル「三回負けるまでは大丈夫、という考えは捨てるのじゃ。セレクターとの戦いは常勝の気概で挑まねばならぬ」

希「あはは……それは昨日確認したことやろ?大丈夫やって」

ウムル「念には念を、というやつじゃよ。それに、諦観している主であろうともセレクターバトルはこれが初めて。『ウィクロス』をやるのとはまた違う……」

希「ほぅれ、わしわし……はできないからすりすりー」

ウムル「うおお、なんじゃあああ!!!……びっくりするじゃろうが!」

希「大丈夫やって。ウチを信じて?」

ウムル「むぅ……まあ、わかっているならよいのだ」

『第四回戦のマッチングを発表しますー!』

希「さあて、どうなるかな……」

『……第二テーブルは、『のんたん』さんと『アキラッキー』さんです』

希「占い通りやね」『愚者』のカードヒラヒラ

晶「どうもどうも~♪」

晶「ってあれれえ?あなた、μ‘sの東條希!?」

希「知ってもらえてるとは光栄やね。カリスマ読者モデルの蒼井晶ちゃん」

晶「……あはは!こちらこそー♪じゃあ、さっそくバトル……」

希「あ、ちょっとええかな?」

ウムル「オヌシ、セレクターか?」

晶「……ッ!」

晶「こりゃびっくり☆」

晶「にしても、あきらってば今日はツキすぎてて怖くなっちゃうなあ……まさか一日で二人のセレクターに会えるなんて、らっきーすぎるよお!」

晶「ねえ、そう思わない?ピルルクたん?」

ピルルク「……そうね」

晶「ちぇっ……反応薄いなあ……」

晶「ま、いいや!仕切り直しも出来たし……」

希「始めようか」


希&晶「「オープン!」」

バトル描写はアニメと同じくダイジェスト形式となります

~バトルフィールド~

希「あはは、随分と面白いとこやな」

ウムル「開錠……と」

晶「背景が黒い……黒使いさんかあ……!」

ピルルク「……開帳」

頭上に取り付けられた円盤状の機械が動き始める。
時計の針のようなものが青色のところで停止した。

晶「やったぁ!先行だよお♪」

晶「じゃあ、まずはグロウ!」

ピルルク「………」


希「ウムルちゃん、グロウや!」

ウムル「退屈じゃのう」

晶「……《コードアート J・V》を出して……スペル《TOO BAD》☆」

晶「右から二番目の手札をぽいっちょしてもらうよ!」

希「くっ……」

希(ガード持ちを捨てさせられた)

晶「さらに攻撃だよ!《コードアート J・V》と《コードアート R・F・R》で攻撃!」

希「…《コードアンチ・コスタリスク》のライフバースト!」

希「あとは《エナチャージ1》や」

晶「随分、運がいいね……でもあきらよりは下~。ピルルクたんで攻撃♪」

希「三点も奪われちゃったね……」

ウムル「ここからじゃよ」


希「《コードアンチ・マチュピ》で《コードアート R・F・R》をバニッシュや」

希「そしてアタック!」

晶「……!へえ結構やるじゃん」

晶「アイドルっていうのは、こーんなお遊戯もこなすんだねえ!」

希「曲がりなりにもセレクターになったんや。当然のことやろ?」

希「ウムルちゃん、やっちゃって!」

ウムル「おうとも!」

晶「……ふふ、そろそろ」

晶「ここで仕掛けちゃおっかなー!ピルルクたん?」

ピルルク「……アーツ、《ピーピング・アナライズ》」

ウムル「む、主よ。なにかやばいぞ」

希「……!」

晶「これからー。晶が宣言した数とおんなじレベルを持ってるシグニをぜーんぶ手札からぽいぽいしてもらいまーっす☆」

希「へえ……あててみなよ」

晶「……まーそりゃ状況考えれば4、なんだけどさー。なーんか腹に抱えてるよね、東條希さん」

希「………」


晶「きーめたっ!レベル4、でしょ?」

希「……残念やなあ。大当たりや」

《コードアンチ・パルベック》《コードアンチ・パルテノ》 ハンデス

ウムル「小賢しい真似を……!」

晶「あはははっ!テンプレートな攻め方だから絶対レベル4ためてると思ったよ!」

晶「しかもぱんぱかぱーん♪追加効果だよん!ピルルクたんってばやっちゃって☆」

希「まだなにかする気なん?」

晶「ドキっ☆みんなの願いはなになにっ?のコーナー!」

晶「ピルルクたんがこれから、あなたの願いを見てしまうというだけの拙いコーナーでえっす♪」

晶「まあ、アイドルってぐらいだし、どうせみんなからチヤホヤされたいとか、ありきたりでつまんない願いだろうけどね―――!」

希「なっ……!」

ウムル「いかんノゾミ!聞くな!耳をふさげ!」


ピルルク「……不明瞭」

ピルルク「願いはある。でも、それが正確なビジョンを持ってない」

ピルルク「もしかして、アイドルにも実は興味がないのかな」

晶「……ぷっはは!μ‘sって確か9人のグループだったよねえ?まさか仲良しごっこしてるだけとか?」

晶「それとも~♪一人だけ夢から覚めちゃった感じ?」

晶「かわいそー!まあ、確かに雑誌なんかで見てるとあなただけ雰囲気が違う感じだし~」

晶「のんたんの心はひとりぼっち!誰も求めてない!あははははは!!!」


希「ウチには……なんも、ない…?」

ウムル「ノゾミ!そいつの言葉に耳を貸すな!ノゾミっ!」

晶「アイドルなんて所詮、そんなものだよねー」

晶「結局、みんなの理想を演じてるだけ。だから…」

希「……ウチを馬鹿にするのは、別にええ」

晶「っ!」

希「けど、アンタはμ‘sを否定した」

希「許さへんよ」

晶「はっ!ライフ2枚のくせにいまさら何ができるの!」

晶「先輩は先輩らしく、とっと表舞台から消えな!」



晶「アタック!」


希「……」ライフクロス残り1

希「《想起する祝福》……トラッシュの《コードアンチ・パルベック》を手札に」

晶「しぶといなあ……!ターンエンド」

ウムル「ノゾミ……」

希「大丈夫。ウチは、大丈夫」

希「行くで」

希「スペル《ロスト・テクノロジー》!」

希「ウチのシグニ3体をトラッシュに置いて、アンタのライフを二枚割る」

晶「ぐっ!くそ……こいつなんでこんな……」ライフクロス残り1

希「これでライフは一枚」

希「さらに手札から三体のシグニ!」

ウムル「アーツ、《デス・コロッサオ》!」

希「ウチのレベルが異なるシグニ3体をトラッシュに置き、アンタのシグニは全部バニッシュや」

希「《コードアンチ・パルベック》を召喚、効果で《コードアンチ・アステカ》をトラッシュから場へ!さらに《コードアンチ・クリスカル》も蘇生!」

希「アタック―――!」

ウムル「いっけえ!!」

晶「調子に乗ってんじゃねーぞおおおお!!!!」


晶「《FREEZE》!これでてめえの攻撃は通らない!」

希「なっ……ここで《FREEZE》を引くなんて」

希「でも、まだやっ!ウムルちゃん!」

ウムル「わしの攻撃を忘れてはおるまいな?」


晶「あはは。最初に言ったでしょ?あきら、今日はらっきーなんだよ?」

晶「《ガード》♡持ってるに決まってるじゃん☆」

晶「あきらのターン、だよね?」

希「ここで……」

ウムル「まだじゃ。見ろ、奴だって手札もエナも少ない」

ウムル「勝機はある」

晶「なーに寝言言っちゃってるんだか……年増はもう寝なよ!」

晶「私のターン!」

晶「のんたんの手札はゼロ!ということで…《BAD CONDITION》☆」

晶「パルベックをバニッシュ♪」

晶「さらにさらに~?」

ピルルク「アーツ、《ドロー・ツー》」

晶「カードを二枚引いちゃいます!」

晶「はい、シグニ3体」

希「……!」

晶「攻撃だよ☆」

希「《コードアンチ・パルテノ》……」ライフクロス残りなし

晶「うわ、まだ引く?まあ、空しいけどね…手札ゼロ枚なんだから……」

晶「ピルルクたん、やっちゃって」


希「ウチの……負け……」

ウムル「すぅ……すぅ……」
 

晶「あはは……ほんと惨め、だね」

周囲の雑音に紛れたそれは、ウチの耳にはひどく鮮明に残った
ウチは、これ以上なく惨めに負けたのだと、自覚させられた
何よりも、

ピルルク『……不明瞭』

ピルルク『願いのビジョンが、ない』

ウチの心には、なにもないの……?

続きは夜からです

すいません。昨日は急用で書くことができませんでした。
今から再開します

休み明け、空もすっかり晴れ模様。
当然ウチらは練習がある。
非日常の激しさから一瞬乖離したそれは、ウチにとって救いの場だった。
みんなと踊るのも。
みんなと歌うのも。
すべてが心地良い。

だが、自分の、この心はみんなと本当に同じ場所にいるのか?
この立っている場所がみんなと同じだと、胸を張って言えるだろうか?
ウチにはそれが分からなくなっていた。

絵里「……希?」

希「えりち……どうしたん?」

絵里「ちょっと怖い顔してたわよ」

体が強ばった。
そんなにも自分は思いつめていたのかと、振り払うように頭を振った。

希「あはは、ちょっと考え事」

絵里「何か、あったのね」

こういう時、相談して、とかそういうのは一切抜きで、責め立てるような迫り方をするえりちには敵わない。

希「……えりちはさ、『こうありたい、こうあれる自分でいたい』とか、そういう願望はある?」

希「所謂『理想、願望』ってやつ」

希「それを明確に想像できる?」

絵里「なによそれ」

絵里「それはどちらかというと希が一番知ってそうな事だけど……」

絵里「そうね、有り体に言えばそんなのないわ」

絵里「あるとすれば、今が理想なんじゃないかしら」

希「……理想っていうのは、未来のことかと思っとったけど」

絵里「今、ここにあるものがその人にとっての理想なのかもしれないわよ」

絵里「曖昧な質問に曖昧に答えてすまないけれど、私たちは、もう子供じゃない」

絵里「思い描いた理想が、確実に現実と相反することを知っているわ」

絵里「だから、無意識に『理想』を求めなくなる――『現実』を見ることに躍起になる」

絵里「だからなのかな、私は、今μ’sのみんなといれることを『奇跡』だと思うわ」

希「『奇跡』?」

絵里「ええ。私たちは、『満たされた側』なのよ。多分。だから、こんなことを言える余裕がある」

希「……そうやったんやな。あはは、なんで気づかなかったんやろ……ありがと、えりち」

絵里「こちらこそ。……なんかかなり恥ずかしい上に説教臭くなっちゃったわね……」

半笑いでそう言ったえりちの顔は、眩しく見えた。


家に帰り、自室の机にしまってあったウムルを取り出した。
あれから、まともに話せていない。
話さなきゃ。

ウムル「のう」

ウムル「話が、ある」

希「ウチも……話があるんや」

ウムル「……わしから話す」

ウムル「主……いやノゾミ」

ウムル「わしを廃棄するんじゃ」

希「……っ!」

希「なんで……なん?」

ウムル「アキラとのバトルで分かった。オヌシは夢限少女になるべきではない」

希「……ウチは」

ウムル「……少し話をしてやる」

ウムル「あるところに、一人の少女がおった……」

その少女は、代々そこに祀られている神に祈りを捧げる巫女の家の娘じゃった。
当然、その娘も巫女となった。
だが、巫女にはその家を継ぐことではなく、普通に生きて、普通に死にたいという願望があった。
神に祈りを捧げるだけの毎日が嫌だったんじゃな。
巫女は度々、己の責務を放棄して遊び回った。
最初はよかったが、段々いい目では見られなくなってきた。
そして運命の日、娘の暮らす村を嵐が襲った。
被害は大きく、死者もそれなりに出た。
じゃが、巫女の暮らす神社だけはほぼ無傷の状態じゃった

これを見た一人の村人が言った。

「あの家の巫女が自分たちだけを助けるよう神に言ったに違いない」とな

他にも「神への祈りが足りなかったせいで村がこうなったのだ」と主張する者もいた。
遊びまわっていた巫女は、その言葉になにも言い返すことができない。
事実、自分は遊びまわっていたのだ。祈りを捧げてもいなかった、なら自分はこう言われても仕方がないと、巫女は思ったのじゃ

それと同時に後悔した。
激しい後悔の末に、巫女は『自分の代わり』を作った。
自分の思い、『自分を助けて欲しい』。それだけのために……

希「その子は……どうなったん?」

ウムル「『代わり』は巫女の想像以上のはたらきをした。誠心誠意謝罪し、自らの潔白を訴えた。そして、その後は立派な巫女として生涯を過ごした」

希「それって…」

ウムル「ああ、『代わり』がやったことは全て巫女でもできたことじゃ。ただ、それを行うにはあまりにも足りないものが多すぎた」

ウムル「巫女はどこかに消えたよ。行き先は誰も知らぬ」

ウムル「……願いを叶えられる存在が言うのも変な話じゃが、大抵の願望はその人自身の問題で、当人に解決可能な欲望じゃ」

ウムル「ノゾミ、オヌシは既にかけがえのないものを手にしているのじゃよ」

希「ウムルちゃん……」


ウムル「オヌシは既に夢限少女……」

ウムル「『願いを叶えた存在』なんじゃよ」

希「でも、ウチにはまだそれが分かってない!」

希「あの日の言葉も、ウチが望んだものなのか分からない」

ウムル「それは……これからわかることじゃ」

ウムル「ただ、オヌシにはもうわしがついている必要はないんじゃよ」

ウムル「ここでお別れじゃ、ノゾミ」

希「……早すぎるよ、まだ一週間もたってないんよ……?」

ウムル「じゃが、オヌシと一緒に過ごせた時は泡沫の夢のようであったよ」

ウムル「実に心地良い時間じゃった」

希「ウムルちゃん……!」

ウムル「一緒に戦えて楽しかったよ……」

ウムル「わしは…」


ウムル「この有限の刹那でノゾミと笑い合えてよかった……!」


凛「あ!希ちゃん!おはよっ!」

希「おはよう、凛ちゃん」

別れから一ヶ月ほど経った。
今でもウィクロスは続けている。

凛「凛の新しいデッキを見るにゃー!」

花陽「凛ちゃんっ!そんなに走ったらあぶないって!」

真姫「そうよー。小学生じゃないんだから……」

今はすっかりμ’sのみんなもドハマりだ。
勿論一番強いのは……

穂乃果「《金木犀の巫女 タマヨリヒメ》で攻撃!」

凛「ううううううう負けにゃああああ!!悔しいいいよおおお」

希「ほな、ウチとやろっか、穂乃果ちゃん」

あの日言われた『望み』の内容は、未だに不明瞭なままだ。
でも、迷いなんてない。
ラブライブ優勝という願いへ向かうウチたちの意思が、偽物だなんてこと、絶対にありえないんやから。
ありがとう、ウムルちゃん―――

希「オープンっ!」

  ~fin~

一応、終わりですが、ウムルの方もどうぞ

『エンドフェイズ』


ウムル「うーむ、暗いのう」

ウムル「デッキの次はパックとはの……人気者はつらい」

ウムル「さてさて、次はどんな因果がめぐるのじゃろうな……うお揺れるっ」

ウムル「お、光じゃ……」

ウムル「新たなセレクターの誕生じゃのう」


ウムル「……こんなところで、やぁ、我が主よ。」


ほんとにおしまいです。
ここまで見てくれた方がいましたら本当にありがとうございます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月02日 (火) 18:43:39   ID: zZtT-KZe

こんなところでウムルを見られるとは思わなかった。
内容も面白かった。ウムル可愛い!

2 :  SS好きの774さん   2014年09月02日 (火) 21:03:25   ID: japdAXmD

※1は?どこがいいの?さっぱりじゃねぇの。なんか中途半端だし、最後まで行けよって感じこんなんで終わりだったら、イミワカンネェよ元ネタ知らんが、糞だろう、元ネタは打ち切られたのwww ソードマスターヤマトのがまとまってるわwww

3 :  SS好きの774さん   2014年09月02日 (火) 21:06:24   ID: japdAXmD

希ちゃんが可愛いだけだな、
なんだこの駄文わwww もう死ねよ

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